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30回国会衆議院1958/10/21

内閣委員会 第4号

発言数
70
登壇者
10
会派数
2
開催日
1958/10/21

会議録

内海安吉自由民主党

○内海委員長 これより会議を開きます。  国の防衛に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。茜ケ久保重光君。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 だいぶ長い間質問がたまっておりますので、お聞きしたいことがだいぶあるのでありますが、まず、こちらも簡潔にお尋ねいたしますから、当局側も一つ単刀直入な御答弁をお願いいたします。  最初長官に一、二御所信を承わりたいのでありますが、その第一点としては、先般のNBC放送記者に対する岸総理の一問一答の中に、私どもがどうも見落してならぬ点は、憲法第九条の改正の点で、本会議のわが党の質問に対しては一応否定するような言辞をおっしゃっておりますけれども、私どものあらゆる調査によりますと、岸総理はどうもはっきり憲法第九条は改定すべきである、憲法第九条の改定ということは戦争放棄の条項でありますから、これを改正するというのは当然戦争放棄そのものを破棄して、戦争に対する突入態勢の整備と、さらに私どもが常に問題にしております海外派兵といったようなことも当然含んでくると思いますが、岸総理が果してNBCのブラウン記者にそういった点をはっきりおっしゃったかどうか別としても、少くとも世界的に問題になっておりますこうした観点からいたしまして、一応NBCの放送記者に対する岸総理の憲法第九条を改正するということを含めた点に対して、防衛庁長官としての御所信を、私はこの辺ではっきり伺っておきたいと思います。一つ忌憚のない長官の所見をここでお聞きしたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 NBCのブラウン記者の問題につきましては、総理が両院の本会議において言明された通りだと思います。岸内閣の一員として私は総理の言明を信頼いたすものでありますが、憲法改正がどうなるか、これは憲法調査会の決定を待たなければなりません。従って私どもといたしましては、どこまでも現行憲法を尊重いたしまして、この精神を順守いたしたいと存じます。従って海外派兵等については全く考えておりません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 そういう答弁しかできないと思われる点もありますけれども、次にお尋ねする点等とも関連いたしまして、岸総理が憲法第九条を改正すると端的におっしゃった、あるいはおっしゃらないにしても、少くも憲法第九条を含めて憲法の改正をしたいということはおっしゃった。これは岸さん自身もお認めです。憲法の戦争放棄ということをどうするとはおっしゃらないにしても、憲法第九条を含めて憲法を改正したい、こういうことはやはり私は岸総理の信念として、どうしても憲法改正ということは戦争放棄の条項を変えるのだということがあると思わざるを得ない。戦争放棄の条項を含めて変えるということは、戦争放棄の条項を廃棄するということに当然なるわけですから、そうでなければ憲法第九条を含めて改正するということは出てこないわけなのであります。そうなりますと——長官は総理の本会議における答弁を信ずるとおっしゃる。これは当然でございます。閣僚として、岸総理の本会議における答弁を信じないとは言えぬでしょうが、歴代の総理並びに防衛庁の長官の当委員会における答弁等を聞いてみますと、そういったことがどうもはっきりしていない点が多分にあるのです。これはしかし、ここでこれ以上申し上げますとくどくなりますから、これ以上申し上げませんが、しかしやはり国民の中には、あなた方はどう否定なさろうと、今度のNBC放送記者に対する岸総理の談話というものは大きな反響を持っております。従って、先般の新聞を見ると、いわゆるなべ底景気の反映として、ことしの自衛隊の志願者が非常に多いということを聞きますけれども、そういった中に、俸給生活者としての、いわゆる月給取りとしての自衛隊には志願するけれども、こういった岸さんの言明等がやはり反映する。海外派兵ないしは戦争に直接われわれが当るのだといったような点に対しては、相当国民の中にはいろいろな問題を持っている。そうなりますと防衛庁長官としては、かなりこういうことに対してはっきりした態度をお示しいただかぬと、私はいろいろと問題があると思う。そこで今申しましたように、これ以上申しませんけれども、こういうことに対しては、私どもがこういった質問をするまでもなく、時期を見てやはりこういったことに対する防衛庁長官としての態度の表明がなされることが必要ではないか、こう思います。一つこの点についてはぜひ今後とも御考慮願いたい。  次に私は、これは端的に申しますが、だいぶ決算委員会、当委員会でも機種問題が出たのですが、それを聞いておりますと、一つだけ非常にふに落ちない点があるのでお聞きしたいのですが、機種問題、あまり触れようと思いませんでしたけれども、決算委員会の質疑応答を聞き、当委員会における質疑応答を聞き、さらに長官の先般所信として発表されました、防衛庁がF11Fですか、あれをおきめになるについてのいろいろな問題点を提示されましたが、こういったことも、よく読んでみますと、私はどうしても一つだけ納得がいかぬ点がある。この点について、ぜひ一つこの際長官にお尋ねしたい。と申しますのは、大砲とか小銃とか戦車、こういったような在来からありまする地上部隊が持っているような兵器は、ある程度敵側のものより性能が劣っておりましても、作戦、用兵の面でカバーできる点があると思う。小銃が着弾点が少し短かいとか、あるいは発射力が少いとか、戦車の性能等につきましても、相手方の兵器に対して幾らか劣っておりましても、作戦、用兵の面でカバーできる、こう思うのでありますが、飛行機は私はそうはいかぬと思う。飛行機は性能のよしあしだと思う。もちろんこれを操縦する操縦士の技能はものを言いましょうが、にもかかわらず、飛行機というものは性能によってほとんどきまる。そうなりますと、このF11Fをおきめになるについて、防衛庁がとられた態度並びに当委員会や決算委員会で質疑応答の過程から出てきておりますのを見まして、私が非常に不思議に思うのは、いわゆる国情に適合するということはわかります。多用性もわかる。しかし肝心の、この飛行機の選定に当って、敵機ということに対する情勢判断がしてない。どういう敵機を、どういうものを予想しておるか。戦闘機は戦争するのですから、敵があるはずである。その敵機に対して、敵の飛行機がどういう性能で、どういうものだということは、この機種選定の基準になっていないと思うのだが、この点はどうか。これは発表されぬけれども、内部的に防衛庁で検討された場合には、そのF11Fをおきめになるについて、これが相立ち向う敵の飛行機の機種なり性能についてお考えになったのかどうか、この一点をお伺いいたします。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 私どもが防空の任務を全うするため、戦闘機種をいろいろ研究いたしておるのでございますが、現在持っておりますF86Fは音速程度でございます。しかし爆撃機の速力が音速以上になる、あるいはこれに伴って戦闘機もだんだん速くなってくるのに対しては、少くとも二マッハ程度のものを持ちたい。しかもできるだけ速くポイント・インターセプトのできるようにということにつきましては、各国の航空機の性能等を検討いたしまして、要求性能というものを大体私ども決定をいたしまして、この標準によっていろいろ選定いたしたわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 各国とおっしゃいますが、アメリカもその一つであろうと思います。しかし少くとも私は、これは重大な問題だと思うのです。幾らこちらでおきめになっても、敵の飛行機がこれより数等まさっておれば、これは今ごろおきめになっても意味ないと思う。従って私は各国とおっしゃるけれども、イギリスやアメリカは、これはあなた方のおっしゃる自由諸国圏でありまして、こうした国の飛行機が日本に攻めてくることは考えられません。従いましてこの飛行機をきめるのには、私はやはり国情についても大事であるし、多用性、また経済的なことも大切でありますが、一番大事なことは、いわゆる日本に攻めてくるであろう敵側の飛行機の爆撃機、戦闘機の性能というものが一番大事だと思う。幾ら多用性でありましても、国情に合っていても、その飛行機が攻めてくる敵機に対して数段劣っておりまするならば、これは意味はないと思うのです。ところが今申しますように、あなた方が今まで発表された限りにおいては、国会の質疑応答においても、いわゆるあなた方の詳細な御報告を見ましても、何らその点に触れていない。これは国防上ゆゆしい問題だと思う。しかも一千億という莫大なお金をお使いになるのです。従って攻めてくるであろう敵機の現在の段階における性能なり種類はこんなものだと思うから、これに立ち向うのにはこういう性能のものが必要であるということが、ここではっきり出てこなければ、国の防衛を担当される防衛庁長官としての御答弁にはならぬと思うのですが、いかがですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 私どもは特定の仮想敵国ということは考えないのでありますが、日本がもし空襲を受けるならばどういうことになるか、どうしたらこれを防げるかということでありますが、先ほど申し上げましたように、大体マッハ二というものが人間の乗り得る最後の戦闘機と申しますか、一つの壁があるのではないか。それ以上のことをいろいろ考えれば切りがございませんが、一般的に航空機が高速になりますと、空気摩擦で機体内と外部の空気の温度差が非常に増大いたします。これに対処するためには機体材料の耐熱性の向上とか、機体の冷却方法とか、非常に困難な問題が生じてくるので、二マッハ程度が限度ではないか、かようにいわれておりますが、また高速、高々度における航空機のパイロットの操作についても、航空医学あるいは心理学上いろいろな困難が生じます。そういう点から考えまして、私どもはここ数年間に先ほど申し上げました機体材料の問題とか、乗る人のいろいろな問題というものがすっかり解決せられて、二マッハから非常に飛躍的な性能を有する有人機が実用化されるということは考えられない。こういうことで数年後にまたそうしたものを作ろうとしますると、今日からすでにこれに対する設計試作が始まっていなければならぬのでありますが、そういうことも各国ともないようでございます。そういう点から私どもといたしましては、二マッハ・クラスの性能を持っておれば、これに対処し得る。しかし一方におきましては、現用の戦闘機につきましても、各機種とも今後いろいう性能向上の努力を続けることは考えなくてはなりませんが、そういう点から申しますと、F11の方は今日でも世界第一級の性能を持っておりまするし、さらに先ほど申しました将来の可能な限りの性能向上ということについても、私どもがいろいろ研究いたしました他の機種に比べますと、世界各国のほかのものが進んでいきますれば、それに応じてこちらもまた性能を向上していく可能性もあるのではないかというような点から、私どもはこれを選んだ次第でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 長官は、数年以内くらいには現在作られている飛行機よりも性能の進んだものはできないであろうという想定のようでありますが、そういう見方も成立しましょう。しかし私どもは、大東亜戦争以来十数年になりますが、大東亜戦争当時の実態、その後のいろいろな科学的な発達の過程を見まして、数年という時間はこれは非常なすばらしい歩みだと思うのです。従って、今あなたがおっしゃるようにだれも数年後において、今極点に達したとおっしゃるF11Fというものより数倍さらにえらい高いものができないとは言えぬと思うのです。私は少くとも、今ここにおりませんが、かつて将軍であった諸君がこの委員会にもおりますが、彼らの話を聞いてみますと、彼らが軍隊における時分に日本のゼロ戦とかその他のいろいろな兵器、これが日本における限度だと思ったというのです。これはやはり相手が作っていきますし、いろいろな点で上っていくので、あなたの御説明では現在の国民は納得できぬと思うのです。たといあなたが、数年以内にはF11Fというものを越すものはできないであろうという言葉によって、一千億という莫大な金を投じて作り、それがどうにかパイロットがこなすころには、敵陣営にはさらに数倍する敵飛行機ができないとは断言できないと思うのです。国民はいまだに機種問題については疑惑を持っております。あなた方がどんなに説明されても、国民のほとんど全部がやはり暗いものを感じておる。それを解くには、やはり一つのかぎとして今言った敵機とのいろいろな問題を解明しなければならぬと思う。ここであなたが今言ったようなことしかおっしゃれぬとすれば、私は今後予想できる敵機についての検討をしなければならぬし、そういうものが出てこなければいかぬと思うのです。そこでF11Fをおきめになった過程を通じて、私はほかのところはあまり問題にしませんが、この点はどうしても今のあなたの説明では納得できない。これは国防会議でも、ただ単にそういった自分たちの主観的なものだけでおきめになることは非常に危険だと思う。国民に対してもこれはいかぬと思うのです。私は従前から日本の仮想敵国についてしばしば問題にしたのでありますが、今の日本の実情として、腹の中では仮想敵国を持っておりましても、当委員会等で仮想敵国をどこに持っているということは表現できないことは当然でしょう。これは私も了承しますが、しかし少くともこういうことに逢着する、そういうものがはっきり出てきませんと、問題の解決は出てこない。従って私は、この問題については適当な機会に防衛庁としても真剣な検討を国民の前に発表願わなければ、この機種問題に対する国民の疑惑はおそらく解けないと思うのであります。従ってこの問題についてはこれ以上申しませんが、ある場合には私は国民の前に大胆率直に政府並びに防衛庁当局の所信を表明してもらわなければならぬ、こう思うのであります。一つこういうことに対して今後非常にまじめな、しかも真剣な左藤防衛庁長官に期待するところが多い。その点一つさらにもう一段の御所信をお伺いしたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、世界の情勢等も私の及ぶ限りは検討いたしまして、これに対処するものとして私どもは御内定を願った次第でございまして、なお将来のいろいろの変化に応じますることも、私どもは今後十分勉強いたしたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 それでは本論に入ります。調達庁長官にいろいろとお伺いしたい点がありますが、その前に経理局長にお尋ねしたいことが一、二点あります。私はきのうほかの問題で、茨城県の百里原の基地に参りまして、いろいろ調査して参りましたが、非常に私驚いたことに、あの百里原の基地の中にすでに格納庫ができ、ターミナルも建築中であるし、兵舎も建築中であります。ところが航空隊に最も重要な施設である滑走路はいまだ何ら影も形もない。滑走路のない飛行隊というものは、私は世にも不可思議千万なものだと思う。百里原のあの基地に対してあのように格納庫やターミナルや兵舎をお作りになりながら、滑走路が全然影も形もないというのはどういう状態であるか、これは私は重大な問題を含んでいると思うのでありますが、防衛庁長官は一つ経理局長さんが御答弁なさる前に、あの実態を御承知でないとはいえないと思うのですが、ああいう状態がどういうところから生まれたのか、そうしてあれは相当莫大な費用を使って建築を進めていらっしゃるのですが、果していつごろ、どういうふうに完成される予定か、一応防衛庁当局の御意向を承わりたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 私どもといたしましては、一日も早く完成いたしたいと存じますが、地元のいろいろな事情もございますので、できるだけ御納得をいただいて、これには私国会の皆さん方にも党派を越えて一つ御援助をいただきまして、所期の目的が完徹できますように努力をいたしたいと思う次第でございまして、具体的なことにつきましては担当いたしております者からお答えいたします。

