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29回国会参議院1958/06/30

決算委員会 第5号

発言数
57
登壇者
12
会派数
2
開催日
1958/06/30

会議録

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ただいまから、本日の決算委員会を開会いたします。  本日の委員長及び理事打合会において申し合せました事項を報告いたします。  当委員会は明日をもって本国会中の最終の委員会といたします。なお、休会中の委員会開催につきましては、本国会の終了いたしましたる翌日に開会をいたします。  本日は、先般来予定されておりました通りに、江戸川汚水問題について審議をいたします。それを終りましてから、防衛庁の決算審議をいたします。  なお、休会中に当委員会から各地の決算状況につきまして議員派遣を行いたいと思います。  まず今回は、九州班と北海道班と東北班の三班、九州班は四名、八日間、北海道班は三名、九日間、東北班は三名、六日間、いずれも七月末から八月の初旬にかけて、各担当の派遣委員の方で御相談の上適当な日取りをおきめを願いたいと思います。  なお九州班につきましては、自民党二名、社会党一名、北海道班につきましては自民党一名、社会党一名、東北班につきましては自民党一名、社会党一名、なお各班に無所属一名、緑風会一名、共産党一名、この三名の方々のうちで随時御協議を賜わりまして、それらの三名の方々がその三班にそれぞれ一名ずつ御参加願うように御相談を願いたいと思います。  以上理事会において申し合せました事項でございますが、さよう決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めて、さように決定いたします。   —————————————

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を議題といたします。  本日は江戸川における汚水放流による漁業の被害に関する件について引き続いて質疑を行います。  本件に関しまして、参考人として東京都庁から江藤経済局長、同じく建築局の大河原指導部長、千葉県庁から川上水産商工部長そのほか政府側から、各省から政府委員が御出席になっております。  つきましては、質疑に移ります前に、東京都庁側並びに千葉県庁側から、当委員会において審議いたしましたその後の経過について御説明を願いたいと思います。江藤局長。

江藤彦武東京都経済局長

○参考人(江藤彦武君) 先般、当委員会におきまして、私が申し上げましたこの問題妥結の方法といたしまして二案を申し上げまして、最後の案、いわゆる千葉県当局と東京都と本州製紙と関係漁業組合によりまして構成する何といいますか、打合会において、最後の妥結点を見出したい、こういうことを申し上げておったのでございますが、その後、千葉県側に対しまして、これらの意向を東京都より御連絡申し上げました。取りあえず千葉県と東京都におきまして、これら本州製紙株式会社の江戸川の工場の排水による漁業被害問題に関する東京、千葉両県打合会を去る六月二十七日都庁におきまして開催いたしました。集まりました者は私以下私の方の関係の農林部長、水産課長、千葉県からも川上部長、水産課長その他関係官が集まりまして、慎重にいろいろな問題を討議し、その当日決定になりましたことにつきまして一応御報告申し上げます。  第一点は、除害設備改善の上は、両都県当局及び関係漁業組合代表並びに会社立ち会いの上、水質調査並びに生物試験を行い、不完全な場合はさらに改善される。これが第一点の取りきめでございます。  第二点は、除害設備の整備と漁業補償問題とは別個の問題として取り扱う。  第三点、この協議会では漁業補償問題のみを検討することといたしまして、事件の善後措置、これはまあ何といいますか、その後いろいろな偶発的な事件が出てくると思いますが、それらの事件の善後措置については取り上げない。  第四点といたしましては、被害算定については、両都県の水産課及び水産試験場におきまして、第三者的な公正な立場においてこれを行うものとする。  第五点は、本打合会は、今後本州製紙排水漁業被害問題東京千葉両県協議会というふうに切り換えまして、漁業被害問題の円満解決をはかる。  こういう五点を取りきめまして、取りあえず被害算定につきまする両県の水産課及び水産試験場の専門家のみによりまして、別に別途小委員会を作ることに相なりました。小委員会の結論が出ましたあとは、ただいま申し上げました第二回の協議会を開催いたしまして、結論を早く出したい、こういう考えで進んでおる次第であります。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 次に、大河原指導部長から。

大河原春雄東京都建築局指導部長

○参考人(大河原春雄君) 私の方といたしましては、その後会社等と打ち合せをしておったのであります。一点は、現在の汚水をどういうふうにしたならば公害がなくなるかという点であります。それで被害といたしましては、これまでるる申し上げましたように、第一点といたしましては、浮遊物の除去の問題でございます。浮遊物の中にはもちろん繊維が入っておるわけでございます。第二番目は、排水の色度の問題であります。これは黒褐色、茶褐色の水が出るという問題でございます。三点は、PHの調節の問題でございます。この三点であります。  それで第一点の浮遊物の除去の問題でございますが、現在排水の沈澱池はできております。これは貯水池を切りかえた関係上、新しく池を作ったわけでございませんで、パイプの切りかえ等でございますので、沈澱池といたしましては一応でき上っております。それからそれに対しまして、種々の方法によりまして、中の繊維を取りたいということを会社が申しております。それから排水の色度の問題でございますが、色度の問題につきましては、S・C・Pの廃液が茶褐色をしておるわけでございます。それの原液の六五%程度を抽出除去する設備を会社が考えているようでございます。それからもう一つは、ドラムバーカーから出る色素でありますが、これはタンニンでございまして、これにつきましては、早期に除去をする設備をしたいということを申しております。それからPHにつきましては、割合簡単ではございますが、とにかく会社といたしましては、いろいろなアルカリ性を入れるなりいたしまして、PHを六程度にしたいということを申しております。具体的な設備は、いろんな機械等はございますが、一応考えておる設備はそういうことを申しております。以上であります。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 川上水産商工部長。

川上紀一千葉県水産商工部長

○参考人(川上紀一君) この問題の工場再開の問題、それから被害の調査等の問題につきましては、ただい玄東京都の経済局長から御説明がございましたので省略いたします。県といたしましては、県に、前回の委員会で御報告申したんでございますが、公害対策の委員会がございますが、ここで早急に公害防止の条例を制定すべく会議を開きました。きょうもただいまこの会議が開かれておると思いますが、これを検討いたしまして早急に条例を作るべくただいま作業を進めております。それから被害の調査を四月以降現在まで数度行なっておるのでございますが、これは海水の関係で、やはり大潮どきをとらえませんと、十分な調査ができませんので、明日それからあさって、この大潮どきをとらまえまして、大々的なさらに被害調査をいたすべく計画を立てております。以上県のとって参りました経過報告といたします。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) どうぞ皆さんお暑いですから上着をおとり下さい。  参考人の方々の説明は以上をもって一応終了いたしました。御質疑のある方は順次御発言を願います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の東京都の経済局長の御説明で、小委員会を持つ、その小委員会によって被害の程度による補償等も最終的にきめたい。その補償についての根本的ないわゆる国あるいは都または工場、こういうような問題についての点については、何ら触れておらなかったんですが、そういう点についてはこれからやろうとするのか、あるいはそういう基本方針だけはきまっておるのか、都の立場で。その点いかがですか。

