運輸委員会 第1号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/10/03
会議録
○塚原委員長 これより会議を開きます。 最初にお諮りいたします。国政調査承認要求に関するものでありまするが、委員会は衆議院規則第九十四条により、会期中に限り議長の承認を得て、その所管に関する調査ができることになっておりますので、今回も前回通り、一、陸運、海運及び空運に関する事項一、観光に関する事項一、気象に関する事項 以上の事項に関して国政調査承認要求書を議長に提出いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
○塚原委員長 御異議ありませんので、さよう決定いたしました。 —————————————
○塚原委員長 次に、去る九月二十九日本委員会に付託になりました海上運送法の一部を改正する法律案及び小型船海運組合等の助成のための関係法律の整備に関する法律案を一括議題とし、審査に入ります。まず政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。永野運輸大臣。 —————————————
○永野国務大臣 ただいま議題になりました海上運送法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。 現在わが国をめぐる定期航路は、多かれ少かれ過当競争に悩まされ、その運営基礎がきわめて不安定なものが多いのであります。この航路の不安定は、現在の不況のもとに一段と運賃を不安定ならしめ、海運業者の経営をより悪化させるばかりでなく、わが国の輸出入貿易を阻害し、ひいては国際収支の上に著しい悪影響を及ぼすものと考えられるのであります。この航路不安定の原因は、何よりもまず航路安定を使命とする海運同盟の組織がきわめて薄弱であることによるのであります。ところで、この海運同盟が弱いのは、現行の海上運送法が、海運同盟に対し厳重な規制を加えておりますため、その活動が種々制限されているからであります。従って、この規制をでき得る限り撤廃し、今日国際的な慣行となっている海運同盟の自衛手段を広く認めることにより、この本来の安定的機能を正常に発揮できるようにすることが、この際ぜひ必要と考えるのであります。このような海運同盟の強化が、今回の改正の第一の要点であります。 次に、大多数の定期航路におきましては、この海運同盟の強化により航路の安定が期待されるのでありますが、若干の航路の中には、海運同盟の結成またはその強化が困難な事情がございまして、なお航路紛争が発生する場合も予想されるのであります。このような場合、事態をすみやかに解決するには、運輸大臣が所要の勧告をすることが最も適当と考えられますので、改正の第二点として、運輸大臣がかような調整措置を講ずることができることといたしたのであります。 以上がこの法律案の提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。 次に、小型船海運組合等の助成のための関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 現在小型船海運業を営んでおります者は、全国で約二万三千の多きに及んでおりまして、国内の海上貨物の過半を輸送するという重要な役割を果しているのでありますが、その大部分の業者が零細企業でありますところの、いわゆる一ぱい船主であります。このため、特に不況時におきましては、事業の経営状態はまことに憂慮すべきものがあるのであります。 政府といたしましては、第二十六回国会におきまして、衆議院の御提案により制定せられました小型船海運組合法に基き、これらの小型船海運業者が団結をはかり、自主的に運送条件、配船船腹等についての適切な調整措置を講じますことが、その経済的地位を改善し、事業の安定を確保するのに最も必要であると考えまして、鋭意その組織化に努力して参ったのであります。 申すまでもなく、本法は、さきに制定を見ました中小企業団体法とその趣旨を同一にいたしておりまして、本法を制定されるに当りましても、中小企業団体法が同時に成立する予測のもとに準備されたのでありますが、国会審議の関係上、中小企業団体法が本法におくれて成立いたしましたため、本法附則中部分的に法律上効力を生じない個所が生じ、当初本法の意図された趣旨が達成されませんので、今回の改正措置を講ずるに至った次第であります。 その概要を申し上げますと、第一に、この組合を商工組合中央金庫の融資の対象にすること、第二に、事業税の課税上、この組合を特別法人の取扱いとすること、第三に、この組合を中小企業信用保険法の信用保険に対象にすること、第四に、この組合の協同事業用施設について特別償却ができるようにすることの四点であります。 以上がこの法律案の提案理由及び概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願いいたします。
○塚原委員長 二法案に対する質疑は次会に譲ります。 —————————————
○塚原委員長 これより陸運、海運及び空運に関して政府当局より説明を聴取いたします。南海丸と、利根川のきのうの事故の問題について。辻海運局次長。
○辻説明員 南海丸のその後の状況につきまして、遺族補償の関係につきましては、私ども最近の事情は伺っておりません。少し前になお遺族の方と会社側とで補償の問題についてお話し合いがあるというふうに伺っておりますが、最近の事情に少しうとい点がありますので、さっそく調査いたしまして御報告申し上げたいと思います。 それから十月二日に起りました利根川の事故の問題でございますが、これは正確に申しますと、事故の日時は十月二日の午前八時ごろでございます。場所は利根川の富田新田付近、大体佐原より少し下流になる地点でございます。事件は、高岡某という人がニトン半の船をあやつりまして、二十四人の人を乗せて利根川を渡ろうとした途中突風のために船が転覆いたしまして、二十四名中十六名は救助されたのでございますが、八名が行方不明に相なっております。この船は、平素は主として農産物の運搬用の船でございまして、たまたま例の第二十二号台風の関係で水門が閉鎖されまして、平素はこれらの人々は大部分農家の方でございますが、みな自分の小船を持って住宅と耕地と間を往復されておったのでございますが、水門の閉鎖のために自分らの船が水門より内側にございましたので、そのニトン半の米の運搬船に耕地まで行くように依頼して乗船されて、その結果として不幸にしてこういう事故にあわれたというのが事故の概要でございます。 それで船舶安全法との関係でございますが、船舶安全法は五トン以上の船を対象にいたしておりますので、この船は関係はございません。それから先ほど申し上げましたようなことで、この船は平素は農産物の運搬に当っておりましたので、いわゆる旅客定期航路なり、あるいは旅客不定期航路事業の免許は受けてはおりません。従いまして、臨時に客を乗せて運んでこういう事故に相なったということが事件の概要でございます。 簡単でございますが、事件の概要を申し上げました。 —————————————
○塚原委員長 大臣が急用がございますので、ただいまの説明に対する質疑はちょっとあとにしていただいて、菅家喜六君。
○菅家委員 大臣が事務上の御都合で退席されるので、一、二点簡単に大臣の御所見を承わっておきたいと思います。 それは前回の委員会において自動車道事業の供用約款の取扱いについて一、二の点を事務当局にただしておいたのでございますが、当日は理事会の御決定で、時間がなかったので詳細を問いただすことができず今回に至ったのであります。そこで、大臣に第一点としてお尋ねいたしたいことは、供用約款の認可は陸運局長の権限のようであります。私有の自動車道事業、すなわち有料道路でありますが、一般自動車道路の認可、自動車道路の使用料金の認可は運輸大臣の権限のようでありまして、これに伴う自動車道の供用約款の認可は政令によって地方の運輸局長に権限がゆだねられておるようでございます。この政令によってゆだねられた権限を、一局長が政務次官、大臣の了承なくして、これと全く正反対の結果を生む通牒を出すということは事務的にはなはだ思わしくない、思わしくないばかりではない、私は政令違反であると思う。あらゆる根拠を今日まで省令その他の法律を全部調べてみたのでございますが、これは政令違反であると私は思うのであります。この点大臣どういうようにお考えになるか、この一点を第一にお伺いいたします。
○永野国務大臣 政令違反であるかどうかということは、まず第一に本質が全然法律問題だと思うのであります。政治問題としてそれが穏当であるかどうかということに関しては多少所見もありますけれども、今の御質問はそれが政令違反という法律問題に限定されておるように思いますから、この点はとくと法律的に研究いたしまして、法制局なり何なり専門に法律的の研究をする立場の方々とよくお打ち合せをいたしまして御答弁いたします。
○菅家委員 御研究になってあらためてお答えがあるのはけっこうでございますが、昭和三十三年七月二十一日付の供用約款に関する自動車局長名の陸運局長あて通達はまだごらんになっておらないでしょうか。
○永野国務大臣 法律的には見ておりません。しかし事実上は承知いたしております。
○菅家委員 これは昭和二十六年六月三十日付をもって政令第二百五十号道路運送法施行令第五条二項によって委任された陸運局長の権限でございます。政令によって一つの権限を局長に与えておいて、その与えたものを剥奪する通牒を政務次官も大臣も知らずしてそういうものが出るということは、すなわち世間多くの人々から言われ、新聞雑誌に書かれておるところの、運輸行政が腐敗しているというようなことの一つはそういうところから出てくると思う。これは別に法律的に解釈も何もない。明らかに昭和二十六年の六月三十日付政令第二百五十号によって委任された陸運局長の権限であります。その権限を一局長名によって剥奪するような通達、これは指導ではありません。この通牒を見ますと、「特定の供用申込者に対してする供用の拒絶又は拒絶を可能とする条項を有する約款は認可しないこと。」こういうことを書いております。認可してならないと書いてある。これは政令によって局長に権限をゆだねたものを一局長によって剥奪するような通牒を出す場合におきましては、少くとも政務次官、大臣の了承を得べきことである。もう一度この点を私は事務当局によくお尋ねをいたしますが、おそらくは省議あるいは協議なくして一、二の事務的の者がこれを取り扱ったろうと思うのであります。そういうことでどうでしょう、運輸行政は乱れないものでしょうか。
○永野国務大臣 運輸行政が乱れるとか乱れないとかという行政措置に関する御質問であれば別でありますけれども、今の政令違反であるかどうかという法律問題につきましては、もう少し具体的の事実をよく取り調べましてから法律的の見解は御回答申し上げます。ただ行政運用上の措置としてそれが穏当であるか、どう考えるかということにつきましては、多少の意見はございます。
