P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
30回国会衆議院1958/10/21

大蔵委員会 第4号

発言数
55
登壇者
10
会派数
2
開催日
1958/10/21

会議録

早川崇自由民主党

○早川委員長 これより会議を開きます。  この際、佐藤大蔵大臣より発言を求められておりますので、これを許します。大蔵大臣佐藤榮作君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 国会開会劈頭、去る四日から十四日まで、ニューデリーにおけるIMF、世銀等の総会に出席をいたしました。開会劈頭の大へんお忙しい際に、大蔵大臣が外出いたしまして御迷惑をおかけいたしたことだと思います。同時にまた、大へん無理であったにかかわらず、皆様方の御了承を得まして出かけまして、幸いにして、この会議を通じまして、わが国の経済状態の十分の認識を得たり、さらにまた、かねての懸案でありましたIMF、世銀の増資等の大体の結論もつかむことができました。ことに、世銀については、全額増資ということはかねてから申しておられますし、この方は申すまでもないことですが、別に払い込み等をするわけではございません。従いまして、融資ワク拡大のために世銀が増資する、これに賛成をしたのでございます。IMFのクォータの増加につきましては、各国の経済情勢に応じた持ち分をきめるべきだ、こういう発言をいたしまして、大体の会議の空気は、全体としてはまず五割程度の増資、さらにそれ以上国によりましてそのクォータの増加があるというような方向であるやに、実は了解して帰って参ったのでございます。私の方で特にかような主張をいたしましたことは、今回の会議に出席する際に特に私ども意を用いておりました世銀並びにIMFの理事の選出の関係におきましても、日本は、在来タイ、ビルマ、セイロン、日本と、四カ国で理事を選出して参ったのでございますが、小国におきましては、日本だけがIMFと世銀と二つの理事をとっていることはどうも困るから、自分たちにも一つだけは回してくれないかという実は強い要望がございましたが、最近の日本のあり方等から考えまして、クォータの持ち分等から申しましても、日本が四カ国の代表として理事を出すことは当然だと考えますし、また世銀、IMFを分離することは理事の職務執行上おもしろくないと思いますので、特にその主張をいたしまして、今回は、従前同様日本だけがIMF、世銀の理事を出すことに、他の三国の了承を得たのでございます。これらの点を勘案いたしまして、日本経済のあり方また実際の力並びにただいま申し上げるようなことをも考えて、次のIMFの増資に際しましては、日本のクォータは一般のフィフティよりももう少し多目にしたい、こういう要望もして参った次第でございます。  なお、この会議の機会に、インドと日本との間における円借款の実施、並びに、ことしの八月世銀を通じてきめましたインドに対する緊急融資、日本の援助分一千万ドル等の具体化等につきましても話し合いをいたしました。ただいまインドの大蔵次官補セングプタ氏が日本に参っておりますので、具体的にこれと交渉することにいたしております。また、インドに対しましては、かねてから問題になっておりますガット三十五条の適用につきましても、当方の意向を申し述べ、これに対してはインド政府も直ちに賛成してくれまして、帰国早々、ガットの会議において、インドはこれをわが方の申し入れ通りに処置するということを、ジュネーヴの会議で発言をいたしております。さらにまた、二重課税の問題等について、今後の問題ではございますが、これもぜひ進めてほしいということを話し合いをつけて参りました。  その他、セイロン、パキスタン、ビルマ、フィリピン、さらにブラジル、カナダ、イタリア等々、それぞれ懸案事項等について話し合いをいたしたような次第でございます。  非常に長い間不在をいたしまして皆様に御迷惑をおかけいたしましたが、この機会にわが国の主張を十分相手国にも理解してもらうような努力をして、参りました。この点を、まことに抽象的ではございますが、一応お話し申し上げまして、皆様方の御了承を得たいと思います。     —————————————

早川崇自由民主党

○早川委員長 次に、去る十八日付託になりました賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案を議題として、提案理由の説明を聴取いたします。佐藤大蔵大臣。     —————————————   賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案    賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律   賠償等特殊債務処理特別会計法  (昭和三十一年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。   第一条中「平和の回復に伴いその支払を要するもの」の下に「(ラオスが本邦に対して有する賠償請求権を放棄したことを考慮して本邦が同国との間に締結する協定に基いて供与する無償の経済及び技術援助のための債務を含む。)」を加える。     附 則   この法律は、日本国とラオスとの間の経済及び技術協力協定の効力発生の日から施行する。     …………………………………     理 由   ラオスが本邦に対して有する賠償請求権を放棄したことを考慮して本邦が同国との間に締結する協定に基いて供与する無償の経済及び技術援助のための債務の処理に関する政府の経理を賠償等特殊債務処理特別会計において行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。     —————————————

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 ただいま議題となりました賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。  ラオスは、昭和三十二年三月十一日、わが国に対し、ラオスが戦争によりこうむった損害に対する賠償請求権を放棄する旨を通告してきましたので、政府は、今回、ラオスの好意ある措置を考慮して、日本国とラオスとの間の経済及び技術協力協定を締結し、無償の経済及び技術援助を供与することといたしました。この協定につきましては、国会の承認を経るため、別途、今国会に提出して御審議を受けているところでありますが、政府におきましては、この無償の経済及び技術援助のための債務の処理に関する経理を賠償等特殊債務処理特別会計において行うことが適当であると認め、この法律案を提出した次第であります。  以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。

