議院運営委員会 第7号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/13
会議録
○委員長(安井謙君) 議院運営委員会を開きます。 去る八日の本委員会におきまして、公職選挙法の一部を改正する法律案の趣旨説明を十日の本会議において聴取し、引き続き質疑を行う旨、決定を願ったのでありますが、御承知のごとく、衆議院における警察官職務執行法改正案の取扱いをめぐる紛糾の影響もあり、十日の本会議は開会に至らなかった次第であります。従いまして、本会議定例日である本日の議事日程に引き続き掲載されております。本日の会議につきましては、今朝来、理事会におきまして慎重に協議を重ねておる次第でありますが、現段階におきましては、いまだ結論を得るに至っておりません。なお、協議中に、警察官職務執行法改正案提出をめぐる諸問題について政府の所見をただしたい旨の要望があり、理事会といたしましては、本件を議運においてとり上げることに意見が一致した次第であります。政府側より赤城内閣官房長官が出席されておりますので、質疑のある方は順次御発言を願います。
○小林孝平君 質疑に入る前にちょっと委員長にお願いしておきますが、本日はきわめて重大な問題をお尋ねをいたしますから、時間の制限などをしないように、十分各委員の発言を聞かれるように議事取扱いをお願いしたい。さしあたって官房長官も他に重大な案件もないようでございますから、官房長官も十分所信を述べられ、各委員の意見を聞かれるようにあわせて希望いたしまして、これから質問をいたします。
○委員長(安井謙君) 小林委員の御意向は十分考えながらやるつもりでおりますが、官房長官も時間が無制限とはいかないようでありますので、そのあたりは質問の進行の度合いにおいて考えていきたいと思います。
○小林孝平君 ただいま国会の審議が停頓をいたしておりますが、これは、今、委員長が申されたように、政府が警察官職務執行法の一部を改正する法律案を国会に突如提案された、その提案の経緯が、いかにも国会の審議権を無視し、国会の正常な運営を阻害するようなやり方で行われたのがその最大の原因であることは、国民のひとしく認めるところであろうと思うのであります。そこで参議院におきましても議事が停頓をいたして、私どもといたしましても非常に残念に思うのでありますが、こういうことになりました原因につきまして、官房長官に二、三お尋ねをいたしたいと思います。 まず、今回のこの法案の提案のやり方は実に唐突として、また場合によれば、抜き打ち的とも言えるやり方で提案をされております。そこで、いかなるお考えによってこういうことをやられたのか、ということをお尋ねいたしたいと思うのでありますが、まず、こういうような重要な法案を国会に提案するに当って、先般の施政方針演説の中に一言半句も触れられておらないというのはどういう理由に基くものか。これは過去において必ずしも例がなかったことではないと言われるかもしれませんけれども、こういうような重要な法案に関して一言も施政方針演説に触れられなかったということは、例がないと思ますので、この点をまず明らかにしていただきたいと思います。一つずつまずお尋ねをいたします。
○政府委員(赤城宗徳君) 総理の施政方針演説の中に、警察官職務執行法の改正案を出すというようなことを入れておらなかったのは、けしからぬじゃないかと、こういうお尋ねのように考えます。総理の施政演説は九月三十日でございましたが、当時におきまして、警察官職務執行法を改正する法律案を出そうというようなことは全然具体的に議題になっておらなかったのであります。そういう事情から、施政方針演説にはこの法案を出すということを入れてなかったわけでございます。
○小林孝平君 これは、その当時、こういう重大な法案を施政方針演説の中にも入れてないというようなことであるならば、これは、この国会にぜひ出さなければならないというような問題ではないのではないかと思うのです。これは政府としては、きわめてささいな問題だと考えてそういうことをおやりになったのか、伺いたい。
○政府委員(赤城宗徳君) 重要な法案を施政方針演説の中に織り込むべきかどうかという問題でありますが、重要な法案は施政方針演説の中にできるだけ、織り込むのが私は適当だと、こう考えております。しかし、何も前例をたてにとるわけではありませんが、本国会におきましても、水質汚濁規制法案等、あるいはまた公職選挙法の一部改正案というようなものも、実は施政方針演説の中に入っておらないわけであります。なお二十八通常国会等におきましても、施政方針演説の中に入っていなかった法案として重要と思われるものは、恩給法等の一部改正案、あるいは刑法の一部改正案、放送法の一部改正案、公職選挙法の一部改正案、日本労働協会法案、こういう重要法案等も二十八国会の施政方針演説の中に入っておらなかったのであります。あるいはまた、二十六通常国会等におきましては、施政方針演説の中に入っていなかったものとして裁判所法の一部改正案、労働福祉事業団法案、東北開発促進法案、預金保障基金法案、こういうものもあったわけであります。さらに二十五臨時国会等におきましては、施政方針演説に入っていなかったものとして健康保険法等の一部改正案、二十四通常国会におきましては、施政方針演説の中に入っていないものとして栄典法案、それからまた、その後問題になりましたが、教科書法案、地方教育行政の組織及び運営に関する法案、売春防止法案、新市町村建設促進法案などがありました。こういうような例がないわけではないのであります。しかし先ほど申しましたように、こういう例はありますけれども、重要法案を総理の施政方針演説の中に入れることは、私は適当だと考えておりますが、今度の臨時国会におきましては、警察官の職務執行法の改正法案を出すという考えになっておりませんので、施政方針演説の中には入っておらなかったという、これは結果論から申し上げることでありますが、ただ施政方針演説の中には、少年犯罪等につきまして憂慮しておること、あるいはまた、多数の暴力によって、民主的な動きが阻害されておるというような例はまことに遺憾であるというような気持も、施政方針演説の中に入っておりますけれども、法案を出そうというようなことは、当時まだ考えておらなかった点でありましたので、触れておらない。こういう事情でございます。
○小林孝平君 先ほど申しましたように、過去の例もあげて、そういう前例もあるからとおっしゃるだろうということは想像の通りなんですが、今あげられました数々の問題と、今回の問題が、いかに重要性において違うか、政治的な立場から重要性が違うかということは、官房長官も今御説明をされておりながらも、みずから認められるところだろうと思う。過去にこういう例があったというようなことを言われるのは、これは事務当局が御説明になるのはそれでいいかもしれませんけれども、官房長官が、今こういう重大な問題になって国会の審議が停頓をしている、こういう情勢の中にあって、この法案の重要性をどう見るかというのも、今のような御説明では問題にならぬと思う。これは後ほどまた申し上げますが、今申されたように、施政方針演説をやられるときは、提出されることは全然予想されなかったからということでありますが、そういう当時の情勢で、国会が開かれる最初に当っての施政方針演説をされるときに、これを提案する気持がなかったのを、どうして急にこの提案をされるようになったのか。これは非常に重要な問題だと思うのです。重要な問題ですからお答えを求めますが、そのお答えを願う前に、もう一つお尋ねしなければならないことは、今回の第三十回の国会に提出予定の法律案を政府は説明されましたが、九月十一日並びに二十六日に当委員会において御説明になった提出予定法律案の中には全然ないのです。これも当時は全然考えておらなかったから、その説明をされなかったのですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 九月の二十六日に、提出の予定法律案、条約件名等について、私ども議院運営委員会に御報告申し上げたのでありますが、御指摘のように、警察官の職務執行法を出すというような予定は、予定表にそれが入っておりません。そのときにおきましても、警察官の職務執行法を改正するということを提案するという予定をしておらなかったわけであります。またその中に、小林さんも御承知の通り、提出するかどうかということの検討中の法律案も御説明申し上げたのでありますが、そのときにおきまして、臨時国会に提出するかどうかということも実は議題になっておらなかったのであります。しからば第一段の、そういうことであるにかかわらず、十月の七日に出すというようなことになったのはどういう理由であるか、こういうお尋ねでありますが、率直に申し上げますと、自由民主党の方におきましては、この問題を正力前国務大臣のころから取り上げまして、また、それ以前からも取り上げておったのでございますが、ともかくも正力前国家公安委員長時代に取り上げまして、その後検討を続けておったわけであります。しかしながら、党の方といたしましても、この法律案を出すべきかどうかということにつきまして、それよりも前にいろいろ問題があったのであります。私どもが聞いておるのには、警察官の待遇というような問題もあり、また、こういう法制を出すのがいいというふうな議論などもあり、私どもが内閣として党の動きを見ておりました場合に、これが臨時国会に出せるのか出せないのか、あるいはまた、通常国会にも出せるのか出せないのか、あるいはまた、その後の参議院の選挙のあとにでも出せるのか出せないのか、こういうめどが全然私どもとしてはついておらなかったのであります。でありまするから、臨時国会には提案するというようなことは、大体私どもとしては、ないものと、こういうふうに考えておったのでありますが、党の方といたしましても、いろいろ議論をしました結果、この法案を出すこと、また、内容について意見の一致を見なかった点等につきましても、意見の一致が急速にできてきた、こういう報告を私どもは聞きまして、党の方といたしましても、今国会に提出するということを急に持ってこられたといいますか、連絡がありましたので、私どもといたしましても、議運の委員会等に御報告申し上げておらなかったのでありますが、十月の七日に提出、こういうような運びになったのであります。
