商工委員会 第7号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1958/07/07
会議録
○委員長(田畑金光君) これより委員会を開会いたします。 まず、通商産業政策一般につき、調査を進めます。質疑の通告がございますので、これを許可いたします。
○阿部竹松君 大臣に、三点お尋ねいたします。 第一点は、この前、当委員会に三木国務大臣がおいでになったときも若干お伺いいたしましたが、独禁法の改正について、三木国務大臣がおいでになったときは、次期臨時国会であるか、通常国会であるかは別といたしまして、必ず出すというお話もございませんでしたし、さればといって出しませんというお約束もしなかったわけですが、その後、松野さんですか、松野さんが岸総理とお会いして、独禁法を出すという決定を得たやに新聞に報道されておりましたが、出すのか出さないのか。それとも、もしお出しになるとすれば、この次に、まあ臨時国会が開かれるかどうかわかりませんけれども、あなた方の方の幹事長のお話しでは、九月中旬にお開きになるという報道がなされておりますが、独禁法の改正が、川島幹事長の言う九月半ばころ開かれる臨時国会に出されるものか、あるいはまた、通常国会にお出しになるものか、その点をまずお尋ねいたします。
○国務大臣(高碕達之助君) 独禁法の改正につきましては、さしあたって輸出振興という建前から申しまして、どうしても相なるべく早く改正いたしたいと存じております。ですからできますれば、私どもといたしましては早い機会に、今度の、臨時議会が開かれますれば臨時議会に、もし開かれなかったならば、通常国会に、なるべく早い機会に出したいと、こう考えております。
○阿部竹松君 大臣のお話しの私お言葉じりをとらえてお尋ねするわけではないので、すなおな気持でお尋ねするのですが、輸出振興という建前からということですね、これは、あわてたものを、しからばその改正内容は、輸出が過当競争に陥っているからということで、輸出に関する件だけの一部分的な小改正になるのかという気持がするのですが、そのあたりはどうですか。
○国務大臣(高碕達之助君) ひとりこの輸出振興だけでもありませんからね、改正するには全面的にわたりまして産業政策上必要と存じますことにつきまして、改正いたしたいと存じております。
○阿部竹松君 そうしますと、開かれるかどうか、いずれその点は別といたしまして、九月十五日ころもし開かれるということになりますると、そこの臨時国会にお出しになるやに理解してよろしいのですか。
○国務大臣(高碕達之助君) そう了解していただいてけっこうでございます。
○阿部竹松君 その点についてもう一点。その中身の問題ですが、まだ改正案が、その独禁法の改正案が、審議会にかかって答申された次第ございまして、今法制化されるのに努力中でございましょうから、その法案の内容については、私は触れませんけれども、いずれお出しになったならば、またお話を承わりたいのですが、先日三木国務大臣とのお話しでは、独禁法が昭和二十二年にできた当時は別として、二回改正されているわけです。それで今度で三度目の改正になるわけですが、できた当時の、あるいは発足当時の趣旨は別といたしまして、とにかく中小企業を助けているという面については、この法案は役に立っているわけです。従って、やはり改正しても、その海外貿易に関して過当競争があるから、そういう点で、この法案で何とか助成しようとか、あるいはワクを変えようという、こういう意味でございまして、大手を野放しにして、中小企業を苦しめるというようなことには、中身はならぬのでしょうね。その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(高碕達之助君) 中身につきましては、詳細のことは今ここで私よく存じておりませんですが、根本の趣旨といたしまして、中小企業を圧迫するというふうなことは断じて行わないというように改正をいたしたいと考えております。そういうことはないようにいたします。
○阿部竹松君 それはその点でよろしゅうございます。次に、この前大臣にも若干お尋ねいたしましたが、実はことしの輸出は、三十一億五千万ドルということで御計画になってございますが、これも三木国務大臣に、私は、こういう調子ではもう大体二十七億ドルくらいになってしまうのではないかという話をしましたところが、そういうべらぼうな話はございませんという三木経審長官、国務大臣のお話しでしたが、まあ正直に言って九月の末か、あるいは次期臨時国会がなければ、十二月まで通産大臣にまみえる機会がないので、まあ正直にお聞かせ願いたいのですが、大体二、三月でしたか、はっきりしたところはわからないにしても、予定のベースで今日まで進んでいる云々ということをわれわれは本で見たり、いろいろなニュースでキャッチしておるわけですが、従って一カ月や二カ月よりたたぬ今日、これはどうかと言って尋ねるのもどうかと思いますが、もう三カ月も四カ月も会えぬと困りますから、通産大臣の見通しは、私の言う二十七億ドルというものは絶対誤まりであって、やはり三十一億五千万ドルの見通しが達成できるかどうかということを、大きなところでけっこうですから、見通しについてお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) この予定は、三十一億五千万ドルを目標にいたしておりますが、一月から三月までの実績、また最近の実績等を見まして、業種別によってこれを積立計算をいたしますというと、このままでいけば二十九億八千万ドルという数字が今出ておるわけなんであります。で、これでは困るわけですから、今後の財界の推移、これは主としてアメリカの経済界がどうなるかが大きな問題でございますが、それにもよりましょうが、努力いたしまして、三十一億五千万ドルを達成するようにいたしたいと存する次第でございますから、今この目標を変えるという時期には、到達していないわけでございます。
○阿部竹松君 すると、大臣が今おっしゃった数字は、過去二カ月間の、とにかくあれでしょう、予定よりとにかくマイナスになった分をあげて、二十九億幾ら幾らとおっしゃっているけれども、あとそうすると、その六月、七月から十分であるかということになると、これは必ずしも十分でないわけです。まあ、大臣のおっしゃる通り、三十一億五千万ドルになるのが最も正しいし、私もそう望んでいます。しかしながら、さりとてそれを信用して、なかなかそういかないということがはっきりわかっておって、それを信用して、日本国民が全部、経済界なり、輸出業者なり、われわれまでついていって、いや、実はだめだったと言ったら、そのときは困るのじゃないですか。ですから、もしできなければできないということを、はっきりもう打診してみて、早く手を打つということが望ましいと思うのですが、そういう御懸念はないのですか。
○国務大臣(高碕達之助君) 今申し上げました通りに、現在のところ、努力いかんによれば、三十一億五千万ドルに達成し得ないということはございません。ですからこの目標は変える必要はないと存じます。しかし、今申しました通りに、現在の実情から言えば、このままに推移すれば二十九億八千万ドルと、こうなるわけであります。こういう目標等につきましても、できるだけ早い機会に、はっきりわかりましたときは、これはよく国民諸君にも知らしたいと思っております。
○阿部竹松君 二十九億八千万ドルということになると、もうすでに二カ月後に大体七千万ドルのまあ相場がこわれたということになるわけですが、私はやはり通商産業大臣のお見通しが甘いという極言は使いませんけれども、心配であるから、将来どうなるかということよりも、大体本年でも危険ではないかということでお尋ねしただけでございまして、そういうことで大臣に特段の努力をお願いしたいと思います。 その次に、前国会に、これは衆議院の方に出ておったわけですが、小売商業特別措置法と、私ども社会党の立場から商業調整法というものを出して、中小企業の育成強化のための法案が出ておりました。しかし、それは国会解散によって全部廃案になってしまったわけですね。しかし、あの法案を出すとか出さないとか、この種の法案を出すとか、出さないとか、いろいろなニュースが私どもにキャッチされるので、この種の法案、あるいはこれと中身が同じなものか、別であるかは別として、これを中小企業のために出すものか、出さないものか、その点を参考のために伺っておきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) この問題につきましては、中小企業庁長官が出席いたしておりますから、それから答えていただきたいと思います。……それじゃもうじき参りますから、私よくはっきり申しますと、あまり詳しく知らないですから、間違ったら困りますから。
○阿部竹松君 ただいまの御答弁は大臣のおっしゃる通り、川上長官がお見えになってからでもけっこうです。 その次に、炭鉱なりあるいはメタル鉱山なりの災害について、これは質問もありまするし、お願いもあるわけですが、通産大臣も御承知の通り、例年例年日本のあらゆる産業の中で炭鉱ほど災害率の多い産業はないわけです。終戦後の統計をとって見ましても、大きいけがから小さいけがをした犠牲者まで含めて百万人くらいの人間が大体けがしておる、百万人。なくなった人は一万数千名です。ことしになっても、もうとにかく膨大なものなんです。こういう状態では、これは石炭産業でも、あるいはまた、金属鉱山でもあるいはまた電源開発と称してあらゆる山奥でダムを作っておるのですが、ダムを作ることは、全く賛成で異議はないのですが、相当な犠牲者が出る、こういうことについて何らか手を打っていただけないものかどうかということを、お尋ねと御要望にもなるわけですが、大臣が今度新しく通産大臣として席につかれたので、一つお尋ねやらお願いをして、もし今後についてこの種のそれぞれ災害に対する法案でもございましたならば披瀝をしていただきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) お説のごとく、この鉱山、石炭、またトンネル作業とか、地上において働いている人に比較して、地下で働く人たちは非常な危険な作業をしつつある。これに対しては政府としてもいろいろな方針をもって今までやってきておったわけなんでございますが、特に炭鉱におきましては、格段の努力を加えて、保安の対策につきましてはいろいろ方法を講じておったのでありますが、最近に石炭につきましては、あまり予測してなかった、あるいは前のガス爆発、落盤というものでなくて、出水の被害が出たわけであります。こういうことをいろいろ検討いたしますというと、どうしても今までの許可方針なり、あるいは施業対策と申しますか、その状況等につきまして、さらに一段とこれを保安の点から申しまして強化していきたい、こういう考えでございまして、統計によりますと、石炭百万トン当りの死亡者の数も過去二十五年は二十人四でございましたが、三十二年は十二人六程度になっておりますが、十二人六でもこれは多い。これを皆無にしたい、こういう方針で進みたいと存じておるわけでございます。なお、これに対する対策につきましては、幸い政府委員が出席いたしておりますから、詳細のことはお答えさしていただけると思います。
○阿部竹松君 私、政府委員からでもどなたでも御答弁はけっこうですが、大臣の今おっしゃった二十五年に二十人とか、その次に十二人というのは、なくなった一日の数字であるか、一カ月の数字であるかわかりませんけれども、とにかく毎年千人くらいからここ三、四年八百人から七百人になって、ことしは六百四十人か幾らかなくなっているわけです。毎日々々もう三月でも、四月でも、五月でも、六月でも、人の死なない日は炭鉱で一月のうちに、日曜日を除いて二十四日働く日と二十五日働く日がございますが、そのうちで大体死なない日はもう一日か二日なんです。毎日々々人が死んでいるのですよ。お隣におる小岩井保安局長に承わるとよくわかるのですが、人の死なない日なんか一年のうちに十日とないのです。毎月々々統計をとっているわけですから、わかると思うのですけれども、一月に三分の一死ななかった日というものはない、それをまず除外しても、それを除いてそれでもことしなんか東中鶴で水が出てしまって死体が上がらぬ、それから長崎では江口炭鉱というところで二十九人も水が出て死んでしまって死体が上がらぬのです。そういうことであるから、努力されるという御答弁でけっこうなんですが、しかし、このままの姿では、大臣、とてもだめなんですね。ですから、そういうつまらぬところは掘らさないようにするとか、それとも法規を作って、厳重に取り締るとか、そういうふうにやらなければ、とても不可能なんです。ここに委員長、委員各位もおられるんですが、私もこの炭鉱の仕事を議員になるまでやっておったんです。この国会でも三年も前から保安局長に来ていただいてやかましく言うんです。やかましく言っても、そのときは善処します、努力しますとか言ったって、一ぺんだって法律を変えたこともなければ善処したこともない、こういうことなんですよ。私はこういうところで、大臣の前で、当面の責任者である小岩井局長は努力なすっているから、いやなことは言いたくないけれども、取り締る方も困る、法がゆるいから、取り締られる方も困るんですよ。ですから大臣のような明敏な方が大臣になられたときに、ずばりとやっていただきたいというのが、質問の要旨というよりも、私の希望になるかもしれませんけれども、そういうことを私申し上げているんです。内容の点については、大臣が就任されて間もないんですから、数字をあげて御説明いただかぬでも、私は局長でもけっこうなんです。そういうところをどうにかならぬものか、毎日々々死ぬんですから、その間に二十人、三十人といって、水が出て、そうして死骸も上がらんのですから、こういうことだけは何とかなくしていただけぬかということなんですがね。