早川崇自由民主党

○早川委員長 これにて提案理由の説明は終りました。本案に対する質疑は次回に譲ります。     —————————————

早川崇自由民主党

○早川委員長 次に、税制に関する件、金融に関する件及び外国為替に関する件について調査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。なお、佐藤大蔵大臣は十一時三十分よりよんどころない事情がございますので、その辺お含みの上御質問願いたいと思います。  佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 佐藤大蔵大臣の帰朝報告の中で、アンダーソン長官に会われて、ガリオア返済の要請を受けられたということを聞いておりますが、いかなる処置をされますのか、一応大臣からお伺いしたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 先ほどのあいさつの中で、実は特に申し上げるほど会見の内容が具体的でなかったので、申し上げなかったのでございますが、もちろん向うでアンダーソン財務長官と会いまして、当方の希望を二、三申し述べた上で、特にアメリカ側からの要望として伺っておくことはないかというのに対しまして、長い間の懸案であるガリオアの処理を一つ進めてもらいたい、並びに第二世銀の問題についてその趣旨に賛成してもらいたいという、きわめて簡単な話があったのでございます。従いまして、いわゆるガリオアの処理を積極的にこの機会につけたいという具体的な交渉を持ったとは私は考えておりません。アメリカ政府自身は、かねてから、このガリオアの処置を早急につけてほしいという希望的な意見を数次にわたって発表しておることは、伺っております。しかし、当方がいつもこれに対して答えておりますのは、賠償の問題が全部済まないうちにガリオアの処理をつけることは時期的にまだ早い、こういう話をして、外交交渉は実はそのままに相なっておるのであります。従いまして大蔵大臣と財務長官でこれを具体的に取り上げる段階でまだないのでございまして、アンダーソンの意向だけ伺って帰ったという程度でございます。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 もう一つ大蔵大臣にお伺いしたいと思うのですが、今度大臣が行かれて世銀の方ともうまく話がついて、一応五千万ドルの借款ともいわれ、また今までの日本のワクを越えた非常に有利な条件があるという話もありますので、その具体的な問題について、どれくらいの自信があるのか、この際お伺いしておきたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 外債発行の問題並びに世銀融資の問題につきましては、いずれ外債発行の問題については、他の機会に、詳細に、御了承また御賛成をお願いするように、御審議を願う機会があろうかと思いますが、今までの経過を申しますと、かねてから世銀の融資を第一次に考え、また世銀自身が——先ほども増資しなければ融資ワクの拡大はできないということを申しましたが、これは、世銀自身が、御承知のように、資本金の範囲内において世銀債を発行して、これを各国の経済開発のために借款の形で便宜を与えてくれておるのでございますが、もうすでに今日までの世銀の資本金ではその限度に参っておるのであります。最近の世銀が一年に融資しております金額は、総体といたしまして七億ドル前後になっておるのであります。そういうことを考えて参りますと、わが国が世銀から借り入れをいたすといたしましても、この一年に世銀が各国に融資する総ワクの中で融資を受けるのでありますので、おのずから実は限度があるわけであります。そこで、前大蔵大臣時分におきましても、世銀の融資だけにたよってわが国の経済開発を進めていくことには、もう限界が来ているように思う、新たなる資金獲得の要があるということで、一萬田蔵相なども、公債発行等について、いろいろ意見を述べておられたと思います。しかし、御承知のようなわが国の法制のもとにおきましては、この種のいろいろの計画は、具体的にこれを実施することができない。打診は可能でございますが、これを実現する場合におきましては、まず政府自身に授権の立法もございませんし、具体化する方法が実は今までないのでございます。この点で、過去のマーケットの非常に有利な時期を失するおそれも多分にある。見方によりましては、すでにその時期を失したという御意見もあるやに伺うのであります。こういうものでございますので、世銀の融資だけにたよっては一つのワクの制限にぶつかるし、さらに他の方法で資金獲得ということになるならば、これは外債という方法にたよらざるを得ない、こう実は考えるのであります。  そこで、この外債を発行した場合の条件等は、一体どうなるのかという問題でございますが、もちろん、ただいままでのところ、具体的に条件など打診することは、基本的な方針も決定を見ておらない際でございますので、さような方法はできないと思います。また当方もそこまでは突き進んではおらないのでございますが、ただ一般的にいえることは、アメリカの金利が最近——きわめて最近でございますが、だんだん引き上げの方向に向ってきている。そうしてこの高金利の状態がここ一、二年は続くだろうというのが、アメリカ財界筋の一般の見解のようでございます。マーチンに会いましても、あるいはウッドに会っても、ブラックに会っても、同じような意見を述べております。そういうことを考えてみますと、今後一、二年の間は今より以上に金利が高い方向に進んでいくのじゃないか、こういうことがおそれられるのであります。そういうような際でございますので、この際私どもが特に日本経済を発展さしたいという意向を持ち、同時に資金獲得の必要があるということを考えて参りますと、世銀のワクだけにはたよるわけにいかない。そこで、外債の問題、しかも今日は日本の経済について非常な信用を獲得してきておるので、日本が必要ならば、そういうものについて好意のある具体的な考え方を進めてよろしい、こういうような意向を受けて参ったのであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 今度インドへ行かれて、東南アジアの問題などについてもいろいろ見解を広められたと考えます。問題になっております東南アジアの開発基金について、今度の新規要求をされるのかどうか、大蔵大臣はどういう腹をきめられたのか、この点を承わっておきたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 ただいまのお尋ねは、次の三十四年度予算編成の際に、東南アジア開発基金をふやすかどうかというお尋ねかと思うのでございますが、三十四年度の予算編成につきましては、ただいまいろいろ審議の最中でございまして、もちろんまだ方向など皆様方に申し上げ得る段階ではございません。ただ、この機会に、今回のニューデリーにおいてのいろいろの議案審査に示されました各国の意向を、一つの問題として、御参考に申し上げてみたいと思うわけであります。これが直ちに結論にはなかなか結びつかない話でございますが、そういう意味でお聞き取りいただきたいと思います。先ほど一言触れました第二世銀の構想もある。これは結局低開発国の経済の発展にどういうような協力をすべきかという意味で、第一世銀だけでは不十分だ。非常な危険負担の意味において、そういうものについての金融のできるような第二世銀はどうだろうか、こういうような話だと思います。そこで、具体的に問題になりますのが、米英側ではすでに中近東についてそういうような発言をしておりますし、また最近はラテン・アメリカの諸国についてそういう意味の発言をしておるのであります。当方といたしましては、東南アジア開発基金という構想をすでに述べておりますので、この構想自身は、ラアン・アメリカについての特別基金の設定あるいは銀行の設立等と非常に似通っておる構想なんであります。そういう意味で、あとから出て参りましたラテン・アメリカなりあるいは中近東なりについて、アメリカがそれほどの積極性を示すならば、東南アジアに対してもやはり積極的な協力態勢を示してほしいという話を、これは会議外でありますが、アンダーソンその他とお話をしたのであります。その際に、一般に申しておりますことは、そのグループ全体が、そういうような基金ができるような相当分の基金を負担するということが必要だ。たとえば日本とアメリカだけが出資するということでなしに、東南アジアの経済開発の基金の恩恵に浴するような諸国が、金額の多寡は別としまして、それぞれ出資し協力することが必要である。また、自国の経済開発は自国自身が立てるべきだ、これに対して他の国がその国の足りない部分を援助してやる、こういうことが望ましいように思う。さらに、もう一つは、そういうような基金ができた場合に、その国の経済開発なりあるいは貿易の振興なりあるいはまた経済の安定なりに寄与する方向で使われることが望ましい。