建設委員会 閉会後第4号
- 発言数
- 203 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/09/16
会議録
○委員長(上林忠次君) ただいまより建設委員会を開会いたします。 まず、道路に関する件を議題に供します。御質疑をお願いいたします。
○田中一君 現在、道路審議会が持たれているという話ですが、この休会中の委員会で、国土開発縦貫自動車道建設法のうちの第九条による政令、これが出たように、閣議決定をして公布されたように聞いております。これの説明と、それからもう一つは、前国会で相当数々の道路の指定がえの問題、たとえば二級国道を一級国道にしろ、県道を一級国道にするというような指定がえの問題が請願になって現われておりますが、それらを含めて、現在道路審議会ではどういう案件が審議されているか、了承したいと思うので、二点を一つ伺いたいと思います。
○説明員(佐藤寛政君) まず、国土開発縦貫自動車道建設法に対します九条の政令でございますが、これは前国会におきまして、実は七月中くらいに確定するように、政令としてきまるようにいたしたいということをたしか大臣が申し上げたかと存じますが、その後いろいろな事情がございまして、各省関係いろいろ折衝がございまして、大へんおくれまして、その点は申しわけない次第でございますが、先週金曜日、閣議決定に相なりまして、昨日公布に相なりました。おかげさまで九条関係の政令が成立した次第でございます。この内容につきましての御説明を概略私から申し上げたいと存じております。 まず、国土開発縦貫自動車道建設法第九条に基くわけでございますが、土地等を提供したために生活の基礎を失う者に対しまして、その受ける補償と相待って行わなければならないいろいろな生活再建上必要なこと、また、環境整備のために必要な措置に対してこの政令でもって規定する、こういうことになっております。そこで、まず第一に、そういう生活再建のため、環境整備のために必要な措置で政府で取り扱うもの、政府に申し出られるものはどんなものかということをまず明らかにいたしてあるわけでございます。 その第一は、職業の紹介、それから職業の指導または訓練に関すること。第二といたしまして、宅地、それから開発して農地とすることが適当な土地、その他土地の取得に関すること、これらに対しましては、この関係者が必要だとあれば政府に申し出ることができる。第三といたしましては、住宅、店舗その他建築物の取得に関すること。それから第四といたしまして、他に適当な土地がなかったために、その環境が著しく悪い土地に居住を移さなければならないために、環境が悪くなって、その環境の整備をしなければならないようなこと、そういうことに関係すること。ただいま申し上げました一、二、三、四、それらに対しまして必要のある措置を政府に申し出ることができるというふうにしてございます。 その次には、そういうふうにいたしまして、政府に措置の実施を申し出ようとする者は、手続のことがいろいろ書かれてあるわけでございますが、政府に申し出ようとする者は、所管する都道府県知事を経由いたしまして、所定のいろいろな住所、氏名その他のことを書いたものを建設大臣に一つ出してもらう。それから建設大臣は、そうしたものを受け取りましたときには、その事項が建設大臣の所管の範囲に属するときは、建設省で処理いたすわけでございますが、属しないときは、その書面に対しまして意見をつけて、それぞれの当該事項を所管する国の行政機関の長にそれを送付する。それからその次は、それらの書面の送付を受けました国の行政機関の長は、その所管する事項にかかわる措置の実施を申し出た者に対しまして、その申し出たことが、生活再建または環境整備のために、その受ける補償と相待って実施することが必要であるというふうに認めましたときには、法令、予算の範囲において事情の許す限り実施に努めなければならない、こういうふうな建前になっております。政令といたしましては、六条ほどの短かいものでございまして、昨日付で公布に相なった次第でございます。
○田中一君 御承知のように、この法律案は衆議院の議員提案でございます。そこで衆議院並びに参議院においてこの条文に対して提案者は何と提案の理由を説明しておったか、また、質疑の過程においてどういう意図を現わそうとした条文であるか、道路局長十分お調べになったと思いますから、その点を提案者の意思と少しも狂いがないというように理解してこれらのものをお出しになったのか。従来、そうした質疑が行われないでおったのか、あるいは提案者の説明がないとするならば、政府としては一応法文の精神というものを問い合せ、または調査して立案されたか、その経緯を報告願いたい。
○説明員(佐藤寛政君) 国土開発縦貫自動車道建設法の第九条に基くものでございますので、申すまでもございませんが、法律を十分に読みまして、解釈等もいろいろ研究いたしまして、法律の趣旨に沿うように、趣旨を体して政令を作ったつもりでございます。
○田中一君 私が知っている範囲において、この条文に対する質疑は衆議院、参議院ともに何らしてなかったというように記憶しておるのです。でありますから、この立案の精神というものは、立案といいますか、この条文の立法の精神というものがどんなものであるかということは、私はわからないのであります。そこで、あなたの方で十分お調べになったというと、ずいぶんおかしな話で、私どももいろいろ審議して通した法律案でありますけれども、参議院では各党各派の間のかけ引きがございまして、当時十分なる審議をしなかったという経緯があるのでありますが、私としては非常に反省しておるわけでありますが、その点はお調べになったかという点をお伺いいたしたい。
○説明員(佐藤寛政君) この法律の制定のときには、先生の御指摘になるように、いろいろな事情がございまして、必ずしもいろいろな御討議をお聞きいたしておったわけじゃございませんが、一応成文になっておりますので、法律をよく読みまして、さだめしこういう御解釈であろうということを、関係者でいろいろ検討いたしまして法律の精神に沿っておるつもりでこの政令を作った次第でございます。
○田中一君 そうすると、衆議院の議員提案でありますけれども、提案者に対する問い合せは何らしてないで、この条文だけによってこの政令を作ったということですか。
○説明員(佐藤寛政君) 今回の政令を作りました経過はそういうふうでございます。
○田中一君 私は、いろいろ土地収用法を親法として数々の補償の問題がございます。しかしこういう条文がここに出ているということは、この真意がどこにあるかということをつかみにくいわけでございます。むろん、これを私も十分に分析し理解しようと努力するんですけれども、大体においてもう土地収用法で尽きているというように見受けられるわけなんです。ことに、それにプラス・アルファの何らかの措置をしなければならぬということになりますと、これは現在同じように公共事業として実施されておる、土地収用法で指定するところの三十六か七つの事業に対して、ことごとくこれが影響するということはもういなめないと思うんです。そこで、今、局長から説明されたこの政令案の内容が、国土開発縦貫自動車道建設のためだけに適用するという考え方で立っておりますけれども、他の三十幾つの公共事業を行う場合に、政府はどういう態度でもって臨むか、これは重大な問題であると思う。従ってその態度を、建設大臣はまだ来ないけれども、実は建設大臣から伺いたいと思ったんです。土地収用法に指定してありますところの三十幾つの公共事業、これに対して、特別に国土開発縦貫自動車道にのみこうした政令をお出しになるということは、他の事業に及ぼすところの私は悪影響——と思いません。一面、国民のために、特別な環境整備なり何らかの措置をとるということはいいと思いますけれども、えこひいきがあってはならぬと思う。そういう点でもって一つ、大臣はいつごろくるか、まず局長の御意見を聞いておって、もし局長、道路関係ならばおれは言えるけれども、ほかの問題に対してはちょっと困るというならば、これはそれを控えておいてもかまいません。
○説明員(佐藤寛政君) ただいまの御質問の問題は非常に大きな問題で、私からの御答弁の上のものではないかとも存じますが、先ほども申しましたように、この政令を作りますときには、あの法律から出てくるいろいろな場合を検討し、御指摘のようなこの法律でない、一般公共事業に対する場合もよく考えて作ったつもりでございますので、その研究の際の考え方と申しますかを私から申し上げてみたいと思います。よろしゅうございますか、そういう点で……。従いまして建設省として統一されておるというものではないかもしれませんですが、何でございましたら後ほど大臣いらっしゃいますそうでございますから、その節にいたしますか、それでよろしければ私一応申し上げて……。
○田中一君 幸い政務次官がお見えになったので、一つここで政務次官に伺ってみようと思いますが、ちょっと道路局長、よく説明してやって下さい、次官に。
○委員長(上林忠次君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(上林忠次君) 速記を始めて。
○説明員(徳安實藏君) ただいまの御質問、まことにごもっともだと思いまして、私どももあの政令に基くものと、一般公共事業に対するものとに対しまして、いかにこれを取り扱うかということについて非常に今苦慮いたしておりまして、ただいま省内でも研究をしてなるべくあの政令の趣旨に沿うことも、一つの、公共事業に対しましてはそういう立場でいきたいということは考えておりますけれども、非常に範囲が広うございますし、影響するところも非常に重大でございますから、まだ省内でそうした問題につきまして一致した意見に達しておりませんので、従いまして、こうした程度につきましては、いずれ大臣が参りまして御説明すると思いますから、しばらく大臣の来るまでお待ち願いたいと思います。
○田中一君 政務次官の御答弁、了解いたします。しかし、これは建設省だけの問題ではないんです。従って、内閣としても、総理大臣が責任持ってこれはこうするんだという答弁がないと、これはもう、とにかく三十幾つという事業指定がなされる公共事業があるんですから、これはもう大へんな問題が起きるんです。それを実は心配しておったんです。今、先ほどの速記に残ったと思いますけれども、事実私どもは、この法律案の審議に当って十分なる審議をしなかったんではないかという反省をしているわけです。でありますから、なおさらのこと、何も自分たちのそうした意味の足りないところを政府に転嫁して、その考えを聞くというんじゃなくして、実際に実施された暁において受けるところの国民の影響、ことにまた、事業を行う主体の影響というものを、いいか悪いかは別問題といたしまして、今までありますような土地収用法という法律で示してあるもの以外のものであるというような見方をするならば、予算上の問題も、あらゆる面において相当な影響があると思うんです。だから私は、建設大臣が来て、建設大臣が建設大臣として自分の所管の分野についての答弁は一応伺うつもりでおりますけれども、公共事業を主管しておりますところの官省はたくさんございます。たとえば、土地収用法で指定しているところの三十幾つの事業主管者から伺わなきゃならぬと思うんです。また、それが統一されたところの政府としての見解を聞かにゃならぬと思うんです。そこで、そういう意味で、一つ政務次官にお願いしたいのは、ただ建設大臣ばかりじゃなくて、おそらく、この政令を閣議決定なすった場合に、各省の次官なり大臣なりに対しては十分に説明してあると思うんです。でありますから、内閣においても、当然もうこの実施に当っての受ける影響と申しますか、これに対しては意見が一致しておらなきゃならぬと思うんです。そういう点について伺いますから、どうか政務次官からも大臣にそのことをお伝え願いたいと思うんです。
○説明員(徳安實藏君) 承知しました。
○田中一君 道路局長は、今説明の中で落しておりますけれども、この要求に対して、ここに、補償完了の日から起算して六カ月を経過するともうその要求ができないんである、ということが明示してあるんです。これはどういう考え方で、またどういう実態から割り出したものか、御説明願いたい。
○説明員(佐藤寛政君) 「申出は、補償完了の日から起算して六月を経過する日前にしなければならない。」、こういうふうに書いてございます。これは補償等と相待ってこの措置を考えるわけでございますから、いずれにいたしましても、補償の話が出てそれがきまってこの話になるわけでございます。その場合にいろいろ御要求に相なるわけでございますが、御要求になる場合に、受けるほうもいろいろ予算措置等もございますし、これを無期限にというわけにもまあ参らない次第でございます。一応期限を切って申し出ていただいて、そうしてさっそくそれを実施する措置を講じなきゃなりませぬ。その日を一応六カ月と、こういたしまして、まあこの辺にということでございますならば、別に無理もないであろうし、六カ月あれば十分御考慮の上、御要求があればそれを出していただける。まあこれは十分な期間であろうし、また、われわれのほうとしては、これ以上に延びると、いろいろまたあとの措置をするのにおそくなったりなんかして差しつかえがある、この程度が適当であろう、こう考えて六カ月と一応してある次第でございます。
○田中一君 ほかにこういう法律の事例はございますか。
○説明員(關盛吉雄君) 他の立法例でございますが、実はただいま御質問の損失補償と相待って行う生活の再建というふうな立法例は、他にわが国の法制においてはないのでございますので、従って、これと同種のケースの立法例はないかということでございましたが、その意味においてはこれが初めてでございます。一般的に制度につきまして申し出制度を採用いたしましたのでございまして、申し出と類似するような例といたしましては、たとえば、訴願の申し出とかそういうふうな例におきましてはこういう例がございますけれども、そういうふうな例も参酌いたしまして、さらに、将来の生活の目途に関する決心を立てられるのにおおむねこのくらいがあれば、生活の基礎を失う人に対する損失補償と相待っての措置の申し出には適当じゃないかという考え方で期限を考えたのでございます。
○田中一君 土地収用法の第十章の「訴願及び訴訟」の中には、大体訴願の期間というものは二週間になっております。事業の認定後二週間のうちに訴願すればいいとなっておるのですが、六カ月が長いか短かいかは知りません。しかしながら、どうも六カ月になされたという根拠を明らかにせぬと、将来の問題が、いろいろな問題が起きてくる。ことに、この法律で明らかにしておりますように、損失補償と相待ってということになっておる、並行して行うのだということになっておりますから、だから、その時間的なズレはまあないと思うんです。ズレと申しますか、こうした第九条の措置を要求する機会がないということはないと思うんです。そういう見方からすると、土地収用法のほうの訴願の期間は、これは事業認定の告示というやつは、一方的に知らぬ顔してやる場合がある。何にも利害関係がない土地に告示しますからね。所有者が川崎におって東京の土地に対して、土地の役場なら役場に対して告示した場合にはなかなか知らぬわけです。所有者は、連絡機関が知らしてくれればすぐわかりますけれども、こういうことはあり得るのですね、土地の所有者の場合には。これは二週間になっておる。こいつは、損失補償と相待って折衝することと、並行してこの措置をするんだとなりますと、六カ月はいやに長いのではないかというような気もするわけです。でありますから、六カ月の根拠というものをもう少し——ただ親切にすればいいというのじゃないんです。補償がすっかり完了しちゃって、そうして六カ月間はまだこの問題は待たなきゃならぬ、清算に入れないのだということになっちゃ困ると思うのです。そういう点は、今、次長の話だけでは私もわからぬから、納得するを得ないと思うのですが、それだけではどうも説明が不十分じゃないかと思うのですが、その点はどう考えていますか。六カ月でいいというのか。損失補償の完了ということは完全なる了解ということなんです。この九条の措置をも含めた完全なる了解ということにならなければ、損失補償の完全なる完了にならぬと私は考えるのです。だから六カ月ということが、いたずらに時間を置けば国民は抵抗が薄いのだということだけでは、行政事務の簡素化という面から見ても、どうも長いような印象を受けるのですが、その点どうでしょう。
○説明員(關盛吉雄君) この点は先ほど御説明申し上げましたように、理論的に何カ月が適当だというふうな判断をすることは、初めての例でございますので、非常に困難なことであったのでございます。ここで考えておりますのは、一般の国民に比して特段の恩恵を、あまり長く、今、先生がおっしゃるように申し出ができるということもどうか、補償に伴う諸制度の確定を待つ上においても、なるべく早くそういう形を親切にやって上げることもわれわれしたい。しかしながら、そうかといってやはり土地を供したために生活の基礎を失い、また、ものによっては環境整備という問題が出てくるのは、かなり具体的事実が、生活の場所を移したとか、そういうふうなことによって発生するケースでございますので、やはりこの程度の期間はないと、実際にこの制度を設けた場合の具体的な措置の実施について適当を欠くんじゃないかということで、便宜六ヵ月といたしたのでございます。関係各省とも相談をいたしたのでございますが、この政令を作りました経過ははっきり申し上げまして以上のような状況でございます。
○田中一君 まあやってみなきゃわからぬから、一つやってみて下さい。 それから今の政令の第六条の2の「法令及び予算の範囲内において」ということになっております。まあこれは慣用語だということをいうかもしらぬけれども、「法令及び予算の範囲内において」ということになると、一体、環境整備の予算というものは別に別途計上するつもりでおるのか、この法令とは何か、その二点について伺います。
○説明員(關盛吉雄君) この法令及び予算の範囲内において事情の許す限り、政府がその実施に努めなければならない、こういうふうにいたしておりまして、この立法例につきましては、昭和三十一年に制定されております新市町村建設促進法の第十三条にもその立法例がございます。これらはいずれも新市町村の建設につきまして国なりあるいは県なりが、各種の現行の法令を適用するのに優先的配慮をいたすというのが新市町村建設促進法の例でございます。今回の措置につきましては、先ほど申しましたように、損失補償のほかに、今申しましたような一号から四号に掲げる事項の特段の措置を講ずるわけでございますが、この政令に規定いたしました事項のほかにも、さらに現在各種の法令によりまして、生活の基礎を失う者に対する措置等が規定されております。ただ、たとえば土地の問題でございますと、宅地の問題でございますれば、国有財産の規定の問題でございますとか、あるいは農地の関係でございますと農地調整法でありますとか、土地改良事業法、そういうふうないわゆる基本法がございます。その基本法によって定められておるところはもとより行うように努めるわけでございますが、その法令を意味しておるのでございます。 予算につきましては、関係各省がその所掌事務に従いまして、既定予算の中、もしくはその不足を生じましたときには新規に予算を要求するということもこの中に入るというわけでございます。なお予算そのものではないけれども、金融に関係したような事柄もこの中に含めまして事情の許す限り関係各省が実施に努める、こういう趣旨であります。
○田中一君 その事情の許す限りは、わかりますけれども、予備費から要求して出してもらうことになるのだということでは予算がないということなんです。従って、佐野大蔵政務次官も来ておるから伺いますが、この法律内において環境整備のために予算化をするという前提でなくてはこういうことはいえないと思うのです。従って、ここで示しておるところの予算の範囲内というのは、その予算というものは別ワクがあるのか、あるならあるという仮返事をしてほしい、ないならないという返事をしてほしい。予算がないものなら——予備費の支出は臨時の支出です。従って、私は環境整備のための予算化をするのだ、別ワクの予算を計上するのだというように理解したいのですが、それに対して道路局長どういう考えを持っておりますか。三十四年度の予算を要求しておるのだけれども、むろんその中には別ワクとして計上されておるものと僕は理解したいのです。
○説明員(佐藤寛政君) 実は九条関係、この政令のケースはまだ具体的には起らないものでございますから、いろいろな点ではっきりしない点はございますが、私どもといたしましては、できるだけ既定予算の中で処理できるものは処理いたしたい。それから、先ほど次長から御説明があったように、われわれの持つ予算だけでなくて、いろいろごあっせんするような場合があるとすれば、そういう点も努めなければなりませんが、予算につきましては既定予算の中でできるだけやっていきたい。しかし、どうしてもできない場合にはやはりこれはお願いする場合も起り得るかと思います。
○田中一君 どうもそれでは私は納得できないのですが、まあ佐野君に伺います。きょうこの政令が公布されたそうです。これは土地収用法で指定される三十幾つかの事業のうちの一つとして、衆議院の議員立法で出たものでありますけれども、ここではっきりと環境整備のための特別な補償ワク内の措置をするということになっておるのです。そこでその条文のおしまいに、第六条の2の法令の点はわかりました。予算の範囲内というその予算というものは、当然三十四年度の——そういうケースはないというけれども、現にもう道路公団はどしどしと買収行為をやっておるのです。この法律によるところの事業を行なっておるのです。従って当然別ワクの予算が計上されるものと——政令が出たのはきょうですから、従って今までのものに対してはこれは予算がございません。当然予備費から支出する。しかし三十四年度は当然この対象となるワクを持って、その中から支出されるのだというふうに理解をすべきだと思うのですが、その点は佐野さんどういうお考えをお持ちですか、またどういう措置をおとりになるか。
