公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第5号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/31
会議録
○早稻田委員長 これより会議を開きます。 この際、このたび自治庁長官を兼務せられました愛知国務大臣より発言を求めておられます。よって、これを許します。愛知国務大臣。
○愛知国務大臣 私、このたび、はからずも自治庁長官を命ぜられました。まことに浅学非才の者でございますが、どうぞよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。就任平々で、ただいま一牛懸命勉強中でございますが、当委員会におかれましては、かねがね政府提案の公職選挙法関係の法律案を二件御審議を願っておるわけでございますが、何とぞ十分御審議下さいまするようにひとえにお願い申し上げます。 まことに簡単でございますが、一言ごあいさつ申し上げます。(拍手) ―――――――――――――
○早稻田委員長 次に、昨日付託になりました島上善五郎君外六名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査に入ります。まず本案の趣旨について、提案者の説明を求めます。島上善五郎君。 ―――――――――――――
○島上善五郎君 ただいま委員長からお話がありましたように、昨日私外六名の提案によりまして公職選挙法の一部を改正する法律案を提出し、本委員会に付託になりましたので、その理由並びに改正の要点について、概略御説明申し上げます。本来ならば、印刷物を用意して皆さんに配付するのが当然でございますが、その手続ができなかったことを御了承願って、口頭で御説明申し上げますから、従って足りないところもずいぶんあろうかと思いますが、十分御質問をお順いして、御質問にお答えして明確にいたしたいと思います。 現在の公職選挙法は、俗にざる法といわれておりますように、問題点が非常に多いのであります。従って私どもは、根本的な検討を加えて、もっと広範な改正をしなければならないと考えておりまするが、今年暮れから明春にかけて続々と選挙が行われる直前に、そのような広範な改正をするということは多少況乱を起すおそれもありますので、今回提案しましたのは、明春の選挙に必要と思われる最小限度の重要な数点のみであります。 ことしの春の衆議院選挙の実態にかんがみまして、私どもは、第一にのかからない、きれいな選挙にするということのためには、寄付制限をもっと強化し、明確にする必要がある、かように考えます。と申しますのは、現行法におきましては国及び地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う当事者、こういうふうになっておりまするが、御承知のように、今日国の予算を見ましても、国から財政投融資、利子補給、補助金、交付金等を支給しておりまする団体は相当多数ございまするし、その金額も顧た多額に上っておるのであります。このような国から補助金、交付金、財政投融資、利子補給等を受けている団体が、政党及び候補者に寄付をすることは、それ自体大きな問題をはらんでいると思います。これは断然禁止すべきものである。従ってまた、政党及び候補者はこれを受けてはならない、こういうようにすべきものであろうと思います。これにつきましては選挙法改正のみならず、政治資金規正法の改正も当然必要になって参りますが、手続上若干おくれておりまするが、私どもは、この選挙法改正に見合って、政治資金規正法の改正案も近々提案する予定になっております。正確に申しまするともっとこまかくなりまするけれども、そのこまかい点につきましては、法文にちゃんと記載してございますから、御参照願いたいと思います。要するに、国が直接間接の形で財政援助を与えている会社その他の法人からは、選挙に関して、政党及び候補者は寄付を受けてはならないというふうにはっきりすべきものであろう。 第二には、現行法でも公職の候補者及び候補者となろうとする者は、当該選挙区内にある者に対しては選挙に関して寄付をしてはならない、こうなっておりますが、現行法のただし書きで、政党及び政治団体並びにその支部に対しては、全く野放しになっています。これは大きな矛盾でありまして、そのために選挙期日、選挙運動期間、あるいはその前において、政党の支部の発会式であるとか、総会であるとかいう名目で、はなばなしく一種の供応と思われるような行事が、候補者及び候補者となろうとする者の寄付によって行われているという現状でありますので、これも、区内にある有権者に寄付を制限しておりまする以上は、やはり政党及び政治団体、その支部に対しても、候補者及び候補者となろうとする者の寄付を制限するのが当然であろう、かように考えてこのように改正いたしたい。 次に公営の拡大でありますが、今日都道府県会議員の選挙には、地方の条例によって、立会演説会と選挙公報の発行ができるようにはなっておりまするけれども、実際にやっているところはきわめてまれでございます。やはり、少くとも地方の都道府県会議員の選手には、立会演説会と選挙公報の発行を義務制とすることが当然じゃなかろうか、かように考えた次第であります。ただし、現状からしまして、一挙に義務制にして必ず立会演説会と選挙公報の発行をやらなければならぬということにいたしますると、多少選管の機能等から考えて無理なところもあろうかと思いますので、目標は義務制を考えておりまするが、それへの第一歩としまして、事情の許す限り立会演説会と、事情の許す限り選挙公報を発行するように、こういうふうに第一歩として改正いたしたい、かように考えておる次第であります。 