農林水産委員会 第11号
- 発言数
- 180 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/07/08
会議録
○松浦委員長 これより会議を開きます。 漁業に関する件について調査を進めます。 本日は農林水産金融に関する件について農林中金より楠見理事長に参考人としておいでを願っておりますので、質疑は政府当局とあわせてお願いいたします。 質疑の通告があります。芳賀貢君。
○芳賀委員 本日中金の理事長の楠見さんにわざわざおいで願ったのでありますが、お伺いしたい点は、最近における漁業金融の実態について一応御説明を伺って、しかる後に若干の質問をいたしたいと思います。
○楠見参考人 水産関係におきましては、農林中央金庫といたしましても、その融資いたしております金額は年々増加いたして参っております。ごく最近の数字は私ただいま手元に持っておりませんが、本年の三月末の状況で申しますと、大体百八十一億水産団体に対しまして融資をいたしております。これは、昨年の三月末の状況は百五十五億でございまして、一昨年の三十一年三月末は百三十二億、その前の三十年三月は、これは大体同様百三十億でございますが、こういうふうに、だんだんと水産金融の方も伸びて参っております。それから、私どもの方で、関連産業育成という観点から、これは主として余裕金運用の建前から融資をいたしておるのでございますが、この方は、大体今日の状況で申しますと二十億程度、もっとも三月末日現在では二十八億ございましたが、ちょうど端境期になりますので、だんだんと資金を引き揚げまして今日このような状況になっております。 概況以上の通りであります。
○芳賀委員 そこで、お伺いしたいのでありますが、その中金を通じての全国の水産団体等に対する融資を通じて、特に最近地方における漁業協同組合とかあるいは地方の漁業協同組合連合会、これらの協同組合組織の実態が現在果して健全化の方へ向っておるものであるか、あるいはまた、その経済事情が最近の不況の影響を受けて悪化の方向を向いておるのであるか、そういうような実態はどうなっておりますか。
○楠見参考人 率直に申しまして、水産関係の協同組合は、組合員がしっかりとしたいわゆる隣保相助の精神、あるいは共同でいろいろのことをやっていくという点におきまして、一般の農業における協同組合とはだいぶんへだたりがあるような、これは私の見方でありますが、感がいたしております。特に、水産関係につきましては、それはだんだんとよくなっていっておると思いますけれども、たとえば、一網当てればというような気分がやはり絶無とは言えないのではないか。それだけに、協同組合につきましては、これを経営する立場からいきましても、一般農業協同組合とは違ったむずかしさがあるのではないか、こういうふうに感じております。 最近の動向はどうかということでございますが、水産のたとえば日本協同組合連合会等におきましても、だんだんと一般の農業協同組合等におきます整備促進等の適用を受けるものも出て参りました。それだけに、いわゆる協同組合的な考え方なりやり方が、これは行政庁の指導等もございますが、漸次よくなってきておるように思います。ただ、最近、不漁が続きましたとか、あるいは漁場がおもわしくないとか、そういうことで、前途なかなか楽観を許さない情勢にある。それだけに、私どもも、これが金融面における指導等につきましても、十分に遺憾のないように善処して参らなければならぬ、こういうふうに存じております。
○芳賀委員 最近、全国的に、沿岸漁業を中心にして、あるいは地域的に不漁が続いておりますし、また、沿岸漁業の不振が傾向となっております。そういうことで、漁業協同組合の本来の主目的である漁業の共同化あるいは販売の共同化ということについては、不漁あるいは経営の不振等が原因して、だんだん自主性が失われて、むしろ系統以外の組合支配というものがだんだん強まってきておるんではないかと考えられるのであります。そういう点に対しましては、中金の立場から見ても、これは決して好ましい状態ではないと思います。ですから、これらの点は、今後どういうような点に重点を置いて、漁業協同組合が少くとも農業協同組合と同じくらいの水準に立って今後期待した運営が行われるかという点について、いろいろお考えがあるかと思うのでありますが、そのおもなる点についてお伺いしたいと思います。
○楠見参考人 いわゆる資本家漁業に、隷属化といいますか、系列化といいますか、こういう点については、私どもも重大な関心を持って見守っております。ただ、今お述べになりましたように、沿岸漁業の不振の状況はその通りでございまして、これが打開につきましては、その指導に当っておりまする行政庁におかれましても、ずいぶん苦慮せられておるところだろうと思いますし、また、これが対策についてもいろいろ御検討中のように承わっております。私どもの方といたしましても、金融面からどうすればこの打開に少しでも役立つかということについては、従来からも検討を続け、また、その具体的な問題等についてもできるだけの努力をいたしておるようなわけでございます。たとえば、沿岸漁業の不振に伴って遠洋に乗り出すための船を作っていくとか、あるいはそのほかのいろいろな漁種の転換を考えていく、こういう場合に、その漁船の建造資金でありますとかそのほかの施設というようなものについてもできるだけの御協力をいたしたいと考えております。あるいはまた、この漁協が、従来の組合員個々の経営から組合の自営に移すことによって非常に前途に希望が持てるというような場合には、それに即応いたしました援助をいたしますとか、全般的にはもちろん行政庁の指導方針に即応していたすわけでございますが、その範囲内でも、われわれといたしましてはできるだけ金融面からの協力を惜しまずにいたしたい、かように考えて、目下その方向で努力をいたしておるようなわけでございます。
○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、昭和二十六年に御存じの農林漁業組合に対する再建整備法ができまして、全国の農林漁業団体の再建がこれによって相当促進されたわけですが、もちろん漁業協同組合等もこの指定の中に入っておるわけです。この再建整備法によるところの漁業組合の再建状態が好ましい成果をあげているかどうか、その点はどうですか。
○楠見参考人 今お述べになりました整促の適用を受けた漁協は、おおむね順調にいっておる、かように私承知しております。
○芳賀委員 特に、農業協同組合の場合は、この再建整備法の適用だけではまだ不十分であるということで、これは楠見さんも御存じの通りですが、三十一年に農業協同組合整備特別措置法というものを特に農業協同組合に適用して、そしてさらに協同組合の健全なる育成をはかっておるわけです。当時、漁業協同組合についてもこれと同じような適用をすべきであるという論も相当起きたのでございますが、実態の把握が不十分であったので、漁業協同組合については除かれておったのであります。農業協同組合はこれらの措置によって比較的順調な経路をたどっておるのでありますが、今の段階から見て、漁業協同組合関係はこれらの農業協同組合の整備特別措置法に準じたような特殊な制度上の配慮を行う必要があるかどうか、そういう点についてはいかなる判断を持っておりますか。
○楠見参考人 農業関係の整備促進あるいは整備特別措置につきましては、これは芳賀さんは私よりももっとお詳しいのでありますが、農業関係は連合会の段階が一巡いたしまして、単協の段階で今お述べになりましたような特別措置が現在進行中でございます。漁業関係では、大体今日までたしか十二、三の連合会が整促適用を受け、あとまだ一、二残っておりますが、今日連合会の段階はようやく終らんとしておるような状況であります。そこで、それから先の単協の段階に入ることになるかどうか、こういうことでございます。まだ詳細なことをここで申し上げるまでの段階には至っておりませんけれども、大体、漁業関係の単協の事業状況あるいは内容と、農業関係における単協の状況とは、だいぶん違うのではないか、こういうようなことが今ちょっと感ぜられます。と申しますことは、漁業関係で単協として仕事をやっておるところは、相当しっかりとした経営を従来もやっており、そうでない単協は、大体連合会の所属で、いわば農業単協のような事業内容なりあるいは事業のやり方とは相当違うのではないか、従って、農業関係で連合会の段階が済み、それから単協の段階にどうしても入らなければならないという場合と、漁業関係とでは、その間若干趣きを異にするのではないか、こういうような気もいたすのであります。しかし、詳細なことはまだ十分検討いたしておるわけでありませんから、ただいま将来どうするかということを私どもの方から申し上げることは差し控えたいと思います。これはむしろ行政庁の方でどうごらんになっておりますか、このことなんかもよくお伺いして、われわれはそれに従って善処するということの方が順序ではなかろうか、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 それでは、この点について水産庁長官にお尋ねします。
○奧原政府委員 今日沿岸の単位漁協が、今正確な数字を手元に持っておらないことをおわび申し上げますが、約四千ございます。その中で、信用事業、共同販売、共同購入等の総合経営をとにかくやっておるという組合は全体の三割見当かと考えております。それから、残りのものの中で約三割が不振組合、四割がとにかく通常の経営をいたしておる、こういう状態であろうかと考えております。その不振組合の中におきましても、いずれも漁業権の管理主体の機能を果しておるのでございますが、経済協同組合としての機能が非常に不十分なものに関しまして、ただいまお話がございましたように、農協について再建整備の特別措置を立法によって講じておりますのと同じような対策をやはり講じていかなければならないのではないか、かように考えております。ただ、農協と違いますることは、漁協に関しましては、たとえば合併促進というようなものについては、根本的な制度の問題を考えなければ——すなわち、漁協の機能が漁業権の管理と経済活動と二元的な機能を持っておる、その点、これを伸ばすためには、むしろ分化していったらいいのではないかというふうな、機能上の問題が根本制度の問題としてあるわけでございます。そこらあたりにメスを入れなければ、合併促進もなかなかスムーズにはいかない、かように考えております。しかし、まあどちらにいたしましても、そういう事情はありながらも、とにかくあの農協の整備の特別措置と同じようなことを漁協についても考えるべきだ、かように考えるのでございますが、幸いにいたしまして、昨年度予算要求において実りませんでしたこの特別指導が、今年度の予算においては少規模ながらも承認を受けた次第でございます。約二百の組合に対しまして、駐在及び巡回指導を一そう強化徹底させる、こういうことに踏み切りました次第でございます。
○芳賀委員 そこで、この機会にお尋ねしたいのは、少し問題が飛躍するかもしれませんが、現在わが国の農業というものは急速度に兼業化が進んでおりますね。たとえば、昭和二十六年に専業農家が五五%、兼業農家が四五%であったのが、三十一年には専業が三五%で兼業が六五%ということになっておるのです。これは一つの日本農業の特質だと思うわけです。それと同時に、農業と漁業の相関性のもとにおいて、やはり漁業の面においても兼業化が非常に進行しておると考えられる。ですから、特に沿岸等においては農漁業の兼業というのは非常に拡大されておるわけです。ですから、その場合、その地域における単位農協、単位漁協においては、ほとんど同一の人が農協にも加入し漁協にも加入しておるというような例が次第に増加してきておるわけです。ですから、これらの点は、兼業化されておる組合員を包蔵している協同組合は実態において非常に弱いのでございますから、地域における漁業・農業の兼業化の相関性の上に立った今後の協同組合の運営とか組織上の形態ということについても、この際十分実情に即した検討を加えるべきでないかと考えられるわけでありますが、そういう点については、水産庁当局あるいは中金等においても何らかの検討を加えておられるかどうか、いかがですか。
