法務委員会 第10号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/09/09
会議録
○小島委員長 これより会議を開きます。法務行政及び検察行政に関する件について、調査を進めます。 資疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。なお、法務大臣は閣議終了後即刻出席の予定でありますので、御了承願います。 鍛冶良作君。
○鍛冶委員 私は、本日、近時各地に起っておりまする勤務評定反対闘争に関する紛争と申しまするか、騒擾と申しまするか、はなはだ遺憾にたえないものが各地で起っておるのでありますが、それらに関連する各種の質問を試みたいと考えるのであります。そのうち特に和歌山に関する問題は、文教委員会及び地方行政委員会等で論ぜられましたので、あまりここに繰り返して言いたくないのですが、和歌山へ行って私が調査しました中で、両委員会でそれほど論じておられず、また当時調査があまり進んでおらなかった問題で最も重要な問題だと考えますのは、和歌山市雑賀崎小学校における生徒に対するいわゆる学校八分を企てたという問題であります。これは、教育問題からいたしましても、また刑事問題から考えましても、さらに進んで人権擁護の問題から考えましても、まことに重大なる事件だと考えるのであります。そこで、それらについて特にわれわれが関心を持たなければならぬと思う一、二点を聞きたいと思うのであります。 雑賀崎小学校の学校八分問題は、当局におかれてその後調査が進んでおると思うのでありますが、私のまず聞かんとすることは、ああいう事件は、教員組合と先生との間の考えの違いも嘆かわしいことでありまするが、それが進んで累を生徒に及ぼし、さらにまた生徒に教育を施さない方法によって自分の目的を達しようとする、まことにもってゆゆしき問題だと考えるのであります。そこで、まず私の聞きたいのは、あの先生に対して特にこれを強要せんとするがために、われわれから見ればリンチを行なったと言って差しつかえないと思う事実があったのであります。これに対してどれほどの調査が進んでおるか、犯罪の容疑ありと私は心得るが、あるものであるかどうか、あればどのような手段をとっておられるか、この点を明確にしていただきたいと思います。
○竹内説明員 雑賀崎の御指摘の事件は、ただいま所轄和歌山西署におきまして、刑事事件として捜査に着手し、すでに家宅捜索をいたしましたし、さらにまた被疑者、被害者その他関係人について取調べを続行しておる最中でございます。警察において必要な調べを完了いたしました上は、事件は和歌山地方検察庁に送致されるはずでございまして、送致を受けました上は、すみやかに適正な処理をいたしたいと考えております。 なお、容疑の点でございますが、和歌山教組の今回の勤評反対闘争に当りまして、六月九日及び二十四日に行われました雑賀崎小学校における雑賀崎分会の職場会議の席上におきまして、かねて一斉休暇闘争に反対して行動をともにしなかった同校の教員藪田謙一に対しまして、岡崎喜比古外十五名の教員が、おれたちに同調しなければお前を孤立無援にしてやる、あるいはお前の担任学級も孤立無援にしてやるといったような暴言をはいたわけでございます。これらの行為が、多数の威力を示して強迫したという暴力行為等処罰に関する法律に違背する疑いがあるということで、そのような内容に基きまして捜査を進めておる段階でございます。なお、本件につきましては、別途人権擁護局の立場からいたしまして、この藪田教員の人権が侵害せられたんではないかという疑いのもとに調査を進めておることを、あわせて申し上げます。
○鍛冶委員 これはまことに重大な事件であります。教員組合が、組合の方針を貫徹せんがために、それに反対する先生にリンチを加える。この一事をもってしても、まことにゆゆしき問題であります。さらに進んで、その先生が受け持っておる生徒に教育の差別待遇をしてやることにおいて、父兄に反省といいますか、先生に反対の方向に父兄を向わせようとしておった事実がある。しこうして、生徒自身に授業を満足に受けさせなかった。四年は甲組、乙組に分れていて、藪田先生は甲組の先生のようでありましたが、藪田先生が都合が悪かったら、どこの学校に行きましてもそうですが、同じ四年の乙組の先生がおるんですから、その乙組の先生が補習して教育を施すなり、補充教育をやるなり指導しなければならぬはずであるが、その乙組の先生が先頭に立って教育の八分を食らわせる手段に出ておったように聞いておるが、この点は私どもの調査と大体同じであるかどうか、おわかりになるでしょうか。おわかりになれば聞かしていただきたい。 さらにわれわれの憂えておりますのは、あなたの方で刑事事件をお調べになるのはよろしいが、その後、生徒に対して相変らずそのような待遇をせられては大へんなので、これは文部当局に聞けばいいのですけれども、きょうは法務委員会なので文部当局はここへはあまり出ておらないから、もしもその点で何か警察の方でおわかりでしたら一ぺん聞かしていただきたい、こう思います。
○竹内説明員 ただいま御指摘のような事実があったかどうかという点につきましては、検察における捜査の段階でございますので、私の方へは正式に報告を受けておりませんので、内容を熟知しておりませんが、先般来国会等においてそういう御議論の存しましたことは私も承知いたしておりますので、国会の模様は現地の方へ通告いたしまして、捜査に遺憾なきを期してもらいたいということを申しております。 なお、その影響としまして、生徒、児童に悪影響を及ぼすことのないようにという点につきましては、現在においては万遺憾なきを期しておることとは存じますが、私の方からどう申し上げる筋合いでもございませんので、まだその点については私ども承知いたしておりませんから、ほかから御答弁させます。
○鍛冶委員 その点でもし警察側でわからなければやむを得ませんが、わかっておったらわかっておった程度をお聞かせ願えればけっこうだと思います。
○柏村説明員 ただいま法務省側から申し上げた以外に、警察でも特別その後の状況については報告を受けておりません。ただ、文部省側から伺いますと、和歌山県で雑賀崎小学校におけるその責任の校長、教頭を、他に転勤せしめたというふうに私は聞いております。
○鍛冶委員 転勤よりか、授業が満足にいっておるかどうかということです。これ以上あなた方に聞くのも何ですが、また機会あれば一つお調べおきを願いたいと思います。 次いで、今刑事局長からも出ましたが、その余のことについては、もっぱら人権擁護の問題だと思います。人権擁護の点については、両面に考えられます。藪田先生に対する人権じゅうりんの問題、生徒に対する特別の扱いをいたしましたいわゆる学校八分を食らわせたこと。昔から村八分ということは聞いておるが、学校八分などということは、おそらく初めてでしょう。またかようなことが今後あっては大へんなことですけれども、事実あったのですからやむを得ませんが、かような重大なことに対しては、重大なる人権問題が起っておると思うのであります。この両面について人権擁護局の担当者の方々から、詳細一つお調べの結果を御報告願いたいと思います。
○竹内説明員 ただいまの点につきまして、人権擁護局長から御答弁申し上げるはずでございますが、まだこの席上に出ておりませんので、私の承知しておる範囲で申し上げます。御指摘のような事実に基きますならば、確かに藪田教員に対する人権の問題と、児童なりその義務教育を受けさせる義務を持っておる保護者たちの権利と申しますか、また児童そのものの権利と申しますか、そういうものに対する侵害の容疑もあろうかと考えられますので、人権擁護局においては、ただいま調査を鋭意進めておるということは私も承知いたしております。その両面につきまして、遺憾なき調査を進めるもの、かように考えております。
○鍛冶委員 私は擁護局長が見えていると思ったものですから……。至急呼んで下さい。またこの点に対する大臣の見解もぜひ聞かなければならぬと思います。大臣は閣議でやむを得ませんが、済み次第一つ……
○加藤(精)委員 関連。和歌山市の郊外の雑賀崎小学校の藪田教員の問題は、非常に重大な事件でございますが、法務省方面でも警察庁方面でも、取調べの速度が何のゆえか少しおそいような気がしておりますのです。事件は非常に重大な事件でございますので、鋭意取調べをはかっていただきまして、この次の委員会におきましては御発表できるようにしていただきたいと思うのでございます。何となれば、この人権じゅうりん被疑事件につきまして、校長、教頭が他校へ転任されたのでございますが、その受け入れ学校におきましては、そうした先生を自分らの方の学校ではもらいたくないというて地元が騒ぎまして、それからそうした各所の異動に関する地元同士のごたごたがございまして、それに社会党の顧問弁護士と思われる方が調停に乗り出そうというような気がまえを見せまして、また地元の方におきましても、これはある勢力が扇動しているものと思われるのでございますが、そうした過激な転校というような手段をとらずに何とか打開の道がないかというようなことをやっている事情でございます。しかしながら、本件の事件はきわめて忠性なものでございまして、通り一ぺんの人権じゅうりんというような調子のものでないのでございます。この十五人の先生が、われわれはこういう方法をとって藪田教諭をいじめてやろうということをみんな寄り集まりまして申し合せをいたしまして、それをプリントにいたしまして校長に提出している。その内容たるや、まことに驚くべきものでございまして、先ほど鍛冶委員から申し上げましたもののほかに、単に藪田教諭をつるし上げるだけじゃなしに、校長先生をも非常に激越な口調でもってつるし上げをいたしておるのでございます。また藪田教諭に対しましては、数十時間にわたりましてせっかんいたしまして、ために病弱な藪田教諭は、二百十幾つといつ血圧となりまして、もはや生命の危険をさえ訴えるほどになっておりまして、それ以後とかく病弱で、休みがちになったのでございます。これほどの精神的圧迫を与えながら、勤務評定反対運動は非常な重大な運動で、われわれ教員組合の人間はこれに命を賭しているのだからというので、藪田教諭に向って、お前のような人間は死んでもかまわないということを放言しているのでございます。なお、校長先生に対しての対策としてその十五人の先生が申し合せたところによりますと、校長先生として藪田先生の思想行動についての見解を明確に答えてほしい、この事態をどう措置されるお考えか、処理については納得のいくような取り計らいを願う、校長先生として、藪田先生に平生からとられた態度について反省してもらいたい、今後職場におけるいろいろの事柄を父兄に漏らすことは許しがたいことであるゆえ、校長として注意してほしい、われわれは今まで校長としての立場を認めてきたが、組合員としての立場をどういうふうに考えているかと、まるでどっちが校長だか、どっちが上司だかわからないのであります。そして、よく社会党の方々は思想調査をしていいとか悪いとか言いますけれども、校長先生に、なぜ藪田教諭の思想調査をしないか、そうして思想の調査をした上で明確にそれを答えろという、これはいかに教員組合に対して忠実だとかどうかということの勤務評定であります。教員組合は、自分らが勝手に組合員に対する勤務評定をしておりながら、国家の教育者としての勤務評定をすることについて異論を言うということは何たるばかげたことであるか。そしてそのばかげたことを基礎にして、こういうふうな人権じゅうりんをやっているのであります。 次に、藪田教諭に対しましては、われわれは今回の行動に対し激しい憤りを感じ、授業など校務一切の援助は禁止し、何とかして抗議したいと、切々たる恨みと怒りを示しているのでございますが、この程度を失した非常識な人権に対する迫害は具体的事実となって、藪田教諭の担当する四年甲組の生徒は、四年乙組と並んでいるにかかわらず、片方では喜ばしそうに体操を教えてもらっているのに、暗い教室でただ自習に次ぐ自習をもってし、自習時間が終っても、その自習の点検もしてくれない。隣の部屋は紙芝居をおもしろそうに見せてもらって笑い声が聞えているのに、この甲組に至っては、その日もまた自習また自習であります。隣の部屋の生徒は映画に連れていってもらえるのに、四年甲組の生徒は映画にも連れていってもらえない。それから隣の部屋の生徒は先生引率のもとに一年一度の海水浴行事を楽しむのに、藪田教諭の担当する生徒は、海水浴も世話をしてやらぬということを宣言されまして、父兄から、先生のついていない海水浴は溺死その他の危険があるというので、お願いして、海水浴をとりやめてもらったという事実があるのであります。また、ある土曜日に弁当が要ることになったにかかわらず、藪田教諭の担当する生徒にだけ弁当の要ることを教えない。学校に行ってからそれがわかったけれども、もはや。パンも売り切れて、とうとう昼飯を食べないでしまったというようないろいろな事件がございまして、父兄が著しく興奮して、学校当局にかけ合ったという事実がある。そういう声を学校当局に対して、また同じ四年乙組の担当の女の先生にもお話しますると、先ほど朗読いたしましたように、校長は外部に対してこの問題に関しては絶対話をしてはいかぬというふうに校長を圧迫し、結束をますます固くいたしまして、その児童に対してそうした残酷な待遇をいたしまして、またかわいい子供たちのために何とか局面を打開しようというその父兄が発言することによって世間にそういうふうな人権じゅうりん事件がわかるといかぬというので、そういう意味から藪田教諭の担当している学童の父兄に対しては、非常な圧迫を加えている。これは単に藪田教諭に対する人権じゅうりん、藪田教諭の担当している学童に対する人権じゅうりんばかりでなしに、問題は当該学級の学童の父兄に対する人権じゅうりんにまで発展しているのであります。これらの父兄は、私たちが調査に参りましたときに約三十名近く参りましたが、ほとんど九割くらいは女の父兄でございまして、母親が大部分でございました。まことに純真なる漁村部落のお母さんたちでございますが、われわれに泣いて訴えている。そのかたわらにおきまして、私はちょっと所用がありまして玄関に参りましたら、玄関に出てきました二、三人は、これをわれわれがしゃべったらまたひどい目にあうから、どうしたもんだろうかということを打ち合せておったのでございます。いかにその父兄に対する人権じゅうりんが激しい程度になっているかということを、私は察知したのであります。 本件の問題は、これは単に、私ども考えますのに、和歌山市の郊外の一小学校に起っている事件だけで済む問題ではないのでありまして、全県下のこうした目的は手段を正当化するというような気持で、教員組合運動のためにはどんな手段をとってもいいということは、すなわちソ連のハンガリー国民の惨殺とか、ナジ首相を国際条約の信義を裏切って暗殺する虐殺するというような、目的は手段を正当化するというような残虐な、残酷な教員組合の精神—全国何十万教員諸君が教員組合をきらっておるのにかかわらず、かかる人権じゅうりんをされることをおそれまして黙っている。すなわち国民が正当な政治的な意見を持ち得ないということの結果をもたらすもので、ございまして、国家教育の進路を誤まることこれより大なるものはないと感ずるのでございます。しこうして、行政上の措置はとられたことはとられたのでございますが、もし人権擁護局の御調査が進みまして、この十五名の教員に対しまして、人権擁護の制度上に基くところの勧告その他の諸措置がもうちょっと迅速にとられておるならば、私はその後のごたごたもなく、またどこまでも真相を明らかにして、教員組合といえども、日本の国法には従わなければならぬ、その目的のために手段を選ばずで、教員組合の主義に賛成しない者は、藪田教員のように脱退する場合に、これを極端な残酷な、残忍な方法でもって迫害することはできないということを、天下に示すのに非常に役に立つと思う。もうちょっと早くこの人権擁護制度を活用いたしまして、適当な勧告その他の措置をとられることを希望するものでございまして、その御決心ありやいなやを伺うものでございます。
○竹内説明員 御趣旨の存しますところは人権擁護局長に正確にお伝えいたしまして、できるだけ貴意に沿いますように努力をしていただくことにいたしたいと思います。 なお、検察庁関係につきましては、すみやかに事件処理を進めてもらいますように、現地を督励いたしたいと考えております。
○鍛冶委員 次いで承わりたいのは、私はこの間和歌山へ行きまして特に痛感したのでありまするが、デモ行進に対して警察の与えられる許可の方針です。調べてみますると、和歌山では八月十五、十六、十七日と三日間続けてデモが行われておるのであります。このデモの許可は、名前は変ってはおりまするが、デモをやる人間は同一のもののようです。しかるに、その三つのデモが二日前に全部一緒に許可されておる。私はこういうようなことは、その日その日にいろいろのできごとがありまするから、三日もあるならば、まず第一の日をながめて、その上で公安を害するようなことがあるかないかを見きわめた上でなかったら、次の日にやれないものではないかと思うのですが、それが三日あるものを一ぺんに許可されておる。こういうことはやらなければならぬものであるかどうか、その点からまず聞いておきたいと思います。
