商工委員会 第5号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/10/29
会議録
○委員長(田畑金光君) これより商工委員会を開会いたします。委員の異動について御報告いたします。去る二十四日、伊能繁次郎君、伊能芳雄君、山本利壽君、黒川武雄君が辞任し、その補欠として小沢久太郎君、吉田萬次君、西田隆男君、林屋亀次郎君がそれぞれ選任されました。また二十七日、西田隆男君が辞任し、その補欠として平井太郎君が、昨二十八日、平井太郎君が辞任し、その補欠として堀本宜実君が、林屋亀次郎君が辞任し、その補欠として大谷贇雄君がそれぞれ選任されました。また本日、古池信三君が辞任し、前田佳都男君が選任されました。 —————————————
○委員長(田畑金光君) 本日は、まず調査事件について一般質問を行い、そのあとで鉱山保安法及び鉱業法の改正案を審議したいと存じます。 それでは調査事件について御質疑のおありの方は、順次、御発言願います。
○阿部竹松君 久しぶりで大臣がおいでになったので、鉱業法と鉱山保安法の改正の御質問を申し上げる前に、一般通産行政について御質問申し上げるわけですが、実は高碕通商産業大臣に二つ、三つお願いがあるのです。 今までの委員会に非常に通商産業大臣はお忙しいので、次官の方でも、あるいは局長さんでも、話のわかる方ならけっこうだということで、当委員会はやってきたわけです。しかしどうしても大臣にお伺いしなければならぬ点も審議の過程で出てくるわけです。しかし前回に至っては、この委員会の開催途中で、大臣はもとより出席しない、次官はどこへ行ったかおられない。僕が石炭のことでちょっとお伺いしたいと思っても、石炭局長もおられぬ。こういうことで四十日の会期が三分の一過ぎてしまった今日、この委員会は十件ほど法案があるのだけれども、一つもまだ委員会をパスしておらぬという状態なんで、大臣も予算委員会等あってお忙しいことだということは理解できるけれども、やはり努めて出席するように一つお願いしたいと思うのです。特に警察官職務執行法なんというあなた方約束しないやつをぽつんと出してきて、公約したことは一つも審議しない。公約せぬ警察官職務執行法などを出してきて、われわれとにかく仲よしクラブといわれる商工委員までもえらい目にあっているのだから、大臣は副総理とまでいわれているのだから、そういうことをほかの法案の審議とにらみ合せて、一つ閣内であんなものをふっ飛ばしてこっちをやろうじゃないかという発言をしてもらいたい。 そこで第一番にお伺いすることは、ドイツの経済相ですか、エアハルトさん、この人が経済相であり、副総理だというように私聞いておるのですが、高碕大臣もまあ日本の閣内の経済相であり、本会議で並ぶ席順を見ると、岸さんの隣りで、前に石井さんがおすわりなっているところにおすわりになっているので、副総理だということを社会党では認めているのです。そこで私はエアハルト経済相の話を聞いた中で、いろいろ参考になった点があるのだが、日本の対外貿易と内政問題と二つの点について、対外貿易、東南アジアから始まっていろいろあるのですが、ダンピングするからいけない。こういうことをいっているのが第一点と、それから日本の国内の労働政策に関係あるのですが、どうも低賃金だ、従って購買力がきわめて低い、こういうような状態で、勤労者の低賃金政策というものを直さなければ、これはうまくいかないのじゃないかということで、マルクの奇跡とまでいわれたドイツの戦後の経済復興は、あの人一人でやったとはいいませんけれども、九〇%まではあのマルクの奇跡というのはあの人がやった。あの人が日本の経済界の診断をやって、当っているかどうかわかりませんけれども、通産大臣にお話なさったと思うのですけれども、外国の問題に対するあの人の見解は、今申しました国内産業の低賃金、日本の少い購買力、こういうものに痛烈な批判をなさっているわけです。この点について、大臣はもっともだとお思いになりますかどうか、まずお伺いいたします。
○国務大臣(高碕達之助君) 御希望の点、私はできるだけ、商工委員会を尊重いたしておりますから、時間のあります限り必ず出席したいと思っておりますから、よろしく御審議を願いたいと思います。 それからエアハルトの問題でございますが、お説のごとく、あの人は自由主義経済の考えを持った方でありまして、ドイツの復興は自由主義でいかなければならぬ、ただしそれには社会施設、社会政策というものを十分加味してやるべきものだ、この考えで進んだ人でありまして、過去十年間、あのドイツの復興をやった偉い人であります。私の私淑しておる一人であります。今回幸い日本に来られたものでありますから、できるだけ二人きりで会う時間を作りたいと思いまして、それも日本の状態を視察してからのちに会いたい、こう思いまして、この金曜日に私会う予定にいたしております。 断片的にいろいろお話を聞いておりまして、まだこれは私直接話したことでございませんから、ここで批評は差し控えますが、新聞紙上で見ますと、日本はダンピングをやっておるから、どうもこれはいかぬのである、ヨーロッパ市場において五%か一〇%ぐらいの値段の差があるのならともかくも、三〇%、五〇%という値段の差があるということは、これはいかぬ、これをもう少し高く売るようにしたらもっと売れるだろう、こういうような注意をしておるように私は新聞紙上で見ております。これは本人から聞いたのではありません。しかしそのダンピングということ、低賃金ということを指摘されておりますが、これは日本の現状に即して——日本は御承知のように比較的に大企業と中小工業とありますが、ヨーロッパ市場で問題になっておりますものは繊維工業だけでありまして、これは御承知のごとく、製品はおもに中小工業が作っております。この中小工業の日本の現在における賃金というものは決して私は高いとは申しません。非常に低い。アメリカに比べて、ドイツに比べて低いと思いますが、しかし中小工業の今の組織状態では、その生産の数量というものは、一人当りの生産の数量がきわめて少いわけでありまして、ドイツの例をとりますと、ドイツの一人当りの生産とそれに対する賃金というそのカーブと日本のカーブとはほぼ一致しておるわけであります。これはドイツから日本をそういう低賃金だといわれることはないだろう、低賃金であるだけにそれだけ日本の中小工業は生産を上げてないということであります。従いまして中小工業はいかにして生産性を向上していくべきかということを考えていかなければならぬわけであります。その問題が表面に出ればエアハルトに会ってよく質問をしてみたい。なるほど低いことは低いが、生産をもっとふやして、そうして賃金をもっと上げていくということにいかなければならぬ。ところが大企業の方はどうかと申しますと、中小工業と比較いたしまして、比較的高い給料を取っております。今、ドイツの大企業と比較いたしますと、こちらは大体半値ぐらいになっております。しかしこれとてもドイツの生産の数量と比較いたしますと、こちらの生産はドイツの半分ぐらいになっておる。こういうわけでありますから、その点から申しますと、今単に日本の状態が低賃金であるから、これを上げていったならば、もっと輸出が振興されるという議論を私は承服できないわけでありまして、この点につきましては、私相当議論をする余地があると思っておりますが、これはよくエアハルトに会って、その問題が出れば、私は話しする考えでございます。 それから第二の、その結果——これは私は見方は正しいと思います。できるだけ国内の消費をある程度ふやしていかなければならない。それには国内の賃金を上るようにして購買力をふやしていかねばならない、これは私は全く同感でございますが、それにつきましても、つまり日本が国際的の貿易、国際的の競争に打ち勝っていくためには、やはりこの生産をふやしていくということにしていかなければならない。従いまして大工業と言わず中小工業と言わず、もっと生産を向上して、そしてその各自の取り前をもっとふやしていって、消費をだんだんふやしていくということに持っていくことは正しいと存じておりますが、この点については、私とエアハルトの意見とほぼ一致しておる点でございます。
○阿部竹松君 エアハルトの意見と一致しておるとおっしゃるけれども、大臣のお話を今承わってると、必ずしも一致しておらぬわけですよ。しかし別に私はエアハルト経済相の言ったことをとっつかまえて、あなたと論争する気はないけれども、しかし低賃金問題について、国内はさておいて、外国へ日本で製品を作って持ち出していっても、日本の製品が高いから、この物価は高いからというおしかりをこうむるよりは、やはりダンピングであるからまことにけしからぬと言っておしかりをこうむる場合が多いように私は聞いておるのですよ。ですからエアハルト氏の意見などは、やはり相当僕は参考になるんではないかというように考えて、今御答弁もいただいたわけですが、必ずしも話の過程で、そりゃ一致しておるというお話ですが、賃金の問題でも大臣の言わんとするところはそうでしょう。しかし毎日々々の政治というものはあなたのおっしゃる通りに動いておりませんよ、御承知の通り。そしてその次にお伺いいたしますが、たまたま三木経企長官もおいでになりましたので、これは三木さんにこの前の前の委員会でお尋ねしました、あの銀行の公定歩合、日歩の切り下げに従って中小企業金庫かな、商工中金とか、これは国民金融公庫は私どもの委員会でない、大蔵委員会ですが、ああいうものの金利をどうするんですかと、中小企業が頼らんとする商工中金等の金利をどうしますかというお話をあなたに質問したところが、それは下げますと、あなたが明確に言明された、明確にね。あなた、にやっと笑ったってちゃんと速記録に書いてあるのですから。ですからさっぱりその後三木さんの意のあるところ、僕に答弁してくれたのが何か政策に出てくるんじゃないかと思って、毎日三木談話等を大いに気をつけて見ておるのですが、それについてはあの場限りの答弁であったものか、全く今度の予算を組むに当って、財政投融資、中小企業をどうするのかという政策を含めてやられるものか、これは三木大臣でもけっこうですし、直接中小企業を御指導なさっておる高碕さんでもけっこうですから、その点を私だめ押しする意味ではございませんけれども、どうも約束が守られておらぬ気がしますので、明確に承わっておきたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 私の管轄じゃございませんから、それは下げますというふうに言ったということは、阿部委員の聞き間違いだと思います。そういうことは言えるわけではない。ただ豊田委員からも同じような御質問があってやはり金利が国際金利に比べて非常に高すぎる、これがやっぱり企業全体の経営の非常な重圧になっておる。国際競争力を減殺する、一方において中小企業、こういう日本の賃金から言っても、生産性から言ったところで、非常な格差があるわけですから、こういう中小企業の金融に対しては、やはりこの金利をできるだけ下げることが好ましい、いろいろ資金コストの問題もございましょうけれども、そういう方向において努力をいたしたいとお答えをしたので、やりますなどということは申し上げたのではないのでありますが、これは今度通産大臣も同じような考えだと思います。できるだけ努力をしてみたいと思っております。
○国務大臣(高碕達之助君) ただいま三木長官からお答えいたしました通りでございまして、先ほどエアハルトの話もありましたが、われわれやはり賃金が安い安いと言われますけれども、どうしても日本の金利が世界金利と比較いたしまして高金利であるというわけでありますから、私はドイツが日本が低賃金だというけれども、お前のところは低金利でダンピングするではないかということを言いたい、こう思うのであります。従いましてわれわれは資本は少いですが、できるだけ国際金利に近いように金利を持っていくようにすることに努力をいたしたいと思います。
○阿部竹松君 おそらく三木経済企画庁の長官は、そのような御答弁で逃げられると思って僕は速記録を再三再四読んでみたんです。努力などというお言葉もその中に入っているけれども、最後はやはり断定したような明確な御答弁がございます。これは自民党の議員総会だと、あなたにごまかされるかもしれませんけれども、あなたはお口が達者だから。しかし当委員会はあなたには、ごまかされない、そういうあいまいなことでは困るので。それはそれとしてあとで秘書官にもどういうことを言ったか読んでいただけば一目瞭然ですから、それ以上には進めませんけれども。そうしますと、大体具体的にどういうことになるのか、大学校の先生が講義をするようなお説でなく、具体的にどういうふうになるのか、今回の銀行金利の引き下げに従って、商工中金なり何なりが努力してみましょうと、そういう抽象的なことではどうも困ると思うのですが、それはどうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 今御承知のように、公定歩合は数回にわたって引き下げて、市中の金利もこれにならっております。しかし商工中金その他の金利は、これまた原資もいろいろ違うわけでありますから、政府が全体として日本の金利体系というものを整備しよう、こういうことでただいまどういうふうにということを具体的に申し上げられる段階ではないのでありますが、全体として金利が高いのでありますから、これをできる限り公定歩合を引き下げるということは、景気の刺激というよりかは、金利のあのことによって市中金利も引き下っていくという効果の方が重視されなければならぬ、今日ではそういう意味において、これは中小企業金融等については、農業等においてもこの間小団地の農業投資に対して三分五厘の金利、あの制度を設けたんですが、こういうことともにらみ合せて、これは何らかの結論を出すように努力をしてみたい、これは努力をどういうふうにやっておるか、これは当然政府全体の金利体系の整備ということで話し合わなければならぬことでありますから、これは寄り寄りいつも問題になっているわけです。金利問題はそれでできるだけ早く結論を出したいと考えております。阿部委員のごときものを口先でごまかせるものでもございません。そういう不届きな量見を持っておらないのです。ほんとうにやろうと思っております。
○阿部竹松君 日本銀行から始まって、市中銀行へ順次下っていくということによって影響をしていくんだというところは、よく理解できるわけです。しかし実際問題として、小さい——政府が財政投融資をやっております商工中金等から、金を借りる人々は三菱銀行なり、三井銀行あるいは富士銀行、一般市中銀行、こういうところから金を借りられないのです。ですから、もちろんだんだん回り回って、それは大銀行が金利を下げることによって最終的には影響してくるでしょうが、私はやはり直接政府が財政投融資をやっているああいうものこそ、逸早く手を打たなければならぬと考えておるのですが、長官の話はわからぬわけではないですが、回りくどい。あるいは中小企業に対するカンフルする注射の役割を果さぬのではないかというような気がしてならないのです。あなたはどういうような御判断をなさっているのですか。
