地方行政委員会 第1号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/03
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。衆議院規則第九十四条に定めるところによりまして、今国会中において、本委員会の所管に属する事項につき、国政に関する調査を実施いたしたいと存じます。すなわち、地方行政の実情を調査し、その健全なる発展に資する対策を樹立するため、地方自治、地方財政、警察及び消防に関する事項について国政調査を行うこととし、議長に対してその承認を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。 なお、国政調査承認要求書の作成並びに提出等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めまして、そのように決しました。 —————————————
○鈴木委員長 次に、前国会の閉会中、本委員会といたしまして、地方自治の運営、地方財政の再建及び警察制度に関する実情調査のため、議長の承認を得て、委員を北海道地方に派遣いたしたのでありますが、この際、派遣委員よりその報告を求めることにいたします。津島文治君。
○津島委員 去る八月、国政調査のため北海道地方へ派遣されましたが、調査の概略を御報告申し上げます。 派遣委員は鈴木善幸君、金子岩三君、北條秀一君、安井吉典君及び私の五名であります。当初中井徳次郎君が行かれる予定でありましたが、御支障ができましたので、安井吉典君がかわって調査に参加されたのであります。 調査いたしましたのは、函館、室蘭、苫小牧、札幌等の道南各都市並びに北海道庁、網走、釧路地方各市町村の広域にわたり、八月十七日出発、道内八日間、二十六日に帰院いたしました。 今回の調査の目的は、地方行政財に関し、特に地域の特異性の行財政に及ぼす影響、主要行政項目における適正水準と現状、財政再建に関する状況、新市町村建設の進捗状況、地方税法施行状況と税制改正に関する意見。また警察行政に関しては、道警察行政の特異性と警察制度、道内一般治安概況、防犯活動と交通取締りの状況、警察財政の運営と問題点等で、後進特殊な地域にある北海道各行政団体の実態把握にあったのであります。 まず北海道庁において、副知事及び総務部長ほか関係各課長より詳細な説明を聴取いたしたのであります。これを要約いたしますと、第一に、本道は地域広大である上に寒冷積雪地帯であり、人口の密度が希薄であるために行政費が割高となってくること。第二に、開発のために多額の国費を投じておるが、その事業は主として開発の基本施設にとどまり、これに有機的に結合する付帯施設は、道費または市町村費の負担となっており、また開発事業そのものも国費のみでは万全を期しがたいので、やむを得ず多額の地方経費の支出を要していること。第三は、道及び市町村の行政施設が他府県に比して幼稚であり、住民を他府県並みの文化と施設の恩恵に浴させるためには、その水準を高めなければならないこと。第四には、これらの投資的な開発事業に要する地方経費に対する財源措置が、戦後の国の施策により、地方債の発行によってまかなわれてきたため、その償還費が、税収入等の一般財源の増加に比して著しく高率に増加し、財政を圧迫していること等であります。 累増した公債費に対しての財源が十分に措置されていない結果は、冷害という異常事態とも相待って、ついに赤字の発生を余儀なくいたしましたが、国の措置と道自体の努力と、いわゆる神武景気にささえられて、ようやく赤字の解消を見たものの、道財政構造上における弱点は、いまだ何ら解決を見ていないようであります。すなわち開発公共事業は予算の一八%を占め、その割合は、今後増加こそすれ減少はせず、しかも純道費負担は、他府県が実施している公共事業に比し、昭和三十二年度では財政力対比で約二倍弱の加重となっております。さらに三十三年度の開発公共事業に対する道費負担は、前年度より約二億四千万円も増加しておるにかかわらず、起債ワク減少の影響を受けて激減し、前年度の八億九千万円はおろか、わずかに二億円程度の見込みであり、また地方交付税等の一般財源の増強については多くを期待することができないので、事業量の増加による負担増と起債の激減とを合せ、財源的には約九億三千万円の打撃を受ける状態に至っておるようであります。 このようなことからして、開発公共事業に対する国庫補助率を引き上げること。また開発財政の安定をはかるため、地方交付税の基準財政需要額算定に当っては、一般の投資的経費のほかに、北海道開発公共補助事業の地方負担額は全額算入すること。もしこれらの措置が完全に行われないときは、全額起債を充当し、その元利償還金は、地方交付税基準財政需要額に算入する等の特別財源措置について強い要望がありましたが、とかく道財政は、開発事業に対する財政制度の確立なくしては絶対に安定せず、常に赤字財政への転落という脅威にさらされているということが痛感されました。 一方、市町村財政をながめますと、当初六市六十五町村が財政再建団体として指定されましたが、町村合併及び財政好転による繰り上げ償還をなしたため六市五十八町村に減少しております。市町村の昭和三十二年度における財政規模は三百八十六億三千九百万円で、昭和二十九年度決算においては、二百五十八団体中百三十五団体が赤字で、その額二十八億円を生じましたが、三十一年度二百三十四団体中赤字団体四十九、その額四億八千万円、さらに三十二年度においては、二十九団体、三億三千百万円に減少し、大部分の市町村は、ようやく財政収支の形式的均衡を得るに至っておりますものの、行政水準は依然として低位にあるようであります。すなわち、市町村は現在二十七市二百二町村を数え、一市当りの面積は全国平均の三・四倍に当り、前述のごとく、人口密度はきわめて希薄であり、行政の効率も低く、加えて開拓の途上にあること、寒冷積雪地であること等の特殊事情があり、また原始産業を主体とするため財政面の弾力性に乏しく、行政水準の維持向上は容易ならぬものがあるようであります。 まず消防施設について述べますと、現在、消防本部を置く市町村は四十六、消防団の常備消防員を配置している市町村は十四でありますが、一市町村当りポンプ自動車の現有量は全国平均を上回るものの、一台当りの面積は全国平均の三・五倍の広域を担当し、しかも、現有消防ポンプの二九・九%は十五年以上を経過した老朽車で、ほとんど使用にたえない状況であります。 また道路の普及率はきわめて低く、全国平均の二二%、道路の改良は八・六%で、市町村道においてことに劣っております。橋梁はほとんどが木橋であり、寒冷積雪のため、おおむね五年程度で大部分の橋梁がかけかえを要する実情であります。 教育施設を見ますと、広域であるため、一市一町村当りの学校数は多いが、一校当りの学級数は少く、小学校においては、単級の学校が全体の一六、七%を占め、三学級以下の学校は全体の五五%であります。校舎の不足坪数は、基準坪数に比し小学校一三・一%、中学校一六・三%であり、全国平均よりその率は相当上回っております。 