P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
30回国会衆議院1958/10/08

農林水産委員会 第3号

発言数
64
登壇者
7
会派数
2
開催日
1958/10/08

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 これより会議を開きます。  蚕糸に関する件について調査を進めます。  農林大臣より発言を求められておりますので、この際これを許します。三浦農林大臣。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 昨日この委員会におきまして臨時措置法第一条の規定につきましていろいろ御心配をかけていましたが、この際私の考え方を申し上げさせていただきます。  臨時措置法第一条は夏秋蚕繭も含まれているようになっております。しかし、立法当時の考え方及び法の運用としては、法案審議の過程でしばしば申し上げました通り、百五十億によるたな上げは春繭対策として使い、夏秋蚕については生産調整によって価格の維持をはかるという意味で、現在の臨時措置法は春繭対策を内容とするものであると昨日答弁いたしたのでございます。しかし、夏秋蚕についても、予期しなかった事態に立ち至りましたので、これに即応して適当な時期に価格の改定を行い、それに伴って資金の準備をもはかって参りたい考えでございますから、御了承を得たいと存じます。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 次に、本件について足鹿覺君より発言を求められております。この際これを許します。足鹿君。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 農林大臣が出席をされております間に……。私は、閉会中当委員会が最も重要な問題として諸般の問題を取り上げました中に、ただいま議題となっております蚕糸問題は非常に急を要する問題でありまして特に力を入れて参りました。そこで、閉会中審査の各種の調査事項について結論を出すべく、われわれは夏秋蚕繭糸価格の安定に関する件という決議案を本委員会に去る八月二十九日に提案をいたしまして、当委員会の正式態度を決すべきことを強く要請いたしたのであります。ところが、与党の立場なり、また政府においても十分部内の対策を急がれて参ったのでありますが、この正式態度がきまっておりませんので、しばらく様子を見ようというので、当日決議を留保いたしまして、そして、御存じのように、九月九日並びに九月十日ごろまでには政府の大体の方向もきまり、また与党も党としてのこの蚕糸問題に対する態度がきまるであろう、こういう想定のもとに、非公式ではありましたが、理事会等においても打ち合せをして、八月二十九日の正式決議についての一留保をいたして参ったのであります。ところが、御存じのように、旱魃対策にしろ、また水害対策にしろ、酪農対策にしろ、当委員会が手がけて参りましたこの閉会中審査の重要問題のうち、この三つの問題には決議がなされ、それぞれ寄与するところが多かったと思います。ところが、一番重大問題でありました夏秋蚕繭糸価格の決議だけが今述べたような事情によっていまだに決定を見ておりません。このことは非常に遺憾に存じまするので、その後におけるこの決議に対する党なりあるいは政府の考え方等について委員長においていろいろ考慮されたことと思いますが、われわれはしんぼう強く待ちまして、九月九日、十日の委員会にも、与党の諸君の御苦心のあるところも考えまして、無理をせず、さらに十九、二十日に態度を保留いたしました。ところが、当日は松浦委員長の都合によりまして、急に、われわれ郷里におる者にも電報でもって、九月二十七日に延期をする、政府の態度が未定であるし、やっても結論になかなか達しがたいであろうという点もあったと思いますが、延期をしてくれ、こういうことで、さらにまた十九、二十日も延期になりました。そして九月二十七日われわれは台風を冒して上京いたしたのでありますが、これまたついに委員会は流会のやむなきに至って現在になっておるのであります。こういう経過から見まして、私どもは、当時すみやかに対策を樹立し、実行しない場合には、先行き不安はおろか非常な繭糸価格の暴落の事態に逢着することをおそれておったのであります。ところが、最近は残念ながらそういう傾向が現実の姿となって現われてきておるのでありまして、まことに遺憾千万に存ずるのであります。先日来当委員会も臨時国会中の重要案件としてこの問題をまっ先に審議いたしておるのでありますが、たまたま昨日の審議を通じて農林大臣の御見解に対してわれわれも納得のできがたい点がありまして、いろいろと話し合った結果、率直にただいま大臣としての見解が明らかにされました。あえてその問題を今後どうこう追及しようとは思いませんが、あわせて大臣も率直に自分の考え方を是正されたわけでありますし、委員長におかれても、この重要性についてはもはや多言を要しないことでありまするので、今日までとられた経過、また見通しということについてこの際明確にしてもらいたいと思うのです。  それで、私どもは与党の諸君がどうしてもわれわれのこの案に賛成できないと言われますれば、これまた党人としてやむを得ないと思いますが、しかし、今日まであなた方もいろいろと日にちを持って御検討になったことを考えまするならば、むげにこれを否決し去るということもできない、真実の繭糸業界の現状から見てそういうこともできまいということで非常に苦慮しておられることはわれわれもよくわかるのであります。しかし、もはや今日の段階としてはこれを遷延することは許されない段階が来ておると思いますので、私どもとしては速急に態度を決したいと思います。よって、私どもが閉会中審査の八月二十九日に提案をいたしました決議案に対するところの与党としての態度を決定してもらいたい、かように存ずるのでありますが、委員長におけるその後の経過について、また御所見についてこの際承わって、あらためて臨時国会が召集をされておるわけでありますから、夏秋蚕繭糸価格の安定に関する決議案を動議として、委員長の御答弁によっては提案をいたしたいと考えておりますので、この際委員長の御所見を御開陳願いたいと思います。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 私からお答えを申し上げます。  足鹿委員のただいまのお話の決議案の提案は、多分八月二十九日であったと記憶をいたしますが、本委員会の理事会に提案されまして、その後の取扱いについてはただいま足鹿委員のお話の通りでございます。与党の本案に関係をいたしております委員諸君の非常に努力をされておられたことは足鹿委員も大体御想像いただけようと思います。しかしながら、昨日私の質問に対する農林大臣の御答弁にもありましたように、なかなか容易に結論を見ることができなかったことは私も遺憾に存じております。しかしながら、八月末日になされました足鹿委員のこの決議案の御提案は前国会の休会中の御提案でございますので、国会が改まりましたので、あらためて同様の御趣旨の御提案をいただけますならば、私どもはまた与党といたしましても当然検討をいたしまして、明日も理事会が開かれますので、そういったような機会に御相談に乗って善処をしたい、かくあるべきものと考えますので、そのように御了承願いたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 それでは、形式を整えるために、あらためて動議を提出いたしたいと思います。  すなわち、夏秋蚕繭糸価格の安定に関する件でありますが、案文を朗読いたします。    夏秋蚕繭糸価格の安定に関する件  一、政府は繭糸価格の暴落の現状を打開するため、糸及び繭の買入保管を強化することとし、これがため本国会において更に百億円の日本輸出生糸保管会社による追加質入資金の確保を図るに必要な措置を講じ、もって夏秋蚕の最低繭糸価の維持と養蚕経営の安定に万全を期すべきである。  一、政府は、農協連合会が共同保管しようとする繭について、乾繭施設等の整備と融資に遺憾なき措置を講じ、もって共同保管の円滑な実行を期すべきである。  一、政府は夏秋蚕の生産制限に伴う養蚕農民の残桑及び桑苗業者の損失に対しては補償の措置を講ずべきである、  右決議する。   昭和三十三年十月八日       衆議院農林水産委員会  以上であります。理由等につきましては、先ほど委員長にお尋ねをした際にも若干触れておりますし、この際これを省略いたしておきます。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 ただいま足鹿委員からあらためての決議案の御提案がなされましたが、これは明日の理事会において御相談をすることにいたします。     —————————————

