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30回国会衆議院1958/10/30

内閣委員会 第7号

発言数
81
登壇者
12
会派数
2
開催日
1958/10/30

会議録

内海安吉自由民主党

○内海委員長 これより会議を開きます。  一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 総理府の方にお聞きいたしますが、先ごろ私公務員制度の答申案に対して、政府はどのくらいの検討が進んでいるかということを質問申し上げたわけですが、少しく御答弁が私のところまで明瞭に響きませんでしたので、はなはだ気の毒に思いますけれども、もう一ぺんこの制度がどのくらい検討なされて具体化の方向に進んでいるのか、政府が眼目として特に力を入れて研究されている事項は那辺にあるか、こういう点を一つついでに御説明をいただきたいと思います。

佐藤朝生総理府総務副長官

○佐藤(朝)政府委員 公務員制度の改正につきましては、御承知の通り公務員制度調査会の答申が昭和三十年の十一月に出まして、それ以来検討を続けておりますが、総務長官並びに私がかわりましてからも検討を続けておりますが、慎重に検討すべき点が多々ございますので、まだ結論まではいっておりません。どういう点を眼目としてやっておるかというお尋ねでございますが、公務員制度調査会の答申案が非常に多岐にわたっておりまして、いろいろな問題点がございますので、その問題点を一々検討いたしておりますが、まだ結論までは達しておりません。

石山權作日本社会党

○石山委員 これは長官がおいでになると大へん聞きいい問題でございまするが、機構問題はどういうふうな話し合いが進められているか。たとえば防衛庁云々、内政省をお作りになるとか——これは行管の関係のように思いますけれども、ある意味では機構、制度、身分、給与、こういうものは公務員の問題を取り扱っている委員としては見過ごすことができないわけなんです。こういうふうな機構の問題はどうなっておりますか。

佐藤朝生総理府総務副長官

○佐藤(朝)政府委員 ただいまお尋ねのございました防衛庁あるいは内政省等の問題につきましては、私どもの方ではこれをやっておりませんので、ちょっとお答えができないのであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 防衛庁を防衛省にするというよりも、機構改革でわれわれに一番関係のあるのは、人事院をあなたたちの一つの部局みたいな格好で縮小する案が機構改革の前にはいつでも唱えられているから、私はそれを聞きたくて申し上げているわけです。人事院の問題を皆さんの方でどういうふうな工合で話題に乗せていられるか、もし機構改革があればあなたの所管のような格好で問題が進んでいくではございませんか。その点はいかがですか。

佐藤朝生総理府総務副長官

○佐藤(朝)政府委員 人事行政機構につきましては、公務員制度調査会の答申にも入っておりますし、この問題についてはわれわれもいろいろと検討しておりますが、現在のところは結論に達しておりません。

石山權作日本社会党

○石山委員 おかしいじゃありませんか。公務員制度の問題、機構改革の問題は、何年来、第一次岸内閣以来の懸案問題なんです。もっと言えば吉田内閣の末期から石橋内閣に続いてきたのです。こういうように懸案の問題で、そうして公務員に対して大へん深刻な影響を与える公務員制度の問題などは投げやりにしていた。そしてだれも念頭に置かないような警職法をぽかっと出してきた。こういう仕組みというものは、政府委員としてはお互いに責任を感じなければいかぬと思うのです。懸案事項は懸案事項で、もっと積極的に問題を進めていただかなければ、一体おれたちはどうなるだろうと、あなたが管轄していられるたくさんの公務員、それに準じて、行政を執行されるだろう特別職、地方公務員の膨大な数の人たちは、どうなるだろうと見ているわけでございましょう。それをどうもたなざらしにしておくようなやり方は、口で公務員の方々を考えているというふうなこととは、だいぶ縁遠いところにあなたたちは往復しているのじゃございませんか。それでは業務上から見ても私は誠意のあるやり方だというふうにはどうしても考えられぬわけです。  では、人事院総裁にお聞きいたしまょう。人事院機構が改組される、今普通いわれている世間の人事院の改組案というものは、現行の人事院の機構をどういうふうに変えられるのか、現在の機構より以上に強化されるのか、それとも現在の機構が縮小される傾向を帯びたような格好で進むのか、あなたはどういうふうにお考えになっておられますか。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 お答えを申し上げますが、私は、何も聞いていないのでございます。それは新聞紙上にいろいろ伝えられておるものもあるように思いますけれども、そういうことは、私は国会においては問題にならぬと思っております。これは私はまだ政府から具体的にどういうふうになるものか、全然聞いておりませんので、ここでそういう仮定を前提としてお答えをいたすことはできかねると思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 どうも淺井総裁は、私たちが淺井先生と申し上げたときは、大へんはっきり物事をおきめになっていただいて大へんありがとうございましたけれども、どうも総裁の席を二度、三度というふうになりますと、だいぶ発言が政治的な要素を帯びてといいますか、ぼやっとつかみどころのないようになさる工夫がだいぶお上手になったように見受けられます。しかしそれは今回の場合はそうではないのじゃないですか。つまり政府からあなたの方にお話しにならぬとは言われていますけれども、一貫して新聞等で報じられている、あるいは自民党の党内の政審で論議されていることは、私のように局外者が見ても一貫して流れている方向じゃございませんか。機構が大きくなるか小さくなるか、一目瞭然としておる。それに目をふさいで、何も話がないから私は仮定をもってお答えするわけにはいかぬ、こういうようにおっしゃっていますけれども、独立されている現行の人事院を総理府の一外局にするとすれば、これは大きくなるか小さくなるか、だれしもわかるはずでしょう。それに目をふさぐということは私はおかしいと思う。ではかりに——かりにということはあなたははなはだいかぬとおっしゃいますけれども、かりに総理府の一外局として成り立ったような場合、御不便を感じませんか。もししいていうならば、今の人事院の機構であなたは御不便を感じておりませんか。完全に給与問題を論じ、あるいは公務員の不公平を上手に、公平にさばいていかれるという任務を持っていられるわけなんですが、そういうふうな意味で、現実の機構だけでも御不便を感じておりませんか。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 一目瞭然と仰せられますけれども、われわれちっとも一目瞭然になっておらないのでございます。私は何も聞いておりませんし、どういう方向に向っていくかということは申し上げられない。それは私は国会で御答弁をいたさなければならぬことでございまするから、そういう仮定の問題に対して一々ここで申し上げることはできない。ただこれだけのことははっきり私どもとして申し上げられる。それは人事院と申しまするものは、現在のままか、あるいは変ったものか、それは存じませんけれども、ともかく公務員から団体交渉権と争議権を取ったかわりにこういう機構があるのだ、ですからこういう機構は必要である、さような信念を私は持っておることだけははっきり申し上げられまするが、具体的にその機構がもっと拡大されるのか、縮小されるのかというような点につきましては、私はまだここで申し上げられる段階ではないと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 仮定のことにはお答えにならない、それは逃げ道の常套手段だというふうに思うのでございます。私国会へ出て五年くらいになりますが、正直に言っては都合が悪いことは何と言うかというと、仮定の御質問ということによって政府委員の方は皆さんいつでも逃げておられるのですが、それでは問題は片づかぬと思うのです。では今の場合、今の機構において、私が先ほどお聞きしたように、人事院の機構はやや完全だと認めておられるかどうか、この点に関してお話を願いたい。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 その完全と仰せられるのはどういう意味か存じませんが、今の機構でもって公務員の、たとえば利益というものが完全に守られているものかどうかということになりますれば、これはいろいろ御批判もあろうかと思っております。われわれも今の機構がこれでもういいものだというふうにも考えられない点もございますけれども、われわれは現在の機構におきまして、官吏の給与に対する問題、また任用に対する問題は、大体の筋は通せるものと考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 完全という言葉がなかなか抽象的でございますから、そういう点にこだわってはいけないでございましょう。今のような機構であればやややっていけるのだ、こういうふうな御意見だろうと思います。十分努力すればかなり完全な方向をたどるだろうというふうに私たちも考えておりますが、私は今の格好がこわされるような、機構がこわされるような、いじられるような場合には、公務員の方々の権限が少からず侵される危惧が存在する、こういうふうな御答弁を私はいただけることと思うのです。そういう危惧がある、不安があるということ、そういう点にも言及なさることはあなたはばかるわけですか。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 そのこわされるという意味でございまするが、これが完全になくなってしまうという意味ならば、これはもちろん御同感に思います。ただそのこわされるという言葉の意味なんでございますけれども、これがどういうふうに変化するのか、その問題だろうと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 最近いろいろな法律がたくさん出るわけでございますが、私たちは新しい国会を迎えるたびごとに、作られる法律がどうもわれわれに権限を付与するという法律よりも、われわれの権限にある種の制約を加えるというふうな法律が数多く出るわけでございます。これは国会のたびごとに私はそういう不安を感じておる。公務員諸君もおそらくそうだろうと私は思う。そうした場合に、自分たちの権限を擁護してくれる人事院が、そのスケールにおいて一つの中立的な、はっきりした権限をば失うような懸念、機構もだいぶ縮小されるような懸念、こういうふうな懸念に対してそんな不安を感じないというならば、人事院当局の御意見は非常にまともな御答弁ではないと思うのです。あまりにも政治的な御答弁だと思う。これは良識的にいえば、たとえば普通許された範囲内の労働運動の一つの団体交渉、こういうようなことを一応考えてみる場合に、それが公務員法に触れるのだ、政治活動であるのだ、こういうふうな認定を下されるわけですね。そうして行政処分が戒告、減給、停職という形で行われるし、もっと強くなればこれが首切りという形で行われてくるわけです。そうした場合に一番初手のよりどころを持つのは、人事院の存在であるわけなんです。その存在が少からず脅かされつつある、こういうことに対して公務員の立場を一番よく知っていられる人事院が少からずのんびりした形で、起きてこなければわからないのだ、国会へその法案が出なければわからないのだというふうにしているのでは、私はどうもそれは解せないと思う。人事院総裁はそういうふうな立場で公務員の問題を処理なさっておるとすれば、給与の査定なども誠心誠意やっておられるかどうかということに私は疑問を持つ。あなたはそうでないとおっしゃるかもしれぬ。でも私はその誠意さにおいてそういう疑問を持たざるを得ない。公平委員会にかけられても、果して公平な立場で公務員の身分が擁護されるかどうかということも、私は少からず懸念を持つ。こういう問題に対してあなたは私に対してどういうふうに説得されますか。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 私は決して不安を感じないと申し上げたこともなければ、のんびりしていると申し上げたこともないのでございます。それは石山さんの御推測であると私は考えております。私は私の立場でものを考えておる。ただはっきり申し上げまするが、この人事院の中立性とか独立性とか申すことは維持しなければならないし、今後も維持せられ得るという見通しを私は持っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 通産省の方来ておりますか。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 来ております。