○菅家委員 もう一点だけで次の機会に譲ることにいたしますが、これは明らかなる政令違反であります。その資料は具体的に大臣がお持ちにならないというならば、私の方から一切のものを提出してもよろしいのでございますが、次の機会において大臣が法律的に誤まりないという御答弁がありましたならば、本員はこれを訴訟に提起するということをはっきり申し上げておきます。こういう事務的な事柄は将来大切なことでございます。一つの政令に基く権限が一局長によって剥奪されるような通牒が出されて、そのままこれが通るというならば、これは法律的にも行政的にも政治的にも許しがたいことでございます。その答弁によりまして、大臣は一応時間がおありのようでございますから、私はなお事務当局に詳細を尋ねまして、最終的にまた大臣の意見を問いただすことにしたいと思います。 山内自動車局長が見えたようでございますから、局長にお尋ねいたします。あなたの名前によって陸運局長に出された原文があるならば、私も資料を持っておりまして、誤まりないと思いますが、昭和三十三年七月二十一日、自道第一九八号をもって自動車局長名で陸運局長に出された「自動車道事業の供用、約款の取扱について」という通牒の内容がありましたならば、一応御朗読でけっこうでありますから、私の資料に誤まりがあるといけませんので、まず第一にこれをお尋ねいたします。
○山内説明員 ただいまの自動車局長の通達は、自道第一八九号、昭和三十三年七月二十一日、自動車局長名をもちまして陸運局長あて通達を出しております。「自動車道事業の供用約款の取扱について」という題目でございます。 自動車道事業の供用約款の認可については、昭和二六・九・二九自動第十号「自動車道事業の供用約款の取扱について」によってその処理基準を通達しているところであるが、最近右通達中の約款例とその内容を著しく異にする申請が多く、その処理方について禀伺してくる向きもあるので、今后首題の件については右通達による外左記により遺憾なきを期せられたい。 記 一、特定の供用申込者に対してする供用の拒絶又は拒絶を可能とする条項を有する約款は認可しないこと。 二、前記通達中の供用約款例と著しく異なる申請があった場合には、その処分方について禀伺すること。 この通達の意味いたしますところは、昭和二十六年九月二十九日にすでに「自動車道事業の供用約款の取扱について」という通達が出されておるわけでございます。この通達通り今後も継続していくのだということを示したものにほかなりません。一番先に書きました「供用の拒絶又は拒絶を可能とする条項」というようなものは供用約款の法律上の性格からいって含み得ないものであるという今までの解釈を確認しただけの通達ということで、自動車局長名をもって通達を出しておるわけでございます。
○菅家委員 まことに御丁寧にその出した理由の説明までございました。私のお尋ねするところは、私の得た資料に誤まりあるかなきかを尋ねたのでありまして、この通達の意味はすなわち一項、二項にはっきり書いてあるのでございますから、ただいまの御説明を承わると、まことに私どもはこういうのを詭弁というのであります。役所ではそういうのが筋が通るかもしれませんが、そういうお答えがあるのを詭弁というのであります。ここに二つの、すでに認可を得ました供用約款を所持いたしておりますが、これらによって見ましても、この第一項というものはこれと正反対のものである。すなわちここに書いている拒絶を可能とする条項を有する約款は許可してならない、こういうのでありますが、すでに二つとも許可しているじゃありませんか。その後にどういう条項によって変更があったのでございましょう。 それからもう一点は、はっきり、簡単でけっこうでございますから、これは局長一個の権限でこういう通達を出されましたか、あるいは省の会議もしくは何人かに御相談になったのか。私がやかましくこれを論ずるのは、不審にたえない。中村運輸大臣が認可をして数日を出ずしてこういう通牒が突如として出ていった。言うまでもなく政党内閣は大臣によって運営されるものでございますが、ややもすれば事務官僚は、大臣は何か六カ月か一年、二年でかわるのだ、まあ自分たち事務からいうと、こういうものは専恣的に大臣がきめたのであるが、大臣がかわると同時に事務が結束して大臣がやったことを打ち消そうということはややもすれば見られる現象であります。私はこれはその事件じゃないかと思う。これも半年か一年経過したならよろしゅうございますが、前大臣が認可した直後にこういう通牒を、一局長名によって、大臣の認可したる供用約款を打ち消す、その権利を剥奪するような通牒を何人にも諮らず、しかも政務次官も大臣もこれを知らなかった、こういう取扱いがありましょうか。かりに局長にそういう権利ありとするも、政令によって委任された権限を取り消すがごとき通牒を出すに当っては、やはり政務次官、大臣等に一応のお話があるのが筋じゃないでしょうか。どなたと御相談になったか、一個のお考えであるか、あるいは省議もしくはその他の機関にかけられたのか、その点をお尋ねいたします。
○山内説明員 前段の、従来の取扱いと違う供用の拒絶を可能にする約款例があるということでございますが、そういう約款例を陸運局において誤まってやりましたために、新たにわれわれの方はそういう間違いをしてはいけないという通牒を出す必要がありましたので出したわけでございます。これは自動車局長単独でやったかどうかということでありますが、この約款並びに法律の解釈上そうなるわけでありまして、役所の組織といたしましては、そういう法律を取り扱っておる官房というところがございますので、そういうことも相談をいたしてやったわけでございます。
○菅家委員 それは場所はどこです。
○山内説明員 官房でございますから、官房の所管は官房長、次官であります。
○菅家委員 聞けばますます奇々怪々なお答えだと思う。従来の認可が誤まっておるからそれを訂正するためにこういう通牒を出したというならば、政令によって権限をゆだねらられておる陸運局長に対する権限を押えるものであるから、どうして政務次官、大臣等の了承を得ることをしなかったのであるか。あなたはこれを政令だと思っておらないのですか。
○山内説明員 その点におきましては、行政上には違法の行為と不当の行為とございまして、これが明らかに不当であれば直ちに陸運局長のやりました行政行為を取り消すということになるわけでございますが、直ちにこれが違法であるかどうかということは非常に重大な問題でございますので、法制局に意見を求めまして、その結果によって、陸運局長のやりました措置はさらに上級官庁において再び取り消すか、あるいはそのままにするかという措置が行われるわけであります。ただそういうことをやることは行政上妥当であるかどうかという立場に立って考えましたときに、われわれもこの問題につきましては非常に長い間いろいろ検討いたしましたが、今の道路運送法におきまして規定しております自動車道事業の性格、その公益性の確保の見地から、そういう約款におきまして拒否するということは、約款の性格上認められないということであり、法全体からいいましてもそれは妥当を欠くということで、自後そういうことの申請もありましたので、そういうことについては許可をしないというふうに早く指示をいたしませんと、また陸運局長の間違った措置が行われてはいけないということで、上級官庁としてその業務的な連絡をいたしたわけでございます。その点につきましては法律の解釈の問題でございますので、この約款の例も、自動車局長通達におきまして、条例によりまして事務的にこう取り扱うというふうにやっておりましたので、先例、行政上の慣例によりまして、自動車局長名をもって通達を出したわけでございます。
○菅家委員 そういう行政実例はどこにありますか。かつての実例を一、二示していただきたい。政令によって権限をゆだねたものを、それに対するものを出すときには、政務次官、大臣にも、行政的にこういうものを出すなら出すのだということの伺いを立つべきじゃないか。しかもそれは誤まりを犯したということが長い期間であるならばよろしいけれども、認可した直後にそういうものを出すということは、一体どういうことなのか、私はのみ込めない。この供用約款を認可して自動車局長の通達を出すまでに期間が何日たっておりますか。半年も一年もあったわけじゃないのです。第一には、政務次官と大臣にこれを伺わなかったかということ。それからもう一つ伺いたいのは、法制局長官に対する伺い書というか、質問書というものを出されておるようであります。私の手元にもそれはあるのでありますが、どういう点を法制局にただして、法制局からどういう回答があったのか、何回問いただして何回どういう回答があったかという、その回答書の資料を持っておりますが、誤まりがあると困りますので、これも一応確かめておきたい。
○山内説明員 繰り返すようでございますが、今度の私の方の通達は、新しい行政方針を示したものではないのでございます。従来そういう方針でやるべきものを陸運局長が誤まったので、今度もやはり従来通りやるのだということの確認にとどまったので、自動車局長名をもって出したわけでございます。それから自動車局長はこういう業務的な指示をする権限も与えられておるということが根本になっておるわけでございます。これは新しいことではなくて、従来の方針をそのままを継続していかなければいけないということでございますので、私の名前においてやったわけでございます。 それから、なぜその間違いが起ってすぐやったかといいますと、そういう間違いをまたすぐ起す可能性が多分に生じて参りましたのは、各自動車道を経営しておる者、あるいは新しく免許を受けようとする人がみなそういう条項の約款を提示して参りまして、下部の陸運局におきましては、自分のところが拒否するということも、ほかの陸運局がやったので、横の関係でなかなか業者が納得しないから、上級官庁において誤まりであるというならばはっきりしてもらいたいという陸運局長の意見もあったわけでございまして、口頭指示を文書にかえたということでございます。 それから、法制局長官に対してわれわれの方で聞いてやりました内容を、長くなりますけれども読み上げたいと思います。項目といたしまして、まず 一、「当社と契約した場合を除いて一般乗合旅客自動車運送事業及び一般路線貨物自動車運送事業の路線営業による供用は拒絶する。」という条項を有する供用約款の認可申請が道路運送法第六十二条によりなされた場合において、行政庁がその認可をすることは適法か。 二、「一般乗合旅客自動車運送事業及び一般路線貨物自動車運送事業に関してする供用契約は、別に特約に依る。」という条項を有する供用約款の認可申請が道路運送法第六十二条によりなされた場合において、行政庁がその認可をすることは適法か。 三、二を適法と解する場合、一般乗合旅客自動車運送事業及び一般路線貨物自動車運送業に関して特約が成立しなかったときに道路運送法第六十五条第一号により特約が結ばれないことを理由に供用を拒否することができるか。 四、道路運送法第四十七条第三項により、自動車道事業の限定免許をする場合、次のような限定は適法か。 (1) 一般乗合旅客自動車運送事業者の運行する乗合旅客自動車は、当該自動車道事業者がその運送事業者と特約した場合に限る。 (2) 一般乗合旅客自動車運送事業者の運行する乗合旅客自動車は、甲事業者(自社を含む。)の運行するものに限る。 五、自動車道事業者は、一般乗合旅客自動車運送事業及び一般路線貨物自動車運送事業の免許を受けた者から一般自動車道の供用を求められた場合、道路運送法第六十五条各号列記の場合以外の理由、即ち一般自動車道に関して有する所有権又はその他の権原を理由として供用を拒絶することができるか。 これが全文でございます。
○菅家委員 その質問書を出したのは幾日でございますか。
○山内説明員 出しましたのは昭和三十三年七月八日でございます。
○菅家委員 それから返事が来たのは幾日ですか。
○山内説明員 この件に関する返事はまだ参っておりません。
○菅家委員 もう一度はっきり尋ねます。そうするとこの法制局長官に伺いを立てたその返事は来なかった、そう承知してよろしいですか。