○柏村説明員 ただいまお尋ねの点でございますが、元来集会または表現の自由ということは、これは憲法に認められております。従いまして、警察といたしましても、原則的にはできるだけ自由に集合しあるいはデモ行進等も認める方針でおるわけでございます。しかしながら、そのデモ行進等が明らかに危険を及ぼすというおそれがあると認めたときは、これを不許可にすることも可能でございます。これは各都府県にできておりますいわゆる公安条例に規定しております許可を受けなければならない、こういう場合以外は許可をしなければならないというようなことで条件をしぼっておるわけであります。また許可をするに当りましても、たとえば混乱を招きそうな時間であるとか、あるいは行進の径路であるとかというものについて条件をつけるというようなことも可能でございます。今御指摘の和歌山の場合は、十七日と十九日にさらに行われ、四回行われておるわけでありまして、十七日の分は十六日の四時、ころ許可を与えた。十九日の分は十六日の六時過ぎに許可を与えておりますが、いずれも十六日のあのデモ行進の発足する前でございます。一般的にああいうものは十分の注意を与え、警告をし、さらに条件を付しておりますので、一応正当に行われるという予測のもとに許可をいたした次第でございますが、遺憾ながら十六日にあのような事件を起した次第でございます。確かに御指摘のように、さらに注意をすれば、あるいは十五、十六日を許可しても、その後におけるものについてはその結果を待って検討をするというような配慮があってもよかったかとも思いますが、従来一応いろいろな条件はつけるということにいたしましても、初めからああいう混乱とかあるいはひどい行動をするという前提に立たない傾向があるので、ございまして、今後はそういう点についても、いろいろとさらに注意を喚起いたしたいと思います。
○鍛冶委員 今お答えの中で、公安を害するということが明瞭であるならば、許可せないこともできるというお言葉がありましたが、この点に対して、和歌山へ行って非常な疑問を持ったのです。第一に、かようなデモをやれば、われわれからいえば、あれくらいの紛糾の起きることは私は予想できる。私が予想できるのに、警察の方では予想ができなかったか。これが第一の問題なんです。そこでそう言いますると、そういう予感はあっても、条件をつけたら、その条件さえ守ってもらえれば、そういうことがないと思うから許可した、こういうお答えです。ところが、相手がさような条件を守るような人間であるかどうか。それを一体見抜かれぬか、これが私は嘆かわしい。こんなことは今さら和歌山で初めて起ったことじゃありません。かつて宮城前におけるあの火炎びん事件のあのときから、りっぱな条件を付したにもかかわらず、これをじゅうりんせられておる。ああいう連中にいかなる条件をつけても、これをじゅうりんすることは、弊履を捨てるがごとくであるとわれわれは信じておる。にもかかわらず、条件があればよろしいと思われることが、私は警察としては実は嘆かわしいことじゃないかと思うのですが、そういう場合にでもそういう考えが起らなかったのか、起っても許可せなければならぬものであるか、これが私は重大問題であると思いますから、この点、この際一つ明瞭にあなた方の今後の方針を承わりたい、こう思います。
○柏村説明員 和歌山の十六日の事件でございますが、確かに十五日には一万近い数の行進がございました。十六日は五百程度のものでございます。しかし、その構成員の質的な違いというものについては、ただいま御指摘のように、十五日と十六日は違う、全体の空気というものは違うということは、和歌山の県当局にもわかっておったと思います。しかしながら、そういうある程度過激なものであっても、一応はこれを善意に考えて、そうして許可をするということが、やはり筋としては私は正しいことじゃないか。しかし、それに対して必要な条件を付し、あるいは今お話しのように、条件を無視する連中だとおっしゃいますが、やはりああいう人たちであっても、必ずしも常に破るというようなものではございませんし、そのために必要な警戒措置もとっておったわけでございまして、私はあの場合、許可をしたことが非常に不明であったというふうに和歌山県当局を責めるわけには参らないと思います。しかしながら、ああいうことがたび重なるということになって参りますれば、今後の問題として、そういう特殊な団体のデモ行進等については、相当にきつい規制を加ええる必要がある、こう考えております。
○鍛冶委員 憲法に保障せられたる集会でありますから、でき得る限り集会を認めよう、またでき得る限り相手方を善意に解釈して、条件を守るものと信じてやられるその方針はよろしいのです。私はそれには反対しません。ぜひそうあってほしいのです。そうあってほしいのだが、だれが見てもやられることがわかっておるにもかかわらず、あなた方善意だといってやられることは、それは善意を通り越してばかにされることになる。さようなことがあっては大へんだと思うから私は申し上げる。この間和歌山へ行って聞きますと、社会党のある人が警察へ来て、お前らは確かに条件を守るようなものを相手方にせなかったからだ。もっと厳重に条件をつけて、判でも何でもとっておかなかったからこんなことになったのだとあべこべに逆襲されておる。社会党の代議士です。そういうことを言っておる。ここまでいっては、実にどうも警察はばかにされたことになります。そこで私が今聞かんとするのは、これ以上言っても仕方がないが、今後においても、確かにどれだけ条件を付しても条件を守るようなことはない、必ずそういうようなことが起る、こういう場合にもやらなければならぬものか。そういう場合には、断固として許さないという方法があると思うのだが、これはどうだ。また今後そういう決心を持って臨まれるかどうかを聞いておきたい、こういうのです。
○柏村説明員 先ほども申し上げましたように、明らかに差し迫った危険があるというふうに判断されます場合は、これは許可をしないということは、公安条例また判例でもそういう許可しない場合があり得る、差しつかえないということが認められておるようなわけでございまして、これは基本の方針としてはそういう考え方でございます。しかし、くどいようでありますが、できるだけ平穏に行われるように注意を与えて、集団行進であるとか集会というものを広く認めていくという基本の方針だけは堅持いたしたいと思っております。
○鍛冶委員 大体わかりましたが、どうも盗人たけだけしいようなことを言われるようなへまをやらぬように私はお願いしたい。そうして、認めるものは認めなければならぬが、認むべからざるものは断固としてやらなければならぬということを希望いたしまして、この質問はやめておきます。 次いで、この二、三日前に小林日教組委員長を、検察側ですか、警察庁ですか逮捕せられましたが、その後二、三日にしてこれを釈放せられたようであります。われわれは、これを逮捕せられるについては、犯罪の嫌疑十分あるがゆえに、確信を持って逮捕せられたものと心得るのでありますが、彼は警察から出るやいなや新聞記者を前にして天下に豪語しておる。何の嫌疑もない、いかなる弾圧を加えてもこの通りりっぱに出てくるのだ、あすから私は第一線に立って指導してやる、こう言って、この二、三日来の文部省主催の道徳教育講習会反対デモの先頭に、立ったか立たぬか知らぬが、立つと、新聞の上で見ました。これはまことにどうもゆゆしき問題だと思うのです。私が第一番に聞きたいのは、これを逮捕せられるについては、犯罪の嫌疑十分なるものありとの確信のもとにやられたと思うが、その点はいかがですか。まずそれから聞きたい。
○川合説明員 小林委員長を九月の四日早朝、自宅におきまして、最初任意同行を求めましたが、同行されないので、逮捕状を執行いたしまして、自後三十数時間にわたって調べたわけでありますが、もちろん私どもが逮捕状を持って自宅に参ります場合におきましては、罪状について十分容疑を持ってのことであります。この点は申し上げるまでもありません。いかなることかと申しますと、四月二十三日の東京都内に行われましたいわゆる一斉休暇につきましての小林委員長の連関性の問題でありまして、問疑する法条は地方公務員法第三十七条であります。その後の経緯はおおむね御承知かと思われますが、私どもといたしましては、どうしてもお尋ねをしたい節々があるわけであります。日教組の委員長でありますので、その体面、重要性をわれわれの方では勘案いたしまして、礼を尽して、最初は任意同行という挙に出たかったのでありますが、そのうちにじんぜん日が延びまして九月の四日と相なったのであります。われわれとしまして、その事件の決着を求めるため及び小林委員長のこの事案に対する法上の関連性を求めるためにいろいろと質問をいたしましたが、世間話はにこやかにされるけれども、担当警部に対しましては、事件の真相についてはひたと口を緘して語らないのであります。ついに九月の五日午後八時四十分ごろ、私どもとしましては、それまでに収集しました証拠資料、それから他の者から任意協力されました資料を添えまして、検察庁に送ったわけでございます。私どもの持ち時間は御案内の通り四十八時間でございますが、思うところがありまして、十数時間を切って検察庁に送った次第でございます。自余のことは法務省の方からお答えいたします。
○竹内説明員 小林委員長に対しましては、警視庁から東京地検が送致を受けまして、自後検察庁において取調べを行なったのでございますが、勾留請求をいたしませんで釈放をいたしたのでございます。これは、当時新聞紙上にも検察当局の意向として明らかにされておりますように、処分留保ということで釈放されておるのでございます。申すまでもなく、釈放ということは直ちに容疑が解消したというものではないのでございまして、今の処分留保という点からも推測されまするように、容疑は依然として存するのでございます。ただ、釈放いたしましたのは、勾留の必要がないというふうに判断したというのでございまして、私どもの法律実務家の立場から申しますと、逮捕ということも釈放ということも、取調べの必要に基く手続上の処置でありまして、処分の内容と直接つながるものではない、かように考えておるのでございます。
○鍛冶委員 大体わかりましたが、これは私ははなはだ嘆かわしい小林の豪語であると思います。かような豪語をいたしまして世上をまどわせることは非常に憂うべきことでありますから、(「逮捕が憂うべきことだ」と呼ぶ者あり)今ああいうことを言う人もおりますから、もう一ぺん私は念のために言っておきます。嫌疑のない者を逮捕したのではない、しこうして、取り調べたる結果、嫌疑がなかったために釈放したのではない、嫌疑はなおあるが、起訴、不起訴は留保のまま釈放したものであって、いずれ決定はそ後にされるものであると、かように私は考えていいかと思うが、この点明瞭に一つお答えを願いたい。
○竹内説明員 ただいま仰せの通り、相当なる嫌疑がありましたために、逮捕状は出されたものでございます。また、調べの結果によりましても、依然として嫌疑は残っており、現になお関係捜査を続けておる段階でございまして、いずれ近く処分は決定されるものと思います。従いまして、その点につきましては、はっきりと申し上げることができると思います。
○鍛冶委員 そこで聞きたいのは、今、小林日教組委員長に対するのは四月二十三日の授業拒否の問題であるのだが、ところがその後において近ごろまた同様の問題が起っております。過日来問題になりました通り、総評が全国下部労組に対して、ことに日教組に対して、来たる九月十五日には一斉に授業を拒否せいとの指令を出しておる。しかも天下にこれを豪語して、授業を拒否せしめると言っておる。はなはだしきに至っては、自分らの子供ではあるかしらぬが、関係者の子弟は学校へ出さないとまで言って、教育を一切ストップさせようという悪らつなる計画をたくらんでおることが明瞭になっております。さらに本日の新聞を見ますと、昨日の東京都教組大会において、十五日の授業は正午で打ち切ると、こう言う。午前中やるからまだ少し恕すべき点はあるかしらぬが、幾ら午前中やったところが、午後の授業を打ち切ることをこの大会において決議をし、下部組合員に対して指令をやるということは、四月二十三日における小林委員長のやった行為で、あなた方が犯罪の嫌疑ありとして逮捕せられたと同様の行為を繰り返しておるものと私は解釈するのですが、この点は検察当局なり警察当局なりがこれをどう考えておられるか、これを承わりたい。
○竹内説明員 新聞に報道せられましたところによりますと、九月十五日を期して勤評反対闘争の方法としまして、教職員が一斉に休暇闘争に入る、またその子弟の登校拒否をもやるということでございますが、教職員が勤評反対ということのために一斉に休暇、あるいはどういう形で出てくるかわかりませんが、休暇をとって、そうして休むというような前回の闘争のような形になりますか、そこのところはわかりませんが、そういう形で一斉に休暇をして学校の授業をしないというような形が出て参りますならば、これは前回の闘争の際にも刑事事件の発生を見たように、それは地方公務員法第三十七条あるいは第六十一条の罰則に触れる行為でございまして、取締当局としましては、法の秩序を守るためにそれぞれ適正な措置をとっていくことに相なろうかと思います。
○鍛冶委員 今、刑事局長は、どのような態度に出られるかわかりませんがとおっしゃるが、なるほどこれは現われてみなければほんとうの行為はわからぬが、われわれの憂えますことは、この間から総評が天下に豪語したということは新聞に載っておる、世間一般は、そういうことをやるものである、またそういうことが現われるものであるということを信じておりますよ。あなた方の立場からいえば、なるほど出てみなければほんとうのことはわからぬからとおっしゃるかしらぬが、われわれの憂えるのは、かようなことを世間一般に信じせしめる、しこうして、そういうことを信じさせておることをしてもいいものだろうか、だろうかが、ついには、黙っておればいいものだということになる。これが社会を乱すところの私は根源になると心得るから、ここで質問をするのであります。 〔発言する者あり〕
○小島委員長 お静かに願います。
○鍛冶委員 従いまして、あなた方はそういうことになろうかということでなくて、こういうものが出ました以上は、どういうものをやるか……。 〔坂本委員「何を言うんだ」と呼び、その他発言する者多し〕
○小島委員長 坂本君、質問の妨害を禁じます。妨害すると退場を命じますよ。
○鍛冶委員 この点を一つ明瞭にして、国民の疑惑なり迷いをさまさせるような手段が必要であると私は心得る。この点を私はあなた方にどうせい、こうせいとは言わないが、どうやるかわからないではいけない、こういうことを言っておる。内容がどうであるか、しこうして、これが犯罪になるものであるか、またこういうことを流布しては世間を惑わしめて、今後の公安を維持する上において国家のために憂えるべきことだと私は思うが、あなた方は思われるか、思うならばこれに対する処置なり何らかの方策なり確信があってしかるべきものだ、こう思うのですが、これは検察庁だけではありません、警察も同様でありますが、御両名の一つ責任あるお答えを得たい、かように考えます。
○竹内説明員 このような総評なり日教組側の新聞に発表したような動き方、こういうものが法律的にどのような効果を持つかという点についてお答えを申し上げたのでございまして、それが政治的にいかなる意味を持つかということは、私から申し上げることは適切でなかろうと思います。新聞に発表されておりますような事柄が、日教組なり総評なりの舞台裏においてどのような形で進行しておりますかは、私どもの知らざるところでございます。もしこれが単なる政治的ゼスチュアであるといたしますならば、私どもの治安当局のあずかり知らざるところであります。しかしながら、それがまた同時に、あおり、そそのかすというような地公法第六十一条に該当するような行為をも備えておるものでございますならば、これはわれわれとして大いなる関心を持つものでございます。しかして、あおり、そそのかすに当る行為であり、従いまして地公法第六十一条の犯罪を構成する、あるいはそういう容疑があるということになりますならば、治安当局としましては、警察は警察の立場におきまして、検察庁は検察庁の立場におきまして、万遺憾なき態勢を整えて参らなければならぬのでございまして、この点に私どもはいささかも動ずるものではないのであります。ただ法律の解釈として、しからばどうかという点につきましては、先般別の委員会の席上でも、法務大臣から、法律解釈につきましてはその所信を明らかにしておりまして私もその通り信じております。
○柏村説明員 この問題に関しまする見解は、法務省側の見解と全く同一でございます。警察といたしましては、法に触れる事態が発生する場合におきましては、厳正なる立場に立って法の執行に努めたい、こういうふうに考えます。
○鍛冶委員 今、刑事局長が言われたように、政治的ゼスチュアに出ておるならば、これは問題ありません。けれども、われわれがこれを読んでみますと、そう読まない。われわれでさえそう読まないのですから、一般国民に対する影響は非常に大なるものがある。それを私は言うのです。従って、ほんとうにあなた方は、先ほど言われるような犯罪構成のことを豪語し、企てておるならば、それに対する十分なる確信あってしかるべきものである。このことを申し上げておるのです。その点を一つ十分御注意を願いたい、こう思います。私はどうして下さい、こうして下さいとは申しません。これに善処するだけの覚悟を持ってもらうことをここに強く申し上げて、この問題を一応打ち切っておきます。 次いでお聞きしたいのは、この二、三日前から文部省主催の道徳教育講習会というものが始まっておりますが、これに対して白昼堂々たる妨害行為が集団によって行われておる。これは、私の見解では、院文部省がこれを計画し、いわゆる国家公務員もしくは地方公務員に対して、文部省下の公務員に対して講習の必要を認めて講習することを命じ、しこうして、これに応じて講習に出てきておる。しこうして、その講習を受けようとする講習会でありますから、講習会の開催、講習を受けること、すべて私は公務であろうと考える、その公務であるのを白昼堂々と妨害する者がおるとするならば、ゆゆしき問題だと考えますので、この点を一つきょう明瞭にしておきたいと思うのであります。私は今申し上げましたように、この講習会そのものは公務である、講習会を受ける者も公務として受ける者である、こう考えますが、この点は、検察当局なり警察当局はどのような見解を持っておられるか、まずその点から承わりたいと思います。
○竹内説明員 教職員、特に教育公務員には、勤務能率の発揮と増進のために研修を受ける機会を管理者が与えなければならないということに法律上なっております。教職員が、教育委員会から、講習会に出席、受講すべき旨の職務上の命令を受けたときは、教職員の講習会への参加は職務上の義務でございます。従いまして、かような場合に教職員が日教組等の指令などによって故意に講習会に出席しなかったり、あるいは出席を妨げられるというような事態が起ってくるということを考えてみますと—この講習会が御指摘のように公務でありますことは当然でございます。私どもはその点についていささかの疑義も抱いておらないものでございます。従って、その公務遂行に当りまして、もしもその公務員に対しまして暴行脅迫を加えて、その受講を妨げるといったような事態が起りますならば、これは刑法の公務執行妨害罪になるわけでございます。かように考えております。