江藤彦武東京都経済局長

○参考人(江藤彦武君) この問題は本州製紙の汚水による被害でありますから、当然本州製紙において補償すべきものである、こういう観点に立って、小委員会における損害算定は考えて参りたい、こう思っております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 これはいずれそれらの結論が出てから、また本委員会においてもあるいは議論になるかもしれませんが、私も断定はしません。断定はしませんが、今までのいわゆる東京都の許可あるいは認可、そういった条件ですね、そういうようなもの等を考えた場合に、やはり都の責任がないとお考えになっておるのか、あるいは都の責任もあると考えておるのか、その点はいかがですか。

江藤彦武東京都経済局長

○参考人(江藤彦武君) これは私から答弁するのはどうかと思いますが、私の、いわゆる協議会の議長をつとめておる私としての考えをここに申し上げるのでありますが、この原因はあくまで本州製紙一工場の原因による被害でありますので、それで私どもといたしましては、これは指導部長もきておりますが、許可に当りまして、いわゆる故意または過失があることを原因にいたしまして、そういう被害が出たならば、東京都においての問題が起りましょうが、私どもの観点では、いわゆる建築局の方としては、いわゆる無過失の問題であろうと考えておりますので、そういう点から考えまして、私はこの問題は本州製紙が責任を負うべきものであろう、こういう観点に立っておるわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今これは経済局長の答弁だけでは全般的に納得することはできないと思う。これはいずれそれらの問題は、小委員会のそういういろんなお答えが出てからまた一つ、取り上げるべきところは取り上げるということでいきたいと思うんですが、先ほどの千葉の川上さんのお話によるところの公害防止の条例を作るということは、基本的にいってこの水質あるいはまた水産資源の保護という建前に立ってそういう点を考えておるのか、全般のつまり工場等によるところのあらゆる問題を含んで考えておるのか、その点ちょっとお聞かせをいただきたいと思うのです。

川上紀一千葉県水産商工部長

○参考人(川上紀一君) ただいま千葉県におきまして、委員会において検討する場合も、その点が一つの大きな問題になっておるのでございますが、ただいまの寒気では事業場の排水等に取りあえず限定していくべきだという意見が強いようでありますが、まだ最終的には方針はきまっておらない実情にございまいます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 さらに川上参考人にお尋ねしたいのは、先ほどの被害の程度等についても調査をしたいという中に、特に海水の潮どきというものをお考えになって、土曜、日曜とおっしゃったようにお聞きしたのですが、そういうことですか、調査をするというのは。

川上紀一千葉県水産商工部長

○参考人(川上紀一君) 土曜、日曜ではございません。大潮があした、あさってあたりになりますので、あした、あさって、これをつかまえまして、さらに調査をしてみたいと、こういう考えでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 大河原参考人にお尋ねしたいのですが、この前、本委員会で私からも質問をしたのですが、東京都の場合の、たとえば、この汚水の調査をする場合に、単に繊維物がどの程度で刈るとか、あるいはタンニンがどうであるかということもずいぶん御説明いただいたんですが、黒い水、白い水という議論があったですね。これは当時無い水が出てから工場の被害というものは大きな問題になってきたのですけれども、その前にやはり白い水についても、これはやはり大きな問題点があるのではないかということで各参考人からもその点のお答えをいただいたのには、やはり繊維物が多くなるというと、どうしても貝等においては被害が出るというお話があったと思うのですが、東京都の場合に、この工場災害等については、もちろん防害設備というものが完備してからであるとは思いますが、いわゆる海水が引いたときと、あるいは潮が満ちたときのそういう問題についてもかなり影響力が違ってくると思うのですが、白い水の問題については、その後どういうふうな、都の場合にお考えがいただけたものか、おわかりになっておれば、一つ説明をいただきたいと思う。

大河原春雄東京都建築局指導部長

○参考人(大河原春雄君) 先ほど御説明申し上げた中に、問題点として三つあげたわけでございます。そのうちの白い水と申しますのは、おそらく大正十一年の作業開始以来やっている抄紙の排水の問題じゃないかと思っております。それにつきましては遊浮物の除去と、結局繊維が入っております。それからPH問題と二点あると考えております。それでPHの問題につきましては、これは割合に技術的に簡単でありまして、アルカリを入れて除去いたしたい。それからもう一点の浮遊物につきましては、沈澱池が今度できておりますから、それと切りかえによって、これは対策がとれるだろうと、こう考えております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうしますというと、大河原さんの言うことは、沈澱池によって、そして今度はそういう白い帯のようにずっと流れておるあの沈澱物というものは、大体なくなると、こういうお考えに立って、これらの措置で大体間に合うというようにお聞きしてよろしゅうございますか。そうでないというと、これは単に設備をしたというだけで、形だけでは私はこの問題は将来もやはり問題が起きてくると、こう思いますが、調査の点については、十分そういう点が、ただ単に黒い水というだけでなくて、今あなたのおっしゃた繊維、あるいは浮遊物というようなものについても、十分調査をやってもらいたいという私ども希望を出しておいたんですが、そういう考え方に立って、今のこの沈澱設備というものは完成をしたものだと、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。

