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29回国会参議院1958/06/11

議院運営委員会 第2号

発言数
14
登壇者
7
会派数
3
開催日
1958/06/11

会議録

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 議院運営委員会を開きます。  今期国会の会期に関する件を議題に供します。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 昨夜は事務総長から、衆議院からの事務総長が当院の議長に申し入れをされた件並びに議長が常任委員長懇談会を開催されまして意見を聴取されました件等をお聞きをいたしまして、そのまま深夜でもありますから散会をいたしたのでありますが、衆議院においては会期の決定がなされましたが、この会期の決定が衆議院にてなされました経緯を見ますと、衆議院の決定にとやかく言うわけではありませんけれども、国会法の解釈上、多少疑義があるように思われるんです。たとえば国会法の第六条は、「召集の当日に議長若しくは副議長がないとき、」は 「その選挙を行わなければならない。」、こうあって、第七条には、「議長及び副議長が選挙されるまでは、事務総長が、議長の職務を行う。」、こういうふうになっております。それからさらに第二十三条におきましては、「議長若しくは副議長が欠けたとき、」は「直ちにその選挙を行う。」、こういうふうな規定があります。これらの点を考えますと、この解散後の特別国会においては、何をおいても、ます議長及び副議長の選挙が行わるべきであって、事務総長が議長の職務を行うのは、それまでの間と解釈するのが妥当ではないかと、こういう意見があるわけであります。こういう点から考えますと、昨日の衆議院において行われましたことは、議長、副議長の選挙がなくて、直ちに事務総長が議長席に着いて会期の決定をしたということに、それは法律解釈上はいろいろの解釈が成り立ちましょうけれども、一部に疑義を持っている人があることは争えない事実であります。そこで、これらの疑義を将来明らかにしていくということは当然必要であります。  さらに、もう一つ問題になるのは、かりに、こういうことが合法的であるということになりますれば、これを拡大解釈して、事務総長が何でもかんでも全部議長席に着いてやってしまうということが、やろうと思えばやり得ることになるおそれがあるわけです。実際問題としては、そういう非常識な事務総長が選任されているとは思いませんけれども、やろうと思えばやり得る場合も起きてくることが想定されますので、非常に問題があるわけであります。それで、これらの点は今後明らかにしておく必要がある。  さらに、もう一つは、昨日、事務総長が、こういう経緯をとりまして、当院の議長に会期の決定を、協議の形をとられまして、議長の職務執行の権限をもって事務総長が協議をされましたけれども、そのときのいきさつを考えましても、時間を切り、その時間もほとんど十分とか十五分とかいう、実際上当院の協議を行うことができないような時間を限って決定を要求されたというようなことは、これは国会法の規定ではありませんが、非常に国会法の精神から考えても、議院運営の立場から考えましても、きわめて穏当を欠いておると言わなければならぬと思います。この点は、疑義の点についてはいろいろ意見もありましょうけれども、後段の穏当を欠いておるという点は、これは何人も認めるところであろうと思うのであります。従って、これらの点をいろいろ勘案いたしますと、疑義を明らかにし、さらに、将来かくのごとき不穏当なことのないようにすべきであろうと私たちは考えるのであります。これについての事務総長の御意見あるいは議院運営委員長の御意見、あるいは当然私の意見については自由民主党の方々も同調されると思うのでありますが、それらの方々の御意見をもお聞きしたいわけであります。