大体この三つの条件を考えるべきじゃないかということを申していたのであります。この考え方と在来の東南アジア開発基金の構想を結びつけてみると、この話自身はしごくもっともな話のように考えられる。今日までの東南アジア諸国と日本との関係を詳細に見ますと、一対一の関係で経済開発、経済協力が実は進んでおる形でございます。特別な円クレジットを設定するとか、あるいは特別な経済開発計画に対して寄与する、こういうような形になっておる。そこで、東南アジアの開発基金という構想自身は、私はしごくけっこうなことだと思いますが、それを強力に進めていくために、東南アジア経済開発を必要とするグループの各国も、グループとしての経済協力、経済発展、こういうものを計画する意欲が望ましいように考えておるのでありまして、その意味において、もう少し工夫を要するというか、もう少し時期的に問題の解決には時間がかかるのではないか、こういうような感じを受けておるのであります、率直にお話しいたしますと。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 いろいろ大臣としての考え方はあると思いますが、日本の経済は弱いのでありますから、そういう点についてよけいな心配はあまりされる必要はないのではないかと考えております。  それと関連いたしまして、三十四年度の予算の問題は、実は御承知のように来年の四月、五月に選挙がある関係上、通常国会が早くなるような形勢にあるわけでありますが、もうそろそろ予算の基本的な線を打ち出すということが大蔵大臣に望まれることであり、また、新聞の人にも、ときどき、大蔵大臣はこういう方針であるというようなことを話されるのでありますが、腹かきまっておるのかどうか。二十四年度の基本的な予算の構想についてのお考えがあれば、この際承わっておきたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 ただいま新聞にいろいろの記事が出ているというお話でございます。なかなか新聞の諸君も、材料をとられるのに、全然材料なしに書くこともないと思いますが、実は大臣としてはずいぶん意外に思うような記事も出ておるのでございまして、この意味で、記事自身がどう出ておりましても、私、捏造だとかあるいは勝手に書いてあるとか、かように申すわけではございませんが、私自身が記事自身についての責任は負いかねる。この点は御了承いただきたいと思います。そこで、基本的な考え方でございますが、まだ基本的な考え方は固まっておらない。これは率直に申し上げます。党からいろいろの要望も出ております。党の要望等につきましては、今の政党政治のあり方から見まして、十分意向を尊重するつもりではございますが、まだ大蔵当局、言いかえますならば、政府としての予算編成の基本的な構想はまだきまっておりません。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 大臣が帰られたちょっと前に、日本には、最近、部分的ではありますけれども、非常に大きな災害がありました。そこで、新聞などの発表、また政府の発表では、二十日くらいまでに災害の予算を出すというようなことがございましたが、すでにきょうは二十一日でございます。一体いつ災害予算を出されるのか。これは大蔵大臣の権限でございますから、一つ大蔵大臣からはっきりとした言明をしていただきたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 災害の復旧につきまして、政府といたしましても、また与党の自民党といたしましても、非常な熱意を持っておることは、今さら申し上げるまでもないと思います。特に私どもが災害復旧の事業について非常に意を用いておりますのは、あの大災害、ほとんど今後の生活あるいは事業遂行についての基本的な考え方が生まれてこないというか、ほんとうに中心を失ったような気持でおられるこれらの災害地に対しまして、一日もすみやかに災害復旧の予算を計上して安定の方向に持っていくことが、私どもの当然の責務だと実は考えておりまして、予算編成を非常に急いでおるのでございます。ことに、私がインドに出発いたします前にも、特に事務当局を督励いたしまして、ぜひともこの災害復旧については、すみやかに、必要ならば予算的措置をとる準備を進めるように、実は申して参ったのでございます。また、留守中、三木大蔵大臣代理も、特にこの災害復旧について意を用いて、二十日前後には提案のできるように準備を進めるということでございまして、非常に事務当局が熱意を持って対策を研究して参っておるのであります。  そこで、しからば、もうできるだろうというお話でございますが、御承知のように、二十一号にいたしましても、二十二号にいたしましても、被害甚大な地域は非常にはっきりはいたしておりますが、これは全国にまたがる大災害でございます。従いまして、この資料を精査するとなりますと、なかなか日にちがかかる。そこで、緊急を要するうちでも、特に最緊急と考えられるような狩野川の改修工事につきましては、とりあえず応急の措置といたしまして、予備費の残りをもってこれを支出することの処置をとりまして、補正予算のうちに入る狩野川でございますが、緊急のうちでも特に最緊急というふうに考えたものですから、応急措置として予備費で改修費を計上することにいたしております。そこで、御審議を賜わる補正予算につきましては、これはやはり全国の問題といたしまして、正確に被害状況等を査定し、また事業等も査定し、皆様方の御審議をいただきます際に、ずさんなものでないように、実はただいま準備をいたしておるのでございます。二十日という目標がおくれておりまして、まことに申しわけなく存じております。しかし、もう会期もあまりないことでございますので、何といたしましても十分御審議を賜わるような時期に出したい、かように考えて、ただいませっかく努力中でございます。ただいま申し上げ得ることは、今週提案することはまことに困難ではないかと思いますが、今週にできないといたしますれば、できるだけ早い機会に出したいと思います。特に提案のできない理由といたしまして、一部でいろいろ御意見を伺っております災害対策の特別立法等の問題がございますので、この特別立法のきめ方では、また予算の内容も変って参りますので、これをすみやかに決定いたしたいということで、昨日来それぞれ交渉を持ち、研究をして、結論を急いでおるわけでございます。  なお、これはつけ加えて申し上げますが、印刷に要する日数といたしましては、三、四日程度で事足りるのではないか。まだ成案が十分できておりません。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 どうも大蔵大臣なかなかやんわりと答弁されておりますが、私たちのうがち過ぎた見解か知りませんけれども、国会は四十日で、すでに今度は会期を延長しないという約束が成り立っておるわけであります。ところが、災害は重要なことでございまして、だれも見捨てられないことは、大蔵大臣御認識の通りでありますが、わずか九十億か百億足らずの予算を引き延ばして、あるいは会期延長に使うんじゃないか。補正予算はだれが考えたって必要でありますから、そういうような考え方が私たちに浮んでくるわけであります。こういうような問題を考えていくと、どうも政府の方では会期延長——大野伴睦先生なんかは盛んに会期延長をやると言っておられますが、われわれの方と約束では、会期延長はしないということで四十日の会期がきまっておることは、御承知の通りであります。御承知のように警察法の問題が非常に大きな問題になっておりますが、それをからめて国会を延ばすために災害予算を早く出さないんじゃないかというような、うがち過ぎた考え方もわれわれは持つわけです。どうかそういう点で率直な意見を承わり、補正予算をいつごろ出されるかということが大きな問題になるので、ここで、大蔵大臣の権限でありますから、はっきりとした説明をお願いしたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 先ほど来申しますように、災害対策の補正予算は、できるだけ準備を完了して、早く出したいということで督励をいたしております。ただいま私まことに意外なことを伺いまして、心外に思います。どういうお気持があるかわかりませんが、政府並びに大蔵大臣といたしましては、真剣にの補正予算と取り組んでおりまして、どうか誤解がないように願います。お気持もよく拝承いたしましたので、提案をいたしましたら、すみやかに一つ御察議の上、すみやかに成立するようお願いいたします。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 誤解はしませんけれども、早く出していただかなければ審議ができませんから、その点は御承知おき願いたいと思います。

