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30回国会衆議院1958/10/23

科学技術振興対策特別委員会 第2号

発言数
33
登壇者
6
会派数
2
開催日
1958/10/23

会議録

小金義照自由民主党

○小金委員長 これより会議を開きます。  ただいまより理事の互選を行います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 議事進行について……。

小金義照自由民主党

○小金委員長 田中君から議事進行について発言を求められておりますので、これを許します。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 理事の互選に先だちまして一言発言を求めて、与党の委員諸君に反省と申しますか、考えていただきたい、こう思うわけであります。と申しますのは、今国会において当特別委員会が設置されまして、最初に開かれました十月十日の本委員会には、当時は警察官職務執行法等をめぐりまして御承知のような状態でありましたから、われわれ社会党の委員は出席をしなかったわけです。そのことは、両国会対策委員長の間に若干の話し合いもあったと考えておりますが、その委員会におきまして、社会党委員の一人も出席しないときに委員長の互選が終っておる。こういうことについて、われわれといたしましては、今後当委員会において委員長を中心に、特に科学技術という特別な問題の上に立って相協力していきたい、こう考えておりますので、委員長の互選がそのような方法において行われたことについては大へん不満を持っておるわけでありまして、一つよく考え直していただきたい、こういうふうに思うわけであります。

小金義照自由民主党

○小金委員長 ただいまの田中委員の御発言は了承いたしました。これから運営については十分御相談して進めて参ります。     ―――――――――――――

小金義照自由民主党

○小金委員長 これから理事の互選を行います。

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員 動議を提出いたします。理事はその数を八名とし、委員長において指名せられんことを望みます。

小金義照自由民主党

○小金委員長 菅野和太郎君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小金義照自由民主党

○小金委員長 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  委員長は理事に       赤澤 正道君    秋田 大助君       菅野和太郎君    中曽根康弘君       前田 正男君    岡  良一君       岡本 隆一君    原   茂君 以上八名の方々を指名いたします。     ―――――――――――――

小金義照自由民主党

○小金委員長 この際、お諮りいたします。過般のジュネーヴにおける第二回原子力平和利用国際会議について、政府よりその報告を求めることにいたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小金義照自由民主党

○小金委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それではジュネーヴの第二回原子力平和利用国際会議に政府代表として出席されました石川一郎君よりその報告を伺うことにいたします。なお、石川君の御所見等がありましたら、あわせてお述べ願いたいと存じます。石川一郎君。

