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29回国会参議院1958/09/25

大蔵委員会 閉会後第3号

発言数
122
登壇者
14
会派数
3
開催日
1958/09/25

会議録

前田久吉緑風会

○委員長(前田久吉君) ただいまより委員会を開きます。  まず、委員の変更について報告いたします。  本日、中田吉雄君が辞任され、その補欠として小笠原二三男君が委員に選任されました。     —————————————

前田久吉緑風会

○委員長(前田久吉君) 次に、理事の補欠互選についてお諮りいたします。  理事、平林剛君が閉会中一時委員を辞任されておりますので、その補欠を互選いたしたいと思いますが、前例により、成規の手続を省略し、委員長の指名に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田久吉緑風会

○委員長(前田久吉君) 異議ないものと認め、委員長より平林君を理事に指名いたします。     —————————————

前田久吉緑風会

○委員長(前田久吉君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題といたします。  初めに、派遣委員の報告についてお諮りいたします。  当委員会におきましては、先般北海道、東北及び関西の各地に委員を派遣して、租税行政、金融事情及び専売事業等について、それぞれ調査を行なったのでありますが、この報告は、理事会の申し合せにより、特に問題とすべき事項につきましては、関係法案審議の際御質疑を願うこととし、別途文書による報告を会議録に掲載することになりましたので、さよう決定することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田久吉緑風会