道内の町村合併につきましては、道の合併計画に対し八五%の達成を見ておりますが、新市町村は、いずれも北海道市町村共通の特色たる後進性を有する関係上、合併に伴う公共施設の統廃合等はなかなかその実現が困難のようであります。新市町村一体化のためには、単に合併に伴う財政援助優先の取扱いのみならず、合併に伴う消費的経費の節減が容易でない特殊事情にかんがみて、新市町村建設事業中、交通網の整備、行政水準の向上経費については、積極的なる助成の方法を講ずる必要があると強調しておりました。 地方税制の改正に際しては、納税者負担の不均衡を是正しつつ、自主財源の増強、財政自主権の強化をはかることを基本方針として、国と地方との間における事務分量に応ずる財源を賦与しつつ、税源偏在の是正をはかるため、国庫補助負担金の整理とあわせ国の税源を地方に委譲すること。国税の減税については、これに伴い自動的に減収を生ずる税目にかかる税率及び地方交付税の調整を前提とすること、各税目に散在する非課税規定の整理を行うこと。並びに積雪寒冷地帯については、実情に適応した固定資産の耐用年数を設定すること等の意見を聴取したのでありますが、そのおもなるものを列挙しますと、事業税については、非課税規定を整理し、原始産業課税を実施するとともに、課税標準を売上金額の外形標準課税ないし付加価値税とすること、法人事業税の分割基準に従業者数と固定資産の価額を併用させること、及び中間申告納税制度並びに青色申告者の特典控除を廃止すること、また個人事業税第一種事業の業種範囲の拡大、第二種事業にかかる非課税規定の廃止、第三種事業にかかる医業等の社会保険収入を所得算定の基礎に含めること。遊興飲食税については、修正申告等の規定の整備、過小申告または不申告加算金の徴収範囲の拡大及び推計課税の明文化。軽油引取税については、免税用途の合理化をはかること。市町村民税については、個人以外の者の非課税範囲の整理及び均等割の税率を引き上げること。固定資産税については、一定額以上の償却資産に対する月割課税の制度を創設すること。電気ガス税の非課税規定の整理。木材引取税については、三十三年度の改正における税率引き下げによる減収補てんの恒久化及び現行法による本税の確保並びに消防施設税の創設等、以上のごときものであります。 次に、道警察行政についてその概略を申し上げます。北海道においても各種犯罪、警察対象事案が必然的に増加し、複雑化の傾向が見られ、その反面、気象条件及び交通、通信の普及がおくれているなどの悪条件が倍増し、さらに地域的関係から不法出入国、密貿易等の特殊事案も少くない実情にあります。警察官一人当りの負担面積は、全国平均の四倍強もあり、犯罪の負担率においても増加の一途をたどっており、昭和三十二年中の刑法犯罪発生件数は八万六千三百件で、昭和二十四年に次ぐ犯罪多発年となっております。 本道における道路交通は、開発の進展に伴う車両及び人口の増加により、主要幹線道路の交通量も、全国的な例に漏れず輻湊し、交通事故も年々増加の一途をたどり、昭和三十二年中には、五千百二十五件の事故と四千三百十七名の死傷者をしております。道警察では、このような現状に対処し、機動力の強化のために車両の完全整備、違反者の徹底取締り及び運転者に対する交通安全思想の普及、法規の徹底など、技術、取締り、教育を総合的に取り上げ、事故の絶滅をはかっております。 次に、各地方市町村の個々の調査の詳細については省略をいたしたいと思いますが、その要望のおもなるものについて若干申し上げたいと存じます。 まず函館市を中心とする渡島支所管内は、第一次産業の不振から、産業経済が停滞して雇用源の減少を招いたこと、及び道と本州との接点であることにより、函館市においては、失対就労者の吹きだまりとなり、この現象が漫性化して、一日平均四千人の失対就労者をかかえ、かつ年々生活保護者が増加して、本年三月末現在で二千百世帯もある状況で、多額の市費を投じておるようであります。従って、税源においてもきわめて貧困で、市民税、固定資産税の超過課税を実施せざるを得ない実情であります。また特異な気象、建築様式、地形等、消防上の悪条件が重複し、全国で最も火災危険度の高い都市であるため、強力な標準以上の常備消防力を必要とし、多額の経費を負担している現状であり、特に消防施設費に対する国庫補助金の増額と、消防力の充実強化をはかるため消防施設税創設の要望がありました。 室蘭、苫小牧両市は、ともに日鋼、富士製鉄あるいは王子製紙等の大工場をかかえておりますので、大規模償却資産に対する固定資産税の課税額に対し重大な影響をこうむっており、本税の課税標準限度額の引き上げ及び財政保障率の引き上げ等、課税権の制限緩和及びその他公共事業費に対する財源措置について要望があり、ことに苫小牧市においては、北海道開発第二次五カ年計画に基く臨海工業都市建設のために多額の投資的経費が必要であるため、市税の課税範囲の拡張合理化及び一般補助事業の起債についての要望がありました。 札幌市では、第一に、北海道における固定資産税の高率課税の現状を改善するため、その評価において二〇%、税率において三〇%軽減し、その減収約三十五億円の補てん方法として、減収額の七〇ないし八〇%を普通交付税、残余の二〇ないし三〇%を特別交付税として交付すること。第二に、国民健康保険に対する国庫補助の増額についての要望がありました。第三に、下水道事業費及び屎尿処理施設費の国庫補助増額と起債のワクを拡大すること。第四に、地方道路譲与税の目的にかんがみ市町村にも交付すること等の要望がありました。 網走市及び網走支庁管内町村の調査においては、特に町村長より、木材引取税の税率引き下げによる減収補てん措置等について要望がありましたが、三十三年度税法改正による管内町村の減収額は七千四百万円と見込まれ、その九五%は木材引取税の減収によるものであり、他の税源に弾力性を欠く森林所在町村の減収に伴う恒久的な補てん措置の必要を感じました。 訓路地方は、長期寒冷と全域にわたる泥炭湿地帯の悪条件下にあり、また、連年冷災害と不漁に遭遇した結果、疲弊の極に達している現状であります。訓路市においては、公営住宅及び義務教育施設等に対する国の標準建築費及び単独事業債の増額並びに長期債の早期決定、町村側からは、行政水準の向上はもちろん、道路事業にかかる地方債の許可及び地方債の元利国庫負担等についての要請を受けました。 以上、今回の調査を通じまして、後進開発途上にある北海道を、内地府県並みに取り扱う地方行財政の現行制度に大きな疑問を持つとともに、各種開発事業相互の関連性を考慮した総合的、合理的なものとすべきであることを付言いたしまして、はなはだ雑駁でありましたが、報告を終ります。(拍手)
○鈴木委員長 派遣委員よりの報告聴取は終りました。この際、安井委員より、ただいまの派遣報告に関連して質疑を求められておりますので、これを許します。安井委員。