○国務大臣(高碕達之助君) 先ほど私のあげました数字は、これは石炭百万トン当りの十人と申し上げたのでありますから、これを五千万トンといたしますと、これは五百人になる、非常に大きな数字になるわけでございます。特に、私最近の被害状況等を見まして検討いたしました結果、北九州における中小炭鉱が、もう技術上当然これは不可能であるというふうな山を、いろいろな方法で手に入れて、これを採炭をしているということが、今日ああいうふうな災害を来したおもなる原因だと、こう存じまして、今後そういうものについては、厳重な法規をもって許可しないとか、あるいは許可しても取り消すとかいうふうなことも考えたいと思っておりますが、せんじ詰めると、ああいう古い山をいつまでも掘らなければならぬという、そういうふうなことに、少し私は無理があるような気がいたしまして、そういうものにつきましては、できるだけ今後新しい炭鉱を、ないわけじゃないんですから、そっちの方に振り向けるということにして、あまり無理をして採炭をするというようなことは取りやめるという方針について、今後十分検討いたしたいと存じているわけでございます。
○阿部竹松君 お説の通りであればけっこうですがね。新しい山は確かに埋蔵量はたくさんあるんですね。しかし、そこにセメント会社でもこしらえるように、簡単に資本金だけあればすぐ石炭が出るという筋合いのものではない。それと同時に、膨大な人が毎年毎年死ぬ。かりに百歩譲って 一人か二人死ぬのはやむを得ないとしても、一回に五十人、六十人という人が死んでいる。一昨年、一昨々年でしたか、雄別炭鉱で、一回に六十人も死んだ、どの人がたれだかわからない。電灯をつけておって、これは太郎だ、これは次郎だというふうなことまであった。それをしかし厳重に処罰するといったって、処罰する規則はあるけれども、私は、罰金を納めた人も、その責任者が警察に出頭くらいはしたかもしれないけれども、十日もぶた箱に入ったというような話は聞いておらぬ。これは法を直さなければ、いかに通産大臣が人道上の立場から一つやろうとなさっても、現在の保安法規では、とても不可能なんです。自信があれば、何条に照せばどうだということを承わりたいんですがね。
○説明員(小岩井康朔君) ただいまの御質問でありますが、もちろん、最近災害が頻発しておることは、これは事実です。遺憾に存じております。しかし、私が前々説明をして怒られるのでありますが、もちろん、よくはありませんけれども、漸次は改善の方向に進みつつあることも事実であります。いかんせん、私どもの無力で十二分にこの死亡者、重傷者を減らすことができないのは、まことに残念に思っておりますが、今後、最近起っております坑内出水につきましては、その原因が鉱区外に侵掘しまして、古洞にぶつかっているという事実が非常に多いという関係上、これらの点につきましては保安法の改正をいたしますし、さらにこまかい点につきましては、保安規則の改正をいたしまして、これらの災害の防止に万全を期したいと、かように考えております。もちろん、保安法、保安規則だけを改正いたしましても完全に参りませんので、今後のこれらの防止対策につきましては、目下九州に担当者を派遣いたしまして、全部中小の炭鉱を招致いたしまして、こまかく古洞の関係を調べさしております。なお、この十日前後には中央から調査団を派遣いたしまして、全部とまでは参りませんけれども、まあ、三分の一ぐらいの炭鉱に一通り全部当りまして、なお残った山につきましては、現地の監督部で十分に実情を調査いたしまして、それぞれの保安上の問題となる点につきましては鋭意改善をはかって参りたい、かように考えております。
○阿部竹松君 端的にお尋ねいたしますが、保安法なり、規則の改正は、いつやられるのですか。
○説明員(小岩井康朔君) 保安法は大体御承知のように、鉱業法との姉妹法の関係にありまして従来の考え方といたしましては、正しい鉱業、正当な鉱業にのみ保安法、保安規則を適用いたしておるのであります。従いまして侵掘をしておるような区域につきましては、従来は保安法、保安規則は適用してはいかぬという逆な指令をむしろ私の方から出しておるのであります。しかし、国会の各委員会におかれましても、東中鶴のごとき実例もございまして、監督官が侵掘しておる事実を知りながら、それがまだ十分に処置のされていない間に変災が起ったわけであります。先ほど御指摘の通り、十八名の死体がいまだに一名も出ておりません。まことに残念に思っておりますけれども、こういう事実がありました関係上ぜひとも保安法でも、やはり侵掘の事実がありました場合には、参りました監督官がそれをとめ得られますように今後改正をして参りたい、かように考えております。それと最近の災害防止の点だけの改正でなしに、目下各現地の監督部長には保安法、保安規則の重要な改正の点があれば、至急に取りまとめて連絡するようにいたしておりますが、これらの機会に一括いたしまして、できる得る限り法の改正をして、万全の態勢を整えたい、かように考えております。
○阿部竹松君 それはよくわかるのですが、いつやるかということなんですが、いつおやりになるか。たとえば今度の十二月に開かれる通常国会におやりになるものか、あるいは来年おやりになるものか、それから臨時国会等があった場合には、それでおやりになるものか、その点をお尋ねしております。
○説明員(小岩井康朔君) 御質問のお答えを忘れまして大へん失礼いたしました。私ども、もちろんでき得る限り早くやるつもりでおりますけれども、特に保安規則の点につきましては、中央協議会の議を経なければならないということになっておりますので、もちろん、この中央協議会も開きまして、それにもかけなければなりません。法は国会で作っていただくわけでありますが、保安規則も同時にでき得る限りいたしますけれども、鉱業法との関連もあり、目下調査会を私の方で作りまして、省内でも鋭意検討を続けておりますので、でき得る限り次の国会、臨時国会がありますれば、臨時国会には、もう改正の法案を出したい、かように考えております。
○阿部竹松君 保安局長、突っぱねるわけではありませんが、いつかあなたがおっしゃった審議会ですか、保安審議会ですか、あそこはあまり開かれない。ずっと名前を任命して、委員は作っておりますけれども、あまり開いておらぬという話しですね。実際開かれておるのですか、一カ月二回か三回。その委員会を作っても、有名無実であって、招集責任者は僕はだれかわかりませんけれども、ろくに開かぬそうですが、国会だけの答弁ではなしに、もう少し真剣にやってもらわなければ困りますよ。
○説明員(小岩井康朔君) 中央協議会、地方協議会の開催の頻度と申しますか、度数は非常に少いのであります。地方協議会におきましては、かなり従前よりも回数を増しておるようでございますけれども、中央協議会におきましては、予算の関係もございますし、大体今までいただいていますのは、年に一回か二回くらいの予算しかいただいておりませんので、これ以上開きますと、経費を支払うこともできないというような状態でありますので、もちろん、今後は、予算を計上いたしまして、回数もよけい開けますようにしてもらわなければなりませんけれども、今までの開催いたしました目的は、規則の改正の場合には、これらの機関の議を経なければならないということになっておる関係上、改正のときでありませんと開くことはございません。しかし、ことしになりましてからは開いておりませんけれども、昨年は規則の改正をやりまして、中央協議会はもちろん開いたわけでありますが、回数としては、ただいま御指摘のように年に一回か二回、中央、地方を通じましても、回数は決して多いわけではございません。今後、でき得る限り予算を取りまして、これらの会が活発に動けますように努力をいたしたいと思っております。
○阿部竹松君 一年に一回だとか何だとか、とても話しにならぬじゃないですか。一年に六百人も七百人も、少い年でなくなって、そのために審議会というものがあれして、これをどうしようという委員会が、金がないからやりませんでした、そのために人が死ぬのです。そういうようなことは、局長の責任ではなく所管大臣の責任かもしれぬけれども、それはむちゃくちゃですよ。そんな委員会だったら、ない方がいいのです。予算をくれないのは、これはあなたの責任だといっても始まりませんから、これは大臣、一つ来年、予算をつけてもらわなければなりませんけれども、それにしても、あまり穏当を欠くと思いますけれども、それで局長は責任も何も感じないのですか。
○説明員(小岩井康朔君) もちろん中央審議会、地方審議会はでき得る限り回数を重ねることがいいことは十分承知しております。かなり努力もいたしておるのでありますけれども、まだまだほかに必要な予算も十分にいただけないような関係で、特にこういった最近の災害の対策というような場合には、中央協議会は開きませんけれども随時技術問題があれば、在京の技術専門家を招集いたしますし、また、関係の各局と連絡をとりまして、種々対策を立てておりますし、各山におきましては保安委員会というようなものがございまして、その山その山で労使十分相談できるような組織もございますので、これらの活用に待ちまして、その回数の少いのは、保安法、規則の改正の関係のときだけいたしていますので、今後の努力をお約束して、今までの回数の少かった点につきましては、何分の御了承を得たいと思っております。
○阿部竹松君 法規を改正して、将来のために備えるという御答弁ですから、私はそれで法規の改正の内容に期待して質問は終りますが、大臣にお願いしておきたいことは、今お聞きした通り、この種の産業の問題を論ずる委員会がたった一年に、予算の関係で、一ぺんか二べんだということになるのです。こればかりではないのです。大臣は局長その他の担当事務官等からお伺いになっているかもしれませんけれども、本件で、まあ前の水田さんとか、前尾さんに何回も口をすっぱくしてお願いしたのですが、予算がないと言う。監督不十分じゃないかという話をすれば、人が足らない、予算がない……。これ事実そうなんです。私よりも大臣がよくお調べになっておるでしょうけれども、ある現地の監督に至っては、これは二等の汽車賃が出るのだそうだが、監督員が派遣されるときですね、しかし、二等の汽車賃で行ったら、予算がなくなるから、三等でがまんして、そして二回行くというのが実態だそうであります。私は立法府の議員ですから、行政面にタッチするような気持は毛頭ありませんけれども、この次の補正予算に組めと言っても、とても話しになりませんでしょうが、来年度の予算には十分検討して、よその省より、決して、多くくれとは言いません。しかしながら、何百人も何千人も死ぬほどの産業の、やっぱり行政府としての取締りを厳にやってもらわなきゃなりません。多くいただきたいとか、多く組んで下さいというつまらぬことは言わぬのです。十分な仕事のできる措置を特に講じていただきたいことを、これはこの席でお願いするのもどうかと思いますけれども、要望として申し上げて質問を打ち切ります。
○委員長(田畑金光君) 先ほど阿部君の質問の中で、中小企業庁長官が見えましたので、一つ御答弁願いたいと思います。
○政府委員(川上為治君) 小売商業特別措置法案につきましては、この前の国会におきまして、御承知の通り、いろいろ議論がございまして、一応流産になったわけでございます。その際、衆議院の商工委員会におきまして決議がございまして、この小売商業の特別措置の問題につきましては、さらに政府においていろいろその検討をして、もっといい案を出してもらいたいというような決議もございましたので、私どもの方としましては、現在この問題につきましていろいろ検討をいたしているわけであります。内容につきましては、小売市場の問題でございますとか、あるいはまた購買会、生協との関係の調整、それから大企業等の小売進出の問題についての調整、まあそういう問題があるのでございますが、小売業者の安定という立場の問題、あるいは関係業界に対しまする影響の問題、あるいは消費者に対する影響の問題、そういう問題を慎重に検討いたしまして、できれば次の、臨時国会がございますれば、臨時国会に提案をいたしたいというふうに考えまして、現在いろいろと協議をいたしております。
○阿部竹松君 そういたしますと、長官、こういうことですか。まあ、衆議院で議決されたというばかりではないでしょう、問題はね。やはり中小企業の現在の姿を見て、政府御当局としては必要だと……。あなたの答弁することはいつも衆議院の決議案を金科玉条のように、袞龍のそでに隠れてやるとは言わぬけれども、どうもあれですが、そうすると中小企業庁要らぬということになる。そういうことじゃないでしょう。中身はどうなんですか、中身は。
○政府委員(川上為治君) 何も衆議院の商工委員会におきまして決議があったからというわけではございませんので、私どもの方としましては、現在の中小企業、特に小売商業の現状から見まして、何とか特別な法律を設けまして、小売商業の保護なり、さるいは関係方面との調整なり、そういうことが必要だというふうに考えますので、そういう考え方から早急に案を作って国会に提案をしたいというふうに考えておるわけであります。
○阿部竹松君 その点はそれで了解しましたが、もう一点ですね。実はこの前、長官おられたと思うのですが、きょうも通産大臣にお尋ねしましたが、独禁法の改正の問題です。三木さんのお話しも、高碕さんのお話しも、まあ、輸出の方がこれは大いに影響あるのでという前提条件で、中小企業には影響しません、影響させません、こういうことで、独禁法を改正するという意味の御答弁の開陳なんですが、今できている法案、私は答申案を読んだだけですから、どういうことで法制化されているかわかりません。その内容は、長官もし知っておれば、法制化されているものが、一切中小企業の皆さん方に影響しないものかどうか、そのあたり、もしお聞かせ願えるならばお聞かせ願いたいと思うのですがね。
○政府委員(川上為治君) 独禁法の改正の問題につきまして、もちろん、私どもは中小企業関係の方面の立場からいたしまして、非常に関係がございますので、この問題につきましては、私どもの方としましても常に関心を持っているわけであります。従いまして、あるいは公正取引委員会とか、あるいは通産省内部におきましても、その方とはいろいろ、そのつどその検討に対しまして、連絡も実はとっているわけでございまして、私どもの方としましては、もしこの改正が行われるとしますならば、この問題について中小企業の方と十分その調整ができ、かつまた、この中小企業者に対して非常な影響がないようにしてもらわなければならぬということで、いろいろ現在検討を進めているところと連絡をとっているわけであります。その内容につきましては、まだ私の方では現在検討中でございますので、はっきりとここでどういうふうになっているということは、ちょっと申し上げかねるわけでございます。
