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29回国会衆議院1958/08/29

農林水産委員会 第17号

発言数
30
登壇者
10
会派数
2
開催日
1958/08/29

会議録

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 これより会議を開きます。  農業災害に関する件、酪農に関する件、水産に関する件及び蚕糸に関する件を一括して調査を進めます。  農業災害に関する件について田口長治郎君及び石田宥全君より発言の通告がありますので、順次これを許します。田口長治郎君。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 私は、昭和三十三年度干ばつによる農林被害対策に関する件につきまして、自由民主党及び日本社会党共同提案による決議案を提出し、その趣旨を説明いたしたいと思います。  まず決議案の案文を朗読いたします。   昭和三十三年度干ばつによる農林被害対策に関する件   昭和三十三年三月以降の凍霜害及び長雨に引き続いて発生した六月以降の干ばつにより農作物等に対し予想外に甚大な被害を生じている。   よって、政府は、今次の干害の教訓にかんがみ水稲の早期栽培及び甘しょの麦間挿苗を中心とする技術改善方策の指導普及及びかんがい施設の整備充実等の総合的な恒久対策の実施により、今後の干ばつ被害の抜本的防止を図るは勿論、とりあえず左記による対策を早急に実施し、もって、農林業の生産力確保と経営安定にいかんなきを期すべきである。     記  一、被害農林業者に対しては「天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法」の適用により、すみやかに経営資金の貸付を行う。    被害激甚な地域に対しては、政令による地域指定を行い、三分五厘資金を融通し、償還期限を五年とする。    なお、累年災害を受けた農家に対しては、既貸付金につき借換資金の貸付けを行う。    特に、被害開拓農家に対しては、本法による経営資金の融通措置を講ずる外、生産資金の貸付等特別の措置を講ずる。  二、閣議決定の三十二年度干害応急対策実施要綱に基く、干害地かんがい応急事業に対する助成要綱のうち、次の点を改訂して実施する。   (一) 八月十日までに実施した事業に対して助成することとなっているが、燃料費及び電力料金等に関しては、被害状況を勘案して、さらに延期措置を講ずる。   (二) 水田の干害に対して、応急対策等を実施した都道府県等に対して助成することとなっているが、畑地の干害に対しても適用することとする。   (三) 災害常備揚水機の政府買上げは、一定規格のものについて一定数量を限度として買上げることとあるが、当該共同施行者からの申請のあったものは、損傷の特に著しいもの、規格の特別に不適当なものを除き、買い上げるか或は補助率を改訂する等共同施行者の負担を軽減する措置を講ずるものとする。   (四) 本年の干害応急対策事業として施設した貯水池、地下水の開発、水路掘さく及び改修、送水管等を恒久施設に切換える場合の改修工事に対して助成することとする。  三、植付不能の水稲の被害に対する農業災害補償法の農作物共済損害認定準則に基く現行の支払方式は実態に即さないきらいがあるので、すみやかに実情調査の上、改善を図るものとする。  四、被害都道府県に対する自作農維持創設資金の枠を拡大して、被害農民に融資する。  五、現金収入を確保せしめるため、被害農林業者に対し救農事業を実施する。  六、被害農家の食糧不足に対しては、必要に応じ政府手持米麦の特別売却及び代金延納の措置を講ずる。  七、干ばつのため異常発生した杉のアカダニ等の防除に対しては、補助金を増額する。  八、造林地並びに苗圃の干害に対しては、補植に対する適切なる助成を行う。    右決議する。    昭和三十三年八月二十九日       衆議院農林水産委員会  趣旨につきましては、今日まで質疑応答によって明らかになっていることでございますから、この際これを省略いたしたいと思います。どうか御審議の上御採択をお願いします。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次に石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 私は、昭和二十三年度台風第十一号及び七、八月の豪雨等による農林水産業被害対策に関する件といたしまして、日本社会党及び自由民主党共同提案にかかる決議案を提案いたします。  以下案文を朗読いたします。   去る七月下旬、台風第十一号の通過とその後の豪雨によって東北、北陸及び中部山間地帯等の各地において発生した農林水産業関係の被害により農林漁業者のなかには極度の窮状におちいり、今後の再生産を危惧される者がすくなくない実情にある。