○説明員(佐野廣君) この政令が本日出たということでありますが、まだ研究が正直に申し上げまして十分に積んでおりません。従いまして、関係省ともこの「予算の範囲内」という項目につきましては協議を要すると思いますが、今のところ予備費から云々ということについては、今までの例その他から見まして考えられておらないと思いますけれども、この政令の趣旨に沿いまして、三十四年度予算の編成に当りましては、関係省と十分協議いたしまして、趣旨の徹底するように、また効果のあるように努力いたしたいと思いますが、ただいま私とっさでございまして、これに具体的にどうこうということのお答えのできないことを御了承願いたいと思います。御意思に沿いましてまた十分努力いたします。
○田中一君 おかしな話を聞くものです。これは閣議決定をした政令なのです。大臣は理解している、承知しているのです、内容も。大臣はこれを了承するのに、内容がわからなければ、自分の所管の予算というものに触れる問題を、何にも一つの意思を持たないで賛成するなんということはあり得ないと思うのです。従って、佐野さんは御存じないかもしれませんけれども、おそらく松永主計官は知っているはずです。一番金を出し渋る松永さんですから。でありますから、そういうような答弁は困るのです。現にもう道路局長も、建設省で今までおくれたのは、各省の了解をとるため、話をするために長くかかりました。前に建設大臣は、七月一ぱいにこれを出しますと言っていたけれども、もう九月です。おくれたのは各省の折衝においておくれたのですとさっき答弁しておる。こういう問題はあなたの耳に入っていると思いますが……。また閣議で決定したものを、この政令が出たから、これからよく打ち合せしますというようなことは聞きたくない。そんなものではないと思う。従って、そういうことは言わないで、その場のがれのことを言わないで、その点はもう少し明快に、あなたらしい答弁をして下さい。
○説明員(佐野廣君) いや、それは田中さんのおっしゃいます趣旨はよくわかりますが、今正直に言ってどれだけの予算で、どれだけやるということも、まだ主計官の方においても具体的に数字があげられておるわけではございませんので、その御趣旨に沿って十分やるようにさせていただきたい、こういうように申し上げておるわけでございます。
○田中一君 そうすると、こういう工合に理解してよろしいですね。政令は今日出たのであるから、私は額とかものとかいうものを聞いているのではない。別ワクで予算を取って、損失補償のほかに環境整備の予算というものを別ワクに取るという原則がきまれば——御答弁になれば私はいいんです。これが、そういうものがなくて、対象になるものがなくて予算云々じゃ、これは国民をだますものなのです。従って予備費から云々も要りません。ただ原則として、この対象になる予算を計上するということの御答弁のようですから、私はそれで納得いたします。答弁間違いございませんね。別ワクの予算を取るということなら納得いたします。
○説明員(佐野廣君) 田中さんのおっしゃいますことよくわかりますが、今ここで別ワクでということを申し上げる段階には、今のところ至らないと思います。必要に応じまして、この政令の趣旨の通るように努力するということで御了承願わないと、今具体的にどうこうというものは出ておらない際でございまして、どういうものがどういうような程度で出るかということがわかりませんので、正直に言えとおっしゃるから申し上げますが、そういうふうでなければ、今別ワクで云々ということは申し上げる段階にはないと、こういうふうに御了承願いたいと思います。
○田中一君 道路局長は、こういう政令を作って、損失補償というものはきまっております。この額も不確定のものです。しかしながら、年次の計画によって予算化をしているわけです。損失補償の予算化をしているわけです。同時にプラス・アルフアという形の環境整備の措置というものをしようというならば、ことに明文として、はっきりと予算の許す限りということになっておりますから、何らかの予算上の措置をしなければならぬことになるわけですね。で、建設省としては大蔵省にそういう要求をするつもりですか、しないつもりですか。今言う通り大蔵政務次官は、予備費云々ということは申しません、その事態が起きておりませんと言うけれども、当然起きると予想されなければこの政令は要りません。起きるという予想から、ことに法律が命令しておりますから、当然総理大臣はこれを作らなければならぬことになる。だからあなたの方じゃそういう要求をするつもりか、つもりでないか、また当然こういう政令が出た以上予算化してもらわなければならぬというつもりでいるのかどうか、その点を明らかにしてもらいたい。
○説明員(佐藤寛政君) たびたび申し上げますように実例はまだ出ておりませんものですから、どういう形でどんな規模のものが出てくるか、ただいまのところはっきりいたしておりません。従いまして、私どもといたしましては、たとえばこの環境整備等の関係から取りつけ道路というようなものが出てくる場合などが予想されますが、そういう場合に公共事業でいろいろの道路事業をやっておりますですから、それにふさわしい、公共事業の道路事業にふさわしい、つまり道路の既定予算でもってできるようなものがあれば、できるだけ取り上げてやるようにしてもらいたい。しかしながら環境整備、いろいろございますので、どういうものが出て参りますか、既定予算ではなかなか処理しにくい場合もあろうかと思うのであります。ただいまのところ、その規模等がはっきりいたしませんので、準備いたしかねるのでありますが、こういうものが一応把握できましたときに、既定予算でまかなえない分につきましては、それぞれまた大蔵省の方へお願いしなければならない、こう思っております。
○田中一君 これは予算の許す範囲というのは、国全体の年間予算をさしているのか、あるいは事業費をさしているのか、そこのところが明確にならぬと、受ける方の側は困るのです、国民としては。そうして、これは事業費だから環境整備のための金は出せないと言えばおしまいなんです。要求する方の建設省としてはもう少し信念を持って、この政令を作った以上、法律の命令によって政令を作った以上要求すべきだと思うのです。何にも起らぬからというのじゃないのです。起ることを予想してこの法律はこういうことを命令しているのです。そんなことは遠慮すること一つもありません。要求するものは要求するのです。これはそういう弱い信念のもとに、弱い心持のもとにこれを出したんじゃ国民をだますための政令です、これじゃ。それは今度も、現在、昨年から今年にかけてやっておりますところの事業も、三十七年に完成するという事業も、この法律で示すところの事業を行なっているんじゃありませんか。そういう該当する事業がないのじゃない、あるんです。現にあなたやっているじゃありませんか、命令してやらしているじゃありませんか、道路公団に。それは当然対象になるのです。それをそんななまぬるいような考え方ではこれは大蔵省になめられてしまいますよ。出しっこないですよ。苦しむのはあなたばかりです。この法律が出た以上、今事業を行なっているところの地域の人間は、安心して、多少無理であろうと思われる問題でも要求して参ります、この法律がある限り。そういうことは予想できませんか。私は必ずくると思うのです。この政令ができないから今までは何にも言わなかったのですけれども、これからはどしどしと要求して参ります。その場合に、そういうことは予想されないならば、あなた完全に縦貫道路の建設が行われないということなんです。そんなこと遠慮することないですよ、法律でちゃんときめてあるのだから。ことにこの政令に対しては大蔵大臣も了承しておることです。むろんこれは松永君の耳に入って、松永君あたりからどうしても予算の許す限りといろいろ言われたに違いないのです。その点はもう少し態度を明らかにして下さい。あなたが答弁できなければ、後ほど建設大臣が来たら伺います。
○説明員(佐藤寛政君) 私の考えといたしましては、予算の許す限り予算の範囲内でもってやり、できないものに対しては大蔵省に要求する、先ほど申し上げましたようにそういう次第でございます。
○田中一君 そうすると、この縦貫道建設法の第九条の環境整備の措置というこの予算化は当然されるべきものという工合に私は理解してよろしゅうございますね。損失補償のほかに、生活再建または環境整備のための措置をしなければならぬことになっているのです。損失補償とは別なんです。このほかに、生活再建または環境整備のための措置をしなければならぬ、これに、この措置をするための金が一銭も要らぬという点にあなたは立っているのか。質問が前に戻りましたが、当然これは金がかかるだろうという前提に立っているのか。あなたの場合には、この第六条の2でもって予算の範囲内においてということを言っている以上、これは当然金がかかるものであるという前提に立っているだろうと思う。そうすると、損失補償のワク以外の生活再建または環境整備のための措置をする金というものは、資金というものは、どこかに盛ってなければならぬでしょう。そうしなければ予算の許す範囲という、予算の対象というものはなくなってくるわけです。これは損失補償と別なんです。損失補償は事業費でもってまかなうでしょう。これは損失補償以外のものなんです。この点は明確にしてもらわぬと国民が困るのです。財源がどこにあるか、これが財源でございますということを言えなければ、今言う生活再建または環境整備なんという措置はしないということなんです。ですから、道路局長としては、建設省としては、この法律並びに政令によって要求するつもりでおりますと言えば、あなたの方はもう質問しません。現に事業をやっているじゃないか、やっていないのじゃない、やっている。予想されるのです。徳安政務次官から一つ御答弁願いましょう。あまり道路局長ばかりに言っても困るだろうから、あなたが決意を披瀝しなければだめですよ。でなければ佐野さん出すものですか。
○説明員(徳安實藏君) ただいまのお説、ごもっともだと思います。これは続々あとからこうした問題が出てくると思いますし、またすでに工事をやっているわけでございますから、この政令を待ちに待っている市町村からはいろんな要求が出てこようと思います。従ってまた、これに対しまして、この政令の精神によって措置しなければならないわけでありますが、建設省に関する限りは、できるだけ今の道路局長がお話申し上げましたように公共事業費でまかなう予定でございますけれども、しかし不足する場合には、もちろん大蔵省に対して強くその政令の趣旨に沿うためには主張しなければならぬと思いますから、要求するつもりでおります。
○田中一君 幸い松永君来ているから、あなた事務的にどう考えます。それは当然こういう命令がある以上、大蔵省としてはそうすべきでございますという答弁があなたから出ると思いますけれども、事務的にどう考えます。
○説明員(松永勇君) 現在の段階ではどういうものを——まあ予算というのは架空なものは組むというわけには参りませんので、ある予測し得べき状態が現われたときに、その必要なものを予算に組むということになるわけですから、そういう要求があった場合に、私たちはその必要性、その妥当性等を検討いたしまして、必要なものは予算に組むということになろうかと思います。まあこの環境整備というものは、どういう範囲のものが起ってくるかということが現在なかなか予測しがたい。まあ先ほど道路局長からお話のあった取りつけ道路を作りたいとか、その他簡易水道を作りたいとか、いろいろあるのだろうと思いますが、しかしそれがどういうふうに現われてくるのか。それで、もちろん来年の予算というものは既定の予算じゃございませんから、来年の予算で、これからきめる予算の中でそういうものを必要に応じて見るということになろうかと思います。
○田中一君 徳安さんに言いますが、ああいう工合に大蔵省では受ける態勢にあるのですよ。だからどうか一つ縦貫道路を一日も早く完成さすためには、私これから地元の人間に、生活再建または環境整備のために、いつでも政府はあなた方の満足する措置をとるからと、早く申し出ろということを大いに宣伝しますよ。そうすると具体的に三十四年はこういうものというものが出て参ります。それをもってあなた方が要求して下さい。そうすると佐野さんも松永さんも受ける態勢でおりますから、勇気を持って要求して下さい、これは。 そこで、あとは大臣に質問しますけれども、そうなった場合に、日本の公共事業はどこにふっ飛んでいくか。国民と政府との間に数々の新しい紛争の事態が生まれるのではないかという危険を多分に感じておりますから、その点は大臣来たら後ほど伺いますけれども、まあよく各省とも話し合いの上、政府としての態度をはっきりするようにしていただきたいと思います。この問題はこれでもって質問をやめます。 次の問題は、さっき第二点で申し上げたように、道路審議会では現在どういうものが付議されておるか、諮問しておるか、具体的に御説明を願いたいと思います。
○重盛壽治君 ちょっと次の問題に入る前に道路局長に伺うが、この政令が出て、それから実際に問題が出てこなければ、どういう問題が出てくるかわからぬのだと、こういうお話であるが、私はそういう道路局長は困ると思うのだな。少くともこれを超党派的にきめて、それから国土総合開発をやるために縦貫道路を作ろうということになって、もう大蔵省も建設省も、いわゆる総理大臣の責任でこの仕事をやろうというときに、どういう事態が出てくるかわからぬなんというばかげたことは言えないはずなんだな。出てくる事態、環境整備の実情、それからこれに付随した問題というのはもう幾つもたくさん、例示をするならば、わかっているはずなんだな。それは君、たとえば代替地をもらったにしても、もらった代替地は前の所よりは悪かった、それだからその差額を幾らよこせ、あるいは宅地をもらったけれども、ちょうどもらった宅地は、自分のところのもらったやつよりは、今度同じような所を買おうとすれば、その買おうとする所の方が当然高い。こういう例はどんどん出てくるわけだな。その例によって、実際の例を一つでも二つでもあげて、そうして要求するということでなければ、出てきたものをにらみ合して、しかも予算の許す範囲でということになれば、大蔵省もさっき言う、しぼる親方がおるから、おそらく予算の許す範囲にならぬのだ。これは絶対必要だという、やっぱり態勢をもって出ていくという考え方がなければ、こんなものはできませんよ。同時に、大蔵省と建設省と、何か従来の普通の仕事をやっていたような感覚でおやりになることは、政令で出すのだからなかろうと思うけれども、そういうことは払拭されて、新しい段階に入ってやっていくということでなければ、われわれよく、国土の開発というものはセクショナリズムを排してやってくれということを度何も何度も申し上げているのだけれども、そうでなければこの仕事はできない。予算の許す範囲で、どんなものが出てくるかわかりませんが、なるべく大蔵省の方に多く予算がもらえるようにいたします、そんな考え方ではいかぬ。田中委員はいいかもしらぬけれども、もっとぴしっとした建設省の決意を聞かないと、大蔵省に聞かないと、これは進まぬと思う。理屈じゃない。あなた方をとっちめようというわけじゃないけれども、ほんとうに一緒になってやろうじゃないかという決意が、大蔵省の方にも建設省の方にもなければできない。理屈じゃできない。従来の感覚からいってもできないことはわかっているので、そこらを明確にしてもらって、次の問題に入ってもらいたいと思うな、私は。
○説明員(關盛吉雄君) ただいま御質問がございましたが、この九条政令という条文でございますが、これは生活再建または環境整備のための措置を規定いたしておりますけれども、一にこれは土地等を縦貫道建設のために提供した人々の個々の具体の事態に即応して措置するということになるわけでございます。法律の九条自身が、損失補償と相待って必要と認める生活再建または環境整備のための措置でございますので、この政令が出ませんと、個々の個人からの申し出にかかる要求の内容というものが判断できないわけでございます。従いまして、全般的に九条以外の条文についての地元の諸般の公共施設をやってもらいたいという陳情はたくさんございますけれども、今回の九条政令は、個々の具体の実例が出ないとわかりませんと申し上げました趣旨は、さような経過から出てきておるわけでございますので、これは従って、そういうふうな場合に、わが国の諸般の制度から見まして 一般の公共事業の実施というものにおきましても、こういう法令の制度というものは今までないのでございます。今回が損失補償と相待って行う生活再建または環境整備の措置というものは全く新しい制定の制度でございます。法律がそれを予想しておりましたので、従ってこれをきめるにつきまして、関係各省と総理府が中心になられまして、いろいろ検討をいたしました結果、ようやく昨日付で公布されましたので、さっそくにこの手続関係と、手続の重点となります事項を現場に徹底いたしまして、さらにこれの実際の運用につきましても、今御意見のありました点は、内閣を中心に、中央協議会も作られることになっておりますし、地方にもそれぞれの出先機関を集めました運用の協議会を作りまして、この措置の必要なる関係機関が一体となりまして政府として措置すべき内容を、生活の基礎を失うということの一つの条件もございますし、これはきわめてバラエティが多いのでございます。そういう意味でこの制度を御理解願いたいと思っております。その措置につきましては、ただいま局長、政務次官から申し上げられました通りでございます。
○重盛壽治君 そうしますと、もちろんこれが必要だから、こういうことはもう七月に出そうというやつが今までおくれておったのだから、出したということは、仕事をしようという意欲が出たという考え方を持ってよかろうと思う。そこで、田中委員の言われるように、内容を佐野さんが知らぬということはおかしいというようなことは、私は、佐野さんの場合は、この御趣旨に沿ってこれが実現できるように努力いたしますということを言ったんで、その通りであれば、私はそれでいいと思います。大蔵省の方は、この政令というのは新しく出した、これを出した趣旨に沿って、これを実現するように努力してくれるということなら、これでいいと思う。この方がいいね。問題は、やはり建設省の方にあると思う。出てくる事態がどういうのかわからない、こういう特例を作らなきゃならぬという事態というものはそっちこっちに現われておるから、これを出した、作るように努力した。その例というのはたくさんあって、その例の折衝はあなた方の方とできているはずなんだ。そういうところをもう少しとにかくはっきりとこれを——この政令は私はいいです。全部出た趣旨に沿って大蔵省も建設省も、たまたま関係省が全部でやろうということになったということなんだから、私はそれでけっこうだから、一つ別な角度でまた大臣に聞きますが、予算の許す範囲とか、従来の方法で予算を出してきても、これはやるとかやらぬとかいうような構想をいつまでもやっていたのでは、これは進まぬということをはっきり申し上げておきます。その点の決意をあなたから一つ伺いたいと思います。
○山本利壽君 関連。私、この建設省関係の問題については、全くしろうとでございますが、先ほど来の田中さんその他の御質問を聞いて私、与党でございますけれども、政府としてもこの政令を作られたばかりでありますから、運用についての各省間の打ち合せなんかもまだ完全でないところも先ほど来の答弁によってあると思うのですが、大蔵省の方では、建設省からの要求に応じてできるだけするといわれても、それじゃ大蔵省にも無限に金があるわけではないから、やはりどの項目から出すということがなければ、私は、どうも、予算がありませんからといって一蹴されるおそれも十分にあると思う。けれども、この法律なり政令の趣旨は全くよいことであるから、これが円満に運営されることを私どもも望むものであるし、そうされなければならぬと思いますので、幸いにこの実施の要求の件は六カ月もあることでありますから、今後建設省なり大蔵省その他で打ち合わされて、そうしてこの予算の範囲内においてという、予算とはいかなるものをさすかということを御研究になって、いつかの機会にはっきりしていただくことが、当委員会にも説明してもらい、またそうしておかなければ、建設省としても、大蔵省としても、私は、この政令の運営ということはあり得ないように思うのですが、そういう工合にしていただきたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○田中一君 次の質問の答弁をして下さい。
○説明員(佐藤寛政君) 道路審議会にどういう問題がかかっておるか、こういう御質問と承わりましたが、実は、道路審議会、本日午後開催する予定でございますが、本日かかっております問題といたしましては、前回の道路審議会に対しまして、舗装方法決定の基準について、こういう問題について建設大臣から諮問が出ておるわけでございます。これに対しまして、審議会の方で御研究下さった結果をきょうは御報告され、審議会として取りまとめる予定になっております。そのほか建設省といたしましては、一級国道への昇格に関する問題を諮問にお願いしょうと思っております。そのほか建設省といたしましては二、三の報告事項がございます。こういう予定できょうの午後から実施されるわけでございます。
○田中一君 道路舗装の問題は、これは当然、おそいくらいです。一日も早く各委員にも勉強してもらってやってもらわなければならぬと思うのですが、この一級国道への転換の問題は、具体的にどの道路がどうなっておるか、お示し願いたいと思います。
○説明員(佐藤寛政君) 実は本日午後審議会へ諮問をお願いしょうと思いますのは、現在の二級国道でございますが、そのうちから三本、名古屋−富山線、和歌山−津線、大阪−神戸線、この三本について一級国道への昇格の審議を一つお願いしたいと思うのです。
○田中一君 そうすると、今、図面は持っていないのですが、和歌山−津線は山を越えるやつですか。
○説明員(佐藤寛政君) 矢ノ川峠というのがあって……。
○田中一君 それは……。
○説明員(佐藤寛政君) 海岸線でございます。
○田中一君 大阪−神戸線は例の並行線ですか。
○説明員(佐藤寛政君) 大阪−神戸線は新しく都市計画で戦災復興事業その他で実施しております最も海岸に近い方の道路であります。
○田中一君 大阪−神戸線の起点、終点について。
○説明員(佐藤寛政君) 起点、終点でございますが、名古屋が起点で富山が終点、名古屋−富山線はそういうことでございます。それから和歌山の海岸線は、和歌山が起点で、津が終点になっております。それからいわゆる第二阪神線でございますが、これは大阪が起点で、神戸が終点でございます。