○奧原政府委員 農業におけると同じように、漁業におきましても兼業化の状況が進んでおる、かように考えております。詳細な数字は実は手元に持ち合しておりませんので、いずれまた資料として差し上げるようにいたしますが、全体の漁業の経営体数、これは大部分沿岸漁業とお考え下さってけっこうでございますが、約二十五万経営体、その中で、専業として漁業をやっておりますのが、おそらく四万経営体くらいであろうかと考えております。そして、第一種、第二種、兼業の比率は、今ここにはっきり記憶いたしておりませんが、専業の経営体数及び第一種経営体数が漸次減って、兼業経営体数及び第二種兼業経営体数が増加しつつあるというのが、第一次及び第二次漁業センサスの統計の示すところでございます。そこで、われわれが沿岸漁業対策を考えるに当りましては、私は、あくまでも一つの経営体としての漁家をとらえ、その総合的な所得の増大ということに努めるべきであり、また、漁村部落に関しましても、一つの社会元としての漁村部落というものを総合的にとらえて、その村作り自身の上からその部落民の経営の作興をはかるということでなければならない、かように考えておるのであります。 〔委員長退席、本名委員長代理着席〕 従って、水産庁の立場ではございまするけれども、沿岸漁業対策というものは、漁業だけの観点から考えるべきものであるとは考えておりません。実は、そういう意味におきまして、新農山漁村の総合振興対策というものが漸次軌道に乗っておりまして、漁業部落に関しましても、現在昨年度の助成費といたしましてたしか二億一千万ばかりの助成費がその中かも漁業関係の施設に助成されております。魚価あるいは流通等の対策として相当な寄与をいたしておる次第でございます。また、簡易なる増殖等の仕事も行われておるのでございます。しかしながら、この問題は、水産庁の予算の中にも、同じく新農山漁村総合振興の補充としまして、同じような性格を持った予算を計上すべきである、かように考えておるのであります。そこで、新農山漁村の方で手が伸びなかった漁業部落に対しまして、その部落の総合振興という観点から、単に水中におきまする増殖等、漁場改良等の仕事のみならず、陸上におきまする加工業あるいは授産場その他のいろいろな施設にまで及んだ総合的な助成を実行していくということであるべきではないかということで、今年度は約八千万円ばかりの金でございまするが、明年度以降はこの金をできる限り伸ばして参りたい、かように考えておる次第でございまして、組合の制度を今後われわれが検討いたすに当りましても、そういう漁家の多元的な経営の性格というものを常にわれわれは見失わないで検討を進めて参りたい、かように考えておる次第であります。
○楠見参考人 芳賀さんのただいまのお話はまことに重大な問題といいますか、重要な、と同時に非常に困難な問題であります。要するに、雇用の機会を与えて所得を増大するという観点から、われわれ農林中央金庫として、どういう面に努力をし、また協力すべきか、こういう点に帰着するかと思うのでありますが、大きな農政上の問題、あるいは漁業行政上の問題につきましては、もちろん農林省において御検討になり、そしてまた一つの方向をお示しになり、それに即応してわれわれは御協力するわけでありますが、同時に、それと関連を持ちまして、われわれは、たとえば水産関係において加工業等が地元で伸びて、それに必要な施設、資金等を考えていくとか、いろいろそういった面で協力すべき、また努力すべき点が多々あろうかと考えております。そういう点については、従来もそういうことは十分に考えて参っておりますが、今後も一そう努力して参りたい、かように考えております。
○芳賀委員 この際問題になるのは、沿岸漁業の振興の上から見るといろいろな施策もあるわけでありますが、しかし、その農業・漁業兼業化の点から見ると、たとい漁業が主であり農業が従であるような経営体であっても、やはり沖合に対する進出はいろいろな漁業の近代化も考えなければならぬですが、たとえば、特に北海道の場合なんかは、背後地に農業部面でのいわゆる所得の増大をはかってやるというような配慮もまだ講ぜられないことはないと思うのです。そういう場合において、単位協同組合が特に沿岸地方において兼業の上に置かれておるという一つの特性を持っておるとすれば、この際、協同組合総合化の中において、たとえば農業、漁業部面を包括したような協同組合の運営というものは必ずしも不可能とは考えられないのです。さっき長官の言われたように、漁業協同組合には、漁業権の管理とか、そういう仕事があるとしても、そういう点はやはり運営の中で明確にすればできるのじゃないかと思うわけです。今日は直ちにどうという結論は出ないとしても、現状から見て、やはりこういう問題についても取り組んで、一つの方法を打ち立てる時期ではないかと考えるわけなんですが、それらの具体的問題について、何かもう少しまとまった考えがあればお伺いしたいと思います。
○楠見参考人 結論めいたことを申し上げるわけには参りませんが、今芳賀さんのお述べになりましたように、それぞれの法体系が異なり、あるいは特性はあるにいたしましても、協同組合として共通の部面はあるわけでありますから、それをどういうふうに取り上げていくかということの一つの事例として、これはお聞き取りいただきたいと思います。実は私どもの方で今度六つの支所を廃止することにいたしました。そして、従来やっておりました仕事の相当な重要部分を、代理業務といたしまして農業関係の信連に委託をすることにいたしました。その際に、信連における代理業務の中に、農業と林業と水産における共通的な仕事を取り扱わせることにいたしたわけであります。しかし、これについては、それぞれの法体系その他が違うからというか、あるいはいわゆる個人主義といいますか、そういう面から、なかなかしっくりしない向きもあるのでありますが、私は、こういうことが、協同組合共通の面における一つのやり方といいますか、そういう部面から、将来に問題を提供したことだと考えております。これは先ほど申し上げましたようにほんとうに一つの事例にすぎませんし、いい悪いという判断はだんだんとこれから出てくると思いますけれども、そういうふうに、機会あるごとにそういう部面について検討をし、また、パイロット・プランというようなものは一つ勇敢に作っていきたい、かように考えております。
○芳賀委員 この問題は次の機会に譲ることにいたしまして、次にお尋ねしたい点は、北洋漁業関係についての中金の融資状態は今日どういうふうになっておりますか。
○楠見参考人 北洋漁業につきましては、これは独航船関係に若干融資しているほかは、たとえば北海道の函館公海であるとか、あるいは漁業公社であるとか、それ以外の単協でありますとか、そういう面の融資と、それから、昨年、北洋漁業におきましては非常に豊漁であり、しかも輸出用のサケ、マスのカン詰の仕込み資金といいますか、買い取り資金といいますか、そういうので関連産業融資として大きな会社に融資したことがございます。あとの方は、輸出が伸びますと同時に、これは余裕金融資でありますから、その期間は大体今年の三月末ということにいたしておりまして、その方の融資は、今日は全部返還を受けております。従って、今日北洋関係で残っておりますのは、通常の漁業資金として従来出しておりましたのと大差のない状況でございます。
○芳賀委員 金額はどのくらいですか。
○楠見参考人 系統関係で今出しておりますのは二千四百万、それから公庫の受託業務として出しておりますのは二千四百万円、合計四千八百万円という数字だそうでございます。
○芳賀委員 そこで、お尋ねしたいのですが、最近の動きで、これは特に水産庁長官あるいは中金においても重大関心を持っておられると思うのですが、この北洋における母船会社と付属独航船との関係において、所属母船会社別の独航船協同組合の結成の動きが相当進んでいるようにわれわれ聞いているわけです。これが名のごとく協同組合の本質の上に立って作られる漁業協同組合であるとすれば、これは今後重大な問題に発展する場合もあるのじゃないかと考えられるのです。この際、これらの動きに対して、特に行政庁である水産庁長官は、これをどういうふうに判断しておられるのですか。
○奧原政府委員 母船会社の系列別の協同組合に独航船主が改組していきたいというふうな動きが、ややきざしたことはございました。しかし、同時にまた、独航船主の中におきましても、それはあまりにも母船に対する従属性というものを強めることになる、むしろそれはそれぞれの独航船主が地域的にかあるいは全国一本にかそういう組織を作っていく方が合理的ではないか、こういう反省も出て参りまして、その母船会社別の船主の組合を作ろうという動きは今立ち消えに相なっていると承知をいたしております。なお、この際、今日できております日鮭連、あの組織を単一組合に改組しようじゃないか、こういう動きも実はあるのでございますが、しかし、また同時に、既存の組合の中には、やはり今の形のまま内容を改善していきたいという考え方もまだ強いようございまして、その辺の結論は出ておらない次第でございます。
○芳賀委員 中金の方は……。
○楠見参考人 先般の日ソ漁業条約における漁獲量の制限に関連いたしまして、今日北洋における鮭鱒の独航船整理の問題がございます。私どもの方で、その独航船四十隻の整理資金を融資してもらいたいということについての申し入れを受けて、現在これを検討中でございます。この点は、いろいろ政府の行政指導方針なり、あるいはその他の関係、いろいろ各地それぞれの事情があるようには承知いたしております。従って、単純に金融の面からこれを左右するという思い上った考え方は持っておりませんけれども、しかし、強い希望といたしましては、あくまで基本は、ただいま芳賀さんが御心配されたような、母船会社と従属関係に立つような組合の設立ではなしに、できるだけ全国的に一本化した、しっかりとした独航船組合ができることが望ましい、こういうふうに考えております。従って、そういうふうな考え方を折に触れ行政庁にも意見として申し上げ、また業界の人々にもそういうふうな意向、希望をお伝えをしておるような次第でございます。要するに、漁協としては、自主性を持った、しかも組合の基礎のしっかりした、団結力の強い、従ってまた信用力の高まった組合のできることを希望いたしておるような次第でございます。
○芳賀委員 ただいまの御答弁で大体内容が明らかになったのですが、しかし、先ほど長官の言われたように、この系列別協同組合の動きは非常に微弱なものであるとか、あるいは取りやめになったやのごとき説明でございますが、これはまだ軽視できないと思うのです。この点に対しては、やはり将来根強いあるいは活発な動きが展開されるんじゃないかと判断される節がある。ですから、この際政府当局においても、これらの母船会社と独航船との間における、しかも会社別、系列別協同組合結成の動きは、全くこれは協同組合の本質を冒涜するものであるし、政府としてもかかる組合の組織とか結成は好ましいものではない、これは邪道である、そういうような見解をこの機会に一日も早く明らかにすることが、かかる動きに最終的な終止符を打たせることにもなると思うのですが、そういう明確な見解を政府として明らかにする御意思はありますか。
○奧原政府委員 私は、どういう組織を作るかということに関しまして、政府の方が一つの方針を示して組合の動きをその方角に持っていくという積極的な干渉をすべきではない、かように考えております。しかしながら、当然いろいろな接触の機会もあり、また、いろいろな意見を求められることもしばしばあるのでありまして、そういう際におきましては、今日の独航船の組合のあり方といたしましては、自主的に、しかもできる限り系列を離れた横断的な組織であって初めて母船会社との間に魚価交渉その他いろいろな交渉も円滑に進めることができ、また同時に、金融その他についても、そのベースの上に乗る地歩を強化していく、こういう考え方を持っておるのでございまして、そういう意味の指導を側面的にするという程度にとどめておきたいと思っておるのでございます。 なお、系列別組合の動きは、ごく一部の母船会社及びその所属独航船主の間で動いたことはございましたが、今日では、その一部の動き出しました会社におきましても、その話はすっかり立ち消えになっておる、こういう状況でございます。経過的にも、それが独航船主側の大勢を制するというふうなことには一向相ならなかったようにわれわれも了解いたしておるのでございます。
