決算委員会 第2号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/10/08
会議録
○委員長(小西英雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず委員の異動について申し上げます。本日付をもって小林英三君、小沢久太郎君が委員を辞任され、その補欠として松村秀逸君、高野一夫君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(小西英雄君) それでは昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十一年度政府関係機関決算書を議題といたします。 本日は運輸省の方を審議いたします。検査報告批難事項は第九百二十二号から第九百三十一号までであります。本件に関しての御出席の方は永野運輸大臣、会計検査院第三局長平松君、佐藤運輸大臣官房会計課長、和達気象庁長官、林運輸省航空局長、天埜運輸省港湾局長の諸君であります。 まず、会計検査院からの概要の説明をお願いいたします。
○説明員(平松誠一君) それでは御説明申し上げます。 まず最初は、百六十ページに書いてございます昭和二十九、三十両年度の決算検査報告掲記事項の処理状況についてでございます。三十年度の決算検査報告で指摘した不当事項の中で、国庫補助額を除外すべき額一工事二十万円以上のものは十件でございまして、これを分けますと、国庫補助を返還または減額すべきものが四件、また処理に対する手直しを要するものが六件ございます。なお、昭和二十九年度決算検査報告に掲記いたしましたものの中で、三十一年九月末現在処理未済となっていたものが一件、手直しを要することとしていたものが二件ございますが、これらについてはすべてそれぞれ国の減額なり、あるいは手直し完了済みでございます。 次は九百二十二号から九百二十九号まで、公共事業に対する国庫負担金等の経理当を得ないもの、これは毎年検査報告にも載っているところでございますが、昭和三十二年中におきましても、その経理及び工事の施行の状況につきまして、全国の工事現場千六百七十カ所のうち、七四・七%に相当いたします千二百四十八カ所を実地に検査した次第でございますが、関係当局の指導監督の強化並びに事業主体の自覚等によりまして、相当改善の跡が見受けられます。しかしながらこの報告にも掲記いたしましたように、三十一年度におきまして一工事十万円以上のものが十四工事、三百八十五万円のなお不当事項がある状況でございます。 過去二十九、三十年と比較いたしましてどういう工合に改善されてきたかという点をちょっと振り返ってみますと、三十一年度におきましてはここに掲げましたように、千二百四十八件、五十一億四千余万円の検査をいたしました結果、不当として指摘いたしました事項が十四工事、三百八十五万円でございまして、金額にいたしましてその割合は〇・〇七五%、件数にいたしまして一・一%ということになっておりますが、二十九年度はこれがどうであったかと申しますと、件数にしまして五・二%、三十年度は一・三%、それが三十一年度におきましては一・一%というふうに漸減の傾向にございます。金額におきましても二十九年度は〇・五%、三十年度は〇・一二%のものが三十一年度におきましては〇・〇七五%というふうに漸減の傾向にございますが、なお一そう努力いたさせましてこの種の不当事項の絶滅を期せられたいと存ずる次第でございます。 その十四件のうち国庫負担金を除外すべき額一工事二十万円以上のものが、この九百二十二号から九百二十九号までに掲げられておるのでありますが、そのうち比較的大きなものといたしまして一例を申し上げますと、九百二十三号の、大阪市が事業主体となって実施いたしました大阪市の大阪港改修工事に関する件でございます。これは工事費の中に浚渫船の修繕費二百八十万円を含めておりましたのでありますが、この浚渫船は実際には市単独事業に使いまして、国庫補助の対象となる工事には全然使っておらなかったということで、この二百八十万円を除外することとしたわけでございます。 次は百六十四ページの災害復旧事業費の査定額を減額させたものについてでございます。これにつきましては、すべて災害復旧工事で欠陥のあるものにつきましては、早期に注意をいたしまして是正を促す方が、より効果があるということをもちまして、査定を了したものにつきましての検査を二十八年度以来実施して参ったのでありますが、本年度におきましても、三十一年発生災害につきまして総工事数四百十二、その査定額九億四千六百万円のうち三百三十八工事、八億三千六百万円について実施いたした次第でございます。 その結果につきましては、改良工事その他国庫負担の対象としてはならないものが十五工事で二百五十万四千円、設計が過大のものが六工事で六十三万三千円ということになりましたので、当局に御注意申し上げましたところが、すべてこれは減額是正の処置が講ぜられた次第でございます。この結果につきましては前年度と比べましても相当改善のあとが見受けられる次第でございます。 次は九百三十一号の職員の不正行為により国に損害を与えたものでございます。これは福島の測候所におきまして、資金前渡管理の補助者として支払い事務を担当いたしておりました職員が、上司のすきをねらいまして書き損じたということで小切手を一枚抜き取りまして、それを行使いたしまして四十一万五十円の金を日本銀行代理店から引き出し、そのまま拐帯逃亡した案件でございます。犯人はその後三十二年十一月に逮捕され、三十三年の三月には懲役一年二ヵ月の判決が確定いたしまして目下服役中でございます。 簡単でございますが、以上一応御説明申し上げます。
○委員長(小西英雄君) 次に運輸省から概要の説明を伺います。
○国務大臣(永野護君) 昭和三十一年度決算の不当事項について私から申し上げます。 当運輸省の不当事項は逐年減少しておるとはいえ、まだ相当数に上っておりますことはまことに遺憾とするところであります。地方公共団体が施行します港湾工事に関する不当事項の防止対策といたしましては、災害工事についてその机上査定を極力排除して実地査定を行い、さらに中間検査を励行する等によりまして、最近は相当に改善されたものと考えますが、今後も一そう努力してこれが絶滅を期する所存であります。 次に職員の不正行為により国に損害を与えたものにつきましては、今後指導監督を一そう強化いたしまして、再びかようなことのないように十分注意いたします。
○委員長(小西英雄君) 補足説明がありましたらどうぞ。
○説明員(天埜良吉君) 昭和三十一年度から港湾工事検査官というのを設けまして、指導監督の強化、不正の防止対策というようなことの徹底をはかる一方、事業主体の自覚もございまして、前年度同様相当改善されては参りましたけれども、なお若干の事例がありましたことはまことに遺憾でございまして、この防止対策としまして災害工事につきましての机上査定を極力排除しまして、実地査定を行うようにいたしております。なおさらに中間検査を励行しておりまして、そのために最近は相当改善されてきたものというふうに考えておりますが、今後も絶滅を期する所存でございます。 三十一年度の不当事項でございますが、先ほど御説明がありましたように、国庫負担金を除外すべき額一工事二十万円以上のもの八件について申し上げますと、出来高不足が二件、事業主体負担不足が三件、改良工事その他国庫負担の対象としてはならないものというのが三件でございまして、出来高不足二件につきましてはすでに手直し工事を完了いたしております。また事業主体負担不足の三件につきましては、三件とも現在までその国庫に返還すべき金額を返還いたしております。国庫負担の対象にならぬもの三件、そのうち一件は翌年度の工事費用からすでに節約いたしておりますが、他の二件は国庫に補助金を返還することとなっておりまして、一件はすでに返還済みでございます。もう一件は、納入督促書を発行して近々返還されるという予定になっております。 次に三十一年検査の査定に関する点でございますが、会計検査院の御指摘の通り三百十三万七千円減額すべきものがございまして、これにつきましては、実施に当り設計を変更いたしまして是正いたしております。 それから二十九、三十年度の検査報告に掲記されております自後処理につきましては、昭和三十二年六月三十日までに全部完了いたしております次第でございます。 以上簡単でございますが、補足説明さしていただきます。
○委員長(小西英雄君) 以上をもって説明は終りました。 これより質疑を行います。御質疑のある方は漸次発言を願います。
○大矢正君 私は、今説明をされた決算の経過の内容についての質問ではありませんが、特に大臣が出席をされましたので、港湾行政の中の機構上の問題について、この際御意見を承わっておきたいと思いますが、それは私が初めて取り上げる問題ではなくて、すでに相当の回数にわたり、機会あるごとに論議をされておる問題だと私も考えますが、現在の港湾行政の機構をながめてみますと、港湾の管理当事者は地方自治体であり、さらに港湾の秩序の維持は海上保安庁であり、それからたとえば通関に対しては大蔵省がその任に当り、貿易については厚生省が当り、その他生糸やそれ以外の農林関係については農林省がまた所管をするということで、数えていくと十幾つもの所管があるとすらいわれておるのが今の日本の港湾の機構上の現況だと思うのであります。これは相当以前から一元化をする必要があるということを強くいわれております。私は、たとえば税関なんかの場合におきましても、過去における通関の手続が非常に繁雑でありましたために、これを大幅に整理をして、通関手続が非常に安易にできるようになってきたという現況からかんがみて、私は港湾の行政機構というものをこの際すみやかに一元化をすべきではないか、というように考えているわけでありますが、これは私だけの意見ではなくて、もう大部分の人々が同意をされておると思うでありますが、残された問題は、各省のなわ張り争いが私に言わせれば中心であって、それ以外の何ものでもないのじゃないか、こう思うわけであります。こういう立場から考えてみますと、港湾行政の中心的な立場にある運輸省としてはこの問題に取り組んで、すみやかにこういったところから起るむだと、何と申しましょうかいろいろなトラブルを解消した方がよろしいのではないかと、こう考えるのですが、運輸大臣の見解を伺っておきたい。