大河原春雄東京都建築局指導部長

○参考人(大河原春雄君) 今のお話の通りでございまして、現在私どもが問題にしておりますのは、実は黒い水も白い水も一緒になりまして最後まで一本になって出ておるわけであります。その最後に出ました一本になっておる液を問題にしておるわけでありますから、当然白い液も含まれているというふうに解釈しております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私はきょうのこの決算委員会で本州製紙問題が論議をされるのがおそらく最終ではないかと思いますので、そういう意味で東京都に特にお尋ねをいたしたいと思います。  それは今回のような、かような不祥事件が発生をいたしましたことはまことに遺憾なことでありまして、将来において再びかかる事態が起らないための努力をそれぞれの立場においてなさなければならないのじゃないかと私は存ずるのであります。そこで本問題が起き、そうして一応の解決を見つつある現状において、東京都としては将来に備えてどういう対処の方針を持っておるのか、できますならば、この際、明らかにしていただきたいと思うのであります。それは都の条例に一切をゆだねるという立場においては、今日あのような事態が起きたとすれば、その都条例の問題についてどうするか、あるいはまたこれは単に地方自治体がそのみずからの条例によって解決すべき問題ではなくて、国が国の法律としてこれら防止の措置を作る方が好ましいとすれば、それに対して東京都としては今日までの間においてどういう対策が立てられたかということもあるかと思うのであります。その他いろいろこのような事態を再び繰り返さないための東京都自身の私は努力の跡が必ずいずれかに残っておるものと思うのでありますが、これは本州製紙だけの問題にとどまらず、国内全般の将来において起るべき問題でございますので、取りあえずは東京都の態度と考え方を最終的にお尋ねをしておきたいと思います。

江藤彦武東京都経済局長

○参考人(江藤彦武君) 本問題が発生いたしました後におきましても、私ども理事者側はもちろんのことでございますが、都議会方面におきましてもこれを取り上げまして、いろいろ検討されております。それでこの問題が起る前、去年——去年と思いますが、水質の汚濁、ことに東京湾内の水質汚濁に対しまする何か処置をやってもらいたいというようなことは、都議会側の意向として出ておるわけであります。しかし何分にも私どものやりますことは、水質汚濁の条例をかりに作りましても、地方自治法に基く条例でございまして、きわめて力が弱いわけでございます、やはり、しかも都条例でございますから、東京都内のみを制約する。御存じのように江戸川は千葉県に隣接するというような、他府県にまたがるような場合が多い次第でございますので、これらの根本問題は政府においてぜひ一つ何とか実施していただきたい、こういうふうに考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 水質が汚濁をし、ために農民あるいは漁民に多大の影響と被害を与えてはいけないという立場から、数年前から水質汚濁を防止する努力が国会においても、地方団体においてもなされてきたことは、皆さんももちろんわれわれもよく知っておるところでありますが、特に本問題の発生以降において、国会はもちろんのこと、特に政府等に対して具体的に水質汚濁を防止するための法律提出のための東京都自身の努力がなされておったかどうかということは、私非常にこれからの法案審議の問題にも関連して影響があるものと思いますので、そういう努力がこういう問題発生以降においてなされておるかどうかということをこの際承わっておきたいと思います。

江藤彦武東京都経済局長

○参考人(江藤彦武君) この問題につきましては、私ども東京都自身の問題といたしましては、水質汚濁に関する条例を作れるかどうか、こういう問題は検討いたしております。しかしただいま申し上げましたように、他府県にもまたがるというような点と、それから自治法に基く条例であれば、ただいま問題になっております公害防止条例が自治法に基く条例でありまして、きわめて何といいますか、不完全なものであるという現状等から考えまして、これらの点はなお検討を要する問題ではなかろうかというのが私どもの現在の段階でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 政府側に質問してよろしゅうございますか。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) どうぞ。

大矢正日本社会党

○大矢正君 それじゃ農林省当局に私の今の質問の大体要点でお答えをいただきたいと思うのでありますが、このような不祥事件を防止する意味においては、地方自治体の持つ都条例の範囲においてはなかなか完全防止は困難であるという説明もただいま東京都からなされておるわけであります。農林省当局としては、特に現在国会も開かれておるし、また、あのような不測の事態が起ったというような状況がありますにもかかわらず、本腰を入れて水質汚濁を防止するための法律的な措置をする努力がなされていないように思われるのでありますが、一体農林省はどういう考えを持っておられますか、この際承わっておきたいと思います。

西村建太郎水産庁次長

○説明員(西村建太郎君) お答え申し上げます。水質汚濁の問題は、最大の被害者は、漁業者であろうと思います、現実の問題として。それから、最大の加害者は、一方において工場、事業場であろうし、その他の場合もあります。被害者の場合には、公衆衛生の面の上水通等の問題もあります。加害者の場合においては、下水道の問題もある。いろいろな要素があると思います。私どもとしましては、この問題は多年にわたる懸案でありまして、この前も当委員会で申し上げましたように、現に三十一年度では四百七十八件も問題が生じておる。こういう点にかんがみまして、何らかのここに有効適切な立法措置をとりたいということで努力して参りました。ただ、問題がいろいろな省にまたがっている問題でありますから、私どもの方だけでアクションをとるという性質のものではない。従いまして、政府部内におきましては、昨年から経済企画庁が中心となりまして、この問題について、法案化について取っ組んできたわけでございます。不幸にして、二十八国会にその成案を得て提案するまでには至らなかった。しかし、私どもとしましては、これはできるだけ早い機会に、何らか有効な法案を政府としてもその成案を得るようにしていきたい。そのために、私どもとしては、従来も努力して参りましたが、さらに一そう努力して参りたい、こう思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 ただいま農林省、特に水産庁からお答えがあったのでありますが、確かに本問題は各省にまたがる重要な問題でありますが、しかし、これが時期的に放置をされますれば、そのことが与える国損に対する影響、あるいは私有財産に対する影響、その他もろもろのいわば損害を受ける立場のものが出て参りますので、これらを防止するための法律的措置というものは、非常に私は時期的にも早急に作られなければならないと思うのでありますが、確かに各省にまたがる問題ではあっても、経済企画庁が先般当委員会に説明されたごとくに、積極的に本問題と取り組んで解決をするという意欲があるならば、私は早急に法案提出の運びにまでいけるんではないかという気がするのでありますが、いまだにそういう態度が明確に固まらないというのは、一体何に基因しているのか。それほどまでに問題の内容が複雑多岐にわたり広範な内容をかかえているためにできないという理由なのか、あるいはまた、その他にいろいろ理由があるのか。この際念のために、経済企画庁からお答えをいただきたいと思います。