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 次に、質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。高田富之君。

高田富之日本社会党

○高田委員 ただいま足鹿委員から決議案の提案がありましたので、明日理事会にお諮りの上で、願わくば満場一致これが可決されまして、これに対しまして大臣からこの決議案の実行についての誠意ある御所信が承われることと私は期待しております。  そこで、本日あまりこまかしいことをお伺いする必要もないかと思いますが、昨日の御答弁の中にも分明でない点が若干ありますので、この機会にお尋ねしておきたいと思います。  先ほど大臣の方から言明のし直しがございましたので、大体法律の趣旨が本生糸年度を通ずる繭糸価格の維持安定を期するためのものであるということがあらためて確認されたわけでございます。そこで、私はこの前の法案提出の際にいろいろと大臣にお伺いしたのでありますが、生糸年度を通じての繭糸価格の維持、しかもその価格は、生糸は十九万円、繭は千四百円、この価格を政府としては確信を持って本生糸年度一ぱい維持していきたい、そのためには、百五十億による繭並びに生糸の買い上げとたな上げ、さらに夏秋蚕の自主的な二割調整を期待する、こうすることによって全体として本生糸年度の需給のバランスを強力にとり、これによって十九万円と千四百円は必ず維持できる、こういう信念を吐露されたのでございます。そこで、私が非常に不可解に思いますことは、そういう御所信が表明されてほとんど幾らも日時を経過しておりません間に、早くも最低価格の改定を行うというようなことをしばしば新聞紙上等で大臣の言明として伝えられる。これは先ほどの中にも実はちょっとおかしい点があるのですが、重点はあの措置では春繭である、しかしまあ夏秋蚕についても何らかの対策を講じなければならぬので、適当な機会に価格を改定する、こういうことをおっしゃっておるのでありますが、いやしくもあの法律によりまして最低繭糸価格の今生糸年度内における維持の見通しについて確信を持って言明されたのでありますから、ここへきて価格を改定されるということは、これは何といいますか、国会を通じて国民に対して御言明なすったことに対する重大な変更でございます。私どもは、簡単に、これを当然のことのように、あの法律から出てくる夏秋蚕対策の一環であるかのようにこの最低繭糸価格の改定というものを受け取るわけには参らないのであります。一体大臣はいつどういうことを動機としてどういう事情でこの十九万円、千四百円というものを改定しなければならないというお考えになられたのですか、その点を一つ御説明を願いたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 今御指摘になりました通り、春繭につきましては、百五十億の財政支出を予定しまして、そうして強力なる糸価の安定、同時に繭価の確保ということに進んで参ったのでございます。しかるところ、その生糸の取引の事情を見ますと、われわれの予定しておりましたものとは格段に事情が変っておりまして、需給についてこれだけのことをいたしたのでございますけれども、実勢価格というものにつきましても伸びて参らぬ。過去におきましても、それは非常に多いときと少いときとあったのでございますけれども、今度の繭糸価の問題になりますと、世界の生糸事情等から考えまして、同時にまた国内のいろいろな諸事情等にかんがみましても、糸価の安定が期せられない、こういう事態にだんだんなって参ったのでございまして、われわれが検討を加えなければならぬ段階ではないか。すなわち、財政支出を無限大にいたしておりますと買い上げすることはできましょうけれども、買い上げましても、この生糸の事情というものは実態とは非常にかけ離れたものになる。一面におきましては、世界市場等におきましても、中共の糸等は十六万円程度でどんどん欧州の市場、あるいはアメリカの市場ですらそういうようなものの影響を受けて参ります。国内におきましては、他の繊維事情等の関係もありまして、需要は喚起されない。かようなことでございましたならば、とうていほんとうの意味の糸価の安定は期待できない。売れないものをいわば無限大に抱えておるという政策は取り得ない。こういうふうにだんだんわれわれは検討し来たったのでございまして、これは、春繭に対しまする政策を実行し、その段階においてだんだん検討し来たって、われわれの考えとしましても、この事態になりますると、やはりある程度の考え直しをせざるを得ない、こういうふうに経過的に変ってきたということでございます。

