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30回国会参議院1958/10/20

運輸委員会 第4号

発言数
67
登壇者
8
会派数
5
開催日
1958/10/20

会議録

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告をいたします。  十月十八日、森八三一君辞任、その補欠として野田俊作君が選任せられました“   —————————————

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 交通事故防止に関する小委員の補欠選定についてお諮りいたします。  高良とみ君委員辞任に伴う小委員の補欠については、その選定は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 御異議ないと認めます。よって小委員に森田義衞君を指名いたします。   —————————————

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 海上運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本法律案については、先般運輸大臣から提案理由の説明を聞きましたので、政府委員から本案の概要について説明を聞きたいと思います。

粟澤一男運輸省海運局長

○政府委員(粟澤一男君) お手元に海上運送法の一部を改正する法律案概要説明というプリントを差し上げてございますが、これに基きまして概要の御説明を申し上げたいと思います。  第一に、海運同盟等、船舶運航事業者の行う共同行為に対する私的独占禁止法の適用除外を規定いたした第二十八条の改正についてでありますが、同条各号に列記する事項、すなわち、運賃のべもどし制、競争抑圧船及び契約運賃制につきましては、これらを内容の一部とする共同行為が私的独占禁止法の税制対象とされることにより、現在はその採用が禁止または著しく制限されております。  この内容を若干申し上げますと、運賃のべもどし制と申しますのは、たとえば一定の期間、六カ月というふうな期間に、荷主が同盟船に限って荷物を積みまして、そのあとに引き続きたとえば六カ月という期間を置きまして、その間にも盟外船に荷物を積まなかったということによりまして、その六カ月経過後に、過去の最初の六カ月間の運賃について一定の割合を、たとえば一割というふうなものをあとで払い戻すという制度でございます。  それから競争抑圧船と申しますのは、同盟が盟外船に対抗する手段として、盟外船の配船日時等にだいぶ近い時期に同盟の特定の船を仕立てまして、集荷を妨害しながらこれに対抗するというふうな制度でございます。  それから契約運賃制と申しますのは、荷主との特別の契約をいたしまして、盟外船には積まないということを条件にして、その契約荷主には実際のタリフ・レートよりも、たとえば一割程度安い特別運賃をもって荷物を運ぶというような契約をする制度でございます。  御承知の通り、海運企業は非常に自由な競争をいたしておりまして、定期航路においてもそういう点は不定期と変りないのでございますが、定期航路の場合には、特定の航路に適合する特定の船を仕立てまして、しかもその航路の要所々々には支店、代理店等を設置するというような、不定期とは違ういろいろな条件がございます。従いまして、自由競争による適正な発展ということと、その航路あるいは企業の維持、安定という点と、両方の面からいろいろと工夫し、困難を克服しなければならない条件があるのでございますが、世界的に見ましても、大体定期航路におきましては海運同盟を作りまして、これによってその航路の安定、維持をはかり、ひいては貿易の進展をはかる。こういうことが慣例として行われております。そういたしまして、この海運同盟によりまして、自分の同盟内における過当競争を防止すると同盟に、同盟の外部に対しまする対抗手段をもってこの航路の安定、維持をはかるという手段をとっておるわけでございます。  ただいま申し上げましたような運賃のべもどし制あるいは競争抑圧船、あるいは契約運賃制という制度は、大体外部に対する自衛手段として、同盟が国際慣行としてとっておる制度でございますが、ただ、この取扱いに大体二つのやり方がございまして、英国調の大体古い同盟では、こういう制度をすべて認めて、同盟の自衛手段を許しておりますが、アメリカにおきましては、こういう制度を制限あるいは禁止するというふうな慣行をとっております。わが国の海上運送法におきましても、制定当時、占領下にございまして、アメリカの法制にならってこういう制度を禁止または制限する方向をとっておるのでございますが、しかし、そのために、一面、同盟の安定維持ということが非常に困難でございまして、これらの国際的に認められた慣行は、航路安定のためにも欠くことのできない手段でございますので、今回の改正といたしましては、同条各号を削除いたしまして、これらについては原則として法律的な制限を加えないという方向に持っていくこととしまして、改正案を提出したわけであります。  第二には、船舶運航事業者の禁止行為を規定しております第三十条の改正でございます。三十条の第四号、現行法では、海運同盟等の船舶運航事業者の行う共同行為に加入を申し出た場合には、正当かつ合理的な理由がないのにこれを拒否することは禁止されております。この規定につきまして、従来、正当かつ合理的だという理由につきましてやや明確を欠いておりまして、たびたび紛争が起ったのでございますが、今回これに「当該航路における船腹の過剰」というのを、正当かつ合理的な理由の例示とすることにいたしまして、船腹過剰であって、当該航路の荷動きに対しまして、さらに新しく船腹を導入することは、船腹過剰の状況を来たすために、過当競争のおそれがあるときは、同盟側はこれの加入を拒否するということをはっきりいたしたい、こういう改正でございます。  次に運賃のべもどし制につきましては、一応先ほど申し上げましたよに第二十八条第一号による禁止規定を削除したのでございますが、この運賃のべもどし制度は、競争制限方法としましてきわめて強力な方法でございまして、実際実効も上るのでございますが、このために関連事業者に対しまして摩擦を起すことが予想されますので、第三十条に新たに六号を設けまして、荷主を不当に拘束するようなことになる場合はこれを認めないというふうな規定にいたしたいと存ずるのでございます。  第三点といたしましては、航路紛争の調整に関する規定を新たに設けたいと存ずるのでございます。定期航路におきまして貨物の運送について過当競争が現在生じておる、あるいはまた、将来生ずるおそれがあるというふうな場合には、運輸大臣は、関係事業者に対しまして、当該事態を調整するために必要な勧告をすることができるというふうにいたしたいのでございます。  なお、現行法第二十二条は、現行法が最初に施行されました際の経過措置に関して設けられた規定でございますので、今日におきましてはすでにその目的を果し、意味を失った規定になっておりますので、これを改めまして、ただいま申し上げました航路調整に関する規定を現行法三十二条に置きかえる、こういう改正案を提出いたしております。  以上で本法律案の概要の御説明を終ります。

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) ただいまの説明に対し御質疑は、次回以降にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 御異議ないと認めます。   —————————————

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 次に、私鉄及びバスの運賃に関する件を議題といたします。  本件について御質疑のおありの方はお願いいたします。

森田義衞緑風会

○森田義衞君 先日、運輸大臣に私鉄の運賃の調整につきましてお尋ねしたのでありますが、その際、運輸大臣から、今年中強力にそういった調整については実施したいといったような決意のほどを伺いましたので、これ以上私、私鉄運賃の調整につきましてはお尋ねいたさないで、きょうはバスの運賃の不合理の調整につきましてお尋ねいたしたいのであります。  御承知のように終戦後、バスの発達は相当なものであります。そしてその後の経済の再建に非常な貢献を来たしておることも事実であります。その間、バスの運賃につきましては数度の値上げをいたして参りまして、最後は昭和二十六年の十月といったような運賃の値上げがありまして、その後運輸省といたしましては、昭和三十一年の七月に、吉野運輸大臣のときでありまするが、私ども、次のような方針を新聞に発表をされたのを見たのであります。その第一は、現在のバス運賃制度は、昭和二十六年物価庁長官より認可されたものであって、その後基本的、更改がなく、現状に適合しない面があり、再検討の必要がある。従って運賃率、運賃適用方の改定によりバス運賃制度の合理化をはかる、こういったような運輸大臣の方針が声明されております。その運賃の改定については個々の原価計算に基いて個別に審査しこれを処理する、こういったような方針が明らかにされております。この方針をその後順次実施されているようでありまするが、その後、運輸大臣は、その間、中村運輸大臣にかわり、それから現大臣にかわり、この方針について何ら運輸省としての方針の変更がないように私は思うのでありまするが、その通りでありますかどうか、まずお聞きをいたしたいと思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 大体ただいまお話しになったような方針で進みたいと思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 議事進行。森田委員からバスの方の質問に移られたようでありますが、この前の委員会の継続として、むろん議題は私鉄、バス運賃ということになっていますからいいわけですけれども、しかし、非常に関連した事項が私鉄運賃の問題についてはあるわけです、われわれの質問としても。従って保留されているわけです。ですから運営上、あっちへ行ってこっちへ行ったではまずいですから、御了解ができましたら、私鉄運賃から継続をやっていただいて、バス運賃に移っていただきたい、こういうように行っていただきたいと思うのですが、いかがですか。

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 議題は一つのものになっておりますが、私鉄及びバスということになっております。それで委員長の方の手元に質疑の通告者は、本日は森田委員一人であります。お諮りいたしました関係上、私鉄の問題について森田委員の発言が終ったら、あと続けてやられたらいいじゃないかと思いますが、それでいいでしょう。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今のお話であるけれども、そういう質疑を通告するということになっておれば、われわれもやったかもしれぬけれども、今までそういう例がないのです。そういうふうに慣例が改められるならば、それはそれでけっこうだけれども、筋道からいけば、この前の継続がはっきりあるので、そうして私鉄は私鉄で集中して固めていった方がいいんじゃないかと思うけれども、あえて固執しないけれども、運営上からいうと、やはりバスと何と関係はあるかもしれぬけれども、何かあっちへ行ってこっちへ行ってというような感じがするので、その点まあはっきりしたいわけなんです。