石川一郎原子力委員会委員

○石川説明員 ご承知の通りに、ジュネーヴの会議は九月一日から十三日までございまして、それの印刷物が相当あるのであります。ところが非常な印刷物のボリュームで、約四、五万ページありはしないかと思うのであります。それで、持ってくることができませんでしたから、荷物を船にたくしまして送っておりますので、まだそれが着いておりません。そこで、記憶によって御報告申し上げることをまずお許し願いたい。  なお、政府から顧問その他で行かれました方々が八名ほど分担をいたしまして、各御専門のことを特に落ちなく聞いていただきたいという仕組みで参ったわけでございますが、そういう方々は、あとからまたほかを回った方もございますし、まだお帰りにならない方もございますから、これは十一月十五日に、政府にあてて各専門にお調べ願ったことを御報告願うことになっております。九月の十一日でしたか、十二日の日かにあちらで集まりまして、大体の所見でいいから話してもらいたいということで、話を聞いたのでございます。何しろ会は五つの部会、さらに分科会が十もありまして、それに全部出席するわけに参りませんので、そういう方々の御意見を伺った上で、また正式に外務省の方に出すことになっておりますから、さよう御承知を願いたいと存じます。ただいまお手元にお配りしたものがあると存じますが、大体の要領は、数字等もございますので、これによって御報告申し上げたいと存じます。  まず、第二回の原子力平和利用国際会議の規模でございますが、これはここに数字でも出ておりますが、今回は、代表が二千四百名でございます。一番多かったのはアメリカで、七百名と聞いております。その次にフランス、イギリスは二百五十名、日本は五十二、三名、それにオブザーバーの方が十七名、それに新聞記者等が約十名くらいいらしたと存じます。そういうような方々が大体ジュネーヴに行かれた次第でございます。それで、ここに書いてございます通り、参加人員は六千名と称されておるのでありまして、はっきりした数字はわかりませんが、このくらいは集まったろうと思います。それで、ジェネーヴの宿屋の収容能力は約五千名だそうでございまして、約千名の方々は、あるいはアパートをお借りになったり、あるいは単独の家を借りられたり、ある者はローザンヌの方からお通いになったという方もございました。それから、論文の発表数は二千三百二十五、この前の倍以上でございます、口頭発表は六百八十編。なお、このページ数がここに書いてございますが、これをかけ合わせますと約四、五万ページになるのでございます。  なお、この前の会議とは違った点がございますので、それを申し上げます。それは、この前のときには映画がなかったそうでございますが、今回は並行して映画をやられました。三十何編か四十編で、しかも、それは同じ時間で、少しおくれたものもありますけれども、大体会議の時間中でございます。この中には日本にこれを借りてきたらいいものが相当あると存じますので、私もちょっとのぞいてみたのでございますが、たとえば、核融合の装置を実際に映画にとったようなものもございますし、また、運転状況や建設状況等をとったものもあったのでございます。それがこの前はなかったことなんです。それから、この前は政府のエキジビションはあったのでございますが、民間のエキジビションはなかったのであります。まだその時分には、原子力の道具あるいは機械等がマーケットに出るような時期でなかったものですから、それがございませんでしたが、今回はそれが相当大きかった。それから、こまかいことになりますけれども、会議のメッセージをある国に限ってしまったというようなこと。主として大国の七ヶ国でございますが、その中にインドも先進国として入っておるようでございます。それから、いま一つは、大体夜でございますが、相当な学者のレクチュアがありました。それが違っておる点でございます。それからもう一つ、会議がある曜日の午後とかに休みになることがございます。そのときにインフォーマルのセッションがございまして、自由に発言していろいろな質問応答をするというような会がございましたが、これが研究者にとっては大へんに有効だったように伺っております。以上が大体会議の規模でございます。  それから、その中で日本は一体どういうふうなポジションにおったかということを申し上げたいと存じます。派遣した人員につきましては先ほど申し上げました。論文数がここに出ておりますが、日本は五十四編の論文を出しました。その中で口頭発表が十一編となっておりますが、十二編ございました。これあたりはこの三、四月ごろからニューヨークでいろいろ準備をしておりました。演説要旨のアブストラクトをとりまして、そして十六カ国から二十四人のテク二カル・セクレタリーというものが出まして、そこでもって、この論文は口頭発表する、あるいはこれは印刷だけにする、あるいは引下げてもらうというようなことをきめたのでありますが、幸いにその中に、この前も日本から一人入っておりましたけれども、今回も一人入っておりまして、いろいろなことがみな秘密になっておりますけれども、日本がそこでいろいろ発ができたということは、この会議における日本の位置を高める上において有効ではなかったかというふうに私は存じております。この口頭発表のごときものも、やはりそこできめたのであります。そのほかに議長、座長の問題でございます。五十数名の兼任の方がありましたのですが、その中で、日本から二人の方が座長になられまして会を主宰されたのであります。これが大体のポジションでございます。  それからその次に、派遣された方々のお名前が出ております。  今回の会議の特色でございますが、一九五五年の第一回のときには、その十数年前から研究しておったもの、あるいは秘密に保たれておったものを全部明らかにしたものですから、非常にみな喜びもし、またびっくりもし、私は方々の方とも話をしたのですが、ちょうど天照大神が天岩戸へ隠れて、それを手力男命があけて、光線がぱあっとさしたという感じを皆さんがお持ちになったと存じます。その後三年間、さらに今まで機密にされておったことがだんだんと明らかにされて、新聞、雑誌等に報告が出るようになりました。各国が研究したことの発表も次次と出ておったものですから、今回のこの会議は、科学技術の各方面において非常にディテールにわたって発表があったわけで、日本の学者、技術者の方が多数御列席なさいましたが、最も熱心にこれをお聞きになりましたので、日本の原子力に関する科学技術の進歩には相当役立ったことと存じます。それでもって、さらに日本のおくれを幾分かでも取り戻すことができるのではないかというふうに私は考えております。  なお、そのほかの特徴といたしましては、核融合反応の問題が公けにされたことでございます。特にアメリカ等は非常に熱心でありまして、あるいはその模型、あるいはその実物を持ってきて、展示場で実験等をして見せる、あるいはまた、原手炉のごときものを幾つも持って参りまして、みなに動かして見せるというようなことをやっておりました。しかし、結局大きな問題といたしましては、核融合の研究が発表されたことです。ただし、百何編が出たのでございますが、そのほかに、会議の日にソビエトが、これだけのことは自分の方に研究がある、それをあなた方にここで渡しますといって、会議の席上で発表ではなく、研究を書いたものを渡されたのです。それはどういうわけだかわかりませんけれども、多分内部において、これは発表するかしないかという議論があっておくれたのか、あるいはスタンドプレーをやったのかわかりませんが、そういうことをソビエトはやりました。核融合反応は、およそ、われわれしろうとにはわかりませんが、大体皆さん方のお話を聞きますと、核融合の考え方について各国が大体一致しているようでございます。ただし、これもそういう方々から伺った話なのでございまして、われわれも前から知っておることでございますけれども、温度のごときは、核融合するためには五千万度必要だとか、一億度必要だとかいう話がございます。温度だけ見ましても――温度だけではいけないそうでありますけれども、今達しておる温度というのは五、六百万度でありますから、よくたとえることでございますが、ちょうど今各国で実験をしておる装置というものは五百万度から六百万度、温度だけ考えてみても、一億度を百階の建物としたら、五百万度なら五階まではしごをかけているということでございまして、そのはしごの、地面に置くところもすべるかもしれないようなはしごのように感じられております。結局今まで考えられた方法でこのままいって、十階なり五十階なり百階まで届くかどうかというようなことにつきましては、われわれはわかりませんが、何かもっと新しいことを考えなければいけないのじゃないかというような、しろうとではありますけれども、私は考えを持ちました。そしてアメリカは、幾つものはしごをかけておるようであります。イギリスはゼータをかけておるようでございますし、またソビエトは、オグラというようなものをはしごとして使っておるようであります。この研究のアイデアが世界的にはほとんど似ておるということは、一体どういう意味かということは実は私は考えてみたのです。これは、装置については秘密でありますけれども、アイデア等については、今までに論文等に発表があったのではないか、そういうことを知り合って、何となく同じ結果になったのか、あるいは独創的に、たとえば英ソ、日本もそうでありますが、アメリカ等も独創的に考えていたことが偶然にあとで一致したのか、そういうところはわかりません。しかし、何だか一致しておるところを見ると、やはり、たとえばソビエトの学者がイギリスへ来て二、三年前に話したとか、もちろん、前にあったかどうかわかりませんが、アメリカあたりは五十一年からやっております。そういうことで一緒になったのかわかりませんが、ともかくも、非常に大きな問題が発表されたということは、そういう方の科学をやっていらっしゃる方々に対しては、ためになったことと存じます。日本ではろくな装置もございませんで、そのはしごもまだ細いはしごを一本、百万度ぐらい行っておるかもしれませんが、そういう状態であります。  いつごろから役に立つかという見込みでありますが、去年私がウイーンの会議に参りました場合に、イギリスのいろいろな人に会って、二十年でできるかどうかということを話したところ、よくわからぬが、二十年ではできないだろうということを言っておりましたが、インドのバーバ博士が、二十年で、実際に利用できるようになるだろうということを、議長として、会議に先だちまして話したのであります。今度の皆さん方のお考えは、アメリカの方では、今世紀中はなかなか人間に役立つようなものにはならぬのではないかというような御議論が多うございました。要するに、まだほんの歩き出しであるという感じを受けたのであります。しかしながら、日本としても、そういうことですから、今からやっていけば、そう頭脳的には負けているようには思いませんので、皆さん方にも申し上げ、来年というわけに参りませんけれども、皆さんにもう少しお力添えを願えれば非常に仕合せだということを考えております。  もう一つの問題といたしましては、フランスが、――もちろん、ドイツも少し出しましたけれども、二三五と二三八とのセパレーションをする問題です。これはイギリスもソビエトも、もちろんアメリカも非常な機密事項として発表しておらない問題ですが、フランスは――ドイツも少し出しておるのでございますが、こういうことを研究しているという発表があったのであります。これは、今までそういう方の機密を保っている国に対して、相当の刺激なりショックを与えたのではないかというふうに考えております。  なお、これは会議ではございませんが、帰りにちょっとフランスに寄ることができたものでありますから、幸いにそれを見てきました。よくわかりませんでしたが、相当根本的な実験から抽出試験までフランスはやっておりました。ちょうど私が飛行機で立つときに送りにきたフランス人が、その工場をどこどこに建てることに内定したというような話をしておりましたから、相当力を入れてやるのではないかと思います。これは、われわれの待ち設けておらなかったフランスの発表でございました。  それから原子炉の問題でごいざますが、原子炉は、各種のこまかいデータが各方面で出たようであります。私は、原子炉の方はちょと聞き漏らしましたので、あまり聞きませんでしたが、皆さんの御意見を伺うと、相当いいデータがたくさん出たようであります。要するに、今まであいまいになっていた、発表しなかったところをこまかく発表されて、これが将来の研究なり建設の一つの指針になる、参考になる、こういうもののように伺いました。  発電原子炉の問題でございますが、発電原子炉は、現在動いているのが、アメリカでシッピングポートその他で七万五、六千キロ、それからイギリスの方はコールダーホールで九万二、三千キロ。しかし御承知の通りに、相当大きなものをアメリカは建てつつありますし、イギリスはこの間計算してみたら百六十八万キロ現に建てておるようであります。今これから建てんと計画中のものが二カ所ありまして、一カ所が六十万キロになるかどうかきまらないようでありますが、百から百二十万キロ。ソビエトの方は、総会の開会のときの演説にもあったのでございますが、百万キロ近くのものをいろいろな方面で建てておるというお話がございました。そして、その第一日の夕方にプレス・コンフェレンスがあったのであります。各国の代表が集まりましてプレスの質問に応じたのでありますが、そのときに、各国の新聞記者がソビエトに対して、君の方はどっさり作っておるそうだが、どこにあって、いつ動くのか、あるいはまた、聞く方が無理かもしれませんが、経済的価値いかんというような質問をしたところ、いずれも返事はいたしませんでした。そうして最後に、アメリカの新聞記者だと思いますが、それじゃ、あなたの国は一九五五年の第一回のジュネーヴ会議のとき、五千キロが動いているという発表もし、モデルも作り、なおまた、その後日本人も見たこともあるようでありますが、その後に一つも動いた原子力発電炉はないのですね、と念を押したら、動いておらぬ、こういうことです。これは隠しておるのか、あるいはまた、原子力の方の研究はずいぶんやっておりますし、融合反応もやっておるようでありますから、そういう方面にソビエトのエネルギー・ソースも相当多いようであります。そういうことの演説があったのでありますが、そういうわけで、あと回しにしているのか、そのところはよくわかりませんでした。その後九月の上旬にソビエトの方から、これはまた聞きでありますが、九月の幾日かに十万キロ動いたという電報が事務所の方に入ったということを伺っております。要するに、この発電所の仕事に一番力を入れて大じかけにやっているのは、何と申しましてもイギリスのように感じられました。  なお、こういうふうな非常に大きな会議でございますので、おいでになった方は御存じだと思いますが、部会がどっさりございます。部会の下に専門委員会、分科会がどっさりございます。それにどのくらいの人が集まるかわからぬものですから、たとえば、百人集まるだろうと想像して席は設けてあるのですが、そこに入りきれなくなるかもしれないというおそれがあるものですから、オーバーフロー・ルームというものを作りまして――オーバーフロー・ルームというのは、そこにあふれた人間を収容する場所でございます。そこにはテレビを置きまして、われわれも時間におくれて行きまして入りそこなって、そのオーバーフロー・ルームに入りましていろいろ演説等も聞いたことがございますが、そういうものを作っておりました。いずれにいたしましても、これだけの大きな会議が一体将来ともやれるかしら。プランは今度は四年目くらいにやったらいいんじゃないかというお話がありましたのですが、何しろ分科会等をまぜると相当大きな数になりますし、多人数になりますので、たとえば印刷物のごときも、これはやはりジュネーヴは二十万以下の都会ですから、なかなか印刷物ができないので、アメリカから飛行機で運んだというような話も聞いております。ですから、この論文の印刷ができて、前もってこれを読んで会議に出るということは勉強に非常に都合がいいんですけれども、そういうことができなかった場合が多かったのでありまして、結局一部の方々は、どうもこういう大きな会議は将来はやらない方がいい、もっと規模を小さくしてやった方がいいんじゃないかというようなことをおっしゃっている方もありました。私らも、やはりそういう方がいいんじゃないかなというふうに感じて帰った次第でございます。  大体これがジュネーヴ会議の一般的な御報告でございます。いずれ、また詳しいものが出たらもう一ぺんお話申し上げる機会があるかもしれませんけれども、私の記憶なり、それから書きとめておいたものから今御報告申し上げた次第でございます。何かまた御質問がございましたら……。