高田富之日本社会党

○高田委員 そうしますと、特別国会のときから今日までの間にさように検討の結果重大な心境の変化をされた、こういうことでありますが、ただいま伺っておりますと、その御事情はあの法案を出しました前の国会のときにもすでにあった事情であろうと思うのです。当時すでに実勢糸価は十六万円、一般の世論としましても十九万円では無理ではないか、この際価格を引き下ぐべきであるという相当強い世論がありました。これに対しまして、各委員から、そういう点はどうか、他の繊維との比較とか最近の国際情勢、いろいろ景気の動向等からして無理があるのではないかという質問があったのであります。そのときに大臣の御答弁は、問題は十九万円が高いか安いかということでなくして、安定をさせれば需要は伸びるのだ、決して十九万円が高くはないのだ、無理に実勢価格から離れたものを維持するように見えるが、そうじゃない、維持しさえすれば反対に需要は伸びていくので、維持するかどうかが問題なんだ、だからこの際政府は何が何でも十九万円、千四百円を堅持する、こういうことを非常にはっきり述べておられます。その以後というものは一カ月一カ月たちますとすでに相場は下ってきたのですが、そんなに種々の情勢が一ぺんに変るということは私はないと思う。これは大臣はそういうことであるなら前の国会のときにももっと違ったことを言われておったはずであります。そういうことでは私どもはどうも納得できない。やはり私は、一番大事なことは、この前のときもずいぶん強く各委員から言ったのですが、政府の態度に、ほんとうに信念を持って、文字通り言葉通りに十九万円、千四百円を維持するのだという決意が一般にわかる程度のものであれば、出された法案の内容からして、政府の手の打ち方からして、確かに安定したと思う。あなたのおっしゃる通りになったと思うのですが、口先ではそう言っていらっしゃるが、中身を見るとどうも春繭だけで投げるんじゃないかという見方の方がどうも圧倒的に強い。政府に対して信頼がない。そのために結局輸出が普通よりもよけいに減ってきた。私は需要が自然に減ってきたのじゃないと思う。政府の態度がそういうふうだから、輸出が減ってくる、だから価格も下ってくる、こういうことだと思うのです。あなたの言うことは逆だと思う。価格が下ってきたからしようがないというのじゃなくて、価格を下げたのは政府の態度。間違ったというのじゃありませんけれでも、昨日の御言明で、今になってはっきりわかっちゃったんですが、夏秋蚕からはどうするか全然考えていなかった、夏秋蚕のことは問題にしなかった、こういうのでありますが、そういうことは当時一般に感じられた。そのために相場も下り、輸出も減退し、業界はこれだけ混乱した。私はこのことについての政府の責任ということは非常に大きいと思う。ですから、何が何でも言明したことを責任を持って実行するという態度があるかないかということがこの際一番大事だと私は思うのです。私どもが出しておる決議案というもとはそういう趣旨であるわけで、大臣はこの繭糸価格の最低価格をこの機会に下げるというようなことを何か当然のことのように言われるけれども、これは非常に大きな誤まりだと思う。そういうことでは何ら理屈が通らないと思うのです。この前の国会での言明をあくまで責任を持って実行するという態度で今まで党内あるいは政府内部においてあなたは努力をされましたか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 春以来の問題は先ほど来申し上げました通り、努力し、同時に臨時立法等もいたしたのでございますが、その後の事情はやはりわれわれの予期に反しまして相当の激変があったと私どもは考えております。努力したことは努力いたしております。

高田富之日本社会党

○高田委員 ほとんど全くそういう点での言明に沿った努力をなされないで、成り行きにまかせて、そして今日までじんぜん日を過ごされてきた。この間の、業界の混乱、それから何よりも七十数万に上る養蚕農民の不安と動揺というものは一方ならぬものでございます。これは私が一々申し上げるまでもないことでございますけれども、その後枚挙にいとまないほどの回数にわたって養蚕団体や農民の陳情もお受けになったことと思います。この間はあらしをついての大会等も全養連主催のもとに行われ、大臣に対して切なる叫びを訴えたいということで農林省であれだけ熱心に何百という人が大臣に陳情したいということで、三日三晩もあなたに会いに参っておったということは前古未曽有のことであります。私はこういうことを単に委員会の上の言葉のやりとりくらいで済ますということは農林大臣として非常に不謹慎ではないかと思うのです。今日はすでに初秋も晩秋も終って、そうして、繭は出したものの、これがどうなるか一向わからない。もうすでに窮迫しております農民は千円あるいは千円以下で手放しておるというような惨状である。また政府の方針等も先行きわからないということで、ほんとうに流言飛言に惑わされていると思うのです。桑を抜くことを考えながら日夜頭を悩ましておるというような状態もある。もうここまで事は進んでしまった。もっと早く手を打てば、わずかな手でもきいたかもしれません。しかし、事態をここまで深刻にしてしまっては、容易ならざる手段をとらなければ所期の目的は達しないと思う。そこで、あなたは今この時点においていつごろどういう処置をとるか、今あなたの考えている構想をここでお述べいただきたいと思う。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 きのうも若干申し上げましたが、われわれとしましては手をつかねておるというわけではございません。この夏秋蚕に対しましては春繭に対するような方式はとらない。しかしながらこの方面につきましての事情は変って参りました。われわれは養蚕団体等の減産の努力を期待しておったのでございますけれども、これは出て参りません。そして依然需給の上では相当増産の気がまえになっておる。こういうようなことでございますから、需給のバランスは必ずしも良好でない。しかしながら、この際は、養蚕団体等におきましても、自主的に共同乾繭保管等をして、自衛的な措置も熱心にとりたい、こういう考えもありまして、われわれの方にもそれは申し出られたのでございます。そこで、われわれとしましては、生産者団体が積極的にみずからその措置に出るならば、これに対しましては援助を惜しまない、同時にこれを支持していくということで、資金の供給と同時にこれに対する助成の道を諮りずるという方策は関係当局とも話を進めておるわけでございまして、これは計数上の問題は別にしましても、基本的にはすでに決定していることでございますので、これを強く推し進めて参りたい、こういう所存でございます。

高田富之日本社会党

○高田委員 私どもの主張はさっきの決議案でありますので繰り返しませんが、最低価格をここで下げるというようなことはきわめて無責任なことであって、これはたださようでございますかと引っ込むわけには参らない。これはほんとうに行政当局の責任上の問題でもあろうと思う。でありますが、今言われましたことでちょっと御質問したいんですが、その三百万貫というものを乾繭保管をして市場から引き揚げるというようなことを言われておりますが、それによってどの程度に価格を上げて、どうしようというんですか。

大澤融農林事務官(蚕糸局長)

○大澤政府委員 ただいま大臣からお話のございました、農民団体が自主乾繭をいたしまして現実的に市場から隔離する数量、これは三百万貫程度のものが話題に上っておるわけでありますが、前提といたしまして、生産重がどのくらいあるか、あるいは需要の見通しがどうかというようなことが深く検討されませんと、どのくらいの数量をたな上げしたら幾らくらいの価格になるのだというようなことは正確には出てこないと思うのでありますが、全養連の方でお考えになっておられます数量は、大体この程度のものをたな上げして市場から隔離をすれば、ただいま取引所等に現われております値段よりはかなり高いものが実勢として現われるのではないかという期待を持っておるように思います。