而して今回の被災地は、積雪寒冷地帯であるので、災害復旧工作の施行、罹災民の救済等の諸措置については特に緊急を要するのみならず、その多くは、三十一年災害に引続いて累年災害を蒙っているいわゆる風水害常襲地帯である点にかんがみ、政府は、この際、これらの地帯に対し、過年度災害復旧事業の早期完了を行うとともに、土地改良事業の再検討、河川改修、防災ダムの建設、造林、治山、治水事業等を中心とした綜合かつ恒久的な風水害防止対策を一段と推進するとともに、当面左記の諸事項を中心とした緊急対策の実現にいかんなきを期すべきである。     記  (一) 農林漁業金融、共済金等に関する事項    一、「天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法」に基き、すみやかに政令による災害指定を行い、同法による資金の貸付を行うものとする。       被害激甚な地域の農林漁業者等に対しては、三分五厘資金の早急貸付を行うものとする。       累年災害を受けた農林漁業者等に対しては、本法により償還を延期し又は借換資金の貸付を行うものとする。    二、農林漁業金融公庫からの貸付資金を増加し、被害地における諸事業の促進を図るとともに、今回の災害のため、既借入金の償還困難となった者に対しては、公庫をして償還猶予の措置を講ぜしめるものとする。    三、災害のため、自作農の維持が困難となったものに対しては「自作農維持創設資金融通法」第二条第四号資金を、農林漁業金融公庫の自作農維持創設資金の枠を拡大し、優先的に貸付けるものとする。    四、農林水産業施設であって、個人施設の被害についても、農林漁業金融公庫の主務大臣指定災害の枠のなかから復旧資金を融通するものとする。    五、被害農家に対し速かに共済保険金の仮払及び概算払を行わしめるため所要の措置を講ずるものとする。  (二) 農地及び農業施設等の災害復旧に関する事項    一、被害の査定に当っては、小災害についても国庫の補助又は負担の対象となり得るよう、法の運用に当り出来る限り実際的解決を図るものとする。    二、災害復旧工事施行においては、単に原形への復旧にとどまらず、当該工事に関連して必要と認められる改良工事をも実施するものとする。    三、被害農地の復旧についてはおおむね一カ年以内に復旧を完了するものとする。    四、災害関連事業の採択を更に緩和するよう努力するものとする。  (三) 救農土木事業等に関する事項    一、農地、農業施設及び農作物等に壊滅的打撃を受け、他に現金収入の乏しい農林漁家に対しては、災害復旧事業及び最寄りの諸事業に優先的に雇用し、又は副業を積極的に奨励するものとする。    二、主として農作物に甚大なる被害を受け、他に現金収入の乏しい農家の多い地域に対しては、土地改良事業、林道等を新規にまたは繰上げて実施するものとする。  (四) その他の事項    一、被害農家の病虫害防除薬剤購入費、樹勢回復用肥料購入費及び種苗購入費等に対しその経費を補助するものとする。    二、県及び罹災市町村の災害復旧用に供するため国有林材の特別払下げ措置を講ずるものとする。    三、地方公共団体の行う単独災害復旧事業についてはその事業費に見合う特別交付税を増額交付し、また地方起債の特別措置を講ずるに当っては、利子補給を行うものとする。    四、被害農家の食糧不足に対しては必要に応じ政府手持食糧の特別売却及び代金延納の措置を講ずるものとする。    右決議する。     昭和三十三年八月二十九日        衆議院農林水産委員会  以上でありますが、本案につきましては、数回にわたりまする質疑応答の中でその趣旨がきわめて明瞭であると存ぜられますので、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 それではお諮りいたします。まず、昭和三十三年度旱ばつによる農林被害対策に関する件を本委員会の決議とするに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  次にお諮りいたします。昭和三十三年度台風第十一号及び七、八月の豪雨等による農林水産業被害対策に関する件を本委員会の決議とするに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次に、酪農に関する件について倉成正君より発言を求められておりますので、これを許します。倉成正君。

倉成正自由民主党

