議院運営委員会図書館運営小委員会 第4号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/29
会議録
○松澤小委員長 これより図書館運営小委員会を開会いたします。 本日は、前会に引き続き、図書館運営上の諸問題について審議をいたします、 本日、図書館側から出席されている方々は、金森図書館長、枝吉管理部長、山越調査及び立法考査局長事務代理、戸引調査及び立法考査局次長、酉水一般考査部長、上里支部図書館部長、岡田受入整理部長、市川国際業務部長、吉田建築部長、岩渕国会分館長、山下前管理部長、酒井管理部庶務課長、松原管理部人事課長、大山管理部経理課長、以上であります。 これより質疑を許します。
○大西小委員 私の質問したいのは、今問題になっております図書館の問題と違うのでありまして、これは前にもいつか館長あるいはその他の方にも電話で連絡申し上げたのですが、館長にはお話することができなかったのでありますが、外務省との関係があるのです。実は、国会図書館の職員で杉山君というのがおりますが、この杉山君が国会図書館の推薦で外務省の手を経て、ICAO、すなわち国際民間航空機関の職員に推薦された、これは御承知のことだと思います。そこで本人は、赴任する準備のために、研修所とかいうところに行って、一カ月間もいろいろと準備を重ねておった。ところが、その途中に、同じ国会図書館の職員である坂本君というのが、個人的に出先でいろいろと工作をして、そうしてついにあなた方の正式推薦の杉山君のICAO職員の就任ということがふいになってしまった。こういう事実があるのでありますが、館長は、この点は十分御承知でございましょうね。
○金森国会図書館長 それは聞いております。
○大西小委員 こまかい質問をする前に、そのいきさつについて、せっかくあなたの方から推薦をされた人があるのに、あなたの方の職員が、その推薦された人を押しのけてICAOの職員になったということについて、どういうふうにお考えになるか、責任のある立場からの答弁をいただきたい。
○金森国会図書館長 私の聞いているところを総合して申し上げますと、この経過は非常に遺憾な経過でございまして、いわば職員相互の間で一つのポストを争うというような問題でございましたが、事がきまるまで、実は私どもは詳細なことは聞いていなかったのであります。それで私は、済んだあとで坂本君をみずから呼び出して、そのてんまつを聞いたのでございますが、そのときに坂本君の答えによると、その職を争ったわけではない。坂本君の方からICAOの方に、なおあのポストについて申し出をする余地があるか、こういって聞いたら、向うは、もうすでにおそい、新しく希望者が入ってくる余地はない、こういう返事があったそうでございます。ところが、さらにそれにつけ加えて、ICAOの方では、しかし、何もこの一人で切るというわけではないから、希望があるなら、履歴書を送って、一般的にその職を希望する旨を申し出ておけ、こういうことであった。その線に沿って、坂本君は就職の希望を出しておいたらしゅうございます。そこまでは、坂本君の陳述によって、私ども了解をしております。ところが、ICAOの方で人選をするときに——国際機関のやったことでございますから、それから先のこまかいところまではわかりませんが、前にこちらから希望した人は採用せずということになって、あとから別口で申し込んだところの坂本君を採用する、こういうことにきまったということを、私は実は直接に存じませんで、あとから坂本君を呼んで聞いたときに、そういう陳述をしたわけでございまして、それ以上の詳細は実ははっきりつかめないのでございますが、推測してみると、何か外国機関が日本人を採用するときに、そこに一つの選択をやったわけでございまして、その選択には、こちらからは歯が立たないで、あとから聞いたわけでございます。この経過につきましては、理屈は別として、日本人らしい気持から申しますと、私ははなはだ不愉快な感じを持ったわけでございますけれども、事すでにいろいろな客観情勢ができておりますから、その自然の推移にまかせて処理をした、こういうわけでございます。
○大西小委員 私の申し上げていることを誤解のないように願いたい。一杉山をどうするとか、あるいは一坂本をどうするとか、そういうことでは絶対にない。よく申し上げているように、あなたの国会図書館が、この職員ならということで、十分検討の結果、責任を負うて推薦した者が、ICAOの事務職員の採択は自由なりといえども、同じ職員の中から他の者を採用するということは——国際的に見ますと、日本政府の代表ではもちろんございませんけれども、考え方としては、やはりそれに準じた考え方をすべきものである。そこに、国会図書館内の運営が非常に規律を欠いているところがあると私は思う。特におかしいのは、あなたは事がきまるまで知らなかったとおっしゃっている。私は、その責任は重大だと思う。この点について聞きますけれども、部長諸君、特にこの坂本君の所属しているところの責任の部長はどなたですか。
○市川国会図書館参事 国際業務部長の私です。
○大西小委員 この問題について、かなり前から紛糾しておって、私が外務委員会で、この問題について外務省を追及して、つまらぬことでごたごたして、国の威信を落すようなことのないように、何とか早く処理しなさいということを言って、外務省からもあなたの方に再三善処方を要望しているはずです。こういうことは、あなたは館長に報告をしなかったのですか。
○市川国会図書館参事 経緯を若干申し上げさしていただきたいと思います。
○大西小委員 経緯はいい。私の聞いているところを答えなさい。この長い紛争を館長に報告をしなかったのか。
○市川国会図書館参事 報告いたしております。
○大西小委員 いつしましたか。
○市川国会図書館参事 五月に、坂本君から私のところに電話で、ICAOの方から採用するという話があった、ついては相談をしたいということでございました。それでさっそく翌日坂本を呼びまして、経緯を聞きました。そのときに初めて、自分はICAOの方に申し出たのだ、そうしたら、ただいま採用の通知がきたので、どういうふうにしたらいいか、御相談いたしたい、こういうことだったのです。それから、どういう経緯でそれを申し出たかは……。
○大西小委員 それはあとから聞きますから、私の聞くことだけ答えて下さい。 館長、国際業務部長は五月にあなたにこの問題について報告をしたと言っているのですが、お聞きにならなかったですか。