高田富之日本社会党

○高田委員 そういうばく然として見当も何もついていない——現に、この話が出た日に幾らか相場が上ったそうですけれども、どんどん下っておるので、どういうことになるか、どれだけのきき目があるのか、全くきき目がないのかわからない。そういうものを対策の一つだといって御説明になるのは、これこそ全く無責任な話です。養連の方が自主的にやっているという話ならそれはそれとして、政府がこれを何か一つの対策にでもなるかのようにお話しになるというのはどうかと思うのです。  一体、繭糸価格を改定するというのですが、新聞なんかを見ましても、初めは農林省の意向では十六、七万にする、またしばらくたってみると、十四万にする、こういうことを言っておる。実勢相場を見ながらだんだんに下ってくるのでありましょうが、現在それでは一体幾らぐらいに価格を押えるつもりなんですか。

大澤融農林事務官(蚕糸局長)

○大澤政府委員 ただいまのところ私どもが価格を幾らにするかということはきまっておりません。ただいま申し上げました三百万貫のたな上げというような処置の効果も待って、実勢価格の出ましたところで考えていきたい、こういうふうに思っております。

高田富之日本社会党

○高田委員 実勢価格というものがかりに出たとしますと、それでは、その実勢価格を中心にして、その上下の幅をもって、その下を最低価格にする、こういうことなんですね。

大澤融農林事務官(蚕糸局長)

○大澤政府委員 従来も一定の幅をとって最低価格をきめておるわけでありますが、その考え方には基本的には変りはございません。

高田富之日本社会党

○高田委員 そうしますと、その実勢価格というものを中心にしてその下ということになるわけなのですが、今政府においてはずっと様子を見ておるという状態。そうすると、一体いつまで様子を見ておるつもりかということも一つ伺いたいのです。それで、ここらが底らしい、底だということになったとき、そのまた下の方を最低価格にくっつけるというのでは、これは要するに繭糸価格安定制度というものを実質的に放棄する、政府が一切買わなくてもいいようにしてしまう、こういうことにほかならないと思うのです。そういう考えですね。

大澤融農林事務官(蚕糸局長)

○大澤政府委員 私どもは、先ほど大臣からお話がございましたように、現在の価格で買い続けて参りますと、極端なことを申せば製糸屋さんが糸にひいたものが全部政府の倉庫の中に入ってしまうというようなことになりますことは、養蚕農民が繭を作っておるという意味も——糸屋を通じて政府の倉庫に入ってしまう、実需として用いられていかないということになりますと、農民が繭を作る意味もなくなるというような感じもいたすのでありまして、そういうようなことのないように支持を運用して参りたい、こう思っております。

高田富之日本社会党

○高田委員 それでは御答弁にならないと思う。今政府は実勢価格の落ちつくところを見ているわけでしょう。その落ちつくところというのは、結局底の底まで落ちたところということになるわけです。そうして、それが実勢だ、いよいよ実勢が出た、こういうことになって、それより下にその支持価格をきめるとあなたは言うのですから、そうなれば、政府が一切買い上げる必要のない値段になり、事実上この繭糸価格安定制度というものを放棄してしまったのと同じじゃないか、こういうことなんです。安定制度の意味というものは、下ったからといってはその下に持っていく、下ったからといってはその下に持っていく、そんな安定制度なんて初めからあるはずがない。だから、政府に安定させようという決意があるならば——この前の国会における大臣の御説明では、十九万円でも断固としてこれを維持するということになればそれはそれなりに需要が伸びるということだった。それだから、今様子を見ているというのですが、今度は最低のその下へ持っていって、買い上げなくても済むようにする、こういう乱暴な、支持制度を事実放棄するようなことは、私は重大問題だと思います。そういうことを今局長は考えていると答えたのですが、大臣はどうですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 局長の説明が不十分だったと思うのですけれども、高田さんのおっしゃったようなさほどきちょうめんなことではなかろうと思います。もう一度局長から説明をいたさせます。

大澤融農林事務官(蚕糸局長)

