商工委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1958/07/09
会議録
○委員長(田畑金光君) これより委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨八日青柳秀夫君が辞任し、その補欠として重宗雄三君が選任されました。 また、本日藤田進君が辞任し、その補欠として岡三郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(田畑金光君) それでは、これより電力の需給及び電源開発について調査を進めたいと存じます。政府側より通商産業省官房長及び公益事業局長と経済企画庁総合計画局の長谷川参事官が出席されております。まず、公益事業局長より最近の電力需給状況及び電源開発計画について御説明を願います。
○説明員(小出榮一君) お手元に最近の電力需給状況に関する資料と、昭和三十三年度の電源開発基本計画についての資料とお配りしてあると思いますが、この資料に大体即しまして概略の最近の電力関係の事情につきまして御説明を申し上げたいと思います。 まず、最近の電力の需給状況でございますが、四月、五月は、出水率は全国で四月はやや豊水で、一〇一%、五月が一〇四%とわずかに平水を上回る程度でございまして、本来ならば相当の豊水期にあるべき時期でございますけれども、今年は豊水の程度がほとんど平水に近い状況でございました。しかし、需用の方はやはり昨年来の引き締め政策を反映いたしまして、生産活動もやや鈍化しております関係上、電力に対する需用の伸びがやはり鈍って参りまして、従って結局において火力発電も相当計画を下回ったことになっておりまして、計画予定よりも七割程度の発電で済んだと、こういうような状況でございます。 それから六月の状況でございますが、御承知のように五月末より非常に渇水期に入りまして、渇水になりまして、全国的に自流が低下いたしまして、まあこの数日来は、別でございますけれども、六月に入りまして、から梅雨模様でだんだん出水率が低下いたしまして、六月の上旬には八三%、中旬も同じく八三%、下旬は七〇%、全体平均して八割を割るような、例年なら豊水期であるのに、今年は異常渇水というような状況でございます。しかしながら幸いにいたしまして、この数年来の電源開発の成果と、それから今年度から発足いたしました広域電力の、広い地域にまたがります広域運営の結果、停電その他の電力の非常な制限を行わないで今日まで経過いたしております。しかしごく地域的には、部分的にある程度の需給調整を行なっておりましてそこにありますように、東北につきましては六月初めから調整需用を抑制して、十三日ごろから特約需用を最低カーブに押えて、一般需用も常時電力だけにいたしまして、サイクルもやや低下するというような状況でございます。東京電力の管内につきましても、やはりサイクルが低下いたしております。特約需用の抑制というような措置によりまして調整しております。 それから本来ならばこの豊水期になりますと、火力発電所の補修をして、火力発電所の運転を休んで修繕をする時期でございますけれども、その補修を繰り延べまして、火力設備をフルに運転をいたしております。そういたしまして広い地域にまたがります広域運営の運営によりまして、たとえば西の方から、関西電力から東京電力へ電力の融通をするというような措置もとって切り抜けております。七月に入りましてからは、やや梅雨前線の活動が始まりましてかなり出水も好転いたしました。小康状態に入っております。しかし、東京と東北につきましては、やはりできるだけ貯水に努めるためにある程度の調整をいたしております。 今後の予想でございますが、これは天気のことで、何ども申し上げられませんけれども、気象庁の長期予報によりますと、七月、八月とも降雨量は例年よりも少な目だろうというようなことでございます。しかしながら、ことに特別のことがない限りは、大体この夏の渇水期もさしたることなく経過できるのではないかと思います。ただ、東北地方だけは、あるいは非常な渇水が続く場合には、また需給が逼迫するということも考えられますけれども、全国的に見まして、大体需給上は今後も大した問題はないだろう、こういうふうに考えます。 これが電力の需給の概況でございまして、二枚目のところに関係資料といたしまして月別、旬別の出水の状況れから電力に対する需用の実績が出おります。それから融通状況というのは、電力の各会社間におきましてお互いに融通をすると、この融通の中に不均衡是正融通と経済融通というような書き方がしてありますが、不均衡是正融通というのは、絶対的に電力がアンバランスになって、どうしても足りないからもらうというようなのが、不均衡是正融通でございます。