○芳賀委員 特に北洋問題は、単に母船会社とかそういう表面に出ておる力だけが力であるというわけじゃないのです。背後勢力というものをわれわれは軽視できないのです。ですから、長官が純理的な気持から、こういう行き方は好ましくないとかいけないという考えの上に立っても、明確に政府の責任において見解を明らかにするという時期を失った場合においては、表面に出ない背後勢力がそれを曲げてでも実現させるような力を多分に持っておるわけです。そういう点をやはり警戒する必要がある。幸いにして、今日の動きはそれほど積極的でない、取りやめになったような向きもあるということであれば、やはりこの機会に政府としては協同組合本来の姿というものを明らかにして、そうして、結成を意図しておるあるいは母船会社、独航船関係についても適切な指導をやってもらわなければならぬ。やはり、資本的な支配関係とか従属関係に置かれた場合においては、協同組合の意義というものは全く失われてしまうのでありまして、今日においても、母船会社と独航船の間においては、仕込み資金の関係においても、建造資金の場合においても、そういう支配関係というものはすでに相当深くなっておるわけです。しかも、今後系列別、母船会社別の組合ができるということになれば、先ほど長官あるいは中金理事長から指摘のありました、一番大事な魚酒協定の問題とか、特に独航船側の利益主張というものは全くできないような状態になってしまうわけです。ですから、こういう点については、やはりその誤まりというものを一日も早く指摘して、そういう動きが今後発展しないようにするのが政府の責任だと思うわけです。また、これに対して、かかる協同組合ができれば、当然中金等に対しても金融の要請が行われるわけです。資金の貸付とか回収の面から見れば、母船会社が裏づけをするという場合においては、むしろかかる系列別組合が出た方が運営が容易であるというような、協同組合の本質から離れて金融の角度から見れば望ましい姿であるという場合もあるかもしれませんが、この点は、楠見さんが言われた通り、そういうことでこれを認めるということは絶対できないと思うわけです。ですから、行政庁の立場から見た場合と、系統機関の立場から見た場合のこれらの動きに対する見解というものを、この機会に国会を通じてやはり明らかにすべきだと私は思うわけです。もう少し積極的な具体的な見解を示してもらいたいと思うのです。特にこの点については農林大臣等から言明を得たいのでありますが、まだ出席がありませんので、長官あるいは、石坂政務次官からでもけっこうでありますから、もう一度具体的な言明を願いたいと思います。
○奧原政府委員 問題は、協同組合に対する監督の問題、それから、北洋の独航船という一つの経営主体に対する指導の問題でありまして、従って、われわれといたしましては、組合なり独航船主の自主性を尊重していきたい、その自主性のもとにおける現在までの動きにおきましては、私は、今ここで先ほど申し上げました当局の考え方を天下に打ち出さなくとも、間違った動きをする方角には至っておらない、かように考えておる次第でございます。おそらく、先ほど私が指導上のアドヴアイスをする用意があるということを申し上げました点あたりで、われわれの意図もそれらのものに十分理解されるのじゃないか、かように思うのでございます。
○芳賀委員 特に、一面においては、先ほど長官も言われたように、日鮭連を中心として、あるいは北洋三組合等の統合の問題とか、あるいは強化の問題等が相当活発な動きを展開しておるわけですから、かかる自主性の上に立った組合の強化の動きに対してこそ大いに支援を与えるのが当然であると思いますが、とにかく、二つの動きがあるわけでありますから、これは軽々として安易に考えることはできないと思うのです。ですから、この点については、長官の今言われた程度では絶対安心だということにはならぬわけです。政務次官、どうですか。
○石坂政府委員 協同組合の本来の性格とその運営について、本来のあり方を逸脱しないようにやるということについての芳賀さんの御意見には、われわれも同感であります。さて、それをいかに政府が指導していくかという問題でありますが、この点については、水産庁長官よりるる御答弁申し上げておりますような趣旨でありまして、政府といたしましては、今日の段階におきましては水産庁長官の答弁から出ておりません。どうぞ御了承を願います。
○芳賀委員 そういうばかなことじゃないんですよ。とにかく協同組合等に対する指導というのは行政庁の責任ですからね。その限界が今のように微温的なものでいいということはないと思う。先ほど私が言ったように、北洋の資本系列は相当強い力を持っておる。たとえば、日魯に例をとっても、日魯が中心になって系列別組合を作る、水産庁や農林省が好ましくないと言っても、日魯の背後にある勢力が、たとえば政府部内あるいは閣議等において、これはあくまでやらせなければいかぬでないかというようなことを言った場合には、それがたとえば非であっても、好ましくない動きであっても、そのことが実現される可能性があるわけなんです。今までそういう事例が多いのです。あなた方はそういうことを知っているからはっきりしたことが言えないんじゃないですか。そういう心配があれば、この機会に明らかにして、そういう動きを封ずることの方が大事だと思う。ですから、もう少し具体的に、この点は行政庁の監督の責任において明確にしてもらいたい。これは大臣が来なければできないとすれば、農林大臣出席の上でもけっこうですが、その程度のなまぬるいことで、心配がないとか、行政庁としてはこの程度しか表明ができないというものではないと思うのです。どうですか。
○石坂政府委員 重ねての御質問でありますが、協同組合の本来の性格、あり方というものにつきましては、芳賀委員つとに十分御承知の通りであります。それに対しまして、ただいまその指導について政府がかくあるべしという線を強く押し出しますことはいかがであろうか、こういう考えから、今まで答弁しておりますような考えの程度であります。
○芳賀委員 これは、くどいようですが、たとえば農業協同組合関係等についても、今次官や長官の言われたような、そういう微温的な指導は行われていないのです。もう少し具体的な、協同組合はこのようでなければならぬとか、かかることは協同組合としての逸脱であるとか、そういう具体的な事例をあげて今日まで指導をしてきても、まだ農林省当局の指導力とかそういうものが非常に貧弱であって足りないという指摘を受けておるわけなのです。ところが、今の言明から言うと、これは全く問題にならぬわけですから、この点については、委員長に申し上げますが、後刻農林大臣の出席を求めて明確にしていただきたいと思うわけです。 特に楠見理事長にお尋ねしますが、それでは、こういうような動きに対しては、これは好ましくない、系統機関から見ても、こういうような形のものがまとまってきても、たとえば金融面等の問題については、やはり組合としての自主性の上に立った協同組合でなければ、これは応ずることができないというような見解はお示しになれますか。
○楠見参考人 考え方は先ほど申し上げた通りだと思うのですが、金融関係からいけば、芳賀さん御指摘になりましたように、その方が便利だと思うのです。しかし、農林中金から金を借りるためだけにそういう特殊な協同組合を作るということは、私はナンセンスだと思う。むしろ、そういう場合には、その協同組合に貸すよりも母船会社に貸した方がもっと的確で端的だと思う。従って、金融面からのみ申しますと、——ほかの事情は申し上げるわけには参りませんが、金融面からだけ見て申し上げれば、そういう組合はナンセンスだ、こういうふうに私は考えます。
○芳賀委員 委員長に申し上げますが、楠見参考人に対する私の質問はこの程度にとどめておきます。 次に、きようで本国会が終りですから、この機会にお尋ねしておきたいのですが、実は、解散以前の前国会において、中型びきの禁止区域拡大の問題について当農林水産委員会においては決議が行われて、すみやかにこれが実施されるよう政府に対し強い善処を要求しておるわけでありますが、その後この問題は何ら進展を見ておらないわけでありますが、どういうわけで今日まで水産庁においてはこの問題を放置しておるか、その理由をお尋ねいたします。
○奧原政府委員 水産庁は、過般の当委員会におきまする決議の趣旨を体しまして、目下この問題に対処いたしまする具体案を鋭意検討をいたしておるのでございます。北海道の底びき漁業が——これは北海道のみならず内地においてもそうであるのでありますが、沿岸から遠ざけられて別に漁場を求めるべきであるということについては、まさしく方角としてはその通りであると思うのであります。北海道に関しましては、そういう意味におきまして、北千島及び西カム沖合いの底びき漁場の状況を、われわれこの一月以来試験操業していろいろ調査検討を進めておる次第でございます。しかしながら、今の段階におきましては、これに対しましてどの程度の収容力を見込むべきか等の基本的な問題については、まだ結論を得るに至っておらない次第でございます。しかしながら、その問題はそうであるといたしましても、現段階におきましては、当然、かねてから問題になっております底びきの禁止区域を拡大をして沿岸漁業との間の調整をはかるということについては対処していかなければならない、かように考えておるのでございます。実は、この八月末、所によりましては九月半ばまでのところもございまするが、それまでが底びき禁漁期間でございます。従って禁止区域拡大の問題はその禁漁期間の間にぜひ具体的に措置をいたして参りたい。そのためには、相当な紛糾が起り、時間を要することも予測されるのでございます。従いまして、われわれとしましては、少くとも今月中には具体的にそういう調整に乗り出して参りたい、かように考えておる次第でございます。
○芳賀委員 この問題は前国会においてもしばしば取り上げた問題であって、特に当時の新澤漁政部長の言明によっても、二月には北海道の現地調査を行なって、その調査をもとにして速急に禁止区域拡大の問題については処理する、考え方としては、北海道の沿岸全体に対する禁止区域拡大を同時に行うということについては時期的に無理があるが、可能な地域からこれを区分して漸次実施するという方法もあるので、この漸進的な方法を採用してやっていきたい、というような具体的な言明も実はあったわけであります。その後新澤さんはかわられたわけでありますが、今の長官のお話によりますと、何ら具体的にどうするというところまでいっていないようであります。これは全く怠慢だと思うのです。どういう障害とか大きな困難があって今日までこれが進展しないわけなのですか、その原因とか理由をもう少し明らかにしてもらいたい。
○奧原政府委員 新澤前漁政部長が当委員会において申し上げました通りにわれわれは作業を進めておる次第でございます。この問題は非常に複雑でございます。今日、北海道議会において決議されておりまするあの底びきの禁止区域拡大の線の内容につきましても、いろんな考え方が入っておるように思います。たとえば、沿岸漁業との間の操業上の相剋摩擦というものの解消という問題もございますが、同時に、資源上の問題もある。あるいは、将来沿岸漁業がそこまで伸びてくるから、この際線を引いて、底びきを今から出しておこう、こういうふうな内容の点もあります。いろいろ問題の内容が複雑でございます。かつまた、われわれ漁業調整には毎年何件か非常にむずかしい調整問題があって常に苦労いたすのでございますが、この調整につきましては、やはり常に対立しておる両当事者をとにかく納得させなければいけないのであります。お互いが不満であるということでまた満足をしてもらう、こういうことに運ばなければならないのでございます。その運びのためには、最初からこういう内容でやるのだという確定不動のアイデアを示すということは、決して調整を取り運んでいくやり方ではないようにも考えるのでございます。そういう意味におきまして、われわれもいろいろ目下検討をいたしております。これはもう今月中には、具体的に何らかの方法で、対立する両当事者及び道にもそれぞれ接触をしなければならない。不日明らかになる次第でございます。もうしばらくお待ちを願いたい、かように存じます。
○芳賀委員 とにかく、前国会の当時よりも最近の客観情勢の方が悪化しているということは一応わかるわけなのです。たとえば、本年度の北洋の漁業交渉の取りきめから見ても、われわれが最も期待しておるオホーツク海に対する鮭鱒漁業を初め、進出する機会をみずから放棄してしまった。そうなると、禁止区域を拡大して底びきを一そう沖合いの方へ進出させるというような、そういう保証等についても可能性が非常に薄くなってきているわけです。そういう困難さがますます倍加されてきますから、政府としてもなかなか思い切った踏み切りができないということはわかる。しかし、これは政府の責任においてこういうふうな事態を作っているのであって、漁業交渉等のてんまつを見ても、進出の機会をみずから放棄してしまった。だから、今度は禁止区域を拡大して中型の底びきに対してはさらに北洋方面等に進出の機会を与えますというようなこともなかなか言えなくなったわけなんです。これはやはり政府の政策の貧困とか外交上の一つの失敗からこういう事態が生じてきておるのであって、それだからといって、沿岸漁民を犠牲にしてこの問題の解決をいつまでも遅延させるということは、これは許せないと思うのです。当時も論議されたのでありますが、この問題を解決するためには、水産庁の言うように、禁止区域を拡大したことによってこの底びき側のこうむる不利益とかそういう問題をいかにして補うかというような条件が完全にでき上ってから禁止区域拡大の実施をはかる考えでいくのか、あるいはまた、私どもの主張するように、とにかく禁止区域拡大の方針というものを一日も早く明確にして、そのことによって影響を受ける底びき側に対しては、そこを起点としてその後に十分なる国の配慮をはかってやるというようなことでいくのか、その点が今後の問題の解決に、時期に対してもやはり影響があると思う。先に底びき側のことを十分考えてからということになると、まだまだおくれると思うのです。ですから、基本的には沿岸漁業を守るという立場の上に立って、そうして適正妥当な禁止区域拡大をまず行なって、それによってこうむる底びき側の不利益に対しましては政府の責任において十分善処をしてやるということでいくべきであると思いますが、その点はいかがですか。