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 速記とめて。

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 速記をつけて。

森田義衞緑風会

○森田義衞君 今のような御方針をお出しになりましてからその後、一応バスの運賃の改定を見ているようでありますが、その間私ども、基本方針にうたわれました新運賃制度につきましては、きわめて合理化された内容を持っているように私ども承わっております。たとえば小児運賃につきましては、従前は最低運賃が十円であったものを、これを五円にするといったような、社会情勢の変化に伴う合理化といったような値下げの内容も含まれております。あるいは運賃計算上のキロ程の端数整理におきましても、たとえば社会情勢の合理化に伴ってキロ本位にしておるといったような点もありますので、そういった点で一部値下げになっている。これは運賃計算上の端数の整理については、たとえば定期券にあっては、十円を単位にして四捨五入するといったような合理化の内容をもっております。あるいはまた、社会政策的な観点から、身体障害者の定期券の割引率におきましても、従前よりは大幅な割引をしているといったようなことだとか、あるいは適用範囲を保育園にまで拡大しているといったような値下げの内容ともなっている。またその他、山間割増し区間でありますとか、停留所間のキロ程でありますとか、雪国の割増しでありますとか、そういったものもきわめて合理化し、値下げの分も相当あるやに聞いている。でありますが、こういったような合理化を含みました運賃の調整をやった区間は、これまでのところ約七五%でありまして、まだ残余の二五%が残っている。これまで運輸省としては、逐次おやりになっていたように承わっておりますが、突然、昨年の暮以来これがストップになっているといったような実情のように実は聞いております。  私ども、こういったバスの運賃制度は、やはり全国的に統一のあるものが必要ではないかというふうに、これは私どもでなく、すべての人が、事業者も考えているわけでありまして、そういった点でもきわめて全体に調整ができていなければ、不合理な点が残っているのではないかというふうな感じがいたしております。たとえば県別に見ましても、新潟、仙台陸運管理局管内では、青森県以下七県新運賃制度になっております。宮城県のみが取り残されているといったような格好になっております。また、名古屋陸運局管内を見ますると、愛知県以下六県はすべてこの改定を受けておりまするが、ただ一つ静岡県だけが旧運賃制度のまま残されておって、きわめて不合理の姿が隣県間においてある、こういったようなことにもなっている。  こういった不合理と申しますか、これがなぜ昨年の暮以来残されているのか。私は運輸大臣の責任でなくて、むしろ下の行政諸機関があるいは怠慢ではないかといった感じすら実は受けるわけであります。でありますが、運輸大臣は十二分に下僚を御監督になっておやりになっていると思うのであります。そういった点について、何といいまするか、なぜこういうふうな情勢に昨年の暮以来残されてきたのか。しかしこういったような運賃は部分的で、何といいますか、一部そういった残務整理ができないためにできなかったというような事務的なものならば、すみやかに簡単にこれは解決できるものではないかと思いますし、その他、運輸行政上の変化のあるものならまた別でありますが、先ほど大臣から伺ってみますれば、何らそういうものではない。従前の運輸大臣の方針は、自分にかわっても変りはないのだといったような御言明であると聞いているわけであります。そういったものから見まして、ぜひこういった問題の調整について急速な措置が要るんではないかとも考えまする関係から、ただいま運輸大臣のお答えがあったのでありますが、これについての今後のはっきりした態度をお聞かせ願えないだろうか。  特に、私は、これら残存府県が、大体これまで実施されているのが七五%で、残存府県が二五%府県というふうに聞いているのでありますが、すでに残っております府県よりの申請は、運輸審議会に諮問をされておりまして、官報告示の手続も完了しております。公職会の申請もこれに対してはなかったのでありまして、世論といたしましてもこれに対する反撃はない。むしろ、よりよきサービス、たとえば新車を注入して、もっといいサービスをしてもらう。あるいは従前より増したサービスの改善をやる。つまり運行回数を増すとか、いろいろなむしろサービス面の改定を一般の民衆は期待しているのではないかといったようなことをこの面からも考えるわけでございます。たとえば宮城県のような場合におきましては、仙台の市営のごときは、市議会でも運賃改定をすでに、いわゆる市民の代表者もこれを議決して、申請しておるのでありまして、むしろそういう方面から市議会議員は市民の期待を裏切るといったようなことになるのではないか、これに対しまする運輸大臣としての、やはりこういったような世論的にも要望のあるそういったものに対しまして、急速に御処置を願うのが必要ではないかといったような感じを待つわけでありまして、先ほど私が運賃の、この新運賃制度については、きわめて合理的な内容を含んでおると申し上げた内容も、そういった点で、改定されない部面におきましては、かえって世間からは、片一方は小児は五円だが、片一方は、むしろ改定されない方は十円とるとか、こういったような非常な不合理を指摘されるようになっておるのであります。それと同時に、新しくこういったような新運賃制度の七五%を適用しておりますものにつきましては、当然に運輸省に対しましては責任をもって増車計画を出している。それによってサービスの改善を打ち出しておるわけでありますが、反面、こういった改定を見ないところにおきましては、こういった新しい増車計画に伴ったサービスの向上計画といったような要請が、計画が成り立たないような現状にありまして、サービス面においてもそごを来たしているのではないかといったことを感ずるわけであります。  しかも、会社の内容が非常にいいなら、これらの残った会社だけが運輸大臣が絶対いい会社だから、ほっておいてもいいのだというなら、また別問題でございますが、これら残されたる会社の状態を見ましても、耐用年数を非常に超過しておる車が非常に多いわけでございまして、たとえば五年以上たった車なり、それ以上のオーバーした車が四割とか、あるいはそれに近いものがあるといったような関係でございまして、そういったような状態からいたしましても、新車交換の急務に迫られておるのではないかということを考えますだけに、先ほどの前々からの運輸省の方針を、大臣はそのまま御踏襲になっているとするならば、すみやかにこういった調整をおやりになるのが、運輸行政を主管する運輸大臣としての責任ではないかというふうに考えられまするし、もし事務当局が怠慢ならば、運輸大臣がこれをやはり督励するだけの監督上の責任もおありになるのではないか、その点からも明確なる一つ大臣の決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) バス運賃が全国的に見まして非常にでこぼこになっておりまして、不合理なものであるという御指摘の点は十分了承いたします。その通りであります。ただ、そういう結果になったことが事務当局の怠慢のせいではないかという御質問がありましたが、そうでは断じてありません。  また同時に、次の御質問である運輸行政か変ったのではないかというお尋ねがありましたが、そうでもございません。それは先ほど申した通りであります。さらにつけ加えて、業績のいいところだけは残しておいたのではないかというような御質問もありましたが、そうでもないのであります。しからば、どうかということになるのでありまするが、これは先般の当委員会におきまして私鉄について申し述べましたような、いわゆる神武景気が今度は神武不景気に急転落したことに対する一時的の非常措置、ドラスチックなことであると知りつつやったということが、ただいま申しましたような、運輸行政の基本は変らないのでありますけれども、一時それをチェックした形になっておるのであります。従いまして、大体の日本の経済状態がそういうドラスチックなことをもうやめてもいい時期になったといたしまするならば、運輸行政本来の姿に立ち戻り、一刻も早く全国のバス運賃の不合理性、でこぼこを是正すべきであります。  問題は、私鉄運賃について申しましたように、一部にはまだ急にドラスチックな非常措置を、手放しに改正してしまうのは早いという意見が一部にまだあるのであります。しかし、同じ非常措置といたしましても、私鉄の運賃よりはバスの方がもっと不合理が大きいという説もありまするので、徐々にそういう反対論者も説得いたしまして、バスの方だけはとりあえず、ケース・バイ・ケースで逐次やっていこうという機運になっておったのであります。ところが、その後の新しい情勢といたしまして、御承知のようなガソリン税の増徴という問題が出て参りまして、この問題が必ずバスの運賃の改正という問題になるから、二度値上げをするよりは、一ぺんにまとめて適当な運賃にした方がいいのではないかという説が出てきました。そのために、ある程度すでに実行段階に入っておりましたバス運賃の改正がやや延びまして今日になっておるのであります。しかし、私はかりに二度になっても、この前置いてきぼりになっておりました地域のバス運賃だけはとりあえず是正した方がいいと、私は考えております。それに対して先ほど申しましたような、ある程度の反対論がまたあるのでありますから、私は目下こういう方々との間の調節をとることに全力を尽しております。そうして見通しは、そう時間のかからないうちに御期待に沿い得る、こう考えております。

