大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1958/10/14
会議録
○早川委員長 これより会議を開きます。 小委員追加選任の件についてお諮りいたします。去る二日設置いたしました四小委員会につきましては、その員数をそれぞれ十名と決定いたしたのでありますが、その後理事会におきまして協議いたしました結果、各小委員会ともそれぞれ員数を増加して小委員を追加選任することとし、税制並びに税の執行に関する小委員は十五名、金融及び証券に関する小委員は二十名、国有財産に関する小委員は十三名、専売事業に関する小委員は十一名といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、小委員の追加選任につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 では、追って公報をもって指名いたします。 —————————————
○早川委員長 去る九日予備付託になりました公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題となし、提案理由の説明を聴取いたします。運輸大臣永野護君。 —————————————
○早川委員長 次に、税制並びに専売事業に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します、奧村又十郎君。
○奧村委員 私は、三十四年度の予算編成を前にして、政府の税制改正に対する御方針について承わりたいと思って、政府委員をお願いしておいたのですが、担任の主税局長がまだ見えないので……。
○早川委員長 間税部長と税制第二課長が見えていますから……。
○奧村委員 それじゃ、主税局長が見えませんので、間税部長に、少しこまかい話でありますが、酒の制度についてお尋ねをいたします。 巷間伝うるところによりますと、政府の方では、酒類のマル公の制度を撤廃したいという考えで、民間の意見を徴しておるということを聞くのでありますが、戦時中から続いたこのマル公の制度を撤廃するということが業界に与える影響は、はかり知られざる大きな問題があると思うのであります。このマル公制度を撤廃する、これは非常な大きな問題でありますから、政府もまだ腹は最後的にきめておられぬと思うのです。きめてはおられぬとは思うが、マル公制度を撤廃したらどうかという仮定のもとに、いろいろ世論のおもむくところを聞いておられるように承わるのでありますが、その点はそのように業界の意見を確かめておられるのですか。一つこの点からお尋ねいたします。
○泉説明員 お答え申し上げます。 御承知のように、酒類のうち果実酒と雑酒につきましては、すでに相当以前から物価統制令に基くいわゆるマル公は廃止されておるのでございますが、清酒と合成清酒としょうちゅう。みりん及びビールにつきまして、現在なお公定価格の制度をとっておるわけでございますが、これらの五つの酒類につきましては、かねてからマル公制度につきましていろいろ批判のあるところでございます。マル公を廃止するかどうかということにつきましては、きわめて重要な問題でございますので、私から御答弁申し上げるのは差し控えたいと思いますが、私どもといたしまして、従来からありました批判にもこたえる意味におきまして、マル公を撤廃する場合に、どういう手順でやったらいいかどうか、あるいはマル公を撤廃する場合には、そのあとどういうふうな問題が生じてきて、どういうふうな措置をとらなければならないかどうか、こういったいろんな問題につきまして、今検討をいたしております。何分、御承知のように、酒類は相当高率の酒税が課せられております。従いまして、この酒税の転嫁が円滑に行われるかどうかということは、酒税の保全及び確保の上におきまして、相当大きな影響がございますので、そういった影響の点をもにらみ合せながら、慎重に、どういう対策が必要であり、どういう事態になるであろうかということの想定をいたしております。同時に、酒類の関係八団体に対しましても、関係全団体としてどういうふうに考えておるかというようなことを諮問いたしております。いずれにいたしましても、今直ちにマル公を廃止するというわけではございませんけれども、マル公廃止ということが重大な問題でございますので、その影響、対策等を慎重に調査中というのが、現在の姿でございます。
○奧村委員 マル公廃止に踏み切ったわけではないが、廃止するとすればどのように廃止すべきかということについては、すでに業界にその意見を徴しておる、こういう御答弁でありますので、了承いたしました。 酒類のマル公を撤廃いたしますと、マル公制度はもう残らぬことになるのではないですか。これは戦時中の物価統制令から発した制度でありますが、酒類のマル公制度はマル公制度の最後に残されたものと思うので、これを廃止すれば、もうマル公制度というのは一切なくなるというふうに考えるのですが、その通りですか。ほかにあったら聞かしてもらいたい。
○泉説明員 戦時中非常に膨大でございました物価統制令に基く公定価格はだんだん少くなってきておりますが、現在物価統制令に基くマル公としましては、酒類のほかに、入浴料金、それから、それ以外の根拠法規に基くものでは、米の消費者価格、それから、これは専売アルコールに関係いたしておりますが、アルコール売りさばき人の売りさばき価格、こういったものが公定価格になっております。いずれにいたしましても、米の消費者価格と並んで、公定価格としましては、数少いものの一つに酒類は入っておるのでございます。
○奧村委員 米の消費者価格については、この前もこの委員会で議論の出たところですが、私ども、米の消費者価格は食糧管理法に基いて規定せられておるものであって、物価統制令に基いてきめられるものではない、こういうふうに承知しておるのであります。今の御答弁によると、やはり物価統制令に基くものだと言われるが、どうですか。
○泉説明員 米の消費者価格は物価統制令に基く告示でございまして、生産者価格が食糧管理法に基く告示でございます。その点、消費者価格と生産者価格と違っております。
○奧村委員 このマル公撤廃ということの業界その他に及ぼす影響というものは、これははかり知られぬものがあると思うのであります。今、マル公を廃止せにゃいかぬという意見はいろいろあるという御答弁でありますが、マル公を廃止せにゃいかぬという意見の中にはどういう意見がありますか。マル公を廃止するかどうかの判断の材料として、どのようなわけでマル公を廃止せないといかぬか、そういう世間に伝わる廃止の有力な意見を聞かしていただきたいと思う。
○泉説明員 酒類のマル公を廃止すべしという意見はいろいろございますが、まず第一は、本委員会でもかつて問題になったことがあるわけでございますが、物価統制令に基くマル公と申しますのは、戦時中及び戦後の物資不足時代にありましたように、ほっておきますとやみ値が上って消費者が迷惑をする、そういった場合に、マル公をきめまして、これ以上で売ってはいけないということによって消費者の擁護をはかるというのが、物価統制令に基くマル公制度の本旨になっておるわけでございます。ところが、酒類につきましては戦後不足しておった時代も相当ございましたが、ここ数年来、相当生産——供給がふえまして、需給の円滑が期せられるようになりまして、むしろやみ値は高くないというような状態になってきましたので、物価統制令に基く公定価格ということからいきますと、その立法の趣旨と違った結果になってきておりはしないか。もちろん、酒類のうちにおきましても、現在の公定価格を撤廃すれば騰貴するおそれのある酒類もございます。従いまして、そういう酒類につきましては、マル公というものでその騰貴を押えているということが言えるのでございますが、そういう酒類はごく限られたもので、たとえば、私どもの見ておるところではビール程度ではないか、それ以外の酒類につきましては、マル公を撤廃しても騰貴するおそれはないのではないか、というふうにすら考えられておるわけでございまして、そういう意味におきまして、かりに公定価格を作るにしましても、物価統制令でなしに、たとえば、先ほど申し上げましたように、現在酒類は非常に多額の酒税を負担しておりますので、その酒税の保全及び確保のために必要であるというような根拠法規のもとにマル公制度を作るべきではないか、こういうふうな御意見、これはたしか本委員会でもそういうふうな御意見があったと拝聴いたしておるのでありますが、そういうふうな御意見が一つございます。 いま一つは、酒類につきまして最近市場が相当需給の円滑が期せられるようになりましてから、銘柄のいい、また品質のいい酒も、それからそうでない酒も、同じ値段でマル公のもとでは売られることになるわけでございますが、需給が円滑になっていきますと、なかなかそういかなくて、銘柄の通っておらない、品質のそれほどよくない酒類につきましてはどうしても値引きということが行われる傾向になってくるわけでございますが、それが生産者・卸売業者の段階では値引きされておりましても、いざ小売商から普通のお客が買う場合には値段が同じになる。もちろん、特殊な場合には、マル公というのは最高価格でございますから、それ以下で売っても差しつかえないわけでございますから、特殊な場合には安く売られる場合もかなりありましょうけれども、同じ値段で売っても差しつかえない。そういった点からいたしまして、どうもおかしくはないか、やはり需要供給がこれほどになってくれば、品質の差、銘柄の差というものが現われてしかるべきではないか、そういうことはマル公を置いておくからそういう差が現われてこないのではなかろうかというような意見から、マル公を撤廃したらどうかというような意見もあるわけでございます。しかし、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、酒税の負担が相当重くなっておりますので、そう簡単に銘柄の差、品質の差をすぐ反映さすようにしますと、酒税の納付あるいは企業の経営上相当問題が起きて参りますので、そういう点からいたしますと、野放しにするわけにはいかないだろう、何らか価格の協定をするとかあるいは再販売契約をするとかといったような措置によりまして、ある程度のささえをしないと、全くの自由にするというわけにはいかないのではなかろうかというふうに考えられるのでございますが、いずれにしましても、そういう理由から、マル公を撤廃したらどうかというふうな意見が出ておるわけであります。