河野義克事務総長

○事務総長(河野義克君) ただいまの小林委員の御発言の趣旨については、非常にごもっともな点が多々あると傾聴しておりました。ただ、国会法の解釈としてどうであるべきであるということは、一般的に論ずる場合には、もとより私どもも申し上げたいこともあるわけでありますが、ただいまの場合は、すでに現実に衆議院がある運営を行いまして、それに関連してのいろいろのお話でございますので、他院の運営に、この公けの委員会において、私の立場としてかれこれ申し上げることは、まあ慎しんだ方がいいのではないかと存じております。ただ、事実関係だけを申し上げますれば、まあ前段の法的な関係においては、一応そう申し上げたいと思いますが、後の協議関係云々ということにつきましても、批判は避けたいと思いますが、事実関係だけで申し上げれば、事実において、衆議院の協議に対して、参議院側がこの協議に応じて、何分の返事をするという時間的な余裕がないままに、向うが何時にはベルを押すと、それをまた若干は延ばしましたけれども、初めからの予告としては、何時にベルを押すというようなことであったわけで、その事実関係においては、こちらが返事をする時間的な余裕が事実なかったと認めざるを得ないことは、私も小林さんとともに遺憾にたえないところであります。法律上の問題、あるいはそれ以上の運営上につきましては、この際私としては、まあしばらくこの程度にいたしたいと思います。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 小林委員の御発言は非常にごもっともだと私どもも考えます。ことに、事務総長が議長の権限を代行する範囲、内容というものについては、私は小林委員と同じような解釈をすべきものだと、かように思いますが、ただ、そうかといって、衆議院がすでに院議をもってそれを認めておるというものについて、これは今とやかく言うべきではないと思うのであります。ただ、参議院としては、これは私だけの考えかもしれませんが、議長の欠けているときに、事務総長がどこまで議長の権限を行うかということについては、これはやはり狭く解釈をして、衆議院のやった例をやはり参議院も将来まねるということがあってはならぬのではないかと私は思います。従ってもし将来こういう場合について、議院の運営方針をはっきりしておいた方がよいということであれば、後刻そういうことについて、またはっきりしていただきたいと思いますが、私はそういう場合には、やはり議長を選ぶまでの手続その他事務的な問題については、これはまあ代行しなければなりますまいが、いやしくも議院の運営に関する重要な事柄を議長ができるまでの間、だれが見ても避けることができぬという場合はやむを得ませんが、今のような場合には、議長の代行をするというようなことは、参議院としては方針を将来きめていただきたいと、かように思います。  それから、この協議の手続については、事務総長も、また小林委員もそうだと思いますが、こちらの協議を待たずに、ただ一方的な通告のやり方というものについては、これは私は、委員長が将来こういうことのないように、一つ衆議院の方にお話をしておいていただくのが適当ではないかと思います。ただ、衆議院では院議をもってあの手続で会期の決定をいたしたわけでありますが、参議院もやはり参議院として会期の決定をしなければならぬわけでありまするから、二十五日という会期について御異存がないのなら、一つ当委員会において二十五日の会期を決定するということに御同意をいただいて、なるべくすみやかに本会議で議決をせられるように希望いたします。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 さいぜんの小林理事の質問のだめ押しになるかもしれませんけれども、まあ衆議院の昨晩やられました行為をどうこうというのではなくして、これは参議院として将来こういうこともなかろうと思うのですが、しかし、そういう場合のないことも断定できませんので、二十二条の解釈を、総長さんなり、あるいは委員長さんから、昨晩のとにかく衆議院の行なったことに対して云々ということでなしに、二十二条の、「臨時会及び特別会の会期は、議長が衆議院議長と協議した後、議院がこれを議決する。」と、こう書いてございますね。この「議長」というものが、議長がきまるまでの仮議長である、事務総長まで加えるという広義な解釈かどうかということがまず一つと、それから、「衆議院議長と協議した後、議院がこれを議決する。」ということになりまするから、仮議長も含むということになれば問題はありませんけれども、仮議長は含まないということになると、これはきのうの話と別個の問題になってくるので、このあたりどういうふうに解釈をされているのか、この点を一つお伺いしたいと思うのであります。