○安井委員 ただいま北海道に対する国政調査についての御報告がございました。私も、それに加わらせていただきました一員といたしまして、それによりまして、一そう認識を深めた面もきわめて多いわけでございます。この際、それに関連いたしまして御当局に御質問申し上げたいと思うわけでございます。内容は非常に多岐にわたるわけでございますが、この際、道及び市町村の税制、財政の問題に問題をしぼりましてお尋ねを申し上げたいと思います。 北海道の全体的な特殊性あるいは現状の分析等につきましては、ただいまの報告で十分尽きているわけでございますが、要するに、きわめて後進地域にあるため、従いまして行政水準が低い、あるいは地理的な、自然的な条件がきわめて悪いということ、と同時に、北海道につきましては、北海道総合開発計画が現在推進しつつあるわけであります。それに伴いまして、地方財政に負担がおぶさってきておる、そういうような事実があげられるわけであります。そのために税の問題、あるいはまた財政全体の中における税の問題につきましても、超過課税が非常に行われているにかかわらず、税収はあまり伸びていないわけであります。歳入総額の中における税比率が低いということからいいましても、税のこういった点に非常に問題があるようでございますし、あるいはまた投資的経費が非常に大きくなっている、その問題に対しても国の財政的な措置というものが十分でないような気がするわけでございます。あるいはまた公債費の問題、開発事業関連費の問題等があるわけでありますが、それにつきまして、まず開発計画の地方財政に対する影響の問題からお尋ねを申し上げたいわけでございますが、たとえば北海道は開拓がどんどん進んでいるわけでございます。国全体の開拓を進める計画の中におきまして、北海道は適地が今でも約二百万町歩くらいある。全国の三三・八%を占めているというような状態でございます。ところが、これが開拓地を持っております市町村の財政に非常に大きく影響を持っているようでございまして、たとえば今度お聞きをいたしましたところでは、釧路管内の標茶町におきましては、その村の財政の中から、開拓経費の持ち出しは一千百八十五万五千円くらいに上っておるそうであります。これは一般財源の二一・五%、標準税収の三八%に上るというようなことでございます。あるいはまた、苫小牧のこともさきにちょっと出て参りましたが、あそこには大きな工業港の臨海都市の建設がございます。その計画におきましても、一期分の計画が四十五億円、そのうち現在まで施工できたのは六億ぐらいだそうでありますが、そこに対する市費の持ち出しが、現在すでに調査費とかあるいは付帯費用とかで一億数千万円に上っておるそうであります。これはこの勇払原野の不毛の地に、千六百万坪の人口百万に上る新都市がこつ然として出現するという大きな計画であります。それが現在の市民にそういったような大きな負担がかかっておるようなわけであります。これらの面、あるいはまた道の開発、北海道の財政の中でも、開発関係の公共事業費は予算の一八%を占めているというふうに聞くわけでございますが、こういった問題に関連いたしまして、やはり北海道の場合には、地方財政法の三十五条がはっきり規定いたしております公共事業に対する補助率の特例の問題でございますが、現在もある程度の適用はあるわけでございますが、こういったような姿から、今後一そうこの措置を強化する必要がある、このような要望もきわめて強いわけでございますが、まずこの点についての御見解をお伺いいたしたい。
○奥野政府委員 お話のように、北海道は開発関係の経費を今後なお相当多額に投じて参らなければならないと考えるわけであります。そういう場合に、その経費を国で持つべきであるか、道で持つべきであるかというような見地から考えて参りました場合に、私は、やはり積極的に国全体の力で北海道の開発を進めていくべきものではないか、かように考えているものでございます。従来からそういうような考え方で進められておったわけでありますが、どちらかといいますと、戦後の地方自治制度の改正以来、他の府県並みに北海道における問題を律しがちではないか、こういう懸念をまた私は持っておるわけでございます。もし地方費で負担すべきものであるといたしますならば、地方交付税の基準財政需要額にそういうものを積極的に算入する、こういうことになるわけでありますけれども、私は、内地におきまするいろいろな公共事業費に対しまする使用国費負担の場合よりも、北海道の開発に要しまする経費につきましては積極的に国庫負担の率を高めていくべきである、こう思っているわけであります。御指摘になりましたように、地方財政法におきましても、公共事業に対しまする国庫負担率については、北海道については、なお従前の例によるのだ、こう書いてあるわけでありますが、しかしながら、先ほども申し上げましたように、むしろ内地の府県並みに扱われがちな傾向さえ起っているわけでございます。こういう問題につきましては、もっと積極的に国が責任を持って開発を進めるというような姿が望ましい。そういう意味で、今後政府部内におきまして、この問題を私たちとしては取り上げて参りたい、こういう気持でおるわけでございます。
○安井委員 ただいまの御所見によりますと、北海道の場合はできるだけ国で見て、地方財政のしわ寄せを、地方財政の負担を少くする意味で、国でできるだけよけいに見るべきだというようなお話でございました。これはほんとうに当然なことだと思います。国策といたしましての仕事でございますから当然でありますが、ただし、そういう道がどんどん講ぜらるべきではあるけれども、現実におきましては、やはり地方に対して負担がどんどん大きくなってきておるわけであります。たとえば北海道の財政におきましても、昭和三十年度は一般補助事業費の純道費負担額の割合は一・六三%、三十一年度に四・四五%、三十二年度におきまして八・三一%と、逐年増加の一途をたどっておりまして、三十三年度は一〇・三一%というふうに極端にふくれてきております。そういうようなことからいいまして、根本的な措置はやはりそういったことだと思いますので、そういうことで御努力願いたいのでありますが、目先現実の面は、現実の面として補助率引き上げの問題について十分な御努力をお願い申し上げたいわけであります。 それからこれも地方財政でございますので、補助率だけで全部解決せられているわけではございませんが、全体的にずっと問題点を拾いますと、今もお話の中に出て参りました地方交付税の問題もあるわけであります。現在の地方交付税の配分の中におきまして、普通交付税の算定におきましても、未開発後進地域における投資的経費をもっとよけい見るべきではないか、あるいはまた密度補正も現状におきましては不十分でございますので、これもさらに十分に考慮すべきでないかといった問題も同時に出てくるわけであります。これが不十分なことは北海道だけではなく、東北あるいは北陸等も含まれると思うのでありますが、特に未開発的なそういう地帯に対する財政の圧力となって現われてきていると思うのでありますが、交付税の問題についてお伺いいたしたいと思います。
○奥野政府委員 地方交付税の配分につきましては、さらに合理的な方法を今後なお研究して参りたいというように存じているわけであります。御指摘になりました未開発地域の補正といいますか、税収入が人口一人当りでとってみて、少なければ経費を多く見る。あるいはまた原始産業に従事する人口が多ければそれだけ経費を多く見るというようなやり方をしているわけでありますけれども、別途に態容補正で、文化性の高いところでは経費が割高になるというような計算もしているのでございます。若干矛盾した内容を持っておるように私は思うわけでありますが、同時にまた、基準財政収入額を八〇%で計算することもいいかどうかという問題も関連するので、総合的に検討して参りたいと存じております。