経済融通というのは経済的に見まして自分のところの設備を運転するよりは、他の会社の設備の運転によりましてそれを融通してもらった方が結局経済上非常に有利であるというような意味における融通でありまして、この経済融通の点が、今年度はかなり活発に行なわれておりますのは、この四月以来発足いたしました広域運営のおかげである、かように考えております。 それから最後に、石炭の実績が書いてありまして、六月末貯炭が、電力業者の持っております貯炭が、三百万トンを突破しております。これは需要の伸びが減退したということもございますが、従来からずっと、昨年度の豊水のおかげで長い間石炭の消費が予定よりも非常に少くて済んだ。従って非常にたまって参りまして、現在石炭業者が山元で持っております炭よりも電力会社の持っておる炭の方が多いというような状況に立ち至っております。従いまして、その消費の状況も計画よりはずっと少くなっております。従って石炭の受け入れも計画よりはずっと下回った買い方で済んでいるというような状況でございます。これは電力に関しまする最近の需給の状況に関するごく一般的な概況を申し上げた次第でございます。 次に、続きまして、もう一つの資料の昭和三十三年度の電源開発基本計画ついてというのがございます。これは実は経済企画庁におきまして御所管になってとりまとめられるわけでございますが、便宜私の方から続けて御説明を申し上げたいと思います。これはきょうの午後開かれます第二十五回の電源開発調整審議会において決定されるまでは、実は最終決定になっていないわけでありますが、すでに幹事会も終りまして、大体この通りに決定になるものと思っております。で、この電源開発の長期の目標につきましては、昨年の暮れの十二月の第二十三回の電源開発調整審議会において、電力の六カ年計画というものがきまっております。それが三十二年度から三十七年度という六カ年間でございまして、この六カ年間の間に、約千百二十万キロワット開発をするというのが主眼でございまして、この計画が現在そのまま政府の電力の長期計画として採用されておるわけであります。この長期の開発の目標に従いまして、今年度三十三年度の電源開発の基本方針をきょうの午後の審議会において決定するわけでありますが、その内容を概略御説明申し上げたいと思います。まず、この計画の立て方の基本的な考え方としましては、発電設備と、送電、変電、配電設備と分けて申し上げますと、発電設備につきましては、やはりできるだけ今継続しておる進行中の工事を早く仕上げるということに重点を置きまして、継続工事の合理的な促進ということに重点を置きまして、新しく開発を始める新規地点につきましては、先ほど申し上げました長期の開発目標の達成に必要な限度において、その経済情勢なり、開発上の効果を十分考慮して決定するということでございます。それから先ほど申し上げました電力の広域運営というものにおいて、広い地域にまたがる調整をはかって、コストの引き下げをはかるという点を十分考慮に入れて計画を作成する、こういう考え方でございます。 それから送電、変電、配電設備につきましては、資金需要もございますが、できるだけ発電設備に関連したところに重点を置きまして、できるだけ必要最小限度にとどめるというような考え方、ことに改良工事なんかにつきましては、保安上必要な工事というところに重点を置いて、できるだけしぼっていく考えでございます。 こういう考え方のもとに、三十三年度の電源開発計画を作成したのでございますが、その内容は三ページ以下に書いてございますが、まず電源の設備につきまして水力、火力を合せまして継続工事が七百十四万キロワットでございます。新規工事が百五万キロワットということになっておりまして、この開発に要します所要資金、電源だけの所要資金でございます。これは概算二千六十五億円ということになっております。これに送変配電の設備その他の所要資金を加えまして九百五十一億円でございますので、合せますと電気関係の工事資金として三千十六億円、約三千億円の膨大な資金を要するわけでございます。これを水力発電と火力発電との内訳を見ますと、水力につきましては八十四ヵ地点二百九十九万九千キロワット、火力は三十五ヵ地点四百十四万キロワットでございまして、漸次火力のウエイトが高くなりつつあるわけであります。その中で、これは継続工事でございますが、新規工事につきましては、水力が二十七ヵ地点、五十九万キロワット、火力は十五ヵ地点四十五万七千キロワットというような状況でございます。新規の着工地点につきましては、工事を行いまする企業体別に申しますというと、九電力会社が行います新規地点は、水力が十五ヵ地点五十万五千キロワット、火力は離島関係、これは特に九州方面に多い離島関係十ヵ地点を含めまして十四ヵ地点でございまして離島を除きますと四ヵ地点で三十八万二千キロワットというのが、電力会社関係でございます。