河野義克事務総長

○事務総長(河野義克君) ちょっとお尋ねを聞き漏らしておったかもしれませんが、私が把握した限りで御返事申し上げます。  規則の二十二条には、「議長が衆議院議長と協議した後、」云々という表現がございます。それから衆議院規則には、これと対応しまして、「議長が参議院議長と協議した後、」云々という規定がございます。一般的に申し上げれば、「議長」とここにあるわけでありますから、その議長は、単に議長その人だけでなく、議長の職務を行う人すべてにわたるわけでありまして、場合によっては副議長とか、そういうものも含まれることは、これは当然でございます。ただ、事務総長がこの場合において議長の職務を行い得るかどうかという点については、若干の問題はあろうと思います。それで、一般的に言いますれば、国会法の六条が示しておりますように、召集の当日、各議院において議長、副議長がともにないときは、その選挙を行わなければならない、これは何よりも先んじて行わなければならない、行うべきものであると了承しております。それで、そういう観点におきましては、通常の場合においては、その後にその国会におけるもろもろの議長の権限行使の問題が、選ばれた議長その人によって行われるという態様が普通であることは申すまでもないと思います。ただ、議長、副議長をともに優先して選ばなければならないということは当然なこととして、何らかの場合におきまして、議長、副議長が選ばれない間において議長の職務を行わなければならない他の必要性が生じた場合においては、やむを得ず、あるいは例外的に、第七条の作用によって事務総長が議長の職務を行うことも、全的に否定するわけには参らぬと思います。昨日の会期の決定がそういうことに該当するかどうかについては、会期を召集の当日にきめなければならぬかどうかという考え方とも密接な関係がありますので、そういうことについては、一部、昨夜私は意見を申し上げましたが、まあ現実に衆議院の運営上そういうことも現われておりますので、先ほど申し上げましたように、一応私の見解は、これ以上衆議院の批判にわたる点をおそれまして、この程度にさせていただきたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そういうことをお聞きしているんじゃないのです。昨晩からのことについては、社会党の小林理事も自民党さんの斎藤理事も大体御見解が一緒ですから、私その点はまあいいんですが、二十二条の議長というものは、議長がきまるまでの仮議長というものもこの中に入っておるものかどうかという、入っております、おりませんという御答弁だけでけっこうなんですよ。決して向うさんの衆議院の批判だとか、批判でなしに、将来、参議院で起り得るか起り得ないかわからぬけれども、その点だけ簡単にお聞きしておけばいいわけです。参議院規則の二十二条です。ですから、参議院としてどうなんですかというのです。たとえば参議院の場合、松野議長さんと寺尾副議長さんがきのうのような場合、あなたが仮議長をやられる、そういうことになれば、仮議長さんが二十二条のここに入るかどうかということです。

河野義克事務総長

○事務総長(河野義克君) 今御発言でございますが、国会法上仮議長と申しますのは、必ず議員がなされるものです。それで事務総長が国会法七条によって議長の職務を行うことがありますが、それは仮議長とは異なる考えでございます。それで、議長も副議長もともにおられて、ともに事故がある場合に、これは普通の場合、会期の途中を考えますと、そういう場合に議員の中から仮議長を選んで、それで仮議長が議事を主宰せられることがあるわけであります。それですから、仮議長もその必要があって仮議長に選ばれますれば、一般論としては、むろん議長の権限全部を行使できるわけであります。ただ、普通から言いますれば、二十二条は会期の初めに行われることを予想しているわけですから、そういう場合に議長、副議長はともにあって、それで議長、副議長ともに事故があるということが予想しがたいことですから、非常にこの場合に仮議長が入るということは希有のことだと思いますが、これと類似した、たとえば二十三条には二十三条の規定が準用されておりますが、二十三条の会期の延長というような場合には、会期の終りになって、議長、副議長はともにおられる、しかし、ともに病気や何かで事故があるという場合には、当然、仮議長を選挙してその仮議長が議長の職務を行うわけですから、そういうときを想定いたしますれば、その仮議長は、当然、議長の権限全部を行使するわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 もう一つ最後に、斎藤理事のおっしゃった本件に関するところの、あとどうするかということについて含蓄あるようなお話がございましたが、たとえば理事会でおきめになるのは、理事会で、こうこうだというその終末をきめるのかどうかわかりませんけれども、もしそういうことになると、これは速記録にもおそらく載らぬということになるので、ここでお伺いするのはどうかと思いますけれども、たとえば今回の件を、衆議院のとった態度がよかったか悪かったかは別として、たとえば連絡が不備だったとか何とかの幾多の問題が出てくるということは、どういうふうに結末をつけるというお考えなんですか。斎藤理事から発言を僕が聞くのはどうかと思うのですが、その点をお伺いしておきたいと思うのです。

