農林水産委員会 第9号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1958/07/08
会議録
○委員長(重政庸徳君) ただいまから農林水産委員会を開きます。 最初に、委員の変更について御報告いたします。 七月五日、小山邦太郎君が辞任され、有馬英二君が選任され、七日、仲原善一君が辞任され、木暮武太夫君が選任され、本日、田中啓一君及び木暮武太夫君が辞任され、左藤義詮君、仲原善一君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(重政庸徳君) 酪農の件を議題にいたします。 乳牛の需要期にかかわらず、最近、乳価の低落及び市乳の拒否等の事態が起り、酪農対策の拡充が強調されているのであります。本日は、この件を問題にして、まず、農林当局から最近の乳価事情及び政府の対策について、簡単に説明を求めます。
○説明員(谷垣專一君) 最近の酪農の関係につきまして御説明いたします。 六月の十日前後におきまして、全国の、全部の県というわけではございませんでしたが、主として大手筋のメーカーの方から、現行の乳価をおよそ一割程度――所によって違いましたが、一割程度の乳価値下げの申し入れがあったのであります。主として市乳地域におきましては、その値下げいたしました四、五円分につきましては、七月、八月についてはこれを奨励金として生産者に返す、ただし、市乳の不適格の状況のもの、バクテリア・カウントで四百万あるいは八百万という所もあるようでございますが、そういうようなものに対しましては、この奨励金を出さない、大体こういうふうな乳価の値下げの申し入れがございました。これの実施は七月一日から行いたい、こういう趣旨の乳価の値下げの申し入れがあったわけであります。それに引続きまして、全体的に申しますと、中小企業の関係の乳業者もこれにならわんとする、そういうような状況でございます。 一方、生産並びに消費の状況を申しますと、ことしの三月の末の状況、三十二年度の状況を考えてみますると、上半期の状況におきましては生産もかなり伸びております。また一方、市乳及び乳製品の消費も、たとえば前年と比べまするというと、乳製品の消費のごとき、一三二%というような、かなりの消費を示したのでございますが、後半期に至りまして御存じの大カン煉乳が十月一日から消費税を免除される特典がなくなったわけであります。そういう事態から、九月の終りに一回乳価の値下げがございました。また、十二月の終りに一回値下げがございまして、両度の値下げで、所によって違いがございますが、およそ五円がらみの値下げがあったのでありますが、そのことと並行いたしまして、生産は漸次下降の状況を示してきつつございまするけれども、また一方、市乳の消費も一-三月から始めました学校給食等の実施もございまするが、かなり前年に比べますと順当に伸びてきております。しかしながら、一方乳製品の需要が前年の状況に比べまして六%の増加という程度の、非常に小さい需要の増加数しか得られませなんだような結果になりまして、従いまして、三月末の状況におきましては、およそ推定いたしまして七十五万石程度の在貨が生じた、こういうような状況に相なっております。この七十五万石の在貨と申しますのは、通常の在庫の四十五万石と比べますと、大体三十万石程度の過剰ということに相なるのであります。その後、今年度に入りまして、四月、五月の割合冷涼な気候等で消費があまり伸びず、また、三月の状況で、予想以上に生産が伸びております。これは、野菜その他の豊作等の影響があると思いますが、伸びております。その後は逐次生産はスロー・ダウンの形を示しつつあるわけでありますが、そこで夏に入ってきたわけでございます。さような状況で、先ほど申しました六月の十日くらいから全国の各県にわたりまして、乳価引き下げの申し入れが行われた、かような状況に相なっておるのであります。これに対しまして、政府の方といたしましては、学校給食等のワクを増大いたし、あるいは現在持っておりまする予算の措置で、学校給食に回しまする乳製品の繰り上げの買い上げ措置等を――繰り上げ措置は従来も行なって参ったのでありますが、これに対処しましてのさらに学校給食のワクの拡大、あるいは職場におきまする集団消費に対しまするところの助成措置、また、広報宣伝によりましての消費の拡大、あるいは生活改善の上から見ましての農村における自家飲用の増大、さらに合理的な農業経営というような指導をいたして参る、必要な予算措置につきましては、それぞれ大蔵当局の方と交渉を進めて参る、かような態勢にいたしまして現在に至っておる、かような事情でございます。なお、主として本年に入りまして以来、職場あるいは事業場等におきまする集団飲用等に対しまして、民間の団体等と協力をいたしましてやって参ったわけでありますが、そういうような集団飲用の推進でありますとか、あるいは消費の拡大のためのそれぞれの運動を起しますために、それぞれ関係地方の方に通達をいたしまして、現在その運動を推進しておる、かような状況に相なっております。
○千田正君 この乳価の問題は、たびたびこの委員会においてもお互いに審議あるいは討論したのでありますが、きょうは大臣がお見えになっておられますから、特にお伺いしたいのですが、酪農対策は、かつて農林白書を発行して、日本の農業のあり方に対するところの新機軸として、やはり農家経営の安全性をはかるためには酪農というものを取り入れて、それに対する基本的な政策をやっていこう。これは農林省が終戦後におけるところの新しい一つの試みとして、国民に訴えもし、われわれも協力したところでありますが、今、局長の言う通り、ある場合においては草地改良をし、ある場合においては乳牛を導入し、ある場合においては助成金を出して今日まで育ててきた。育ててきておるにかかわらず、一方においては、先ほど来のお話にあったようなメーカー等の問題等から引き続いて乳価が下ってくる。農家経営がやっていけない。これは、農林省直属の行政的な手腕のみならず、むしろ、閣内において学校給食とかその他の方法という問題については、むしろ大蔵当局なり、あるいは文部当局なりに十分な打ち合せをして、転換して、そういう面におけるところの方法を考えるべきである。ただ自分らの行政、考えにおけるところのやり方だけを重視しておる場合ではなくて、積極的に大蔵省なりあるいは文部省その他との間に連携をとって、この問題の解決に当るべきだと思いますが、何か大臣としましては、特にこの際、乳価の値下りに対する切り開き方法を考えておられるか、その点についてお伺いしたい。
○国務大臣(三浦一雄君) 生産の順調な伸びにかかわりませず、消費がこれについていけない。消費の面においてわれわれの予期した通りには成果が上らなかったということによって、ここに一つのギャップを生ずる。そうして緊急の対策をせざるを得ない、こういうことになったのでございまして、これは酪農を推進した当時からこの事態を予想いたしまして、そうして対策の十全を期すべきであったものと、こう思うのであります。しかしながら、そのことは、他を責めても仕方がないことでございますので、当面しております問題を解決せざるを得ない、こういうことにまあ考えております。従いまして、今回の措置は、今、畜産局長から大体の考え方等について申し上げたのでございますけれども、年間七十万石程度の生産がありますものが、ここにバランスを失して剰余を来たしている、こういうことになります。そうしますと、この余った乳を恒久的にどういうふうにこれを仕向けていくかということにならざるを得ないわけであります。そうしますと、おのずからここに現在在庫としてありますものと、生産されてきますものとの関係を調整しまして、そうして臨機の措置をとり、同時にまた、他面消費の拡大をしつつ、その対応の政策を立てて参りたい、こういう考え方でございますが、そうしますと、勢い安定した一つの消費面を求めざるを得ない、こういうことになるわけであります。他面、学校給食等は、あるいは教育の面から、さらにまた学童の体位向上の面から、この問題を学校給食法等の特殊立法もいたしまして進めておるのでございますが、やはりこの計画の根底をなすものは、体位向上等に着眼いたしまして乳製品等を使っていきたい、こういうことから出ているわけであります。従いまして、この両者の関係を調和しまして、そうしてその面に役立ちたいというのがわれわれの念願でございますが、今御指摘になりました大蔵当局もしくは文部当局との提携の問題でございますが、われわれとしましても、その配慮のもとに取り進めております。ただし、文部省との関係におきましては、ばく然とした問題をただ持っていくわけには参りませんので、一応われわれの立案しておりまする計画が、やや具体的になりましたら、実施の方面について細目の打ち合せをしたいという心がまえでいっているのでございまして、決してわれわれがただ独善的に、そうしてまた各省との連絡なしに取り進めておらぬということを、御了解を得たいと思う次第でございます。
○千田正君 ただいまのお話のその七十万石というのは、むしろ日本の国民の九千万の人口に比較して生産される牛乳としては、七十万石というのは決して多い量じゃない。むしろ、これは学校給食等に回すというと、ほとんど大部分は消費できる石数じゃないのですか。そうだとすれば、われわれとしては考えなければならない。
○国務大臣(三浦一雄君) 私は月産の意味で申し上げておったのですが、大体月産七十万石、こういう程度と思います。これはもとより小、中学校全部に、かりに理想的に、理想的と申しますか、ある程度までやりますと、これは足らないことはもちろんでございますが、今のところ、全部に対しては実施しにくい事情もございますので、だんだんと拡大して参りたい、こういう考え方でございます。
○千田正君 月産七十万石の意味はわかりますが、これは月産六十万石ぐらいあっても、全国のこの学童給食に回したら、余剰の牛乳というのはほとんどないのじゃないのですか、どうです局長。これはね、実際の問題として、月産六十万石もあれば、全国のいわゆる学童給食等に用いて、余剰牛乳というのはあとは十万石かそこらぐらいになるのじゃないのですか。
○説明員(谷垣專一君) これは文部省の方も見えているのでございますが、学校給食――現在脱脂粉乳で従来まで数年引き続いてやっておられます実績から見ますと、本年度の計画は百五、六十万石になっていると思いますが、大体その程度の脱脂粉乳による計画を進めておられるように聞いております。ことしの一月から始めましたいわゆる国内産のなまミルクによります学校給食計画というのは、御存じの通り一-三月に十万石、三十三年度におきまする既定の計画としましては二十万石、こういう計画をもちまして推進している、かようなことに相なります。従いまして、その計画の範囲内でそれだけの数字で考えまするというと、今御指摘の月々の生産が六十万石というのは、過大な数字になろうかと考えます。
