建設委員会 第6号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/10/23
会議録
○委員長(早川愼一君) これより建設委員会を開会いたします。 委員の変更について御報告いたします。本日西田信一君が委員を辞任され、その補欠として横山フク君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(早川愼一君) これより首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案を議題といたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。 なお本日の政府委員としましては、首都圏整備委員会事務局長樺山君、建設省計画局長の美馬君、それから説明員として住宅局長の鬼丸君、首都圏整備委員会の計画第一部長水野君、計画第二部長石塚君、以上の方々であります。なお首都圏整備委員長は後ほど出席されます。
○田中一君 首都圏整備法は御存じのように三十一年四月に判定されて、一応第一条の目的に沿って、いろいろ計画がなされているのですか、具体的に今までの整備のための計画、全体の計画というものですね、それを一つ御説明願いたいと思うのです。今までなされた計画ですね。
○説明員(水野岑君) ただいまお話ございましたように、三十一年の四月に首都圏整備法ができまして、鋭意首都圏整備計画の作成に着手をいたしたのでございますが、現在までに首都圏全域につきましての土地利用形態、それから人口の地域的配分計画を定めます、いわゆる整備計画の基本となる重要事項を定めます、基本計画というものをまず作成いたしたのでございます。この基本計画に基きまして、昭和三十二年度を初年度といたします十カ年間の整備計画というものを、各重要施設につきまして立案決定をいたしたのでございますが、まず首都圏内の重要連絡幹線道路につきましてその十カ年の整備計画を決定する、それから引き続きまして既成市街地におきます道路、街路、建築物の高層化計画あるいは下水道、上水道計画、義務教育施設、宅地整備計画等整備計画といたしましては、現在までに十四の整備計画を樹立いたしたのでございます。この整備計画は先ほど申しましたように三十二年度を初年度といたしておりまして、総事業費が約一兆二千億円、その所要国費が約二千二百億円というような計画になっておるのでございます。で、この整備計画に基きまして毎年度の事業計画を定める、そうしてこの事業計画をもとにいたしまして、所要の予算を要求いたしてきたのでございまして、この予算につきましては、三十二年度は前年度の三十一年度予算に比較いたしまして、約六割増の予算を確保することができ、三十三年度は三十二年度予算と比較いたしまして約二割三分程度の増加というようなことになっておりまして、着々この整備事業計画の実現に努力をいたしておるというような状況でございます。なお市街地開発区域いわゆる衛生都市の建設という仕事も、首都圏といたしまして重要な事業でございますが、この市街地開発区域につきましては、本年の八月に相模原、町田地区を市街地開発区域の第一号といたしまして指定をいたしたのでございます。今後今年中に引き続いて四地区程度を指定していきたい。指定という仕事は今申したように本年の八月から始まったのでございますが、その前から一つ工場用地の取得造成事業なり、あるいは道路、街路の整備なり、その他工場立地条件を整備する事業は、三十二年度から鋭意着手をいたしまして、実施をしておる状況でございます。
○田中一君 今三十四年度の予算は三十三年度からどのくらい増しておりますか。今の要求しようとする分ですね。
○説明員(水野岑君) 三十四年度におきましては、国費といたしまして二百二十四億円の要求をいたしておりまして、三十三年度は約百億円程度でございますので、約二・二倍という予算要求をいたしております。なお地方起債、財政投融資の関係を御参考までに申し上げますと、地方起債は約三百億円、財政投融資といたしまして百六十二億円、三十三年度これに対応する地方起債が約百五十六億円、財政投融資が七十億円というような状況でございます。
○田中一君 こうした資料は現在提出してございますか。
○説明員(水野岑君) 提出させていただきます。