山下武利防衛庁参事官(経理局長)

○山下政府委員 百里原の基地の問題につきましては、基地の土地所有者の方々の大部分の御承諾を得まして、すでに大半の土地の買収を終ったのでございますが、ちょうど私どもが理想的な滑走路の位置と考えておりますところに、ただ一名の所有者で、まだ買収に応じていただけない方が残っておりますので、防衛庁といたいましては極力説得に努めまして、円満なうちに解決をしたいということで、相当前から交渉をいたしておるのでありますが、不幸にしてまだ妥結に至っておらないのでございます。今後ともできるだけ説得に努めまして、円満に解決をいたしたい、かように考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 一名とおっしゃるけれども、私がきのう現地に行って調査したところによりますと、あなた方が予定される滑走路の予定地の中には、まだかなりの反対の諸君がおるようであります。しかもその所有面積もかなり大きい。そのことがあれだけの設備をされながら、まだ滑走路が影も形もない、こういう事態だと思うのです。あなた方が今一日も早く作りたいというのは、これは当然でしょう。作りたいけれども、作るはずの予定地に相当強力な反対の諸君があってどうにもならぬ。これが建物ならばある一部を変えるとか、あるいは移すとかできるでしょうが、ジェット機の一番大事な滑走路がまだ何もできぬということは、これは問題だと思うのです。格納庫は今やりっぱにできております。ターミナルもできておる。しかもターミナルの中心部にまだ松山が残っておる。こういうことをされてあなた方は果していいのかどうか。これは経理局長だけでなく、防衛庁全体の責任ですよ。私は少くともこれは反対の立場になくても問題にします。飛行学校、航空隊を作るのに、滑走路が何もできなくて、格納庫や兵舎やターミナルなんか作って何になるのです。こんなむだな費用を使って、国民は何と理解しますか。これは私どもでも問題にする。このままでは捨ておけません。与党の諸君だってこれを知ったら怒りますよ。むちゃくちゃです。では経理局長、この滑走路はいつ完成できるか、はっきり答弁して下さい。

山下武利防衛庁参事官(経理局長)