○田中一君 大阪−神戸のやつは具体的に町を言って下さい。大阪も神戸も広いですからね。第二阪神の……。
○説明員(佐藤寛政君) 起点、終点の町名等、詳しい点についてはあとから申し上げたいと思います。
○田中一君 それから、道路審議会での国道の転換の問題についてはいろいろ請願も当委員会に付託されて参っておりますけれども、その他に残されている線に対する要求の地点はどことどこか、説明して下さい。
○説明員(佐藤寛政君) その他一級国道への昇格に対する御要望といたしましては、何分一級国道につきましては、制定以来今回初めてでございますので、久しぶりでの路線の昇格でございますので、従来出ておりますもので私どもが承知しておりますのは、約十一本ほどあるようでございます。
○田中一君 まあ時間がありませんから、私は具体的に一つ委員会に資料としてお出しを願いたいと思う。 それから、県道、二級国道への要求、これは相当あるはずでございます。これも一つ資料としてお出しを願いたい。
○委員長(上林忠次君) ただいまの資料はいいですか。
○説明員(佐藤寛政君) ええ。
○坂本昭君 一級に昇格する条件というか、基準ですね。それからまた同時に二級に昇格するための条件、基準、これはどういうふうになっております。
○説明員(佐藤寛政君) 条件といたしましては、法律に規定されておりますほかに、法該当の路線がたくさんございますので、その法該当路線のうちから、現在の道路におきます交通量、沿線の人口配置の状況、それから沿線のいろいろ生産関係の状況、そういうものをいろいろとりまして、指数化いたしまして、実は私どもでは路線値という名前を使っておりますが、指数化いたしまして、一定の基準を作り、その基準に従って採択をするようにという考えでおるのであります。
○坂本昭君 この前私は、道路整備五カ年計画ができたときに、これはきのうも田中委員から説明があったのですが、建設省がどうしてもこまかい詳細な計画を出さない。私自身も非常に疑問を持って企画課長から説明を聞いたのです。そのとき私の感じたことでは、どうも建設省の道路計画というものは、今説明された路線価によって計画を促進しておられるようですが、その内容は、道路を整備することによって産業を開発する、こういった積極的な面よりも、現在人が踏み固め、あるいは自動車が踏み固めた、その踏み固めたものの上に舗装をするといった、きわめてこれは消極的な計画でもって、真に国土を開発するという意味における積極的な道路政策ではない。これはむしろ政策ではなくして、現実にでき上ったもの、あとからそれをただ整備していく、何かその計画というものは逆ではないかという印象を受けたのです。それで今の一級国道についても、たとえば和歌山から津へ至るのは、これは南を回っていく線だと思うのです。私は何もこれを一級にするのはけしからぬと言って非難をしているわけじゃありません。あの南紀州の方では、現在尾鷲のところのトンネルがたしかまだでき上っていないと思います。しかし循環する鉄道もできて、そうして、そういう点では、いわば交通あるいは産業開発の面ではきわめて成果を上げている。ところが一方それに反して四国の例をとってみると、四国には循環鉄道がありません。その循環鉄道がないためにずいぶん産業の開発がおくれている。そうして、まあ四国の例をあげるならば、高知から窪川を通って松山に至るところの道路は唯一の道路です。ところがこれは二級国道にしかすぎない。むろんこのおくれた四国も日本列島の中の一つでして、四国に住む人間も日本人なんですよ。もちろん、非常に開発のおくれたところだけれども、開発のおくれたところを開発しなければ、われわれむほんをするというわけではないけれども、日本人たるの価値がなくなるんですね。だから、むしろこういうおくれたところに対して、しかも循環鉄道もできていない、でき上るのは十年、二十年かかるかもしれないという段階においては、当然こういうところの道路を整備して、そうして新らしい文化の息吹きを入れるというのが、これがほんとうの道路政策だと思う。ところが今のお話を聞くと、道路、路線値というものが、政策でなくて、でき上った一つのデータがある。これに基いてやるということは、これは私は健全な道路政策だとは、そういう点から思えないのです。ただいま道路審議会が本日行われるということですが、昇格の基準も基本的に誤まっているのではないか。むしろ道路局長としては、日本全国を開発するために、新らしい基準を考え、そのために二級を一級にし、さらにまた県道を二級に昇格させる、そういう御意図がおありかどうか、お伺いいたしたい。
○説明員(佐藤寛政君) 路線値と申しますというと、その路線の、和歌山−津線なら和歌山−津線一本についてはそういう指数で取り扱っているわけです。それでございますから、一方において同じような路線が二本あれば、その路線値というようなものの比較もできる。ただいま御指摘のような場合、現在の交通量は比較的多くはないが、交通の手段としての路線の数値が果して十分であるかどうかというようなことを検討いたします考え方といたしましては、道路網の大きさを別の考えからチェックいたしております。この考え方は、ただいまのところ研究段階でございまして、これでよろしいという段階にはなっておりませんが、一応の考え方といたしましては、主要路線で取り巻かれておる部分が、これは人口その他の関係で、地勢等の関係で大きいところ、つまり網の目の大きいところ、小さいところが自然できるわけでございます。これらをどういうふうに調整するかという一つの考えといたしましては、その網の中の人の動き、交通、仕事量というようなものを考えましてそうして各綱の目についてそれらをバランスのとれるようにする、そういうふうに網の大きさを配置するというようなことが、これは一つの方法でございますが、考え方が打ち出されております。そういったいろいろな研究をいたしまして、道路網のあまりバランスを失しない、精粗がないようにということを注意しながら路線の配置をいたしておるつもりでございます。 それから、先生の御指摘の、交通の手段として鉄道その他、他に手段がないところは道路は非常に重要であって、早く整備をしなければならない、こういうお話がございましたことは、これはまことにごもっとも、その通りでございまして、整備は必ずしも路線とは全部百パーセント一致しているものではない。場合によっては国道などよりは重要市の市道などの方が整備を先にやらなければならないところなどもございます。東京あたりにはかなりあるかと存じますが、整備の方はまた路線とは、かなり一致いたしますが、別の考えもいたさなければなりませんし、また新しい開発——現在としては交通上の要請もそれほどないかもしれないけれども、今後将来に対する開発等のためにどうしても整備を進めなければならない、こういう場合もございます。整備の方は、また路線の考え方をいたしますと同時に、一つの考え方でまたいたさなければならないかと存じております。従いまして、他に鉄道、交通手段がないようなところは整備の方で急がなければならないのじゃないか、こう思っているのでございます。
○坂本昭君 具体的な現実の問題として、国道としての昇格ができない、あるいは国道として国が責任を持っていないところに対しては責任をもって整備をされるというふうな説明で、これは何かそれが非常にいいというふうに、私の方も賛成していいのかどうか非常に迷うのですが、しかしどうも若干ごまかしではないかと思うのですよ。というのは、新しい道路整備については国が責任を持っていく方針が出されているのですから、国道という格づけが問題でなくて、むしろ内容的な整備の面でおやりになると言われるけれども、私は、そういうことは予算の面においてもなかなか実施はできないと思うのです。やはり交通政策については国が責任をとるという立場をとるならば、たとえ路線値が低くとも、日本全体を開発するという点におきましては、あくまで国道ということ、特に一級という点に重点を置いて当然方針を進めらるべきではないか。現実の問題としてきょうの審議会あたりで一つ昇格ができなかったというような場合について、実際に整備を充実するという具体的なことが現われるならば、私もいささかそれは満足しますけれども、その点については非常な私は疑問を持たざるを得ないのです。 先ほど来政務次官も今の道路局長のお話を聞いておられましたから、政策の面で、これは政務次官のお仕事だと思いますから、伺いたいのですが、今私の申し上げました通り、路線値の低いところでも開発を要するところ、特に中国、四国というところは非常におくれている。そういうものについては、政策的にも国道を昇格するということはきわめて必要じゃないかと思います。次官の考えを承わりたい。
○説明員(徳安實藏君) ただいま大臣が見えましたから、こうした御質問に対しても大臣からお答えをした方がいいと思いますが、私の考えを率直に申し上げたいと思います。従来は非常に予算が少なかったために消極的の態度であったんだろうと思います。今後は予算も相当ふえて参りましたから、今お話のようなことは、それは後進県のほとんど一致した要求でありますから、道路改良にいたしましても、従来考えておりましたものよりは飛躍的の転換をする時代がきているのではないかと、かように考えております。これらは今後の施策の上において十分参酌して考うべきだと、かように考えます。
○坂本昭君 国道の問題については本日の道路審議会でいろいろ検討されると思いますけれども、なおきょう検討される中で、路面舗装工法の説明があるということですが、私は一昨年来建設省の皆さんに忠告しておいたのですが、私は道路についての科学的の基礎というふうなもの、特に実際的なデータというものが非常に少いじゃないか、たとえば稲毛に本年度から実験研究所を設置したはずですが、あれはたしか所要経費三億程度要るのではなかったかと思います。それが今年は三分の一程度しかついてこなかったと思う。こういう道路の一番基本的の実験研究というものができなくて、そしてその法律あるいは法令を施行したとしても、それでは堅固な道路というものはできないと思う。そういうことでせっかくきょうも審議されるというのですけれども、この十分な研究の基盤がないのに、そんなものをやたらに作っても、ただ国費の浪費という結果になったのでは、まことに国民に対して申しわけないと思う。私はむしろそういう技術的な基盤になる研究所、そういうものに対して一体基本的にどういう考えを持っておられるか、まず局長のお考えを聞き、さらに大臣からも、どういう方針であるか、これは道路整備五カ年計画と密接な関係があると思いますから、その点について承わっておきたいと思います。
○説明員(佐藤寛政君) きょうの午後の審議会で、舗装の工法の問題につきまして特別の部会をお作りになりまして、約二カ月間ぐらいいろいろ研究になったものでございます。これを御報告になるわけでございますが、専門の方が御参画になっておられますので、よく御研究の結果を承わって、私どもとしては今後舗装を実施いたします際に十分参考にして、りっぱな舗装をやっていきたいと考えております。 なお、先生の御指摘になりましたのは、結局そう言っても、研究そのものが十分でないじゃないかというように私は理解いたしたのでありますが、これにつきましては、なかなかまだむずかしい点がございまして、何と申しましても自然の土を相手にいたしますので、むずかしい問題で、科学的に解明されておらない問題がございます。海外諸国の報告などを見ましても、アメリカあたりでは相当研究もされているようでございますが、まだそれでも解明されておらないものがある。また海外諸国では成功いたしましても、わが国におきましては特殊の条件、地質条件、気象条件、交通条件等のために必ずしも同じ方法でうまくいかない。それらにつきましては、今後研究所の活躍に待たなければならないものがかなりあるわけでございます。この点につきましては、幸い土木研究所は本年度から稲毛に施設を整えられまして、道路研究につきましては相当積極的にやっていただけるようになりましたので、私どもとしては大いに期待しておるわけでございます。来年度におきましてはさらに拡充していただきまして、いろいろな問題の解決をお願いしたいと申しますか、私ども道路側、現場側と一緒になって解決するように一つ私どもも努力して参りたい、こういうふうに思っておるわけでございます。研究所の施設の拡充等につきましても、及ばずながら私どももお力添えをいたしたい、こういうふうに考えております。
○坂本昭君 局長の今の稲毛の研究所などに期待をしておられるというのですが、実際この土木研究所の中での道路研究に関する研究者の数というものは、たしか六、七名だと思います。非常に少いのです。そして土木研究所からは常に定員を増してもらいたい、特にこの道路整備計画というものが与党の一番大きな公約の中に、政策の中に入っている。しかもその中で道路というものは、抽象的なものでなくて、具体的なもので、その強度というものはコンクリートやアスファルトやそういうものによって具体的に出てくるのですね。それを研究する人というものが依然としてほとんど変りがない。今アメリカの道路の話が出ましたが、実際アメリカで例の有名なテネシー渓谷のTVAの計画なども、あの計画ができる前に実験研究のために全体の予算の二、三割を使って、それだけの研究をやって初めて永遠に続くところの大きな開発計画が成立するわけですね。そうすると日本の場合だって、この道路はアメリカとずいぶん条件が違うと私は思うのです。冬は積雪寒冷であるし、夏はまた非常に雨が多い。非常に条件が違うので、いわば日本独特の道路研究というものをしなければ百年、二百年の長い道路というものは私はできないと思う。現に今できておるアスファルト道路についても五年、六年たって、もうひび割れが入って非常に危険だという地域も必ずしもないとは言えない。そういう点で基本的に科学的な研究の基礎というものが欠けている。で、私は、わずかな人員ですし、何も道路研究のために千人も二千人も要らないと思うのですが、少くとも土木研究所の充足ぐらいは、これはもう当然与党が道路整備というものを重大なる政策と掲げた以上は、そのときから私はしなければならなかったと思う。そういう点では、私は大臣にお伺いしたいのですけれども、今年の三十三年度の土木研究所の実態を見ても十分でありません。で、この点について建設大臣として技術的にどういう責任を持ってこの日本の道路行政をされようとするか、また、今のこの土木研究所について、あるいは各地建はいろいろな研究手段を講じておられます。私の仄聞するところでは、アスファルト道路については地建の研究というものはなかなか権威があると聞いておりますが、研究の実績を上げるためにどういう御方針であるか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいまお尋ねの点でありますが、私は率直に申し上げまして、もう一々ごもっともだと思います。私は建設省へ参りまして、各地方のいろいろな施設を見て回ったのでありますが、あるいは隧道の工事といい、あるいは道路の工事といい、あるいはダム建設といい、日本の他の部門の技術に比較いたしまして、非常に高水準の技術を持っておることを私は知ったのであります。ざっくばらんに言いましてすばらしい発展をしてきておるということを私は知りました。しかしお話のように、いよいよ本格的な道路の建設も始まって参りましたし、ダムその他の建設事業というものは飛躍的な発展を遂げつつあります。そういう際に、今建設省の内部を見ますと、技術者としてはすばらしい、いい技術者がたくさんおりますけれども、行政事務に追われておりまして、じっくりものを考えていくようなひまもなくなっております。従って機械的に、与えられた、今までの人たちが研究したやつを具体的にやっていくということになると、大きな間違いを起すおそれもございますし、かつまた経済的に大きなロスをやったりしますおそれもありますので、行政事務を担当するものと研究機関というものをはっきり分けて、そして研究機関をうんと一つ拡大していかなければならない。研究というものをもっと重視しまして、そして実際の行政事務を研究の方から引っ張っていくような態勢に持っていかなければ、この事態に即応することができないのではないか、こういう感じを持ちまして、来年度の予算については研究機関の拡充を相当重視しまして、あるいは土木、あるいは建築、その他建設関係の研究機関を拡充するということを重要施策の一つとして打ち出していきたい。こういう考えで、まあ予算の編成を進めておるような次第であります。 なお、ただいまお話の中に、調査の問題についての御意見がありましたが、調査についても私は全く同じような感じを持っております。これは日本の予算制度の欠点からくるかと思いますが、調査費をなかなかつけない。しかし調査こそ用意周到にやりまして、そして、たとえばダム建設などで精細な調査をやって参りますと、数億の経済的にいいましてプラスになる場合が出てくる。調査こそ非常に大事であって、慎重に調査をして、計画ができましたならば、計画は一挙に実行せしめる。むしろ調査の方に重点を置くような考え方に切りかえていかないといかぬじゃないかというふうに私は思うわけです。これは諸外国の例を見るまでもないと思いますが、そういう気分で、一つ今度は調査費もかなり重視しまして取って参りたい。そしてお話のような研究機関を拡充すると同時に、調査費も考え方を変えて、十分な予算をもらうようにして、あるいは十分には取れないかもしれませんけれども、数歩の前進をして、そして間違いのない事業を、工事をやっていくようにして参りたい、こう考えておることを申し上げておきます。
○坂本昭君 ただいま建設大臣は、調査が非常に重要だということを指摘しておられましたが、実際道路自身についてもアスファルトがいいか、あるいはセメントがいいか、私の調査して歩いた範囲内ではいろいろな議論があります。こういう点は、まだそういう研究がきわめて不十分だと、その不十分な研究の上に立って道路整備五カ年あるいは十カ年という大きな政策を打ち立てるということは、非常にその基盤が脆弱だと言わざるを得ない。で、この点については私は建設省の方は十分御承知だと思う。大臣も今説明された通りに十分知っておられると思う。要は、今度はやはり大蔵省の問題だと思う。大蔵省の皆さんが、国家百年の計を立てるために、これは超党派的な問題だと思う。国土開発というものは何も自民党、社会党の問題ではなくて、超党派的なことだと私は信じておりますが、その点で特にこの道路整備の研究について十分な、今からでも——ほんとうはおそ過ぎると思うが、今からでもおそくはありませんから、大蔵省でそれに対して十分な考慮が払われるかどうか、大蔵省のお考えを一つ承わっておきたいのです。
○説明員(佐野廣君) 大蔵省としても、もちろん今の大臣のおっしゃったように、綿密な調査のもとにやる、また調査費をできるだけ出すというようなことにつきましても、全面的に御協力をいたしたいと存じます。ことに、先ほど徳安政務次官も言われましたが、また坂本先生も御指摘のように、私どもも後進県の者でありますので、十分こういう点につきましてはかれこれ勘案いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたい、かように考えます。よく大臣にもお伝えをいたしたいと思います。
○小山邦太郎君 簡単に希望をつけ加えて、御所見を伺いたいのですが、今、道路施策を決定するのに、道路値というもの云々、これはごもっともなことなんです。さらに道路網の関係も考慮する、これもごもっともと思う。ただ大臣には、日本が面積が非常に狭くなって人口が非常にふえておるのだ。これには従来の既設の道路にとらわれないで、もっと開発ということには、先ほど坂本君からもお話しがあったが、これに一つやはり頭を大臣あたりはお持ちになって、極端に言えば、道なきところにも、これは重大なりというところには道をつけて、従って縦貫道路というものも必ずしも道路値、利用価値——目先の利用価値ということよりも、これを切り開くことによって未開発地が開発されるという大きな観点から道路政策を打ち立てていただく心がまえをお願いしたい。これは日本全体の要求で、そうでないと中央集中で、利用するところにどうしても集まる。しかしながら、利用せざるところに持っていかなければ、この狭い国土をあまねく開発するということはできないのではないか、その点、そういう希望を持ちましてお伺いいたします。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいま小山委員からのお尋ねでありますが、私は道路の問題について、就任早々から特に強調しておりましたことは、ほんとうに日本の産業の開発に役に立つ道路を作っていきたい。道路があらゆる産業、文化、その他の日本のあらゆる問題の動脈になって参りますので、その動脈として真に目的を達するようなことができるような道路を作ることをやりたいということを念願しておる次第でございます。お話の点はよく私もわかりますし、そういうことは頭の中にしっかり入れながら道路政策というものを進めて参りたいと思います。
○委員長(上林忠次君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(上林忠次君) 速記を始めて下さい。