早川崇自由民主党

○早川委員長 平岡忠次君。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 帰朝御報告に関連して、佐藤さんが質問されましたことにも関連しますが、この点で一点お伺いします。それからあと、最近意匠がきまって新発足を見るということが流布されておる百円銀貨の改鋳問題について、お伺いしたいと思います。  最初に、まず、東南アジアの経済開発基金、国会で大いに論議されましてでき上りましたこの基金が、今回大蔵大臣の東南アジア旅行において、関係国と話し合った結果からいうたら、あまり役に立たぬじゃないかという印象を私どもは受けるのですが、この東南アジア経済開発基金は、結局どういう方法で今後これを利用していくつもりでございますか、お伺いしたいのであります。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 先ほど後進国の経済発展のための協力の基本的な点は申し上げた次第であります。やはり、何と申しましても、第一ルートは外交のルートに乗せていかなければならないと思います。各国の意向等を十分しんしゃくいたしますと、必ずしも悲観する状態ではない。昨年ようやく東南アジア開発基金五十億を日本自身が計上した程度でございます。この程度の金額では不十分なことは、これはだれでもわかるだろうと思います。問題が非常に大きな問題でございますし、これは第一歩を踏み出しただけの問題でございます。だから、これの今後のあり方等については、さらに私どもも十分検討を加えて、そうして結論を出して参る、こういう考え方でございます。全体といたしましては、先ほど非常に窮屈なようなお話もいたしましたが、この開会劈頭において、ネール・インド首相があいさつをいたしておりますが、自由主義諸国としては、やはり経済的自立がないところにその国の独立はないのだ、こういう意味で、先進諸国は後進諸国のめんどうを十分見てくれ、こういう発言をいたしております。これは確かに後進諸国としてはそういうような気持でおられる。そのまま率直にとっていいことだと思います。ただ、問題は、非常に力のあると考えられるアメリカなどが、東南アジア自身についてはみずからがそのメンバーでないというような関係で、発言が非常に弱い。ラテン・アメリカについては、アメリカ自身もそのメンバーだ、かように実は申しております。どうも東南アジアについては、地域的な関係でそうはない。こういう意味では、日本自身の構想というものを強く出していって、そうして相手方の理解を得るという方向に持っていくべきじゃないか、かように考えております。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 相手国はむしろこれをクレジットにしてほしいんだ、こういうふうに新聞は報じておりますが、このことに対しまして、その事実があったかどうか、そうしてそうした要望に対してこの基金を目的を変えて使っていく、こういうような意向が政府にあるかどうか、お伺いします。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 先ほどちょっと説明いたしましたように、東南アジアの諸国は、グループとしての話よりも、一対一の関係で経済開発を進めていくという形、一対一の形というのが、ただいま御指摘になりましたようなクレジット設定という形になるだろうと思うのでございます。そういう機運の強いことは、もちろん私どもも考えます。東南アジアの諸国におきましても、このクレジットの設定の場合に、クレジットの作り方がいろいろあるようであります。たとえば、セイロンなどの場合は、一応のクレジットは設定するが、その範囲内において各国の競争入札をやらす、競争入札をやって落札したところが、そのクレジットを実行する、こういう形をとる。こういうような場合には、いわゆるクレジットそのものが、全部が当方のクレジットとしては役立たないということにもなります。また、インドのように、過去において提供しました五千万ドルのクレジット、これは完全なクレジットとして五千万ドル出しておりますが、第一年度の分がまだ実行に移し得ない状況にある、こういうことでございますので、これも必ずしもいい形とも言えない。そこでクレジット設定あるいは輸出振興の形においての延べ払い方式等を採用しておる。ところが、この延べ払い方式になれば、相手の国は経済開発に延べ払い方式で協力を願ってくる。こうなると、当方から見ると資本財に限るというようなことになって、消費財までがそれに入ってこない、消費財は通常貿易のルートでやるというようなことになって、なかなかむずかしい問題があるわけですそれを、ただいま申すような第二世銀と同じような気持で、一定の地域に特殊の経済開発基金を提供することが可能であるならば、これはその地方の生活安定あるいは通常経済の発展にきっと寄与する、こういうことが言えると思うのであります。ただ、問題は、東南アジア開発基金のその構成員も明確でないし、構成員の諸君の相互の連係がただいまのところは不十分ではないか、また、金額としても、五十億出してこれで十分だともなかなか言えない、こういう意味にいろいろ議論すれば議論の余地のある状況になっておるということを、実は申し上げておるのであります。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 日本の技術でアメリカの資本、そして東南アジアの後進国を開発する、こういう構想を政府がもし持たれておったとするならば、これは間違いであると私は思う。これは、アメリカの方も、あなたが今度アンダーソンと話されても、あなたの方の考えている東南アジア経済開発基金を受け入れるような態勢というものは、なかなか考え得ない。それから、岸さん自身がアメリカに行かれましても、体よくこの点は拒否されたと私どもは理解しております。そこで、大体第二次世界大戦後の考え方というものは、従来の植民地が独立をいたしました。しかし経済的に見れば、後進国であることは間違いないのです。そうした後進国の経済開発をしていくということ自体は、これは一つもいなむ理由もないし、積極的に開発すべきであります。このことがまた全体的な平和にも寄与する、こういうことはもうだれも争わないと思うのです。ただ、今までの開発は、特定の先進国が特定の後進国を開発していくとするならば、これは慈善事業じゃないというようなことから、どうせその点は支配と被支配の関係が含まれている。こういうことが第二次世界大戦後は反省されていると思います。そして、開発するならば、一つのグループとか世界的なプール基金をもって開発していく。これが一般的な第二次世界大戦後の傾向であると思うのです。こういう意味において、アメリカの否定ということは、そうした新しい感覚を否定するわけではないと思うのです。そこで、コンプラドール的な一つの開発というようなことは、これはわれわれ自身としても反省しなければならぬ。そこで、せっかく生まれ出ました東南アジア経済開発基金を、たった五十億ですが、何とかこの際うまく効率的に生かす道はないかということは、私ども自身としてもいろいろ思いめぐらしておるのです。こういうことは可能かどうかわかりませんし、私の意見が少し入りますけれども、今度あなたがバンコックへいらしたかどうかわかりませんが、タイ国に過ぎたものが一つあると思う。エカフェの本部です。エカフェは、機能とすれば国連の第二次機関です。たとえばFAOとかILOとかユネスコとか、これと並列的に並ぶところの二次機関ではあります。しかし、東南アジアに関することですから、大へんわれわれの関心を引く機関でございます。これを日本に持ってくるということ、これをお考えになっていい段階ではないかと思うのです。今までは賠償が一つも済んでおりませんでした。しかし、日本が東南アジアの迷惑をかけた国々に対しましで、大体賠償がまさに済まんとして一段落を告げるときでございますから、この問題を持ち出した方がいいと思うのです。これはむろんタイ国は承認しないでしょう。あるいはインドあたりもあんまり賛成せぬかもしれません。しかし、賠償が一応済んだ機会にエカフェを日本に持ってくる。そのことによって、日本の技術陣が非常に東南アジア開発の問題にタッチする機会がたくさん出てきます。エカフェ自身の予算はむろん国連自身から出されますけれども、それだけでは十分でないのですから、こうした点に百億——今五十億ですが、予算を来年組めば百億となるが、その果実としての六億円ほどを使っていくということは、格好な一つの行き方ではないかと思うのです。そうすれば、エカフェ自身は今調査というものに機能を置いておりますけれども、逐次それを東南アジアの開発問題もからめて、その過程において第二世銀というようなものができてくれば、これは東南アジア経済開発基金に最もふさわしい仕事ができるように思うのです。ですから、クレジットに安易に変えるというようなことをお考えにならず、こうした問題を少し掘り下げて検討を願いたい、こういう感じがいたします。これは、質問と言わんよりは、ちょうどお帰りになりまして、そうしたなまの情勢をつかんでいらっしゃった佐藤大臣の感覚の上にこうした問題を投げかけまして、御配慮をわずらわしたい、かように考えます。  次の質問に入ります。銀貨の問題です。

早川崇自由民主党

○早川委員長 時間が……。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 ちょっとだけ聞いておいていただけばけっこうです。あとは専門的には正示さんにお願いいたします。  実は、百円銀貨が国民からボイコットされて、動きがつかなくなった。そこで、大蔵省の方としても、強制的に使わすわけにいかないから、何とか工夫しよう、こういうことになったと思う。ところが、もともとこの百円銀貨の不評判である点は、五十円のニッケル貨と形の上で間違いやすい。このことが非難の大体の原因なんです。ところで、今回、これを使わせようという魂胆からでしょうか、正示さんが大へんお骨折りになって、これを、臨時補助貨幣懇談会、徳川夢声委員長のこういう懇談会で、いかにも民意を取り込んで何とかという形はとったのですが、実際結論が出たところは、公募による意匠というものが一つ出てきました。これはこれ自体としては悪いことではございません。しかし、大蔵省がこの段階で考えていられるのは、やはり百円銀貨は品位も大きさもあのままに置くということなんですね。それからもう一つは、五十円ニッケル貨は穴をあけて使う。こういう二本柱でこの問題を何とか打開しようとなすっておるようです。ところが、五十円ニッケル貨は非常に評判がいいのです。評判のいいもので改悪して、百円を、品位はとにかくとして、形状はこのままに置く。これは解決にならないと思うのです。せっかくこういうことをなすっても、結論としてはまた国民からボイコットされるのではないか。私どもはそれを憂慮いたします。そこで、この際こういうこそくなことはやめまして、率直に国民からきらわれている形状についてもっと大きくする、それから五十円のニッケルはそのまま置く、こういうことで割り切った処置をした方がいいと思うのですが、この点はどうですか。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 ただいま御指摘になりましたように、今回の臨時補助貨幣審査委員、これは、徳川夢声、あるいは池島信平、あるいは図案家、あるいは最もたくさん金を扱うであろうデパートの人、あるいはもう一つ、盲人が非常に補助貨幣の扱い方についてはお困りである、盲人も委員にお願いをいたしまして、審査を願っております。そういたしますと、やはりさわってすぐわかる——大体在来から五のつくところは、五円や何かには穴があいておる、その意味で五十円はいいんじゃないか、穴をあけることが一番わかりやすいのではないかというようなことで、なるほど、御指摘の通り、百円よりも五十円の方が、図案としては賛成だというか、非常な支持を受けました。それを今回は百円も五十円並みに皆さんから喜ばれるような図案を一つ考えようということで、その際に五十円と百円と一緒にしていろいろ審査いたしたのでございます。ただいま大きさの問題のお話が出ておりますが、この大きさの問題は、百円硬貨を作ります際に、当委員会でも非常な御主張があったように伺っております。その大きさはなるべくいじらない方がいいだろうというのが、今回の結論でもあります。あの大きさについては皆様方の御意見を実は尊重してきめたつもりなのですが、その考え方が変れば、これは別のように思いますけれども、そういうような感じがいたしております。  なお、この機会に、これはもうすでに新聞等に出て参りましたから御承知だと思いますが、決定をいたしました図案がここに出ておりますので、これを一応御参考にお目にかけます。  なお、正示君がおりますので、詳しいところは一つ……。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 大臣、あと一点だけ。これは保留して下さい。そして徳川委員長外十一名の委員をここへ呼んでほしいのです。大きさの点で異論があったにもかかわらず、正示さんがまるめ込んで、一番国民の要望しておる大きさの点を無視したということなのです。結論は、評判のいい五十円ニッケル貨を改悪して、百円の形状はそのままというなら、結局流通しませんよ。ですから、この点は一応物言いをつけておく必要があります。ですから、そう簡単に結論を出さないということだけお約束して、お帰り下さってけっこうです。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤国務大臣 今結論を出すなというお話でございましたが、実は政府は結論を出しております。この点は御了承いただきたいと思います。