小金義照自由民主党

○小金委員長 以上で石川一郎君の説明は終りました。何か本委員会で御質問の方がありましたら許します。

岡良一日本社会党

○岡委員 ちょうど今度のこの国会には英米との間の動力協定の批准が求められておりますので、私は、この国際会議において、特に動力炉についての討議、その結果等について若干お尋ねをいたしたいと思うのであります。  ここにいただきました資料では内容が非常に抽象的でありまするので、若干技術的な点をあわせてお尋ねしたいと思うのであります。何しろ、石川さんも昨年は国際原子力機関の第一回の総会に御出席になり、あるいはコールダーホール型の炉についてもはるばる英国に調査におもむかれ、今度はまた、第二高原子力平和利用の国際会議に御出席になり、うちにあっては原子力委員会委員長の代理としていろいろ御努力をしておられる、その御努力には私も心から敬意を表したいと思うのでありますが、今申しましたような関係で、英米に対する動力協定をどう取り扱うかということが今度の国会の一つの大きな課題になっておるわけでであります。  そこで、まずお伺いをいたしたいことは、石川代表は、会議の初日にわが国の原子力発電に対する方針を演説されました。この演説の中で、現在改良型原子力発電によるところの電力コストは、新型の火力発電所の重力コストと大差ないものと思われる、そのため日本では、一九七五年までに七百万キロワットの原子力発電を目標に、できるだけ早く原子力発電を開始することを決定した、動力炉としては、天然ウラン・黒鉛減速・ガス冷却型炉と濃縮ウラン・水冷却型炉の双方を採用することが考えられる、こういう御発言がありました。こえて十二日に、代表は新聞記者団と公式な会見をされておられます。その席上の御発言は、イギリスの黒鉛減速・ガス冷却・天然ウラン型の炉については、われわれがかねて疑問としておったものが相変らず疑問であることがわかったので、イギリス側の提供するデータを検討した上で、もし致命的なことがわかれば、イギリス型の炉の購入を取りやめることもあり得る、こういう御発言がありました。われわれも英米との動力協定を審議する際に、この御発言には、私は非常に無関心であり得ないのでございます。この御発言があったかどうかということを、私は別にあなたの責任を追及しようという意味からではありませんが、まず、お尋ねをいたしたい。

