農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/17
会議録
○助川委員長代理 これより会議を開きます。 本日松浦委員長は都合により委員会に出席できませんので、指名により私が委員長の職務を行います。 農林漁業災害に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。久保田豊君。
○久保田(豊)委員 厚生省にまずお伺いをいたしたいのでありますが、時間の関係もありますから簡単に要点を申し上げたいと思うのです。 第一は、これからの問題ではなく、もうすでに終った問題ですが、今度の伊豆の災害等で私ども経験したところによりますと、災害救助法の実施期間といいますか、さらに救助の対象、方法等が私は非常に不十分だと思うのであります。少くともああいう大災害のあった——これは水害に限りませんで、火災でもそうでありましょうが、大災害のあったときには、今の災害救助法の規定を、少くとも二カ月くらいの間はやはり全面的に、ものによってはもっと長くやる必要があると思います。それから、もう一つ、今度は応急住宅は一応できました。できましたけれども、非常に予算その他が制約されております関係で、水害の場合のごときは、特に今度のような場合は寝具がほとんどありません。さらに着るものもない、こういうのが実情であります。これは一部毛布等の配給はありましたが、その毛布の配給はどうかというと、大体におきまして一家庭六人くらいの家庭に三枚ないしせいぜいいいところで四枚、これでは水害直後のああいう状態の中で健康の維持はできません。食うものにいたしましても、むすびだけです。むすびで、あの非常に経済的にショックを受け、しかも心労と非常にからだも疲労している、その上にもってきて非常な働きをしなければならぬというときに、むすびとたくあんで一週間も三週間もやられては、全くこれは栄養失調にならざるを得ない。しかも野菜はなし、何もなし、買う金もない、こういう状態の中であっては、私は今の災害救助法の規定では不十分だと思う。少くとも当面の衣食住がさしあたりの安定をする程度まではその期間を延ばすこと、並びにこの救助品目、救助方法、従ってそれに対する予算措置等もはっきりいたして、そうして二十八災当時やりましたと同じように地方の負担を軽くするという特別基本的な改正が私は必要だと思う。これなくしてはこれはもう今つなぎがつかないのであります。今でも——まあ幸いに救援物資が相当来まして、寝具等はある程度行っておりますが、私もついこの前の日曜、月曜日にかけて現地を見て参りましたが、まだほとんど寝具のない連中が相当多い。こういう点について基本改正をする意図があるのかないのか。現行法ではどう考えても不十分であります。この点を第一点としてお伺いしたい。
○安田(巖)政府委員 災害救助法の基準でありますとかあるいは適用の期間等についての御質問でございますが、この災害救助法というものの性格につきましていろいろ御意見があるかと思うのでありますけれども、とにかく災害が起りましてからの応急措置ということを実は考えておるわけであります。そこで、たとえばたき出しにいたしましても、お金がありましてもなくても、とにかく食糧が入らないという期間だけというような考え方であります。また、そういう場合にはいろいろな十分なものが入らぬだろうということを予想いたしましてきめた基準でございまして、実は、たき出しにいたしましても、一日五十円というのは、ことしの春四十円から五十円に引き上げたばかりのようなことであります。その他の適用の期間等につきましては、静岡の例をとりますと、大体私どもの方できめた基準で適用の期間は実は間に合っておるのでありますけれども、しかし、避難所の施設でありますとか、たき出しの実施期間でありますとか、あるいは医療、助産の期間等につきまして、現地に私どもの方の課長が参りまして、その場で適当な延長をやったわけであります。基準としては、大体全国的な災害に対してはそれで間に合うし、静岡県におきましても大部分それで間に合ったわけでありますが、ただ、現在までやっておりますのが、韮山に避難所を設けておりまして、これを十九日間に延長いたしました。これはしかし県下にここだけでございまして、二十六人がその避難所におるという状態でございます。それから、仮設住宅のことにつきましても、これは私どもできるだけ実情に沿うようにいたしたいと考えておりますが、現在は二百五十戸が二十日までに全部できるということで、実はきのうも私静岡の民生部長に会って相談いたしたのであります。それから、第二次の百七十四戸も、もう切り込みをやっておりますので、着手できるということでございます。これはほかの県の救助に比べまして非常に静岡は早くいっている方じゃないかと思って、地元の努力に敬意を表しておるわけでございます。そういうわけで、大体地元の御要望には沿い得ているのじゃないかというような気がいたします。なお、いろいろ御意見もございましたので、そういった問題については今後よく検討してみたいと思います。
○久保田(豊)委員 今お話しになったような点は、私どもは自分が被災者ですからよく承知をしているのです。しかも、被災をしておる者の実際の現状を見た場合には、上の方からごらんになるのとは違う。ですから、災害救助をやるなら、少くとも一応の衣食住のさしあたりの安定というところまで考えなければ意味がないじゃないか、こういうことを申し上げておるのですから、そういう観点から、もう一度基本的な再検討をぜひともお願いしたい、こういうわけです。 その次にお伺いをいたしたいのは、私は、どの災害にもというわけではありませんが、ああいう特にひどい災害の場合は、地震なり火事なりあるいは風水害なり等を含めまして、第一は生活保護法の特別適用という道を開く必要がどうしてもあるのではないかというふうに思うのです。というのは、今の生活保護法でいきますと、農林関係の方では生活面に対するめんどうを見る法律は一つもないのであります。生活保護法の適用が、できるとすれば、これ一つです。そのほかには、生業資金の一万二千円の借り受けができるとか、あるいは世帯更生資金とか、母子資金とか、こういうものしか活用ができない。ところが、これらはいずれもいわゆる防食という見地から立てられたものであります。ところが、ああいう罹災者の場合はそうではないのであります。もうすべて家もたんぼも食うものも一切なくしてしまったが、また立ち上ろうというわけです。そういう点で特性を持っておる。そういう人たちが、しかも借金をよけい背負ってはあとあと生活が立たない、経営もできていかない、こういう問題があるわけなんです。そこで、私が特に厚生関係で考えていただきたいのは、ああいう激甚な被害のあった場合に、特別な生活保護法の適用の道を開いてもらいたい。その条件は、不動産があるからといって保護法の適用を除外するというような従来のやり方、これをまず第一に改めてもらう、この点が第一点です。それから、第二点は、世帯は所得は多少ありましょう、今後所得をとらなければならぬのですから、これはおそらく復興事業の土方をしてとるということになりましょうが、この所得でも、今の基準賃金は二百八十五円ですか、大体そのくらいです。これでは一家七人なり八人なりの者がなかなか食ってはいけません。しかも再生産のための借金その他相当その間にやらなければならぬ。それも不十分だ、こういうことですから、所得があっても所得差し引きをしない、あるいは進学の制限をしない。高等学校以上に行きますには生活保護をもらっているとだめだ、こういうことになりますが、そういうことでなしに、しかも二年なら二年というふうに限定をした生活保護の特別適用の道を開く必要が私はどうしてもあるのじゃないか、これをしないとほんとうの国家の温い手を差しのべることはできないように思いますが、この点についてはどう考えるか。そういう基本的な立法措置をとる必要もある。もしそういう基本的な立法措置をとることがきわめて困難であるならば、災害その他の場合においては特例法を作る必要があると考えるが、この点はどう考えるか。
○安田(巖)政府委員 災害でいろいろ収入がなくなるとか、あるいはそういった生産手段に非常に損害を受けたために生活の見通しが立たないというようなことは十分想像されるわけでございまして、今のお話のようなことはどの災害でも実は出てくるわけでございます。私どもはそういった方々に対しまして生活保護法の適用については十分一つ迅速に適正にやらなければならぬということをいち早く通牒はいたしておるわけでありますが、ただ、生活保護法の特別措置法を作るかどうかということにつきましては、実はこれはむずかしいのではなかろうかという考えを私どもは持っているわけであります。申すまでもございませんけれども、生活保護法はいわゆる公的扶助制度として国民の最低生活をささえるという形になっておりまして、法律にもはっきり書いておりますように、原因が災害であろうと、あるいは夫の戦死であろうと、あるいは戦争の災害であろうと、病気であろうと、もうそういった原因のいかんを問わないで、全部一様に公平に最低生活を保障するというところが生活保護法の一つの特色だと思うのであります。もし災害だけにそういった特別なことをやるということになれば、もう生活保護法の精神がくずれるわけでございますから、やはり、私は、生活保護法は生活保護法として残しておいて、そうして、もし災害だけに特別措置をとらなければならぬ理由があるならば、それは災害立法でやる、こういうふうに考えております。 なお、生活保護法の適用に当りまして、土地があるからどうとか、あるいは高等学校に行っていると生活保護をかけないとか、今いろいろお話があるわけでありますが、これは、たとえばたんぼが流れたのだから生活できないことは当然わかっているじゃないか、だからかけろというようなことをおっしゃいましても、やはり、一つ一つの世帯について収支の状況を調べて、そうしてその人は収入がこれだけあってそれに対して支出がこれだけだということを詳細に計算しないでいきなり適用するということは、今の生活保護法の適用の趣旨からむずかしいのではないか。しかし、自分がそれによって食べておるような耕地を売らなければ、土地があるから生活保護はかけぬというような非常識なことはいたさぬようにいたしております。なお、高等学校の問題も非常にむずかしい問題でございまして、災害よりか、実は戦争未亡人なんかの場合に、自分がこの子だけがたよりであって、頭がいいし、従前の生活も非常に高い生活をしておったという人が、戦争によって転落して生活保護を受けた、そこで高等学校なり大学へ行かせてくれという話は、これは私ども情においてはまことに忍びないものがありますけれども、しかし、同時に、同じような世帯で、今度は初めから中学校だけでやめさせまして家計の助けをさせておる、しかもその人たちは生活保護を受けていないという家庭がたくさんあるわけであります。現在、御承知のように、義務教育を終りまして高等学校に進学いたします者は大体半分でございます。大体そういったわけで、せっかくのお話の御趣旨に大へん反するようでありますけれども、生活保護法の適用に対して特別な措置をとるということはむずかしいのではないか。ただ、生活に困られるというような方々に対しましては、よく調査をいたしまして、直ちに生活保護の措置をとるように十分努力していきたい、こういうように私ども指導しております。
○久保田(豊)委員 今おっしゃった生活保護法の基本は私どもわかっているわけです。しかし、国の根本から言えば、最低の保障をするということと同時に、災害といういわば一種の——これは私は特に水害の場合は一つの政治の貧困から来たものだと思うのです。その人たちが立ち上りたい気持を持つ、今は使えませんが、一年か二年たてば立ち上るだけの基本条件を備えておる、こういう状態の中で、しかも自力では立ち上れないという者については、一定の限度を設けてやるということが、私は大きな意味での生活保護法の基本的な目的だろうと思うのです。ですから、今お話しになりました点は私ども一応承知しておるのです。承知をしておる上で、そういう措置をとることがほんとうの意味での生活保護法の目的を生かしていくことになりはせぬか、また災害復興ということの大きな意味を生かしていくことじゃないか。これも私は長期にわたって今後何十年もやれと言うのじゃない。日本の治山治水対策ができて、もっと今よりも災害の程度が少くて済むようになれば、そういう必要もなくなりましょう。しかし、今のところは、御承知の通りに非常にそういう方に手ぬかりが多いために、災害をこうむったボーダー・ラインの一歩行けばなくなってしまうという人たちに対する生活面での保護の手がほとんどないということであります。ですから、そういう点で、立ち上れる人をボーダー・ラインから下に落さずに、ほんとうの生活保護対象家族にならぬような措置を考えることは、予防的意味においても必要ではないか。そういう意味において、ぜひこの点も基本的にもう一歩深めて検討してもらいたい。現在の基本法のワクにはまって考えれば、そんなことはできませんという答えが出てくることはわれわれも百も承知している。そうではないのであって、私が今お願いしてお話ししているのは、その基本をもう一歩掘り下げて、日本の現状から見て考えることが生活保護法全体の基本的な目標というものを達する道ではないか、こういう意味でお願いしているのですから、この点も御検討をいただきたいと思います。今局長からすぐどうしますこうしますという回答がいただけないことは私も承知しております。 もう一つの点、これは今度の特性であり、また大きな災害のときにいつも出る問題だろうと思いますが、まだ実態はわかりませんが、今度の災害で大ぜいの人が死んだ、その結果といたしまして、相当多数の災害による孤児、あるいは老人、あるいは母子家族、学生等が出ております。私自身も、親戚でもって、全体が八人でありますが、そのうち六人がやられました。そして残ったのが八十二の老人であります。もう一人は東京で大学に出ておりました子供、この二人だけしか残っておらない。ところが、家も家数も全部流されてしまった。たんぼもがらがらになってしまった。わずかに山が二、三町歩残った程度であります。これではどうにもしようがないわけですね。こういう者に対しては今の法制ではうまく当てはまらないものがありますが、特別保護費というようなものを月に三千円なり四千円なりこういう人たちにやるという道を開く必要があるのではないか。そうすれば、親戚でもどこでもこれを引き取って、災害者として、もう子供の場合においては一人前の青年になるまで、あるいは老人の場合には死ぬまでめんどうを見てやる必要がどうしても出てくると思うのですが、その道が今のところは完全に開けておりません。母子家族については、何ですか一千円かの特別加給があるようですね。しかし、それだけでありまして、ほかについてはほとんどないのであります。これは老人ホームへ行けとかなんとかいうことですが、それでは災害が今のような状態で発生しておる実情に合いません。ですから、この場合においての特別保護の道を開くことをお考えいただきたい。現状は私ども承知をしておるが、一つこういう特別な考慮を立法上講じてもらいたいということです。この点についてはどうですか。
○安田(巖)政府委員 今おあげになりました例は、これは大へんお気の毒なことでございまして、もしそういう方に三千円なり四千円なりのお金を月々国の方から払えるということになれば確かにけっこうなことだと思うのであります。ただ、現状はできないということは御承知の通りでございますが、これを立法論として考えます場合に、確かに今度の災害だけをとって見ますとそういうことでお気の毒でございますが、しかし、国としては、そういう政策をとる場合には、同じような立場の人に同じような措置をしないと不公平になってきはしないか。たとえば原爆被害者の問題、あるいは徴用学生の問題、あるいはまた戦死者の未亡人の問題であるとか、それから小さい災害もございますし、交通事故まであるわけでございます。そういう点で実は去年も国会でそういうふうな問題が出たことがございます。いろいろ御審議を願いましたけれども、どうも名案がなくてそのままになったのでございます。そういう難点はございますけれども、上司にも報告いたして研究いたしたいと思います。
○久保田(豊)委員 この点は、立法論としては、政治の均衡化というふうな点でケースが非常に多くあると思いますので、困難だということも私承知しております。しかし、どうも今度の経験等から見ますと、しかも災害の現状等から見ますと、私はそういうことが必要ではないかと思うので、この点も一つ掘り下げて御研究をいただきたい。そして、できれば一応の成案はできるだけ早く得ていただきたいということを、お願いしておきます。 それから、そう一つの点は罹災者ないしは犠牲者に対する何らの国家の弔慰なり見舞の制度がないのです。自動車事故の場合でも、確かに保険はかけるかもしれませんけれども、三十万円はもらえる。その他の災害でも相当な補償金がある。ところが、水害や火災の場合は、保険に入っていれば別としまして、国としては何らの措置がとられていない。こういう死者、犠牲者に対してはある程度の国の弔慰金なり何なりを出す必要がある。重傷者に対しましてもある程度の見舞金、それから軽い者については必要ありませんが、被害の特に甚大で壊滅的な打撃を受けた者につきましては国があたたかい手を伸べるという意味で一定金額の見舞金を出すのが当然ではないか。こういう被害者は自己の過失によってそういう状態に陥ったわけではないのです。天災だと言えば天災ですけれども、むしろ政府の貧困からそういう境涯に一挙に落されてしまった。それに対して政府が何もしないということは、ちょっとおかしいのじゃないか。特に、前の母子家族の問題にいたしましても、今の見舞金ないしは弔慰金等の問題にしましても、あるいは生活保護法の問題にしましても、片方においては国民年金制度等社会保障の線が大きく引かれようとしいるときに、国の政治の貧困によって起ったこういう人たちに対して特別な措置をしないということは、私は政治的に見てもある意味での片手落ちではないかというふうに考えるわけです。こういう点もあわせて御研究をいただきたいと思いますが、この点についてはどうです。
○安田(巖)政府委員 死者に弔慰金を出したらどうかという御意見でございますが、実は、昨年の諌早の水害のときに、やはり同じようにたくさん死者が出まして、そういう問題が出ました。それから、ことしも、この問題につきまして、先般自民党の災害特別委員会に呼ばれまして、そういうお話がちょっと出たのであります。しかし、先ほど申しましたと同じような理由で、たとえば、災害が大きければ出すか、それから災害救助法にかからないような災害でも、一カ所で二十人も三十人も死ぬようなこともありますが、そういう場合はどうするのか、それから、先ほど申しました戦争犠牲者の問題とか、いろいろございまして、結論としてはなかなかむずかしいというようなことであったのであります。やはり、今お話がありましたように、こういう問題に対して何らかの補償をするということになりますれば、国民全体を平等に対象にした社会保障制度でいくのが、遠いようでも近い道ではないかというような感じがいたしますが、なおそういう御質問の御趣旨につきましてもまた十分一つ研究してみたいと思います。
