商工委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1958/08/11
会議録
○委員長(田畑金光君) これより委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。先月十日天田勝正君が辞任し、その補欠として海野三朗君が、同月二十九日岡三郎君が辞任し、その補欠として天田勝正君が、本月一日椿繁夫君が辞任し、その補欠として吉田法晴君が、また同日大谷贇雄君が辞任し、その補欠として森田豊壽君、また本日吉田法晴君が辞任し、その補欠として椿繁夫君がそれぞれ選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(田畑金光君) 本日は公報でもお知らせいたしましたように、まず通商産業省関係次期国会提出予定法案について通産省当局から説明を聴取し、そのあとで現下の経済情勢と不況対策について審議いたしたいと存じます。 それでは、まず通商産業大臣官房長から御説明を願います。
○説明員(斎藤正年君) 臨時国会の提出予定法案について御説明いたしますが、表をお配りしてございますので、それによって申し上げます。 第一に、貿易法体系の装備改善に関する法律案と書いてございますが、こういう名前の法律案を出すわけではございませんで、主として現行輸出入取引法の改正をやりたい。改正の要点は、現在の取引法が主として貿易業者の面の統制について規定してございますけれども、それだけでは非常に不十分でございますので、貿易に関連して生産面まで統制を及ぼしたいという問題。それからもう一つは、貿易業者自体の過当競争の防止のために、たとえば登録制度というような問題をこの際取り入れるかどうかというような点が問題でございますが、これに貿易法体系の整備改善というふうに書いてありますのは、これは今度独占禁止法の改正案にも輸出振興カルテルということが規定されております。また団体法でございますとか、あるいはあとにあります軽機械輸出振興法というような貿易関係のいろいろな法規が関連がございますので、輸出入取引法を直す場合にはそういう関連法の体系の全体として考えなければならぬということで、こういう表題にしたわけでございます。 それから、その次が工業汚水等の処理に関する法律案とございますが、これは経済企画庁の方から水質汚濁の防止に関する基本法が次の臨時国会に提案される予定でございますので、それの実施のための法律、すなわち汚水発生施設の監督とか、汚水処理施設の設置の強制あるいはそれに対する助成というようなことを行う実施法を制定したいと、こういうことでございます。 それから、三番は、いわゆる独禁法の改正でございますが、これは通産省から提出する予定の法案ではございません。ここへ載せるのは適当ではございませんが、通産関係と非常に関係がありますので、ここへあげたわけでございまして、おそらく総理府提案という形で提案されるものと思っております。ただ現在は法案化の過程は相当進捗しておりますから、十分臨時国会には間に合うのではないかと思います。 その次が軽機械の輸出の振興に関する法律案でございますが、ここに書いてありますように、ミシンとか双眼鏡、大体この二つが主体でございますが、そういったアセンブル方式で製造する軽機械というものの輸出振興のために輸出振興事業協会、まん中に書いてありますが、要するに輸出振興のための共同施設をする特殊法人を作り、それからその特殊法人が同時に一手買い取りもできるようにしたい。それから製造業者の登録制をやりたい。大体三つが主眼でございますが、そういう法律を作りたいと思っております。 それから、その次の合衆国軍人等の使用に供するため輸入した乗用自動車の本邦内処分の規制に関する法律案。これは、この米国の軍人が軍隊を離れますときに、自分で持っております車を日本国人に円で売り渡すわけでありますが、その売り渡しについての、今度は譲り受けを受けたものの日本国内における処分の制限をしようということでございますが、ここにBと書いてございますように、これは次の国会に提出するかどうかまだきまっておりません。現在はこれは、要するに米軍の通牒その他、まあいわば行政上の処置でやっている事態でございますが、若干不備な点がございますので、新しく法律を作ってはどうかという議論があるわけでございます。 それから六番目と七番目は、鉱業法、鉱山保安法の改正でございますが、これは従来の国会でしばしば問題にされました、盗掘行為とか侵掘行為とかにつきまして、それの取締りを強化しようということでございます。 鉱業法の方は、この侵掘行為に対する停止命令というものを新しく作ろうという点と、それから盗侵掘行為それ自体では窃盗罪にならない、従って鉱業法の違反という非常に軽い罰則しか適用にならない、これは窃盗罪ということになりますれば、刑法の厳格な罰則が適用になりますので、そういう意味で処罰を強化したいということであります。 それから保安法の方は、大体盗掘あるいは侵掘行為ということは、保安法の適用範囲外であるという考え方、解釈になっておりますが、そういたしますと、鉱山保安監督官が、盗侵掘行為については全然監督はできないという、形式的なことを申しますとそういう形になっておりますが、保安上緊急の必要がある場合には、鉱山保安監督官が取締りができるようにするということであります。 それからその、最後の小売商振興のための法律案でございますが、これはもうすでによく御承知の通りでございまして、前国会であらためて衆議院の決議がございまして、政府で案を作って次の国会で出すようにという決議がございまして、それに沿って今研究しておりまして、次の国会に出したいと思っております。
○委員長(田畑金光君) 以上で予定法案の説明を終りました。本件に関し、御質疑のある方は御発言願います。
○豊田雅孝君 輸出保険法を改正して、輸出保険公社というようなものを作ろうというような案があるやに聞いているのでありますが、これについての法案はどういうふうになっているか。 それから第二には、特産品の輸出振興をはかるために、特産品輸出振興会社法案というものを用意せられているやに聞いておったのでありますが、それの結末がどうなっているか。 それからもう一つは、月賦販売法案の制定の要望があり、これにこたえるべくその用意をしているやに聞いているのでありますが、これの結末がどうなっているか。 それからもう一つは、小売商業関係につきましては、さきには百貨店法案ができ、それから今回小売商業特別措置法案を出そうというようなことで、この点けっこうであります、問題はその内容いかんでありますけれども、その点についてはただいま触れないことにいたします。しかし商業関係については、かように大規模商業あるいは一つの組織による商業形態の過当進出を調整しようという法案が整備せられるのでありますが、これに比べて工業関係の方については、大企業がどんなに資本力にものを言わせて中小企業の適正分野に入り込んでも、全然今のところは野放図になっておる。この点については、中小企業振興助成法案というものを少くとも用意し、提案するということでございますけれども、今回の中には全然頭を出してない。これはきわめて片手落ちだと思うのでありまして、かねがね高碕通産大臣に御質問申し上げますと、通産大臣は、それは用意をすべきだ、バランスからいって、商業のみならず、工業についても中小工業分野を維持育成すべき適当なる法制を用意すべきだ、というふうにお答えになっておるのでありますが、この点について今回全然頭を出しておらぬのは非常にアンバランスだと思うのでありますが、これについて通産大臣並びに官房長の率直なる御意見を承わりたい。
○説明員(斎藤正年君) 前の三つの問題は、ごく事務的な問題でございますから、私からお答えいたします。輸出保険と、特産品振興会社の問題でございますが、これはいずれも予算関係の法案でございますので、臨時国会では予算関係の法案は扱わない、こういう大体政府の方針のようであります。従って、出しますにいたしましても、通常国会でございます。いずれにいたしましても予算上の取扱いは全然きまっておりませんので、今のところはっきり案ができておりません。それから月賦販売の問題でございますが、これは予算関係ではございませんが、大へん恒久的な制度の問題でございまして、今度の臨時国会には問題にはならない性質の法案だと考えております。通常国会に出すかどうか、これから研究いたしたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) ただいま御質問の商業方面については、中小企業者に対する相当の擁護する法案が今日準備されておるにかかわらず、工業方面において、中小企業者の生存を脅かす大工業者の進出に対する法案が何ら考えられておらないじゃないかという御質問でございます。これは、私どもも従前から非常に主張しておるところでございまして、せっかく中小企業者がいろいろな点において努力し、そうしてそれが多量製造されるということが、いつも大資本の企業によってこれが阻止される、それで従前努力した人が報いられない、こういう結果になっておることは、実情においてわれわれよく承知しておるわけであります。そういうものにつきましては、どうしてもある程度の擁護をしなければならないという精神で今進みつつあるわけでありますが、これを法律化する上につきましては非常な複雑なる問題がございまして、それで今度通商産業大臣として重任いたしました以上は、この点について十分検討を加えて立法化できるように持っていきたい、かように考えております。
○豊田雅孝君 それでは、高碕通産大臣は、中小工業の適正分野を維持育成することについて特別の法案を用意なさるということに依然として御熱意があるというふうに承わりましたこと、まことにけっこうだと思うのでありますが、どうか御在任中にこの問題を必ず解決せられるように特に要望をいたしておきます。 それともう一つ、今回輸出入取引法を改正して登録制を採用しようという動きがあるわけでありますが、その登、録制採用の際に、従来の貿易商社、ことに中小貿易商社を整理するような登録制を施行するということでは、これは非常に問題だと思うのであります。そういうことはおそらくないと思いますけれども、その点をまずはっきりさせておいてもらいたいということと、もう一点は、登録の際に、地域別の実績によって登録をするとか、あるいは商品別の実績によって登録をするとかいうことになるというと、非常に不公平が出てくるので、要するに総合的な商社としての見地から登録するということでないと、商品別あるいは地域別だけの実績によって登録をするということになるというと、多くの場合中小輸出商社というものは不利になってくる関係から、この点について十分留意をせられて、総合的基準によって登録をせられる必要があると思うのでありますが、その点と、今申しました中小輸出商社整理あるいは合同、企業整備を誘致するような登録制を施行されるようなことはないと確信しますけれども、この点を明らかにしておいていただきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 先ほどお答えいたしました工業方面と同様、商業者の中には規模が小さくても新しく販路を開拓するためにいろいろ努力した実績もあるのでありますから、その実績は当然登録するときには認められなければならぬ、こう存じておりますが、ただあまりに多過ぎたときには、その人たちの同意によってこれを一本になってもらうというふうなことの行政指導はしていきたい、こう存じておりますが、それは登録と同時にいろいろ弊害のないように過去の実績なりということをよく考慮した上でやりたい。同時に今お話しのごとく、一地域なりあるいは一業種だけについて論じたときには大きな間違いが起ると思いますから、全国的ということと同時に、販路先におきましても、物によればアメリカにもやり、ヨーロッパにもやり、あるいはアフリカにもやっているという人もあるでしょう。そういうふうな販売先の全体的な総合的な立場からよく考慮していきたい、こう存じております。
○豊田雅孝君 ただいまの大臣の言われた中で問題だと思われますのは、大体においては、従来輸出商社でやっている者はこれを存置するように登録制を持っていくのだが、あまりに多い場合等は一つの企業合同にまで誘致をするというようなお話でありますが、これは非常に問題だろうと思うのでありまして、そのやりよういかんによっては中小輸出商社というものは大打撃を受けると思うのであります。そうしてまたこれが一般に伝えられるというと、非常なショックを与えると思うのであります。私は、すでに事務当局から聞いているところによりますと、大体六千軒現在輸出商社があるそうでありますが、これは現にやっている者が六千軒ある。これは全部登録するように持っていく。少くともこの際としては、現在やっている者は全部登録をするということに聞いているのであります。事務当局でもそのくらい大事をとっているように思うのでありますが、ただいまの大臣のお話によりますれば、これを場合によると企業整備、合同を条件に登録をするというようなことになると、これは重大問題だと思うのでありますが、その点いかがでありましょうか。
○国務大臣(高碕達之助君) もちろん、その登録するということと、私が申し上げました企業合同するということとは別の問題でございまして、どこまでも、登録はいたしましても、登録後といえどもあまりに輸出業者が多いという場合には、登録を受けた輸出業者自身の創意と工夫と同意によってこれを実行するということでありまして、政府はこれは強制すべきものではないと、こう存じております。
○豊田雅孝君 最近、貿易商社につきまして大商社中心主義が行われるということのために、輸出振興を阻害している面も一面あるわけであります。過当競争云々ということをよく言われますが、過当競争は、中小商社の過当競争よりも大商社相互間の過当競争、資本力の十分ある連中が深刻な競争をやるくらいひどい競争になることはないということは、これはもう大臣もよく御存じだと思うのでありますが、むしろ私どもは過当競争というものは中小輸出商社の線よりも大商社間にあるのだ、その点から言いますというと、いたずらに中小商社を圧迫するような結果にならぬように、これは十分御留意になる必要があるのじゃないか、それでないというと、かえって軽工業の輸出を阻害する面があるのではないか、軽工業の輸出というのは、御承知のように非常に組み合せの荷作り等の関係もありまするし、また受注の状態も非常にこまかい受注ぶりになりまするので、かえって手のかかる、そういう輸出貿易事務になるというと、中小商社の実績というものを十分に尊重する必要があるのじゃないかというふうに考えられまするので、今の大臣の御答弁によりますと、登録制はもう現状本位に登録をしていくのだと、企業整備、合同などを条件にするような登録はやらぬのだというようなことははっきりいたしましたから、これで一応私は質問を終りますが、今後の行政指導といたしまして、大商社中心に、中小商社を圧迫犠牲にしていくようなことのないように、十分この点は大臣自身が御督励願いたいということを申し述べまして、その部分についての私の質問を終ります。
○阿部竹松君 ただいま官房長から説明があったのですが、第一点の、名前は違うかもしれないということで説明があったのですが、この貿易法案ですか、これは第三の、独禁法の法律改正いかんによっては中身が変ってくるわけですか。
○説明員(斎藤正年君) 御存じのように、独禁法の改正に関する審議会の答申の中に、輸出振興カルテルというものがございまして、この第一で、輸出入取引法の改正を国内の清算取引の分野にまで及ぼしをいたしますと、当然重複して参りますので、この関係上どちらにどの程度規定するか、この辺はまだなおこれから調整を要するとわれわれは考えております。
○阿部竹松君 それから新聞で拝見したわけですが、独禁法の改正ですね、これは当委員会へ出て説明されたり責任を持たれる管轄省と申しまするか、それは高碕さんのところですか、三木さんのところですか。
○国務大臣(三木武夫君) 必要に応じて高碕通産大臣、私も出て参りますが、提案は大体内閣において提案しようと、こういう考えであります。
