内閣委員会 第3号
- 発言数
- 146 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/06/30
会議録
○委員長(永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。 委員の異動がございましたので、事務局から報告させます。
○参事(川上路夫君) 御報告いたします。 六月二十四日付をもちまして、藤田藤太郎君、大河原一次君、北村暢君が委員を辞任され、後任として近藤信一君、千葉信君及び松本治一郎君が、それぞれ委員に選任されました。 以上でございます。
○委員長(永岡光治君) それでは、先刻理事会を開きまして、その打ち合せをいたしました結果を御報告申し上げまして皆さんの御了承を得たいと思うのでありますが、実は本日、新しくその職につかれました山口行政管理庁長官と、それから松野総理府総務長官のあいさつを受けまして、引き続いて、今文教委員会で問題になっておりまする、言うところの校長さん、つまり管理職でおいでになる方の特別手当の問題について、本委員会でも関係が深いので、ぜひ文教委員会との合同審査をしてみたらどうかという問題が一応取り上げられました。この問題は、理事会では、結論から申し上げますと、結論に至りませんでして、結局、自民党さんの方では強い反対がございます。それから緑風会さんの方も、趣旨はわかるが、もう時期が時期だけにどうかと思うという御意見がありました。委員長としてはなるべくまとめたいという気持がありましたので、それぞれ各会派の方にお帰りいただいて、委員長から、取りまとめのために強い要望があるので、もう一度御相談いただきたいというので、お持ち帰りをいただいている、こういうことになっております。 それから、次には、国家公務員の給与に関する件といたしまして、前国会において当内閣委員会の議決を得、本会議の議を経て、衆議院の方に送付されたまま実は廃案になっておるのでありますが、寒冷地手当の問題があるわけでして、ぼちぼち新しい寒冷地手当についての支給の時期も近づいておりますので、当委員会としては、ぜひこの点について関係者の出席を求めてただしたいという意向がありまして、特に人事院総裁の出席を求めるということで話し合いをいたしましたが、これは一応了承を得ております。ただし、その後の経過といたしましては、若干の都合もございまして、本日、議事を取り扱う順序といたしまして、直ちには、政府当局の出席の関係で、冒頭取り上げることはどうかという情勢がありますので、一応保留にしたらどうかと委員長は考えておりますが、そういう事態で、一応これは審議するということは了承いたしております。 それから、第四番目でありますが、これは七月一日から新しく政令を公布することになっておりますが、前国会で成立を見ました国家公務員共済組合法の施行令に関する問題であります。ただいまのところ、審議会が設けられまして、これはまだ政令ができませんと正規の発足をいたしませんが、事前に審議をしてもらうという意味で、新しく審議委員になるであろう方々の出席を求めまして、今その打ち合せをしているようでありますが、これも午前十時ごろから開きまして、まだ続いているようでありますが、終了次第本委員会に御出席をいただいて、この問題についての本委員会の強い要望もありますので、どのように措置されているかということについてただしたいという意向がありまして、これも一応取り上げることに決定をいたしております。 それから、第五番目でありますが、防衛問題一般についてであります。これは特に、防衛庁長官のほか、外務大臣にも出席を求めることにいたしておりますが、これも明年度の防衛力の増強計画であるとか、あるいは沖縄におけるIRBMの展示に関する問題であるとか、あるいは防衛庁内の技術研究本部に関する問題だとか、陸上自衛隊補給処についての観察結果を聞きたいという問題等があるわけでありますが、これについても取り上げることに一応理事会では申し合せになっておりますが、時間の関係で本日中に全部ただすことができるかどうか、問題になるかと思いますが、一応これも了解をいたしております。 それから、六番目といたしまして、行政監察に関する問題ですが、三十三年度の行政管理庁の監察計画及び最近までに行いました行政監察の結果についての説明を求める、要すれば質問も若干行いたいということで、一応申し合せがついております。 要するに、議事の進行等につきましては、出席当局の関係もありますので、委員長に御一任を、順序等については、お願いいたしたいと思います。 以上でございます。
○千葉信君 ただいまの委員長の報告、理事会にいろいろ御相談された内容は、文教委員会との連合審査に関する件を除いては、私はそのまま了承いたします。 ただ、しかし、文教委員会との連合審査会の件については、まだ理事会で話がまとまらない、各会派に持ち帰って相談するということのようですが、今、委員長の報告を聞きましても、緑風会の方の意見としては、時期の問題が一つの理由になっていると思うのです。開催することについては反対ではない、しかしその時期が問題であるという御発言があったという委員長の報告です。私は、その緑風会さんの言われている意見が、今日以上になれば、なおさらそういう意見が、私はもっとはっきり他の会派からも出てくるおそれがあると思うのです。ですから、そういう点からいいましても、この連合審査会をやるかやらぬかという問題は、なるべく早くきめなければ、ますます時期を失してしまうと思うのです。で、私は緑風会の方のその意見は意見として承わっておりますけれども、正面切って反対をしている会派、つまり自由民主党という委員長の報告ですが、その反対をしている理由は、一体何なのか。私はここで、委員長からでもけっこうだし、また自民党さんの方からでも、もしはっきりその理由を言って下さる方があれば、自民党の方でもけっこうですから、この際その点をもう少しはっきりしたいと思うのです。委員長からでもけっこうです。
○竹下豐次君 私が理事会で申し上げた意味が、ただいまの委員長の表現では十分でなかったと思うのです。委員長がおっしゃいましたようなことも、私は申し上げました。筋道が通らないことはないと言いました。というのは、内閣委員会というのは非常に分担事項が広いのでございまして、どの委員会にも関係があるわけです。ひっかけていけば、何かにひっかかりができてきて、この委員会でも取り扱うということが必ずしも不合理ではない。そういう意味において、この管理職の問題をここで取り上げるということも不合理じゃない。ほかの言葉でいえば、筋道が立たないことはない。こういう意味で申したのであって、筋道が立つから開くのがほんとうだ、開くべきだということまで申し上げたのではなかったのであります。その点は、委員長は誤解があったであろうと思っております。取り扱う事項についても、理屈をつければなるほどひっかかりがあるけれども、その理屈、ひっかかりの経緯と、それによってここで取り上げた例もあるし、取り上げなかった例もあるだろうと思っております。その判断は、そのときそのときによってしなければならぬ。結局、私のそのときの気持は、やっぱりこの際は会期の切迫の問題もあるのだし、それもやっぱり一応考慮に置いて、開かない方がいいのじゃなかろうか。一方また、委員会としての申し入れをしないでも、委員外の発言を求めて、そこで発言するという方法もあるのであるから、そういうことに社会党の方でも譲歩してもらうということがいいのじゃないかと思いますと、こういう意味で私は申し上げたのであります。 それから、千葉さんのお話の通り、急ぐものでありますから、帰りまして緑風会の総会に諮りました。私がここで申し上げたことを緑風会の総会で報告しました。そうすると、総会では、その通りだということで、なお、どなただったか記憶しておりませんが、筋道−はどうとかいうことはあるけれども、その程度の問題でもあるのだからな、その程度のことで内閣委員会から合同審査を申し入れなければならないほどのこととも思えない、こういう発言も緑風会ではあったのです。そのことも御報告申し上げたいと思うのです。さよう御了承願いたいと思います。
○委員長(永岡光治君) ただいまの竹下委員の御発言については、私がお話し申し上げましたことと若干違ったようにもし委員の方で受け取っておるとすれば、今申し上げたようなことが竹下委員の御意見でありましたので、そういうことで一つ皆さんの御意見を開陳していただきたいと思います。
○千葉信君 今の竹下君の言われている点にも少し問題がありますけれども、私は、しかし、正面切って竹下委員の方の緑風会の方では開いちゃいかぬ、いな、開くべきではないということを言われておるのではないのですから、私はその点については、ここでまたあまり問題にする必要はない。そうではなくて、開くことに反対だということをはっきり主張しておられる自民党さんの意見、それからその反対の理由、それはやっぱり私がお尋ねしたように、委員長からでも明らかにしてもらうなり、もしくは、自民党の委員さんもおられるのですから、その方々からでも明らかにしてもらうなり、いずれかの方法をとってもらわないと、私ども反対の理由について了解に苦しむのです。今、竹下委員さんの言われた意見の中にも、何か内閣委員会の所管の関係は、他の各委員会に関係を持たせればほとんど関係を持つような事項を、内閣委員会は持っておるのです。ひっかけようとすれば何でもひっかかるが、それは理屈のつけようであって、今度の問題はそれほど重大な、連合審査会を開かなければならないというような明確な理由に欠けるようなお話もあったのですから、従って、私はここで、なおさら、正面切って連合審査会をやる必要がないという意見を聞いて、われわれが不思議に思っているところを氷解しなければならない。ですから、委員長からでもけっこうだし、自民党さんの方からでもけっこうですから、その点明快に、私どもがその理由を聞いて了承できるのか、できぬのか、私はおそらく了承できぬのだろうと思うのですが、一つこれを明らかにするような方法をとってもらいたい。
○委員長(永岡光治君) 委員長からお答えする範囲は、実はあまり詳しい説明はございませんでした。こういう理由、こういう理由で反対だということは、当時出席しておいでになりました理事がおいででございますから、もし私の言っていることが間違いであれば補足していただきたいと思いますが、あまり詳しいあれではなくて、この段階でという意味ではないかと実は委員長としては受け取れるわけでありますが、ほかに理事の方で何かはっきりした理由が述べられているとすれば、それを……。それよりは、自民党さんの方も御出席になっておいでになりますが、御意見がありましたなら、その方からお聞かせ願った方がいいのじゃないかと委員長は考えます。
○矢嶋三義君 委員長理事打合会の経過並びに結果について、委員長から報告があって、わが党の千葉委員から質疑がなされているわけですが、委員長理事打合会では、ちょうど今、自民党理事の方お見えになっておりませんが、私の党並びに私個人の立場から、 一体どういうわけで連合審査を必要とするのか、またそれを要請するのかという立場は、一応委員長理事打合会に申し上げ、そして先ほどの経過並びに結果を、私は党に帰りまして同僚委昌諸君に報告をしたわけですが、どうもその説明では、何か内閣委員会は給与に関しては所管の委員会である、それだけではわかりかねるといって、私のところの委員を納得させることはできなかったわけです。そこで、今質疑がなされているわけなんですね。これは委員長の御判断ですが、ちょうど委員長理事打合会に出られておった松岡理事がおいでになっておらないのですが、理事としては、党議である、自民党の方針であるということ、これを今御出席の上で御説明いただければ御説明していただきたいし、なお、私が委員長理事打合会で説明したことが十分尽し得なかった点があるかと思うので、ここに自民党の委員さんもおいでになっているのですから、給与に詳しい千葉委員から、なぜ連合審査を要請するのかという説明を、繰り返してちょっとやっていただいて、あらためて自民党さんの方で、あるいは緑風会さんの方で、それを参考に御検討いただくという程度にして、大臣、長官もお見えになっているようだから、あいさつをいただいて、次に進むようにしたらどうかと思うのですが、そういう運び方じゃどうですか。
○千葉信君 けっこうです。私は、今の矢嶋君の言われたように取り運んでもらえば、その経過の中で事態がはっきりするでしょうし、私の方で了承できる点があれば率直に了承しますから、まず、一つ御出席の自民党の方のどなたからでも、反対の理由をお聞きしたい。
○委員長(永岡光治君) 自民党のどなたか、御意見をお述べいただきましょうか。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記をつけて下さい。
○委員長(永岡光治君) 次に、山口行政管理庁長官及び松野総理府総務長官からごあいさつがございます。
○国務大臣(山口喜久一郎君) 山口喜久一郎でございます。私はこのたびの第二次岸内閣において、はからずも行政管理庁長官に就任いたしました。御承知のごとく、行政管理庁は、行政制度全般の改善や各省庁の機構、定員の管理、行政運営の前提をなす行政各機関の統計の管理を初め、行政運営の合理化、能率化を目的とする行政監査等、その責務の重きを痛感しておる次第であります。私は微力ではありまするが、魯鈍にむちうって任務の完遂を期する覚悟でございます。 つきましては、当内閣委員会の皆様方には今後種々御厄介になることが多いと存じますが、何とぞ今後よろしく御指導、御鞭撻をいただきますよう、とりあえずごあいさつ申し上げる次第であります。(拍手)
○政府委員(松野頼三君) 先般、総理府総務長官を拝命いたしました松野頼三でございます。今後参議院内閣委員会の皆さん方にも格別のお世話に相なることと存じます。はなはだ微力ではございますが、皆さん方の御指導、御協力によりまして、大過なきを期したいと存じます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。 簡単でございますが、就任のごあいさつにかえさしていただきます。
○委員長(永岡光治君) 次に、辻防衛政務次官からごあいさつがございます。
○政府委員(辻寛一君) 私、先般はからずも防衛政務次官を拝命いたしました辻寛一でございます。至って未熟者でございまするが、どうか皆様方、よろしく御指導、御鞭撻を賜わりますようお願いを申し上げる次第でございます。(拍手)
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記をつけて。