○小林孝平君 施政方針演説の中にもうたわない、それから予定提出法律案の中にもない、こういうことで、全然あなたは予想もしなかったのを、党の方で出してくれといわれたから出した。ところが国会は、そのためにこういうように重大な運営上の支障を来たして停頓しておる。あなた個人として、これは非常に党の要求が迷惑であったということをお考えになりませんか。また、官房長官として、実に内閣としても、これは困ったことであるというふうにお考えにならぬのですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 私どもとしては、党と緊密な連絡のもとに、党の方でもぜひという話がありましたので、私どもとしても、それならば、ぜひこれを出して通過をさせたい、こういうつもりで出しました。出しましたところが、まだ審議の過程に入らないということは、私どもといたしましても、まことに遺憾に存じます。私どもとしては、早く審議に上せてもらって、その内容等について御論議を願うということが適当であると考えておるのであります。法律を出したから、そのために停頓した、これは、事実は事実でありますけれども、私どもとしては、一日も早く審議の場に上せてもらいたい、そしていろいろ御論議を願うということが一番望ましいことである、こういうふうに考えております。
○小林孝平君 これは、いろいろそういういきさつもありますことはわかりましたが、それがいかに理由のないことで、筋の通らぬことであるということは、また後ほどいろいろお尋ねいたしますが、あなたは施政方針演説の中にも載せない、予定提出法律案の中にも載せておらない、そうして、われわれに、こういうことでこの国会に御審議をお願いいたしますと、こう言っておりながら、突如そういうものを出して、そうして国会の審議がこういうように停頓しているのは、これは、あげて政府の責任であるということを痛感されないのですか。特にこれはあなたにお伺いいたしたいのは、こういうような法案を提案されて、参議院の議運委員会にその後一ぺんもあいさつに来られない。予定提出法律案のときには、いろいろ御説明がありましたが、その後こういう法案を国会に提案されて、一ぺんもこういうことになったということを御説明においでにならぬ。そういうことでは、これは官房長官として非常に無責任である。
○政府委員(赤城宗徳君) 私の方でも機会を見て申し上げたいと、こう思っておったのでありますが、御承知の通り、国会の機能が停止したような格好で、委員会が開かれなかった。お呼び出しを受けて、いつでも御説明いたしたい、こう考えておったのでありますが、衆議院の方も委員会が開かれませんで、その機会が今までおくれたことを、あらためて、こうして御質問もありましたので、ただ事情を御説明申し上げた次第であります。
○小林孝平君 それは違うのです。提案をしたから、こういうことになったのです。提案をする前にあなたの方は、予定提出法律案にも、出すか出さないかわからぬけれども、こういうものを出すかもしれませんから、よろしくお願いしますと、過去においても言われているのです。これは今回も、出す前にともかくも話があってしかるべきである。そんなことでは、官房長官としての職責は勤まらないのじゃないかと思います。議運が開かれないから、話をしようと思ったけれどもできなかったなんていうのは、へ理屈です。その前にちゃんと話があってしかるべきである、提案をされる前に。それから提案をした後でも、議運の理事会は開催している。あなたのおっしゃったことは、ちっとも理屈に合いません。
○政府委員(赤城宗徳君) 提案する前ということでありますが、提案をしてから私はお話を申し上げる、それは本国会においては、会期も少いので、早く法律を出すようにということは、当委員会からも強く要望されておりました。そういうわけでありまするから、私の方といたしましては、提案いたしまして、そうして機会がありますならば申し上げたいと、こう考えておったのでありますが、御承知の通り、そとの方では——そとといいますか、この委員会外におきましては、提案をすると同時に、社会党の方からも撤回をしろ、また、ほかの方面からも、そういうことで私の方へずいぶん撤回要求をしてきておったような次第でありますので、社会党も、議員総会の議を経て、撤回しろという要求を、代表者の方から私の手元まで言ってきておった。そういうような事情でありますので、提出前に話をすることは、時間的に非常に時間がなかったのであります。でありまするから、提出後にお話を申し上げたいと思っておったところが、撤回までは委員会が開かれないというような状況でありますので、申し上げられなかった、こういうことであります。
○小林孝平君 官房長官の今おっしゃっていることは、何を言っているのか、さっぱりわかりませんよ。あなた、あとから速記録をごらんになったらおわかりになるだろうと思いますが、あなたがおっしゃっていることは、何を言っているのか、さっぱりわからない。私は、言うならば、その反対であるとか賛成であるとかは別にしても、ともかく言っていることを、はっきりすることを言ってもらわぬと困るのです。これからいろいろ質問しますが、何を言っているかわからないような答弁をされるようじゃ困ると思う。そういうわけのわからない発言は、時間の関係もありますから、おやりにならぬように一つお願いいたします。
○阿部竹松君 関連して。小林理事の質問に官房長官がいろいろ御答弁されているのですが、私、官房長官のことはよく知りませんけれども、二、三度お会いしておるし、前の根本さんとか、愛知さん、あるいは石田博英さん、こういう人たちと違って、きわめて自民党には珍らしい英国風の紳士で、うそは言わぬ人である、こう思っておったのですが、今のお話を承わっておると、筋が通っておらぬのですね。あなたは、たとえば総理の冒頭演説の中に入れなかったけれども、それは前にも例のないことではないとおっしゃった。今度の国会にかかる水質汚濁防止法、あるいは二十八国会でやった日本労働協会法、あるいはまた恩給法、それは確かにあなたのおっしゃる通り総理の冒頭演説に入っておらなかったでしょう。しかしそれはそれなりに、たとえば今回の水質汚濁防止法でも、ここへあなたと鈴木副長官が二度参っておるのですから、そのときはっきりお伺いいたしました。あるいは労働協会法案でも恩給法でも、その他の法案にしても、事前に連絡がございましたよ。ですから、総理の冒頭演説に入るかどうか、半月かあるいは十日前に明確にその連絡があって、しかもなおかつ、その出す法案と、それから出すかもしれないという法案と、あるいは名称が変るかわかりませんという法案と、明確にわれわれはとにかくお教え願っておった。今度は全然そんなこともない。で、総理の冒頭演説になくても、前例はこうあるということですが、しかし、前例は明確に議運にお知らせ願っております。これは速記録を調べてみればよくわかる。あなたのおっしゃることは全然違うじゃございませんか。
○政府委員(赤城宗徳君) 総理の演説に入れてなかったということを、私は前例を何も固執するということではないということは先ほど申し上げた通りであります。でありますが、総理の演説当時には、その後においても、警察官の職務執行法案について、出そうかというようなことにはなっておらなかったものですから、議運にもそれを申し上げることができなかった。ただ、あとから、総理の演説にそういうことが全然触れておらなかったのはどういうわけだということを再三言われましたので、法律として何も出す予定はなかったけれども、この問題に関するような事態について憂えているというだけは入っているということを申し上げたわけであります。決して前例を固執しているというわけではないのであります。 それから、急いで出すこともありますし、お打ち合せをしなければいかんじゃないかというお叱りはごもっともだと思いますが、急いでやらなくちゃならぬ場合もありまするし、会期の途中でおくれて出すようなこともありまして、できるならば、漏らさずに議運の方へ提出予定の法律等を打ち合せることが適当だと、こう思いますけれども、しかし今のお叱りのように、事務的に申し上げるわけじゃありませんが、何から何まで、委員会も開けておらないようなときにまで、こういう案を出すのだというようなことを打ち合せるのは、なかなか事実上むずかしい点があるので、今般の場合も、早く出したということ、そのうちに党の方でも非常に急速に出したいということがきまったものですから、この法案を出すという予定を申し上げることが、時間的に非常になかったといいますか、機会がなかったということは、私の方でまことに遺憾だと思っております。そういう事情がほんとうの事情で、全然それを私が事務的に何かつくろってお話を申し上げるというような気持ちはないのであります。御了承願います。
