科学技術振興対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/29
会議録
○小金委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。まず、科学技術庁関係予算、すなわち、科学技術庁で計画しておられる事項の説明を聴取することといたします。原田官房正長。
○原田(久)政府委員 それでは、お許しを得まして昭和三十四年度予算概算要求につきまして御説明をさせていただきます。御承知のように、三十四年度予算概算要求につきましては、去る八月末に科学技術庁案を作成いたしまして、大蔵当局に概算要求書を提出してございます。その予算案につきましては、目下当局と折衝中でございまして、政府案として確定したものでございませんので、その点御了承の上、御調査をお願いいたしたいと思います。 まず、お手元に差し上げました資料に基きまして御説明を申し上げます。昭和三十四年度重点施策概算要求総表というのがございますから、それについて御説明さしていただきますが、その前に、この予算の重点を御説明さしていただきます。 重点といたしましては、四点掲げてございまして、第一には、本第三十回臨時国会において御審議を願っております科学技術会議設置法案が成立することを期待いたしまして、三十四年度におきましては、この科学技術会議の活発な運営をはかるということとともに、内外科学技術及び資源の調査活動を強化して、長期的、総合的な科学技術振興計画を樹立するという点を重点に置いております。 第二点といたしましては、この計画に即しまして、科学技術行政の総合調整、総合的重要研究の促進等をはかるとともに、付属試験研究機関、理化学研究所、日本科学技術情報センター等の整備充実、海外との科学技術交流の活発化、科学技術功労者の顕彰等を行い、もって科学技術水準の向上をはかることを第二の重点としております。 第三の重点といたしましては、原子力平和利用の展開をはかるため、日本原子力研究所及び原子燃料公社の整備並びに国、民間試験研究の促進を行うとともに、原子力平和利用に関する国際協力を強化し、一方、核燃料の確保に努めるとともに、特に放射線障害防止に万全を期することを掲げております。 第四に、上記諸施策の推進に最も適するよう科学技術庁の組織を改正し、科学審議官及び科学調査官の制度の強化、整備をはかるとともに、現在の企画調整局及び調査普及局を再編成して、調査計画局及び調整振興局を新設し、また原子力局を外局たる原子力庁に昇格させること。 以上の四点であります。この要求額は、それぞれ別表に示す通りであります。 なお、当庁の予算と直接関係しておりませんが、当庁は、関係行政機関の科学技術に関する予算の見積り方針の調整を行う権限がございますので、その権限に基きまして大蔵省へ意見を述べることになっておりますが、その関連におきまして、研究公務員の処遇の改善等を要求することを考えております。 以上が科学技術庁の昭和三十四年度予算概算要求における重点でございますが、詳細にわたりまして、総表の順に従って御説明をさしていただきます。 まず、一般の部といたしまして御説明いたしますが、科学技術振興長期計画の策定といたしまして、三十四年度には二百五十二万四千円を要求いたしております。その細目といたしましては、本年すでに科学技術振興長期計画の準備を進めておりますが、昭和三十四年度には農林、鉱工葉、運輸、通信、衛生等の部門にわたりまして、細部な裏づけ作業を進めていきたいというのが、その内容になっております。 第二の、内外科学技術の調査活動強化といたしましては、千五百八十六万円を要求しております。これは、一般的な科学技術の動向、産業界の技術活動、研究管理、技術普及活動等、四項目の調査を主体として参りたいと思っております。 三番目の科学技術会議の活発な運営といたしましては、千二百五十六万四千円を要求しております。内容といたしまして、特に特徴ある点といたしましては、議員と随行一名を加えまして、三カ月ほどの間欧米諸外国を視察して、科学技術全般につきましての先進諸国の状況を調査してくるというような費用、及び専門委員百十名ほどの増員を考えておりますが、四つの部門を設けまして審議を進めていく経費を含めております。四つの部門といたしましてただいま想定しておりますのは、基本政策に関する部会、それから、長期総合計画に関する部会、重要研究促進に関する部会並びに日本学術会議との連絡に関する部会を設けたいと思っております。 第四番目は、総合的重要研究の促進でございますが、十億円ほど要求しております。内容につきましては、御質問によって関係局長から御説明させていただきますが、考え方といたしましては、科学技術会議が発足いたしまして長期総合計画などが策定され、重要研究テーマが決定して参りますと、それに即応いたしました費用を用意しておくという考え方になっております。 第五番目は、試験研究の整備充実でございますが、当庁といたしましては三研究機関がございます。そのうち、航空技術研究所につきましては、現金といたしまして二十四億七千七十一万円、債務負担行為として十六億四千七百三十五万円を要求いたしたいと考えております。仕事の内容といたしましては、遷音速風洞の完成と研究用建物の整備等を内容としております。人員といたしましては、百四十六名の増員を内容に含んでおります。次に、金属材料技術研究所の予算でございますが、現金予算としては十一億八千三百十七万余円、債務負担行為として三億二千八百万円でございます。内容といたしましては、基本的研究設備の整備、それから分析、溶接関係の建物の整備、及び人員といたしましては百五十七名の増加を内容といたしております。三番目の放射線医学総合研究所につきましては、原子力の部で説明させていただきますので省略させていただきます。 次に、六番目の理化学研究所の充実でございますが、御承知のように、理化学研究所は最近発足いたしまして、来年はその第二年目に当るわけでございまして、要求金額としては八億五千万円を要求しております。内容といたしましては、一般研究が五億円、新技術開発が二億五千万円、土地建物の購入、これは年賦で購入する予定でございますが、その一億円を含めております。 次に、七番目の日本科学技術情報センターの整備でありますが、一億三千万円を要求しております。内訳といたしましては、出資金六千万円、補助金七千万円でございまして、人員といたしましては、三十名増加をしたいという内容になっております。 次に、八番目の海外との科学技術交流活発化でありますが、予算要求といたしましては一億二千六百十二万一千円で、その内訳として、科学技術アタッシェを海外に置きたいという内容になっております。それで、二番目の国際会議出席及び海外調査団派遣といたしまして七百三十三万三千円を要求しております。国際会議、海外調査の内訳は、備考に書いてあります通りでありますが、中身といたしましては、エカフェ関係が三名、研究管理関係一件、資源保全と利用関係一件、金属材料研究会議二件、それから、灌漑排水関係一件、情報関係一件、そういう内容の国際会議に出席する内容を持っております。第三番目の科学技術者の渡航でございますが、要求額としては九千八百七十七万五千円でございます。内容としましては長期留学生が四十名、短期留学生が十八名、国連関係百十二名等がございます。 次に、九番目の科学技術功労者の顕彰でございますが、金額としましては三百三十一万九千円を要求しております。これは、長官賞として一人十万円程度の賞金を三十人ほどに出したいという内容でございます。 十番目の資源調査活動の強化でございますが、その内訳の、まず第一の資源総合的利用方策の調査といたしまして三千九百七十八万三千円を要求しております。これは、本年から始まりました総合的利用方策の第二年目に当るわけでございます。それから、二番目の海外資源の調査といたしましては千三百七十四万五千円を要求しております。内容といたしましては、欧州、アメリカ、東商アジア地域との技術者の交流というようなこと、及び情報の交換を内容としております。三番目の水質汚濁の調査は、八千九十五万五千円を要求しております。