○千田正君 もう一点。もう一つは、アメリカ等から粉乳を寄贈されている。それをもう一応給食等の方面に回しているようですが、この粉乳、早くいえばこれはただでもらっているんですか。金を払わないで無償で寄贈されておるものだとするならば、乳価に対する一つの調整という面から考えた場合には、こうした牛乳は何かの製品に回して、むしろその分を生産牛乳を吸収するような方に向けるべきだと私は考えるのだが、この点はどうなんですか。
○説明員(谷垣專一君) これは文部省に関係のあることでございますが、現在入っておりまする学童給食に回されております外国産の脱脂粉乳は、その一部が贈与物資に相なっております。従いまして、これは無料で、ただ運賃その他はこちらが持っておるわけでありますが、その程度の値段で入っておるわけであります。ただし、漸次贈与の数字は漸減をしております。従いまして、その残りは海外からの輸入という形において行われておるわけであります。この学校給食を国内産の乳製品、脱脂粉乳等で切りかえますることは、これは考え方といたしまして、この計画のいわゆる贈与物資等によりまして行われる学校給食の当初から文部省の方とは、その方針につきましては、一致いたしております。ただ問題は、国内におきまする脱脂粉乳の生産状況また需要の状況等を勘案いたしまして、それに適当な数量というもの、またこの場合、海外から入れておりまするものと、国内の脱粉との間には相当な値幅がございます。相当に国内産のものが高い状況に相なっておりますので、そこの問題等を勘案いたしまして、学校給食の中に入ります国内産脱粉の分量をきめて参る、この数年やりました中で、国内の脱粉乳を学校給食の方に使いましたのは、一、二度数百トン、というよりも、百トンないし二百トンというごく程度の少い数字で学校給食に回した経験がございます。
○島村軍次君 乳価の対策について、大よその農林省の御方針を承わったのでありますが、ただいま承わりますと、その対策というものは、考え方は一応構想をおやりになっておるようでありますが、実際の施策に現われたものはほとんどないと、こういうことを申し上げざるを得ないと思うのであります。なかなかむずかしい問題でありましょうが、先ほど千田委員のお話しになったように、本委員会におきましても、数年来、この問題は非常に関心を持っておる問題であり、かつ、これは国策とし、かつ国論として、文部省なりあるいは厚生省の体育の面から、もっと大きな立場から総合的にこれを推進していかなければならぬ、こういうことを申し上げ、かつ盛んに経綸を行うべしという意見を呈したことがあった、前大臣のときに。しかし、そういう具体的な問題については、大臣もおかわりになり、かつまた、国会中でお忙しかったのでありましょうが、世間は心待ちにしているにもかかわらず、この政策は全くまだ検討中であるとか、あるいはある程度まで出ましても、十分出ていない、これは、ほかの悪い例をとって申し上げることは、はなはだ失礼でありますが、私は、その当時例の大カン練乳のときに十億程度というような話があり、そんな焼石に水のようなことでは、これはとうていこの措置は考えられない。生産の増大というものは、農業経営から見てもわかり切った問題でありまして、これは消費で行き詰まるということは、わかり切った問題だと思います。それにもかかわらず、このいわゆる三者の国策としての取り上げ方がきわめて不十分だということを言わざるを得ない。蚕糸に、別の方法でありますが、相当の方法を講ぜられた、私は、百億ぐらいを将来の大方針としてがっちりしたものを関係各省で一つ考えて、そうして総合的な施策をやることが、わが国の農業経営なり、酪農なり、あるいは体育なり、ひいては国民の栄養というような問題、日本の国民の将来に対する大きな話題を考えざるを得ないということを数回申し上げた記憶があるわけであります。別に、今のやっていることに対して、こういう点が足らぬじゃないか、ああいう点が足らぬじゃないかということは、われわれが申し上げるまでもなく、大臣よく御承知のことでありますから、もう少し関係各省との間の連絡が緊密であり、かつまた、それはもっと大きい立場における予算措置あるいは対策、啓蒙宣伝等の措置が講ぜられるべきではないかと思うのであります。先般、ちょうど大臣がおいでにならぬときに、砂糖とかあるいは例の北海道のビートに関連して、これは南部におきましても相当の増産対策というものが、一方で、もうどんどん出ている、従って、これは酪農によほど関係あることでありますし、飼料の問題もそうであります。もっと具体的な施策で早く手を打たれるべきではないか、むしろ臨時措置として蚕糸におとりになったことと、あるいは趣きは多少違いましょうとも、将来に対する国策の一つの基本線として、この際出すべきではないかと思うのであります。この点に対する大臣の御所見を承わると同時に、文部省及び厚生省もおいでになっておりましょうから、局長の方から補足的にこの問題に対する御説明をまず伺いたい。
○国務大臣(三浦一雄君) この酪農の問題に対する基本的な考え方ということでございますが、現在におきましても、学童給食等の問題におきましても、まだ実施されましてから日が浅いのでございます。従いまして、予算面におきましても、まだ運用の余地を相当持っているのでございます。これは直ちに今後のなにに備えて、これを運用して参る、これはすぐ実行できます。それから同時にまた、過般御審議いただきました酪農振興基金も、いよいよ発足することになるわけでありますから、これらも具体的の調整の場合には役立ち得ると考えているわけであります。なお、ただいまのところ、われわれといたしましては、今後ある程度の安定した相当の数量を消費面に拡大を期さなければならない、そうします場合には、集団飲用の問題もありますが、同時に、学童給食の拡大も予定したいということから進んでいるのでありまして、この基本方針がきまりまするならば、その前提としましては、今申し上げたような操作等によりまして、その緒につくわけでございます。同時にまた、おそいじゃないか、こういうことでございますが、これは、今申し上げました従来の予算の運用、さらにまた、酪農振興の運用等におきまして、所要の手を打てる。そうして次の段階に進んで参りたい。これが実際的の行き方じゃないかと思うものでございまして、考え方としましては、消費の拡大、その生産と消費との結びつきの問題につきましては、先ほど農林当局から説明を申し上げましたことは、やはり解決の主流をなすものは、そこになければならないと、こう考えるものでございます。 なお、島村さんのお話にありました規模の拡大等々につきましては、今後検討を重ねた上に、財務当局等ともよく話し合いまして、そうして適切を期したい。こういう考えでございます。
○島村軍次君 私のお尋ねしておりまするのは、感じの問題と同時に、とるべき施策の構想について、時期がおくれて具体性がないじゃないか。こういうことを申し上げておるわけです。で、一応の考えぶりはそれはわかりますよ。わかりますが、この消費と生産との間のつり合いというものが、これは農林省でお考えになっておるのと一般の考えとは、相当の隔たりがある。だからして、その構想をもう少し雄大にして、そうして早く手を打たるべきじゃないか。値下げの申し入れがあったのは六月一日付で、その被害というか、実際乳価の引き下げに出合って、もう途中から牛を売ろうというような態勢のできることは、これは農業経営の弱点でありましょうが、そういうことで、一時集酪農地帯を作られて基礎ができかからんとするときに、こういう傾向になったということは、これはひとり農林省だけの罪とは申し上げませんが、これは繰り返すようでありますが、どうも手の打ち方が手ぬるいと、こういうことに尽きるんじゃないかと思うのです。それには、大臣は先般も何分スローモーだというお言葉があったようでありますけれども、スローモーでは私は決してないと思うのです。相当のお考えもお持ちになり、かつ、しっかりした御意見をお持ちになっておるのだから、その御意見を早く実現されるように、一つ措置を講じてもらいたいというのが、これは国民の声である。それには、やはり閣議において重要な問題として早く予算措置をとっていただくことを希望いたしたいと思うのであります。構想それ自身について、畜産局長の、必要なる予算措置は今講じておると言われますけれども、それは実際具体化したのは一つもないじゃないですか。あるいは基金法といい、あるいは今年おとりになったいろいろな学校給食に対する問題も、一応われわれは知っております。しかし、学校の子供の方からいきますと、ある一定の期間だけは――春ごろはなま牛乳の配給を学校給食で受けた。しかし、もう六月一日からこれはストップだ。脱脂粉乳は、実際学校に行ってごらんになったらわかりますよ。もうあすから脱脂粉乳になるのだから、もういやだ。これはおそらく小学校の一般の声である。これには啓蒙の足らぬところもありましょう。ありましょうが、必要な措置というものが、まだ予算が残っておるけれども、これは続いてやらぬのだという、そんな手ぬるいことじゃだめなんです。これは進んで学校の方も、もう一面において生乳が余っておるという際に、必要な措置をすぐ講ずべきじゃないか。こういう点に対して、文部省なり厚生省の方との打ち合せがどの程度進んで、どういう措置を具体的にやろうとしておられるのか。もう少し詳しく一つ説明を願いたい。
○説明員(谷垣專一君) いろいろな状況が急テンポに進んでおりますのに、対策がおくれておるではないかというおしかりを受けたわけであります。一-三月の学校給食をやりまして、実は四月からは今年度はやらずに、秋口から学校給食を再開する、こういう予定に実はしておったわけであります。で、この趣旨は、御存じの通りに、夏場におきましての市乳の消費は非常に高まります。従いまして、一般の需要を拘束しない、一般需要者の方に悪い影響を与えて乳価を高めるというようなことのないようにこれをする必要があることと、また、夏場におきまして、ことに衛生上の問題からいたしまして、この一合びんに入れない形において、大きな器のままでやります学校給食に関しては、特に衛生上の注意を払う必要があると、実はこの二点がございましたために、夏場におきましての給食は、当初から計画外にしておったわけでございます。しかし一-三の状況を見まして、さらに四月の状況等を勘案いたしまして、四月、五月に関しまする学校給食を、実は繰り上げて実施をいたしました。また、内地におきましての問題は、先ほどの衛生の問題、あるいは市乳部門を圧迫するであろうというような顧慮がございましたのですが、北海道におきましては、その状況がございませんので、従いまして、北海道に関しましては、現在も夏場も引き続いて実は給食をいたしております。かような実情に推移いたしております。 今御指摘の、この学校給食を年間を通じてやると、こういう措置の問題につきましては、これは実際問題といたしまして、ことしは秋口に入りますれば、すぐそういう状況になると思いますが、これは一つは予算措置の問題、さらに学校当局がこれに賛成してやっていただく方法、また衛生関係等の措置、これらのものを勘案をいたしましてやって参らなければ相ならぬと思います。私たちとしましては、それらの措置がとられまして、また、夏場におきまする市乳に対しまする一般需要者に対しての圧迫というようなものがない場合におきましては、これは当然に一年間続けて参りたい。実は、かように考えておるわけでございます。ただ、ことしの状況からは、そういう格好に相なっておる、さような状況でございます。