○奧村委員 ただいまの御意見で、マル公撤廃の理由とか、あるいはマル公を撤廃すればどうなるかということ、つまりマル公撤廃のねらいというものの大体の政府の考え方を明らかにしていただいたと思うのであります。要するに、マル公を撤廃すれば、最高価格をはずすのでありますから、今後は、一定の税を負担した以上は、品質において幾ら高く売ってもいいというふうになるんだ、そういうふうにしても、もうすでにかなり需給調整が行きわたっておるから、そうとっぴな高いものはできぬだろう、従ってマル公を廃止してもいいんだ、こういうふうな見方がある、こういう御答弁でありますから、了承いたします。 というて、今の御答弁によると、それじゃ野放しにしたらいいかというと、それはそうはいかぬ。なぜいかぬのかというと、担税品である酒価を相当暴落させたりしたんじゃ税の確保ができないということであります。そういたしますと、そのお言葉をもう一つ突き詰めていけば、マル公廃止後、それをどういうふうにあとを収拾していくかということも、すでに御答弁の中にくみとれるのでありますが、それなれば、すでに、われわれは、昭和二十八年に、政府提案でもって、そういう場合に対処するために、いわゆる酒税の確保と業界の安定のために、酒類業団体法という法律を制定しておるわけであります。マル公廃止後は、当然酒類業団体法に基いて協定価格を作って、これ以下で売っちゃいかぬのだ、いわゆる業界の自主協定の価格を作らにゃいかぬ、こういうふうに今の御答弁から結論がくみとれると思うのであります。そういうふうに理論上なると思いますが、そうお考えになりますか。
○泉説明員 お話のように、現在の制度といたしましては、酒類業団体法に基く協定価格の制度がございます。それからまた、酒類業団体法ではございませんけれども、独占禁止法に基きますところの再販売契約の方式もあるわけでございます。私どもといたしましては、現在制度はこの二つでございますが、この二つの制度だけでマル公撤廃後十分であるかどうか、団体法の方でいま少し手直しをする必要がありはしないかどうか、こういった点につきまして業界の意向を諮問しますると同時に、私どもとしましてもいろいろ検討を加えておるということでございます。
○奧村委員 マル公廃止後は酒類業団体法に基くところの協定によらなければいかぬ、そこまではっきり断定するわけにはまだ参らぬと思います。しかし、考えをまとめていくについて私はお尋ねするのですが、マル公を廃止した場合に、せっかく現在の状態を予想して酒類業団体法というものを作ってあるにかかわらず、それを抜きにして独占禁止法に基くところの再販売契約の価格を適用するんだ、こういうことになると、酒類業団体法を適用できないというよほどの理由がなければ、そんなことはできぬと思うのですがね。酒類業団体法の目的そのものは、今お話しのように、税収の確保と業界の安定、またマル公廃止後何かの統制が要るとすれば、その二つの目的以外にはないわけです。そうすれば、当然酒類業団体法に基かざるを得ぬというふうになるんだが、その酒類業団体法を適用するということをはっきり言い切れぬ事情が何かあるのですか。
○泉説明員 私の説明が不十分でしたために誤解を生じたかと思いますが、もちろん、マル公を廃止しました後には、酒類業団体法に基く協定価格という制度が非常に有力な方法になるだろうということは、申すまでもありません。従いまして、そういう目的で作られておる酒類業団体法を適用するわけでございます。ただ、酒類のうち特殊なものにつきましては、協定価格というよりも再販契約によった方がいいという場合もあろうかと思います。ほんとうから申しますれば、酒類業団体法の目的であります酒税の確保と業界の安定をはかるという意味からいたしますと、そういう制度を酒類業団法体の中に取り入れるのがしかるべき措置かとも考えられますけれども、現在の法制といたしましては、そういう制度は独占禁止法の方に規定になっておりますので、現在の制度からいたしますと、酒類業団体法でなく、独占禁止法に基く再販契約という場合が適用になることもあろうかというふうに考えられるわけでございますので、そう申し上げたわけでございます。本来は、もちろん酒類業団体法を適用すべきことには間違いはございません。
○奧村委員 それでは、もしかりに酒類業団体法で統制をやっていこう、自主統制をやらそうということになりますと、協定価格以下に販売した場合は、団体法に基く罰則がある。協定価格を越えて販売するのは、これはもうマル公を廃止すれば協定価格以上に売買されることは何ら差しつかえない、そういうふうになるのですか。
○泉説明員 さようでございます。協定価格以下で売りました場合には、その協定につきまして過怠金という制度がございますので、その過怠金を取られるということになるわけでございます。これは、組合で自主統制をしておりますから、組合で過怠金を取るという形になるわけでございます。
○奧村委員 マル公制度の場合に、マル公に違反した場合は法律でもって処罰される。酒類業団体法に基く協定価格に違反した場合は、これは組合の統制に違反したのであって、これは法律で罰せられるということにはならぬと思います。そこが協定価格とマル公との大きな違いと思うのですが、どうなりますか。
○泉説明員 さようでございます。組合の協定に基く過怠金ということでございまして、組合の自主的な措置になるわけでございます。
○奧村委員 ところが、その場合に、今の酒類業団体法にはいわゆるアウトサイダーの強制加入の命令規定がありませんが、マル公を廃止して新しい事態に処するには、これはおそらくアウトサイダーを強制加入させる規定を法律改正して入れなければいかぬ。しかもまた、どうしてもこの協定価格が守れぬという場合には、今度は大蔵大臣の勧告を出すことができるはずです。大蔵大臣が価格について勧告を出した場合には、これに違反したらやはり法律違反になると思うのですが、酒団法ではそういう規定になっておりますか。
○泉説明員 さようでございます。大臣が命令したのに違反した場合には、法律に基く罰則がございます。
○奧村委員 御承知のように、酒類の中には、白鹿とかあるいは酔心とか、いろいろな銘柄があります。銘柄によっては、戦前などは、ずいぶんべらぼうな高い値段で、値打があったものだから、売れたのです。従って、今度マル公を廃止すれば、銘柄によってはかなり高いものもできると思うのです。そうなりますと、担税品である酒類の中に、同じ税を負担しながら、一方は千五百円にも売れるし、一方は千円にしか売れないという、そういうでこぼこがあっても、担税品としていいものですか。それは品質の差だと言い切れるものでしょうか。
○泉説明員 お話のように、戦前におきまして造石税の制度でございました当時においては、同じ造石税の酒税を納めまして、しかも最終小売値段は普通のものが一円といたしますと、その五倍程度の五円をこえるような酒もあったような時代もございます。その当時は税制の上におきましてもそれほど問題でなかったように思いますけれども、現在のように、特級、一級、二級というふうにいたしまして、品質のいい酒に対しましては相当重い課税をいたしておりまする際におきまして、かりにマル公を撤廃した後に、お話のように昔の造石税のような制度に返ってしまって、最終価格がいかなる値段で売れようとも同じ税を課税するということは、やはり問題があると私どもは考えております。従いまして、あまり差の少い酒につきましては問題はないかと思いますが、特に銘柄差の相当ございます清酒につきましてはそういう点からいたしまして、マル公廃止ということは、同時に現在の特級、一級、二級の級別課税の制度ができなくなるということになりますと、それにかわる新しい課税方式を考えなければならないのであります。そういう新しい課税方式によりますと、やはり値段の高い酒につきましては、それ相当に高い税を負担していただかなければならぬかと思いますが、そういう課税制度をとることにつきまして、技術上相当いろいろな問題点がございますので、そういう点も目下いろいろ検討中でございます。現在直ちにどういう制度をとるということは申し上げかねるのでございますが、やはりそういう方向で、高く売れるものにつきましては高い税金を納めていただく、というふうにいたさなければならないものと考えております。
○奧村委員 かりにマル公を廃止した場合に、酒類業団体法に基いて協定価格の制度をとっていこうということにかりにきまった場合、私はこの価格の協定だけでは実効は期し得られないと思うのです。生産の数量、販売の数量などの協定も並行して行わなければ、これは実効は期し得られないと思うのです。通産省関係で、御承知の近ごろ過剰物資に対する対策がいろいろとられております。いわゆる操短などが進んでおりますが、大てい操短とともに価格の統制、自主統制と申しますか、いろんな工夫が行われておる。従って、業界の安定また酒税の確保のためには、価格だけを押えておっても十分の実効は上らぬ。酒類業団体法の規定にもありますように、生産の数量、販売の数量なども同時に統制しなければいかぬ、こういうふうになるものと思いますし、現に酒類業団体法でそのことを詳しく規定してあるわけであります。そうなりますと、価格の協定を酒類業団体法でやらそうとする以上は、数量の生産統制、販売の統制なども、価格統制と同時に、酒類業団体法に基いて酒類業団体に行わす、こういうふうになさるのが一番妥当な道ではなかろうかと思うのですが、当局はそういうふうに——これはまだ仮定の問題ですけれども、しかし、心づもりもあるし、またわれわれも最も適当な案を考え出すについては、一応そういう一番妥当な考えと思われることについて、当局の御意見を聞かしておいていただくならば非常に参考になる、かように思いますので、率直におっしゃっていただきたいと思います。