○倉成委員 私は、自由民主党、日本社会党を代表して、乳価に関する決議案を提出し、その趣旨を説明いたします。  まず決議の案文を朗読いたします。    乳価に関する件   政府は、過般来学童給食予算を増額することにより、乳価の維持と市乳価格の引下げに努めて来たのであるが九月以降の原料乳価に関しては、再び大幅値下説が流布され、酪農民を不安に陥れしめている。   よって、政府は、九月以降の原料乳価を安定し、生産者に不安なからしめるよう有効適切な措置を講じ、もって酪農振興にいかんなきを期すべきである。   右決議する。    昭和三十三年八月二十九日       衆議院農林水産委員会  この提案理由につきましては、再度にわたる質疑の過程において明らかでございますので、この際省略させていただきたいと思います。  御審議の上適当に御決議いただきますようお願いいたします。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 それではお諮りいたします。倉成正君より提案せられました乳価に関する件を本委員会の決議とするに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次に、水産に関する件について本名君及び芳賀君より発言を求められておりますので、順次これを許します。本名君。

本名武自由民主党

○本名委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、北海道周辺海域における中型機船底曳網漁業の禁止区域拡張とこれに伴う転換対策に関する決議案を提案し、その趣旨を御説明申し上げます。  まず最初に案文を朗読いたします。    北海道周辺海域における中型機船底曳網漁業の禁止区域拡張とこれに伴う転換対策に関する件   わが国沿岸漁業の振興対策は、最近における水産政策の基本をなすものであり、これがため水産増殖事業一等を主体とした諸施策が講ぜられているところである。   特に、北海道地方におけるにしん漁業等不振をつづける沿岸漁業について、最も効果的な措置によりこれが振興を図り、かつ、窮状を打開することは、焦眉の急を要する重要課題であり、また、資源の保護培養を図ることは、今後の斯業発展のため必要かくことのできないものである。   よって、政府は、直ちに左記の施策を講ずべきである。     記  一、中型機船底曳網漁業の禁止区域は、沿岸漁業の現状を充分考慮してその振興に資しうるよう、これを拡張すること。  二、中型機船底曳網漁業について、新漁場を開発するとともに、これが経営の合理化を積極的に推進すること。  三、漁業取締を強化して、漁業秩序の確立を図ること。   右決議する。    昭和三十三年八月二十九日       衆議院農林水産委員会  以上であります。本件につきましては、今日まで数回にわたり本委員会においてそれぞれ各委員より質疑並びに意見の開陳があり、そのつど政府当局から説明があったわけでございますので、この際詳しい説明は省略いたしまして、ただ一、二点について補足して申し上げておきたいと思います。  今さら申し上げるまでもなく、沿岸漁業は、特に戦後におきまして、漁場あるいは社会事情、国際関係、その他経済界の変動によりまして、非常な窮況に立ち至っております。従って、戦後の水産業振興策の重点は、われわれを初めといたしまして、政府においてもこの沿岸漁業の振興に全力を傾けられてきたことは事実でございます。しかしながら、その効果たるや実に微々たるものでございまして、われわれの希望し、また切実な沿岸戸漁業者の要望にこたえるところに立ち至っていないことは申すまでもございません。ことに、他の業種、主として機船底びきによるところの相剋あるいは競合というものが直接沿岸漁業者に非常な圧迫と影響を及ぼしていることも申すまでもないことでございます。従いまして、農林大臣は、大臣の権限とその責任において、これが積極的な打開策を講ぜらるべきことは当然でございます。今日まで、沿岸漁業者、特に北海道の沿岸漁業者から、沿岸漁業の就漁区域を戦前の区域まで広げてくれという強い要望が繰り返し叫ばれてきたのでございます。あるいはまた、近くは、北海道庁におきまして、それをやや縮小されました案まで提示されまして農林当局と折衝を続けておるのでございます。われわれは、まず、この沿岸漁業の振興を重点として、漁業の新しい方針を打ち立てるために、これら沿岸漁業民の要求を広く取り入れる努力をされることが適切であると考えるのでございます。従いまして、この禁止区域の拡張についてもそれぞれ検討中とは存じますが、決定の日時も迫って参りましたので、今日まで論議されました趣旨をよく体しまして処置あらんことをここにつけ加えて希望しておきたいと思うのであります。  さらにまた、機船底びきの業界におきましても、今日までのいわゆる漁場の開拓にいたしましても、あるいは大型化、近代化、あるいは転換策にいたしましても、今日までとられた政府の施策というものは非常になまぬるいものであった。