○柏村説明員 警察も法務省側と同じ見解を持っております。
○鍛冶委員 かように承わりますと、まことにゆゆしき事実が現われておると思うのであります。過日来新聞を見、また私も見聞きしておるのでありますが、文部省及び会場において白昼堂々と大衆の暴力をもってこれを妨害しておる事実があると私は認めますが、さような事実があるとお認めになりませんか。これは警視総監なり警察庁長官から実情を一つここで詳しく御報告を願いたい。
○川合説明員 法律上の問題につきましては、刑事局長及び警察庁長官からお答え申し上げた通りであります。六日からの道徳教育指導者講習会につきましての実情を、第一線の者といたしましてごく簡単に申し上げたいと思いますが、警察庁長官からも申し上げました通り、文部省がこのような講習会を開いてやられるということは、これはわれわれ全然関係のないことであります。なおまたこの講習会につきまして、いろいろと合法的な方法でもって反対し、あるいは話し合いをするということ、これまた警視庁といたしましては何ら関係のないことでございますが、実情はそうではありませんで、この講習会が行われます数日前からのいろいろな各種団体の反対運動というものは、きわめて熾烈なるものがあったのは、新聞紙上にも出ておりましたし、文部省からもその情報は得ておりまして、なお文部省からは、われわれに対して、警備上遺憾なきを期せられたいという要請もあるのであります。また、現場におきまして、この講習会を満足にさせるということは、どうしても反対者としてはできないという激烈な説をなしておる者もあったわけであります。私の方としましては、これらの情勢から察しまして、どういう態度をとるかということにつきましては非常に苦慮いたしたのでありますが、諸般の情勢上やむを得ないと見まして、当日は早朝から文部省及び第一次の講習会会場にあてられましたお茶の水女子大学、それから実はこのお茶の水女子大学に入ることが非常に不可能だという場合におきましては、あるいは博物館内の事務室を使用するかもしれないということでありましたので、やむを得ず博物館の方にも警察官を配置いたしたようなわけであります。当日から昨日までの状況は、鍛冶委員も十分新聞紙上でも御承知の通りでありまして、いろいろと多少のトラブルがありましたが、文部省を出ました六台のバス、それから入りますときのトラブルが若干ありましたし、私どもが予想しなかった全学連の非常に元気な君たちの反対行動等もありまして、一時、第一日の午前十時ごろには通用門—博物館の向って左の方に通用門というのがありますが、これからバスが入ったわけですが、その通用門のかんぬきを押し破って十数名がなだれ込むという状況まで生じたわけであります。こうなりますと、これは私どもとしては全然放置することができないので、それぞれ適当な措置をいたしました。なお、いわゆる右翼と思われる勤評賛成派という人の一つのもんちゃくもありまして、私どもとしましては、法に照らして、道路交通取締法なり、あるいは公務執行妨害罪というふうなものに照らしまして、それぞれ適当な措置をとったわけでありますが、新聞でごらんになります通り、まずまずわれわれ非常に悲嘆にくれるほどの事態は起らなかったわけであります。ところが、今朝は少しく事態が悪化いたしまして、ごくかいつまんで申し上げますと、午前七時五十分ころ博物館に向いました文部省のバスが、ちょうど博物館に向いまして右側から入ってきたのでありますが、そのときに正門前付近にはすでに七十名くらいの全学連の若い青年たちがおりまして、これは私どもの事前配置によりまして交通上妨害にならないような措置ができておったのでありますが、残念なことに、あちらの木陰こちらの軒下に三々五々たむろしておりました者が、急に第一のバスの前面にぱっと、小人数ではありましたが出てきまして、この諸君たちが、車の前に寝そべったり、それから、バンパーにぶらさがるということで、非常に激しい混乱が今朝起きたのであります。これは非常に残念なことでありますが、私どもといたしましては、警備の巡査を派しまして、これを取り静めると同時に、男学生が九名、それから女子が一名、これを検挙して、目下取り調べておる状況であります。彼らは全部黙秘権を行使しておりますが、いずれも学生ではないかとわれわれは想像しております。年令もきわめて若い者であります。こういう事態、これは国内の事象としてまことに鍛冶委員も御心配の通り、きわめて遺憾な事件でありますが、警察といたしましても、こういう場合に対する措置には非常に難渋をいたすことを御了承願いたい、かように考えております。
○鍛冶委員 今の御報告で私の意に沿わぬことがあるのは、多少の妨害はあったがどうやらやれた、よかったというようなことを言われたのですが、私は、講習会をやれたことはよかったということになるかもしれませんが、それまでに至る妨害の実情ですね。妨害がなかったのでよかったというのならいいが、妨害はあったけれども、これを上手に排除して講習会をやったからよかったと言われることは、私はどうもふに落ちない。そこで、第一には、文部省でどういう妨害があって、会場でどういう妨害があり、第二にはどこでどういう妨害があったか、これをもう少し簡略に一つここで御報告願いたい。 〔坂本委員「政府のやり方が悪いからだよ」と呼び、「委員長、質問の妨害は禁止して下さい」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 坂本君、質問の妨害は禁じます。 〔坂本委員「政府のやり方が悪いから、国民も困っているんだ」と呼ぶ〕
○小島委員長 坂本君、お静かに願います。
○川合説明員 重ねての御質問でありますので、かいつまんで申し上げますが、ただいまも申し上げました通り、文部省における道徳指導者講習会の性質その他は、これは私どもがいろいろと論議すべき筋のものではございませんが、情勢上きわめて心配な情報が非常に入っておりますし、各旅宿に対しまして、すでにもう出るときからしてこれを会場に行かないようにするという段取りもできておるというふうな、非常に差し迫った状況でありますので、私どもといたしましては旅宿及び文部省に対しまして、まず第一にスムーズに文部省に集まって、そこからバスで集団的に出向かれるようにしてあげなければならない、こういう心配があったわけであります。当日は非常に早くから労組、日教組の諸君、それから全学連の諸君、社学同の諸君が虎ノ門のあたり、地下鉄の出入口ですとかあるいは防衛庁の前あたりにおりまして、もしも私どもの手がなければ、どうもバスの方に蝟集するというふうな状況でありましたが、どうにか麹町署員その他機動隊員の力によりまして、この妨害はなくて、ほとんど定刻、八時ちょっと前に文部省を出たわけであります。このバスは、すでにお茶の水女子大には相当数のピケ員がおるという情報でありましたので、実は谷中を迂回しまして、博物館の向って左の通りから通用門を経て入ったわけでありますが、この状況は、幸いにほとんど事故なく、バス六台がスムーズに入ったのであります。ところがこれを非常に反対のピケ隊は激怒いたしまして、文部省も警視庁もけしからぬ、こういう裏切り的なことはまことに困るじゃないか、われわれは講習員と話したいことがあるのだ、それを何で警視庁は阻止するのかということであるのでありますが、先ほど申し上げます通り、合法的な話し合いというものと実力をもって阻止するということは、これは事柄の性質ががらっと違うわけでありまして、その点ではいかんともわれわれのやりましたことは間違ったとは申し上げないのであります。その証拠には、あとで宮之原書記長その他の人たちが数名でもって文部省の関係者に会いたいということが申し出られました場合におきましては、その人数を限りまして、この事務室の一室に案内をして、文部省の初等中等局の課長及び事務官と話し合いをしておるのであります。この話の内容は私ども関知いたしません。第二日、第三日目も今申し上げましたようなことで、これはお茶の水女子大学は文部省としてはもはや会場として適当でないということで、初めから博物館内の事務室を使用になったのであります。私どもとしましては、前日と同じように千名近い警察官を置きまして、このことについてのトラブルを最小限度に食いとめることができたのであります。中途におきまして、先ほども申しました大日本愛国党の数名の者が宣伝カーなどに乗り込みまして、勤評賛成だ、ピケ隊員何するものぞということで、これともんちゃくを起しまして、その大日本愛国党の二名を逮捕いたした事実もあるのであります。第四日目におきまして今の不祥事が起きたわけでありますが、大した事故がなく入ったと、こういう私どもの言い方がどうもおもしろくない、何ら事故なく入るべきであって、そういう事故が少しでもあったのはきわめて警察としてもよろしくない、こういうお考えでありますが、私どもとしましては、これ以上の警備措置というものは、四囲の情勢上とりにくいし、警視庁の力としましても、そうたくさんの動員力があるわけではありません。今朝の十名の逮捕者というものは今調べておりまして、その動機なりあるいはいきさつというものもだんだんと判明するかと思いますが、この種の事案につきましての警視庁の態度は、これはどこまでも法規を厳正公平に、しかも冷静に、できる限りトラブル少く所期の目的を達するということを念願して、こういう挙のあります前は、ほとんど十日、二週間と私どもは頭を痛めて警備計画を立てておる実情でございますので、この際申し添えておきたい、かように考えます。
○鍛冶委員 いや、私は警察のやり方が悪いからといって遺憾を言うのじゃないのです。こういうふうに講習会ができたからいいと言われるが、私の言うのは、講習会を妨げようというデモなり集団暴力なりのあることを憂えると、こう言うので、その実情を聞きたいと言ったのです。先ほど言われるように、お茶の水女子大のところでピケを張っておった、それで避けて行った、その避けたがために衝突がなくて、そこで他の会場で講習会をやられたと言うから、講習会をやられたことに対しては、あなたと御同様によかったと私は申し上げる。けれども、お茶の水女子大でピケを張っておるということが、もうりっぱな公務執行妨害である。妨害の既遂にはならぬけれども妨害の予備をやっておることだけは間違いない。この事実をわれわれは憂える。あなた方これに対してどう考えておられるかということを私は聞きたいのです。何でもなかったからよかったではいかぬと、こう言うのです。私はそういうことを企てることが重大なことだと言うのです。この点をまず一つ認識されたい、こういうことです。 これはあとでまた申し上げますが、そこで私は、先ほどから報告を聞いておって最も痛切に感じますことは、学生がこれに参与することです。和歌山に参りまして調査いたしましたときでも、初めは学生は日教組その他のもののあとについておったようですが、もう二日目、三日目にいきますると、学生そのものが指導、イニシアチブをとってあの騒擾をやっておる。私はまことにどうもゆゆしきことだと思う。さらにその後においてやるところを見ておりますると、東京におけるこれら一切の行為に対しても、その第一線に立っておるのは学生です。これは学生自身が立ったのであるか、おだてられて立てられたのであるかわかりませんが、いずれにいたしましても、勉強の盛りである、いまだ思慮の足りないこの学生が、かような盲動の第一線に立ちますることは、国家の前途に対してはなはだ憂うべきことだと考えるのであります。ことに二、三日前の新聞を見ますると、高等学校の生徒まで勤評反対とかこの集会反対とかいってデモをやつおるということを聞いて、ますますどうもその憂いを深くするものであります。ここで私は最も重大だと思いまするから、ぜひ一つ公安調査庁長官に、学生がこのようなものに入っておることをお調べになっておるか、お調べになっておれば、どういう団体の者か。どういう学生の団体があって、かようなものに参加しておるか、まずその点からお聞きしたいと思います。
○関説明員 お答えいたします。学生の面において、社会的なある種の矯激な活動に出る団体あるいはそのグループというものはどういうものがあるかと申しますと、一つは民主青年同盟というものがあるわけであります。この民主青年同盟というのは、かつての共産青年同盟の後身でありまして、青年における共産主義的活動分子を結集して、青年の分野におけるこの種運動の推進力となる、こういうようなことに相なっておるわけであります。その総勢力は約三千、その中における共産党員は大体一千三百前後というふうにわれわれは踏んでおるわけであります。なおこの民主青同でありますが、これは実は非常に共産党、共産主義者の党員の影響が大きい団体でありまして、その同盟員の中に大学生から、最近に至っては高校生まで多数の者がここに参加する、あるいはそれを獲得するというところにかなりの努力を注いでいる事実があるわけであります。この団体と、もう一つは社会主義学生同盟、これはかつて反戦学生同盟と申した団体でありまするが、これは学生の中におけるところの活動分子の結集体、いわばその中における今日で申します共産主義的な活動分子の結集体、そうして次に申し上げまする全学連と表裏一体となって、その中の全学連全体を率いて活動に推進する、こういうような性格の団体だと存ずるのであります。その社会主義学生同盟というのは、全体の構成員は約千八百と踏んでおりまするが、その中には実は約千人近くの党員がいるというふうに判断されるのであります。 ここでこれらの学生の考え方でありまするが、どうも学生は一般的に、みずからを社会の先進階級である、要するに社会の変化あるいは動きというものに対してきわめてわれわれは敏感に感じて、しかも勉強をして、行動的には迅速果敢であるそれらの特質に応じて労働者ないしは社会大衆の先頭に立ってある種の運動を推進する、これがわれわれの任務である、こういうようなみずからの任務についての規定づけをいたしているわけであります。特に社学同のかつての反戦学生同盟時代に、個人の名前ではありまするが、その中の同盟員が反戦旗情報というものに若干の自分の意見を出しているのがあります。それは、たとえば昨年三月三日の半戦旗情報三十九号、その中に、「平和と独立のための人民戦線政府樹立の展望」ということが書いてありまして、その中の共同のスローガンというところに、こういうものを掲げるように言おうではないかということが書いてあるのであります。そこをちょっと読んでみますと、「反戦学生同盟は、日本プロレタリアートの諸階級政党—社会党、共産党—及びすべての進歩的組織に対して、右の展望についての認識の調整と統一を要求し、統一戦線政府綱領として、次の諸スローガンを大衆の前に提示すべきである。」ということがありまして、その中に十五項目ぐらいあげてあります。その中の二、三のこれはと思うようなところをあげてみますると、四といたしまして、「自衛隊、現存警察諸組織の解体、労働者階級の武装。是を基礎とする民主的民族的国防軍及び警察組織の創設、交戦権の回復」というのがあるのであります。また六というところに、「全言論、報道機関に対する民主的統制」というようなところがありまして、その前のところに、「言論、集会、結社、政治ストライキ、武装街頭デモの自由」というようなことが掲げてあるわけであります。これらはその同盟員のすべてがこういうような考えを持っておるとは考えられませんが、少くともこういうようなことを打ち出す指導者によってこれが指導され、牛耳られておるということは、どうも疑いない。しかもそれらはすべて共産党員でありまして、社会主義学生同盟の中におきましても、その委員長である中村光男、副委員長である香村正雄、あるいは書記長である清水丈夫、このごとき者はこれはれっきとした党員であり、共産党からあまり過激な行動をするなといって活動停止あるいは除名などを受けた連中なのであります。こういう社会主義学生同盟、これが今申し上げたように約千八百、その中に約一千くらいの今のような党員がおる、こういう工合に思うのであります。その次は全学連であります。これは要するに総数は約二十九万ほどになりまして、最近医者あるいは学芸系統ないしは夜学連を加えまして、その数に膨張したわけであります。この中における党員は約二千前後と私どもは算定しておるわけであります。この全学連は、一般的には百数十校の大学などの自治会の連合体でありまして、多数の学生諸君がそれほどまでに考えておるとは私は考えられませんが、しかしながらその中の二千と疑われる共産党員及び反戦学生同盟のさっき申し上げたような矯激な考えを持っておる者に指導されておる、こういうようなところがこの団体の活動として注目しなければならない一つの特徴かと思うのであります。 さて、これらの団体がおもなものでありまして、先ほど鍛冶委員さんから高校の学生への進展、高校の学生が運動しておるのはどうかというようなお話がありましたからつけ加えて少し御説明申し上げてみたいと思うのであります。高校につきましては、今申し上げた民主青年同盟が高校学生を自分の同盟に吸収しておる。そうして一方また全学連には高校部というのがありまして、全学連系統においても高校部の組織の拡充をはかる。同時に社会主義学生同盟におきましては高校に支部がありまして、東京都を中心としまして全国に二十数校の高校に社学同の支部があるわけであります。そういうようなわけでありまして、それらの三つの線から高校に向って、これはいわば学生層における未組織の分野であって、そこに向ってそれら三つの団体が強硬に組織拡大、要するに自分らの仲間に入れというわけで活動しておる、こういう大体の状況であろうかと思うのであります。 さて、このような三つのおもな団体があり、そういうような動きがありまして、そうして今年の七月でありますか、原水爆反対闘争に対する全国の高校生徒の行動する会というのができ上りました。これは当時は原水爆に反対するというようなことが主とした目的でありましたが、これらの団体がこの勤評反対闘争にまで行動を延長いたしまして、数日前に東京都庁その他にデモをかけました高校生はこれらの組織の流れ、延長であって、それらの急進分子がやはりそれを指導してやっている。その背後には今申し上げたような民青同、全学連、社学同のある種の糸がそこについている。大体こういう構成をもって行われているのであります。 さて、今申し上げたこれらの団体が、今年の四月に、全日本青年学生共闘会議というものを組織したのであります。これは全学連と反戦学同との主唱によるものでありまして、要するに青年の分野における統一戦線形体を組織し、青年における組織活動部面を拡張しよう、こういうような計画が持たれまして、そしてそれらの主唱によりまして、全日本青年学生共闘会議というものが持たれました。この当時の目的としては、たとえば選挙であるとかあるいは原水爆というような問題について大いに運動しよう、青年の立場から活発に運動しよう、さっき申し上げたように青年の先進性、行動性を利用して、労働大衆の先頭に立って運動しよう、こういうねらいをもってこれが結成せられたのであります。そこに入っているものは、今の民主青年同盟と全学連と社会主義学生同盟、そして原高連—これは高校の学生連中の準備会であります。それから全国青年婦人同盟、それから総評の青年婦人協議会、全日本農民組合青年部準備会、社会党の青年部、こういうような団体が共闘組織の一つの統一戦線体として結成されまして、実はこの団体が和歌山の闘争においては、最後の十六日、ころは主役を演じた。この背後はやはり社学同ないしは全学連内に潜在しているところの共産党員がこれを牛耳り、指導し、そして各種の戦略戦術をそこにおいて協議して大衆を指導したというような大体の情勢であろうかと判断いたす次第であります。