○委員長(永岡光治君) それでは、これより議事に入ります。 まず、国の防衛に関する調査を議題といたします。 防衛問題一般について御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。 なお、政府側からは、左藤防衛庁長官、辻政務次官、門叶官房長、加藤防衛局長、山下経理局長、小山装備局長、それから行管の方からは、高柳行政監察局長がお見えになっております。 御質問のおありの方は、順次、御発言をお願いいたします。
○矢嶋三義君 まず、長官に伺いますが、就任早々お伺いして大へん失礼かと思うのですけれども、しかし、年間に約千二百億円、防衛分担金を合わして約千四百余億円の国民の血税を予算執行している問題であるだけに、私はあえて伺うわけなんですが、防衛庁長官が最近大体一年に一回交代しているわけなんです。これは総理に対する私は適切なる質問と考えるんですけれども、総理の出席がいただけないので、防衛庁長官としてスタートされたあなたに、少し失礼かと思うんですけれども、所感を承わりたいと思いますが、私は、今後のわが国の防衛政策がいずれの方向をとるのいかんを問わず、現実の防衛庁の行政を進めていくに当って、防衛庁長官はそう転々と毎年交代するというようなことでは好ましくないのではないか。その・間に防衛庁長官がロボットみたいになって、法律上は非常に強い権限を与えられているが、ロボットみたいになって、そうして軍事専門家が非常に強引にリードしていくというような事態が起らないとも限らない。私はそういう、杞憂なればけっこうですが、懸念をいたしておるものでございます。防衛庁長官になられて、御勉強なさっていると思いますが、かりに一年後また新たなあなた方の同僚が防衛庁長官になられた場合を予想して、どういう御感想を持っておられるか、あえて伺います。
○国務大臣(左藤義詮君) 前任者の任期があまり長くなかったということで御心配をいただいたことでありますが、私も、就任いたしました以上はできるだけがんばりまして、創設期の自衛隊の筋の通った完成に努力したいと思います。申すまでもなく、政党内閣でございますので、人がかわりましても、私どもの党の防衛に対する根本方針というものは貫いていくと思うのでありますが、しかし、これはまあ総理におっしゃっていただくことでございますが、あまり人がかわりまして御迷惑をかけることのないようにということは、私どもも希望するところでございます。
○矢嶋三義君 いずれこの点については、機会があれば私は総理に伺いたいと思っておりますので、次に質問を進めますが、あなたにお伺いするのにこれはふさわしい質問かと思いますが、それは防衛庁関係の方々が公務員として一生懸命努力をいただいていることに私は敬意を表します。しかし、私は、ああいう方々が一生懸命努力されているのは、今の世界情勢なり、また永遠に続く歴史の一時代としての、今努力されているその姿が、井戸の中のカワズみたいな、シカを追って山を見ないというような批判が将来されるのではないか。で、先般も防衛庁の研究本部を視察したわけですが、また一、二自衛隊の第一線部隊も視察さしていただきました。ともかく戦力を持っている他国に追従してその模倣をして追いつくべく追っかけている。そうして軍事力を幾らか持って、国家のアクセサリーみたいに持って、それを背景として国際社会で強力なる発言権を得ようというような考え方は、私は非常に間違っているんじゃないか。今現に、陸上自衛隊、海上自衛隊と一生懸命努力されているんですが、ああいう人員並びにあれだけの予算を使ったものが、従来一体どういう役をするのか。そういうことを考えるときに、私は軍備を持っている他国に追従していく、模倣していく、そうして幾らかでも力を持っていこうという理念ですね、これは防衛政策として間違っているんじゃないか、こういうことを私は心静かに反省をしているわけなんです。防衛庁長官としては、ほんとうに腹の底から、今のような陸上自衛隊、あるいは海上自衛隊、あの増強政策、ああいう国防方針が現在の世界、それからさらに将来における日本並びに世界の情勢等、一応予想した場合に、昌も必要であり能率的な効率的な予算の使い方であり国防政策であると、こういうようなお考えでいらっしゃるかどうか。心ひそかに悩まれていられるのじゃないかと私は推察するんですが、そういう点についての御見解を承わりたい。
○国務大臣(左藤義詮君) 武力の要らぬ世界、永遠の平和の世界、これは人類の共通の理想でございますが、その理想を高く仰ぐからということで、現実の足を踏みはずしてはならぬと思っておるのでありまして、その理想と現実をどういうふうに調和していくか、これは、非常な哲学的な問題と申しますか、人間の悩むところでございます。そういう意味におきまして、私はいろいろ考えておるのでございますが、とりあえず、私ども現実の世界の情勢に即応して、民族、子孫の安全を最小限度守っていくという点におきましては、昨年決定いたしました国防の基本方針、これに従って、とにかく国情の許す限りのことをしていくという点につきましては、一方の大きな理想と見合せて、この現実の小さい人間の悩んでいることが、もっと高い目から見れば、行きどころがない、みじめなものではないかと、こういう哲学的な反省という点は別にいたしまして私ども国防の基本方針のもとに最善を尽すという点においては、やはり現実に踏んでおります大地を一歩々々踏みしめてやっていきたい、かように存じておる次第でございます。
○矢嶋三義君 どうも十分了解できないところがあると思うのですが、具体的に伺っていきたいと思うのですが、第一に、アメリカ追従、あるいは他国の軍事力に追いつく、あるいはそれを追い越すと、そういうような立場から努力するのでなく、私は、あくまでも兵力を背景として、そして国際社会でわがままを通すとか、あるいは威嚇をして、そうして自分らの主張を押し通していこうというようなこういう国は、国際社会で大きな顔はできないような、かような雰囲気を国際会議でも起すように、具体的には、徹底した軍縮を日本としては叫び続けるべきではないか。そういう方面に努力すべきじゃないか。従って、最近国民の声となっている核爆発の実験禁止とか、あるいはこれを貯蔵、製造あるいはこれを持ち運ぶことの禁止、国内への持ち込みの禁止というような問題については、岸内閣も若干の努力はしているわけなんだが、一般軍縮等と切り離して、まずこの核問題の禁止と、さらに全面的に軍縮を徹底的に叫び続けるべきである。そういう点においてアメリカの対外軍事援助の助成があるからといって、アメリカあたりの日本の国防力増強政策に対する働きかけに対しては、相当の私は抵抗を示して、むしろアメリカのああいう政策に反省を与えるような強い態度を、日本の政府はとるべきじゃないか、かように私は考えるわけなんですが、それらの点については、どういう御見解を持っておられますか。
○国務大臣(左藤義詮君) 軍縮あるいは原水爆禁止の問題につきましては、全く御同感でございますが、先ほど申し上げました、目を高く理想の星を仰いでいくという点におきましては、矢嶋委員のおっしゃることに私ども全面的に賛成でございますが、ただ現実の問題といたしまして、ただいまのお話の中に、何かアメリカの方から押しつけられておるようなお話でございますが、私どもはあくまでも自主的に、まあ安保条約等によって処していきますけれども、屈従をするのでもなければ抵抗するのでもない、私は、われわれが現実に踏んでおる、この民族国家の自衛を全うするように努力していきたい、かように存じておる次第でございます。
○矢嶋三義君 いかにも左藤長官らしい発言ですが、たとえば、言葉尻を取るわけじゃないのですが、来年度の防衛事業計画を立てるに当って、自主的にきめられますか。アメリカ当局と何らかの協議と了解を得ずに、百パーセント自主的に来年度防衛事業計画をきめられますか。あなた、そのつもりでございますか、お伺いしたい。
○国務大臣(左藤義詮君) もちろん、協力をいたして参ります。しかし、その協力をいたしまするにつきましても、向うから押しつけられたものを私ども受け取るのでございませんで、アッカーサー大使とも新任のごあいさつのときに話をし合ったのですけれども、あくまで私ども、日本の立場から協力すべきは協力する、どんなに向うに要求——まあそういうことをしないと言っておりますけれども、向うから要求せられましても、私どもの自主的一な信念に反することは、決してこれに屈従するつもりはございません。
○矢嶋三義君 それでは、やや具体的に伺いますが、この国会が終れば、外務大臣は訪米されるということですが、その訪米の場合にはいろいろの話し合いがなされると思います。その中に日米防衛体制というものが話題に出る、これは火を見るよりも明らかなことです。それをやられないくらいなら、私は、藤山外務大臣、国民の血税を使ってアメリカに行く必要はない。防衛分担金を初め、来年度の日本の、防衛庁の事業計画というものは、必ず話に出るはずです。従って藤山外務大臣を岸内閣がアメリカに送るに当っては、防衛庁長官との何らかの協議が事前にあるはずです。もうすでに協議があっているのかどうか、あるいはすでに藤山外務大臣から、こういう点について検討してほしいということをお話しになっているのかどうか。また、防衛庁長官としては、藤山外務大臣にどういうことをことづけて、どういう主張をしていただくつもりであるのか。もう私は、そういう考え方というものは、ある程度固まっているはずだと思います。すでに藤山外務大臣は、アメリカの在日大使館を通じて、アメリカ政府当局にお伺いも立てているほどなんですから、だから、そういう内容というものは、相当固まりつつあるはずだと思うのだが、そういう立場から、長官もお答えいただきたい。
○国務大臣(左藤義詮君) 藤山外務大臣が訪米すべきかどうかということについて、打診をいたしているかに伺っておりまするが、まだしかし、正式に、いつの時期に訪米するかどうかということは、決定していないようでございます。その場合に、防衛の問題が議題となりまするかどうか、もし議題といたすといたしますれば、私ども十分事前に打ち合せまして、先ほど申しましたように、私どもの防衛の信念を徹底するようにいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 では、具体的に伺いますが、アメリカは対外軍事援助を三十九億ドル、予算に計上しているわけですがね。その一部を日本の軍事力の増強に向ける、そうしてかつて重光さんがアメリカに持って行かれました防衛計画を、すみやかに完成するように、援助もし、日本政府に働きかけるということを、アメリカ側は意思表示をされております。で、重光さんが持って行かれた計画からいえば、たとえば陸上自衛隊は、あと一万人で十八万人になるわけです。それから海上自衛隊はあと一万三千トン、それから航空自衛隊は三百十機、これがまだ計画数に達していない数字なんですが、かりにアメリカから、…十九億ドルの軍事援助の中から日本に助成をして、そうしてこの陸上自衛隊あと一万人ふやせというようなことになれば、応ずるのか。それとも——問題をしぼってお伺いしますよ。陸上自衛隊をさらに一万人来年度増強することについては、あなたの方はどういうお考えを持っておられるのか。少くとも、今度藤山さんが行かれましたならば、こういう問題は具体的にはっきり出る話です。当然防衛庁当局の、この一万人増員、海上自衛隊の一万三千トン、航空自衛隊の三百十機についてどういう考えを持っているかという、それをまとめたものを藤山さんに預けなければ、私は話は進まないし、来年度の防衛庁の事業計画というものもきまらない。決して自主的にきめ得るものではない。従って、まずもって、自主的というならば、防衛庁長官としてこれらについて何らかの考えを持っておられなければならない。どういうお考えでいらっしゃるのか、具体的な問題として伺います。
○国務大臣(左藤義詮君) 米国の方でいろいろ援助計画をいたしておるようでございますが、これを受けますかどうかは私どもの方の自由でございまして、ことに現在やっておりますのは一九六〇年ですか、昭和三十四年度、この七月から六月までのことでございまするが、日本の会計年度とずれておりまするので、昭和三十三年度、この六月一ぱいの向うの計画につきましては、これは要請をこちらからいたしまして、要請済みでございまするが、この七月以降のことにつきましては向うがいろいろ計画しているようですが、それをそのまま受けるか受けないか、これは私どもの方で自主的に検討をして計画をいたしまして、要請をすることでございます。
○矢嶋三義君 では、伺いますが、陸上自衛隊の一万人の来年度の増強ということについては・防衛庁長官としては、自主的にどうお考えになっておられるのですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 現在事務当局でいろいろ検討いたしておりまして、これをわが国力、国情等に応じ、また私どもの党といたしましてもいろいろ政調等で研究いたしております。そういうことを十分勘案いたしまして、どういうふうに計画をいたしますかは、これから私ども検討いたす段階でございます。
○矢嶋三義君 検討は常になされておると思うのですが、私は、左藤防衛庁長官がこういう問題について見解を持たれないはずはないと思う。防衛庁長官としてどうお考えになっておられるか。
○国務大臣(左藤義詮君) できるだけ無理をしないようにいたしたいと思っております。
○矢嶋三義君 無理をしないということは、予算方面から来ることだと思うのですがね。私は、冒頭に伺いましたように、今の日本の防衛政策というものは、果して日本の平和と安全を保障するに最も能率的な効率的な方針かどうかという点について、根本的な私は疑念を持っておるということをまず伺ったわけです。そして具体的に参りまして、この一万人増員が、無理をして予算を使うということだけでなくて、果して陸上自衛隊一万人増員というようなこういう防衛政策、あるいはF−86なんかという飛行機は、もうだんだんと時代おくれになりつつあるわけです。これは一機で約一億一千万円かかるわけなのですがね。これを来年と再来年で、まだ約二百機国内生産をする計画を持っておるわけです。そのあとを受けて一機三億六千万円ばかりするF11Fを国内生産しようと、その準備段階に入っていこうとしておるので一すが、こういうような防衛政策というものは、ほんとうに国の平和と安全を守るために国民の血税を最も効率的に使う行き方かどうかという点に、私は疑念を持ちましたから、冒頭から伺っておるわけです。いかがですか。
○国務大臣(左藤義詮君) そういう問題を含めまして、一万名の問題も含めまして、事務当局はいろいろな案を立てるのでありまするが、これに対しまして私は最終の決定をするようにと、現在その心がまえをもって用意をいたしておるつもりでございます。
