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30回国会参議院1958/10/16

建設委員会 第4号

発言数
73
登壇者
9
会派数
3
開催日
1958/10/16

会議録

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) ただいまより建設委員会を開会いたします。  まず委員の変更について御報告いたします。十月八日白井勇君が委員を辞任され、その補欠として前田佳都男君が委員に選任されました。   —————————————

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) これより本日の議事に入ります。  最初に、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案を議題といたします。まず提案理由の説明を聴取いたします。

遠藤三郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(遠藤三郎君) ただいま議題となりました首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明いたします。  この法律案は、首都圏の既成市街地中特に人口増加の著しい東京都区部、武蔵野市及び三鷹市の、区域を工業等制限区域として定め、この制限区域内において人口増大の主たる原因となる大規模な工場、大学及び各種学校の新設を制限し、これらの地域への産業及び人口の過度集中を防止することを目的としたものであります。  もともと首都圏整備法第二十七条におきまして、「工業等制限区域内における施設の新設又は増設の制限に関し必要事項は、別に法律で定める。」と規定いたしておるのでありますが、本法案はこの条項に基くものであります。  東京都区部におきましては人口増加がきわめて著しく、最近においても年間二十数万人の増加がみられるのでありますが、このうち約七割は他の地域から流入して来る人口でありまして、このまま推移すれば近い将来においてその人口は千二百万人に達し、その結果市街地の無計画な膨張発展、居住環境の悪化、公共施設の不備、交通条件の悪化等幾多の過大都市としての弊害が深刻となり、都市機能の混乱を招くおそれがあるのであります。  東京都を首都として十分にその政治、経済、文化等についての機能を発揮させますためには、重要都市施設の整備を推進する一方、区部並びにこれに連なる武蔵町市及び三鷹市の人口を、適正収容と考えられる八百八十五万人程度に抑制する措置が必要なのであります。このためには市街地開発区域を整備し、ここに産業及び人口を吸収定着させる方策と相まって、人口増加をもたらす主たる原因と考えられる大規模な工場、大学等の施設の新設を制限する要があります。  以上がこの法律案を提出した理由でありますが、以下その要旨について御説明申し上げます。  第一に、制限施設といたしましては、人口増大の原因となる各種の施設中首都指向性のきわめて強い産業に属するものはこれを除外し、人口増大の主たる原因となり、かつ必ずしも制限区域内に立地することが必要でないと考えられる製造業の用に供する工場、大学及び各種学校を取り上げ、しかも、中小企業等に与える影響を考慮し、それらのうち大規模なもののみに限定したのであります。  また第二に制限区域としては、既成市街地を形成する東京都区部、武蔵野市、三鷹市、横浜市、川崎市及び川口市のうち、人口や産業の集中がはなはだしい東京都区部、武蔵野市及び三鷹市に限定したのであります。  第三に、制限区域内においては、制限施設は東京都知事の許可がなければ新設することができないものとし、知事は、その制限施設の新設が人口増大をもたらさないと認めるとき、制限区域内の住宅又は既存の事業者に必要やむを得ないと認めるとき、または制限区域外では事業経常が苦して困難と認めるとき、その他やむを得ない場合にのみ許可するものといたしたのでありますが、なお、知事が処分をいたします際には、制限の対象となる企業、学校の立場をも十分考慮する必要があるので、関係行政機関の長の承認を受けることとしたのであります。  第四に、既存営業に与える影響等を十分勘案して、本法施行前からの既存の工場、学校等については、その団地内の増設は一切制限しないこととし、新設に準ずるような増設すなわち団地外において一定規模以上の建物を新増設する等を規制することにいたしております。  以上が首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決されるようお願いいたします。   —————————————

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) 次に河川法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず提案理由の説明を聴取いたします。

遠藤三郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(遠藤三郎君) ただいま議題となりました河川法の一部を改正する法律案について、提案理由及びその要旨について説明を申し上げます。  この法律案は、河川における土石の採取に関する規定及び河川法に基く義務違反についての罰則を整備し、もって河川管理をより一そう効果あらしめようとするものであります。  河川における土石砂利等の採取につきましては、現行法において、都道府県の規則をもって、都道府県知事の許可を受けしめることができる旨を規定しております。ところが、ビル建築、各種産業施設、道路舗装、ダム等の建設用資材としての砂利に対する需要が近時とみに増大して参りました結果、河川における砂利採取がにわかに増加し、ことに大都市や工業地帯周辺の河川において著しいものがあります。これらの砂利採取を行う者の中には、利を追うに急で知事の許可に付せられた河川管理上の条件に違反し、はなはだしきは許可を受けないで乱掘を行う等の者も少くなく、ために河床は著しく低下し、堤防や護岸の基礎はゆるみ、あるいは取水口は浮き上って取水が困難となるなど、河川管理上ゆゆしい支障を及ぼすに至っている所が少くありません。それにもかかわらず、現行法においては砂利の乱掘その他これらの違反行為に対する罰則が、最高二千円の罰金にとどまっているため、制裁規定としての実効を確保することができず、このままに放置するならば、かえって正当に法規を守って砂利採取を行なっている者との衡平を失するのみならず、ますます乱掘の傾向を助長し、ひいて種々の災害を誘致するに至ることが憂慮されるのであります。  従って、このような障害を除去し、河川管理をより一そう効果あらしめるため、河川における砂利採取に関する規制を法律に明確に規定し、これに対する罰則を強化するとともに、これとの均衡上その他の河川法違反に対する罰則の規定を整備することといたしたのであります。  次にこの法律案の要旨について申し上げます。  まず第一点は、河川の区域内において土石を採取しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならないものとしたことであります。すなわち、この点は従来は河川法第十九条に基く都道府県の規則によって規制が行われることができるようになっていたのでありますが、これを明確に法律に規定する義務といたしたのであります。  第二に、許可を受けて土石を採取する者から土石採取料を徴収することができることとし、土石採取料は都道府県に帰属するものといたしました。従来は、土石の採取料は私法上の収入と考えていたのでありますが、これを水利使用料や河川敷占用料と同様、公法上の収入とすることに改め、必要によっては国税滞納処分の例により強制徴収することもできることとしたのであります。  第三点は、許可を得ないで土石を採取した者に対する罰則、その他河川法の規定に違反した者に対する罰則の規定を整備したことであります。その内容は、海岸法や地すべり等防止法等との均衡をも考慮して罰金の限度額を引上げたこと、法人に対する両罰規定を設けたこと、命令に対する罰則の委任に関する規定を明確にしたこと等が主なものであります。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) ただいまの両法案に対する質疑は、次回以後の委員会においていたすことにいたしたいと思います。   —————————————

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) それではこれから災害に関する件を議題にいたします。  まず、災害に対するその後の処置について、建設大臣から御説明を願います。