石山權作日本社会党

○石山委員 最近西ドイツの経済相がおいでになりまして、財界やあるいは一般の労働者に対してかなり注目される発言をしているわけでございます。そのうちで私お聞きしたい点は、今まで私たちが一般の常識論として聞いておることは、日本の品物は高いのだ、品物の品質も悪いのだ、量も少いのだ、だから商売がやりにくい、だからお前たちはもっとうんと働け、こういうふうな言い方で教えられてきておったわけですが、このエアハルト西ドイツ経済相のお話を承わると、どうもわれわれの今まで聞いてきた教科書とはだいぶ異なる。その差は一体どこにあるか、通産省として一つお話を聞かせていただきたいと思います。

大畑哲郎通商産業事務官(通商局通商政策課長)

○大畑説明員 ただいまの御質問につきまして御説明いたします。西独の経済相が、日本品は安い、その原因は低賃金にあるのじゃないかというようなことをこちらへ来まして申したようでありますが、第一に日本の輸出商品の中で国際的に見て安いというものは、わが国の輸出商品のせいぜい半分でございます。あとの半分は大体国際的にもまだ非常に高い値段でございまして、むしろ私どもとしてはその価格の引き下げに努力しなければならぬという点が多々ある商品でございます。たとえば東南アジア方面へ機械とか鉄鋼製品、あるいは化学肥料を出します場合には、幾たびかドイツとの競争で負けている点もございます。またことに化学肥料のごとく製造方法も相当違う、また製造に使います原料関係でもかなり外国とは条件の違うものでございますと、これは相当の輸送費を考慮に入れましても、いまだに価格で負けるという点の問題が多々起きております。さらに機械その他につきまして、最近日本側といたしましても経済協力というような問題で、機械その他の重工業製品を出そうということになりますと、この点でも欧米諸国の商品には競争するのにかなり苦しさを感じておる次第でございます。従いまして何か日本の商品が全部安くて、その原因が国内的にあるのじゃないかという点につきましては、少くとも半分の重化学工業製品につきましては当っておりませんし、今後もさらに値下げのたのに努力しなければならぬ問題が多々あると考えます。しかしながらあと半分の繊維製品を中心にいたしました軽工業の製品につきましては、確かに日本の製品が安うございます。そうしてこれがあるいはアメリカのマーケット、あるいはヨーロッパのマーケットに参りましていろいろ問題を起しておりますことは、これは事実でございます。ドイツの経済相が特に問題にいたしました点は、おそらくこういう繊維を中心にした軽工業品におもに問題があったものと考えます。  しからば日本の繊維製品あるいは軽工業品等が欧米のマーケットに行きましたときに、なぜ向うの製品よりも安いかという問題になるわけでございますが、第一にこの安い原因の最大の問題、そうして私どもが今一番問題にしております点は、むしろ輸出商社間の激し過ぎる競争、通常過当競争といわれておりますが、あの激しい競争の結果、かなり必要以上の値引きをして競争をしておるという点が非常に多うございます。外国の製品に比べましてわが国の商品を若干安く持ち込むということは、相手国のマーケットに入ります場合にやむを得ないかと思いますが、それ以上に、必要以上に日本人同志の商社の競争から値下げをしておるという問題が多々起きて参りました。最近私どもといたしましても、この日本人間の妙な過当競争をどうしたら防止できるかという点にむしろ問題があると思います。値段が安過ぎるという第一の原因は、私どもは今の貿易商社側の激し過ぎる競争という点がまず最大の原因と考えております。  しかしながら同時にそのコストの点においても、日本の軽工業品は確かに安いということも、これまた事実でございます。その原因の第一は、紡績工業等につきましては、すでに日本の紡績工業の生産性が、欧米諸国のものに比べましてはるかに高いという点もございます。先ほども申し上げましたような重化学工業製品のようなものにおきましては、いまだに外国と競争するに足る十分の——技術的に生産性が高いという点ではなおまだ劣っている点もございますし、また原料関係で非常に不利な点もございますが、この軽工業品の中心の繊維製品につきましては、第一に生産性が非常に高い、むしろその生産技術の点において、欧米諸国に比べまして日本の方が高いという点も一つであることは事実でございます。  第二に労賃の問題でございますが、一般的に日本の工業製品の労賃が欧米諸国に比べて安いか高いかという問題になりますと、統計に表われております貨幣で表わしました賃金の比較表から申しますと、これは確かに安うございます。参考までに私どもで調べております国際連合で出しております各国の労賃の比較をざっと申し上げますと、大体日本の工業労働者の賃金平均はほぼ一万九千円から二万円という程度でございますが、アメリカの労働者の平均賃金は月約十四万円、また西独は約三万四千円、それからイギリスが約五万円程度という数字が推定されます。この国際機関から出しております統計によりますと、日本の場合は月額の給与額が出ておりますが、その他の国の労賃のところは時間給で、かつその国の通貨単位で表示しておりますので、それを私どもの方で概算いたしますと、今申し上げましたような賃金の差が出て参ります。この貨幣の金額単位で表わしましたこういう統計から見ますと、たとえばドイツが三万円以上の平均になっておりますのに対して、日本が一万九千円前後ということになりますと、これは確かに安いという姿は出てくるわけでございます。従いましてこういう統計から申しますと安いのじゃないかという問題ははっきり表われて参ります。また生活水準から申しましても、現に日本の労働者の生活水準が、西独などの労働者の生活水準に比べまして決して高いとは言えないことは、まず大体のところ常識と考えますが、しかし貨幣で表わしました名目賃金を比較いたしまして、直ちに労賃が八分の一じゃないか、あるいは半分じゃないかということを申しますには、いろいろ問題がございます。たとえば労働者の年令層、年令構成がどうなっているかという点も一つの問題でございまして、欧米諸国で特に軽工業的な産業は、どちらかと申しますともう新しい若い者がなかなか入っていかない、長年それをやっておりましたむしろ中年を過ぎた労働者層が相当多い。これに対しましてわが国の繊維産業をとりますと、むしろ平均年令層は非常に若いというような点から、その賃金差額があるという問題も考慮しなければならないかと存じます。  また貨幣の単位で表わしました賃金で比較いたしました場合に、もう一つ注意しなければならぬことは、物価の関係でございます。現在貨幣賃金を比較いたしますときは、それぞれその国の現地通貨で表わしましたものを公定価格レートで大体換算いたしまして、そして比較いたすわけでありますが、かりにアメリカの場合でちょっと電話をかけますとすぐに十セント、つまり三十六円取られるわけです。日本でかけますと十円です。またアメリカで床屋へ行きますとすぐ一ドル五十セントくらいは取られる。従いまして円に直しますと約五百円近い金になるわけであります。同じ頭を刈るのに、日本でそれだけのサービスを受けますのには百円か百五十円で済むというような違いもございまして、貨幣の統計でとりました賃金をただ比較いたしまして、そしてやれ八分の一だ、やれ二分の一だと言いますのは、さらに今申し上げましたようないろいろの条件を考慮に入れなければならぬ。また貨幣賃金を渡すだけで工員に対して福利的な施設をほとんど認めていないような賃金制度をとっております国と、寄宿舎その他も相当作り、医療施設も作り、貨幣賃金で毎月月給として渡しますものは必ずしも多くなくても、その他の点でいろいろな福利施設を講じるというような、給与形式をとっております場所でございますと、こういうものもある程度計算に入れなければならないのでございますが、大体表われて参りますところは、概してこういう福利施設的なものは統計にはなかなか表われて参りませんので、こういうところも入れて、賃金の差額を考えますときには、比較検討しなければならぬというように考えております。従いまして……     〔石山委員「委員長、説明者は私がお聞きしていること以外をたくさん説明している。私は賃金のことはわかっているのだ、私の質問した点だけを……」と呼ぶ〕