ことに、漁場の開発につきましては、いわゆる漁業者に委託調査をする形式をとられて参ったようでありますが、むしろこれは全額国費をもって徹底的な積極的な漁場開拓調査をなすべきであろうと考えるのであります。そして、この沿岸と底びきの競合のみならず、日本の漁業の最も多くを占めるこれらの業態の安定を、一日も早く期することが必要であろうと考えるのでございます。  要するに、農林大臣の責任において、ぜひこの業者、特に沿岸漁業者の熱望を取り入れるような処置を決定されんことを望みまして、趣旨の説明にかえる次第であります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 芳賀君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私は、日本社会党を代表して、北海道周辺海域における中型機船底びき網漁業の禁止区域拡張とこれに伴う転換対策に関する件について動議を提出いたします。  まず案文を朗読いたします。    北海道周辺海域における中型機船底曳網漁業の禁止区域拡張とこれに伴う転換対策に関する件   わが国沿岸漁業の振興対策は、最近における水産政策の基本をなすものであり、これがため水産増殖事業等を主体とした諸施策が講ぜられているところである。   特に、北海道地方におけるにしん漁業等不振をつづける沿岸漁業について、最も効果的な措置によりこれが振興を図り、かつ、窮状を打開することは、焦眉の急を要する重要課題であり、また、資源の保護培養を図ることは、今後の斯業発展のため必要かくことのできないものである。   よって、政府は、直ちに左記の施策を講ずべきである。     記  一、中型機船底曳網漁業の禁止区域は、北海道庁案を極力尊重して、これを拡張すること。  二、中型機船底曳網漁業について、新漁場を開発するとともに、これが経営の合理化を積極的に推進すること。  三、漁業秩序を確立するため、取締の万全を期すること。   右決議する。    昭和二十三年八月二十九日       衆議院農林水産委員会  提案の趣旨について主要なる点を申し上げます。  特に、本決議案につきましては、当委員会におきまして四月の二十三日に、北海道周辺海域における中型機船底びき網漁業の禁止区域拡大に関する件を、社会党、自民党両党提案をもってこれを決議しておるわけであります。かかる決議が以前行われたにもかかわらず、今回さらに同種の決議を行わんとすることは、われわれ提案者としては、政府の本問題に対する解決が非常に遅延しており、また、当委員会のかつての決議の内容というものが尊重されておらないということに遺憾の意を表するとともに、再度この決議案を提案したものであります。  特に、前回の委員会の決議は農林大臣もこの内容は尊重すると言っておるのでありますが、この内容のおもなる点は、大前提は、言うまでもなく、北海道沿岸における沿岸漁業の振興発展をはかるということを基本なる目的といたしまして、その具体的施策といたしましては、第一点は沿岸漁業の資源の培養維持をはかるという点であります。  この点につきましては、もちろん漁業法あるいは水産資源保護法の規定等よりいたしましても、漁業の維持発展をはかるためにはどうしても資源の維持培養をはかるということが前提になるわけでありますが、最近、沿岸漁業をながめた場合において、資源の枯渇、これは主として乱獲によって生じた資源の枯渇でありますけれども、これをこのまま放任しておいた場合においては、将来のわが国の沿岸漁業はまことに暗たんたる状態に置かれることは言うを待たないのであります。従って、この際、まず第一は、沿岸における水産資源を維持培養するという場合においては、何といたしましても、今日、漁業調整上の問題といたしまして、沿岸における中型機船底びき網漁業の禁止区域を現在の線よりもさらに拡大するということが行われなければ、水産資源の維持、培養を期することはできないのであります。第二点につきましては、北海道沿岸におきましては、毎年のように続く沿岸のニシンの凶漁によりまして、今日北海道の沿岸漁民は疲弊こんぱいした生活のどん底に落ちておるということは、これは水産庁当局も認めておる点であります。従って、ニシンの凶漁に対する恒久対策を確立するためには、最も効果的な施策といたしまして、この際沿岸の底びきの禁止区域を拡大することによりまして、沿岸漁民の生産の場を拡大して、この中で凶漁に苦しんでおる沿岸漁民の生産の拡大をはかるというところに目的があるわけであります。第三点は、今日の沿岸漁業の不振の状態は、結局沿岸漁民の経済の零細性に基いておるわけでありますからして、一挙にこれを近代化し、機械化して沖合いに出し、あるいは将来遠洋に伸ばすというような、そういうことで解決することはできないのであります。従って、この際、禁止区域の拡大をはかることによりまして、沿岸漁業の振興の一環としてこれを解決しなければならぬというところに主目的があるわけであります。  