○久保田(豊)委員 今現行法を中心にしてのお答えがあったわけです。現行法でそういうことがむずかしいということは私どもも百も承知であります。百も承知でありますが、基本をもう少し掘り下げて再検討する必要があるということを申し上げているわけです。いろいろのケースを取り上げてこれもあれもと言えば、ますます立法論としては困難になるにきまった話です。しかし、とにかく今日の国の政治なり何なりのあり方の一つの重点的な穴については重点的に考えていくということがやはり必要だろうと思います。そうでなくても、大きな力を持っている者については、たとえば旧軍人等についてはいろいろの措置がとられているわけです。あの人たちと比べて、今の災害でもって死んだ、あるいは孤児になった、あるいは身寄りのない老人になった、こういうことを考えた場合に、どういう均衡論がそこに成り立つのか、これはもう一歩深く国の基本の政治のあり方として考えるべき問題である、こう考えるわけでして、その点はここであなたと議論を戦わそうとは思いませんが、厚生省としてはそういう点を一つ深く掘り下げて、重点的な施策あるいは立法措置というものをぜひこの際立てていただきたいということをお願いして、まだ衛生施設とかその他についての高率補助の問題等ありますけれども、厚生省関係は一応これでもって打ち切っておきます。 すぐ農林省に移ってよろしゅうございますか。——それじゃ農林省関係で、これはいずれ大臣が見えましたら、基本的な問題ですから、お伺いいたしたいと思いますが、今度の伊豆の災害、あるいはそれと同じような、非常に局部的ではありますけれどもひどい災害のありました場合の、これに対する農林省の、農業関係におきまする営農復活とでも言いますか、こういうことに対する基本的な方策というものについて、もう一度基本的に考え直していただきたいということであります。と申しますのは、私は事実を一つ申し上げてみたいと思うのでありますが、今度の私の方の災害の実情を見ますると、家族もなくなった、家も流れてしまった、農機具も全部流れてしまった、それからたんぼも全部だめになってしまったというふうな例、それに近いようなものが全体で約千五百戸ないし二千戸近くあるのではないかと私は思っています。県の方に聞いてみますると、重災害と思われるものが約六千戸だと言っております。この調査が果して正しいかどうかはわかりませんけれども、六千戸近くの農家がいわゆる重災害を受けておるのです。そのうちには、家が残ったものはありますけれども、農機具とか家畜とかたんぼとか、そして一年間の収入というものをほとんどなくなしてしまった。しかも、農地の災害復旧その他を早くやっていただきましても、まず来年度食糧の植付ができればいいところであります。下手にまごつきますと、二年ないし一番悪いところは三年くらい、ほとんど営農収入のめどは立たないというのが今日の実情であります。そこで、これに対する営農復活ということにつきましては、今の制度では融資という道しかないわけであります。これには天災融資法に基く融資なり、公庫の災害融資なり、あるいは自作農創設資金の融資なり、この三つが大体おもなものでありましょう。ところが、実際それで成り立つかというと成り立たないのであります。私の方で一番おもなものを約二千戸について大体推定をしてみますると、これが一人前になるには借金してやるとどういうことになるかといいますと、農地関係が大体——高率適用になった場合とならぬ場合ではだいぶ違って参りますが、地元負担が——これは結局農民負担になります。農民負担になるものが、高率適用になった場合には約七万円であります。高率適用にならぬ場合には約十三、四万円の農地の復旧関係の負担がどうしても出て参ります。さらに、家屋の復旧に、これも最大限借りられたとして二十二万円かかります。それから、天災融資法による営農のいわゆる当用資材とでも言いますか、こういうものの復旧に、どうしてもこれはぎりぎり借りられるとして十五万円かかる。さらに、公庫の災害の指定融資を受けたといたしまして、これが現在は十五万円のようですが、この点についてはあとでただしますが、かれこれ二十万円、これは農畜舎とか農機具とか、あるいは家畜とかいう農業の再生産の基本資材であります。これに主として回るべきものと私は考えます。こういうものがかかる。さらに、自作農創設資金がかりに二十万円借りられるとしても、これは、今厚生省にもお尋ねしました通り、生活の方法がないのであります。これは土方以外には実はあまりない、こういうことであります。それから旧債が相当あります。この旧債の借りかえの分にこの二十万円はほとんど消えてしまいます。そうしますと、これだけ、今の制度のぎりぎり一ぱいを借りたといたしまして、一戸当りが大体において九十二万円になります。これはぎりぎり限度まで借りられたとしてこうであります。そのうち、農協の預金だとかあるいは保険だとかあるいは共済だとかいうものをとって、かりに二十万円を埋めたといたしましても、七十万円の借金はどうしてもこの際しなければ実際には再建ができないのであります。その七十万円に対して、これは大ざっぱな計算をいたしまして、年利が五分五厘、五年据え置きの十五年返還ということを一応の目途にして勘定しましても、据え置き期間におきまする利子がどのくらいになるかというと、年々三万八千五百円になります。それから、償還期に入りまして、均等償還をするといたしまして、元本が四万六千六百円であります。それに利子が約二万であります。従いまして、六万六千六百円というものを年々災害後に返していかなければならぬということになるわけであります。こういう状態に置かれておる農家が概括しまして伊豆の場合は約六千戸出ております。そのうちこれにほんとうに該当するものというのは私は二千戸かと考えます。しかし六千戸も似たり寄ったりの状態になる。これで今の融資制度でやっていけますか。私はこの点はおそらく伊豆だけの実例ではないと思う。今までも、たとえば九州の諌早におきましても、あるいは二十八災当時の状況におきましても、どこでもひどいところの災害地はおそらくこういう状態が実際は出て参っておると思うのであります。これではやっていけません。再生産のための最低限のものが年々これだけかかるのであります。大体農家の一戸当りの資産というのは普通五百万円と言われておりますけれども、五百万円の資産を使ってやるのに、これに対して少くとも九十万円から百万円の資金が要る。ほんとうにひどい災害をこうむって、そのうちで二十万円は借金なしに自分の従来の蓄積でしたとしてもこれだけかかります。約七万円というものは年年返していかなければならぬ。一町歩以下の経営で、このことが他の農民の農業の生産力と今の農産物価格その他の状況のもとでできると農林省はお考えになっておるのかどうか、この点を私は基本的な問題としてお伺いをしたい。 もう一つ、これに対する農林省の考え方は私は矛盾しておると思いますので、一つその点を申し上げたい。それは、たとえば開拓地の営農類型を考えてごらんなさい。東海地区は御承知の通り畑作と畜産との混同地帯です。これに対して新しい類型では全体で一戸当り大体において二百十万円の投資を予定しております。そのうち、実際にはどうかというと、融資部分が約六十万円です。それから、大ざっぱな勘定をいたしまして、補助金部分が大体五十万円です。はっきり申しましてあとは全部国家負担です。これでもなかなか立っていかないというのが今日の開拓の実情ではないか。この二つの事実を考え出してみる場合において、こういう特にひどい災害の場合においては農林省が本気に災害地の復旧ということを考えるならば、二つの結論を出さざるを得ない。その一つは何かというと、御承知の通り農地については相当の国庫補助をやっております。しかし、少くとも営農の基本資材の再整備ということについては、私は相当大幅の補助金政策をとらざるを得ないと思う。それが欠けております。今の段階ではこれが全然ない。少くともこれに対して農林省としては相当大幅の、少くとも開拓並み程度のただの金をやるというくらいの腹がなければ、年々七十万町歩もやられ、そしておそらく年々数千戸ないしは一万戸の農家がこれと同じ状態に陥っていくのを救うことはできないと思うのです。この点を農林省としては深刻に反省していただきたいと思う。この点から問題を出発させなければ営農再建なんてできません。 もう一つは、今の天災融資法にいたしましても、公庫の指定融資にいたしましても、あるいは自作農創設資金にしましても、もう一度こういう観点から利子その他手続等についても根本的に再検討する時期が来ているのではないかと思うのです。さらに、私は、こういったひどい災害をこうむった部落あるいは村全般の再建計画というものに対して、もっと基本的に掘り下げた計画がなければならぬ、方針がなければならぬと思う。これが今のところでは何にもない。しかも今の状況下では年々こういった災害が次々と起ってくる。一方においては開拓とかあるいは農地造成とかいって金をつぎ込んでおるが、これもなかなか成果が上らない。一方においてはこういうことでたくさんの耕地がつぶれ、そして相当多数の農民が全くやっていけないような状態に放置されるということになる。ですから、少くとも営農の基本資材については補助政策をとるべきではないか。また、融資制度につきましても基本的に考えをもう一度再検討する必要がありはしないか。さらに、再建にしても、できるだけちょびちょび手続をめんどうにして、そしてできるだけ金を出さない算段ばかりしておる。少くとも受け取る側ではそう取らざるを得ない。意図はどうであれ、今の制度がそうなっております。そうではなくて、もっと基本的な、こういった災害を食った部落は、その程度に応じて、そのいろんな条件に応じて、村全体、部落全体が希望を持っていけるような新しい村の再建計画——新農村計画というものがありますけれども、こういう点を結びつけて基本的に検討すべきだと考えますが、この三点が、こういう事実から見て私はどうしても出てくると思う。これは私は決してはったりで申し上げておるわけではありません。この点について私は実は大臣に十分にお聞きいたしたいと思っておりますが、当面の次官のお考えをお聞きしたいし、同時に局長からも、融資制度その他経済局関係からもこういう点について基本的な考え方なり何なりをお伺いしたいと思うわけです。
○石坂政府委員 ただいま久保田委員から、みずから今回の災害の罹災者としての御体験から、また災害地を親しくつぶさに視察調査されましたその結果に是きましてのるる御意見があったのであります。久保田委員の御発言の中には、私も深く傾聴いたした点も多うございますし、またごもっともの次第も多数感じております。ただ、問題は、久保田君の御質疑は、単に農村行政と申すよりも、むしろ政治の根本問題に関する深くかつ広範な御質問であります。事柄はお答えすることが非常に困難だと思います。先ほど私に対する質問ではなかったのですが、厚生省関係の質問の中で、今回の災害によって甚大な被害を受けた老人、未亡人あるいは進学途中にある学生等に対する処遇の問題につきましても御意見を拝聴いたしたのでありまするが、私もいろいろその間に示唆を受けて参りました。私自身も、実は私事を申し上げて恐縮でありまするけれども、昭和二十八年六・二六災害の被害者でありまして、床上浸水一尺、残された土砂の排土に約十数日を要したような被害を受けております。また、災害ではありませんけれども、私は戦争で一人の子供を失いました遺家族であります。従いまして、同じあるいは類似の境遇にある人たちに対しまして最大限度に国の政治の結果が均霑するようにということはひとしく願っておるところでございますけれども、しかし、それをいかして具体的にかつどうしてそれを実現させるかということになりますると、これは非常に困難なむずかしい問題だと思います。久保田君の御質疑をせんじ詰めて参りますと、きわめて基本的な問題でありまするだけに、せんじ詰めて煮詰まったところは、あるいは各人の人生観、世界観の相違ないしは現代の経済組織、社会組織に関する見解の点にも触れてくるかと思いまするけれども、その問題を論じますことはしばらくおきまして、われわれといたしましても、できるだけ災害を未然に防ぎ、また災害が一たび起ったならばそれに対する応急及び恒久の対策をすみやかに立てなければならぬ、こういう見解のもとに努力いたしておるわけであります。本年の早書以来の各種災害の状況を私も視察いたしまして、あるいは早害に対しましてはダムができておりましたためにその地方が全部救われた、ダムの建設のときは、ダム・サイトの人たちは非常に反対しておったけれども、早害においてその恩恵を礼賛しておる、こういう向きもございます。あるいは、もし放水路をすみやかに完成しておったならば今回の災害を受けなかったのではなかろうかという感じのする場所もないではないのであります。しかしながら、それを今ここで言っても追っつきません。問題は、この基本的な問題に対してどう対処していくかという問題でありますけれども、しかし、現実の問題として考えてみますると、やはり一定の予算と現在の法規に縛られなければやむを得ない今日の制度ではないかと思うのであります。さればと申しまして、その制度及び予算にいつまでもそのままに拘束されておるという考えでなしに、適宜、適当なる法律の改正あるいは予算の増額等もいたさなければなりませんけれども、現段階におきましては、私どもは、今の法律制定のもとにおきましてできるだけ最大限度に行政的の措置を講ずることによりまして、今回の災害に対する被害をすみやかに取り除き、また恒久対策を立てよう、こういうふうな考えを持っておるのであります。 今後日本の農業をどうしていくかということでありますが、今日本の農業も大きな曲りかどに来ておると思うのであります。御承知の通りに、西ドイツにおいては農業法というものを作った。日本でもこれに類似したような考えが朝野の間に出ておるようでありますけれども、それを作って、久保田さんの言われるような全面的に寸分残さず解決できでるかどうかということも、これまた一つの問題であろうかと思います。しかし、西ドイツの農業法にヒントを得た農業基本法の制定のごとき、あるいはまたその他適切な立法のごときも、将来の問題といたしましては十分に考究しなければならない問題であると思いまするし、私も私なりにはいろいろ考えておるのでありますが、農林省がこの際基本的に大きく考えなければならぬ時期ではないかという御意見に対しましては、私も深く傾聴をいたします。
○須賀政府委員 制度の基本に触れる問題でございまして、ただいま政務次官から御所見を述べられましたが、御質問の中に現行制度の運用の態度ないし心がけについての御指摘がございます。それらの点につきましては、われわれといたしましても、被災農家の実情も十分考えまして、現在の制度の運用につきましては十分留意をして参りたい、かように考えております。
○久保田(豊)委員 今次官からいろいろ広範にわたる御意見の開陳があったんですが、私は日本の農業政策の基本に触れている問題や人生観の問題を申し上げておるわけじゃないのです。こういう被災地で起った問題で、現に農林省が開拓政策等において実行しておる程度のことは、被災地について同じ考えで臨むべきではないか。決して基本の問題に触れて私は申し上げているわけじゃないのです。そういうものを効果あらしめるためには、悪口を言うわけではないが、農林省が数年来一枚看板にしておる新農村計画等のやり方についても——私はこの点についても具体的にあとで御質問しようと思いますが、災害復興ということと結びつけてもう少し突っ込んだ検討をして、実情に合ったようにやるべきではないか、こういう今日の問題を申し上げておるのであります。私は農業基本計画だの農業基本法の問題に触れておりません。 それで、石坂さんに、これは非常に御無理なお願いあるいは御質問かと思いますが、こういう事実から見て、結論としては、少くともこれに対する農業基本資材あるいは施設に対しては補助政策でいくべきではないかという点が一点です。それから、天災融資その他の融資制度につきましてももう一歩突っ込んだ検討が必要ではないか。これは、今法律を変えようとすれば、まあいろいろむずかしい点もありますけれども、できるわけです。それから、今後の営農の再建の方途としては、今の新農村計画——この内容についてはあとで申し上げますが、これをもう一度検討をして、この災害復旧というものとマッチさせるお考えはないか。この三点を具体的にお聞きしておるのでありまして、将来の日本の農業の基本問題について私はここで申し上げておるわけではありませんので、そういう点について、これは次官に御答弁をお願いしても少し無理かと思いますけれども、農林省としてこの前提をしっかり立てていただかない、つかんでいただかない対策というものは、私は決して効果がないとは申しませんけれども、十分に生かして参れない、こういう点を御指摘申し上げておるのですから、この点について具体的なお答えがいただければいただきたいと思うわけです。
○石坂政府委員 いつも抽象的なお答えになりがちであることをはなはだ心苦しく存じておる次第でありますが、久保田君の種々御指摘になりました点につきまして、反省すべき点は十分に反省し、また再検討を要する点についての再検討をいたしますことは、決してやぶさかではございません。ただいま御指摘になりました新農村建設の問題につきましても、これの実施面あるいはその計画等につきまして種々御意見もあろうと推察いたしておりますが、今後、新農村の指定につきましては、災害地に重点を置きましてこれを指定いたし、補助も四割より多く考慮をしております。
○赤路委員 関連。 今までの御答弁を聞いておりますと、どうも災害の感想を聞いているようです。久保田君も今申しましたように、非常に具体的に問題を三点にわたって提示しておりますが、御答弁は、次官の方も経済局長の方も、現行法律の中で最大限に一つ活用してやっていきたい、こういうことだと思う。ところが、現行法律をいかに最大限に活用してもこれは救われないという事実を具体的に久保田君は出したわけです。現行法律を最大限に活用して、久保田君が今言ったような条件が緩和されるという、まあそれは救い得るのだという御自信がありますか。そこの点が問題点だと思う。
○石坂政府委員 言葉を返すようでありますけれども、救い得る限度の問題ではないかと思います。たとえば重箱にみそを入れてすみからすみまでぬぐいとってしまうようなやり方が理想的であるかもしれませんが、実際の政治はその四つかどに幾らか残る面もある。私どもは今日の段階において現在の法律制度を超越して申し上げるわけには参らないのであります。もちろん現在の法律の上にという、これは言葉としてはまことに味わうべき言葉でありますけれども、実際の施策といたしましては現行制度を十分に活用する、こういうことを申し上げておるのであります。 そこで、特別の立法をするかしないかという問題でありますが、私は、社会党の皆さん方で非常に熱心に各方面を検討されました三十三年度災害対策要綱、これは新聞でしか拝見しておりませんけれども、これを朝からとくと拝見して参りました。いろいろ特別立法なり法律の改正等につきまして数日来この委員会でいろいろの御意見なり御希望が出ております。この問題につきましてもし速急に改正し得る点があれば、それは十分に検討しよう、こういうふうの考えはないわけではありませんけれども、今の私ども農林省の立場といたしましては、繰り返して申し上げておりますように、現在の法制を十分に生かして、できるだけの措置を講じていきたい、こういう態度であります。なお、申しおくれましたけれども、いろいろ久保田君から具体的な問題の御指摘がございましたが、各関係局長も追い追いそろいましたので、局長からまたその点は御答弁申し上げます。
○久保田(豊)委員 これは大臣でなければ少し無理な御質問かと思います。しかし、静岡県の調査によりますと、農業再生産施設、農畜舎あるいは動力用の大農機具あるいは共同施設あるいは家畜、こういうものの再建に必要な資金の総額は大体五億くらいのようであります。私は、金額的にも、静岡の場合はそうですが、ほかの場合もそうでありましょうが、そう大した金にならぬのではないかというふうに思う。この点については、私は私どもの党にも実は昨日まかり出まして私からお願いをいたしたわけであります。新聞に発表したのには、ちょっとあとで加えましたので落ちておりますが、こういう農業の再生産の基本資材ないしは施設、これは農地はもちろんでありますけれども、農地だけが復興しましても百姓はやっていけないのであります。ですから、こういう点について特別の補助を出すという基本立法をしてもらいたいというお願いをして、実は入っておりますけれども、新聞は、それをあとで書き加えましたために落ちておると思うのです。この点は今ここで次官がすぐにやりますとかやりませんとか言うことはなかなかいいかねる問題だと思いますが、しかし、必要は認められると思う。少くとも農林行政に籍を置く者であり、責任を持つ者であるならば、こういう災害地の復興について、農業関係における開拓政策その他等の補助の均衡という面から見ましても、いかなる面から見ましても、こういう立法は必要であるということはだれも否定できないと思います。これを欠けば、あらゆる政策、営農の再建の政策、復旧の政策というものが画龍点睛を欠くことになって参ると私は思いますので、この点については大臣とも十分じっくり御相談をいただきまして善処を願いたい、こう私は思うのですが、そういう点についての御確約がいただけますか。
○石坂政府委員 ただいまの久保田委員の御指摘に対しましては、私からよりも大臣からお答えいたしました方が適当であろうと思います。久保田委員のお気持のうちにもそれがあるようでございますから、私からもとくと伝えまして、大臣からできるだけすみやかにお答えいたすようにいたします。実は、きょう大臣は本委員会に出席する予定でありましたところ、参議院の方に出席いたしましたので、いずれ午後かそのあとは出席できると思います。念のためつけ加えておきますが、どうかあしからず御了承願います。
○久保田(豊)委員 そこで、その次の具体的な問題に入るわけです。経済局長にお願いしますが、天災融資法、これは第一に現行法では御承知の通り大体限度が十五万円ということであります。しかし、十五万円ではちょっとこれは足りません。実は十五万円というのは最高限度でありまして、普通災の場合には実際に借りられるのは大体五万円です。それから特別の災害指定があった場合が大体七万円ということになります。これについては現行法においてどういうふうな扱いをされようとしておるのか、これを具体的に御説明をいただきたいと思うのであります。
○須賀政府委員 今回の災害に対しまする天災融資法の発動につきましては、被害状況が判明次第できるだけ早期に所定の手続をとりたいと考えております。なお、被害の深度等から考えまして、特別被害地域に指定をされる地区も当然出てくるわけであります。これにつきましてはその手続をいたすつもりでございます。 なお、この天災融資法に基きまする融資の限度についててでありますが、これは久保田委員も御承知の通り経営資金でございまして、過去の相当の大災害等におきまする融資の事例等から見まして、おおむねこの限度でまかないをいたしております。(久保田委員「その限度は幾らか、十五万円か五万円か」と呼ぶ)今回の災害につきましても、現在法律にきめてあります十五万円の範囲内におきまして措置ができるものと考えております。