○阿部竹松君 それで松野さんがおいでになると一番質問しやすいのですが、どちらが御答弁になるかわかりませんけれども、はっきり法文になっておるかどうか、私存じませんけれども、この法案の、まあ審議会の答申案、あるいはまた現在法制局で成案しておる内容を承わってみますると、まあ不況カルテルとか、合理化カルテルとか、輸出カルテルとか、こういう三本なり四本の柱になっておるわけでありますね。これは、法案は昭和二十二年三月ですか四月ですか、はっきり記憶しておりませんけれども、あのときできた当時の法案の目的と、現在の法案に盛り込まれて改正せんとする趣旨と、全く私どもが判断してみると、法案が木であれば、改正案が竹のような感じがするわけですね。その法案のほんとうに持てる趣旨はどこにあるかということを、これは通産大臣の御答弁になるか、あるいは三木経企長官の御答弁になるかわかりませんけれども、この法案は何のためにあって、ただ日本の経済の動向の推移がこうこうになってきたからこうこうしなければならぬということなんですか、何のために当時できたか、まあ十三年もたっておりますから、世の中も変ったでしょう、しかし、てんで違うのですね。そういうところの本旨を、この細部を聞こうと思いませんから、そのあたりの一つ、どちらからでもけっこうですから承わっておきたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) やはり自民党の経済政策には自由経済を原則とする、権力的な統制経済はやらない、そうなってくると、やはり自主的なやっぱり調整ということですね、自主的な規制と言った方がいいかもしれない、こういうことがやはり必要である。たとえば投資の面を考えてみても、これがやはり過当競争の弊害というものが日本経済全体のロスになっておる。だから、自由経済といっても、その中に自主的な調整をするというのは今日の資本主義の姿である。これはやはり現在のままにおいては、不況カルテルなども現状で、ほとんどパニックでも起らなければできないような状態であります。そういう自主的な規制の法的な根拠を与え、資本主義の方向としてこうだ、もう一つはこれは一連の改正の点であります。もう一面は、しかしそういう面と同時にそういう改正が、中小企業とか、あるいはまた消費者に対して非常に価格をつり上げたり、独占資本的な悪影響を与えるということはよろしくない。だから、これは今の独禁法よりももっと厳重に考えていく、そういう点について公正な取引に対しての、これを一つ監視していくということについては、公正取引委員会の機能も強化して、そういう面においては、消費者、中小企業者、こういう利益を守るためには、今までよりも一そう厳重に考えていく、こういうのが、二つの内容についてはまだ検討を加えておるのですけれども、これが改正案の精神になるものは、そういう二つの面を含んでおるということが言えると思います。
○阿部竹松君 法案が出てこぬうちに、三木経企長官と私自民党さんの経済政策で論争しようと思いませんけれども、あの法案は、長官のおっしゃることと全然違いますよね。これはもう一年生でもわかります。ということは、公取を強化するということを今おっしゃったが、あの答申案なり、今あなたの方で成文を急いでいる案の内容を見ますと、整備拡充するということです。強化するということは全然入っておりませんよ。しかし、整備拡充ということが、強化するということになれば、これはまたそういう解釈でいけば別問題です。しかし、私どもは長官のおっしゃるようなことは文章にならぬと思う。それからもう一つ今長官と、私一々あなたのお話を論駁しようと思いませんけれども、その二点目にある合理化カルテル、あれは国家総動員法が十三年、改正が十六年ですか、あなたのお話はあれと同じで、非常な強硬な統制ですね。私ども社会党が言うよりひどい状態になるのですね。ああいうことになると、例のこういう自由経済なんていうことは、とても及びもつかぬことになります。それから、それはまあ見解の相違だと言われれば、それまでですが、ここはどうなんですか。長官の今おっしゃったこととも関連しますけれども、公取を強化すると言うけれども、しからばその要点のうちの三つか四つの中に通商産業省が認定するということがありますね。公取が認定するということございませんよ。そうして一切不況カルテルにしても、輸出カルテルにしても、とにかく合理化カルテルにしても、全部通産省が認定するのですから、公取へ連絡すればいいくらいのことになっているのですよ。あなたのおっしゃるようになれば、その認定は公正取引委員会の委員長、あるいは公正取引委員会がやる、こういうことにならなければならぬけれども、公取なんかどっかへふっ飛んでしまって、あなたの方と全然逆ですがね。今おっしゃったのが議事録に載っておるでしょうけれども、そういうのが主にいきますから、私ただ杞憂で聞いておるのですが、まだ法案にならないのですから、私はただ文章を見ただけですから、それがあなたのおっしゃるように、何とかなれば幸いですが、その点だめ押しではありませんが、しておきます。
○国務大臣(三木武夫君) 管轄をどういうふうにするかということは今検討しておるところであります。今言われたように、通産省あるいは産業庁と、公取とのいわゆる権限の分野、今後のやっぱり検討の課題にしたいと、ただしかし、こういうこのいろいろなカルテルというものが、今言ったように、これは民間の自主的な調整、規制に対して、法的な根拠を与えたりする権力統制というような影はその中にはない、あるいはそのイニシアチブを民間側がとる、そこにやはり権力的な統制経済とは非常に違ったものがある。それからもう一つは、一方において今後の、今法案を検討しておるところでありますが、少くともこういうことによって中小商工業者であるとか、あるいは消費者であるという立場を守ることは、やっぱり政治の良心である、そういう点で、そういう意味において公取の機能というものを強化するということは、私の非常な決心であります。それを申し上げておきます。
○阿部竹松君 その機能を強化するということはわかりましたけれども、たとえばあらゆる問題が出てきた場合、公取は、これは民間ということはできないけれども、その独禁法に基く審査判定を公取委員会にやらせると、こういうふうに解釈していいわけですか。
○国務大臣(三木武夫君) これは、今言ったような権限の分野については検討中でありますが、いずれにしても公取とは十分な連絡をとるわけでありますから、公取が取引の公正に対しての一つの経済司法的な立場というものは強化したい、これは私の念願であります。
○委員長(田畑金光君) 他に御発言もなければ、本件についてはこの程度といたします。 ―――――――――――――
○委員長(田畑金光君) 引き続き現下の経済情勢と不況対策に関する件を議題といたします。 まず、三木経済企画庁長官から経済の見通しについて御見解を承わりたいと存じます。
○国務大臣(三木武夫君) 先般の特別国会で申し上げましたごとく、今日の経済が投資の行き過ぎからくる反動調整の時期である、そのためには生産を調整し、また大体去年の同期に比べても二割くらい在庫というものは多いわけです。在庫を調整して、そうして一日も早く生産と需要というものとが見合うようなノーマルな状態に経済を持っていきたいということが一つのわれわれとして調整期における日本経済の姿であったわけであります。ところが、最近では予定よりも在庫の調整というものがずれてきておる、大体秋口がくれば、秋口というのは、九月ごろを予定しておったわけでありますが、大体に在庫の調整も終ってそして需要と生産とが見合うような状態になる、こういうことを予定しておったのであります。その間生産調整もずれてきておる関係もあって、在庫調整が年未までかかる、ものによればこの秋口にはそういう状態になるものもあるけれども、ものによればこれは今年一ばいかかるようなものもできてきておる、われわれが予測しておったよりも、そういう面においてはずれがある。しかしながら、それならば今後の経済というものの見通しでありますが、御承知のように、下半期は有効需要の面からいっても、消費は大体例年下半期の方が伸びて、輸出においても下半期の方がこれは例年伸びるという状態、どうしても財政の支出というものは下半期の方が多い、設備投資でありますが、これは大体今の経済の沈滞状態からして、先細りの懸念があるのでありますが、設備投資の八割ぐらいは継続事業であるというところに、景気の実態よりも設備投資を維持しておるのが継続事業である、こういうことで在庫投資の面においては、もうこうずれて参りますと、在庫投資が有効需要の面におけるプラスの要因にはなかなかなりにくいかもしれない。しかし全体として見ると、下期の有効需要というものはみな景気を少し、大きなカーブではないにしても、上昇の要素を持っておる、従って、これ以上に今日の沈滞状態が、なべの底が二重底になっておって、そうしてどかっと落ち込むようなことはない、この沈滞の状態というものは長続きをする様相は帯びておるけれども、これが二重底になっておるということではない、こういうのがこれからの景気の見通しでありますが、しかし景気を沈滞さすということになれば、あるいは失業問題、中小商工業に対してのしわ寄せ、いろいろな社会問題が起りますから、政府においても公共事業費のごときは第三・四半期あるいは第四・四半期のものも能力に応じてこれを繰り上げてゆく、財政投融資についてもそういう考え方をとろう、そういうことでこの沈滞期において予算のワク内でできるだけのことは、政府は有効需要を喚起する方向をそういう面からとって、そうしてこの景気がこれ以上落ち込まないような措置をとっていきたい、これがまあ大づかみに申しました景気の見通しと政府の景気対策に対するものの考え方であります。
○委員長(田畑金光君) 以上の御説明に対し並びに不況対策に関し御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○大竹平八郎君 これは通産大臣に主としてお尋ねをするようなことになると思いますが、不況対策はいろいろ政府でとられていると思いますけれども、まあ何と申しましても不況対策の一番根幹は、今政府が懸命に努力をせられております輸出の振興以外にはないと思うのでありますが、この前の委員会でもその点につきましていろいろお尋ねをいたしたわけでありますが、いろいろ状況を見ましても日本の一番大きな市場でありまする東南アジアの状況というものはいよいよますますといっていいくらいに悲観的な状態になっておるわけであります。たとえてみまするならば、最近の日銀の調査によりまする東南アジア各国の輸入制限の状況をごく簡単に拾ってみましても、たとえばビルマは昨年の十二月以降それまでのいわゆるオープン・ゼネラル・ライセンス、包括輸入の問題でありますが、これを停止いたしました。それから信用状の開設というものも御承知の通り許可制をとっておるわけであります。それからフィリピンは本年から明年の上半期の外貨予算を前年同期の二億六千万ドルから二億ドルの二割前後削減をいたしております。それから非必需消費物資に対する外貨割の停止をいたしております。それから輸入原料を一〇%以上使う新規工場に対する外貨というものを、これを全面的にとめておる。それからタイが四月九日から約二百品目につきまして関税を引き上げております。この結果大部分の商品というものが税率が大体五〇から一〇〇%も上っておるわけであります。それからインドネシアは本年の一月から輸入保証金の積立率を従来の二〇%から大きく一〇〇%に引き上げております。こういう例を一つとってみましても、われわれの一番望みの東南アジア市場というものがドルが少くてこういうような措置をとらざるを得ない状況になっております。これに対して政府はどういう対策をとられておるかということと、それから輸出振興と同時に私はぜひ明快な御説明を願いたいことは、東南アジアのいわゆる開発構想という問題なんであります。われわれは東南アジア開発構想ということをずいぶん終戦以来耳にいたしております。しかしながら、これはいろいろ段階があると思うのでありますが、終戦直後のときのように、あくまでも米国に依存しているというような立場、それから米国に依存はしつつも日本で主導権をとっていこうというような立場、それからさらに、全く一つ日本の立場だけでやろうというように、構想が幾つかに分れていると思うのでありますが、そういう点で三十年でございましたか、一萬田構想といたしまして新聞に報道せられたものがあるのでありますが、この一、二点申し上げますと、東南アジア開発には、まず生活水準の向上をはかることを第一として、共産主義の開発のごとく、重工業偏重に陥らないこと、それからこのため農業開発と工業の基礎部門の開発を進め、工業化の基礎ができてから工業の育成に重点を置き、各国が直接消費をみずから生産する段階に持っていく、さらに開発の機構として、いわゆる高碕通産大臣の御存じの、いわゆるコロンボ・プランを利用するが、この中には域内各国共同出資によって基金を設けて、初年度の出資額は最小限度二億五千万ドル程度とする、この基金の運用のために、新たに援助国が一定の比率で参加をする委員会を作る、こういうようなこと、それからその後、私は具体的にこれはどうなったか、もう承知をいたしていないのでありますが、これらにつきまして一つ御説明を願いたいということと、さらにこれは、たしか高碕さん御自身の案であったと思うのでありますが、東南アジア開発公社という案が、あなたが経済企画庁長官の当時におまとめになったと思うのであります。これは米国及び日本を含むコロンボ・プラン参加諸国が各五〇%を出資して開発公社を作るという、こういう構想のように聞いております。こういうような一連の開発構想というものが、非常に幾つか流れておるわけでありますが、特に第一次岸内閣の成立の直後に、岸首相は東南アジアにおいでになりまして、そしてさらに新しい案を御承知の通り発表せられた、こういうわけで、まあ全く今の東南アジアの市場開拓ということには、この開発というものが具体的に進まざる限りは、これはいかにあなた方が摩詞不思議の力をもちましても、今の貿易振興というものはできないのでありますが、しかしながら、相次ぐ開発構想というものを発表されておるのでありますが、どうも私どもには具体的な問題について知らされていないのでありますが、政府はこの点に対してどういう考えをお持ちになっておりますか、その点を一つお聞きしたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 御説のごとく、日本の現下の経済事情から申しまして、輸出振興が第一義であるということは、私ども同感でございまして、それに進んでおるわけでありますが、輸出振興ということの考え方は、二つの方面から考えなきゃならぬと思います。これは、輸出振興によって外貨をかせぐということも一つの目的でありましょうが、輸出振興によって現在日本の持っておる力なり、あるいは過剰生産に陥っているものをもっと数量を減らして外国へ出して、そして日本の国の経済の循環をもっと大きくする、従って外貨をかせぐという方面からいけば、急速の間には合わないが、現在の日本の持っておる力を外国へ出す、こういう物の方面と金の方面から考えなきゃならぬと存ずるのでありますが、一方、外貨をかせぐという方面からいえば、金を持っている国へ力を注がなければならない。それはアメリカなり、ヨーロッパなり、あるいは豪州の方面だ、これはすぐに右から左へ金になります。ところが、東南アジアは今のお話のごとく、どの国も全部外貨が今不足して輸入制限をしておる、こういう状態でありますが、金をかせぐという方面からいえば、これはさしあたりの間尺に合わぬ。けれども、日本の現在持っておる工業力を伸展さして、現在、過剰生産になっておる日本の物を持っていくということのためには、これは東南アジア、中南米、あるいはアフリカ、あるいは中近東という方面をわれわれは考えていかなければならぬ。従いまして、これに対して、われわれは輸出振興をするということは、外貨をかせぐ面では、急速の間に合いませんが、ただいま申しました経済の方面からいって一番重要な点でありまして、政府といたしましても、それに力を注ぎたい。特に今日はお話しのごとく、外貨不足以外に、中共方面の進出がはなはだ目ざましいものがありますので、これに対抗いたしまして、われわれは消費物資を持っていってすぐに金をかせぐという考えでなくて、プラント輸出、そのほか、日本の技術というものを持っていって、あの国の経済に協力するという方面、つまり経済協力、あるいはプラント輸出、あるいは延べ取引という方法をもっていくことが、今日最も急務だと存じておるわけであります。政府は今その方針をもって進んでいるわけであります。しからば、先ほどお話しのごとく、一時、一萬田構想あるいは高碕構想と、いろいろ議論されておりましたが、それにつきましても、今日になりますというと、多少事情も変っておりますが、変っていない点と申しますと、あの国の人たちは、日本なりの経済的の協力を得るということを望んでおりますが、それが、ところによりますと、また再び植民地主義になって、英米に今までいじめられておったようなことになっては困る、また一面においては、日本が経済進出ということに名をかりて、そうして侵略的のことをやっては困る、こういう危惧の念も相当持っておるところもあるものでありますから、この点につきましては、よほど慎重に先方の方の希望に応じてやっていく。一時、私は、お話しのごとく、東南アジア開発公社という案を立ててみたのでありますが、この方面を見ますと、開発公社なんて、お前らの力を借りぬでもいいじゃないかという意見もあり、しからば、これは協力公社にするとかいうようなことも考えておったわけであります。こういうような構想も持っておったわけでありまして、日本といたしますれば、日本の力の及ぶ範囲においてこれに協力していく。しかも、これは純粋の経済の協力であるということをはっきりすると同時に、日本だけがやるのじゃない、コロンボ・プランその他を利用いたしまして、外国、つまり先進国の資本もできるだけその国に持っていく、お互いに先進国が力を合一せてこれに協力するという方針を持っておるわけでありますから、その方針をもとに、現在は政府といたしましては、ただいま申しましたその国たちの、未開発の国たちの現在持っておるあの豊富なる資源をどういうふうに開発するかということに持っていく。一は、未開発国の人たちの生活を向上せしめ、同時に、われわれの技術を持っていって提携していく、こういうような方針を持っておる。お互いに先方をよくした結果、日本もよくなる、この考え方に進んでいきたい、これが根本の方針であります。その方針で進みたいと思います。