○阿部竹松君 長官に対する御質問は、それは法制局でやっておられるのですから、何条はどうだとか、かん条はどうだということを私はお尋ねしているわけではないのです。大きなラインだけですね。さいぜんも話しましたが、あと長官としばらくお会いできぬので……。やはり国会べぽんと出てから、いいとか悪いとかいうよりも、今少しでも片りんに触れておくことが、私ども勉強になりまするし、あるいはまた、長官のお心がまえも聞いておくのがよろしいということで、お尋ねしているのですから、何条がどうだという枝葉末節のことは全然聞いておりません。ただ、両大臣の答弁は、中小企業に影響しませんというような答弁の開陳でございまするから、あなた中小企業庁長官として、中小企業に一切関係があるのですから、そうするとあなたやはり御心配になられると思うのです。ですから、その点は関係ないかどうかということなんですよ。輸出過当競争をやっているのを私知っていますから、輸出に影響しないように、過当競争をやらぬように、また、あらゆる面で育成強化するということは賛成なんです。しかし、国内の中小企業、あらゆる産業に影響してきては大へんですから、角をためて牛を殺すというようなことをやられてはたまりませんので、しつこいようですが、お聞きしているわけなんです。その点だけですから……。
○豊田雅孝君 今、中小企業長官に質問があった、その答弁を聞いておって、私からもちょっと関連をしてお聞きしておきたいと思いますが、それは今度の独禁法の緩和について、大臣からは輸出に重点を置かれるのだというお話しでありましたが、輸出に重点を置くということは、同時に大企業に引っかけて、大企業本位の改正が行われるということを、非常に憂慮せられるわけです。そういう点で、これはもう非常に一般経済界及び中小企業界は、注目しているわけなんです。従って、おそらく中小企業庁長官とせられてどういう内容の大勢になろうとしているかということはわかっていると思うのですね。すでに答申も出てきていることであるし、審議中であるので、この際どういう点が懸念せられるなら懸念されるという点を、はっきりと言ってもらいたいと思うのです。いよいよ出てきたときに激突して、いろいろ問題が出るよりも、問題を事前に把握して、そして通産大臣にも、高碕通産大臣は中小企業にも関心が深いのだから、大企業一点張りの通産大臣になったと言われぬように、これは事前に十分考慮をめぐらし、そうしてまあまあというところでお出し願った方が、私は日本全体のためにいいことだと思うのです。その点はあまり歯に衣を着せない、この際わかってることはわかってるので、中小企業庁としては、ここが心配なんだ、自分たちとして納得いかぬところもあるのだということをはっきりさしてもらいたいということが一点。 それからもう一点は、小売商業特別措置法を臨時国会にお出しになるということを、今、阿部委員の質問に対して答えられたようですが、これについても内容がもうわかっておると思うのです。登録制をどうするのか、その他マーケットをどうするのか、あるいは生活協同組合、購買会、共済組合に対してどういう程度のことをやるのか。これらのことについて、ここで明らかにしてもらいたいというのが第二点です。それからもう一点は、商業については小売商業特別措置法を出すとなれば、一応今言った点を充足せられるにおいては、まあまあどうにか満足とまではいかぬが、ある程度の緩和にはなると思うのですが、しからば、大工業が中小工業の方へどんどん過当進出していく、放っておいたら、紡績会社がズロースまで作る、製鉄会社がくぎまで作るという懸念があるのですが、これについていろいろ考えておられるようですが、どうも小売商業特別措置法案に、いわゆる中小企業振興助成法案に対して、中小企業庁はそうでないかもしれぬのですが、通産当局は非常に弱腰だということを聞かされておるのです。それだけに中小企業振興助成法案について、どういう構想を持っておられるか、そしてその経過はどういうふうになっておるか。これは小売商業等振興の問題として当然考えなければならぬ問題だと思いますので、合せて一つ大臣並びに中小企業庁長官からお答えを願いたいと思います。
○政府委員(川上為治君) 独占禁止法の改正につきましては、先ほども申し上げましたように、現在いろいろ検討中でございますし、また、私どもの方としましては深い関係を持っておりますので、その検討に際しまして、そのつどいろんな意見も実は申し入れをしておる最中でございますので、まあそのうちで、私の方で相当問題がありますのは、たとえば不況カルテルなんかを設けます際に、その調整事業であります生産制限とか、あるいは販売制限とか、そういうようなことをいたします場合に、そのいわゆる協定というものが、中小企業者に対しまして、非常な関係がございますので、私どもとしましては、そういうものの認可につきましては、十分な考慮を払って認可してもらわなければならぬとか、そういう問題なんかがあるわけでございますけれども、先ほど申しましたように、この問題につきましては、まだはっきりどういうふうにするというところまではきまっていないのでございますので、私どもとしましては、常に先ほども申し上げましたように、関心を持っておりますし、連絡もとっておりますので、中小企業関係の立場からいたしまして、中小企業に対しまして、不当な影響がないようにぜひともしてもらわなくちゃならぬということで、いろいろ交渉をいたしておるわけであります。 それから小売商業特別措置法の問題につきましては、これはもう御存じだと思うのですが、この前の法案の内容としましては、第一の問題は、購買会とか、あるいはその生活協同組合との関係の調整、それから第二の問題としましては、小売市場についての問題、第三の問題としましては、大企業なり、そうした方面が小売商を営む場合において、一般の小売商との関係の調整、そういうのが、この三つの問題が骨子をなしておるのでありますが、これにつきましては、非常に弱い案だとおっしゃる方もございますし、また、なかなか一面においては強い案だとおっしゃる方もありますし、いろいろあるわけでございまして、たとえば小売市場の登録制の問題につきましても、私どもの方としましては、これは認可制までいった方がいいんじゃないかというような気持を持っておりますので、そういう点からいきますというと、この前出しました政府案につきましては、どうも少し弱過ぎるのではないかというようなことも言われておりますが、ただ、登録制にするか、あるいは認可制にするかという問題につきましては、いろいろ法律的に問題がございまして、たとえば憲法論から言いまして、果して認可制というものがとれるかどうかという問題につきましても、いろいろ法律の問題として疑義がございますので、私どもとしましては、できれば認可制にしたいのだけれども、やはり法律問題もございますから、この問題については、なお現在いろいろ検討をいたしておるわけであります。それから購買会あるいは生協との調整の問題につきましては、これまたいろいろ問題がございまして、現在の生活協同組合法だけで、生協の取締りは十分ではないかというような意見もありますし、また、その法律だけで小売業者との調整もできるのじゃないかというような意見もありますし、また、購買会につきましても何か特別な立法を設けなくても生協法によってこれを処理することができるのじゃないかというような意見もありますし、また、大企業の小売進出との問題につきましても、これまた許可制の問題と相当関連がありますので、果してそういうものは小売商を営む場合において許可制にひっかけるということは、法律上それができるかできぬかという問題もございまして、実はこの問題につきましては、いろいろ検討しなければならぬ点がありまして、現在実は検討中でございまして、まだどうするというところまではきまっておりません。先ほど申し上げましたように、もし臨時国会がございますれば、私どもの方としましては、ぜひともその機に、それまでに何とかはっきりしたものを作って提案したいというような気持を持っておるわけでございます。
○豊田雅孝君 中小企業振興助成法案の方は……。
○政府委員(川上為治君) 中小企業振興助成法というのは、これは実は私の方ではっきり案ができたものではなくて、従来から、たとえば単に小売業関係だけではなくて、製造業につきましても中小企業の一応分野というものをはっきりしておいて、はっきりしなくても大企業が中小企業に進出する場合におきましては許可制にするとか、あるいは調整措置をとるとか、そういうものを織り込んだ、またそれに加えまして、設備の近代化とか、いろいろなそういう助成問題についてこれをはっきり法律化するというようなものを盛った一つの振興助成法というようなものをこしらえたらどうかというような意見がありまして、この問題につきましても、実は先年内閣に設けられました中小企業振興審議会においていろいろ検討もされたのですが、その後私の方でもいろいろ検討してみたのですけれども、いろいろな問題が実はあるわけでございまして、たとえばこの官公需の中小企業に対する優先発注の問題をとらえましても、なかなかこれは各省との間の話し合いも非常にむずかしいという問題もありますし、あるいはまた、今の設備近代化を法律化するかというような問題につきましても、この問題につきましてもいろいろ問題がありますし、あるいは大企業の中小企業進出の問題につきましても、先ほど申し上げました小売の問題と同じように、これを認可制にするという問題は、やはり憲法問題なり、法律問題というのがありますので、今のところこの法律案につきましては、確たる案を実は作っておりません。この問題については、さらに検討をいたしまして、臨時国会に出そうというところまでは実は来ておりませんが、いろいろな方面について検討を実はしたいと考えておるわけであります。
○豊田雅孝君 これは大臣にお尋ねしますが、今中小企業庁長官の答弁によりますると、小売商業特別措置法のほうは、だいぶん内容もはっきりしてきておるようでありまして、臨時国会には出すということでありますが、にもかかわらず、工業関係の方につきましては、中小工業関係につきましては、だいぶん態度が、方針が不明確でありまして、この点は中小商業対策と中小工業対策のバランスがとれんと思うので、この点については、大臣はいかようにお考えでありましょうか。この点を特にお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) ただいま長官からお答え申しました通りに、いろいろ中小工業団体の関係につきましては、憲法問題等もあるものだから、さらに一そうの検討を加えたい。こういうことでありますから、当然これはなるべく早く国会にかけるべきものだと存じておりまして、できれば小売商の問題と一緒にやってみたいと思っておりますが、あるいは多小延びるかと思うのであります。 なお、先ほど豊田委員から御質問がありました、輸出振興のために独禁法を改正すれば、その結果、中小企業を危機に陥し入れて、大工業を援助する結果になる、こういう御懸念でございました。これは私どもの考えと全く相反しておりまして、現在の中小企業者が、いかにも劣弱であって、それで各人がてんでんにてんでんな方法を持っておる。これをなるべく一本にまとめて、そうして進んでいくということは、中小企業を強化する上におきまして、従って一面におきましても、大企業とも対抗していける、こういう意味から独禁法を改正いたしたいと存ずる次第であります。
○小西英雄君 輸出振興についてでありますが、政府も所管大臣も、非常に熱心に輸出についていろいろ論議をかわしておりますが、実際に輸出について、われわれこの議会でいろいろな理論的なことを申しましても、実際は政府の指導と、そして、一線に働く貿易業者の声をもう少し聞かなければ輸出は伸びんのじゃないかと、私こう考えておるのですが、この点について具体的に例をあげますならば、日本の国の品物を、たとえば自動車なら自動車は、戦後特に伸びて、これは外国に今日は輸出する状況にまで日本の品物がよくなったということは認めてもよろしい。また、東南アジア各地域をわれわれ訪れまして、いろいろ業界の人、その地の声を聞きますと、これはあえて一部の声でなくして、日本の貿易業者が、日本の法律が悪いためか、あるいはその省の指導が悪いのか、たとえば自動車をビルマなりタイなりに見本を持っていきたい。ビルマなりインドネシアの各都市に、二、三台くらいの見本を持っていって、そうして指導してもらいたいということを考えても、日本の政府はこれを許さないということについて、高碕通産大臣はこういう点についてはよく存じ上げておられると思うので、一つこういう点について、今後、そういうふうな隘路についてどういうふうな考えを持っておられるか、一つお伺いしたい。
○国務大臣(高碕達之助君) これはどうしてもやはり輸出振興をするためには、ある程度の見本を出さなければ商売にならぬわけであります。今までも見本につきましては問題にしていないようでありますが、しかし、なお、そういう点につきまして多少取扱いに目にちがかかるとか、そういうことのために商機を失するということがあっては困りますから、今後輸出振興という場合には、よく取り調べまして、見本を送るという場合には、急速に出せるようにしたいと存じます。
○小西英雄君 局長にお尋ねしたいのですがね。今までどうです、東南アジア諸国、各業界から、強く要望したにかかわらず、その見本を、これは無為替でもっていくということについて非常にむずかしい手続、また、それを許さない。国に一台なら一台ということでは、とても見本の輸出にならぬのだが、そういうことを知っておるのか知っていないのか、それ、どうですか、通産局長。
○政府委員(松尾泰一郎君) 実は、私、その実情をはっきり承知をいたしておりませんが、ただいま大臣も言われましたように、それがほんとうの見本輸出であるならば、それをやかましく言う理由は、実はごうもないわけであります。いろいろ便宜をわれわれとしてははかるべきものだと思いますから、考えます。ただ、かなり金額の張るものでありまするとし、また、あるいは外商が個々に貯めておりまする円の取り寄せというような懸念があるような場合に、あるいはその担当の方でむずかしいようなことを言っているのじゃないかと想像するのでありますが、そういうことでさえなければ、見本輸出というものは、ただいま大臣の言われましたように、私どもとしては積極的に、できるだけ出すべきものであるというふうに考えております。私、現実にそういう問題が起った事例をあまりよく存じておりません。もう少しよく調べましてお答えしたいと思います。
