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29回国会参議院1958/06/16

議院運営委員会 第4号

発言数
46
登壇者
9
会派数
3
開催日
1958/06/16

会議録

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) それでは議院運営委員会を開きます。  副議長寺尾豊君が、去る十二日、国務大臣に就任をされ、その地位を失われたので御報告をいたします。  なお、後任の選挙等につきましては、後刻開かれる予定の議事協議会において御決定を願うことになろうかと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 ただいま委員長の報告にもありましたように、寺尾君が国務大臣に就任されましたので、当然、副議長の地位を失うことになるという御発言がございましたけれども、今回の副議長が国務大臣になられた点は、法律的に見ても疑義がございますし、また、かりに疑義がないにいたしましても、非常に不穏当であることは間違いないと思う。そこで私は、委員長は、当然、国務大臣に任ぜられたから副議長の地位を失なったと言われましたが、どういう根拠に基いてそういうことをおっしゃるのか、お尋ねしたい。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 御承知のように、国会役員は他の公職を兼務することができないという国会法の規定もあります。そこで、他の役員すなわち国務大臣に認証されましたために、自然その地位は消滅したものというふうに考えておる次第であります。まあそういうことであります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 委員長は、それは国会法第三十一条の規定に基いて、そういうことをおっしゃっておるのだろうと思いますが、その前に三十条で、「役員は、議院の許可を得て辞任することができる。」、この規定から見ましても、当然この国務大臣に任ぜられる前に議院の承諾を求める必要があったのではないかと思うのです。この三十一条には、こういう規定がありますけれども、この規定だけでは、今のような副議長が国務大臣に就任するというそれ自体を合法化するものでないと思うのです。従って、私は今回のこの副議長が国務大臣に任ぜられる手続きについて非常に問題がある。まず第一に、今申し上げたように、国会役員、同じ役員と言いますが、国会役員でも、議長、副議長、仮議長、常任委員長、それから事務総長まで国会役員になっております。従って、この役員という言葉でもって一切を片づけるわけにいかないということ。それから今申し上げましたように、三十条のこの規定から言いましても、当然今、国会は開いておるのでありますから、院の許可を得て辞任をして、その後認証を行われるというのが当然であろうと思います。この点どういうふうに考えられますか。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) お答えいたします。小林君の御発言、非常にごもっともなお話であると思うのでありますが、内閣を作って入閣をするというような場合には、かなり火急を要するような例になっておりますし、従来、国会役員に対しましては、その場合の措置というものの前例がある。その前例によりまして、大体今度、副議長の場合は初めてでございますが、国会役員であることにおいては同じであろうと考えておる次第であります。なお詳しい前例その他について、必要がありますれば事務総長から申し上げます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 この前例というものは、常任委員長から国務大臣になった場合を言われるのであろうと思う。それは過去においては前例があったことは私も知っておりますけれども、同じ役員と申しましても、常任委員長の場合と議長、副議長の場合は全然違うと思うのです。従ってそういう前例があるから差しつかえがない、こういうことでは私いかぬと思う。まして昨年、芥川事務総長が辞任をして、会計検査院検査官に就任をした際も、当然、国会役員であるから、この院の許可を得て辞任すべきでありましたものを、当時たまたま休会中でありましたので、議長の独断でやられました。しかしそれは法律上議長にまかされてはおりますけれども、当然これは議運委員会あるいは少くとも議運の委員長に話があってしかるべきではないかということは、この席上問題になりました。事務総長からも、正式の手続を経てやることは当然である。そうして閉会中であるから、今私が申し上げたような少くとも手続を踏まなければならぬということは、当時の次長、今の事務総長の河野君から説明があった通りであります。この経緯から考えましても、今回副議長が唐突として国務大臣に就任され、そうして当然、副議長の職を解かれた、こういう単なる事務的な手続だけで私は取り扱っていいものだとは思わない。どういうふうに委員長お考えになりますか。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) お答えいたします。小林君の言われるように、副議長と委員長は同じ職責でもウエートが違うのではないかというような御議論も、一応ごもっともと思うのでありますが、国会法で規定しております国会役員というものには、法的にその区別をつけておるようにも思いませんし、ああいった組閣の際の手続から申しまして、時間的にも非常にゆとりのない場合に、こういった前例によることがやむを得なかったというふうに思う次第でありまして、この点につきまして、いろいろ御議論もあるいはおありであろうかと思いますが、当時の状況は、委員長としてはやむを得なかった、こう解釈をしておる点を御了承願いたいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 この三十一条で、役員が、「国若しくは地方公共団体の公務員又は公共企業体の役員若しくは職員と兼ねることができない。」というこの規定は、今のような場合を想定して作られたものでないことは、これは明らかです。たまたまこういう事態になったから、この規定を適用できるという解釈をされておるにすぎないのであります。この立法の精神から言えば、今回のごとき場合は、これを想定してこれが作られたものでないことは明らかです。特に三十条の規定から言いましても当然なんです。そこで、委員長も必ずしも今回の措置が妥当であると認めておられるわけではないと思うのでありますが、少くともこの内閣としては、かりにどうしても寺尾君を国務大臣にしなければならないという事情があるなら、一応国務大臣に任ずるということにして、議院の正式の許可を待って、そうして認証されるのが当然であると思うのです。少くも百歩を譲りましても、一応の内意を議長なり、あるいは議院運営委員長なりを通じて話があってしかるべきだと思いますが、また一方、議院運営委員長としては、寺尾豊君が国務大臣に任ぜられるかどうか、入閣するかどうかというようなことは当時承知されておったはずでありますから、こういう問題について内閣と何か御連絡があったのですか。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) お答えします。御承知の通り、十二日夜の組閣というものが非常に急に行われたものでありまして、事前に私どもが寺尾副議長が国務大臣に就任するというその確認は十分いたしておりませんでした。しかしその間の事情につきましては、もしなられた場合には、どういうふうになるかという技術的な問題については、委員長としても一応も二応も検討もいたしました。なおしかし、政治的な非常に重要な問題でありまして、この点はあるいは議長までには、そういったお話もあったかと思いますが、その点もし必要なら議長からお聞き取りをいただきたいと思います。