○金森国会図書館長 この経緯というか、問題があるということは聞いておりました。しかし、どうして坂本が採用圏内に入って、そうして当初の希望者が排除せられたかというてんまつは、私は知らなかったのでありまして、あとでICAOの方から詳細な通知が坂本のところにきたときに、私は坂本からものの動きを聞いたのであります。そのときに私が質問したのは、坂本君が人の地位を奪うという立場で何か活動したのかということを聞いたわけです。そうしたら、それはしない。まだ申し込む余地があるかといってやったら、それはないといって断わられた。しかし一般的に履歴書を出しておけ、こういう向うの勧告であったから、一般的に履歴書を出しておいた。その事件がほぼ結末に近づいたときに、何ゆえにこういう結果になったかということを坂本に聞いたときは、そうでございました。初めは、こういう人事の錯綜があったということは、その筋道はよく知らなかったわけでございます。ほんとうに最後の段階に坂本から聞いて、つまり坂本の言によりますと、自分は申し込んでいないのだ。ただ参考のために、補充的な意味において申し込んでおいた。しかるところ、向うで採用された、こういうてんまつを私は聞いたのです。それはもうよほどおしまいのころです。
○山本(幸)小委員 うそを言っちゃだめだよ。私が電話をしたときは、きまっておらぬときだよ。この間も質問したじゃないですか。私があなたに電話で聞いたときはまだいずれとも決定して起らぬときだ。どういう聞き方をしたかというと、少くとも大使館から外務省に問い合せがあり、外務省から図書館長あてに、どういう形か知らぬけれども、問い合せがあった。そのきにあなたは杉山という者を推薦したのでしょう。
○金森国会図書館長 そうです。
○山本(幸)小委員 そういう返事を私にした。そこで、たまたま坂本かそういう仕事になれているというので、坂本を杉山の指導に当てた。当てているうちに、坂本君が自分で行きたくなって、手紙を出したのだ。その過程に電話であなたに聞いている。そのときに、あなたはそういう回答をしているじゃないですか。
○金森国会図書館長 その当時は、実はてんまつはよくわからなかったのです。事がそうきまって、向うで人をきめて通知をしてきたときに私は坂本に、どうしてこういうふうになったのか、一体図書館の知らないうちに横から申し込んだのはけしからぬじゃないかと言ったところが、彼は表面的には申し込んではいない、ただ補充として履歴書を送った、ところが、それが採用された、こういうふうであったということを申したわけでありまして、その正確な向うからの通知がきたのは、ずっとあとでございました。それまでは、何が何だか私どもよくわからなかったのです。坂本のところにきた向うからの通知を見ますと——手紙がきておったのを多分見たと思いましたが、そうすると、第一の候補者は排除せられて、坂本が採用された、こういうことです。
○山本(幸)小委員 あなたは話をとぼけないで下さい。私が問合せたときに、すでにあなたは経緯を知っておって、私に電話でちゃんと回答しているわけだ。あなたは、そういう図書館内の、早く言えば醜態に対してなぜ図書館長として適切な措置をとられないのかと私が聞いたらそういうことは、個人のことであって、なかなか私どもとしては手が出ません。ただし、その本人がもし向うへ就職した場合には、図書館をやめてくれということは言っておりますと言って、私に現に回答している。
○金森国会図書館長 その通りです。
○山本(幸)小委員 今あなたの話を聞いていると、あなたの話では、経緯は知らない。結果がきまってから坂本の報告を受けたと言われる。あなたみたいなりっぱな人が、そういうとぼけたことを言っちゃいかぬ。
○金森国会図書館長 そのときは、紛糾があるということは知っておりましたが、こちらから推薦しない者がどういうわけで向うで決定されたかという事情は、全く私どもは知らなかったわけです。
○大西小委員 それじゃ、あなたの方が正式に推薦した者に対して、同じ職員の中から、一人しか採用しない場合に、もし坂本君という人が採用されるならば、あなた方が正式に推薦した人が除外されるということは、当然わかることです。そういう紛糾があるということは、あなたは聞いていると言っている。そういうことを、そのまま黙って許しておくこと自体が問題だと思う。その点について、あなたは責任を感じませんか。
○金森国会図書館長 あのてんまつは、こちらの推薦に幾ばくの価値があるかということが問題でございまして、当初外務省から話があって、だれかを推薦してくれということで、図書館としてはこの人が適任だと思って推薦をいたしました。けれども、ICAOの方では、その推薦の道のみから採用するという責任はどうもないらしいので——国際関係でございますから、あとからこまかにわかりましたが、向うで人選の結果、そういうふうにしたと言ってきたと思います。その前の途中の経過を私どもが知る機会がなかったわけでありまして、詳細にわかったときには、前の人が落選をして、坂本君が採用されたことがわかった、こういうことでございます。
○大西小委員 あなたは、自分の機関で推薦したものを自分から権威をなくすようなことを言っている。おかしなことですよ。それほどあなた方の国会図書館の決定というものは、権威がなくてもよろしいのか。しかも、ここにいらっしゃる佐々木委員も同じで、外務委員ですが、私は外務省に、この問題は国際的に非常に紛糾しているのだといって追及している。だから、外務省からもこの問題について申し入れがあったはずだ。そういうふうに外務省からも、国会図書館でこういう横やりを入れる者を一つ押えてくれという申し入れをしているのに、あなたがそれに対して一つも適切な処置をとらない。その結果こういうことになった。悪く言えば、あなたはこういうことになることを待っておったといってもいいと思う。今の山本委員の話に対しても、あなたはきまってしまってから聞いたなんと言っておる。そんなことをおっしゃってはいけません。とっくにあなたは御承知のはずである。大いに意見任を感じてもらわなければならぬ。自分から自分の機関内の秩序をあなたは乱しているようなものである。そういうことを思いませんか。
○金森国会図書館長 それは、この推薦というものがそんなふうにえらい権威のあるものでなくて、こういう道順を通ってるのが一つの筋であるというのであって、もう一つほかの筋は、自由競争で申し込むという筋があって、二つ開かれておったと思います。私の方は、ただ外務省の依頼に応じて適当な人を推薦した、このコースまではとりましたけれども、それから先のいろいろないきさつというものは、私の方には直接、少くとも私には直接わかっていなかったのでございまして、その線で行ったところが、こういう方向に向って勝負がついたというわけでございます。
○山本(幸)小委員 私は文書を見たわけでないから、文書を見ない者が、文書の内容について固執しようとは思いませんが、確かにあなたのおっしゃるように、公式上の推薦文書でなかったかもしれぬ。しかし、かりに紹介の文書であろうと、少くとも一国の大使館を通じて、一国の外務省を通じてあなたの方にその紹介の依頼をして、それが公式上のいわゆる推薦文書であるかいなかは問わず、かりに紹介的なものであったにしても、そういう経緯をたどって、あなたの方で杉山が適任者なりと考えて、もし推薦をするならこの人がよかろうということで、それに応じたわけでしょう。それは事実でしょう。
○金森国会図書館長 その通りでございます。正式の文書で推薦いたしました。