内海安吉自由民主党

○内海委員長 説明者に御注意申し上げます。質問された範囲内の答弁を願います。

石山權作日本社会党

○石山委員 おそらくあなたの意図の中には、今度の独禁法を緩和して輸出カルテルをやるのだ、これを含んでいながら説明なさっていると思うのです。いわゆる業者間が不当に競争するために特別に値段が下る、私はもちろんあると思います。ないというふうには考えておりません。私も一ぺん外国へ行ったとき、西ドイツの人からそういうことを言われました。あなたの方ではちょっと値段がきめられないのだ、前の日来た業者と続いて三日くらいして来た業者との入札の仕方、談合の仕方が違うので、一ぺんにきめられない、そういうような苦情を漏らした方もあったのです。そういうことは私はあると思います。しかし実際はそういう業者間の競争による、過度の競争による値段の引き下げももちろんあるわけなんです。だけれどもそうじゃないと思う。西ドイツの経済相のおっしゃるのは、ほんとうの意味の物資の値段の問題をさしているのではないか。ここにあなたの御説明を聞いておりますと、軽工業の方は国内コストから見て非常に安いのだが、重工業になりますとそういうわけにはいかぬだろう、こういうようにおっしゃっているわけなんです。しかし私の方で、これは結果論だけを指摘しているわけではないのですが、あなたはずっと通産省においでになって、なぜこういうふうなアンバランスの結果が出たかということはわかっているだろう。過剰投資をした場合に皆さんは黙って見ていたではありませんか。軽工業の場合はどういうことをやったか。品質の向上もやらなかった。ただ機械のワクをふやした。これが今の過剰の現われです。重工業の場合は、これは戦争によって非常にいためたものですから、投資が割合に新しい生産性の高い設備投資になって現われた。しかしこれは充実するところまでいかないから、どうしても高くならざるを得ないというのが私は現実だと思います。ただここで私たちが問題にしたい点は、皆さんの方から言われているコストという問題と労賃ということと、言うところの生産性が見合っていないということを強調されて、外国製品と比べると高いのだ、私はそういうふうに言われることが心外なんです。労働者の責任、働く者だけの責任によって、外国市場に出した場合に日本の製品が高い、そういうことではないと思うのです。私はそれをあなたから聞きたかった。たとえば日本の場合には利子が高いという点もあったでしょう。過剰投資をしたアンバランスということももちろんあったでしょう。ガット三十五条を忘れてもいかぬでしょう。しかしそういうことを抜きにしてあなたが賃金を比較されるということは、むしろ私の方から言えば逆なんで、賃金なんかじゃないのだ。賃金の内容なら逆に私の方から御説明申し上げたいぐらいなんです。賃金の占める位置のみによって、重工業製品を外国製品と見比べて論断されるのは心外なんです。高い理由は賃金にもあるかもしれぬけれども、生産性向上にもあるかもしれぬけれども、まだあるはずなんです。それをあなたからお聞きしたかった。

大畑哲郎通商産業事務官(通商局通商政策課長)

○大畑説明員 先ほど申し上げましたたとえば重工業製品について、価格が国際的に日本のものがまだ割高だ、その原因は何かといいましたときに、私どもはもちろん労賃のことを考えておったわけでございません。むしろ鉄鋼製品のごとき遠くから鉱石を引き、また遠くから原料の炭を買ってこなければならないというような、非常に資源的な弱点を日本の産業は持っているということも第一の原因でございます。また第二に生産設備、生産技術という点におきまして、諸外国に比べて必ずしもまだ十分でない点もあるという点もまた一つございます。おそらく重工業製品の労働者の労賃を日本と諸外国と比べましたときに、まだ日本の方が安いということは事実であります。決して日本の重工業労働者の労賃が高いために、重工業製品が高いというようなことはあるまいと思います。むしろ資源的な問題、技術の発達の問題、そういう点に多分の原因があると存じます。

石山權作日本社会党

○石山委員 たとえば重工製品が外国と比べて高い。これは西ドイツを考えれば、安くならなければならぬわけです。なぜかというと、重工業は今度の戦争で壊滅に瀕したでしょう。これは西ドイツと条件は同じなんです。向うの国の形態、日本のように細長い国の形態、石炭と鉄と電力との関係等を見れば同一条件ではないことはわかるわけだけれども、私はかなり同じような格好で問題が進めていかれたと思う。それをそう進めていかれないところに、変な、吉田内閣時代からの春の風が吹けば春の装いをすればよろしい、夏の風が吹いたら重ね着を取ればよろしいといった、そんな格好で経済政策をやるのがほんとうの生きた経済政策だというふうに、大幅なみえを切った時代がある。その通りやった結果が今でしょう。そのときに社会党のわれわれみたいなものでも、そういうやり方ではおくれますよと、そのとき皆さんに宣言した。官僚統制でもいいのじゃないか、一つがんばってやろうじゃないかと言ったのが聞き入れられなかったわけです。その結果現われたのは何です。軽工業をばいたずらに機械の数をふやして、今度はその機械を一つ二万五千円で買えとか二万円で買えとか言ってきているでしょう。そういうやり方ってないでしょう。幾ら自由競争であろうが何であろうが、ロスをしてもいいという企業はないはずです。実際にロスができておる。もしかりに紙パルプ、繊維工場その他の過剰投資をば防いでこれを少しこっちに向けたらどうですか。電力なんか、今困らなくて済んだわけでしょう。鉄だってもっと安くできたわけなんです。そういうことを放任しておいて、結果論から見て、重工業が高いからもっと工夫しなければならぬと言う。工夫しなければならぬという中身に、何ら責任のない勤労者、中小企業者にまでしわ寄せされるというのが、今度の輸出カルテルの独禁法緩和の問題でしょう。あなた方のやった不手ぎわを独禁法緩和に持ってきているじゃありませんか。それが今度中小企業に対して、来年の選挙に困るものだから、小売商業調整法といいましたか、これを出すという。そういたしますと今度しわ寄せされるのはどこかというと、生活協同組合、消費組合、共済組合、こういうふうなところへしわ寄せをしてきて、何も責任のない消費者である勤労者の一人一人が、うっかりすると高いもの、そうでなければ品質の落ちた品物を買わされるというはめになっていくのじゃございませんか。そういう点から見ますと、私は西独の経済相が言っていたことは、大へんにこれは薬になったと思う。まああとでいろいろおえら方にお話ししたら、経団連の方々があまり渋い顔をしていたので、これは言い直したそうですね。私は学者だから学説を一応述べただけだぐらいなことで言葉を濁したそうですけれども、渋い顔をした。もちろん渋い顔をするのは当りまえだから渋い顔をしたのでしょうが、特にあなた方にお聞きしたい点は、これはあなたの方の政策だからあなたにも関係があるでしょうが、それは国内市場の開拓ということです。これは賃金と非常に関係のある問題だ。あなたは賃金がいわゆる額面的な問題によって比較はできないとおっしゃった。その通りだと思う。ただ単に二割、三割なら、額面的な問題によって比較をしてはいかぬと思うのですが、あるいは五割、もっと多く二倍、三倍、こうなったら実際からいうと為替レートの問題ではないのですね。為替レートの問題の内容がどうであるとかこうであるとかいうような問題ではなく、やはり為替レートの表われた面で比較しても、われわれの賃金が低いということは十分御了解できるわけなんです。エアハルト経済相のお話の中で、国内の購買力をふやせ、こうおっしゃっていますね。これは私たちが去年から言っている。いわゆるこの不況対策としては、国内市場の開拓をしてこの不況をば切り抜けるべきだ。まあ不況でないそうですけれども、われわれは不況だと考えておるので、一応これを切り抜けるべきだ、そう言っておった。そのためには一般の購買力をそそるために、まず第一に一番の消費者である勤労者の賃金を引き上げるべきだということを、前々から私たちは提案しておるわけなんです。今度もこういうふうな場合、やはり私たちはこのエアハルトさんの忠告を受け入れる必要があるのではないか。不況であれば、あるいは経済の基調をなすものは、何と申しても国内市場の開拓にある、安定した購買力にあるということは、これはいなめないわけなんです。その点ではいかがでございますか。

大畑哲郎通商産業事務官(通商局通商政策課長)

○大畑説明員 ただいまの御質問の問題、非常に大きい問題でございまして、私がここで御説明いたすのは適当かどうか存じませんが、私ども通商関係の仕事をしております者といたしまして、このことだけは申し上げられると思います。やはり国内的に大きなマーケットを持ち需要を持っていないような商品は、輸出商品としても非常に弱い商品でございまして、ある意味では輸出を伸ばすためには、国内の需要もその商品に対して広がるということが非常に大事な問題だということは、私どもも非常に痛感いたしております。もちろんたとえば戦後のイギリスのように、国内でのウィスキーの飲み方を減らして、むしろこれを押えまして輸出に振り向けたというようなことも一時的にはございますけれども、やはり一つの産業が一般的に相当安定した基礎を持つというためには、国内のマーケットが何と申しましても非常に重要なマーケットでございます。そのマーケットが広くないと、同時に輸出の問題につきましても、コストを切り下げる、あるいはいい商品を出すということも非常にむずかしくなるということは、私ども日ごろ痛感している次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 私は通産省の方に外国の貿易とそれの値段、それにおける賃金の問題等を聞きまして、今度は国内的の問題として労働省の方にお聞きするわけですが、いわゆる生産性に見合った労働賃金ですね。生産性などと言うと、あなたが喜び過ぎると困りますから、正当な代価としての生産に対する賃金と言っておきましょう。こういうふうなものは見合っているかいないか。少し抽象論になるかもしれませんが、私たちは見合っていないと思うのです。生産をかなり高くしているにもかかわらず賃金はそれに見合っていない、こういうふうに考えているのですが、どうでしょうか。

