農林水産委員会 第19号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/09/10
会議録
○吉川(久)委員長代理 これより会議を開きます。 食糧に関する件について調査を進めます。 農産物価格安定問題について質疑の通告がありますので、順次これを許します。
○赤路委員 議事進行について……。 少し都合がありますので、一つこの際休憩を願いたいと思います。
○吉川(久)委員長代理 暫時休憩いたします。 午前十一時四十二分休憩 ————◇————— 午後四時二十五分開議
○松浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 食糧に関する件について調査を進めます。 農産物価格安定問題について質疑の通告がありますので、順次これを許します。松浦定義君。
○松浦(定)委員 私は特に北海道に主として関係のある豆類価格問題について政府当局にお伺いいたしたいと思うのであります。 御承知の通りに、北海道は二十七年以来、三十年が豊作といった年で、あとは全部凶作であります。従って、いろいろの面で政府当局としてもそれぞれそれに対する施策を行なっておられたようでありますが、その結果は、依然として、水稲と違いまして、特殊地帯にある畑作農業というものは、非常に不利な条件の中でいろいろ農民は努力をした、しかしながら、今日一戸平均四、五十万という負債を背負っておるというような結果になってしまったのであります。従って、本年は、水稲は当然でありますが、畑作においてもいろいろ気候条件に恵まれて、ようやく長い間の凶作の中から一応愁眉を開いたような形で、豊作を喜んでおるのが現状であるわけであります。 〔委員長退席、助川委員長代理着席〕 しかるに、水稲と違いまして、畑作、特に豆類の価格については、二十六年に価格の統制が撤廃されて以来は、政府としては何らこれに対する処置がなされていない。なかんずく大豆については、一応価格安定法というものが設定されまして、その中に入っておりますけれども、この大豆ですら、昨年初めて施行されたその結果においても、一俵も買い上げの対象にならなかったというような実情であるわけであります。従って、大豆以外の豆類については非常に不安の中に今日収穫を目の前にして畑作農家はどういう結果になろうかというのでいろいろ心配をしておるのであります。一応政府としても、それぞれ、ことしの反収から見まして、あるいは現在の市場価格から見まして、それに対する方針等があろうかと思うのでありますが、まずこれに対する政府の現在考えておられる御方針についてお伺いいたしたいと思うのであります。
○林田説明員 ただいま仰せになりましたように、豆類の本年度の生産状況は、作付もふえて参っておりまして、昨年と比べまして相当いい状況であるというふうに考えております。それで、価格の点でございますが、最近におきます価格は、豊作の予想ではありますがしっかりしておりまして、今のところ下るというような様子も見せていない状況でございます。それで、大豆につきましては農産物価格安定法によりまして例年通り取り扱って参りまして、その他の豆類につきましては毎年相当量の輸入を見ているわけでございますが、本年度はこういうような豊作の状況でもございますので、輸入の調整につきまして十分考えなければいかぬというふうに存じておるわけであります。それで、大体、輸入量の調整によりまして、需給は、供給が非常に多くなって価格の下落を招くというふうなことはないのじゃないかというふうに考えておる次第であります。
○松浦(定)委員 ただいまの御説明ですと、最近は豊作であるけれどもあまり値段が下っていないし、今後のあれについても輸入の問題で考えれば大して下らないであろうというような非常に楽観視した御説明であるわけでありますが、最近の下らない事情というものは、輸入を調整しておるから下らないのか、あるいはまた、現地においてたとえば昨年度も凶作であったので現在手持ちがないというところで、端境期という意味であまり下らないのだというふうに、そういうただ単なるお考えであるいは御発言されておるかとも思うのでありますが、私はそういう考え方で現在の市場価格というものが維持されて参っておるような傾向ではないと思うのであります。御承知の通りに、ことしは確かに三十年よりも多少上回るのではないかという予想をいたしております。従って、出回る数量におきましても、三十年は約四百六十万俵くらいのものが出回ったのでありますが、本年はそれを上回るのではなかろうかというふうに実は見ておるわけであります。従って、ことしは何らかの形でやらなければ、先ほど申し上げましたように、長い間の凶作の中から立ち上ったこの畑作農家が、受けた四十万ないし五十万の負債を返せるのはことし以外にはないということで、農業団体や農民が結束いたしまして、どういうような形でこれを切り抜けるかということは、今までの政府の施策に甘んじておったのではいけないということで、自主的に立ち上っておるという空気が非常にみなぎっておる。そういうところに今日価格がある程度はね上ってきたというのは、これは当然だと思うのであります。それで、先ほどからのお話でありますけれども、品物によりまして、御承知であろうかと思いますけれども、昨年は約六千円しておったものが三千五百円くらいに今下っておる、あるいはまた四千円くらいしておったのが二千三百円まで下ったというのが今の実態であります。しかし、今申し上げましたように、農業団体や農民が何とかして自主的に立ち上ろうとするその方針を考えていろいろ対策を練っておるのが、市場というものから見ましたときに今日のような状態になってきたということでありますから、今政府がお考えになっておるように、政府がただ輸入の問題だけとか現状の価格の上り方だけを見てそれでそうだという、そういう考え方では、ことしの四百数十万俵というものがどっと出回ったというときにはとんでもないことになるのではないか、こういうふうに実は考えるのであります。従って、そういう点については今後十分考えていただかなければならぬのでありますが、とりあえず、今申し上げましたような考え方で、四百数十万俵というものが出回ってくる場合において、やはり今のお話のように輸入というものが一番問題になることは当然であります。従って、今日、政府が輸入して現在持っておる数字、あるいはまたこれから政府が輸入しなければならないというふうにお考えになる数字はどの程度であるか、品目別におわかりであったら一つお示し願いたいと思います。
○林田説明員 まず輸入量でございますが、小豆につきましては三十二年度におきまして六万五千十七石の輸入をいたしております。これが現在幾らあるかということは、漸次消費の方に回っておりますのでつまびらかになし得ないわけであります。それから、菜豆につきましては、三十二年度に四十二万一千二百九十一石の輸入をいたしております。それで、この模様を見てみますると、菜豆につきましては国内生産が三十二年度五十七万三千六百九十石でございまして、それに四十二万千二百九十一石の輸入をいたしておる。大体国内生産に近いような輸入をいたしておるような状況であります。それで、三十三年度は、今の見通しとしましては、菜豆につきまして八十万石くらいの生産になるんじゃないだろうかというふうに考えておる次第であります。それで、そういうふうなことから見ますると、例年の消費量が百万石程度菜豆についていたしておりまして、大体輸入を調整するということでいきましたならば、需給事情は見合っていくのではないか、そういうふうなこともありまして、今のところ輸入をしようというふうなことは考えていない次第でありまするが、なお価格の推移を見なければいかぬというふうに存ずる次第であります。こういうふうな需給事情にありまするところから価格も比較的安定をしておる。それからまた、仰せのように、北海道の農業協同組合連会合の方におきまして、この価格の自主的な安定をはかっている。特に協同組合として自分たちの力でやっていこうというふうなお気持がありまして、そういう価格安定をやっておられることにつきましては大いに敬意を表しておる次第でありまして、大体、こういうふうな事情から、そんなに下るということなくしていくのではないかというふうに存じておる次第であります。
