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30回国会衆議院1958/10/28

文教委員会 第7号

発言数
114
登壇者
10
会派数
2
開催日
1958/10/28

会議録

坂田道太自由民主党

○坂田委員長 これより会議を開きます。  まず、学校教育法等の一部を改正する法律案、及び学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案を一括議題とし、審査を進めます。  質疑の通告があります。順次これを許します。櫻井奎夫君。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 私は、本日は、この専科大学の法律案の審議に入る前にちょっと緒方大学学術局長が来ておられるようですから、大学の問題について少しお尋ねをいたしたいのであります。  それは、実は、局長もお聞き及びかと思いますが、山口大学の工学部に起きておる職員の処分問題についてでございます。このことは山口大学の方から何か通知がございましたか。(「個々の問題はこの委員会では扱わないのじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、これは非常に重大な問題であるし、大学問題との関連ですから……。  山口大学の工学部において、職員の処分の問題が起きております。まだ通知に接しておりませんか。見ておられませんか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 私はまだ詳しく聞いておりません。どういう内容かよくわかりませんけれども、人事の問題でございますから、人事課であるいは聞いておるかと思います。私は詳しく承知しておりません。     〔「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり〕

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 これは大学の問題ですから、関連として聞くのに何も差しつかえはないのです。法案の審査です。これはやはり専大の問題にからんできます。  それでは大体の経過を申し上げますが、今人事院の方からも見えるようでありますから、人事院の見解もただしたいと思います。この問題は、山口大学の工学部教授の加賀美という人がおられます。その人の責任問題につきまして、この山口大学の教職員組合と大学当局と三年間にわたって交渉が持たれておったわけでありますが、当時学長であった松山基範という学長が途中で急逝されたために、この交渉が頓挫しておったわけであります。それで再度、新しい学長の田中晃という方に組合の方が善処方を要望してきたのであります。たまたまこの組合側の申し入れによりまして、山口大学の工学部長は、三月の二十二日の夜の五時から交渉に応ずることを通告して参りましたので、組合と交渉が始まった。それが午後の八時くらいであったそうであります。そうして非常に内容が重大であったために、徹夜の交渉に入りまして、翌二十三日の朝に交渉が及んだ、こういうことであります。ところが、たまたまその翌日の二十三日は山口大学の入学試験が行われることになっておって、組合側の交渉委員の中にも試験監督者としてその入学試験に出なければならない人があったために、補導課と連絡して、学部長の了解のもとに交代者を指名をしまして、入学試験の行半は順調に終了したのであります。ところがこのことを知ったところの学長は、この問題を契機として、当日交渉に当ったところの組合委員の処分を考えまして、四月以降、昇給該当者である人を昇給をさしていない。事件が調査中である、従ってそれまで昇給させることはできないというようなことで、十月昇給者を含め七名の昇給停止者を出していて、今まで昇給をさしていない。続いてこの十月二十三日、この交渉に当った関係者十二名のうち事務職員を除いて助手二名、助教授四名、計六名の行政処分を行なっておる。また今回処分されなかった事務職員も、これは近日中に処分されるであろうということが考えられておるのであります。  それで、この処分された人は、山口大学職組の工学部の分会長である谷岡源二郎という人、それから同じく工学部の川上暢夫、藤井雄二郎、山岡義人、この方々は助教授でありまして、減俸五分の一、ニカ月の処分であります。それから組合の書記長である吉野隆、この人も同じように減俸五分の一、ニカ月の処分を発表されました。なお当時の山口大学の執行委員長であり、工学部の助手をしておられる新井敏正、この人は停職一カ月に処分されておる。そうして、こういうふうに一方的に処分をしておいて、当時この団体交渉の最高責任者であったところの樋口工学部長に対しては、何らの処分がなされていない、こういうことがこの問題の概要であります。そこで、この処分を発表されておるのです。新聞の報道するところによりますと、二十日に評議員会で決定をしまして、今月の二十三日に処分審査説明書を交付した、こういうことになっておる。しかも先ほど申しましたように、すでに四月、十月に当然定期昇給しなければならない人を今まで昇給をストップしておいた。このことはもうすでに処分が行われておった、こういうことになるわけです。四月、十月に当然昇給する人が昇給していないわけですから……。評議員会で決定したのは二十日、それから本人に通告したのは二十三日、こういうことになっております。これは非常に重要な問題を含んでおります。と申しますのは、まずこういう公務員の処分でありますから、この処分をなすに当っては、当然法的な手続を経なければならない。これは教育公務員特例法の定めるところによって、その手続に従ってこの処分がなされなければならないのであります。ところが何らその処置がなされていない、ここに非常に問題があるわけです。局長さんはまだ十分に事情を聞いておられないようでございますので、あなたとここでこの法の解釈をめぐっていろいろ議論をするわけにも参りませんが、まずそういう処分をやる場合は——その二十二日の入学試験の前の日に開かれた団体交渉というのは、組合側から押しかけていってやったのではなくて、工学部長が指定した日なんです。その日に交渉をやろうと工学部長みずからが指定した日に団体交渉を行なった。それがたまたま問題が非常に重大であるということで翌朝まで延びた。翌日入学試験がある。その入学試験に交渉に当った人が出られなかった。そのために工学部長は試験に支障のないような手続をとってある。これは大学側も認めておる。その場合に、交渉の日は、すでに向うの理事者側の承認した日に団体交渉をやっておる。それから処分をする場合に、果してその入学試験に影響があったかどうか、こういう事実の審査がなされて、入学試験にほんとうに影響を与えた、こういう事実が明らかになった場合は、この当該者に対しての処分というものが考えられなければならない。この入学試験に果して事実上の影響を与えたかどうかということの認定もなされずに、ただ入学試験に出るようになっておる人間が出なかったために、こういう一方的な、一種の処分をする、こういうことは全く法令を無視したやり方であって、やはり大学の行政の面に非常に影響すると思うのでありますが、このことは局長はどういうふうにお考えですか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 私、先ほど突然のお話でございまして、どういうことをさしておっしゃっておるかよくわからなかったものですから、まだ聞いてないということを申し上げましたが、だんだん御説明を聞きまして、私もそのことは聞いております。ただその現実に処分の申し渡しをしたということにつきましては、実はうかつでございまして、はっきりしなかったわけでございます。ただ、今お尋ねの点でございますが、私もそのときの事情の詳しい資料をここに持ちませんので、今の具体的の御指摘につきまして具体的にお答えはできないわけでございますが、しかしお話の通り、特に教官の懲戒処分につきましては、教育公務員特例法に特別な規定がありまして、その手続を経なければできないことはおっしゃる通りであります。今度処分をいたしましたとすれば、当然その手続を踏んでおる、かように考えます。ただその事務職員につきましては、これは任命者である文部大臣が直接に処分をいたします。そのことにつきましては大学から報告がありまして、これは担当は官房人事課でございますけれども、おそらくは所定の手続をとって処分をいたしたろうと私は考えます。  それから今の処分の対象になった行為でございますが、これは私ここへ具体的な資料を持ちませんので、正確には申し上げかねますけれども、私が従来説明を聞いておりましたところでは、問題がありまして、それをいろいろ学部当局と組合とで打ち合せをした。それが今お話のございましたように午後五時から始まって徹宵して翌朝に及んだ、そうして翌日が試験の日でございまして、その人たちは、事務職員そのほか試験の実施についてそれぞれ担当の業務を持っておる。それをやらないでやった。そういう試験に支障を与えたということが事実あるように私は聞いております。大学当局で交代要員等を用意して、試験そのものはあるいはさほどの支障がなく行われたかもしれませんけれども、そういうことをやらなければならなかったということは、私は職員の紀律を無視した行為であろうと存じます。それに対しまして大学が所定の手続をとって、それで処分をしたということは、これはやはり大学の自治に基く行為でございまして、適当であると考えます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 だいぶ緒方さんの方も聞いておられるようで、私はこれは全然あなたには初耳かと思っておった事件です。内容は相当あなたの頭に入っておる。そこで問題は、この試験に影響があったかないかということです。入学試験に影響がなかった、事務に影響がなかったということは、大学の学長も、この十月二十二日にこちらから弁護士が行ったときに、その実情をはっきり明言しておられる。試験の業務については交代員を——これは工学部長が了承して学部長は何しろ朝まで交渉をやっておるのですから、この人たちが交渉をやっておる限りは試験ができない。だから試験の業務が混乱を起しては大へんだということで、学部長も了承して、補導員というのですか、こういう部員を配置して、影響がなかったということは学長も認めておられる。だからもし試験に影響があったというようなことになれば、当然やはりそれを認めた学部長、その人の責任も問われなければならないので、一方的に、交渉しておった組合の方だけを処分して、学部長には何ら処置がないということは非常に片手落ちの感がするのであります。そこのところが非常に問題点になる。その点はどうでしょうか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 現実に支障があったかなかったかということは、私も正確にわかりません。しかし今のお話では、私は学部長がそう申したということであればそうかもわかりません。しかし支障がないようにするためには、あらかじめその業務の割当を受けておった職員がそれをやらなかったのでありますから、それは事実でありますから、何か非常な措置を講じなければならなかったのであろうと思います。それは学部当局としてそういう非常な措置を講じて、入学試験を支障なく行うということは、これは大学としては配慮してやるべきことであります。これは大事な入学試験でございますから、そういうことのないように努めたものと思います。そういうことをしなきゃならなかったということは、やはり職員の職務遂行上の規律、義務に違反した、こういうことになると思います。学部長に対して処分がなかったというお話でありますが、これらの点は大学の問題でございまして、大学の管理機関が行うことになっております。おそらく先ほども御指摘がございました助教授等に対しまする、教官に対しまする処分は大学の管理機関がそれぞれ手続を経て行ったものと思います。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 今の局長の回答ではどうも釈然としない。学部長と組合と交渉する権利があるということはお認めになるでしょう、組合との団体交渉権というものは法律に規定されておるわけです。この場合組合の方から一方的に押しかけて行っての交渉ではないわけです。学部長の指定した二十三日の日に交渉をやっておる。向うのいわゆる理事者、甲側が指定した日に組合側との交渉が持たれておる。その交渉がたまたま問題の重要性ということで長くなって、そして入学試験にあなたがおっしゃるように影響があったとするならば、これは一方的に交渉が持たれたのじゃないのですから学部長そのもの、学部長そのものの責任というものも当然半々なものだと思うのです。交渉の乙側だけに処分があって、甲側の方何らなく、乙側が一方的に混乱を起したというような考え方は当らないと思うのですが、この点はどうです。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 今の交渉が予定された時間に始まったということは先ほどお話し申し上げた通りであります。ただしかし、翌日入学試験を控えまして、その時間に及ぶような事態になったということは、私、事情をつまびらかに、ここに資料を持ちませんのでわかりませんけれども、常識的に考えまして翌日入学試験を控えておるとすれば、それに支障のないような時間に当然学部局としてもやめる予定があったと思います。支障があったということは、そもそも私は非常な事態だと考えます。そこで、今の最後のお尋ねの両方に落度があるじゃないかというお話でありますが、その処分につきましては、繰り返して申し上げますように、大学当局の管理機関がこれを行うことになっております。先ほどの組合側の助教授に対し処分があったというお話でございますが、これも大学の管理機関がその手続を経て行なったものだと思います。その判断はひとえに大学当局の判断にまかされておりますので、私からは申し上げかねます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 人事院は見えておりますか。