○山本(幸)小委員 それならば、はっきりと推薦したのじゃないか。たまたま坂本君を指導に当てた。その坂本君が、どういう形か知らぬけれども、みずから選ばれるような行為をやったことは、間違いないと思う。そういう行為で、図書館の内部で紛糾しているときに、図書館人事を握っておられるあなたが、みずから図書館として、杉山君を妥当なりとして、こういう正式の形で推薦した者を、それ以外の者が志望したからといって、なぜそのときに、あなたは図書館長としての権威を示さないのか、それが私はおかしい。それは権威を示されるなり、あるいは説得するならば、話し合いがつくべき問題です。何のためにあなたはやらなかったか。だから、今言われるように、あなたは責任を感じなさい、こうみんな言っておるのです。何もそんなぜひ推薦してくれというような文書でなくても、紹介依頼の文書でもけっこうです。しかし、その文書のたどってきた経緯は、あくまでも国の機関をたどってきておるのだから、これは国の権威にかけても、そういうばかなことは許されませんよ。しかも、途中で私があなたに電話で注意を申し上げたときは、まだきまっておらぬときです。そうして、あなたに図書館長の権威を示しなさいと言って注意をした。それにもかかわらず、やらぬというようなべらぼうな話が、どこにあるのですか。
○金森国会図書館長 市川君、きまったのは、あれが済んだあとじゃ、なかったか。
○市川国会図書館参事 館長の前で会議をいたしましたときは、きまったあとです。
○山本(幸)小委員 それでは、坂本君はいつきまったのですか。
○市川国会図書館参事 正式に向うに健康診断書が参りまして、向うが身体検査で、これでよろしいといってきまりましたのは、たしか八月十日ころでございます。
○山本(幸)小委員 八月十日でも二十日でもよろしいが、私が電話したのは五月ですよ。これは特別国会のときです。かりに八月十日としても、もう三カ月もたっておる。三カ月前にやってておるのですよ。そのころは、まだきまらずに、もたもたしおるときなんです。外務委員会で問題になって、僕の耳に入ったから、なるべくそういう問題は、一つ図書館長の手でおさめさせようと思って、僕がわざわざ注意した。あなたの権威でおやりなさいと言って……。
○大西小委員 これは答弁の余地がないのです。しかし考えてみると、あなたに、その担当の部長から十分説明がなかったとも私は考える。そこで、市川さんは、私の聞いておる範囲では、むしろ坂本君を支持するかごとき態度をとって、いろいろ個人的な私信を、ICAOかあるいはカナダの大使の方へ、問い合わせの形ではあるけれども、出しておりますね。
○市川国会図書館参事 ICAOには私は一通手紙を出しました。その要点は、この問題について、杉山君という者がさきに推薦されていたはずだが、杉山君の問題はどうなったか、自分の方でわからないから、その経緯を知らしてくれ。それからカナダの大使には、私は何も私信を出しておりません。坂本君は出したかもしれませんが、私は出しておりません。 それからなお、坂本君と私との間のことを申し上げさせていただきたいと思いますが、五月にその話を聞きましたので、翌日早速当人を呼びまして、どういう経緯であったか知らぬけれども、自分が今受ける感じでは、君はユネスコに四年間行っておった、昨年八月日本に帰ってきて、一年たたないうちにまた行くということは、部として非常に困るから、今後君がまた復職させてくれといっても、復職させることはできない、前には休職という形で復職させたのであるが、復職させることはできないので、それだけの覚悟があるかどうかということを、まず一点聞きました。それから、もしこの問題について館長の決裁を受ける場合に、君の覚悟はどうかということも聞いたのであります。そういたしますと、自分は図書館をやめても行くつもりだ、こう申しました。そこで、その翌々日でございますか、館長の前で、立法考査局長、当時の山下管理部長、私と、人事の会議をいたしたのであります。と申しますのは、坂本君は私のところへは、本年一月二十七日付で参りまして、その前は立法考査局の所属であったのであります。
○大西小委員 その程度でよろしい。あなたはICAOに出したのは、いつ出したのでございますか。
○市川国会図書館参事 七月二十四日でございます。
○大西小委員 どういうことを書いてやったのですか。
○市川国会図書館参事 ただいま読み上げます。英語でございますが、要点を申し上げますと、坂本が国際機関に将来のポストを探しておった。そうしてICAOがオファーしたポストなり、それを館が受けたということを知っておる。坂本は、本年の一月二十七日以後私の部におります。ところで、この問題について、自分の方は書類をはっきりさせておく必要があるので、彼がそういうポストを望んだということを、貴機関に対して通信したところの、昨年十二月二十七日付の手紙を探しておるのだ。ところがその手紙が彼の手元にないから、坂本は、その手紙に対する機関の返事であるところの一月三日付の手紙のコッピーを与えられた。なお当館には杉山茂雄という者が、畳機関の図書館員のポストに対して申し込んでいるということであるが、杉山の申し込みはいまだに有効なのであろうか……。
○大西小委員 そこまでで一応切りますが、あなたはそれは何を言おうとしておるのですか。あなたの立場からいったら、あなたは、こういう問題については、館長並びにあなたの上司に何らの許可なしに、こういう国際的な文書の往復がやれるような慣習になっていたのですね。
○市川国会図書館参事 この手紙は、管理部長と内容を打ち合わせて、館長のお目通しをいただいて出しております。
○大西小委員 館長、知っていますか。
○金森国会図書館長 私は直接それをはっきり覚えておりませんが、多分表紙の上から見たかもしれません。相済みませんが、どうもあのてんまつは、私はいろいろな段階で知ったのであって、系統的に何月何日出したということは知っておりません。大体話は聞いておりながら、ものがどんどん進行していくというふうに、わきから見ておったような姿でございまして、こまかいことは私は知っておりません。
○山本(幸)小委員 それでは市川君に尋ねるが、僕が五月に館長に電話で、相当長い時間をかけて、こまかい点の注意をした。その後館長から、僕から電話があったことを聞きましたか。
○市川国会図書館参事 館長の秘書から、山本先生のお名前が出たかどうかは存じませんが、この問題について、国会側から館長にお問い合せかあったということは、承わりました。
○山本(幸)小委員 そうすると、外務委員会で、大西君あたりがこの問題を取り上げて、いろいろ質疑したことは御存じですか。
○市川国会図書館参事 速記録で拝見いたしました。
○山本(幸)小委員 そういう問題がすでに起きておるということを承知で、あなたはなぜそういう手続をしたのですか。
○市川国会図書館参事 手続はいたしておりません。
○山本(幸)小委員 あなたはしなくても、坂本が行くような、そういう行動を、なぜ容認したのですか。