第三点は、連呼制の緩和であります。これは前からも議論があった点でございますが、今日選挙の実際を見ますと、いわゆる終盤戦になりますと、ほとんど連呼もしくは連呼に近いような状態になっておりまして、取り締るといっても、取締り上も非常に困難を来たして、おる現状でございます。これは、地方選挙法改正に関する出張調査の際にも、大体時間を限って緩和していいのではないかという意見が、与党、野党を問わず、かなり多く出ております。特に明年の宏の参議院の選挙、全国選挙などを考えますならば、車上における連呼というものは、一定の時間を限って許してよいのではないか。すなわち、午前八事から午後六時までの間は、これを許すというふうに緩和することが適当であろう、かように考えた次第であります。 第四点としましては罰則の強化でございますが、買収、供応、多人数買収、供応並びに新聞、雑誌の不正利用の罪に問われて有罪となった者は、必ず公民権を失うようにいたしたい。現行法は、御承知のように、一たびそのような罪に問われて有罪となった者右は、必ず二度目には公民権を失うことになっておりますが、二度目でなしに、最初でありましても、このような悪質な罪によって有罪となった者は必ず公民権を失うようにすることが適当であろう、かように考えた次第であります。 要するに、私たちは選挙をぎれいに、公明に行うということが主眼でございまして、先ほど申しましたように、そのために当面考えられる必要最小限度、この程度の改正はどうしてもいたしたい、かように考えた次第であります。良識ある自民党諸君の御賛成を得て、すみやかに本案が通過されんことを希望する次第であります。
○早稻田委員長 これにて本案に対する提案理由の説明は終りました。 次に、内閣提出、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案並びに内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及び島上善五郎君外六名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を一括議題として、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。古川丈吉君。
○古川委員 社会党の提案されました公職選挙法の一部を改正する法律案について、御質問を申し上げたいと存じます。 そのまず第一は、連呼行為の制限緩和の問題でありますが、今提案者の説明のありましたように、一定の限度を限り連呼行為を許してもいいのじゃないかという議論は、私たちも承知いたしております。ただ、同町に選挙が行われる場合、また多数の候補者の立候補の予定されるような選挙におきましては、非常に喧騒で、その喧騒に耐えられないのじゃないかという議論のあることも、提案者御承知の通りだと思います。それでありますから、たとい時間は制限されておるにいたしましても、地域的に無制限に連呼を許すということは、またその弊害がやはり相当大きいのではないかということを考えますし、もう一つの点は、連呼行為は、御承知の通りに大体候補者の名前を言うのでありますから、よい人を選ぶためにはただ名前だけでいくということでなくて、その人の人格なり識見を十分承知することは、やはり一番大事だと思います。連呼行為ということは、名前を印象づけることには役立ちますけれども、そういう観点からいたしますと、私は選挙の本来の目的にはあまり役立たないものじゃないかと考えます。その点につきまして、提案者の御意見を伺いたいと存じます。
○島上善五郎君 地域的に多数の候補者が立った場合に、非常に喧騒をぎわめる、確かにそういう面もございます。たとえば、明年の選挙で都道府県会議員、市会議員が、政府の提案によりますと若干の間、三日間ないし五日間ダブリますから、その間に相当喧騒をきわめるということも確かです。しかし連呼行為を緩和するということは、それによって候補者が選挙運動上有効であるという判断から連呼行為を活用するのでありますから、あまり喧騒で、かえってうるさいという反感を持たれるような場合、もしくは学校の付近とか、病院の付近とか、連呼をすることによってかえって反感を持たれて、選挙に逆の効果を来たすというような場合には、おそらく良識ある候補者であるならば、自分の方でそういう点を考慮しつつやる効果ある方法を選ぶという形を自然にとるのではないか、こう思います。そういう点から申しますれば、多数の候補者が一挙に選挙運動をすることによって喧騒をきわめて、かえって有権者に反感を持たれ、何ら選挙に効果がないというような場合も考えられないことはありませんけれども、今申しましたように、そのことのために反感を持たれて選挙にマイナスになるという場合には、候補者もしくは運動員がその良識をもって判断して、許されておりましてもある程度自制をするというような作用が起ってくる、かように考えるものです。また連呼行為は、主として名前だけ――本来の選挙運動は、人物なり政策なりを理解せしめることによって支持を得る、そういう点から考えるならば、名前だけを連呼するのは大して意味がないではないか、それも一つの御議論でございます。しかし、連呼というのは必ずしも名前だけとは限りませんので、少くとも名前と政策のおもな本の、あるいは政党名を言うというような場合がむしろ多いのではないかと思います。そうすることによって、その最小限の政策あるいは政党名を言うことによって、十分とは言えませんけれども、やはり本来の選挙運動に、相当のプラスになるということは言えると思います。特に参議院の全国区の場合などを考えます際に、自分が重点を置く甲の県から、乙の県は単に通過するだけで内の県に行くというような場合が非常に多いと思います。