地方行政委員会 第5号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/21
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 この際、議事進行について発言を求められておりますから、これを許します。中井徳次郎君。
○中井(徳)委員 きょうは、両党の理事の話し合いでは、冒頭に警察官職務執行法の一部を改正する法律案について、政府の提案理由の説明を聞く、こういうこともきのうの二回の会談できまりました。午前中からの自民党側の皆さんの御意見によりましい、二十四日の午前中まで、新市町村建設促進法の一部を改正する法律案を審議をするということにきまったわけであります。そこで私どもも、そういうもりで午前の社会党の国会対策委員会その他に報告をいたしまして、大体の了承を得ました。ところが、その会議の途中で、二十五日以後の日程につきまして、私どもはまだ全然相談いたしておりません。にもかかわりませず、世論機関その他から、二十五日には公聴会だとか、あるいは二十七、八日には連合審査だとか、そういうようなことを与党並びに政府において、一方的にきめられて発表されたのじゃないかというふうな話がありまして、まことにかく然といたしたのであります。国会は、この間の議長あっせんによりまして、正常のルートによって堂々と言論を通じてやろう、こういうことでありまして、地方行政委員会といたしましては、審議の過程その他は正式に理事会のルートを通じてやろう、これはかたくお約束をいたしておりまするし、本日御出席の自民党の理事の皆さんも、十分そのおつもりでおられることも私は承知をいたしております。ところが、そういう話がありまする限りは、これは大問題だというので、きょう午前十時から開くというのを、はなはだ恐縮でありましたが待っていただきまして、そうして幹事長と書記長、両国会対策委員長の話し合いということで今までかかりまして、その点は、時間が少し延びましたことについては、そういう事情でありまするから御了承願いたいのでありますが、ただ、その席の話などを伺っておりますると、自民党の村上国会対策委員長は、二十四日のことまで閣議に出て話はした。しかし二十五日以後のことは自分は話をせぬ。先ほどもまた、これは廊下の立ち話でありますが、青木国務大臣からも、私に対してそういう御発言もございました。ところが、それから赤城官房長官のところに参りますと、赤城官房長官は、希望的観測のようで、党の方からそういうような話があった。そこでこれについて報道機関の諸君から質問があったのでというので、さっきうわさに出ましたようなことを発言をした、こういうことなんです。こういうことでありますると、私どもも、全く立法府と行政府の相関関係、これだけの重要な法案を、慎重の上にも慎重に私どもは考えておりまするのに、そういう一方的な、行政府の方からハッパをかけられるというふうなことでありましては社会党の委員としては、この点がはっきりいたしますまでは、やはり提案趣旨の説明なんかには応ぜられない、こういう考え方に立たざるを得ない。従いまして、この点についての委員長の見解を私はまずお尋ねいたしたい、かように思います。
○鈴木委員長 ただいまの中井委員の御発言につきまして、委員長から一音所信を申し述べて御了解を得たいと存じます。 委員会の運営につきましては、委員長の権限に基きまして、正常な運営をいたして参るわけでありますが、この円満な運営を期しまするために、できるだけ理事会を開きまして、両党の理事の御意見を徴しまして、その御意見のまとまりました線に沿うて、委員会の円満な正常な運営を期して参りたい、これが委員長の念願でございます。そこで昨日の理事会におきましては、ただいま中井理事からお話がありましたように、二十四日までの日程につきましては、理事会において完全に意見が一致いたしました。そのことをけさ私から、自民党の川島幹事長、村上国会対策委員長にお話をいたしまして、了承を得た次第でございます。その際、その後の見通し等につきまして意見を徴されたのでございますけれども、御承知のように、昨日社会党の理事の諸君から、公聴会を開くこと、及び地方に委員を派遣すること、その委員派遣は五大都市に派遣をしてほしいという強い御要望がありまして、なおまた、理事会等でそれらの話し合いのつかない場合には、両党の国会対策に移してもぜひ実現をしたいという強い御要望がございました。このいわゆる地方公聴会の開催等は今後の審議日程に大きく関連して参る問題でございますので、この地方公聴会の取扱いが党の最高首脳部の間において方針がきまりません間は、今後の審議日程も従ってめどがつかない、こういう状況でございますので、私としては、できるだけ党としても早くこの地方公聴会に対する方針を検討してもらいたいということで、けさは二十四日までの日程について了承を得て別れた次第でございます。従いまして、村上国会対策委員長が閣議に参りまして、今後の日程等について具体的なことを閣議に報告をするというようなことは、私としては考えられない事情でございます。この点を御了承いただきたいと存じます。
○中井(徳)委員 委員長のお気持は今の御答弁でよくわかりましたが、その際、地方に委員を派遣する、まあ通称地方で公聴会を開く、こういっておるのでありますが、この点につきましては、党同士の話し合いというふうなことであなたの方は御了承なすったのか、あるいはまたこの理事会でもってあらためてもう一度検討するというふうなことであったのですか、その点ちょっと確かめてみたいと思います。
○鈴木委員長 委員会の審議日程のことでございますから、まず第一次的には、私といたしましては理事会に御相談をしてきめたい、かように考えております。
○中井(徳)委員 そうなりますと、前段のあなたのお気持はよくわかりましたが、今もってわからないのは閣議の様子であります。たまたま青木国務大臣が御出席でありますからお尋ねするのでありますが、閣議では、あなたや村上君が言っておられるように、二十四日以後のことは全然話に出なかったのかどうか。これは赤城官房長官の言っておられることと食い違いがあるわけであります。その辺のところを私、率直に伺っておきたいと思います。
○青木国務大臣 今のお話でありますが、これは正式に申し上げますと閣議ではないのであります。官房長官も、閣議が始まります前に、党の国会対策委員長と幹事長からちょっと御報告を申し上げることがある、ですから閣議に先立って一応御報告申し上げますということで、村上委員長から、先ほど鈴木委員長の申し述べたことと全く同じ内容、二十四日までの日程についての報告がありまして、委員長としては、それ以後のことを具体的にどうということは別に申していなかったと私は記憶しております。ただ、希望といいますか、雑談的に、いろいろ公聴会を開くとすればいつだろうとかどうとかいう話がありましたが、別にいつ何日どうして何をするというような具体的なスケジュールというような話ではなくて、しからばいつごろが公聴会はいいだろうかどうだろうかというようなことは、これは正式の話というのじゃなくて、雑談的に話に出た、こう私は承知しております。従って党あるいは政府として、日程をこういうふうなことで進めるということを確定したというふうに私は了解いたしておりません。
○中井(徳)委員 今のお話を伺いますと、閣議じゃなかった、閣議の前の懇談会であった、こういうことであります。それはそうでございましょう。正式な閣議には党の代表が入るなんということは筋違いでありますから、そうでございましょうが、そうなりますると、懇談ということになります。そこであなた方は報告を聞かれた。中で雑談のときのことはわからぬ、こう言われますが、そうなりますと、そういう懇談や雑談の中のものを政府の官房長官が一方的に、発表するなんということは、これは議会の権威にかけても、私どもは断じて承服するわけにはいかない、こう思うのであります。そこで、私は委員会に一つ官房長官に出てきてもらって、そ辺のところう釈明を要求いたしたいと思います。これを委員長にお願いいたします。
○北條委員 中井発言に関連して。先ほど委員長から所信を表明されたので、大体わかったような気がするのでありますが、委員長は、御承知のように剣道の達人であり、堂々たるさむらいでありますから、あなたの先ほどの所信発表について、非常に潔癖のようでありますが、結論は、両党理事の意見一致の結果本委員会を運営をしていく念願であるということでありますが、念願は念願であって、やる決心と念願とは違うと思う。また同時に、両党理事の意見の一致に基いてやるというのと違うと思うのです。ですから、念願と決心と、そのきまった通りやる、この三通りあると思いますが、今あなたは念願するということを言われたのでありますが、こういう重要な段階ですから、そういうふうなあいまいな文句を使わないで、意見の一致した通りにやっていく、こういうふうに発言をし直された方がいいのではなかろうかと私は思うのですが、あらためてお尋ねいたします。
○鈴木委員長 北條君にお答えをいたします。先ほど申し上げましたように、委員会の運営を円滑にいたしますために、理事会に御相談をいたしまして、委員長としては、御意見がまとまりますれば、その線で委員会の正常な運営を期して参りたい、かように考えております。しかしながら、もしも理事会等でどうしても両党の御主張が対立をしてまとまりません場合におきましては、委員長が、国会法に基きまして、委員長職権で行うことも、これは国会法の命ずるところでございますから、委員長は所信に向って委員会の運営をいたす決意でございます。
○北條委員 ただいまの発言で非常にはっきりいたしましたが、冒頭にそういうふうにおっしゃればよかったと思うのです。しかし、冒頭から念願であるというふうに言われたから私は言ったんでありますから、どうかただいまの所信の表明の通りにやっていただきたい。
○鈴木委員長 ただいまの中井徳次郎君の御発言にかかる赤城官房長官を当委員会に出席を求める問題につきましては、理事会に諮りまして善処することにいたします。
○中井(徳)委員 それは二十四日にやっていただけますな。
○鈴木委員長 警察官職務執行法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案理由の説明を求めます。国務大臣青木正君 —————————————