それから都道府県のいわゆる公営電気でございますが、これにつきましては水力関係だけでございまして、いろいろ二十四ヵ地点ほど御要求がございましたけれども、いろいろ審査いたしました結果、十一ヵ地点八万二千キロワットというような着工を認めることにいたしました。それからその他事業者と申しますのは、たとえば四国の住友共同電力でありますとか、あるいは常磐共同火力であるとか、あるいは黒部川電力というようなのが六社ばかりございます。そういうようなその他の電気事業者につきましては、水力一ヵ地点だけ三千キロワット、火力一ヵ地点七万五千キロワット、こういう新規着工を予定しております。 こういうような計画で全部の設備が完成しました暁におきまして、十二月の一番ピークのときの電力の需給バランスを見ますというと、三十三年度本年度では、やはり通常のベースで考えるというと、四十五万二千キロワット不足する、不足率で申しますと三・五%という不足率になっております。しかし三十四年度、来年度以降になりますというと、若干むしろ供給の方において余力を生ずるという予定でございまして、三十四年度は三十三万キロワット、二・三%、三十五年度が五・二%、三十六年度が五・九%というようなことで、大体三十七年度には約六%ぐらいの供給上の余力を生ずる、これは本来理想から申しますと、外国の例等から申しますれば、一割ぐらいの供給の余力を持つのが通常でございますけれども、いろいろ合理的な運営をすることによって六%程度の余力にとどめるということに一応考えている次第でございます。 これが計画の概要でございまして、これに関連するいろいろなデーターが五ページ以下に表にして書かれております。第一表が、電源開発計画の所要資金の表でございまして、工事別電源、関連業務、調査費、改良工事、先ほど申しましたように総設備出力八百十八万三千キロワットに対して約三千億円という、三千十六億円という金を要するわけであります。これを六ページにおきましては、さらに企業形態別に電力会社、開発会社というふうに書いてあります。電力会社は先ほど申しましたように六百二十七万五千キロワットの設備出力で二千三百億円の金を要するわけであります。電源開発会社は、今年度は実は新規着工地点はございません。昨年度二ヵ地点ほど新規着工地点を認めましたので、それと、それから従来からやっております只見川水系及び庄川水系の開発に全力をあげるということで、約五百億足らず、四百九十八億の資金を要するわけであります。それから公営関係が三十三年度百五十億円、このうち百三十億円が電力債、起債の関係になりまして、あとの二十億円は一般公募、こういうことに予定されております。その他の電気事業者が約五十億円ということでございまして、総計で三千十六億円、こういうことになるわけであります。これがつまり所要資金でございます。 これに対します資金の調達と申しますか、資金の供給の方の見込みが七ページに出ておるわけでありまして、七ページの第二表でございます。電源開発資金供給見込でございますが、電力会社につきましては資金需用としては全体の総工事資金のほかに債務償還、借金を返済するという金が千百億円ばかりございます。従って全体として必要な金は、全部の所要資金が九電力会社で三千六百二十七億円という金が必要であります。これをそれではどういうふうに調達するかということでございますが、御承知のように財政投融資におきましては、借り入れ資金として電力のワクは二百五十億、そのうち九電力分として二百四十億円予定されております。それから外資として御承知のように関西電力の黒部川第四、中部電力の畑薙、及び北陸電力の有峯、この三ヵ地点に対しまして世界銀行の借款を申し入れまして、関西電力、北陸電力はすでに借款が成立いたしました。中部電力は近く八月の終りごろにこれも成立確実でございます。従って、その分が今年度の資金としては円に換算しまして百六億円ということになります。これは大体確実であります。問題は、残りの三千二百八十一億円というものは民間資金に依存しなければならぬのでございますが、これがいろいろ、たとえば興銀でありますとか、長期信用銀行というような特殊な銀行あるいは社債、あるいは市中銀行からの借り入れというようないろんな手段がございますけれども、これにつきましては、金融機関側の見込みと実は相当食い違っておりまして、なお相当の資金不足が予定されておりますので、何らかの方法でこれの調達については今後その穴埋めを考えなければならぬ、こういうふうに問題点として残っております。