運輸委員会 第2号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/07
会議録
○塚原委員長 これより会議を開きます。 海上運送法の一部を改正する法律案及び小型船海運組合等の助成のための関係法律の整備に関する法律案を一括議題とし、政府当局より両案に対する逐条説明を聴取いたしたいと存じます。粟澤君。
○粟澤政府委員 まず海上運送法の一部を改正する法律案の概要を逐条に従いまして御説明申し上げます。お手元に法律案概要説明というプリントを差し上げてございますので、それをごらんいただきたいと存じます。 まず第一点は、海運同盟等の船舶運航事業者の行う共同行為に対する私的独占禁止法の適用除外を規定しております現行海上運送法第二十八条の改正についてでございます。第二十八条各号にいろいろと列記してございますが、内容を申し上げますと、運賃のべもどし制、競争抑圧船及び契約運賃制というものが列記されまして、これが独占禁止法の適用を受けるという形に海上運送法はなっておりますために、現在これらのものが禁止され、あるいは相当の制限を受けておる、こういう内容になっておるのでございます。この内容を申し上げますと、運賃のべもどし制と申しますのは、一定の期間、たとえば六カ月間同盟加盟運航業者にだけ荷物を積みまして、それに引き続く一定の期間、たとえば六カ月間同様に盟外船には荷物を積まなかった、こういうことを条件といたしましてその初めの六カ月の期間の運賃の一部を荷主に戻す、こういう制度でございます。従いまして荷主は最初の六カ月、次の六カ月というものをずっと同盟の加盟業者に荷物を積みませんとその最初の六カ月間の運賃ののべもどしを受ける権利を失う、こういう制約を受けますので、同盟加盟船に荷物を長期間にわたって積む。従って盟外船はなかなかそのために進出ができない、こういうふうになるわけでございます。次の競争抑圧船と申しますのは、同盟加盟者以外のいわゆる盟外船が出てきた場合に、これと同じような日時に同じような荷物をねらって競争船を出すわけでございます。場合によってはそういうものの運賃をある程度引き下げる。その損害は同盟の加盟者がみんなで負担する、こういうふうなことを行なって競争者を押える、こういう方法でございます。次の契約運賃制と申しますの、同盟でございますので、一定のタリフをきめて、その運賃で荷物を運ぶわけでございますが、自分は将来ともこの同盟の加盟船主にだけ荷物の運送を頼むという契約をいたします者には、そのタリフよりも一定の割合を割引いたしまして、その割引運賃を契約運賃として適用する、こういう方法でございます。この場合には初めから将来加盟船に積むということを条件にいたしておりますので、初めから安い運賃で積んでもらえるわけでございます。しかし途中で同盟以外の船主に荷物を積みます場合には、それからは高い一般通り運賃を取られる、あるいは場合によりましては罰金と申しますか、違約金を徴収されるという内容になるわけでございます。御承知の通り海運同盟は大体定期船に発達しておるのでございますが、この同盟のねらいといたしますところが、大体過当競争の防止でございまして、従いまして同盟内部の各同盟船主間の競争防止、それから外部に対しまする自衛手段、この二つの手段があるわけでございます。同盟内部の問題はさておきまして、同盟外部に対する同盟の維持安定のための自衛手段といたしましては、ただいま申し上げました運賃のべもどし制、競争抑圧船あるいは契約運賃制というものが非常に重要な、また大事な、しかも強固な同盟には一般的に慣行として用いられておる方法でございます。これを現在の海上運送法はアメリカのシッピング・アクトにならいまして非常に制限的に規定いたしまして、禁止あるいは著しく制限を加えた規定になっておるわけでございます。しかしこういう自衛手段は国際的にも認められた手段でございますし、同盟の安定維持のために欠くことのできない有力な手段でございますので、海上運送法の第二十八条各号のこの規定を削除いたしまして、これらにつきましては同盟がこれを行なってもよろしい、こうしたいというのが今度の改正の第一点でございます。 次は第二点といたしまして、船舶運航事業者の禁止行為を規定いたしました海上運送法第三十六条の改正についてでございます。第三十条第四号には、海運同盟の行なっております同盟に対しまして、盟外船が加入を申し出ました場合に、現在の第四号では正当かつ合理的な理由がないのにこの加入を拒否することは禁止されております。ところがこの規定につきまして、正当かつ合理的な理由というのが何であるかという点が従来明確でございませんでしたために多くの紛争が発生いたしております。今回は、改正によりまして当該航路における船腹の過剰ということを正当かつ合理的な理由の例示といたしまして、これによってその紛争を未然に防止するということを考えたわけでございます。現在でも当定期航路における船腹が十分である。