○大澤政府委員 現状は御承知のように糸価が一方的に下る傾向を持っておりますが、こういったときに下のささえがありませんとどこまで下るかわからぬというような不安があるわけです。そこで、先ほど大臣から、また私からもお話し申し上げましたような、全養連によるたな上げ措置にもよって実勢をささえると同時に、政府も下値をささえるという考えでやるわけであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 関連して……。  大事な点ですから大臣からお答え願いたい。私らはやぼな議論をしているのじゃないのです。去年までは増産一点張りの政策をあなた方はとっきたのです。そのしりをまずあなた方の責任においてぬぐって、そして政策の転換がいかような形で行われるかということは次の問題だとわれわれは思うのです。そういう角度からわれわれは議論しているのです。聞いていると、政策の根本になるような問題になると蚕糸局長がお答えになるのは、われわれは解せないのです。これは政治的な問題ですから、当然大臣の責任において答えていただきたい。去年までとにかく徹底的な増産政策をとったものを急に——しかりも五月の末におけるあなた方の閣議決定がはっきり暴落の大きな原因をなしている。ですから、少くとも今までの増産政策というものに終止符を打つならば、そのしわを農民に寄せないで、また繭糸業界にも寄せないで、まずつ政府の責任において事態を収拾する、そして、来たるべき問題は来たるべき問題としてまた別途に考えていく、こういうことでなければならぬと思うのです。ところが、今までの論議を聞いておりますと、全く、安定帯価格を下げる、これをどう言いくるめようか、どういうふうに理由づけようかということに終始しておられるように思うのです。それでは農政ではなじゃないですか。ですから、そういう根本については少くとも大臣が見識を持って御答弁になるのが私は当然だと思うのです。どうです。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 ただいま足鹿君からお話がありましたが、先ほど申し上げました通り、この春蘭以降の事情に対処しまして、やはり若干の政策の修正はやむを得ない、こういう認識に現在立っております。しこうして、一つの態勢ができますと、この繭糸価安定の方策は持続する考えでございます。しこうして、その際の最低価格の支持は、やはり世界的な市場もしくは国内的の市場に照らしまして、そして一つの合理的な価格をここに生み出したい、それを見まして、同時にそれがささえとなって、そして次の糸の値段、さらにまた繭糸価等につきましても妥当な線をとりたい、これがつまり根本の考え方でございまして、これを具体的にどうするかということは、現在もう少し検討させていただきたい、かような考え方であります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 私は今のあなたの御答弁はむしろ立場が違うと思うのです。きのうまでは大蔵省の立場のようなことを言っておられた。今度は通産大臣のようなお考えの上に立っておられると思う。六月二十四日に画糸価格の安定に関する臨時措置法案が上程になったときに、私の質問に答えて通産大臣の高碕さんがこう言っておるのです。「先ほど農林大臣が答弁いたしましたごとく、値段を安くしたからといって急によけいいくのではありません。これは、日本の生糸の特殊性を考えまして、この糸価を安定する、そうして、海外の消費者にこの価格について安心をするという観念を持たすことが一番大事だと存じます。」、こう言い切っております。要するに、価格が安いからといって消費は増大しないんだ、輸出産業として大きな意味を持っておるこの繭糸価格については、安きをもって尊しとしない、安定が第一だ、こういう政策で、六月二十四日、たった三月前にはそういう認識の上に立って、あなたも高碕さんも意見が一致しておるじゃありませんか。本会議での御答弁ですよ。それがわずか二月や三月で今言われたような乱暴な政策の転換は、一体何に基因しておるのですか。海外の事情が変化したというならば、その具体的理由いかん。どういう根拠に立ってそういうことを言われるのですか。少くとも一年間に米なら米の値段を二度も三度も改定を加えたならば、一体どうなりますか。麦の値段もどうなりますか。形は変っておりますが、これは国家が責任を持っておるのじゃありませんか。春蚕に対してはこの値段、夏秋蚕に対してはこの値段、そういうふうに国の政策がネコの目のようにぐるぐる変るようなことで、一体それが一国の農政と言えるでしょうか。全くむちゃくちゃだと私は思います。少くとも今あなたがとっておられることは、通産省がそういうふうに豹変したというならば、まだ通産省としてはある程度そういうことも言い得る立場もないことはないかしらぬ。あなたは農林大臣じゃないですか。農林省の立場にあっては、よしんば大蔵省や通産省がそういう主張を持っておっても、少くともその年度間におけるところの一貫した政策を堅持するということは、あなたの政治生命だと私は思うのです。それを無視して、わずかの期間であるが情勢は一変をした、こういうふうな御答弁は、私どもは了承できません。どういうふうに具体的にしからば繭糸情勢が変化したのでありますか。海外におけるこの価格がどういうふうに変り、それによって事情がどういうふうに変化をしたか、そういうふうなことについて承わりたいと思います。こういう重大な問題は聞きのがすわけには参りません。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 事情の変遷と同時に、またこれに対処して政策の転換はやむを得ない、こういうふうに今申し上げたのでございますが、これに対する御批判は、おのおののお立場がありますから、それはわれわれとしてもやむを得ないことと思いますけれども、外需にいたしましても伸びがない、内需にいたしましても実際の取引等は十九万円のこの支持価格以外に非常な低廉な価格でもって売買がされているという事態が、だんだんはっきりなってきておる。これを見ますと、ただ単に十九万円を支持するということだけでは、繭糸価全体の問題を見ます場合に、やはりわれわれとして検討を加えざるを得ない、こういうことに考えておるわけであります。

高田富之日本社会党

○高田委員 ただいま足鹿さんも質問しておるのですが、私は、あなたが農林大臣という立場から考えた場合に、ただ海外の需要がどうだとか国内の需要がどうだ、だから安定帯相場で需給のバランスがとれたところの値段でそこから再出発する、こういうことは、工業製品についてのみはあるいは理屈としてはある程度言えるかもしれない。しかしながら、繭生産農民というものを保護し、これを育成していかなければならない立場にある農林大臣は、繭糸価格を考える場合には、繭の生産費、それから養蚕経営というものを基礎にして、そこから安定した価格というものを考えていかなければならないし、今までできておる価格の構成にしても、生糸の売買の相場は市場や何かを勘案してできたものでしょうが、繭の最低価というものは生産費を基礎にした支持価格制度であります。農産物の支持価格制度なんです。だから、それはもうはっきりしておるのでありまして、年々農林省の調査しておる生産費が基礎になって最低繭価というものはきまっておる。二重価格制度をとらない建前でいけば、そこから結局糸価が出てくる。これ以外にないと思います。ですから、市場がどうこうということでなくして安定した価格を維持することによって市場を開拓するというあなたのこの前言明されたその態度でいけば、じゃ農産物の生産費はこの春と今とで蚕の繭の生産費が変ったのですか。それを一つ御説明願いたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 当時基礎にしました生産費が変るわけはございません。ただ、われわれが現在申しておりますことは、経済事情の事態が当時予想したよりも変って参った、同時にまた、われわれ当時予想し、期待しておった事情が全くその通りになって参らぬ、このままで現状を支持するということは、やはり繭糸価全体の上からいっても検討せざるを得ない、こういう立場に立つものでございますから、今申し上げたようなことであります。

高田富之日本社会党

○高田委員 とにかく、繭の生産費は変っていない。これはもう当然だと思います。そうすれば、この支持価格はどうしたって維持されなければ、養蚕農民はつぶれてしまう。養蚕農民の生死に関する問題です。簡単に市場の相場の動向を見て、どこへきめられるかわからないということでは、養蚕というものは立っていきません。やはりこの生産費を基礎にして、しかもその生産費をまるまる補償しておるのではないのですから、こういう生産費の中の八割五分というようなところを押えられた最低ぎりぎりの繭価というものが基礎になって繭糸価格がきめられておるとするならば、農林大臣としては、あくまでその線で守っていくということは当然だと思います。それを放棄するときは、養蚕経営というものを積極的に破壊するのですから、これは私どもは断じて農林大臣のそういうことを容認すべきではないと思う。農民の立場に立って考えていないじゃないですか。農民をどうしてくれるのですか。もう一度責任ある御答弁を願いたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 現在の制度といえども、事情の変遷に即応しては、やはり検討しこれを是正するということは当然のことと考えております。