その場合、田畑で仕事をしておる人々に訴えるという際に、一々トラックをとめてやらなければならなぬということは非常に不便ででありまして、仕事をしている人々に、名前と党名と政策の簡単なものを、通過しながら車上で訴えるということはきわめて必要なことではないか、こう思うのです。本来の選挙運動から見て、はるかに遠いという御意見もわからぬではありませんけれども、しかし短かい連呼のうちに、今言ったように政策のおもな点と政党名とを名前を言うことも、十分な形ではありませんけれども、やはり選挙運動の一つとして意味がある。その意味があるからこそやはり緩和してほしいという声もあるわけですし、緩和した場合に、これを活用する候補者が出てくるのです。もしこれが何ら効果のないものだとするなら、緩和しましてもやらないということになるわけだと思いますが、私は、緩和を要望する声があり、もし緩和しましたらば相当多数の候補者がそれを活用するであろうということを考えますならば、それはそれなりの意味はある、こういうふうに見ていいのではないかと思います。
○古川委員 多少意見の違いがありまするけれども、この問題はこの程度にしておきまして、次に、都道府県の議会の議員の選挙に、公営の立会演説会の開催と、選挙公報の発行を事情の許す限りやるという御提案でございまするが、この問題につきましても、もちろん選挙は候補者の人となり、識見をいろいろな角度から見て、そしてその人物を批判いたしまして、最もよいと思われる候補者に投票することが選挙のほんとうのあり方だろうと思います。ただ立会演説会であるとか、あるいは選挙公報だけを非常に重く考えておられるのではないか。もちろんこれも本一つの方法でありまするが、しかし演説を上手にやり、演説にうまいことを言う人が必ずしもりっぱな人でないということがありまするし、また選挙公報にいたしましても、自分で書かなくて人に書いてもらっても、一向違反でも何でもない。それは実際あってはならぬことでありますけれども、実際問題として相当あることは、選挙に詳しい提案者はすでに御承知のことと思いますから、こういう点もあまりに重く見るということはどうか、こういう考えを私は持っております。そしてかりにこれが許されるとしても、選挙公報にいたしましても五百字をこえないようなことで、これが果してほんとうに候補者を識別するだけのものになるかどうか、こういう点も考え合せますると、今度提案になっておられまするこの選挙公報というものもほとんど意味がないのじゃないか、かように考えまするが、提案者の御意見はいかがでありますか。
○島上善五郎君 立会演説会と公報を非常に重く見ているのではないかという御意見ですが、必ずしも非常に重くは見ておりません。現在、個人演説会とか、立候補のあいさつ状もしくは推薦状、演説会等々の方法が法で定められておりまするが、そのほかに立会演説会、公報、こういうふうに考えておるわけでありまして、立会演説会、公報を非常に重く見て、今まで許されておる他の運動方法を制限する、あるいは軽視するという考えは毛頭ありません。立会演説会と公報を発行することによってその他の運動が制限を受けるかと申しますと、立会演説をやりますると個人演説会の回数が若干少くなるという、そういう意味における制限を自然と受ける形にはなりますけれども、立会演説会は、すでに古川君も御経験がありまするように、同時に各候補名の政策を聞くことができまするので、選挙民にとっては非常に便利と申しますか、好都合な機会であろう、また候補者にとっても非常に都合のよい機会であろう。立会演説会となりますれば、やはり言論についても相当責任を持って政策の発表をするということになりまするし、聴衆も、個人演説会の場合には大体その人の支持者が大部分であり、演説を聞かなくても投票するような人が大部分でありまするが、立会演説会の場合にはそうではなくて、冷静に各候補者の政見を聞こうという人々が多数参りますので、立会演説会というのは非常に効果のある、そして有権者には便利な方法であろう。公報につきましても、五百字と制限をしないで、できれば八百字でも一千字でもよいのですけれども、多数の立候補者が立つということと、印刷その他の点を考慮しまして、不本意ではありまするけれども五百字程度にすることが適当であろう、こういう観点から五百字にしたのであって、五百字では大して意味がなかろうとおっしゃいますけれども、八百字である方がより詳しく政策が訴えられますが、しかし五百字でも、かなりその人が考えておる政策を訴えることができるのであって、私は、今までの運動方法の上にさらにこの二つの方法を加えますならば、より一そう選挙の公正な競争、有権者から見れば正しく候補者のよしあしを判断する機会がそれだけ多く与えられるという意味において、ぜひ必要であろう。ただし、この法案にありまするように、一挙にどれもこれも義務制にするということには若干の無理が考えられますので、やがては義務制にということを目標にしながらも、本案においては「事情の許す限り、これを行うようにしなければならない。」いわば半ば義務制という程度にしたわけであります。現在は立会演説会、公報をやることができる、こうなっておりまするが、地方の条例によってやっておるところは青森県ほか一、二で、きわめてまれでございます。私どもの承知しておる範囲では、青森その他ごく少数ではありますけれども、立会演説会をやっておるところは非常に好評を得ておりまするし、選挙にも大きな効果を上げておる、こういうふうに承知しておりますので、この程度の改正は必要ではないか、こう考えておる次第であります