石川一郎原子力委員会委員

○石川説明員 動力炉の問題につきましては、エキスパートの方に相当詳細に研究していただきまして、講演等も十分聞いていただきましたし、なおまた、われわれ疑問と思う点もございましたので、これはイギリスの方々にお目にかかりまして、いろいろ伺ったりいたしました。要するに、今日本で問題になっておりますプラスの温度糸数という問題でございますが、これは、よく私にはわかりませんけれども、今までその影響が十分とか二十分とかいう間に起ってくるんじゃないかというふうに考えておったのが、今度見積りがきますと、その中には、これが数分でくるというふうになっております。その数分の間にこれがアジャストできるかどうかという問題である。結局、原子炉の方に特にお出席願った方々の御意見も伺いましたし、私も立ち会ったのでございますが、これは大丈夫コントロールできる、不安心じゃない、こういうふうに今なっておるのでございます。結局、こちらの方で今原発がいろいろ研究しておりますが、その方の研究と相待って、その報告も聞いてわれわれはやるつもりでおります。

岡良一日本社会党

○岡委員 私、今お尋ねをいたしましたのは、この十二日の方の記者会見では、十分に英国側の提供するデータを検討した上で、もし、致命的なことがわかれば、英国のコールダーホール改良型炉の導入というものはあきらめるかもしれない、こういう御発言があったかどうかということを私はお尋ねしておるのであります。

石川一郎原子力委員会委員

○石川説明員 そう私は言いました。

岡良一日本社会党

○岡委員 そこで、その次ですが、十二日前には英国型の、いわゆる改良型のコールダーホール炉を買う決意であった、ところが今度は十二日になると、あるいは買わないかもしれない、データをよく検討しなければならないというところへ、いわば後退をされた。なぜ後退をされたかということが、私どもの大きな関心事であるわけでございますので、この点について若干お尋ねをいたしたいと思います。  まず第一に、この資料をいただきますと、動力炉の方には、正の温度係数については解決の見通しを得た、と軽く書いてあります。今代表の御発言を聞いても、制御する時間的余裕があるであろうということを英国の方でも申しておる、こういうことでありますが、その点を、なお具体的にお尋ねをいたしたいのでございます。  天然ウラン・黒鉛減速・ガス・クール型で、私は特にこの委員会でもよく問題にいたしました点からお尋ねをいたしたいのでありますが、何と申しましても、現在問題となっておる点は、特に技術的な問題ではありますけれども、一つは、例のウィグナー・レリースの問題だと思う。ウィンズケールのプルトニウム専用炉は昨年の十月に事故を起しまして、二基とも閉鎖しております。このときに、なぜ事故を起したかという原因については、特に英国政府の発表に対して、ウィンズケールの労働組合はまっこうから反対しておるというような事情もあります。私どもも、ほんとうのその事故の原因というものは、まだつかめないままにいるわけでございます。しかし、これは何と申しましても、やはり黒鉛に照射される中性子の持続的な影響というものがその事故の原因であるということは、私は疑いないと思うのでございますが、今度の会議で、ウィンズケールの事故の原因というものが各国のそれぞれ専門家の諸君によって討議をされ、どのような実態が把握されたのでありますか、まず、この点をお伺いいたしたい。

石川一郎原子力委員会委員

○石川説明員 私は、実はその会議に全部出たわけじゃないものですから、どういうふうな議論がありましたか存じませんが、しかし、私が今まで知っているところでは、ウィンズケールの炉は空気でもって冷却しているのでございまして、片方は炭酸ガスであります。それから、ウィグナー・レリーズの問題は、このごろ考えられている炉では心配がない。これはフランスのペランにも会っていろいろ話を開いたのですが、GIというのがあります。これは、やはり空気で冷却して千五百キロの電気を出し、プルトニウムを作る、ちょうどコールダーホールと同じような小さい試験炉であります。そのほか大きなものができましたが、これは炭酸ガスであります。ちょうど二年前、ウィグナー・レリーズをやったが何ともなかった、非常に安心であるということを言っておりました。今度の炉は、温度に対していろいろの考え方があるようでございますが、詳しい見積りがまだ原発から出て参りませんので、私は見ておりませんからわかりませんが、大体大丈夫じゃないかと考えます。  なお、もう一つ申し添えておきますが、私が参りまして調べたときに、経済性の問題は、要するにただ聞いただけで、見積りがくれば、高くなるか安くなるかはっきりするのですが、たとえば、一キロワット十五万から十六万かかるのが、それが今度十二万でできるか十三万でできるか、そういうことがはっきりわかります。それから、今の温度係数の問題も、こういうふうな操作でもって、こうやればこうなるということを研究しているようでありまして、それを受け取ればわれわれもはっきりした御返事ができると思います。まだ原子力委員会の方には、原発が調査中で、ようやくが第一回の調査が終ったくらいのところですから何も報告がございませんが、まず大丈夫じゃないか。私は、経済性の問題と、バーン・アップの問題及びそれに付属する問題は大いに研究しなければならぬ大きな問題であると思います。あるいは地震の問題もそうでありますが、これさえ解決されればやっていいんじゃないか、こんなふうに考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 それでは、もう一ぺんお尋ねをいたします。今の石川代表の御発言で大体想像がつくのでありますが、要するに、十二日の記者会見であなたは新聞記者に対して、当初からわが方が疑問と思っておった問題がこの会議においては十分解明されなかった、従って、データを検討した上で、あるいは英国型の炉の購入は差し控えるかもしれない、ということを言っておられるわけです。ところが、一日の日のあなたの御演説では、日本は一九七五年までに七百万キロワットの発電をやり、その中には当然コールダーホール改良型も含まれるということを決意しておる、という表現で強く言っておられる。そうすると、一日の御発言より十二日の御発言というものは、いわば英国のコールダーホール改良型についてはやや後退をされた、私はそう伺ったのですり。そこで、当初から疑問に思っておった点がこの会議で十分解明されるに至らなかったという、その当初からの疑問というのは、一つには、あのウィンズヶールの事故の原因というものが、やはりコールダーホール改良型の安全性と不可分な問題ではないと私は思います。その次には、フラスの温度係数の問題、その次には、耐震設計の問題、これが、やはり何と申しましても、コールダーホール改良型をわが方が導入することになれば一番大事なポイントではりないか。資金の問題等、いろいろ問題はありましょうけれども、少くとも、炉の安全性についていえば、これは問題点だと思うのです。そこで、ウィグナー・レリーズの問題は、私どもは、専門家でもありませんから詳しいことはわかりませんが、この委員会で、それじゃ、なぜ起ったということでいろいろ御報告は聞いたが、われわれとしてはまだ十分納得し得なかったので、今度の会議で何かわれわれの納得し得るような説明がなかったかということを、実はお尋ねをいたしたのです。  この点はさておきまして、それでは、その次の点でございますが、今も申しましたように、プラスの混度係数の問題は、このデータにはこう書いてあるが、一体どういう点で解決の見通しを得られたのか、この点を、もっと具体的に御説明を願いたいと思います。

