外務委員会 第5号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/23
会議録
○委員長(青柳秀夫君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。一昨日、加藤シヅエ君が辞任され、その補欠として中田吉雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(青柳秀夫君) 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(予備審査)、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(予備審査)、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(予備審査)。 以上三件を一括議題として、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(竹内俊吉君) ただいま議題となりました「原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件」、「原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件」及び「原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件」につきまして、提案理由を一括御説明いたします。 政府は、昭和三十二年七月国際原子力機関に加盟し、同機関の理事国として、原子力の平和利用についての国際的協力及び管理機構の整備発展に積極的に努力して参りましたが、一方、すでに昭和三十年十一月三十一日、米国政府との間に締結した、いわゆる原子力研究協定に基いて、わが国最初の原子炉たる東海村日本原子力研究所のウオーター・ボイラー型第一号炉の燃料を、米国から賃借し、また、最近においては、国際原子力機関に、国産炉用天然ウランの供給を申し入れる等、わが国における原子力平和利用の研究開発の促進に努力してきた次第であります。 しかるところ、その後さらに英米を初めとする欧米各国における原子力発電計画の進展、わが国における原子力発電の見通し等の諸要因を慎重検討の結果、米英両国と動力用原子炉開発の分野での協力を推進することが適当であるとの結論に達し、昨年九月より、かかる協力を実現するための協定の締結に関する交渉を、それぞれ米国及び英国政府との間に行いました結果、本年六月十六日、日米協定については、ワシントンにおいて在米朝海大使とロバートソン国務次官補及びストローズ原子力委員会委員長との間で、また、日英協定については、ロンドンにおいて在英大野大使とロイド外務大臣との間で、それぞれ署名が行われた次第であります。 なお、日米協定につきましては、署名後さらに同協定の一部を改正することにつき、両国政府間で意見の一致を見、ワシントンにおいて折衝が行われた結果、十月九日同地で在米朝海大使とロバートソン国務次官補及びマッコーン原子力委員会委員長との間で、改正議定書の署名を行なった次第であります。 日英、日米両協定は、それぞれ両国が第三国とすでに締結した同種協定と、ほぼ同様のものでありますが、わが国は、両協定により、原子力平和利用の基礎的研究及び動力用原子炉の開発利用の両分野で、燃料を初めとする重要な原子力関係資材の供給を受け、情報を交換する等の協力を、両国との間に行うことができるようになり、また、原子炉の供給等についての民間同士の間の取引も可能となります。また、議定書につきましては、日米協定署名に先だち、同協定に基いて米国政府が日本から買い戻す余剰副産特殊核物質が、平和的目的にのみ使用されることについて、米国政府から覚書を受領してこれを確認しました経緯がありますところ、かかる米側の平和利用を同協定中に明記すること等、三点について同協定を改正せんとするものであります。 これらの協定及び議定書が発効すれば、わが国は、原子力の平和利用の研究開発、ことに動力用原子炉の開発利用に向って大きな一歩をふみ出すことができるようになると信じます。原子力の平和的利用、ことに原子力の発電のための実用化は、資源の乏しいわが国の将来にとって、はかりしれない意義を有するものでありますので、これらの協定及び議定書の発効のため必要な手続を、できる限り早急にとりたいと存じます。 よって、ここにこれらの協定及び議定書の締結について、御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、以上の三件につき、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(青柳秀夫君) 以上三件に対する質疑は、これを後日に譲ります。 —————————————