○国務大臣(永野護君) ただいま大矢委員の御質問はまことにごもっともだと思います。御承知のように、私も民間の仕事を長くしておりまして、港湾行政の複雑なことがいかに民間の仕事を複雑ならしめ、よけいな経費をかけて、そのために海外貿易なんかの伸展にも大きな障害を与えておるということは事実であります。痛感いたしております。すでに大矢委員からも言われましたごとく、この問題は各方面からいろいろ陳情も出ております。政府におきましては、先般の閣議で特に岸総理からその発言がありまして、ぜひともこれを具体化したい、何らかの形で現わしたいというので、各省にわたっておるのでありますから、行政管理庁にその立案をするようにということを総理から命じておられるのであります。 いろいろやっておられるようでありますが、実際問題といたしまして、私どもが今日まで感じましたことを、先ほども申しましたように、これは行政管理庁がやっておることでありますから、私から私見を申し上げることはいかがかと存じますけれども、御参考までに申し上げてみますと、一番大切な点は行政機構の改正であるというよりは、事務処理の点が非常に多いと思います。行政機構をいろいろいじくってみましても、民間人があっちこっちの役所を、そのたびごとに変った書類を要求され、一官庁で今度はその課の中であるいは係ごとにいろいろな書類を要求されるというような場合が非常に多いのであります。従いまして、ごく実際的に申しますと、かりに今の行政官庁がそのまま存続されましても、それが一ビルの中にみんな集められまして、いわゆる港湾関係ビルというものが一つできて、そうして書類は同じフォームの書類を各官庁に出して、そうしてその官庁の必要な部分だけを見ていくというようにいたしますと、実際問題として非常に軽減されると思います。これは、運営の上で実際上民間人が仕事をしやすくする、ということにねらいを置いた議論であります。私は、行政機構の根本に触れた改善をして、そうして事務的処理をそのままに放擲するよりは、むしろ機構は今のままであっても、今申しましたような事務処理の扱いをした方が、むしろ民間に対してはいい結果を与えるのではないかとすら考えております。これは私見でありまして、総理が命じておりますのは、行政管理庁に対して各省の間の、今大矢委員の言われましたような、各省のなわ張り争いからくる複雑化を単純化する、という点に重点をおいた今改善方法を考究しておるのでありますけれども、私はそれももちろんけっこうだけれども、それよりは実際上の事務処理の上で、ある一つのビルの中に入れてそうしてある一つのフォームの書類を作れば、それを同じ書類をずっとプリントしてそうして各官庁に配ればいい、というような仕組みにかりにし得たといたしますならば非常に楽になる、こう考えております。ただし、これは今申しましたように私見であります。右参考までに申し上げます。
○大矢正君 私は根本問題としては、やはり総理が唱えておるような行政機構の簡素化ということを中心にして、今のような複雑な機構上、制度上の内容をこの際改めるということが本筋だと思いますが、まあそうは言ってもなかなか事実上港湾管理の立場は地方自治体でありますからして、これを国が取り上げる云々ということはなかなか困難だと思いますが、一本にした港湾行政というものはできなくても、今のように複雑多岐なものを三本なり四本程度に圧縮をした機構上、制度上の形というものは、そうむずかしい問題じゃないのじゃないか、という気がすることが一つと、それからそういうことをたどっていく過程の中では、今大臣が言われたように、書類上、手続上の問題をこの際簡素化するということも考えられると思います。私は内航船の場合ならいざ知らず、やはり特に外航船の場合には非常にこのことによって混乱と迷惑をかけておるのではないかという気がするのでありますが、私がちょっと調べてみた内容によりましても、普通、本来であれば二通りか三通りの書類を作成すればいいのにもかかわらず、多い場合には五、六通の事務書類をそれぞれのいわば役所に出さなければ通関の手続の一切が終了できない、というような内容になっております。従って、こういうことから考えてみて、事実上今大臣の言われた機構が制度上改革をされ、そして簡素化されるということが中心的な課題であるけれども、それ以前の問題として、事務手続上の内容の点においてもこの際考慮することがよろしいということが考えられるとすれば、そういう手は運輸省として打てるのかどうかということを、この際念のために伺っておきたいと思いますが、大臣の言われた私見ではあっても、その私見は非常に国民からいえば私は賛意をもって迎えられる内容のものであると思いますし、その程度のことであればまあ行政管理庁の方までいかなくても、運輸大臣が音頭をとればある程度のものは解消されると思いますが、その点はどうです。
○国務大臣(永野護君) 運輸省が中心になって、今申しました事務処理の簡素化でもやったらいいじゃないかというお尋ねであります。まことに実際的な御主張でありますからそういうふうにすることもむろん考えられますけれども、今とにかく根本的の機構に触れた改革から手をつけようというので、行政管理庁の方で今やっておりますからその進展をみまして、それがなかなかむずかしいということであれば、あるいは便宜処置として今申し上げましたような事務手続の簡素化ということでもいたしたいと思っております。まあ一番望ましいことは、私は湾湾ビルのようなものを作りまして、そしてそのビルの中に入ればあらゆる官庁がみんなその中におって、そのビルの中で全部の各官庁の仕事が済むというようなことが非常に実際的だと思います。ただ、そのビルをだれの責任において作るかというような具体的な予算措置に関する問題がありまするので、運輸省のそれをビルとしてやるがいいか、あるいは、港湾管理者のビルとしてやるがいいかいろんな説があると思います。万事今中心になってやっております行政管理庁の簡素化案というもののでき工合を見まして、その次に次善の方法を考えたいと思っております。
○大矢正君 大臣の言われたように、たとえばオフィスを一カ所にまとめてやると比較的楽じゃないかという御意見、ごもっともだと思います。今のようにどの港に行っても一カ所にまとまっているという港はほとんどなくて、全部がばらばらに離れているのでありますから、そういう点から言えば確かにけっこうなことだと思いますが、なかなかこれは建物を建てるにしても予算上の問題があると思いますし、予算上の問題と同時にあわせて敷地の問題も出てくると思いますから、そういう点で予算を伴う問題については政府も渋りがちですから、これは多くの期待をかけるわけにはいかないと思いますけれども、これは大臣というよりは事務当局にお尋ねしたいと思うのですが、たとえば船が入港した、入港届をする、それから乗員が入国する、入国の手続をとる、さらに貿易の手続をとる、品物を揚げる場合の通関の手続をとる、その他まだまだ防犯上の問題、いろいろ私はあると思うのでありますけれども、こういった具体的な、たとえば届出の内容、手続を簡素化をするという意味合いで、何通もそういう変った書類上の内容のものを出すのではなくて、集約をしてごく一通か二通にこれをまとめて、部数が要るならば、同じものをタイプでも何でも打って出すということはやり得ると思う。同じ内容のもので済むのではないかという気がするのですが、まあ役所の中に行っては必要な部分と必要でない部分とあると思いますけれども、私はそういうやり方ができるのじゃないかと思いますし、その程度のことは特別予算上の問題も私は起きないのじゃないかという気もするのですが、こういう私の考え方は実際上とは遊離している考え方かどうか、参考のために承わっておきたい。
○説明員(天埜良吉君) お話の点は非常に実際的な問題としてきわめて有効であるというような考えで、名古屋でございましたか、各港でそういうような様式も統一するようにしております。で、一通であるいはほかの官庁に回せるものは回すというような方針にしたいということで進んでおりまして、ただいまのような事務の扱い方は私ども一番早い道ではないかというふうに考えて相談をしつつあり、また一部実行しておる所があるはずだというふうに考えております。
○岩間正男君 私も二、三の問題について運輸大臣にお伺いしておきたいと思います。運輸大臣は就任されてから海運行政を特に重点的にこれは取り上げていられることは明らかだと思うのですが、その中でこの検査院の指摘のありますように、港湾の建設の問題が非常に重要な課題になってきているわけです。そういう中で重要な港についての払張、それから建設の問題がここ二、三年計画的にされておるわけですが、今年度はどういうふうにその後就任されてから具体的に強化されるという考えを持っておられるか。 それからまたこれと関連して、その予算の裏づけの問題です。昨年あたりも私たち検討したのでありますけれども、なかなか予算の裏づけが伴わないのであります。しかもこの予算の使い方が非常に総花的になっておる、分散的になっておる。従って工事に多年を要する。なかなかそれが経済効果を上げる、そういうまでには長年月を要する。そこにまた一方では災害なんか起りまして、そのために折角投入した資本が実は効果がないというような事態も非常に起っておる所があります。そういう点から考えてみて、特に港湾行政の中で重点的にどのような施策を持ち、これに対する予算の裏づけをどのように効率的にこれを使用しようとお考えになっておるか、これらの問題をあわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(永野護君) 御指摘の通り港湾行政に筋を通した方針を立てまして、そうしてそれを実行するように着々準備を今整えております。すでに御承知の通り、年々船のトン数がふえて参りますので、今までのような六、七千トンぐらいの船を標準として、八メーターか九メーターあれば港の用を足し得た時代の施設では、もう時代おくれになっておることは御承知の通りであります。従いまして全体として大きい船が動くようになってきたということを前提として、それの受け入れ態勢をまずどういうふうにしてやっていくかということを具体的に考えております。それにつきましては、輸出用の施設と輸入の受け入れ態勢とに分けて考えまして、今度の輸入の中でもたとえば鉄鉱原料とかあるいは石油原料とかというようなものに、それぞれ特殊の施設を要しますので、港ごとにその港の目的に沿うような施設を今やっております。そうしてどの港をどういう用途に使うかということにつきましても、詳細なる計画を今立てております。それを実行いたしますために、昭和三十四年度の予算には特別会計を作っていただくように国会にお願いするつもりでおります。 なお、その港を埋め立てますためには、埋め立て公団を作りまして、いわゆる役人の仕事で時間をとりますよりは活発に現実化いたしますように、案を具体的に立てております。数字のこまかいことはまだ検討中でありますが、日ならずして国会にこれを提出することができる、こう考えております。