○小西英雄君 これ、即日、返答が局長においてできぬようですが、実際にわれわれ各地で聞く言葉は、全く局長の言う意見と違って、相当信用ある大メーカーが、各地で、英国なりドイツが見本を持ってきて、そうして市場を持つのに、日本のみがそれをなかなか許可しないという声が相当強いと聞いておる。それからもう一点は、これは通産省の役人においては、そういうふうな貿易の業者に対して、いろいろ親切とか、あるいはそれに対する指導、知らぬ国へ行った貿易業者に対する指導を怠るようなことは、ごうもないと思いますが、とにかく貿易業者の声は、高らかに、外務官僚、とにかく官僚は不親切で、外国へ行ったらほとんど日本の貿易ということについて理解が少くて、いばっておって、とても困っておるということが、これはもうわれわれどこへ行っても聞く言葉でありますが、皆さん方の前へ行っては頭を下げておるか知らぬが、実情はそういうことなんで、通産大臣においてよく調べまして、外務省も通産省も、国をあげて、今日、貿易のために各大使があるというくらいな認識をするように、一つ教育をしてもらいたい。
○大谷贇雄君 今朝、商工、大蔵の合同審査会でも話が出たわけでありますが、世界的な不況に見舞われております今日、東南アジアの市場をめぐりまするところの自由主義国家群の競争が非常に激しい。そこで、西ドイツなどは、輸出回転基金を作って、そうして延べ払い輸出の抜本的な措置を講じておる。従ってわが国としても、そういうような、強力な手を打たなければならぬわけですが、通産省では盛んに延べ払い輸出ということをおっしゃっておられるわけでありまするが、それをどのようなふうにして行うのか。その規模あるいはこの品目、相手国等につきまして、一つ承わりたい。そうしてまた、それによって、一体どのくらいの輸出の増加が見込まれるのかという点について、一つお知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) お説のごとく、日本といたしまして、東南アジアの市場が非常に重要であるということは同感でございまするが、現在、東南アジアにおきましては、極端に外貨が不足しておるわけでございまして、通産省の調べによりましても、昨年の三月とことしの三月と比較いたしまして、東南アジアだけで、外貨が六億ないし七億ドルばかりの不足を来たしておるわけであります。従いまして、これに対して積極的の輸出政策を講ずるためには、勢い延べ取引をせねばならぬ。ただいま私たち一同が考えておりますことは、延べ取引をすることは、とりもなおさずプラント輸出に重点を置くことになる。これは、もっとも相手の国の政情なり、相手の国の経済状態によって同一条件というわけにいきませんが、ケース・バイ・ケースで考えなければいけませんが、従前、頭金を二割五分取って五年年賦というのが最長であったようでありますが、これを場合によっては二割に減して七年ぐらいの延べ取引にしようではないか、あるいは、市場の状況により、競争の激しいところは、これをもう少し緩和しようではないかと、こういうことでただいま検討中でございますが、私は、今のドイツのやっておる例等を見ましても、これはどうしても、少くともドイツ並みにはやっていきたいと思う。今、ソ連のごときは、非常な大きな金額を低金利で、十年、二十年という延べ払いをやっているようでありますが、これとあるいは太刀打ちができませんとすれば、少くともドイツあたりのやっている方式と同様に持っていきたいという方針であります。
○大谷贇雄君 それによって輸出の増加の見込みはどのくらい立てておるわけです。
○国務大臣(高碕達之助君) 現在、東南アジアには大体八億ドルくらいの輸出をしております。それによって金額がどのくらいということははっきりわかりませんが、少くとも一割以上、二割近くは持っていきたいと思っているわけであります。
○大谷贇雄君 この延べ払い輸出と並んで、円のクレジット供与によるところの輸出の増大ということについても、政府は非常に力を入れて、従来インドあたりには供与をしておるという状態でありまするが、今後積極的なこういう施策をどんどんお進めになることが効果があることだろうと思う。そこで、今後どういうような国に対してどういうようなふうに進めておいでになるか。また、これを足場にして、今の東南アジア全体に円ブロック的な広域経済を立てるというようなお考えがあるかどうか、この点も承わりたい。
○国務大臣(高碕達之助君) ただいま円クレジットの方は、インドに対して五千万ドルというものがきめられておる。今これを実行に移そうとしておるわけですが、現在申し込みのありますのは、パキスタン、それからセイロン等から申し出がありまするが、これは日本の輸出を振興するという上からいったら望ましいことでありまするが、相手国の政情と相手国の経済状態というものが、非常に重要なファクターになっていると思うのでありまするが、その点を十分検討するということと、それから、円クレジットの設定というものは、これは政府と政府との話しでありまして、輸出に当るところの人たちはきわめて安全な方法でございます。しかし、一面におきましては、これはまた弊害の生ずることもあるものでありまするから、延べ取引というものになりまするというと、これはどうしてもやはり業者の責任でもってやるということになっておりまするから、その点等もよく勘考いたしまして、先手を打ってやっていきたいとこう考えております。
○大谷贇雄君 西ドイツなどでは、後進国の経済技術協力資金というようなものを作って、そうしてコマーシャル・ベースに乗らない技術援助をどんどん進めておる。従って、東南アジアの各国に対して、非常にドイツの技術とかあるいは機械が進出をしておる。そこでわが国としては、そういうことにおくれをとってはならぬと思うのですが、そういう点についてどういう対策、また措置を大臣としてはとらんとしていらっしゃるのか承わっておきたい。
○国務大臣(高碕達之助君) 何しろ、相手方がいろいろ問題のある国々が多いわけでありますから、これを全部民間の責任においてやれということは無理だと思うのであります。それがためには、政府といたしましては、その金融につきましては、輸出入銀行を通じてできるだけ金融をし、政局の変化だとか、そういうはかり得べからざるアクシデント、事故のために業者に損失を来たすといった場合には、保険制度をよく確立させまして、その方面において欠損を補うというような方針をとっていきたいと存じておりますが、この点は西ドイツ等のやっている方針等、よく調べましていろいろ検討いたしたいと思うわけでございます。
○大谷贇雄君 どうしても、私はわが国の長期的な輸出振興のためには、東南アジアの経済協力、技術協力というものが非常に大事な問題である。従って、これはもう今西ドイツ等のことを研究なさっておやりになるというのですが、積極的に施策を、民間だけにまかせずに、一つお進め願いたい。希望を申し上げておきます。 それから、これは外務大臣に実はきょうお尋ねしたいと思ったのですけれども、まあ、私どもの愛知県などは、繊維産業というものが非常に深刻な不況の波をこうむっておるわけです。そこで先般来、ことに東南アジアでは中共の品物などと競争が多くて、非常に伸び悩んでいるわけです。そこでまあ、これは外務大臣に言うべきことでありますが、繊維を賠償に繰り入れるという問題についての点については、大臣は一体どうお考えになるか。
○国務大臣(高碕達之助君) まあ、賠償の対象といたしましては、元来が、あれはサンフランシスコ条約におきまするというと、役務をもってするということになっているわけでありますが、それから言うというと、今これが資本財をもってやっておりますわけなのでありますが、資本財といえども、こうやっておる以上は、綿製品、あるいは繊維製品というふうなものを賠償に繰り入れるということは、これはかまわないことだと私は思っておりますが、相手方の希望にもよることでありますが、これはある程度賠償に繰り入れていきたいと存じております。
○大谷贇雄君 それから、新聞によりますると、政府は輸出振興のために、国内体制を整備するという意味において、貿易振興法の準備を進めておる、こういうような報道がございますが、その点についていかなる御所見を持っておられますか。
○政府委員(松尾泰一郎君) 実は、最近新聞で貿易振興法あるいは輸出振興法というようなものを政府は考えているんじゃないかという報道が出ておりました。がしかし、別段今のところ、そういうふうな名前のもとに、かくかくの法案を用意をしつつあるという種類のものでは、実はないのでありまして、前の国会におきましても、前大臣から御答弁がありましたように、過当競争防止のために、現行の輸出入取引法を、一部改正をしたいということを申されたのでありますが、その後、われわれの方の検討の結果では、もちろん、それらも含むわけではございまするが、それだけでは若干不十分ではなかろうかということで、もう少し広範な、広い角度から過当競争の防止の問題、あるいは貿易商社の強化の問題、あるいは組織化の問題というようなものを今取り上げておるわけであります。従いまして、それが貿易振興法というようなものになりますか、あるいは現行の輸出入取引法の改正というようなことで終るか、まだその辺の結論は実は出ていないわけでありますが、要するに今申し上げた趣旨をもちまして、現行の法令の改正なり、あるいはもう少し広い角度から見直していくということで、実は輸出振興対策の一環として研究を進めておるような事情でございます。
○大谷贇雄君 通産大臣どこか他の委員会においでだそうでありますので、なお私質疑が残っておりますが、椿委員の質問がありますので、後ほどにします。
○椿繁夫君 まだ請願の案件もございますし、大臣にちょっと二、三点お尋ねをいたしたいと思います。高碕大臣は在野の当時から日中、日ソ間の国交の回復、貿易の振興等について大へんお骨折りをいただいておりますことについては、非常に敬意を表しておりますが、今度の三十一億五千万ドルの輸出目標の達成に関連してでございますが、日中間の悪化しております現状について非常に心配をいたしております。総選挙の前後から日中関係がもっと悪化して、東南アジア方面に対する華僑の持っております経済的実権というふうなものが非常に大きい。これに対して中華人民共和国が何らかの手を打つようなことになって、日貨排斥にまで発展することはないだろうかということを、私ども心配を実はいたしておりましたところが、今朝たまたま北京においてではありますけれども、東南アジア方面の中国の実業家が寄って、そして東南ア各地域における日貨の、日本商品のボイコットについて協議が行われたという報道に接し、実はがく然といたしております。これについて現在のところまだきまったばかりでありますから、そう大きい影響が出ておるとは思いませんが、これをそのままにして放置しておきますというと、重大なわが国の輸出の上に影響をもたらすのではないかと心配いたしております。大臣のこれに対するお考えなり、対策なりを承わりたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 日中関係が今日のごとく停頓状態にあるということは、まことに遺憾でございまして、このまま捨てておいたのでは御説のごとく、現在におきましても中国の東南アジア地域に対する繊維製品、そのほかの製品につきまして非常に長期の延べ取引をもって、そうして日本の商品よりも何割安あるいは何分安ということで売り広められておるという状態でありまして、だんだんわれわれが確保しておりました東南アジアの市場は逐次中国の製品に食い込まれるということは確かだと存じます。なおその上に、日本と中国との関係が感情的にもつれ合って、さらに悪くなってくるということになりますというと、きょうの新聞のごとく、当然華僑の人たちとともに、これは日貨排斥というものは東南アジア地区において当然行われてくるということを覚悟せねばならないと存じておるわけであります。そういう意味におきまして、私どもは今日中国との間の誤解と申しましょうか、両国の間の現在の状態を一日を早く妥結して、そして友好関係を続けたいと思っております。これは現在われわれは中国に対して三十一億五千万ドルの輸出目標のうちで、かれこれ一億ドルと見込んでおりました。この意味から申しましても、また東南アジアにおける市場におきましても、これはかりに日中関係がうまくいっても、やはり中国としても当然中国の市場を拡大するという意味で、これは伸びるでありましょうが、これについては両国の間でお互いの調整をいたしていけば、これは相互いに手を携えていけることだと思っておりますが、その間に感情がまじるということは、これは両国のためにはなはだよくないことでありますから、どの点から考えましても、今日の日中関係を一日も早く平常状態に戻すということは、最もわれわれとして必要なことだと思っております。