高田富之日本社会党

○高田委員 これはもういろいろなこまかいことを聞くまでもないので、国会を通じて国民に再三再四約束され言明されたことを、わずか一月か二月の間にがらがらと変えてしまって、しかも農民の立場というものを全く無視した言葉を平気で吐かれる。これは大きな責任問題だと思うのであります。何としても、私どもは、この決議案を全会一致で可決をして、そうして、これが実行できるかできないかによって一つ進退をきめていただく以外にないと思います。従って、私の質問はこれで一応終了いたします。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 中澤茂一君。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 これは、大臣、当初から一体どういう話し合いが大蔵省となっておるか。佐藤大蔵大臣が九つ月の七日に岡谷に来ている。そうしてこういうことを言っておる。「大蔵省としては春の百五十億円支出は夏秋繭対策を含むものと考えている。」、こういうことを大蔵大臣がはっきり岡谷で言っておる。そうすると、出足のときから、大蔵省は夏秋蚕繭を含めて百五十億を出したのだと言うし、農林省は、夏秋蚕繭じゃない、春繭だけだと言う。どういうのですか、そのいきさつを一つ明らかにしてもらいたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 佐藤君の趣旨は、どうも本人から聞いてみないと私わかりませんが、大蔵省では、百五十億出すが、これは一切これでもう終りだ、こういうふうな意味合いでの発言だろうと思います。願わくは御本人を呼んでよくその趣旨を確かめてもらいたい。私が代弁するわけに参りませんから。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 それは、呼ぶというので、十九日の委員会に出席要求をしておる。大蔵大臣が来なければ、あなたと幾ら話をしてもちっともケリがつかないから、大蔵大臣を呼んでこの事態を明らかにしようというけれども、雲隠れして、いない。こういうような状態で、休会中でも四回もこの問題をやったけれども、いつも流会や、政府の連中が出ないからということで最後まで引きずられておる。しかも、もう晩秋ものが出て、さっきもだれか言ったように、千円という価格で買いたたきをどんどんされておる。一体これに対して一つも何らの手を打ってないじゃないですか。あなたは、手を打った、努力をしていると言うが、あの特別国会のときの速記録を読んでごらんなさい。これは明らかに八方破れじゃないか、夏秋蚕は必ず破れると言ったら、あなたは絶対維持できますと断言しているじゃないか。その断言したものが、夏秋蚕が破れてくることは明らかだったのだ。それに対して何らの手を打ってない。だから、社会党が二百億ということを出し、自由民主党の蚕糸特別委員会でも二百億と言うのは、ただでたらめに二百億を出せと言ったのではないのです。われわれは、六万五千俵をたな上げしろ、そして七十億を乾繭保管の助成として年度末間にとる、そうすると本年度のものは明らかに安定するだろうという計数の上から二百億という数字を出した。それを五十億削ったためにこういう混乱が起きている。この間言ったように、当初の予算編成のときに後手を引いて、また春蘭だけだと言って後手を引いて、大混乱を起しているのだ。あなた、この政治責任を感じませんか。どうするのですか一体。具体的に現在乾繭保管しているこの問題をどうするのですか。ただそれをいたずらに、あなたの答弁を聞いていると、やあ目下検討中だというようなことでごまかしているけれども、あなたは検討中で済んでいるけれども、農民は検討中では済まないのです。現にもう買いたたきをされて千円で売っているじゃないですか。しからば、自主乾繭に対してどういう手を打つか。それも一つも打ってないじゃないですか。融資対策というものも、僕が特別国会で、保証を強化するなりなんとかして応急融資対策を講じないと問題が起るぞとあれだけ念を押しているじゃないですか。それは一つもやらないから、生産県の四県あたりは信連と話し合いをして特別決議をしてやっているけれども、これはくずれる態勢にきている。生産県じゃない他県においてはどうにもやりくりがつかないから、お前ら農民勝手にしろということで、千円で買いたたきされておるじゃないですか。これはあなたの責任じゃないですか。どういう手を打ったのですか。融資一つにしても、特別国会であれほど言っているのに、あなたは手を打っていますか。何もやらないで、目下検討中だとか、一体農林大臣として、僕はあほらしくてあなたにものを言うのはいやになったのです。あまりにも誠意がないというか、努力するあれがないというか、党内における力がないというか、何というか知りませんが、とにかく問題にならぬのです。こんなことでこれ以上問題が複雑怪奇になって——乳価問題もケリをつける自信がありますか。そこにこの大災害です。どうですか、少し政治責任を農林大臣として感じましょうよ。どう考えるのですか。僕もしゃくにさわっているから興奮しているが、差し迫った問題は、自主乾繭をしているのに対してどういう措置をとるのですか。その措置くらいは、少くともあなただって考えておるでしょう。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 資金の手当と同時に、自主転繭に必要な助成はいたす考えであります。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 その資金の手当も明らかに後手でしょう。僕は、後手を引かないように、今後先手を打ちましょう打ちましょうとあれだけ言った。問題は腹の問題です。あなたは農林省の農業関係においては該博な知識を持った専門家かもしれませんが、あなたには一つも腹がないのです。だから、私がこの間言ったように、辞表をふところに入れて戦わない限り、農林大臣は勤まらないのです。問題が山積しておるでしょう。いつも辞表をふところに置いて、大蔵大臣と折衝し、岸総理に体当りでぶつかるという決意がない限り、どうしてこんな問題が解決つきますか。繭の問題ではっきりと特別国会当時からわかっている問題だって解決がつかないじゃないですか。とにかく政治責任を感じましょう。このようにこういうことをやっていたら農民が不幸です。こういう農林大臣をいただくということは農民が不幸です。私はとにかくあなたのほんとうの政治責任を感ずるという良心に訴えたいのです。さもなかったならば、今晩辞表を書いてあすからふところに入れて、岸総理どうするのだとぶつかるぐらいな気魄を持ってもらいたい。どうでしょうか、真剣にやるつもりかどうか。  いま一つは、いつまでに一体結論を出すつもりか。大蔵大臣が今、国会中これもけしからぬことだけれども外国に行っているから、帰ってきたらいつまでにあなたは結論を出すつもりか、それを明確に示してもらいたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 あなたの言う通りにならぬからといって、良心に訴えられても、私は私なりの考えで進みます。同時に、今申しました問題も、私だけが実行する責任を持っているならば私はやりますけれども、やはり政府部内としては関係の者と話をつけなければならぬことは申すまでもないのですから、従いまして、努力もしておりますが、大蔵大臣が帰りますと遅滞なく最終的な計数上のことも決定いたします。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 とにかく農民は憤激しているのです。こんなでたらめな農政はないですよ。今、農政がなくて農林大臣ありとはこれいかにですよ、私に言わせたら。あなたは努力をしている努力をしていると言うが、努力をするならば——これは当初十九日の委員会には結論を出しますということを与党の理事諸君が全部言ったから、しからば十九日まで待とうということでわれわれは待ったわけだ。われわれは党派でこの問題をやっているのではないのですよ。あなた方の言うことをそういうふうにいかなかったからといって見解が違うというようなことで党派の問題ではないのですよ。これは大きな農政の問題としてわれわれは取っ組んでいるのですよ。だから、そういう詭弁的なことを言わないで、これは農民のために私も非常に気おくれをしているが、早急に結論を出すということで至急にやらないと、問題はますます混乱してきている。末端の意見をあなたは御承知でしょうか。  そこで、この前にも僕は申し上げたように、取引所を閉鎖しましょう。取引所を閉鎖するには理由があるから僕はこの前に言ったのですよ。国が繭糸価格安定という相当な財政投融資をしておって価格の維持をやっているものに対して、取引所というものはおかしいのだ。