○安井委員 交付税の問題、それから補助率の問題、さらに関連をいたしますのは税負担の均衡の問題でございます。北海道の税負担の全体的な状況は、先ほども申し上げましたように、きわめて超過率は高い。それにもかかわらず税収が伸びていない。そういったような姿が現実に現われているわけであります。たとえば、市町村税の総額に対する超過課税の率は、全国平均は二・二%くらいであるのに対しまして、北海道は二〇・三%、およそ十倍の超過率が行われております。金額にいたしましても二十六億六千万円というような数字に上っているわけでございます。このように超過率だけは非常に高いわけでありますが、これだけ税金をよけい取っておりましても、市町村の場合におきまして、歳出総額に対する比率を全国と比較いたしますと、全国平均が四五・四%であるに対しまして、北海道は四二・五%くらいで、三%もよけい取っていて、しかも税収入が伸びていないという数字が現われているわけであります。ところが、またこれを財政支出の面から見ましても、投資的経費は歳出総額に対しまして全国平均が三一・六%、北海道は三六・二%というようによけい出ておるのであります。これらの面を考えますと、これは後進地域であり、開発が現にどんどん進められつつある地域であるということ、それによりまして行政水準の向上というもの、それから一面開発の促進というものによりまして地方住民の利益というものが果されつつあるということはよくわかっておりますが、しかしながら、税全体の、国全体の均衡という面からいいますと、きわめて疑問があると思います。それと同時に、一面税を下げることによりまして、地方財政というものは非常に大きな影響を受けてしまうわけです。これらの点を総合的に考え合せまして、この超過課税の問題は処理されなくてはならないと思うわけでありますが、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○奥野政府委員 お話の通り、北海道におきます市町村諸税の標準税率の額は、全国的にいいましても顕著に多い状況になっておるわけであります。ただ従来から比べますと、それでも漸次是正されてきておるんじゃないかというように私たちは見ておるわけであります。根本的には、先ほど御指摘になりましたような開発に関連する諸経費、これが道だけじゃなしに、市町村におきましても多額な分量を占めておるわけであります。こういう点につきましては、国費支出の面についてもっと積極的な働きをしてもらえないだろうか、こういう期待を今日なお持っておるわけであります。また交付税の基準財政需要額の算入におきましても、地方財源の許します限り、あるいは寒冷度の問題、あるいはまた人口密度の問題、そういうものを織り込みながら、どちらかといいますと、傾斜的にそういうような地域の基準財政需要額を増加するような方向をとっておるわけでありますけれども、今後とも、そういう方向につきまして努力をしながら税負担の均衡化をさらに前進させるような考え方を持たなければならない、かように考えておるわけであります。
○安井委員 交付税等の問題に深入りいたしますと、だいぶ問題がはずれてくるおそれもありますので、それは後日に譲ることにいたしまして、その超過課税の中におきましても、特に一番現在問題になっておりますのは、市町村税の中の固定資産税であります。今度の調査によりまして、現地に行きましても知り得ますことは、北海道におきまして、百分の一・四の標準率以上の超過課税を課しております市町村が九八・三%という数字が出ております。北海道を除きます都府県の平均は二一%だそうであります。二一%と九八%というきわめて大きな違いが出ておるようであります。これを税率の平均から見ましても、他の都府県の平均は百分の一・八二六%であるのに対しまして、北海道は百分の二・六七%というようなことで、標準率を一〇〇といたしますと、北海道は一四七・七といったような数字が現われております。こういったような現状は、同じ土地がありましても、あるいは同じ家屋がありましても、北海道と他の都府県と比べますと、非常に税金の差が大きいということであります。それだけに北海道におけるいろいろな経営等の隘路にも現になっておるというようなことが各方面から指摘されております。ところが、これを半面から見ますと、超過課税の大部分が非常に高いところに固まっておるわけであります。上の方に、制限率のすれすれのところにずっと来ておるわけであります。ですから、これをただやみくもに下げてさえしまえば問題が解決するという考え方は間違いでありまして、つまり、それだけに固定資産税は御承知のようにきわめて文字の通り固定的な財源であります。非常に動きの少い財源で、市町村税の中でも、市町村財政はこれに大きくたよっておるわけでありますから、ただ下げるだけで問題は解決するわけではない。それに対する財源を補ってやるということがなければ、ただでさえ行政水準の低さに困っております市町村は、一そう困ってしまうということになるわけであります。その二つの要求を満足させる方法というものを当然国の財政で考えていただくよりほかないのじゃないか、こういうふうに考えるのでございますが、その点はいかがでございますか。
○金丸政府委員 ただいま御指摘のございましたように、北海道における各種の税額は、ことに固定資産税の超過課税と申しますか、制限税率ほとんど一ぱい一ぱいにとっている市町村が大部分でございます。その理由は、おそらくいろいろあろうかと存じますけれども、やはり基本的には、まだ未開発の地域でございまして、いろいろの財政需要が非常に多い。かたがた一方において、未開発の地域でございますので税源が少い。従いまして、こういう最も捕捉しやすいものに、また公平を期すると申しましょうか、そういう点から、期しやすい点にそのような課税の仕方がいっているのではないかというふうに私は考えるのでございます。今直ちにこれをどういうふうにするということは、私は、おそらくなかなか困難でなかろうかと思うのでございます。やはり、基本的には北海道の開発を進めまして、住民の担税力をふやし、税源を涵養していく行き方と、もう一つは、超過課税等を国民全体の租税負担の均衡をはかるという見地から考えますならば、やはり、地方の税源を調整いたします地方交付税等によりまして、できるだけ全国的な負担の均衡化をはかるように、あるいは単位費用の改訂でございますとか、あるいは新たに管理費を設定いたしますとか、そういうふうの努力を積み重ねていく以外にはないのではなかろうか。また実際に、北海道その他寒冷地域につきましては、ここ数年来、私どもは地方交付税の中におきましても、単位費用の改訂その他の方法によりまして、相当に調整の方向へ歩いてきておるようには思うのでございます。なお私どもといたしましても、御指摘の点今後検討を続けて参りたい、かように存ずる次第でございます。