森田義衞緑風会

○森田義衞君 今、ドラスチックの政策の余波を受けたといったような御説明で、昨今値上げのチェックになっておったというような問題につきまして、まあ、たとえば昨年ガソリン税が値上げになりまして、これもやはり値上げは、ここに二五%残された会社だけは、その部分だけ別に値上げから取り除いたわけでもございませんし、先ほど運輸大臣がおっしゃいましたように、別に残された企業だけが経営がいいわけでも何でもない。別に変りはないとなれば、そうしてまた、七五%はすでに順次調整されるとすれば、また、しかもバス運賃は部分的なものであるとすれば、何らこれを反対される理由はないように私ども承わりますし、大臣からも、ただいまそのようにもお聞きしたようなわけでございまして、そういった面からも、やはりこういった均衡のとれたバス運賃は、将来の値上げ問題とかいろいろの問題は、やはり一部七五%やっておれば、それと一応調整を取った上で、これまでの方針でも、大体お上げになるときは、原価計算に基いて個々に具体的にやるのだといったことでもっておやりになっておることなんでありまして、今後もある会社、一斉に何もおやりになるわけでもないのでありましょうから、少くとも前の二五%の残りの部分と、前の七五%との間の調整をまず取ることが必要である。その後の情勢において、必要があればおやりになる場合があるでありましょう。さしあたって、私ども切り離して当然のことであるというふうに、大臣もそうお考えになっておるように今お聞きしたので、その点はこれ以上追及いたさないのであります。その点は、はっきり一つ今申し上げたことを再確認していただきまして、ぜひこういう調整は、ドラスチックの政策の犠牲になったというのがそもそもおかしいのではないか。片方の七五%、残された二五%が、何がゆえにこれだけがそういった政策の犠牲になるかということの意味が私にはよくわからない。そういった点の調整をぜひ速急にお考え願いたい。もう一言、繰り返して言うようでありますが、速急にやることを御言明を願いまして、私はもうそうくどくどとは申し上げません。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 了承いたしました。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の森田君のバス運賃値上げ促進論を拝聴いたしておったわけですが、私はやはりこれは、先ほど岩間委員もその私鉄の問題について本日も議論をしたいというお話もあったように、これは基本的な私はやはり問題だと思うのです。私は、永野運輸大臣が、もし今の森田君の質問に対して了承をしたということであると、これは私は重大な問題だと思うのです。これは少くともわれわれ運輸委員会において今日まで、この私鉄運賃並びにバス料金の問題等については何回もこれは、もう討議も進められたことは事実なのです。一番私がこの運輸委員会でいつも主張しておったのは、日本の総合的な交通政策というものを樹立しないで、単に地域的な条件が整っておるからこれは認可をするんだとか、あるいは値上げを認めるんだとかいうことであっては、国民の負託にこたえることはできない。こういうことで、実は昨年の国鉄運賃の値上げの際にも、国鉄の運賃を値上げをすれば、私鉄の運賃も賃上げになるし、バス料金も値上げになる。従ってこういう問題は運輸省の所管として、当然政府の一貫した政策としてこの基本的な問題を出すべきであるということで、実は関係大臣も、経済企画庁長官も、あるいは大蔵大臣もこの運輸委員会に呼んで、むしろ運輸大臣の主張をできるだけ援護をする形をわれわれ運輸委員会はとってきたのです。従って、今日、日本の総合交通政策の問題が経済企画庁なり、あるいはまた運輸省として国民の前に明らかにできないで、ただ部分的にでこぼこの道があるという形においてこの問題が処理をされるということは、私はこれは大へんな問題だと思う。  ここにまあ私どもが、昨年もこれは前の中村運輸大臣のときにも、中村運輸大臣の生命をかけた、実は業者の強い要請にもかかわらず、運輸省の所管、大臣として閣内においても強力な発言をしているわけなのです。それがために、先ほど大臣も答弁されたような形が実は出ておるわけなのです。これは、でこぼこがあったために、そのでこぼこをならすための作業じゃないのです。これは岸内閣の政策として、どうこの総合交通政策というものをやっておられるのか。そして国民も、今、値段を上げられたら乗らなくてもいいということにはならない。値段を上げられても、国民はいやでもこの交通は利用しなければならないのだから、これは国民生活に直接影響があるんだから、慎重な配慮がなければならないということで、今日まで実は運輸交通の問題はわれわれが真剣に取り組んできたわけです。  しかも、今年度は御承知のように、いわゆる日本の経済の向上をはかるために、外貨の獲得についても三十一億五千万ドルというものをわれわれが達成するために、国鉄の輸送力も増大をしよう、私鉄も一つ増大をしよう、あるいは航空もやろう、海上もやろうということなんです。ところが、先ほど大臣のお話もあったように神武以来の好景気というのは実は神武以来の不景気に転換をしてきている。いわゆるなべ底か二重なべ底か何か知らぬけれども、とにかく、政府自身がそう言っておる。今日ではもう三十一億五千万ドルという貿易は期待できない。政府部内ですでに言っておるのは二十八億ドルに、あるいは昨年並みになるかもしれないと言っておる。そういうときに、地方における、あるいは業界における悲惨な事業の不振というものを考えた場合に、これはもうバス料金だからといって、五円だから十円だからということにはらぬのです。これは基本政策なのです。この基本政策をきめずして、今私は、森田君の言うでこぼこの道を少し砂利を入れればこれはよくなるから、人民のためになる、その土地の住民のためになるから直さなければいかぬ。こういうことは、私は、少くとも政権を担当しておる岸内閣としては、これはもうやるべきではない。ましてや、あなたは財界の出身であるし、この経済状況というものについては十分御承知の永野運輸大臣であるから、まあ運輸行政の中にもそういう筋を通したことをやらなければ私はいかぬ、こう思うわけです。  われわれは、むろん運輸委員の中にはいろいろな関係の人がおりますよ。私のように国鉄の出身の人もおれば、あるいはまたバスの関係の出身の人もある。私鉄の関係者もある。しかしおるが、われわれは、そういう個々のことにはとらわれてはおらない。日本の交通政策をどうするのだ、そういう中におけるところのいわゆる国民の生活とわれわれはどう対処してこの参議院の運輸委員会として問題を進めていくか。それにでき得れば私どもは、世論的には、むしろそういういろいろな業界の、あるいは関係者の利害関係によって運輸省をいじめるだろうから、われわれは国会の正当の立場で、むしろそういう運輸大臣の立場を援護するという形にまで実は今日までとってきた。そういうことであるから、ちょっと、これはまあ私の聞き違えならばいいんだけれども、森田君の言ったような、そのアンバランスがあるという一つの事象をとらえて、それだけで全部それをやるんだという、もしあなたの答弁だったとすると、私は、基本政策の問題に触れてくる。この点は明らかにしてもらわないと、今の点は私は非常にこれは大きな問題になるので、一つ大臣の率直な、また私はその慎重な配慮の中に答弁があってしかるべきではないか、こう思うのですが、いかがですか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) お説の御趣意はよくわかるのであります。しかし、単にでこぼこを直すというようなそういう簡単な意味で申し上げておるのではないのであります。そうすることが、あなたの言われる日本全体の交通総合政策のむしろ貫徹に役立つと思うから、そうしようというのであります。  先ほども申しましたように、こういう非常に不合理なアンバランスができておるのは、運輸行政が変ったからでもなく、また、森田委員が言われますような事務当局の怠慢から出た現象でもないのでありまして、運輸行政の総合政策を貫徹いたしますると、それはちょうど森田委員の言われたような現象が起るべきはずのものだ、一昨年から昨年にかけました不況対策の非常措置として一時押えておったためにできたアンバランスであります。従いまして、日本の経済状態が、その前に日本全体の運輸状況を考えて立てました政策を全国的に実行しても差しつかえないと見られる時期になったならば、一日も早く本来の面目に返るべきものであるというのが、私の申し上げている所論の要旨であります。  森田委員の言われたことも、そういう意味で言われたんだろうと思うのであります。私は、単にでこぼこを平均化するという意味じゃなくって、それが本来の日本の総合的の運輸政策を、一時そういう次に起った、その後に起った経済情勢の変化に対処するためにとられた非常措置をだんだんに緩和して、本来の姿に戻そうという努力をする、そういう意味で了承いたしましたと、こう答えたのであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 大臣の答弁で非常に慎重な言葉を使っておりますが、その点私もわかるのですが、しかし、ともすると、大臣がまあきょうの参議院の運輸委員会で、バス料金のでこぼこについてはこれは値上げをするのだという、こういう新聞記事が出されると、これは私は、やはりあなたの真意に沿わない形になるんでね、そのあなたの言われておるのは、いわゆる日本の経済事情がそういうような状況になればですね、今言ったような交通政策の上から、これはもう是正をするのだ、こういう御趣旨に私は取れたわけです。そういたしますと、私もその点は若干わかるのですが、今の場合ですね、これは私はおそらく、いずれ近いうちに政府からも、先ほどもちょっとお話のあったように、ガソリン税等の問題がまた出てくると思うのでありますが、まあそれらのいわゆる経済政策全般を考えてみないと、これは軽々に、まあ一部の人にいわれたから、あるいは、だれにいわれたからということでこの問題を処理するわけには私は参らんことだと思う。大臣の先ほど言われたその慎重な配慮の言葉の中にそういう点を十分明確にしてもらわぬと、これはもう大へんなことになってしまう。  今でさえ業界では、もうその運賃を払うことさえ非常に困難を来たしておる人もこれはあるわけです。ところが、これはバス料金だけの問題じゃないんです。私鉄の運賃にも、国鉄の運賃にも、全部の輸送費というものが、これは経済界の中に非常に大きなウエートを占めておるわけです。ですから、そういう問題と、さらには、昨年は、とにかく自民党、社会党、緑風会ということで、確かにいろんな意見はあったけれども、ガソリン税値上げの際には、委員会では社会党と緑風会が共同で、自民党が少数否決されたけれども、本会議でこれは多数で通ったわけだ。