○泉説明員 お話のように、現在酒類業界は、それぞれ酒類によりまして実情が違っております。生産が非常に伸びておる業界もございますれば、消費の伸び悩んでおる業界もございます。従いまして、一がいに申し上げることはなかなか困難でございますけれども、その酒類の生産消費の状況及び業界の意向その他からいたしまして、価格統制だけでなしに、生産あるいは販売、出荷、こういったことにつきましても、自主統制を行うということは考えられますし、また現に実行されておることでございます。これらは、すべてその業界の置かれておりまする酒類の生産消費の状況、あるいはその業界の意識の程度、団体の協力の程度、こういったものによってきまることと思いますが、原則といたしましては、お話のように酒類業団体法がございますので、酒類業団体法に基く自主統制をやっていくというのが、他の経済界の傾向ともにらみ合せまして、最も適当な方法であると考えております。
○早川委員長 奥村君、大体理事会で、十二時までにあと山下君と山本君の質問が残っておりますので、適当なところで一つ……。
○奧村委員 それでは、私ももう一、二点でやめます。 大体当局のお考えはわかりましたが、最後に残された問題は、現に清酒に対しては生産統制が行われておる。なぜ生産を統制しようとするのか。昨年までは、原料米の需給が不十分であるから、原料米の需給のために押えられてきたように承知しておりますが、しかし、もうことしになれば、原料米のために、酒類の生産をそれのみの事情で押えるということはあり得ないと思うのです。そうすると、ことしの酒類の生産統制はなぜ行うのか。この点はやはり国民一般に明確にしておいていただかなければならぬじゃないか。なぜ生産統制をなさるのか。
○泉説明員 お話のように、清酒業界につきましては、現在、自主統制の方式でなしに、私どもと食糧庁との間で、食管法に基きまして、酒造用米の配分をいたすようになってございます。ただ、その配分いたすにつきましては、できるだけ業界の意向を取り入れるようにいたしてございますけれども、この点につきましては、先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、できるだけ早い機会に自主的な統制ができるように、業界にも今後とも御協力いただきたいし、私どもの方もできるだけそういう方向へ持っていきたい、かように考えておりますが、現在のところ、まだ業界側の意向がなかなか一致いたしませんので、やむを得ず役所の方がいろいろやっておる次第でございます。こういった点につきましては、なるべく早い機会に業界の方の自主的統制に移っていただきたいというふうに考えております。
○奧村委員 清酒の生産統制については、本来は、もうこの段階で業界の自主統制にゆだねたいが、業界の事情でなかなか自主統制にゆだねるような段階でない、こういう御答弁でありますので、一応趣旨はよくわかりました。しかし、そういう当局の御認識ならば、一つそのように、業界に、酒類業団体法の規定もあることであるから、もうことしあたり業界で自主統制に踏み切らすように、もう一歩進んでの御指導が私は願わしいと思う。 〔委員長退席、福田(一)委員長代理着席] それがためには、目の前に、マル公制度をどうするか、それに関連して生産統制も酒団法に基いてやらそうかというふうなところまできているのでありますから、この際に、業界とは別に、政府のいわゆる今までの統制、その政府の統制をことしからまた新たに一部やりかえる、そういうことのないようにして、ことしの中央保有米制度は一年お待ちになって、マル公制度廃止その他と関連して、全部を一ぺん考え直しておやりなさるべきだ、かように——これは私の希望でありますが、申し上げて、私の質問をこれで終ります。
○泉説明員 御趣旨はよくわかりますけれども、清酒の生産の統制方式をできるだけ自主統制の方向に持っていくということは別といたしましても、自主統制の方向としましては、今ございます基準石数制度のみによってやっていくことが果して妥当であるかどうかということにつきましては、やはり慎重に考慮すべき問題でございまして、私どもといたしましても、いずれ自主統制を行うといたしましても、この統制は大蔵大臣の認可を得なければならない問題でございます。そういう大蔵大臣の認可をいたします際におきましても、それが業界全体の繁栄になり業界のそれぞれに不満がないような方向でなければなるまいかと思います。そういう意味におきまして、自主統制に移っていく方向であるにしましても、その統制のやり方につきましては、やはり検討すべき点があるというふうに考えておるのでございます。自主統制ができるまでは放っておけばいいじゃないかという御意見に対しまして、御趣旨はわかりますけれども、やはり業界の進歩、向上の方向におきまして、検討すべき点はあろうというふうに考えております。
○奧村委員 政務次官に……。幸い山中政務次官がお見えでありますから、ちょっとこの際要望申し上げておきます。 実は先刻来間税部長その他政府委員の方に質問かたがた申し上げておったのですが、酒類のマル公を廃止すべきかどうかということを、近い機会に大蔵省はきめなければならぬという段階に立ち至っておるそうでありますが、申すまでもなく酒類は非常な高額の税を負担しておるものでありますから、もし一歩誤まりますと、国家財政の確保に非常に影響を及ぼすから、また業界の安定にも影響を及ぼすから、マル公廃止などの問題については、よほど一つ慎重に熟慮して、もし廃止になっても無用の摩擦混乱が業界に起らないように、御考慮が賜わりたい、これが一点の要望であります。 それから、差し迫っての問題といたしましては、国税庁は、今年の酒造年度から、清酒の生産統制につきまして、従来の統制の方式に新たに中央保有米制度をとろうとなさっておられるのでありますが、こういう新たな制度は、今申し上げるようなマル公廃止というような大きな問題を前途にかかえておる際でありますから、今さら政府の統制をもう一つ加えるようなことをなさらずに、業界の自主統制にまかせるべきだ。しかし、業界の自主統制もまだその段階に至っていないというならば、もう一年中央保有米制度の実施を延期していただきたい。これが私の要望であります。また酒造組合中央会あたりもこぞって要望しておる模様であります。どうぞよく御了承いただいて、善処願いたいと要望申し上げます。
○山中政府委員 第一点のマル公撤廃の問題につきましては、大体諸種の営業がほとんど自由でありますのに、酒類につきましてのみといっていいほどの規制が行われておる。これは、私どもといたしましても、これを永久に続けるべき制度であるとは考えておりません。従って検討を加えておりますが、御指摘にもありましたように、一ぺんにこれをはずしますと、ごく弱小なメーカーが、現在の制度のもとに営業いたしておりまするものが、大資本等の勢力に押されまして、撤廃と同時に非常な混乱とそれから営業の危機に直面するであろうという反面の現象等も予想されまするので、それらの点について、事前に、十分の生活をしていける協同体と申しますか、そういうようなものの指導等をいたしながら、機を見て行わなければならないことで、おっしゃったような点等もありますので、十分慎重に検討していきたいと思います。 第二点の問題につきましては、ただいま全面的な反体の意見のようなお話でございましたが、しかし、こういう制度がいいという意見も、また中にはあるのでありまして、私どもといたしましては、そういう運用についてよく御意見を承わりながら、最善を尽していきたい、原則としては、ただいま第一点にお示しになったような方法で考えていきたい、こういうことでございます。
○奧村委員 そうするとちょっと困る。決して政務次官の御答弁にとやかく因縁をつけたりするのじゃありません。ありませんが、これも私の要望で申し上げます。中央保有米制度につきましては、必ずしも全体が反対しておるのじゃない、賛成しておるのもあるというお言葉で、言葉じりをつかまえるわけではありませんが、私の申し上げるのは、せっかく酒類業組合法に基く四千軒の酒造業者を一つにまとめた酒造組合中央会、これを業界の安定あるいは酒税の確保のために、法律に基いて働かしてある。その中央会の意思として国税庁あるいは大蔵省にお願いしておる以上は、これは業界全体の意見として取り上げるべきだと思うが、どうですか。中央会以外に意見があっても、これは一つ取り上げないように、そうしなければ、中央会の統制を乱して、せっかくこれから中央会の自主統制にゆだねようという場合に、中央会のまとまりを役所みずからこわしてしまう、こういうことになりますから、そこはあたたかい御理解を一つお願いしておきます。
