農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/14
会議録
○松浦委員長 これより会議を開きます。 農林漁業災害に関する件について調査を進めます。 本件について松岡嘉兵衛君より発言を求められております。これを許します。松岡君。
○松岡委員 私は、自由民主党及び日本社会党を代表いたして、台風災害復旧促進に関する決議案を提出し、その趣旨を説明いたします。 まず、決議案の案文を朗読いたします。 台風第二十一号及び第二十二号による災害復旧促進に関する件 今次わが国を襲った台風第二十一号及び第二十二号の被害は甚大であり、特に台風第 二十二号の人畜、農林水産施設その他に与えた損害は深刻をきわめ、罹災地住民の民生も不安におちいっている。 政府は既に、応急の諸措置を講じつつあるところではあるが、なお目下準備中の補正予算を速かに国会に提出すると共に、所要の特別立法等のための措置を講じ、もって災害の急速な復旧と民生の安定に万全を期すべきである。 右決議する。 昭和三十三年十月十四日 衆議院農林水産委員会 以上の通りでございます。 簡単に提案の趣旨を説明いたします。 御承知のように、わが国を襲いました二十一号台風及び二十二号台風の被害は実に甚大であります。ことに二十二号台風の静岡県下におきまする被害の状況は実に惨たんたるものでございまして、とうとい人命を失う者千三百以上を数え、一瞬にして家屋家財を押し流し、田畑の流失は実に二千百六十町歩というのでありまして、その約半分が河原のように大きな石がごろごろしておるような状態と化したのであります。林野においても荒廃地が数知れないほど生じたような次第でございます。かような状態でございまして、収穫期を間近に控えましたところの水稲及びその他の農作物、特産物のワサビ等のごときは、ほとんど壊滅の状態となったのでございます。家畜も農具も農舎も一切を失ったのでございます。今次災害の特徴は、実に住むに家なく食うに米なく耕すに耕地がないというような言語に絶する状態でございまして、いかに深刻であるかということをわれわれは痛切に感ずるのであります。過般の本委員会におきましても、委員長松浦先生とともに私も親しく罹災地を視察いたしまして、実にその惨たんたる状態に驚愕いたしたような次第でございます。この惨たんたる状態を復旧いたすためには、従来の立法措置あるいは天災融資等のごとき法案のみをもっていたしましてはとうていその目的を達することができないということは火を見るよりも明らかであります。この際、この惨たんたる状態の農民を救い、われわれ農村を救うという意味におきまして、ぜひ特別立法等の所要の措置を講じていただきたいということを強く出し上げまして、簡単でありますけれども提案の趣旨にかえさせていただく次第でございます。 ぜひ皆様方の御賛成を得まして御採択になりますように、深くお願いをいたしてやみません。よろしくお願いいたします。(拍手)
○松浦委員長 久保田豊君。
○久保田(豊)委員 私は社会党を代表しまして、今の決議の趣旨に賛成の意を表わしたいと思うわけであります七 その前に、私自身が実は被災者の一人であります。災害が起りますと同時に、松浦委員長を団長とされまして、当委員会が中心になりまして各委員会で合同の調査団を御派遣いただきまして、つぶさに現状を御視察いただき、さらに、政党といたしましても、岸総理並びに総裁あるいは鈴木委員長ともどもに御視察をいただき、その他大ぜいの方がおいでになって事情を十分に見ていただいて、なお、政府といたしまして、現地に山口国務相を長とします特別委員会を作っていただきまして、迅速果敢な御措置をおとりいただきました。なお、災害でぼう然自失しております現地の被災者に対しまして、あたたかい御激励、御同情のお言葉をいただきましたことにつきまして、心からお礼を申し上げる次第でございます。私自身は、実は父祖代々から狩野川付近の水つき場のまん中に生まれた一人でございます。従いまして、狩野川地区水害につきましては、私ども生まれましてから数度の大災害にあっておるのであります。ずいぶんなれたつもりでおりました。従って、同時に治水とか治山とか、あるいは災害の起きましたつど災害復旧等にはいろいろやって参りましたけれども、今度のような深刻な被害というのは初めてであります。古老に聞きましてもそうであります。今松岡さんからお話のありました通り、一村ほとんど全部が流されてしまった家もありまして、人間もわずか残っただけだ、あるいはたんぼも流されてしまった、一切の家財や営農の諸条件というものを流されてしまったというようなところが九部落も十部落もあります。あとの部落もほとんどそれと大なり小なりの違いであります。知事からも先ほどお話がありました通り、この復興は並み大ていでないと思うのであります。おそらく現地の住民も今後二年、三年は必死の覚悟でもってやるつもりでおるようであります。