○青木国務大臣 ただいま議題となりました警察官職務執行法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、警察官職務執行法についてその一部を改正しようとするものであります。 現行の警察官職務執行法は、昭和二十三年に施行され、以来約十年になりますが、この間の警察官の職務執行の実情にかんがみますと、この法律には、その規定に幾多の不備が見受けられますので、この際、この不備を補い、社会情勢の著しい変化に対応し得るようにしようとするものでありまして、これにより警察に課せられた治安の責めを全うするようにいたしたいと存じているのであります。すなわち、民主的警察制度のもとにおいて、社会情勢の変化に即応した警察官の職務の執行の円滑をはかり、善良な国民を守るとともに、自由にして平穏な社会生活を確保するため、この法律を改正する必要があると認めまして、この法律案を提出いたした次第であります。次に本案のおもな内容について御説明いたします。第一は、警察官が挙動不審の者に対して職務質問をした際に、その不審者が兇器等を所持しているときは、一時保管するためそれを提出させ、所持している疑いがあるときは、所持品を提示させて調べることができることといたしたのであります。 第二は、警察官が保護を行う場合について、保護を受ける者の要件の規定を整備し、また、虞犯少年、触法少年等で人の生命、身体等に危害を加えるおそれのある者を保護することができることとし、これに伴う必要な手続を規定いたしました。なお、保護を受ける者の氏名、住居を明らかにするため、または兇器等の所持の有無を明らかにするため、必要があるときは、警察官がその者の所持品を調べることができることとし、保護を受ける者が兇器等を所持しているときは、一時保管するためこれを取り上げることができることとし、もって保護の目的を達することができるようにいたしました。 第三は、警察官が避難等の措置をとることができる危険な事態の例示の規定を整備し、また、人の生命、身体等の保護という警察の責務にかんがみまして、危険な事態が発生してからでなく、その発生のおそれがある場合に、避難等の措置をとることができることを明らかにいたしました。 第四は、警察官の行う犯罪の予防及び制止の規定を改め、犯罪が行われることが明らかであると認めたときは、その予防のため警告を発し、また犯罪が行われようとしており、そのまま放置すれば人の生命、身体に危害が及び、または財産に重大な損害を与える場合のほか、さらに公共の安全と秩序が著しく乱されるおそれのあることが明らかであって急を要する場合にも、その行為を制止することができることといたしました。 第五は、警察官の行う立ち入りの規定を改め、人の生命、身体等に危害が切迫した場合のほか、さらに公共の安全秩序に対する危害が切迫した場合において、その危害防止等のため、やむを得ないと認めるときは、合理的に必要な限度で他人の土地、建物等に立ち入り、または通行することができることといたしました。 第六は、警察官は、質問に際し提出させた物件、保護に際し取り上げた物件または犯罪行為の制止の措置として取り上げた物件について、一時保管の措置をとることができることとし、これに伴う手続の規定を設けることといたしました。 以上が改正法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。 なお、この際、引き続き簡単に警察庁長官から補足説明をいたさせます。
○鈴木委員長 それでは本案についての補足説明の発言を許します。警察庁長官柏村政府委員。
○柏村政府委員 警察官職務執行法の一部を改正する法律案の内容につきまして、ただいまの説明を補足して御説明申し上げます。 まず職務質問につきましては、さきの説明の通り、不審者について兇器等を提出させ、または所持品を提示させて調べることができることとする規定を加えたのでありますが、これは犯罪を予防するとともに不審者の自害行為及び警察官の受傷事故を未然に防止する趣旨であります。なお、これは強制的に行うものではありませんので、そのことを明らかにするために、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、差し押えされまたは捜索されない旨を第四項に規定いたしました。また現行の第四項の規定は削除することといたしました。 次に保護の規定でありますが、保護を受ける者の要件の規定が不備でありましたので、精神錯乱または泥酔のため、公開の施設等で公衆に対して著しく迷惑をかけるおそれのある者、自殺をするおそれのある者、生命、身体または財産に危害を受けるおそれのある家出少年等についての規定を加えたものであります。また虞犯少年等を保護する規定を第三条の二として新設いたしました。すなわち虞犯少年、触法少年等が犯人に危害を加えるおそれのあることが明らかであり、かつ急を要するときは、とりあえず警察署でこれを保護することができることといたしました。これは少年犯罪が激増しておる社会の実情にかんがみ、年少者が思慮分別未熟のため非行に陥ることを未然に防止する趣旨であります。これらの者を保護した場合は、すみやかに家族等に通知し、関係法令の規定による手続をとるとともに、引き続き保護することについて、裁判官の許可状を直ちに求める等の規定を設けることといたしました。 次に避難等の措置の規定でありますが、近時の事例にかんがみ……(「約束が違う」、「資料がないじゃないか」と呼び、その他発言する者多し)興行場その他多数の者の用に供する施設等における過渡の人員の収容による混乱によって起る危険な事態に際し、避難等の措置をとり得ることを明らかにするため、新たにこれを例示として加える等の改正を行い、また危険な事態の発生が予測されるときは、警察官は事前に公安委員会に報告するものとし、公安委員会は、必要と認めるときは、他の公けの機関等に対し、その事態の発生防止のための措置を求めることができることといたしました。 次に犯罪予防のために行う警告及び制止の規定でありますが、第一条にも明りらかなように、犯罪が行われることが客観的に……(「逐条審議じゃないか)、「長官、やめろ、やめろ」と呼び、その他発言する者多し)確実に認識できるときは、その予防のため警告することができることとし、また、犯罪が行われようとしており、その行為を制止することなくそのまま放置するならば、公共の安全と秩序が著しく乱されるおそれがあることが明らかであって、急を要する場合にも、その行為を制止することができることとして、現行規定が個人法益の保護のみに着目しているきらいがあるのを改め、公共の法益の保護をも全うすることができることといたしました。 次に立ち入りの規定につきまして、公共の安全と秩序に対する危害が切迫した場合を加えましたのは、前に述べました制止の規定と同様、個人法益のみならず、公共法益の保護のための手段を与えるための規定をしたものであり、また立ち入り通行のできる場所等の規定を整備することといたしたのであります。 最後に、一時保管に関する規定を新設いたしました。これは、兇器のような危険な物件を一時的に警察の保管に移すことによって、危害予防及び本人保護の目的を達する趣旨であります。なお、この措置に伴う手続に関し、所要の規定を置き、この法律に規定する以外は政令で定めることといたしました。 以上、今回の改正案につきまして、その内容を補足して御説明申し上げた次第であります。何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○鈴木委員長 これにて本案の提案理由並びに補足説明は終りました。 この際……。(「やり直し」「議事進行」と呼び、その他発言する者多し)
○門司委員 議事進行について。今説明を、補足説明といって警察庁の長官がなされたのでありますが、われわれの感ずるところでは、これは補足説明の範囲を越えていると思う。補足説明というなら、大臣の説明されたものについての多少のつけ加えはあるかもしれません。しかし、その範囲を越えて、提出されたこの資料を見てみても、要綱にもない、ほとんど逐条の説明書をそのまま朗読するに似ておる。こういう不信なことでは、将来のこの委員会の円満な遂行は困難だと思う。同時に、事警察法に関する限りは、少くともお互いが信義を守って、そうして国民に安心を与えるということが一つの大きな眼目でなければならぬ。当初から、警察当局がわれわれをごまかして、そうして警察法を通そうということになれば、警察法自身に対する国民の今日以後の不信は現在よりももっと増してくると思う。警察への信頼なんかどこにもないと私は思う。従って、今の警察庁の長官の発言されたものは、委員長において会議録からこれの抹消をお願いしたいと思います。
○鈴木委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後二時十二分休憩 ————◇————— 午後四時十分開議
○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 前会に引き続き、新市町村建設促進法の一部を改正する法律を議題とし、質疑を継続いたします。阪上安太郎君。
○阪上委員 私は最初に、この法案が提出されましたときの政府当局の趣旨について、いささか納得できない点がありますので質問いたしたいと思います。政府の提案理由によりますと、昭和二十八年九月から三十三年の十月一日までの間に概略二千四百の市町村が合併された。それは結局合併計画の一○三%に達しておる。また都道府県の合併計画を見ても、その九三%くらいになっておる。そこで政府の方では、その数字によりまして、大体合併の第一目的は達成された、こう言っておられる。私は、この点については、数字的にはその通りだと思います。しかしながら、この提案の趣旨の中に、さらに明確に実態を把握しておられる言葉があります。それはこのことによって町村合併というものは今や第二の段階に到達した、こういうふうに言っておられる。その新しい段階とは何かというと、それは市町村合併よりも一歩前進して、新市町村建設への段階に到達した、こういうふうにおっしゃっておるのであります。こういうふうに趣旨を弁明されまして、なおつけ加えて、現在五百余りの未合併町村が残っておる。これらの未合併町村に対しては、最終的な方針を決定しなければならぬ必要に迫られてきたということでもって、今回の大体三つの主要な条文の改正が行われる、こういうことになっております。こういうふうにながめて参りますと、政府の方では、この合併促進法の趣旨に沿って建設計画を推進していくというところの考え方を持たなければならぬ段階にきた、こうおっしゃっておるのであります。しかも条文の改正をながめてみますと、全くこの法律の期限切れを心配される。そして期限の延長、それに伴ういろいろな措置が講ぜられるというだけであって肝心かなめの新市町村建設計画の推進という点については、何ら配慮をされていない。ところが、われわれ各市町村の実情をながめてみますと、合併してみたけれども、何のために合併したのかわからぬ、こういうようなことでもって、ある合併町村等においては、合併をしたことを非常に悔いておるというような状態があるということは御案内の通りであります。なぜ今度の法律改正で、そういった点を配慮せられなかったか、こういうふうな点につきまして大臣の見解を一つ伺いたいと思います。