このことにつきましては、北海道におきましては、昨年の七月に北海道知事が——これは、漁業法第四章の各条章については、第七十四条二項の規定によって、農林大臣は都道府県知事に大幅に権限を委任しておるわけであります。従って、この漁業法に規定された漁業調整上の問題といたしまして、あるいはまた水産資源保護法に規定された水産資源の維持培養をはかるための諸規定に基いて農林大臣が都道府県知事に委任したそれらの権限の根拠に基きまして、北海道近海におけるところの沿岸の中型底びき船の禁止区域拡大の具体案を、北海道知事は北海道議会の満場一致の賛成を得て、これを昨年七月農林大臣に上申しておるわけであります。従って、すでに一カ年を経過しておるわけでありますが、その間農林省は調査に名をかりまして今日までじんぜん時というふうにわれわれは考えておるわけであります。ところが、この問題につきましても、農林大臣はしばしば、あくまでも沿岸漁業と底びき漁業との両者を対等の立場に置いて、あたかも農林大臣が第三者的の立場に立って局地的な紛争処理を行うというような、誤まった態度で今日まで進んできておるということは、これはまことに遺憾であります。でありますからして、当委員会といたしましては、あくまでもこの誤まったところの農林大臣の態度をすみやかに是正していただかなければいけないのであります。特に、資源論の問題等につきましては、水産庁長官はこの底びき漁業によっても沿岸における資源はカレイを除いてホッケ、スケソウ等については資源が減少しておらないというような暴論を吐いておるわけであります。もちろん、ここ数年間におけるこれらの漁獲量全体をながめますと、カレイ以外には減少しておらぬような数字になっておりますが、これは、結局、乱獲や極度の企業努力によって資源を枯渇に追い込みながら漁獲数量だけがかろうじて維持されておるということは否定することのできない現実であります。この証左は、沿岸における今日の漁業の実態が、一年々々、全漁獲量の中において階層別にこれを見た場合において、沿岸漁業の占める漁獲量が極度に低下しておるという事実を考えた場合においては、禁止区域の内部において資源が枯渇しておるにもかかわらず、禁止区域外において、しかも禁止区域と一つの線を境にした禁止区域の外において資源が枯渇しておらないというようなことは、これは理論的に見ても全く了承することのできない点であります。従って、この点については、あくまでも資源維持の立場から見た場合において、すみやかに禁止区域を拡大しなければならないという点であります。凶漁対策等の問題についても、いろいろ農林省としても沿岸の不漁対策等は講ぜられておりますが、どれ一つを取り上げてみても、全く消極、退嬰的でありまして、きめ手というものがないのであります。従って、この際、最も効果的な施策の一つとして、すみやかに禁止区域の拡大をはかることによって、この凶漁に対する恒久対策を確立する必要があるわけであります。さらにまた、今日沿岸における漁民の窮乏は想像に絶するものがあるわけであります。これを一日も早く政治の手を通じて救済し、零細漁民の生活の安定を確保しなければならぬというところに沿岸漁業政策の最も重点があると考えるわけであります。従って、この沿岸漁民の生活安定を確保することができるためには、どうしてもこの際禁止区域の拡大をはからなければいけないということになるわけであります。これを基本にして北海道知事の案というものは立案されておりますので、われわれといたしましては、この北海道庁の案というものを農林大臣が尊重されて、これを実現すべきであるというふうに考えておるわけであります。  第二の点は、これは禁止区域の拡大に伴う今後の中型機船底びき網漁業の問題についてでありますが、先般来の当委員会の質疑を通じてみても、農林省当局はこの底びき網漁業に対する転換の施策というものを何ら考えておらないのであります。全く無為無策であります。このような貧困な態度では問題を解決することはできないのであります。従って、具体的には、新漁場の開拓の問題、あるいはまた、今後禁止区域拡大に伴って、もしも現在北海道沿岸におけるこの底びき網漁業が経営上あるいは非常に不振な状態に置かれるようなことが漁業調整上からも考えられた場合においては、当然これは、水産資源保護法等の規定によりまして、そうして大臣許可によるところの底びき漁船の定数の削減あるいは海域の変更等を行なって、これによって生ずるところの底びき業者の実害あるいは乗組員の被害等に対しましては当然政府の責任において法律の規定に基いてこれを救済解決するというところに積極的に進む必要があるというふうに私どもは考えまして、特に、新漁場の開拓あるいは機船の大型化の問題等については、トン数の補充の問題であるとか、建造資金に対する政府の特別なる融資の配慮というような問題についても最善の考慮をこの際払う必要があると思うのであります。  