○阿部竹松君 私はそういうことを聞いておるのじゃございませんよ。前段の方はそれでいいのですが、後段の、あなたがそこにお持ちになっていらっしゃる参考資料をお読みになって、本国会にかかる水質汚濁防止法案、あるいは労働協会法案だとか、恩給法案は、冒頭の演説には入れてなかったけれども、しかしこれは出しましたということで例を並べられたのですね。ですから、その法案については、総理の演説になかったけれども、明確にもう早く議運にその都度その都度諮っておるのですよ。それと同時に、今回は二回議運でやりましたし、一ぺんはあなたがおいでになったし、一ぺんは鈴木さんが見えられたと思うのですが、そのとき、出す法案と、出すかどうかわからぬ法案まで、僕たちに懇切丁寧に知らせてくれたのです。ですから、あなたの言われることが正確で、正力さんが国家公安委員長当時から手がけたという答弁がほんとうであれば、あと一週間か十日で出る法案ですから、これは出るかもわかりませんよという予備知識くらい与えるのが当り前で、突然だしぬけにやるのだったら、議運も議事協議会も必要がないということになるのですよ。何のために三段階に分けてわれわれに教えてくれるのですか。僕たちはそういうことは知らぬものですから、小林理事と小酒井理事とともに、これは出す法律案ですよ、これはどうかわからぬ法律案ですよと、議員総会でも諮っているのです。僕たちばかだったかもしれない、あなたたちを信用して。そんなことでは、議場中心で、国会正常化とか参議院の良識とかいうのはどっかへふっ飛んでしまう。こんな話はないですよ。しかも九月三十日にはまだきまらなかったと、あなたはおっしゃるのですよ。十日もたたぬうちに出す、こういうことは、これは僕は穏当でないと思うのです。今後お互いに信用して、議運を開いたり、協議会でお互いに一つ正常化のために努力しようじゃないか、言いたいこともやはりお互いにがまんして、理解し合おうじゃないかというようなことは、どこかへふっ飛んでしまう。そういうことは毛頭ないのだ、あなたたち絶対多数党だから、もう強引にやろうというお考えなんですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 今のお話のように強引にやろうという気持は持っておりません。実際問題として、十月七日の閣議できめております。閣議で問題になったのは、その前の閣議で問題になった。二回……。でありますから、二十六日に提出予定の法律案というようなときには実は予定もいたしておらなかったというのは事実なんです。事実が事実でありますから、そういうことで二十六日に申し上げることが、そのときといたしましてはできなかった、こういう事情でございます。
○阿部竹松君 そういうことになってきますと、それは確かにそういうことで、事実だということで了解すると、今度は、これは当時官房長官はあなたでなかったけれども、昨年わが党で臨時国会を開いてくれというように自民党政府に要請を申し上げたときに、臨時国会というものは、本国会の合間、本国会から本国会までの間のやっぱり突発的事項の問題処理とか、条約上の手続をどうしても必要とするときとか、それ以外はなるべくは通常国会でやるべき筋合いのもので、臨時国会に何でもかんでも取り上げるという筋合いのものではありません、というようなことを言って、強引に蹴飛ばされたことを僕らはっきり記憶しておる。そうすると、今月七日であるか九日であるかわかりませんけれども、まあ、あなたのお言葉を信用して、その日にきまったというなら、それでいいでしょう。しかし、十二月の初めになると、この前ここへ来ておっしゃったように、十二月の初めから通常国会を開きますよと、こうおっしゃっているんだから、当然こういう問題は、二十五も法律案があり、条約が三つも四つもあるんですから、すべて十二月初旬から開かれる本国会でやりましょうと、そのくらいの話を持ってきて、その間、社会党と話し合うというくらいの心のゆとりと措置についての善処方を、全然考慮されないのですか。何でもかんでも今国会でやってしまわなければならないのですか、どんぴしゃりと、きめて。今臨時国会に法案がないならいざ知らず、法案が二十五も六もあり、御承知の通り条約もある。これで精一ぱいだというお話だった。あなたに議事録の発言を読んで聞かせましょうか。そういうことをやっておって、なぜそのくらいのゆとりを持たないのですか。少くとも社会党は人数は三分の一ですから、やはり三分の一の言うことくらい聞く襟度というものが僕はほしいと思いますが、そういうことは絶対に考慮のうちにございませんか。
○政府委員(赤城宗徳君) これをどの国会に出すかということについては、党の方といたしましては、まだ私どもに持ってこられて、出そうということを決定することについても、実は考えていたのであります。まあそういう余談を申し上げてはいかぬかと思いますが、通常国会か、通常国会後の参議院選挙後かどうかという話もあったのですが、この間、参議院の方で、本会議の御出席が非常に少くて、午前中の質問を午後にまで持ち越されてやった。通常国会等ともなれば、参議院の選挙等もあり、出席率がなお悪くなり、また予算の審議を急ぐようなことになるとどうであるか、こういうようなこともありましたので、これはどうせ、いつかは出すということなら、臨時国会に出した方がいいじゃないかというような気持も手伝ったと思うのです。そういうようなこともあって出すことを考えたのであります。
○阿部竹松君 参議院に出すのを、参議院が定数不足で中止になるような状態だから参議院に出さなかった。そういうことになると、話はこんがらがってしまいますね。確かにあのときは、議長も副議長もおられるのだが、とにかく今国会で出してくれと言っている自民党さんの方がおらない。だから議長に定数不足だと言ったのは僕で、とにかく憲法五十六条に従ってストップがかかった松野議長といえども憲法無視はやらなかったが、あのときは与党の人たちがおらないので、与党の人たちがそれくらい熱心であれば出てくるはずなんです。しからば、参議院であのときあれがなければやるのだったのですか。そういうでたらめな答弁では困るのです。事の善悪は別ですよ。そういうことになりはしませんか。
○委員長(安井謙君) 今の官房長官の御答弁は、この間ああいったような例もあるように、これからうんと先になると、ますます国会が忙しくなってやりにくいだろうから、今のうちに出しておこうという趣旨で政府は出されたと思うのです。
○小林孝平君 委員長、そんなばかな話はないよ。国会の三分の二の多数を持っている以上は、自分の方で人数をそろえないから定足数が欠けた。それを、参議院の出席が悪いから今後どうなるかわからぬと、こんなばかな話がありますか。大体官房長官は、あなたは、にこにこしているような顔をしているから、われわれは相当穏やかにやっているのだけれども、あなたは相当得をしている。ところがそれに乗じて今のようなむちゃくちゃなことを言うようでは、これはわれわれも今後一切協力いたしかねますよ。何ですか。今後参議院議員は出てくるか出てこないかわからぬ。それなら予算を提案しなければいい。これはちょっとおかしいよ。こんなことではわれわれもやらんよ。そんなばかなことがあるか。 ちょっと松野議長にお尋ねいたしますが、今の官房長官のようなお話でいいのですか。一体、議長はどう考えているのか。今後出てくるか出てこないかわからぬから、法案はこの国会に出す。そんなばかなことがあるか。
○委員長(安井謙君) 官房長官の趣旨をもう一回はっきり聞いたらどうですか。その趣旨をはっきりもう一回話していただいて、さらに訂正か取り消しかあれば、取り消していただいて……。
○小林孝平君 それは聞かなくてもはっきりしております。こういうばかなことを言った官房長官は過去にいないと思うのです。
○政府委員(赤城宗徳君) 通常国会後に参議院の選挙もありますので、通常国会の会期中と参議院議員の選挙とが一緒になるのは非常に困るという考え方から、通常国会の開会も実は十二月一日にしよう、こういうことであらかじめ決定したようなわけであります。そういう意味から申し上げても、十分に御審議を願うために、いつもよりも通常国会の開会を早目にする、そういう趣旨を言ったわけです。 先ほど申し上げたのは、この間、参議院の本会議が、午前が午後に回ったからというわけではありませんが……そういうことでありますならば、その点は取り消します。通常国会において審議が選挙を近くに控えて困難になる場合もあるということもあるならば、臨時国会において十分に審議をした方がいいのじゃないかという考えも幾分あったと、こういうことを申し上げたのでありますので、決して国会の、ことに参議院の御審議を十分に願えないからというようなことではありませんので、前の言葉が非常にまずい発言だということであるならば取り消します。
○小林孝平君 そういうことなら、先ほどの官房長官の答弁は、参議院の定足数が欠けるような状態だから、この次に出してもどうかと思われるから今回出した。それならこの次は、あなたが訂正されたように、ちゃんと定足数があるようにわれわれは審議をしますから、撤回したらどうですか。答弁の撤回だけでなく、この法案の撤回をすべきです。都合のいいところだけ撤回されては困ります。こういうことは、勝手にその場その場で、のらりくらりと答弁するというようなことは許されないと思う。私は松野議長に御質問しているのですから、議長から、とくと御答弁いただきたいと思います。そういう侮辱を加えられて、あなたは議長の席にすわって名前を呼んでいればいいと思うのですか。これは議長からもお話があってしかるべきだと思うのです。
