社会労働委員会 第6号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/28
会議録
○委員長(久保等君) 社会労働委員会を開きます。 委員の異動を報告いたします。 十月二十四日付をもって西田信一君が辞任され、その補欠として横山フク君を選任されました。 —————————————
○委員長(久保等君) 社会保障制度に関する調査の一環として、医療保険の諸問題に関する件を議題といたします。御質疑を願います。
○谷口弥三郎君 私は、昨年健康保険法の改正法案が出て以来、各方面でいろいろ問題を起して陳情したりいたしておるようでありますが、この中で国民健康保険について、そのうちの一、二を大臣から御所見を承わりたいと思います。 今度の国民健康保険法によりますというと、普通の健康保険法は主として指定医療機関と保険医という二本立てでおやりになっておりましたのが、今回は指定医療機関というのを主体にされておるようでございます。ところが、医療保険と申しますものは、御承知のように、これは何と申しましても、被保険者に対しまして実際の療養を確保することが最も必要なことであるので、この療養を確保する観点から申しますと、医療機関を責任者とすることには幾らか難点がありはしないか、問題ではなかろうかというようなことを思うような次第でございます。それはなぜかと申しますと、被保険者の診療の求めがありました場合には、だれも知っておりますように、いわゆる応招義務なるものが現行の医療法制上ありますので、これは医師に課せられたものであって、決して医療機関そのものに応招義務はないのでございます。もっとも、医療機関のうちの管理者につきましは、その医療機関に勤務するところの医師を監督したり、その業務遂行にいろいろ欠けることのないように必要な注意をするという義務は管理者にはございますけれども、設立者そのものには何らそういうのがないのでございますからして、やはりこれは何と申しましても、被保険者との関係から申しますと、医療機関でなしにその医師に持たせてくることが必要ではなかろうかというようなふうに思うのでございます。なおまた、指定医療機関になりますというと、保険診療をいたします医師を指定医療機関に、開設者に隷属させる、指定医療機関を指定いたしますというと、その開設者なるものに医師を隷属させるということは、これは医療の独立性を欠くことではなかろうか。やはりそこにおります医師に登録とか何かというような方式にもっていくことが必要でなかろうかというのが第二点でございます。 また、その次には、今度の国民健康保険法は、前にも申しましたように、機関を指定しておるのであって、機関の指定と同時に、保険医、いわゆる医師の登録があるのでございますからして、それにもかかわらず、今回の国民健康保険法では健康保険法を準用するというような文言があるようでございますが、これはかなりアンバランスを起すのでなかろうか、一方は二本立てになっておるし、一方は一本立てでございますので、アンバランスになりはせぬかというようなふうにも思われるのでございます。 なお、一つついでに申し上げたいのは、この医療機関の指定制度というものはこれは非医者が開設する病院、診療所についてその不正を防止するというのが目的のためにできておるものでございます。もともと診療所とか病院というのは、これは営利的な運営は行わせてはならないということが、医療法などにおきましても、営利事業でないということをはっきりうたわれておるのでございます。それにもかかわらず、医療機関の指定制度、しかも開設者がやるということになるためにいろいろと営利問題が起るのではなかろうか。ときどき不正の問題が起るというのは、これは開設者に医者でない者を入れておるというのが原因ではなかろうかというように思うのでありますが、いかがなものでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍伍君) ただいま谷口委員から御質問のありましたことは、前々から国民健康保険法の審議について御意見の出ておるところでございます。いろいろな考え方はあると思いますが、法の建前で申し上げたいと思います。 まず、医療機関という観念をとっておるという点でありますが、谷口委員の御意見は、医者がとにかく診療給付の当面の責任者である保険者は医者と契約をしておるという御意見であると思いますが、まず、病院の例をとってみました場合にも、その病院に患者が参りました場合にも見るのは確かに医者でございますが、これも病院というものがあって、そこにお医者がおり、また、看護をする者もあり、給食をする者もあり、レントゲンの技師もありというような、総合的な診断及び治療の責任はやはり病院というものに考えておる。どうも考えてみまして、国民皆保険の保険者に対する相手の当事者というものはやはり病院それ自身というものにならないと工合が悪いのじゃないか。で、診療所の場合にはお医者さんが一人の場合もあり、二人の場合もあり、それに看護婦なり、レントゲン技師なり、あるいは検査技師がついておる場合もあり、ついてない場合もあると思いますが、ただ全く一人のお医者さんが御自分だけでやっていらっしゃるという場合は、これはどうもしいて医療機関ということを言わぬでも、お医者それ自身でもかまわぬのじゃないかということもあるかとも思いますが、現行医療法の規定するところに従ってやはり一応病院と診療所とを含めて、やはり医療機関というものが患者に対して医療の責任を負うという建前で、その総体の考え方を整理をいたしまして、そうして医療機関が保険者に対する療養担当の責任者であるという建前をとったものでございます。 それから指定という問題につきましては、これは指定という言葉がどうも少々いらつくようであります。要するに、考え方といたしましては、従来の行き方で見ますると、保険者がその町村の中におりまするお医者さんと自由に契約するという形になっておる。そこでやはりお医者さんをえり食いしたりして非常に工合が悪いことができたり、あるいは直営診療所ばかりにやらしてみたり、あるいはまた、給付内容をいろいろに裁量いたしましたり、診療報酬についての特殊な割引をいたしましたりというようなことは、いやしくも従来の慣行は別としまして国民皆保険をやるということになりました暁には、経過措置は別といたしまして、給付の内容も統一をいたしまするし、診療報酬も統一をいたしまするし、また、いやしくもその療養給付を担当しよう、国民健康保険の療養担当者になろうという意思を持っておられるお医者様に対しては、あるいは病院に対しては、必ずその担当者たらしめるという方が穏当じゃないかという考え方で、いやしくも療養給付を担当する意思を持っておりまする医療機関に対しましては、その意思を表示してくれれば、それを府県知事が指定をするという形で、意思のある人は全部統一された内容に従って療養担当をやってもらうという方が、どうも国民皆保険という建前からいったらよろしいというまあ考え方でいたしたものでございます。従いまして健保のときに問題になりましたような不正防止のために二重指定をやるというようなつもりでやったわけではないのでございまして、言葉が若干似ておりまするので、そういう感じが出るかと思いますが、健保のときのいわゆる二重指定問題とは全然別のつもりでやっておる次第でございます。で、その点につきましては、どうか一つこの法の趣旨を御了承願いたいと考えております。
○谷口弥三郎君 ただいまの御説明によって、医者が一人でやっておるところと、病院というようなふうに各医者がたくさんおったり、各科があったりするために開設者に指定をするいわゆる開設者を指定医療機関に指定をするというようなお話でございますが、この病院、あるいは総合病院にいたしましても、これにはいわゆる医者のうちでも管理者たる者ができる、いわゆる病院長とかいうのが管理者になっておりますから、その病院を指定をする場合には管理者を指定するというようにして、開設者じゃないということでも十分お話のような目的は達し得るものではなかろうかと思うのであります。管理者にやれば、管理者自身は医者でございますからして、医者でもあるし、病院のほんとうの医療法による責任をになわされておるわけでございますからして、開設者にやるのは間違いじゃなかろうか、管理者を指定するというような式にやられた方が都合がよくはないかということからお尋ねをしたような次第でございます。
○国務大臣(橋本龍伍君) 法の建前は、この申し出は開設者がいたしますが、医療担当者として指定をいたしまするのは病院なり、診療所なりそのものを指定をいたしておるわけでございまして、決して開設者を指定しておるわけではないのであります。で、特に病院などを考えてみますると、やはりその病院の中で院長さん個人が担当するということでなしに、それでやはりあるいは看護婦あり、あるいは薬剤師あり、あるいは給食の担当者あり、あるいはレントゲン技師あり、検査技師ありという総合的にあっちこっち行って診察をしたり、あるいは入院をしたりということでやっておりますので、病院のような場合を考えてみますると、どう考えてみても、どうも病院というものが療養の給付を担当しておるというふうに考えざるを得ないと思っております。ただ、先ほども申し上げましたように、たった一人のお医者さんが御自分でやっておられるというときに、医療機関という観念をとろうと、お医者自身をとろうと、事実同じようなものであります。総体的に医療機関という考え方で、開設者のお申し出に従って医療担当者としては病院、診療所そのものを指定をするという形をとっておるわけでございます。
○谷口弥三郎君 そこのところはちょっと私も……。病院を指定するという、機関を指定するということと違っておりませんかしら。いわゆる機関なる開設者を指定するというものじゃなしに、医者が管理者としておるわけですからして、いかに病院が総合であろうと、単科病院でありましょうと、その病院長なるものを指定すればそれでいいのじゃなかろうか。開設者をこの中に入れるからいろいろ問題が起ってくる。あるいは営利問題とか不正問題とかいうのがくるのじゃないかと、こう思うのでございますが、そこの点が少し御説明と違うように思いますが。
○国務大臣(橋本龍伍君) やはりその場合に、たとえばまあ同愛会なら同愛会病院というものがあって、院長だれの何がしという方があるかもしれませんけれども、やはり院長さんというのはその病院のただ総体的な監督をしていらっしゃるだけであって、その病院長さん一人が療養の給付を担当するというふうにするのはどうもむずかしいのじゃないか。もし、しいてやはり病院自体でなしに、お医者ということを考えるならば、極端にいえば、そこのお医者さん自身、お医者さん全部を並べて、これは何というか、共同責任者みたいな格好でやはり契約をしなくちゃならないようになるのじゃないかと思うのでありまして、病院などに関しましては、やはり病院という医療機関が医療給付を担当するという方がどうもすなおなように考えておるのであります。
○榊原亨君 今の問題に関連いたしまして、大臣のお考えが少し混乱と言っちゃおかしいが、込み入っておるのじゃないかと思います。と申しますのは、医療を行うのは、医師以外に医療を行うことはできぬのであります。これはもうおわかりのことだと思いますが、医師法によりましても、医者以外には医療を行うことができぬ、また、国民健康保険におきましても、社会保険におきましても、経済でいろいろ診療報酬を請求いたしましたりいたしますのは、医療を行なったその者が請求することに建前はなっておるわけであります。そこで、第一段にお話になりましたレントゲン技師がおるとかあるいはそのほか医療の担当者がおるから、そこで総合的なというお話でございますが、それらはやはり医師が行います医療の補助者でございまするから、従って、医療はあくまでも医師でなければできないわけでございます。そこで、今の問題の開設者というお話になるのでありますが、病院を開設いたしますのは、病院の建物とかあるいは設備とかというものを整えまして病院を経営すると申しますか、建てるという開設者でありまして、その建物なり施設を利用いたしまして医療を行うのはあくまでも医師でございまするから、従ってその医師は、たくさん医師がおります場合には管理者というものを置きまして、そしてその病院の管理者、医師のうち代表的な者が管理者になっておる、こういう建前になっておることは御承知の通りであります。そういたしますると、今のこの機関指定というような問題につきましては、たとえば現行の健康保険のように、医師を登録いたしまして機関を指定するということでございますならば、一応そういう機関を利用してやるのでありますからいいわけで、あくまでも登録された医師がそこにあるわけでございまするからいいわけでありますが、今度の国民健康保険のように、今度は医師を登録しないで設備だけを、機関だけを指定するということになりますと、どうもそこのところに解釈上の混乱があるのじゃないかというふうに思うわけであります。従いまして、現行の健康保険で二重指定になっておりますならば、むしろ二重指定というようなことであれば、一応筋が通るのでありますが、それを今度登録の方をやめてしまって機関だけを残されたということにつきましては、どうもそこのところに疑問が残ってくるのではないかというふうに思うのでありまして、その点についての大臣、でございませんならば局長でもいいのでありますが、そこのところ、割り切ったお話を一つ承わりたいと思うのであります。