○国務大臣(三木武夫君) 市中銀行の金利が下ることは、市中銀行というものは大企業ばかりのものでもない、という点では恩恵を中小企業も受けておるのに違いないわけです。ただ今言ったような商工中金あるいは国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫、こういうものの資金コストという問題があるわけです。多少のやはり回収というものに対してもいろいろな点で問題があるわけです。中小企業というものはそういう点でいろいろ担保力も不足でしょうし、いろいろ問題があって、資金コストの点からもあるが、しかし今の金利というものが適当だとは私は思っていない。もう少しやはり下げられなければならぬ。そういう点で今私自身がここで幾らにするという、金利を引き下げるという意見を持っているわけではありませんので、阿部委員に対してこういたしますということを申し上げられませんが、しかし今の金利というものが適当だとは思っていないのだ、そういう意味において国務大臣としてできるだけこれを下げるような方向に努力をしたい、これが精一ぱいのこの場合の答弁でございます。
○阿部竹松君 これは通産大臣の御関係ですから高碕さんにお伺いいたしますが、本会議で、何日か忘れましたが、わが党の代表が、岸さんが総理大臣になられてからどうも東南アジアその他の方があまり歓迎しておらぬようだというような話からいろいろ始まって、本会議の中で集中された論議の的になったのですが、そのとき岸さんが、それはもうココム、こういうものを緩和して非常にやりやすくなった、こういうとにかく御答弁があったのですが、しかし実情を伺ってみますと、ココムが緩和になったということは、これは御承知の通りなのですが、しかしそれによって日本と中共の関係が悪くなって、中共が一方的に東南アジアに乗り出して来た。ココムが緩和されることによってかえって逆に日本以外の国から東南アジアにどんどん品物が入ってくるということになって、現在、今の立場で判断するならば、ココムの緩和というのは逆に日本に悪影響を及ぼす、こういう論議をやっておる人々があるわけです。これについて通産大臣はどのように御判断なさっておるのですか。
○国務大臣(高碕達之助君) お説のごとく、ココムが緩和されたことによって中共が受ける恩恵は相当多いと思います。今まで持ってこられなかったものを自由主義の国から持ってこられる。だが、東南アジアではココムの緩和そのものは直接は影響のないわけでございます。しかしわれわれがいろいろ努力しておったココムがこの八月に緩和されたということで、その恩恵をわれわれが受けないということは、これは対中共貿易に関する限りにおきましては、緩和されたことは今日の現状におきますれば、マイナスだと存じております。つまり日本以外のところから、緩和した品物が欧州の市場から入る、こう見なきゃならぬと存じておりますから。
○阿部竹松君 そういう点を岸さんが得々と本会議で得意になって答弁をされておったが、そういうことを非常に心配しておる人があるので、そういう場合に何か手を打っていただきたいというのが要請になるわけですが、それに関連して、なぜ中共と貿易ができぬかということについてこの間だいぶ三木さんとやり合いましたから、立場が違うからこれはやむを得ないでしょうが、その点はわかった、わからぬではなくして、これはやむを得ないというのであなた方の立場を尊重します。 そこで問題になるのは、ヨーロッパでもアメリカでもそれぞれ貿易をやっておるのですが、やはり何といっても東南アジアというところは無視できないと思う。しかし今の状態でいくというと、やはり無視できないという東南アジアにだんだん中共その他から入ってきてしまって、さて日本がやりましょうというときには地盤がもうなくなるのではないかということを僕たちはしろうとですから考えておるわけです。それは今中共との貿易の額あるいは台湾との貿易の額、こういうものを判断すればどうなるかわかるけれども、さて台湾、中共を除いて東南アジアが一体どうなるかということはお前はしろうとだからわからぬと言われればそれまでですが、しろうとはしろうとなりに心配しておるわけです。日本がいよいよ高碕政策が充実されて、さて東南アジアに乗り出そうといたしましたときには、お得意先がもうきまっておったというようなことになっては大へんですから、そのあたりの方法はいかようになされるつもりなんでしょうか、その点をまずお伺いしてみたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 日本の対東南アジア貿易の問題は、現在中共との貿易関係が杜絶しておりますためにどうこうということでなくて、私はかりに中共との貿易が正常関係になっても、これは相当考えなければならぬ問題だと、こう思っておるわけですが、しからば中共がその後どういうような進出の仕方をしておるかということを調べてみますというと、昨年度までの数字から申しますと、一九五三年を一〇〇といたしますると、中共は多分昨年度は一三五%の増加と思っております。これに対してわが国は一九四だと記憶いたしております。九四を増加しておるということで、昨年までは私は相当日本の力が伸びておったと思っておりますが、昨年から本年にかけての進出は相当ひどいものでありまして、それはどんなものがあるかというと、二級品の繊維品、セメント、それから陶磁器、それから板ガラス、紙類とか雑貨、最近においては小型な機械類等も相当進出してきておるようでありますが、中共の営業の方針は、御承知の国営貿易でありますから、従いまして経済ということよりも、むしろ国が外貨を要するところには少し無理をしても出す、この方針をとる。従いましてこれと価格をもって競争するということは、これはとてもいけない。そういうことをやったら、これは泥田に足を突っ込むようなことになる。価格で競争することはできない、そう考えなければならぬ。しからばどういう方法でやるかと、こういうことでありますが、それは現在やっております程度のクレジットと延べ取引を奨励するということとともに、中共がやっておりますのはバーターがおもですから、従いまして、できるだけほかの国から持ってくる品物で東南アジアから買い取り得るような品物は、そこは多少値段は高くてもそれを買い取っていくという、その方針を第二に立てなければならぬ。 それから第三には、どうしても中共でできない製品——それは重化学工業品——に相当力を注いでいきたい。むろん中共においても重化学工業のあるものはある程度相当進んだものもありましょうが、しかし一日の長を持っておる日本は技術の振興によってさらにいいものを作るということにしなければならぬ。それから現在売り込まれております綿製品にいたしましても、またその他の製品にいたしましても、中共よりも技術が進歩しておるという優良品をもって当っていくということにする。これを簡単に申しますというと、延べ取引なり、あるいはバーターなり、あるいは品質の向上なり、あるいは今申しました製品のアイテムの項目を変えていく、この方針で進んでいきたいと思う。特に私は東南アジアにおきましては、あの経済力が豊かでないところでありますから、できるだけ機械工業、プラント類、こういうものは中共よりも進んでおるのでありますから、日本が機械工業が発達しておるわけでありますからそのものを持っていってその国の工業を発達せしめて、輸出も増進してやっていくという、この方針が根本の方針でなければならぬと、こう存じております。
○大竹平八郎君 今阿部委員からの、中共の東南ア進出についての質問に大臣からいろいろ御答弁があったのでありますが、中共の進出の一番根本というものは、この前の委員会でも大臣からも御答弁されたと思います。香港を中心にしての金融の一本化と、それから貿易機関の統一化ということが、これは中共なるがゆえにできるのでありますが、そういう意味において日本もそれに対する具体的な対策というものがやはり私は必要ではないかと、こう思うのでありますが、そういう点においてやはりこれは日本の進出というだけでなく、現地の華僑も含めて貿易の金融機関というようなものが私は必要じゃないかと思うのであります。ただ品物で競争するといいましても、大体これはインドネシアの一つの例を見ましても、今大臣の言われた通り、どっちかというと、第二次的なものが多い。昨年の例をあげてみると、大体綿糸布が五〇%にいっている、それからセメントが三〇%、ミシンが五〇%、これだけ日本がいわゆる中共に食われておる。これのエージェントといいますか、取扱い関係というものは、大体華僑関係が日本の貿易業者との関係で非常に多いわけです。そういう意味で、日本がどうしてもほんとうに大事な東南アジアの、昨年を見ても約九億ドルくらいあるのでしょうか、この市場を確保して、そうして中共の進出に戦う、というと語弊がありますが、戦うということになれば、やはり、貿易の金融機関というものが私は必要じゃないかと思うのであります。すでに一部におきまして、これは正式な金融機関といっていいかどうかしらぬが、石原産業あたりで、いろいろ手を打っておるように聞いておるのです。そういうことでなく、政府が出資をして、それから現地の華僑等の按分比例はどのくらいになるかわかりませんが、一つの貿易金融機関を現地に作るということが一番私は当面の問題として大事じゃないか、こう考えておるのです。この問題は、ずっと前に私ども多少関係があったのでありますが、シンガポールの有名な胡文虎、これは南方華僑を代表し得る実力を持っておる人なんです、これと、日本の財界の長老であって、そして中国並びに東南アジアに非常な尊敬を受けておりました前の正金の頭取の児玉さんが中心になりまして、そういう銀行を作る前提として、その時分、たしか占領政策下にあったと思うのでありますが、亜東銀行というものが立てられて、あるいは大臣も御存じだと思うのでありますが、そうしてその亜東銀行を足場にして、胡文虎と合弁銀行をこしらえて、そうして東南アジアの市場の確保のために一つこの銀行を大いに働かせる、こういう案があったのでありますが、いろいろな策動と、それから大蔵省の無理解によって、ついにこれは到達することができなくなって、亜東銀行は、御承知のように鮎川一派にこれは独占されて、中小企業助成銀行、こういう工合に変形していったのであります。そういう意味で、一つ東南アジアに合弁の金融機関を作るということについて、大臣はどうお考えになられるか、また石原産業が現にやっておる事実も大臣は御承知だと思うのでありますが、これについて一つ御意見を伺いたいと思う。
○国務大臣(高碕達之助君) 私は中共貿易とか、ソ連貿易等も同様でございまして、相当その国の産業貿易に対して、経済的でなくて、政治的の圧力を持ってくる相手に対しては、やはりこれはある程度の政治的の考慮が必要だろうと、こう思っておるわけでございます。ただいま政府が考えております場合におきましては、東南アジアの貿易につきましては、できるだけ業者の自発的の進み方をしてもらいたい、それに対して政府は輸出入取引法等をもちまして、これでよく善導していく、同時に、これに対する金融は、できるだけ政府の力でやっていく、しかし責任は業者に負ってもらう、この方針で進んでいくべきものだと私は存じております。今政府はすぐにここに政府の責任において現地に貿易をやる金融の銀行を作るというまでは考えは及んでおりませんですが、しかし大竹議員のおっしゃることも私は一つの案だと思っておりまして、相手国の政情が安定し、相手国の経済が安定するという見込みがつくというときには、あるいはそういう方法も考えていかなければならぬと思っておりますが、それにはやはり相当予備工作は必要でありまして、今すぐに政府が出て、現地に政府の息のかかった銀行を作るというふうなことは、あの人たちに悪い感じを持たし、かえってこちらの好意が悪影響を来たすというふうなことも一応考慮していかなければならぬ。今お話しの石原産業のごときもやっておりますが、あれは政府の力を借りずに、できるだけの、外貨の問題における政府の力を借りるとか、本人の力でやりまして、しかもそれは現地の銀行にするということで、こちらの関係はきわめて内部的の関係にするというふうに進んでいるようで、よほど憶病に、よほど周囲の状態を考えてやっているようでありますから、そういう点はよほど考慮する必要があると思っております。
○阿部竹松君 さっきの御質問に対して、中共とは金額の面でなかなか太刀打ちできないから、支払い方法について延べ払いとかあるいはまた重工業、軽工業もそうでしょうが、中共よりも一日の長があるから、そういう幾つかの利点をあげて、これで一つやっていきたい、こういうふうな大臣の御答弁でしたが、僕は今日この場合ではそういう御答弁でけっこうだと思います。しかし、実際問題として新聞の伝えるところが正しければ、延べ払いとかそういう支払い方法、取引の金銭のやりとりについては、必ずしも高碕大臣のおっしゃるようなことを大蔵省が考えておらぬようであります。あるいはまたあなたのおっしゃっているようなことを、佐藤大蔵大臣の新聞発表等は同じでないように私は拝見さしていただいているのであります。それから重工業、軽工業その他が技術が一歩進んでいる、これは大臣と私同感です。しかしながら、今申し上げました通り、それは今日この場所でいえることであって、もう五年たてばどういうことになるかということは、大臣もやはり十分御考慮になっていると思うのです。今ここ二、三年静観をするのだといって足踏みをしている、向うは日進月歩進んでいけば、さてやりましょうといったときは、さいぜん私が申し上げた通り、全然お得意さんがきまってしまって、日本品は入るところがなくなるというようなことで、今日の御答弁としては満足だと思うけれども、少くともやはり一国の経済相として将来どうなるかという御心配は全然ないわけですか、もうさいぜんお話し申し上げた通りのことが五年も十年も持続するとはお考えになっておらぬと思いますが、そういう点を私非常に危惧しているので、一つ安心感を与えるような御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 阿部委員の御指摘のごとく、世界の経済は刻々と動いております。ことに東南アジアのごとき非常に変化のはなはだしいところでありますから、これでいたずらに静観しておれば、現状維持ということは退歩でありまして、世の中が進んでいるわけでありますから、それに対抗するために十分の積極的の努力をしていきたいと、こう存じております。