○山下政府委員 もちろん防衛庁といたしましては一日も早く基地を完成させたいということで、依然努力をいたしておるわけでございます。問題の滑走路の位置のちょうど中央のところに、買収に応じない方の土地が若干残っておるということでございまして、どうしても買収に応ぜられないという場合には、また別途計画を変更しても滑走路を作らなければならぬ事態もあるいは起るかと思います。しかしそうなりますと、技術的に可能でありましても、防衛庁といたしましてあとに不便を忍ばねばなりませんし、また基地の中にそういう民有地を残したままで基地を作るということは、何かと将来の問題にもなろうかと思います。できるだけ円満に説得をいたしまして、その土地の買収を終った上で作りたい、今のところはかように考えておるのであります。従って今のところいつまでに必ず滑走路ができるということは、遺憾ながら申し上げる段階に至っておりませんけれども、防衛庁といたしまては誠心誠意この解決に努力をいたしたい、かように考えておる次第であります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 一日も早く作りたい、それはわかりますよ。しかしそのことは相手があるのです。しかも滑走路ができておらぬ。兵舎が建たぬとかあるいは格納庫ができぬというなら話は別だが、滑走路ができぬという状態であるならば、なぜあの兵舎やターミナルや格納庫を急いでお作りになったのか。現地に行って現地の諸君の話を聞いてみますと、ああいうものをしゃにむに作って、いやおうなしに滑走路の用地をあらゆる力を集めて、そしてしゃにむに反対派を追い詰めて、何が何でも滑走路を作るという方法であるらしいということがいわれておる。これは私は絶対に相ならぬと思う。昔の軍部は横暴でした。横暴でしたが、それは単純で、サーベルをさげて国民をおどかす一方、それでやってきました。しかし今の防衛庁の、少くとも百里原におけるやり方はおどかしと買収と、あるいは何か非常に思わしからぬ風潮を流したりというような術策を弄しておる。あるいは長官や内局の諸君はあずかり知らぬとおっしゃるかもしらぬけれども、現地の人たちはそれを盛んにやっておる。従って今言いますように、滑走路もできてないのにああいう建つ物をどんどん作ることはいわゆる反対の諸君を何が何でも追い詰めて、最後には仕方がないというので投げ出す以外に方法がないというところまで追い込む一つの方便であろうとすらいわれておる。それでは絶対に反対であります。応ずる気がない。経理局長はどういうような別な方法を持っていらっしゃるか知りませんが、おそらくここに残っておる諸君はてこでも動かぬ連中です。そうなりますと経理局長、滑走路ができぬならばあの兵舎なりターミナルなりあるいは格納庫はどうなるのです。あっさりここで防衛庁がかぶとを脱いで、学校なりその他に寄付するとおっしゃるなら別です。私は今の見込みではあの滑走路がいつできるか、おそらくあなた方にも見当がつかぬと思う。そうなったらだれが責任を負うか。従って経理局長なり当局者は少くともああいうものを建築されたのでありますから、いつごろ完成させるという見通しくらい立たなかったならば、これはとても納得ができません。一つ長官のそこで御相談なさってけっこうですから、はっきりして下さい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 一部の強硬な反対がございますために困難しておりますことは事実でございますが、従って昔の軍部のようにこれを私どもサーベルで強制しようとは思いませんので、誠心誠意一つお願いをしたい。至誠は必ずいつかは動かすということで私どもは努力いたしておる次第でございます。従って相手の御了解をいただけますまで、私どもとしては計画を変えるということは考えておりません。むろん相手のあることですから、何月何日までということは申し上げられませんけれども、私どもといたしましては赤誠を披瀝してお願いをいたしたい、一日も早く実現をするように今後とも努力をいたしたいということでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 一生懸命努力するというお気持はわかりますが、しかし今までいろいろな形で、先ほど言ったようにおどしたり、すかしたり、あるいは買収的なことをやってみたり、いろいろな利益誘導をやってみたりしている。たとえば滑走路ができれば土地の橋を永久橋にしてやるとか、あるいはこの町をどうしてやるとか、いろいろ利益誘導がなされておるようです。どういう予算でなされるかは別として、そんなことがだいぶ流布されておる。そう言っておきながらかなり長い時間がたっておる。半年や三月ならば努力々々で済みましょうけれども、ここまで追い込まれて今さら努力いたしますということだけでは、解決できぬと私は思うのです。私もきょう短兵急にこれ以上いつとは申し上げませんが、少くとも国会はずっと開かれております。通常国会もある。私は少くともある程度の見通しがつかぬようではやはり当委員会において責任を追及せざるを得なくなってくると思う。きょうは一応そういったことを前もって申し上げておいて、御努力を願いたいと思う。と同時に私はきのう参りまして驚いたことは、今あそこは防衛庁長官どうお考えか知らぬが、小川町というところはこの基地問題で非常な混乱をしておる。日本ではただ一人の婦人町長である山西町長は、いわゆる自衛隊誘致派の諸君からリコール問題が起って、きのうはちょうど請求の票がそろって、選管が来てその票を調査しておりました。今町はあげてこの問題で混乱の極に達しておる。一部うがった人たちは、防衛庁はあの百里原基地ができぬものだから、防衛庁があと押しして山西町長をリコールさせておるということまで言っておるそうです。これはうわさですから私は責任を持てませんが、そういううわさまでしておる。いわゆる防衛庁の百里原基地問題が、小川町政に対して多大の影響を与えておる。これは長官がそういうことをなさるとは考えられぬが、そういううわさを一部ではしておる。あまり基地ができぬので、防衛庁が裏からあの山西町長の排撃運動の糸をあやつっておるのだということまでいわれておるのが現実です。いかにこの問題が深刻化しておるか、また現地に大きな破紋を投げかけ、町民にえらい迷惑をかけているが、これはあなた方の御想像以上である。従って、やがてリコールの問題も具体的になって参りますが、こういったことを起してまで、あの無理な問題を何が何でも解決されようとした防衛庁には、私はやはり国民的な憤激を感ずる、現地へ行ってみて。あすこにあの基地をお作りになりさえしなかったら、ああいう問題が起きないで、平和な一農村として立っていく、小川町が。ああいう基地をしゃにむにお作りになった。しかもでき上っていない。滑走路もできていないような中途半端な、一方において、国民の血税をむだ使いみたいなことをしながら、片方ではその結果として平和な小川町がひっくり返るような騒ぎを起している。町民みんなが非常に憤激を感じている。こういうことを防衛庁ではなぜなさるのか。果してこれで国の守りができるのかということを考えなくちゃならぬ。国を守る場合に、その付近の住民にこのような苦痛を与え、国民にこんな犠牲を負わしながら、片方で国を守るということで、いわゆる自衛隊の職責を果して達するのかどうか、私は疑問を感ずる。現地の諸君もこれを感じておる。この町長リコール問題等に関連する百里原の基地に対して、防衛庁はどんな考えでおられるか、またどういう対策を立てようとなさっておられるか、一つ伺いたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 先ほど茜ケ久保委員仰せのように、昔の軍部でございましたら、サーベルと法律で押しつけたでございましょうが、民主主義でございますので、それぞれのお考えがございます。これを地元には賛成の諸君もあるのでございますが、それが反対側といろいろ摩擦を起しましたことにつきましては、まことに私どもとして遺憾に存じまするが、一日も早く、民主主義でございますので、それぞれ御主張なさり、それがやがてはお話し合いがつきまして、皆さんの御協力のいただけるようにと私どもは念願をいたしておる次第でございまして、私どもの方からリコール運動とか、そういうようなことを裏から手を回しておるというような事実はございません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 ここまで参りますとあの基地は、これはなかなか容易ではございませんよ。あなた方作りたいでしょうが、私はずっときのう一日現地を回って、反対、賛成の諸君にも会いましたし、町の情勢もずっと見て参りましたが、なかなか容易ではございません。私は端的に申し上げるが、まあ兵舎もだいぶできておるようですし、格納庫もできておる。私は行ってみて、ここに小川町の総合中学校を作ったら、どれだけりっぱなものができるか。雨天体操場の格納庫、ターミナルは科学的な教室になる、兵舎はそっくり教室になる。あすこにあなた方、小川町の総合中学校を作ったら、すばらしいものができる。これは一つ防衛庁が思い切って寄付なさったらどうですか、小川町に。私が防衛庁長官ならやりますよ。どうです、左藤長官。あなた一つこの辺で、どうせだめなものなら、せっかく作った建物は、これはあんなものをあすこへあのまま建てさせておいたら、これは滑走路ができなければ、私は責任問題だと思う。これは私ここで申し上げますが、この臨時国会が来月の七日に終りますが、引き続いて通常国会、少くとも次の通常国会の始まる前後までに、あの滑走路の建設が目鼻がつかぬようなら、私は防衛庁は相当重大な責任をとってもらいたいと思う。これができぬようなら、あの飛行場に対する建設をやめてもらう。私ははっきり申し上げておく。長官もぜひ腹をきめてもらいたいと思う、国民のために。従ってこれはぜひ与党の諸君もあの現実を見て、そうしてまた次の通常国会では与野党を問わず、あの問題については強力に私も発言し、防衛庁の決意も伺わなければならぬ。この辺でこの問題は打ち切りますが、そういうことで問題を進めたいと思います。特に来国会の始まる前に、ちょうど町長のリコールが具体化して、いわゆる決選投票が行われる時期に際会すると思う。そういうことも含め合せて、防衛庁に対して——私はもちろん先ほどいったように冗談じゃなくて、もうああいうものをやめて、あの建物の施設は全部小川町に、お騒せして申しわけなかった、そのかわりこれだけ寄贈しましょう。寄付するように勧告します。しかし長官は長官としての立場がありますから、最後にその点に対しての決意を伺って、この問題はまた次にいたします。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 世界が対立侵略の危険もなくなり、世界各国が全部素っ裸になりまして、国連の力によって永久平和が確保されるような時代になりますれば、地元に御寄付ができるようになるかもしれませんが、現在の情勢では私どもといたしましては、一日も早く百里原の問題は解決いたすように念願しておる次第でございまして、それにはただいま与野党を越えてというお話でございましたが、特に地元の有力な茜ケ久保君に御協力をいただきますれば、私は解決の道がつくのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 茜ケ久保さん、防衛庁方面のことはだいぶあなたの御希望を条件付でもって述べられておるようですから、この辺で、調達庁長官も見えておりますから、論旨を変えてその方面に向けられたらどうですか。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 そういたします。もう一点経理局長に、相馬ケ原演習場ですが、幸い防衛庁も了解されて、大蔵省も非常な好意を持たれて、問題の相馬ケ原の演習場の一部、百二、三十町歩が農地として解放が決定された。これは私どもの要求に対しては決して多いものではありませんが、一応政府の誠意は地元も認めております。しかるにこれは先般、今月の七日の読売新聞の群馬版のトップに大きく出たことは、せっかくこういった百二、三十町歩の農地の解放が決定した、ところがとたんに防衛庁から横やりが入って、それだけのものを解放されると今後の演習に困るから、その一部を変更してもらいたいという横やりが入って、この農地の解放問題が非常に難関に逢着したという新聞記事を見まして、私も非常に驚いたのであります。ちょうどその日に質問する予定が今日に延びましたので、だいぶ時間がたちましたが、その後、そういったことは事実でなくなったとしましたならばけっこうでございますが、そういった新聞週間でもあったし、新聞がでたらめを書くはずもございません。読売の群馬版に五段抜きで大きく出た記事でございますから、これは事重大と思っておりましたが、そういうことがあったのかどうか。またそういうことを防衛庁がお考えになったのかどうか、あるいは全然事実無根で、大蔵省が決定した通り、そのまま農地として進行するのかどうか、この点を一言お尋ねしたい。

山下武利防衛庁参事官(経理局長)