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 私はこの内閣の方で入閣しろということは、こういうことは今まで何としましても、しかしこれに対する処置に対しては、私は何ら指図はいたしませんでした。  それから法規上の問題ということは、委員長の言われた通り、やはりこの従来の国務大臣に任ぜられたように、国会役員と、こういうふうにみなして差しつかえない。まあこういうようなことは、私も法律上のことを承知しておったわけです。しかし今度の問題に対しては、今の辞表を事前に出すべきものだと、こういうふうな私の意見は先方に対しては申さなかったわけです。出すべきものだという法律上の解釈を私はその点に対して、はっきりいたしていない。それと同時に、ああいう急なときでありますから、辞表を持ってこいと言えば——辞表を持ってこいと言う以上は、辞表を持って来た者に対しては、院の許諾を要するだけの手続を講じなければならぬことは当然だと思いますから、その点に対しては、右のような意味におきましてただ、そういう交渉を受けたということは承知しておりますけれども、承知しておる点においては、私はそれ以上のことは私の意見としては申さなかったわけであります。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 ちょっと一点だけ明らかにしておきたいと思いますが、寺尾副議長が入閣の話があったときに、副議長を辞任をしたいという意思表示がなされたか、なされなかったかということの点だと思いますが、辞任の意思が議長まで伝えられておるかどうか、その点だけ一つ。