○市川国会図書館参事 それは、当人の希望を容認したという意味でございますか。——当人に対しまして、こういう点を指摘したのであります。それは当人としては、いろいろの理由を述べました。それに対しまして、いろいろ理由の点は、議論の余地がありまた中には認むべき点もあるかもしれないが、とにかく結果から見ますと、あたかも人の見合いの嫁さんをとったような形になって、同僚としては非常におもしろくないじゃないか、従って、その点については十分な用意のある行動をしてほしい。なおそのときに、外務省の私の友人でありますが、この友人から、当人を懲戒免官にしろという話があったのであります。懲戒免官という話がありましたが、懲戒免官にするだけのことがあるかどうか、一ぺん研究しなければならぬと申しまして、館長の前での会議のときにも、その問題を出したのでありますが、当人がやめても行くという強い決心である以上、果してそこまでやっても効果があるだろうか。問題は、彼を引き下がらせるか、あるいは杉山君の立場を救うか、ないしは国際機関に迷惑を与えない形で、問題を解決するほかない。これは日本側のボロを国際機関に対して出すのはいやだから、なるべくそのボロを出したくない、そういうふうな結論になりまして、それではしばらく静観をして、当人がどういう行動に出るか、それによりまして、できるだけ全部が円満にいくように、特に国際機関に対しまして日本のボロが出ないような形で解決したい、こういうふうな結論になりました。
○山本(幸)小委員 あなたは、上司として、しかも具体的に、見合いの嫁さんを横からとったような例まで上げて、本人に注意をしたわけですね。それが、その注意を本人が聞かないで、本人が独断的な行為をとったということになれば、これは上司としての資格はないわけですね。そういうことがまずいえると思う。それから、もし上司がそういう注意をしたにもかかわらず、本人があくまでもこれを聞き入れずに、反省をしないという場合には、なぜあなたは図書館長なり自分の上司なりに相談をして、それについての処置を講じなかったのですか。
○市川国会図書館参事 ただいま申しました、そういう印象を与えたということを申して、当日人の反省を促したのであります。同時に、国際機関のICAOとの関係でありまして、ICAOのきめたことに多少非難がましくなるということは、果してどうであろうかということも考えました。私も一応外務省に籍を置いたことかございますので、そういう外国の方の評判を非常に気にいたしましたので、当人を処分することによって、あたかもICAOを批判するようなことになっては困る、その辺何か方法はないだろうかということで、非常に苦慮したのでありまして、従って、八月になりまして、当人をICAOが採るということになったときに、理由のいかんにかかわらずやめてくれということを申しまして、当人から辞表を出さしたのであります。
○山本(幸)小委員 それはちょっとおかしい。あなたは、外務省におられて、国際的な関係の微妙な点を十分注意しておられることについては、僕は敬意を表します。あなたは、国際的なそういう関係に神経を使った上で、やむを得ずそうしたとおっしゃるけれども、それでは国際的な面子さえ立てば、国内の秩序がでたらめに乱れてもいいということなんですか。私に言わせれば、なぜそういうときに処分するなりして、実はこういう経緯で、図書館はこのようにして推薦したにもかかわらず、かような結果になっておるが、図書館としては内部の秩序を保つために、どうしても本人が行くなら処分するしかありませんが、そういうことを御了承願いたいという手紙を、この相手方に出さないのですか。
○市川国会図書館参事 前に戻りますが、坂本から五月にその話を聞きましたときに、私は坂本にこういうことを申したのであります。ただいまのお話のように、この問題については杉山という者がいるので、そのために館の中の問題もあるのであるから、杉山君がどうなっておるかということを、ICAOに対して聞いてほしい……。
○大西小委員 よろしい。委員長にもお願いしますが、今の出した手紙、これを訳して資料として出してもらいたいと思います。これはもちろん精訳をお願いしたいと思います。今聞いておるだけでも、あなたの言っておることと全然違うようなことがある。あなたがICAOに手紙を出したという中には、国会図書館から正式に推薦した杉山という者があるにもかかわらず、いろいろ手続をしておる者があるがどうかということを、そのままさらけ出しておるじゃないか。だからあなたの言われることは、ここにおける弁解だと私は思う。そうなんですよ。もうあなたに聞いておるのじゃない。だからこの点については、あなたの責任は非常に重大だと私は思う。あなたの直接の部下の職員がこういう不始末をしでかしたのだから、あなたに責任がないとはいえない。私は、大いに責任を感じてもらいたいと考えておる。外務省の方から懲戒免にせよとまで、外務省はいきり立ってあなたの方に申し込んでおる。それに対して、あなたは、何とか円満に話をするとかなんとかいって、結局坂本君を向うにやらした功労者なんです。私のこの断定には誤まりがない。あなたにそう言われても、私はいろいろな人からいろいろなことを聞いておる。私は、大いにあなたに責任があると考えます。
○山本(幸)小委員 大西君、きょうはこの程度にしておこう。そこで館長にちょっと聞きたい。今私どもが聞いたようなことで、図書館内部の人事というものは、むちゃくちゃだと思います。そういう者が、依願免ということはない。非常にまぎらわしいのです。そういう者を、依願免でほうって置くということはない。こういう者は、懲戒免にする方がほんとうじゃないか、その決意だけを聞きたい。
○金森国会図書館長 そのときに内部で、一体いかに処置するかということは、非公式ではございましたが、そういう職責を担任しておる管理部内の人たちの間で話をかわしたのでございましたが、今の懲戒の規定そのままを当てはめるということは、おそらく困難ではなかろうか、こういうのがそのときの結論でございました。それではどうするかというときに、実は、腹の中では好ましくないけれども、これを法律的にきちんと処置するには少し理由が薄弱である。何ゆえにそういう結果になったのであろうかというもっと正確な理由を知りたいのでございますけれども、その理由が私どもの手には容易に入らなかったのでございます。時期は忘れましたが、先ほど申しました坂本がICAOで採用するという証明書を持ってきたときに、そのてんまつを聞いたわけでございまして、そのときに私どもはいかにも形がよく整っておった。
○山本(幸)小委員 結論を言いなさい。
○金森国会図書館長 結論というのは、坂本が向うから採用決定の書類を持ってきたときの話でございますが、そのときには、私は念のためにどういう不都合なことをやっているのであろうかということを確めるために、向うの書類をもとにして実態を聞いたわけであります。そのときに、坂本の答弁は、自分は申し込んではいない、こういうコースをとったんだということで、どうもこれはしようがないじゃないか、懲戒するには少しく事情が不十分である、だからそのままにしておこう、そういうことでわれわれは打ち切ってしまう、こういう決意をしたわけでありまして、よかれあしかれ、実際の過程は、そういうふうにして処置したわけでございます。