○松浦(定)委員 ただいまの説明ですと、昨年はやはり生産にやや近いものが輸入されておる。しかし、本年度の生産見込みからいたしますと、先ほど申し上げましたように、八十万石というそちらの見方はあるいはこれは当っているかどうか、これは結果を見なければわからぬと思うのでありますが、大体百万石の必要量に対するわずか二〇%の差でありますが、こうしたものはある程度埋まるのではないかというふうにも実は今の場合考えておるわけであります。従って、本年度の輸入については今考えていないというお考えでありますから、輸入さえしなければ現在の価格は維持できるであろうというお見通し、これは確かに私どもも一理あるというふうには考えておりますが、しかし、そのことは、やはりいろいろの事情がありまして、必ず輸入はしないということをはっきり示していただかなければ、今のお説の通りで対策がそれでよろしいというふうに引き下るわけには実は参らぬのでありますが、そういう点は、一応事務的段階から見られましても、輸入は今後考えていない、従ってことしの生産量をもって消費に見合うであろうという考え方で現在の価格が維持できる、こういうふうな見通しでありますから、一応これはごもっともなようでありますが、今までの政府のやり方から考えてみますと、そのままに考えておったのではこれは大へんなことになるというのが通例であるわけであります。特に、今申し上げましたように、ことしは何とかして負債を整理いたしたいというふうな農家の燃え上る意欲からいたして、自主的にいろいろな形で統制をしてでもこれに対処したい、この盛り上りを政府が一つ全面的に受け入れて、今お話しになったように輸入は制限する、しかし市場の調整もやって、農家に対してことしはなるほど豊作であったということで喜びを分けてやろうというような方針でなければならないと思うのでありますから、特に私は、この際輸入についてはあくまでしないということを一つはっきりしていただくということがまず第一点と、さらに、これが自主調整をやります場合においては、今日まで農業団体がやって参りましたことは、いろいろな形で必ずしも農民がこれを支持しておったというふうには考えていないということは、手を返しますと、やはりその中間にありまして業者がいろいろな形をもって農家の品物に対して手を出しておるという点があるわけであります。しかし、そのことが協同組合がやっておりまする自主調整というものを非常に阻害しておるのでありまして、そういう例がまだ今日なお依然として農家の中に払拭できないということで、政府はこの際過去の問題を一擲して、今おっしゃっておりましたように何とか現在の価格を維持してやろうということであるならば、農家はあげて協同組合に対して協力もいたしましょうし、また協同組合としてもその方針を勇敢に打ち出すことができるであろうというのでありますから、政府はこの際一つそういう点で現在考えておる方針を全面的に支持されるお考えがあるかどうかということを明確にしていただきたいと思うのであります。
○林田説明員 輸入の問題でございますが、今の生産事情から見合いまして、今のところ輸入しようということは考えていないわけでございますが、何分にもまだ生産がはっきりしていない現在でございまして、大体そういうことでいくのじゃないかと思っているわけでありますが、価格が非常に暴騰するということで消費者にまた迷惑を与えるというふうな場合には考え直さなければいかぬ点も御了承願えるのではないかと存ずる次第であります。 それから、北連の価格安定策につきましては、これは、協同組合本来の全面委託とか、あるいは共同計算とか、そういう協同組合の思想に基きましてこの仕事をやってもらっているわけでありまして、政府といたしましても、この協同組合の自主的にやってもらっている対策につきましては全面的に協力をしなければいかぬというふうに考えている次第であります。
○松浦(定)委員 ただいまのお話ですと、なるほど相当の生産量があるということはわかるが、はっきりそれがつかめない、たといつかんだといたしましても、もし農家が勝手に、消費者のことを無視して、その消費にそむくような方針をした場合には価格が暴騰するであろう、そういう場合には輸入をする、こういうふうな一応しゃくし定木的な御説明でありますけれども、少くとも農業団体が、今回いろいろの方針を立てて総生産量を把握し、そうして農家の生活状態を勘案して、今年は負債の整理を少しでもさせようという見地に立って政府にてこ入れをしていただきたいと言う反面においては、そういうような、こちらから進んで価格を暴騰さして消費者の批判を買って、そのことが輸入の原因になるというようなことはいささかも考えていない。そういう点についてはいろいろ機構的な機関を設けまして政府の意見も取り入れるにはやぶさかでないし、あるいはまた業者の間におきましてもそういう点については十分理解を得てこれをやろうということで決意をいたしておるのでありますから、そういう心配なしに、今後段言われましたように、一つ全面的に支持して、大いに指導をして、こういうふうにやれば現在の価格なりあるいは適正価格が維持できるんだということに指導していただかなければならないと私は思いますから、そういう点をそういう考え方に立って一つ進めていただきたい。 そこで、それをやります場合には、先ほどもちょっと申し上げたように、過去の行き方からいたしまして、農家におきましても多少投機的な気持を持っておる。これはやはり何とかして負債をこの際解決したいという心がらから、そういういろいろな面について出ておるのでありますが、そうした点については、今回はほんとうに終始一貫既定方針通りやろうという決意を持っておるのでありますから、その場合の生産者団体としての北連あるいはまた全販を通じて話し合いをする場合においては、資金あるいはまたそれに対する経費、維持費等が相当問題になるであろうと思うのであります。御承知のように、大豆の場合には、政府が買い上げる場合には倉敷あるいは金利というものは政府の負担であるというような内容になっておるのでありますが、私どもの今考えておることは、できればこの際大豆と同じようにその他豆類についても価格安定法に入れてもらう、そうしてできるだけ自主調整をして、最悪の場合には政府にそういう処置をしてもらうということが好ましいのでありますが、もしそれができないとすれば、全力をあげてこの団体が調整をしましてなおそのことによって必要なそういう経費について、政府がやはりその間めんどうを見るというくらいの決意をしていただかなければ、この価格維持に対して農民がほんとうに農業団体なり政府の方針を信頼してそれに対して統一的行動をとるということはなかなか至難でなかろうかと思うのであります。そういう場合の価格安定のための金融並びにそうした経費等について政府が何らかの形において助成するというような御方針があるかどうか、この点について一つお伺いいたしたいと思います。