○青木国務大臣 阪上委員のお話しの通り、この段階へきたならば、もう町村合併に終止符を打って建設の方に全力を尽すべきである。そういうのであるとするならば、単に今回の改正によって、合併問題に終止符を打つ、そのための改正というよりは、もう少し具体的に建設の方に対しても何かなければならぬのじゃないかというお話でありまして、私、その考え方につきましては全く同感であります。そこで私どもの考えといたしましては、そうしなければならぬと考えますので、建設に全力を尽すためには、まず残っておる未解決の問題をできるだけ早く解決して、総力をその方に結集されるような姿にしなければならぬのじゃないか、さような考え方から、今年度を目標として残っておる未合併町村の問題を解決いたしたい、そういう考え方に立ってこの改正案を提出いたした次第であります。 しからば、これによって合併にある程度終止符を打つことができたならば、その後一体どうするのか、こういう問題になってくると思うのであります。御指摘のように、せっかく合併をしたけれども、何ら合併の恩典にあずかっていないじゃないかというような声のあることも、私ども承知いたしております。そこで合併するにつきましては、ずいぶん関係の市町村の住民の方々等にも御無理もお願いいたして、そうして合併もでき上ったことでありますので、私どもといたしましては、この法律によって年度内に終止符を打ち、そして今度は合併によってできた新市町村の建設に全力を尽して参りたい。新市町村の建設につきましては、もちろんいろいろ問題があると思うのであります。要すれば、法律改正の問題もあるいはあるかもしれませんが、私どもといたしましては、一応この新市町村建設促進法もありますので、この法律の建前にのっとりまして、そうしてできるだけ予算措置におきまして御期待の万分の一にも沿うことができるように、明年度予算の要求等をいたして参りたい。なおまた、単にそればかりでなく、新しく建設されました新市町村が、近代的な新市町村の姿にならなければならぬ。かようなことも考えられますので、そのためには、いろいろと従来やっておりました市町村の事務処理の問題、こういう問題につきましても、来年度から予算も要求し、またこれに伴いまして自治庁自体としても、今後の新しい市町村としてどういうふうな事務処理をやるべきであるか、あるいはまた経理事務の問題はどうすべきか、そういういろいろな面から今後の新しい時代にふさわしい新市町村を作るために全力を尽して参りたい、かように存ずるのであります。明年度予算の編成も、まだ内部的にもさまで進んでおりませんので、まだ予算のできないうちにそんなことを言っても、それが当てになるかとおしかりを受けるかと存じますが、私どもといたしましては明年度予算編成に当りましては、そういうような考え方に立って、自治庁の、内部的に申しますれば、行政局におきましても、あるいは財政局におきましても、その他関係各部局とも、新市町村建設ということを一つの大きな柱といたしまして、それにいろいろな施策を集中して参りたい、かように存じておる次第であります。
○阪上委員 ただいまの大臣の御答弁は、私非常にけっこうだと思います。しかし、皮肉な言い方をいたしますれば、今五百余っておる未合併町村というものは何とか早くここでケリをつけてしまって、しかる後に財政援助等の条文改正等も大きく取り上げてみたいし、それまでの間は暫定的に予算面において措置していく、こういうふうに承わるのでありますけれども、御案内の通り、町村合併というものをここまでやって、残っておるものが五百、これが非常に問題だと思うのであります。考え方によれば、三分の一ぐらいは捨ててしまわなければならぬ合併であるかもしれない。また、いろいろな苦情その他の問題も発生してくるのであろうと思います。でありますので、そういったものをこの際ここで解決して、しかる後に、他の本法律にあるところの財政援助関係について、第三章の五カ条をもっと魂の入ったものに変えていこうということは少し見方が甘いのじゃないかと私は思うのであります。それよりも、同時にそういった進め方をしていただくことの方が、より一そう新市町村が待っている問題ではないか、こういうふうに思います。この場合、一つ特にお願いいたしたいのは、ほんとうに新市町村というものの大部分が、新市町村建設計画というものがちっとも進んでいかないというような状態のために、非常に苦しい状態に入っておるということは、御案内の通りだと思うのであります。ただ単に区域の合併だけをお考えにならずに、財政援助の面についても法律改正をおやりになるというようなことを並行的に進めていただく、こういうことはぜひ一つ私はお願いいたしておきたいと思います。
○加藤(精)委員 関連して。新市町村建設につきましては、その前の法律の関係の町村合併促進法からずっと継続してこれを大観して見ますと、明治二十一、二年に、日本に竹やり騒動のようなものが数年間続いて、そうしてやっと最近までの町村の区画ができた、自治体の地域性が確立したということを考えてみますれば、まことに画期的な成功だということを感ずるものでございますが、しかしながら、明治二十一、二年の大合併が、その後五十年間も町村の地域として尊重されましたるごとく、今回決定しました町村合併の地域は、相当の期間町村の地域として恒久性を持つものになる可能性が多いと思うのでございます。ことに社会党の発表せられておりまする地方自治政策におきましては、少くとも十五年間くらいは、これの培養期間として動かしちゃいかぬということを主張されておるのでございます。果してしからば、こうした画期的な大事業はどこまでも仕上げをりっぱにしなければならぬ。落ち穂拾いもしなければならぬというようなことで、今回、落ち穂拾いの程度の法律の一部の期間延長をされるということにつきましては了承することができるのでございますが、ただ私二、三気がついたところを申し上げますと、この市町村の境界変更に関する争論でございます。念のためにお尋ねしておきたいことは、この争論が、いろいろ全国にわたって何百とあったのでありますが、その争論が一応解決いたしまして、内閣総理大臣の裁定等が済んだというところにつきましても、なおその後争論がある場合には、この一部改正法律によって、新しく県にあります町村合併調整委員等の裁定にかかるものであるかどうかという点でございます。それから昭和三十六年三月までこの法律が続くわけでございまして、大部分の規定は、この合併に伴う恩典を与える一連の法律が続くわけでございます。この続きます場合に、先ほど大臣から、予算その他財源についてできるだけ努力するということでありましたが、国の補助となる場合もありましょうし、国の負担となる場合もありましょうし、あるいは地方財政計画上の財源措置となるものもございましょう。それらの点につきまして、できるだけの御努力をなさるということは了といたしますけれども、これは特にこの方面の大家の行政局長にお尋ねしたいのでありますが、最小限度ここまでは新市町村建設には助成をしなければならぬ、町村合併ということに伴ってそこにある地域ができる、その地域の行政水準をどの程度まで最小限度持っていかなければならぬかという結論的な見解、そういうものについて御意見がございましたら、その点を特にお聞かせいただきます。関連質問でございますから、私はもう一回しか質問いたしませんけれども、その点二つお伺いします。
○藤井(貞)政府委員 第一の点でございますが、県境にまたがる市町村の境界変更の問題につきましては、現在係属中になっております案件が三件ございます。今度の法律改正をもちまして期限の延長をいたすために、将来どういう問題が生起して参るかということにつきましては、私どもといたしましては、別にしり込みをいたすわけではございませんが、この間の県境にまたがるまるまる合併問題につきましても、関係方面に当って非常に御心配をおかけしたというような経緯もございます。従いまして、そう多くこの問題を取り上げようというつもりは持っておりません。ただ先般の中央審議会の勧告におきまして一件、群馬と栃木との関係におきまして、合併はその時期ではないけれども、その一部についてはなお隣接の市と非常に密接な関係があるし、住民の意向も非常にこれを熱望していることでもあるので、そういうような点については、関係当局と話し合いをして境界変更の措置を講ぜられるということが望ましいという答申もあるわけでございます。従いまして、場合によりましては、この法律を援用いたしまして本件の処理をはからなければならぬという事態が参るかもしれません。そういうふうに考えておりますが、一般的には、非常にこれを大きく広げて適用をいたしていくというつもりは持っておりません。 第二の点につきましては、これは非常に根本的な非常にむずかしい問題でもあろうかと思います。標準規模の市町村、いわゆる新市町村ができました場合に、この新市町村というものについて、将来のあるべき水準、行政規模というものを理論的にどういうふうに設定をして参るかということにつきましては、これはいろいろ議論もあろうかと思います。ただ何と申しましても、当該市町村の持っております財政能力、さてはこれに対応いたしまする国なり県の援助措置、またその基礎をなします全体としての国家経済の問題というようなものと密接に関連をいたしてくるわけでございます。さらに今一般的にいわれておりまするいわゆる地方行政の近代化、そういう問題の一環としても、当然新市町村というものは、その一翼をになうものとしてこれを取り上げて参らなければならぬという問題もあるわけであります。われわれといたしましては、大体迂遠な話のようではございますが、新市町村ができ上りました際に、これがやはりある程度の基礎固めができて、そして一体的な市町村としての経営の基礎ができるには、やはりどうしても早くて三年、おそくて五年くらいはかかるのではないか。その間に、新市町村の基礎固め、一体的な運営ができまする基礎条件の整備ということをはかって参らなければならぬのではないか、という考えを基本に持っておるわけでありまして、そのための方策といたしまして、新市町建設促進法等におきまして、それらの基本的な方向を打ち出しておるわけであります。しかし、新市町村というものは、今御指摘にもございましたように、今後長きにわたって基礎的な地方公共団体の区域として存続をいたしていくものであります。さらに国なり、県の施策というものは、最終的には市町村の手を通じて行われて参らなければならぬということに相なるのでありまして、この点は、新市町村自体の育成という問題と並行いたしまして、基礎的な地方団体としての市町村全般の新しい行政水準の確保の問題、さらには地方行政の近代化の問題にどのように耐え得るかというような問題についての、一つの基準を設定をしていかなければならぬのではないかというふうに考えておるのであります。その具体的な内容について、どのようにして参るかということは、それぞれの国家の各省にわたりまする施策の総合的な総和ということになって参るわけでございますが、おのずからそこには交付税の対象にいたして、その前提といたしまする地方団体の基準的な行政内容のあり方というようなものについて、今のようなことでは、なおこれは不満足でありまして、そういうような点は、全体の社会、経済状況の進展ともにらみ合せまして、内容をどのように引き上げていくかという問題に連なってくるというふうに考えておるのであります。その点については、われわれといたしまして、まだ具体的にかくあるべしというようなことについての確定的な成案は持っておりませんですが、大体やはり可能なる限度と、あるべき理想的な姿というものとをにらみ合せながら、それぞれの新市町村について、新市町村建設計画の調整ということを行なっております。この新市町村建設計画の調整の段階におきましては、県も総合的な立場からいろいろ御相談を受けまして、仕事の内容について、水準を全体として高めながら、なお可能なる限度においてこれを推進するような計画樹立に邁進いたしておるのであります。われわれといたしましては、今後さらにそういう方面の検討も重ねますとともに、標準的な規模というものの行政内容をどういうふうに設定していくかということにつきましても、なおさらに検討を続けたい、かように考えております。