これは、東京地区三水系、地方十水系の水質調査を行う予定で、資源科学研究所という財団法人の研究機関がございますが、そこに委託をして調査をさせたいという内容でございます。その他庁費、人件費等ございますが、説明を省略させていただきます。 以上、一般の部の合計を申し上げますと、六十一億九千八百八十八万七千円の現金と、十九億七千五百三十五万円の債務負担行為になっております。昭和三十三年度に比べますと、それぞれ第三段にありますような増加でございます。 次に、原子力の部の御説明を申し上げます。 日本原子力研究所の整備費といたしまして六十七億四千万円の現金と、七億四百万円の債務負担行為を要求しております。内訳といたしましては、国産一号炉及び試験動力炉の整備に要する経費、人員といたしましては四百十一名の増員計画を内容に含めてございます。 二番目の原子燃料公社の事業強化でございますが、要求額としましては十五億三千三百四十三万六千円で、現金だけの要求でございます。内容としましては採鉱の強化、それから製練施設の整備、人員といたしましては百六十人を増員したいという内容になっております。 次に、原子力平和利用研究の推進といたしまして、その内訳から参りますが、国立機関試験研究の促進費といたしましては七億六千八百三十一万四千円を要求しております。内容といたしまして、一般研究が三億三千万円、それから地質調査関係が九千万円、アイソトープ利用関係が三億五千万円という内訳になっております。それから、二番目の民間試験研究の助成関係でございますが、七億八千五百万円を要求しております。内訳は、委託調査費が四億一千五百万円、補助金が三億七千万円で、内容としましては重水、ウラン濃縮、それから核融合、原子力船その他が入っております。 次に、四番目の核燃料対策の促進でありますが、内訳としては、核原料の探鉱奨励金三千万円、これは例年の通りで、変りはございません。次に二番目の特殊核物質特別会計新設、これは、新しくこういう特別会計を設けまして、外国から購入します特殊核物質の金銭上の出入りにつきまして、特別な予算のワクを設けたいという内容でございます。詳細につきましては原子力局長から御説明があると思います。金額といたしましては、九千五百四十七万七千円を要求しております。 次に、五番目の原子力平和利用国際協力強化費といたしまして、国際会議の出席費とか、国際原子力機関との協力費などを含めまして九千八百八十九万三千円を要求しております。 次に、放射線障害防止措置の強化でございますが、その内訳は、放射能測定調査研究費として八千三百二十五万八千円を要求しております。これは、委託調査費、調査研究費などに分れておりまして、十四の都道府県衛生試験所などに委託することになっております。次に、二番目の放射線医学総合研究所でございますが、現金要求といたしまして八億九千七百五十二万七千円、債務負担行為として一億四千三百五十六万四千円でございます。その研究所は、ただいま建設途上でございまして、来春には大部分の建物ができると思いますが、さらに、昭和三十四年度には病棟などをいろいろ整備していくということ及び研究機器の整備を内容として、こういう予算が組まれております。なお、人員といたしまして百六十七名の増員を要求しております。三番目の放射性廃棄物処理対策でございますが、これは、だんだん放射性物質が各方面で利用されるようになると、廃棄物が出て参ります。それを集中的に処理する機関を設けたいという費用であります。金額では九千三百三十九万九千円を要求しております。これは補助金として、こういう金を出したいという内容であります。 以上、おもだったところを御説明いたしましたが、原子力の部の合計は、現金の方が百十三億一千五十四万五千円、債務負担行為の方が八億四千七百五十六万四千円でございます。 科学技術庁関係の予算の総額を申しますと、合計額として、現金が百七十五億九百四十三万二千円、債務負担行為が二十八億二千二百九十二万四千円に相なっております。現金の部につきましては、七十六億四千百八十三万五千円が昭和三十三年度より増加になっております。ただし、債務負担行為の方は、二十二億七千七百四十八万六千円の減になっております。こういうような要求をただいま大蔵当局に向って要求し、折衝の過程にあります。 大へん長い時間かかりましたが、三十四年度予算概算要求の御説明を終らしていただきます。
○小金委員長 以上で予算の説明の大要は終りました。この際、補足説明がございますか。——それでは、この際別段補足説明を、要求しないで、質疑の通告がありますから、これを許します。岡良一君。
○岡委員 今御説明を聞いたばかりのことで、思いつきの質疑ということになろうかと思いますが、まず、先般いわゆるたな上げ資金として、科学技術振興のために二十億要請されておるわけでありますけれども、その取扱いは、来年度においてどういう方針になっておりましょうか。
○鈴江政府委員 たな上げ資金につきましては、まだ大蔵当局におきましてもその取扱いが決定していないのでございますが、たな上げ資金を使えるという情勢になりますれば、私どもの方といたしましては、本予算との関係もございますので、不足する分は、本予算の方において要求をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。繰り返して申しますが、ただいまのところ、たな上げ資金を使うということについて財政当局の方がまだきまっておりませんから、私どもの方の予算の要求はしていないような状況でございます。
○岡委員 このたな上げ資金は、やはり科学技術庁の方で、こういうものに使いたいというような予算要求はできない性質になっておるのですか。
○鈴江政府委員 私どもは、差し迫りましてどうしてもこういった金がほしいというような段階には、現在のところないわけでございます。私の方といたしましては、科学技術会議がすでに発足いたしておりますれば、その会議の結論によって、こういった予算がほしいというようなことが出るかと思うのでありますが、現在そういう段階でございませんので、一応一般予算といたしまして、ただいま官房長からも御説明申し上げましたようなことで要求しておるわけでございます。しかし、来年度に至りましてそういった科学技術会会議の発足を見ますれば、おそらく早急に解決すべき研究題目というものも決定いたしますし、また、それによって予算の不足を生ずるということもあるかと思いますので、その段階におきましては予算を要求いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○岡委員 新聞の伝えるところによると、たとえば、文部省側の意見として、この資金を、いわば基金として、そして年利約一億二千万円程度を運転資金に使いながら、科学技術の基礎研究分野にこれを活用したい、こういう意向が実は新聞に出ておるわけであります。こういう形で、わずか二十億の金が、科学技術庁なり、科学技術会議なり、また、文部省というようなことで、非常に非効率的な運営がなされるのでは、私どもまことに遺憾なのでありますが、その点、それは一部の風聞にすぎないのであって、科学技術会議が発足したときに、科学技術会議が必要と思われる予算についてこの資金が活用される、こういうものであり、また、そういう方針として進められるものと了解していいですか。
○鈴江政府委員 最初の文部省の関係でございますが、今お話のございましたのは、日本学術振興財団に対しまする出炭資金のことだろうと思います。これに関しましては、文部省におきましても来年度一般予算に要求いたしておる次第でございまして、このたな上げ資金ということを目途にはしていない状況でございます。 それで、今度たな上げ資金の使い方につきましては、大蔵当局は、現在のところ必ずしも科学技術庁の意見によってこれを使うということではございませんが、科学技術会議が発足いたしますれば、その中に大蔵大臣も議員として加わっておりますので、その間にたな上げ資金を要求いたし、また、その話し合いがつくものと考えておる次第でございます。