○委員長(前田久吉君) 御異議ないものと認め、さよう決しました。     —————————————

前田久吉緑風会

○委員長(前田久吉君) 次に、本日は佐藤大蔵大臣の御出席を願っておりまするので、主として経済見通しと今後の政策について御質疑をお願いいたします。なお、大臣は午前中当委員会に在席する予定になっておりまするので、あらかじめ御承知のほどお願いいたします。  では、順次、御発言を願います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 臨時国会も間近に迫っておりますので、国会開会になりましたならば、政府の財政金融政策については、それぞれお尋ねをすることが多かろうと思いますが、きょうは、臨時国会前にぜひ承知をいたしておきたいよらな点二、三につきまして、お尋ねをいたしたいと思っています。  まず第一に、十月に国際通貨基金の会議がニューデリーであるということを伺っておりますが、これは何日から、何日間ぐらい行われるのでございますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 十月六日から十一日まで行われます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 との国際通貨基金の会議には、大蔵大臣は御出席になる御予定でございますか、いかがですか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、出席するつもりで準備を進めております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 昨年は、たしか一萬田大蔵大臣がワシントンにおいでになりました。もっとも、そのときは国会の閉会中でありました。二十九日から国会が開かれまして、非常に重要な政策等を論議いたしまする焦点に、大蔵大臣はお立ちになっておると思います。従って、そういうときに国会に御出席にならないで、国際通貨基金へおいでになる、こういうことになりますと、国会の方の審議に重大な支障を来たしはしないかと私は考えますが、御見解はいかがでございますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) お説の通り、今月二十九日から臨時国会が開かれます。この国会の大事なことはよく承知いたしておりますし、また同時に、IMFの総会も実は欠かすことができないようにも考えておるのでありまして、この二つを一つのからだでまかなっていくというので、実は大へん心配もいたしております。従いまして、出かけるといたしますれば、できるだけ期間を短縮して、国会の審議に支障のないよう、こういう意味で、事前に党本部から社会党の方に御了承を求めるように、いろいろお話をいたしておることだと思います。同時に、党と党の問題は別といたしまして、皆様方に対しましても、私自身も大へん苦慮しておる問題でございます。何分の御了承、御支援を賜わりたいとお願いいたします。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 私、まだ確かな筋から伺っておるわけではありませんが、新聞の報道するところによりますと、今度の臨時国会においては、岸内閣は、首相の演説のみにとどめて、大蔵大臣の財政演説その他はいたさない、こういうことを御決定のようでございますが、そのこと、あるいはただいま佐藤大蔵大臣が国会に支障を与えない程度においてニューデリーへ出かけるとおっしゃっておること等を勘案いたしますと、われわれとしては今度の臨時国会に対する政府の腹がまえと申しますか、取り組み方と申しますか、そういうものが、現下の時局を認識される上において非常に軽いのではないか、こういう工合に推量せざるを得ないわけでありますが、重ねて一つ。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私のIMF総会への出席は、できるだけ期間を短縮するという意味で、まだ出発の日取りもはっきりはきめていないのであります。できますことなら、会議の前日に世銀のブラック総裁等の会合がありますので、それにも間に合うように行きたい、こういう一案も持っていたのでありますが、なかなか国会の審議、ことに開会劈頭のことでございますので、十分劈頭の審議には間に合わしたい、こういう意味で総会開会ぎりぎりに間に合うように出かけようかと実は考えております。  同時にまた、臨時国会において総理の演説は行われますが、大蔵大臣や外務大臣の演説等につきましては、この際は、外務大臣はこれは別なことでございますが、大蔵大臣としては、予算も上程をいたしませんし、そういう関係もありますので、先例によりまして、今回は総理の演説だけにしよう、こういうような政府の考え方でございます。別に、国会の審議について、これを軽視しているという考え方は毛頭ございませんし、ことに、当面しております国際経済情勢のもとにおきましては、IMFの総会に出かけることなどはこれまた大事なことではないか、かように考えておりますので、審議に支障を来たさないように、できるだけ行程を短縮して参る考え方でございます。財政演説をしないことにつきましては、これも先例等もありますので、その先例に大体準拠して、今回は財政演説をしない、こういう考え方でございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 われわれがちょっと理解しにくいのは、普通、今まで各年次に行われました臨時国会においては、あるいはそういうこともあったかもしれません。しかし、今度の臨博国会が、政府の基本方針によって補正予算を提出しない、そういうことであるがゆえに、既往の臨時国会と同じような態度で臨まれるということについては、国民としては了承し得ないものが私はあるのじゃないか、こう思います。  その理由をまず申し上げますと、第一に、岸内閣がことしの春、衆議院選挙後に成立いたしましてから、あの衆議院選挙に公約されたもろもろの政策の実行についてどういう具体的な方針でいくかということを明示せられたことがないわけであります。従って、今度の臨時国会において初めて、衆議院選挙後における国会として、堂々と通常国会にもまさる内容のある方針というものを、責任ある閣僚がそれぞれ明らかにされるということが必要ではないかと私は考えておるのが、第一点。  それから、第二点は、もう前に、特別国会のときでも、あなたからも総理からもお話を承わったように、今度の臨時国会は来年度の通常国会の前哨国会として一貫性を持たせて、そして通常国会が、明年の選挙等のこともありますから、スムーズに進むようにいたしたいと、こういうお腹であることも承わっておるわけであります。しかりとすれば、何としても今度の臨時国会には三十四年度の通常予算の大綱についても当然発表せられてしかるべきで、そしてそういうことを発表する場合には、大蔵大臣としての財政演説というものも当然なければならぬと私は思います。にもかかわらず、今のような説明でこの臨時国会にお臨みになるということは、今日の財政金融、経済界の実情からいたしまして、国民としてははなはだ理解し得ないものがありはしないか、こう考えますが、いかがでございますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 栗山君の御意見、そういう御意見もあろうかと思いますが、政府といたしましては、かねてから申し上げておりますように、今回の臨時国会に際しましては、通常国会の重荷を軽減するという気持、その含みは持っております。おりますが、どこまでも臨時国会は臨時国会として処理さるべきものと思いますから、その考え方で、ただいま申すような考え方をはっきりいたしておるのであります。同時にまた、選挙後の政策の取扱い方、実行等につきましては、総理の演説のうちに十分盛り込まれることだろうと思います。  通常国会に提案されると予想される来年度の予算の大綱等を示せと、こういうお話でございますが、私どももできるだけ努力はいたしたいと思いますが、御承知のように、まだ時期的にやや早いのでごさいますので、こういう意味から、財政、予算等の見通しもまだつきかねておりますので、まあそういう時期に通常予算の大綱をお話しすることは、なお時期尚早と、こういう感じもいたしておるのであります。私どもの考え方は、御理解をいただいておりますように、通常国会——十二月に開かれる通常国会、この国会の議案その他等を考えまして、まあ一部先行する議案を取り上げていただき、御審議を賜わりたいと、こういう考え方でおります。この意味では、今まで開かれました臨時国会の開会の理由と、そう大した相違はないのじゃないか。とにかく緊急を要する問題を処理すると、こういう考え方で臨時国会が開催されるのでございましょうが、そういう意味においては、これが同一の考え方でまず割り切れやしないかと、かように実は考えておるのであります。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 大蔵大臣個人としても、今のお考えですか。われわれは、少くともこの春の衆議院選挙における公約の中心をなしておるのは、財政金融の問題がそれであろうと私は思います。従って、特別国会のときにはわれわれはそこまで掘り下げて議論をしませんでしたが、少くとも、一つの例をとっていえば、七百億の減税という問題があれば、これは明年度からというととは一言も書いてなかった。従って、まだ六ヵ月近くもあるわけでありまするから、従って、補正予算を組んで七百億減税を直ちに実行すると、こういう強い要望を私は国民が持っておると思う。そういうことについて、なぜ本年度はそれができないのか、こういうこともやはり明らかにすべきであると思います。  それから、予算大綱にいたしましても、まだ時期でないとおっしゃいますが、昨年はもう九月には予算大綱は発表せられたのであります。正式であったか正式でなかったかは別といたしまして、一萬田蔵相からは発表になっております。従って、今度のように長い準備期間をもって衆議院議員の選挙が行われ、そうして非常にスムーズに自由党としては内閣を組織し、時間を十分取って、いろいろな政策の検討その他がなし得たはずであります。従って、そういう状態を国民の側から見れば、何としてもこの臨時国会においては堂堂たる、公約に忠実であるいろいろな施策について発表せられるであろうことを待っておるわけであります。従って、少くとも責任の衝にあられる大蔵大臣は、そういう努力を閣内においてもせらるべきだ、そうして、その努力が閣議においてものになるならないは別でありますが、少くとも大蔵大臣個人としてはそういう努力をせられてしかるべきではないかと。これは私が考えるのではなくて、国民はそういう気持を持っておると思います。それにこたえられるにしては、あまりにも今のお言葉というものは、慎重さと申しますか、熱心さと申しますか、それが少し欠けておるように思いますが、いかがですか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 公約事項の実施につきましては、ただいまあらゆる努力を払っております。税制懇談会等でも結論を急いでおりますが、その減税公約などは、国民の側からごらんになりましても、あれだけの大減税を断行するということについては、相当の準備と研究を要することは、これは容易にわかることでございますので、選挙直後、減税をなぜ実施しないかというおしかりもございますが、十分見当をつけて誤まりなきを期していく、これは多数の国民が理解してくれておるのではないかと思う。私どもは、どこまでも公約実現には最善の努力を払うつもりでおります。  また、昨年の九月に前内閣において予算編成の大綱というものを示した、こういうお話でございますが、最近の新聞等にもちょくちょく出ておりますが、予算編成の大綱というものについての考え方は、これはまとめなければならないものだと思います。こういうものが、時期的にいつきめて参りますか、ただいまこういう問題も研究しておるさなかでございます。御了承いただきたいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 臨時国会に臨まれる基本的な態度については、私はまだ了承しかねる点がありますが、とにかく大蔵大臣がそうおっしゃるのを、これ以上言葉を重ねても同じだと思いますから、他日に譲ります。譲りますが、私は、少くとも今私が述べた意見というものは、広く国民の要望であり、またこれに大蔵大臣としてはやはり積極的な努力をせられるべきである、こう私は考えることを重ねて申し上げておきます。  それから、第二に、ちょうど今、原主税局長も来られたのですが、最近、と申しましても、八月末ですが、八月末に一応締め切った統計が出ていると思いますが、八月末の締め切りで、本年度の税収入というものは昨年同期に比較いたしましてふえておりますか、減っておりますか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) ただいま余部を取り寄せ中でありますが、申し上げますと、八月末の税収は四千九十一億円、これは一般会計分の租税印紙収入でありますが、昨年の八月末には四千三百七十三億円、差引二百八十億円ばかり減っております。  ただいま減っておりますかというだけのお尋ねでありますが、ちょっと、ここに注釈を加えなければなりませんのは、八月三十一日は、御記憶の通り、日曜日でございまして、月末に納期の参ります税は、法人税を初めといたしまして、間接各税はほとんど全部月末納期になっております。租税総額の七割近いものがそれに当るということになっております。で、相当額が三十一日でなくて九月一日に回るのでございます。それを心に置いてお読みいただくと……、どのくらい回るかというのは、ちょっと正確なところはわからないが、二百億以上あるだろうというふうに考えております。それを御調整なさってごらんいただくということにお願いいたしたいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 それは、今は一般会計の税収の総合計でおっしゃったと思いますが、それで、法人税だけだとどうなっていますか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 法人税だけでありますと、この八月までの収入が約千三百四十億でございます。昨年八月末の収入が千六百十億であります。差し引きまして、二百七十億ばかり減になっております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 その法人税の二百七十億の減のおもなるものは、どういうことになっておりますか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 一つには、ただいま申しました月末日曜のために、翌月に回ったというのがございます。御参考に、八月中における収入額を本年で申しますと、二百六十三億、昨年が三百九十三億ということになって、ちょうど百三十億減っておりますが、このうち百億前後は、おそらく九月に回ったのではないかというような感じがいたしております。九月に回りましたもののほか、御案内の通り、経済の推移に応じまして、法人税収はかなりに弾力的に、悪いときはかなり悪い、いいときには非常にふえるというようなことがございます。その影響がここに出ておるというふうにお考えいただいたらよろしいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 そこで、簡単な質疑応答で結論づけるのはいかがかと思いますが、大ざっぱに言って、経済が不況であるがゆえに、法人税に相当大幅な減額を来たしておるという工合に私は見るわけですが、それでよろしゅうございますね。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) おっしゃる通りであります。その事情は、三十三年度の予算を組みます場合に、相当程度見当をつけて組み込んだつもりでありますが、その予算に見ましたよりか、ただいまのところ、より低い線をはっておるというふうな状況でございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 それで、こういう状態になった内容を分析する一番いい方法の一つとしては、私は、経済の成長率が目標と実際とどれくらい食い違ったかということではかるのが、一番簡単だと思いますが、経済の成長率が、予算編成のときとこの実績とで、どういう食い違いに大体なっておりますか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) いろいろな主張がございますが、先般閣議で決定いたしまして、発表になりました、「今後の経済の見通しと経済運営の態度」というものに載っておりまする数字の若干を申し上げますと、国民総生産におきましては、三十三年度の当初の見込みが、たしか三%の増であったと思いますが、これが〇・三%の増になっております。それから、対応しまして、分配国民所得も〇・三%の増というようなことに相なって参っております。個人消費支出は……。成長率でしたら、この程度でよろしゅうございますか。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 それで、実際これは予算を組まれるときは、今の内容でなくて、いわゆる経済の成長率といわれていたのは、私の記憶では、六・五%という数字があったと思いますが、そうでございますか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 六・五%と申しますのは、この五カ年計画の五カ年間を通じての平均の成長率を、年々六・五と見たということでございまして、三十三年度におきましては、それに先立ちます三十一年から二年、その辺にかけての伸びが、いわゆる神武景気と称されましたように、非常に大きかった。で、国際収支に矛盾が出たというようなところから、再び伸びるためには縮まんならぬということで、六・五というノーマルな比率はとれない。それで、がまんした数字を見たわけであります。それがただいま申し上げましたような三%という数字になったように記憶いたします。六・五はノーマルなもの、三十三年はいわば伸びんがために縮むというような年でございます。それで少い見積りを当初からいたして、実績はこの見込みよりもなお少いというような状況でございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 上期はそういうことですが、下期の見通しはどういう工合におとりになっておりますか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 下期におきまするいろいろな伸びは、大体、ものによりまするが、一番中心になります鉱工業生産の伸びというものは、上期に比べて七%程度伸びるだろうということを、この見通しでうたってございます。大体他の資料もこれにならいました。つまり、経済の成長率というような観点におきましては、その辺を御承知いただければ、御了解いただけると思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 それと同時に、今の税収関係ですね、それが予算に対して年度末どれくらいのところにいくつもりか、その見通しをちょっと出してもらいたい。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 結論的に申し上げますると、年度末幾らかという予想は、この程度のところで、ただいまはごかんべん願いたいと思います。大体予算ベースで収入が入ってきております、と。それが何分、一兆に余る大きさのものでありますから、百億、二百億というオッダーのふれがあることは、ごくあり得るわけなんです。で、おそらく結論においては、そうぴったり予算通り、差額がゼロに近いというようなことにもいきかねる。百億、二百億のふれはあるかもしれません。ただ、ただいまちょうど半年過ぎようとしている時期に、そのこまかいきめまで読み尽して言えと言われますと、ちょっとむずかしいと思います。その辺は今後、特にただいまお尋ねのありました法人税における収入はどうなるかというあたりが、一番動的な要素が多い。かつ、その法人税の中で、大法人のは割合に調べがある程度見当がつくんです。しかし、中小法人になりますと、なかなかまだ見当がつきかねる。今後実績の出るのをよく見て、それで結果的に判断するというような面が相当多くなりますので、ただいまのところは、冒頭申しましたように、予算ベースで大体入ってくるであろう、若干のふれはあるかもしれません、というふうに申し上げたいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 その、予算ベースで大体入ってくるであろうと、こうおっしゃるのですが、上期の実績で、今お尋ねすれば、経済の成長率が、低目に見たけれども、実績がさらに低かった。それによって法人税でも、はっきりおっしゃったように、実際に減収が出てるんだ、そういうことも実績でおっしゃったわけです。そうすれば、下期に取り返しができるということであれば、何で取り返すかといえば、この経済の成長率が上期は低かったんだけれども、下期にうんと上るという前提がなければならぬわけでありますがね。そういうふうにお考えになっておりますか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 私の申し上げ方が少し足りなかったかと思いますが、法人税のことをお尋ねでありましたので、その面について先ほど来、今までの減り方等を申し上げたわけでありますが、法人税のほか、所得税、それから酒税以外の間接各税というようなものの動向も相当大事なものであります。所得税におきましては、御案内の通り、中心をなします給与、これは景気が落ちましてもなかなか給与は落ちないどころか、やっぱりある程度賃上げといいますか、昇給するというようなことから、また雇用の増がどうかというような点から、いろいろきまって参りますが、所得税源泉分は割合によく入っております。予算に対して伸びがある。かつ、源泉の中で配当所得というようなものは、まだ何と申しますか、時間的なズレの関係もあろうと思います。前の期の配当が今入ってくるというようなズレがあると思います。予算に見たよりもだいぶ伸びがいいというようなことがあって、所得税は割合に予算よりもよろしいと。間接各税の方も、先ほど申し上げかけたのでありますが、国民の消費は割合に、何といいますか、現実に伸びておるのでございます。見込みに対してほとんど変らない。見込みはたしか五%であったと思いますが、それがちょっと減りますが、四・五かそこいらのパーセンテージで伸びておるというようなことで、その中で間接税のかかりましたものの消費というものは、かなりこれも順調に伸びております。その上、おそらく酒税を四月から下げたというようなのが影響があると思いますが、そういうような影響があるのかなと思われるほど、酒税あたり間接税では伸びております。法人税は予算よりも悪いけれども、所得税、間接諸税はよろしいというようなことから、先ほど申し上げましたような、総体としまして大体予算のベースでいっているように思われるということを申し上げたわけでございますから……。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 主税局長に実績が予算からはるかに離れて下回るであろうと、その予測を一つ聞かしてくれと言っても、これは無理な話ということは承知しておりまして、あなたが自分の職掌柄、なるべく予算に近づけるように税収をあげるということを非常に努力をせられるであろうし、お言葉もそういうことであろうと思いますが、僕が先ほどお尋ねしたのは、たとえば一千億の自然増収という言葉がありましたですね。その一千億の自然増収を五%何かで勘定した場合、上期で二百億なり二百五十億減る、下期で二百億なり二百五十億減るということになると、一千億の自然増収は半減するか、あるいは半減しないまでも四割くらいは減る、そういうことになりはしないかという疑念を持っているから、お尋ねしているのです。現実に法人税でもそうだし、配当所得にしましても、最近は大手の会社はもちろんだが、だいぶ不景気になってきたため、小刻みの無償交付をつけちゃ配当を落しているのは、現実に御承知の通りです。そういう点だから、必ずしもあなたがおっしゃる通りに楽観はできない。それで、結論から先に申しますと、今のような考え方を持っているのです。一千億の自然増収に対して四百億なり、あるいはもら少しよけい減りはせぬかということを考えているのですが、実際に実務をおやりになっていかがですか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 一千億の自然増収を見込みまして、ことしの予算ができておるわけです。その一千億の自然増収といいますのは、三十二年度の当初予算に対して一千億の、まあ正確にいえば一千五十一億ですね、自然増収があるだろうという見込みを立てたわけです。しかるに、三十二年度自体で、当初予算に対して決算までの間に一千三十億という増収が出ておりますから、結局、三十二年度の実績数字とことしの予算のもとになりました数字とはパラレルである。同じである。つまり、去年通りのレベルで入ってくるということに結論はなっておるわけであります。従いまして、先ほど来申し上げました、昨年の同期の実績数字に比べてことしはこういう入り方をしておるという数字が、今後毎月々々昨年同期と同額まで入っております累計でということになりますれば、それはとりもなおさず予算数字は確保できると。こまかくいいますと、減税の関係がありまして、昨年度の決算額は一兆五百億でありますが、ことしの予算額は一兆二百六十億ということで、昨年の決算額通り入りますれば、二百四十億だけいわば予算に対して増収が出るということになっておりますから、いわゆる今までいわれておりました本年度の千億の自然増収ということは、それで確保できるということになります。ただ、くれぐれも、それは経済の実勢上、去年の実績に対して千億ふえるというのではなくて、去年の当初予算に対して千億ふえるということがことしの千億増収の意味でありますので、実際においては実績、実績で比べると、全然横ばいの数字ということになるのであります。  なお、そういうお気持でお尋ねになったのではないと思いますが、冒頭におっしゃいました予算の見込みを達成するようにという努力をしておるであろうという何に対しましては、私どもも予算が達成されるということは望ましいと思いますが、それを税務行政に移して、予算に足らぬからこれこれというようなことはいたしたくないと思います。これはもう毎回、割当論議その他を通じて申し上げていることでありまして、御了承いただきたい。現在までのところでも、国税庁長官その他に対して、どうも心配だからということは、一回も申したことはございませんから、一つ御了承願います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 今の自然増収というものは、それだけとにかく予算に比較して実際の税収が上回るということでしょう。ですから、今度の経済基盤強化基金が振り当てられたのも、既応の年度において予算と実績との間に余ってきたもの、そういうものが積み重ねられてなっているわけでしょう。また、今年度でも、予算の通りに実際行政の執行が行われるということになりますと、税収は、その予算よりは支出——予算と支出がイコールだと考えた場合に、税収の方が多い、それで自然増収が出てくる、こういう工合にわれわれは理解しているのだけれども、そうではないのですか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 予算よりも税収が多いであろう、三十三年度において多いであろうということは、もちろん予算編成のときにそういうことは考える筋合いではございませんし、その後におきましても、様子を見ておられる方々の中で、これは税収が多くて予算に対して自然増収が出るなということを言われた方は、ほとんど一人もおらないじゃないかと私は思います。そういう問題は、三十三年度には実際問題として、どなたも問題にしておられないのではないかというふうに私は感じております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 そうしますと、結論からいって、政府が言われた一千億の自然増収というものは、三十三年度においても大体確保できるということですか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) どうも私の申し上げ方が足らないのか……。三十三年度の予算におきまする一般会計の税収見込み一兆二百五十九億というものは、三十二年度の当初予算に対しまして自然増収が千億ばかりあるという見込みを含んだ数字であります。その含みました一兆二百五十九億円程度の租税収入は、三十三年度の実際において実現しそうに思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 そうしますと、これは大蔵大臣に伺いますが、最近、民間ではどうも若干不景気になって税収が思う通りにいかない。といって、政府の方としては公約実行の建前上財政資金を相当必要とするので、場合によっては売上税のごときものを創設して、国民全体の側から見れば一種の増税になるような、そういう構想を大蔵省でもって研究しているのではないかということの疑惑を持たれているのですが、絶対にないと見てよろしゅうございますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、公約の七百億減税と申しますか、平年度七百億減税案を懇談会で審議いたしております。ところが、今、売上税云々の話が出ている。これは国民年金制度を創設するという場合に、醵出制度でいくのがいいのか、あるいは税の方向でいくのがいいのか、こういう議論をしておるわけであります。年金制度は醵出制と無醵出制と二つを考えていることは御承知の通りでございますが、この醵出制の制度を採用の場合にどういう方法がいいのかというのが、今研究の題目のようです。まだその結論が出ておるわけではございません。  で、私どもといたしましては、減税案を取り上げておる際でございますので、こういう問題と、今お尋ねになりましたように、混淆するような考え方は厳に戒めたい、こういうように実は考えております。一面で税は減らす、一面で税をとるとか、新しい税を創設するとか、こういうことは、いろいろ誤解を受けることだろう。国民年金制度創設に際しまして、醵出制ということは資金をどういう方法でとるか、これは全然別個の問題として研究されておる、かように御理解をいただきたいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 そこが非常に大事なところで、一千億の資金をもって七百億を減税する、三百億国民年金の創設に充てる、こういう工合に大体みなが理解しているわけです。そこで、今おっしゃったように、年金制度の内容がまだ結論が出ていない、場合によっては税というようなものでその一部を補てんしなければならぬというような、そういう雰囲気が出てくるということは、国民年金に期待をしていた国民としては、だいぶ期待はずれになるおそれがあると私は思う。たとえば、今の言葉は、ことしの四月に問題になった酒の減税と同じなんです。減税をしたが、同時に若干値上げをするのと、ずいぶん問題になりましたあれと、全くよく似た思想になるわけですが、そういたしますと、大蔵大臣としては、公約の筋はそのままやっていくのだが、とにかく国民年金の方の結論の出工合によっては、そういうような新税の創設等もあり得る、こういう工合にお考えになっているわけですか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 年金制度の問題で、いわゆる養老年金だとか、今問題になっております母子年金、あるいは傷害年金だとか、こいうような無醵出の制度につきましては、やはり自然増収分が財源に充てられる、かように理解していいことじゃないかと思います。  ただ、醵出制の年金制度というものになりましては、醵出ということ自身がすでに別個の問題でありますから、そういう意味で財源の確保についての考慮が払われる。これは国民としても御理解がいただけておるのではないかと私は理解しております。と申しますのは、公約と申しますか、選挙の際に、特にそういう点を醵出の年金制度と無醵出年金制度と二つに分けて説明いたしておるはずであります。こういう意味で、醵出制の年金制度といえば国民が負担するものと、これははっきりしておることだし、無醵出というものが特に財源をどこかに求めておる、かような意味で、ただいま言われるような誤解は一部にあるかわかりませんが、もっと年金制度の全貌が明確になってくると、国民の間の誤解などは自然に解けていくのではなかろうか、かように期待しております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 それは醵出年金の場合で、被保険者が自分で負担をしなければならぬということは百も承知しております。しておりますが、国が負担をする部分についてまでも、新しい税金によって間接の負担をしなければならないというようなことは、私は考えていないと思います。それは、今のお話は、おそらく政府負担分のことを大蔵大臣はおっしゃっておるのでしょう、醵出制度の。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) あまり専門じゃないことを説明すると、あるいは誤解を受けて、厚生大臣の分量まで取るようなことになると思いますが、もちろん事務費もありましょうし、同時にまた、掛金に対する返しの年金という問題もある。やはりこれは二つで分けていくべきでしょう。そういう問題を、無醵出制の年金と醵出制の年金と、やはり二つに分けて考えていくべきじゃないかと思います。  今、取引税というか、そういうものも新税という議論が出ている。これはそういう議論があることを、政府部内とは申しませんが、党の一部においてそういう議論があるということは私も承知いたしております。それは結局、醵出をとる場合の徴収の方法として、税の形の方がより事務費がかからないとか、いろいろな議論があるのではないかと思います。これは私の想像でございますので、これはもう専門家の厚生大臣の方へ譲らないといかぬと思いますが、まだその最終的な結論が出ておりません。そういう意味で、大蔵省としても内々研究しているものはございますけれども、ただいま責任をもって意見を発表する段階でない、この点を御了承賜わりたい。  ただ、問題は、七百億減税という公約の実施につきましては、すでに、その中の減税対象になりますものとして、あるいは所得税であるとか、あるいは事業税であるとか、あるいは固定資産税であるとか、こういうものを明確にあげて参っておりますので、そういうものについて、ただいま懇談会等を通じ、最終的な案を審議しておるという最中であります。この年金制の問題にしても、醵出制の年金制度がいつから実施できるか、無醵出のものをいつから実施するか、こういうような問題もありますし、そういう意味で、その年金制の財源を確保する場合に、無醵出のものについての確保は、当初演説等で発表しておりますように、やはり自然増収分で新しいものを考えていく、こういう構想には変りがないということを申し上げておるだけでございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 それはまたいずれ、次の機会にもう少し理解のできるように御説明をいただきたいと思いまして、保留いたします。  時間があまりありませんから、次にもう一、二点、別の問題をお尋ねいたします。まずその一つは、政府は最近世界銀行から、アメリカの金融市場において、外債を発行したらどうだというような慫慂を受けられたことはございますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) アメリカから慫慂というお尋ねかと思いますが……。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 世界銀行。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 世界銀行から……。慫慂という程度のことはないと思います。ただ、私ども、今世銀から電力その他の借款をいたしておりますが、そういう場合に、世銀の融資というばかりでなしに、場合によっては市場に売り出すことも一つの方法ではないかというような意見を非公式に係の方で聞いておる、こういう事実はあるようでございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 この問題もいろいろと取りさたされておりますが、政府としては日本の資金調達のために、アメリカその他いろいろ構想をお持ちのようですが、そういう資金に充当するために、外債をアメリカで発行するというような御決意がおありですか、今のところ、そういうことは全然ございませんか、どちらでございますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろ研究はいたしております。しかし、これはよく四囲の状況なり、また外国市場の情勢等も観察して、正しい認識の上に立たないといかないことだと思います。各方面の意見もいろいろ調べてはおりますが、ただいま具体的に外債発行の計画は進んでおるという段階ではございません。一般の問題といたしまして、世銀の融資ワクというものにも一定の限度がありまして、国内の産業開発等から見ますと、このワク内の線で受ける程度では不十分であることは、これは御理解いただけるであろうと思います。そういう意味から、もっと積極的な外資導入の方法があるのではないか、また可能ではないかと、こういう意味の研究を私どもとしてはしている、かような段階であります。従いまして、今回インド等に参りますれば、そういう意味の打診というか、これも一つの大きな仕事だと、実はかように考えておる次第でございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 ただ、巷間伝えられるところでは、アメリカの金融市場が若干かたくなって、金利等も一時より少し上っており、条件としては今発行するのは少しまずいのじゃないか、という言葉の裏には、それが好転してよくなれば将来は発行しよう、こういう含みがあるように私ども受け取っているわけです。ですから、今の大蔵省が研究しておいでになるということは、将来日本として好ましい条件が出てくれば、どんどん外資導入の意味で外債発行をする、こういうような方向で御調査になっているのですか、ただ漫然と御調査になっているのですか、その点をもう少しお伺いしたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 大へんいい御注意もいただいたようでありますが、私どもの見るところでは、外債募集可能であるならば、募集もしてみたいような気がいたしております。しかし、ただいま御指摘になりましたように、金利なり、また金融市場等を十分見きわめないと、非常な不利な条件のもとにおいてもなおかつこれをやらなければならない、こういう筋のものでないことだけは十分承知いたしているつもりであります。ただいま御指摘になりました、アメリカの一部の銀行で金利を引き上げている、こういう点は、もうすでにアメリカの景気が相当上昇の方向に向ってきている、むしろインフレを警戒する段階である、こういうようなことを申している地域もある。そういう意味で金利等の操作をする、こういう新聞報道等も出ております。全般の問題として考えてみますと、世界銀行等にいたしましても、最近の後進国の経済開発、こういう必要に迫られている分野は非常に広いのであります。そういう意味で、先ほど来申すように、世界銀行の資金にだけなかなかたよりにくくなっている、こういう意味では、資力信用十分なものはやはり、世界銀行の融資もさることだが、一般に外資導入の方法を考える、こういうこともいいのじゃないか、こういう意味で、私どもも要すればそういう道も開きたい、こういう意味で研究はしている、こういうことでございます。  ただ、過日新聞に一部出ておりましたが、すでに外債募集の計画が実施中であるとか、三千万ドルの外債募集計画中であるとかいう記事が出ておりましたが、この点は政府当局の関与したことでない、これだけをつけ加えて申し上げて、御了承を得たいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 その点はもとより非常に重要なことなので、ちょっと政府の所信のほどを伺った程度ですが、いずれこれはまた、保留いたしておきます。  その次に、八月十二日の衆議院の大蔵委員会で、あなたがたしか御出席になっておったと思いますが、そこで自社株の取得禁止の問題で、これは平岡忠次郎君から質問がありました。それは、その質問がありましたことについて、私が少し不思議に思っている点がありますので、きょう担当局長お見えになっているかどうか知りませんが、伺っておきます。  それは、問題は、現在の商法で自社株を取得することは禁止されていることは言うまでもないのですが、しかし、政府側の答弁によりますと、禁止はされているけれども、若干そういう慣習になっているのだ。従って、慣習になっているから、悪意でないもの、その会社を守るために善意で、必要な自社株の取得については、証券界の発展、会社の発展のために、考えてもいいのじゃないか、そういうような意味のことを述べて、それで最後に、しかし、そのことは大蔵省の所管ではない、法務省の所管だから、あまりそれ以上は言いたくないという意味の結びの言葉になっております。私は事の筋はその通りだろうと思っているのですが、実は七月二十六日の毎日だったと思いますが、大蔵省証券課談として「不正の目的でない自社株所有はこれを容認せざるを得ないのではないかと考えられるので、この点商法自体の改正を検討している。」、こういう工合に出ているのです。ここにありますがね、この一番おしましいのところに出ておるのです、だいぶ長い前置きがあって……。だから、こういう考え方が大蔵省にもしあるとすれば、その所存のほどをよく伺いたいのであります。その点、衆議院の大蔵委員会の御発言とはちょっと違うように思うのでありますが、この点、伺いたいと思います。

