建設委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/07/11
会議録
○理事(岩沢忠恭君) ただいまより建設委員会を開会いたします。 まず、委員の変更について御報告いたします。 七月八日、森田豊壽君、藤原道子君が委員を辞任せられ、その補欠として前田佳都男君、坂本昭君が委員に選任されました。 七月十日、坂本昭君、江田三郎君が委員を辞任せられ、江田三郎君の補欠として戸叶武君が委員に選任せられました。 本日、戸叶武君、内村清次君が委員を辞任せられ、その補欠として坂本昭君、江田三郎君が委員に選任されました。 —————————————
○理事(岩沢忠恭君) これより建築基準法の執行上における問題に関する件を議題にいたします。 まず、参考人の方にごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ、遠路わざわざ本委員会のために御出席を願い、厚くお礼を申し上げます。本委員会においては、国会開会中から、建築基準法の執行上における問題として、仙台市、仙台市営中央卸売市場に伴う問題を調査して参り、七月三日には建設省当局から本件について概略の説明を聴取し、当局に対して質疑を行なったのでありますが、なお不十分の点がございましたので、現地関係者から詳細説明を聴取することに決し、本日、仙台市長島野武君外二名の方に参考人として御出席を願った次第であります。 以上のような趣旨でございますので、後ほどの委員の質疑に対しましては十分の御説明をお願いいたします。 それでは、これから本件について調査を行いたいと存じますので、まず順序として、仙台市当局から本問題に関する御説明を願い、その後に委員の質疑に入りたいと思います。 それでは、仙台市長島野武君の説明を願います。 なお、本日、政府側から政務次官徳安實藏君、官房長柴田達夫君、計画局長美馬郁夫君、住宅局長鬼丸勝之君の御出席があり、また参考人といたしまして、仙台市長島野武君、仙台市建設局長八巻芳夫君、仙台市建設局庶務課長關山幸作君が御出席になっております。 それでは、まず、仙台市長島野武君の御説明を願いたいと思います。
○参考人(島野武君) 仙台市長の島野武でございます。きょうは、仙台市の中央卸売市場の建築に関連します建築基準法の執行上における問題に関する件について、ということで、お呼び出しをいただきまして、御説明のために参上いたしたのでありますが、実は、この件につきましては、ことしの五月の二十七日に、宮城県の知事職務代理者である西宮副知事から仙台市長にあてまして、仙台市の中央卸売市場建築敷地の位置について、建築基準法上の違反があるやに聞いておるのであるが、建築基準法の第五十四条の手続をとっておるのかどうか、その経緯詳細について回答をするように、という副知事からの書面がありました。それと前後いたしまして建設省本省からもこの件につきまして御照会がございました。仙台市といたしまして、私、市長としましても初めてこのことを知りまして、部内にいろいろ調査を命じ、私自身も調査をいたしましたのであります。その結果、はなはだ申しわけないことでございましたが、仙台市の中央卸売市場の建築につきましては、建築基準法の第五十三条並びに五十四条に規定せられております手続がとられていなかったということがはっきりいたしました。それにつきまして、この市場の建築の経過というものを最初に簡単に申し上げたいと思います。 仙台市の中央卸売市場の建設の計画は、ずいぶん昔でございますが、昭和四、五年ごろから考えられておりまして、昭和六年の一月には中央卸売市場の区域指定を商工省から受けまして、その計画を進めて参ったのでありますが、戦争のためにこれが中断されてしまいましてそのままになっておったのであります。戦後に仙台市の人口も急激に増加すると同時に、いろいろ非衛生的な食品の乱売、あるいは既設の民間市場の施設が不完全であるといったようなことがありまして、そのころから再び中央卸売市場設置ということの要望が高まって参ったのであります。 ちょうどそのころに、一方昭和二十二年の仙台市の都市計画を相待ちまして、日本国有鉄道が現存する仙台駅から貨物の操車を分離しまして、現在この中央卸売市場の敷地になっております、あの近所にありまする宮城野原の旧練兵場でありましたが、この場所に仙台貨物駅を設置することにきまったのでございまして、それでこの貨物駅との関連も考えていろいろ市といたしましても中央卸売市場の位置について考慮いたしておりましたところが、たまたま昭和二十四年の六月に、仙台商工会議所の会頭を会長といたしまして、その他に民間の魚市場の人たち、青果市場の人たち、その他生鮮食料品販売会社の代表者たち二十二名の連署をもって、仙台市長並びに仙台市議会の議長に対しまして、中央卸売市場建設促進協議会という名をもって請願並びに陳情が出されたのであります。その内容は、すでに日本国有鉄道においても宮城野原に貨物駅を建設することに決定したのであるし、現在の民間市場はこれに伴って当然移転しなければならない事情にあるのであるが、仙台市はこれを機会に、生鮮食料品の総合市場をこの将来でき上るべき貨物駅に隣接する国有地に開設するよう、それによってまた市民生活の安定を期するようにせられたいという趣旨の陳情並びに請願であったのであります。仙台市としましては、この宮城野原の場所、これは、現在中央卸売市場の敷地になっておりますが、この位置について慎重に検討いたしました結果、これは市場の敷地としては最適地であるという結論を得ました。 ついでに簡単に申し上げますが、この市場の場所といいますのは、仙台市の中心地であるいわば旧市街と、それから南方の副中心地である長町方面と、それから苦竹と申しますか、塩釜寄りの新しく起る工業地帯、この三つの場所のかなめの場所に位する所でありまして、これは貨物駅との隣接の関係を考えますというと、最も適当な場所であるわけであります。また、仙台が塩釜と一緒になって、あの地域に仙塩の総合開発の事業を行おうということが国からも認められまして、総合開発の特定地域として御指定を受けましたが、この塩釜との関係におきましても、交通運輸上も、その他の点においても非常に市場の場所としては適当な場所であるのでございます。