○山下政府委員 ただいまお話のありました点につきまして、詳細に御報告を申し上げます。相馬ケ原の返還の問題につきましては、九月九日に大蔵省の国有財産審議会におきまして、一部を防衛庁、一部を農林省ということで話し合いがついたのでございます。その際に、農林省の所管といたしましては、演習場内の耕地並びに農耕に適する場所約百十八町歩ばかりのものを農林省に所管がえをしまして、これを増反地で使うということで話がついたのでございます。ただ実際の境界線は現地立ち会いの上で決定しようということになったのでございます。そこで、それに基きまして九月の二十六日に防衛庁、農林省、それから現地の方の立ち合いの調査が行われたのでございます。そのときに防衛庁の担当官が現地を見まして、防衛庁といたしまして、あそこの演習場は特車の訓練場に使う予定でございますが、特車の射場に使います場所と、ちょうど後方に当る二町二反歩くらいのところをぜひ特車の射撃の準備上ほしいということを申し入れました。そのかわりといたしまして、別に二町二反歩の農耕可能地を別途、前の決定に追加して振りかえよう、こういうことを申し入れたのでございます。そのときには農林省の担当の方は答えを留保しておられたのでございますが、その後防衛庁と農林省の本省の方でその話が正式にきまりまして、そうして現地の方の御了解も得た、こういうふうなことになっております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 こういう事件は今後返還基地に相当起ることが予想されるのでありますが、事前によく調査をされ、打ち合せをして、一たんきまったあとでこういうことが起らぬように、せっかくの好意がむだになるのでございますから、ぜひ慎重にお願いしたいと思います。  次に、これはもう聞こうとすることがだいぶ時期がずれまして、タイミングがはずれたのですが、しかもほかの委員会なりほかの委員等もすでに問題にされたようでありますけれども、一応私ども内閣委員会としては所管の事項でありますし、ジョンソン基地だけでなくて、あの事件前後に飛行機の墜落とか、さらに射殺事件とかいろいろありました。こういった最近のジョンソン基地における事件と相前後して起った幾つかの駐留軍関係の傷害ないし事故について、簡潔でよろしゅうございますから、一つその事情をお述べ願いたいと思うのです。