磯田好祐大蔵省理財局次長

○説明員(磯田好祐君) ただいま、証券課談といたしまして、不正の目的で自社株を保有したものでない場合においては検討の余地があるというふうに新聞に出ているというお話でございますが、理財局の証券課のだれがそういう話をいたしましたのか、実は私どもよく存じないのでございまして、これは、終戦後のインフレーションの進行の過程におきまして、何と申しますか、増資が非常に困難である。そういうような過程におきまして、自社株を保有するよらな商慣習がある程度事実上の問題としてあったということは、否定できないと思うのでございます。しかし、そのこと自体が現在の商法の規定に反するということもまた、これを否定できないことでございます。しかし、この問題につきましては、先ほどもちょっと話が出たのでございますが、証券界なりその他ではいろいろと、これに対する商法改正の希望なんかも出ておるようでありますけれども、しかし、その点につきまして、大蔵省といたしまして、今の段階でどういう方法でこの問題を取り上げていくかということにつきましては、まだ最終的な、あるいは内部でも十分検討していないのでございます。目下のところ、大蔵省といたしまして、この自社株の問題につきましては放置の状態であります。のみならず、この問題は、先ほども話に出ましたように、法務省所管の商法の問題でございまして、法務省の問題というふうに私どもも考えておるのでございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 いや、これもなかなか重要な問題であったのです。私は、その七月二十六日のときに、あまりにもはっきりと大蔵省証券課談で載っているから、びっくりして、私はこの自分のスクラップ・ブックに張りつけてあるのです。ところが、衆議院の方の大蔵委員会では、半月ばかりたってから、非常にあいまいな表現だけれども、この大蔵省証券課の談で考えておいでになることと同じことが言われておる。所管の問題とかいろいろはありますよ。ありますが、大体同じことが述べられておる。そこで、大蔵省のほんとうの腹はどうなんですかということを、今お聞きしているわけなんです。これは、大蔵大臣はどうお考えになります。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 今御説明いたしましたように、実情はよくおわかりいったと思います。私ども、こういう事態がいいとか悪いとか、またどういう処分をするか、こういうこととは別に、これがとにかく商法違反であるということは、これは事実だと思います。しかし、終戦後の混乱の時代からある程度行われていた、こういうことも事実である。そういう意味で、これに対する処置をとるべきじゃないか。  で、非常に突き進んで考えてみますれば、ただいまお話をいたしましたように、善意のものについては、これはある程度法律を改正することもあるかと思います。それは、現に他の外国の法令、法制等には、そういう処置を講ぜられておるところもあるやに伺うのであります。しかし、今日の状況におきましては、これが商法違反であることは、これはもうはっきりしているのであります。こういうものの商法違反の取扱い方について、どういうような処置をするか。そういう場合に、ある程度現実に行われている、そうしてある程度慣習、というのは言い過ぎかわかりませんが、ある程度そういうものが引き続いて行われていると、こういうことでありますと、その善意、悪意等で、処分等についてもやはり酌量の余地があるのじゃないか、こういう意味のように実は考えております。商法違反が過去において行われていた、従っていいのだ、こういうような議論をいたしておるわけではございません。どこまでも法律は守っていかなければならない。しかし、その影響等も十分考え、また過去の実情等をも勘案して、その処断の場合に、そういうことが酌量さるべきじゃないか。ことに、財界に及ぼす影響も非常に大きいものですから、そういう意味で特に扱い方を慎重にしてほしい、こういうのが大蔵省の考え方でございます。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 いや、私のお尋ねしているのは、現在商法が禁止しているのを慣習でやっている、それを大蔵省が弁護の立場に立っておられると、そういう意味で申しておるのじゃないのです。私の申しておるのは、商法が厳としてあり、その商法に基いて検察庁は一斉に家宅捜索までやって取り調べているわけです。それはその道として私は進んでいると思いますよ。ところが、そういう中でこの問題がちょうど火の手が上った。その最中に、大蔵省が商法自体の改正を検討していると、こういう工合に発表されたのが新聞に載っているから、そこで大蔵省としてはこれは重大な問題だ、どういう工合にお考えかというお尋ねをしたのでありまして、その点は僕のお尋ねいたしました内容の誤解をしないようにしてもらいたいと思うのですがね。そういう考えであれば、またわれわれも大蔵省に対するいろいろな意見を述べる用意もあるわけですが、きょうはその程度で、大体わかりました。  その次に、これは大蔵大臣にぜひお聞きしておかなければならぬことがあります。それは来年度の予算編成に関することですが、われわれの承知しておるところによると、今各省から二兆をこえるような予算が大蔵省へ殺到して、大蔵大臣がこれにいろいろとおのを加えられるだろうと思うのでありますが、その中で、どうも最近は各省で、特別会計を設けたり、あるいは公団を作ってみたり、あるいは特殊法人をこしらえる、こういうようなことが大流行で、今度の予算の大蔵省への提出書類の中にもずいぶんそれが入っておるようですね。従ってこういう一つの流行に対して、大蔵大臣は一体どういう工合にお考えになっておるか、まずその概括的なあなたのお考えを伺いたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 来年度の予算をどういうように編成するか。まあ先ほど来、いろいろ税収入等についての御質問もありました。先ほど私の方からもお答えいたしましたように、ただいまの段階では、歳入等の見積りもまだできない段階でありますので、そういう基本的な構想というものは、まだ申し上げる段階ではないと思います。これは先ほど申し上げた通りであります。  ただ、一般的に言えることは、なかなか窮屈な予算だろうということだけは、当初から予想がつくのであります。ことに、党といたしましても、選挙の直後でありますし、幾多の公約事項を出しておりますし、この公約を忠実に実現することは、政党内閣として当然の責務であります。そういう場合に、収入状況が楽観を許さない状況のもとでありますだけに、予算編成の困難ということは、これはもうただいまから十分覚悟してかからなきゃならない問題でございますが、そこで、公約事項をどうして果すかというお尋ねをしばしば伺っておりますが、私ども忠実に公約事項を実施に移したい、かような意味から、財源といたしましては自然増収なり、あるいは繰越金なり、あるいは既定経費の削限等をもって、公約事項の実施の財源にしたいという抽象的なお話をいたして参っております。こういう基本的な考え方からいたしますと、ただいまの各省要求等も、なかなか万遍なく手をつけるというわけには参りませんし、また予算の大綱はできるだげ見やすいよらな方向で参りたいと思います。こういう意味からは、特別会計を設置する等はできるだけ気をつけまして、新しいものを作ることは避けていかなきゃならぬ。しかし、すでに選挙の公約事項として掲げておりますようなものもございますので、こういうものについては特に考慮を払っていかなければなりませんし、また特別会計、過去において幾つもございますが、ものによりましてはあるいは整理してもかまわないものがあるかもわかりませんが、そういうものがありますれば、まあ整理もする、必要なものは最小限度これを認めていく、こういうようにして、困難な予算編成におきましても、予算の大筋を乱さないように立てて参りたいと、かように念願をいたしております。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 今、十幾つ、とにかく特別会計と公団と特殊法人と出ておりますが、これの所要資金は大体、合計するとどれぐらいになるか。わかりますか。

石原周夫大蔵省主計局長

○説明員(石原周夫君) ただいま、特別会計、公団の方の関係は、要求が多少まだおくれております。まだ日がございますので、最後の取りまとめはまだ終っておりません。ごく近日中にその全体につきましての姿を申し上げられると思いますが、今ちょっと手元に今までの分の合計いたしました分はございません。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 ただいま大づかみで、あなたの方の御記憶ではどのくらいですか。

石原周夫大蔵省主計局長

○説明員(石原周夫君) ごく大づかみと申しましても、相当大きい金額であることは確かでございますけれども、今、数字のことでございますので、もう少し時間をいただいてから、お答えをいたしたいと思います。