○久保田(豊)委員 この点もさっきの再生産基本資材に対する補助制度の問題と連関をいたしますけれども、これがすぐ実行できないとするならば、やはり天災融資法も相当大幅な改正をする必要がありはせぬか、こう思うのです。それで、まず第一に、現行法でできることは、これは何といいましても第一に改めていただきたいのは、金を貸す場合も、これはたしか組合の役員の保証が要るでしょう。この点はどうです。
○須賀政府委員 すべての場合に要るということにはなっておらないようであります。
○久保田(豊)委員 これはこの次の問題にひっかかってきますけれども、組合役員の個人保証の問題というものは非常に困るのです。大体災害の場合には組合の役員も被災者の場合が多い。それは最低二年、最高は五年ということになっておるようですが、三年でやめる職員が五年間もの長期の借金の保証をしなければ借りられないということでは、これはどうにもなりません。この点を、今度の場合においては、法律の規定事項ではなく政令事項だと思いますから、これは改めてもらわなければどうにもならぬ。しかも、これについては御承知の通り町村なり何なりの利子補給なり損失補償があるわけですから、これをさらにその上に組合役員の個人保証をとらなければ金を貸せないなんということでは、使いようがありません。この点は第一に改めていただきたい、こう思う。それから、大体、金融機関というものは、これは農協になろうと思いす。市町村長が農協と契約をしなければ、そうして利子補給なり、損失補償の約束をしなければ、国がそれを見ない、県もそうしなければならぬ、こういうことですね。これなどについても、国が補助金を出す以上心要だと思いますが、できるだけこういう手続の簡便化をしてもらいたい。そうでないと、町村は利子補給あるいは損失を補償しなければならぬから、できるだけ災害地の町村は——それでなくても財政的に困難になっておりますから、逃げたがる。組合の方もこういうめんどうなものを持ってきては困るからというので逃げたがる。ですから、わずかながらの、国が大体半額ないしはその程度の利子補給ないしは損失補償だと思いますが、その程度のものをやっても、この資金は実際に活用がなかなか困難です。特に災害地については困難です。こういうところも私はできれば法の基本改正をもう少し突っ込んでやってもらいたい。利子についても、なるほど一般の金利から言えば五分五厘という利子は安いですよ。しかし、今の災害地の農業の実態あるいは収益性というものから見ると、これは非常に高いものになります。ですから、これは高率の場合は三分五厘ですが、私は、少くとも実際には、これを高率の場合、特別指定の場合はもっと低くして、できれば無利子にしてもらいたい。短期のもので無利子にできないとすれば、少くとも二分とかなんとかいう程度に下げてもらいたい。一般の場合も、高率でない場合も、五分五厘は高過ぎます。災害地ですから、災害地の農業の収益性ということを考えると、これはどうしても三分五厘くらいにしてもらいたい。そして、この対衆物件が肥料とか農薬とかいうことであって、小農機具等は入っておるようでありますが、このあれに対しまして、も少し、たとえばある程度の大農機具とか、あるいは共同で買うものとか、あるいはもう少し貸付対象のワクを拡大して、そうして資金ワクもできれば三十万円くらいはやるということがぜひ必要だと思いますが、こういう点について、現行法でぎりぎり活用をしてどれだけやれるか。そして、今申しましたような程度の法の改正というものは、やろうとすれば私はできると思います。そういう特別措置を、基本的な法改正をするか、しからずんば今度ののような場合において特別措置法でそういう点を措置するか、いずれかの方法をとる必要があると思いますが、これについてはどう考えますか。
○須賀政府委員 組合長の保証につきましては、これは先ほど申し上げましたように、必ずしもこれを必要としておりませんので、今回の場合もさようにいたしたいと考えます。なお、手続の簡素化につきましては、こういう融資制度でございますから、ある程度の手続がどうしても必要でございます。できる限り私の方でも検討いたしまして、さらに検討いたしたいと思っております。 それから、利子は、御承知の通り特別被害地域につきましては現行三分五厘でございますが、これはこの種の融資といたしましては最低の利率になっておるわけでございます。現在これ以上利率につきまして特別な扱いをいたすということはちょっと困難じゃなかろうかと考えております。 それから、動力農機具等の復旧に要する資金でありますが、これは、公庫融資の対象といたしましても、主務大臣指定災害復旧資金の対象として指定をいたしました前例もございますので、今回の場合も必要でありますればその対象とすることをいたしたいと考えております。
○久保田(豊)委員 手続の簡素化をできるだけ現行法でやるというのは、具体的にどうやるのか、もう少しはっきり言ってもらいたい。ただできるだけ現行法で簡単にすると言ったんじゃ、わかりませんよ。具体的にどういうふうにやるのか、この点を一つはっきりしていただきたい。
○須賀政府委員 私もよくあまりまこかいことは知らないのです。係の方から……。
○久保田(豊)委員 今の点は、局長はまだ就任早々ですから、あまり具体的なことはわからぬと思うのですが、補助で課長なり何なりから御説明いただきたいと思います。とってもややっこしくてしょうがない。
○小林説明員 天災融資法の手続は、これは被害農林漁業者からまず市町村長にその被害の認定をやってもらうわけであります。その認定額の何%という、従来の例からいきますと三〇%でございますが、その額を組合の方から貸すということになるわけでございます。従いまして、通常この手続が非常にうるさいということはあまり声が出ていないのでございますが、その点につきまして具体的にどういう点がうるさくなっておりますか、なお私検討いたしまして、もしその点で非常に借り受け者の方に御迷惑がかかるようなことがございますれば、その点を改めていきたい、かように存じております。
○久保田(豊)委員 あれは、規定では、被害の三割と、それから特別指定のあった場合七万円、この両方を大体において対象にして、低い方ということになっておるでしょう。そういうことと、それから、町村との間にはっきり契約しなければならぬということになっておりますね、利子補給その他の点で。それから、さらにこれに対して、たとえば、さっきの話では組合役員の個人保証は要らないんだと言うが、実際は組合役員が個人保証しなければなかなか出ません。こういう手続ですから、実際にまとまって金が出てくるというのはずっとおくれてしまう。これはあなた短期資金ですよ。これがそういう点で非常におくれてくるのです。ですから、そういう点をもう少し簡便化しないか。三割なら三割、七万円なら七万円というふうに一本でいけばまだ楽だ。それを両方対象としてなんていっても、実際問題としてわかりはしませんよ。そういうのが結局くだらない事務手続をうんとやらなければ融資額が最後的に決定しないということになりますし、一番めんどうなのは、この組合役員の保証ですよ。だれだってこんなものやりませんよ。自分だって借りたいのだ。大勢のやつを、組合役員が、三年でやめる連中が、ただ単に部落の顔役で役員になった連中が保証するはずがないじゃないですか。実際問題として、それをとって何の意味がある。こういう点を、現行法で最高限にやるということを言っておられるのだから、最高限に簡素化するというのは、今度のような場合具体的にどうするかという点を明らかにしてもらいたい。
○小林説明員 もちろん組合役員の保証を必ずしもとらなくていいということは、先ほど局長から御説明申し上げたところでございますが、融資機関といたしましては、金融機関の善良な管理者の注意ということでやらなければならないという義務があるわけでございまして、その点で今の保証人の問題が出てくるのでございます。確かに、おっしゃいますように、役員がどうしても保証しなければならぬということになりますと、資金の疎通がなかなか円滑にいかないという問題はあろうかと思います。その点につきましては、十分これを検討いたしたい、かように思っておりますが、今ここでこれを全然要らないんだというふうに言い切るわけにも参りませんので、なお検討させていただきたい、かように存じます。
○久保田(豊)委員 ですから、具体的にこれらの政令なり等をやる場合に、地方に徹底するように通牒を出して下さい。そうしなければ、今のようないいかげんな——いいかげんと言っては失礼ですけれども、答弁じゃ、実際にはめんどうで全然使えないですよ。だから、あなたの方は大いに出したようなつもりでも、末端ではなかなか使えないというようなことが出てきますから。特にこれは短期資金ですが、これはすぐきょうあすという問題じゃない。伊豆の実情等から言いますと、やはり耕地が何とか使えるようにならなければ、肥料をもらっても、何かを買う金をもらっても仕方がない、かえって生活費に回ってしまいますので、これは多少おくれてもけっこうですから、こういう点についてははっきりと早く方針だけは通牒なり何なりで明確に出していただくということをお願いしたい。それから、この点について、あなたの方では大体全体で全国的にどれくらいのワクを用意しておるか。このワクの大体の明示もしなければ、なかなか地方ではやれないわけです。これはやはり利子補給なり損失補償の金額も連関して参ります。静岡県の調査によりますと、伊豆地方だけで天災融資法の融資を受くべき額が約七億あります。これは県の調査であります。ですから、おそらく今度各町村、被害地の、ことに激甚地をやってみますと相当の金額になると私は思う。こういうものに対して、資金ワクをきめ、これに対する利子補給なりあるいは損失補償なりのめどをつけて、現地が安心してやれるようにしなければ、結局これは天災融資法といって看板を掲げてあるというだけであって実際には借りられない、こういうことになりますので、一つ資金のワクを、静岡県にはどの程度見当をつけておるか——全国的にはどうだというめどがついておることと思います。まだ今調査中だなんということでは間に合いませんよ。いつでもそうですがね。もうこのくらいの準備は農林省としてできてしかるべきだ。そうでなければ災害対策ができたとは言えません。そういう点と、今の手続の簡素化について、これは災害の程度等についてもいろいろありましょうが、これに対して具体的な政令なりあるいは政令に基く通牒なりを早く出していただくということが必要だと思います。この用意はどうでしょう。
○須賀政府委員 二十一号、三十二号を通じましての被害状況の把握も、統計調査部を通じて順次進捗いたしておりますので、それを基礎にして目下私の方で計算をいたしております。ただいま直ちに幾らということを申し上げるまでにいっておりませんが、作業を進めておりますので、数日中にはこれを完了して決定いたしたいと思っております。
○久保田(豊)委員 幾らくらいか、見当ならつくでしょう。
○須賀政府委員 今ここで申し上げることはできません。
○久保田(豊)委員 見当ついてないということは、つけないことだよ。まあこれはあえて責めるわけではございませんが、まず大蔵省と折衝してワクがきまったら、それをちょびりちょびりと少しずつあっちこっちへやるという従来のやり方はぜひこの際改めていただきたい。これらについては、大体の要求はほぼ見当がつくわけです。それが今ごろになってもっかないことはない。補正予算を二十日までに出すと言っているときに、資金のワクの見当もつかないということでは、私はこれはまじめな作業とは考えられないと思う。このお答えは今の段階では困難かと思いますが、できるだけ早く当委員会にも出していただきたいし、政令あるいは通牒等の関係も、できるだけ早くおきめいただいて、資料として出していただきたいと思います。 その次に、公庫融資ですが、これも大体似たりよったりのような問題があるわけです。今のところ公庫融資は政令でそのワクが大体きまるわけですね。業務方法書でワクがきまるようですが、そのワクは、今まで一般農家の場合は十五万円くらいじゃないですか。これはやはり最低限二十万円ないし二十五万円程度に引き上げることが大いに必要なことではないかと思うし、特に貸付対象の漁船並びに漁業用施設については百万円ですか、これが通例のようですが、伊豆の特性かもわかりませんワサビ田の施設の問題、これも今までいろいろお話があったのですが、これについてはどのくらいのワクを設定されるつもりか。農地復旧関係で出る補助金がぎりぎりのところ二十万円か二十二、三万円見当ではないかと思います。そうすると、一反歩当り大体百二十万円ということでありますが、これらについてはやはり特ワクを設ける必要がありはしないか。それから、部落の共同施設等も対象に入れて特ワクを設ける必要があるではないか。この場合、一施設というのはどういうものか。利子の問題は非常に困難でしょうが、これもできれば三分五厘くらいにして、あとは政府が利子補給する。利子は大体五分五厘ではないですか。
○須賀政府委員 七分です。
○久保田(豊)委員 七分を最低限度五分五厘くらいにしなければうそだと思う。できれば三分五厘くらいにして、あとは政府に利子補給をしてもらうという程度のことは考えていただきたいということと、これについてもやはり公庫の融資要綱によって組合員の全部または一部の保証が要るわけです。これがやはり難物です。これがひっかかってしまって使えないということになりますので、この点についても、組合員の全部または一部の保証というようなことの必要でないような——組合の保証でいいじゃないですか、個人保証でなくても、組合が借りるのですから、組合員の保証は要らないと思う。組合役員個人の保証まで取るということは、普通の金融機関と同じではないですか。組合がはっきりそれをすればいいという程度に要綱を改めていただきたい、こういうことです。 それから、もう一つの点は、全体のワクをどのくらい用意されたのですか。静岡県の調査によりますと、静岡だけでも四億九千万、約五億資金が必要だと言っておりますので、全国的に見ますと、これまた相当大きな資金になろうと思います。これが現在の公庫融資のワクでまかなえるものかどうか。この点のお答えも、おそらく目下検討中ということになろうと思いますが、これではほんとうにしょうがないのです。ですから、作業ももう少し親切に早くめどをつれて、予算と同時にこういう資金計画は出されるようにしていただきたい。これもおそらくそういうお答えになろうと思いますが、以上の諸点について一つお答えをいただきたいと思います。
○須賀政府委員 施設指定の災害復旧資金につきましては、農業関係では、農舎、畜舎その他の施設を通じまして一戸当り限度額が二十万円、それから、ワサビ田は、前例がございまして、四十一万円限度まで貸付をやっております。利率は、現在の業務方法書によりますと七分であります。今回の場合も同じ方法でやることにいたしたいと思っております。 それから、保証人の関係、現在の業務方法書によりましても、保証人か担保かどちらかを徴することになっておりますが、事情やむを得ない場合におきましてはこれらを徴収しないことができるということになっておりますので——これは実際の運用の問題として末端ではなかなかそう参らないというような御指摘もございましたが、こういう業務方法書になっておりますので、御指摘の点十分留意さしたいと考えております。 それから、公庫資金のワクにつきましては、その資金がどの程度要りますか、まだ十分積み上げができておりません。私どもの見通しでは、現在の公庫資金のワクの中でおそらく操作できると考えておりますが、万一そう参りません場合は、応急の措置を講じまして、資金調達には遺憾ないようにいたしたいと思っております。
○石田(宥)委員 関連して……。 ただいまの農林漁業金融のことでありますが、先般災害について報告がございましたとき、それに対する対策要綱というものの御報告を承わったのであります。その中に、農林漁業関係の金融業者協議の上に、今まで貸し付けてある土地改良とか造林とか林道、漁港等の災害復旧事業資金融資を施設指定災害として融資をし、または償還延期を行うことにしたという御報告があったわけですね。これは、施設指定災害として融資をされることについて、今久保田委員からいろいろ御質疑があり、答弁があったからよろしいのでありますが、その償還延期の問題ですが、実は地方では大へん問題になっておる。延期はただその一年だけ延期する。そうすると、非常な災害を受けたのに、ことしの分だけは来年償還するということにされておるのです。来年二年分を納めるなどということは、膨大な負債のある農家ではとうてい不可能なんです。この最終の償還年限を一年ずっと繰り延べる、こういう延期措置をなぜ一体とらなかったか。これは公庫も中金も同じ取扱いをやっております。こんな不親切な取扱いはありませんよ。災害を受けてほとんど収穫皆無というような状況になっておるのに、来年一体二年分納められますか。納められるはずはないじゃないですか。これは常識でわかることです。それがために新潟県の一部などは先般わざわざ上京して農林中金と公庫に陳情した。ところが、なかなか応じないのです。これは農林省も関与して協議の上こういうふうな決定をしたのだから、こう言っておるのですよ。これは何も新潟県だけの問題じゃない。全国的にそうなんです。これは、いやしくも農林漁業関係の金融を扱っておる人たちが、こんな不親切な決定というものはない。これはもう一度協議し直して、最終年を一年繰り下げる、こういう延期の措置に切りかえを願いたい。次官一つどうですか。
○石坂政府委員 前回対策を申し上げましたときの、ただいま御指摘の点でありますが、これは一度に二年分を一緒に払うようなことにはならぬように措置いたします。
○石田(宥)委員 それははっきりして下さいよ。現にこの間私どもの県から来て、中金と公庫に行ったけれども、それは協議の上ことし一年を来年に延期したのだ、こういうことでがんとして応じないのです。私はその応じないという報告も受けておるのですから、もし公庫や中金がそういうふうに理解をしておるとすれば、向うの誤解であるし、あるいはそういう協議が行われたが農林次官は今答弁のようにお考えであるとすれば、そこに大きな食い違いがあるのだから、食い違いがないようによく確かめて、何かの機会にもう一度はっきりさせてもらいたい。
○石坂政府委員 ただいま御指摘のように、なるほど、石田委員のお話のようなことであるとすれば、確かに食い違いがございます。この点についてなお局長からお答え申し上げたいと思います。
○須賀政府委員 翌年度に二年分をまとめて払うというようなことにはなっていないように了解いたしておりますが、ただいまお話のように、現実に公庫なり中金の方でわれわれの考え方と食い違った扱いが行われておるというお話もございますので、それぞれのところでよく突き合せしてみまして、その結果によりまして、また別の機会にお答えをいたしたいと思います。
○久保田(豊)委員 今の点、私も実は御質問をしようと思ったのですが、一年延期しただけで、来年なせといったって、伊豆のような状態ではなせないのです。そうして、旧借金があれば新しい借金はさせないというのでは、これまたどうにもならぬわけです。ですから、一年だけ延期するというのではなくて、伊豆のようなひどい場合は、あるいは二年なり三年なりの据え置きをして、そうしてその後においての年賦延納措置というものまで含めた措置をぜひとってもらいたい。そうして、同時に、古い借金があっても、これが新しく借りられるという措置をとってもらわぬことには、どうにもなりませんよ。そうでないと、かりにある程度こういう資金が出ても、組合はどうするかというと自分の借金に先に充ててしまう。ですから、現実に何も被災者の手には渡りませんよ。そういう措置に必ずなる。ならざるを得ない。そういうことになったのでは、この自作農創設資金にしても——自作農創設資金は農地局長所管だそうですから特にきょうは触れませんけれども、天災融資の方にしても指定融資の方にしましても、全く復興資金に役立ちませんよ。実際は組合の中で操作して借金を相殺をしてしまうということになりますから、今申しましたように、当然これは、一般災害であった場合は、一年延期ではなくて、一年から先に災害の程度に応じて延納の措置をとるように措置をしてもらいたいし、特に災害のひどい場合においてはさらにこれを延ばした上に分納の処置をとってもらいたい。しかもそれは新しい借金をする場合にはそれが条件でないということ、いわゆる上なぜ制度をはっきり確立してもらわなければ困るわけです。この点はどうです。そういう点は、私は、新しい事態として、全国的な今度の災害を見て、そういう弾力的な措置あるいは段階的な措置をとるべきだと思うが、この用意があるかどうか。これは現行法でできるはずです。そのくらいのことをしなければ、融資はやりましたなんていうことは、災害者の立場から言いますとほとんど意味がなくなる。この点をお伺いをいたします。
○須賀政府委員 借りかえの場合の融資の問題でありますが、よく実情を調べまして検討いたしてみたいと考えております。