丸山佶調達庁長官

○丸山政府委員 去る九月七日に起きましたジョンソン基地のロングプリー事件、それに類似するようなものも数件起っておりますが、これに対しまして政府といたしましては、日米合同委員会の日本側の代表より先方の代表に対しまして、まことに遺憾にたえない、これらのことに対する再発防止の厳重な注意を促すとともに、その処置について十分な処置をとることを要望しておきました。これに対しまして米側代表も、まことに遺憾にたえない、申しわけない、できるだけのことをいたそう、こういう双方の話し合いがありました。一方その被害者に対する直接補償、これは裁判管轄権のことはすでに新聞で御承知のことと思いますが、私ども直接担当いたしまする補償あるいは慰謝の関係、これに関しましても、御承知の通り公務外の事故でございますので、米側が直接に慰謝、弔慰の処置を講ずる事件であります。ロングプリー事件の状況を申し上げますと、遺族の上京、音楽大学における葬儀、また郷里におきまする葬式に際しまして、軍側の直接の司令官も出まして香典を捧げ、弔辞を述べ、いろいろやっておりますが、ただいま私どもの承知しておりますところでは、ロングプリーが属しておりまする司令部関係におきまして、三十数万円の弔慰金を醵出しております。これ以外に米軍といたしまして慰謝の処置が講ぜられるわけでございますが、これは遺族の方から申請書が出まして、それを調達庁から向う側に出しました上で決定することでございますが、従来の実例等から判断いたしまして、すでに先生も御承知だと思いますが、一日の収入の千倍並びにそれに加えることの六十倍の祭資料、それからなお遺族の関係の加算という標準に基きまして算定される額になるだろうと考えておりますが、宮村さんの状況を見ますと、単なる学生ではなくて、楽団にも入っておったという状況、これは私ども調べたものでもわかっておりますが、これらのものを判断いたしまして、おそらく八十万円はこす額が出るだろう、なおこれに関しまして遺族の方から申請書が出まして加えらるべき事情等がありますれば、これも加えられる。これに対しまして調達庁といたしましても、できる限り十分なる措置が米軍でとられるよう連絡、交渉し、また申請書が出ましたらこれを具体的にも処置したい、このように考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 これはジラード事件のときもそうですが、日米両当局で調べます過程を通じていろいろな問題が出てくるのですが、われわれどう考えても、アメリカ人の日本人に対する蔑視感、日本人の命を非常に軽く見るというのですか、そういった感じがあるのです。それはジラード事件でも、ジョンソン基地でもそうですし、またその後起った運転手殺し、さらに三沢の問題等たくさんございますが、私どもこういった事件を扱いながら考えることは、日本の裁判にかけると非常に罪が軽いというのですか、ジラードのごときは、懲役二年の執行猶予三年ですか四年ですか、アメリカに帰ると無罪も同様ということでありますし、補償金も坂井なかさんは六十三万円ですか、そういうことが非常に痛感されるのです。ところがあのときアメリカ軍当局は全軍に布告を出して、そういったことをしてはならぬという指示が出ておったというのですけれども、また起っておる。ということは、冒頭に申し上げた日本人に対する蔑視感というか、私から言えばまるで犬ネコみたいな扱いをするということに基因するとしか思わざるを得ない。そうなりますと、殺された人たちがたくさんの補償金を取るからいいとか、あるいは加害者が重い刑に服するからいいというのではなくて、こういった問題は現在の日米行政協定の現存する限り、これはまだ今後も予想される問題ですが、これをなくするためには、日本側は相当強い態度と意思表示がなされなければ、やはり私は問題は残ると思う。そこで調達庁の担当大臣として左藤長官は、先ほど申しましたようにいろいろな意味で、私は少くともほかの大臣よりも、そういったことに対するヒューマニズムも常に持っていらっしゃって、そこでこういった問題が起る根源に対して相当強い態度で臨んでいただいて、今後こういった問題が起らぬように処置を講ずる必要があると思います。これはさかのぼれば日米行政協定の破棄とか徹底的な改定等のいろいろの問題を含んでおりますが、これに対して調達庁担当である大臣が遺憾の意を表するのは当然でありますが、何かあなたとしてこういう問題に対して善処する具体的なお考えがおありかどうか。ひいてはこれは私が指摘するまでもなく、行政協定の産物であるし、日米安保条約から生まれてくるものの問題ですが、今安保条約の改定等も話題に上っておりますし、これはやがて具体化するものでありますが、そういうことを機会に、行政協定の、日本がこのようにされるいろいろな問題を一つ解決する努力をされる、またそれを必要とされるお気持があるかどうか、この辺であなたもいい機会ですから御所見を承わっておきたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 米軍が駐留いたしますためにいろいろな問題が起りますことは、まことに遺憾でございます。特に全地球よりも重い、とうとい生命が犠牲にされますことは、何とも忍びがたいところでございまして、今回の問題につきましても政府といたしましては日米合同委員会において米側と十分折衝をいたし、今後十分注意いたすように——先方も非常に恐縮をいたしておるのでございますが、ただいま調達庁長官から補償等の問題について申し上げましたが、私は金高のことでないと思うのでございまして、こういうことを私は機会あるごとにヒューマニズムの立場から米軍に一つ十分徹底をいたすように今後とも努力いたしたいと思います。いろいろ米軍あるいは米政府の要人が参りまして儀礼的な訪問等も受けるのでありますが、そういう機会等にも、私は機会があるごとにこういうことを強調していきたい。占領当時に比べますれば、幹部の人々は戦争直後の殺伐な空気から見ますれば、日本に対して敬意というか、ほんとうに対等といいますか、人間的なそういう気持は非常に深くなっていると私は思うのでありますが、なおこれがたくさんな部隊でございますので、下々にまで徹底いたしまするよう私は機会があるごとにこの努力をいたしたい。そうして率直に申しますと、米軍の素質といいますか、遠いところへ来ているいろいろな事情もあると申しますか、なかなか困難もあると思うのでありますが、そういうことを米政府あるいは米軍の幹部からも十分徹底してもらうように、私ども機会があるごとに努力をしていきたい、かように存じております。  ただいま安保条約の改正問題もございますが、これは外務大臣の責任において今後努力いたすのでございますが、こういう中にも私どもといたしましては国民の被害を少くするように十分努力いたしたいと思いますが、安保条約そのものにつきましては、全面的にこれを廃棄するとか、従って行政協定を廃棄するとかいうことは、なかなかそう簡単には私どもただいまお答えいたすことはできないと思います。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 関連して。今茜ケ久保さんの質問に関連してお伺いしたいのですが、今長官は米軍の駐留いたしておりますためにいろいろな被害が生じますことははなはだ遺憾である、そしてとうとい生命が侵されようとしている、あるいは侵されていることについてはまことに遺憾であって、この点について米軍に厳重抗議をし、そういうことのないようにしたい、こういうふうにおっしゃっているのですが、しかし駐留している米軍どころか、自衛隊自身がそういうことを平然とやっていらっしゃる。こういう事実を私どもは見のがすわけにはいかないと思うのです。現に一つの例として、先日小松島を出発した商船に対して、徳島の航空隊の隊員がこれに対して発煙筒ですか何かの投下演習をなすって、一つは船の甲板に落ち、他の数弾は船のまわりに落ちた、こういうことが新聞に報道されたわけです。乗っておった航海士ですか、機関士ですか、そういう方の談話を見ましても、明らかに船をねらってやっておる。一体日本の自衛隊は日本の商船を敵視してやっているのですか。そうしてまた甲板におられた方々も非常に驚愕されておる。私は発煙筒の大きさがどんな大きさであるかは知りません。だがしかし、戦争中アメリカ軍が投げ落した焼夷弾に直撃をして、生命を失った人も非常に数多くおります。商船に向って発煙筒を投げ落す、そういう練習をあなた方は一体命令をされたのですか。少くとも大ぜいの旅客を乗せて走っておる船の安全は、他のものに比して優先的に保証されなければならないはずです。その他のものに比して優先的に安全を保証せらるべきものを演習の対象にする。それはほんのいたずら心であった、こうおっしゃるかもしれない。だがもしそれがほんのいたずら心であるとするならば、今茜ケ久保さんが質問したロングプリーの事件とその精神においてどれだけ径庭があるか。いたずらに人命をそこなう、単なるいたずら心で人命をそこなう点においては、いささかも変りはありませんよ。ここでは日本の音楽大学の学生を射殺したロングプリーの精神と徳島の飛行隊の隊員の精神において、完全につながっているではありませんか。今米軍が駐留していることによって被害の生ずることは、はなはだ遺憾であるとおっしゃったのですが、私たちは自衛隊の存在することによってとうとい生命が奪われようとすることについて、はなはだ遺憾であると言わざるを得ないわけです。当らなかったからよかった、こういうことでは済まされません。甲板に大ぜいの人がいる。その甲板の上に投げ込めばだれかに当るかもしれないということは、ばかでない限りわかるはずです。当ったら死にますよ。これは明らかな殺人未遂です。未必の故意というものがあるはずです。あなた方の方にも自衛隊法の第九十六条によって、警務隊というものがあるはずです。その警務隊の条文を見ますと、すなわち自衛隊の方の「犯した犯罪又は職務に従事中の隊員に対する犯罪その他隊員の職務に関し隊員以外の者の犯した犯罪」、こういうふうに歴然と捜査対象になっているはずです。これは明らかな殺人未遂ですよ。無人島に落した。たまたまそこに知らない間に人がいて当って死んだ、危害が生じたという場合には故意はないでしょう。だがしかしああいう近海航路ですから、甲板で涼んでいる人が大ぜいいるはずです。現にそれを目撃した談話が新聞に出ておる。そういう人の群がっている甲板の上に発煙筒を投げ落せば、だれかに当るかもしれないという未必の故意がある。これは殺人未遂です。こういうことを平然とやる自衛隊の精神、こういうものに対してあなたは一体遺憾の意を表せられないのか。米軍に対してだけ遺憾の意を表しているということは、とんでもない間違いではないでしょうか。つながるものはここにもあると私は思います。文句ばかり言っても仕方がありませんから、質問したいことは、この問題についての捜査の結果をお知らせをいただきたい。さらにこの問題は、あなた方は当然警務隊の手を通じて、刑事訴訟法によって起訴をせられるものだと考えます。これは単に一人や二人に対する危害ではなしに、多数の人々に対して危害を生ぜんとしたのでありますから、集団に対する危害行為です。これは当然御起訴をなさるものと思いますが、警務隊ですでにお調べを開始しているかどうか。ただ単に隊で調べておるというだけではなしに、警務隊においてお調べを開始しておられるかどうか、こういう点を第二に伺いたいと思います。第三には今回のような行為はだれの命令によって、だれによって行われたのか。そしてもし搭乗しておる飛行士の方だけの行為だとするならば、一体徳島の隊員諸公は瀬戸内海の上で、汽船の通っているようなところで演習をやるのかどうか。今後もこういう問題は出ます。そういうことを伺いたいと思います。そして御報告の内容に従ってまた後日伺わせていただきます。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 小松島付近におきまして、非常に申しわけない事件が起りまして、私の方から当委員会に御報告、おわびを申し上げようと思っておりましたが、それに先だちまして、飛鳥田委員から非常に適切なお話がございまして、新聞等でもいろいろ伝えられましたことでございますが、私どもの方で現在調査をいたしました事件の概要を御報告申し上げます。  今回の演習は紀伊水道の防備演習、外洋から紀伊水道を通って大阪湾へ潜水艦が侵入をいたします。それを防備する。こういう演習をいたしたのでございますが、徳島航空隊所属のS2F、対潜哨戒機でございますが、このS2F二機をもって、私どもたった一隻だけ持っています潜水艦「くろしお」、これが潜水して大阪湾の方へ進行して参ります。それを標的として磁気による水中探知を行い、これに発煙筒を投下いたしまして潜水艦の動静を確認する訓練でございまして、爆撃の演習ではないのでございます。磁気によって探知いたしまして、その所在と思わしいところへ発煙筒を投下いたしまして、それからその次にまた二分ほど置きまして落しますと、その二つの点によって潜水艦が進んで参ります速力なり方向なりがわかります。それに対して攻撃を加える、こういうことでございまして、その位置あるいは速力を探知いたしますために発煙筒を落して確認する、こういう演習をいたしておったわけでございます。ところが「くろしお」を目標といたします訓練におきまして、一機はこれを目標にいたしておったのでありますが、これの僚機として空中に待機しておりました佐々木という三佐が機長でありますS2Fは、たまたま通りかかった須磨丸を目標に選んだものと思われるのでございます。この須磨丸の上空で実施をしました訓練は次の通りでございました。十九日の十一時二十三分、飛行高度三百フィート、時速百四十ノットで須磨丸の上空に参りまして、その航跡、船そのものではございませんで、船の通りましたあとの航跡に、二分間隙をもって三発の発煙筒を落しました。先ほど申しまするように、この二個の発煙筒によって目標の速力と進行方向を探知するというつもりだったのであります。ところが三発目は、機長が訓練の終了後、搭乗員に所要の指示をするためインタフォーンのボタン——ボタンを押さないと通話ができませんので、ボタンを押して通話しようとしましたところ、あやまって投下ボタン——同じハンドルの両方についておるのでありますが、それをあやまって投下ボタンを押しましたために、発煙筒が落下いたしたのであります。前の二つは航跡でありますが、これをあやまって押しましたために、須磨丸の前方三メートルばかりに落下いたしました、こういうことでございます。先の二発につきましては、投下いたします際には、計器面において飛行機の実際速度より少い仮定速度、当時の実速は百四十ノットでありますので、かりに百ノットといたしまして、これを計器に反映いたしまして、意識的に誤差を作っておりますので航跡に落ちるのでありまして、目標は必ずはずれるということになっておるのでございまして、最初の二発はその通りに落下いたしたのであります。ところが三発目は先ほど申しましたようにあやまって落下いたしまして、偶然命中いたしましたのは、結果から申しますと、飛行機の速力が落ちておりますために計器面の仮定速度に近くなっておった際、運悪く先ほどのようにボタンを押し違えましたために、かような事態になったと存じます。  そこで民間船を目標にするのかということにつきましては、こういうことは私どもの方では指示をいたしておりません。