遠藤三郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(遠藤三郎君) 先般の委員会で今年度の二十一号台風の段階までの説明をいたしたのでありますが、その後二十二号台風がきわめて深刻でありまして、静岡県を中心として十七県に及んだ被害が発生したのであります。その被害額の調査もだんだん進んで参りまして、今日においては三十三年度の被害額は、大体において四百五十億円程度の公共施設の災害というものが固まってきたのであります。なおこの被害額につきましては、最後の二十二号台風の被害の調査がまだ未確定の部分がございますので、ただいま各地に建設省の河川の係官を派遣をいたしまして、そうして実地調査の上被害の査定をやっておるのでありますが、それもほぼ済んで参りました。ごく小部分の被害額の調査が残っておる程度でございます。大体の見当としましては、合計で四百五十億円程度の災害であるということになってきておるのであります。  この今回の災害に対する建設省としてとって参りました基本的な考え方について、この際申し上げまして御了承を得たいのでありますが、今回の災害は関係県も非常に広範にわたったのでありますけれども、部分的にはきわめて深刻なものがありました。静岡県の狩野川を中心にした被害のごときは、千有余の人命の損傷を来たしたような結果を見ておるのでありまして、政府としてはかくのごとき事情を考慮して、すみやかにこの復旧の対策を進めなければならぬことを決意し、それぞれ対策の本部を作りあるいは各所の連絡をはかって、急速な災害復旧の対策を進めつつあるわけでございます。直轄河川の災害の復旧につきましては、災害があった翌々日ごろからこの緊急の災害復旧対策を進めておるのでありまして、現在もそれがどんどん進行しております。直轄河川以外のいわゆる中小河川、補助河川につきましても県と連絡をし、県に急速にこの復旧策を講ずるように指示して参りまして、工事はだんだん進んでおります。その間二十一号台風まではいわゆる三割程度の緊急復旧を進めておるのでありまして、二十二号台風につきましても、実は昨日、直轄河川についてはこの次の洪水の時期までに所要の復旧を間に合わせるという意味におきまして、大体狩野川の直轄の部分七億程度の災害復旧費に対して、その七割を今年度中にやってしまうという目途のもとに、それはすなわちこの次の洪水期に際しましても、住民が洪水に心配をしてきょうきょうとしておるようなことがなくて済むような、安心できるようにという意味で、今年度に大体七割の工事を完了しようということで、一昨日でありますか大蔵省との話し合いもつけまして、四億九千万円の予備費をとるという方針がきまって参りました。ただしこれは明日の閣議に私は提案をいたしまして、閣議の了承を得て本格的にこの工事を進めることになっておるわけであります。もちろん予算の措置はそういうことでやっておりますけれども、実際の緊急復旧の工事はどんどん地元でやらしております。さらにまた住宅問題等につきましても、御承知のように災害の緊急の住宅建設の問題を進めて参りまして、各地の全壊、流失等の家屋の復旧の問題については、その施策を進めておるのでありますが、これに引き続いて公営住宅いわゆる住宅金融公庫の住宅を進めるように、それぞれ現地に係官を派遣してその手続を進めておるような次第でございます。その他私どもの建設省関係の復旧工事については、手っとり早く民心の安定をはかっていくという見地から、事務的な手続はあとになりましても、実際の仕事を先に進めていくという考え方で、どしどし進めておるような次第でございます。  そこで現在問題になっております補正予算の問題でありますが、先ほど申し上げましたように、四百五十億円程度の損害がはっきりして参りましたので、予備金ではとうてい間に合わないということがはっきりして参りました。従ってなるべく早い機会に補正予算の提出をしたい、この臨時国会中に補正予算を提出して、そして国会の御審議を仰ぎたいという考えで今鋭意それを進めております。補正予算の金額等は、最終的な数字がまだ出て参りませんが、関係各省それぞれ今急いでこの集計を進めておるような次第でございます。二十日から二十五日ごろまでの間に、できれば補正予算を確定して出すように、それぞれ大蔵当局に今折衝中でございます。なお詳細な建設省の今まで進めております対策につきまして、それぞれ所管局長から所管ごとに詳しく説明をさせたいと思いますので御了承いただきたいと思います。

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) これより質疑に入ります。  本日の政府委員としましては、柴田官房長、美馬計画局長、山本河川局長、佐藤道路局長、鬼丸住宅局長、櫻井営繕局長等の出席がありますから、御質疑のおありの方は順次御発言を願います。  ちょっと速記をとめて。

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) 速記を始めて。

田中一日本社会党

○田中一君 公営住宅の災害復旧の割当を、地域としてはどういう振り合いから何戸建てるということになったわけですか。あれはたしか災害を受けた、大火の場合でもそうだ、三百戸以上だったかな、あれは。けれどもこいつは地域で三百戸ときまるのであって、狩野川流域全体を対象として、一つの単位として考えられないと思うので、それを一つ、どういう形でどの地区でどうなって、だからこうなったということを一つ説明して下さい。

鬼丸勝之建設省住宅局長

○説明員(鬼丸勝之君) 災害公営住宅の建設の基本的な考え方は、田中先生御承知のように、公営住宅法に規定されております。これは一つの災害で滅失の戸数が五百戸以上の場合にこの規定が適用されまして、その場合に、滅失戸数の三割までは災害公営住宅としての補助をいたさなければならない、こういうことに相なっておりまして、今回の滅失戸数は二十二号台風の場合は、ちょうど二千戸ちょっと滅失いたしております。そこで三割と申しますと六百戸に相なるわけでありますが、これは地域的にはその市町村なり地元の実情に応じまして、ある地域で非常に多いという場合には三割を越えても差しつかえない、全体として三割になればいいと、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで狩野川流域全部にわたってどういう形で配分しようとするか、それは越えても差しつかえないというだけでいいか、こういう点はただ今までにも他の地区にもあり、今後の問題もありますから、というのは、建設大臣が出身の選挙区だからということはむろんないと思います。ないとは思いますが、そういう特例を開くならば、その根拠を明らかにして将来にも備えなければならぬと思う。従って狩野川流域全体を対象にしても、そのどの村のどこはどうというような実態が明らかになって、どういうふうに配分するかということを説明してもらわなければ困ると思います。今その説明ができないならば、一応資料でも出してくれればそれに基いてあとの方でやってもいいのですが、そういうところを明確にしてほしいのです。

鬼丸勝之建設省住宅局長

○説明員(鬼丸勝之君) 先ほどお答えいたしましたのは一般的な原則を申し上げたわけですが、なお地域的に具体的にどういう計画を立てるかにつきましては、実は今住宅建設課長などを派遣いたしまして、特に静岡県の管内は各市町村の責任者にも集まってもらいまして、市町村としてどのくらい建てることになるか、あるいは県として県営でどのくらい考えるか、こういう問題をきのうきょうにわたりまして協議させております。その結果でないと具体的な数字はお答えいたしかねますが、静岡県全体としては大体三百五十戸ぐらいは災害公営住宅として建てたい、という非公式な見解は承知いたしておりますが、具体的にはもう一両日いたしまして、しっかりまとめたものを後ほどお知らせ申し上げたいと思います。

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) それでは、先ほどの災害に対するその後の処置についての建設大臣の説明の補足を河川局長、道路局長、計画局長、住宅局長から御説明があるそうですから、これを聴取いたしたいと思います。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 先ほど大臣から概略の御説明を申し上げましたが、私から河川関係の詳細にわたりましての御説明を申し上げます。  本年の発生によります建設省所管の公共土木の被害状況は逐次固まってきておりますが、現在までの報告額は、直轄と補助を合せますと約四百七十七億に相なっております。この規模は最近のものに比較いたしますると、昭和二十八年の大災害は格別でございますが、昭和二十九年の災害に大体匹敵する大きなものでございます。これに対しまして現在までにいろいろと処置をして参ったわけでございますが、建設省といたしましてとってきた処置を概略御説明申し上げますと、応急復旧工事を現地におきまして早急にしなければならぬということでございまして、そのためにこちらから査定官を現地に派遣いたしまして、工法の指導等をいたさせまして、急ぐものはそこで決定いたしまして工事に着手するという方法をとっております。それから建設省といたしまして持っておる機械を災害地の応急復旧に応援させよう、それからまた現地の直轄の工事を促進しようということで、先ほど大臣から御説明がございましたように、堤防の破堤箇所等につきましては、直ちに応急の復旧、わずかの出水でも水が入ってしまうというような状況でございますので、仮堤防を作ろうということで仕事を始めたわけでございますが、狩野川の流域につきましては、大型の機械を現在までに三十四台入れましてそれの仕事をやっております。  それから災害復旧の全般的の対策でございますが、耕地、土木施設の災害復旧につきましては、もちろん緊要な工事は急ぐわけでございますが、原則といたしましては三ヵ年で復旧する。それから、復旧に当りましてはできるだけ災害関連事業をあわせて行いまして、再度災害を起さないように処置しようと、それから、災害復旧と関連いたしまして、上流の水源地域には緊急砂防工事をやろうということで進めておるわけでございます。先ほど申し上げたように、査定官を現地に派遣いたしまして、緊急のものは着手してもいいように処置しておりますが、全般的の災害の緊急査定の問題は、現在までに十七号台風までの緊急査定はすでに終了いたしまして、それに対しましては予備金を近く十七号台風までは決定して現地に送ることができるように相なっております。  それから、二十一号、二十二号台風につきましては、緊急査定を今月中には全部完了いたしまして、それに応じまして補正予算なりあるいは予備金の金を支出いたしましてそれに充当しようということに相なっております。  それから、特別の狩野川流域、あるいは静岡のその他の流域もありますが、特にひどかった狩野川の流域につきましては、特別に次のような処置を考えておるような次第でございます。狩野川の下流部の平地部は、従来は直轄河川といたしまして改修工事を行なっておったわけでございますが、今回の災害にかんがみまして、御承知の方もおありと思いますけれども、直轄の区域を、修善寺橋という所がございますが、そこまで延長いたしまして、災害復旧工事、あるいは将来の改修工事等は直轄で修善寺橋まで行うということに決定いたしまして、直轄区域の災害は全部二ヵ年で完成する。特に、堤防の切れておる個所が十三ヵ所ばかりございますが、これらの復旧は来年の出水期までに完了してしまおうということでございまして、これに要する金は全体の災害復旧工事の七割程度を必要とするわけでございまして、この支出につきましては近く閣議決定をしていただくことになっておりますが、現在までに行なっている工事は、河川事業で持っておる金を一時流用いたしまして仕事をやっておるわけでございまして、閣議決定ができまするならば、今までのやつを埋めると同時に、三月までは全能力を発輝いたしましてこの工事に当ることになっております。  それから修善寺橋の上流の補助の災害でございますが、これも非常に災害が激甚でございまして、あの谷間に耕地があるわけでございますが、この提防を復旧しないと来年の耕作にも困るという状況でございますので、これらのうちからそういうふうなどうしてもやらなければならぬものを選びまして、これらは来年の出水期までに片づける、その他の緊急緊要工事と合わせまして、普通の県災害ならば三ヵ年でございますけれども、これは二ヵ年で完了するように処置しようというふうに考えております。  それから上流の水源地帯の砂防の問題でございますが、これにつきましては、上流の山地が非常に荒廃いたしまして、そのために出水の勢いも非常に強かったわけでございます。また、流木が橋梁にかかりまして、それらが一気に橋梁の決壊と同時に下流に大きな流水をもたらして、被害の大きな原因をなしておるのでございますので、本年度は緊急砂防で極力処置をいたしまして、その間に上流の全体計画を立てまして、直轄工事でこの砂防はやりたいという観点のもとに調査を進めよう、今年度内に調査を進めまして、来年はぜひ直轄でこの砂防工事はやりたいというふうに考えておる次第でございます。  以上が全般的の問題でございますが、その他いろいろ地元におきましては要望があるわけでございまして、国庫負担率の引き上げの問題、あるいは水防費の国庫補助の問題等があるわけでございまして、これらにつきましては、建設省といたしましてもいろいろ資料を作りまして、去年あたりあるいはその前の災害等との比較もいたさなければなりませんので、目下慎重に検討いたしておるわけでございまして、これらも何とかしなきゃならぬものが出てくるのではないかというふうな観点のもとに、いろいろと研究をいたしておるところでございます。