○岡委員 それから科学技術振興長期計画の策定でございます。これはこの委員会でもしばしば主張されておったことですが、要するに、科学技術というものは、いわば自然界の諸原則を探求して、これを人間の生活なり国家の産業に役立てる投資である、こういう概念でこの科学技術振興の資金というものを考えるべきではないか。そうなってくると、科学技術振興の長期計画というものと、いわゆる経済建設計画というものは、うらはらの関係に当然あるべきではないかと考えるわけなんです。そこで、科学技術振興長期計画というようなものは、企画庁あたりが取り扱っている経済計画というものと不可分な関係において策定をされるものかどうか、そういう関係の方面との協議の上に策定されるものなのか、ただ科学技術庁は科学技術庁で策定されるものか、その点をお尋ねいたしたい。
○鈴江政府委員 お話の通りでございまして、私どもも、科学技術振興計画の策定につきましては、経済企画庁と緊密に連絡をとって進めつつある状況でございます。ただいま私どもの作業いたしております長期計画につきましては、安芸科学審議官が委員長になって作業を進めているわけでございますが、その考え方の概略を申しますと、現在の経済計画というものは、このままの姿では頭を打ってくるのではないか、そういう点は、たとえば、エネルギーの面におきましても、あるいは鉄鋼の面におきましても、輸送の面におきましても、同じ量をふやすだけにおきましては、おそらく経済計画は頭打ちが起きるのではないだろうか、それを解決いたしますのは科学技術の進展にあるのではないか、従いまして、どういった点においてこの経済企画庁のやっております経済計画というものが円滑にいくかどうか、こういう点は頭打ちになるおそれかあるのではないかというような点を検討いたしまして、これを解決いたします方策としての科学技術の向上、それをやりますために、どういった研究をやらなければならぬかという点の問題を次に探し出しまして、その研究を促進するためにどういう手を打つかということを考えておるのが科学技術計画の骨子でございます。従いまして、私ども、経済計画とは非常な密接な関連を持ってやっていきたいというふうに考えておる次第であります。
○岡委員 科学技術会議の活発な運営とは、一体具体的にどういうことなんでしょうか。
○原田(久)政府委員 表現が「活発な運営」となっておりますので、いささか唐突な感じを受けられたかと思いますが、別に他意あるわけではございません。科学技術会議は本国会でただいま御審議中でございますので、参議院の御審議を終って成立いたしますれば、十一月半ば以降には発足の機会を迎えるということになりますが、本年度は年度の途中であり、なお、議員の任命その他のいろいろな手続などもありまして、今年度内に十分な活動はまだ期待できないのではないかというふうな予測を立てております。しかし、昭和三十四年度には、ともかく年度当初から活動ができますので、相当な期待をわれわれは寄せております。この科学技術会議においては、ただいま岡委員から御指摘のありましたような科学技術振興の長期計画というような問題につきましても御審議をお願いし、また、重要研究課題の選定などにつきましても御審議をいただくということに相なると予定しております。従いまして、そうなりますれば、相当な費用も必要になるだろうという観点から予算を組んであるものでございます。大体そういうことでございます。
○鈴江政府委員 今、官房長から御説明がありました通りでありますけれども、予算的内容といたしますと、先ほど官房長から申し上げましたように、議員に海外情勢を把握していただきますための予算も含まれて起りますし、それからもう一つは、従来、科学技術会議につきましての専門委員の数が、大体四十名程度ということでございますが、専門分野が非常に広くなってくるだろうし、いろいろ内容が複雑になって参ると思いますので、それに必要な専門委員の人数は、相当大幅に増員を要求してございます。大体百二、三十名程度の方が専門委員になられるものとして、委員手当の増額が含まれております。
○岡委員 数字の問題で文学的な表現があったので、ちょっと聞いたのです。 それから、理化学研究所の充実というのは、特に新しく土地を物色しておるような御説明がありましたが、この点、もう少し具体的なお話を伺いたい。
○鈴江政府委員 実は理化学研究所の土地建物につきましては、御承知かと思いますけれども、現在借地でございまして、昔の理研が分割いたしました片方の科研化学という株式会社がございますが、これは債務と同時に、土地建物を譲り受けておるわけでございます。現在の理研は、それから借り受けておるわけでありますので、いずれにいたしましても、所内で建物を作ったり、作業場を作るということにつきましても、一々了解を得なければ作れないという状態で、非常に不便を来たしております。それで何とかこの土地とか建物を自分のものにしたいというふうに考えておる次第でございます。来年度に起きましては、とりあえずこれを買い取る費用として一億円の予算がこの中に含まれておるわけでございます。ただいま新理事長とも話し合っておるのでございますが、現在の理研のところの土地建物を買い戻しまして、さらに建設を進めた方がいいのか、あるいは別途に適当な国有地等を払い下げてもらいまして、そこに新しく作った方がいいかということは、非常に根本的な問題でございますが、そういったような考え方もあるわけでございます。適当な土地がなければ問題でございますが、ただいまのところ、赤羽とか十条の方に国有地がございます。また、そのうちの一部分を宇宙線研究室に貸してもらっておりますが、そういうところもどうだろうかという検討を加えております。ただいまは、必ずどこに移すというところまでいっておらないわけでございます。追って、そういうところは、新理事長も就任間もないので、よく相談いたしまして、具体案を作りたいと考えております。
○岡委員 理化学研究所は私ども非常に期待もしておるし、また、当然もっともっと拡大強化されなければならないものだと思うわけですが、それにつけても、現在の土地建物では、なかなかわれわれの期待に沿い得ない。これはもう少し将来の発展を見越して、思い切った予算を組んで、発足すべきだと思うわけです。理化学研究所の使命、特に日本の研究がこれを媒介として、あるいは工業化なり応用化に向う大事な関節ですから、一つこの点、よほど力こぶを入れていただきたいと思っております。 さっそくですが、大臣が見えられましたので伺います。この理化学研究所に対して来年度大蔵省にと要求の予算は八億五千万円ということになっておるのでありますが、御存じのように、古くは、理研といえば若い科学者のあこがれの的であった。これが敗戦後のいろいろな事情によって非常にゆがめられて参りましたが、どうやらまた息を吹き返しまして、ほんのわずかな十二億ばかりの金で、昨年から特殊法人という形で国が積極的にバック・アップすることになった。日本の科学者の成果は、決して世界にそう劣っているものじゃない。ものによっては非常にすぐれたものもある。だから、これが単なる研究のための研究に終らないで、やはり、これが日本の産業のために、工業化なり応用化なりの形の方にぐんぐん進んでいって、そうして日本の自主的な技術開発をはかっていくための重要な関節の役目をするわけであります。こういう予算では、なかなかこの目的にはほど遠いのではないかと思いまするが、この理化学研究所の育成についての大臣の御所懐を承わりたい。
○三木国務大臣 岡さんの御指摘のように、理研は輝かしい歴史を持っておるわけであります。それが、いろいろな経営上の制約もあったりしまして、必ずしもその名誉ある伝統を引き継いで今日にきたとは言えないのであります。今後やはりこれに力を入れて、日本の総合的な、基礎的な研究のセンターにする、しかも、今お話の中にありましたように、ただ研究のための研究というのでなくして、開発に結びついた日本の科学技術のセンターとして育て上げていきたい、そういうことで、今回機構も変ったわけでありますから、陣容を一新して、予算の上については必ずしも満足でございませんが、こういうものは、一日にして科学技術の理想的な機構を整備するということはできるものでもないわけでありますから、今後相当な期間をかけて、これを日本の科学技術のセンダーとして育て上げていきたい非常な熱意は持っておるわけでございます。