○田中一君 これは法律案を少しでも早く仕上げるためにも、そうしたあなたの方で準備しているものがあれば、全部資料としてお出し願いたいのですよ。答弁資料としてお持ちになっているのか、あるいはお持ちになっているもので当委員会に出せないというものなら別です。出せるものならば即刻お出し願いたい。
○説明員(水野岑君) 今手元に持っておりませんので、資料を整備いたしまして、早急に委員会の方にお出しいたす手続を踏みたいと思います。
○田中一君 そうした計画が現在までにどのくらい実施されているのか、ということも資料を見ればわかるでしょう。
○説明員(水野岑君) 現在までの実施状況の資料もあわせて御提出いたします。
○田中一君 それでそういうものを一々見ないと、われわれの頭の中に事業の実態というものが入ってきませんから、さっそく取り寄せていただきたいと思います。そうして配付していただきたいと思います。
○説明員(水野岑君) ただいま私ども一部は持っておりますが、全員にお配りするほど資料がございませんので、至急に取寄せまして、お配りをいたしたいと思います。
○田中一君 これもおそらくあなたの方でお出しされようとする基礎資料の中には含まれていると思うのですが、提案理由の説明の中に「人口の増加の著しい」とありますが、著しい現状というものはどんなものかという点などもおそらく持っていると思う。そういう現状を把握しなければ、われわれはこの法律案の審議もできないわけです。
○説明員(水野岑君) ただいまの御質問ごもっともでございます。東京におきます人口増加の現状というものにつきまして御説明申し上げたいと思います。
○田中一君 資料があれば説明を聞かなくてもいいのです。資料があればお出し下さい。そうしなければむだなことも質問しなければなりませんから。
○説明員(水野岑君) 人口増加の状況の資料は今すぐ取り寄せてお配りします。
○田中一君 そこでこの提案理由の説明の中にはっきり提案者か説明しているが、「市街地の無計画な膨張発展」ということは何が起因しているかということも十分お調べになっていると思うが、その資料もありますか。
○説明員(水野岑君) ただいまの資料も急いで整えてお配り申し上げたいと思います。 なお今人口増加の資料も早急にお配りいたしますが、それまでにちょっと御説明させていただきますと、東京都の区部人口が昭和二十六年におきまして五百八十二万四千人でございます。昭和三十一年におきましては七百十六万二千人でございまして、二十六年から三十一年までの年平均増加数は実に二十六万八千人というような状態でございまして、この二十六万八千人のうち、いわゆる社会増、人口の転出入の差、これが約七割を占めているというような状況でございます。
○田中一君 自然増はどのくらいですか。
○説明員(水野岑君) 自然増は残りの三割でございます。
○田中一君 早く資料を持ってきて下さい。そういうことを聞くよりその資料を見る方が早いですから、出すものは出して下さい。 そこで今伺った無計画な膨張発展というものと比べて、計画的なものというのはどういう計画を考えておったのですか。それが今日この法律案を出さなければならぬ理由なのでしょうが、無計画な膨張発展の起因は何かということを聞きたい。
○説明員(水野岑君) 無計画な膨張発展の原因につきましてはいろいろな要素があると思いますが、一番大きい原因といたしましては、何といいましてもわが国の首都である東京都の区部に人口や産業が過度に集中して、そしてその結果いろいろな業務施設用地あるいは住宅用地というようなものが必要になりまして、できるだけ値段の安い土地を見つけてどんどん伸びていく、こういうようなことではないかというふうに考えております。
○田中一君 この流入するというのが一つの原因ならばですね、流入をとめればいいわけですね。まさか自然増というものを、まあ一面自然増も抑制するような、政策をとっております。それからまあ社会増というものをどうするかという対策が立てばいいわけですね。そうするとその対策というものはどういうものがいいかというといろいろあると思うのです。それはいろいろ考えてみたと思いますが、どういう考え方をもって、その原因に対する手を打とうとしたかですね。