○加藤(精)委員 ただいまの前段は、私の考えはこうなんです。二十九条の二で、特に必要があると認めたときは勧告ができるわけです。それで二十七条の二でもって、町村合併調整委員にあっせんを行わせることができるとありますが、その場合に、すでに合併をしまして、相当市町村の境界変更に関する争論が起きて、そして内閣総理大臣の裁定があった場合に、そのものについてなお争論があるときには、府県知事が、その後の事情の変更により特に必要があると認めた場合、なおもう一回二十九条の二にかけて、二十七条の二で処理することができるかどうか。これは代議士の皆さんもいろいろ地元の関係がありまして、非常に苦労したことがやっと安定したと思うと、もう一回不安定に戻るということなら容易じゃないと思いまして、それを率直にお尋ねしたのです。 それからもう一つの問題は、これは非常にむずかしい問題であると私は思うのですけれども、私の持論といたしまして、地方交付税の基準財政需要などの組み方の場合、何年前かの実際に標準の地方団体でかかった経費の平均を単位費用にするというそういう基礎的な方針が、私が前々から言いまするように、地方団体間の鋏状格差をだんだん大きくするのじゃないかという疑問があるのです。そういうふうな単位費用で積算されました財政需要しか使えないのでございますと、その結果、活力のある工場等が非常に多い団体では、ますます自然増収の予算をもって新しく人民の福利あるいは地方振興の予算を計上して、どんどん伸びていく。それから自然増収があまりない、時によっては収入が横ばいになるというようなところでは、新しい事業の計画の余地が、まあ二割とか二割とかいう自由に使える財源以外にはないわけです。そういうことになりますと、ますます鋏状格差が大きくなるので、単位費用の決定の仕方に対して後進地開発の理論を適用すべきじゃないかということを、かねがね思っているわけでございます。外国に対しては、いろいろ同情しまして、コロンボ計画とか、あるいはエカフェとか、たくさんの措置が講ぜられておりますにもかかわらず、国内の後進地開発につきましては、一定の理論がないために、いたずらに九州開発とか、四国開発とか、全国各地域が開発ばやりになりまして、予算争奪等がありますよりも、むしろ自治庁あたりの最もすぐれた行政官のいるところで、後進地開発を、学理的にも実際的にも理想的な案を作って、そして政府提案として、後進地開発の理論を具体的に実施していきまして、そして地方団体間の鋏状格差を大きくしないようにするということが大事じゃないかということを考えておるわけでございます。それに関連して、そうした鋏状格差をなくすために、従来の郡の地域くらいにわたって合併をしまして、そして非常に低い民度の地域をも全体の市町村の行政水準にまで引き上げるというようなことを受け持つということが、悲壮な決心でもって各地域で行われているわけです。町村長は、みずから自分の公的生命を張って、そしてその地域の振興のために合併を決意をしたというのでございますから、政府御当局とされましても、そうした悲壮な犠牲者が公共のために尽しておるような精神を体されまして、そしてこの新しく合併した新地域の中の後進地の援助ということまでにも手が回るような、さような意図のもとに財政の遂行を援助していただいたらどうか。またそれに加えて、合併ということを問題にしないでも、地方団体間の財源の調整につきましては、後進地開発理論というものを、明年度から地方交付税制度に織り込みなさることが適当じゃないか。そういうようなことについて、直接地方自治の実際を操作しておられます行政局長さんの透徹した御意見を承わりたいのでございます。
○藤井(貞)政府委員 第一の点は、ちょっと質問の意味を取り違えまして、まことに恐縮しました。お話しになりました点につきましては、今回、紛争問題についても、なお本年度一ぱいは期間を延長したいというふうに思っておりますのは、合併計画の変更をやむを得ず行いますに伴って起る紛争の解決の問題だけでございます。従いまして、従来代執行その他の点ですでに問題の解決をいたしておりますところを、この際あらためて取り上げるという意図は全然ございません。 さらに第二の点でありますが、この問題は、新市町村自体をレベル・アップしていかなければならぬ、あるいは一体性を確保するための施策を講じて参らなければならぬという問題と、今度は、地方自治の内容、特に基礎的地方団体であります全国にあまねく存在する市町村の行政内容というものをどの程度に上げていくか、また内容を充実していくか、この二つの問題が私はあり得ると思うのであります。しかも第二の問題につきましては、これは国家施策をあげて常に配慮を加えて参らなければならぬ問題であります。しかも、これは永続的に将来にわたっても長く常に配慮を加えて参らなければならぬ問題であります。その際に、私そう詳しくもございませんが、私の感じとして、将来一番問題になりますのは、何と申しましても、市町村というものがなお義務的にやって参らなければならぬ仕事というものがどんどんふえて参る。これはいろいろ義務的経費がふえて、これに反して、自治事務の内容というものがだんだん狭まってくることは、地方自治の建前からいっておもしろくないではないかという議論もございます。しかし一面において、社会経済の進捗とともに、たとえば社会保障制度というものが漸次拡充をしていくのがやはり近代国家の一つの進むべき必然の姿であるといたしますならば、どうしても義務的経費というものは、将来ふえこそすれ減りはしない。そうなりますと、これに従って義務的な仕事をまかなうに足るだけの義務的な経費、従ってそれを確保すべき収入というものがどうしても必要になってくるわけであります。そういった場合に、一番大きく障害となって出て参りますのは今加藤委員から御指摘になりました、相対的な各市町村間の財政力のアンバランスということでございます。これは市町村もそうでございますが、県においてもおそらくそうであり、その点につきましては、いろいろ財政調整の方途というものがある程度行われております。行われておりますが、これで果して今後の財政需要というものに対応していけるものかどうか。また、税制改正ということも、もちろん大事でございますけれども、いかに税制改正を行いましても、やはり税源の不足なところではどうしても満足な収入というものが確保できないということになりますと、どうしても制度的な面でもって調整措置というものを講じて参らなければならぬという問題が起きてくるだろうと思います。そういうような点につきましては、後進地開発の面というようなものも当然取り入れられてこなければなりますまいし、さらに義務的な経費というものを円滑に確保するためには、どのような措置を講じて参るかということも大きく関連をして参ると思うのであります。私は、これら両面の点を考えながら、やはり制度自体として、財政調整の問題並びにその他の点についても当然考慮を加えなければならぬという問題が起ってくるのではないか、かように考えます。
○鈴木委員長 委員各位に申し上げますが、青木国務大臣が、所用のため暫時の間中座いたしますので、先に大臣に御質疑のある方からお願いをいたします。
○阪上委員 では先ほどに引き続きまして質問を継続いたします。 先刻申し上げましたように、今ほんとうに合併町村が財政的に困っております。援助の手を待っておるのであります。新市町村計画は少しも進歩しておりません。自治庁の方で出していただいた資料をながめてみましても、せいぜい六〇%ぐらいしか進んでいない。新たな事態が発生しておりますので、それに伴うてさらに財政援助が必要となる段階であります。そこで私、局長に御質問を申し上げますが、あなたの方で、新市町村建設計画の進捗状態等につきまして、先刻いただいたような資料だけじゃなく、ほんとうに現地に臨んで実態調査というものをおやりになったかどうか、それを一つ聞きたいと思います。もしおやりになったとすれば、どんな方法でおやりになったか。府県まかせでおやりになっておるのか。そういった点につきまして、この際承わっておきたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 新市町村の建設計画が、当初予期したような成績をおさめておらないではないかという点は、これは遺憾ながら十分な成績を上げておるとは言いがたい面があると思うのであります。ただ、資料にも挿入をしておきましたような建設計画に基く事業の実施状況調べによりましても、だんだんと年度を経過するに従いまして、全体としての進捗率、事業達成率というものも上ってきております。現在三十二年度について集計中でございますが、大体七〇%をこえるという姿を、見通しとしてわれわれははっきりとつけておるのであります。しかしながら、計画自体というものに対して、なお進歩率が七割程度では十分満足ではないということは、私たちもその通りであるというふうに認めておるのでありまして、さらにこれらの実施率というものを高めていくということについては、もう一押しも二押しも真剣な努力をしていかなければならぬと思っております。 その次の、新市町村の建設の実施状況について調べておるかというお話でございますが、これはわれわれの方、事務当局を派しまして、全国的に一つの調査項目を定めてやったことは今までございませんですが、しかし、なお局地的には、いろいろ具体的な市町村について調べをいたしておる例はございます。それらの町村の例等について見ますると、はっきり申して、やはり非常に千差万別でございます。きわめていい成績を上げておるところもございまするし、またそれかといって中には、これでもいいかと思われるような状況にあるところもございます。そういうところでは、要するに経費節限すらも十分に行われておらないで、赤字を非常に多くかかえ込んだだけで、新市町村の建設計画の遂行に非常に苦慮しておるというようなところもございます。ただ全般的に見ました場合におきましては、まずまず曲りなりにも新市町村の建設計画というものも軌道に乗りつつあるのではないかという感じを受けておるのであります。われわれといたしましては、大体未合併町村の合併の問題が見通しがつき次第、一度新市町村の建設の実施状況というものを一つ腰を入れまして調査をいたしまして、問題点なり、そういうような点をはっきりと把握をいたしまして、将来の参考の対策資料にいたしたいと考えております。