それから都道府県関係は先ほど申しましたように、百五十億で起債のワクは百三十億ということであります。それからその他電気事業者、先ほど申しました六社関係につきましては、開銀のワクは十億でございます。民間資金四十億で五十億、それから電源開発会社は御承知のように政府資金が三百四十四億円ついておりまして、まあ自己資金その他はごくわずかでありますが、これも実は世界銀行に借款を申し入れておりまして、それは御母衣とそれから田子倉、奥只見川水系両方につきまして借款を申し入れております。これにつきましては、まだ世界銀行との折衝の途中でございましてその見込みにつきましては、まだはっきりいたしておりません。しかし、これは百二十三億円を実は本年度で予定しておりまして、もしこの百二十三億円が順調にそのまままとまりませんというと、これにつきましても、その穴埋めの何らかの手を打たなければならぬ、こういうことになっております。合計いたしまして三千十六億円、こういうような資金の供給の計画ができております。 最後に第三表というところに、これまで申しました新規の着工地点が具体的に会社別に、あるいは府県別に、水力、火力、地図で表わしておりますので、どこにどういうふうな計画があるかということを御参考までにごらんおきをいただきたいと思います。 以上がこの電力の需給と、それから三十三年度の電源開発の基本計画について、資料に関連する分につきまして御説明を申し上げたわけでございますが、そのほかのなお二、三電力関係につきまして従来から問題になっておりまする点の経緯を御説明申し上げますと、まず電気料金の問題でございます。電気料金の問題は、何と申しましても電力関係の問題の一番基本でございますが、御承知のように昨年の七月に東北電力と北陸電力が料金の値上げをいたしました。現在の九電力会社の電気料金は昭和二十九年の十月に九電力一斉に改訂をいたしましたままになっておりまして、その後全然料金は変更されておりません。幸いこの数年豊水が続きましたので、各社の収支状況は悪くない関係上、その後値上げという問題は起っていないわけでございますが、ただ、東北電力と北陸電力だけは、どうしても水力開発に、ほとんど水力の開発でありまして、非常に建設費がかかりまして、どうしても値上げしなければならぬということで、昨年の七月に値上げをいたしました。そのときはいろいろ論議がございましたが、二段に分けまして、三十二年度中の料金と、それから今年度の四月からの、三十三年度に入ってからさらに三%ほど自動的に上るという措置をとったのであります。その後は各社とも動きがないわけであります。ところがこういうふうにいたしまして、電気料金がだんだん上るにまかせるということはよくないという当時の各方面の御要望もございまして、政府及び与党におかれまして、基本的に電力の政策を再検討するということで昨年来検討した結果出て参りました結論が、一つは電力の広域運営、一社、各社別でなくて、関連のある会社が、全国を四ブロックに分けまして、北海道は北海道単独でございますが、東日本、中日本、西日本、こういうふうに分けまして、東日本は東北と東京、中日本は中部、北陸、関西、西日本は中国、四国、九州、このそれぞれの電力会社に電源開発会社も全部それぞれの地域に参画いたしまして、そうして地域別に地域協議会というものを作りまして、さらに中央に中央協議会というものを作りまして、中央と地方タイ・アップして、関係の会社が集まって建設の計画なり電力の融通のやり方なんというようなことについて相談をし合うという体制を作りました。それがこの四月一日から発足をいたしまして、その結果従来各社がばらばらに計画をしておる場合よりも、一そう合理的な計画を相談し合って作る。そうしてその結果できるだけむだな計画をやめて経費を節約して、結局は電力のコストが上らないように、電気料金を押えるというところに主眼を置いてそういう計画が発足したわけでございます。その結果、先ほどの電力の政府の五カ年計画に対しまして、中央協議会としてのまた別の計画を今進めつつありまして、それによってさらにこの経費の節約をはかりたいという主眼でただいま計画を作成しております。しかし、三十三年度に関しましては、大体継続工事が重点でございますので、いずれにしても大した変更はないという状況でございます。 それから電力政策の再検討のもう一つの結論は、電気料金に関して専門家を集めて、一つじっくり電気料金の制度そのものの再検討をしたらどうかということになりまして、閣議決定によりまして、電気料金制度調査会という通産大臣の諮問機関を本年の一月設置いたしまして、今年一ばいかかりまして電気料金制度の問題をあらゆる角度からただいま検討中でございます。