○説明員(水野岑君) 今お話がございましたように、人口の転入を抑制する、こういうことの対策を講じますことがこの首都をよくするという上におきまして、まず第一に考えなくてはならぬ大きな問題点でございまして、そこでその対策といたしまして、この首都圏整備法なり首都圏整備の基本構想として考えていますることは、昔戦時中に実施いたしましたような転入それ自体を抑制する、こういうことはいろいろな点で法律的にも問題がございますし、またその実効を上げる上におきましても果して効果的な措置であるかどうか、非常に疑問があるところでございます。従いまして私どもといたしましてはこの転入を抑制するためには、いわゆる東京都の区部内で職場ができないようにする、こういうような職場の新増設を押えていく、人口増加の原因となる施設の新増設を制限する、こういう措置をとるべきであるというふうに考えたのでございまして、それと並行いたしまして、この東京都の区部の周辺の地域というものに立地条件の良好な、あるいは容易に良好な状態に改善し得る都市を選びまして、市街地開発区域いわゆる衛星都市として整備をしていく、そして東京へ流入しようとする産業、東京から分散する産業をその衛星都市に吸収定着せしめる。こういう二つの施策を講じるより方法がないというように考えておるのでございます。
○田中一君 二十六万何千というこの人口増加の失態というものがね、どういう階層に分れているのですか。たとえば今あなたが言っているように学校に入ろうという者、今対象になっているのは学校と工場ですからね。工場が現在人口増と比例して何年にはどういう工場がどのくらいできて、それでそれに就労する者がどのくらいあって、学校に入学する者がどのくらいあって、出る者がどのくらいある、あるいは出ても浪人している者がどのくらいある、あるいは無職で流れ込む者がどのくらいある、そういう者の工場並びに学校というものを対象にするならば、それに関連するところの人口の移動というものをつかまなければならぬと思うのです。従っておそらくつかんでいると思うのですよ、その問題が一つと。 それから結局これは大きな都市には常にあることなんですが、職業がない。職業がないけれども東京へ行けば食えるのじゃないかというので来る者が相当いると思うのですよ。これはどのくらいなパーセンテージになるか知りませんけれども、そういう者があると思うのですよ。ですからそういうものの実態というものを一つ資料が配付されましたから、もし書いてあるなら資料によって説明して下さい。
○説明員(水野岑君) ただいま資料を即刻お配りいたしますが、ただいまの御質問の人口流入の原因はどうなっておるかということでございますが、転勤のため、開業……
○田中一君 恐縮ですが、今提出された資料について説明を願いたいと思います。
○説明員(石塚久司君) ただいま御配付申し上げました資料の四ページにございますが、「東京都における人口社会増の内容」ということで、まず第一に職業別の転入者調べ、これは二十六年から三十一年までの、五カ年間の推計実績を比較したものでございます。それによりますと、二十六年度の推計値で転入者が総数におきまして五十九万九千五百三十七人、こういう数字になっております。これに対しまして職業別の転出者調べ、(ロ)にございますが、二十六年度の推計値は転出者の総数が三十二万八千九百七十五人という数字になっておりまして、それが(ハ)の社会増の職業別内訳ということで、これの内容的な差引が(ハ)に出ておるわけでございまして、二十六年度と三十一年度の推計を各職業別に社会増の内容として取り上げたのでございます。これによりますと二十六年度の社会増は総数二十七万、このうち一番多いのがいわゆる無職業者という数字になっておりまして十六万三千人、六〇%を占めておるわけでございます。この無職者といいます内容につきましては、真の意味の無職者と学生数あるいは家族構成の家族、こういったものがこれは主体になっておるわけでございます。 職業別に見ますと従ってその中に書いてありますように、工業労務者が三万三千百十二人という数字になっておりまして、これが一二・五%の割合を占めておるわけでございます。その次に多いのが単純労務者でございまして、二万一千六百十六人、その次が商業労務者一万九千二百五十九人、こういう数字になっておるわけでございます。これは三十一年度において見ましても社会増が二十七万から十六万に若干減っておりますが、この十六万人のうち十万が無職者でございます、約六一%、こういう数字でございます。これに対して工業労務者は三万人ということでございまして、一八・四%を占めておるわけでございます。