○阪上委員 ただいまの御答弁によりますと、サンプリング調査はやったけれども、全体的なものはやっておらないということであります。それもやむを得ないだろうと思いますが、私、過般来四日間ほど兵庫県下の、都市じゃなくして、合併町村の実態を調べてきたのでありますが、われわれが一般に考えているような、なまやさしい状態のものではない。ことに大きい町村に至りましては、大へんな状態になっておることが私もしみじみわかったのであります。 一例をあげてみますと、合併のために財政の規模を統一しなければならぬ。ある地方のごときはわずかに予算規模が三千五百万円くらいのところでもって、定時制の高等学校建設のために必要な建設資金を一千三百万ないし一千五百万も出している。その処置財源がないので、町有の財産まで売り払って処分している。こういうような状態でありますので、町村職員の給与のごときに至りましては、驚くべき低いところで押えられている。こういうような例を私はしみじみながめてきたのであります。この法律が作られた当時に、いろいろな部門について手当は加えられておりますけれども、さて合併してみると、それ以上にいろいろな新しい問題が発生しておる。こういう状態でありますので、ただ単に都道府県等から出てくる、地方から出てくるところの数字の集計でもってものを判断されないで、やはり適当な方法を考えられて実態調査をおやりになりませんと、もうここ二、三年の間には、給与の支払いすらできないような状態に入るというようなことをいっておりますから、そういう点について、もう少し熱意をもって実態調査をやってもらいたい。ことに町村に対しては相当思い切った実態調査をやっていきませんと、先ほど加藤さんからもお話がありましたように、町村は非常に不公平な、財政のアンバランスを身をもって体験しておる。こういうことでありますので、この点は一つよろしくお願いいたします。 〔委員長退席、亀山委員長代理着席〕 そこで引き続いてこの際伺っておきたいと思いますことは、今ちょっとあなたが触れられましたことで、新市町村建設の促進状況でありますが、ここに出されております資料の総額というのは、これは補助事業も単独事業も含めてのものでございますか。そういうふうに解釈していいわけですね。——そういたしますと、補助事業の三十一年度が四億であります。三十二年度が三十七億、こういうことになっておりますが、三十三年度はどうなっておりますか。それから総額から補助事業を引きました三十二年ないし三十三年度の単独分はどの程度になっておるか、その進捗状況は一体どの程度になっておるか、これを一つおわかりでしたら承わりたいと思います。
○吉浦説明員 その金額の単位はこれと合っておりませんし、ちょっと意味がとれないのでございますが、たとえば二十九年度におきましては、計画額はすべて一切を含めまして、当時の千九百市町村が持っております全体の建設計画というものを、全部当該年度の分を集計いたしましたところが、三百九十三億に相なるわけでございます。実際に決算におきましてそのうちやった額が百八十四億ということになっておるわけであります。三十一年度について申し上げますと、同じく新市町村の数もふえまして……
○阪上委員 三十二年、三十三年は……。
○吉浦説明員 三十二、三十三年の新市町村建設計画の集計はまだ出ておらないわけであります。
○阪上委員 言いたくありませんけれども、今の段階でこれが握られていないということですから、改正法案なんか見ましても、全く建設計画の方は頭を使っておらない。今ごろこんなものがわからぬということでは、ほんとうに自治庁は真剣になって建設計画を進捗させ、遂行せしめる腹がまえがあるかどうか、疑問だと思う。
○吉浦説明員 握ってないわけではございませんので、決算が出ておりませんので、事業実施状況について詳細を知り得ないという意味であります。現在二千四百の新市町村のすべての五カ年間の建設計画の総事業費は、四千億に上るわけでございます。従って、五カ年計画でございますので、平均の単年産計画は八百億ということになります。ところが、新市町村の個々の二千四百のやり方を見ておりますと、その当該年度の分を繰り上げて実施するところもあります。また繰り下げて実施するようなところもございまして、そこに全体計画と単年度々々々の計画とがばらばらになって参るのが通例でございますので、二十九年度から三十一年度までの三カ年のものにつきましては、今申し上げましたように明らかでありますから、残るところは、四千億からこれだけの計画額をさっ引いた額となるわけであります。今申し上げましたように、各市町村で実際に行なっております建設計画は、それを絶えず調整をいたしまして、数字をふやしたり減らしたりしておる状況でございますので、常に把握しておるわけではございませんが、一年間に一回ずつ報告を求めましてやっておるわけでございます。五カ年間で約四千億になるわけであります。
○阪上委員 四千億はよくわかるのですが、各計画とも、年度をちゃんときめてやっておるのです。それが繰り延べになっておる状態を把握しておらないと私は思う。そこで端的に伺いますが、四千億からこれだけのものを差し引いたものが残額だということです。そうしますと、かなり膨大な残額があるわけです。これに対しまして、残額の処理をどういうようにやるか、それを一つ政務次官からお伺いいたしたい。
○吉浦説明員 実施計画は、御承知の通り、当初策定いたしましたものは、町村合併の際の各町村の希望条件でございまして、たとえば、ことに大きい埋立計画というようなものを持っておるところがございまして、その財源は何ら考えておらない。今例としてお述べになりました定時制高等学校の建設計画にいたしましても、財源問題を考えてないで、一応希望があるからということで登載した例が多いわけです。そこでわれわれといたしましては、財源問題ともにらみ合せまして、また、地域の一貫性という問題も考え合せまして、真に町村合併の効果を発揮せしめるような建設計画に再改定をしていただくという作業を全国的に今進めております。全国で約一千四百の町村がその作業を進めておるわけでございます。現在、その作業がだんだん進歩していっておりますが、新しい意味の改定計画を早くして参らなければ、あまり意味がないわけであります。町村合併の際に立てた計画が、全然意味がないということを申し上げるのじゃございませんが、その計画を実施して参ります場合に、非常な不工合な面が多々生じておることは事実でありまして、そういった事業を続けて参っておるわけであります。従って、現在ここで数字に出ておりますような割合のものをやってみました結果をいろいろ聞いてみますと、大体住民から第一次的に待望されておりますような事業はほぼ完遂しております。ただ、今のような財源の見通しのない計画がありました場合には、これは逐次あとへ繰り延べるとともに、もう一ぺん計画自体を見直していただいておるわけであります。個々の態様によって違いますので、総括的に御説明申し上げるより手がないわけでございますが、御了承をお願いしたいと思います。
○阪上委員 そこのところが私、問題だと思うのです。ただいまの御答弁によりますと、何か五カ年間の新市町村計画というものがただ単なる希望であって、という程度のものである。そしてそれに対する確実な財源措置というものは考えられていない。こういうようなものの考え方に立っての答弁だったと思う。しかし、そんなことでなぜそういう合併計画を自治庁の方で承認されたのですか。それに対して承認した以上は財政の裏づけというものをぶっつけてやる必要があるのではないか。もちろんこれは国だけではいきますまい。都道府県も援助計画というものを立てなければいかぬと思いますが、それを、ただ単に合併当時の町村の希望である。それをふんふんといって認めてやらなければ、この合併が成り立たない。だから、しょうがないからごまかし的に認めておるのだ。こういうようなことでは、四千億になんなんとする事業がちっとも進まぬ。そういうことが進んでいかないから、逆に五百もの町村が残っておって、なかなか合併の問題に入らないというようなことも考えられるわけであります。こういう点について、もう少し熱意のある態度を自治庁は出してもらわなければいかぬと思う。この点についてはどうなのです。
○藤井(貞)政府委員 今振興課長が申し上げました点は、計画自体の中には確かに、これは全体がそうであるというわけではございませんが、合併町村の中では、それぞれの単位になっておりました旧町村からの希望条件をそのまま全部羅列をしてしまって、何ら調整をとっていないというものも中にはあるというような意味で、その点に重点を置いて申し上げたようでありまして、全体がそうであるというような意味で申し上げたのではないということを補足して申し上げておきたいと思うのであります。われわれといたしましても、何もそれぞれの町村が立てました計画自体というものを、財源がないから圧縮してしまうというような考え方で今調整指導をやっておるのではありません。その点は、やはり合併をいたします再建各単位町村の希望というものと、合併をいたしてしまいましてから後の一体としての新市町村の立場からもう一ぺんそれらの合併計画を見直してみるということをやりました場合に、おのずからそこにニュアンスが違ってくるという部面もあるわけです。しかも、一体的な面から見ました計画の再調整ということの方が合理的である場合もあるわけでありまして、そういうような合理的にするように今指導をしておるのであります。しかし、われわれといたしましては、全体の熱意をもって計画をされました合併の新市町建設計画を、やはりできるだけ希望通りにやるようにしてあげるということが眼目でなければならぬと思います。そういうような意味で今までも極力努力をして参りました結果、なお、関係町村、県当局の努力もございまして、だんだんと実施計画の実施率は上ってきております。大体の見通しとして申し上げましたように、三十二年度におきましては、七〇%を突破するということに相なっておるのであります。その間におきまして、現在千四百二十カ町村にわたる町村でもって、それぞれの計画について調整を加えております。われわれといたしましては、来年度は、少くとも残った新市町村の全部にわたって計画調整を実施してみたいというふうに考えておるわけでございますが、なお先刻来お話のありましたような実態調査、サンプル調査というようなことになるかもしれませんが、それはやはり全国ある程度各県に通じた調査を行いまして、問題のポイントがどこにあるのか、現実に各市町村の悩んでおる問題はどういう点にあるのかというようなことについての実態を把握いたしまして、今後の対策上遺憾のない措置に持って参りたい、かように考えております。
