外務委員会 第3号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/16
会議録
○委員長(青柳秀夫君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 鶴見君から発言を求められました。これを許可いたします。
○委員長(青柳秀夫君) 岡田君。
○岡田宗司君 昨日の新聞に、岸総理がブラウンNBC記者と対談したことについて、御承知のように新聞は大きく報道しております。この問題は非常に重大な問題でございまして、私どもは、この問題は岸首相に、国会を通じて国民にその真相を明らかにしていただかねばならぬと思っておるのであります。もちろん委員会においてもこの問題は追及をしていかなければならぬという考え方を持っておりますが、それにつきまして岸総理は、いろいろ内容について否認をされておるようであります。私どもは、この問題の真相を明らかにするためには、まずNBC放送の録音があると思いますが、それを一つ、委員会を通じまして、私は、外務省に取り寄せていただくことを要求したいと思うのであります。 それから第二に、このインタビューにおいて、もし総理とそれからブラウン記者との間の録音がございましたならば、あるいはテープで取ってありましたならば、それも私どもはぜひお聞かせを願いたいと思うのであります。 さらになお、この問題について、APなりUPIなりから詳しい電報が日本に打ち返されてきております。これらについても、私は、ぜひ外務省の方から、その向うから打って参りましたものについて、英語のものとそれから翻訳したものと、両方を御提出を願いたいと思うのであります。それらを検討いたしました後に、この問題は、われわれは十分に真相について究明をすべきものであると、こう考えておるのでございますが、それはやっていただけるかどうか、一つ総理並びに外務省当局の方からお答えを願いたい。
○委員長(青柳秀夫君) ただいまの岡田君よりの御要求は、総理並びに外務大臣にその趣旨に沿うように委員長から取り計らうことにいたします。
○委員長(青柳秀夫君) 岡田君。
○岡田宗司君 ただいまの資料が出ましたならば、われわれは、この問題についてあらためて取り上げていきたいと思っておるのですが、そのときに総理が御出席下さることを、一つここで委員長の方から総理に確約をしていただきたい。
○委員長(青柳秀夫君) 委員長からお答えいたします。ただいまの点は、総理に強く要請をいたします。
○鶴見祐輔君 私は、昨日の夕刊の新聞に出ておりまする総理大臣の外国人記者との会見についてお尋ねをいたしたいと思います。 第一にお尋ねいたしたいのは、この手続上の問題でございますが、この記事が割合に日本においても、おそらくは外国においても重要視される要点は、総理大臣がこのお話をなさった場合に、総理大臣の言葉が録音されたかどうかという点であると思います。そこで、私は順序を立ててお伺いいたしたいのでありますが、この会見は、大体は向うから要旨を文書をもって要求をして参って、これに対して総理が御準備の上お話しになったものと思うのでありますが、果してさようであるかどうかという点が一つと、いま一つは、それを総理はお話しになるときに、総理御自身は日本語でお話しになっておるものか、英語でお話しになっておるものか。 従って第三に、もしそれが録音されたといたせば、それは日本語でされておるのか、英語でされておるのか。 第四に、もし録音されておらないとすれば、これは根本的にこの記事が事情を異にいたしますからよろしゅうございますが、もし録音されておるとすれば、それは世界に発表される前に、一応日本側に向うは提出をして、日本の了解を得てから発表すべきものであると思いますが、果してそうであったかどうか。この四つの点について、事実上のことを総理からお話しをいただきたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) ブラウン記者との面会は、実は外務省の情報局の方において、ブラウン君が近くアメリカへ帰るので、ぜひ総理に会いたいと言う、総理が会われたらいいと思うから、ぜひ時間を作って会ってもらいたい。こういうことであったわけでございます。あらかじめ質問の要旨等につきましては、従来の外人記者との会見におきましても別に特に文書で提出さしておらないのでありまして、当日も、その前に質問の要旨について文書で提出することにしておらないのであります。そうして会見は、私はすべて外人記者との会見につきましては、通訳を用いておりまして、私自身は日本語で話をしております。当日の会見について、これを録音するということは、向うからも申して参りませんし、全然録音はいたしておりません。従いまして、今お話のようにそうした録音があって、それをさらに私の方へ見せて云々というような手続は、いたしておりません。
○鶴見祐輔君 それでは、これは録音がなかったという重要な点についての総理のお言葉で、私は了承いたしましたが、それでは、もし外国においてこれが録音されたものとして、放送されたといたしても、その一言一句については総理大臣の御責任はないわけであります。従って、この録音されたと称する事実の報道につきまして、私は論争の余地はないと思います。ただ、この事件が非常に重大な問題に関係しておりますから、この機会において総理大臣は、米国において放送されたる内容と、御自身でその記者にお話しになった内容との違いがあるかないかについて、御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) 私の承知しておるところによりますと、きょうのなにによると、放送はまだされておらないやに聞いているのです。ブラウン記者が向うへ着いて、サン・フランシスコで、先生が放送するための録音を、ブラウン記者みずからがして、十四日の夜放送するという予定であったけれども、ローマ法王の死去のために、その報道のために、まだ今のブラウン記者の吹き込んだ録音は放送されておらないというように聞いておりますが、実は、そのブラウン記者が録音されたというフル・テキストを、私、今要求をしておるのであります。まだ私のところへ入手しておりませんが、これを私実は手に入れて、検討をしてみたいと思っております。