坂田道太自由民主党

○坂田委員長 まだ見えておりません。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 それでは人事院が見えてからこの解釈をはっきりしていただきいと思いますが、こういう処分は、やはり公務員特例法第九条の懲戒に当るわけであります。第九条はただちに五条の二項から五項までの規定が準用されるわけですが、このような手続をなされて処分がされなければならないと思うのですが、どうですか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 もちろん所定の手続を経て行われるものと考えております。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 ところがそのような手続が行われていないということに問題がある。これは先ほど申しましたように、この処分該当者のうちの何名かはすでに四月に昇給すべきもの、十月に昇給すべきもの、そういう人たちの当然の権利である昇給が差しとめられておる。このことは処分がすでにそのときに行われておったことになる。この問題がはっきりして処分が行われ、その後そういう処置がとられたというなら了解ができる。すでに四月、十月の昇給をストツブしておるということは、これは処分を行っておるということなんです。評議会が決定したのは十月の二十日なんです。ここにやはり一方的な処分が行われておる、こういうふうになると思うのですが、いかがですか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 その昇給の問題と懲戒の問題は私は別の問題だと思います。昇給は御承知のように一定の期間良好な成績で勤務したということで初めて昇給ができることになっておりますので、おそらくはそういうことでございますれば、その職員についてはその期間中良好でなかったというふうに大学は判断したものだろうと考えております。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 良好でなかったために昇給を停止するという場合には、それはやはり本人に通知すべきものだと思います。ただ一方的に当然昇給期間がきておる人の昇給を停止するということは権利の侵害でありますから、当然本人に対しては何らかの通告がなされなければならないと思います。そういうことをなしていないのですが、この点はいかがですか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 通告をしたかしないか私はよく存じませんが、その良好な成績で一定の期間を勤務して初めて昇給をしてもらえるわけでありまして、昇給をする権限を持つ側におきましてそういう判断をしたということでありますれば、私は昇給をストップすることはできると考えます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 これは公務員の不利益処分の問題でありますから、いずれ人事院の見解というものを法的にはっきりお伺いしたいと思います。あなたのそういう解釈では、やはり教育公務員特例法の精神というものが十分に生かされておりません。従って第三者の機関であるところの人事院の考え方がどうであるか、これをはっきりとしたい。また他の法制局の考えもこの際はっきりさせておきたいと思います。こういうふうに一方的に処置が決定をして処分されるということであれば、これは公務員法あるいは特例法等によって守られておる教職員の権利というものが、その大学の学長がきわめて思慮のある、理解のある人ならばともかく、かりに非常に反動的な学長が就任されたという場合は、教職員の団体交渉そのものまでが否定され、あるいはそれに参加した人たちが不利益な処分を受ける。法の拡大解釈によって不利益な処分を受ける。こういうことはやはり大学の運営の上における大きな問題点であろうと思う。この点はやはり法制局なり人事院なりのこの事件についての見解を明確にしたい。これは日本の一つの国立大学の中に起きた問題でありますが、同時に大学の自治あるいは組合の当然の交渉の権利、こういう点を明確にしたいと思うのです。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 今お話になりましたうちの第一点でございますけれども、これは申し上げるまでもなく御承知と存じますが、教育公務員特例法の規定によりますと、大学の教員の懲戒に対しましては、評議会の審査の結果によらなければ懲戒処分はできない、こういう規定になっております。決して学長一人でできるという性質のものではございません。評議会でこれを審査いたしましてやるわけでありまして、大学の全体の意思できめるというわけであります。

坂田道太自由民主党

○坂田委員長 人事院の職員課長の松下君が参りましたから、質疑を願いたいと思います。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 人事院の方ですね。——あなたは山口大学における処分の件はお聞き及びでございましょうか。

松下廉蔵人事院事務官(職員局職員課長)

○松下説明員 私の方は公務員の懲戒関係の担当でございまして、懲戒が正式に発令になりまして、処分説明書が参りませんと、私ども正式に聞き及ばないのでありますが、暫定的に伺い及んでおる程度でございます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 大体の輪郭は御承知ございましょうか。

松下廉蔵人事院事務官(職員局職員課長)

○松下説明員 はい。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 それでは山口大学のこの問題について、これは職員の権利と申しますか、教育公務員特例法によって守られておる教員公務員の権利、利益と申しますか、そういうものが著しく侵害を受けたという根拠に立ちまして、人事院の見解をお尋ねするわけであります。これは御承知の通り三月二十二日の夜五時から山口大学の工学部区長と、山口大学の工学部の組合とがある懸案の重要な問題について団体交渉に入った。この三月二十二日という日は工学部長の方から指定をしてきた日であったのであります。組合が押しかけていって無理に交渉したのではなく、工学部長が二十二日の夜に団体交渉をやろうと了解を得た日にその交渉をやったわけであります。ところが夜五時から交渉をするということになったのでありますが、交渉が開始されたのは実際は午後八時であった、それまで学部長はどこか所用があられたと思うのですが。その結果、交渉内容が非常に重大であったために夜を徹して交渉が始まりまして、翌二十三日の朝までこの交渉が続いた。ところがその翌日の二十三日は、この山口大学の工学部の入学試験が行われることになっていて、この交渉委員の中には試験監督者としてその試験に出なければならない人がいた。こういうことで交渉はまだ終っていないし、試験は定刻に始まる、学校としては入学試験はほっておけない非常に重大問題なので、これは学部長も了承されまして、補導課と連絡して、学部長の了解のもとに交代者を指名して入学試験は問題なく完了した、こういうことであります。ところがあとになって、山口大学の田中学長は試験監督者として当然出なければならなかった者が出ていないということは、はなはだけしからぬ、こういうことで交渉委員全員の処分を考えて、これを評議会にかけて処分が行われた、こういうことであります。それでこの交渉に当った人のうちには四月以降当然昇給すべき人があったのです。ところがこういう事件の調査中であるから本人の昇給は停止する、こういうことで四月、十月昇給者を含めて七名の昇給停止をこの処分の決定しない前にすでにやっておった。それから十月二十三日に助手二名、助教授四名の計六名の行政処分を発表している、こういうことでございます。その処分の内容は御承知かと思いますが、減俸五分の一、二カ月の処分、こういうことであって、一方的に当時交渉に当った組合の人たちのみの処分が決定されておって、当時入学試験を行う最高の責任者である学都長、交渉の相手に当っておった学部長に対する何らの処分も決定していない、こういうことであります。そこでそういう処分をする場合に、まず当日一番問題となるのは、入学試験の問題でありますから、果してこの人たちが出なかったことによって入学試験に影響があったかどうか、こういう事実の審理に基いて、入学誠験に影響があったという場合に初めて処分がなさるべき問題と思うのであります。この入学試験に影響があったかなかったかという何らの事実の審理が行われていない。事実学部長も入学試験に支障を来たすことをおそれて、その日補導員を現場に出しているくらいですから、学部長そのものが認めて、交渉委員が今交渉している、片一方では入学試験が行われる、入学試験に障害を来たしてはいけないというので、かわりの人が行って入学試験が行われた、そういうことであり、また学長みずからも当日の入学試験には影響はなかったということをこちらの弁護士に言明している、こういう事実があるのであります。こういう入学試験に影響を及ぼしたかどうかという事実の認定もないままにそういう処置をする、事実認定をおいてそういう処置をすることが妥当であるかどうか、こういう点をお伺いしたいのであります。

松下廉蔵人事院事務官(職員局職員課長)

○松下説明員 ただいまのお話のうちで、昇給延伸の問題は私の方の所管でございませんので、懲戒の問題だけ申し上げたいと思います。国家公務員の懲戒をなし得る場合は、御承知のように国家公務員法第八十二条に規定がありまして、第一が「この法律又は人事院規則に違反した場合」二が「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合一三が「国民全体の奉仕着たるにふさわしくない非行のあった場合」というふうに規定されているわけでございます。従って制度の建前から申し上げますと、今の山口大学の場合におきましても、職務上の命令が出されておって、それに違反しておったという事実がもしあるといたしますれば、現実に試験の遂行が支障なく行われたかどうかということは、必ずしも懲戒の要件にならぬ場合もあるかと思うのであります。従って職務命令に違反しておるかどうか。あるいは職務上の義務を怠ったかどうか、あるいは国家公務員法なり人事院規則に違反しておるかどうかというような点が、懲戒の場合にはまず問題になるのでありまして、事実の問題は、その結果によって懲戒の内容に若干のしんしゃくをされることがございましても、懲戒をなすべきかなすべからざるかという問題については、必ずしも絶対的な要件にはならないのではないかというふうに考えております。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 そうすると、やはり業務命令が出ておったとしたら、その命令に従ったか、従わなかったか、これが一つの要素である、こういう御解釈でございますね。しかしこの場合一方的にそういう人たちがそういう業務を放棄したのではなく、その試験を執行する責任者である学部長が、交渉しておるのであるから、この交渉はやむを得ないのだといって、そして代理を出しておる。その場合もやはりあなたのおっしゃるような解釈が成り立ちますか。その試験をやる責任者である学部長と交渉しているわけです。その学部長みずからが代理を出さざるを得ないという状況判定を下しておる、そういう場合はどうなります。

松下廉蔵人事院事務官(職員局職員課長)

○松下説明員 今の場合に学部長はとにかく試験の遂行の責任がございますので、代理を出すということは当然考えられるわけでございますが、その代理を出すに至りました事情が、——そのときの実情を私つまびらかにいたしませんのではっきり申し上げられないのですけれども、もし前の業務命令が試験の監督の割り振りとして行われておりまして、交渉に参りました組合員がそれに従わないという実情があって、そういう前提があって、やむを得ずその後にほかの者に対して追加命令を下したという状態にあれば、やはり命令は変更されておりましても、業務命令違反という事実は責任を問われることになるかと思うのでありますが、その辺は事実をつまびらかにいたしませんので、ちょっとそれ以上具体的には申し上げられないと思うのであります。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 その点は私も現地に行って調査してきたわけでもありませんので、こちらの方もその事実はつまびらかにしない。それはなおまた十分今後調査をいたしたいと思うのでありますが、この場合交渉の相手であった学部長、この人の責任というものは、もちろん大学の管理機関である評議会でその処分云々は決定されることでありますけれども、当然交渉の相手であった人も、もしも入学試験の業務に支障を及ぼしたということになれば、学部長も責任を免れないと思うのでありますが、この処分のいかんは別といたしまして、学部長に対する責任の追及がなくともいいものかどうか、これを一つお伺いをしておきたい。

松下廉蔵人事院事務官(職員局職員課長)

○松下説明員 現在の公務員法の建前では、懲戒を行いますのは第一義的には任命権者の権限になっておりまして、教育公務員特例法で、大学の教員の懲戒につきましては大学の管理機関が行うように定められております。従って懲戒を行うか行わないかという問題につきましては、これはひとえに大学の教員の場合には大学の管理機関の認定によることになりますので、今のお尋ねのような問題につきまして、人事院として直接責任を云々することはちょっと適当でないかと思いますので、差し控えさせていただきたいと思います。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 人事院はもちろんここで公式の発表は御遠慮なさるのが適当だと思います。この六名の人の処分については、二十日に評議員会で処分を決定して、二十三日に処分審査の説明書を本人に交付しておるわけでありますが、この手続はこれでよろしいのですか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 教育公務員特例法の関係でありますから、私からお答えした方がいいと思いますが、それは適法でございます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 それでは、人事院の職員局長は見えましたか。

矢倉一郎人事院事務官(職員局長)