○奧原政府委員 だんだんの御指摘をいただいたのでございますが、しかし、問題は、先ほども簡単に触れましたように、現在道議会で決議されておる、あるいはその後に追加された底びきの禁止線拡大のあの要求の内容がどういう意味を沿岸漁業との関連において持っておるか、こういう内容の分析によって判断をすべきじゃないか、かように考えておるのでございます。そこで、その内容の分析によって、当面緊急にやらなければならないと考えられるものにつきましては、この際直ちに禁止区域の拡大の方角に前進をいたして参りたい、かように考えておる次第でございます。 なお、底びき漁船の転換していく可能性というものはますます減り、その困難が倍加したではないか、こういうお話があったのでございますが、われわれは、底びき漁船を鮭鱒漁業に転換さしていくということは、日ソ漁業条約が交渉されましたあの時点において、もはやその可能性はなくなっておるのでございます。むしろ、これは、底びきは底びきとして転換していく漁場を求めるべきであり、そういう意味におきまして、今日北千島あるいは西カム沖合い等についてはまだまだ十分調査研究していけばやはり相当なる収容力をそこで考え得る、かように考えておるのでございまして、われわれは、今この行く先について、必ずしもこの時点において困難が増加したとも実は考えておらない次第でございます。
○芳賀委員 今の状況では、おそらく、奧原さんが水産庁長官をやっておる限り、なかなかこの問題は解決しないんじゃないですか。そんなことはありませんか。
○奧原政府委員 長官あるいは担当者の気持によって遅速が左右されないような進め方によって、この問題を解決して参りたい。すなわち、漁場の探求というものはあくまでも科学的な探求であります。これによって結論が出れば、直ちにこれを実施に移す、こういうことに相なろうかと思うのでございます。
○芳賀委員 ぜひそうあってもらいたいと思います。とにかく、一般の批判は、どうも最近の水産行政——最近でなくて従来からそうですが、力の強いものとの結びつきが非常に多くて、弱いものとの結びつきというものは非常に希薄なわけです。そういうことではやはり正しい水産行政というものを進めることはできないと思うのですよ。ですから、今日塗炭の苦しみに置かれておる大ぜいの沿岸漁民の生活をどうして守るかということに最重点施策を置く場合においては、相当の困難があっても、やはり沿岸漁業保護の一環としてこの禁止区域の拡大をやらなければならぬという建前の上に立った場合においては、積極的にこれを進めていくのが当然だと思うわけですね。それが今日においても具体的にまだ明確になっていないということは、非常に遺憾なことなんです。ですから、少くとも、この機会に、それでは最初の実施を何月の幾日ごろにやるとか、内容においてはどういうふうな段階を踏んでやっていくとか、あるいは、その場合に予想される底びき側に対して国の配慮はどうやるとか、そのくらいのことはこの機会に明確にできるんじゃないかと思うのですよ。それも何らないということになりますと、これは全く問題の解決を放任しておるとしか考えられないのですが、どうですか。
○奧原政府委員 今月の二十日ころから、東京におきまして、いよいよ禁止区域拡大についての具体的な話し合いに入りたい、かように考えておる次第でございます。
○芳賀委員 実は、昨年、今度政務次官になった石坂さんも、当委員会の調査班の班長になって北海道の沿岸をずっと回ってきて、実情を十分承知されておるのです。その当時も、沿岸における窮状を打開するためには禁止区域の拡大をぜひやってもらわなければならぬという切実な現地の要請もあったので、幸いに石坂政務次官の就任された今日ですから、この点についても期待に沿ったような問題の処理を進めていっていただきたいと思うわけです。 この問題は、もう一つ、内地府県においてはそういう事例はないのですが、北海道の禁止区域の場合においては、共同漁業権の区域と競合しているという点ですね。共同漁業権の区域の中にそのラインが入り込んできておるわけなんです。内地府県においては、このような事例は全くないわけです。これに対してもいろいろ法理的な論拠は多々あると思いますが、常識的に考えた場合においては、共同漁業権の中にこの区域が入り込んでおるという事態は、すなおに了解することはできないと思うのです。特に素朴な沿岸漁民の場合においては、このような沿岸漁民のいわゆる漁民感情等を十分察知してやらなければならぬ。これは、許可の権限が、共同漁業権の場合においては漁業法に基いて知事許可になっておりますし、底びきの区域の場合においては中型機船底びき漁業取締規則によって農林大臣の許可ということになっております。その権限の帰属は違うわけでありますが、これらの点についても、やはり漁業調整の立場に立った場合においては、明確な解明を行う必要もあるのではないかと思うわけであります。こういう点に対しては、水産庁長官あるいは政務次官はどうお考えでありますか。これは当面した問題と将来に関する問題と分れておるわけなんです。お伺いします。
○奧原政府委員 常識論として理解が困難であるという御意見でございましたので、今ここで法理論を申し上げることはあるいは差し控えた方がいいのかもしれませんが、ただ一言だけ申し上げますれば、かつての専用漁業権というものは、浮魚も底魚の類も含んでおります。しかし、今日の共同漁業権は、地付、磯付の貝類、海藻類等を主とする権利でございます。従って、底びきの区域がかりに共同漁業権の中に入っておりました場合においても、直ちにそれが共同漁業権を侵すというふうなことには相ならない場合の方がむしろ多いのではないか。要するに、その地方の漁業調整としてどういうふうにしたらいいのか、沿岸漁業の浮魚についての漁業活動というものはどこまで行っておるか、そんなふうなものの検討の上からその結論は出さなければならないと、かように思うのであります。しかし、今そういう御意見が出ますのは、今度の北海道のまさに今始まらんとしておりまする禁止区域拡大に関連して御考慮に相なる点があっての御意見であろうと思うのでありまするが、これに関しましては、具体的にはどういう線を出すかということについては、もうしばらく御猶予をいただきたいと思います。
○石坂政府委員 この問題もいろいろ法理的にも研究しなければならぬ問題が含まれております。従いまして、ただいま長官から御答弁申し上げましたように、十分に研究して、早急に解決いたしたいと思っております。 なお、先ほど、芳賀委員のお話の中で、昨年の北海道沿岸漁業視察のことがありましたが、いかにも、芳賀委員と一緒に現地に参りまして、つぶさに現地の状況は視察して参っております。従いまして、芳賀委員の御期待にできるだけ沿いますように最善の努力をいたしたいと考えております。
○芳賀委員 最後にもう一点だけお尋ねしますが、これは太平洋沿岸における十トン未満の小型船に対してサケ・マスの流し網漁業の自由操業を認めてもらいたいという問題なんです。現在は五トン未満までが自由操業ということになっているのですが、最近の沿岸における凶漁とかあるいは沿岸漁民の経済的な困窮から、ぜひ十トン未満にこれを引き上げてもらいたいという要請が非常に強いわけです。これも水産庁においてはそれぞれ検討中であると思いますが、この点に対しては現在どういうような判断の上に立って問題が進んでおりますか。
○奧原政府委員 その問題に関しましては、私たちは、まず第一には、昨年五トン未満の流し網を届出漁業に解除したそのいきさつから申し上げなければならないと思うのであります。これらの地帯におきましては、サケ・マスの流し網の漁業が比較的小型の船によって行われておったのでございますが、四十八度以南の船が進出いたしまする際に、この沿岸の漁業者諸君は、自分の持っている許可を全部譲渡をして、その漁業をやる権利を放棄した次第でございます。もちろん、その間には当然金銭的な対価を取得したのであろうと、かように思うのであります。一方、一昨年、サケ・マスが比較的岸近くに回遊いたしましたので、すでに操業の権利を喪失はしておるけれども、これらの漁船が大挙出漁いたしまして、そして海上保安庁あるいは私の方の漁業取締官等に取り調べられる、こういうふうな事態が起ったのであります。そこで、せっかく自分の地先に来た魚はとにかくとらしてくれ、こういうお話でありますので、二十海里以内くらい来たものについてはとれるように、こういうことで、五トン未満に関しましては届け出漁業ということで踏み切った次第であるのでございます。ところが、その際には、道庁等との間におきましても、これでその問題は解決済だというふうな話もあったのでございますが、それが漁業者諸君には徹底しなかったのか、今年になりましたら、さらにこれを十トンまで広げてくれと、こういう話に相なっておるのでございます。われわれは決して人を疑うわけではございませんけれども、しかし、同時に、漁業のことというものは、そういうことを踏み切ったときに何が出てくるかということを考えてみなければならないのでございます。今日流し網船は、適法な許可を持っておりますものの中でも、十五トン未満というものがおそらく五十隻くらいはあるのではないか、かように考えるのでございます。これらの立場から考えてみれば、許可制度の秩序というものは一体どこにあるのかというふうな疑問が当然起って参るのではないか、かように考える次第でございます。また、そこでいろいろのものが出てくる一つの空気を譲成する、こういうふうな結果にも相なることは当然覚悟して踏み切らなければならないのではないか。 それから、もう一つ申し上げますれば、この日ソ関の漁業交渉におきまして、区域外における漁獲努力の規制ということを非常に強く要請されておるのでございます。たとえば、はえなわ船につきまして、現在規制区域外にのみ操業しておるのでございます。この漁獲努力が多過ぎる、そこでこれをさらに三度南に下げてくれ、こういうふうな要請がありましたものを、それを、とにかく、規制区域外の漁獲努力をはえなわ船について日本は誠意をもって押えておるのだ、そういうことでソ連側が了承をして、このはえなわ船についての操業区域の縮小をもう撤回した、こういういきさつもあります。また、流し網船自身についても、これについての規制を一そう強化して母船の付属独航船と同様な程度にまで高めようということに関しましても、われわれは整然としてその漁獲規模の拡大を押えておるということによって了解を得て、あの通りの線で解決をいたした次第でございます。そんなふうなこともございまして、規制区域外におきましての漁獲努力を強化するということについては、われわれは非常に慎重でなければならない、こういうふうに考えたのでございます。 現在までのところ、われわれの見当では、今ここで、一たん片づいておるべきはずの話をさらに十トンまでふくらますという冒険をどうもあえてやる勇気を持ち合せておらない次第でございます。
○本名委員長代理 赤路友藏君。
○赤路委員 防衛庁の方へお尋ねいたします。 二十七国会で愛知官房長官の出席を当委員会に求めて、銚子沖に放置されておるイペリット毒ガス弾の掃海について御質問申し上げた。そのときの愛知官房長官の答弁によると、この掃海については現在のところ防衛庁以外では機能がないと思うので、防衛庁の方にそれを担当してやらせたい、こういうような答弁があったわけなんです。その後二十八国会で加藤防衛局長の出席を求めて聞いてみましたが、何ら進行していない、こういう状況なんです。今日までこの問題がどういうふうになっておるのか、その経過について御説明を願いたい。
○高橋説明員 お答え申し上げます。この問題につきましては、内閣の審議室の方で関係各省庁を集めていろいろと検討をしておったわけでありますが、その一つの問題として、先ほど御指摘になりました掃海計画の技術的な検討という問題については、防衛庁に検討をするようにという御下命があったわけでございます。その後、海上幕僚監部の方の関係者によっていろいろと調査をさせまして、その結論として一応申し上げますと、この掃海計画の内容として非常に問題になりますのは、前に私の方で担当いたしました別府湾のこの種の掃海と同じようなケースがあるわけでございますが、その別府湾の掃海の計画を参考にいたしまして、この銚子沖の掃海の計画を技術的に検討いたしましたところ、掃海海域の問題、あるいは掃海の精度の問題、あるいは掃海の期間、あるいはそれに使用すべき船艇の問題等から考えまして、技術的にきわめて困難な問題であるという結論に到達いたしまして、その点につきましては審議室の方に御報告を申し上げておる次第であります。