昨日、一昨日私現地をずっと回りましたけれども、どこでもどうやら応急救助の手は一たんやりまして、さてこれからというところで何ら手がかりがないというのが今の実情でありまして、現地の住民の中にはかなりあせりも出てきておるというのが実情であります。 特に私が今度の問題に連関して感じました点は、公共の被害なり農林水産関係、特に農地関係、農業関係の被害が非常に激甚であった。従来の法律のワクではとうていこれの復興ということはできない。しかもこれらのあれは単なる経済効果の農地ではございません。あの地帯の特性としまして、全く生命の一部、生活の一部として昔から土着しておる部分の農地あるいはそういう点がやられたのでありまして、これはどんなに金がかかってもぜひやっていただかなければならぬわけであります。しかもこれは河川その他の公共の非常に金を食う地域と密着しているのであります。こういう点も十分おくみ取りいただきまして、特別立法その他の措置をぜひおとりいただきたい。 もう一つは、今度の救済措置をずっと調べてみまして痛感いたしておりますことは、国の現在の制度というものが、あるいは農地、公共施設等の施設の復旧ということにはかなり不十分ではありますけれども法制なり何なりが整っております。しかし、災害を受けた個人の一人々々が立ち上るための法制というものは全く不備、不十分であります。ほとんどよりどころがございません。さっきも県からお話がありました通り、なるほど私ども借金をしてやるよりほかにない。しかもその借金は長期、低利の国からの借金でやるより手がないのであります。よけいに借りればあとなすことができません。せっかく国の御援助であるいは河川も道路もあるいは農地も復興したが、その復興したとたんに災害を受けた農民は、自分の農地を失い、人にとられて、そうして流浪をしなければならないというような状況が必ず来る。私どもは過去においてもそういう経験を持っております。こういう点は、法の、国の政治体制の大きな不備であろうかと考えるわけであります。これは決してこれを責める意味で申し上げておるわけではありません。特に農林関係につきましてはそういう面が多いわけであります。一つ、当委員会の同僚の皆さんにおかれましても、また農林省御当局におかれましても——私はこういう災害は決して伊豆だけではなかったと思います。諌早においても同じだったと思います。あるいはその前の二十八年災の当時においても同じだったでありましょう。今の政治の行き方としますれば、今後また年々至るところにこれと似たような災害が出てくる危険性は多分にあるわけであります。どうかこの際、私は同僚の皆さんにもお願いし、同時に政府にもお願いいたしまして、現在の法制なり何なりにとらわれずに、一つ必要な特別立法等はぜひどしどし作っていただきまして、そうして、今日大きな意味におきましての社会保障さえ問題になっておるときに、いわば政治の貧困から起ったいわゆる天災によって被害をこうむった連中が、食うに食もなく、立ち上るにも立ち上れない、こういう状態がないようにどうか一刻も早く——現在としましては臨時措置なり何なりで満足するよりほかにないと思いますが、もっと基本的な災害についての立法もぜひ必要ではないかというふうに考えるわけであります。 どうか、そういう意味を含めまして、きょう御決議を皆さんの御賛成を得まして作っていただきますとともに、こういう国会の空気でございますけれども、この空気にとらわれずに、ぜひ災害問題は与野党ともに本気になって取っ組んで、少しでも現地の悲惨な罹災者があすから立ち上ろうというのに対して希望とめどを一つ与えていただくように心からお願い申しまして、賛成の意を表するものであります。よろしくお願いします。(拍手)
○松浦委員長 それではお諮りいたします。松岡君より提案せられました台風第二十一号及び第二十二号による災害復旧促進に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、ただいま決定いたしました決議の関係当局への参考送付等の手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 次に、ただいまの決議に対する政府の所見を求めます。
○三浦国務大臣 本年の災害につきましては、相重なる甚大なる損害を受けまして、ことに第二十二号台風に至りましては近来まれなる大損害を各地に与えたのであります。ことに伊豆方面におきましては目をおおうような大惨害を受けまして、われわれ当局といたしましてもまことに悲痛な感に打たれたのであります。つきましては、ただいま当委員会において御決議になりました本件の趣旨を十分に尊重し、あらゆる角度から検討を重ねまして、農林省全体が一体となりまして本決議に沿うように努力をいたしたいと考えます。そして施策の万全を期する考えでございますから、御了承をいただきたいと存じます。(拍手)
○松浦委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十九分散会