○大竹平八郎君 今の御答弁によりますと、あれほど大騒ぎいたしましたいわゆる東南アジア構想の一萬田構想も、高碕構想も、あるいは岸構想も、いろいろ現地事情の関係から一応御破算というような形になって、新しいものを特に何か今お考えにたっているという点はないのですか。
○国務大臣(高碕達之助君) 決して御破算になったわけじゃありませんで、中には行き過ぎておった考え方も多少是正せねばなりません点もありますが、しかし根本の方針はちっとも変っていないで、ただ、相手があるものでありますから、相手の国情いかんによって、ステップ・バイ・ステップに進んでいきたいと思います。
○大竹平八郎君 その点は次の機会に一つお伺いするとしまして、それから本年一月調印を見ました日印の円借款の問題、たしかあれは百八十億円でありますか。それからいま一つ、本年度の予算に計上されました東南アジア開発協力基金、あれは五十億だったと思うのでありますが、これの運用のその後の状況はどういうような状態になっておりますか。この点ちょっとお聞きしたい。
○国務大臣(高碕達之助君) インドに対する五千万ドルの円クレジットの問題でありますが、これはすでに岸総理も参りまして、話はきまったのであります。その後いろいろなプロジェクトについて話し合いをしておるのでありますが、実際このお話してみると、非常に大きなプロジェクトがくるかと思うのであります。これは五千万ドルで上らないのもある。五千万ドル以下の小さいものにつきましては、どうも向うの言うことと、こっちの意見と一致しないのでありますが、これはしかし具体的に逐次交渉に入っておりますから、近い機会に話がつくと思っております。 なお、五十億円の基金の問題でございますが、これにつきましては、それに対する運営の委員会を今選定いたしまして、それできめたい、こういう考えで今進んでおるわけであります。
○大竹平八郎君 いま一つお尋ねしたいのでありますが、まあ今高碕さんのおっしゃる通り、なかなかドルは不足の東南アジアでありますから、尋常一様の手段ではいかないのであります。それでこの前、私伺った延べ払いの問題について、相当政府は御決意を示されたようでありますが、しかし、これは中共なんかのやり方を見ましても、またほかの国の、たとえばイタリアあたりが台湾あたりにやってきておるいろいろな条件なんかを見てみましても、とうていわれわれの想像つかないようなことをやるわけでありますから、そういうような意味で、これはやはりある意味におきましては、大きな国内景気の刺激にもなると思うのでありますが、延べ払いを大いに緩和するということは、政府御当局も異論ないようでありますから、思い切って、さらにある程度の焦げつきくらい――焦げつきといったって、永久に焦げつきになるものじゃありませんし、これは何らかの意味においてプラスに必ずなってくるのであります。これは経済協力の面にも、いろんな方面にもそういうことはできるのでありますが、そのくらいの、一つ腹を持ってやっていかないと、三十一億五千万のうちに占める今までの東南アジアの日本の貿易輸出率から見ても、尋常一様ではいかないのですが、延べ払いの緩和と同時に、ある程度の、一つ円借款というか、これはすでにインドその他で行われておるのでありますが、焦げつきをがまんしてもやるぐらいの、一つ勢いを示してもらいたいのでありますが、そういう点について、一つ高碕さんの御所見を承わりたい。
○国務大臣(高碕達之助君) これは、ただいまの御意見は私どもも同感でございますが、ただ非常に警戒をしなければならぬ点がある点は、政府は円借款したとか、あるいは政府は全部責任を持ったということになりますと、焦げつきを覚悟して、政府の責任でやりてくれるのだからといって、これは相手国ではなくて、むしろ国内において、政府の危険においてやってくれるのだからということで、いろいろな計画をしておるわけですが、これは私は国民に対してまことに申しわけないことと思います。そういう点で、焦げつきをしては、まことに済まぬ、こういうわけでありまして、どこまでも延べ取引なり、あるいは経済協力をするということは、日本の業者自身の責任においてやってもらわなくちゃならぬ。従いまして、責任の持てる力のある人がやってもらわなくちゃ困る。これが責任を持って、そして政府はこれに対する金融をやる、あるいは相手国の政情が変更することによっての保険をするということについては便宜をはかる。どうしても業者の責任でやる。責任の持てる人がやってもらわなくちゃ困るということにして、そして政府はこれを援助するという方針でやっていきたい。こういうふうに考えております。
○小幡治和君 繊維の不況対策について通産大臣にお伺いしたいと思うのですが、前に繊維局長にもいろいろ現在の不況の原因である生産物の在庫調整の問題、その見通しなんかについていろいろお伺いしましたときには、六、七月ごろには大体……在庫調整というものはおくれたけれども、大体調整されて、そうしてそれからは上向きになるだろうというふうなお見通しも伺ったわけでありますけれども、現地の実際の実情を見ますると、とてもそんな状況じゃない。ますます不況に悩んでおりまして、それこそ労使ともどもに死ぬか生きるかというふうな危機にさらされておるようなわけであります。そういうような面で、自由民主党といたしましても、繊維対策の特別委員会なんかを作り、あるいは政調あたりでいろいろ大臣にも御要求も申し上げておるわけですけれども、それに対して今日の実情から見ると、早く何らかの対策をやらなければならない。しかも現在……私もこの間福井県に帰って実情を見ますると、実際それじゃ操業をやめておこうといいましても、結局失業手当として六割出さなければいかぬ、あるいは借りた金を返さなければいかぬ、あるいは固定資産税そのほか税金は在来通りかかってくるということで、やめておってもそれだけの赤字損失というものは出てくる。そうすれば、どうせ赤字を出すのならば、仕事を継続しておる方がかえって得だというようなことで、非常にそういう操業の抑制の面についても、実情から見てうまくいかぬ面もある。そういう面から今度の繊維不況対策という面は抜本塞源的な面を考えるとともに、またきめのこまかい手だてというものもやっていかないといけないというようなふうにも痛感されてきておるわけでありますけれども、これらの点について政府は、過般経済閣僚の懇談会等である結論も出されたようでありますが、それらについてまず一応お伺い申し上げたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 繊維工業が非常な不況にあるということは、政府もこれは痛感いたしておりまして、あの手この手を考えておりますが、まず第一に、何としても織機類が多過ぎる。これが不当にふえておる。需要以上にふえておる。これの一部分を買い取ろうじゃないかということにいたしまして、まだこれは閣議の決定までいたしておりませんが、経済の閣僚懇談会におきまして、大体七万台を買い入れるという方針で今進んでおるわけなんであります。これは、そのほか対策につきましては、まずさしあたりの方法といたしましては、どうしても、できておる品物をある程度たな上げしてこれを凍結しなければならぬ。これは業者の力においてやってもらいたいと思っております。六月の統計ははっきりわかりませんが、現在におきましては布類もだいぶ手持ちは減りまして、五十万コリを割りつつあるようでありまして、これは私は漸次に凍結をするということにすればその価格は維持できる、こう存じておるわけなんであります。同時に将来、スフ人絹とかあるいは綿とか毛織物とか合成繊維とか、そういうものについて政府の将来の行政指導をどうするかということにつきましては、これはよほど慎重に検討いたしたいと存じます。通産省といたしましては、これは私大臣になって以来、一生懸命に検討中でございます。その根本政策につきましては、検討中と申し上げたいと思いますが、さしあたり一方において織機類を買い上げつつあるにもかかわらず、合成繊維の方は制限がないというふうなことのために、実は私きのう大阪におりましていろいろ事情を見ますというと、政府は一方において機械を買い上げておる、ところが合成繊維の機械は注文があって困るというふうな実情を見たようでありますが、これは急速に手を打たなければならない。そうしていろいろな方法を講じまして、八月中にこれははっきり取り締まりたい。こういうふうな観点で進んでおるわけでありますが、何しろ今までやっております政府のやり方は、いつも業者に先がけされて、抜けがけをやられておるというふうな点がありますが、その点は私は十分注意してやっていって、万全の方策を講じたいと思っております。 お話しのごとく、今日操業しておる人も、操業してない人も、ほんとうに塗炭の苦しみをしておるという実情を私よく今日存じておりますから、十分努力いたしたいと思いますから、よろしく皆さん方のお知恵を拝借したいと思います。
○小幡治和君 今在庫の織物なり糸なり、そういうものは一つたな上げするということで、まあこれは業者の自主的と言われますが、これは大体話がついておるのでありますか。それに対するある程度の融資ということも考えてやられるのでありますか、その点。それからもう一つは、業界等におきましては、とにかくこいつを一掃しなければどうにもならぬというわけで、賠償物資に一つ何とか入れてこれを解決したい。で、前大臣までは賠償物資はプラントに限るんで、こういうものはだめだと言われましたのですが、高碕大臣になられまして、そういう賠償物資として処置する可能性もあると、努力もするということで御答弁をいただいておるようなわけでございますけれども、それについてどういう見通しでありますか。 それから、先ほど同僚の大竹委員からもお話がありました通り、貿易の面についてやはり延べ払い方式といいますか、まあそういう点を一つ確定して貿易の振興ということをはかっていかないと、どうにも処置がつかない。しかし、最近の状況においては、つい二、三日前の新聞で見ますと、イランその他の国でこういう人絹織物については、輸入禁止措置を通達してきたというふうなことも聞いておりまして、海外の情勢というものは、必ずしも貿易上好転するどころか、むしろ非常に悪くなってきている。そうしてしかも、国内の現状はこういう危機に直面しておるということになると、いろいろ閣内においても、党内においても議論があると思いますけれども、ある程度のまあ、こういう織物関係でも内需の刺激といいますか、そういうものの方策をもとる必要がありはしないかというふうなことも考えておるわけでありまして、そういう点についてもどうお考えでありますか。 それから最後に、この織機の買い上げの問題でありますけれども、大体この間のお話しでは、絹、人絹、織機等におきましては三万台、しかも政府は二万、業者が一万ということで、三万円ということに大体の見当をつけられたようでありますが、これはもう現地の状況としてはとても三万円じゃ困る。また転廃業をしようというのに、これじゃとてもできないということで、業者自身も一つ負担するから、政府ももう少し見てもらいたいということで、少くとも四万から五万という線でもう一ぺん御再考願いたいということを、実はお願い申し上げておるような次第でありますけれども、これについての一つ大臣のお考えもお伺いしたい。またもう一つは、そういうことになりますと、結局今の不況の中で、それだけの業者が負担をするということになりますと、これをすぐそれじゃ現金で出せといってもなかなか無理でございまして、そういうような業者負担の資金というものを、これは業界の調整の資金でありますから、結局十年なら十年というか、低利、長期の資金というものを貸して、そうしてこれによって買い上げさせる。そのかわり業界も負担しろと、その負担の金は、大体これで、五年なり十年なりでそういう調整の効果というものができるのだから、そのときにお前たちは返してこいというような一つの措置というものも考えてやれないものかどうか。そういう点についても、一つ大臣のお気持をお伺い申し上げたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 第一のこの綿布のたな上げの問題につきまして、金融の問題につきましては、よく今話し合いをつけておりますが、大体これはできると思います。可能性があるとこう存じております。それから賠償物資に繰り入れるという問題は、もう政府としては腹をきめましてやっておるわけでございますが、何しろ相手方があるわけでございまして、相手もなかなかずるいですから、もうこっちにないと思うとくれくれと言いますし、持っていると思うとなかなかそう言わない。これはどうも大きな問題にし過ぎたようであります。できるだけつけ加えていきたいと思います。そのほかにやっぱり今日あり余って困っておる人絹のごときものは、場合によれば業者の責任において、さっき申しました、これはある程度の延べ取引なりあるいは現地通貨で一つ売るというようなことも、業者の責任においてやってもらうということになれば考慮してみたいというような考えで検討中でございます。 それで、最後のこの例の織機の買い上げの問題でございますが、これはもう政府としては十分検討いたしましてやった結果、これ以上はとてもできぬという結論に到着しておるわけでございまして、今これを四万円でもう一ぺん買い上げろというように言われても、これは実行不可能だと私はこう思っております。しかしこれに対して、民間の負担について、政府が二万円出して民間が一万円ないし二万円負担する。この一万円の金融の道をつけろ、こういうことにつきましては、できるだけ長期、できるだけ低金利でもっていくようにこれは十分努力いたして検討中でございます。
○相馬助治君 私はこの際、通産大臣に具体的なことを二つほどお聞きしたいと思うのです。で、これは、きわめて具体的な問題そのものについては、担当の事務局から答えていただいてけっこうでございます。 まず第一に、百貨店法に関しての問題なんですが、先ほど大臣がお述べになりましたように、日本の中小商工業者を助けるために、これらの人々の産業分野における位置を大企業から守る決意を持っているということを豊田委員の質問に対して答えております。きわめて基本的な考え方としてはけっこうだと私は考えます。百貨店法というものも、そういう趣旨でこの法律が作られたのだと思いまするが、昭和三十一年六月十六日施行されて満二カ年間を経過した現在において、その許可の件数並びに店舗床面積の増設等の許可の問題、これらについては非常に高い率で許可されているわけです。私はこれを一がいにけしからんと言うておるのではございません。やっぱり百貨店というものが非常に設備を公共性を持たせたようなものをもってサービスにこれ努めておるから、百貨店自身が一般の消費者の気分に合致してこれが栄えていく傾向にあることは、これは当然なのでありまして、私の質問も消費者の立場をどういうふうに守るか、中小企業者自身の立場をどういうふうに守るかというところで、どちらにウエイトを置くかで、だいぶものの考え方は違ってくるのですけれども、大臣に尋ねたいと思いますことは、どうも百貨店法が百貨店増設奨励法のような結果を今日招来しているという批評が強いのです。従いまして、これについて基本的に大臣はどういうふうにお考えになり、将来どうしようとするか。また、局長もお見えでありまするが、局長においては具体的にこれをどういうふうに百貨店審議会等を指導していくつもりか、この点を一つ承わっておきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 百貨店法は、御承知のごとく中小商業者の立場を擁護せんがためにやったわけであります。これも先ほど申しました通り、ああいうものが出るとなると、かけ込みが出てくるわけです。かけ込みに乗ぜられたような点もあることは事実だと思いますが、その後厳重にこれは規制いたしておりますから、その数字等については、企業局長の松尾君から御説明申し上げますが、趣旨は、一方から申しまして、小さな商業者の立場を擁護するということを考えると同時に、やはりまた、一応消費ということも考慮しなければならぬという点もあるのでありまして、そういう点を考慮いたしまして、大企業者が中小企業者を圧迫しないというふうな方針はやはり持続していきたい考えであります。その数字の詳細につきましては、松尾君から申し上げます。