○政府委員(高田正巳君) ただいまの御質問、医療を行うのは医師でなければならない、これはその通りでございます。個々の診療行為、医療行為というものは、これは医師でなければ行うことができません。ただ、保険で給付をいたします療養の給付というものは三十六条に書いてございますように、個々の医療行為とは若干広い概念でございます。しかも療養の給付ということをやっていただくという建前でございますので、そこには個々の医療行為が医師でなければ行われない、行なってはならないということと、それから療養の給付をその医療機関に担当していただくということにつきましては、別に法律上の何と申しますか、さような考え方はできないということではないと私どもは考えております。それから先ほど来、病院、診療所というその機関をいろいろな種類の人と、それから設備、そういうふうなものを一体にして病院、診療所というふうな医療機関を指定するのだと大臣は御説明になっておりますが、いやそうではない、開設者を指定するのではないか、それであれば管理者を指定したらどうだというふうな御議論がございますが、その点は三十七条をお読みをいただきますと、「指定医療機関は、」これこれこれこれ、「病院若しくは診療所又は薬局につき、その開設者の申請に基き、その所在地の都道府県知事が、指定する。」というのでございまして、申し出をする、いわゆる申請をするのは開設者でございますが、その指定をするのは病院もしくは診療所または薬局につき指定をするのでございます。従いまして、指定をいたすものはあくまでもその病院、診療所または薬局という医療機関を指定いたすわけであります。その際に、しからばその申請の名義人をだれにするかという問題があるわけでございます。それをこの法律案では、開設者が申し出るというふうに、開設者を名義人にいたしておるわけであります。 しからばこれを管理者にしたらどうかという御議論が次に出てくると思いますが、これは管理者にしてはならぬということはございません。これは管理者から申し出るにいたしましても、指定をするのは管理者を指定するのではなくして、病院、診療所、薬局につきと、その医療機関を指定するわけでございます。結局申し出の名義人をだれにするか、どっちが適当かということでございます。しからば私どもこの法律案のとっておりますのは開設者の方が適当であるという立場をとって、さような整理がしてあるわけございますが、それはどういうことであるかと申しますと、個々の医療行為なり診療行為なりというものは、もちろん医師がなさるわけでございますが、保険の療養給付を担当しましょう、どうぞ一つお願いをいたします、こういう保険との関係をつけるかどうかということは、これはやはり医療機関の全体の問題でございまして単に医療をやるとかやらぬとかいうこと以外に、その診療報酬を請求するとか、いろいろな問題があるわけでございます。従って、これはやはり開設者の方が適当であろう、こういう立場をとっておるわけでございます。極端な例をあげてみれば、中に勤務いたしておりまするお医者さんや、それから院長さんは保険の診療をやりたいという意思を持っておられましても、その開設者の方で、いやおれの病院はそういう目的で作っているわけではないのだからそれは困るというふうな場合も考えられるわけであります。従って、保険との関係を結ぶかどうかというふうなことは、やはり開設者に法律上の申し出の名義人になっていただく方が正しいのではあるまいか、もちろん開設者がさような権限を管理者に委任をいたしておりまする場合には、その委任のことが明らかであります場合には、管理者が開設者から委任をされた立場において申し出をされることは、これは自由でございます。しかし、法律上の建前といたしましては、開設者の方が適当ではあるまいか、こういう考え方をいたしておるわけでございます。榊原先生の方の御質問の中に、請求をするのは個々の医療行為をやった医師が請求をすべきであるということでございますが、しかし、請求関係から考えますれば、自分のふところに入らないいわゆる債権者でない者が請求をいたすということは、むしろこれはおかしな話でございましてその療養の給付をやってその代金を受け取る者がやはり請求をいたすのが、これが普通の筋であろうかと思います。非常に複数以上のお医者さんがおられる場合に、一つの病院からあの人の名前、この人の名前で出てくるというのもこれもおかしな話でございまして、これはやはりすべて医療機関の経済に入るわけでございます。その面から申しましても、これはむしろさように療養の給付を担当するという者と請求者とは、これは一本になり、しかも自分のふところに入る者が請求をするということの方が法律上の整理といたしましてはむしろいいのではないかと考えるわけでございます。
○山下義信君 議事進行。今せっかく重大な御質問で、いろいろ関連の御発言もあろうかと思いますが、私も関連質問を持っておるのでございますが、議事の都合で、実は前回留保されました同和問題の質問が残っております。先にお願いするはずであったのでございますが、ミステークいたしましたのですが、簡単でございますので、ここで質疑を許さしていただきまして、お諮りを願ってお差しつかえなければはさんでいただきたいと思います。
○委員長(久保等君) 議事の途中ですが、今、山下議員の御提案でございますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(久保等君) それでは、同和関係の問題について御質疑をお願いしたいと思います。
○小柳勇君 同和問題について二、三質問いたします。 第一に、厚生大臣に質問いたしますが、十月の二十一日の社労委員会で、十月十七日の日に同和問題閣僚懇談会を設けたと報告されましたが、これはかつて三月十一日の日に、岸総理大臣が衆議院の社会労働委員会で言明された同和問題審議会とどういう関連があるのか。われわれとしては、閣僚がかわられてもこういう問題は永久的な問題だから、内閣に審議会を設けられるが妥当であろうと考えておりますが、この点についての大臣の御見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(橋本龍伍君) 先般、同和問題閣僚懇談会を設置いたしました。その趣旨は、この三月に衆議院で御質疑がございました筋に従ってでございますが、審議会を設けろという実は御意見がありますが、それに従って大体内閣と話を進めておったのであります。ただ、いろいろ意見がございましてとりあえずとにかく閣僚懇談会を設けて、そうしてそこでいろいろ審議の上で、これは法律を出して正式の審議会にする方がよろしいということであれば、そういう方向へ切りかえることも考えるという含みで、とりあえずとにかくなるべく早くこの問題について責任ある閣僚懇談会を発足させる。そういう趣旨で発足をいたしたものでございます。趣旨はこの三月にお話のありましたあの問題の、つまり処理の一環といたしまして、とりあえず閣僚懇談会を発足させたものでございます。
○小柳勇君 そうすると、総理大臣が言われました審議会については、当然設けるものとして閣僚懇談会で討議されるものと理解してよろしいものか。これが第一。 第二は、その総理大臣の発言のあとで、昭和三十四年度には強力な予算を組んで、この対策を立てると言明されたが、その強力な予算を組むまでに審議会ができるものと理解していいものか。その点。
○国務大臣(橋本龍伍君) 審議会をはっきり設置するかどうかまだきめておりません。閣僚懇談会を発足をさせまして、その審議会の設置の問題、設置するとすればどういうふうな構成でいくかというような問題も閣僚懇談会の議題にして参ろうという考え方でございます。従いまして、三十四年度の予算に関しましては、とりあえず、先般厚生省として予算要求をいたしました。なお、今度閣僚懇談会ができますれば、閣僚懇談会の議題の重要な一環として、先般厚生省で提出をいたしました概算要求をもう一度再検討いたしまして、これでいくか、さらにこれを拡充するかというようなことは重要な議題であると考えております。
○小柳勇君 私の考え違いか、厚生大臣の考え違いかわかりませんが、岸総理大臣は、内閣に審議会を置くと言明しておられると私は理解いたします。従って今、厚生大臣の言明では、置くか置かないかを検討するということでありますが、私は、総理大臣が衆議院で言明されたように、審議会を置くという方向で検討されることを重ねて要望いたします。 次に関連して、この予算の問題につきましても、早急に一つ腹案なり御提出願いたいと思う次第です。この点お伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍伍君) ただいまお話し申し上げた通りでございまして審議会設置の強い要望もあるのも十分了承しております。それからこの三月の際におきまする言明というものも、かなり強い方向で発言をしておられると思います。ただ、はっきり審議会設置ということに言い切ったかどうか、私はっきり記憶をいたしておりませんけれども、考え方といたしましては、審議会設置の御要望というものを十分腹に含んで、それでとりあえず閣僚懇談会を発足させて、その審議会を設置するかどうかの問題、それからそのするとしての内容の問題も、この懇談会で検討するということで、懇談会を初めからこの懇談会は、たとえば一カ月なり二カ月後、審議会に必ず切りかえるのだということをきめては参っておりません。
○小柳勇君 予算の問題。
○国務大臣(橋本龍伍君) 予算の問題は社会局長から。
○政府委員(安田巖君) 同和関係の予算につきましては、この前御説明申し上げました通りでございますが、もう一度……。
○小柳勇君 この閣僚懇談会でどういうふうに予算をお組みになるのか。大体この前出したので、一応これはきまったものだ、こういうことであるとすれば、私もまた少し意見があるのです。
○一国務大臣(橋本龍伍君) そういうお話しでございましたら、私先ほど申し上げましたように、実はこの審議会問題も、私就任以来内閣と相談をしておりましたのですが、ようやく懇談会開設というところにまでまあこぎつけましたので、概算要求を出します際には、とりあえず、とにかく厚生省で考えているところに従って、概算要求をいたしたわけでございます。従いまして、この懇談会を実はなるべく早く発足させたいと考えているのでありますが、その席で厚生省はとりあえず要求をいたしておりまするものを審議して参るわけでございます。で、どういうふうにいくかをきめたいと考えております。従いまして、この懇談会にかけました上で、来年度予算がどうなるかということにつきましては、懇談会の運営の結果を少しお待ちを願いたいと思います。
○小柳勇君 次は、この前資料をいただきましたが、これで、全日本同和対策協議会という名前を書いてあるわけです。この資料を厚生省として、局長でもよろしゅうございますが、この資料は、厚生省が大体数字としてお認め願った上で、お出しになったのかどうかお伺いしておきたい。
○政府委員(安田巖君) これは先般御配付申し上げましたようなことでありまして、一つは厚生省で調べました資料と、それから詳しい方の資料は、それは同和対策協議会の方で調べた資料でございます。私どもは、この資料を基礎にして進んで参りたいと思っております。
○小柳勇君 この資料の表をいろいろ説明願いたかったのでありますが、時間も急ぎますので、説明を求めることは省略いたしますが、この資料の中に、生活補助的なものが少くて、施設その他の方に重点をおいてあると考えますが、厚生省としてこの同和問題に対して、生活補助などに対して、それから施設以外の問題、そういう問題に対してどういう来年度予算に対して心組みを持っておられるか、この点だけをお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(安田巖君) 生活扶助の方は御承知のように、一定の水準の生活が維持できないということでございましたならば、当然これは生活扶助を適用いたすことでございます。同和地区における生活扶助者の数と、それから一般のその他の地区における生活扶助の割合というものが比較できる資料があればいいんじゃないかと、こう思ってここに書いたわけであります。 それから一般的な同和地区に対する対策でございますけれども、これはいろいろあると思います。物事の考え方をどういうふうにして変えていくかということもございましょうし、もう一つは、やはり同和部落におけるいろいろな環境その他の条件が特に悪いために、また、差別を受けるということもあると思いますので、厚生省として考えますのは、やはりそういった環境をよくしていくと、そうして生活が少しでもよくなっていくようにということを主として考えたいというのが従来の態度だったと思います。今仰せのようなことは、今度の閣僚懇談会なり、あるいはその下に設けられます幹事会等におきましては、十分各省が集まりまして相談いたさなければならぬ事項だと思っております。
○小柳勇君 最後に、この審議会の設置が早からんこと、それから調査機関をもう少し拡充していただきまして——調べてみますと非常に調査資料も少い、統計資料も少いので、調査機関を拡充してもらって、そういうふうな調査を積極的にやっていただきたいことと、それから特にこの同和関係諸君の健康管理について、この前もちょっと結核対策で発言いたしましたけれども、健康管理について、厚生省としてもどうぞ一つ積極的に乗り出して対策をとっていただくよう要望いたしまして、私の質問を終ります。
○委員長(久保等君) 本問題に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(久保等君) それでは、先ほどの医療保険の諸問題に関する件につきまして御質疑を願います。
○榊原亨君 関連質問でございますから……。また、本格的なことは、私はあとから申し上げたいと思うのでありますが、ただ一つ請求書の請求をいたしますものが云々という今の保険局長のお話でありまするが、それでは診療報酬の請求書は病院でございましたら開設者がされるということでございましょうか。その点はいかがでございますか。
○政府委員(高田正巳君) 開設者でございます。もちろんその開設者からそういう権限を一切委任されておる管理者でありまする場合は、管理者の名前によっていたします。
○榊原亨君 この点について実情を申し上げますというと、管理者の判を押して、さらに診療を行なった者の判を押して、請求書を出すようにということを現在行なっておられるのでありますが、開設者が診療報酬の請求書をするということについては、ちょっと実情と違っておるのじゃないかと、まあ私、日本じゅう全部調べたわけじゃございませんが、ここらが問題になりますので、一応調べたのですが、そういうことになっておる。従いまして、この点についてはもう少し私らも検討いたしますが、当局におかせられましても御検討をお願いしたいと思うのでございます。 もう一つそこで申し上げますが、この応招義務を規定いたしておりますものにつきましても、たとえば今の法律によりますと、医療に従事する医者は、病気の診療の求めがあった場合には、特別の理由がなければこれを拒んではならぬという応招義務の規定がありますが、これは医療機関にはないと思うのでありますが、その応招義務でさえが、はっきりその責任と権利ということが規定せられておらない医療機関だけをここで指定されるということにつきましては、多大の私は疑問があると思うのであります。健康保険法におきましては、御承知の通り、一方は医者を登録しまして、一方は機関を指定しておりまするから、その間の欠陥がカバーされておりますが、今度のこの法律の当局のお考えからいいますというと、そういう不備な機関だけを指定して、そうして診療に当ります医者の方の登録なんというようなことを削除されたということについては、そこに非常な問題が起るのではないかと思うのでありますが、その点はいかがでございますか。これは厚生大臣から一つ。
○国務大臣(橋本龍伍君) 非常に純粋に法律的な問題でございまするので、保険局長から答弁を……。
○政府委員(高田正巳君) 応招義務は、これは御指摘の通り、医師に課せられておるわけでございます。これはこの医師の義務は自由診療でございましょうと、保険の関係の場合の診療でございましょうと、あるいはその他の生活保護法の場合でございましょうと、すべて、そういうふうな、経費がどこから払われるとか何とかということに関係なく、医療の制度といいますか、それ自体、全体にかぶっておるわけであります。従って、この保険とか何とかという関係以前のものでございまして、それは同時に、保険の医療の場合にもかぶって参るわけでございます。それで医療機関には応招義務がないじゃないか、こういう仰せでございますが、これは別に医療法の上にもさような規定はございません。しからばこの機関を指定すると、一体どこからその機関が療養の給付を担当しなければならない責任が出てくるのか、こういう御質問かと存じます。それは申請によって、医療機関としましては、私の医療機関では保険を担当いたします、どうぞお願いいたしますとこう言って保険との関係を結ぶわけでございます。その関係づけから保険の診療を担当いたしますと、お願いをいたしますという申請指定の関係から、基本的には保険診療を担当する義務が医療機関に生じて参るわけでございます。しかも三十八条等で指定医療機関の責務といって、その療養の給付について守らなければならない準則等も規定してございまするし、さようなことからいたしまして、医療機関自体の療養の給付を担当する義務を生じてくるわけでございます。この義務を免れようといたしまするならば、すなわち、申し出でて、指定を解いてもらうということをいたしません限り、やります、やって下さいという約束のもとに、保険との関係づけをやるわけでございますから、その関係づけが続いておりまする限りはやっていただく義務を生じておるわけでございます。機関につきましてはそういうことでございまするし、なお、その中に働いておられまする医師につきましては、これはその経費がどこから出るかということに関係なく、医療そのものについて応招義務があるわけでございます。この二つによりまして、被保険者の医療を受けるということは守られるものと私どもは考えておるわけでございます。