次に占めておるのが商業労務者一万三千百人、次に多いのが公務自由業といたしまして六千三百人、その次に単純労務者の五千四百人、三・三%というような数字でございまして、その他中小工業主、中小商業主、サービス業というのが、割合からみますと非常に小さなものになっておるということでございますので、まあ私どもとしては、職業別に一応当ってみました結果といたしまして、このうち中小工業者が占める地位が非常に高い、従ってまずこれを規制の対象として取り上げるべきではなかろうか、ということをまあ第一点として考えておるわけでございます。 また第二点として、無職業者は十万、あるいは二十六年度は十六万という数字になっておりますが、この無職業者の内容についてはこの統計表ではつまびらかになっておりませんが、別な視野から見まして大体学生が年間一万五千程度の累増を実はしているわけでございます。またこれは家族構成は無職者でございますので調査の報告がございませんでしたが、そのうち一番大きい確実につかめると思うのがこの学生でございますので、学校というものをやはり規制の対象にすべきではないかということから始めまして、一応学校、工場というものを人口吸収要因の大なるものと考えましたような次第でございます。
○山本利壽君 この今の資料で、ちょっと私読み方のわからぬのがありますが、(ハ)の「社会増の職業別内訳」で「転出者——転入者」と上に書いてあるが……。
○説明員(石塚久司君) 転出者、転入者の差でございます。転入者から転出者を引いたものでございます。
○山本利壽君 じゃ、これは逆ですね。
○説明員(石塚久司君) 逆でございます。どうも失礼申し上げました。
○田中一君 それでこの無職業者というものの東京都内におけるところの実態というものは、どこかに資料はありませんか。
○説明員(石塚久司君) これの資料に実はこまかいデータがとれませんで、私どもも実はそこまでのいろいろの、個別的には調べてみましたが、どうもはっきりした内容がつかめないというのが実情でございます。
○田中一君 ここに委員長、何ですよ、東京都の首都圏の事業をやっている人が傍聴に——参考人じゃないだろう——来ているのですがね。
○委員長(早川愼一君) ちょっと速記をとめて。
○委員長(早川愼一君) 速記を始めて下さい。
○田中一君 今東京都に質問というか意見を聞いておった通り、転出入の差を人口増加の基礎にして考えるというのは考え方が違うということです。結局仕事につきたい、職を持ちたいというのは遊んでいる者の大部分の人間の願望だと思うのです。従って東京は区制のある特別区全部と、三鷹、武蔵野等、一番住むには条件のいい所です。ここに工場等を作らせないということになると別の政治問題が起きてくるわけです。それにはごく少いものがあって工場を作ることによって外部から人を呼ばなければならないのだ、都外から集めるんだということと、現在東京都の中に潜在失業者というものは相当あって、地方に行っても同じことになりますから、せめて新しい産業、あるいは都民に必要なここにあるような各種の産業を興して吸収するのだという政治論、こういうものが究明されておらないように考えるのですよ。今の説明の仕方全部そうです。人口増の問題一つすら的確に、政治的なその一つの背景というものを見きわめないで、人口増加がこのように累増するのでございますというような説明の仕方で、そうして近い将来では人口が千二百万に達する、近い将来がいつか知らぬが昭和四十年か昭和五十年か、あるいは昭和三十五年か私は知らぬけれども、こういうばく然たる説明で千二百万ということをずばっと出している。近い将来に千二百万になる、近い将来が五年か十年か二十年先かわからぬけれども、あなた方の見方というものは。そうして提出された資料というものはこの程度だ。転出入の差が十六万二千名だ、三十一年度は。ということだけでは人口問題のためにこの規制をしなければならぬという理由、根拠は薄弱だと思うのです。そこでその人口増加の問題をもう少し、なるほど学校の教室をふやすのをやめさすとか、あるいは工場の増設をやめさせるとかいう問題はまことにもっともだという、ただ現在の現象から出発する一つの結論というものが出れるような資料、資料というか実態を把握してもらわなければ困ると思うんです。