○議長(松野鶴平君) 赤城官房長官の説明は、結局自分の説明がどうも少し何か欠けたところがあるといって自分はそういう意味ではなかったと、こういう取り消しの発言をされたことは御承知の通りでありまして、私は、赤城官房長官がさきに訂正せなければ、それは参議院の出席が悪いからどうこうと、こういうことに対しては質疑者と同じ気持であります。けれども、もうすでに官房長官は訂正をいたしました。それで、訂正をしておるから、それで私は、訂正をせなければ、それは穏やかでない、そのことに対しては発言を取り消せと、こう言わなければならない。しかし、議長としては、できる限りやはり穏やかに、そうして各人の発言は十分にやらせて、そして不穏当の点があれば取り消す。それで法律、規則によること、また議院法によること、憲法違反と見たときには、それは十分にそういうことに対しては議長の職権で諸君の満足のいくように、当然やらなければならぬことはやるというのが、一応の建前であります。進んで議長が事柄に対して一々はっきりし過ぎると円滑を欠くが、しかし、守るべきことは議長としては守る。こういうことをはっきり申し上げておきます。
○小林孝平君 今、議長が言われたように、非常に遺憾であると言われた、取り消したから、まあかんべんしたと、こう言われますけれども、取り消せば何でもいいというものではないのですよ。取り消せばいいというものではない。それを取り消すならば、法案の撤回も同時にやらなければならぬ。そういうような発言をされているのです。いや出席が悪いだろうからこの国会に提案した、こういう話なのです。ところが出席の悪い点は取り消した、こう言うのですから、この法案も……これは一体なのです。こういうふうに三百代言的なようなことをやっているようじゃこれは困ります。松野議長から、今、実に明快な御答弁があって満足いたしましたけれども、この官房長官のお話は、まるで、さっきから申し上げているように、首尾一貫していませんよ。内閣の大番頭ともあろうものが、全く支離滅裂な御説明では困ります。撤回するなら法案も撤回したらいい。撤回すれば何でも御破算になりますよ。われわれはそれも撤回すれば釈然といたしますから、同時にやったらどうですか。それはだめだ、自分の言いたいことを言って、人の言うことを聞かぬという主義なのですか、あなたは。
○政府委員(赤城宗徳君) 先ほど申し上げました私の気持は、十二分に御審議を願いたいという意味で申し上げたので、他意はございません。ただ、法案の審議は、それと関連するから、法案の撤回をしたらいいじゃないかということは、私はできないのであります。
○横川正市君 先ほどから質問をされている中で、私は特に感ずることは、官房長官の答弁が、いつもの答弁のようでない。われわれも、野党であっても同調できる答弁と同調できない答弁とがあるが、今まで経験の中では、官房長官の人柄から、われわれとしては協力をしてきたのではないかと思っているのです。あなたたちはどう考えるかわかりませんけれども……。しかし、きょうの質疑に対する答弁は、非常に私はつじつまの合わない、首尾一貫しない内容で、これは、私はどうしても納得できないと思います。その第一は、たとえば今度の国会が開かれるときに四十日という会期の決定がなされた。この四十日の会期の決定の中には、経済的な問題でいえば不況問題、それから外交問題の当面かかえている重要問題、さらに、私たちは、今度の災害その他を前にして相当いろいろな問題をかかえたから、会期については二カ月なら二カ月ということを提案てして、そうして十分審議しようじゃないかということを言ったわけですね。それに対して政府の四十日というのは、不況対策に対しては、論議まだ途中でありますけれども、予算の提出はしない、それから外交問題その他についてもこちらの要求するような十分な態勢ではないままに、四十日というものがきまったわけです。この四十日という会期だけを見てみても、私はあり余るような法案をかかえて、精一ぱいという状態だろうと思う。この精一ぱいの会期の中で、さらに今から紛争を起すような法律案を、しかも唐突として出している。この唐突として出してきたということが、私は、内閣の必要があるときは必要なものを削っても四十日とする、ところが、自分の必要とするものが出てくれば、国会がいかに混乱し、会期がどのようになろうとも押し通していく、こういう無理押しの状態が、私はあなたの答弁の中で非常に明確に性格上出てきているのではないかと思うのです。まあそういう私の感じだけでは、これは当然説明にならないわけでありますが、会期をきめたときの経過から考えてみて、今度はこういうような法案を出してきたということは、いかに無理な問題であるかという点を、私は率直に感ずるわけなのですが、あなたは無理でないと、こう思っておられるのか、それが一つ。 第二は、非常に急がれて出されたということ、急がれて出されたということになれば、私はまあ立場はいろいろあると思うのですね。まあ自民党さんの中では警察の経験のある方があるのですから、そういう経験もあるでしょう。また社会党の中には、かつてはいろいろな意味で警察官の独善に痛めつけられた過去もあります。日本の歴史というものは、そういういまいましい過去から少くも一歩々々民主主義の段階に進んでいるわけです。そういう段階に、あなたが急いで法案を出さなければいけない、こういうことになれば、少くとも国会というものは、あなたたちだけで構成しているのじゃないのだから、もう少し事前に協議し、打ち合せをし、あるいは世論が非常に心配している点等について、これらを全く払拭して、そういう意味合いで出されて審議に協力をしてもらう、このことの方が私は急いだ法案の出し方じゃないかと思う。過去のいろいろな法案の例を出してみますると、私の二年の乏しい経験から言っても、私は唐突としてこのような重要法案を出されたということ、これに対しては混乱が起るか、そうでなければその例がない、こういう二つだろうと思う。こういう苦い過去の経験というものを経験しているのです。今度の問題は、当然にこれだけの大きな国会の問題になり、世論を刺激している。このような問題が起ってきているのに、なおかつ、これを強行するということは、私は、とるべき手段じゃないと思う。先ほどあなたは強引な審議はしないというふうに言っておられたのですが、それは当然なことだと思います。急に法案を出さなければいけなかったから、何の事前の打ち合せ、協議その他もしないで出した、この理由についても私は釈然としないので、説明を第二点として伺いたいと思う。
○政府委員(赤城宗徳君) 会期の決定につきましては、私の方といたしまして希望はいたしておったのですが、これは国会の方できめられることでありますので、私の方で希望した通りにきめられるかきめられないかは、これは国会の決定を待たなければできないことであります。結果におきましては、会期は四十日という工合になったのでありますが、そういう四十日の会期でありますから、私の方としては、出すべき法案はこの国会のなるべく早い機会に出したいということで、非常に急いでおったわけであります。ところが、先ほど申し上げましたように、この問題になっている法案は、今国会に出すというような話になっておりませんから申し上げなかったのでありますが、そこで、会期が短かいのですから、私どもとしてもなるべく早く決定いたしましたらば出したいと、それでこの間の七日の閣議でしたか、閣議決定いたしましたので、大急ぎで出した。これは決して会期が少いところで無理をしてというわけじゃなくて、少い会期であるが、なるべく早く出して御審議を願いたいと、こういう意味で出したわけでありますので、無理押しということではないのであります。 なお、この会期中に御審議を願えるだろうと言うのは、これは党の方、あるいは議運の方のいろいろまあ前例というか、御経験といいますか、そういうことも聞いて、差しつかえないのじゃないかと私も思ったのは、相当審議に時間をかけまするならば、大体審議ができる、こういう見通しを党の方でも持っておったのであります。というのは、衆議院の例をとりまするならば、衆議院等におきましても予算委員会等は大体五十時間くらいの審議の時間があったのであります。そういうのを参考にいたしまして、党の方の国会対策等におきましても、時間的に差しつかえなかろうというようなことでありますので、それならば一日も早く提案をしたいということで出したわけであります。 それから第二段の、急いで出すということになって、事前に協議をいたさなかったり、あるいは世論に訴えなかった、こういうことは落度ではないか、こういうことでありますが、この問題は、私の方の党でも、ずいぶん論議をしておったのであります。でありますので、本国会の開かれる前等におきまして、新聞等にも、あるいはその前にも、この問題が出ておったのであります。私どもといたしましては、党の方のこの問題に対する結論が出ない前に御協議を申し上げたり、世論に訴えるというようなことに運ぶことがどうか。ことに本国会に出すというような予定がありませんでしたものですから、そういう協議あるいは世論に訴えることの機会がなかったと、こういう事情に相なっておるのでありますが、党の方といたしましては、ずいぶん研究もいたしておりましたので、私どもとしては、党の研究に相当ゆだねておったといいますか、そういうことに相なっておったのでありますが、もう少し協議をすればよかったと思いますけれども、事実そういう機会がなく出しておる、こういう事情であります。