富谷彰介経済企画庁調整局参事官

○説明員(富谷彰介君) 経済企画庁がただいま準備いたしております法案は、現行の各種の水質汚濁防止のための法令がございます。たとえば、河川法でございますとか、あるいは下水道法難、すべて河川、公共水の汚濁に対しまして一定のタイプで取締りを行うというような法令が現在多数存在しております。ただ、これが実効を上げませんのは、要するに、汚濁という行為はどの程度のものをさして汚濁と言うのか、これ以上汚してはいかんといったような具体的な基準、尺度というものがお互いに共通に存在していないというところにあるという関係各省の認識に立ちまして、現在経済企画庁が準備中の法律案では、これら各種二取締り法令を通じまする共通の水質許容基準というものを設定しようということを図っております。これができますれば、たとえば、ただいま問題になっております江戸川工場につきましても、SCPの廃水はこの程度まで処理しなければならん。こういう処理をいたしますことを除害施設の設置と申しておりますが、こういう除害施設の設置なども私どものこういう基本法と関連いたしまして通産省の方で工場に対する規制措置として統制をお考えいただくということになっております。大体そういったような方向で去る二十八国会に提案すべく準備を重ねたのでございますが、なお、この法案が一そう徹底すべきであるという意見が一部にございまして、その間の話し合いを進めておりましたために今日に至っております。今日でも引き続きより具体的な実効が上がるという目標を掲げまして各省間の意見の交換を行なっております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 あなたのおっしゃる通りに、当面としてはいわばどの程度衣で可能かという許容量を定めてそれを中心とした法律を提出するという考えであったが、実際においてはそれよりもっと効果のあるものをということで現在法案提出を見合しているということでありますが、それじゃ、それよりもっと効果の上がるような法律というのは一体いつごろできるのか、これはこの際念のために承っておきたい。

富谷彰介経済企画庁調整局参事官

○説明員(富谷彰介君) 前回も申し上げましたように、われわれの目標といたしましては、次の通常国会にはぜひとも岡に合したい、しかし、可能であればそれよりも一日も早く提案をいたしたい、かように考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 あなた、通常国会しかこの次は国会がないわけでなくて、おそらく近い日には臨時国会が必ず開かれると思いますので、それまでには間に合わないのですか。

富谷彰介経済企画庁調整局参事官

○説明員(富谷彰介君) ただいま申し上げましたように、間に合いますればより早い機会に上程いたしたいと、かように考えております。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 私から厚生省に一点伺いますが、今まで厚生省に伺う機会がなかったのでありますけれども、今度の江戸川の工場の廃液によりまして魚介類も死滅をする。死滅したものは食用に供しませんから差しつかえありませんが、死滅しないでそういう廃液の中にまだ生きておった魚が漁獲されてそれが生魚として食用に供せられる、こういうような場合に、食品衛化上の立場からいきまして差しつかえないものであるかどうかという点について、今回の江戸川の事件の問題について調査試験をされたのでありますか。

小谷新太郎厚生省公衆衛生局食品衛生課長

○説明員(小谷新太郎君) 今まで私どもの方に入っておる情報によりますというと、まあこういう魚が市場に売られまして人が食べた場合に、悪いものである場合には中毒が起ってくると思います。しかしながら、この事件が非常に早く取り上げられて世間に関心が高まってきたというようなこともあるかと思いますけれども、幸い、今までのところでは、この汚水によって死んだといいますか弱った魚による中毒というようなものは出ておりません。しかしながら、今まで出ていないからだいじょうぶだと申し上げることはできないと思いますが、この点につきましては、東京都あるいは千葉の方で検討をしてもらうということを依頼いたしておりますので、その毒物の本体その他がわかってくれば、どういうふうに処理すべきかということも定められると思っております。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 重ねて伺いますが、中毒事件が起ってからでは仕方がないのでありまして、中毒事件が起るか起らないか、起る前に起る可能性があるかないか、安心すべき状態にあるかどうかは、厚生省の公衆衛生局としては私は責任をもってお調べになるべきじゃないかという考えを持っているわけです。従って厚生省にはりっぱな試験場、研究所もあるわけでありますから、なにも設備不完全な地力の県庁の試験場に依頼せぬでも、十分国家の機関において試験、調査がおできになるはずだと考えます。この点についてはいかがでありますか。

小谷新太郎厚生省公衆衛生局食品衛生課長

○説明員(小谷新太郎君) ただいま委員長がおっしゃいました通りでございまして、食品衛生の立場から申し上げますというと、中毒が起ってから調べるというのではおそいのでありますけれども、まあわれわれの力といたしましては、やはり中旬の原因がどこにあるかということ、中流を起す原因物質がどういうものであるかということを調べることが必要じゃないかと考えるわけであります。その点につきましては、やはり工場排水の中にどういう有害物があるか、そういうものが魚の中に入った場合にどういうような影響があるか、それを人間あるいは動物が食べた場合にはどういう影響があるかというようなことを実は調べていかなければならないと思います。工場汚水の問題は非常に複雑でありますので、今後そういうような点につきましてもできるだけ調査をいたすように考えております。今までのところは十分いたしておりません。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) それでは確かめますが、本件は四月早々から起った問題で、今日まで四月、五月、六月、三カ月たっております。その間厚生省は自分の持っている試験、調査機関を何らこの問題について活用することはなかった、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

小谷新太郎厚生省公衆衛生局食品衛生課長

○説明員(小谷新太郎君) その点につきましては、はなはだ申しわけございませんけれども、国の機関では今までのところは調査いたしておりません。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 厚生省はその点すこぶる怠慢だと思います。放射能で汚染されたマグロは、それを食べた人が中毒を起すというふうに害毒を及ぼすかどうか試験もしないでもって、多数の巨額に上るマグロの廃棄を命じた。今度のようなおひざ元に起ったこの問題について公衆衛生の立場、特に全品衛比の立場から何ら手をつけていないということは、これは私はゆゆしき怠慢だと思うのであります。それじゃその怠慢、今お認めになったわけだから、これ以上追及しても仕方ないけれども、こういうような事件は従来全国において頻発しておったわけであります。かつて起った事件について私が申し上げたような調査、試験をなさったことがありますかどうか。

小谷新太郎厚生省公衆衛生局食品衛生課長

○説明員(小谷新太郎君) 実はこれに関連するわけでありますけれども、工場排水によって魚が死にあるいは弱って、その魚を人間が食べることによって中毒を起した例があるかどうかということでございますが、このような問題は実は熊本県の水俣というところで工場汚水によって魚が弱りそれを食べて人間が病気になったのではなかろうかという例が出ております。これは昭和二十九年ごろから起ったのでありますが、患者として認められたものが六十四名ばかり、死者が二十一名出ております。これは二年くらいだと思いますが、調査をいたしました結果、魚によって中毒が起るということがわかりましたので、魚をとらないようにいたすようにしたわけでございます。その結果、その後患者は発生いたしておりません。そのほかのものにつきましては、ただいままでのところ報告は参っておりません。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) もう一つ伺いますが、ただいまのそういうようなすでに魚によっていろいろな中毒症状が起った事例があるわけです。あって、あった結果によって厚生省は措置をされた、それは措置をしないよりいいけれども、あるかないかわからない前に、こういう事件が起ったときに、事前に厚生省で試験、調査をされた事実があるかどうかを伺いたい。