さらに新しく加入を許しましてこれに船腹を加えることは船腹過剰を来たす、そのために過当競争を食うおそれがあるということは、加入を拒否する正当な理由と認めたい、こういうことがあるわけでございます。そういう改正でございます。次にまた先ほど申し上げました運賃のべもどし制を一応第二十八条からは削除いたしましたが、この制度は、先ほども申し上げましたように競争制限の方法としては非常に強力な方法でございます。従いまして、荷主その他関連事業者に対しましていろいろな摩擦が起ることも予想されますので第三十条に新たに第六号を設けまして、その運賃のべもどし制が荷主を不当に拘束するようになる場合にはこれを認めない、こういう制限をつけて第三十条の六号に一応これを起した、こういう形にいたしたわけでございます。 次に第三点といたしましては、航路紛争の調整に関する規定でございます。航路調整という問題は非常にむずかしい問題でございます。従来も運輸省といたしましては、行政指導によって極力この紛争調整を進めてきたわけでございますが、御承知のようにニューヨーク航路、印パ航路その他に相当航路紛争も起きて参ったわけでございます。そういう事実にかんがみまして、今回海上運送法にその航路調整の権限を規定することを考えたのでございます。定期航路におきまして、貨物の運送に関して過当競争が生じ、あるいはまた将来生ずるおそれがある、こういう場合には運輸大臣が関係業者に対しまして当該事態を調整するために必要な勧告をすることができる、こういう規定を設けたいと存ずるのでございます。なお、現行法の第三十二条は、現在の海上運送法が最初に施行されました際に経過規定として設けられた規定でございまして、すでにその使命を果しておりまして、今日ではもう用のない規定でございますので、現在の第三十二条を改めまして、今申し上げました航路紛争調整に関する勧告権に関する規定を第三十二条に置きかえることにしたい、こういうことでございます。 以上が海上運送法の改正に対しまする逐条の御説明でございます。 次に、小型船海運組合等の助成のための関係法律の整備に関する法律案につきまして申し上げます。 これは別に資料もございませんが、先般大臣の提案理由の説明にございました通り、今度の改正の内容といたしましては、小型船海運組合及びその連合会を商工組合中央金庫の融資の対象にすること、次にはこれを事業税の課税上特別法人とすること、第三には中小企業信用保険法の信用保険の対象とすること、第四にはこれを協同事業用施設等について特別償却を認めることにすること、この四点が今度の改正の要点でございますが、以上を条文について見ますと、この整備に関する法律案の第一条が小型船海運組合及びその連合会を商工組合中央金庫の融資の対象にするための規定でございます。第二条が先ほど申し上げましたこの小型船海運組合等を事業税の課税上、地方税法上、特別法人として扱う、こういうための改正でございます。第三条が中小企業信用保険法の信用保険の対象として小型船海運組合及び小型船海運組合連合会を扱うというための改正でございます。第四条が小型船海運組合等の協同事業用施設については、租税特別措置法によりまして三年間五割増しの特別償却を認めるための改正規定でございます。 これらの規定は、いずれも第二十六国会に小型船海運組合法が成立いたしましたときについておった規定でございますが、当時の経緯を少し申し上げますと、第二十六国会におきまして、中小企業団体法及びその関係法令が同じく提案されておったのでございますが、この団体法及び関係法令が先に衆議院を通過いたしました。従いまして条文整理の方法といたしまして、ただいま申し上げました商工組合中央金庫法その他一連の法律に関します附則においては、まず中小企業団体法の商工組合あるいは商工組合連合会というものを、これらの法律に改正して挿入いたしまして、その次にこの小型船海運組合を加える、こういう改正をする条文を用意いたしまして進んだのでございますが、参議院におきましてはついに二十六国会で中小企業団体法及び関係法令が通過いたしませんでしたために、ただいま申し上げました商工組合並びに商工組合連合会というものが改正法律によってそれらの法律に挿入されなかった。従って挿入されないもののもとに加えられました小型船海運組合等の規定は効力を発生しない、こういうことになりまして、自後法制局とも相談をし、あるいは検討したのでございますが、やはりこれは無効の規定であるので、もう一度この法律改正をしてもらわなければならぬ、こういうことになって御提案を申し上げた次第でございます。内容につきましては、さきに成立いたしました小型船海運組合法の附則で御審議願いましたことと全く同様でございます。 以上、説明を終ります。
○塚原委員長 以上をもって両案に対する提案理由の説明及び逐条説明の聴取を終りました。 両案に対する質疑は次会に譲りたいと存じます。 —————————————
○塚原委員長 これより陸運に関して調査を進めます。質疑の申し出がありますので、これを許します。羽田武嗣郎君。