○榊原亨君 この点は非常に重大な点でございますから、もう一つちょっとそこのところ私簡単に申し上げます。が、それじゃ医療機関は、あなた方のおっしゃいます医療機関は応招義務があるのですか、ないのですか、それを一つ端的にお答え願います。
○政府委員(高田正巳君) 指定を受けた医療機関は、保険の療養の給付を担当する義務があるわけでございます。
○榊原亨君 私の申しますのは、応招義務があるかどうか、患者が参りまして診察をしてくれと、それを断わったら、特別の理由がなければ、罰せられることになっておりますが、医療機関は、そういう応招義務を持っているか、持っておらぬかということを私はまず承わりたい。
○政府委員(高田正巳君) 応招義務というものは、医師法上の概念でございます。その医師法上の義務を持っている者が、医師でございます。従って、医師法にいう応招の義務は、医療機関にはございません。しかし、療養の給付を担当する義務は、これはあるわけでございます。
○榊原亨君 私は、さらに極端なことを申しますると、医療機関というものは、いわゆる医師法の応招義務というものはないわけです。従いまして、大学病院へ行きまして、患者がこれを見て下さいと言っても、正当な理由がなくても断わることができるのでありますが、そういうふうな、医師法によっても応招義務を認められておらないような機関を中心として、そうして、ことに国民皆保険というようなことを委嘱する、あるいはさせるということは、ここに非常な問題があると私は思うのであります。従いまして、これはどうかと申しますると、明治初年から今日に至るまで医療制度の発達というものは、初めのうちは個人の医者というものを中心にして発達しておりましたから、複雑化しました医療機関の制度というものが最近になって出て参りましたので、法律の上から申しますると、医療機関の診療に対する責任と義務というものは、まだ規制されておらぬ、従いまして、保険においてはそうかもしれませんけれども、一般的にそういうふうにまだ十分に法律的に規制されておらない、これはいずれ医師法なり歯科医師法なりで、医師の診療の責任というものはどうかということを規定されなければならぬと思うのでありまするが、現在の段階においては、そういうことが十分に規制されておらない今日としては、その医療機関を中心としてこの保険を預けるということは、これは軽率なんではないかと私は思うのです。従いまして、この場合は、現行健康保険のように、医師を登録した機関を指定するというのも、一つの方法だと思うのであります。というのは、機関の持っておりまするそういう法律的にまだブランクになっているところを、医師を登録するということによってカバーできると思うのであります。また、私どもが、この方がいいと申しておりますところの医師を登録するということだけでも、これは医師の義務がはっきりするのでございますから、こういうものを中心として保険医療が行われるということも、一つの方法だと思う。これはいずれこれから審議されなければならぬことでありますけれども、ただ、現行健康保険法にありますところの医師を登録するということは省いてしまって、それであやふやと申しますと大へん失礼でございますが、まだ今の法律では、医師法の上でもはっきり権利と義務がわからぬような機関だけを残して、それを指定するということについては、多大の疑問があるのだけれども、その点は十分御研究になったかということを私は申し上げるのであります。
○政府委員(高田正巳君) 健康保険の場合におきましても、健康保険医の登録というのは、その保険医に健康保険の診療をやってもらうという義務を課したものではございません。保険医の登録をやりましても、そのお医者さんは別に健康保険の診療を担当しなければならないという義務はないわけでございます。(「おかしいね」と呼ぶ者あり)いや、法律的にはそうでございます。そのお医者さんは、健康保険の診療に従事する場合には、登録を持っていなければならないということだけでございまして、登録を受けたからといって、その方が保険の診療に従事しなければならぬという義務は生じないわけでございます。これは、言ってみれば、従事し得る資格をとったというふうなものでございまして、従いまして、健康保険の登録というものは、そういう性格のものでございます。それで、ただ、健康保険の診療に従事する場合には、その登録を持っていなければならない、しかも、そのやり方は、健康保険にきめられておる療養の担当規則等を守っていかなければならないというだけのものでございます。それで、もし健康保険の保険医が診療をしなければならない義務が生ずるといたしますれば、それは、指定を受けた医療機関の中に働いておられて、その医療機関が指定を受けておるから、その関係から義務が生ずるわけでございます。そういう関係でございますので、別にその点につきましては、榊原先生のような御懸念はないわけでございます。ただ、健康保険法の方では、登録という制度を設けながら、国民健康保険法の方では、その制度を設けなかった、その点はどうだ、こういう御質問が次に出て参ると存じますが、その点につきましては、なるほど健康保険のように、機関の指定と、国民健康保険医というものの登録というふうなことをやれば、向うとは非常に平仄が合うわけでございますが、健康保険の方は、御存じのように、これは全国的に一本に通用する医療機関の制度でもございまするし、こちらの方は、今回、県内には通用するようにいたしましたけれども、若干、地域性をも持っておりますし、大部分の医療機関というものは、いなかの医療機関を除いては、健康保険の保険医療機関になっておられるのです。しかも、そこには保険医の登録という制度がございますので、そのことを準用することによりまして、大勢はもうきまってしまう、あえて国保の方でそういうふうにややこしい制度を設けなくても、十分事が足りる、こういうふうな観点から、かような法律上の整備をいたしたわけでございます。
○榊原亨君 この点については、まだ十分私も納得がいきませんし、これからあとまた質問いたしますから、一応私、関連質問ですから、きょうは私はこの程度にいたしておきます。
○高野一夫君 局長に伺いますが、要するに結局、健康保険の方と今度のやり方が違う、それで健康保険法の方では、登録と指定とありながら、登録をやらないで、指定だけはそっくりそのまま持ってきたというところに、榊原委員のおっしゃるいろんな疑義が出てくるのだろうと思うのです。 そうすると、今、私は、もう一つその前に伺いたいことがあったのだが、今あなたの御説明でどうしても伺わなければならぬのは、そういうような、登録の方は、健康保険法の方であっておるから、準用することができるのだ、大勢の影響はないということならば、この指定だって必要がないわけです。健康保険の方が利用ができやしないかと思う点が一つと、それから今度は、機関を指定した場合に——医療機関、保険医療機関並びに保険薬局と指定した場合に、これは今、あなたのお話では、療養給付の義務がある、そうすると、その中に働いている医師、薬剤師は、いやだということは言えませんか。そうすると開設者が、療養給付の義務を負うわけでしょう。開設者が義務を負うて、開設者が医師ではない場合、あるいは薬剤師でない場合、その下に別な医師がおり、薬剤師がおって、調剤あるいは診療の給付をやるという場合に、開設者は療養給付の義務があるのだが、その下には義務がないということになれば、これはいやだということを言った場合にどうなるのですか。ほかの自由診療はやっても、国民健康保険の医療はごめんこうむります、それは開設者の義務なのだから、われわれほんとうの医療の担当者たる医師、薬剤師の義務ではない、こういう考え方が出てきはしませんか、その点はどうですか。
○政府委員(高田正巳君) 後段の御質問は、私どもは医療機関に責任を負わせておりまして、そうしてその医療機関にその中に働いております、すなわち雇用関係にあります個々の医師に保険診療をやってもらうような義務を医療機関自体、名義人は開設者ということになりますが、開設者に課しておるわけであります。従って、間接的に保険の関係では、先生御指摘のように、個々の医師には間接的に義務がかかってくるわけでございます。それから、その個々の医師におきましては、医師法で応招の義務があるわけでございますから、その医師法の応招の義務というものは、先ほど御説明をしましたように、全部の診療にもかかって参るわけでございます。保険診療の場合にもかかって参るわけでございます。従って、その意味からも保証をされておる、こういうことに相なるわけでございます。
○高野一夫君 もう一問だけ。そうすると、どうもこれは法案が出たときに十分もう少し吟味する必要があると思いますので、きょうは簡単に質問してやめますけれども、どうもそこのところがはっきりしないわけなんですが、それならば健康保険法の方もそうすればいいわけです。健康保険法の方は、人間を登録さして機関の指定をする、こっちは機関の指定だけ、これで十分間に合うならば、健康保険法を改正して登録をやめてはどうですか。 それともう一つ、もし、いろいろなことを準用するという場合に、健康保険法の方はやらぬけれども国保だけやるという、こういうような場合も出てきはしないか、いろいろな矛盾が私は実際問題として出てくると思うのですが。
○政府委員(高田正巳君) なるほど国保の方でも医療機関の指定と、それから国保保険医の登録というふうな健康保険と同じような建前をとった方が論理的には平仄が合うわけでございます。それは御指摘の通りでございます。ただ、私どもが国保の方は保険医の登録制度なんかを設けなかった理由は先ほど申し上げましたように、日本全国の医療機関のほとんど——非常に多くの部分が、いなかのあれは別でございますが、非常に多くの部分は、健康保険の保険医療機関の指定を受けておられるわけでございます。そうしてそこの中に働いておられます医師は保険医の登録を受けておられるわけでございます。しかも、さような健康保険の医療機関につきましては、特別の申し出があれば別でございますが、おれは健康保険法の診療はやるけれども、国保の方の診療はやりたくないという御趣旨から、特別の申し出があれば別でございますが、そうでない場合には、国保の指定医療機関となったものとみなされるわけでございます。新法によりまして、この新しい法律案によりましては、みなされるということになっております、黙っておりますれば。そうすると、国保の方の診療をおやりになるということになるわけでございます。その際におきましては、そのみなされる指定医療機関におきましては、その保険医の制度がございますので、健康保険法の保険医でなければ保険診療に従事することができないという規定を、みなされた医療機関の場合にも準用しているわけでございます。そういたしますと、わが国の医療機関の非常に多くの部分は、大部分はこの健康保険の医療機関、保険医の登録という制度が、そのまま国保の方にも働いてくるわけでございます。現実問題としましては健保の診療なんかほとんどない山のいなかの方の医療機関だけが残るわけでございます。そういたしました場合には、そういう医療機関は非常に規模もあまり大きくない場合が多うございましょうから、従って、そこにさらに医療機関の指定と別に、保険医の登録というふうな制度まで設けなくても、医療機関を縛ることによりまして——縛ると言っちゃ意味が悪うございますが、医療機関に担当の義務を課することによりまして十分実質的には目的は達成される、こういうふうな理解になっておるわけでございます。
○高野一夫君 もう一つ伺いますが、それならば、私の言うのは、国民健康保険法と健康保険法と法律は全然別なんです。同じ健康保険法という言葉があるけれども、この健康保険法と国民健康保険法とは、おのずから内容も本質も別なんです。別だからその機関の指定をやはり別個にするわけでしょう。そうして法律が違う、健康保険と国民健康保険と、ものが違うのに、ただ機関だけ指定すれば、ほかは登録しなくてもいいという考え方は、これは実際法かもしれない、簡便法かもしれませんけれども、そんな法理論が出てくるかしら。これはきょうはいいです。この次また、十分時間があったときに一つ説明を伺いますが、私は多分にこの点については疑問を持っておりますから、時間があったときに、さらに引き続いて質問します。
○谷口弥三郎君 ただいまお話のような健康保険は二重制、こちらの方は一本である、こういうのは実は二本立にして機関を指定したり、あるいは保険医を登録させたりするのは、あまりにもめんどうだという向もありまするからして、いっそのこと、健康保険の機関指定を一本にしてやれというような気持で一本になったのじゃなかろうかと思うのですが、その点はいかがですか。それから同時に、指定を機関にするということは、先刻来いろいろと私初め申しましたように、あるいは応招義務の問題あるいはアンバランスの問題などもあるのでございますから、やはり開設者を指定せずに、管理者をするということが最も適当じゃなかろうか。管理者をするということに対して、先刻来も医者がたくさんおるところは、なかなかめんどうじゃないか、一人のところならば容易だけれどもとおっしゃるようなことがございますれば、多いところは多いで、あるいは総合病院であったら各科がございますし、各科の医長が集まって、院長、管理者を作っておるのですから、それを代表的に分離する。管理者、いわゆる医者を管理者と指定するというところも、お話のように大学などは、大学は実は医者の学長がおるところもございますし、総合になれば、医者でない学長がたくさんおるのですから、大ていはやはり病院長がその責任者になると思います。そうするからして開設者を持ってくるというところに非常に無理がありはしないか。開設者に持っていくからこそ、いろいろな不正事件があったり、いろいろな問題が起るのですから、開設者と言わずに、管理者にするというところに持っていかれぬものですか、その点を一つ。
○政府委員(高田正巳君) 先ほどお答え申し上げましたように、開設者を指定したり、管理者を指定したりするわけじゃない、医療機関を指定するわけなんであります。ただ申出人、申請をする人はだれにするかという問題が今御指摘の問題になるわけでございます。管理者から申し出をいたすにいたしましても、これは医療機関を指定するわけでございます。管理者たる医師は、医師何の何がしという立場において申し出をするわけではないのでございまして、医療機関の代表者として申し出をするわけでございます。医師であっても、その資格が違うわけでございますね。従って、指定をするのは、あくまでもこの法律の条文で明らかなように、医療機関を指定するわけでございます。開設者を指定いたしましたり、それから管理者を指定いたしましたりするわけではないわけでございます。その点を一つ御理解をいただきたいと思いますことと、しからば、申請者を、名義人を管理者にしたらいいじゃないかということに御意見としてなるかと思います。それにつきましては、先ほど申しましたように、医療機関の設置者というものがこの保険の診療をやるとかやらぬとかいうふうな関係は、その設置者が判断をすべきものである、最終的にはその設置者の判断に従うべきである。設置者はいやだというのに、勤めておる院長さんが、おれはやりたいのだといってみたところが、これは何ともならぬじゃないか。従って、法律上には開設者ということにいたしておるわけでございます。しかし、この申請を、開設者から権限を委任された管理者がなさることは一向かまわないわけでございます。管理者がその代理として申請をなさることは、権限の委任が明らかでありますれば、一向かまわないことになります。たとえば、国立病院等におきましては、開設者は厚生大臣でございます。しかし、規定の上ではっきりと、院長にさような権限を委任いたしておることは明らかでございますので、これは国立病院の院長から申請をなさればいい、こういうことになるわけでございます。しかし、そうはいたしましても、法律上の最終的な責任者というものは開設者でございますので、従って、名義人は法律の上では開設者ということにいたしておるわけでございます。