○久保田(豊)委員 その事情を調べてというのだけれども、しかしその程度のことはもうことし十七災、二十一災、二十二災とあるんですから、とにかく具体的に真剣に御検討いただいて、こういう際に聞かれたらこういたしますというくらいのお答えをいただくようにぜひお願いをしたい。これは非難をする意味じゃありませんが、それでなければ、こういう災害融資をいただいても、かりにワクだけもらっても実際に使えない。この点は、一つ真剣に早急に実際の対策を立てられて、また御報告をいただきたいと思う。私どももこの点はさらにこの次の機会においてもう少し具体的に突っ込みますから、お願いしたいと思う。 それから、こういう公庫ないしはその他から借り入れておりまする資金、あるいはその他のたとえば改良資金とか家畜導入資金とか機械導入資金、制度金融あるいはそれに類するもの、それらについても同様のことを一つお考えをいただいて、早急に具体策を立てていただきたいと思う。これは現行法のワクの中でできるわけですから、これを一つ立てていただきたい。 それから、もう一つ、これはどこでもそうだと思いますけれども、農協対策の一環としてお考えをいただきたいのは、今後の被災地の農協はまさに私はつぶれるかつぶれないかという問題になると思います。御承知の通り、預金の引き出しは相当に強くなります。伊豆の例等を見ますると、私どもの田方郡だけで組合長連中に聞いてみますと、約十二億くらいの預金があるわけですね。それに対して支払いの準備金は大体において四億円くらいです。こういう点に対してどういう手当をするのかということ、それからもう一つは、貯金の大体四割から五割は実は貸付になっております。そのほか肥料代その他の貸し分があります。こういうものを含めますと、伊豆だけで、特に災害地のひどいところを見ましても、約三億から四億の組合の旧債がある。これは実際に当然一時二年なり三年の間たな上げをせざるを得ないと思う。そうして年賦償還計画でも出させてやるよりほかにないと思います。その場合問題になるのは、いわゆる利子の問題であります。この点についての利子補給等は、私は政府が当然めんどうを見てくれていいと思う。これは法改正を要するのか。私は法改正を要さぬでもある程度できるのではないかと思いますが、それでないと災害地の農協というものはほとんどつぶれてしまいます。法改正を必要とするならば、この程度の法改正は農林省としては当然考えるべきだと思う。利子補給をするとしましても、一年間にしてみれば大した金利じゃありませんよ。その資金手当の問題と、それからこのたな上げ措置は、これはいやだってそうなります。そういう措置をとらぬ上にたとえばこういう天災融資なりあるい公庫融資をしても、全部こういう借金に切りかわって、現実にほんとうのいわゆる復興資金には回りません。これらを総合して必要な立法措置をとるとしても、これは自民党さんにもお願いしたいと思っていますが、農林省自体はこういう問題についてもう少し親切、棄剣な具体的な対策を早急に立てていただきたい。この点についてはどうです。
○須賀政府委員 被災をいたしました地域の農協に対する対策の問題でございますが、これは、先ほど御指摘のありました預金の引き出し等が相当多額に上りまして当面の資金手当等につきまして対策を必要といたします部面につきましては、これは系統内で至急に手当をするようにいたさせたいと思っております。また、特に静岡の場合等におきまして、相当信連段階で資金を持っておりますので、これは手当ができると思います。 なお、農協の当座の事業資金につきましては、天災法で五百万円見当におきまして六分五厘の利率が融資をすることになっておりますことは、これは御承知の通りでございます。これもその条件にはまりますものにつきましては至急に手当をして参りたいと考えております。 最後にお述べをいただきました点は、実は私まだ十分理解ができないのでございますが、具体的な問題として詳細に事情を承わりました上で、私の方で措置できるものでございますれば至急に検討いたしたいと思います。
○久保田(豊)委員 須賀さんはまだ経済局長になられて間もないので、はっきりお答えのいただけないのはまことに残念ですが、もう少し御勉強を願いたいと思う。特に災害ですから、一つ次官もそういう意味において局長を鞭撻していただきまして、早急にそれらの具体策を立てていただきたい。 ただ、今のお話のうちで、とにかく系統で何とかやらせればいいといっても、災害で事業量は少くなる、預金は少くなるというところへ簡単に系統で出すかというと、今の系統というのは、そんな親切心、つまり農協の共同組織としての根性を持っておらぬのですよ。とにかく、つぶれればつぶしてもいいくらい、損をしない一点張りです。ですから、そう言っちゃ悪口になりますけれども、そういう点については、あなた方の方の行政指導といっても、系統にまかしておいてそんなことができるものじゃない。ですから、これに対しては政府として何らかの利子補給とかあるいは何とかという措置が必要であります。実際問願としてはそれがないとやりません。やらないのでありますから、この点は、行政措置でいけるものか、行政措置でいかぬものか。ただ単に系統の幹部を呼んでこうだという話をして、現実にそこまでいくかというと、いかない。途中で引っ返してしまう。ですから、その点を一つ考えていただきたい。 それから、農協の借金のたな上げ、これはいろいろの種類がありますけれども、これは、制度金融そのものについては、さっき石田君や私から申し上げたように特別の措置をとって、それ以外の借金や売掛金、このたな上げについても利子補給等の措置を明確にとっていただくように、これは法改正が必要ならば特別立法、その程度のことはとっていただいてけっこうじゃないか。おそらくこれは、ひどい災害だけですから、金額にいたしましても、利子補給全額を政府がするとしても、あるいは半額を県に持たせて、半額を政府の方で利子補給をするとしても、私は大した金額にはならぬと思います。これらの点については今ここですぐ明確な御答弁をいただくことは少し状況が困難なようでありますから、ここでは特に要求いたしませんけれども、この次の機会にはこれらの問題について一つ御質問いたしますので、それまでに、大へん失礼ですが、農林省として経済局長を中心としてはっきりと御用意をいただきたい。まだ今検討中では困ります。この点を、前に申し上げました天災融資あるいは制度融資等のワクの決定その他の内容の簡素化等とあわせて、一つはっきり御明示をいただきたいと思います。これをお願いしておきます。 私は経済局に関する質問は一応これで打ち切ります。あとは畜産局その他振興局等に対する御質問をいたします。
○中澤委員 関連。 今の久保田君の問題ですが、さっきの局長の答弁では実際問題として困るのです。たとえば貸付能力のない組合がある。もう不振組合でにっちもさっちもいかないのがある。そういうのが被災した場合、組合金融だけにまかせたといっても、じゃ一体その貸付能力のない組合へ県信連が金を貸すかというと、絶対貸さないのですよ、貸付能力が全然ない組合です。そういう組合が、長野県の例で言っても三分の一もあるわけです。そういうところをやれといったってできないですよ。これは重大な問題なんです。だから、ここでただ議論しておる問題じゃなくて、これはもっと真剣に——その全部のものを農協におっかぶせておいて、そうして、そういう不振組合に、組合員に金を出せ金を出せといったって、おそらく貸付能力はない。じゃその組合は仕方がないからその支部を通じて県信連へ持ってくる、県信連としても、不振組合でにっちもさっちもいかないところへは金を出さないということになってしまう。そこに大きなネックがある。だから、政務次官、私は通常国会で真剣に考えてもらいたい問題が一つある。これは、農協再建整備法の問題とからんで、農協法の一部改正をやって、そうして不振組合に対する対策というものを根本的に立て直さなければだめなんですよ。そうして、今私の案として考えておるのは、例の閉鎖のときの調整勘定が農林中金に二十六億あるんです。ただ、あの二十六億については、農協法の改正とからんで不振組合対策というものをどうやって立てるかは重大な問題なんです。だから、これは今の議論じゃないのですが、通常国会には政務次官も大臣も——大臣はそれまでおやりになっていたら大臣にも話して経済局長の方で具体的な案を立ててもらわぬことには、農協自体がどうにもならぬですよ。だから、この問題は、通常国会にはどうせ農協法の一部を改正をやらなければならぬから、共済法の単独法の問題が出る、あれとからみ合せて根本的に考えておいてもらいたいということを私は一言申し上げておきます。
○石坂政府委員 中澤委員もこの席で議論することはお好みになっておりませんようでございますから、御親切な御忠告、承わりまして、通常国会までには私も十分勉強いたしたいと思います。
○助川委員長代理 これにて暫時休憩いたします。再開の時刻は追って放送でお知らせいたします。 午後零時四十一分休憩 ————◇————— 午後二時二十七分間議
○助川委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林漁業災害に関する質疑を続行いたします。久保田豊君。
○久保田(豊)委員 今までずっとつなぎ関係あるいは農地関係あるいは金融措置等について政府の現在の準備状況なり考え方をお聞きしたのですが、これからは振興局並びに畜産局に対しまして、これからの災害地の農村あるいは農家の復興についてどんなふうにお考えになっておるかという点についてお伺いをいたしたいと思うわけです。 それで、参事官の方から、まずとりあえず、現在政府の方として特に静岡なりそのほか被害の激甚地についてどういう対策を振興局として考えておられるか、お伺いいたしたいと思います。
○林田説明員 災害地の営農指導につきましては、被害の程度に応じましてそれぞれ対策を必要とする次第でございますが、伊豆地方のように生産の基礎を全く喪失するというような激甚な被害地におきましては、まず何よりも農地を復旧いたしまして生産及び生活の基礎をすみやかに再建することが緊急であると存じております。 それで、そういう農地の復旧の上におきましていろいろ営農上の対策を講じて参ることになるわけでございますが、まず種子の確保をするということが第一でありまして、そのためにはこの秋まきます麦の種子を確保したいというふうに考えております。それから来年度の稲の種子を確保して参る。それから、蔬菜が必要でありますが、この蔬菜の種子につきましては、現在予備貯蔵制度を行なっておりまして、すでに昨日一石五斗を静岡県に送ったわけであります。 それから、病虫害防除というふうなことも必要なんでありますが、二十一号、二十二号の台風につきましては、もうすでに収穫時でありまして病虫害防除も必要ないわけでありますので、特にミカンのような長期作物の樹勢回復肥料というふうなことを考えておる次第であります。 それから、営農を総合的に指導する必要があるのでありますが、これにつきましては、農業試験場の職員あるいは専門技術員、改良普及員を通じ、また農協の営農指導員の協力をもお願いいたしまして、適切な指導を今後行なって参りたい。それにつきましては指導費の補助をいたさねばならぬであろうというふうに考えております。 それから、今朝来問題になっておりますいろいろな農具あるいは納屋、そういうふうなものもあるわけでございまするが、これは、経済局長からお答えしておりまするように資金を通じましてこれが供給をはかっていくというふうなことをいたしまするほかに、政務次官から答弁いたしましたように新農村建設の事業をこの災害地にできるだけ指定をいたしまして、従来新農村建設は大体四割の補助を行なってっおったのでありまするが、これも弾力的に考えて参りまして、そういうふうな新しい村作りという意味におきまして、いろいろ農業上必要な施設を作っていきたいというふうに考えておる次第であります。
○久保田(豊)委員 それでは一つ順次……。 大体今お話があったのでありまするが、この災害のひどかった村、並びに特にほとんど全部流されたというような部落が十五あるわけです。大体三十五ばかりありますけれども、そのうちのほとんど半分以上、家も流されてしまった、人間も相当死んだ、耕地もほとんどやられてしまったというところが約十五あるわけです。田方郡が大体九カ町村くらいで、きょう初めて加茂郡の連中の正式の話を今も聞いておったわけですが、加茂も相当ひどいわけです。小さいところに大きな水がおんまかったような格好になっています。ただ交通が不便なためにほとんど実況が伝わっておらなかったというのが、今までの現実ですが、相当これもあると思います。伊東の力も農村は相当やられている。こんな状態です。これに近い農村も他の府県にもあろうと思いますが、この復興については、今までのように、一部金を貸して、あとは種子などの世話をしてやればいいという考えではなくて、もっと一つ突っ込んでお考えいただきたい。それには、行政措置でいけまする法律事項でない新農村計画の内容というものを、基本的に一つ検討を願いたいということであります。そこで、まず、この新農村と災害復旧についてお考えをいただきたい第一点は、三十二年までに指定をとった町村は、来年度で事業打ち切りになるわけですが、そうしますと、今新農村でやるというお答えですけれども、ことしから事業はできません。そうすると補助金は返さなければならぬという問題が一つ出てくる。私の村なんかそれに該当するわけです。こういう村に対してはどういう措置をとるのか。第一に、すでに指定をとった村に対してはどうするのか。これは、三年間の助成期間というものをさらに引きで延ばすなり、さらにそれに新しい災害復旧のための新農村計画というようなものを加えて、どういう行政措置になりますか、そこらをまず第一に明確にしてもらいたいと思います。
○林田説明員 新農村建設の今まで指定を受けました地域で今回の災害に該当する地域を調べてみますと、函南村と南伊豆町と、それから韮山が該当しておるわけであります。それで、そういう村を除きまして、今回の災害を受けました地域につきましては、三十四年度の指定を行いまして、それで総合的な補助を行いまして村作りをやっていきたいというふうに考えております。それで、すでに指定を終って現在事業を実施中のところにつきましては、これはやはりその他の補助なりあるいは融資なりでやっていかなければ、この新農村建設の事業で救済するということはその事業の性質上困難性が伴っておりまして、新農村の方ではいかんともしがたいような状況でございます。
○久保田(豊)委員 今の点は、もうすでに指定を受けた町村ですね。これは御承知の通り指定の中間で期間が切れるわけです、まだ実施期間があるのに。そうすると、事業がこれからできぬですよ。ですから、これに何か新しい継ぎ穂をして継続してやってもらうか、それでなければ今までの補助の返還というようなことを延ばしてもらうか、こういうどっちかの措置をとらなければ困るということを言っているわけです。この点についてはどう考えるかということを聞いているわけです。
○林田説明員 その点につきましては、まだ確定的に考えていないわけなのでございますが、十分検討さしていただきます。
○久保田(豊)委員 この点も、もうすぐ切実な問題ですから、これから先検討するというのではちょっと困ると思いますが、その点はいずれにしましても何らかの措置をしなければならぬということはおわかりだと思います。ですから、現在の段階で、令までもらった補助金を返還しろと言われても困るわけです。ですから、そういう点については具体的に措置をするように今後実際に考えていただきたいという点が一点。 それから、第二点としては、今のお話でも、災害町村については新しく新農村の指定をして、そして補助なり援助を集中的にやっていく、このくらいは私どもぜひそうしていただきたいと思うわけです。それについて、第一の問題は補助率です。今お話にあった通り、大体四〇%というのが基準でしょう。これではやはり、農家といたしましても、農村としても、あるいは部落としてもやれないわけです。被害を受けたところでは、これだけではありませんので、ほとんど農協も村もぶっつぶれるという段階です。農家も食えないという段階です。実際にはそういうのですから、この点については行政措置でできるはずでありますから、特別に高率の補助を一つ考慮してもらいたい、こう思うのですが、高率補助については、これは現行法でできるわけです。あるいは中央のお考えでは、県に相当のワクをやるから県内の操作でやれと言われることがあるかもしれませんけれども、これは実際上できないわけです。中央で特別の高率補助、そういうワクを新しい新農村のタイプとして打ち出されるということがぜひ必要だと思うので、この点も、どういうふうにお考えになっておるのか、もうすでにその用意があるのかどうか、一つお聞きしたいと思う。
○林田説明員 第一点でございまするが、函南村と南伊豆町につきましては、実は三十一年度の指定地域でありまして、三十二年で事業がすでに終了しておるところであります。それで、当面問題になりますのは久保田先生の御住所の韮山ということになりまするので、これは三十二年度指定したところで、三十二年、三十三年で事業を行なっておるというところであります。これにつきましては十分検討さしていただきます。 それから、第二点は、今後のものについて高率の補助をするようにというお話でございまするが、これは先ほども申しましたように、そういうふうにすべきであるというので考慮をいたしております。これは実際の事業は来年度になりますが、そういうふうになっております。
○久保田(豊)委員 ぜひこの点は相当思い切った高率補助を考えてもらいたいということをお願いしておきます。 なお、その場合に、今の新農村計画の基本問題ですが、これは伊豆だけの問題ではありませんが、私はやはり新農村計画の中には災害復旧という新しい一つのカテゴリーを今日の段階では作るべきさだと思う。災害復旧でなく普通の農村ばかりやっていくということも意味がありましょうけれども、特に、災害を受けたようなところは、午前中からるる申し上げましたような実情です。そういう際には、法律改正等を要しない、行政的にもかなり動きのとれる新農村計画のワクの中に、これはやはり災害の程度に応じて災害復旧の新しい一つのカテゴリーを考えられて、そしてこれを制度化するということが私はいいと思うが、これについては農林省はどういうふうに今考えておられるのか、それから、今後そういうことをやる気があるのかないのか、これを一つお伺いをしたいと思う。
○林田説明員 新農村建設の事業は、御承知のように三十一年から始まりまして、大体五カ年の計画で行なっておるわけであります。それで、災害そのものを直接に対象にするというふうな事業とは異なりまして、大体その五カ年の間に全国の地域を指定いたしまして、全国の村を新しくりっぱにしていこうというふうな計画でございます。それで、災害そのものを復旧するということは——もちろんその災害に見舞われた村を新しく作り直していくということは、これは新農村の理念にも合うわけでありまするが、直接災害と結びつくというものでもないじゃないかというふうに考えます。しかし、これは実情に応じまして新農村建設をやって参るべきものでございまするから、その辺は十分考慮いたしてやって参りたいと思います。
○久保田(豊)委員 新農村計画が五カ年計画だから、あとあまり残りがないから、こういうあなたのお話もよくわかります。わかりますが、そうならば、私は、今の新農村計画を災害復旧という視角から新しく取り上げて、こういう災害をこうむった村のいわゆる復興計画という過程から、もう一つのタイプといいますか、類型を作ってやる必要があるのではないか。農地局長の説明でも、昨年度大体高率補助を受けた村だけが約八十ある、こう言っております。昨年度の災害はことしより少いわけです。ことしは幾つあるか、この点がまだ明らかになりませんけれども、私は相当の数があるのではないかと思う。こういったものに対しては、午前中からずっと申し上げました通り、今の国のこれに対する救助施策というものは、実際にははなはだ手落ちの点が多い。ですから、もし新農村計画がそのままこれに適用ができないとするならば、私は、今までもしてきたような新農村計画を、災害復旧という観点からもう一つ深めて、こういう災害地についてはその災害の程度に応じて三年なり五年なりの振興計画を立てて、これに対して政府は相当の援助をしていく、そして指導も集中的にやっていくということがぜひ必要である。今のように、農地を大体復旧してやる、あとは金を貸してやる、あとは種子その他のものを少しばかり押しつけて、それであとお前さんたちやれと言われても、被害の大きいところはやれない。農協もおそらくなかなかやりにくいし、町村もほとんど壊滅的な打撃を受けている。農民自体もそういう中では今の程度の国の補助政策ではなかなか立ち上りにくい、こう思いますので、この点について新しく一つ検討をしていただきたいと思うわけです。これは参事官からここですぐにやりますという明快な御答弁はいただけないと思いますけれども、この点を一つぜひお考えをいただきたい。 その際どういう内容を入れるかという点を少し私はお尋ねをして参りたいと思う。これには、やはり、全体的な復旧という観点から、私は総合計画をぜひ立ててやってもらいたいと思うのであります。それは、災害の実情によって、程度によって、またその地域の立地条件や営農の実態によっていろいろ違ってくることは明らかでありましょうが、ぜひ総合的な見地から三年なり五年の新しい災害地の復興のための新農村計画というものを実施をしてもらいたい、こう思うのです。その復興計画の中には、私ども伊豆の状況から言いますと、少くとも次のようなことだけは入れてもらいたい。その第一は、これはやはり、今もお話のありました通り、営農の技術指導陣営を強化するということであります。これに対して国に相当の援助をしていただくということであります。今日の農村の末端の技術指導の体制というのは、御承知の通り改良普及員、その下で農協なり役場に技術指導の担当者がおることになっておりますけれども、その役場なり農協の技術指導員というのは、実際には技術指導をやるひまもなければ実力を欠いております。従って、こういう被害激甚地に対しては、改良普及員なりあるいは何なりの事業陣を特に重点的に配置をして、その活動費も、今のように役場や農協に半分以上おんぶして、そうしてそれをかじってやれという体制でなく、国なり県なりで十分めんどうを見て特別にやるという点を特に考えていただきたいと思います。これらはもちろん農事試験場その他と連絡をとって十分におやりをいただくことは当然でありますけれども、そういう措置を第一にとっていただく。特に伊豆の場合にはこれが必要でありますので、この点を第一に考慮してもらいたいと思うがこの点はどうですか。