○田中一君 先ほど道路局長並びに徳安政務次官にも質問しておったのですが、きょう国土開発縦貫自動車道建設法の第九条に規定してありますところの政令が公布されたそうでございます。これは過ぐる国会中から、政令を早く出さなければ、現在やっております小牧、吹田地区の縦貫自動車道路工事に支障をきたすのではないか、こういう要求をしておりました。七月ごろには出しますという約束を前大臣しておりましたけれども、ようやくきょう公布になったわけなんであります。この案文を拝見いたしますと、非常に今後問題になる点が多々あると思うのであります。建設省並びに大蔵省に対しましてもいろいろ質問いたしました。ただ一点この問題について、単に建設大臣という立場ばかりでなくて、少くとも内閣において閣議決定されたものでございましょうから、明確に御答弁を願いたいことがあるのです。それは、従来ともに、土地収用法に規定しておりますところの三十四の公共事業、これは実際上の補償関係は全部土地収用法にのっとってやっておったのです。ところが国土開発縦貫自動車道建設法、これはむろん遠藤さんも提案者の一人と思います。その条文では、その内容は、第九条に「損失補償と相まつ生活再建又は環境整備のための措置」をしなければならぬということになっております。従ってこの措置は、土地収用法で規定しておりますところの数々の損害補償並びにこれに関連する法律以外の措置という見方が当然さるべきものと思います。そこで、単にこの国土開発縦貫自動車道建設法のみにこの措置を行なった場合、現在行なっておりますが、こういう政令が出まして、他の三十四を数えるところの公共事業に対しましては、この法律にのっとって今回の政令第二百六十号で出たところの、この法律を適用するかどうかの問題、今までの九条の補償問題では問題を起しております。特に縦貫道路の建設の重要性から、第九条の措置がとられたものと思いますけれども、これを他の三十幾つかの公共事業にも適用するように了解事項で閣議決定されたものか、あるいはそういうことは全然気がつかないでやられたものか、おそらく気がついたと思いますが、その点に対する政府の答弁、これはむろん、この法律の所管は総理大臣が持っておりますので、その代弁者としての建設大臣の御意向を伺いたい。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいまお尋ねの九条政令の問題でありますが、実はこれはもう少し早くやらなければならぬと思っておりましたけれども、関係各省がいろいろありますし、しかも、ただいま御指摘のように、影響するところがきわめて広範でありますので、用意周到にこの打ち合せをしなければならぬということでおくれて参ったような次第でございます。 ただいまお尋ねの第一点でありますが、この政令を他の三十四の公共事業に適用するかどうかという問題については、これは国土開発縦貫自動車道建設法の政令でありますから、三十四の他の公共事業には適用をしないのであります。この国土縦貫自動車道路の建設関係にこの政令は適用する。ただこの趣旨は、これだけでもってこの縦貫道路だけにこういう趣旨でやるということでなくして、でき得る限り他の三十四の公共事業についてもこういう方向で今後はやっていかなくてはならないという含みをもって、政府としてはなるべくこういう方向でやる、こういう考え方を持っておりますことをお答えしておきます。
○田中一君 国土開発縦貫自動車道建設法、これと、他の三十四以上を数える公共事業にもこうした措置をする、前との違い方というもの、これはどの観点から、提案者かあるいは賛成者か——遠藤さんもたしか賛成者になっておるはずですから、あなたがそういうことを出されたから伺いたいと思うのですけれども、これはわれわれもこの法律案の審議はしたわけなんです。今参考人で来ておる赤木さんなどはずいぶん反対しましたけれども、私などこれは通しましたのですが、しかしながら、十分審議をしなかったということは、これは議事録を見ればわかる通り、いろいろな関係で即決してしまいました。遠藤さんの方は、あなたもたしか提案者か賛成者になっておるはずです。しかしながらどうして、他の三十幾つかの公共事業とこの縦貫自動車道建設法と、補償は同じでしょうけれども、補償に関連する生活再建または環境整備の特異性というものを盛り込まなければならなかったかということの説明を願いたいと思います。それを私が納得するばかりでなく、国民が納得しなければ、新しい混乱が起ることも覚悟しなければならぬ。われわれ野党ですから、特別にこの該当者だけに利益を——特別な優遇措置をすることはとってはならぬと思う。従って大いに国民運動を起しまして、それで他の公共事業にぶつかる者にも目をさまさせなければならぬと思うのです。しかしながら、あなたの御答弁が、私が納得し、国民が納得するものであるならば、これまた同調することも一向差しつかえないと思うのですが、一つこれは遠藤さん、簡単でございませんよ、腹をすえて、今もし御答弁ができなければ、私はもう一ぺん閣議に持ち出して態度をおきめ願うことが望ましいと思うのですが、それを今御答弁願えるならば御答弁して下さい。
○国務大臣(遠藤三郎君) その点について先ほどもちょっと申し上げました通り、とにかくこの法律にはこういう政令を出せという法律の明文がきまっておるわけです。他の公共事業についてもそういう法律が出てくれば、そういう政令が出てくれば同じようになって参りますけれども、この場合には特別に九条政令というものを法律でもって規定してありますから、この九条政令をこの法律の政令として出しました。この政令は縦貫道路の場合に適用される、こういうことでありますが、この趣旨が公共事業全体について全く同じような点がありますので、政府としては、なるべくこの趣旨でもって今後他の公共事業についてもやっていく、こういうことであります。
○田中一君 それでは今、大臣の御答弁では、この法律は当然、この事業には法律できめてあるから必ずやる。他の三十幾つかの公共事業にもこの精神で行なっていきたい、こういうように閣内の意思が決定しているというように了解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(遠藤三郎君) けっこうです。
○田中一君 安心しました。それではこの問題については質問をやめます。 そこで、できるだけ他の法律にも、しいて申しますならば、この親法であるところの土地収用法を、政府もおそらくそういう考えがあるならば、来たるべき三十国会には提案されることになると思いますので、期待しております。そうしませんと、いたずらに国民、社会に混乱を巻き起すと思いますから、私は必ず建設大臣は出すものであると期待しております。 ところで、これに関連して大蔵省の佐野政務次官に伺いますが、各公共事業に対してこのような措置がとられることは、これはむろん国民のためには望ましいことであるというふうに、あなたの方の佐藤大蔵大臣は了解したらしゅうございますから、その点はここで確認してよろしゅうございますね。
○説明員(佐野廣君) ただいま田中委員から遠藤大臣に、これを初めて御確認になったような状況にも承わりましたので、佐藤大臣も同様だろうと思いますけれども、これはどうも大蔵大臣に私も確かめてみないと正確に御返答していいか悪いか、大へん、どうも田中委員の方からお含みのあるような御発言であったものですから、非公式にでも佐藤大臣の御意向を聞いてお答えさしていただきたいと思います。
○田中一君 次に、林野庁長官に伺います。今、建設大臣並びに大蔵政務次官の答弁にあるように、あなた長い間お聞きになったでしょうから内容は御存じと思います。おそらくあなたの方で、この事業に必ずこのような措置がとられるものと私は考えておりますので、どうかあなたの行なっておりますところの事業を遂行するに当りましては、生活再建または環境整備の措置をも考慮されながら事業を遂行していただくようになると思うのですが、それに対しますところのあなたの方のお考え方を一つ伺いたいと思うのですが。
○説明員(山崎齊君) 先ほど建設大臣からもお話しがありましたように、三十四の公共事業につきましてこういう新たな措置が制定されるということになりますならば、われわれもその線に沿って実行したいと思っております。
○田中一君 法律できめないでも、閣議の了解事項としては、この精神で公共事業を行うのだということを大臣は言っております。従ってあなた、それに対してうれしく考えますか、あるいはそういうことは望ましいと考えますか。
○説明員(山崎齊君) 閣議でそういう線がきまりましてその線でいくということになれば、われわれとしてはけっこうなことだと思います。
○内村清次君 遠藤大臣にちょっと御質問いたします。きょうは道路審議会が開催される、これに臨まれるところの大臣としては、おそらくまあ就任されてあるいは初めてではないかと思うのですね、この審議会の機構が、これはあなたの諮問機関ということになっておる。しかもこの審議会の中には、まあたとえば鉄道審議会のように政党の委員というものはおらない。まあ純然たるそういった学識経験者や、あるいはまた、それに関係したところの道路と密接な関係の委員の方々が審議されておるだろうと思うのです。比較的、これは従来まあ政党の弊害というか、党利的な問題は超越しておると私は考えるのです。そこで、第二次岸内閣も、建設省関係の所管においては特にこの道路行政という問題は大きな政策の一つに掲げておるのです。この問題につきましては、これは昨日の委員会でも、これはぜひ大臣にも伺いたいという発言も私やったわけです。というのは、これは東北地方の道路を見て参りまして、非常におくれておるというようなことから、新五カ年計画ですか、いわゆる一兆億円の道路政策に対するところの年度の予算が一体どういうふうに配分されているか、あるいはこれがどういうふうに下から積み上げられた、技術的な科学的な基礎に基いた計画によって、そうして着実に進められていくかどうかという点が、真に検討されての公約、アピールであるかどうかという点をまあ大臣に質問したかったのです。たまたま、きょうは各委員の方々にも、まあこうした点の道路に対しての要望もだいぶ出ました。けっこうだと思うのですね。そこで私は、この点に対しまする大臣の新五カ年計画に対する計画性という問題については、これは一つここで大綱だけでも御方針を承わりたいということが一点と、それからこの審議会に、二級道あるいは一級道というふうに昇格する審議の対象が、先ほどのお話では三つばかり、三本ばかりしかない。こういうような話を聞いておるのですが、これでは新五カ年計画や、またはきょうまでありました道路整備の十カ年計画、あるいはまた五カ年計画と照合して見て、あまりに少いような感じがするのですね、これが。だからそういうようなことは、一体この予算と関連をされて、しかも道路関係の予算の中のどれくらいをまず充当されて、そうしてその昇格という問題が決定していく問題であるかどうかですね、こういうようなことを、審議会に臨まれる、昇格の問題等の基準を、大臣の御方針を一つ伺っておきたいと思います。 さらに第三点といたしましては、審議会は一体、年に何回お開きになるようなことになっておるのかどうか。私はまあ何といいますか、経験といたしまして、十分専門的なそういう審議会の構成はよく存じておりませんけれども、そういう経緯が、年に何回くらいお開きになって、昇格の問題その他という問題が御研究されておるかどうか、この点を一つ三点だけを御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいまお尋ねの道路五カ年計画の問題でありますが、これは前の委員会におきましては、五カ年間に九千億円の道路投資をするという大体の構想で進んで参りましたことを申し上げたことを記憶しております。その後いろいろ検討して参りまして各地方の要望もきわめて熾烈でありますし、諸般の情勢から、どうしてももう少し拡充することが適当であるということから、大体五カ年に一兆億円の道路投資をするという方向にまとまって参りました。これは五カ年計画全体をきめるときに、閣議ではきめる考えでおりますが、関係各省の間の話し合いは、大体意見が一致しておるわけであります。そこで九千億計画に対して約一千億の拡大をいたしましたので、従来の配分計画の上にさらに一千億の新しい配分計画をしなければならぬ。こういう問題になりまして、その一千億の更正の問題をずっと議論しておったのであります。近くこれは結論が出る考えでございます。なるべく早くこれを結論を出して、五カ年計画全体として閣議決定をいたしまして、そうしてその決定された計画に基いて三十四年度以降のやつは全部進める、こういう段取りにいたしたいと思っております。 第二段の道路審議会の問題と国道の昇格等の問題についてのお尋ねでありますが、この問題は、私どもの気持から申し上げますと、二級国道を一級国道に昇格し、さらに道府県道を二級国道に昇格をしたいようなものがたくさんございます。特にその関係の地元の方面の強い要望なんかたくさんあるのであります。ただそれを全部昇格して参りますと、とうてい今の予算のワクの中に入り切れませんし、しかも一級国道なら一級国道、二級国道なら二級国道というものが一応確定いたしませんと、五カ年計画というものが成り立たないのであります。計画ができないのであります。ことに一級国道においては、五カ年に大体七割五分、七五%程度の改良、舗装を完成しよう、さらにあとの二カ年間で全部やってしまおう、こういう大目標を掲げておりますので、その手前に一級国道がむやみにふえて参りますと、とうてい完成できないというようなこともあり、順序をきめて、最初の五カ年間でやるのはこれとこれだけを完成させてしまう。目標をはっきりきめていくことが、こういう場合の五カ年計画の際には非常に大事だということで、目標をきめることをまずやらなければならぬという考えで進めております。 そこで、一級国道に二級国道を昇格する問題でありますが、これは私は、いろいろ地方の事情も伺っておりましたし、それから技術的な検討についてもそれぞれの担当官の研究をずっと進めてもらっておったのでありますが、これは一つの基準を設けて、その道路が産業の上からいってどういう重要性を持っておるか、あるいは交通量の上からいってどういう利用性を持っておるか、そういうような万般の事項を調べて参りまして、きわめて冷静に事務的な結論をまず出してみる、そうしてその上に大きな判断をしていこうという考えで、技術的なその結論を出すことを進めておったのであります。その技術的な結論に基いてきょうは審議会にお諮りして、審議会の方の意見を聞いてみたいという段取りにまできておるわけであります。審議会でどういうことになりますか、私どもの方の意見も申し上げ、審議会の諸君の意見も伺って、間違いのない結論を出していきたいということを念願している次第であります。 それから審議会の構成の問題でありますが、お話のように政党的な色彩は入れないようにして、全く道路の専門家あるいは学識経験者のような方々の、利害にとらわれないような人たちの公正な意見を聞くという仕組みになっているのであります。審議会は定時的にはやってないのだろうと思いますが、必要に応じて、そのつど問題があるときに開いて意見を聞くような仕組みになっていると思います。
○委員長(上林忠次君) 本件については、本日はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上林忠次君) 御異議ないと認めます。 それでは午前中はこれで終りまして、午後は一時四十分から開きます。 午後零時四十一分休憩 ————・———— 午後二時十六分開会
○委員長(上林忠次君) これより建設委員会を再開いたします。 砂防に関する件を議題に供します。
○田中一君 先月の十一日の委員会で各派話し合った上、一度現地について山腹の崩壊状態並びに砂防工事の施行の実態等を調査しよう、というような話し合いができましたのですが、自民党から小山君、山本君、緑風会の村上先生は参加すると言って、当日都合が悪いので参加できなかったわけですが、社会党の方からは内村、坂本、小酒井、私とが参加いたしまして、八月二十八日から九月一日まで五日間長野県及び岐阜県下を視察して参ったのでありますが、先にその概要を御報告したいと思いますが、よろしゅうございますか。
○委員長(上林忠次君) けっこうです。御苦労さんでした。
○田中一君 では報告いたします。 八月二十八日朝東京を立ちまして松本に着き、まず信濃川水系の砂防工事、長野県の砂防事業につきまして、それぞれ係官から事情を聴取いたしましてから、牛伏川の砂防工事を現場視察いたしました。 同工事は明治十六年内務省土木局において施工着手、明治三十年砂防法施行に伴い、以来県営工事として施行、大正七年に一応完了したものでありますが、この間今日の金額に換算しますと、十二、三億円の工事費で山腹工事から渓流工事と一貫して実施し、今日におきましては完全に水害を防止している好例であります。 次いで信濃川水系の砂防工事として昭和七年から実施しております、犀川の上流梓川の流域について視察いたしました。上高地に近い釜ケ淵ダムは昭和十九年に完成したものでありますが、高さ二十九メートルで、この砂防ダムによって焼岳の大砂礫流出を食いとめ、大きな効果をおさめております。 なお同県下の砂防工事の進捗状態を見ますと、千曲川、犀川、富士川水系等六百十八河川についての長野県施工の進捗状態は、工事費で計画の約一五%に過ぎません。また建設省直轄施行の梓川、高瀬川について見ましても、二〇%及び一〇%という進捗の状況であります。 次いで二十九日は長野、岐阜両県の県境安房峠を越え、高原川の上流平湯川のオソブ谷等の荒廃の状況を視察いたしました。平湯町を中心としてこの地方は七月二十五、六日の豪雨で甚大な被害をこうむったのでありますが、同じく高原川支川の蒲田川について視察いたしますと、足洗谷には昭和八年ごろから砂防工事が実施されて、相当に進捗しており、また蒲田川本流には高さ二十四メートルの神坂ダムが本年完成しておりましたため、今夏の五百ミリの豪雨にもかかわらず下流の被害は僅少に終っている状況でありました。また平湯川の白谷で営林署の保安林砂防工事が行われておりましたが、不完全な施行のまま本年度で打ち切られるとの話もあり、これがこのまま放置されるときは明らかに災害の因となることが考えられますので、自後の対策が農林、建設両省の上で講ぜられる必要が痛感されました。翌三十日は平湯から小人賀川に沿う二級国道百五十八号線を通って高山に向いました。この途中駄吉では今夏の豪雨で約三百米が決壊、交通不能となり、現在は迂回路によってかろうじて交通しておりますが、同路線が高山、乗鞍、上高地、松本に通ずる観光道路であり、これが復旧とともに渓流の砂防工事の実施が必要だと思います。次いで大八賀川では生井谷に入り今後の災害状況を見、高山市に入り、さらに益田川に沿って萩原町に向いました。益田川では松尾谷の土砂流の惨状を見ましたが、ここの緊急砂防工事では、右岸はダムの上に林道を取りつけるので、右岸の護岸工事は農林省の災害復旧予算で実施する予定であるとのことでした。ついで益田川支川の山之口川に入りましたが、同河川は田ノ上に三十二、三年度で砂防ダムが完成しておりましたので、下流はほとんど被害をこうむらなかったのでありますが、上流は逆流によりまして農地が一町二、三反歩埋没し、家屋の移転等も生じ、今後の鈴ケ洞、小目出谷等五カ所の砂防工事について、地元では多少批判的な声が出ているということでありました。 三十一日はまず益田川支川の小川谷の砂防工事を視察いたしました。ここの砂防工事は明治二十三年内務省直轄で着手したものでありますが、この徹底した砂防工事により、今日では全く災害がなくなっております。ついで中津川市に入り、木曽川支川の子野川、中津川を視察いたしました。子野川の砂防工事は昭和十七年より施行に入り、三十二年度までに三十カ所を実施し、今次の水害はほとんどなかったという状況であります。一方中津川は大正三年施行以来今日まで三十数カ所施行しておりますけれども、いまだ十分なる効果を上げるまでに工事が進捗しておりませんので、今次もかなりの被害を生じております。 翌九月一日は明治九年施行し、今日では全く水害を根絶している養老山系の磐若谷、養老滝等の模範的砂防工事を視察いたしました。 以上で視察した個所を終りますが、調査の結果を結論的に申し上げますと、第一に、砂防施設を徹底して実施した所には災害は生じていないということ、逆に申しますと、砂防予算が少いために災害を繰り返していると言えますが、中津川の場合などその例だと思います。 第二は、開発のための工事や観光用道路などが最近次第に奥地に進んできておりますが、砂防事業がこれらと不可欠な事業として取り上げられておりませんため、道路が直接被害の対象となって現われてきているということであります。 第三は、砂防事業が建設省における渓流工事と農林省における山地治山事業とが、必ずしも適正に統一実施されていないということでありまして、平湯川における白谷の工事のごときその例だと思います。 第四は、砂防工事に携わる現場職員の待遇の問題であります。砂防工事は人里離れた山間僻地に数年乃至十数年にわたって行われてきているのが通例ですが、このような工事に勤務する職員の待遇に関して十分な考慮が払われていないということでありまして、改善を要することだと思います。 以上をもって報告を終ります。
○委員長(上林忠次君) どうも御苦労さまでした。 砂防については皆さんとともに急遽何とか砂防を完成しなくちゃならぬ、というようなお話を話し合ったことがありますが、その結果一行がああいうような先ほど田中さんから話があったような視察をしたんであります。でこれに対して御質問がありますならば皆さんの御質問をお願いいたします。
○田中一君 私はこの際建設省、農林省、通産省等で現在砂防工事を実施している状況、それから最近の仕事の量、個所等の代表的な事例をあげて、現況の砂防工事の実態をここで御報告を願いたいと思うんです。その上で砂防事業の将来についての決意、考え方を農林省、建設省、大臣がおらなければ政務次官から所懐をお示し願いたい。ちょうどきょうは昨日の委員会で決定せられました参考人としての赤木先生から、それに次いで砂防工事の現況に対する御意見を伺い、それから本年度あるいは昨年度等の砂防予算に対する大蔵省の考え方、いわゆる大蔵政務次官の考え方を伺ってから質疑に入りたいと思うんです。そうしてその間、自治庁あるいは行政管理庁もこの現況についての御意見があれば御意見を伺いたい。御意見がないというならば、われわれが質問いたしますから。そういう形でこれからの運営をしていただきたいと思うんですが、委員長一つお諮りを願いたいと思うんです。
○委員長(上林忠次君) 今発言者から御者意向が示されたように、この際政府のこの砂防に対する御意見——まず政府の方から砂防に関する将来の見通しとか、あるいは特に現況についてどういうようなことをやっておるかというような実情を一つお話を願いたいと思います。
○田中一君 今簡単ですけど、われわれが岐阜県下、長野県下を見てきましたことを御報告いたしましたから、これについてわれわれの考え方を四点ほどあげておりますので、これについてお話を願えればいいと思うんですが、委員長、建設省から政務次官——政務次官おらんければ河川局長から……。
○委員長(上林忠次君) それでは私お願い申し上げますが、河川局長から御意向をお話し下さい。