○山本(勝)委員 ちょっと、今の奥村君の質問に関連して、酒が税源として、非常に大きな意味を持っておるということは皆頭に置いておって、いかにしてこの税源を確保するか、税収を確保するかということは、われわれ言わないでもよく考えておられる。それから、業界の安定ということも、これもいやというほど親切に過ぎるほど僕は考慮しておられると思う。しかし、一体、いろいろ今の制度をいじくった場合に、酒が安くなるのか高くなるのかということですね。たとえば、マル公を協定価格に変えたとかりに仮定した場合、その協定価格というのは現在よりも安くなるという見通しか、高くなるという見通しか、税収はふえるかふえないかということも考慮しましょう。業界の安定も考えるでしょう。しかし、酒が高くなるか安くなるか、質が悪くなって安くなったのじゃしょうがない。質はよくなるか、値段は一体高くなるか安くなるか、この見通しを僕ははっきり考えてもらう必要がある。私は何も酒屋に悪いことを言うわけじゃありませんが、もちろん中小企業を初め一般の業界から見ると、酒を作る人は、確かに最近はどうも乱売で困るとか安くなって困るとか騒いでおりますけれども、しかし、ほかの業界に比べれば、お話にならぬほど安定しておるというふうに見えておる。ほかの業界の人から見ると、あまりに保護が過ぎておる、うらやましいというふうにすら……。(笑声)いや、それはほんとうですよ。おそらく、酒屋の関係の人からいえば、それはもっともな議論だと思います。それも考えなければならぬけれども、しかし一般の業界がどう見ておるか。酒を安くするということで、いろいろいじくりますが、酒が安くなるのか高くなるのか、こういった見通しで、もしその協定価格を放っておいたら、おそらくもう、最も限界生産費の、連中が生きていかれるような点に協定価格がきまる可能性がある。そうなってきますと、これはもう業界は安定するかもしれませんが、新しく消費者団体といいますか、全国から猛烈なる反対が起りますよ。それは、マル公であって、マル公そのものを国家の力で下げるあるいは上げるということであれば一応おさまりますが、業界が限界生産費に価格をきめるというようなことになったら反対が起る。そういう点を、今ここで別に詳しい答弁は求めませんけれども、そのこともよく考えてほしい。要するに、税収にあまりこだわり過ぎて、税収々々というから、それにこだわって、あとのことはもうそれにアダプトするようにばかり考える。税収が非常に大事なことは認めますけれども、同時に、今の一般の消費者を念頭に置いて、山中政務次官にも一つ大局的によく考えておいてもらいたい。これはまあ要望です。
○泉説明員 一つ二つ申し上げておきますが、先ほど申し上げましたように、現在のマル公というのは最高販売価格でございまして、これ以上で売ってはいけないという値段でございます。それから、マル公を撤廃しました後に、現在の制度として出てきまする協定価格というのは最低価格で、これ以下では売りませんという値段でございます。従って、マル公と協定価格からいたしますと、協定価格の方が現在のマル公より低いものであるべきことは当然でございます。ただ、市場で実際に取引される値段がどうなるかということが、ただいま山本先生の御質問になられました点でございます。私どもも、もしマル公を撤廃したためにそれが上って、消費者が迷惑をこうむることになってはいけないというふうに感じております。願わくは、現在の実際の取引価格よりもそれが下るという見通しのもとでなければ、マル公撤廃はなかなか困難であろうと考えております。御趣旨のように、慎重に考慮して参りたいと存じております。
○福田(一)委員長代理 山下春江君。
○山下(春)委員 私は、たばこのことを二、三お伺いしたいんでございますが、質問がさっぱりまとまっておりませんから、懇談的質問だと思って、ざっくばらんにお答えをいただきたいと思います。 たばこの益金が国家財政の非常に大きな柱であることは申し上げるまでもありませんが、たばこの益金を上げます一つの大きな柱は、やはり小売業者の専売事業に対する協力だと思うのでございます。戦前は一割の手数料であった。それが戦後非常に落ちまして、何でも六分、七分くらいなところを通って、二十八年に現在の八分になったように記憶をいたします。そこで、国家財政上、非常に大きな柱である小売業者に、二十四、五年ごろから六、七年ごろの間、かなり無理をさせた時代があると思うのです。申しますならば、実際は売れてないけれども、小売業者に引き取らして抱かしておいた、そういう時代があったと思います。そういうことに対して、公社が金融の道を講じてやるとか、あるいは利子の補給をやるとかいうことは、もちろん仕事の性質上できなかったので、業者の犠牲においてそういうことを経て今日にきたと思うのであります。今日の情勢から見まして、戦前の一割が高かったか安かったかは別でありますが、現在そういうものが小売業者の方にずっとしわ寄せになってきておりますので、業者がもとの一割に戻してもらいたいという声を全国的にあげておることは、公社でも御承知だと思いますが、その間の手数料等の問題について、現在どのように考えておいでになりますか、ちょっと承わりたい。
○村上説明員 私の方からまず概括的なお話を申し上げて、あとで販売部長から詳しいお話があると思います。 確かに二十九年、三十年という時代は非常に不況でございまして、そのときに、国家財源を確保するという意味から、年度末に相当のたばこを抱いてもらったことはあったようでございます。それはわれわれとしても非常に感謝をしておるわけでございまして、小売と専売公社というものは表裏一体で、常に財政専売の基底をなす努力をして参ったのでございます。最近になって相当たばこが売れて参りまして、かつて一割であったところの歩率が現在八分であるから、もとに戻してくれという御要求があったこともよく存じております。ただ、私は、ここで少しいろんな専売事業の関係者の所得の推移というふうなものを御説明したいと思います。御存じのように、戦前は一割でございましたけれども、現在は八分である。その意味においては、歩率は八分になっておるということでございます。ただ、このたばこの売れ行き、これが結局小売人の収入になるわけでございますけれども、これは小売人一人当りのいわば消費者の比率、そういう形から申しますと、実は人口に比べまして現在のたばこの小売人の数というものは非常に減っております。人口を別にしましても、小売人の絶対数におきまして、戦前基準年次といわれた昭和九—十一年に比べますと、現在八三という指数になっております。従って、そういう意味から申しますと、歩率は下ったけれども、逆に小売人の数が減ったから、従って人口あるいは消費者が同じであっても、小売一人当りの収入源は人数の方でバランスがとれておる、こういう格好になっております。さらに具体的に申しますと、昭和九—十一年の小売の収入と、現在の三十二年の実績との間の比率を求めますと、七百四十九倍、それを、ほかのたばこ専売事業関係のいわば所得の伸び、山下委員よく御存じのタバコ耕作者一人当りの収入の伸びに比べますと、これは昭和九—十一年に比べて五百七十七倍にしかなっておりません。それからまた、さらに公社自体の職員の所得の伸びを昭和九—十一年に比べてみますと、これが四百五十三倍というような数字になっております。これは、また、国民の一人当りの勤労所得の伸びも大体公社の職員と同じように四百倍前後でございますから、そのほかの三つの指数に比べますと、小売一人当りの収入というものは決して悪くはない。ある意味においては、その伸びは非常に順調である。もちろん、最近におけるたばこの売り上げの伸び、あるいは従って小売一人当りの収入の伸びというものの中には、御存じのように非常に大口に売れるたばこ屋というものもたくさんございますから、従って、地方の農村等における小売人の方々の所得が、この指数に現われているようにすべてが順調に伸びているということは、これはちょっと私も今確信しかねるのでございますけれども、少くとも、この関係事業における平均的な指数をとってみますと、今申し上げましたような関係にございまして、御存じのように、専売関係のいろいろな所得の伸びが常に相関的に問題になります。たとえば、近く来年の葉タバコの価格をきめなければなりませんけれども、その場合に常に問題になりますのは、この小売の所得の伸びに比べてタバコ耕作者の所得が少いじゃないか。特にわれわれは、朝早くから働いて、タベに星をいただいて戻ってくるのだ。しかるに、これに比べて、小売の方は、耕作者の方に言わせれば、看板娘が一人すわっておれば、非常に資本の回転率もよくて、収入もよろしい。これは、それぞれの立場から言わせると、それぞれの言い方があるわけでございまして、そこらのところを公平に見まして、どうすべきかというふうな判断をしようといたしますと、非常にむずかしい。特にこういうふうな指数が出ておりますと、われわれの方でも、今までおかした苦衷はよく察しますし、それから戦前に対する歩率の割合も知っておりますけれども、こうした所得の伸びというふうなものが実際の指数で出ておりますところを拝見しますと、なかなか判断に迷っておるというふうなところでございます。