○矢嶋三義君 次に、ちょっと角度を変えて伺いますが、事務当局に伺いますが、米軍の陸上部隊は引き揚げられて、今海と空がおられるわけですがね、今年度の予算では、防衛分担金百八十七億円が支出されておるわけです。いつごろこの米軍は引き揚げてもらうつもりですか。今引き揚げたら日本の平和と安全が保てない、こういう御見解に立っておられるのか。いつごろ引き揚げてもらって大丈夫だ、今は危ない。こういう点についてはどういうように専門家は把握されておられるのか、お答えを願いたい。
○政府委員(加藤陽三君) 御承知のごとく、ただいま米陸軍は戦闘部隊が漸次撤退いたしておりまして、約一万七千名の補給部隊が残っております。海軍は約二万名、横須賀、佐世保その他の基地に主として残留いたしております。空軍は約四万が、第五空軍を中心として駐屯しております。これがいつ引き揚げるかということは、私ども事務レベルの段階においてはお答えをしにくいところでございます。 ただ、引き揚げにつきましては、日本の防衛というものが欠陥を生じませんように、陸上、海上、航空の自衛隊の成長の度合いと見合いながらやっていかなければならないということは、申し上げられると思います。わが陸海空の自衛隊を通して見まして、一番成長のおくれておりまするのは航空自隊衛でございます。航空自衛隊等につきましては、これは御承知と思いまするが、今年の四月に初めて第二航空団がある程度の出動の任務を帯びるに至ったのでありまして、その他の部隊はまだ全部訓練段階にございます。もし今米空軍が一気にこれが引き揚げるということになりますると、そういう点については不都合が起るであろうという感じを持っておるわけでございます。
○矢嶋三義君 世界の二大勢力の中に巻き込まれるような、日本は態度をとっていくべきではないと思う。アメリカが海軍並びに空軍をいつ引き揚げるかということは、日本人的な考え方できめることではないと思う、私は。アメリカの世界戦略の一環として、極東におけるアメリカの世界戦略という立場から、いつ引き揚げるかということをきめていくと思うのです。純粋に日本人という立場から、そういうものをきめるのではないと思う。これは子供でもわかることと思うのです。従って、そこに両陣営が相争えば、その紛争に日本が巻き込まれるおそれがあるのです。だから、その巻き込まれるおそれがなければ、日本の防衛体制というものは別の角度から立っていくわけですね。従って、私は、防衛分担金百八十七億円も支出しておりますが、米軍は早く私は撤退した方がいいと思うのです。そういうことを私は希望すべきだと思う。私はそれほど危険がないという観点に立ちます。あなた方は危険があるという観点に立つのでしょう。いずれも相手を納得させるだけの確たる証拠というものを私は提示し得ないと思うのです。今度、藤山さんがあちらにおいでになるわけですが、昨年は一般方式以外に、一萬田大蔵大臣の渡米を機に、三十億円の防衛分担金の減額が行われたわけです。本年度においても、あの一般方式そのものに私は問題があると思うのですが、 百八十七億円の防衛分担金は大きく減額をさすべきである。減額すれば、その使途はいろいろあると思う。 私は、先般、海上保安庁を視察したのですが、これは時間があれば、本日、あるいは他日、この委員会で掘り下げてやりたいと思いますが、今の日本の海上保安庁の勢力では、船が足りないために、遭難事故を約四〇%くらいしか救済できていない。これは、かりに防衛分担金が相当減額されて、これで海上警備に当る、救難に当る船をこしら、えれば、それによって直ちに海上の秩序も維持され、国民の生命と財産もそれによって守られることになるわけで、そういうことこそ、今、当面、私はやるべき事柄だと思うのです。 いずれにいたしましても、今度、藤山外務大臣がアメリカに行って、日米防衛体制について協議がなされる。それから、あなた方としては、来年度供与期待額というものを持って行っていただくに違いないと思うのです。それも私は承わりたいと思うのですが、防衛分担金の減額について、防衛庁長官としてはどういうお考えを持っておられるのか。また、本年度の供与期待額は四百三十五億六千万円ですね。四百三十五億六千万円が本年度のアメリカからの供与期待額。これは今どういう状況にある・のか、これは事務当局から伺いましよう。そして今度藤山さんがおいでになるに当っては、一体どの程度の供与期待を持って行っていただくのか。必ずこれは持って行くはずだと思う。その内容は、現在の時点における防衛政策との関連があるわけですが、その内容いかんでは私も意見があるわけなんですが、そういう点も伺いたいと思う。
○国務大臣(左藤義詮君) 防衛分担金並びに援助の要請につきましては、もし藤山大臣が行かれることになりますれば、十分私どもの立場から協議をいたしたいと思っております。 海上保安庁のお話がございましたが、これは決して十分でないことはもとよりでございますが、私ども海上自衛隊といたしましても、海難等の場合には協力をいたしまして、相当お役に立っておると思いますので、これも一つ御承知を願いたいと思います。 なお、本年度援助の内容につきましては、政府委員から御答弁いたします。
○政府委員(小山雄二君) 三十三年度の供与の点は、先ほどもお話がありましたように、四百三十五億何がし。これは昨年度、業務計画が大体設定いたしました一月のころに要請済みでございまして、米側ではその予算を、今国会で歳出を審議されておるわけです。もちろん、この日本側の要請も、総額としてはその中で見られるということになっておると考えております。具体的に、こういうものを要請したのに対してこういうものを供与するとか、あるいはこれはできないとかというようなことは、今後向うの予算がきまりましてから、それに合せまして逐次計画を実行して、供与の実施を受けて参るわけでございます。 来年度の要請、三十四年度分に見合う、米側でいきますと一九六〇会計年度に見合う要請につきましては、目下業務計画を鋭意事務的に固めておりまして、これを長官の御決裁を得、政府の大体のワクとしてきまりますれば、それに応ずる要請分を要請する、こういう段取りになるわけでございます。
○矢嶋三義君 それは、いつごろ数字が出てくるのですか。
○政府委員(小山雄二君) 業務計画を今防衛局を中心にやっておりますが、大体七月一ぱいぐらいに数字は事務的にまとまると思います。
○矢嶋三義君 その業務計画を検討しているということなんですが、陸上自衛隊の一万人増強は、その計画の中に事務当局としては入れているのですか、入れていないのですか。
○政府委員(加藤陽三君) ただいま作業しております業務計画は、昨年国防会議で御決定になりました防衛力整備計画を根幹としてやっておるのでございます。防衛力整備計画によりますと、先ほど矢嶋委員のおっしゃった通り、陸上自衛隊一万人に対しましては即応しているわけでございます。当然このことも、私ども業務計画を作業する段階におきましては、大きな問題点の一つになることでございます。
○矢嶋三義君 あなた方専門の立場から検討されているでしょうけれども、いずれわれわれは国会で審議する機会を与えられるわけですが、参考に申し上げておきますが、私はさらに陸上自衛隊を一万人増員するということに全く反対です。同じ金を使って何かをやるというなら、同じ防衛政策の他の方向にもう少し有効な使い方があるだろうと思う。私はそういう見解があるのです。これは参考としてお聞き願っておきます。 それから、防衛庁長官に伺いますが、岸さんの発言から見ても、あなたの発言を見ても、装備の質的強化ということがいつも言葉に出てくるわけでありますが、今の政府の防衛政策、それから憲法九条の解釈、それから国の平和と安全を守るための方策、こういうものの考え方から参りますと、攻撃用でなくて防御用の小型核兵器というものは必要じゃないですか。そういう結論が出てくるのではないか。私はそう思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほどの一万名には、社会党としては反対であるという御意見がございました。私どもは、たとえ少数でも野党の発言につきましては、国民の代表者の声として十分私ども検討いたしまして、参考に供したいと思います。 自衛のためにも核装備は必要ではないかという御意見でございますが、私どもは、原水爆というものの非常な惨禍を世界で初めてなめたものといたしまして、核装備はいたさない、また米軍の持ち込みもお断わりをする、その線の中において私どもは最小限度の自衛を全うしていきたい、かような信念を持っております。
○矢嶋三義君 私は具体的に伺っておるわけなんです。おそらく藤山さんなりあなたがおいでになって、日米防衛体制というものの話が出ますと、攻撃用ではなくして防御用の小型核兵器は日本には必要だ、持つべきである−今、これらを作るプルトニウムというものは、アメリカで足らなくて困っているわけなんですね・アメリカの方針がそうなんです。世界各国もそうだ。しかし、こんな戦術兵器や戦略兵器ができては、それは憲法に抵触しても、防御用小型核兵器は持てる、また持たなくちゃならぬということの強い要請があると思う。これは火を見るよりも明らかだと思う。また、岸さんの憲法解釈、それから今の政府の防衛政策から考えた場合に、質的に強化して参る、こういう立場からいきますと、防御用の小型核兵器を持たざるを得ない。そうでなければ、今の国防政策としてはつじつまが合わない、こういう私は結論が出てくると思う。 私は、そこで、そういう必要があるとお考えになっておられるであろうと承わっておるのでありますが、それについて明確な答えがないので、重ねて伺いますが、どう考えておるのか。かりに、あなたや藤山さんがアメリカ側と話をして、攻撃用でない防御用の小型核兵器を今装備すべきである、そういう点についてMSAの援助をする用意がある、する、こういった場合に、それを受け入れるか、それとも、たとえ防御用の小型核兵器といえども、断固としてこれは排除するというお考えでおられるか。それを明確にしておいていただきたい。
○国務大臣(左藤義詮君) さかさまのようになりまして、矢嶋さんの方は、核武装をしなければ最小限度の自衛ができないというお話です。私どもは、核に関係なしに、国民の努力によって自衛を全うしていきたい、全うし得る、こういう確信を持って努力いたして参りますので、むろん米国等からさようなことがないと思いまするが、ありましても、これを受け入れる心持はございません。
○矢嶋三義君 誤解していただいちゃ困るのですが、日本の平和と安全を守る方法としては、あなた方相当ズレがあるということは、初めから申し上げておる。あなた方の考えを前提としてこう進んできて、この防衛政策では、必然的にアメリカから防御用の小型核兵器が強く要請されるであろうし、あなた方も受け入れざるを得ない答えが出てくる。時間がかかるか、かからないかわからぬけれども、そういうレールに乗っているという結論を出さざるを得ないということを、私は言っておる。それをどうお考えになっておるかということを伺ったわけですが、あなたは、自主的にも、またかりにアメリカからいかに要請があろうと、たとえ防御用といえども小型核兵器は断固として入れないのだ、こういう御所信だということを承わったので、この点は明確になりました。 そこで、次にもう数点伺いたいと思うのですが、具体的な問題として、これは外務大臣の方が主管になるかと思うのですが、あなた方としては、中ソ友好同盟条約は日本の国を仮想敵国としている、好ましくないということを、与党、政府は常に言われているわけですね。また、ソビエトあるいは中共に言わせると、日米安保条約というものは、これは中共、ソビエトを仮想敵国にしておるのだというようなことを言っておるわけです。伺いたい点は、中ソ友好同盟条約を破棄すると同時に、日米安保条約も同時に破棄する、それを解くということは、私は極東における平和と安全を保障する一つの方策だと思うのです。そういう点について一は、防衛庁長官としてはどういう御目解を持っておられるか、承わりたい。
○国務大臣(左藤義詮君) 外務大臣の所管でございますが、中ソ条約があるから安保条約を作ったというような、直接の関係でないと思います。中ソの同盟条約が解消されたら、即時、これと符節を合して、安保条約を破棄するというようには考えておりません。
○矢嶋三義君 それでは、安保条約はなくてよいというのは、どういう事態が生じた場合だと御了解なさるわけですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 真に国連の努力によって世界の平和が確立されたときだと思います。
○矢嶋三義君 その答えは非常に抽象的で納得できないのですが……。 次に、もう一、二点伺いたいと思います。が、朝日新聞に出ております「新大臣にきく」というこの記事を私は拝見したのですが、もちろん、新聞記事から、あなたのお述べになった通りに載っているかどうか、その点はわかりませんが、この中に、自衛隊の広報宣伝ということが出ているのです。自衛隊はどういうものであるかということを国民に十分認識させるという努力は必要だと思うのです。ところが、この中に、一日入隊を盛んにやるというようなことも出ております。こういう前提として、先般の国会に、若干の公務員を入隊さしてこれを自衛隊内で起居させることによって自衛隊を認識させるとか、それから自衛隊に参観に来た方に、あれはおそらく昼食なんでしょう、食事をさせることができるとか、そういう内容の改正案が出たわけですが、チンドン屋さんとは違うのですから、私は、自衛隊を国民に宣伝する、認識をさせるという努力は必要だけれども、限度というものをよほど考えていただかなければならぬと思う。各地域のたとえば学校の体育主任を、結果としては半強制的になるような形で一日入隊させるとか、必ず考えてくると思う。高等学校の第三学年の主任を、半ば強制的に一日入隊していただくというような事態が起ることは、好ましくないと思う。 この前も、私、この委員会で質疑したわけですが、あのアジア大会でも、自衛隊を宣伝するという気持は私は相当あったと思うのです、根底には。アジア大会を自衛隊、防衛大学の生徒に見させる、見学させるということと、それと宣伝とがあったのだと思うのです。これは各国選手の入場等の先導をするプラカードを持つのは、何も防衛大学の生徒——あとでみな資料をいただきましたが、国費で旅費を払っている。久里浜からわざわざ旅費を使って連れてきて、先導させなくても、教育大学でも、体育大学でも、該当者は幾らでもあるわけです。それから名前はよく知りませんが、この前言ったように、ちょうど歌劇がやるような、ああいう全く歌劇がやるような動作ですよ。これはクラブ活動でやっているということなんですが、あれも結局、資料いただきましたが、国費で旅費が出ているわけです、久里浜から。わざわざそういう学生に旅費まで出してあの大会揚で——集団体操はけっこうでしたが、あんな歌劇がやるようなものをやる必要は私はないと思う。これは防衛大学なり、自衛隊を宣伝しようという気持が非常にあったと思うのです。 そういう感覚で、今後の一日入隊とか、あるいは自衛隊においでになった方に食事を出すというようなことを、無反省にされては困ると思うので、こういう点についての長官の御所見を承わっておきたい。