○大西小委員 そうすると、今も依願免にしたその措置を改める必要を認めない、こういうことですか。
○金森国会図書館長 それは今としては——その当時の処置としては依願免でやった。これは、そのときとしては妥当な手段であったと思っております。
○大西小委員 今はどうですか。
○金森国会図書館長 今は、処置した者を取り返して、もとに戻すほどの理由もないと思っております。
○大西小委員 それに対するあなたの今の責任はどうですか。
○金森国会図書館長 責任はいかようにもよそから——よそからと言ってはおかしいですが、自分で自分のことをきめますときには、外から教えを受けて自分の責任を解決したいと思いますが、実際はそのときには、ほんとうに理屈がよくつんでおって、だまされるといってはおかしいですけれども、歯が立たなかったのです。
○大西小委員 私は、ほかからどうせられてからというようなことでなしに、あなたの良心的な判断を聞きたいと言っておるのです。あのときとった依願免以外に、自分は何ともできない、しかし、気持の上では何か割り切れないものっがあるということですね。
○金森国会図書館長 そうです。
○大西小委員 しかし、私は依願免か懲戒免かという問題については、あなたにさらに御再考願いたいと思うが、私の知っている範囲では、ICAOの採用した職員は、六カ月間は正式の採用にはならぬのです。それは、いろいろこういうふうなことがこれまでにもあったのです。だから、試験期間と申しますか、猶予期間と申しますか、六カ月門は正式の採用にならぬのですよ。これは御存じですか。
○金森国会図書館長 聞いております。
○大西小委員 知っているでしょう。そうしますと、この坂本君の場合、懲戒免にはできなかったけれども、今考えてみれば、なるほどどうも道義的にも、日本の代表として——政府の代表ではありませんけれども、実質上の日本の代表として、これは適任者でないというあなたの判断が成り立つならば、あえて懲戒免はやらなくても、この試験期間の間に、これが正式に採用されるまでに、何らかの打つ手もないことはない。その辺のお考えも、私は今こうしてあなたにお伺いして、足りないところがあったと思われるならば、まだ打つ手は十分あるのですから、この点についてのお考えはどうですか。
○金森国会図書館長 そこまでは考えておりませんでしたが、実際のところ、この任用の経過の中におきましては、幾つもの好ましくない論点がございまして、それをあわせて考えて、この辺のところでおさめておくのが妥当ではないかと思っているのでございます。それ以上追求いたしましても、証拠資料なんかを集めることが困難でございまして……。
○大西小委員 それでは、あなたは、この坂本君の今後のICAOにおける行動に対して、全面的な責任が負えますか。あえて法的に犯罪を犯したとかいうことでなくても、少くとも個人的な素行の問題においても、あるいは勤務においても、あなた方は十分この期待に沿い得る者だという保証ができますか。
○金森国会図書館長 私は、それについて責任を負うつもりはございません。彼ら相互——申し込む者と受け入れる者との間のいわば相互の判断であって、坂本君が任用せられる全体の経過の中におきましては、私どもは一つも加工をしておらないわけであります。ですから、われわれは第三者として縁を切ったというだけであって、あとの紛糾については、当事者みずから解決すべきものだと思っております。
○大西小委員 そうではないのですよ。あなたの機関で正式に決定した者と競争の形で個人的に申し出た者を、そのまま認めているということは、これは、あなた方が一種の個人的な支持を与えているということになりますよ。そのときに、この機関の決定において推薦した者が是なりとすれば、当然それを引っ込めるいろいろな手段を講ぜられたはずです。そういう努力をやられる機会があったのに、それをやらないで、今向うに採用さしてしまった。しかも、今は六カ月間の猶予期間がある。この間に最善を尽すことができる。それもやる気はない。それでは、全くあなたは何の責任も感じてないということになる。責任を感じている、相済みませんと申されましとも、今の結論を聞きますと、やってしまったことは仕方がない、ICAOと本人との個人的契約だから、私には責任は負えない、これでは、あなたは国会図書館運営の責任者としての責任を完全に欠いていると私は思う。このことは、今後坂本君のICAOでの勤務いかんというよりも、これの採用に至るまでの経過において、業務部長はボロを出さないようにと言っているが、出しているのですよ。何回外務省から公式の文書を出したかわからぬ、これは完全にボロを出している。ただ一部の人が、そういう結びつきでこういう不名誉な運びになっているだけです。私は、あなた方がそういう気持で反省されるならば、今からでも懲戒免ができないことはないと思う。さらに、この猶予期間の間に、これを呼び戻すための意見を述べることもできるのですよ。その方が、よほど私は日本の立場というものを明らかにするゆえんだと思います。答弁は求めません。
○金森国会図書館長 そういう事情でございまして、答弁はいたしません。
○下平小委員 館長さんに少しお伺いしたいのでありますが、この図書館問題が具体的な委員会の正規の会議に上る前に、私どもといたしましても、館長さんが十有余年にわたって館の運営に努力をされて一生懸命やってこられているんだから、館長さんには会議録に載せないで非公式にいろいろな御意見を伺おう、こういうわけで先日おいでを願っていろいろ御意見を伺ったわけです。そのときのあなたの御意見では、図書館の運営に関して、特に春秋会その他いろいろのこともあるけれども、動機は図書館の運営がなるべくうまくいくようにという善意から出ているんだ、しかし金銭の問題もあるから、それには注意をしているが、断じて不正はない、また不正があるとするならば、私は断じて責任をとります、こう明言をされたわけです。これは速記録にとっておりませんからなんでありますが、私ども特に館長さんの今までの立場等を考慮して、速記録にもとらなかったわけなんです。その後に、私どもの委員会においていろいろ調査をした結果、まだ途中でありますが、春秋会の問題等についても、明らかに不正だと、いう事実が発見をされたわけなんです。こういう事実等について現在の館長の心境といいますか、考え方をちょっと聞きたいと思うのです。新聞等には、あなたの写真入りで談話等も出ております。不正はなかったんだ、あるいはある新聞によって、あれは国会議員がおせっかいにやったんだ、国会議員というものは妙なものだというあなたの談話も載っておりますが、新聞談話は、新聞記者の感想もありましょう、だから私ども、新聞に載った意見が必ずしも館長の意見とは考えておりません。そこで、正規な委員会にきょうはおいでを願って、これらの一連の事件が起ってきた今日のあなたの心境を明確に聞かしていただきたいと思う。あなたの答弁を聞いておりますと、お年寄りで、私年が違うせいか、どうも感じがぴんとこないのです。まさか意識的にやっているとは思いませんけれども、端的に決意を聞かしていただきたいと思うのです。私どもは、あなたの御決断意を聞いて、これからのこの委員会の運営、あるいはまたこの事件の処理方針等についても、あなたの御意見によっては、少し重大な決意もしなければならぬと考えておりますので、はっきりした決意、心境を聞かしていただきたいと思います。