○椿繁夫君 日中関係の現状を転換さして、好転せしめなければならぬということについて大臣の御熱意のほどはわかるのでありますけれども、事は具体的に進行いたしつつあります。私どももう一つ心配になりましたことは、今朝の大蔵との連合委員会でも若干心配になったものですから、外務大臣にも所見をただしたのでありますけれども、残念なことに依然として静観の態度をとるというお答えを出ないのであります。これで東南アジアにおける日貨の排斥、あるいはこれまで話題に上らなかった賠償の問題等などが、最近の劉連仁事件等中国の国内に与えております影響などを仔細に考えますと、そういう賠償要求というようなことにまで発展してくるのじゃないかというふうな心配も実はなされるのであります。今日まで民間のベースにおいて貿易が続けられて、第四次貿易協定を結ぶ段階にまで来たのでありますけれども、何か中国の感情をやわらげますためには、単に政治と経済とは別である、民間のベースにおいて貿易の振興をはかっていきたいというだけでは、この日中間の遺憾な現状というものを打開することができないような感を深ういたします。何か政府が第四次貿易協定の問題に対しましても、あるいは長崎の国旗事件等に対しましても、あるいは日華社が論文で述べておられます日台韓の三国反共軍事同盟の締結のうわさなどにしましても、何か政府が従来の態度をもう一段と明瞭にしていただきますことが、民間ベースにせよ、貿易問題の好転を期する大きな役立ちを持ってくることであります。ところが、残念ながら今日まで岸総理から国旗の問題については遺憾の意は表明されましたけれども、それを出でない。その後このように東南アジア地域における日貨排斥の具体的な運動が起り始めており、さらに進んで賠償要求というふうなことにまで発展していくのじゃないかということを憂うるのであります。そこで、大臣の御熱意のほどはわかりますが、何らかの具体的な対策を、この際政府としても、また民間団体としても動きを開始し、もって中国との感情の緩和を早急にはからなきゃならぬという気がいたすのでありますが、重ねて大臣の具体的な対策に対して御所見がございましたら、この機会に伺いたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) お説のごとく、民間ベースで築き上げていったあの日中貿易の関係が、今日停頓状態にあるということは、これはやはり民間ベースだけで今後の打開をするということは、私は困難だと存じます。従いまして今後どういうふうな方策をもっていくかということは、当然政府として考えなければならぬ問題だと存じております。この問題につきましては、私どもはやはり個人的の意見も相当ありますが、今いろいろここで申し上げることは、私は御遠慮申し上げておきたいと思うわけであります。岸総理の言う、いわゆる静観というのは、手をこまねいて静観するのでなくて、尽すべきことは尽していく、検討していくべきものは検討しつつ、今のところ、現状のままで静観をしておるわけであります。今後の出方、今後のやり方等につきましては、これは外務大臣からお答え申し上げた方がいいと思います。今これ以上この問題を私が申し上げることは、ごかんべん願いたいと存じます。
○椿繁夫君 実は第二次岸内閣ができます前に、私は高碕先生には入閣してもらいたくなかったのであります。自由な立場において今御所見を述べられたような問題について、いろいろ御尽力を国家のためにしていただきたいと実は思って期待をしていたのであります。個人的には意見はあるけれども、具体的なことはこの席上では述べられないというふうな立場に実はなってもらいたくなかったのであります。しかしながら、これはいたし方のないことでありますが、早急に私は単に民間ベースにおいて積み上げてきた今日までの貿易の実績を、さらに民間ベースの段階と形だけで日中関係を好転せしめるということは、不可能な段階になると信ぜられまするので、早急に政府としても意思の統一をはかられまして、より国家の不幸が大ならぬ間に具体的な対策を講ぜられんことを強く望みまして私の質疑を終ります。
○豊田雅孝君 大臣にお尋ねいたします。今の日中貿易関係につきまして、大臣はできるだけ積極的に打開をはかりたいというふうに、かねがね本会議等でも答弁されて、おります。ところが、外務大臣は静観をするということでありまして、そこに食い違いがある。それで岸総理にはどういうふうにこれを考えられるかという質問に対しましては、岸総理は積極的に打開をしていく意味合いにおいて静観をするのだというような答弁をしておられるのであります。三人の方々の最小限度の共通点を考えてみますと、静観をするのだということには、少くともなると思うのでありますが、ところが、この日中貿易促進議員連盟を、この際自民党としては解消させよう、あるいは自民党としては脱退しようというのは、この静観以上のものになるのじゃないかというふうに私ども非常に心配をするわけなんであります。少くともこの際は静観をしておることの方が、日中関係としてはいいのじゃないか。それについちゃあ日中貿易促進議員連盟について、これはいい、悪いの問題はいろいろ私ども考えております。しかしながら、そういういい悪いの問題と、現に調印者の中でも貿促と、輸出入組合と、日中貿易促進議員連盟と、この三者を比べたならば、日中貿易促進議員連盟が、調印者の中で最も有力なものであることは、これはおおいがたい事実なんです。そういう点から考えると、その有力なる調印者を消してしまうとか、それからときの政府関係与党が脱退してしまうとかいうようなことをやることは、少くとも静観しようという立場から考えまして非常に不利じゃないか。あらぬ誤解をまた生んで、また第二の国旗問題にもなりはせぬかというふうに考えられまするがゆえに、この点は最も積極的にやっていこうと言われる高碕通産大臣としては、どういうふうにお考えになりましょうか。われわれ緑風会としても、今後この議連に対して何らかの態度をきめていかなければならぬ、それだけにこの際その点を伺っておきたいと思う。
○国務大臣(高碕達之助君) 私は豊田委員のお考えとほぼ共鳴する点もあるのでございます。ただ、私は議員連盟を解散するという自民党の方針が第四次貿易協定を、これを破棄すると、こういう意味でなくて、何かほかの理由でこういうことになったんだろうと私は存じております。
○豊田雅孝君 それにしても、静観するというのには、やはり静観らしい行き方の方がいいのじゃないかと思うがゆえに、そういうお尋ねをするわけなんでありますが、その点どうなんでしょうか。
○国務大臣(高碕達之助君) それはまあ有力なる御意見として私は承わります。
○委員長(田畑金光君) それでは通商産業政策全般に関する高碕通産大臣に対する質疑はこれで終ります。 —————————————
○委員長(田畑金光君) これより第二十号日中貿易協定の実施促進に関する請願ほか五件の請願を議題といたします。速記をちょっとやめて。 〔速記中止〕
○委員長(田畑金光君) 速記をつけて。 請願の審査に入りますが、一つ室長の方から読んで皆さん方の御審議を願いたいと思います。
○相馬助治君 議事進行。室長から読んでいただくのだが、室長は専門的な立場から研究されていると思うので、きわめて当然で、その願意が至当で問題の存しないものについては、問題がないと思うという私見を付して、ごく簡単に案件だけ言ってもらいたいと思います。
○専門員(小田橋貞寿君) それでは第二十号の日中貿易協定の実施促進に関する請願でありますが、これは第四次日中貿易協定並びにおぼえ書が、すみやかにかつ完全に実施できるよう格段の措置を講ぜられたいとの請願でありまして、大体差しつかえないのではないかと思います。
○委員長(田畑金光君) 御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田畑金光君) では採択いたします。 次は百五十三号。
○専門員(小田橋貞寿君) 百五十三号はいま一つ百六十四号にも出ておりまして、同じ請願でありますが、バナナ輸入外貨資金人口割の適正化についての請願であります。表題はこうでありますが、中は、商工行政適正化確立に関する請願となっておりまして、文言は表題の通り、バナナの輸入外貨資金の割当に関して、先般のバナナ輸入外貨資金の二五%を人口割にしたのが不適正であるから、これを人口割の適正化を阻害しないように改めてほしいという意味でありまして、ことに本年度日華通商協定によりまして、百万ドルバナナ輸入が増額されたから、これを人口割にしてやってもらいたい。さらに、その外貨資金を割り当てるについては、あくまでバナナを国内に公平適正に配分することができるように、バナナ業者同志会を代表するものに一括して外貨資金の割当を受けられるように措置してもらいたいという請願であります。これは従来からこの委員会で問題になっておりました案件でありまして、この採否については、慎重に御考慮になる必要があるのではないかと考える次第であります。
○豊田雅孝君 従来から問題になっておったようでありますが、紹介議員に私あらためてせられております関係上、一応私の見解を申しておきたいと思います。従来バナナ輸入資金の割当につきましては、輸入実績に対して割当外貨の七五%を割り当てまして、残りの二五%は加工実績という実績によって割り当てておったのであります。しかし、輸入実績の方は大体都市で消費するものが多いという事情も考えまして、これはそのままにしておきまして、あとの残りの二五%の加工実績の分は、せめて国内のバナナの公平な分布をはかり、またバナナの大衆消費の利便を考慮して、各都道府県の人口に比例をして割り当てるようにしたらというのが、請願の趣旨であります。そうして加工実績というものを輸入実績のほかにもう一つ従来認めてきておりますが、この加工実績というものが、これはどの県にもあるかというとそうでもないのでありまして、そこが不公平であって、全国的に見るというと、偏在しているというような実情から見まして、これを人口に比例して公平に配分するようにせられたいというのであります。この趣旨の請願は第二十六回の国会で衆参両院で採択をされたのでありまして、政府も当時その正当なゆえんを認めまして、総額の一〇%は人口割として発表をしたのであります。ところが、この人口割をいよいよ割当するときに従来の加工実績というものに比例配分にしたのであります。それがために、せっかくの人口割というものが本格的に実施せられなかったというところに、問題がまずあるのであります。ところが、その後三十三年度の上期の割当におきましては、政府はその人口割もやめてしまいまして、実績割当一本にしてしまったのであります。こういうふうになりますと、第二十六国会の請願が採択せられたけれども、実質的には全然無視せられるようになったというところに、非常に問題があるのであります。そこで、かつて政府も認めた正当な人口割の趣旨を、この際その趣旨通りに実行してもらいたいというのであります。幸いに、昭和三十三年度はバナナ輸入の外貨の資金は百万ドル増額をされて参りましたので、この機会に従来の業者に迷惑をあまりにかけないで人口割が実施できるのじゃないか、従ってこの機会に人口割を実施してもらいたい。そうしてその人口割は全国の関係があるものでありますから、公平にする必要上、全国的な組織を持っておる適当なる団体を選んでそれに割り当てをするようにせられまして、そうして業界の円満公平な発展を期せられたいというのが、この趣旨なんであります。従来からいろいろの経緯を経てきておりますが、一時認められたものが、また逆戻りをしてきておるというところに非常に問題があり、さらにまた、大都市の大企業的な立場のもののみならず、広くこれがだんだんバナナというものが台湾貿易との関係上、今後も全国的に普及もしていくのでありますから、人口割を加味せられたいというのであります。御採択を願いたいと思うのであります。
○大竹平八郎君 私はこの人口割の問題が、先国会で非常に論議をされて、むしろ本委員会が紛糾をするというまでに至ったときに、調停といってはなんですが、私が政府に申し上げたことは、結局従来のような一〇〇%以上の大きな差益金と、それから従来のようなかご数のわずかな輸入であっては、これは問題が解決しないのであってむしろないものならともかくも、オープン・アカウントの台湾であるのだから、できるだけ多く輸入をして、そうして最低価格を下げて、そうすると勢い差益金というものは下るのだから、従ってそういうことになれば、いうところの各県に従来浸透していないところでも、これは勢い浸透をせざるを得ない。こういうような趣旨を私は申し上げて、当時紛糾した本問題について、多少の調停的な役割を果したつもりでいたわけでありますが、幸いにいたしまして今度の日台貿易に、たまたま私向うに行っていたのでありますが、最初の方針は何か貿易代表部の人たちに聞いてみるというと、このバナナのワクの増額ということは、ほとんどその指令がないような話しであったのであります。それで、私は代表者といろいろ話をして、それは国会の審議を無視する、現にこれは小笠政務次官初め政府当局がバナナを、趣旨のようにできるだけ次回の協定においてふやそうということを弁明しておるのであるし、それからまた、ないならともかくも、たくさんできる台湾でもあるし、最盛期は二百万かごまでも入れた経験があるのだから、そういう意味でできるだけふやすということを主張しているのだから、政府に請訓もしたらどうかというようなことまでも、私は大きなお世話だったかもしらぬが、私は国会議員として、この国会の発言を尊重するがゆえに、私はあえてそういうことを言ったのでありますが、間もなくいたしまして、政府に請訓をした結果が、御承知の百万ドルというものがふえて、従って百万ドルはふえたので、この間差益金の問題につきまして通産大臣に伺ったところが、一一七%が七〇何パーセントにまで下った。それから最低価格は御承知の通り七ドル五十セントのものが七ドルまで下ったというような工合で、ここで非常に円満な、私どもの目的であるバナナを大衆のものにするのだという、こういう形が一応とれたわけなのでありますので、そういう意味において、これを機会に私は従来の、ただ実績を持っておるものだけに割り当てるということの趣旨は、必ずしもほめたことではないのであって、そういう意味で根本的に今後の割当等については、政府が一つ御検討願いたい。こういうことをこの間の委員会において通産大臣並びに通商局長にお話をしたわけであります。そういうことでございますので、ぽかっと百万ドルふえた、そうして今申請している団体がどういう団体か私どもは知りませんけれども、そういうところにこの百万ドルのどれぐらい希望しているのか知りませんが、それを直ちにこの請願通りにやれと言ったって、これは私は無理だと思うのでありまして、そういう全体の機構を検討をするという意味においてこういうような請願が出たということを、私は委員長から取り次いでもらって、これをここで一致してこの問題を採択をするということについては、私は反対であります。また、私の今までこの問題に対する委員会の速記録等を見ましても、私はこれに賛成することはできないのであります。一言申し上げます。
○小幡治和君 これの陳情書の内容というのはわれわれに配ってあったのですか。
○大竹平八郎君 それはいった人といかない人とあるだろう。僕らはもらってない。