○鍛冶委員 私はこの現状を承わりまして、まことにどうも国家の前途のために憂うべきことだと考えるわけであります。この間和歌山に行って聞きますると、全学連に当るのか社学同に当るのかわかりませんが、いわゆる先鋭分子なる者が豪語しておる。何だこんないなかの警察、幾ら寄せてきてもわれわれはこれを踏みつぶすだけの力を持っているのだから、必ずこれを踏みつぶしてみせる、寄ってこい、こういう号令をかけておる。そういう号令をかける者は、おそらく先ほど来言われたマル共のいわゆる金筋の入った者であろうなれども、その号令に踊らされる学生のあるということにあなた方は深く注意を払ってもらいたい。 そこで、若い者の気持を見てみますと、つぶしてみせるというが、つぶされはしますまい。私は警察の方をここに置いて言うのだが、つぶされはしますまいが、あの和歌山の騒動において、あれだけの大騒動をやって、わずか三人か四人引っぱっている。そしてその引っぱられた者を釈放せよといって一晩中警察前でねばられて、和歌山の市民をあぜんたらしめるような騒擾を起しておるこの状態をながめたときに、ついてこいといわれてついてきた和歌山の学生の気分を一つ察してみてもらいたい。こういうことがいつでも公然と行われるということになると、ますます何の思想上の影響のない者までも、これに引っぱられていく憂いがあります。世間もまた、こういうことが通るならば、国家の治安に対して、われわれは万全の信用を置きがたいというおそるべき考えが起る、私はこの点を考えるのです。われわれは多衆の力をもってこれを踏みにじるのだという、踏みにじるということは、多衆の暴力をもっていけば国家の統治権を否認できるという思想だと私は考える。これでいけば革命は成就できる、私はそこまで考えられるのですが、あなた方はそこまで考えておられるかどうか、私の考えは行き過ぎであるかどうか、この点、責任あるお答えを願いたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいま鍛冶委員から御指摘のありました点につきましては、私も非常に憂いをともにする次第でございます。と申しますのは、ただいま公安調査庁から御説明をいたしましたものは、これはいわゆる捜査というようなものではございませんで、調査でございますから、いろいろその調査自体についても不備な点もあろうかと思います。しかし、大勢には私は間違いないと思うのであります。今も御指摘のございましたように、ともすると、革命行動的な意識と行動をこういったようなときに盛り上げてきている。この点については、ただ単に法律上の問題だけでございませんで、こういったような動きにあるのだということについては、私どもは全国民の良識に訴えたいと思うのであります。ただ単に勤評がどうだというようなことでやっているのではなくて、こういった事態が起るについてうまくこれを運用して、そして革命運動の予行演習をやっているのだというような傾向にあることは、全く憂慮すべきことでありまして、これらに対しましては、ただいま申しましたように、事態の真相をできるだけ明らかにして、国民的に対策を考えるべきだ、法律上の措置はその一環である、しかし要はやはり法律の秩序を守り抜かなければ、独立国家の日本としての前途まことに憂うべきものがあると思うのでありまして、私どもとしては、与えられた職権のもとにおきまして、毅然としてこれに対処して参りたいと考えます。
○鍛冶委員 今申し上げましたことは、法務大臣も言われた通り、われわれはまことに憂いを大きくするものであります。昨日の新聞を見ますと、ますます困ったことが出ていると思いますので、一つ実例をあげて御参考に供しますが、社会党の中央討論集会というものが長野県で行われておったようです。そしてその結論として出ておりますところを読んでみますと、「勤評反対闘争に対する弾圧は、反革命勢力の意識的な妨害である」。言いかえれば、われわれ革命をしようとするものを妨害しているのであるぞという結論であります。しこうしてその何として「このため広い国民階層を動員して戦わなくてはならない」、さらにまた「党所属の国会議員、地方議員が大衆闘争の中核となる体制をつくらなくてはならない」、こういう言葉が入っております。われわれは革命を成就させようと思っているのに、これを妨げるのが勤評反対闘争に対する弾圧だ、だからこの弾圧を粉砕しなければならない、それには広く国民各階層を動員して戦わなければならぬ、そして社会党所属国会議員、地方議員も大衆闘争の中核となって戦って目的を達成する、こういうことです。これはどうも天下の政党たる社会党のために1新聞に出ているのだから私はすべてを信用いたしませんが、はなはだ憂うべきことだと思います。こういうことを学生にまで及ぼして、第一線に立ててかような闘争をやろうとするようなことがあっては、国家のために非常に憂うべきことだと考えます。私は本日ここでどうしなさい、こうしなさいと言うのではありません。こういうことが憂うべきことだと思っておられるのは今わかりましたから、憂うべきことであるならば、この憂うべきことを一日も早く除去するだけの対策を立ててもらわなくてはならない。その信念ありやいなや。さらにまた、それに対する事実上において対策を立てられるだけの施策があるかどうか、この点をきょうここで明瞭に承わりたいと思います。
○愛知国務大臣 先ほども申し上げましたように、私は鍛冶君の御意見のように、全然憂いをともにするものでございます。民主主義、議会主義を守り抜こうとするのが私たちの態度であって、いやしくも革命というような言葉が公けに論ぜられたり、これを支持するかのような言動が行われるとすれば、これは私は一個の政治家としてまことに残念にたえないところであります。これらの点については、先ほども申しましたように、いろいろの方策によりまして、かようことが行われないようにいたしたいと存じます。
○鍛冶委員 先ほど大臣がおられませんでしたので、ここで和歌山市の雑賀崎の問題について、人権じゅうりんの問題があるということは、過日来の各委員会において指摘せられておるところでありまするが、その後相当調査が進んでおると思いまするので、調査の結果判明しただけの御報告を得、さらに法務当局としてこれに対する所信を一つ承わりたい、こう思っております。
○愛知国務大臣 雑賀崎のいわゆる脅迫事件、藪田教員をめぐる問題につきましては、先般も他の委員会でお答えをいたしましたように、実は地元の法務局その他の調査には不備な点もあるように思われましたので、本省から係官を派遣し、なお引き続き詳細な検討を続けておる次第でございます。今日のところ、その結果をまだ申し上げるに至らないことを非常に遺憾に存じますが、私といたしましては、誠意を尽しまして、徹底的に詳細にこれを調べまして御報告もし、またそれに対してしかるべき措置を講じたいと思っております。 なお、先ほど政府の説明員から御説明したということでございますが、本件につきましては、所轄の警察署におきましても、検察庁と協力のもとに、暴力取締りに関する容疑もございますので、別途これは刑事犯としても徹底的に捜査をいたしております。
○加藤(精)委員 関連質問ですが……。
○小島委員長 簡単に願います。
○加藤(精)委員 簡単にやりますが、今朝の文部省の講習受講阻止事件におきましての騒擾や、和歌山市におきましての国民集会の騒擾等を考えまして、特にその感を深くするのでございますが、私は根本的に、総評を中心とするこの統一闘争なるものが、相当違法な手段行動をあらかじめ内容に予定しているような気がしてしようがない。そういう、たとえばデモの許可申請をしますときに、そのデモの許可を受けたら最後、必ずジグザグをやっている。ジグザグをやらないということが許可の条件にありましても、必ずやるのです。そうしたような執拗なる違法行為を実行いたします根拠に何らか思想的な…… 〔「政治が悪いからやるのだ」と呼び、その他発言する者あり〕
○小島委員長 お静かに願います。 〔発言する者あり〕
○加藤(精)委員 委員長、お取締りを願います。 〔発言する者あり、笑声〕
○小島委員長 お静かに願います。
○加藤(精)委員 たびたびの妨害でありますから…… 〔発言する者あり〕
○小島委員長 お静かに願います。
○加藤(精)委員 そうしたような思想的なものがうしろに含まれているのじゃないか、こういうように考えます。 〔発言する者あり〕
○小島委員長 お静かに願います。
○加藤(精)委員 そういうことを考えているのでありますが…… 〔「関連じゃない、あと回しにしてくれ」と呼び、その他発言する者あり〕
○小島委員長 お静かに願います。
○加藤(精)委員 地方公務員法第三十七条と第六十一条の関係につきまして、総評がすでに秋の第一次統一闘争といたしまして、日教組の闘争プログラムと同じように和歌山市で統一闘争を実施しておる。そしてその第二次の統一闘争といたしまして、九月中の強度の勤評反対闘争を統一闘争としてプログラムに組んでおります以上、日教組と総評との間に共謀の関係があると思います。共謀またはあおり、そそのかすという点におきましては、総評も日教組と同断だと考えるのでございまして、地方公務員法第六十一条に該当するものだと思います。 〔発言する者あり〕
○小島委員長 お静かに願います。
○加藤(精)委員 そうしたことから私は一つ問題があると考えますが、先を急ぎますので……。 次に、破防法の第四条に、「この法律で「暴力主義的破壊活動」とは、左に掲げる行為をいう。」そのうち第一項第二号に、「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対する目的をもって、左に掲げる行為の一をなすこと。」とございますが、その中に「検察若しくは警察の職務を行い、若しくはこれを補助する者、法令により拘禁された者を看守し、若しくは護送する者又はこの法律の規定により調査に従事する者に対し、凶器又は毒劇物を携え、多衆共同してなす刑法第九十五条(公務執行妨害、職務強要)に規定する行為」こうございます。これに違反するものでないかと考えるのでございます。それで破防法は大げさじゃないかという考えの方があるかもしれないのでございますが、日教組が第十六回臨時大会の議案で「革新政党等との共闘をいっそう強化し……」そして「闘争を政治的な彼我の力関係を逆転させるまで運動を発展させなければならない。」というようなことを決議いたしております。なお、この「民主教育確立の方針」、日教組の臨時綱領の改訂案として現在扱っておりますものの中にも「国家行政組織法に基く文部省を廃して、中央教育委員会を設置する。中央教育委員会の委員は、民主的選出方法によって決定する。」これによって文部省の廃止その他がすべて含まれておるのであります。そうした政治上の目的を持っておるばかりじゃなしに、日教組の臨時綱領に含まれておるところの革命思想につきましては、すでに識者の認めておるところでございます。なおこれらの和歌山事件の共闘におきましては、共闘の中に含まれておるものが七団体でございますが、それ以外にも日本共産党の指導者、それから社学同、全学連その他がむしろ指導的な立場をとったのでございまして、辻原委員が警察当局に述べたところによりましても、今回は社会党は全学連にしてやられたと言うております。全学連の執行幹部の三十名中二十九名が共産党員であることを見ましても、何といいましても破防法の「団体の活動として暴力主義的破壊活動を行った団体に対する必要な規制措置を定めるとともに、暴力主義的破壊活動に関する刑、罰規定を補整し、もって、公共の安全の確保に寄与することを目的とする。」というような条項に、この第四条の「リ」等の適用によってなるのじゃないかと思いますが、当時和歌山市の暴動におきましては、日本共産党、全学連の指揮しておりまする暴力の大衆は、あるいは旗ざおをもって凶器にかえ、または旗ざお以外に約一メートルの青竹を無数に持参いたしまして、これを暴動の直接の用具に供しておるのでございます。十五日の日に警察官はこん棒でもって脳天を撃たれまして、負傷をいたしておるのでございます。世に和歌山市の暴動事件は、警察が民衆に対して暴力を働いたように申されておりますけれども、問題の重点はむしろこれら団体の過激たる行動が、警察に対しまして人権じゅうりん的な行為をあえてしたことだと私は考えております。そうした青竹の短かいものを多数所持し、あるいは石を投げたりいたしまして、警察官の職務を妨害した者は、破防法の第四条に該当すると考えるのでございます。石を投げたんじゃない、あの道路は舗装であって石がないんだということをきわめてたびたび辻原委員は委員会において証言されましたけれども、舗装であるから石がなかったのに石が飛ぶということは、どこかから石を用意して、ポケットに入れあるいは手に持参いたしたということを裏書きするものでございまして、ますます第四条の「リ」に該当すると考えるのでございます。その第四条適用の結果、第五条によりまして、これらの「暴力的破壊活動が集団示威運動、集団行進又は公開の集会において行われたものである場合においては、六月をこえない期間及び地域を定めて、それぞれ、集団示威運動、集団行進又は公開の集会を行うことを禁止すること。」ができるという規定があるのでありまして、総評、日教組その他の機関紙等による宣伝も、「当該暴力主義的破壊活動が機関誌紙によって行われたものである場合においては、六月をこえない期間を定めて、当該機関誌紙を続けて印刷し、又は領布することを禁止すること」。そのほか特定の役職員の解職等の問題がありますが、これらのことは断固実施するに値するものであるか。ことに社会党は公然と行政の阻害を党議として指令しておるので同断だと考えるものでございます。私は、法の執行が適正に行われていないことによって、国民に無用の不安を与えるということを考えるので、ございまして、この点におきまして、破防法適用の問題につきましてだけ、これは法律適用上の技術的な問題に関することでございますから、特に公安調査庁にお伺いいたします。 なお、さらに地方公務員法の第三十七条、第六十一条が、総評、社会党に対しまして適用があるかないかということにつきまして、法務省の事務当局に御質問いたしたい。
○関説明員 破防法の暴力主義的破壊活動の最後の規定に、毒物または凶器を携えて警察官その他に対して職務執行の妨害をしたときに、これが暴力主義的破壊活動になるという規定のあることは、よく承知しておるわけであります。それは要するに、凶器または毒物を携えて行なった公務執行妨害という特別な場合だけを取り上げたものであります。お尋ねの、和歌山の闘争において、青竹とかいうようなお話でございまして、実は大へん恐縮でございますが、まだ具体的な実情の報告を受けておらないのでありまして、この御質問をいただきまして、よくその点も調べてみたいと存じております。それらのものが著しく凶器であるという断定ができ、いろんな問題ができますと、それに政治上の目的がどうとか、あるいは団体活動がどうとかいうような法律上の問題がそこに展開してくるかと存じます。
○小島委員長 猪俣浩三君。
○猪俣委員 昔、社会主義という言葉を用いると、全部治安維持法にひっかかった時代がある。ところが同じような状態にまたなって、革命という言葉を用いると、もう何か破防法にひっかかるようなことです。革命に民主革命もあれば暴力主義の革命もあるくらいのことをわきまえずに、質問する方もそうだが、答弁する法務大臣も法務大臣だと思う。われわれは民主革命を企図しておることは明らかである。資本主義社会を廃止して、社会主義社会を作ろうというのが社会党の立党の精神である。そんなことは今さら言わぬでも明らかである。そんなことを何か勤評問題と結びつけて、破壊活動をやる団体のように考える。そうすると、昔の社会主義といえばもう治安維持法にひっかかるような時代、それと勤評問題と非常に関係があるんだ、今、鍛冶君の質問を聞くと、何で権力でみんなひっくくらぬのか、どうも気持が悪い、だから道徳練習を妨げるような者は、公務執行妨害でなぜひっくくらぬかというような質問をやっておる。こういう勇ましい、権力でもって全部押えつけようというところに、やはり今日勤評問題がやかましくなる原因がある。 それで、私が質問しようと思いますことは、それと違ったジョンソン基地における不幸な問題であるが、それと勤務評定というのが一脈相通ずるのです。それがなぜ通ずるか説明するから、ちょっと聞いていなさい。保守党によって、こんな日本の軍事基地をアメリカのために提供するような、終戦後十数年たっておりながら、まだ何か植民地みたいな状態になっておる。そうして、こうした不幸なことが起っておる。今度は教育までもそれに順応して、日本を憲法改正、再軍備の方に持っていこうとするから、その実施の突破口として勤務評定が出てきたことは明らかである。長い間かかってみんな外堀を埋め、内堀を埋め、今や天主閣を攻撃しておる。こういう一連の反動的な態度によって、今日の紛乱が起っていると私は思うのです。かような保守党によって設定された軍事基地なんていうものがあるために、幾多不幸な目をわれわれは受けておるのです。 そこで、これは法務大臣に質問するんだが、このジョンソン基地においてあるアメリカの二等兵が不幸なる事件を巻き起した。これは、われわれは日本に裁判権があると考えまするが、法務大臣の捜査の結果はどうでありますか。それをまずお聞かせ願いたい。