○矢倉政府委員 見えております。

坂田道太自由民主党

○坂田委員長 櫻井君に申し上げますが、内閣法制局の第一部長の亀岡君も見えましたから、どうぞ質疑がありましたら……。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 了承しました。  今、課長さんの方から山口大学の工学部の助教授四名、それから助手二名の処分についての処置が適法になされたかどうかということについての御意見をいろいろお伺いしたわけです。この問題に関しましては、要するに二十三日に行われた入学試験に果して影響があったかどうか、組合の人たちが学部長と交渉をやっておられて、その試験に監督者として出場ができなかった、そのために学部長が試験に混乱を起させないために了解をして、別に交代者を出しておるわけです。それで試験は何ら混乱を起さず順調に終了しておる。こういうことは学長みずからも認めておられるわけであります。しかしそういうふうに、試験の責任者である学部長みずからも、そういう交渉に当っておる人たちが試験場に行けないために代理を出したのだ、こういうことで試験は適法に行われておるにもかかわらず、こういう人たちが処分を受けるという問題があるわけです。この六名の者が処分を受けるのには、やはりその人たちが試験監督をしなかったために、試験が非常に混乱を起した。そういう事実のもとにこの人たちの処分が決定されるということであれば、問題は別でありますが、何ら試験そのものに混乱を来たしていない。しかもその責任者である学部長みずからは交代者が出ることを認めておる。こういう中でその交渉に当った職員六名が懲戒、ニカ月の減俸処分を受けておる、こういうことが果して正しいものであるかどうか。学部長と交渉しているのは、正規の学部長の了解された二十二日の夜、向うの指定された日に合法的な団体交渉を行なった。その団体交渉がたまたま長引いて翌日の試験に支障を来たすということになったために、相手の学部長がみずから認めてその交代者を出して試験が支障なく行われた。そういう中で相手の乙側の職員だけが不当にこういう処分を受けるということが、果して妥当であるかどうか、こういうことについて人事院の見解をお聞きしておるわけです。

矢倉一郎人事院事務官(職員局長)

○矢倉政府委員 お答えを申し上げたいと思いますが、実は懲戒処分とかあるいは分限処分とか、いろいろ処分の種類がございますが、処分をいたしますについて、いろいろ具体的な事実関係というものがかなり大きな要素になるわけでございまして、本件のような場合に、一応事実関係として、たとえば試験の事務をやる、試験の事務が滞りなく行われたという場合、かりに具体的にそういう事実があった場合におきましても、またその間に実際問題としては、そういう何らの支障がなかったということがございました場合でも、たとえば職務上の命令なんかがはっきり出ております場合、その命令に反していくということがはっきり行動に出たというような場合には、かりに結果がよくても、その処分問題が起り得るということはあり得ると思うのです。これは具体的にいろいろなケースもございまして、従ってこの問題については、おそらく交渉そのものがどのような態様で行われていたのかという点がかなり問題点になると思うのですが、そこらの事情が実は私もはっきり承知しないものですから、その交渉が正規に行われている過程において問題が起ったのではないかと思うのですが、その交渉の過程がどういうものであったかという点を、もう少し事情がわかれば拝聴さしていただきたいというふうに考えます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 これは先ほど申しましたように、私どもも現地に行って、いろいろ調査をしてきたわけではございませんので、その交渉の内容までもここで御説明申し上げる段階ではまだないわけであります。従いましてなおこれはそういう点については十分今後調査を続けまして、また御見解を承わることにいたしたいと思います。この場合業務命令がかりに出ていなかったとした場合はどうなります。処分することができますか。

矢倉一郎人事院事務官(職員局長)

○矢倉政府委員 実は職員には団体交渉権とまではいかないにいたしましても、現行公務員法上では、一応その団体を結成して交渉できるという権利が認められております。従って正当な権利行使と職務上の命令との関係はどうかという問題が一つあるのでございますが、しかし一応職員たる身分がある以上は、職務上の命令があれば、これに従わなければならない。命令がなければ団体交渉権というものがはっきり表に浮び上って参りますので、団体交渉権につきましても、いわゆる団体協約を含む交渉権ではございませんが、団体として交渉できるということは一応認められておつりますので、その範囲の関係においては、公正に交渉が行われている限り、その交渉は有効に成立できるということになると思うのです。従って職務上の命令というものがないと、そこに本人の非違の事実というものがかなり薄れてくるという点があると思います。しかしこれも具体的な事実とからみ合せて考えなければならぬと思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 関連して。一つは、今のお話ですが、確かに試験の監督は、大学教授に対しては特別な命令であるだろうと思うのです。その監督手当なんかも出るはずだろうと私は思っておるのですが、しかしそういう場合に出ておりましても、交渉の途中において代理人を相互了解のもとに出した、こういうことになっておりますから、学長が出した試験の監督を行うべしという命令は、その相互了解によって代理人を出すことによって解消されておるんだ、こういう工合に言わなければならぬだろうと思います。その際に団体交渉の雰囲気が、あるいは具体的に代理人を出せという工合に脅迫めいておったとすれば、事はまた別な問題になるのじゃないか。この際あなた方に考えてもらわなければならぬことは、いろいろ理屈はおっしゃいますけれども、憲法二十一条に規定される結社とかその他の自由というものは、基本的な権利として、それを最高に尊重するという立場から人事院というものは存在しなければならぬのじゃないか。公務員の勤務条件や云々、そういう問題に対する考え方はそういう立場をとってまず御判断を進められるという基本的立場を持っていただかなければならぬのじゃないか、こう思うのです。業務命令がかりにあったとしても、相互了解したという点においてその業務命令は取り消されたと同然であるという解釈、そういう解釈はとれませんか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 ただいまのお話の中に事実の問題が出ておりますから、私の方から一応御説明した方がよかろうと思うのでお答え申し上げます。  そのいわゆる交渉というのは何か教官の人事問題に関すること、これは私は国家公務員法の職員組合の規定に照らしましても、当然その組合のいわゆる交渉をなし得る範囲に入るものではございません。御承知のように職員組合というものは勤務条件に関し、その他社交的、厚生的活動を含む適法な目的のため交渉するということがございまして、この人事の問題は先ほどからお話がございましたように、大学の管理機関の権限でございまして、これは職員組合とは関係のないものだと考えておるわけであります。職員組合がそのことにつきまして何か事情を申し出たり陳情をしたりすることはできますが、そういう形で行われておったものだ、法律上そういう性格のものだと考えております。なおそのときの事情をただいま私聞いたのでありますけれども、試験が行われる前にその話は打ち切るんだということを学校当局の方の側から申しておる。そして相互了解のもとにその代替者を出したというようなことではないように、学校当局者の方の報告はなっております。この点を申し上げます。

坂田道太自由民主党

○坂田委員長 西村君、簡単にお願いします。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 今公務員の交渉の範囲内について勤務条件に限定せられるということを言いましたけれども、すべて勤労者の最大の問題は自分の人事に関係する問題、これは自分の人事に関係する問題といいますけれども、自分の人事に関係することはこれは全体の問題と同一なんです。あなたはそういう工合に法律を形式的に解釈せられますけれども、公務員の一番大事な点は人事の問題、他人の問題は自分の問題である、こう考えなければ、あなた方は結社の自由なんということは言えないはずなんです。だからそういう問題について交渉の条件とするというようなことは、これは法律に認められないというような解釈は、とんでもないことじゃないか。俸給を幾ら上げるとか、そんなことだけが交渉の範囲だというふうに考えたら、とんでもないことであります。しかもそういう人事の問題に関する交渉を、学長自体がそれを受け入れているのです。ですからあなた方がそういう解釈をしようとも、現実にそういう人事の問題を問題として交渉が行われておる。ですから、そのことに対しりて法的な問題を持ち出して、それが合法性を持たない交渉であると最初から解釈をされることはおかしいのではないかと思う。そうしてまた、相互了解のもとに代理人を出したのじゃないといいますけれども、しかし代理人を出すには、学長が自分の意思でそういうことをやられたわけだろうと思うのです。ですから、それはやはり当然学長が認めたという工合になるのじゃないだろうか、こう思うのです。学長がそういう工合に認めたこと、その事実をもって学長ははっきりさっきの業務を命令した、その自分の命令をその際において解消したということになるのです。それはそれでいいじゃないか。交渉なんというものは、最初いろいろな申し合せをしましても、その交渉の経過に従っていろいろな変転をもたらすものだ。それを否定して、しゃくし定木に交渉なんというものはいくはずはない。それじゃ交渉じゃない。交渉というのは相互の立場を主張し合って、その主張の中から、いろいろな変転を経て、そしてある場合においてはその時間をこえたり何かさまざまをする。一本ではいかない。こういうことは常識なんです。そういうことでなくて、おぜん立てが整えられた通り進む交渉だけをよしとして、そのほかは交渉の範囲を逸脱するものだ、こういうふうな考え方をとったのでは、交渉権の意義というものは大きくそこなわれてくるのじゃないか、こう思うわけです。事実関係だけは十分知らなければ最後の判定はせられないだろうと職員局の局長さんは仰せられますが、まあ確かに最後的にはそうだろうと思うのですけれども、試験に支障がなかった、それも学長の意思によって代理人を出した、交渉を打ち切りたいという希望を持ちながらもそれを継続しておった、せざるを得なかったという交渉の事情であった。こういう点からいいまして、ここに命令違反的な姿がある、こういうような工合には判断できないじゃないか。何といっても一番大事な憲法第二十一条の権利を守るのだという立場からこの問題を考えなければならないのじゃないか、こう思うわけです。職員局長の見解を聞いておきたい。

矢倉一郎人事院事務官(職員局長)