○岩間正男君 私は運輸委員もやっていますので、詳細は運輸委員会でお伺いすることにしたいと思うのですが、やはり決算委員会の中で問題になるのは、予算の効率的運用の問題だと思うのです。先ほども御質問申し上げましたように、どうも今建設をしなくちゃならない港がたくさんあって、しかも地方の要求とこれは関係があるわけです。従って予算が重点的に使われない、そういう問題をこれはお認めになりますかどうですか。もし認められるとすれば、こういう問題をどういうふうに打開しようとお考えになっておりますか、この点をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(永野護君) 御指摘の点はまことにごもっともであります。少くも私がこの運輸行政を担当いたしましてからは、御指摘のような趣意に沿いまして、日本の国が最も必要とする輸入を目的とする港、輸出のために必要とする港、しかも品物たとえば鉄鉱石であるとか石油であるとか、あるいは輸出します港にいたしましても、あるいは鉄材だとかあるいは雑貨だとかというような特殊性を認めまして、専門埠頭を作るというようなことに資金の大部分をつぎ込んで、お説の通り重点的に次の年度からの港湾資金の使い方をしたいと思います。今までのいわゆる総花的の結局どこも大して仕事ができないというような結果にならないように努力するつもりでおります。
○岩間正男君 この海運行政の問題は、同時に国の貿易政策とも非常に深い関係があることは申すまでもないことです。そういう点で特にお伺いしたいのですが、今年度は御承知のように、どうも最初の計画通り輸出入は伸びない。結局三十一億五千万ドルを二十八億ドルに減らさなくちゃならない。こういうようなことが起っている。この中で、いつでも当委員会でも問題になるのですけれども、中国との貿易、それからソビエトとの貿易、いわゆる社会主義圏との貿易の問題、この問題が大きく出されているわけです。基本的にこれは中国との貿易は、御承知のように、残念ながら第四次協定が現在ああいう形で、途絶するという形で実績はとまっております。それからソビエトとの貿易は、これは最近民間代表も北村氏を団長として行かれたようです。またこの二、三日前のニュースによりますと、今後ソビエトとの貿易ももっと増強しようというような声明も出していられるようであります。こういうものと関連しまして、中国との貿易も勢い当然これは打開されるというのは、やはり時間の問題じゃないかというように考えられる面もあるわけです。これに対する港湾の設備というものを今意識して考えておられるかどうか。これは非常にやはり今後の日本の貿易政策の中で、一つの重要な私は問題を含んでいるというふうに考えております。こういう点についてはどういうふうにお考えですか。つまり対社会主義圏との貿易問題をどう考えるか。それに対する貿易港の問題をどういうふうにお考えになっているか。この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(永野護君) 御指摘の点は国策の基本にふれた問題でありまして、中共またはソ連との貿易をどうするかという問題は、外交の基本方針に関する問題でありまするので、運輸大臣の考え通りにも参らないのであります。私は国の外交方針が確立いたしまして、そのワクの中で日本の運輸行政を最も経済的に、最も効率的に運んでいこうということを努力するのが私の任務だと考えているのであります。しかし、とは申しましても、港湾の修築なんというようなことはそう一朝一夕にできるものではありませんから、大勢からいってみて、御指摘の通り、中共の貿易、ソ連の貿易というものが日本の経済発展のために非常な重要なる意義をもつものである、ということは十分了承しておりまするから、ただいま中共との貿易がとだえているからというので、中共との貿易を円滑にする施設を全部放擲しておるというわけでございません。そういうことが起きても差しつかえのないように、たとえば具体的に申しますると、日本海沿岸の港に対する施設も放擲しておらないのであります。ソ連との貿易がいつ始まっても、あるいは中共との貿易がいつ再開されましても支障のないように、今から準備はいたしております。
○委員長(小西英雄君) これから本会議が再開されますので、暫時休憩いたします。 午後二時二十八分休憩 —————・————— 午後二時五十六分開会
○委員長(小西英雄君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。 御質疑のある方は順次発言を願いします。
○岩間正男君 先ほど御答弁いただいたのでありますが、結局中国貿易ソビエトの貿易についての、ここで見解をいろいろ詳しくお聞きしているひまはないようでありますが、ただ当然財界人でもあられる運輸相は、この問題についてやはり十分に、これは政府の方針もあることかしれませんけれども、これについての見解を一度そのうちまたお伺いするときがあるかもしれませんが、きょうはこれに触れません。ただこれに対する準備の問題です。特に私たち考えるのは中国との貿易の問題ですが、ことに日本の生産のコストの問題と関連して非常に重大な問題があるのです。貿易額そのものの額の問題もありますけれども、日本の生産の最も要件であるコストを安くするという、そういう問題が非常に船賃とからんで起ってくると、こういうふうに考えるわけであります。そういう点から考えて先ほどこれにも備えて、社会主義圏との貿易にも備えて港のことを考えておるのだ、こういうお話があったのでありますが、これは今度の計画の中にはっきり盛られますか、それからそれを予算化されるという努力を続けておられますか、この点はいかがですか。
○国務大臣(永野護君) やっております。具体的の数字がきまりましたらいずれ国会に提出いたします。
○岩間正男君 その中で、当委員会にもしばしば問題になったのでありますが、日本海沿岸の港湾、その中で新潟が占める位置は相当なものだと思う。ここでの地盤沈下の問題が最近起きておりまして、私たちも現地を二回にわたって視察しました。最近永野さんも現地に行かれたということを新聞で見たわけです。最近の沈下の速度というやつはもっとひどくなっておるということを聞いておるわけです。これは私たちも見ましたが、昨年のことでありましたが大へんなことですね。この視察をされてどういうふうにこれを見られたか。それからこの港湾に対する処置を今後どういうふうに考えておられるか。これは昨年からの継続問題でありますが、この点についての運輸相の見解を承わりたい。
○国務大臣(永野護君) 新潟の問題は私も直接行って見まして、その災害のいかにもひどいことを痛感しました。そこでとりあえずあまり十分でない予備費をさきまして、本年内に応急手当ができる程度の手当はいたしたのであります。問題はあの原因を探究いたしまして、根本的の対策をしなければならぬと私ども信じておるのでありますが、この原因が那辺にあるかということにつきましては、まだはっきりと衆目の一致する結論が出ておりません。そこで私どもは引き続いて根本的な原因の研究に努力いたしまして、それに応じた基本的な対策を講じたいと、こう考えております。
○岩間正男君 大臣に伺いたいのは、どのくらいの予備費を支出されたのですか、それで応急手当ということですが、これは果して今年の冬これで越せるのかどうか、その点一点。それから調査の問題ですが、これは調査々々というのは一昨年あたりから調査の問題が出ておるわけです。どうも三年も四年も、何でも話によると五年もかかるということですね。そういうことになると今の速度でいくと何メートルも沈んでしまう。ですから大体この調査も非常に急速にやる必要があると思います。何か二、三日前のラジオのニュースを聞いておりますと、新潟ではこの調査を一応始めた、つまり天然ガスの採掘を一応中止して、そうして沈下速度と関係があるかどうかというような調査をやったということが出ておるのですが、これは何ですか、運輸省の指導下において行われておるのかどうか、それからその結果はどういうことなのか、しかも全体の調査を終了するのはいつなのか、こういうような総括した点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(永野護君) 御指摘の通り、地盤沈下の原因の研究は相当長い間継続しておるのでありますけれども、それに対しましていろいろな原因が考えられますので、個々の考えられる原因について一つ一つ検討を続けているのであります。相当な予算も使って施設もして研究を続けております。しかしまだいよいよこれだというところの結論が出ていないのでありまして、目下検討の途中であります。天然ガスを全部とめてその結果をみたらいいじゃないかというような議論も、議論としてはあるのでありますけれども、御承知の通り天然ガスの占めておりまする産業上の重要性は非常に高いのであります。従って軽々にそういう措置もとりかねるのでありまして、十分に検討いたしまして万そつのない対策を講じたいと思っております。あらかたこういうようなことであろうという推測くらいはいろいろいたしております。そうしてそういう推測が動かない結論になった場合には、どういう対策をとるべきかということにつきましても、ある程度の見通しはつけておりますけれども、何しろ非常に深刻な影響を与える重大な、非常に新潟にとりましては重大な問題でありますから、あとからその利害関係者に不測の損害を与えることのないように、十二分に慎重な態度をとって、その研究をいたしておりますので、何月何日ごろまでにこれを必ず結論を出しますという報告はいたしかねますけれども、非常に努力をして研究を続けておりますことは、現地を御視察いただきますればすぐおわかりだろうと思います。
○岩間正男君 無論何月何日とここでお答えになれないことはよくわかりますけれども、一応のめどを立てられることは必要じゃないかと思います。今まで昨年あたり聞きますと数年を要するということなんですね。しかしこれについてはもっと科学陣を動員されているのかどうか、さらにこれに対する予算の裏づけがあるのかどうか、そういう点でもずいぶん速度に関係があろうと思う。一方は海底に沈んでいっておる現実があるわけですね、そうして実際そのために多くの住民が被害を受けている。とにかく西風が吹けば、ちょっと十五メートルくらいの風ですと、今の応急手当のこうやく張りではとても問題にならない、しょっちゅうそこのところがやられておる。これこそ先ほどの話じゃありませんけれども総花的にちょびちょび出しているものですから、その経済効率というものはほとんど上らない、かえって海底に物を沈めている、予算を投げ込んでいるような格好であります。こういうことを続けておったのでは国土の安全は保持できない、それから大陸貿易の中で最も重要な関係を持っている新潟港を確保する、こういうような行政の面からの希望にも合致しないわけです。こういう点もう少し何か詳細な一つのプランを今検討中なんですか、それとももうはっきりお持ちなんですか、この点やはり何か不十分に思われる、直接現場を視察されたという熱意につきましては、私たち買っているわけであります。これをどう具体化されるかということです。当地の住民の人たちの熱烈な切望もあることですから、これとも照らし合せてそういう点お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(永野護君) 科学陣は十分に動員してやっております。決してしろうとだけの相談ではないのでございます。それからそれに対するむろんいろいろな施設もし、人員に対する経費もかかるのでありますから、それをやっておりますから、予算はむろん入っております。 それからとりあえずのところ、十メートルの西風でも吹いたら大へんだろうということも、私どもも御同感であります。行ってみまして現実にそう感じましたから、今のたしか六億幾らの予算でありますが、あの乏しい予備費をさいて、冬工事のできます間に、とりあえずあの水に浸されて脅かされている住民の危惧の念を取り去るだけの施設は、必ず年内に完了するつもりで現に実行しつつありますから、その点は御了承願いたいと思います。