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) それは伝えられておりました。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これは国会議員としては当然この第三十条に関連して入閣をするような場合は、この法律の解釈は別としても、こういうことになるから、よろしく頼むとか何とかいうあいさつくらいあってしかるべきだと思いますが、そういうあいさつは議運委員長にありましたか。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 先ほどお答えいたしましたように、今の議長の御答弁で明らかなように、議長までには事前にそういう何かお話があったようでございます。  それからさらに技術的に、その場合に、副議長たる身分においてどうするかというような技術的な問題につきましては、委員長としても、従来の先例その他解釈等について、一応も二応も十分の検討もいたしたわけでございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は何も寺尾君にけちをつけるつもりはないのですけれども、これを明らかにしておかないと、立法府と行政府の関係、今後その両者の間の紛淆を来たすおそれがありますから、この機会に明らかにしておきたいと思うのです。そこで、何ら一言も委員長にあいさつがない、本日に至るまでないというようなことはおかしいと思うのです。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) その点をお答えいたします。就任されます際には、副議長から、これはもう夜でございましたが、一応御連絡がありましたし、それからその翌日、実は議運の委員長室まで、むろん議長のところへもごあいさつに見えたと思いますが、委員長室まで郵政大臣が見えましたから、ちょうど理事会を休憩いたしまして、ちょうど皆さんに御連絡がつかなかったので、その旨私から十分お伝えをするということにして、ごあいさつを受けたわけであります。この点は、けさの理事会におきましても、ちょっと御報告をした通りであります。  それから、なおもう一つ申し上げたいのは、適当な機会におきまして、実は議運の皆様に一ぺんぜひ、従来お世話になったごあいさつを申し上げたいから、その機会を見て、ちょっとそういうふうにはからってもらえないかというお申し出も実はあるわけでありまして、この問題が解決いたしましたら、ちょっとあいさつしてもらいたいと思って一応心得ております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は三十一条の点に関連いたしまして、これは今回のような場合を想定したものでないことは明らかなんです。それで、私はこれは内閣の方に、本来ならば総理大臣ですけれども、官房長官にただしておきたいと思うのです。どういう考え方で、副議長を成規の手続を経ないで、非常に国会法上疑義がある——疑義がないと主張されておる方々でも、なお穏当を欠いておる、妥当でないということを何人も考えられると思う、そういうことを押してまでこの任命をされた、この規定があるから、当然、任命をすれば国会役員が解任になる。こういう解釈をされてやったのかどうか、その点を明らかにしておかなきゃいかぬと思う。それならば、適格者でない者も、——内閣に任命するとき、これは合法的であるか、適格者であるかどうかということを調べておやりになるだろうと思うのです。従って今回のこの措置はどういう立場でやられたのか、それを明らかに私はしておく必要があると思うのです。