○林田説明員 松浦先生の非常に御熱意のあるお言葉でございますが、もちろん、私たちといたしましては、協同組合のいたします対策について全面的に応援いたしまして、北海道の農家がよくなるようにいたしたいというふうに存じておる次第でございます。ただ、利子の補給とかあるいは倉敷の問題でございますが、これにつきましては予算を必要とするというふうなこともございますし、また、どういうふうに安定をやっていかれるか、そういう点についてもまだつまびらかにいたしていないような状況でございまして、できるだけの協力はいたしますが、予算の点もありますので、この利子補給あるいは倉敷の補給というようなことはなかなか困難ではないかと存じますが、その他の点につきましては全面的に応援して参りたいと存じております。
○松浦(定)委員 確かにこれは生産者といたしましても、全部政府の責任だといったような、そういう甘い考えで今回の計画を立てたわけではないのでありまして、先ほど御心配になったような、あまり暴騰をして輸入を政府がしなければならぬといったような批判を受けることのないような適正な価格を設定いたしまして、漸次計画的に販売をしよう、従って、その計画通りに、最低価格をもし割った場合——この割った場合というのは、あるいは政府が輸入をするとかいろいろの面で割る場合もあろうかと思うのでありますが、そういう場合においてのみ一つ政府に考えてもらうというようなことを今の段階としては一応考えておるのでありますけれども、しかし、先ほどから申し上げておりますように、現在の農家の苦しい中からこれを統一行動させるというためには、今からそういう方針について明確に打ち出してやらなければ協力しないであろう、こういう点でいろいろ苦慮をいたしておるのでありますから、そういう点、関係者と一つよく御相談を願い、あるいは現地の事情等も今後直接協議をされまして、ただいま後段申されましたように全力をあげてこの方針に協力をするという方針だけはぜひここで御確認を願っておきたいと思うのであります。 なお、先ほど申し上げた中に、農家が今日までなぜこうした点で協同組合に協力ができなかったかとか、あるいは統一行動ができなかったかという面に、これは私は政府の責任もないとはしないのでありますが、たとえば取引所の問題等が問題になるわけであります。凶作の場合でありますと生産者は全然とれないのであるが、しかし、一部でとれたものを一つのえさにして、東京市場等では大納言あたりが一万五千円くらいになった、こういうことがあったのであります。大納言一万円というのは、これはもう東京の市場の相場であって、生産者においては全然一つもとれないというものも相当にある中に、多少とれたものを合せたものが東京にきて、それが一万円とか一万五千円になるということがいわれておる。そういうことが農家の中に非常に大きな問題を起しているわけでありますし、あるいはまた、そうした販売機関等がいろいろ農家を説得する場合に一緒になっておるわけであります。この穀物取引所の過当投機の抑制というような問題については、今日政府はあまり努力されていないのではないか。しかし、そのことをよくしないことによって、取引所自体、あるいはまたその他そういう関係の中間業者が続々倒れておるというような現状も実はあるわけであります。ときたま、われわれ生産者団体を通じないでそういう統一行動を無視してやったものが、それに対して大きな被害を受けておる。末端では非常な逆の現象をしておるわけであります。今日までずいぶん苦労を続けましたのが二十七年以来の凶作の場合におけるそういう大きな問題であるわけでありますから、この際、ことしあたりは、そういう点についても一つ最善の努力を払って、そうした面についても対策を立てると同時に、そういう点については大きく一つ農林省としてはこの正当な使命の上から行動がとれるように監視あるいはまた指導をしていただきたい、こういうふうに実はお願いをいたしておくわけであります。きょうはこうした問題の実例をあげて御質問したいのでありますが、時間の関係もありますから、一応そういう点で、この点だけはお願いをいたしておく次第であります。 なお、この機会に、豆類の問題については、先ほど申し上げましたような過程を通じて今後急速に一つ生産者団体と農林省あるいは大蔵省との間に今申し上げましたような問題の解決ができるように一つ最善の努力をいたしていただくことを要望いたしておきます。 なお、豆類と同じような形で、北海道において問題になっておりまするテンサイ糖の原料でありまするビートの問題でちょっとお伺いいたしたいと思うのでありますが、私は先般の委員会で農林大臣あるいはまた山口長官等にいろいろそういう問題について所見をただしたいと思ったのでありますが、あいにく大臣も出られませんしいたしますので、このことは次の機会に譲ることにいたしておいたのであります。そうした工場の問題とかいろいろの問題はこの次にするといたしまして、当面生産者の間で問題になっておりますのは、御承知の通りに、現在北海道では工場が七工場設置されるようになっておるわけであります。ところが、本年はこのうち五工場がいよいよ操業をやることに実はなったのでありますが、ビート耕作奨励というものを農林省としても一段と努力された結果、昨年はまだ約二万八千町歩くらいでありましたのが、本年は三万五千五百町歩というような非常に飛躍的な増反を示したわけであります。従って、現在の五工場が操業するといたしましても、一工場が七千町歩からの生産を消化せねばならぬ。従来の三工場でありました時代には、もう五千町歩くらいしかこれを消化できなかったような能率であったわけでありますが、多少機械等の設備も完備いたしました関係から、多少はこれは大きくなるといたしましても、この五工場でもって二万五千五百町歩というものを消化するということは容易ではないということで、昨年も同様な現象がありましたけれども、本年は特に操業の期間を早める、そういうことで十月五日から来年度の三月の十五日までやるというのが現地の日甜の操業の期間であります。なお、昨年から始めました芝浦は、いろいろの関係で少しおくれまして、十一月一日から三月十何日ということに実はなっておるようであります。従って、今早期にやりますのと、あるいは来年三月以降になってやりますものとでは、凍結の関係で、歩どまりの点から非常に無理であるということで、工場としては早目にやりたいということであるのであります。ところが、農家にいたしますと、生育の最後の期間を一カ月も早くこれを収穫するということでありますので、今日までのいろいろな過程からいたしまして、約二割の減収だというような結果が出ておるわけであります。従って、そういう減収に対する補償を政府はしてもらいたいというので、昨年も同様問題が出ましたが、昨年はまだ初めての関係でありましたのであまり十分な結果が出ていなかったのですが、今年は少くともこういう問題を当然解決してもらわなければ農家としては非常に困るというので、今日大きな問題になっておるのであります。これは省の方へもそれぞれ依頼に上っておるかと思いますけれども、こうした点について、現在の政府の考え方としてはどういうふうに処置をされようとするか、お伺いいたしたいと思います。
○大和田説明員 ただいまの御質問のテンサイの早出し奨励金の問題であります。これは昨年初めての試みといたしまして、御承知のように早出し分について百円なり二百円の奨励金をテンサイ糖の価格の算定のときに織り込んだわけでございます。ことしの三十三年の糖価についての算定の方式は、まだ実は検討を開始いたしておらない次第であります。早出し励奨金をどういう形で扱うかということはまだ結論に達しておりません。ただ、最近も北海道の方が来られまして、糖価の算定のときよりもむしろテンサイの引き渡しのときに問題になるので、テンサイの引き渡しの時期までに一つきめてほしいという御要望がありまして、まだ結論は出しておりませんけれども、できるだけテンサイの引き渡しのときまでに間に合うように処理をいたしたいというふうに考えております。
