予算委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/08/30
会議録
○委員長(井野碩哉君) これより委員会を開会いたします。 まず、委員の変更につきまして、御報告いたします。 八月一日、内村清次君辞任、佐多忠隆君補欠。八月十四日、市川房枝君辞任、八木幸吉君補欠。八月二十一日、八木幸吉君辞任、市川房枝君補欠。八月二十八日、大川光三君辞任、石原幹市郎君が補欠に選任せられました。 —————————————
○委員長(井野碩哉君) 理事の補欠互選についてお諮りいたします。 理事佐多忠隆君が委員を辞任し、再び委員に復帰せられましたので、成規の手続を省略して、私より佐多忠隆君を再び理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井野碩哉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(井野碩哉君) 次に、委員派遣の報告を議題といたします。 東北班の御報告をお願いします。田村文吉君。 —————————————
○委員長(井野碩哉君) ただいま委員の変更がございましたので、追加御報告申し上げます。 八月三十日、安部キミ子君辞任、北村暢君補欠。中田吉雄君辞任、千葉信君補欠。鶴見祐輔君辞任、堀末治君補欠。西川彌平治君辞任、小幡治和君が補欠に選任せられました。 —————————————
○委員長(井野碩哉君) では、どうぞ。
○田村文吉君 東北班の視察につきまして御報告申し上げます。 東北班は、小笠原二三男、田村文吉の両名をもちまして、去る七月二十二日東京を出発し、福島、山形の両県につきまして、一般経済事情、地方財政の状況、公共事業及び電源開発の状況等について調査いたして参りました。この間、福島、山形の両県庁を初め、財務部並びに福島、山形、新庄、酒田の各市役所等において、資料の提供を受け、現地の実情について詳細な説明を聞き、また、田子倉ダム、猪苗代水系秋元発電所、農業総合研究所積雪地方支所、酒田港、日新電化酒田工場及び鉄奥社を視察して参りました。以下、右調査のうち、重要な点について御報告申し上げます。 まず最初に、東北地方における産業経済及び金融情勢の概況について簡単に御報告申し上げますと、やはり最近の中央経済界の不況を反映して、全般に景気好転の材料が見当らないまま、長期沈滞の様相を深めているような状況であります。 福島地方について、同財務部の説明によりますと、昨年上半期までは金融引き締め政策はとられていたものの、豊作景気によって、さほどの影響もなく、順調に推移していた本県の金融経済界は、本年に入ってから引き締めによる経済情勢の悪化、企業採算の低下等、中央情勢が中小企業に主体を置く県内産業界にも逐次浸透し、不況の度を深めつつあります。すなわち、産業界では出先大企業の生産調整、地元下請企業の受注減、紡績は操短を実施、常磐炭鉱は滞貨増に悩み、会津の漆器は不況に押されて、受注、販売ともに伸び悩み等、かなり苦しい経営を続けています。 鉱工業生産を指数で見ますと、本年四月は一三三・九——昭和三十年度を一〇〇といたしまして——となり、前月より八・三%下り、生産減退の傾向を示しております。 また、農業については、三、四月の凍霜害、五月の旱魃により、稲作はやや良の予想であり、農業収入の補完的役割を果す副業収入も低落しているため、今後稲作の生育が重視されております。 小売商況もまたさえず、ボーナス・シーズンを迎えた都市に、やや活況が見られたものの、消費性向は手がたく、百貨店筋はとにかく、一般小売業者の売り上げは、前年より一割ないし二割減と見られており、農繁期のため、農村の客足が伸びないことから、今後の商況好転は、なお期待できないものと見られております。 このような景気低調を反映して、管内金融機関の預金の伸びはさえず、営業性預金は減少の一途をたどり、また、農村預金は、営農資金等の払い戻し増が目立っています。 六月の公定歩合引き下げは、心理的に明るさを与えたものの、これによって積極的な仕振りに転ずるというものはなく、銀行筋も貸出し金利引き下げについて、概して消極的態度をとっており、金融経済全般の大勢は沈滞状態にあるとの説明でございました。 