○矢倉政府委員 仰せの御趣旨はよくわかるのでありますが、ただ一応一つの秩序の中で私たちは仕事をいたしておりますので、今お話しの試験の実施について代理がどういう形で出されたかよくわかりませんが、結果的には支障がなかったということは、確かに処分の情状の問題になることは事実だろうと思いますが、一応われわれとしては、公務員としてやらなければならない職務上の責務というものを持っております。それが一つの組織秩序の中で遂行されるのでありますから、従って本来的にそれが試験事務をやらなければならぬというような仕事が課せられているとするならば、それを遂行することについてわれわれは責務を尽さなければならぬという点がございますので、そこが結局、代理を認めるかどうかということについて、学長がそれを認めたということが明瞭に出て参りますと、その当該の処分を受けた職員の本来の責務が免除されていたという事実関係が出るかもしれませんが、そこの事実関係が、処分のときには必ず、懲戒というような処分になりますと、一つの事実関係が基本になりますので、さような点が明瞭になるかどうかによって処分の当否というものもきまってくるように私は考えます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 もう一つ緒方さんにお尋ねしますが、先ほど、処分関係が出る前に昇給ストップをした、そのことは良好な成績で勤務しなかったからに違いないと言われたが、良好な成績で勤務しなかったということを、文部省的あるいは倫理的、道徳的なそういうような解釈で、良好な成績で勤務しなかったというように判定することができるとあなた方は認められるかどうか。あなたの仰せられることを聞くと、単にそういう場合に、簡単に言えば一方的な立場で、良好な成績で勤務しなかったということで昇給をストップする、こういうことを認められるかどうか。良好な成績で勤務しなかったがために昇給をストップしたに違いないということは、良好な成績でなかったということを判定する何か具体的なことがあったに違いないと思う。ところが良好な成績で勤務しなかったということを大学において認めたに違いないということは、大学でそういう工合に判定した基礎、それをどういうものでなければならないと考えるか。ただ学長の個人的な、一方的な、あるいは前にそういうことがあったとか、あいつは組合でおれをいじめてばかりおるから、そんなことがあっては大へんです。あの言葉の基礎をどこに置いておられるか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 勤務成績がよかったか、悪かったかということは、形式的にも、出勤状態がどうとか、勤務態度がどうとかいうことは言えると思います。特別な観点を用いませんでも、形式的に出る場合もあると思います。私は実際どういう判断をしたかということは存じませんけれども、おそらく昇給がストップされたならば、そういう根拠によるものだろうということを申し上げたわけです。これを事実に即して御説明することは、ただいま私には困難であります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 今言ったように、勤務成績がよくないということを判定するいろいろな個々の事情がわからなければわからぬ、個々の事情があれば、それだけで良好な成績でないと判定してよろしいと、あなた方は考えるのかというのです。もっとだれにでも納得される具体的な手続、そういうものが基礎になって良好であるかないかということを判定するというような工合にやはりいかなければいかぬじゃないか。あなたのおっしゃることを聞くと、それはやっぱり学長なら学長の個人的判断に基いてしまうんじゃないか、こういうことになってくるわけです。そういうことで、これは良好である、ないということをきめてよろしいと言われるのですか。そこのところをもっと明瞭に私たちはお聞きしなければならないと思う。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 先ほど私がお答えしましたのは、昇給ストップの問題が出ましたので、それは懲戒の問題とは別個の問題だということを申し上げたのでありまして、懲戒は懲戒として管理機関が定めて、懲戒に対してはこういうことをやる、昇給ストップが行われたとすれば、勤務成績が良好でなかったから昇給ストップが行われたのであろうということを、私ども申し上げたわけでありますけれども、勤務成績が良好かどうかということは、やはりその監督の立場におる者が見ることであろうと思います。これは形式的にも、たとえば出勤簿等を見れば客観的にわかるわけでありますけれども、そういうものを各観点から判断すれば、勤務成績が良好かどうかということは明らかに出てくるだろう、こういうふうに考えます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 今お話を聞きますと、良好の成績で勤務したかどうかということは、客観的な基準、そういうものをもって判断する限りにおいては、それは基礎がある、こういう工合にあなたは仰せられた。たとえば出勤率云々ということを言われましたが、それ以外の基準的問題になったら、それはやはり主観というものが支配しますから、それは相当排除しなければならぬ問題だということは常識的に考えられるところなんです。今言ったように、良好な成績であるかどうかというのは、客観的な基準というものによって判断すべきである、こう文部省では考えている。あなた方はその法の解釈をそういう工合にとっておる、こういう工合に考えてよろしいのですか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 勤務態様はその勤務の場所によっていろいろ違いますから、その勤務成績を見る基準というのは一がいに私は言えないと思います。ただ、今申し上げましたのは、そういう判断をする客観的な基準というものがあるだろう、そういうものを各観点から総合的に判断したものであろう、こういうことを申し上げたわけでございますから、御了承願いたいと存じます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 緒方局長にお伺いしたいのでございますが、この六名の処分を決定した手続は、合法的で手続に間違いがない、こういうことをあなたは言っておられるわけでございますが、しかし教育公務員特例法の第九条を見ますと、「学長、教育及び部局長は、大学管理機関の審査の結果によるのでなければ、懲戒処分を受けることはない。」第二項には、「第五条第二項から第五項までの規定は、前項の審査の場合に準用する。」こうなっておりますから、第五条の二項から五項までの規定がこの九条に準用されるわけであります。そうすると第五条第二項を見ますと、「大学管理機関は、前項の審査を行うに当っては、その者に対し、審査の事由を記載した説明書を交付しなければならない。」こういうふうになっております。従ってこの六名の者を処分する審査を行うに当っては、その六名の者に対して、審査の事由を記載した説明書を交付しなければならない。ところがそのような手続がなされていない。これを審査会は二十日にすでに処分を決定してしまっておる。そして決定後二十三日に説明書を交付しておる。これは事後の交付です。これは明らかに教育公務員特例法の違反です。「審査を行うに当っては、その者に対し、審査の事由を記載した説明書を交付しなければならない。」こういうふうに明らかに法文に書いてある。そのような手続を行わず、二十日の前の評議会で処分を決定し、その処分の決定の事後三日もたったあとに説明書を交付しておるということは、明らかにこの法律の手続を誤まったものであると思います。従ってそのような違法な手続をなされたところの処分は、私は法律上無効であると思うのであるが、この点の見解は法制局から承わりたいと思います。

亀岡康夫法制局参事官(第一部長)

○亀岡政府委員 ただいまお尋ねになりましたのは、教育公務員特例法の第九条の第二項と考えます。それにつながります第五条第二項のこととお伺いいたします。そこで第九条に、懲戒処分をいたします場合には、大学管理機関の審査の結果によらなければならない、こうありまして、その第二項で、「第五条第二項から第五項まで」と書いてありますので、第五条第二項に「前項の審査を行うに当っては、その者に対し、審査の事由を記載した説明書を交付しなければならない。」とありますように、確かに交付しなければその処置というのは一応無効のように考えるのであります。ただこの五条の二項のあと三項ないし五項、これは本人のいろいろな救済事項を記載してその方法をとるようになっておるわけでございまして、このあとの三項ないし五項の規定等を見まして、この第二項の審査の事由を記載した説明書が若干時日がおくれたというようなこと、このことが果してこのあとの条項から見まして、その処置は違法であるけれども、その違法が後日のこういう記載によって、その瑕疵が処置されたかどうかということも、あわせてにらみ合わす必要があるのじゃないかと思います。具体的な事実をこまかに承知しておりませんので、直ちにその処分が違法である、その処分が無効になるということを言い切るにはいささか検討を要すると思います。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 私はこの法律の正当な解釈をあなたは法制局ですから法制上の立場からおっしゃればよいと思う。この山口大学における具体的問題については、これは文部省の権限に属することでありますつから、私は法の解釈をはっきりしていただきたいと言っておるわけであります。こういう処分を行うに当っては、この処分を受けるまでに、その審査会を開くときに、こういうことでお前たちの処分りに関するこういう審査会を開くのであるという審査の事由を記載した説明書をその者に対し交付しなければならないとはっきり書いてある。その者が交付を受けたあとで、その人がさらに提訴するかどうか、これは「十四日以内に請求した場合には、その者に対し、口頭又は書画で陳述する機会を与えなければならない。」ということで、これは私の聞いておることと関係のないことです。これは本人たちが不服であれば十四日以内にさらに自分たちが釈明する機会が与えられることであって、そのこととは別です。私の聞いておることは、そういう審査会が開かれておるのに、そういう処分の決定をなすということを何ら本人は承知していない。そうして唐突にその決定後三日もしてそういう説明書を交付するというような手続が法的に間違いでないかどうか。正しくこの条文を見ればそういうことは出てこない。処分を決定する審査会を開くときに、あらかじめその処分を受ける当人には説明書を交付する、こういうことがはっきり出ておる。その点の法的解釈を私はお伺いしておるわけです。

亀岡康夫法制局参事官(第一部長)

○亀岡政府委員 確かに仰せの通り、第五条第二項に、「大学管理機関は、前項の審査を行うに当っては、その者に対し、審査の事由を記載した説明書を交付しなければならない。」こうございますので、「前項の審査を行うに当っては、」という場合に交付しなければ、その行為に瑕疵がある。行政処分から申しますと違法である、こういうことが言えると思います。ところが一般の行政処分、行政行動を通じて言えますことは、いろいろな行政行為が行われましても、その行為に確かに瑕疵がありましても、その後のいろいろな事態の進展と申しますか、措置に応じて、その措置がある場合には治癒される。たとえば法律に、ある一定の期間内に公告しなければならない、こうありまして、その公告がわずか一日か二日おくれたという場合、その後とられた措置が直ちに無効になるかどうかというような問題等も同様でありまして、こういう問題に果してそういう瑕疵がございますけれども、その瑕疵が直ちにあとの処分に響きまして、その処分が直ちに無効になり切るかどうかということは、これはやはり一般の行政措置と申しますか、行政行為と同様に考えるべき問題ではないか、こう考えるわけであります。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 わかりました。このことが無効であるかどうかということは、あなたはここでそれを言明することはちょっと無理でしょう。従ってこの法的手続の上においては明らかに誤りがあったということは、これは法制局の立場からはっきり言明できると思うのでありますが、その点はいかかですか。この法的手続については非常な誤りがあったということ。出された結論が無効であるか、有効であるか、そういうところまでここで議論を進展させるのは無理でありましょうから、少くとも大学管理機関のやった法的手続については、重大な誤りがあったということはお認めになるか、どうですか。

亀岡康夫法制局参事官(第一部長)