○松浦(定)委員 昨年同様本年も継続いたしたいという御意思はよくわかるわけでありますが、ただ、農家の考えるところでは、額をどの程度にしてもらえるかということが問題でなかろうかと思うわけであります。従って、御承知のように、昨年までの工場の決定等については政治的にずいぶんやられまして、耕作の問題はあとからだということで、相当無理をして作っておるところも実はあるわけであります。しかしながら、最近非常に作況がよろしいので、ある程度ほっとはいたしております。しかし、工場側としましても、やはり少しでも反収を上げるために、最近は非常に優良な品種が実は入って参ったのであります。従って、今日ぐんぐんと生育しておる時期にとらなければならぬ、こういうことでありますから、農家としては当然減収に対する補償ということの意味でこれを要求いたしておるわけであります。農林省としても問題があるというのでいろいろやっておられるのでありますけれども、たとえば米をきめる場合にも早出し奨励金というものは完全につくのであります。しかし、米の場合は、早出しをするためにちゃんと早い品種を作って、そして当然出せるような仕組みになっておる。ところが、ビートの場合は、もう一定品種であって、しかも農家が勝手にその品種を作るのでなく、農林省の指定に基いて会社がそういう品種を作り配給をいたしておるわけでありまして、一々農家がこの品種あの品種と選んで、そして多収穫だあるいは早晩だということをきめるわけではないのであります。もう言われる通り作っておる。ところが、最近は増収ということを目的にして相当晩生種になっておる。ところが、今のような形で工場の率に反比例して増反ということになって参りますと、やはり早くやらなければならぬということになって参ります。従って、今のような結果になります。これは品種をそちらの方から指定して作らして、工場の操業は先にやる、だから出せということでありますから、これは当然全部政府なり関係会社との話し合いの中で買い入れ糖価の中に今から入れて、生産者にはこれこれのものは本年は減収するであろうという算定に基いて補償するというふうにして出させなければ、農家は、もう一回引いてしまったら、これはどこに置いておこうと、ほかのものと違いますから、増収のあれにはならないわけであります。そういう点で、今のお話でありますと、できるだけその意に沿いたいという御説明ではありますけれども、どうも、私どもの見るところでは、十月一日の搬出日、それより約一週くらい前に抜き取りにかからなければならぬ、今月の末には果して決定されるかどうかということを目下農家は非常に心配いたしておるわけでありますから、そういう点について、少くとも今月の十五日ないし二十日までには一つ最終決定をしてもらわなければならぬ、こういうふうに考えますが、こういう点についての御方針はどのようでありますか、お伺いいたしたいと思います。
○大和田説明員 ただいま申し上げましたように、実は、昨年は早出しの奨励金を幾ら出すかということを事前に決定いたしておりません。昨年は実は本価格の決定がおくれて二月に持ち越されまして、十二月の末にたしか斤四十五円という暫定価格を出したと記憶しておりますが、昨年も早出し奨励金については事前には何も実は申し上げていなかったのであります。今年もいろいろ糖価の算定等の方式につきましては昨年からの持ち越しの問題がございまして、私たちも現在はその取扱いについて苦心検討いたしておりますので、何月何日までにそれをきめるというふうには厳格にお約束できかねる状態であります。ただ、いろいろな問題とあわせて事前にきめる方がいい筋合いのものは、事前にできるだけきめるように努力を現在いたしておる次第であります。ただ、早出し奨励金の額をどうするかということにつきましては、早く掘ってどの程度の収量が減るのか、あるいは反当率がどういう変化をするかということも検討いたさなければならないので、まだ額についてどうこうというふうに申し上げる段階ではございません。
○松浦(定)委員 それはどうも私は先ほど私が申し上げましたような方針について協力してもらえるというふうには実は考えないわけであります。もしそうだとすれば、それはもうどれだけ反当率に影響があるかどうかわらないとしても、生産者の方ではやはり従来行なっておる方針を何ら変えようとはいたしませんが、十日なり十五日なり遡及するという点については、そういう明確な線が出ない限り出せないのだということで、もし出さなかった場合においては、これは三月以降にそれが回りますと、凍結して、それこそパーセントがたとい一五ありましてもこれは一〇か一二くらいの歩どまりにしかならないというのでありますから、そういう結果が出た場合にはむしろ価格はよけい高くして買ってやらなければならない。パーセントいかんにかかわらず、その処置を誤まったことについて高く買ってやらなければならないと思いますが、そういうことがわかっておりながら、なお今のような考え方で、そういう方針を進められないのだというような今のような考え方でおやりになるなら、来年度は七工場になるし、その次には、この間も山口長官は農林省は十工場といっておるけれども私は十四工場が必要だと考えると言っており、そういう方針でいったら、今度はそれこそ大へんなことになってしまって、会社と会社がせり合ってビートを買い集めることに一生懸命になって、それを許可した農林省の責任だということになってきたら、それこそ消費者に高い砂糖を食わせなければならないということになるのであります。私が今申し上げましたことは、大体予算にして農民の要求は七百万円くらいであります。二十数億もかけてどんどん競争してやらしておる。ほんとうに早くやりたいということで農林省の指定に基いて操業しようという会社のそのことが、わずか七百万円くらいのもので、なお依然として、来年度から操業される会社に影響のあるような、あるいはまた生産者の耕作意欲あるいは糖価に影響ある問題について明確に今やらないということでは非常に困ると思います。従って、もしそういうような考え方であった場合において、最悪の場合に、農家は十日、十五日で出せないわけではないのでありますが、忙しいのでありますから、出さなかったときの責任はだれにあるか、農林省にこれがあるというなら、あるいは農家はそこまで強く押さないと思うのでありますが、そういう点について一つお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○大和田説明員 繰り返してお答えすることになりますけれども、昨年は早出し奨励金については事前に農林省としては何事も申し上げておりません。ただ、今年の問題といたしまして、できるだけ事前にきめる方が農家にとって好ましい状態であろうと思いまして、事前にきめるように現在努力いたしておるわけであります。おっしゃるように、早出しをして早く工場を動かす方が全体の工場の能率にプラスになるだろうということで、去年も早出し奨励金を百円ないし二百円織り込んだわけでございますから、御趣旨はよくわかっております。ただ、額についてどうするかということは、実はテンサイの買入価格三千百五十円というものを今年四月にきめたわけでございますけれども、そのきめた場合にも、いろいろなことを勘案いたしまして、多少無理してというと語弊がございますけれども、三千百五十円の現状を維持して参ったという経緯もございまして、早出し奨励金を御要望通りにふやすということはなかなか困難な事情がございますということを申し上げたいわけであります。