○愛知国務大臣 まず事実の関係につきまして、事務当局から御説明いたします。
○竹内説明員 この事件は、犯人はピーター・E・ロングプリーという十九歳になる米空軍三等兵でございますが、これはジョンソン基地に勤務しておる者でございます。九月七日の午後一時五十分ごろ同基地のポスト十一号で警備勤務をいたしておりましたところカービン銃に弾倉が装填してあることを忘れて、空撃練習のつもりで、ちょうどそのころ同基地内を進行中の西武鉄道飯能行きの電車の進行方向右側から電車を目がけて引き金を引いたところ、弾丸が発射して、電車の右側の最前部のドア付近の進行方向左側座席に横向きに腰かけておりました武蔵野音楽大学の生徒、宮村祥之君、当二十二年の右肩甲部から前胸部に盲管銃創を与えまして、宮村君は同日午後二時三十分ごろ死亡いたした、こういう事件が発生いたしましたことは、新聞紙上等で御承知の通りでございます。一応私どもが現地からの報告によって承知しております現段階における事実関係は以上のような次第でございます。
○猪俣委員 行政協定に基く刑事特別法によりまして、裁判権がたといアメリカにあるといえども、日本の捜査関係は捜査することができるはずだと思う。それに対する御見解を承わりたいのと、それから捜査なさったかどうか。たとえば向うが勝手に捜査して証拠固めしてしまって、あとから日本の裁判権になったといっても、向うの都合のいいような事実が固められてしまう。そして向うに裁判権があると称して、日本の裁判を受けさせないで帰国させてしまう。そして、どういうふうに処分したかさっぱりわからぬ。これは私前にも法務大臣にしばしば質問したんだけれども、その結果については、何も報告を受けておらぬ。かようなことがあっては、わが国の独立国としての面子は立たぬと思う。そこで私は行政協定に基いて捜査権があると思うが、どういう捜査をされたか。それを報告されたい。
○竹内説明員 捜査につきましては、行政協定第十七条第六項によりまして、相互に援助して捜査を完遂するという建前になっております。なおまた刑特法の第十三条によりますると、特に基地内における犯罪捜査につきましては、米軍側が第一次と申しますか、積極的にみずから捜査すべきことになっておりますが、なお日本側も、同意を得ればその基地内に入って捜査することができる、こういう規定になっております。で、協定並びに刑特法の前趣旨からいたしまして、この捜査につきましては、わが方においては、わが方独自の立場において確信の持てる捜査をいたしたいというのがわれわれの考え方でございます。これにつきましては、米軍側ももちろん同意を示し、かつまた協力的な態度をとっておりますので、昨日も現地の埼玉警察本部はもちろんのこと、検察当局におきましてもいち早く現地の次席検事あるいは東京高検からも係検事を現地に派遣しまして、現地において固めの検証、死体の解剖、検証その他の捜査にまず着手いたしております。その間、次々と米軍側の協力を求めまして、必要な資料の提出を求める等、かように捜査はきわめて円滑に進行しておる状況でございます。
○猪俣委員 政府当局がさっき言ったところの、銃にたまがこもっておらないと思って空撃の練習のために発射したのだというふうにロングプリーという男は言っておるそうであるが、これは向うのアメリカの捜査当局の発表なんであるか、こちらがアメリカとともに捜査した結果こういう事実を認めたのであるか、また認めないのであるか、われわれは常識上、兵隊がたまがこもっておらないと思って電車に向って引き金を引く、そういうばかげたことは、おそらく日本人がやった場合においては、捜査当局は認めないだろうと思う。さような全くたまがこもっておらないと思って電車に向って発射したということを日本当局は認めたのか認めないのか、それをお聞かせ願いたい。
○竹内説明員 先ほど申し述べました事実は、現在私どもが現地からの報告に基いてお答えを申し上げるという、条件付といいますか、そういう状態での報告でございまして、今後捜査によりましてこの事実関係は変るかもしれません。そこで、この内容は、一体どうしてこの報告ができたかという点について、私どもの聞いておりますところでは、この事件につきましてまだ捜査に着手したところでございまして、今後真相は判明してくると思うのであります。その判明した暁において、この事実は変ってくるかもしれません。そういうお含みで御了解を願いたいと思います。
○猪俣委員 そうすると、この二等兵が、たまなんかこもっておらないと思って、戯れに電車に向って発射したというようなことは、こちらの捜査の結果出たのではなくて、向うの捜査官がこちらの現地の人にそういう報告をした、それを政府当局は聴取しておる、こういう意味になりますか。そこで、その戯れに、たまが入っておらないと思って撃ったというようなことに対しては、こちらの捜査の結果は、そう認定するかどうかは後日の問題である、こういうことに承わってよろしいか、もう一ぺん念を押します。
○竹内説明員 この報告が向う側の連絡による事実の報告であるかどうかは私は確かめておりませんが、こちら側が独自の捜査を今後いたしました結果、あるいは変るかもしれないということは、捜査いたしました結果によってきまることでございまして、もとより私どもはさように考えております。
○猪俣委員 それからなお、かような、たまなんかこもっておらないと思って、戯れに電車に発砲したというようなことは、これは公務とは受け取れぬのであるが、この点について日本政府の見解はどうでありますか、これは法務大臣に承わりたい。
○愛知国務大臣 ただいま刑事局長から御説明をいたしましたように、事実関係について、なお捜査中というか、捜査を始める段階に入っただけでございますから、仮定に基いて意見を申し上げることはいささかどうかと思いますが、問題は公務執行中であるかどうかという点が最も大切なポイントであると思います。かりに公務執行中とは認められないということでありますならば、これは当然日本側が裁判権を主張しなければならない、こういうふうに考えますが、何と申しましても、ただいま事実の調査あるいは認定ということが捜査当局としてもまだ結論を出すに至っておりませんので、ただいまのところは以上申し上げる程度の、私としての常識的な考えを申し上げるにとどまるわけであります。
○猪俣委員 私は、今断定を下すことは早いかも存じませんけれども、日本政府の決意というものをお聞きしたい。それがにぶっておりますと、ジラード事件みたいないろいろなトラブルが起ると思う。彼らが今日まで発表したままを、彼らの捜査した結果そのままを真実なりとして—今、刑事局長のお話のように、それ自体が変るかもしれぬ、これはあり得ると思うが、彼らが主張する通りとしましても、現在の事実においては、当然日本に裁判権があるものなりとわれわれは断定するのであります。法務当局はまだその辺の腹が—日本に裁判権があるかどうか、すなわち公務中のことであるかどうかというようなことは、幼稚園の生徒といえどもわかる。彼らが認定した事実そのものの上に立っても、公務中のことであるかないかということは、はっきりしているのです。それを私は今腰を据えてアメリカに交渉すべきだと考えるのです。彼らの認める事実そのものに即して、しかもこれは公務中じゃないんだという結論がもう出ていいんじゃないか。その点についての法務大臣の御意見を承わりたい。いつまでもぐらぐらしておりますと、また紛乱が起る。国民感情も考慮しなければならぬ。こんな走ってくる電車に向って、戯れに発射するというようなことが公務中であるはずがないじゃないか。それについてまだ問題があるというようなばかな話はないと思う。公務中でないことは、彼らの認めた事実にもはっきり出ている。日本政府の御見解を承わりたい。
○愛知国務大臣 まず第一に、事実の認定について、日本側として自主的な事実の捜査ということについて結論が出ておりませんから、従って先ほど申し上げましたように、仮定のもとにおいて結論を申し上げることはいかがかと思います。ただ常識から言うて、今御指摘のようなことであるならば、先ほど私が申しましたように、これは公務執行中のものではないということで日本側の裁判権を主張すべきものと私は考えます。なお何が公務執行中であるかどうかということについては、判例あるいは前例と申しますか、日本側の自主的な見解はすでに明確であることは御承知の通りであります。
○猪俣委員 なお承わりたいが、今までの過程において、アメリカ側はこれは公務であるのだという主張をしておりますかおりませんか。あるいはアメリカ側も公務じゃないというような考えになっておると思うかどうか、その点についての御所見を承わりたい。
○竹内説明員 アメリカ側の真意が那辺にあるかはわかりませんが、私どもの承知しておる限りにおきましては、アメリカ側から正式に公務であるとかあるいは公務でないとかという意思表示はなされていないようでございます。
○猪俣委員 こちら側も、公務中であるかないかについて、アメリカ側と折衝したことはないのでありますか。それが今、法務大臣の言うように重要な点であって、ほぼ常識上わかっていることであるが、アメリカ側がそれを公務と考えているかいないかということは、将来の国民感情から見ても、大きな政治問題に発展するおそれがある。そこで、その点は早く向うに折衝すべきものだと私は思うが、公務と彼らが考えているかどうかということに対して、日本政府はまだ何らの交渉もしていないのであるかどうかを承わりたい。
○竹内説明員 向う側の意見を発表しておらないはの、おそらく事実関係をもう少し調査確定せしめてからという考えに出ておるものと推測されるわけでございますが、日本側においても、まず何といっても、事実を確定するというところに全力を注いでおるわけでございます。そうして、公務であるかないかという問題は、これは手続がございまして、事理を尽して—これは一例でございますが、たとえばを申し上げるのでございますが、向う側がかりに公務中の行動であるという見解をもって出て参るといった事態がございました場合には、わが方がもしそれと同意見ならば問題ないのでありますが、わが方は公務中のできごとではないという反対の見解をもし持っておるということになりますると、今度はアメリカ側が公務中であるという証明をすることになっておりまして、そういったやりとりを経て、その上で争いがある場合に合同委員会において論議する、こういうふうに手続が進むのでございまして、私どもの気持はいささかも日本国民としての立場を忘れておるものではございませんが、やはり法律手続でございますので、手続を追って適正に処理して参りたいと考えておるのでございます。
○猪俣委員 これは法務大臣に直接の要請は不適当かも存じませんけれども、閣僚の一員としての法務大臣に、私はお願いしたいと思うのです。ジラード事件今回の事件と、アメリカの若い兵隊は、日本人の生命の尊重に相当欠けるところがある。それは要するに日本人を植民地の民、土民と考えておる。アメリカの兵隊の中には、日本人を士民、日本の自衛隊を土民軍と言っておる者もあるそうでありますが、かような思想があって、しかも学問もない低級な人物が多いようであります。日本の兵隊よりも非常に質が落ちておるようであります。そこで私は、日米合同委員会等に対しまして、日本の政府から、この若いアメリカの兵隊に対して、生命の尊重、日本を独立国家として尊重する観念を涵養するように、そうして、そういう低級なあまり字も読みぬような連中は、日本にあまり連れてこないように、そういうことを強くこの際要望していただきたいと思うのです。私ども、議員の名において、強くそれを要望いたします。法務大臣はそれを閣議に発議されて、日米合同委員会に対しまして、わが国の一般の大衆の抱いておりますアメリカ軍の生命尊重の観念の希薄なること—これは幾多の例証があって、私は今日は述べませんけれども、ちょっとあとでまた聞いてみたいと思いますが、福岡におきましても、酔っぱらったアメリカの兵隊が短時間に連続三名の日本人をひき殺しております。それに対して裁判がどうなっているのか存じませんけれども、実に問題にならぬ態度を彼らはとっておる。日本人のごときは虫けらのごとく考えておる一派があるのであります。こういうことに対しましては、日米の外交上にも影響があると私は思いますので、私ども反米的な意味場で言っておるのじゃありませんが、そうして、根本的には、アメリカ軍に撤退してもらいたいのですけれども、これは今あなたに申し上げても仕方がないことだと思いますが、せめて、彼らが日本に滞在している間、日本人をもっと尊重し、ことに生命を尊重し、戯れに現に走ってくる電車に鉄砲を撃ちかける、戯れにたまを拾っている人を撃ちのめしてしまう、こういう実にむざんな彼らの心情に対して、この司令官が一体どういう態度で臨んでいるか疑問だと思う。単に自分の国の兵隊だからというんで甘やかすような態度をとっているんじゃなかろうか。そうしていろいろな犯罪を起した者はさっさとアメリカに帰してしまって、あとどういうことをしたのであるか日本政府には報告もしない。こういうことではわれわれは安心できません。この学生のごときは、おそらくここで命を落すなんということは、その瞬間まで知らなかったでしょう。かように思いがけなく命を落すようなことがアメリカの駐留軍によってなされるということはわれわれがまんできない。これに対して一体あなたはどういう御所見であるか、承わりたい。
○愛知国務大臣 ただいま御指摘の点につきましては、私も一個の日本人として非常に同感の意を表する次第でございます。従って、本件についての法律上あるいは手続上の問題等につきましても、私としては、先ほど申しましたように、事態が明白になりました暁におきましては、国民各位の御納得のいくように、一つ全力をあげて処置をいたしたいと思います。 それから、今後のことにつきましては、実は本件についても、先ほどの閣議でも私も報告をいたし、また所見等を開陳した次第でございますが、御意見の存じまするところについては、私どもも今後できるだけの措置をすることをここにお約束する次第であります。
○猪俣委員 なお、これは調達庁からおいでになっておりますので承わりたいのですが、福岡におきましてアメリカの兵隊がほとんど短時間のうちに三人の日本人をひき殺してしまったという事件があったのであります。それに対しましての賠償問題でありますが、そのうちの一人は、優秀なお医者様でありました。それに対しまする賠償額も、生命を落したその人の生存中得べかりし利益を基準にして損害賠償を考えることになっているが、ところが、その基準が、このお医者様の場合、一日千五百円という計算になっておる。今日ちょっとしたすぐれた医者は、ことに外科医であるならば月に三十万ないし五十万の収入があることは明らかであります。それを一日千五百円で押えた。そうすると、月に三万ないし四万の収入になってしまう。それを基準にして賠償をしておるということは、非常に不都合だと思う。九州大学の哲学の先生から私のところに非常に長い訴えの手紙が参りました。今日私はそれを持って参りませんでしたが、調達庁もその事件はおわかりだと思う。そこで私が申し上げることは、この賠償額についてもっと調達庁は精密に計算をして、そうして、日米合同委員会で厳重に賠償額を引き上げるようにしてもらいたい意味で質問するんですが、その前に、この賠償問題についてどういう基準でやっておられるか、これは公用の場合と私用の場合と違うだろうと思いますから、その賠償の基準について現在行われておることをお知らせ願いたい。いわんや飛行機が落ちて一家がみんな死んでしまったというようなこともたびたび起っております。そうして、そういう不幸な人たちに対します救済が、必ずしも完全でないということも承わっておる。そこで、この賠償の基準及び今実施がどんな状況になっておるかをお知らせ願い、そうしてその最後の責任者である法務大臣から、この賠償額を引き上げる交渉を日米合同委員会あたりでやってもらうよう閣議に諮る意思があるかどうか、それを承わりたいと思います。