○山下義信君 きょうは自民党デーで、私が質疑をしていいかどうかわかりませんが、ウォーミング・アップの程度で伺う、こういうことにさせていただきましょう。 今機関指定の問題が出たわけですが、これは言うまでもなく、今回の国保の最も重大な点なんですから、とても一日や二日では……、場合によっては一週間でも十日でも足らぬかもわかりませんけれども、非常にこの問題について、私は、ちょうど問題が出ましたときに伺っておきたいと思います。 先ほどからいろいろ健保と国保の建前について議論が出ましたけれども、国保の方では準用しておるのであるとこういう。準用は準用で、私は法の建前は法の建前で、一応共許できるものにしなければならぬ、かように考えます。 それでその相違点について、なぜ健保のようにいわゆる二重指定のような形をとらなかったかということに対する御答弁、健保は全国一本である。国保は地方的な制度になっているから、健保というような保健医登録制度という二重登録制度をとらなかったという御答弁なんです。これは答弁になりますかいな、私はふに落ちぬ、そういう解釈ではふに落ちぬ、それなら反問をして、国保というものが他日全国一本というようなときになったらば、健保と同じような制度にしますかと念を押しておかなければならぬ、いわば現状に即してこういう建前をとった、将来国保のあり方が違ってきたらば、この指定制度の考え方は変えますか、こういっておかなければ意が尽せないと思いますが、どうです。
○政府委員(高田正巳君) 健保と国保と別の、少し違った法律上の建前にいたしました理由は、最大の理由は、先ほど来るる申し述べておりますように、国保だけの医療機関というものは非常に数が少い、健保と国保と一緒にやっていただく医療機関の方が大部分である、こういう観点から、国保の方につきましては保険医の登録の制度を付加しなかったのでございます。それが一番大きな理由でございます。 それから、なおそのときに、国保の方につきましては、非常に地域性がありますから、ということをちょっと私申しましたが、それはあるいは山下先生御指摘のように、そう決定的な理由とは申し上げられないかと思います。しかし、かりに国保というものが政府管掌、全国一本と仰せになっているのは、あるいは政府管掌というふうに全国一本の制度で運用するというような場合のことをおさしになっているかと思いますが、さような場合におきましては、これはやはり健保と同じような制度にいたした方がいいのではあるまいか、これは私個人としてはさように考えているわけでございます。
○山下義信君 健保の制度を準用して国保の指定制度の建前にした、表を通したらば裏返しがききますか、私の質問はそういう質問です。表裏ぴたっと寸法が合いますか、言いかえると、国保の指定機関としての処分取り消しがなされたという場合には、健保の診療もできなくなると思いますが、裏表が共通しますか。
○政府委員(高田正巳君) 健保の診療はやっておらない、すなわち健保の保険医療機関ではない、ただ国保の指定医療機関になって国保の診療だけをやっているというような医療機関につきましては、当然さようにはなりません。これは理の当然でございます。しかし、健保の指定保険医療機関になっておりまして、別段の申し出をしないで国保の指定医療機関とみなされました医療機関、すなわち健保を従来からやっていただいており、今後国保をもあわせてこの制度によってやっていただくという医療機関、さような医療機関におきましては、国保について不正があり、あるいは健保について不正があった、いずれの場合におきましても、もちろんその不正の程度によることでございますが、それが医療機関の指定の取り消しに値するような場合におきましては、取り消されます。どちらで不正がありましてもこの医療機関の指定を取り消されるわけでございます。その場合には、健康保険のいずれの場合におきましても指定を取り消せるわけでございます。
○山下義信君 国民健康保険の医療機関としての制度、建前をとります場合に、国保だけの指定制度の場合、健保に共通する場合という、この二本立てが国保の医療機関の上にあるのでありまして、従って、この指定制のそういうところに筋の通るような通らないような、きわめて不明瞭なところがあります。これは批評です。国保の指定機関としてはやはりすっきりとして、現状に即してやるならば、現状に即したようなやり方をしなければならぬ。将来を考えて、遠く先のことまでおもんぱかってやるならば、そういう建前の筋を通していかなければならない。これは私は批評でありますから批評にとどめておきますが、しかし、掘り下げてみますというと、種々なる問題があります。これは他日にまた伺うことにします。 そこで、先ほどから御議論がありましたことをひっくるめて端的に申し上げますと、これは私の意見ではない、私の考えは別ですけれども、世間が言うておることをここでお取り次ぎをするというと、いわゆる医療の合理化というものは、技術と物とを分離した、今度の国保の機関指定は、人間と物とを分離しておる、こういうことをやかましく言うのであります。そうして物すなわち場所、そういうものを第一義にして、生きた人間の方を第二義的に考えておる、言いかえれば医師というものをばかにしておる、ものを言わぬ、人格を持たない、意思を何も持っていないところの、先ほどからいろいろ御議論の出たのもその一つなんです。要するところ、石ころと同じような無機質のようなそういう物というものを第一義に考える建前でいくならば、人格のある医師を第二義的に考えていることはばかにしている、こういうのであります。これは世間でうわさが高い、それに対して決してばかにしていないという何か申しわけがありますか。
○政府委員(高田正巳君) 御質問にお答えいたします前に、先ほどの私の答弁が若干不正確でございましたので、もう少し補足させていただきますと、両方の診療をやっておられて保険医療機関であるがゆえに国保の指定医療機関とみなされておる医療機関、こういうふうな場合におきましては、かりに国保の診療につきまして不正がありますと、国保のその指定医療機関にみなされることが取り消されるわけでございます。みなされなくなるわけでございます。だから、実質的には国保の方を取り消されたと同じ効果でございますが、みなされるのをやめられるわけでございます。しかし、健保の方は残ります。
○山下義信君 念を押しておきますが、先ほどの御答弁とは全く反対の答弁をなさる。そうですね。
○政府委員(高田正巳君) いえ取り消されますという……。
○山下義信君 先ほどの御答弁は、健保の指定医療機関を準用して国保の指定医療機関とみなされた、その指定医療機関については、国保の診療について何らか処分を受けるというようなことで取り消されるというような、指定を取り消されるというときには裏がききますかという質問は、すなわち健保の指定医療機関も取り消されますかと聞きますと、あなたは取り消されますと、こう言う。
○政府委員(高田正巳君) 私はみなされることがみなされなくなるというのを、取り消しというふうな、実質的には国保の取り消しというふうなことになりますので、さような気持で申し上げたのでございますが、誤解を生んでおりますれば、それは私の申し上げ方が悪かったのでございまして、国保の方の不正があって国保の方の取り消しに値するという場合にはみなされるということがやめられる。それで健保の方としては残ります。それから健保の方で取り消しに値するという場合には健保の保険医療機関というものがなくなるわけでございますから、みなされる実態がなくなるわけでございます。従って、この際には、新たに国保の指定を受けていただかないと国保の方の診療もできなくなる、こういう関係になるのでございます。この点は、もし私が最初申し上げましたのがそういうふうでございませんでしたら、訂正をさせていただきます。 それからただいまの御質問の医師というものをばかにしたじゃないか、そうでないということならばどこかに証拠があるか、こういう御質問でございますが、私どもはさような気持は全然ないのでございまして、法律上の構成といたしまして医師の働いておられる人的、物的なものを全部含めて一つの医療機関という概念で指定をいたす、こういうわけでございまして、決して医師をばかにしたというような気持は、これはないことは当然でございます。従って、その中に働いておられる医師が中心になって療養の給付を担当していただくということは当然でございます。これでは答弁にならぬかと思いますが。
○山下義信君 誤解があってはならぬので、いやしくも数分前に承わったことを私は誤解していることになるというと大へんですから、これは今の御説明も私は誤解があってはなりませんから念を入れて伺いますが、あなたの医療機関という概念、設備、構造、施設ではなくして、その中に医師という人間も含めての医療機関であるという概念である、かようにおっしゃっているのですが、この国民健康保険法における医療機関の指定というもはそれですか。一般に病院とか、診療所とかいうものが、普通常識としては建物や中の医療機械やそれだけではないのであって、それは家であって、それは道具であって、その中にお医者さんや看護婦や従業員の働いている者をひっくるめて病院というのは世間通俗の常識で、その点は私は共許します。しかしながら、私は、今ここで法律として法理論を戦わせるという場合には、そのあなた方の指定される医療機関の中には、その中には人間は私は含まれていないのだろうと思うのですが、人間は別だろうと思う。人間は別の手続をお取りになるのだろうと思いますが、機関というものはあくまで機関であって、その中にその中の従業員、すなわち主たる者は医師でありますが、医師もひっくるめて医療機関と指定するというならばその中にカッコ、医師を含む、その医療機関に働いている医師を含むということに解釈してよろしいのですか。もしそういう解釈なら、私は重大な問題だと思うのです。それなら、ばかにしていると言って医師会なんか腹を立てる方が間違いで、誤解であって、すみやかに誤解を解かなければならぬ。この医療機関の指定というのは、その中に医師を含めて、医師も指定されるのであるということになると、私は大へんに問題の本質が違ってくると思う。私の了解するところでは、機関はあくまでも機関である、世間で言うがごとく、これは無人格のものである、一応は。何か別の法律で法人格を与えない限りは、これは無人格。その無人格なる機関を指定するのである。つまり働く場所を指定するのである。医療行為を行う場所を指定するのである。で、医師がそこで働き得るか得られないかということは、また別個の扱いをしておるのである、私はこう解釈しているのですがね。それでこそ健康保険の方へ戻ってくると、先年あなた方と顔を赤らめて議論を戦わした。二重指定という議論をしたのである。形は同じことである。今度はああいう議論を繰り返す必要はない。あのときに議論は十分した。今度こういう指定の仕方をしたということについては、別の国保という土俵の上で議論をしていかなければならぬ。しかし、そのときも、医療機関と医師というものは別個の建前であると私どもは理解して議論した。今回も同じ建前であると思う。ただ、国保においては、機関指定ということを主たるものにしているということが議論の焦点になっておる。その中に人間を含むということは、私は今初耳なんですがね、そういうことで、この国民健康保険法案は解釈していていいのですか。
○政府委員(高田正巳君) 医師、その他の人——従業員ですね、これと、他の物的な設備を含めまして、私どもは、今先生御指摘のように、社会的に一つのかたまりとして存在しておりまするものを、医療機関と概念をいたしておるわけでございます。しかし、それは先生御指摘のように、法人格ではございません。従って、法律上の名義人、すなわち人格を持った者は、開設者、それは自然人である場合もございましょうし、法人である場合もございましょう、これが法律上の名義人になるわけでございます。さような法律上の概念をいたしておるわけでございます。
○山下義信君 もう少し確かめておきましょう。そうすると、この機関を指定いたしますと、中に含まれておる医師というものも指定を受けたことになりますか。そう聞いた方が早い。
○政府委員(高田正巳君) 機関を指定いたしました場合には、中の医師が指定をされたり、それから設備が指定をされたり、そういうことにはなりません。あくまでも医療機関、病院、診療所というものが指定されたわけでございます。その病院、診療所というものは、医師とか、薬剤師とか、看護婦とか、そういう人的な要素というものが非常に重大な要素をなしておる、それに物的な要素をもあわせて医療機関と概念をいたしておるわけでございます。
○山下義信君 きわめて巧妙な緻密な答弁をなされますけれども、そういうことを言っておられるとですね、非常に顕微鏡で分析するような概念の区別をだんだんしていかなければならぬことになりますが、病院というものは、建物と人間がいなければ病院とは言えないのは社会通念であります。その病院という医療機関をわれわれは指定するのだ、そんなら中におるところの人間も含まれますかと言うと、今度は指定するという場合も、医療機関とは、中における人間は含まれていないのである、こう言うたのでは、前後が矛盾するじゃありませんか。もし、中におる人間をも含むというならば、中の人間には、別にそこに働く資格の新たな付与も、健康保険の方の援用も、準用も要らないのであって医療機関を個々において指定すればそのものずばりであって、カッコ、医師も含まれるのであるから、場所で働く医師は、すなわち即座に物と人間と附随して、そして同時に、この保険診療をする資格が発生する、こういうのでなけらねば、病院というものの概念と法律のとる建前というものとが一致しないではありませんか。
○政府委員(高田正巳君) 私、先生が、医師を指定したことになるかというふうに御質問になったかと思いましてああいう答えをしたのでございますが、人間と物とが一体になったものを指定するわけでございます。従って、機関の中には人間も含んでおる、その含んだものを指定するわけであります。
○山下義信君 含んだものは人間か、物か。
○政府委員(高田正巳君) 人間も物も含まれております。
○山下義信君 今の、そうしますと、機関を指定するということを建前にして、医師というものは第二義的に取り扱われておる、何だ、医者をばかにしておる、こういう一部における非常に強い反感があるのは事実であります。その点について、先ほどの質問に戻りますが、決して人であるところの医師を第二義的やあるいはこれを軽んじているのではないということを、この法律の建前において立証していただく。これはあくまでも指定制度の建前が機関というものを中心にしてあって、そして人というもの、医師というものがどうしてもそれに従属的な、第二義的な取り扱いを受けておるということは否定することはできない建前——いや、そんなんじゃありません、人間の医師の方が大事にしてございますと言うならば、まず、国民健康保険の保険診療に従事する医師を指定して、どこで働くかということはそのあとで指定すればいいのであります。機関というものを指定して、そうして人間をあと回しにしているということは、これは医師を第二義的に扱っておるという不満、憤慨ということはもっともであろうと思う。何か弁明なさることがありますか。別にこれは理屈でないのであって、理屈も半分ありますが、一つの受ける感情でありますから、しかし、感情であってもこれはゆゆしき感情だ、物事は、世間のことは理屈ばかりじゃいかない、人のものの感じというものも大切なんです。理屈さえ通ったら、相手がどういうふうに感じようと、というのは政治じゃないのです。そういうふうに感じておるということになれば、そういう考えはないということを言わなければなりませんがね。まあそういう無理な質問はいたしますまい。 委員長質問を続行してようございますか。