第三点については、これは漁業秩序の維持確立をはかるということであります。今日、日本の沿岸の全海域においても、あるいは遠洋や北洋漁業の実態を見ましても、非常に秩序が破壊されるような違反船の問題あるいは密漁のような事件が非常に多発しておるわけであります。特に、最近は、非常に近代的に装備されました、しかも船団を組んだ密漁船が出動しておるというようなことも、われわれは海上保安庁から報告を受けておるわけであります。従って、これらの漁業秩序の維持というものは当然農林大臣の責任においてこれを確立する必要があるわけであります。漁業制度全体の運営を適正に今日まで農林大臣がはかってきておれば、こういうような秩序破壊のような状態は起きなくて済んだのでありますが、結局、政策の行き詰まり、貧困によって、これらの事態は今日生じておるわけでありますからして、特にこの際漁業秩序維持確立のために取締り等についても万全を期すべきである。  この三点を、社会党といたしまして、今回の北海道沿岸における禁止区域拡大、さらにこれに伴う中型機船底びき網漁業の転換方策に対する具体的な問題として、趣旨弁明に加えまして、私の提案理由の説明を終るものであります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 ただいまの両君の御提案の件については討論の通告がありますので、これを許します。篠田弘作君。

篠田弘作自由民主党

○篠田委員 今日の沿岸漁業がいかに疲弊しておるか、北海道三十万の沿岸漁民がいかに困窮した生活をしておるかということは、先日来の当委員会における質疑応答で明らかであります。そこで、本委員会におきましても、この沿岸漁業の疲弊を解決する一つの方法といたしまして、中型機船底びき網漁業の禁止区域の拡大という問題を取り上げたわけであります。数日来の折衝によりまして、自由民主党と社会党の意見はほとんど一致しておるのでありますが、ただ、この決議案を提出するに当りまして、自由民主党と社会党の決議案の相違はどこかと申しますと、社会党は、禁止区域の拡大について、北海道庁案を極力尊重してこれを拡張すること、という一項目を入れておるのであります。しかしながら、先ほど来芳賀君の趣旨弁明にもある通り、農林大臣の責任政治を確立するということを数回にわたって述べられておりますが、禁止区域の問題は漁業法によって定められた農林大臣の権限でありまして、北海道庁はただ委任されておる事務について参考案を提出したものにすぎないのであります。従いまして、その北海道庁案というものを極力尊重することになりますと、一参考案である北海道庁案が農林大臣の権限並びに責任を縛ることになりまして、まことに不適当であると考えられるのであります。また、漁民側から言うならば、北海道三十万の沿岸漁民の希望は、必ずしも北海道庁案を極力尊重することによって解決されるわけではありません。いわゆる北海道の沿岸漁民は、これよりもさらにさらに広いところの禁止区域の拡大を希望しているのでありまして、この漁民の希望から申しましても、北海道庁案にこだわるということは不適当であると考えられるのであります。なお、北海道庁案は、禁止区域の拡大については触れておりますが、先ほど芳賀君の説明にありましたような、中型機船底びき網漁業の将来の新魚田の開発、あるいはまた拡大禁止によるところの対策というものについては触れておらないのであります。従いまして、北海道庁案というものは、本委員会にとりましては、また政府にとりましては、あくまでも参考意見として考えるべきものであって、これが政府や国会を縛るような決議をするということは、今申し上げました理由によってわれわれは賛成することができないのであります。そういう意味におきまして、ほとんど大部分の問題につきましては社会党と自由民主党とは意見が一致しているのでありますが、この一点について別々の決議を出すことになったわけであります。  われわれは、以上の理由によりまして、社会党案を否決したいと考えるのであります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 松浦定義君。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 私は、ただいま議題になっておりまする底びき網問題につきましての本名委員の自民党の提案、さらに芳賀委員の社会党の提案、両提案に対していささか討論をいたしたいと思うのであります。  ただいまも篠田委員から、自民党案に対して賛成、社会党案に対して反対の討論がありましたが、私は、当委員会における本日までの議論の過程からいたしまして、篠田委員の討論には全く賛成しがたいのであります。従って、私は、社会党芳賀委員の提案には賛成、自民党本名委員の提案に反対するのでありますが、その内容につきましては、今の篠田委員の討論の中にありましたように、全く第一の問題にしぼられているのであります。