○岡委員 現在の理化学研究所の土地建物を買い上げるという御意見もあったのでございますが、将来の発展を見越すならば、雄大な構想のもとに、もっと広いところで便利な地域を選んで、そうして将来の発展を見越した構想の上にこの理化学研究所に対する予算を能率的に、効果的に運営していただきたい、こう思うわけです。 それから、原子力研究所の運営なんですが、一々申しませんけれども、いろいろ新聞などで批判を見るわけです。どうも日本原子力研究所の運営について、もう少し気をつけていただかなければならないものがあるんではないかと思うのですが、一体、どこにそういう欠陥があるのか、どういうところにこの欠陥があっていろいろな取りざたが流れるのか、そういう御反省が原子力局の方にあったら、率直にお伺いしたい。
○三木国務大臣 岡委員も御承知のように、原子力の研究開発というものが、きわめて短時間の間に急激な形で行われて参りましたために、原子力研究所も建設の途上にあるわけであります。その間御指摘のような遺憾な点もあったと思います。しかし、その後われわれの方としても、原子力研究所に対して監査と申しますか、こういう点も強化して、今日においては、そういう過去において遺憾があったと思われるような点も相当に是正されて参ったと思いますが、これは原子力研究所というような公的な性格、しかも、国費を使うわけでありますから、今後ともこの運営については十分の注意を払って参りたいと考えております。
○岡委員 日本原子力研究所の予算を、研究所で研究等に当られておる人たちで割ると、一人当り相当な予算になるわけであります。日本の研究費としては、おそらく最高の水準にあると思います。それでいながら、この研究所の諸君は、研究者としてのまじめな気持から、ほんとうに満足をして働いていないのではないか。冗談のような話でありますが、今研究所の組合では、退職金の問題を取り上げております。そうしたら、二十年勤めたら最高の退職金をくれという意見が出ないで、五年目の退職金を一番よけいにくれという意見が出ておる、こういうことを冗談話に組合の諸君は話しておる。なぜかといったら、五年ぐらいで足を洗いたい、こういうようなことを言っている者が組合の中に多数いるのです。科学の研究者というものは、処遇の問題よりも、やはりほんとうに打ち込んで研究のできるいろいろな意味でのそういう環境というものを求めておるのです。原子力研究所は発足早々でもあるかもしれないが、口の悪い者は、原子炉建設所だと言っておる。原子炉だけでなしに、何かそこに総合的な新しい原子力物理学というものを基礎的に研究するための体系、あるいは計画的にみんなが打ち込んで働いていけるような仕組みが、どうもまだできておらないといううらみを、そういうようないろいろの事例から私は感ずるのです。この点は、ここに働いておる現場の諸君の意見もゆっくり聞いて、そして、みんなが打ち込んで働けるような環境を与えてやっていただきたいと思いますので、この際、ぜひともこの点を考えてもらいたい。 それから、民間試験研究の助成について委託費、補助金等が七億八千万円ここに出ておるわけですが、ここも、私は一つ問題点があろうかと思うのです。問題は、御存じのように、まじめな講座をかかえておる大学の研究です。ところが大学の研究というのは、やはり教授のための研究ということで、そこに大きな予算的な制約があるし、人事的な制約があって、ある水準以上伸び得ない。しかし、なかなか優秀な研究を発表しておるところもあれば、意欲のあるところもある。文部省とすれば、教授のための研究だから、そう不均衡な予算の割当配分はできないということで、一講座当り、本年度どうやら増額されたとしても、二十万円以下ということになる。教授が十分に研究のために使い得るものは、原子力物理学方面で十七万円程度です。だから、民間の試験研究にも助成は必要でしょうが、原子力研究所の持っている予算を、何かのトンネルを作って、そういう優秀な大学の研究に補助するとか、助成するという道がないものだろうか。原子力予算は、大学の分は除くということに法律上はなっておるが、法律を変えなくても、何か流してやるというような道が——私は、かつてそういうことをやったこともあると思うのだが、そういう道はないものだろうか。これだけの予算の中で、ある部分を大学の研究のためにさいてやるということになると、非常に研究の成果が上るのではないかと思うし、大学の諸君も、やはりそういうことを希望しておるように私は聞いておる。何か工夫がないものかと思うが、ないでしょうか。
○佐々木政府委員 事務的なお話でございますから、私から申し上げます。ただいま岡先生からお話がありましたように、大学の予算でありますが、御承知のように、文部省予算に関しましては、原子力予算の中からは出せないと申しますか、範囲外になっておりまして、その建前からいたしますと、直接には出せないようなことになっておりますけれども、現実の問題といたしまして、それでは全然道がないかと申しますと、非常にむずかしいのでありますけれども、大学に対してという意味ではなくて、特定の教授個人に対しまして研究を委託するという道は必ずしもふさがれておりませんので、二、三原子力関係でも例がございます。
○岡委員 それから、放射性廃棄物処理対策に、新しい予算が九千万円か計上されておりますが、これは、具体的にどういうことをするのですか。
○佐々木政府委員 これは、アイソトープの障害防止に関します法律が施行になりまして、現実に施行に入ったわけでございますが、いろいろ内情を調べてみますと、従来アイソトープを使いましたときに出ます、たとえば動物の死体とか、あるいはよこれた衣服とかいったようなものの始末が、必ずしも十分にできておらないということが非常にはっきり出て参りまして、これはやはり個人々々と申しますか、企業体そのものにまかすのじゃなくて、国自体が一括してこれを集めまして、そうして廃棄処分に付した方が、安全から見まして非常によろしいのじゃなかろうかというふうな議論が学界方面からも強く要望され、私どももその必要性を非常に強く認識いたしました結果、来年度予算に九千万円を計上いたしまして、そうして、そういう汚物の一手収集と申しますか、並びにその焼却場所と申しますか、施設等を作りまして、その障害防止の万全を期したいという意味でございます。
○岡委員 それから、特殊核物質特別会計について、もう少し具体的に御説明を願いたい。
○佐々木政府委員 これは米国から、御承知のように研究協定でもって濃縮ウランを入手しておりますが、今後さらに一般協定の批准が済みますと、引き続いて各種の試験炉あるいは動力試験炉等に必要な濃縮ウランを入手するわけであります。しかし、これは政府にのみしか売りません。所有権は最後まで政府が保持いたしまして、そうして、それぞれの機関に貸与するというような格好になります。ところが国の予算は、御承知のように歳入、歳出というふうに分れておりまして、民間で買う燃料に関しましても、濃縮ウランである限りは、全部一般会計に盛って入手せなければならぬ。しかも、入ってくる賃借料と申しますか、賃貸料と申しますか、こういうものは歳入の方になるということで、非常に実際の運営から申しますと妙なことになる。むしろこれは一本にした方が——歳入歳出は必ず見合う性質のものでありますから、独立会計として盛っていった方が事務の性質上いいのじゃないかという点が一つと、それからもう一つは、賃借と申しましても、非常にやっかいでありまして、加工の問題、あるいは契約の問題、あるいは使用済みの燃料の処分と申しますか、これをアメリカへ送り返したり、それからまた、プルトニウムができたら、そのプルトニウムをこちらに返してもらったり、非常にやっかいな手続がございまして、事務量も相当ふえます。そこで、むしろこういう問題は切り離して、独立会計、特別会計として、一般会計から独立してやった方が事柄の性質上いいのじゃなかろうかという観点から、来年度はぜひ一つ特別会計を作りたいというので、予算も盛り、法律の準備もただいま進めておる次第でございます。
○岡委員 電子工学の発展のための予算は、ここにはどの程度あるのですか。