栗山良夫日本社会党

○栗山良夫君 これは大体、概念的なお話は今大蔵大臣からありましたが、この前経済基盤強化の法案をやりましたときも、私は相当するどく問題点を指摘したはずです。わずか二十億足らずの回転資金を出すために、ああいう大げさな制度を作ることはよろしくないじゃないかということを申し上げたのが、その一つなんですが、こういう構想というものを考えてみるというと、私は二つあると思うのです。  一つは、一般会計がぐっとしぼられるから、こういう外のたまりをこさえて、ここでもって仕事をやろうという。これは仕事の意欲がたくましいのかもしれませんよ。たくましいのかもしれませんが、そういうことが、聞くところによると、この一つの地点に向って同じ仕事をやるのに、各省から殺到して、さてこれは一体どうしたものだということになっているというよう、なことがある。そういうようなことがあって、よほど厳重に査定をしない限りは、結果において、仕事をするつもりであったのが、半身不随になってみたり、あるいはまた不経済になってみたり、一般会計でできることがよけい不如意になってしまうというようなことも考えられる。それから、もう一つは、こういう機構をどんどん作れば、今、岸総理大臣は行政改革をやるというので、一生懸命考えておいでになりますが、行政改革などをやって常に整理の対象になるのは下級国家公務員で、幹部の方はあまり対象になったことはないのです。対象にもしなるとすれば、こういうものができて上にどんどん転出されちゃう。従って、国民の側から見れば、ほんとうに国の仕事で必要だからやられるのでしょうけれども、やはりあまり流行を追って、こういうことは戦争前にもあまりなかったことだし、終戦後でも今日までそうはありませんよ。一つの年度に十幾つも出てくるというようなことは、私は聞いたことはないのだが、こういうことについては、大蔵省としては、大蔵大臣というよりはやはり内閣全体として、また圧力団体として自民党の方からも相当内閣にいろいろかかるだろうと思いますが、そういうところをしかるべく、これは善処ざれる必要があると思うのですがね。大蔵大臣は先ほどのお言葉の中では、まだそこのところが少ししり抜けのようだったと思いますが、ここを重ねて伺っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど申し上げましたのも、大体御趣旨のような気持で申し上げたつもりでございます。もちろん、大蔵省の考え方で予算を編成いたすといたしましても、各方面ともなかなか困難な事態にぶつかる。社会党の方に御協力と御支援をお願いすることは筋が違うかもしれませんが、私、ただいまのお話、大へん意を強くする次第であります。ただいまいろいろ激励され、教えていただきましたことを、厚くお礼を申し上げます。私ども、さような気持で予算に取り組んで参るつもりでおります。

土田國太郎自由民主党

○土田國太郎君 ちょっと、大臣に御参考に申し上げておきたいのでありますが、実は先般国会の指名で東南アジアへ行って参りましたが、数日前に帰って参りました。平林委員も御一緒でございました。そのときに、インドまで参りましたが、インドの方から実は要望がありましたので……。それは、先年岸さんがあちらへいらっしゃいましたときに、中小企業技術センターの設営をお引き受けになってきたやに承わっておるのです。これはひとり日本のみならず、アメリカ、ソビエト、いずれも引き受けられまして、すでに設営に着手されておるのです。それで、各国とも大体四百億円程度の技術センターを作るということを承わっておるのですが、それで、日本は多分あれは七千万円程度ですか、予算処理に相なっておりますのは。よく存じませんが……。そういうことを向うの関係当局、すなわち商工大臣ですね、なかなか熱心なんでございます。とても七千万円では、設営はこれはできぬ。工場と敷地はインド側で出すのであるから、中身の設備ですね、約二百億ぐらいのものをぜひ何とかして心配するように、帰りましたら当局へ進言してくれ、こういうお話なんで、まあ時節柄いかがかとは存じますが、向うも非常な要望であり、かつ現地の商社、これも何とか一つ実現するようにしてくれないか、そうしますと、機械の売り込み等について非常に便利を得る、また国交上から見ても非常にけっこうな話である、何とか一つ当局へ申言してくれないか、こういうお話で、那須大使もぜひそれは実現してもらうように、通産と大蔵省の方へお話ししてくれないか、こういう申し出がありましたので、私ども行って参りました関係上、やる、やらないは当局のお考えなんですから、責任だけは果しておかねばなりませんから、当局へ進言だけ申し上げておきますから、御了承願います。多分ニューデリーになると思いますから、向うの商工大臣からも出るかもしれませんが、お聞きおき願います。

石原周夫大蔵省主計局長

○説明員(石原周夫君) ただいま土田委員の御発言のありました、インドの西ベンガルにございます日本の技術センターというものにつきましての予算を本年度に計上いたしておるわけであります。それに対しまして、ただいまお話のございましたような、ほかの国はもっと大きい計画があるので日本はどうか、という話は聞いたことがございます。ただ、これはある機械の規模を考えまして、とにかく第一段として、ただいまお話がございましたように、土地、建物の提供があったわけでございまするから、それに対しまして、必要な大ききのものをまず用意いたしまして、それで店開きをいたしてみるということに相なっておりまするので、その後外務省ともお話をいたしまして、現在の規模をもちまして、とにかくスタートをしてみようということでやっていただいているような次第でありますので、いろいろ大きい計画をほかの国はお持ちのようでございますが、ある程度の単位を合せてみまして、大体この程度で一応のスタートはできるのではないかということで、外務省と話をいたしております。今日のところは、そういうことで仕事を進めて参りたいというふうに考えておる次第でございます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私は、もう時間もだいぶ経過しましたから、次の機会に必要な資料を若干要求しておきたいと思います。臨時国会も間近でありますから、なるべく早くそろえていただきたいとお願いをいたします。  金融関係の資料は、一つは、全国銀行のオーバー・ローンの推移、もう一つは、全国銀行の貸出の状況と大企業会社と中小企業金融の額及び比率、それから預金及び貸出金利の推移、また全国銀行の有価証券保有状況、次には、全国銀行の預金の推移状況、全国銀行の自己資本の充実に関する資料、それから銀行の資産の活動性に関する資料、銀行の収益性に関する資料、銀行のコストに関する資料、それから最後に、これは金融関係とは別ですが、東南アジアに進出しております中共の貿易品目、私も大体調べてきてはあるのですが、政府の方でお調べになっておる数量、価格、それから国別、あるいは中共の行いつつある金融措置、読み上げたのでどうもおわかりにくいかもしれませんけれども、後ほどこちらの方からメモも差し上げますから、なるべく希望するよらな資料をそろえていただくように、この機会にお願いいたしておきます。     —————————————