○説明員(松尾金蔵君) ただいま御指摘のございましたように、百貨店法が施行されまして、そのいわゆる経過規定の働いておりました期間に若干と申しますか、相当程度のいわゆるかけ込みに近い増設があったことは事実でございます。その状況を計数的に申し上げますと、すでに当時ありました百貨店の売場面積は、これはそのままの形でございますが、これが大体百十六万平米当時あったのでありますが、その経過期間の間に四十一万平米の増加申請が出ております。これに対しまして現実に許可になりましたものは二十九万平米、約七割程度が申請に対して許可になりました。百十六万平米に対して二十九万平米が経過期間のうちに、当時の建築状況その他を勘案して許可されたことはすでに御承知のところであります。その後経過期間を過ぎまして、法律の施行が本格的になりましてから以後の状況について申しますと、現在までにいわゆる営業許可の形で許可になりましたものが約四万平米であります。これは申請の状況から申しますと、約八万平米ほど申請が出たのでありますが、現実に許可になりましたものは、約半分程度の四万平米が許可になっております。さらに、新たな営業許可ではなくして、店舗の新増設、いわゆる床面積の増加という形で申請が出て参りましたものは約四万平米であります。これも形の上では四万平米でありますが、大ていの場合、片方に売場面積を増加すると同時に、他面売場面積の減少をやりまして、いわば店舗内の配置がえという場合が多数あったのであります。そういうことを考えまして、実質的に許可になりましたものは、これも二万平米でちょうど半分程度が申請に対して許可になっております。従いまして、これで売場面積という形で通算いたしますと、法律施行後におきましては合計約六万平米が許可になっておりまして、すでにありました百十六万平米、それに対して経過期間中に二十九万平米ふえまして、約百四十五万平米に対しまして法律の本格的な施行後に許可になりましたものが六万平米というのが、現在までの大体の状況であります。法律の本格的な施行後においては、申請面積に対して約半分程度に押えられておる。結果において六万平米の実質的の許可がある、こういう施行状況であります。
○相馬助治君 経過期間においては約床面積において七割、本格的に法が施行されてから五割ということでございまするから、確かに百貨店法というもの自身は生きておることは、数字の上で明らかだと思います。しかし、この問題はやはり各地にかなりデリケートな問題を起して参ると思います。約一週間ほど前、私秋田に旅行したのですが、そこでは町の小売商業者が全部立ち上って、百貨店の新設に反対をして成功したというので、ちょうどのぼりを立てて喜んでいるところに、私は出っくわしたのです。それで、こういうふうに大衆運動が巻き起って、そうして百貨店の新設をけ散らすというこの様相というものは、一体喜んでいいのか悲しんでいいのか、私自身はちょっと複雑な目で見て参ったわけでして、今後この法の施行にからんで、実にデリケートな問題が頻発してくると思うので、特に通産省においては、この法の精神を厳重に体されていってほしいと、こういうふうに思うのです。非常にデリケートな具体的な問題もありまするが、これはあとで局長にでも、いろいろ資料としてお話し申し上げて、参考に供したいと思います。 第二に、これは輸入の問題に関してなのですが、特にとり上げたいのは、八月八日に発表になった雑豆の輸入を中心として、最近のこの種の輸入に対する通産大臣のお考えを私は承わっておきたいと思うのです。問題は実は通産大臣に尋ねるより、農林大臣に尋ねるべき内容を含んでおるのです。と申しまするのは、私が承知している限りにおいては、通産省の輸入二課はことしの四月ごろ雑豆の値段が五千円をこえているという時代に、当然輸入をしなければ国内の需給バランスがとれないという見解に立って、輸入を企画したやに承わっております。ところが、当時農林省はこれに対して強く反対をしたやに承わっております。で、雑豆の輸入が実現されませんでした。ところが、最近国内の雑豆の値段は三千円程度に落ちているので、最近にない低い値段なのであります。それに持ってきて、この間北海道を旅行してみますると、これは近年珍らしい大豊作なのです。このときになって突如として八月八日に、私の知った事実によれば、二百万ドルか輸入発表を強い農林省の意思によって決定したやに承わっておるのです。物を買う場合に、こういうふうな時期を失した下手な買い方をするということは、実に問題だと思うのです。大臣は御承知にならないと思いますが、昨年度の雑豆の輸入につきまして、一昨年の十一月ごろから問題が起きて、農林省と通産省の意見が一致せずに、七月の月に入って雑豆の輸入をやっとしたのです。ところが、時期が悪いものですから、その豆に虫食いが出たり、あるいはこの点は御承知だと思いまするが、青酸カリ問題といって、豆に毒素を含んでいるというので、それが通関できずに税関の倉庫に押えられて、厚生省と通産省と農林省でこの問題の措置のため、ついこの間まで問題が複雑に、いろいろ解決のために動いた事実があるのです。昨年もそんな節はずれにこういうものを入れ、ことしもまた節はずれにこういうものを入れる。その原因は、いつも農林省との意見が一致しない。で、大臣の前では非常に恐縮な言いふりですが、常に農林省が非常に強い意思でもって通産省を引き回すという傾向にあるやにも聞いております。そこで、通産省に副総理格であるところの実力者の高碕さんが大臣になった機会に、私は、この種の輸入の問題については、明確な連絡会議か何かを農林省と通産省の間に持って、そして事によってはスピーディに事を運ぶような構想が必要だと思うのです。通産省の課なり局なりの人たちが農林省の課なり局に行っていろいろ交渉をする、こういうふうに散発的に問題に処していたのでは、値段の点においても、また適期に輸入するという点においても、よい結果を生まないと思うのです。従いまして、私が大臣に承わりたいのは、この事実に徴して何か一つ御構想等が航るかないか。突然で構想を発表することができなければ、十分考える余地があるかどうか、これを承わって、次に、次長がお見えですから、もう少しこの点について具体的なことを二、三、承わりたい、かように思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 通産大臣きわめて微力でありまして、先ほどお話しのごとく、副総理なんということは、これはもう全然考えも及びません。そんな力も持っておりません。そのことを前もって弁明いたしておきまするが、これは力のあるないは別といたしまして、ただいまの御質問の点は、私は痛感した一人であります。どうも今までの輸入のやり方は、通産省といたしますれば、できるだけ農林省と打ち合せして、国内の農民に対する圧迫のない範囲におきましては、できるだけ安いものを早く買い取るという方針を持っていきたいと思う。それが、だらだらやっているうちに相手方に乗じられ、あるいは高いものを買い、あるいは悪いものを買うというふうな例もあったことは事実であります。今後はそういうことのないように、十分に打ち合せてやっていきたいとこう存じております。なお、詳細のことにつきましては、私、数字を持っておりませんですから、局長から御説明いたします。
○説明員(中野正一君) 今御質問の雑豆の輸入の点についてお答えいたしますが、雑豆の輸入につきましては、本年度の初め以来、農林省と事務的にいろいろ協議をいたしまして、最近ようやく話がつきましたので、今お話しのように、八月の九日に輸入発表をいたしたわけであります。金額は、御指摘のように二百万ドル、約二万トン程度の数量になると思います。輸入する地域につきましても、農林省といろいろ相談したのですが、昨年は全地域のグローバルでやりたと記憶いたしておりまするが、本年はドル地域をのけました全地域のグローバルということで、ドル地域からは相当御承知のように輸入超過にもなっておりまするし、ドル地域以外からできるだけ入れたいと、そういう方針でそういう輸入をやったわけです。それから、今御指摘の、非常に最近値段が下っておって、入れる必要のないときに入れるのじゃないかというようなふうな御指摘がありましたが、確かに本年は、北海道を初めといたしまして雑豆の生産は、相当豊作じゃないかということをいわれております。ちょっと需給状況を申し上げますと、昨年、まあ普通のときで、大体雑豆というのは需要が約四十万トン程度ありまして、三十万トンぐらいな生産だとすると、十万トンぐらい穴があくわけですが、これを、従来は中共と主としてビルマから入れておりまして、ところが、本年は御承知のように中共貿易が途絶をいたしておりまして、これは大体中共からバーター取引で入れておったのですが、これが入らない。まだ再開の見通しについては、今のところは何とも言えない。これはできるだけ早く再開して、中共からも豆も入れるようにしたいと思っておりますが、そういう関係で輸入が途絶しておる。ビルマは、昨年大体約二万トン近い数量が入ったわけでありますが、ビルマにつきましても、いろいろ米その他なかなか日本としては買いにくいので、豆のようなものをできるだけ買ってくれ、貿易拡大のためにという強い要望もあるわけでございます。それから国内の状況は、大体十一月くらいから新豆が出回って参りますので、八月、九月あたりがちょうど端境期になっておるというような、まあ輸入面の事情、それから国内の需給状況から見まして、これは農林省の方で二万トン程度のものは、今早急に、値段はそう高くないが、御指摘のように三千五、六百円から四千円程度で一時よりはある程度下りております。しかしこの値段は、まあ国内の生産の観点からみれば、農林省としては大体いい値段じゃないだろうかというようなお考えのようでございます。そういう関係で通産省としては、主としてこれはビルマ地域から入りますので、早く輸入発表をして、そうしてこれを入れたいということで、農林省と相談の結果、話がまとまって発表した、こういう事情でございます。
○相馬助治君 私はこの輸入したこと自身がけしからぬということはいささかも言っていないのです。ビルマ等から雑豆等を入れなければ買うものもないのだし、アメリカ等から豆なんかどんどん入れようとする傾向にある際に、それはけしからぬのであって、ビルマ等からこの雑豆等を入れるということ自体は当然だと私は思っているんです。それからかりに北海道が豊作だといってみても、年間を通ずれば雑豆の輸入量というのはあるのですから、これも適当な時期に輸入するということは当然だと思っているんです。しかしいかにしろ、何と申しますか、一番工合の悪い時期に入れているということが、私には解せないと言うておるのです、下手過ぎると言うておるのです。次長にしてみれば、従来熱心に農林省と交渉してきて、そうしてもっと早く入れたいと思ったのが入れることができずにここまできて、交渉の結果やっとまとまったのだから、これで仕方がないとこういうふうにおっしゃると思うのです。私はその辺の事情もわかるのです。だからけしからぬなどと言っていないのです。しかし、いかにも下手だとこう言っておるんです。時期が悪いと言っておるんです。その時期が悪いわけです、通産省が悪いのじゃなくて農林省との話がいつもきまらないからだと言っているんです。これは農林省だけが悪いのじゃなくて、通産省のやり口もうまくないからじゃないか、こういうことを私は言いたいのであります。そこで私は、次長にお尋ねしますが、こういううわさがあるのですが、これはうわさだけでなくて実際にあると思うのですが、それはある大きな商社が約四千トンほどの思惑輸入をして、それがもう港に着いているといっておるのですね。そこで、その人たちが農林省の某有力筋を動かし て、そうして早く入れてもらわなければならぬというので、今度ばたばたときまった。通産省はかねてから入れろと言っていたから、そこで別に抵抗なく、それじゃ入れるということになった。結局するところは、その思惑輸入をやっていたものが、ここでかなりほくそえんでいる。こういう事実を神戸の豆屋に私の友人があるのですが、述べているのです。証拠の提出されたものでも何でもないから、私はどうということだとは断定しません、という話が伝えられている。これだけでも通産省はずいぶん御迷惑だと私は思う。これらのことについては、次長は何かお聞き及びですか、全く寝耳に水です か。
○説明員(中野正一君) 今の御指摘の、一部の商社が思惑輸入をして、それが運動して早くきまったのじゃないかということは、私は全然承知しておりません。むしろこの問題は、毎年いろいろ問題が起るんですが、雑豆の輸入業者と、それから問屋さん、それから、これを使うあんこ屋さん、それから最後の、あんこを使う菓子屋さんとかパン屋さんと、ここらの、いろいろ農林省としては、雑豆を輸入したあとの流通の問題をいろいろ苦慮されておったということは聞いております。というのは、一時、雑豆はもうかるんじゃないかというようなことで、最終需要家あたりが相当、いわゆる需要者割当でございますね、最終需要者に直接外貨をくれというようなことを、これはわれわれのところへも陳情が見えましたので知っておりますが、そういうことで、数量を幾らにするかということと、入れたあとの流通の体制がうまくいくかどうかというようなことを、農林省としてはいろいろ苦慮されたということは聞いておりまして、そういう点については、通産省としては商割、商社割当一本でいきたいというようなことで、むしろ、輸入の方式について、通産省と農林省で少し時間をかけ過ぎたんじゃないかと、今の御指摘のようにですね、そういう問題は確かにございました。
○相馬助治君 それは単なるうわさであることを私は希望いたしますが、うわさにしても、かなり真実性を帯びておるので、先般、大阪通産局から本省で飛び火をした某社の事件がございまするが、その某社が、今度も思惑輸入を約千トンほどしておる、それが入っているということだけは、もう具体的に証明できると、その人は言っております。私は、その証拠になるようなものの提示を求めたわけでも何でもなくて、そうですか、と聞いていたのでありますが、とにかく、一部、ほんとうに一人か二人の間違った通産省の過去の人の汚職なんかの問題で、通産省自身が迷惑をこうむっている点も今まで多かったと思うんですが、そういう際に、何かやはり疑われるようなことを通産省自身がするわけはないのであって、通産省自身がしたとは私思えないんですけれども、農林省のこの種の問題の取扱いについては、非常に遺憾の点が多いと思うんです。今、次長が指摘されたように、需要者割当をするということを農林省が強く主張していたということも私は聞いて知っております。まことにふざけた話なんであって、雑豆をあんこ屋が使うから、その需要者に割り当てるというてみても、今の現実からして見て、だれにどういうふうに割り当てるか、神様でもなければこれはできない話しなんです。神様でもなければできない話を、農林省がよこしまにいうと、通産省はもう手がない、合議が成立しなければ入れることができないんだというて、手がない。こういう状態が今後も続くとなれば、私はきわめて問題だと思うのです。従って、先ほど大臣から、将来、この種の問題については十分考えるというお言葉を聞いたので、私はこれに期待して、この種の小さな具体的な問題について、この貴重な委員会を通じてあれこれと深入りし、せんさくし、不確実な情報によって通産省を責め立てるようなことは遠慮をいたしますけれども、しかし、そういう不愉快なうわさがあることは事実なのであって、そのうわさのような不愉快なことはないとしても、適期適量輸入ということについては、将来、原局であるとしていつでもわけのわからないことを、この種の問題で言う農林省との連絡については、必ずしも適確でないものも中にあるのではないかと、かように考えて、私は、商工委員としての立場から、通産省に一つバック・アップする意味からも、この種の問題について、将来担当する事務局の中野さん初め皆さんも、真剣にこの種の問題と取り組んでいただきたいし、大臣においても、この種の問題の解決をうまくやっていただいて、そして、岸内閣が言っておるように、経済外交という問題がこういう小さなところからくずれることは、相ともに希望するところでないので、一つ、十分に御勘考を願っておきたいと思います。以上です。 ―――――――――――――
○委員長(田畑金光君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、島清君が辞任し、その補欠として藤田進君が選任されました。
○委員長(田畑金光君) なお、委員長から申し上げておきますが、三木経済企画庁長官も出席されておりますので、同長官に対する質問もあわせてやっていただきたいと思います。
○豊田雅孝君 三木長官に……。先ほど三木長官から経済界の今後の見通し、それからこれに対する対策の御説明があったわけでありますが、要するに不況対策といいますか、それは予算ワク内において有効需要を喚起するんだということだけを明らかにせられた。それだけに、予算のワク内で有効需要を喚起する具体的の措置というものがどういうものか、これに非常に重点がかかっていくわけでありますが、従って、あるいは公共事業費の繰り上げとか、財政投融資の繰り上げだとかいうようなこと、あるいはそのほかにあるかもしれませんが、その具体的措置の内容を、一つできるだけ詳細にこの際伺っておきたいと思うのであります。場合によりましては、事務当局からでもけっこうであります。