正示敬次郎大蔵事務官(理財局長)

○正示政府委員 ただいまの平岡委員の御質問につきまして、若干私の方から補足してお答えを申し上げたいと思います。臨時補助貨幣懇談会におきましていろいろの意見のありましたことは、平岡委員からも御指摘のあった通りであります。ただ、結論といたしましては、平岡委員御自身が御指摘のように、せんじ詰めていきますと、百円銀貨と五十円ニッケル貨がまぎらわしい。これをまぎらわしくしない方法いかんということに結論がきたわけであります。その際に、今平岡委員が最後にお話しのように、百円銀貨のサイズを変えたり、あるいは根本的に百円銀貨を作り変えるということについての問題というふうなものも話の出たことは事実でありますが、大蔵大臣がただいまお話しになりました通りに、この百円銀貨につきましては、先々国会でございましたか、法律の改正に際しまして、国会でいろいろ御議論がございまして、百円銀貨の純分あるいは形状等につきましても、国会の御意向が相当強く出ております。これに反しまして、五十円ニッケル貨は、一般の大衆から公募しましてデザインをきめておるいきさつがあることは、御承知の通りであります。そこで、五十円の方は確かに評判がよかったというのでありますが、五十円が評判がよかったのは百円が出ない前のことでありまして、百円が出ますと、百円とまぎらわしいという批判は両方共通に負うたわけであります。そこで、われわれとしましては、国会がいろいろ御議論になりまして、品位、形状等について国会の意思の出ておる百円銀貨というものは尊重して参るのが至当ではないか。まずそういう前提に立ちまして、先ほど申し上げたように、百円と五十円とのまぎらわしい点を除去する方法ということにだんだんと話が進みました結果、大蔵大臣からお話しのように、五円もすでに穴があいておることであるから、五十円を穴のあいたものに作り変える、こういうことが全員の意見としまして結論として出たわけでございます。つきましては、大蔵大臣が申されましたように、われわれのない知恵をしぼりました最後の算段でございますから、どうか、その辺につきましては、われわれの苦心の存するところは一応おくみ取りをいただきまして、平岡委員は出ても大てい流通しないぞという予言的なお話でございますが、この点は一つそういうことのないように、百円と五十円はまぎらわしくないようにいたします。それから、百円について全然手をつけないわけじゃございません。今お手元にお回しをいたしましたように、百円の今までの意匠というものが非常に複雑で彫りが浅いという点が、非難の第二の点でございましたから、この点はデザインを単純明確にいたしますとともに、彫りを深くいたしまして、手ざわりによりましても百円であるということが明確になるような工夫をこらしておるわけでありますから、その点は両方につきましてできる限りの工夫をしておる。この点を特に申し上げまして、御了解を賜わりたいと存じます。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 正示さん、この形状、品位で大いに論議されて、そして前々国会で二十六ミリ、四十八グラム、こういうふうにきめたわけです。こっちは反対であったけれども、きめられたわけだ、その結果出てきたら、すっかりボイコットされていることも事実でしょう。そこで、徳川夢声委員長の率いる臨時補助貨幣懇談会では、十一名のメンバーのうち、六名がやはり形状を変えなければいかぬということを主張されたそうです。それにもかかわらず、そういう意見が全然反映せずに、こうした大蔵省の結論が出たということは、これはいかぬと思うのですよ。国民がボイコットしているのは、百円銀貨であって、評判のよい五十円じゃないのです。ところが、今度は評判のよい五十円を改鋳して、評判の悪い百円銀貨の大きさを変えない。それから、五十円貨に穴をあけているというのは、これはギリシャとスペインきりない。大体後進国です。こういう評判のいい五十円貨に穴をあける必要は一つもない。しかも製造過程でロスも出ます。ですから五十円じゃないのです。改むべきは百円の方です。それは、大蔵省の腹づもりで、今百円の流通はどのくらいですか。八百億か七百億だと思うから、大体七億ぐらいの個数を必要とするでしょう。それを逆に計算するというと、二千トン当て込んでいるから、そこで三グラムということが出てくるわけでしょう。二・八八グラムにして、ロスを見込んで三グラム、そういうふうに逆算して出てきた。ですから、国民の感情に合うようなものを初めから作ってやったのじゃなしに、二千トンの接収貴金属、しかもこれは法律の通っていないもの、これを当て込んで、逆算してこういうちびた百円を出してきたことにあやまちがある。しかも、あなた方の答弁とか政府の意向では、百円紙幣の方も、ミツマタの業者等もからみ合せて、多少残すということをきめているのでしょう。そうじゃないのですか。もしそうだとするならば、この札の方と銀貨の割合を七対一とかいうようなことでなしに、形状を大きくしますと、素材において約四割ぐらいよけいかかると思うのです。そういうことになりますね。これはミリ数を二十七ミリほどによけいにしますと、五十円より大きくなります。そうしましても五億個、五百億円ぐらいのものは二千トンを当て込んでもできるわけです。そうして、ミツマタ業者等のこともありますから、あと足りぬ部分というものは百円紙幣を残しておいたらどうなんですか。そんなに無理に、こういう流通しなくてボイコットされた同じ形状をそのまま、意匠を変えてみたところが流通しませんよ。これは現実に経験的に流通しなかったんだから、従ってあなたが流通しますと言うても、われわれはそうですかといって納得できないのです。ですから、研究は大いにしておいて、実際にこういうものをやる前に、やはり委曲を尽してこの問題を検討しなければいかぬです。徳川夢声のグループの答申というものは、あなた方の巧妙な一つの運営によって、その意図がひん曲げられて答申が出てきている感じがします。この点で正示さんがどう表現されようと、現状においては流通しなかったということにかんがみまして、もう一回検討してほしいんだ。

正示敬次郎大蔵事務官(理財局長)