○岩間正男君 支出された予備費の額とそれから調査費は予算に組んだものなのですか、それともこれが何か予備費の支出でもあって増額されているのですか、こういうことで科学陣がどれだけ動員されているのか、大体見当つくわけですが、その点局長さんでけっこうですが額を出して下さい。
○説明員(天埜良吉君) 今のはどういう点ですか、科学陣の動員の点ですか。
○岩間正男君 予備費を出して応急手当をやっているのですか、予備費の支出はどのくらい出されておるか、調査費は昨年行ってみてもあれだけでは、もっと早くこれを完了するという要望にはこたえておらないと思うのです。そうすればもっと大がかりでもっとこれを促進する、このためには予算化が必要だと思うのですね、予算のないところに科学陣を動員したって何にもならないのであります。作業を始めなくてはならぬ、従ってこれは調査費は出されておったはずですね、去年の予算で。しかしその範囲を超えて実際特に念を入れてやっているのか、その点がはっきりしないとわからないのです、その二つの点を。
○説明員(天埜良吉君) 今の調査費をどうするかという点でございます。これは今年度の、調査費を計上しておりますが、これは国費も計上すると同時に、地方費も合せて計上しておりまして、これについては今年度相当な効果を上げるべく努力しております。予備費についてはたしか調査費も含まっておったように思いますが、ちょっとこの点つまびらかでございません。また予算費の額でございますが、これは科学陣の動員という点の費用はあまり入ってなかったのであります。この冬非常な危険にさらされるのをまず防ぐという費用に限って予備費をいただいた、こういう状態でございます。それでこの件については、新潟県、新潟市、運輸省、よく協議をいたしまして最も危険な所、また冬になってやりにくい所を急いでただいまやっております。 それから科学陣につきましては、これは通産省の方あるいは運輸省の、また建設省の人等の研究者等もまじえまして、そうしてこれについての根本原因の探求に会合を持ってやっております。現地では現地の機構を持ち東京ではまた東京の会合を持ってよく連絡して、調査の仕方についてもこの点をこうしていくというようなことを東京からも注文を出し、現地ではそれに対する報告をする、それについてまた検討の上さらに調査をするというようにこもごもやっておる次第であります。
○岩間正男君 予備費の額どうですか。
○説明員(天埜良吉君) ちょっと私つまびらかでございませんので、あとから報告いたします。
○岩間正男君 この問題は多年の懸案でもありますし、また日本のまあ今の政府のとっておる方針とも関係の深い問題なので、ぜひまあ運輸省において努力されることを切望するわけです。 次の第二には航空の問題です。これはだいぶまあ全日空のああいう問題が起ったりしまして、今年度は航空界の方もいろいろ多事だったと思いますが、今内閣に航空安全懇談会というのが作られたわけですね。これはどういうような機構で、それからどういうようなメンバーで現在何をやっているのか、任務は何か、こういうようなことについてあらましの報告をいただきたいと思う。
○国務大臣(永野護君) 航空安全懇談会のことにつきましては、今御質問になりました具体的のメンバー、その機構等につきましては担当局長が参っておりますから、それからお答えいたしますが、任務は、ああいう頻発しました事故を根本的になくするためにどうしたらいいか、ということを技術的にも行政的にも各方面からの資料を集めまして、その航空事故の根絶を期することを目的としておる次第であります。
○説明員(林坦君) 航空安全懇談会は九月の二日に第一回を招集されまして、内閣総理大臣以下関係大臣、その他関係者出席のもとに開かれたものでございます。この構成につきましては、航空審議会、また航空技術審議会、それから航空機工業審議会の三審議会の民間の関係の委員の方々にお集まりを願って、内閣総理大臣以下関係の大臣の方々が、そこで航空の安全の基本問題その他について懇談をするという会議でございます。そうしてそこで二回にわたりまして懇談が行われました。航空安全に関する諸項目についていろいろ懇談が行われて、それをそれらの三審議会の担当事項に分けまして、現在各審議会におきましてそれらについての具体的の方策を検討中でございます。私ほかの審議会の件につきましてはここで報告するほど材料を持っておりませんが、航空審議会におきましては、航空機の安全性の問題、また飛行場その他の保安施設の問題、それから航空企業の問題、救難体制の問題等につきまして小委員会を設けられまして、現在まで数回にわたって討議をいたして、本日もその小委員会が運輸省で行われておる状況でございまして、これをできるだけすみやかに今月のうちには結論を出して、対策についての基本方針をきめて、あらためてまた全体的な懇談会において大臣方といろいろ意見を交換される、こういう段取りになってただいままで進んで参っております。
○岩間正男君 この問題もまあこれは運輸委員会でやった方がいいかもしれませんから、ここではあまり詳しくやろうとは思いませんが、資料的なものを出して、やはりその後の経過はどうなっておるか、それから遺族に対する弔慰の問題、補償の問題、こういうものはどうなっておるのか、こういう点について、どうも何か事故が起ると、せいぜい三週間ぐらい騒ぐんです、それを過ぎるともう忘れてしまうというのは、どうも日本人の通弊ですか、あるいは議員にも責任があることですけれども、そういうふうになるんです。やはりその後は全日空の問題なんかまた何かありました。のど元過ぎれば何とやらじゃまずいと思いますので、この問題について、やはりこれらの経過についてときどき適切なところで報告を願いたい、こういうふうに思うんです。その問題、しかしここであまりやることはしませんが、どうでしょう、空の問題について、ここにちょうど航空局長さんもいらっしゃるのですが、運輸大臣に特にただしたいと思いますのは、日本の領空権の問題、これは私たち非常な関心を持ちまして、この問題について先の運輸大臣にもいろいろ御質問申し上げたんです。で、どうですか、四月一ぱいで入間川の米軍の航空センターが日本に移管されるというようなことを聞いておったんです。これはどういうふうになっておりますか。
○説明員(林坦君) 入間川のセンターの移管に関しましては、明年の七月を期してこちらに移管されるように準備を進めております。
○岩間正男君 そうすると、これは何か私たちは本年の四月、そういうふうに聞いておったのですが、明年でしたか、それではそれは聞き違いですが、どうでしょうか、最近台湾の事件が起ったわけですね。そうするとずいぶん私たち夜中寝ておりましてもしばしば目をさめさせる。屋根の上をものすごいジェット機が通る。あの響きというものを感じていないところの国民はないだろうと思う。東京都民だって相当これは不眠症になっておるのがあるかもしれない。私たちは空路になっておるのかどうかわかりませんが、私は世田谷に住んでおるけれども、押しつぶされるような轟音で通ります。こういうことになりますと、この前私が質問申し上げたのは、実はやはり入間川に航空監視所があって、日本の空というものを実質的に支配しているアメリカ軍が、そういう形の中で日本の民間航空がこれではほんとうに自主性を失っているのじゃないか。これは私のこの前質問申し上げた要点だったと思う。しかしその事実は依然として継続されており、しかもあのような台湾海峡の金門島の問題が発生しまして、実際に日本を基地として飛行機が飛んでいるわけですね。そういうことによって非常に空の往来がひんぱんになってくる。それで現在私は運輸省御存じかどうかわかりませんけれども、とにかくジェット機が練習を始める。それから米軍の飛行機が飛んでいる。そうすると日本の民間航空はそれを待って待機しなくちゃならぬ。向うの指令に従ってこれは動かなければならぬ、こういう事態がはっきり起っているわけです。私たちの乏しい経験でも、八月の末ごろでありましたけれども、羽田でちょっと乗ろうとして、さて飛びかかったけれども、これはやはり入間川の方からの了解がつかないらしい、それで滑走路の入口のところに四十分くらいは待機させられた。実に間の抜けた日本人の格好であり、飛行機をひんぱんに利用されている方はしょっちゅうぶっつかるんじゃないかと思います。このように実際問題としては、われわれの空の自由が自分の空であり、しかも領空権は日本にあるのだといいながら、実質的にはこれはアメリカに支配されているというのが事実だと思うのです。こういう点については、私は、特に国務大臣として永野運輸大臣にお伺いしたいのですが、今安保条約の改定問題が出されております。当然これに関連して行政協定の問題が出てくると思う。行政協定の問題の中で空に関する問題というのは、行政協定の三条、五条、六条だったと思います。この規定によって米軍が日本の空に自由に入ることができる、日本の基地を自由に使うことができる、日本の基地から自由に飛び立って日本の空を航空する権利を持っている、一切のそれらの権能を持っている。そして日本には全然通知さえもされないというのが実情であります。そして日本の民間航空さえもこのために通常運行を妨げられているというのが、これは実情なんです。従いまして、こういう点で非常に今後の問題になってくると思うのでありますが、運輸省、運輸大臣としてはどうでございますか。このたびの安保条約の改正問題の中で、このような不当な支配の中にいまだ閉ざされている日本の空、これをほんとうにわれわれに解放する、そしてわれわれ少くとも民間航空は自由に米軍の制約のないように、これは運行するというくらいのことは当然だと思う。そうでなければ独立の保障も何もあったものじゃないと思うのですが、こういう点で、今度の安保条約改正に関連しての行政協定の問題で、こういう問題について運輸大臣はこれを主張されるお考えがありますか。 こういう問題と関連しまして実はこれも非常に大きな問題になったのですが、米軍の軍貨の荷役の問題があります。これは日本の国内法を無視して米軍が勝手に日本の港湾労働者を雇用する、こういう横紙破りをやったわけです。これもともかくずいぶん長い間運輸委員会で一年がかりで騒いだ問題であります。あるいはまた国鉄の輸送の中でそういう問題はこれは起っていると思うんです。いまだにやはりそういうような制約というものは相当あるだろう、米軍貨を優先的に運ばなくちゃならないという問題や料金の問題や、いろいろこれは残っていると思う。こういう点について十分にそういうような問題を検討されて、そしてそれをはっきりこのたびの外交折衝の中で、運輸省の運輸行政を真に確立する立場から、この問題について見解を表明されて閣議においてもこれを主張される、こういうような一体考えがありますか、どうですか。これは国務大臣としての立場からも特にこの点についての見解を承わっておきたいと思います。