○委員長(久保等君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(久保等君) 速記を起して下さい。 しばらく休憩いたします。 午後零時三十一分休憩 —————・————— 午後二時二十二分開会
○委員長(久保等君) 社会労働委員会を再開いたします。 委員の異動を報告いたします。十月二十八日付をもって、横川正市君が辞任し、その補欠として木下友敬君が選任されました。 —————————————
○委員長(久保等君) 午前に引き続き、医療保険の諸問題に関する件について質疑を続行いたします。御質疑を願います。
○山下義信君 私は、私どもの主張ということは別にいたしまして、今世間でいろいろ流布されておりまする問題点を取り上げまして、当局の機関指定の立法の御意思がどこにあるかということを明確にしていただきたい、こういう趣旨で質疑を続けることにいたします。 機関指定ということは、取り方によっては、国保の診療は、将来公的医療機関を中心にしてやるという方針ではないか。それで個人の意思というようなことは第二義的に考えて、医療機関というのはもとより診療所も含まれるけれども、主として公的病院をこれから重視していくということを示すのではないか、こういうふうにとっておるものもあるようでありますが、この点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍伍君) これはもう全くそういうことはございません。国民健康保険は、もともとが発足のときから、むしろ農山村における福祉対策として発足いたしたものでございまするし、大体において健康保険は都市に割合集中をいたしておるわけでございます。ことに、今日、国民皆保険をやるということで、新規に国保を広めようとしておりまする対象としては、これは都市部分もございまするけれども、しかし、とにかく国保によりまして地方のすみずみまで社会保険を行き渡らせようというのがねらいでございまして、その場合において、この国保の医療担当者と、療養担当者として考えておりまするものは、これはどちらかといえば、むしろ個人の管轄しておりまする診療所というものの方が数から申しても多うございまするし、それを当てにしておるわけでございます。もちろん病院の機能ということも大切でございまするけれども、国民健康保険法の改正に当りまして、指定医療機関という制度をとりましたことの中には、ただいまお尋ねのございました個人診療所というものを軽視してかかるというような考え方は毛頭ございません。
○山下義信君 私もそうだろうと思います。これは単なる文字等から来ました一つの誤解であろうと思うのです。 次は、この機関指定につきましての根本的な問題を私は伺いたいと思います。それは、今回指定制をとられたということにつきましては、何か深いごしさいがなくてはならぬ。その当局の持っておられる深いしさいとは、従来の診療担当の保険者との関係を改めて、この種の知事の指定制をとられたということは非常に大きなこれは変革なんです。そこで、一部の諸君は、この点について非常に大きな反対をしておるということは自他周知の通りであります。その反対する理由は、現在の国保の診療については、医療担当者と保険者との間でいわゆる自由意思をもって、相互対等の立場に立って契約をしておったのだ。話し合いでやってきたのである。しかるに今回の改正案によると、新方式によると、医療担当者の意思というものは全く無視せられておる。一方的にこの指定制によって関係が生じてくるということになって、医療担当者たるべき医師の意思というものは全くこれは無視せられるものである。これは従来の国保を今日まで医師の諸君が大いに協力をして、その地方々々の実情に沿うように保険者と仲よくやってきたのであるのにかかわらず、今回は、この医療担当者たるべき医師と保険者たるべき市町村当局との対等の立場というこの立場が、すっかりこれは失われてしまう。一方的に非常に権力的な関係、医師は従属的な立場に立たされるということは全く今日の一般開業医としてはもう忍ぶことができないものであるということの反対理由なんですね。これは、そのことの理非曲直は別としまして、これは言い分があると思うのです。端的に申しますというと、従来の契約方式というものは、言いかえれば医師と保険者とのいわば団体契約的な、団体交渉の形態を持っておったその村の、その町の医師はあるいは一名あるいは数名であるか知らないけれども、その背後には医師会という団体がある。それがバツク・アップしておる。よかれあしかれ一つのやはりうしろだてというものがあって、そうしてその地域保険の諸条件、諸問題について、医師の言い分については、背後に医師会というものが控えておったということはもう顕著なる事実である。しかるに、今回指定制ということになるというと、当該医師ひいてはその背後の団体である医師会とのいわゆる団体交渉権というか、五分々々の対等の立場というものがなくなってしまうのであるということについて、医師の立場、医師の権威、医師会という団体の権威、そういうものが非常に後退をしてくる。後退するというよりは、無視されてくる。あるいは医師の権威あるいは医師会という団体の権威も抹殺されてくるということに対しては、これは利害を離れて医師というものの権威の上に、また、医師会という団体の権威の上に立ってがまんができない、こういう私は反対の理由であろうと思う。この点につきまして、関係者が非常にふんまんというか、深い決意をもって反対しておりまするその心情というものは、われわれとしても理解にやぶさかでない。そういう医師の立場というものが非常に無視されてくる、軽視されてくるということの、今回とられた制度の弊害といいますか、そういう点に対しての関係者の憂慮に対して、当局大臣としては、どういう見解をお持ちでございましょうか、この点を伺っておきたい。
○国務大臣(橋本龍伍君) そういったふうな御意見の筋につきましては、私もあちらこちらから御意見を承わりますうちに、そこに流れる気持というものを十分拝承いたしておるつもりでおります。ただ、本法を提案いたしました趣旨は、決して医師の地位をないがしろにするというふうな考え方でなしに、保険医療機関としての病院、診療所というものが一体となって、それに療養の給付を担当するという建前で、医療機関というものが保険者に対して療養の給付を担当するという責任の地位に立つという考え方をとり、それからかつまた、先般も申し上げました通り、今回国民皆保険をやるということになりますると、むしろ自由な契約ということで給付を増減いたしましたり、診療報酬を割引いたしましたりすることはよくございませんので、経過措置を除きましては給付の内容も一定にし、診療報酬も一定にする、そういう建前をとりますると、もうやはり自由契約によって裁量しなければならない内容というものはなくなって参りまするので、希望がある限り——いやな人にやらせるわけにはいきませんけれども、この国民健康保険の仕事をやろうという希望がある限り、どの病院、診療所にも国民健康保険をやってもらう、そういう趣旨で、希望のある限りそういう人に対しては、特別の欠格条項のない限りにおいてはこれを指定をいたしまして、国民健康保険に定められたところの内容の国民健康保険の仕事をやってもらうというつもりで規定をいたしたわけでございます。こういうふうにやって参りますると、仕組みの内容が、こう何といいますか、一定化されて参りまするので、いかにも自由な余地がなくなり、それが従ってお医者さんなり何なりを尊重しないような感じを与えるかもしれませんけれども、趣旨は決してそういうわけではございません。お医者さんなり、薬剤師さんなりの立場というものは十分尊重して参る考え方でこの法律を作っておるつもりでございます。
○山下義信君 当局のお考えは明瞭になりました。なかなか高姿勢です。はっきりとおっしゃるのには相当勇気があると思いますが、相当な勇気を持っておっしゃった。もうこれからは自由契約すなわちその土地の事情々々によって種々の異なった条件下にやる必要はないのだ、従って、相手方のいろいろな要求や希望、申し出等によって千差万別にやる必要はない、つまり言いかえると、相手方と種々に協議する必要はないのだ、こういうお考えなんです。これも一応政府の方針としてはこれは御方針でありましょう。私はそのことのよしあしは別としまして、今日まで国保というものを進展して参ってきた、発達させて参ってきたその一面の大きな功績というものは、何としても療養担当者側にある。今日までは、たとえば単価でも割引させてみたり、いろいろな医師側に相当な犠牲も払わしてきて、また、診療報酬の支払い等についても、遅延もあり、赤字もありまして、この国保の発達に対しましては、その地域の療養担当者が非常に協力をして寄与するところが大きかったことは、だれもこれを否定するものはないと思うのです。ここにきて国保を一飛躍させ、統一をさせるという段階にきたらば、もう話し合いの余地はない、そこまでは値切ってみたり、いろいろ便利を求めたりするときは話し合いの契約方式でやってみて、もうそういうお医者さんの協力を求める必要はないのだ、もう統一方式でずっとやるんだというような段階になってくると、もうそういうふうな提携して仲よく話し合っていこうという方式はやめるんだ、こういうやり方は、これは何といいますか、都合がいいときには相手方がどういう感じを持とうと、こちらの勝手な方法でやるのだということになってまあ要らぬときがきたならば、秋の扇のように捨てるのだという考え方と同じです。これでは私は一つの国の保険行政なら保険行政のあり方としては、まあ筋が通らぬというか、仁義が足りぬというか、その辺に私は少し欠くるところがありゃしないかと思う。傾城に誠なしというか、都合のいい必要なお客さんにはちゃらちゃら言うて、もうこの辺でぽいしたらいいというときにはもう誠がない、秋の扇のように捨てるというような薄情なやり方ではいけないのであって、たとえ全体の給付を統一をして、個々の千差万別のやり方はしないのだ、従って、話し合う余地はないのだ、必要もないのだといっても、たとえ統一されたようなそういう条件でやるにしても、形はやはりこの療養担当者と保険者とがよく話し合って、対等の立場で療養担当者を尊重してそしてやるという、手を握り合っていくという形は存すべきであると思う。従って、指定という方式をとるに当っても、今のような非常な憤りを感じて、いわば医師並びに医師会の最後の権威を維持するためにというような悲壮な考えを持たさないで、指定をするに当っても、何らかそこに相手方を尊重するという、私は政治的な配慮が要るんではないか、思い起しますと、おそらくあれは二十三年であったと思うのですが、第何国会であったか、国民健康保険法の一部改正が出ましたかのときに、この療養担当者を指定するというときに、なくなりました中山委員並びにここに御列席になっておる谷口委員、当時の議員でありました藤森君等が、ここで、この療養担当者を指定するについては医師会と協議をして、医師会の推薦の形式のもとに指定をするべきであるという条項を修正案として用意されたことがあった。しかし、種々なる事情によりましてこの修正はしなくて原案のようになった、そういう趣旨はあくまでも尊重していこうではないかと、当時審議の過程におきまして確認せられたこともあった。従って、私は、こういうふうな医療機関の指定等につきましても、形式はこうなっても、これは種々の都合がありまして、あとで質疑をいたしますが、こうなってもその療養担当者を尊重する、その医師も十分これに敬意を払う、決して上の方から見おろしたという形ではなくして、あくまでも保険者、療養担当者、被保険者、三者は互角対等の立場であるという取扱い方の政治的配慮というものが、何かの形で当時としてはこれが意思表示せらるべきであるということを痛感したのでありますが、その点に対しましての厚生大臣のお考えはいかがでしょう。
○国務大臣(橋本龍伍君) 御趣旨はまことにごもっともでございまして、十分拝承して考えることにいたします。法の建前がただいま山下委員からお話のございましたような趣旨で実はとられがちであると思いますが、とられまするのは残念でございまして、法の建前といたしましては、もうあくまでめんどう見てもらう必要なんだから、ぴしゃっとやるんだというようなつもりでやったのではございませんので、むしろ今日までのところでも、ほんとうに国保をここまでもってくるには、療養担当者の御協力が非常にあったわけでありますが、その場合には割引をしてもらったり、あるいはまあいろいろなことをしてもらったということがございました。給付の内容も一定でございませんし、それからまた、町村の事情によりまして、そこにおられるお医者さんの二人いるうち一人だけ国保をやるというようなことも間々あったのであります。むしろ今日以後、今までできていなかった未実施の町村に、これを拡大して参るなかなかむずかしい事情が各方面にあるんだと思います。そういう場合におきましては、むしろ自由な契約によって参りますることによって、療養の担当者に自由契約の方が利益だろうかどうだろうかということもよほど疑問でございました。むしろ国民皆保険をやるということになれば、これは保険財政のことも考えなきゃなりませんけれども、療養担当者の報酬、その他も十分できるだけのことはするように考えまして、そうして給付の内容もなるべく統一化して、このレベルを上げるように心がけて参る、また、診療報酬にも割引などをやめて一定のものでいけるようにしたい、その方が療養担当者にも利益であろうということを考えて実はやったつもりでございます。ただ、自分の方でばかりそういうつもりでおりましても、いかにももうこういう形で個人個人の立場なり、気持なりというものをあまり考えずに、機械的に一つの組織の一こまとして片づけてしまうというふうな印象にとられてはなりませんので、法を作りました趣旨はそういうつもりではございませんけれども、ただいまお話のありました趣旨、何らかそういう点がはっきりするように、運用の面においても、その他の面においても考えるということにつきましては、ただいまのお話の趣旨を十分含意いたしましてわれわれ考えていくつもりであります。
○谷口弥三郎君 ちょっと関連して。 ただいま山下委員からいろいろ御質問いただいたのに対し、大臣からいろいろ今後のあり方について、大いに医療担当者に対しても十分その方面で勘案してやるというようなお話でございましたが、私はこの際に、今度の条案を見てみますというと、国民健康保険の運営協議会というものにつきまして、これはぜひ、必ず市町村はその協議会を作ることにいたしまして、これにはいわゆる被保険者代表、それから医師会代表、公益代表という三者の代表をその中に入れるようにしていただきますというと、今おっしゃられたようなことがうまくいくのじゃなかろうか。ただいまの法律を見てみますというと、ただ市町村が自分勝手に作られるようなふうになりますと、やはり医療担当者としてもかなり必要な点がございますから、そういう点を一つ大いにお含みおき願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍伍君) ただいまお話のありました点は、実は先ほど山下委員の御意見を承わりながら私もその点を考えておったのでございますが、谷口委員からもお話もございましたので、その点は特に考えることにいたします。審議の経過を、私実は原案を作りましたときにはおりませんでしたけれども、厚生省の方はただいまお話のありました趣旨で原案を出しておりましたもので、主として自治庁側の意見で今日の原案のように立案の途中で変って参っておるようであります。ただいま御指摘のございましたことは、特に十分心して考えたいと思います。