○阿部竹松君 積極的というお言葉はいいし、そうあらねばならぬということもわかるのです。しかしどうするかということになると、何ら案を持ち合せないということになりはせぬかという心配があるわけですが、大臣が積極的にやられるというので、特段に一つお願いしておきます。 その次に繊維と同じに、やはり現在不況だといわれる石炭ですが、十日ほど前の新聞に石炭が一千万トンくらいオーバーしたので、それで炭鉱業者の諸君が集まって、二百万トンほど香港ですか、新聞によって違いますけれども、香港かカラチかカルカッタの方へ持っていってダンピングをやる、トン当り十一ドルだから大体千円くらいコストが安くつくけれども、出血ダンピングもやむを得ないということで決定したというようなことを新聞で拝見したのですけれども、そうすると、大臣なり石炭局長なり、この前はなはだ失礼であったかもしれないけれども、どうも見通しが甘くて、とんでもないことになりますよという苦言を申し上げたのですが、あまり僕の予想よりも早くそういう事態がきたので、これは一体どういうことになるのか、こういうことを通商産業省が指導なさっているのか、石炭が一千何百万トンも余っているのですから、結局掘れ掘れといったのはあなた方で、とにかく炭鉱業者にけしかけておいて、そうして掘らせて、今度余ったからこれは困る、外国へ持っていってダンピングやる、一割五分の出炭制限だというふうな、繊維に匹敵するような状態がきているわけです。そこの対策はいかようなことになるか、一つお伺いしてみたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 御指摘の石炭が予想以上に消費が減退いたしまして、最初五千三百五十万トンといったあの数字がだんだん減って参りまして、今日ではどうしても、今期の生産は五千万トンを割らなければならぬというほど、それだけこの貯炭がふえてきておる、貯炭はいまだかつてない大量に貯炭をしなければならない、こういうように陥ってきましたことは、これは政府といえば政府の責任ももちろんありましょう。しかしながらこれは世の中の景気、世の中の状態等がかくなってきたわけで、これは見通しを誤まりつつあった、誤まりということはこれは業者も一緒に責任を持ってもらうということで、相ともに責任を持っていかなければならぬ、こう存じておるわけであります。その結果、私ども石炭の現在の貯炭をどういうふうに減らすかということを考えなければならぬ。それには現在国内で消費する人たちに、多少平常の貯炭よりも多くてもこれは将来を考えて持ってもらいたいといって、消費者に働きかけて、これを持ってもらうことも講じ、また石炭の消費を増進するために、下期における油の外貨の割当もわずかでありますけれども、石炭に換算いたしまして百万トンに相当するくらいの油の外貨の割当を減らす、あの手この手を使っておるわけであります。その結果、業者の方である程度のものを外国へ持っていって売ればいいじゃないかということについては、これは政府は輸出振興という意味からやってもらいたいということで、私どもはこれを奨励しているわけであります。価格をどうするかという問題は、これは業者自身が考えなければならぬ、こう存じておるわけであります。
○阿部竹松君 その二百万トンですが、外国に出すのは、輸出振興などという御判断をされたのは大きな誤まりではないかと思うのです。これはコストよりも今はとにかくトン当り一千円も安くダンピングするのですから、僕はそういう点大臣と見解を異にするのです。それと同時に、もう一つ僕は業者の代表でありませんけれども、業者と平等の責任だとおっしゃるけれども、業者は、だめですよ、そんなに掘ったって売れませんよと話をしたところが、あなたの方の政党でお作りになったのかあるいは政府でお作りになったのか、その当時は河野さんが長官だったが、企画庁の指示したことかもしれませんが、業者がだめだというのをこれだけ必要だ、五カ年計画の一環としてやってくれということで、あなた方大いにけしかけたのでしょう。あのときは神武景気を謳歌している時代だから、それでよろしゅうございますということで、坑内設備をやって、どんどん人を入れて、さて始めようというときにがたがたっときてしまったんですね、そうでしょう。これは大臣もお考えになると思うんですよ、現実の問題としてそういうルートをたどってきておるのですから。そうすると、それはいいですよ、お前が悪かったとか、僕が悪かったといって僕はけんかしようとは思っていないから。今そのあと始末をやらなければならぬ責任が政府にあるような気がするのです。僕は経営者がもうけようがもうけまいが、そこまで僕は心配はしないが、せっかく膨大な費用をかけて、人を雇っても、人が全部首切られるわけですよ。九州の中小炭鉱なんか次々と倒れていっている、これは労働省に行ってお聞きになればわかるのですよ。これは政府の政策で、業者がだめだというやつを無理に日本の基幹産業だといって石炭を掘って、さてこれでやろうというときに首を切られてしまう、経営者も資本主義社会だか政府のいうことばかり聞いておりませんよ。人間をいつまでもかかえておりませんよ。一五%出炭制限をやれといっているから、輸出振興だといって一トン千円も安いものを売るのでしょう。とんとんならいい、それが一トン五千円くらいの中から一トン千円安いダンピングをして、そうしてそれを輸出振興の一環だといっているなら、通産大臣にものを申したいわけですね、ほんとうにそういうつもりですか。石炭を外国へ輸出振興の一環だといって、何ぼ安く売ってもいいということですか。
○国務大臣(高碕達之助君) 私は今幾らでこれの引き合いができておるかどうか知りませんから、これを、ダンピングを非常にやるということは、はなはだおもしろくないと思っておりますが、実際私どもは商売人として——商売人というのははなはだ何ですが、これを考えてみますと、一千万トンの貯炭をしてみて一年持たなければならぬということになると、これはトン当り五百円か千円の損はいくわけですから、どうせ損するものなら多少安くてもその品物を片づけていくということは、業者として私は商売人として考えるのは当然だと思っているわけでありますが、これはまだほんとうは相談に乗っておりません。はっきり申しますと、相談に乗りましたときに、私はその考えを申したいと思いますが、今の阿部さんのお説の、千円安くやってしまって、ダンピングをやるのはどうかというふうな説も、大いに傾聴する必要はあると思っておりまするから、できるだけ一つ高く売るように努力させるつもりであります。
○阿部竹松君 相談をやっておらぬということになると、これはまた重大な問題で、そういうことで、あなた方が指導したり、やはりあっせんしたりする僕は責任はあると思うのです。石炭局なんて何のためにあるのですか、それは膨大なる石炭を、二百万トンですよ、とにかく何万ドルということになる、その品物をあれするとき、通産省にとにかく相談しない方もしない方で、しない方も悪いかもしれないけれども、これは全然知らぬといったら石炭局なんて必要ないですよ、そんなんだったら、てんでめちゃくちゃじゃないですか。
○説明員(樋詰誠明君) ただいまの阿部先生の二百万トン輸出の記事でございますが、これは別に業界でも二百万トン出すというようなことがきまったわけでも何でもなくて、いわゆる新聞の記事でございます。ただ業界の一部に、今大臣が申し上げましたような、相当期間貯炭をしておかなければならない、そうすれば、金利もかかるし、目減りもするということから、この際、大体貯炭するのと同程度の損失というものであるなら、むしろそれは輸出するということの方が、将来炭況圧迫ということにはプラスという面になるし、しかもいわゆる生産制限といったような面、生産制限は御承知のように石炭業界としてやりたくない措置でございますが、できるなら生産制限を少くしたいというようなことから申しましても、輸出をして、そうして貯炭と同じような損失で済むものなら輸出を研究してみたらどうかというのが、石炭業界の営業の一線に立っている人あたりに御意見があることは事実でございます。しかしながらこれは今申し上げましたように、あくまでもただそういうアイディアがあるだけであるということでありまして、業界としてこうやりたいということできまったわけでもございませんし、いわんや役所の方にそういう相談が来たわけでもございません。われわれとしましても、今申しましたような今後の貯炭が大体いつどの程度に減るかといったような見通し等とにらみ合せまして、そうしてどうせ企業の経営にとって千円の損になるというようなことで、輸出しても千円の損だ、貯炭しても千円の損になるといったような場合には、これはむしろ輸出させることによって国内の過剰貯炭を減らすということが、将来の炭況に好材料になると、そう判断して、もしそういうことをいってきた場合には、それが不当な価格でない限り、輸出を承認するといいますか、輸出をしてもけっこうである、そういう許可を与えてもいいじゃないか、そういう考えでございます。
○阿部竹松君 それは大臣はお忙しいでしょうから、それは知らないのがもっともだと思う。あなたにも全然話がないわけですね。
○説明員(樋詰誠明君) 全然ございません。商売の話でございますので、別に役所にこうやりたいといって、一々伺いを立てるといったような筋合いじゃないと考えております。
○阿部竹松君 何ぼ商売の話でも、そういうような石炭局長なり通商局長がやはり指導してやるということに、これはならぬですか。
○説明員(樋詰誠明君) これはいわゆる不当なダンピングでない限りは私は認めてしかるべきじゃないかと、こう思いましたので、たまたまあの新聞記事とは関係ないわけでございますが、国内だけでなしに外に市場を求めたらどうかといったような大臣の御意見もかねてございますので、あの直後でございますが、業界の方に、一応業界の方針というものは確かめて参りました。その結果、先ほど申し上げましたようなあれで、どうせ貯炭しても損がいくなら、その損の範囲内において輸出するのがプラスでないかという意見があるし、これはまだ正式に業界できまった意見ではないけれども、第一線の営業マンの間にそういう意見があるので、業界もそれぞれの立場において目下慎重に検討しておる。それで役所の方はどうですかといったような一応の軽い反問もございましたので、私は先ほど申し上げましたように、これは大体われわれの見通しでは、正常貯炭になるのは一年ぐらいかかるのじゃないかと思われますので、その期間のことを考えれば、ほんとうに千円程度の値引きということで相談が成立し得るものなら、これは出した方が得じゃないかというふうに石炭局としては考えておりますというふうに伝えております。
○阿部竹松君 あなたの方に全然話がなかったということであれば、これ以上聞くことは聞く方が無理ですからやめますけれども、これは公取委員長に聞くのが一番正しいし、それが筋だと思うのですが、局長さんにお尋ねします。国内に一千万トンなら一千万トンの貯炭があって二百万トン大手の商社が共同で海外に出荷する、そうすると、国内の炭価維持が一応できるわけですね、その結果、独禁法違反ということにはなりませんか、現在の法律で。独禁法が改正されれば別問題ですよ、あなたの御見解はいかがですか。
○説明員(樋詰誠明君) 私聞いております業界のあれは、先ほど申し上げましたように、業界が一本でやろうというようなことではございませんで、一応それぞれの会社が自分の負担において、たとえば海外の入札の際に参加するというようなことでやりたいということでございますので、現在業界が考えているような各個の会社がそれぞれの立場でやる限りにおいては独禁法の違反という問題には全然触れないというように考えております。 それからこの前の記事に出ましたのはあくまでも、石炭協会におきましても各会社全部一応聞いてみたのでございますが、そういう話は全然どこから出たかわからぬということで、これは業界もびっくりしている格好でございます。今の独禁法でやろうといった事実はございません。
○委員長(田畑金光君) ちょっと委員諸君に申し上げますが、三木長官が衆議院の予算委員会の方から出席を求められておりますので、三木長官に質問がありましたら、まずそれを先に一つやってもらいたいと思うのですが。
○島清君 阿部君が質問をしました問題に関連してでございますが、阿部君は金利の引き下げですか、それの問題と関連しているようでしたが、それで中小企業の金融の問題に触れての質問で、市中銀行の問題に触れたわけですが、そこで中小企業の金融として市中銀行の恩恵を受けておる中小企業の諸君も、というような三木さんの発言をちょっと気にして聞いておったのであります。こういったような従来の既成の金融機関でございまする市中銀行が中小企業を含みまする一般の庶民階級の金を吸収いたしまして、そして自分たちの関連をする産業の方に資金を回す、そこで今の市中銀行の役割りというのはただおのれの銀行と関連を持ちまする産業のための資金を吸収する役割りしか果してないのだ、従ってそういったような金融機関のあり方では、中小企業等、金融ベースに乗らないような企業の育成は困難であるというので、そこでまあ特別といいまするか、商工組合中央金庫であるとか、農林中金であるとか、そういったような特殊の金融機関が設けられたわけでありまするが、しかしながらそれでもまだ不十分なわけであります。そこで私はここで考えてみなければならないことは、もしそれ、ほんとうに中小企業の振興をはかり、そして一般の国民生活の安定ということを金融機関と結びつけて考えまする場合に、金融機関のあり方について私は検討を要するのじゃないか。今まで日銀があって、そしてそれにつながりまする市中銀行がある。そしその市中銀行は自分たちと関連をする産業のために資金を吸収して、そしてその産業に融資をする、こういうあり方ではいけないのじゃないか。それが今までのオーソドックスの金融機構のあり万だと言われておりましたけれども、しかしながらそのオーソドックスの金融機構のあり方についてこれを是正する段階にきているのではないかと思うわけなんです。そういったような意味において、何か金融機構というものについて根本的にそのあり方について検討をされたことがあるのかどうか。ほんとうに市中銀行というものが中小企業のための恩恵を施した銀行として今でもそう思っておられるのか。あるいはこれは大蔵大臣の所管に属しまするので、お答えにくいかと思いまするが、しかしながら大蔵大臣の上に立って総理大臣の立場に立ってすべての問題を企画される立場にもございまするので、もしお答えができますならば、何かちょっと御答弁の中に非常に気になりまする御答弁がございましたので、ちょっと関連をしてお尋ねしておきたい。
○国務大臣(三木武夫君) 金融制度については、金融制度の審議会があって、日本銀行の機構について根本的な改正を加える。これは戦争中いろいろ日銀の性格というものが変って参りまして、国の要請に銀行が沿わなければならぬ、こういうことで日銀の機構について全般的な検討を加え、日銀法を改正したいということでやっておるわけであります。一般のその他の市中銀行の機構については、ただいまのところ金融機構を根本的にこれを改めるというような考えは持っておりません。日銀については持っている。またお話の中にありました市中銀行というものが傾向としてはお話になったような傾向だと思いますが、しかし中小企業と言っても、一口に日本の場合は中小企業とこう言いますが、問題は中小企業の中においても零細企業あるいは少しスケールの大きい企業と二つの問題が私はあると思うのです。必ずしもスケールの大きい中小企業というものが零細企業と同じような問題を内蔵しているとは思わない。やはり零細企業に対しては特殊金融機関というものが要るでしょう。しかし相当スケールの大きい中小企業については市中銀行の融資を相当に受けているわけであります。零細な中小企業というものに対して市中銀行の恩恵が少ないということは事実でしょう。そういう意味において中小企業と市中銀行とが——もう大企業の市中銀行は金融中心であると考えております。中小企業でもこれは恩恵を受けている。もし恩恵が少ないとすれば零細企業だ、そういうものについては特殊金融機関の機能というものをこれはやはり強化していく必要を私は感じておるわけであります。