○委員長(小西英雄君) ちょっと岩間委員に一つ御相談申し上げますが、岩間委員は運輸委員でもあるので、なるべく決算委員会を重点に一つ御質疑を下さることをお願いいたします。
○国務大臣(永野護君) ただいまのお説につきましては、運輸省だけの立場から考えますといろいろ意見もあります、主張してみたい点もあることは事実であります。しかしこれは国全体の立場から考えなければならぬ問題でありまして、ことに今、日米安全保障条約の再検討という問題もあるときでありますから、一応の運輸省としての希望を申し述べ得る機会には申し述べますけれども、私がこの問題をどういうふうに扱うということを申し上げるのは適当でないと存じております。希望は申しておきます。
○岩間正男君 私が今二、三例を申し上げたことについて、運輸大臣としてはやはり今の状態は正しいとお考えになりますか、それともこういうような実情じゃ困ると、こうお考えになりますか、どうですか。
○国務大臣(永野護君) 正不正の問題つまり正しいとか正しくないとかという問題は、なかなかむずかしい問題だと思います。しかし日本の大衆が迷惑を受けるというような意味からいったら、まさに御指摘の通りであります。ただその問題が国全体の国策の運営のワクの中で考えなければならないという制約があるものでありますから、日本国民が迷惑するからといって、直ちにこれを除去するようにしなければならないかということにつきましては、一応の意見、努力はいたしますけれども、私がこれはやめなければならないものだということをここで申し上げることは適当でないと、こう考えております。
○岩間正男君 きわめて含みのある答弁をされたのでありますけれども、これは運輸行政の立場から考えて、こういう制約の中では実は、十分な自主制を回復して日本の国民の安全、幸福、平和、こういうものをほんとうに守ることができない制約があるわけですね。こういう点について当然努力されるのが、私はこれは大臣の立場じゃないかと思います。しかしこれのまあ論議は運輸委員会の方に回してけっこうです。時間もかかりますし委員長からも先ほど注意がありましたから、とりあえず今のような問題、私が指摘した問題に限らず、もっともっとあるのじゃないかと思う。私は非常に見聞が狭いから二、三の当面した、自分でタッチした問題について申し上げたのであって、こういうものを検討されて、こういう実情、現状を把握されて、そうしてそれをこの行政協定なり安保条約との関連におきまして検討されて、そしてしかもこれは今非常に政治的にはいわば鉄を焼いているときです、こういう時期をはずしてしまえばこれはわれわれの自主性を回復するなどということは、から念仏になるのでありますから、当然そのような努力をされる、こういうことについては御約束いただけますか、どうですか。そういう点をまず最初にはっきりさせなければ、主張しょうにも主張する根拠はないわけです。そういう実情についてこれは御協賛になりますか、どうですか、この点を承わっておきたい。
○国務大臣(永野護君) 運輸行政の範囲内において日本国民の福利を増進するのは私の任務であります。従いましてその範囲内において私のできる限りの努力をいたすということは、はっきり申し上げて差しつかえないと思います。ただしアメリカ側にそういう私の立場から申し入れをするというようなことは適当でない、こう考えておる次第であります。
○相澤重明君 私は二、三、一つ総括的にお伺いしたいと思います。時間がありませんから要領よく答弁を一つ願いたいと思います。 まず、今次災害について政府としても非常に努力されておると思うのですが、今までの決算の状況の中でも、いつでも災害対策ということは非常に問題になっておるのであります。先ほども港湾局長から港湾関係についての答弁があったのですが、漸次、今、今年度の決算の状況を見ますと、よくなっているということについて、私どもも非常に運輸当局の努力を買っておるわけであります。今次の災害は未曽有の災害とも言われるわけでありますが、運輸全般についてどのくらいの予算というものをお考えになっておるのか、これを一つ御発表いただきたいと思います。
○説明員(天埜良吉君) 今度の二十二号台風につきまして、また二十一号台風につきまして、ただいま港湾の関係につきまして災害査定ということをいたしまして、初めて被害額を決定をするわけでございますが、それをただいまやりつつあります。しかし二十二号台風については足場がまだできなくて、災害査定にも参れないというような点も多々ございます。二十二号台風についてただいま報告によってまとめております額を申し上げますと、四億七千七百七十万円というような額が出ておりまして、そのほかにことしの四月、七月豪雨、十一号台風、八月豪雨、十七号台風、二十一号というのがございます。これらを集計いたしますと、二十二億七千四十万円という報告が出ておりますし、そのうち十七号台風までのものはほとんど確定的のものでございます。大体の数字がそういう状況でございます。
○相澤重明君 そこで運輸大臣に一つお尋ねをしておきたいし、またぜひ今度の臨時国会から通常国会にかけてあなたに努力してもらいたいと思うのでありますが、それは去る二十六国会で特別トン税の法律が通っておるわけなんです。今港湾問題については港湾局長から災害対策のあらましはわかったのですが、地方自治体では非常に港湾関係についての仕事が多いわけなんです。ところが従前は政府においてはこのトン税は五円であったのを八円に、今度は三円増額をされておる、二十六国会以来。もちろん政府の収入増になっておるわけでありますから、重要港湾に対するいわゆる支出もお考えになっておると思うのでありますが、むしろ今まで通り政府の収入であって、ふえたものについては、地方自治体に還元をしてやったらどうか、事は特別トン税は十円なんです。ですからむしろ、あの当時の政府の提案にいうように外国の港湾の事情を考えれば、外国のトン税と比べて、必ずしも日本のこの法律で上ったものは高いものではない、こういう点も私どももいろいろ比較検討しまして若干わかるのでありますが、現状の地方自治体の財源情勢というものを見ますと、むしろ非常に困難な状態になっておる。そこで私は前にも決算委員会でそういうことを申し上げたのでありますが、この機会に今次のような台風で大きな被害を受けた所は非常に困っておるわけであります。特に五大市等はそういう点も非常にあるわけであります。そういう点で特別トン税とトン税の比較論というばかりでなくして、そういう先ほど大臣の御答弁になったように、重要港湾を早く復旧させ、あるいはよくしていくという建前に立って、いわゆるトン税の増収面を地方に還元するお考えがあるかどうか、また今後そういう努力をしていただけるかどうか、これをちょっとお尋ねしたいと思います。
○説明員(天埜良吉君) 今の点ちょっとお答えさせていただきます。この地方公共団体の管理者の収入面を考えなければならぬ、こういう点はお話の通りでございまして、昨年から固定資産税の問題がございまして、この外国船に対する固定資産税をトン税という形でとるということで、特別トン税というものができたのはお話の通りでありますが、それを地方公共団体、つまり開港のある地方公共団体に交付をしておるわけであります。この点につきましてはただいま地方公共団体の関係市町村が管理者である場合と、管理者でなしに府県が管理者になっている場合、こういうのがございまして、管理者とその交付を受ける公共団体とが一致している場合は割合問題はない。ただ額の問題でございまして、その額を増額するかどうかというあとの点になりますが、そうでなしに一致していない場合には、これはやはり入港料的な性質を持っているものでありますから、港湾管理者である公共団体にいくようにいたしたい、こういう見解を持っておりまして、そのようにいろいろ事務的な折衝をいたしたいというふうに考えております。 なお今の額の点は、外国その他に比べましてやはり相当低いようでございますから、この点も何か考うべきじゃないかというふうに思っているわけでございます。
○相澤重明君 額の点は上げなくてもいいのです。私どもはもっと国際航路というものでむしろ外国の船が入ってくるようにしなければいけない。これは米国等の例を見ても二十一円あるいは二十五円というようなものをとっているのは、私どもも調査しております。そう無理に日本に外国船の入ってくるのを高くとらなくてもいい、それよりも国と地方自治体との関連をお考えになっていただきたい。これは私どもは特に決算委員会として、この地方における直轄工事あるいは地方自治体の受益負担をする場合の、そういう予算的問題等の関連において、ぜひ一つ運輸省としてお考えになっていただきたいと思う。 そこで今度は気象庁長官に一つお尋ねしたい。今次の災害のあった台風というものは予測がかなりできたという面と、あれだけ大きなものは来ないといった意見などいろいろあったと思います。しかしかなり台風予報というものはやられたわけでありますが、今のところ南方における連絡というものはあるいはつくかもしれませんが、隣国の中国とか朝鮮等の気象台とのいわゆる交流といいますか、そういうお互いの通報し合う、こういうようなことは今やっているか、それともやっていないか。
○説明員(和達清夫君) 気象情報の交換につきましては、現在におきましては朝鮮及び中国またソ連も全く完全であります。
○相澤重明君 今完全ですか、何か私、実はやはりそういうアジア地帯についていろいろ調べてみたのですが、どうも日本はほんとうにそういう点の交流が行われておらないように思うのですが、これはもう学術的にも、いわゆる気象通報においても行われているのですか。
○説明員(和達清夫君) 情報の交換も、その他刊行物の交換、技術の交換、打ち合せも全く支障なく完全に行われております。
○相澤重明君 大へんけっこうだと思います。それはなお今後一つ積極的に進めてもらいたいと思います。気象については私しろうとでありますから、いろいろお話を聞いてみると、日本の地域的の条件からいって、アジア地帯の気象学の交流、あるいはそういう情報の交換というようなことがわが国にとって非常に大事なことである。ことに九州あるいは四国の気流、そういういろいろの問題というものは非常に大きいということを私ども聞いて、ぜひこれは今後運輸省として、災害防止に非常に大きく貢献するところの気象学の問題については、ぜひ隣国ともそうしたことをやっていただきたい、積極政策をとっていただきたい、こう思うのであります。 そこで今度は少し角度が変りますけれども、先ほど岩間委員からは交通管制の問題もお話がありましたが、今あれですか、運輸大臣、北極圏回りの航空乗り入れ等については航空局長と何かお打ち合せなさったことがあるのですか。それともまた閣議においてあるいは政府の方針としては全然、たとえばソ連ならソ連へ日本航空の乗り入れ、こういうようなものの取りきめができておらないのですか。その点いかがでしょうか。