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) 次に道路局長。

佐藤寛政建設省道路局長

○政府委員(佐藤寛政君) 道路、橋梁関係に対しまして、今回の災害につきましてとりました措置並びに対策について御説明を申し上げます。  今回の災害、特に非常に悲惨をきわめました伊豆災害でございますが、これに伴いまして、道路方面といたしましては、ともあれまず第一にこの現地の交通確保をはからなければならない、こう考えまして実は関東地建、中部地建におきまして、建設機械を中心にいたしました救援部隊を二班編成いたしまして、現地の要請に応じまして直ちに救援可能な状態をとった次第でございます。現地に連絡いたしましたるところ、幸にしていち早き自衛隊の出動によりまして、われわれの用意いたしました救援隊に対しましては、一班の出動の要請がございましたので、この一班を東伊豆方面に入れまして道路の開さく、排土、警戒等の仕事に当らしたわけであります。道路、橋梁といたしましてはこうした応急的な措置もございましたが、それよりはむしろ、今後破壊された道路なり橋梁なりをどういうふうにして復旧していくか、というところに問題があるようでございます。これらにつきましては、一般の道路並びに橋梁の復旧工事につきましては、御承知のように、災害復旧の国庫負担法、これによりまして災害復旧事業として取り上げて復旧費をつけまして、その原形復旧を主体とした事業をやるということが大部分でございまして、これによりましてほとんど大部分の道路なり橋梁なりが今後復旧されることになるわけでございます。しかしながら、この負担法によりましてまだ救い切れないいろいろな道路、橋梁関係の至急にやらなければならない事業があるわけでございます。ことに今回のような大災害になりますと、そういう事業に対しましては、従来府県なりあるいは市町村なりが自力でやっておった事柄でございますが、今回のような場合には、これらに対しまして、政府といたしましても、特別措置を考えなければならない問題があるようでございます。これを事例で申し上げますと、たとえば橋梁等につきまして、災害査定におきまして永久橋に査定されたものに対しましても、永久橋で復旧工事をやるのならば、この際従来、ような狭い橋梁でなく、相当今後将来とも役に立つような幅員、構造等を持たしておきたい。あるいはまたこの査定の結果が木橋というようなことでございましたならば、できるだけ実物は木橋を築造するのではなく、この際しっかりした永久的構造物にしておきたいというようなことがございます。  道路におきましても、道路を築造いたします際に、非常に狭い道路に対しましては復旧にプラスして若干幅員を広げておきたい。それからまた路面等につきましては、路面の砂利等が流されました、いわゆる洗い掘りというものに対しましては、この災害復旧においては取り上げられないことになっております。これらに対しましてもある程度その被害が大きいもの、相当掘られておるようなものに対しましては、やはり特別な考慮が必要なのではあるまいかというような諸点を考察いたしまして、それらの点につきましては災害復旧費とプラスして、今後有用な道路なり橋梁なりができますよう、今回におきましては特別措置を考える必要ありと認めまして、それらに対しまして予算的措置を講じておるわけでございます。  こういうふうにいたしまして、せっかく復旧費等で事業をいたしますに当りまして、災いを転じて福となすようなことをしなきゃならぬ。それからなおまたこれらにつきましては今後の予算措置を講ずるに先立ちまして、ただいま実施いたしております予算において、この予算の実施箇所の配置等においてできるものはもう直ちに実施するようにいたしたい。これらに対しましては相当の手配をいたしております。まあそういうふうに今後予算措置においてできるだけの方法を考えたいと、こういうふうに思っているわけでございます。

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) 次に計画局長。

美馬郁夫建設省計画局長

○政府委員(美馬郁夫君) 計画局所管の災害対策について申し上げますが、私どもの方の所管は、公共土木施設災害復旧負担法の対象となっておりません都市の施設災害に対していろいろやっておりますが、おもなものを申し上げますと、下水道法による下水道それから都市下水道、またこの下水道法にはよらない規模の小さい都市の排水路、こういうものとかあるいは都市の公園施設、街路樹、こういうものを対象としていろいろ扱っておりますが、現在までの被害総額は、まだ多少ふえる傾向にございますが、約四億円でございまして、これは御承知のように、負担法の対象となっておりませんから、従来通り予算に基く補助をやっておるような状況でございまして、補助率は二分の一とこういうことで目下大蔵省の方と折衝をいたしております。  多少変ったものといたしましては、特にこの静岡県の伊豆地方のこれは伊東市でございますが、町に相当土砂が堆積しておりますので、この土砂の取り除きの排土作業と申しましょうか、この作業を地元においてはぜひやってもらいたいというふうな要望もありますので、ただいまいろいろ計画を検討しておるような状況でございます。なおこれもやはり伊豆地方でございますが、特に長岡駅を中心といたしましたあの繁華街が水に流されておりますので、地元といたしましては、水害復興の区画整理事業をやって町作りを新たにやっていきたいというふうな要望もありますので、これも係官を現地にやっておりまして、いろいろ相談に乗っておるような次第でございます。なおそのほかに多少毛色の変ったものといたしましては、これは東京都内であるとか、横浜市内であるとかの主として市街地におきまする宅地の相当大規模ながけくずれがございまして、このがけくずれが実は公共用地でございますと、いろいろ負担法とか、あるいは都市施設の対象になりやすいのでございますが、民地でありますためになかなかこの制度の適用もむずかしく、やはり相当規模が大きくて個人の負担能力を越えております場合には、なんとかして国の融資なり補助の対象にしなければならぬのではないか。そこでどういうふうにすればいいか、現地に調査なり規模なりを目下いろいろ検討しております。検討のつき次第適切なる対策をとっていきたい、こういうふうに考えております。