○林田説明員 営農技術指導の強化でありますが、その点は、全国に改良普及員の数が一万二百名くらいおりまして、静岡県にも相当の数がおるわけでございますから、重点的に災害地の方へ移動するとか、そういうふうなことによっても相当指導はできるのじゃないか。あるいはまた、必要がございましたならば中央あたりからも派遣するというふうなこともございますし、新農村でなくてもこういうことはできるのじゃないかと思っております。必要に応じてやるべきことだろうと思います。
○久保田(豊)委員 これはあえて新しい観念の新農村に入れていただいてもけっこうだと思います。そうでなくてもこういう被害の激甚地帯にはそういう措置を早急にとっていただくことが必要だと思う。 第二の点は 一番基本的な問題は農地の造成だといいますけれども、これはきわめて大ざっぱなものです。たとえば、私の方といたしましても、平坦地のこまかい土、これを除いても、あの土ではすぐに作物はできません。私どもの経験では、現地でもいろいろその点では苦労しておるようでありますが、一メートルなり二尺なり相当の土地を全部とるということは、ほとんど技術的に困難ではないかと思う。かりに相当とったにしましても、私の方ではえごみと言いますけれども、えごみのたまった土地は三年も四年もなかなかいいものがとれません。それから、上流の渓流地帯でも全く石ばかりになっている。それに格好をつけて土を入れても、その土がすぐ作れる土になりませんよ。だから、土壌改良なり耕土培養といいますか、これらについて相当大幅な思い切った助成政策をとっていただくということが第二に私は必要な事項だと思うが、こういう点についてはどう考えておるか、また、どういう準備を現在伊豆の場合においてとっているのか、お伺いしたい。
○林田説明員 土壌改良の事業につきましては現在補助で実施しておるのでありますが、特に伊豆の災害地につきましては新農村建設でこういう事業ができるわけでありまして、来年指定いたしましたならば、その中で十分行なって参りたいと思っております。なお、その他土壌改良のための農地局におきます仕事とか、あるいはむしろ土層を改良していくような振興局の方の仕事もございまして、それに応じて災害地を重点的に取り上げていきたいというふうに思っております。
○久保田(豊)委員 これには、今までのように二階から小便みたいな補助金でなく、もう少し思い切って一つ実行してもらいたいと思います。この点、特に土壌改良なりあるいは耕土培養なりについては格別に、新農村ができなければ、ああいう被害激甚地にはその実情に応じて実行してもらいたいと思います。 その次、災害のひどかった、特に全滅したような部落とかあるいはそれに近いような部落、そういう部落については、今まで行なったところの実況等とも考え合せまして、ぜひ作業といいますか、そういう農業経営の共同化ということをどうしても進めなければならぬと思うのです。それはやはり一面そうしなければ復興作業がうまく進まないということが一つ。それから、おそらく働ける者の大部分は復興の仕事に土方として出て生活費をかせぐよりほかにしょうがないと思います。できるだけ来年の植付期までに植付のできるようにしてもらいたいと思いますが、そのためには現地の方としてもその方に相当やらなければいかぬと思う。そうしますと、あとは農地の実際の経営というものは女子供なり老人なりというものにまかせざるを得ないという結果も相当出てくると思う。そういう点から見て、とにかく何も政府にたかって遊んでいようというわけではございませんから、働きいいようにするためには、つまり共同施設というものは部落の末端まで徹底をしてこれをやっていただくということが必要だろうと思います。そこで、そういう項目としては、まず第一に、共同作業場、それから共同の動力用の大農機具、それから共同の飼育場、あるいは、これは今ありませんけれども、共同の放牧揚の設置であるとか、あるいは共同の種苗圃、——これらはいろいろあります。イチゴとかあるいはタバコとかその他たくさんありますが、こういう共同の種苗圃とか、あるいは部落にしてみれば共同浴場、こういうものについて、新農村計画の中でこれは行政措置ができるはずである。法令の改正は要らないはずでありますから、ぜひこういうものについて相当思い切った、実情に合ったような助成措置というものを一つとってもらいたい。この点はどうです。
○林田説明員 ただいまおっしゃいましたいろいろな共同作業の施設でありますが、これは新農村建設ですべてやれることになっておりまして、共同作業場とかあるいは共同利用農機具、その他大体共同で農作業を行うために必要な施設はすべて行い得ることになっております。それから、共同浴場のようなものも、これは生活改善の施設といたしまして、生活改善のセンターとか、あるいは共同の給水施設とか、そういうふうなものは取り上げることができることになっておりまして、十分取り上げてやっていけると思うのであります。
○久保田(豊)委員 その次に、これは振興局の方の所管かどうかわかりませんが、あるいは農地局になるかもしれませんが、振興局の方でも新農村計画として特に取り上げてもらいたい問題が一つあるはずです。それは、今度の耕地復旧をやりますと、平場ではその危険は比較的ないと思いますけれども、特に山間部落では、河川改修のためにも、あるいは土地の復興のためにも、相当多くの川沿いの水田がつぶれさるを得ないと思うのであります。大体、今見ますと、前にあった川の三倍くらいにみななっております。それから流路が変更になっております。従って、今度水が出ないようにするには、できるだけこれは節約をしてもらわなければならぬが、それにしても川幅を相当広げたり流路を変えたりしなければならぬ。それに結びついて、農地復興をやる場合においても、その方でも多少の——今までああいう山間部落の水田、畑地は非常におくれた形になっておりますから、これを近代化していくためには相当の土地がつぶれるということは当然予想しなければならない。そうしますと、平場の方はともあれ、上の方になりますと、あの農地というものは、そこでもって米なりほかのものをとって大いにもうけているというのではないのでありまして、あれだけのものがなければ食っていけないという、いわゆる生活の基盤の、具体的に言えば自家食糧の生産基地です。こういうものでありますので、これが少くなるから生活はますます困難になるということになろうと思います。そこで、お願いをしたいのは、これにかわって、あの地帯でも、よく検討しますれば、国有地、あるいは公有地、もしくは個人地で小規模の開窓のできるところ、あるいは牧畜のできるところ、採草地の改良のできるところが相当たくさんあると私は見ておりますので、こういう点も、これらの開墾とか開拓あるいは牧野開発といいますか、牧地開発といいますか、あるいは採草地の改善というような点についても、これは一つ積極的に考えていただかないというと、ああいう畜産地帯だけに非常に困難を来たすと思いますが、これは新農村計画のうちに取り入れてやってもらいたいと思う。 なお、畜産局長がお見えですから、これらについてどんなふうな御計画なりお考えを今日お持ちになっておるか、この点をあわせてお聞きいたしたいと思います。双方から一つ御答弁をいただきたいと思います。
○林田説明員 新農村建設の事業といたしましても、農用地の整備といたしまして取り上げることができまするし、それから、そういうふうな林野率の多い土地につきましては、小団地開発整備事業というのをやっておりますが、この事業の方で相当取り上げ得ると存じます。
○安田(善)政府委員 お尋ねになりましたうちの畜産関係と申しますか、牧野、飼料畑のような点でございますが、静岡県庁と目下連絡をとっておりまするところは、それほど多い計画が県庁にもありませんけれども、目下来ておりますのでは、新しい集約牧野を三十町歩やりたいと思っております。それに対しましては全面的に取り上げまして、そのものに対しまして五割の国庫補助、補助の残りは公庫融資で農協のようなことで共同的にやってもらって、農家の負担を持たせないようにと思って研究中であります。また、耕地復旧が、旧耕地のように、お話のようにいい土地がすぐ復旧できませんことも考えまして、家畜導入について、飼養しておった家畜を災害で失った方には元に復旧するように、あるいは有畜農家創設の融資事業とか中小の対策でやっておりますような補助事業等によりまして復旧をさせまする反面、家畜の特徴として、こういう災害復旧には、そのあとの農家の収入と申しますか、また土地を耕土としてよくするためとかに活用してもらうように進めたいと思っておりますが、そこで、とりあえず、いい耕地にならない場合でも、自給飼料の種子を、これも農家の負担を持たせないようなことを本旨といたしまして、目下は県の希望によりまして百五十八町歩分でありますが、ICAの寄贈によりまする牧草種子を私どもの方で握っておりますから、伊豆の災害町村には優先的にこれを無料で配付したいと思っておるのでありまして、それによりまして畑地らしい復旧畑をまず飼料化していただきたい。それも家畜の飼養と同時に、できる限り実態に応じて共同化をやっていただきたい、こういうふうに思っております。市町村が事業をやって下さいますのは、現行の酪農振興法にも規定があります趣旨を生かしまして、むしろ農協等よりは市町村で市村町の負担と国の負担でやっていきたい、こういうふうに考えております。
○久保田(豊)委員 畜産局長は、最近畜産局長になったんですが、さすがに非常にいい答弁でわれわれの意を得たところであります。ぜひ一つこれを積極的にやっていただきたいと思います。おせじを言うわけではありません。 それで、静岡県から今持ち出しているのはたしか三十町歩でしたか、飼料畑の開発がことしはまだ各町村も部落も実はそこまで考えがいっていないのであります。そこで、やはり、そういう方に導いていただくようにするには、県の方と一体になって、村とも一体になられて、農協等ともやって、できるだけそういうめどのつくように早く一応の方向を出して、手の届くような措置をしていただきたい、こう思うわけです。 それで、種子の点や今の牧野開発という点についてはそれでいいですが、例の国有牛の子取り貸付制度ですね。あれはどうですか、来年は続きますか。続くとすれば、あれを相当この地帯にも——これは少しあなたが前に考えられた国有牛の子取り制度とは違いますけれども、これをある程度活用して被害町村に優先割当をしてもらう、この点も一つ具体的に考えてもらいたい。それから、例の中小家畜の二割補助付の委託豚がありますね。これもこういう地帯には特に優先をして配置をして、こういうものと牧野の改造なり何なりというものをやっていただきたい。さらに、養鶏についても、できれば何らかの措置をとっていただきたい。これらは今日の条件では必ずしも経営条件は有利ではありません。しかし、ほとんど野菜もできないというような地帯が多いわけです。しかも家族である程度現金収入がとれる道——おやじさんでほんとうに働ける人はほとんど土方に出るようなことに結果としてはなろうと思います。そのあと残った家族で少っしでもこういう生産に役立って現金収入を得るように。しかもこれらの家畜はすべて土地をよくするような正要素を持っております。これと結びつけないと、ああいう新しい土地は、炭カルをまいたり燐酸質肥料を少しばかりやった程度ではほんとうにうまくいかない。どうしても有機質あるいは堆厩肥をよけい入れるようにするほかないと思います。特にこういう点について、伊豆だけではございませんけれども、被害激甚地についてはこういう措置を優先的にとるようにぜひ一つ考慮していただきたいと思うが、この点についてはどうですか。
○安田(善)政府委員 大家畜の国有貸付方式を災害地に、特に伊豆のような被害激甚な地帯に適用したいと思って、実は省内及び外の関係の方と折衝中でありますが、その数は、まず第一に乳牛、役牛について四百五十頭、これが罹災者の分だと思っておるのでありますが、あるいは有畜農家創設の方で、去年入れたところでももう一度適用させていいから、国有貸付でないようにしてくれといって、実は争っておる最中であります。そのことを除きましては、中小のと申しましたのは、肉牛、養豚、養鶏、すべてこれは補助事業で——やはりこれも先ほど申しましたような融資を加えまして、補助金と融資で大体いける。あとは災害農家については家畜保険の保険金でいく。伊豆の方は、実は保険の加入率を調べましたところ、大へん悪いのであります。その点で研究中でありまして、私の方はそれほど時間がかからないと思います。
○久保田(豊)委員 なお一つ畜産局長に今後災害部落ないしは災害農村の復興上お願いをしておきたいの、第一はこれは応急のお願いをせんだって申し上げたわけですが、政府手持ちのふすまなり何なりを何とか格安に直配をしてもらえる道は講ぜられないかということでございます。これは今の飼料需給安定法の建前上困難であることは私もよく承知しております。しかし、何らかの行政措置によって——これはこれだけのことのために飼料需給安定法を改正するということも困難かと思いますけれども、できればこういう措置をとっていただきたい、こう思いますが、その点はどうかという点。 それから、もう一点は、さしあたりの問題としまして、家畜用のわらがない。さしあたりは、県下で約二十五万貫と聞いておりますが、各農家から家畜用その他のわらの集荷を終ったわけです。ところが、これを送るということになりますと、鉄道運賃の関係で非常に高くなりますので、さしあたりの分については、運賃免除まではいかないまでも、鉄道の方と早急に御相談をいただいて、県内で集まったものについては特別割引をしていただきたい。それから、実は全部で約八千戸の人が被災をしておるので、畳がほとんど使えないわけです。畳わらというものが、私は今後相当要ってこようと思います。現に骨のごときは、災害前には一畳が千二百円かそこらのものが、今は二千円あるいは二千五百円というふうに上っております。畳なしでこの冬は越せません。このわらを、家畜の飼料用と同時にこういう畳用も含めまして、これはどこの管轄かわかりませんけれども、農林省の方で一つ早急に静岡県の県庁と打ち合せをされてやっていただきたい。畳の表については県の方に私言いました。県の方でも早急に浜松の近辺を中心として手を打つと言っています。ですから、家畜用のわら、その他の敷きわら、あるいはえさ用のわら、これについて何とか手を打って、運賃の割引その他の特例というものをこの際行政措置でできないものか。やれれば一つやってもらいたいと思いますが、この点はどうですか。
○安田(善)政府委員 第一の応急的な飼料の点でございますが、かねていち早く久保田先生からも御注意をいただいたこともありまして、さっそく関係の在庫品を持っており、また配給機関で販売機関であるものに対しまして相当強い勧奨をいたしまして、全購連と静岡県連によりましてふすまを二百五十トン、時価の半分で供給するようにさせまして、一部出荷を終っておるのであります。これは現有家畜の頭数から見ますと二十五、六日分あると思います。また、日本飼料保税工場会の飼料工場には、平素商売をしておる関係だからこういうとき奉仕しようと言いまして、二十五トンでありますが、三島向けが二十トン、下田が五トン、これは無料配給ということを約束させまして、三島と下田にはすでに到着しております。これは三日分くらいに当ると思うのです。食糧庁にも話をいたしまして、被害麦があるはずだから、これを処理するときにうんと値を下げてもらいたいというので、事故麦ですから安いことは当然でありますが、普通の麦の三割または二割の間の価格で、十三日分、百二十トンを静岡県知事に向いまして払い下げをして、これは二カ月代金延納して、またあとで考えてみよう、こういうふうにいたしております。そのほかなおこれは十三地区にございます。そこで、そのあとの本来の飼料の点でございますが、さらにそれに引き続いて少くとも一月分はなお対策があるように思いまして、政府所有の輸入ふすま、神奈川県にありますものを、横須賀でありますが、三百トンについて同様静岡県知事に六十日の代金延納措置をもちまして払い下げることにきめまして、両者とも県と話をきめまして、ただいま、きょうあたりから出荷をすることになっておるのであります。これによりますると、家畜——鶏を含めました見積りで、係が計算したところでありますが、七十四日分ありますので、その間に被害の総合対策が講ぜられるといいのではないか、こういうように思っておる次第でございます。 わらの点でございますが、わらは、久保田先生がおっしゃる意味を上手に通すには、実は畜産局がやはり家畜飼料と言わない方がいいかもしれぬと考えておるのであります。しかし、一応国鉄、運輸省に向いまして折衝をいたしました。折衝をいたしましたら、まだ本日もただいま続けておるのですが、罹災者の救恤品、慰問品というと汽車賃をまける規定もあるそうであります。他方、国鉄の経理の運営上支障がないときには貨物運賃を下げたり免除できるという規定もありますので、そのことをもちまして、人間と食糧を食い合う家畜であるから、また人間のふとんにもなるから、まけないかといって話しておりますが、マル通に関しましては運賃二割引きにしてくれましたけれども、運輸省、国鉄はまだ実は話がつかないのであります。それを待つことはできないので、お話にもありましたように、静岡県内の非罹災農家四万戸から十二万貫を出していただきまして、三島に八万貫、たしかきょうまでに入っているはずであります。この関係で、罹災者が屋根ふきにも使いますし、ふとん代用にも応急に使いますし、家畜にも使うというふうな扱いの方がいいんじゃないかと思いまして、これは経済局に実は一口乗ってもらわなければいけませんので、きのう市場課長と私の方の課長と向うの貨物課長と折衝させて、さっき報告を聞きましたところが、何か公文をくれ、あわせて、どこから出荷して、罹災者用だとか、どこへ着くのだとか、そこで三島災害対策本部あてにとかいう、そういうこまかいことを打ち合せさせておるのであります。どこまでいくかわかりませんが、あわせて、運輸省の本省では、県と現地の国鉄の管理部長とで話してくれればかえってうまく片づくのではないか、こういうことも言っておりますので、静岡県庁に電話をいたしまして、こちらは本省で、あなたの方は局の管理部長で、同趣旨で折衝してくれるように言っておる途中でございます。
○石坂政府委員 わらを含めましての飼料の問題については畜産局長からただいま詳細にお答えいたしましたが、畳の材料と申しましょうか、原料と申しましょうか、このわらについてでございます。これは私も実は水害で骨を全部ぬらした経験もありますが、これはかわかしても全然だめなのです。堆肥の原料以外にはなりません。従いまして、わらが必要になって参りますが、今度は一面畳不足のために畳屋は大へんもうかったという水害の裏話もあるのであります。そこで、畜産局長がそれらの点まで含めまして今せっかくやってりおりますから、これは御希望に沿うようにできると思います。
○久保田(豊)委員 大へん畜産局長手を早く回されて、私も感謝をいたすわけであります。ありがとうございました。ただ、応急の二カ月なり何なりの飼料対策はそれでいいわけですが、今後ともある程度そういう特別な扱いというものは政府手持ち飼料についてできないかという点が一点と、わらについても、十二万貫ないしは二十万貫というものについてはいいのですか、私はそんなものでは今後家畜はやせる一方だと思います。従いまして、この点についても、少くとも来年の秋のわらがとれる時分、あるいは来年の春になりましてある程度背革なり何なりが刈られる程度までは何とかしていただきませんと、家畜はやせてしまいます。現地では、一方において罹災者が金がない、一方において飼料がないということから、この前も最初お伺いしたときにお話したように、一万五千円とか二万円というべらぼうな安値でもって博労が買いたたいておるという事実もあっちこっち出ておる。これをこのままにしておきますと、今度家畜を買うときには五万、六万と出さなければならない。こういうことになって参りますので、長い間はお願いできないと思いますが、せめて一年間は何らかここに特別の措置をとっていただくということを願いたいのですが、この点についてはどうでしょうか。
○安田(善)政府委員 わらの十一月以降の手配は県が県内で補給のあっせんをしますということで一応おさめてあるわけですが、政府手持ちの飼料とこのわらについては、すでに手配をしつつありますほか、現地とも協力しまして何か御趣旨に沿ったことができないかという意味で研究をしたいと思っております。まだ明確なものを持っておりません。