人口増加の問題でこういうあなたのような論議をしておると、これはとうてい三回や五回の委員会では、実際にあなた方が考えているものと、われわれがここでなぜこうした法律を出して規制をしなければならぬかという問題との結論は、なかなか遠いと思うんです。で非常に不親切だと思うのです。そういう点については、その今の近い将来に人口が千二百万になるんだとぽっと言ってみたり、出される資料というものは三十一年度で十六万二千人出入りの差の増があるんだ、そうしてそのうちの六一%を占める無職の者が、その中には家族も入っているのだ、学生はたかだか一万五千人程度だということでは、だから二十三区並びに武蔵野、三鷹からそういうものをシャット・アウトするんだ、今後どういう原則を立てるということになると、人口の増加問題ですらどうも理由というものが弱いんじゃないかという気持を持つんです。
○説明員(水野岑君) ただいま田中委員の御趣旨ごもっともでございまして、転出入の差の原因別だけからこの大規模な工場、学校を押えるというのはおかしいじゃないか、この東京都の区部内、武蔵町市、三鷹市の中にも潜在失業者が相当いるはずであるので、ある程度産業就業の場を興す、こういう必要性もあるのだから、一つそういう点を総合的に見て、こういう工場なり学校の新増設を押えるというようなことをよく検討すべきである。こういう御趣旨のように拝聴いたしたわけでございますが、私どもそういう点は考えたつもりでございまして、昭和二十六年から二十九年までの年平均の、東京都の区部におきます工場関係の従業者はどのくらいふえたか、ということをいろいろ調査をいたしたわけでございますが、それによりますと、年平均工場の従業者数の増加が五万五千人に上っておるわけであります。
○田中一君 ちょっと、その資料はどこの資料を説明しているんですか、説明して下さい。
○説明員(水野岑君) 非常に失礼ですが、これにはありませんで私ども手持ちの資料にあるのですが、ただいまお配りいたしますから……。
○田中一君 あなた方が専門に三人も四人もかかって整備した、それをお前たちは信じろということであなたは説明するのか、それともこのようになっておりますからと、実態はこうでございますからという、何も全部の資料を持ってこいというのじゃないんです。問題の資料を調製して、これを水野君いつもやっているじゃありませんか、君は非常に用心深くてちゃんと資料を作って説明するのが今までの行き方です。今度はそう自信がないものだから口で適当にやろうということでは困る。従って、今説明聞いても数字を書くだけでも時間がかかってしようがないから、そういう資料を作ってその点については説明してもらわないと……。
○説明員(水野岑君) わかりました。その資料を準備いたしまして……。
○田中一君 そうしてもらいましょう。 その問題は次にやって下さい。まあ、あなたの方の首都圏整備委員会では当然、自分の与えられている計画する区域の問題は、中心になって考えられておるものと思いますけれども、たとえ人口問題一つにいたしましても、住宅の問題にしても道路の問題にいたしましても、これはやはり国全体の計画のもとに立つところの首都圏の整備計画でなくちゃならぬと思うのですよ。その悪循環によって、たとえばあなたの、提案者が説明しておるように、居住環境の悪化とか公共施設の不備とか、交通条件の悪化とかいうことを取り上げておりますけれども、これは何によってきたかということを、まず究明しなければならぬと思うのですよ。これは首都圏整備委員会の役目じゃありません、おそらくそう言うはずです。これは政治の問題でございます、しいていえば行政を担当している政府の責任でございますということになるんです。従って、東京都、首都というものに対するところの、もう精神的なあこがれというものは、日本の国民が全部持っておるわけです。私は先年モスコーに行ってみたのですが、モスコーが今五百万こえております。このままいくと一千万になり二千万になる。これは土地がたくさんある、広い土地ですから幾らでも膨張できます、整然とその計画をやっております。これは何かというと工場、産業の正しい配置、分布、これによってそれだれけの人口を吸収するという意図のもとに計画的にやっておるわけですね。今あなたが考えておるこの計画というものが、放任されておったところの首都をどう居住環境をよくし、公共施設をよくしまた交通条件をよくして、首都というものの中心の政治を行うということを考えておられると思うのです。