横川正市日本社会党

○横川正市君 その点ちょっと関連して。私は先輩小林さんから言われていることと、それから議運委員長として安井さんは、この問題を取扱ったのには、少しやはりけじめがはっきりしていない点を指摘されておる点が多いと思うのですよ。ことに三十条というのは、これはこの役員であるものの議会における立場というものを明確にしたものであり、三十一条というのは、これは国会議員ないし国会議員が国会役員をしておって、その事前に何らかの公務あるいは地方公共団体等の役員を兼任している場合には、これはやめてきなさいという、その処置なんであって、この処置を引用して、議運委員長としては、非常に緊急であったから、やむを得なかったという言い方というものは、これは私は非常に便法を取り過ぎておって、国会の運営に私は、それはそういうような私情的なものを入れるということは間違いじゃないか。殊に三十条の条が明確になっておるのですから、たとえば組閣がどういうふうに行われて、それから、それがどう緊急事態であったにしても、そのことはやはりその人の持っておりますいろいろな事情というものを考慮して、時間を延ばすとか、あるいはそういう手続をとったあとにするとかいうような、そういうふうな処置というものがあって、けじめというものははっきりすると思う。それから、その三十条、三十一条の関係は、私はもう説明する余地がないというのですね。今とった結果というものは非常に不明朗な結果であって、それを今後一体、やはりやむを得なかったという事情によって、今、議運の委員長がとったような、同じような考え方で事を進めるのかどうかということも、私たちは十分聞いておかにゃならぬ問題だと思う。それを単に、やむを得なかった、そうかというわけにはいかないので、この点を一つはっきりしていただきたいと思う。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) お答えいたします。横川君のお話、小林君のお話は、大体同じような御議論であったと思います。また、私が最初に申し上げましたように、その御議論の立つ根拠も絶対ないとは申しません。しかし、非常に組閣というようなものが、急々の場合あるいは緊急を要する場合というのかありますので、従来からも先例によりまして——実はそういう例は非常に数多いのでありまして、国会役員がそういう措置をとられました例もあり、そこでまあ先例もあることだから、この際はその先例に従うこともやむを得なかった、こういうふうに思っております。その点は、一つ、今のような御議論の立て方も私は十分尊重はいたしますが、この場合に、事情としては、そういうふうな意味でやむを得なかったという点も御了承願いたいと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 その、やむを得なかったという事情の根拠は、組閣というこの緊急やむを得ざる事情によって、こちらの方が、まあいわばやむを得なかったということで前例にならわれた。で、組閣という事実について、確かにそれは緊急であり、やむを得ない事情というものはあろうかと思いますが、国会法できめられたものまで、やむを得ないということで曲げられてしまうということが、それがやむを得ない事情なのかどうか、その点をはっきりしてもらいたいと思います。しかも、これは三十一条を引用する——条文にはないのですよ。実際上は、これは三十一条を引用したということは、まず一つ間違いであって、そうすると、三十条の手続がとれなかった、これはやむを得ないことであった、こういうことであって、三十一条を引用して合法化することはできないと、こういうふうに私どもはこの条文からとれるわけです。そうすると、三十条の手続がとれなかったことは、結局、緊急やむを得ざることで、やむを得なかった、こういう説明になるのだが、そうなってくると、これは三十条というものの、一体、尊重の問題になってくるのであって、これは院としては、そう簡単には容認のできない問題じゃないか、こういうふうに思われるのですね。やむを得ないでもって、それはあなたの方で、やむを得ないと数が承認したから、それで通そうといっても、事実上、私はこれは三十条の取扱いとしては無効であるということが残ってくると思う。それを、これを前例として、将来また起ってくる事例に対して、やむを得なかったということを言おうとするならば、それはまた大へんな問題が起ってくると思う。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) ですから、先ほど申し上げましたように、三十条あるいは三十一条の解釈の仕方について、横川君や小林君のお立てになっておる議論は、十分根拠のあるものと思っております。しかし、同時に、一方でそういう事態に処する先例として、すでに、おそらく十以上もあろうかと思いますが、従来の慣例ができておるわけです。その慣例に従ったということなんでありまして、これは政治的に一つその場の事情を御判断して御了承を願いたい。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 その従来の慣例が非常にたくさんあるようでございますから、慣例にさかのぼってではありませんが、慣例の解釈ですが、今、緊急やむを得ないというお言葉があるようです。緊急やむを得ないというお言葉から察すると、三十条によって当然許可を得なければならないのを、緊急やむを得ないから許可を得ずにいったというのか、院議にかけるだけの暇がないから、議長だけの許可でいったのだということなら緊急ということになる。