大島清労働事務官(大臣官房労働統計調査部長)

○大島説明員 賃金と生産性ないし生産との見合いの問題ですが、御承知の通り賃金と生産性を対比してみます場合には、単に短期間をとって昨年からことしというふうに見ますれば、これは必ずしも対応していません。それから一つの企業ないしは一つの産業というものの生産性と賃金水準を比較いたしましても、対比がはなはだ困難である。従って生産性と賃金水準との対比を考えます場合には、やはり長期的に考えるということと、それからなるべく広範に、国民経済全般と申しますか、そういうふうな関連において考えますことが必要なことは御承知の通りなんでございます。従いましてそういうふうな長期的ないしは全般的な賃金水準と生産性との関連を考えます場合におきましては、戦前を基準にいたしまして、あるいは戦後のしかるべき平常な経済状態というものを想定いたしまして、その後の上昇率を見ますれば、まず大体においてはしかるべき調和がとれておるのじゃないかと私どもは見ております。

石山權作日本社会党

○石山委員 しかるべき見合いだというと、しかるべきは、戦前の昭和十一年、十二年と引き比べてでございますか。

大島清労働事務官(大臣官房労働統計調査部長)

○大島説明員 生産性と賃金水準がどういうふうな形において関連すれば坪当なのか、あるいはいいのかという点は非常にむずかしい点であります。しかしこれが生産性をこえて賃金が上るということになりますと、例のコスト・インフレの問題が生じましょうし、またあまり低過ぎてもこれは問題だということでありまして、結局理論的に申しますれば、生産性の結果というものは、一つには賃金にいき、一つには利潤にいき、一つには物価の低落という形になっていく。この三者への生産性の結果の配分が、長期的には均衡がとれるというのが、理論的にはしかるべき姿であろうかと思うのですが、現実的にそれでは賃金水準と生産性とがどういうふうな数字的な一致を示すべきかという点になれば、ちょっとこれは一がいに申し上げるのは困難であろうかと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 大島さんとは、ほんとうはもっとこの問題について論議する必要が、公務員の給与の場合には必要なわけなんです。ということは、公務員給与は民間の給与を土台にしてやってきているものですから、今のような御説明だけでは、なかなかすぐいいとか悪いとかということも決定しかねます。ただ一つだけ私ここで言いたい点は、経済企画庁から昭和三十年までの国富調査を出しておる。国の富、いわゆる賃金、というより生産性の問題と貸本の効率、こういうような問題を比較した資料を私は見たのでございますが、この昭和三十三年までの経済企画庁の国の富を推算したのを見ますと、二十兆三千億、それがやはり戦前に引き比べられるわけですが、戦前に引き比べますと幾らぐらいであったか、そうしますと、これが日本の富は二十一兆だというふうになっております。三十年の今日は今申しましたように二十兆三千億であるわけですが、その間われわれは大戦争をやったわけですね。その失った被害金額を六兆円というふうに推定しているわけです。そうしますと、これらを引き比べてみますと、戦前における、言うところの資本効率、資本の係数というものは変ってきているということなんです。戦前、昭和十一年には、これが四・八だと言っておる。それが最近の経済企画庁の資料から推算すると、二・八に変化をしていると言っているわけです。二・八ということは、私は諸外国のことはあまり知りませんけれども、非常に生産性の高いといわれるアメリカに次ぐものだ、アメリカの水準に近づいておるものだというふうに、この本を書いた人は言っておるわけです。そして言葉を継いで言っているのには、このことは日本人がうんと働いて、非常な急ピッチで、いわゆる六兆円の戦争の被害を埋め、あまつさえ相当な蓄積をなした、こういうことを言っているわけです。そして特にこの資本の効率が大きく変化した、四・八から二・八というように変化をしていったということは、いわゆる生産性よりも賃金が低いからこういうことが可能であった、こういうようにこの学者は言っておるわけです。そうするとあなたのやや見合っているということは、この学者——私の信頼する学者なんですが、この学者の推定から見ると、はなはだ懸隔があると思うのです。戦前は四・八の資本係数が今度の二・八なんです。ですから見合うとするならばおかしい。見合わぬ、生産性と賃金と見合わぬということは証明されておるわけです。うんと働いて蓄積をさせたけれども、それに見合ったところの賃金の配分はなかったということの証明なんです。これはあなたはうそだとは言えないと思う。これはあなたの方の同じ仲間のお役所で出した国の富です。国の富でもいろいろで、大蔵省では立木として勘定するところを、影色がいいので観光というふうに見れば、これまた評価の仕方も違ってくると思います。普通の杉丸太では勘定できないかもしれませんが、しかしおおむね近代化されたやり方によって同じ態度でやってもこの係数が出てくるわけでありますから、そんなに誤差はないわけなんです。そうすると何と申してもその表われた四・八と二・八の資本の効率ということを見ますると、不当という言葉が妥当かどうか知りませんけれども、かなりな程度において、賃金が押えられていた。うんと生産性を上げてもうけさせたのに比例しないで、賃金が低かったという問題になるわけでございます。これを私は一つ前提として、今度通常国会あたりにあなたとじっくりこの問題について討論したいと思います。きょうはその時間がないので、私は差し控えたいと思います。  次に大蔵省の岸本給与課長に質問いたしますが、今度の政府が提案された年末の期末手当、これをば各省の持っている予備費でまかなうというが、あなたの方では各省の実働人員、各省の持っているところの実際に支払わるべき金額というものが検討を終りましたか。

岸本晋大蔵事務官(主計局給与課長)

○岸本説明員 ただいま資料の持ち合せがございませんが、人件費といたしましての余裕金は大体各省から御報告いただきました。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうしますと総額において十一億円、これは政府が考えているような格好で、人件費の節約等によってまかなうことが可能なのでございますか。

岸本晋大蔵事務官(主計局給与課長)

○岸本説明員 今回の法案を実施するに必要な最小限のものは、どうやら出て参っておるようであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 これはあなたの管轄になるかどうか知りませんけれども、全般の政府予算を調べるとき、いつもあなたの方でおやりになっておるわけですが、今の地方公務員、あるいは特別会計の職員、それも大体よろしゅうございますか。

岸本晋大蔵事務官(主計局給与課長)

○岸本説明員 特別会計も今回の〇・一、この程度の金は大体ございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 こまかい資料をお持ちでないようでございますが、これは一つ実働の人員を各省別に区別していただいて、金額を添えまして、資料として委員会に出していただきたいと思います。このことをなぜ私は言いますかと申しますと、佐藤政府委員は言い方が私にすれば非常に簡単に考えていられるのです。私は簡単でない問題だと思っているものですから、〇・一カ月をばあなたたちに今回は増額してあげますよと政府はいかにも恩恵的なことを言っておられるが、あまり無理した格好で人件費を節約されるとすれば、当然公務員の方が超過勤務その他で取得し得る金額をば格好を変えて今度の期末手当をいただいた、こういう格好になる、それであってはいかないものですから、わずか〇・一カ月分でございますから、特に私は政府に、何か上げますよといばられたくない。一カ月も増してくれるというなら、少しくらいのことは目をつぶってありがとうございましたと言うけれども、〇・一カ月なのです。しかもそれが自分たちの取り前である人件費の節約等によって補われるとするならば、何らあなたたちにお礼申し上げる必要はないと思うのですから、社会党はそれではいかぬ、政府に少しいばらせるためにはもっと増額をしなければならぬというので、あとで私の方の受田委員からやがて修正の御意見を申し上げる予定でございますけれども、その点を考えているものですから、あなたにこまかい資料を出していただいて、私の方で資料によって検討したいと思います。

岸本晋大蔵事務官(主計局給与課長)

○岸本説明員 ただいまの御質問の点は、職員に対して何か本来渡るべきものを渡さないでこっちへ回すのだ、いわゆる朝三暮四的なことをやっているのだという御懸念でございますが、そうではございませんで、各省の報告でも超勤というものは余りがないという報告になっております。従いまして事務的に計上した金であって、欠員とか、そうした新陳代謝の関係で必然的に余って参ります。このものが〇・一、われわれが調査いたします場合にもそういう前提で調査いたしております。不当な不利益を職員にしいるというような予算の捻出ではございませんので、御了承いただきたいと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうしますとたとえば毎年一割なら一割死亡するのだ、五分なら五分職を離れるのだ、そういう統計がきちんと出ていて、もしかりにあなたの方で予備費を取っていられるとするならば、これはネコババみたいなものだ、隠し財源を持っているようなものだ。こんなやり方ではあまり正確なことではないと思う。もしほんとうに国会が年に一カ月しか開かれないというならばやむを得ないけれども、現在のようにしょっちゅう国会が開かれているとするならば、補正を組むことは何らはばからないわけなのです。ですからそういうふうに自然に増減があるということは、きちんと最初の予算を組むべきなのだ。それを隠し金にするような予算を組んでおいて、何か事があればそれによって補うのだ。それはこそくなやり方とは思いませんか。私なら正確な予算を組んで、だれが見てもわかりやすいような——足し算、引き算をするにはそういうやり方はいかぬと思うのですが、どういうわけなのですか。