○島村軍次君 厚生当局と、それから文部省の体育局の関係でお考えをお聞きしますが、大いに抱負のあるところなり、これからやらんとすることを一つ聞かしていただきたいと思います。
○説明員(清水康平君) 文部省におきます給食課の現状と今後の立場について、補足的に御説明申し上げたいと思います。 御承知のように、学校給食もだんだんと拡充して参りまして、現在では完全給食、補足給食合せまして、八百万をこえる現状でございます。しかし、全国の小、中、高等学校を入れまして、約千八百万人ということを考えますと、まだ相当開きがあるわけでございます。小学校は大体六〇%ぐらいに達しておりますが、それにしましても、まだ農山漁村等はそれほど行ってはおりません。都会地の方は七五%になっておりまするが、農村の方は三五%ぐらいでございます。今後、もちろん都会地も拡充せねばなりませんが、農山漁村の方へも重点を置かなければならぬと思っております。なお、中学校は数年前から始めたばかりでございまして、これは非常に普及率は低うございます。それから夜間の高等学校の生徒に夜食としての給食がございますが、これはまだ非常に率から見たら低うございます。その方面に私どもといたしましては今後給食を発展さしていかなければならぬと考える次第でございます。今さら申すまでもなく、給食が体位の向上に非常に大きな役割を果しておる、また、それが教育的に見ましても、非常に大きな意義を持っておる、あるいはまた、国民の食改善の立場からいいましても、きわめて大きな意味を持っていることを考えますと、ますますその点を今後普及に努力いたして参りたいと思っている次第でございまして、現在、本年度の実情を申しますと、小麦粉は大体十四万八千トンでまかなっているわけでございます。それから脱脂粉乳といたしまして、二万五千トンというものを大体海外から入れる予定になっております。それにまあ、おかずということになっておるわけでございまして、合せまして大体一食分が十五円四十四銭程度ということになっているわけでございます。それで、その後国内の酪農との関係がございまして、先ほど来お話がございました通り、三十二年度の一月―三月にわたりまして、約十五万石に相当するなま乳を配給して――なま乳あるいはバター、脱脂粉乳を、十五万石に相当するものをやっているわけでございます。三十三年度におきましては、これまた先ほどお話がございました通り、二十万石に相当する牛乳あるいは乳製品を計画しておるわけでございまして、四月、五月にやりましたが、また十月から再開するということになっております。その後、実は先月の半ばごろから、私のところべも全国の知事会議の要望書というような――決議でございましたが、酪農関係との関係を考えて学校給食に大いにこれをやってもらいたいという話があり、数日来、文部省におきましても、外国から入れまする脱脂粉乳との関係を勘案し、あるいは将来ふえていく人員等を見まして、何とかしてこの協力と申しますか、積極的にこれを受け入れるようにしたらどうだろうかということで、ただいま文部省におきましては検討中でございます。ただ、私どもの立場から申しますと、御承知のごとく、学校給食費というものは父兄が負担しておりまして、主として義務教育が多いのでございますが、この給食費がそのために上ったのでは非常に困る。それから、いろいろ御心配下さるなま乳あるいは乳製品にしましても、これが断続的であっては困る。やはり計画に基き恒久的でなくてはならぬ。その立場はございますが、それを除きました以外におきましては、ただいまどのくらい協力できるか、本年はもちろん、将来につきましても、目下、数日来検討中というのが実情でございます。
○説明員(尾村偉久君) 厚生省といたしましても、国民の栄養の向上と衛生の確保、こういうような任務を持っておる上からいいましても、非常に完全な栄養品である牛乳ないし乳製品の利用の拡大ということについては、もう全面的にこれは必要である、また、そうなければならぬと、こう考えておるわけでございます。ただ、今までの栄養の向上のやり方が、まあ長い間の日本人の習慣もこれは災いをしているのでございますが、今までの日本食中心のやり方の中に、この牛乳あるいは乳製品の利用を非常に増大をするといいましても、なかなかこれがうまく調和がとれぬということで、一時はとりましても、長い間にはまた元に戻るということでございまして、今厚生省が栄養の向上のためにやりております具体的なやり方といたしましては、栄養研究所におきまして、それぞれの農村向け、あるいは都会向け、あるいは集団向けというふうな、模範栄養献立というものの作成をいたしておる、これに基いて、全国の末梢機関が栄養改善の指導をしておりますが、この中に、日本人の口に最もとりやすい乳関係の製品の研究を一つはすること、それから模範献立集の中に、恒常的に乳の使用量が一定度含まれるようにいたしまして、これによって官庁がどしどしと強く指導することが最もいいのではないかということで、これは昨年来この点心がけておりまして、今、模範的な、いい、日本食に合う形の研究、献立集が、一部はもうすでに病人向けのものと、それから乳幼児、妊産婦向けのものは、部分的にもうすでにでき上りまして、保健所等はこれを利用しているわけでございますが、これが一般の、普通の国民の農村向け等の献立集にもうまく盛り込まれるようにということで今、続行中でございます。かようにいたしまして、利用者側が牛乳と乳製品が非常に生活の基礎になるということにいけるような方法が一番大事ではないか、かように存じております。 なお、そのほかに、卑近な例でございますが、しばしば、この牛乳ないしは乳製品を地方に行きまして勧める場合に気がつくことは、それらの会合をやっておる席上に輸入品であるコーヒーとか紅茶が必ず出る、これで何十円か取られるのでありますが、乳の宣伝をしていながら、さようなものが出て、しかも、これは輸入なんであります。おかしいじゃないかということで、これを夏ならば冷たい牛乳を一ぱいずつ出した方がいい、冬ならばコーヒー茶わんで熱いのを出せば、それだけで直ちにこれがすぐに理解できるということをしばしば私たち自身、担当者がそのチャンスに言って回るのでありますが、次に行ってみるとまた同じことで、お茶の場合は、日本産でありますから安うございますのでいいのでありますが、これが常にかようなことでありますれば、いかに模範献立を人に押しつけにいっても、自分が紅茶を飲んでいればだめだ。やはりこういうことで、卑近な例からやってみませんと、全国受け入れの方が増大しない、かように感じておりますので、さような観点から、ぜひこれは拡大を一そう助長していく、今年度の栄養の改善方策の中にも、乳の問題は十分取り入れております。 それからなお、衛生確保の問題が、集団飲用等に差しつかえがあるという声も聞くのでございますが、具体的に調べてみますと、やはり生乳をいいかげんな消毒のカンへ入れてそのまま飲ます、これはやはり非常にいい栄養品であればあるほど、これは細菌にとっても非常にいい栄養になって細菌増殖を可能にするので、最低の殺菌処置をする、集団飲用になればなるほど、この点を守らなければなりませんが、今まで業者が販売するごとに、販売による社会公害の場合の責任という点でかなり厳重に、いろいろな記録の保持とか、いろいろめんどうなことをかけておりますが、これは衛生の確保さえできるならば、さようなしちめんどうくさいことは自家消費的な集団飲用は、できるだけはずす、かような基本方針をとっておりますので、逐次これは改善されていく、かように存じておるわけでございます。
○堀本宜実君 大きい問題については、すでに多くの人から議論があったようでありますから、私はこまかいことについて少しお尋ね、ないしは要望をいたしておきたいと思うのであります。昨日芝浦屠場の係員に聞きますと、ホルスタインのまだ妊娠し得る、まだ使い得る乳牛が上ってくる、こういうことを聞きました。また地方からの状況報告によりますと、実に売買移動がひんぱんである、こういうことなのであります。これは私は現実に見た例でありますが、赤い紙に「乳は安くとも乳牛を手放すな」と書いた酪農組合のはり札が電信柱に、あるいは家の辻々に張ってあるのを見ました。全く私は今の酪農問題は危機である、こういうふうに思うのであります。農家というものは――私が農家の経済状態を説明するまでもなく、御承知のように非常にもろい経済、浅い経済でありますので、一度この危機に直面いたしますと、将来の見通しが立たないという不安のために、現実の乳牛を手放す、これをいかにして防止するか、これが一番早い当面とらなければならない問題だと私は思う。こういうことを一体考えておるかどうか、この問題がまず一点であります。私は、あとに質問者があるようでありますから、重ねて順次申し上げてみたいと思うのでありますが、それがそういう状況である。従って、その緊急処置をすみやかに講じなければならないと同時に、その緊急処置の中には、ただいま問題になっております学校給食の拡大あるいは乳製品の海外からの輸入の禁止の問題、あるいは乳製品製造の経営の合理化をどうするかという問題、これはもう私もこの間の大会に出て聞いたのでありますが、切実な要求がございました。これはすでに政府におきましても取り上げておられるのでありますが、そういうことは聞きながら、どうしようという答えが出ておらない。この緊急問題はまだ多くあると思いますけれども、今申し上げたような三つの問題を――経営の合理化と言うけれども、経営の合理化をはからなければならない、そういう指導をする。促進をすると言うけれども、一体、どういう具体性を持っておるのかということが重大な問題ではないか、そうでなければならぬと私は思うのであります。