○説明員(山本三郎君) 建設省所管の砂防事業につきましては明治時代からやっておるわけでございますが、最近におきましては御承知の通り昭和二十八年の大水害直後に治山治水の基本対策要綱というものが作られたわけであります。基本の線といたしましてはその基本計画によりまして仕事を進めておるわけでございますが、そのうちから特に重要なものを拾い上げまして三十一年以降五カ年計画というのを作っております。これらの内容といたしましては砂防はもちろんのこと、ダム、河川改修、護岸等の事業、治水事業が含まれておるものでありますが、砂防につきましてはその五カ年計画におきましては、直轄といたしまして二十五水系、それから補助事業といたしましては六百数十河川につきまして砂防事業を行おうということにいたしておるわけでございます。そういたしまして最近の事業費といたしましては、三十三年度が事業費にいたしまして六十九億三千八百万円の事業費をもって施行いたしておるわけであります。もちろんこの事業費といたしましては、私ども建設省といたしまして作りました五カ年計画に対比いたしますと、三カ年の進捗率が約二五%という程度でございまして、五カ年計画を作成しておるわけでございますが、今の調子で進みますとやはり十年以かからないと五カ年計画もできないというような状況にあるわけでございます。 さてこういうふうな状況でやっておるのでございまして、年度の当初に砂防事業を重要な地点から配分いたしまして計画を決定いたしますが、途中で災害を受けた場合におきましては、既定予算の中に緊急砂防費というのがございまして、それを緊急の度合に応じまして年度の途中で配分いたしまして新しい工事をやるわけでございます。それが予算にいたしまして三億あるわけでございます。事業費にいたしますと四億でございます。そういうような方法でやっておるわけでございますが、私ども以上のような状況でやっておりますが、災害を受けそうである、危険でありそうだからということで要望が非常に強いというものがございまして、それらを順位の高いものからやっておるわけでございますけれども、災害のあとへ行ってみますと、やはりここにやっておきさえすれば災害は助かったのではないかというのが非常に方々に見受けられました。ことしも岐阜県に参りまして、地元のいろいろお話を聞きますと、ここに砂防事業を早くやってくれ、堰堤をやってくれと言っておったので、できた分はよかった、しかし要望の強いものが着手に至らなかったというような所に、やはり災害が発生しているわけでございまして、そういう面から見ましても、やはり現在の程度の砂防事業では災害を食いとめるには不十分であるというふうに考えておりまして三十四年度におきましては、この事業をもっともっと促進したいということで、ただいま予算の要求をいたそうということで考えておる次第でございます。
○委員長(上林忠次君) 次はこちらから御指名いたしますが、農林省林野庁長官山崎齊君にお願いいたします。
○説明員(山崎齊君) 林野庁におきます山地の保全事業の概要について申し上げたいと存じます。山林の経営を通じまして山地の保全をはかっていくということは非常に重要な問題であるのでありまして、現在の制度といたしましては河川の奥地地帯を対象として、主として保安林の制度をやっておるのであります。現在におきましては約三百万町歩の保安林の設定を終りまして、ここ二、三年の後にこれを四百万町歩にするという計画で現在進んでおるのであります。保安林に対しましてはその保全をはかるために伐採についての必要な制限を加えるということをやっておるのでありますが、この保安林と接続します地帯、これはもちろん保安林ではないのでありますが、こういう地帯の森林に対しましても、森林計画制度というものを通じまして、その伐採その他の作業について指導をしていくという考え方で現在進んでおるのであります。 治山事業につきましては、現状におきまして崩壊地が約三十万町歩程度あるのでありますが、これに対しまして最近におきます崩壊荒廃地の発生面積が約四千町歩足らずでありまして、また年々復旧いたしております面積が約七千町歩という程度になっておる状態であります。で、林野庁の行なっております治山事業は、渓流に対しまして簡易なダムを築造して、その次の段階といたしまして崩壊地の乗り切りをいたしまして、その乗り切りました面に対して造林その他の事業を行うという形でやっておるのであります。年々の予算を見てみますと、渓流工事につぎ込まれます経費が全体の約四割、山腹工事につぎ込まれます工事費が約六割というふうな状態になっておるのであります。 治山事業の現在までの推移を簡単に申し上げますと、治山治水基本対策要綱によります計画といたしましては、全体計画が約二千億円の工事費を要すると計画しておるのでありますが、これに対しまして二十九年から三十三年度までに投じました資金がそれの約一三%程度になっておるのであります。その進度は、先ほど建設省からお話のありましたように、きわめて遅々たるものであるということが言えるのであります。 今後の治山事業といたしましては、新しい経済五カ年計画に従いまして三十三年度から三十七年の五カ年間に、現存いたします崩壊地の中でそれを放置します場合は、民生その他に重要な影響があり緊急に復旧を要すべきもの、約全体量の三〇%をこの五カ年間に復旧したいという計画で現在進んでおる次第であります。 以上であります。
○委員長(上林忠次君) ちょっと速記やめて。 〔速記中止〕
○委員長(上林忠次君) それでは速記をつけて。 先ほどに続きまして次に赤木さんから一つ砂防予算について御意向をお聞きしたいと思いますが、どうぞよろしく。
○参考人(赤木正雄君) 砂防のことにつきまして参議院の建設委員会でいろいろと御審議になられておる、これはおそらく災害に悩む三千余りの市町村は大へん心から喜ぶと思います。従いまして私は今砂防の予算とおっしゃいましたから、少し古いときの砂防の予算を一通り申したいと思います。 たとえて申しますと、明治十四年に淀川の本川改修費六万円のうち四万円を砂防費に用いている。これを現今と比較すると大へん相違がありますが、しかしその当時日本の治水を指導してきたオランダ人デレーケは、改修より治山に重きを置くべきとしたのが砂防であります。従ってこのデレーケの建白書、つまりその当時の記事によりましても、ちょっと読みますと、 「淀川及諸川流域本年度(本年七月一日を以て始とす)工費凡六万円の内二万円を以て淀川改修費となし其余を諸川流域の砂防費に当られたりと聞く拙者今回改修工事の現況を親しく審査するに流砂の莫大なるに因て工事上大に困難を極めり故に拙者不得止貴下に対し工費増額の事を更に請求せんとす砂防工費は改修工費の四倍より下るべからず即ち河工に二万円を支給すれば八万円を以て砂防工に充つへし万一前額増額の難きに於ては金額六万円とせば一万二千円を以て改修費とし砂防工費に四万八千円を支給すへし然れ共他日流砂の稍減少するに及んては之を旧に復するを得へし淀川流域の人民勉めて山林を保護し現今の惨状を快復するの方向に進まん事企望に堪へす亦た大阪市街の住民と雖も到底砂害の及ぶ所水源の人民と差異なかるへし 千八百八十一年八月三十日 工師ヨハデレーケ 石井内務大書記殿」 こういうふうにしてとにかく日本で明治以来治水工事をやったときには砂防を重点的においたのはこの記事で明らかであります。 さて、先ほど予算をどうするかという御質問でありますからして最近の予算のことでありますが、御承知の通り災害の起った際には、おそらくだれでも、どういう方法をやってくれてもいいから再び災害が起らないようにしてくれと、これが一般の要望でございます。従って昭和二十八年にあの北九州なり京都、和歌山方面に大水吉が起った際に、その当時国会にも災害対策委員会を特に設けられましたが、緒方副総理が会長になりまして、建設大臣、大蔵大臣、自治庁長官、農林大臣、その他学識経験者が寄りまして、こういうふうに災害が年々あってはたまらぬから、これでは幾らやっても国の財産が流れるばかりであるから、災害が起らぬように根本の治水計画を立てようではないかというので、内閣におきまして治山治水基本対策要綱というのができております。先ほど申しました通りに、自分の家なり自分の畑が災害にあったときには、どうでもいいから再び災害にかからぬようにしてくれというのが、これが人情でございます。これと同じような考えでこの治山治水基本対策要綱は——そのときには自民党でありましたが、これは政党政派の問題ではない、またどうしたらこの災害を再び起らぬようにすることができるかというので、建設省なり農林省からも多くの資材を取り寄せて、その要綱が昭和二十八年の十月十六日にできたのであります。 その要綱を見ますと、これは林野関係、河川関係と二つに大別することができますが、林野関係の方におきましてはその事業費が六千九百五十九億円、建設関係の河川及び砂防におきましては一兆一千六百九十一億であります。このうちで直轄河川、特殊河川、中小河川、局部河川、いわゆる河川関係のものは六千百九十三億円、それからダム関係、これは直轄も補助もありますが、これが千六百七十三億、砂防が直轄と補助を加えまして三千八百二十五億、合計一兆一千六百九十一億、こうなっております。そうしてそのとき皆さん委員の結論といたしましては、今回水害に対して砂防をやった所はてきめんに災害を防げる、今まで砂防の施設が非常に不十分であった、だから砂防を重点的にやろうというのが皆さんの結論でありました。従ってこの河川及び砂防関係の費用につきましても、これらの工事を十カ年、砂防のごときは九カ年、これほど砂防に重点を置かれたのであります。先ほどもたびたび申している通りに、何とかして災害を再び起さぬようにしようという意思以外に何らありませんから、その当時の考えは、実にまじめに、水害をどうしてなくするかということに発足したのであります。 しかし、その後この予算がどういうふうに実行されているか、それを見ますと、二十九年、三十年におきまして、砂防関係は百三十八億、ダム関係は百七十七億、河川関係は三百六十四億でありました。また昭和三十一年から三十五年まで建設省では五カ年計画をお立てになっております。これに対して、砂防の全体の事業は八百三十七億、ダムは五百五十七億、河川関係は一千六百七億。これをまた年度ごとに申しますと、三十一年度の砂防は百二十九億、三十二年度は百三十七億、三十二年度が百五十二億、三十四年度が百八十四億、三十五年度が二百三十五億。またダムの方は三十一年度が百二十四億、三十二年度が百十一億、三十三年度が百十億、三十四年度が百三億、三十五年度が百九億。河川は全体が一千六百七億で、三十一年度が二百六十四億、三十二年度が三百一億、三十三年度が三百二十八億、三十四年度が三百五十億、三十五年度が三百六十四億、こういうふうな計画をお立てになりました。 私はちょうどその当時参議院にいましたから、やはりこの参議院の建設委員会におきましてこの総額の砂防、ダム、河川というものが——基本計画に対する砂防の率が非常に少い。またこの毎年々々の計画が特に砂防におきましては、三十一年、三十二年、三十三年、三十四年、三十五年と非常にしり上りになっております。果してこういうことが実行できるか、それをこの委員会で建設御当局に質問いたしました。その御答弁がいつもこの計画は最後には必ずすると、この割当年度内にはすると、こういうふうの御答弁でありました。しかしこれが実行に移された結果を見ますと、砂防は三十一年で六十八億、三十二年で七十億、三十三年では六十九億、またダムは三十一年で九十一億、三十二年で九十七億、三十三年で九十四億、河川は三十一年で百七十九億、三十二年で百八十八億、三十三年で二百二億施行されております。従ってこの五カ年計画はどういうふうなパーセンテージになっているかと言うならば、実に砂防に対するパーセンテージは少い。砂防は基本計画に対してわずかに七・二%、ダムは二一・八%、河川は一一・八%。私はダムができることは賛成です。河川もできることは賛成であります。しかしあの基本計画を作る場合に、砂防を最も重点的に早くせんならぬと委員会皆の決議にあるにかかわらず、その結果はこういうことになった。その当時は大蔵大臣も委員であります。自治庁長官も委員であります。建設大臣も委員であります。それでありながら、私は、これはよし大臣はかわっても、来る災害に対しては同じ責任をもってなさるべきが、国民に対する忠実なる責務だと思っておりました。その結果がこういうふうになっている。私はたびたび大蔵省に伺いまして、なぜ砂防を取って下さらぬかと言いますと、砂防の経済効果がどうもない——これはいつも私は大蔵御当局から承わるのであります。これは非常に情ない。 古いことでありますが、昭和十三年にあの神戸を中心とする六甲周辺には大へんな水害が起った。その前昭和十年に、やはり六甲の一部の仁川に大へん水害が起ったのであります。それで私は六甲山全体を調査して、ちょうどあすこから二十五の川が出ていますから、その二十五の川を治めるには砂防工事費が幾ら要るか、百六十五万七千円、その金を大蔵省に要求しましたところ、二十三万円だけ砂防費をもらったのであります。その二十三万円で仁川に完全に砂防を施行しました。また芦屋川の一部に仕事をしたところが、十三年の水害で仁川は何ら被害がない。また芦屋川はあのほかの河川に比べて非常に災害は少かった。しかし全体としましては、神戸市だけで実に三億に達する災害をこうむっている。もしも大蔵省が百六十五億七千万円お出し下すったならば、どういう結果になったろうか。私はこれはあなた方の御批判にまちたい。 こういう例がたくさんある。本年の水害にかんがみましても、私らのところにきます——これはたとえば石川県の水害——石川県は昭和七年に大へんな水害で多くの人が死にました。ところが本年はやはりこの七月二十六日の出水は、先年とあまり変らないような大洪水であった。しかるにこの一の瀬に堰堤があったために、ほとんど下流に被害がなかったという喜びの手紙、写真が私の手もとに来ている。こういう例はたくさんあります。これを私は十分砂防の予算の上から勘案いたしますと、経済効果と言われますと、すぐどれがいいということは言えませんかしりませんが、砂防をやった河川はとにかく被害がない。災害がない。これに反して、砂防をやらぬ河川は同じような雨に対して非常に水害があった、こういう事実が各所にある。 また今後の五カ年計画に対して、私の承わっているところによれば、あるいは砂防、ダム、河川に対して本年度を新しく五カ年計画の基礎として、三十三、四、五、六、七とこういうふうな五カ年計画ができるやに承わっていますが、まあ本年度は先ほども申した通りに、砂防は三十三年度六十九億、三十四年度が百二十四億、三十五年度が百五十八億、三十六年度は二百十二億、三十七年度は二百七十四億、ダムは三十三年度は九十四億、三十四年度は百六十五億、三十五、三十六、三十七年度は同じく百六十五億、河川は三十三年度は二百二億、三十四年度は三百六十二億、三十五年度は三百七十一億、三十六年度は三百七十八億、三十七年度は三百八十七億、これも私はいずれにいたしましてもみな水害に役立つ、あるいは一部は利用厚生に役立つダムでありますから、仕事のできることはこれは国民として願いますが、あの基本計画にきめてありながらなぜ砂防だけをまたかようにしり回しになさるのか、その意図が砂防に関係した私の経験から考えまして納得しがたい点であります。 お話を申し上げたいことがたくさんありますが、御質問に応じたいと思います。
○委員長(上林忠次君) またこちらから御指名申し上げまして失礼ですけれども、砂防事業の将来についての決意というようなことで、一つ建設大臣から御意向をお話願いたいと思います。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいま赤木さんの御意見を伺っておりまして、私はほんとうに感激をして聞いておったのであります。 今年度の災害につきましては、私はでき得る限り時間の都合をつけて現地を回って歩いたのであります。おっしゃる通りに砂防のよくできている地帯は災害がほとんど皆無に近い。ところができておらない所は非常な災害を受けております。私はかねがね申し上げておりましたように、治山治水の問題は政治のかつてはもう全部であった、今日においても基本問題であるということをこれは申し上げなくちゃならぬと思うのであります。私は今回の岸内閣におきましても、この問題をでき得る限り大きく取り上げまして、そうして国家の大きな災害を未然に防ぐという措置を講じなければならぬと思っておりますので、今回の予算編成に際しましていろいろ考えてみたのでありますが、やはり計画的にやることがいいであろう、ただいま五カ年計画についての御意見もございましたが、その御意見まことにごもっともであります。しかし何としてもこれをやっていくために年次別の計画によってだんだん積み重ねていく、そうしてこの治山治水の目的を達成するように前進をしたい、こういう考え方で進めておるのであります。一応五カ年計画で三千五百億の投資を考えておるわけでありますが、御承知のように、年々日本の災害は過去十年間くらいの平均をしてみましても、二千四百億円以上の損害になっております。この五カ年計画で三千五百億の投資をして参りますと、大体大ざっぱにいいまして一千億円程度の災害を未然に防ぐことができる、こういうような計算さえも成り立つのであります。これは国民経済の上からいいまして非常に大事な問題であることはもちろんでありますが、国家経済の見地からいいましても三千五百億円の投資に対して一千億円のプラスが出て参りますから、国家経済的に見てもきわめて有利な投資であるということを私は確信をするものであります。従いまして今回の三十四年度の予算におきましても、この河川関係の費用に対しては私も全力を尽して一つやってみたいと思っております。その河川関係のうちの内容の問題については皆さん方の技術的な意見を伺い、最も効率的なやり方をやっていくようにしたいと思っておるわけでございます。その点は何分の一つ御援助をお願いしたい、これは国家のために最も大事な問題でありますから、国会と私は政府と一体になって一つやって皆さんの御援助を一つお願いしたいと思っておるわけであります。 先ほど赤木さんの御意見の中に、新らしい五カ年計画においてしり上りに予算が多くなっているというお話であります。その点はおっしゃる通りであります。確かにそこに問題がございます。が、財源問題を別の角度から新しく工夫をしてみる必要がありはしないかということで、その研究を今事務的にやらしているわけであります。その結論を今申し上げるまでの段階に達しておりませんが、何とかしてこの計画を進めて参りたい、そういう熱意をもって今当面しておりますことを申し上げておきたいと思うのであります。
○委員長(上林忠次君) 皆さんからいろいろ御意見、砂防問題に関する御意向をお聞きしたのでありますけれども、各委員からの質問によってまたこまかいお話を伺うことにいたしまして、ただいま出席されている人たちは、建設大臣遠藤三郎君、河川局長山本三郎君、大蔵政務次官佐野廣君、大蔵省主計官松永勇君、次に林野庁長官山崎齊君、行政管理局長岡部史郎君、通産省審議官畠山正君の各位が政府から出席されております。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○内村清次君 大蔵省の意見は……。
○委員長(上林忠次君) ちょっと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(上林忠次君) 速記を始めて。
○坂本昭君 最初に河川局長からいろいろと伺いたいと思います。 私たちは先般砂防ダムの調査に行きまして、まことにお恥かしいことながら、私たちというよりも私は初めて砂防ということの意味がよくわかったんであります。従来私は山が好きでずいぶん山を歩いておったんです。その山の渓流にいろいろなダムが作られているということを知っておったけれども、どういう意味があるということを知らなかった。今度初めてこの国土保全、それも百年二百年という日本の国土保全の上において、砂防がいかに必要であるかということを痛切に教えられました。そういう点で私は今度の調査に当って、その計画を立てられた建設省当局の方に大いにお礼を申し上けたいと思うんです。ただそこで非常に疑問に思った点は、まず第一に、なぜわれわれが砂防のことについて知らなかったか、一つには確かに山の中の人があまり行かない所である。全く縁の下の力持ちといいますけれどもこういう事業について知られないということ、特に政治家にとってこの砂防工事の行われる所には、政治家の一番対象とする票が殆んどないんです。だからですね、結局砂防工事あるいはその現場というものについて殆んど認識がない。このことは実際われわれもまことにお恥かしい次第であったことを率直に告白したいと思います。ところがいろいろと今までの砂防の工事の実施状況を見、さらにまた赤木参考人から今御説明のあったダムの予算の実施の状況を見て、私たちが一番端的に疑問に思った点は、河川局長の所管される砂防、ダム、河川改修、この仕事の中でダム工事の進捗率がきわだってよろしいということです。新しい五カ年計画のでき上ったときの進捗率を見ますと、ダム工事は五八%程度、それに比較して砂防工事はその半分にも至らない二四%以下、なぜこういうふうなアンバランスができたか、私はこのことについて技術的な御説明を承わりたい。私の足りない知識で考えてみますと、何かこれは砂防工事もやってもいいかもしれぬが、ダム工事をやれば砂防工事を補う面があるのじゃないか。だからダム工事をどんどんやっていけば砂防工事をやらなくても済む、という技術的な面があるいはあるのじゃないか。そういうことも私しろうととして考えるのですが、ダム工事の進捗率が非常によくて、砂防工事の進捗率がきわめて悪い。ダム工事がいいということもちょっと言葉が悪いのですが、十カ年計画から見ますと必ずしもよくないのですが、砂防工事の進捗率がきわめて悪いということの理由、なぜそういうふうな計画を河川局として立てておられるか、御説明いただきたい。