二十五人の委員の方を、事業家、電力会社、あるいは学識経験者、消費者代表というふうに入れまして検討中でございまして、ただいま専門委員会を開きまして、具体的にこまかい点に至るまで電力制度の立て直しをいたしております。従いましてその結論は大体十二月には諮問の答申があると思いますので、それを受けまして、通産省としては電気料金体系の基本的な立て直しをいたしたいと思います。それと合せまして御承知のように、現在電気事業に関する法律的な規制としましては、占領時代にできました公益事業会というのが、形式的には死んでおりますけれども、電気に関する臨時措置法によってそっくりそのまま、実は実際上は公益事業会はそのまま適用されているという変則的な形であります。ガスにつきましてはガス事業法というのを先般、一昨年国会において御審議いただきましたのでありますが、電気についても同じような意味で、電気事業法というような恒久的な法律を作ったらどうかということが、かねてからの懸案になっておりますが、先ほど来申しましたような広域運営の成り行きと、それから電気料金制度調査会等の答申等を待ちまして、これらの考え方を十分織り込みまして、電気事業法案を次の通常国会に提案する予定で、ただいま進行いたしております。その際には、電気に関する総合的な法案といたしまして、電気事業法の御審議をわずらわすことになるだろうと思っております。 大へん概略でございますけれども、電気に関しまするおもな問題点につきまして御報告いたしたわけであります。
○委員長(田畑金光君) 以上で御説明を終りましたが、御質疑のある方は、順次御発言を願、います。 委員長からちょっとお伺いいたします。藤田委員がおれば多分大臣に質問されることと思ったのですが、例の江川開発問題は、その後どうなっているのか、現在の段階について簡単でいいから御説明をお願いいたします。
○説明員(小出榮一君) 島根県の江川の開発問題については、あらためて御説明申し上げるまでもなく、あそこに三江線という山陰と山陽をつなぎます鉄道の新線建設、新線と申しますよりは、両方からある程度進行しておりまする線をつなぎ合せるという計画で、鉄道審議会の方では、その金がつきまして工事を少しずつ進めているわけです。ところが一方電源開発会社におきまして、江川の電源開発をするという案がありまして、それの案を実行いたしますというと、ちょうど今敷設予定の三江線が大部分水没する、こういうことになりまして、従ってこれとの調整をどうするかということが、かねてからの懸案になっているわけでございますが、通産省といたしましては、中国地方には、御承知のように水力の資源としましては大きなものは江川しか実はないわけでありまして、電源開発会社は中国地方に一カ所も開発地点を持っておりません。従って中国地方は大体西の方は火力が中心ではございますけれども、水力によってピーク時における、電力のピーク時の調整をはかる。そのために大貯水池式の大電源を一カ所は少くとも持つ必要がある。そうしますと江川しかない。で、やる以上は二十万キロワットぐらいの規模になる設備を作らなければならぬということでありまして、従ってわれわれの念願としては、ぜひ電源開発をやりたい、かように考えておるわけでございます。一方、地元の方の鉄道に関する強い何と申しますか情熱というか、そういう鉄道をぜひほしいという気持、それから運輸省におきましては、すでに審議会できまっているところでもございますので、その間の調整が非常に手間取っておったわけであります。そこで、前内閣の末期におきまして、経済企画庁の方で一応この問題の調整に乗り出されまして、その前に、実は何とか両方が両立する方法がないか。鉄道も作るし、電源開発もやる。それにつきましては、具体的には鉄道線を少しかさ上げいたしまして、そのために、要するに余分な経費につきましては、電力側においても応分の負担をする。その辺がどういうふうな計算になるか、技術的に一つ計算をしたらどうかということで、しばしば関係省の間において打ち合せもし、技術的な調査もいたしたのでございますが、結局最後の結論のところにおきまして、やるかやらないかということで最後の結論が出ないままに実はなっております。 そこで、前内閣の末期におきまして、経済企画庁におかれましてさらにこの問題の調整を進めようということで、当時の経済企画庁の政務次官も現地においでになって視察されたというような経緯もございますし、その後におきまして、現内閣になりましては、まだ特に具体的な方針というものはございませんが、できるだけ何とか両立という方法はないものかということで、関係省の間の打ち合せをさらに今後も進めていきたい。通産省としてはかように考えておりまするし、おそらく運輸省なり、企画庁におかれましても、同じようなことで今後もその調整方法について技術的に可能かどうかということについての研究を進められる、こういう段階でございます。