小谷新太郎厚生省公衆衛生局食品衛生課長

○説明員(小谷新太郎君) 従来中毒が起る前にそういう原因を調査したことがあるかどうかというお尋ねでございますが、ただいままでのところそういう調査はいたしておりません。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記とめて。    午後二時十五分速記中止    ————・————    午後二時四十三分速記開始

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記をつけて下さい。  以上をもって、本件に関する質疑は終了したいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めまして、さように決定いたします。  つきましては、当委員会は、三回にわたる本件に関する審議の結果といたしまして、一応の結論をまとめたいと思います。  ただいまお手元に配付してありまするような案文に従いまして、当委員会の決議を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めて、ただいまの案文のごとき決議を行います。政府側並びに参考人側の方々に対しまして、さらに事件の関係者がおいでになりませんけれども、当委員会がただいま定めました決議を朗読いたします。   江戸川における汚水放流による漁業の被害に関する件  本州製紙株式会社江戸川工場に於てエス・シー・ピー製造設備の操業開始の結果放流された廃液によつて、東京都及び千葉県における沿岸漁民の生業に相当の被害と深刻な不安を与えた。また東京都及び千葉県が年間約百万円程度の国庫補助金を受けて行つている保護水面管理事業の効果にも、悪影響を及ぼすものと認められた。  同会社は江戸川工場廃液が無害となるよう浄化設備を完成するまで廃液の放流を停止するは勿論、既に発生した被害に対しては速かに補償措置を行うべきである。また、本件に関して監督の地位に在る東京都、千葉県並に農林、通商産業、建設及び厚生の各省は右善後処置に関し厳正適切なる監督及び指導を行い、事態の円満且つ急速なる解決を図るべきである。  また、本件類似の事態が全国にも多数発生している現状に鑑み、水質汚濁の防止は緊急の要務であり、これに関し政府部内においても立法措置を講究中のものについて、関係各省庁相協力し法案の提出を促進すべきである。  右決議する。   以上でございますから、どうぞ関係者は十分御注意賜わるようにお願いをいたします。  以上をもちまして、本件に関する審議は終了することにいたしました。  参考人の方々、どうもありがとうございました。  速記をとめて下さい。    午後二時四十八分速記中止    ————・————    午後三時五分速記開始

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。  昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十一年度国税収納金整備資金受払計算書、昭和三十一年度政府関係機関決算書を議題といたします。  本日は防衛庁の部を審議いたします。検査報告批難事項は一号から第十三号までであります。まず会計検査院から概要の説明を願います。