○横川正市君 私の聞いておるのは、会期四十日というのをきめたときに、政府の方ではこの四十日間に審議ができるという予定を組み、その予定を組まれたときには、社会党側から要請した重要問題も、これは審議どころか提案の意思をも示さないで、非常に一方的に会期をきめたわけですね。あなたは今、会期の問題は、国会がきめたと言うけれども、事実上やはり多数を持っておる衆議院の自民党さんの方が主導権を握って、最終的に四十日というやつをきめたというふうに私たちは見ているわけですが、そういうふうに、提出法律案についても、あなたの方では来春の地方選挙あるいは参議院選挙というものを一応のコースの中に考えて、今度の場合の四十日をきめ、二十日間を休会して、十二月一日から通常国会を開くと、こういうふうにきめられた。そのときには、社会党側から提出すべきいろいろな案件に対しては、遠慮会釈もなくずばずば切っておいて、そうして手狭に四十日というものをきめて、そうしてしかも、そのきめられたところへ、今度は自分の都合だけで、この重要な警職法案を出してきた。非常に私は勝手過ぎるんじゃないかと思う。それで、なお今長官が言われるのでは、国会では審議ができそうだ、審議ができそうだという予定を立てること自体も、非常に私は一方的な考え方だと思う。ことに私は、世論に訴えてということを言っておるのではなくて、世論が相当これに反対しておりますよ。そういうような、反対をしているような法律案を強引に出す必要があったのかどうかということを言っている。だから、もしもあなたの方が出したというのならば、ことにまあ急いで出したいというのならば、もっとこの審議の中で野党といえども協力もできるような出し方ということが、かえって急いで出さなければならない法律案の趣旨に私は沿うのじゃないかと思う。野党というものを全然無視して、そして一方的に三分の二でもって事をかまえてしまう、こういうような出し方をするから、かえって国会の審議はもうすでに四日も空白になっている。しかも、この空白に対して新聞その他の論評を見てみても、私は、政府の方に風当りが非常に強いというふうに見ているし、あなたたちもおそらくそう判断しているのじゃないかと思う。そういう風当りの強い法律案を強引に出してきたというところに、私たちとしては納得できない点がある。なぜそういう無理押しをしてまでも出さなければならなかったのか、その点を、もう少しはっきりと説明をしてもらいたいと思います。
○政府委員(赤城宗徳君) いろいろ御批判はあると思いますが、私どもといたしましては、強引に出したということではなく、先ほどから御説明申し上げていたような事情であります。そういう御議論のあることは私も承知しておりますので、まあ私どもの希望といたしましては、法案の内容等におきましても一部世間に伝えられているものとは相当違っておるように考えておりますので、一日も早く御審議をお願いいたしまして、出してからこういう場で御議論をお願いできれば幸いだと思う次第であります。
○小酒井義男君 先ほどから官房長官の答弁を聞いておりますと、別に言葉じりをとらえるわけじゃないのですが、出してから議論が出ると言っているのですが、こんな法案は出ないであろうという予想をしておるところへ突然出たから議論が出るのであって、出なければ議論はないのです。しかも、九月二十六日の当委員会では、何らこういう法律案が出されるということも触れないでおいて、十月の七日に党が決定をして強く要請をしてきてから、やむを得ず出したと、こういうお話でありますが、そういうふうに唐突に、しかも国民の非常に関心の深い、関係の深い重要な内容を持っている法律案を出してきて、そうして付託をしようというやり方は、強引なやり方だと私は言わざるを得ないと思うのです。別に強引なことをやっておらぬというお言葉ですが、私どもは、これは非常な無理な提案の仕方であるというふうに考えるわけであります。そういうことをやられましたから、今回の国会の運営が非常に混乱をしておる。そういう無理があったから国会の運営が混乱をした、こういう原因がそこにあるのだ、こういう点は、おそらく官房長官といえども否定することは私はできぬと思いますが、官房長官はどうお考えになりますか。
○政府委員(赤城宗徳君) 先ほどから申し上げておりまするように、事務的になるかもしれませんが、法律の提案の方法としては、私は強引にやったということではないと思うのであります。出してみまするといろいろ論議がある、その論議があるということは、やはり法案の内容に関係することだと私は思うのであります。出し方につきましていろいろ御議論はあるが、私の方では強引な出し方だとは考えておりませんが、内容についていろいろ御議論があるから、出し方もまずいという結果になるかと思うのでありますが、そういうことでありますので、繰り返してお願いするわけでありますが、内容について御審議を願うことが私は先決ではないかと、こういうふうに考えます。
○小酒井義男君 どうも官房長官の話を聞いておりますと、私どもと感覚が相当ずれるのですが、たとえば従来の例として、突然いろいろな法案を出した例もあるのだという話ですが、水質汚濁法案と、この警察官職務執行法の改正案とは、これは同じように、こういうものも出したからこれを出したって不思議じゃないというようなたとえには、私はならぬと思う。相当内容の異なった重要なものを突然出されてきたということは、どう言われても、この提出の手続というものは正常な方法ではないと、こういうことを私は否定することはできぬと思うのですが、審議をしてもらうことが先だと言われておりますが、審議に入る前に、こういう無理な出され方をしたということが今問題になって、国会の運営が停頓をしているのが現実なんです。そうだとすれば、この現実というものを十分考えた上で、国会の運営を正常な形に戻すにはどういう方法があるかというと、やはりこれを一度撤回をして、そうして出直す以外にないというふうに私ども考えておる。そういう点を一つ官房長官、ここで独断で答弁ができぬ重要な問題だとは思いますが、政府の方でもう一度検討をしてもらいたい。そうでないと、国会運営は内容に入ってくれと言われておっても、簡単に内容に入れる問題ではありません。特に、これは社会党が反対をしているというだけでなしに、先ほども横川君の方から話がありましたが、世論のいろいろなものを見ておっても、この法案を早く成立をさせてもらいたいというような世論というものは、私はまだどこでも聞いておらぬのです。そういう国民の広範な層から反対をしている法律案であるということは、やはりこの法律案が非常に唐突に出されたものであり、しかも、内容においても大きな危険性を持っている内容であるというところに原因があるわけですから、これは官房長官、お帰りになって、一つこれを撤回をして出直さない限り、国会の運営が正常なルールに戻るということはできないのだということを、一つ検討をしてもらうように私は要望をいたします。
○政府委員(赤城宗徳君) お話でありましたが、私は提出そのものが、いろいろ議論はありましょう、議論はありましょうけれども、提出そのものが悪いから内容についての審議ができないと、これでは私としても納得がいかないのです。実は、今お話のありましたようなこともありましたので、社会党の議員総会からの全会一致の意見だということで、私どもの方へもお話がありましたので、閣議の機会にそれを伝えまして、意見を聞いたのであります。でありますので、今お話のようなことは、実は私といたしましては、手続といいますか、そういうことを済ませまして、閣僚の意見等も聞きましたところ、全部撤回はできないと、こういうことに相なっておりますので、途中でありますが、そのことを、一度御意向もありましたので、閣議で一ぺん聞いたのでありますが、その結果は撤回はできない、そういうことに相なっておりますので、そのことを申し上げておきます。
○阿部竹松君 今の小酒井理事の要望に対しての官房長官の答弁でいくということになると、これはもう好ましいことではないけれども、四つに組まなければならぬ、まあこういうことになる。しかし、それはそれでやむを得ないことでありますが、私は、法案の中身でなしに、さいぜんの横川委員の質問に対して赤城官房長官は、会期は国会がきめるのだという答弁があったのですが、それはまあ、ちゃんと法律にそのようにきまっていれば、それでけっこうでありますが、ところで、国会で四十日ときめたときは、これは松野議長が大いに責任ある一人だと私は思うのですが、この法案の全然出ておらぬ状態であった。議長さんは予測しておったか、予測しておらなかったかわかりませんよ、おそらく知っておられたのではなかろうかと思うけれども、それは私の推測ですから……。とにかく四十日と会期をきめられたときは、今出されておる法案、これから出そうとする法案、条約、こういうものを中心として論議した結果、国会では四十日が適当であると、こういうようにおきめになったのであろうと私は思います。そこへ今度ぽんとこういう問題を持ってきて、きょうで大体四十日のうちの三分の一の日数は使ってしまっておるわけです。そうしますと、あと三分の二あるわけですが、両院が一緒に並行審議というわけにもいかぬし、衆議院の方で論議していつ回ってくるか、これは他院のことでありますからわかりませんけれども、まあ論議しても、相当の日数を費して当院の方に回ってくるということになると、これは四十日の会期がいいかどうかということが問題になるわけであります。ですから、議長なんかは、四十日ときめられたときに、つんぼさじきに置かれておったかどうかわからぬけれども、これは四十日間できまらぬということになったらどういうことになるのか。赤城官房長官のこの前のお話では、通常国会がありますので、二十日間くらい通常国会との間に日数を置かなければなりませんというふうに答弁があったように私は記憶しておる。ですから、その間のあんばいはどうなるのか。全然論議しないで、問答無用で多数決で法律化してしまおうというお考えなんですか。別に私は御答弁をいただいても、あのときこう言ったといって開き直るというようなつもりはありませんけれども、ただ、こういうことをお聞きしておかなければ、われわれいつも、つんぼさじきに置かれて、こうしていろいろ議論して、議員総会へまた往復するだけではつまらぬから、一つはっきり聞かしてもらわなければ困る。