○相馬助治君 この際、局長に二つお聞きしておきたいのですが、一つは電源開発株式会社それ自体の問題について、一つは補償の問題についてですが、まず前段の問題について、私詳しくまだ勉強をしてないのですが、電源開発株式会社が政府出資をもって生まれたときには、その生まれた理由は、政府の金をもって、地理的に、資金的に電源開発の困難な地区に電源開発をする、こういう大目的で生まれたのであって、開発したあと当該地区の電力会社に設備その他を引き渡すというような、いわば了解めいた気持があって、この法案が審議されたように私は記憶するのです。ところが、事実問題として、電源開発株式会社は政府出資をもってどんどん仕事をして電源開発をする。その中には送電線を作り、充電をやり、地区の電力会社を押え、そうして仕事が二重になり、設備及び人員が重複するというような、そういう現実が起きているというふうに私は見ておるのです。しかも問題なことは、電源開発株式会社は、政府出資をもってでき上った会社でありまするから、たとえば東北地区について見ますと、東北電力の社員と電源開発株式会社の社員で、同じ年に大学を出て、同一の勤続年数と同一の技術を持っているというような者においても、電力会社の方の従業員は、その手当がはるかに低くて、三分の二、ないしは、ひどいものになると半分近いというような差があるということも聞かせられております。これはやや不確実な資料で恐縮ですが、とにかく、その給料のコストも非常な差があるということは事実のようなのでございます。そこへもってきて、今度は電力会社のもうかっている会社と、もうからない会社、具体的にいうと、東北電力と東京電力では、やはり同じ年度に大学を出て、同一の勤続年数の従業員の場合でも、東京電力の方が、ちょっと高いんじゃなくて、東北電力に比べると、はるかに高いというような、こういうことも私は聞かせられております。しかも、これはかなり信ずべき人から私は聞かせられております。こういうふうに考えて参りますと、公益事業であって、特に日本の産業の基本をなすところの電力に関する行政上、電源開発株式会社というものが生まれて、変な形にばけて仕事をしていること自体に問題があるのではないかと思うのですが、この際、局長の私はこれに対する見解を承わっておきたい。最初から申す通り、はなはだ私は今のところ不勉強ですから、公益事業局長の話を聞いて、きょうを出発点として一つ研究をして近い将来の委員会において、このことを資料に基いてただしたいと、こう思っておりまするので、以上申したことについて、質問がはなはだ雑駁で恐縮ですが、私の質問の意のあるところを局長は賢明に押えられて、これに対する的確なる答弁を私はお願いいたします。 第二の問題は、昨年田子倉の電源開発を見ましたときに、まことに不思議な風景を見たのです。それは今湖底に沈まんとする線を示した赤い線の下に、バラック建ての家が十何軒かできておる。これは一体どういうことだと聞きましたところが、補償を目当てに家を建てているんだということなんです。それで私は、これはどうも電源開発会社の資金というものは、国家資本が中心なのであって、国民の税金なのだから、こういう所へ補償を目的として家を建てているという土地の者は、これは税金どろぼうだということを申しましたところが、私のわきにいた電源開発の社員が、仰せの通りでございますと、こういうわけなんです。で、仰せの通りだというが、一体これはどう処置しているんだと申しましたところが、はなはだ困った問題でありまして、ケース・バイ・ケースでいろいろ違いまするけれども、まことに弱っております。国会等でこういうものをがっちりと取り締る法律でもあると大へんにありがたいんですが、というよりな話を私は聞いたのです。これしきの問題を、まさか立法措置までして取り締るというのはいかがかと思うけれども、まことに困った問題だと考えて私は見て参ったのですが、そういう事情を局長はお知りであるかどうか。知っているとすれば、何らかの対策を立てたことがあるかどうか。今まで立てたことがないとするならば、将来どのようにこの問題をお考えになるか。以上二点伺います。