○鈴江政府委員 電子工学につきましては、二十八回国会において認められました電子技術審議会の活動のために要する予算も現在のところございますが、なお、来年度は電子技術関係の審議官を設けたいということで、その方の予算も要求しております。ただ、直接当庁が電子技術の研究所を持っておりませんし、また補助金を出すというようなことは現在考えておりません。と申しますのは、電子技術に関しましては、御承知のように、通産省なり、運輸省なり、あるいは郵政省なり、そういったところでそれぞれ研究機関を持ち、かつまた、必要な助成を行なっておりますので、当庁といたしましては、それらの各省の施策の総合調整を行いまして、国として一貫した方針のもとに、それぞれの省がその実施に当るというような体制をとりつつあるわけでございます。来年度も、そういう方向で予算を組んでおる次第でございます。
○松前委員 関連して……。私は、原子力の研究と電子工学の研究とが車の両輪のようになって、新しい科学技術の進展が行われつつあるのが世界の現状であると思うのです。科学技術庁の設立の当初、計画されました趣旨というものは、少くとも、新しい現代科学文化を担当しているところの原子力と、そうして電子科学との発展、これが一つの目標でなければならなかったと思うのです。しかるに、今岡委員の質問に対しまして、電子技術に関しては審議会だけをお持ちになって、全然具体的な予算をお持ちにならない、こういうところに、私は科学技術庁の非常な跛行性を見るのであります。われわれは、昨年来何とかして、科学技術庁のもとに原子力研究所とともに特殊法人であるところの電子工学研究所を付置して、これに相当な予算を出して、思い切った研究体制を整えなければ、オートメーションその他によって今開発されつつありまする新しい技術に対処して日本の産業を興すことでもできない、こういうふうに考えておったのでありますが、この点に対しては、今お話があったように、少くとも通産省との間に相当な摩擦が起ったことは、私ども自体が直面したところであります。これに対しまして、われわれとしては、通産大臣と科学技術庁長官とがお話し合いになりまして、何とかその間の円滑な話し合いの上に、基礎的な研究だけは——通産省は基礎よりも、むしろアプリケーション、応用の方面に力を注ぐのが建前でありますから、その基礎的な研究、エレクトロニックの技術のベースになるところだけは、少くとも科学技術庁の傘下の研究所がこれを行う、こういうことを一日も早くおきめになる必要があるのじゃないかと痛感しておるのであります。高碕通産大臣も、この点は、エレクトロニック協議会の会長として考えておられた。エレクトロニック協議会の中において、私どもは、科学技術庁のもとに基礎的な電子工学研究所を作るべしと主張したのでありますが、通産省の反対によって昨年は実現しなかった。ここにもこれが出ていないという状態でありまして、この点は非常に重要な問題であると私は思うのであります。幸いにして、エレクトロニック協議会において立案された電子工学研究所は、科学技術庁と関連性を持ってでき上ったものでございますし、しかも、その会長をしておった高碕さんが通産大臣をやっておられるこのときでありますから、三木国務大臣は、ぜひ一つ高碕通産大臣と話し合いをされて、補正予算でもよろしゅうございますから、一つ早急に決定して、この問題を具体化していただきたい。少くともこの際、あなたの時代に芽ばえを作っていただきたいと私は考えるのでありますが、御意見を承わりたいと思います。
○三木国務大臣 お話の趣旨に沿うて検討いたしてみたいと思います。
○岡委員 核融合反能についての予算はどういうことになっておりますか。
○佐々木政府委員 核融合の予算は、昭和三十二年度、去年でありますが、去年は文部省関係で五百万円しかついておりません。これは大阪大学であります。三十三年になりまして、原子力予算といたしましては五千三百万円、文部省予算といたしましては千八百九十万円、約千九百万円でございます。従いまして、両方合せますと、大体七千万円程度本年度、予算がついております。来年度はどうかと申しますと、原子力予算といたしましては約一億九千万円要求しております。文部関係では一億三千万円要求しておりまして、合せて大体三億の予算になっております。
○岡委員 もっといろいろ内容をお聞きしないと私どもも意見が出ないのですが、特に三木国務大臣に要求をしておきたいと思います。先ほども申しましたが、科学技術の振興ということの予算が、一体どういうペースのものであるかという概念規定か非常にあやふやであると思うのです。だから、当てもなく、高いロイアリティを払って外国のものを輸入する。これがこの四年間に四十億から七十億、百十億、本年度は百五十億というような実情にある。ところが、さっき申しましたように、理化学研究所などがほんとうに整備されて活動を開始すれば、こういうものがある程度制限される。そういう意味でも、理化学研究所の予算をぜひお願いしたいのであります。それと同時に、第一項にある科学技術振興長期計画をぜひ策定していただきたい。科学技術振興の予算というものは、結局自然界の真理を、国民の生活なり国の産業に役立たしめるための投資でありますが、この投資という観念が私は足りないのではないかと思うのです。そうなれば、やはりあなたの御所管の企画庁でお立てになった経済計画とうらはらの形で、どこに頭打ちの問題があるか、それをどういう形で探求し、解決するか、そのために技術要員はどれだけ要るか、そして経済のテンポと研究の段階はどう積み重ねて年次的に進めていくべきであるかというような、経済建設計画と科学技術の人と資金の関係そのものとがぴったり合った形における科学的な経済建設計画をぜひ立案する必要がある。今日の段階では、もう他国はどんどんやっていると思うので、日本も科学技術の振興即経済建設というような、ぴったり歩調の合った計画をお立て願いたい。 私の質問はこれで終ります。
○小金委員長 松前委員。
○松前委員 理化学研究所の問題で先ほど岡さんに御答弁がありましたが、事務当局のお話では、どうもまだ考慮が足りないのではないかと思いますので、一言意見を申し上げて、大臣にお骨折りを願いたいことがあるのです。 それは、理化学研究所の中に何とか会社があって、そこを買収する費用であるというような、非常に消極的なお話でした。しかし、せっかく新陣容をもって、新しい使命を帯びて出発します理化学研究所でありますから、先ほど岡委員から申し上げたように、もう少し思い切った計画の上に、今日そのいしずえを据える必要がある、こう私は思うのです。それについての具体的な案でありますが、あまり予算の要らない案を一つ提案してみたいと思います。 それは、最近駐留軍がどんどん撤退して、方々がだいぶあいております。しかも、大きなビルディングや、あるいはまた場所があいておる。しかも、その中には相当な研究にも使えるような施設が、完備はしておりませんが、相当ある、こういうところがたくさんあります。具体的に申し上げれば、麻布の元三連隊の跡もあいておりまするし、それからまた、座間の士官学校の跡もあいております。これは膨大なものです。しかも、施設は相当にあるんです。でありまするから、あんな町の中のがちゃがちゃしたところで研究をするよりも、むしろああいう研究者の宿舎も整っているようなところを、思い切って一括して大蔵省から保管転換をして、そうして、これによって一つ将来の研究の拡張に備えていく、こういうふうなやり方があり得ると思うのでありまして、現在の理化学研究所なんて、あの辺はだいぶ値段も高いですから、あれはむしろ売り払って、思い切って一ついしずえを据えるのがいいんじゃないか、こういうふうな感じを持って、座間の士官学校の跡なんか見るたびに、日本の科学技術研究のセンターにしたらいいなと思いながら、私はあの横を通っておったのであります。この辺は政治力をもって解決しなければ、なかなか解決をしないと思うのでありますが、幸いにして三木国務大臣という有力な方を迎えたのでありますから、一つその点御奮闘願えますかどうか、御意見その他伺いたいと思います。