○国務大臣(左藤義詮君) 私も就任早々で、やや誘導尋問と申しますか、記者の方からのお話がありましたので、それに対してけっこうなことだと申し上げたのですが、一面にはツー・ノー・イズ・ツー・ラブと申しますか、自衛隊というものを国民に一つよく知っていただきたい。また、ごらんになって間違っておる点については、いろいろ御批判をいただきたい。そういう意味で、国会の皆さん方には特に、自衛隊というものにしょっちゅうおいでいただきたいと思うのですが、一般の入隊、見学等につきましては、今お話しのように、行き過ぎませんように、十分注意いたしたいと存じます。 過般のオリンピックについては、先日も御親切な御注意をいただいたことでございます。旅費のこと、私どもその当時存じませんで、その後調べてお答え申し上げたのでございますが、ただ、私どもは、防衛大学あるいは自衛隊というものを宣伝するというだけでなしに、防衛大学の学生もああいう国際的な——私ども開会式で感激いたしたのでございますが、アジアの同胞がああして平和なスポーツを通じて協力していく、私はああいう雰囲気を見せてもらったことが、むしろこちらから、それこそ旅費を持ってでも、非常一に 私は、従来のいわゆる士官学校、兵学校というのは井戸の中のカエルというか、独善的なものにならぬように、非常に国際的な視野を広げるというような点においては、少しぐらい旅費を払っても私ども得るところがあったのではないかという点も考えますので、しかし、お話のような広報宣伝ということがいかにも大衆にこびるという、チシドン屋のようになりませんように、この点は一つ十分御趣旨を体していきたいと思います。
○矢嶋三義君 アジア・オリンピック大会を例にとり上げて申しますのは、あのスポーツの社会に、あまり軍人とか軍隊とか政治家というような、こういうものが介入することは好ましくないと私は基本的に思います。どうしても、たとえは祝砲を撃つというような場合に、これは自衛隊の援助を受けなければいけないというような場合は別です。それ以外は、スポーツの社会にはあまり関与しない方がいいと思うのです。平たい言葉でいえば、どうしても少し出しゃばり過ぎた感じがする。自衛隊臭が至るところに充満しておる。これがアジア・オリンピック大会で一番遺憾なことであった、私はかように判断をいたすのであります。そういうことを一九六四年オリンピックで繰り返したくないから、私はこの前も触れたわけです。協力の話があったのですが、自衛隊あるいは防衛大学の学生にああいう雰囲気にひたらせる、また見学させるということは、私は非常にけっこうだと思うのです。ただ、大会の運営その他にあまり深入りしないがいいという立場から、伺ったわけです。 むしろ、協力という立場からいけば、さっきちょっと出ましたが、海上保安庁の業務等には海上自衛隊はもう少し協力してしかるべきじゃないか。目的が違うから、無理なことはお願いできないと思うのですが、災害出動というのがございますね。陸上自衛隊はかなり出動しています。しかし、あれも、あの自衛隊の隊員の中には一部にいやがる向きがあるのですね。災害が起った場合に、非常にひどいという場合に、短期間なら別ですが、もう一週間以上になると、自衛隊の隊員の中から、われわれは土方ではないというて、いやがる向きがある。それから公共事業に対する協力ですね、これでもあまり多くなりますと、われわれは土方じゃないというような気持から、好まない傾向があるわけなんですが、こういう教育の実施は私は必要だと思います。あの災害出動の記録をいただきましたが、海上災難に対する海上自衛隊の出動というのは少いですね。どうして少いかと思うと、実際訓練していないらしいのですね。それから船も、そういうように向くように作ってないから、やはり役に立たぬようですね。だから、威風堂々と、ずいぶん軍鑑があって、次々作っているのですけれども、さしあたってはほとんど何らためになっていないわけですから、一朝事ある場合には何かためになるのかもしれないが、その一朝事あるときには、今の兵器からいけば大へんなことなんで、鎧袖一触ということになるわけなんで・だから、私はあれだけの金を使えば、海上自衛隊の船の中−でも海難救助等に相当役立つような形−の船も幾らか持っておって、その訓練もして、今の予算が足らないために海上保安庁が十分なし得ない面に協力するとか、さらに、最近第三次南極観測をやるということが決定されたわけですが、これらの点についても、防衛庁の予算の中からもう少し私は協力をしてもいいのではないか。一部ヘリコプター等は出されるように承わっておりますが、ヘリコプターとか、あるいは飛行機とか、こういう点については番う一段と協力されてしかるべきじゃないか、こういう見解を私は持っているのですが、長官はどういうお考えでしょうか。
○国務大臣(左藤義詮君) 左の手でしたことを右の手に知らせるなと申しますか、あまり先ほどおっしゃった広報宣伝が下手と申しますか、南極探険にもヘリコプターが協力したようですが、一向世間には伝わっていないようですが、海上自衛隊の艦船が直接海上救護等のお役に立ちにくい点もあるかもしれませんが、ヘリコプターによる洋上の捜査等につきましては、ずいぶん出動しているように私は聞いているのでございますが、もし何でしたら、そういうことを後刻詳細に報告したいと思いますが、今後そういう方面につきましても、一そう国民に愛され信頼される自衛隊になりますよう、できるだけ努力をいたしたいと思います。 隊員が、それが長くなりますると、つい土方と違うと言うようなお話もございましたが、さようなこともございませんように、隊員といたしましては、とにかくこうして国民の自衛隊になり切っていきたい、それが国民のお役に立って皆さんが喜んで下されば、おそらくそこに非常な喜びを感じて努力いたすと思いますが、そういう方面の精神の徹底にも気をつけたいと思います。これは言わずものことでございますが、どういうことになりますか、きょうも東京都は非常に渇水で困っているようでございますので、私ども自衛隊の方に浄水の装置も持っておりますので、もしお役に立ちますれば、そういうことを東京都の方に連絡いたしまして、雨一つ降れば解消することでございますが、もしこれがひどくなって、東京都の方でどうしてもということでございますれば、お役に立たせたい。そういうことを私どもは積極的に指導していこうと存じております。よろしくお願いいたします。
○矢嶋三義君 きょうはこの質問で終りたいと思うのですが、いずれ科学技術関係のときに、一般の科学技術の振興と関連して、掘り下げて伺ってみたいと思うのですけれども、きょうこの科学技術研究所にしぼって一つ、一、二伺いますが、先般視察さしていただきました目黒研究所は、一番中枢になる充実したところであるというのを視察させていただいたわけですが、これは昔の海軍の技術研究所の跡だそうですが、私どもこういう方面についてはしろうとなんですけれども、拝見したあとの感じとしては、とにかく追っかけているわけですね。 私は、今の日本の国防政策に基く防衛庁の研究体制には、日本の大学並びに学界は全面的な協力をしていないと見ているのです。これは国という立場に立っては大きな問題だと思います。その根本は、憲法九条を改正するのでなく、あなた方は合憲と言われるかもしれないけれども、学者、私どもは違憲だと、そういう立場から問題を進めているところに根本があると思うのですが、日本の研究機関がセクショナリズムでばらばらになっている、わずかに乏しい予算を数多く配分して能率が上っていない。それにもってきて私の言うことが違っていれば伺いたいと思うのですが、日本の大学、学界は必ずしも全面的に協力していない。 この研究本部は幾多の機構を持ち予算を持って研究しておりますが、あれを見て、しろうとですけれども、全くままごとのような感じがするのですが、あれだけの金を使って、向うの軍艦がたまを撃ったときに、そのたまが通らぬような鉄板を研究しているというようなことを言っておりましたが、それこそ私は噴飯物じゃないかと思うのです。一体当局はどういうふうにお考えになっているのか、むだなことだと思う。成果が上りゃしないと思うのですね。そういう点、だから、私は冒頭に国防政策のあり方について伺ったのですが、ああいうことでいいとお考えになっていられるのかですね。あれで相当の金を使って研究して、それで装備して、そしていざ事がある場合に戦えるというようなお考えでおられるとすれば、私はとんでもないことだという感じを持っているのですがね。そういう点は、これは防衛庁長官に伺うのは無理でしょうが、装備局長か適当な人でお答え願いたいと思うのであります。ほんとうに自信を持っているのか、どういうお考えでいるのか。私は、乏しい国の予算で何か研究するとなれば、日本の研究体制というものを有機的に結合して、そうしてやらなければ、今のような状況では、これはきわめて非能率なもので成果は上らぬと、こういう感じを持たざるを得ないのですが、どういうようなお考えでいられるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほどの資料を私持ちながら、うっかりしましたので……。海上自衛隊がどれくらい海難救助等に出動したかということを、あとからと申しましたが、海上自衛隊が発足以来、本年六月一日までの海難救助の出動件数は三十八件でございます。このうちの七件は海上保安庁側の要請に基いたものであります。右の海難救助に参加しました勢力は、延艦艇が四百二十七隻、航空機が百二十六機、人員六万五千七百七十八名でございました。 今後のお話でございますが、現在の海上自衛隊で救助等に使用し得る勢力といたしましては、現有の艦艇、航空機等はすべて必要があれば出動・派遣はせしめ得るわけですが、特に救助任務を与えられておるものとしましては、海上救難用として高速救命艇、現有は三隻でございますが、三十四年度中には十三隻になる予定でございます。ヘリコプターS−55、これが三機、三十四年度中には九機となります。こういうものをだんだん完備いたしまして、先ほどの御趣旨に沿うように今後とも努力したいと思います。 それから、技本のお話でございますが、詳細なことは政府委員から申し上げますが、学界との協力につきましては、実は私どもも今後一つ努力しなくちゃならぬと。東大その他、一つ十分の私どもも連絡もいたし、他の研究機関、学術会議、その他十分に一つ御理解をいただくようにしたいと思いますが、この点は一つ与党野党をこえて国会の皆さん方からも、特に文部関係に御縁の深い矢嶋さんなどからも、一つできるだけ御協力いただきまして…。大体、この間技研をごらんいただきましてお気づきの点、非常にありがたく存じます。これは一つ、もう党派をこえて御協力願って、せっかくありますものが十分な、貧しい日本として最善の能率を一つ発揮いたしますように、御協力をお願いいたします。詳細は政府委員から一つ、御説明申し上げます。
○政府委員(小山雄二君) 先般、技術研究所を御視察いただきまして、特にただいま目黒のお話がございましたが、実は目黒はオーストラリヤ軍が使っておりましてそれが撤退いたしまして解除になりまして、大蔵省からわれわれが手に入れましたのが、去年三回にわたって手に入れておりますが、去年の五月から最後は十二月でございます。まあ目黒の例をおあげになりましたような、そういうような次第でございまして予算的に、あそこの機械設備その他の予算も、一部は大蔵省の許可を得まして三十一年度から手をつけておりますが、正式の解除になったのは今申しましたような時期でありまして、三十二年度の予算、あるいは一部は、ごらん願いました水槽等も、また三十三年度の予算で直す部分が相当ありまして、なかなか大蔵省も財源の関係その他で、一ぺんに金をつけてくれないというような関係で、設備その他がまだ全国的に活用、動く態勢になっていないところも、ありのままをお見せしたわけでありまして、矢嶋委員が先ほど感想をお述べになりましたが、そういう御感想をいただきますのも、途中を見ていただいたという関係で、率直に全部見ていただいたわけでございまして、整備段階的にはそういうことになっております。 技術開発についての考え方でございますが、基礎研究、それから応用研究、それから部分開発、こういう種類のもの、何もかもすべてを防衛庁あるいは技術研究本部でやろうといってもできませんし、またそういうつもりもございませんが、そういうなるべく基礎的な問題は、防衛庁だけのものでよそでやれないようなものだけを防衛庁でやりまして、あとは部外の力を利用さしていただくという態勢でもっていくのが能率的でありますし、またそういうことで考えております。その面で、今、大臣からもお話がありましたように、学界その他でまだ十分御協力をいただけない面もありますけれども、なるべくそういうところは頭を貸していただく、知恵を貸していただくということでやって参りたいと思います。 さて、これを武器としてものにしていくという部面でございますが、技術的な調査をいたしまして、計画を立てこれを設計するという面は、装備そのもの、武器そのものはどうしても防衛庁でやらざるを得ません。この点に主力を置いていこうということで、先般も技術研究本部の機構を作っていただきまして、その中身を改組いたしまして、そういう武器開発の面だけは、専心的にそれをやる部門、技術開発官と申しまして、物別に四つの部門に分けまして開発官を設定いたしまして、計画、設計等に専念させるという体制にしたわけでございます。それからまた、計画、設計ができまして、これで物を作る段階でございます。試作する、あるいは増加試作するという段階でございますが、これは何分防衛庁が昔の何と違いまして、工廠も工作所も何も持っておりません。これも防衛庁自体で作るのがいいかどうかは相当の問題でございますが、現在全部外部に出しております。この面で外部の知恵、それから工作の、物を作る上の力というものを借りて参りたい、こう考えております。さて試作してできましたものを技術審査をし、技術試験をし、それから要求性能に合うかどうか、どういう値打を持っているかという評価をいたさなければいけませんが、これもよそにまかせるわけにはいきませんので、これは部内でやっているのであります。この面につきましては、先般の機構改革で開発官と一方研究所を分けまして、研究所はもっぱら試験、研究その他を持ち、それを開発官の要望に応じて試作して、できてきたものを試験をして徹底的にたたいてみてその結果を評価をする。こういう態勢で、防衛庁が何もかにもやるのではなくて、防衛庁として当然やるべきものに力を集中し、そうして部外の方はできるだけ協力態勢を整えて知恵を借りていくという体制で進みたいと考えておるわけでございます。まだ準備その他で十分とは申せませんが、そういう方向でやっていきますれば、外国の技術の導入、それから日本でもアメリカが多少関心を持っております技術もありますので、そういうものを伸ばしていくという面には、貸すに時日をもってすれば、相当期待すべきものがあるのじゃないかということを期待しているわけでございます。