○山下(春)委員 詳しいことはまたあとで伺いますが、今監理官からお話を私ども聞いておりますと、いかにもごもっともな御議論が、もうそちらの方で御用意があるようでありますけれども、実際、問題は、その大口の売りさばきというのは大都市でございまして、大口の売りさばきをやる人たちが金額が上りますのは、高級たばこが売れる。いなかの売れないところは下級なたばこでございまして、そこは収入も少いし、公社の方に一割に上げたらどうだというと、下級たばこは実際は専売益金が高級たばこに比べてごく少い。だから、その下級たばこが売れるところに対しては、上げることが非常に困難だという御回答がまたあろうと思いますけれども、しかしながら、どうも公社でそういうふうなバランス・シートの上でものを言うために、小売業者をふやさなかったという技術的な操作があったのではないか。私ども、たばこの販売の許可をくれないかという願いを公社に持っていっても却下されるから、どうか一つ取り次いでくれというのが年がら年じゅう来るのでありますが、なかなかむずかしくて許可にならない。いろいろな販売場所に対しましては一つの規定がありますから、もちろん規定内でないといけないことは承知をいたしておりますが、それでもなかなかできない。監理官は今のような御説明をなさるために、販売店を故意にふやさなかったということは多分ないと思いますけれども、ちょうどいい数字が今出たわけでございます。それは販売店がふえなかったということでございますが、非常に苦しい商売だからふえなかったかどうかというと、母子福祉資金の貸付等に関する法律の中で、未亡人とか身体障害者には、特に規定のワクにはまらなくても許可してやるということがあることは御承知の通りでありますが、そういうものたちの実情を見てみますと、やはり、今売り上げと、それから公社から一つの規定のワクを受け取る資金とは、つり合いがとれておらないのです。要するに、利益とのつり合いが、公社からだかされる規定のワクの数量とのつり合いがとれていないということで、非常に苦しんでおるのが実情であります。これは東京ではほとんど見られない傾向でございます。主としていなかでございますが、どうも、今のたばこ屋は、それはなるほど、大都市でございますと、看板娘が一人すわっておれば難なく売れるものでございましょうが、いなかの場合はそういきませんので、今の手数料では事実非常に小売屋が苦しんでおる。前のしわ寄せもここへ来ておると思いますが、そういうことで、どうも八分のままですえ置いておくということは、どう考えてみましても、今後のたばこの販売という面から見て、がまんしろというのには少し苦し過ぎるようでございます。そこで、私は、今ここで、よく審議しなければならない問題ですから、一割に上げるという答弁を得ようとして言っておるわけではありませんが、もう少し何とかしなければならないとお考えになっていないでしょうか。聞くところによると、たばこの方は非常に近ごろよくなったが、塩が赤字を出しているので、塩の方にその益金が流れているという話を聞きます。同じ公社の仕事でありますから、それはそこへ流れてもいいようなものでございますが、ずいぶん過去に苦労をかけたのですから、少しここらで見てやったらどんなものでございましょう。
○村上説明員 まず最初に、歩率は上げないかわりに小売人の数を抑制したのではないかというお話ですが、これは全然事実無根でございまして、戦争の末期に非常にたばこの取扱い数量が減りまして、現在の千億本の三分の一くらいに減りましたので、そこで小売の方も商売が成り立たないというわけで、一時十九万近くありましたのが十万くらいに減りました。それが、だんだんたばこの数量がふえるに従いまして、現在十五万という戦前基準年次の約八割に達しておるということでございます。まあ小売の認可はなかなか困難だと申しますか、そういう点もあろうかと思います。それはまた、一方小売店の業界から申しますと、数がふえるということは、また自分の売れ行きが減ることでございますから、それには非常に強い抵抗もございまして、販売をふやすのには、ある程度適正な小売店の配置が必要である。そういう意味から、戦前、戦後のいろんな人口の推移というふうなものから、まだある程度ふやした方が売れ行きがふえるという見込みがございますけれども、公社当局としては、そういう既存の業界の折り合い関係ともにらみ合せまして、慎重にやっておる次第でございます。 それから、八分だからいいというわけではない、戦前の一割まで何とかしょうという意思があるかということでございますが、これは先ほども申し上げましたように大へん大問題で、意思のあるとかないとかというふうなことはちょっと私も御答弁しかねますし、それは、同じ大蔵省でありましても、国庫当局の方が非常に強い関心を持っておることでございますので、私からは何とも明言できません。ただ、先ほど申し上げましたように、監督官庁である主務大臣の方の大蔵大臣といたしましても、専売関係の利益の伸びというものが、終局的には、専売に関係するいろいろなグループといいますか、耕作者とかあるいは公社の職員だとかあるいは小売だとか、いろいろな関係者の間の福祉の増進にある程度還元されていくということは、これは、一般の国民経済の伸びなり、一般の国民の所得の伸びとともに考えていかなければならぬことだと思いますが、一番大事なことは、やはり関係グループ間の一つの均衡という問題が大事な問題でありまして、そういう面から、先ほど申し上げましたことを繰り返すことになるのでありますが、大小売店といいますか、小売店に大をつけるとちょっと言葉の上では矛盾するかもしれませんけれども、最近のごとく一日に相当巨大な売り上げを示しておるような小売店というものが、いわば農村の小さい小売店の犠牲の上にこうした売り上げの増加という、指数上表われる恩恵というものを一人占めしておるかどうか、いわば、大きな大口の販売実績を持つ小売人と、しからざる者との間の均衡が、戦前と非常に破れていないかどうかということにやはり問題があるかと思うのでございまして、このあたりにつきましてはいろいろむずかしい調査でございまして、現在村制施行地のいろいろな消費者パネルというような調査もいたしておりますので、そういうふうなものともにらみ合せましていろいろ研究いたしたいと思っておりますけれども、もちろん、それぞれの専売に関係する方々には、従来財政専売の円滑に発展して参りましたことにいろいろな御苦労をかけておるわけでございます。そういう御苦労に何らか報いる道はないかという意思は、もちろん人後に落ちるものではございませんが、それが具体的にこうした財政上の問題になって参りますと、今すぐここで御答弁しかねるということでございます。
○山下(春)委員 これは後ほど政務次官からも大蔵当局の御意見をまた承わりたいと思うのでありますが、今の販売の姿でございます。最近私の福島県におきまして、専売公社の支局で、地方へまた還元する金の配分がきまりました。そうしますと、須賀川という専売支局をとってみますと、須賀川市というところに五百六十万くらいの金が還元する。その市をとり巻く市町村は大体六十万であります。そうすると約一割。すると、人口は、各町村が合併いたしましたから、大体三分の一くらいの人口を持っておる村があります。けれども、還元される金は五百六十万と六十万、こういう違いなんです。従いまして、大都市におきます消費と、地方の他府県における率とは大へんな違い方でございまして、そういう点から考えてみましても、販売の姿というものが、どうもいかにも均衡が破れているという気がいたすのであります。それなら、地方の農村の販売業者が、その程度の還元されるたばこの金から見て、どの程度売り上げたかということはすぐわかるのでありますが、その地域にあるたばこ屋というものが一体どれくらいの収入があったかということになると、これはもう想像にかたくない数字がすぐ出てくるのであります。そうしますと、私も、今質問して、これをすぐに回答を得ようとするのには、ずいぶん考えなければならぬ問題だと思いますから、相談をしているわけでありますが、一体何とかこれを是正する方法はないか。大都市になればなるほど高級なたばこが売れますから、そこで売上金も非常にかさむ。農村では最低のたばこしか消費されておりませんから、売り上げもかさまない。従って手数料もかさまないということであって、たばこの全体の国内の平均を出してみると、こういう数字が出るんだということだけでは、これはどうにも処理がつかない問題でございます。何とか公社でも考えておられると思うのですけれども、都市と地方とで販売手数料に差別をつけるということは、当然これはよくないことだと思いますから、差別をつけて御決定になるというわけにはいかないと思いますが、一体どうしたら均衡が保てるような措置ができるか。今でもそれは少ければ少いなりに均衡は保たれておる、こういうふうに御観測でございましょうか。
○村上説明員 都市と農村といいますか、小売人の所得におけるその不均衡という問題を今例に出されましたが、ただいま山下委員のおっしゃった数字は、おそらくたばこ消費税の数字じゃないかと思います。都会はいいたばこが売れるから非常に収入が多く、地方は比較的中、下級の品物が売れるので収入が少いということ、これが話の中心になっているかと思うのでありますが、私が今ちょっと覚えております数字といいますか、概数で申し上げると、大体いなかの方は十本当りの単価が十八、九円じゃないかと思っております。それに比べて、東京の都内でございますと、大体十本当りの単価は二十五円くらいじゃないかと思います。三、四割の差はあるかと思います。ただ、今おっしゃいましたように、三分の一の人口で十分の一だとすると、三倍くらいの差があるようですけれども、そんな差があるかどうか、私もちょっと今記憶しておりません。これが戦前の都市部における高いたばこの売れ行き、また農村における中、下級に固まっておるその開きというものと比べてどういう関係になるかということは、正確な数字じゃございませんので、私としては何とも申しがたいのでありますが、少くとも最近二、三年間におきますたばこの毎年の売れ行きというものは、比較的順調に伸びております。従って、こういうふうに比較的順調に総売上高が増加するということは、ある意味においては非常に都会の売れ行きが多い、いわば楽な小売が伸びるということではございましょうけれども、しかし、それは農村部の売れ行きの減少によって起っておるわけではない。ある意味においては、やはり農村も都市も、現在の順調なたばこの売れ行きの恩恵に、それぞれの割合の差はございましょうけれども、浴しておる。こういうときにおきまして、いわば従来、相当期間と申しますか、現在の歩率は昭和二十八年だったと思いますけれども、それからずっと続いております歩率を引き上げるといっても、この問題を処理いたします場合の客観条件の判断といたしましては、少くともとにかく上昇期にある、所得がふえているというときに取り上げるべき問題であろうかどうかということには、私は多分な疑問を持っております。まあ、この問題は、公社においても、いろいろ業界の御注文がございますし、いろいろ御苦労もありますので、慎重に考慮しておるようであります。大蔵省の問題としても、そういう点はわれわれも理解できるのでありまするが、現在の時期がどうかということになりますと、むしろ売れ行きが伸びているときにこの問題を取り上げるというのは、私は適当でないのじゃないかと思っております。