だから、そういうことから言えば、歴史的な過程を考えれば、やっぱり、あのときでさえ政府は、いいようにいくだろうと言っておったけれども、実際には、今日の不景気というものを考えてくると、私はこの間も大臣に貿易の問題をちょっと話しましたが、むしろ、今は外貨を獲得するのにどうしてわれわれは努力しようかというのが、これはもう朝野あげての私は問題だろうと思う。それなくして日本の経済のいわゆる合理化はあり得ないんですよ。そういう中に、国内で今困っている問題を、むしろ首っつりの足を引っぱるような形のことをもし政府が、たとえちょっぴりでもやるとすれば、これは連鎖反応が出ますよ、全部に。だから、そういうことからいって、やはり時期を十分一つお考え願わないというと、きょうの運輸委員会でやったことが、新聞の報道で、これはバス料金は値上げできるんだということを言われたならば、大へんなことになってしまう。そういう点で私は非常に心配したので、大臣の御答弁をいただいたんですが、その点は間違いないでしょうね、大臣。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) この前の委員会から引き続きまして、私が、運輸省のとっておりまするあらゆる行政措置の中で、運賃問題は非常に不合理性がある。不合理性があると知りつつ今日まで、それを、まあ傍観と言うと、はなはだ語弊があるんですけれども、漫然過してきましたものは、運賃の値上げは、あなたのおっしゃる連鎖反応という言葉を私も使ったのでありますが、連鎖反応を起すということを心配いたしますがゆえに、今日まで実は遷延しておったわけであります。ただ、私がここで特にバスの問題を申し上げましたのは、私鉄の問題よりはその不合理性がバスの方がもっと多いのであります。単に、でこぼこだから不合理というのではありません。その料金のきめ方が、著しく原価を割っておる料金のきめ方になっておる、その点が不合理だと、こう申しておるのであります。でこぼこは、たまたま第二次的の現象で、本質が常業でありますから、コストを割った運賃でこれをどこまでも強要するということは、かえって大衆の福利増進を害すると、こういう観点から、バスだけはなるたけ早い機会にまあいわゆる是正をしたいと、こう考えておったのでありまして、そのことを森田委員の質問の機会に申したんで、決して、一、二の人が言ったからそれでそのようにしますと、こういう趣意ではございませんので、そこは誤解のないように願いたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、先ほど議事進行で話しましたように、私鉄の問題につきまして、この前も質疑応答がありました。このとき実は発言したかったのでありますが、時間の関係から今回に持ち越した。  ただいまのバス運賃の位上げの問題とも非常に関係するのでありますが、やはり、相澤委員の言われましたように、基本的な態度というものは見られないんじゃないかと思うんです。こういう点では、もっと明確にいろいろな点で資料もそろえて出してもらいたいと思うんです。私鉄の運賃価上げの問題、バスの運賃値上げの問題、これが、永野運輸大臣は、しばしば在職されてから私鉄の運賃値上げをいろいろな機会に公言された。しかし、これについて、とにかく閣議決定の線では当分上げない、こういうような方針だと言われておるんです。その根拠につきましては、いろいろな、公益的な事業である、それから他の放送とかその他の公益事業との関連においても今上げるのは工合悪い、それとの関連で私鉄、バス、こういうものの値上げというものは、やはりいろいろな総合影響があるからまずいというようなことをこの前の委員会では答弁されたと思う。  私は、まず、大臣のそういうような話をお聞きしていてお聞きしたいのは、巷間どうもやはり私鉄運賃の値上げ、バス運賃の値上げがされるのじゃないかということを、これは一般市民の立場からは心配しておるわけです。そうして今度おさえられたが、どうも来年の参議院選挙を控えておるので、参議院の選挙にはこういう運賃値上げをしたのじゃ工合が悪い。しかし、参議院の選挙が終ったなら、おそらく今度はもう運賃値上げを公然とやるのじゃないか、こういうことが巷間に伝えられておるのでありますが、私たちも耳にこれをします。果してそういうような態度があるのかないのか、そういうことを自民党の一体政策として考えておられるのかどうか、そういう立場から、このたびは一応ほおかぶりしていこうということが決定されたのか、あるいは、そうでないのか、こういう点についてまずお伺いしたいと思う。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 私は、国の運輸大臣でありますから、自民党の選挙対策で運輸行政の基本を動かすつもりはございません。従いまして、参議院選挙の有無にかかわらず、日本の経済が——私はこの運賃制度は不合理だと思っておるのです。これは、はっきり申し上げます。従って、適当な是正を加えなきゃならぬと思うのでありますけれども、そういう不合理と知りつつおさえておるのは、選挙の情勢なんかとは無関係に、日本の経済情勢が、先ほど言われたような連鎖反応、悪循環を起すことは避けたいというその一点で今日までおさえてきたわけであります。従いまして、今、選挙の時期とは無関係に、日本の経済情勢がもうこの程度の是正はしても差しつかえない程度に健康を回復したと思うときには、この不合理は是正したいと、こう考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますと、連鎖反応の有無ということが一番大きな理由になっておられるようですが、選挙は終ったにしても、別にこれは連鎖反応がそう急速に解消するとは私は考えられません。おそらく、この連鎖反応というのは永久的な一つの法則だと思いますので、そういう点からいくというと、選挙が終っても運賃値上げを急速に課題に上せることはないと、こういうふうに私も庶民を代表した立場から受け取っておいてようございますか。この点、非常に重要であります。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) それは、はっきり違います。選挙が場合によれば終らなくても、やるかもしれません。というのは、日本の経済状態の回復状態を、もう不合理を是正をしてもいいと判断いたしましたらするかもしれませんから、選挙が終っても値上げは認めないということをこの席で申し上げることは差し控えたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうもそういうところがいろいろ言葉のあやで、どうも政治答弁になっているわけでありますが、私はそれでは、もっと突っ込んでお伺いしなくちゃならぬと思うのですが、そうすると、私鉄運賃、バス運賃は非常に不合理だ、こういうことで、この前上げられたのは、赤字経営をやっておる、原価を割っておる、こういうような形で、しかも、国鉄のほうでは昨年一三%上げた、これとのバランスにおいて非常にバランスが破れた、そういう点から、どうしてもこれを是正しなくちゃならない、こういうことが根拠のようでありますけれども、ここで私鉄運賃の値上げというので今当面するのは、言うまでもなく、大手十三社の問題だと思う。この問題について、これは原価を割っている、経営が非常に赤字になっている、こういう点については、はっきりしたデータがあるんですか。これは運輸当局、どうなんですか、そういうデータをはっきり示してもらいたい。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 数字はございます。でありますから、ほんとうに私鉄運賃を値上げしなければならぬ、また、して差しつかえない時期に到達いたしたと判断いたしましたならば、こうこうこういう理由で私鉄の運賃の値上げをしたいと思いますというときに、その詳細な資料はお目にかけるつもりでおったのであります。先ほど申しましたように、今はまだその時期でないと、こう考えておりますから、値上げすべき理由の資料をお目にかけるのは少し、むしろ早過ぎるのじゃないか——しかし今差し上げておいてもいいのでございますよ。早過ぎるということはないかもしれませんが、その資料を差し上げないことは、今、私鉄運賃の値上げの時期にはまだ到達しないと私が判断しておると、こういうふうに御了承願いたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この問題は、昨年の夏でありましたか、問題になりまして、それでいち早くそのときは、これは当局からデータを出されたわけですね。今度はまあデータがないので、われわれ実はしろうとでありますから迷っておるわけです。それで、大臣の説明を聞きますというと、まあ赤字経営だ、そういうことなんです。で、そのときも問題になったのでありますけれども、このデータの作り方そのものについて、兼業との問題ですね、それからいろいろ問題があると思うのですが、ですから、われわれはそのデータを、できましたらもらって、これを検討することによって、一体、果してこの運賃値上げの問題の一つの根拠であるこの経営内容ですね、これを十分に考え、また、われわれは知る必要があると思うのです。それで、運賃値上げということが公然化したときこれを出すというようなお話でありましたけれども、それではやはりわれわれは、間近になって実はつんぼさじきに上げられるというような結果になる。それはかまわないのでしょう。ですから、このデータを実はわれわれ出してほしいと思うのです。  われわれもいろいろ今までタッチして参りましたが、どうもこのデータの作り方そのものについて一つ大きな問題があるのではないか。赤字経営だ、赤字経営だということを言っておりますけれども、この前、タコ配の問題が出ましたけれども、一方ではとにかく一割五分ないし一割二分のこれは配当をやっておるのですね。配当をやっておる。そうして私鉄運賃が、これは経営が赤字だ、原価を割っておるということで値上げをするということは、これは大衆の立場から考えますというと、これはどうしても納得がいかない。こういうふうな問題が経営内寄について——やはり公益事業でありますから、徹底的にやはりメスを入れるというのが、これは当然国会の立場であると思います。国会の審議は、その点について十分な科学性のある厳格な態度を基礎にして進められなければ話にならないと思いますので、これはデータをすでにお出しになっても差しつかえない問題ではないかと思うのですが、いかがですか。   —————————————