○矢嶋三義君 大臣は、学問の自由とかあるいは大学の自治権というようなものは尊重されることには、異議ございませんか。
○国務大臣(左藤義詮君) もとよりでございます。
○矢嶋三義君 事前に警告しておきますが、私はこういう予感がするのです。今の研究体制を見て、他の戦力を持っている国よりも上回る力をもって国際社会に臨もうというような、それによって安全と平和を保障して参ろうというような、そういう国防政策は、私は賛成することができないということを言っているわけなんですが、今あとから追っかけているわけなんですね。そうして今の研究体制を見ますと、こういう政策をおそらく進めてくると思う。それは憲法九条等から関連して、日本の大学とか学界、学者が全面的に協力しない。協力が足りない。これでは十分な成果が上らぬから、今の政府が続く限りはどういう政策をとるかというと、ひもつき研究をさせるようになる。大学の研究自体は、それのみを少くしておいて、ほんとうに勉強したくてしようがない場合には、防衛庁の何かひもつきで予算をもらわなければ勉強できない。だから、研究したさに、それを研究すれば補助がもらえるからというので、いやいやながら軍事方面の研究、防衛庁の下請の研究を学者がやるように、そういう政策を私はきっとやってくるんじゃないか、こういう懸念がするわけです。そうなると、表で学問の自由とか、大学の自治とは言いながら、大学にいる学者自体はほんとうに自分が研究したいという方向に進むことができずに、生活と、それから自分の研究をするために、やむを得ず自衛隊の委託を受けるとか、あるいは補助を受けて、そちらの方をやらざるを得ない。そこで、学者は憲法九条その他と関連して非常に苦悶するというような、かような事態が起るであろう。そういう政策をするであろう、かような私は予感がいたします。そういうことによって学問研究の自由というものを抑制するようなことがあってはならないと思いますので、あえて伺ったわけです。いかがでしょうか。
○国務大臣(左藤義詮君) 研究費によって、これをえさにして学者の研究の自由を妨げようとするような意思は毛頭ございません。私は、真に子孫、民族を愛する、そのためにはどうしても自衛を全うさせなくちゃならない、こういうことで、学者の正しい愛国心によって自発的に御協力いただくということを期待いたしております。
○矢嶋三義君 これで終りますが、私の結論としては、憲法九条について主権者の審判を仰いで、そうしてこれが改められるというような事態にならざる限り、今の考え方による国防政策をだんだん推進していくということはストップすべきであるというのが、私の結論なんです。国民の九条の審判を受ければ、国内情勢とか、世界情勢とか、あらゆる角度からどうあるべきかという答えを出すと思う。それに基いてさらに今の国防政策を強く推進していくというならば、私はそれもけっこうだろうと思う。国民の多数がそれを支持すればですね。しかし・そういうことがなくて、今の憲法のままでこういう国防政策を推進することは、具体的にいえば、来年度陸上自衛隊一万人ふやすというようなことは、アメリカの意向というものが相当強く影響すると思うのですが、そういうことも幾らか関係してきてきめていくというようなことは、絶対に賛成しかねるというのが私の結論です。これは意見としてお聞き取り願いたいと思う。 伺いたいのは、最後に伺いたいと言ったのは、さっきの答弁と関連するわけですが、試作を全部民間に出しているわけなんですね。これがよほど注意していかないと、これは軍需産業家をもうけさせますよ。必ずそういう事態が起ると思う。今でも川崎航空と新三菱重工は猛烈な競争をしているわけなんですね。F−86Fのときでもそうです。F11F新機種の決定に当っても、この川崎航空と新三菱重工の争いというものは天下周知の事実です。しかも、これはアメリカの軍需産業家と結託した形において、猛烈なる争いが行われているわけですね。あの目黒の研究所を見ても、何ら試作はできないでしょう。この試作を全部民間の業者にやらせた場合、主導権を民間の業者が握ってしまうわけでしょう。そうなると、そこにずいぶん私はむだというものが起ってくると思いますね。だから、危険でしようがないと思います。そういう点については、防衛庁当局としては、ああいう民間にすべての試作をさせることを安んじてやらせているのかどうか、この点を私は伺っておきたいと思います。
○政府委員(小山雄二君) 遺憾ながら、現在は防衛庁自体でそのものを作ります手だてを持っておりませんので、民間に頼まざるを得ない格好になっております。もちろん、どういうものをどう作って、そのできたものがうまく要求性能を満たしているかどうかという、そのものを計画を進めていく主導権は防衛庁があくまで持たなければいかぬわけでございまして、その点も、さっきいろいろ申し上げましたように、技術研究本部の改組、従来はいろいろな仕事を一緒くたにしておったものですから、多少そのけじめはつきませんでしたが、そういうことが万一あってはなりませんので、それをはっきりさせたということで、まあ追々力がつきましたらば、特に重要なものは防衛庁自体で試作するというようなこともできるかと思いますが、現在のところはそういう状況で、試験だけははっきりやって参るつもりでございます。そうならざるを得ない状況でございます。
○委員長(永岡光治君) 他に御質疑のおありの方はございませんか。
○伊藤顕道君 柳士長の公務災害の認定の問題について、長官並びに山本人事局長にお伺いしたいと思いますが、これは前国会の四月二十四日と記憶しておりますが、私はこの問題について前長官にお伺いいたしましたところ、これは人権問題にからむ大事な問題であるので、至急現地に調査員を派遣したい、あるいはまた、報告書によって至急調査いたしたい。その結果が、五月三十日の山本人事局長の措置説明となっていると思うのであります。この説明については、非常に大事な問題に食い違いがあるわけで、これからお伺いしたいと思いますが、まず長官にお伺いしたい点は、この問題については当然に、前長官からあなたに引き継ぎがあったと思います。そこで、新長官としてこの問題についてどのようにお考えになっているか、まずこの点についてお伺いしたい。
○国務大臣(左藤義詮君) 多数の隊員でございますので、いろいろ間違いもございますが、先般の事件につきましては非常に遺憾な点があったと存じますが、今詳細を御報告いたしますが、もし自衛隊としての措置に遺憾な点がございますれば、今後かようなことのないように十分戒心いたしたいと思っております。詳細につきましては、こういう事件のあったことは、国会で非常に御心配いただいているということは引き継ぎがございましたが、これをいろいろ調査いたしました結果は、政府委員から一つ御報告いたします。
○伊藤顕道君 そこで、人事局長にお伺いいたしますが、この前の三十日の措置説明について、あちこち大事な点について相当食い違いがあるわけです。そこで、まずお伺いしたいのは、どのような方法で調査されたのか、具体的にまずお伺いしたいと思います。
○説明員(山本幸雄君) この事件につきましては、陸上幕僚監部といたしましても一部すでに報告がございました。それから、その後の状況につきましても、現地から人を呼び、さらに私も先般北海道に実は行ったのでございますが、これはいろいろな用務を持って行きました際にも、若干承わってきたようなわけでございます。主といたしましては、現地からいろいろな報告を取り、あるいは現地から人をこちらに来るように求めまして、それに基いて調査をいたしたのでございます。
○千葉信君 議事進行について。与党の委員が一人も出席していない。こんなぶざまな委員会ありますか。一つ委員長から厳重に与党の方へ至急申し込んでもらいたい。
○委員長(永岡光治君) 承知いたしました。事務局の方から……。 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を起して。
○委員長(永岡光治君) ただいま委員の異動がございましたので、事務局から報告させます。
○参事(川上路夫君) 御報告いたします。 松本治一郎君が辞任され、後任として横川正市君が選任されました。 以上でございます。
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を起して下さい。
○伊藤顕道君 人事局長に伺いますが、九月十四日の柳士長の行動について遺族が現地で同僚とか担当の医官から伺った点と、あなたが報告された面で、非常に大事な大きな食い違いがあるわけですね。そういうような点については十分徹底して究明したと思うわけですけれども、そういう点についての究明の報告がないわけですが、この点をまず一つお伺いしたいのです。
○説明員(山本幸雄君) 五月三十日の日の内閣委員会で、私は、十四日であったか十五日であったかという問題が、前回も詳しく御質問がございましたので、その点については一応、当時私どもの手元にございました報告なり現地から来たものによりまして、私どものところでまとめ上げたところを申し上げたわけであったのです。その後も、その十四日であったか十五日であったかという点は、いろいろ聞いてみるのでありまするけれども、まあ一応われわれの方といたしましては、やはり十四日ではなくて十五日の朝、やはり頭が痛いということを申し出たようであります。こういう結論に現在としては到達をいたしておる次第でございます。
○伊藤顕道君 この届けを見ますと、九月十四日は部隊患者名簿にも記載がない、あるいは個人医療記録にも記載がない、そういうことで九月十五日と認定したという申し分でありますけれども、一番根拠となる大事な死亡診断書ですね、ここに現物の写しがあるわけです。これにも明確に、発病年月日は昭和三十一年九月十四日と明記があり、死亡診断書を信頼できないということはないと思う。これを信頼するか信頼できないかによって、十四日か十五日かということは明確に出てくると思うのです。ところが、にもかかわらず、こういう死亡診断書を無視して、十五日をとらざるを得ないという、こういう御報告については納得がいかないわけです。この点、どういう意味でこういう十五日を固執せられるか、この点を明確にしていただきたいと思います。
○説明員(山本幸雄君) この死亡診断書は、最後に死亡した病院で作ったものだと思います。その死亡診断書を作りましたもう一つ前に根拠があるのでありまして、それは病院にあるところのこの柳士長の病状を書いた記録が出てきたわけです。それによっておそらく十四日というものはできたものであろう、かように考えるのでありますが、私どもの考えでは、その記録がさらに死亡診断書の十四日というものに引き写された、こう見るほかない、かように考えます。 十四日ではない、十五日という認定を、まあいろいろの資料で推定しますのは、この前も申し上げましたように、この人の任務は、御承知の通り、中隊におけるところの机の上の仕事をしている人であり、十四日の日に、これはまずこの三十一年度の配車計画上というものによって、その十四日の日に部隊までトラックの二両のうちのいずれかに乗って行ったと、そうして東千歳の方へ行ったという記録があるわけであります。この記録は一人ふえておるのでありますが、計画より一人ふえておるのでありますが、それは先日も申し上げましたように、この小銃のナンバーが違っておるから、東千歳の支所まで行って来なければならないということがにわかに起ってそうして柳士長が行った。そのために一人がふえたものと、こういう推定をしておったわけであります。ただ、この計画上の計画と、実際に実行したことが赤字で書いてあるわけでありますが、これに柳士長であったとまでは書いてないことは、柳士長だと断定をするところまでいかないということが一つ。それからもう一つは、橋本一曹というのが中隊の事務室で机を並べておるのでございますが、これが、朝の九時ごろに事務室で柳士長が鼻うたを歌った。それが朝九時ごろであるが、九時ごろに鼻うたを歌ったという記憶を持っているわけであります。まあこれは見方によりますと、徹底的に十四日という断定をするにはおそらく至らなかったものであると思いますが、しかし、橋本一曹の記憶では、それは十四日であったろうと、こういうことを言うておるわけであります。 さらに、十五日は土曜日でありまして、この日は大隊長の内務検査をやっております。この日はなかなか中隊としては忙しいのでありますが、その中をこの柳士長は医務室へ行きまして、営内休というはんこをもらってきて寝ておった。これを、この寝ておったのを大隊長が、どこか悪いのかということで、それを聞いておるようなわけでありまして、これもまあこの日であったということを同僚の三曹が言うておるわけであります。しかし、これも今申しましたように、決定的に十五日であると、こういうことの認定を、断定をするという資料ではないかもしれませんが、しかし、十五日であるという一つの状況的な推定をするのには足るのではなかろうかと、かように考えておるのでございます。 まあ、こういうようなこともございまして、この前申し上げましたような二つの資料から、一つは患者名簿、一つは柳士長のカルテというものから、営内におけるカルテというものから、そういうことで十五日であるということの認定を一応するわけであります。 なお、もう一つ、しからば、病院へ行きましたときに、その病気の様子を語っておるわけでございますが、それが一体本人が言うたのであるか、あるいはつき添って行った者が言うたのであるかという点について、若干はっきりしないところがございます。しかし、やはり入院したときの状況から申しまして、つき添いをして行った者がおそらくそういうことを言うたのであろう、それがカルテに書き込まれたものであろうと、一応認定せざるを得ないと、こういうことでありまして、そこから一つの、死亡診断書に言うところの十四日であるという、何といいますか、食い違いというものが生じてきた。これを、先ほど申しましたように、死亡診断書に十四日と書き込まれたというのではなかろうかと考えております。