○松浦(定)委員 ただいまの話を聞きますと、ビートの価格をきめるときにそれはある程度考慮してある、こういうふうに実はこっちに聞えるわけであります。ところが、この早出し奨励というものは、これはそう簡単に全部のものがたとえば千斤出せというわけにはいかないのであります。特定の地域で、やはりいろいろな考慮、その地帯のほかの農家の作業等を見たり、あるいはその地域的なところで同じ品種であってもある程度これは早掘りしてもいいのではなかろうかというところを、これはもう会社としては指定をしてやるのでありまして、そうしますと、原料価格は全部見てあるが出す場合には特定のところだということになりますと、それは今私が申し上げましたようにもう出さないというような結果に実はなってしまうので、そういうような考え方で最初の三千百五十円をきめるということは私はすでに間違いだと思うのです。そういう点では、そういうことが出た場合にはどういうふうに今後処理されるか。
○大和田説明員 私の説明が足りなかったとも思いますけれども、三千百五十円の中に早出し奨励金が含まれているという意味では毛頭ございません。また、テンサイ農家の個々すべてのものが早出しをするというふうにも毛頭考えておりません。従って、何ほどかの早出し奨励金をつけることができるように現在検討いたしておるわけであります。
○松浦(定)委員 まあ、現在検討されておるのでありますから、もうこれ以上ここでどうこうというわけには参らないと思いますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、特定の人に特にそれを出させなければならぬという性格のものでありますから、これが今月の十五日ないし二十日までには末端の農家に浸透して、それが安心して出せるんだということでありませんと、出してしまったわ、もう昨年より一銭もよけい出せないとか、あるいはそれより下回るのだということになりますと、これは来年度に大きな影響が私はあると思いますので、耕作農民あるいはまたその他関係者の要請に反しないように一つ努力していただくことをここに条件として、ただいまの課長の答弁で一応本日のところは質問を打ち切りたいと思います。
○助川委員長代理 芳賀委員。
○芳賀委員 食糧庁長官が出席しておりませんので、事務的な問題についてお尋ねいたします。昨日同僚委員からも質問があったと思いますが、本年度の農産物価格安定法に基くカンショ、バレイショの原料基準価格並びに澱粉の買入価格等の発表の時期は、昨年度から九月末に決定して発表することになっております。本年は作業の状態はどうなっているのですか。
○大和田説明員 昨日も御質問にお答えをいたしましたが、昨年と同様九月末までに澱粉及びイモの基準価格をきめるようにいたしたいと考えております。ただ、御承知のように、カンショの作況の報告が九月の二十日を過ぎませんとできません。おそらく二十一日になりますか二十二日になりますか、それがわかりませんと価格の算定に入れませんので、作況の発表がありましてから時日の余裕はあまりありませんけれども、とにかく昨年と同じように九月末までにはきめるように努力いたしたいと考えます。
○芳賀委員 そこで、当該年度の作況が需給関係に相当大きなウエートを持つと思うのです。ことしのバレイショ、カンショの達観した作況というのは、平年度に比べ、あるいは前年度に比べた場合、どういうようなことですか。
○大和田説明員 カンショの方は実はまだ作況の発表がございませんのでよくわかりませんが、特に北海道のバレイショは、たしか作況は一一九で非常によいわけですけれども、作付面積が多少減りました関係で、昨年に比べましてごくわずかの減産になっておるというふうに承知いたしております。 〔助川委員長代理退席、吉川(久)委員長代理着席〕
○芳賀委員 北海道の一一九%というのは、いつごろ現在でしょうか。もう一点、それでは昨年の作況と比較した場合はどうなっておるか。
○大和田説明員 本年の九月一日に統計調査部から発表いたしました昭和三十三年春植えバレイショ推定実収高、——北海道は予想収穫高でございますが、それによりますと、北海道は作付面積は八万七千八百二十三町歩、収穫面積で八万七千七百三十七町歩、反当収量は四百三十九貫、推定実収高で三億八千五百五十五万四千貫でございます。推定作況の指数が一一九で、推定の実収高は昨年に比べまして約二千三百万貫程度の減少になっております。
○芳賀委員 そこで、昨年の決定のとき——大和田課長はその末期に担当されたので、大和田さんをあまり追及するわけにいかぬけれども、昨年の決定については、いろいろな経緯もありましたけれども、当委員会としては、これは妥当な決定でないということであとで指摘してあるわけです。ことしはそういう誤まりのないようにぜひ良心的にやってもらいたいというふうに考えておるわけですが、算定方式等については、毎年度実はやり方が変ってきておるわけです。ことしは方針としてはどういうようなことで価格形成をやっていくお考えであるか、参考までに御説明願います。
○大和田説明員 ことしの算定方式の考え方については、まだ実は作業に着手しておりませんので、御説明申し上げる段階ではございません。昨年の算定方式について御意見があるということを伺いましたが、実は、昨年の算定方式につきましても、五、六百万貫のバレイショ澱粉、政府の手持澱粉はたなあげをする計画でやっておったというふうに記憶しておりますので、むしろ、普通でありますれば、政府の持っている澱粉は原料なりあるいは市況によって放出するということを前提にして需給関係を見るのが筋合いかと思います。それも非常に無理してやっておりませんので、その点は御了承置き願いたいと思います。
○芳賀委員 その点は去年の場合は政府手持澱粉も全部需給関係の中に入れたのです。それで、小委員会は、それは不当だ、農産物価格安定法の本旨に照らしても、そういうことをやるようじゃむしろ政府手持ちは価格決定に逆作用するようなことになるので、これはうまくないじゃないかということで、その点はあとで政府側で改めてやったわけなんですが、今年はそういうようなことをおやりにならぬということならいいわけですが、ただ計画的に、たとえば澱粉の買入価格を今年は昨年に比べて現状維持するとか、どれだけ下げるというような、そういう目標を先にきめて、それから作業をやるようなことになると、これは全く筋の通らないことになる。昨年は、たとえばバレイショ澱粉に例をとっても、政府の最初の試算は、原料費は、イモは一貫目十九円ということで考えていった。それが結果的には三十円五十銭になった。ところが、当初歩どまりについては従前通り一四・五%にするということを言っておりながら、この原料価格が最初の考えよりも若干上回った価格で修正するようなことになって、そのかわり今度は最後のどたんばで歩どまりを 〇・五%引き上げたというようなことで、結果的には、原料イモの価格は最初の政府の思惑よりも少し高値に維持されたが、澱粉の価格そのものは、やはり昭和三十一年度に比べると十二貫一袋で百五十円も下ったことになって、非常に現地の農民に不信を買ったようなことになっておるわけです。ですから、そういう点についても今年は当初から十分慎重に事を運んで、最終段取りになって極端な作為的な価格決定が行われないようにしてもらわなければいかぬと思うが、そういう点に対する心がまえはどうですか。
○大和田説明員 申し上げましたように、まだ算定の実務に入っておらないわけですけれども、特別に無理してイモの基準価格なりあるいは澱粉の価格をことさらに引き下げようという予断を持って算定はいたさないつもりでおります。
○芳賀委員 そこで、参考にお伺いするのですが、カン澱、バ澱の現在の政府の手持数量、それから、その現在の数に比べて昨年の同期にどのくらいだったか、その数字を御説明願いたい。
○大和田説明員 お答え申し上げます。三十二年度末、ことしの三月三十一日現在でございますが、当時の在庫は約六百六十万貫であります。ごく最近の数字でそれが七百六万貫にふえております。これは、三十三年度に入りましてから百万貫買いましたことと、それから、三十二年度になりまして二十七年度産の古いものを多少売却することができた関係でございます。それから、カン澱の方は、ことしの三月三十一日で、年度末在庫三千三百二十五万貫でございます。