○古川委員 次に、最も強い御主張でありまする寄付の制限のことについて伺いたいと存じます。なるほど国または地方公共団体から補助金、奨励金、助成金、負掛金、その他これに準ずるような交付金を受けておる団体と国との結びつきと申しまするか、そういう強い結びつきのある団体から寄付金をもらうことは好ましくないことはわかりますけれども、現在国及び地方公共団体が、ただいま申し上げましたような金を交付しておる場合には、あるいは産業の奨励でやってみたり、これは特殊な関係として取り上げていいか悪いかの限度が、非常にむずかしいものが私はあろうかと思います。それからいま一つの反対に伺いたいのでありますが、国から、あるいは地方公共団体からこれらの金の交付を受けておる者に対して、政党または候補者に寄付することを制限される御趣旨でありますが、国から給料をもらっておる人々の団体から寄付を受ける場合に、なぜそれを禁止する規定をこれにお入れにならなかったかをお伺いいたしたい。
○島上善五郎君 それらの団体や国から交付金、補助金を受けておる団体の寄付を制限しながら、それらの団体の従業員諸君の寄付をどうして禁止しないか、こういうことでございますが、よくお考え願えればわかりますように、補助金、奨励金あるいは財政投融資を受けている団体が、政党及び候補者に寄付する場合と、その団体の従業員が労務の報酬として受けたものの中から寄付する場合とは、おのずから性質が違います。ですから私どもは、これらの団体の役職員、が社長とか専務とか重役とかが、自分の報酬を受けて、その報酬の中から寄付することを制限しないのはこの意味であります。従業員の給料から寄付することを制限するということになりますれば、当然重役が報酬を受けた中から寄付することも制限しなければならない、こういう理屈になろうかと思いますが、私どもがその団体の従業員、職員あるいは重役が、自分の労務に対する正当の報酬として受けた場合には、金の性質が違ってきていると思うのです。そこまで厳格にする必要はない。公衆から寄付することによって、非常に多くの弊害があるということならば考慮の余地があろうけれども、私どもの承知しておる限りにおいては、そのことによって非常に弊害があるというふうには考えられませんので、そこまで拡大する必要はなかろう、性質が違う、こういうふうに考えておるわけであります。
○古川委員 先ほど私の言葉が少し足りなかったかもしれませんが、国や地方公共団体から補助金、奨励金、助成金、負担金その他これに準ずる交付金を受ける場合におきましても、決して会社または法人をもうけさせようという趣旨でなくして、国家目的のためにそういう補助金、奨励金、助成金、負担金を交付することが国全体の利益になるために出されるものであって、これは決して間違ったものではなくして、もしそれらの補助金、奨励金等がそういう趣旨に反して、ただ法人、会社の利益のために交付されるような具体的の場合がありますならば、そういう具体的の場合に不正な事実としてこれがとがめらるべきものであって、補助金、奨励金等が交付されるのは根本的にそういう理由があるものだと私は思います。 また官公吏、公企業の政府機関の従業員の団体からの寄付につきましては、提案者から一応の御説明がありましたが、現在の実態は、給料を受けておる団体の給料を熱心に上げることばかりやっていると言っては語弊がありますが、非常に政党的にそういう立場におられる方が、そういう団体から、また逆に個人が寄付金を受けられるということは、前の場合より以上に理屈の通らぬところがあるのじゃなかろうか、かように私は考えております。これはおそらく見解の相違でございましょうから、御説明を伺ったところでお互いに納得ができないと思います。 次に、最後の問題として買収犯等に対する公民権停止の強化の問題がございました。その御趣旨はわれわれも賛成でありますが、現行法でも、悪質な選挙事犯につきましては、候補者自身がやる場合には、今提案者の説明で二回目云々ということは何かの間違いだと思います。初めてでも、罰金刑以上の刑に処せられた場合には公民権が停止せられるのが原則であって、ただ裁判の場合に、情状酌量で必ずしも停止しないことがあり得るので、そういう問題がありますけれども、原則は、やはり一回でもそういう犯罪を犯した場合には、公民権が停止されるようになっておると私は思うのであります。これは、二回目は提案者の言い違いだと思いますが、私はそう考えております。
○島上善五郎君 先の力はしいて答弁を求めていないようでございますが、簡単に申しますならば、国家目的のためにそれぞれ正当に補助金、交付金、財政投融資をされておるのだからということでしたが、私はそういう補助金、交付金、財政投融資を出しておること、それ自体の当不当を言っておるのではないのです。それはここでは論ずべきことではないと思うのです。しかし、出されておる団体から選挙に関して、政党及び候補者が資金の援助を受けるということ、あるいは資金を寄付するということは、そのために多くの弊害を生むということが必然的でございますので、その補助金、交付金を支給することそれ自体はもちろんここでとやかく申しませんが、寄付そのものを制限するのは当然ではないか、かように考えております。 買収犯の点ですが、私の説明の言葉が足りなかったためにあるいは誤解を生んでいるかもしれませんが、確かに買収、供応、新聞雑誌の不正利用につきましては、原則として公民権を失うことになっております。しかし公民権を停止しない場合もあるのです。(「そんなのは絶対ない、あってもごくまれだ、よほどの事情がない限り」と呼ぶ者あり)あります。法文をちゃんと読んで下さい。一たびその罪に問われた者は、二度目には、これは公民権は絶対にに停止です。初めての場合は停止しないこともあり得るし、現実に判決ではそういう例もあり、私ども地方へ出張した場合に、それがあるために、ある裁判所では公民権を失ったが、ある裁判所では失わないというような均衡を失する判決が出される場合もありますので、裁判所側としてもこういう規定でなしに、ちゃんとしてもらった方がいいという希望がありました。これは要するに、原則は公民権を失うことになって、例外的に停止しない場合もあるという、その停止しない場合もあるというのを削除して、例外なしに、そのような悪質犯で有罪となった場合には公民権を失うようにする、これが改正点でございますから、私の説明はあるいは言葉が足りなかったかもしれませんが、質問者がおっしゃられるように、原則としては公民権を停止することになっております。しかし例外的に停止しない場合もある、こうなっておりますので、その停止しない場合をやめよう、こういうことですから、御了承願いたいと思います。