○羽田委員 私は私鉄運賃並びにバス運賃の値上げ問題について、大臣の御所見を承わりたいと思うのであります。 さきに大臣は本委員会において、私鉄運賃並びにバス運賃についての不合理は漸次修正したい、この秋ごろにはその修正が実現するであろうというようなことをお述べになったのであります。私鉄運賃改正の意のあることを明らかにされたと考えるのであります。しかるに党の方では、これを何か数日前にしばらくストップしたということでありますが、大臣はこの御決定に御承服になったものかどうかということをお尋ねいたしたいのでございます。 その御答弁はあとで承わることにいたしまして、私鉄の実情について少しく申し上げたいと思うのであります。 私鉄の方は、旅客は激増するのに、これを緩和するのには設備資金が必要でございますが、経営の内容が悪化しているために、銀行は金を貸さず、増資はできないというような事態で、大手十三社、中小百六十社中運賃値上げ前の四十社はこんぱいのきわみにあるのであります。十三社としては、今後五カ年に千二百五十億円の輸送拡充計画を持っておりますが、これは運賃値上げによるほか資金を得られない現状であるのであります。私はこの際運輸行政の責任者であるところの大臣に対して、この現状をどう見らるるか、及びこれが対策として運賃値上げについてさらに新たな決意を持って御努力をなさるおつもりであるかどうか、これをお尋ねいたしたいのであります。それにつきまして大臣は、実情は十分御承知の通りでございます、釈迦に説法という感があるのでありますが、以下数点に関して私鉄経営の実態について述べて御参考に供したいと思うのであります。 まず第一には、運賃政策上の不統一の問題であります。すなわち昨年四月国鉄が運賃値上げをしましたために、国鉄と私鉄の競争区間では私鉄の方が安い区間が全国各地に続出しました。顕著な一、二の例をあげますと、たとえば岐阜—豊橋間は国鉄が二百五十円、名鉄が二百十円で、四十円名鉄の方が安い。日光—上野間では国鉄が三百六十円、東武は日光—浅草間で二百七十円で、九十円というような巨額の安い運賃でストップされておるのでございます。右のような次第で、国鉄と私鉄の間に運賃差が非常に大き過ぎるのではないかということを考えるものであります。 それから第二には、私鉄運賃の値上げは、物価問題として取り上げるほどの影響はないということであります。すなわち物価に直接響くところの私鉄の貨物運賃は昨年四月に国鉄と同時に上ったのでありまして、私鉄の問題は今は旅客運賃のみでありまするから、ほとんど問題とするのには値いしない、こう思うのであります。この物価指数の問題でありますが、昭和九年から十一年と、現在を比較いたしまして、一般物価は三百倍から三百六十倍になっております。新聞紙のごときは三百三十倍でございますが、私鉄運賃は大手十三社で一キロ当り基本運賃は平均二円二十銭でありまして、百四十倍にしかなっておりません。通勤定期の割引は基本運賃に対して七割引、学生定期は九割一分というような驚異的な大幅な割引を行なっております。これらの割引を考えますと、実収の運賃は百二十七倍にしかなっておらないのであります。一般のものが三百倍から三百六十倍になっているのに対して、私鉄運賃は百二十七倍というような低いところにとどめられておるのでございます。かくのごとく私鉄は昭和二十八年以来据え置かれておりますので、私鉄ほど低位に据え置かれているものはほかにはないと思うのであります。 第三には、私鉄輸送量の増加傾向と経営の困難の問題であります。都市に人口の集中の結果といたしまして、私鉄の輸送量は年々増加しておりまするが、これは主として定期旅客の増加であって、このためにラッシュ・アワーの混雑時は定員の一・八倍から二・八倍の混雑ぶりであるのであります。一人当り一キロの輸送コストは一円二十六銭でありますが、学生定期の場合は九割一分の割引でありますから、収入は七十銭という次第でありまして、学生定期の場合は三往復分の運賃で一カ月乗れる、こういうような実情になっておるのであります。かくのごとく全くコストを割った割引運賃であるということが明らかになるのでございます。しかも定期旅客と定期外普通旅客の乗客数の比率は、定期旅客が七割に対して普通旅客が三割でありますが、収入の方は定期旅客が三割に対しまして、普通旅客が七割というように全く逆の数字を示しておるのでございます。以上のごとくコストの半額の収入で輸送しておる定期客の増加が著しいので、収益性は年々低下しておりまするが、コストを割る定期客のラッシュ・アワーの混雑を緩和するために設備の拡充改良をしなければならないために、昭和二十七年以後五カ年で設備拡充改良費として四百五十億を私鉄は投下いたしましたが、年々定期客が増加しておるために輸送難は一向に緩和しておらないのであります。これを緩和するためには今後さらに五カ年計画で一千二百五十億円を投入して新車両の購入、変電所の増設、ホームの延長、このホームを延長するためには用地の購入、現在の三十七キロトンのレールを五十キロトンの重軌条に交換しなければ輸送にたえないというようなわけで、この重量のレールに切りかえる等々、資金の需要はますます大きいのでございます。