○委員長(青柳秀夫君) 次に、日本国とポーランド人民共和国との間の通商に関する条約の締結について承認を求めるの件、通商に関する日本国とニュー・ジーランドとの間の協定の締結について承認を求めるの件。 以上両件を一括して議題といたします。 この両件につきましては、先般提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。なお、両件は一昨日衆議院から送付され、本付託となりましたので、念のため申し上げておきす。質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。御質疑はございませんか。
○佐藤尚武君 ほかにどなたも質問がなければ、簡単なことをお伺いしておきたいと思いますが、ポーランドとの条約というものは、今度締結されたとして、一体どういう物資についてお互いに交換するという、そういうめどがおつきになった上で、これは条約を結ばれたのでありまするか。または、単に通商を再開するというような主義上の問題として作られたものであるかどうか。この説明書にも書いてある通りに、ポーランドとの間には、今まであまり実質上の貿易がなかったということですが、この条約を作られた趣旨、並びに今後どういう物資についてお互いに交換するめどがあるかどうか。その数量等について、もしお見込みがあったらば、お聞かせ願いたい。
○政府委員(牛場信彦君) ただいま御質問のありました通りポーランドとの貿易は、非常に額は今までのところ少いのでありまして、たとえば昨年は日本の輸出が二百六十二万ドル、輸入が約五十万ドルということでございます。輸出の品目は、日本が生糸、それから酸化チタンというもの、輸入は麦芽でございます。本年になりましてからも、一月—六月の間に日本の輸出が五十五万ドル、輸入が四十八万ドルということでありまして、輸出品、輸入品の内容も、ほぼ似たようなものでございます。今後の見通しといたしまして、この通商協定を作りましたときに、同時に貿易協定、支払い協定を結んでおりまして、その協定の付属として、一応その両方の国の輸出品目の表を掲げておりまして、たとえば日本からの輸出の品目といたしましてはカン詰でありますとか、繊維類、それから酸化チタンその他各種の化学品、それから銅線でありますとか、あるいは自転車というようなもの、機械、船舶というようなものが掲げてございまして、ポーランドからの輸出品目としましては、ホップ、麦芽、大麦というような農産物関係、それから豚毛、ラード、カゼインというような酪農製品、それからなお塩でありますとか、石こうでありますとか、そのほかのものも掲げてあるわけであります。しかしながら、実際の見通しといたしまして、日本がポーランドから商業的なベースでもって買い付け得るものは、当分の間非常に少いと思われますので、さしあたりのところ、この協定ができましたからと申しまして、急激な増加は見込めないと思います。先方は共産圏の国の常といたしまして、やはり二国間の貿易のバランスということを重視しておりますので、実際問題としましては、日本側が買わない限り、日本の輸出もふえないということになるわけでございます。しかしながら、一方ポーランドの貿易の構成を見ますと、この国は共産圏の国の中では非常に特異な傾向を示しておりまして、自由圏との貿易がポーランド全貿易量の四割に達しておるという状況でございまして、すなわち自由主義国家との間の貿易については、非常に力も入れておるし、また事実行われておるということでございまして、今後、日ポ両国におきまして努力をいたしますれば、貿易の拡大する見込みは十分あると思っておるのであります。 さらに、ポーランドを経由いたします三角貿易というようなことも、向う側でも興味を示しております。私どもといたしましても、そういうような機会がありますれば奨励をして参りたいと思っておる次第でございます。 従いまして、この協定を結びました趣旨は、確かに現実の問題のほかに、原則的の問題としまして、ソビエトともこういう条約を結びまして、引き続きポーランドとも結んだという面が、相当方針のうちの強い大きな部分となっておるのでございます。
○佐藤尚武君 この支払い協定が付属書としてついておることを、私ちょっと見落しておったものですから、大へん質問が粗雑で恐縮でしたが、今の御説明でよくわかりましたが、しかし、ポーランドは岩塩の大きな産地であるということは私承知しておりますが、このポーランドから日本へ輸出の品目の中に塩はありますか。——ありますね。私の質問はこれで終ります。
○石黒忠篤君 ニュー・ジーランドもよろしいですか。二ュー・ジーランドはこの次ですか。
○委員長(青柳秀夫君) 一括でございます。よろしゅうございます。
○石黒忠篤君 ニュー・ジーランドの協定につきまして一、二伺ってみたいと思います。 ニュー・ジーランドの協定に関しましては、参考としてわれわれの手元にお出し下さっておる議事録のアンダースタンディングをコンフアームするという非常に詳細なものがきておるのでありますが、私あまりその方の明らかな知識を持っておりませんので、条約局長に伺いますが、こういうこまかいことを両国政府がコンフアームするということは、通常の形式なのでありますか。どうでありますか。