保岡豐会計検査院事務総局第二局長

○説明員(保岡豐君) 二十三ページの一号から説明いたします。八戸飛行場の工事費の予定価格の批難であります。まずコンクリート工事に関しまして、(ア)(イ)(ウ)と三点ございますが、(ア)は砂利、砂の採取場所は一カ所でありませんので、場所によりまして単価が一定いたしません。それで加重平均により集約単価が求められていますが、砂利の集約単価を求めるときに、その数量を三百立米過大にしていること、次に砂利、砂運搬費を高価に計算していること、もう一つ、近いところで採取できる量を調査した結果より少くいたしまして、遠い所から採取する量を多くしていること、以上三点によって砂利、砂の単価を高くしているのであります。  (イ)は、セメントの単価につきましては、現地の特殊事情として近くにセメント工場があり、通い袋で取り扱っておりますので、それで単価を節減することができるのに、計算に入れておりません。通い袋は、バラでありませんから、サイロの必要はございません。十分現地の特殊事情を反映されないのは当を得ないのであります。  (ウ)は、ダウエルバーをコンクリート工事に使用する設計を現場で実現する方法といたしまして、従来本件に使用された支持金物を使用していないのであります。これは施工の手段でありますから、ダウエルバーの位置が狂うことなくコンクリート打ちが施工されれば、施工上どうしてもこのような支持金物は要るというようなものでなく、手段はいろいろありまして、請負人の自由であります。普通に施工できる費用を見積っておけば十分であります。  その次、(2)は、切盛土工事のスクレーバーの損料を過大に見積っております。スクレーバーを牽引するブルドーザーの損料を安く見積っているとの当局の説明でありますが、特に安いとけ考えておりません。ブルドーザーの損料は十分考えて批難しております。  その次、(3)は、転圧工事で、ローラーの牽引にブルドーザーを見込むことは、トラクターを見込むことより高くなります。他のブルドーザーを必要とする工事はその方で十分見積っておりますので、ローラーの牽引に損料の高いブルドーザーを見積って利用するというのは積算の過大であります。  その次、(4)は、排水路基礎工事のぐり石に、現場から掘り起される発生材を利用することができるのに、高価につく場外からのぐり石を見積っているのは、調査の不十分と認められます。  その次、(5)は、積算に見込む工事は、工事途中の中間期限であっても正式に契約すべきであります。契約された期限に基いて積算すれば、コンクリート打ちをやらない工事にコンクリート・セメントの損料を見込む必要はないのであります。  以上の通り、本件予定価格には方々に余裕があります。予定価格を適正化するための調査に基かないで、予定価格に余裕を取れば、国の債務が余裕分だけ増大して確定されまして、それだけ国損となる、これを批難したものであります。  その次、二号は、防衛大学校汚水処理場の設計に当りまして、将来の汚でい処理について調査検討不足のため、不要な汚でい運搬道路を約二百十万円かけて設けておるものであります。なお、本件汚水浄化装置は、特に費用をかけて再度浄化しながら、再度浄化をしない防衛庁の他の汚水処理場より浄化成績が悪い状況であります。  三号は、技術研究所の水槽のトロリーワイヤーの工事で、トロリー線等の材料費が百二十三万円ばかり高く、また契約したのち、使用ケーブルを承認するに当り見積りより五十八万円ばかり安いものを承認したため、合計百八十万円工事費が過大であるというものでありまして、予定価格の作成に当って処置適切を欠いたものであります。なお、三十三万円ばかりの地下ケーブル接続工事が着手もされていないのに工事費全額を支払っているものであります。  四号は、榴弾砲用の撃発体、合計五百組を三千三百万円で購入しておりますが、部隊からの要求数量二百丑十四組は実は要らなかったことと、四十八組と考えた在庫は実は二百八十七組であったため、両方で四百九十三組が出て参りますので、さしあたり不要なものを購入したことになります。このほかナットとピンについても、在庫五百五十二個あるのをゼロとしたり、実績がないのに根拠のない数字に基いて購入したため、ナット八百万円、ピン三百万円分があり余ることになって、保有部品に著しい不均衡を生ずる状態となっております。  五号は、機雷を十五個六百万円で製作させ、検収の結果不合格になったのに、値引きで引き取ったのは、処置よろしくないというものであります。円筒型の機雷が全円周作動をしないことは、すでに部品検査の際にわかっていたのに、そのまま製作させ、受領したのは、契約に際し主要部品の規格規定が不十分であったためと考えられるのであります。  六号は、F−86ジェット戦闘機の整備に使用いたします工具と、この飛行機のタイヤは、国産で間に合うのに高い輸入品を買ったというものであります。工具のうち十六品目、約三百万円のものは、国内調達すれば三十二万円程度で、また、六品目三百万円のものは現地部隊で製作した実績があるものであります。タイヤも調達実績によれば四十五万円安くなるので、合計六百十万円差額が出るのであります。  第七号は、砲こう洗浄、掃除いたしますブラシの柄を金属製にすれば安いと思われるのに、重い木製のものにして四百万円ばかり不経済になっているもので、金属製のものがすでに供与されているのに気づかなかったのがもとでありまして、仕様不明で試作を要するし、木製の方が安くできると考えて購入したものであります。  なおブラシの柄など、その用途構造から見て製造可能な工場は少くないのに、一業者に限って随意契約をしております。  八号は、火砲部品の原図等を製作させ、資料及び受注経験がない図面として対価を支払ったもののうちには、先に同会社から修理部品を製作させ、購入した際提出させ、現に保有している承認図と全く同一図面であるので、これに対しては高価な支払いとなっているというものであります。  九号は、車両用タイヤ取りはずし器を製作させるに当りまして、材料の見積りが過大であり、それに連れて、直接経費も、加工費も過大に積算することとなって、結局千百三十万円が高価と認められるものであます。  これは見取図程度の一枚の図面で、重量も明らかでないのに、推定による見積りであったため、各部の構造を見誤ったり、鋳放したものを加工することとしたことによるものと認められます。  十号は、小型掃海艇のえい索巻揚機を総重量二千二百五十キロとして契約したものが、製品は千二百五十キロとなっているのに、そのまま減額しないで支払っているのと、翌三十二年の契約のときも同じく過大な軍量を考えて契約したため、合計百七十万円が高価になっているものであります。  十一号は、ローラー・コンベアーのローラーは通常電縫鋼管を使用するのに、特にJIS規格のST四四の継目無鋼管を指定して契約しておりますが、納品は再圧延品程度のものが入っておるので目的を達しない、検収がよろしくないものであります。  十二号は、車両の再生を行うため、北海道地区の車両を、現地の工場に十分能力があるのに、わざわざ東京地区の工場にやらせて輸送費約三百万円の損をしているというものであります。  十三号は、不正行為五万円以上三件、そのうち五十万円以上のものを申し上げますと、四十八ページに表にしてあります通り、小切手の現金化を命ぜられた職員が小切手の券面額を改ざんいたしまして、正当金額との差額五十万円を領得したものであります。  以上要点を説明いたしましたが、なお前文に三十一年度決算繰越額二十八年度計画の新造艦艇の決算並びにただいま申し上げました批難事項の概要と留意事項を記してあります。  以上で終ります。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 次に防衛庁から概要の説明を願います。