○三木国務大臣 将来の発展ということから考えて、一つのお考えとして拝聴いたしておきます。いろいろ検討して、将来の科学技術研究のセンターとしては、もう少し、やはりスケールの大きい考えを持たなければならぬでしょう。貴重な御意見として承わっておきます。
○小金委員長 ほかに御質疑はございませんか。——ないようでありますから、次に進めます。 —————————————
○小金委員長 原子力行政に関する件について質疑の通告がありますので、これを許します。岡崎英城君。
○岡崎委員 原子力基本法が昭和三十年にできまして、これを根幹として、国家が、日本における原子力の利用、開発の大いなる振興をはかろうとしておることは、非常に同慶にたえないところでありますが、それに伴いまして、ただいまのところ、日本における原子炉の設置は、東海村の国立原子炉のほかに民間の設置はないようでございます。実際各所において原子炉設置の申請が相当出ておるように聞いておりますが、どのくらい出ておるか、一つお伺いしたいと思います。
○三木国務大臣 現在のところは、東海大学から申請が出ておるのが一つであります。ほかにもいろいろ出るだろうけれども、そういううわさはありましても、正式な申請は東海大学だけであります。
○岡崎委員 その場合、いろいろな規則また規定が、原子力基本法以下の請法令できまっております。これらの諸法令を読んでみますとき、最後の許可の責任の官庁または機関はどこであるか、一つお示し願いたいと思います。
○三木国務大臣 内閣総理大臣であります。
○岡崎委員 原子力委員会というのがあるようでございますが、原子力委員会はどういう役割を果すものですか。
○三木国務大臣 これは、こういう順序になるわけであります。申請が出ます。その原子炉は非常に小規模なものでありましょう。学校の研究用というものは、ごく小規模なもので、東海大学も十ワットというのですから、この電気の何分の一の小さなものです。しかし、それにしても、そのもの自体が技術的に安全かどうかということの、まず技術的な検討をする。そのために原子力委員会の中に原子炉安全審査専門部会というものがある。これで技術的な検討をやって——それは、もちろん技術的なことでありますから、小委員会などを置いてやる。その上で安全審査の部会の総会にかけて、原子力委員会として検討を加え、総理大臣がその意見を尊重してきめる。こういう順序になっておるわけであります。
○岡崎委員 核原料物質、核原料物質及び原子炉の規制に関する法律第二十四条に、原子炉の設置を許可する場合の基準が四項目にわたってきめてあるようであります。その具体的にきめてある中に、技術的能力ということを一つの標準にしてありますが、技術的能力というのは、どういう点でございましょうか。
○佐々木政府委員 法律的な事項のようでございますから、私から答弁させていただきます。 第三号に、お説のように「設置するために必要な技術的能力及び経理的基礎があり、かつ、原子炉の運転を適確に遂行するに足りる技術的能力」と、二つ技術的能力がございまして、設置する際に必要な技術的能力と、運転に際しまして必要な技術的能力と、二つの条件を満たすことを法律では要求してございます。この技術的能力と申しますのは主として運転する、あるいはこれを監査監督する等に必要な人的要素と申しますか、そういうものが主体というふうにお考えいただいてけっこうじゃなかろうかと考えております。
○岡崎委員 経理的基礎ということはどういう点ですか。
○佐々木政府委員 経理的基礎と申しますのは、炉の設置に要する費用のみではないのでありまして、自後これを運転するための費用、あるいは将来——これも近い将来と思いますが、必要になると思われる保険問題等に関する経理的な基礎というふうにお考えいただきたいと思います。
○岡崎委員 次の四号の中に「核燃料物質によって汚染された物又は原子炉による災害の防止上支障がないもの」であるかどうかを審査してきめるようになっていますが、こういう標準の基本的方針はどういうことであるのか。
○佐々木政府委員 四号にあります「位置」と申しますのは、立地問題でございますが、原子炉の構造、設備その他が含まれております。これが一体どういうふうな立地条件が必要であるか、あるいはその炉に関する諸施設、あるいは建物等にどういうふうな事項が要求されるか等に関しましては、一般的な基準と申しますか、考え方はございますけれども、最終的には、原子炉そのものの性質によりましていろいろ違うわけでございますので、もちろん一般的な方式も考えられるのでありますが、ただいまのところでは、主としてケース・バイ・ケースと申しますか、その炉の性質に応じて、立地状況あるいは設備、構造等が災害防止上支障があるかどうかというような観点から考えております。
○岡崎委員 ただいまの大臣以下の御答弁によりまして、大体許可の責任者がどういうところにあるか、また、許可に対する基本の標準というようなものについての大まかな点はよくわかりましたが、現在、先ほど大臣がおっしゃったように、申請をしておるのは東海大学だけということでございます。実は私は、もっとたくさん出ておるものだと思っておったのですが、この東海大学だけが出て、これが許可になるかならないかということが、将来の原子力利用に対して大きな影響があると思います。これについて、当局は深甚なる御考慮を払って御研究になっておることと思うのでありますが、ただいまのところ、東海大学を中心としての住民の中に、相当にこの問題について不安な空気が漂っておりまして、一千数百名の署名をした請願を私がお取り次ぎをいたしましたし、その後、各代議士の方々もその請願をお出しになって御紹介しておられるような事情でございます。また、最近には東海大学原子炉設置反対期成同盟というようなものができまして、十三ヵ町、約四万人の人々がそれに一応の同意をして、東海大学の原子炉の設置反対運動をやっておるのであります。また、渋谷区議会、東京都議会等においても相当に論議をしておりますが、その論議のいろいろな要点を見て参りますると、日本に原子炉が置かれ、それで日本の科学が大いに発達するということについてはみんな非常に期待をしておるようでございます。ただ、現在の技術的能力という点について、非常に今不安に感じておるような点がございますので、ただいま申請されたおりまする東海大学の原子炉設置出願の技術的能力という点については、原子力委員会においてはどういうふうにお考えになっておるか。
○佐々木政府委員 先ほど大臣からもお話がありましたように、四つの許可条件がありまして、その四つの条件を満たしておれば、法はこれを許可しなければならぬというふうに規定してございます。そこで、その中で先ほど御質問がありましたように、安全の問題、これが一番基本問題でございますので、安全の面に関しまして、ただいま原子力委員会に原子炉安全審査部会というものを設けまして、斯界の大家の方たちにお集まりいただいて、真剣に検討を続けておるわけでございます。その検討が済みまして、原子力委員会に答申がございました際に、今度は人的な要素あるいは経済的な基礎の問題等を原子力委員会といたしまして検討する段階に入るわけでございますが、ただいまのところは、まず、一番問題になります安全性に関しまして初め検討していただいて、そして、今後答申がありました際、それに引き続いてそれ以外の問題の検討に移りたいというふうに考えております。
○岡崎委員 ただいまのところは、安全ということについての御研究をしておられまして、技術上の能力というような点については、まだ御審査になっておらない事情でございますか。
○佐々木政府委員 その通りでございます。
○岡崎委員 また、いろいろ東海大学原子炉設置反対期成同盟の人たちが心配しておりまする項目の中に、経済的基礎ということが盛んに問題にされて心配されておるようでありますが、それは、やはり原子力委員会で御審査になるのですか。
○佐々木政府委員 もちろん、原子力委員会がこの問題に関しまして、内閣総理大臣の許可に際しまして意見を述べることになっておりますので、この条項にあります四つの問題に関しましては、委員会として検討する義務を持っておりますので、この点は十分検討されるものと考えております。