○小幡治和君 どうもそれははっきりしないので、今伺いますと、中が非常に複雑な情勢のように聞える。単に人口割というだけじゃなくて、ある団体によこせとか、いろいろな複雑なことになっているようですし、また、この問題については政府自体についてもいろいろ聞いてみなければならぬと思います。私も一応通産省なり農林省の意見というものを聞いてみたけれども、通産省あたりも要するにこの問題については、人口割ということはこの前ある程度きめたものだからそれを参酌して、そしてやってみた。やってはみたけれども、これは要するに人口のところへバナナがどんどん実際入っていけばいいのだけれどもそうではなくして、輸入に対する、輸入資金の割当ですから、そういう意味においてそれを実際取り扱わない人もあったというようなことで、ただそれのチケットというか、権利を売るというような事例もあったりして、どうもわれわれが目的としたように、これがほんとうに人口割になってもおらないのだ、結局そういう人にこれを配るという面は、これは一つの流通の面なんで、こういう通産省の言う面と違う、輸入外貨割当の面と違う、それじゃ一体農林省がそれを、バナナというものを、ほんとうの、どこのいなかでも食わせるようにするかというと、この問題についても、そう簡単に割り切れるような問題でもないということなんで、そうすると、これは非常に複雑ないろいろな行政の問題も入ってきておると思うのですから、まあ私としてはそういう複雑なものについては一応留保をして、そしてもう少し通産省なり農林省なりが、この問題について研究をしてもらうということで考えていきたいというふうに考えております。
○阿部竹松君 この問題は複雑でも何でもないのですよ。当委員会で五へんか六へん論議して、商工委員をやっておられる人なら全部知っているはずなんですよ、この内容について。大竹先生からも発言があったけれども、本件をどうするかということについては、社会党の海野先生とか、あるいは相馬先生からもああせい、こうせいというようないろいろな角度から意見が出されておって、皆さん方も知っているはずであって、今さら通産省当局がどうするとか、農林省当局がどうするとかいう筋合いのものではないのですね。それと同時に、これはあす直ちに法文化するということでもないのだから、この趣旨がどうかということについて、この趣旨がよければことしから実施されるか、ことしの暮れから実施されるか別として、われわれは採択してやらなければならぬ義務があると思うのですよ。否決ということでもけっこうですが、しかし、知らないから聞くということになれば、私は当委員会の権威にもかかわると思うので、一回や二回ではないのです、ここで論議したのは。それと同時に、ここにお集まりになった方々は、相当前から委員をやっておられる方ですから内容をお聞きになった通り、人口割りということで平等にとにかくやってくれということなんです。それもきわめて全部一律に平等にやれという趣旨ではなくて、百のうちの七十五平等にやれと約束したけれども完全にやらなかった。しかし、私はその点については一応やったけれども、また元に戻ったからその点を前のようにしてやってくれということと、たまたま本年度百万ドルと量がふえたから、せめて百万ドルふえた分については勘案してくれということなんです。これは豊田先生が紹介議員だそうですが、私も初めて聞くのですが、業者はどうか知りませんが、業者の人なんか見たことはありませんけれども、しかし、われわれの立場でやはり少くとも平等に国民に少しでも早く平等にいくことをきめるのが、私は当委員会の責務でなかろうかと判断するので、この採択に賛成します。
○相馬助治君 大竹先生が触れられたように、この請願の基本的な考え方についてはわかる。ただ、後段のある特定の団体にやることについては、若干考慮を要するから、この際抜本的にこのバナナ行政というものを考える必要があるのではないか、こういう御意見でございまするので、私はこれに対しては、一応耳をかすべきだと思って聞いておりました。次に、はなはだ失礼でありますが、小幡さんのおっしゃるように、これはめんどうだからしばらく触れないでおこうというのは、これは大へんなことなのであって、めんどうならどこがめんどうなのか、ここで解明して、そしてこれは採択すべきでないというならこれは採択すべきでないことについて、阿部委員が説明されておりまするように、人口割にせよということは、さきに両院を通過してこの商工委員会においても議論されましてようやく請願が通過したにかかわらず、通産省はこれに対して何らの手を打っていなかったのであります。それをこの委員会において大きく問題になりまして、一〇%人口割というものを入れたのです。そのときには、通商局長は明らかに人口割という考え方には耳をかすべきだと言った。そして一〇%入れたのです。そして実はこの経過を述べますと、この前の国会にもこれと同一の請願が出たのです。これは御承知のような形で、請願が正式に審議されずに解散となったわけですが、あのときにこの前からの若干関係があったものを強く主張しなかったのは、人口割という考え方を、一〇%というものを入れたものを、よもや全部け飛ばすなどということは考えていなかったわけです。ところがその後割当をしたところが、これを全部け飛ばしてしまった、こういうことになりますと、その際は両院の請願の趣旨を尊重するというならば、なぜ人口割というものをやってならないのかという、ちゃんと理論的な立場を通産省が立てて、しかる後に全部け飛ばすべき筋のものであったと思うのです。当時議論をした者は、一〇%が一五%となり、二〇%となり、伸びるというふうに考えていたわけなんです。で、特定の業者にやるかやらないかということの議論を今しているのじゃない。いわば人口割というものの基本的な精神というものは、両院によって採択され、通産省も明らかに責任をもって認めたのです。ところが、具体的な問題として豊田さんが触れられましたように、人口割というものは、人口割によってすべての府県に行き渡ることが理想であったのでありまするが、バナナ加工の設備を持っていない県、具体的に申しますと、私の栃木県なんかそうなのでありますが、この栃木県には、せっかくの人口割ではございまするけれども、一本も、すなわち一かごもこれは割当にならなかったわけです。これについても、いささか疑問があって、当時通産省等に申しましたときに、なかなか行政上むずかしいのだと、こういうことで、私も人がいいものだから、それはそうでしょう、むずかしいでしょう、この次はうまくやってくれと言ったら、この次はうまくやると言う。ところが、うまくやるも、うまくやらないも、全部取ってしまったのだから、どうしようもなくなったというのが、今までの一つのやってきた経緯なんです。従って私は率直に申せば、この請願者が、バナナ同志会という人たちの結合でこういう請願をしております。従って内容とするところは、人口割をしろ、すべてのいなかの者にもバナナを食わせろということで、これは前に言った通りで、これはおおむねではなくて願意全く正当だと思う。それから差益金をまけろという、これは大竹先生あたりの発言によって具体的に通産省も考えて、この請願の趣旨が通っている。従ってこれも豊田委員が主張する通りに賛成なんです。それから次にバナナ同志会が寄こせというのについては問題があると思うのです。あるけれども、これはバナナ同志会の連中が請願しているのだから、これは日本の基本的人権に認められているように、裁判所においては被告は自分の都合のいいことを言って、都合の悪いことはしゃべらなくたってかまわないのであって、バナナ同志会が請願しておれの方に寄こせといっておるのであって、これはいささか虫がいいといえば確かに虫がいいが、その者たちに言わしむれば、一応請願としてはそうしていると、全部くれるかくれないかは向う様のことだが、おれたちとしてはこういうようにお願いしたいというのだから、これだって目に角を立てれば立つけれども、まあ、今までの経緯から考えてみると、一つの言っている意味はわかる。私は問題はここに存すると思います。これは確かに大竹委員の言っている通り、問題は存すると思うけれども、そういうわけなんです。阿部委員も私もあえて発言しまするのは、豊田委員とともに請願をいたしました、海野君が今日不幸にして病欠でございますけれども、社会党といたしまして、この請願を大体党の立場からみんなで相談をして支援をしておりまするのは、一つは従前の通産省に対する反省を求めたいということなんです。それからもう一つは、大竹先生が指摘されましたように、従来から問題の多かったバナナ行政について、この際抜本的な適正化をはかってもらいたいということなのでございます。従いましてこの請願は若干後段に問題を含んではおりますけれども、豊田委員説明の通りに私は通すことに賛成であります。
○豊田雅孝君 ただいま相馬委員から言われた通りだと私は思うのでありますが、要するに衆参両院においてすでに採択になって人口割でいくべしということになっておって、これは比率はいろいろあるでしょうけれども、とにかく人口割を加味すべしということでいっておったのに、その人口割それ自身でいかぬと、加工実績割によってやっていくというならば、これは人口割それ自身じゃないんだから、そこに相馬委員の触れられた、私は通産当局のどの辺か知りませんが、これは相当問題があると思う。そこに非常にわれわれ割れ切れざるものがあるというふうに、これは思わざるを得ない。ところが、今度はまた元の人口割それ自身で、比率は別だがいってくれという請願がここで出てきた。これを通さなかったら行政官庁のどこの辺か知らぬけれども、それに全く立法府の意思というものはなめられてしまって、それでいいのかどうかということになると、私は立法行政の関係上よろしくないと思う。しかもこの際輸入の数量も、額が増額せられているんで、この際従来の利害関係を刺激することも非常に問題が少いんじゃないか、この際ぜひ人口割を再び認めることについて考えてもらいたいという、これはむしろ謙虚な主張なんですね。それで、従来からいろいろその方面の御専門であった大竹さんも、これは人口割を加味するのがよろしいと思うと、それを研究するようなことをしたらどうか、研究する意味においてこの請願を通すということは、大体においてみんな御異存がないと私は思うのです。そうしないと、衆参両院で過去において採択をして、そうしておったにかかわらず、それを横っちょの方へ曲げられて、曲げたものを元へ戻してくれ、それで今はちょうど額がふえたときで時期もよろしいという、その請願すらポイとはねるということになると、立法府というものは一体どういう権威を持っておるのかということに私はなると思うので、この辺で一つ研究すると、この請願の趣旨によってですね。そういう意味でこれは採択していただきたいと思います。
○青柳秀夫君 私は百五十三号あるいは四号という件名だけを見て、あるいはいただいていたかしらぬけれども、これの請願の文面というものを実は読んでおりません。あるいは配付になっていただいていたかしれませんけれども、自分が読んでおりません。それでお話は今室長からも伺いましたし、大体わかったような気もするんですけれども、原文を読んでないものですから。非常に抽象的でありまして、請願の要点が、前に人口割になっていたという点を繰り返しているんだから、あるいはもっとそれに何か加わっておるか、また、そういう点があればその内容に従って採択するときも慎重といいますか、よくそういうところを見てやるべきだ。その根本問題に触れるものですから、そこのところだけをはっきりさせていただきたいと思うんですがね。この件名だけでは、きわめて簡単なんですけれども、どういうふうになっているか、その点いま一回室長からでも御説明願いたいと思うんですがね。
○阿部竹松君 今、青柳先生等から御発言がございましたが、これはあれですよ、請願書を取り上げたところで、直ちにバナナの一切の行政が一〇〇パーセントうまくいくとは考えておらぬので、相馬委員がおっしゃった通り、やっぱり大竹先生の発言の中にあった抜本的にやらなければならぬということについては、これは認めているわけで、これは実際ノー・ズロースに陳情書、請願書がよろしいということは認めておらぬのです。しかしながら、人頭割という大前提に立って、日本のドルで向うからバナナを持ってくる、東京におっても、鹿児島におっても、北海道の端におっても、どこにおってもやはり日本の土地であるのだから、全部人数高に応じて配分を受けることができますよという前提に基いた陳情書ですから、私はその点はよろしいということから、まず取り上げて、後、細部をどうするかということは、これはバナナ同志会、全国組織があるかどうかわかりませんから、内部の点については十分に行政面でやらなければならぬと思うのですけれども、人頭割を建前としたこの種の請願の本旨は取り上げてやらなければならぬと、こういうことを考えるのですがね。これはもういかに小幡先生、青柳先生でもここでお互いに発言しなかったのですが、あらゆる先生が発言して、これは一回や二回でないので、私どもは十分察知されておるもんだと思っているのですがね。
○小幡治和君 大体ここで人口割ということの論議はずいぶんあったわけなんだ。だから、この前もそれをやった。ところが、通産省もそれを頭に入れて処置したと、その処置した結果というものがどうなっておるかと、今日まで。それも私は通産省に聞きたいと思っている。それによってまた判断をしてみたいというふうに実は思っております。それからそういう面について、これは通産省の分野とそれから農林省の分野もあるのじゃないかと、これは。そういう面については、一体農林省の分野までわれわれは聞いてみたことがない。それも実は聞いてみたい、もしこれを云々するとするならば。それから第三点としては、今の同志会というようなもの、今ここで同志会というものが突然出てきても、それを同志会に全部配っていいものやら悪いものやら、それは相馬先生の言うように、利益団体が自分の利益のために陳情するものは認めてやらなければならぬというのでは、これは陳情ならいいけれども、請願をここで採択するという以上は、単なる団体の団体利益のためにおれたちはこういうふうに利益になるのだから、これを一つ頼むというだけで、それが妥当性がありやいなやということを探究せずに請願を認めるのは、僕は軽率過ぎやしないかと思う。そういう点について、もう少し追求してみたい、内容的にも。そういう意味において今三つの私には疑問がある。だから、今唐突にこれをここで採択するということには、われわれとしては反対なんです。