○服部委員 ちょっと提案者に伺っておきたいと思います。 いろいろと説明があったのでありますが、古川先生からもまたそれに御質問があって、なかなかりっぱな内容でございますが、そのうちでちょっと聞いておきたいのは、これもいろいろと立場が違って、見解の相違でございましょうが、今質問された中に寄付金の問題があります。私は端的に申し上げると、むしろその逆をいきたいという考えを持っております。ということは、古川先生の、従業員の寄付金もあわせて禁止したらどうかという質問に対して、提案者の説明では、これは報酬から割愛して出すものであってそれまでには及ばない、またそうやるとその会社、団体の幹部職員がその報酬の中から寄付することも制限しなければならぬのではないかというお話だったわけです。古川先生の質問内容にあった通りに、こういう補助金及び交付金、助成金を受けている団体、その資産、財産のすべてがそういったものによってまかなわれている団体の場合は、これは提案者の説明の通りだと思うのです。しかし目的は全然違うわけで、いわゆる産業の興隆とか、国家的に非常に貢献があるとみなした場合にのみ規定されたものであることは、周知の事実なんです。むしろ私が逆と申し上げたのは、もちろん提案者の説明では、当然受けるべき報酬の中から割愛したものだ。しかしながら私の知る範囲では、そういった方々を守る意味において、もちろん喜んで寄付した方もあるだろうけれども、大半の方々は非常に困る。いわゆる資金カンパの指令がきて、それに応じないとどうも立場が工合が悪いし、ほんとうは薄給で、しかもその日の生活もよほど切り詰めて計画的にやらなければならないのにもかかわらず、先ほども申し上げた通りに出さないとどうも立場が困るので、泣く泣く出しておるのを私はこの目で見、この耳で聞いておるわけです。むしろ先ほど申し上げた理由から考えると、私たちの側から言うと、こういった方々を守る意味において、一つあなたたちがこの中に、はっきりとその禁止をうたうのが最も正しい改正じゃなかろうか。そんなことはないとおっしゃるかもしれませんけれども、私は私の立場において見ておるわけです、聞いておるわけです。この点、ちょっと提案者のお考えを伺うことができればけっこうだと思うのです。
○島上善五郎君 私が性質が違うと育ったのは、国家目的のために交付金、補助金を支給するということは、これは認めているのです。ただし、そういう団体から選挙に関して、寄付を今日は許されています。そういうことになりますと、甲乙丙丁多くの団体がたくさんの寄付をして、自分の団体へより多くの交付金、補助金を得んがための競争をするような弊害が、必然的に生まれてくる。そうなると、国家目的のために、あるいは産業興隆その他の目的のために、公正に補助金、交付金をしようとすることが乱されるおそれは一つ出てくる。そういう弊害が考えられる。ところが今おっしゃったような、従業員諸君が団体の決議等のために非常に拘束されて困るというような場合も、あるいは例外的にはあるかもしれませんが、しかしそれらの団体は、きわめて少額で、無理のない方法で、かつ民主的にきめておると私どもは承知しております。そういうことは、それらの団体が団体の良識によって正当に、無理のないようにきめればいいことであって、法律をもって禁止すべき事柄ではない、あるいは制限すべき事柄ではない、私どもさように考えておるわけであります。
○早稻田委員長 服部君に申し上げますが、今愛知国務大臣がおいでになったのであります。向うでも質疑があるそうですから、またあとにお願いいたしたいと思いますが……。
○服部委員 けっこうです。
○早稻田委員長 それでは山下榮二君。
○山下(榮)委員 愛知長官に二、三伺いたいと思うのであります。 まず最初に、いつも選挙を目睫に控えて、自民党の方では選挙改正の法案を整えて、国会に出してくる感じが強いのであります。選挙法のごとき、いわゆる与野党とも公正に争わなければならぬ、こういう基本を定める選挙法というものを、そういう選挙を目の前に控えてあわただしく作るということでは、公正な争いが私はできないのじゃないかと思う。また、国民がその法規をことごとく了解するのに、あまり期間が短いというようなことでは当を得ていないじゃないかという感じを持っておるのでありまするが、選挙法等に対する愛知長官のお考えを伺っておきたいと思うのであります。