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) 次に住宅局長。

鬼丸勝之建設省住宅局長

○説明員(鬼丸勝之君) 住宅災害の対策につきましては、すでに御承知のように公営住宅の建設と、住宅金融公庫の融資によります災害復興住宅の融資と、一般貸付の中から特別のワクを設けまして貸し付ける、というこの三本立でやっておりまして、公営住宅につきましては先ほど申し上げたような事情で、できるだけすみやかに全体の建設計画を確定いたしまして、年度内にできるだけの災害復興の公営住宅を建てたい、こういうふうに考えております。住宅金融公庫の融資につきましては、いち早く現地に相談所、あるいは受付事務を処理する施設を設けまして、担当所管から係官等も派遣いたしまして、災害復興住宅なり、特別ワクの貸し付けの趣旨を徹底いたしまして、現在それぞれ受け付け、あるいは審査を進めているわけでございます。  これにつきましては資金あるいは予算関係は、今回の災害と十七号の災害も含めまして考えているのでございますが、地元の要望に十分沿い得るだけの資金が用意されておりますので、特別な補正予算等の要求をする必要はないという状況でございます。ただ住宅金融公庫によりまする災害復興住宅の制度は、すでに御承知の通りでございまするが、この現行制度そのままでは、必ずしも地元の罹災者の方々の要望に沿い得ない点もある。今まで過去一年半の実績等に照らしましても、若干この制度に改訂を加える余地があるのではないかというふうに考えておりまして、今具体的に検討しておりまするが、その中で特に問題点となっておりますのは、災害復興住宅の貸付金額の限度額の問題。これは御案内のように現在は内地では二十五万円、これは九坪分の住宅の資金を融資するということであります。北海道は三十五万円というふうな現状になっておりまするが、この辺をもう少し引き上げることを検討いたしております。なおこれに伴いまして、償還の期間も若干延長する必要があるのではないかと考えております。それから償還の期間の点はまだ具体的にはしっかりした案を持っておりませんが、これを延長するとすれば法律を改正しなければならぬという問題になるのであります。  それから政令、省令の段階において、現在の災害復興住宅の制度を若干検討いたしたいと思っておりますのは、一つは貸付対象範囲の家屋の規模を拡大するという問題でございます。これには多少こまかい点もありますが、現在二十坪までの家屋を貸付対象にいたしておりまするが、これを若干拡大して考えたらどうか。それから補修の場合の貸付対象の、つまり罹災家屋でございますが、これは現在罹災いたします直前の価格の三割以上というものが対象になっておりますが、これを二割程度に引き下げまして、大体構造上支障を来たすような被害を受けたものは補修の対象にもっていこう、こういうふうなことを今検討いたしております。  なお計画局長からお話がありました、がけ崩れ等の対策の一環といたしまして、災害を受けました住宅がある敷地のがけ崩れ等につきまして、これを整地費として公庫から融資をする、災害復興住宅の建設なり補修の融資と合せまして、整地費の融資ということを新しく考えるという問題を目下検討いたしております。これは全然新しいことでございますので、やはり法律に根拠を置く規定が必要だと考えておりますが、まあ大体申しまして、以上のような諸点につきまして、目下具体的に慎重に検討を進めておる次第でございます。

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) 以上の説明に対しまして、御質疑のある方は順次御発言を願います。

田中一日本社会党

○田中一君 河川局長、道路局長共通の問題ですが、私は現地に行ってみないから状態がわからないのですが、新聞記事あるいは写真等で見ると、かつての河川敷、かつての道路というものが埋没しておるという状況は、方々にあるように見受けられるのであります。そこで、そうすると、むろん道路造営の、たとえば宅地にしても、それから農地にしても、これはむろん何というか、ふたたび耕作し得る可能性があるかないかの問題が多くの基本として、容認できるものは、それぞれに道路を作ることも可能であるか、そうでないものは他に求めてここは荒廃地として捨ててしまう、というようなことがあるのではないかと思うのです。橋梁にしても堤防にしても、何か山を二つに割って川筋になったということも新聞に出ていました。従って、かつての堤防をそのまま築堤をするというのじゃなくて、水の流れ方とかいろんな河川学上の一番よいというものを取って、そこに新しい河川を作るのだ、あるいは堤防を作るのだということになるのか、その点の技術的な実態というものはどうなっておるのですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) お説の通り、今回の災害は、特に狩野川におきましては、上流地帯におきましては、谷と谷の間が全部川になったというような状況でございますし、また大仁の付近におきましても、宅地であったもの、あるいは耕地であったものが全部川になってしまったというような状況でございまするので、その原状、もとの状況にとらわれてこれを復旧するということは、これは非常にむずかしいわけでございますし、またもとの状況に作ったのでは、またやられてしまうというような観点もあります。従いまして、それらを相互勘案いたしまして、堤防がほとんどやられてしまった所には、将来の形といたしまして一番いい方法に堤防の形をきめまして、それで工事をやりたい。それでこの点につきましては、用地もずいぶんかかるわけでございますので、地元に十分説明しまして、これでないと将来不安で困るということをよく説明した上で、御協力をいただいた上で将来心配ないような計画を立てまして、それによって災害復旧をやりたい。こういうふうに考えております。

佐藤寛政建設省道路局長

○政府委員(佐藤寛政君) 道路の復旧につきましてもただいま河川局長から御説明があったのと大体同様でございますが、たとえば従来の道路の非常に損傷を受けたのをそのまま復旧するということは、一方において非常に不経済な点もございますので、この際所要の幅員を広げるなり、あるいは復旧の構造等を直すなり、これは先ほど御説明いたしましたように、そういうふうに考えたいと存じております。しかしながらこのためには新しい土地を買収しなければならぬとか、あるいはまたこの家屋等の損傷の程度でございますが、まあそこに残っておる家屋を動さなければならないとか、いろいろそういうこともございましょうかと思います。局部々々によりましてそういうことがございましょうかと思います。これらにつきましてあのように非常に痛ましい災害を受けたあとで直ちにそういうお話をすることもいかがかと、こう感ずるのでございますが、一方においては先ほど申し上げました災いを転じて福となすという意味からは、何とかそういうふうにいたしたい。これらにつきましてはよく一つ現地の居住民の方々と御相談いたしまして、理解を持っていただいて、先ほど申しましたような措置をとるようにいたしたい、こう考えております。  それから特に橋梁でございますが、橋梁の復旧につきましては、私どもとしてはできるだけ一つ所要の幅員なり構造なりを持った永久橋で復旧いたさすように考えたい。しかしながらこの橋梁の設計等につきましては、今次災害を顧みますると、伊豆地方におきましては永久橋でございましても、必ずしもあの出水に対して安全であったとは申せない。これが流失しておるのみならず、伺うところによりますと、永久橋であったがゆえにかなり出水に対してがんばって、報告によりますと相当これが流水の疎通のじゃまをした、そうして相当ダムアップしたその水の力によって流されたというような報告も伺っております。これらを考えますと今後永久橋に復旧いたします場合には、地形によりまして、永久橋といたしましてもその構造、特にスパン割り、ピアを立てる関係などにつきましては、よく地形に応じましてそういう点を考慮した設計がなされなければならないかと、こう考えておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 計画局は今のような道路局、あるいは河川局の計画が立ってから初めて長岡町の都市計画等をやるわけですね。