○山内説明員 前半の御説明と混同するといけませんのでもう一ぺん繰り返して御説明いたしますが、前半の法制局から回答があったということは、聞いておることが違うのでございまして、前に聞きましたのは、一般自動車道に免許をする場合に行政庁が単独で免許ができるか、あるいは一般自動車道業者の同意を要するかという二点でございまして、そのときにおきます法制局からの回答は、免許はできるという回答が出ております。ただその際同意を要するかどうかということについては、はっきりいたしておりません。
○菅家委員 免許ができる、そういう返事が来たのは幾日ですか。
○山内説明員 その法制局の回答がありましたのは三十三年五月十九日にありまして、同意がなくてもできるかどうかという点についてはもう一ぺん聞いてやっております。
○菅家委員 他の委員諸君の質問があるので、委員長からなるべく短かくということでありますから、いま一、二問で譲ることにいたしますが、この法制局長官に質問書を出された意味は、どういうことで法制局長官にそういう伺いを立てられたのでしょう。法的根拠に疑義があるからこれを聞いておくということですか、どういう意味ですか。行政官庁が法制局長官に法律的の解釈の意見を求めたという意味はどこにあるのですか。
○山内説明員 行政官庁は行政官庁といたしましてその法を運行するときに解釈を持っております。しかしこの解釈を確定する場合に、やはり念を入れて法制局の専門家の意見も聞いておるわけでございます。疑義のある場合もあり、なくてもはっきりもう一ぺん有権的にするという場合もあるわけでございます。
○菅家委員 大体法律解釈上の疑義のある場合においては、やはり行政慣例としては、私の知る範囲においては局の会議もしくは省議にかけて、大臣の決裁を経て内閣法制局長官に質問書を提出するというのが行政慣例じゃないかと思う。その回答があって後、すなわち有権解釈というものを構成して、その上で下級官庁に対して通達を出すのが私は行政上の当然の処置だと思う。ここに申し上げる有権解釈というのは、法律の疑義を解決する権限を有するものを与える解釈のいわれであります。最高の権威者は言うまでもなく国会であります。この場合は立法によるから有権解釈すなわち立法解釈でありますが、立法により得ないような場合は内閣法制局長官の法解釈をもって有権解釈とするのは、これはひとしく行政学者の定説でございます。そうするとこの供用約款の法解釈はまことに重大なものでありまして、疑義があるとおっしゃっているのでありますが、内閣法制局長官からの返事が来なかった、そこで有権解釈というものも取り得なかった、しかも大臣、政務次官、省議あるいは局議にもかけず、一個の局長名をもってやるというこの取扱い例は私は政令違反であると思うのでありまして、政令違反になるかならないか行政上の法律的の問題になりますが、それらの大家にも研究をしていただきまして、ここにその資料を全部持ってきておりますが、あくまでも今の通り、まず私から言わせれば詭弁でありますが、詭弁をもって終始されますならば、私は法律行為によって争う以外にないと思う。これに対して局長はなおかつ自分の出しましたこの通達というものが正確なものであって、法律的解釈に疑義がないとお考えになっておるかどうか。 それからもう一点は、国土計画興業に与えたる昭和三十三年六月七日付の東京陸運局の認可の条件がありますが、この供用約款にどこに誤まりやすいところがあるのか。二つとも認可されました原本を持っておりますが、これを詳細に読んで研究いたしましても、何ら自動車局長が懸念されるようなことなくしてこれができる。どの部分でありますか、第何条の第何項でございましょうか。
○山内説明員 初めの法制局に疑義があるのを聞いたのになぜ行政措置をしたかということであります。先ほどの答弁を繰り返すようでありますが、行政措置には違法であるという場合と不当であるという場合と二つあるわけでございます。われわれの方が法制局に聞いておりますのは、当妥当の行政措置を聞いておるわけではございません。これが違法か適法かということを聞いておるわけでございます。次の行政措置の妥当であるかどうかということは、これは主管省の考えることでございまして、法制局に当妥当を聞いておるわけではないので、私の方として処置をいたしたわけでございます。違法であれば陸運局長のやった行政行為を取り消すという問題が起るわけでございます。 〔委員長退席、堀内委員長代理着席〕 次に、東京陸運局長がやりましたものは、約款の性質の問題でございまして、約款というものには——そういう約款というものは一般的にいいまして第三者保護、利用者保護のためのものでございます。これは交通事業のいろいろな約款と同じ性格を持っておるわけでございます。たとえば汽車の場合には何人にも平等に利用させなければならないという原則がありますのと、それからその契約を個々に結ぶということができませんので、いわゆる法律上の付合契約というものでございます。それで運輸省といたしましては、先ほど読みました前の自動車局長通達で、約款はこういうことを規定するのだというひな形を示してあるわけでございまして、この中でこの路線のバスと路線トラックというものは特約によるのだということを書いてあります。もしも特約ができなかった場合どうするかという疑問があるわけでございまして、この東京陸運局長がずいぶんいろいろ調べて書いておりますが、われわれ検討の結果、誤まりであるということは特約ができなかったときにそれは一般の契約に変えるという解釈が成り立てばいいわけでありますが、特約ができないときには一般の約款によるということができないブランクの面ができるわけであります。そうすると、特約ができなかったときには一般のバス並びにトラックの路線に関するものは運行ができないということになりますと、この道路運送法で非常に重要視いたしております公益性の確保でありますところの、第三者には公開して平等に使わせなければならないという条文に違反してくるというのが、われわれが公益確保の見地からそういう約款は違法であるかどうかはまだ法制局に聞いておりませんが、全体として妥当を欠くという結論を出したわけであります。
○菅家委員 そういう解釈のもとならば、この二つの約款を見ましても、第六条二項、三項にこれは明記してあるのでありますが、これが何らの不都合はない。それならば、なおさらこれは政令によって権限を一つ与えておいたものを剥奪することになるのであるから、一応やはり大臣の決裁を得て、そうして通達を出すのが順序ではないか。あなたはそれを認めておられないのでありますが、どの書類を見てもそういうことはあり得ないのであって、一つの政令によって陸運局長に与えられた権限である。これだけははっきりしている。そんなにはっきりしているものならば、これはやはり大臣の決裁を得て通達を出すということが慎重を期するやり方であり、また法律的、行政的にも当然な処置ではないか。あなた一個の考えでそれは事務の内容だといって片づけてしまうということは、やがてこれは行政訴訟となって現われ、種々なる問題を引き起すことになる。これだけの疑義のある問題であって、弊害があるということを認められておられるならば、やはり省議、局議にかけて、そうして大臣の決裁を得てどうして悪いのか。私はどうしてもこの点が納得がいかない。そういうことを言うと失礼であるが、事務官僚一個の権限によって一ぺん与えておいて、それと正反対のような通牒を局長名において出されることになりましたら、民間の自動車道事業の営業者は致命的なあれを受けてしまうのであります。おそらくこれは訴願、訴訟となって現われてくる案件でありましょう。そういうことは好ましくないと思う。衆参両院の議員に配付されました学者の意見を見ましても、われわれと同様の考えの解釈が多いようでありますが、自動車局長の解釈のようなことをとっておる人はいまだに私は聞かないのであります。法制局長官にもお伺いいたしましたが、それはこの機会に述べることはどうかと思いますので、法制局長官の意見はこの際は述べません。もう一度その点を確かめて、私は本日の質疑を打ち切っておきまして、次の機会にまたほかの質問があるわけでありますから、もっと詳細に具体的なことを大臣に対しては文書をもって質問を出して、大臣の見解をただして、それによって本員は本委員会の権限内においてこの問題を取り扱っていきたいと思います。最後に私はその一点を伺って終りたいと思います。
○山内説明員 ただいまのお話で約款の認可は陸運局長にまかされておるという点でございますが、これは仰せの通りでございます。約款につきましては陸運局長の権限にまかされておるわけでございます。ただ先ほど御説明いたしましたように約款というものの性質上含められないものを認可をするという権限は、やはり前の自動車局長通達でも予想もしていないことでございます。法律上われわれは今まで疑義がないというふうに考えておりましたところが、陸運局長の誤まりで通達がなされたわけでございます。この点約款として含むべからざるものを約款として取り入れたということでございますので、私どもの方は従来の方針通りこれは間違いだからやらないようにというだけのことでございまして、新たに陸運局長の権限を剥奪したというようなことはないわけでございます。
○菅家委員 その間違いであるというところはどこです。根拠は。
○山内説明員 これは約款の性質論になるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、約款というものは第三者保護のためにあるものであり、一般的な契約をここでやるわけでございます。その中にこの特殊の会社あるいは業種、企業というものを拒否するというものは約款の中に入れられない性格のものではないか。先ほど読みました中にも限定免許ということについての解釈について法制局に聞き合せてありますが、免許の際にはあるいは問題になるかもしれません。しかしその免許をもらって、一般第三者にだれでも通行させるという性格の免許をもらった中で、この一般第三者との局長権限に戻してあるということでも想像がつくと思いますが、一般ひな形によってやっていかれるものについて、そういう何といいますか第三者の非常に大きな権限を排除するというものはできるということは、約款の性質上われわれは考えられなかったわけでございます。しかしそれの解釈の違法かどうかということについてははっきりさせるために法制局に聞いてやっておるわけでございます。
○菅家委員 これは幾ら聞いてもわからないのでありますから……。今局長の言う解釈であるならなおさら、政令によって与えておいた権限に対する通牒であるから、僕は大臣の決裁を得べきだと、こう言う。それを私一個の考えで、それはいいんだ。事務的なもので大臣の決裁を得ないということは、私は行政措置としてはどうしても納得できない、こう言うのであります。あなたの解釈通りだとするならば、なおさらこれは大臣の決裁を得るべきことではないか。省令によって一局長に権限を与えておいて、それに疑問がある、法制局長官は何らの解釈もしてこない。そういうことであるなら、なおさら大臣の決裁を得て通牒を出して、それだけ急がなくてもいいものだと思う。これは幾ら質問してもいけませんから次の段階に譲りまして、新たな問題もこれらに関係することがありますから、次の機会に留保して私の質問は終ります。 —————————————
○堀内委員長代理 それでは、先ほどの政府側の説明について正木君より発言を求められておりますので、これを許します。正木君。