○政府委員(赤城宗徳君) 四十日の会期にきまるときには、この法案を出すということはきまっておりませんでしたが、その後出したが、四十日の間に十分な審議ができるのか、その見通しはどうかというお尋ねかと思います。先ほど申し上げたように、議運の方やその他とも議会運営のことで私どもも話しておるのでありますが、私どもといたしましては、御審議を願い得ると、こう考えておりますが、残念ながらまだ審議に入っておりませんので、まことに残念でありますが、時間の都合、日取り等もきめて、正常に議題に上っておれば、審議ができるものだと、こういう予想のもとに出しておる次第であります。
○阿部竹松君 官房長官、議運と話し合っておると言ったって、僕らここで初めてですよ。一体どこの議運の話をしておるのですか。
○委員長(安井謙君) 阿部君、これは御質問非常にごもっともなことで、非常に大切な点があると思いますが、この点については、国会内部の運営の問題とも非常に関係しておりますので、赤城官房長官に一方的に責任のある御返事もちょっと無理じゃなかろうか、こう思っておりますので、これでどうでしょうか、そのところは御了承を願えませんか。
○阿部竹松君 委員長のまとめようとする御意見には別に反対しませんけれども、官房長官は議運にも折々話しておるということは、僕はこんなことは初めてなんですが、だれにそういうことを話したのですか。自民党さんに話をしておるということで、僕らに全部責任をきせるつもりのお話じゃなかったろうと思うけれども、そんなことを言われては困るのですよ。議運にも折々話しておるから、四十日の期間で大丈夫だというような印象を与える発言は、決して私は官房長官のあげ足をとろうとは思いませんが、ただ三分の一の日数を費してしまっております。ただ衆院の方が——他院のことですから私はよくわかりませんけれども、おそくなってきた場合は、そのときは一体どうなるのですか。そのときになって、さあ上げてくれ、さあ上げてくれと言って議運に持ち込まれても困るので、そうすると、これは官房長官の責任あるお話を承わっておかなければならないと思う。これは委員長のお立場でもそうじゃないですか。
○委員長(安井謙君) それはそうだと思いますが、大切な問題だと思うのですが、今の国会審議のあり方なり、日数の割り振りといったようなものに関連して起ってくる問題が多いので、今ちょっと官房長官がどういうふうになるだろうからどうだという返事は、なかなか……。
○阿部竹松君 それは政府と党と違いますよ。しかし、さいぜんからどういう答弁をなされていますか、官房長官は、この法案でも、自由党の意見がまとまらなかったからこうなったとか、自民党の案が急速にまとまったからこうだとか、自民党がバックであり、自民党の内閣だから、これは確かに会期は国会がきめるということは明確になっているということは知っておりますけれども、しかしながら、そんな木で鼻をくくったような話でなく、もう少し実のあるような話をしましょう。そんなただ逃げる方便のために、会期はどうなりますかと聞いたら、それは国会がきめるなんて、そんなことは、幼稚園の生徒ならいざ知らず、ただ官房長官が政府の責任ある立場で、政府がどうこうというんならいいんだけれども、自民党さんがこう言ったからこうなりましたとか、自民党さんがこう言ったからこうしましたとか……、自民党と今の政府とは不離一体のものでしょう。何もそんな、しかつめらしいことを言わなくても、答弁技術がうまいからそういうことになるかもしれないけれども、そんな稚幼な話はだめです。明確におっしゃりなさい。
○政府委員(赤城宗徳君) 再々私から申し上げておりますように、四十日の会期内に御審議ができるもの、こう考えて私の方では提出いたしたのでありますが、その日取り、あるいは日時、こういうことにつきましては、両院の意見、あるいは党でいいますならば国会対策等でおきめにならなければ、私がこれをどうこうと言って、今実際申し上げるわけには参りませんけれども、私といたしましては、四十日間の会期で御審議が願えるものと、またぜひ御審議を願いたいものと、こういう意味で提出をいたしたのであります。
○阿部竹松君 そうすると、法案の件数を見て、この国会で会期をきめたと思うのですよ。そこへこういう法案をどっと持ち込んできて、四十日でできるということになれば、法的には国会できめるということになっているけれども、法が悪いか、運営が悪いかは別として、中身は全部ゼロだということになりますね。そうなったら、議長と称するものはほんとうにお飾りものだというふうになりはせぬですか。そんな法案と無関係で会期を四十日ときめてしまって、よろしゅうございますなんて言う議長だったら……。これは法案が目安になって会期をおきめになると思いましたが、僕の考えと逆なんですね。官房長官、そうなんですか。
○委員長(安井謙君) 法案のなには、大よその目安と日数というものは非常に関連が深いと思いますが、法案が出ましてから各委員会の運営状況というようなものによっても、日数はいろいろに伸縮される場合があろうと思いますが、会期の問題等につきましては、ちょっとこの席では触れるわけにはいかないと思います。この程度にしていただけませんか。
○阿部竹松君 そうなると、さいぜん官房長官がおっしゃった、予算委員会等においては五十時間取るのだから、五十時間をやはり目安にしてやったというこうを、ちゃんとはっきり答弁をしている。五十時間取るような審議時間を要するこの重要案件、重要法案です。それをぽつんと持ってきて依然として四十日とはおかしい。さっき予算委員会の例と予算委員会の使用時間、これまで例をあげて御答弁なさっているんですから。
○委員長(安井謙君) これは同じ時間のものなんだという意味で言われたのでもなかろうと思います。たまたまそういう例があるというようなお話で出されたように承わっております。そこで、非常に御熱心な御議論がありましたし、続いておりますので、これはいろいろ御質問もあろうと思いますが……。
○小林孝平君 その点は、先ほどからお尋ねいたしているものに対して、明確なる御答弁がないのです。従って、私は、いい悪いは別として、もう少し、答弁するなら、ない知恵でも出して、納得のできるような答弁をしたらどうだと思うのですね。そこで、たとえば何が人権じゅうりんだ。こういう法案を出したのがそもそも非紳士的だ。そういう根本的な問題を論じないで、枝葉末節なことばかり言ってもだめです。そこで、さっきから聞いていますと、納得できない。特に自由民主党からお話があったからやりましたという話、それは政党内閣だから当然だけれども、それならば、わずか一週間前の施政方針演説、あるいは予定提出法律案の中にそれをなぜ入れなかったか。そういう動きがあったということを全然察知できなかったというのは、非常に怠慢じゃないかと思います。そういうことでは、今後いろいろの国会審議そのものに非常に都合が悪い。だから、今申し上げたその点は、それならそれで、初めからそういう答弁をやったらいいのです。それなら全然前例と関係がないということで答弁されるならば、初めからそんな例を引いて、前にこういう例があったというようなことも言われなければいい。そういうことを言われるから、ますます混乱してくるのです。私が知恵がないと言うのは、そういうことを言ったのです。 そこで、もう一つ。結局さっきからお聞きいたしておりますと、政府としては、これはそう重要な法律案で、ぜひ今国会に出す必要があるとは思わなかったけれども、党から強く言われて出した、こういう御説明なんです。そこで、参議院の自由民主党は一本になっておって、そういうことはあまりないようでございますが、伝えられるところによれば、衆議院の自由民主党は非常に党内の派閥抗争が激しくて、今回のこの法案も派閥抗争の一環として提案されたごとく新聞に伝えられております。これはほんとうであるかどうか知らぬが、特に河野一郎氏が過般の福岡における参議院の補欠選挙に当って新聞発表されて、この臨時国会にはきわめて重要な法案を提案すると、こういうことを言われた。おそらく、その法案というのはこれだったろうと、今になると思うのですが、そういうことで、単なる党内の派閥抗争の一環としてこういうものを国会に出されて、われわれが非常に迷惑をしているわけなんです。幸い参議院では松野名議長がおられまして、自由民主党の六役会議において、この法案を参議院先議にしてくれということで、それが決定されたそうです。それは、私は党内事情であるから申し上げない方がいいかと思いましたけれども、今、自由民主党の議員が本論に入れということだから、あえて申し上げますが、この六役会議でそういう重大な、きわめて重大な参議院先議にするとかしないとかいうことは、過去において例がなかったことだと思います。それがこの自由民主党の六役会議において決定されて、松野議長に申し入れたところ、松野議長は賢明にもこれを拒否されて、衆議院先議になったという経過もあるやに承わっておるのであります。そういうことを考えますと、これは単なる自由民主党の派閥抗争の一環として国会に提案され、そうして現在のごとき非常な国会の混乱を来たしておると言っても過言でないと思うのです。これは私が言っておるばかりでなく、新聞にもそう伝えられている。はなはだ迷惑でありまして、このような国会運営が行われる以上、われわれ議運としては、国会運営に沿うことができないのではないかということを、私は心配いたします。念のために委員長に申し上げます。