○相馬助治君 三つの疑問ですがね。しりの方から、私が答えるのは妥当かどうかわかりませんが、バナナ同志会なるものにやるということについては問題があるのです。大竹先生が指摘されたことは私もわかる。これは若干問題があると思う。しかし、この種のものがこの種の請願をするという意味はわかると言っているのです。従ってしたのだから必ず許可してやらなければならぬと言っているのじゃないので、こういうふうに言っている意味はわかるから、事実バナナ同志会がやるかやらないかという具体的なことは通産行政の面でやるのであって、それでまた、その同志会なるものが真に認められる全国的な組織かどうかについては、これは通産省等において十分査察されると私は思うのです。本委員会も、この点についてやはりもっと調査しなければならないのであるとするならば、それはやはり何らかの方法によって、あらかじめ調査室等において調べていたかどうかを質問をしてその結論を聞くべきだと思うのです、第三番目は。それから第二番目の農林省あたりの意見も聞かなくちゃならないというのは、これは小幡さん、思い過しをされておると思うのであって、外貨資金割当のことであって、全く通産行政の事務範囲からいえば、輸入二課に属するごく少数の部面の仕事なのですね。従って、これは農林省と事をかまえ、また利益を阻害するようなことは、バナナ輸入の外貨の総ワクのトータルの問題についてはあるけれども、個々については私は大体予想されないと思うのであります。それから第一点の人口割によった結果がうまくいったかいかないかということ。これは全くうまくいっていないのです。一〇%やってうまくいっていない。しかし、うまくいっていないのは、一体たれの責任なんだということ、果して両院の決議をしてやったことを忠実にやったのかどうかということ。通産省自身が拙劣な方法でやってだめだったというなら、何かその方法を考えるというならわかるけれども、結果がめんどいからというので今度全部はぎってしまうというに至っては、立法府のさきに請願を採択した意思は一体どこに重点があるか、こういうふうにわれわれはなめられていいのかどうか、こういう問題に私はなってくると思うのです。従ってこの問題は慎重にやること、けっこうです。そうしてまた慎重にやらなければならない内容を三番目に含んでおります。私はこれは速記に残して、はっきりとこの一バナナ同志会というものにそのままやるということについては、問題が確かにあると思います。しかし、これは通産行政の面でチェックし、バランスをとり得る問題だと、こういうふうに私は思うのです。そういたしますと、前段のところはさきの請願の意思と何ら変っていないので、私はこれを採択することについては、何やら力んで賛成論を言うまでもなく、きわめてどうも当然のような感じがするのです。そこで問題がありそうだから、複雑だから、しばらく置くと、こう言いますが、これはしばらく置くということ自体が通産省に与える影響というものは、これは否認したことと何ら変らないのです。
○委員長(田畑金光君) どうでしょうか……。
○小幡治和君 今私の質問に対して相馬さんが答えちまったのですが、ちょっとこいつはそれだけじゃ承服できないのだけれども、たとえばその人口割を加味してやったと、その結果は失敗だというけれども、その失敗の原因は一体何かと……。(相馬助治君「書いてあるでしょう」と述ぶ)書いてあるということは……。
○相馬助治君 人口割であるにもかかわらず、人口割というけれども、早急の際だったから、これは通産省だけの罪じゃないと思うのですよ。早急だったから人口割にしょうないものだから、いわゆる加工実績ですね、加工実績というのは、小幡先生も知っていると思いますが、私は知らなかったので、初めて教わったのだが、バナナは初め青く持って来ますね。それを黄色くしますね。これには室が必要なんですね。これを加工設備というのですね。そういう加工設備が政府に登録されているのですね。その加工設備のものに、割り付けをしたのです。ところが、それは三年か四年前の加工設備にやったものだから、当時のバナナ室が氷室になったり、前橋のごときは魚室になっていたので、魚屋に行っちまったのですね。このバナナが。これは明らかにその責任は通産省自身が負うべきものなんですね。しかし、そういう具体的なことについては、私はあれこれここで議論すべきじゃないと思うのです。ただ、質問が出たから、言わざるを得ないから、私は責任上、請願を通したものの責任上研究しておきましたから、研究もしないで力んでみてもしようがないから、それで答えているのだが、この問題はやはり結果がまずかったというのは、人口割だったからまずかったのじゃなくて、(「人口割にしていないんだよ」と呼ぶ者あり)していないから問題なんだ。
○小幡治和君 だから、それは私はそういう問題について、通産省の一つその意見というか、やってみたけれどもこうだったという、(「やらなかった」と呼ぶ者あり)そいつを私は一つ聞いてみたい。(「やったのならいいけれども、やらなかったところに問題がある」と呼ぶ者あり)それからもう一つは、結局人口割とわれわれは言うけれども、実際人口割が昔の配給みたいにちゃんと、隣組に何人いるからバナナを何本配る、そういう意味での人口割というなら、これは話はわかるけれども、しかし今日こういうバナナの取扱いというものは、おのずから一つの加工業者というものがあり、おのずから一つの実績というものがあって、われわれがただ人口割で全部配ってくれたらいいと言ったって、そういうわけにはいかない。そうすると、結局割り方は人口割でやっても、それを扱うものは結局経験者が扱うということになって、結局人口割というものが、これは理論では勝っても、実際にはそれでないように実際はいってしまうと、そういうことがあるから、通産省としてはこういうふうに考えるのだというふうな意見もあるだろうと思う。単に人口割だからといったって、昔の配給みたいに、人口割でどんないなかにもちゃんと安く来るというわけのものじゃないと思うのだ、今日のバナナ業界の姿というものを見ると。そうすると私は人口割というものが、なるたけどんないなかにも平等に分けてくれというわれわれの国会としての意見と、それから実際の業界の実情というものから、どういうふうにこれが実際扱われているのか。実際人口割でそれを分けて、そうしてこれの輸入資金の割当をやってみたところで、扱う者はさっぱりおらん。結局、そいつの人口割でもらったその権利を売買されて、結局はある所へみんな集中してしまうんだというような実績であるならば、これはただ人口割だといってやってみたところで、何にもならん。そういう面をわれわれとしてはもう少し探求したい。そして、人口割というものの実体というものをもう少し研究して、はっきりした意見というものを出してみたい。こういうことと、それからもう一つは、今言った、そういうふうな具体的な業者の名前なんかもこうやって出てきているんだから、だから、そういう面についても、われわれとしては、ただ、そういう業界がこういうふうにしてほしいというから、そいつをすぐそのまま採択するということじゃ軽率に過ぎはしないか、ということなんです。
○豊田雅孝君 今、小幡さんだいぶ疑問を持っておられるようですが、その第一点の、人口割をやったとかやらんとかいうことについてですが、これは、最初私が紹介議員としてるる説明をしたのをよく聞いてもらい、また、速記録を見てもらえばわかるんですが、それは、人口割でいくべしということを衆参両院は採択したにかかわらず、その人口割の一〇%というものを加工実績の割合でやったものだから、ほんとうの人口割にならなかった。それで非常に問題を今起しているんで、これを直してもらいたいというのが第一点。それから第二点は、人口割を非常に言われるが、これは全部人口割じゃないんですよ。全部人口割がいいとわれわれは言っておるけれども、その人口割もごく一部分のことを、要するに一割程度のことを人口割でいこうというので、全部人口割とする、五割を人口割にせいというのでないことが第二点。それから第三点は、いろいろ研究せんならんというんだが、研究するのには、一応この請願は通しておいて、そして行政当局としてこれは研究もさしゃいいと思うんです。ここでぽんとはねちまうことは、何だか、一応衆参両院で人口割を加味すべしということになっておったにかかわらず、それをその通りにしなかったやつを、いかにも立法府は妥当視するかのようなことを言うのは、僕はちょっと穏やかでないと思う。そういう意味で、採択をせられたらどうかと……。
○委員長(田畑金光君) それで、どうでしょうか……。
○古池信三君 先ほど来の皆さんの御意見を十分承わって、ごもっともな点が多々あると思うんですが、実は私も請願書自体はきょう初めて見るわけです。今この原本をざっと通覧したのですが、ごもっともな主張もありますけれども、最後のほうに、ちょっと私は気にかかる点があるんです。この点だけ申し上げておきたいと思います。それは、「幸に「バナナ業者同志会」は全国組織を擁し、人口割当を当初から主張して来た唯一の業者団体でありますから、輸入実務の円滑と経費節約のため、団体を代表するものに一括して外貨資金の割当を受けられるよう、」云々と、そして措置していただきたいと、こういうことが結論に書いてあるわけです。これが私はちょっと問題だと思うんです。原則論、抽象論はいいとしましても、特定のバナナ業者同志会というものを通してそれに一括して外貨資金の割当をしてくれ、こういうことになりますと、これを採択するというと、この委員会がバナナ業者同志会というものを非常に評価して、それに外貨割当せよという具体的な措置について賛成をするということになるので、この点は私は一考を要するんじゃないか、この点については慎重に考慮する必要がありはしないか、こう私は考える次第です。従って、もう少しこれは慎重に審議するために、保留する意見に賛成をいたします。
○阿部竹松君 古池先生、今のお話しですがね、そうすると、最後の項だけ切ればよろしいということですか。
○古池信三君 私自身としては、この最後の点の以外のことについては、抽象的な原則論については、必ずしも反対じゃありません。
○委員長(田畑金光君) ちょっと委員長から申し上げたいと思うんですが、実は私もバナナの問題は初めてで、従って、従来の本委員会においてどういう論議の経過を経ておるか存じませんが、しかし、この問題をお聞きいたしますと、こう論議を展開されますと、なかなか限られた時間中に審議を終ることは困難だろうとお見受けするわけでございます。ただ、私感じますことは、すでにこの請願が第二十六国会で衆参両院の商工委員会で採択をされたというこの事実は尊重しなければならんと考えるわけです。それからもう一つは、人口割、人口割というお話しでございますが、よくよくお聞きいたしますと、一〇〇%を人口割というのではなくして、一〇%前後を人口割で、しかも、その程度、府県別にバナナが公正な配給が得られるように、こういう趣旨のようにお聞きするわけでございます。それからもう一つは、差益をできるだけ縮めて、安いバナナが一般国民の口に上るように、こういう趣旨でございますので、これまたわれわれといたしましては異議はない問題だと考えるわけです。ただ、最後に私も気にかかりますことは、さきほど古池君の指摘されました特定の業者とか特定の団体、こういうことがこの委員会で採択した場合にどうだろうか、こういう問題が残ろうと考えます。そこで、私は、やはりこの請願の趣旨は、人口割を一〇%でも正確に尊重してもらうということと、差益をできるだけ縮めて国民にバナナが行き渡るように、これがこの請願の趣旨だろうと考えますので、この趣旨に基いてこの請願は採択することにして、ただ特定の業者とか特定の個人とか団体、これはどこまでも行政機関の判定に待つのが妥当でありましょうから、これはあくまでも研究問題として残して、やはり本委員会としては人口割、あるいは、差益を少くする、こういう請願の趣旨ということで理解をして、第二十六国会で採択された内容でもございますから、そういう趣旨で採択をする、こういうような形で処理をしていけばよろしいのじゃなかろうかと考えますが、どうでしょうか。 〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
○古池信三君 今、委員長のお話しの点は、ごもっともなように思いますけれども、ただ、請願書の扱いとしまして、その請願書のうちの一部はよろしい、一部はいけないがそれだけは除外をして採択をするというふうな一種の修正採択のような方法は、今まで請願関係としてはやっておらんように思うのです。そういう前例は私はないと思う。(「あります」と呼ぶ者あり)ですから、私は、やはりこの請願書全体を一括して採択するか採択しないか、あるいは保留にするかという扱いが一番公正妥当ではないか、こういうふうに考えます。
○委員長(田畑金光君) 古池君にお答え申し上げますが、委員長が先ほど申し上げた点は、古池君の御意見と全く同じことを集約申し上げたわけで、それでこの種取扱いについて、先ほど来いろいろ委員部のほう等にも検討してもらったわけですが、確かに条件付の採択とか云々なことはないようでございます。ただ、意見を付して請願を採択する、こういうような形はあり得るわけで、また今日まであったわけで、私は、そういうような取扱いでこの請願を処理していったらどうだろうか、こう考えておるわけで、先ほど申し上げたわけです。
○高橋衛君 私は、先ほど来の議論を、今参りましたので、十分にお聞きいたしておりますけれども、私だけの考えを申し上げますと、人口割で権利を与えるということは、結局、現在のバナナの需要が主として都会地に集中して現実の問題としておる。また、業者の譲り受けその他技術的な面も都会へ集中しておる。また、過去の実績がずっと長年の歴史においてそうなっておるというふうな点から、結局、人口割によるということは、本来今までの経過においては、需要がない所に権利だけが与えられるということになる。従って、それを実際に売る場合にどうなるかと申しますと、結局、その架空の需要ありとして人口割りによって与えられたところから、需要地にまた転送される、転送の事実はないのでございますけれども、少くとも権利を売買されるという結果が招来するということは、一応当然に推定されるわけでございます。それからいま一つは、この問題は、私も台湾の関係で非常に昔からの歴史もある程度は承知いたしておるのでございますが、非常に長い沿革を持っておって、そう簡単に右左をきめ得る問題じゃないと私は考えておるのであります。のみならず、政府当局の意見を私は間接に聞いたところによりますと、政府当局は全部これに対して非常に反対の意思を持っておるというふうに伺っておりますので、従ってこういう問題をもしも御採択になるならば、ことに院議としてこれが決定される以上は、院議を尊重しないということは、とうてい困難な問題でございますので、もしも採択されるということになるならば、ぜひ一つ政府当局から詳細の説明を聞き、政府当局がどういうふうな意見を持っておるかということも、われわれの重要な参考にした上で御決定を願うようにいたしたい。さしあたりそういうふうな経過をはずし、研究もせずに直ちにこれを採択するということについては、私はどうも異議を申し上げざるを得ないというふうに考える次第であります。