○説明員(山本三郎君) これはおっしゃるように現在の姿におきましてはダムが一番進捗率がいいわけでございまして、これは私がなりましてからだけの問題ではございませんで、二十八年に立てられてからの実績の積み上げがこういうことになっているわけであります。御承知のように砂防の重要性というもの、われわれといたしましては重要視しているわけでございますが、当時の状況は、この基本対策を作りましたときにおきましてはダムというものが個所数が非常にわりと少なかった。その後非常に水に対する要望が強くなってきた。それに一度ダムというものは着手しますとなかなか工事の段取りから放っておけない。少くも三年か四年でやってしまわなければならぬ。そうしないと非常に電気事業や何かがくっついておりますから、投資の効率が悪くなる、あまり長く長引くと。そういう面からダムが非常に採算面から強調されたというような点がございまして、平均的にいくべきものが、ダムは一般的におそいわけでございますけれども、ダムは比較的そういう面から推進されたというふうに私は考えております。砂防につきましては、やはり先生おっしゃるように、地域の要望というものが非常に強いわけでございます。しかも効果というものが非常に多いわけでございますけれども、やはり何と申しましてもわれわれが宣伝と申しますか、よくお話をしまして認識していただくという面も足りない面もございますけれども、先ほどお話のありましたようになかなか山の中には見ていただく方も少い。またダム等は個所数が少いものですからやはり見ていただく方も多いわけでございますけれども、砂防につきましてはやはり認識が非常に少いのではないか。もちろんわれわれの努力が足りないということも合わさってこういう結果になったのだというふうに考えております。
○坂本昭君 局長がそういうお考えでははなはだ残念です。われわれしろうとだから目に見える採算に合うようなものをできるだけ促進しよう、というふうにわれわれがなるならともかくも、局長がそういうようなことで、このようにおくれている砂防工事の予算を、今まで宣伝が足りなかったということで、はなはだ遺憾であるということで片づけられたのでは、はなはだ残念であります。先般いただいた多目的ダム効果についての河川局の事業概要の報告書がございます。この中にもいろいろと説明がありますが、多目的ダムというものについては洪水調節、それから発電及び灌漑、工業用水道、上水道、こういうことが目的になっていることがはっきり示されていますが、この中で洪水調節ということは、これは砂防工事とそれから多目的ダムと両方おのずから相重なる面がたくさんあると思うのです。だからもし、多目的ダムの工事によって砂防工事をやらなくてもいいという理由があるならば、こういう進捗率の非常に低いということの説明をわれわれも納得することができる。しかし、むしろ多目的ダムも洪水調節をして、有効適切ならしめるためには、さらに砂防工事が必要である、そういうふうな見解もわれわれのこのたびの調査によっても生まれてきている。実はきのうの委員会でも各省間の事業の調整ということについて局長に質問しましたところ、かなりうまくやっているというふうな御説明がありましたが、しかし行政管理庁の指摘したところによると、具体的に山形県の野川河川総合開発事業の実例、これについて見ると、三億二千万円の工費をかけて完成したダムがわずか十カ年間で使用不能になっている。その使用不能になった理由は、流出土砂量の測定調査が不十分であったためである。要するにこれは上流からの流出土砂がダムを埋めてしまったということですね。こういうことについては私のようなしろうとでも、すでに北海道大学の中谷教授が、ずいぶん前にたしか「文芸春秋」に随筆的な論文を出された私は記憶がある。真にダムがその有効な働きをするためには、上流における砂防工事こそもっと必要ではないか、だからきのうもお尋ねした通り、電源開発に当っては単に電源開発だけの問題ではなく、砂防工事、こういうことの調整連絡を十分とるべきではないか、そのことをきのうもお尋ねした。実際行政管理庁はその点を指摘している。で私は特にだから、この河川局で実施している砂防、ダム関係についてどこまで局長としてそれを十分把握しておられるか、御説明をいただきたい。
○説明員(山本三郎君) ダムの計画を立てるに当りましては、その川におきましてダムを作った場合に、どのくらい堆砂が進んでいくかという点を従来の資料等に基きましてやりまして、計算をいたすわけでございますが、今の野川の実例におきまして、当初想定したよりも最近の流下している土砂が多いというような点は、私どもも認めておるわけでございます。しかし野川ダムが現状におきまして使用不能になったというようなことではございませんで、従来考えておりました流出土砂量よりも最近におきましては多くなってきておる、という点は認めておるわけでございまして、これらに対しましては至急それらの原因をなすものを除去し、あるいは砂防等の施設をやりまして、埋没対策をやらなければならぬというふうに考えておるわけでございます。 野川につきましては、御承知かもしれませんが相当の土砂の問題もございましたので、これは砂防と河水等の事業を両方兼ね合せてやった事業でございまして、相当の土砂は出てくるということは考えておったわけでございますが、当初に考えたよりも最近は多いというようなことで、この対策を検討いたしまして改善しなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
○坂本昭君 そうしますと、技術的にいって多目的ダムあるいは電源開発のダムを作った場合に、従来われわれが電気関係の人からの説明を聞いたところでは、別にこの土砂によって埋もれていくというようなことは起らない。従ってそういう心配は要らないということを説明されてきましたけれども、そのことについて技術的に局長はどういう見解を持っておりますか。
○説明員(山本三郎君) ダムを作りますと、やはり川の流れに変化を与えるわけでございまして、従来相当の流す力を持っておったのが、ダムによりまして水が貯えられますから、その中に土砂が堆積するということはもう必ず起る問題でございます。そうしてそのダムを計画する場合におきましては、多目的ダム等におきましてはその川の実情を調べるだけ調べまして、何年間にどれだけ土砂がくるだろうということを想定いたしまして、これは堆積土砂量に相当する容量をとっておきます。それは使わない容量として保留しておくわけであります。従いましてまあ計画的にそういうものはもうあらかじめとっておくということにしております。それから電源開発のダムにおきましても、事業者がこれを計画するわけでございますけれども、それらのダムが何年間で埋まるだろうというようなことは、電力会社におきましても見当はつけております。決してこれが全然埋まらないというようなことを考えておるわけではございません。しかし場所によりますとその想定が非常に間違っておりまして、急速に埋まったというような例は相当あるわけでございます。それらが当初の想定が間違っておったか、あるいはその当時としてはそこまでなかなか調べができなかったというような結果、当初想定したよりもよけいにたまったというような例は相当あるわけでございます。しかしまあこれらの問題につきましても、できるだけ的確な資料をとって計画をいたしますし、また堆砂によりまして機能が全うできないというようなことになりますと大問題でございますので、それらに対する対策は当然考えていかなければならぬというふうに考えております。
○坂本昭君 今のこの電源開発のダムの場合に、百年間に堆積する堆砂容量というものを初めから考えておるということは、これはもう当然でしょうが、実際はこの間調査しましたときの神坂堰堤、これはもちろんその電源のための堰堤じゃなくて砂防ダムですけれども、ここに起っている現象を見ると、ダムの何といいますか手前の所の今の堆砂している場所ですね、そこにどんどんたまるよりもずっと手前の所からどんどんたまっていっておる。そして川底がずっと上っているわけです。だからもし洪水がある場合には川底がずっと上の方で上っていて、上の方に被害が起っている現象が起っている。これはたまたま神坂堰堤という砂防ダムについて見られた事実ですけれども、こういう現象はすべての電源開発のダムの場合において起り得ると思う。私の言いたいことは、こういう多目的ダムというものは砂防工事と無関係にあり得ないということなんですね。むしろ今あなたの言われるように採算の合うところの電源開発のためのダムを作るにしても、また多目的ダムを作るにしても砂防工事をやらなければ意味がないということになるんじゃないか。とすればダム工事をどんどんこうやって進捗させていくならば、同時に砂防工事もやらなければダムの本来の使命を発揮することはできない。それがこんなに少いということははなはだけしからんじゃないか。まあ局長はどうもPRが足りなかったためにこういうことになったんだということだけで事を済まされるとするならば、それはもう論外ですけれども、やはりこの点はっきりしておく必要があると思うのです。で、当然砂防工事とそれから多目的ダム工事とは全然別個に、むしろ砂防工事の方がより重大性を持って施行さるべきじゃないか。そのことについての局長の決意と技術的な信念がどうも見られぬように思ってはなはだ残念に思うんです。重ねてその点お尋ねいたします。
○説明員(山本三郎君) 多目的ダムが埋まっていくという問題は、機能を喪失いたしますわけでございますから、計画に非常なそごをきたす場合もございます。しかし全部の多目的ダムがそういうようなことであるということにはならないわけでございまして、野川のごときはいろいろの条件が重なりましてそういうことになったわけでございまして、これらの問題につきましてはもちろん総合的に考えましてやらなければならぬ。それからまた山の広い非常に悪いような所につきましては、ダムを作る前に山を治めてやらなければならぬということは当然でございます。従いまして非常に土砂量の多いような所には、まず多目的ダムを作るということはいけない、というふうに考えておる次第でございます。
○坂本昭君 ただいまの問題について行政管理庁と、通産省の審議官がきておられましたね、ただいまの問題についての御意見を聞かしていただきたいと思うのです。
○田中一君 答弁する前に関連して、私からもあわせて質問しておきますが、堰堤を作るとすれば必ず土砂が堆積するということは事実なんです。これはしかし山腹砂防をやっておけば堆積する量がうんと少いということも事実なんですね。われわれ今度見てきておるのです。そこでたまっておるものをどうするかということを通産省で考えなければならぬと思う。たまっておるものをどうするかということ、目的の用途が達成されないということになるならばどうするか。 それから行政管理庁に伺いたいのは、あなた方は今いろいろ調べてきた。農林、建設でやっておるところの砂防工事並びに同一水系の仕事のやり口、その効果、それから総合性のありやなしやの点等を、あわせて答弁してほしいと思うのです。
○説明員(岡部史郎君) 行政管理庁といたしましては、最近おもな河川につきまして水系別に公共事業の監察を行いまして、その結果につきまして関係省に勧告いたした次第でございますが、ただいまの御質問はその内容についてのお尋ねでございますので、その詳細はただいま監察局の担当官を至急呼び出しておりますから、ちょっとお待ち願いたいと思いますけれども、時間をつぶしても何ですから私から申し上げますと、この監察の趣旨は、水系を全体として見た公共事業の中における各分野におきまして、事業の遂行上各事業間に十分調整がとれているかどうかというような点につきまして監察いたしました結果、その間において必ずしも十分と言いがたい点が多々あるということを、実際の資料につきまして指摘しその改善方を勧告している状態でございます。
○委員長(上林忠次君) 次に通産省審議官の畠山君にお願いします。
○説明員(畠山正君) お答えいたします。ただいま御質問のありましたダムが埋まる問題でございますが、電源開発用ダムは、いわゆる有効容量というものが発生する電力量の質をきめるわけでございます。従いまして有効な容量が堆砂によりまして残りますと、質が悪い電気になってしまうということでございますから、上流地方に砂防なり治山なり完全にできて参りますことは、電力経済上からもありがたいことだと考えております。
○坂本昭君 今通産省の方が技術的な問題に触れているのですが、どうも今の説明では少し納得できない点があるんですね。土砂はなるほどたまる。たまるけれども特に堰堤よりもずっと上流の方からたまってくる。そのために上流の方に洪水の危険がずいぶんあるのです。だから、そういうふうなたまり方をしているという事実が第一と、それからかなり土砂がたまっているという現在の各地のダムの実情と、この二つについて御答弁いただきたい。特に後者の面については、私は、現在ある各地のダムについてどういうふうに土砂が堆積して将来どういう見通しであるか、という資料も実は出していただきたい。今の二つの点についてもう一ぺん御説明いただきたい。
○説明員(畠山正君) それではお答え申し上げます。上流地方から土砂がたまる傾向ということは確かにございます。それでまたダムができたためにそれを助長したということもあるかと存じます。これはでき上ったダムで、先ほども御質問ありましたように、この土砂をどうするかという問題で今いろいろ検討しているダムもあることも事実でございます。結局はこの土砂を下流に吐くということを技術的にどういうふうに可能にしていくか、ということに問題点が今しぼられております。 それから、後者の方の御質問は全国的にダムの堆砂の状況はどうか、という御質問かと思います。毎年々々電源開発用のダムにつきましては土砂の堆積の変化を調べさしておりまして、これの報告が参りますのでございますが、本日その資料を整備しておりませんので後刻当委員会に御提出したいと思います。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいまの御質問に対して関係各省からそれぞれ答弁がありましたが、私はこういうふうに考えておるのであります。今回の岐阜県の水害も私は山の奥まで行って見て参りました。そして確かに一番奥の砂防からやらなきゃいかんということは、もうはっきりしているわけでございます。 そこで、ダムとの関係でありますが、これは行政管理庁も指摘しておれますように、あれは非常にいいところを指摘しておると思います。ダムを作る場合に砂防の方が手おくれになっておる、これは事実私はあると思います。私も岐阜県のあるダムを見て参りましたが、そういう事実がもうはっきりしておるわけであります。そこで、そういう問題はまず第一に砂防をやるんだということが第一。とにかくダムの上流の小さな河川の奥まで砂防をきちっとやらなきゃいかん。これはもうどうしてもやらなきゃいかんということが一つであります。そしてそれをやる場合に、関係各省がいろいろ消極的あるいは積極的のなわ張り争いなんかやって、場合によっては両方とも遠慮してしまってやらなかったり、そういうようなことが確かにあるんじゃないか。これは行政管理庁は非常にいいところを指摘しておると思うのであります。しかし政府としてはこれは許されないことであります。これはもう、もう少し行政管理庁の意見をすなおに聞いて、そして悪いところは直させようと思います。そして相互に連絡をとって、機構改革の問題までいくかどうかこれは別問題でありますが、今の機構でも連絡をとって、そして互いに一つの目的に向って努力するような気持を持ち合っていけば、できることだと私は思う。で、政府としましては、関係各省一体になってこういう問題の解決を促進しなくちゃならんと、こう思っておるのであります。私は行政管理庁の意見に対して一つも弁解をするような気持はないのであります。あの勧告をすんなり受けてそして悪いところは悪いと、こういうことで各省一体になって改善をしていくという態度で臨みたいと思っております。この問題は、機会を見て閣議でも私は発言をしました、それで少し連絡が足りない、確かにその事実があるということを私ははっきり申し上げました。そして、政府一体の原則で地元のいろんな不都合な現象が現われておることを直していくようにしたい、こういう考えでおることを申し上げておきたいと思います。これは私は国務大臣として申し上げておきたいと思うのであります。 さきほど来の質問の中に砂防が大事かダムが大事かというようなことがありましたが、実は私はずうっと災害地を見て歩きまして確かに砂防が優先しなくちゃならぬということがわかるのでありますけれども、砂防を先にやれという声はなかなか出てこない。私自身が行って砂防をやらなきゃだめだ、砂防をやらなきゃだめだ、ということをもう年じゅう行って騒いできたようなことであります。ところが今年度の災害を見ておりますと、ダムの効果が非常に発揮されております。灌漑についてダムが適時に水を放流しまして農業用水を供給し、あるいは工業用水さらにまた飲料水の放出等について適時にやりましたために、ダムが非常に効果を発揮して各所にダム建設の声が起きております。私の所ヘダムを造れ、ダムを造れという声が非常に殺到しております、今年度は。ダムの効果についての認識はもう非常に高まってきております。したがって、ダム建設も私はやらなきゃならぬと思います。今年度もダム建設を大いにやろうと思います。しかし同時に、あんまり声は高くないけれども、気がつかないでおるような大事な砂防を大いにやろうということ、砂防をやらなけりゃダム問題も解決しないのであります。おっしゃる通り、ダムを造ってその上流の砂防をやっておらなければ埋まっちまうにきまっておるのであります。ダムの効果がゼロになってしまうのはさまっておるのであります。そういうことをそのまま放置しておいたのでは全く意味のない行政だと思いますので、そこらを掘り下げてきちっと進めてみたい、こう思っていますことを申し上げておきたいと思います。
○山本利壽君 ちょうど大臣も砂防工事、ダム工事あたりが各省でなわ張り争いをしてはいけないということを大いにお認めになっておりますので、ちょっと関連してお尋ねをしたいと思います。それは、林野庁の長官も見えておりますし、建設大臣みずから農林省の方にも非常に深い造詣を持っておられますのでお尋ねするわけですが、この間視察したときに、農林省関係の砂防工事とそうして建設省関係の砂防工事の問題について、いろいろ現地で尋ねたのですが、建設省関係の方の現地の係官の話では、農林省関係の方は全く別途の目的でやっておられるので、われわれの方とはちょっと関係がない、あるいはそれを実際に見に行くことも、よその工事の所へ入り込んであれこれ言うのも遠慮だから見ない、といったような程度の話もあった所もあるし、また長野県の方面では十分に連絡をとってうまくやっておりますという所もあったわけですが、これは農林省関係の砂防工事というものが建設省関係の砂防工事というものと全く別個のものであるならば、私はここにそう統一ということをやかましく言う必要もないと思います。農林省関係として山なら山、あるいは田畑等について、それは別個のものであるならば、それはそれで大いに予算を取って盛んにやればいい。また建設省関係の砂防工事も必要であるからこれも予算をどんどん取ってやればいいと思う。けれども非常に密接な関係があるものであれば、私はそれを今まで専門違いですから知らないのでお尋ねするのですが、これは上流下流とかいったような関係だけであって根本的に非常に密接な関係があるならばこれは砂防庁というようなものに統一してそれが建設省に属そうとあるいは農林省に属そうと、そこのところは研究の結果によるものでしょうが、とにかく農林省関係で砂防の必要なことはそこへ願い、建設省関係で必要なこともそこへ願って、一挙にまとめて砂防工事というものはやるようなそういう機関を作った方がいいものかどうか、そこのところについて大臣及び林野庁の長官、河川局長あたりから御意見をいただきたい。
○国務大臣(遠藤三郎君) 砂防の関係の行政機構の問題についてのお尋ねでありますが、私はこういうふうに思っておるわけでございます。行政機構を考え直すということも一つの考えでありますけれども、今の機構でもやれると思うのであります。それは上流からここまでは農林省がやるのだ、これから下は建設省がやるのだというような場合に、両方の担当のものがきまして、ここから上はそれではこういうような式でやってもらいたい、それでは下はこういうような式でやるからということの話し合いができないことはない。そういう機運を作っていくことが大事で、話し合っていけば対象は同じ河川なんでありますからできないわけはないのであります。同じ学校を出てきた技術者が集まってきたのですから、そうか、それではお前の方はこういうふうにやれ、おれの方はこういうふうにやるからというので、一緒にやろう、片方ができても片方ができていませんと非常に大きな災害が起きますから、これ一本一緒にやろうじゃないか、こういうような話し合いをやろうと思えばできると私は思うのであります。そういう連絡が足りない。それをやっていって、どうしてもいかぬときには機構問題に触れてもいいと思うのでありますけれども、現在でもやればやれるのでありますから、そういうことを両省の関係の人たちに徹底することが今まで十分でない、私はこう思っているわけであります。大いに徹底をさして円滑に総合的な事業をやらせるようにしたい、こういう考えでございます。
○小山邦太郎君 ただいまの建設大臣のお言葉には私は同感でございまして、今、日本の全体から見て砂防の必要性をだれも認めておるが予算が足りないのだ、だから両方で連絡をとってより多く予算をとることの方が日本全体の上で大事だ、そこでその御意見はむしろよろしいが、それほど連絡をとってうまくやろうと、そしてその必要性もお認めになっておるというのに、この予算面を見るといかにも砂防が——お話の通りダムの要望が非常に多いということも当然だと思いますが、三十三年度、三十四年度と近い期間のが予算が比較的少くて、奥の方の向うへ持っていって多く残しておる。その割合がすべて同じであるならばまだ説明がつくけれどもひとり砂防のみが少い。三十三年、三十四年、そうして河川も必要でありダムも必要だが、多いのはけっこうですけれども特に砂防が少いということは、どうも砂防に対するこの必要性をお認めになりながら、予算の分配がどういうものだということが疑問なんです。
○説明員(山本三郎君) この点につきましては、私も三十三年度の予算を折衝いたしまして、最後のきめをいただいたわけでございますが、われわれは砂防を決してないがしろにしているわけじゃございませんで、できるだけの努力はいたしておるわけでございますが、先ほど坂本先生にお答えいたしましたように、これらの問題が、欠陥と申しますかそういう点が重なりまして、御承知のようにしかなっていないということで、決してこれが十分というわけではございませんので、努力が足りないということはよくわかっておる次第でございます。