しかも用地買収や車両の発注は一、二年前にやっておかなければならないのでありますが、すでに発注済みのものに対する支払いの目途がついておらないような私鉄もあるような状態であります。この資金をまかなうために、増資もできないし銀行借り入れも困難な場合においては、運賃を値上げする以外に手はないが、これが許されない現在では、償却と金利に追われて、保守、修繕費を節約して、ようやく経営のつじつまを合せている現状であるのであります。従って、まくら木の購入も思うようにできないことになるが、このために電車が転覆したような場合は、人命にかかわる一大事を惹起するおそれがあるのであります。この人命を保護するためにもぜひとも運賃の値上げを認めなければならないと思う次第であります。 第四は、私鉄の兼業の問題でありますが、私鉄は兼業でもうかっていると言われますけれども、兼業の投資額は、バスを除きますと、全投資の一四%程度でありまして、収入は九%にしかすぎないのであります。経営全体から見れば世間で問題にしているほどのものとはおよそ違っているのが私鉄の兼業であります。兼業投資のおもなものは土地建物業、それから遊園地、売店、広告等でありまして、デパートその他は傍系事業として独立して、私鉄としての収入はその配当、家賃ぐらいが入るにすぎないのであります。 以上の見地からいたしまして、運賃の値上げのねらいは、輸送施設拡充のための資金調達源の培養ということに尽きるのでありまして、従って私としては、一度に一斉に私鉄やバスの運賃値上げをされたいというのではございません。大手十三社並びに四十社中で最も急を要するものから一つ一つ取り上げて漸次に値上げを許可すべきではないかと存ずる次第であります。しかも運賃値上げ分は施設拡充費だけに使うという制限付でもけっこうでありますが、大臣としては、党六役会議並びに総務会に対して、私鉄監督の責任者としてもう一度立ち上っていただくことができないかどうか、これらの点をお伺いいたします。
○永野国務大臣 羽田委員の御質問に対してお答えいたします。ただいま私鉄運賃値上げの合理性を四点にわたって御説明になりましたが、全く御同感であります。これは私だけでなくて、言葉が悪いかもしれませんけれども、政務調査会的の観点から数字について御検討になる方はだれでも納得のいく御説だと拝聴いたします。問題は、何がゆえに運賃のこういう不合理化が起ったかという沿革的の理由をもう一度振り返ってみる必要があると思うのであります。 御承知の通り、神武以来の好景気が急転いたしまして神武以来の不景気になりまして、応急対策として、不合理と知りつつ、ある程度のドラスティックな方法をとらざるを得なかったことは御承知の通りだと思うのであります。幸いにそのドラスティックな方法が非常に効果をあげまして、今ではやや経済界も安定し、国際収支も黒字になっておるのでありますから、もうそろそろ不合理は、是正してもいいではないか、その時期に達したのではないかという議論もあり、私どももそう考えるのであります。ただ問題は、今せっかくやや安定し、やや強化された国際収支に対して、ここですぐそのバネをはずしてしまうのが果して適当であるかどうかということで議論が分れてくるのであります。はなはだ卑近な比喩を申して恐縮でありますが、病気はなおった、腹下しはなおった、しかしまだ今しばらくおかゆの程度にとどめておくべきではないか、いきなり平常食ではせっかく今までしんぼうした効果を水泡に帰せしむるような現象が起きやしないかというところに議論が分れるのであります。私の個人の私見をこの席で申し上げることが適当であるかどうか存じませんが、私はもうかれこれ平常食に適する時代になった、私はそう判断しておるのであります。今の四点の御主張に対して、一々繰り返し私が申すまでもありません。非常に不合理であります。これは何人も認めるところであります。ただ、不合理と知りつつその不合理を強行しなければならなかった経済的及び政治的の理由があったことも事実であります。そういうドラスティックな方法を、不合理と知りつつやらざるを得なかったその方法を、もうある程度の是正をしてもいいではないか、つまりあるべき姿に運賃政策を戻してもいいではないかという意見と、まだ少し早い、もう少しこれを固めたい、傷のところに薄皮を張っちゃった、これはもうだれもほとんど意見に差はなさそうでありますけれども、まだその上を普通の健康な皮膚と同じようにこするのは少し早いというような意見が分れるのであります。ことに今度の国会に出ますであろうガソリン税の値上げというような問題があります。これが通るか通らぬか、またいろいろな論議が起ることは予想されるのでありますけれども、かりにこれが通れば、いやでも運賃の問題にはね返ってくる。そうすると、そのときまで模様を見て、一緒に問題を解決したらいいではないかという政策的の意見もあるのであります。しかし、先ほども私の個人の意見を申し上げました通り、私はもう不合理は是正すべき時期に達した、日本の経済界をそういうふうに観測しておるのであります。