前田久吉緑風会

○委員長(前田久吉君) 引き続き、専売事業の運営等に関する件について、質疑を行います。  大臣は御退席いただいてけっこうです。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 最近の朝日新聞紙上等で、先般国会を通過しましたたばこ耕作組合法に基く耕作組合の設立について、幾多の問題点が出ておるようです。あるいは業界紙その他でも、方々で進捗の状況なり、またそれに伴ういろいろな問題が出ておるようです。   〔委員長退席、理事西川甚五郎君着席〕そこで、衆議院の大蔵委員会なり農林委員会等で、最近論議せられた問題点も参酌しながら、この当面の具体的な事例として岩手県東磐井郡におけるタバコ耕作組合の設立の動向について、公社側の所見を承わりたいし、ひいては担当の大蔵当局の御意見も承わりたい、こう思うのです。  一般の同僚各位にはちょっと御理解がいかないところがあるかと思いますので、概要だけ申し上げますと、この東磐井郡下における旧耕作組合は、町村別で二十三組合もあり、全体で組合員数は七千三、四百人いる、日本においては有数のタバコ耕作郡なんです。伝統的な長い経験を持ち、またこれによって現金収入を得てやっておるということでは、他部に見られないような特徴的な郡なんでありますが、ここにおいてやはり、七月の六日ごろから耕作法の説明会が行われ、順次その仕事に取り組んでいったわけでありますが、ところが、七月の六日にそういうことが行われた際に、地方支局——ここは支局管内でありますから、千厩支局の当局の方から申し入れがあったようですが、設立するということにもう文句はないのだから、直ちに集まった各組合代表者が発起人になって一つ組合設立の準備行為をやろうという話があったそうですが、しかし、それは各単位組合から委任を受けておらないことであるから、今すぐ発起人となることはできない。それで、世話人を出して、それによって各般の状況を検討して、慎重に発足するようにしようということで、その説明会が終ったようであります。その説明会では、当局側としては支局管内一円、東磐井郡、気仙郡ともに一組合としたいということで、みんなががく然としたというのであります。  それは、旧二十三組合がそのまま認められて、タバコ耕作の意欲をもっと高め、そのことによって専売事業に寄与するということに、法の精神からして多分なるんだろう、耕作農民の意思によって組合が作られるんだということになるんだろうという前提でいたら、そうではないのだということのために、ショックを受けて、それで各組合に帰りまして、七月の十二日に第一回の世話人会を持った。そして慎重各組合の意見を発表して、討議をしましたが、支局当局や、当時仙台の技術課長まで出席しておって、一本化案を推進するということで、どうしても自由な討議ができないというところから、このお二人に退席を願って、慎重な論議をしましたところが、二十三組合でいけという意見もあり、あるいは九収納場ごとに九つの組合でやれというところもあり、あるいは町村合併の推移から見て、新町村単位にこれをとりまとめれば、千二、三百名程度の均斉のとれた組合になるじゃないかと言う者もあり、幾つかの意見がありましたが、大体は、一本化案というものについては少数意見で、どうしてもこれは総会中心の、民主的な耕作農民の運営できる組合にしたい、こういうことで、寄り寄り協議妥協しまして、九つのブロック案というものが決定せられたそうであります。  そしてお二人の方に御出席を願って、そのことを申し上げたら、支局長も課長も、あるいは仙台から行かれておった技術課長さんも、それはわれわれ側の考えとは全く相反することである、そういうことは許さるべくもない、政令は厳として一本化を求めているのだ、こういうことで、私たちは、ここ二、三日前につぶさに現地へ調査に行き、当局側にも会って話を聞いたのですが、あくまでもこれは公社側のお願いであるということでやって、圧迫し、圧力をかけ、干渉するというようなことはしなかった、こういうことを言っておりますが、それにしても、いずれ一本でなくちゃいかぬということを推進したということは肯定しておるわけです。それが、本社なりあるいは仙台なりの方針であるから、末端機関として、その方針をもって組合設立に協力を申し上げるという形で参与しておったということを話しておりました。これは正直なお話でしょう。  それで、圧力、圧迫という問題については、これは、当局の公社職員として、法に忠実な設立をしたいということでやったという点については、われわれはここまで追及するつもりは全然ないけれども、第三者的な立場に立つと、柔軟性を持たせられない末端当局が、そういうことを言うことも、これはやむを得ないことであるかもしれませんが、しかし、耕作者側のこれを受け取る感じというものは、これは、まことに自由な判断を許されない雰囲気、環境の中に追い込まれてしまうのでありますから、大きな影響を与えておるということはいなめない事実であると、私たちは認めたわけでありますが、そういうことで、この九ブロックというものも、七月の十二日の、それではだめだということになって、もう一度それでは会合しようというので、次に二十一日に会合が持たれておるようであります。そして、九地域がだめなら、もら少し大きな、大ブロックの四ブロックぐらいの案でどうかという非公式な考え方も提示せられたようですが、これは、即決、問答無用で、これもけられておるのであります。そこで、こういう状況では、とうていわれわれ世話人会は意見をまとめるということはできない、それで、各単位組合で、どうしたらいいという意見書、その理由書を全部出してもらって、そうしてそれも支局の方に示して見解を尋ねようということで、二十四日にその理由書を各二十三組合からとってみましたら、やはり意見は最初の意見の通り。しかも、その理由書も、だんだん私たち調査しましたところが、単位組合の総代、団長、そういう人方に相談した所もあれば、あるいは世話人個人が何の相談もなく、独断をもってお書きになられた理由書等もありますけれども、しかし、それを世話人会として集約して、三カ条の理由書にして支局当局なり、あるいは仙台の方の当局の意向をただすというふうな措置に出られたようであります。  それで、その理由書というのは、七千数百名という多数の組合員を擁して、民主的な組合運営ができ、耕作組合の利益を守り、真に伝統的な、今日まで公社側に協力してきたような、そういう運営ができると思うかと、こういうような点が一つの点であり、第二の点としては、経費が大組合としてかさんでいくということについてはどう考えるか。第三には、他の同じ農民なり、あるいは農業関係の団体と協調していくという態勢は、大組合主義ではとれない。各村々には、それぞれの単協があり、あるいは信連の出先機関があり、それらと不離一体、あるいは平仄を合せたようなタバコ耕作組合になっておる地域も多い。そういうのが、大組合になって、一切の関連が直接断ち切られるということになったら、法が示すよらな協力関係にあるということはできなくなる。競合するという形が出て、摩擦を起すということになるのではないか。これらの三点が強く指摘されたそうであります。  私、ここで感想として申し上げますが、われわれ立法過程に参加した者としましては、第一の点は、組合員数が多くて民主的な運営ができないのでないかというようなことは、この判断は公社側が判断でき得ることではない。あくまでも農民自身がそういう点は判断し、善処すればいいことであって、こういうことは聞く必要のないことである。あるいは経費がかさむであろうが、これをどうするかということも聞く必要のないことである。他団体との協力関係というても、その耕作組合員自身の自覚に待つことが多いのであって、公社当局に聞く必要のないことである。すなわち、聞く必要のないことまでこういうふうに最大公約数の理由書として出したという裏面を考えるならば、これはとりもなおさず、最後の公社側一本化案に対する反対、抵抗の姿勢というものを示したものなんだと、私は認識せざるを得ない。これほど消極的に、これほど謙虚に、つつましく公社側に対して自分たちの意思を、対立抗争することのない形で示して、当局側の善処を要望したというようなことは、私はあの地域における純朴、純情な、ほんとうに公社当局に協力して伝統を守ってきた耕作組合の、これは最後の、ぎりぎり一ぱいの線であったというふうに私は考えるのであります。ところが、これも公社側としまして、人数が多くたって運営の仕方でうまくいくであろうとか、経費は大組合になればかえって個々の負担は軽減するであろうとか、こういうようなことで、にべなくけられたのであります。で、経費の問題でありますが、これは経費増になるということは、役員のために、あるいは役員会その他の総会、代議員会等の、そういう組合運営の人件費的な部分がふえるであろう。そしてほんとうに専売公社が期待するようなタバコ耕作技術の進歩、そういうようなことに経費をかけて研究し、研さんし、そうして協力していくという、そういう実質的な費用というものは減ってくるのではないか、現状よりは。そういう意味で問題にしたところのようであります。  そこで、ついに八月の十日に、そういうことではどうにもならぬということで、最後の世話人会を開こうということだったそうでありますが、この過程におきましても、では発起人を何人ぐらいにしたらという論議の中に、やっぱり当局側が希望を出して、二十名ぐらいでやってもらいたい、こういうような、いろいろな指導をやっておるのであります。これは私たち率直に言うと、よけいなことであります。そういう組合設立にそういうことまでお手伝いするということは、よけいなことであると思います。が、しかし、十日には、泣く泣く、各種の意見を言い合いながら、一本化というものはくずされない、それが絶対なものであるということであれば、われわれは従わざるを得ないという形で、一本化ということに賛成する発起人会を次回に持とうということで別れた、というような状況であります。これは今までの概括的な経過なんであります。  さて、そこで、じゃ、現状はどうなっておるかと申しますと、各組合の末端の方には、正直のところ、何組合員になるものやら、どういうわけでそういうことになるものやら、しし営々として働いておる耕作農民には、しっかりしたこの問題の把握がない、十分浸透しておらない。そして一部世話人、一部発起人、こういうような形で問題が推移してきているというのは、いなめない事実であります。そしてその中で、真剣に問題に取り組んでおる地区においては、どうしてもこの一本化案ということでなしに、何とか一つ適当な規模、適正な規模、それは総会重点の運営のできる規模、こういうことで過去の伝統を生かして、公社側に協力できるような、そういう組合にしてもらいたいという熱意も非常に強い。高まっておる。けれども、あの地域の方々の伝統的に純朴な農民の精神というものもありましょうし、従来長きにわたって、これは大へん失礼な話でありますけれども、タバコ耕作農民が当局側との従来の長い間の関係からいって、率直な発言ができない。長いものには巻かれろ、何でもやらせていただくことはありがたいことである。ごきげんを損ずるようなことをやるなら、収納価格も何も適当にやられてしまう、あるいはタバコ耕作もさせないということで極端にいじめられる。おそろしいから、もうこれ以上のことは黙って、何でもいいからついていった方がいいと、こういう考え方も一般的にあるでありましょう。これは皆さん、否定できないことなんですよ、全国的に。タバコ耕作農民は当局に対してそういう考えを持っておるのです。それが三重県やなんかに現われた事実で明らかなんです。そういう背景の中に、今日非常にくすぶった考え方で問題が低迷しております。ただ、表面的には一本化設立の方向に進んでいくという態勢なんです。  こういう問題のある中に現地に行って聞きましたら、九月十二日かに、区域申請に対して一本化区域の支部申請の認可がある、こういうことなんです。それで、皆さんは、表面合法的にそう装われてきておるから、それは民主的にきめられたことであり、そうして耕作農民が大多数の者は同意しておることであるというような形で、どんどんこれを進められるということであるならば、法の精神をそれはわきまえないものだと言わざるを得ない。何としても総会の委任事項等が五人以上はいかぬという制限を付したり、代議員については二人だというふうな制限を付したり、そういうようなことは、あくまでも総会等が重点の運営をする、そうして耕作農民の個々の意思が組合に反映されるということを期待しておるということが、この法の立法の精神であるということは私はいなめないと思うのです。否定できないと思うのです。ところが、北岩手タバコ耕作組合なんというものを設立する過程を見ますと、これは設立しましたが、千四百何人かの組合員がありながら、設立総会の出席者がたった三百名未満、しかも、それについてもみんな行く必要はない、みんなまかせればいいのだ、こういう指導がされておる。たとえば、ここの組合なら七千数百名でありますと、委任状をフルに使うというと、千六百名程度の生きた人間の集会になる、総会は。ところが、それだけ、地域的に広がりがありますから、集まることができないとなれば、総会過半数の集まりとなると、八、九百人の集まりで、実際上は一切七千数百人の意思を代表して諸問題が議決されるという形になる。しかも、その八、九百名集まったうちの三分の二なり、あるいはものによっては過半数なりの議決で有効になるのですから、もっと少数の意思でこれができる。あるいは参集会場に近い組合員を動員するならば、一部の特定地域の意思を代表した総会の決定もできる。それは書面議決があるとか何とかいっておりますけれども、そういうことが民主的に運営できるはずのものではないというふうな認識を私たちとしては持ったわけです。  そこで、個々の点についてお伺いするのですが、そういう地区認可を本社がするということは、衆議院の農林委員会その他が九、十日ごろ行われておって、そのときにはそういう事態に対しては善処するやの答弁が当局側からあるにもかかわらず、地区認可を十二日にお出しになったということは、ただ表面の形式の上に立って認識せられ、そのままできるなら推移させようというお含みがあって、こういう地区認可が速急に行われたのであるかどうか、この点を承わりたい。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) ただいまたばこ耕作組合法に基きまする新組合の設立について御質問があり、ことに岩手県の千厩支局管内のタバコ耕作組合の設立に関していろいろお話があったわけであります。たばこ耕作組合法を作ります当時に、地区タバコ耕作組合の区域というものは大体政令で定めるのでありまするが、公社の考え方といたしましては、支局等の管轄する区域を中、心としたいと。そのことは、耕作組合の大ききと申しますか、これの構成員になるところの耕作農民の数とか地域の広さに関係するのでありまするが、ある程度の規模の大きさである方が経費の節約の上からいっても適当である。それからまた、ある程度の大きさである方が、組合の幹部と申しますか、組合を運営する人の面においても広く適当な人が選ばれるというような見地から考えて、法案の説明に当ってもそういうことを申し上げたのでありますが、ただ、そう一本化してしまいまするというと、各地の実情に必ずしも適しないと、こういう点があるというような御指摘があり、その結果がたばこ耕作組合法案に対しまする付帯決議ともなりまして、必ずしも日本専売公社の支局等の管轄する区域にとらわれることなく、各地の実情を十分に考慮し、かつ組合の運営に支障のないように定められたいと、こういうことになっておりまするので、公社といたしましては、この付帯決議の趣旨を尊重いたしまして、公社の支局等の管轄する区域程度が望ましいのであるけれども、事情によっては必ずしもそれにとらわれる必要がないと、こういうことをもって根本指導としておるわけであります。  それから、千厩支局管内のことにつきましては、御承知と思うのでありまするが、原則通りにいけば、支局で一本の組合にすべきでありまするけれども、ここには東山葉とバーレ一葉と二種類のタバコ耕作者があります。この種類を異にしまする耕作農民を一つ組合にするということは、それはもう無理であろうと、こういうことが考えられましたので、この点は当然二つに分れるだろうと思ったのであります。  それから、東山葉を耕作している方の、ただいまお話しの東磐井郡一円の耕作農民が幾つの組合を作ったらいいかということが、結局、各地の実情に応じて、しかも、たばこ耕作組合法制定の趣旨に顧みて、先ほどこれもお話がありましたような民主的運営ができるかどうか、経費の効率的な使用ができるかどうか、それから他の団体と協調していくことができるかどうかと、こういう点を考慮しつつ設立することが望ましいわけであります。  で、私の承知しておりまするところによりますと、旧組合から世話人が二十三名ほど選ばれまして、四月の六日から八月の十六日まで、四回ほどの会合を開いて協議を重ねたようであります。その間、ただいまお話がありましたように、あるいは組合の数を多くするというような意見、あるいは一本化で差しつかえないというような意見があったようでありまするが、まあ結局するところ、最後には全員が一致して一本化に賛成すると、こういうことになって発起人に三十名を選びまして、八月十六日に発起人会を開催して、特別地区の承認申請があったと、こういうことになっておりまして、形式上も整っておる承認申請でありまするので、これを特にまあ否定するということもいかがかと存じまして、先日許可したと、こういうような次第でございます。  で、結局、まあそういう一組合で先ほどお話しになったような目的が十分達せられるかどうかということは、まあこれは意見の相違になるかもしれませんけれども、民主的運営というようなこと、他団体との協調というようなことは、やはりまあ役員の考え方が中心になり、同時にまた、耕作組合に属しておる組合員の考え方によって、やろうと思えばできることだと思うのであります。  それから、まあ経費の点については、広過ぎるから集めるのによけい経費がかかると、こういう経費のかかり方と、また分ければそれぞれ役員なり事務所なり従業員なりを置くからして、そこでまた経費がかかると、こういうことからくる比較検討で、どちらが経済的かと、こういうことによって意見が分れるかと思うのでありまするが、まあ一応はこの支局等の管轄する区域が一つの目安だと、こういうことともにらみ合せて、経費の点についてもこの辺のところが適当であると、こういう判断に落ち着いたのではないかと、かように思っているわけであります。  なお、こまかい交渉の内容なんかで必要があれば、生産部長からさらに申し上げまするけれども、大体のお答えを申し上げまして、御了承を得たいと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 今のあなたの御答弁は、表面に現われてきたことをすなおにそのまま受け取ったというふうに、私のやっぱり予想しておったような答弁なんです。しかし、これはどなたが出てきておられても、この一本化ということに全員賛成をしたという経過の中には、当局側はこの政令の特例、あるいは国会のそういう意思、そういうことで耕作農民の意思を尊重して、地域の事情によっては云々という幅のある考慮を一度もしたことはない。全部それは拒否しておる。拒否されるなら、農民は組合がなくては困るから、最終的には一本ということに落ち着くでしょう。ですから、私はそういうことを尋ねているのではない。経費が云々とか、組合の民主的運営とか、そういうようなことは見解の相違だとか、意見の分れるところだとあなた自身がおっしゃっておる。そうしたら、意見の分れるところは、それはどの意思が尊重されて設立するかということになれば、当局の意思を押しつけることではない。それは耕作農民の意思によって、こうであろう、こういうことも困るであろうとなったら、そうしてこうやれば困らないのだという結論が出たら、それがやはり耕作農民の意思であり、それが尊重するという形で現われなけりゃならぬだろうと思う。  しかも、再三申し上げますが、ここはもう何百年来タバコ耕作をやってきたそういう地域であり、しかも、二十三組合というものが非常なりっぱな運営をして、当局にも協力してきたという実情にあることは、皆さん十分わかっておると思う。それを、二十三もの多くの組合で長きにわたって運営してきたものを、一挙に二十三の組合を統合して一つにする、こういうことでは、すなおにそれに参画してきた農民はそれでは承知しないだろう。素朴な意見としては、それはどういうことだという疑問を持つでありましょう。そういうところは私は特殊な地域の事情だと言えないのか、こういうことが私の問題とするところなんです。  そうして、ほんとうに、それじゃ全員の満場一致の意見で一本化だというその過程の中で、なぜ当局は、それならこの程度のところでやるということで本社側と相談するから、その間ちょっと待ってもらいたい、あるいはそれではちょっと困るだろうが、こういうやり方でやったらあるいは特例を生かして認められるかもわからないというようなことに、なぜなさらなかったのか。そうして、どこまでも当局側の意向というものを押しつけてくるというようなことは、どういう考え方でその指導を本社がしたのか、われわれは非常に不思議でならぬのです。ほんとうに現在総裁が現地に行かれて、皆さんのお好きなようにわれわれは組合設立を認めましょう、さあどういう意見ですかと耕作農民に尋ねてごらんなさい。二日かかればいいことです。そうしたら、必ず二十三組合現状のままでやってもらいたい、これが望ましい姿であるということをおっしゃるでしょう。支局長もそれが一番いいということを言っておるけれども、そういうことの事態になれば、そうは言わないで、一本化の方が一番いい、だから私は個人としても、今でも一本化が一番いいというふうに考えは固めておりますということを言っておる。そういうなぜ過去において幅のない指導をしたのか、またお願いをしたのか、ここに問題の発火点があるわけです。  ですから、今日において地方の実情は必ずしもそうではないのだということが現われてきたら、あなたはどうします。地区によってはそれは形式が整っているから出してやったのだということで、何ら当局がこの問題に関与しておりません、民主的にじっとしてやっておりました、みんな耕作農民の自由意思でやりましたということを、ほんとうに言えますか。そういうことを、私はこれは攻撃的な意味で申すのではなくて、善処されることがあるなら、耕作農民の意思を体して、この人たちが自主的にお考えになった九つの案は、今の段階では——発起人の方全部に集まってもらって、私は二十二日の日に個々に尋ねた。そうしたら、やはりわれわれは従来のような考え方がいいけれども、公社の方でそういうことをおっしゃり、そうしてそれしかできないのだということであるから、私たちはやむなく今日の状態ではこれでまとめていこうということになっておるのだというのが、最大の意見です。少数意見として五つ六つ出た意見は、それでも私たちはいまだに、発起人にはなっているけれども、この状態でいくということは反対です、全くもって反対なんです。何と言うて地元の農民にこれを納得させるかということになったら、われわれはもうとうてい発起人としてやっていけないという苦しい立場にあるのだという意見まで述べた方もあるのです。いたずらに、ここは紛糾を望んでいない地域なんですから、この点はよく御了解を願いたい。紛糾を願って一部の者が策動するとか何とかいうことではない。この地域の農民の利益のためによかれかしということで、みんながそれぞれ心配しているようです。  今後においても、この問題については公社として積極的に指導するということをしないで、そういうふうに出てきているのだから、一本でいきます、こういうお考えなのですか。私は、公社の責任で、ここはこれでいいのだということであるのかどうかということを伺いたい。国会が意思している特殊な事情というものは、こういうところにこそ当てはまるものではないか。いやそうでない、ここには何ら特殊な事情はない、これは一本でいくべき地域である、そういう強硬な御意見なのかどうか。根本的な御方針を承わりたい。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) 原則は、支局等の管轄する区域というのが一応の建前でありまして、やむを得ない場合には必ずしもそれにとらわれることなく、各地の実情を考慮して組合の数が分れてもよろしいというのでありますから、組合を分けるという方が例外であります。しかし、全国的に見て、全然分けないでいったというようなことになれば、付帯決議の趣旨を尊重しないということになりますが、全国的に見て、分けて組合の設立がまとまって認可申請が出てきましたので、それを認可している地区はございます。千厩の場合においてはバーレーと東山葉を分けたのでありますが、東山葉の方をさらに幾つに分けるかということは、これは問題があると思います。あるいは憶測ですけれども、古い慣習なんかを変えたがらない農民の立場からいえば、もとのままの組合でいきたいというような希望があるかもしれませんが、それは全国的に非常に組合の数が多くなり過ぎて、結局耕作組合法というものを作って、耕作組合の基礎を強化するという、そして健全な発達を望むという精神にも合わないから、できるだけ数の方は減らして、支局等の管轄する区域を根本としてもらいたい、そういう趣旨で法案も説明申し上げた。しかし、地区の事情によっては必ずしも一組合でなくてよろしいという所では分けておりますが、その分けた所でも、そうたくさんに分けた所はないようであります。千厩の東磐井郡ですか、この管内の東山葉が、たくさんの組合に分れた方がいいか一本にした方がいいかということは、原則からいえば、一本化の方が望ましいわけであります。それで設立までにひまがかかったのでありまするが、とにかくまとまって一本の組合を設立することに同意ができた。そして円満に総会が済んで申請書が出てきた、こういうことでありまするので、公社としてはそれを申請に基いて認可したわけでありまするので、今すぐまたこの認可を取り消すということは考えておらないわけであります。