○芳賀委員 ごく最近はどうですか。
○大和田説明員 ごく最近は、多少減りまして、三千二百八十五万貫でございます。
○芳賀委員 そうすると、今月の二十日ごろ委員会が開かれることになると思うのですが、そのころには大体算定に対する方針並びにそれに必要な具体的な資料は整うわけですね。
○大和田説明員 私たちは、先ほど申しましたように、統計調査部の資料が出ましてから本格的な作業に入りますので、九月末に近くなりませんと十分資料はそろわないだろうと思います。
○芳賀委員 そうすると、九月末から実際の作業に入るわけですね。九月の何日ごろになりますか。
○大和田説明員 九月二十一日か二十二日ごろに統計調査部の数字がまとまりますので、二十四、五日ごろには作業に入れるだろうと考えております。
○芳賀委員 次に、毎年澱粉の工場歩どまりと、いうのが相当問題になるのですが、今年の歩どまり状態はどういう方法で調査しておりますか。
○大和田説明員 バ澱につきましては北海道、カン澱につきましては主要県の工場に、生産あるいは販売についての調査を委託いたしました。すでに三十二年産のバ澱及びカン澱につきましてのもと資料は集まっておりますので、現在集計中でございます。中、下旬といいましても、きょうは十日ですが、二十日くらいにはその資料が大体まとまるだろうと思います。
○芳賀委員 それでは、きょうはこの程度にしておきます。 —————————————
○吉川(久)委員長代理 次に、酪農に関する件について発言の申し出がありますので、これを許します。中澤茂一君。
○中澤委員 畜産局長に伺います。あなたは明敏であるし手腕力量ともにすぐれておりますので、就任後間もないが情勢もおわかりだと思いますが、ここに一つけりのつかない問題がある。それは、明治乳業会社から各酪農組合長に出しておる八月二十日の通知であります。全文は省略しますが、こういうことが書いてある。「当面する乳価対策はいまだ結論に至らないので、七月分乳代は値下げ通告をいたしました乳価によって支払い、対策確立を待つ」、こういうものを酪農組合にみな出しておる。五大乳業と農林省との覚書四には、「日本学校給食会との売買契約は九月十日を目途として手続を完了するようにする。」とあるが、六に、「請書三の生乳生産者に対する七、八月分の生乳一升当りの支払額は六月の水準を維持するものとする。但し、六月乳価との差額を支払う場合には、乳製品の売買契約成立後であっても生産者と協議の上決定した期日に支払うものとするが、」とある。そうすると、四項に基いてどの程度五大乳業会社と学校給食会と売買契約が完了しているか、いつ完了する見通しか、こういうことをまずお聞きしたい。
○安田説明員 中澤委員御指摘の、農林省と乳製品製造業者との間の覚書の内容に関しまして、酪農者に七、八月分の生乳の代金が支払われます場合六月の水準を維持するものとしてあるのを、実行されることが政府の日本学校給食会に対する給食用の取引、特に契約にかかっておるのではないかということについてでございますが、とりきめました役所と乳業会社との間の覚書の内容の可否等については、今では中澤委員が考えておられるような感じも持っております。きめられたものが一にこの売買契約成立にかかっておるということについてはその通りでございます。従って、この契約の仕方、されることがどのように進んでおるかという御質問でありますが、別途私が引き継ぎました本件に関します農林省と文部省との間の実施の仕方の協定につきましては、覚書の趣旨を極力、すなわち期日においても九月十日を目途として手続を完了するようにする努力をしたようでございますが、手続上のいろいろなことがございまして、乳業者との契約締結の時期は、九月中旬を目途として、その時期におくれないようにする申し合せになっております。言いかえますと、まだ契約は一つも済んでおりません。九月中旬を目途として作業は相当進めております。
○中澤委員 あなたも引き継いだばかりなので、あなたの責任を追及するわけじゃないけれども、そういうことで、この通知一本よこしただけで、概算のままで、通知の値下げのあれだけ払っているのですよ。それ以後のものは政府の買上対策に合っていない。事実九億四千万ですか、買上資金というものは話し合いがついている。そうすると、九億四千万という金があって進まないというのは、一体どういう理由なんですか。
○安田説明員 内容を申し上げますと、経過に若干触れますが、予備費を支出しまして滞貨的な在庫を学校給食用に向けますには、各方面と打ち合せを要する。ことに、飲用牛乳を学校給食に回すことは、九月半ばから予備費により実行するようになっておるのであります。それは日本学校給食会とも打ち合せを要しませんで各県ごとに農林省が協力を求めて取りまとめることの方式でございます。時期も製品の買い上げあるいはそれに必要な契約、受け渡しよりも急ぎますので、それをおおむね完了したところでございます。 そこで、その次は乳製品になるわけでありますが、買い上げによりまする乳製品は、十二月の一日から五日までにバターは受け渡しをしまして、学校でいえば三学期といいますか、来年の一—三月に使用するように国産品は取りきめてあります。国産の脱粉その他のものは二学期から使用する計画になっております。その両者の計画はともに九月中旬を目途としてやるようになって取りきめてあるので、急ぐ順序からやっておったわけであります。しかし、別にもっと早く努力すべきでございますので、九月中旬を目途に実行させることに最大限度の努力を払い、実行もできると思います。と申しますのは、もう、業者別、地域別の受け渡し条件、種類別の受け渡し等、その使用をすることを文部省指導のもとに学校給食会が案を出してくれれば、業界の受け入れ態勢はすぐできるように指導してございますので、それに応じまして、農林省も間に入りまして、少くとも農林省、文部省の覚書協定のことは励行ができると思うのです。その前の給食に関しましては、本年度一万トンの外国の脱脂粉乳の輸入がすでにされまして、学校給食会が手持ちをいたしておりまして使用していくことになっておるので、取りきめましたことの可否とか、その国産使用の時期とか、それを通じまして酪農家の融資、代金支払いの受け取りということ等についての点はお話の通りでございますが、以上のように、きまっておったものの励行を急いでおるわけであります。
○中澤委員 だから、結局この覚書が基礎になって、こういう酪農組合にみな通告を出して、価格の概算払いだけをやって、精算は全部政府の対策確立からという通告一本でやっている。そうすると、酪農民としては至急精算してもらいたいのです。こういう要望が熾烈なのです。まだ不安がって、七、八月もそういうふうにきまったってこのままで泣き寝入りじゃないかというような不安な気持がある。これは、あなたの言うように、十二月から使用するとか二月から使用する、そんなことはどうでもかまわないと思うのです。問題は政府がそれを至急買い上げることによって精算払いができるのですから、一体十五日までに確実にできるものか。業界の割当に対して、いろいろ業界の方の異議があって話がまとまらないというようなことも仄聞しているのです。もしそうなら、そこで正直に言ってもらえば、今度は業界をここへ呼んで、社長なり専務を呼んで、どういう理由だということで突き上げていかなければ、いつまでもこんなものはけりがつかないのです。だから、正直にあなたの方で、割り当てて事実もめているのならもめている、納得しない会社があるならどこの会社が納得しないと言ってもらえば、今度委員会に会社の社長を呼んで、どういうところに異議があるか明らかにしたいので、一日も早く精算払いをしてやらないとだめなんです。だから、そういうことをざっくばらんに話して下さい。