「くろしお」の方を一機がやっておりますので、それを待っております間、他の一機が熱心の余り実施いたしたにいたしましても、たまたま通りかかりました民間船を目標として発煙筒を投下し、乗客に危険感を生じましたことは、まことに申しわけないことであります。今度の演習につきましては海幕長の指示をもって、一般船舶の航行等を妨害しないよう特に注意を与え、各級指揮官もこれに応じて実施上配慮することになっておりますが、このような事件を起しましたことはまことに遺憾でありまして、もし必要でございますれば警務隊等におきましても十分調査いたしまして、今後この種の事故が再発しないよう万全の措置をとりたいと存じております。なおとりあえず、事故が起りますと同時に、現地に私どもの職員を派遣いたしまして、十月十九日には徳島航空隊の十二飛行隊長江上三佐が、南海汽船の小松島営業所及び須磨丸に謝罪に参り、呉地方総監部より防衛部長の古川一佐が十月二十日、和歌山の南海汽船の本社及び須磨丸に謝罪に参りまして、御迷惑をかけたことを衷心恐縮いたしておる次第でございます。  先ほど米軍の人命軽視等のことがありませんよう、十分米側とも連絡善処したいと申しましたが、かような——むろんこれは爆弾ではございませんで、ついでに大きさを申し上げますと、発煙筒と申しますのは海に浮いておって煙を出すのでございまして、長さ四七センチ、直径七・三センチ、重量一・六キログラムのものでありまして、非常に煙を出すのでありますが、そういうもので先ほど申しましたようなあやまちをいたしましたことにつきましては、皆様にも心からなるおわびを申し上げる次第でございます。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 私は関連質問ですから何べんも繰り返すつもりはなかったのでありますが、率直に申し上げてこれは精神錯乱じゃないですか。まず第一の潜水艦「くろしお」を使って練習なさる、これは当然でしょう。ですが、この須磨丸というのは定期航路ですよ。定時に出発して一定の時間に一定のところを通って目的地に到達するように、これはダイヤも何も全部発表になっているのです。私たちもそれを信じて乗るのです。定期船の走っている航路を、わざわざ「くろしお」という潜水艦を使ってそういう演習をなさる、そういう訓練をなぜ組むのですか。熱心の余りなんということではないです。演習計画そのものに、民間船に危害を加える可能性を含んでいる演習編成ではないでしょうか。走っている「くろしお」を追っかけて発煙筒を投ぜられる。——よその場所もあるはずです。何も定期船の通る航路を使わなくてもできるはずです。海は広いはずです。しかも御存じのように、小松島から大阪へ行きます船の通るところは航路が狭うございます。そんなに洋々たるものではないはずです。ここで一定の時間に走ってくる商船のあることを知りながら、演習をやられるという考え方自身に私は問題があると思います。熱心の余りなどという御弁解は認められない、これが一つです。  第二には、もしお説のように「くろしお」を対象にした対潜演習であるならば、当然子供でも民間船を演習の対象に選ぶなどということを思いつくはずはありませんよ。そういういたずら心程度、思いつき程度で民間船を演習の対象にされるなどということは重大なことです。熱心の余りと長官は部下をかばったお言葉は美しいと思いますが、しかしそれは美しさとしては通らない。(「のぼせたんだよ」と呼ぶ者あり)だから精神錯乱と言っているのです。(「演習中にはそうなるぞ」と呼ぶ者あり)演習中はそうなるといって、やたら民間船にそういうことをやっていいでしょうか。こういうことは今後取り締る具体的な方式を考えていただかなければナンセンスじゃないでしょうか。これが第二です。  ともかく自衛隊の隊員諸公の中に、何か民間船を演習の対象に選んでもいいような、そういう思い上りがありはしないでしょうか。米兵だけを私たちが——ロングプリーが射った、不届きだ、どこかからピストルを持ってきて円タクの運転手を射殺した、不届きだ、これは射殺という結果が出ているから非難するのです。これは幸いにしてけががなかった。しかしけががなかったというのは偶然でしょう。行為の重さは同じです。米軍の方を非難する前に御自分の方を見てもらいたい。インタフォーンを使うつもりで爆弾を投下されたのではたまりませんよ。海の上だけじゃありませんよ。本土の上だって自衛隊の飛行機は飛ぶでしょう。飛ばないですか、飛ぶはずですよ。そのときにインタフォーンを使おうと思って爆弾を落されてはたまりません。そういうことを平然とおっしゃる長官のお気持がわかりません。インタフォーンと爆弾のボタンがかりに同じハンドルについておっても、押し違えるということはどうでしょうか。今後また日本の本土の上を飛んでいる飛行機が、インタフォーンと爆弾のボタンを押し違えて、東京の上でも横浜の上でも、爆弾でないにしても、発煙筒が落ちた、屋根をぶち抜いて中に寝ている人を傷つけた、そういうときにあなたはどうします。また遺憾でございます、まことに申しわけございませんで済むでしょうか。これが私の第三に長官の御意見を伺いたいと思うところです。  それからあとで須磨丸についてあやまりに行かれたとかなんとかということ、そのことよりも先に、これは一須磨丸に与えられた問題ではなくして、国民の不安とするところですから、少くともみずから求めて、ちょうどNBC放送のブラウン記者に対して談話を発表したあとで、岸さんが自分で求めて本会議で趣旨説明をなさったように、あなたもこの委員会等で積極的に発言を求められる誠意があってよかったのではないですか。委員長に朝すぐお申し入れをいただいて——きょう定例会があることは御存じでしょう。委員長にお申し入れをいただいて、先に発言をしていただくということの方が、どんなに国民が納得するか、こういうことを考えざるを得ないのです。  以上三点、そうして最後に付属の一点、こういうことをお聞かせいただいて、その上で詳しい措置はこの内閣委員会に御報告いただきたいと思います。その報告をいただいてから、また伺わせていただきます。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 最初に私も委員長にお願いをしようと思ったのでありますが、入ってきまするとすぐ質疑が始まりまして、茜ケ久保委員からお話がありましたので手おくれになりまして、飛鳥田委員から御指摘をいただきましたので、お礼を申し上げ、私は先ほどの事情を御報告いたしたのでございますが、国民の代表でございますこの委員会を通じて、かようなあやまちをいたしましたことを心からおわびを申し上げる次第でございます。  第一の紀伊水道の防備演習でございまして、紀伊水道は御承知のように非常に船の往来の多いところでございまして、定期船その他の船もたくさん往来しておるのでございますが、この紀伊水道を突破せられまするならば、京浜に次ぎます京阪神という重要な地区が非常に危険になりまするので、その防備演習をいたしておった次第でございます。  先ほど申し上げまするように、第二点でございまするが、船は鉄で作ってありますので、その磁気に感じて位置がわかりますが、そこで発煙筒を二回落して速力及び方向を探知するのでございますが、たまたま「くろしお」に対しては他の一機がその演習をやっておりましたので、熱心の余りと私は申しましたが、これは私どもといたしましては指示していないことでございますけれども、先ほど申し上げまするように絶対その船には当らないように、速力を百四十ノットに対して仮定百ノットという速度に調節いたしまして、航跡に対して発煙筒を落して、その位置等の演習をいたしておったのでございますが、第三発日につきましては訓練が終ったということを搭乗員——これは四名乗っておりますその搭乗員に電話で機内で話すのですが、そのインタフォーンの押しそこないでございまして、爆弾のボタンではございません。これは信号用の発煙筒のボタンと間違ったことでございまして、御心配のように、自衛隊機が国土の空を飛んでおりまして爆弾を——実際爆弾は通常時は積んでおりませんが、それを押しそこなうことの絶対ないようにもう一度よく——私は技術的なことも調べまして、さような御心配のないように私は責任を持って努力したいと思うのでございますが、今間違って押しましたのは発煙筒のボタンでございます。重ねて申し上げますが、飛鳥田委員の関連質問でこの機会をお与えいただきましたが、私は国会を通じまして、こういう国民に御心配をかけたことにつきましてはまことに申しわけない、よく事情を調査いたしまして、特にボタンを間違って、爆弾を国民の頭の上に落すようなことは絶対いたさないように責任を持って努力するつもりでございます。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 私はボタンを押し違えるということは、爆弾というふうに申し上げたのですが、それは一つの例ですよ。押し違えるようなやり方、そういうことに危険がありはせぬかということで、発煙筒発煙筒というふうに訂正されておりますが、問題はそういうさまつなところにはないということを御了解いただきたいと思います。そこでどうでしょうか、次の定例日までにこの問題の詳しい御報告をいただけるでしょうか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 なお調査を進めまして、御報告をいたしたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 だいぶ時間もたちましたので、私はまだ質問はありますが、きょうはこれで打ち切っておきます。防衛庁長官に資料の要求をしたいのですが、ジラード事件以降起りました殺人はもちろんですが、列車事故とか飛行機事故、そういった米駐留軍による事故の発生原因並びに経過についての御報告をお願いしたい。これは委員長に資料の要求をして、私の質問はきょうはこれで打ち切って、保留しておきます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 そこで飛鳥田君の御質問は重大な問題でありまして、社会の誤解を招くようなことがありましては困りますから、いずれ左藤防衛庁長官から書面をもってこの委員会に詳細御報告を願うということにして、飛鳥田君よろしゅうございますか。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 けっこうです。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 関連して。実はただいまの問題にも多少関係がありますが、防衛庁長官に対してちょっと伺いたいのであります。この間新聞記事を見ますと、北海道で自衛隊の大演習があるそうですが、それに対して国会がごたごたしておるから閣僚は行かないということで、おいでになる予定をおやめになったという記事を読んだわけです。私どもの感じとすれば、ああいうふうな訓練上重大な演習をしておる際に、国会が少しくらいごたごたしておっても、自衛隊の士気振興のため、防衛庁長官は当然ああいうところに行って、現地で士気を鼓舞し、訓練を指導された方がよかろうと思う。そういうことをやっておられないから、今のような質問が出てもただあやまる一方というよつうなことになると思うのです。わが党の閣僚として、内閣の御都合もありましょうが、心がまえとしては、やはり直接防衛庁長官がおいでになれなければ、辻政務次官が行かれるなり、少くとも現地に行ってその演習を見られ、士気を鼓舞し指導されるという心がまえが私は必要だと思うのですが、いかがでしょうか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 北海道のみでなく、ちょうど時期でございますので、九州その他においても演習をいたしておりますが、北海道の演習は参加人員も相当多いので、前半辻政務次官が参りまして、後半私参りたいと思いまして、実は内海委員長にもお願いいたしまして、二十日、二十一日、二十二日と出張をいたすように万般の手配をいたしておったのでございますが、国会が非常に重要な時期と申しますか、総理も富山県へ出張するのを取りやめるので、閣僚は一つ遠慮してほしい、なるべく国会を中心にしてほしいという党からのお話がございましたので、私は国会中心ということで取りやめにいたしまして、その旨詳細に電報で、大いに士気を振作して、あやまちのないように訓練の目的を達するようにという訓示の電報を、総裁官の方面総監に私は送りました。なお後半はアメリカの参謀総長が来られるので、陸幕長が副長と交代する予定でありましたが、私が大将にお目にかかるからして、陸幕長が最後まで責任を持って演習を完遂してくれということを指示をいたしまして、陸幕長が現に明日まで演習場において努力しておる次第であります。繰り返して申しますが、私も神様ではございませんから、私が参りましたからといってあやまちが全然ないとは申しませんが、国会のお許しをいただきますれば、できるだけ第一線の部隊を回りまして大いに士気を振作し、訓練に全力を尽すとともに、ほんとうに国民に愛される、信頼される自衛隊になるように、機会があるごとに努力をいたしたいと存じておる次第でございます。国会におきましても、できるだけそういう機会をお許しいただきますようにお願いいたします。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 私どもの感じといたしますと、自衛隊の存在そのものに反対をしている社会党から、自衛隊がちょっとでも過失をやると、まるで犯罪者のように扱われて、長官が絶えず頭を下げておる。ただいまの問題は国民の生命、財産に関する非常に重大な問題でございますからごもっともでありますが、私どもの立場から言わせますと、その点非常に遺憾にたえないわけです。従って、警察官職務執行法の問題で国会がごたごたしておりましても、その点はわれわれが引き受けますから、党側が何と言われましても、防衛庁長官はなに私が行かなければやはりだめだというくらいのことはやっていただいて、自衛隊の士気をどんどんと鼓舞していただきたい。国会の方はわれわれ引き受けます。どうかそういうつもりで一つ大いに士気の振興をおやりにならんことを希望いたします。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 大へん御激励をいただきましたが、私はたくさんな隊員をお預かりしております責任上、あやまちがありますればおわびをいたしますが、しかしまた一方には、この間の水害等に自衛隊員がほんとうに身命を賭して働いております。松本から急速かけつけますために、夜中にトレーラーが転覆をいたしまして、とうとい殉職者も出しておるような次第でございまして、たくさんな中でございますから、あやまちがあれば私はおわびをいたしますが、しかし大部分の者が——一部の方には自衛隊を無用だという方もございますけれども、そういう自衛隊に反対する者をも含めまして、ほんとうに国民を守り、非常のときにお役に立つようにと努力しております。そういう点も一つ私は与野党を問わずお認めをいただきまして、一生懸命やっております点につきましては御激励、できますればおほめもいただきたいと思うのでありまして、私はただいま非常に御理解あるお言葉をいただきましたが、国会でお許しをいただきますれば機会あるごとに——伊豆のときには即日現地に行って激励して参りましたが、政務次官ともどもに、隊員を一そう緊張、努力せしめる点におきまして全力を尽したいと思います。