石川一郎原子力委員会委員

○石川説明員 ちょっと私記憶がないのですが、決意したという言葉は使ってないはずだと思います。私が演説したのには、コールダーホールという字は入れてないはずであります。英国の炉を列国環視の前で買うということをはっきり言ってはどうかと思ったので、特にそれは削ったはずでありますので、それは何かの門違いじゃないかと考えます。  それから、第二の問題ですが、コントロールができることがわかったということは、私がわかったのじゃなくて、技術者がどっさり集まりまして、そうして、これはそれを集めたものでございます。ですから、その技術者とも私会っております。いろいろこの間座談会等でもお話を伺いましたが、解決できる見込みがある、言っております。ただしかし、ああいう場合に、どんな場合であっても、イギリスの炉を買うということは言いません。また、説明なり私の報告にも、こういう二、三の点が疑問であるということを述べて、今見積りがきて検討中でありますから、それがはっきりわからなければ、いかなる場合でも買うと言うことは私はできないと思う。もし、その問題が大体見当がついて参りますれば、われわれの今までの原子力による電気の開発計画、これは大した間違いがなかったものだ、こう見込みをつけております。

岡良一日本社会党

○岡委員 言うたか言わぬかということをこの際せんさくしようとは思いませんが、三月でしたか、もっと前ですか、日本の原子方委員会が御決定になって日本の原子力発電の計画書を御決定をいただきました。あれはコールダーホール改良型は導入するということを前提としての文書であったと思う。だから、私は言われて一向差しつかえないと思う。そういうことを言うた、言わぬということは別でございます。  ただ、このプラスの温度係数の問題でございますが、たとえば、九月八日のジュネーヴの会議の原子炉部会の席上で、イギリスのG・ブラウンという人がコールダーホール型の炉の安全に関する理論と実験という報告をしておられる。この中で、ブラウン氏はどういうことを言っておられるかというと、結論を申しますと、まず第一に、この型の炉は正常運転の状態で反応度の温度係数はプラスになる。このプラスになるということは、私どもの常識からすれば、元米マイナスの温度係数になるという原子炉そのものの固有のいわば自動制御というものが、原子炉の安全性の私は大きな条件ではないかと思うので、プラスになるということは、少くとも、それを制御し得るとしても、原子炉の安全性にとっては、やはり一つの条件が欠けたものだと私は思うのです。しかし、いずれにいたしましても、ブラウン氏は、温度係数はプラスになると言う。しかしプラスになっても、なお安全を保障し得る理由がないかどうかということについて、ブラウン氏は語を継いで、しかし、燃料のマイナスの温度係数に対して、減速機のプラスのっ温度係数が二倍半という範囲の中にあるから、特別の対策を講じなくても安全に運転できるであろう、こう占っておる。そこで第三に、炉内の温度が上昇しても反応度が進むには若干の時間的なズレがある。これがあなたのおっしゃる、かなりインスタントリーにコントロールすればやれるのじゃないかということではございましょうが、だから、その間に原子炉を制御するための時間的余裕がある、こういうことをブラウン氏は言われておる。その席上で、この御発言が非常に質問の集中点になったわけですが、その結果明らかになったにとは、ブラウン氏が最後に自分自身で言っておられることでありますけれども、燃料一トン当りのバーン・アップが、燃焼率が、――さっき申し上げた三項目は、五百メガワットデー・パー・トンです。だから一日五百メガワットデー・パー・トンです。一トン当り五百メガワットの燃焼率の場合において言えるということになったのです。ところが、今私どもの方に出て参っておりまするところのものは三千メガワットです。現在英国が建設しているものは、ヒンクレーポイントでもバークレーでも千以下です。三千メガワット、そういう燃焼率で、果してインスタントリーにコントロールできるかどうかというにとは、だれもやったこともないことなんですね。だから、ブラウン氏も、それは五百メガワットデー・パー・トン、こういっている。この点、私どもしろうとで十分わかりかねるので、これではこの会議においてメガワットの問題、それと「これに関連するプラスの温度係数の問題は十分解決できないのじゃないかと思う。法貴君も助太刀に来たから、専門家の御意見を……。

石川一郎原子力委員会委員

○石川説明員 私も物理学者でないからよくわかりませんが、今のプラスの温度係数の問題でも、マイナスの温度係数の問題でもいろいろ議論があります。これは専門家の方にお聞き取り願いたいと思います。なお、ジュネーヴ会議に表向きに発表されたやつは、三月なら三月ごろまでに出た結果を発表しているわけで、あれは二月一ぱいに出さなければならなかったものですから、それで、その後の研究もございますしするので、それは特にそういう方面の技術者をイギリスの技術者と二回ほど会わせまして、いろいろ討議してもらった結果が、今申し上げたような結論になっておりますが、バーン・アップの問題は千三百までやっている。ところが、五百でなく、その千三百がどうとかいう議論もあるようであります。そういうことは専門家の方にお聞き取り願いたいと思います。私どもよくわかりませんですけれども、今の専門家の御意見をいろいろ伺うと、まあ大丈夫だ、ということを最近まで向うで調べている。またイタリアの方に参りまして、そうしてイタリアがテンダーをとっているやつの内容を幾らか聞いてきたので、そういう話を聞きましても、まあ大丈夫、こういうことになっております。

法貴四郎総理府技官(科学技術庁原子力局次長)