これでは私が日ごろあなたに言っておる通り、首都圏という考え方に立つところの計画というものはこれはナンセンスである。国全体の政治の上に立てなければならぬと主張しておるのはそれなんです。あなたは憶面もなく、この提案理由の説明のときには、それを述べておりますけれども、その責任というもの、遠因というものをどこに求めておるのか、どこに発見しておるのかという点について、僕は十分にわれわれの納得するような形の資料に基いて説明をしてほしいと思うのですよ。これは主観の問題です。政策的な主観の問題ですから、一応あなた方があなた方に与えられた範囲において、その計画をすることはいいでしょう。いいでしょうが、もっと掘り下げた計画というものがなくちゃ解決されないですよ。 ことに一番大事な問題は首都、東京都におきますところの潜在性を含む失業者をどうするかという問題が先です。そのためには今お示しになった二十三区、三鷹、武蔵野というこの区域においてすら産業計画というものが先行しなければならぬ。それはそれでいいのだ、もうそんなものはどこかへ流出していけばいいのだ、出ていけばいいのだということでは、これは問題の解決にはなりません。そういうものをあなたの方で十分検討しておると思いますから、一つ資料を整備して説明していただきたいと思うのですよ。(山本利壽君「委員長」と述ぶ)発言中です。そういう点について、これから私の質問にお答えになるような資料の調製と準備をすることができるかどうかですね。
○説明員(石塚久司君) ただいまの問題は非常に重要な問題でございまして、私ども首都圏整備という仕事をいたします上につきまして、ただいまお話のありましたような、現在の首都圏整備というやり方で、抜本的にこの問題が解決するかどうかという問題につきましては、いろいろ私ども苦心をしておる点でございまして、お説の点はまことにごもっともでございます。ただ私どもといたしましては当面の問題といたしまして、首都圏整備法で定められましたことに基きまして最大の力をいたしたい、ということをとりあえずいたしまして、今お説にありましたような根本的ないろいろ問題が多いのでございまして、これらの点は十分私どもといたしましても調査検討しなければならぬ問題だと思います。かように考えております。 それから資料の問題につきましては、これは整備いたしまして御提出をいたしたいと思います。
○田中一君 この法律の第一条の目的にはむろん首都というものを中心とした考え方というものはうたっておりますけれども、この首都というものを中心とした考え方というものは「わが国の政治、経済、文化等の中心としてふさわしい首都」を作るのだということになっておりますが、それはそれでいいんですが、作るには国全体の人口問題、あるいは産業問題、教育問題、あらゆる問題が考慮されなければ、ふさわしい中心、首都としての姿というものは生まれないわけなんですよ。それはもうあなた方にこういう質問をするのは、まことに質問をする方も質問しにくいのです。あなた方の持っている権限というか、与えられた役目というものがそこまでのものじゃないわけなんです。従って、これは戦後十三年の政治の貧困から、もうどうにもにっちもさっちもならぬから何とかしなければならぬ、というところから出発されて数々の計画がなされている。それは全部私権に対する略奪です。そこに主眼があるのです。憲法に示されておるところの数々の国民の持っている自由と権利というものをいかに制約して、そしてこの法律の第一条の目的にあるところの形のものに押し込もうか、ごまかして作り上げようかということに集約されるのです、結論として。私はこういう点についてはなはだ遺憾に思うので、それらの点について、あなた方の方で与えられた範囲の中でわれわれの納得するような資料を整備されて、そしてわれわれの質問にお答えいただきたい。そして責任者として、これはたしか総理大臣だったかな、総理大臣並びに建設大臣がここに出られて、そして日本全体の政治、経済、文化のあり方から出発するところの、首都並びにその大きな区域というものに対する考え方を示してもらいたいと思うのです。従って、私はもう質問をする方向をきょうお伺いいたしました。またその点について質問をしているのでありますから、逐次次回の委員会からその点につきまして十分に伺いたいと思います。きょうはこれで私の質問をやめます。