そういう結論に基きまして、市といたしましては、昭和二十五年の三月に市議会の議決も得まして、大蔵省の東北財務局ともいろいろ御連絡をいたしました結果、一万五千百二十八坪を四百六十六万円で買収することになったのであります。これが昭和二十五年中のことでございまして、翌昭和二十六年からいよいよ本格的な中央卸売市場の計画が始まりまして、最初は東京から市場の設計者を招聘して設計を依頼いたしたりいたしました。この設計によると四億六千万円という膨大な金額に上りますので、関係者がそれぞれ集まって再検討いたしました結果、製氷冷蔵庫のほかは木造とするというような計画に変更をいたしまして、工費一億七千万円、昭和二十七年度から三カ年の計画で、工費は原則として全額起債によるという方針が立てられたのであります。ところで、この中央卸売市場の建物としては、製氷工場のほかに、魚類の売場、青果物の売場、その他付属建物等々、いろいろの建築が必要なのでありますが、特に製氷工場につきましては、たまたま昭和二十七年の二月に宮城県の冷凍商工協同組合及び仙台の冷凍事業協会から、どうも市が製氷事業を行うことは、民間企業を圧迫することになって、生産が過剰になるのじゃないかというような意見も受けましたけれども、また半面には、その年の三月に、氷の小売を業とします魚類商業協同組合その他小売組合から、氷の需要はますます多くなり、公正な価格を維持するためには、相当能力の製氷工場は絶対必要である。という運動が起されるなどのことがありまして、市といたしましては、大乗的な見地から、まずこの製氷工場の建築にかかることになったのであります。 それで、この製氷工場につきましては、昭和二十七年の十一月二十一日に、この製氷冷蔵工場の建築についての計画通知書を提出いたしまして、十二月の九日に、その確認通知を受けました。その後、昭和三十年の終りをもって、この製氷工場は建築が終って、現在操業しておるのであります。 その次に、今度は、製氷工場を除き、いわゆる市場の本体の建設事業を始めることになりました。その間には、いろいろの事情からしまして計画に変更がございまして、この際に申し上げますが、当初の計画は、先ほど申し上げましたように一億七千万円、これは製氷庫以外は木造の計画で始まったのでありましたが、昭和三十一年度には農林省の市場建設基準に準拠しまして、工費を二億二千八百万円に計画変更をいたしました。さらに昭和三十二年度におきまして、管理家屋を除いては全部耐火建築とするということ、及びその他の施設を完備するという計画を加えまして、総工費を三億六百四万円に変更をいたしました。そういう、当初から現在に至る計画の変更はございましたが、いよいよ冷蔵庫を除くほかの市場の本体部分の建設に取りかかることになりました。昭和三十二年の二月四日に仙台市では中央卸売市場開設事務所を設置いたしまして、建築の手続を始めたのであります。現在までの建築の工程は、計画として建物全面積三千七百四十一坪二合一句のうち二千百九十六坪三合六月、全体の計画からしますと五八・七%が済んでおります。今までの建築に要しました費用は、計画の三億六百四万円に対しまして一億七千五百七十九万円、全体の五七%四、これだけがすでに施行済みであるわけであります。 ところで、問題の、この建築の手続が違法であったという件に関しまして申し述べたいと思うのでございますが、当初、製氷工場を建築しますときは、これは、市の考えといたしましては、とりあえず、先ほど申しましたような業者などの意見もありまして、早急にこの製氷工場だけを取り上げて、まず最初に作ってしまおうという考えがありましたので、この点について計画通知、また、確認という手続はありましたが、これが都市計画の施設として位置を決定しなければならない、または、建築基準法に基くいろいろの手続を経なければならないといったような点に考えが及ばずに、つい、独立の建物の建築ということで取り運んで参ったようでございます。もっとも、当時におきましても、この製氷工場はそれ自体に作るのではなくて、仙台の中央卸売市場の総合的な建設の一環としてやるということは考えてはおったわけでございますけれども、そういった、とりあえず製氷工場を先に作るといったような考えがもととなりまして、そういう手落ちが起ったものと思うのでございます。 次に、昭和三十二年から始まりました、現在も継続中であります本体の売場その他の工事につきまして、これは残念なことには、計画通知はありましたのですが、それに対する確認がないままに運ばれて現在に及んでおる次第でございます。はなはだ、この点、申しわけないことでございますが、どうしてこういうことになったのだろうということを、先日以来私も、できるだけの調べをいたしました。また、一体どうすればよかったんだろうということも調べてみました。そもそも、仙台市ががとるべき最もよい方法として、現在から振り返ってみますことは、土地の買収まではまあよろしいと、一応、市場の敷地予定地として買収はいたしますが、買収した直後にでも、これを都市計画法に基くところの中央卸売市場の位置になるんだという、位置の指定をやっておくべきであったと思うのであります。残念ながら、そのことがなされずにきました。従って、少くとも、先ほど申しました昭和二十七年の製氷工場の建築に取りかかる前にその手続を——都市計画に基く位置の指定をするか、または、建築基準法に基くところの公開聴聞、さらに建築審査会の同意を得るという、この手続を、いずれかを運ぶべきであったと思うのであります。私、調べました範囲では、そのころから、これはどちらかのそういう手続をしなければならないという意見が、市役所の担当の部内にあったようでございますが、ただ、これは、今振り返って申し上げることで、はなはだ恐縮なんでございますが、その方法に二つの行き方があるという点で、ある部局では、いやこれは都市計画法でいくべきだと、また他の部局では、いやそれよりはもっと手続の早い建築基準法の手続でいったらいいんじゃないか、といったようなことをそれぞれ申して、この意見が進まぬままに来たように思うのでございます。で、この製氷工場ができ上って、さて本体の、先ほど申し上げました三十三年の建築にかかる当時には、これは部内でもはっきり、これはどうにかしなければならぬ、ということがはっきりと打ち出されておったようでありますが、その手続につきまして、先ほど申しましたような二つの方法があるとか、または、さてどうしたら、どっちを選んだらよかろうか、というようなことで、じんぜん日を過ごして今日に及んだのが、どうも私の調べました範囲の実相であるように思います。