○正木委員 私は去る二日、利根川で渡船が転覆して十数人の犠牲者を出したことについて法律的に一つお尋ねをしたいと思うわけです。私はなぜこの問題を取り上げたかというと、南海丸にしても、先般の全日空の非常な犠牲者を出したことにしても、今回の利根川の渡船転覆の犠牲にしても、私は法律上疑義を持つ点が多々あるわけでございます。監督行政よろしきを得るならば、かようなとうとい人命の犠牲者を出さなくて済むのではなかったか、こういう点がありますので、まずお尋ねしたいのですが、今回の利根川渡船転覆のこの船体でございますが、これは船舶安全法の第二条十三号に該当するのかしないのか、これをお答え願いたいと思います。
○辻説明員 お答え申し上げます。船舶安全法の第二条第十三号の次に、「前項ノ規定ハ左二掲グル船舶二ハ之ヲ適用セズ」ということがございまして、その中に「総噸数五噸未満ノ船舶(旅客運送ノ用二供スルモノヲ除ク)」という条文がございますが、この当該の船は貨物船でございますので、この第二条十三号の適用はございません。
○正木委員 そこでお尋ねしますが、もともと今回事故を起した船自体は、この安全法の十三号に該当しないものであっても、常時は旅客も運ぶためにあなたの方から許可、認可をとっている渡船場ではありませんか、その点を明確に御答弁願います。
○辻説明員 海運局の許可をとっておりまする渡船場ではございません。
○正木委員 そこで重ねてお尋ねをするのですが、小型船舶等安全規則をごらん願いたい。それによりますと、これは省令になって参りましょうが、第二条の4「この省令で「旅客運送」とは、業とするとしないとを問わず、定期、不定期又は臨時に行う旅客の運送をいう。」この法の解釈を明確にしてもらいたい。
○辻説明員 この事件を起しました船舶は、ただいま先生がお読みになりました小型船舶等安全規則第二条の第四項の適用はございます。
○正木委員 そこでお尋ねしますが、この小型船舶等安全規則の第二条の第四項に該当するとすれば、今回の事故を起した、たとえばこれは新聞ですから私にはよくわかりませんが、船頭のむすこさんで十八才ですかの子供さんが船を操縦したというような記事が出ております。これが事実かどうか。 それからもう一点は、この小型船舶等安全規則に基くそれぞれの船としての備えなければならないもろもろの規定がございます。そういう処置がなされておったかどうか、ここが問題だと思うのですが、あなたの方で御調査ができておるとすればお答え願いたい。
○辻説明員 そういう当該船舶を操縦しておりました男の人は、高岡某という十七才の青年であることを一応確認いたしております。ただこれは、十七才でこの船を動かすことが法に触れるということではございません。 それからその船の構造上の問題でございますが、これは構造と申しましては少し語弊があるのでございますが、この小型船舶等安全規則に違反している点がございます。
○正木委員 この規則に基いて十七才の子供が操縦しているそのことは法に解れない。こうおっしゃいましたけれども、船舶職員法の小型船舶についての資格を、もう一回一つ法律でお調べになって、あらためて御答弁を願いたいと思うのです。十八才未満は法律違反だ、こう私は解釈するのですが、時間がかかってもけっこうですから……。
○辻説明員 ちょっと今手元に法律がございませんので、持って参りますまで、もしできましたらほかの質問を先にしていただきたいと思います。
○正木委員 この新聞記事を見ると、犠牲者はなるほど十四人か十三人ですが、全部で乗った諸君は二十三人です。この結果はどうです。何人乗せたかという調査ができておりますか。
○辻説明員 これは船の運航者を含めまして二十四名乗りまして、十六名が救助されております。八名が行方不明という状況であります。
○正木委員 そうすると運航者を含めて二十四名乗っているという事実は認めますね。そうすると、この小型船舶等安全規則の第十六条をごらん願いたい。第十六条によると、一体この船で二十四人乗ることが法の建前上正しいのか正しくないのか、その法上の解釈をここで明らかにしていただきたい。
○辻説明員 この小型船舶等安全規則の第十六条の規定は、小型船舶の旅客船につきましての規定でございます。実はこの船は貨物船でございますので、これが旅客を運送いたしますにつきましては、この規則の「第八章 臨時旅客運送の場合の特則」というところが適用になるわけでございます。それでその場合におきましても、第八章の第四十二条に、「貨物船等の所有者及び船長は、臨時旅客運送を行う場合には、旅客をとう載するのに適すると認められる場所の面積を〇・二五平方メートルで除した数をこえる数の旅客をとう載してはならない。」という規定がございます。この当該船舶の明細を確認はいたしておりませんが、大体この規定から申しますと、今なお今後慎重に調べたいと思っているのでございますが、今の状況で私どもの一応の常識の判断といたしましては、十人までを積むことはこの規則に違反するのじゃないか、十人以内ではあるまいか、そういう意味でこの規則の違反の疑いが濃厚である、かように考えております。
○正木委員 そこで明確になりました。私どももそう思うのですよ。そういうところに今回の事故の最大原因があるのであります。前のあなたの答弁を保留しているか、子供のことと、それからこれなんです。 その次に僕は行政上で非常に悩んだ点は、その次の四十三条をごらん下さい。こういうような臨時的な処置をする場合には——僕の言う臨時的処置とは、この間の台風で大水が出た、従来使用しておった船が使用できない、臨時に何かそういう船を持ってくる、そのときでも法の建前からいうとこれは届出をしなくちゃならぬですよ。この法律からいうと、臨時旅客運送届という届出をして、そうして許可をとって初めてそういう航行をしなくちゃならない法の建前になっておる。そういう届出が受理されているか受理されていないか。
○辻説明員 これはただいま御指摘がございましたように、この安全規則の三十九条によりまして、搭載しようとする旅客数が十二名以上の場合には届出を要するわけでございますが、その届出を受け付けておりません。
○正木委員 そろすると今回の利根川での渡船転覆の責任の所在というのは、これはあまりに明瞭になったわけですね。簡単に明瞭になった。こういう場合に一体監督の役所としてはどういう処置をとるのですか。その点をお伺いしたい。
○辻説明員 現行の法制のもとにおきましては、主として小型船等安全規則に照らしまして、これを違反がございますればその違反に対しまする罰則その他の適用をいたしたい、かように考えております。
○正木委員 今の罰則規定からいうと、あまりにも犠牲になった人々の犠牲がとうと過ぎるのですね。私は、そういう感じを受けてならないのです。あとで全日空でも僕は時間をかけてやりますが、あまりにも犠牲になった人々のその犠牲がとうと過ぎるのですね。そういう点について、私はやはり直接監督の立場にある、行政を担当する役所としては、こういうとうとい犠牲を経験として、一体どこに欠陥があるかということを掘り下げて検討して、そしてその欠陥が明らかになるならば、僕は法の改正のためなり行政措置の改善のために最大の努力を払うことが政治の要諦でなければならないと思います。それから同時に、それはやはり行政府として責任でもあり、義務でもあるというように感ずるのです。以上でこの問題は私は打ち切りますが、先ほどの十八才未満の点だけ、おわかりになったら御答弁願いたい。
○辻説明員 先ほどの十七才の高岡某の運航しておったことが船舶職員法上の問題として違法であるかどうかという点でございますが、これは船舶職員法の第二条に、「総トン数五トン未満の船舶(旅客運送の用に供する船舶を除く。)」となっておりますが、総トン数五トン未満の船舶には適用がございませんので、この船舶はたまたま臨時運航として旅客をとっておりましたが、貨物船でございますので、船舶職員法の適用がないわけでございます。従いまして高岡某が操縦をしておりますことは、船舶職員法には触れないということになるわけでございます。
○正木委員 小型船舶等安全規則の第二条を見てくれませんか。この法の精神というものは、手でこぐとか、そういうものについては法の精神ははずれるけれども、どんな小さなエンジンであろうと機械を操縦するものは、この小型船舶等安全規則の精神においてやはり年令に制限があるのではありませんか。それをもう一回。これは今後問題になりますよ。
○辻説明員 これはおっしゃいますように、旅客運送を本来やるものにつきましては厳重な規制を加えておるわけであります。ただ臨時に客を積むというようなものにつきましては貨物船と同様に扱っておる、こういう考え方をいたしております。これは少し意見になりまして恐縮なんでございますが、たとえばこれは一つの渡船でもございますので、本件の利根川の事件について申し上げますと、私どもが現地から聞いております情報によれば、あの地方では大体水を渡って農家が家から耕地に通う。そうして各農家はみな小さな舟をもってリヤカーあるいは自転車がわりにしておられる。たまたまあの台風のために各水門をせきとめた。従って自分らの小舟が耕地の方に行こうというのには水門のところを陸送しなければならないというので舟は使えない。どうしても行きたいので、たまたまこの遭難しました舟に一緒に耕地まで運んでもらいたい。対岸まで運んでもらいたいということで渡られた。ところが不幸にして遭難されたというのが本件なんでございます。それで私どもの今の旅客運送に対する行政的な許認可の面あるいは船舶安全法上の検査及び船舶職員法におきます資格の面につきましては、いわゆるバスや都電、省線のようにもうそれを利用することが非常に公益上欠くことができぬというものにつきましてはできるだけ厳重にいたしております。ただ、たとえば魚釣りに行くのに舟に乗って行くとか、あるいはたまたまそういう今のような事例がしょっちゅうではないが、そういうことで渡るというのに人を小人数積むというものにつきましては貨物船同様程度の厳重さしか与えていない。遭難された方にはお気の毒でございますが、事前に検査を要することになった場合には、たとえば本件のように自分の舟がない、対岸に渡りたいということに検査を受けなければならないからお渡しすることはできないということまで規制すべきかどうかという社会的な問題とからみまして非常にむずかしい問題ではないか、かように考える次第であります。
○正木委員 今のあなたの答弁を聞いておると非常に飛躍しておるわけですが、自家用の小舟をもって対岸の水田に稲刈りに行くというものまで法で縛るというのではないわけです。少くとも五トン未満の機械をつけた渡船という一つの営業ですから、営業なら法は十人以下しか乗せてならないものを、たとい本人が要請があったからといって乗組員も含めて二十四人も乗せてこういう事故を起した。この起した事実にかんがみて、そういう特定の渡船に対しては法の命ずるところによって監督すべきものは監督し、取り締るものは取り締らなければ、再びこういう災いを起すのではないかというのが私の質問の要旨なんです。従って、私は法の解釈からいうと、たといこういう船であっても、十八才未満の——あなたは今十七とおっしゃったのですが、子供が操縦していくのですから、十人以下のもののところへ二十四人も乗せる。そのほかに私は、稲刈りに行くのですから、いろいろの道具が載っておったと思うのです。しかもそれで一つの突風にあおられてこれだけの犠牲を出したのですから、そういう点をもその地方の特殊事情だからという形で、どんなに犠牲が出ようと、どういう事故が起きようと、われわれ行政を担当する者にとっては、それは大目に見るのだというこの考え方が危険ではないか、こう言うのです。法の上ではきちんとあるのだから、ないのではないんだから、もしこの法が適用されなくてもよろしいというならば、これはやめてしまいなさい。あらゆる限りにおいて法を守るのが行政官じゃありませんか。そういう点だけを申し上げてこの問題に関する質問を打ち切ります。 —————————————