○山下義信君 時間もないようでありますから、もう一点だけ伺いますが、この療養担当者側への厚生省としての御方針として、何らか相手方の意思を尊重するような具体的の措置を考えるということでありましたから、私も深くそれを期待しておきますが、実はもう一つ誤解を一掃しておいていただく方がいいのじゃないかと思うことがあるのです。それは、機関指定になさるほんとうの目的は、先ほどからちらりちらりお言葉の中にうかがえたと思うのですが、国民皆保険のためにということをしばしば仰せになっている、このお考えは、従来のような任意契約のような方式でやるならば、所在の医師並びに医師会が種々なる難題を持ちかけて、いろいろな条件を主張して、そうして未設置の地域における皆保険の進展に非常に困難を感じせしめるような事態が少くない。そういう状態では皆保険の進展が非常にはばまれるのである。従って、ここで指定制度を円滑に行うことによって、それらの難点を排除していかなければならない。これがおそらく真意であると思う。そうでなくてはこういうやり方の特徴というものがない。同じく医療を担当する、同じく治療を施すのに、こういう機関指定の方式をとればどれだけ治療内容が向上するのか、治療とは無関係だ。現在の自由契約方式で療養担当者をきめていこうと、こういうような知事の一方的な指定制でいこう、治療内容というものの部分には何ら関係がないと、これは要するところ、療養担当者のあり方、また、その契約諸条件をつけられるということの排除ということ、これが同時に処分することに非常にきびしくやることができるというのでありまして結論的にいえば、医師を統制するということが非常に大きな価値がある。それで私は結局、これは皆保険を行なっていくのに、未設置の市町村がやろうとしても、いろいろ契約をやろうとすれば種々なる問題を持ち出してきて困らせる、そういうことを排除していこうということが、実は腹の底に持っている、唯一とは言わないけれども、重大な目的ではないか。従って、この制度はだれが要望するか、だれがこれを強力に支持するかというならば保険者側なんです。市町村側なんです。ことに未設置の、これから開設していこうという保険者にとっては、市町村側にとっては、これなくしてはやれぬというでしょう、おそらく。そこで、政府当局に強力にこれを迫る。私は遠慮なく言うが、もし衆議院段階において、どこであろうと、この国民健康保険法に対して修正が行われるといたしますならば、この一点を政府が譲るか譲らないか、おそらく他の点においてはいろいろと再考慮の余地があるかもわからぬが、この点は、あたな方が頑強に固守するのではないかと、この一角が破れたならば、皆保険はほとんど困難を来たすと、こういうお考えではないかと思うのです。 そこで、私は二つの質問をする。この機関指定の方式については、厚生大臣としては、非常な強い抵抗があるならば再考慮をなさるるお考えがあるか、再考慮の余地はないかどうか。いま一つは、市町村に必置義務を負わせるのは二カ年の後である。その必置義務に従って法の命ずる通りにやろうとすれば、医師側の種々の妨害を排除していかなければならぬが、その必置義務は二年先である。しからばこの制度も法律は一応建前にしておいても、実際に実施するのには二カ年の猶予を置いたらどうであるか、猶予期間を置くというお考えはないか。この二点を、私は、これは少しウォーミング・アップの質問としては行き過ぎるのでございますが、一つこの機会に、おそらくこれは本院でも伺うのは最後の機会じゃないかと思うのでありますから、この際、厚生大臣としての御所信を明確にしていただきたいと思うのであります。
○国務大臣(橋本龍伍君) ただいまの御質問にお答え申し上げたいと思います。 もう私もごく一般的なお話を申し上げるのは恐縮でありますが、現在提案をいたしております国民健康保険法につきましても、各方面でいろいろな意見がありましてまとめて参りました。国会の御審議には十分耳を傾けて、今後対処いたして参るつもりでございますが、まあなるべく原案の筋でお通し願えれば幸いだと考えておる次第でございます。 なお、ただいまの機関指定の問題でございますが、言葉の使い方は、これはいろいろな問題があると思いますが、考え方といたしましては、療養担当者の側で国民健康保険の療養給付を担当しようという意思がある限り、その方に対しては、府県知事が指定という形で応諾をいたしまして、お願いをいたしまして、国保の仕事をやっていただくという基本の方式はぜひとって参りたいと思うのであります。ただいま医師会側でいろいろ文句が出たりしてなかなか国保の開始はむずかしいという御意見がございましたけれども、実際開始をするに当って、いろいろに給付の内容だとか、あるいはまた、支払いの方式であるとか、あるいはまた、診療報酬の多寡といったような問題につきましては、これはまたどういう療養担当者が選ぶというような問題につきましては、これは医師会の側でいろいろ意見のあります場合もありますし、保険者の側でもいろいろ意見のある場合もありまして、私は国民皆保険を実施する上において、なるべくこれは円滑にいくようにいたしたいと考えておりまするけれども、その場合に配慮いたしました配慮の内容といたしましては、これは、決して医師会が文句を言うからそれを異議なくきめてしまうのだというふうにばかり決して考えておりません。むしろ今言ったような諸条件について、いろいろなところで意見があるのですから、これは給付内容についても、あるいは診療報酬についても、先ほど申し上げましたように、法でこれを定めまして、標準を定めましてそしてその内容をなるべく将来もよくしていくという建前で法を定めまして、そうしてその定めた基準によって保険者も療養担当者もやって参るのだということを応諾してもらいたいと考えておるのでありまして、それが全体のための最大の利益だと考えるわけであります。お話のございましたように、できるだけ国保の開始が楽にいけるようにという配慮が、これはもちろん国民健康保険法の中に流れておることは確かでございますが、その場合に考えておりまするのは、ただいま申し上げましたような両方の利益を考えまして、そしてこの法律を作ったわけであります。従いまして、まあ先ほども御質問のありました法律上の観念としては、いろいろ明らかにして参らなければならぬ面があると思います。そういう法の立て方なり字句の使い方というものについては、私は必ずしもこだわりを持ちませんけれども、基本の考え方として、病院診療所の側で、国民健康保険をこの条件でやってやろうという気がおありになる限りは、ぜひその方にやってもらおうということを府県知事の側で意思表示をいたしまして、そこで国保の実施が始まるという仕組みは維持をいたして参りたいと考えております。 なお、こういうやり方を三十六年の四月一日以降に延ばしたらどうだろうかという御意見がおありのようでありますが、これは私むしろ国保を実施する上で、関係者全部にとって、これは決して無理な話でも悪い話でもないと思いますので、法が通りましたならば、そういう二年とか三年とかいう時間を置かずに実施をいたして参りたいと考えております。
○山下義信君 具体的なことは、また衆議院の御審議も見なければなりませんし、本院に本審査になりましたときに伺うことにいたしまして、この際私は、続いてお尋ねしたいと思うことが一つある。それは厚生省、あなたの方で持っておられます健康保険の病院、これは幾つあるか覚えておりませんが、おそらく七、八十あるのだろうと思います。これの経営主体というものはどういうことになっておりますか伺いたいと思います。元来、病院は一体だれのものであるか、つまりだれの金で建てた病院であるか、今さら詮議するまでもないのでありますが、言うまでもなく、保険経済の特別会計でこれを建てたもので、大部分は言うまでもなく、被保険者の保険料、一部は政府の補助も関係がないとは言いません。事業収入もあるでしょう。要するところ、被保険者の金で建てたといえば言えるものなんです。その健康保険病院というものの経営をだれがやっているのか、おそらく世人は知らぬ。これは厚生省の本局のすみの方でちょこちょこやっておることは非常に不明朗である。どうなっておるか、その経理、赤字か黒字か、どうなっておるか、だれがその指揮をとっておるのであるかというようなことも、正規の法令の根拠があってやっておるかどうか、私にはわからない。この保険病院の経営についてはどういうような法規に従ってやっておるのかということが私には明確でないのでありますが、この際、健康保険病院の経営主体の問題については、基本的には当局はどういう方針をとっておられるかということを伺いたい。最近、労働省関係におきましては、当委員会で審議いたしましたが、労災病院の経営は、御承知のごとく、労災協会という一つの労働省内の一部に置かれてある、いわゆる外郭団体ではあるけれども、そういうものでやっておった。ところが、労働福祉事業団法という法律によってその経営組織等を明確にいたした。私はほとんど百に近いところの健康保険病院、人事においても経理の面においても、その医療の面におけるところの分野においても、非常に大きなこれらの機関の経営というものが、経営主体が不明確な状態のもとにあるということは、これは一日も早く改めなければならない。おそらく、たとえば保険協会、これもお答え願いたい、社会保険協会というものが各地にあるのです。この社会保険協会というものは、各地方の都道府県の保険課長があるいは理事その他を兼ねておるのである。私はいろいろな、そういう点を明確に立てて、制度というものはいわゆるフェアにしておかなければならぬということを痛感するのでありますが、厚生大臣はこれをどういうふうに処置しようとしておられるか、どういう方針をもっておられるか、お示しを願いたい。何でも聞くところによると、最近これらの経営主体のような新しい団体ができて、どこかで発会式があったとか、どこへ事務所を置かれたとかいうことを仄聞しておるが、私の誤聞であるかもわからぬが、何ら法的根拠がなく、国会に諮るでもなく、この百に近いところの健康保険病院、しかもその建設費というものは始まってから、おそらく私の見るところによりますと、百億近い金が投ぜられてあると思いますが、そういうものが一、二の官僚の手によって、どこで経営されておるか、だれが支配しておるかわからぬ不明朗な状態というものは、これは検討しなくちゃならぬということを考えるのでありますが、厚生大臣の御方針を承わっておきたいと思う。
○国務大臣(橋本龍伍君) 実は健康保険病院の問題につきましては、これはあっちこっちこういうものがございまして、こういうものの経営についてはもっと内容をはっきりさせていかなければならぬと実は考えております。まだ具体的に内容をよくつかんでおりませんし、また、どういうふうにしようということを、結論めいたことを考えておらない次第でございます。ただいまお話のございましたような、こうしたものについての経営のあり方というものについては、よほどよく考えなければならぬと思いまするので、内容をもう少し検討いたしまして善処いたしたいと考えております。
○山下義信君 よく承知しないということは、私はここで了承しがたいのですがね。保険局次長が見えておる、政務次官も見えておるが、どうしました、最近何か経営に関する新しい団体を作ったのと違いますか、厚生大臣に報告してないのですか。
○説明員(牛丸義留君) 健康保険の福祉施設は、法の二十三条に基きまして、被保険者並びにその家族の福祉のために種々の施設を行うことができるという規定がございまして、それに基いて病院、診療所を作りあるいは体育、水上大会とか陸上大会等の保健施設を行うというようなことを従来やってきております。これの経営主体は、先ほど山下委員からございました社会保険協会とかあるいは市とか、そういうふうな地方団体、そういうふうなものがそれぞれ委託を受けまして経営をしておるような実情でございます。それでその財産は、これは国有財産でございますので、所有は国でございまして、ただそういう経営を委託されたものが経営をやっておるという、これは経営の受託者にすぎないわけであります。それでこの経営が最近何か不明朗なものになっておるのじゃないかということでございますが、これは経営主体そのものが社会保険協会とか、あるいは市というようにいろいろな経営主体になっておりますので、それを全部統一的に運営するというようなことはまだ考えておりませんけれども、社会保険協会がやっておりますものは、それをもう少し総合的に運営するような方針に考えた方がいいのじゃないか。と申しますのは、社会保険協会というものは、これは各府県それぞれ別個の人格でございまして、それぞれ財団法人の認可を受けた民法法人でございます。従いまして、個々の人格は別でございますが、そういうものの連合体というものが一応これは今から五、六年前に協会連合会というものが組織されておりますので、そういうふうなものが中心になりまして、経営の合理化にもう少し積極的に当ったらどうかというようなことは考えております。
○山下義信君 この問題は重大でありますから、次の国民健康保険法案が本院に本審査になりましたときには、十分にこの事態を明確にする必要がありますので、健康保険病院に関する資料を全部そろえて、最近の経理も、決算報告等も、あわせて本委員会に資料として御提出を願いたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(橋本龍伍君) 提出いたします。
○山下義信君 その上でまた伺うことにいたします。 大臣の御在席の間に伺っておきたいことは……。
○委員長(久保等君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(久保等君) 速記を始めて。
○山下義信君 それでは私の質疑はこの程度にいたしておきます。 まことにすみませんが、実は医務局長に出席を願っておるのですが、今日は公的医療機関のあり方についての将来の当局の考えておられる考え方を承わりたいと思ったのですが、私はこの際、再度承わっておきたいと思います。 公的医療機関というものを整備する、同時にこれが適正配置を考える、また、その体系についても何かお考えがあるのだろうと思うのです。ときどき当委員会においても、同僚委員から御質問があったのでありますが、あまり具体的に承わる機会がなかった。最近いろいろと厚生省の関係の委員会等からこれらの点についてお考えがちらほら出てきたようです。外部の新聞、雑誌等に出る前に、国会がまず承知しなければならない。われわれが知らない以前に、一般の方面にいろいろな当局の意図が示されるというようではいけないので、何といいましてもここが一番近い、ここで一つ当局の考えておられる公的医療機関の将来の行政方針というものについて、どういうお考えを持っておられるかということを承わりたい。これは何としても医療保障の上では重大な問題なんです。それで国立のいろいろな医療機関もあるでしょう。また、その他の地方団体の公的医療機関もあるでしょう。あるいはまた、公社、組合等の医療機関もあるでしょう。ひっくるめて私は公的医療機関というその中には、あなた方御自身の厚生省の中の医療機関もあるでしょう。今言ったごとき健康保険病院あるいは年金病院、その他そういったものもある。一体そういうものの新設あるいは増改築、それからまた、内容の充実、いろいろな問題について、一体医務局としては、医療行政の上でどういうタッチの仕方をしておられるか、そういう点を含めて公的医療機関の将来の運営の方針、規制の方針等について今私は承わりたい。あわせて医療法等について、それらを含めて何か法律的な措置をされなければ規制はできないのじゃないか、てんでんばらばらでこれはもう長い間、終戦直後新国会ができてから、事社会保障に関する論議がせられるつどに、ことに医療保障の問題が取り上げられるつどに、医療機関というよりは、なかんずく公的医療機関のあり方というものについては長い間の懸案になっており、もうそろそろ解決点に到達してあなた方の方で一つの構想というものが、方針というものが、計画というものができなければならぬと思うのです。一つこの際、できるだけ詳細にお示しを願いたいと思います。