気がついたときに、いつでもさっそくこれをやるべきであったと思うのでありますが、残念なことでありました。 最初に申し上げましたように、この問題が、先ほどの副知事の通知から私どもにもはっきりいたしまして、この手続の違法というものは一刻も許すべきではない、たとえ、手おくれであろうとも、さかのぼって追認という形の、はなはだ不面目なことになるであろうとも、これはさっそく是正して法に準拠した建物にしなければいかぬ、という意見を定めまして、その手続をそれぞれ踏みまして、去る八日に建築基準法に基きまする公開聴聞を行いました。この公聴会におきましては、七人の発言者がありまして、幸いに、これは現在において、いずれも場所といい、その他の点からいっても、ぜひともこの場所を中央卸売市場の位置とすべきだという賛成意見が全部でございまして、公聴会はそのようにして終りました。来たる十四日には建築審査会を開いてもらいまして、ここに付議して同意を得るという予定になっておる次第であります。 以上、簡単ではございましたが、経過を一応申し上げます。
○理事(岩沢忠恭君) これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○田中一君 住宅局長に伺いますが、公聴会を開く場合には、告示の期間とか場所とかいうようなものに対する規定は、施行細則でやっておるんですか。それとも、今までの慣例としては、どういう方法をとっておるんですか。と申しますのは、八日に開かれた仙台市の聴聞会では、掲示場所が、市役所の前の掲示板、現地の二ヵ所、付属出張所の掲示板というところに公告したことになっております。ことにこうした問題が、ただ出席した発言者が七名であって、傍聴者が九名、関係吏員等出席者が八名、結局二十二、三名の出席者をもって聴聞会を開くということですね。こういうことの事例はあるかどうか。
○説明員(鬼丸勝之君) この聴聞の詳細な手続につきましては、市の定める規則できめられております。法律の四十六条に「三日前までに公告しなければならない。」という規定がございまして、その他の掲示場所等につきましては規則で定められておるわけでございます。で、お話のように、七名しか聴聞会に参加しなかった。比較的数が少いように思いまするが、この公告だけでなく、新聞等でも相当大きく取り上げられておるようでありまするし、聴聞会が開かれることにつきましては、市内には相当周知されておったのではないかと思われます。 なお、他の聴聞の事例につきましては、ただいま手元に詳細な資料もございませんので、あるいは後ほど調査の上お答えいたしたいと思います。
○田中一君 島町市長に伺いますが、条例ではどういうきめ方をしておりますか。
○参考人(島野武君) お答えします。市の公告式条例によりまして、三日前に市役所前の掲示板にこれを公告するということになっております。
○田中一君 仙台市にはむろん火葬場とか屠殺場等はあると思いますが、これはいつごろ建設されたものですか。
○参考人(島野武君) お答えいたします。火葬場は前からあったものでございますが、仙台市で最近に建設しましたものとしては、屠畜場とごみ焼き場、塵埃焼却場とございます。塵埃焼却場につきましては、これは昭和三十一年に建設をいたしましたので、昭和三十一年六月九日に許可申請を受けまして、これは建築基準法に基きまする手続を踏んで公開聴聞、建築審査会の同意を得まして、六月二十六日に許可をいたしております。 それから、屠畜場でございますが、これは昭和三十二年中に始めて、ただいま建築続行中でございます。これは三十二年の十月三十一日に許可申請を受けまして、その年の十二月二十一日に、これも前のごみ焼き場と同じ手続を踏みまして許可をいたしております。
○田中一君 当時、今、御出席の参考人のうち、この建築関係の部局にあった方いらっしゃいますか。
○参考人(關山幸作君) 私、庶務課長が担当しておりましたのです。
○田中一君 中央卸売市場だけがそういう手続を踏んでないということを発見したことは——発見というよりも、あなたの方で知ったことは今までなかったか。たとえば県庁からも指摘を受け、あるいは建設省から指摘を受けて初めて気がついたのか。
○参考人(關山幸作君) お答え申し上げます。私が昭和三十年十一月から建築に関する事務を担当いたしました。それで、製氷工場の関係については、これは前任者のことということに一応なりますが、担当いたしました後にいろいろ法規関係も勉強し、また事情も係官から尋ねておりますうちに、この問題を発見いたしましたので、先ほど市長からも話がありましたように、さっそく関係の部局に連絡いたしまして、成規の手続を踏むようにということを、私は非常に強調いたしました。そのことははっきり申し上げてよろしいと思います。そういう関係でありますが、遺憾ながらその実を結ばなかった次第でございます。
○田中一君 むろん市長は、二月に当選した市長ですから、そうした意味の、ことに建築関係のことを、市長の就任前にやった方ならば、これは気がつくかもわからぬけれども……。少くとも前市長時代から、ことに昭和初期からこの問題が論議され、計画があったということで、二十七年に初めて予算化して仕事が始まるという際——御承知のように建築垂準法は昭和二十五年に制定されております。従って、当時は民間の建築等についても、相当強い取締りをしたことであろうと思うのです。にかかわらず、そういう問題を、いつごろ知ったか知りませんけれども、その違法性を発見して、手続をしようという意思はあったけれども、それが実を結ばなかったということは、ちょっと僕にはそのまま受け取りにくいのです。これはむろん知らなかったら知らなかったでもって、知らないことを追及することはできませんし、気がつかぬことを、そうやたらに個人的に追及するわけにはいかぬです。しかし、知っておったにかかわらず、それができなかったということは、前市長から何か、そういう手続は要らないのだということでもあったのですか。そういうことを言われたのですか。