○安田説明員 生産者に七、八月分の生乳価格の支払われるべき残額を早く払うのが当然でもあるし、その努力をしなければならぬということはお話の通りで、そういうふうに努力をいたします。いたしますが、不正直に申し上げておるわけではございませんで、正直に申し上げますと、この覚書の前後の経緯と、乳業会、酪農会を通じての実態の把握に実は私は目下非常に困っておるのであります。実態把握が非常にわからない点があるからであります。そこで、局長拝命以来、政府の政策上の意見もあり、国会のこの委員会の決議もありますから、従来覚書がかわしてあった、約束してあったことは必ず励行すること、励行条項をすみやかに知らせなさい、励行ができなければその理由を私どもの方へ即刻申し出てもらいたい、それが第一点、第二点は、九月以降の乳価その他需給等の措置は、乳業会がとろうとする措置でありましても、この前の農林省と乳業会との打ち合せを中心にした話し合いの始まる以前の状態に——法律やその他の制度がありましても、話し合いが始まったのだから、九月以降も事前にあらかじめよく両者で話し合いをしたい、すべきである、そういうふうにしてもらいたい、そういうのが第二点、第三点は、さらに恒久的対策でも意見の交換をいたしましょう、その三点について約束をしなさいということで、これには多少不満の意を表したり、そういうような趣旨の会議をする必要がないようなことを言っておられましたけれども、とにかく納得をせしめて依命通達を出したのであります。しかし、十分にそれの連絡をよくするような環境にあるとは私は今認識をいたしておりません。従いまして、業界内部の事情が必ずしも十分でないので、両者間にいろいろの意見の差があってまとまらないから、その他の事情についてはおおよそのことはわかりますが、十分わからないままで目下研究努力をいたしておる次第であります。
○中澤委員 これはあなたに言ってもしょうがないけれども、まあ臨時国会で検査権の発動、酪農振興法がだめというなら、統計法第二条の指定統計、これはそこまで強い考え方を持たないと、あの連中というものはもう勝手なことをやっているのだからだめなんです。だから、どうしても検査権の発動をやって滞貨検査しないと、恒久対策が立たないのだけれども、これは大臣に何回言っても、やりますやります、省議を開いてやりますとか審議会を開いてやりますとか言っていてだめなんです。だから、実際今度畜産局長としてあなたが——酪振法の改正は政府でも臨時国会でやろうと言っているから、その点はやはり強制検査権を持たなければだめなんです。いかにあなたが頭がよくても、実態把握なんかできないですよ。だから、各社ごとの買い上げの話し合いをあなたは事務的に幾日ごろまでにつけますか。それがつかぬ限りは、あの連中はこれは払わぬですよ。
○安田説明員 九月中旬までに農林省が文部省及び学校給食会に働きかけて行わしめることと、乳業会にいろいろな措置をとりまして行わしめることと、文部省、学校給食会と乳業会が契約をし、受け渡しその他の条件を明確にして作ること、そのことは時期は九月中旬に行わしめるつもりです。その前提となりまして御論議のありました調査権とか酪振法の改正とかその他は、私に申して下さる方がほんとうはありがたいのでありまして、事務的に実は事務当局としての措置も行わなければなりませんので、お話が可能なようなことを目下成案を得つつあるわけであります。私がとりました措置は、話し合いとか紳士的良識に待って行い得る相手ならばそれに応ずる法的態勢ができるけれども、そうでないものはそれに応じた態勢が要りますから、それを確実にする要があるから、さきの三点の通達をまず出したのであります。
○中澤委員 では、締めくくりにしますが、いずれまた十九、二十日は農林大臣が出席するから、そのときに追及します。これはあなたに御忠告申し上げておきますが、今までのやり方というのは、完全に農林省がなめられたやり方なんです。九億四千万というものを買い上げて、なおかつ買い上げの時期も九月十日になっておるのに、まだできない。今後九月から乳業家は値下げという決定的な態度で出てきているのですよ。農林大臣を幾ら呼び出したって、ずらかっていて出てこないんですよ。あなたはなかなか土性骨がいいから、われわれはあなたをどこまでもバック・アップもするし、場合によれば乳業会社の社長を全部呼び出してたたき上げるので、少し腹をがっちりきめてやってもらいたい。今までのはまるでのらくら漫才問答みたいなことで、こんな覚書はわけのわからぬことを書いている。みんな農林省にげたを預けられて、完全に農林省は負けですよ。だから、今度はあなたが新畜産局長に大栄転されたのだから、この際一つ腹をきめてここで乳業問題のけりをつけてもらいたいということを希望しておきます。
○高田委員 議事進行について申し上げて、委員長の御答弁をお願いしたいと思うのです。 と申しますのは、私は委員会の運営の面でこのところ重大なことがあると思う。それは、この前の八月の二十六日から四日間委員会が開かれまして、そうして、最終日に至りまして、重大な問題でありました蚕糸問題につきまして、大臣がお見えにならないので何ら質疑ができなかった。ついてはせめて本委員会の意思を表明しておく必要があるということで、決議案について御相談をしましたが、結局与野党の間で話し合いがまとまらずに、一応決議案を野党側で提案をいたしましたところ、委員長におかれましては、ともかくこれを討論採決せずに、委員長が代表して気持をよく政府に伝えて強く要請をして、必ず御納得のいくような措置を講じて、次の委員会には必ず政府側からはっきりとした答弁もし、質問も受けるようにするから、しばらく預けてもらいたい、こういうことでわれわれも納得いたしまして、そうしてそのままおりましたところ、今回の昨日きょう二日間開かれました委員会では、お約束の通り蚕糸問題に関する件ということでお呼び出しをいただいて参りました。そこで、蚕糸業界からすでに委員会に対してはあれだけの強い要望がありまして、やらなければならなかったのですが、今度の場合はすでに夏秋蚕については時期が少しおそいくらいなんです。昨日あたりも主要な養蚕県からは県養連の代表者その他数十名も見えて傍聴もし、別室において議員を呼び出して陳情する等の動きもあり、また去る三日には全国の養連の大会等もあり、早く措置をするようにという政府に対する矢の督促であります。そうして、今度の委員会では、当然、この前のお約束に従って、委員長は、政府の態度、大蔵大臣並びに農林大臣の態度をこの委員会において表明せしむるということをやらなければならなかったわけであります。しかるに、すでに二日目のきょうもいよいよ時間切れも間近になっておるのでありますが、ついにお見えにならないというように聞いておるわけであります。これは一つにはこの委員会を非常に軽視している。これは、どういう都合があろうとも、政府の都合によって委員会が所定の審議ができないということになったのでは、行政府に対して立法府としての役割は当然果せないので、事はきわめて重大だと思うのです。しかも、この前に出してありますあの決議案にしても、きのうきょうの間には処理しなければならない。もし処理しなくてもいいような事態が出てきて政府が答弁しておればそれで済んだかもしれませんが、それすらもないということになりますと、当然昨日きょうの間にはあの決議案は処理されなければならぬものだと思うのです。これがそのままずるずるに何だかわけもわからなくいってしまうというようなことは、これはきわめて重大でありますので、委員長としましては、どういうわけで両大臣が来られなかったか、それに対してどれだけの努力をされたか。それから、政府のこの委員会に対する軽視、国会軽視に対しては、やはり厳重に抗議する必要があると思うのです。これは全国七十万の養蚕農民が非常にこの委員会のきのうきょうの動きに対しては不信の目をもって見ている。楽屋裏で何をしているのだかわからぬが、委員会はやるといったことをやらないで一体何をしているのだということになって、不信の感情は高まって参るということは必至であります。ですから、この際委員長としましては、この蚕糸問題をきのうきょう取り上げなかったこと、それから政府が出てこなかったこと、決議案がそのままたなざらしになっておること、これをどうするかということについて、やはり明快な態度を表明されておかなければ、今後委員会の権威を全く失墜してしまう、こういうことになると思うのです。ですから、この際委員長からはっきりとこの点につきましてお答えをいただいておきたいと思います。