○塚原委員長 次に空運に関して政府より説明を求めます。林航空局長。
○林説明員 八月十二日に起りました全日空機のダグラスDC3型の事故に関しましては、その後航空局におきまして調査をいたしました。その結果は、大体まとまったものを一応基礎にいたしまして、推定し得たいろいろの事態、事項につきまして、九月の二日に総理大臣の出席いたしておりました航空安全対策に関する懇談会に説明をいたしまして、同時に同日各新聞に発表いたしたのでございます。その内容に関しましては、お手元にお配りいたしました資料に相当詳細に書いてございます。 その内容につきましては、事故発生までのJA五〇四五機の行動、それから大体事故発生等の原因として推定される事項等につきまして、大体お手元の資料の事故発生の原因の項を見ていただきますとわかるのでございますが、「(1)左発動機の不調及び停止」という項目、これにつきましてもいろいろ推定をいたしまして、左発動機の不調及び続いて起った同発動機が停止したというだけの事項では必ずしもあのような惨事を引き起した直接の原因とは認めることがちょっとむずかしいということを申しております。 なお次に、「(2)ジャイロの不作動」の件につきまして、不作動になったという事実はいろいろと通信その他からわかるのでありますが、この原因を推察いたしまして、ここに「イ、空気吸出系統配管の損壊又は漏洩」「ロ、空気吸出ポンプの故障」「ハ、ジャイロ系統の空気吸出ポンプ選択弁が左発動機側に位置し、同発動機の故障後右発動機側への切換がなされていなかった場合」こういう場合を想定いたして、その当時の状況についての推定を加えておるのであります。 ただ、この航空機が、特に全日空の運航いたしております同型の航空機の中でただ一機だけこの型式がちょっと変っておりまして、ジャイロの切りかえがこの航空機だけに特有であったという事実もここに掲げておるのであります。この事実についての会社側の操縦士への周知徹底というものに多少の疑いを持っているのであります。 さらに、当該航空機のこのような事故になった原因をもしほかに求めるならば、あるいは発動機よりの発火であるとか、右の動力装置が推力を失ったといったような場合であるとか、あるいは操縦装置の故障または損壊といったような幾つかの場合がなおほかに、あるいは可能性は少いだろうけれども考えられるということもあわせてあげておきました。 これらの原因を、どれといって特にその一つに断定することは現在の状況のもとにおきましては困難であるという趣旨の発表をいたしたのであります。これに関しましてわれわれは、問題が非常に複雑でもあり、また責任の問題についてもいろいろとむずかしい点があるのでございまして、この全文について新聞に詳しく説明をいたしたのであります。ただ新聞におきましては、当日ほかのいろいろの記事もございました関係もありまして、これらの発表全文を載せない関係上、あるいはその内容につきましては、これを別に誤まって伝えているとは考えないのでありますが、見出し等におきましていろいろ与える印象が相当違っておった面もあったのではないかと想像されるのであります。本日、けさ実は操縦士協会の方から要望書というものが出て参りました。この点につきまして操縦士協会の人たちが、けさの新聞等によりますと、いろいろとこちらで発表した内容を新聞で見まして、それに対してわれわれの方に要望書を出したということを新聞の方に語っておられるのであります。ただこの件につきましては、特に操縦士協会といたしましても言われております内容は、約十二、三の項目について言っておりますが、私も実はさっきこれを見たばかりでございますので十分よく検討はしておりませんけれども、第一に新聞がよくDC3型につきまして、これは中古品であるということでそのことを非常に問題にしているという点につきまして、操縦士協会におきましては、この中古品という概念は自動車その他の機械類と同様に一般人には考えられるが、航空機の場合、あくまでゼロ・アワーとして航空局の厳密な検査に合格して初めて飛行できるものであるということをよく認識してもらいたいといったような項目も入っておりますし、また五〇四五が少し積み過ぎであったのではないかというようなことに対しましては、五〇四五の当日の座席数はマニュアル通りであって、過重ではないということも書いております。またある新聞によれば機長の資格について疑問を持っているように見受けられる記事があるが、この資格については、戦後は航空局の厳重な国家試験を受け、中でも定期航空の機長の資格は最も高度のもので、これをパスした機長の技量、資格に対しては絶対に信頼できるものであるということを書いております。なお事故機に対して航空局の行いました調査に対しまして、専門家を起用して官民合同の調査を行うことが最も妥当と考えるということを書いております。さらに、事故の公式発表を見ても、推測が多い、推測的な発表は差し控えるべきであるというような意見が出ておるのであります。この点につきましては私ども、専門家の意見を聞く件につきましては、もちろんわれわれとしましても、専門家の意見を広く集めるべきは当然でございます。この問題につきましても、バンドその他の試験、その他につきましても、民間の専門家の御意見なりまたお力も拝借しまして、いろいろ調査もいたしております。また五〇四五機そのものにつきましても、全日空の他のパイロットあたりからいろいろと状況の説明等を聞いておるのでありまして、ただ、この点につきましては、われわれは、集まりました材料が、どうしても機体を引き揚げるというところまでできながった関係上、推測になった面はあるのでございますが、何といたしましても、この問題についての推測される幾つかの問題を何にも言わないでおくわけに参りませんので、とにかく、いろいろ問題になる点を摘記いたしまして、そうして発表をしたのでございます。決してわれわれの方で推測によって断定をしたというようなやり方はいたしておらないのであります。その次に、当時の天候その他の状況から判断して、失速もしくは異常状態に陥ったとは考えられないというような項目がございます。この点は、実はわれわれの方は、揚収いたしました機体の一部その他に加わりました力等を十分に科学的に検討いたしまして、それから、これが決して着水しようとして起ったものでないことを判定したのでございまして、そういう状態であったことは、われわれの方としては確信を持っておるつもりでございます。その他、ジャイロの警告灯がつくからこれを見落すことはあり得ないといったようなことも書いてございます。この問題は、警告灯がつくということだけの事実はあるのでございますけれども、この航空機の切りかえその他についての十分なる知識またはそういう操作がこの非常事態においてとられるかどうかということと、このこととはその問題が別でございまして、私どもの方ではこういう事実ももちろん知っておったのでございます。その他いろいろと出ておりますが、新聞等に言論が発表される場合に誤まった考え方を一般に持たせる場合があるという、これは一般的な操縦者の立場から見まして一般の人々の言論についての注文と申しますが、近代航空というものを十分理解してその言論をなしてもらいたいというような注文も入っております。なお当時における全日空の僚機の行動に対する非難についての釈明的なことも書いております。その他最後に、伊豆方面の通信が時と場合により、またその高度等によりまして、非常に通信状態が悪くなるという事実をあげまして、伊豆方面の無線中継所をできるだけ早く設置するように要望するということと、それから不時着その他についての整備等を十分にやってもらいたいということ、またこの飛行場整備とかあるいは新設が何か再軍備と結びつけられる傾向があるが、これをわれわれとしては打破しなくてはならないという、民間航空のパイロットの立場からこれを申しておるのであります。これらの点につきましてはわれわれの方におきましてさらに十分の——実は何を申しましても、けさもらいましてここに出てくるときに十分読むこともできない状態でございましたので、実は十分にこなしておらぬ点がございますが、そういう状況でございますので、さらに検討をいたしたいと思います。 これがただいままでの全日空機の事故に対する措置の模様でございます。
○正木委員 私はただいまの全日空機の遭難の調査の結果の発表について重要な部分四、五点を質問したいのでありますが、その質問に先だって私が当局に申し上げたいことは、私も資料といえば前回の当委員会における私の質問に対する当局側の答弁と、八月二十九日読売に発表された、「整備に重大ミス 不時着の全日空機検査で発表」というこの記事と、それから九月三日の朝日「『全日空機』遭難の原因」、この二つしか持っておらないわけです。しかも続いて操縦士協会からの、あなた方の推定発表に対する反論的な質問の各種の記事しか持っておりません。そこで私の受けた感じ方を率直に申し上げますと、今回の事故の責任が一切機長の舟木さんに負わされたという感じを受けてならない。私はその責任者である舟木さんの霊に対して、何か自分は国会議員としてこれでいいのかという気持をけさから非常に強く受けておるのです。しかも私は一つの義憤すら感ずることは、今突然にあなた方から発表になったこの「JA五〇四五機に関する現在までの調査結果について」という航空局の資料の最終から二枚目を見て下さい。これの筆でもって消したあとに、「なおこの事実に関する会社側の操縦士への周知の徹底は、必ずしも十分であったとはみとめ難い。」こう指摘しておいて、その前段をごらん下さい。「以上の経過のみにより明白な断定を下すことは困難ではあるが、当該機長舟木和徳が前記の如く、大分——大阪間において発動機の故障を経験した際、発動機故障後も推力の存する間はこれを利用すべしとの判断から発動機をそのまま運転し続けて飛行を続行した事実、」しかも「目撃者」云々、こういう前段があるのですね。これを一読してみますというと、何か今度の事故は機長の舟木さんだけが責任を負わなくてはならない、私はこういう感じ方を受けるのです。そこで局長、私はあなたに質問したいことは——私は前回の当委員会でこれを質問している。七十三条と七十七条の関係、これに対してあなたはこういう答弁をやっている。いいですか、あなたの答弁の速記を読みますよ。「航空機の安全の建前から、ただいま御指摘のございました七十三条、七十三条の二、その他の規定と、それから七十七条の運航管理者の規定とあるわけでございますが、この両者が合致して初めて出発する、こういうふうに私どもは考えております。」、そこで私は重ねて質問したのに対して、あなたはこういう答弁をしておるのです。「ただいまの御質問の趣旨がよくわかりませんが、両方の意見が一致したときにフライトが行われる、こういうわけでございますので、運航管理者が飛べと言い、しかし機長は困るという、そういう場合に無理に押しつけたというようなことがあればそれは問題はあるかもしれませんが、とにかく機長も納得し、運航管理者もよしと言った場合に飛んでおるのでありまして、ただいまの御質問のございましたのは、内容によっていろいろあろうかと思います。」、私はなぜこのことを質問したかというと、法の示す通り、これは船長と同じなんです。一たん離れた限りは機長の責任になるわけです。しかし、飛べという命令が会社側から出た場合に飛ぶのか、それともたとい会社が飛べと言っても、機長が機械の関係、気象の関係、それぞれの判断に基いて飛べませんと言ったときに、一体いずれにその優先的なものがあるのか。ところがあなたは、私への答弁に対しては一般的な答弁技術でぼかしておりますが、ここになると、なんですか。「会社側の操縦士への周知の徹底は、必ずしも十分であったとはみとめ難い。」こうなったらこの責任は全部あなたの局にあるのではありませんか。監督官庁の局にあるのではありませんか。そうあなたは思いませんか。一体行政管理は何をやっておる。しかも私は初めて事情がわかったのですが、このジャイロについて、あなたのこの資料によると、全日空が持っているこの種の型の飛行機で、この犠牲を起した一機だけがこれだといっておる。そうすると当然、法の建前上からいけば、だれがどう常識的に考えても、これはいっときも早く改造すべきであったのではありませんか。改造しないでおいて、その取締り、監督の方をほうりっぱなしにしておいて、そして事故が起きたからといって犠牲者になった舟木さんにだけ全責任を負わすような推測的な発表をすることは、私からいったら酷ではないかと思う。一体そういう取扱い方がありますか。これは一般的な私の質問ですが、あなたの考え方だけ聞かしていただきたい。