しかし、この第一の問題が、私は、本問題に対しては一番重要である、このように考えておるのであります。  現在、われわれが国会において討論を続け、さらにこの問題を審議する場合には、あくまで地方の住民の意思を尊重していろいろ問題を討議いたしておる。しかも、この問題について地方の意見を聴取いたしますると、少くとも北海道の道庁案というものは、長い間十分意見を聞いて、その上でこれをまとめたものであって、決して単なる地方的な意見ではないのであります。やはり、現在の底びき網というものがいかに沿岸漁民の生活を脅かしているか、こういう各般の問題について出された結論でありまするので、われわれ当委員会としては、当然超党派的にこれを認めるべきである。にもかかわらず、先ほどの御意見のように、一地方の意見としてこれを取り上げる場合には農林大臣の権限を規制するといったようなことを言っておられる。私はこういう場合においては権限を規制されることの方がやはりほんとうの大臣の意見であろうというふうに考えるのでありまして、そのことをただ地方の意見として葬り去ることは、私はこういう点にいささか疑問があるのであります。たとえば、北海道の総合開発等々から考えて参りますと、水産資源の拡大というものは非常に重要である、こういう意味合いから考えて参りました場合に、こういう問題を取り上げることこそ現在の政府のなすべき任務であろうと思うにかかわらず、どうしてただこの北海道庁案という字句だけにとらわれてこれをやっておるのかということが不可解であるのであります。しかも、長い間の委員会の討論からして参りますと、今反対討論に立たれた篠田委員等は、あげてこの沿岸漁民に賛成であるということで、ずいぶん水産庁長官あるいは農林大臣に迫っておられる。これは速記が明確に示しておるのであります。しかも、先般当委員会は北海道を十日間にわたって調査いたしました。その場合において、委員長初め丹羽委員、さらにまた永田委員等が自民党を代表して調査に行かれました。その結果の報告では、はっきりと、沿岸漁民の三十万を救わなければならぬということをずいぶん力説されておるのであります。こういうことが事実現われておるにかかわらず、今最終の段階にいって、ただ北海道庁案に対して反対であるといったようなことは、私は非常におかしいと思うのであります。でありますから、われわれは、やはりあくまでこの北海道庁案というものを尊重いたしまして、少くともこうした問題については超党派的にこれを決定すべきである、このように考えておるのであります。  先ほど芳賀委員の説明にもありましたように、北海道におきましては、九十三名の道議会議員のうちで自民党の三十九名の諸君も一人残らずこれに対しては賛成であるということでここに持ち込まれておる。われわれ国会はやはり地方住民の意思を尊重しておる。地方住民の意思は、府県においてはさらにまたその下においてこれを尊重しておるのでありますが、私ども社会党は、やはり地方であろうと部落であろうと、住民の意思に沿ってやっておるものについては尊重する。自民党は地方の議会はどうあろうともわれわれ国会は別だといったような決定をここに現わそうという意思に基いて反対されるなら私は了承できるのでありますが、そういうものでは私はないと思うのであります。でありますから、少くとも本問題についてなぜ北海道庁案に反対するか、まず私をして言わしめるならば、北海道におきましては来年四月の知事選挙に対していろいろ自民党の議員がやっておられる。そういうことを意図してやるなら、それならそれと私ははっきり言ったらよかろうと思うのであります。でありますから、私はそれをはっきり言っておる。そういうことであればそのようにはっきり進めればいいと思う。そうでないならば、堂々と地方の議会の意見、地元の責任者の意見を尊重してなぜやれないか。しかも、われわれの委員会は二日間の日程を四日に延ばし、昨夜時間切れで話し合いましたときには、芳賀委員も、涙をのんで、この北海道庁案に対して、こういうものを下げて次の妥協案を出したのが、十二時五分前である。篠田委員も、よしよかろう、災害、旱害、底びき、この三つの問題はこれをもって通す、通すということであれば日程の延長をすると、はっきり言っておる。そういうような話し合いが夕べまとまっておるにかかわらず、一晩寝るとそういうことになってしまう実態でありますから……。     〔発言する者多し〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 静粛に願います。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 こういう点をはっきりいたしまして、賛成なら賛成、反対なら反対と明確にすべきであるにかかわらず、党内事情とはいいながら、そういうことができないのは、私は遺憾であるのであります。  