○久保田(豊)委員 政府手持ちの飼料についてはどうですか。
○安田(善)政府委員 政府手持ちの飼料につきましても、すでに手配をしましたもの以外は明確な措置を申し上げられませんが、御趣旨に沿い得ますようにある程度安くするということならやりますと申し上げられます。
○久保田(豊)委員 大体私の質問は終ったのですが、最後に、これはどこの所管かわかりませんが、これは農林省として主として振興局にお聞きいたしますが、災害の特にひどかった部落約十五ばかりですが、流された部落には、これは新しい部落計画というものを立てるより以外にないと考えております。現地で二、三話し合ってみましたが、まだ現地民のほんとうの罹災者はそこまでいっておりません。しかし、修善寺村のごときは、村の幹部はある程度そういうことを考え始めております。というのは、川沿いの部落で堤防が一時できてもまたいつやられるかわからないのであります。こういう心配もあります。また、相当農地の状況その他が変ってきますので、将来の安全というものを考えて部落の移転を含めて新しい部落計画というものを立てていかなければならないと考えております。それについてはぜひ必要な都市計画や何とかと同じような考えで基本的には農村に部落計画があっても一向ふしぎはないと私は思う。日本の行政や政治の上では、農村がそういう計画を持っておるのはもってのほかだとか、ぜいたくだとか言うかもしれませんが私は、一向差しつかえない、そのくらいのことは政府としてはすでにお考えをいただいていいと思う。そういう段階から見て、特にこの土地の取得、土地の整備、道路、それから簡易水道、公会堂・少くともこれだけのものを含めて、これについては相当高率補助、できれば全額の補助をお願いしたいのですが、そこまでいかなくても、それに対しては相当高率の補助をして、将来また再び災害が起らないようにこういう処置を早急に一つ研究をしてもらいたい。これは私は建設省の方にも要求をしております。しかし、これは本来から言えば私は農林省の所管事項ではないかと思う、こういう点を振興局でも新しい農村計画の一環として一つ考えていただきたいと思うが、この点はどうか。
○林田説明員 土地の取得あるいは道路のような問題につきましては、振興局ばかりではできないわけでございますが、新しい村作りの問題につきましては、振興局といたしまして、十分指導なり計画なりを努力させていただきたいと思います。
○久保田(豊)委員 二日間にわたりまして、同僚の委員諸君に大へん御迷惑をかけながら、こまかい点につきまして農林省当局に現在の考え方、その状況を聞いて参ったわけであります。 最後に、大臣がおいでになっておりませんから、次官にお願いがてら一つ御意見を聞いておきたい。今までずっと農林省関係の各局のお話を聞いて参ったのでありますが、それを見ますと、基本問題は、何といっても、必要な特別立法ということがないためにすべての措置がはっきりいたさない。行政措置でやれる面は、今安田局長からお話がありましたように、かなりはっきりできるところはできる。ところが、ほかの面についてはほとんどまだぼやけております。正直の話申しまして、これではしようがありません。農林省としては、私今まで拝見したところでは、できるだけ現行法のワク内で何とか操作をというお考えがどうも基本になっておるように見てとっております。しかしながら、今までこの二日間でこまかく一つ一つの問題について私は御質問申し上げていった。私ども社会党が申し上げておる特別立法が必要だということは、決して単なる現実に即さない抽象論で言っているわけじゃありません。現実のこういう差し迫った問題を解決するには、この程度の特別立法はぜひ必要だ、こういう観点からすべて申し上げているわけであります。こういう点については、これは大蔵省との関係もありましょうし、与党との関係もありましょうし、また、そういういろいろな諸関係もあられて農林省としては非常に困難なお立場はよくわかる。よくわかりますが、しかし、この二日間の私のこまかい御質問の中で、大体どれがどうしても特別立法を要するか、特別立法をしなければどうして行政的に措置するかということの問題の要点は、農林省としてはほぼおわかりになったと私は思うのです。ぜひこれらの点を一つ御参考にしていただきまして、どうしても農林省として早急に特別立法の必要な事項はあげてこの際他省に先がけて農林省としては特別立法の措置をとるということをやっていただきたい。そして、行政措置でいけるものについては行政措置でこの点をはっきりするという点を至急に措置を願いたい。またどっちかわからぬからというのでふらふらしておったのでは——決してふらふらしておるわけではないでしょうけれども、現地の実際にようやっと緊急の救済の段階に入ってさてこれからという人たちは、現在の状況が長く続いては、つかみどころがありません。どうかそういう点を政務次官におかれては全体に掌握されて、大臣とも各局とも十分相談をされて、早急に一つ御処置をお願いをしたい、こう思うわけであります。 私は以上まずこまかい点をいろいろ御説明を受けたわけですが、これらの点から見て総括的に必要な事項については大臣がお見えになりましてから総括的に御質問を申し上げて取りまとめをいたしたいと考えますが、この点は一つ委員長においてもお含みおきをいただきたいと思います。そういう意味において、今申しました点についての石坂次官の御感想なりお考えをお漏らしをいただきたいと思います。
○石坂政府委員 この数日間、災害対策につきまして、与野党を通じまして熱心にいろいろの角度から検討されました御意見を拝聴いたしたのであります。そのうちに対策としての立法措置を要望される声はかなり強かったように承わりました。現在の法律制度を一足飛びに飛び越えまして直ちにということに参りませんので、私の答弁は皆さん方に満足を与えなかったことをはなはだ心苦しく存じております。そこで、きょうは大臣に出席を願いまして大臣の意のあるところをお伝え願うということを皆さん方も御期待になっておったと思いますが、いろいろの事情がありましてそれもできませんが、ただいま最後に久保田委員から念を押されました点は、大臣につぶさに伝えまして、大臣の所信にお訴えいたすつもりでございます。私の感想というお言葉でございましたから、以上感想を申し上げまして、お答えにかえます。
○久保田(豊)委員 これは石坂政務次官の感想ということではなしに、問題の所在点は全部洗い出したつもりでありますから、ぜひこの点を的確におつかみ願って、早急に御処置を願いたい。お伝え願うだけでなしに、御処置を願いたい。 なお、委員長に申し上げますが、私は大臣に対します残余の質問を保留いたしまして、一時ここで打ち切ります。
○中澤委員 関連して……。 これはほんとうは農地局にお願いしたいのですが、政務次官がいるから、政務次官に、質問であり、考えなければならない問題を申し上げます。 実は、二十二号台風で、長野県の上高井郡保科村というところが局部災害がひどがった。このごろ見に行ったのですが、大体高さが約五メートルある上に農地があったわけです。その農地が、約八反歩というものが完全に流失して、そこが河川敷になっておるわけです。そこで、復旧問題になるのですが、これは復旧のしょうがないのですね。約五メートルの高さになっておる。その横に走っていた川がま正面に向うについて、約八反歩の農地をさらって、そこが河川敷りになってしまって、復旧のしょうがない。これは三十万、五十万かけたってだめなんです。どうやったって復旧のしょうがない。特にこの地帯は山の中間地帯ですから全村表土が浅いのです。そこで、復旧はおそらく一反歩一千万もかければ、千曲川からトラックで運んで、また五メートル積み上げるということはできますけれども、そういうことは経済効果上できない。あれを見たときに、久保田君がよく言われる政治の貧困ということを痛切に感じた。こういう復旧不可能地帯というものは、おそらく伊豆にもあると思う。この場合に、流失土地に対する何らかの補償措置を国は考える必要があるんじゃないか。これは現行法ではできませんが、何とかして一つの補償措置を考えてやらないと、とにかくあの地帯はもはや復旧不可能なんです。そして、農地がなくなったということは、農民としてはもはや失業なんです。だから、完安に流失して復旧不可能な農地の災害の補償というものを今後の課題として考える必要がある。これは災害があってもそう膨大な地積にこういうものは出ないと思う。だから、こういう問題を今後の問題としてお考え願いたいという希望が一つと、あなたの御感想いかんということですね。 いま一つは、これはさっき久保田君が融れられた問題ですが、やはり日本の農業の協同化を今くらいその基礎的な推進をする段階の必要な時代はないと考えておるのです。たとえば、農民があの小さい動力——ガーデントラクターのようなものを勝手に入れる、裏の家が買ったからおれの家も買わにゃというような、全く無計画導入をやっておるのです。これに対して私はこういう案を持っているのです。新農村であれだけの金を出しておるわけなんですが、あれをもう一歩進んだ農業共同化計画法というような立法措置をして、そして完全に共同化計画というものを推進することが、私は日本農業の将来の一つの大きな政策、進路だと考えておるのです。だから、そういう点について、石坂大政務次官ですから、今私の二つ申したことをやっていただけば、これは後世に名が残る問題だと思うのです。これは石坂政務次官がやったのっだということで、流失農地の補償措置、それから、これから進むべき農業共同化の基本法を作って、そしてそこへ今の新農村の計画化、ああいうものを移していく、こういうことが私は必要じゃないかと考えておるのですが、御在任中にいかがですか、この二つをおやりになる御意思があるかないかということを伺っておきたい。
○石坂政府委員 私も非常に微力な者でありますけれども、せっかく農政をやる以上は後世に名を残したいという希望を持っております。しかしながら、これは私の棒ほど願うことであって、おそらく針ほどもかなえられまいと思います。しかしながら、今のお話の長野県上高井郡保科村に関しての御質問でありますが、この流失いたしまして河川敷になってしまった土地に対して国家が補償する方法は考えられないかという質問であります。これまた非常な大きな問題でございます。従いまして、また私がこう申しますと必ず不満足の表情をされましょうけれども、このこと自体はまことに大きな問題でありまして、これはずっと将来の問題と申しましょうか、確かに研究するに値する問題であろうと思いますけれども、今日ただいまの段階においてどうしましょうということは、なかなか私から申し上げかねます。ただし、かような場合において、かりに八反といたしましても、何軒かの農家があるわけであります。これが八反が一町になっても、あるいは四、五町になりましても、かような事態を生じました場合におきましてはやはりなお開墾可能の土地がその周辺なり長野県にはあろうと思う。西ドイツの例を引きますことも恐縮でありますけれども、アテナウアーの今の農政は内地ジードルングということを盛んにやっております。従って、新しい開墾なりをいたしまして、地元増反という方法をもってこれにかえるならば、単に金銭的の補償の方法をもっていくよりも、なおそれよりもましなのではなかろうか、こういうふうのことを考えるような次第であります。なお、先ほどから久保田君の御質問も聞き、だんだんの御質問を聞いておりますが、かようなときに、有力なる皆さん方から日本の海外移住に対する啓蒙宣伝をやられまして、そうして内地の無理なところで耕作するよりも、むしろ遠く海外に行った方がいい面もあるのであります。さような点において啓蒙宣伝をしていただくようなことはできないだろうかということを実はひそかに考えておるような次第でございます。 なお、この際においての農業共同化の推進というお話でございますが、これも共同化という言葉の持つ内容をいろいろ検討してみる必要もあろうと思います。しかしながら、先ほど久保田君も指摘しておられました通りに、共同作業所の設置であるとか、あるいは農機具の共同購入、共同利用であるとか、さような面からいたしますならば、共同的に場所を使用し、共同的に作業をなし、共同的に機械を使用することによりまして、各農家の能率を上げるという点、ひいては生産性を向上させる点は幾多あろうと思います。こういう点におきましては、私は十分に研究いたしていきたいと思います。
○中澤委員 前の答弁は政務次官非常にけっこうであるが、海外移民と政務次官簡単におっしゃるけれども、政府が海外移民にそれだけ積極策をとって海外移民とおっしゃるならばわれわれは大いに宣伝します。しかし、今現に、たとえば、また長野県の例を引きますが、長野県あたりが地所を買わなければ推進ができない、こういう政策の貧困があるのでしょう。そういうことだから、政務次官はそうおっしゃるけれども、今の形では政府は相談を受けても立てないでしょう。受けて立つならば宣伝しますよ。お前らみなブラジルへ行け、農林省が土地を買ってくれるぞ——。ところが、受けて立つ手がない。県あたりで地所を買って——長野県でも、二千町歩か二百万町歩かわしはよくわからぬが、三千何百万か金を出して買ったが、農林省は、県や開拓民に土地を買わして、宣伝してくれと言う。最初の答弁はよかったが、あとの答弁は自意識過剰ですよ。 そういうことはいいんですが、今の問題についてアデナウアーの例を引っぱったが、そういうことは現実にできないですよ、政務次官。考えてごらんなさい、そこに公有地なり共有地があった場合には、あすこの家は気の毒だから、あすこの公有地は畑になるぞ、あの共有地を分けて畑にさせようということで、そういうような場所のあるところはいいが、保科村は全然ない。全部民有地ですよ。それをここは適地だから政府が買い取って与えるというなら話はわかるんです。これは言うだけでは実際できないんです。それよりも、私は、むしろ国がある程度補償金を出してやって、二十六万なら二十六万そういうものに補償金を出してやって、そうして、どこかお前が民有地を買ってその分増反しろ、それなら話はわかる。ところが、政務次官の気持はそういう気持であっても、日本の現実はそう動いていない。そこに問題がある。私は災害による復興不可能の流失土地というものはそう膨大のものではないと思う。これはやはり、災害に対する流失土地の補償法というようなものを作って、国がその一部を——全部とは言いませんが、その時価の何割かを国が補償してやる、こういうことが私は現実の政治としては一番正しい行き方だと思うのですよ。だから、政務次官の言われることはここの答弁としてはいいが、現実とはちっともマッチしていない。その点をお考えになって、これ一つ作れば、災害があって農民が流失土地の補償をもらうたびに、石坂さんという人が作って下さったとみな感謝感激しますが、これ一つくらいお作りになったらどうでしょうか。
○石坂政府委員 確かに一つの大きな問題でございますが、問題として研究させていただきます。
○松浦(定)委員 関連して……。 今回の災害の重大な点については連日同僚久保田委員からいろいろ詳細にわたって質問され、当局から一応の回答があったわけでありますが、私は特別立法を要する問題はたくさんあると思うのです。そこで、その特別立法を制定された場合において、今回の二十一、二十二あるいはそれ以前における台風の災害について適用される地域、それらについては現在の調査で大体決定されておると思うのでありますが、ここへ来ております資料によりますと、多府県にわたって相当災害を受けておるわけであります。従って、特別立法を要さないでもこれが救済できるような府県、あるいは特別立法によってこれが救済できるといったような府県別の範囲を一つお示しを願いたいと思います。
○石坂政府委員 はなはだ不勉強のようでありますが、今の松浦委員の御質問に対して、私の手元に今資料もございませんので承知いたしておりませんから、小林課長からお答えいたします。
○小林説明員 先ほどのお話でございますが、お手元に差し上げましたのが台風二十一号及び二十二号の農林水産関係の被害状況でございます。これで参りますと、これはお読み願えればわかるのでございますが、二十一号台風による農林水産関係の施設の被害は五十九億円でございます。二十二号台風による被害額は約百五十二億円でございまして、その総額は二百十一億円となっております。その次から台風二十一号及び二十二号のそれぞれ農地、治山、林道、水産施設別の表がございまして、申すまでもなく静岡県の被害が一番大きいのでございますが、その他の府県につきましては、大きいところは例示してございます。施設関係はそういうことでございまして、四ページをお開き願いますと、農産物の被害概況が出ております。この被害は、両方合せまして、二十一号が百十七億円、二十二号が百六十五億円でございまして、トータルで二百八十二億円となっております。水、陸稲の被害状況は台風二十一号が約九十八万石、二十二号が百十九万石ということになっておりまして、トータルで二百十七万石というふうになっております。その詳細につきましては、五ページ以下にそれぞれ県別の表が出ておりますので、それによりまして被害の激甚な地帯はどこであるかということを一つお読み取り願いたいと思います。
○助川委員長代理 井手君。
○井手委員 災害に関連いたしまして、一、二点お伺いをいたしたいと思います。 食糧庁の事務当局にまずお伺いいたしますが、昨年は私の記憶では第二次の予約集荷をなさったと思っておりますが、その内容をちょっとお知らせ願いたいと思います。
○岡崎説明員 私、実は就任早々でございまして、昨年も予約をやったということは記憶いたしておりますが、あまり詳しい内容までは存じておりません。まことに申しわけございません。
○井手委員 やったことが事実であればそれでけっこうであります。今年も幸い戦後第二の豊作だといわれております。九州、関西特に九州地区では昨年、一昨年は、よそが豊作にもかかわらず、災害のために不作でございました。今年は幸いに豊作になっておりまして、予約時期には予約すべき数量の見当がつかなかったが、今日になっては相当余裕を生じておる。従って、昨年実施されたように第二次の予約制度を実施してもらいたいという熱望が非常に強いのであります。昨年やって今年やらないということはなかろうと私は思っておりますが、この点についての農林省の方針を承わりたいのであります。
○岡崎説明員 予約の本来の性質から申しますと、実は、稲をまきつけますとき、あるいはまたその年の米価がきまりましたときに、各農家が自分の今年のまきつけ面積から大体の見通しをつけまして、それで予約する、これがほんとうの予約の精神かと思います。ただ、従来の供出制度にかわりまして政府が四年前から予約制度をとりました趣旨は、御承知の通り、農家の自主的な意思によりまして政府に売り渡しをするという建前でございますから、そういう意味から申しますれば、まあ多少時期がおくれましてもいいわけでございます。ただ、今年は、一番最初の予約の期間におきましてやはり思うように米の予約を得ることができませんでしたので、従って、時期を少し延ばしまして、そのかわりこの次のいわゆる第二次予約は決してやらないから、ぜひ今のうちにやってほしい、こういうことをはっきり言明いたしましてやった建前もございますし、また今までの米の出回っております状況等から見ましても、大体これで予定通りの数量は政府で買うことができるのじゃないかというような見通しもございますので、ただいまのところは第二次予約をする気持はございません。
○井手委員 その考えはないと言われることが、私は非常におかしいと思うのであります。昨年は七千五百万石、今年は八千万石以上といわれておるのでございまして、政府に売り渡す余裕は、昨年よりもずっと多いわけであります。なるほど今年は十日間だけ延長にはなって八月二十五日までとはなっておりますけれども、関西、ことに九州においては、ちょうどその時期は旱害が非常にひどかったのであります。従って、どのくらい予約していいかどうかという見当がつかなかったのであります。しかも、昨年、一昨年思わざる被害を受けまして不作に陥りました。その際減額補正を農林省にはすいぶん相談をいたしましたけれども、なかなかきいてくれない。結果から申しますと、希望の大体半数、それ以下であったと私は記憶をいたしております。あとで減額補正を要望してもなかなか達せられない、そういうことから、少し控え目に予約をしておこうという考え方とからみ合せて、低目に予約をされておった、ところが幸い豊作になったので相当の余裕を生じた、こういう事情でありますので、昨年の第二次予約、そういう実績もありますならば、なおその重要性は加わっておるわけでありますから、それは政治が公平でなければならぬという立場からも、当然第二次予約があってしかるべきものだと私は考えております。ただそういう考えはないということではなくて、農民のみんなの要望でございますから、余裕のある農民の要望でございますから、これはやはり率直に受け入れられることが正しい行き方ではないかと私は思います。これは特にその九州の中部出身の石坂政務次官にお尋ねをいたします。