○安井委員 税務局長は、北海道の事情を十分御承知いただいておると思いますので、今後適切な措置ができるものと期待するわけでございますが、ただ、将来はよくなるだろうというふうな気長な考え方だけでやられましては、これは大へんだと思うわけでございます。将来開発が進めば、十分に生産も上ってくるでありましょうし、人口もふえて参ります。しかし、苦しんでおりますのは今であります。そういうことで、早急にそれらに対する対策というものが打ち立てられなくてはならないと思います。現に北海道開発計画は、五カ年計画を終えまして、三十三年度から第二次五カ年計画が始まっております。苦しいのは今なのでありますから、今こそすみやかな対策が必要だと思うわけでございますが、早急に、明年度の予算編成等におきましてのお考え方、こういったものをお聞かせいただきたい。
○奥野政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、開発経費に対しまして国がどの程度負担していくかというような問題につきまして、私は、どちらかといいますと、後退ぎみだと思うのであります。これに反しまして、もっと積極的にやってもらいたい。北海道のような場合でありましたならば、たとえば土地改良の場合でも、用排水の幹線について国が積極的に負担をする、それ以外の支線等にわたるものにつきましても、国がもっと積極的に援助する必要があるのではないか、こういうふうな考え方もいたしておるわけであります。政府部内の話し合いにおきましては、そういう点につきましてさらに強調して参りたいというふうに思っております。
○安井委員 問題がまだたくさんありますので先を急ぐわけでございまするが、この税の問題は固定資産税だけにとどまらず、市町村民税についてもそうでございますし、他の税につきましても非常に大きな超過課税が行われております。これの根本的な解決、市町村財政への影響なしに解決するという方法について、これは早急に対策をお講じいただかなければなりません。今後におきましても、さらにこの問題を、資料を整えまして御質問を申し上げる機会もあろうと思いますので、先に進みます。 固定資産の耐用年数の問題につきましてですが、固定資産の耐用年数に関する大蔵省令があるわけでありますが、北海道についての耐用年数の計算を、もう少し現状に即したものにしてもらいたい、こういうふうな要望がこの間も出ておったわけでございますが、これについてお考え方をお聞かせ願います。
○鎌田説明員 事柄が技術的にわたりますので、便宜私からお答えさせていただきます。ただいまおっしゃいました耐用年数の問題は、所得税、法人税の減価償却額の計算について用いまする耐用年数の改訂についてのことをおっしゃったのだろうと思います。この固定資産税の場合でございますが、固定資産税の場合に、課税客体になりまする固定資産の評価につきましては、家屋の場合でございますと、所得税、法人税の場合と、固定資産税と、税の考え方を異にいたしておりますものですから、耐用年数を、所得税、法人税の場合とは違った耐用年数によって評価をする、こういう建前にいたしております。償却資産の場合でございますと、これは所得税、法人税の場合の耐用年数に便宜よっておる、こういう建前になっております。この場合におきまして、現在この耐用年数の改訂が論議されておりますのは、所得税、法人税に関連いたしましての耐用年数の改訂が問題になっておるわけであります。私どもの方といたしましては、別の見地から、たとえば家屋につきましては、所得税、法人税の場合におきまして、いわゆる通常の効用持続年数、こういったような考え方から耐用年数を考えております。これに対しまして、固定資産税の場合におきましては、実際の耐用年数の考え方にやや近い考え方で行なっておるわけでございますので、全般的に日本全国を通じまして、家屋の耐用年数の場合は、法人税、所得税の場合よりは少し長目になっております。その場合におきまして、積雪寒冷地帯について何らか考慮を払ったらどうであろうか、こういう御意見がございます。その点につきましては、前々から私ども十分承知しておるところでございますので、たとえば積寒地帯でございますと、雪の重み、こういったもので家屋の命数が比較的短かい。これは耐用年数の問題だけじゃございませんで、冬期間屋内労働をいたしますから、床面積が必要以上に広くなる。あるいはまたうまやなどもこの家屋の中に一緒に入り込んでおる。そういった面についての評価、こういった非常に特殊の問題がございます。そういった面を十分考慮いたしまして、従来の評価基準なりあるいは平均価額の指示の際には、考えておるつもりでございます。また今後そういった点につきまして、次の基準年度は三十六年度になりますので、それを目途にいたしまして、現在評価基準をさらによいものにするように検討いたしておる最中でございますので、御指摘の点、さらに改善を加える点を織り込んで検討いたしたい、こういうふうに考えております。
○安井委員 ただいまも御検討中ということでございますので、今後一そう実情に適合するような、そういったような方向にさらに一そうお進めを願いたいと思うわけでございます。 次に、同じく北海道開発に伴います問題といたしまして、起債の問題がございます。本年度の地方債の運用方針の上におきまして、一般補助事業についての適債事業が非常にしぼられてきたような傾向がございます。ところが、先ほどの報告の中にもございましたように、北海道は行政水準が低いということ、それから施設がおくれておるので、どんどん作っていかなければいけない、あるいはまた積雪の悪条件による耐用年数が短かいことによりましての財政増、それから開発計画に伴いまして非常に多くの建設投資経費が必要になってくるわけでございます。しかも、こういうふうな問題は緊急に実施を要する段階にあるわけでございまして、今年のような起債の適債事業の制限の方向によりましては、地方財政も非常に困ってきておる。そのしわが結局他の文化的あるいは厚生的な向上のための経費を圧迫しておる。こういったような現状があるようでございます。これに対しまして、明年以降の開発の問題に伴いましての適債事業の線等についてのお考え方はどうでしょうか。
○奥野政府委員 御指摘のように、国庫補助を受けて行います事業についての地方債は、五つの項目に対象をしぼったわけでございます。しかしながら、北海道につきましては、開発に関連をして、北海道に特有な公共事業もかなり多いわけでございますので、北海道につきましては、こういうものも起債の対象に加えて、起債の額を御決定するということにいたす考えでございます。