○吉川(久)委員長代理 高田委員の御発言、まことにごもっともに存じます。高田委員等各位の非常に御熱心な御要望、御発言等によって、政府はなかなか本問題についての結論を見出すのに苦慮しておるもののごとくでありまして、しかし、そういう皆様の態度によって非常な促進をされておると私は確信をいたしております。本日もぜひ大蔵大臣に出席をと、私がその折衝に当ったのでございますが、関係閣僚、党の執行部との本問題についての打ち合せを三時半からいまだに続けております。数日中には結論が出るものと考えられますので、次の委員会においては両大臣、関係大臣にぜひとも出席を求めて、経過を報告すると同時に、それに関連した御質疑をお願いするようにいたしたいと思っておりますから、御了承願います。 —————————————
○吉川(久)委員長代理 農業災害に関する件につきまして調査を進めます。 第十七号台風による農林被害について発言の申し出があります。この際発言を許します。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、この機会に、日本社会党を代表いたしまして、自由民主党並びに社会党の共同提案にかかる昭和三十三年台風第十七号による農林水産業被害対策に関する件について御提案申し上げ、皆様方の御賛同を得たいと思うのであります。 まず決議案の案文を読み上げますと 昭和三十三年台風第十七号による農林水産業被害対策に関する件 本年八月二十五日室戸岬から紀伊水道を経て、和歌山県白浜附近に上陸し、奈良県の中央部を横断、更に三重県の伊賀盆地を通過して、滋賀県に抜けた台風第十七号は、稀有の降雨量を示し、随所に河川ははんらんし、堤防は決潰し、これがため農地、農業用施設、水陸稲、果樹、林道及び水産業に相当の被害を与えている。 よつて、政府は、この災害に対し、さきに決定した本年度の干ばつ、台風第十一号及び七、八月の豪雨等による農林水産業被害対策の例に準じ、これらと一括して、諸般の補助、助成の措置を講ずべきである。 右決議する。 昭和三十三年九月十日 衆議院農林水産委員会 決議文は以上でございますが、本件につきましては、御承知のように、昨日の委員会の開会前に、災害の関係県を代表いたしまして、和歌山、三重、愛知のそれぞれの知事から実情報告と要請があり、さらに、昨日の委員会を通じて私は台風十七号の農林水産業被害対策についてそれぞれ政府等の施策の要諦についていろいろお尋ねしたわけでありますが、これが災害の状況につきましては、御承知のように、本年度本邦を襲った最大の台風の一つでございまして、特に集中豪雨を伴いましたために、その被害額は、和歌山、奈良、三重、愛知等を初めといたしまして、総額百六十五億円に上るといわれておるのであります。しかも、これら被害地には、昭和二十八年度災害で大打撃を受けいまだその復旧工事の完了を見ない地帯が多く、またさらに本年の七月に豪雨災害を受けている地帯もありまして、かつ、今次災害が奥地、溪谷、僻地等交通不便の地に多く発生いたしましたために、食糧、資材の搬入も困難をきわめ、被害者は極度の窮乏に陥っておるという現状でありまして、これが災害対策につきましては、もちろん地方自治団体の府県並びに市町村において鋭意災害復旧に着手をしておるところでございますけれども、今日の地方財政の現状あるいは農家経済の現状等から見ます場合に、やはり政府の緊急なる、しかも適切なる措置を要すべきことは申し上げるまでもないわけでございます。今年度は、こういう台風十七号に準ずる災害が、すでに台風十一号、あるいは七、八月にかけての豪雨等で現われておるのでありまして、これが災害対策につきましては、過般の委員会におきましてすでに両党の共同決議として委員会の決議にも相なっておるわけでございます。 本提案は、この過般の昭和三十三年度台風十一号及び七、八月の豪雨等による農林水産業被害対策に関する件に準じて、適切かつ迅速なる措置を講じてもらいたいという趣旨でございますが、特に、今度の災害対策を進めるに当って、私が昨日の委員会の討議を通じてでもいろいろ申し上げたところでございますけれども、台風十七号に対する災害対策の場合においては、やはり予算関係あるいは農業金融関係等いろいろ必要な財源等の問題も生ずることであり、これが台風十一号等の災害対策とアンバランスにならないように、公平妥当な措置がとられる十分なる予算的措置を必要とする問題であり、しかもまた、今次の十七号災害の特色から申しますと、山間僻地に相当集中的な被害を生じておる面と、小災害で、いわゆる災害等の関係法規の適用すれすれ、あるいは適用にならないような状態のところ等も相当に含む問題が出ておるわけでございます。現地側の要請としては、これらの問題については根本的な現行法規の法改正をやってもらいたいという強い要請もあるわけでございますが、これらの問題については今後本委員会においても抜本的に検討しなければならぬ段階にきておると思うわけでございますけれども、当面これが災害対策においてはやはり関係諸法規の最大限の運用に待たなければならぬと思うのでございまして、この面については、過般の台風十一号等の施策の面におきましても、法の運用に当っては現地並びに被災民の立場を十分尊重しながら法の最大限の運用をはかるという点において共同決議がなされておるわけでございます。従いまして、台風十七号の本災害対策におきましても、これらの施策の実施過程におきましては、十分この点を考慮いたしまして、地方自治団体並びに災害民の立場に立ってこの十分なる要請にこたえ、もってすみやかに臨時並びに将来にわたる恒久的な対策に万全の措置を講ぜられるように強く要請をしたいわけでございます。 以上簡単でございますけれども、すでにこの問題については昨日の委員会の討議を通じて明らかになったことでもあり、また関係の災害対策の論議を通じてでもすでに明らかになっているところでございますので、以上提案の趣旨を申し上げまして、本委員会の満場一致の決議を賜わり、もって政府の施策が促進されることによって現地側の災害罹災民の要請にこたえられるように強く希望申し上げまして、提案理由の説明を終りたいと思います。
○吉川(久)委員長代理 お諮りいたします。昭和三十三年台風第十七号による農林水産業被害対策に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川(久)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、右決議することに決しました。 ただいま決定いたしました決議の関係当局への参考送付等につきましては委員長に御一任願いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川(久)委員長代理 御異議なしと認め、さように決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十七分散会