○阪上委員 ただいままでの答弁を総合いたしますと、結局、膨大な計画である、それに対して財源が休っていない。ここに問題点があるのでありますが、その場合、今の行政局長の御答弁によりますと、何か合併計画に変更を指示する。その変更の方向が、財源措置は、これ以上国としても、都道府県としてもできないのだ、だから縮小するという意味にとれて仕方がない。そういう意図ではないかと思うのですが、その点いかがですか。
○藤井(貞)政府委員 そういう意図ではございません。やはりあるべき行政水準の確保と、新市町村として今後一体的に進んで参らなければならない基礎条件の整備はぜひともやっていきたい。そういう考えをもちろん基本としておるわけでありまして、財源が今のままで固定しておるから、そこへ全部はめ込んでしまうというような考え方は持っておりません。
○阪上委員 そうしますと、結局またもとへ戻るのですが、市町村の自主財源だけではできないのでしょう。できないから延びておるのではありませんか。残事業になっておる。それを縮小するという方向は今のところ考えられない。そうすると、行政水準はおっこちてしまうということはわかりきった話です。そうすると、もとへ戻って政府は財源措置をどうするか。もっとはっきり言いますと、起債でどうするのだ、交付税でどうするのだという一つの案があったら、この際お示しを願いたい。
○藤井(貞)政府委員 この計画自体は、自主財源でもって措置しなければならないというものだけではございません。補助事業も何も全部計画の中に入っておるわけであります。ただ補助事業等につきまして各市町村で計画を立てます場合に、全然見通しがない、今後の努力目標として三年後にはやるとかいうようなものならまだしもでございますけれども、来年度必ずこれをやるということで、それが今までの各省の予算等から見ました場合に、ちょっと見込みがないというような計画を持っておる向きも中にはあるわけであります。そういうようなものについては、やはり県の方で、大体の見通しを立てながら、実現可能性の点をあまり踏み出さないように、そうかといって従来の実績通りやっていくのだ、それ以上は認めないというようなことでは進歩がございません。そこのにらみ合せがむずかしいわけでございますが、われわれといたしましては、そこにやはり一歩水準を高めていくというような要請と、一面において、それがただ単に描けるもちにならないような現実的な配慮、そういうものを講じながら、実現性のあるしかも一歩一歩進んでいく計画に一つこれを改定していくというふうに指導をいたしておるような次第であります。
○阪上委員 そうしますと、補助事業というようなものにつきまして今のような実態を考えたときに、現在のようなワクの程度ではいけないのではないかと思うのです。将来これを伸ばしていく、もっと拡大していくというような考え方がおありかどうか。それから単独事業分については、できるだけ自主財源で持っていく分が多いだろうと思うのです。当然起債が伴ってくると思います。この場合、大幅に新しい財政投融資でもってそれにぶっつけていくというような考え方を具体的に持っておられるか。ことに起債の問題につきましては、先ほども言いましたように、新市町村合併後におきまして、相当行政の質も変ってきておると思う。たとえば非常に広範な、非常に広域な合併をなされた場合に、通勤等の問題も同時に出てきております。その場合に、その地方の状態を見ますと、バスは全く民間企業の独占事業になっておる。こういうような状態も出てきております。そのためにどうにもならぬという状態で、多くの合併新市町村は非常にむずかしい——公営バスの問題を考えてごらんなさい。そういうものに対して思い切った公営企業を起していくだけの幅のある、そうしてまた当事者ができるような面における起債を真剣に考えてやらなくちゃならぬ。そうかと思えば、職員の給与の問題にからみましても相当いろいろな問題がある。この場合に、このままの状態でベース・アップをどんどん続けていくというようなことがなかなか困難だという情勢にもあります。当然そうなれば定数減をしなければならぬ。といって、これを首切りするわけにいかぬということになって参りますと、その他の公営企業を思い切って興さなければ、こういう調整ということはとうていできない。そういった意味における公営企業等に対するところの起債の問題は、もうただ単に論義をやっている段階ではなしに、思い切って腹をきめておやりにならぬと、どうにもなりませんよ。こういう点について、起債の問題とか、補助金の問題とか、もう一つは交付税等におきましても、もう少し何らかの措置を思い切ってやって、財政措置ができるような方向に持っていってもらいたい。また、交付税の内容等を見ましても、御案内のように、こういった新市町村に対してぶっつけられているものは、普通交付税では、合併補正あるいは段階補正あるいは合併算定がえですか、こういった形に当分なると思うのです。こういった内容も、果して現在行われている内容でいいかどうか、これも検討しなければならぬ。交付税とか、起債とか、補助金とかというものについて、もっと財政援助をやっていくようなことを真剣に考えてもらわなければならぬが、これらの点について、今度の改正法律案を見ましても、ちっとも触れてない。先ほどから私何回も言っている。こういう点について、自治庁はどうお考えになっておるか、政務次官にお伺いしておきます。
○黒金政府委員 ただいまいろいろとお話を承りまして、非常に適切な御意見の多いと思いますが、結局、補助事業にいたしましても、起債にいたしましても、国全体としての財政的なワクの範囲内で行う以上できませんので、私どもといたしましても、各省ともいろいろ連絡をとりまして、その乏しい中でも、でき得る限り多くの金がこちらに向きますように、たとえば電電公社の関係もございますし、あるいは鉄道の関係もございますし、そういう公社あるいは農林、建設その他の各省とも十分に連絡をとりまして、限られた財源の中でも、でき得る限りこの目的に沿うような補助金を増して参りたい。同時に、原資の関係も十分に見ました上で、特に今お話のあります公営企業の企業として採算のとれます方面の適当な事業の方には、できるだけ起債のワクもふやして参りたい、かような考えで努力いたしておりますが、なかなか努力がそう急に実現できませんので、今御指摘受けますような御非難を受けてまことに恐縮でありますが、すぐに一気に解決も実際問題としてなかなかむずかしいと思いますので、でき得る限りの努力をいたしまして、なるべく早く各新市町村の御要望が達せられますように、自治庁は、いわば世話役の任務だと心得て努力を続ける決心でございます。
○中井(徳)委員 関連して。今、阪上さんから大へんいいお尋ねがあったと思うのですが、私は、実は実例を二、三知っておりますので、参考までに申し上げておきます。きわめて強い意味で要望しておきたいと思いますが、実は二カ月ほど前ですが、兵庫県に合併の状況調査に参りました。そうしましたところが、ちょうどたまたま例の車馬賃の問題が出ておりました。これは今回の政府の国家公務員に対する車馬賃の問題と関連をいたしまして、各町村におきまして、車馬賃の適当なものは出さなければならない、こういうことです。ところが、五里も離れているというような大きな合併がありまして、政府の標準は、私今正確には記憶はいたしておりませんが、最高月五百円とか六百円というふうに押えられておるように聞きますが、寒村に参りますと、役場まで吏員が通いますのに、一カ月バス代が三千円かかる。そういう状況で、これをどうしようかということから話が発展しまして、そうして村役場等でバスを一台持って、送り迎えをやろうじゃないかということをいいますと、そこにありますところのバス会社から横やりが入って、営業権の侵害であるということになってくる。そこでそのバス会社に交渉して、特に安くせいといいましても、おまわりさんはただだけれども、役場の人はやっぱり正確に三千円出してもらわなければならぬというようなことから、市営のバスあるいは町営のバス、村営のバスというような話が各地で出てきております。そうして、バス会社の営業政策というものは御案内の通りであります。われわれが何かそういう企てをすると、先に申請書を出す。そしてもう運輸省まで参りまして判をとる。判はとるけれども、何もやる気はないのであって、権利を取っておこうというだけでありますから、最初は一日一回往復、あるいは朝と晩と二回ということになりますから、九時に役場に出なければならぬというのに、七時ごろにどうしても出なければならぬ、六時五十分だ。こういう形で非常に各地でこの問題が起っておるのです。現実の問題であります。 そこでお尋ねもかねておりますけれども、大体そういうことで、村も合併して大きくなったのだから、人口五万、十万くらいの市でもって、この際一挙に市営のバスをやろうじゃないかという話が相当あるやに私は伺っております。現に陳情も受けております。そういう問題については、現場で——運輸省の事務所のようなものが県にございますし、それから東海とか近畿とかいろいろブロックがございまして、ここでことごとに押えている。地方財政が赤字のさなかに、そういうことをやって民営を圧迫するものである。これまで、合併以前からも少し問題はありましたが、合併後そういう要求がうんとふえて参りましたにもかかわらず、依然として前の態度を堅持しておったやに私は伺っておるのです。従いまして、こういうことについても、自治庁の見解を一応伺っておきたいと思います。阪上さんは非常に抽象的に言われましたが、私は、具体的にぶつかっておりますので、この点お答えをいただきたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 特に新市町村関係の公営事業の問題、なかんずくバス事業等についての熾烈な要望があることは、われわれも前々から承知いたしております。それぞれの全国的な会合があります際には、常にその問題が一つの重要な要望事項として提出をされておるのであります。ところが、遺憾ながら今までのところでは、運輸省当局のこれに対する態度がそう積極的でないということは事実でございます。われわれといたしましては、所管は違いますけれども、新市町村を建設していくために必要な事業であると思えるのでありまして、特に新市町村が一体化する、非常にへんぴなところまで一つの町に吸収したというような場合におきましては、これを便利にしてあげるために、当該町等におきまして、町営バスをやるというようなことを考えますのは、むしろ当然のことでありまして、そういうような考え方自体につきましては、私どもも、むしろ全面的に賛意を表したいのであります。スクール・バス等におきましては、だいぶできております。しかし、その他の一般の乗客を相手にするようなものにつきましては、既設の民間企業との問題といったこともございますようで、その間の調整ははかって参らなければならぬと思います。しかし、それらの問題にいたしましても、市町村関係なり県関係が、そういうところへ入っていって悪いものかどうかというようなことについては、若干われわれとしても疑問を持っておりますし、なかんずく新市町村自体が一体性を確保したいという見地から、それらの事業に進出をしたいという要望につきましては、これはやはり考慮をすべき筋合いではないかということで、われわれの立場からも、新市町村建設促進中央審議会の幹事会という場がありますので、そういう機関を通じて関接的にあるいは直接的に、運輸省当局に対しても、いろいろ要望をわれわれの側からもいたしておるのであります。しかし、この点率直に申しまして、まだ、見るべき成果をあげておりません。いろいろな問題の調整が残っておると思いますが、少くとも、一体性確保というような見地からいたしますそれらの公営事業の進出に対しましては、われわれといたしましても、ぜひともこれは一つ要望をいれてもらいたいという立場でおりますので、今後とも、その方面の努力はさらに積極的に続けて参りたいと思います。