○法貴説明員 技術的な問題でございますので、私から簡車に補足させていただきたいと思います。最初のウィグナー・レリーズの問題でございますが、先ほど石川委員からも御説明がありましたように、ウインスケールの炉と、今度導入を予定しております動力炉とは設計が根本的に違っておりまして、先ほどもお話がありましたように、ワインズケールはまず使用温度が非常に低い。これはウィグナー・エフェクトに非常に大きな影響があるわけです。それから、冷却方式が空気を使って、しかも開放式である。それから、あれはプルトニウムの製造を非常に急ぎましたので、非常に急いで作った関係等もあるかと思いますが、燃料要素の温度測定の装置というふうなものに不備がありました。そういうことで全然違っております。また、その事故も詳しく検討されまして、七月の初めに原子力公社から相当詳細な技術的な発表もございまして、一応問題は片付いたとわれわれは考えております。従いまして、ジュネーヴ会議などでもこれが一つのトピックとして取り上げられたというように私どもは了解しておりません。それで、今回の炉は、まず使用温度が高い。大体勘定によりましても、二百八十度以上で使えばウィグナー・エフェクトは問題にならない、二百八十度以上で使っておれば、炉の耐用年限までにはウィグナー・レリーズを考えなくても済むという見当がついておりまして、炉中の黒鉛の温度の低い部分にも熱い空気を通して、全体をできるだけ高い温度に保つ、そういうことによってこの問題から逃げ得るという見通しがついております。また、かりに問題が起りましても、炭酸ガスの閉鎖回路で冷却しておりますから、すぐに燃料要素中のフィッション・プロダクトが外へ飛び出すというふうなことも考えられません。それからまた、かりに一、二本燃料要素の温度が異常上昇を来たしまして、問題が起るというようなことがありましても、測定装置が今度は非常に完備しておりまして、熱電対を数百本も炉内に装入して、燃料の温度をチェックするというようなことを考えておりますから、四方八方からこの問題を詰めておりますので、今回導入が考えられておる動力炉につきましては、ウィグナー・レリーズが問題になるというようなことはあり得ないとわれわれは確信しておる次第であります。  次にプラスの温度係数の問題でございますが、これは、先ほどもブラウンさんの報告の話がありましたが、これはコールダーホールの実績についての報告をされましたので、コールダーホールについてこういうことがわかったということに、その報告はとどまっておるわけです。この発表以外に、コールダーホールの炉の運転実績ならびに今度のコールダーホールの改良型の論文が多数ございまして、大体、五、六十編の関係論文がございます。その中には、コールダーホールの実験結果をもとにして、さらに進んで、今回導入を予定されております型とほぼ同型の、たとえば、ブラッドウェルの発電所、あるいはハンターストンの発電所に使います原子炉について、プラスの温度係数がどういう影響を持つかということを詳細に、電気計算器等を使いまして、計算によって推定した論文が幾つかございます。そういうものを見ますと、たとえば、三千メガワットデーまでいきますと、プラスの温度係数が十ないし十五かける十のマイナス五乗という数字が出ておりまして、それをもとにして、いろいろ勘定をしまして、たとえば、燃料要素が何かの原因によって突然ある程度の温度上昇をした場合に、それが原因となって、さらにその後どういうふうな経過で温度上昇をしていくかという問題について、詳細な検討がしてございます。それによりますと、何らかの原因で温度上昇が、たとえば、五度とか十度あた場合に、さらにまた、その温度がそのまま上りまして、九度ないし十度上る、すなわち、温度変化が倍加するという時間はどうしても数分かかるというふうな結論が非常にはっきりと勘定の上では出ております。従いまして、それに対しては、炉中に熱電対をたくさん入れまして、温度の異常上昇があれば、すぐにそれを検知して、自動的に制御棒を動かすという動作をやりますと、これは多めに時間がかかると考えましても、十秒くらいの間に全部片づいてしまいますので、十分余裕を持ってコントロールし得るであろうということが予測されるわけでございます。なお詳細は、目下見積書等も取りつけて検討しておりますし、それから、向うからもエンジニアがたくさん来ておりますから、今度なお詳細のことがわかると思いますが、ジュネーヴ会議の論文から見ただけでも、われわれとしては技術的に十分解決し得る見通しがあるというように考えておる次第であります。

岡良一日本社会党

○岡委員 実は、英国型の炉の本家はおれのところだといって鼻高々と説明しておたサークルの技術責任者は、一体バーン・アップはどのくらいだというから、三千メガワットデーといったら、それはゼロが一つ違っているのじゃないかといわれて恥をかいた。今お聞きしても、それは青写真の段階でしょう。ハンターストンにしても、ヒンクレーポイントにしても、ブラツドウェルにしても作ておらない。作っても、コールダーホール型のバーン・アップは五百メガワットと報告している。あとは青写真の段階でしょう。そういう青写真をうのみにして、ほかのものならとにかくとして、万一事故が発生したときには非常に広範な災害を及ばすようなものを、軽々に入れるか入れないかということについては、はなはだ軽率ではないかと思うのです。なぜならば、それを入れなければ原子力が進まないのじゃない。まだまだしなければならない問題がたくさんあるのです。そういう冒険をやって、日本が実験台になる必要はちっともないと私は思う。三十メガワットデー・パー・トンのバーン・アップにすれば五百度で安全だ、青写真の設計で安全であろうと予想しておるというようなことで、軽々にあなた方が英国の改良型の旗を振られるというにとは、私は科学的ではないと思う。いずれ、このことはあらためて論議をしたいと思いますが、問題は、この会議を通じて見て、一体世界の流れというものが原子力発電についてどういうふうな経路をたどってきたかということをはっきりつかむということが、私どもには重要な問題だと思うのです。私は、第一回のジュネーヴ会議にも出席をいたしました。そのときには、原子力発電についての非常に希望的な楽観的観測がずらっと発表されておた。その後の三年間は、各国も盛んにいろいろな形の炉を作って、おれのところが原子力発電はまっ先にやるのだといって、そして競合しておる。ところが、今度は英国にしろ、アメリカにしろ、あるいはソビエトにしろ、自分たちの国では原子力発電はどの炉でやるかということについて、非常な問題を彼ら自身が表明しておたと私は思うのです。減速材なり冷却材についていろいろのものを使い、燃料にしても、天然ウランや濃縮ウランを従い分け、いわば多角的に幾つかのタイプでどんどん作って、これから一つそれをやてみた上で、どれがいいかと。いうことに決着をつけようというのが、動力炉に対する今度の会議の結論ではなかなかと思うのです。単にコールダーホール改良型について、青写真のデータとしては安全であるということから、大体それでよかろうというふうに簡単に片づけないで、第一回、第二回において、原子力発電というものがどういうふうに各国の専門家の科学者によって取り上げられ、各国もまた、その線に沿うて原子力発電というものに対してどういう態度できたか、最初は非常に楽観的、希望的であたて。三年間やってみて、ごく初歩的な、技術的な問題においてさえも当惑をする場面が出てきた。そこで、いろいろなものをやってみ、現に英国においても燃料要素なりについては、今度の新しい発表などを見ると、現在のものとは変ったものでいこうというような発表があったはずです。そういう形で、安全性なり経済性という問題から、新しく腰を据えて、これから研究に取りかかろうというような、いわば反省の時期にきておると私は思うのです。そういう会議の演じた役割というものを把握しないで、ただ、その中から自分にとって有利なものだけを取り上げて、簡単にプラス温度係数の問題を片づける、こういう問題のやり方というものは非常に非科学的だと思う。もっと科学的にこの問題は解決すべきものだと思うのです。この会議で、動力炉の取扱いについて反省の時期にきた、腰を落ちつけてこれからやろうという態度を、彼らは言外に示しておったのではなかろうかと思うのです。