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 小林理事及び阿部委員からのいろいろ御発言がありましたし、国会召集の当日、まず当初に議長、副議長を選挙して選任して、それから一般の議事に入るというのは、これはまあ常識だとわれわれは心得ております。それに対して異例の措置がとられた、とられたこと自体は、衆議院としてはこれは院の議決をもってやられたことでありますから、これを今ここで違法であるとか何であるという議論はちょっとできないと思います。従いまして、しかしそういった運営上の慣習につきましては、今後、参議院としてはどうすべきかという問題につきましては、十分今後とも検討をしていきたいと思っております。  それからこの第七条でありますが、事務総長が議長の職権を代行する場合に、どこまでの範囲がまかされているかという点につきましては、明文がないようでありますから、これも今後検討を要する問題だろうと思います。  それから議事の取扱いで、会期の問題につきまして両院の議長が当然これは両方で協議をしなければならぬという、この協議の扱いの問題につきましては、時間的な関係もあったかもしれませんが、いささか穏当を欠くような措置があったようにもとれるのでありまして、これは私は、衆議院が今後院内の構成が終りましたら、しかるべき責任者とも十分話し合いをいたしまして今後かかることのないようにということを、あるいはまた今の前段の問題につきましても、できるだけ今後思想統一をはかるために、お互いにちぐはぐな意見が出ないように、これは衆議院の方で院内構成ができました暁には十分善処したいと、こう思っておりますので、この問題で、今両院が対立した議論として、ここであまり公式に対決させることはいろいろな点からいかがかと思いますので、委員の皆さんの御意思のあるところにつきましては十分に了承いたしましたから、一つ今後の扱いは、また必要によっては理事会でもお諮りするし、あるいはまた必要があれは委員会にもお諮りするようにというようなことにいたしますが、この際は一つ委員長におまかせをいただけぬかと、こう思うのであります。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 昨日来の会期の問題については、第一に、国会法第七条の事務総長が議長の職務を行う範囲の問題が国会法上の解釈として議論の余地があると、こういうとであろうと思いますが、その場合に、いわゆる参議院規則の二十二条に関連をもってこれを拡大解釈をする、案件そのものの解釈についての拡大解釈が非常に行われるというと弊害が生ずるということは、これは衆議院、参議院を通じて、さらに十分、この事例にかんがみて検討を加えていく必要があると私も思います。しかし、会期の決定については、手続上の穏当を欠くという問題と、それから、ただいま申し上げた国会法第七条の法律上の拡大解釈はどうかというような問題に関連をもって、ただいま委員長のお話の通り、今後の検討を加えるということを、この委員会において確認した上で、参議院は独自の立場で会期の決定をせなければならぬことは申すまでもないことでありますから、昨日来の議案にもなっておりますし、会期の決定をこの際議運において決定されることの動議を提出いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 先ほどから小林理事のいろいろな疑点についての発言があり、これに関連をして、斎藤理事からも見解が明らかにされております。そういう点については、まだそのほかにも、会期決定を召集日当日に行うことについての問題点もあるわけですから、一つそういう点は今後お互いに見解の一致をするような検討を加える、こういうことにして……。しかし現実には、今、島村委員の発言がありましたように、昨日召集をされて、きょうは二日目になり、参議院として会期決定をせないということもどうかと思いますので、そういう問題点は将来検討することにするということで、会期を二十五日間とすることに賛成いたしたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) それでは、ほかに御発言がなければ、先ほど斎藤理事及び島村理事から御提言のありました今期国会の会期を六月十日から七月四日まで二十五日間と決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井謙自由民主党

○委員長(安井謙君) 御異議ないものと認め、さよう決定をいたします。  ただいまのところ暫時休憩にいたします。    午後零時四十一分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕

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