これは完全に野放しした自由経済なら取引所はあってよろしい。しかし、国が何百億という金をぶち込んでやっているものに、取引所に勝手に相場をさせることはけしからぬことだ。現在米の統制をやっておって蠣殻町の米穀取引所を復活するというのは、だれが考えてみても常識に反することでしょう。今、米の取引所を復活すると言ったらどうか、あいつの頭は気違いだと言われる。国がこれだけの金を投入してやっている以上、しかもこうした緊急状態においては、取引所は閉鎖する必要があるのですよ。アメリカからも明らかにミス・リードをしているのは日本の横浜の生糸の取引所だという抗議を受けているじゃありませんか。それをぴしゃっと押えておいて、次々と打っていく手は幾らでもあったはずです。大臣はいろいろやっていると言うけれども、私に言わせば何もやっていないということになる。私はそう言いたいのですよ。  このごろ実は農民が憤激して、あの通りすわり込んで、蚕糸局長の大澤さんのところへ行って、一体事務折衝の経過はどうなっているのだと聞いても、何が何だかちっともわけがわからない。結局事務折衝の方が進んでいないということは、あなたがほんとうに体当りで大蔵大臣の佐藤に当っていないということなんだ。そこで、われわれは、もはやあなたを相手にするより佐藤を呼び出さなければだめだというので、十九日、二十七日と呼び出しをかけているのですよ。それに対して全然ずらかっているということは、あなたの政治力を私は疑うのですよ。どうです、取引所閉鎖ぐらいの強硬措置を一つやりませんか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 取引所の閉鎖は考えておりません。仰せでありますけれども、百五十億という限度で買っているのですから、無限大に買うという制度ならば仰せの通り取引所は要らぬかもしれません。けれども、現在の制度のもとにおきましては、やはり先物を見させ、そして織物業者等もそれをにらんでいろいろな経営をしているのですから、理由はありと思うのです。ですから、遺憾ながらこの点はお説には同調しかねるのであります。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 ばかばかしいから、あなたを相手にして議論をするのをやめます。  そこで、最後に一つだけ聞いておきますが、夏秋蚕に対して農民に千四百円絶対保証するという確証をあなたは持っておりますか持っておりませんか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 先ほど来、この前から申し上げました通り、春繭のような対策をとってそれで千四百円をやるというようなことは現在では考えておりません。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 春繭の対策とか対策云々を私はあなたに聞いておるのではなくして、いかなる方法をもってでも何とかして本年度農民に千四百円保証してやるのが私は政府の責任だと思うのです。そこで、しからば来年度から需給状況を見てどうするということは、これは通常国会においてわれわれが議論すればいいことであって、とにかく昨年まで増産々々で農民を追いまくってきて、桑苗の補助金までくれて桑を植えさせておいて、そうしてことしになってこうだからといって全責任を農民におっかぶせる、これはまさに無責任政治である。だから、本年度だけは、方法のいかんを問わず、とにかく農民に千四百円は保証してやるという政治責任くらいは感じましょう。どういうもんですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 いろいろ政治責任の追及でございますが、政治責任はもちろんそれは痛感しております。ただし、千四百円そのものを保証するというふうなことをこの席でお約束するわけには遺憾ながら参りません。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 そうすると、あなたは、もう努力をしても自分の力の限界を知った、努力をしても千四百円を保証する金は出せないというのですか。そこで、大臣、腹の問題なんだ。腹ですよ、こんかものは。それじゃ、千四百円を保証しないで、何がなんだかわからぬでただいいかげんに大蔵大臣と話しているというんならば、一体何の意味があるんですか。ということは、われわれ当農林委員会がぺてんにかけられたということなんだ。必ず何とか結論を出しましょうということで、九日を引っぱり、十九日を引っぱり、二十七日を引っぱり、きょうでしょう。しかし、それだけあなた信念を持てないですか。これはあなたが大蔵大臣に言おうがだれに言おうが納得すると私は思う。私は某幹部にこのごろ会って言ったのです。お前さんたちも本年度だけは責任持てや、来年度からはどうするという具体策も立て、それによって政府の具体的措置がきまるならば、これはわれわれも一つ大いに考えようじゃないか—。とにかく去年まで増産増産とやって農民に拍車をかけておいて、ことしになって千四百円さえ知らないという、そんなことはないじゃないですか。どうです、腹をもって千四百円だけは絶対取ってあげますということを御答弁願えないですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 千四百円を確保するということは、少くとも現在とり来たったような制度を完全に運用することでなければできないのでございまして、この制度自体は検討して改定したいという考えでございますから、今申し上げたようなことでございます。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 いやいや、それは来年度の話なんですよ。私は今のこの夏秋蚕に対して本年度だけは千四百円だけを保証してやれというんです。あなたは繭糸価格決議案が出ているものだから、その百億の決議を頭の中にこびらかしておるからそういうふうな御答弁をなさるのですが、私は方法のいかんを問わずということを言っておる。方法のいかんを問わず本年は千四百円を農民に確保してやる、これは私はできると思うのですよ。そしてまた、それをやらないとなったら、三浦農林大臣、これはあなたの青森の衆も怒りますぜ。ことしだけはほんとうに千四百円確保してやる、ただし、来年のことは、あなたのおっしゃる情勢が変ったから具体的なこういう措置をとるということなら、これは通常国会でわれわれは十分論議をすればいいことであって、本年だけはどうしても千四百円は農民に確保してやるのだ、それをあなたがおっしゃることによって今の混乱がある程度解消できるのですよ。今混乱しているのは、政府が何をやっているかちっともわからぬ、これではどうなるかわからぬから早く売った者が勝ちじゃないかというので、今度は業界が乗り込んで抜き買い合戦をやっておるというのが現状なんですよ。現に養連自体でも生産県で困っておる。政府がちっともはっきりしないから迷っておる。何でも、私の県に出た現象などを見ると、今度は座繰、製糸が問題になっておる。座繰、製糸はひき繭がないわけです。そこで、何とかして自主乾繭しているものを買いたいという申し入れを受けているわけですが、しからば座繰業者に君らが千四百円で引き取るかといえば、座繰業者はそれは困ると言う。なぜ困るかといえば、政府の対策ができてないから、われわれは千四百円で引き取るわけにはいかぬと、こう言うのです。だから、政府の対策がここでぴしゃっときまれば、こういう問題はすらすらっといってしまう。座繰業者は手持ち繭がなくて困っておるのであるが、その対策さえ立って、それでは政府がもし足りなければたとえば二百円なり二百五十円なり、千四百円確保のための処置を何らかの方法でとってやるということがきまれば、すぐこの問題は解決する。これは一つの例を申し上げたのですけれども、ほかにも全部の養連が困っているのです。自主乾繭を養連がみずからやるのだから、御協力しましょうなんて、大臣、そういう言いぐさはないですよ。この問題は当初の二割制限だってそうでしょう。養連の田原会長以下令部ここに参考人として呼び出して聞いてみれば、政府が押しつけたのです、——政府が押しつけたということをここではっきり証言しておるのですよ。そうしておいて、あとの二割残桑補償だって、知っちゃいない。あなた汽車にしょっちゅう乗って歩いているので御存じのように、桑が全部青く立っているでしょう。農民とすれば怒るのは無理ないですよ。そこで、千四百円は何とかするということを大臣がはっきりすることによって、今起きておるトラブルがずっと縮小されてくるのです。どうです。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 まことに遺憾ですけれども、千四百円をきちんとやるというふうなことは、ただいま言明の限りではございません。