○金森国会図書館長 私が、今おっしゃったようなことをこの前の速記のない委員会で言ったには相違ございません。ただ、そのときに——にちょっと言葉というものは妙な限定がございますが、私は、春秋会に関しましては、こまかいことまでは知らないけれども、全体についてはもとより自分で責任をとると、こういうことは申しました。春秋会以外の問題につきましては、実はよく知らない点がございまして、そこまでカバーした意味で御答弁をしたかどうか、今確かめる由もございませんが、しかし大体のものとしては、私の責任の範囲内において行われたことについては、もとより責任をとるつもりでございます。 それから新聞に出ました若干の意見は、どうも向うと話をしている間に向うがほどよく扱うのでございますから、書いたことがそっくりの私の意見と同じであるということは言いにくいのでございまして、問題が起りますれば、さらにその内容に入って、向うの言ったこととこっちの思うことが一致する範囲において、責任を負いたいと思っております。 繰り返して申しますと、春秋会に関しましては、不正がないということは、人生のことだから断言できませんが、あれば私も責任をとるということは、はっきりしていることでございます。
○下平小委員 簡単に言いますから、簡単にお答えを願いたいと思いますが、春秋会に不正はないのですか。
○金森国会図書館長 春秋会と申しますか、春秋会の歳入、歳出の経過におきましては、私は信頼しております。不正はないと信じております。
○下平小委員 館長さんがそういう御意見だと、私ども少し開き直って、最悪の場合には、刑事事件、あるいは会計検査院の正式な監査要求もやらなければならぬ。不正がないと言いますけれども、それでは、こんなことは言いたくないと思いますけれども、どうなんですか、寄付金の問題をこの間調査してみたら、あなたは十万円出していますね。実際は出していないじゃないですか。
○金森国会図書館長 文書として正式の申し込みをしております。現実には、私は出しておりません。あのときには、私ども実際のやり方というものを知らないものですから、もとより文書を出して寄付を申し込んだ、これは確かでございます。寄付をするつもりでおったということも確かでございます。ただ、その事務そのものの扱いを実際上どういうふうににするかということは、詳しく知っていなかったわけでありまして、あの程度の答弁を申し上げたわけであります。
○下平小委員 あなた個人もそうなんですか。
○松澤小委員長 館長、あなたのおっしゃっていることは、頭から不正がないとはっきり否定をしておりますが、手続きにおいても、一切がっさいない、こういうことを言っておられるのか、金銭的に自分なりあるいは館内の者が私腹を肥やすようなことはしておらぬという意味で、不正がない、こう言っておられるのか。この間のあなたの部下の山下君たちのお話を聞くと、今あなたも容認されておりますが、りっぱに二百万円の基本金で、春秋会を財団法人に作った。そのときは、自分も十万円出したし、副館長も出したはずだ。その他業者の方々にもまた応援を願って、計二百万円出したんだ。ところが、現実は出していない。これは、自分の私腹は肥やさなくても少くとも財団法人である限りは、都なり何なりに、ちゃんと文書を作って、出しましたということを、出してあるはずです。ところが現実において、自分のふところから出してないというようなことがあるのであって、これまで不正じゃないんだ、りっぱなことなんだ、しかも法的にちゃんと準拠しておるんだという意味を含めてお話になっているのか。この辺は私率直に申し上げますが、必ずしも本委員会は、何もかにも予算委員会のような立場をとってやっていこうとしているわけではないのですから、悪い点は悪いという意味でお話を願った方が私たちとしては処理が非常にしやすいと思います。私は一切を含めてありませんというようなことだけで言われますとどうしても進んだ道として、別なところに引き込まざるを得なくなってくるので、その点お含みを願って回答していただきたいと思います。
○金森国会図書館長 こういう複雑といいますが、内外両面と申しますか、登記所に届けを出す場合と、内部で処理する場合と、どうしてもそこに手続上の食い違いといいますか、矛盾が起ってくるわけでありまして、私どもの外に対する関係においては、違法はなかったということを申しました。しかしなかの事物を処理いたしますときに、簡便法をとるということはあって、それから何かの紛糾が起るということも可能だろうと思います。あの場合には、かりに前の春秋会の資金を寄付行為者に一応金の段階で分けて、その受け取った人が自分の考えで、これを法人春秋会の基本金にするという形をとりますれば、大体杉は整うものじゃないかと思っておりますけれども、何しろ簡便な手続で、いわば振替のような支払いをして、ほかの資金とほかの人手で払った。これは事実でございまして、その善悪は自分の判断でいきませんので、人に批判してもらうというよりほかに、実際は複雑でわかりにくいのでございます。私がやったことについては、責任を負うのは当然でございまして、これから起る紛糾については、私の知識の欠乏等にかかわらず、それで救われるわけではございませんから、責任を負うつもりであります。こういう意味で申し上げておるのであります。
○松澤小委員長 館長、私は委員長として、あまり発言をしないで、なるべくほかの方の発言を求めていきたいと思うんだけれども、正直に申し上げて、できるだけ本日中でこういうような問題もおよその結論をつけていきたいという気持でかかっていることは、おそらくあなたも御承知だろうと思う。しかし、あなたのお話を聞いていると、結論をつけられないような段階にあなたが持っていこうとしておられる。たとえば今のお話のように、簡便法をとっている。そうして前に余った金をみんなに返して、自分もとって、それを出資金として出したんだ、こういうふうな解釈かできるんだが、あなた、その金をもしも出資金に使わなかったならば、もらい得るんですか、どうなんです。そんなむずかしい話じゃないのですよ。あなたのような学者で、すべての常識の発達しておられる方が、今のような言を吐かれることは、回答せんがための回答のために、つい口から出た話だと了承したいのですが、もしもそうであるとすると、おかしなことになってくる。前に金が余った、それももうけた金なり、寄付金なりを集めておいて、館長の立場において、余ったからこれをみんなに分けてやる、ついでに自分ももらうんだ、副館長ももらうんだ、それを出資金にしたんだ、こういうお話ですが、もしも出資金に使わないで、自分のふところに入ってしまうものとしたならば、どうです。そういうふうでなく、事務手続なりあるいは簡便法もけっこうだが、あのやり方、方法はいいことじゃなかったと思います。と言った方が、あなたのためにもなるし、別にあなたが使ったとか、だれが使ったということまで言っていないのです。国会内のことであって、できるだけ党派を超越して、今後館の運営をなお一そうよからしめるというだけでこれからお話をしていこうといっている段階で、あなたのその弁解はけっこうだけれども、程度を越してくると、これを正式にしなくちゃならぬというふうなことになってくる。そうすると、私は、今後の国会運営の立場からいきましても、館の運営からいっても、決してよくならぬというふうな気持から、今こまでもしてきたし、今後もそのつもりでいたんだけれども今のあなたのそういうお話を聞くと、それに沿わなくなってきたから、その点も含めて御回答を願いたい。これ以上おっしゃられれば、こちらにおまかせするだけであって、ちょっと正直に言い過ぎるかもしれぬけれども、委員の諸君の御了承を願って……。