次に、山形地方について、同財務部の説明によりますと、本県の金融情勢は、全般的に見て、金融引き締め政策以降も大した反響を見ずに、主として三年続きの豊作景気による食糧代金の縮小、営農資金あるいは一般企業の決済資金の需要等による預金の伸び悩みから、金融引き締めの影響が逐次浸透しているのがうかがわれるのであります。 これを預金の状況で見ますと、四月以降は公金預金の増加が見られましたが、営農資金、漁業資金等の資金需要が大きく、五月末においては、前月比十三億五千五百万円の減と、前年同期を二・八倍も上回る数字を示しております。しかし、七月に入り、米穀売り渡し予約前渡金が流入し、さらに公定歩合引き下げに伴う収益減、あるいは預金コストの漸増等を補うための預金吸収活動も相当積極化しております。貸出し状況を見ますと、例年の季節的の資金需要に加えて、本年は旱魃に遭遇したため、揚水ポンプその他の施設に対する資金需要が農村地帯金融機関に多かったことが目立っております。しかし全般的に見て、農村の消費購買力の減退と、それに伴う商業部門の沈滞により、資金の新規需要は表面金額において減少はなくとも、資金量との対比において見れば、昨年中に比較してやはり不活発で、このことを本年六月末の預金額から見るに、前年同月と対比し、六十九億三千五百万円増加してはいるが、貸出額は四十三億九千三百万円の増加にとどまり、預貸率が前年同期の八四・六%に比較し八一・九%と著しく改善されていることからも、金融緩和をうかがうことができます。なお、中小企業に対する貸出しは、農協分を除き、六月末において各種金融機関分合計三百三十六億二千五百万円に達し、それらの貸出し総額三百九十四億五千八百万円の八五・二%に達し、このことは地元金融機関に吸収された資金のほとんどが地場産業の育成を健全化のために大きく貢献していることを物語るもので、この面から見る限りにおいては、例年のごとく本県の中小金融面は、一応大過なく推移しておるものと思量されるとの説明がございました。 次に福島、山形両県の財政の概況を御報告申し上げます。福島・山形の両県とも財政再建団体であります。まず、福島県は昭和二十九年末には実質赤字二十八億円になりましたが、以来県当局としては極力支出面を切り詰めるとともに、三十年度より三十六年に至る七カ年度にわたる財政自主再建計画を立て、三十年度以降三十九年度に至る十カ年間の財政再建団体の指定を得て、再建債十八億六千万円、退職債二億を受けて赤字を棚上げし、現在に至っているのであります。昭和三十年度以降の決算状況を見ますると、三十年度においては十六億六千万円余の赤字でありましたのが、三十一年度は一億九千万円余の黒字となり、さらに三十二年度は四億二千万円余の剰余金を生じる見込みでありまして、本県の財政は大いに改善されつつあるものと思われました。 次に、山形県におきましては、二十九年度の実質赤字額六億四千八百万円でございまして、三十一年度より七ヵ年の再建期間で五億九千万円の再建債の融資を受け、現在に至っております。昭和三十年度以降の決算状況を見ますと、三十年度は四億八千万円、三十一年度は一千九百万円と、それぞれ赤字でありましたが、三十二年度より五千百万円の黒字に転換して参り、財政内容は逐次改善の方向に向っているとの説明がございました。 次に福島、山形両県において、県下産業のうち、特に不況の影響が深刻なものについて以下概要を御報告申し上げます。福島県においては、繊維、製糸、養蚕、酪農について説明がございましたが、まず繊維の関係から申しますと、絹人絹織物工業の過剰生産による不況打開策として、各種の自主操業を実施しておりますが、効果は上っておりません。業界でも六月一日から一斉に現存織機の三割封印をなし、適正量の月産七万匹前後に押えることにしたのでありますが、このような強硬措置も、今年の春繭の大増産による影響で、五月末に糸価が十六万円に暴落し、一俵十九万円の最低支持価格制度が事実上くずれたことと、六月に行なった政府のてこ入れで糸価が十八万円台戻ったこと等の情勢の変化により、必ずしも効果的ではなかったようであります。業者としては、注文さえあれば赤字操業を依然として続け、悪循環を操り返すものと思われます。このような不況を打開するため、県と業界では、三十三年一月、福島県輸出絹織物振興対策協議会を設立し、総合的に絹業界の実情を調査検討し、抜本策を立てることになりましたが、現在はいまだその成案を得ないままであります。 次に、製糸について申しますと、機械製糸工場においては二期にわたって、ともに二割の生産制限を行なって参りましたが、他面、県内製糸工場における春繭収納数量は八十万貫に達し、昨年の三十八万貫に比し二倍強に当る。