○説明員(小沢龍君) 終戦後臨時に設置せられました医療制度調査会の答申に基きましてただいまの医療法ができておるのでありますが、その考え方は、わが国の医療は、公的医療並びに私的医療機関の二本立でしょっていきたいという考え方でございます。 御承知のごとく、最近病院の設置、運営というものには相当多くの資本を必要といたしますので、昔のごとく、なかなか個人の資力をもってこれをしょうことは困難でございます。そこで、公的医療機関をして、主として病院の設置経営に当らしていきたい。私的医療機関は主として開業医以下を育成することにして、その任務を遂行していくようにしようじゃないかという考え方で、ただいま医療制度が運営されておるのであります。ところが、ただいま御指摘のごとくに、公的医療機関といたしましても、私的医療機関といたしましても、地域的偏在の傾向が強いのでございます。従いまして、国民皆保険をやる上におきまして、大都市におけるところの住民は容易に医療機関が利用できるけれども、農村——いなかの住民はなかなか医療機関を利用しにくいという片寄った姿になっておるのであります。従いまして、私どもといたしましては、公的医療機関、私的医療機関の二本立てでわが国の医療を担当するという筋をくずさずして、しかも地域的分布をできるだけ公平、平等にしていく措置を考えていかなければならぬと最近考えておるのであります。それで基本的の考え方といたしましては、ただいま私どもは、来年度予算にはぜひとも医療制度調査会を再び設置いたしまして、医療制度調査会の御審議、御研究によりまして、基本的の方針を打ち出す考えはしておりますけれども、さしあたってそれまで待っておられませんので、少くとも国並びに府県、市町村等の公けの金を通じて、新たに設置されるような病院に対しては、これが資本の二重投下にならないようにこれを規制していきたい、かような考え方に立っております。厚生大臣もこの点につきまして特に意を用いられまして、最近私にその方面について、医療法の改正もさることながら、それ以前に何か手を打つことを考えなければならぬ。たとえば、閣議了解でも、少くとも国が資本を投下するような病院についての大都市への偏在を制約するところの方法がないだろうかという御下問がございましたので、目下私どもは、鋭意この問題について研究中でございます。 さらにまた、われわれ事務当局の考えといたしましては、この次の通常国会には医療法の一部修正によりまして、法的にその措置を講じたいと考えまして目下検討中でございます。御承知のごとくに、日本の医療制度は自由開業制を建前としております。従いまして、医療法では医療施設が営利にわたる経営をするおそれのない場合におきましては、その他医療法に示すところの要件に合致する場合におきましては、その開設を許可しなければならないという建前になっておりまするので、新たなる病院の設置許可申請がきた場合において、これを医療法の上から制限することはできないことになっております。これを私どもの希望といたしましては改めまして、たとえば建築基準法のごとくに、事前に、新たに病院を開設する等の場合におきましては開設の許可申請をしてもらう、それでそれが適当なものであるかどうかということを医療審議会にかけて審議いたしまして、わが国の医療施設の全国的の配置の上で適当であるもののみ許可していくというふうに医療法を改正したいと考えて、目下事務的に検討中でございます。 さらに、ただいま申し上げましたように、それ以前になおある程度制約することができるならば、閣議の決定なりあるいは了解なりにおいてこの制限をしていきたいと思って、目下事務的に準備を進めておる段階でございます。私的医療機関におきましては、私どもが来年度予算におきましてぜひとも医療金融公庫というものを作っていきたいと考えております。医業は営業ではございません。利潤を追及する機関ではございません。それだけに、何か経済的の裏づけというものが私的医療機関には必要でございます。ことに農村方面において開業される人たちに対しましては、その開設資金、低利かつ長期の資金を供給することによって都市への偏在を避けるようにしていきたい、かような考え方に立ちまして、来年度はぜひ医療金融公庫というものを設置したいという考え方をしております。ただいまのところは、さような考え方をもちまして医療機関の適正な配置をしていくという考え方で進めておる次第でございます。
○山下義信君 この問題、伺っていればきりがありませんから、きょうは幕開きのような意味で大体の御方針を承わっておきますが、どうしたって国民皆保険を一年間で確立してやろうとする、それまでにできるだけの措置が並行してとられていなければ、国民健康保険法だけ先に独走したって、実際は中身が伴っていかないわけですが、私は医務局長に注文しておきたいのですが、この医療機関の適正配置、ことに私的医療機関の今後のいわゆる開業について、それを地域によっては許可をしないというようなことは、あるいは営業の自由というようなことについて、難点があるかもわかりませんが、できるだけの措置をとって、私はできるだけ早い機会に、公的医療機関の適正配置についての対策もさることながら、私的医療機関の今後の新規の開業といいますか、開所といいますか、開設といいますか、そういうことにつきましても対策がなくちゃならぬと思う。そういう点についてどういう考えを持っておられるか、この際お示しを願いたい。 またもう一つは、まず、医療機関のあり方の上にどうしても一つ考えを願わなければならぬことは、たとえば医療法の中の基準をお示しになること。建物その他いろいろな建造物あるいはその中に置かれる設備、医療法の中にもある程度の規定はある、しかし、見ますというと非常に不完全である。また、それについての施行令あるいはその他の細則を見ましても不完全である。私は、今日の医療機関の内容というものが、設備その他の医療器具、機械等をひっくるめまして非常に荒廃の状態になっておるし、おくれておるのではないかという気持がするのです。たとえば医療報酬制度について甲表というような理想的なものを出して、主としてこの検査であるとか、その他というようなものの技術的なものに重点を置くとしても、これはこの次の機会に私は大臣等に伺いますが、無理やりに甲表をとれとれと言ってみたところで、山の奥で甲表を採用した国保の医者がどんな設備をしておるか、病院にしましても、やはり甲表というものを政府が医療合理化と言って盛んに技術本位にやろうとするならば、それに即応のできるような医療機関でなければ、ほんとうは何にもならない。そういうふうな病院というものの、ただ単に病床とかその他その中に持つべき設備の種類とかいうことでなしに、極端なことを言えば、たとえばレントゲンの機械を一つでも気のきいた役に立つようなものを持たなければいけないのであって、そういうような医療機関などもある程度の水準以上のものを持たなければいけないように要求すべきだと思うのです。なべがあればいい、かまだけあればいいものじゃない、このごろは電気時代、オートメ時代で、医療機械も高度に発達しておる。そういうような科学的な内容の充実というものを、病院、診療所の規格の中に要求すべきだと思うのです。この二点につきまして、私的医療機関の今後の適正配置に対処する、できるだけの当局の考えておる対策並びに医療機関の設備の向上についてどういうふうな方針をお持ちになっているか、ということをお聞きしたいと思います。
○説明員(小沢龍君) 公的医療機関の規制につきましては、ある程度のことはこれは私ども新医療方針で考えていきたいと思うのでございますけれども、私的医療機関につきましては、営業の自由が憲法において保障されている建前の上からいきましても、にわかに何らかの方法でこれを規制するということはきわめて困難な問題ではないかと思います。そこで、先ほど申し上げましたように、医療金融公庫等の措置によりまして、指導的に私的医療機関の分布を適正ならしめるように措置いたしますが、それ以上の分につきましては、来年度われわれが作りたいと考えておりますところの医療制度調査会のその御研究に待ちまして、具体的な方策を考えていきたいと考えておる次第でございます。 それから医療法の内容が不備ではないか、新しい医学に即応した適当な施設を持った施設にするように医療法の内容を改正したらどうかという御意見でございますが、これはまことにごもっともと存じます。実はただいまの医療法は終戦直後の混乱した時代に作ったものでありまして、今日の段階から見れば相当不備でございます。そこで、私は、医療制度調査会におきましては、単なる医療機関の配置規制だけでなくして、この方面の分野においても、さらに言うならば、病院と診療所との区分は、二十ベット以上の病室を持っているか持っていないかによって、病院と診療所を区分しているのは、きわめていいかげんな区分でありまして、これはあくまで病院と診療所は機能によって分けまして、それぞれ能率のよい働きをしてもらわなければならないのでございますけれども、この種の問題を含めまして、できるだけ早い時期に医療制度調査会の答申を得まして、医療法を改正していきたい、かように考えている次第でございます。
○山下義信君 一応この程度にしておきます。
○榊原亨君 医務局長にただいまのことについてお伺いいたしたいのでありますが、先ほども私的医療機関とはどういうものをさすのであるか。今おっしゃった私的医療機関、たとえば医療金融の面において私的医療機関に医療金融をするのだとおっしゃいますが、その私的医療機関の中には、たとえば厚生連の診療所、済生会の診療所、病院あるいは日赤の診療所、病院、これらは含まれるのでありますか、含まれないのでありますか、念のためにお伺いいたしておきます。
○説明員(小沢龍君) 医療法で申しますところの公的医療機関は、都道府県市町村病院のほかに、日赤、済生会あるいは厚生連の病院が含まれております。医療法でいうところの私的医療機関は、それ以外の病院、診療所という趣旨でございます。しかしながら、私どもが今考えております医療金融公庫によるところの金融措置は、主として個人的の開業医を主体といたしまして、相手といたしまして、それを考えておる次第でございます。
○谷口弥三郎君 私は、今回の国民健康保険問題、特に医療機関の指定問題というのは、先刻来話が出ましたけれども、これを十分検討して参るのには時間もかかりますし、大臣もおられませんから、きょうはそれらの点については、この次にいたしたいと思います。
○委員長(久保等君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(久保等君) 速記を始めて下さい。 本問題に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(久保等君) 次に、静岡県焼津市に発生した赤痢に関する件を議題といたします。 厚生省当局から説明を願います。
○説明員(尾村偉久君) 本件は、十月十二日、静岡県焼津市に赤痢の集団発生が起りまして、すでに七百二十四名の患者並びに保菌者の発生を見まして、まことに遺憾なことでございます。ただいままでの調査並びに現地に人を派遣いたしまして、これらの防遏対策をいたした状況を御報告申し上げます。 発生地は静岡県の焼津市で、海岸に一番接しております鰯ケ島という地区と小川新地という地区でございます。人口が少くて六千五百名の限局された地区に発生いたしております。戸数は一千二百、ここの商売はいずれも非常に小さい家ばかりでありまして、漁業によりまして得ました魚の加工業が主でございます。 ここの水の状況は、焼津市の、これは全体では給水人口三万二千人に対する浅井戸をもってする上水道でございますが、これは新しいものでございまして、昭和二十八年以来の継続事業で、ほぼ今年計画を完成した上水道でございますが、これがこの地区に約七〇%給水を行なっておりまして、残りの三〇%が従来から用いておりました井戸水の使用者でございます。かつ、この地区には、今申し上げましたような小住宅並びに企業も小さいものでございますので、共同炊事をやるような給食施設はございません。ふだんから衛生状況は、かなり低クラスの地域でございまして、今までとしては良好でない方の地帯でございます。 流行期間は本年の十月十三日に発生いたしたものでございまして、二日置いた十五日が最高の日になっております。百二十四名がこの日に出たのがピークでございます。それから発生の状況は、男女並びに年令の差別が一般的にはない。要するに、この地区住民にもう一般的に起っておるということでございますが、ただ、初発当時は、特に十才未満の小児に発生を見たのが多いのでありまして、特に当初の二、三日間の総患者数から見ますと、そのうちの半数近くが十才未満であるということでございます。これは後ほど、表が付表といたしまして、年令別、日時別の発生状況をつけてございます。 臨床症状は、主として発熱が、しかも高熱が多うございまして、三十九度以上ということでございまして、死亡がすでに四名出ました。このうち一名が老人でございまして、あとの三名は幼弱な子供、こういうことでございます。なお、この子供が多かったせいでございますか、嘔吐等の疫痢症状に近いものが四分の一ぐらいございます。しかし、一般的には、赤痢の集団発生といたしましては、熱の三十七度から八度台のものが数からは多うございまして、主として下痢も一日数回程度のものでございまして、赤痢の非常な特徴でございます、ことに接触感染あるいは食餌からこれにうつりました特徴である粘血便を見たものは非常に少うございました。いわゆる一般的な下痢便症状が一般的に多かったことが特徴でございます。四名の死亡者を出しましたが、七百名全般の患者から見ますと、いわゆる重症者は、これが非常に少うございます。 発見の動機となりましたのは、十月十四日に焼津市内の開業医である岡本医師が自分のところに、その日に下痢患者二十五名がそれぞれ診察を求めた。これは非常に、原因はまだ自分にはわからないが、ということで直ちに保健所に届け出がなされましたので、直ちに赤痢の集団発生ということをまず保健所が疑いまして、直ちに職員十名を保健所が現地に派遣いたしまして、一方、衛生部にも連絡をいたしました。衛生部から十四日にに、厚生省にも電話で簡単な連絡があったわけでございます。調査の結果、十四日中に、すでに述べました通り、焼津市の鰯ケ島地区と小川新地地区に非常に限定されまして、十三日夜から十四日の朝にかけて発熱、下痢患者がこの地区を担当しております五名の医師にかかっておるということがわかったのであります。その数は、以下その書類にございます通りであります。 直ちに調査をいたしまして、この感染系統をまず判定いたしませんと、防疫対策が立てられませんものでございますので、直ちに調査したところ、右地区の上水道の給水地域に限定されておる。しかもすぐに若干の患者から発見された菌型がフレキシネル菌のI型のb、いわゆる昭和菌と称するものでございますが、これによってのみ起っておる。すなわち二種類以上の菌が発見されておらない。全年令層に非常に爆発的に短時日に一斉に発生しておるということでございますので、同一の原因による一斉感染ということが推測をされまして、しかもこれは過去の実績上こういう場合に一番疑わしいのは給水からくる水系感染、それも個々の井戸水からではなくて、一定の同じような摂取しておる水系感染が最も疑わしいという推定をしたわけでございます。