○国務大臣(永野護君) ソ連との相互乗り入れ協定のことにつきましては、この間から熱心にやっております。しかし御承知の通り、わが方は東京・モスクワ間の相互乗り入れを主張し、ソ連の方はハバロフスクまでとこういっております。そうでなければヨーロッパの方から回って入ってこいとモスクワは言っておるというようなので、これは経済的にいわばできない相談でありますので行き悩んでおります。先ほどのその北極圏回りのことについての御質問がございましたけれども、どこの国とどういうふうにやっておるかというようなこと、つまり日本を出発点することを認めるか認めないかという御質問だろうと思うのでありますけれども、これはだんだんに数がふえております。御承知の通りSASがやっておりますし、KLMも十一月から来るのであります。だんだんと進んで参ると思いますけれども、事務的にどこの国と今やっておるかということにつきましては、航空局長の方から御報告申し上げます。
○相澤重明君 要領よく説明して下さい。
○説明員(林坦君) 北極回りの欧州との航空路につきましては、現在スカンジナヴィア三国で経営しているSAS及びフランスの航空会社エール・フランス、並びに来月くらいからオランダのKLMが開始する段取りになっております。そのほか協定ができておるのはイギリスでございますが、これは今のところまだ計画がはっきりいたしておりません。以上でございます。
○相澤重明君 私は今の北極圏回りの点についてはわかりましたが、少くともソ連圏、こういう所については、あなたの、運輸大臣のまあ関係者も移動大使としてソ連においでになったのだから、詳細に十分話し合ってみれば案外にまあ話はつくものだと私は思っておったのですが、今後一つ一そう努力して経済価値の効率を上げるということを一つお考えを私はいただきたいと思うのであります。 そこで、同じように先ほども各委員からお話のあったように、何といっても日本の外交政策あるいは貿易政策の中で外貨獲得ということは重要な問題だと思うのですが、外航船舶に対する利子補給も、造船疑獄の問題で一時ああいう状態になって困難を来たしたのですが、今後そういう点について大幅にいわゆる増額する考えがあるのか、また奨励をする考えがあるのか、そういう点はいかがでしょうか。
○国務大臣(永野護君) いろいろな機会にすでに申し上げました通り、私は、外貨獲得のためにいわゆるインヴィジブル・エキスポートに重点をおかなければならぬ。最も今までおくれておるものは観光施設だと考えておるのでありますが、その観光施設の中に占める大きな部分として外航船の優秀なものがないということは御指摘の通りであります。また移民船といたしまして南米に出ております航路が長い間赤字を続けておることは、実に無理な運賃のきめ方のためであって、ある意味から申しますると移民政策を船会社のリスクにおいてやっておった、と言って差しつかえないと思うのであります。これは非常に不合理だと思います。少くも不合理の是正だけはしなければならぬ、それが非常な大きな所得になるというような点まではいかぬまでも、明らかに十四、五万円かかるものを十万円の運賃で運ばせる今の制度には無理があると思います。従いまして、今特別の、あるいはそれを航路補助というような形でやるのがいいのか、利子補給という形でやるのがいいのか、その手段方法については検討の余地があると思いますけれども、何とかしなければならぬということは確信いたしておりまして、それを具体的に取り進めております。
○相澤重明君 それから同じく、外航船の問題についてはまあ努力していただくことで、国内船、特に今度の台風によって非常に船も破壊をされているのも多いわけであります。私実は参議院の決算委員会として、この七月末から八月にかけて、委員長と一緒に九州の南端を回って来たわけであります。宮崎、鹿児島、熊本等を回って、実は離島関係をもっと調査したいと考えておったわけでありますが、天候の工合によるとどうも飛行機も出ない、船も出ないということで、実は離島関係の調査にも事欠く状態であったのであります。ことに国内船については、そうした旅客貨物とともに、離島関係の住民諸君の苦労というものは並大ていではない。こういうことで、私ども参議院の決算委員会でも、何とか政府の離島振興対策も含めてもっと努力をしてもらいたい。こういう考え方があったわけでありますが、国内船のそうした中小会社といいますか、今民間の業界でも何か皆寄り集まって、そうして公社制度を一つ採用してもらおうじゃないか、法律を出そうじゃないかというような動きがあること私どもはちょっと聞いているのですが、政府に対し、あるいは所管大臣に対してそういう動きがあるのか、それともまたその場合、政府なり所管大臣としては全額国庫出資によって、そういういわゆる国内旅客貨物船の振興をはかっていこうとお考えになっているのか、この点について一つお答えをいただきたい。
○国務大臣(永野護君) お説の通り国内の、ことに中小の船会社が非常に弱って、必要な船質の改善をなし得ないという実情にあることは御指摘の通りであります。従いまして運輸省といたしましては、国民の生命の安全を保障する上から申しましても放擲しておけない事態までなっておると考えております。従いまして三十四年度の予算の中に、何らかの形においてこれを具体化する所信をもって進めておりますから、日ならずして皆様方の御査定を願う時期がくると思います。その一つの方法として旅客船会社のようなものを作るのがいいという案もございます。それが唯一の方法であるか、あるいはもっとベターな方法があるか、なお多少の検討の余地を残しておいていただきたいと思います。
○相澤重明君 次に陸上の問題でちょっとお尋ねして私も終りたいと思うのでありますが、この間の二十二号台風で、私も実はこの参議院の決算委員会委員長理事打合会で終ったあと帰ったわけですが、途中他の会議があって終って家へ帰るとき、もう六時半か七時頃になりました。横浜に参りますと水が出てしまって自動車が通れない、実に私は困ったのであります。御承知のように、それはどういう理由かというと京浜間の一番重要な地点の鶴見川が決壊した、あの浸水によって京浜国道が遮断されるという状態まで立ち至った、で、これは実は歴史を調べてみると、昭和十三年に、当時たしか末次大将だったと思うのですが、これは私もまだその点はっきりしておりませんが、当時国防のためにどうしても国鉄の重点輸送ということを考えなければいかぬということで、鶴見川の大改修というものを内閣できめて、しかも国会の協賛を得て、これは実はやることになっておったわけです。ところが、この当時の国力の情勢、あるいは軍部の非常なたくさんの費用を必要としたということで、計画だけは膨大にしたのです。当時昭和十三年に、これは二十六億ですよ。二十六億の予算をもって、あの鶴見川を改修をして、鉄道の線路ももっと上へ上げ、あるいは堤防もきちっとして浸水のないように、軍事輸送ができるようにということで、こういうことで当時やったわけです。 ところが今日まで、まあ二十年間たっているわけです。今日まで二十年間たっておって、政府のこのために支出したのは幾らかというと、約五億です。今年度は、これはまあ運輸省の、あるいは建設省の関係の方々がお調べになっていただけばわかるが、今年度はわずか五千万かそこらしかないわけです。これでは一番重要な物資の輸送、人の輸送ということを重点的にお考えになっている運輸省として、やはりこの都市のどまん中が交通が遮断をされるということでは、私は交通行政が必ずしも完璧ではない、こう思うわけです。 そこで、まあ、もちろん運輸省、あるいは国鉄だけの、これは責任じゃありません。これは国全体としてお考え願わなければならぬ問題だと思う。私は当時腰まで実は水に浸ってあそこの鶴見川と帷子川を渡って自分のうちへ帰ったわけです。そういうことを考えて、途中で自動車が、何回もエンジンに水が入ってとまってしまうという苦労をしたわけですが、こういう点を考えてみると、どうしても、これはやはり早急に対策を立って、先ほどお話になった港湾では四億幾らというのが予定されておるようでありますが、これは国全体としてお考え願わなければならぬ、こう思うのでありますが、こういう点について、何か閣議の中で具体的に静岡の狩野川の問題も、いろいろ御討議されて、対策本部も移されたくらいですから、京浜間のあの重要交通網に対して、どう運輸省としては処置をされるのか、こういう点について、一つお答えいただきたいと思う。
○国務大臣(永野護君) 御指摘の点は、主として建設省の予算の運用の問題になると思いますので、運輸大臣としてその対策をお答えするのはいかがかと思います。 しかし、御指摘の通り、国の交通網、大動脈の中心が少し雨が降ると中断されるというのでは、運輸省の立場からみましても、まことに憂慮すべきことでありますから、よく建設大臣とも打ち合せいたしまして、一刻も早く安全な交通運転ができるように格別の配慮をお願いするつもりでおります。
○相澤重明君 運輸大臣が、御答弁で努力されるということでありますから、私も了といたしますが、今のような予算の使い方でありますと、これは全く百年かかってしまうのです。百年河清を待つがごとしとは、こういうことだろうと思う。そこで、そういうことじゃなくて、やはり特に運輸省としては、昨年運賃を値上げをする際にも問題になったように、国内の需要状況というものを早くよくする、そのための緊急要請にこたえての運賃値上げ政策というものも出ておるわけですから、そういう意味からいっても、私は国鉄を所管しているところの運輸省としては、一つ他の所管省とも、積極的に連絡をとって、こういう点についての一つ是正をはかっていただきたい。 そこで、それに関連して、お答え願うのも、ちょっとあるいは運輸大臣、どうお考えになっておるかわかりませんが、実は国鉄公社の経営のあり方について、産業計画会議が何か意見を出されていると思うのであります。これらについて運輸省は、そういうものについて、何か御検討されたのか、あるいは政府の中でも、そういうものが取り上げられているのか、この点、これは非常に私は今の問題と関連して重要な、いわゆる国の政策の問題であると思いますので、一つお答えをいただきたいと思うのです。