○愛知国務大臣 何分就任早々でございまして十分のお答えができないかと思いますが、選挙法につきまして、要するにこれは程度問題ではないかと思うのでございます。非常に大きな、たとえば選挙区の区割等も含むような選挙制度の改正ということでございますれば、十分これは審議の期間も長く取りまして、慎重に御審議を願うということについては、まさにただいまお話の通りに考えるのでございます。しかしながら、今回御審議を願っておりまするものは、そういったようなものとは性質が違うように思うのでございまして、たとえば期日の問題等にいたしましても、現実に来年は地方選挙が行われる年でもございますし、また参議院議員の通常選挙が行われる年でもございまするので、これらに対しまして、主としては事務的に選挙に当る関係の方々の便宜ということから考えまして、この期日の問題等について御審議を願っておるわけでございます。またその他の部分につきましても、最近までに行われました選挙法の実績等に徴しまして、合理的にこれを改善をするということから提案をいたしておるものでございまして、先ほど申しましたような程度の広範なものではない、こういうことが今回の案の中心でございまするので、私から申せば、この臨時国会のこの時期において、来年の春に備えましてここで御審議を願い、また成立ができますれば十分その目的も達し得るし、また非常に便宜でもあろう、私はこういうふうに考えておるわけでございます。
○山下(榮)委員 たとえば、選挙法の施行細則を改正するとかどうとかということでありますれば、今あなたのおっしゃったように解釈ができると思うのですが、しかも今回の改正は、選挙法の重要な部分に対しての大きな改正であると思うのであります。ことに、日本のごとく民主主義発展の過程の途上にある今日、たとえばこの改正案にございますように、選挙中における政治活動等に対する大きな制約等を加えること等については、よほど考慮をすべき問題ではないかと考えられるのであります。むしろわれわれは、今日の日本の実情からいきますならば、選挙中に、あらゆる団体、国民の全部が政治活動に参加できるようなことに持っていってこそ民主主義の発展がなければならぬと考えるのでありますが、こういうことに対して規制を加えていくことは、私は当を得ていないと考えるのであります。大臣はいかようにお考えになりますか。
○愛知国務大臣 なるほど今回の案の中には政党その他の政治団体の活動に関する規制の問題がございますけれども、これは政治活動の規制が従来でも行われておりますのを一そう合理化いたしたい、特に最近の選挙の実情等からいいまして、この規制について合理化し、関係団体が相互において均衡のとれるような選挙についての活動をしていただきたいというようなことが内容になっておりしまして、政治活動そのものの規制を非常にきつくするとかいうようなことでなくて、選挙についてのやり方を合理化する意味で、政治的規制の項が入っているわけでございます。私は先ほど申しましたような原則論から申しまして、この点は、この際ちょうど来年の春にいろいろの選挙が行われるときでございますから、ただいまこの時期で十分御審議をお願いいたしたい。その他の点につきましては、御案内の通りでございますが、立候補の手続でありますとか、選挙の管理、執行に関する規定を整備するというようなことでございますから、私が先ほど申しました考え方からいいまして、ただいま御提案をし、御審議を願うことは、最も筋の通ったやり方であると考えているわけであります。
○山下(榮)委員 ただいま政治活動が重要な部分のように言われて、その他は事務的な、あるいは過去の選挙に徴して当然改正をしなければならぬ事柄のようにおっしゃっておるのでありますが、私はそれ以上に、大きな政治的意図を持っている改正が行われていることを発見いたしておるのであります。政治活動の面その他については後ほどゆっくり伺いたいと思っておるのでありますが、一つだけ今ここで伺いますならば、たとえば都道府県知事及び市町村長が任期満了による選挙に在職のまま立候補することを禁止いたしておるのであります。これは一体どういうわけでございましょうか。きわめて政治的な意味の重大な問題であると私は解釈をいたしておるのであります。
○愛知国務大臣 在職中の立候補につきましてはいろいろの見方があると思いますけれども、選挙を公正に、均等の機会において行うという趣旨から申しますと、これは立候補する場合その職をやめまして、候補者として立つことが合理的ではなかろうかと考えるのでありまして、主としてそういう点を合理化いたした次第であります。
○山下(榮)委員 合理的ということを先ほども今もおっしゃったのですが、府県知事や市町村長だけが悪くて、総理大臣や国務大臣や政務次官は現職のまま選挙に臨んで、あるいは選挙の最中に総理大臣として地方に行って発言される場合もあれば、新聞記者会見をやられる場合もある。これらについては、私は大きな片手落ちじゃなかろうかと考えるのでありますが、一体大臣はいかようにお考えになりますか。
○愛知国務大臣 私は、多少地方の場合と中央の場合とは違うかと思うのでありまして、国の政府の場合におきましては、国際的その他の関係から申しましても、責任ある政府あるいは総理大臣その他の特定の公務員というようなものは、一日といえども国政をゆるがせにすることはできないのじゃないかと思うのでございます。また実際上の問題といたしましても、選挙運動の期間等につきましてもある程度の差異があって、地方の場合におきましては選挙運動の期間も短かいわけでございます。そういった点を彼此勘考いたしましてこの案が妥当だ、こう私は考えておるわけであります。