その他乳製品だとか、あるいは牛乳の消費の消費の拡大の問題もございましょうが、私は、そういうようなものをとにかく当面の緊急事態に即応するために速急にやらなければならない、今考えておると言うだけでなしに、直ちに実行に移さなければならない時期ではなかろうか、こういうふうに考えるのであります。そこで、生産費の低下ということを、じみな問題だが、生産者の方からも考えてみなければならない。政府あるいは農林当局にそういうことだけを要求するというだけでは私はいけないと思うのです。生産の合理化、生産費の低下というものは、一体、どうすればいいのか、こういう現実の問題を研究しなければならないと私は思うのであります。そこで、生産費の低下をするために、一体、どういう処置を講ずるか、これが問題なのであります。これに対しましては、たとえば保健所でありますとか、あるいは県の畜産課でありますとか、あるいは酪農組合でありますとか、いろいろな団体がこれにタッチしているのでありますが、これに関係を持ちます技術者の総合的な、つまり技術の何といいますか、集団化といいますか、つまり、三と三と足して六という答えでなしに、掛け算でいくような、九の答えが出るような総合的な関係を持たせなければならないのではないか、そういうことが私は欠けておりはせんか、行政の方面からそういう指導が欠けておりはせんか、技術者をフルに動かして牛乳を生産する、あるいはいろいろな障害を除去する、あるいはまた経済飼育という問題がございます。今の牛乳の生産費を調べてみますと、その飼料がとにかく六〇%までかかっておる。その六〇%のうちの大部分が購入飼料であります。私は乳の量は下ってもいい、粗飼料で、自給飼料でもう少しやらせるような方法、指導が必要なのではないかと思うのです。それには経済飼育とか経済的な母体の改良あるいは分泌量、そういうものによって、あるいは初産であるとか、あるいは経産牛であるということによっても違いがございましょうが、そういうものにどういう飼料を配合してやることが、牛に乳を出させる場合に一番必要な飼料であるかという献立表を農家自体に作らせるような指導まで考えなければ、私は生産費の軽減なり、低下なりになってこない、こう思うのであります。それはしておると言うけれども、それは上っつらだけではいけない。新しい時代に沿うて、そうして直接に指導をするためには技術者が足りないのであります。そうして官庁やあるいは保健所におる技術者だけでこれをまかなおうとしているところに問題がある。少くとも酪農組合であるとか、あるいは畜産組合であるとかという自主的な民間団体にそういう技術者を溶け込ましておいて、そうしてそういう組合の技術者と行政的な指導をする人とが総合的な、先ほど申し上げたような総合的な力の結集というものをやっぱり指導をしていくということが大事なことなんです。そういうことに欠けております。こういうことは農林省においてお考えになるのじゃなしに、地方の声をよくお聞きになって、そうして適切な指導をやられますことが、生産費低減の一大要素である、私はさように考えておるのであります。 もう一つ、じみなことではありますが、出てくる肥料というようなものも、相当乳牛には濃厚飼料を与えますのでその有機質肥料、糞尿の肥料、そういうものについても、そういうものが廃棄物であり、乳とは何の関係もないと言うけれども、生産費というもの、そのコストというものを研究し、なるべく安く生産をさして、そうして供給しようというような考え方に立つならば、私は有機質肥料というようなものがいかに有効であり、どういう保存をし、どういう有機質肥料の作り方をしなければならぬか、これも長い間唱えられてきた問題だが、そういう指導が足りない。それが少くとも畜産とは別な形で考えておられる向きがあるようであります。私は、畜産局において乳を、牛やその他動物だけの問題に限って考えるだけでなしに、関連した農業経営というものが溶け込んだ総合的な指導というものをしなければならないのではなかろうか、こういうふうに考えるのであります。その点を特に申し上げておきたいと思います。 もう一つ、先ほど来厚生省、文部省からお話がございまして、おいでになっておるようでありますから、当るか当らないか二、三申し上げてみたいと思いますが、先ほどの畜産局長の言葉によりますと、学校給食でも予算の問題がまず第一だ、予算をくれるかくれないかが問題だ、こう言う。これは私はこれ以上申し上げませんが、おそらく今の段階で予算をつけない、これは私は学校給食の予算の増額がないはずはないと思う。そこで、もう一つの問題は、学校が賛成するかどうかわからないとあなたは先ほどおっしゃいました、これは学校によりますと違うところがあります。また父兄も賛成しないところがある。それは配給をするときに非常に誤差が多くて間違いが多いから、そういう指導をしなければならぬ。一斗カンで持ってくる、五升カンで持ってくるので脂肪が上に浮いておる。先に飲んだ方が得だというので、先にすくうて飲むということから、あとに残ったものはかすばかりじゃないかという非難がある。なぜ、そういうつまらぬささいなことならば、注意ができないか。均等に、あるいは混合し攪拌をして配分する、しかも、その一合なり二合なり、器によってはからなければならない。私はきのうこの問題についてずるい話を聞きました。もう少し、まだ足りないぞ、こう言うのだ、そうすると子供ですから、配給に来た子供がもういいと言うと、いや、まだまだ、きりのところまでこないというようなことで……、そうすると、何人かしまいに足らないものが出てくる。泣きの涙で、もう牛乳はいやだといってやめた学校があるということを私は現実に聞いた。そういうこまかいことだけれども、学校が賛成するかしないかという問題を提起するならば、そういうこともあるということを考えて、いかにして合理的に、最も衛生的に、最も都合よくやれる方法があるかどうかということを研究すべきだと私は思う。ただ、ひしゃくやその他の器でくんで何人かに配っていくというようなやり方だから、そういう結果が起るのではなかろうかと心配をいたしております。 それからもう一つ、これは環境衛生でございますか、その方面の方にお願いを申し上げたいと私は思う。先ほどお話がございましたが、集団飲用あるいは工場の集団飲用等もいろいろございましょう。そういう場合に事業場、職場が個々に分れておりまする場合には、一合ないし二合というびんに入れて配らなければならないと思いまするし、また指導の基礎となっておる衛生的な見地から、果してこれが最良のものかどうかという疑問がある。今後大きい器で、あるいはカンで配給をすること等も考えなけりゃいかぬ、こういうことなんです。これが私は、考えると言うが、いつまでお考えになるのか知りませんが、少くとも集団飲用という文字が示す、実態が示しておる限り、これが個々に一合びんで持っていかなきゃならないなんという規則をお持ちになること自体が私は間違っておると思う。もし消毒が不可能ならば、消毒をし得る方法がある。カンの消毒なんというのはごく簡単に消毒し得る方法がある。だから、それを今なお一合びんで配給しなければいけないときめておられること自体が、私は消費の拡大なんといったってみんな足並みがそろわない原因になると思う。すみやかにこういう問題は考究されて、簡単な消毒のできるものをいつまでも消毒できないといって放任することは、私は怠慢だと思う。これだけ農民が苦境に立って赤信号といいますか、赤信号どころじゃありません、先ほど申し上げましたように、牛を手放さなければならぬというような場面に直面をいたしておりまする当今、そういうような集団飲用で一斗、二斗取る工場にわざわざ一合びんで持っていかなければならぬということは私は意に解せない、心配をいたしておるのでございますので、そういう点についてもお考えを伺いたいと思うのであります。以上私の質問を申し上げたいと思います。
○国務大臣(三浦一雄君) 何分、事情に非常に通暁しておられる堀本さんの御意見でございますので、お答えするのもなんでございますが、一、二申し上げておきます。今、市場等に現われておる生乳等が出て参りますということにつきましては、当局では別に非常に悲観的には見ておらぬようでございますが、かりに、さようなことでありましたら、まことに重大なことであります。生産地等におきましても、牝牛であろうと、あるいは牡牛であろうと糟等については、相当に売買のひんぱんに行われておりますことは申すまでもございません。従いまして、かような搾乳をしております成牛等がどんどん屠場に送られるということになりますることは、もう非常にこれは困ったことでございますので、それがないように、この生産者に対しましての乳価の安定を期したい、こういうことで今取り組んでおるわけでありまして、従いまして、現在、大メーカー等に対しましても、従前のいろいろな経緯等を考えまして、そうして乳価を引き下げないように、ただいまのところ、市乳の方面につきましては、先ほど畜産局長が言うた通り、いわば奨励金という形でまあ持続しておる。やがてこれはやめたいということでございますが、実質的に生産費に対しまする乳価を下げないように、今一面からいうと、経済的な施策を裏づけとして、そうして下げないということを確約をさせるように、同時にまた、必要に応じては立法措置等もこれは強力に、どの程度までいくかわかりませんが、そんなことも考えて、そうしてその乳価を下げないようにしていきたい、こういうことであります。 その次の生産費をどう切り下げるかということにつきましては、御承知の通り酪農の経営のため必要でありますところのサイロの奨励でございますとか、これらの基本的なものはもう資全等を供給しまして、そうして普及している面もありますから、御了承の通りであります。ただ、農家におきましては、これらの助成施設なり、あるい肝資金等を配分してやりました施設に対する償却等の観念も十分にやはり取り入れて、そうして対応の考え方をしていかなければならぬわけでございますが、なお、これらのサイロを普及するとか、あるいは共同施設によって乳価の生産費を切り下げるという、すなわち集荷の面あるいは輸送の面等につきましても、従来の施設を拡充して参る所存であります。同時に、今、総合的な経営の指導をせいということについては、これはもう議論の余地はございません、同感であります。同時にまた、私たちの方としましては、役人だけふやしてもこれはとうていうまくいくことじゃございませんし、農業団体等におきましても、格段の一つまた、この方面にも御協力を期待しているような次第であります。同時にまた、草地、牧場を持っておる分につきましては、この面については、もっともっと改良の点を進めて参らなければならぬと存じまするし、飼料の対策につきましても、ただ単に禾本科系統のものでなく、もっと蛋白質を持っておる優秀な飼料等の購入をし、同時に、その生産の面を増強する等の施策は今後とも一そう進めなければならぬと思っておる次第でありまして、これらの施策を強力に今後とも推進いたしたいと考えております。 なお、学校給食その他処理に関しまする問題は、それぞれの当局からのお答えを期待しております。