○岡崎委員 ただいまの御答弁によりまして、大体役所の方として御検討になります要点というものが、やはり、この反対期成同盟の人々が心配している要点を十分御審査になるようでありますが、現在のところ、住民の方々が非常に心配しておられるのは、いろいろ東海大学等においての御説明をいただきましても、一般の人々が、技術上の点についてどれだけ東海大学に御能力があるだろうかという点について、非常に危惧の念を持っておられます。それからまた、原子炉というようなものは非常に大きな経済力がなければならない、そして非常な費用がかかるものであるというような観点からいたしまして、国の事業というようなものにするか、さもなければ、非常に大きな資力を土台としてこれを設置して経営していかなければならないと思われるのに、東海大学は、松前先生が学長でおられますが、最近学長に御就任になったばかりでございますし、また、付近の住民の人から言わせますと、あそこは元中学校のあった跡でありますから、大学としての観念に薄い、また、いろいろな点について心配のあまり審査、調査等もした結果、どうも大学といわれても、まだ日の浅い大学であるし、経済的、技術的に非常に不安であるというような点が幾多あるようでございます。そしてまた、外国その他の例についてもいろいろ調査したりなんかいたしてみますと、この技術的の問題、経済的の問題、また立地条件の問題等については、アメリカあたりでも深甚な注意を払ってこれを扱っておるように思いますので、この東海大学の許可等についても、諸外国の諸法令またはいろいろな制限等もよく当局が勘案されまして、また、この住民の人々が安全性の点について非常に心配しておる、ことに技術上、経済上の点について心配しておるという点を一つよく御考慮いただきまして、お取扱いをしていただきたい。また住民の人々は、ここには許可していただかないで、どこか、こういう人家稠密の地でないところに許可していただきたい、東海大学に許可していただくかどうかということは別として、この土地では困る、不安であるという実情のありますことをよく考慮せられまして、お取扱いを願いたいと思う次第でございます。大臣の御所見をお伺いいたします。
○三木国務大臣 現在、原子力の平和利用ということが第三次産業革命とまでいわれ、将来も、やはり、原子力の開発というものは大きな日本の課題になるわけであります。そうなって参りますと、やはり日本としても、立ちおくれておったのでありますから、大学等においてこういう原子力に対する研究をするという態勢は、今後進めていかなければならぬと思うのであります。しかし、これは何分にも初めてであります。御承知のように、各地で今試験済みのものじゃない、どこにもかしこにもというわけじゃない、今申請が出ているのは東海大学が初めてであります。従って、この法律において条件として付されてある点、今御指摘のような、いわゆる技術的な面、経理的な面、あるいはまた安全性の問題、汚物の処理能力、こういう問題については、これは今後東海大学の基準が例になるわけでありますから、この問題は、慎重に基準に照らして検討をいたすか、住民の方々にも、学校にそういう原子炉を設置することそれ自体がいかぬという考え方は是正してもらわなければ困る。これは、やはり将来そういう方向になるものであります。しかし、そういう住民の方々に非常に広範な不安があるという事実も、これは政治としては無視することのできない大きな問題でございますから、法律の規定に従って、住民の不安を解消するに足るだけの、やはり慎重な検討を加えなければ許可を与えない考えでございます。
○岡崎委員 ただいまの三木大臣の御答弁によりまして、非常に慎重な態度をもってこの問題をお取り扱いになることは十分わかりましたが、私は、先ほどいろいろ御質問申し上げたうちで、一つ欠けておった点がございますので、念のために、もう一ぺん当局にお願いをいたしたいのです。 ただいまの大臣のお言葉の中にもございましたが、あの富ヶ谷の土地の排水状態というものが非常に悪い。ことに、この原子炉のあとの汚物の処理という問題については、どんな規定にも明確にうたっておるという点でございますので、この点について、とうてい東海大学を中心とする富ヶ谷は不適当ではないかというような声が非常に住民の中に多いわけでございます。実際、東海大学から出る汚物だけでない、その付近全体がそうかもしれませんが、今は、大学の汚物処理で非常に迷惑をしておるというような声まで起っておる状態でございますので、一つ技術的の問題、汚物処理の問題、また経済的の問題その他の点について、もし御許可になるようなことがございましたならば、もう十分に住民の方々が納得するようにしてやっていただきたい。これが、ひいては将来原子炉を、日本の方々に御許可になりますときの先例になると思いますので、その点を十分御要望いたしまして、できるならば、一つああいうような人口稠密の地ではなく、やはり万人が納得するような環境の地に御許可になることが至当ではないかという声が、非常に東京都民の中には多いということを一つ御考慮願いたいと思います。 以上を申し上げまして、私の質問を終ります。
○帆足委員 ただいまの岡崎君からの御要望に関連いたしまして、一、二のことを御要望いたしたいと思います。 先ほどの三木大臣のお話のように、今日の時代は、原子力のあけぼのともいうべき時代でございます。私どもといたしましては、今日の時代が原子力のあけぼの、人類の平和のあけぼのともいうべき時代で、保守、革新あまりあせらずに、もう少し時間を待っておれば、世界の流れの方向は大体見当もつくし、それから平和の方向に、明るい方向に——小さなあらしはありましても、大局からは明るい方向に向うものであると私どもは見ておるのでございます。従いまして、この原子力の取扱い、または原子力に関する科学実験、産業等の前進につきましては、党派心を離れて、慎重にして、しかも合理的な対策が必要であると思っております。私どもといたしましては、まず、今日ただいますぐ当面の段階におきましては、原子力の大じかけな実験を南太平洋あたりでやって、気流の関係や雨の関係で不測の災いがあっちこっちに生じておる、こういう無責任なやり方は困る。原子力の進歩、それから、合理的な実験には賛成であるけれども、人類の遺伝因子にまで影響を及ぼし、食糧にまで影響を及ぼすような水爆実験は困る。これは、国会でも本会議で承認されたことです。それから第二には、軍事利用は困る。第三には、原子炉等を入れまして、今後仕事を進めていく上におきまして、放射能の被害に対しては十分なる予防措置を講ぜねばならぬ。このことで、きょうの資料にもあります放射線医学総合研究所もできまして、成果があがりつつありますことに大いに賛意を表するものでございますが、しかし、それにもかかわらず、同時に原子力の研究、原子力に関する学術の向上、教育の振興等は必要であると考えている次第でございます。こういう観点から見まして、今日のミサイルと原子力の時代に、たとえば、今外務委員会において安保条約の問題が論議されておりますが、私は、今原子力と結んでおりますミサイルや原子力潜水艦、原子力航空母艦等の諸問題が、極東並びにわが祖国の国土における安全保障の問題に連関して、十分に外務大臣なりアメリカと折衝している政府当局の頭脳に入っていないのじゃないか。たとえば、グラマンかロッキードかの論争は、私は、むしろちょんまげの大小を争っているような論争ではあるまいかというような気がいたすのでございます。原子力を中心とした世界の流れの早さと、日本と今新しい同盟を再検討しようとしているアメリカとの立地条件の諸関係、原子兵器並びにミサイルの諸問題などを考えますならば、この科学技術委員会で皆さんが検討し、また、三木さんが所管されておられます原子力の問題を、もう少し政治の上に、特に外交の上に私は反映していただきたい。この科学技術委員会の政治力が、もっと強く日本の外交に反映するようにしてもらいたいという感を深くいたします。と申しますのは、安保条約をめぐりましていろいろ質問いたしてみますると、どうも原子力の問題、それから、それがやがて人類にもたらすもの等についての確信ある、科学的根拠のある論議が十分なされていない。