○山下(春)委員 売れ行きが伸びておるということは私も認めないわけではございません。確かに伸びておりますが、ただ、きょうまでこの専売事業というものの大きな一つの柱をしょってきたその荷物は、この小売屋には重い点があり過ぎたのですね。現在そういう問題がなぜ起ったかというと、ただこの中でやっているから手数料をもう少し上げてくれというようなことで、みんなが頼んでいるわけではなくて、それにはそういうことをお願いしなければならない理由を持って頼んでおると思いますので、これはぜひ一つ今すぐに、監理官から、それじゃすぐ引き上げましょうなどという御答弁がいただけるとは私予期しておりませんから、まず初めに懇談的な質問でございますと申し上げておいたのですが、山中政務次官、いかがでございましょうか。これは非常に強い要望があります。監理官の御答弁を、私は無理な点がある、そういう言い方はけしからぬという意味では考えておりません。われわれが考えていることの中でも、監理官のおっしゃるようなことであろうと承知いたしておりますけれども、しかし、まあ非常に基礎ががっちりしておる小売屋さんはまだよろしいのでありますが、非常に零細な小売屋も、せっかく専売事業に協力してきたのでございますから、あまり苦しめないで、少しよく売れているときでないと、売れないときに上げてくれなんと言ったのでは、なお上げてくれませんから、この辺で少し色をつけてやったらという気がいたすのです。この点一つ、政務次官はタバコ県でもいらっしゃるししますから、生産及び販売というものはどうしてもつきまとうのでありますが、多少色をつけてやっていただけるようなわけには参りますまいか。
○山中政府委員 答弁として申し上げますならば、ただいま村上監理官の述べましたようなことになると思いますが、政務次官としての結論から申しますと逆に何か少し考えてやらなくちゃいかぬのじゃないかということは思っております。しかし、ばく然とそう申し上げて希望をつながせるというような意味の見解ではないのでありまして、そのためには筋の通った合理的なものでなければならないのでありますが、それらの筋を通すためには、なかなか基礎資料が出てこないのでありまして、その点非常に苦労しておるのであります。ただいま監理官が申し述べました数字は、全部、小売店の一店当りの利益倍数の伸びに比べまして、その他の関連の所得が低いという数字でございました。これでは何も出てこないわけでありますので、それよりか高い数字が関係のものでないかということを調査してみたのでありますが、専売公社の納付金の伸びが若干の上回りが見られるという点しか、実は発見できないのであります。そういたしますと、納付金がわずかに上回るだけであるという数字から見まするならば、何とかしなければなるまいという考え方も、そこをよりどころにする以外は、私は解決の方法はなかろうと実は考えておりますので、じゃあどうするかということになりますと、毎年度耕作者の御努力もしくは直接に販売いただく小売店等の御努力によりまして順調な販売の伸びを示しておりますることは、国家といたしましては非常な寄与をしていただいておるということにも換言できるわけであります。その御苦労に対しまして何かわれわれが謝意を表する方法はないものかということに、今研究の足がかりを実はつかんでみようかというところであります。具体的に申し上げますと、伸びが何十億あったならば、そのうちの何%かを何らかの名目で還元して、実質上の小売手数料引き上げに準ずるような、カバーできるような措置はできないものであろうか。その際においては、当然、今まで問題にされ論議されておりまする——地の利を占めたばかりに、同じ資格を持って開店いたしておりまする小売店でありながら、飛躍的な販売数量の差がある。その所得の差というものを実はどういうふうに考えるべきであろうか。所得が伸びたからそれに応じてそのまま流していくのであるというような考え方では、これは済まないのではなかろうか。そのためには、われわれが苦心いたしました軍人恩給等の、下に厚く上に薄くというようないろいろな経験もありますから、そういう対策等もあるいは考えなければならないのではなかろうかというようなことを考えておりまするが、目下のところ、大蔵省といたしましては、これを専売公社の検討の段階に一応ゆだねておるというところでございまして、これを、大蔵省が省といたしまして最終的な判断を加え、従って予算措置をこれに対して具体的に示していくというところには、ちょっとほど遠い感じのある段階でございまするが、御要望その他のありますることはもちろん承知いたしておりまするし、御要望されなければならない理由のあることも承知いたしておりまするので、そこらのところを考え方のもとにいたしまして、今後十分検討を続けて参りたいと存じます。
○山下(春)委員 ぜひ御検討を願いたいと思います。 今の益金は、消費税を地方に返しておられます分と合せまして、これも益金になるわけですね。三十二年度は幾らになりますか。
○村上説明員 三十二年度の専売納付金はたばこ消費税を含めて千六百四十六億、うち、たばこ消費税が四百二十四億、従って、消費税を引いた国庫へ納める専売納付金は千二百二十二億になっております。
○山下(春)委員 戦後昭和二十二、三年ごろ、あのころはたしか千二百億以上だったと思いますが、その当時から比べましては、比較的伸びが小さいのにむしろ驚くのでございますが、それでも逐年伸びておりますから、この伸びというものは、たばこ事業に関係されておる、製造する人、葉タバコを生産する人、販売者の三者の力によるものではありますけれども、主として販売業に当りました小売業者に対しまして、今政務次官が政務次官個人としてこういうふうな考えを持ったらどうだろうということは、われわれにも納得のいくお考えのようでございますので、公社の方で、答弁ということでいじめませんから、ぜひそういう線で一つ何か考えていただきたい。私どもも、伸びておるその伸びは、比較的に都市の方が伸びておると思うのです。そういうわけで、都市が伸びたから地方が縮んだとは決して申しません。そういうことはあり得ようはずがありませんが、都市の方が飛躍的に伸びておるということであって、まことに不均衡のような気がいたしますから、ぜひそういうお取扱いを願いたいと思います。 事のついでにちょっと伺いますが、たとえば、近ごろ、専売公社で、何か記念事業に特殊な包装で作ってお出しになっておりますね。あれは販売店を通過するのでございますか。直接公社からの取引でございますか。
○冠木説明員 記念たばこの件でございますが、地方自治体その他で何か催しがございますと、それに協賛するという意味で記念たばこを出しております。この記念たばこは全部小売店を通過して出ております。
○山下(春)委員 小売店を通過するというと、それは小売店の全部を通過するわけではないのですね。どこか指定された小売店を通るのでございますね。そうすると、その小売店には、その記念たばこのまとまって通過した分だけは手数料が入る、こういうことになると思ってよろしいのですか。
○冠木説明員 最近におきましても、福島県の郡山市で記念たばこがございました。あれは郡山のあの近くの区域の小売店に対しましては全部いく。従いまして、その売り上げに対する手数料は小売店に入るということになるわけであります。
○山下(春)委員 まだあとがありますから、私この程度で質問を終ります。
○福田(一)委員長代理 では次に大久保武雄君。
○大久保(武)委員 私は、ただいま山中政務次官と村上監理官のお話を聞いておりまして、あまりにも今日の実情と食い違いのあるのにびっくりいたしました。やはり小売業というものに売っていただいている気持といいますか、思いやりといいますか、そういうものは一つ持ってほしいと思います。それで、私が第一にお尋ねしたいと思いますのは、村上監理官が小売の七百四十九倍という数字をお出しになりましたが、これは一体小売業界の全国平均どのくらいのたばこ販売の業態を押えておっしゃっているのでしょうか。
○村上説明員 これは、規模に関係しませんで、全小売人の数で全小売人の収入を割った、だから完全なる平均一人当りということになるわけであります。
○大久保(武)委員 これは専売公社にお尋ねするのですが、これはこの間専売公社で調査されたというパネル調査から出た数字だと思いますが、そうですか。
○冠木説明員 ただいまの数字はパネル調査とは全然関係ございませんで、昭和九年から十一年までの基準年度と昭和三十二年度の実績の数字とを比較いたしますと、そういう倍数になるわけでございます。
○大久保(武)委員 最近の専売公社でお調べになる数字は非常に信用できない。第一、小売の業界が非常に苦しいときに、三百億円もの借金をして、老人でも親類縁者を走り回って金の工面をして、年度末に三百億円の借金をしてつじつまを合せた。これは売れたのではありません。小売人が血の涙で抱いたのです。そういう小売屋さんがおる。小売屋さんがそういう非常な苦労をしておられるときに、専売公社はどう言われたか。これは調査をしてみるということで、その数字をわれわれは待っておった。ところが、最近数字をおまとめになって、その数字は二十万九千円という全国平均で押えられた。この二十万九千円というのは初めて聞いたのです。これは私調べてみます。二十万九千円という全国平均で押えて、たばこの小売屋さんが戦争前よりも二六四%恵まれておるという、こういう数字を出しておられる。これは間違いない。一体二十万九千円という小売屋さんは何だ。小売屋さんの業態は、今山下委員からも御発言になりましたが、一体どうして恵まれておるといったような監理官のような非常に楽観的な発言ができるか。小売屋さんも月に十五万円以下売る人が全国の八三%おります。十万円に満たない人が全国の六六%おります。われわれ九州辺では、山中さんもそうだけれども、月に七万円か八万円しか売れません。未亡人でやられておるのは二万円か三万円です。八万円のタバコを売りましても、八分だったら六千四百円、最低賃金にも当りませんよ。そういう小売屋さんが、全国の大部分、八割を占めて、粒々辛苦しているから、一千六百億円ものたばこが売れる。それを七百四十何倍あって戦争前より恵まれておる。果して専売公社はそう考えておるのか。私は冠木さんにお聞きしたい。あなたは信念を持ってそう言えるかどうか。