このような状況のもとにあって、操短に伴う設備並びに人員の縮減は容易でなく、従って二割の操短は生糸一俵について約七千円前後の増加を見ております。このような状態では、最低繭価千四百円で繭を購入することはきわめて困難であり、生産制限の継続は製糸経営を危殆に陥れることとなり、企業合理化に深刻なるものがあります。 次に、養蚕について申しますと、本県の養蚕農家戸数は約六万戸で、本年の産繭目標額は春蚕、夏秋蚕を含め二百四十万貫のところ、春蚕の成績は凍霜害もなく、飼育成績もきわめて良好で、百五万貫程度の収繭が見込まれております。現在桑の伸長も良好で、夏秋蚕も目標の百四十万貫を大きく突破する情勢にあります。しかるに、繭価維持のため夏秋蚕の二割制限に伴い、本県に割り当てられた産繭額は九十四万六千貫のため、蚕種掃立希望を大幅に制限する結果になっております。このため桑園に資力を投入した養蚕農家は、現金収入の等しい減少とともに、そのこうむる影響はきわめて甚大なものがあります。 次に、酪農について申しますと、昭和三十三年中における牛乳生産見込数量は、前年度より一七%増の十八万石でありますが、県内市乳向消費量は前年度より一〇%増の六万石で、乳製品原料向は、前年度より二二%増の十万石の見込みであります。しかるに本年六月十日森永及び協乳から、七月一日以降一升当り三十九円に値下げ方を県酪連に申し入れがありましたが、この申し入れを返上し、現在に至っております。県当局では、その対策として、県内市乳の消費を拡大し、学校給食牛乳を三十二年度は一月から三月の間に三千石実施したが、三十三年度は十月以降明年三月までに六千七百五十石を実施し、一方草地の改良、飼料栽培等、経営合理化を促進するよう指導しているとのことでございました。 次に、山形県におきましては、養蚕、酪農、漁業、繊維について説明がございました。まず、養蚕から申しますと、夏秋蚕繭二割調整により、年間の収繭量は前年に比し約十七万貫の減産となり、この減産による現金収入減は、この調整によって繭価が維持され、平均貫当り千四百円に取引されたとしても、総額約四億四千万円、一戸当り約一万四千円減の見込みとなります。この調整事業によってもなお実勢糸価をたどる場合は、現金収入減は総額約五億二千万円、一戸当り一万六千円に及ぶことになり、さらに他作物に切りかえるとしても、現在の農作物の需給状況及び価格動向からも、また積雪寒冷地帯という特殊事情からも、適作物の選定難から精神的に不安動揺を与えております。 次に乳価問題について申しますと、本県の乳価あっせん団体である山形県酪農協会は、本年六月九日明治乳業株式会社より、七月一日以降現在の乳価を四円引下げられたいとの通告を受けましたのでありまするが、乳価の値下げは本県の集約酪農事業推進上支障がきわめて大きいので、県としては乳価値下げに伴う酪農経営の不振を防ぐため協議会を開催し、消費増進運動を展開し、本年度からさしあたり集団飲用及び十円牛乳の実施等による消費の拡大をはかっております。また生産仔乳牛の消費流通対策として、県内生産優良仔雌乳牛を県内に保留し、酪農の後退を防止し、集約酪農地域の振興計画を推進しております。なお、酪農関係指導の徹底を期し、家畜衛生対策を含む飼養管理、飼料自給率の向上、並びに濃厚飼料の給与削減、牛乳の品質改善等の指導を行い、乳価値下げに処する緊急対策として実施中との説明でございました。 次に漁業問題について申しますと、本年度のイワシ漁は昭和三十一年以来三年にわたる不漁により、本県の沿岸漁家は物心両面からの大打撃を受け、漁村経済に及ぼした影響はきわめて深刻で、累積した借財も約三億円に近いものと推測されております。本県はこれが救済振興対策として、緊急処置及び恒久施策として実施に移しつつある状況は、すなわちイワシ凶漁資金の償還残金、並びに漁凾購入残金に対する利子補給として八十四万七千円、金融の円滑化と低利資金利用を目的として漁業信用基金に対し、出資の増額百万円、諸経費を節約し、漁業能率を向上させるため、魚群探知機購入費並びに燃油タンク設置に対する助成に七十八万七千余円、浅海増殖事業に二百七十四万四千円と、それぞれ支出し、地方道路改修事業に対する就労のあっせん、不漁に対応する漁業調整上の特別措置、及び漁業の多角化等の指導推進を実施中とのことであります。 