平林剛日本社会党

○平林剛君 この千厩の地区設定の問題については、私の承知しておる限り、九月九日に衆議院の農林水産委員会で議論せられました。それから、九月十一日に衆議院の大蔵委員会で同じく議論をせられて、専売公社当局から説明があったのであります。そのときに、ただいま小笠原委員が詳しくお話しになったような実情を話して、公社側の善処を要望してあるはずであります。副総裁はこれに対して、千厩の問題は至急専売公社は調査をしてこれに善処をするという答弁があったのであります。私がお聞きしたいのは、今の総裁のお話を聞いていると、古い話をしている、少くとも八月二十六日時代の話をしている。その点、九月十一日の公社として調査をし善処するという答弁と食い違っている。国会の質問に答えて、公社が調査し善処すると言った以上は、最近の事情をもう少しつかんでいなければならぬはずです。  具体的にお尋ねしますが、委員会の答弁通り、現地に調査を進めたか、だれをおやりになったか、そうしてその調査結果がどうなっているかということをまず明らかにしていただいて、それから議論をしていきたいと思うのです。国会の要請にこたえてどういう調査をしたか、だれが行ったか、いつ行ったか、それをお示し願いたい。

駿河義雄日本専売公社生産部長

○説明員(駿河義雄君) 千厩の局にすでに報告されております。先ほど小笠原先生からありましたようないきさつ等を報告されておりますが、それらの事実について、公社として行き過ぎな指導をしたかどうかという問題の調査をしたのでございますが……。

平林剛日本社会党

○平林剛君 いつ。

駿河義雄日本専売公社生産部長

○説明員(駿河義雄君) 九月十一日に電話をしたのでございますが、報告された通りでありまして、最終的にこの東山葉地区が一本になるということにつきましては、当初、各組合から二十三人の発起人が出ておりましたのでありまするが、その後七人の世話人を加えまして協議の結果、全員一致で一本になろうということに相なっておりまするので、公社側といたしまして、一本になろうという決議のありますものの中を割って考えなければならぬというような問題も、立ち入った考えだと思っているわけであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 君たちは、あくまでもそういうことをおっしゃるのですか。組合の世話人なり発起人が、心から一本化を望んで、そのことのために努力して、耕作農民を納得せしめて、一本化のこの結論を出したのだ、形式も内容もそうなっておるのだということを言われるのですか。さっきから問題にしているのは、行き過ぎた指導、圧迫、そういうものがあったかなかったかということは、私は、それぞれの末端機関の職務の上からいえば当然であると言われるとともあるだろうし、第三者から見ればそうでないということもあるだろうから、それは一応差しおく。しかし、公社当局があくまでも一本でなけりゃならぬということで、この世話人会の結論の出るたびに、事ごとにこれを否定してきたのだ。そうして一本化以外には認めないという状況に追い込まれたがゆえに、一本化という線が出たんだと。こういう経過について、総裁はどう思うかということなんです。過去のいきさつがどうとかこうとか、とらわれるとかとらわれぬとか言っておるけれども、そんならあらためて、じゃあそういうふうなことであるなら、自主的に六つの組合なら六つの組合というものを、別に発起人をあげて設立の申請をしてきます、で、従来のやつは一切取り下げます、そして私たちの判断でやることについて公社当局の御協力が得られるかと、こういうことに地元がなったら、総裁はどうしますか。あなたたちの指導が幅のない一本化でなけりゃならぬということからこの問題が起ったのですよ。そうでないと言えるなら、そうでないということを生産部長おっしゃっていただきたい。そういう事実は一切ない、公社は一切そういうことは言わぬ、皆さんが自主的に判断しなさい、政令ではこうなっておる、特例はこうなっておる、国会の意思はこうなっておる、ですから、あなたたちが独自の意見を持ち寄ってきめて、そうして申請しなさい、その結果いかんによって許可になる、あるいは不許可になるということもあるでしょう、そのときはそのときでまたお考えになっていただきたいが、一応皆さんの意思というものはこういうところにあるというなら、それはそのままお出しなさい。そんな形があったはずです。それが全然ないのですよ。逆なんですよ。だから、そういう幅のある指導をなされた、耕作農民の意思を尊重する、この政令の字句にとらわれないで尊重するという姿勢で指導をしたのかどうか。そう指導したんだというなら、はっきりおっしゃっていただきたい。いつ、そういう指導をしたならば、だれをもってそういう指導をさせたか、事実をもって答えていただきたい。

駿河義雄日本専売公社生産部長

○説明員(駿河義雄君) 公社の出先としましては、もちろん政令の趣旨によりまして一本化は期待して、なるべく一本化になるようにとお話ししたことは、その通りだと思うのであります。許可しないとかするとかいう面まで触れて指導をしたとは考えられないのでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 私の質問に答えなさいよ。耕作農民の意思を尊重するという立場で指導したかどうかということを、端的にお答えなさい。

駿河義雄日本専売公社生産部長

○説明員(駿河義雄君) 本来の趣旨、付帯決議にもありますし、その精神で指導したことは間違いないと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 いつ、そういうことをした。特殊な事情があって君たちはどうしてもそういうことを言うなら、じゃあそれで一応本社側の方ともやってみよう。あるいは本社側に皆さんの意見も出しなさい。いつ、そういう指導をしたか。私たちも発起人側個々に当って調査しておるんですよ。個々の発言を聞いてきているのですよ。しかも、支局長も耕作課長も、わざわざ、私たちは間違いがあってはいかぬから、その場においてそうして聞いてきているんですよ。それから支局長に、どういう指導をしたか、いつどういう発言をしたか、全部聞いているんですよ。答えられないでしょう。  それで、総裁にさっきお尋ねしたのについて、答弁がない。総裁は、七千数百人が、この立法の精神からいって、総会中心の、あるいは代議員会の運営も民主的にいくというような場合に、日本唯一の七千数百名のこの地区の一本化ということが、それは一本では困るのだ、こうしてもらいたい。伝統的なものもある、慣習もある、耕作農民個々が顔を会わして研究し、研さんし、技術を何していくという問題もある、そういうような実情のもとにすなおに願っているというこの場合に、これは特殊な事情と認められるのか認められないのか。地域的な問題——地域的な、総会参集、あるいは代議員会の参集の問題がスムーズにいくかいかぬかという問題、人数の問題、それから伝統的な慣習、慣行の問題、それからタバコ耕作に対する熱意の問題、各般の問題を、考えて、東山葉、それは一種類、であっても、全国に他地域にはないことなんですから……。他地域で二、つ三つ認めたというのも、こんな組合以下の組合の中で、なおかつ認めておるんです。そういう要請というものが、特別な事情、特別な地域として御認定になられるのかなられないのか、総裁にお尋ねしたい。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) 原則は支局等の管轄する区域でありまするから、できれば一本化ということを希望して、待っておったんだと思うのであります。その間、いろいろの意見が出たけれども、最後には話し合いがついて、一本化でまとまって、総代と申しますか、役員ができて、無事に設立総会を終ったと、こういうことで仙台の地方局長から書類が申達されて参りましたので、私どもは話し合いがついたと、かように認めてこれを許可したというわけであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 的をはずれない御答弁を願いたい。  私は、この法の精神から、あるいは国会の意思としての付帯決議から、そして皆さんが再三言われているように、一応原則はそういうことであるが、地区の事情を勘案し、耕作農民の意思が尊重されるという、まことにりっぱな御精神の上から、その上から私は問題を論議しているんですよ。で、今、こうこうこういうふうになってきたから、だから、私たちはこういうふうに形式上やっています、また納得したんだから、納得したんだからと言いますが、それは発起人が納得したんです。極端な場合を申し上げましょう。発起人は何人でもいい、何人の意思を体そうといい。そして当局が認める形において設立総会を開く。そのときの組合員はだれでもいい、何人でもいい。けれども、それ一本で、あとは認めないとなれば、あとの耕作農民は加盟するよりほかない。そういう形で設立していくというような不祥なことが起ったら、なお組合は民主的な組合と言えるかどうか。そのためにいろいろな心配があって、やむなく、当局の指導が一本以外は認めないということが明らかになったから、こういう地区申請等が出て、来月おそくまでに一つ設立しようかという動きになっているんだ。まだ、設立されておるのではないんだ。そして下の方では、真の耕作農民は、寄り寄りいろいろな考えを持ってこの事態を見守っておる状況なんだ、こういうことを申し上げておるんです。出てきているんで、公社としては民主的なものだからその通り認めますとか何とかいうことでなくて、特例として認められる地域ならば、最優先的にこの地区は特例として認めなければならぬ地域ではないのか。申請のいかんにかかわらず、指導の幅もあってよかったのではないか。一本化が原則だ原則だと……。耕作農民が自主的に一本化がいいとなったら、それはその通りでいい。それでは因るとなったら、その困るという意思が尊重される唯一の有力な地域で、ないかということを申し上げておるんです。こんな地域、ないんですからね。こんな多数組合員を擁し、これほどの耕作反別を持ってやっているという所はないんですから、そして、現状は二十三組合なんですから……。そこをもう少し当局側として指導するのに御親切であってもよかったろうし、またほんとうにそういう点こそ農民の意思を尊重するという形であればよかった、そう思って、私は残念でたまらぬ。  あなたさえそういうお考えにおなりになるならば、双手をあげて地元の農民はあなたの御見解に賛成して、適正な規模の組合を設立するでしょう。その際において公社当局が、それまでにされることは困る、こういうことでいいのじゃないか、ああいうことでいいのじゃないか、という親切な指導があれば、そのときこそがほんとうにその指導を受けて、適正規模の組合ができるということになるでしょう。私は、そういうことをあなた方の方でやらなかったら、地元においてはスムーズに一本化のこの設立ということができるのかできないのか、心配されるものがあると思う。そうすれば反対者をまた説得するとか、いろいろな工作をするとかいうことが行われるかもしれない。私はここで公式上は言いたくないけれども、この設立過程においていろいろなことが行われたといううわさはたくさん聞いておる。そういう人の名前もきちんと聞いております。けれども、そういうことは、私は信用しない、信じない。公社がそれほどまでにやったということは、私は言いたくない。出先の公社機関が、あなた方がおっしゃるよう、な指導をせざるを得なかったという事情も、この政令の精神からいえばさもあろうというところまでは、私は認めている。けれども、そういうところこそ、この経過をほんとうに生産部長でも何でも取って御検討になられたなら、そこに何らかの妥結点を見出すような努力をなぜ公社側はやらないか。そうして衆議院の農林委員会なり大蔵委員会であったものに、善処すると言っていながら、善処すると言った次の日、地区申請を認可した。われわれから、言うなら、これは作為的なものであると、そういう悪推量さえしたくなる。形式を立てますか、ほんとうに農民の意思というものを立てますか。総裁にお答え願いたい。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) 千厩支局管内の組合の設立の規模について問題があって、国会で質問があって、副総裁が、調査をして善処するということを申し上げたのは事実であると思います。従って、それまでに長い期間がかかったのでありまするが、本社としましては、発起人の間で一本化に話がまとまったと、そうして発起人総会が済んだと、こういうふうに報告をされてきましたので、実はやれやれという感じを持ったわけであります。それで、もともと一本にする方が原則であるのに、すでにもうバーレー種との関係において二つに分れてもおりますから、せっかくまとまったという報告があれば、これに基いて申請を許可すると、こういうことにすることが筋道じゃないか、かように考えて許可をしたというのが実情でございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 だから、あなたの方の実情はわかったが、現地の認識においては欠けるものがあった、それは御否定になれないと思う。しかも、一本化というものは、あなたの方の指導によって農民の意思が曲げられてきまったんだ。個々の組合を代表する人、意見書なるものは、支局の方にも保管しておるかもしれない。そういうことになっていないのです。一本化には全然なっていない。それが討議の過税において皆さん方の非常にりっぱな御指導があって、一本化ということに一応なった。しかし、衆議院等のこういう善処するというようなことがあり、それも現地に聞えて、また各地におけるこれ以上大したことのないような所でも、騒げば二つにもなるというような状況であるならば、われわれも考えなければならない。われわれは公社に協力をして、そして何とかお願いをして、こうしてもらいたいということで来たのを、公社の方で押えた。で、われわれも考え直さなくちゃならぬ、こういう機運が起っておる。おそらく、きょうあたり発起人会がまた開かれて、再検討しょうということで招集されているのです。  私は、最も円満な解決の方法は、だれが騒いでいるということでなしに、公社側はあくまでも一本でなければいかぬという意思でないことは、先からあなたの答弁ではっきりしたのですから、ここで幅のある御指導をなさって、ほんとうに素朴な、何にも知らぬ農民のすなおな気持でついてこられるような、そして今後において公社に協力できるような、紛争の起らないような、そういうことをどうして皆さん方がお世話できないのか。それがやはり国会の意思である。それを形式論一点張りで、出てきたものを出てきた通りやるよりほかありませんと言うなら、ようし、それなら、出てきたものは出てきた通りとなるのならば、騒いで別にまた組合も設立するということで申請してくる、こういうような運動が起ったら、どうします。そういうときには、どう善処します。法一点張りのそういう措置で済むと思いますか。  だから、私たちこの立法過程に参加したものからいえば、円満な解決が望ましい。それには、公社側もそういう法律論、形式論、そういうことだけで処理しないで、今後該当地域がタバコ耕作にもっと熱意を上げてくる、こういう方式で農民自身の意志も尊重するということで、妥結点を見出ず努力をなぜしないのか、する御意思があるのかないのか、こういうことを私は尋ねておるのです。過去のことをやってきて、そしてあくまでも耕作農民の自主的な意思でこうなったのだ、従って公社はこれで満足しておる、ああやれやれと思った、さっきこう言っております。ほっとしたような話。それはあなたの方の指導が成功したから、ほっとしたということなんでしょう。その反面、ほっとしないのは耕作農民なんです。こういうこともあるかと思うからこそ、国会としてはああいう付帯決議を決議しておる。こういう点を活用され、政令の特例を活用されるのは、こういう地域ではないか。再三私は念晴らしに意見を加え、あなたにお尋ねしておる。あくまでもあなたは、やはり公社当局というよりは、何か政府の法律運用でもやっている人のような、そういう御答弁だけをなさるのですか。今からで全然おそくない、全然おそくない。それなら、もう少し慎重に再調査をして、そして、現地の発起人各位、有識者、いろいろな方々からの意見というものを本社はじきじきに聴取して、そうしてしっかりした結論を得るようにいたしましょうと、そういうような熱意はお示しになれないのですか。私の言うことは無理でしょうか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) 小笠原委員のおっしゃることは、無理とは思いませんけれども、私の方も地方局から、むずかしい問題のある地域であるということを十分承知の上、出てきた書類でありまするので、今日、一方的に小笠原委員のおっしゃるところによって、すぐにその通りにいたしましょうというわけには参りませんけれども、せっかく御熱心な御主張、御意見でありますので、調査はいたしてみたいと思っております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 調査はいたしてみたいということですが、どういう調査をしようとするのですか。それが自主的に決定せられたものであるかどうか、真の農民の意思はどこにあるか、そういうことを調査をするというふうに考えてようございますか。私はそれが調査項目の内容の重要な部分だと認識するのですが、そう……。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) これはなかなかむずかしい問題でありますので、公社としては、地方局がどういう根拠に基いて、いろいろな問題点はあったけれども、最後に全部その問題点を調整して、全員が一致をして一本化に賛成して、発起人会が従来の世話人の二十三人あったのを七人加えて三十人にして、発起人会を催して、それでまとまった、認めたというその間の事情をよく開いてみたい、かように考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 聞いた結果、耕作農民の意思が十分それに結集されていない、やはりやむを得ない事情として、そういうことがあったのだというような事態になってくれば、そういう事態になってくれば、善処しなければならぬと思う、当然。私の熱心な御主張であるからということでなくて、国会の意思として決議せられているあの線に沿えば、そうなるべきはずなものです。調査をしてみましょう、あとは知らぬでは、これでは私の主張していること、期待していることが果されない。調査の結果、出てきたものが、真にそれは形式だけのものであるという実態が現われてきたら、内容に即応して、現地の事情に即応して、善処するということにならなければならぬと思う。そう承知してよろしゅうございますか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) 今、結果のことまでは、ちょっと御約束できかねるかと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、もう平林委員にこれは一応譲りますが、あなたの精神はどこにあるのですか。タバコ耕作組合を設立して、それが専売公社に奉仕するということだけが、片面の理由だけが、あなたの頭に一ぱいになっているのじゃないですか。耕作農民の意思を尊重する、意思が主体なんだという考え方はおとりになっておるのですか、おとりになっておらぬのですか。開き直って、私はそういうことをお聞きしたい。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) 耕作農民の意思が主体になっておるということを否定はしておりません。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、今後において耕作農民の意思というものは、それは尊重される、それは善意を持って、好意を持って皆さんもいろいろおやりになるということは、当然であろうというふうに期待して、ようございますか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) ただいままで出て参った種々の経緯を経て一本にまとまったということも、結局は耕作農民の意思がそれでそこに落ちついたと、こういうふうに本社としては解しておるわけであります。その間の事情について、今日詳しいお話がありましたから、どういうふうな状況のもとに全員一致で、一本化に賛成したかということをよく確かめてみたいと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 その確かめることは私は希望しますが、地方局を通さないで、本社の生産部、責任ある人を御派遣になって、十分調査をしていただきたい。地方局からは、当事者として——今まで指導してきた当事者なんです、これは、そういうものの報告だけをまた聞きで、こうして私はその調査の結果の御報告を受けたいとは思わない。本社が責任をもって人を派遣して御調査を願いたい。ようございますか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) 御希望もありまするから、本社から人を派遣することもいいのですけれども、地方局長も責任のある地位にあるものであり、こういう報告を本社に出しておりまするから、本社といたしましては、当然地方局にも寄って、よく事情を聞いてみたいと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それはけっこうです。それで大蔵当局にお尋ねしますが、法を運用するのは、あるいは監督する立場は、大蔵省当局にある。それで今までのこの経過を十分お聞きにもなっておられる大蔵当局としましては、しかも監理官等の機関もあることなんですから、ここで答弁は求めないが、十分やはり関心を持たれて、その調査の結果を待つ、あるいは大蔵当局自身でどういう全国的な設立の過程になっておるか、どういう運用と指導を公社側がやっておるのか、こういう点は、監督の立場にあるあなたの方の責任だと思う。十分その当該地区についても調査をしてもらいたいと思うのです。そして大蔵当局の監督しておる立場からも報告を出してもらいたいと思いますが、いかがですか。