○坂本昭君 先ほど大臣御自身から、この各行政機構の連絡調整の必要を先に指摘せられ、その決意のほどを御説明いただきましたのですが、私はその建設省と農林省ということよりも、むしろ大臣としては建設省内の同じ河川局の中でも砂防とダムと河川改修と、この三つが調節とれておらぬじゃないですか。これさえもできぬようなことでよその省と調整とれるはずはないと思うのです。この三つの事業でもやはりセクショナリズムがあるじゃないか。もちろん大臣がダムの要望がうんと強いと言ってえらいダムに肩を持たれましたけれども、それはダムも必要でしょうが、最初の十カ年計画を立てた時から、ダムだけ先にやっておいて砂防をおくらしてもよいということじゃないのであって、これをまず大臣とせられてはこの建設省内の連終調整をやって、どうすれば国土保全の上で一番いいかということをやっていただきたいのです。で、この問題は大臣にお尋ねしてもいかないと思いますので、私は、今大臣の説明せられたことについて、行政管理庁が指摘されましたが、一体行政管理庁は具体的にこういう困難な——私は後ほどまた農林省の方にもお聞きしたいと思っておるのですが、この各省の調整連絡は具体的にどういうふうにすればうまくできると思われるか。もう少し具体的に、ただこの悪い点を指摘するだけじゃなくて、何かそれについて積極的な案を若干なりとも明示していただきたいと思います。
○説明員(岡部史郎君) ただいまのお尋ねの点につきまして、その関係各事業の連絡調整による効果を最大限度に上げるというやり方につきましては、いろいろな方法があると思います。先ほど建設大臣が言われましたように、最終的な形においては機構を統一するということも、これは考えなければなりません。それから次の段階におきましては、おのおのの持っているファンクションの調和があるように、しょっちゅう連絡をする。あるいは会議の形態によってやる。あるいは予算の執行の段階においてもそごのないようにやる。予算につきましてもその事業の関係の間に調和がとれるように執行するというようなこともあろうかと思うのであります。それぞれの事情に応じましていろいろ具体的な方法があろうかと思うのでございます。
○山本利壽君 先ほどの私の質問に答弁のないところがありますから。私が先ほどお尋ねしたことの一つのポイントは、農林省関係の砂防工事というものと建設省関係の砂防工事というものとは、非常に違うものであるかどうかということを、河川局長とそれから林野庁長官からお答えを願いたかったのです。もう少しくだいて言えば、どちらにも関連性のある部分も相当あろうと思うけれども、大部分は、農林省関係でおやりになる砂防工事というものは、建設省関係でおやりになる砂防工事とは違うものであるかどうかです。ある部分の共通しておるということは常識でもわかりますけれども、そうであるか。あるいはほとんど大部分がこれは両方が関係のあるものであるかということ。そうしてつけ加えて希望として申しますが、われわれのような者が視察に行くときに、この建設委員会として行けば、各地元のその関係の係官の方に説明していただく、それだけだから今度はまあ砂防関係の方にずっと説明していただくと、この林政課といいますか地方の役所の今度農林省関係の砂防をやる方の方は、一人も出て来られないからさっぱりわからない。だからおそらく農林委員会の者か行くと今度は建設省関係の者が一人も行かないから、それで説明のあやで、いかにも不統一のような全然むだなことを両方がやっているように想像するのではないかと思う。案外両方の係官が来てちょっとついでにこのダムを見て、干さい、ここからは農林省関係がやった、こちらは建設省関係やりましたと一緒に見せてもらえば、私は非常に納得がいきやすいというふうに思うのでありますが、そのことがないということは非常な私は欠点だったと思いますから、これは各地方の都道府県庁に向っては、そういう場合には農林省関係の委員が行こうと建設省関係の委員が行こうと、そういうことについては関連して説明をしてもらうように、一つ御注意を願いたいということと、もとに返って先ほどの本質的なことをお答え願いたいと思います。
○説明員(山崎齊君) 建設省の行なっております砂防工事と林野庁の行います治山工事との工事上の本質的な相違、そういうものはそうないと思うのであります。ただ山腹工事とあるいは渓流工事というようなものの工事部分の中に占めます割合が、かなりの相違があるというのが現実であろうかと思っておるのであります。結局は工事自体にはそれほどの本質的な相違はないのでありますが、結局やる場所につきましての相違が出てくるわけであります。従いまして、毎年われわれが治山事業として実行をいたしますには、個所別計画をそれぞれ立てるわけであります。その県の林務部が個所別計画を立てますに当っては、事前に県の土木部と十分協議をいたしまして、その両者の工事計画にそごのないような総合性を持てるような計画に調整いたしまして、それを林野庁に持ってきてもらいましてさらに個所別に工事場所を決定するということに原則としていたしておるのであります。また県の林務と土木の両者におきまして調整ができないものにつきましては、林野庁が建設省と御相談いたしましてそれぞれのやり方なり方法を決定する、という工合に両者の運用をしておるのでありますが、両者のその辺の調整というものがまだ不十分な点が残されておるという御指摘でありますので、今後ともこの両者の調整、総合性を持つということに一段の努力を払いたいと考えておる次第であります。
○説明員(山本三郎君) 建設省関係の砂防事業につきましても、その計画は県におきましては林務部と相談いたしまして作っておるわけでございます。それらが調整できない場合におきましては林野庁と相談いたしておるわけでございます。場所によりましてはあるいはそごを来たしておる点もあるかと思いますので、それらの点につきましては今後十分打ち合せを遂げるように指示したいというふうに考えております。
○坂本昭君 今農林省並びに建設省の方で説明されましたけれども、実際はそんなにうまくいっていないのです。たとえば岐阜県のような全国で最もモデル的のよくやっておる所でさえ、たとえば中津川に参りましたときに聞きますと、農政関係の人と建設の関係の人とが連絡調整を十分やっていない、第一その土地の砂防協会の会長さんが何も全然それを把握していない、だから私はこういう点では、先ほど行管の説明がありましたけれども、行管の説明はあまり抽象的であって、そんな考えを持っておったらいつまでたっても日本の行政機構は促進されるとは思いません。もっと行管の人は個別的な問題について、地方に行ってどういう点で連絡調整ができていないか、あるいは学閥によるのかあるいは何によるのか、もっと地方に行って実際を見ていただきたいと思います。ああいう抽象的なことでは私たちは納得できません。そうして現実の川を見ますと、一方で山腹工事も何もできていなくて、植林もできていなくてどんどんくずれていってそうしてその下流では建設省が砂防工事をやっている。当然山腹工事もやり植林もやると同時に砂防工事もやっていけば、一つの水系として完全な砂防事業ができるにもかかわらず、それが実は促進されていないのが現状なんです。そこで私は今主として建設省関係の砂防問題が取り上げられましたから、林野庁長官に治山治水の、山の方ですね、山の方のことについて少しお尋ねしたいと思うのですが、それは治山治水基本対策要綱の中でも、三十六万町歩の荒廃地の復旧または防止をして、そのほかに二十六万町歩の水源林造成を行う、そういうことの最初の計画が立てられましたが、実際はごく一部分しか私はできていないと思うのです。ただその中で先ほど三百万町歩の保安林を四百万にする予定だという説明がありましたが、ちょうどこの基本対策要綱のできた翌年の昭和二十九年に保安林整備臨時措置法というのができて、買い上げ措置が次々と行われていると聞いております。で、この砂防に関係のあるところの治山については、やはりこれは国が責任を持っていかないと、なかなかこれは一般の民間ではできないと思う。従って必要なものについては買い上げ措置をやっていくべきだと思うのです。それからその買い上げ措置が非常におくれているのではないか。私はその措置がどういうふうに行われているかという実情と、どういう点で買い上げがおくれているかという、その御説明を承わりたい。
○説明員(山崎齊君) 民有山林を国有林野事業特別会計の資金をもちまして買い上げをいたしまして、それを国有林といたしましてそれの管理経営を厳密に行い、保全というものに貢献していくということと、あわせましてそれらの買い上げました場所にあります崩壊地等を復旧して参りたいということを考えまして、昭和二十九年度からこの買い上げ事業を始めたのであります。で、この買い上げの基本的な考え方といたしましては、先ほど申し上げましたように、現在約三百万町歩の保安林を持つわけでありますが、この三百万町歩を短期間に全部買い上げるというようなことはとうていできないのでありまして、第一期計画といたしまして十カ年間で五十万町歩を買い上げるという一応の予定を組んだのであります。その買い上げる場所につきましては、重要河川の奥地であります水源涵養その他に特に緊要な地域を買い上げるということで、その五十万町歩の地域的な予定も一応立てているのでありますが、二十九年度以降三十二年度までに買い上げを終りました面積が約十二万町歩となっているのであります。で、四カ年間で十二万町歩、年間平均いたしまして約三万町歩程度のものを買い上げたという実績になっているのでありますが、これにつきましては今後とも大体こういうペースで特別会計の資金をもちまして買い上げていく、という方針で進めたいと思っておるのであります。
○委員長(上林忠次君) ちょっとお知らせいたします。ただいま行政管理庁監察審議官森浩君がお見えになっております。
○坂本昭君 私はこの林野庁の方の治山治水政策を実施する面においては、特別会計を十分にフルに利用していけば比較的財政的にも助かるのではないかと思うのです。そうすると、できるだけこの買い上げを進捗して、特別会計で国が責任をもって困難な場所について植林をし、また経営工事、山腹工事を進めていけばいい、そう思うのですが、今の御説明では、非常におくれているということの説明にはなるけれども、じゃあなぜ十年間に五十万町歩という計画が——一年五万町歩ですね、それが一年三万町歩、六〇%しか進捗していない、その険路はどこにあるかという点を一つ御説明いただきたい。
○説明員(山崎齊君) この買い上げの事務につきましては、たとえば先ほどお話がありましたように、山形県の野川の流域におきまして、われわれといたしましては、あの現在のダムの上流地域の約七、八割に相当する部分を買い入れまして治山工事を行いますとともに、その森林の施業を技術的に見まして間違いないようにやっていきたいということで計画は組んでおったのでありますが、森林所有者との話し合い等の関係から、これの具体的に買い上げる段階に至りますのに約二年半も必要としたというふうな事情もあったのでありますが、全国的に考えましてこの買い上げが五万町歩年々できずに三万町歩にとどまった、という大きい原因といたしましては、やはり特別会計におきます買い入れの資金の問題にも大きい原因があったということであるのであります。特別会計といたしましては、年々の伐採に伴います収入を元といたしまして事業を組んでおるわけでありまして、木材価格の大きい変動というふうなものに伴いましてやはり収入も大きく動くわけでありまして、そういう点からいたしまして、予定のような買い上げ、買い入れ事業を続けていくということには結果として困難を生じたということに相なったのであります。
○坂本昭君 今買い入れ資金が非常に乏しいからということでしたが、私は林野庁の特別会計の内容について今まだ研究が十分でないので詳しいことはわかりませんが、これは特にこの買い入れ資金について大蔵省の制肘を受けるのですか、受けないのですか。
○説明員(山崎齊君) この買い入れ、及び買い入れました場所の治山事業をどの程度やるかということにつきましても、やはり特別会計の予算の中で大蔵省と話し合いしまして支出予算を組まなければならぬという関係になりますので、もちろん大蔵省との関係は密接にあるわけであります。
○坂本昭君 林野庁の一番大きな治山の仕事の中でも、砂防に伴う現在取り上げている問題というのは非常に大きな問題だと思うのです。それでこの点について大蔵省の考えがどういうふうにあるかということは、また後ほど伺いたいと思うのですが、今の問題は買い入れ資金の問題もあるでしょうが、同時にいろんな値段の折り合いが現地でつかないというような実情もあると思うのです。ところがまた非常にこれは、この間私たちの見た平湯川のそばに白谷という所があるのです、この白谷は農林省が山腹工事をやっているのですが、われわれのようなしろうとが見てもちょっと山腹工事なんかできそうもない急峻ながけ、そのがけの所へほんとうの間に合せな工事しかやっていない、しかもこれは前は民有林であった、それで民有林であったのを保安林として国有地に買い上げている。これなどはどうも何かかなり無理なことをして買い上げているのではないか。何か農林省が植林の目的をもってこの工事を引き受けるのに適しているかどうか若干疑いを挾まざるを得なかったのです。そういうところまでこまかく、ただ木を植えるための土地という考えじゃなくて、その目的が砂防にあるとするならば、有効な砂防工事を林野庁として実施し得るかどうかということをいつもよく検討しながら、こういう買い上げの措置をやっておられるかどうか、その点について私若干疑いを持ちましたので御説明をいただきたい。
○説明員(山崎齊君) 御指摘のありました場所の買い入れは、買い入れ面積が六十五町歩、買い入れ価格が百五十万円で買い上げたものでありまして、立木も非常に少い場所であることがこの価格からも十分予想できるのであります。これに対しまして二十九年度から継続いたしまして治山工事をやってきているのでありますが、この保安林の買い入れ事業という面につきましては、この買い入れました場所のいろいろな安定というだけでなしに、それと関連いたしまして、さらに民有林なり奥にあります国有林総体を含めまして治山工事のあり方というものを考えて工事をして参るわけでありまして、この場所に対します工事が十分でないという御指摘でありますので、われわれとしましても、もう一度この点につきまして十分検討を加えて、その実態その他を把握しまして、今後の事業に臨みたいというふうに考えておる次第であります。
○田中一君 林野庁に伺いますが、あなたの方で一般会計と特別会計で同じように砂防工事をやっていますね。砂防工事、これは一元的な計画のもとにやっているのですが、調べてみると一般会計の分は指導部の治山課、特別会計の国有林のものは業務部の業務課がやっている。これは同一の人間がやれば大体間違いなくタイミングが合うのですが、違っている課がやると、やはりそこに同じようなことにいかないことが往々にある。さっきも再三坂本君からも山本君からも質問がありまして、林野庁の中にすらそういうセクトがあるわけですね。だから地方へ行ってみても、岐阜県などは岐阜県でいろいろ全体計画を立ててやっておりますと言いながら、同じ県庁のところで特別会計の分の岐阜県の役人と、それから公共事業の場合と違うのですね、人が全然違う。従ってそれは何ら関係なしに計画されている。ことに計画が一緒の課であっても実施されているのは別々です。そこへ持っていって、今度は建設省の方の砂防課というものがあってやっているということになっておる。これは岡部さん、あなたそういうことを知っていますか、林野庁の中ですらそういうことがあるのですから、この点はどういうふうになっております、実際の仕事というのは。
○説明員(山崎齊君) 林野庁におきまして、御指摘のように国有林特別会計でやります治山事業は業務部の業務課、それから一般会計の公共事業分は指導部の治山課でこれを受け持ってやっておるのであります。林野庁の内部におきましては、常時特にほとんど毎月といっていいくらいに両者の調整の打ち合せその他を実施しておるのでありますが、現地におきましても営林局の管轄区域ごとにこれらの調整のための会議というものを定期的に持ちまして、少くても年に六回くらいはやっておるのであります。そういう機会を通じまして、この両者の事業の調整というものを十分にはかっていくという考え方で、われわれとしては指導しておるわけでありまして、今後ともその点につきましては十分の努力を払いたいと考えております。
○田中一君 一体、林野庁と県とは何の関係あるんですか。全然関係ないものなんですね。まあ年に六回集まって酒一ぱい飲むくらいのものなんでしょう。現に岐阜県へ行って聞いてみると全然関係ないんです。なるほど全体の県下の計画というものは知っておりますが、何年くらいどれくらいの予算をとってだれがやっておるか知らぬというのです。初めにまたそういう打ち合せをしても自分の仕事で一ぱいになってしまって、関係が全然ないものですから関心を持たぬことになる。今坂本君が聞いておる白谷の国有林を保安林として仕事をしておるのも、災害があってこわれてしまえばもうやめるなんということを言っています。おそらくやめるでしょう、あなたの方では。ああなって全部山の形をなさないくらいに川の中に土砂が落ちておれば、あとに岩が出ればやめるでしょう。しかしあなたの方の工事がいいか悪いか知らぬが、あなたの方の責任の土砂が崩壊してしまって川がつぶれているにかかわらず、川にものが入ってしまえばおれの分野でないから手を引くから建設省の方でやってくれなんということは、これはあり得ないと思うんだ。白谷の方は今度あなたやるのですか。
○説明員(山崎齊君) 白谷の地区につきましては、われわれといたしましては、下流への土石を大量に流動するということを防止するために、今後とも国有林野特別会計でこの仕事をやりたいと考えております。
○田中一君 そうすると、建設省の砂防課長ちょっと出て下さい。林野庁は白谷の工事を進めていくというように言っておりますけれども、白谷の谷の仕事はどういう工合にお互いにやっておるのですか。川に落っこっておる土砂をすくい上げてまた張りつけるのですか。林野庁はもう岩が見えていますから植林はできません、あそこは。地方へ行って聞きますとあれはもうしない、農林省が手を引くのだというふうに言いふらされておりますけれども、私の質問に思いつきで答弁をされたのでは困る、実際。
○説明員(山崎齊君) その点につきましては現地の方の考え方もあるかと思いますが、われわれとしましてはやはり下流に大きい影響があるということは防止しなければならぬと思うのでありまして、この点につきましては現地及び建設省の御意見も十分伺いまして、今後とも必要な工事は続けてやりたいというふうに考えておる次第でございます。
○坂本昭君 今のことに関連してですが、国有林については、林野庁としては各地の営林局長が寄っていろいろと検討しておるということですが、この国有林の今の砂防工事のための治山、そういうことを会合の場合に、建設省の方では、河川局長にお伺いしたいのですが、これにどういうふうに参画しておりますか。
○説明員(山本三郎君) これは本省でその計画を相談することにしております。
○坂本昭君 それではあれですね、地建からだれか代表者が出て、営林局長と現地について相談をするということはしないのですか。
○説明員(山本三郎君) 直轄でやっておる砂防区域と関連あるものにつきましては、そういう方法をとっておりますけれども、直轄でない部分につきましては先ほど申し上げたようにしております。
○坂本昭君 それは実際にやっておられますか。
○説明員(山本三郎君) 実際にそういうふうにやっております。
○坂本昭君 それでは一応信用しておきます。
○田中一君 もうなんですが、一つ大蔵省に一ぺん聞きたいと思うのです……。
○内村清次君 その前に。建設大臣にちょっとお尋ねします。先ほどまあ大臣の砂防の重要性につきまして述べられた発言に、私は大体同感の点があると同時に、大臣が、これはまあ従来の御経験もありましょうが、さらにまた岐阜県の状態を見て来られて、その根本は砂防の欠陥にあるのだということをここで言われたことは、私も非常に同感の点があるわけです。問題は、実際においてここに策定せられたところの治山治水の基本対策要綱ですか、これに当てはまるような予算計画というものが立てられておらない。しかもそれが実施の段階にいけば非常に微々たる予算で今日まで進行されておるということは、これは各委員が指摘された通りです。この点に対しまして、私は先ほどの道路の問題でも大臣の所信を聞いたわけですけれども、今回の岸内閣の重要政策の中において、しかもあなたの所管事項の中において、道路と匹敵するような治山治水の対策を今後樹立していかなくちゃならぬ、しかも治山治水の間でも、今根本になるような砂防計画の問題は重要視していかなければならないといわれておるが、これは今後予算折衝その他において現われてくるだろうと私は思うのですが、その決意を、実際数字は先ほど御指摘の通りですから、またここで建設省からもまた大蔵省からもお示しになった通りですから、これでは果してあなたの言われたような基本的な対策がなされておるかどうか、ということも疑いがあるのですから、この点をどう変更するかということについての一つ御所信を明確にしていただきたいと思うのですがね。
○国務大臣(遠藤三郎君) 私は、先ほど来申し上げましたように、治水事業、ことに砂防の事業については、私どものできる限りの力を尽して今度の予算の折衝もしたいと思いますし、内閣全体の方針をきめていくように努力したいと思っておるわけであります。
○内村清次君 それではこの新五カ年計画ですか、この数字は必ず、あなたのまあ第一歩です、建設大臣としての第一歩の来年度の予算計画においては変更になる、しかもこれは必ずこういうような少い予算ではない、というような御自信がありますか。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいま出しております五カ年計画の三十四年度分については、一応の計画をああいう数字で出しておりますのでそれを実行することをやりたい。そうしますと、なるほど全体から見まして足りないじゃ、ないかという御意見だろうと思うのでありますが、この予算の範囲内で急を要するもの、特に必要なものをやって参りますれば大体やれる。こういう技術的な見地から三十四年度としてはこの程度の予算の要求をし獲得をしていきたい、こういう考えに立っておるわけであります。これで決して十分だとは思いません。もっと大規模な予算をほしいのでありますが、財政全体の事情をも考えなければならぬのでありまして、必ずしも三十四年度の余裕財源というものは豊かでございませんので、それをながめ頭に入れながら計画をしてみたのでありまして、それを一つ御了承いただきたいのであります。