○赤路委員 今の防衛庁の御答弁によりますと、別府湾の掃海のケースを参考にしていろいろ検討した結果が、技術的にきわめて困難であるという結論が出されたようですが、それでは、内閣審議室の方で、この報告を防衛庁から受けて、それに対してどう検討を加えておるか、この点御報告願いたい。
○松野政府委員 私、今般総務長官に就任しました松野頼三でございます。ふなれな者でありますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。 私、就任早々からこの問題の報告を受けまして、ただいま防衛庁からの報告のように、相当深度が深い、従って、技術的に別府湾でやったような構想ではできない、そのためには船の問題もあるし、同時に、非常に深い海に対するには、いまだに技術的な対策が立たない、こういう報告を受けておりますので、立たなくても、いつかは立てるだろう、同時に、何とかしろということを私の方は相変らず申しておるわけであります。同時に、これは、いろいろ考えて参りましても、ものがものだけに、おそらく沿岸漁民の不安はなかなか去らぬだろう、従って、そういうこともよく漁民の人に話をして、こういう実情でこうだ、また、こういう問題はこういう性質だという普及もしながら、私たちはこの問題に対処して参りたい。しかし、技術的に絶対不可能かというと、今のところ不可能だということで、今のところ非常に問題がむずかしいという報告を受けておりますので、相変らず私は、何とか技術的にできるように考案しろということを申しつけております。
○赤路委員 これは非常に技術的なことであって、従って、当局においても慎重に御検討になったことと思うわけです。ただ、私どもが常識的に考えた場合、かりにも小型底びきで網にひっかかってくる程度のものが、深度が深いから掃海は困難であるということは考えられないんです。これがよほど深海にあるとかいうのなれば別問題ですけれども、網にかかってくる。しかも小型の板びきでひっかかってくるようなものが、深度が深いからやれないということは、これは常識的には考えられない。その点は一体どういうふうに御検討になっておるか、お尋ねしたい。
○松野政府委員 この前出ました以外は、その地域では実は発見されておらないんです。そのほかに、この辺じゃなかろうかと思われるようなところは、非常に深度が深く、この間出てきた周辺にはその後まだ何らその徴候は見えない。根本的に全部やれということになると、深いところまでやらないと、これで全く安全だということに参らない。私の申し上げたのは、先の方を申し上げたわけで、浅い方はその徴候が見られない。少し行きますと非常に深くなる。その辺が危険地域じゃなかろうかということで、そこをやらないと完全でないという報告を実は受けておるわけであります。話が混同しましたけれども、その二種類があるわけであります。
○赤路委員 それで、これは十分御調査になった上で深度の問題が出てきたと思うのです。単に机上で出てきた問題でないと思うのですが、いつごろ現地でこの深度調査と申しますか、そうしたことをおやりになったのか、この点お聞きしたいと思います。
○高橋説明員 この掃海の前提になります一つの問題は、イペリットのボンベが捨てられておる位置とか数量というようなものについて、率直に申し上げますと、正しい情報がないといけないのでありますが、現在のところ、イペリット・ボンベの投棄位置とか、あるいは数量というような点につきましては、水産庁において極力現地の各種の方々から正しい情報を得ていただくということを私どもとしては要望しているわけです。私どもといたしましては、もしもあの銚子沖の海面を全部掃海するとするならば、それは深海であって非常に技術的に困難である、ただ、しかし、イペリット・ボンベの捨てられている位置とか数量等について明確な資料があるならば、私どもはその範囲内において私どもの持っております掃海能力でやることが可能である、こういう趣旨でございます。
○赤路委員 今の御答弁によりますと、これを投棄した当時の数量であるとか、どの場所にあったのかということが、なお正確な情報を得られず不明である、従って、あまりにも広い広範な地域にわたって無計画にやることはできぬ、こういうことだと思うのです。ただ、言いたいことは、広範な地域にわたってといっても、常識的に考えたって、そう広い範囲内にやったものではないと思うんですがね。それから、深度の関係でと言うが、向うはどの程度の深度がありますか。やるというお気持になれば、どの辺にどの程度投棄されておるかということは大体握れるのじゃないか。ただ単に情報を取る情報を取ると言ったって、その当時だれがやったのか、そうしたことすらも正確に今日握れないようでは、情報は取れない。海面が広く、それがわからないのだからやれないのだということでは、結局やらないという結論になるわけだ。それが、昨年九月四日に事件が起って、今日まで何ら具体的に手をつけていないという事実だと思うのです。先ほど総務長官がおっしゃったように、このことのために非常な不安を依然としてかもしておるということです。大体、板びきで揚ってくる、あるいは底びきで揚ってくる、こういうような事実の上に立って、この海面に危険であるからというので、底びき業者は自主的にここへ入らないという措置をとっているわけだ。それはそれでいいんだ、それは勝手なんだというのでほうりっぱなしておくわけにいかぬと思う。非常にむずかしい問題ではあるだろう、非常にやっかいな問題ではあるだろうが、事実操業を停止している漁民の立場に立って考えていただけば、この問題はもっと真剣に取っ組んでいただかなければならぬと思う。私がこの問題を当委員会に持ち出してから、もうすでに十カ月になるのに、依然として一歩も前進していない。私をもって言わしむるならば、あまりにもやり方が冷淡だと思う。現地の漁民の立場に立ってやってもらいたい。もちろん、あれを揚げたとき、負傷した諸君は政府から見舞金をいただいております。十分な手当もしていただいております。しかし、それは負傷に対する手当なんです。その後向うで操業をしておるということに対しては何の手も打ってないのですよ。現地の漁民はぶすぶす言っても陳情にも来ていないはずなんです。いつかやってくれるだろうという希望を持っているのです。ところが、依然としてこの状態なんです。私があえてきょうこの席上に松野総務長官の出席を求めたのは、今のこの問題は事務当局の諸君だけでは解決がつかない。事務当局の諸君でもって解決がつくなら、今まで何らかの方法を見出していなければならないのに、今日まで具体的な方法は一つも見出していない。この点があるから、あえて出席を求めた次第です。一つ総務長官の決意のほどを聞かしていただきたいと思います。
○松野政府委員 要するに、私の気持も赤路さんの気持も同じことで、イペリット全部を掃海しろという方向ではなかなか解決はできませんから、従って、漁業に差しつかえのない範囲内において、底びきをやる範囲内を至急にやれという御趣旨のように私も考えますので——、今までは根本的にこの問題を解決しようと非常に大きく取っ組んだことも事実でございます。しかし、なかなかそういうわけに参りませんから、さしあたり、緊急な場合として、底びきをやる地域だけでも、これは深海じゃなく浅海だからやれというお話のようでございますから、いずれ水産庁の方にもその地域の一応予想地域というものを出してもらい、あるいはイペリット危険地域というか、操業地域というか、それを出してもらい、それに応じて、今度は防衛庁の方も、さしあたり漁民の立場を考えて、——これなら不可能じゃありませんから、そういう方向について、水産庁も農林省もこの辺は危険を除去するに必要な地域なりという地域指定を先にしていただいて、それに応じて私の方は防衛庁にこの辺をやってはどうかという話を進めるならば、一番妥当じゃなかろうか。即答ではなはだ申しわけがありませんが、そう考えますので、私はその方向でこの問題を解決して参りたいと考えております。
○赤路委員 今の松野長官のお話で異議ございません。けっこうだと思いますが、ただ、今までのようなケースを繰り返していっても意味はないと思います。東京で各省でがたんすたん議論しておっても、一歩も前進はしません。現地の漁民の気持というものをやはり考慮の中に入れてもらいたい。そうすると、現地では、大体この部面はいけないのだといって禁止しているのです。この禁止をしておる部面の一部面でもいいと思うのです。現地に船を出して一ぺん見てみて、ここは何もないぞと一言言ってもらうと、そこは安心してやれるのです。具体的な措置をとってもらいたいということなんです。あればある、なければない、——それは深さもありましょう。泥で埋まったのもありましょう。正確には把握できないかもしれない。これはもう十数年入っておるのだから、ああいうところですから、下へ入ってしまっておるかもしれない泥で埋まっておるかもしれない。それはそれなりに、防衛庁なり政府自体が出てやってくれたのだということで、どれだけ違うかということです。これが私は親心のあるやり方だと思う。ここで何ぼ議論しておっても、一歩も進みません。ぜひ一つそういうふうに、長官の今の御意見けっこうでございますから、具体的にそれをおやり願いたい。これだけを要望いたしておきます。
○松野政府委員 御趣旨に沿うように、さっそく農林省と連絡し、その資料ができ次第、防衛庁からもその地域内の安全確保のためにできるだけ協力するようにいたします。
○石坂政府委員 農林省の意見を特に求められたのじゃなかったのですが一言農林省の立場を明らかにしておきたいと思います。 ただいま赤路委員の御質問の趣旨はごもっともに存じます。従いまして、すみやかに関係漁民の精神的の不安を除去し、また現実の操業の支障を取り除きますように、極力努力いたしたいと思います。
○中澤委員 関連して……。 ちょうど松野長官がおいでになったから、一言質問して明らかにしておきたいのです。御承知のように、当委員会では乳業問題が非常に問題になっておるわけです。そこで、政府としても、三浦農林大臣は、今後いろいろな方策に対して相当積極的に推し進める決意らしいのです。そこで、問題は、抜本的に恒久対策を考えなければいかぬ。それには、今の業界の言うことだけを聞いていても、実際過剰生産がどれだけあるのか、デッド・ストックはどれだけあるかということは明らかでないのです。そこで、これは九月の臨時国会までに基本的な調査をやはり進める必要があると私は信じておるのです。それについて、具体的にこれを調査するためには、酪振法を改正してやろうという意見もあるわけなんです。ところが、いろいろ研究してみると、これはあなたの御決意で調査権が発動できるのです。それは、統計法の第二条に指定統計というのがある。これは長官が指定すれば直ちに発動することができる。第二条に明らかに指定統計ということが出ておるのです。そこで、この際、政府自体としても、この問題を九月の臨時国会において抜本的な対策を立てて具体的に推進していくには、どうしても在庫調査をやらぬ限り、私はできないと思うのです。そこで、長官は、農業問題で相当御堪能ですし、政調会で相当御勉強されて、これは何とかしなければならぬということはわれわれとも意見が一致すると思うのです。そこで、一つこの際、この統計法の第二条による指定統計調査の中に乳業の調査を加えるという告示をしていただきたいのですが、おやりになる御意思はあるでしょうかどうでしょうか。
○松野政府委員 統計調査は私の方の総理府の所管で、統計の内容は、主として国勢調査その他国の基幹となる調査をやるのが総理府の統計局でありまして、その他の農業統計とかあるいは労働統計は各省において実は分担をしていただいております。従って、私の方は、わずか二千人しかおりませんし、国勢調査をやりましても、三年間くらいしないと全部の統計が出てこないというふうな、実は非常に煩雑な仕事をしておりますので、指定統計調査というのももちろん項目の中にございますが、今日直ちにこれがやれるかどうかということも、私の方も能力を一ぺん再検討させていただいて、能力がありますれば私の方でやってもよろしいし、これがどうしてもできなければ、農林省にもやはり統計事務というのがございますから、どちらでも実はやろうと思えばできるわけでございます。特に私の方がやらなければいけないというなら、いかなる困難を排してもやりますが、一応農林省にも統計調査というのがありますので、両省相談の上で、私の方でやるか農林省でやるかということはきめさしていただきたい。御趣旨としては、もちろん日本の統計は非常におくれておりますし、まだまだ統計のないものが非常にありまして、中澤さんの言われるように乳業の問題は先日来の会議でも非常に大きな場面を占めておりますので、私もその点やる方向には賛成いたしますが、私の方でやるか農林省でやるかは暫時研究さしていただきたいと考えております。