岸本晋大蔵事務官(主計局給与課長)

○岸本説明員 何か隠し金がある、そういう組み方ではもちろんございませんで、話が技術的になりまして恐縮と存じますので申し上げなかったのですか、俸給とか諸給与というものはすべてまず定員で計上してございます。それだけの定員は必ず各省一ぱいに置くであろうという前提でおります。現実問題としましては、必ずしも定員通りお置きになっておりませんので、その欠員分の財源は当然出て参ります。新陳代謝の関係で古い人はやめられて新しい方が入ってくる、その給料差がございます。その分がやはり一応定員を前提に組んであります差として出て参るわけであります。そのほか扶養手当とか地域給のような実際の実績で組んでおる分がございますが、実績の見通しは、ことに子供が何人生まれるかとかいう推定はそう確実に参るものではございませんので、そうした実績を基礎にして計上いたす分にも過不足が出て参ります。公務災害補償とか、共済負担金だとか、そうしたものでございます。そういう予算計上の技術として特にごまかしはむろんないわけでございます。そうした定員というものを前提として組んでございます。一年間の人事の実行上どうしてもある程度の余裕が出て参るわけでございます。それを引き当てに今回は実施いたしたい、かように考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 どうも私らはあまり予算を組んだり予算を見ることが得意でないかもしれません。しかしどうもふに落ちない点が多いのでございます。簡単でいいですから郵政省の人事の関係の方にお聞きしたいと思いますが、郵政省ではどういうふうに実例をあげて説明できますか。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○廣瀬政府委員 まことに重要な問題でございますが、数字にわたりますので、所管の課長が参っておりませんからあとで資料を提出いたします。

石山權作日本社会党

○石山委員 私は実際から言いますよ。給与課長、実際からいえば、私たちの欲望はほんとうは〇・一カ月分の十一億という金を出して見せればこそ、初めて納得できるわけです。それでこそ初めて政府が公務員の方々に向いて上げますよと言えるのです。予算のワクの中から出したり入れたりする。私は口が悪いからなにですが、それではちっとも上げたという格好ではない。ですから私はあなたにこまかい資料を出していただきたい。あとで郵政問題がありますから、そのとき人事課長等から聞きましてこの問題を片づけたいと思います。  最後に佐藤政府委員にお聞きしますが、私少し手間をかけまして、通産省の方あるいは労働省の方をお呼びしたということは、日本の賃金というものは高いものではないということをあなたに聞いていただきたかった。私とあなたでは——あなたはどうも当りまえだ、社会党は高いことを言うのは当り前だ、こんなふうに誤解して聞かれる心配があったものですから、同じ仲間である他の官庁の方々の権威のある証言を得たかった。おのおの権威のある証言をいただいたわけですが、諸外国に比べても日本の賃金は安いということ、それから国内的に見ても、日本の産業の生産性から見て賃金が大へんに低いということも証明された。その低い日本の民間賃金の上に、しかも今度のものは初任給その他を含めて四%足りなくしておる。それから期末手当もその格好で民間よりも低い勧告をしておるわけです。低い上になおさら低い。それで公務員の規律を皆さんの方では強調なさる。低い賃金の基礎に立って、それよりも低い公務員の給与なんです。人事院では五十人未満とか、三十人未満を対象にしないで、五十人以上の事業場をば対象にしたのだから、かなりいいというようなのがれ答弁をあるいは参事官から補足的になされるかもしれません。しかし皆さんが官公吏に対しての義務の点に関しますと非常に強い。ことに給与に見合わないようなやり方で義務ということを強調されるわけなんです。ここでやはり話を出したい点は、義務ばかりを強調されている反面に、それに償うような相対的な権利があるはずだ。それが公務員の場合には団結権の自由というふうなことはかなりにそこなわれておる。団体交渉権もその通り、そのために人事院などがあっていろいろと工夫をこらしていると思うのですが、そういう点ではやはり賃金がかなりの位置を占めて、勧告の趣旨をば十分に生かすという態度が必要なんだ。けれどもこの勧告の態度は、初任給、大学の場合は千円、高校の場合は四百円、短大の場合も四百円とかいうふうな格好で出した。そのものでさえも出すのか出さないのか、ことしの四月分にさかのぼるのか、七月分にさかのぼるのか、それとも来年の四月しか出さないのか、そんなことも検討中だというふうにおっしゃる。これでは、郵政次官がおいでになるから特に言いますが、何かちょっと問題を起すとあなたの方で今回のあれだ。あの処分を見ますと、停職何カ月と簡単にやっておる。それではどうもおかしいのじゃないですか。与えるものは与えて義務を果せというならそれはわかる。よくもあなたの方ではあんな処分をいたしました。勧告を何にも果さない。勧告を果して、それをちゃんと今度の臨時国会において予算化して、おれの方は義務を果した、それにもかかわらずお前たちはどうだ、違法を行う、けしからぬ、公務員法違反だ、減給だ、停職だ。これは罰の重い軽いは別として、ある意味では結論として筋は通るかもしれない。しかしやるものを何にもやらないで、そっちの方は研究中、なるべく早くしかるべく取り扱う、善処します、何ぼ並べたってその言葉は同じことでしょう。そんな言葉はちっとも筋が通りません。そうして義務の方、処分の方はすぱすぱ間髪を入れずやる。警職法もあるから間髪を入れたかもしれませんが、はなはだこのやり方はおかしい。特に聞いていただきたい点は、きのう私たち予算委員会に行って岸さんの御意見を聞いていると、非常に変な気分になる。たとえば憲法を守らなければならぬという義務が、ちゃんと憲法に規定されているわけです。特に大臣とか政務次官とか、そういう方は憲法を大事にしなければならぬし、擁護しなければならぬ、十分に尊重しなければならぬ義務がある。その人が、私は憲法改正論者だと言う。しかしそれは個人の意思だと言っている。だから公務員の方々が、たとえば今のような公務員法は悪法である、悪法であるから反対だ。——議政壇上で総理大臣が高いところでしゃべっていると何ら違反でない、公務員の人たちが道路でこの法律は反対だと言うと、警官が来てひっくくってしまう。ところが聞いていて、ちょっと錯覚を起す。上の人は、たとえばそんなことは抽象論だと言うかもしれぬ。上の人は汚職なんか起してみせておる。グラマンの問題なんか見ても、大蔵省の主計官でございましたか、何か参考人に呼ばれていろいろなことを言われておる。上の人たちがああいうことをやっていて、そうして普通の公務員は、今の人事院の出している給与体系は係長待遇で終ってしまう、こういうような頭打ちのような体系の場合に、一方的な義務だけを非常に強く追及されて、裏打ちをなさらないという政府のやり方は、私はどうしても納得できないわけなんです。私はこの前も申し上げましたように、今度の人事院の勧告に賛成するものではないのでございますけれども、人事院の勧告の取扱い方について政府はもっと積極的にやる。この前もお聞きしたのですが、めどをどこにおつけになるかということをまだあなたは御答弁できないわけですが、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