○正示政府委員 ちょっとお答えを申し上げます。  まず第一に、懇談会の経過におきましていろいろ議論が出たではないかというお話は、懇談会の途中におきまして、われわれとしましてはいろいろの前提を置いて考えたわけであります。今お話しのように、百円を改鋳することを中心にした場合はどうか、あるいは五十円を改めることにした場合はどうかというふうな前提の置き方によりまして、議論の出たことはございましたが、しかしながら、百円銀貨につきましては、先ほどお答えを申し上げました通りに、前回の臨時通貨法の一部を改正する法律案を御審議いただきます際に、百円銀貨の大きさにつきましては、特に大体において十円白銅でございますか、これとの大きさをにらみ合せまして、銀の純分をどの程度にすべきである。一方ミツマタ対策等の関連もございましたが、国会においてすでに一つの意思が表示されておったことは、御承知の通りでございます。そこで、そういう経過を十分に御説明を申し上げまして、今日までの問題の所在を的確につかんでいただいて、その上で五十円のニッケル貨をいかにすれば百円とのまぎらわしい点が除かれるか、こういう点に議論が進んでいったということを先ほど申し上げたのでありますが、若干言葉を省略いたしましたので、その点をつけ加えて申し上げます。  次に、しかしながら、百円銀貨について五十円とのまぎらわしいという非難がさらに残るわけでございますので、この点につきましても、先ほど簡単にお答えを申し上げましたように、百円のデザインを変えまして、百という数字を御承知のように明確に入れております。なお彫りを深くするために、模様をきわめてシンプリフアイしておるわけでございます。そういうことによりまして、大臣からもお話のありましたように、手ざわりでもわかるようにということに非常に意を用いたつもりでございます。  それから、もう一つはサイズのことでございますが、御承知のように五十円は直径二十五ミリメートルでございます。百円は二十三でございますか、すなわち五十円の方が二ミリだけ大きいことは御指摘の通りでございます。逆に今度は百円を大きくしたらいいじゃないかというお話でございますが、かりに二ミリ大きくいたしますれば、その差は同じでございます。従って、どちらが大きいかの違いでございまして、二ミリ差ということはどちらにしても同じでございます。そこで、単に五十円に比べて大きさを二ミリ小さくするか、二ミリ大きくするかだけでございますと、やはりまぎらわしいという非難が残りますので、これは思い切って五十円の形を穴をあけるにしくはないというのが、委員各位の御意向であったわけでございます。この点につきましては、そういう点をも十分審議していただいたということを、つけ加えて申し上げたいと思います。  なお、臨時補助貨幣懇談会の委員の方々のお名前は、あらためて申し上げるまでもございませんが、先ほど大蔵大臣からも申されましたように、あらゆる方面の意見が大体において入っておるようなことになっておる。こういう点をあわせて御了解をいただきたいと思います。

足立篤郎自由民主党

○足立委員 関連して。  百円と五十円につきましては、私ども御説明を了といたします。ただ十円銅貨との関連は一体どうお考えになるか。十円程度の価値の硬貨について、ぎざをつけた例は、世界的にも例がないというようなお話を聞いておりますが、最近の偽造等を考えますと、むしろ十円銅貨を改造して百円を偽造するというような例もあるように新聞等で見ておるのですが、この点もあわせて考えてもらわないと、またそこに問題が起ってきはしないかという感じがするのです。  なお、百円硬貨は、私どもとしては、結局国民が扱いなれないという点に一番の問題があると思うのでありまして、相当数量をまとめて発行してこれを通用させれば、この問題はおのずから解決してくるというふうにも考えます。同時に、今彫りを深くするというお話、非常にけっこうです。去年あれを作りますときにも、私ども彫りを深くしたいということだったのでありますが、造幣局あたりで技術的にこれは果して解決するかどうかということを、あわせて御答弁いただきたい。

正示敬次郎大蔵事務官(理財局長)

○正示政府委員 第一の御質問でございますが、十円銅貨との関係でございます。これは、まず百円の彫りを深くすることによりまして、相当程度にそのまぎらわしさが除去されると思いますが、さらに、ただいま足立委員から御指摘のように、十円には沿革的にぎざがついております。しかしながら、このぎざは実は必要ではないのでございます。通常の補助貨幣の常識から申しますと、最高のものにぎざをつけるというのが、各国の通例になっております。十円銅貨を出しましたころは大体十円の硬貨が最高のものというふうな考え方で、ぎざをつけたようでございますが、今日ではその必要はございませんので、できる限りすみやかにぎざをとるようにいたしたいと考えております。  次に、百円銀貨が今日まで流通をしておりますのはわずか三十数億でございまして、まだ一般のなじみが非常に浅い。そのために不評をこうむっておるというような点も、お話の通りかと存じます。私どもといたしましては、今後、一方において五十円の新デザインのものをできる限り早く出す、また百円の新デザインのものをできるだけ早く出すという努力をすることによりまして、不評判を除去しますとともに、百円銀貨につきましては、すみやかに相当量の流通をはかりまして、一般の国民の方々から親しまれ、なじまれまして、この不評判が一日も早く解消いたしますようにということで、せっかく努力しておりますので、御了承を願います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 臨時補助貨幣懇談会の意見というものは、現在よりも百円硬貨については一回りか二回り大きくして、そして五十円と大さきで区別してほしい、こういう意見を過半数の六名の委員が主張した。ところが、正示さんを初め大蔵省のえらい人たちが、この率直な意見に対して、きわめて巧妙なやり方をもちまして、最終結論として品位、大きさはおおむね現状通りとし、デザインを変え、彫りを深くするよう改鋳すべきであると答申するように取り運んだ、こういういきさつだそうですから、この百円銀貨が将来発行されて、どうも流通しなくなったというときには、責任はあげて正示さんにある、こういうことをこの際確認しておきます。  それから、これに関連いたしまして、今大蔵大臣をあなたがそそのかして、もうきまってしまったんだというやり口、これはけしからぬと思うのです。これは、懇談会の意向をひん曲げたと同様に、この大蔵委員会に対しまして発言を封ずるという、とんでもない行き方でありまして、私どもはこれに対しましては大いに抗弁する権利を保留しておきます。  それから、このことに関連しまして、またこの調子でやられては困るのですが、大蔵省告示として、この暮れくらいに一万円札をぽんと出してくるかもしれない。あなたの今のやり口を見ると、この気配が多いのです。この一万円札を発行することがいいかどうかは、まだ論議は尽されておらぬと思うのですが、この点は、きょうは別としまして、他日大いに論議することにいたしたい。このことを正示さんに要望しておきます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)委員 ちょっと関連して。  問題は、この今の百円貨があまり流通しないということですね。それはおそらく百円貨を尊重しておるからだと思う。これは、御承知のようにグレシャム法則で、新しく出てきた金で、小さくて非常に値打ちがあるものだから、同じ金を使う場合でも、子供でも百円貨の方をとっておいて、そうして紙のよこれた札の方を使う。これは私の近所の実際の経験でもあるのです。まだ今の百円貨が銀貨で珍しいから、そこで百円紙幣の方を使おうか、銀貨の方を使おうかということになる。紙幣がないときには仕方がないから銀貨を出すけれども、両方あれば、きたない紙幣の方を先に使って銀貨の方を残しておく。(笑声)君らは笑ってはだめだよ。これはグレシャムの法則で、質のよいのと悪いのと同時に市場に出た場合には、悪貨が良貨を駆逐するということは千古の真理です。だから、かえって尊重するから流通しないということは間違いない。私は与党、野党を越えて言うのだが、大体役所がそういうことをいじくり回すのはいかぬ。だから、金をきめないうちならばともかく、一たん出した以上、時間をかけ金をかけていじくり回してああだ、こうだと言うようなことは、そういうようなことよりも、もっと大切なことがたくさんあるじゃないですか。こういうようなことをいじくり回してまたやれば、またやるかもしれない。ちょっと模様が悪いとか、彫りが少いとか、酔っぱらいが夜間違えるとか、そういうようなことは理由にならない。もう少し金を尊重して、一たん出した以上は、時期を見て、よほど大衆から非難される欠点があるか、あるいはさらに変えたことによって非常に利益があるということであれば、これは私も変えなければならぬ場合を認めますが、私は少くとも今言ったようなグレシャムの法則を諸君は考えてみたことがあるかどうかと言うのです。私の子供が実際やっておる。私自身だって、どっちを出そうかというときには、きたない札の方を先にタクシーにやってしまう。だから私はなるべくいじくらない方がよいと思います。