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 大臣から答弁を求める前に、皆さんにちょっとお諮りいたしたいと思うのですが、ただいまインドネシアの国会副議長並びに議員三名が衆議院の事務総長の部屋にいるわけですが、きょうは衆参両院を通じて委員会をやっているのは本委員会だけなんであります。傍聴をしたい、こういうことでございますので、ただいまからお迎えしたいと思いますが、席はこちらに案内をして、傍聴したいということですから、許可したいと思いますが、御異議ありませんか。

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 御異議ないと認めます。   —————————————

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) それでは、の質問に永野運輸大臣。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 岩間委員のお説はもっともと思いますから、われわれが持っております資料は提供いたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあ資料をいただきますと、これを十分に検討してからということになりますから、私の質問もこれは先に保留しなければならぬ面がたくさん出てくるわけでありますが、それと関連しましてお聞きしたいのでありますが、大体この運賃値上げの理由とするものを、今まで出されておるものを見ますと、これは三つあると思うのですね。一つは、大手十三社の場合ですというと、収支が償わない、これを合理化するのだ、そのためにこれは必要なんだ。それからもう一つは、輸送力の増強のためにもっと車両を確保する必要がある。この前森田委員からもこの点はずいぶん追及された。混雑緩和、これはほとんどなっていないし、また大衆の負担でなされておる。従って車両並びに車両の増強をこれはやったりして、その金の資金等にもやる。それを運賃値上げに求めるかどうかは別問題としまして、そのための値上げ。さらにもう一つ問題は、国鉄との輸送調整のために値上げをやるのだ、こういうふうな三つの場合が、今までいろいろ言われたのを総合してみますとあるように思いますが、この点でどの点をとられるのですか。この三つのうち、どれを根拠としてこの運賃値上げが必要だというふうに、大臣は今一体判断しておられるか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 大衆の便宜を考えまして、自由に、そして楽な交通ができるようにするために運賃値上げが必要であるかどうかという点に、最も重点を置いて考えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、大衆の利益ということがまず優先するのだというお話でありますが、まあ大衆の——これは交通の便宜もでありますが、ふところ工合もこれはちょっと考えていただきたいと思うのです。今の経済の情勢の中でバス運賃が上る、私鉄運賃が上る、それが先ほどの連鎖反応を起す、そういうことで生計費の上昇というやつは免れないのです。これは国鉄運賃の値上げの場合にも非常にわれわれは強調して、その立場から、この問題は軽々に扱うべきでない。しかも強行するということでありますから、われわれはこれに反対して参ったのでありますけれども、こういう点から考えますと、ことに、先ほどの、経済情勢は楽観を許さない、こういう態勢であります。まあいわゆるなべ底景気といわれている情勢からなかなか脱却し切れない情勢であります。こういう貧困の様相であります。それから失業者は非常にふえている、賃金は一向に上らない。こういう態勢の中で、ついにこの運賃の値上げをするということは、今お話の大衆の利益ということを、単に足でもって運ぶというだけでは、これは私それだけの考えでは不十分ではないかと思うのでありまして、そういう点から十分に、これはもっともっとこの点は慎重に考慮しなくちゃならないと思うのですが、そういう問題とさらに関連しまして私お聞きしたいのは、この私鉄の経営の場合に、これはむろん公共性のある企業ではありますけれども、同時にあくまでこれは資本主義のルートに乗ったところの経営だと思うのですね。その経営の場合に、とにかく投入する資金が非常に少い。従って輸送力の増強ができない。だからこれは大衆の運賃値上げによってこれをまかなう、こういう方式を、これは国鉄はとっております。  しかし国鉄のこのいき方というものは、ここでもしばしば論議されたのでありますけれども、私は正しいとは考えられないのであります。つまり商業主義の立場から考えれば、まずサービスを改善し、輸送力を増強する。これは自己資金ではっきりまかなう、あるいは借入金によってまかなう。そういう実績がはっきりできた上で、そうしてそれを今度は乗客に便宜を提供する。その結果の代償として、これは当然運賃を要求するわけであります。適正な運賃というものはそこで決定されるものだと思うのでありますが、先に大衆のふところを期待して、そのふところから取り上げる資金によって、それによって増強力をやるというのは、これは一体、資本主義の原則にかないますか。これは大臣は財界人でありますから、その点について、はっきり答弁を願いたいと思いますが、一般の事業としてそういう方式をとりますか。デパートを作るのは、そのデパートを今から設計して建てるのだからというので、とにかく、先に金を取っておいて、それでデパートを作っていくという方式はとらぬだろう。とにかく資金を投入する、借入金でも何ででもまかなう、そして豪華なデパートを建てるのだ、そして経営をその中で合理化させていくというのが、資本主義の基本的な原則だと思いますが、ただ、この原則に、はっきり現在の国鉄の経営ははずれるのであります。ところが、このはずれたのに右へならえというので、そして、そういう立場から、今度は私鉄もやらなくちゃならないというので、乗客の運賃値上げによって、そしてサービスの改善あるいは輸送力の増強を考えるというのならば、基本的にあなたの立っておられる立場からも私はまずいのじゃないかと考えるのですが、この点どうお考えになられますか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) まず設備の改善をして、大衆の利便をはかってから、その資金の回収をするために運賃の値上げをする方が順序じゃないかというような御意見のように承わったのでありますけれども、これは国鉄の問題と私鉄の問題は、共通の点もありますけれども、非常に違った点もあるのであります。国鉄の方は、内容のいかんを問わず、国家資金という背景がありますから、ある意味においては、あるいは岩間委員のお説のようなことが実行ができるということは、なかなか困難でありますけれども、考える余地が絶無とはあるいは申し上げかねますけれども、私鉄の方は、いわゆる金持けんかせずと申しますか、資金を持っておる者は危ないところへ近寄らぬのであります。従いまして、将来はよくなるかもしらぬといいましても、現在の事情が非常に悪いところには資金を立てかえてくれる人がないのであります。つまり国鉄の場合のように国家資金を当てにして、ある程度の設備をまずしてからというような手順が取り得ないのであります。ある程度の成績をあげておりますると、それに対して資金を前払いしてくれる資本家があるのでありますけれども、ごく具体的に申しますると、増資にも応ずるであろうし、あるいは社債の発行にも応じてくれるのであります。そういう資金を集めて、それを徐々に、運賃の値上げのマージンによってその増資株に対する配当もするし、それから社債に対する利払いもする、こういう手順になりませんと実際的に……。理論としてはいろいろなことが考えられるかもしれませんが、資本主義経済を肯定しております以上は、実際の運営がつかぬと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私の話し方がまずかったのかもしれませんが、少し大臣は私の話したことを正当に理解して受け取っておられないのです。私は、国鉄のやり方は、あれは変則だと思うのです。つまり今、大衆のふところをねらって、これで五カ年計画をやりますと、これで莫大な資金を当てにしまして、さらに国家の投融資が、大衆の運賃値上げによるものの三〇%あるいは四〇%というような資金を合せて、さらに、かれこれ総合して年間一千億以上の資金を使って、五カ年間に六千億の資金でもって運輸、輸送力の増強という名目を掲げてこれは始まったわけであります。このやり方については、私は正しくないのじゃないか。ことに、国鉄の場合ですと、これは戦争中に御存じのように臨軍費として、軍事政策のために、戦争政策のために莫大な三十億近くの金を巻き上げられている。ですから、国家が当然これについて補償して投資すべきだというのが私の主張であります。それをやらないでで、それの方はほとんどゼロにしておいて、そうして大衆の負担によって輸送力を増強するというやり方は、これはすでに国鉄を民営にする、そして公社を作る、こういう立場から考えて、これは原則に合わないのではないか、そういう点で批判されている。それにもかかわらず、私鉄は同じような道を歩こうとしている。つまり私の先ほど質問した、当然、資本主義の原則からいえば、とにかくちゃんと設備を作り、サービスを改善する、そういう条件を作って、そうして顧客にそれを売る、そして利潤をあげるという道をとったら明確なんでありますが、先にふところ工合を当てにして、それによって自分の設備を増強していく、あるいはサービスを改善する、こういうことでは非常にこれは本末転倒しているのではないか、私はこういうふうに申し上げたのです。ところが、今の大臣の御答弁では反対のようなふうに表現されたのでありますが、そういうことではございません。ことに国鉄と違うのです。  御承知のように、これは民間企業としての性格が非常に強いわけです。国鉄は、名前は公社でありますけれども、国家企業としての性格が非常に強いのです。ですから、私は、なおそういうような経営の法則に合致する一つの経済政策をとらなければならないのではないか、こう考えるのです。ところが、今お話しのように、なかなか危ないところには集まらない。しかし、どうなんですか、私鉄の株というのは——私、株のことはあまり詳しくありませんが、相当に値上りを示しているのじゃないですか。それから配当ですね、配当はやはり一割二分ないし一割五分の配当をこれは持続しているのですか、こういう内容についてはどういうふうにこれは御説明になるのですか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 私は、岩間委員の質問はよく理解しておるつもりであって、それにお答えしておるつもりであるわけです。従いまして、先ほども申し上げたことが、今重ねて岩間委員の御質問になったことにもそのままの答弁で差しつかえないと、私はそう理解しております。  一口に申しますと、まず設備をよくして、しかる後に運賃の値上げをするならばしたらいいじゃないかというお説なんでありますが、国鉄もそうすべきであるのを、国鉄もまず運賃を上げるというのは間違っておった、それに右へならえするのはけしからぬと、こういうようなお説のように私理解しておるのでありますが、先ほども申し上げましたように、国鉄の方は、まだ考え方によると岩間委員のお考えのようなことをやる余地があるのであります。何となれば、それは国家がうしろに控えておりますから、ところが、私鉄の方は、仕事が公共性だからといって金を出してくれる人は事実ないのであります。これは理論としては、あるいは理想としてはいろいろ考えられますけれども、株が非常にただに近いようになっておる会社に金を貸してくれる人はございません。従いまして、こうすればこの鉄道は利益を将来大いにあげるから、そのときに元金は返るのだということを幾ら説明いたしましても——現実の私鉄経営の上から申しますると、どうしてもある程度の運賃の値上げをすることによって、出した金は元利ともに返ってくるという安心感をいわゆる投資家が持ちませんと金が集まりません。従って、施設の改善ということをしたあとで運賃の値上げをして、それを返すということは、理論としては考えられますけれども、少くも今日の日本の現実でないということを申し上げておるのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、それは公共性の立場から、やはり国家の財政投融資の面で考慮するという点については、運輸大臣は全然考えておられないかどうか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 財政投融資も相当使っておるはずであります。しかし御承知の通り、財政の投融資を当てにしておる仕事は非常に多いのであります。従いまして、各私鉄が考えておりまする、つまり大衆の便宜をはかるために投下する資本の総量を財政投融資に依存するということは事実不可能だと思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると公共企業性の問題と、そして維持しなくちゃならないそういう問題と、それから今言ったように、そのように、大臣の言を借りれば、そういうような面もあって、そして現在赤字経営をやっておる、危険で資本が近寄らない、こういう形でしていると、私鉄はこれは自滅しなくちゃならないという傾向をたどっていくというふうにお考えになりますか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) お説の通りであります。このまま続いて参りましたならば、私鉄は自滅のほかはないと、私は判断しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは経営の内容について詳しく伺って、そのデータの上に立たなければここでの論議は十分できないわけでありますが、先にその点はなにしておきますが、ただ、私はここで念を押しておきたいのは、中村前運輸大臣はこの前の答弁におきましては、あくまでも自己資金によってこれはまかなうべきだ、それから借入金なり、そういうものによってまかなうべきだというような根強い態度で、この前の私鉄運賃の問題については対処しておられたわけです。