次に繊維について申しますと、絹人絹織物業の商況悪化の状況は、原糸在庫は三十二年五月までは生産の上昇に伴って漸増していたが、デフレの本格化による商況悪化に伴って在庫調整が進み、三十三年当初からは、三十一年水準から二〇%前後縮小しております。製品在庫は減産と原糸在庫調整が進んでいるにもかかわらず、売行き不振のため三十二年夏に大幅に増加し、一部出血受注を見ながら在庫調整につとめ、三十二年十二月には、ほぼ正常な線まで引き下げたものの、三十三年に入って再び三十二年と同じような異常在庫を示すに至り、その傾向は三十二年に比し約一〇%以上の高水準で悪性を帯びながら推移しておりますが、生産、在庫の変動の主要因は、内需向織物に大きな原因が見られ、輸出向についてはほぼ順調な推移をたどっておりますものの、非常な値下げによって生産高をささえている現状であります。従ってこれらの現状を打開するためには、国内需要の喚起、輸出価格の引き下げ防止等について、強力な対策を急速に実現することが必要であるとの説明がございました。 最後にこの調査に際し、種々の要望がございましたおもなるものの御報告を申しますと、酪農安定対策についてでございます。酪農安定対策として、一、市況の回復をはかるため、余剰乳 製品の即時国家買い上げ、賠償物資 またはアジア地域への輸出の促進、 最低乳価の保障制度の確立、乳製品 の輸入禁止、大カン練乳用砂糖戻税 の即時復活。一、牛乳、乳製品の消費拡大のため、 学校給食用牛乳、乳製品供給事業の 恒久的実施、工場、事業所の牛乳の 集団飲用の奨励。一、飼料対策として、政府払い下げ飼 料を値下げすること、及び草地改良 事業に対する基準の緩和、及び補助 率の引き下げ。等であります。 以上をもちまして、簡単でございますが、大体の地方財政、産業に関する御報告をいたしたのでありますが、さらに私は一言つけ加えて御報告を申し上げたいと存じましたことは、田子倉の発電所建設工事を見、さらに東京電力経営の秋元発電所を視察をいたしまして、感を深くいたしたものでございまするが、田子倉の発電所といい、只見川の発電所といい、さらに先般来できて参りましたそれぞれの発電所は、いずれも水、火力の調整に主眼をおいたのでございまして、いわゆる渇水時において水を放流することによって、火力、水力の季節的の不足電力を調整するのが目的であるのでございまするが、それを最もはっきりと表わしたものといたしまして、規模は小さいのでございまするが、東京電力の秋元発電所を見ましたときに、強い印象を受けたのであります。それは、日本のような山の地形から考えて参りまして、しかも将来水力電気というものの需用は非常に多い将来を持っているのでございますから、いわゆる日本のあらゆる山間部におきまして、耕地をつぶすとか、あるいは市街地をつぶすというようなことにならない限りにおきましては、できるだけ人造湖をたくさん作って、その人造湖にためた水をある時期においてこれを放流することによって、渇水時の電力を補給する、こういうような考え方がもっともっと広げられていってよろしいのではなかろうか、かように痛切に感じたわけであります。ことに、いわんや洪水の対策等につきましても、さようなことが行われますることによって、非常な降雨量の多いときにこれを人造湖に貯水し、これを夏あるいは冬の渇水時においてこれを放流することになりますれば、一挙両得であるのでありまして、おそらくは今日現在持っている日本の発電量を、あるいは三割あるいは五割、もっと以上の発電することの可能性を考えられたのでございます。その典型的なものとして、私は秋元湖及びそれに伴う秋元の発電所は非常に意義のあるものであるということを認めて帰ったのであります。 あわせてこの旨を御報告いたしまして、御参考に供したいと存じます。
○一松定吉君 ほかでもないのですが、この報告は委員長の方に向って、その席からやるよりも、私は委員の全部に向って報告するということが意義があると思いますから、あの席からこちらに向っておやり下さるように、今後一つ是正していただいた方がよくはないかと私個人で思っておりますが、皆さんもそれがよければ、そこからあちらに向ってやるより、そこからこっちに向って報告することがよくはないかと、実は初めから痛感しておりますから、一つお考えを願いたいと思います。
○委員長(井野碩哉君) 理事会に諮りまして、また研究いたします。 では、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十一分散会