ところが、先ほど議長のお話によると、辞表も出ていないということになると、これは緊急の問題ではないので、結局、三十一条二項の逆の解釈で当然失格するのだという解釈にならなきゃ、辞表を出さないということがおかしくなる。従って、委員長においては、三十条によって許可をすべきものを、緊急やむを得ないから、許可がおくれたとか、あるいは議長だけで許可をした、それが先例だとおっしゃるのか。それとも、そうじゃないんで、三十一条二項の逆解釈では、当然失格するというなら、それなら緊急ということはちっとも出てくる必要はない。それはどっちなんです。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) もう一回、簡単にお答えいたしまして技術上の問題については総長からも説明してもらいたいと思うのですが、私は、三十条によってやる院の辞任を求めるということは十分りっぱに生きていると思いますが、それと同時に、当然この他の役員を兼職することによって、それの国会役員たる身分が消滅をしたという考え方も、従来の例に徴して、これはもう明らかに通用しておると思いますし、今度の場合も、当然この郵政大臣に就任されることによってその身分は失われた、副議長における身分は当然失われた。こういう解釈を私はとっておるわけです。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 そういたしますと、緊急というような問題じゃないのです。これは三十一条二項が、たとえば大臣なり政務次官が国会役員なら、当然、大臣、政務次官は失格するのだということが三十一条の二項にある。それと逆に、国会役員が大臣、政務次官になれば、当然、国会役員は失格になるのだ、これが先例だとおっしゃるなら緊急という必要は出てくるはずはない。緊急という言葉をお出しになるのは、辞任に対して許可を受けなければならないという前提があるからこそ、その許可が急々のものだから間に合わなかったということから、緊急とか、何とかということが出てくる。それを、どっちかにお考えをきめないとおかしいのですが、どうなんですか。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) その点は、法律用語として、私の申し上げました言葉の使い方があるいは妥当であったかどうか、専門家じゃありませんから、多少混乱を招いたかもしれませんが、ただ、事態は、常にそういう緊急の事態において起る事柄だという意味で私は申し上げたつもりでありまして就任と同時に役員たる資格は失われるという解釈にあることは間違いありません。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 それでわかりましたが、そうすると、大体、先例としては三十条の許可云々の問題じゃないので、本質的には、国会役員が大臣、政務次官になれば当然に国会役員が失格になるのだ、こういうようなことが前例だというふうに考えられる。そこで、なぜ三十一条の二項には、政務次官や大臣が役員になれば失格するのだということを書いておきながら、今の御解釈ならば逆のことをなぜ書かなかったか。ないから逆に解釈しておられるようですが、これは国会と政府というか、内閣との地位の問題だと思うのです。国会が国権の最高機関であって、そこの重要な役員であるから、政府はむしろその国会の下というと、多少三権分立からおかしいのでございますが、国会がとにかく最高の機関であるから、そこの役員に大臣、政務次官がなれば、当然、大臣、政務次官は失格するのだ、これは当然だ。これが三十一条二項だと思うのです。ところが書いてない。逆に、国会の役員が政務次官になったら、当然、国会の役員は消えるのだという解釈は、これは国会が最高機関であるということをまるで忘れたような議論なんです。そこに私は非常に大きな矛盾があると思います。しかし、まあこれを過去にさかのぼって私は申しませんが、私さっきからくどくどしく、三十条の問題か、三十一条二項の問題かと尋ねているのは、そこに意味があるわけです。今後は、その前例について、一つ十分御検討の上、法律を改正すべきものはするというようなことに、私ははっきりしておく必要があると思いますので、それだけは申し上げておきます。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 私も今、杉山委員のおっしゃるように、結論は賛成でございます。まあ今までの解釈は解釈として、先例は、国会役員が政府の職員になった、常任委員長が大臣あるいは政務次官になるという場合には、三十条の辞任許可の手続をとらないで、当然、役員を失職をするという解釈で今まできておったわけです。ただ、これは常任委員長であって、副議長というような要職でなかった。私は副議長と常任委員長のどちらが重要であるかということは申しませんけれども、そういう前提で、ここでいろいろ議論が起ってきた、かように思います。ただ、法律上は同じく役員と書いてあり、そうして、それについての手続は慣習的に十数回行われたということでありますから、今までの慣習通りであれば、三十条の辞任許可の手続を要しない、当然失職する、こういうようなことは私は当然だと思いました。かように思いますが、しかし、ここで副議長の職は非常に要職であり、さらにさかのぼって、今までの先例もよろしいかどうかということを再検討する必要があるのじゃないかという御議論も出ております。