しかし今のお話によりますと、永野運輸大臣の場合では、資本が近寄らないのだからしようがない、そういう危険なところに近寄らないのだから仕方がないということで、そうするというと、あくまで運賃値上げ以外に道がないのだと、こういうような一つの理論構成になっているわけでございますが、そういう点を考えますというと、先ほどから自民党内閣の政策としては一貫している、少しもそういう点は違いはない、こういうことを言ってこられたのでありますが、明らかにその資金の調達の面におきましては基本的に違っていますね、中村前運輸大臣がとってこられた立場と、今あなたの立場とは全然私は違ってきておると思う。そうすると政策のはっきりした、この面に関する私鉄の運賃の公益性を貫く、それから輸送力を増強する、サービスを改善する、こういうような問題を貫くやり方については、基本的に違っていると考えざるを得ない。私ここに速記録を持っておりますけれども、私がその点について質問したことに対して、はっきりこれはあくまで自己資金でまかなうべきだということを強硬に押されたわけですね。ところがそれについてまるであなたの場合は別の答弁をされておる。この変化はどこからきているか私らはその間の消息をつまびらかにしないのでありますが、根本的なそういうような変化がなされておるというのは、大臣がかわったから、大臣が財界人であるから、あるいはそうでないからということの違いだけ、ということには考えられないと思うのですが、どうですか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 私は、まことに恐縮ですけれども、中村前運輸大臣がどういうことを言明してどういう政策をとっておりますか、ということは詳細なことは存じておりません。従いまして、中村前運輸大臣と私との政策にどういう食い違いがあるかということをよく了承しておりません。従いまして、もしも御必要があれば、私中村前運輸大臣の政策というものをよく研究いたしまして、そうしてそれが私との間にどれだけの差があるかということは、御説明申し上げることができると思いますけれども、少くも私の了承しておる限りにおきましては、運輸省の運輸行政の根本方針は中村前運輸相のときと変っておらぬと、こう了承しておるのであります。しかし、先ほど申しますように、私は中村前運輸相がどんなことを申しておったか十分知りませんから、だから御必要があれば、十分に中村前運輸相の申し上げておりますことを検討いたしまして、それから御返事申し上げます。私の意見はここで幾らでも申し上げられますけれども、中村前運輸大臣の意見はちょっと私はここで代弁できません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう点は事務当局がやっぱり大臣にはっきり話をしておくべきです。あなたたち、二十七国会ですか、二十八ですか、継続審議の中で、何回も念を押しておる、速記録を見てごらんなさい、何回も念を押しているのです。自己資金であくまでやってもらう、これを私特に調べたのですが、しかしそれは自己資本でやってもらう、自分の会社の信用によってやってもらうことが建前であります、あるいは自己資金でやってもらうということを私は主張をしておる、というふうに何回も自己資金ということを言っているのです。そういう基本的な問題について、これは大臣が事務引き継ぎをされるときにやはり明らかにしておかないと因ると思う。それでできないような問題でしたら、これはやっぱり事務当局が明確にしておかないと……。それで權田局長はいち早くこの前は資料をぱっと出して、そうして私鉄運賃の値上げは当然やらざるを得ないというような形で、われわれはたくさん資料をいただいた。それについて、しかしわれわれは国民の利益の立場からいろいろな質問を試みた。中村前運輸大臣は、これは一つの党の政策だったと思うのですけれども、あくまでこれは私鉄運賃の値上げはやらない、そうして輸送力増強の問題については自己資金でもってやるのが建前だ、そういうことを貫いてこられたわけです。それが大臣がかわられた、しかしこれは同じ自民党の継続した内閣であります、そういう内閣において、まるで違った形において、今度は運賃値上げをするのだということを主張されている。しかしこれは閣議で一応ストップという形になっておりますけれども、しかし今のような形ですとどうもあす運賃値上げをされるかもしれない、選挙を待たないかもしれないというお話がありましたから、そういう危険性があるのでありまして、国民の利益の立場からいいますとこれはわれわれは等閑に付することはできない問題です。そういう点で明らかにこれは政策がぐらぐら変っているんです。これは政策と申しましても大きな基本的な根本的な政策から派生したものです。そうしてその一部分、運用資金をどういうふうに資金繰りをやるかという問題であります。しかし相当これは重要な政策の一つになっている。これについて明確でないわけですね。そういう点についてはもっとやはり意思統一をして今度はお答え願いたい、この次。  それからもう一つお聞きしたいのです。運賃値上げをすればやはり輸送力増強はこれはできる、こういうふうにお話しになっておるのですが、私にはこれは非常に簡単過ぎるので、二十八年の一月に国鉄運賃値上げをやりました、そのとき私鉄も右へならへをやりました。ところがそのあとでサービスを改善するのだから運賃値上げをやるんでありますと、なるほどわれわれもそう思いました。それで仕方がないので一応運賃値上げを強行されるのをこれはがまんせざるを得なかった。しかし少しもサービスは改善されていない。たとえば、まあ私はこの私鉄の中で小田急に朝晩乗っております。これは運輸大臣のこの前のお話と違います。われわれは自動車がないから乗っている。ぎゅうぎゅうすし詰めの中に乗っているのでありますから、これは体験から出た言葉であります。そのつもりでお聞きを願いたい。そうしますと、私のところはわずか二十分そこそこの所です、新宿まで来るのに。その間に急行がもう猛烈に通るわけですね。最近はとにかくサービス・カーが通ったり、あるいは急行が通ります。ですから待避線に必ず一回は入れられる。ひどいときになると二回、三回、とにかくわずか二十分の距離を走るときにこれは三回も入れられている。そうしてそれはどこに行くかというと、江の島、箱根、こういうような所に行くところのいわゆるサービス・カーですね。遠距離サービス・カーだけが横行して、そうして私鉄の短距離の、いわゆるパスや定期で動いている階級というものは非常に虐待されている、というのが現状です。少しも変らない。私はなぜ先ほどから口をきわめて申し上げましたかといいますと、監督局はそういうことの条件で、サービスを改善するのだ、輸送力を増強するのだ、そのための資金に充てるのだから運賃値上げをするのだ、ということで運賃値上げを認めて、さてそれなら私鉄がそれをちゃんと実行するかというと必ずしもそうなっていない、あとの祭です。運賃値上げの資金というものをどういうふうに運用しているかということは、なかなかこれは機密に属することでありまして、決して監督局に報告されたその報告だけで、その実態はその通りになっていない。これは天下周知のことです。そうすると運賃値上げによってサービスが必ずしも実現されない。なるほど一部はやるかもしれない、しかしこれは全く見せかけのものです。実質的には全然後退しておって、もっともっと悪くなっておるということが現状であります。今度の国鉄の値上げもそうです。これは輸送力の増強だ、ことに近距離通勤輸送は緩和するのだ、ということを当時かねや太鼓でこの委員会で權田局長は説明したはずであります。今日の非常にラッシュのときの大体三百パーセント、二百パーセントぐらいにするのだというお話でありましたけれども、やはり依然としてこれはほとんど変らないわけであります。そうすると輸送力の緩和、サービスの改善のための運賃値上げ、これは全く羊頭狗肉になってしまっております。ここにやはり根本的に問題があるので、何回もだまされた国民というものは、なかなかこれは了承できない。こういう実態を一体運輸大臣御存じかどうか。これは高級車でお歩きになっておっては、残念ながら体感としておつかみになることはできないと思うのですが、われわれは大衆的な立場をとっておりますので、車もないから乗れないのでありますが、そういう立場をとっておればそういうふうに言えない。サービスはやはり少しも上らないのです。こういう点はどうごらんになりますか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) これは程度の問題だと思うのであります。計画通りに全部実施ができるということをお約束している場合ですと、そうしてこの程度の運賃のたとえば値上げをしてこの程度の資金ができると、こういう計画ができるといいますときに、それがある程度削減されますとその削減されただけは、御満足がちょっと不足するという点は多々あると思います。今の岩間委員の御主張のように、サービスをよくするといいながら一つもサービスの改善ができていないというのは、いかがかと思うのであります。もしも二十八年の運賃のある程度の値上げがなかったならば、今二台お待ちにならなければ乗れないのを、五台も八台も待たなければ乗れないような設備で、そういうことで御満足を願わなければならぬようなことになっておったかもしれません。従いましてせめてものこの程度の混雑で済むのはあのときの値上げがあったからだ、というふうに御了承願いたいと思うのであります。要するに、東京という都市の膨張率が、われわれが考えておるよりはむしろ非常な早いスピードで伸びるものでありますから、それに応ずるだけの施設をいたしますためには、一ぺんにはどうしても追っつきませんので、たって値上げをお認め願ったのが十分でなくて、もう都市の人口のふえ方の方がそれをこしたような結果になっておるのであります。従って、今度重ねてその値上げの申請を認めていただかなければならぬような状態になっておるのであります。まあこんな数字を申し上げるまでもないのでありますけれども、二十九年は計画は二百七十七に対して実施しましたのは二百四でありますから実施率は七四%であります。三十年は九四%、三十一年は非常に率がよろしゅうございまして計画と実施とでむしろ実施の方が上回って一〇三%、三十二年が八二%ということになっております。従いまして計画通り百パーセントいっていないことは数字がはっきり示しております。それは資金の不十分、不足ということであります。その不足しておりました部分の穴を埋めますために、ここでぜひ値上げをさよう認めてやらなければならぬというような状態になった、こういう次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 やはり公約なんです。この公約がいつでも実現されないで実に何パーセントかの非常に下回ったもので終ってしまうというようなところに、これは今のごまかしがあるわけです。そういうことでは監督局の任務というものは、何のために監督局があるかわからないというようなことになってしまうのではないか。むしろ、だから私ははっきりそのような条件を作ったらそれを認可する、それを計算をしてそれに適応した適正な運賃がきめられる、そういう問題について資金の問題が出てくれば、どうしてもやはり公共企業性の立場から考えて、やはり国家資金の援助という点については、これは政策ですから十分にこれでやはり政治的な手を打たれるということが、私は当然じゃないかと思う。ところが今のままですと全くこれは放任なんです。自由競争のそれだけに放任しておくから公益性というものはなかなか守れない、というのが当然出てくる、今の何でやっていれば。たとえば東京の話がありましたけれども、東京の人口増加なんというものは、これは今までの傾向をずっとつかんでおいて、もっと科学的な統計の上に立ってがっちりやればその人口増加も出てくるわけです。これに対して輸送の政策というものも、これはやはりはっきり出されてこなければならない。ところがいつでもどろなわ式です。現在の制度は科学性がないのです。科学性がなくて行き当りばったり、バスの運賃の値上げの問題、私鉄の運賃の値上げの問題も、ケース・バイ・ケースということを大臣は言っておりますが、ケース・バイ・ケースではどこに一体総合的な政策があるのか。相澤議員がそういうことを説明された問題と全く同じです。そういう点について私はどうも、単に商業採算にだけ乗せておる、そういう形ではやはり公共企業性の性格の非常に大きな運輸行政の問題が解決つかぬのではないか。こういう点についてこの際、財界人の立場である運輸大臣は、その点からだけこの問題を判断されるということになると、非常にやはりいろいろな面において、ことに、公共性を貫く、そうしてほんとうに大衆の利益を守る、そういうことは口では言っておられますが、今のようなつまり計画性のない、そして商業採算の面だけに乗せてものを考えるということ。国家の財政的な援助の問題についてこれを大いに努力する、あるいはまた現在の企業内部のもっと合理的な、そうして、この内容についてももっと立ち入って公開というか、相当な部分公開してそうして公益の面から明確にする、そういうような態勢をとるのでなければこれは大へんなことになるのじゃないか。とにかく損をした損をしたと言いながらどんどん私鉄は発展しております、御承知の通りでしょう。しかもこれは独占資本という一つの怪物になっていろいろな兼営をやって、あたりの土地をのみわれわれの演説をする広場さえこれは取られてしまっております。現に御存じでしょう、私が言わなくても。総合してもうけているというのが私的独占資本の状態なんです、赤字経営、赤字経営といいながら。われわれは信用できないというのは、そのためのデータがほしいというのはそのことのためです。もっとくさびをほんとうに打ち込んで、公開的な立場からこれらの内容が検討されているか。そういうデータなしにそうして作られたような、ためにするようなデータだけではこの問題は解決がつかぬ。ですから私は、ことに財界人の、経験の豊富な永野運輸大臣に対しまして、同時に公益性を貫くという両面からの総合的な判断によって、そうして今の財政投融資の問題も、これは当然公共企業としての立場から必要だということになるならば、これについても努力されるのが当然だと思う。大衆負担によってこれをまかなうというようなやり方でやっておっては、これは大へんなことになると思いますが、この点についてあらためて御意見を伺いたいと思います。   —————————————