○林説明員 ただいま操縦士の立場に対する御同情ある御質問でございまして、私どももこの点についてそういうふうにとられることを実は非常におそれたのであります。もちろんこういう推測の事実だけでもって操縦者の責任であるというふうに断定することは、これはできません。従ってここにはただ事実を述べておるのでありまして、舟木君が前に片発の故障の場合に、故障にもかからずそれを回す方がなお推力があるという考え方をもちまして、故障を起しておる発動機を回しながら飛んだという事実は、別の場合にあるのであります。この飛び方につきまして、故障を起したものはむしろとめて、そして飛ぶ方がいいという考え方ももちろんございますが、この舟木君の操縦の考え方が大体そういう考え方であったという事実をここに述べておるのであります。なおわれわれの方は大体現地の目撃者あるいは音を聞いた人たち等をいろいろ調査いたしまして、結局エンジンの故障ということを最初に通報して参りましてから、なおその左側のエンジンを回しつつ進んだと思われるような推定ができるのでございまして、それが結局とまったときにジャイロがとまったのではなかろうか、かように考えられたのであります。この点につきまして、われわれは決して今言われましたようにパイロットの責任ということだけを言っておるのではないことは、明らかにここに(1)、(2)、(3)と幾つかの場合をあげておるのであります。パイロットだけでなくて、その機体はこの航空機だけが使っておったということについても、切りかえをやるということについての周知状況等も別に調査いたしまして、この点は会社の責任において、そういう場合は十分にパイロットにはその点を周知徹底させておくべきものではないかという意味で、会社に対して私どもはここでは警告を発しておるというわけでございます。それからこれを改造しておくべきではなかったかと言われるのでありますが、もちろん航空機のいろいろな型がございます。その型を統一するということは非常に大切なことだと思います。現に日航あたりでは入れましたのにいろいろ型が違っておればこれを統一いたしております。全日空におきましては、実はこの航空機は最近比較的新しく購入したものでございますけれども、こういったものを全部一つの型に統一いたしますためには、実は八千万円ないし九千万円の金が要るかと思われます。全日空におきましても、この事故の結果にかんがみまして、万難を排して統一するように今計画をいろいろ練っておる状況でございますが、何せ個々の航空機につきましては、そういうふうにいろいろとある程度の型が違っておりましても、それだけでは安全ということ——直ちにそれが飛行機が飛べないということでないのでございますので、経費等の関係から、これが必ずしもすみやかになされていなかったという事実は認めざるを得ない、われわれの方もこれがほんとうに直さなければ飛べないようなことであるならば、どうしても直す間は認めないのでありますが、今度の場合に、何分にも経費を多く要するので、今まで命令をもってこれを統一するというふうには実はいたしていなかったのでございます。
○正木委員 私は端的に一問一答でお尋ねしますが、あなたも率直に認めたように、この結果の発表から見ると、やはり最後に落ちつく原因の主たるものは、このジャイロにあるのだ、こういうことです。しかも機長の舟木さんは、大分—大阪間において発動機の故障を起した場合でも、自己の経験を基礎にして飛んだ事実がある。これがすべての問題の中心になっておるのです。ですから、こういう推測でもって新聞発表をするのは困るではないかというのが、操縦士協会のあなた方に対する申し入れの骨子だと思うのです。これはあなたは新聞発表であるから信をおけないといえばそれまでですが、これは十月三日日経、十月三日朝日、十月三日読売、この三つを私ここに持ってきておりますが、十月三日の日経で申し上げますと、「調査関係者が遭難機の機体に精通しているとは思われず、」として頭からあなた方を信用していないのです。その次にはこう言っているのです。「調査関係者が機体に精通していないため事故原因の推測が無責任で事故に対する見解の相違がある」、こう言うのです。あなたの方はあなたの方で一方で推測に基く発表をやって、それを受けて立った操縦士協会はこういう発表の仕方をしている。そうすると、飛行機をこれから利用しようとする国民は一体いずれに信をおいたらいいか、この精神的な不安というものは私はやはり考えなくちゃいかぬ。あまつさえ大澤さんには大へん失礼になるが、大澤さんは「運輸」航空特集号昭和三十三年九月一日、これはごらんになりましたか。——大澤さんのところに電話をかけたのですが、ここで航空機のお医者さん、お宅の大澤さんがこういう発表をやっているのです。まず第一に耐空証明書については、一つの施行規則があって、整備規程というものを作って運輸大臣の認可をとれば、その耐空証明の期間が切れてもこの整備規程が生きておるのだから、耐空証明というものをことさらにあらためてとらなくてもよろしいということが一つ。しかし監督の立場にある航空局としては、認可を受けた整備規程が忠実に守られているかいなかを随時チェックするのだ、それのための航空検査官というものが必要なのだ、ここまではいいのですが、最後の段になるとこうなっている。「もう一つの診断道具である検査機器については昭和二十七年の航空再開以来、逐年精巧な機器が羽田空港内のテストセンターに設備されておりますが、何分予算の制約があることとて、戦前の航空局に付属していた航空試験所の内容と比較して見るまでもなく、まだまだ十分とは言いがたく、」こう言っておる。そうすると整備規程というものがあって、耐空証明というものは一片の空文にひとしい現在のときに、この整備規程が忠実に守られているかどうかを随時チェックする航空検査官は、すぐれた機器を持ってない現状においては、自分の長年の経験を基礎にし、しかも与えられたワクだけでの機器で検査する以外に道がない、こういう現状になるではありませんか。そう思いませんか。そうすると、この全日空という会社の経理内容がどのような状態にあろうとも、やはり人の生命が一番とうといということをわれわれは頭の中に置かなくちゃならぬ。会社がつぶれます、これだけの金をかけるというと会社はやっていけませんとしばしばあなたの口から出るけれども、会社がつぶれるとかやっていけないという前に、飛行機に乗る人のとうとい生命がどうなるか、この生命のとうといことが中心にならなければならない、私はそう思う。そうなってくると、一体認可を受けた整備規程が忠実に守られているかいないかということが問題になってくるのです。だから、私が前回の委員会でこの点をこまかくあなた方に質問している。この整備規程が忠実に守られているかいないか、同時に検査官がほんとうに自信と責任を持って検査をしているかどうかということが問題になってくるのです。そういう本質的なことを議論しないで、あなた方は答弁の立場に立って当りさわりのない答弁をしている限りにおいては、問題の本質はつかめないのです。私は全日空の会社がやっていけなければ、解散されても仕方がないと思う。別途の方法で再建の道はおのずから生まれてくるのです。それより乗っている人間の安全ということを第一に行政官は考えてもらわないと、私はどえらいことが起きるのではないかという心配があるわけです。 そこで私がお尋ねしたいことは、どういう点でお尋ねをしたいかというと、ほんとうに整備規程に基いてあなたの方の検査官はこまかく検査をされているのかどうかということなんです。だから、全日空は飛行機をチャーターしているのですから、部品の点でも問題になる。私はこの前これを質問したのです。しかも自分みずからが責任ある整備工場を持っていないのですから、故障が起きたときにはほかの会社に修理を出す会社なんですから、日航とは違うのです。そういう点について、私はこの際こういうことが再び起きないように局長からほんとうのことを聞きたい。答弁技術でなくて、ほんとうのことを聞かしてもらいたい。特にここは技術系統の諸君には常識的な答弁を聞かしてもらいたい。答弁技術でなくて、あなた方だって技術官として当然良心があるのだから。僕はことごとに非常に疑問が起きてくるのです。だから、僕はよほどの自信がない限り死んだ人にむち打つというようなことはやめてもらいたい。僕から言ったら、こんな無責任なことはありませんよ。死んでしまった舟木さんに対して攻撃を受けるようなことは全部かぶしてしまって、会社に対してはどうかというと、「必ずしも十分であったとはみとめ難い。」——会社の責任はそっちのけにして、一切を機長に転嫁するようなことはやめてもらいたい。これは局長と、それから技術を担当するあなた方からも良心的な答弁を聞きたい。
○林説明員 今御指摘になりました整備の件につきまして、私どもも実は航空の関係を扱っております者といたしまして、航空の安全ということは何にもまして第一に考えられるべきものであるという点については、先生と同じつもりでございます。従って私どもといたしましても、航空機の安全につきましては常に心を配っておるつもりでございます。先般来、航空関係の安全性向上の検査を実施いたしまして、また第二回にもやろうとしておるところにこういう事故を起しまして、実は大へん恐縮したのでありますが、その後いろいろ検査もいたしまして、やはり整備面におきまして十分に人が配置されておらぬのではないか、あるいはその他器具等も整備の面においてもっと強化しなければいかぬのじゃないかといったような点につきまして、われわれから会社当局にもいろいろ注意いたしまして、会社において目下その足りない部分を、緊急には日航その他の助けを借りて整備する、またその他の問題につきましてもいろいろと対策を考えてやっておるところでございます。 それから、先ほど機長だけに責任を負わしたというお話をなされましたが、この点につきましても決してわれわれはそういうふうにやっていないのでありまして、先ほどお読み上げになりました点は、ジャイロがいつとまったかの推定理由を述べておるのでありまして、これは機長に責任を持たすという意味での発表ではないのであります。特に最後にお読み上げいただきました、会社側の操縦士への周知徹底の問題、これは整備の問題とあわせまして乗員の訓練等に関する問題にも関係して参りまして、会社側の責任についてわれわれとしては強く注意を促しておることでございます。 今お話のございました整備の問題につきましては、われわれとしても検査の器具を整えることにつきまして、戦後ただいままでにまだわれわれのほんとに希望しておるものの半分くらいしか得ておりませんから、今後とも予算の許す限りこれを整備いたしまして、今までは機械の足りないところを検査官の努力、技術等によって補っておりますが、この点も科学的にやっていきますために、検査器具の整備を十分にいたしたいと考えておる次第でございます。