ただこれが党の大勢にはならぬのでありまして、先日の六役会議、それからその後の総務会でも、運賃の是正は時期尚早だという意見であったようであります。あったようでありますというのは、私はそのときに出席しなかったのであります。六役会議のときは出ました。しかしそれが大体十四次造船問題に大部分の時間を使いまして、運賃の問題はほんのちょっと話しましたときに、たしか参議院だったと思いましたが、提案理由の説明に行くようにという招集を受けましたので、そちらの方へ参りまして、帰ってきてその論議を継続したいからといって、そう断わって出たのでありますが、帰って参りましたらもう六役会議は終った、それで、その当日から申しまして翌日の総務会は運賃問題にしぼって協議をしようという話であったということを聞きましたので、翌日の総会にその話をする機会があると思って私は引き下ったのであります。ところが、不幸にもその翌日の総務会と同じ時間に本会議における代表質問がありまして、私どもひな壇から去るわけにいかなかったので、その理由を申しまして総務会を欠席いたしました。だから私は出て参っておりません。その留守中に総務会が決定したそうでありますから、総務会がどういう経路で決定したかということは承知いたしておりません。しかし、先ほどお話のありましたように、日本の運賃政策が非常に不合理だということは御同感であります。そうしてその不合理を是正すべき時期に達したと私は考えております。同時にこの運賃の値上げを反対される方々でも尚早論というのであって、本質が運賃値上げはけしからぬという御議論はほとんどないようであります。内容はある程度了解されておるのでありますけれども、時期の問題について意見が分れておると私は了承しておるのであります。従いまして、その時期がもう十分に熟したという主張は、なお繰り返してすべきだと私は考えております。政務調査会の交通部会の皆様方からいろいろ御説明も聞き御主張も承わって、よく了承いたしております。ただ先ほども申しますように、私がそれに対する意見を述べる機会をまだ得ておりません。従いまして、せめてそういう機会は得たいと思っております。努力は継続するつもりであります。私は、理詰めに考える人ならば大体これは了承が得られる問題だと、こう考えております。つまり一列一隊に、しかも今のタイミングから申しますと、非常に不合理にでこぼこのできた運賃になっておることは、これは何人といえども認めざるを得ない事実でありますから、これを是正するということはいわゆる流れにさおさすような議論だと思います。比較的立ちやすいと私は考えております。そういうような意味におきまして、私自身は努力を継続いたしますけれども、同様な御意見のおありの方は、そういう反対論のあるということをお認めになりまして、そういう方々と十分に御意見の交換をなさって、党の大勢をその方に持っていっていただくことができますならば、私は大へん仕合せだ、こう考えております。
○羽田委員 ただいま大臣のお話によれば、この不合理のことについて是正すべきときがすでにきておるという御認識であることを私も喜ばしく思う次第であります。問題は、これは党の問題ではありますけれども、政府の与党としての問題でありますから、私はあえて申すのでありますが、ともかく六役会議に大臣が出席したけれども、途中で余儀なく公務でもって欠席をせざるを得なかった、こういうお話で、御意見をほんとうにお述べになっておらないという次第でありますので、これは何といいましてももう一度六役会議に御出席になって、そうして強く理詰めにお話を願って、もう先ほども申すように、私鉄運賃の値上げというものは別に物価にも響くものではございません。旅客だけの話でございますし、しかも国鉄に比べて短距離でございますし、そういう意味においてはあまり——ことに定期の客といたしましては、あの朝晩のラッシュ・アワーでもってもみくちゃになって会社に出かけたり工場に出かけたりしまして、不愉快な思いでもってやるとすれば、生産力にも影響がありますし、それから休養すべき家路に帰るときにもみくちゃにされるというようなことであっては休養にもならない、こういうふうに考えますと、日本全体の生産能力を上げていく上においても、これは何としましても、運賃を値上げするということはもう時期がまさにタイムリーにきておるのじゃないか。ですからこれを政治的に考えて、運賃の値上げの時期でない、もうしばらく待つべきだというような反対論者がありましたならば、これは簡単に口説けるものではないか、こういうふうに思うのでありまして、一つ責任ある大臣のお立場において、政府の与党たる六役会議においてさらに蒸し返していただき、そうして啓蒙していただいておやりいただきたい。それから総務会の場面は、ただ六役会議できまったからということで御異議はありませんか、異議なしというだけの話でありまして、別にえらい討論をして総務会できまった、こういうような実態でもないということを知っておりますので、一つまずその基本的なる六役会議にもう一回出席せられて、そうしてまたその前にも反対論者をよく御説得をいただいて、そうして六役会議にお出かけになっておやりをいただきたい。(「ここは党の総務会じゃない」と呼ぶ者あり)政府の与党でありますから、井岡さんその点は御了承をいただきたいと思います。責任ある立場における大臣としてもう一回事態を新たにネジを巻いていただきたい、こういうふうに思う次第であります。