○金森国会図書館長 それは仮説の答弁をしたわけでございまして、事実その場合においては、そういう形をとるということは申しません。あれは、きっと管理者というか、現金を扱っている者が、いろいろな工夫をして、まずこれが一番簡便であろう、全体の趣旨にも合する、こう思ってやったものだろうと思っておりまして、これを今さら取り消すことも何もできませんから、それを事実として認めつつ、もしもそれから起る責任があるならば、私がもとより負わざるを得ない、こういうことを申し上げたわけでございます。
○下平小委員 どうも頭が悪いせいか、館長の言うことはちっともわからないし、僕の言う焦点に合っていないように思っているのですが、私が端的に聞いているのは、そうやったことがいいと思っているか、悪いと思っているか、不正だと思っているか、不正でないと思っているか、これだけでいいんです。今も委員長が言ったのですが、僕も当初に館の方々にも申し上げておいたし、あなたにも申し上げておいたけれども、何も館をごちゃごちゃにして、責任者を出そうとか、罪人を出そうという気持は、毛頭持っていないのです。それは何とか館をよくしようという気持で私どもやっているのですから、委員長とも相談して、できればきょうくらいで図書館の問題は大体ケリをつけて、何とか図書館の職員が明朗にやっていける、あるいはまた立て直しもできるというめどをつけてしまおうというつもりでいたわけです。しかし、それには、今までこれだけ取り上げてきた立場上、いいか悪いかくらいのめどははっきりつけておかないと、うやむやになってしまうから、きょうはめどだけはつけようという気持できたわけです。実は、今秘書に持ってこさせたのだか、昨晩もまた投書が来ている。この投書は相当重要な投書でありますので、これもまた取り上げなければならぬ。私の手元には、調査したいという事件が、まだ七件もあるわけです。しかし、それも、委員長とも相談して、大体この程度でおさめて、館の再建にぼつぼつ向う時期でないか、特に館内の職員の動向等も、職員組合の運中にも来ていただいて聞いてみると、この問題ができたことによって、館の精神的な動揺は非常に大きい。あるいはまた、具体的な問題としても、三千四年度の予算編成の問題、どうして三十四年度は館の運営をしていくかというような、ほんとうに大事な問題も、今日まだ手がつかないような状況になっている。そういう状況なら、白黒、いい悪いの、責任がどうこうということは別にして、ある程度のめどだけはつけて、そうして新しい建設に向かおう、率直に言って、こういう考え方を私どもは持っている。そういうことで、最後のけじめとしての御意見を簡単にお伺いしてやっていこうと思ったのですが、便宜措置とか何とか措置でどうのこうのと言われますと、私ども国会議員として、ただおもしろ半分に取り上げたわけではない、一つの国会の図書館運営を仰せつかっている図書館小委員として取り上げたわけですから、うやむやで、それは便宜措置だなんと言って葬られたのでは、私ども黙っておられません。それならそれで、私どもの所信の通り、最終的な監査要求もいたします。刑事事件としても、私どもできるだけのことをして、はっきりめどをつけなければならぬということになる。その点は、委員長も申した通り、十分勘案して、御答弁をしていただきたい。
○金森国会図書館長 私もいろいろとはっきりしないことを実は申し上げましたが、こういうふうにやったのだから、その責任を回避するという考えは、私にはございません。しかし、こういう、見かけは簡単でも、二つの角度を持っており、複雑な問題でございますので、これを法律的に勘案するということは、実はなかななか容易なことではない。多少大胆にやったのでありまして、あとで何かつじつまが合わないことが起りましたことは、もう明白で、もう少し注意周到でなかったというこことは、遺憾であったと考えております。
○下平小委員 金森さんといえば、日本でも相当有名な方でもあり、人格者でもあるのですが、私ども常識的に考えてみて、自分の金を出さないのに、おれが金を出したのだということは、いいことでないと考える。そうむずかしい法律論でなくて、あなたは現実に金を出さなかったのでしょう。ところが、監督官庁には、金森徳次郎が十万円出しました、有斐閣の御主人は三十万円出しました、そういうことを出している。実際には一銭も出していないてしょう。そういうことがいいか悪いかという、これは簡単なことです。三つ子の常識でも、幼稚園の子供に聞いても、そういうことはいけないと言うにきまっている。動機の善悪は別問題です。しかし、これは明らかに間違ったことであるというくらいは、わかりませんか。
○金森国会図書館長 その点、やり方がまずかったということは、今非難を受けてもしょうがないと考えております。やったことは事実ですから、それをつべこべと別な言葉に移そうとは思いません。けれども、まずいことをやった、こういうことは……。
○枝吉国会図書館参事 出過ぎたことで非常に申しわけございませんが、この十月初めから、館長も、副館長をなくされ、国会会でもこの問題についていろいろ論議がかわされまして、非常に疲れておられるように思いますので、どうぞその辺、よろしく御寛容を願いたいと思います。