○島清君 方向を変えまして、岸内閣は不況の打開と日本の振興のために貿易振興というただ一枚看板に頼りすぎているようでございますが、しかしながら私たちが海外の方に回ってみまするというと、どうもやはり貿易振興ということに頼っては、日本の今の岸内閣の政策の進め方では、それほど笛太鼓を叩いておられるようなふうには実質が伴わないような気がするのであります。南米あたりの方へ参りましても、いろいろと日本の品物が流れすぎていって金が取れない。貿易はしたいけれども、向うの方は金がないから買えないというようなことで、その勘定のあり方をどうするかというような根本の問題もあるようでありまするし、ヨーロッパあたりで日本品が外国商品と競争するのにはなはだ至難のように見受けられた。そこで日本商品のはけ口といいますと、やはりおくれた後進国家の市場でございますけれども、そういう所には何か知らないけれども、政治的なことなどもからみ合いまして貿易が振興しない。現実においてはそうだと思うのです。そこで今通産大臣に対しまして阿部君から質問がありまして、東南アジアとの貿易の関係、中共品の進出に対する日本商品の脅威の問題等についてもっともな質問がありましたけれども、私たちが東南アジア、東南アジアといってしきりに貿易の振興を唱えておりますることは、やはり貿易をやりまするからには、地域的な立地条件というものが私は制約を受けると思う。これは何人もそうだと思うのですが、そこで日本商品が物にもよりましょうけれども、太刀打ちのできるのはせめてインドあたりまでだといわれている。インドから向うへ参りますと、イギリス品やドイツ品には実際的にそのコストの面からいっても太刀打ちはできないと、こういわれている。ですから、日本商品の競争し得るような地域的な限定というのはインドからこちらだと、こういわれております。そういたしますと、貿易の振興を唱えましてもおのずから非常に制限を受けるわけでございます。ただ太平洋一つ隔てまして隣国のアメリカでございましても、ああいったような日本品の排斥をしておりまするし、また地球の裏側の南米あたりはあの通りであります。そういたしますると、実際これは抽象的なお題目ではなくて、具体的にどうやって貿易の振興を進めていくかということについては、やはり企画庁の私は領分だと思うのです。そこで今行き詰まっておりますところの貿易の具体的な進め方等も、国民は貿易振興といいますと、何かヨーロッパあたりでもノルウエーあるいはスカンジナヴィア半島あたりでも日本商品がどんどん伸びていって、いかにも貿易が非常に伸びていくような錯覚を持ちがちでございますけれども、実情はそうではないわけなんでございますね。ですからどうやってほんとうに具体的に貿易を振興されるか、企画庁長官として一つ御説明願いたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 貿易が結局において……、アメリカのような場合は国内消費というものに相当重点がある。日本の場合は国内消費、国内で売ったり買ったりしておっては経済活動の幅というものがきまってしまうわけです。輸出貿易によってやはり経済活動のスケールが大きくなる。ことに原料とか食糧まで輸入しなければならぬ日本として、輸入を確保する意味においても貿易、ことに輸出貿易の占める日本経済に対する比重は非常に重いと思います。輸出振興を唱えることはこれは絶えず、日本としては大きなやはり輸出振興というのは、経済政策の重要な題目の一つである、この比重は変らない、こう思うのであります。 それならば輸出振興でありますが、これは日本の貿易には二面性がある。やはり先進国に対しては高級雑貨のようなものですね、アメリカ、欧州、あるいはスカンジナヴィア諸国などもその中に入るわけでありますが、とにかく日本は何と申しますか、たとえばトランジスターのようなものを考えてみても、ああいうものはやはりなかなか手先も器用だし、日本の方が価格の点においても品質の点においても、これは確かに向うが太刀打ちができぬだけの力を持っている。あるいは繊維商品でも高級な品物、あるいはまたいろいろな、何と申しますか、まあ高級な多少郷土性を帯びたような雑貨類、まあいろいろあると思う。そういう点はやはり伸ばし得る余地がある。アメリカのようなああいう国というものは、やはり国民の消費の伸びというものは非常な勢いで伸びているわけでありますから消費力を持っている、購買力を持っている。そういう点ではやはり市場の調査あるいは日本の意匠とかデザイン、いろいろな点で研究を加えて、そうして宣伝ということも必要でしょうが、そういう方面において販路を拡張していく、ジェトロなどもやはりあれも貿易の機関にもこれを強化していって、ただそのときどきだけでなしに、絶えず日本は市場の動向も調査し、日本の国内における輸出企業の体制も整備して、いわゆる購買力を持った国——カナダの例をとってみても、東南アジア全体の国民所得に匹敵する、カナダ一国で。これは非常に購買力を持っている意味においてそういう先進諸国も貿易の対象としてはなかなか日本は無視できない。そういう点には高級の雑貨類を伸ばしていく。それから後進諸国はどうしてもこれは機械類であるとか、あるいは機械工業製品、化学工業製品とかいう、今度はまた先進諸国と違った形の貿易が後進諸国には、それに向うがほしいものがそういうものであるし、日本もまたそういうものを売り込みたい。先進国と後進国との二面性を日本の貿易は持っている。後進国はそういうものを買いたいといってもなかなか外貨もないのでありますから、延べ払いとか、クレジットとか、こういう長い目で後進国の工業化に対して日本が協力していく、ただコマーシャル・ベースではなかなか向うの外貨がないわけですから、そういう点で今言ったような貿易条件を緩和した形で後進国の工業化を日本も助けていく、東南アジアに対する政策はまさにこういう政策をとっているわけです。こういう点においては、日本の機械工業という面について、これは価格も雑貨類については安いといわれても、機械工業や化学工業の製品は国際的物価水準だとは思われません、やはり二割くらい高い。こういうものに対して、国際競争力を持てるような、また機械の品質それ自体もいいようなものを作るように日本の技術水準というものを高めて、後進国に対しては今言ったような製品を向けていく。こういう二面作戦で、しかもそれを現地のいわゆる市場調査とともに国内における輸出産業の体制を整備していく、この両面から輸出の振興をはかりたいというのが、非常に大ざっぱな話でございまするけれども、考えておる貿易振興の基本的な考え方でございます。
○大竹平八郎君 今の問題に関連をしてですが、私は具体的なことを、これは通産大臣にお尋ねしようと思ったけれども、基本的な問題のようでございますので三木長官にお尋ねするんですが、先ほど来から後進国、ことに東南アジアの貿易ということが非常な問題になっている。日本の貿易地域と申しますか、米国、ヨーロッパ、あるいは共産圏、あるいは後進国としての東南アジア、これは大体四つに分けることができるのでありますが、東南アジア貿易と申しましても、これは数字をもって一つ示しますると、大体タイにいたしましても、それからインドネシアにいたしましても、非常に日本の方が御承知のように出超になっているのであります。昨年のごときはインドネシアには六千九百万ドルも売っておる。また輸入は約三分の一にも達していなかったし、それからタイ自身を見ましても七千万ドルの輸出で、輸入は三千万ドル、台湾はもうはるかに輸出超過であります。それから台湾関係は御承知の通り貿易協定によって大体スイングが一千万ドル、ところが現状においては三千四百万ドルも輸出超過になっておる。これは砂糖の本年度の計画の協定の中に入っております四十万トンなど、これから積み出しが始まるのだから相当、三千四百万ドルからスイング程度に減るかどうかわかりませんが、かなり減ることは想像されるわけです。そういうわけで、日本の東南アジア貿易というものはやはりどういうものを買ってやるかということが一番根本になるのじゃないか、実際問題として。ところが今申し上げたような国は、主として大体米の産地が多いわけであります。中共、韓国、これはいわゆる準内地米ですか、それから外米としてビルマとかタイとかいうものがいわれるのでありますが、しかし豊年続きの日本としてはなるべく米は買いたくない。それから台湾一つにしましても、ことしの、これは金額で表示されているのですが、大体二千三百万ドルということになっておるのですが、台湾ももっと売りたい、これは大体十五万トンだと思いますが、いま五万トンくらい売りたい。それから日本は米はほしくないが砂糖ならできるだけ買いたい。ところが砂糖の一番大きくできるのは台湾で、台湾は大体四十万トン、できれば日本としてはあと五万トンでも七万トンでも買いたいというのだが、実際問題としてはない。それからフィリピンあたりにしても、御承知の通り東南アジアがいろいろ不況々々といっても、フィリピンとかベトナム方面の状況を見ると、むしろ非常に最近は消費が進んでおりまして、日本からの輸出が非常によくいっているわけです。それで、それじゃ何か買わなければならぬということになると砂糖だ。しかし砂糖は日本の希望としてある数字を出しても、なかなか向うはせいぜい売っても二万トンかそこらだ。インドネシアでもそういうような状態なんで、これは日本の対内政策の上からいうと、農林省というものががんばって、こういう国は主として米というものが中心になるのですが、米はなるべく一トンでも買うまい、こういうことになる。そこで非常に東南アジアの貿易が阻止されているという感じがあるのでありますが、通産省の立場と米の原局としての農林省の立場というものとは、そういう意味においてあるいは対立をするような状況にもなる。こういうようなときに政府としてどう一つこれを進めていくのかということについて、一つお考えをお聞きしたい、と思う。
○国務大臣(三木武夫君) 今御指摘のように東南アジアは非常に建設の途上にあるわけでありますから、建設資材のごときもやはり需要は大きいわけです。そういう意味において、日本はできる限り東南アジア諸国から物を買うということが必要だと思う。そうでなければこれは焦げつきになってくるわけです。それから単に買うというだけでなくして、でき得べくんば現地において輸出のできるような産業を起すことに対して日本が協力する。たとえばインドネシアにトウモロコシをもっと増産のできるような方法を日本が講じて、そうすれば日本は飼料として相当買えるわけであります。砂糖のごときもそういう形において、できるだけキューバなどああいう地域ばかりに片寄らないで、アジアの地域からも買うようにする。とにかく物を買わなければ、東南アジアというものはクレジットといっても、なかなかその支払い能力というものは産業的にできてこないとやはり問題が起ってくる。こういう点は確かに日本の大きな東南アジア経済協力の課題である。ただ買えとかクレジットばかりじゃなしに、向うが輸入力、輸出力を持ち得るような産業を現地に育成することに日本が協力するという、確かに、御指摘の問題というものは東南アジア経済協力の大きな課題である。これは政府としても検討を加えておるのです。そういう方向に向って東南アジアの購買力を一つの産業面から起すような方向にもっていかなければならぬ、御指摘の点は同感であります。政府もそういう方向で今後検討を加えて参りたいと思います。
○阿部竹松君 さいぜん御質問申し上げたあの石炭の件ですが、前回の委員会で石炭局長は九電力会社に引き取ってもらうように大いに運動しております、話し合いをしておりますというようなお話がございましたが、どうもそれは危いではないですか、という話もまあしたわけですが、きわめて自信があるような御答弁をいただいて喜んでおったわけですが、しかしその後どうも電力会社があまり引き取ってくれないというような状態が起きておるやに承わったのですが、これは石炭局長いかがですか。
○説明員(樋詰誠明君) 電力会社と石炭業界との話し合いは、大体先週一応の妥結に到達したのでございますが、従来電力業界では、三月末の貯炭を大体百五十万トン程度、それが適正貯炭だというふうに言っておったわけです。それを今回大体倍の三百万トン程度まではとにかく持ちましょう、ということで話がつきまして、大体一年間に今の計画では千二百万トン程度電力業界で引き取るということになっております。ただ最近御承知のようにまた雨が相当降っておりまして、すでに電力会社の貯炭は四百十万トンございます。それでこれは電力会社の従来の貯炭場の能力が三百三十万トンだとか何とかいわれたのでありますが、非常に無理してとにかく積めるだけ積むということのほかに、三十万トンばかり山元に預け炭という形で、金は払うけれどもしばらく山元に置いておいてくれ、あるいは坑所の石炭業者の貯炭場に置いてくれという格好で、とにかく電力会社に所有権が移ったというものも三十万トンばかりございまして、大体今のところ物理的にこれ以上置けないということになっておるために、やむを得ず、ある程度確かに荷動きは減っておりますが、基本ラインといたしましては、今申し上げたように、従来言われておった正常貯炭というものの倍までは、経済的に、はなはだ不合理なあれですけれども、水でもうかっておることだし、石炭業界のために大いに応援しましょうということで、われわれとしては現在の状況のもとにおいて望み得るほとんど九五%くらいの目的は、電力業者との間では達し得たのじゃないかとこういうふうに考えております。