○正木委員 きょうのあなたの方の資料の発表に基くと、いずれにしてもこれは不可抗力的なものでなくて、この事故推定から見ると一切の責任は会社にあるのだ——これははっきりしませんと、犠牲者に対する弔慰その他のことが出てきますから。私の受ける感じは、やはり会社が一切責任を負うのだ、これに対するあなたの見解はいかがですか。
○林説明員 正確にどういうことによってということを断定することはできませんが、会社側に多くの協力を要する面がまだたくさんあることは事実でございます。
○正木委員 会社側に努力を要する面が多々あるでは事が済まないのです。事故を起してしまったのですから……。これからのことではないのです。この取扱い上の責任は会社にあるのではないかと私は思う。この点についてお伺いしておるのです。
○林説明員 詳細が、たとえば今言われました不可抗力という場合を除きますれば、さようであろうかと思います。
○久保委員 関連して。局長にお尋ねしますが、今いろいろ御説明がありましたが、きょう出された調査の報告ですが、この前の委員会で私からお尋ねしたうちで、この航空機が当日千歳から飛んできた、そのときに、千歳出発が約一時間、羽田出発が二十三分おくれた、こういうお話ですが、その原因は何かというお尋ねに対しては本日の調査の中には入っておらぬ。これに対して回答してほしい。 それからもう一つ、今、正木委員からお話がありまして、いろいろ会社等にも注意しているということですが、どういう注意をしているのか、会社はどういう点で措置したか、こういう点をお伺いしておきたい。 それから一まとめにして、航空局としては全日空の今回の事故に対していかなる改善策を講じたか。 最後に、今の操縦士協会からのお話があったそうでありますが、今回の事故原因の調査はもう一ぺん官民合同で慎重扱ったらどうかと思うのだが、そういう意思があるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○林説明員 御質問の第一の五〇四五が千歳を立つときにおくれたというのは、実は調べました結果、乗客の到着がおくれたためでございました。それから羽田における問題は荷物の関係でございました。 それから、先ほどお話のございました全日空に対してどういう注意をしたかということは、まだ文書によるところまで参っておりませんが、過日社長、専務あるいはその他の重役も呼び出しまして、私どもの方でさしあたり気のつきましたいろいろの事項につきまして、特に整備の問題、人的不足の問題等もあげまして、これを至急に対策を立てろ、もし人がどうしても足りない場合はダイヤをカットしてでも人の不足に対処しなければいかぬというふうに話して、注意を与えております。また現実にいろいろ会社においても計画を立てておりますが、部品の調達あたりにつきまして、今までやや金の不足しておる関係から、部品の調達等について計画的にぴしぴしといくのが少し欠けておったのではないかと思われる面がございます。これらの点につきまして計画調達というものを十分にやるようにということももちろん注意いたしております。またその他飛ぶ場合の記録規定類の整備、それからまた整備施設における検査器具等の問題も、テスター等を十分にそろえてやらねばならぬという点もよく話しております。会社といたしましてはこれに対応いたしまして、この八月十二日の事故以来、大体航空機が先ほども御注意のございましたように規格が統一されるまでの間、とりあえず機つきの整備士と申しまして、それぞれの整備士を特定いたしまして、それぞれの航空機に詳しく通暁するといいますか、十分責任を持って整備するような制度を採用するようにいたしております。また査察操縦士というようなものを増員いたしまして、それによって操縦士の技量のチェックあるいは技量の指導向上を強化するということで九月一日から任命して、やり出しておるようでございます。また全日空会社だけではとうていこういったことの間に合わない関係もございますので、伊藤忠航空整備から相当数の整備士の応援の協力を得ておりますが、この点につきましては日航あたりともさっそく打ち合せを済ませまして、日航からもあるいは検査をする人その他を出してもらい、マニュアルその他の件につきましても、十分また検討するような手配を今やっておる次第でございます。 それから、羽田におきます、また伊丹におきます格納庫等の整備施設は、従来は規模が小さくて十分でなかったのでありますが、先般米軍の返還施設がきまりましたので、そういうところを今鋭意完成を急いで整備施設を充実するようにやっておるのでございます。 なお今後の問題といたしましては、先ほどわれわれの方が注意いたしましたような補給調達の面あるいは整備の面等につきまして、会社の内部機構等も充実してやるということを申し出ておりますし、またそういうふうに今努力いたしておる状態でございます。これは何分今申し上げましたことは、応急的な措置であろうかと思います。根本的には会社のもっと本質的な強化を必要とするのではないかと考えます。先ほども話の出ておりました航空機の装備がまちまちあるいはばらばらであるというような本質的な問題には相当の金も要するわけでございます。この点は会社当局も今度の事故の結果にかんがみまして、非常にこの点に注目いたしまして、計器類の配置方式その他の統一をやる必要があるというふうに考えておりまして、今後やるべきことの第一に、この統一改善をはかりたいということを言って参っております。
○久保委員 最後の、事故の原因調査についての答弁漏れがありますから……。
○林説明員 事故の原因調査に関しましては、私ども今まで得ました材料をこうして発表したわけでございます。これらにつきまして航空安全の懇談会におきまして発表いたしました。そこには航空関係に関する各方面の専門家を網羅いたしておりますので、そこでいろいろ御説明を申し上げまして検討をいただいておるわけでございます。特にこのために別に合同の調査委員を選ぶということは現在のところ考えておりません。
○久保委員 合同調査委員会を設ける考えはない、こういうことでありますが、一ぺん報告したからそう言うでしょうが、そんなら操縦士協会というような方々にも会って、あなたの方の調査した結果と、彼らが考えている考え方とを突き合せをする必要があると私は思う。あまり独断ではこういうものはいけないのではないか。正式の合同調査委員会でなくても、そういう専門の人たちの意見も聴取して、ともに今後に対処するのがほんとうではないか、こう思います。 もう一つ、会社全体というよりは、全日空ばかりでなくて民間航空全体の経営を含めた、全体の経営をわれわれは知る必要があると思う。よって、この際特に委員長を通じてお願いしますが、全日空の業務内容全体について調査をして報告してもらいたい、こう思います。
○塚原委員長 全日空だけですか。
○久保委員 さしあたり全日空だけです。
○塚原委員長 では、そのように。——わかりましたね。
○林説明員 はい。
○井岡委員 先ほど久保君に対する御答弁の中で、部品等を購入する資金が不足しておる、非常に金が足らない関係がある云々、こういうようなお話があったと思うのです。そうしますと、航空法の免許基準のうちで百一条の三ないし四、こういうようなものを、免許されるときに十分考慮されたかどうか。ということは、整備士が不足しているので伊藤忠あたりから人を借りてきて今やらすようにしているのだ、こういうことなんですが、この点は今までそういうことを考えないで免許をなさったのかどうか、この点を一つお伺いしておきたい。
○林説明員 部品の問題は、もちろん金が絶対的に足りなければ整備できないわけでありますが、計画的にやるためには相当部品を寝かしておかなければならないので、そういう面にまで手が十分に届かなかったという点が多少考えられるのであります。しかしながら、応急に要るものにつきましてはどうしてもそっちの方を買わなければならないので、そういうものに力を入れておった状況でございます。 なお、免許の場合の問題でございますが、これらにつきましては、これを始めますときは十分それらの点も考慮して始めておるのであります。実は機材をチャーターしてだんだん路線等を拡充して参っております。この場合に、やはり航空機を十分に使います関係上、航空機を使う時間が長くなる。そんなところから整備等にそれだけまたよけいの人を必要とするといったような面から、整備の人員の不足といったような問題が起ってきているわけでございます。
○井岡委員 そうすると、経営上の点検ということはやらないのですか。いわゆる収支がどうなっておるとか、あるいは経営上の一切の点検はやらないのですか。
○林説明員 経営に関しましても、もちろん検査はいたしますけれども、いわゆる全日空の場合は政府の出資会社でございませんで、会社としては、いわば自分の責任において独立的に行うという形をもってまだやって参っております。従って当局といたしましては、法律上の観点から、あるいは航空の安全の観点から、これが十分であるかどうかということを航空安全検査の場合にやっておるのでございます。
○井岡委員 そこなんです。直接政府も金を出しておらないから監督をしないのだ、こういうのでなくて、保安上の立場から検査があり得るのは当然なのです。これは自動車の場合だってそうなのです。経理監査をやっておる。自動車の会社で国営でやっているのは国鉄のバスだけなんです。ハイヤー、タクシーだってやっている。従って全日空が果して保安上適切な措置が講じられてあるかどうか、こういうことをやらないで、これは経営上の問題だから、会社の問題だからといって、単に部品を点検するとか機材を点検するというその場だけの問題をやっていると、私は大へんなことになると思う。これは定期的にやられることですから、向うもその場合だけはやっておくでしょう。しかしふだんは、検査が済んでしまったから、少々おろそかにしてもいいのじゃないか、こういうように考えないとしても、そういうものが潜在的にあって、そうして事故が起る、これは大へんなことだと思うのですが、この点はどういうことになっておりますか。
○林説明員 安全の立場からは、われわれとしては検査をいたしまして、会社に対していろいろと十分に指導し、監督をいたしております。今おっしゃいました点で経理上の問題につきましては、経理の全般はもちろん、安全にも大いに関係はあるのでございますが、これらにつきましても、もしこれが航空の危険の原因になると思われるような事項につきましては、われわれとしても十分にチェックして、また場合によってはそれの改善を指示する、それができない場合は、これに対する措置をとるということになるのは当然でございまして、それらにつきましてもいろいろ報告を求め、その他のことはいたしております。経理の中に立ち入りをして検査するというところまではまだやっておりません。
○井岡委員 特にこういう航空事業というものは、立ち入り検査を別に好きこのんでやる必要はないけれども、定期的にやらないと、保安上の万全を期することはなかなかできないのじゃないかと私は思うのです。これをやらずに、これは会社がやっているのだということだけでほかしておるということになると、これは将来非常に大きな問題が起ってくるのじゃないかと私は思うのです。これは単に全日空だけじゃありません。ほかにも今ローカルの二、三の航空会社があるようですが、これなんか全くひどいのは、なるほど免許を求めるときには一応の体裁は整えてはおりまするけれども、実際上営業してくると非常に粗雑なのです。これを営業の問題だ、政府から補助金を出していないのだからということでほかしておくことは、これは大へんなことになる。従って今の法律で不備だというのなら、航空局は進んで保安上の立場から航空法の改正をやる、ここまで決意をしないと、再びこういう事故が起らないとも限らないと思う。こういう点はどういうふうにお考えですか。