佐藤朝生総理府総務副長官

○佐藤(朝)政府委員 お答えいたします。先日から申し上げております通りに、〇・一の年末手当の増額については、今回の臨時国会におきまして給与法の改正案も出しました。その他の勧告の部分につきましては、財政上いろいろ影響するところが大きいし、来年度以降の予算に問題がございますので、今回は決定を見ておりませんが、人事院の勧告を十分尊重いたしましてやっていきたいと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 勧告そのものが私らに言わせればはなはだ内容に乏しくして、しかも最終的な決定力を発揮すべき施行期日などを明記しない勧告案、それを受け取った政府の方でもどうもはっきりしないということになりますれば、私たちとしては話の持っていきようがないじゃありませんか。国会の中でこんなに一時間も二時間も論議しても、話の持っていき場がない。だから、団交権を持たない公務員の諸君は、政府のやり方に対しては実際あぜんとしていると私は思う。このあぜんとしている公務員の方々をつかまえていろいろなことをおっしゃっても、これはなかなか通用しないと思う。通用しないで、何かちょっと起すと綱紀の粛正だ、公務員法違反だ。これは人を使う道を非常に知らないやり方だと私は思う。大体日本人というものは権力に対しては非常にこれを尊重する方だ。尊重するというより恐怖を感じている。そういう性格を持っておる日本人であり、公務員である。その公務員の方々が上司の命令になかなか服しないということは、上司自身の日常の態度が非常に不明朗だということ、それと同時に賃金問題の解決がつかないというところに、公務員の方々の行き過ぎというような新聞時評なども時にたまさか出るのでございますけれども、そういうことが結局災いをしているのじゃないかというふうに思うのでございます。私たちが望むことは、やはりいい、りっぱな公務員になっていただきたいのでございますから、そのためには、政府がしょっちゅう言うところの権利と義務ということをば、まず政府みずからお示しになったらよろしいではございませんか。  松野長官に問います。あなたの方の前の石田労働大臣の時代から言っているのですが、権利と義務はお互い果しっこにしましょう、こういうふうに言っておった。お互いにちゃんと約束を履行しよう、こう言っておった。けれどもあなたの代になってから、何だか約束の方、義務はうんと公務員に言っている。先ほども郵政次官がおいでになったので私はいやみを言ったのですが、公務員とかそういうふうなものの義務の面ではばんばん片っ端から間を置かずして求められていて、求めても言うことを聞かないから行政処分をしたわけです。六カ月という停職などをしたわけなんです。けれども七月十六日に人事院があなたの方に勧告されたのは、あなたの部下である佐藤政府委員はさっぱりはっきりした答弁をなされない。研究中だ、検討中だ、十分に人事院の勧告を尊重する、なるべく早くとか、しかるべくという言葉をたくさん並べているが、結局わからぬということなんです。今の段階からいえば、松野さんは大へんうまいことをおっしゃっているけれども、約束を果す意思があるかないかということをさっきから疑っているのです。あなたはいなかったからわからぬけれども、政府の言うことなんか当てにならぬということを私は言っているのです。だからあなたはほんとうに約束を果すという気持はおありだろうと思うのです。まずその果すということを言って下さい。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 石山さんの御意見にお言葉を返すわけではありませんが、私の方が公務員に対して権利をあるいは義務を強要したことはございません。法律ですから、これはあえて私とか政府とかいうのではなく、対等の意味で、政府も守らなければいけない、それに従う公務員の方も守らなければいけないというのであって、何れも敵、味方というのではありませんし、私がたまたまこちらの席にすわっているからといって、私に利害は何もないのです。私も被害者のり一部であり、また権利者の一部ですから、これは法律ですからどちらがどうということはないということを、一応石山さんの言葉にお答えをしておきます。  なお本論の人事院勧告ですけれども、人事院勧告は七月にいただきまして以来尊重する方針でおりますので、さっそくその一番身近な例として今回の問題を取り上げたわけであります。来年はどうするかというお話になりましょうが、来年も人事院勧告の線に沿って今回の予算編成も全面実施するつもりで予算編成に当るということでありまして、私は非常に明確だと思うのです。しかしこれは予算編成前に、来年の予算もきめるのだということは何人も言えないことでありますから、私の方は予算編成においては来年度のものは当前その編成方針に組み入れるようにするのだということ以上は私は言えないと思います。さしあたり十二月はどうだ、期日がないぞとおっしゃいますから、十二月分は今回提案いたしました。これが一番明確ではないだろうか、私は非常に明確だと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 だから私は長官に、早く出ていらっしゃいと何べんもお願いしたのです。私が今まで二日も三日も、きょうだって相当な時間になるが、口をすっぱくして、口がねばねばするほどしゃべっている。それをあなたは聞いていないのです。聞いていないからそんなことをしゃあしゃあと言っているのです。大体人事院の勧告の内容がなっていないということです。人事院が来年やれということはどこにも書いてないじゃありませんか。それをあなたは来年やるとおっしゃるでしょう。人事院勧告には来年やりなさいと何も書いてありません。しかし人事院の資料は今年の三月末日を資料として収集したということは確かなんです。だから人事院の資料あるいは人事院の勧告を尊重するということは、今年の四月にさかのぼるということが、第一に人事院の意見を尊重するという建前なんです。内容のいい悪いは別です。形式的にそういうことが言えると思う。それは来年やるということは来年の四月からという意味ですか。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 人事院の勧告の是非論は、残念ながら私としては何とも言えません。人事院の勧告に対して尊重する以外今日私の方の法制上はできません。同時に人事院勧告も何月からやれということはございませんが、なるべくすみやかにやれという御趣旨だということは明確なんです。一番すみやかなのは何だといえば、今度の十二月の期末手当だ、こう解釈する以外にない。四月にさかのぼってというならば、四月にさかのぼってという明文がなければ、七月の勧告ですから、おそらくそういう法制上のとり方は無理ではなかろうか。従って七月にいただきまして、直ちにその日からこの趣旨を尊重すべきだというので作業いたしましたのが今日でありまして、当然期末手当を尊重いたしました以上、来年の四月からの基準についてもこれを尊重することに変りはございません。  なお私はたびたびお呼び出しをいただきながら、参らなかったということについてはまことに申しわけございませんが、ことに石山さんのように、私は必ずしも人事院及び公務員制度に非常に精通した男ではございませんので、かえって今日の場合は私が答えるよりもあるいは人事院の総裁をお呼びいただく方が妥当と思って、あえて私はその問題を逃げたわけではございません。ことに今日は参議院の社労委員会でぜひ来いというのでそちらへ出て参ったあとでありまして、私がたびたびお呼び出しいただいて申しわけございませんけれども、どうか一つこれはかつての同僚ですからわからぬことは御勘弁いただいて、私はあえてこの席にすわったから、そう無理な話をするとか、うそな話をするとか、政府を弁護するなどということはありません。あるがままを申し上げる、この以外にはないのですから、同時にこの問題についてもあるがままを申し上げて御批判をいただきますけれども、私を責めていただいても能力のないことは仕方がない。だから一つほどほどにお願いをしたしたいと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 私はほんとうは先ほどからずいぶん質問をしまして、大体あなたが来なければ、これで終ったと思った。ところがあなたが来たからまたお尋ねしたのです。あなたがおいでになったから、公務員の給与担当者としての責任者としておさらいを一言言って人事院勧告に対しての腹がまえを変えていただく、こういう意味で私は二、三発言しているわけなんですが。人事院は期末手当は今年じゅうにやれ、ただし初任給の引き上げ等若干の給与改善は来年やれなどと言っていないのですよ。あなたはそれを何かはき違えているのじゃないですか。そうじゃない。同じに出すのだ。ただあなたの方では便利主義で、金のかからない、六十億ぐらいだからというので〇・一カ月分に飛びついただけの話で、数十億を要する初任給引き上げは追いやったというわけなんでしょう。人事院の勧告を尊重するとするならば期末手当と初任給の引き上げ、多少の給与改善案というものを並立的に並べて、今年じゅうに態度をきめていただくということこそ、私は誠意のある、なるべくすみやかにという人事院勧告をば尊重したやり方だと思うそれをあなたはさておいて、〇・一なんといったらこれはやりいいからそっちにすぐ取りかかる。大きな方は寄せておく。私の方、もらう方の側からいえば、大きい方を先にやってもらいたいというのは人情なんです。公務員の比率あるいは一般の国民に対する身分的な立場からしても、やはりきちんとした身なりもさせてあげたい、清潔な能度も持たしてあげたいというふうな気持からすれば、あなたは大きい方を先にやる方がほんとうに思いやりのあるやり方なんです。こういう私の話をあなたは前から聞いていないから、簡単な方ばかり申し述べられて、おれも一人の被害者なんだなどとうまいことを言っていますけれども、そうじゃない。私は何十ぺんも言ったような格好でございますから繰り返して申し上げませんけれども、一つ人事院の勧告をほんとうに尊重していただくならば、臨時国会を過ぎますと、十二月一日から新しい通常国会が開かれるわけですから、十分に手回しよく早く結論を出すようにしていただきたい。もちろんこれは人事院の勧告を社会党のわれわれがうのみにしたなどとお答えになっては困ります。困りますけれども、形式的な取扱い方、いわゆる政府のいう尊重する、善処するという形からいえば、人事院勧告案をば早く検討なさって、一つ公務員諸君の安心されるような政府のめどというものを発表する義務があるのではないか、私はこういうふうに申し上げておきます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 受田新吉君。