美馬郁夫建設省計画局長

○政府委員(美馬郁夫君) もちろんそれに調子を合すわけでございまして、どこに市街地の中心部を置いた方がいいかとか、町の作りをどういうふうにすればいいかというふうな問題は、河川の改修計画、道路の改修計画ともにらみ合せた上で、再度ああいう災害がないようにやっていきたい、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで今、道路局長から、ピアの問題、間隔の問題等言っておりますけれども、それは結局そういう土石の流入といいますか、そういうものとか、土砂とか木材とかそういうものが流れてくるから、そうすると、河川の上流部のもっと上の砂防の問題になると思うのです。水だけ流れれば災害は橋の場合にはないわけです。そうでなく、浮遊物とか力のあるものがくるからダム化するということになる。狩野川の場合を見ても、本年度の緊急砂防としてどのくらい出水等に出されるのか。あれは三億しかないんですね、緊急砂防費というのは。そうすると、それは現在幾ら残っていて、狩野川の場合に幾ら出そうという考えなんですか。ほかのたとえば狩野川全部で七億、うち七〇%の復旧ということにして、四億五千万を閣議で決定しようと言っておりますが、このうちに含まれているのか、緊急砂防費として。本年度の予算の三億のうちから幾ら出そうとするのか。たしか三億だったと思うのですが、それはどうなっているのですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 先ほど御説明申し上げました四億何がしのうちには、これは災害復旧でございますので、緊急砂防は入っておりません。従いまして砂防の問題は、仰せの通り三億の手持ちのうちから出すのと、足りない分は、補正予算なり予備金で出すということになるわけでございます。三億のうちそれでは何ぼ残っているかというお話でございますが、すでに起った災害に対しまして、冬になりますと工事のできない地帯につきましては、すでに金を配分しているわけでございます。それで約一億七千万残っております。しかしこの金ではとても処置できないということで、現在大蔵省と折衝中でございますが、狩野川の砂防につきましては全体やらなければならぬものが、県の調査によりますと約六億ある、その分の半分くらいは一つ三月までにやりたいということで大蔵省と折衝しております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、それは本年、緊急砂防としてしなければならぬものが六億あるというんですね。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 現在の状況を調べますと、六億くらいは今度の災害に対処しましてやらなければならぬ、しかしこれを全部三月までにやるのはなかなかできませんし、一溪流、一つの小さい川に二本か三本やらなければならぬ所もございますけれども、しかし、とりあえず一つの小さい溪流ならば一本やるというような計画を立てまして、それが三億でございますので、それを一つ三月までにはやりたいということで折衝しております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、明年度から直轄砂防として建設省がやろうと言っている分を含めると、砂防だけで全部で幾らになりますか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 六億ございましてそのうち三億やったとしますと、その残りの三億はもちろん来年以降でやるわけでございます。で、それ以外にもくずれるおそれのあるものも入れなければなりませんから、それらの点につきましては調査費をとりまして、本年度中に調査をして全体計画を立てまして、一つ直轄でやっていこうというふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 農林省がやっている山腹砂防ですね、この方とも打ち合せをしているのですか。あなたの方で打ち合せをしているのならば、大体の額はわかると思うのですが、農林省の方の山腹砂防はどのくらいですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 農林省は今現地に入っておりまして現地を視察しております。それから県の方は県の林務部と十分打ち合せしております。それから両方一緒に現地でやらなければいかぬということで、砂防課長を近いうちに現地にやりまして、現地で重複したりあるいは脱けている所のないように打ち合せをさせることにしております。

田中一日本社会党

○田中一君 それから前に戻るのですが、まだ四、五百人の死体がわからぬということですが、これはあなたの方の所管じゃないだろうけれども発掘をして探し求める、そうしてこれはどうにもならぬ、これ以上わからぬというときに、初めてそういう工事にかかるのか。それとも、その道路なりあるいは河川の流れの中に死体が埋まっているんじゃないか、ということが考えられても工事は進めていくつもりなんですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 河川の工事は主として堤防でございますので、非常に流れが強い所で切れております。従いまして提防敷に堆積土砂があるような所は少いのでございますし、私も現地に行ってみましたけれども、主としてたんぼの中に材木なり土砂が堆積しておりまして、堤防のあった所は流れの強い所でございまして、よどんだ所に死体のあるおそれがあるわけでございまして、堤防を復旧するような所にはおそらくないと考えておりますけれども、しかしそういうようなおそれのある所は十分気をつけて掘り返すなりいたしまして、また堆積土砂等では堤防も不完全でございますのでそれらは除去いたしまして、しっかりした堤防を作るわけでございますから、そういう死体を中に埋め殺しするようなことはないと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 道路局はいかがですか。

佐藤寛政建設省道路局長

○政府委員(佐藤寛政君) 道路の方につきましては、比較的平地部分で土砂等が堆積しております部分は、おおむね路床土として適当でない部分のようでございます。これらに対しましては今後の路面を作る関係上一応除去しなければなるまいかと思っておりますから、今のような死体を埋没したままということはなかろうかと思います。  それから決壊いたしました道路で自衛隊等が応急に築造いたしました部分でございますが、これにつきましてはやはり同様に土質の悪い所は入れかえなり除去をいたさなければなりませんが、大体においてそういうふうに積み上げた所は埋没というようなことはないのじゃないか、しかしながらこれらにつきましてもやはりそういうことを十分注意いたしてやらなければならないかと存じておりますが、上流地帯の洗われた部分に対しましてはそういうことはなかろうかと存じております。

田中一日本社会党

○田中一君 ずいぶん狩野川にはまだ流木が各所に堆積しているというのですが、この始末はあなたの方でやるのですか、自分の方の工事で。計画の地点は、あなたの方でそれを補償することになるのか、あるいは県なりどこかわからぬけれどもどこかでやられて、それをあとであなたの方で処置するのか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 流木は私もよく承知いたしませんが、災害対策本部でこの措置につきましては非常に研究をしたのでございます。その結果その市町村内にある流木は一応その市町村長の管理になるということでございます。従いまして、市長村長がそれをどこかへ堆積するとかいうふうな処置をしておるわけでございます。それは自衛隊の協力を得たり地元の方々の協力を得て堆積をしておるわけでございますが、そういうことになっております。  それから堤防の復旧などをするときに、流木があったらどうするかというお話でございますが、これは今のお話のように、地元の市町村長に相談いたしまして堆積場所等をきめていただきまして、どこへ堆積しておくという処置をとりたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 官房長に伺いますが、流木の所有権はどういうことになっておるのですか、法律的には。

柴田達夫建設大臣官房長

○政府委員(柴田達夫君) 法律的な関係でございまして、私も明確にお答えできかねる点がございますが、準法律的には、こういう災害の際のそういう流木の扱いは、やはり遺失物と同じような扱い方でありまして、現所有者に法律上の観念としての所有権はあるのだけれども、所有者不明の状態で遺失されておるという法律関係はあるようでございます。実際の管理につきましては、その遺失物の管理についての処置は、今、河川局長がお答えになりましたように、災害対策本部と相談の結果市町村長が管理をする、こういう扱いになっております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、所有権の明らかになったものはその所有者に返すというのが原則ですね。そうすると、たしか期限は一年たったらば、それが堆積した者、いわゆる拾得した者のものになるのですか、遺失物法からくると。

柴田達夫建設大臣官房長

○政府委員(柴田達夫君) 特別な立法で、その流木の処分を地元にさせるとかいうようなことがない限り、今お話がありましたようなルールに従うものだと考えます。専門でございませんので、あるいは間違いがあるかもしれません。

田中一日本社会党

○田中一君 いや、こういうことを伺うのは、今布石で伺ったのですが、まず修善寺橋なんか流失して骨材なんか、鉄橋ですね、たしかあれが押し流されて現在どこかにあるわけですね。これはむろん国がそれを収容するわけですね。それで適当に処分するのでしょう。そうなんですか、道路局長。それも所有権を放棄して、だれかが、それをぶつかったところでもって、適当にやってくれということになるのですか。

佐藤寛政建設省道路局長

○政府委員(佐藤寛政君) 橋梁などの場合には、その橋が県道であるならば管理者、いずれにいたしましても、道路管理者が一応その橋の管理主体になっておるわけでございますから、下流におけるたとえば鉄材等が、その橋であるということが確認されたら、おそらくその管理者が、適当な措置をすることになるのだろうと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうするとその橋は、県がうっちゃっておいて、管理者がうっちゃっておいて、地元がじゃまでしょうがないから、それを除去して積んでおいた。それはおれのものだといって取りに行きますね。その場合に、除去した費用はどうなるのですか。そういうものは、だれが払うのです。

佐藤寛政建設省道路局長

○政府委員(佐藤寛政君) その流失材があったために、農耕作あるいは交通等に、非常に支障があるために取り除いた。そのために経費がかかったということになりますというと、やはり管理者が、おそらくその経費を払い、従ってまた処分のときも、売却等の権利を持つことになるわけだと存じます。必要な経費も負担し、またその処分等も実施するということになるかと存じます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると相当数のもの、何十万石というような木材があるそうですが、それらのものも、そういうケースでもってやるのですか。  ただ問題は、自分の土地にたとえば鉄橋のピアが大きなものが来て、どうにもならぬ。そんなものは、おれは捨てたのだ、そんなものは再び使いものになりませんから、だれかが始末しなければならぬ。そういう場合には、県が全部それに対しては、費用を負担するというような、何といいますか広告でもして、PRやって、地元民はみんな知っておるのですか。そういう方針は、対策本部できめておるのですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 木材にいたしましても、そういうふうな鉄橋のもの等につきましての処置が、非常に問題になりまして、それはまあ元所有者のものではあるが、しかし、それをのけなければほかの者は困るというような場合には、堆積場所をきめまして、そこまで持っていこう、それに要した実費が必要ならば、それは当然管理者が払うべきじゃないかというふうなことで、現地で県等でそういう指示をしておりましたから、おそらくそういうふうなことでやっておると思います。