辻寛一自由民主党防衛政務次官

○政府委員(辻寛一君) 私、先日はからずも防衛政務次官を拝命いたしました辻寛一でございます。至って未熟者でございます。よろしく御指導のほどをお願い申し上げます。  昭和三十一年度決算検査報告に関しましては、防衛庁長官から御説明申し上げるのが本意でございまするが、ただいま内閣委員会に出ておりまするので、私がかわりましてやらさせていただきます。  まず昭和三十一年度防衛庁経費の決算の概要について御説明をいたしますが、昭和三十一年度防衛庁経費の当初の歳出予算額は千二億円でありまして、これに大蔵省所管から移しかえを受けた歳出予算額及び前年度から繰り越した金額二百二十八万四千三百七十七万円を加えまして、歳出予算現額は千二百三十億四千三百七十七万円であります。この歳出予算現額のうち、支出済歳出額は九百三十三億三千七百九十九万円でありまして、翌年度へ繰り越した金額は二百三十六億六千百八十万円、不用になった金額は六十億四千三百九十七万円であります。右の繰越額のうち、おもなるものは、器材費百十四億七百四十二万円、運搬費五億七百十七万円、施設整備費六十一億四千六百六十五万円、艦船建造費五十四億五千五百九十一万円等でありますが、この繰越しを生じましたおもな理由は、  (1) 器材費につきましては、調達する装備品の大部分が、一般市販品と異なり、特殊の規格、性能が要求されているところからわが国での製作経験が乏しく、調達に当って、規格の決定、仕様書の調製に慎重を期するとともに、試作による性能試験の結果を見て発注するように努めて参りました関係から、発注までの基準段階に相当の日子を要し、契約が遅延したことによるものであり、  (2) 運搬費につきましては、日米相互防衛援助協定に基き、供与を受ける予定の弾薬、車両類等の引き渡しが、米国側の都合により延期されたためであり、  (3) 施設整備費につきましては、演習場、航空基地等の取得に当って、短期間に地元民の納得を得ることが困難な場合が多く、またその納得を得たのちにおいても、補償価格の折衝に意外の日子を要したことと、米軍施設の返還を予定して、その活用を計画していたものが、米軍側の事情によって返還が遅延し、従って工事の着手が遅延したこと等に基くものであります。  (4) 艦船建造費につきましては、戦後の空白期間における技術的遅れは、いなみがたく、また艦種、艦型、性能等の主要諸元が逐次改良される関係もあって、要求性能の決定及び茨木設計の作成に意外の日子を要したことと、新造艦の搭載武器の入手が遅延したため、船体等の決定及び基本設計の作成に意外の日子を要したこと等に基くものであります。  次に、不用額六十億余円についてでありますが、そのおもなるものは、器材費四十六億千百七十万円、運搬費四億五千九百十二万円、施設整備費二億五千五百九万円、艦船建造費三億八千八百二十七万円等でありまして、この不用額を生じました理由を申し上げますと、  (1) 器材費につきましては、米国から供与を受ける予定の航空機、艦艇等について、供与が当初の計画よりずれ、これに伴いその維持費が不用となったことと、当該燃料費、諸器材費の節減、その他実際の契約に伴って生ずる契約残額があったためであり、  (2) 運搬費につきましては、米国からの供与、物資の運搬につき、日本側の負担によるものが予定よりも少なかったためであり、  (3) 施設整備費につきましては、工事予定経費の入札による余剰と、計画の一部変更、等によるものであり、  (4) 艦船建造費につきましては、艦艇の装備について計画を変更したため不用となったものであります。  なお、昭和三十二年度の繰越額及び不用額につきましては、以上のような経過にかんがみ、予算の編成及び執行に特段の注意をいたしました結果、前年に比し繰越額において約百四十一億円、不用額において約二十八億円を減少しております。  昭和三十一年度は別途説明にもありますように、自衛隊の増強に伴い、引き続き部隊の編成、改編が行われ、また特に教育、訓練の強化による練度の向上に重点が指向されたため、すみやかな施設の整備及び装備品の調達が要請されたのであります。従ってこれが関係予算の執行につきましては、予算編成の趣旨に従い、その目的の実現に努力いたしますとともに、その経理につきましては、本委員会における警告の趣旨もあり、不正、不当経理の絶滅を期し、厳正かつ適正な執行について配慮して参った次第であります。  三十一年度決算の実績をみますると、相当に改善の跡が見受けられると考えているわけでありますが、なお若干の事項について検査報告において指摘を受け、国会の御審議をわずらわす結果となりましたことは、まことに遺憾に存ずる次第であります。すなわち昭和三十一年度決算検査報告におきまして指摘を受けましたものは、第一番から第十三番までで、物件の購入に関する事項が九件、工事関係三件、職員の不正行為一件で、計十三件となっております。これを前年度に比べますと、批難件数にして三件、批難金額にして二億八千九百余万円の減少となっておりますが、なお、これを内容別にみますと、(1)整備計画と実施設計等について検討が足りず、ひいて積算が過大となっているもの。(2)物品調達の基本である仕様、図面が明確を欠いているものがあり、そのため積算が適正を欠いているもの。(3)内部組織内及び各機関相互間の連絡調整が十分でなく、ために高価なもの、または不要不急のものを購入しているもの。(4)物品の集計統制機関を設けているが、その機能を十分に発摘せず、ために在庫把握及び消費基準等の設定が不適確であるもの。等であります。  これら御指摘の個々の事項につきましては、別途政府委員から詳細に説明いたさせますが、御指摘の事項の中には、当庁といたしましては、やむを得ない事情もあったと認められるものもございますが、なお、一そう慎重に検討いたしますれば、改善の余地があったと認められるものも少くなかったかと思われます。防衛庁といたしましては、特に物質の調達や会計経理につきまして、一般国民から重大な関心を寄せられておりますので、これが執行に当っては諸法規を順守することは勿論、最も効果的に運用するよう戒めており、また綱紀の粛正につきましては、特に留意して参ったところであります。さらに今回は会計検査院の御指摘もありましたので、私といたしましては今後一そうの反省を加え、この趣旨をよく部下に徹底させ、将来再びこのような過誤を繰り返さないよう、万全の措置を講ずる所存でございます。会計横在院の指摘事項につきましては、それぞれ十分にその事実を究明いたしまして、必要な善後措置を講ずるとともに、すでに厳正な処分をいたしております。  以上をもちまして昭和三十一年度決算の概要の説明を終ります。何卒よろしく御審議をお願いいたします。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 以上をもって説明は終了いたしました。何か補足説明がありますか。