○伊藤顕道君 説明を聞いておりますと、書類の上では、死亡診断書よりはいわゆる患者名簿に重点を置いているかのごときことなんですがね。やはり書類の上では、何といっても死亡診断書を一番たよらなければならぬ。患者名簿においては付け落しということもあるのです。死亡診断書の間違いということは、およそ考えられない。 それと、実際の問題について、先ほども申し上げたように、この遺族が、現地で扱った医官並びに患者の御本人の同僚から聞いたところによれば、朝、頭痛を訴えて、病院からかぜ薬をいただいたと。それで午前は休んで午後は勤務についたが、その夜から悪化をしたと、そういう事実が明確に出ておるわけですね。にもかかわらず、ただ単に患者名簿にないからということに重点を置いて論議を進めておるように、こちらは受け取れます。そういうことでは非常にずさんだと思うのです。この事実についてはどうであったか。そういう点、むろん調べたと思うのです。そういう点はどうなんですか。
○説明員(山本幸雄君) その同僚あるいはその他からいろいろ状況を聞いておるのでございますが、まあこういったいろいろな資料、それから先ほど申しましたような二つの文書というもので、そういうことを推定する、認定をするわけでありますが、遺族が行かれたときに、どなたにお会いになったのか、その辺のところも一つあると思うのです。これ、おそらく病院の医者に会われたことは間違いないように思います。あるいは隊の医者に会われたのであるのかもしれません。しかし、いずれにせよ、ただいま申しますような、そういう隊に残っております現実のもの、あるいは同僚の当時の状況をいろいろ知っておる者数名から、その当時の状況を詳しく聞きました結果を総合しまして、さようなことを申し上げておる次第であります。
○伊藤顕道君 十四日か十五日かということは、簡単に考えるとそう大事なものでないように思いますが、実は非常に重大な性格をはらんでいると思う。こういういわゆる発病の日をすでに最初から間違って、こういうふうにして進行している。死亡診断書を無視していわゆる担当の医官とか同僚、これは最も身近な関係だと思うのです。そういう人が明確に遺族に報告している、訴えているにもかかわらず、いつまでも十五日を固持している。そういうことでは、これはなかなか正し・い解決ができないと思う。そういう点は、さらに徹底的に現地で周囲の人に十分直接調査して、初めて真の調査ができると思う。そういう点に非常に抜かりがあるように思うのですが、さらにこの問題につけ加えて、一番関係の深いのはやはり直属上官である中隊長であろうと思う。 中隊長が、最も身近な問題を、当面の責任者として、よくこれを知り尽しているわけです。その事情を知り尽している中隊長が、この問題について公務死認定申請書を出しているわけですね。にもかかわらず、これが却下されているということも、非常に納得できないと思う。だれよりも事情を一番よく知り尽している中隊長が、熱情を込めて上申している。それが却下されている。何ゆえに、どうしてそういうことになっているか、まことに不可解千万だと思う。こういう点についても一つ御答弁願いたい。
○説明員(山本幸雄君) 公務死認定の申請書が出たというお話でございますが、実はこれは公式には全然出ておらない。いわゆる陸幕長が直轄部隊でありますので、陸幕長にこの際は認定権がある。そこで、中隊長からはそういう公務災害認定申請書という正式文書は出ておらないと思います。ただ、昭和三十一年の十月十一日付で、島松の駐屯地司令から幕僚長あてに、死亡自衛官の概況調査に関する報告というものが出ている。正式にはそういうようなものでございまして、これは死亡の事故について報告をして参った。公務災害認定についての申請を出してきたものではなかったということを申し上げておきます。
○伊藤顕道君 それと、まあなお理由の一つに、下から公務災害の認定申請をしないという、そういう理由があるようです。ここでいう下からのそういう申請がなかったという、その下というのは何を意味しているのですか。下からの認定がなかった、その下というのは一体何をさしているのですか。
○説明員(山本幸雄君) 駐屯地司令であります。
○伊藤顕道君 この要綱を見ますと、三十二年に札幌の病院長が杉山幕僚長に出した療養経過報告書、死亡診断書、そういう記載内容、そういうものと、あなたが五月三十日に説明されたものとの間に、相当差異があるということも、あなた自身もお気づきだろうと思います。この点について責任者としてのあなたは、どういうふうにお考えですか。
○説明員(山本幸雄君) 私どものところでは、ただいま申し上げましたような報告が当時は来ておった。もし、ただいまお話しのような点がございましたら、病院長から出たものがあったといたしますれば、私はおそらくその報告書に添付されておったのではないかと思いますが……。あるいはそういう病院の方の病気に関する記録が、このときの報告書についておったのだと考えます。
○伊藤顕道君 大体北海道でこういうようなことが起きた場合に、公務死の認定を受けた者は非常に少い、そういう事例もあるので、遺族に対して、結局防衛庁に申請するのがよろしい、そういうようなことを言っておる、そういうことでございまするが、こういうことは非常に不可解だと思います。隊員の士気にも非常に関係することであるし、北海道であろうと、九州であろうと、当然に、公務災害に該当するなら当然そういうような正しい措置がなされてしかるべきだと思います。大体北海道だからというようなことは意味がないと思いますが、この点について明確に答えていただきたいと思います。
○説明員(山本幸雄君) 自衛隊といたしましては、もちろん、どこに起ろうと、場所のいかんを問わず、同じ水準で、同じ基準でやっておることは申し上げるまでもございません。これにつきましては、この公務上の災害の認定基準というものが、相当詳しいものは自衛隊で規定をされておりまして、その規定に基いて客観的にそれに照らして該当するものについては、公務の認定をする。しかし、残念ながら、そういうものに該当しないときには、公務災害の認定はしない、そういうことをやりまして、事案の内容あるいは発生の場所等によって不均衡が起きるということのないように、気をつけております。これは直轄部隊でありますから、長官の所に参りますが、管区総監の各隷下部隊では管区総監の所に参ります。それで、もし管区総監のところで不服があれば、さらに長官のところに訴えてくるという道も開かれておるのでありまして、全国的な不均衡というものをそういう点で是正することはできるかと考えております。
○伊藤顕道君 なお、遺族は臨終の際の状況をつぶさに聞いておるわけです。この際、臨終の際、医官が一人もつき添っていなかったということ、看護婦に呼ばれて初めて医官がかけつけたということで、まことにその間の措置についても、重症患者に対する措置にも、相当遺憾があったのではないか。そういう点を明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(山本幸雄君) 入院をされましてからあと、中山医師というのが見ておりますが、近藤医官がまず診断をし、さらに中山医師というのが見、さらに死亡の当時は光銭医官というのが交代をしましてそれがつき添う。それから宮内二尉という看護婦がつき・添っておるということになっております。
○伊藤顕道君 ここに死亡診断書の実物の写真の写しがございますが、これを見ても、当然入っていなければならない、死亡診断書に解剖所見等の記載がないということは、非常に大きないわゆる間違いだと思いますが、この点についてはどういうふうにお調べになっておりますか、また、どういうふうにお考えになっておりますか。
○説明員(山本幸雄君) 解剖は、北海道医科大学の恩村医師の手によって解剖をされまして、急性黄色性肝萎縮症による心臓麻痺、こういうようなことに相なったわけでございますが、死亡診断書にはそういうこまかいことは書いておりませんけれども、別に剖見記録というのがございますが、解剖検査といいますか、剖見記録というのがございまして、これには相当詳しく書いたものがございます。これは、遺族のお手元には届いていなかったかと考えます。
○伊藤顕道君 この診断書によって、直接の死因は心臓麻痺になっておるわけですが、結局、肝萎縮症で亡くなっておる、そういう判断です。そこで肝臓病、特に肝萎縮症については死亡率が非常に高いものであって、だから不可抗力で、これは公務死ではない、そういうふうな断定がなされておると思います。また、これは本人は事務系統であったわけですね。事務系統だから、過労になるようなことはない、そういうようなことも伺っておるわけです。そういうばかなことはないと思います。たとえ実務であろうと、事務系統であろうと、過労ということは十分考えられることですが、しかも、先ほども繰り返し申し上げたように、直接の所属長である中隊長からも意見具申があるにもかかわらず、そういう点はすべて却下されて、まさにこれは、この通りにいたしますと、まことに人権問題にかかわる重大な問題だと思うわけです。そこで、防衛庁としては、公務とか公務中というような解釈はどのようになさっているか、そういうことから伺わないと、解釈しにくいと思います。その点を明確にしていただきたい。
○説明員(山本幸雄君) 事務であったから公務災害にならない、そういう一律的なことではございませんけれども、先般五月三十日のときにも申し上げましたごとく、公務災害に認定をいたしますには、公務との因果関係というものがなければならない。この場合において、普通の机上の勤務をやっておって、公務によって非常な過労をしたためにこの病気が起きた、そういう認定をすることはむずかしい、そういうことからして、これは公務上の災害の認定はできないのである、こういうことを申し上げたつもりであったわけでありまして、机の上の仕事についております場合でも、非常な勤務過労が続いて、そのあげくに病に倒れたという場合もありまして、そういう場合に公務の認定をした場合は、公務員の公務認定の例としては相当あるわけでございます。 公務上の災害の認定基準というものが、防衛庁には詳しいものが実はあるわけでございまして、これは人事院で一般公務員に対する公務災害認定基準というものを作っているわけです。それを内容的には全くそのまま防衛庁としては取りまして、公務上の災害の認定基準といたしておるわけであります。 これは自衛官と申しましても、やはり国家公務員であるには間違いないのでありまして、そういう公務員としての本質からいたしまして、さような公務災害認定の一般的公務員の例というものを原則的には取る、こういうことでございます。ただ、自衛官としての若干の勤務上の特殊性がないわけでもないのでありまして、さような点につきましては、それぞれの勤務の状況に応じてこれらを適当に解釈して適切なる公務災害の認定をしていく、適正なる公務災害の認定をする、こういうことにいたしております。
○伊藤顕道君 なお、いわゆる病院長が遺族に語った話によりますと、島松部隊からの入隊者には肝臓病が非常に多い、そういうことを遺族に語っておるということであったわけです。それでは、それほど特別に多いならば、その原因については十分究明がなされなければならない。その究明はすでになされているのか、そのままなのか。その点はどうなのですか。
○説明員(山本幸雄君) 防衛庁内における職場で、非常に特殊の病気が出る、これは一種の職業病的なものであるというような場合には、相当われわれとしても厳重に調査をしなければならない。そういう場合には、おおむね現地、あるいはこちらからも参りまして、いろいろ調査をするわけでございます。現に先般も、北海道でやや白血球の減るというものが多いというようなことがございまして、これなども相当徹底的な調査をし、中央の病院でも十数名を入院させて、今その試験をしれておるというような状況であります。従って、もし補給処において肝臓病が多い、それが補給処における業務に非常に関連がある、言いかえまするならば、職業病であるということであるならば、これは決して今日までほうっておかれる性質のものでなかったであろう。たまたま、その人の個人的な御感想か何かであったのかもしれませんが、もし、そういうようなことがございますれば、われわれとしましても徹底的にそういう原因究明をしてみたいと考えております。なお、その点につきましては十分検討させていただきたいと思います。
○伊藤顕道君 それと、これは非常に大事な問題だと思うのでありますが、公務災害の認定については相当困難だと、そういう報告があったわけですね。この困難だという意味は、いまだ結論は出ていないのか、またはすでに出ているので、再検討——これをくつがえすことは非常にむずかしいと、そういう意味なのか。これは本問題解決上非常に重大な問題だと思うのです。そこで、本件については特に長官の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) ただいま人事局長からも申し上げましたように、いろいろ検討いたしましたが、公務災害としての認定は現在のところは困難なようでございます。
○伊藤顕道君 そうしますと、まだ最終的な決定ではないが、見通しとしては困難だ。最終決定なのか、それとも最終決定ではなくして、見通しとしては大体困難だ。だいぶ意味が違うと弔う。ただ、現在まだ決定していないけれども、見通しとして困難だ。もう決定してしまって、これをくつがえすととは困難なのか、意味がだいぶ違ってくる。そこのところをはっきりしていただきたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) 伊藤さんからお話のあったことを前長官からも引き継ぎまして、いろいろ検討したのでございますが、公務災害に認定することはできないということでございます。
○藤田進君 ちょっと関連して。下からの公務死の申請というものがなかったということについては、どうもそこらがはっきり、伊藤さんの質問に対する答弁を通じても、はっきりしないのですが、今のように、幕僚長がその認定権を持っていながら、父兄なり関係者がそれを申請すれば道が開かれているということを言いながら、一方ではそういう申請をしたところで公務死の認定にはならないからむだなんですよ、こう言っている。どうも部隊に対する扱いが親切を欠いているように思う。ことに人命を軽視しているように思う。 そこで、まず第一の点は、下からの、部隊長その他が公務死として扱ってもらいたいという上申をしてきたのかこないのか。この間はないというようなことを言われたように思う。来たのか来ないのか、これが第一点と。もう一点、第二点は、幕僚長あてに申請をまだしていないと、こういうことのように聞えるが、今から申請をすれば、その審査をなさるのかどうか。もう受けつける余地はないというような御発言のように今も伺うが、この死因については幾多の疑問があるわけです。お答えをいただきたいと思います。