○真子説明員 お答えを申し上げます。駐留米軍によって、公務上、日本側の国民が、不法行為によって被害を受けた場合におきましては、一定の基準によって、行政措置によりまして補償をいたしておるのでございますが、お尋ねの補償基準と申しますのは、昭和三十一年十月二日に改正いたしました閣議決定によってやっておるものでございます。 その支給基準の大要を申し上げますと、これは療養補償、休業補償、傷害補償、遺族補償、祭祀料、財産補償といったような項目になっておりまして、そのおもなるものは、遺族補償、療養補償、傷害補償、こういうものが大部分でございます。財産補償も重要なものでございまして、一番争いになりますのはこの遺族補償と財産補償、つまり財産の評価の仕方というようなことが問題になり、また遺族補償におきましては、遺族補償の算定の基礎をばこの被害者の収入に置いておりますところから、収入の見方、算定の仕方ということが問題になりまして、勢い全体の遺族補償の金額が少いという不満が日本側に起ることがたびたびあるわけであります。 今御指摘になりましたような福岡の事件、あるいは、今回発生いたしましたような事件は、遺族補償に関係あることでございますので、その点を御説明申し上げますと、遺族補償は仮定収入日額というものを一応考慮いたしております。この被害者の分け方を有職者と無職者とに分けまして、有職者ににきましては死亡した者の勤労により給与所得を得ておる者、それから自家営業等により所得を得ておる者、こういうふうに分けまして、勤労により給与所得を得ておる者につきましては、平均賃金を仮定収入日額として一応ここへ数を出し、また自家営業によって所得を得ておる者は平均日額、これを仮定収入日額としてはじき出しまして、その収入日額の千日分を支給する、こういうことにいたします。しこうして、その平均日額が三百円に満たない者についは三百円といたし、またその仮定収入日額が千五百円をこえます者につきましては千五百円で打ち切る、こういう計算の仕方でございます。無職者につきましては、仮定収入日額をはじき出すのに、これは収入がないのでやりにくいので、はじき出し方がむずかしいので、この基準におきましては、幼児の場合二百五十円、就学児童及び生徒を三百円、大学生を三百五十円、その他の無職者を三百円、なお妻につきましては、家計収入月額によりまして三段階に分けまして、三百円、三百五十円、四百円、この三段階の仮定収入日額をきめております。この三百円、三百五十円、四百円の差は、結局家計の収入月額を基礎といたしまして、家計収入月額が一万五千円以内の場合は仮定収入日額を三百円、二万五千円以内の場合は三百五十円、二万五千円をこえる場合は四百円、こういう数字になっております。今申しましたのは死亡者の場合ですが、そういったことによってはじき出した数字額を支給する、こういうことになっておる次第であります。
○猪俣委員 今のその支給基準を、当法務委員会へ、一覧表のようにして提出していただきたいと思います。
○真子説明員 あとで提出いたします。
○猪俣委員 そこで、その基準というものはどういうふうにしてきめられたのですか、それを御説明願いたい。
○真子説明員 この支給基準は、昭和二十七年五月の閣議決定で最初作ったものでございますが、その後、貨幣価値の変動、あるいは実際の裁判例、あるいは損害保険、あるいは各省庁が公務によって被害を受けた者に対して支給しております前例等をいろいろ調べまして、そして政府が行政措置で支給する場合には、こういった程度の金額が適当であろうというところを算定して割り出したものであります。今ここに資料を全部持ってきておりませんが、今まで、占領中からだんだんいろいろ経験を積み重ねまして、調達庁が支払いをいたしましたことについていろいろ反省を加え、また御承知のように、最初の間は、講和発効後でも少い金額でありましたが、大きな、たとえば桜木町事件とか、あるいは洞爺丸事件とか、いろいろな大きな事件がございまして、政府が支給しておる場合の数字が多い場合も少い場合もありますが、大体似通ったものができてくる。もちろん裁判例におきましては、この基準よりも非常に高いのでございまして、御承知のように、裁判所には大体ホフマン式によって計算するようでございます。この裁判例におきましても、裁判官のいろいろな判断によりまして、必ずしもわれわれが常識的に考えるように一致した基準、数字というものはないように思われますが、裁判をもって片づけられる場合には、いろいろ相当手数料というものがかかり、また損害を弁償してもらう、あるいは遺族補償がなされるような場合についても期間がかかる、そういった点で雑費が幾らかかかり得るということを考慮しつつ、著しく被害者の救済あるいは遺族の救済、慰謝に欠くることのないようにということを考えつつ、この支給基準を作っておる次第でございます。
○猪俣委員 今の福岡の医者の場合ですが、優秀な医者であって、月額二十万、三十万も収入があった人が、突如として殺されておる。それで今言ったように、千五百円で千日分ということで百何十万しかもらえないというようなことでは、私は十分のことじゃないと思うのです。ですから、これをもう少し常識あるような賠償額に引き上げてもらいたいという九州大学の教授の強い要望があるわけですが、こういうことに対して法務大臣はどうお考えになっておられますか。
○愛知国務大臣 ただいま調達庁から説明がございましたように、この補償の問題につきましては、政府も実は非常に頭を痛めてその基準を累次きめ、あるいは改正しておるわけであります。これはただいま話がございましたように、なくなられた遺族の方、あるいは御当人はもちろんでございますが、その個々の事情をなるべく尊重し、しかし同時に同様の—と言っては言い過ぎかもしれませんが、いろいろの思わざる公務の関係その他で生命を失われ、あるいはたとえば洞爺丸というような非常に不幸な事件もございます。それらとの関連等をとくと考究いたしまして、まず妥当かと思われる線をはじき出すというのが従来の態度であったわけでございます。ただいま御指摘の件につきましては、またよく調べてお答えをいたしたいと存じますが、できるだけ誠意を持ってこういう案件に対しては処理するのが政府の心がまえでなければならない、かように考えておる次第であります。
○猪俣委員 もう時間がたっておりますので、私、質問したい要件がありましたが、もう一点だけにとどめて、あとは他日に譲ろうかと思っております。それは、先ほど勤評問題が相当やかましく問題となって、自民党の諸君の意向では、どうも警察や法務省の取締りが手ぬるいようにお考えになっておるようです。こういうふうに権力主義に基くすべての観念というものが、非常に災いしていると私は思うのであります。 そこで、法務大臣に伺いたいことは、法務大臣は先般、新聞の報ずるところによると、閣議で、九月十五日に学校に登校させない生徒の保護者もこれを処罰するというふうな発表をなされたやに承わるのでありますが、もしそういうお考えであるとすれば、その法的根拠を明らかにしていただきたいと思のであります。
○愛知国務大臣 率直に申しまして、これは私の申しましたことが誤まり伝えられておるように思います。従って、ただいま御指摘の前段につきましては、さようなことはないのでございます。従って、その法的根拠云々ということもないのでございますが、私が他の委員会あるいは閣議等で発言いたしましたのは、大きく分けて二つあるわけでございまして、そのうちの一つは、いわゆる一斉休暇等についての地方公務員法第三十七条及び第六十一条第四号に該当するおそれのあるような事態について、私は解明をいたしたわけでございます。これらについては、いわゆる罰条の規定もあるわけでございますから、事情のいかんを問わず、こういう事態が起れば、そういう罰条にも触れるようなことになるので、これは一つ御留意を願いたいという趣旨、これが第一の部類に属するわけでございます。それから、第二の部類に属しますことは、学校教育法の第二十二条等に、児童、生徒の就学の義務ということが法律に書いてあります。この点を指摘したのでございまして、これについては罰条等について規定がないわけでも、ございません。場合によりましてはあるものもございますが、その際私が明らかにしましたのは、そういう点には触れてないのでありまして、学校教育法の立法の趣旨から申しましても、児童、生徒を、正当の事由のない限り、父兄としてもできるだけ登校をさせていただくことが、この法の精神に合うことであるということを—これは猪俣委員の御意見とは違うかもしれませんけれども、私としては父兄の良識に訴えまして、正当の事由がないのに登校をとめるというようなことはしないでいただきたいという私の配意から、この学校教育法の第二十二条を引いただけであります。従って、その後あらゆる機会に私は申しておりますが、生徒、児童を、正当の事由なくして登校を拒否するというような父兄が不幸にしてございましても、その父兄を検挙するとか、あるいはその他の処置をするとかというようなことをやると言うた覚えもございませんければ、かりに私がそう言うたところで、それは法律にもないことでございますから、その点はどうぞ誤解のないようにしていただきたいと思います。しかし、私は、学校教育法というようなものが国会で制定せられ、そこに就学の義務というものが規定もされているような事柄の性質の問題であるから、これは心ある両親の方々に対して、一つ私の意見にどうか御賛成を願いたいという私の心からの要請をその際にあわせて申し上げた次第でございます。
○猪俣委員 どうも今度の法務大臣は非常におやさしいように見えるが、ただ取り締る、取り締るで、新聞発表を盛んにおやりになるくせがあるような気がする。そこで、これは新聞社が書き間違ったか知りませんが、九月十五日に生徒をやらぬと父兄を縛るぞというように一般の国民は思い込んでいる。私は新潟県下を遊説して歩いたが、みんなその質問をするのです。あなたがそういう発表をしたという。そこで私は今根拠を聞いたのだが、そんなことを言うた覚えはないとおっしゃるならそれまでの話で、これはなるほど学校教育法第二十二条には就学の義務ということが書いてあります。就学の義務と通学の義務は結局同じものだろうと私どもも思いますが、多少ニュアンスは違います。就学の義務というのが第二十二条に書いてある。九月十五日半日は、これは今小学校は半ドンなのでありまして、その午後先生が休むというだけの話であります。中学は午後もあるようでありますが、九月十五日に小学校の生徒の就学義務違反問題なんというのは起らぬはずでありますし、これは学校教育法の施行規則を読んでみましても、そこからももちろん出てこないのであります。施行令の第二十条、第二十一条を見れば、学校へ一週間以上生徒が就学しない、しかも就学しないのに正当な理由がない場合に、校長が教育委員会に通告する、教育委員会がこれをその父兄に督促する、こういう順序を経なければ、これを処罰するということは出てこないわけであります。そこで、どういうわけであんな声明をなさったかと思ったのですが、今言った覚えがないと言われればそれまでの話だと思います。 それから、今、地方公務員法第三十七条、第六十一条云々の問題が出ましたが、これに対しても、私ども、すなわち今度の九月十五日のような一斉休暇が直ちにこれに違反するやいなやについて、法務省の御見解と非常に法律解釈を異にいたします。この点については、大貫委員が詳しく研究しておりますので、政府の方と一つ法律の点を明らかにしていただきたいと思います。
○大貫委員 関連して—私のお伺いしたいのは、法務大臣は、猪俣委員からも指摘されたように、しばしば勤評問題については新聞発表をいたしております。特に一斉休暇については違法である、断固取り締るというようなことを新聞で発表いたしております。このことは、私は、見方によっては、裁判に対する心理的な圧力を加えるようにも見受けられるのでありまして、司法権の干犯の問題すら出てくるのではないか。そこで私は特に法律解釈についてお伺いをいたしたいのであります。一斉休暇がなぜ教員の場合に地方公務員法第三十七条に違反するのか、その点が私は不幸にしてわからないのでありますが、その法律的な根拠をお示し願いたいのであります。
○愛知国務大臣 まず法律の解釈等についてのこまかい御説明については、事務当局から御説明いたさせたいと思います。御了承願います。 ただ私は繰り返して申し上げたいと思いますが、私がこの一斉体暇についての所見を私として申しましたのは、次のようなことでございます。まず第一段は、その当時、新聞等におきまして、先ほどもいろいろ加藤委員からも御指摘がございましたが、総評の談話であるとかあるいは日教組の態度であるとかいうようなことが大々的に報道されまして、九月十五日には一斉休暇を何でもかんでもするのだということが報道せられたことを前提としてかように申したわけであります。新聞報道のごとく、休暇の承認がないのに一斉に休暇闘争と称して授業を放棄することは、争議行為になると思う。従って、これをあおり、そそのかすことは、地方公務員法に違反になる、これが第一段であります。それから第二段に、日教組あるいはその他からの指令等がありまして、一斉休暇をやる場合、すでにそういったようなあおり、そそのかすというような事実が発生して、その後において学校の校長などが休暇の承認を与えたというような形をとられても、一たん法に触れる犯罪行為が成立した以上は、あとでそういうようなことをやられても、これはその犯罪を阻却することにならない、こういうことを第二段に申しました。それから第三段に、日教組が学校長に対して、事情のいかんを問わず一斉休暇を承認すべしというような趣旨の指令をしたり、あおり、そそのかしたというような事実が証拠上も明白であるという事実が確認せられる限り、地方公務員法第六十一条第四号に規定される罰条に触れるものと考えます。ただ申すまでもございませんが、具体的の事案については、個々の場合によって、捜査その他のやり方も異なるべきことはもちろんでありまして、この点については、ただいまは、事柄の性質上、明確に言うことができません。 以上が、私が自分のメモを持ちまして他の委員会で御答弁をし、そうしてそれを同様のことを一記者会見でも言うたのでございますから、私の意見というものは、以上申し上げましたところであるということを、まず御了承を願いたいと思います。なお、個々の条文の何にどういうことが該当するかということについては、一つ事務当局から詳細にお聞き取り願いたいと思います。
○竹内説明員 教職員が勤務評定反対等の目的で一斉に同一の日時に有給休暇をとりたいという要求をして、そうして許可権を持っておる人たちの意思に反して就業を拒否した、こういう場合には、これは争議行為であるという解釈をいたしております。そのような争議行為をあおり、そそのかし、あるいは共謀し、そういうような行為がございますると、第六十一条の第四号によって違反になるという見解に立っておるのでございます。 同盟罷業と申しますのは、申すまでもなく、先生に申し上げますことは釈迦に説法のきらいがございますが、お許しを願って、私どもの法律見解として申し上げたいと思います。同盟罷業とは、労働者が就業義務のあるにかかわらず、集団的に就業を拒否することによって、業務の正常な運営を阻害する争議行為でございます。従って、労働者が同盟罷業を遂行いたしますためには、就業義務が存することが必要でございまして、就業義務のない者が就業を拒否しても、これは同盟罷業を遂行したことにならない、これは当然なことでございます。そういう関係において、争議行為と同じように理解しておるのでございます。そこで、先生方の一斉にある日時を期して有給休暇と称して—この有給休暇は合法的に認められないのに、有給休暇と称して一斉に授業を拒否する、こういう行為はまさに同盟罷業でございまして、このような同盟罷業は争議行為でございます。争議行為でございますれば、先ほど申しましたように、これをあおり、そそのかすような行為は処罰の対象になる、かような見解でございます。
○大貫委員 争議行為に対する解釈が、正常な業務運営を阻害したことである、こう解釈されておるのですね。そういたしますと、一体教員の業務は何であるか。教員の業務というのは教育でなければならぬ。教育というのは一体何であるか。教育に対する業務については、教育基本法で年間に教育をなすべき教育課程というものが、基準が示されております。年間にこれこれの教育をしろということが、ちゃんと教育課程で基準が示されております。そのことは、学校教育法施行規則の二十五条にもこうなっておるのであります。「小学校の教育課程については、学習指導要領の基準による。」学習指導要領というのは、さらに文部省がこれを定めておるわけであります。これによりますと、一例を引いてみますと、文部省がこの学習指導要領として、小学校の時間配当に関する例として基準を示しております。これによると、たとえば小学校においては年間一年生、二年生は八百七十時間、三年生、四年生は九百七十時間、五年生、六年生は千五十時間、これを基準として教育をやれ、こうなっておる。そういたしますと、一日かりに休んだとて、あるいは半日休んだとて、その休んで教育しなかった時間をその次の日に一時間延長する、さらにその次の日にも一時間延長する、こういうことによって埋め合せるならば、教育の業務というものは何ら阻害されていない。こういうことは自由なんです。校長の権限なんです。そういうふうな教育の業務というのは、一般行政官の業務とは違う。たとえば窓口を担当し……。(発言する者あり)黙って聞きなさい。窓口において国民の権利義務に関する直接の業務を行う公務員、こういう人々がかりに一日一斉に休んだとするならば、それは償われません。しかしながら、教員に関しては幾らでも償われる。従って、年間を通じて見て、かりに有給休暇を十二分にとってしまって、あるいは法律上許されている範囲以上も休んでしまって、文部省が示しておる学習指導要領だけの時間の教育をしなかったとしまするならば、そこに初めて問題は正常なる教育の業務を阻害したということになりまするけれども、たった一日全国的に休んだとて、これは業務の阻害行為には事実上ならぬはずです。これを何がゆえに争議行為であるとみなすのであるか。
○竹内説明員 これは結局見解の相違というようなことに相なるかもしれませんが、私どもは、同一日時に休暇をとって先生方が一斉に職場から離れてしまうということは、教育業務—この教育業務は、先生の担任する分担の量が幾らであるということではなくして、教育業務というものは、教育委員会がその責任を持っているわけでございますが、この教育委員会が行おうとする義務教育におきましても、一定の方法によってやるわけでございまして、そういう一定の企画に反したやり方で、この企画がくずされていくという結果を生じますならば、これは教育業務に対する阻害であるというふうに私どもは解するのであります。その先生の担当いたします分量が年間を通じて幾らである、それを夜でも何でも一ぺんにまかなえばそれでよろしいのだという考え方には立っていないのでありまして、その点はなはだ先生の御意見と違うわけでございますが、私どもはさように考えております。