山下武利防衛庁経理局長

○説明員(山下武利君) 昭和三十一年度の防衛庁の決算について会計検査院から指摘を受けましたものは、不当事項として十二件、職員の不正行為により国に損得を与えたものとして一件、計十三件であります。  不当事項として指摘されました十二件の内訳は、工事に関するもの三件、物件購入に関するもの九件となっております。これらにつきまして、以下に防衛庁側といたしまして、一応概略御説明を申し上げたいと存じます。  まず第一番、滑走路工事の予定価格の積算が過大のため、工事費が高価と認められるという件についてでありますが、会計検査院の指摘の要点は、本件予定価格の積算にあたり、粗細骨材の採取について運搬費を高価に計算していること、調査工事で調査した結果を参酌することなく、遠路離の場所から採取することとしたこと、また建設機械の選定について、調査検討が不十分であることなど、結局その処置適切を欠いたために、工事費が約三千四百万円高価となっているというのであります。当庁といたしましては、本工事はその規模にかんがみ、計画の当初から特に慎重を期しまして、事前の測量、調査を行なった上で、中央機関の指導のもとに、工事の自然的、立地的条件、施行時期などを検討して、でき得る限りの技術的知識をもって、実情に即した積弊をしており、また当庁積算の予定価格をもってしても、なお数回の入札において落札を見なかったといういきさつもありまして、不当に高価な契約をしたものとは考えておらないのでありますが、この種の工事は今後も行われることであり、会計検査院の御意見を十分参考として将来とも誤まりなきを期したいと考えるものであります。  次に第二番、汚水処理工事の設計に当り処置当を得ないという件についてでありますが、汚泥をポンプ式により上部から取り出すのに必要なバキュームボンプ付清掃車を利用することが当時見込み得なかったので、汚泥槽下部の取出口より抽出する重力式を採用することとし、その取出口までの道路を設置したものでありますが、その後この種の清掃車が急速に普及したために、当該道路の使用価値が減少したことによるものであります。しかしながら重力式にもポンプ式にもそれぞれの長短がありますので、今後この種の施設の計画に際しては、会計検査院の御指摘の点もあわせてさらに検討を重ね、立地条件に即した最も効果的な設計をするようにいたしたいと考えております。  次に第三番、トロリーワイヤーの取付工事について工事費が高価になっているという件でありますが、本件については、市場価格の調査に相当の努力を払ったのでありますが、一部に市場価格より高価と認められるものがあったことは遺憾でございまして今後は価格調査並びに予定価格の算定には一そうの留意をいたしたいと考えております。  なお、引込線工事に使用したケーブルにつきましては契約後仕様を変更したのでありますが、その際所要の減額措置をとらなかったことは遺憾に存じます。本件工事に関しましては契約相手方と折衝の結果、百六万円を回収する処置をとったのであります。  次に第四番、不急の火器部品を購入しているという件についてでありますが、本件については会計検査院御指摘の通りでまことに遺憾に存じます。この火器部品の購入は陸上自衛隊としては初めての国産による調達であり、かつ在庫統制隊が発足早々のことで、まだ所要の機能を発揮するに至らなかったなどの事情もありまして、これら部品の所要量をこえて調達するという結果になったものであります。今後は十分注意してかかることのないようにいたしたいと思っております。  次に第五番、水中機器の購入に当り処置当を得ないという件でありますが、本件についての問題は、性能上必ずしも完全でないものを値引受領したのは妥当であるかどうかというこであります。この点につきましては、昭和三十一年九月の検査の際に、この機雷の機能を補充するためジンバル装置を付加すべきことを受注会社である小松製作所に指示したのでありますが、同社から十分な図面の提出もなかったなどの事情もあり、後日他の適当な会社に発注して同装置を付加するという意図のもとに値引受領したものであります。ただ本件の改造が遅延いたしましたことは遺憾でありますが、すでに改造済みでありますので御了承願いたいと存じます。  次に第六、航空機用特殊工呉等の購入に当り国産品よりも高価な輸入品を購入したという件についてでありますが、本件特殊工具は当時としては国産の当初でもあり、国産品の持久性能に若干疑問とされるところもありましたので、航空機整備に及ぼす影響を考慮し、やむを得ず本体工具を輸入したものでありますが、結果において会計検査院の指摘の通りとなったことはまことに遺憾であります。なお、タイヤにつきましては国産品の納入が遅延すること並びに将来の機数の増加などをも考慮いたしまして、所要タイヤの一部を輸入したものでありまして、これによりまして円滑に飛行訓練を継続できたような次第であります。  次に第七番、洗かん継棒を購入するに当り、金属製よりも高価な木製のものを購入したという件であります。本件継棒調達の当時は、多量の供与品の整理に忙殺されていた関係等もありまして、米国から供与を受けた新型の金属製継棒を保有していたということを把握できなかったのは会計検査院指摘の通りでありまして、まことに遺憾であります。ただこの継棒を木製とするか金属製とするかにつきましては、当時としては種々検討した結果、木製の方が価格面において有利であり、また製造技術的にも簡易であるという結論を持ちましたので、木製とすることに決定した次第であります。なお、契約方式の点でありますが、将来この種付属品の調達については、さらに検討いたす所存でございます。  次に第八番、火砲部品原図の購入の件についてでありますが、本件については会計横布院指摘の通りでありまして遺憾に存じておりますが、指摘の内容につきましてはさらに調査検討いたしまして善処したいと存じております。  次に第九番、工兵セットの購入価格が高くなっているとの件でありますが、本件工兵セットは初めての国産品でありまして、原価計算上の必要な資料が実際上ありませんでしたので、予定価格における製品の重量と、完成品の重量との間に開差を生ずるに亙ったことは遺憾であります。今後は特に仕様書の整備に努めるとともに、承認図の取扱いに慎重を期していくつもりであります。  次に第十番、えい索巻揚機の購入価格が高くなっているという件でありますが、本件については重量軽減に伴う契約変更の措置を考慮しなかったのはまことに遺憾でありまして、今後は十分留意いたしたいと存じます。ただ本機の重量軽減化につきましては、当庁としてもかねてから受注会社である日立製作所に強く要望しておったところでありまして、会社といたしましてもこの要望に沿って鋭意研究努力いたしました結果、著しくその重量の軽減をみたものであります。なお、結果的には総価格として実際原価からみて不当に高価に購入したものとは考えておらないのであります。  次に第十一番、ローラーコンベアーの検収に処置当を得ないものという件であります。指摘によりますと、会計検査院の実施した一部の材料検査において抗張力及び伸びの点で規格に適合していないというのでありますが、その試験方法についてはなお輿論もありますので、その合否についてにわかに最終的判定を下すことは困難な状況かと存じます。しかしながら会計検査院の御指摘もありますので、当庁においてもなお各方面の意見を聞き、慎重な検討をいたしておりまして、遠からず何らかの結論を得たいものと考えております。  次に第十二番、装軌車両の整備に当り、現地で実施可能のものを東京で実施することにして輸送費の不経済を招いたという件でありますが、本件車両の第五段階整備は、陸上自衛隊として初めての試みであり、種々の角度から検討いたしました結果、当時としては技術的にもまた経済的にも東京地区に集中し整備することが有利であると判断し実施いたしたものでありますが、その後さらに検討を加えた結果、輸送費及び防衛態勢確立に資する考慮等もありまして、この計画を修正し、北海道地区内の装軌車両は同地区内で整備することに改めたものであります。当初の計画策定に当りまして見通しその他に多少不十分な点がありましたために、会計検査院御指摘のような結果となったことはまことに遺憾であります。なお、会計検査院御指摘の組部品のうちの年度内に整備を終らなかったものにつきましては、これを完了させるように鋭意努力いたしております。  最後に職員の不正行為の件でございますが、本件につきましては、会計検査院御指摘の通りでありましてまことに遺憾であります。事故防止につき指導監督を厳にするとともに、事務取扱いの改善等によりまして根絶を期したい所存であります。以上の会計検査院の御指摘に対しましては、それぞれ厳重にその真相を調査いたしまして責任者につきましては適正な処分をいたしました。すなわち以上の十三件に対しまして免職三人、停職二人、減給四人、戒告三人、訓戒十七人、注意十二人、計四十一人の処分を行なった次第であります。  以上をもちまして会計検査院の御指摘に対する一応の御説明を終ります。なお、詳細につきましては御質問に応じてお答えいたしたいと思います。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 以上をもって説明は終了いたしました。  防衛庁の審議を促進せしめるには長官の出席を必要と認めますので、質疑は次回に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  次回は明日午前十時から開会いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後三時四十一分散会    ————・————

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