○安井委員 これは明年度のことでございますので、今年度は終ったわけですから、特段の配慮がなければ非常に困るのじゃないかというふうな考え方をして参ったわけでございます。特に道路、橋梁に対する要望というのが、各地において非常に多いようでございます。木橋なんかが非常に多い。しかも道路はどこもがたがたで、北海道の道路は、国道なんかだいぶよくなっておりますが、道道あるいは市町村道なんかずっとおくれております。これは道路ではなく、道路予定地だというような批評さえあるわけでございます。ことに津島君が行ったときのお話によりますと、たとえば牛乳なんかにいたしましても、一升四十円、ところがその中に道路輸送費が四円から十一円もかかっておるのだ、こういうようなことも聞いておるわけでございます。ですから、こういったような特殊な地帯へのワクの拡大ということが非常に大切ではないかというふうな気がいたすわけでございます。釧路だとか、根室だとか、北海道にああいう地帯はたくさんあるわけでございますが、それらは酪農でなければ今後の農業生産は成り立たないというような地帯であります。ところが、それらの地帯の人たちは、第一に牛をくれとは言いません。まず道路をつけてくれ、道路をよくしてくれ、それから土地改良をしてくれ、それからあと牛を入れてくれ、つまり営農改善という上からいいましても、第一の要望が道路であります。そういうような点からいいまして、これは北海道だけではありません。全国的にそういうような要望がきわめて多いと思うのでありますが、この道路関係の問題につきましての来年のお考え方はどうでしょうか。
○奥野政府委員 道路につきましては、御承知のように特定財源を、特に道路譲与税でありますとか、軽油引取税などにおいて設けておるわけでございます。そのほかに、ことしから道路費に対する単位費用を思い切って引き上げております。他の地方行政に優先して増額をいたしておるわけであります。こういう考え方は、来年度以降においてもやはり続けて参らなければならないというように存じております。同時にまた、道路に対します国庫負担の割合は、本年度だけきまっておるわけでございますが、来年度以降は法律で定めるということになっておりまして、どうしても現在の高い負担率を来年度以降も続けていただかなければならないのじゃないか、かように考えております。
○安井委員 道路については特段の配慮がなされなければならないと考えるというわけでございますので、そのように処置を願いたいと思うわけでございます。 次に、地方公募債の低利借りかえの問題も、今回のいろいろな要望の中に出ておるわけでございますが、公営企業金融公庫が発足いたしまして、三十二年度以降の公募債の公庫償還、借りかえ等が行われる予定でありますが、まだ実施されてないというふうなことでございますが、北海道では三十二億円くらいあって、利率八%以上に上っております高率のものが二十五億もあるということでございます。この措置をお伺いいたしたいと思います。
○奥野政府委員 御指摘のように、地方債の中で八分をこえますようなものが四百億円をこえておるわけであります。どうしても私たちは低利のものに借りかえていきたい。借りかえて参りますためには、どうしても公営企業金融公庫の出します債券の額を多くするというような道が開かれなければならないわけであります。ところが、公営企業金融公庫の発行債券の額を多くすることにつきましても、他の政府保証債との関連もございまして、なかなか思うようにはできていないわけであります。しかし、私たちといたしましては、どうしても来年度におきましては、今の額よりも百億円内外増額できないものだろうか、その一部をもちまして、若干でも高利の地方債の借りかえに手をつけたいものだ、こういう考え方で政府部内の話し合いを進めておる最中でございます。
○安井委員 取り急ぎお進めを願いたいと思うわけでございます。 そのほかに起債時期の問題でございますが、起債の決定時期が非常におくれる、これによって——これは北海道だけじゃありませんが、積雪寒冷地帯ではすぐに雪になってしまう、起債がきまるまでとても待てない。そういうわけですから、雪の中で工事を進めるということになりますと、経費もよけいかかる。こういったようなことがやはり財政に対する圧力にもなっておるようでありますが、ごく早期にこれを実施する、そういう方向についての御配慮をお伺いしたいと思います。
○奥野政府委員 地方団体が単独で行います仕事と、国から補助金を受けて行います仕事とによりまして、若干違うと思うのでありますが、今年度も、地方団体が単独で行いますものにつきましては、かなり早く決定できたと思います。国庫補助を受けて行いますものになりますと、どうしても八月、場合によっては九月にならなければ補助金がきまらない。こういうことになりますので、それに見合う地方債の決定が一そうおくれる。こういう姿になっておるわけであります。こういうような点につきまして、できますならば、年度開始以前に単独事業などについては計画をとっておいて、年度開始と同時にきめられるような方向にでも改善を加えられないものだろうかというふうに、今いろいろ工夫をしている最中でございます。国庫補助金の決定につきましては、今のように八月、九月になって決定するということじゃなしに、もっと早く決定をしてもらうことになりますと、会計年度の問題にも関連してくることじゃないか。国の会計年度が四月から三月まででありますので、私たちとしては、一月から十二月までに変えてもらえぬだろうか、こういう気持も強く持っておるわけであります。一月から十二月までの国の会計年度になりますと、三月中には少くとも決定するだろう。そうすると、四月の雪解けと同時に仕事が始められるのではないか、そういう考え方もあるわけであります。そういう考え方も大蔵省当局に表明をいたして参っておるわけであります。
○安井委員 起債の早期化に関連いたしまして、会計年度の暦年化といいますか、会計年度変更の問題にも今ちょっとお触れになったわけでありますが、それのお見通し、あるいはそれをはばんでおりますものはどういうところにあるか、その点一つお聞かせ願いたいと思います。
○黒金政府委員 ただいまのお話は、かねがねいろいろ各方面から御希望がございまして、各方面でいろいろ検討いたしたことでございます。ただごく卑近な例を申しましても、今申しますように一月からの暦年にいたしますれば、議会召集を十月の初めにしなければならない、そういうようないろいろな点でもって非常に広範に影響がございます。そこでまあ一利あり、いろいろありますけれども、なかなかそこまで踏み切れないというのが今までの経過でございます。従いまして、われわれといたしましては、やはり今おっしゃるような実情、こりはかなり強い切実な御希望でございますために、いま一応各方面とも打ち合せまして、十分な検討をしてみたい、かように考えておる次第でございます。
○安井委員 これはもう北海道だけの問題でなしに、きわめて重要な、あっちこっちに関係のある問題だと思いますが、今の四月一日から始まって三月三十一日に終るという会計年度の制度の欠点も、いろいろな面にずいぶん現われているわけでございますので、一つ根本的な御検討を願いたい。それによりまして、新しい考え方ができれば幸いだと思うわけでございます。その点御希望を申し上げたいと思うわけでございます。 次に、まだいろいろ問題がありますが、こまかくなりますので先を急ぎまして、木材引取税の問題につきまして若干お尋ねを申し上げます。御承知のように、本年度から大幅な税率の引き下げがなされたわけでございますが、その減収補てんの問題につきまして、確実にこれを実施してもらいたいという声が各地で非常に強い。これはきわめて当然なことでありますが、その点、重ねてお考え方を確言していただきたいと思います。