○説明員(小出榮一君) ただいま二点の御質問につきましてお答えいたしますが、第一点の問題につきましては、電源開発会社というものの生まれました経緯なり目的、それからこれを将来どういうふうなものに持っていくか、特に電力会社との関係においてのあり方に関する非常に基本的に重大な問題でございまして、ただいま御指摘にたりました電源開発促進法ができましたときの経緯において、電源開発会社というものは、開発をやりながら、つまり電力会社で手をつけられないような、開発困難な地点に、国の資金で、普通の採算ベースではできないようなものを国家資金でやるという点が、その会社の基本的な目的でございますが、できた設備を完成したつど、その地域の電力会社に譲り渡していくというふうなところまでは、実ははっきりした電源開発促進法成立の際の経緯から見ましても、そういうふうな約束と申しますか、あり方のきめ方にはなっていないと私は了解しております。従いましてこの電源開発会社の今後の持って行き方につきましては、実はただいまお示しのような意見と、それから逆に、電源開発会社は、かつての日本発送電みたいな存在になるべきである、つまり全国的に大きな地点を押えまして、その間の大容量の送電の連係を、全部自分で設備を持って、そうして全国的な電力の融通の調整を行なっていくというふうな立場に立つべきであるという意見と、まあ両方あるわけでありまして、しかし、あとの方の意見につきましては、実は現在行なっておりまする、すでに完成しておる天龍川水系の佐久間、秋葉、それから只見川水系の奥只見、田子倉、それから圧川水系の御母衣というようなものは全部完成し、さらに将来、残っておりまする大きな川として熊野川、それから先ほど申しました雄物川、かりに全部電源開発会社が開発して設備を興すにいたしましても、それが日本全体の電力の設備から申しますと、きわめ てわずかなウェイトしかございません。従って、かつて日本発送電が全国の発電設備を独占してこれを運営するというような立場とは、根本的に違うわけでありまして、これがさかのぼっては電力会社が九つに再編成されまして、それぞれの会社が、発電から送電、配電まで、一貫して競争で開発するという体制を作りましたときに、すでにその問題は事実上解決しておるわけであります。従って、電源開発会社の現在の使命は、電力会社が手をつけられないような地点を、国の力で開発し、そうしてできるだけ安い値段で電力会社に卸売りをして、そうして送電設備についても、必要な限度において自分が持つ。さらにそれを各電力会社の送電線と連係をしてやっていく、こういうふうな建前になっております。従って将来の問題につきましては、そういう行き方でもって進んでおるわけでありまして、特にこれについて今日変更するという必要は認めておりません。しかしながら、問題点といたしましては、開発困難な地点と申しましても、たとえば関西電力のやっております黒部川の開発というようなものは、おそらく数年前においては各電力会社はとうてい単独ではできなかったような、結局開発困難な地点であったわけであります。ところが、電力会社の中には相当力を入れた、充実してきた会社が、東京電力とか、関西電力というような会社になりますと、従来開発ほとんど不可能と思われておったような地点も、自力で開発できるような状況になって参りました。従って今後の問題としては、その点電源開発会社の開発すべき地点との調整の問題等について非常に競合してくる問題が出てくると思います。 それからもう一つは、できました設備を送電連係によってどういうふうに流すかということにつきましても、その送電線の持ち方等についても、やはり電力会社との間にいろいろな摩擦が起る可能性があります。従って先ほど申しました広域運営方式というのは、そういうふうな面につきましても、電源開発会社と電力会社と一緒になって相談をして、共同で案を作る場を作ったわけでありまして、従来はそういうことが全然ばらばらで行われておったのでありますが、それを協同で協議をするという体制ができましたので、今後はその面については円滑にいくだろうと、かように考えております。 それから給与の問題等についてもお話がございましたが、確かにお話しの通り、東北電力あるいは北陸電力というような会社と、東京電力、関西電力というような会社とは、給与の点におきましては相当の差がございます。これは結局電力会社が九つに分かれまして、それぞれ独自の責任において経営を行なって参りました結果出て参りました事情でございまして、これは私企業の形態において競争で開発をするという体制を作りました以上は、やむを得ない結論かと思います。しかし、その辺の企業較差の問題につきましても、やはり今後の問題点として広域運営方式の一環として検討は続けたい。従ってその給与の悪いところと電源開発会社と比べますと、電源開発会社の方がいいという場合もございますけれども、逆に東京電力なり、関西に比べますとやはり悪いのでございまして、平均して申しますれば、電源開発会社は電力会社よりは給与は決してよくないと、こういうふうに私は見ております。 それから、第二点の補償の問題につきましては、御指摘のような点は私も目撃しております。これは電源開発会社のみならず、電力会社のダム・サイトにりきましても、補償目当ての、明らかに水没することがわかって、線が書いてあるその下に、全然人間の住んでいない家で、表札だけ出ているというような家ができているというような例も見ております。