○中澤委員 なるほど、それはお宅の方の予算の関係もあるでしょうし、なかなか問題でしょうが、これは明らかに第二条の指定調査の中で委託調査ができます。しかし、何といっても、長官が抜本的対策を立てるためにこれをやろういうという決意を持たぬと、たとえば委託調査をするにしても、これは長官が告示するかしないかにかかっておるのです。長官が告示さえすれば、そのやりくりの方は、お宅の方でやるなり、あるいは農林省の方でやってもけっこうです。どちらにしても、九月までにこの基本調査をしない限り、私はこの恒久抜本対策は立たないと思うのです。それで、そういう資料をもらわぬ限り、われわれも委員会の実績をあげることはできないし、委員会の質疑というものはいつも空転してしまうと思うのです。今までの資料が具体的に出てくるならば、初めて政府としても、また農林委員会としても、こういう方法がいいじゃないか、これを恒久対策にしようというようなものをお互いに正確に把握して論議できると思うのです。これは、どうしても九月の臨時国会までにある程度のデッド・ストック調査をやらぬ限りは、業界の言うことを一々聞いておっても、三十万石過剰だと言うのもあれば、五十万石と言うのもあれば、あるいは八百四十万石に増産になるから、八十万石対策を立てなければ恒久対策にはならぬという意見も業界にはあるのです。どれをとっていいか、われわれには全然見当がつかない。それはどこに問題があるかといえば、御承知のように、デッド・ストックにあるわけです。これはどうしてもやってもらわなければ、政府自体として、恒久対策が臨時国会において立たないと私は思うのです。当面、当委員会としては三十万石のオーバー分を至急学校給食に回して消費するようにという臨時緊急の対策を考えましたが、九月にはどうしても抜本対策を考えないと、また不需要期に入って第二次値下げというものが九月、十月に火を吹いてくると私は思っておる。この点は一つ、長官が、告示をする、やるのは、具体的に農林省がやるかおれの方がやるか、それはまかしてくれ、こういう御答弁ならそれで満足なんですが、いま一度どうぞ。
○松野政府委員 中澤さんのおっしゃることはよくわかります。私ども直ちに御返答いたしたいと存じますが、やはり、担当が農林大臣でございますから、農林大臣からぜひ一つこうしてくれという要請があれば、私の方は本日でもやる決心があります。責任者としての行政長官の農林大臣から、行政上特に必要だという御要請があれば、——私の方はその準備はいたしております。しかし、行政がやはり農林大臣の行政範囲ですから、その意味で、私の方がいきなり乗り出すには、ちょっとまだ……。一つよく御理解をお願いいたしたい。
○中澤委員 なるほど松野長官の言うことはその通りで、責任の主体は農林省にある。しかもここまで事態がくるまで増産一点張りで、いよいよ増産がされてきたら値下りになる、その処理のしょうがないというのは、まさにあなたのおっしゃる通り、これはまさに責任は農林省だと思うのです。そこで、大臣が来たらあしたまた再確認するといたしまして、政務次官がおいでですから、一つ政務次官のお考えを承わりたい。いずれあすの委員会で大臣に再確認しておかぬ限りは、政務次官としては方策が立たぬと思うが、政務次官の方から、一応それは私の責任において大臣と相談してやりますという歯切れのいいところを一言くらい聞かしていただきたいと思います。
○石坂政府委員 いつも中澤さんから御鞭撻なり御指導をいただいておりまして、この点はまことに感謝をいたしております。ところで、ただいまの指定統計調査のうちに乳業を入れるかどうかという点について、松野総務長官のお考えはただいまお聞きの通りであります。事は農林省所管に属するようでありますが、私の方といたしましては、統計審査会の審議を経まして、その指定を受けなければならぬということになっております。かたがた、経費の点を、予備費を要求するなり、それらの点もございますので、実は、ここで歯切れよく政務次官の所見を申し上げれば、私も胸がすっといたしまするし、中澤さんも御満足であろうと思いますが、さようないきさつがございますので、それらの手続を経ましたあとの問題でございます。何とぞ御了承を願います。
○中澤委員 それは農林統計じゃない。統計告示は、これは松野さんの方の所管なんですから、告示をしない限りはこの二条によってだめなんですよ。しかし、委託ということはあなたの方からでもいいのです。松野さんの方から、総理府の方から農林省に委託するということでそれはいいのですが、要するに、あなたの方が松野長官に対して、これはどうしても調査をしなければいかぬから、あなたの方から告示をしてくれという強い要請さえ出せば、審査会なんか、そんなものあなたの方では問題じゃないのですよ。
○石坂政府委員 よけいなことをしゃべって肝心の言葉が足りなかったのですが、私の方で審査会の審査を経まして、総務長官の方に申請をいたし、総務長官の方から告示してもらう、こういう手続を経なければならぬので、この手続を経ました上でこの点を運びたいと思います。
○中澤委員 それはわかりましたよ。だから、そういうことじゃなくて、あなたに御答弁を願いたいのは、それは至急総理府の方へ告示要請を強くやるのだ、こういう御答弁をいただきたい。その審査会というものは、それはもろん作ったものだから一応諮問くらいはしなければいかぬでしょうが、それに対して、そうあなたが一生懸命局長に意見を聞かなくても、これは腹の問題なんですよ。政務次官、どうです。これだけもめている問題は、それはどこまでも一つやるというくらいなことを言ってもいいでしょう。それは腹の問題で、事務局の問題じゃない。これだけもめている問題は、少くとも石坂政務次官としては、この乳業問題くらいはおれが何とか目鼻をつけてやるくらいの考えがおありでしたら、われわれの方から要請します、この一言でいいのです。
○石坂政府委員 重ねての御激励でありますが、まことにごもっともなことでありまして、われわれの方でも最大の努力をいたします。
○赤路委員 海上保安庁と外務省にお尋ねいたします。 海上保安庁にお尋ねしたいのは、六月二十六日、第二星丸が朝鮮海域で拿捕されておりますが、そのときの状況を簡単に御報告願います。
○三田説明員 第二星丸が六月二十六日に済州島の南東方で拿捕されました事件につきまして、その概要だけを申し上げます。当時第二星丸は、同一会社に属しております第一昭生丸の漁獲物を積み込みまして基地の方に引き揚げようと準備をしておったところ、朝の四時二十三分、まだあの辺では薄暗いうちなのですが、突然、韓国警備艇とあとからわかったのでありますが、百五十トンないし二百トンくらいの無灯火の船に横づけをされまして拿捕された、そういう情報が第一昭生丸から発信された。それを海上保安庁の巡視船「いすず」が傍受いたしまして、直ちに、この船が済州島の方に向うだろうということを想定いたしまして、そこで邂逅をするような方向に進んでいったわけです。そういたしますと、五時半ごろ、どうも警備艇らしいものをレーダーによってつかまえましたので、そのまま進んで参りましたところが、六時十分になりまして、——大体正確な位置を申し上げますと、北緯三十三度九分東経百二十七度五十二分そこから第二星丸を北西の方に引いていく韓国の警備艇を確認いたしまして、直ちに、国際信号旗の、われなんじと交信したいという趣旨のJGというのを上げまして、同時に発光信号でもその旨を通知いたしました。ところが、警備艇の方はそのまま信号を無視して進んでいきますで、六時三十分ごろになりまして、大体警備艇の百メールほど近くまで参りまして、手旗あるいはメガホン、拡声機など、持っておるだけの用具を使いまして釈放方を連続要請いたしました。ところが、一向に取り合ってくれませんので、仕方がありませんから、なお続けて参りましたが、七時ごろになりますと、第二星丸の方に移って警戒をしておったと思われる韓国警備隊の者が小銃あるいは拳銃で第二星丸の乗組員を威嚇して船室に押し込めている様子がわかったのであります。また、同時に、「いすず」と第二星丸との接触を妨げるような態度をもって、この韓国の警備艇は機銃を空の方に向けて五、六発威嚇射撃をやった。非常に危険を感じましたので、あまり近くに寄っておりましたから、距離を、約二マイルでありますが、四キロほどに開いて、なお追尾をしておったのであります。ところが、七時四十分ころになりまして、「いすず」の前の方約二百メートルのところに人が漂流しているのを発見して、直ちに機械をとめましてその人を救助いたしました。このときは海上保安庁の海上保安官が二名ほどブイを持って海の中に飛び込んで救助をした。これが星丸の甲板長の浦という人であります。それから、この甲板長から状況を聞きましたところ、どうもこのほかに一緒に飛び込んだ人があるらしいというので、その付近を極力捜索いたしました。そうしたところが、警備艇の方はどうも「いすず」に対して非常な警戒をいたしたものと見えまして、第二星丸といすずの間に割り込んで参りまして、そして第二星丸を先に行かして自分はうしろをつけて行くような態勢をとりました。そうしておりましたところが、八時五十分になりまして、もう一人海上を漂流している者を発見しました。「いすず」は直ちに機関を停止いたしまして救助いたしました。これが機関長の寺下という人であります。この両名から聞きましたところ、このほかにはもう海に飛び込んだ者はないということがわかりました。そこで、これ以上警備艇に近づいて交渉するのは、第二星丸の方にも「いすず」の方にも危険を感じましたので、あと追尾を打ち切った、こういう次第であります。
○赤路委員 概略拿捕の状況の御報告を願ったわけでございますが、人命に関係がなかったということは非常に幸いだったと思いますし、保安庁の方でもよくやっていただいたと思います。ただ、保安庁「いすず」の観測によりますと、拿捕された地点がライン外八マイルの地点にあり、明らかにこれは不法な拿捕であります。よしんば、かりに李ライン云々ということを度外視いたしまして、かかる行為は許さるべき行為でないと思うのです。特に、私の方に入りました情報によりますと、韓国船が当初無灯火でこの漁船集団の中につっ込んできて最初に接触したのは第七十六照丸、この第七十六照丸には漁獲物は何ら積んでいなかった、第二星丸の方は漁獲物を七千五百貫ほど積んで長崎の方へ帰る準備をしておった、こういう状況から考えてみますと、これは単なる拿捕であるというだけで済ますべき行為でないと思う。私をして率直に言わしめますならば、最初接舷した船は何ら漁獲物がなかった、そして漁獲物を満載した船を拿捕するということは、これは海賊的行為です。しかも、船員が二名海の中に飛び込んで救助を受けたということでありますが、その船員に対しても銃で撃っておる。こういう行為はまことに遺憾であると思うのです。現在日韓会談が進行中であります。こういうように日韓会談が再開され進行しておる過程においてこういう不法な行為が行われたということは、まことに遺憾至極なことであると思うのです。従来のケースと同様でありましょうが、特に今回のケースにはわれわれ非常にふんまんを感じるものがあるわけです。外務省の方ではこの事件についてどういうふうに韓国側に御交渉になったか、その経緯を一つお聞かせ願いたい。
○板垣政府委員 お話のごとく、公海上におきまして——日本政府といたしましては、李ラインの内であろうと外であろうと、公海上で操業中の漁船の拿捕につきましては、違法として、認めていないわけであります。ことに、今度の第二星丸の拿捕は、李ラインの外八マイルの附近で行われた、しかも日韓全面会談中に行われたということは、私どもまことに遺憾であると存じている次第であります。この事件が起りまして、海上保安庁を通じましてこの事実を確認いたしましたので、外務省といたしましては、直ちに七月一日付で、正式の文書をもってまず抗議を発しました。その内容は、今の事実を述べるとともに、第一に、公海上で操業中の日本漁船を拿捕したことは絶対容認ができないということ、第二点といたしましては、今回の不法行為に対して厳重抗議を提出するということを述べて、直ちに第二星丸を乗組員とともに即時釈放送還すべきこと、第三点といたしましては、将来この種不法行為の再発を防止するため有効適切な措置を講ずること、第四点といたしまして、損害に対する賠償要求の権利を留保すること、この四点でございます。同時に、私も韓国代表部の柳公使を外務省に招致いたしまして、この趣旨を口頭で述べるとともに、即時釈放を要求しております。その後も、会ったたびごとに抗議を申し述べている状況でございます。
○赤路委員 四点にわたって強い要求を出しておられるわけですが、その後その件に対して韓国の方から何か御返事がございましたか。