田万廣文日本社会党

○田万委員 関連して。  一つ正示さんに伺います。これは党派の問題ではないのであって、とにかく間違いやすいから、その問題を解決するためにいろいろ審議会でやっておる。私この前の委員会のときにも申し上げたのでありますが、とにかく一般の大衆、使う人が間違わないようにさせるということが目的であろうと思います。そうすると、今の五十円よりは今出ておる百円の方が小さいので、これを逆にして五十円を小さくして百円を大きくするということが、めくらさんであろうが、目あきさんであろうが、酔っぱらいであろうが間違わないということになる。私がこの前そういうことを言うと、自民党の今政務次官をしておる、だれであったか名を忘れたが、山中君じゃないんだ、その方が、田万君の言うておることは間違うておる、実質がよくなればなるほど小さくなるんだという話があって、もっともだと思っておったのですけれども、こうなってみますと、もっともがもっともでない。使う方の立場を考えると、私の説が正しかったと思うのです。従って、夢声さんに聞かなくとも、われわれに聞けば常識的なことが出るのであって、現在の五十円を百円の大きさにする、五十円の大きさのものを百円に切りかえるということになれば、穴をあける必要もないし、ぎざぎざも何も要らぬ。盲さん中心に考えぬでも、目明きを中心に考えればいい。目明きも間違えねば盲も間違えぬというのが最適の方法だと思う。今話を聞くと、何か決定したというようなことですが、もう一ぺん考え直して——党派の問題ではない。使う人みんなが間違わないということを標準に考えるならば、切りかえる際に五十円を小さくして百円を大きくするということで、もう一ぺん考え直してもらいたいということを、最後の私のお願いなり意見として正示さんによく聞いてもらいたい。佐藤さんによく話してもらいたい。そして決定を留保してもらいたい。山本さんがおっしゃったように、何も切りかえるのが能でないのですから、これが最後だという意味において、慎重審議して、私の言うことをよく聞いてもらいたい。     —————————————

早川崇自由民主党

○早川委員長 次に、国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。質疑の通告があります。これを許します。  佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 国家公務員の宿舎の問題について大きな法案が出ておるのですが、今国家公務員の住宅の問題は、非常に住宅難で困っておる関係上、われわれもそのことは十分に感ずるのですが、現状はどうなっておるのか。実は九州に参りましたときにも強い要望がありまして、ぜひ公務員の宿舎をたくさん作ってもらいたいという要求がございましたが、この際あらためて、公務員の住宅の現状はどうなっておるか、簡単でいいですから、あらかたの模様を管財局長に御説明願いたいと思います。

賀屋正雄大蔵省管財局長

○賀屋政府委員 お答えいたします。  国家公務員の宿舎の現況はどうかという御質問でございますが、まずことしの三月末日現在における国家公務員の宿舎の総数は八万二千八百五十一戸でございます。そのうち、今回改正しようと考えております国家公務員のための国設宿舎に関する法律、これは昭和二十四年に施行されたものでございますが、それ以来この法律に基きまして施設費を毎年とりまして設置いたしました戸数は、四万五百八十二戸となっております。これらの公務員の宿舎は一体それで十分なのかという点でございますが、私ども決して満足すべき戸数であるとは考えておらないのでございます。しからば、宿舎の充足率はどうなっておるか、つまり、国家公務員の中で、自分のうちを持っておる人であるとか、安定した借家に住んでおるとかいった人たち、つまり公務員宿舎を別に必要としない人を除きまして、ぜひとも国で建てた宿舎に入りたいと考えておる者に対しまして、現実に入っておる者が何パーセントであるかというのを、われわれは充足率と呼んでおるのでございますが、それは、ことしの三月、年度末現在におきまして三六・九%という数字になっております。一応概括的なことを報告申し上げまして、さらに御質問に応じてお答えしたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 法律のできることはけっことでありますが、これのためには、やはり予算の裏づけがなければ家はできない。政府はこの法律によって三十四年度からどれくらいの予定で逐次作っていかれる考えなのか。大蔵省の予定を一つ伺いたい。

賀屋正雄大蔵省管財局長

○賀屋政府委員 御指摘の通り、国設の公務員宿舎につきましては、毎年相当額の予算を計上しております。三十二年度は十五億、それから今三十三年度は若干減りまして十三億、しかしながら、この調子で参りましては、先ほど申しました三六%何がしという充足率をなお高めて参りますには相当の年月を要しますので、宿舎を管理いたします私どもといたしましては、できるだけ予算をいただくようにということで、毎年主計局とも折衝いたしております。ただいまのところでは、もちろん予算のことでございますのでまだ確定はいたしておりませんが、管財局といたしましては、来年度は二十三億程度要求いたしたいと考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 先ほどの御説明で充足率三六%ということでありますが、管財局としてはどのくらいの程度までこれを満たす予定なのか。希望があるだろうと思いますが、その点を一つ伺っておきたい。

賀屋正雄大蔵省管財局長

○賀屋政府委員 私どもといたしましては、一〇〇%を目標といたしまして、できるだけ短かい間に一〇〇%に持っていきたいと考えておりますが、何分膨大な予算を要しますので、財政  一般の状況も勘案しなければならないということでございますので、先ほど申しました程度をとりあえず来年度は予定いたしております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 この法案の中で、宿舎審議会を廃すると書いてありますが、今までこれがあるために不便があるとか、何かそういう問題があるのか、一つ御説明願いたいと思います。