○参考人(關山幸作君) このことにつきましては、さっきも申し上げましたように、この市場事業の所管は、中央市場すなわち産業局所管になります。それから建築関係は建設局、都市計画の所管につきましては、土木局というふうに、機構上所管が分れておりますので、やはり私の建築事務を担当しております者の立場から申しますと、許可についての申請があって初めてこれを受けて立つことになりますので、そういうことについての勧告と申しますか勧告と申しますか、それは相当勧めたつもりでございますが、なお、あとの処理、最終結果につきまして、市長あるいは助役、上層部の方から何か意思が加えられたんではないかというふうなただいまの御質問でございますが、そういうことは私の知ってる限り全然ございません。ただ、関係部局間において、先ほど市長が申されましたように、中央市場というものの性格から、これは都市計画決定をすべきが望ましいことであるというふうな意見もあり、またいろいろの事情から、建築基準法の五十三条、五十四条の規定によってこれの位置を決定していくべきであるというようないろいろな意見がございまして、それらの、何と申しますか、帰着点が容易に発見できない、そういうことで日が延び延びになったという次第でございます。
○田中一君 基準法の第九条には「違反建築物に対する措置」ということが規定してあるのです。これは、むろん許可の申請がなければ、それに対しては発言もすることはできないということをいいながら、この法律でははっきりと違反建築物に対する措置を規定してあるわけですね。同じ部内であって、同じ仙台市の中にあって、違反建築物のあるということを知っていながら摘発しないということ、あるいは善処しないということは、これはあり得ないと思うのです。従って知らないならば、知らなかったということならばこれはもう追及のしようがありませんけれども、あなたの方が今知っておったということになりますと、あえて違反を承知していながら見のがしたということを追及せざるを得ないのです。その点は、今、前市長から何も言われなかったというようなことだけでは済まぬことなんですよ。当時、建設局長はこれに関係しておらなかったのですか。
○参考人(八巻芳夫君) 建築基準法に関係する事務は去年の十一月から担当しておりまして、着手当時については何もわかりませんでした。しかしながら、その建築をやる事務につきましては、当時は建設局の中に庶務課があって、その庶務課というものが独立して建築事務も、一般事務もございましたが、建築事務を取り扱う。それから土木部と復興部がありまして、その復興部に私は所属しておったわけでございます。そこで、その三十二年の四月当時復興部に所属しておりまして、復興部が建築をやるということは、事務担当でございました。そこでその建築事務については、もちろん建築課長がおりましてやったんでありますが、建築の確認通知書等も差し出して建築というものは、実はその後何ら話がございませんでしたので、順調にいっているものと私は考えておりましたが、しかしあとから考えてみますというと、都市計画でやるべきであるというような意見と、それから時間的に間に合わないので建築基準法でやれという、こういうような話があっていろいろ意見があったということが今日の原因だということに聞いておりまして、私はそのこと自体につきまして県の通知に基きましてわかったわけでございますが、まことに遺憾で、重々この点については責任を感ずる次第であります。
○田中一君 国会までこの問題を持ち出したことは、少くとも仙台市は建築行政を主管しておるのです。建築主事がおって実際の認許可、ことに建築法上の行政機関なんです。その行政機関が、知りながら、あえて県庁または政府から指摘されるまで手続を全然しておらない。あなた自身が昨年の十一月からこれを所管するとおっしゃっても、現に手続の一つとして持たれなければならぬところの聴聞会もようやく八日の日に行なっておるということは、これはあなた自身が知らなかったじゃ済まないのです。私は、現に仙台市に行って仙台の市民から聞いて、これはいかぬと、単なる建築違反じゃなくて、一方において監督権というか、許可権を持ちながら、あえて自分の方で違反を犯している。こんなことは、もうあなた知らないと言うけれども、仙台市民はよく知っております。あなたよりも仙台市民の方がよく知っておるのです。仙台市民がそれを訴えておるのです。ことに委員会の主要な問題じゃありませんけれども、この中央卸売市場が落成して操業した暁に、これに並行して鉄道の貨車駅計画なり、あるいは都市計画上の道路なりが並行して完成するかどうかの問題に対しては仙台市民は非常な疑問を持っている。そういう点から市民が掘り下げて調べてみると、結局違反建築であるということが明らかになった。だから、局長は、昨年十一月から就任したので知らないと言うけれども、今、關山君が、自分は前から気がついておったということを思いあわせて考えてみますと、これはやはり単なる過失的なものでなくて、一つの意思を不問に付そうというか、そのままほおかぶりでいこうという意思があってやったのではなかろうか、こういうような疑問さえ持つわけなんです。ことに前市長は十数年の長きにわたって市政を担当しておった。あなた方はおそらく前市長と一緒になって仙台市の行政をやっておったと思います。この点については、十分にわれわれが納得するような形の答弁がほしいと思う。単なる中央卸売市場という個人なり、法人なりが犯した違反というのではなくして、仙台市が、あれだけの認許可権を持っておった仙台市が知っていながらしなかったということについては、せんだって住宅局長にも言ったように、悪意以外にないじゃないかということを私はこれを極言しているわけなんです。従って、今のような答弁では、庶務課長並びに局長の答弁の間に食い違いがありますが、その点が解明されないで非常な危険を感じます。ことに国会としてはこうした事例が……先年法律改正をして、たしか三十万以上の市には行政権をまかしてよいという法律改正をしたのです。このときにも非常な論議、問題があった。しかしながら、こういう事例が、二十五年以来仙台市は、特別行政庁としてその資格を持っているという仙台市があえて犯すということになりますと、権限を委譲しているところの他の全国的な市の実態に対して、非常な不安を感ずるわけなんです。従って、この点については、一つ局長と課長との間の意見の食い違いというものを調整して御答弁を願いたいと思う。