山本利壽自由民主党

○山本利壽君 先ほど来、水害対策について各局長以下、いろいろ御努力になっておることを聞きました。その労を多とするものでありますが、少し大臣に、根本的なことについて、ちょっとお尋ねしてみたいと思うのですが、一体視察して回りましても、今度の伊豆の方は私は参りませんでしたが、災害地を視察してみると、まことに日本の国土の狭いところから、この各々が非常にいたんでおる。わずかな川のはたに一反歩、二反歩ずつの耕地を作っておる。それで上の方もついえると、下の方は自然いたむのが当然でありますが、ずっと古来からの流域というものを、できるだけ耕地を作るために、人為的に今堤防を築いたり、あれこれして、実際の水の流れというものを自然の姿からは、人為によって変えておる。そういうことが、私は相当雨量のあったときに、水害をこうむる一つの原因であるように考えるのです。  そこで、先ほどのお話では、今度の水害でも四百五十億から、場合によっては五百億という、この復旧費は要ると思うのですが、ところによっては、ほとんど、全部落が壊滅したところもありましょうし、そうでなくても、今の川沿いの数軒ずつあるところが、非常にいたんでおる。こういうのをこの海外移民と、移住ということと関連して、国土建設という場合に考えられたことが、一体当局はあるのかどうかということを聞きたいのです。たとえたらば、一人当り十万円ずつの海外渡航費の補助をしても、一百億という金を費したならば十万からの私は人間の移住ができるように考える。概算ですけれども、あの狭い狭い谷を少しずつ川を不自然に、あまり水のないときには、少しずつ堤防を拡げて耕地を作っておるのが、いつか大きい水が出たならば、それはもう流されるのは、私は当然のように思われる。  ところが、これは住宅地にしても耕地にしても同じですが、そういうことを繰り返す民族というものは、私はあまり悲哀だと考える。だから全然復旧に手をつけるなということではないけれども、そういったような見通しのつくところは、政府当局で指導して、現在では中南米あるいは東南アジアでは、勤勉な日本の移住者を迎えたいという申し出は非常にある。日本の当局が出しさえすれば、一年間に五万以上の受け入れは十分可能性がある。一家族が行きましたら、少くとも二十五町歩から五十町歩ぐらいは、無償で受けることはできる。この移住政策というものを振興させるために、海外へ行って、もとは移民といっても、これは棄民であった。ところがこのごろでは、そうではない。大和民族の発展と幸福をはかるために、これに対する移住振興株式会社というようなものを作って、融資の道も講じてあるのです。移住局もでき、各府県では、それの海外移住協会というものが設置されて、今力を入れておるときであるから、こういう大災害を受けた際に、将来もこういうところというものは、また災害を受けるかもしらぬ。それに多額な費用を費して堰堤であるとか、堤防を築いて、さらに何百億という金を費すくらいならば、それは、私は自然の流れで全然放っておけというわけではないですけれども、応急対策は立てなければならぬし、上流の砂防工事というようなことは、必要だということはわかるけれども、個々の部落、個々の農家とか、住民というものに対しては、私はこういう際にこそ、海外移住ということと関連して考える。  これが私は国策であるように思うけれども、そういう点について留意されたことがあったかどうか。もしなければ大臣は、どういう工合にお考えですか。

遠藤三郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(遠藤三郎君) ただいまの御質問の内容が、大体二つに分れておるようでありますが、その第一点の方の問題として、河川の幅をだんだん狭めてきて、そのために、大きなはんらんを来たしておるのではないか。つまり河川に対する見通しというものを誤まっている点がないかという点が一つであると思うのであります。  この点は、すべての河川がそうだとは私は申しませんが、場所によりますと、あまりに耕地を求めることが急のために、川の幅が少し狭ま過ぎるようになっているところが確かにあったと思います。現にこの間の狩野川の堤防の決壊などを見ましても、川幅がどうしても狭いのであります、あれは。ですから大洪水が出てくれば、はんらんするのは、もうきまっておるようなことなんであります。従って、そういう面について今後はもう少し河川の検討をし直さなくてはならぬ面がたくさんあるのではないか。狩野川の一つの例をとってみましても、今度は用地買収をいたしまして、非常に狭いような所は河川の幅を広げて、そうして十分洪水にたえ得るような流れを作っておくという措置が必要であろうと思います。今後は、あの災害の経験からいたしまして、思い切って川幅の問題を解決していきたいと思います。  第二の問題としましては、そういう場合に土地を失った者、あるいは洪水が来れば、必ずそこはもう流されてしまうだろうというようなことが予見されるようなものについて、海外移住の問題と結びつけて考えてみたらどうかという点の御質問でありましたが、実は御承知のように、建設省におきましても、産業開発青年隊の養成機関を作りまして、そして今年は一千名でありますが、来年度も、約三千名の青年を、そこで養成をして、そして建設の訓練をして、その中の希望者については、海外の進出をはかっていくという道を開いておるのであります。一方、ただいまお示しのように、日本の国策としても海外移住を大いに奨励しなければならぬ段階に来ておることは御承知の通りでありまして、政府も海外移住については相当力を入れてやってきておるのでありますが、その海外移住の問題と、河川その他の用地を失った人たちの処理の問題とを結びつけて、強く関連を持たしてやっておるということについては、まだ実はざっくばらんに、率直に申し上げますと、あまりやっておらないのであります。  この問題は、私はこう思うのですが、用地買収その他必要なものはやりますが、同時に河川の改修をして、そこも心配ないようにするという施設は政府としては、これは責任をもってやる、上流部の砂防工事はもちろんやりますが、中流及び下流部の堤防等についても、これは、寸土も尊重しなければならぬ日本の国情でありますから、堤防等については、再び決壊しないようなものを作っていくというのが、政府の一つの努力目標でなければならぬと思います。  そういう方向で、ますますやることは当然でありますが、それと同時に、土地を失い、あるいはその住居にたえないような者に対しては、国内に新しい開拓をして行く。国土の総合計画によって、新しい土地の開発をして行く。そして、そういう人たちに土地を与えていくような政策をとると同時に、これと関連をして海外移住の問題も考えていく。希望しない者を海外移住に持っていくわけには参りませんので、だんだんそれを海外移住がやりやすいような、そういう環境を作り上げていきまして、あわせて解決策の一つとして海外移住をも推進をしていったらどうか、私はそういう考え方を持っておるのであります。率直に言いまして、今までは、その問題と直接に海外移住の問題とを結び付けて考えたことは、ほとんどなかったと思うのであります。今後はそういう問題も結び付けて考えていくべきであろう。こういうふうに考えておることをお答えしておきます。

山本利壽自由民主党

○山本利壽君 率直な御答弁をいただいて、ありがたいと思いますが、ただ、大臣の御言葉の中に、代替地を与えて、その開拓なんかのことを考えているということがありましたが、日本人は愛郷心が強いというか、戦争で海外へ行った者は別ですけれども、そうでない者は、とかく日本の国から離れることを好まないような向きもありましょうが、終戦直後では、約六百万人からの人間が帰って来て、何とか生きていかなければならぬという意味から、もう一つは、全国民の食糧不足というところから、私は、日本内地での開拓団というものに対して、少しこれは行き過ぎたと思うのです。  これは開拓地を歩いて見て、私はまことにこれこそ気の毒だ、しかも政府は、非常にこれに対して金を出している。今までほとんど国民が入って行かなかったような山の奥に行って、そうして荒れ地を開かせるのですから、そこへ入った者が、非常な努力をして、しかも、ほとんど食糧というものが自給自足するには、なかなか至らない。初めに入った者は、非常にわずかな人間が入っても、これがもう子供がふえるということは、これは当然の現象でありますから、将来、どうしてもやっていけない。しかも、せっかくそこへ入れた……、各地の開拓地を見た私から言えば、もうそういう所は、今ごろはスポツと放って、農林省あたりは海外移住ということの方に振り向けた方が、私は国策としても得だと思うのです。けれども農林省関係は、そこへせっかくこれだけ数億という金を入れたのに、あの開拓地をまた元の山野に帰すということが、非常に惜しいような気がする、これも、当局としてはもっともですが、こういう所に、さらに災害地の人を入れるために、そういう、ほとんど物ができないようなそんな方へ金を費して、そうして開拓をするよりも、基本方針は、やはりこの際海外移住に持っていくべきだと私は思いますから、その点も今後含んでいただいて、いろいろな対策の際に御考慮をいただきたいという希望を申し述べて、私の質問を終ります。