○政府委員(高橋通敏君) これは、実は戦前と申しますか、当時の条約交渉では、このようなことはなかったのでございますが、戦後、各国とも非常にこのような合意議事録と申しますか、双方の条約交渉において発言したものをお互いに記録し、そのうちの重要なものについては合意せられたものとして、条約解釈の補充的な意味を持たせるというようなことが、一般の慣行になってきております。
○石黒忠篤君 どの条約についても、一応こういうような形式をとられておるといたしますれば、ポーランド等についても出てこなくちゃならぬと思いますが、これを拝見してみるというと、ニュー・ジーランドの政府が、将来自国の輸出貿易を確かめるために特に力を入れて、この点を固めたような形跡を見るのでありますが、そうではないのでありましょうか。
○政府委員(牛場信彦君) これは、一つはニュー・ジーランドの輸入制度と日本の輸入制度の違いもございますので、ニュー・ジーランドの方は非常に簡単な輸入制度をとっておりまして、この協定によりまして、日本が最恵国待遇を得ますというと、向う側のいわゆる非ドル割当の中に入ってしまいまして、ほかの国と平等になるということなのでございますが、日本の輸入制度の方は、それよりやや複雑になっておりまして、たとえば自動承認制と割当品目というような区別もございますし、そのほか政府が輸入しておるようなものもあるわけでございまして、そういうものにつきましては、最恵国待遇を与えたといっても、具体的にある程度日本側の意向を明らかに聞いておかないというと、向う側も安心できないということもあったと思います。それが一つの理由だと思います。もう一つは、この協定は、もちろんこの最恵国待遇の交換ということでございまして、日本から申せば、当然今まで拒否されておったのが不思議であって、おくればせながらニュー・ジーランドから最恵国待遇を取りつけるということなのでありますが、向う側からしますれば、これによって日本に対して相当大きな利益を与えるということになりますので、他面、日本側としましては従来ニュー・ジーランドに対して、これは輸入品目が大体日本の産業にとって必要な原材料であった関係もありまして、実際上は差別待遇をほとんどしておらなかったわけであります。従いまして、向う側からいたしますれば、一方的に日本だけに利益を与えるような協定になる。実質的にそういうふうになることもございますので、それについては、向う側に対しても、ある程度将来に対して安心を与えてもらいたいという希望が出てくるというのは、これは無理からぬことだと思うのであります。昨年七月に締結いたしましたオーストラリアとの協定におきましても、やはり同じ問題がございまして、これと同じような議事録をあの当時も作ったわけでございますが、その形式にのっとりまして、もちろん内容としましては向う側の輸出品目が違いますので、だいぶ変っておりますけれども、日本側としましても、向う側の希望をいれまして、しかしながら、そのうちにおきまして、将来必ず、たとえばある品物を一定量輸入するというような約束は絶対いたしておりません。平等な待遇を与えるということを、具体的に、日本の輸入制度に即応しまして約束したということでございます。
○石黒忠篤君 経済局長の御説明に連関して、ただいまの議題からは少し離れますけれども、質問してよろしゅうございましょうか。
○委員長(青柳秀夫君) 関連という意味で……。
○石黒忠篤君 関連というのが間接の関連になるのですが、貿易上の問題について伺いたいと思うのですが、お許しいただけますか。
○委員長(青柳秀夫君) どうぞ。
○石黒忠篤君 私、よく関税制度のことを承知をしておりませんのでありますが、米国あたりを旅行いたしました際に、米国人の日本に来ておるのが帰りました人がたくさんおって、日本の牛肉の味を忘れがたい人たちがおるのであります。その人たちが、日本の牛肉をここで食いたいと思うのだけれども、一向輸出していないがということであります。私のきわめて粗雑な知識だと、これはアメリカに輸出ができないように思うということを、その当時答えたのでありますが、食肉の米国輸出については、どんな状態になっておりますか、お伺いいたします。
○政府委員(牛場信彦君) これはちょっと今の、詳しいことを存じませんので、後ほど調査してお答えいたします。おそらく、これはアメリカ側の衛生規則が非常に厳重でございまして、もちろん、アメリカもよその国から肉を入れておる例はあると存じますが、日本から入れるということになると、特別にまた検査がありますので、そういう点から、実際問題として入らないことになっているのだと思います。日本も、全体といたしましては、牛肉はむしろ輸入しておることは、御承知の通りであります。