○国務大臣(三木武夫君) 先ほど申し上げましたように、景気の沈滞ということは、いろいろな、経済問題だけでなしに、社会的な諸問題を派生するものである。ある程度の景気水準を維持することは政府の責任である。そういう点で、いろいろ景気の対策としては輸出の、今いろいろ高碕通産大臣と質疑応答のあった輸出の増進なども、これは有効需要の最も好ましい喚起の方法である。しかし一方において、輸出もなかなか世界的な不況の影響を受けて、非常に画期的な輸出の増大ということは望まれない。クレジットとか、延べ払い、そういう方法を講じて輸出の増進をはからなければならない。これはオーソドックスな方法として一番好ましい、それを大いにやる。また、財政の面においては、予算のワク内ということは、御承知のように公共事業費のごときも、これは普通であっても、いろいろな工事が延びて、予算の執行ということは下期にズレる傾向を持っている。しかし、景気対策として考える以上は、それを促進していこう。第三四半期、第四四半期のものも、工事の能力に応じて繰り上げてこれをやっていって、その面から雇用、あるいはこの有効需要というものも喚起していこう。今どの程度ということはここで申し上げる段階にはなっていないですが、大蔵省が中心になって会計の担当官をすでに呼んで、これは工事能力にもよるわけでございますから、方針としては繰り上げてこれを施工する、そういうことで能力と見合って検討を加えておるわけでございます。具体的にどの程度どうということは、まだ申し上げる段階ではない。まあ財政投融資についても、こういう考え方を持ちたいと思っておる。そうして、そればかりでなくて、いま一つは政府支出、また一面においては設備投資の面においても、これは財政投融資の面と関連を持ちますが、民間の投融資に対しては、金融のあり方等も影響するから、金利に対しても検討を加えるということが、これまた設備投資に対して、これを今までのような金融引き締めというような一つの金融の基調が変ったのでありますから、ただ引き締めるということでなくて、これをノーマルな状態に置いて、いわゆる沈滞した設備投資の意欲というものに対して、これをノーマルな状態に置きたい。また消費の面については、これは消費をあおるというわけではありませんけれども、今日のやはり消費というものも、大きな産業を支えておる柱であるから、一般に消費水準を高めるということでなくして、低額所得者の所得水準を高めるために、あるいは社会保障制度の拡充であるとか、あるいはまた、低額所得者を中心とする減税であるとか、こういうものも合せて検討を加えておることは御承知の通りであります。こういうふうな統合的な、輸出とか、政府の財政支出であるとか、あるいはまた、設備投資であるとか消費であるとか、総合的な対策を通じて、ある程度の景気水準を維持したいということが政府の考えでございます。
○豊田雅孝君 今のお話しの中で、大蔵省でも検討を加えつつある、その具体的の対象としては、どんなものが取り上げられておりますか、それを伺いたい。
○国務大臣(三木武夫君) 公共事業費全般にわたっております。
○豊田雅孝君 財政投融資の方はどうでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) これもまだ具体的にはしておりませんけれども、原則としてはそういうことを考えようと、公共事業費の方は、具体的に各省が寄ってやっておりまして、そこまではいっておりませんけれども、考え方としては、やはりそういう考え方を持っておるということでございます。
○豊田雅孝君 これらは、同時に金融と密接不可分の関係が出てくると思うのでありますが、日銀の公定歩合の引き下げ、それからさらにこれに伴いまして預金金利の引き下げ、これらについても影響するであろうと考えられるのでありますが、この二点についてお見通しはいかがでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 御承知のように、公定歩合の引き上げあるいは引き下げということは、イニシアチブは日銀がとるべきである。政府と連絡はあるにしても、そういう建前でございまして、政府としては、今日の日本経済の成長のために、金利水準が高過ぎる、民間も含めて。そういう点で、公定歩合というものを下げることによって、民間の金利水準を下げられることは好ましいという考え方は持っておるわけでございますが、それをいつどうするかということは、日銀の判断にまかせたい、こう思っております。
○豊田雅孝君 日銀の公定歩合の引き下げは、これは言うまでもなく、日銀政策委員会の権限になっておるわけでありますが、ただいまの経済企画庁長官としてのお見通しからいくというと、これは、やはり下げていくべき動向にあるというふうに承知いたしてよろしいわけでございますか。
○国務大臣(三木武夫君) そのように考えます。
○豊田雅孝君 それで、ただいま三木長官からいろいろお話があったわけでありますが、その程度で、通産大臣としてはこの不況に対して、適当な健全な有効需要の喚起ができるというふうにお考えでありましょうか。というのは、なべ底景気は長く続くけれども、一応二重底にはならぬというお見通しを経済企画庁長官は言われたのでありますが、私も上手にやりさえすれば、なべ底は長く続くが二重底にはならないと思いますけれども、下手にあるいはタイムリーにやらぬと、ないはずであった二重底が出てくるではないかという心配を持っておるものでありますから、それを特にお伺いするのでありますが、今言われた経済企画庁長官の施策程度で、通産大臣としては、最も深刻なる不況の当面の風を一番よくまともに受けておられますだけに、自信をもってこれでいけるかどうか。いろいろ通産事務当局でも研究もしておるようでありますが、だいぶそれとは開きがあるようでありますけれども、これに対する通産大臣の率直な御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 先ほど経済企画庁長官がおっしゃいました方針は、私どもとちっとも違いませんで、その通りでいけば、もちろん私はこれを切り抜けることができる、こう存じております。
○豊田雅孝君 それではさらに伺いたいと思いますのは、不況対策に関連する融資を、相当積極的に政府の方でもやろうという指導をせられております。あるいは中小企業金融公庫あるいは商工中金等やろうとしているのであります。現にやっておりますが、しかしこれがどんどん出れば、一般の中小企業金融というものはそれだけ食われる。それはもちろん政府の方でも多少のワクは出されていることは承知しておりますけれども、それ以上に出そうで、綿スフのみならず続いて絹、人絹さらに石炭あるいは合板、それから全面的な輸出雑貨、こういうものに及んでいきそうでありますから、これはずらずら出ておりますと、一般の本来の中小企業金融、これが相当そちらに食われていく。あとになってだんだん年末金融にでもなるというと、いよいよ金詰まりが来るというおそれが非常に顕著なんです。ことに私どもは、臨時国会が早く開かれるということになれば、それを山として、大いに世論を喚起して、事なきを期したいと思っておったのですけれども、臨時国会が延びそうだということになりますと、年末金融に差しかかって、いよいよ、一般金融は困ってきた。そのときはもうすでに時期はおそいということになりますと、これは重大問題だと思いますので、不況対策金融がどんどん出ることによりて、中小金融一般がとばっちりを受けてくると、これに対する対策をどういうふうにお講じになるか、これについて御意見を伺っておきたいのです。それと同時に、対策を十分に一つこの際講ぜられること、タイムリーにおやりにならぬといかぬのじゃないか、こういう点から、御意見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 豊田委員の御心配になる点は、私どもやはり同様でありますが、幸いに今度中小企業信用保険公庫が新たに発足いたしましたわけでありますから、あの手この手を講じて、不況対策をやると同時に、それによって十全の、中小工業者が金融に困るということのないように、万全の努力をいたしたいと思っております。
○豊田雅孝君 その点については、どうか、今の程度ではなかなか満足いかぬのでありますけれども、通産大臣高碕さんを特に信頼をいたしまして、タイムリーに臨時国会までにしかるべき措置、満足のできる措置ができるということを期待すると同時に、その対策を強くおとり下さることを、この際に要望いたしておきます。 それから不況対策に関連いたしてでありますが、先ほど通産大臣は、合成繊維の織機が増産せられ、また増設もせられる傾向にあるということを言われたのですけれども、これはひとり合成繊維関係の織機のみならず、他の織機についても、同様なことがあるように聞いているのでございます。そういう点で織機製造設備についての制限措置などを、どういうふうにお考えになっているか。それからもう一つは、無登録の織機というものが、登録織機以外にあるのでありますが、登録織機買い上げは、いろいろやっておられるようでありますけれども、無登録織機について、一体どういうふうにやっておられるか。これはもう登録織機がしり抜けになっている、それからまた新しく作る織機の製造関係がしり抜けになっているというと、一体これは何のために今度の不況対策をやるのか、しかも、国費を投ずるのかという問題になると思いますので、この点特にお尋ねをしておきたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 今御質問の点につきましては、一方通産省といたしましては、織機製造業者というものの建前からも考えていかなければならぬということを痛感いたしておりまして、この面については、この手を打たなければならぬということも、事務当局に言っているわけでありますが、同時に今お話しの無登録のものは、これは地方に行きますと、農村等においてほんとうの小規模でやっている、こういう例もあるようでありますし、これをいかにするかということにつきましては、繊維局長から具体的に答弁いたさせます。
○説明員(今井善衛君) ただいま織機につきましては綿、スフ織機、それから絹、人絹織機、毛織物、麻織機、この四つの織機につきましては、団体組織法の五十八条によりまして、新設制限になっております。従いまして、それが増加する余地はないのでございます。ところで、合成繊維織機につきましては、従来登録は行なっておりますけれども、合成繊維織物につきまして何らの自主統制はございませんで、従いまして設備の増設は自由ということになっていたのでございます。今回綿、スフなり、絹、人絹の織機の買い上げをやりますのに伴いまして、やはり合成繊維織機につきましても、適正な規制を加える必要があるということで、私どもといたしましては、団体組織法の五十八条によりまして、合成繊維織機につきましても今後新設の禁止を行いたい、かように考えておる次第でございます。 それから無登録織機でございますが、これは登録しなければ織機は使えないという建前で、いわばやみ織機的なことになるわけでございまして、これにつきましては、今後調査を一そう厳重にやりまして、その無登録織機によりまして織布が製造されないように、いろいろ業界とも連絡をとりまして監督を十分にしていきたいと、かように考えております。
○豊田雅孝君 最後に、輸出振興と中共貿易関係についてお尋ねをしておきたいのでありますが、先ほど来不況対策の根本措置はむしろ輸出振興にあるということでありますが、その矢先におきまして、輸出はずり落ちになってきている。しかも、これに対して最も問題の一つは中共貿易だ、特に私ども心配をいたしまするのは、華僑に対する中共の指令によりまして日貨排斥が行われておる。これは中共に対する輸出の問題だけでなく、東南アジア全面に対する輸出の問題になってくるわけであります。これに対して一体どうするかという問題でありますが、問題は中共対策それ自身にあるのだということになるわけでありますが、同時に、一面ココムの緩和がわれわれの要望によって実現をいたしましたけれども、ココムの緩和はせられたが、その際に中共貿易はかような途絶状態だということになりますると、わが国からの輸出ができないというその間隙におきまして、ココム緩和が逆用せられて、西欧諸国の輸出が中共に対してしきりに行われ、しかも、これが固定市場化するということになることは、非常に日本の輸出貿易の将来に対して重大問題だと考えるのであります。しかるに、一面中共に対しては静観々々と言っているわけでありますが、ただいまの華僑の日貨排斥、それから今のココム緩和に伴うての西欧諸国の中共進出、この二つを考え合わしまするときに、一体どういうふうに高碕通産大臣としてはお考えでありましょうか。従来高碕通産大臣は中共貿易に非常に熱意を持っておられるわけでありますが、それだけに率直なる御意見を伺っておきたいと思いまするのと同時に、経済企画の基本政策をおあずかりにな。ておりまする三木長官のこれに対しまする御見解を承わっておきたいと思うのであります。
○国務大臣(高碕達之助君) このココムが緩和されてきておる現状におきまして、またその他の点から考えましても、一日も早く中共との貿易関係を復旧いたしたいという熱意は持っておるわけでありますが、この問題は政治問題とからみまして、先方は政治と経済とは……、これは先方の立場からいえば無理ないことだと存じますが、われわれはこれを切り離して考えていかなければならぬというふうなところに、非常にデリケートな問題があり、決してこれは政府といたしましても、いたずらに手をこまねいて静観をしておるわけでございませんで、いろいろな点につきまして考慮しつつ、手を打ちつつあるわけでございます。今ここにどういうふうに具体的に進んでおるかということを言明できないことを、私は非常に遺憾に存ずる次第でございます。ただ今日、中共が東南アジアに向って華僑を利用してやっておるということは、かりに私は中共との間にすべてがもとの貿易関係が正常化しても、これは将来必ず起るべき問題だ、これは商売ですから、必ず起るべき問題だと思っております。これは別の方法でわれわれが考えていかなければならぬ、こんなに存じておりまして、はなはだ抽象論をいたしまして申しわけないのですけれども、これだけの答弁で、今日はごかんべんを願いたいと存じます。
○国務大臣(三木武夫君) 日本としても、やはり一億ドルの輸出を予定しておったわけでありますから、こういう貿易の不振なときに一億ドルという輸出の計画にそごを来たすということは、好ましいことではないわけであります。全国民中共貿易を望まない国民はないと思うのであります。ただしかし、御承知のように共産圏では政治、経済というものを分離して考えない非常に強い立場にあるわけです。従って中共自身が貿易再開のなかなかそういう冷静な状態になっていないことは、非常に両国のために遺憾に思うわけであります。しかし、現在の段階において直ちに中共を承認することはできるものではないのであります。現在の情勢を相互に理解し合って貿易をやるという冷静な立場に返るよりほかにはないのであります。これは中共自身としても、今のような立場に対しては検討を加える日もあろうと思います。そういうことで、中共貿易は承認問題なんか離れて再開されることが両国のために好ましいと考えております。
○吉田萬次君 今華僑の問題が出まして、中国は二つないということを主張しておりまする反面において、現実においては台湾政府と中共と二つあります。そこで、その両方を支持するところの華僑というものがある。台湾政府に対して支持をする華僑と、中共に隷属するところの華僑というものがあるということは、これは御承知の通りであります。ところで、現在中国政府というものを台湾に置いておるところの日本の状態から考えまして、そうしてこの問題を検討してみますると、なるほど賠償の問題その他に対する寛大なる処置、また国連の関係におけるところの台湾政府というようなものから考えまして、台湾政府と言わずして中国政府というものを、台湾政府に期待しておるところのわが国の現状といたしましての貿易というものを考えましたときに、その利害得失というものは別にいたしましても、また、利害得失そのものから考えましても、私はこの華僑のあり方というもの、華僑というものの存在というものが二つあるように考えられますが、これが貿易面においての非常な影響と、国際関係におけるところの非常な重要な役割をするという点から考えまして、この間におけるところの動向に対して、政府はどういうお考えを持っておられるか、またこの方針に対して、どうして貿易を伸展させようとしておられるのか、その点においての大臣の御意向を承わりたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 私どものただいままで持っております情報によりますというと、東南アジア全体の華僑というものの動向につきましては、これは政治的に動くということよりも、むしろ経済的に動く人たちの方が多い。こういうふうな私どもの観察でございまして、そういう点から申しますというと、かりにただいまはお話しのごとく中共と台湾とがあるとおっしゃるけれども、私は将来これは一本になるべきものと、こういう前提として考えましたときに、やはりわれわれは中国と日本というものは、東南アジアの市場におきまして、相当今後はやはり消費物資については競争的立場に立つべきものだと、こういう考えをもって進んでいきたいと、こう存ずるわけでございますから、従いまして、華僑対策というものにつきましては、どこまでも経済的の理由をもって、安くていい品物を出していく、あるいは日本の特産物、中共でできない、中国でできない物をわれわれは作る、こういう方面で進んでいくということが、東南アジアに対する華僑対策の一番の重要な点だと、この方針を曲げないつもりで、今もそれで進んでいくべきものだと思っております。