○国務大臣(永野護君) 国鉄の運営形態に関しまして、いろいろな案があることは承知しております。私自身といたしましても、今の国鉄の経営状態が必ずしも完璧のものとは思っておりません。ことに民間人の観点から見ますると、非常に遺憾とする点が多いと思います。率直に申しますると、今の国鉄の経営は、独立の企業体としての運営と官営としての運営の欠点ばかりを背負っておる。欠点は両方とも背負っておる。しかし、メリットの方はかなり置き忘れられておる点があるというふうに私は感じておるのであります。従いまして、独立企業体に徹底するか、そうでなければいっそのこと、これは極端な表現ですけれども、むしろ官営の方がさっぱりしているのじゃないかというような感じを持つことすらあるのであります。従いまして、国鉄の経営については、私ども機会を得ましたら、その国鉄経営の根本に触れた検討をしたい。こう考えております。
○東隆君 今、お話が出ましたから関連して伺いますが、昨年国鉄の運賃が上げられました。そのときに結局輸送の場合に近距離のものがほとんど貨物自動車によって置きかえられていって、そのために国鉄の収入は結局、遠距離輸送、そっちの方面にみな行くのだ、こういうお話もございましたが、私はこの際国鉄は近距離輸送の方にバス運営、それから貨物自動車、こういうものは当然出ていかなければならぬ。ところが今の政府のお考えは、非常に民営圧迫というような声をおそれて、そうして国道なんか実のところ申しますと、私営がばっこしている、こう見ていいと思う。それで、少くとも国鉄あるいはその他が、大きな区域内において独立採算、こういうことを考えた場合には、やはり収入のあるところ、これをやらなければならぬ。そこで十分収入をあげて、そうしてマイナスのところは補給していかなければ、これは成り立つわけがない。 ところが、自動車の許可の場合、そういうような場合には、非常に遠慮をされておる、内部において。こいつを私は、相当変える必要があるのじゃないか。税金を出して、そうして国民の税金によって道路は直して、そして、その上にもうけることを中心に考えている貨物自動車やあるいはバスが通るのは、これはおかしな話だ。そこで十分に国鉄は収入をあげて、そうしていくべきじゃないか。 それを非常に公明なやり方でもって、いろいろ委員会その他を通してやっておるようでありますけれども、民営関係のものが一応何か苦情を言い出すとたちまち引っ込んでしまう、こういうような形になっておるようです。この点は私は非常に残念なことで、この点を直さないで運輸省がいかに、今の公社の経営のやり方がどうだこうだといってみても、これは根本の考え方が民営優先というような考え方でもってやっていったら、これはもう直るはずがないと思う。 この点はどういうふうにお考えですか。これは、非常に重大なことだろうと思う。官営にしても何にしても、利益の上るところは、私営の輸送業者がこぞって出てくる。そして利益の上らないところは、国鉄その他によってやらせる。こんなような考え方で、公社が採算の合うような経営ができるはずがない。だからこの考え方を根本的に直して、少くとも中心的なところは、公社によってやらせる、こういう考え方を優先的にとるならば、私は相当改善されていくと思う。運賃を今度はマイナスになるから値上げにする、そんなような形でもって押されてきたのでは、迷惑しごくな話なので、片方の方は、利益が上れば税金を出すかもしれませんけれども、しかしそういうようなものは必要ないのですから、公社では。だから、そういう考え方が、これは当然筋合いが通らなきゃならぬと思うのですが、この点はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(永野護君) 一時民営優先とか、あるいは公営優先とかいう言葉が行われたことは事実でありますけれども、少くも私が運輸省に入りましてから、民営優先であるからという、そのプリンシプルをこしらえることによって、国鉄がやれば十分採算のとれるものを民営に遠慮するというだけの理由で国鉄の運営をとめたことはございません。今後も、そういう民営優先というプリンシプルをこしらえて、その型にはめて決裁をしていくつもりはございません。同時にその裏から申しますと、公営優先というようなことで、私企業なるがゆえに、それをとめるというようなこともいたさないつもりでおります。実情に即しまして最も適当だと思われる処置をしていくつもりであります。
○東隆君 地方の人がたとえば省営バス、あるいは省営によるトラックの輸送、こういうものを非常に希望をしておる場合に、私営のものが出て、それが何かの形でもって、書面なりその他のものを出すと、直ちに引っ込めるような例が非常にあったと思う。そういうような事例は、非常に間違いだろうと思う。だからお考えが、かえって公営優先という考え方に立つべきじゃないかと思う。輸送だの何だのそういうような場合にですね。 それで今のいろいろ審議会であるとかそれから決定をする場合に、いろいろな委員会なんかを通しておる。そういうような委員会における考え方ですね、そういうようなものを根本的に私は直す必要があろうと思う。ただいまのおそらく委員会その他を通してやったら、公営のバスだの貨物なんかは、なかなか通るものじゃない。それは一番経済の合わないような、そういうところは手を出さぬかもしれない。しかし利益の上るようなところはもう決してそのままにおいておきません。だからそういう形がちゃんと出ておるのですから、そのいろいろな機構ですね。決定をする場合における機構、そういうようなものについてお考えになる御意思はありますか。
○国務大臣(永野護君) 運輸審議会の機構を改廃したら、というような御意見がありました。御意見としては拝承いたしますが、今日のところ、運輸審議会という制度に、ひどい欠陥を私はまだ認めておません。従いまして運輸審議会の制度は、少くも当分今の状態で続けていきたいと考えております。 そして、いわゆる民営優先とか公営優先とかいうふうに分けますと、むしろ公営優先に交通業はすべきものではないかということは、御意見としては、有力なる御意見だと思います。そうして、それを主張しておる人が、政治家の中にも、あるいは他の学者グループの中にもあります。私、承知しております。しかし、国全体の運輸業をどういうふうにして発展させていくかという観点について考えますと、相互の説に、それぞれの主張もあり、また特質もあると思いますから、私が運輸業を公営優先で、つまり従来の民間企業は、まあ圧迫というと言葉が悪いですけれども、抑えて、そうして公営主義でやっていこうというようなことは、今日は、私はまだ考えておりません。そういう有力なる説のあることだけは認めております。
○委員長(小西英雄君) 委員長から運輸大臣にお尋ねや、一言要望事項を申し上げます。 本日の委員会においてもわかるように、決算委員会としては、今までやった中で、特に運輸省が、昭和二十七年以来省員の風紀が確立したか、秩序が確立したか、毎年この会計検査院の指摘事項が非常に少くなりまして、昨年よりは件数が多いが、総額の金額としても非常に少くなっている。これは省員の非常な自覚と、それから監督官の努力によるものだと私たちは敬意を表するのであります。 また運輸省の直轄事業に対しては、ことしは指摘事項が絶無であったと。三十一年の総予算額約二百七十億のうちから指摘された金額、大体三百八十万円でありまして、これは七千分の一内外かと思う事項でありました。 これは、われわれが会計検査院を信頼いたしますならば、これは絶無に近くなってきた。われわれ決算委員会は、こういうことを希望いたしておるのでありますが、われわれ、こういうふうに決算委員会で二百七十億からの問題、過去の問題をここで取り上げて、それを審議したり討議して、運輸省については非常に少くなった。われわれの考えといたしましてはこの決算委員会の一員として、国民の税を今度はいかに有効適切に使ってもらうかの問題について、われわれの頭を向けねばならない時期が参ったように思うのであります。 また、本日の運輸大臣の意向の片りんから、私たちは、代々各大臣はところてん押しに、その党の位置から押された人が多いのでありますが、永野運輸大臣においては、経済人として、また私たち今日、日本の国の置かれておる立場は、貿易よりほかに日本経済発展の見通しがない。特にドルの獲得が、国民全体の要望である。その運輸省においてホープがある。私たちはこう考えております。 それはすなわち、先ほど来相澤委員からも、いろいろその問題を指摘いたしましたが、これは二、三日前の記録でありますが、英国のコメット機の就航による大西洋の航空時間は現在の半分になってしまった。大西洋から、旅行は太平洋時代に移ったようにわれわれは考えておる。特に、観光についての所管大臣であられる永野運輸大臣は、日本の航空、あるいは観光についての責任者として、運輸には、空の輸送と、そして海の輸送と、陸の輸送この三つをわれわれ考えてみますとき、日本は、戦後非常な司令部の制肘を受けて、航空事業が非常に立ちおくれた。今日われわれ新聞紙上で見ても、観光客を空から招く場合における国際空港の羽田が、このジェット機の就航について非常に危惧された新聞の記事が出ておる。これについて、永野運輸大臣は、どういう考えを持って、これらに万全を期しておられるかということが一点。 もう一つは、日本航空史の戦後における大きな事故として、日航が一応外人の運転しておった時代におけるもく星号のあの惨状と、それに次ぐ今回の全日空における不慮の事故でありますが、その事故について、まだ最近の問題については、操縦士側と、あるいは調査しておる側との意見が一致していないようにも見受けるので、まず、もく星号はどういう関係から、これは簡単でよろしいですが、どういうために事故が発生した、もう一つの最近の全日空の事故は、こういう原因で事故ができたということについて、これは林航空局長から御答弁を願いたい。まず一段としてその二点。 一つは運輸大臣から承わりたい。
○国務大臣(永野護君) 先ほども申し上げましたように、日本の国際収支のバランスを合せるために残されたる最も大きい方法は、観光事業の振興だと、こう思うのであります。で、外客を迎えますためには、どうしても外航船舶と、そして外航飛行機の発達を伴わなければ、その目的を達することができないのでありますから、私どもは、一日も早く、日本のこの飛行機の受け入れ態勢を完備いたしまして、先ほどもお話のありましたような、ジェット機が自由に日本に発着し得るように、懸命の今努力を続けております。ただ、実際問題といたしまして、御承知の通り、飛行場の拡張にはいろんな困難な問題が伴いますので、来年の夏には日本に太平洋を横断するジェット機が来るというのに、それの受け入れ態勢がはっきりしたまだ見通しがつき得ないでおりますので、日夜焦慮いたしております。 航空業全般の発達ということは、国際国内を通じまして、日本に、ことに運輸省に残されたる最も大きい分野だと思いまして、その意味において、航空行政に対して一段の努力をいたす決心でおります。