○阿部竹松君 本年の五月の二十九日ですか、このごろ通産大臣は高碕さんでなかったように記憶しておるのですが、五月二十九日の経済閣僚懇談会で幾つかの対策をきめてございますね。その幾つかの対策の中に、市中銀行から地方銀行まで含めて、いろいろな、とにかくこの対策の中に銀行の金融機関を動員して、何とか突っかい棒をしようというような項目も入っておったわけです。その後やはり閣僚懇談会の決定に基いてやっておるとは思うのですが、しかし北海道九州においては業者の話を聞くとあまり成果があがっておりませんという話なんです。その点がその後どうなっておるかということと、もう一点は、昭和二十八年石炭界が未曾有の不況に襲われて中小炭鉱買い上げという問題が出てきたわけです。そのときにまあとにかく、名前ははっきりわかりませんけれども、石炭産業合理化特別措置法案ですか、そういう法案を作って、三百万トンの中小炭鉱の山を買い上げて本年までに三百六万トンですか、大体法の定めるところまで買ったわけです。合理化法も前国会で修正されたのですね。しかし今その申し入れしているのは、七十万トンに該当する山が三百万トンからカットされておるわけです、しかし何とかなりませんかという運動をしておるやに承わったけれども、しかし法の定めるところですから、これは石炭整備事業団でも何ともならないというようなことでこういう不況がきたのだから、七十万トンに対応する山をまた買ってもらえば何とかなるという意見も出ておるわけです。それから整備事業団というようなものが鉱害関係のためにまだ残っておる。そしてそのとききめたルールの中には炭鉱経営者に貸してある金利も安くしましょう、従って買い上げ分の代価は安くした金利の分から出しましょう、十八円五十銭と十九円五十銭ということでやって今日に至ったのですが、その七十万トン買い上げ申請をしている山と、それから現在石炭業界が置かれている立場と、そういうものを総合判断して銀行金利はまだ打ち切っておらぬでしょう。それをどういうふうに処置なさるのか、まあ整備事業団は全部解散してしまうのか、それだけちょっとお知らせ願いたいと思います。
○説明員(樋詰誠明君) ことしの五月二十九日閣僚懇談会で貯炭融資の話がきまりまして、金融界の要請を求めましたのは大体九月の末に当時の予想では業者の貯炭が四百二十万トンになろうということを予想いたしまして、その四百二十万トンの貯炭を石炭業界で持てるように十分な金融の措置をやっていただきたいということを要望したわけでございます。それを一応金額に換算いたしますと九十三億になるということで、大体九十三億ということで四百二十万トンの貯炭が今のままではできそうだ。これを十分な金融をつけてやらないと下期に下降する際に非常にがたがくるということで、金をつけてやろうということであったわけでございますが、それが先ほど申し上げましたように、九月末大体四百三十万トンの貯炭を石炭業者は現在持っているわけです。そこで、それから申しますと、大体四百二十万トン持てるつもりですが四百三十万トンで、十万トンよけい持ったわけですが、これが結果的には一応それだけ持てる金が金融機関から流れていった結果でございまして、貯炭融資につきましては非常にうまくいっていると、そういうふうに考えております。 それからもう一つ事業団の買い上げの問題でございますが、それは御承知のように当初三百万トン非能率炭鉱買い上げということでやっておりましたが、ことしになりましてその目標を改訂いたしまして、七月三十日の石炭鉱業審議会に諮りまして、三百三十万トンまで一応ワクを増加することにいたしました。そして大体三百十五万トンは今年中に、残りの十五万トンは三十四年度になって大体買い上げの契約をするということになろうかと存じます。なお、この三百三十万トンのワクをさらに大幅にふやしてくれといった要望が中小炭鉱等から出ておることは事実でございますが、しかし石炭鉱業が要請されております一番大きな問題は、いかにして石炭のコストを安くするかということが片一方にあるわけでございます。今、阿部先生の御指摘のように、それは開発銀行から借りております金、これは六分五厘で、一応本来ならば九分のところを六分五厘しか開発銀行に払わない。そしてその分だけは今の炭鉱買い上げのための資金にこれは充当するということでやっているわけでございます。ところが大いに国家資金等を投入して石炭のコストを安くすることのためには低利で貸さなければいかぬ、低利で貸すということになっている。ただ俗な言葉で言うとピンはねみたいな格好でそちらへ回していくことでございますので、これは実は三十五年の八月までそういうことを続けることになっておりますが、こういう不況になればなるほど石炭というものはやはり自分自身が力を強くしなければならない。そのためには長期低利の金で根本的な合理化、あるいは縦坑の開発ということをやらなければならないという要請もございますので、将来の石炭をいかに安くするかという問題と、それから現在の、お話のございました非能率炭鉱をもう少し買い上げることによって、石炭業界全体の体質改善をはかるということ、これをどういうふうに調整して最後の決を下すべきかということにつきまして、これは目下検討をいたしておりますので、いずれ必要があれば石炭鉱業審議会というようなところにも諮って、何らかの結論が出されると思いますが、今のところ二つの要請が相矛盾するというような格好になっておりますので、それはどういうふうにしたら調整点が見出されるかということを事務的に検討しているという段階でございます。
○阿部竹松君 それは石炭局長、矛盾しておらぬですよ。それは全く同じなんです。大企業の石炭経営者と中小企業の石炭経営者の意見が、やはり二つ両面からあなたのところに集まってきて、あなたの方は苦慮なさっていると私は思うんです。ただその石炭政策というよりも、国家の基幹産業、経済政策の一環としてやられている。出たところ勝負で日本の政府がやっているものですから、景気のいいときはどんどん掘りなさい。景気が悪いなら繊維は安くても外国に持って行っても貿易振興だという、こういうようなことをやっているものですから、これはその石炭局長の責任でないことはよくわかります。ただ事務的にあなたの方が一番詳しいと思うので、大臣でなく、あなたに質問するが、そうするとその三百六万トン買ったのにオーバーして三百三十五万トン買え、そういうふうになると、審議会で論議をして今七十万トン買ってくれといって申請があるわけですね。そうすればナンバー・プレートを打って漸次買い上げるということを、審議会で勝手にできるのですか、あなたの御答弁の趣旨からいくと。
○説明員(樋詰誠明君) 現在石炭事業団の資金は、先ほど申し上げましたその二分五厘のピンはねのほかに、各炭鉱から御承知の通り一トン二十円ずつ納付金を取っているわけでございます。この納付金は石炭鉱業合理化臨時措置法によりまして、法律で取るということになっておりますが、これは三十五年の八月まで取るということになっております。従いましてわれわれが計算いたしましたのは、三十五年の八月までの納付金というようなものを勘案いたしまして、結局三百三十万トン買い上げるというふうに逆算しているわけでございます。それでございますから、もしこのワクをふやそうということは、言いかえますと、その石炭鉱業の方から納付金を納める期間を延ばそうということ、あるいは金額を二十円から三十円に上げようというようなことで、もう少し財源を捻出しようというようなことになりますれば、これは法律改正ということにいくわけでございます。
○阿部竹松君 その七十万トン買い上げるためには、法律改正は当然必要だけれども、三百三十五万トンにすることすらおかしいのではないか。僕はそういうことを言っているんですよ。七十万トン買い上げる、昭和三十五年度までに、これはさっき申しましたように、大手と中小と——石炭局長ちょっと聞いていなさい、よく聞いてから相談してもいいから——大手と中小と違うということは、大手はもう買い上げをやめてもらって、そうして銀行金利は、その法に定めるところによって、昭和三十五年の八月まで金利はまけてもらいたい、しかしながら中小の山を買うのにとにかく二十円出すのはいやだ、卑俗な言葉で言えばそうなるわけですよ。中小の方はたまるから買ってほしい、まあこういうことで、そこで意見が食い違っているんだから、それを鉱業会でそんなに簡単に三百万トンときめた、三百四十万トンになったり、三百五十万トンになったりする、金があるから買ってもいいという結論は下すべき筋合いのものではなくて、買い上げをやめたらとにかく、銀行金利の問題でも、これは法律によって開発銀行から金を出すというようなことをきめたんだから、そういうことをあなたの方で勝手に解釈できない法律になっている、と私は解釈しているのです。
○説明員(樋詰誠明君) 納付金でございますとかピンはねというものは、これは法律で三十五年の八月までということにきまっております。ただその数量を幾らにするとかいいますことは、大体当初はこれだけの二分五厘差益を納付してもらう、あるいはトン当り二十円ずつ納めるということにすれば、大体三百万トンの石炭が買えるだろう、と炭鉱では思ったわけでございます。ところがこれはいろいろ炭鉱によりましてその資産内容等違いますので、実際に今まで約二百四十万トンの買い上げの契約を済ました結果から見ますと、当初考えておりましたものよりは大体一割程度が安く買える、ということがほぼ確実になったわけでございます。従いまして、当初三百万トン、法律に基いてこれだけ財源がある、それに基いて三百万トンというものを石炭鉱業審議会に諮ってきめたのでございますが、財源の方は全然いじる必要がなくて、実績から見て炭鉱が一割安く買えたから、それであるならこれはもう一割の三十万トン分だけ非能率炭鉱を買い取るということによって、業界に新たな負担を課するということなしに、石炭鉱業全体の改善に資することができるのだから、それでどうだろうかということを諮ってきめたのでございまして、数量は鉱業審議会に諮れば、別に法律改正をせんでも改正することができるわけであります。金額の方は二分五厘をもっと先まで取るとか、あるいは二十円の納付金を三十七年までも取るということは、これは法律改正をしなければできない、しかしその金額の範囲内で幾らの炭鉱を買うかは運用にまかされているわけです。
○阿部竹松君 その審議会がそういうことをきめるのは逸脱ですよ。それは確かに法の条文を読めばその通りだけれども、あの当時の通産大臣は石橋湛山さんだったわけですよ、そうして買う量とか、いかなる方法をもっていかなる措置を講ずるかということは、ちゃんと速記録に載っておる。この速記録は固く守りますよという明約ができていたわけです。あなたはあの当時石炭局におったかどうかわからぬのであなたを責めるわけじゃないが、そんなに金があるから買えるという筋道のものではない、金の使い道までお互いに固い約束をしておるわけです。買う分についてはそうごめんどうばかりかけませんからこうこうやりますと、こういうことなんです。そんなことだったら法を作った精神と全然あなた方のやっておることとは違うじゃありませんか。
○説明員(樋詰誠明君) 私はこの法律のできました当時のいきさつは必ずしもつまびらかにしないのであります。これは私ども申し上げておるのは、民間にいろいろな負担を課するという限度は、これは法律で定めなければならないということで法律に定めてありますが、しかしその範囲内においてどれだけの炭を買うかということは、一応法の第三条によりまして合理化基本計画の一つとして定めることができるということになっておりますので、むしろその金を一番有効に活用して、これは三百万トンしか買えないであろうと思っておったのが、三百三十万トン買えることによって、より多く石炭鉱業の体質改善に役立つということであれば、むしろ法の精神を生かした運用じゃないかと、こういうふうに考えております。
○阿部竹松君 それは全然逆ですよ、三百万トンなら三百万トン、四百万トンなら四百万トンの目標がなければ、銀行金利を負けてもらった分と、一トン当り二十円なら二十円を出す額、この数字が出てこない。これだけの目標に向って金を集めるのですと、その金は幾ら幾らということで話し合いができておるのですから、あなたの話は全然逆ですよ。しかしそれはそれでいいですが、あとでお調べ願ってそれでいいのですが、それはそれとして、そうするとその後の、僕が申し上げた七十万トンはあなたのお話ではなくなったわけです。三百万トンをオーバーする七十万トンですから、あなたのお説ですと審議会でもう三十五万トン多く買うわけですから、四十万トンか五十万トン、あなたのお説でいってもはみ出るわけですね、それはどういう方法でやられますか。
○説明員(樋詰誠明君) 現在約四百万トン近い申し込みが一応来ておるわけであります。今年の一月一日から石炭鉱業整備事業団に買い取ってもらいたいという点は、これは一応買う方の財源に限度がありますので、先着順で浮け付けます、従って買える限度まで来てそれを越えた方は、残念ながら金がないのですから、法律改正ということでもやってそうして財源がふえればともかく、現在のままでは打ち切らざるを得ない、ということを天下に公告いたしまして、受付時間証明つきの書面をもって郵便局から事業団に出させるということになっておりますので、われわれといたしましては現在のままではこの三百三十万トン、これが大体さっき申し上げましたように予定より一割安く実際なったわけでありますが、もう少しこの金で買えそうだということであれば、三百三十五万トン買えるということは、一方審議会に諮ればできることであろう、こう考えておりますが、七十万トン、今オーバーしている分は、これは全然今のところは救う道はございませんから、大体三百三十万トンで打ち切らざるを得ないということになろうかと思います。
○阿部竹松君 ですからその七十万トンと僕が申し上げましたのは、あくまで三百万トンを基準にしておりますから七十万トンになるのであって、あなたのお説の三十五万トン、三十五年八月まで金を集めた金額で買えるとおっしゃるから、僕の言うのは、今度は三十五万トンになるわけですから、そうしますと七十万トンのうち半分処理できた、あなたのお話でこれはわかった。ですからあとの三十五万トンを、こういうような事態になったから中小炭鉱救済という意味と、石炭コストを下げるという意味と、外国に安い石炭を売るというそのくらい踏み切っておるのですから、そうすると、三十五年八月というのを改正をやって、三十六一年八月にして、一トン二十円をもう少し経営者、炭鉱業者に出してもらう、というお考えはないかどうかということになるんですがね。そこですよ、僕の言う七十万トンは。三十五万トンはあなたのお説でゆくとわかった、あとの三十五万トンは、あなたのお説では、これは全然法律以外の問題で救済する余地はございません、それは確かにあなたのおっしゃる通り。しかしこのような状態だからあとの三十五万トンを法の延長というようなことによって処理する、というお考えはないものかどうかということを聞いているわけです。
○国務大臣(高碕達之助君) ただいまの問題は石炭鉱業の根本的な問題でありまして私どもの方の考えではやはりこの際思い切って抜本的に指導をするという必要がある。それにはやはり現在中小炭鉱は当然採算のとれないものを無理をしてやっておるというところに無理があると思いますから、そういう点はよく詳細調べて、許す限りにおいて買い尽すという方針をとってゆきたい。こう思っておりますが、できるだけ阿部さんの御意見のように検討してゆきたいと思います。