○石坂政府委員 農林省の方針は、ただいま総務部長からお答えいたしました通りでありますが、実は、私、今年の旱魃中、七月の十幾日だったか、佐賀県のひどい旱魃地帯を回って参りました。米どころである佐賀県の旱魃もかなりひどかったことを承知いたしております。従いまして、ただいま井手委員から申されましたような予約の時期に予約の見当がつかなかった、こういうふうなこともあろうと推察いたします。そこで、いろいろ、実情を幾分知っておる私がさらにただいまのような井手委員の御発言を聞きますと、私も大へん板ばさみのような感じがいたすのでありますが、九州全体、旱魃地帯から申しまして、佐賀県は強い御希望があるようでありますけれども、佐賀以外の県で、一部は絶対に反対の県もあるようであります。一部には中途半端な態度をとっておる県もあるようでありますが、なお、この点につきまして、結局のところどうなりますか、今私も見通しがつかないでおりますけれども、事務当局とも相談いたしてみたいと思います。
○井手委員 政務次官には旱害に対して御視察をいただきまして、ただいま農林省の方針と視察をした立場の板ばさみになっておるという苦衷をお話しになりましたけれども、かねて農村については見識を持っておられ、強い熱意を持っておられる石坂議員が幸い政務次官という権威ある立場になっておられるのですから、私は板ばさみではないと思う。この機会こそ、政務次官の機会こそ、私はあなたのかねての熱意を実現なさる絶好のチャンスだと思う。幸い現地を見ておられますので、ぜひ第二次予約制度の実現を私は強力に要望いたします。今、一部の県では反対だ、一部の県では中途半端の意見がある、こういうことでありましたけれども、これは、ことしは予約はないぞ、今のうちに出しておけ、とすすめた県なり農協の立場であると思う。農民の立場じゃないわけです。余裕を持っている農民の立場から申しますならば、第二次の予約受付を行うことが当然であると私は考えております。次官も食糧庁の当局もお聞き願いたい。旱害があり、そして昨年よりも豊作であった、減額補正は今までなかなか受け付けてくれなかった、従って手控えをした農村に幸い余裕があるならば、昨年も実施した第二次予約制度がやれないはずはないのです。あなたは総務部長さんですか。それならいい立場ですからおやりなさい。そういう方針じゃないということでは困りますから、もう一ぺんはっきりした、農民の立場に立った御答弁を願いたい。
○石坂政府委員 その前にちょっと……。私の手元に、三十年から三十三年までの第一期買い入れ数量の表があります。それで本年度分と三十二年度分を比較いたしますと、十月六日現在で、佐賀県は実によく出ております。前年に比べますと八〇四・四%出ております。八倍ですよ。非常によく出ております。ほかの方は、福岡はぐっと多いのですが、それに次ぎまして佐賀県はたくさん出ております。東北地方になると、十月六日現在で、ひどいところは一・二%、東北六県で一番多いところが福島の六・九%であります。佐賀県は八〇四・四%で、おかげで非常にたくさん出してもらっております。このことを念のために御報告申し上げておきます。
○岡崎説明員 ただいまの御意見、まことによく拝聴申し上げたのでございますが、農民の立場でわれわれも考えなければならぬと思います。ただ、しかし、この予約制度は今後も長く続いて実施されていくであろうと思うのでございます。ことしは、ほんとうに第二次予約はいたしません、そのかわりぜひ今のうちに予約をしていただきたいということでお願いしたわけでございます。ここで第二次予約をやるということになりますると、食糧庁かあるいは政府がうそをついたということになりまして、そのとき予約した方と、それから先の見通しがつくまで待っておられたという——それも実は時期の点の問題はございますけれども、その待っておられた方とのバランスの問題で、今後来年以降にいろいろ問題を残すのではないかということも考えられます。従って、事務的に私どもとしましてはただいまのところ予約ということはしていないのでございますが、御了承願いたいと思います。
○井手委員 政務次官、今日までの販売数量の工合は承わりました。私は手元に資料を持っておりませんからちょっとわかりませんけれども、あなたの御報告なさったことがおそらく真実であろうと思います。しかし、それは、最近早期栽培が進んだこと、ことし天候がよかったことなどのために順調に売り渡しができておると私は考えておるのであります。今事務当局からもお伺いいたしましたけれども、一昨年はやらなかった、昨年はやった、ことしはやらない、こういうようなことでは私は政治を信用できないと思う。食糧庁の立場はわかります。しかし、立場はわかっても、一昨年はあれだけ希望があったけれども第二次の予約はしなかった、昨年はやった、ことしはまたやらない、これでは困るのです。しかも、きょうの新聞によりますると、代表者売り渡し制というものを実施しようという通達をなさったようであります。これでは予約分のいわゆる百円の恩典と減税の恩典は受けられないわけであります。そうなりますと、昨年のものはその恩典に浴したけれども、ことしは恩典に浴しないという政治上の不公平が出て参るわけであります。ただいま政務次官からは十分考えますというお答えがございました。おそらく実現なさるための最善の努力をなさるものと私は信じておりますけれども、もう一つその点についてのあなたの御誠意のほどを承わっておきたいと思います。
○石坂政府委員 その前に、私が先ほど読み上げましたのは、もちろん三十年から三十三年までの早場米の第一期受付の結果でありまして、それを読み上げたのでありますが、誤解があってはいけませんので念のために申し上げておきます。 なるほど、政治に信頼がなければ、これは相ならぬことでありまして、いにしえより上信なくんば立たずと言ったのもこういうことであろうと思うのであります。そこで、この点は非常に大切なことだと思いますが、この問題について総務課長から、ことしは第二次予約をしないということで第一次予約を出してもらったのであるから、それを裏切ることになるとうそを言ったことになる、これも非常に大切なところだと思う。ここで政治の、いわゆる信なくんば立たずという観点から見まして、きわめて大切なことだと思っております。しかし、重ねての私の誠意の点についてのお尋ねでございますから、先ほど私が申し上げましたように、いろいろ実情もある程度承知いたしておりますから、なおよく事務当局と相談をいたしてみたいと思います。
○井手委員 第二次予約制の実施については、石坂政務次官の政治力に全幅の信頼をおき、期待をいたしまして、いましばらく時日を待っておきたいと思います。 そこで、この際承わっておきたいと思いますことは、この予約の時期の問題でありますが、ことしだけの問題じゃなくて将来にわたっての時期であります。関西、特に九州、四国地方の出穂期は大体九月の十日から十五日ごろだと思うのです。やはり、穂が出てみなくては、どのくらい売っていいか、どのくらい予約していいか見当がつかないと思う。稲作が天候に支配されることは申し上げるまでもないのでありまして、穂が出てみなければ見当がつかない。特に、九州地帯におきましては、二百十日、二百二十日前後には常襲的に台風が襲ってくるのであります。二百二十ごろのいわゆる台風期を過ごさなくては、穂が出なくてはどのくらい予約していいかわからないというのが実態であることは政務次官も御承知のことだと存じております。従って、今日までの八月十五日——ことしは十日延びまして八月の二十五日になりましたが、この時期を、ちょうど早場米地帯における奨励金がある時期的に定められておりますように、地帯別に予約の時期を定められる必要がないか。東日本が八月十五日なりあるいは二十五日でありますならば、一月くらいおくれて九月の十五日あるいは二十五日、できるならば九月一ぱいだと私ども考えておりますが、九月二十日前後まで九州、四国地帯のいわゆるおそ場地帯の予約をおくれさせるお考えはないか、この点を承わっておきたいと思います。
○石坂政府委員 その点について、よく私も承知しておりませんから、課長から……。
○岡崎説明員 ただいまのお話の点はまことにごもっともな点もございますし、私ども実は前から気がついておったのでございますが、一つ今後十分検討いたしまして、なるべく御意に沿いたい、こう思います。
○井手委員 それは急にここで確約はできぬかもしれませんが、その必要はお認めになっておりますか。重ねてお尋ねいたしますけれども、出穂期という安心して予約できる時期、特に台風その他の常襲災害というものを加味して、農民が安心して見当つけて予約できるという時期を選ばなければならぬという理由、その根拠はお認めになりますか。
○岡崎説明員 必要と申されますとどうでありますか、そういう植付の時期なりまた開花の時期が違うということで多少不公平だというような感じは私も十分持っております。
○井手委員 そこで、予約の時期をずらせるという私の質問に対して、十分検討なさるおつもりでありますか、どうでありますか。ただ考えておこうという程度ですか。
○岡崎説明員 十分検討いたすつもりでおります。
○井手委員 政務次官にお伺いいたしますが、これは関西、特に九州、四国あたりの長い間の強い要望でありますので、一つ十分検討なさいますように。来年からは、先刻言われた予約奨励の立場に立っても、安心して自信を持って予約奨励される立場からも、一つ十分なる御検討を願いたいと思っております。
○石坂政府委員 井手委員のお話の通りに、従来私もこの点についての西南暖地方面からの要望はたびたび受けております。岡崎課長の御答弁申し上げましたと同様に、協力いたしまして十分に検討して参りたいと考えております。
○井手委員 それではもう一点だけこの機会にお伺いしておきたいと思いますが、米穀の売買条件の中に、一昨年の災害に関連してこういう問題が起きました。いわゆる概算払いの返納なりあるいは利子免除の問題に関連いたしまして、売買条件が一部緩和されておることを私も承知いたしております。それは、一市町村内において三割以上の被害を受け、しかもその郡において二割以上の被害を受けたところに対しては利子を免除する、こういう条件に緩和されておるのであります。ところが、これはこの前も問題になりましたように、今度もおそらく伊豆地帯では問題であろうと思っておりますが、郡全体では二割に達しないけれども、町村におきましては全滅に近い被害を受けたということがあるかと思います。ところが、その郡全体で二割以上の被害が出なくてはならぬという制約がありますために、その恩典に浴せない、こういう矛盾がありまして、これは何回も委員会でも問題になっております。この点について、この前の長官であった小倉さんといろいろ話しましたところ、三十三年度にはそれでは天災融資法と同じ条件に緩和いたしましょう、こういう話も一応はでき上っておったのでありますけれども、去る七月の七日に出されました売買条件によりますると、依然として緩和されておりません。昨年緩和されたまま、ことしはさらに緩和されておりません。従って、私は、今回の災害についても問題になろうかと思いますが、この売買条件にある、郡内において二割以上というこの制約だけはどうしてもはずしてもらいたい。この点に関する当局の御見解を承わっておきたい。
○岡崎説明員 確かに私どもも今お話のような問題点があることは承知いたしております。ただ、現行制度のもとにおきましても、やはり、ある一つの郡が百分の二十以上の減収量、これが原則になっておりますが、そういう郡の中の市町村で三割以上ということでありますが、二番目に、その地域に近接したり市町村でその減収量が平年の百分の三十以上という市町村は適用を受けられることになっております。ただ、その点で、ある一つの郡をしておきますれば、それに近接した郡が、その郡全体がならなくても、その町村が近接しておるということで、かつ百分の三十以上の減収があれば適用を受けられるということになっております。ただ、そういう郡全体が二割以上ということになっておりません場合にどうか、こういうことになるわけでございまして、私どもも、情におきましては、なるほど何とか申し上げたいということはやまやまでございますが、やはり、この制度といたしましては、相当な程度の規模の災害に対する措置ということでなっておりまするので、なおただいまといたしましてはいたし方ございませんが、しかし、ただいまの御意見もあり、なおかつ私どももその点十分感じておりますので、今後検討いたしたい、こう存じております。
○井手委員 これは昨年も非常に困った問題でございましたので、一つ早急に改正してもらいたいと思います。すでに約束も一応あった問題でありますから、忘れないようにしてもらいたいと思う。その点は一つ念を押しておきます。どうも……。 —————————————
○助川委員長代理 農産物に関する件について質疑の通告があります。この際これを許します。松浦君。
○松浦(定)委員 先般の委員会で、ただいま議題になりました問題について林田参事官からいろいろ説明を承わりましたが、その後、この問題は非常に重要性があります関係から、現地では、出荷最盛期になってきておるということで、その処置について相当強い要請が実はあるわけであります。従って、きょうは実は農林大臣にその後におけるいろいろの見解についてただしたいと考えたのでありますが、いろいろの関係で、大臣については後刻質問することにいたしまして、幸い政務次官が来ておられまするので、本問題についても政務次官としての立場でいろいろ御検討を願っておるであろうと私は推察いたしますので、ただいまから二、三点についてお伺いいたしたいと思うわけであります。 現在の畑作地帯におきまする振興については、いろいろ大臣が第一回の当委員会における自分の所見の披瀝の場合においても相当強く披瀝をされていたのでありますが、どうもその後の畑作振興、すなわち蚕糸あるいは酪農、林業等々に次ぐ畑作の問題については、ことごとくが当時の見解と異って、われわれの納得するような施策が実現できていない。こういうことについてはいろいろ今後問題も多かろうと思いまするので、随時それぞれの問題についての御質問をいたさなければならぬと思いまするが、これは地方的だというふうに解されておりますけれども、少くとも雑豆は御承知の通りに全国の生産の六割を占める北海道、特にそのうちでも消費者に供給する、すなわち市場に出回る数は八割を持っておる、この畑作農産物のうちでも北海道としては重要である雑豆の問題について、今日まで農林省がとって参りました施策というものは、ただ大豆を安定価格の中へ入れたということだけであります。従って、大豆にしましても、昨年は一儀も政府は買上げをしていない。そのことについてはいろいろ前回林田参事官から御説明がありましたので、私はここでどうこうというのではありませんが、本年は御承知の通りに作況は従来に匹敵して非常に良好である。しかし、当委員会が今日取り上げておりまする去る二十一、二十二の台風も、同様北海道もその列外ではなかったのでありますから、従って、品種は非常に悪くなる、また、最近の出回りの実態を見ますると、当時予想したよりもやはり一割くらいは減収であるというふうに言っておるのでありますが、それでも豊作だという三十年度と比べて数量においてはむしろ多いくらいのものが出て参っておるのであります。従って、今日の北海道の農業の実態からいきますと、長い間の凶作の中からようやく立ち上らんとして精魂込めたこの生産物の価格がどう維持されるかということによって今後の北海道の畑作農業の安定というものも緒について参りますから、前回にお尋ねいたしましたように、この雑豆の処理について政府当局としてはどのように考えておられるかということについてお伺いいたしましたところ、とりあえず当面やれる問題としては、下期における輸入は絶対しない、こういうことについてある程度国内の需給を合せるということであるから、価格の維持は不可能でない、こういう御説明であったわけであります。しかし、現在の市場のいろいろな動き等から考えますと、それだけでは当然農家の要求するようなあるいは希望するような価格維持はできないというので、今日北海道の農家一人々々がその盛り上る力によって自主共同販売という制度を確立しようとして目下そのことをやっておるのであります。従って、そのことについて、それぞれ各団体、農家の代表等が参りまして御陳情申し上げておると思うのでありますが、今日の段階において、政府当局、特に農林省の方針として、これに対する処置はどのような程度まで進んでおるか、こういう点についてまず政務次官にお伺いいたしたいと思うわけであります。
○石坂政府委員 先日豆類の価格並びに需給安定に関する要請書というものを北海道代表の方から私も手交されまして、いろいろ御説明を伺いました。その中に、第一に取り上げられておる問題は、価格安定のために農産物価格安定法の改正をすべし、つまり、農作物価格安定法を改正いたしまして雑豆もこれの中に入れるようにと、こういう陳情が第一点であります。そこで、この点について農林省といたしましても種々検討をいたしておりますが、なるほどこの御要望は確かに各種農業者の団体からの御要望でありますけれども、この雑豆を農産物価格安定法の農作物の中に組み入れるかどうかということは、農産物における豆、いわゆるこの雑豆のウエイトや、豆という商品の性質上からいろいろ検討して参らなければならない問題であります。かえってこの安定法に組み入れない方がよろしい場合もあると考えられる点もあるのであります。従いまして、農民の方々の全体の利益、福祉を十分に検討するという建前からいたしまして、この問題は軽々に決定すべきものではない、こういうことを基本的に考えております。
○松浦(定)委員 政務次官はこの内容をあまり御存じないからそういうことを申されると思うのでありますが、少くとも農産物価格安定法というものはただいま申し上げまする雑豆を目標外としてやるという前提のもとに作ったものではない。ただ、たとえば蚕糸にいたしましても、また今度酪農の乳製品の安定をやろうというそれぞれ両党における考え方に立ちましても、この安定法の中に入れることがかえってよくない場合もある、こういうふうな考え方を持っておられるようでありますが、もしそうだとすれば、どういうふうにすればそれ以上に今日言っております雑豆の価格の安定ができるか、そういう方針を一つお聞かせ願いたいと思うのであります。
○石坂政府委員 私が雑豆の点について知識が非常に不十分であるということは御指摘になるまでもないことであります。しかるに、陳情の御趣旨の第一点は、雑豆の価格安定のためにこれを農産物価格安定法のうちに繰り入れるような改正をせよという御要望であり、ただいまの松浦委員の御質問も同様であり、しかも、松浦委員の見解に従いますならば、この価格安定法に組み入れさえすれば雑豆の価格が安定するという見解をとっておられるように思います。われわれ農林省といたしまして、先ほど申し上げましたように、広い視野と申し上げましては言葉が少し失礼になるかもしれませんけれども、いろいろの観点から考え、ことに農協の自主的な運動として価格安定をいたすことが最も望ましい、こういう観点からいたしまして、価格安定法のうちにこれを組み入れることのみが雑豆の価格を安定するゆえんではない、かような見地からいたしまして、軽々に決定すべきものではないという結論を持っておるのであります。
○松浦(定)委員 ただいまの御説明ですと、私が価格安定法へ入れろと言うことは非常に間違っておるというような御見解であるようでありますが、私は価格安定法の趣旨に反するのではないかということを今聞いたわけであります。入れない方がいいというなら価格安定法の趣旨に反するのではないかということをお聞きしたのであって、もし他に方法があるならお聞かせ願いたいということに対しては明確にされない。しかし私は本日時間がありませんからこのことを繰り返す余裕はないのでありますが、政府の見解としては、とりあえず今日の段階においては価格安定法に入れる意思はない、入れない方がいいのだという見解に立って、その方法でいこうというふうに了承してよろしゅうございますか。
○石坂政府委員 私の言葉も非常に不十分でありますし、また適切でない点か多々ございますが、松浦委員が安定法に入れさえすればこの雑豆の価格が安定するようにお考えである、さようにとりましたことは、あるいは私の聞き違え、了解の受け取り方の違いかもわかりません。ただ、私は、雑豆について十分の知識がないことは冒頭に告白いたしました。しかるに、農林省といたしまして、私が先ほどからお答えいたしております点は、雑豆をこの農産物価格安定法のうちに組み入れる意思はないということは少しも申しておりません。ただ、これだけの問題はいろいろの点から十分に検討すべき問題であるから軽々にすべきものではないというのが今日の基本的の考えでありますということを重ねて明確に申し上げておきます。入れる意思はないということは少しも申し上げておりません。また私の言葉からさように受け取れる節は少しもないと考えます。
○松浦(定)委員 その点は了解いたしますが、それでは、今もう収穫は終ってしまってどんどん出荷しておるというものに対して、そのことを認められておりながら、入れる意思がなければ——入れるなら入れる、入れることができないとすれば他の方法を考えるということで、もう少し話が進まなければならぬと思うのであります。それでは、先ほどから私がお尋ねするように、今日の段階では入れる意思はあるけれどもなかなかすぐ入れられないというのであるなら、どうすればこの価格安定法に入れないで価格の安定を維持できるかということについての現在の見解を一つお聞きしたいと思います。