○松澤小委員長 なお質疑がございますれば——それでは本件につきましては、本日までの審議の経過にかんがみまして、当小委員会として結論を出し、なおこれを議院運営委員会に報告いたしたいと思いますので、この際お諮りいたします。 本件につきましては、御承知の通り、去る十月二日以来、数回にわたりまして会議を開き、金森図書館長その他関係職員の出席を求め、慎重に審議し、検討を加えて参ったのであります。しこうして、国立国会図書館におきましては、その外郭団体として、春秋会、図書館運動場維持後援会、専門図書館協議会、国際資料協会、国会資料協会等、数種に及ぶ団体を設置してきたのでありますが、御承知の通り、その外郭団体の設置手続等において不正のものがあり、また図書館において管理している国有財産をみだりにこれら外郭団体に使用させ、その使用料、手数料等を不当にこれらの団体において徴収し、かつその経理面においても適正を欠き、あるいは脱税等の事実があるなど、図書館の運営につき、まことによろしきを得ざるものがあり、不正不当のそしりを免れない事実のあることが、明らかにされたのであります。つきましては、右の審議の経過にかんがみまして、当小委員会としては、図書館の使命達成と、国民の疑惑を一掃するために、情において忍びがたいものがありますが、次のように処置すべきものと決定し、これを本小委員会の決議とし、将来禍根を残さないようにしたいと存じます。 国立国会図書館の運営に関する件 一、人事の全面的刷新を図ること。 1 現在、責任ある地位にある者は同一的役職に留任することのないようにすること。 2 行政能力の優秀な職員を配置し運営に万全を期すること。 3 六十才以上の職員及び兼務者の取扱について考慮すること。 二、機構を検討し、その改革を実施すること。 三、財団法人春秋会会及び図書館運動場維持後援会を解散すること。 1 その残務整理に当っては適法且つ妥当な措置を講ずること。 2 従来これらの団体が取扱っていたサービス業務は、機構改革において考究すること。 四、専門図書館協議会、国際資料協会及び国会資料協会等と図書館との関連性については適法且つ妥当なるよう十分留意してこれを明確ならしめること。 五、図書館内における売店その他のサービス機関の設置については、十分検討し、慎重を期すること。 以上の通り決議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松澤小委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。 なお、ただいま申し述べました小委員会の審議の経過並びに結果につきましては、これを議院運営委員会に報告し、その了承を得ることにいたしたいと思います。その報告につきましては、小委員長の私に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松澤小委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。
○佐々木(盛)小委員 ただいま委員長のお読み上げになりました人事刷新の項目に関して、一言私は補足して委員としての意見を述べたいと思います。 ややともすると、こういう人事の刷新におきましては、結局、悪いことをした者がそのまま居すわってしまって、不正でなかった人間が首になるといったようなことが往々にしてある。従って、今度の人事の刷新に当りましては、この図書館小委員会におきまして、各種の疑惑の対象となった者、及びその当時その責任の地位にあった者、あるいは国会職員として好ましくない行為を行なったと見られる者、こういう人々は、何らかの形において適当な責任をとるという措置をとられんことを、特に付加しておいていただきたいと思います。私の希望として、そのことを申し上げておきます。
○飯塚小委員 ちょっと確かめておきたいのですが、委員長は、今の外郭団体の整理等に関してただいまの決議を実行する場合に、これを実行しましたという結果だけの報告を受けて、それで満足するのか、それとも、その整理等の進行過程において、報告を受けるとか、あるいは相談を受けるとかいうことは、全然ないのですか。
○松澤小委員長 お答えいたします。委員長といたしましては、本委員会は、議院運営委員会の一小委員会でもあり、かつまた、議院運営委員会は、御承知のように議長補佐の任に当っております。従いまして、本件は、議院運営委員会に報告を申し上げると同時に、議長に対する進言ということにも相なると思います。従って、議長にこの点を申し上げれば、議長の方ですべて決定するという権限になって参りますが、今までの慣例からいたしますれば、ある程度の相談は受けられるものと思いますし、その節には、皆様にも御相談を申し上げたい、かように考えております。
○下平小委員 先ほど私申し上げました通り、この問題が出て、館の運営、活動に対して、大なり小なり相当の影響を与えていると思うのです。特に三十四年度の予算編成の作業が進んでいないということも聞いておりますが、大へん重大なことだと思います。そこで、これらの決議の諸条項というものは、なるべく早期に、私の希望を言うならば、主要な問題点については、少くとも本臨時国会の終了までに、基本的な改善の方針を立てられるような措置を強力に講じていただきたい。この希望を申し上げまして、決議に賛成をいたしたいと思います。
○松澤小委員長 了承いたしました。 なお、ただいまの決議に際しまして、私が一部外部にも連絡をとりました件を申し添えておきたいと思いますのは、館長もその通りであるし、あるいはまた館の連中もみな同じように考えておると思いますが、こういう外郭団体を作るという理由は、国家的な予算が少いためである、こういうようなこともあります。従いまして、その可否は別にいたしましても、館に運動場というようなものがあって、どうしてもその維持管理に金がかかる。ところが、運動場をただで貸すというわけにもいかないし、館が直接やるということになって参りましても、使用料というものは徴収するが、しかし、これは全部国庫に一たん納入されますので、館の運動場の運営にはすぐ使えないということになって、運動場がさびれてきたり、あるいは非常に金がかかるという場面になってくることが多いので、大蔵省の方に、山中政務次官を通じまして、私の方から、運動場のようなものに対しては、前年度の徴収金額のおよそのところを、翌年度の予算要求をした場合において、十分にこれを見ていただいて、支障のないようにしていただきたいということを強く要請いたしております。あるいはまた、春秋会のような、パンフレットを発行して、金は徴収するが、徴収したものはすぐ国庫に納入する、それだけで済ましてしまったのでは、今後館の運営ができない、あるいはPR運動ができないということになってもいけないので、それらの徴収した金がどのくらいあるか、その前年度の実績を見て、翌年度は予算要求に従って金を出すというふうな方向を考えろ、了承した、こういうふうに話し合っていることをも、あわせて申し上げておきます。 図書館の方々も、われわれの委員会は、単に図書館委員会でなくて、図書館運営の委員会であるために、いかによく今後とも図書館の使命達成のためにわれわれが協力できるかという立場においてやっていることを、十分に御理解をしていただきたい。ただし、国民から疑惑を受けた場合においては、これを一掃するというふうに努めることも、またわれわれの任務であることを御承知願い、あしきはあしき、よきはよきというところをわれわれは含んで検討していることを、十分に館長以下御理解を賜わっておいていただきたい。そうして今後の運営には、どうか万遺憾のないようにしていただくように、委員長からくれぐれも申し上げておきたい、かように存じます。 本日はこれにて本委員会を散会いたします 午後二時四十六分散会