○山本利壽君 最初に私議事進行について委員長にお願いしますが、それぞれ係官は来ておられるけれども、今、田中委員の言われたように、持っておられるその権限とかあるいはいろいろな仕事の限界があるわけですから、だからその出ておられる方にはこの範囲のことを聞くと、これは大臣でなければいけないとか、あるいは総理大臣でなければだめだとかという判定を、それぞれ質問者は限界を持ってされるように、委員長の方で統制を願いたい。そうでなければせっかく政府委員は出て来られても全く困られると思う。いたずらに時間が……(田中一君「委員長」と述ぶ)発言中です。いたずらに時間がかかるばかりです。それで私はきょうはこの資料について、せっかくお出し願った資料でもまだわからぬことがあるから、だからきょうは、私もう一言申しますが、委員同士でけんかしようとは思いませんから、田中委員を誹謗したわけでも何でもありませんが、ある程度の委員長において——私は委員長にお願いするのですから、この議事進行についてはそれぞれ発言者に御注意をいただきたい。これは委員長に申し上げるのです。 で、この資料について私はまだ詳しく検討して——ほんとうの本質的な質問については、またそれぞれ大臣なり、係官にいつかお尋ねしたいと思いますが、この人口問題、都市の人口を構成する問題について学校、学生数ということは非常に大きいと思うのですが、ここに大学の実態というこの例示で、その(1)に学校の総計が三十一年においては百四十九校あって、学生数が二十七万七千八百三十四という数字が出ておりますが、これを区部、それぞれの区とそうして市、川口市とか川崎市とか三鷹とか、それぞれに分けた統計がありましょうか、ありませんか。あればこれを知らしていただきたい。
○説明員(石塚久司君) ただいま手持ちはございませんが、これは直ちに調査の上で数字を申し上げたいと、こう思っております。
○山本利壽君 お願いします。
○田中一君 議事進行で伺いますが、今山本委員からの発言に対して委員長の見解をお示し願いたいのです。
○委員長(早川愼一君) きょうは首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案の前回の逐条説明がありましたのに引き続きまして、説明を聴取することになっております。実は首都圏の提案の責任者である首都圏整備委員会の委員長、すなわち建設大臣です、出席することになっておりますが、まだ——出席せられる予定になってそれで質疑を開始したわけですが、たまたままあいろいろの問題が起きたのですが、で、事務の方もまだ資料が整っておらぬようでありますから、まあその点は一つ御了承を願って、次回にまた……。
○田中一君 非常に重大なる発言をしておりますから、委員長の見解を伺いたいのです。議員の発言に対する制限を加えろということを要求しているのです、山本委員は。こういうことは国会としてあり得るかどうか、委員長の見解を伺います。
○委員長(早川愼一君) いやいやそういう意味には……。
○田中一君 私はそうとりました。相手によってその発言、質問の内容を変えていただきたい、委員長において善処しろと、こういうことです。国会におきまして委員の発言に対する制限がだれができますか。こういう点に対する委員長の見解を伺います。
○委員長(早川愼一君) それはもちろん委員の発言に対して何らの制限を加えることはできないと思いますが……。
○田中一君 そうすると、山本委員の委員長に対する質問と——速記を調べて下さい。そこでこれは非常なる重大なる問題ですから、これはわれわれも党としてこれに対する対策をきめます。
○委員長(早川愼一君) 私はこう理解したのです。(田中一君「速記を調べましょう」と述ぶ)いや、速記よりも私の見解を……。つまりきょうの質問の要旨はだんだんその根本問題に触れてきて、大臣の出席がないということもありましたから、その点については私、釈明したのです。別に山本委員から特に発言を制限しろという御注文ではなかったと思うのです。
○田中一君 ちょっと速記とってくれぬかな。これは重大な問題ですから、速記を翻訳して持って来て下さい。これは重大な問題ですから。内村君、そういうような問題……。
○内村清次君 まあそういう点もあったな。やはり人を見て質問せいという話だからな。
○委員長(早川愼一君) ちょっと速記とめて。
○委員長(早川愼一君) 速記を始めて下さい。 本日はこの程度で散会いたします。 午前十一時五十六分散会