○参考人(八巻芳夫君) さきに申しました通り、建築行政か関する事務が離れ離れになっておるということが、建築行政をつかさどる上において、非常に円滑かつ適正を欠くというようなことから、十一月の行政機構の改正になったのであります。そして建築行政に関するものを一本化するということになったのであります。私は、先ほど、深く建築基準法に関係する法律に携わっておりませんのでと、さきにさようなことを申し上げましたが、私は十一月以降この事務を担当しておるわけでございますから、十一月以前のことでありましても、私は責任を持ってこれが解決に当り、今後かくのごときことがないことをかたく誓う者であります。さような考え方で進みたいと思います。
○田中一君 庶務課長、何かこれに関連して、もっと明確にして真相を伝えるような答弁を、願えませんか。
○参考人(關山幸作君) 先ほど私一応申し上げましたが、やはり現状は違反であるという状態は、十分私は認めております。その点では、ほんとうに国会まで御配慮願うような事態が起きましたことは、まことに申しわけないと思っております。なお、今後それをどうしていくかという問題でございますが、これは一課長として全部を処理していくということにもちょっといきかねますので、やはり市長さん初め、局長、関係の方面とよく連携をとりまして、一日も早くこの違反という問題を是正いたしまして、正常な姿に戻すようにして参りたいと思っております。
○田中一君 そういう答弁を私はあなたに伺っているのではありません。そういう答弁は市長に伺います。事実あなたは前から知っておったというのです。知っておったけれども、それを追及しようとしてもどうもそれがとれずに今日になっているのだという答弁をしているから、申し上げているのです。今後の問題については、一課長に伺いません。責任者である市長に伺いますから、そういう御答弁は要りません。それよりも、あなたが知っておって、なぜそれが成規の手続を踏むような段階に至らなかったかということを御説明願いたいのです。局長の話と話が違います。
○参考人(關山幸作君) 当時私がこの違反の事実を知りましたのは、当初に申し上げましたように、昭和三十年の十一月でございます。事務を担当いたしましたのはそうでございますが、それからいろいろ検討もし、また内部のそういうことも調べておりましたうちに出て参りましたが、その時期はやはり三十一年、あるいは二年に入る、そういうふうなちょっと間がありましたのですが、なお、それに気がつきましたということをさっき申し上げましたのは、その通りでありますが、その当時の事情を率直に申し上げますと、私としましては、結局違反の取締りという問題が出て参りますので、違反建築をされることは非常に私としては困る問題であります。そういう関係から、この事業主管の部局に対しまして早急に成規の手続をとるようにということを要求いたしますとともに、都市計画の事務を担当いたします方面に対しても意見を求めるとか、いろいろな方法で、いわゆる横の連絡はやっておったつもりでありますが、かくしておりますうちに、市長さんが申されましたように、都市計画決定を仰ぐためには相当な時日を要することと、それから基準法の関係で参りますと、当時業者間の動向と申しますか、そういうものも杞憂されたものであると思いますが、中央市場側におきましては、その許可の申請をしばらく出し渋っておりましたような関係もありますので、しかし、それは私としましては早く出すようにということでやっておりました。なお、その当時、先ほどお話のように、屠畜場も、塵芥焼却場も、同じころに、同じような方法で、私は手続についての監視をいたしておりましたが、その方は正規に出ておりましたというような関係でございまして、それがなかなか中央市場関係だけが依然として残りまして進みません。しからばこれを取締りという面からどうするかということになるわけでございますが、当然法規がある以上、これは法規に従いまして取締りということはやるべきでございましょう。まあそれについても、一応そういう結果になるのではないかということは係の者に通告してございます。しかし、一面この市場の必要性と申しますか、そういう面からいたしまして、建設を急ぐというふうな事情もございますので、違反の取締りもさることながら、早く正常化して問題をなくすようにということで努力をしておりましたのでございますが、そういう結果が、だんだん日が延びまして、今日に及びまして、ここに御指摘をいただきましたような次第でございまして、まことに申しわけないと存じております。
○田中一君 今年の六月に島野仙台市長が就任されて、仙台市財政調査報告書というものを出した。「現状分析とその対策」というサブ・タイトルがついておりますけれども、これの十ページを見ても、はっきりとこの問題を指摘しているのです。これはむろん、建築基準法上の違反を指摘しているのではなくて、中央卸売市場が完成しても市民の大きな負担になるのではないかということを指摘しているのです。これは六月に出たのだから、市長も十分に読んでおらなかったかもしらぬけれども、少くともこの報告書を作るには、仙台市の各部局を相当詳細に調査した暁に結論が出たと思うのです。そこで、この市場が今後数年たってできたとする、ところがこれに関連する道路も何もありません。拝見してみると、都市計画はりっぱにできているけれども、この都市計画は、仙台市としてはいつごろ並行してこれを完成させようというつもりで、卸売市場の建設を急いでいるのですか。並行して必ず完成させるという前提に立っているのか。同時にまた、道路の方は市がその熱意と意思さえ持てばできると思うのです。しかし、鉄道は、国鉄の計画というものはいつごろ完成させるというつもりでいるのか、その両面について御答弁願いたいと思う。
○参考人(八巻芳夫君) 鉄道の方は、三十五年六月には開設する、こういう見込みであるということを申しております。それから道路の問題につきましては、中央卸売市場並びに鉄道に関連するところの二本の道路、これは政府から国庫補助をいただきまして、去年から一部着工いたしております。これには人家の相当移転も要しますから、三、四年はかかると思いますが、しかし二本の道路については、事業決定ということはお認めいただいておるというふうに考えております。
○田中一君 美馬計画局長に伺いますが、今、仙台市の建設局長が言っておるように、鉄道は別として、仙台市周辺から生産される青果その他が運び入れられるための道路計画というものは、政府の許可といいますか、補助金をもらってやっておるといいますけれども、この計画に乗ってフルに操業する時期には必ず道路も開通するというような計画は承知しておりますか。