○中井(徳)委員 御努力は願っておるがまだ成果をあげておらぬ、まことに正直なお話だろうと思いますので、それを援護する意味で申し上げるのでありますが、大体いなかの実情を話しますと、いわゆる私営のバスは、何もみんなが悪いとは言いませんが、三分の一程度のものは、そろばん一本という関係から話が合わない。そこで関西方面におきましては、もうそれじゃしょうがない、国鉄だと、こういうことになるのです。そうして国鉄を頼むと、国鉄のバスと私営のバスが激しいけんかをする。その場合のほんとうの理想は、私営でなくて、市あるいは町村営ですね。これでいったら非常にうまくいく。私は実は昔語りをして恐縮なんですが、日本で一番初めにスクール・バスをやった男であります。そのときの経過をお話しいたしますと、スクール・バスを学校を立てるかわりにやる。それの方が非常に赤字の中で経済的であったと思います。今でもそうなのですが、そうして申請をいたしました。文部省は、学校の建設には補助金は出すけれども、スクール・バスには、最近は知りませんが、十年ほど前でありましたが、全然出さない。それからいよいよ名古屋で最後の公聴会があったら、あんたのところの財政計画を知らしてくれなんてなまいきなことを言いましたので、私は、市会で満場一致で通ってやっておるのだ、君らは自治権の侵害じゃないか。危険であるかどうか、運転手の腕がいいかどうか、そのバスを走らす道路がいいかどうか、それさえはっきりすればいいんだとたんかを切ったら、それは通りました。そしていまだにそれは一件も事故がありません。どういうことかというと、かわいい子供を通わすんですから、いなかのことですから、道直しから何から出合いをしましてやって、バスを買ってから非常によくなったという形なんです。これが私営のバスなんかでやりますと、ほっておきます。それでしばしば事故を起す。こういうことでありまして、私は、国が国鉄という公社を通じて国営のバスをやっております限りは、これはもう市町村だって当然バスはやるべきだ、こういう大きな線を政府が打ち出してもらっても、だれからも恨まれることはないし、批判の対象にはなり得ないと思う。今日は、そういうことについて十分御検討願っておるのはけっこうでございますが、さらにまとめて大きく取り上げていただいて、住民の福祉のために自治庁は一つ大いに今後努力をしていただきたいと思います。これを要望いたしておきます。
○加藤(精)委員 関連。ただいま阪上委員と中井委員から、きわめて目がさめるような適切な御質問があったので、私も目をさまして考えてみますと、われわれは阪上委員や中井委員のような、日本の最も日の当る恵まれた地域に生活してきたのじゃない。東北の非常な貧乏な地帯で育っておりますし、そこで市町村自治行政に当っておったのですが、とても公営企業などというものは貧弱な市町村の財源では容易でない地域でございますが、ただいまそうした御質問や御意見を承わり、また過去で経験されました現実を教えていただきまして、勇気を出すことができたわけであります。ただ、現在まで体験したところによりますと、現在の自治庁の中の行政局と、財政局というものの間に、もう少し連絡をつけてもらいたい。十分連絡はついているかもしれませんが、私が率直に考えてそういう気がするのです。と申しますのは、実際新市町村建設とか、町村合併の結果から見まして、私、一番痛感しますことは、高等学校の建設、特に定時制高等学校の建設ということにつきまして、財源措置が十分とはいえない。その証拠には、こんなところで申してはいかぬのでありますが、最近まで自治庁の財政課長をやっておられました柴田君が、北海道の総務部長に行って何を一番痛感したかというと、高等学校、特に定時制の高等学校の財源措置が十分でなかったことを痛感しておられるそうでございます。こういうことは、従来の定時制高等学校の発足の歴史にも関連しております。従来定時制高等学校というものは、青年学校の補習科等にあたる部分でございますが、それが市町村財政でしぼられておったのでございますが、それを府県立にいたしましても実際は、各市町村とも府県立にすることが望ましいという政府の指導であったために、物的施設は市町村がやっておった例になっておるのでありますが、こういう面につきまして、時間の経過とともに、府県立のものは府県でそうした営造物の物的施設はやるべきことになるのじゃないか。しかも、再建団体等におきましては、県に寄付するための起債というものは認められないことになっておるのです。そうしたような苦しい立場をよく行政局が財務局に御連絡下さいまして、ただでさえ一般の市町村においては定時制高等学校の建設というものが容易でないのでございますから、そうした合併の際等には、これに関する国庫補助や起債ということにつきましては、特に文部省あるいは大蔵省に交渉せられまして善処していただきたいと思うのでございます。 〔亀山委員長代理退席、委員長着席〕 第二には橋梁の問題でございます。われわれはたまたま大きな河川の最下流に位する地域に橋梁を持っております。そうした関係で、そこに合併が行われますと、目と鼻のところにある地域でございまして河川というものは、山岳と違って町村の境界としての政治的価値が少いということが政治学でもいわれておりますが、そうしたような関係から対岸にわたって合併する場合が多いのであります。しかしながらそうした場合、従来の道路行政等におきましては、それが町村と町村との間をつなぐ路線ということで、町村道になることが多い。わが国の道路の階級性につきましては、その可否につきましてはいろいろあると私は思いますけれども、国道というのはもう貴族階級のようでございまして、府県道というのはそれにとうてい及ばない。町村道に至っては、財源措置の上からまるで奴隷階級のように扱われているのでございますが、そういう場合、河川の対岸で目と鼻のすぐ指呼の間に見えるようなところでございまして、そこへ橋梁を作れば、町村合併のために、日常の利便のみならず、精神的団結にもきわめてよろしいような場合におきましても、指定河川等の下流におきましての橋梁を建設することは、容易でない場合が多うございます。しかしながら、これは地方永遠の福祉を増進するわけでございますし、いつかはかけなければならぬものでございますから、町村道といえども相当の起債を許可して、そうして社会党の地方自治政策によれば、少くとも十五年くらいは現在の行政区画が続く可能性が相当あるのでございますから、そうした橋梁の架設にも起債財源を配分できるという工合になっていけば大へんありがたいと思う。またそういう大河は、えてして、一年間の数日間の洪水時を除いては、実際毎日流れておるのは、全幅員の四分の一とか三分の一、あるいは六分の一というような場合がございますから、そういうときにはくぐり橋というような形式で、三分の一、四分の一六分の一の狭い幅員で、大洪水のときには水の下に没するけれども、洪水が去りますとすぐ浮んでくる。そうして一年間に五日とか六日とか以外は、児童も通学ができ、役場にも楽に行けるというような、そういう起債等あるいは補助等をいただきたいのでございます。これは現在の新市町村の一体化施設の補助起債等では、とうていその金額が少いのでございます。そういうのが河川の下流地帯の地域には実際非常に多いわけです。ただいま申しました定時制高校及び河川地帯の橋梁についての財源措置につきまして、そういうただいまのような公営事業費の再検討を、行政局から財政局に御交渉になられる際におきましてはぜひお願いしたい、こういうふうに考えます。
○黒金政府委員 きょうは阪上さんといい、中井さんといい、加藤さんといい、非常に適切な非常に有益な御意見をいろいろとお教え願って、まことに感謝にたえないのでありますが、ただいま私どもの部内におきましても、いろいろ各部局の立場もこれあり、いろいろ立場も違いますので、いろいろと不統一な点があるという点を御指摘になりまして、まことに恐縮に存じますが、今お話しになりました点なども、われわれの選挙区その他身近な例を見ましても、まことにごもっともなことであります。そういう点につきまして、今後でき得る限り早く実現できますように部内の意見を取りまとめまして、そうして御期待に沿いたいと存じます。
○阪上委員 先ほどからの御答弁ですが、今言った事情でありますので、ぜひ高率補助を推進していただきたい。それから国税の算定、配分等につきましても、現在行なっておるような程度のものでなくして、もっと厚い援助方を一つ考えていただきたい。それから起債の問題につきましては、ただいまございましたように、公営事業等につきましては、もっと大幅な起債の増額をやっていただきたいと思います。そうしてそういったことをやるためには、それぞれの関係法律等の改正も必要になってくるわけでありますが、早くそういった措置をとっていただきたいと私は思います。 そこで最後に御質問を申し上げて御見解を承わりたいと思うのでありますが、特に町村合併促進法、それからさらに新市町村建設促進法、こういうふうに移って参りました段階におきまして、当時私、いなかの市長をやっておったのでありますが、突如としてその間に新農村建設というものが出てきたのであります。私は、これは不思議に思っておるのです。現在、わが国における新市町村建設促進というような問題を取り上げてみますと、農村だ、あるいは衛星都市だ、あるいは奥地農山漁村だ、何だかんだという区別のもとに、てんでんばらばらの財政措置なり、対策が講ぜられているという行き方については、私は、どうも納得ができない。なぜ今ごろになって、こういう新農村というものが出てきたか、われわれも合併を多く手がけて参りましたが、農村もあれば山村もあり、都市も一切含めたものがここに出てきておるのであります。もっと総合的な考え方というものが政府全体として取り上げられないものか、私は常々ふしぎに思っておる。こういったてんでんばらばらに出ておりますところの新市町村建設促進関係の法律、こういったものは、もっと整理統合されて一本の形にする必要があるのじゃないか。今のような行き方では、一方において促進法に基いた建設計画が立てられ、一方において新農村建設計画が立てられる。新市町村建設促進なんというものは、大きな目で見た場合には、やはり国土開発事業だと私は思う。それがこういったことに、——私はその間の経緯はよくわからないのでありますが、こういうようなばらばらの形で出てくるところに、非常に行き詰まりが出ておるのじゃないかと私は思うのです。こういったことについて自治庁としてどういうようにお考えになっておるか。こういう法律が出て、そうしてばらばらな形でもって新市町村建設が行われておるこの状態を一体どう見ておられるか、最後にこれだけ一つお聞きしたいと思う。