○亀岡政府委員 これは非常に具体的な問題についてのお尋ねのようでございますが、この五条の二項にありまする通りに行われておるとすれば、これは適法でありますし、この措置がとられていなければ瑕疵がある、こういうふうに言わざるを得ないと思います。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 法制局の見解は明快になりました。  ところで緒方さんの方にお尋ねしたいのですが、やはりそういう法制上の疑義を差しはさむような手続をもってこの処置をとられております。評議会が二十日の日に決定をして、それまでに処分の対象になる人たちには何ら説明書も交付されてない。このやり方は法律に順応していない。あなたはこれは適法に行われたと言っておられますが、非常な疑義があります。ですから、この処分が適当であるかどうか。今度は本人たちがまたさらに異議を申し立て、あるいは裁判にもなるでありましょうし、裁判というふうなことになれば、これは裁判所が判定することでございますが、私が聞きたいことは、そういうふうに、国立大学と申しましても、地方の方に参りますとなかなか文部省の指導監督というようなことも十分に行き届かないと思うのです。そういう地方の文部省直轄の国立大学において、いろいろそういうふうな適法でない事柄が、これは氷山の一角かもしれない、もっと広くこういうことが行われていないとも限らない。そういう場合、たとえばこの問題を概観しましても、明らかに二十二日に団体交渉をやっておった。しかも工学部長みずからの指定する日に行われておった。これがたまたま翌日まで延びて試験に支障を来たしたというような問題となれば、これはやはり当然その日を指定したところの工学部長みずからの責任がなしとはされない。あなたは文部省ですから、そういうことは山口大学自体の大学の管理者である評議会の決定に待つ、これは大学の自治を尊重なさる上から、文部省としてはそうおっしゃるのも一応うなずけるわけでありますが、しかし明らかに片手落ちであるごとき、たとえばこの場合、この相手であった工学部長その人に対して何ら責任を問われることがなく、相手だけに一方的な措置が行われたというような場合、これはだれが見ても非常に片手落ちの処置だと思うのです。かりにこの山口大学の管理機関がそのような決定をした場合においても、文部省はそのような片手落ちの処置に対して口を箝して、あくまでもこれは山口大学自身の問題であるから文部省は関与しない、こういう態度をとられるのか、あるいはやはり法の建前を守るという、文部省が管理監督するという立場から、正当に相手の学部長なりあるいは学長なりの責任も追及するのが当然であるというような表明をなされるのか、そこのところを一つお聞かせ願いたい。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 大学の教官の人事につきましては、これは繰り返して申し上げておりますが、教育公務員特例法で、大学管理機関みずからがこれを定める、こういう原則を確立しております。このゆえんのものは、やはり学問の自由と申しますか、そういうことを守る原則からいたしまして、こういう手続がきめられておると存じます。従いまして先ほども申し上げましたけれども、特定の教官の人事について外部から文句をつけるということは、これはやはりなるべく避けなければならぬ問題であります。この組合が交渉をいたしましたということも、私先ほどちょっと申し上げましたけれども、特定の教官の人事について意見があって、それを持ち出したということのように聞いております。これは私は、やはり先ほども申し上げましたように、職員組合のいわゆる交渉の内容にはならないのではないか。意見を申し出るということは、これはあると思います。しかしそれを学部長としても聞いて話をしておったというのがこの事実であると思います。そこでただいまの学部長の責任のことでございますけれども、私もこれは報告は受けておりますが、現実にどういう事態であったかということは、もう少し詳しく聞かなければわからぬと思いますけれども、私が想像いたしますのに、交渉をしておって、そうして試験の始まる前には、当局側はこの話は打ち切るのだ、これは大学当局といたしましては、大事な入学試験でございますから、当然そういう挙に出たと思います。大学入学試験が支障なく行われるように、そこに来ている人たちが入学試験の監督その他に当っておるわけでございますから、それをそのまま続けるということは、大学当局の責任者としてそういう態度をとることがなかっただろうということは、これは常識的に考えてわかるわけであります。しかし、そういうことを言ってもなおその交渉の態勢が絶たない、このままほっておけば入学試験に重大な支障を生ずる、こう判断したので、他の代替職員をにわかに用意をして、入学試験だけは支障なく行なった、こういうことであろうと存じます。もしもかりにその学部長に責任があるとするならば、何と申しますか、無過失責任のようなことではないかと存じます。そういう事態を、組合の話を聞いてその時期まで及んだ、そのことがむしろいけないといえば、いけないと言われるかと存じますけれども、これはしかし現場の模様とか、あるいは組合の交渉の仕方とかいうことをよく見てみなければ言えることではないと思います。そのことはそこの山口大学の当局者が、評議会でそれを判断して行うべきだと思うのでございます。でございますので、私は今ここでそされがいいとか悪いとかいうことは言えませんし、またかりに評議会が最後の決定をいたしました場合に、文部省が何かものを言うということにつきましては、非常に慎重を期さなければならぬ、かように考えております。  それから、なお手続の問題でございますが、手続の問題につきましては、私が大学当局から聞いておりますところでは、第五条の規定の通りに今審査を進めておる過程である。二十三日にこの説明書を本人たちに交付した。そうしてその十四日以内に本人たちの陳述があれば、それでずっと手続が進んで参りまして、最後に評議会の処分が決定する。でございますので、私が最初に申し上げましたように、適法でございます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 最初の方の項ですが、これはあなたは、よく事情はわからない、こういうことを言っていながら、そこに非常に想像をたくましゅうして、交渉上組合がいかにも圧力をかけて、学部長を何だかカン詰にでもして、どうにもならぬような状態になったのではないかと思いますなんて、そういう想像をたくましゅうしてもらっては困りますよ。あなたの方の調査が十分ついていないとするならば、この交渉の模様、そういう状況を今後十分御調査なさって、そして善処なさるのが文部当局としての態度でなければならないと私は思う。ただここで一方的に、こういうことを聞いておるとか——どういう責任のある人から聞かれておるのか知らないけれども、こういうように想像するとか、そういう想像や何かで答弁をされては困る。従いまして、その交渉の状況はどうであったかどうか、こういうことは十分調査をなさる必要があると思う。いやしくも国会で問題になっておるものを、ここであなたが想像でもって答えられるということは——調査がついていなければ、ついていないでけっこうです。こちらも唐突に出した問題でございますから。従って、それが適法に行われておったかどうか手続の問題等についても、やはり疑義がございますから、そういう問題も十分調査なさって、文部省の適切なる善処方を要望するわけであります。なおまたこの大学の管理機関の決定を文部省がどうとかこうとかやることは、やはり大学の自治の侵害ということにもなりますし、これは非常に慎重を期さなければならない、その点は私も同感でございます。評議会が出した結論を、いきなり文部省がそれにどうとかこうとかいろいろ苦情をつけるということは、この問題に限らず、大学の自治を尊重するという面からも、これは十分自重していただかねばならぬことではあると思いますが、しかし、明らかに片手落ちで、大学の自治が完全に行われていないというようなことがかりにあるとするならば、やはり文部省はこれを適当に指導する責任があると私は思う。こういうこともひっくるめまして、この問題は、文部省から現地に行って十分御調査を願いたいと思うが、その点いかがでございましょうか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 私最初に、櫻井委員のお尋ねのときに、この事件について十分承知しておらないということを申し上げたのは、どのことをおさしになっておるのかちょっと忘れておりましたので、はなはだ恐縮でございました。ただお話を聞いているうちに、従来報告を受けておりますこともだんだんわかって参りましたし、またここにその担当者もおりますし、要点心々につきましては、私は聞いて申し上げておるわけでございまして、全然私の想像で申し上げておるわけでもございません。ただこのことにつきましては、詳細の報告が大学から参っておるはずでございますので、ことさら出ていきませんでも、もう少しはっきりしたことが申し上げ得ると思います。そういうことでございますから、御了承を願います。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 これは別に調査官がおいでにならぬでも、向うの大学の責任者を呼ばれるなり何なりして、十分一つ御調査を願いたい。私どももなおまた、当夜の交渉等については十分調査をいたしたいと思います。  これで質疑を終りますが、専科大学の問題は文部大臣が出てこられてから私はやります。

坂田道太自由民主党

○坂田委員長 ちょっと櫻井委員に申し上げます。この間の理事会におきまして、きょうは参議院の方の定例日で、大臣はあちらへ出るということを了承して質疑に入っておりますので……。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 従いまして、私は文部大臣の都合のついたときでもよろしいのでありまして、最終的に専科大学の問題、それから中教審から答申になった教員養成の問題などについて、重要な問題点がございますので、文部大臣の出席を求めて質疑を続けたいわけです。

坂田道太自由民主党

○坂田委員長 そうすると櫻井委員は、文部大臣が来なければ、専科大学の問題は御質疑なさらぬということですか。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 質疑をしないということでなくて、学校制度等の問題についての重要な質疑がありますので、責任のある文部大臣のお答えをちょうだいしたい、こういうわけであります。

坂田道太自由民主党

○坂田委員長 午前の会議はこの程度とし、午後一時より再開いたします。  休憩いたします。     午後零時二十七分休憩      ————◇—————     午後一時五十七分開議

坂田道太自由民主党

○坂田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。西村力弥君。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 きょうは大臣が見えられませんので、大臣に関する分は次会に一つ留保させていただきまして、今回の学校教育法の一部改正について、あちこちお尋ねいたしたいと思います。  第一番目には、第二十八条で新しく養護助教諭、講師、これを法制化して明確にしたわけなんですが、これは現在まで実際上おった人々、それを明らかにした、こういう工合になっておるのだろうと思うのです。そうしますと、今までの養護助教諭、講師というものは、何に準拠して置かれておったのかということなんでございます。その点について一つお答えを願いたい。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 二十八条の養護助教諭、講師でございますが、ただいまお話の通り、従来実際上置いておりましたものを学校教育法の上ではっきり書いたという趣旨でございます。従来は二十八条の第二項に「小学校には、前項の外、助教諭その他必要な職員を置くことができる。」こうございまして、「その他必要な職員」というところに根拠を求めて置いておったということであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 「その他必要な職員」というものの中に包括しておったということは、本来養護助教諭とか講師とかいうものはない方がいいのだという方針、そういうものがある。しかしやむを得ず現在人員の充足や何かで置いておったということであろうと思いますが、今法文に明記して参りますと、こういう者を置くということが普通の状態であるように今後も持っていこうとするのかどうか、今までこれを「その他」に入れておったということは、これは暫定的なものだという考えがそこにあるのではないか。今法文に明記してあるものは暫定的じゃなくて、こういう形を将来とも職員の構成として、普通の状態としていくのだ、こういう工合に考えが変ったのかどうか、その点はどうですか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 いずれにいたしましても実際養護助教諭、講師というものが小学校、小学校の上には中学校、高等学校もございまするが、実際に置かれておりまして、その必要性は十分認められるのでございます。その他の職員ということで包括して読むよりも、これははっきり出した方がいい、こういうことでございまして、従来の法律の態度を改めて、ここに明らかにこの二つの職員を書き出した、こういうことに改めたということであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そういう御答弁ですと、便宜的な立場から、あまりしゃく関し的な理由はないがこういう工合に明記したのだというように私には思える。それじゃ「その他必要な職員」というものの中には現在どういうものが置かれておるか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 その他の職員の中には学校の種類によりますけれども、たとえば事務職員の中でいろいろな職務の異なる分け方もございます。小使さんのようなものは、はっきり書いてないわけでございますけれども、その他の職員として包括的に書いてあるわけで、はっきりあげてありますのは、校長、教諭、養護教諭、及び事務職員ということになっておるのでございます。そのほか助教諭を置くことができるという規定があります。そのほかにはその他の職員ということで包括的になっていて、そのうち特にはっきり今各学校で置く必要があり、また実際上もこれを相当置いておりますので、その他の職員という包括的な規定から取り出して、この二つをやった、こういうことでございます。いろいろ学校の種類にもよりますけれども、たとえば職業教育を行いますところでは、実習の助手とかそういうものがあると思いますが、私ここで全体をあげ切れませんけれども、その他の職員というものはあるわけであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 今第二十八条小学校のところでお聞きしておるのですから、助手というものは存在しないわけです。  委員長にお願いしますが、この法案の焦点は専科大学を新設するというところにあるから、大学学術局が中心になって出ていらっしゃるけれども、やはり法案全体に対してはもう少し文部省側の方で責任を持って事情を明確にしていただける部局の出席を求めたい、こう思います。その点は初等中等教育局の方が参りましてから、またお尋ねします。  ただ事務職員の設置についてですが、文部省の方針としては、一体どういう基本方針を持って、その基本方針の充実計画というものはどうなっておるか、これは小中学校に関してでございますが、高見次官は御見解はございますか。