平井義一自由民主党

○平井委員 ちょっと関連して。私どもの子供のときには、大演習があれば十里くらい汽車に乗って見物に行ったものでありますが、最近の大演習は人気の点はどうですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 一部の反対、特に昔の陸軍が演習をやりますと農地を非常に荒しましたり、道路をこわしましたりというようなことからの反対、あるいは特に北海道におきましては国際情勢等を考えて、漁業の安全操業という点から、なぜこんな機会に演習をするかというような一部の反対の方もございましたが、私はこういう反対の御意見もよく一つ含みまして、さような御迷惑をかけないようにと、計画等におきましても十分全力を尽し、特に地元に御迷惑をかけました点につきましては、補償等につきましても、その補償をいたします部隊をわざわざ随伴させまして、現地で解決していくように、道路、橋梁等をいためました場合には、私どもの施設部隊において責任をもってあとの補修をいたしますように、こういうことにも努力をいたしておるわけでございますが、だんだんにそういう点が御理解いただけますならば、反対の方もまたお認め下さるのではないか。しかし大部分の国民といたしましては、辻政務次官が北海道に行って参りましたので、時間が許されますれば御報告できると思いますが、九州等におきましても、昔のように旗を振って天皇陛下万歳を唱えてという方はございません、何十里のところからという方はございませんけれども、地元におきましてもわれわれが想像しておる以上に自衛隊がよく育ってきておる、訓練をやっておるということに対しては、多数の国民は私はこれを理解し、また激励をして下さっておるということが実情であろうと存じます。

平井義一自由民主党

○平井委員 私の言うのは、さくをこわしたり橋をこわしたりしたのを直せというのではないが、昔われわれが十里も見物に行ったように、国民の人気がなければ自衛隊は伸びないのです。だから国民の気持が、演習を見てこれならよかろうとか、自衛隊は困るとかいうふうなことではなく、自衛隊に対する信頼感はどうかと私は聞いたので、この点をお聞かせ願って私はやめます。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 現在演習中でございますので、これがどういうふうに国民に影響をいたしますかということは、十分調査いたしまして私ども参考にしたいと思いますが、とりあえず今度の北海道の演習に先般行って参りました辻政務次官から、北海道の実情について御報告いたしたいと存じます。

辻寛一自由民主党防衛政務次官

○辻政府委員 私、時間が許しませんので一日だけでございましたが、島松の空挺部隊の演習とそれから射撃の演習を見ましたが、人気ということから言いますと、こういうことはちょっと語弊があるかもしれませんが、とにかく土地の人々は、非常に関心をお持ちいただきまして、あれはずいぶんへんぴなところでありますが、相当遠隔の地からもおいでになっていたようで、絶えず自衛隊におきましても、訓練状況等をよく皆さんに御納得のいくようにお話しいたしておったようでございまして、非常に好感を持たれておったように考えて帰った次第でございます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 受田新吉君。

受田新吉日本社会党

○受田委員 私はこの前のときから懸案になっている防衛庁が新機種を内定されたいきさつ、これに対する国防会議のとった態度というような問題について、石橋委員が質問された問題をさらに発展させてお尋ねしてみたいと思うのであります。  この間から私たちは、アメリカの航空機生産会社から幾つかの書簡をいただきまして、戦闘機売り込みの宣伝をお受けしております。日本の一流新聞にも、新しい戦闘機はこれを採用してもらいたいという広告も何回か出ております。こうしたアメリカの戦闘機の製造会社が相次いで日本に大きな呼びかけをしておるときに、日本の政府が、特に防衛を担当しておる防衛庁が、グラマンという会社の戦闘機を購入するということをきめ、これを国防会議にかけて内定に持ち込んだということ、しかもその持ち込み方が、ロッキード会社の製品を長く考え続けてきたものが、半年足らずで急転直下これに切りかえられてしまったということに国民の疑惑があることは、これは全国民のよく承知しているところであります。そういう意味からも、防衛庁がこうした外国の航空機生産会社の売り込み宣伝の手先に適当にごまかされたのではないかという疑惑も起っているわけであって、こうした問題の解決につきましては、防衛庁は虚心に反省し、同時に虚心に今後の措置をとるべきであると考えております。従って私は、最初に大きな問題を持ち出してお尋ねしておきたいことがあるのでありまするが、国防会議の内定というものは、これは先般の決算委員会での岸総理の御発言の通り単に内定であって、これを正式に決定することはあり得ないこともあるのだということはわれわれとしても了承してよろしゅうございますか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 四月に内定をいたしましたのは、今後の計画を進行せしむる諸条件を整備いたしますために一応内定いたしたものでございまして、正式の決定ではございません。従って決定しなければできないような契約とか、あるいは対米交渉とかいうことはいたしておりません。

受田新吉日本社会党

○受田委員 その内容を取り消すことによって起るところの損害というものは別にありませんか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 私ども現在取り消すということを考えておりませんが、これは仮定の話でございますが、万一取り消しましても、そのために決定が非常におくれるということはございましょう。けれども国庫に御迷惑をかけるようなことはないと存じます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 自衛隊といたしましては、日本の戦闘機あるいは練習機の生産計画のうち、新しく三十六年以降の目標の中にグラマンを考えていきたい、かように考えられてこれを内定に持ち運ばれたことは了承しております。ところが長期五カ年計画は二十五年の三月末をもって一応終るのでありますが、航空機だけはさらに二カ年延長をされるということが、前々から防衛庁によって報道されております。そのグラマン機というものは三十六年以降の分に当り、T33あるいはF86のあとに続くものだとして、防衛五カ年計画の自衛隊の航空機の計画の最終段階にこれを持っていくという目標でございますか、あるいは防衛庁としてはまだそれは発表しておりませんが、第二次長期防衛計画というものを考える方へつながる中にこのグラマン機が入るのでございますか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 三十五年を目標に計画しておりまするが、これが実際でき上りますのは三十七年度にわたるわけでございまして、私どもは現在千三百機という航空自衛隊の目標を立てております、その中に新機種は含まれておるわけでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 第一次防衛五カ年計画の次に考えられる防衛計画というものを、われわれとしては当然政府が考えられたと想定しますが、そういうことは長官としてはこの場合にこの場所において発言をする段階でないと仰せられるかもしれませんけれども、そうした第二次長期防衛計画というものも当然構想の中にはお持ちであろうと思います。そこを一つお答えできる限界内で御答弁願いたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 せっかく部内、特に各幕において勉強をいたしておる段階でございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 その第二次防衛計画に当然このグラマン機は発展していくものではありませんか。第一期の三百機のみではなくして、その三百機の後に続くものはやはりしばらくの間はグラマン機だということを、一応想定のもとにせられておるのではありませんか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 私どもは、先般から当委員会でもお話のありましたミサイルの研究に、特に重点を置かなければならぬと考えております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 そこへ踏み切っておられるということになるならば、この戦闘機は一応第一次の長期防衛計画で打ち切って、ミサイル時代に対処する計画に入る、かように了承してよろしゅうございますか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 その問題につきましては、ただいま空幕で勉強をいたしておりまするが、いずれともまだ申し上げる段階に達しておりません。

受田新吉日本社会党

○受田委員 そういたしますと、今ここでグラマン機を急いで三百機作る計画をお立てになること、これがよいか悪いかという問題に発展してくると思うわけです。しかもこうした今からお尋ねするような諸点に大きな疑惑を持たれておる。このグラマン機内定のいきさつを考えたときに、このグラマン機を、計画が一年おくれて着手したとしても差しつかえないということになるならば、内定を取り消されて、新規出発し直すということも考えられるわけです。そういう意味から、グラマン機という政府がすでに内定したこの戦闘機の性能とか、あるいはこれに対する価格、こういうものを考えたときに、自衛隊といたしましてロッキードの会社の飛行機を長く考え、そして短期間にこれに切りかえたといういきさつを考えて、ここにグラマン機内定を取り消すという勇断をふるうときがきているのではないかと私は思うのです。それを今から個々の具体的な問題に触れてお尋ねをいたします。  第一は、すでに決算委員会で相当に追及されました幽霊グラマン機の問題ですが、東京毎夕新聞は相次いで幽霊機の実態を解剖しております。連号この記事で満載されておるのでありますし、私たちはこれを読んでおりますけれども、この毎夕新聞が毎号連載しているこの幽霊グラマン機なる実態の記事を、防衛庁はとくと研究しておられますかどうか。読まれておられますかどうか、これをまず伺いたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 私も非常に多忙でございまして、毎夕新聞の記事全部は勉強いたしておりません。