○冠木説明員 ただいまお話のパネル調査の結果二十万九千円といった一軒当りの平均は高いじゃないかという点でございますが、このパネル調査をやりました昭和三十二年度におきましては村制施行地を除きましたので、平均一軒当りの売り上げが相当高くなっております。公社がこういうパネル調査をいたしました目的は、たばこ店の経営の実態がどういうふうな状態にあるかを調べたいということでございまして、大体たばこを売る場合の経費の割合がどのくらいかかるか、また商品の回転率はどのくらいになっておるかを調べるために調査したのでございます。それで、ただいまお話しのように、三十二年度の調査におきましては二十万九千円というような高い数字になっておりますので、三十三年度からは村制施行地を入れて調査いたしました。これもまだ四月、五月くらいの実績でございますが、この調査の結果を見ますと——結局このパネル調査の目的といたします売上高とたばこの純益率がどうなっているかということがおもな目的でございますが、この数字を見ますと、大都市と村制施行地を比べまして、ほとんど変りがないのでございます。大都市におきましては、営業の規模は大きいが、またそれだけ経費も多くかかっておりまして、経費率といたしましてはいなかの方もほとんど変らないということが出ているわけでございます。パネル調査の目的は、ただいま申し上げましたように、経費の割合がどうなっているか、商品の回転率がどういうふうになっているかということが目的でございますので、その点は御了承願いたいと思います。
○大久保(武)委員 今専売公社から御発言の通り、パネル調査というものは農村地帯の方はあまり調べてない。ごく一部分のたばこ屋さんを調べて、しかも二十万九千円というようなとてつもない上の方を調べて、戦争前よりも恵まれておるというような結論を出されることははなはだ遺憾だと思う。四十万円のたばこの売り上げなど全国の一%しかない。そういうところをとってこの問題に軽々しく結論を下されることは、非常に困ります。 私がお尋ねしたいと思いますのは山下委員からも御発言になりましたように、二十八年に大蔵省では七分から八分に引き上げていただいた。これは、おそらく、小売人が困っておるし、だんだん戦争後の消費者物価指数も上ってくるから上げてやろうということで、当時の大蔵省が非常な温情をもって上げて下さったのだと思う。これは大蔵省におられた方はお認めになると思う。ところが昭和二十八年から今日まで一体どうなっておるか。戦争前なんて遠いことを言ったって、そのときの経営の状況を調査していると言えるかどうか、はなはだ疑問なんです。われわれは、一番近いところ、二十八年から考えたらよろしい。二十八年はどうだったかといいますと、昭和二十八年には、全国平均小売屋さん一軒当りの一カ月の売り上げは十三万三千円だった。これからたばこの売り上げというものは逐年減ってきている。現在は十二万円くらいです。すなわち、昭和二十八年を一〇〇%とするなら、現在は九〇%くらいになっておるはずです。ところが、一方消費者物価指数はどうかというと、二十八年から今日までずっと上ってきておる。今日は百何パーセントになっておる。そうすれば、昭和二十八年に十三万三千円の売り上げがあったのが、今日十二万何千円しか売り上げがないということは、パーセンテージにしたならば、おそらく九〇%を下るような小売人の収入しかないということだと思う。一方小売人の手数料はどうかといいますと、これはたばこの売上本数がふえておりますから、小売人の手数料は、二十八年と今日を比べてみますと、百何パーセントに上っておる。そうすると、どう考えても、専売公社が昭和二十八年に七分から八分に上げたときの状態と昭和三十三年の今日とを比較してみると、二十八年よりずっと生活は低下してきておる。これはどうお考えになりますか。これでも二十八年より恵まれておるという数字をお出しになりますか。これを一つお尋ねしておきたい。
○村上説明員 最初に、パネル調査の数字が都市に偏向しておるから、この数字を使っていろいろな立論をするのはいけないというお話でございましたが、私が先ほど申しました昭和九—十一年に対する昭和三十二年の倍率は、先ほど販売部長からも申し上げましたが、まさにおっしゃるように昭和二十八年十三万三千円、昭和三十二年が約十二万八千円というその数字でいっておりますから、この指数についてはパネル調査は関係はないということをまず御了承願いたいと思います。 第二に、昭和二十八年は非常によかったじゃないか。これは確かにその通りであります。今までの専売たばこの売れ行きから見ましても、昭和二十八年というのは、一本当りの単価にいたしましても、成年人口一人当りの消費本数にいたしましても、異常な売れ行きを示しております。その後ずっと下りまして、それが現在、この二、三年来徐々にまた取り返して、昭和三十三年にはおそらく昭和二十八年の水準まで回復するだろう、こういう状態にあることも事実でございます。ただ、この年によってそうしたフラクチュエーションがあるということは、これはほかのたばこ関係の所得についてもあるわけでございまして、耕作者一人当りの収納代金をとりましても、昭和三十年というのが非常にいい年であって、それから比べますと昭和三十二年はやはり下っておる。こういう小さな動きはございますけれども、われわれがものを考えますときに、戦前一割であったから現在の八分を戦前の一割に復活しろというような御議論に対して、われわれの研究いたします場合には、やはり昭和九—十一年の基準年次をとらざるを得ないのであります。その当時における統計技術が現在に比べてどの程度劣ったものであったか、それはある程度の議論のあるところでありましょうが、現在あらゆる経済指数は、昭和九—十一年のときと現在とを比較しております。ことに専売においては、比較的はっきりと小売人員の数もわかっておりますし、販売数量もはっきりわかっております。従って、小売一人当り幾らの収入があったかということも、はっきりわかっておるわけであります。従って、昭和九—十一年の私のとりました七百四十九倍という指数は、決してどちらから見てもおかしくない数字であろうかと思うのであります。昭和二十八年当時に比べて確かに少くなっておりますけれども、先ほど私が戦前に比べて徐々ながらもとにかく現在上り道にあると申し上げたのは、昭和二十八年より二十九年まで下りまして、それから徐々にまた上りかけておるその傾向を申したのでありまして、傾向としてはこれは否定すべからざるものであろうかと思うのであります。一人当りの売り上げが農村は非常に少いから、従って、最低賃金にも満たぬのではないかというお話でございますが、小売につきましては、これが全くたばこの販売手数料だけに依存しておるかどうか、要するにほかに家業を持っておる、専業ではないということも、やはり問題にすべきかと思うのでありまして、タバコ耕作者におきましても、タバコの耕作だけだと一反歩当り五万円、六万円だけで、これでは食うわけにいかぬのであります。ほかの所得も考えましたときに、小売の部門から上る金は、少くとも戦前に比べるとこうした相当な所得の伸びを示しておる。これは一つの帰納の過程として申し上げても差しつかえないのではないかと思うのであります。
○福田(一)委員長代理 ちょっと大久保先生に申し上げます。大体きょうは十二時でやめようという予定になっておりましたから、一つお含みの上でお願いいたします。
○大久保(武)委員 これは、監理官が最近来られたから、昔の経過を知らぬから、そこで今の状態だけで勝手なことを言っておられる。あなたも大蔵省だ。そこで、たばこが売れなくて大蔵省の歳入のつじつまが合わぬといったときに、一体専売公社は何と言ったか。今は全く売れない。しかし売って下さい。あなたもさっきたばこの小売と国家財政というものは表裏一体だと言ったでしょう。そう言って小売人に三百億円借金させて、抱かせた。それで、小売人は、これじゃ金利も払えぬから何とかしてもらいたいと言った。そのときに公社は何と言ったか。今は売れないからがまんして下さい。黒字になったら考えようがあると言った。それだから全国のたばこ屋さんは売ってきた。売れたのじゃない。抱いてきた。それなのに、売れぬときにたばこを抱かしておいて、売れるようになったら、おれは知らぬ。そんなことが言えますか。あなたは最近来たから勝手なことを言いなさい。しかし一体国というものがそんなことを言えますか。冗談じゃないですよ。そういうことで、小売人の十五万人を今後指導して販売意欲を盛り上げるということはできませんよ。それを称して官僚的と私は言っておる。そういう指導をやってもらっちゃ困る。山中政務次官も言ったように、一片の心持というものもあっていい。それがほんとうの販売政策というものだ。まことに血も涙もない、冷酷な言辞だと思う。そういう考え方は変えてもらいたい。売り上げ手数料の率というものは、たばこの売れ行きと益金確保の状態を考えて総裁がきめるということになっている。たばこの売れ行き状況は今二十六億円の黒字を出している。業務方法書第四十七条にあるように、手数料は、たばこの売れ行き状況を見て、益金予定額を確保できる範囲内できめるようになっておる。それならば、一体たばこの売れ行きのよいこのときに上げなければ、いつ上げるか。業務方法書を読んでごらんなさい。「売れ行き状況を見て」と書いてある。もう一度勉強されたらいいと思う。あなたは最近来られたから何も知らぬけれども、昔からそう言って、小売人の駄馬のけつをたたいて、重い荷物を背負わせてきたんだ。この点は、山下さんも言われる通り、何らか温情をもってこたえるというのが当然だと思う。政治的な責任をとるならそうだと思う。そういう点においてお考えを願いたいと思います。