佐野廣自由民主党大蔵政務次官

○説明員(佐野廣君) 初めて聞いたきわめて具体的な問題でございまして、十分傾聴いたしまして参考になりました。ただこの問題は、専売公社の方が独立でやっておる機関でもございまして、小笠原委員の御趣旨を体して、私の方からまた二重、三重に調査員を派遣するというふうなことは、私ただいまのところ必ずしも適当でないと考えますが、とっさのことでございますので、一応専売公社の方の意見を十分私の方としても聞きまして善処したいと、こういうふうに御了承願いたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 ただいまで、大体今後公社としても調査をするということでよくわかりましたが、私から若干公社に説明を聞いておきたいことがあります。  第一、衆議院の大蔵委員会で意見を求められて、そして調査し善処するということはどういうことかというと、おそらく、私こまかい議事録は読まないけれども、この一本化になって、発起人会が一本化という結論を出すまでに、専売公社の不当な干渉がなかったかどうかということと、現在一本化という結論に傾いているけれども、耕作者のほんとうの気持はどうだか調べてもらいたいと、こういう二つであったと思う。それは今の御答弁によると、電話で十一日に即日なさったと、こう言う。仙台地方局にそのことをお尋ねになっても、まともな調査ができるはずがないと私は思う。国会が調べてもらいたいということを、地方局のだれにおやりになったか知りませんけれども、そこへ尋ねたって真相のわかるはずはありゃしない。そうでしょう、総裁。それは私は、こまかい実情を、現地で実際に調べてみなければ、実態というものはつかめないはずだ、きわめて形式的に電話の問い合せを出して、何と答えられたか知りませんけれども、そのまま認可をされてしまうところが、国会の要望に対し、いささか軽率なやり方ではなかったかと思います。私どもは実際に現地を調査して来ました。そうして三十人の発起人に会いました。千数百名にわたる耕作者にじかに会って来た。その地域も広範で、各地全部に当ったのです。その上に立ってこういう質問をしているわけです。  私の調査の結果を御参考までに申し上げますが、不当な干渉があったかどうかということについては、おどかしや権力やその他のやり方で一本化にさせたという事実はありません。それは御安心なすってよろしい。ただ、この二十三の組合長を中心とする世話人たちが合議をした結果、あるいは九本の組合にしてもらいたい、または六本の組合にしてもらいたい、四本にしてもらいたいという各種の意見があった、そうしてあるときは収納単位に九つの組合にしてもらいたいという結論に意見の一致を見た。ところが、専売公社側からは、そういうことでは中央の許可が受けられない、許可されない、こういうことの一点ばりであった。そこで考え直してくれということが強調されたわけです。つまり政令の解釈は、確かに一支局一単位となっているけれども、特別の地域はこれを認めるとあるのを、説明していないのです。だから、組合長もそれから他の世話人になった人たちも、耕作者からの質問に答えて、一本でなければ公社は許可しないのだと、こういう説明しかしていない。そこで、それじゃやむを得ないという形になりました。こういう政令の解釈を、きわめて狭めて説明をしてきて、結論を導いたということは、干渉ではありませんが、法律の正しい解釈を、全般に指導しなかったという点で欠ける点があった、私の結論です、これは。  もう一つは、説明の中で、こういう質問があった。それでは一本の組合にどうしても反対という組合が、他の組合を作ったらどうするか、われわれはそれを希望している、こういうので、幾つかの組合からは、この質問を行なった。すると、答弁に当った公社の責任者は、新しい一本の組合が原則である、他の組合が設立されても認可はされない。そうしてその組合に対しては、いろいろな公社の仕事を通知する義務はない、こういう答弁をされた。なるほど法律を文字通り解釈すると、その通りになる。しかし、そんなことをしたら、他の組合が、これは設立しても、公社から収納期日の通知も、ほかの仕事もないとすれば、やっていけないじゃないかということになりまして、結局一本に賛成せざるを得ないということになる。この御答弁も機械的過ぎる。ほんとうは耕作者の意思が尊重されるという趣旨の国会の意思通りに説明すれば、こんな間違いにはならなかった。この点も私は説明が不足していたというふうに見るのです。  もう一つは、最後になると、こういう理由書を出せ、どうしても一本になりたくない、六つの組合なり、市町村単位にしたいとか、収納単位にしたいとでも言ったら、理由書を出しなさい——私は他の地域の組合の組織をきめるときに、理由書を出せという支局がどのくらいあったか知りません。理由書を出すという義務は、おそらくなかったのじゃないかと思う。ところが、公社の責任者は、理由書を出せと、各組合皆こんなむずかしいことをいろいろ書かしている。理由書を出せということは一体どういうことか、これは私はある意味では、よく解釈すれば上に伝えるためにこまかく知りたいという意思であったでしょう。悪く解釈すれば、理由書を出せといって、権力的な干渉を加えたと見られないことはありません。これは見る人によって違う。しかし各組合から理由書を出せ……、ところが二十三の組合のうち八つの組合から一本化反対という意見書が出された。三つの組合から条件付で仕方ないから一本に賛成だと出された。八つの組合からは一本化でやむを得ないから承認すると出された。他の組合からは意見を出さなかった。こういう実情です。こういうやり方を、私は専売公社がどうも一本化に導いていった一つの手段としてお使いになった印象を受ける。その結果今度は連合会から出たのは、これを全く見せないで、さっき小笠原委員が言った三本の質問書の形、専売公社に対する一つのレジスタンスですね、大きな組合を、一つにしたら運営ができないじゃないか、経費が高くなるじゃないか、そういうことは、他の農業団体と競合するのはばかばかしい話ですよ。専売公社に質問書を出すなんて、自分で判断すべきものを、専売公社に質問書を出す必要はない、これが一つのレジスタンス、こういうような事情です。それから七月二十五日に地方の代表が専売公社に来ている。ところが、これは向うの一方的な見解だからわかりませんが、そのときに連合会長やその他十数名が上京してこの問題の陳情をしたが、本社に断わられたらしいと、こういう——これは向うの説明だから本社が何と言ったかわかりませんけれども、ここでは断わられたという印象を持って帰ったことは事実なんです。断わるということはおかしい。耕作者の要望を尊重する、意思を尊重するという建前であれば、別な表現の仕方がある。これは私は一方的な言葉だから、公社全部責めませんけれども、とにかくこれらの事情が重なりまして、何回も発起人会を開いた結果、最終的にやむを得ず一本化と、こうなったのが真相です。これを不当干渉と見るか、公社の行き過ぎと見るか、指導の説明の不足と見るか、これはあなた方の御自由です。しかし、私が得た調査の結果はこういうことです。  それから耕作者の意思がほんとうに一本化を希望しているか、このことについて申し上げます。一本化を希望していないのです。それは、先ほど申し上げた約三十名の発起人のうち、二十三の組合長はただいまお話ししたような割合で意見を述べました。しかし、一本化賛成の八名の組合長は、先ほどのようなことを真に受けて一本化といって賛成をしておるんです。それから三十名の残った七名は一本化に反対です。だから十五名は一本化に反対である。そこで法律の正しい解釈を説明いたしましたところが、最近どういうことになっているかというと、一本申請を取り消すという耕作者の大会が結論として出た。そして従来の発起人、この人たちは選挙をして出されたんじゃない、下の人の意見を聞いていない、一本化に賛成の八人は特に。そこで、これらの一本化申請を取り消すという決議をして、従来の発起人にこの旨を話して再検討を求めるという運動が起きました。これは一カ所ではありません。約九カ所の組合からこの運動が起きました。そしてもしこれに服さないときは、発起人にやめてもらうという要求を出すことになりました。そして大蔵委員会に対しては一本化の申請を認めないように要請をしようということの動きが始まりまして、本日地方で最後の発起人会という名目で発起人が招集を受けまして、そこで再検討をするということになっておるのであります。どういうことになるかというと、少くとも八人の発起人は前の結論を翻して、やはり新町村単位を希望する、こういうことにして今後の合議が進められるということに相なっておるわけです。これは私直接、先ほどお話しした範囲の数の耕作者を調べて、その結果の結論でありますこれは一つ専売公社は大いに参考にしてもらいたいのであります。先ほど電話のことで、私は形式的なやり方を非難しましたけれども、もう一つ申し上げます。認可を与えたという期日はいつですか。つまり申請があったことに対して専売公社が認可を与えた期日を一つ示してもらいたい。

榎園光雄日本専売公社生産部生産課長

○説明員(榎園光雄君) ちょっと申し上げます。大蔵大臣の認可の通知書を受領いたしましたのが九月十五日、私の方から仙台地方局長に対して認可のあったという通知を発送いたしましたのが九月十六日付で発送しております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 それでは引き続いてお尋ねします。九月の十二日、本社に自由民主党の代議士小澤佐重喜ざんが代表とともにたずねられ、生産部長に会いました。そのとき小澤代議士のあっせんで、こういう結論になっておる。「一、専売公社は特例を適用し、一組合でなく分割を認めること。二、地元は九ブロックではなく、よく相談して特別区域申請書を出すこと。三、特別区域申請のあり次第仙台地方局長に相談をし協議して大蔵大臣に認させること。四、特別区域申請のあったときは、前に出しておる一組合申請書が消滅すること」等の話し合いがまとまった。私は向うに行ってこの話を聞いたのであります。小澤代議士には直接確かめてはありませんが、地方で各関係者からお話を聞いたときにこの結論を得たので喜んで地方に帰った、こういう説明がされております。間違いありませんか。その真相はどらか、生産部長にお話を聞きたいと思います。

駿河義雄日本専売公社生産部長

○説明員(駿河義雄君) 小澤代議士が磐井地区の青年の方とこられたのでありますが、そうした問題のお話をいたしたのでありますけれども、協議と申しますか、協議が成立したというような形ではお話ししなかったのでございます。そういう御意見は出たようであります。

平林剛日本社会党

○平林剛君 御意見が出たのではなく、小澤代議士が入ってただいまのような線について大体了承を与えたのではありませんか、私はこの委員会が終ったあとで小澤代議士とも会って話をしてみたいと思いますけれども、こういう線であなたは了承したんではありませんか。もしそうだとすれば、あなた小澤代議士の意見を聞いただけだと言うけれども、とんでもない話です。せっかくあっせんに入って、こういう線そのまま意見を聞いただけでもって帰したんですか。