○鶴見祐輔君 それでは、今新聞に報道されておりますことと、ただいま総理大臣のお話とでは、事実が非常に相違いたしておりますから、従って、この外電による記事について、われわれがここで論争をする時期にまだ達していないと思われます。従って、これが正式にこういう趣旨のものが放送されるということになりました場合に、総理大臣は、御自分のお話しになったことと、これが違うということを、お話しおきをいただく機会があると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸信介君) 正確にはそういうフル・テキストを見た上において、私の談話との相違点をはっきりさせることが一番いいと思います。ただ、昨日の新聞に報道されただけの記事については、私が当日話をしたその内容とは、非常な食い違いがあると私は思っておりました。その点については、昨日新聞記者との会見において明らかにいたしたのでありますが、それは放送されたとして、そのうちの一部をUPI及びAPによってこちらヘキャリされて、それが日本の新聞に取り上げられておると思います。そしてその取り上げられておる憲法改正の点等につきまして、私が当日話したこととは非常に食い違いがあるということを、昨日の新聞記者会見で、私は明らかにいたしておりますが、従って、全体の問題についての私の話したことと、ブラウン記者との会見の内容については、フル・テキストを見て全体を申しますけれども、もしもキャリされて夕刊に出ておるだけの点に関することでありますれば、現在におきましても私の考えを明らかにいたしてもいいと思います。
○鶴見祐輔君 ただいま外務大臣とアメリカ側と、安保条約その他について交渉が行われておる際でもあり、国民の関心がこれに集中しておる際でありますから、政府といたしましては、かような問題が事実に反することでありましても、この機会において総理大臣の趣旨をお話しになっておくことが、国民の誤解を解くゆえんであると思いますので、もう一度総理大臣から、昨日新聞に御発表の点について、お話をいただきたいと思います。
○国務大臣(岸信介君) 当日の大体話題になりましたことは、東南アジアの開発の問題、それから安保条約の問題、それからそれに関連しまして日本の憲法改正の問題、それから次に日本と中国、日中間の貿易の問題、それから台湾の問題等であったと思います。しかして安保条約の問題については、すでに国会で明らかにしておるように、われわれは日本の自主性を十分に認めて、できるだけ両国の間の双務的なものに、対等の地位に持っていきたいと思っております。ただ、憲法の制約のもとにおいて話は進められておるということを話しただけであります。憲法の改正の問題についての話が出ましたから、憲法改正の問題は、実は安保条約の問題とは何ら関係なしにわれわれは考えている、私自身は憲法改正論者である、しかし、この問題はきわめて重大な問題であるがゆえに、すでに法律において憲法調査会というものが設けられておって、識者を集めて憲法の改正の要旨並びに改正するとすればどういう点に触れるべきであるかということを検討をしておる。そうしてこれで成案を——かりに憲法改正の必要がありこういう点をこういうふうに改正する必要がありというふうにきまっても、これを提案することについては、参衆両院の三分の二以上の同意が必要であり、さらに国民投票が必要であるという非常に丁重な手段を講じなければならぬからして、必要であるといっても、これは急にできるものであることは——容易ではない、こういう話をした。その憲法改正の内容には、憲法九条も含むかという質問がありましたから、もちろん九条を含めて全部を再検討するというのが憲法調査会の趣旨である、こういうことを私は申したわけであります。 それから台湾海峡の問題というものについては、いろいろな事態があるけれども、われわれは一日も早く平和的に解決されるということを望む、これを単純な国内問題として考える向きもあるけれども、自分は同時に国際的な一つの意味を持っておるときであるから、十分関係当事国の間において、話し合いにおいてこれを解決されることを望むということを話をしたのが、今新聞にキャリされておる事柄の点に関する内容でございます。 核兵器の問題については、これは言うまでもなく、日本の国民が核兵器というものには、非常な、よその民族ではほとんど想像もできない感情を持っておるのです。これはそういう犠牲を受けた民族としては、そういう感情を持つことは当然であります。一部で考えられておるように、この問題が単純な思想問題や、あるいは政治的な考えのもとにわれわれはこれに反対しておるのではないのだ、この問題については、私がしばしば国会でも声明しておる通り、われわれは核武装する意思もないし、核兵器の持ち込みということは反対しておる。こういう話を申したのが、当日の新聞記事に関連しての重要なものでございます。
○鶴見祐輔君 ただいまのお話の中に、一点だけお伺いしておきたいのですが、憲法改正の点であります。この中に九条を含むかという質問に対して、ただいまの総理のお話では、含むと、ただおっしゃっただけで、それをどう改正するかという具体的なことをお話しになっていないように承知しますが、さようでございますか。