○奥野政府委員 さきの地方税法の改正に際しまして、当委員会においても問題になったわけであります。その際にも政府の考え方を申し述べたわけでございますが、その通り実施いたしたいというように考えております。
○安井委員 北海道におきまして、これは特に東北にもこの例があるそうでありますが、今度歩きましたところにおきましても、置戸町は税の総額が約六千万円、それに対しまして木材引取税の税額は三千八百二十五万五千円で、六三・三%に上っているようであります。上川支庁管内の占冠村におきましては、村税の総額が四千四百万円、そのうち木材引取税は三千五百万円で、九〇%に上っているそうであります。それだけに、税率を引き下げて、あとで埋めてやると簡単に言われましても、なかなか安心しきれないものがあると思うわけであります。そのために、しばしばこういったような要望が各地から出てくるのだろうと思うわけでございます。昨年の附帯決議によりますと、去年とことしとの差を埋めてやるというふうなことでありますが、具体的に昨年と本年と比べまして、課税対象額の増減があるわけであります。少くなった場合、多くなった場合、これは一体どういう計算になるんだという疑問が出ておるようでありますが、その点ちょっとお聞かせを願いたいと思います。
○奥野政府委員 昨年の実績額を標準税率で換算しました額から、ことしの基準財政収入額を標準税率で換算しました額を差し引きました額、これが一応特別交付税の計算の場合の基礎になる、かように考えておるわけであります。
○安井委員 そういたしますと、ことし課税対象額がずっとふえましても、それは今度の計算には影響がないということですね。
○奥野政府委員 その通りに考えております。
○安井委員 それからもう一つ、去年は全然なかった。極端な場合を言いますと、去年は零であった。ところが、ことしは非常に木材の伐採が進みまして、非常に多くの石数が出てきたというような町村が北海道にあるようであります。清里町というのがそうでありますが、それの場合はどうでしょう。
○奥野政府委員 私は、北海道について承知しておりますのは、今までは風倒木がかなり多かった。その結果、木材引取税の収入が多かったけれども、漸次そういうものがなくなっていくもんだから、そういう意味でも税収入が減っていくのではないだろうか、こういうふうに伺っておるわけであります。その例外も御指摘のようにあるかと思いますが、特別例外的な事項については、その際によく検討させていただきまして、実態に合ったような計算の仕方をして参りたいというように考えております。
○安井委員 つまり、今のような場合は、これは極端な場合でありますが、昭和三十三年度のその市町村の予算編成は、もう二月ごろから進んでいたわけです。それによりまして、すっかりそろばんが合っておったのが、後に税法の改正によりまして減ったんだ。つまり期待しておったものが減ったんですから、それだけ大きな穴があいてしまう。ですから、もし特別交付税をくれなければ、村有財産の処分をしなければならない、そういったところもあるそうであります。それだけに一つ、ただいまのお答えでは、実情に即した措置ということでございますので、十分それぞれの都道府県や市町村と話し合いの上に御措置を願いたいと思います。 それから次に、本年は特別交付税で埋められるということでありますが、昨年のお話では、特別交付税の中に別ワクを措置して、それによって埋めるというふうなお話であったそうであります。つまり他の市町村に当然行くべき分の頭をはねてそちらへ渡すというのでなしに、特別なワクを設定して、それで措置するというふうなお答えがあったそうでございますが、実際その別ワクといったようなものの御措置はどうなっていますか。
○奥野政府委員 特別交付税の中に一つの項目を立てて計算をいたして参りたい、かように考えております。
○安井委員 それは、ほかの市町村に対する特交のワクには影響なしに措置されるということですね。
○奥野政府委員 災害に伴いまする経費とか、あるいは今度のような制度改正に伴います減収とか、そういうような事項を見て特別交付税を計算していくわけでございますので、そういう項目の中に一つ組み入れますことは、それだけもっと多くの項目を見る場合に、その部分だけが見られなくなるという問題はあるんじゃないか、かように考えられるわけであります。しかしながら、いずれにいたしましても、そういうような一つの項目を立てて計算をはっきりして参りたい、かように考えておるわけであります。
○安井委員 いずれにいたしましても、大きな固定資産を持っております市町村では、たとえば占冠村の場合には、千四百万円も特別交付税を当て込んだ計算を現にしておるようであります。それだけに一つ実情に即した御措置を十分に願いたいと思うわけでございますが、今後の対策であります。昭和三十三年度におきましては、一応そういった措置がとられるにいたしましても、今後の恒久的な対策、特に木材引取税に非常に大きくおぶさっておりましたところの市町村に対する対策がきわめて重要だと思うわけでございますが、これを一つお聞かせ願います。
○奥野政府委員 特別交付税で心配して参りますのは、あくまでも激変緩和の過渡的な措置だと考えているわけであります。交付税制度のもとにおきましては、税制改正によって税収入が減って参りますと、自動的に交付金額が増加して普通交付税が増額される。こういうようなことでございますので、本来それに応じてよろしいものじゃないか。過渡的な措置を一年だけで終えるか、二年続けるかというような問題は、今後なお北海道の状態をよく見た上で決定すべきだろうと考えております。
○安井委員 三十四年度には三分の二を見ていく、三十五年度には三分の一を見ていく、それから三十六年度以降は全部自分の財政でやれ、そういうような御措置があったように聞くのですが、いかがですか。
○奥野政府委員 従来、たとえば市町村民税の制度改正に伴います激変緩和の措置は三年間続ける。当初の額に対しまして次年度はその二分の一、三年度目はさらにその二分の一、こういうやり方をするということにして進行して参ってきておりますので、木材引取税につきましても、大体同じような考え方でよろしいのじゃないかと考えているわけであります。
○安井委員 それに関連いたしまして、今の地方交付税で埋めるという方法から、さらに前進して、国有林野の所在市町村に対し、国は、その国有林木の処分のつど適正な交付金を交付する、こういったような制度も考えたらどうかというふうな意見もあるわけでございますが、これについていかがお考えでしょうか。
○奥野政府委員 あるいは御質問の趣旨をはき違えておるかもしれませんが、国有林野につきまして、国有林材を売却いたしました場合には、営林署が木材引取税を徴収して地元の市町村に納付するということになっておるわけであります。同時に、国有林野にかわります土地につきましては、国の方から、国有資産所在市町村に、交付金を固定資産税相当額で交付しておったわけでございますので、これ以上にさらに追加して国有林関係から交付させるという問題については、ちょっと納得しがたい問題があるように思われるわけであります。