○永野国務大臣 羽田議員の御質問中に党の六役会あるいは総務会の私の言動に対する御質問がありました。ここは国会だから党の会合でないことはよく承知いたしております。従いましていわゆる一通りの答弁といたしませば、党及び党の機関における言動のことはここで議論する必要はないとお答えすれば済むのでありますけれども、ただ現実の問題といたしまして、今の党の政策が実際上この国会のあれに反映いたしますので、実質のお話をいたした次第でございます。その席が違うということは十分承知いたしております。右のような次第でありますから、その質問応答が適当でなかったことは私も認めておりますけれども、その趣意だけは御了承を願いたいと思います。
○長谷川(峻)委員 私は大臣がこの委員会に第一回においでになりましたときに、やはりバス並びに私鉄運賃十三社の問題に触れて、運輸行政に直接当られる大臣としての御覚悟をその際にお尋ねしたのです。その際に大臣は、運輸省においては積極的な行政をやらなければならぬ問題が多々あるけれども、その反面自分が大臣になって運輸省を見た場合に非常に不合理が山積しておる、この不合理を直すことがまず自分の仕事である、その中にただいま羽田委員に御答弁になったようにバス運賃も取り上げられておるわけです。その際に、経済状況からして、神武景気があって、それがなくなって、それが一、二そういう私鉄あるいはバスの関係者に犠牲を負わしていることは率直にお認めになっておる。そうして秋ごろにはこれは何とかしなければならぬのじゃないかということは——神武景気が多少回復したことは、ほかの方々の努力あるいは政府の施策もあるでしょうけれども、そういうものの中に一、二こうした直接あなたの関係している行政の中のものが非常に不況にあえいでいる。いわゆる行政の不合理がここに自分の管轄下に行われていることは非常に困ったことであるから、これに御努力されるということをお約束されたのであります。その後新聞などでずっと大臣の発表などを拝見しておりますと、あるいは来年の参議院の選挙が終ってから、あるいはまたバスだけはぽつぽつおやりになるというようなことが出ているのです。ですから、その意見として尚早論とそれからまたやるべしという議論と二つある。しかしながらそこに大臣としては政治力というものが必要なんじゃないか。その御努力をわれわれ党内の者にやれとかなんとかということは、これは私の方の交通部会の話なんでありますから、私はこの際は大臣としての判断と政治力をお願いしたい。これについては、この委員会は超党派的でありますから、社会党の諸君といえども私鉄運賃については賛成なんだ。私鉄労組は一生懸命われわれに陳情してきている。でありますから、私はぜひそこに政治力をお願いしたいということです。大臣もおなれになっていないものですから、御答弁の中にわが党の話をじゃんじゃんするものですから、さっきからこの通り関連質問で怒っている。そういう弱い大臣をわれわれは助けながらやっていかなければならぬところに非常に苦労がある。(「大臣は弱くないよ」と呼ぶ者あり)この通り攻撃するのですから……。強いならやることは一つしっかりやってもらわなければお話にならぬので、どうぞその点しっかり覚悟と行動を示していただかぬと、昭和三十四年度にはたくさん問題があるでしょうが、そういう問題について、この運輸委員会の方方の御協力をわれわれは与党として社会党の諸君にお願いしなければならぬ場合に、いわゆる大臣個人に対する要請にあらずして、運輸行政に対する要請をお願いするわけにいかぬのです。この点まで政治的御考慮をお願いして、この際私は羽田君の質問に対して極力政治力を発揮して善処あらんことをお願いいたします。
○永野国務大臣 ただいまの御質問ですか御詰問ですか知りませんが、よく了承いたしました。判断力の足らぬところは是正していただければだんだん補いがつきますが、力の足らぬところはちょっと御鞭撻だけでも御期待に沿い得ないかもしれません。しかし微力ですけれども、少くも心持は皆様方の御期待に沿うように今後も私の努力を継続して参ります。
○館委員 関連質問。大臣にちょっとだけ聞きたいことがございます。何か党の六役会議だか大臣会議だか知りませんが、その中でのお話のときに、大臣は出席をなされなかった、そこでそのときに決定された事柄については、わからないというお話でしたが、それはわからないでは済まされない問題だと私は思うのです。だいぶ日にちもたっているのではないかと思いますが、そこで尚早という話も出たそうですが、その尚早論の根拠はどこにあったかということについてお尋ねしたいと思うのです。どういうわけで尚早論が出たかという、尚早論を唱えた方たちの基本的なものの考え方、どういう分析で尚早論をお出しになったかということについては、大臣御出席にならなくても大体おわかりになっておるのではないかと思うのです。その辺を一つ明らかにしていただきたい。賛成論ばかりでなく、反対論もやはりお話を大臣が知っていらっしゃるのじゃないかと思う。両論をここに披瀝なさってしかる後に判断をするのが私は大事だと思いますから、お話を願いたいと思います。