しかしながら、ほぼ七〇%をカバーしております上水道の管理は、水道法に基きます法規はよく守られておりまして、現在までの調査では、この上水道の管理上のどこからか、はっきりと今度の原因になったという証明はいまだ整っておらないわけでございますが、しかし、一方、三〇%の井戸水を飲んでおる家庭からもある数同じ時期に患者が発生をいたしておりますので、これのみならず、食品からあるいは接触からという可能性もありましたので、これは並行いたしましてこの方面の調査も当時行い、なおかつ、この点もまだ追及はいたしておるわけでございます。 なお、この地域は、先般の二十二号台風で、九月二十六日に、これは雨水の排除ができきれませんで、たまったために、海岸地帯でございますので海水が高潮のために浸入して参りまして床下浸水をこの地域に見たところでございますが、これは直ちに、翌日、水は引いた地域でございます。 もう一つ重大な事実は、発生を見る二日前の十月十一日の夜に、この地域がまだ給水栓の増設中のところが少し残っておりました夜、市の水道当局が新たな、ある工場へパイプを引くため水道の給水管に対しまして取りつけ工事を数時間かかってやった事実がございます。 それから防疫措置といたしましては、ただいまのように、静岡県衛生部が十月十四日の届出と同時に、衛生部からも衛生部長以下関係係官が直ちに現地に急行いたしまして、市に防疫対策本部を設置いたしまして、藤枝保健所のほかに三保健所、衛生研究所、県の予防課、これらが応援をいたしまして患家の井戸の消毒、検病調査、検便、そ族昆虫の駆除、患者の収容、それから一般的な知識普及、これを直ちに開始をいたしました。 なお、水系伝染病が疑わしかったものでございますので、上水道の処置といたしまして、直ちに調査をいたしたのでございますが、これはすでに六月二十七日に、本年特に注意をいたしまして、厚生省から防疫対策の通知を出しまして、指示をいたした結果、八月一日より当市におきましては、ふだんの規定量の二倍のものをすでにもう夏から塩素消毒量を強化して持続しておったことが判明いたしました。すなわちポンプ室では〇・八、市役所の、これはこの地域より少し本管に近い所でございますが、市役所のジャ口は〇・四PPMという実績をずっと出しております。これは水道法に規定いたします二倍の濃さでございますが、さらに十月十五日からは、この塩素量をさらに増量させまして〇・八を大体最高二程度までこれ以後は増量をいたしているわけでございます。 それから食品の問題も、井戸水を飲んだ者からも発生を若干見ておりますので、その点も疑いまして、念のために食品製造と販売は、この地域の者は自主的にみずから中止を申し出まして、みずから自粛をして販売をやめたのでございます。 二十四日までの防疫対策に従事したいろいろな関係資料はあとの方にございますが、患者の総数は二十三日までに疑似患者を入れまして四百十一名、そのほかに保菌者三百四十六名、合せまして七百五十七名ございます。これは患者は最終二十一日まででございまして、二十二日以後は患者の発生は見なくなったのでございます。これらは八カ所の隔離収容施設に七百二十四名を逐次収容済みでございます。この差の三十三名は、非常に保菌者でも隔離同様に完全な処理ができるものを監視のもとにおきまして自宅に置いたものでございます。それが三十三名、こういうことでございます。八カ所の隔離施設は、本来の市立病院、伝染病院のほかに、応急的に診療所ないしはそれは類似したものを臨時隔離収容施設に追加いたしたためで、八カ所になったわけでございます。 今後の見通しでございますが、この地域は、鰯ケ島地区と小川新地の両地区に限局されておりまして、これは周辺の検病調査、菌検査等でも周辺には出ておらぬことが確認されております。これもなお検査続行中でございます。全部検査が完了いたしまして新患者の発生を見ておりませんので、これは今後同じような形で続発することはないと思われます。なお、ほとんど完全収容、ことに患者は全部完全収容しておりますので、患者からの二次感染はない、かように思われまして、その点は、今後の見通しは危険性は非常に少い、こう見ておりますが、非常に多数を出したことでございますので、収容患者の重症化を防ぐこと、完全医療ということと、なお残りのものから万一また発生してはいかんので、検病調査以下これを厳重に続行中であります。 以上申し上げましたように、水系の確実な、どこから入ったかということのまだ調査成績が確定しておりませんのでございますが、今の様子では、この発生の状況からは、あるごく短時分の間に水系に何らかの方法で入ったものが、飲んでおるこの地区の末梢管の方に流れまして入ったのではないかということが客観的に今推測をされておることでございます。従って、その対策の中心である上水道の消毒ということを、かなり長期に高濃度の塩素消毒持続ということが最も必要であろうと思います。この点はまだ持続中でございます。
○榊原亨君 ただいまの御報告のうちで、原因のことにつきましては御調査中というのでありますが、これによって原因が判明するというようなお見込みがあるでございましょうか。
○説明員(尾村偉久君) ただいままでのところ、水源ないしは浄水池からの浸入ということは、これは全面的にそうでないという結論に達しております。あくまでこの地域の百五十ミリないしは二百ミリ径の中管以降のところから入っておる。あるいは逆に最後の家庭のジャ口から断水等——ちょうどこの期間に断水の時期が一時ございました。これは断続的にございました。その際にジャ口から逆に吸入をいたしまして、これがこの地域に逆送されたということも考えられますが、一番疑わしい、ちょうど工事の時期との関連がございますので、工事現場を直ちに市と衛生部当局で掘り上げまして現地の調査をいたしたのでありますが、かなり近いところに、下水のみぞが約一間離れたところにございますが、それと工事当時との関連で、そこから溢水した、あるいはしみ出たものが入ったのではないかということを最も疑いまして調査したのでありますが、当時の工事人六名でございましたが、これは市の当局者みずからがやっておりまして、そのときには掘り上げて接続をするときに汚水はそこにないという証言、また、現在の接続状況は、完全な規定通りの接続を終っているということでございますので、この部分からの追及はこれ以上は不可能と思います。従いまして、実際的に客観的にこのときにどこから菌が吸い込まれたかということは、今の調査続行では正確には出てこないと思っておりますが、ただ、逆に食品とかあるいは二次感染といいますか、続発の状況等が起らぬということでございますが、これらのことから逆算いたしまして、この水系に入ったであろうということが確定されるわけでございます。それ以上には証拠を見出すことはおそらく不可能ではないか、かように考えております。
○榊原亨君 現地の市当局のお話によりますと、工事をしたあとで相当時間放水をいたしまして、しかも末端のジャ口からは相当の塩素量を検出したということを聞いているわけでありますが、もしそうだといたしますと、今の法律的にきめられました塩素の消毒濃度について、今のままの規則でよろしいのでございますか。現に消毒するということで、これまた二倍以上に十月十五日から塩素の量を増しておられるのでありますが、そうしますと、規則によってきめられた塩素の量では赤痢菌を消毒できないというお見込みでお増しになっていらっしゃるのですか、その点いかがですか。
○説明員(尾村偉久君) 先般改正になりました水道法の省令におきまして、常時は一番末梢のジャ口における塩素量、遊離塩素量でございますが、遊離塩素量〇・一PPM、それからいろいろな事故ないしは水害等危険のおそれがあるときは、〇・二PPMに上げろ、これが現在の省令できまっておりまして、これはかなり以前から、省令になる以前から指導方針としてこれで指導をしてきているわけでありますが、これは実験的ないしは試験的なデータによりますると、この〇・一PPMで普通の状態における大腸菌、消化器系のいわゆる伝染病菌の類似のものはかなりごく短時間に、むしろ何秒というときにこれは殺菌されるわけでございます。従いまして、今までの水系伝染病の場合には、むしろ塩素が有効に入っておらぬ、この規定通りに入っておらぬというときに水源等から入ってやったというのがほとんど大部分でございます。今度のように有効に入っておって、しかもこういうふうに起ったと推定される場合には、よほど濃厚な有機物と一緒に菌が入って、塩素がその末梢の溶液中におきましては他の有機物に優先的に有効塩素が先に消費されるということが一番疑わしいのでございます。従いまして、かような場合でございますと、有機物とまざって入るという、いわゆる漏水とか、さびて穴があいたというような場合ないしは洗たくおけから汚物とともに吸い上げられるというような特異な場合と想像されるのでございますが、これに対しますと、どこまで濃厚に常時しておればかかるものが防げるかということになりますと、非常な濃厚性を場合によっては要するわけです。ところが、水道が主要部分がどうしても鉄管を使っておりますので、これは世界的にもあまり濃厚に塩素を常時上げますと、消毒には万全を期せますが、逆に腐蝕度が数倍以上になりまして早く水道に穴があく、使用に耐えなくなるという逆の現象が非常に強く起るのでございますので、現在のところは、今の量で一般的なものは十分である。むしろ鉄管の管理ないしは工事時における非常な注意、維持管理、こういう方面をこういう事態にかんがみまして厳重にする、あるいは断水後の放水前に陰圧を生じないように線を切る、非常な綿密な水道ことの調査と、それから管理方式の樹立ということが必要ではないかと、この方がより大事ではないかと、かように存じます。
○榊原亨君 在来、水道の建設と水道の管理について、厚生省と建設省がお互いになわ張り争いというわけではありませんが、いろいろ所管のことについて御研究があったようでありますが、今後、水道の建設は建設省でするというようなことの妥協ですか、そういうことでありますが、こういう例を見ましても、そういうことで専門的な衛生方面の知識がなくても、水道の工事はそういう方にまかせておけばよいのでありますか。その場合はどういうふうに、また、現にお立ち合いのことで何かできておるのですか、その点を一つ。
○説明員(尾村偉久君) 昨年の水道法改正後、近代的なやり方になりましてからは、上水道の一切は厚生省の所管ということになりまして、ただ末梢の方におきまして、県の段階ではもうすでに衛生部にその監督権がほとんど大部分最近までに移りましたが、さらにその下の市町村のところになりますと、まだ衛生当局への移管はもとより、衛生当局の介入さえまだ進行が遅々といたしております。従いまして、今督励をいたしておりまして、市町村の衛生の実施当局の中に水道工事も入れるということはこれは二の次といたしましても、これは能率の問題もございますが、必ずそういう末梢におきましてはこういう水道の、とにかく水に触れるような場合、この場合にはすべて衛生当局と協力してやる。少くとも立ち会いが必要ではないか。特に水道管の途中をあけまして接続をする、ことに夜間にやるという場合に当然危険が予想されますので、現に指導もいたしておりますが、まだ実施が遅々として進みませんので、これは督励をいたしたい、さようにいたしております。
○勝俣稔君 焼津では、それじゃ実際にこの工事はどちらの方の監督のもとに行われておったわけですか。
○説明員(尾村偉久君) これは市の水道課当局でやっておりました。この水道課は、あそこには部とかそういうものがありませんで、市長の直轄にかかわっておりますその水道課でやっております。これには衛生当局いわゆる衛生課でございますが、これとは無関係で焼津市においてはやっておるようであります。
○勝俣稔君 それでこの水道管はいつごろ作ったものでございますか。
○説明員(尾村偉久君) これはここの焼津市の水道布設それ自身が二十七年から二億三千万円の長期継続事業で昨年までかかりまして、末梢まで布設を終ったのでございますので、この地域は従いまして、まだ三年ないし四年の地域でございます。そのある程度の太い管に今度少し人数のかたまったある工場に引き込みをやる。井戸を作って引き込みをやるそのパイプの取りつけ工事であったわけであります。
○藤田藤太郎君 今の話を聞いておると、水の方から来たということが推定されて調査されたけれども、水道からじゃない。食べ物の方の問題は科学的に、客観的にその病気になったもと等疑う必要はないのですか。
○説明員(尾村偉久君) 今の水系といいまして、水道管でないというのではなくて、水道のどこから入ったかがその間の時と場所が推定できないという意味でございまして、全般的には水系を、特に水道水による水系感染を疑っているわけであります。 それからなお、飲食物の方も十分調査いたしました。そこの土地における販売業者、これは全員検便をいたしましたので、それらの関係の菌検査もやったのでございますが、飲食物関係からは、この時に販売された物からは菌の汚染が発見されないことと、それからもう一つそれを裏づけるものといたしましては、井戸水の使用者がやはり近所に水道が来ているものでございますから、断水時あるいは便利なときには近所の水道のもらい水をした。ことに水害以後、井戸水が悪化いたしまして、飲用にたえない井戸が出て参りまして、水道と共用した戸数が相当数あるのでございますので、実はそちらを疑ったわけでございます。
○藤田藤太郎君 僕はよくたくさん伝染していくことがわからないのでございますけれども、たとえば赤痢菌というようなものがどこから入り、だれかのいたずらによってたとえば水系から流れてくる、こういうことはまあ過去の例もあるでしょうけれども、想像されるのですか。
○説明員(尾村偉久君) これがこの三万二千人に給水しておる全地域に散発いたしますと、配水池、すなわち一番もとの浄水場あるいは水源、ここに混入したことが疑われるのでございますが、そうなりますと、いたずらということも全然拒否もできませんし、いろいろな原因が考えられます。ただ、今度はずっと流れてきまして、幾つかの枝に分れました最後の中枝のところから以後に集団して発生しておりますので、どうしてもこの中枝から以後において、大体要するに中枝ということでございますが、そこから何らかの方法で浸入した、あるいはそこまで末梢から逆流したものがそこから圧の関係で下にまた撒布した、こういう関係であるかと、かように存ぜられますので、これが地下に埋没してありますので、やはり漏水箇所からもしあれば汚水が浸入したか、あるいは今の工事のときに、あるいは工事のやり方としてはそれほど不適当ではなかったようでありますが、何かの原因でそこに泥とまざったその中に浸入したか、あるいは吸入せられたか、こういうことが疑われるのでございますが、もうこれは確固たる証拠をつかむことが現在では不可能、こういう状況でございます。
○藤田藤太郎君 鰯ケ島、小川新地ですか、それ以外のところも、二十六日の台風のときには水が入ったのですか。
○説明員(尾村偉久君) これは海岸地帯が相当長いものでございますから、大体海岸沿いのところには低地には水がたまり、海水が入ったところがぼつぼつあるのでございますが、鰯ケ島と小川新地が一番低いところでございます。ここだけはまとまって入ったのでございます。ただ奇妙なことに、鰯ケ島と小川新地地区のまん中にみぞがあるのでございまして、二地区に分れておりますが、ただ水道管はこの両方を三つのやり方によりまして連結はついているわけでございます。
○委員長(久保等君) 本件に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保等君) 御異議がないと認めます。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十八分散会