○吉田萬次君 今の御答弁によりますると、一本になり得るものであり、一本になるべき性質のものであるというようなお答えでありましたが、一本になるというこのことは、どういうことでありますか。いわゆる政治的の方面というものを度外視して、経済的観点から一本になるとおっしゃいまするけれども、しかしながら、やはりこれは国民政府というものと中共政府というものとの存在しておる限りにおいて、一本という意味はどういう意味ですか。
○国務大臣(高碕達之助君) 私は、今政治的な問題にわれわれは考慮を加えて経済政策を立てるべきものではなくて、経済政策はやはり純経済政策で立てるべきものだと、こういう意味でございまして、今、一本になるとかならぬとかという問題は、これは政治問題になるわけでありますから、私どもやはり希望するところは、要するに中国は一つの中国になってほしいということを希望するわけであります。
○阿部竹松君 私は長官にお尋ねしたいのですが、長官が就任されてから二度ほど、経済界の動向についてお伺いしたわけですが、長官のお話を承わっていると、昔日本に陸軍大学校というものがあってクラゼウィッチの戦略論であるとか、モルトケの話であるとか、とにかく日本の陸軍大学というものは、必ず勝つということになっておったし、必ず勝つということを教えた。しかし実際やってみると、昔の話ですからわかりませんけれども、とにかく負けてしまった。私は三木長官のお話を陸軍大学の講義のようだということにはたとえませんけれども、しかし今年の春、日本の経済は昭和三十三年度はこう持っていくべきだというようなお話が、四カ月たった今日果してその通り断言できるかどうかということについて、疑問を持つわけであります。不況対策はやりません、長官のような結論は、新聞紙上でも、長官の党の内部にもいろいろ問題があったようですが、最終的には、さいぜんお聞きしたような話に落ちついたようですが、しからば一つ一つの問題について、たとえば繭糸の問題についてはこれこれ金を出す。それからまた機織り機械の問題については一機二万円ぐらい出して買う、こういうことで一つ一つなしくずしにしていって、そうしたら刺激策はとりませんとか何とかいっても、出たとこ勝負で、一々ばんそうこう張りの経済政策だということを言いたいわけです。しかし、繭糸の問題とか機織り機は手を打ったようですから、まずおくとして、しかも、今度は石炭が膨大に上っている。今度は造船が問題が起きている。こういったことについてどういうふうな措置を講ぜられるか、具体的に承わりたいわけです。公共事業費の繰り上げ分、大蔵省と交渉云々ということは、豊田委員の質問に対する御答弁で伺いましたが、しからばそれが来年度の三月までの部分をことしの十二月までに使用してしまった、あるいは一月で使用してしまったということになれば、今度予定されている臨時国会等に補正予算を組むのかどうかということで、初めにきめた方針にずっと従っていくけれども、一つ一つばんそうこう張りでやっていくのかどうか、こういうことは実は長官の説明はわからぬでもないけれども、話と現実行われている政治が全然違うような気がする、こういう点はいかがでしょうか、まずお尋ねいたします。
○国務大臣(三木武夫君) それは違わないのでありまして、それはやはり経済政策の大きな基本というものは変ってない。ここで申し上げたことに変更をしていないのです。しかし、こういうふうな経済の調整期には、景気の面についても各企業にでこぼこが生ずることはやむを得ない。非常な不況の立場に立つような産業も起るわけであります。そういうことについては、不況対策というわけでもございませんけれども、たとえば繊維のことについても、それは総体として過剰織機の問題が、これは常に繊維の将来の不況を約束するものですから、そういう点でこれを合理化していこうという、それが結果的には不況対策にもなる、こういうふうなことで、その企業自体について適切な手を打つということは、経済の基本政策がいかにあるべきにかかわらず、それはやはり政府の責任であります。そういう個々の面についても、きめこまかく見ていこうということは、いささかも経済政策の基本に変更を加えた考え方ではない。そうすることが当然のことであるということで、いろいろ個々の企業について考えてきているし、将来も考えていこう、こういうわけであります。
○阿部竹松君 言葉ではそういうことをおっしゃることができるかもしれませんけれども、現実の問題としては、長官のおっしゃる通りになっておりません。ことしの春の通常国会に、あなたの方では三十一億五千万ドルのとにかく輸出をやって外貨をかせぐのだ、努力目標だとおっしゃる大臣もございましたが、とにかく三十一億五千万ドル、私はたまたま当委員会で二十七億五千万ドルだ、こういうことで、当時の前尾通産大臣ですか、僕の二十七億五千万ドルと前尾通産大臣の三十一億五千万ドルと対立してだいぶ議論をやった。あなた方は機関を持っておりますので、私はこっぱみじんにやられてしまった。しかし、日本国民の一人としては、私のいう二十七億五千万ドルが正確であるよりも、前尾通産大臣のおっしゃった三十一億五千万ドルが当ることが望ましいことなんです。しかし、どっちが当るかは別として、そういうところも一つくずれてしまったのです。しかし、そういうことを一切がっさい抜きにして、現実に目をおおって、一つ一つとにかく破れたところからつぎはぎをして、この建物はまだ大丈夫ですというようなことは、私は当を得たお話しではない。まあこう思うのですが、しからばさいぜん申し上げました石炭とかあるいはもう一つ造船なんか一体どうするつもりですか、具体的に、あなたは経済企画庁長官ですから、これは実施庁である高碕さんにお答えをお願いする方が当を得ているかもしれませんが、あなたが実際まっすぐに手放しで驀進ずるということであるならば、私は言いたいことがあるのです。また、突然出てきた中近東の問題、ヨルダンにイギリスさんが来たとか、レバノンにアメリカが来たとかいうことで、石油はシェルも三菱石油でも大協石油でもどんどん上って高くなっている。こういうことについては、こういう動乱が一切影響ないも一のかどうか、こういう点はどうでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 中東の石油株、株式、あるいは石油それ自体に対してイラクのああいう動乱以来急騰しましたけれども、それは数週間の運命である、これが大して発展をしないという見通しから、二週間ぐらいしか持たなかった、そういう将来の発展を予想した一つの株価、あるいはある特殊な物品に対しての価格の上騰というものは二週間くらいで終ってしまった、影響はない。ほとんど中東に対して影響は現在はない。それから石炭あるいは造船に対してでありますが、これは高碕通産大臣がこういうふうに御苦心をなさっているわけであります。あるいは造船に対しては、運輸大臣がやりているのでしょうが、やはり全体として貫かなければならぬ精神は、不況対策という名のもとのこうやくばりではない、やっぱりその間に経済の合理性が貫かれておらなければならぬ。繊維に対してもそうだし、あるいは造船に対してもただ船を作ればいいというものではないのでありまして、この海運界の合理化というものが前提になって、どうしたって戦時補償もないのですから、海運界が資本構成も悪いし、またそういう金利負担が多いわけでありますから、海運の市況が悪くなれば、これはなかなかやっていけぬことはわかる。だからといって、海運の合理化というものを抜きにして、やれ利子補給だ、航路補助だということは国民が納得しない。やはりこれは合理化をやって、その上に立ってこういう企業に対して国家的な助成ということも必要であるということは、必要な場合は国の助成もしなければならぬ。しかし前提になるものは、やはり長い将来を考えて、海運の一つの合理化というものが前提にならなければ、なかなかそう甘い解決では、国民は納得しない。こういうふうなこうやく張りというのではなくして、やはりそれは結果的には不況対策であっても、日本の企業の合理化が前進する、それが結果的にはやっぱり不況対策になるということでなければ、今御指摘になるようなこうやく張りになる。その根底にやはり企業の合理性というものが貫かれなければならない、そういう考え方できめのこまかい産業政策をやっていっておるのであるということであります。
○阿部竹松君 これは三木さんが長官になられた前にも私感じたのですが、どうも経済企画庁のものの見方、まあ、世界経済とか何とかと大きなことは別として、日本経済の伸張度合のバロメーターのとり方が、私手放しの楽観論だとはきめつけませんけれども、どうも自分のところで最後の締めくくりを責任を持ってやらないお仕事をやっておられる関係かもしれませんけれども、どうも楽観論が強いようであります。従ってそういう点を、何回も指摘してきましたが、長官のおっしゃる通りいけば非常にけっこうですけれども、しかし、なかなかそういかぬのです。先日も朝日新聞の投書欄に繭糸業者が困ったからといって、政府がこれこれ投融資した、あるいは機織り機械を買ってやった。しかしながら町のお菓子屋さんが困ったから政府が店を買い上げてくれるか、小さく言えばビスケットを買い上げてくれるか、国民の税金をもつてそういう大企業にはそういう手を打ってくれるが、われわれには手を打ってくれない、こういう投書欄も出ておりました。それは別として石炭もそういうことをやらなければならぬ、造船もそういうことをやらなければならぬ、こういうような状態が来るわけであります。それからもう一つ、日本経済の伸張の度合いを見るには、むずかしい理論は抜きにして、郵便貯金を見ればよろしいそうですね、学者の話ですが。そうすると、郵便貯金を過去三年調べてみたところが、本年は一番悪い、七月はボーナスが各人に渡る月だからふえたけれども、一番悪い、こういうことを言っておるのです。政府は本年当初ば日本経済の伸張度合いはこれこれであって、国民一人当りの総収入は六%であるとか七%であるとか、こういうとにかく想定に基いて予算を組んでいられるはずなんですよ。やはりあれもあのままで何ら間違いのないという御判断ですか。
○国務大臣(三木武夫君) その日本経済の指標になっておる、たとえば成長率であるとか、本年度の輸出の目標であるとか、こういうものは事実達成が困難な指標が相当に出てきておる。これは実績が集積されるわけでありますから、政府が一ぺん発表したからといって、それにとらわれるということは許されない。それはうしろに証拠品が出てくるわけであります。そういうことで八月、まあこの月に今までは臨時国会中は会計年度が始まりた当初でありますから、一年間の見通しを立てるとしては、少し時期的に早過ぎるということで、多少の時間をおいてということを臨時国会でも答弁をして参っております。今、企画庁で今年度下半期並びに来年度の日本の経済の見通しというものを検討加えて、そうなってくると、指標に対しての修正を加えておる、こう考えておるわけであります。どういうふうな結論になりますか、この作業を終って、そういう基礎の上に立って来年度の予算も考えたい、こう思っておる。一ぺんきめたからといって、それを変えないといったところで、実績が変えざるを得ないのですから、そういうふうにとらわれた考え方はいたしていない。なかなか長期経済計画というものが、数字通りいくということは困難であります。しかし、それがない方がいいかというと、そうではない。一つのやはり自由経済の中にも計画性を持たせなければならぬことは、一つの時代の方向であります。だからいろいろなあやまちもある。しかし、そのあやまちを、どうしてあやまちが起るかということに対しても検討を加えて、改正を加えて、やはり長期経済計画というものの考え方は、経済政策の中にずっと持ち続けていきたいと考えておるのであります。
○阿部竹松君 長官のおっしゃる話はよくわかるわけです。長期経済計画ですから、少しぐらいのでこ低くは、歯を食いしばって、目をつぶってがまんしなければならぬ。そこで最後におっしゃった、必ず当初出発のときの判断を、あやまちがあると認めれば、当然改めて是正していくのだというところを私はお聞きしたいわけです。春の話と今では大体違ってきておるのではないか、違ってきておるのを、これはもうあくまで春の説が正しいのだといって、どこまでもそれを押していくのだというのでなしに、これはそのつどばんそうこう張りも、これは相対的な治療法になるかもしれぬけれども、一つ一つやっていてもかえって時間が長くかかって、病人が重態になる。だから今間違ったやつは間違っておるということで、私は明確に打ち出してやるべきだと思うという考えなんです。これはそんなに、経済企画庁の立案を、通商産業省で私はうのみにするとは言いませんけれども、しかし、あなたの今の判断が甘くて、通産省と話し合って、あとで通産省が高碕長官を責めてみたところで、何といっても一番損をするのは国民ですよ。あやまったとかなかったとかいうこと、あやまちがあったならば、是正する御意見があるかどうかというきわめて単純な御答弁を求めておるわけなんです。
○国務大臣(三木武夫君) あやまちと言えるかどうか、その言葉が適当かどうかは別として、経済の指標に基いて、その指標が実現困難な場合に対しては、その年度計画に対しては修正を加えたい、こう考えております。
○阿部竹松君 そうすると、最後に一点お尋ねいたしますが、たとえば公共事業費やなんか繰り上げやりますね。そういう相対的な問題については、繰り上げてしまうとあと困るのですから、差しあたりそういう問題も含めて、補正予算という形になるか、あるいは政府は補正予算は、臨時国会は困るから、あるいは通常国会劈頭に出すのだということになるか。そういう点を、最後に一体今後のベースで補正予算はやりません、臨時国会の初めですか、あるいは通常国会劈頭もやりません、ただべたべたと、予備金を出すとか、そのつど主義で行くのかどうか。そのところを最後に一つお伺いいたします。
○国務大臣(三木武夫君) 大体今のところは、臨時国会に補正予算をしない考え方であります。しかし、繰り上げ支給すれば、それは公共事業費などについてもいろいろ繰り上げ支給、繰り上げの支出の状態に応じては、それはその場合に考えたい、しかし、臨時国会においては、今のところは繰り上げられているから、補正の必要はない。将来においてはそれは考えなければならぬ課題である、それは将来ということは通常国会……。
○阿部竹松君 通産大臣にお尋ねいたしますが、さいぜん三木経企長官にお尋ねする中でも、若干お話がありましたが、とにかく石炭が非常に余る、造船業界が、再度恐慌時代に突入してきた。こういう処置について具体的にどうなされるか、端的に御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 先ほど三木企画庁長官がお話しされたような工合に、経済の進むべき道は、長期にやはり計画を立てているわけでありますから、その長期の計画をくずさぬ範囲において、ときには、ある一つの手を打たなければならぬことがある。そのことによって長期の計画がくずれるということは万ないようにやっていきたい、こういう考えで、今石炭の方法等も考えておりますが、石炭は御承知のごとく本年は五千六百万トンを掘り、将来においては七千三百万トンにする、この方針は絶対に曲げないつもりでございますから、今日石炭が昨年の豊水期のために余っておる、国内の不況のためにこれは幾らか手持ち石炭が多くなっている、こういうことも事実でありますから、これは業者の総意によって、幾らか減産をしつつあるということでありますが、それでもなおかつ石炭が余るといった場合には、当初の方針通りにエネルギー資源全体として考えるときに、石炭は変えることができないから、これば外国から輸入するエネルギー資源としての石油をある程度に押えるという方針をもって進みたい。この下半期においても石炭が余っておりますから、下半期の外貨予算の中において、はっきりお話しすると、原油でなくて重油の方を規制したかったのですけれども、重油の輸入量というのはきわめてわずかなんです。上期下期を通じて百二十万トンくらいしかやっておりません。下期は六十万トンくらいでございますから、これを規制しても、あまり価値はないから、原油にある程度手をつけなければならぬ。これはいろいろ影響するところは多いのですけれども、それにつきましても考慮いたしまして、エネルギー資源としての、石炭を第一に置いて、そして油で加減を加えていく、こういう考えで進んでおるわけであります。また、造船の方におきましても、これは海運界の状況、そのほかにつきましても、これはなかなか長期に考えなければならぬというので、といって、今不況で、造船業だけでなく、これに関連する中一企業がいろいろ圧迫 を加えられるということも事実でありますが、これはできるだけ造船をやらしていきたいということのために、将来の日本の鉄鋼生産から考えまして、鉄鉱石を安く手に入れるということのために鉱石の運搬船を作るとか、さらにまた、日本の将来における移民だとかいうふうなことも考えまして、移民の専用船を作るとか、あるいは外貨獲得のために観光をやらなければならぬ、太平洋の間が外国の船に観光船がほとんど独占されておるというならば、これはある程度考えて、観光船のごときも、この際採算はある程度無視しても作ってみたらどうだろうかというふうなことについて、これは運輸省が中心になって検討を加えてもらっておるわけでありまして、通産省といたしましても、そういう方面でやってもらうことを非常に希望する次第であります。