受田新吉日本社会党

○受田委員 時間も進んでおりますので、本格的な質問は明日午前中の委員会に譲ることといたしまして、ごくかいつまんだ質問を一、二点申し上げておきたいと思います。今度の政府の提案にかかわるこの給与法の改正案につきまして、根拠になった人事院の勧告につきましては、この前の委員会で私ある程度突っ込んでお尋ねをしております。しかしこの人事院の勧告の中身については、なお私たち了解をし得えない数々の問題がありますので、明日午前中の委員会での質問に譲ることといたしまして、人事院勧告を取り扱った政府案に対して、せっかくおいでになっておられる松野総務長官にお伺いを申し上げたいと思います。  人事院が勧告をした中で手っとり早いのからこれを法案に織り込んで提案したのだというお言葉でありました。すなわち〇・一カ月分を十二月に支給する、期末手当の分だけを取り上げたということでございますが、期末手当の取扱いをする以上は、よし来年からこれを実施するにしましても、当然六月の支給部分の人事院勧告部分をあわせ提案すべきではなかったか、これは恩給法その他においても、当年度のみならず継続的に未来の年度にわたる財政上の措置を伴う法案が現に幾つも出されておるのですから、期末手当の部分だけは六月の分と十二月の分を、よし六月の分を来年から支給するにしましても、同時にこれを規定すべきではなかったか、何だか期末手当を分離して提案したということは片手落ちではなかったかと思うのでありますが、御意見はいかがでございましょうか。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 受田さんの御意見ごもっともでありますが、たまたま人事院の勧告を受け取りました時期という期限もお考えいただいて、そうして私の方の期末手当をくれるということは、実は来年度の本予算に対する一つの前哨戦でありますから、当然期末手当を尊重するということは、期末手当だけであって、あとは尊重しないというものでもございませんので、期末手当を実は一歩踏み出すということは、来年の他の人事院勧告も継続してこれを尊重するという一つの現われではなかろうか。私がここで来年も必ず幾ら幾ら出すということを明言できないことは、御承知のような財政法、御承知のような予算の方針の問題があります通りでございます。政府の方針としてはこの期末手当で一歩を踏み切るということは、来年は初任給その他各種ありますから、それに対する一つの答えとして期末手当というのを出したわけで、金額は、期末手当はあるいは総予算から見るならば、僅少になるかもしれません。しかしこれは大きな政治問題として、あるいは大きな一つの人事院というもののあり方から言うならば、この期末手当を踏み切ったということは、来年のすべての問題に対して政府が尊重するという態度の現われだ、こういうことを私は実は先ほどの石山さんの御質問にお答えしているわけです。その期末手当を踏み切るということは、来年の初任給、勤勉手当、すべてを踏み切るという一つの大きな柱だと思っております。ただ来年の予算をなぜ計上せぬかということは、御承知のようにほかの法律あるいはほかの立場で今日できないだけで、やる方針は今回非常に明瞭にしたと私は考えております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 明瞭になっておるのでしたら、こうした人事院勧告をすみやかに、なるべくというあいまいなお言葉がありましたけれども、すみやかに実施という人事院勧告の線から申し上げますならば、当然この臨時国会がすみやかな国会なんですからね。次の通常国会はすみやかな国会じゃありません。そうしますと、人事院の所望されているのはこの臨時国会で、次の通常国会を待つまでもなく、この臨時国会がすみやかな国会だ、かような意味の人事院の趣旨ではないのかどうか。もう一ぺん人事院総裁に御答弁願いたい。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 率直に申し上げますけれども、人事院の勧告は三点ございますから、この三点が同時にこの臨時国会で実現されることが望ましい、これはそう思っております。しかしこの勧告は予算を伴うものなんでございます。これは政府の立場としてまた別個の問題がそこにあるということは申すまでもない。そこでなるべくすみやかにと人事院は常に申しておるのであります。それからなおもう一つ、石山さんの御質疑の通りでありましたが、三月末の統計であるから遡及してやったらどうか、これは初任給などは遡及しては技術的にできないのだということは御承知おきを願いたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 今お答えなさったお言葉の中に、給与を遡及して支給した実例は過去においてなかったかどうか、大蔵省の方の資料でもけっこうですから。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 遡及してやったこともございます。べース・アップの場合に遡及してやったこともございますが、この初任給の引き上げは遡及することは技術的に困難だろうと思っております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 ベース・アップは遡及して実施されたことがあるわけですね。これはわれわれも記憶しているわけです。べース・アップは遡及して支給できるが、初任給の引き上げの分は遡及して支給できない、技術的に困難だというお言葉ですが、しかし法律ができれば技術的に一向差しつかえないわけです。四月から支給することを法律にうたえばいいわけなんです。それは差額を追加支払いすればいいわけです。非常に技術的には簡単です。人事院総裁のなるべくすみやかにという言葉は、できればこの臨時国会でこれが成立することが好ましいのだという大前提が今宣言されたわけです。ただしという次のお言葉については、政府に対する御配慮があったことを私了承するのでありますけれども、それは政府としてはこの人事院の気持の臨時国会で給与関係の措置ができることが好ましいのだという、この精神を尊重するならば、予算措置はあとから幾らでも何とかできるわけなんですから、今申し上げたような恩給法などは三年も四年も先にうんと増額するような法案を、もうちゃんと継続的に国民に約束する法案を作っておる。そういうことからいったら、やろうと思えばできない問題ではないですね。総務長官いかがです。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 財政さえよければ、やろうと思えばできないことはないと存じます。なお恩給に波及されますけれども、恩給を今年三十三年予算の場合に二、三年先を予想いたしましたのは、御承知のごとく恩給には増減が非常に激しい、先の見込みにおいては未確定要素が非常に多い。従って過去の統計でこの程度のものは減があるだろう、それではこの程度のものは増をしてよかろうという、一つの統計上のやりくりを予想した金額でありまして、必ずしもあれば三十四年度予算とか三十五年度予算とか、予算を縛るものではありません。一応そういう目安をきめて本年のスタートをしたというだけであって、三年先は三百億になるのだという先の予算の束縛はあの恩給法にもなかったと思います。一つ将来はこういうふうに初年度を踏み切るのだというのが、今回の恩給法の改正の大きな要点であって、恩給法におきましても、三年先は三百億という決定ではなかったと思います。そういう目的で本年度スタートするというのが三十三年度予算でありまして、今回のこの給与におきましても同様な意味で、御承知のごとくこの金額は来年定員の増減によってある程度のものは、これは何といっても給与ですから、増減は予算の当初からある程度のものは毎年あるものであります。たまたま今回もその例にならいまして、既定予算の中で払えるというならばその予算の方が妥当ではなかろうか、こういう意味で処置いたしまして、もしこの〇・一が今年の予算に入らなかった、既定予算の節減ができなかったという場合には、受田君のおっしゃるように、臨時国会ででなぜやらなかったのかという御疑問も出ましょうけれども、一応今回はそれでできるという見込みならば、あえて補正予算にするよりも、同じ給与ですから、予算を増額してなおかつ翌々年度において決算を待つという必要のないものは、これはすべての財政法すべての予算がそういう工合に運営していることは御承知の通りであります。財政法の規定の中にも、あるものは大蔵大臣の承認によって増減してよろしい、款項はよくないが目節はよろしいという財政法の規定があるのも、そういうふうにむだのないような運用をしろという意味で、私は予算というものは設立されていると思う。たまたま今回の給与が財政法によってもその精神に沿うというとで、〇・一というものを既定予算の中から支出することは、毎年ということおかしいですが、これは財政法の、逆に言うならば一つの運用ではなかろうか。もしどうしても既定予算でできなかったら、なぜやらないのだ、これは臨時国会でできるじゃないか、こういう議論も出ると思いますが、今回は既定予算の中で出るということでありますから、それによって処置いたしました。

受田新吉日本社会党

○受田委員 恩給法の場合は年次的に継続的に予算が増額してくるわけです。これは将来の予算年度における財政支出を約束されていくわけです。そういう法律になっている。従って将来における財政負担が約束されるような法案であります。結局そういう意味から言ったならば、来年度の財政負担を約束する法案をこのたび出してもいいわけです。そういう意味から今私はお尋ねしているわけなんですが、当局は反省をしておられるようでありますから、これは一応時間的に遠慮を申し上げます。  もう一つ、きょう大蔵省の課長が言われたのですが、定員定額を基礎にして予算を組んである、実際には定員一ぱいといっていない、その融通部分をその方へ回すのだというお説なんです。定員一ぱい採用しておらぬというところに問題があるのです。職員の勤務量を公平にしておらぬわけです。つまり定員一ぱいに職員を採用するのが当りまえの話なんです。休職とかその他の理由の場合は多少あるといたしましても、これに振り向ける余裕を与えるほど定員一ぱい採用していないというところに私は問題があると思う。これは地方公務員の場合には当然問題が起るのです。今自治庁の局長もおられますからあわせてお尋ねしますが、地方公務員の場合に、定員定額という原則を確守する場合には、定員一ぱい職員を採用している。特に義務教育諸学校の場合は、一体どういうところから財源を見つけることになるわけですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 地方公務員の給与は、地方団体が支払うわけであります。地方団体の場合には任意団体でございますので、財源をどのような方向にどの程度使うかということは自分できめるわけでございます。従いまして財源のやりくりはいろいろやっていかなければならないわけですけれども、一定のワクに地方団体が縛られてしまうようなことはないわけでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 そうしますと義務教育関係地方財政負担額、この地方職員関係については何かこちらから臨時特別交付金のようなものを出すという考え方なんですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 義務教育職員の給与費につきましては、御承知のように二分の一を国庫が負担いたしております。地方団体の支出額がふえて参りますならば、自動的に国の負担します金額もふえて参るわけでございます。従いまして国の予算額を超過することになって参りましたならば、当然国はまた追加予算を将来組んでいかなければならないことになるわけでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 今国家公務員の場合の定員内の既定経費の節約部分を振り当てるということを、地方公務員の場合にはどういう格好でやるわけですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 地方団体の場合には自分で負担するわけでございます。従いまして財源が給与費について欠けて参りました場合には、あるいは増収財源をそれに使うなり、既定経費の圧縮をいたしましてその財源を使うなり、予算の振り当て方はいろいろあるだろうと思いますが、それぞれ任意団体が最適当と思う方法をとって参るわけでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 それはさっき説明された通りなんです。そういう説明では私は満足できないのです。なぜかというと、こういう教育費などのそうした融通的な措置については、実際問題としてなかなかやり得ない府県、公共団体が多いのです。これは今までの幾つかの例を見ましても、府県によっては期末手当の部分のプフス・アルフアなどの措置をすることがあるのは御承知の通りですが、そういうときにおいても事実上そうした差し繰りができない府県ができておる。またそうした府県にまかされているワク内操作という格好では、教育費などは差し繰ってほかの方へ回そうという府県も出てくるわけです。そこに何かはっきりしたもつのを中央から指示しないと、それにはっきり振り向けるというようなことをさせるものを持っていかないと、とにかく臨時特別交付金というようなものを持っていかなければ、なかなか地方公共団体は、あなた方がお考えになるような格好にはっきり割り切って、そういうところに支出するということにはならない、そういう危険を防止する対策が要るのではないかということを私は申し上げた。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁財政局長)

○奧野政府委員 御承知のように地方公務員の給与につきましては、国家公務員の給与を基準として定めなければならない。条例で定めるわけです。そういう法的な規制もあるわけでありますが、また給与費でありますと、他の諸経費に優先して支出していくという関係にもなっているわけでありますので、とにかく最も優先的にこの部分については財源が処分せられていく、また大体そういうふうに運営されているというふうに考えているわけです。