○大貫委員 私はそういう非常識なことを言っているのではないのです。そういうことによって阻害されたから、夜でも夜中でも教育して償えばいいという非常識なことを言っているのではない。もっと常識的に、日教組がやろうとしているのはたった一日、しかもそれは半日だと言っている。その半日かりに授業を休んだところで、正常なる教育活動の業務を阻害したということにはならぬじゃないか。たとえば、今の配当の時間にしても、私は、学習指導要領の一例を引いただけなんです。時間だけではない。たとえば、国語については一年生は何パーセント、社会科については何パーセントやれとちゃんと規定があるのであります。たとえば国語と算数については、全部の時間の四五%から四〇%やれ、社会科については二〇%から三〇%—何だか知らぬが、この要領は上と下が逆になっておりますが、こういう表現がしてあります。こういうふうにちゃんと基準がきめられております。しかもこういう基準をこの通りやれというのではない。これはあくまで基準なんです。この基準を中心にして、具体的にだれがやるかといえば、これは学校長にまかされている。教育委員会ではありませんよ。学校長なんです。時間割の国語の時間を月曜日にはどうする、火曜日にはどうする、これは学校長の権限です。ところが実際行われているのは、学校長にあらずして、担任の教師なんです。担任の教師が今例としてやっておりますが、聞いてみますと、学校長がそこまで手を伸ばしてはとても時間が足りない、学校長は職務が行えない。そこで長い間の終戦後のしきたりとして、担任の教師がそれぞれ時間割をきめ、この文部省の定める学習指導要領に従って配置をしてやっております。そういうことでこの要領に従ってやる限りにおいては、一年間を通じて見なければ、正常な教育活動の業務が阻害されたかどうか判断ができないはずなんです。かりにこれが二十日も—たとえば炭労のストライキのように三ヵ月も休んでいるとか、こういう場合は別ですよ。これは何をかいわんやでありますけれども、かりに、一日の半分なんです、一日の半分の半日を休んだからとて、直ちにこれが争議行為になる、第三十七条違反であるというような解釈というのは、これは非常に誤まった解釈じゃないか、こう私は思うがどうですか。
○竹内説明員 お言葉を返すようでありますが、先生のおっしゃったことは、教育そのものについてのことと教育業務ということとを一緒にして御説明をしておられるようでございますが、私どもはこの教育業務というのは、教育それ自体をも含めて考えるのでございますが、その教育を実施いたしますのに一定の場所、一定の時間、一定のプログラムに従ってやるというところに教育業務の正常な運行というものがあると考えるのであります。そういうふうに考えるときには、ある時間を限りまして、一斉に教職員が教育それ自体をしないという状態が出てくることは、やはり教育業務に対する正常な運行を阻害するものだというふうに解釈するものでございます。この点はひとり私の見解ではございません。政府が長年にわたって一貫してとっているところの行政解釈でございます。
○小島委員長 大貫君、これ以上は討論になると思いますから、質問はこれで中止願います。
○大貫委員 いや、ちょっと待って下さい。最後の結論をしますから—そういう見解だとするならば、これはいたし方ない。いたし方ないが、こういうことを最後に言っておく。このことが裁判所に持ち込まれた場合、もし裁判官が良識を持つならば、しかも司法権の独立に従って、かつての児島裁判長のような勇気のある裁判官の前にこれが審判されたならば、必ず無罪になるであろうということを私は確信しております。
○小島委員長 委員諸君に申し上げます。都合で昼の休憩をしないで、このまま続行いたします。各委員の質問時間は十分、そのつもりで御質問願います。坂本泰良君。
○坂本委員 簡単に質問いたしますから、一つ要領よく簡単にお答え願います。音楽大学の学生宮村君は、ジョンソン基地のロングプリーのふらちな発砲によって即死同様の死亡をしたわけですが、けさ六時二十分の汽車で母親が熊本から来ておるわけなんです。まことに哀悼にたえない次第でありますが、この点について一、二点お伺いいたしたいのは、ジョンソン基地の中を西武電車が通っておるように地図で見られるわけなんです。しかしながら、この電車の通っておる範囲内においては、これは基地外だ、私はこう考えるわけです。そこで、口三等兵が発砲したところは基地内であっても、そのたまが当ったところはやはり日本の法律の支配権にあるわけです。そこでお伺いいたしたい第一は、捜査の点であります。この問題の捜査は、先ほどおっしゃったように、わが方独自の捜査でなければならない。その捜査は、犯人自身に対する捜査が私は第一である、こう思うわけです。労働争議その他においては、犯罪になるかならぬのを不法に逮捕してやっておる。こういうような国際的の問題に対して私は犯人の引き渡しを要求して、そうしてわが捜査の権力内においてこれを捜査しなければならぬ、こう思うのですが、この点についていかなる措置をとられるか、それをまずお伺いしておきます。
○柏村説明員 先ほど法務省側から御説明申し上げましたように、かかる事案につきましては、日米共同の捜査をいたすことにいたしております。しかも米軍側で本人を逮捕して身柄を隔離いたしております関係もありまして、本人について証拠隠滅等のおそれも現在ございません。従いまして、捜査は共同でやるという建前に立って、本人についての捜査のみならず、その他の傍証固めということも必要でございますので、共同でやる建前で捜査を続行しておる次第であります。
○坂本委員 共同で捜査をしておるということですが、外の実地検証をしただけで、犯人自身に対する捜査をしていない。私は相馬ケ原事件について経験を持っておりますが、あの熊谷のキャンプにおいて、ジラードは何ら身体の拘束も受けておらずに調べを受けた。きょう私たちは午後三時にジョンソン基地の司令官に面会にこれから行きますが、彼らは拘禁も何もしておりませんよ。今あなたがおっしゃったのは想像ですよ。拘禁しておるというのは、どういう言質であなたはそれを言っておられるのですか。拘禁も何もやっていない、ほったらかしで、大体調べもしていない。さらに刑事局長が発表されたことは、昨夜のニュースでロ三等兵の法律顧問が発表したと同じようなことを言っておる。だから、その発表したものをそのままこの神聖な法務委員会に発表しておる。私はもっと日本の捜査官が犯人自身についての捜査をしなければならぬと思うのを、それをやっていない。証拠隠滅その他のおそれがないからやっていないと言うが、拘禁してやっておるかどうか、あなたはジョンソン基地の内部を知っておるのですか。おそらくやっていない。だから、やはり相馬ケ原のジラードと同じような裁判の結果が生ずる、これは重大な問題である。そこで法務大臣にお伺いしますが、この犯人をわが捜査官の手に即刻移して捜査される御意思がありやいなや、それを承わりたい。
○愛知国務大臣 全く本件は重大なことであると考えます。従って、われわれとしては、先ほど来申しておりますように、手続上その他において十分遺憾のないようにいたしまして、国民の納得のいただけるような始末をしたい、こういうことに考えております。
○坂本委員 言葉はりっぱですが、やはりこの殺人事件は、犯人自身について捜査しなければできないと思う。そういう点を即刻やられるかどうか。その点を重ねてお伺いいたします。
○愛知国務大臣 御趣旨、御意見の点は十分尊重いたしまして、善処いたしたいと思います。
○坂本委員 王子ストの点について、警視総監にお伺いしたいのですが、私は一昨日王子の苫小牧工場に参りまして昨日帰ったわけですが、昨日裁判所の執行吏は、会社側の仮処分の委任を受けて、費用を予納させておるはずです。それにもかかわらず、会社の自動車に乗り、会社の三人の弁護人と同道いたしまして、拡声機をもって、しかも執行場所より千二百メーター離れたところに第二組合の組合員が二、三百人集まつおるところに来て、そうしてそれを誘導する、こういうことをやっておる。会社の依頼を受けた執行吏であっても、これは国家の機関である。公平にやらなければならぬ。それが会社の代理人の弁護士と一緒に、おそらく会社から出しておる自動車、スピーカーを使ってやっておる、これはいかない、私は文句を言って帰りには別な自動車で帰れ、誤解のないようにしろと言って帰したのでありますが、そういうようなことが行われておるし、これは裁判上のことであるから、あらためて裁判所に聞かなければならぬのですが、そういうようなことをやっておるのに関連して、この王子の銀座の本社に対する争議については、先般来五名の逮捕者を出しておる。ここには数回いわゆるすわり込みその他ピケッティング等の合法的のものが行われておる。その行われる前に築地の警察は、その人数より多い警察官を繰り出しておる。あたかも外から見ると、築地の警察署長は会社の請願巡査みたいに考えられる。こういうようなことをやりながら、傷害だ、暴行だと言って五名を逮捕しておるのです。その原因は、会社側から安原というのと牧野、この二人を告発しておるが、この被告発人以外の者に対してもさらに逮捕しておる。これこそ正当な争議行為に対する警察官の弾圧と言わなければならぬと思う。この点についての川合警視総監の所見並びに今後の態度について承わりたいと思います。
○川合説明員 王子製紙本社の前に行われました暴力事件の検挙でありますが、事柄の内容は十分御承知でありますし、新聞紙にも報道されましたので、ごくかいつまんで申し上げます。この事件は、御承知の通り、第一組合、第二組合の発生がありまして、この間における一つのピケをめぐっての争議行為でありますが、もちろん先ほど来申し上げます通り、正常な諸般の行動に対しましては、警視庁あるいは日本の警察全部がこれに関与する筋ではありませんが、事柄はそれ以上突き進んでおりまして、今回検挙をしました五名の者につきましては、去る八月十三日の朝のことでありますが、銀座四丁目三番地にありますこの会社の玄関の前にピケを設けまして、第二組合員の出勤を極力阻止するということによりまして、ここにけが人を出したのであります。その行為は、従来のピケッティングの活動と少しく趣きが違っておりまして、これをだれ言うとなく洗たくデモ、こういうことを称しておるのであります。これは正常に会社の中へ入ろうとしますところの組合員に対しまして、ピケの隊員がわざと前方において若干の道を開くのであります。そうしますと、その中に社員が入り込みますと、入りました入口をぎゅっとふさぎまして、そうしてそこに一つの通路を作り、この通路の両そでにあります者がこづき回すのであります。あたかも洗たくをするような格好になりますので、この中におります者は非常な痛みを覚え、また現実に傷害を受けておるのであります。警察が非常に早く、あたかも会社だけの庇護者のごとく出ておるではないか、こういうことでありますが、私どもとしましては、決して争議行為そのものに関与する意思は最初からありませんし、この事柄の重要性にかんがみまして、必要なものを出し、また告訴に基き、なお現場における警察官の所見あるいは証人等によりましてこの捜査を続けておるわけでありまして、御了承願いたいのであります。
○坂本委員 洗たくデモなんと言って弁解をするけれども、そのとき以外に数回にわたって、警察がその。ピケッティングよりよけいな人数を繰り出しておる、そして築地署長は会社の請願巡査みたいに、資本家のサーヴアントみたいになっておる、これがいけない。こういう点についてもっと警視総監は—警視総監自身がサーヴアントなら仕方がないが、もう少し厳正に、一つ調査をしてもらいたい。と申しますのは、九月の三日にこのストは七十八日ぶりで中労委のあっせんで団交が再開された、そうしてようやく軌道に乗りかかってやったときに、会社としてはいわゆるユニオン・ショップのあの協定をやりたくないものだから、これも築地署長とやはり内通して、そうして七日の朝に逮捕しておる。明らかに、ようやく団交再開になっておるのに、幹部の逮捕によってそれをくじこうとしておる。こういう具体的の問題をあわせて考えるときに、弾圧になるわけであります。何も洗たくデモで二日や三日のかすり傷というものは—私も傷害の弁護なんかやっておりますが、ちょっとでもつめでひっかいても、やはりもとの皮膚の状態になるのには一週間くらいかかる、そういうのをあえて逮捕までして、これを捜査する必要はないと思う。そこに不当弾圧だということになるし、さらにようやく七十八日ぶりでこのストライキが軌道に乗りかけたときに、幹部を逮捕する、ここに警察、警視庁は会社側のサーヴアントじゃないかと誤解される点があるわけであります。こういう状態もよく考えて逮捕をやったかどうか。また今後早く釈放して団交を進めて、早く終結することこそが私は必要だと思うのだが、その点について警視総監はいかに考えられるか。
○川合説明員 私ども警察官は、一般の日本の経済状況というものがスムーズに運営をするということにつきましては、社会人として非常な期待を持っておるわけであります。もちろん警察官といたしまして、このような労働紛争議につきましての各種事件の捜査に当りましては、今申すような考えを胸の奥に秘めながら、一つの厳正中正な立場でもって仕事を遂行するということは、自分でもそういう信念でおりますし、また関係の部下に対しましても、常に争議介入というふうなそしりを招かないように十分注意を与えておるのであります。この当該事件につきましての築地警察署長以下のとりました態度は、先ほどから申します通り、人証、物証その他によって申し上げるところで、非違行為はないと存ずるのであります。たまたまこの事件につきましては、この事件で検挙いたしました日にちとこの紛争議につきましての両者の歩み寄りの時期等、きわめて何か警察のとった措置が不適当ではないかというようなことでありますが、私どもといたしましては、この重要な暴力に関しますところの紛争議につきましては、十分に慎重に調査をいたしまして、犯罪捜査という観点に立って現段階に至っておりまして、他意がないということをここに明言いたしたいのであります。
○坂本委員 今の警視総監の答弁については私は不満であるし、なお追及したいのですが、時間がありませんから……。しかしながら、こういう問題については、団交再開まぎわに逮捕するなんて、逮捕せぬでもできるような事案だとわれわれは考えるから、今後善処を要望いたしておきます。
○小島委員長 志賀義雄君。
○志賀(義)委員 去る八月三十日の文教委員会からきょうにかけて、公安調査庁、警視庁から、だいぶ共産党が和歌山の勤評事件その他で一番指導しておるというようなことも言われております。まず法務大臣に伺いますが、法務大臣は先日の文教委員会以来、法秩序の確立ということを盛んに言われて、国会できめた法律を施行するのを妨げるのはいけないということを灘尾文部大臣が言ったあとで、あなたがそういうことに対しては十分に厳正な態度で臨むと言われました。法秩序と言われながら、教員組合その他労働組合、学生団体などがやることを、また共産党が特に法秩序を破壊するようなことを言われるのですが、文部大臣が、現に憲法を初めとして学校教育法などがきめておることはやっていないのですが、これについてはどういう態度をとられるつもりですか。たとえば憲法では明らかに義務教育は無償でやらなければならぬ、国家と地方自治体とがこれを負担しなければならないことになっているが、PTAその他の会費で保護者は二千億円を負担しております。ひどいところでは、大分県なんかは教員が足りなくて、PTAが教員を雇ってやっているのです。そういうことをやる文部大臣が勤務評定に対してああいうことを言う。それをあなたがまた応援して、法秩序を乱す者はどしどしこれに対して厳正な態度で臨むと言われる。では灘尾文部大臣はどうされるつもりですか。
○愛知国務大臣 灘尾文部大臣を別にどうするということは考えておりません。なぜならば、私どもが法秩序を維持するということの根本義は、いつも私が強調いたしますように、罰条に触れる行動というものが私どもとしては一番情ないことであって、こういうことは良識ある国民が大いに反省してもらいたい。しかもなおかつ法を犯し、罰条に触れるようなことをする者に対しては、法秩序維持ということで断固として検察権を発動しなければならない、これが私の考えであります。従って、あなたのお話で、ただ単に法律で予想されているようなことが十分行われていないではないか、しかもこれが罰条に触れていないというようなことについて検察権とどうこうというようなことは毛頭考える必要はない、そういう性質のものではないと私は考えます。
○志賀(義)委員 それが片手落ちというものである。学校教育法なんかをたてにとってあなたは言われますが、学校教育法を施行するに当っては、定員は五十五名となっている。これが今五十六名から五十八名、六十名、こういうようになっている。法律はあなた方の方で破っているのですよ。 そこで、この間の勤評の問題で、もっとはっきり話をまず柏村長官に伺いますが、あなたは警官隊及び暴力団体で負傷された者については、これをどこかに持って、こちらから連絡しようと思っても、行き先がわからなかったと八月三十日の文教委員会で言われたんだ。速記録にちゃんと出ておるし、僕もどうせろくなことを言わぬと思うから、言ってしかと聞いておる。ところが、被害者の一人の丸山輝雄君という人は金品を強奪されておる。現金一万一千数百円、千円札が十一枚、五百円札が一枚、百円札、小銭若干、これを暴行を受けたときにとられているのですよ。それで病院に入れられたときに、すぐ強奪されたから警察へ連絡してくれということを和歌山地区労働組合協議会の向井君という人に頼んで電話を西署にかけたのですが、何の答えもしていない。こういう報告はあなたのところに来ているのですか。