法貴四郎総理府技官(科学技術庁原子力局次長)

○法貴説明員 必ずしも反省をして今のやり方を再検討しなければならぬという空気は見られなかったのじゃないか、既定方針通り着実に前進しておるというのが、私の感想でございます。それで、イギリスはイギリスなりに、やはりコールダーホールを主軸としまして、天然ウラン・ガス冷却・黒鉛減速を主軸としましてAGR、高温ガス冷却、これは、おそらく低濃縮ウランを使うというようなことで、アメリカの行き方にその意味において似てきた点もあるけれども、そういう形の、コールダーホールを基礎にした前進をさらに考えております。アメリカはアメリカなりに、あくまで今までの軽水原子炉の実用化ということを一方で着実に堅持しながら、しかし、従来からのやり方で、有機減速あるいはその他各種の炉について並行的に、大規模に実験段階を踏んでおるということで、非常に着実に従来の傾向を固めておるという状況でありまして、われわれとして、この際方針を再検討しなければならないというふうな要素は格別見当らないというように考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 それは非常に僣越千万な見方です。そういうふうに簡単に片づけられる問題じゃないのです。だから、会議が反省しておるかどうかの前に、あなた自身が反省しなければならぬと私は思う。英国にしても、ストラス氏の発つ表を見ると、イギリスの原子力動力炉の開発計画というりボートの中で、やはり経済性、安全性の問題を論じて、さらに燃料要素についても、一九六〇年代には現在の天然ウランでないものを使い、一九七〇年代には燃料サイクルそのものを変えていこう、こういうことを発表しております。それらは別としても、安全性、経済性という問題から、今コールダーホール改良型と伝えられておるものは、燃料要素においても減速材においても、全然異質的なものを持ってこようとしておる。なるほど、これは持続的な発展ではあるけれども、やはり経験に基く反省をして、新しいものを生み出そうとしておるわけです。そういう意味において動力炉というものの反省の時期が来ておるのではないか、各国がまじめに、謙虚に、科学的にそういう段階に到達しておるということを、私は指摘しておるわけです。でありますから、一にも十にもコールダーホール改良型でなければならぬとして、それに有利な材料だけかき集めて、それに持っていこうというようなことは、少くとも日本に初めて運転されようとする動力炉に対する態度としては、賢明でなければ、むしろ軽率である。この点は、もう少しいろいろな各国の事例等も――どうせ会議のデータなどといってもまだまだかかるでしょう、かかるでしょうが、翻訳をして、出席をされた方もほんとうにやはり検討をされて、研究してもらいたい。現に、名前は申し上げませんが、きわめて有為な少壮の日本の科学者代表が、コールダーホール改良型の経済性、安全性について発表があったのでディスカッションを求めたけれども、英国は、いや、この発表の通りだといってディスカッシションに応じてくれないといって嘆いておった人もおる。英国はああいうお国柄ですから、一度思い立ったらそれでいこうという英国の気風はわかりますけれども、それではとりつくしまがない、ディスカッションによって発展しない、向うの出したデータをのみ込むよりしょうがないといって嘆いていた人もおった。そういう点も考えないで、ただ、向うのデータが安全であると言っておるから門違いなかろうということで、日本が不幸な実験台言になったのではたまったものじゃありませんから、十分に御検討にならなければならぬと思う。そういう意味で、これは何も面子にこだわる必要も何もございませんが、コールダホール改良型についてかねて疑問と思ったものが、この会議ではまだ未解決になっておる、十分データを検討の上で、時と場合によれはコールダホール改良型を導入することはあきらめなければならないという石川代表の発育は、正しい御発言だと思う。そういう音意味で、原子力委員会としてももっと衆知を集め、同時に、これまでの行きがかりにこだわらずに、この会議に集約された各国の意見等も十分御検討いただいて、そして、万誤まりなきを期すという態度にぜひ出られるべきが私は至当ではないかと思うのです。その点いかがでしょう。