受田新吉日本社会党

○受田委員 もう一つ防衛庁の職員の分をお尋ねします。この法案を見ますと、第二条の防衛庁職員給与法の改正部分に、自衛官の航空手当、乗組手当、落下さん隊員手当の最高額の引き上げ規定がある。この「百分の六十・六二五以内を百分の六十一・〇四以内に改める。」これはなかなか数字的にややこしいのでありますが、これは従来改正されてきて、特に防衛庁のこういう手当だけが期末手当の基礎になることになっているわけです。私は防衛庁の職員だけにこうしたものを期末手当の基礎にするという特例を認めていることは問題がある、かように指摘しなければならぬと思う。人事院といたしまして、こうした防衛庁の職員だけに本俸と同質にこのような手当を期末手当の基礎に入れるということは、本質的に給与体系にひびを入れるものではないかと私は思うのでありますが、総裁はいかがでございますか。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 これは特別職の問題でございますから、人事院の所管外でございます。防衛庁の当局からお聞きを願いたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 当局からは当然聞きますが、一般職を扱っているあなたとしては、多分特別職の給与も、こういう問題についてはできるだけ人事院の考えてきていることを基準に考えていってもらいたいというお考えは持っているでしょうが……。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 しかし私政府委員として発言を許されているのは所管事項でございますから、特別職の問題について何か言えと仰せられましても、これを記録にとどめることはちょっと困難だろうと思います。これは総務長官なりあるいは防衛庁の当局からお聞き願いたいと思います。

山本壮一郎防衛庁書記官(人事局調査官)

○山本説明員 ただいま御指摘のございました自衛官に出しております手当のうちで、航空手当、乗組手当、落下さん隊員手当、この三つにつきましては従来から大体俸給に次ぐ扱いをしております。実質的に期末、勤勉手当の基礎になっております。それからその他の公務災害補償金の基礎になっているわけであります。ただいま御質問がございましたような、一般職における一般の勤務手当のあれから申しますと、若干異例のものであります。私の考えますには、これは本来俸給の特別調整額、あるいは特別俸給表を作成いたしまして、こういう隊員に対する給与上の優遇をすべき筋のものだろうと思うのでございますが、俸給の調整額をもっていたしますには、やや割合が大き過ぎるという難点が一つございます。特別俸給表を作るにいたしましても、同じ航空手当にいたしましても、その中にジェット機の場合、レシプロの場合、あるいは訓練段階の場合、あるいは技能保持飛行の場合、それぞれ率が違っておりまして、非常に多種多様になるわけでございます。自衛官の俸給表そのものの中にそういう非常に多くの特別俸給表を作ることがいいかどうかという問題、あるいは俸給表間を移動いたします場合のいろいろな問題もございますから、俸給調整額なり特別俸給表の適用を行う段階ではなく、いずれにいたしましても、一般の特殊勤務手当とは若干性質が違う。本俸的、俸給的性格の非常に多いものでございますので、俸給の特別調整額にも、また特別俸給表にもなり得ない。現在の段階におきましてはやむを得ない制度ではないか、かように考えておる次第でございます。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 お説の通り、この法案は私が提案いたしましたので、これは専門的には御承知の通りな所管になっておりますが、提案者の立場としてお答えいたします。今回のこの問題は、私も提案のときにいろいろ研究しましたが、実はただいまの答弁のように、自衛官の職務内容が、技術的にやると非常な多数になる。従って今日までは本俸に対する幾らという割合でやっておるという慣例を私は聞きまして、是非論よりも、今回は早急な場合でございましたから、基本のものがいいか悪いかは別としまして、今回の期末手当に対する分だけを書き抜いて、実はお出ししたわけです。条文も一条だけにしかなっておりませんけれども、これは是非論を言いますと、実は自衛官のいろいろな勤務の状況から、あるいは危険手当から、非常な多種多様になるので、今回はこれで提案するという意味で私も提案いたしたわけであります。

受田新吉日本社会党

○受田委員 松野さん、これはあなたがお出しになった法案でありますが、第二条は、この数字だけ見ると、これは非常にごまかしがきくわけなんです。その附則のところを読んでみて、初めてそれがこういう特殊な手当の最高限度を引き上げるという問題であるということがわかるわけなんです。こういうふうに特別職という立場にある人々に対して特別の給与規定があるということに対しては、あなたの方では、これを何とか調整をする必要があると思うのです。あなたの御任務は、一般職のみならず、特別職に対しても、そういう調整機関としての責任が職制上あると思うのです。そういう意味で、この特別職と一般職との給与体系を調整する責任者として、何かここで防衛庁と相談されて適切な措置をとるとかいう努力をされる意思はありませんか。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 この問題については私もその方向に——御承知のように今日の特別職の給与は大蔵省の所管になっておりますので、私は調整はいたしますが、権限としては今日ございませんので、所管の大蔵省及び大蔵大臣と相談をして、この問題は今後の問題として私も十分研究いたしますが、受田さん、総理府設置法通のあなたがよくおわかりのように、調整は十分いたしますが、私がここでするとかしないとか言うまでの権限は与えられておりません。しかし今回のこの提案につきましては、私はこの問題だけは責任を負います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 あなたの機関は連絡調整機関です。連絡調整機関はほかにないわけですから、非常に重要な任務があるわけです。大蔵省というのは、なかなかそういうところは財政的なへ理屈を言いますから、やはり責任者はあなたなんです。今のお言葉を私は信じますから、特別職、一般職の給与の調整を早急に徹底的にやってもらう。人事院総裁としては今よう言わぬ。こういう今の日本の国家公務員の給与体系の乱れを是正する責任者はあなただということがはっきりしておりますから、どうぞ御努力を願いたい。それでは私は残余の質疑は明日に残すことといたしまして、社会党から修正案を提出たいします。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 ちょっと待って下さい。速記をやめて下さい。     〔速記中止〕

内海安吉自由民主党

○内海委員長 それでは速記を始めて。  本案に対し、受田新吉君外十名より修正案が提出せられております。この際本修正案を議題とし、提出者より趣旨の説明を求めます。     —————————————

受田新吉日本社会党

○受田委員 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案を提出いたします。まず修正案文を読みます。    一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の一部を次のように   修正する。   第一条中第十九条の四第二項の改正に関する部分を次のように改める。    第十九条の四第二項中「百分の二百六十」を「百分の二百」に、「百分の五十」   を「百分の七十五」に、「百分の三十」を「百分の四十五」に、「百分の十五」を   「百分の二十二・五」に改める。    第二条中「百分の六十一・〇四」を「百分の六十二・五」に改める。附則第二項   を次のように改める。  2 改正後の防衛庁職員給与法第十六条第三項の規定の昭和三十三年十二月十五日ま   での間における適用については、同項中「百分の六十二・五」とあるのは、「百分   の六十一・四五八」とする。以上の通りであります。  この提案理由は、本修正案は本年の十二月十五日に支給される期末手当の額を政府案よりさらに〇・一カ月分を増額して、一・五カ月分とし、勤勉手当と合せて二カ月分としようとするものであります。御承知のように本年七月十六日付の人事院勧告の説明資料によりますと、昨年の民間におきまする特別給の額は全規模の平均で年間が二・八七カ月分であります。これを規模別に見ますと、五百人以上で三・五六カ月分、百人以上四百九十九人で二・七五カ月分、五十人以上九十九人で二・一五カ月分となっておるのであります。この数字をどのように取り上げるか、いろいろなバランス観がありますけれども、労働三権を制約されている公務員の立場を考えますならば、少くとも百人以上の規模の平均で年間三カ月分程度の特別給の支給はきわめて妥当な額であると考えます。しかも従来の経過を見ますと、これらの特別給の増額はいつも民間に比べておくればせに増額されておるのであります。本年におきましても人事院は年間〇・二五カ月分の期末手当の増額をできるだけすみやかに実施されるよう勧告しておるのでありますが、政府案では六月の分は捨ておかれ、十二月の分だけを取り上げておるのであります。明らかに公務員にとっては不利な取扱いであるといわなければなりません。  以上の理由から、現在までの民間の特別給の支給状況では、公務員に支給すべき特別手当は年間を通じて三カ月分程度が妥当であると考えまして、十二月に支給する期末手当をさらに〇・一カ月分増額し、勤勉手当と合せて二カ月分とし、六月に支給する期末手当を〇・二五カ月分増額して、勤勉手当と合せて一カ月分といたした次第であります。なおこの修正に伴いまして本年度において必要となります経費は、一般職、特別職職員分を合せまして概算二十四億、平年度におきまして概算五十四億円であることをつけ加えておきます。どうぞ御賛成あらんことをお願いをいたします。(拍手)

内海安吉自由民主党

○内海委員長 これにて修正案の趣旨説明は終了いたしました。  本修正案は予算の増額を伴う修正案でありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取することといたします。松野総務長官。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 修正案に対する内閣の意見を申し上げます。  国家公務員の期末手当を本修正案のように増額することは、民間におけるこの種の手当の支給状況との均衝をやや失することとなるばかりでなく、その実施は財政的にもきわめて困難でありますので、政府としては残念でございますが賛成いたしかねる次第でございます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 これにて内閣の意見開陳は終りました。  次会は明三十一日午前十時より開会することといたします。本日はこれにて散会いたします。     午後一時一分散会

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