○阿部竹松君 高碕通産大臣おっしゃるかどうかわかりませんけれども、あなた方の政党は、われわれ社会党を批判して、社会党は現実に目をおおうて空想、理想ばかり掲げておる、まことにけしからぬ政党であるとおっしゃる。あなた方の今のお話を聞くと、長期経済というのをにしきの御旗、これをよく見ておらぬような気がする。五千六百万トンことしは既定方針でいきたい。今の案ですと、そのためには長期エネルギー計画で、外国の石油を規制するような法律を作りたい、これはほんとうです。それから造船の問題についても、造船は今度は太平洋航路か大西洋航路かわかりませんけれども、遊覧船を作ってドルをかせぐとおっしゃっても、二万トンの船二そうか三そう作れば、それで終りなんですから、そんなことでなくて、もう少し実のある御答弁ないですか。石炭だって来年度の五千六百万トンどころか、本年度今九百万トン余っておるのですから、そういうことを、実際問題として具体的に、あとで大臣は法律を作ると言ったじゃないかと言ってけんかしても始まりませんから、もう少し信憑性のあるお話を承わりたいのですが、しかし、大臣のお話は、それは臨時国会でやるか、通常国会になるかわかりませんけれども、具体的に船を作りたいと、それから石炭についてはただいま申し上げました通り、あなたのお話しの規制する法律を、今度臨時国会か通常国会に出すということであれば、私はだめ押しになるようでくどいようですが、それで私は満足します。
○国務大臣(高碕達之助君) 今の石炭のお話は、申し上げました通りに、本年度の計画は五千六百万トンになっておりますけれども、すでに手持ちが九百万トンあるのは事実でありますから、この点は本年は五千三百五十万トンに減らそうじゃないかということを考えております。これはことしに限っての問題でありますから、長期計画にこれを影響するわけでなくて、本年度はそれに限る。それから今下半期の油の輸入につきましては、別に法律を改正しなくても、外貨の割当をもって通産大臣はできるわけでありますから、実情に即して実行に移せるだけは移していきたいと考えております。造船の問題は、これはもう大体運輸省がやることでありますが、しかしできるだけ私の申し上げたような方針で仕事をふやしてもらいたい。これは中小工業の立場から申し上げるわけであります。造船と申しますと、大工業といいますけれども大部分が中小工業がこれに関係する方面が多いわけでありますから、それをやってもらいたいという希望でございますから……。
○小西英雄君 時間がかかっておるので、簡単に二、三通産大臣と経企長官に伺いたいと思います。 この委員会は開けば大体主たる審議事項は、多くは貿易の振興ということであり、われわれもそれに重大な関心を持っておるのでありますが、昨年の国会において貿易振興会についてわれわれ本当委員会で審議し、前身であるジェトロを改組して日本貿易振興会を作り、それに対して経済基盤強化の資金の中から二十億内外の金をそこに投入したように考えておりました。日本の貿易は、今年は不況の中でも三十一億五千万ドルの輸出目標を達成するという強い決意が前大臣においても述べられたのでありますが、私たちがその際その貿易振興会が発足する際にも、ここに相当な期待を寄せ、その人選等についても、当委員会においてはその理事長なりあるいは会長の主たる責任者は、これを専業として最も熱心にやっていただく方をぜひ政府において任命されたいということでありましたが、過日手紙か何かで見受けたのでありますが、非常に大物であろうとは思いますが、この理事長になった方が、どうも専業でない一つの看板のような人であるということをわれわれ承わっておるのでありますが、高碕通産大臣はこれらの点について、こういうふうな重大な責任ある地位につく人が、専業である人か、どれがほんとうの本職であるかということ等について一つお聞かせ願いたいのであります。
○国務大臣(高碕達之助君) このジェトロの今後の進むべき道、それからまた、大いにこれに活躍してもらわなければならぬということは、小西さんの御意見と同じようでありますが、しからば、これを理事長をだれにするかということは、これは専業であるということは、これは前提でありますが、しかし、専業であるとかないとかいうことは、それによって全部ジェトロだけの仕事をやっておるというわけでもありませんが、しかし、その方面において一番の有能の士であるということをやっぱり考えなければならぬというふうなことから、大阪商工会議所会頭になっておる杉道助君を理事長にお願いしたわけであります。従いまして、彼がほかの会社とか事業とかというものには関係せずに、これは商工会議所としての仕事自身も、貿易の振興については全然関係のない仕事でもありませんから、そういうふうな点から考えて、これは専業者と認めていいと、こういうような結論に到達いたしまして、かつ彼の過去の経験等を生かす上において一番適任者であると、こう存じておるわけであります。
○小西英雄君 通産大臣の御意見について私たちは信頼いたしますのでありますが、こういうふうな今後政府は重要な地位につける人物については、十分吟味の上、これが副業的であったり、ただ名目に走るような人をつけたのでは、せっかく当委員会においてこの問題を審議する際にも、各委員からも要望がありましたように、最も熱心にやっても、なおかつ国民が要望しておるところに達しないという現段階におきまして、今後継いだ杉理事長に対しても、相当責任ある運営を特にやってもらいたいということを要望いたして、この点は終りますが、さらに、通産大臣に対して聞きたいことは、電源開発の問題でありますが、これとても電源を開発する非常に長い間将来に対する連続の仕事であり、高碕通産大臣も初代の総裁であった。通産大臣がやめられた後の次期の総裁においてもいろいろ前総裁の意見を踏襲はするが、部内社員の統一については相当なまちまちな意見が出て、国家資金を使いながら相当遅延した向きもあったので、一たん政府がきめられれば、二カ年というのが期限であるそうでありますが、こういう点について政治的配慮のもとに、いろいろ人選するということについては、巷間非常によくないうわさもありますが、そういう点についても通産大臣である所管大臣としてどういうふうに今後の運営を考えておられるか。それともう一つは、電源開発の初期の目的であった水力の開発点についても、電発のやる多くの地点がすでに着工して、これが新規着工に対するわれわれの考え方では、多くの地点が少くなった。今後将来電発はどういうふうにその行き方をするのであるか、これは九電力会社に一部譲って、将来は順次しりすぼみの方向にいくのか、その点の電発の将来に対する問題と、総裁等の人選については、今回も熟慮されたかどうか、一つ御意見を承わっておきたい。
○国務大臣(高碕達之助君) この電発の総裁の問題につきましては、露骨にお話させていただきますれば、私は二カ年は短いと思います。これは一つの仕事を開発するのには、少くとも四カ年くらいかかりますから、できればこれは私はもう少し任期を長くしていただきたい、これは私個人の希望でありますが、そういうふうに検討して、できればそれを変えていきたいと、こう存ずるわけであります。私の方針といたしますれば、できるだけやっぱり総裁は長くおってもらいたい、ああいうふうな事業でありますから、そうかといってあまり長くおれば弊害が起りますが、新しい総裁はやっぱり前総裁に推薦してもらうということが、私は一番よくはないかということでありましたが、今回の人選につきましても、いろいろ問題があるようでありますけれども、私は内海現総裁は人格からいっても、人柄からいっても、あるいは政治力が足らぬというような世評がありますが、そういうものがない方がかえっていいと、私はあの人にもう少しおってもらいたいという希望で進んできたのでありますが、つい最近に総裁に会ってみますと、私は老齢であるから、この際やめさしてもらいたい、初め二年やる、二年しかやらぬという話しでやったんだから、今度やめさしてもらいたいというお話しでありますから、しからばだれがよかろう、こういうふうなことで、新総裁を電発の総裁が推薦をされて、私はこれを取り次いで党なり総理に、また閣内にも申し上げたようなわけなんであります。 それから将来電発の仕事がだんだんなくなってくる、これは当然だと思います。十分日本の水力電気を開発しても、二千万キロワットというくらいが限度だろう、こういうようなことも言われておりますから、そのときにあの組織をどうするかという問題でありますが、これも私の個人の希望になりますからどうかと思いますけれども、あれだけの技術者を擁しておるというところは、なかなか世界にないんです、あれだけの技術者を擁しておるというところは、あれだけの組織があるというところはありませんですから、あれを活用して今日東南アジアの開発なり、あるいは未開発地の電力開発についてあの技術陣容を持ってゆきたい、こう存じまして、将来はあの電力会社の法律を改正してもらって、外国の仕事もできるというふうに改正してもらいたいと、これは私の希望でありますが、そういう希望で進んでゆきたいと考えております。
○小西英雄君 高碕通産大臣から意見が述べられたのでありまして、私たちは高崎通産大臣の経済界あるいはいろいろ日本の行く方針について、相当高邁な理想を持っておられるということは、われわれかねがね承知しておるのでありますが、政治は理想でなくして実行であるので、自分が内海総裁がたとえばいいと信じたならば、自分は主務大臣として総理大臣がどう言おうとも、自分の所信を貫くくらいな覚悟で通産省を一つうまくやってもらいたいというのが私の希望であります、また委員の希望でもあろうと存じます。 さらにもう一つ電力の問題ですが、電力の再々編成という声も高いし、また、私たちが九電力に編成がえをやったときに、われわれの地域である四国においてただ二つの会社、これは公益事業会社かどうかという点については疑問があり、ここで公益事業局長にお尋ねしたいと思う点は、共同電力というものはこれは公益事業の対象であるかどうか。法的にどういう点が公益事業としての扱いをなされておるか、この問題について一つ局長からでも御答弁を、願いたいと思います。
○説明員(小室恒夫君) 公益事業令の対象としておる公益事業者でありますが、法律の解釈のこまかいことは、実はまだ数日前公益事業局長になったばかりで、私が間違ったことを御答弁しても何でありますから、次長から御答弁を申し上げます。
○説明員(今井博君) 現在公益事業令の適用を受けておる公益事業者となっております。
○小西英雄君 それはどういう点で公益事業になっておるか、それと公益事業で……。
○説明員(今井博君) 公益事業令の適用を受けておるのは二つございまして、一般供給をやる場合、あるいは卸売をやる場合、この二つを公益事業令による適用会社、こういうことにいたしておりまして、住友共電にはその後者の卸売をやるということで、公益事業令による適用をいたしております。
○小西英雄君 そういうふうに法律上のこじつけに私たちは考えるのでありますが、実際あの四国地域だけでもわれわれ小さい、さらに日本の電力はもう少し高度な点から三地域あるいは一本というような案も最近出ておるようですが、あの狭い地域で公益事業と通産省が認めるために非常にその地方が迷惑しておる。たとえば四国総電力量においても四十万キロ内外のところを、一方においては火力合せて七、八万キロ、そして片方は三十二、三万キロというふうなところにおいて、電力の開発地点についてもいろいろな論争が起り、いろいろ泥試合が行われておる。それからもう一つわれわれふに落ちぬことは、四国電力側が火力設備をすれば、また住友もやる。その資金たるや、長期開発銀行等の公的資金を使われておる。こういうような点について、通産省として何か調整をして、もっとすっきりした姿にしてもらわなければ、地方においてわれわれかなわない。何かの方針をきめてもらいたい。今回われわれ派遣される委員の中に加わって、こういう点を聞きたいのですが、通産大臣等はどういうふうに考えられておるか。これは非常に不合理な点が多いので、ただ公益事業令によって卸売をなすものというのは、それなら、みな各大きな財閥会社が共同で出資して、自分たちがそういうふうな卸売をするということで、何ぼでも許されるものかどうか、そういう点についてもう少し明快なる答弁をお伺いしたい。
○説明員(今井博君) 確かに、今小西委員の御指摘になった四国電力との関係は、今後相当研究を要するのじゃないかと思います。と申しますのは、今御指摘になりましたように、卸売をやるという意味におきましては、これは電気会社に卸売をする事業という性格でありまして、ところが、最近住友関係の電力が非常に需用が旺盛になって参りまして、住友共電としては四国電力より電気を買ってきておる。こういう格好になって参りますと、先ほど申しましたような卸売的な性格がだいぶ薄くなってきておるという点は、確かに事実でございます。従って、性格としては、やや共同自家発的な性格を持ってきておりますということで、今後公益事業令の適用会社として扱うかどうかということは、今後少し研究しなければならぬと、こういうふうに考えております。ただ、現実に住友共同電力はいろいろな開発をやっておりまして、やはり公益事業令の適用がないといろいろ困る面が出て参りますので、その辺の調整をどういうふうにしたらいいかということで、目下そういう点を研究いたしております。
○小西英雄君 公益事業局はもう少し小さく法的に根拠からやらなければ、われわれ四国に住んでおって、各工場誘致等に住友だけが有利な電力を使って、たとえば工場の電力のみを供給しておったなら、一般の人たちが大して騒がないのでありますが、社員に対して安い電力を売ったり、あるいはまた共同自家用と称してよその、今まで住友系列の会社に売っておったものをさらに伸ばして、四国電力と重復するようなおもなむきの会社にただ売っておるという事実もあるのであるが、そういう点について、通産省はどういうお考えを持っておるか、その点についてもう少し答弁を明快にしてもらいたい。
○説明員(今井博君) これは歴史的な事情がございまして、新居浜付近に住友関係の社宅がだいぶございまして、それに従来から住友共電が電気を供給いたして、電灯として供給いたしております。そういう歴史的な経緯で、これを今日までも存続いたしております。ただし、その範囲は、まあできるだけこういうものを縮小してほしいということで、従来よりはずいぶん範囲を縮小させましたが、現実にまだ一部社宅が残っておる、こういう状況であります。
○小西英雄君 通産省も、いろいろ答弁に困れば、歴史的事実からと言うが、歴史的事実を言うならば、やはり昔の山持ちは山持ち、地主は地主で、歴史的な事実はたくさんあるのであって、そういうものを歴史的事実であると称して、法律にないことを施行しても、大会社なら容認するというようなことでは、通産行政がうまくいかんと思うのだけれども、私はきょうは時間の都合であまり深く申し上げませんが、こういうふうな会社が各所に存立しても通産省が黙認するなら、各所にやりたいと、歴史的事実なら、いろいろな電源の復元、特に宮崎県あるいは福井等にもたくさんな歴史的事実は十分持っておったのだが、軍の力で取られたというようなものも、復さなければならないので、歴史的事実が存するというようなととは、法律的な問題ではないので、そういうことをこまかく尋ねたくはありませんが、本日はまあ非常に時間も少いので、そういう点をもう少しこの次の機会に私たちが納得のいく一つ御答弁をお願いして、私の質問を終ります。