○林説明員 航空局は、もちろん経理が安全に関係することは当然でございますが、航空安全という見地からの立ち入り検査をもって現在のところはこれらの会社の監督をやっていくつもりでございます。会社の経理内容の中に入ってこれを監督するということも一つの方法かと思いますが、その場合にもやはりまだ考えなければならないほかのいろいろな問題があろうと思いますので、安全という見地からは、技術的にその会社の必要とするものが適当に整備され得るかどうかというような点、あるいは整備されておるかどうかというような点から、あるいはパイロットの資格、技量等から検査をするということをもって今までのところはやって参っております。今後これがそれだけでは足らぬという状況になるとしますれば、これらについてはまた考えなければならないかと思います。
○井岡委員 これでやめますが、今まで足りないとお思いになっていなかったわけですね。ところが事故が起ってから、整備士が不足をしているので、チャーターした伊藤忠から整備士を借りてくる、こういうことであると、明らかに保安上の監督の手落ちじゃなかったか。私は決してそれを追及するのじゃないのですよ。ないけれども、借りてこなければならないという現状の中で免許を許していく。保安上の立ち入り検査をやっておったんだと言われるけれども、実際はやっていなかったのではないかと思うが、この点はどういうことになるのですか。
○林説明員 今の件につきまして、立ち入り検査は随時やるのでございますが、この会社は実は全日空となりましたのは日ペリと極東との合併でございました。従って両社が合併すればその点については相当程度人の余裕ができるという見通しが大体できておった、そういう説明であったのでありますが、実はその合併後におきましては今度の検査が初めてでございます。従ってそれまでに、もっとたびたびやるべきであったという点につきましては、やはりわれわれの方の人員にも制限がございますし、そういう点でそういう面まで常時立ち入ってチェックすることができなかったのでありますが、ちょうど夏前にこれをやろうとしてこの事故になってしまったわけでございます。
○井岡委員 その合併をするというのは——私はあまりわからないのですが、日ペリと極東航空がおのおの独自な会社で経営をやっていくと非常に不合理だ、これだけじゃないと思うのです。もっと深い理由があったと思う。お互いに不当競争をやってっおったのでは会社経理がまかなえない、現実にこれは欠損をしておったはずです。だから合併をして合理化をはかったんです。ですから合併をしたときに、合理化をすれば整備士その他人員が余ってくるだろうと思っておった、こういうことでは私は手落ちだと思うのです。前の経理状態がわかっておればおるだけに、もっと詳細に検討をして、そして新しい会社が発足するに当っての注意なり命令なりを出さなければほんとうの意味における保安上の監督行政というものは行われていないと考えるが、この点はどうですか。
○林説明員 合併の前にはもちろん検査をいたしておるのであります。ただ合併後路線なり運航の状況がだんだんふえて参っておる関係上、人の不足が出てきておると考えます。
○井岡委員 合併をするときにはそういう注意を与えなかったのですか。私はどちらの会社も——これはこの前の報告では赤字でもって合併をなさったように聞いているのです。ですから今までの経営それ自体に無理があったと思うのです。その無理を少しでもなくしようと思って、合併をなさって合理化を進められようとしたのではなかろうかと思う。そうすると合併後において保安上十分に保たれていけるのかどうかということ、今までの無理が無理でないようになるのかどうか、こういう点について詳細な検討が行われなければ実際の保安というものは保てないのじゃないかと思うのです。それをおやりになったかどうか。単になるはずだっただけではいけないと思う。ほんとうにその当時はそうだったのかどうかということです。私はそうじゃないというように考える。だから先ほどのお話のように、やってみたがだんだん路線もふえた、あるいは回数もふえたということで不足をしてきたのではないかと思いますというような答弁しかできないのじゃないかと思うのです。この点はどうだったのですか。
○林説明員 その点は、会社が合併いたしますときに、航空機の機材、それから整備その他の改正等はもちろん検討しております。しかしながら、だんだんと航空機もその機材を十分に活用しようとしますと、非常に運航時間も長くなります。そういったような関係から、整備を今までならば少い人数でやれたものが、だんだん足りなくなってきたということは事実であると思います。われわれとしましては、もちろんそういうことは予想されたではないかと言われるかもしれませんが、もちろんそういうおそれは十分あったわけで、そういう点につきましてわれわれも常時検査を続けておるべきでございますが、ちょうどその立ち入り検査をいたす直前にこういう問題になりましたので、実はこの点については申しわけないと考えております。
○井岡委員 私の尋ねておるのは会社じゃないのですよ。航空局なんですよ。この二つの会社はもともと赤字だったのです。これはあなたがこの前に説明されたのですから間違いないでしょう。こういう二つの悪い条件の会社が一つになって、そうして合理化をおやりになろうというその意欲については——またそういう勧奨か、あるいは勧奨でなくてもアドヴァイスされたのかもしれませんが、とにかくそういう行政上の措置についてはあるいは会社の意欲については私は了解しているのです。ただ現実に赤字であって今まで非常に不安定だというか、とにかくそういう会社が合併したのだから、八月などと言わないでなぜ合併のときに保安上の立場から行政官庁である航空局は十分に査察なり検査なりあるいは指導なりをなさらなかったのか、こう言っておる。ここに問題がある。もしこれを十分おやりになっておって会社がなまけておったのだということになれば、航空法の規定に基いて免許の取り消しをやればいいのです。これをあなたの方はおやりにならなかった。合併するときに向うの書類なり説明なりを聞いて、そのまま認められたところに問題があるのです。そうでしょう。私はこれを尋ねておるのです。
○林説明員 合併の場合には、やはり航空局としましては施設検査をやっております。
○井岡委員 やって、それで十分だったのですか。わずか半年足らないじゃないですか。合併したのは二月でしょう。二月から八月の間にたちまち足らなくなるというような状態なんです。しかも事故が起って整備士をチャーターした会社の伊藤忠から借りてこなければならぬ、機材は今まで十分でなかったものを買わなければならぬ、部分品その他を買わなければならぬ、わずか四カ月の間に何もかも不足してきておるのです。これでやったと言えますか。おやりになったというなら、これは簡単におやりになったのでしょう。こういうことで、ほんとうの意味における保安行政を監督しておる立場でどうなるのです。言いのがれじゃないのですよ。こんなものは国会でやったといえば、私は見てないから仕方がない、ああそうですか、これだけじゃ問題にならない。今後どういうようにやろう、問題をこういうようにしぼっていかなければ、あなた方の方はここで答弁したらしまいだ、これだけじゃだめです。わずか四カ月の間ですよ。ほんとうにおやりになったのですか。相談しなければわからぬようなことでやったというようなことではだめなんです。
○林説明員 施設検査はいたしております。
○井岡委員 施設検査はやったが、その後あなたの報告を聞いておると、先ほどから何もかもみな足らないですね。これは認めますね。
○林説明員 整備を完全にするために、たとえば先ほどもお話が出ておりましたが、飛行機ごとに責任者を定めるといったようなことをやりますれば、人がまたよけいに要るわけでございます。機種が統一されておればそういう点はよいでありましょうが、そういう関係で人をどうしても緊急に入れなければ完全な整備ができない、こういうことになっておるわけでございます。
○井岡委員 私は会社のことを聞いているのではないと先ほどから言っているのですよ。あなたは施設検査はやったと言った。整備検査はおやりになったのですか。やってないでしょう。あるいは人間が足らない、これは保安行政を担当する方からどういうようにやることが保安上一番安全だ、こういうことをあなた方は監督するんじゃないですか。そのために会社で人がよけいに要ろうが要るまいが、このことについてあなた方がとやかく言う必要はないじゃないですか。あなたは会社経営というものはあまりやりたくないと言っておられるのですから、そういうところまであなたは御心配なさる必要はないじゃないか。あなたの心配しなければならぬのは、保安上この会社を認めて、そうして航空事業がほんとうにやれるかどうかをお調べになるんじゃないですか。監督なさるんじゃないですか。そこで、もしそれに適しておらなければ免許を取り消すなりあるいは免許を許さなかったらそれでよいのですよ。会社のことは私がまた会社の方に質問しますよ。あなたの立場を聞いておる、役所の立場を聞いておる、その点をはっきりして下さい。
○林説明員 施設検査と申しますのは、要するに整備の面につきましても検査はいたしておるわけであります。ただ当時草創の際でありまして、それらについて十分なる検査ができておったかどうかという点につきましては、あるいはあらためて安全向上検査をやってそれでさらにもっと深いところまで検査をするというつもりではございましたが、当時といたしましてはそれを開始するに足るだけの検査はいたしてやったのでございます。
○島口委員 関連して……。先ほど来、局長の答弁を聞いておりますと、前後矛盾するような御答弁があるように理解したのであります。その点は、先ほど正木委員の質問には合併当時は検査はやっておらない、検査をやろうとした際事故が発生したのだと、こういうような答弁だと解釈しておったのでありますが、ただいま井岡委員の質問に対しましては、合併当時施設の検査をやったと、こう答弁しておりまして、前段と後段との答弁に食い違いがあると思いますが、その点を確認したいと思います。
○林説明員 今の点につきましては、施設検査はいたしております。ただその後、先ほど正木先生からもお話がございましたように、常時チェックして——それがうまく規定その他に合っているかどうかというような点から、常時チェックすべきではないかというお話に対しまして、その後の立ち入り検査はいたしておりませんが、ちょうど八月になったときに新会社になって初めての安全立ち入り検査という——安全性向上検査というのをやった、こういう意味でございます。やろうと思っておって事故が起った。続いてその後ずっとやりました。今ではやったのでございます。
○島口委員 速記録を調べてからまたやります。
○塚原委員長 先ほど久保委員から要求がございました全日空に関する資料をすみやかに御提出願います。 この際、運輸当局及び国鉄当局に一言申し上げます。当委員会におきましてたびたび委員各位より資料の要求がございますが、最近資料の提出がしばしばおくれております。そのため委員会における審議の都合上まことに支障を来たしておりますので、今後資料の提出は迅速にされますよう御忠告申し上げます。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十二分散会