○阿部竹松君 できるだけ買い取るといっても、今石炭局長と話し合いをやっているように、とにかく法律によって三十五年八月でこれは法律が買い取る方はパーになってしまうんですから、そうすると、いかに大臣が努力すると言っても、法改正やって三十六年あるいは三十七年、ここまで延長しますということになれば、銀行利子を負けてもらっているから、負けてもらっている分を出してもらう、あるいは大手からもトン二十円であるから、今度は十五円に負けてやるということになれば、それで出すということになりますと、大臣のお話のような説になりますが、今のままで黙っておれば、それは五トンや十トンはふえたり減ったりするでしょうが、全然大臣は場当りの答弁をやっても、実際問題としてそういうことにはならぬ。ですから努力しますとか御期待に沿うようにしますと言っても、厳然たる金の出道がないということは明々白々ですから、それは大臣のお気持はわかりますけれども、とてもここで実施できない、こういうことです。
○国務大臣(高碕達之助君) もちろん何でございましょう、これは実効を期するためには、政府といたしましても業界ともよく話し合いをつけ実情をもっと調査して、果して七十万トンが正しいものだということになれば、それにつきましても法の改正を要すべき点は法の改正をしてやってゆきたいと思っております。
○相馬助治君 石炭界の不況を救済するということに関して、きわめて幼稚なそうしてしろうとの意見ですけれども、一つ申し上げて大臣から見解を承わっておきたいと思うんです。これは具体的なことですから都合によっては石炭局長の御答弁でもけっこうです。 この夏北海道の石炭山を視察したときに、私はしろうとですからしろうとなりの質問をして、石炭をこうして掘っているあなたたちが何が一番困った問題かとこう聞きましたところが、掘った石炭が完全に売れるか売れないか、という心配のあることが一番大きなことである、こういうことを申したので私もなるほどと思ったのです。別に私あの関西方面の火力発電所を視察いたしましたときに、当時政府の指導によって重油を使って火力発電をやっております。しかし国の指導によっては、石炭をたいて発電もしなければならないということも見越して、重油から石炭に転用することも予想のもとにこれは設計されております。しかし望ましいことは能率的に重油をたくことですと、こういう説明を聞いたように記憶するのです。これは技術的にどの程度にむずかしいのかどうか私はわかりませんのですが、こんなに石炭が不況で困っているということになれば、やっぱり石炭を処分するという方法を考えることが一番大切だと、素朴にこう思うのです。たとえばこの間の繊維の不況対策でも、何とかこれを売るということを考える以外に手がないということに結論づけられるように、石炭も何とか国内需要で一つ十分使用するということを考えることが大切だと思うのですが、具体的に火力発電所なんかのように重油を使っている所、ないしはディーゼル・カーなんといった重油を使って汽車を走らせているところなどについて、この際石炭を使うというふうに強力な指導でもなさっているかどうか、また将来この問題についてどのような構想がおありになるか承わっておきたいと思うのです。これはあなた方のやっていることに私批判があるから聞いているのではなくて、全くわからないから、かくあることが望ましいと思うのでお尋ねしているのです。議論をしているのじゃないのです。
○国務大臣(高碕達之助君) もう石炭といわず、すべての産業が自分の作った製品が売れるか売れないか、ということは一番の大きな問題であります。特に石炭のごとく急に減産をすることもできない、一応設備をしたものはその人員の上からいっても、設備の上からいっても減産ができないところは、自分の作ったものを売るということは非常に重要な点と考えているのは当然なことと思います。政府といたしましても、石炭の消費についてはできるだけ長期の契約をさせて、安心して石炭が掘れるようにしていきたい、こういう方針で進んでおるのでありますが、不幸にして本年この当初から大へんな手違いを起し、大へんな見越し違いをいたしたということは、まことに残念至極に存じます。またそれがためには重油の使用を規制するということをやるということの方針をもって進んでおりますが、これまた悪いことが二重に重なったことは、重油の運賃が非常に安くなったために予想外に値が安くなった、そうして使用する上から申しましても、電力業者のごときは重油を使った方が値が安くつく、その上に使いやすい。こういうことですから、重油と石炭とが共用になっているものは、だまっておけばみんな重油にいってしまう。こういうふうな心配がありまして、これは政府といたしましても、できるだけ石炭を使うように、重油規制の法規と相照らしまして使用者に警告を加えておる、こういうわけであります。一方重油をある程度輸入を制限していく、これは外貨をセーヴする上におきましても必要であるのみならず、石炭鉱業を安定せしむるという上において、また今後エネルギー資源のだんだん不足するものは重油によって補っていかなければならぬ現状から申しましても、その重油を規制することによって石炭の消費を安定せしむるという方針をとっていきだいと思いまして、本年も下半期における重油の輸入をある程度切りまして、石炭に換算して百万トンの重油だけは予定よりも外貨の割当を減らした、こういうふうな方針で進んできておるわけなのであります。また今後もその方針で進みたいと思っております。
○阿部竹松君 その輸出の件ですが、高碕大臣の輸出振興という言葉に食いつくわけではございませんけれども、とにかくあなた方の御方針で、本年三十一億五千万ドルの数字は、二十八億五千万ドルですか、そういうふうに切り下がってしまった。しかし切り下ったのはやむを得ないでしょう、やはり日本がひとりで貿易をやっているのではないから、これは見通しを誤まったなんと言っても始まりませんから、まあそれはそれでいいとしても、ほかの入ってくるものと出るものと、黒字にするために入ってくるものは絶対に必要なものでも無理にストップする、それから出ていくものは安かろうが高かろうがどんどん出して、無理に帳じりを合わせているということをいわれているのです。これはほんとうに一体どうなんですか、この点をお伺いします。 もう一点は、今、石炭ですか、日本の国は通産大臣御承知の通りに、大体二百余億トンあると言われていますけれども、はっきりボーリングしたところでは五十五、六億トンしかないわけですね。はっきりわかっているところでは、まあ二百億トンというのは誇大な数字だということですから、そうすると、あなた方の党でおきめになった将来の燃料政策——昭和五十年までに石炭に換算して二億四千万トンの熱カロリーが必要だ、こうおっしゃっておるのです、昭和五十年になると……。そうすると、五十五、六億トンしかない石炭を、これは魚とか何とかであれば腐ってしまうけれども、地下資源は日本は乏しいのですから、そういう地下資源をとにかく外国に一銭でも安く売るということはむちゃくちゃだと思うのですよ。外国に売ることによって国内のバランスがとれるから、国内のコストは下らぬということになって、日本の最も大切な地下資源を安くたくのは外国であって、日本人は高いものをたかなければならぬ、こういうあなた方の政策の失敗から日本国民がえらいばかを見る、こういうことになりはせぬかと、僕はそれを心配しておるわけです。それから一方、炭鉱会社がつぶれようがつぶれまいがそれは第二の問題として、炭鉱に膨大な人を集めてきて今度つぶれてしまう、そうすると一体労働者はどうしてくれるのです。これは労働大臣に聞けとおっしゃるでしょう。しかしあなただって責任がありますよ、僕は責任ないとは言わさぬ。これは倉石忠雄さんと一戦交えてこいとおっしゃるかもしれないけれども、これは繊維もそうですが労働者はえらい迷惑ですよ。会社は赤字でもうからぬから今度は株主配当はできませんぐらいで、食いとめることはできるかもしれません。労働者はどうにもならぬ。しゃくにさわってストライキやれば炭鉱労働組合けしからぬとおっしゃるし、立つ瀬がない。あなた方の政策の失敗で、昭和五十年に二億四千万トンの石炭が必要ですとおっしゃっておる、これは全然でたらめです。そんな経済政策は僕らでもやってみせますよ。(「もっとうまくできるよ」と呼ぶ者あり)そこまでうぬぼれてはおりませんが、(笑声)これは僕はほんとうに高碕さんにずばりと聞きたいのですが、将来の日本の産業はこうあるべきだという手本を、あなたが一つ内閣総理大臣岸さんに示してもらわなければ困るよ。あの人は聖断下る、鬼畜米英なんと言って、今度は民主主義の原理なんと言ってわれわれに教えている。あの人は鬼畜米英、聖意だと言ってやった人です。ああいう人ではお話にならぬけれども、少くとも自民党の良識を持っている高碕さんがそんなでたらめを言ってもらいたくないですね。
○国務大臣(高碕達之助君) 長期経済計画を立ててみると、昭和五十年になると日本のエネルギー消費量は、ただいまお話のごとく、石炭に換算して二億四千万トンかになるわけなんでございますが、と言ってそれを石炭でまかなうことはむろんできないわけでございますから、それは石炭はどの程度に採掘していくということが永続性があり、そうして合理的であるかというふうな数字を考えて、そうして大体その二億四千万トンの石炭に相当するエネルギーの要るようなときには、石炭は七千二百万トンにもっていこうじゃないか、こういう数字を出して、それで第一年がことしだったのです。それで五千六百万トンという数字が出るが、それが頭を打たれて五千万トンがふうふうになっておる、こういうようなのが現状なんでございまして、それで七千二百万トンが五十年でいいか悪いか、こういう問題はもっと深く掘り下げていかなければならぬ問題なのでございますが、実際の今度は石炭の埋蔵量というものはある人は二百億トンといい、ある人はこれを五十億トンというくらいの大きな違いがあるがごとく、私は今後石炭というものは海底の探鉱をして炭田でなくて炭海ということになってきたときには、ある相当な数字は期待できるというような気もするわけでありまするから、それだけの先のことを考えますと、今昭和五十年に七千万トンの石炭を掘るということは必ずしも無謀な数字でない、こう思っておるわけでございますが、なお今後のそれから後の問題等につきましては、十分将来における日本民族の発展と、それからエネルギー資源というものと考え合わせて考えていきたい、こう存じておるわけでございます。 それからその次阿部さん何でしたかね。
○阿部竹松君 産業政策です、あなた筋金入れませんかという……、これじゃ話にならぬから。
○国務大臣(高碕達之助君) むずかしい問題でございますが、大体まあそれくらいで……。
○相馬助治君 議事進行。阿部さん質問中ですからこの問題が一応終ったら、実は通産大臣にこの間の繊維不況問題なんかについても質問があるけれども、そう盛りだくさんでもどうにもならぬと思うので、私は質問を手控えておるのですから、一般通商行政問題についてはこの辺で打ち切って、予定していた法案の説明等があったらばそれを聞いて、そしてまあ何分の、時間にはあがるように委員長において議事進行をお願いしたい。(「その議事進行に反対」と呼ぶ者あり)
○委員長(田畑金光君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(田畑金光君) 速記を起して。
○小幡治和君 それでは繊維不況対策について前委員会において、実は大臣が御不在であったので政務次官並びに繊維局長にお尋ねいたしたんですが、どうもその答弁が満足する程度ではありませんで、どうしてもこういう問題は大臣みずから一つ御答弁願いたい。次の委員会にそれを一つ大臣にお伝えして大臣から御答弁を願いたいというふうに私から申し上げておきましたし、また委員長からも特にそういう付言もあったと思うのでございますけれども、大臣御承知でございますか。まあ簡単に申しますれば織機の買い上げ問題について、前のこの委員会において、もし予算が余ったならば今の総計三万五千台というやつを、ある程度予算の範囲内で台数を減らして、単価を上げるということも考え得るというふうな御答弁があったんですが、あとでまたこれが衆議院で訂正されたというふうなことも承わりましたし、われわれとしてはあくまでも業界の実態というものを見て、一つ大臣のこの委員会における御答弁というものを尊重していただいて、善処して考えていただきたいということが一つと。 それからもう一つは前々から大臣がよくお話に相なっておりました、その買い上げの場合の業者負担のお金を長期低利の資金で一つ貸して、そして今日不況下にあえいで困っている業者の負担というものを軽くしてやろう、ということを言っておられたんですが、それも伺いましたところ、まだきまっていないんだというふうなことで、私はがっかりいたしたような次第で、それが第二の問題。 それから第三の問題としては、かねがねから大臣に私からも、またほかの同僚委員からも御質疑申し上げて、大臣が一つ努力するとおっしゃっておりました、いわゆる賠償物資にこれを持っていくというふうな問題、あるいは延べ払い方式、あるいは円クレジット設定の問題、あるいはバーターの問題、そういうようないろいろのことを考えて、そして東南アジアとのこういう繊維の取引ということを増進せしめると、そして滞貨を処分していき、正常の繊維業界に戻すということを努力しつつあるのだということを、もう一年以来いろいろお伺いしておるのですけれども、その点についてもお伺いいたしましたら、さっぱりその点は成果は上ってないのだというふうないろいろなことで、どうもこの前の委員会においては非常に失望をいたしたわけなのです。実はこの前の前の委員会におきましては、われわれ当委員会において繊維業界の各業界の代表者及び労働組合の代表者の人たち五、六人に来ていただいて公聴会を開いて、繊維不況の問題についていろいろ論議もいたしたようなわけなんで、この繊維不況対策というものについて、当委員会としては非常な関心をもって今まで大臣ともいろいろお話し合いしておるわけですが、どうもその結果というものが何もかにもはっきりしないというふうなことで、実はその点をお伺いいたしたわけなんです。またそのほかこの不況対策についてことしはこうでも、来年のいよいよ予算を要求する時代になってきておるが、その予算要求上どういうことを考えておるのだというふうなこともお伺いいたしたわけなんですけれども、一つそういう面について大臣御自身から、いろいろ折衝の経過なりまたその成果の面について、御答弁願えればけっこうじゃないか、というふうな意味のことが懸案としてあったわけであります。一つそういう面について御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 先般当委員会におきまして、織機買い上げの問題につきまして豊田委員からの御質問によりまして、政府は今期七億円の予算を持っている。これがもし今の値段で買い上げられなかったときにはどうするかと、こういうふうな御質問がありました。それに対しましては、私はまあこういうふうな考え方もあると、どうもそれだけでどうしてもいかぬという場合は、単価を幾らか上げて台数を減らせばいいという私見を申し上げたことは事実でございます。