○藤田進君 時間がないようですから、私は単刀直入にお伺いをしてみたいのです。 まず、企画庁の長官に、企画庁は法制上これではどうもということで、先年位置を高めたはずであります。これには、前任者を含めて、どうも私どもの期待した企画庁としての作用がまだ不十分ではなかろうかという感じがするわけです。当面の不況の要因がどこにあるかということも、この間の水田中間報告があり、私ども今休会中で、地方では自民党の議員の皆さんと、あるいは立会演説、あるいは討論会一に出てきておりまするが、どうもこれらの所論を聞いても、それぞれ不況の要因なり打開の方法なりの帰結が違うわけで、どうしても行政府、ことに経済企画庁がしっかりしてもらわなければならぬような気がするわけであります。そこで、三木企画庁長官の手腕に大きな期待をわれわれかけていたわけでありますが、一々申し上げる時間がありませんが、要するに、あなたの最近のいろいろな対談等、この間稲葉秀三君とも対談をされている。これを全部検討してみますと、私どもの受けている強い印象は、結局自由主義なんだからこれ以上はやれないという、その壁にぶつかっておられるような気がします。つまり、一つの指標をアドバルーンとして掲げられるが、しかし、それ以上のことは、いわば金融の面、金融の緩和ないし引き締め、あるいは外貨の割当という一連の経済政策というか、金融政策のワクに閉じこもる以外に方法がない。あと経済関係を行政指導によってといいましても、過去の実績が示すように、必ずしもうまく展開していない。それのみか、各主管省、通産省なりあるいはその他の主管省なりの考え方その他、いわば出たとこ勝負で行こうというふうな、石炭の貯炭が多くなれば重油を一つとめようというふうに、個々の企業、ことに大企業のいわば経営者の一環であるような印象しか受けない。国策として抜本的に、長期計画のレールに乗せて、それを初年度、次年度、三年度というものがなしに、初年度はなるほど一つのものを五カ年計画の初年度として示されるが、五年度はあっても、その途中は何もなかったりして、年々同じ計画が出発点として繰り返されてきている。こういうことでは、とてもこの不況打開が、一時国民の勤勉その他の条件でよくなるとしても、繰り返すのではないだろうか。過去にも繰り返してきている。それで、あなたの、どうもこれから先言いたいが言えないというところが、やはりどうも自由主義経済なんだからということになっているが、実際に今体験されつつある不況打開について、やはり自由民主党の党でもあろうけれども、それはそれとして、そのワク内で、あるいは解散の主張を長い間持っておられて、私も連載物を読んでみましたけれども、かなりあなたの主張に近いようにも思ったのですが、当面どうも企画庁長官として出されてこない。いわばここに内閣の企画庁の権限なり何なりからしても、これ以上やれないということなのか。また、もう少し率先して指標を掲げられる時期ではないかと思うのに、案外何も出てこないで、水田中間報告みたいなものが出た。これも甲論乙駁の段階でありますが、もう少しそれらの点を抜本的に産業構造について、資源産業についてはこうあるべきだとかいうことが出てこなければならないのじゃないか。アメリカの資本主義の政策を見ても、あるいは欧州のそれを見ても、資本主義の中にあっても、やっぱり国家の指導性、計画性というものが今日の段階では非常に強く出てきている。企画庁の立場としては内政経済だけでなくて、勢い経済外交にもふれられていい時期ではないだろうかという気がするわけです。どうもその点がわれわれにぴんと来ないのでありますが、非常に莫としたような質問でお答えにくいかもわかりませんが、これらの所信を、もっとこまかいところを承わらしていただきたいと思います。 あと高碕通産大臣とそれから三木企画庁長官に同時にお伺いしますが、第二点は、ごく最近かなり重要な国政が停滞しているような気がしてならないのです。一例をあげれば、昨年の三月二十七日、岸総理以下、運輸、企画、通産、三大臣を含めて、電源開発と鉄道の新線との関係が問題となって、当面急にこれを調整するという問題の中に、江川と三江線の建設があったわけですね。ところが、これは電源開発をするとするならば、水没するにかかわらず、当時の運輸大臣の答弁とは全く食い違って、昨年度、三十二年度に施工されて電源開発をするとすれば、数億が水没してあと戻りになる。ましてや今後継続すれば、このロスは大きくなる。加えて地元ではかなり問題となって、これは島根、広島両県にまたがって、賛否両論今日沸いておるのです。今年度は七千万円でしたか、七百万円ですかね、建設面につけられているが、一体、調整をして両立するのか、国鉄だけやるのかということを早くきめなきゃならぬ時期なんですが、運輸大臣にまかせたというようなことも伝えられているわけです。いかに岸内閣が調整能力がないかというような印象しか残らないままに、国家予算のロスが非常に出てくるような気がしているのです。現段階における通産、企画、両省のこれに対する対策はどうきまっているのか、きまっていないのかということをお伺いしたい。
○国務大臣(三木武夫君) 政府が経済政策にタッチできる面は、金融あるいは財政、ことに、最近は財政の面を通じて相当経済政策に立ち入ることができることが最近の特徴だと思います。そのほか一般の行政指導という点もある。ただ、長期の経済計画をやっていく上において、やはり一番問題となってくるのは、計画と実際の産業面との結びつき、こういうことで、われわれとしても投資の計画化ということに対しては、これは検討を加えたいと、こう思っているので、結論を得ているわけではないのであります。しかし、それ以上また一方においては独禁法の改正等も通じて、民間の企業自体の時期的な調整あるいは規制ということも必要なんではないか。しかし、そういうふうな自由経済の中で計画性を持たそうとは考えておりますが、それを一歩前進して、統制経済ということは考えていない。多少の損があっても、統制経済よりもやはり自由経済の原則の中において一つの公共的な必要と調和をさしていくようなやり方の方がまさる、こういう考えでありますから、ときに必要に応じてそういう計画の修正をする場合がある。それならもりときちんと計画経済という名のもとにおいて統制経済をやるということから来る弊害よりも、その方がまだいいのだという考え方で、今いったような面においては検討を加える、こういう基本的な経済に対する考え方でわれわれはいきたい、こう思っているわけであります。それから三江線との関係は、これは通産、運輸、いろいろ見解があって、現にこれの委員会もできて検討を加えているわけでございますが、確かに御指摘のようにこの決定がおくれていることはいろいろおしかりを受けてもやむを得ないと思うのでありますが、できるだけすみやかにこれは結論を出したいと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 江川の問題ですが、これは長い間の懸案でありますが、私どもといたしましては、中国地域における電源開発の水力電気の資源として、あの江川はどうしてもやりたい、こういうふうな一本の考えがあるのであります。同時に、鉄道の方はすでに三江線を設計してしまっているのだというので、これに着手したい。この間の調整をどうするかという問題は、前内閣におきましてもこれは電力と鉄道とは並行にあるのだということの方針のもとに、経済企画庁が中心になって通産、運輸の両省の間に委員会を開いてやっているわけであります。いろいろこれも今日までやっておりますが、今、企画庁長官がお答えいたしました通り、結論にまだ到達していないわけなんでございますが、これはできるだけ早くこの問題は取り組んで決定いたしたい、こういう考えでおります。
○藤田進君 前段の経済方策については、これ以上出ないと思いますから、手並みを拝見するよりほかないと思いますが、後段の問題については、企画庁こそがやはりそのあり方をきめるべきじゃないだろうか。その調整待ちなどということであれば、およそ企画庁の任務、機能というものは放棄されることになるのだが、これは企画庁としてはどういう態度で運輸省、国鉄との折衝に臨まれるのか、通産大臣の発言では両立ということの建前で調整をするというふうにお伺いしたわけです。企画庁としてはどういう態度でお臨みになるのか、通産、運輸が話し合いが済めば、どっちにころんだってよろしいということではなかろうと思う。どうなんですか。
○国務大臣(三木武夫君) 原則としては両立が好ましいけれども、そういう両立ということを考えてみると、鉄道に対してもやはり工法の変更が伴うわけなんです。そういうことで、原則としては何か両方を生かすような方法のもとに、両方うまくできないかというところに時間が延びている原因もあるわけであります。これはじんぜん日を送るわけにもいかないので、できるだけすみやかに結論を出したい。それはしかし、一番の最初は両立できる方法はないかということが検討もされているし、できればそれは好ましいけれども、今言ったような、非常な鉄道に対しての工法の変更も伴うので、これはそういう点にいわゆる調整の苦心があるわけであります。結論は早く出したいということなんです。
○小西英雄君 電力の問題が出たので、機会がないと思うので申し上げておきますが、この関西電力が、昨日われわれ行けなかったのでありますが、黒部渓谷、あるいは発電所の設置に相当力をいたしている。一面大阪に参りました際に、昨年は金がなくて関西電力が往生しておったが、今年は世銀の借款がなったのでというふうな意味合いかどうか知りませんが、大阪一の膨大なりっぱなビルを建て始めておると、こういう点についてどうですか。私たちが、戦後銀行とこういう特殊会社が特にりっぱになったんで、こういう点について公益事業局は建築等についての資金等の問題についてどう考えておられるか。現在事務所がりっぱにあって、何もそういうふうな大阪一番のビルを建てる必要性がどこにあるかとわれわれ感じたので、こういう点について一つ公益事業局の所見を聞いておきたいのです。
○説明員(今井博君) 公益事業局としましては、法律的にはその建築とかそういった関係については一応タッチはいたしておりませんが、重要なものについては一応まあ相談を受ける、こういう格好であります。で、関西電力の建物の件は、前にそういう話がございまして、そいつはよほど検討を要するんじゃないか。やめろというふうなことはわれわれの方から積極的に言えませんが、相当慎重に扱われたらどうかというふうなことは、ここ二、三年前に申したことがございます。それから、最近そういうふうなことをお始めになったかどうかということについては、まだはっきりしたことを聞いておりません。大体まあほかの電力会社もいろいろ建物については一応整備をいたしましたし、一番、関西電力だけが非常におくれておるというふうにわれわれは現在聞いております。従ってどの程度の規模のものをやるかによると思いますが、もう少し具体的にどの程度の計画かをよく聞いた上でないと、どういうふうに指導するかどうかははっきりしたことは申し上げられません。原則としては公益事業であるから、建物等についてはできるだけそういう大規模なものはやらぬように、そういうふうに今日まで指導はいたしております。
○小西英雄君 公益事業局がそういうふうな監督がないというのはおかしいんで、世界銀行の借款等については、一応どっかの銀行に導入してそれを政府が保証しておる。いろいろわれわれが委員会で電力料値上げについては相当反対しても、そういう点は通産省はすうすうやっていく。一面、電力の値上げというのは日本の産業に重大な影響があるので、東北あるいは北陸の値上げについては、われわれ委員会で強くそれを指摘し、反対もしたのであるが、そういう点は公益事業局がよく知っておって、知らない間に上げておるのに、こういう不急の建築等についてはあまり存じない。あなたたちが大阪に通産局の出先に公益事業局があるのだから、今日われわれが現実に見てきたので、相当な規模で、地上九階地下三階ということで大阪一番の大ビルを予算なしで建てておることが建築業界から見た事実の話しであって、また着工も見てきたのであるが、そういう点にもう少し真剣に調査して、それに監督権がないというのはおかしいのであって、もう少し建築については、銀行の建築についても大蔵省が相当な権限がある。全然ないということはわれわれ考えられないので、この次の機会に一つどういう建物をどれくらいな価格で建てておるのか。それが国家資金と関係ないか。そういうわれわれが、むしろ再建途上にある日本の産業に非常な影響を及ぼしておるのが、日本はビルばかり建てて、工場生産設備に力を入れておらないために、いろいろ立ちおくれた点も多々あるので、そういう点について公益事業局長に、各電力会社等の決算書を見たのですが、現在建てなくても二、三年すれば黒部渓谷とかその他の建設が終ればそんなに無理して、いろいろそういう指弾を受けずにやれる時期が来ると考えられるので、そんなに急いで社長室とか重役室とか、りっぱな冷房設備で建てる必要がないと思うので、一つこの次の機会に調査した報告をお願いして質問を終ります。
○大竹平八郎君 時間がありませんから、ごく簡単に一点通産大臣にお尋ねしたい。これは先ほど東南アジアの開発問題に関連をするのでありますが、他の委員からももう御質問が出たと思うのでありますが、中共問題の東南アジアの進出の問題でありますが、御承知の通り、シンガポールあたりの実例を一つ見ても、中共ば日本商品の相場に、スライドをして値下げをするというような、非常に対抗意識をきわめて強く含んで参っておるわけであります。それは繊維だけではございませんし、もうあらゆる雑品というものが、今日中共から東南アジアに出ておる。それの大きなバックになっておるのが言うまでもなく香港にございます中国銀行、これが金融的な大きなバックになっておる。それからいま一つ、貿易面におきましては、中共は御承知の通り窓口一本でありますが、これは華潤公司が大きな窓口になっておる。この二つの金融と貿易公司が中心になって、そして日本商品の相場にスライドして下げていくと、こういうようなやり方をやっておるわけなんであります。これについては、ただ日本といたしましても状況を静観するということだけでなくて、やはり打つ手は打っていかなければならぬと思うのでありますが、中共の輸出状況というものが、日本に比べて状況が非常によいのでやっておるというのではないのでありまして、そういう点につきましては、非常に何と申しますか、政府部内におきましてはもう少し自信を持ってやってもらいたい。たとえば繊維品のごときは、われわれの情報によりますと、従来一人が二十ヤード、それが今度東南アジア進出のために六ヤードに減らすというようなことも聞いておるのでありますが、二十ヤードでも現在の中共にとっては大へんなことだ。それをさらに六ヤードに減らすというように真剣になってやっておるのです。そういう点から見ても、中共は日本を牛刀をもってやっつけるという立場でありまして、非常に国内的に大きな動揺があるということが考えられるのであります。そういう点から考えて、日本が貿易の窓口を統制するというわけにはいきませんが、少くともわれわれの前々からの構想、ことにあなたの構想に入っておる金融関係の問題なのでありますが、これはあなたは銀行とは言わない、公庫式なお話しと思ったのですが、これをむしろ日本が東南アジア開発の一つの銀行、ことに貿易関係を中心とする金融機関、そういうものをお立てになることが中共あたりに対抗するのに非常にいいじゃないかと、こう思うのでありますが、こういうことについてあなたの構想のうちにそういうものがかつてあるのでありますが、それをさらに具体的に銀行というように持っていって、それは置くところはシンガポールに置くか、香港に置くか知りませんが、そのくらいの腹をきめておやりになる方がいいんじゃないかと思うのですが、この機会にあなたの御所見を伺えれば非常にけっこうだと思います。
○国務大臣(高碕達之助君) 今、中共が東南アジアに進出しております。現状は、大竹委員のお話しのごとく非常に積極的でありまして、これは貿易と政治と一つにくっつけて、国内において外貨をかせぐためにやる方針だと思うのでありまして、これと対抗するためには、やはり対抗策といたしましても、単に民間の自由経済だけでこれを進めていくということは非常に困難だと思っております。といって今中共がこういうふうなことをやって攻撃に出ておるということは、単に日本へのいやがらせ、日本をいじめるためにというふうに簡単に割り切っておるのではない。将来両国の間に貿易が両開された場合、相当ああいう国の国柄としてやるべきものをやるという覚悟をもっていかなければならぬと思うのでありまして、今単に繊維品だけでなく雑貨類等においても相当強くいっておるようでありますが、これは私はやはり根本的に日本の商品というものが、中共の製品と比してある程度の特殊性を持っておるということを考えて、よりいい物をより安くやるという根本原則を変えてはいけない。この根本原則に従って、そしてどの程度に日本が競争に勝つためには政治力を発揮するかということは、やはり貿易振興あるいは金融というふうな方面から考えなければならぬと思っておりますが、さしあたって今ここに、そういうふうな、対抗するために貿易商社を作るとか、金融会社を作るとかいうことまでは考えておりませんが、将来にはやはり東南アジアの事業を、もっと大きな広い意味において、中共と対立させるのだというのではなくて、もっと広い意味においてこれを進めるように考えていきたいというように考えております。
○委員長(田畑金光君) 他に御質疑もないようでありますから、本日の委員会はこれをもって散会いたします。 午後二時一分散会