○板垣政府委員 ただいま申しましたように、この抗議を発した後も、機会あるごとに向うに抗議を述べ、回答を要求しておりますが、まだ先方は調査中というのみで回答を寄せておりません。
○赤路委員 長い間懸案であった日韓会談が再開されて今進行中であります。この日韓会談については政府当局が非常に御苦労なさっておることもよくわかるわけです。私たちといたしましても、日韓会談が早く話がまとまって成立することを希望しておる。そういう矢先にこういう事件が起ったわけである。この問題は今まであったケースとはやや趣きを異にしておる。従って、外務省といたしましても、日本側の主張すべき点は十分主張して、韓国側の反省を求むべき点は十分反省をしてもらって、直ちにこれに対する措置をとるよう強く要望します。これは単に外務省の意思であるとかということでなしに、われわれ国会側といたしましても、国民全体といたしましても、非常な不満を感じておるということを韓国側に御通牒願いたい。この点だけ要望申し上げておきます。 海上保安庁と外務省の方はこれで終ります。 農林政務次官もおられますし、水産庁長官もおられるので、ちょっとお尋ねをいたしたいのですが、韓国側と相互釈放を話し合いまして、九百二十二名帰国いたして参りました。そうして、帰国いたして参りました九百二十二名の人たちの今日の状況を見てみますと、一名が死亡いたしております。現在入院中の者が百十四名、それから病院へ通っておる者が四百七十六名、未就職、仕事がなくて就職していない者が百三十九名。この未就職者は、健康状態が完全なものであるとは言えないと思うのです。現在就職しておる者が百九十二名でありまして、帰還船員の中で二一%という状態です。従って、あとの七九%の人たちは何らかの故障があるという状態だと思うのです。そこで、これらの諸君は、そういうように、からだが悪くて入院しておりますし、あるいは、入院せぬまでも通院をいたしております。あるいは、未就職者にいたしましても、なお完全な健康の状態ではない、非常に生活に困っておるというのがいつわらない現実の姿であると思う。もちろん、政府の方においても、入院中の人たちに対しては月一万二千円、それから、通院中の人たちに対しては月二千円という手当といいますか見舞金をお出しになっております。しかし、今の現実の姿から参りますと、それでは生活が保持できないのだというのがほんとうの姿だと思うわけなんです。もう済んだことだからそれで仕方がない、もうそれでいいじゃないか、帰ってきたからいいじゃないかということだけでほうっておけないほどの状態に置かれておると私は思うわけです。これに対して何かその最低の生活を維持せしめるような方法は考えられないかどうか、この点をお聞きしたい。
○奧原政府委員 ただいまも第二星丸事件で明らかにされたような、不当なる事由によって韓国に抑留されております漁夫の諸君の帰還後の対策につきましては、御承知のように、いろいろ善処いたしておるのでございます。 そこで、九百二十二名の漁夫が昨年の十二月にとにかく帰るということが韓国との間に申し合せができました際に、帰国後の生活の援護の問題に関しまして、われわれも、こうあってほしいというようなことから、政府の部内においてもいろいろ話合いをいたしたのでございますが、その際出ました話は、抑留中のことに関しましては、通常の海外の戦争、変乱による未帰還者と違った特殊な対策を講ずるということについては、拿捕の事由が事由であるだけに、これは了承されて参ったのでありますが、帰還後の問題については、国民一般に対していろいろ講じておるのと同じ筋道によって、同じ規模においてやってもらいたい、こういう話が出たのでございます。すなわち、帰還の際には、未帰還者の帰還の際と同じ援護金を三カ月分交付し、また、生活困窮の事態が起った場合につきましては、生活扶助法の定めるところによる給与を出す。ただ、船員保険等の関係もあって、病人については特殊の対策を手厚くしていることは御承知の通りであります。そういう意見に対しまして、われわれも、就職が円滑にいくということであればそれもまた筋としてはのまなければならないのではないかというふうなことで、御承知のような対策を講じまして今日に至った次第でございます。 帰還後の就職の問題につきましては、私たちは機会あるごとに関係の県あるいは民間の団体に対して、これは漁業者の団体のみならず日韓対策本部等のそういう機関に対しましても、この帰還後の就職問題がどういうふうにいっておるかということについて、非常に深い懸念を示し、情報を求めたのでございます。実は、今日までわれわれが聞かされてきました話は、関係の元雇用しておりました船主はもとより、底びき等の関係の同業者においてもこれに非常に同情を示して、ともかく再就職ということについての問題は何も懸念なしに現地はうまくいっている、こういうふうな理解のもとに今日まで推移いたしておりましたところ、先週に至りまして、帰還しました漁夫の代表の諸君が出て参りまして、ただいまお話のありましたような数字を示して、そうして、これに対して、抑留中に示された援護と同じ程度の援護をとにかく与えてもらいたいという陳情を受けた次第でございます。われわれとしましてもはなはだ迂遠ではあったかも存じませんが、そういうふうな事態にあるということについても実態をさらにとくと突きとめる必要があると存じまして、目下その実情の調査をいたしておるところでございます。 そういう状態でございまして、これについての結論をまだ持ち合せておらない次第でございます。
○赤路委員 今の長官の御答弁で一応了解するわけなんでありますが、一つこれから実情調査をしていただいて、現地の帰還船員のほんとうに困っていること、実際において生活困窮の状態に陥っているということに対しては、あらためて何とか措置をとってもらいたい。ただ、先ほどおっしゃったように、帰還しているのだから一般の国民と同じケースでこれを取り扱うということは、一応筋の通った話だと思うが、この際考えなければならぬことは、政府が李承晩ラインというものを認めているという前提の上に立つならば、その意見は私は正しいと思います。特別に扱うべきものではないと考える。しかしながら、李ラインは絶対に日本政府は認めておりません。また、認めるべき性格のものでもない。そういうような中で起った問題である。これが、たとえば他国の領海を侵したといういうような、こちらの極度の不信行為と申しますか、そういう形においてなされたものであるならば、これは別だが、そうではない。だから、ケースがいささか違っている。この点は一つ御了解を願っておきたいと思う。向うに抑留されておる間は特別な扱いをした、帰ってきたのだから一般国民のケースで扱うのだ、これは理屈としてはその面だけを考えますと直ちにそういうふうに言えると思う。ところが、そうじゃないという事実を一つ内包しておる。李ラインというものを政府が認めていない。李ラインというものを政府が認めて、これに入ったらいけないのだ、こうはっきり打ち出してやっている問題じゃない。これは当然われわれが操業し得る公海なんだという形でやっておるわけなんですから、その点ではやはり意味が違ってくると思う。そういう点を一つ十分に御考慮の中に入れていただいて、実情調査の上で、最善の措置をおとり願いたい、このことを御要望申し上げておきます。 それから、お忙しいと思いますから、時間も迫っておりますが、引き続いてもう一点だけお尋ねをいたしておきます。 〔本名委員長代理退席、丹羽(兵)委員長代理着席〕 それは、今度国連でもって成立を見ました海洋法典でありますが、この海洋法典によって日本漁業に及ぼす影響、——非常に漠然とした質問のようでありますが、これは非常に重大でございます。従って、今後の日本の漁業のあり方というものが根本的に変ってくるものを内包しておる、こういうふうに私は考えるわけであります。そこで、当局としては、海洋法の日本漁業に及ぼす影響というものをどういうふうに分析をされておるか。これは代表の諸君がお帰りになってからそれぞれ御検討願ったこととは思いますが、なお短時日でありますし、問題が問題だけに、非常に大きく広範囲にわたる問題であります。たとえば、具体的に申しますと、これが北洋の漁業に及ぼす影響、あるいは東海、黄海またはアラフラ海等日本の海域に関連を持つ各国との関係等、非常に広範にわたってくると思うわけです。もし概略でも今何か御指示を願えるなれば、ここで御答弁願ってけっこうだと思いますが、なお検討の過程にあるというようなことで、最後的な結論に至っていないというのであれば、後日文書をもってこのことに対する具体的な政府としての考え方をお示し願えればけっこうだと思うわけです。
○石坂政府委員 お話のごとく、この問題は非常に広く、かつ多岐にわたっておりますので、水産庁長官から御答弁させます。
○奧原政府委員 過般ジュネーブの海洋法典案に関しまする会議におきまして、日本の漁業の将来に影響を持ちまする問題が三つあると存じます。 すなわち、第一は、沿岸領海に関する条約草案でございます。しかし、これに関しまして、御承知のごとく、沿岸領海の幅員を何海里にするかということについて、決議の成立要件であります三分の二の多数を得る案がなかった次第でございます。従いまして、この問題については、今直ちに何らの影響も日本の漁業に与える次第であるとは考えておりません。 それから、第二の問題は、大陸だなの条約案でございます。すなわち、水深二百メートル未満、または、二百メートルをこえましても、その海底の天然資源の開発が可能であるだけの水深の海底におきまする天然資源の開発、すなわち鉱物資源及び定着性魚族の開発利用ということに関しましては、これは沿岸国の排他的な権利に属するということが取りきめられたのであります。わが国にとって大陸だなの問題が端的に影響を持ちまするものは、アラフラ海におきまするシロチョーガイの問題でございます。しかし、あの条約の草案の中にも、その審議過程の論議を整理をした注釈がついておったのでございますが、今までとってきました実績は尊重する、こういう前提のもとにあの条約の草案が作られておったのでございます。日本がアラフラ海におきまして戦前からまた戦後毎年漁獲をいたしておった実績というものは、これは少くとも趣旨においては尊重されなければならないのでございます。昨年の十二月に岸・メンジス会談ができまして、現在の日本にとって不平等な日豪間の漁業条約を公平な基礎の上に改定をしよう、こういう話し合いに相なっております。その交渉に入りまする前の専門家会議でアラフラ海におきまするシロチョーガイ資源の検討をする、こういうことに相なっておるのでございます。専門家会議の開催がまだ遷延をいたしておりまするが、まあとにかくそういう態度を豪州側においてもとっておる次第でございますので、あの大陸だなの条約案ができたということによって今直ちに日本をあそこから排除しようというふうな動きとは違った、非常に融和的な話し合いがまさに展開されようといたしておるのでございます。これも直ちに日本に対して顕著な不利な影響を与えるようなことには相ならない、かようにわれわれも期待をいたしておるのでございます。 第三の問題は、公海漁業の規制に関する条約案でございますが、これに関しましては、公海におきまする出漁国がそれぞれ自国船に対して資源保続のために漁業の規制を行い得る、こういうことに一方において取りきめまするとともに、沿岸国はその地先の生物資源の生産性の維持に対して特別の利害関係を持つ、そこで、そこに出漁してきます国に対して漁業関係の規制についての話し合いを当然沿岸国としても申し進め得るのでございますが、意見が一致しない場合におきましては、沿岸国が一方的に漁業の規制をやり得る、こういうことに相なっておるのでございます。しこうして、その場合におきましては、自国船のみならず、そこに入漁してくる船に対しても法律的に有効なる規制を行い得る、こういうことに相なっておるのでございます。ただし、その規制措置はあくまでも三つの要件を充足しなければならないのでございます。漁業に関する現存の知識に照らして保存措置の緊急な適用の必要性があること、その措置が適切な科学的事実に基いていること、その措置が外国の漁民に対して差別待遇を与えないこと、この三つの要件を守らなければならないのでございます。この措置に対して不服のあります関係国は、五人委員会に仲裁裁決を求めることができるのであります。そして、この委員会の裁決は当然関係国に対して拘束力を持つ、こういうことに一応の草案が取りまとまっております次第でございます。この沿岸国の漁業規制というものが日本に対してどういう影響を与えるかということにつきましては、実は、われわれとしましてもまだ研究の過程でございます。研究の過程でございますが、今日日本が日米加あるいはは日ソ間におきまして取り結んでおります個別条約によります規制というものは優先をする、従ってまた、その条約が、具体的な規定内容についてはいろいろ検討の余地がございますけれども、とにかく資源の保続ということについての関係国間の合理的な話し合いというものに基いておる以上は、それが改変されるということは起り得ない、こんなふうに考えておるのでございます。 韓国との間の問題につきましては、この席で李ラインの性格をとやかく申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、これもこの新しい条約案によりまして光を浴びて批判をされるということに相なろうということだけを申し上げておきたい。 日中問の問題につきましては、現段階としては中共は参加をいたしておりません。従って、これが日本にすぐ適用されるとは考えておらないのでございます。また、今日の民間協定というものが、やはりこの沿岸国の漁業規制ということを一つの前提にしまして、話し合いの基礎として、これを取りまとめてあの形に相なっておったのでございます。従って、民間協定が更新されるということであれば、直ちにあの新しくできるであろう条約に基いての規制がどうこうなるということには相ならないではないか、かように思うのであります。 条約草案は、参加国八十六ヵ国であったと思いますが、あるいは七ヵ国であったかもしれませんが、その中で約二十国がすでに署名をいたしております。二十二国が署名しかつ批准すれば、条約として発効するということに相なっておるのであります。日本としては、むしろ世界の公海漁業に関する新しい動向というものの世論の推移に即応していくという態度でこの条約草案を検討するということが必要なんではないか、かように考えております。