○内村清次君 この点は先ほど小山委員からも御指摘がありましたように、この新五カ年計画の各年別割当予算を見てみましても、三十五年から六年さらにまた七年にわたるこういう予算がしり上りに非常に大きい数字に出ておる。これは一応経済の五カ年計画に合せて今後の経済の生産の拡大の率その他を見て、政府は政府なりの一応の進捗率をお考えになっておると思いますけれども、私たちの考え方では、これは従来の政府の経済五カ年計画が必ずしもスムースに計画通りいったためしはないのですから、そういう点を考え合せてみますると、私たちはこれはどうも羊頭狗肉の予算ではないかと、こういうふうに私たちはにらんでおるわけです。これはまあ私たちの立場からにらんでおるのですから、あなたの方ではそれは少し間違っておる、こういう御反論もあるかもしれませんが、しかしいやしくもこれは国策の基本といたしまして、しかもまた治山治水の基本といたしました問題であれば、これは一体政党を抜きにした話をしようじゃないかというような、特に超党派的なまじめな見地に立って、そういう感じがしきりにするわけです。しかもこの三つのダムの予算にいたしましても、あるいはこの河川の予算の振り合いから見ましても、先ほどからるる言ったように、砂防予算というものが非常に僅少に見積られておる。この基本の問題が非常に軽んじられておる、というようなお感じはあなた自体も持っていらっしゃるのですが、そういう見地から考えてみますると、どうもあまり逃げ道を作っておられるような……。とにかく砂防予算を何とか一つ災害を防止するためにも、民生を安定するためにも、三十四年度、しかもあなたの初年度の努力によって一つこれの地位を向上してもらったならばどうか、というのが私たちの一致した気持だろうと思うのですよ、各委員のね。それにはあなたがやはり自信をもって一つやっていただきたい。まあ前の根本大臣は道路の問題については必ず私は一つ自信をもってやります、というようなことをしばしば委員会にも言っておったのですが、まあこれは御性格も変っているしいろいろ政治的立場もございますから、そのまねをしてくれというようなことは言わぬけれども、やはり一つ大臣は大臣の御所信から、そういうようなことの一つあなたの決意を披瀝していただきたいと私は考えるわけです。
○国務大臣(遠藤三郎君) 来年度の予算の問題について、いろいろ御督励の言葉をちょうだいしたわけですが、自信は大いに持っているつもりであります。持ち過ぎるくらい持っておるつもりであります。ただ百二十四億という大体の砂防の予算の規模を作りましたのは、政府全体の経済五カ年計画のだんだん伸びていくその伸びを見ながら、五カ年計画全体をながめながら作っていった数字であります。昨年は六十九億だったと思いますが、(「そうです」と呼ぶ者あり)六十九億では非常に少かった。(「問題にならないんです」と呼ぶ者あり)これの大体倍くらいになるのですが、そうでなくても、建設大臣は少しでかい予算を出しすぎたと言われたのですが、しかしだれに何と言われようとがんばっていこうと思います。幸いここに大蔵省の方がおられますからよくこれを聞いてもらい、大いにがんばってもらいたい。そして先ほど来いろいろ皆さんから御意見がありましたが、これは超党派でいこうということでありましたが、全くこれは同感であります。ぜひ一つ委員会の皆さんの御援助を得て、超党派でこの国家的な、基本的な計画を進めたいと思いますから、一つ何分の御援助をお願いしたいと思います。
○内村清次君 それから先ほど機構改革にも通じました所管の問題がございました。これもまた私たちも今回協賛いたしまして、先ほど各委員から言われましたような感じをもってきたわけです。ところが大臣はこの問題については現機構でもいい、とにかく話し合い、連絡をとっていけばできるじゃないか、行政管理庁の勧告通り、これももっともだと聞いてやっていけばいいんじゃないか、というようなお話もあったのですが、これは私はあなたの御経歴からいたしましても、また将来のこの機構改革という問題も、一つの内閣の方針でもありましようし、まあたびたび今までやったことのありますような、非常な行く先多難な問題である、岸内閣におきましては。だからしてそういうような点を予想されての政治的な発言だろうと、私はこういうふうに感じておりますが、しかし私たちはこれはなかなか、末端機構に入りましても、あるいはまた建設省、農林省の間におきましても、話し合いや連絡ではこれはとうていスムースに、基本の治山治水という問題につながった大きな流れに沿うことはとうていむずかしいと私たちは思っているのです。これはどこかにやはりそごがきたされる、予算の面か、あるいはおのおの目的が違っているのですから。大体の大きな流れは一緒ですけれども、やはり予算をもらって自分の行政管理の面から施行していく方面においては、目的がやはりちょっと変っているのですから、そういう点で食い違いが全然ないということは言われないと思う。そうすると、そう言われない事態がどういうふうに現われるかというのは、これはまあ国費というものが相当、何と申しますか有効適切に使われておらない。しかも目的はその所管の方に重点を置いて、そうしてそのために災害が起るというようなことで、国民は税金をよけいに取られ、災害は自分たちが受けなくちゃならぬという事態が、これはもう発生することは当然です。だからして私たちはやはり機構は一元化すべきという意見が大体の意見です。しかしながら当面今の行政機構の中でも、先ほどから注意をされたように、やはり予算の面からも、施行はいろいろの計画の中でも十分意見の連絡をとってやってもらいたい、というのが一致した意見だろうと思うのです。そこでこの点は一つどうですかね、あなたの御所管の建設省の中で砂防課という小さい課が一つあるだけです。これを何とか部になりあるいは局になりというようなお考え方は、あなたのお考えの中にはないかどうか。これだけでもいいのです。
○国務大臣(遠藤三郎君) 機構の問題についてのお尋ねでありますが、私は実は農林行政の問題もやって参りまして、建設関係もやって参りまして、おそらく両方のことを一番詳しく知っておるのは私だろうと思うのです。ところが私は行政管理庁長官でないものですから、機構改革の問題についてあまり出過ぎたことを言いますと、しかられてしまう。それぞれ専門の大臣がおりますから、機構改革の問題については行政管理庁長官が責任をもって判断をしてやっていくようにしたらどうか、というのが私の考え方です。そこで今のお尋ねの問題でありますが、現在の機構でやればやれる、そういうことを私は申し上げておるのであります。それ以上のことは委員会の皆さんの独自の御判断を一つ仰ぎたい、そうして最終的な意見の決定は行政管理庁長官にまかせたい、こういう考えでございます。私があまりしゃべり過ぎますと、何をお前しゃべったのだということでおこられてしまう。それは一つ御了承願います。
○田中一君 大蔵省に聞きますが、緊急砂防費というのはどういう性格を持ったものなんですか。
○説明員(松永勇君) これは所管の各省からお聞きになった方がいいと思いますが、私の方で申し上げますと、当年災害が発生した場合緊急に砂防あるいは治山を行わなければならないと思われるものを予想しまして、緊急砂防として三十三年度予算三億です。緊急治山として四億二千万ばかりになっております。
○田中一君 当年災害というならば予備費八十億の中から出せるはずなんですが、なぜ緊急砂防費とか緊急河川費というものを組まなければならないのですか、理由を一つ、あなたがいやなら河川局長へ聞きましょう。
○説明員(山本三郎君) 緊急砂防は今大蔵省の方から御答弁ございましたように、当年起きました荒廃地に対しまして砂防をやる費用、金は従来の災害に際しまして一年間で使った費用を大体想定いたしまして、保留をしておくということになっておりまして、昨年度はその事業費で足りませんものですから予備費で補充をいたしまして、さらに四億以上の仕事をやっておるというふうになっておりますので、一応保留いたしましてその年に起きたものをまずそれでやるというふうに考えております。
○田中一君 そうすると当該年度に災害が起きない場合にはこれは返すのですか。
○説明員(松永勇君) 当該年度にもし金を使わないという場合に、その金を通常の砂防にそれを使うということを実施計画によってきめております。
○田中一君 おかしなもので、何がために予備費を持っておるかということなんです。当該災害に対する予備費ということで従来はそのように支出しておるのです。なぜこうして少い上の少いものなんですが、それをひもつきでこれは過年度、あるいは新規事業には使ってはならないというひもつきを持っている。なぜそういうえこひいきのまねをして砂防事業をいじめておるのですか。今山本君から伺っておるところでも納得できないのです。道路費あるいは農地関係はどうなっておるか、いろいろ質問したくなって参ります。どれにもこれにも全部当該年度の災害に対しては緊急何々費という形で組んでおるなら、これはいざ知らず、どうしてそれをそういう分け方をするのか、これは建設省の方の要求でそうなったのか、あるいは予算の増額を要求してもなかなかやってくれない、そうして緊急砂防費としてなら認めようということで、大蔵省が査定してそういう品目ができたのか、どっちです。
○説明員(山本三郎君) できた当時のことにつきましては、私もその当時担当いたしませんので詳しい事情はわかりませんが、おそらく私の想像と申しますか考えておるところでは、荒廃いたしますと、砂防をやらなければならぬ地点には普通のものならば災害復旧として、ものがあったものを復旧いたします。河川やあるいはほかのものは工作物のあったものを原形復旧するということでやりますけれども、砂防におきましては非常に荒廃いたしまして何とかしなければならぬけれども、ものがあった場合の砂防工事は災害でやりますけれども、ものがなかった所を何とかしなければならぬというような問題が起きて参りまして、砂防はほかのものに比べまして特別であるというような観点から、こういう制度が設けられたのではないかと考えます。
○田中一君 そうすると、優遇するという意味でそうしたというのですか。
○説明員(山本三郎君) 砂防予算の中から緊急砂防費が出ているので、通常砂防の方をそれだけ圧迫しているという観点から見ますと、優遇というふうには考えられませんけれども、予備金を自分のワクの中に持っているという点から見ますと、優先的に砂防に使えるということになります。
○田中一君 ことに三十三年度から砂防費に対しては自治庁は起債を認めないということになっている、一貫した政府の方針がそうであるならば、砂防予算というものを圧縮しているというような印象を受けるわけです。きょうは自治庁が来ておらぬから聞けませんけれども、大蔵省も起債の面については相談するのだから、どうして三十三年度から砂防費は起債の対象にならないのか、私はこれはおそらく大蔵省は砂防費というものを圧迫しているという現われだと思う。どういう理由で砂防費は三十三年度から起債の対象にならなかったのか、明らかにしていただきたい。
○説明員(松永勇君) 実はそのいきさつは私よく存じませんが、聞いておりますところによりますと、三十三年度から地方公共団体の財政も非常に好転してきているということで、起債というものを重点的に行うということで、砂防ばかりでなく道路、その他相当大きな公共事業の分野の起債は認めない、収益的の事業を重点として起債を認めていこうというふうに政府の方針が確立された。かように考えております。
○田中一君 われわれは砂防は一切のものに優先して災害を守るために重要な仕事であるという考え方を持っている。自治庁がおらぬから松永君を責めてもしようがないからやりませんが、事ほどさように砂防費というものは大蔵省、建設省部内、あらゆる面からたたかれて圧縮されておるというのが現実です。これはむろんさっきから冗談に言っているように、山の中には人間が住んでおらないから選挙権がないのですよ。だからこういう工合に圧縮されるのではないかとひがみを持つわけです。しかし今度はそういうことじゃ許されません。だからわれわれは、どうしても砂防予算というもの、砂防事業というものを進めなければならぬという一致した見解から、当委員会では決議しようということになっております。そこで佐野さん、あなたはよく聞いて下さい。百二十四億というものを新五カ年計画の線にのっとって本年度は建設省は要求するのでしょう。そうすると、これに対しては前年度は六十九億というものしか事業費として認めなかった。おそらく今年も五カ年計画より以上の予算を要求するのでなく、五カ年計画ぎりぎりの予算を要求するならば、それは当然認められるものと私は解釈したい。同時にまた林野庁も、林野庁の持っておりますところの新五カ年計画にのっとって国費の分、特別会計の分を大蔵省は当然認めざるを得ないのではないか、こう考えている。従ってこの点は、もうお二人というか、佐野さんに、よくあなたは知っているはずですから、この点は十分に認識を新たにして治山治水の長期計画、これに対してはこの線に沿ったような予算を出すように努力して下さい。それに対して参考人の赤木さんから何か意見があれば伺いたいと思います。
○参考人(赤木正雄君) 先ほど緊急砂防費の問題がありましたが、ちょうどそのころ私参議院にいましたから一応申します。 これはたしか昭和二十六年ごろから起ったと思います。そのころやはり砂防に対する災害復旧を当然大蔵省に要求した。けれども大蔵省はそれを認めない。そうして先ほどお話の通りに、たしか建設省に三億、農林省に四億なんぼ認めています。それが例になりまして年々大体それくらいの費用を認められているのです。私はこれに関してもう一つ決して両省の争いを起そうとか、あるいは両省のうまく運営こそ考えますから一つ申し上げておきたい。 今私の手元に来ております資料におきまして、緊急対策として方々の陳情を受けております。しかし場所は言いませんが、もうすでに仕事を、渓流工事をやろうと思っていくと、そこに農林省の方の緊急事業としてあいている。実に困っている。そういう陳情がたくさん来ました。私は、農林省は山が崩壊したらぜひともこれはやってほしい、崩壊したら崩壊したものを放置しておくと何年たっても山はおさめられません。で、非常に山の上の仕事はおくれるのでありますが、これは徹底的にやってほしい。しかしややもすると山の崩壊はそのままに放置して、そして渓流ばかり仕事を重点的にされて、これが緊急砂防、農林省の方は荒廃林地復旧といいますか、緊急復旧といいますか、こういうことをされている。こういう事実は全国至るところにあります。これを十分検討されまして、お互いに分を守って、建設省は建設省の分、農林省は農林省の分、そうとて仕事をされてこそ初めてりっぱな治山治水ができ得ると思います。むろんこれにはどの省にはどれほどの金が要る、そういうことは今申し上げませんが、その観点、特に緊急砂防の起った点から申しまして、その自分の分野をこの際はっきりなさらぬと迷惑をするのは地元だけだ、ということを特に申し上げておきたいと思います。
○田中一君 それから遠藤さんに伺いますが、われわれの砂防調査団が行った結果、砂防の現場におる職員の処遇の問題について、だれも行きたがらないのですよ。ああいう所には特に人事院とも相談なすって、特別な手当を作るとか、あるいはかっての地域給的な、何というか処遇の問題を考慮するように一つお願いしたいと思うのです。これはほんとうにかわいそうなもんです。あなたは一緒に行っていらっしゃってよくおわかりだろうと思いますが、その点も考えていただきたいと思います。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいま職員の待遇の問題についてのお話でありますが、私はそういう問題について建設省関係でいろいろ考えさせられておったのであります。たとえば、これは砂防とは違いますが、関門隧道なんかであの中へ二十年近くも入っておる。もうこつこつとあの隧道とほとんど一生をともにしておるような奇特な技術者がおるわけであります。そういうまあ栄達とは無関係に技術に専念しておるそういう者だとか、その他のいろいろ大きな仕事をやる陰にはそういう恵まれない人々もありますので、これはぜひ考えてみたいということをかねがね思っておりました。しかし御承知のようにこういう制度はなかなかやかましい議論がありますので、これは慎重に一つ研究をしていってみたいと思います。
○小山邦太郎君 先ほど来の各委員の御質問で、そしてまた大臣も所見を同じくしておりますのでもう議論がありません。三十四年度は百二十四億、この線で交渉するということですね。従ってこれを譲らないようにすることが今日としてはそれよりいたし方がないのでしょうが、五カ年計画として三十五、六、七とこれがどうも当初五カ年計画を立てるときに熱意が足りなかったのじゃないか。今日の大臣の責任でも何でもないが、五カ年計画を立てるときにこの必要性はわかるんですから、三十三年度も六十九億で間に合うということはない。三十四年はこれだけふえて非常にけっこうだ。しかしながら三十五年を六年、七年に持っていってこれを圧縮するというのはこれはどういうわけであるか。これをいま少し、もう来年になって急に直すのはなかなか容易でないから、今年のうちに三十六年、七年これを今から直して、三十五年の方に繰り上げておいたらいいのではないか。これはそういう計画を今から予備知識を与えておく方がいいのではないか。それくらいの覚悟はうちの中でまとめておかなければいかないのじゃないか。
○説明員(山本三郎君) 五カ年計画の内容につきましては今後検討を要するものと思いますけれども、ただいまお話のように、今年度六十九億でございまして来年度百二十四億にいたしますと、残りが相当大きくなりますから、これを削りますと総額が減っちゃうということでございます。最後の年をあとから三カ年目に持ってくるという話でございますが、その点は今後検討してみたいと思います。
○小山邦太郎君 そうです。そうしなければ……。
○坂本昭君 きょうはいろいろな問題が論議せられましたけれども、私は三つ問題があると思う。それで第一は、われわれが国民もともに砂防ということについてきわめて認識が足りなかった。これは建設省の所管の方もわれわれに対するPRがまずかった。河川局長も指摘された通りに、これは今後とも私たちも国土保全のために超党派的にやっていく決意を持っております。それで河川局長その他各関係の方はもちろん林野庁の方も、ぜひこの点についての十分なPRをやっていただきたい。実は今NHKで「伸びゆく農村」というのをやっておるが、あの中でこの間も鹿児島のシラスの問題が出ておった。あれにちょっと砂防工事が出てくる。ところがその放送記者が説明できない、全然できない。そしてただ写真だけ出てくる、こういう点は私はもっとPRに専念していただきたいと思う。 それから先ほども行政機構の問題や連絡調整の問題が出ましたが、これは今後——結論はとうも出ておりませんが、せっかく行管の局長さんもおいでですから、皆さんがきのう報告せられた新聞に出ておるところを見ますと、比較的農林省、建設省というのが多いのですが、砂防問題はきわめて密接に両方に関係のある点なんです。ですから来年度はこの点をいかに実際にやったかということを徹底的に監督し、促進していただきたい。 それから三番目は、ただいま小山委員からも指摘された通りに予算の問題でありますから、これについてはまた当委員会で新しくここで決議をされるはずであります。 以上三つの点についてあらためて認識を深めていただくことをお願いしておきます。
○委員長(上林忠次君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(上林忠次君) 速記を始めて下さい。
○田中一君 今、休憩中に自由民主党、緑風会とわれわれとで相談をいたしました決議案を上程したいと思うのですが、各委員にお諮り願いたいと思います。 では案文を読みます。 幾多の経験の示すところでは砂防施設の完備した河川における水害は極めて僅少である。これは、砂防事業が治水において大きな役割をなしておることを明らかに物語っている。また、多目的ダム、奥地の開発に伴う道路等の機能保全のため砂防施設は不可欠である。 かくのごとき砂防事業の重要性にかんがみ二十八年策定の「治山治水基本対策要綱」においては三千八百二十五億の事業費をもって直轄砂防は二十九年度より期間九年、補助砂防は十年をもって遂行することを定めた。しかるに、当初五カ年間即ち三十三年度までの実績はわずかに九%の進捗率三百四十五億円の支出をしたに過ぎない。 右のごとき僅少なる予算措置は砂防事業の重要性を没却するものであって、水害の要因となっているといっても過言でない。政府は右の事情を猛省し、急速に砂防予算の拡大をはかるため、適確なる処置を講ずべきである。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(上林忠次君) それではお諮りいたします。ただいま田中議員から提出されました自民、社会、緑風三派共同提案にかかる砂防予算の拡大についての決議案を、本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上林忠次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 本決議の提出先は委員長に御一任願いましてよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上林忠次君) 御異議ないと認めます。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいま御決議いただきました砂防に関する決議案につきましては、政府といたしましてもこの趣旨を達成すべく、最善の努力をいたしますことをお誓いして、おこたえ申し上げたいと思います。(拍手)
○委員長(上林忠次君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(上林忠次君) ちょっと速記をつけて下さい。 本日の審議はこれをもって終了いたします。 午後五時二分散会