○山下(榮)委員 私は、今の答弁はとんでもない話であると考えるのであります。国の政治の方が重要であって、地方は重要でないという考え方のように受け取れるのであります。住民の生活にとって、中央も大事でありますけれども、中央と同じように地方の政治が日常国民生活にいかに重大であるかということを、大臣はよく御承知おきを願いたいと思うのであります。かような意味から申し上げまするならば、私は中央といえども、地方といえども、同一でなければならぬと考えておるのであります。こういう点について、かような改正が行われるということ、しかも来春の選挙を控えて、今こういう改正が行われるということが私は納得できがたいのであります。こういう問題こそ、もっと事前から、いろいろな方面の意見を徴して行うべき問題ではなかろうかと考えておるのであります。非常な片手落ちであるということ以外に、私は言う言葉がないのであります。本来からいたしますならば、これは総理においでをいただいて、総理のお考えを伺いたいと考えておったのであります。しかし今の言葉では、私は了承いたすことはできないのであります。どこまでも市長あるいは国務大臣は同じように物事を考えてもらうのでなければならぬ、かように考えておるのであります。 次に私は伺いたいと思うのですが、むしろかような改正を行われるのでありまするならば、それよりも、私が冒頭に申し上げましたように、今日民主主義の発展途上にある日本としては、選挙の公営というものをもう少し大幅に拡張すべき時期ではないか、かように考えるのでありますが、選挙公営の拡張等について、大臣はいかようにお考えになりますか。
○愛知国務大臣 私は、選挙の公営の範囲を広げるということは、原則的にきわめてけっこうなことであると考えるわけでございます。問題は今後の研究でございますが、いろいろと実際問題として、経費の関係その他が一つの隘路になっておるのではないかと思いますが、これらの公営拡張ということについては、引き続き私は慎重に考究を続けていきたいと考えます。
○山下(榮)委員 慎重に考慮されると言われるのでありますが、たとえば、社会党が今回ここに法案の改正を提出いたしておるのであります。選挙公営をひとり中央のみならず、地方の選挙にもこれを拡大すべきである、こういう主張をいたしておるのでありますが、そういうことに対しまして、一体大臣はいかようにお考えになっておりますか。
○愛知国務大臣 ただいま御提出になりました社会党の案で拝見いたしましても、たとえば都道府県議会の議員の選挙については、事情の許す限り選挙公報を発行するようにしなければならない、御趣旨は非常にけっこうなことではないかと私としては考えるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、実際上の問題として経費とか、能力とか、事務的に相当これは準備態勢を整えることが必要であるし、またそれなくしては、なかなか理想論を一挙に実現するということもむずかしい。実際問題としてそういわざるを得ないと思いますが、公営の拡張ということについては、私も原則的には賛成でございます。
○山下(榮)委員 大体理想としては御賛成のようでありまするが、社会党も、一挙にこれを全都くまなく行えということを言っておるわけではないのであります。法文の中に書いておりますように、事情の許す限り、さようなことを行うようにしてもらいたいということの意味を書いておるのでありまして、大臣も理想として非常に御賛成のようでございますから、わが社会党の案等が、一つ与党の諸君の御賛成を得るようにお考えおきをいただきたい、こう私は思うのであります。 次に伺いたいと思いますのは、最近の選挙、ことに二大政党になって以来の選挙の情勢というものを見ますと、選挙運動が個人よりも政党ということに、だんだん発展しつつあるという傾向を見るのであります。私はきわめていい傾向ではないか、こう思うのでありまするが、こういう傾向に対しまして、大臣はいかようにお考えになっているか、伺いたいと思うのであります。
○愛知国務大臣 御指摘のように、二大政党ということが、いろいろ各方面の御努力によって、はっきりした明確な体制となって打ち出されて参りまして、まことに御同慶にたえないところと思いますが、同時に、そういったような現状においては、選挙については政党と人ということが密着して、ただいま御指摘のような傾向になって参りましたことは、私もけっこうなことだと考えるわけであります。
○山下(榮)委員 この傾向が非常にいいことだと、こうおっしゃるのでありますが、それならば私は伺いたいと思うのであります。そういう趨勢であるから、今ここへ改正を出されました選挙中における政治活動の規制というもの等は、私は、できるだけ緩和していくべきではなかろうか、かように考えるのでありまするが、そのことと、今ここへ改正を出されたこととは矛盾すると思うのですが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 この点は、私はむしろ逆でございまして、二大政党ということであり、そうして候補者が各党によって公認せられる。これは、地方選挙の場合は必ずしもまだそこまでいっていないかもしれませんが、こういうふうな傾向になって参ります以上は、一人の候補者は、たとえば日本社会党なら社会党ということで、所属する政党が一本であるというようなことが、政党活動からいっても私は当然のことではないかと思うのでありまして、そういう観点から、この改正案はむしろ御指摘のような御意見に沿うものである、私はこういうふうに考えるわけであります。