○委員長(安井謙君) 小林君の御意見、あるいはまた党の内部事情について、それぞれ個人的な御判断や御批判があったわけでございますが、これは内部事情でありますから、単なる御感想として承わっておきます。
○岡三郎君 赤城官房長官に、まあ、くどいうような点にもなるけれども、強引ではない、こう言うことは、一応まあゼスチュアとしてはいいけれども、この法案の出し方の前後から考えて、赤城さんは強引であるということをお考えになっていると思うのです。強引でないということと強引であるということの解釈は、幾らここで聞いても、今のような答弁では困りますが、やはり唐突に法案が出されてきた。しかもその法案の内容というものが非常に重要な点に触れておる。こういう点は、全部識者が指摘しているわけです。で、自民党の方の幹事長も、そういう点については相当心配する点もあるから、それは運用で善処しなきゃならぬし、警察官の素質の向上、そういうものもはからなきゃならぬと言っている点から考えて、相当やはり重要な点に触れているということを、これは確認して言っておられると思う。そういう問題を唐突に出してきたということ、これは強引であろうと私は思うのですが、やはりこの民主主義の根本原則の、多数の意見に従うということとともに、少数の意見を尊重するということ、この原則は、やっぱりはずせないと思うのです。そういう点で、二大政党の対立というものが相当期間言われておって、その間一、二のトラブルが起ったが、その間に国会の正常化ということが強く指摘されて、国会法等も改正されてきたわけです。そういうふうに考えると、極力少数党の意見も聞いて、しかも国政に必要な法案を改正するということになるならば、やはり十分事前に野党の意見も聞くと、こういうふうな一応の態度というものが確立されない限り、軌道には私は乗らぬと思うのです、政党政治というものは。そういうふうな点で、今回は特にわが党におきましては、河野国会対策委員長、淺沼書記長が、当面この折衝に当っておりまするが、この間におけるところの四者会談等からの経過を聞いても、非常に一方的であり、強引である、こういうふうにわれわれは印象づけられているわけです。従って、社会党内は一致して、こういうふうな立憲政治を踏みにじるような強引なやり方に対しては承服できないというところで、撤回を要望しているわけですが、強引でないということを赤城さんが言われたが、強引でないということを納得できるように説明していただきたい点が一点です。 それから、これはやはり運営上、将来、衆議院からこの法案が万が一参議院に回ってきたときに、十分審議期間があると称しておりまするが、こういう点については憂慮にたえないと思うのです。こういう点で、これは御答弁願えれば幸いですが、議長の手元にあらかじめこういう法案が出されるということが、私は同じ党内においても、また参議院の責任者であるところの議会運営の責任者である松野さんの方に話があったと思うのですが、松野議長の方にこの間におけるそういうふうな話というのは、いつごろなされたのか。もしもそういう点について、議長は非常に国会の運営というものを心配しておられる方でありまするから、そういう点についても十分いろいろと意見を申されたかもしれないということを、私は推測しているわけですが、いつごろこういうふうな法律について審議を行うとかいうことがあったか、お答えができれば、この点一つ伺いたいと思うのです。 以上、さしあたってその二点お願いしたいと思います。
○政府委員(赤城宗徳君) 強引でないという理由を説明しろとおっしゃるのでありますが、私の方といたしましては、総理の演説のときにも出そうというような気持があったし、出す時期というものは臨時国会か、通常国会か、あるいは参議院の選挙が済んだあとの特別国会かというような、時期はいつにするかというような問題がありましたので、臨時国会に出すということを考えておりませんので、臨時国会に出すならば早いうちに出す、きまったら早いうちに出すということで出したもので、私の方といたしまして、決して強引だとは考えておりませんが、いろいろな事情があるというわけでございます。 そこで、まあ多数の意見のみならず、少数の意見を尊重すべきであるということは、私も当然であると思います。再々申し上げておりますように、そういう場所に入ってこないで、まだ審議に上りませんので、私どもまことに残念に思っているわけでございますが、そういうわけで、御審議を願うことを強くお願いいたしたいと思います。 それからまた第二段の、議長の方へ、国会が混乱するかもしれないから、あらかじめこの問題を話しておくべきであり、おいたかどうかということでありますが、私は、この法案の内容を検討いたしてみまして、二十三年にできた、その当時の問題に対する議論が非常に多くて、今度の改正にしましても、少年保護法等の問題は、前の法律とほとんど変りがない。むしろよくなっているのではないかと思うのです。問題は、警察の機能としての治安の維持ということに関連した公共の安全と秩序を維持するということが問題になっているので、そういう点の内容等を検討するとしても、私は混乱を来たすようなこととは考えておりませんので、議長の方にもそういう混乱を来たすような法律だというふうに申し上げることには考えておらなかったので、議長の方へその点申し上げておらなかったわけであります。
○委員長(安井謙君) 松野議長から……。
○岡三郎君 議長さんの方は、今の官房長官の説明で、お話していないとすれば、これはもう……。それとも議長さん、ほかにもしも何か変ったことが……。
○議長(松野鶴平君) ちょっとそれじゃ……。社会党の岡君から、官房長官の説明でわかったからよろしいということでありますが、わかったと言うのに立つのもむだでありますが、いい機会でありますから、私から一つ発言したいと思います。私は、参議院議長といたしましては、すべて議会の運営は議院運営委員会を中心にしてやるべきだと考えております。議院運営委員会でまとまらない場合の最後というけれども、その最後は、私はなるべくこれは使いたくない。また使っちゃいけない。円滑に、すなわち議院運営委員会へのお諮りによって、ものを運びたい、こういうことは、私の議長としてのいわゆる当然の心得だと考えております。 それから、立ちましたついでに、先ほど六役から、この法案を参議院の方に先議にしろ、こういう話があったけれども、議長はこれを断わったというようなことを聞くがと、こういうようなお話でありましたが、私は、直接六役からその申し入れは受けちゃおりません。しかしながら、いわゆる政府とか党とかというのは、私もやはりその党員でありますから、私に直接でないまでも、そういう場合ありとすればと、こういうことをだれ言うとなく言う場合に、私は、それはこの参議院が先議すべきものにあらずと自分は思うておる、こういうことは私の、いわゆる運営上の気持でありますから、だれ言うとなく、自然にそういうことを私は申した次第であります。で、そういう意味におきまして、私も議長としては、できる限り全員のいわゆる意思、これを円滑に議院運営委員会でまとめて下さるものなりとして、そういう気持で行動いたしておりますから、その点を、この機会に一つ……。なるべく議長々々と言って、議長に発言をさせられないように、円満にお願い申し上げたいと思います。
○岡三郎君 今、赤城さんのお答えを聞いて、この法案はまあスムースにいくということを聞いて、私は赤城さんは非常に善人だか悪人だか、今ちょっとわからなくなってきたのです。とぼけていることをようやく覚えてきたということに私はなるのではないかと思うのですが、失礼なことを私は言いたくないが、この法案が出て混乱しないなんということを考えている官房長官だったら、これはもういや、やめた方がいいとか何とかいう問題でなくて、これはやっぱり国会の運営ということについて、政府の番頭として、これはやはり再検討してもらわぬと、これは混乱が起らぬといえば、またほかにもっとすごいやつを出してくるかもしれない。そうなってくる。そのことを考えれば、これはやはり今ここで混乱が起るというと、言葉じりをつかまえられるから、まあこういうことにしておけということで、岸総理のまねをされたのじゃないかと私は思ったのですが、その点はいいとしても、混乱しますよ。もうすでに混乱しているわけです。それをあなた、ほおかぶりして、混乱しないと言っても、それでは、松野議長が幾ら何とかかんとか言ったって、こういう形の法案提出の仕方で混乱しないということのセンスが、参議院を混乱させるということになると私は思う。そこで、私は結局先ほどの答弁の、これは大体出したいといっても、やはり十分なる検討というものがなされて、そうして臨時国会、通常国会、参議院選挙の後の国会、こう考えたときに、常識的に言うならば、参議院の選挙という一つの国民に問う選挙があるわけです。そうしてから出してもおそくはないという観点もあるわけです。そうでなければ、先ほど言われたように党内の派閥抗争を避けるために、ヒットラー方式で、いわゆる目を外へ向けさせるということの意向というものもわかるし、それから安保条約の改正というものに伴って、こういうふうなものが作られてきたということも、ますます疑わざるを得ないようになってくるわけです。だから、そういう点で、われわれはこの問題について、官房長官にここでどうこうとただすわけじゃないけれども、実際唐突に、強引に、臨時国会を混乱させるために出してきたということに私は尽きると思う。