また、「勝ってくるぞと勇ましく」程度の戦略、しかも、昔の陸軍士官学校で勉強した敗戦のエキスパート諸君の進言が、国防会議などで相当強く考えられている。むしろ、国防会議のメンバーは、ほとんど原子科学者またはミサイルの科学者で占められてもいいくらいで、また天文学者やヒューマニスト、あるいは英知のある宗教家などで占められておって、それがほんとうに日本の安全に役立つのではないかとさえ思われる時代でありますから、この特別委員会の使命というものは、非常に大きいということを痛感いたします。 ただいま岡崎君が申されましたのは地元の問題でございますが、私どもは、特に社会党の立場としては、原子力の時代における勤労者の党、こういう考え方で、無軍備、平和、中立などを唱えております。しかし、それは次元の相違で、今日までの長い間の伝統から考えますと、新日本憲法並びに社会党の主張は、あまりにも抽象的、理想的に見えますけれども、一日ごとに今流れております世界の情勢から見ますると、そしてまた、原子力の指向している方向と照らし合せて見ますると、われわれの新憲法を守れ、平和憲法を守れという要求は、その現実と照合している。野党の言うことですから、あなた方と意見は違うでしょうけれども、社会党も、もう二十代の青年ではございません。われわれは五十男です。ずいぶん苦労して参りました。国会の三分の一を占めているその社会党の言うていることに対して、そうして、多くの青年が、また多くの学者がこれを支持しているということに対しては、保守党の諸君も耳を傾けて、あなた方の政策はわれわれには不満であるけれども、あの程度なら英国の保守党ぐらいのところであろう、まあ何とかやっていけよう、また、われわれの主張も、一見理想主義的であり過ぎるように見えるけれども、原子力のことに思いをいたすならば、まさに夢のような時代であり、人工衛星の時代であるから、社会党の諸君がまあ反対ではあるけれども、この辺でよかろうという程度の線でなければやはり困ろうというくらいの気持で、ちょうど英国とインドは立場は違いますけれども、どうやら協調してやっておりますが、私はそのくらいの線でいくのがほんとうではないかと思います。現在いろいろな問題が起っておりまするのは、結局、原子力に対する国民の認識がないからでありまして、原子力白書というようなものをもっとわかりやすく書いて、必ず全議員に読んでもらって、それを読まない議員には発言を許可しない、議長がそのくらいになされば、与党と野党はよほど接近するんじゃあるまいかという思いが私はいたします。先ほど地元のことにつきまして岡崎さんからお話がありましたが、原子力の問題に対しては、従来保守党関係の方は比較的心臓が強いというか、不感症的でありまして、社会党の方は、何といっても年が若いせいもあって、この問題に非常に敏感に反応して参ります。しかし地元のこととなると、血は水より濃しというか、みんな一致団結してこの問題を心配しておるのでございます。とにかく、われわれはまだ設計図も見たことはないし、それから、原子科学者の持っておられるような専門知識はありませんけれども、原子炉というと、われわれ恐怖におびえまして、町の主婦たちが立ち上って、非常に心配して署名運動などなさっておる。その気持が私はいじらしくもあり、また、地元のことに必配し、子供のために心配することは正当な要求であるというふうに思う。今日原子力関係の法規に、先ほど岡崎君が指摘されたように、地元の者に対して不安がある場合には、慎重な考慮を払わねばならぬという言葉も法律の中に入っておるのでございますし、先ほどの三木さんのお答えは、非常に深く理解されて、慎重な審議を今後されるということですから、私どももやや胸をなでおろした次第であります。しかし、初めての試みでありますから、私どもには原子炉の構造、大きさ、放射能の程度、それから、果して有害な廃棄物があるのかないのか、そういうものが出るのか、一部の学者の説明によりますと、エックス光線ほどのものであろうということも伺いましたけれども、しろうとの私どもには判定をすることができないのでございますから、放射能の程度とか、かりに有害物が出るとすれば、どういう措置があり得るのか、その取扱い、その管理方法、その管理能力はどうであるか、まして、やや密集地帯でありまするから、慎重な態度をとっていただきたいということをわれわれは切望するのでございます。まあまあよかろうとか、多分大丈夫だろうということは、科学者の言葉にあり得べきでありませんから、これは学問的に、また実際的に審議していただきたい。科学と常識とは、時としては距離がある場合もあります。そのときは、私は社会主義者ですから、常識よりも科学をとらねばならぬと考えております。しかし、とにかく松前君はちょうどわれわれの同僚委員であり、たまたま学長さんでありますけれども、その松前さんが学長であり、われわれの同僚であろうとなかろうと、この問題は、常にそれを志しておられるように、こういう公けの問題に対しましては、不偏不党、いかなる利害をも顧慮することなく、委員会は最も科学的に、最も厳密に、最も客観的に検討して、市民の善意の請願の趣旨を取り上げていただくことを希望いたします。 今日、雨の中にも放射能が含まれて、ちまたに雨の降るごとくなどと、詩をゆるやかに読んでおる時代でもありません。そのちまたに雨の降る中に、放射能のカウントを数えねばならぬというむずかしい時代でありますから、地元の者が心配いたすのも私は無理からぬことであると思います。従いまして、これに対する最後の言葉は、慎重なる科学的検討ということになるわけでありますから、この委員会の責任も重大であることをお考え下さいまして、不偏不党、厳密にして実際的な科学的研究をお願いいたしまして、請願の趣旨にこたえられんことを切望する次第でございます。一つお考えのほどを重ねてお伺いしたい。
○三木国務大臣 岡崎、帆足の両党委員から、この問題に対しては慎重に、しかも科学的に、地元の住民の方々の不安にこたえるように慎重にやれという、これは当委員会の総意であり、その精神を体して、原子力委員会はこの処理をいたしたいと考えます。
○菅野委員 ただいま審議されております東海大学の原子炉の問題につきまして、先ほどから質問者なり、あるいは政府当局からいろいろお話があったのでありますが、私は、実物を見ておる一人として、御参考までに申し上げてみたいと思うのであります。 あの東海大学で買おうとしております実験用原子炉の実物をごらんになると、この原子炉に対する不安というものは一掃されると思うであります。私も製造しておる場所で見てきたのでありますが、大量生産しておりまして、これは、世界各国へ売り出しておるのであります。また、先般ジュネーヴの原子力平和利用の国際会議におきましても、ジュネーヴの展示会に展示しておりまして、われわれ一同が行って、ボタンを押して操業した経験も持っておるのでありまして、今東海大学で設けられようとしておる原子炉自体には、決して不安はありません。その点は、地元の人々も御了解をしてもらい、また政府も、すでに委員会では安全だということを決定されたようでありますが、その点において、原子炉自体についての不安ということは、政府も、積極的にそういう不安のないということを宣伝してもらいたいと思うのであります。われわれから申しますと、ああいうような実験用の原子炉は、これは、もうできれば、将来日本の原子力の発展のためには、高等学校以上は設置してほしいというような希望も持っておるのでありまして、名高等学校などが、かつて小さい発電用の実験機械を備えておったと同じように、ああいう原子炉を各高等学校で設けて、そして、日本人の原子力の知識の啓発に寄与し、また同時に、日本の原子力の研究を盛んにしてもらいたいという希望を私は持っております。ただ先ほど、原子炉自体についての不安な考え方を地元の人が持っておられるという同僚委員からのお話がありましたから、その点だけは、私の見た点を申し上げて、その不安の念のないように思うから、一応御参考までに申し上げておきたいと思うのであります。
○小金委員長 ほかに御発言がございませんから、本日はこの程度にいたします。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十九分散会