○山下(榮)委員 今の選挙を見ますると、あるいは現在もなおかっそうだと思うのですが、二大政党になって、政党と政党との政策が大きく浮き上ってきておることは間違いないと思うのですけれども、やはり選挙区におきましてば、個人的運動というものがぬぐい去ることができないのであります。たとえば一つの選挙区を見ましても、社会党と自民党の人よりも、自民党同士あるいは社会党同士の候補者間のあつれきが、きわめて熾烈であると私は思うのであります。こういうような考えからいたしまして、私はやはり、今日の日本国民の感覚では、政治活動の拡大をはかることが必要であって、これを規制するということは時代錯誤である、かように考えるのであります。この点については、大臣とあまりにも意見の相違のあることを私はきわめて遺憾に存ずるのであります。ぜひわれわれといたしましては、もう少し全国民が、こぞって政治活動かできるような態勢に持っていってこそ日本の民主化が前進していく、かように考えておるのであります。 次に伺いたいと思いますのは、町村長の供託金制度の問題であります。昨日も公聴会がありまして、公述人の方方からいろいろな御意見を伺ったのでありますが、今まで供託金制度のなかったものを、なぜ今回供託金制度を設けなければならないか、こういうことを前の青木長官に伺いますと、泡沫候補等の規制ということを考えておる、こういう言葉があったのであります。泡沫候補というものを防止するという考え方で、かような供託金制度といういわゆる金品、貧富というものをもって制限することは、これまた時代錯誤もはなはだしいといわざるを得ないと思うのであります。もっと他に適当な方法を考慮すべき問題ではないかと考えるのですが、大臣の供託金制度に対するお考えを伺いたいと思うのであります。
○愛知国務大臣 この町村長の選挙についての供託金の制度でございますが、これは青木大臣も御答弁申し上げております通り、町村合併等によりまして、町村の規模は非常に大きくなっておる。市との間に大差がなくなっております。またただいま御指摘の通りでございまして、いわゆる泡沫候補と称せられるようなものが見受けられるようなこと等の事情を勘考いたしまして、適当の程度の――決してこれは貧富かどうのこうの、あるいは金持たけが立候補できるというような程度でなく、現在の社会、経済の情勢からいって、適当と思う程度の供託金を設けたわけでございます。これによって貧富の問題その他が起るとは、私は考えないわけであります。
○山下(榮)委員 現行法の第十条には、御承知の通り衆議院、参議院あるいは各地方議員、市長の被選挙権の規定がされておるのであります。これを見ますと、たとえば町村会議員あるいは府県会議員の場合は、選挙権を有する者で年令満二十五才と規定をいたしておるのであります。しかし市町村長には「その選挙権を有する」ということは規定されていないのでありまするが、その理由はどういうところにあるのですか。
○兼子政府委員 市町村長につきましては、国会議員と違いまして、国会議員はいずれの住所にありましても選挙権、被選手権を持つわけでございま求す。一般の市町村におきましては、それが住所要件によって制限を受けるわけでございますが、町村長の選挙に限りましては、その住所に必ずしもとらわれず、国会議員と同様に、他市町村に住所を持つ者でありまして被選挙権は与える。このような趣旨から規定がなされているのでございます。
○山下(榮)委員 そのよってくるところの理由は一体何にあるのですか。
○兼子政府委員 市町村長及び知事も同様でございますが、これは広く人材を求める、このような趣旨から制度が作られておるのでございます。
○山下(榮)委員 私は大臣に、最後に一つだけ伺っておきたいと思うのであります。冒頭に私が申し上げました選挙を目睫に控えての選挙法改正の点に対しましては、大臣は賛成を表されておるのであります。しかるに、従来行われて参りました過去の経過から考えまして、どうも選挙前にならなければ、かような改正案が出てこないのが実情であります。今後においては、私が冒頭に申し上げました選挙法という、いわゆる与野党いかなる人を問わず、公正に選挙を争わなければならない法規の改廃というがごときことについては、あまりあわただしい選挙前じゃなくして、常日ごろこの問題を国民の前に明らかにして、公正な選挙法を作る、こういうことであってしかるべきだと思っておるのであります。言いかえて出し上げますならば、選挙こそは、憲法に類するような選挙の基本法というものがあって、その選挙のつど改正されなければならないような枝葉末節の問題は、施行細則その他の実際面で改正していくということがきわめて必要なことじゃなかろうか、こう思うのでありますが、そういうことに対しまして、大臣は今後さようなふうに改めていきたいということに対するお考えはどうですか。
○愛知国務大臣 選挙ということが民主主義、議会主義の基本である、従ってその基礎になる選挙法というものはきわめて大切に扱い、また常時国民の関心の中で、よいものが作られるようにしなければならないということにつきましては、全然私も御同感でございます。特に衆議院におかれても、公職選挙法については当特別委員会が設けられるというようなことも、私はそういう趣旨の現われではないかと思うのでございますが、ただ枝葉末節のようなことは規則に譲るということについては、大切なことでありますから、手続的なこともやはり法律できめて参る方がむしろ御趣旨に沿うことではなかろうかと思うのでございます。そういう意味合いから、私は、まあ御意見がいろいろ相違する点はございますけれども、今回御審議願っております二つの法案は、最近における選挙の実施状況にかんがみていろいろの点を合理化をしたいというものでございまして、大きな選挙区制その他には触れておらないものでもございまするから、これは法律案ではございますけれども、来年春ままでは相当の時間もございますが、この時期に法律案としてこういうものを御審議いただくことは、政府としては当然の措置ではないかというふうに考えるわけでございますので、それらの点につきましても、どうか一つ御協力をお願いいたしたいと思います。
○山下(榮)委員 大臣は二十分までということでありまして、他の委員会等もあることであろうと思いますから、いずれ他の件につきましては後日質問をいたすことといたし、本日はこれで終了いたします。
○早稻田委員長 それでは、残余の質疑は次に回しまして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十八分散会