だから、そういう意味において、今回起っているところの国会内におけるいろいろな紛争については、政府が当然責任を負うべきであると思うし、これをすみやかに解消するためには、撤回をして、あやまちを改むるにはばかることなかれということがあるのだから、どうも混乱が起らぬと思ったけれども、これは混乱が起っている。この事実は否定しがたい、ここで政府が撤回するということになるというと、自民党内部が混乱するかもわからぬ、こうなればしかし党内のことだから、何とか押えても、もうちょっと国会の正常化をはかって、おもむろに一つ国民に問うて、選挙後においてこういう問題の提起をするということを、国民にはっきり、また国会にも明確にこういうことを言って、やろうじゃないかという方法も私は十分あると思うのですよ。そういう点で、こういうものをすぐここで撤回するということはむずかしいかもわからぬ。そこで、十分お諮り願いたいということを言っておりましたが、結局参議院の方としては、この法案が衆議院に出てきたために、参議院自体の将来——今すぐは来ないが、今台風は衆議院を襲っているわけです。警職法という台風が、二十二号以上の台風が襲っているわけです。やがてこれが参議院の方に来る。大体コースがそれるということは考えられない。そういうことが十分わかっていたら、参議院自体として、良識をもって、こういう問題については迷惑な話であるということで、われわれがこれを主張することは当然であると思う。だからそういう点で、参議院自体も今公職選挙法の改正案について、本会議でこれをやるようになっているけれども、やがて来るべき二十二号台風以上の大きな台風に対して、われわれとしては心痛にたえない。私も被害者の一人として、こういう法案が出されてきた場合において、責任をしょえない。議長さんは議長さんで無理しないと言っても、おのずから台風のエネルギーというものは消粍するように思えないのです、これは。そういうふうな点で、議長さんの方でも非常に心痛しておられると私は思うのです。だから、国会の全体の正常化の運営ということを考えて、官房長官は、閣内においてそういう問題について提起することを、ここで予約してもらいたいと思う。なぜかといえば、持ち回り閣議等で早々の間においてこれを出してきて、しかも現状においては十三日で、十三、十四、十五、あと国会は二十日有余しかない。台風は解消するとは思われない。こういうふうな点で、どうもこの法案については混乱が起らぬということは……。これは繰り返してもしょうがないが、混乱が起るのですよ、赤城さん。これを起そうとして起るのではなく、すでに起っている。だから、こういうふうな点については、もう少し与野党通じて国会正常化のために努力するということをお誓い願いたいと思う。まあこう提案をするとか何とかむずかしければ、国会正常化のために、現状を十分検討して、そうして自由民主党と社会党あるいは緑風会を含めて、この問題について一ぺん院の正常化のために検討しよう、こういうふうな点について努力をお願いしたいと思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(赤城宗徳君) お話はよく承わっておきますが、私の方としては、審議の土俵というか、舞台に乗せて、大いに議論していただいてからでないと、せっかくのあれですが、あれを今撤回するというわけには参りません。
○委員長(安井謙君) 相当時間もたちましたし、御発言の方も多いと思いますから、簡単に願います。
○岡三郎君 衆議院の方の議運には諮っているのですね、この問題は。一応諮っているということよりも、質問されて、こういう問題について明確に出さぬと言っているのですね。出すかということに対して、議運で、そういう法案は考えておりません、そのほかの法案があるかと言ったら、そういう法案は考えておりませんと言っているわけですよ、衆議院の議運で、いいですか。だから、衆議院の議運の方においては、一応そういう形において話があったわけです。しかし、この参議院の中においては、こういうふうな、いわゆる混乱のもとを、政府みずから作って、岸総理が自民党の議員総会において、国会正常化、国会正常化と言うが、少々正常化が混乱してもやるべきだと議員総会で言っていることを、われわれは聞いているわけです。そうして自民党の議員の中においても、えらいことを提案したなと言っている。現実にそういうふうな中で、その自民党の主流派がこういうことを考えたかどうかしらぬけれども、とにかく問題は今や自民党内部から発し、政府自体、国会全体の問題となってきておるので、そういうことは今考えられない、法案を審議した途中で修正にでも何でも応じましょう、こう言うのですか、赤城さん。その点、一つ明確にしておいて下さい。
○政府委員(赤城宗徳君) 修正に応ずるかどうかということは、私は申し上げられません。ともかくも審議に上ってみなければ、内容の検討を民主的に議会においてお諮り願うことが先決だということを申し上げているので、その前に撤回するなどは、せっかくのお話でありますが、お話だけ承わっておきますが、でき得ない。こういうことを申し上げておきます。
○小酒井義男君 誤解があるといけませんから、ここで重ねて申し上げておきます。先ほど私から、その混乱を解決するために撤回をされるようにという要求をしたのですが、これは答弁を私は求めようとは思わなかったのですが、委員長が親切に、官房長官に答弁をということで、官房長官は、衆議院の議員総会でもそういう要求があって、これは撤回をしないという答弁がありましたから、こういうことを答えられたのです。そのあと、ほかの方へ質問が移ってしまったんで、私がその官房長官の答弁を了解をして、撤回を申し入れるという問題については、それで事済みになったんだというふうに誤解をせられる心配がありますから、私は重ねて発言を求めたわけですが、私どもは、そういうことはすでに承知をしておるのです。承知をしておりますが、その後において、今なお混乱状態は続いておるのですから、そういう現状においても、やはり、この警職法の撤回を要求しておるのです。決して官房長官の答弁で了解をしたんじゃないということを、最後に申し上げておきます。
○委員長(安井謙君) 森中君、簡単に一つ。
○森中守義君 これは非常に重要な問題だから、簡単と言えば簡単でも済みますが、そうもいきません。官房長官から非常に的確な答えをとるというのは、ややむずかしいかもしれません。しかし、今まで大体言われたことを総合してみますと、やはりほんとうなことを言われていないのですよ。言葉をつづめて言うならば、果してこの提案が自然な状態の中に行なわれたものと官房長官は思っておられるかどうか、これを一つ聞いておきたいと思う。今まで私どもの体験からいき、あるいはいろいろな先例からいけば、少くとも、議員提案あるいは政府提案、そのいかんにかかわらず、もう少し時期を置き、あるいは衆知を集めて、それで出されてきたというのが、大体法案の扱いであろうと思うのです。少くとも国会が民主的に運営されるというならば、そういう手順はどうしても踏む必要がある。それを踏んでいないところにこの混乱があるのですよ。しかも、さっきからも新聞の話が出ていましたが、ことに朝日の論調あたりは、非常に私は的確であると思う。どういうことかと言えば、どうも鳩山あるいは吉田、石橋、こういう歴代の内閣に見なかった、権力政治というか、あるいは秘密主義というか、こういうものが岸内閣に至ってことさらに顕著であるということを指摘をしている。これは実におそるべき民主政治の破壊ですよ。はしなくも、この民主政治を破壊するような一導火線が、この警職法ということに現われているということは、何人も否定できません。しかも、先刻来のお話からいくならば、正力さんの時代からこれは一応論議をかわしている、こうおっしゃっている。ところが、何人がこういうものが出るということを予測したでしょうか。予測した者はありません。長い期間にわたって検討したと言うけれども、極度にこれは秘密主義を守っておる。秘密主義の存在するところに民主政治はありません。この国会の混乱の導火線、その原因というものは、そこにあります。だから、官房長官がほんとうに確信を持って、自然な状態でこの法案を出したという自信がおありであるかどうか。そしてこの混乱は、期せずして生じたものと思っておいでになるかどうか。私は、どうしても権力政治を中心にする岸さんの頭脳の中から——自民党内部はどうあるか知りませんよ。知らないけれども、どうしても不自然な状態の中にこの法案が出されたということが問題であるので、これに対して、官房長官の率直な意見を私は聞いておきたいと思います。これはもう非常に重要な民主政治を破壊に導こうとしております。もう少しすっきりした赤城さんの御意見を聞かして下さい。
○政府委員(赤城宗徳君) この法案に対して、そのほかにも御意見がありましたが、決して秘密主義でやったわけではないのでありまして、党の方といたしましても、ずいぶん議論をかわして、また意見の調整などできないものも調整するという手続をとってきたのであります。ただ、私の方といたしましては、これを国会に出すということをきめておりませんでしたから、出し方が急であった、こういうことに相なったのでありまするけれども、決して秘密に事を運んだ、こういうことでは全然ないのでありますので、御了承願います。
○委員長(安井謙君) 本問題についての質疑は、大体この程度にしたいと思いますが……。二時間有余にわたりまして、いろいろ御熱心な御質疑がありましたので……。本日の本会議の取扱い等につきましては、なお理事会において協議をすることにしたいと思います。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時六分散会