田中一日本社会党

○田中一君 大臣がお見えになったので伺いますが、先だっての衆議院の建設委員会並びに農水委員会で、台風災害復旧促進に関する決議をしたように伺っておるのです。  そこで当然、おそらく参議院の当委員会の同僚諸君も、これに対しては賛成でございましょうが、また促進のために立法化せよということも、うたわれているわけであります。先ほど河川局長も、たとえば地元の要求として、小さな災害をどうするか、それから負担法の負担率を引き上げてくれとか、その他の要求があるように聞いておるのですが、この衆議院の決議に対しては、建設大臣は同調されたような発言をしておったのですが、どういうような形でこの決議がなされたか、一つ大臣に伺いたいと思います。

遠藤三郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(遠藤三郎君) 災害の復旧に関する衆議院の方の決議案の趣旨のうち、特に特別立法の問題につきましては、特別立法は、御承知のように昭和二十八年度の災害のときにやったのでありますが、あの関係法律は、二十三法律にわたっておったのであります。で、二十三法律を、今回の災害に全部適用するということは、これは、いろいろ考えなくちゃならぬ点があると思うのであります。といいいますのは、二十八年の災害の場合と今回の災害の場合と、事情がだいぶ違っております。  でありますから、今回の災害に必要な特別立法についてはぜひやりたい、こういう意味で、特別立法二十三をやるという意味でなくして、必要な特別立法をやると、こういう意味において、私は衆議院の委員会において説明もいたしましたし、そういう意味において、あの決議案に対して全幅の賛成をし、その趣旨においてやりますということを言明したわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 同じく、同日やったと思うのですが、十四日の日に、農水委員会では、同じようにこういう決議をしておるのです。「今次わが国を襲った台風第二十一号及び第二十二号の被害は甚大であり、特に台風第二十二号の人畜、農林水産施設その他に与えた損害は深刻をきわめ、罹災地住民の民生も不安におちいっている。政府は既に、応急の諸措置を講じつつあるところではあるが、なお目下準備中の補正予算を速かに国会に提出すると共に、所要の特別立法等のための措置を講じ、もって災害の急速な復旧と民生の安定に万全を期すべきである。」建設委員会の方は、「必要に応じ、特別の立法等を行い、」となっておりますね。少し強くなっていますね。農林大臣にこの点を聞かなければわかりませんが、これらの今後の問題に対しましては、これは建設大臣、そういう点は、詳しくないと思うから、これは、おわかりなかったら局長に聞いてけっこうなんですが、特別立法しなければ、たとえば地方財政等がどうにもならないような窮地に陥ることになるのかどうか。あるいは現行法で、行政措置によって復旧の促進ということは推進し得るのかどうか。  衆議院で、一方的にこういう——一方的というか、第一院でございますから、当然差しつかえないのですが、立法というものは、やはり当委員会並びに当院の、参議院の議決も経なければ効力はないわけなんですから、そこでその点については、現行法でどうしてもできないのだという前提に立つならば、われわれとしても、一つの参議院の意思というものを、この委員会の意思というものを明らかにしなければならないのです。従ってこの点については、非常に、私は社会党でありますから、社会党の立場からしても意思を決定しなければならぬと思います。  そこで、どういう点が立法化しなければ、地元の要求あるいは二十八年の二十幾つの特別立法に織り込んだような、施行をするための方法があるかどうか、そういう点について、各局長とも、めいめいの所管について御説明願いたいと思うのです。そうしてもしも建設大臣が、このような決議が、参議院においても、参議院の建設委員会の意思として必要であるというならば、お互いに、衆議院のように自民党と社会党でものをきめればきまるのだというのじゃなくて、緑風会もあるのですから、話し合ってみなければならぬと思うのです。  そういう点について、一つ詳しく御説明願いたいと思うのです。それと技術的な面も含めてですね。

遠藤三郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(遠藤三郎君) 技術的な詳細な点については、所管の局長から申し上げるようにいたしますが、一応の考え方をここで申し上げさしていただきたいと思うのです。特別立法のうちの地方財政を援助する意味の、ことに県財政を援助する意味の特別立法、この問題については、非常に消極的な考え方を持っております。といいますのは、二十九年以降の災害について、特別立法を用いなかったのでありますが、その災害と、ほとんど同じような条件、それ以下の条件でありますので、全国に対して公平なる扱いをするという見地から、この際は、やはり二十九年の例を参酌いたしまして、そうして県財政の援助をするという意味の特別立法は、あるいは必要がないのではないか、むしろ消極的に考えるべきではないかというふうに考えます。  しかしこの問題も、なお災害特別対策本部でもって、各省集まって論議を続けている最中であります。農林関係の特別立法と建設関係の特別立法は、多少ニュアンスが違うのじゃないかという点については、農林関係は、たとえば家畜を流してしまった。家畜は牛馬について約三百頭流した。あるいは豚については一千頭流した。あるいは鶏については二万五千羽流した。こういうような問題については、無償でもって政府のものを配付するというふうな制度が必要だという要望が強く出ている。これは特別立法が必要になると思うのです。それからさらに農地に対しては、土石が流れ込んでしまって、川原のようになっているのであります。これは個人の所有地でありますから、一般の方式で参りますと、補助するわけには参りません。しかし、これを何とかして土石を除去いたしまして、そうして耕作ができるような状態にしてやりませんと、これは個人の力では、とうてい回復ができませんから、永久に荒廃地になってしまうおそれがあります。こういう場合を救うためには、どうしてもこれは、特別立法が必要であります。そういう意味で、農林関係もいろいろ検討しているようでございますが、建設関係の方では、公共施設の災害が中心になっているわけです。公共施設の災害になって参りますと、地方財政との関係がございまして、県財政及び町村財政とのにらみ合せの問題になって参ります。その多くはそういう問題が中心になって参るかと思います。  そこで県財政については、今申し上げたような状況でございますが、町村の財政がどういうふうになるかということについては、実は町村の事情が、まだはっきりしない点がたくさんございます。それを今町村の被害額と標準財政収入額との関係等を調べております。それが調べがついてしまいますと、町村に対して、どういう対策を講ずるかという結論が出てくると思います。大体今の結論といたしましては、町村の方のいわゆる小災害、つまり十五万円、十万円以下、町村の損害については、十万円以下のものについては、政府は援助しないことになっている、町村自体がやることになっておりますけれども、それを町村にかぶせて参りますと、町村は負担にたえられないだろう。従ってその問題については、あるいは特別立法が必要かもしれない。これは自治庁の方の関係の法律になると思いますけれども、工事の規模を縮小するという問題もありますし、同時にまた町村の工事費に対して、全額を起債で認める。そうしてそれを元利とも政府が償還をしてやるというような二十八年の際の特別立法のようなものが、町村の場合には必要であるであろう、あるいは必要であるかもしれないというふうに考えて、町村の財政の状況を今調べておるわけであります。  ところが、町村の方は村ごと流れてしまったようなところもありまして、まあぼう然として、十日間くらいぼう然としておったものでありますから、町村の事情がなかなか詳しいものが出て参りません。それで今急いで、町村事情を調べておるような状況であります。その結果が出て参りましたならば、そういう面についての特別立法の必要やいなやということもきまってくるわけであります。およその見当では、町村の方面には、これを援助する特別立法が必要ではないかというように考えておるわけであります。  そのほかの詳しい問題につきましては、たとえば住宅問題、あるいは道路幹線の復旧工事、その他若干の法律を必要とするようなものが出てきておると思うのでありますが、それらは、ただいま災害復旧対策本部で各省持ち寄りまして、そうして足並みをそろえて、今検討しておるような次第であります。しかし、だんだんつまって参りまして、二十日ころまでには、大体見当がつくと思っております。  こういうような状況でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 まあ、一つの考え方として伺ったのですが、技術的にどうなんです……二十八年度の特別立法程度のものはあなたの方で、まかせられた範囲でもってできませんか。特別な立法措置がなくしてはできませんか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 二十八年度の特別立法は、私の所管といたしましては、公共土木施設の復旧費につきまして、補助率の引き上げが一斉に行われております。これは先ほど大臣の御説明がありましたように、県の工事につきましても、市町村の工事につきましても、補助率の引き上げが行われております。それから小災害の十五万円と十万円の間、これは県でございます。それから町村におきましては、十万円と五万円の間におきましては、起債の特例に関する法律が出ております。  それから、そのほか私どもの関係といたしましては、水防に要した費用の負担の問題、国庫負担の問題、それから地すべり等の負担の問題というふうなものが出ております。いずれも地方公共団体の財政負担の問題でございますが、先ほど大臣から御説明がございましたように、県の工事につきましては、二十八年は特別でございますが、二十九年以降におきましても、今回よりも大きな比率の災害を受けたものがございます。それらについて特別の措置をとっておりませんので、それらとの関係が非常にむずかしいということでございます。従いまして、今のお尋ねの問題につきましては、今の法律では、補助率の引き上げはできないわけでございます。ただ事業の促進等は、別に緊要工事は、三ヵ年以内でやれということを書いてございますから、初めの年によけいやりましても、これは行政措置で十分できるわけでございますから、そういう点は、できるわけでございますけれども、眼目でございます補助率の引き上げということは、今の法律ではできないことでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 これは、特別立法をするかしないかの問題は、今後の問題もありますから、もしもこういう工事で、特別立法をして補助率の引き上げをするというならば、補助率を上げておいて、認定できめるということも考えられる。  それで前建設次官の稲浦君や岩沢君に聞いてみると、法律を作らないでもできるのではないかということを言っている。これは、私はしろうとでわからぬから伺うんですが、その点はどうです。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 先ほども御説明申し上げましたように、二十八年は特別の措置を講じましたけれども、二十九年以後におきまして、特別の措置を講じておりませんから、たとえば補助率の引き上げ等を県工事等において行うということになりますと、私は事務的には、やはり恒久的の立法でなければおかしいというふうに考えておる次第であります。