○説明員(尾村偉久君) ただいまの集団給食施設における集団給食用の一合びんの問題、これは昭和三十年以来、一斗カン程度の限度内における大カンでの搬入は一向差しつかえないということにいたしております。これは積極的に現在も、ここ二年来指導しております。着々とこれは実施をされておりますので、今後もその方針は変えずにやっていくつもりでございますので、小びんでなきゃいかぬという点は、もう大体、さような指導は担当官ももう地方では今わかっておりまして、大丈夫なように信じております。
○清澤俊英君 一、二点お伺いしておきます。その前にちょっとお伺いしますが、大体市乳の加工料は一、二石作る場合、幾らくらいになっておりますか、一合当り。それから百五十石くらいを単位にして作りまする、プラントで作りますものは幾らくらいになっておりますか、その点を、一合の加工料。
○説明員(谷垣專一君) ちょっと今ここで具体的な数字私覚えておりません。ただ、全国で約三千くらいのミルク・ブラントがあるわけでございますが、これを処理いたしますのに、二円五十銭というところもあれば、二円というところもある。今度の学校給食の例から見ましても、そこらのところが一つのポイントになると思います。それから百五十石の市乳の処理工場といいますと、これは非常に巨大な、市乳としましては数少い工場になろうと思いますが、これの生産費につきましては、実は残念ながらはっきりした数字を現在持っておりません。しかし、小さい工場よりも安くなるということは、これは事実であろうと思います。
○清澤俊英君 それはとてもとんでもない問題であろうと思う。私はそれが一番根底になるのじゃないか。至急取り調べしていただきたいと思う。
○説明員(谷垣專一君) 数字はあとで取り調べます。
○清澤俊英君 私は、少くとも百五十石くらい作るものなら一円かからぬのじゃないか、あれだけの一貫作業でやりましたら、一、三石でも二円五十銭はどうもおかしいと思うのだ。これは北さんとか農協の非常な堪能な人もおられますが、二円五十銭といったら最大だと思う。そこで、かりに四円五十銭の牛乳を農民から工場でとりまして、そしてそれに二円五十銭かけても七円、それが十二円ないし十四円くらいといわれている。五円ないし七円の中間経費というものが考えられる。そうしますると、今も堀本さんが言われまする通り、これを一体どうするか、これは非常に重大な問題だと思います。いろいろ、あまりもうけがあり過ぎるじゃないかというような話を牛乳会社等に私どもはしますと、何といいましても配達は二百五十本最大、距離によりましては二百本くらいの一人が配達量しか持たない、そこへもってきて約一割くらいのビンのこわれが出る、そういうものを計算すると、このくらいの中間の利益というものを持たなければ牛乳会社としてはやっていけない、こういうことを言うのです。そこで、われわれが考えますとき、昭和二十五年ないし六年にわたりまして、アメリカが戦争中に使ったんだろうと思いますが、脂肪と蛋白とそのほかのものを全部分離して固形品にして、それを横浜へ持ってきて、これをまた再び蒸留水をまぜて牛乳にして売り出す。その際持って参りましたのが、紙の袋に詰める道具を持ってきて、ぜひアメリカの方からこれを輸入してもらいたい、免税で輸入してもらいたい、こういうような事件が起りまして、ちょうど私らその時分大蔵委員をしておりましたので、今緑風会の森八三一君と二人で絶対にこれは反対して、とうとう入れさせずにしまいました。最近は、その後見ておりますと、森永等でちょっと販売しましたが、あまり成績を上げないで市場から姿を消しました。少くとも私は販売の経路において、そういうものを業者をして研究させる、あるいは国が経費を出して徹底的に研究をさせる等のことがまず私は第一のものじゃないか。中間経費をそうやってどこまで下げられるか、大体今も一番大事な加工費が完全にわかっておらないというようなことでは、これはそういうものまで改良する私は余地を持たないと思う。 その次に私は考えますことは、今も環境衛生局長が言われまする通り、いろいろの栄養的の価値あるいは牛乳の食品としての、日本人がとり上げていく上のことをいろいろ研究して、これこれの末端市場においてこれを飲ましていくということを言われますけれども、要は消費の拡大ということになりますから、これがどう普遍化するか、大体農林省として考えられておりますこと、国が酪農政策を農業の中へ取り入れて、さきにも言われます通り、私は少くともこういう消費拡大をやっていきますためには、もう少し研究と宣伝、使う方の宣伝にもっと金を何億と使ってみたらどうだと思う。それをするのには、大都市の方々へ、こういうところの牛乳の用い方をやってやればうまくいくじゃないかというようなことは考えられる。これは総合的に、私が前に二つの例をあげて申しましたことを、最近売り出されておりますヨーグルトで考えると、ヨーグルトは大体四円でできている。四円なら原価があがっている。それを十円なり十二円なりでやはり売っている。あまりもうけが多過場ぎるのじゃないか、乳酸菌が入っておって、非常に人間にいいとするならば、なぜ六円くらいにして、そして人間に食わせるようにして宣伝したらいいじゃないか。ということは、この委員会が一度林野庁の試験場に参りまして、林野庁に参りますと、イタヤからとりました糖蜜を、これをかけて食べせさるわけです、非常においしい。幾らでも私は食べられると思う。五つでも六つでも食べられると思う。あんなすっぱいものをそのまま出しては、だんだん使い手がなくなる、みずからなわをかけているのと同じだ。こういうふうにして、使い方によっては牛乳よりもっとずっとうまくいくと思う。かりに、つぶし麦なんかある。私は戦争時代、牛乳屋さんと非常に知り合いが多かった。埼玉あたりに出て参りますと、ちょうどコウリャンが配給になって、このコウリャンを食うようにといったって、なかなか食われません。ところが、牛乳の熱いのをあのコウリャンをたいたぼろぼろしたものにざあっとかけて、これをかき回して塩を入れて食べますと、これは実に、下手な御飯よりはずっとおいしく食べられる。そういうものを考え出して、徹底的な宣伝をして、消費増大をはかった方がいい。なぜそれをおやりにならぬのか。農林省のおやりになることは、給食に使ったらいいじゃないか――これも民間から出た言葉。それから今やっておりまする集団牛乳、安くして集団牛乳の販売方法、これも現に農協の方で酪農、そういうものを考えられて最近やっておられる。私は、これなどは今の場合ちょっと考えたらそれでいいようなことでありますが、果してそれでいけるのだろうかどうか。農林省はもっとはっきり考えてもらわなければならない。みんな市乳の方に走って、十円ということになりましたら、今、現在の計画において相当の原料乳が余っている。これは今の価格じゃ、今の買い入れ価格じゃとても間に合わないと弱っている。そうすると、市乳の利益でこれをカバーしていかなければならない。これは商業上の当然の私は成り行きだろうと思う。こういうようなことを考えた上で、全部が十円にまで下げてしまうなんということになったら、私は自分のからだを、酪農という一つの業態を縛るようなことになりはしないか、こういうことも考えられるが、その点をどうお考えになっておるか。私は、ただ学校給食をうんとふやしたらいい、あるいは奨励金を出してこうしたらいい、これは一番いいに違いないでしょうけれども、そんなことじゃ終局的な問題の解決にならないと思う。従って、さっきも堀本さんが言われる通り、大体日本人が牛乳をとって、そうして米の食糧をとっていくのと対比して、経済的にやっていけるというには、一体、牛乳をどれくらいにしたらいいのか、どれくらいにするならば、どういうところで、どういう方法をとったらこれが的確な乳価が得られるのか。私はこれを中心にやっぱり考えなければならぬ。適地適作ということは、そういうところから私は割り出されて考えられる。先般、今月の二十二日から、いろいろ兼松君のお世話で、私は広島県の硲谷に行って見て参りました。あそこらでやっているのは、おそらく二円五十銭で楽にそろばんが上る。乳価の値下げなんかびりっともしませんと言って、非常にがんばっております。そういうような点をどういうふうにお考えになるか。私はいま少し根本的に考えていただきたいことは、それは今の場合、学校給食もけっこう、徹底的にやって、今の場合つないでもらわなければならぬ。あるいは奨励金や補助金くらい出して、これもつないでもらわなければならぬ。同時に、私は、ただいま申しましたこの中間経費の削減という問題を、これは国も中心になり消費者も中心になり販売者も中心になって、徹底的に紙の袋でも何でもやったらいいじゃないか、何も一合びんじゃないといかぬということもあるまいし。こういうようなことを考えまして、三点について私は農林大臣のはっきりした考え方をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(三浦一雄君) 先ほどお尋ねの生産費の調査だとか、そういうことについての何でございますが、現行の制度では実は手がないのです。これは今度ぜひ御協賛を得ましてやりたいと思うのですが、たとえば今のメーカー方面の生産費の調査等をするといっても、ただお願いする程度であって何ら権限を持たぬ。これはつまり、一つは周到な計画を立てるために、自信のあるデータを持ち得ない私は原因だろうと思う。それからまた在庫品等の問題等につきましても、経済流通の関係を見る場合にはどうしても必要なんですが、これも何も手がない。こういうことでございまして、これで終始しておる。従来の考え方だと大量観察と申しますか、そういうアウゲンマスでやってみる。もとよりそのことも必要でございましょうけれども、もっと精密なデータを持ち、それに根ざしていろいろ対策を立てなければならぬという状況でございますから、近い機会にぜひともその方面に対しましても、農林省におきましてはある程度の権限も持ち、それを行使して公正な一つの計画、同時にまた結論を得るようにしたい考えでございます。 第二番目の宣伝に関する御意見でございますが、これはもうお説の通りでございまして、われわれとしましてはまことにこれは傾聴に値すると思います。そして将来とも万策を尽してこの方面に成果を得るようにいたしたい。 第三番目の、各生産地におきまするコストの切り下げでございますが、お説のように地方々々によってみな特殊事情もありましょう。その実地に即した指導方針を総合的に立てまして、そして乳価の安定と同時に、また生産費を切り下げることによって、生産者が弾力を持つということにつきましては、ぜひともその方面の施策を徹底してそして安定するようにいたしたい、こういうふうに考えます。 ―――――――――――――