榎園光雄日本専売公社生産部生産課長

○説明員(榎園光雄君) ちょっと補足説明いたしますけれども、一応小澤代議士がおいでになりましたのは、農協の青年部の方三名を御同伴なさっていらっしゃいまして、専売にこういう問題があるという話がございまして、一応事情を聞いてくれというお話でございましたので、事情は確かに聞きましょうということで、小澤さんと会うことを約束いたしまして生産部長の部屋に参られたわけです。同時に、当日いろいろ地元からのお話がございましたけれども、こういうふうにいたしましょうという約束は、公社としてはいたしておりません。

平林剛日本社会党

○平林剛君 公社として約束はしなかったかもしれない、それはあなたは正直な人だからそのまま受け取りましょう、しかしですよ、少くともこういう話があって、皆さんは現地の実情を聞いたわけです。国会の意思は耕作者の意思を尊重するということになっている。こういう事情がわかりながら、実情調査は電話一本で済ませる、十二日にこの話を聞いて、四日間の間皆さん何をしたか知りませんけれども、十六日には認可の通知を出す、あまりにも形式的過ぎやしませんか。私は耕作者の意思を尊重することという国会の付帯決議を少し軽く取り扱われているのではないか、ただいま現在の進行しつつある耕作者の動きから見ると、あなた方の取扱いはどうも少し軽率過ぎやしないか、それは総裁の言われるように、そういう申請があったから手続上はいいという理屈は成り立つかもしれません、それは形式です。しかし、耕作者の意思と反したことではないかという疑いを持って、もっと慎重にやるべきが私法律の精神からいって穏当ではなかったかと思う。しかし、過去の問題を今議論しても意味がありませんから、先ほどのように調査するということになったのだから、これ以上申し上げませんけれども、それは一つ十分反省をしてもらいたい。  そこで一区域の、今の申請を許可した場合は、東磐井地区には数組合の設立は形式上ですよ、形式上現在の形においては認められないということになってしまうのですか。

駿河義雄日本専売公社生産部長

○説明員(駿河義雄君) 設立の手続がなされれば、許可すれば認められない形に自動的になろうと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 一本化の申請が多数耕作者の意思でないということから、あらためて取り消しの要求があったときはどういたしますか。

駿河義雄日本専売公社生産部長

○説明員(駿河義雄君) ただいまなされた申請は合法的になされておると考えておるのでございます。すでに認可はしてありまするので、ただいまの段階では、それが耕作者の意思でないというように判断はされないと考えておるわけであります。

平林剛日本社会党

○平林剛君 それだからあなた方に調査をしなさいと、こう言うのです。形式は整っておりましても実態が違うとしたならば、一本化申請の取り消しが出た場合には、あらためてそれが耕作者の意思であるというふうにみなして善処をすることを法律は拒否していないと思いますが、これは総裁として、先ほど小笠原委員の質問に答えて、調査をするというお話の中で、こういう事態がもし起ったならば善処してもらいたい、こう思いますが、いかがですか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) 許可、認可事項でありまするので、一応形式が整っておって許可をしてありませんので生産部長がただいま答えたような答弁になるのでございます。この許可を取り消すということになれば、許可申請に重大な錯誤があったとでもいうようなことで、やはり法律上の許可、認可でありますので、簡単には取り消せない重大な瑕疵があるかどうか、そういうような結論が出た上でなければ、今日のところは何とも申し上げられないのであります。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私が先ほど実態をお話いたしましたように、地域では千厩の町における耕作者大会、小梨村における耕作者大会、渋民の耕作者大会、矢越、折壁の耕作者大会、室根の耕作者大会、各地においては一本化反対、そうして一本化申請を取り消すという運動がすでに起きています。きょうの世話人会では、その今までの経過が間違っていた、一本化という主張をした八人の組合長が全く耕作者にはかってなくて、一人で答えたということになれば、それは耕作者全般の意思でなくて八人の意思である、こういうことになるので、不信任案まで出そうな空気です。ただ、事態は円満にやった方がよい、その人たちの、いわば俗な言葉でいえば顔を立てて将来この地域でけんかが起きないようにして、この発起人会でやらせるよらな運動が起きていますけれども、あらためておそらく新しい手続が公社になされると思います。そのときは専売公社は機械的な考えでなく、どうか耕作者の意思を尊重するという国会の意思に基いて善処してもらいたい、再度総裁から一つお答えを願いたいと思います。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) 今から結果を予測して申し上げるわけにはいきませんが、調査をいたしましてその上ということにいたします。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 昼食も食べないで、長時間こういうことで大へん済まぬと、その点は思うのですが、ただ一般的な問題として、皆さんの御答弁、質疑の過程に現われている全体的な空気といいますか、考え方というようなものを見ると、何か皆さんは政府で、法の執行者であるというような態度で、どうも役人的というと語弊がありますが、きりきちょうめん、まことに四角張って、法をたてにものを形式的におっしゃるような空気があって、私どうも公社というものの精神がそういうものであろうかということまで実は疑点に思う。私たちこういう場所で、国会議員として話をしてさえそうですから、ましてその耕作者——第三者というものが公社を見る目というものはそれ以上におそろしく映っておるだろうと思うのです、おそろしく見え、ておるんだろうと思います。その点は皆さんも謙虚に、ある点については御反省がなければ、従来の官営事業、専売事業をおやりになったそういう形だけであるなら、総裁も、要らぬし副総裁も要らぬところだと思います。やはり公社を作られ、しかもたばこ耕作組合法を作り、たばこ専売法も一部改正している、こういう動きの中に、やはり全体が民主化されていくということの願いがあるのだろうと思う。そういう点では、総裁、副総裁の、ほんとうに当局といいますか、幹部の方々は十分そういう配慮があって、御指導があってしかるべきもののように思うのですね。ところが、そちこちにやはりトラブルが起る、その内容、理由はどこかというと、農民——耕作者が自由な判断に基いて自由な結論を得、自由な発言を公社当局の前になし得ない、あるいは従来の組合が、何か現場の農民がものを言おうとしても、それは組合自体における上層階層から抑えられる、そうしてどうも公社には勝てないという感じを持ってきておる、こういうことを排除するということ自身が私非常に問題として重要だと思う。千厩地区のこの種の問題に限らないと思う。そういう点では、私はたまたま千厩の例をあげましたが、他地域においてもこういうことはあるかもしれない、あるいは数少く、発言力がなくて、そうして公社当局までその願望が届いていないかもしれない、そういうようなところまでやはり親切な配慮があって、公社とタバコ耕作者との間が円滑な関係で進まれるというようなことを私は期待したい。そういう意味では先ほど来の御答弁なり、公社当局に行って陳情、応答をする当事者との応待の問題を見ても、過去の例を私は聞いてみるところによると、木に鼻くくったような紋切り型のことで、どうも何ともしようがないというようなことであり、あるいは一課長なり、一係長級の人々なども法をたてに振り回して、君たちそんなこと言ったってだれも許すもんでないよ、いろいろな発言した材料をとって私も聞いてみますと、ひどいことを言っていますよ。こういう点は特段に、私は総裁に今後の内部指導を慎重にやってもらいたい、ほんとうに専売公社というものが国民から信頼され、耕作農民から信頼されるというような形で運営されるように特段な御留意を願いたいと思います。そういう観点に立ってこの種の問題等についても慎重な御配慮を私どもは願ってやまない。私だけの気持でないと思うのです、この点は。私は今後もあるでありましょうし、その前にまた各地域での動きがあるから、それに対してどういう見解を持っているか、公社当局の意見をあくまでもただしたいと思う。私は取り上げた限りは、最後の決着を得るところまで皆さん方の御了解を得、御認識も改めてもらいたいという主張をしたいと思います。  そういう意味で、まずきょうは全般的に今後の問題として、総裁としては公社運営、その心がまえ、外に対する、耕作農民に対する態度等について遺憾のないように御配慮を願いたいということを申し上げておきます。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○説明員(松隈秀雄君) ただいま小笠、原委員から御注意がありました点、私も傾聴に値すると思います。専売公社の運営でありますが、民主的な運営をするというその基本線においては、全く同意と申しますか、同感であるのでありますが、実際問題となりまするというと、民間会社でなくて、やはり専売権といったようなものがありまして、許可、認可をする、あるいは収納価格を決定する、こういうようなこと、それが同時に公社としての財政、専売の目的を達する、こういうようなことにつながりまするから、民意を聞くことけっこうなんですけれども、その言うなりにばかりなっているというわけにもいかぬ。こういう点はやはり程度の問題じゃないか。ある程度はやはり公社運営と申しますか、企業体として民間企業以上に一種の徴税官庁のような役目を負わされておりまするので、いろいろむずかしい規則というようなものもできておる。これを執行して参らなければならぬというような面でまた農民と接する場合もありまするから、そういう点にはついこわもてと申しますか、気に入らないことを言う、こういうようなことがあり得ると思うのでありますが、それにしましても現在は昔と違いまして、公社が一方的に押しつけるというだけではなかなか通るものではございません。従って当然公社の態度も、外界の事情の変化と申しますか、いろいろな情勢の変化によって変ってきておると思うのでありまするが、しかし、これを立場を変えて民間からごらんになれば、まだまだ専売局の延長だ、こういうようなお感じが強いと思うのであります。こういう点は御指摘を得ますれば、そういう御指摘があったということは、これは何らかの方法で公社員にも伝えることができまするからして、できるだけ御趣旨に沿うようにいたしたいと思っております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 最後に、私将来のためにあらかじめ聞いておきますが、先般の委員会で、私、専売公社の耕作組合の設立に際して役員選挙の指導の仕方が法律に沿っていないのではないかという指摘をいたしておきました。当日は法律案を持って来なかったので具体的に指摘できませんでしたが、たばこ耕作組合法として、竹山祐太郎君外四十名提出の法律案の原案によりますと、役員は総会で選挙をする。しかし「定款で定めるところにより、総会外において選挙することができる。」、「役員の選挙は無記名投票によって行う。」。さらにつけ加えて、「役員の選挙は、前項の規定にかかわらず、出席者中に異議がないときは、指名推選の方法によって行うことができる。」。またつけ加えて、「指名推選の方法を用いる場合においては、被指名人をもって当選人と定めるべきかどうかを総会にはかり、出席者の全員の同意があった者をもって当選人とする。」。しかるにあとで読み上げました、出席者中に異議がないときは、指名推選の方法によることや、そのときは総会に諮って出席者の全員の同意があった者をもって当選人とするという条項は削除された。いいですか、これが削除をされたということはどういうことか。これが削除をされたということは、前段において規定した役員の選挙においては、無記名投票によって行うという意味が強められたということを意味するのです。委員会の会議録も調べてみました。また小委員会の模様も聞きました。しかるところ、この後の条項が削除をされた意味は、役員の選挙を民主的にしなければならないという意味で訂正をされたということがはっきりわかったのであります。そうなると、専売公社がその設立の手引きとして各地方に流し具体的に指導に当られたのでは明らかにこの法律の精神と違っておると、こう言うことができると思います。しかも書いてある。専売公社が指導しておるものは指名推選の方法によって行うような場合、前の法律では、総会の同意を得るとまで厳格に書いてある。これまで厳格に書いてある。さらにそれを下回った方法で指導なさっておる。この点私は大へん遺憾に思っておるわけであります。法律の実際の運用に当って専売公社が発行された「組合設立の手引き」の中には、この意味では私は将来批判を受けるものがあろうかと思うのです。そこできょうはこのことについて議論はいたしませんが、前にもお話ししたように、もし二百幾つの組合が設立されて役員が選ばれた。その役員の選び方に一つも無記名投票でやるところがなかったということになりますと、責任は重大です。専売公社の「組合設立の手引き」の指導に一ヵ所も無記名投票でやるところがなかったということになると、この法律案はいろいろ議論をしてまとまったにかかわらず、全く無視されたということに相なる。死文になるわけです。死文になってしまう。こうなりますとなかなか重大でありますから、今後の公社の指導には慎重を期してもらいたいということを私は要望したいのであります。地区組合の選挙というものは設立とともに終るわけでありまして、三百幾つ、数は大へんかもしれませんが、後に私お尋ねをいたしますから、一体何地区がこの法律に基いて原則的な立場に帰って、公社総裁がしきりに一地区一支局が原則だということを言っておりますから、私も原則に立ち帰って、無記名投票でおやりになった地区は幾らあったかということをお尋ねいたしますから、あなた方の方もあらかじめ調べておいていただきたい。

榎園光雄日本専売公社生産部生産課長

○説明員(榎園光雄君) ちょっと今の点について。  なるほど原案につきましては自民党の議員から提出されました原案、先生が今読み上げられた通りであります。その際に指名推選と申しますのは、議長がこれこれの人を役員にしてもよろしゅうございますかというのが指名推選の制度でありまして、そういう場合指名推選をやるというとどうもやはり一般的に特定の人が、議長の好みの人が当選することになるので、そのような指名推選の制度はやめるべきではないか。こういうような指名推選の制度をとる場合においては、先ほど先生のおっしゃったような法文の形態になっておるわけでありますけれども、こういうような指名推選の方法は今度の耕作組合法の場合はとるべきではないというので削除になったのでございまして、現在、私どもが耕作組合設立の手引きの中に書いてあります無記名投票の制度とは本質的に異なった選挙の、役員の選任の仕方でございますので、そこら辺、ちょっと先生の方に誤解がおありになるのではないか、議論をいたすわけではございませんけれども、指名推選の制度と私どもが設立手引きの中に書いてあります無投票当選とは本質的に異なるものであるということをちょっとこの際、誤解のないように申し上げておきたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 法律のことについて私も調べたので、最初の原案は指名推選の方法によって行うことができるということだけであって、だれの指名推選であるかということははっきりしてない。あなたが議長だと言われましたけれども、議長が指名推選をするということは書いてない。そのときの議論としましては、一つの方法としてはそういう方法も考えられる。しかし、また他にも別な方法がある。長老者が指名をする、元老が指名をする。法律的には何とも書いてない。あなたは議長の指名推選の場合だけを言って言いわけされましたが、そうでない。何も書いてない。その点はあなたももう少し……。私は誤解しているわけでない。法律をちゃんと読んで、各小委員の意見も聞いて発言している。議長の推選という意味でない。何も書いてない。だれが指名するかわからない。決して私は間違えて言っているのではありませんから、あなたの方はあとの方の指導を十分にしてもらいたい。法律を死文にしないように、要望しておきます。

西川甚五郎自由民主党

○理事(西川甚五郎君) 本日は、これで散会します。    午後二時二分散会      —————・—————

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