高見三郎自由民主党文部政務次官

○高見政府委員 ただいま担当課長が参りますから、課長からお答えいたします。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 事務職員の設置ということは、現在の教員の学校業務——業務というよりも、雑務がいかに本来の教育をつかさどる仕事の障害になっているかということは、文部省当局においても当然認められている。こういう不備なる、不良なる教育条件というものを排除することが、まずあなた方の第一義的な仕事のはずである。教育行政というものはそこに中心を置かなければならぬ。今どうもその中心が別の方向にだんだんと変ってきているから、国民の教育の権利を守るために、いろいろ文部省の方針に対する反撃が出て参っている。そういう批判、反撃に対して、あなた方が権力でやる、これは議院内閣ですからあり得るでしょう、一つの方針に従って。しかし法文に明記されている第一義的な教育条件を整備するということに対しては、大臣なり次官なりもう少し見識を持っていなければならぬのじゃないかと思います。今私が次官になれば、やはり同じような御答弁になるかとも思いますけれども、これはその本人の能力とか見識いかんにかかわらず、その当選の順序とか、さまざまの配慮、そういうものが相当見えますが、私たちの場合もそうなるかもしれませんけれども、その点は明敏なる御聰明なる高見次官の十分なる御研究を願いたいと思います。これは余談になりましたが、その点についてはあとでまた担当の人が来てからお尋ねいたします。  その次にお聞きしたいのは、第四十五条を見ますと「高等学校には、通常の課程又は定時制の課程の外、通信による教育を行う課程を置くことができる。」こういう工合に改正し、そしてそのあとずっと見ますと、第四十五条の二には「定時制の課程又は通信教育の課程に在学する生徒が、技能教育のための施設で文部大臣の指定するものにおいて教育を受けているときは、校長は、文部大臣の定めるところにより、当該施設における学習を当該高等学校における教科の一部の履修とみなすことができる。」こういうことがありますが、これは定時制あるいは、通信教育で、勤労しながら学ぶという生徒に対する心身の過労を防ぐ、こういう立場からこういう改正が生まれたと思うのですが、この希望は受け入れの関係からは強く出ておるのですが、そのほかの希望はどういう形で出て参って、この法案改正になったのか、どういうところから出て参っておるのか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 これは相当広い要望があると考えておりますが、一つは、文部省の中央教育審議会におきまして、科学技術教育の振興方策を審議いたしました際におきましても、その一環といたしまして、そのことが答申に出ております。その内容といたしましては、科学技術教育の振興方策ということにつきまして、生徒の工場実習、教員の現場実習の機会を得るために、産業界との連絡を密にしなければならない、そして相互の連絡を促進する方策を講じてもらいたいということが一つございます。さらになお高等学校の定時制課程と技能者養成施設との連携を十分はかるようにしてもらいたい、こういう意見が出ております。なおまた同じ趣旨の意見が、労働省に設けられております臨時職業訓練制度審議会におきましても、これは昨年の十二月でございますけれども、両者の連携を十分密にするような方策をとってもらいたいというような意見が出て参っております。そのほか私ども聞いておりますところでは、産業界からはもちろんございますけれども、なお勤労青少年の側からも、こういう声が出ておるというふうに聞いております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 中教審の答申は、それはいろいろ一般民間方面からの、あるいは青少年自体からのこういう要望にこたえて、それを文部省自体も判定して、中教審に諮問した、それで、その結果は、そういう答申が出たわけですが、為の諮問するまでのいろいろな要望は、どういう形で現われているか、私はさようにお聞きしたわけなんです。中教審に諮問するまでですよ。そういう工合に動き出すまでにどういう要望が集中されてあったかということを聞いておるのです。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 今申し上げましたのは、特にこのことを諮問したわけじゃございませんけれども、中教審といたしまして、科学技術教育振興の方策を審議いたしました際に——中教審は、御承知のように教育界あるいは学界それから産業界も入っておりますが、それらの教育関係、教育のいろんな方策につきまして、文部省が諮問するために設けておりますいわば最高の機関でございますけれども、その各界を代表する方々の意見として、こういうことが答申されたということは、やはり各界からこういう意見があったということが言えると思います。この中には高等学校の校長もおりますし、あるいは小学校、中学校の校長も含んでおるわけでございまして、各界の意見を代表されての意見だと私どもは受け取ってもいいのじゃないかと思います。そのほか、それは形に現われませんでも、あるいは産業界、あるいは青少年教育に携わってきておる人々の意見を従来聴取いたしておるわけでありまして、それを十分勘案いたしまして、こういう制度を考えたということでございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 それでは技能教育のための施設を文部大臣が指定するわけですが、この認定については一体どういう工合に考えておられるか。どういう施設をどういう程度、どういう範囲に、こういう点ですね。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 技能教育で学習いたしました履修内容と学校で履修しましたところと同じように見まして、これに該当するものは単位を与えまして、そして学校と技能施設と両方で修得いたしました単位数が高等学校の卒業単位に達しましたならば、これに卒業資格を与えよう、こういう趣旨でございまして、学校で履修しますところと大体同程度の内容を持った教育内容でなければならぬと考えるわけでありまして、指定のためには一定の基準を定めたい、かように考えておるわけでございます。その基準に考えておりますところを申し上げますと、五、六項目一応考えておるわけでございます。これからなお十分検討いたしたいと思いますが、一応それを申し上げてみますと、一つは技能教育のための施設の維持運営が確実に行われるということが必要である。これは当然でございます。それから技能教育施設の教育施設、設備、こういうものをやはりちゃんと備えておるということが必要であると思います。それから技能教育施設で教育に当る指導者の問題でございますけれども、これも大体高等学校の先生と同程度以上の資格と申しますか、資質を備えた人が指導者になっておるということが必要になるかと思います。それから修業年限の問題がございます。これは二年ないし三年以上くらいの修業年限があり、そして年間の授業時間数を、大体高等学校に準じまして、およそ千時間くらいの教育をやっておるというところでなければならぬのじゃないか、そういうふうないろいろな基準をこまかく考えまして、その基準に基きまして文部大臣が指定をする、こういう運びにいたしたいと考えております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 どこを指定するという個々の指定ではいけないのじゃないか。やはり一つの基準を文部省としては作られるだろうと思うのですが、今言われたような基準ですと、やはり指導者が高校教諭と同程度でなければならぬとか、修業年限はどう、年間授業時間数はどう、こういう点はやや明確でありますけれども、そのほかはあまりにもばくとしておる、こういう工合に思えるのです。ここで私は、この認定の基準をきめられる場合に、相当注意をしていただかなければならぬのじゃないか、しかも相当レベルの高いものに厳格にやってもらわなければならぬのじゃないか、こう思うのです。そうしないと、ずるずるっとそういう施設における教育が高等学校の教育の教科の履修に算入されて、高校教育自体のレベルが落ちてくる、高校教育の質というものがこのために相当レベルを落し、混乱させられる、こういうことになると思う。その点を一つ厳格に、しかも高次にやっていかなければいかぬじゃないか。ぜひ文部省当局は考えを私たちの考えとはっきりと一にしていただかなければならぬ、こう思う。次官はどうですか。

高見三郎自由民主党文部政務次官

○高見政府委員 お話の通り、私どももそういう考え方を持っております。そういうような線に沿っていきたいと思います。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 今の四十五条のこの問題でございますが、その点だけ一つ関連事項として私の方からも御要望を申し上げたいのでありますが、今西村君がいろいろあげておられまするところの心配が非常に私どもにもあるわけであります。この工場でやるところの実習というものが非常に垂んぜられた結果、学校教育の方にそれがしわ寄せをしてこないか、こういう心配が非常にある。そういう場合の当該施設を文部大臣の定める一つの基準によってきめる。きめた場合のその運営というのはどういうふうに考えておられるのであるか、それを承わりたい。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 ただいま西村委員からもお話がありましたように、高等学校教育そのものを混乱さしたり、あるいはその水準を低下さしたりしないように、基準をきめましたならば、個々について厳格に指定を行なっていく、こういうような考え方でございます。そして今お話のようなことがないように、極力努力していきたいと思います。なお、実際に該当の生徒が履修いたしましたことを、結論的に申しまして単位数に認めるかどうかという認定につきましては、校長がそれを認定するわけで、校長が認定するにつきましては、やはり一定の基準をきめて、そのよるべきところをきめて認定を行なっていくということにいたしたい、かように考えております。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 校長と申しますと、その施設に置くところの校長ですか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 それは生徒が通っておる定時制の高等学校の校長ということでございます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 そういう場合に、そういう認定したところの施設を利用して、定時制の生徒あるいは通信教育の生徒がそこへ行く場合、たとえば定時制の場合、一つの定時制学校の生徒だけではなく、何個所かのほかの定時制の生徒が一つの施設に通ってそこで実習する、こういうケースも出てくるわけですね。そうすると、その認定というものを一つの学校の校長にだけ持たせるということでなくして、もう少し、たとえば都道府県の教育委員会とか技能施設を持っておるところの責任者であるとか、あるいは定時制の高等学校の責任者あるいは文部省、そういう連合の機関を設けてそういうものの運営に当るというような考えはありますかどうか。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 その施設がここにいいます技能教育施設として指定するに適当かどうかということにつきましては、ただいま申しましたように一定の基準を定めまして文部大臣がそれを一つ一つについて指定をする、それによって一応その施設が適当な施設であるということははっきりすると思います。現実に先ほど申しました校長の認定ということにつきましては、この法律にもごらんのように「校長は、文部大臣の定めるところにより、当該施設における学習を当該高等学校における教科の一部の履修とみなすことができる。」こういうことでございまして、それにつきまして校長が認定をいたしますにつきましてのよるべき基準につきましては、なお文部省で定めたい。そこまでいたしますならば、今御心配のようなことは一応避けられるのではないか。認定はやはり責任を持つ高等学校の校長にまかせる、こういう趣旨でなければならないと思います。ただよるべき基準をきめたい、こういうふうに考えております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 相当厳正に高次に基準をきめてもらうということは文部省も了承してもらえましたので、それでよろしいのでございますが、そこで問題になりますのは、定時制を主とした高校にせよ、これは文部省の監督にあるのではないはずです。そうじゃないですか。都道府県の教育委員会がこれを監督する、そういうことになっておるはずです。そういうときに、その施設の指定を文部省が行う、こういうことはその行政系統を乱すことにはならないのか、こういうことなのです。監督上は都道府県教育委員会であるにかかわらず、定時制高校の教育に関する土台を文部省が指定するというようなことは、これは相当考えなければならぬ問題であると私は思うのです。基準を示すことは文部省はいいでしょう。私たちの憲法には地方自治というものがはっきり明記された。これは旧来の憲法にないことであって、民主主義の規定として地方自治というものを憲法でも認めてきた。そういうものと同じ思想に立って教育自治というものが確立されてきて、だんだんとその姿がゆがめられてきておる。勤評なんかは地方の教育委員会は文部省の一にらみによってみんなその通りやっておるから、教育自治というものは失われたと同じになっておりますけれども、私たちが築いた民主主義というものは、あなた方によって、そう簡単にくつがえされるということは許されないと思う。こういうこまかいところに現われておる文部省の一歩出過ぎた姿というものを私たちは考える。今の私の疑義とする点に対する解明を願いたい。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 この文部大臣の指定によるということをきめましたことは、先ほどから西村委員からお話がありましたように、技能教育施設の内容と高等学校教育の内容とが非常にかけ離れたものになって、その間に混乱が起ったりあるいはまた高等学校教育そのものの水準が引き下げられたりすることになっては困ると思います。でありますから、内容の厳密な指定をいたしたい、こういう趣旨だということは申し上げた通りでありまして、こういう趣旨を貫きますためには、やはり全国的に見渡しまして、文部大臣がこれを指定をしていくということが必要だと判断したからでございます。今のお話の高等学校の所管はもちろんこれは教育委員会でございます。都道府県あるいは市町村教育委員会にございますけれども、しかしその制度につきましては、文部大臣がこれを指定するというふうに規定いたしましたのは、今申し上げましたような趣旨から、こういたしますことは、決して所管の関係がそうであるからといって、文部大臣がこれを指定してはいけないということに相ならぬと存じます。たとえば高等学校の設置基準等にいたしましても、これは文部省令できめております。そういう基準を、いろいろな内容につきまして、文部省で、監督庁の立場におきましてこれを定めておる例はほかにもたくさんあると思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 一応基準の設定は文部省として出してもよかろうと私はと言いましょう。それに対していろいろ問題もありますけれども、しかし、今言われたことは強弁であり、文部省の思い上りだ、こういう工合に私は思うのです。今とうとうとして教育支配をあなた方は計画しておる。そのことが憲法の精神に反するから私はそういう強い言葉を用いるのです。今言ったように、大事な高校教育であって、工場における履修がいいかげんにされたならば、高校教育のレベルを何することができないから、文部省がやるんだ、こう言いますが、そういうことは先ほどの基準設定の点において、万遺憾なくやられることによって解決されるのではないだろうか。そこまでにおいて足踏みをせられることが文部省のあるべき姿であると私は思うのです。それを一歩先んじて、教育委員会がやるべきところまで文部省が手を出すということは、教育の行政系統を乱し、侵害することになってくる、こう言わざるを得ないのです。あなたが言うのは、文部省当局として自分たちの立場を擁護する理由以外の何ものでもない。今こういう法案を出したその立場を擁護する以外の何ものでもないのです。そういうことが一つの理由にはならない。都道府県教育委員会で、文部省が厳正に定めた基準に従って認定することが守り得ないということを言われることはおかしいじゃないですか。そんなことを言ったならば、あなた方は、小学校の設置まで全部文部省の指定によって行わなければならぬということにこれを拡大していく、こういうことになっていくと思います。その点をはっきり、これは、事は地方自治、それにつながる教育自治、教育の行政系統の整理という問題と全部関連する問題であるから、私はさように強く申しておるのです。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 こういう制度を考えました理由は、先ほど申しました通りでございまして、やはり一定の水準を保ちますためには、文部大臣の指定によらせるという制度の方が適当であると考えたからであります。特にお説のように、高等学校は教育委員会の所管でございます。しかし、技能教育施設そのものは教育委員会の所管ではないのであります。いろいろな形はございますけれども、それを高等学校の教育内容と同じものにみなしていこうという、その対象としてきめるわけでございますから、これは教育委員会の指定にしないで、文部大臣の指定にした方が適当である、かように考えた次第であります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 技能訓練をやるのは都道府県教育委員会の所管ではない、これは私ども知っております。しかし、今問題になっておる点は、その技能教育施設における学習といいますか、実習といいますか、そういうものを高等学校教育の教科の履修とするというのですから、高等学校教育の中の一部、教育の中のものとして問題を考えていく、そういう工合に今なっている、その点を、他の技能教育施設がだんだんふえていくから、都道府県教育委員会は、自分の業務内であるけれども、そこにはタッチできない、こういうような理屈はいかぬではないですか、こう思うのですよ。いろいろ理屈をおっしゃるけれども、高等学校教育の範囲内の問題を都道府県教育委員会の中から分離していくということ、こういうようなことはおかしいではないですか。それは何としてもおかしいと私は思う。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 高等学校教育の内容、その水準等につきましては、監督庁である文部大臣が現に定めてあります法律によって指定することになっております。従いまして、それと同程度の水準を維持していくために必要がございますし、そういうものに適格であるという指定でございますから、やはり文部大臣が指定するのが一番適当であると考えます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 今の答弁は、ただ、くどくどと繰り返し自己弁護する以外の何ものでもない。そういう答弁を幾らやっても私たちは納得できません。技能教育施設は範囲内に入るのですよ。ところが、学校における教育は校長が支配し、都道府県教育委員会が監督をする、こういうことになって、その技能教育の本尊だけは文部大臣が横からアリの一穴のごとくちょっとむしってしまう。これは小さな問題で、やること自体は勤労青少年の心身の過労を防ごうという善意から出たような姿になっている。ですが、そういう善意に出たとかなんとかいう問題を越えて、原因がどんなによくとも、現われている姿は、学校教育の体系というもの、行政の系統というか、そういうものを乱すということ、そういうことを許させるという結論にはならないわけである。緒方さんは、とにかく次官に負けたんでは大へんだと思って一生懸命陳弁されるようですが、これはこの際改めるべきだと思うのです。次官でもよいのですが、この点は大臣にもう少しただしておかなければいかぬ。便宜主義的に教育行政あるいは教育の地方分権をくずすということは、これは軽々に見のがすことができぬ。私は何もへ理屈をつけていじめているわけでも何でもない。次官はどう考えるのですか。