神田大作日本社会党

○神田委員 関連して……。  政府の養蚕対策なるものがでたらめで、これでは養蚕農家を裏切るということもはなはだしいと思う。それで、私は、同僚議員が言った通り、これに対して大臣が、養蚕農家の立場に立って、本年だけは何とかして千四百円を確保するというような腹をかまえて、大蔵大臣なりあるいは政府首脳部と重大なる決意のもとに交渉すべきであると思う。  また、私は桑苗の問題等につきましても一言御質問申し上げたいのだが、今までは増産だ増産だといって桑苗業者に増産を奨励しておいて、今度は二割減産だ、一体これに対していかなる対策とどのような桑苗に対する補償ということを考えておるか、この点をお尋ねいたします。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 補償は考えません。ただし、今後転換等をします場合には予算の措置を講じたい、こう考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 今になってから、お前ら政府の増産の口車に乗って桑苗を作った、今度は急に二割減産するのだ、そうした大きな損失に対して何ら政府が責任を感じない、補償もしない、それではお前ら死んでもいいということと同じだろうと思うのです。そんなにはっきりと簡単に、補償しない、——人のことだから言うのだろうけれども、そんなわけにいきません。その点もっと誠意のある答弁をしたらいかがです。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 そんな論理の飛躍したことで、すぐ死ねとか、そんなことを言っておるのじゃないですから。しかし、政府の奨励等も、これは命令でないのですから、同時にまた、これを自発的に考え、かつまた経済的に見てだんだん進んできたわけなんで、それに対する補償等のようなことを要求されても、これは応ずるわけに参りません。

神田大作日本社会党

○神田委員 これは多くの桑苗業者が実際今桑苗を持って因っておるのです。このままいけば倒産に瀕するのです。これに対して、なるほど業種の転換はそういう場合にはめんどうを見ることは当然なことであります。しかしながら、来年、再来年は減産でもいいが、ことしの苗だけに対して何らかの措置をとってやらなければ、あなたたちが今までこれだけの増産計画をやって、これだけの苗を作れと言ったのを、これを急激に変更したわけですから、転換のしようがない。これに対して私は当然の措置はとるべきだと思うのですけれども、この問題について一つゆとりを持って検討を加えて、考慮するというくらいの答弁をしてもらわなければ、どうにもならぬと思うのです。それはいかがでございますか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 神田さんの御意見の通り、検討して適切な方法があれば、われわれとしましても実行するにやぶさかじゃございません。

神田大作日本社会党

○神田委員 蚕糸局長はこの問題についてどのようにお考えになっていますか。

大澤融農林事務官(蚕糸局長)

○大澤政府委員 ただいま大臣が御答弁になりましたのと同じ考えを持っております。

神田大作日本社会党

○神田委員 そうすると、桑苗の職業を転換するというようなことは今すぐできるわけはないのだし、また桑苗の畑に一体何をやるかというようなことに対しても、これは大きな犠牲がくるわけです。そういうものに対して考えるということは、一体どういうことを考えているのですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 これはケース・バイ・ケースによってみな違うと思うのです。事情々々でみな違う。地方によってみな農業上の立地も違いますから、過日山形等に行ってみますと、むしろ開墾して田地にする方がよろしいというような方向で進んでおるのもあります。これは地方によっていろいろ事情は違いますと思いますが、その際の転換等の道は講じていただくと同時に、政府におきましてもこれに対しては助成の道を開きたい、こういう考え方でおります。

神田大作日本社会党

○神田委員 種に対しては相当の補償をしているのです。ところが、片方において桑苗に対して全然そういうことを考えないというのは、ずいぶん片手落ちじゃないですか。そういう片手落ちの農政ってありますか。みんな農民は同じですよ。それはどうなんです。そういう木で鼻をくくったような答弁じゃ、どうしたって納得できません。これは重大な責任があるといわなければならぬと思うが、どうですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 先ほど申し上げました通り、地方によってこれは各般の事情が違いますから、それに即応して検討の上に、適切な方策等が講ぜられますならば、それに対して助成の道を開きたい、こういうことを申し上げておるのであります。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