○説明員(林坦君) さきほど御質問の中にございました日航のもく星号の事故につきましての御質問でございますが、私、ここに今その資料を持っておりませんので、記憶でたいへん失礼でございますが、これは、当時管制の面におきまして、高度の指示が訂正されたにもかかわらず、それがパイロットにおいて十分に感得されなかったか、あるいは、されても、それを前の指示に固執して、つい失敗をしたのであろうかといったような面が推定されておるように聞いております。何を申しましても、当時占領時代でもございましたし、正確なる点につきましては私ここで詳しく御答弁できないのでございますが、だいたい、私どもの聞いておりましたのは、そういうことであります。 それから、もう一点御質問のございました操縦士と今度の事故の結果等について、新聞に発表しましたこととの間に、意見の食い違いその他があるのではないかというお話、そういう御質問に対しまして、新聞に出ておりますところによりますと、そういうふうに察せられるのでありますが、私どものほうに出して参りました操縦士協会のほうからの要望書というのがございますが、これは、当時私どものほうで発表いたしましたものを新聞だけによって判断したために、いろいろと誤解等をしておるのではないかと思われる面が多分にございます。たとえば、DC3は中古機である、そのためにこういう事故を起したんだということを、航空局は何も、特に中古機なるがゆえに、ああいう事故になったというふうには発表しているわけではございませんが、航空機の中古ということは、あくまでこれはゼロ・アワーに直して、必要なる部品は全部かえて、厳密な検査をするものであるからして、中古機ということは、そのほかの場合の中古品というものとは違うのだということを認識されたいといったようなことであるとか、あるいは、当日の座席数は、運航の規定通りであって何ら過重ではなかったというようなことも書いております。また、ある新聞によれば機長の資格について疑問を持っているように書いておるけれども、こういう点については、そういうことは絶対にないのだといったようなことであるとかいうようなことが書いてあります。これらは決してわれわれの方で特にそういう趣旨で発表をいたしておりません。なお、その事故の調査につきましてもっとほかの人を入れて官民合同でやったらいいのではないかというような意見も出ております。これは、一つの意見であると思います。 私どもの方といたしましても、調査をいたしました際に、部外の専門的な方々の意見ももちろん聞いて調査をいたしております。その調査の結果につきまして、もちろん決定的な結論は出し得ませんけれども、幾つかの場合を想定して発表いたしております。そうしてそれらの材料を航空安全の懇談会等に、よく説明いたしまして、そこにおられる航空界の各方面の専門家の方に十分御検討をいただいておるわけでございまして、こういう点について決してわれわれとしても、部外の方々の意見を取り入れていないというようなことはないつもりでございます。 その他、項目としては幾つかございます。これらにつきまして、たとえば、伊豆方面に施設をもっとやってもらいたいとかいったようなこともございますし、また、現在新聞その他において過去の航空人といわれる方々が、いろいろと書いておられることが、必ずしも新しい航空のあり方について、十分わかっておられない方の言論があるのではないかというような点を、むしろ新聞週間の関係から、いろいろと誤まった報道等が行われないようにというような注文も出ておるのでございます。またわれわれのやったやり方につきましても、もちろんいろいろと異論もあるかもしれませんので、私の方では、操縦士協会の責任者並びにこれらについての意見を書かれた人たちに来ていただきまして、それと十分に懇談をするつもりでございますし、またそれらに十分了解もしてもらうつもりでございます。本日も実は先方と日取りの関係で打ち合せをする段取りになっておりましたが、先方から見えないし、また他日都合のいい日を現在まだ打ち合せ中でございます。この点につきましては、決して操縦士の方々とわれわれの方と意見の大きな食い違いがあるということは現在考えられません。 従って十分にこの点については御心配のないように処置いたしたいと考えております。
○委員長(小西英雄君) 航空局長、私の尋ねんとするところは、そういうような食い違いじゃなしに、この機種がある程度の整備ができていなかったからこれが落ちたとか、何かそういうふうな断定的なことを私たちは聞きたいのです。国民としてあなたたち、日本の航空局長がしっかりした、これは、整備が悪かったのだ、整備さえすれば、絶対大丈夫だというような心強い確たる意見を吐いてもらわなければ困るのです。 私たちはブラッセルにおいて、日航機が二十七年の五月に落ちたのですが、私たちは専門家じゃなくても、その一通りぐらいはわかっておりますが、私は、なぜ落ちたかということは、あの操縦士が非常に酒癖が悪くて、酒をあおって運転したためにレーダーを誤まって、運転を誤まった、そうして上に浮かなかったということが、これは外国新聞が、その当時伝えたので、これは実際あなたたちは知られなくても真相なんです。あなたたちは、今回の全日空のあれを、いろいろ理論的なむずかしいことばかり言うておるが、この操縦士も、大阪全日空の前に、この会社が日ペリと、そうして極東航空との関係の際に、貧乏会社の操縦士として非常に酒癖が悪くて、各料理屋に借金が残っておった事実を見、そういうふうに端的に、何かそういうふうな点を、そういうような操縦士が、自動車の事故でも、大てい尋ねれば、酒を飲んでおったという事故が多いのですが、こういうふうなことを端的に、こういうことで、あれは操縦士の素行が悪くて、こういうふうな疲れたところを少し飲んでいたから、そういうことで、われわれは国民が、そういうものでなければ、もう大丈夫なんだ、古いからどうとか……。 もう一点は、この全日空の内容が非常に悪いのに、日ペリと極東航空が合併の際に、何とかしてこの採算をとろうという建前から、操縦桿を握っておる人間は、ほんとうはそういうことに支配されてはいけないのだが、結局七千万円もかかる飛行機を不時着した場合には、あのときにわれわれの長い経験からして、飛行機がエンジンがとまると同時にガソリンを全部放出して、不時着して、飛行機を全部もう焼いてしまう、不可能にしていいという考え方なら、ああいう事故は発生しないのです。私たち軍の飛行機に長い間乗っておって、とまったときには、その余波で、うんとガソリンタンクに近いところにエンジンがまっ赤に焼けてくると、それを誘発して、爆発して、前のプロペラの途中でまっ二つに割れて、そうして割れたところの前の方におった者が放り出されて、機の後の方におった者がバンドを締めておるためにそのまま海底深く突っ込んでおるというのが私たちの考えなんですが、こういうふうな点で、営業ということを、操縦士が、もしそれを不時着して七千万円のこれをむちゃくちゃにすれば、その操縦士がその会社において頭が上らないということは、操縦桿を握っておる、営業に携わっておる操縦士の中を動いておる真相なんです。 私は、そういう意味合いから、今回の全日空の事後処理について、そういうふうな真相をつかまずして官民合同のいろいろな委員会を作るより、むしろこのローカル線、民間航空をもっと堅実な航空路、輸送機にするならば、結局政府が積極的に二億や三億の金を補助して、補助するかわりに、監督も厳重にし、そうして、またこの整備を完全にしたい。こういうふうな行き方の方が、よほどわれわれが考えて、それの方がよいと考えておるのですが、永野運輸大臣どうですか、その点について、一つ御所見を伺いたい。
○国務大臣(永野護君) ただいま委員長の御質問は、この間の日空機の事故は、どうして起ったんだ、そうしてその起った原因を確かめて、それに対する運輸当局は、どういう対策をしたかという御質問であったように思うのであります。 実は技術的のことは、私には答弁しかねるのでありまして、いわゆる道聴塗説の類では、こういうことが原因であったというようなことは聞いておりますけれども、私がこの席で大臣として責任をもって、原因は、こういうことであったということは申し上げかねます。これは専門家から一つ御答弁申し上げるのが適当だと思います。 運営の実態についての企業規模が、非常に弱体であったために、ああいう事故が起りやすいというような点は、実は私も同感なんであります。従いまして今度の善後処置については、今の機体の整備が悪かったとか、あるいは不時着に対する対策が十分でなかったかというようなことのほかに、経営のあり方について考えなければならぬと考えております。 従いまして今後の善後処置といたしましては、日本の航空会社のあり方というものについてのいろいろな試案が出てくると思います。私も今その原因探究中でありますが、それに対する対策が出ましたときには、そういう点に重点を置いて検討してみたいと、こう考えております。
○委員長(小西英雄君) もう時間が相当長くなりましたので、要望事項として……。 運輸大臣は、その答弁の中に、自分は総花式にやらないのだと、官庁の仕事は、われわれいつも各大臣に指摘いたしておるのですが、議員諸公の関係とか、いろいろ選挙もある関係で、こま切れに予算を分ける。国から、運輸省なら運輸省、あるいは建設省なら建設省へもらった金を一気にやれば、もう東海道でも、すぐ舗装ができるのに、百メートル、二百メートルというふうに役所仕事をやっておるやつを、今度運輸大臣は、そういうこま切れ予算じゃない、港湾にしても、潮流で、いろいろな堤防が流れた、あるいはもう、一たんポンプで堀ったところをまた予算がないために、やりかけてやまったというような、こういうこま切れ予算をやられぬように、特にお願いしたいことと、まあわれわれ、三十一億五千万ドル目指して一生懸命に外貨獲得に努力しておるのだが、フランスのごときは、その外貨の獲得は一八%内外である、日本の場合に、一つ永野運輸大臣は、私たちが先ほど申し上げた空の関係は、十分にいくんだ、あるいは船の面の方は、日本は大丈夫なんだ、あるいは観光客が来た場合に、国鉄がしっかりしておって、その輸送は大丈夫なんだ、道路の面が悪いんだ。もう一つ観光客が来ても、船の中に泊らぬような設備をするには、相当な、これは費用がかかると思うのですが、一つ運輸大臣は、経済閣僚の一員として、一ぺん一つ飛躍的に、この観光に対する事業を拡充して、そうして伸ばしていただきたいということを特に要望いたしまして、本委員会の質問を終了いたします。
○国務大臣(永野護君) 了承いたしました。
○委員長(小西英雄君) ほかに、御質疑はございませんか。……御質疑はないと認めます。 では、これをもって運輸省の部、決算報告批難事項第九百二十二号から第九百三十一号までの質疑は、一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
○委員長(小西英雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 以上をもって、本日の審議は終了いたしました。 次回は、十月十日金曜日午後一時より、昭和三十一年度決算中の郵政省の部を審議する予定であります。 本日は、これをもって散会いたします。 午後四時三十一分散会