高見三郎自由民主党文部政務次官

○高見政府委員 お答えいたします。先ほど西村委員から、この制度を作る結果として、高等学校教育に混乱を来たすおそれはないか、あるいはまた教育内容を低下させるおそれはないかという御質問があり、これについては厳密な態度をとれという御要望がありました。私ども全く同感であります。問題は、こういう新しい制度をとりました場合に、お話のように、教育行政系統というものにウエートを置くか、教育内容にウエートを置くかということで、おのずから問題が分れてくると思うのです。私どもは、先ほど西村委員がおっしゃったような意味において、高等学校教育を混乱させず、同時にまた、教育の内容を低下させないだけの実体を保つためには、文部大臣が指定権を持つことが適当である、かような考え方で提案をいたしたわけであります。さよう御了承いただきたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 関連して……。ちょっと今の政務次官の御答弁なんですが、実は、この西村君の質問の前提は、個々のあれを指定するという、これは具体的にいえば、政令でもって、指定するわけでしょう。そのことを問題にしているわけなんです。今次官の御答弁によると、この条項を作るについての一つのものの考え方として二つの点がある。一つは行政体系上、できるだけ一つの系統を追う。いわゆる行政上の混乱あるいは摩擦、そういうものをできるだけ少いようにということを考えて法を作るという考え方。もう一つは、教育内容を低下させないという考え方。このいずれをとるかというその観点に立って、今の個々の指定をするという点については、教育内容を低下させないという方の議論を採用して、これをきめたんだというふうな答弁に聞えたのです。そういうふうにお答えになったように私は聞こえた。それならば、今西村君が再三再四局長にお尋ねいたしている点は非常に不明確だった。私も不明確だと思ったのですが、西村君の質問は、管理監督の権限は都道府県教育委員会にある。従って、文部省は定時制高等学校の教科の内容についての個々の問題について、いわゆる教育内容にタッチするのは助言と指導、これ以外のものはない。ところが、すでに内容的なものをあらかじめ指定するということは、教育内容に入っていくのじゃないか。だからそれは本来都道府県教育委員会の所管に属する教育内容の権限を侵しているのだ。従って、これは、教育行政の体系を乱しているんじゃないかという質問のように僕は聞いたのです。それについての次官のお答えは、たしか二つの点からの議論があるが、その場合に、教育内容を低下させないというか、あるいは逆にいえば、向上させるというか、そういう面を重点にして考えたのであって、これは受け取り方ですけれども、そういった行政の体系を乱すことはやむを得ないというふうに聞こえた。私はそうとりました。これがそうだとすれば、ちょっと問題点だと思うのです。おそらく緒方さんも、その点はそうではないというふうに答えられておったように私は先ほどから聞いておったのですが、行政の体系を乱さない。しかし二つの観点をあげられて、前者と後者で、後者の方にウエートを置いてやったのだということになれば、前者の方については、それは若干の問題があってもやむを得ないというふうに聞えるわけです。そうすると、これは法律上のテクニカルとしても重大な問題です。行政の体系、そのときの法規によって定められておるいわゆる所轄権限を侵すようなおそれのあることであっても、内容を低下させないとか、内容を向上させるとかという議論によって左右できるということになれば、これは非常に問題になる点だと思うのであります。従って私は関連質問を申し上げたわけです。その点は一つはっきり明確にしておいていただかぬと、これはそのままで聞き過せるというような御答弁でもなかったように思うので、もう一ぺんはっきりおっしゃっていただきたいと思います。抽象的な議論ならそれはわかるのです。抽象的な議論ならわかるのですけれども、議論を発展させるとなると、問題になってくる点ですね。

高見三郎自由民主党文部政務次官

○高見政府委員 お答えいたします。私のお答えがあるいは言葉が足らなかったかもしれません。私は体系は乱しておらないと思っております。指定を文部大臣がやるか教育委員会がやるかという問題であろうと思う。その場合に、教育委員会がやることがいいか、文部大臣がやることがいいかということは、一にかかって教育内容を低下させず、教育体系を混乱させないというのには、どちらがいいかということに判断の基礎を置かなければならぬ。ウェートをどこに置くかということになれば、どうもこの場合は文部大臣が指定した方が適当ではないか、こういう判断に立ったのだということを申し上げたつもりでおります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 その答弁は、辻原委員もいわれたように、内容を向上するためには体系云々に対しては顧慮する必要なし、こういう議論になるから、文部省は文部省自体の判断によって、今の教育体系をいかように侵害してもかまわない、こういうまことにおそろしいというか、思い上った立場にあるのだと断ぜざるを得ないようになってくるのです。本気であなたはそんな工合に思われるのかどうか。そしてまたもう一つの議論をすれば、教育委員会があの施設は文部省の設定した基準に該当して、あの施設における実習を教科の実習とみなして差しつかえないという判断は不可能であるという断定がまず前提になっておる。あなたの理論では、教育委員がやったのではそれは適正に行われない、こういうようなことになってくるが、それはあなた都道府県教育委員会をあまりに軽く見た、見下げた話になりませんか。たとえばあそこのスタッフをずっと見ると、免許状は、こんなことはだれにだってわかる。授業時間数はなんぼだ、これはだれにだってわかる。設備云々だって、一つの相当厳格な基準をきめなければいかぬ。それに照らしてやるのですから、都道府県の教育委員会がそれができないなんという判定をされることそれ自体がおかしいですよ。都道府県の教育委員会なりあるいは市町村の教育委員会が——市町村の教育委員会はあまり充実していないかもしれませんが、少くとも都道府県の教育委員会に対しては、教育の管理運営の主体としての立場というものをもっと尊重していかれるべきじゃないか。これはやはりあなた方の考え方の中には、勤務評定を文部省の一つの圧力でもって強行する、あのことからずっと一連の考え方が通じているのです。だから私ははっきりしてもらわなければならぬのは、都道府県の教育委員会があなた方の示された基準によって指定できないと、それほど軽く見ておられるかということが一つと、それから次官が言われるように、教育の行政系統の法的な一貫性はどうあろうとも、こうするのが教育上効果があるのだとしたときは、文部省はどんなことをやってもいいという工合に考えておられるのか。あなたの答弁を聞けばそういう工合にはっきり私たちは受け取れるのです。その二つについての御答弁を願いたい。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 その高等学校を設置しこれを運営管理していく責任が教育委員会にあることは申し上げるまでもないのでございまして、その行政系統と申しますか、それを乱すような考え方は一つもないのでございまして、ただ今申しておりますことは、私その施設を指定をするのは文部大臣が指定するのだ、こういうことを申し上げたようなわけです。ちょっとそこに混乱がありはしないかと思いますことは、指定と申しますのは、全国においては数多くそういう施設があるわけでございます。その中から高等学校教育と連携する程度のものはこれこれだということを指定するわけでございまして、この高等学校とこの施設と連携をすると、そういうふうな指定をするわけじゃないのでございます。一般的に数多くある訓練施設の中で、これこれのものはそれだけの水準があるものだということを指定する。そうして国公私立の高等学校がそれと連携してやっていける、こういうことになるわけでございまして、その意味から申し上げましても、行政系列が乱れるということは私は一つもないと思います。それで文部大臣が指定をした方が適当である、こういう観点に立ってこの法律を作っている。提案の理由の御説明を繰り返して申し上げているわけであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 先ほどはあそこの施設のこの教科といったような工合に、個々に指定するという答弁でございましたが、今度は何々が設置する施設、こういう工合にするのだというように答弁が変ったように私は聞いているのですよ。たとえば職業訓練法に基く何とか、あるいは労働省の職業補導所の何とかという工合にずっと例示していく、こういうことのように今の答弁は聞いたのですが、そうじゃなくて、あなたの方ではこれはどこの施設、こういう工合に個々に指定するのでしょう。そうでしょう。そうすると、混乱しているのはあなたの方じゃないですか。答弁が先とあとでは、私たちはまるで受け取り方が違う、違うような答弁をなさっている。基準を作ってそれから例示するまでが文部省である、これを称して指定という条文に法律上するのだ、こういうことに今の答弁はなりますが、先ほどの答弁では、個々に施設を指定するという、一体どっちなんです。混乱しているのはそっちでしょう。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 私のお答えがちょっとわかりにくかったかもしれません。その点は遺憾に存じますけれども、私が申し上げましたのはこういうことでございます。指定はもちろん個々でございます。一つ一つの基準は、先ほど申しましたような内規と申しますか、基準を考えて、それによって厳密に指定をしていく、その指定は個々にいたします。しかし、その指定をする仕方が、この高等学校とこの施設と結びつく、そういうような指定をするということを言っておるのじゃないということを今申し上げたのであります。ですから、高等学校の方の指定をやるということじゃなくて、その指定はもちろん数多くあるうちから個々にいたします。個々にいたしますが、指定を受けたものは、高等学校と教育連携ができる施設だ、こういうことになるわけであります。そうしてその受けた指定の中で、高等学校が国公私立たくさんありますが、それが連携をして今のようなことをやっていく、こういうことでございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 個々の施設と学校を、これとこれを結びつけるのを文部省がするのじゃない、そんなことは学校もできないでしょう、都道府都教育委員会もできないでしょう。ですから、そんな結びつきは文部省はできないだろうと私は思う。そうすると、あなたが言うように、個々の施設と学校を結びつければ、ここの子供はここの定時制しかいけないということになってしまう。そんなことはできっこない。そんなことは話に上せるまでもない。だから、個々のあれを指定するというのだから、やはりその指定は教科の一部を履修するという目的を持って指定するのですよ。それは高等学校教育の一部なんです。たとえば分校を出た、高等学校の実習学校を出たという工合になって、それはやはりその高等学校の教育の範囲内なんですよ。そういう範囲内の一部を文部省が指定する。他は教育委員会が認可する。こういうような工合に、高等学校の一つの教育を分けていくということは、これが行政系列を乱さないというような強弁はどこからも出てこないじゃないですか。私は表現が下手ですから、言わんとすることを的確に言えないかもしれませんけれども、私たちの常識ではそういう工合になるじゃないですか。それと別のもので、それ自体において何かを養成し、またそれに資格を与えていく、こういう高等学校の資格の上から全然別個のものであるというならば、これは何をか言わんやです。一体どうです。それをあなた方はそういう考え方で強硬に押されようとしますけれども、これは教育行政の系列を文部省が一部からくずしてくる、侵蝕してくるということとともに、その根本は教育の自治という、地方分権というものを侵害する現われだという意味において、私は今しつこくあなた方にお聞きしているわけです。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 この高等学校とこの施設とを結びつけるというような言い方をいたしましたけれども、これは行政系列を乱す、教育委員会が当然やるべきことである、文部大臣がやるのはおかしいじゃないかというお話がございましたから、だから私はそう申し上げたわけでございまして、高等学校に一々指示を与えるというようなこと、この指定をやるべきじゃない、そういうことを申し上げたかったわけでございます。その意味で行政系列を乱すということは私は出てこないと思います。そこで、その施設が高等学校の教育と連携するのに適当であるかどうかということは、これは文部大臣が指定をした方がより適当であろう、こういう判断をいたしております。高等学校の教育につきましては、その学科あるいは教科につきまして、これは文部大臣がその基準を定めております。それでその水準を維持していくために適当であるかどうかということは、これは文部大臣が指定をした方が一番適当であろう、かように考えております。しかもその連携をいたしまする高等学校は、公立の高等学校だけじゃないわけでございます。私立の高等学校もございます。所管はそれぞれ違いますけれども、指定は文部大臣がやる、こういう制度にいたしたいと思うわけであります。