受田新吉日本社会党

○受田委員 この毎夕新聞の記事をお読みになっておらないということになるならば、これは私は防衛庁としては重大な責任があると思うのです。この記事は、もしあなた方の方でかような内容はわれわれの方に関するところではないという御自信をお持ちであるならば、なぜこの毎夕新聞に挑戦せられないか。そしてこの新聞に対する記事の誤まりをただして、告訴、告発という手続もとれるわけです。これは天下の公器です。市中に大いに販売されておる新聞です。この新聞の内容も検討しないで、これを一般国民にどんどん理解浸透させておるということは、どうも防衛首脳部として私は納得いかない点があるわけでございます。いかがでございますか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 この問題に対します私どもの所信は、幸いに衆参両議院の内閣委員会において発言の機会をいただきました。特に当委員会におきましては、内海委員長から私に所信を披瀝せよということで、その機会をいただきまして、私どもが内定まで持って参りました経過については、十分私は御説明いたしたと思いまするので、国会を通じての私どもの所信を国民は御信頼いただけるものとかように存じております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 国会であなたからこの委員会でも正式にグラマン機決定の事情を御報告に相なっております。また相次いで説明の補足をお持ち出しになっておられるわけでありまして、一応われわれはそれを拝聴いたしました。ところがその拝聴いたしました内容だけでは、どうも納得できない点がある。それは永盛調査団をあなたの方で昨年アメリカに派遣せられて、そしてその報告書に基いて検討を加えられたという第一段階においての問題です。それは永盛氏は帰られて後にロッキードというこの飛行機の性能について、非常に好意を持った報告をしております。またその発言の中にわれわれは永盛空将補が、ロッキードに対して、よほど期待をしている言葉を見出すのであります。ちょうどこれはことしの二月、カリフォルニアのパームデール基地で発表した言葉の中に、永盛氏のあとに続いて行かれた牟田空将補が実際にロッキード機に乗られて、「私は日本の操縦者がT33の操縦学校を卒業して後ロッキードで訓練できると確信する。」という言葉が牟田空将補によって発言されておるわけです。また松前空将もロッキードに実際に乗って、「F104はロッキード社がその速力、安全性、取扱いのやすさ及びその他の性能について言っている通りの飛行機である。マッハ二の速力での飛行は最適であった。」と証言しておる。これは同じ年の二月カリフォルニア・パームデールにおいての発言であります。こうしてごく最近まで永盛調査団の報告、これに続いての牟田空将補や松前空将の発言がロッキードに対して非常に好意的であるということを私たちは伺っておりながら、四月十二日に突如としてグラマン機に内定を見たというところに、実際の調査をした人々の声と、それから最終的に内定を見たいきさつとの間に、一つの疑惑がひそんでおることはいなめないと思うのです。少くともグラマン機をきめるごくわずかの期間の行きがかりと、それ以前の二年以下もかかってロッキードを研究されたということの行きがかりとを考えたときに、長期にわたって検討されたことをごく短期間に変更されたというところに何かありはしないか。これは決算委員会の汚職事件などというものを別に考えても、私どもは問題があると思うのです。それは四月十二日にこれを決定しなければならなかった事情の中に、巷間伝えられておる総選挙に対する軍資金をかせぐためにグラマン機に内定しなければならなかったであろう、そういううわさをここで取り上げておるのではありませんけれども、総選挙のあとにゆっくり検討を加えて、あなたが長官になられた後の国防会議でこれをきめてもおそくはなかったわけです。あなたをお責めするのは問題があると思いますが、何を好んで総選挙前にこれを内定したか。しかもこの内定をするいきさつについては、決算委員会で取り上げられたような諸般の汚職問題が、ある程度あったのではないかという疑惑をはらみながらきめられておるという点においておやと私は思うのです。私はそういう意味でロッキード社の飛行機を長期にわたって検討し、永盛調査団が出たときもこのロッキードを十分研究して、そしてこれに対する資格を確認しようという意味で出されたはずの調査団の報告書、この報告書にもグラマンを掲げてはおりません。グラマンに好意を持った調査は一つも報告されていない。その後に出た牟田空将補や松前空将などの発言によっても、ロッキードに対して非常に好意があり、グラマンに対する期待が掲げられていない。佐薙さんが最終的に出られてようやくこれに好意的な動きが起り始めて、急速内定に運んだという印象を受けておるのですが、どうでしょうか。この長らくかかって検討を加えてロッキードを研究してきたいきさつが、一ぺんに急転直下グラマンに変った。その事情をあなたの方で二回にわたってこの委員会に出された資料でなお飽き足らないままといたしまして、ごく短期間に決定をしたということに対するもっと大きな理由はないのでございますか。予算案を出す必要があるとかいう問題のほかに、もっと大きな問題があるのではございませんか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 四月十二日に国防会議で内定いたしましたのは、選挙の前とかあととか、さようなことは私なかったと信じております。防衛庁といたしましては、防衛上の必要及び航空機生産の維持の上から見て、早急に決定をしたいと考えたからでございまして、何ら政治的な含みはございません。この間に不正なことが私の部内には絶対なかったと私は確信いたしておりまするし、万一証拠をあげてはっきりそういうことがございますれば、私どもは十分処断をすることにやぶさかではないということを繰り返して申し上げているのでございます。なお永盛調査団が帰って参りまして、非常にロッキードに有利な報告をしたというお話でございましたが、これは先般も申し上げましたように五つの機種をあげて、各機種ごとにその性能、運用、生産等、各方面にわたる詳細なデータを報告したのでございまして、特にロッキードをひいきしているとか、ロッキードが非常によいというような内容ではなかったように聞いております。しかし現地におきましていろいろ視察しておりまする間に、永盛あるいは牟田等がどういうことを申しましたか、この点につきましては、当時の事情をよく存じており、また永盛調査団の報告を聞きました政府委員から御説明申し上げさせます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 受田さんに御相談申し上げますが、あなたが出席を要望されております官房長官は、ただいま社会党淺沼書記長、河野国会対策委員長と会談しなければならないことになっておるので、出席はちょっとできませんがという申し伝えでございます。なおまた本会議も今開かれる鈴が鳴っておりますし、どうせこの問題は一問一答のやりとりでは、なかなかどうも簡単には要領を得られないと思いますので、いずれは予算委員会、あるいは所管の委員会である内閣委員会において論議される事態があると思いますから、本日はこの程度にして下さいまして、次に官房長官の出席を求めてやられるときに譲っていただきたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 それではもう一つだけ。御答弁はあとから言っていただきます。  その次の問題は、岡元二空佐が決算委員会で発言されたことに関連する問題なんでございますが、この岡証人の発言によると、日本の空の防衛という問題については、戦闘機そのものをインターセプターにするか、フアイター・ボンバーにするかということについては、私個人としては——これはこう言っておるのです。これは私個人の問題ということにもなるかもわからないが、おそらく来たやつを討つというのでは責任をとりかねるということになりはしないか、いまだ発せざるを討つということになりますと、こういう意味の発言をしているところがあるのでございます。そうすると、単に要撃という意味で戦闘機を考えるということでなくして、さらに出かけて討つという場合の戦闘機ということを考えていくならば、行動半径の大きいグラマンの方がいいのではないか、憲法第九条の規定にかれこれ議論はあろうとも、とにかくこうした岡元二空佐のごとき専門家が見て、ただ単に来るものを討つというだけでなくして、その敵の根拠地をたたくというところに味があるのだということを、防衛庁は非常に気がねをしておるのではないかということを発言しておられます。そういう意味からみて、グラマン機という飛行機の性能が要撃をする戦闘機か、攻撃をする戦闘機かということをロッキードと比較したときに、その行動半径の大きさという意味からいって、来たるを待って討つという範囲を逸脱した行動をなし得る戦闘機であるということを、われわれは一応論じなければならないと思うのです。従って前線で直接働いているパイロットの指導者たちが、防衛庁自身は単に自衛のためということについての説明に非常に苦労しているだろう、実際の戦闘に当る者、実際この仕事に当る者は、進んでいまだ発せざるを討つということになりますと、足の速いフアイター・ボンバーというものが考えられるはずでありますということが書いてあるのです。このフアイター・ボンバーというものの内容は何かということを考えると、これはグラマン機に通ずるものではないかということになると私は思うのです。そうした飛行機の性能、日本の置かれておる各種の立場、ことにもう一つ突っ込んで言うならば、グラマン機はもともと艦載機であった。航空母艦に積み込んで滑走路を短かくとって飛び立って、実績をあげればすぐ立ち戻ってくるというような、そういう飛行機であったはずなのであります。だから日本のような滑走路の短かいところ、長い滑走路をとりがたいところにおいては、その意味で国民に迷惑をかけぬグラマン機がいいのだという御説明もあったと思いますが、もっと突っ込んで言うならば、航空母艦に将来搭載する飛行機として間に合うような意味ででも、このかっての艦載機として名声をはせたグラマン機を考えていきたいというような、そういうひが目さえ国民に与えるおそれがあると思うのです。私はそういう意味から考えても、グラマン機という戦闘機の決定の仕方、内定の仕方、そこに何か憲法第九条の問題にからみ、そして岡証人が発言されたような来たるを討つということでなくして、さらにその発するところへ先に行くのだというようなほんとうの気持があるのだということを考えたときに、総選挙直前のあわただしさの中に急速これをおきめになった大きな理由がひそんでいるではないかという疑惑があると私は思います。私は時間の関係で今私が申し上げた点をお尋ねして、話を結んでいきたいと思うのであります。今から一つ一つ性能とか、価格とか、防衛産業とのつながりとか、新三菱重工と渡りをつけている行きがかりとか、秘密漏洩の問題について順次触れていきたいと思うのでございますが、今の委員長のお説がありますので、一応きょうの質問は終りを告げていきたいと思いますけれども、今私がお尋ねしたことに対するお答えを……。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 グラマンはボンバー・フアイターではないのでございまして、性能等ごらんいただきましても——さような爆弾を積んで遠く発せざるそこに行ってやるというようなものでないことは、性能等によっても御承知いただけると思うのであります。岡証人が——二佐でございましたか、在職中は主として通信の仕事をいたしておったと聞いております。作戦とか航空機の専門の性能とかいうような仕事はいたしておりませんので、しかも今民間におります一個人として仰せられましたことにつきましては、私どもが関するところではございません。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 僕もあとでいろいろなことを伺いたいと思うのですが、その前提として一つだけ伺っておきたい。このグラマンの内定について、防衛庁は沖縄、小笠原の防衛ということを考慮に入れて内定をせられたのかどうか。そういう態度をおきめになったのか。これを一つ、イエスかノーでけっこうです。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 これを内定いたしました当時、そういうことは考慮に入れておりません。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時一分散会

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