しかし、私どもは、堂々とこの問題について地方住民の意思を尊重いたしまして——北海道庁案というものは決して沿岸漁民だけを救うのではなくて、底びき業者に対しても十分その処置を講ずる結論が出されておるのであります。従って、芳賀委員の提案に対して賛成、本名委員の自民党案に対しては反対をするものであります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 以上をもちまして討論は終局いたしました。  それではお諮りいたします。本名君の提案にかかる、北海道周辺海域における中型機船底曳網漁業の禁止区域拡張とこれに伴う転換対策に関する件を本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 起立多数。よって、本名君の動議のごとく決定いたしました。  なお、ただいまの議決の結果、芳賀君の動議は議決を要しないものとなりました。     —————————————

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 蚕糸に関する件について足鹿君より発言を求められておりますので、これを許します。足鹿君。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、夏秋蚕繭糸価格の安定に関する件について当委員会において決議すべきことの動議を提出いたします。  まず決議案を朗読いたします。    夏秋蚕繭糸価格の安定に関する件  一、政府は、繭糸価格の先行き不安の現状を打開するため、生糸及び繭の買入保管を強化して、夏秋蚕の最低繭糸価の維持と養蚕経営の安定に万全を期するため、次期国会においてさらに百億円の日本輸出生糸保管会社による追加買入資金の確保をはかるに必要な措置を講ずべきである。  一、政府は、農協連合会が共同保管しようとする繭について、乾繭施設等の整備と融資に遺憾なき措置を講じ、もって共同保管の円滑な実行を期すべきである。  一、政府は、夏秋蚕の生産制限に伴う養蚕農民の残桑並びに桑苗業者の損失に対しては補償の措置を講ずべきである。   右決議する。    昭和三十三年八月二十九日       衆議院農林水産委員会  以上が決議案の案文でありますが、この決議案を提出するについての理由を簡単に申し上げます。  春蚕繭につきましては、繭糸価格安定臨時措置法の制定によりまして一応困難な事態を解決したのでありまするが、夏秋蚕につきましては、生産の二割制限による供給面の圧縮をはかりながら、政府は何らこれに対して保証の措置等も講ぜられることなく、その他的確なる方針を示されず、一面、買上資金は枯渇いたしまして、夏秋蚕繭の出回りを見ながら、養蚕農民を初め関係者に再び深刻な不安を与えておるのが現状であります。よって、政府はすみやかに、先ほど述べました決議案の趣旨にのっとって施策を確立し、養蚕農家の不安を除去すべき当然の責任があると存ずるからであります。  なお、この決議案の取扱いにつきましては、政府においても、養蚕農家の不安除去について当委員会の四日間にわたる審議の経過、また審議中における参考人に及んでの慎重なる審議の経過等にかんがみまして緊急施策を考慮されつつあるのでありますが、来たる九月九日、十日当委員会が開催される運びになりましたので、それまでにすみやかなる施策を具体化されることをわれわれは期待いたしておるのでありますし、なおまた、ただいまわれわれが動議として提出いたしました決議案に対して与党の態度もいまだ明確に打ち出されておらない実情もございますので、本日のところは当分採決を留保し、その取扱いを委員長に一任いたしたいと存ずるのであります。よって、委員長においては十分右の事情をくみ取られまして善処せられんことを強く要請いたします。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 速記を始めて。  ただいま本委員会の決議するに決しました四件の関係当局への参考送付等の手続につきましては委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  次に、ただいまの四件に対する政府の所見を求めます。三浦農林大臣。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 ただいま旱害対策外三件につきまして当委員会の御決議がありましたが、いずれも重要な事項でございますので、当局といたしましては、慎重に検討いたしまして、施策の上に十全を期することに努力いたしたいと考えます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十九分散会

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