○石黒忠篤君 どうぞ一つ、お調べになってお答え願いたいと思います。ことに、肉の輸出入といったようなことは、今、経済局長のお話のように、食肉の検査といったようなことを非常にやかましく言うのは、獣疫の関係上もっともだと思うのでありますが、しかし、これを政略的にやった事例は、ドイツあたりが、豚肉の輸入に対して、トリヒンの病害の検査といったようなことに藉口をして輸入を禁止したような事例が、昔あったように思う。米国の市場について、もし日本の肉があちらに行くようになれば、大きなことじゃありませんけれども、一つの新しい道だと私は考える。実際、日本の食肉は、明治四十年ごろから力を入れて、近ごろ非常によい肉になっておるのであります。その点を一つ考慮に入れてお調べを願い、また、開けるならば開いていただきたいということを申し上げておきます。 私の質問はこれで終ります。
○佐藤尚武君 またポーランドとの通商問題に返りまして恐縮ですけれど、先ほど経済局長の御説明の中に、三角貿易のことも考えておるというようなことをちらっと言われたようですが、それは、イギリスを含めての三角貿易であろうと想像するのです。一体、その三角を、ポーランドと日本との通商の上の三角貿易ということは、どういうことを基礎として考えておられるのか、その概要を御説明願えれば幸いだと思います。また、日本の手持ちのドルについては、たびたび発表があったり何かするのでありますけれども、日本の持っておるポンドの持ち高については、あまり明らかにされてないように私は思うのですが、そういう点についてもあわせてお話しを願いたい。つまり、日本のポンドの保有高というものは、一体ふえていっているのか減っていっているのか、そういうことを私あまりよく知りませんので、三角貿易等に対して概念を得るため、その点についてお話しを願いたい。
○政府委員(牛場信彦君) 三角貿易と申しましても、ポーランドの場合、貿易が発展しませんのは、日本がポーランドから買うものがないからなんでありますので、ポーランドの方で、どこかの国のものを買って、それを日本に転売するということができますれば、それだけ日本から直接ポーランドに輸出する道も開けてくるということになるわけでございまして、その場合、ポーランドが日本に対して転売できるような第三国のものというのは、どういうものがあるかと思って考えてみますと、これはやはり、おそらく共産圏内の物資ということになるのじゃないかと思います。そういう場合が多いのじゃないかと考えるわけであります。これはほんの仮定でございますけれども、日本はまだブルガリア、ルーマニア、ハンガリーとも国交がございませんので、そういうような所のもので、何か日本側の経済に必要なものを、ポーランドが仲介して日本に売って参るということになりますれば、それに見返りの輸出が日本からできるということにもなるわけでございまして、そういうような場合が一番考えられます。もちろん逆の場合に、ポーランドが日本のものを買って、さらにこれを第三国に輸出いたしまして、その日本に対する外貨の支払いをほかの国に対する輸出でもって埋めるということも考えられます。そういうようなことでございまして、これはまあ具体的にどうこうということは、今のところ、ちょっと見通しはつきかねる問題でございますが、原則として、向う側もまあそういうことも努力したいということを申しておるわけであります。それから日本のポンドの手持ちでございますが、これは日本の今の外貨の発表の仕方が、すべてドルにかえて発表いたしておりますので、明らかになっておらないと存じますが、大体今のポンド貿易のファイナンスをして参ります上におきましては、やはり三千万ポンドないし五千万ポンドくらいのものが必要であると存じますので、それだけの金は、ポンドの形でもって保有しておると存じます。詳しいことは、今ちょっと資料を持っておりませんので、後ほど提出させていただきます。
○委員長(青柳秀夫君) 他に御発言はございませんか。——御発言がなければ、両件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は、終局したものと認めて御異議ございませんか。
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 日本国とポーランド人民共和国との間の通商に関する条約の締結について承認を求めるの件。通商に関する日本国とニュー・ジーランドとの間の協定の締結について承認を求めるの件。以上、両件全部を問題に供します。 両件を承認することに賛成の方の挙手をお願いいたします。
○委員長(青柳秀夫君) 全会一致でございます。よって両件は、全会一致をもって、承認すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 それでは、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時七分散会