しかし、補償につきましては、個人の補償と公共の補償と二種類でございまして、個人の補償につきましては、やはり個人の財産になっておる以上は、その財産の妥当な価値というものは、これは補償せざるを得ないわけでございます。ただ問題は、その価値が果して妥当な線というのが幾らであるか、坪当り何円がいいか、田一反歩当り幾らがいいかという点についての単価の問題が非常に重要でありますが、これはまあだんだん高くなる傾向にあることは事実でございます。しかも、それが電力料金のコストの中に結局入ってくるわけであります。従って補償費を払うその額だけが、結局電気料金にはね返る。それで一般の需用家に迷惑を及ぼすということになるわけでありまして、この点につきましては、何とかこの補償問題と電気料金の改訂との関係をどうするかという点につきましては、非常に従来から問題になっております。ことに、もう一つの公共補償に至りましては、個人補償よりもさらに計算の根拠というものがあいまいでありまして、府県なり市町村において、道路、あるいは橋、学校というようなものを水利権とからみ合せまして、非常に膨大な要求をされる例が最近特に多いのでありましてそれらは全部料金にはね返るものでありますからして、この補償というものを、何か料金体系から切り離せないか、料金のコストの中から補償費の分だけ切り離して、料金にはね返らないような方法はないかということも、実は先ほど申しました電気料金制度調査会において検討中でございまして、その点も十分一つ研究したいと思います。 ただ、これを切り離しました結果、どうなるかと申しますと、この公共補償の問題は、おそらく公共事業費か何か、結局国の予算の方にはね返って参りまして、国民としては、税金で取られるか、電気料金で取られるかというような格好になるわけでございますけれども、電気料金の面からはできるだけ安くしたいということで持っていきたいと思っております。 大体そういうことであります。
○相馬助治君 わかりました。
○阿部竹松君 さいぜん委員長からお話しのございました予定の時間が参りましたので、質問はあらためて——さいぜん相馬委員からも発言ございましたが、来月の委員会において委員長から質問させていただく時間を与えていただきたい。なお、大臣がお見えになっておりませんので、局長でけっこうだと私は思いますけれども、やはりこの問題を論議すると、総合エネルギー対策等に入りますので、そのときはしかるべくお願いしたいと思います。 それから局長に一つ、これは質問になるかどうかわかりませんけれどもね。相馬委員の質問に対して、たとえば東北電力とか、あるいは東京電力ですね、あるいは関西電力の賃金ウエートの差ですね。その他企業差については、まあ九つに分断されて個々に企業の、努力したかしないかは別として、高率の差がついてこうなったと思うけれども、しかし電気料金は公益事業法の三十九条ですか、何条ですか、はっきり記憶しておりませんが、あの二項によって原価計算ということになっておるわけですよ。ですから原価計算でいけば、とにかく赤字、黒字の差はそうないはずなんですね。原価計算ですからそういうことになるわけです。全部原価計算ですから、同じわけで、ただ東北が高くかかれば、高いその原価計算を認めてやる。東京電力はもうかっているから、これは原価計算以上オーバーしているということで、僕は公益事業法を明確に適用をすれば、あなたの御答弁のようなことはないと、私はまあこういうふうに思うのです。ところが、あなたは、昨年北陸電力と、東北電力との料金値上問題があったときに、一八%でもこれは原価計算で、一四%でもこれは原価計算だとおっしゃって、僕はびっくりしたのですが、そこらあたりもう少し勉強していただかぬと、われわれも勉強するし、事業法というものがあって、それでは局長、私はめちゃくちゃだと思うのですよ。とにかくわれわれを、まあ知らないと思って、いいかげんな答弁でなくやってもらいたい。公益事業局長ですから、通商産業省の中でもとにかくあなたが一番公平な人だと思っている。(笑声)その点を次期委員会にはしかるべくお願いして、予定の時間が参りましたから、委員長にお願いして質問を打ち切ります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○委員長(田畑金光君) 委員長から申し上げますが、八月十一日にまた商工委員会を開きまして、主として電力事情、その他総合燃料対策の問題等について、通産大臣その他から政府の方針その他を十分伺いたいと思いますので、またそのあと皆さん方の御質疑を願うことにいたしまして、本日の委員会はこれで散会いたします。 午前十一時三十八分散会