○説明員(美馬郁夫君) この仙台市の都市計画街路でございますが、この卸売市場の西側に、都市計画街路の広瀬橋−宮城野線というのがありまして、これは昨年度拡幅工事を完了しております。それからまた南側には、現況は六メートルから七メートルの道路がありますが、これも、都市計画街路の清水小路−多賀城線として、私どもの方の街路五カ年計画に編入して、拡幅工事の予定で、現在では着工しておりませんが、そういう予定になっておりまして、これ二本では決して十分とは申せませんが、いろんな、経費の面の制約等もございますので、まあとりあえずはこの二本を急いでやったらいいんじゃないか、こういうふうな状況でございます。
○田中一君 仙台市が熱意を持って、この卸売市場操業の時期まで、当然の市民のための卸売市場ですから、不便のないような措置をするという意思を政府の方に陳情した場合には、それに協力するというような気持を持っておりますか、現在の計画では。
○説明員(美馬郁夫君) 仙台市の都市計画街路につきましては、三十年でございますか、一応大綱を決定した街路網がございますので、その趣旨に沿ってできるだけ協力はしていきたい、こういうふうに考えております。
○田中一君 そこで市長に伺いますが、市長としては、過去十何年か市政を担当した前市長のあとを受けて、いろんな困難に逢着しているように私新聞等で見ておるのです。私は、あえて市長を当委員会にも参考人として御出席を求めてこの問題をただすのは、少くとも、先ほども言っておるように、認許可権、権力を持っておる市長が、知っていながらそれを追求せずして、是正せずして、今日まで放任したという責任、これは前市長の時代に起った問題であろうとも、現市長の責任であります。従って、当然宿弊というもの、今までそうい問題を放任したという市内部の機構なり、あるいは人事の問題なりを、どういう方向に向って、是正するような方向に向って考慮されているかという点を伺いたいのです。これは、ここに宮城県出身の高橋委員か、委員でないか知らぬけれども、出席しておるから、にらみをきかせておるのかどうか知らぬけれども、これは島野市長は、率直に自分の見解をここで言わなければならぬと思うのですが、高橋進太郎同僚議員としても、おそらく島野市長の真剣な御意見に対しては共鳴されると思うのです。ここで伺いたいと思います。そしてなお、その御意見を聞いた上に政府から答弁を伺いますから、一つ率直に申し述べていただきたいと思います。
○参考人(島野武君) お答えいたします。私現任の市長としまして、こういう不手ぎわがあったということは、まことに申しわけないことと思っております。先ほども申し上げたところでございましたが、これを知りましてから、さっそく中央卸売市場の建築を差しとめまして、先ほど申し上げたような聴聞会あるいは建築審査会の同意を得るという手続を急いで進めておるところでもございますが、今までの、こういった長い間知っておって始末がつかなかったというようなことは、まことに何とおわびをしていいかわからぬほどのことでございまして、こういうことの由って来たる原因というものを、私としましても、この際に十分検討いたしまして、またその局に携わった者のそのときの事情というようなものもできるだけさらに詳細調べまして、善処をいたしたいと考えております。また、それだけではなくて今後におきまして、こういった不都合が絶対に起らないようなことを、機構上もまた監督上も、いたしていきたいというふうに考えておるわけであります。先ほど機構上の欠点も御指摘になりましたが、こういうことも、実は建築関係だけではなしに、先ほど引き合いに出ました財政調査官の報告書によりましても、随所にそういったことの指摘を受けております。この示唆に基いて、なるべく早い機会に、全面的な機構の整備をいたす、あるいは都合によっては、機構の改革と申しますか、そういうこともいたし、また、おのおのの責任を明らかにして、今後間違いのないように尽していきたいと思っておるわけでございます。
○田中一君 鬼丸住宅局長に伺いますが、私は、権限委譲をしてから相当こういうふうな事例が多いじゃないかというような心配をしておるのです。あの当時も、そういうことが起きはせぬかという心配を非常に持っておったのですが、その一つの事例として仙台市がやり玉に上ったわけです。見つかったから不幸なわけなんですけれども、そういう点が各委譲した都市において、あえて大胆に、ずうずうしく公然と行われるということが法律改正の趣旨じゃないわけです。むろん、自治体でありますから、事業を遂行するのは、何をやってもかまいませんけれども、どの場合にも合法的な手続なり方法をとらなければならぬと思う。従来ともに、ちょうど二年あるいは三年近くなります、あの法律を改正してから。仙台市の場合には、これは二十五年からやっておるそうでありますけれども、そういう面の調査をしたことが——調査をしたことというよりも、そういう面の抜き打ち的な調査をしたようなことがあったかどうか、それでまた、今後ともそうした意味の調査をしようとする意思があるかどうか、その点について御答弁願いたいと思います。
○説明員(鬼丸勝之君) お答えいたします。権限委譲いたしました後における新しい特定行政庁は、特にこの種の違反が多いかどうかという点につきましては、まだ調査をいたしておりません。ただ、特定行政庁全体を通じての基準法違反の事実につきましては、毎四半期ごとに報告を徴し、かつ一年分を取りまとめまして全体の報告を徴しておりまして、これをもとに、建設大臣としての監督上の資料に資し、また監督上の措置をとっておるわけでございます。なお、最近抜き打ち的に、建設省の監察官におきまして、基準法の違反状況の監査をいたしたのでございまするが、これは目下取りまとめ中でございまして、この結果にかんがみまして、基準法の運用上、あるいは場合によりましては、現行法令の規定と実情とそぐわない点が若干あり得ることも考えられますので、そういう際には法令の改正という問題をあわせて検討をいたして参りたいと考えております。御参考に申し上げますと、定例的な報告を徴しました結果は、最近の事例で申し上げますと、全国的には年々減ってはおります。全体の確認申請の件数に対しまして、違反建築の件数の割合を、過去三カ年にとって見ますると、三十年度は八%強、三十一年度は七%強、三十二年度は五%強というふうに、まあ率は漸減はいたしております。しかしながら、一面非常に人手が足りない、あるいは旅費等の事務経費が県庁なりあるいは当該特定行政庁において少いということから、この違反の摘発なり処置が不徹底であるという面も確かにございます。この点につきましては、今後一そう留意いたしまして、先ほど申し上げましたような運用上の点はもちろん、場合によりましては、法改正の面もあわせて検討いたしまして、この種の事例が今後未然に防止できるように、最善の努力を尽して参りたいと考えておる次第であります。