実際問題として、法律に今まで通りの解釈の立法化をするということでよろしいか、常任委員長と副議長と同じ国会役員であっても差別を設けて、それを明確に国会法に規定をするのがよろしいかというならば、いろいろ問題があろうと思います。ここでこの問題を最終的に結論を得るということは、明日、開会式を控えております際に困難であろうと思いますからそういう検討は、一つ国会法の解釈あるいは改正の問題として後日、十分審議の機会を持つように取り計らいをいただきたいと思う。今回は従前の解釈で一応進むということに、一つ御了解をいただければ非常によいのではないか、かように存じます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 斎藤理事の言われました、将来これを研究するという点は賛成ですけれども、その前に、やはり非常に今回の措置が異例であり、妥当性を欠き、さらに委員長の説明も非常に混乱をしている点がありますので、私はそういうことを是認したまま斎藤さんの意見に賛成するわけにいかぬと思う。先ほどから委員長が言われておるように、この政府の今回とりました措置は、三十一条の解釈に従って行われたものであって、委員長の言われておるように、三十条の規定が当然行われ−なければならなかったけれども、緊急やむを得ざる事態でできなかったというような御説明がありましたけれども、そういうことは、この三十条では許してないのです。従って、もっぱら今問題は三十一条のこの解釈だけでやってきた。そうしてこの三十一条の解釈に当っては、前例、々々と言われるけれども、その十幾つかの前例は、すべて常任委員長から国務大臣になった場合、これは明らかに副議長とは趣きを異にしている。さっき杉山君が指摘されたように、この三十一条の二項は、政務次官あるいは国務大臣が国会役員になった場合を規定したものであって、今のような場合を想定し、それが合法的であるという説明をするには、どうしてもこれと逆の場合が書かれなければならない。これが書かれてないところは、そういうことを想定しないで三十一条を書いたものだ これを拡大解釈して、従来、常任委員長から国務大臣になった、しかもその常任委員長は役員である、副議長も役員である、だから前例だ、こういう拡大解釈をやっていけば、法律などは幾らでも拡大解釈できると思う。こういう拡大解釈を許しているから、先般、衆議院の事務総長がとられました措置について非常に問題が起き、妥当性を欠いて、斎藤理事も委員長も事務総長も、ひとしく、そのような拡大解釈は今後禍根を残すおそれがあるのではないかということを発言されておるのです。人にはいろいろそういうことを言うが、自分で拡大解釈するときは無限に拡大解釈をやっていくということでは私は困ると思う。従って、そういう強引なことを言わないで、今回はいろいろ問題があった。特にこの問題を、かりに寺尾副議長が国務大臣に認証される前に議運委員会で取り上げておったら、おそらく認証が不可能であったろうと思う。そういう点から考えましても、もっとこの問題の重要性を考えて、前例とか、拡大解釈を一方的にやることなく、虚心たんかいに国会法の改正なり、あるいは行政府としての政府の態度に反省を求めるなりして、この点を将来明確にしておかなければならぬと思う。おそらく委員長も賛成であろうと思いますから、そういうふうに取り計らうことを希望いたしまして、私は質問を終ります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私はあげ足をとるわけではないですが、先ほどの議長の説明の中に、国会役員というのは、副議長、議長でも、それから常任委員長でも同じだと思いました、こういう説明があったわけですが、私はやはり松野議長は院の長老であるし、それから自由民主党のいろいろ重要な立場にあるものでありますし、私はやはり院の権威というものを、その立場にある人たちがもしも間違った解釈でそこなうようなことになるということは、私ら平の立場とは違って非常に重要だと思う。そこで、やはり今度の場合は、郵政大臣を選任するという立場に立っての自由民主党に所属する方々の内部事情であったかもしれないが、これが参議院という院の立場からものを考えた場合に、いささか私はその取扱いについて、非常な不当性があったというように言われても仕方がないのではないかと思う。さらにまた、松野議長の立場からいって、やむを得ぬという、ことに議長、副議長というのは、私は諸外国の例をとってみましても、相当大きな権威を持ってその院を代表されておるというように認識されておるわけなんであります。それをまあいろいろなものを一緒にしておって、通例行われた例にならったというような形で、このことを処理されることは きわめて私は不適当な考え方じゃないかと思うのです。そこで、そういう点で斎藤委員の言われて、おるように、自後において検討されることは当然だと思いますが、何といっても三十一条というのは、行政府から国会の役員を兼ねるときには、行政府の職をやめてくるという条項なんであって、いわゆる国権の最高機関である国会というものに対しての条項が明確でないということは、私は何といっても今の取扱いの不適当さを明らかにしておるものだと思います。そういう点で、先ほどの議長さんの意見、考え方というものは、いささか私としては、ふに落ちかねる内容なので、もう一度、議長さんからその点について意思を表明していただきたいと思います。