賀屋正雄大蔵省管財局長

○賀屋政府委員 今回の改正案におきましては、宿舎審議会を廃止することになっておるのでございます。これは大蔵大臣の提案理由の御説明にもあった通りでございますが、なお繰り返して申し上げますと、先ほど申しましたように、この法律は昭和二十四年に施行になっております。つまり占領中に制定された法律でございます。ところが、この宿舎の制度といいますのは、古くさかのぼりますと、明治時代から公務員に宿舎を貸与するという制度はあったわけでございまして、それから長年の間にわたりまして運営されて参ったのでございますが、各自各庁によって実はばらばらに運営されて参り、取扱いが非常に不統一になっておったのでございます。そこで、戦後占領軍がこの点に目をつけまして、何とかこれを統一した形に持っていくべきだということで、この法律を作ることになったわけでございますが、何分にも長年放置せられて参りました宿舎制度でありますので、その際一気にこれをすっきりとした形に持っていくことは困難な事情にあったわけでございます。そこで、まず宿舎審議会というものを作りまして、この審議会におきまして、いろいろな宿舎に関する基準、たとえば維持管理の基準でありますとか、あるいは宿舎の使用料の基準でありますとかいったものを慎重に検討いたしまして——いきなり法律にそうした規定を設けるということはなかなか困難であるから、まず宿舎審議会において検討して、その結論が出たら政令に規定していく、こういう方針をとったのでございます。そこで審議会におきましていろいろ検討いたして参ったのでございますが、すでに今日までにあらかたいろいろな点につきましての基準が確定されておりまして、それが政令の中に盛られております。しかしながら、元来これらの基準は、政令のようなものに規定すべきではなく、法定すべき事項が多いのであります。それからさらに、今日におきましてもいろいろ検討してみますと、法律として不備な事項も若干出て参っておりますので、それらの点を総合いたしまして、一つの整った形でもって法律を出そうというので、これは形の上では一部改正ということになっておりますが、実態は全面的な改正にひとしいものでございまして、おおむねこれによって今後宿舎の運営が適切に参ることになろうと確信いたしておるのでございます。と同時に、現内閣におきましては行政組織の点につきましても、行政制度の点につきましても、いろいろ改革の案が考えられておるのでございますが、その際にできるだけ行政を簡素化しようというのも一つのねらいでございまして、その政策にも沿いまして、このような宿舎審議会を廃止した次第でございます。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 関連して。  今賀屋さんからの御説明で、三十四年度は二十三億程度を要求しておるということでございましたが、充足率が悪いので充足率を高めたいという御希望はわかりますし、この二十三億をどういうふうにお使いかわかりませんが、私は一つ希望を述べて、その方に幾らとれるか知らないが、多く回していただきたいと思う公務員の住宅があるのです。それは、よその公務員はさておいて、大蔵省自身の末端を一体満足させておるかどうかというと、これはきわめてとんでもないことをやっておられるのであります。ということは、税金をとる税務署の役人というのは、借りれば借りられる役人でございます。貸してくれというと喜んで貸すのですけれども、これが借りて入るときわめてうまくない結果になることは申し上げるまでもなく御承知の通りであります。私どもが末端へ行ってみますと、まことに気の毒なんです。どうしても住宅がないから、ちょっとした商売人の家の離れを借りる。そうすると、そのおもやのおふろをもらうことさえ遠慮をして、大きな橋を渡って川向うの銭湯へ行くというようなことをしている。主人公自身はやりますけれども、奥さんや子供まで遠いところの銭湯へ行けというのは気の毒だから、そこでついついそのおもやのふろをもらう。そういうところを第三者が見ておりますと、なるほどあそこは税金が安いはずだ、税務署の吏員が泊っておる、こういうふうに見られる。それを借りれば借りられる役人というのでありますが、そういう状態にしておいたのでは、税が高いの安いのといういろいろな批判があるし、これは最も役人としてはかわいそうな批判だと思うのです。公平にやっていても公平でないと思われるでありましょう。そういうことで、二十三億の家をどういうところにどうお建てになるか知りませんが、地方の山の中の小さな税務署で、一戸か二戸あればそれがどうにか間に合うところへは、金を流してやっていないのです。従って、地方の山の中の税務署員は住宅には非常に困っております。転勤を命ぜられても、前の赴任地から汽車に乗って通っておるというような不便を今あえてがまんをしてやっておる。そういうことに対して、よその役所も大切ですが、大蔵省自身の足元をまず整えなければならないということに対して、どのような配慮がされているかを、ちょっと伺っておきたいと思います。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 今山下委員は、非常に良心的な、私どものところの末端公務員についてのお話でございましたが、これは見ようでございまして、私に言わせれば、巡査がどろぼうの家に下宿しておるという感じの、李下に冠を正さずの前の状態のところがあるやに思います。間税の職員が酒屋さんの離れを借りるとかいうようなことは、だれがみても正しいことではありませんし、またしてはならないことだと思うのです。従って、ただいま局長が申し上げておりますように、私自身のこれは政策の一つでもありまして、そういうものをすみやかに解消して、今おっしゃったような好意的な立場でやってもどうかと思われるようなことをなくしたいということで、重点を置いて、さしあたりそういう直接一般の方々に関係のある職種の者は、どんどん重点を置いて住宅をふやしていこう、こういうことに考えております。現在職種においてどの程度の充足があるかについては、必要があるならば後ほど局長の方から御説明さしてよろしゅうございますが、私としては、そういうつもりで、本年は——公務員住宅については大蔵省といえどもなかなかつつましやかでございまして、自分の省が金を配分するのでございますが、それだけにやはり自分の省の要求をずいぶん控え目にいたしておるところでございまして、それについては少し私も手かげんをして、ことしは少しは予算をとってやろうと考えておるところでございます。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 賀屋さん、それはぜひ多少詳細に聞きたいと思いますが、山の中の住宅の予算は、私の聞くところでは、本省へ願い出たけれども、一向にいい返事をしていただけない。雪の深い山の中の間税の仕事に当っておる者たちへの思いやりが大蔵省は足らないということを痛切に感じてきましたので、その点にどのような配慮がされておるか。ちょっと御説明をしておいていただきたい。

賀屋正雄大蔵省管財局長

○賀屋政府委員 お説の通り、国税庁の職員は、一般の職員と違った見方から国設宿舎の割当をすべきであるという点は、確かにそうであろうかと思うわけでございまして、政務次官のお答えになりましたような考え方で、今後私どもも進んで参りたいと考えております。ただ、御質問にございました具体的な山の中の例は、私も実はまだ存じ上げておりませんが、具体的にどこへ置きますかという点につきましては、国税庁におきまして、私ども国税庁に配分いたしました中で考えていただくということにいたしておるわけでございます。国税庁に対する配分が多ければ多いほど、そういった不都合な事態が起らないわけでございますが、全体が限られておりますし、各省の要求も多い関係もございますし、また、今政務次官のお答えのように、大蔵省は自分のところの職員には割り当てにくいというような関係もございましたので、そういった事態が起っておるのかとも思いますが、しかしながら、私ども全然この点を従来無視して参ったのではないのでございまして、全体的に数字について申し上げますと、先ほど、昨年が施設費は十五億、それからことしは十三億と申し上げましたが、そのうち国税庁の……。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 仙台国税局管下をちょっと言って下さい。

賀屋正雄大蔵省管財局長

○賀屋政府委員 その点は、今申し上げましたように、国税庁全体として配分いたしまして、あと国税庁がどの地区にどのように分けるかという点は国税庁に一任してございますので、報告はおそらく参っておることと思いますが、ただいま手元にございませんので、いずれ調べましてお答えいたしたいと思います。  三十二年度の施設費の十五億のときには、二〇%程度が、国税庁の職員が入るために建っております。三十三年度の十三億のときには、二二%というふうに若干向上しております。これが古く二十九年当時は一二%、三十年当時は一七%というふうに、年を追いまして国税庁の職員に対する割当をふやしてきておりますが、しかしながら、まだその結果の充足率はどうかと申しますと、先ほど一般に全体について申し上げました三六・九%に対しまして、国税庁職員のみをとってみますと三六・二ということになっておりまして、若干悪うございますが、大体全体の平均程度にいっておるわけでございます。しかしながら、国税庁の職員は特殊な立場にあるということから申し上げますと、もっとこの充足率をふやすべきであろうということ、私どもよくわかるのでございまして、その点は今後できるだけふやして参るように努力いたしたいと存じております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 私の言いたいことを山下さんから言っていただいたわけでありますが、私たちも、九州をずっと歩きまして、いろいろ宿舎の問題についての話がありましたが、その中でやはり税務署の署員の体面を保たなければならぬということがあるわけで、信用が置けないと徴税のあれが非常に悪くなるわけです。特に銀行なんか非常に待遇がいいので、税務署の署員の方が非常に悪いということくらいは、公務員の給与の状態を見ればわかるわけです。そこで、もう一つ、私は島原に行ったのですが、島原の税務署の署長からも、あそこは御承知のように密造酒の非常に盛んなところで、そのために非常に公務員が危険な状態をたびたび経験したという話を聞きました。非常に気の毒だという感じを受けたわけですが、私たちは、大蔵委員でありますから、大蔵省の宿舎だけあればいいというような、そういう手前勝手ではありませんけれども、しかし、仕事が仕事であり、税務署の署員はほかの仕事と違う感じがありますので、やはり権威を持たせてやらなければならぬという立場もありますので、ぜひとも一つ、公務員の宿舎問題については、税務署署員、これは転勤率も非常に多いわけでありますし、その他のことについてもわれわれいろいろ考えさせられることがありますので、特にこの際、政府においても、税務署の署員に対しては、特別なる配慮を促すように私は希望いたしまして、きょうの質問を終ります。

早川崇自由民主党

○早川委員長 本日は、この程度にとどめ、次会は来たる二十三日午前十時十五分より開会することとし、これにて散会いたします。     午後零時二十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