田中一日本社会党

○田中一君 建設大臣に伺いますが、私も今、河川局長が言っているようなことならば、これはいいのではないかと思うのです。たとえば一つの現象々々でもってすぐ法律を作って、特別にこうだということよりも、基本的な態度をきめていくべきでないかと思うのです。これはもう財政当局の方から相当な抵抗があると思いますけれども、そういう点については、どういうような立法化をはかろうという意味であったのか、衆議院の建設委員会では……。これは河川局長にも、いろいろな意味の質疑があったと思うのですが、それを一つ聞かせてもらえませんか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 先ほど大臣が御説明申し上げたことで全部尽きているわけでございますが、小災害の問題でございます。これはよく調べなければわかりませんが、特に市町村におきましては、非常に甚大な被害を受けております。韮山、あるいは凾南とかあの付近は、非常な災害を受けておりますので、町村の税収入に比較しますと、災害の額が非常に大きい。これらにつきましては、やはり何とか方法を講じまして、特別の措置を考えてやらなければならぬというふうに考えておりまして、二十八年におきましては、この小災害につきましては起債の特例を作りまして、元利補給を全部やったというわけでございますので、こういう方法は、市町村には特に必要ではないかというふうなことを考えまして、私どもの意見としても、事務的な意見としては申しておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 大臣に一つ。  恒久法として考える場合にはこうだ、単行法、臨時立法ならこうだという、一つの考え方はないかしら。

遠藤三郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(遠藤三郎君) 実は、先ほどの御質問に対して、非常に大事な点でありますから、お答えしたいと思っておったやさきであります。  今回の立法措置をする場合には、今後の災害については、これでいくのだという恒久的な方針をきめる必要がある、そういう考え方で立法措置というものを検討しなければならぬと思っておるわけでございますが、従いまして、私どもの方から住宅関係の法案の御審議を願っておりますこれは、この災害だけでなくして、今後住宅の坪数だとか、あるいは償還の年限だとか、あるいは融資の金額の問題だとか、こういうものは、今回の災害だけでなくて、将来ずっと引続いて災害の場合にはやるという基本的な恒久立法の意味でお願いする考えでおるわけでございます。  御指摘のように、この災害だけに特にやって、その次の災害にはもう忘れてしまっておる、あるいはそれを適用しないといういき方は、もうこの段階ではとるべきではないというふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 一応政府側の方の意見というか、考え方を文書に一つ作ってもらえないだろうか、構想を……。  住宅局長は、さっきそれぞれ公営住宅法あるいは住宅金融公庫法等を改正する考え方で研究しているという表明があったから、あえて質問しないけれども、これはむろん、自治庁その他の関係があるから、簡単にはいかないと思うけれども、せめて建設省の意思というものをやはり取りまとめて、もしも建設大臣の力が足りなければ、議員立法でも一向差しつかえないのですから……。議員立法でも差しつかえないのですよ。決して、何も政府だけが法律の提案権があるわけでないから、それなら、われわれがバック・アップするということです。ただ、たとえば狩野川なら狩野川だけを言うと、なに、遠藤のやつは選挙区だから、と言われますから、そういうことを言われないように、一つ衆参両院で、バック・アップして基本を作るということならばいいと思うのです。会期も短い。しかしながら、あなたたちは、政府の方では、会期はいつまでも延長するんだといってがんばっておりますけれども、なるべく早くまとめられて、通常国会になりますと、なかなかそうはいかなくなってくるんです。何ですよ、警職法でもってごたごた言っているうちに、早く通すものは通さなければ、なかなか、問題が起ってきますから、そのくらいな気持はもう持っているんじゃないかと思うのですよ。  現在各部局で、どういうような作業をやらているのか、また政府が提案しようという、その準備がなければ、政府が提案しようという意思がないものとみなければならないんです。そうすると衆議院か参議院で、どっちからかでも出すということにならざるを得ないと思うのですが、その点の、これは何もほかの役所に聞かれたって一向差しつかえないですよ。勇気をもって——大臣が言っておるように——こういう問題は勇気をもってやりなさい。それにはどういう工合に省内の部局で作業をやっているか。住宅局長は、さっきやっておると、研究を始めておるというのですけれども、どうなんです。

遠藤三郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(遠藤三郎君) 建設省の考え方をすぐ出したらどうかというお話でありますが、災害対策本部で各省を集めまして、そして今せっかく検討中であります。私の方だけ独走するわけには参らないのであります。もうしばらく待っていただきますと、政府部内全体の意向がまとまって参るかと思います。しばらくお待ちをいただきたいと思うのでございます。  なお災害対策をこの臨時国会でやるということに対しては、私もぜひ一つお願いをしたい。どうしてもこの臨時国会で片づけてしまって、そして新しい国会を迎える用意をしなければならん。こういうことで、むしろ私の方から国会の方へ一つお願いして、あまりごたごた長い間していないで、早く一つやっていただけるように、皆さんに特にお願いしたいと思うのでございます。

山本利壽自由民主党

○山本利壽君 今の小災害のことで、もしも案文を作られたり、いろいろな構想を練られるときに、御参考にしてもらいたいと思ったから、ちょっと発言するのですが、この小災害の問題というものは全国的に非常にこれは各町村困る問題です。これを助けてもらいたいということを熱望するわけですが、今度もし準備される法案が、何か大災害があった場合に、その大災害地における小災害に対して、特別な補助措置をするというような法律ができると、私は全国的にこれは非常に問題になると思う。伊豆なら伊豆、それはどこでもいいのです。中国なら中国でもいいのですが、今度は、この災害地を認めて、それにこの法律を適用する。その適用された場合のその区域内における小災害地というものの補助はしかじかにする、こういうことになると、その指定された区域外におけるところの小災害というものに対する援助というものは、非常に私は差別ができると思う。災害ですから、小さい災害を受けるところの、まあ雨なら雨というものが、洪水というものがあったわけです。非常な大水害ではなかったけれども、十万以下なら十万以下の災害を受けたところが非常にたくさんあるかもしれない。だからその特定地域の大災害地として指定される以外の小災害についても適用されるような措置でなければ、これは立法したあとにおいて、私は全国的に非常な問題が起ると思うから、小災害の問題は、地方でも困る問題ですから、一つその点を含んで法案を作っていただきたいと思います。

遠藤三郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(遠藤三郎君) ただいまの点については、これはおっしゃる通り、同じ条件のところに対しては、全国的に同じ取扱いをしていく、そういう原則は曲げないで参ります。それは一つ御了承いただきたいと思います。

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) ちょっと速記をとめて。

早川愼一緑風会

○委員長(早川愼一君) 速記を始めて。  本日は、この程度において散会いたしたいと思います。    午後零時四十九分散会

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