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) ただこういう解釈であるということを、要するに法律的に承知しておるというだけであって、この問題にどうするということは私言ったことはない。議長の権限で辞表を出すべきものなりという指揮も出ていない。私としては、ただやはり議長、副議長という立場にあったから、こういう交渉を受けた、こういうことのいわゆる話があったと思う。それに対して私はその処置を、それはお前は受けていかぬ、あるいは辞表を出せ、こういう指図を、議長としてはその場合すべきものにあらず、こう私は考えたということの経過だけを申し上げて、小林君や、あなた方の言われる、院をなるべく重要にして、そうしてそういう手続のごときは完全にしなければいかぬ、院を尊重する意味においてすべてをやらなければならぬという御意見に対しては、私はむろん同感です。今度の措置に対して、私がそういう自分のいわゆる権限にあらざることを、そこまではやり得ない、こういうことだけをはっきり御答弁申し上げておきます。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 以上のようなことでございまして、各位の御意見がそれぞれ違っておるような点もずいぶんあると思っております。十分今後適当な機会に、あるいは国会法自体の疑義のある点を明らかにする、その他について検討を加えていきたいと思っておりますので、今回の問題はこれで御了解を願いたいと思います。  ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 速記を起して下さい。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 これで副議長選挙の件が、あと協議会の方へ移されることになると思いますので、この機会に私一言発言さしていただきたいのです。  本院が、さきに国会法の改正を行い、引き続いて、このあとで参議院規則が問題になるわけなんですが、こういうふうに形の上で国会運営の正常化が着々と進められてきておるわけなんです。しかし、国会の正常な運営は、形の上だけでなしに、実体的にもそういう姿ができてこなければならぬというふうに考えておるのでありますが、残念ながら衆議院の方では、従来、社会党に与えられておった副議長、常任委員長が、今度は自民党で全部占められるという結果になり、そういう現実において参議院の副議長選挙が行われるのでありまして、これを、党と党の間では第二党である社会党に副議長の席を与えられるべきだという話が進められておったのが、これは不調に終ったようでございます。しかし、衆議院がどうあろうとも、参議院における運営の円滑をはかっていくという観点に立ちますなれば、私はやはり第一党議長、第二党副議長という、こういう姿が実現されて初めて形式の上においても実体の上においても、国会運営の好ましき姿というものができてくるべきものだというふうに考えておるのです。まあ、今回、それを今繰り返しておってもこの選挙には間に合いませんが、将来、議長、副議長の改選が行われるような際には、私はそういう点も考えて、やはりあらゆる点で参議院の運営が正常な、好ましい形になるということでなければならぬ、こういうことを考えておりますので、一言だけ、選挙に入る前に、私はこの点を明らかにしておきたいと思います。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 御意見は十分承わっておきます。     —————————————