○田中一君 まあ、おそらく行政権を持っている役所が違反を犯すなんということは、もうまれな事例だと思うのです。従って、そういう事例を政府が発見しようとしたところで、なかなか発見できないと思うのですが、ここに一つ仙台市政において、これはあまり芳ばしくない汚点を残したものと思うのです。従って、どうかわれわれが仙台市の市政というものを考えます場合に、こうしたはっきりした問題が、そのままほおかぶりされるということになりますと、市政全体に対する批判というものが、別な角度から見なければならぬということになりますので、どうかそういうことのないようにしていただきたいということを要望して、私の質問をこれで終ります。
○理事(岩沢忠恭君) ほかに質問ありませんか。 御参考人の方どうも長い間ありがとうございました。 —————————————
○田中一君 それから次に、一つ問題……せんだって住宅局長にお願いしておった件ですが、日本科学防火協会の件です。その後調査の結果どうなりましたか。報告願いたいと思います。
○説明員(鬼丸勝之君) 先般お尋ねの、日本科学防火協会の問題でございまするが、お手元に差し上げました資料につきまして、若干補足御説明申し上げたいと思います。これは建設省が主管いたしておりまする社団法人といたしまして、昭和三十一年の八月に建設大臣の許可を得て設立されたものでございまして、その目的、性格等は、ここに書いてありますように、防火に関する法令の指導を行うことを中心といたしまして、これに関連しまする諸般の調査、指導あるいは防火構造材料とか、消火設備あるいは防火設備等の紹介等を行うのがこの法人の事業ということになっております。詳細は省略いたしまするが、現在は会員といたしましては合計八百六十五名でございます。すでに最近までに実施いたしました事業は、ここに記載しておいた通りでございまして、説明を略します。特に乙種防火戸普及事業ということをやっておりますが、この点につきましてのお尋ねがございましたので、この点につきまして申し上げますると、御承知のように、建築基準法上の防火設備といたしまして、乙種防火戸の規定がございまするが、これを適法に実施することが従来怠られておるという現状でございます。端的に申しますると、この関係の違反は非常に多いという現状でございますので、その、なぜできないかという理由をいろいろ検討いたしましたところ、これが現在有効な防火戸としてできておるものは、その塗料が特許になっておる、あるいはその戸の組み立てと申しますか、設計が実用新案になっておる、そのほかにはどうも有効なものができない、しかも、その特許料なり実用新案料と申しますか、これが相当高いものである、こういうような事由が判明いたしまして、防火戸の設置が非常に妨げられておる。そこでこれは、何とか公益的な一つの目的を達成するという趣旨におきまして、これを安く普及させることが必要ではないかというふうに考えられまして、これの普及方策といたしまして、手軽に適法な品質のものが入手できるようにしなければならないということから、各地でこの講習会を開きました際に、その設置についての方法なり、あるいは規格、供給の体制等を指導いたしておるこの仕事を協会で行なってきておるのでありまするが、その際、あわせて実際にその入手を容易ならしめるということが必要でございますので、この特許にかかるフロトン防火戸と、反射式防火戸につきまして、本会の会員である建具業者に工作権を分権するということをいたしまして、しかも新案実施料を、通常、従来防火戸一枚について二、三百円のものを大量普及をするという前提で、本会が扱う場合には二十円というふうに切り下げて普及をはかった次第であります。なお、会員の入会は、一カ年会費千円程度で加入されるわけでありまするが、建具業者の方であれば、これは入会できるわけでございます。なお、二十円というふうに実用新案の実施料は下げておりますけれども、このほかに協会の経費として五円と、それから防火戸を設置いたしました場合に、ちゃんとした規格の戸であるということを表示するプレートをはるのでございますが、プレート代五円というものが別に設置者の負担になるわけでございます。 以上簡単でございまするが、御説明を終ります。
○田中一君 官房長に伺いますがね、建築研究所は、主としてその研究するテーマというものは、建築研究所から申請されるものに対して、建設大臣が認めているというものはどれくらいあるのか。あるいは特定なる研究を建設大臣が命ずる事例がどれくらいあるのか。同時にまた、民間の研究を委託されるものは大体どれくらいあるかという点の調査といいますか、資料ですね、調べたものございますか。
○説明員(柴田逹夫君) 建築研究所がどの程度に建設省の方の仕事の関係と結びついてやっておるかというようなことにつきましては、特にお話がございますれば調査をいたしまして、資料として差し上げたいと思います。