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 答弁する前に、ただいま、インドネシア国会副議長ザイナル・アビゲイン・アフマット君ほか国会議員三名の方が傍聴にお見えになっておりますことを御報告申し上げます。   —————————————

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 岩間委員の御質問にお答えいたします。その中で公共性の多い私鉄には国家資金をもっと投入すべきであるというお説でありますが、これは議論としてはそういう説もあると思います。公共性の多いものはみんな国有にしたらいいじゃないかという議論が、一番これは割り切った議論になると思うのであります。しかし今日のように、とにかく少くも私ども保守党として、私営の私の企業という形態を企業の本体といたしておりますときには、国家資金を投入すべき仕事をどれにきめるかということは、非常に大きな問題であるのでありまして、今では国家のために必要な企業のうちで資金調達のむずかしいもの、つまり、自己の努力によっては資力の集まらないものに、その国家資金をまず投入するという建前にいたしませんと、資金が有限でありますので、無限の要求に対してきわめて限られた資金を配分する、という今基本の方針をとっておりまするから、今日ただいま岩間委員の言われた説、すなわち公共企業の仕事には国家資金をもっとどんどん投入すべきではないかというお説は、お説としてはりっぱに成り立つ意見ではありますけれども、これはイデオロギーと申しまするか、私どものイデオロギーでは、やはり私企業、私の企業であるということを根本としておりまするので、それに対して直ちに要るだけの資金は、みんな国家が出してやったらいいじゃないかというお説には、現実の問題としては、ちょっと御賛成申し上げかねるのであります。できるだけ自分の力で集めまして、そうしていよいよ足らなくなった場合に、この私鉄の運営が、動きがとれなくなりましたようなときに、あらためて考え直す問題であります。少くも当分の間は、今のような運営を続けていく以外に方法はない、こう考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあ伝統もあり、それから今の資本主義経済の中で、われわれは、いきなりそれを社会主義的な経営の方法をとれなどということを申し上げておるのではないんです。少くとも公共企業——大衆の利益につながるものであります。  こういう問題を、単にこれは自由主義経済の野放しというようなことで、今のように資金も集まらない、そういうことで、そのしわを全部、これは通貨値上げというような格好に追い込まれる。しかもその経営の内容がどういうことになるかというと、果して、これは公開されているかというと、公開されていない。相当含み資産もあるだろうと思う。社内留保もずいぶんあるだろうと思う。その証拠には、相当高率な配当をやっておるんです、御承知のように。そういうことでは、やはり大衆の利益と、それから、そういうような独占企業の利益というものは矛盾してくるのです。しかも、そこには公益性という問題があるわけですから、そういう点から当然政府の政策というものは、現態勢の中でも、その点を明確にするというのが、私は少くも運輸行政の、しかも当面の私鉄運賃、あるいはバス運賃の値上げの問題については、当然そういう立場から、この問題を検討しなければならぬ。  こういうことを申し上げておるのでありまして、この前、行われましたように、何か、当委員会がまるで運賃値上げを認めておるような、そうして、われわれが激励でもしておるようなことを、あなたは質問に対して、それに答弁をされておりました。私はここで、異議ありという大きい声を出したのであります。決してこれは、当委員会の全体の意見ではなかったわけであります。今までずいぶんこの問題は、国鉄の運賃値上げ以来、ずいぶん論議されてきた問題であります。この点、十分反映して再考慮願いたい。中村前運輸相との食い違いは、十分速記録を調べられまして、しかも統一的なはっきりした見解を表明され、私は、この次に——あまり長くやっておりますと差しさわりがありますから、これで一応終りますけれども——はっきりした立場からデータを出していただく。それから今の基本的な政策としてはどうか。それから資金の計画について、これは中村運輸相との食い違いをどうするか。  こういうような点について、この次御答弁いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) よくわかりました。  一番大きい問題は、いかにすべきかという御議論の前に、いかにあるかということに関する数字が出ておりませんから、ここで議論するのも、のれんに腕押しになりますから、資料を提供いたしましてから、はっきりと申し上げます。

市川房枝第十七控室

○市川房枝君 バス、私鉄の値上げについて、簡単に運輸大臣にお願いを申し上げたいと思います。  私、一般のバス、私鉄の利用者の立場から申し上げてみたいと思いますが、先ほどからもお話が出ておりますように、中村前運輸大臣のときには、一度上げそうになって、それでこの委員会でだいぶ論議をして、その後、これは政府の方針として上げないということになって、ずっと今日まできたのですが、永野運輸大臣が御就任になりましてから、地方などで、バス、私鉄運賃は値上げをしなきゃならないというようにとれる御発言をなすったので、一般の人たちが、実はびくびくして心配をしておるといいますか、いつ、バスや運賃が上るのだ、こういう心配をしております。  それで先ほどからお話がありますように、国鉄が昨年値上げになった。それと比較して、ここにも数字がありますけれども、私鉄の方がずっと安くなっておる。経営が赤字になっておるのだ、だからそれを値上げするということは非常に合理的である、当然なことなのであるという考え方、一応もっともだと思うのですが、この考え方は、むしろ、まあ企業の側からの考え方でありまして、運輸大臣は、そちらの方にずっと御関係になっておりますので、企業者の立場から、そういうお考えがすぐ出て参るのは無理もないと思います。しかし一般の国民の側から言えば、私は、国鉄の運賃の値上げのときにも、私ども反対したんですよ。しかし上っちゃって、ずいぶんそれで負担が増してきている。ところがさらにバス並びに私鉄が値上げになりますというと、相当の負担の増しになり、ことに私は東京に住んでいる人たちなんかは、私鉄、私バスの利用者の方が多いといいますか、そうして従来、その私鉄の方が高かった。サービスも悪かった。ところが今度値上げになると、一体どのくらいの値上げになるのか、一体どうなるかということは、非常にみんな心配をしているわけです。それで、赤字ということも、先ほどからお話がありますが、一般の大衆は、私鉄赤字といっても、ちょっとみんな了承しないと思うんです。で、それは今の兼業のデパート、その他土地、いろいろなことをやっていて、ずいぶん繁盛しているといいますか、それこそ、配当も相当あるのだし、だから赤字ということも、一般の民衆には私は、もっとはっきりと徹底をしてほしい。なるほど上るのも無理がないといいますか、そういうふうなことにしていただかないといけないんじゃないかという感じがするわけでございます。  まあ、いつ値上げになりますか、先ほどからのお話を伺ってみますと、やはり上りそうなんです。まあ、選挙前でも上るなんて、実は心配なんでございますが、その点一つ、大衆の立場に立って考えていただきたいということと、それからもう一つ、今、岩間さんからお話がありましたけれども、サービスが、どうもよくないというか、今のように私鉄の方が安ければ、お客はやはり私鉄へ相当いっているんじゃないか、そうすれば、安くたって私鉄はやはり相当もうかっているんじゃないかという、これは常識的な考え方なんでございますが、まあ、サービスをなかなか私鉄はしないから……、幾らかよくなったかもしれませんが、どうもしかし、その点は国鉄に比べて、私鉄はサービスが悪いんです。将来だってサービスをよくしてくれるかどうか、その保証がなかなかないんです。ですから、そういう点なんかを一つ、十分運輸省の方で監督といいますか、していただきたいし、この値上げの問題を十分一つ、そういうような立場からお考えをいただきたい。  私どもは、ほんとうは値上げする必要はないんじゃないか、十分もうかっているんだ、こういうふうに考えておりますが、そのことだけ申し上げておきます。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 市川委員の御質問に対しましては、先ほどから申しておりますように、数字をまだお目にかけておりません。従いまして、いかにあるかということに関する認識が一致しないままに、いかにあるかという対策の議論になるのでありますから、そこに、根本に食い違いがあるわけでございます。従いまして、賃金の値上げの問題が皆様に御協議を願う時期に立ちましたら、まずそれをお配りして十分なる御了解を願ってから御相談したいと、こう思ったのでございますけれども、まあ、何も迫ってからでなくともいいのでありますから、なるたけ早い機会に、その資料を出しまして、そうして、なるほど、これならば値上げ無理もないと皆様方の御了解を願ってから、するものならすると、こういう態度をとりたいと思います。  ここで一つ、御了解を得ておかなければならぬことは、私が賃金の値上げを今にもするかのごときことは、これは非常に誤解でありまして、私が運輸省に入りまして、いろいろ運輸省全般の行政をみましたときに、不合理なことがたくさんある。その中で、運賃制度は非常に不合理だと私は考えております。いいことをするより前に、まず不合理を直していきたいと言ったんであります。  地方に出ましたときに、新聞記者諸君に対して不合理なことを直したいと申しました。その私の言うことを、新聞記者は決してうそを書いておらないのであります。永野運輸大臣が、不合理なことがたくさんある……、ところが、不合理なことは、偶然起ったんじゃなくって、先ほどから申します通り、経済界の急変に対する臨時処置としてドラスティックなことをやったのであるが、おいおいと財界も安定してきたから、これからはそのドラスティックな政策を続行する意義がだんだん薄くなったように思うと、それは確か夏ごろのことであったでありましょう。秋くらいまでは、やや正常な経済になると思うと、こういうことを申したのであります。記事にはその通り書いてあるのであります。  ところが、新聞記者諸君の意見といたしまして、そこに解説というのが加わっておるのであります。これがちゃんと解説と書いてあるので、私が言ったとは書いてないのだから、私は抗議の申しようがないのでありますが、その解説という中に、運輸大臣が不合理なことを是正するという中の一番おもなものは、運賃問題だろうと思う。従って、その秋ごろから是正すると言うから、それは、運賃の是正といいますか、値上げといいますか、それになるであろうという記事が書いてあるのでありますから、この新聞記事に対して、私は何とも理屈の言いようがないのであります。ところが、悪いのは見出しなんであります。今秋より運賃価上げかと、こう書いてあるのであります。それは私がそう言ったとは決して書いてない。解説の中に、その新聞記者の観測が書いてあるのであります。ところがそれが閣議でも——私、旅行中であったのでありますが、その大きな見出しには、今秋より運賃値上げかと書いてあって、その見出しだけ見た方が大部分でありますから、内容を詳しく読んでもらえば、その記者の観測記事であるのでありますけれども、私が言ったかのごとき印象をたくさんの人に与えたのであります。従いまして永野すなわち運賃値上げ論者だということになっておるのでありますけれども、先ほど申しますように、私は値上げはすべきだと思っておるのですから、そう思われてもけんかにならぬのであります。ただ時期が、この今秋から運賃の値上げをしようというふうなことを決して口外したわけではございません。  それからもう一つ申し上げておきたいことは、私がまあ、ビジネスの経験がありますので、そういう企業者の立場から、ものを考えるのであるから、その大衆の立場からものを考えることは、どうも不十分じゃあるまいかというような御質問があったのでありますけれども、私は決して、少くもただいまは、企業者でもありませんし、そういうふうなことは寸亳も含んでおりません。ということよりは、この運賃の問題でも、目先のところは、きょう一日は、値上げしない方がいいにきまっております。けれども、そういう目先で、これを放任しておきますと、結局ひどい大衆の不便を招来する時期が必ずある。  とにかく今は混んでも乗れます。ところが、もうこのまま放っておきますと、混むも混まないもない。電車が動かないようになるのが、あまりにはっきりしておるのであります。率直に申しますと、日金が入りますから、その日その日は、たとえ低運賃でもやっていけるのでありますけれども、それは当然しなければならぬ償却を食っておるのであります。従いまして償却年限に達しましたときには、次の補給ができませんから、ぱたっと全部いけなくなる。そうすると大衆に対して、非常な不便をかけるから、そういうことが現実に起らない前に、あらかじめそれに対する対策を私どもは、まあ監督者の立場といたしましてしなければならぬというのが、この際に運賃のある程度値上げの合理性を認めておりますわけでありまして、大衆のために、それが利益だと思う観点から申し上げておるのでありまして、決して企業者の立場から申し上げておりませんことだけは、はっきり申し上げておきます。