斎藤正文部事務官(大臣官房総務参事官)

○斎藤説明員 少し局長の御説明に補足さしていただきますが、局長ただいま申し上げましたように、御質問が一般的に、都道府県の教育委員会が高等学校の所轄庁あるいは監督庁という立場だから、その監督庁が指定するということが適当であって、それ以外のものが指定するということは行政の系列を乱すのではないかという御質問だったのでございますけれども、ただいま局長が御説明いたしましたように、都道府県の高等学校が他の教育機関を利用する場合に、その指定をその設置者がみずからやれ、こういうような趣旨の御質問であれば、それは一つの考え方でありますけれども、たとえば都道府県立のものは都道府県の教育委員会がやれ、市町村立のものは市町村の教育委員会がやれ、あるいは私立のものはその設置者たる私立がやれ、こういうようにお考え——もちろんそういう制度をとれないこともございませんけれども、全く異質の施設でございますから、それぞれ設置者がみずから指定をして、みずから利用するよりは、こういう技能教育施設のような新しい制度でもあり、かつ今回のようにそれを学校教育の中に利用していくという、今まで全くなかった新しい制度でありますので、その全国的な水準を確保いたすためには、文部大臣が一定の基準を設けて、みずからについてもその基準を守りつつ指定をする、そして指定されたものの利用の仕方そのものは、それぞれの学校なり教育委員会等の指示もあるわけでございますから、どちらが適当であるかという政策上の御議論はいろいろございましょうけれども、そのことのゆえをもって設置者が指定しなければ行政の系統が乱れるのだということには相ならないのではないかと思っております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 いろいろお聞きしますけれども、あなた方の言われるのは単に理屈のための理屈にすぎない、こういう工合にしか聞えない。重大な点は、私が質問しましたように、都道府県の教育委員会が施設を指定すれば内容の確保ができないと断定をして、それを前提にあなた方はその通りと思われるか、都道府県にまかしてはとてもだめだという工合に言われておるのか、その点を一つはっきり言ってみて下さい。

高見三郎自由民主党文部政務次官

○高見政府委員 私どもは都道府県の教育委員会にまかしては危ないとか、さようなことは毛頭考えておりません。ただどちらが適当であるかということで考えまして、文部大臣の指定にする方が適当である、かような考え方に立っておるのであります。さよう御了承願います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 どちらが適当であるかということはいろいろ内容があるだろう。たとえば法的にこちらにするのが内容的に適当だ、実質的に適当だという理由があるわけですね。法的にはどちらでもいいということを強弁されておる。だから法的にこちらが適当であるという役人さんの理窟は聞いた。そうすると内容上都道府県にまかせることは適当でない、すなわち都道府県の教育委員会にまかせれば内容が劣るんだ、こういうところにずっといってしまうじゃないですか。どうなんです。都道府県の教育委員会に指定さしても何ら問題はないと思っているのだがというようなことをあなたは仰せられる。これでは支離滅裂です。どうです。

高見三郎自由民主党文部政務次官

○高見政府委員 別に支離滅裂だとは思っておりません。私どもは法律的に文部大臣が指定することが不都合だとは毛頭考えておりません。ただ全国区区になっており、公立の高等学校もあれば私立の高等学校もある。監督権から申しますと、公立高等学校については都道府県委員会が設立者であります。私立学校の場合には監督庁は府県知事になっております。そういう関係から考えましても、全国区々になっております。これらのものをだれが指定するかという場合に、一番適当なものはだれかというならば、私は文部大臣じゃないか、かような観点で今回御提案申し上げたということを申し上げたのであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 関連して。先ほどちょっと質問申し上げたように、今度の法律案の中で、指定の仕方からそういういろんな疑問が出てくるのです。私は定時制高等学校と短大、通信教育と短大との連携がいいとか悪いとかいう議論の前に、やっぱり手続論に若干の疑問が残る。今の西村君の表現をもってすれば、支離滅裂だということもあながち間違っていないと思う。どういう点から、どういう指定の仕方をするだろうかということを私も聞いておったのですが、条文そのままを見れば「技能教育のための施設で文部大臣の指定」とありますね。明らかに施設という言葉が入っているから、これは具体的に指定するということになるわけですね。単なる基準じゃないわけです。おそらくこの条文を取り上げた場合、私は相当問題があると思います。どういう格好になるのだろうか、その場合一番の前提は基準だろうか個々の施設だろうか。法律によれば施設と書いてあるから施設だと受け取れる。そうすると一般的基準じゃないわけですね。そこから疑問が出る。そうすると学校教育法の四十三条に書いておるいわゆる監督庁の権限云々というのは教科に関するものですね。学科及び教科に関する事項は、監督庁が定めるとなっている。片や文部大臣の所管権限を見れば、これは今度の指導要領の改訂においても明らかであるごとく、また従来の指導要領の取扱いにおいても最も明白であると思いますが、これは一般基準にすぎないわけです。そうすると、個々の施設を指定して、そうしてやることが、直ちに定時制高等学校の教科履習の一部とみなす、こう出るわけです。それはもう個々の教科、それから法律に書かれておるところの学科、これの具体的内容に入っておる、こう解釈をすなおにすべきだろうと思います。そういたしますと、私は西村君のような議論が出てくると思う。すでに具体的なものを指摘する、その具体的なものは直ちに履習の一部になるから、履習の一部というものは学科及び教科です。だから当然従来は監督庁が定めておったその教科、学科の一部を文部大臣が指定する、こういうことになるんだから、これは従来の監督庁の権限の一部を侵害するのではないかということは確かに成り立つと思う。逆に言えば、もしここの法律で、これら施設についての一般基準は文部大臣が定める、こうあるならば、その点の疑問が薄いと思う。それは文部大臣が持っておるところの教科に関する一般基準ですね。いわゆる学習指導要領等に準拠するところの文部大臣の権限の行使だ、こういうように判断できるが、ここの施設、ここで言っておるこれは当然定時制高等学校の一部だ、こうやってしまうから、そういう権限が、つまり常識的に、通俗的にいえば、これは聞けない表現ではないけれども、厳密にそういうふうにして押えていけば、やはりこれは一つの法制上の建前からして、行政組織論というか、そういう意味からいうと、何がしか疑問が残るのです。その疑問をもう少し、これは悪い表現かもわからぬが、法律的へ理屈じゃなしに、やはりそういう点についての疑問を解明しておく必要がある、こういう意味なんです。

緒方信一文部事務官(大学学術局長)

○緒方政府委員 御説のように、指定はまさに個々のものに対する指定でございます。しかし指定というのは、この施設は高等学校教育と連携するために適当であるかどうかという点の指定でございまして、その指定をされたものについて高等学校の方が連携しようと思うものは連携する、こういうことになるわけです。その指定は個々についてやります。指定をするにつきましての一つの基準というものは、文部省自身として持ちまして、それに照らしてやる、こういうことでございます。  そこで、今のお話でありますが、四十三条をお引きになりましたが、四十三条におきまして、高等学校の学科及び教科に関する事項は、監督庁が定めるとございまして、監督庁の読みかえは百六条にありますが、これは文部大臣でございます。そういうふうに高等学校教育の一つの水準をきめる、教育内容の水準をきめるものは文部大臣でございますから、その水準とやはり同程度の水準を維持していくために施設を指定するわけでございますから、その指定をするのは文部大臣が適当じゃないかということを先ほどから申し上げておるわけであります。  それから指定の基準として、先ほどいろいろ申し上げましたけれども、あるいはその指導者について、原則としては高等学校教員と同じような資質の者とか、いろいろございますけれども、指定していくのは、各地の状況もございましょうけれども、やはり統一した指定をやっていくということが必要じゃないか。そのために、繰り返して申し上げますけれども、文部大臣が指定した方がより適当である、こういう判断のもとに実はいたしたのであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 本会議が始まったようですけれども、私の今の質問は、今の御答弁によって解明されたと思ってもらっては困る。ですから、今後に留保して、もう少しあなた方の方ではっきりした——高見次官は、都道府県教育委員会が指定しても内容が劣るというような工合に教育委員会を軽く見てはいない、こう言われたのだから、こういう条文を作るには、法的にこの方が妥当である、こういうような見解が主にならなければならないと思う。ですから、そういう点についてもっとあなた方は、今言われたような工合にへ理屈めいた受け答えをせざるを得ないようなことでなく、ほんとうに文部省としての見解が私たちの納得のできるような工合に検討しておいで願いたい。きょうは留保させていただきまして、これで一応打ち切りたい。

坂田道太自由民主党

○坂田委員長 ただいま本会議が開会されましたので、本日の質疑はこの程度とします。あすは両法律案に関し、午前十時より公聴会を開会いたします。  これにて散会いたします。     午後三時十三分散会

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