○藤井(貞)政府委員 新農山漁村の建設施策の問題と新市町村建設促進の方策との関連でございますが、この点は、確かに御指摘のような問題点があるということは、われわれもそういうように考えておるのであります。当初この問題が起りました際にも、自治庁と農林省との間にいろいろ意見のやりとりがあったことを私も承知をいたしておるのであります。もちろん各省がございます限り、その各省施策に基いていろいろおやりになることは、これはけっこうでありましょう。しかし、でき得る限りは、少くともやはり末端の市町村段階において行われまする政府施策というものは、これはできるだけ総合的に有効適切に行われるように、しかもこれを一番よく知っておるのは当該市町村であり、第二次的には当該府県であります。これらがやはり中心になりまして、当該地域における施策というものについて総合性を付与し、最も効果のある行政を行うための選択というようなものを、それぞれの当該市町村にまかしてやらしていくということが、施策の最も効果的なる運営を確保するゆえんではないかというふうに考えておるのであります。農山漁村の関係につきましても、全体的にいえば、新市町村建設計画というものともちろんこれは競合をいたします。そういうところで、われわれといたしましてはこの農山漁村の施策というものが確定的なものになりました以後につきましては少くとも新農山漁村の施策自体も、新市町村建設計画の中に織り込んでもらうというふうに現在まで指導してきております。事実そのように最近は運営をされております。それともう一つは、初めのうちは、農林省関係の農山漁村の対策をやりますときに、いわゆる地域指定というものをやります。その地域指定が、時としては農林対策あるいは農山漁村対策というような面から見まして、各地々々の経済状況あるいは地質、土壌の関係等もあったものと思いますが、地域指定が新市町村の区域に合致しない、両町村にまたがるというようなものまで出てきたのであります。これは新市町村の一体化を確保する意味からいっても絶対に困るということを、われわれとしては主張をいたしまして、地域の関係については、少くとも最近の事例におきましては、各町村の区域にまたがって、しかも現在できておる新市町村の一部とその隣接の町村の一部にまたがるというような地域指定は現在行なっておりません。大体新市町村単位で行なっておるのであります。われわれといたしましては、その点と、農山漁村の計画も新市町村建設計画の中に包含せしめるということの両面から、両者の関係を少くともあまり矛盾のないように、現地においての総合性が発揮できますように、特段の配慮を加えておるのであります。
○太田委員 関連して。先ほどの藤井局長さんの公営企業に対する見解につきまして、少し別の角度からお尋ねしたいと思います。新市町村建設のために、公営企業に対しましては効果的な援助もすべきだという結論なんですが、そのことに異存論があるわけではありませんけれども、たまたま取り上げられました問題の中のバス事業の問題につきまして、スクール・バスその他特殊用途に供する場合は別にしまして、一般営業の場合を取り上げますと、すぐに民間企業と競合して衝突することは火を見るよりも明らかなことなんですね。そのために今まで運輸省を中心にして、運輸行政の中で自治庁の方針と相反するものがあったということだと思うのです。ところが民間から見ますと、企業の本質は営利にあるわけですから、従って地方税法に従いますところの諸税を課されておるわけです。たとえば固定資産税、事業税、県民、市町村民税というものも、全部特典がありませんから払っておる。ところが、公営バスになりますと、そういうのがなくなるわけです。ところがバスというのは大体において営業採算を合わすには、かりに税金がないといったところで、常時十五人くらい乗っておらなければ採算が合うはずがない。従って、町村が非常に苦しい財政の中から予算を支出しましてバスを作り、それぞれの施設を整えまして運営をいたすとなりましたならば、相当財政上の負担になることも、これまた火を見るよりも明らかだと思うのです。そこで市町村は、それぞれの企業のバス、営利会社から相当多額の地方税を取っておる。このことを勘定に入れて、なお市営バスがよろしいということは、一つの国家の交通政策の中から生み出されませんと、非常な矛盾をはらむような気がするわけです。そういう点につきまして、民営バスが、片一方には非常にハンディキャップをつけられた営業の非常に不利な条件の中でがんばっている。そこにはたくさんの人たちが、早くいうならば低賃金、悪い条件の中で働いているわけです。それを向うに回してなお市営バスをやろうということについて、全面的に賛成だ、そうしなければならない。こういう指導方針を立てられたあなたの真意をもう一度伺いたい。
○藤井(貞)政府委員 先刻私が申し上げましたことについても、特に中井委員の御質問に関連して申し上げましたことにつきましても、ニュアンスを実はそこにまじえて申し上げております。従来まで、いわゆる一般的な公営事業、その中のバス事業を例にとられましたが、バス事業に関しましても、いわゆる私営の企業との関連につきましては、おそらく今お述べになりましたような点が、運輸省あたりではいつも問題になっていくわけであります。さらに自治庁自体といたしましても、これは行政措置の立場を一応離れました場合におきましても、そのことをやることによりまして——もちろん公営でやることでありますから、財政的な面からのみ事柄を律するわけには参りませんが、一面において、やはり企業としてやって参りまする限りにおきましては、将来における財政計画というようなものにつきましても、相当程度の配慮を加えて参らなければならぬというような点もございます。それと、いわゆる国家の交通政策といいますか、こういうような点とのからみ合せもあるわけであります。ただ、われわれといたしましては、先刻申し上げました意味は、公共団体自体、特に新市町村というものが一体性をもって整備をして参りたいという場合において、その側面から出て参ります要請というものは、できるだけかなえてあげる方がいいのじゃないか。その連絡用のバスであるとか、スクール・バスというようなものにつきましては、できるだけその希望をかなえてあげることが適当なのではないかという考え方でわれわれはあるのであります。従いまして、私自体といたしましては、公営企業全般、特にバス事業というものが、例外なく民間のものに競合して、あるいはこれと対抗して市町村営でやっていくべき筋合いだ、そこまで徹底して申し上げておるつもりはございません。
○太田委員 よくわかりました。そういうことであればいいと思うのですが、ただ新市町村の中では、阪上さんのおっしゃった例などから考えましても、相当交通不便なところ、役所まで片道五里もあるという場合に、どうして連絡するかということがあるんですね。ただいまの藤井局長さんのお言葉の中にも、連絡バスは公営がよかろうという一つの話があるのですが連絡ということになりますと、町村民がその役場まで行くのも連絡なんです。従いまして、五里の道に連絡バスを運転をするというのは、実は公営バスを運転して一般の人を乗せるということに相なると思うのです。実際の例といたしまして、山間部におきまして二カ町村が合併をいたします場合に、今まで役場のあった中心点から他の役場のあった中心点までの距離が遠い。その場合に、どこに中心の役場を設けようかということになりますと、まん中のイノシシの出るような山の中では仕方がないがら、片方の便利な設備のいい方の役場をそのまま新市町村の庁舎といたしまして、その他の方は支所だとする。そうなりますと、その間に何らかの交通機関がなければ新市町村としても、住民の発展や便宜上困る。こういう例がありまして、そういう場合には、必ずそこにバスを運転するというような条件が合併の際に話されるわけです。このバスは、公営である場合もあり、国鉄のバスもあり、あるいは民営のバスという場合もあると思いますが、ほとんどは民営バスに依存をいたしまして、そこに路線を設定してぜひ何回か運転をしたいということになる。その場合に、それはそうだ、市町村の実情に即しまして、採算はとれないけれどもやりましょうという交通機関の自覚の上から、民営バスが運転されます場合は、先ほどお話のありました通り、一日に二、三回しか通らないという状態になるわけです。それはそもそも税体系上の企業の位置が悪いところに原因があるわけです。ですから、もしも新市町村が発展をするために交通の面において利便をはかろうとするならば、相手が民営バスであるとか、国鉄のバスであるということはさておいて、やはり、そういう企業に対しても、できるだけの援助をして、そして相寄り相助ける精神でバスの運営というものを考えないといけないようになると思うのです。従って、新しく車庫を作った。車庫を作れば年間何千円とかの困定資産税を納めろじゃなくして、それはよろしい。こういう措置を講じなければいけないというような考え方も出てくるわけで、何とかその辺につきましては、お互いに一方的な利益だけを主張するのじゃなくして、双方の円満な理解のもとにおけるところの発達ということを考えませんと、交通機関の整備ということも、あるいは非常な問題を起すと思うのです。たまたま連絡バスということは狭義の意味だろうと存じますけれども、どうぞ一つ、自治庁といたしましても、国家の交通政策をそういう場合にどうするか、公営でいくか、民営でいくのか、どちらかだということにつきましては、一つ徹底的な御検討をいただきたいと思います。以上で終ります。
○鈴木委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明後二十三日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後五時五十一分散会