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 本件に関する質疑は、一応終ったものと認めます。   —————————————

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 次に、第二十二号台風による被害に関する件を議題といたします。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私の手元に、この第二十二号台風、九月二十六日、日本国有鉄道の被害状況というものが鉄管局から出されておるわけであります。  私、運輸大臣に、この国鉄の関係と私鉄の関係が出されておるわけですが、運輸省としては、船舶関係もあったと思うのですが、船舶関係についてはどうなっておるのか。まあその資料がそろっておるのか、あるいはまだそろっておらないのか。それからこれはまあ二十二号台風ではなかったけれども、この間運輸大臣も大へん心痛されておって、また参議院の運輸委員会、あるいは決算委員会でも問題になっておった全日本空輸のなにか飛行機の問題が、また新聞に出ておったのですが、そういったことも、あれは台風でもって、飛行場の滑走路の問題かなにかがあったのかどうかですね。そういうことも、実はあわせて知りたいわけなんです。  それでまあ、そういうことを一応お尋ねをしてから、あとについて、一つ一つお尋ねをしたいと思うのですが、最初に船舶関係、あるいは空輸関係については、どんなふうな状態であるのか、御説明を願いたい。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 船舶の関係は、海上保安庁の関係になると思うのです。しかし、ひとしく運輸省の所管でありますから、二十二号の台風による運輸省関係の被害という中には、それも提出しなければならないわけでありますが、きょうは実は、鉄管局所管だけであったものですから——海上保安庁の方がおられますか、それじゃ、保安庁の方から御答弁申し上げます。  それから片方の全日空の問題は、台風の被害とは関係ないと、こう私は存じております。  しかし実は、こまかい事務のことは、私、存じないことがありますから、いずれ航空局の事務当局を呼びまして、航空関係の二十二号台風による被害のことは報告いたさせます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうしますと、船舶関係については、資料を持ってきておるならば、配付していただきたい。  それから航空関係については、実は私も、まあ運輸大臣のおっしゃるようなことだと思うのですが、聞くと、なにか着陸の際に、うまくいかなかったいうような、ちょっと新聞記事も出ておるようでありますが、あるいは台風関係、あるいはそういうことで、滑走路でも悪くなっておれば、そういうことも考えられるわけです。飛行場の整備ということも、これは非常に大事なことですから、そういう面から関係があったのか、なかったのか、純然たる操縦士の事故であるのかですね、まあそういう点についても、やはりこれは、もう議論がだいぶされ尽しておる問題でありますから、一つ運輸省の所管事項として、私は御報告をいただきたいと、こう思うのです。  それでは、その資料の点はいかがでしょうか、今船舶……。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) きょうは、一部しかないそうですが……。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 資料がなければ、それでは、あとでまた資料を配付していただくことにしまして、それでは運輸大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、これによると、国鉄関係が二十五億五千四百万円ですか、それに、私鉄が二億一千七百八十一万一千円ということになっておりますが、総体的に運輸省の所管としては、二十二号台風で、どのくらいの総額になりましたか、今言った航空関係あるいは船舶関係を含んで。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 一番大きいのは、港湾関係が多いのであります。その港湾関係と、それから今の、鉄道、船舶全部を合計いたしました資料を、ここに持ち合わせませんから、この次のときに、全部詳細を、二十二号台風による被害総額を計算いたしまして、その内訳もつけまして提出いたします。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それでは、そういうことで次回、総体的な一つ被害額を御提出いただき、また御説明いただきたいと思うのでありますが、特にこの国鉄の場合を見ますと、全国的に三十八線区、二百五区間が不通区間ができ、そうしてまた先ほど申し上げたように、二十五億五千四百万円も損害金額が見込まれるというようになっているのでありまして、さらにその上に、災害に伴う収入減が十二億ですか、考えられるということになると、非常に莫大なものになると思うのです。  そこで、今日までの上半期における国鉄の収入と、あるいは収支の状況等から考えて、これだけの大きな災害並びにそれに伴うところの減収というものを、どういうふうに処理するのか、この基本的態度を先に一つお尋ねをいたしたいと思います。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○政府委員(權田良彦君) ちょっと数字になりますので、私から前に御説明申し上げますが、今、先生の御指摘の通りに、今回の二十二号台風で、国鉄関係として、ここに書いてありますような損害がございます。御案内のように、ただいま施行しております予算、御協賛を受けて実施に入っております予算で、予備費が五十億ございます。ただいままでに予備費でわかっておりますのは、大体石炭費その他で、これは概数でごかんべん願いますが、十億ぐらいは、どうしても予備費から回さないとやれないのじゃないか。それから御案内の通りに、退職手当の問題がございまして、退職者に対する給与としても、これは年度末にならないとわかりませんが、まあ私ども概数でやはり十億ぐらいそちらに、これは予備費の性質上使わざるを得ないのじゃないか。そうすると、予備費としては、大体概算三十億ぐらいの余裕を今、持っておるのであります。従いまして、今次起りました災害につきましては、これは十一号台風以来、御案内の十七、二十一、二十二号ときまして、二十二号が一番大きいのでございます。これはもう、けた違いに大きな、こういう二十五億、工事経費としては十七億でございますが、こういうような被害を受けておりますので、で、私どもは、いろいろ試算をいたしておりますが、災害だけでも、ある程度の予備費の不足はきたすかとも思っております。しかし同時に、一番今、苦慮いたして、検討いたしておりますのは、今年の予算の執行上御指摘のございました上半期の収入減が、相当ございます。七、八十億、これも概数でございますけれども、そうなっているかと思います。  そういたしますと、これは収入でございますので、今後の見通しいかんによりますが、幸い秋冬繁忙期へ入りまして、やや持ち直している。これがまあこの年末、さらに繁忙期の年度末にどうなるか、できるだけの努力で、この収入減を押さえていくように、今、国鉄としては一生懸命やっているわけでございますが、これらとからみまして、御案内のような特別会計になっておりますものですから、収入と支出の見通し、この支出も、また他の物件費、人件費に、まだ今後数々の起る問題が、すでに予測せられます。それから今後工事費へ、収入支出の関係が、自己資金の関係で、直ちに響いて参るので、まあ外部資金は、幸い予定通り入れておりまするけれども、そういった自己資金の姿が、どう変って参るか、これによっては、あるいはいろいろな措置を私どもとしても検討しなければならないというので、実は国鉄に今、その数字を検討してもらっております。  従いまして、もうしばらく時がたって、ある程度年度末の見通しもつき、今、私が申し上げているような点の見通しがつきますると、ここに何らかの予算的措置を講じなければならなくなるのではないか、こういう見通しがございますので、そういった見通しのもとに、この作業を進めておりまするので、それによっては、そういった措置の検討をしたい。  くどくど申し上げましたが、目下そういう点について、慎重に、数字的に検討中でございますので、御報告申し上げておきます。

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) ちょっと速記をとめて。

柴谷要日本社会党

○理事(柴谷要君) 速記をつけて。  他に御発言もないようですから、この程度にとどめ、本日は、これにて散会いたします。    午後三時四十七分散会

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