○説明員(山本幸雄君) 私、思いまするに、要するに、部下が死んだということは、中隊長としてはこれは大へんなことであります。従ってできまするならば公務災害にしてやりたいというのが、これは私は人情だろうと思います。ですから、中隊長といたしましては、一応公務災害の認定が何とかできないかということを考えるのは、これは当然のことだと思います。しかし、全般的な観点から見ますれば、死亡した者はすべて公務災害であるという認定は、これはできない。全国的な均衡において、この問題は慎重に適正に処理をされなければならないということを、事務当局としては考えているわけでございます。 従いまして、この問題に関しましても、一応やはり公務死の災害認定に何とかいけないかという検討はした、現地としては十分にやったことであろうと思います。しかし、大体この担当の係官の全国的なレベルにおける公務災害の認定の基準というものは、抽象的には一つの基準がございますけれども、具体的なケースに当てはめてみまして、ほぼ客観的標準というものができておる。その客観的標準におおむね照らしてみて、これはやはりだめだという結論がおそらく出たので、これを陸幕長に対して報告してきたものであろうと、かように考えるのでございます。 それから、この死因の問題は、実はこの病気は、私も医学的な専門知識を持ちませんので、十二分にお答えをすることはできないのでありますけれども、いろいろ私も医者の関係者に聞いてみたのでありますけれども、この急性黄色性肝萎縮症という病気は、これは非常にそういう認定はむずかしい病気だと。大へんそういう診断をするのはむずかしい病気であると。そうして遺憾ながら、この病気については死亡率は比較的高いと。そういう大へん、まあ言うなれば、厄介な病気であったのでありまして、そういう観点からしまして早く急性黄色肝萎縮症という病気であるという認定ができなかったのかということにつきましては、これは残念でありますけれども、しかし、諸般の状況から見まして、この診断を早くしなかったということにつきましてあまり強く責めることはできないように考えたのでございます。
○藤田進君 私の聞いている点に答えがないのですが、中隊長等は公務死として扱ってもらいたいという手続を上申をしたのかしないのかということを、まず一点聞いておる。
○説明員(山本幸雄君) それはしておりません。先ほど御報告をいたしました通りであります。
○藤田進君 そうだとすれば、当時の加藤陽三局長——そのうしろにおられる。あなたが、文書を出しておられる。長い文書が出ているが、「島松駐とん地司令は、中隊長の行なった公務死認定上申をよく検討いたした結果本件は公務死として取扱い難いものと判断いたし」云々、途中まで出てきて、途中でとまっているのです。これが出ていないというのは、どういう意味なんですか。出ていないとすれば、親あてに公文書が出ているのに、うそを書いたことになるじゃないですか。どうなんですか。ここに原文がありますよ。
○説明員(山本幸雄君) 私の申しますのは、要するに、正式の文書で公務災害を認定してくれという書類を中隊長からは出ていない。ですから、私がただいま申しましたような、中隊長としてさような公務認定をしてやりたいという心情は十分にあったものであろう。そういう意味では、公務認定にならないかなという見当は中隊長もおそらくしておったであろうし、そういう意見はあるいは言うたものかと考えております。
○藤田進君 それじゃ、あなたの方の庶務の処理の細則か何かあれば、示してもらいたいと思うし、どういう上申書がこの補給処長まで来たのか、あなたの方から書類を出してみてもらいたい。正式に当時の加藤人事局長が保証しているのは、中隊長の行なった公務死認定上申という、ちゃんと名称をつけて処理してある。それがたとえどういう様式であろうと、また人情論であろうと、部隊の中の処理としては、上司が直接の部隊長である中隊長だから、まあその心理において、情において、公務死にしてやりたいと。それは当然だと。だけれども、おれはそんなことは、そういう人情論にはかかわられないのだと頭からきめつけて、直接の長の上申というものが葬り去られたのじゃ、他のこの事件以外の将来起り得ることについて困ると思う。部隊長、直接の長であればこそ、やっぱりそれぞれの長は慎重に扱われるべきじゃな、いですか。今の御答弁を聞くと、もう直接の中隊長だから、当然そうでなくても言ってくるのだというふうに、もうきめつけてものを考えるということに誤まりがないか。先ほどのお答えでは、それは正式なものではないように言われるけれども、明らかに部隊長−中隊長の上申書として扱われているのです。
○説明員(山本幸雄君) 上申書として中隊長から正式には出てこなかったと承知しております。もちろん、ただいま申し上げましたように、中隊長としては、何とか公務上の災害の認定をしてやりたかったという気持はおそらく持っていたであろう。それを称して上申という言葉を使われたものではなかろうかと、推定をしている次第であります。
○藤田進君 幸い当時の局長、加藤政府委員も見えているわけで、あなたの出された昭和三十二年八月十五日付の「柳数馬様、加藤陽三」として書かれている「拝復、八月十日付御書面拝見いたしました」以下の中ほどにあるそこに手元になければ、お見せしてもいいのですが、あなたが回答された中に、「島松駐屯地司令は、中隊長の行なった公務死認定上申をよく検討いたしました結果本件は」云々となって回答されているのに、今日の人事局長は、そんな事実はないというような、そういうことではどうも納得がいかない。当時の局長に真相を一つここで答弁していただきたい。
○政府委員(加藤陽三君) この件につきましては私も記憶がございますが、当時中隊長から公務死認定上申があったということは、私は直接にそれを見たわけではございませんけれども、係の者から聞いた記憶がございます。係の者の話によりまして、こういう文書にしたのでございます。それが公務死認定書であったかどうかということは、はっきり記憶をいたしておりません。
○藤田進君 それはやはり、どうも重大な問題じゃないですか。あなたは、いやしくも、この死んだ人の父親に対して出されている文書にちゃんと……。それじゃ、まるっきり三百代言じゃないですか。「中隊長の行なった公務死認定上申をよく検討いたしました結果」というように書いてあるのに、おれは見たこともないし、そんなものは出ているかいないか知らないがというふうに、これを受け取った人は取るでしょう。今の局長のお話によると、そんな書類はないし、上申はないと言っているのですよ。あなたはありもしないものを慎重に検討したというのは、偽ってこの柳の親に出したことになりますよ。
○政府委員(加藤陽三君) これは今申し上げました通り、私は係の者から、中隊長から公務死認定上申をしたということは確かに聞いております。ただ、それがどういう形式であったということは、当時は私は確めておりませんでした。しかし、上申があったということは事実であったように、今でも思っております。
○藤田進君 そうすると、あなたは部下を信頼できないという結論になるのか。あくまでも上申はあったと聞いているし、その前後の状況、事情から、また信頼する部下の発言等から、これは事実であるかないか調べてみればわかるはずですが、今日でも事実上申していると……。だから、慎重に検討した結果ということを書いたのであって、事実その上申はあったとあなたは現在でも信じているのですか。
○政府委員(加藤陽三君) お説の通りでございます。私は当時、係の者からその通りのことを聞きまして、今でもそれを信用しておるのです。
○藤田進君 そうすれば、今の局長の答弁との関係はどうなりますか。われわれはどっちを信じたらいいのですか。
○説明員(山本幸雄君) 今のお話の上申ということが、一体書類で形式的な要件を備えて出されたものであったのか、あるいはいろいろ口頭でそういうふうにしてやってもらいたいという希望が出たのか、つまりそういう希望の申出があったのか、その辺のところが問題ではなかろうか…−。われわれの聞いておりますところでは、さような正式の書類で中隊長から出て参ったということは聞いておらないのでございます。しかし、先ほど来申しまするように、中隊長といたしましては、何とか、自分の部下でもあるし、できれば公務災害にしてやってもらえないかという希望の上申はあったものと考えております。
○藤田進君 それじゃ、中隊長からだれに、どういう言葉で言っているか、その経路をずっと資料で出して下さい。ものらしいというようなことでは−…・。当時の局長は部下を信じ、かつ状況から判断して、今日も上申があったと言う。それが口頭だから採用しなかったということにあなたは言うし、一方の文書では、慎重にそれを検討したと言うし、こんなことじゃ、どうですか、大臣、あなたはそれを聞かれてどう思いますか。
○国務大臣(左藤義詮君) その間の経路が、ただいま伺っておりますると、まだ明確でないようでございますので、もう一度十分調査をいたしまして前任の局長、現局長によく伺って、御納得のいきまするように調査をいたしました上で、お答えをいたしたいと思います。
○藤田進君 第二点についてですが、この場合、柳数馬——父親から幕僚長あてに公務死認定の申請をすれば、これが何分の詮議になって結論が出るのですか、どうなんですか。扱い上どういうことなんです。
○説明員(山本幸雄君) 正式には、公務災害の認定は、島松の駐屯地司令から陸幕長に内申がなければ、それはできない。しかし、さような御遺族の方からの非常な御希望があるという点について陸幕長に申出があれば、さような点についてもう一度十分に検討するという機会がある、そういう意味でやったものかと思います。
○藤田進君 しかし、そうだとすれば、ここに昭和三十二年十一月六日防衛庁陸上幕僚長杉山茂から中川俊思、これは自由民主党の代議士です——にあてた書簡の追申として、「なお事務的には御遺族より公務災害補償申請を当方(島松駐屯地司令経由)あて御提出に相なる方法がございますが、かかる場合においても、当方といたしましては、以上申し述べました理由により、まことに残念ながら公務上の災害といたすことはできませんので、御了承下さるよう併せて御通知申し上げます」、つまり方法はあってもだめなんだというように、上申も何もしないうちにこれをぶっつけておるのです。ただいま、方法はあるけれども公務死にすることはだめなんですと言うが、そういう態度についても問題はあるわけで、今聞くように、ちぐはぐだし、私も十九歳の子供をおととし亡くしましたが、一診断書では同じ病名です。そういう病気はやはりかなり前兆があるのですよ。もう一年、半年前からあるのです、これは例外なしに。こんなように四、五日ですか、これは四日でしょう。とにかく厄介な病気で、手術のしようもないというので、まま急性肝萎縮症とか何とかいう名をつけがちのように思うのです、私の経験からして。しかも、解剖してみてよくわからないなどということは、これは医学の、肝臓に関する限りむずかしいとはいいながら、両親にとってはこれは疑うのは当然だと思うのです。かわいいわが子を、国を思って出していて、それが北海道に勤めている、そうして十四日から頭が痛いというのに、十五日に病気になったと言っているし、そうして解剖の所見はついていないし、肝萎縮症でそんな元気な者がふっと死んでしまうということは、これは医学的にもわれわれもお医者さんにこの問題を提供して、調査してもらっているのですが、非常に不思議がっているのですよ。そういうときに、もう書類を出したってだめだというようなことで、一体いいのですか。防衛関係に勇躍志望して出ない原因はたくさんあるけれども、やはりこういうことも理由じゃないですか。これではまるっきりお粗末じゃないですか。しかも、今、問い詰めてみると、お出しになれば検討するでしょうなどというようなことでは、どっちがほんとうかわからない。どうなんですか、これは。
○国務大臣(左藤義詮君) 中隊長の内申の形式等につきましても、まだはっきりいたしません点がございましたので、十分調査いたします。 それからまた、伊藤委員、藤田委員、切々たる親心をお察しになっての御発言、非常に私ども胸に響きますので、いろいろ内規、通達等のこともございますし、他とのバランス等ももちろん考えなくてはいけませんが、もう一度私の責任において、実情をよく調査いたしまして、その上でお答えいたしたいと思います。
○伊藤顕道君 今の、長官から所信の表明があったわけです。お聞きのように、非常にあちこち食い違いが多いわけです。しかも、長官は就任早々であるので、十分事情には通じていないと思うのです。そこで、先ほどもこれは困難だということで、またこちらから意見を聞いて、だめだと断定する、そういうふうに非常に遺憾の点が多いわけで、まだ質問の点は大量にあるわけですけれども、時間の関係できょうは打ち切りますけれども、十分この点についてはまた白紙に戻して、十分検討していただいて前津島長官も至急にこれは調査するということを言明して、あなたに引き継がれたと思うのです。ところが、事実引き継がれておるかどうかということも、疑わざるを得ないのです。そういうことは追及しませんが、一つ、要は人権にかかわる非常に重大な問題であるので、徹底的に調査をし直して、それでこの人権擁護という立場からも正しい結果が出るように、最大限度の努力をしていただきたいと思います。最後にお願いをして、きょうの質問は終ります。
○国務大臣(左藤義詮君) 承知いたしました。
○千葉信君 先刻来しばしば問題になりました文教委員会との連合審査の件について、自由民主党の方の連合審査をすることについて反対だというその理由の説明を求めるために、約束の時間が二十分過ぎておりまするし、待っておりましたが、その自由民主党の委員の方の出席の関係はどうなりますか。
○委員長(永岡光治君) お答えいたします。ただいままで出席を催促をしてもらったわけでありますが、会館にもいない、院内にもいないということで、自宅の点もあるわけでありますが、そこまでは委員部としても手をつけかねたわけで、一人だけ佐藤清一郎君が会館におって、催促をしたけれども、いまだに出席をしていない、こういう状況でありまして、結論から申し上げますならば、努力をしたけれども、結局、会館にも本院にもいない、一人はいてもそれは出てこない、こういう結果だということでございます。大へん残念でございますが、そういう結果です。