○国務大臣(岸信介君) もちろん内容につきましては、全然話しておりません。また、私自身が九条の改正についての方向等につきまして意見を申したこともございませんし、これは憲法調査会で研究されるべきものだと考えます。
○鶴見祐輔君 内容については、私はそれで大体御質問する点は終りましたが、今後かようなことが起らないように、われわれは十分政府において御注意あらぬことを望みます。
○岡田宗司君 ただいまの問題につきましては、社会党としてはきわめて重大に考えておるということは、先ほど申し上げた通りです。そしてこの問題は、国会を通じて真相が国民に明らかにされなければならぬ、こういう立場からいたしまして、この問題の取扱い方は、私どもは議院運営委員会において取り上げていただいて、本会議において首相の釈明を求めるなり、あるいはわれわれが緊急質問いたすなりするので、社会党としては、その際に、われわれがこの問題をどう考えておるか、われわれはこれに対してどういう立場をとるということを明らかにしたいと思っておりますので、なお、さらにその後において、先ほど私の要求いたしました資料等を検討した上で、運営委員会においてこれを取り上げていくということを、私どもは申し上げておきます。
○委員長(青柳秀夫君) それでは、ただいまの緊急質問はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(青柳秀夫君) 条約でございますが、日本国とラオスとの間の経済及び技術協力協定の締結について承認を求めるの件、(予備審査)を議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(竹内俊吉君) ただいま議題となりました「日本国とラオスとの間の経済及び技術協力協定の締結について承認を求めるの件」につきまして、提案理由を御説明いたします。 ラオス政府は、昨年三月在京大使を通じ、わが国に対する賠償請求権を放棄する旨を通告するとともに、あわせて同国の経済開発のため、わが国の援助を得たい旨を申し越して参りました。 政府といたしましては、ラオス政府の好意ある措置に謝意を表するとともに、援助に関する要請を検討する旨を約した次第でありまして、自来、現地において同国政府と交渉を行なって参りましたが、このたび交渉が妥結し、十月十五日東京において藤山外務大臣と在京チァオ・カマオ大使との間で協定に署名を行なった次第でございます。 この協定に基いて、わが国は、ラオスに対し、総額十億円の無償の援助を原則として、二年にわたり生産物及び役務の供与の形で与えることとなりました。 なお、協定の実施細目については、現在ラオス政府と折衝を続けており、近く合意に達する見込みでございますが、生産物及び役務の供与の方式は、現行の賠償の実施方式に類したものとなるはずであります。 また、この援助の対象となる事業につきましては、両政府の合意により決定されることとなっておりますが、ラオス政府はこの点につきまして、かねてからラオスの首都ヴィエンチァンの上水道建設に援助を受けたいとの希望を表明してきているのでございまして、政府といたしましても昨年十二月末から本年一月にかけて現地に上水道関係の専門家を中心とする調査団を派遣し、調査を実施した結果、その可能性につき、おおよその見通しを得ておりますが、協定発効の上は、さらに検討を行い、本件援助の対象として、この上水道建設計画を取り上げることといたしたい意向であります。 ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、本件につき、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(青柳秀夫君) 本件に対する質疑は、これを後日に譲ります。 —————————————
○委員長(青柳秀夫君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題とし、質疑を行うことにいたします。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○羽生三七君 議事進行上の問題ですが、実は、今の鶴見委員から御質問の点は、非常に重大な問題であるのに、社会党はきょうこの問題を不問に付するわけじゃないのです。社会党委員が質問をしない理由は、もちろん台湾海峡その他の問題で首相が触れられておるようでありますが、これは重要な外交上の問題でもありますが、しかし同時に、憲法問題に触れておりますから、これは一種の内政上の問題であるし、事重大でありますので、私どもとしては、本会議あるいは議運等を通じて、十分な首相の真意を確かめた上で、他日、日をあらためて、当委員会で質疑をするということで、きょうわれわれがやらないので、この問題を看過するわけではありませんから、議事進行上、念を押しておきます。
○岡田宗司君 議事進行について。ただいまのお話ですと、総理は所用があって退席されるようなお話ですけれども、この前の委員会のときに総理においでを願いたいと言ったのは、こういう問題が起っておらぬときだった。そうしてそのときに、十五日以降においておいでになるということを、はっきり青柳委員長から私の方にお話があったのです。だからきょうはですね、この余興の問題がなければ、当然その安全保障条約の問題をやるにきまっている。それをですね、この問題だけの御出席のようにして、ここでもって安全保障条約の問題について、総理との質疑をやらせないというようなことは、これは約束をお破りになることになるのであって、はなはだ私の方としては不本意だと思うので、ちょっとその点について、はっきり一つ御答弁を願いたい。
○委員長(青柳秀夫君) 速記をとめて。
○委員長(青柳秀夫君) 速記をつけて。 それでは暫時休憩いたしまして、一時からまた会議を開きます。 午前十一時九分休憩