○委員長(重政庸徳君) 水産の件を議題にいたします。この件について質疑の御要求がありますので、この際御質疑を願うことにいたします。
○秋山俊一郎君 私は時間がございませんので、簡潔にお伺いをいたしたいのでありますが、御承知の通り新聞紙上にすでに報道されております、長崎県の五島沖合において、去る二十六日の未明に漁船に付属しております第二星丸、これは鮮魚の運搬船でございますが、これが韓国の警備艇に拿捕された事件についてであります。 農林、外務、海上保安庁の方々に一括してお尋ねをいたします。この事件は、第二星丸と申しますのは、まき網小船団と申しますか、七そうをもって成っておりますまき網漁業の付属船でございますが、これが二十五日の夕方五島を出まして、そうして西方の海面において小アジの漁業をやっております際に二回漁業を――網を巻きまして、そうしてその漁獲物を第二星丸に積み込んだ。そうしてまさに根拠地である長崎港に向って出発しかかっておる際に、突然韓国の艦艇が、百五十トンぐらいと言われておりますが、後方から突然やって来ていきなり接舷して、そうして四名の韓国の船員と申しますか乗組員が拳銃及び小銃を持って飛び込んで来まして、操舵をしております船員に向って、船員の背中に拳銃を突きつけて、そうしていきなり電気の電源を切ってしまった。そうしてこれを拿捕したわけであります。そうしてその位置は、海上保安庁のいすず巡視艇が測定したところによりますと、まさしく李承晩ラインの外側でありまして、はっきりと位置も出ておりますが、北緯三十三度三分東経百二十八度十一分で、農林漁区の二百四十三区の中で拿捕されております。そうしてその船員のうち一名だけを残して、あと九名をその警備艇に移乗させまして、そうしてあとからついてこいというので、西方に向って走っておる際に、ちょうどその際に魚は六千五百貫ほど積んでおりましたが、デッキに積み残しがありますためにその整理をさすので、さらに日本のこの第二星丸の乗組員を三名あとへ戻しまして、この漁獲物の整理をさしておったのであります。その際にいすずがこれを見つけまして、あとから追つかけてきたようでありますが、接近しますというと、これに向って銃撃を加える。そのためにいすずはまたあとへ下ってしまった。そこでいすずが海へ飛び込んで逃げろということを……、その前に、その釈放方をサーチライトで信号し、あるいは大声をあげて呼んだようでありますけれども、一切聞き入れずに、かえって発砲してこれにこたえたというようなことで、いすずはあとへ下った。そういうようなことから、中へ乗っております船員も何とかしてのがれようとするけれども、四名の韓国船員が拳銃を持って見守っておりますために、のがれることができなかったのでありますけれども、すきをうかがって一人が海に飛び込んで、そうしていすずを目がけてのがれたのであります。またもう一人機関長があとから、これはいろいろいきさつはありますけれども、海へ飛び込んで逃げた。それを銃撃しております。こういうことはまことに人道上から見ても許すべきことではございませんし、しかもまた、その船員が語ったところによりますと、第二星丸を拿捕する前に、もう一そうの船をつかまえに行った。ところがその船は小さくて何も魚を持っていなかったために、それは接舷したままで拿捕せずに、魚の処理をしております、満船しております第二星丸をつかまえて、そうして君たちは魚を持っておったから不運だ、というようなことを公言して、そうしてその船に乗って飯を食ったり何かして引っぱって行った。 こういうことがこの拿捕の概略でありますが、全くこの行為というものは官船のやる行為ではなくて、海賊的行為である、私どもかように考えております。しかもまた日本の艦船に向って銃撃をし、日本の巡視艇は銃撃によって後退して指をくわえて見ておったというような感じがいたすのでありますが、この点は私は海上保安庁の方にお伺いしたいのでありますが、こういうときにはただ全くの不法行為に対して、何らなすべき道はなくただこれを見守っておるというだけの行動しかできないのであるかどうか、この点をお伺いいたします。 それからさらに、この第二星丸につきまして、関係者並びに九州方面の関係団体等から韓国の出先に陳情したようでありますが、新聞の報ずるところによりますと、第二星丸は釈放しないということを新聞に宣言したことが出ております。外務当局はこれに対してどういう措置をとり、どういうふうな状態に進行しておるのか、これを外務省当局にお尋ねをいたします。 それから、この区域がすでにいわゆる李承晩ラインの外で、自由な公海において操業されておったものが拿捕された。元来、危険区域としまして漁船はこの危険区域には近よらないで、もっぱら安全な操業をせざるを得ないということで、自粛をしてやって参ったのでありますが、ちょうど漁期でもあり、しかもこの李承晩ラインのために西日本の漁船は非常な打撃を受けまして、倒産したものもおびただしい数に上っております。一時の盛んな時分から見ますと、まき網は半減以上に減じております。この際辛うじて自由な漁場で操業しておるものまでもかような措置を、不法行為を受けるということになりますと、一体日本の漁船はどうしたらいいか、全く方法がない状態になっております。これはさらにまた最近、日中漁業の問題も非常な暗礁に乗り上げておる際でありまして、西日本における漁業者は非常な心痛をしておるのでありますが、農林当局は、かように危険区域外において操業しておってすらもかようなうき目にあう、しかも日本の巡視艇はただ何らなすところがない、かような状態で日本の漁業者をどうして守っていくか、これについて農林当局はどういう方法をこれから講じようとしておられるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(三浦一雄君) 第二星丸の問題でございますが、これは全く国際法に違反しているようなことでございまして、すでに李ラインをわれわれが向うの領海線と認めているわけではございませんし、しかもその李ラインからも十数マイル離れた地点でやっておりますことでございますので、これは外務省を通じましてそして厳重な抗議をし、さらにまた口頭等をもってその不法を追及するようにいたしておるのでございますが、今後これをどういうふうに対策を持っていくかと、こういうことのお尋ねで最後ございました。実は日韓漁業問題につきましては御了承の通り、近く双方で話し合うということになっておるのですが、向うではなかなかその代表を選任しなかった。先般、張璟根という人が漁業代表として選ばれたそうでありますが、聞きますところ、韓国における総選挙の後で、しかもこの方は与党としての相当な地位のある人で、それらの関係があるのでなかなか来られない。こういうふうな言い分だったそうでございますが、いずれにいたしましても近く来ることだと思いますが、これはどうもしんぼう強く日韓関係の漁業問題を調整するということに進まざるを得ないと思うのであります。従いまして、実力をもって云々ということはもとよりこれは許されないことでございますので、われわれとしましては第一には日韓の漁業関係をもっと調整いたし、その線に沿うて将来の安全な漁業の保障をいたす、こういう考えでございます。 なお、この具体的な問題に対しまする海上保安庁、あるいは外務省等の措置につきましては、当該の政府委員よりお答えすることにいたします。
○説明員(松野清秀君) 海上保安庁におきましては、現在李承晩ライン方面の水域には巡視船を常時三隻出しまして漁船の保護に当っておるのでありますが、まあただいま、今回のように韓国警備艇から、まあ威嚇射撃であったように思いますが、撃たれたような場合でもほかに打つ手はないというような御趣旨の御質問でございますが、海上保安庁におきましては、どういうような方針で現在やっておるかと申しますと、平和的な手段と申しますか、そういうような手段でできる範囲内においてできるだけの措置をとる、こういうような方針でやっておりまして、具体的に申し上げれば、実力を行使してこれを阻止するというようなところまではやらない、こういうような方針で現在、従来もそうでありますが、従来におきましてもそういう方針で進んでおりますので、今回におきましてもあれ以上の措置はいすずはとらなかった、こういう事情でございますので、御了承願いたいと思います。 ―――――――――――――
○千田正君 農林大臣今お帰りになるそうですから、一点だけさっきの結論だけ私お聞きしたい。乳価対策の問題ですね、これは予算を伴う問題ですから、先ほどから当委員会の各委員から質問されておった緊急対策に対して、これは予備金を支出するのか、あるいは九月におけるところの臨時国会に際して、新たなる法的な措置を講じて予算に計上するのか、その一点だけお答えを願って私の質問はそれてけっこうですから。
○国務大臣(三浦一雄君) 率直に申し上げまして、緊急な問題はやっぱり消費宣伝等はこれはもうどんどん進めなければならぬと思う。この点はまだ話は熟しておりませんが、できますならば予備金支出をお願いしたいと、こう考えております。それからさらに学校給食等の拡大でございますが、先ほども御説明申し上げました通り、本年度の実行残を相当額持っておりますから、これを一両月は運用しまして、そうしてできる限り九月の臨時国会には、今度は内閣の方針としましても補正予算等の策定はするだろうと思いますし、またすべきものだと思いますから、その方面でぜひ解決いたしたいと、こう考えております。 ―――――――――――――
○秋山俊一郎君 外務当局がおられませんので、外交関係についての質問はできませんのでありますが、元来こういう事件が起きるたびに、厳重抗議、厳重抗議で、かつて厳重抗議の結果、効果の上ったことのないのははなはだ遺憾でございます。ただ海上保安庁のただいまの御答弁によりますと、できる範囲内において平和的に処理をするとおっしゃっておられまするが、こちらが幾ら平和的にやろうとしても、向うは向うで不法な威嚇射撃であるか、あるいは実弾射撃であるかわかりませんけれども、そういうような銃攻撃を加えてくる際に、いわゆる保護の任に当っておる日本の巡視船が何らなすことができないということは、われわれとしてまことに心外にたえないのであります。発砲ができないまでも、何らかの措置があるべきではないか。向うが軍艦であるわけではないだろうと思いますが、かりに軍艦であるにしましても、日本の漁船を拿捕していって、しかも海に飛び込んで逃げる者に銃撃を加える、そうしてさらに日本の艦船に対して発砲する、ということを泣き寝入りにわれわれは忍んでいなきゃならぬかということを考えますときに、われわれ漁業に従事していない者までも、どうしても納得できないのであります。これに対して今後かようなことであれば、もしも危険区域の奥深く入っておるということであれば、こちらも責任があるかもしれませんが、ライン外においてかようなことがしばしば繰り返されるということになりますと、全くあの方面における日本の漁業は壊滅するという結果になるのでありまして、非常な今苦境に立っております漁業者の状態を考えますと、何らか政府として措置を講ずべきではないかと考えるのでありますが、今お話のように、もう平和的に近寄らずに見ているほかに処置がない、これ以上には何にも出ることができないのでありますか、重ねてその点を伺っておきます。