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) それでは次に進めまして、参議院規則の一部改正に関する件を議題に供します。  理事会におきまして検討して参っておりました参議院規則の改正につきまして、事務総長から説明がございます。

河野義克事務総長

○事務総長(河野義克君) 参議院規則の一部を改正する規則案につきまして、今、委員長が言われましたように、理事会において慎重に御検討になりました結果、一つの成文を得まして、ここにお諮りを申し上げておるのでありますが、その内容につきまして私から御説明を申し上げます。  本案は、前国会において成立いたしました国会法の改正に伴って、必要な改正を行い、かつ、この際、過去の経験に徴し、実情に沿わない点、慣行に合わない点を是正し、さらに、条文の明確化等を行うことを眼目としたものであります。そのおもな点について御説明をいたします。  第一に、前国会において行われました国会法の改正によりまして、会期の終了日またはその前日に生じた懲罰事犯及び閉会中に生じた懲罰事犯について、次の会期で取り上げることができる旨の規定が設けられたのでありますが、これに伴いまして、委員会において生じた事件で、委員長が懲罰事犯と認めなかったものについても、議員が懲罰の動議を提出することができる旨の規定につきまして、右に申し述べました会期の終了日またはその前日及び閉会中に生じました事件につきましても、同様の趣旨を規定する必要がありますので、この点、所要の改正を行わんとするものであります。  第二に、委員会が付託または承認された案件について、審査または調査を終ったときの報告書に付する多数意見者の署名及び委員長の口頭報告の内容についての多数意見者の承認は、過去の運営の実情に照らし、手続の煩瑣な割に実益がありませんので、この制度を廃止しようとするものであります。  第三に、議員派遣に関する規定であります。会期中の議員派遣は、本会議の議決を要しますが、災害見舞または儀礼等で緊急に議員を派遣する必要がある場合には、議長においてその派遣を決定することができるように改めようとするものであります。もちろんこの場合におきましても、議長は、議運の理事会あるいは議運委員会等に通常諮って派遣を決定するという運営が、改正後においても行われるであろうことを希望いたします。  第四に、動議の撤回につきましては、現在、議案の章に規定されておりますが、会議の章に規定した方がより適切でありますので、これを改めようとするものであります。  第五に、条文を明確化いたしました点は、質疑終局の動議及び討論終局の動議を規定した条文がやや不明確でありますので、その表現を明確化いたしました。  最後に、従来、明確な規定がないため、慣行によっておりましたのを、この際、新たに規定しようとするものにつきましては、委員会提出の法律案の提出手続及び印刷配付に関する規定に不備がありますので、議員発議の法律案と平仄をあわせた規定を設けました点と、特別委員会が閉会中に審査または調査を終った案件が、次の会期において議題となった場合におきまして、委員長報告を行う者についての規定がありませんので、この場合は、元特別委員長が報告する旨を明文化しようとする点であります。  このほか、過去の経験に照らし、実情に沿わない諸点につきまして、それぞれ所要の改正を加えようとするものであります。  以上、御説明を申し上げます。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 別に御発言もなければ、ただいま説明の案をもちまして、委員長及び理事を発議者とし、他の議運委員を賛成者として、参議院規則の一部を改正する規則案を発議し、委員会審査省略の要求を付して、本日、本会議に上程することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは暫時休憩いたします。    午後零時二十九分休憩      —————・—————    午後三時十三分開会

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 委員会を再開いたします。  先ほどの本会議におきまして、新平井副議長ができましたので、副議長から一応ごあいさつを願います。

平井太郎自由民主党副議長

○副議長(平井太郎君) このたび副議長に選任された平井太郎でございます。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。     —————————————

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) それでは議事に入ります。  今国会の開会式に関する件を議題に供します。  理事会において協議いたしました結果、明十七日午前十一時から、従来の式次第によって開会式を行うこととし、その式辞案を、お手元に配付いたしました資料の通りとすることに意見が一致いたしました。式辞案を朗読いたします。

河野義克事務総長

○事務総長(河野義克君) 第二十九回国会開会式式辞(案)   天皇陛下の御臨席を仰ぎ、第二十  九回国会の開会式を挙げるにあた  り、衆議院及び参議院を代表して式  辞を申し述べます。   去る五月二十二日衆議院議員の総  選挙が行われ、六月十日をもつて特  別国会が召集されたのであります  が、われわれは現下わが国のおかれ  たる情勢に対処し、すみやかに諸般  の態勢を整え、内治外交の施策を強  力に推進し、もつて国運をいつそう  繁栄ならしむるとともに、世界平和  の達成に寄与するよう一段と努めな  ければなりません。   ここに国会は過般の総選挙による  新議員を迎え、われわれに負荷せら  れた重大な使命に鑑み、日本国憲法  の精神を体し、おのおの最善をつく  してその任務を遂行し、もつて国民  の委託に応えようとするものであり  ます。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 以上の通りでありますが、理事会申し合せの通り決定することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 次に、内閣総理大臣の所信表明に対する質疑に関する件を議題に供します。  理事会において協議いたしました結果、次の要領によって質疑を行うことに意見が一致いたしました。と申しますのは、内閣総理大臣の所信表明は、明日午後一時に衆議院において行われ、二時、参議院で行われ、そうして衆議院でさらに質問が引き続いて行われる予定になっておるようであります。従って、参議院といたしましては、明後日、すなわち十八日の定例会において質疑を行うように取り計らうことに意見が一致した次第でありまして、時間は、自民党が二十分、社会党四十分、緑風会二十分、人数は各会派一名、順序は、今回は社会党、自民党、緑風会の順、以上でありますが、理事会の申し合せの通り決定することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  ほかに議題がございませんければ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十八分散会

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