その後その問題につきましていろいろ折衝もいたしましたり、また考えてみますと、どうしても台数を減らすということは、これは買い上げの趣旨からしてもはなはだよくないではないかと、この議論は私は非常に有力だと思っておりまして、そういうふうなことから考えて、今期とにかく七億の予算の範囲において三万五千台を買い取る、ということを一つやってみようじゃないか、どういうふうに進むかということは現状を見た上でまた考えることなんで、今これをそういうふうなことをいえば、集まるものが集まらなくなるじゃないかと、これは私はその意見が正しいと思いまして、そういうふうなことの意味におきまして、先般衆議院の委員会におきましてもいろいろ考慮いたしましたが、こういう結果になっておることは一つよろしく御了承願いたいということを申し上げておるわけであります。ただいまのところは私はそういうふうな考えをいたしております。 一方そういうことのためにどうしてもできないと、集まらないといった場合には、今のできるだけ金融の道を講じていくということも、一つ考えていかなければならぬかと思っておりますが、それじゃ、またお前そういうことを言ったって、金融の低金利もできないじゃないかとしかられるかもしれませんが、努力だけはして進んでいきたいと、こういう次第でございますから、来年度の方も残っておりますことは三万五千台、来年度においてやはり七億円の予算でやっていきたいということは、こういうことはもうすでに閣議でも決定していることでありますから、来年度の予算を組みまする上におきましても、そういうような点は、本年の成り行き等をよく考慮いたしました上において、来年度の予算編成につきましても考慮いたしたいと思うわけであります。 それから賠償の問題につきましては、これはどうしても私は賠償の対象に繰り入れるべきものだと、こういう考えで進んでおるのでございますが、何しろ相手方があるものでございますから、はっきり明らかにこれをもってこうやるということを言えば、かえって相手方に乗ぜられるといったようなこともあるしいたすものでありまするので、この点については、現在ある程度話は進歩いたしておりますけれども、相手があるものでありますから、思う通りに進まないということは、まことに残念だと思いますけれども、逐次、初め言明いたしました通りに賠償物資の中に繰り入れていきたいと、この方針で進んでおる次第でございます。その他延べ取引の問題とか、あるいは円クレジットの中にこの問題を入れるということにつきましては、これは相当意見がございまして、たとえばトランジスター・ラジオというようなものであればいいが、持っていってすぐ使っちゃったというようなものについて、果して延べ取引をすることがいいかどうかということについては、相当考慮しなければならぬことでありますし、いわんや、これを円クレジットの中に入れるということは、政府の責任になるわけでありますから、業者はそれはうまい工合に政府の責任で行なってしまうからいいでしょうが、政府はあとでしりぬぐいするということは困るわけでありますから、そういったことは、業者の責任においてこれを実行するということになれば、政府はある程度の金融の援助はするかもしれぬが、そういうふうなことは業者の責任においてやるということになれば、考えていくべき問題ではないかと思っておりますが、なかなか業者も思い切って自分がやるというだけの人もないようでありますから、そこの点は将来よほど考慮して進んでいきたいと存じております。私はどうしても、円クレジットを設定して、政府の責任においてやるということは、消費物資を入れるということは、累を政府に及ぼすということになるわけでありますから、これは慎しみたいと、こう存じているわけであります。
○小幡治和君 そうすると、結局織機の一台当りの値上げの問題につきましては、今閣議決定の直後であるからできないと、しかし現実の問題としてやはり申請も少かったと、最後の予算を終結するときに、年度末になってやはり少かったと、そして実際の実効を上げ得なかった、それがやはり業界の実情であったという場合には、一つある程度の善処はできるという余地は大臣も残しておいていただきたいと思いますが、それは残しておいてあるように解釈してよろしゅうございますか。それと、もう一つは、その買い上げの問題と、今度は業者の負担の問題は別個なんで、業者負担は、要するに、その他の残っている業者が負担する一台当り一万円の問題なんですが、残っている業者も今非常にこういう不況で困っているときなんだから、それも長期低利で考えるということで、実を言いますと、中小企業金融公庫なり、また商工中金なりで、そのことについて年六分五カ年というふうな案も出ておるように聞いておるわけでありますけれども、それは一体どうなっておるのか。私は、もうこれは決定してそろそろ工作をやられているのではないかと思っておったのですけれども、どうもまだのように聞いておりますが、これは今度の年末金融とあわせて考えられるのですか、そういう点を一つさらにお伺いしたい。
○国務大臣(高碕達之助君) 現在の情勢におきまして、それでは集まらなかったときはどうするのだと、こういうふうなことにつきまして政府の方針を申し上げるということは、かえって事態を混乱せしめるわけでございますから、今その点についてお聞きでございますれば、政府が閣議できめた点を堅持していくのだと、こういうことをお答えする以外にないと存じております。 それから、金融の道を講ずるということは、これは年末金融につきましても相当考慮したようなわけなのでございます。その他災害等もいろいろ起って参りまして、中小企業金融公庫なり商工中金についての金の回り工合がどういうふうになっているかということも、まだ現在はっきりいたしませんから、ここで必ずそうするということはお答えできませんが、私はある程度どうしても業者負担の分については、政府としてはできるだけ一つ考慮を加えていきたいと、こう存じておるわけなのであります。
○島清君 貿易の問題について大臣に御答弁を願いたいと思いますが、先ほど基本的な全般的な貿易政策ということについて三木さんにお尋ねをしたとき、お答えは非常に抽象的でございまして、もちろん満足する答弁ではございませんでしたが、そこで具体的な問題といたしましてたとえばメキシコあたりから綿が入ってくる。聞くところによりますというと、かなり高い率でこちらの方に輸入しておる、向うの生産高の八割くらいを日本が買っておるようでございますが、メキシコにとりましては、日本が非常に上等な得意先なわけでございますが、しかしながら、その買付の方法が、業者の個々の意思によって買付をしておりまするので、日本の輸出市場として非常に有望でありながら、そういったような、日本品は輸出されずに、向うの綿だけが輸入されたと、こういうことの実情のようでございますが、私は、幾ら念仏を唱えて貿易振興を宣伝してみたところで、実際貿易をやっておりまする通産省が、綿を買ってやるかわりに日本商品を幾らでもその限りにおいては売れるような市場に手をつけないでおられて、そうして貿易振興だと言っておられるということについて、非常に努力の足りなさを感ずるわけですが、具体的に、メキシコから私たちが綿を買っておる、しかしながらそれとリンクするといいますか、バーターといいますか、輸入と結びつければ輸出がうんと伸びるところを、そのまま放任されておると、こういう実情に対しまして、当然に、通産省から派遣をされておりまする商務官ですか、これから現地の報告を受けておられると思いまするが、こういったような努力の余地のありまするところに対して、いかような努力をされるおつもりでございますか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 私はまあ詳しいことはよく存じませんですから、通産局長からお答えしてもいいと思いますが、メキシコの綿というものは存外値が安いのでございまして、あの国の綿の相場の建て方は、いつもアメリカの相場を見て、それから何割何分というような値段を建てるようでありまして、比較的メキシコから綿を輸入するということは、日本のために有利であるということになっておるわけでございまして自然その綿の輸入がふえてくるということになっておりますが、これは島さんの御意見のごとく、それだけ買っているのだから、できるだけ日本のものを買えと、こういうことは言えると私は思っているのでありますが、そこらの点につきましては、好むと好まざるとにかかわらず、将来どの国でも、今日はバーターのような意見がお互いに存在するわけでありましてこっちのものを売りたくなれば向うのものを買ってやる、向うのものを買えばこっちは売るということに持っていきたいと、こう存じておるわけであります。ただし、とっぴに値段の安いところがあると、そうはいかぬと、現にキューバの砂糖のごときは、向うは何も買ってくれないのですが、あそこの砂糖は安いものですから買っておる。そういうところがあるものでございますから、そこら辺のところは、やはり輸出と輸入というものをにらみ合せて、ある程度向うのものを買えばこっちのものを買ってくれると、こっちのものを買ってくれれば向うのものを買ってやると、こういうやり方をいたすべく努力をいたしたいと思っておりますが、幸いに通産省といたしましても、今回予算をちょうだいいたしまして、ジェトロの機構を拡充いたしましたものですから、その辺のところをよく取り調べて、実行に移したいと考えておるわけであります。今、島委員のおっしゃった考えは、当然政府として持っていけるものだと、こう見ております。
○島清君 大へんお言葉を返すようで恐縮でございますけれども、そういう御答弁でございますと、三木さんの答弁と同じようになってしまいますので、ただ、そうできない、そうやらない実情があるわけなのです。と申し上げますのは、今業者が個々に買っているわけですが、日本の輸出と輸入と結びつけるということになりますというと、あるいはもう少しは綿の方が高くなるかもしれません。貿易業者の利益というものが薄くなるわけでございます。なるほど、業者は安い綿を入れておりますから、同時に個々の業者は利益するわけです。しかしながら、入れる品物と結びついていないわけでありまするから、国家としては利益にならない、こういうことなのです。そこで、通産省が、何か知らないけれども、そういったような輸入業者にあやつられて、国家意思を伸ばすことができないのじゃないかということが、私が大臣にお尋ねをしたいという具体的な点なのです。ですから、繰り返して申し上げますと、国家の意思で輸入するのだから輸出もしてくれ、メキシコも買ってくれというようなことになりますと、それは少しは綿が高くなるかもしれませんが、そのかわり業者は反対するでしょう。そうすると、それを押えますと、通産省は、なるほど業者の代弁者じゃないのだ、国家意思に基いて貿易行政をやっている、こういうことになるわけですが、それができないのですね、今通産省は。それを私は、なぜできないのですかということをお尋ねをしたいわけです。
○国務大臣(高碕達之助君) 私は、今、島委員のおっしゃった説につきましては、できるだけ、やはり多少高くついても、これはこちらの物を買わすということが大事だと思う。それは国家の意思に従ってやっていくように貿易を進めたい、こう存じておりますが、今、貿易業者が、単にもうかるだけだというふうな考え方は相当矯正していくべきだと存じておりますが、現状につきましては、一応通商局の次長も参っておりますから、御答弁いたさせたいと思っております。
○説明員(中野正一君) 今、メキシコの方から相当御指摘のように綿を買っております。従って、それに見返りに、もう少し輸出を伸ばすべきじゃないか、これについては、全般の貿易振興の一環といたしまして、メキシコに対する輸出の振興ということは、いろいろな方法で実際やっております。ただ綿の輸入に直接結びつけて物を出したらいいじゃないかということになりますと、これはいわゆる御指摘のようなバーターということになるのでございますが、これは綿を使いまする紡績業界全体として、紡績業界の方としては、できるだけ安い綿をどこからでも、自由に買いたいという要求がございまして、バーターでやるということになりますと、どうしても今御指摘になったように値段が高くなるというふうなこともございまして、全体の原綿の予算のうちでどの程度をバーターの予算として組むかということは、これは通商局と政府の方でいろいろ相談いたしまして、外貨予算できまっております。その範囲でメキシコにつきましてもバーターを認める、こういうことになっておりまして、現在でも、一部につきましては、メキシコから綿を入れて、その見返りに、機械であるとか、そのほかのまだ国際的に競争力の薄いようなものでも出るように努力をしております。今後もできるだけそういう方向で、メキシコ等につきましても、買う一方でなしに、買っただけのものをまた反対にこちらから輸出するというようなことに、できるだけ努力したいとは思っておりますが、原綿予算全体の問題に関連いたしましてそれじゃバーターをそうどんどんふやせばそれだけ、買っただけ物が出るじゃないかということになりますが、これにはやはり需要者の方の、綿を需要する方の需要もございます。一定のワクを作ってそのワクの範囲で原綿を買った場合には、その見返りの物を出させるような方法でやっているわけであります。
○島清君 今、大臣は、衆議院の予算委員会から要求されたそうでございまして、協力してもらいたいという委員長の御要請がございますので、ただ一点だけお尋ねをしますが、今の御説明は私は納得がいきませんので、繊維問題と関連しまして、次の委員会で質問したいと考えております。 次は、中南米あたりの貿易の関係についてもそういう例が見られますので、一般的にお尋ねいたしたいと思っておりましたが、そのようなわけでございますので、ただ一点しぼってお尋ねいたしますと、ブラジルとの貿易の関係はどうなりましたでございますか。焦げつきといいますか、何といいますかがありまして、大蔵省と通産省が意見が合わずに、それで日本とブラジルとの貿易協定という問題が暗礁に乗り上げておるのが夏ごろまでのあれでございましたが、私は旅行をしておりましたので、そのブラジルと日本との貿易協定のことについてはまだ承知をしておりませんが、委員会で問題などになりまして、大臣が御答弁になっておられれば、御答弁をしていただかなくてもよろしいのでございますけれども、(「取り上げてない」と呼ぶ者あり)委員会で取り上げてない、そういたしますならば、たとえばブラジルあたりから鉄鉱石などを国際価格よりも安く出しておるわけでございますけれども、これなどもオープン勘定だからして安くしているのであって、そうでない、日本の大蔵省の考え方でいくということになりますというと、鉄鉱石の輸入などにつきましても、これは向うの方は国際価格より一割五分の値下げをして、協定をしたということが、出さないというようなあれがあって、日本との貿易を縮小してくるという傾向にもあったのですが、私は非常にああいったような将来性のある市場で、こういったような窮屈なものの考え方で貿易政策を進めて貿易の振興を唱えるということが、どうもやっぱりつじつまが合わないような気がするのでありますが、この点について御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) ブラジルとの関係は、御承知のごとく、従前オープン・アカウント勘定でやっておりましたわけでありますが、これをそのままにしておくというと、非常にまた貸し越しになるという心配もあり、また一方から申しますというと、国際的な現在の情勢から申しまして、これを現金決済でやらなければならぬということのために、両方の意見が対立いたしまして、八月末に無協定になるという、こういう問題がありましたものですから、約一カ月間これを延ばしまして、それでいろいろ両方の間に協定をいたしたのでありますが、最近に至まして、両国政府の意見が一致いたしまして、今度の協定ができたのでありますが、詳細のことは通商局次長からお答え申し上げます。