石川一郎原子力委員会委員

○石川説明員 先ほど来貴君が言われました英国の研究の行き方、開発の仕方、あるいは米国のそういう方法は、明らかに、私もあなたと同じような見解です。なお、これを採用するかしないかという問題ですが、これは、今までいろいろな見積もりも出ており、検討も済んでおるなら、今きめてもいいのでありますが、まだそれが研究中でありまして、それがよかったら買うということであって、何でもかんでも、悪くても買うということではないと私は思う。ですから、岡さんの議論も少し早過ぎるのじゃないか。もう少し検討が済んで、そして、そのときに、こういうわけでこれは買いましたとか、やめましたとか、こういうときにいろいろ御議論を伺えばけっこうなんで、今報告を受け取ってないような状況です。原発会社は、それは総がかりでカン詰にして、三社目が終わったようですが、ずっと開きまして、そして、疑問の点を検討しておりますから、そういう点がはっきりわかって参りましたら、今度は採用するということをきめてもいいのじゃないか。要するに、ジュネーヴ会議で発表された以上のことを今やっているのでございますから、それによって決定するのが当然じゃないか、こう私は思いますので、もう少し今の御議論はお待ちを願いたいというふうな考えを持っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 いや、私も社会党も、何も原子力発電に反対するものではないのです。むしろ、やってもらいたいとさえ思っているのです。ただ、日本はこういう特殊な事情を過去に持っておるものだから、ここでしくじると将来の原子力発電も原子力開発もみんなおじゃんになりはしないか、だから慎重の上にも慎重を期してもらいたい。そういう意味で、公平に今度のジュネーヴ会議に集約された原子力発電についての、先進諸国を初めとする研究の成果なりあるいはディスカッションの成果なりを慎重に検討せられて、ただ向う様の売りを急いでをる人たちだけの意見を聞かないで、公平にやることが日本の将来の原子力開発のためにいいのだ、こう信じておるので、私、何も先走りをしておるのじゃないのです。一つ、この際原子力委員会は腰だめをしてもらいたいということを申し上げておるわけです。  実は、そういうふうに原子力発電、原子力発電ということで、一種のブームのような形で、原子力といえば原子力発電というような格好になって、あるいはアイソトープの関係になり、そういう方面がどうも……。日本は原子力が重点的になって、不均衝に原子力開発の研究が進められておるということが一つ。もう一つは、こちらがこの基礎分野の研究を怠っておって、諸外国のデータにすぐ飛びつくということで、このジュネーヴ会議の一回と二回との間の二、三年というものは、日本の原子力開発の研究というものはどうも根なし草のような、と申しては極端ですが、不安定さ、不均衝さがあったということを痛感するのです。そういう意味で、一つ原子力委員会もこの際もっと基礎分野における推進ということについて、今度の会議の成果からも、十分基礎分野に力を入れるという教訓を、私は学びとっていただきたいと思う。ということは、現にあの会議に御出席の少壮有為の科学者の諸君が期せずして異口同音に言われたことは、二、三年前にはわれわれのアイデアは他国に劣らなかった、ところが、他国はその後政府その他の予算的努力、その他の方法でもって積極的に推進してきたから、全部実験のデータを持って発表してくる、日本はアイデアだけだ、これでは、この次に会議があったときには非常な立ちおくれをするのではないかということを、この諸君が異口同音に懸念をしておりました。ということは、とりもなおさず日本の原子力政策が、原子力発電なり、いわばその実用面、応用面に力こぶを入れ過ぎて、基礎分野に対してもう少し力こぶを入れるということが欠けておったのではなかろうかというようなことも私は感じました。そういう点で、今後原子力委員会としても、国内の研究開発にはもっともっと基礎分野に力こぶを入れてもらう、学術会議なら学術会議の意見などもやはり十分に聞いて、もう少し基礎分野に対して力こぶを入れてもらいたいと思う。  そこで最後にお願いしたいことは、先ほど石川さんもおっしゃいましたが、核融合反応の問題なんです。核融合反応は今度はああしてアメリカは実物大のステラレータ一を持ってきた。英国もそれに近いゼータを出してきた。ソビエトも展宗会では展示しておる。先ほど御指摘のように、各国それぞれ研究を発表してみたところが、大体同じ道を歩んでおって、同じ段階におる。だからステラレーターで出てきた中性子だって、果して融合の結果出てきたものかどうかわからないということが会議の中心になっておる。ゼータの場合も同じです。これからということです。ところが、東大の宮本さんあたりの発表されておるアイデアは、決してこれに劣るものではないと思う。日本には、幸い湯川さんを中心とする核融合問題の懇談会もあるが、これは学者が集まって情報を交換するだけで、独自の組織も何も持っておらない、金もないというような状態のようです。分裂反応の問題もやってもらわなければならぬけれども、日本のすぐれたアイデアを現にこの会議で示し、しかも、学者が大学をこえて協力態勢を持っておる。こういう核融合反応の問題は、ペラン氏は二十年後には実用化するであろうと言っておるが、二十年後といってもすぐですから、この際、日本もつ基礎から始めて積極的にやる、原子力委員会も核融合問題を取り上げるということにしてもらいたい。この間の委員会の御決定として私どもは聞きましたが、開いてみると独自の予算があまりついておりません。二億三千万円くらいですか、予算も分散しておるし、文部省と科学技術庁で分れておるしというようなことで、予算の運営も非効率的だと思う。予算については、原子力委員会はやはりちゃんと握っておられて、もっと核融合問題についても積極的な御努力を願って、ここで日本の若いすぐれた科学者のアイデアというものに対して実験のうしろだてを与えてやって、この次の会議では一つ日本も断然核融合には権威があるというようなところまで持っていくようにしなければならぬと痛感しました。これを私の意見として、お願いとして申し上げまして、私の質疑は終りたいと思います。

石川一郎原子力委員会委員

○石川説明員 先ほどお話がありましたが、二、三の点についてお答え申し上げます。  岡さんのおっしゃった中に、一度失敗したら原子力開発はおくれるというお話がございましたが、この点は私も非常に心配しておる、同じ考えでありますから、どうかわれわれもそういうふうに考えておるということを顧にとどめていただきたい。これが一つ。  それから、原子力開発にはやり過ぎて、どうも基礎研究をおくらせておる、なまけておるのではないかというお話がありましたが、私は研究者ではございませんが、基礎研究をうんとやらなければだめだという最も強い議論をやっておる一人であります。ただ御承知のように、東海村の研究所がようやくできて、建物ができて機械を据え付けたという程度でありまして、じっくりと研究に身の入るようなことにようやくこのごろなた状況でありますので、今後さらに基礎研究を推進するような方策を講じようじゃないか、それにはどういう組織を作ったらいいかということもやっておるのです。今までは、研究したくても家もなかった、設備もなかったというような状態でありましたのでおくれておりましたが、これからは、あれだけの設備ができましたから――これはもっと拡張もしていただかなければなりませんが、大いにやっていただく、こういうつもりでありますし、組織なんかについても考えつつある。これも御承知を願いたいと思います。  核融合の問題ですが、これは前にも申し上げましたが、今大学の教授連中と知識の交換その他については非常によくいきまして、たとえば、専門委員あたりになっていただいて、いい知識を拝借して連絡をとりつつありますが、研究問題については、あの所管の関係でどうもうえまくいきません。文部省がとったらいいのか、われわれがとつて文部省に分けたらいいか、こういうことがはっきりいたしませんので、これは湯川さんともお話申し上げ、茅さんともお話申し上げておるのですが、何とか研究問題をうまくやるようにいたしたい。知識を拝借することはどっさりありますから、この方面の研究に対して、特に核融合反応に対してどういうふうなことをやったらいいかということは、まだ設備的な問題は学者の間できまっておらないようですが、目的はあるところにあるのだそうですから、来年度は予算はわずかだけれども、ともかくも、そういうふうな各国の情勢をすっかり集めまして、そうしてそれを皆さんにお配りして、そういうことぐらいはしっかりやって、来年一ぱいくらいの間にはどういう方向へ進んだらいいかということを研究したらいいのじゃなかというふうに私は考えておりますし、また菊地さんあたりも、ことしというわけにはいかないが、もう少ししっかり地固めしてから進もうというようなことでございますので、予算もまたお願い申し上げることがあるかもしれませんが、そのときには一つ同じ意見でございますから、よろしくお願い申し上げます。

小金義照自由民主党

○小金委員長 ほかに御発言ございませんか。――ないようでございます。     ―――――――――――――

小金義照自由民主党

○小金委員長 この際、連合審査会開会申し入れの件についてお諮りいたします。すなわち、ただいま外務委員会において審査中の、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合国政府との間の協定の終結について承認を求めるの件、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の終結について承認を求めるの件及び原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカが衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件について、外務委員会との連合審査会を開会いたしたいと存じますが、その旨外務委員会に申し入れることに御異議がございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小金義照自由民主党

○小金委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたしました。  なお、連合審査会開会の日時等につきましては、外務委員長と協議の上、広報をもってお知らせすることにいたします。  次回は十月二十九日午前十時理事会、午前十時三十分から本委員会を開会いたすことにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時十三分散会

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