○永野国務大臣 館委員の御質問に対してお答えいたします。党役員会における言動についての発言は適当でないと今おしかりを受けている最中なのでありますから、従ってそれに対してあまり駄弁を弄しますことは適当でないと存じます。でありますから、今の質問だけに党の役員会における言動はとどめていただきますが……。
○館委員 そういうところにこの論の差が出てくる。論議を徹底させるつもりならばどうせ内輪の話だからお披瀝になった方がよろしいのではないかと思います。
○永野国務大臣 大体の態度といたしまして、お前はまだあまりなれていないからというお話もありましたが、その通りです。きわめてふなれであります。しかし私の心持はいわゆる議会の質問応答というものはそこでただしっぽさえつかまれなければいいというような扱い方でなくて、もう少し懇談的に話をしていきたいと思いましたから、言わずもがなの話をしたわけであります。今後世間でいわゆる議会答弁の方が適当であると皆様方から言われれば、イエスかノーか、きわめて簡明にお答えだけしておきます。 そこで最後の質問応答といたしまして、尚早論はどういう論拠に基いておるかという御質問でございました。これは党の役員会における話ですから適当でない質問応答でありますが、それは私が出たのでありませんから、伝え聞いたのでありますから、あるいは誤解があるかもしれませんが、私の聞いている限りでは、せっかく経済がずっと安定してきている。そこにそういう値上げのきっかけを作って物価がみんな上ってくると、それが連鎖反応を起してインフレーションになる危険があるというような説があると承わっております。しかしこれは私、先ほど申しますように私がその主張の本人でもなく、またそれを直接に聞いたわけでもありませんから、あるいはその尚早論の論者に直接会って聞けば、もっとほかの理由があるかもしれません。私の聞いている限りはさような次第でございますから、御了承願いたいと思います。
○塚原委員長 井岡大治君。
○井岡委員 もうなにの話は別として、この機会にお尋ねをするわけです。私は実はこういうつもりじゃなかったものですから研究はいたしておりませんが、たとえば今度の二十二号の台風によってかなり弱小私鉄は被害を受けております。これに対して地方鉄道軌道整備法の一部で若干の補助はしていただけると思うけれども、この問題を具体的におやりになるかどうか。同時にこういう台風が毎年々々やってくるような現状から考えて、今申し上げた地方鉄道軌道整備法の改正を行う意思があるかどうか。この点をお伺いしておきたいと思います。
○永野国務大臣 今度の災害が予想外に大きうございまして、地方鉄道に対しても今までなかったような大きな被害を与えておることは事実でございます。従いまして社会党からも御要請のありました補正予算は、おそらく組まざるを得ない状態になる事実が刻々判明して参っております。その予算の中に今お話しになりましたような費目もおそらく盛られるであろうと思っております。ただこれは責任大臣は大蔵大臣でありますから、どの程度の補正予算を組むかという範囲についての責任のある答弁はいたしかねます。しかし運輸省といたしましては、先ほど御指摘のありましたような点を十分よく勘案いたしまして、補正予算を組むとすればその中にぜひ入れて考えたい、こう考えております。
○井岡委員 もう一点。今申し上げましたように、これは台風だけでございませんが、いわゆる私鉄の中で辺境地を運行しております路線というものは、必ずしも収支のバランスがとれておらない。そういう意味から鉄道軌道整備法において若干の補助金を出しておるわけであります。この補助金が現在二〇%だと思うのですが、この点は民鉄部長さんの方がよく御存じだろうと思いますから、民鉄部長さんに伺います。
○岡本説明員 お答え申し上げます。先般の国会で地方鉄道軌道整備法の一部改正を行いまして、災害に対しましても補助金を出せるというふうな道が開かれたわけでございますが、その改正法による災害に対する補助金の第一次に適用になりますのは、昨年起りました九州の災害による島原鉄道並びに山鹿温泉鉄道の災害復旧でございます。すでにこれにつきましてはいろいろ調査をいたしておりますが、近日被害額も、あるいはこれに対する所要の復旧額も確定いたすことになると存じておりますが、今回の災害につきましては目下資料の収集中でございまして、果してこの地方鉄道軌道整備法による災害の補助を受けられる対象となるべきものがあるかどうかということについては、今のところはっきりいたしておりません。ただ御指摘のように地方鉄道軌道整備法をさらに改正する必要があるかどうかというふうなお尋ねでございましたけれども、どういうふうな点を改正する必要があるのか、今のところ運輸省といたしましては改正する必要はないと存じておりますが、もし御指摘をいただければまたお答え申し上げたいと思います。 それから地方鉄道軌道整備法といたしましては、御承知のようにここ数年来新線建設補助につきまして、ごくわずかの補助金を出しておりますが、これを増額することにつきましては年々われわれ努力をして参っておりますけれども、遺憾ながら交付率、補助率は非常に低いのでございまして、これにつきましては今後さらに努力を続けていきたいと存じております。