○説明員(中野正一君) 今、大臣から御答弁なさいましたように、最近ブラジルとの間に新しい貿易支払いの協定ができまして、従来のオープン・アカウントはやめまして、決済はキャッシュということになったわけであります。そうして大体、年間約四千万ドル以上できるだけ日本側が買いましてその買った金で向うが日本の品物を買う、こういうことになっておりますので、今御指摘のようにブラジルの産品を日本が、綿花、砂糖、また御指摘のあったような鉄鉱石あたりの、これは国際的に競争力あるかどうか、いろいろ調査しなければいけないと思いますが、できるだけブラジルのものを先にこちらが買う、買えば向う側も日本の品物を買う、こういう約束になっておりますので、今後ブラジルとの貿易を拡大するためには、どうしても日本側がブラジル産品の買付に努力するという方向に持っていかなければ日伯の貿易は伸びない、こういう事情になっております。
○島清君 それはあれなんですが、大体私が旅行に立ちまする前までの通産省の考え方としては、東南アジアなどとはブラジルは国情が違うので、よしんば、それに今はこげ付きのような形で、取り立てられない、今すぐには取り立てられない売掛代金があるけれども、しかしながら、これはもう取れるものであるから、そう心配したことはないというようなお考え方のようで、そこでオープン・アカウントでもよろしい、貿易を拡大していこうというお考えのようであったように拝聴しておったのでございますけれども、しかしながら、それには大蔵省は頑として聞き入れないので、そこでキャッシュ勘定と、こういうことになったと思うのですが、まあ大体それだといたしますると、せっかくあれだけの市場で、大蔵省の何といいますか、堅実といいますか、悪くいいまするというと、けちな考え方ですね、それで日本の貿易が縮小されていくということについては、どうもわれわれやっぱり、貿易振興を念願とするものとしては、非常に得心がいかないわけなんでございますけれども、通産大臣は閣内におきましても実力者の五指に数えられる閣僚でありながら、どうして今、岸内閣の貿易振興の一枚看板を、そういったような貿易を知らない大蔵省の役人なんかの考え方に屈服された、と言うことが悪いならば、説伏されて、そうしてこの貿易をこれ以上伸ばされていくという自信がおありなんでございますか。これからまあ世界をずっと回る予定なんでございますけれども、きょうはブラジルでとめますけれども、(笑声)そこらの確信のほどを、どうやって一体貿易の振興ができるかどうか、確信のほどを一つお聞かせ願いたいと思うのです。
○国務大臣(高碕達之助君) まあ貿易拡大の方針はいろいろございますが、オープン・アカウントを置いておくということも、これは一つの案でございまして、相手国が経済力があり、将来性のあるところ、間違いないところには、これはある程度の延べ取引をする考えで、焦げつきになっても実行に移すということをやるべきものだと、私はそう根本には思っております。しかしながら、世界の大勢は、オープン・アカウントというものはだんだんやめようじゃないかという形勢になっておるということも事実であります。また、それにかわる方法ができれば、必ずしもオープン・アカウントを固持するわけでございませんので、ブラジルのごとく、まず日本がよけい買えばそれだけ向うは買ってくれると、こういうわけでありますから、今回の協定ができますれば、できるだけ日本はよけいものを買うという方針でもっていけば、これはまあある程度いけるものと、こう思っております。
○委員長(田畑金光君) それじゃ一つ、他に御発言もなければ、調査事件に関する質疑はこの程度とし、次に、鉱山保安法の一部を改正する法律案及び鉱業法の一部を改正する法律案の二案を一括して議題といたします。 まず、両案の内容について御説明を願います。鉱山保安法の一部改正について小岩井鉱山保安局長。
○政府委員(小岩井康朔君) 今回保安法を改正いたします一番大きな点は、昨年九州の東中鶴で変災がございまして、これがたまたま鉱区外に出まして、昔の採掘あとにぶち込んで出水した。これがたまたま監督官が災害数日前に巡回監督に参っておりまして、侵掘しておる事実もはっきりわかっておったのでありますが、これが帰りまして通産局長に連絡し、鉱業法でこれをとめたいと考えて、一たん帰って連絡をする途中に災害が起ったというような点の指摘を受けまして、これは法の不備ではないかということで改正せよという国会の方の御要請があったわけであります。ところが検討いたしてみますと、法律の体系といたしましては鉱業法でいくべきだ、私どももいってほしいという考えを持っておったのでありますが、保安法でももちろんいけないこともございませんし、やはり保安法でいくべきだという点も多少ありましたので、保安法の方で改正をすることにいたしたわけであります。 それで今後侵掘をいたした場合に、その侵掘の区域で保安上危険がある、あるいは親鉱区の方に危険を及ぼすというような場合には、鉱務監督官あるいはまた監督部長がとめることもできるのでありますが、危急な場合には鉱務監督官でもとめることができるというのが改正の一番大きな点であります。これがまず第一点であります。 それから、最近ボ夕山の関係で地すべり等防止法あるいは水洗炭業法、そういった新しい法案ができましてボタ山の関係をかなり複雑化して参りまして、このボタ山が今非常にむずかしい問題を提起しております。地すべり等防止法におきましては、保守法が適用されてないものだけを対象に考えているわけであります。従って、今後、鉱業権者以外のもの、あるいは所有者の全くわからないようなボタ山をどんどん作り出すというようなことは防がなければならない。そこで保安法を改正いたしまして、ボタ山を譲渡しましても、放棄をしましても、その責任は、そのやりましたときの鉱業権者が負う。また鉱業権を譲渡しました場合には、もちろんそういった義務が常に絶えず次の鉱業権者に承継されていくというのがこの改正の第二点であります。 それから、この改正しますときに、最近このボタ山に関連して鉱害の問題がかなりうるさくなって参っておりますので、従来も保安法で、鉱害の防止という点については保安法にうたってあるのでありますが、保安法の第一条の目的には、労働者に対する危害を防止し、そうして鉱業の合理的開発をなすということが唯一の目的にうたってあるのでありますが、この中に「鉱害を防止し」ということをはっきり目的にうたいまして、もちろん従来もやっておったのでありますが、はっきりその第一条で、保安法の目的に、鉱害の防止をやるのだということを明瞭にうたうということが第三点であります。 それから最後にもう一つは、災害が起りましたときに、鉱業権者が非常に微力でありまして、なかなか被災者の十分な救出ができないような場合もままございます。こういった場合に、監督部長は命令をいたしまして、被災者の適当な救出方法をすべて指示できるように、命令ができるようにいたしたという点でございます。 この四点が今回の改正の主要な点でございます。 —————————————
○委員長(田畑金光君) 次に、鉱業法の一部改正について福井鉱山局長の説明を求めます。
○政府委員(福井政男君) 鉱業法の一部を改正する法律案の内容につきましては、ただいま鉱山保安法の一部を改正する点につきまして説明申し上げましたが、この保安法の改正に伴いまして、これと関連のあります部分だけ一部分を今回改正をいたしたい、かような見地から提案をいたしておるわけでございます。 もちろん、御承知のように鉱業法はもともと非常に古い法律でございまして、鉱物の合理的採掘という見地からできております基本法でございますが、最近の情勢でいろいろ改正をしなければならない点もございますが、こういった点につきましては、現在改正すべき点を事務的に検討いたしております。なおこの点につきましては、来年度改正審議会というようなものを、通産省の設置法を改正していただきまして、審議会を作りまして、ここで各界の権威の方々に御検討をお願いしようと、かような心組みでおりますので、従いまして、鉱業法全体につきましてはそういう手はずをいたしておりますが、石炭鉱業の災害の防止という見地から保安法が改正されますので、それに最も関係の深い鉱業法の一部分だけを今回改正をいたしたい、こういうことでございまして、改正の要点といたしましては三点ございます。 第一点は、採掘権を取り消すことができる場合が現行法にございますが、これは鉱業法の五十五条で、一定の場合に取り消すことができることになっております。この取り消しをいたしました場合に、現行法では、御承知のように、鉱業法は先願主義をとっておりまして、これに何らの制限を加えておりません。従いまして、取り消しを受けました者が直ちに出願をすることができる建前になっております。この点につきまして、今回の改正案では、その鉱区につきましては六十日間だれも出願することができない、こういうようにいたしまして、六十日後に出願の受付をする、こういう考え方で改正をしたいと思っております。もちろん、規定につきましては、もう一歩進めて、そういったものについて鉱業権の出願の資格がないようにしたらどうかと、こういう意見もございました。私ども内部で検討いたしました場合にもございましたが、この点につきましては、ほかの条項との関係もございますので、全般的に鉱業法を検討いたします場合に譲りまして、この際は六十日間出願をすることができないようにいたしたい。だれでもそこに六十日後に出願し得る機会を与える、こういう建前にいたしたわけであります。 第二は、公示送達の規定でございますが、非常に技術的な改正でございますが、現在、現行法によりますと、公示送達の方法が一定の場合に認められております。これは相手方がどこにおるかわからないような場合に、一定の場所に掲示をするとか、こういうようなことによりまして、相手方に送達したと同じ効果を認めているわけでありますが、この鉱業権の取り消し等の場合に、こういった規定が適用されないことになっております。こういたしますと、取り消しをしようとしましても、取り消すことができませんので、この公示送達の方法を、取り消しなり、あるいは出願の不許可の場合等に適用する、こういうふうな規定に改正しようとするものでございます。 それから第三は罰則の強化でございますが、これは盗掘防止のための罰則の強化でございまして、現在では、鉱業権によりませんで鉱物を掘った場合に三年以下の懲役または三十万円以下の罰金、こういう三年、三十万ということになっておりますが、これを五年、五十万というふうに引き上げたわけであります。 その次は、これは現行法にはございません。今度新らしく入れたわけでございますが、先ほどの盗侵掘と同じ、保安法で盗侵掘に関する規定を置きましたと同じようなことでございますが、鉱業権によらないで掘りましたこの鉱物を、そういう事情を知っておりまして運搬いたしましたとか、あるいは保管いたしましたとか、あるいは買い取りましたとか、そういったあっせんをいたしました場合に、直接鉱業権がなくて掘った場合と同じように五年以下の懲役なり、あるいはまた五十万円以下の罰金なりの罰則を課そう、こういう点でございます。 以上申し上げました三点が、鉱業法につきまして改正をいたしたいと、かような考えであります。
○委員長(田畑金光君) 以上で両案の内案の説明は終りました。 この両案に関する質疑は次回に譲って、本日の委員会はこれで……。
○阿部竹松君 資料を一つ。実は衆議院でこの法案が上りましたときに、この保安法については「保安監督員制度を実効あらしめるよう措置すること。」こういうことと、それから鉱業法の方には、前段がありましてその中に、最後の項に「よって政府は、この際現行の鉱業法を全面的に検討し、可及的速かに根本的改正のための措置を講ずべきである。」、こういう今までかつて例を見ないような付帯決議がついているわけですね。議決を経てきたのですから、私はパスしてこぬとは言わぬけれども、こういうような付帯決議案というようなことはめったにない。内容的にはこれは否決されたと同じことになる。形式的には本会議を通ってきたから問題ございませんけれども、そういうことになると大問題なんで、十分論議してみなければわからぬのですが、さしあたり、次期の委員会でも、これは保安局長並びに鉱山局長、石炭局長にお願いをするのですが、中央鉱山保安協議会という保安協議会ございますね。ここで当然保安法改正に当っては関係したのでしょうが、そこの保安委員の各位の発言の内容が、もし会議録あればそれをお示し願いたいのと、もう一つは、出席状態、保安委員会の開かれた回数、こういうものをお知らせ願いたい。それから石炭鉱業と金属鉱業の、ここに数字は大まかに七百人が五百数十人になりましたよという数字は出ておりましたけれども、石炭鉱業と金属鉱業と両鉱業に分けて、その内容をお知らせ願いたい。 それから第三点は、監督員の問題ですが、この監督員一千名以上と一千名以下については保安局長の方で指示、あるいは地方の監督局がやっておられるか、監督員を設けておる山が千名以下の山でもあろうと思います。その実態をお示し願いたいということと、いま一つは、今、鉱山局長の説明の中にもございました盗炭、盗掘、つまりこういう山は保安局の方では関係ございませんと、正式ルールでございませんからといって、あなたの方では監督しておらぬ、こういう山が九州から山口、常磐、北海道等に幾つくらいあるものか、それからまた、保安局よりも石炭局の方で若干つかんでおると思います。明確な数字がわからぬでしょう、盗掘、盗炭ですからね。しかし、そういうような山があれば、それを次期委員会まであわせて御提出を願いたい。以上です。
○政府委員(小岩井康朔君) ただいまの御要求の中で、第一の点は、保安法の改正につきましては、中央協議会のことだろうと思うのですが、中央協議会には諮っておりませんですから、その点一つ御了承願いたいと思います。
○阿部竹松君 なければないでいいのです。僕はそういうところに相談なさったことかと思ったのです。法的にそこに相談してやらなければならぬことはないのだから、それはそれでよろしうございます。
○委員長(田畑金光君) それでは、本日は、これで散会いたします。 午後四時四十二分散会