○石坂政府委員 松浦委員は、入れる意思がないとは言うておらぬと申しますと、入れる意思がないならそれではほかにどうするかと言われるのですけれども、私は、先ほどから、豆のウェートの問題なり、豆という商品の性質上から考えまして、これはいろいろ十分に検討すべき問題であるのであるから、軽々に決定すべき問題ではない、こういう考え方から、入れる入れないという点について慎重に検討をいたしておるという点であります。早くした方がいいとか悪いとかいう問題は、これは一つの見解であります。われわれといたしましては、事柄を慎重にして万全を期するために、軽々に決定するものではないから十分に検討いたしておる、こういう考え方でありますから、どうぞこの点を御了承願いたいと思います。
○松浦(定)委員 その点は全く了承いたしますが、それでは、先ほどお話がありましたように、農家が個々の力によって自主的協同販売制度を確立してやるということは非常にいいことだというのであるなら、それに対する農林省の裏づけなり、あるいは今後の指導方針等について、今日どのように考えておられるかということをまずお伺いいたしたいと思います。
○石坂政府委員 その具体的の問題につきましては、一応参事官からお答えをいたさせます。
○林田説明員 雑豆の問題につきましては、松浦先生からこの前も御質問がございまして、まず本年度の価格の安定の対策といたしましては、下期における外貨予算の中では輸入をいたさないということにいたしますとともに、できるだけ北連におきまして自主的に価格安定をやっていただきたいというふうなことから、北海道庁の方にも依頼をいたしまして、金融措置のようなものを考えてもらったりして参ったわけでございますが、その後北連の方で自主的な価格安定対策に乗り出していただきまして、着々と成果を上げつつあられることについて大いに敬意を表しておる次第でございます。それでは、これに対して、一番最初の要請書にありましたように、保管料をどうするか、あるいは金利をいかにするかというふうなことについて国の補助をすべきであるというふうなことがあったわけでございますが、これにつきましては予算当局ともいろいろ相談もいたしたのでありますが、どういうふうにこの豆の価格が移っていくか、それから、どういう期間これを保管すべきものか、そういうふうなことにつきましてあらかじめ大体考えて予算措置をとることになるのでありまするから、そういうことも予算技術上困難性がございましてちょっとできかねるというふうなことで、予算の問題としてはなかなか国の補助ということは考えにくいものであるというふうなことで推移をして参ったのでありますが、その後、今回の要請書では、これを価格安定法の中へ入れたらどうだろうか、そういうふうなことに変っておるやに仄聞をいたしておるわけであります。それで、今政務次官から御答弁がありましたように、この価格安定法の中へ入れるべきものかどうかということは、価格安定法は最低価格を大体きめるということになるわけでありまして、その最低価格をきめる場合は、パリティによる価格の算定とか、あるいは生産費、あるいはその他経済条件をいろいろ参酌いたしましてきめるというふうなことになるわけでございます。ところが、この雑亘は、小豆から菜豆、エンドウ、そういうふうなきわめていろいろな種類に及んでおりまして、農林省の統計調査によりまする生産費よりも現在の価格というものは相当高くきまっておるようなわけであります。それで、そういうふうな価格安定法の中に入れて価格をきめますると、かえってそういうふうに現在時価が高く取引所その他の機構を通じましてきまっておるものが低くきまるというふうなおそれもあるのじゃないだろうか、そういうことになりましたならばかえって価格を引き下げるような作用もいたしかねないというふうなおそれもあるのじゃないかというふうないろいろ危惧もございまするし、まあ豆の商品性から申しまして、これは価格安定のような一定のワクの中に入れてしまうよりは、やはり協同組合が生産者の一つの組織といたしまして委託販売を行なって、その協同組合の力によって安定をやっていくということがいいんじゃないだろうかというふうないろいろ検討をいたしておるようなわけでございます。
○松浦(定)委員 ただいまの御答弁の中で、前回とは要請の趣旨が変ってきておる。価格安定法の中へ入れてくれというふうな趣旨に変ってきた、こういうようなお話でありますが、それは、やはり百九億からの融資を必要としますので、それに対する金利、倉敷等が六億二千万かかる、これを何とか考えてほしいということに対して、価格安定法にでも入っておればそういうことはできるけれども、法律的根拠がないからできない、こういう御見解であるから、だから価格安定法に入れてもらえばそういう措置が願えるということでそういう要請をしておるのである。今お話しのように、価格安定法の価格の決定についてはいろいろ御意見もあろうかと思います。しかしながら、今日、先ほど申しましたように、昨年と何ら諸情勢が変らないにかかわらず、本年はある程度豊作だということだけで、当時六千円くらいしておった大手のごときは三千五百円くらいしかしない。四千円であったものが二千八百円、三千五百円であったものが二千二百円という程度まで下ったのであります。これではいかぬというので、今御指摘になりましたように、個々がそういう自主販売をやろうということでやってきたことによって、今日値段がある程度上ってきた。しかし、これに対して政府の方で何ら根拠ある御支援が願えない限りは、またくずれてしまう。御承知のように、地元では十勝を中心として千二百人の山買いの業者がある。あるいは取引業者、あるいはその他卸売業者が、全国的に今日大きな政治問題としてこれを追及しようとしておる。たとえば農協が一元化集荷し一元化販売するというようなやり方については、独禁法違反になるという問題でもって、今日相当大きな問題となろうとしております。こういう事態になってきたにかかわらず、今のような御説明で、今現に出しておるそういうものに対する何ら裏づけがないということでは、農家がせっかくやろうとした仕事がくずれてしまう。そうすれば、千何百人という山買いが一斉に入っていってそれをこわしてしまって、その後においてそれじゃどうするかということで、それは長年の凶作で起きた負債を今年で返せるのが通例であるのにかかわらず、豊作であっても借金が返せないということになりますと、やはり何のための農政かということになる。たとえばきょう災害問題がありましたように、災害のたびに融資を受けるけれども、それを返すには、受けた農家がある程度それによって返せるような経営ができなければならぬのでありまして、従って、ことしあたりのこの農作で返せないような価格であるならで、農業をやっても何ら意味がないという結論になってしまうのでありますから、こういう点を非常に心配しているわけであります。どういう形でもよろしいから、今お話しのように輸入をとめれば、これはやはりことし全生産量を処理いたしましても国内生産はまだまだ多少足らないくらいにしかないのでありますから、そういう点についてもある程度私は農林省当局の御配慮は非常によろしいと思うのでありますが、今後それだけでは、業者に対して弱い農家の個々の経済情勢をもってしては対立できないと思うのでありますから、これに対する裏づけを一つ急速に処置していただきたい、このように実は考えております。 そこで、時間がありませんから、私は、今のような形で農林省が積極的にこれをやっていただけないという半面には、農林大臣のその考え方がこういう点について非常に熱心でないという点があろうかと思うのでありますが、このことを今一言だけ御指摘申し上げたいと思うのであります。実は、過般八月に岸総理が北海道に参りました。そのときには、前農林大臣である赤城官房長官、あるいは松浦農林委員長も、本名前政務次官も、多くの人が参りまして、特に東北・北海道の畑作地帯を回りまして、どこの町村へ行っても、どの新聞記者との会見においても、この北海道の寒地農業の確立は絶対に必要である、負債も整理しなければならぬ、しかしことしは豊作だと言ったところが、先ほど申し上げましたように、非常に価格は安いので豊作貧乏で困ったという話を聞いて、岸総理は、豊作貧乏ということはおかしい。こう言って、私どもの考え方で寒地農業の確立もぜひやるし、負債整理もやりたい、であるから安心して農業をやってくれ、こういうことを言って、各地で相当多数の人に、まあ御承知の通りのようなあいきょうを振りまいて、そうして老人の手を握り子供の頭をなでて、安心をさしてずっと回ってきておる。それが岸ブームだといって、もうずいぶん話題になっておったのであります。私はそのことはどこに基因するかということになると——こういうことは言いたくありません。岸総理がわざわざ北海道へ行って、あの畑作地帯を回って、年寄りの手を握ったり子供の頭をなでて、心配するなと言うことは、これは何を意味するかということになったら、今申したようなことを当然やるという責任を持っておった、私はこのように確信しておる。特に赤城官房長官は前農林大臣であるだけによくわかって、記者会見においても、いろいろな要請においても、ことごとくこの人が対象になって話をして、よくわかっておる。だから、こういうことは私はこういう席上では言いたくないけれども、岸総理あたりは、こういうことは私の方でやるから心配しないでくれ、しかしあなた方がやらなければならないことは一つだけある、何だと言ったら、来年の四月選挙にこれこれを一つ支持してもらいたい、これだけなんです。それで、私はその当時老人に聞いたんです。あなたはどういう意味で岸さんの手を握ったかと言ったときに、今まで各種の選挙で、衆議院でも参議院でも、この次はこうするああするといってりっぱなことを言うけれども、結果的には、四百六十七人もおるものだから、これは一人や二人でできないのだと言って逃げてしまう、だけれども、総理大臣は一人であるから、おそらく逃げ隠れもしないから、これはできるんだ、やっとこれで豊作貧乏ということを返上することができたと言って喜んでおる。だから、私はそこでお聞きしたいのは、総理が帰って参りましてから農林省に対して、大臣なり政務次官なり当局に対して、この問題は急速に検討して善処せよというお話があったかどうかということをお聞きしたいのであります。この点だけ明らかにしていただきたい。
○石坂政府委員 政務次官は岸総理に会う機会とてもそれほどたびたびございません。総理も忙しいからだでございますから、私にじかに北海道の雑豆の問題を解決せよという指示があったということはございません。しかし、おそらく閣議の席上その他におきまして総理は農政の担当者である三浦農林大臣にはさようなこともあったろうかと想像いたしておりますが、これは私の想像でございます。しかし、いずれにいたしましても、この問題につきましてできるだけすみやかに適切な措置を講じて、北海道農民の方々の安定をはかり、寒地農業、畑作農業の振興をはかるということは、これは申し上げるまでもないことであります。本日いろいろ松浦委員からの御指摘の点もございましたが、安定法に組み入れるかどうかという点につきましては、いろいろの点を十分に検討すべき問題でありますから、軽々に決定はできませんけれども、十分に検討いたしております。なお、せっかくきょうはいろいろ熱心なる御質疑もございましたので、大臣にも私からもこのことを申し上げ、さらに事務当局ともさっそく検討を進めて参りたいと思います。
○松浦(定)委員 私は、ただ政務次官が忙しいから直接大臣に会うとか、あるいはまた私がまだそこまで会うだけの資格がないとか、そういうことをお聞きしておるのじゃないのであります。とにかく、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、官房長官が前農林大臣であってそのことをよくわかっておるから、総理から話がなくても当然これは農林大臣に閣議の席上においても話があるはずである。今政務次官が指摘されるように、もし閣議の席上で農林大臣に話があったとするならば、農林大臣は政務次官にまず第一に話すであろうと思うのでありますが、それをも聞いていないということになれば、これはもう絶対閣議の席上で農林大臣に話したということは私は了承できない。もし話したということが事実であるならば、農林大臣として政務次官にそのことを伝えないでおるというようなことではこれは、政務次官、一つお考えになった方がいいであろうと思うのであります。忙しいからこんなことを言ってやらないのではなくて、認められない政務次官であるのではないか。そんな政務次官であるならば、私は何のために二人や三人も農林省に政務次官を置いたかとまで言いたいくらいなんです。そういうことは非常に重要な問題です。少くとも総理大臣が実際困っておるところへ行って約束しておる。これは選挙のときの約束とは違うのであります。少くとも岸総理大臣は、何千人もの人を集めておいて、学校の生徒まで動員して旗を振らせ、年寄りまで出てきて、そうしてその席上でそれをぶって歩いている。この政治責任だけはとってもらわなければならぬ。しかもそれが何も連絡がないということになると、これは大へんなことだと私は思う。六億や六億二千万の問題でできないといっても、価格安定法へ入れればそんなものは何でもない。これは、与党の諸君だって、そのことを感じたら、入れようと言えばすぐ入ってしまう。こんなものは三分間で入ってしまう。必要なものは幾らでも入る。だから、私は、きょうは農林大臣にそのことを聞いて、もしそういうことを聞いておるとするならばやらぬのはけしからぬし、聞いておらぬとするならば、これは官房長官も岸総理も、北海道へ行ってああ言ったことは、全く何のために言ったんだかわからない。そんなことでどうして来年の四月選挙に勝てるか、私はおかしいと思う。今からまるで利権と取引をするようなことをぶって歩いて、岸ブームなんて私はおかしいと思う。そのことが事実であることははっきりしておるのでありますから、今日農林省が何らそれに対するところの裏づけをしておらぬということは、それはあなた方が悪いのではない。そいうう指令がなくともやっておられることであろうし、やっぱり与えられた範囲内において、ただいまパリティ指数によってどうかとか、いや所得方式によってどうかということだけにいろいろ御苦労されておることはわかるけれども、政治というものはそういうものではないのであります。必要であればもう何百億でも黙ってすっと出してしまう。そういうときにわざわざ北海道まで行って、大事な来年の四月の知事選挙をかちとろうとして打った手段が六億二千万円。それをも何らやらないでおいて、まだすったもんだ言っておるようなことでは、私は現地へ行ってこれは発表、報告する。きょうは、ほんとうは、高橋政務次官も松浦委員長もここにおられるのだったら、私は特にそれに対するところの答弁をしていただきたいとまで考えておったのでありますが、もう全然ここへ出てこられない。出られないのです。農林省がそのような程度では出られない。僕は豆々というものですから、われわれの同志の中でさえ、あれは豆のあれだと言われているくらいです。これは言いたくないと思う。けれども、農林大臣やあるいはまた総理大臣までそこまで言っているのだから、これはやってやらないと大へんなことになると思ってこそ、私はこうして貴重な時間を得てやっておるのでありますから、今石坂政務次官がはっきりそのことは聞いておらぬということになるならば、私は何をか言わんやであります。この真相をはっきりその筋に連絡をいたしまして、総理なりあるいは官房長官なりが三浦農林大臣にこのことを善処せよと言って、今日個々の積み上げておる自主協販に対して今の要請を百パーセントのんでも、これは何らこちらの方ではそう大した、よくやってくれたというものじゃないというくらいに考えておるのです。その点一つ明確な御答弁を願いたいと思います。
○石坂政府委員 岸総理から政務次官は直接聞いたかどうかというお問いが確かにございましたので、岸総理が北海道から帰られましてから政務次官は聞いておりませんと御答弁申し上げました。しからば農林大臣から私が聞いたかどうかということでございますが、これも農林大臣は直接私にその話をしたことはございませんが、農林省全体としてこの問題につきましてはずっと検討を続けております。これは、書面をもって命令をするとか、私を机のそばに呼びつけて口頭で言うとか、そういうことでなしに、農林省全体といたしまして、北海道の雑豆の問題につきましては、先ほどから繰り返し答弁をしております通りに、始終検討を続けておるような問題でございます。大臣が私に直接言う言わぬにかかわりませず、問題は問題として十分に検討をいたしております。直接言われないのはまことに無視された政務次官で、かような者は無用の長物であるというような御批判もございましたが、この御批判は松浦委員の御自由におまかせいたします。しかるに、その無用だと言われるこの政務次官に対しましてるる御質疑いただきましたことは、まことに光栄しごくに存じます。
○松浦(定)委員 私はそういう説明を聞こうとしておるわけではないのであります。言わなくてもやっているというなら、これは通例そんなことはあたりまえなんでありまして、特に総理が今回に限って行って何万という人に対してそれを言っておる。そういう感じを与えておる。それでもって、何も言われてないけれどもやっておるのだということでこの問題は解決つかないということを申し上げておる。私は決して政務次官が云々ということで申し上げておるのじゃないのであります。これは私は大臣にいずれの機会にか申し上げますが、私はそういうことを再び繰り返したくないのでありますから、そういう実情をお聞きになればわかるのでありますから、何とかこのことを進めなければならぬ。特に、総理の政治的責任をかけてやったことを実現するのは各省の当然の使命ではなかろうかと思うのです。でありますから、そういうことについて今まで通例言われなくてもやっておるという程度であるならば、私はこんなことをこんな席上で申したくないのでありますが、それとは一歩段階が違うし、これからいろいろの機会にそういうことが私はあろうかと思うのであります。でありますから、ここでこういうふうに貴重な時間をお借りして申し上げておるのでありますから、こういうことは一つよく大臣とも相談し、あるいは官房長官とも相談をされまして、何とかせなければならないぞというくらいはお感じになって、そうして、今までやっておるということでなしに、飛躍的な段階でもって急速にできないならできない、総理が何と言おうとも、どんな言明をしようとも、農林省はできません、あるいはまた、一つ総理の面子にかけてもやるということになれば、これはもうそう方々へ行ってそういうことを放言されてないようでありますから、六億二千万で解決がつくなら将来のためにも非常にいいのではなかろうか。結果的に、うまくやれば、農林省は一銭も出さなくても、やはり現在の農家個々が考えておるようなそういう価格維持はできるということを、私は林田参事官あるいは第二部長等にも個人的にはその点は申し上げているわけでありますから、そういう点についてもお考えをいただきますならば、何ら予算はつけなくてもあるいはできるかもしれない。もし総理が、よしこれはおれの責任だ、何とかしてやれ、こういうことになったら、できる方法は幾らもあろうかと思いますから、そういう点、私はくどいようでありますけれども申し上げておきます。ぜひ一つ御相談をしていただきたいと思うわけであります。
○石坂政府委員 総理から聞いたか聞かぬかという点は、先ほどから申し上げておりますように、総理から私は直接承わっておりません。しかしながら、直接総理から聞く聞かずにかかわりませず、われわれといたしましては、北海道農民のことを考えてこの問題をできるだけすみやかに解決していかなければならぬということでまじめに、かつできるだけの誠意をもって検討いたしております。総理から聞かずにやることがけしからぬとおっしゃるならば別問題でございます。役所は役所の立場から十分検討し、問題の解決に急いでおります。なお、松浦委員からいろいろねんごろな最後の御忠告とおぼしき点もございますので、もちろんこの後といえども早急にこの問題の解決に努力いたします。
○松浦(定)委員 今の次官の、総理から聞くか聞かぬか、聞かずにやるのはけしからぬとかいうのでなしに、もう少し冷静にやっていただきたい。当然やることはやるのだといってあなたの方でやっていただいておるのですから、それを私は認めると言うのです。しかし、それでは今の間に合わないから、幸か不幸か総理がその現地で言っておるのだから、一つそのことをよく聞いて、どうぞこの公約を果してあげるようにさらに一段と御努力願いたいということを私は要請しておるのでありまして、個人的には、同じ宿舎におるのですから、一つあまり感情的にならないでやっていただきたいと思うわけでありますから、農林大臣にも一つよくお話をいただきまして、この問題をもう二回も三回も申し上げなくてもいいように、どんどんと事務的に要請に沿うように努力をしていただきたいということをお願い申し上げまして、本日は時間の関係がありますからこれで私はやめておきます。
○石坂政府委員 承知いたしました。
○助川委員長代理 本日の議事はこの程度にとどめ、次会は来たる二十一日午前十時三十分より開会することといたします。 これにて散会いたします。 午後四時五十三分散会