○井岡委員 今の問題は私も勉強しようと思っているところですから、どこをどうだというような具体的な質問は後日にお願いをしたい。ただ島原の問題にしてもまだ十分やっておられないようです。たとえばジェーン台風のときでしたか、たしか私、御坊鉄道の被害のときに参ったわけですが、あの際だった一駅の二キロ半ほどのところですが、あれが通ったことによってそこの住民は万歳をして喜んでおりました。ほんとうに喜んでおりました。そういう点から考えて、今度の二十二号台風における伊豆地方の私鉄に対する損害は、これは壊滅の状態ではないかと思うのです。そういう点を考え合せまするならば、人心の安定というかどういうのか適当な言葉はわかりませんが、そういう意味から考えても早急にやはり汽車なり電車なりを通してやる、こういうことが私は必要じゃないかと思うのです。こういう点で早急に政府の方でもお考えをいただきたい、こういうように考えるわけです。 それからこの際一つ委員長に、海運問題の法案改正が出ておる関係もありますから、全委員に資料の配付をお願いしたい。それから第十四次計画造船がきまるようですが、過去の利子補給の各社別の支出、それから償還、こういうものを一つ出していただきたい。
○正木委員 関連して。これこそ大臣の政治力で、第十四次計画造船がやや軌道に乗ってきたようですが、私どもが資料を要求いたします精神を率直に申し上げますと、海運業界の連中は、一口に言うと自社経理の改善策についての努力が足りないとこう私は見ているのです。景気のいいときには派手にぱっぱっとやるが、一たび不景気になってどうにもならなくなると、一切をあげて政府にしがみつく、これが率直に言って現状ではないか。従って当委員会としては、やはりこれは法に基く利子補給なんですから、従来の利子補給の各社別の支出の現況、それから当然好景気のときには従来のいろいろの負債に対する償還等もやっているはずなんですから、そういうものの実績を当委員会に資料として御提示を願って、その上に立って私は大臣のおとりになった措置、その他について御質問を申し上げたい。こういう考え方から委員長にお願いしているので、これは急速に当局の方では間違いなく資料を出してもらいたい。
○永野国務大臣 ただいまの御質問ごもっともであります。実はこの十四次問題が、今日まで私どもが当委員会で申し上げたのよりは約二カ月延びましたのも、今お説のような意見がありまして、まず海運業者の自粛自戒を具体化することの方が十四次造船計画を実行するよりは先じゃないか、その方が必要ではないかという議論が二カ月間予定を延長せしむるに至った原因であります。従いまして、私もその節の内容について決して反対論を持っておるのではありません。その必要を痛感しております。ただ問題は、それをしてから十四次造船をするのがよいか、一応十四次造船はしておいてむしろ条件的にこういう解決をする方がよいか、どっちの道をとる方がよいかということで分れたのでありますけれども、私は一応十四次造船だけはやっておいて、あの十四次造船の内容をごらんになりますとわかりますように、次の年度にわたります分についての支出は留保しております。いわゆる監視つきの支出になっておりますので、今御指摘になりましたような自粛自戒を具体的に表わすことが、この十四次造船——一応きまったと言われておりますことを実行する条件になっております。従いまして、私は引き続き各海運業者の自粛自戒の具体的な方策というものの実現に努力を続けて参ります。これははっきり申し上げてよいと思います。
○正木委員 私個人の考え方としては、今の大臣の御答弁で十分実は満足しているわけです。この点に関する限りは大臣の政治力を高く評価するわけです。 そこで委員長にお願いがあるのですが、法の命ずるところによって海運界の各社に対する監査制度が行われているわけです。これは法律上監査をしなくちゃならぬことになっておるわけです。従って事務当局は、その法に基いて各社の経理その他の監査を厳重にやっておるはずです。従ってその監査の結果も資料として出してもらいたい。そうすることによって私どもは議員として十分に政府に要望すべき点は要望し、御注意申し上げられる点は御注意できると思うのですから、その監査結果もあわせて御配付願います。
○塚原委員長 ただいま正木並びに井岡両委員より要求のございました資料はすみやかに提出させることにいたします。 次会は公報をもってお知らせすることにして、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十七分散会