○安井委員 これは既往の法律との関連もありますのでちょっとめんどうなようでありますが、木材引取税というものがだんだん少くなっていくということになりますと、国有林や、あるいは大きな公有林の所在市町村は困ってくるわけであります。ですから、伐採したときには、それにかわるものを交付金という格好で国有林野特別会計の方からくれればいいのじゃないか、そういうような単純な考え方も出てくるわけであります。木引が減ることによって、林野の特別会計の方が少しもうけているのじゃないか。だから、木引を減らした分だけ、その会計の方から市町村に交付してくれてはどうか、こういうような考え方も出てきているのではないかと思うのでありますが、これは簡単にきまる問題ではございませんので、一つこの点も、木材引取税に関連して十分御検討願いたいと思います。 それからこれに似たような問題といたしまして、同じくことしの税制改正に伴いまして、自転車荷車税の廃止がございました。これがたばこ消費税の率の引き上げによって埋められたわけでございますが、しかし具体的には、個々の市町村に当りますと、そうなっていないわけであります。非常にもうけた町村もあるし、そうではなしに大へん損をした町村もある。だから、われわれは、地方財政という立場から見ますと、きわめてきめのこまかさのない荒い作業が行われたのではないかといったようなことを批判したいわけでありますが、これに対する措置は、とりあえず特交で補てんするというような、あるいはまた恒久的な財源措置も的確に行うというようなお考えがあったようでありますが、実は行われておられましょうか。
○奥野政府委員 自転車荷車税の廃止に伴う措置について御批判があったわけであります。自転車荷車税の廃止によりまして、税収入が減ります以上に、莫大な徴税費をこれに投ぜられておったのではないか、その経費がかなり浮いてくると考えられます。同時にまた、県から軽自動車に対しまする課税を市町村に委譲しておるわけであります。さらにたばこ消費税を市町村分について増額しておるわけでございますが、これがために非常に困るという団体は、私たちは少いのじゃないかと思っております。しかし、そういう団体につきましては、特別交付税の際にもよく検討をして参りたいというふうに存じておりますが、大体の市町村におきましては、財源配分が適正にいっているのではないか、かように考えております。
○安井委員 時間の制限があるようでございますので、それらの点の御措置を十分に願うことにいたしまして、最後に、国有林野の関係でございますが、新市町村建設計画によるところのそれらの措置において、払い下げ価格が高過ぎるというような声が一部にあったわけであります。それについて特別な措置がなされないかということでございますが、地方財政の立場からどうお考えでしょうか。
○奥野政府委員 ちょっと所管が違いますので、詳しいことを存じないわけでございますけれども、新市町村の建設に関連いたしまして、農林省の林野当局も、かなりそれを援助するようなこと、あるいは払い下げの問題等をめぐりまして御考慮いただいておるわけであります。学校の建築等につきましては、こういう問題以外におきましても、かなり連絡のよろしいところにおきましては、好意ある措置を林野庁がとっておるということを聞いて参っておるわけでありますが、もし具体の実例によりまして、自治庁といたしまして、林野庁になお依頼をしなければならない点がございましたならば、お教えをいただきまして、それに即した措置をとりたい、かように考えます。
○安井委員 国有資産等所在市町村交付金及び納付金の納付期限が非常におくれているというような話を、釧路支庁管内だったと思いますが、聞いております。これは三十一年四月に創設されましてから、市町村財政の上に相当大きな割合を占めております。特に山村におきましてはそうで、釧路地方においては、財政総額の中の一一・八%ぐらいを占めているそうです。ところが、これがなかなか期限が守られませんで、健全なる財政の運営をそこなっているようであります。これは固定資産税にかわるものですから、国がくれるものはどうでもいい、一般住民から取り立てるものはきびしい国税徴収法の規定まである措置があるではないか、だから、国にも一つ罰則を適用すべきだというような要望さえあったのであります。ですから、期限が超過した場合には、延滞金だとか、あるいは延滞加算金の制度だとか、それくらいつけて、一般住民の固定資産税とのバランスを一つとるようにしてもらいたい、こういう強い要望もございました。この点一つお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○金丸政府委員 一部の公社に、御指摘のように納付期限までに納付いたさないというような事例がございまして、その結果、市町村の財政の運営を乱っておるというようなこともございましたりいたしましたので、この夏以来、そのようなことのございませんように、関係の向きに対しまして、私どもの方からも強く、いわゆる納期限内に納付してもらうように要望をいたしておるつもりでございます。なお今後も、そういうことのないように厳重に注意いたして参りたい、かように考えております。
○安井委員 延滞金あるいは延滞加算金等を付するように、法律を改正する御意思はございませんか。
○金丸政府委員 実情を見まして、どうしてもということであれば、そういうような措置もあるいは必要かと思いますけれども、まあまだ今のところは、それほどのことをいたしませんでも、運営上そう支障なく参るのではなかろうか、こういうふうに考えております。
○安井委員 まだ問題はありますけれども、こまかくなりますので別な機会に譲って、これで一通り終りたいと思うわけでございますが、北海道の地方財政の問題は、それの後進性やら、あるいはまた地理的な自然的な条件、さらにまた開発計画の進行の途上にあるといったような、いろいろな問題から、北海道以外の都道府県に見られないようないろいろな矛盾や隘路があるわけであります。そこで地方交付税の問題、国の補助率の問題、起債の問題、さらにまた超過課税の問題、こういったようなさまざまな問題をはらみまして、現在、その苦闘の中から新しい日本のホープとしての態勢を築き上げようという努力が住民によって続けられつつあるわけであります。地方行財政という面からも、こういう問題に対する十分な措置あるいは考慮がなされねばならないと思うわけでございますが、総合的な対策というものが必要だと思います。きょうは大臣は御出席ではございませんが、それら総合的な考え方につきまして、政務次官のお考えを最後にお聞きいたしたいと思います。
○黒金政府委員 今お話の通りで、北海道につきまして、今おっしゃるような特殊性を生かすために、各省各庁全体の歩調が十分に統一がとれますように、今後ともに留意して参りたいと存じております。ただ、私ども、きょうの御報告は北海道に限られておりますために、北海道に重点があるのは当然かと存じますが、これに準じます地方もほかにいろいろございますので、そういう点も、一つ安井委員におかれましてもお考え願いたい、かようにお願いいたす次第であります。
○鈴木委員長 次会は来たる七日火曜午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時六分散会