○村上説明員 私も中小企業に対する同情においては人後に落ちないつもりであります。ただ、問題を制度として考える場合には、私は感情だけではいかぬと思うのであります。そういう意味から、専売事業の関係者の所得の状態がどうなっておるか、その間に均衡を持たせるということが、少くとも監督官庁としては一番大事であろうかと思うのであります。おっしゃいますように、かつて非常にたばこの売れ行きが悪かったときには、私は監理官ではございませんでしたから、そのときのことはどうかと言われると、私は主計局におって間接的に知っておっただけでありますが、益金確保に困難なときに、大いに公社が督励をかけたということもございましょう。しかし、それは、当時の当局者が、最高責任者が現在おられないわけでございますから、私は聞くによしないわけでございますが、少くとも、この専売益金というものは、国民の税金と全くうらはらなものだ、従ってこれをどう使用するかということにつきましては、その当局におった個人が何と言ったか存じませんけれども、やはり冷静に制度として検討するということであろうかと思います。制度としての科学的な検討の上に政治的考慮を加えろとおっしゃるならば、それは私の役柄ではないのであります。おそらく上司が適当にやって下さるだろうと思いますが、私の立場としては、そういうような科学的な検討をせざるを得ないということであります。
○大久保(武)委員 前任の総裁が今はいないから、自分の責任じゃないという御発言である。なるほど前任の総裁は冥遂にいっておる。冥遂にいって聞いてこなければ、前任総裁の言ったことはわからない。しかし私はそういうもんではないと思う。これは議事録にもちゃんと載っておる。今度見せて上げてもよろしい。そういう過去のいきさつがあるということは、あなたもよく勉強されて、議事録を読まれたらいいと思う。そういういきさつがあることはよく承知しておいてもらいたいと私は思っております。 それから、さらに私が申し上げたいと思いますのは、専売公社の各事業のバランスを見ると、さっき従業員のことを言われたが、一体昭和二十八年から従業員のベース・アップがどうなっておるか。七回の団交によって従業員の賃金ベースは四割上っておるのに、たばこ小売人の所得が赤字になっているじゃないか。専売公社の監理官は団体交渉の場合だと、何でもかでも組合の言いなりほうだいだ、だらしがないと思う。もう少し自信を持ってどんどんやってもらいたい。しかし、弱い小売人が、また山下さんがていねいに質問されたように、下からお願いしますと懇願すると、いたけだかになる。大体、専売公社、特に監理官のあなた方は、弱い者に対してはいたけだかになり、強いものにはよろめき通しだ。こういったようなことは一番つら憎い昔の代官のやり方だ。こういうやり方は改めてもらいたいと思う。そこで、御承知の通り、昭和二十八年以来七回の団体交渉によって従業員のベースは実に四割上っておるということを銘記してもらいたい。また塩は昭和二十九年に小売人の手数料が引き上げられた。ところが、二十九年は塩は黒字になったから上げたということだが、その後塩は赤字になっている。塩が赤字になると、たばこの黒字を繰り入れている。しかるに、たばこは黒字になっても小売の手数料を上げてやらぬ。こういうことで一体バランスがとれていると言えますか。ショウノウは二割も上っておりますよ。こういうことを御存じですか。同じ国家の事業であるところの郵便はどうか。切手、収入印紙はことしの四月から上っておる。昔は、最高制限があって、たくさん売る人は押えておった。それすら一分の手数料をやるようになっておる。酒は、手数料は下ったけれども、販売価格が上ったから、酒の小売に対する実入りはふえておる。そういったような際に、たばこは小売だけが恵まれておるから上げないということはどういうことだ。そんな理屈はどこを突いても出てこないと思う。実にあなたは勉強が足りないと思う。弱い人に同情心を持って、温情を持って、たばこの小売の実態を調べてもらいたいと思う。
○村上説明員 先ほどの業務方法書に対する御返答をいたしておりませんので、その点から申し上げますが、確かに、現在の法制上から言いますと、専売公社の総裁が歩率をきめなければならぬようになっております。ただ、これにつきましては、大きな予算の問題が伴いますので、総裁だけでは事実上できないということで、これが毎年の予算のときの大きな課題になって、国庫当局との交渉できまるようになっております。確かに上半期におきましては二十億程度の益金が、予算で考えたより以上に出ておるようだというお話のようでございますが、しかし、これは今後の売れ行きによってどうなるかわからないのでありまして、公社の総裁としては、やはり年間を通じてみないと、一体どれだけの益金増加があるかということは判断ができない、こういうことであろうかと思うのであります。 それから、第二に、昭和二十八年に比べて専売公社の職員の所得は四割上っておる。確かに四割上っておるでございましょう。ただ、この四割上った結果、昭和三十二年度の専売公社職員一人当りの所得は、昭和九—十一年に対して四百五十三倍という指数になっておるわけでございます。これに対して、たばこ小売店の一人当りの所得が、昭和三十二年はその四割増しぐらいの七百四十九倍になっておる。この事実をごらんになれば、ある時期からとりましたところの値上り率については、それはそういうふうなことは言えるかもしれないのでございますけれども、少くとも戦前の基準年次に比べて現在の状態がどうかというときには、専売公社職員一人当りの所得の伸びに対して、たばこ小売店の一人当りの所得の伸びの方がはるかに高いということも、これは否定できない指数でございます。労働組合に対して非常に甘いというお話で、私もその関係についてはあまり深く知識を持っておりませんけれども、最近ごらんになりますように、高松の工場その他で非常に問題を起しておりますのは、やはり、専売公社当局としては、専売関係のいろいろな各部門の所得に均衡を持たせるために、がんばるところはやはりがんばらねばならぬということでやっておるわけでございまして、これに対しましては、別途社会党からいつもおしかりを受けておりまして、そう甘いわけではないのであります。耕作者の葉タバコの問題につきましては、これも十一月になるといろいろ問題になるかと思うのでありますが、この方法は山下先生からおしかりを受けるかと思います。私の方としてはそういうふうなことを考えておるわけであります。
○大久保(武)委員 今の御答弁を聞いていると、私が事実をもって話をすると、冥遂に行っている人を引き出してくるので聞きようがない。今度は数字を押えると、戦争前という遠いかすみのかかったところに雲隠れする。実にずるい。七百何十倍というが、経費はどうか。今の小売業者がたばこのウインドーを作りますと、三カ月間は償却ができない。戦争前のウインドーは一カ月間で償却している。そういった経費を一体見たのか。今の数字はきわめて怪しいと思う。数字のマジックだから、調べてみなければわからぬけれども……。それから小売人に対してだってそうだ。最近は、未亡人でも、兼業している人でも、ほとんどたばこにかかり切っている。戦争前の看板娘とか、あるいはばあさんがちょっちょっと売っておった時代と違う。ほんとうに一身をささげてたばこに奉仕しているということです。そういう指導を専売公社はしているのか。そういう状況の変化は出さぬでおいて、何か戦争前よりも七百四十何倍なんて言うが、小売業者がこれを聞いたら憤慨しますよ。そういうように裏に隠されたところの経費、その他の事務的な消耗費に対する数字が入っていない。それで人間のことを話せば、冥途の人間を出す。数字を出せば、戦争前のことで煙幕を張られるけれども、小売人がほんとうに国家の事業に貢献することを考えられて、何とか一片の温情を持ってこの問題を解決する。これが専売事業の事業政策であり、政治だと思う。そういう意味において、この問題に対して御答弁いただきたい。
○山中政府委員 私から発言をしたいと思いますが、そういうやりとりでは私は詰まらないと思うのです。詰まらないというの、だめだという意味ではなくて、詰まってこないという意味です。というのは、先ほど私はほかしたのでありますが、そういうふうなはっきりしたお話でありますと、申し上げておいてもいいと思うのでありますが、専売公社並びに大蔵省の事務当局といたしましては、一割が何十億、一分が何十億という数字でもありますので、非常に警戒気分と申しますか、反対に大体一致いたしております。そこを今、専売公社のもとの総裁がどう言ったとか、あるいは温情を持てとかいうことで、そういう感触を持って私が苦労いたしておるわけであります。そこらの苦労をかき立てて、かえって私のやりにくくなるようなふうにあまりお話を進めないで、ここらで、御要望は十分承わりまして御努力をいたしてみましょうということで、ちょんにしたいと思うのですが、どうでしょう。
○大久保(武)委員 それでは、今の山中政務次官の御答弁を聞きまして、これに非常に期待して質問を打ち切ります。
○福田(一)委員長代理 本日は、この程度にとどめ、次会は来たる十六日午前十時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時四十四分散会