○田中一君 それ一つ調べて下さい。 そこで伺いたいのは、こうした非常に普遍的な、だれでも、たとえば準防火地区で自分でうちを直すということを可能なんです。その場合に、容易に、どの建具屋を頼んでも大工に頼んでもできるというようなものを、大臣は命じて、建築研究所で研究し、またその成果を上げる、そうして国民にそのまま公開するというような措置が望ましいと思う。現に私ども全国的に歩いてみて、建売り業者がどのくらい——日本科学防火協会というものが違反だといって摘発したり——とうかつはしないでしようけれども、特許侵害を訴えたり、いろいろやっておるのです。そうして、ここにまあ、かつて二、三百円のものを二十円にしたといっておりますけれども、実態はそうでないように聞いているんです。むろんこれは指導員が出張すれば旅費がかかりましょうし、いろいろなものがかかるでしょう。そういうものもやはり負担するような仕組みになっておるのじゃないかということを懸念するわけです。こういう普遍的なものは、当然建設大臣が、国民のために、自分の持っている機関に命じて研究さして、それを国民に公開するという措置が一番望ましいことなんです。ことにこの基準法を見ましても、耐火木材なんというものは、現在市場に何にもないんです。売ってないんです。作っているところはないんです。そんなものをこの基準法で示しておいては、とまどうわけですね。私は政務次官にきょうあえて御出席願ったのも、五つの銘柄を建築材料として指定して、これを使えというようなことはしないで、これは、建設省告示でもって示しておるようなんですが、そういうことはしないで、自分の方に研究機関があるのですから、大幅に予算もつけてやって、啓蒙することができないというような面に対しては、国自身が研究して公開するというような措置が望ましいと思うのです。これはもう準防火地区の開口部には防火戸をつけなければならないということになっておりますけれども、建具屋に行ってもその注意をしてくれません。建具屋に行って既成の建具を買う場合にもこんなこと建具屋言ってくれないですよ。だれがどこに使うのかわからないから。こういう点についての親切さがちっともないと思うのですよ。そういう点について、住宅局長なりあるいは政務次官はどうお考えになっておるか。また、どういう措置をとろうとするか。特定なる銘柄を示してそれに特許料を払う、あるいは施行の指導を受けるなんということがあっちゃならぬと思うのです。
○説明員(徳安實藏君) 御説承わりますと、まことに、ごもっともだと思います。よく研究をいたしまして御期待に沿うように、そうした機関を指導いたしたいと思いますから、御了承いただきたいと思います。
○田中一君 この五種類以外には研究している業者はおらないのですか。ことに法律に指定する場合には、国民がだれでも手に取れるというものを指定すべきだと思うのですよ。それをあえて告示でこの五種類を使え、買えというのは、これは行き過ぎです。従って、それに対する対策はどうするかです。
○説明員(鬼丸勝之君) 現在の建築基準法施行令の規定で、特殊防火戸をお説のように指定しておりますが、これはいずれも乙種防火戸としての性能が必要にして十分であるというものを規定いたしたものでございます。ただ、お話のように、耐火木材等につきましては、現在生産されておりません。これはなかなか採算に乗らないということで、ある会社がやめてしまったというような事情であります。従いまして、こういうないものを認めるというようなことは、今後規定の上でも再検討しなきゃならぬと考えております。 なお、ほかに、もっと一般の人が簡単に安く入手できるようなものがないかどうか、これにつきましては、ただいままでいろいろ調査なり、あるいは建研でも全然無関心であったわけではないので、いろいろ研究いたしました段階では、なかなか経済的で効果のあるというものがほかには見つからないので、今のところはそういう状況でありまするが、先ほど政務次官もお答えになりましたように、先生のおっしゃる趣旨もまことにごもっともでございますから、今後なお研究所におきまして積極的にこういうものの研究をいたしてもらいますように、住宅局といたしましても十分緊密な連絡をとって参りたい、かように考えております。
○田中一君 ことにこの日本科学防火協会が地方を回って歩いて、当然建築主事がすべき業務を、事務を代行しているような形で動いているのです。これは違反であるとか何とかいって動いているのですよ。こんなことは、建築基準法の法の施行、実施というものは建築主事が行うべきものなんです。むろんこれは予算の面からいっても、人間が足りないとか何とかということはあり得るでしょうけれども、まるで官許の建築主事の代行するような形でこういう日本科学防火協会を認めたような形になっておることは好ましくないです、これは。事実において当然そうした違反等は建築主事が確認をし、また現場に行って許可を与えるなら与えるということになるわけですよ。それをこれに代行させるような印象を国民は受けております。私はこういう形のものがあっちゃならぬと思うのです。手が足りない、足りるという問題じゃなくて、法律を作った以上、それを国民に知悉させ、それを守らすというのが行政府の責任なんです。それをこれに代行させるというような訴えが各地から参っております。この団体に対する政府の態度は今後どうしますか。ことに三十一年、三十二年、建築指導課長の名前をもって各都道府県に通牒を出しております。これは非常な行き過ぎであります。
○説明員(徳安實藏君) ただいま御指摘いただきましたようなことがかりにあるといたしますれば、まことにこれは出過ぎたやり方でありまして、指導する程度のことはこうした機関がやっていいとは思いますけれども、摘発するような、いわゆる役所のやる仕事を一方が代行するような形にとられるような行為をなすことは、これはまことにけしからぬことだと思いますので、よく調査いたしまして、そうした事例がございますようでありますれば警告を発しまして、再びそういうことのないようにいたしたいと考えております。
○田中一君 準防火地域の防火戸はこの法律できめております。これを必ず国民に施行させるという啓蒙宣伝はどういう方法をとってやりますか。
○説明員(鬼丸勝之君) 現行規定の防火戸の普及宣伝につきましては、指導面あるいは普及宣伝の一翼をこの防火協会が謙虚な態度でやっていくことは差しつかえないと思います。しかし、なおこの方面の普及宣伝につきましては、もちろん建築主事、特定行政庁におきまして十分普及徹底の努力をいたさなければなりませんので、私といたしましても今後都道府県に対しまして、あるいは特定行政庁みずからが、この有効な、法律上認められている防火戸の設置につきまして、なお普及宣伝の努力をいたすように指導いたして参りたいと考えております。
○田中一君 次に、三十一年、三十二年に出した建築指導課長の通牒というものを、これはこのまま見のがしておくつもりですか。これに付随して、今、局長並びに政務次官が御答弁になった趣旨のことを通牒に出すつもりでおりますか、新しい事態として。
○説明員(鬼丸勝之君) 新たに、ただいま政務次官なり私から申し上げました趣旨によって、地方に通牒を出したいと考えております。
○理事(岩沢忠恭君) それでは、本日の委員会は、これで散会いたします。 午後零時十四分散会