○説明員(松野清秀君) 先ほどもお話がございましたように、今回でも巡視船は、韓国警備艇に百メーターくらいまで接近しております。そうしてメガホンあるいは拡声機等によりまして、しきりに釈放を交渉いたしております。相当長い間追尾して参ったのでありまするが、先ほど申しましたように、機銃を四十五度くらいの仰角で五、六発発射いたしましたので、やむなく二海里ばかり後退したのであります。その後、先ほど来お話がありましたように、第二星丸の甲板長、機関長が海へ飛び込みまして、海上で漂流しているのを発見いたしましたのでこれを救助したわけであります。まあ、かように巡視船もできるだけのことはやっておると思います。ただ、それ以上のことになりますと、先ほど来申しましたような方針でやっております関係で、これ以上のことはしておらない、こういう事情であります。私どもも関係業界が非常にお困りになっておることはよく承知いたしておりますし、また私どもとしましても、漁船の保護に任じておりますからには、できるだけ十分な成果を得たいということは、これは申すまでもないことでありますので、私どもとしては、先ほど来申しました方針に沿いまして、今後もできるだけの一つ成果をあけるように努力して参りたいと思っております。現在やっております方法は、レーダー等によりまして、できるだけ向うの警備艇の動静を早くキャッチするように努めまして、もし、その所在がわかりました場合には、付近の漁船に無線等によりまして連絡をいたしまして、そうして退避をしていただく、こういうようなやり方をやっております。そういう点につきましても、今後ともできるだけの努力をして参りたいとかように考えております。
○秋山俊一郎君 幾ら申し上げても、この程度しか出ないということであれば押し問答になりますが、ただ、農林大臣に先ほどお尋ねいたしましたが、農林大臣のお答えも、われわれの納得のいくような線にはこなかったのでありますが、水産当局といたしまして、ちょうど今、日韓会談も開かれつつある際で、きわめて大事な時期ではございますが、漁業は時期になれば、一日も休むことはできない。休めば大ぜいの漁業者は食うことができないのでありますから、何とかして漁業を続けていかなきゃなりませんが、こういうふうな安全と思われる区域においてすらも、きわめて危険であるという事態になって参りますと、水産庁当局は、これらの漁業者に対してどういう指導をなさるか、どういうふうにして漁業者の仕事を守っていくお考えでありますか、この点を一点お伺いいたしておきます。
○説明員(西村健次郎君) 秋山委員の御質問は、大へんむずかしい問題を含んでおると思うのであります。もともと李ラインというものは、国際法上認められておらないラインであります。われわれとして、あのラインを認めるようないかなる態度も、いかなる措置もとるわけにはいかないのであります。しかしながら、一方漁業者の安全、これは現実の問題として非常に重要な問題であります。この問題につきましては、たとえば中国につきましては、不幸にして日中漁業民間協定がイクスパイアしましたが、その後、自主的な措置を講じております。幸いにこの方面は問題はその後は発生しておりません。韓国の方は、今のお話のようにラインのうちのみならずラインの外で問題を起す。もちろんわれわれは、ラインのうちにおいても、これは国際法上認めておらないわけであります。いわばラインの外まで出てくるという、完全な海賊行為というものに対してどうするかという問題であります。結局根本的には、やはり日韓の漁業交渉で適切なる妥結を一日も早く結ぶよりほかにしようがないのじゃないか、こういうふうに思っております。ただ実際問題としまして、今のようなことが比々として発生するということになりますると、これについてはよほど国際間における世論を喚起するという面、それから現実的な漁船に対する対策としては、あるいは小さい漁船についても、海上保安庁当局とより緊密な連絡をして、情報をすみやかにキャッチするというような方法をなお研究して参りたい、こう思っております。
○千田正君 今の問題は、外務当局が見えておらないから、私は秋山委員と同じように、日本の外交政策の根本の問題に触れるわけにもいきませんが、ただ現在外交問題が進捗しておるかたわらにおいて、今まで秋山委員が質問したような、実際に遺憾な問題が次から次と起きておる。そこで海上保安庁の方では、この間の問題はいすずを派遣しておったようであります。今後、相手方の情勢あるいは行動をキャッチするためのレーダーその他を備えた船、そういうものを増強して、そうして安全操業に備えて、もし向う側が出てくるというような情報がキャッチできたら、直ちに退避できるような方向に向けるために、海上保安庁あるいは水産庁の調査船その他を配置してやる以外に、今のところ手がないと思う。それに対して十分な処置をとれるかどうか、この点どうなんですか。今までより多く船を派遣するとか、あるいはそうした近代的な、キャッチして直ちに情報を提供するような装備を持った船は、今まで三そうあったのを五そうにふやすとか、あるいは六そうにふやすとか、これは海上保安庁と水産庁の間に十分話し合いをつけて出せば出せるはずだと思いますが、どうなんですか。
○説明員(松野清秀君) 海上保安庁では、先ほど申しましたように、現在、常時、李ライン水域に三隻出しておりますが、現在の海上保安庁の持っております巡視船の勢力では、これ以上増強することは非常に困難であると考えております。御承知だと思いますが、現在、海上保安庁は巡視船九十三隻、しかしこのうち、今お話がありましたような近代的な装備と申しますか、ああいう水域に出し得るような船艇というのは五十隻余りであります。しかもこれを北海道から九州の全国にわたって配置しておるわけでありまして、非常に巡視船は足りなくて困っておるわけであります。と申しますのは、巡視船は、今申しましたような漁船の保護というようなことだけでなしに、海難救助を初めとしまして密航、密貿、海上における治安、あるいは浮遊機雷の捜査、定点観測という、非常に広範な任務を持っておりますが、このうち御参考までに海難救助だけについて申しましても、現在海難は大体一日十一隻平均で起っております。しかもたとえばこれがきょう起った海難がきょう片づくというわけではなしに、場合によっては、千海里以上の海難もありまして、こういうようなことになりますと、十日も二週間もかかるというようなわけで、延べにしますと毎日十数隻から二十数隻の勘定になります。で、現在の巡視船の勢力ではこの海難に対処するだけでも十分ではない、私そういう感じでおります。かような事情もありますので、今申しましたようになかなか現在これ以上李ライン方面の水域に増強するということは非常に困難な実情である、こういう状況でございます。
○千田正君 これはまあどろぼうを見てからなわをなうような話になってきますけれども、そうしますと、おそらくこれは海難の問題ばかりじゃなく、将来の漁船の保護というような問題、あるいは最近におけるところのアメリカ、イギリス等におけるところのいわゆる核実験の結果、潮流に対するところの汚染の程度、あるいは北洋漁業の問題、いろいろ国際問題をはらんだ海の問題が起きてくる。そうしますと、ただいまのお話のようなことでは、とうていそれにも対処できないとするならば、三十五年度の予算等におきましては十分な含みを持った予算を盛らなければいけないと私は思うのですが、そういうことに対処する方針を立てておるのかどうか、その点はどうなんです。
○説明員(松野清秀君) 本年度におきましては、当初私どもは巡視船の増強をするために十二隻、それから非常に古い船が多うございますので、これの代替のために十五隻実は建造したいということで予算を要求したのでありますが、実際に認められましたものは、わずかに老朽船の代替のための三百五十トン型一隻、それからごく小さいのですが、二十一メートル型二隻、こういうふうな状況になっております。もちろん来年度におきましても、ただいま今年度に要求しました程度のものはぜひ要求したい、かように考えております。
○千田正君 最後に一点だけ。海上保安庁の方としては、そういうような非常な不足な態勢であるということになると、水産庁自体としてある程度考えなければならないと思うのですが、水産庁自体としてのたとえば調査船のようなもの、あるいはそういうものでも配置して、一応のピンチを切り抜けなければならないと私は思うのですが、そういう点に対して何か水産庁の方では手を打つだけの余裕があるのか、あるいは考えておるのか、その点はどうなんです。
○説明員(西村健次郎君) 率直に申し上げまして今水産庁の持っている所有船並びに用船では、これ以上の余裕はないと存じております。と申しますのは、現在御承知のように、北洋のサケマス漁業に三隻ですか、あるいは日本の沿岸における底びきあるいは東海、黄海におけるサバ漁、これは今漁期でございません、あるいはこれは李承晩ラインと関連しておりますけれども、日中問題に関するあちらの禁止ラインを守らす、この方にも船をさいております。私の方としてここで調査船をさく――たとえば調査船で照洋丸というのは、これは任務を持ってすでに出ております。あるいは取締船の大きな東光丸は今度はナホトカまで参るというような、いろいろ皆予定がついておりますので、今急に私の方でこの一隻さけるということは、ちょっとめどがついておりませんけれども、私の方としましてもなお再検討しまして、もしそういう余地がどこかに出てくれば、そういうことはとってみたいと思います。今の感じでは今までのところなかなかその余裕はないんじゃないか、こういうふうに考えております。
○委員長(重政庸徳君) 私、簡単に海上保安庁にちょっとお願いしたいのですが、この警備船の任務ということわかるのですが、海に落ちておる漁夫を救助するということは、これはわかるのだが、それから李ライン外に漁掛をやっておる場合でも、やはり向うの拿捕船が来ればレーダーで早く知ってそして日本の漁船に警告を発して連れて逃げる、早く逃がすというそれだけのものが任務じゃないかというふうに思うのですが、あるいは李ライン外に警備船がおるときには、拿捕船はやはり遠慮して来ぬとか、あるいはライン外でも向うか撃ってくればもう仕方がない逃げねばならぬ、その点を一つお答え願いたい。どれとどれとどれが任務か、今私が申し上げました場合における。一つ御回答を願いたい。