○阿部竹松君 あなたは政府当局の話を聞いたというが、あなたは農林省の政務次官だからそういうことをおっしゃるのかもしれませんけれども、政府の出した法案じゃないのですよ。これは一人一人日本国民として請願出したのですから、何も政府の意見を聞く必要もない。聞きたければ三日前にこの理事会等においてこの案件を審議しますよといって明確にここで委員長、理事会できまっているのですから、おのおの政府にいって勝手に聞けばいい。政府の出した法案ならば大臣あるいは総理大臣連れてきてお伺いするということあるけれども、これに政府は反対だったらここへきて反対するでしょう。そんなことを政府に反対されるならば、ここで論議する必要はない。今まで政府のやってきたことが必ずしも穏当でないと思われるから、この種の請願を立法府としてきめようとしている。政府の意見を聞きたければ、三日前に大臣からでも通商局長からでも聞けばいいのです。あなたは次官であるからそういうことをつべこべ言うかもしれぬけれども、農林委員会では通るかもしれないが、商工委員会ではちょっとそういうことは通りませんよ。ここでもっていいか悪いか明確に結論出せばいいのであって、この点よかったらよい、悪かったら悪い、委員長のお考えと古池さんのお考えは一緒ですが、それでもいいでしょう。政府の意見を聞いてみなければならない、政府が大反対だから困るというような前提条件において私どもは審議しようとは毛頭思っておりません。
○高橋衛君 私は何も政府の意見に左右されるということは全然申しておりません。しかしながら、こういうふうな非常にデリケートな問題で、まあ相馬さんもよく御存じだろうと思いますが、こういう問題についてはっきりと意見をきめる場合においては、そういうふうな関係の人々の、ことにその問題について専門的な知識を有するものの一人として、政府の意見を徴することがやはり慎重を期する上においてわれわれの態度としては妥当じゃないか、かように考えて申し上げておるわけであります。それ以上は、つまりわれわれがどうするかという問題について、何もそれに左右されようというような考えは毛頭持っておりませんから、その点は御了承願います。
○相馬助治君 私は結論的に意見を付して委員長お取りなしのようにきめることに賛成します。ただ、そこで相馬君なんかも御承知のようにという高橋さんから御意見が出たので、ちょっと触れさしていただきますと、高橋先生は商工委員会に今度出られたから、念には念を入れるといった意味でおっしゃられるのでありましょうが、私は気分的には阿部君の言う通りだと思います。問題は阿部君が指摘するような意味でこれを考える必要もないほど実は明瞭なんです。政府の意見は聞いているのです。どういうふうに聞いているかといいますと、両院において人口割りが採択されたのです。ところが、政府は一向にこれをやろうとしなかったのです。そこで、海野君を初めとしてこの委員会が取り上げたのです。そうしたら松尾通商局長がかぶと脱いで、この願意はきわめて正しいから、従って若干これを加味しましょう、将来逐次考慮しましょうというので、一〇%というものを加味したのです。いわば政府がある段階において明瞭に人口割りの正当性を認めたのです。ところが、その後これが全部ふっ飛んでしまったのです。なくなってしまったのです。そこでこういう請願が出てきているというのが、この請願を取りまく政府の考え方についての今までの経緯なんです。そこで、ここで慎重論でもってこれはしばらく通さないでおこうということは、これはむざむざと通産当局の意見に屈して、さきの両院の請願の趣旨は全く没却されることになる。初めて出たのならば私は慎重論にくみするかもしれない。しかし、そういう歴史的過程があるのです。そこで私はこの人口割りということは正しいと思うのです。小幡さんがおっしゃっておることには誤解がある。米の配給のようにどこの村々までいくといったっていかないじゃないか、その通りです。これは小幡さん勉強していただくとわかるように、請願者は行政区域の県を単位としておるのです。しかし率直にいえば、どの県にも行き渡るようにということをいっておるのです。山の中の一軒の炭焼きまでバナナが一本いかなかったら半分やれ、そういうべらぼうなことをいっておるのではなく、すべての行政県に行き渡るようにするというのが、この段階における人口割りに対する彼らの請願の趣旨です。私はこういう現実からして、前に請願した過程がありますから、ぜひともこの際高橋さんの御意見もあることでありますけれども、委員長お取りなしのごとく一つ意見を付して本請願を採択されるように希望いたします。
○大竹平八郎君 議事進行。私は委員長の意見を付するということには賛成ですが、その前提として、先ほど古池さんのお述べになった趣旨のうちの後段に特定の団体云々ということがありますが、あれをそのまま採択するということは、この商工委員会の権威にかかわると思いますが、つまり特定の団体のために動いたということは、これは古池さんの言う通りだけれども、そういう意味で人口割りも今後のバナナ行政の上に加味して、さらに大きなバナナ全体の行政を検討する、こういう意味において入れるということはけっこうですから、従って今古池さんの言われた後段を抜いて、そうして各委員の言われたような意見を委員長が付して、そうしてこれを採択することに私は賛成いたします。
○古池信三君 私先ほど申しました通り、委員長の気持もわからぬではありませんけれども、やはりこの文書の扱いとしましては、後段だけ抜いて通すことはできないと思うのです。それから意見を付して通すといいましても、それは意見はあくまで意見であって、やはり本文が通った以上は、最後までこれは採択されたものと同じです。それではどうもおかしいと思うのです。私に言わせれば前段の方は別に異議ないのですから、本来なら一応撤回してあとのところだけ抜いてそうして出し直せば、一番すっきりしていいと思うわけです。それから前にも両院で採択されたと言われましたけれども、前に採択された請願というものは、その中には特定の業者に割り振れという趣旨は入っていないと思う。そんな請願だったら通りません。
○委員長(田畑金光君) 委員長からお答えいたしますが、委員長の先ほど申し上げましたことも、古池君の今お話しなさったような特定の団体云々ということは、この請願の内容として適当でなかろう、また、そういう内容であっては、皆さん方の御意見の一致を見出すことは困難であろうとお見受けするわけです。従って私が意見書に強くうたっておきたいと思うことは、今いったような特定団体とか特定個人とか、こういう利益をはかる云々というような趣旨ではなくして、どこまでも人口割りに公正な配分あるいは差益を縮めて、国民に均等にバナナを食膳に上せるように、そういう意味の請願の趣旨として採択したらどうか、これを意見書で強くうたったらどうだろうか、こういう趣旨で申し上げたわけでございまして、あなたの御意見と私の意見とは全く同じことを申しておるわけで、どうか一つこの問題でこう長い時間を取ることもいかがかと考えますから、どういう形で経過を経て二十六国会で採択したかどうかは別にいたしまして、まあ、そういう前例もあることですから、その前例も尊重しながら、しかも皆さんが御懸念になるような問題が、この中から解消されるような趣旨の意見書を付して採択したらどうだろうと、こう申しておるわけです。できれば一応御了承願いたいと思います。
○古池信三君 委員長の御苦心はよく私も拝察できるのです。できますが、ただ文書としての扱いとしては、意見書を付すというだけではもの足りない。しいて言えば、これだけは削除して採択するというならば別ですけれども、そういうことはできないわけですから、ただ意見を付すというだけではきわめて弱い、こういうように私は思いますので、それだけではちょっと私も賛成はしかねる。
○委員長(田畑金光君) お答えいたしますが、この請願の一部を削除するとか、削除してあとの部分を賛成するということは事実上、取扱い上技術的にできないようでございますので、そこで、先ほど申し上げたような形の処理をしたらどうかと私は申し上げておるわけです。
○高橋衛君 この文書のただいま古池君の指摘されましたところにありますが、経費節約と輸入実務の円滑化のために、業者の団体の代表に一括して仕事をやらせろということが書いてあります。これはどういうことを意味するかと申しますと、バナナについてはどうしても加工施設を必要といたします。それから輸入実務についても、いろいろなめんどうな手続を必要とする、従って、これは架空の人に割当をして、そうしてその権利をその人に実行せしむるという結果になるんじゃないかと私は考えるのであります。従って、それが何らかの利益があるとすれば、その権利を売買に使われるという結果を招来するおそれがありやしないかということを私はおそれておる。従ってその結果として、人口割りにしてやったら、低廉にバナナが食べられるというふうなことが起るというふうには、私は判断できないと思うのです。その点もしもよく御存じの方があれば、お教えを願いたいと思います。
○豊田雅孝君 さっき委員長が事務当局に確められて、削除したり修正したりして請願書を扱うべきではないと事務当局は答弁しているのですが、事務当局のこれは責任において答弁ができるのか、あるいは請願課の責任なのか知らぬが、私が紹介したこの請願書第百六十四号は、明らかにこの件名が無断で改められているのです。こういうことは国会としていかにこれを考えるか、そういう僕は重大な問題があるんです。内容が改められることも、件名が改められることも同じですよ。これは一つの文書の変造である。そういう点について、一体どういうふうに事務当局などは考えているのか。
○相馬助治君 関連質問。実は病床の海野君から、かなり憤激に燃えた電話連絡があって、私は意見を承わったのですが、まあ海野さん、その問題はこの請願が採択されれば問題にすべきでないと思うので、私にまかしておいてくれと言って慰めておいたのですが、海野君の場合にも、海野君提案の請願のタイトルが全く書き改められている。何人の責任において、憲法に規定された、国会法に規定された条項によって主権者である国民が請願をして、しかも適法に選出された国会議員が紹介して、そうしてそれを事務局に出したときに、事務局が何人の意思を聞き、いかなる根拠によって、それを改めたのか知らぬけれども、タイトルを勝手に書き直して、そうしてこれを本委員会に配るというような問題については、別項の問題といたしまして、私はこの請願がかりに不採択になった場合には、問題にする用意があるということだけを豊田委員とともに明言しておきます、委員長に対して。
○阿部竹松君 それは変更して採択しているんです、衆議院の方ではね。ですから問題は中身の問題で、変更しているからいいとか悪いとかじゃないんですね。やはり請願は自由であると同時に、採択するのはこちらの自由なんですから。取捨選択するのはね。衆議院の方ではやっているんです。そういう点だけは、事務当局でよく調べておいてもらわぬと、そこで間違った耳打ちを委員長にやられると委員長迷惑千万だから、委員長、よく調べてもらわぬと困りますよ。
○豊田雅孝君 形式論を言えばその通りです。これはあくまで追及しますよ。
○委員長(田畑金光君) 速記をとめ て。 〔速記中止〕
○委員長(田畑金光君) 速記を始めて。 それでは、本請願は採択して、内閣に送付するを要するものとして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田畑金光君) 御異議ないと認めます。 それでは第百五十三号及び第百六十四号の請願については、これまで述べられた各委員の趣旨を取り入れて、報告書に付して意見書案を提出したいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田畑金光君) 御異議ないと認めます。つきましては、意見書案の作成については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田畑金光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 それでは次の請願に移ります。
○専門員(小田橋貞寿君) 次は、一括して第百四十八号、第百四十九号、第百五十二号、この三つについて申し上げます。 第百四十八号と第百四十九号は、東北に関するものでありまして、いずれも開発の促進を請願しておるものであります。それから、第百五十二号は、繊維産業不況打開について福井県から出ておりますもので、かなりこまかい点まで対策ができておりますが、とにかくこれによって、不況打開のために政府にいろいろの措置をしてもらいたいという意味の請願でありまして、おおむね妥当なのではないかと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○委員長(田畑金光君) それでは、本請願は採択して、内閣に送付するを要するものとして、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田畑金光君) 御異議ないと認めます。 それでは、第二十号、第百四十八号、第百四十九号及び第百五十二号、第百五十三号及び第百六十四号の請願は、いずれも議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。 なお、報告書については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田畑金光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日の委員会は、これで散会いたします。 午後五時十二分散会