○柏村説明員 ただいま志賀委員が負傷した者をどこかへ連れていったのでわからないと私が言ったということですが、速記録にはそういうことは書いていないと思います。私の申し上げたのは、入っている病院等について調査したけれども協力してもらえなかったという趣旨のことを申しております。今のお話の丸山氏の問題については報告を受けております。これは十八日の正午ごろに平岡という教員から署長に電話で、丸山書記長が一万円入ったズボンを警察に預けていると言っているので調べてほしいという申し出があった。それで署長は調査の上で連絡するというふうに答えた。その後午後二時ごろに、平素ときどき署に参ります和歌山教組の西浦法制部長が署長室に来ましたので、その電話の件と、その後調査したが、元町二丁目で実力行使の際一万円入りの財布を拾った警察官があったので、調査した結果検挙者である生田薫のものであることがわかったので、本人に返した事実があるが、申し出のような事実はないと答えた。それに対して西浦法制部長は了承しまして、本人に伝えてやると言って出て行ったそうであります。その後午後六時ごろに氏名を明らかにしない女の声で、丸山書記長が怒っておるから調査してもらいたいという電話があった。右のような事情で、署長は翌朝署の刑事係の北川巡査部長を調査におもむかせたところ、丸山は、同部長に対して、警察官から暴行を受けたというので、同部長は調査したが、警察は君を救出しておるが、暴行を加えた事実はない、いや、やられたというような言い合いが続いてその話が進まないので、財布の件も負傷原因についても調査できずに辞去しております。それで、署長は午後中原警部補を再度派遣しまして調査した結果、丸山氏は日本教育対策協議会の太田垣らになぐられた事実は発言したのでありますが、警察の暴行については機関に諮ってからでないと言えないと答えております。それから一万円紛失については、丸山書記長は西浦君の言により了承しておるというふうに報告を受けております。
○志賀(義)委員 あなたは十八日に連絡があったと言っていますが、十六日午後二時までの経過を丸山君がこういうふうにガリ版に刷って出しているのです。病院に入ってすぐ連絡してきてくれと言ったのに来なかったのですよ。これは向井君という人が電話をかけた。ここには、あなたは警官は暴行しないと言っているけれども、制服制帽の警官である。これは辻原君からもこの前質問しておりますけれども、こういう連絡があったときにはすぐやるべきものでしょう。それをすぐ来てくれというときには行かない。それでいてあなたのこの前の文教委員会で言われたのは、連絡をしようと思っても、向うが面会を拒絶したとかいうことですが、本人が言っておる事実、また向井君が証言しておる事実と全然違うのですよ。こういうことから見て、全く今度の事件をあなた方は—これは法務大臣もそうですが、文部大臣もそうですが、自分たちが暴行を働いていることをたなに上げるために、共産党が指導したの、全学連が暴行をやったのと、こういうふうに話を筋違えておるのだ。実際これはごまかしですよ。それで特に先日からきょうにかけてのあなた方の答弁の特徴は、自由民主党の委員の質問に対して、人権侵害のおそれがあるからということを言われておる。私は人権擁護というのは、法務省にある人権擁護局というものが元来人権擁護委員法に基いて、国家の権力によって暴行を受ける、あるいは権利を侵犯される、それを防ぐために憲法あるいは人身保護法、その他の規定に基いて、官憲の暴行なんかに対して特に保護規定を設けておるわけです。ところが逆に、あなた方の最近の委員会の答弁の特徴は、人権擁護ということを逆にたてにとって、国民の権利を押えつけるように言われておるのです。法務大臣、人権擁護委員法というものは、あなたも先日答弁されたし、きょうもあなたの方の役所の人が言われたのですが、一体この人権擁護委員法というものの立法の趣旨はどういうものなんですか。
○愛知国務大臣 私のご説明が足りなければあとで補足をさせますが、人身保護法以来の考え方というものは、あるいは志賀君の御指摘のような考え方であると思います。現在の人権擁護につきましては、特に権力を背景にして職務を執行するものの対象になったものの人権が侵犯されないようにということが第一義であろうと私は思いますが、しかしながら、これは人権の侵犯というものが、そのほかの事由によっても起ることは再々あるわけでございまして、私はこれも今詳細に調査中でありますから、具体的の案件に対して意見を申し上げることはできませんけれども、かりに一部に伝えられているような、非常識な、十数時間にわたるような、いわゆるつるし上げが行われてみたり、あるいはそれ以外に受け持ちの生徒児童等に対して非常な差別待遇になる結果のようなことまでも、村八分的にやられるような場合には、その衝にあって自分の意見を自主的に開陳した者が、生命あるいは精神上の非常なる危険にさらされておるというものは、やはり私は人権侵犯の問題として十分に調査をし、結末をつけなければならぬ、これが法の精神である、私はこう考えております。
○志賀(義)委員 ところが、今度の和歌山事件について、警官隊がこういう暴行をしているのも、この間の文教委員会の柏村長官のごときは、こん棒の上げ下げ論でごまかしておるのだ。そして、警察官のやったような、暴力団体と一緒になってやったような、これは一切あなた方はごまかしているでしょう。今の愛知法務大臣の言われることによると、そういう点は、第一義とすべき点は、全然これを調べようとしないで、むしろ立法の建前からいって第二義的になるもの、その方に力こぶを入れて、今の国の法律さえも全然あなた方は守ろうとしておられない。今度の勤評問題だって、ことごとに政府が、警察が法律を違反しているのです。 警視総監に伺いますが、ノン・ストップで走ることのできる自動車の種類は何ですか。
○川合説明員 緊急自動車でございます。
○志賀(義)委員 どういうものが緊急ですか。たとえば救急車、消防、そのほか……。
○川合説明員 警察、消防、その他緊急事態の場合に交通上の最小といいますか、許される得る限度におきまして、普通のルールを越えて一般の人よりも優先的に通行できるという種類の車でございます。
○志賀(義)委員 この間上野博物館に、道徳教育を受ける学校の先生たちを送り込んだときに、十五分間で上野博物館までノン・ストップで走りましたが、あれは緊急事態に入りますか。入らないでしょう。
○川合説明員 十五分では行っていないはずでございまして、これはここに記録がございますが、文部省を出ましたのは七時五十分で、上野博物館に着きましたのは八時二十分でございます。
○志賀(義)委員 時間のことはともかく、ノン・ストップでやって—十五分というのはこちらで計算したのですよ。あなた方はそういう計算をなさるから、ちゃんとこっちでもストップ・ウォッチを持ってやっていたんだ。だから時間の問答になるとお互いに水かけ論になるが、そういうノン・ストップでやったということは事実なんですね。どういう緊急状態があってノン・ストップでやったのですか。
○川合説明員 その日のバスの運行を、私としましてどういうコースでどこを何分に通って、どういうふうな状態で通ったかというところまでは、まだ報告に接しておりません。ノン・ストップとおっしゃいますが、東京の都内は、物理的にちょっと普通のサイレン、普通の状況ではなかなかいけないはずのものでありまして、ことに文部省から上野の博物館まで三十数分を使ったと申しますのは、乗用車であればむしろおそい方、バスであって普通のスピードでありますので、また水かけ論になるかもしれませんが、当日の車の運行がきわめて非合法だということにつきましては、私再調査をしなければ、ちょっとここでは……。
○志賀(義)委員 そこを調査してもらいたい。というのは、辻々に警官がみな立っていた。警視庁のあなたの輩下の人ですよ。あなたの言われるのは、文部省から上野へ行く場合の普通の時間を基準にしておられるのです。そのあと、ほかの車がついて行くと、みなとめるのです。普通の乗用車、ほかのトラック、そういうものはみなとめておいて、警官がずっと途中で護衛してやっております。何が緊急事態か。火事が起ったとか、生命に危険があるとかいうんじゃないのです。そもそも道徳教育というような、博物館に行くのが当然のようなことをやるためにこういうことをやったのです。何が緊急事態です。だからもう少し調査して、こういうばかげたことに警察官を動員するのはやめて下さい。もう少し調査してから答弁していただきたいですね。 それから公安調査庁の関次長に伺いたいのです。共産党の本部に安斉庫治という本部員がおります。最近これの親戚に対してまで公安調査庁の役人たちが来て、変な言いがかりをつけていろいろと調査をしております。たとえば、その姉の人が阿佐ケ谷で喫茶店をやっておる。そこへ来て、洋モクの密売をやっている、麻薬を売っている、こういうことで調査をしておりますが、これは一体どういうことでそういうことをやらせるのですか。共産党員が全学連に二千名いるとかなんとか、あなた方でいろいろ調べて、あることないことを言われているようです、和歌山の事件で。こういうことは、もちろんあなた御承知でやらしているのですか。
○関説明員 公安調査庁は、破防法に基きまして、とにかく共産党がそれに触れる疑いがあるというわけで、党の活動並びに党員の活動を調べておるわけであります。その調べは、第二条、第三条の法律の範囲内において、厳に人権の侵犯が起らぬようにという趣旨において調べておるわけであります。具体的にお尋ねの事例につきましては、私はまだ報告を受けていないから知りませんが、調査をする必要上の合理的に認められる範囲内においてもとよりやっておるのであって、私は部下から、今までのところにおいてそのような報告を受けておりません。
○志賀(義)委員 このこと自体は、また別に公安調査庁にこっちが出向いて話してもいいことですけれども、あなたが、文教委員会からここにかけて、共産党が指導して全学連が革命の予行演習でもやっておるようなことを言っておる。そう言わなければ、破壊活動防止法の対象にならないから言われる。実際やることはこういうことなんです。普通の営業をしている喫茶店が、どうして破壊活動に関係がありますか。そういうめちゃくちゃなことをやっている。公安調査庁のやり方を正当化するために、この委員会でも共産党や全学連がどうこうということを言われている。私の言いたいところは、そこにあるのです。そういう点で、どの係官がこういうばかなことをやっておるか。この安斉庫治に対しては、別のところにおいても麻薬のことについて調査に来たということを言っておるのです。すべて共産党に対してこういうありもしないことをいって、今度の和歌山の勤評問題でも結びつける。その政治的意図は、要するに勤務評定について今内閣が無理押しにやろうとしていることを正当化するために、こういうことをやっておると見る以外にないのです。こういう事例は幾らでもあります。だから、あなた方もそういうでたらめなことをこの委員会に報告するよりも、こういうことを現にあなた方がやらせていることを顧みて、もう少し正確な発言をしてもらわなければなりません。こんな都合の悪いことは、この委員会ではまだ報告に接しておりません、知りません、そうしてごまかしておる。この委員会というものは国政審査をやるべきところであって、政府の無理にやろうとすることを宣伝する場所じゃないのです。勤務評定にしてみたところが、たとえば先ほど猪俣君が質問しましたこの十五日の闘争の問題にしても、個々人が休暇を請求して出すのに、それがいけないということが法律のどこに書いてありますか。要するに教育を破壊するためにあなた方は一生懸命やっているというのが実情なんです。加藤君が調査をしてきたといっても、加藤君の調査はみんな政府と一緒につじつまを合せてやっておる。肝心なこういう金品を強奪されたような事件については、何も報告に出てこない。そういうなれ合いの質問応答をやってくれちゃ困ります。共産党は当然主権者である国民、その国民がおのおの組織している組織だ。こういう民主的権利を守るための闘争にはどこでも参加します。これは私ども公然と申します。これを不当に圧迫することに対して私どもは反対するのである。今ここで革命の予行演習をやるなぞということも先日から言われているけれども、革命の鎮圧の予行演習をやっているのはあなた方じゃないか、これが事実なんです。 そこで最後に一つだけ法務大臣に、今度アメリカ兵に射撃されて殺された宮村君のことについて伺いますが、もしアメリカ軍の側でこれは公務中のことであるといって引き渡さない場合には、どういう態度で臨まれるつもりですか、それを伺っておきたい。
○愛知国務大臣 先ほど来申しておりますように、事実の認定等がまだ不十分でございますから、今意見を申し上げるのは早計だと思いますが、私は大体今伝えられているようなことであるならば、公務執行中の事柄ではない、こういうふうに考える場合におきましては、先ほど来申しておりますように、国民が納得されるような、つまり具体的にいえば、裁判権は日本にあるものという主張をいたすつもりでございます。そうして今御質問のような事実がないことを、これ期待しておるわけであります。
○志賀(義)委員 そこで法務大臣にもう一つ伺っておきますが、この前のジラード事件のときに—これは法務大臣の権限外ということにもなるかもしれませんが、ジラードを事実上すぐ向うに送り返してしまった。だから第一審の裁判権がこちらにあるかどうかというところが問題じゃないのです。あなた方の新聞に発表されているところは全部それです。せいぜいいったところで第一審の裁判権が日本にあるかどうかというところで言われるのですが、アメリカ軍がおり、基地がある限りは、こういうように日本人が電車に乗っておっても殺されるというような事態が起る。ジラード事件はもちろんのことです。そこで、ただに今の裁判権が日本にあるかどうかという問題でなくて、こういう事態の根本を直すためには、もっと立ち入って考えなければならぬ、そこに問題があります。たとえば、共産党が、今から九年前に、敦賀においてアメリカの兵隊が暴行したときに、これをはっきりと発表したのは共産党だけであったのです。ところがこれが処罰されて、長い者は二年ばかり刑を受けました。それからまた、戦争中、小倉においてアメリカ兵が小倉市の婦人に対して集団暴行を加えた。最近そのときのことを小説家が書いておりますね。こういうことに対して共産党がはっきりと事実を伝え、訴える場合に、これもあなた方法務省なり警察庁なりが来てつかまえたのですよ。これが事実なんです。問題はそういうところの問題まで行かなければならないのです。こういう基地がある限り、アメリカ軍がおる限りは、こういう問題が起るのです。それについて、そういう根本を除去しなければ、こういう問題は絶えず繰り返す。裁判をやる、その結果は事実上釈放してしまうような結果になる。これでは日本の国民感情がとうてい満足できない。この前のジラード事件ですでに国民は相当刺激されておる。今度そういう結果になったら、これは立法府なり行政府は、司法府のことについては三権分立で関知しないところであるというわけにいかなくなるのです。そういうことを裁判所側に言わせないためには、もっと根本にさかのぼらなければなりません。そういう点について、今の日米合同委員会その他の問題について、こういう事態の根本をもうやめさせ、なくすようにするために、政府は何か措置を講じられておりますかどうか。その点を伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 私はまず第一に日本の国内の治安というものがもっと確立され、私どもの懸念しておるような、法律に違反して罰条に触れるような集団暴行というようなことが行われないように、まず日本をよい国にすることが先決問題だと思います。御意見は御意見として伺っておきます。
○小島委員長 大貫大八君。
○大貫委員 いろいろお尋ねしたいことがまだ残っているのですが、時間がもうないようですから、ただ一点だけお尋ねをいたします。それは前回の法務委員会で質問いたしました宇都宮における福岡県弁護士会所属の谷川弁護士の不当連行事件につきまして、法務大臣並びに前の長官石井長官がそれぞれ真相を十分調査するというお約束をしておるわけなんですが、調査をされたかどうか、あるいはまだ調査が済んでおらないかどうか、調査ができておるとすれば、それに対する何らかの処置がなされたかどうか、この点をお尋ねいたします。
○柏村説明員 宇都宮の栃木県警本部から報告を聴取はいたしております。それによりますと、ただいま手元に、きょうそういう御質問があると知らなかったものですから、資料を持って参りませんでしたが、それによりますと、不当逮捕というような事実はございません。県警の行なった行為は、私どもの見るところでは、正当に—もちろん誤認ではございましたけれども、手続を踏んで谷川弁護士に警察署に行ってもらって、そうしてそこで誤解であったということがはっきりいたしまして、直ちにお帰りを願っておるわけでございまして、警察が間違って谷川さんを被疑者と考えたということは非常に遺憾なことでございましたけれども、暴行とかあるいは強制連行というような事実はないように報告を受けております。
○大貫委員 その点は一つ前の法務委員会の速記録をお読みを願いたいのですが、それはだいぶ前の石井長官も、栃木県警の報告に基いてはこうだ、地元の大貫委員の方が詳しいであろうというようなこともこの中に出ておるのです。だから十分調査をしてもらいたいということで、それでは調査をいたしますという結論になっておると思うのですが問題は何ら違法がないというようなことでなしに、これはもう明白なんです。その宿屋において弁護士のバッジを示して、そうして日本弁護士連合会の一連の番号がついているんだ、そうして福岡の弁護士でこうだ、こういうことを説明しておる。しかも宇都宮警察署の佐藤刑事官が一目見て、これは全く違う。手配によれば身長が、片方が五尺七、八寸であるのに、本人は五尺一、二寸のむしろ小男なんです。その外形的な状況からしても一見わかるのです。わかるのですが、宿屋に踏み込んでおった警察官が、とにかく署に行こうということで—警察官がそれは言わないと言うかもしらぬが、少くとも警察官は、この谷川弁護士の両側について連行するという形式において警察に行ったことは事実のようです。しかも、これは警察じゃ任意に出頭したと言うかもしれませんが、谷川弁護士は、その場の情勢上これは行かなければどうしても決着がつかぬと判断したので、やむを得ず行った、こう言っておる。そういう点について、単に形式的に違法じゃないんだということでなしに、もう少し事実を明らかにしていただきたい。これは弁護士に関する重大な問題で、日本弁護士連合会などにもこの問題を早く決着をつけてくれという声がありますので、実はきょうもお尋ねして確かめておきたいというのはそういうところにあるのですが、もし今できないということであれば、次会に御答弁願うことにいたします。
○小島委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十五分散会