○説明員(松野清秀君) ただいまやっております方法は、できるだけ早く韓国の警備艇の動勢をつかみまして、これを付近の漁船に連絡をする、これが一つ……。
○委員長(重政庸徳君) ライン外でも……。
○説明員(松野清秀君) それは従来ライン外におきましても、しばしば拿捕事件が起っております。やはりライン外にありましても警戒が必要で、それは従来いろいろな実績からみましてそういう必要があると存じてやっております。 それからもう一つ、拿捕事件がありますれば、やはりできるだけ早く巡視船は現場に行きまして、今回の事件のように釈放の交渉をできるだけやりますし、あるいは脱出者があれば救助もするということも一つの任務であります。 それからもう一つ、こういう事件がありますと、いろいろあと外交交渉があるわけであります。そういう際のいろいろ資料を確認しておく必要がある。たとえば拿捕地点がどこ、当時の状況はどういうふうであったとかというふうな調査をやることも一つの任務でありまして、大体巡視船が今やっておりますことはそういうものであります。
○委員長(重政庸徳君) 李ライン外でも警備船に撃ってくればやっぱり逃げねばならぬのだな……。
○説明員(松野清秀君) 現在ではそういう考え方でやっております。
○秋山俊一郎君 今のその点ですが、まあこっちが発砲できないにしても、向うに接近していって接舷するというようなことは、船員の心がまえ一つではできぬことはないのじゃないかと思いますが、人命に危険があるから接近してはならぬというようなことに相なっておるのでありますか。先ほどのお話では威脅射撃のようなことを言われたが、威脅射撃なら何もおそれることはないと思いますが、向うの船にあくまでも接近していって、接舷するくらいのところまで行くということは、必ずしも平和交渉を乱すものではないと思うのですが、そこいらの実態ですね。ただ日本の監視船なり何なりは、一発撃ちさえすれば逃げてしまうのだからということになれば、幾らあの辺で遊よくしておっても何にもならぬじゃないかという感じがするのですが、私はもう向うの船に近づいて、ぐっと二百メートル、百メートルどころじゃない、もっと接近していく、あるは引っぱっておられる日本の漁船に、もっと接近していくといったようなことができないものか。
○説明員(松野清秀君) 昭和二十八年の秋ごろから二十九年の春にかけてであったと思いますが、当時いわゆる洋上会談というものをしばしばやっております。そのころには拿捕現場に行きまして向うの警備艇に接舷しまして、こちらから船長が向うの警備艇に乗り移って行きまして釈放の交渉をやりました。そうして、これはたしか三十回以上に及んだと思いますが、しかもそのうち十何回かはたしか成功しておる。こういうふうに今記憶しておりますが、たまたま二十九年の二月二十日だったと思いますが、私どもの巡視船のさどがやはり接舷して交渉に参りましたところ、向うの警備艇に乗り移った船長を乗せたままあとから巡視船もついて来いということで、済州島に連行された、そしてまあこれは二日ばかり向うにとめ置かれまして釈放されたのですが、それ以後、巡視船が近づきますとどんどん射撃してくる。こういうような事態になりましたので、その後はいわゆるそういう接舷しての交渉はいたしておりません。それで、もちろん今回の例もそうなんですが、百メーターくらいではなしに、さらに曳航されて行った第二星丸には、今回も五十メートルくらいまでは近づいておると思います。そういうような実情になっておりますので御了承いただきたいと思います。 ―――――――――――――
○委員長(重政庸徳君) 次に水害の件を議願にいたします。 この件について先般の降雨により島根及び広島県の水害激甚を伝えられ、被害者の各位にはまことにお気の毒に思うのでありまして、すみやかに適切な救済援助を期待するものであります。 右に関して本日はまず被害、特に農林、水産関係の被害の状況及びその対策等について、農林当局の説明を求めることにいたします。
○政府委員(齋藤誠君) 島根、広島両県を中心といたしました今回の降雨の概況につきまして御報告申し上げ、かつまた現在までわれわれのとっております対策につきまして申し上げたいと思います。 今回の豪雨は六月三十日から七月の三日にわたりまして、梅雨前線の北上に伴いまして、島根、広島両県を中心といたしまして相当の豪雨があったわけでございます。お手元に被害の概況につきまして、資料をお配りいたしておりますが、七月の二日ないし五日までに降雨いたしました水量は、浜田市でありますと三百六十ミリ程度、松江で二百五十ミリ、江津百三十一ミリ、その後若干また雨が降りましたので、降雨量はなお増加いたしておるところもあるように承知いたしております。この両県の被害は江川流域を中心にいたしまして、相当の洪水量がございました。特に浜田川あるいは下府川、あるいは三隅川、周布川等におきましてはまず危険警戒水位を相当上回っておるというような状況になっております。現在までの被害につきましては目下統計調査部の方におきまして逐次被害の詳細な調査をいたしております。大体十日ごろを目安に今進めておるわけでございますが、お手元に配りました資料は県からの報告に基いたのでございまして、これによりますと、島根県におきましては農地関係で十一億、農作物関係で五億、山林関係で一億五千万、畜産関係で千百万、水産関係で四百万、合計いたしまして十七億八千九百万円と相なっております。広島県の方はややそれより少くて、農地関係で三億、農作物関係で四億、山林関係で一千万、その他畜産関係が若干ございまして、七億四千三百万円と相なっております。 これ以外の県につきましても、中国、四国の地方の各県にわたりまして降雨を見たのでございますが、農林関係における被害といたしましては、両県に比べればさほど大きくはないという報告を受けております。先ほど申しましたように、われわれといたしましては正確な調査を目下、たしておる次第でございます。これらに対する応急的な措置といたしましては、従来の被害対策の例によりまして、被災地における復旧用木材につきましては、現地の要望に応じてすみかに措置するように、各営林局あるいは地元の営林署と通じて払い下げをする、という手続をとっておる次第でございます。また被災者に対する食糧の応急手当につきましては、これまたそれぞれの県におきまして食糧庁の末端の事務所を動員いたしまして、それぞれの手配をいたしたのでございまして、島根県におきましては約十三トン程度の食糧を配給いたしたのであります。また生産者世帯における保有米の流失した者に対しましても、特別の通帳を交付して、配給を実施するというような措置をとっている次第でございます。さしあたりの応急対策といたしましては以上のような措置をとったのでございますが、現地にわれわれの農林省からも係官を派遣いたしまして、現状の調査もいたしているのでありますが、今後における施策といたしましては、これらの農地あるいは農地関係の施設につきましては、それぞれの制度もございますので、たとえば農地、農業用施設関係でありますれば、早期に復旧を促進する必要がございますので、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律に基いて、必要な補助措置を講ずることといたしております。また治山施設その他の山林関係の災害施設につきましては、御承知のように公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法等に基いて、復旧工事を進めるという所存でございます。これらの補助事業が進むまでにおきまする資金手当等につきましては、これまた従来の例によりまして農林漁業金融公庫からの資金の活用をはかって参りたい、かように考えているわけであります。それ以外の対策につきましては、先ほど申しましたように、農林省としても今被害の状況を調査いたしておりますし、また現地に係官も派遣しておりますので、被害状況の判明を待って適切な措置を講ずる、こういう考えでいる次第でございます。 以上簡単でございますが、被害の概況並びに対策につきましての御報告を申し上げました。
○委員長(重政庸徳君) ただいまの御説明に対して御質疑の向きは、御質疑をお願いいたします。
○藤野繁雄君 この問題ではないのですが、この前の委員会で問題になっておった、長雨の政令はすみやかに作るというようなことであったが、その状況がどういうふうになっているか。また旱害に対する政令案が別にできるのであるか。もしできるとしたならばいつごろできるのであるか。また今度のこの問題も政令案ができるのであるかできないのであるか。この関係の三つの政令案についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(齋藤誠君) 長雨に関しまする被害農家に対する天災融資法の政令でございますが、この点につきましては関係省の方で話が一致いたしまして、今週中にでも政令公布の手続を進めたいということで目下進めておりますので、これは近く公布することに相なっていると思います。旱害並びに今回の被害につきましては、いまだ損害等についての詳細な点が判明いたしておりません。特にまた旱害につきましては、旱害対策によりまして、相当の被害が軽減されるということになりますれば、なおさら天災融資法の直接的な発動を要するかどうかということについても、検討をいたさねばならないわけであります。御承知のように、天災融資法におきましては、天災に伴って受けた損失に対して今後の営農資金を支給する、こういう考え方でございますので、旱害並びに今回の島根、広島両県下の豪雨に対する被害の結果を待ちまして検討をいたしたいと考えております。
○仲原善一君 予算関係についてちょっとお伺いしたいと思うのですが、これは予備金だけで間に合うのか、あるいは補正予算をお組みになるお考えか、その点ちょっとお伺いしておきます。
○政府委員(齋藤誠君) 従来、暫定法関係あるいは今の公共事業負担関係の当年災につきましては、大体予備費で処理いたしておりますので、今回の場合におきましても予備費で処理することに多分なるだろうと考えております。
○委員長(重政庸徳君) 本件について本日はこの程度にいたしますが、政府の遺憾なき措置を強く要望いたします。 ここでしばらく休憩いたします。 午後一時十一分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