○千葉信君 そこで、それでは文教委員会との連合審査会をどうするかという問題は、これは今問題になったのじゃなくて、きょうの委員会開会の冒頭における委員長の理事会の報告から、この論議が出ておるわけでございまして、さらにまた、連合審査会に反対であるということの理由について説明を求めましたときにも、ただいま増原委員もおいでですが、その他の委員諸君も多数おられたわけでございます。しかも、そのときには、どなたからもその理由について何にも御説明がなかった。そこで、私ども慎重を期して、問題をお互いに納得づくで相談し協議したいという考えから、さらに時間を延ばして、そしてその御出席を、説明できる方の御出席を待ったのですが、とうとう今もって御出席がないわけです。従いまして、私ども、その与党の主張している連合審査会に反対ということの理由が明らかにならないことは、非常に遺憾でございますが、 私どもの連合審査会を主張している理由としては、ただいま文教委員会で審議中のいわゆる管理職手当に関する法律案なるものは、明らかに国家公務員制度に準じ、公務員の給与に関する体系に準じ、具体的には給与法第十条の二に該当する管理職手当の設定であるということを政府は主張して、国会にこれを提案して参っておりますが、しかし、私どもの承知している限りでは、給与法十条の二は、これは絶対に手当ではない。明らかにその法文も、条文もはっきり明示しているように、これは俸給だ。俸給の調整額であって、調整されたその額も俸給だ。これが給与法の厳然たる建前です。従って、十条の一におけるいわゆる俸給の調整額に対しても、恩給、共済その他の諸手当の算定の場合の基準なり、さらに十条の二はこれまた俸給であるという建前から、俸給の調整額というのは俸給であるという建前で、条文がはっきり国会における審議でも明示しております。従って、そういう建前をとっている給与法の条件からいいましても、さらにその問題を所管している内閣委員会の立場からいいましても、そういう俸給そのものであるものを、これは管理職手当である、あるいは超過勤務手当の振りかえであるから、これはあくまでも手当であるという見解だけに終始して、新しくその管理職手当なるものを創設しようとしているこの法律案そのものについては、少くとも法の体系を乱すものであるし、かつそういう公務員制度を混乱に導くような制度化については、内閣委員会としては十分責任を持たなければならぬ。そういう主張から、私どもは、地方行政委員会との連合云々は別として、内閣委員会は内閣委員会のその所管に関する問題からいいますと、これは当然内閣委員会として責任を持ってこの問題の審議をしなければならぬ立場であるという点から、私ども日本社会党としてはあくまでもこれは連合審査をなすべきものであるという見解であり、残念ながら、きょう相当慎重に私ども自由民主党さんの方の御意見なり御説明を聞こうとしたのですが、結論としては反対ということは承わりましたけれども、しかし、それ以上はとうてい今日これを明らかにすることができない。 いずれにしても、この主張は平行線のようでございます。しかも、私どもはきょうの委員会におきましても、かなり出席数が悪い条件のもとで、これは与野党一致してこの委員会の審議は続行すべしという立場で、ただいまの四時四十分を過ぎる時間まで、委員会の審議を続行してきたわけですから、従って、その過程の中で、今申し上げたように、できるだけこの問題の性質を、連合審査をすることの是か非かという問題についての説明を、両者が行いもしくはお互いに協議をするということを、非常に熱望するあまり、今日まで慎重な態度をとってきたのですから、まことに遺憾な次第ですけれども、これ以上本問題を待つということは、特にその時間の問題が問題になり、時期の問題が問題になってきて、時期が切迫すればするほど、連合審査をすることについての条件が非常に好ましくない状態になる情勢でありますし、これ以上待つことは困難でありますから、ここらで一つ、忍びがたい方法だと存じますけれども、私はここでこれ以上、この問題の性質をどうこうするということは不可能な状態ですから、ここらで一つ結論をお出し願いたい。委員長において、連合審査会を内閣委員会としては文教委員会に申し込むかどうかということについての結論を、ここでぜひお出し願いたいと思います。
○増原恵吉君 ただいま千葉委員からのお話、ごもっともな点がたくさんあると思います。自由民主党の方で、理事、他の委員の諸君が出席をいたしておりませんことは遺憾に存じます。が、しかし、これはためにするところがあって審議を阻害しようなどということでないことは、私十分確信をもって推察をいたすのでございます。 千葉委員より御要望のありました点は、私も党へ帰って一応その話をしてみたのでありますが、ありていに申しまするならば、文教委員会における審議の日程について、自由民主党は社会党そのほかと話し合いを一生命懸やっておるという段階でありまして、一応、松岡理事がさきの委員長理事打合せで申し上げましたように、自由民主党としては合同審査には賛成をいたしがたい、反対であるという意見を申し上げたわけでありますが、その意見が今もって変らないのでありまするが、それについていろいろ再考を求めるとか、理由を法条的に説明するとかいうことの今できない実情にあるわけでございます。その点は私も遺憾に存じまするが、事情は十分御了承を願いたいと思うのであります。 この際、ここで、話としては平行線であるから結論を出せというただいまの千葉委員の御発言には、私は賛成をいたしかねます。こうした、だんだん審議の経過なり今の実情なりからいたしまして、ここで結論を出すということは、これは事情として私は適当でないように考えますので、その点、自由民主党の理事、委員が出席をいたしません点は大へん遺憾に存じますけれども、この点はやはり通常の例に帰っていただきまして、委員長理事打合会なり、あるいは議運、国会対策などの話し合いというふうなところへ持ち込んでいただきたい。これを強く要望いたします。
○千葉信君 増原委員の言われること、よくわかるんです。できれば、もっと正常な状態でこの問題についての結論を出したらいいだろうと……。何しろ委員会がこういうふうに非常に出席の悪い状態ですから、特に自民党の委員のごときは、増原委員を一人残して、あとの諸君は全部出席した人も退席しているという格好です。ですから、こういう席でもののけじめをつけてしまおうとすることは少し無理がありますけれども、しかし、一方からいいますと、他の諸君はこういう問題がこの委員会に上程されていることを知らないのじゃなくて、知っている。知っていて、なおかつ退席している。しかも、退席しているばかりじゃなくて、そのために委員会の構成すら危ぶまれるような状態の中で、委員会は今まで午後一時半から審議を続行してきた。この状態は、これは委員個人も当然であるけれども、党としても私は重大な責任だと思うんです。こういう状態をそのまま是認して、これではいかぬから、もっと正常な格好に戻ったときに問題を審議しようなぞということでやっていたら、私は問題の審議は進まぬと思います。法律案の審議も同様です。ですから、ここは、私は大へん忍びがたきを忍んで、本日欠席していた委員諸君に猛省を促すためにも、この際ここで、忍びがたいところであるけれども、はっきりここで案件の結論を出してもらいたい。つまり、採決をしてもらいたい。それによって起る事態については、私はやはり、今後における委員会の運営等にもかえってプラスになりこそすれ、マイナスにはならぬと思う。そういう角度から、一つこの際、委員長、すみやかに採決をやつてもらいたい。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○増原恵吉君 千葉委員の、非常に平素御周密な御議論をされる御意見からいうと、本日の御意見は少し違ったように私は受け取ったのでございます。私も理事でありませんので、委員長理事打合会には出席しておりませんが、委員長の御報告を承わりましても、打合会では、それぞれ意見が大体三者三様という形で、もう一度各派に持ち帰って話をする、こういうことであったと承知しておるのであります。そこで、話がさらにきまらなければ、採決しようというふうなことではなかったように承わっております。今までの委員会の運営の慣例、実際からいいましても、私はそういうやり方は大へん穏当ではないんではないかというふうに考えるのであります。自由民主党でも新参者の私が一人おるところで決をとるということは、大へん社会党としておとなげないやり方であると。ちょうど緑風会から竹下先生がお見えになりましたので、その御意見も私は拝聴したいと思いますが、これは何としても、やはり従来からの例にもよるところでありまして、ここでたって社会党の方で決をおとりになっても、これは決してあと円満な議事の進行にはなるわけではないのであります。そこのところは、まあ状態の推移に沿って、委員長理事打合会によって運んでいただくということにぜひしていただくよう、強く要望いたします。
○委員長(永岡光治君) 今の経過を申し上げますと、今日ただいままで、自民党の諸君の出席を促しましたが、本院にもいない、会館にもいない。一人佐藤清一郎君がおったそうでありますが、これも出席していないまま、ただいまの時刻になったのでありますが、先ほど社会党さんの方から強い要望があり、隠忍自重、これ久しきにわたった。そうしたまま、できるだけ協議をして円満に進もうとしたのに、なかなか出席をしないということは、与党の立場としてもけしからぬじゃないかということで、この際は非常に忍びがたいけれども、猛省を促すためには採決をやるべきが至当じゃないか。もしそのことによって困難を起したとしても、反省を求めるために大きに役立つだろうという意見を述べて、増原委員から、今あなたもお聞きの通り、発言があったのでありますが、特に発言があれば承わりたいと思うのであります。
○竹下豐次君 私ども緑風会の態度は、先ほど申し上げました通りでありまして、今から相談に持ち帰りましても、もうちょっと緑風会の態度は変らないだろうと思っております。 採決を、きょうすぐやろうというんですか。
○藤田進君 その点、私も意見を持っている。八人おるから、あと二名足りない。いつも差しかえるのはあなた方の得意なんですから、二名待ちますか。そうして成立さして採決すべきだと思いますが、二名ほど呼ばれたらどうです。
○矢嶋三義君 ちょっと速記とめて下さい。
○委員長(永岡光治君) それでは、速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を起して下さい。
○千葉信君 矢嶋君の言われることは、一つの考え方としては受け取れるのです。しかし、先ほどの委員長の報告からいっても、それから今の竹下委員の言われた緑風会の態度から考えても、社会党の強い主張からいっても、そこへもってきて、さらに自由民主党の、いろいろその根拠については、理由等については、明らかになりませんでしたけれども、何が何でも連合審査には反対だという態度だけはきめているということですから、私は、委員長が、かりにもっと慎重に各会派に帰って相談をされることを要請されても、私は、そのおのおのの持ってくる結論は同じだと。 しかも、私ども、今非公式に矢嶋君の言われたことに賛成できないのは、この問題に関する限り、時間がたてばたつほど、連合審査の可能性はなくなります。日にちがたてばたつほど、連合審査の可能性は薄くなります。そういう条件にあるから、実はどうしても、どうせもう出てくる結論、各会派が持ってくる結論がわかっていることですから、これ以上待って、ますます連合審査ができないような状態に追い込むことは、私は反省すべきだと思う。ですから、ここらで、いいならいい、悪いなら悪いという結論を、それぞれお互いに責任をもって出すべきだ。 その際に、この出席数で採決をすることが少し不穏当なことは、私も万々承知していますが、何といいましても、個人々々の自覚の問題が私は大きな問題だと思う。責任の問題もある。きょうこういう問題が委員会にかかるということを知っていて、しかも退席をされる。で、委員会はこういうふうに非常に出席が悪いということは、これはこの問題ばかりじゃなく、今後のいろいろな法案の審議の関係もあり、お互いにわれわれ委員同士が、自分で自粛自戒しなければならぬ点だと思う。ですから、そういう意味で、私は、さっきも申し上げたように、少しこの情勢のもとでは手荒な方法だけれども、むしろそういう方法をとることが、無責任な態度をとっておられた委員諸君に対する猛省を促すよすがになると思う。ですから、私はそういう意味からも・この際ぜひやってもらいたい第一の理由は、時間がたてばたつほど、連合審査の可能性はなくなるという懸念があります。従って、ここらで委員長もはっきりした態度をとって、採決するようにして運んでもらいたい。
○増原恵吉君 この繰り返してのお話、私もわかるところもございます。しかし、自由民主党の方で出席が非常に悪いという点は、先ほどから申し上げているように、非常に遺憾だ。私、自由民主党委員の一人としての立場から、各委員に十分反省をしてもらうつもりですが、しかし、こうした問題を委員長理事打合会で協議をして、一応話がまとまらないという形で、各党へ持ち帰ってもう一ぺん考えてこようというような問題に運んだ際に、あとでそのまま決をとるというようなことは、私は委員会として通常行うやり方ではない。非常にその点、私ははなはだ未熟ですが、考えます。やはりこれは、今、千葉委員は、だんだんこれは時間がおくれるのだと言われましたが、きょうはもうこれで、大体通常の審議はいろいろな形が終るので、あしたの問題として取り上げることは、そう時間的に大なる相違はありません。おっしゃる通り、あした協議をしましても、結局予測されるところは同じになるかもしれませんけれども、その際ははっきり決をとるという初めから宣言のもとに、委員会を開くということになるわけであります。そうすることが、私は、こうした事情、事柄の審議の通常のやり方ではないかと思いますので、あくまでも本日この状態で決をとられることのないように、強く要望をいたしておきます。
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を起して下さい。 他に御発言もなければ、時間も相当経過いたしておりますので、残余の案件は次回七月二日の委員会に譲ることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十二分散会