○赤路委員 ただいま長官から概略説明がありました。なお検討の余地が十分残されておるし、御検討になることと思います。 ただ、ただいまの長官の御説明の中に、領海の問題でありますが、これは成立いたしていない、その通りでございます。従って、直ちに日本に対しては何ら影響を及ぼさない、このことは確かに言えると思います。しかしながら、いずれにいたしましても、非常にむずかしい問題ではあるが、法典案のトップにうたっておるように、人類の食糧確保という観点の上に立って考えて参りますと、将来必ずこの問題は何らかの形において解決がつけられていくということは考えなければならない。それと同時に、日本を取り巻く東南アジア等の諸国の条件というものを日本漁業の立場からは特に考えていかなければならない、こういうふうに思うわけなんです。これが直ちに影響はないものであるとしても、十分検討に値するものである、こういうふうに考えます。特にこれを私が強調いたしたいことは、東南アジア諸国が今度の会議において領海問題でどういう態度に出たかということが一つの大きな焦点になっていたと思うのです。東南アジア諸国は、三マイル説というものがなかった。ほとんどが十マイルもしくは十二マイル説を堅持しておるというこの事実は、われわれは今後これに対して検討を加えるとき忘れてはならぬ条件だと思うのです。これらの日本の漁業に直接関係ある国々の考え方を考慮の外に置いたのでは、日本漁業としては実に困難な事態に突入するということを考えなければならないし、従って、そういうようなことを考慮に入れつつ、今から日本のそうした近隣諸国との漁業調整と申しますか、そうしたことを考えておく必要があると思うのです。やはり、基本的な考え方としては、いつまでも古い形の考え方を固執するということは、私は将来日本の漁業がむしろ孤立していくのではないかというような危惧を持つわけなのです。もっと端的な言葉で言いますと、まだ残滓があるわけでありますが、戦前日本が軍艦を背景にして漁業をやった、こういうような軍国主義時代への郷愁というものが残存されてはならぬ。各国との協調の上に立って漁業の発展をはかるということが今日日本漁業のためにとるべき方向だと思います。 それから、大陸だなの問題でありますが、これはまことに遺憾なことであって、日本の最も強く主張いたしておりましたところの実績主義が削除されておるということが一点、それから、第二条の第四項に掲げられておりますような定着種族、こうなって参りますとやっかいなことになるわけなのです。そこで、この問題は直ちにどうということはないと思いますが、やはり検討していただいて、今までの日本の漁業のあり方が大きく根本的にくつがえってくることのないような努力が必要だと思います。 それから、第三点の公海漁業の資源確保の問題でありますが、第六条の一項に沿岸国の特別の利害関係ということが特に強調されております。これはなかなか問題をかもし得る要素を多分に含んでおると考えるわけでありまして、問題の起りましたときは五人委員会に一応それらの紛争を委託しまして、五人委員会で決定したことは守らなければならない、こういうことになるわけなんですが、この五人委員会の構成メンバーの外に関係当事国の委員も出席することになっており、裁決の場合はもちろん裁決権はないが、ここで発言をしてみずからの主張を強調することができることになっております。そこで、考えなければならぬことは、そういうような事態の起ることを予想するということは好ましくないことではありますが、少くともこの五人委員会に出て堂々と対決ができるというような委員を欲することはもちろんであります。それだけに、平生からそういうような方々をうんと——各国の漁業の条件であるとか、いろいろな面を研究して、そうした事態に当面したときにあわを食わないだけの準備と申しますか、こうしたことが私は必要だと思うのです。それらの点も今後御検討願えることと思います。また、当面いたしております日本海溝への放射性物資の投入問題等につきましても、最近の調査によりますと深海の潮は移動をしておるというような事実から見て参りましても、これまた、この一つをとっただけでも問題点としては大きな問題になるわけです。これは単に水産庁だけの問題でなしに、やはり日本政府としてあらゆる関連がありますから、それらの関連を十分ご考慮の上で一つのりっぱなこれに対する対策というものをお立て願いたい。そのことがやはり日本の漁業の近代的に合理化した発展を来たす一つの基礎になる、こういうふうに思います。ただ、あの項目にもこの項目の中にも日本側としては不利な点がある、だから日本側としてはノー・タッチでいくのだということは、少くとも今の日本の国連中心のあり方というものから考えました場合、とらるべき方向ではなかろうとも考えられる。だとすると、この問題の及ぶ影響の大きさ、あるいは日本漁業に及ぶ影響、これらのことを考えて、基本的な日本の漁業のあり方というものを立てていくということにならなければならないと思いますので、どうか十分御検討下さいまして、万間違いのないりっぱな対策をお立ておき願いたいと思います。これの検討及び日本漁業に及ぼす影響ということを検討になるのは相当時日も要すると思います。今直ちに御答弁をいただき、あるいはまた文書をいただこうとは思いませんが、結論が出ました場合は、ぜひ当委員会の方へも、その結論についての資料を御提出下さるようにお願いをいたしておきます。
○石坂政府委員 ただいま赤路委員からいろいろ御意見なり御注意をいただきましたが、そのお話の趣旨を十分に尊重いたし、それを含めまして十分なる検討をいたしたいと思います。そういたしまして、すみやかに結論を得次第、もちろん当委員会に御報告申し上げます。 —————————————
○丹羽(兵)委員長代理 次に、農業災害に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。實川清之君。
○實川委員 本年の災害は全国的な規模でいろいろの形で災害があったのでありますが、特に関東一円にわたります旱害につきましては、その影響が非常に大きいのでございますが、これに対する政府の対策と申しますか、その点について簡単にお伺いをいたしたいと思います。 旱害に直面いたしまして、被害農家におきましては、井戸を掘るとか、あるいは水路を掘さくする、あるいはそういうものに必要ないろいろの資材を要したのでありますが、これは、急場でございますので、当該の市町村の経費をもって一応やっておるわけであります。こういうような応急施設のために要した費用につきまして、国は国庫補助を行うお気持があるかどうか、それをお伺いいたしたいと思います。また、そういう際にたとえば揚水のために電力を使ったとかあるいは石油を使ったというようなものについても国庫補助が願えるかどうかという点もお伺いいたしておきたいと思います。
○石坂政府委員 實川委員のお話の通りに、本年は各地にいろいろの災害が起りました。まことに遺憾に思っておりますが、政府といたしましては、それに対しましてすみやかに対策を立て、すでに実行した分もありまするし、現在実行中の分もございます。ただいまの国庫補助の点につきましては、もちろん適当な補助を行います考えでございますが、詳細な具体的のことにつきましては農地局長からお答えいたします。
○安田政府委員 当委員会でも、ただいま實川先生から御質問のありましたことに対します、先般の委員会までの政府のとりました措置、及び近くとろうとする措置を申し上げたのであります。その後のことを簡明に申し上げます。 七月四日に旱害対策に関します閣議決定をいたました。これは早害応急対策実施要綱と言っておりますが、先般申し上げた内容でございます。それは、それ以前に、六月六日、農林省限りにおきまして、水利調整、また、水の取り入れ口の緊急掘さく、農林漁業公庫のとりあえずの融資ということを中心にいたしまして、建設省にも協力を求めてとりました措置に追加をしまして、その足らざるところを補って助成措置等を講ずることでございます。これに基きますると、すでに申し上げましたことでございますが、繰り返して簡単に申し上げますと、左の措置を講じよう。そして、なお七月四日以降かかる災害が起きて参る場合、これを未然に防止するための措置、特に恒久対策についても至急検討することを加えまして、四点をきめておるのであります。 第一点は、旱害及びこれに伴う塩害を防止するための施設、揚水機、揚水機用の動力機の設置に対します補助、及び、深井戸・浅井戸等井戸を掘ります場合、その他用水確保のための施設を設置する場合に国が補助を行おうとすることがそれであります。 第二点は、揚水機の確保等に必要な資金の融通措置を講ずる、農林省限りでやっておりましたことをさらに閣議でも決定をいたしております。 第三点としましては、被害に伴う種苗確保及び技術指導に万全の措置を講ずることがその三であります。 第四点は、植付不能農家に対し、農業災害補償法に基く再保険金の概算払い、または共済金の仮渡しを迅速に行い得るように措置することでございます。 この趣旨を含めました実施要綱に基きまして、関係省の協力も得まして、大体いかなる措置を具体的にとるかをおおむねまとめつつあるところでございます。一部なお折衝をしておるところがございますが、それを加えまして、本日は国会の最終日かとも存じますから、特に申し上げますと、お尋ねの助成措置についてでございますが、本年の五月一日以降の灌漑期におきます水田の旱魃に対します応急対策事業を実施しました都道府県、市町村、土地改良区、農業協同組合、さらには農家の方々がもっと少数で共同して施行になりました応急対策に対しまして、助成の対象としてみようと思うわけであります。 助成措置をいかにするかという内容のことでございますが、農家の方々が相当数集まられて共同施行されました事業と、都道府県または市町村、土地改良区、農業協同組合、そういうところで行われました事業と、一応目的は同じでございますが、措置に若干差をつけまして、次のように行いたいと思っております。 まず第一には、河川の仮締め切りとか、水路の掘さくでありますとか、井戸の掘さくでありますとか、揚水機及び揚水機用の原動機、ポンプ及びポンプの動力機、それらの用水確保事業をされた場合に、これには施設、機械等の輸送、備えつけ、動力線の架設、及び水を緊急に送る新しく管を作る、送水管を作る、そういうような場合に、設置費と申しますか、物の施設の費用、取りつける費用、輸送する費用が要るわけでございますが、これらについて一つ助成をしてみよう。それから、揚水機及びその揚水機用の動力機につきましては、その購入費と、借りられた場合がありますから賃借費について、その双方について補助をしてみようと思っております。その補助率は、前者、言いかえますと水路の掘さく、河川の締め切り、井戸の掘さく、ポンプ及び動力機の輸送、備えつけその他をする費用に対しまして六割五分の補助をしたらどうかということで、関係省が今まとまりつつあります。第二の機械の購入費については、共同施行の場合は、購入しましたものの三割に相当する額を六割五分補助をしまして、地元とよくお打ち合せしてからその機械の標準値を立てまして、その七割で政府が買おうと思っております。こまかい計算は違うかもしれませんが、三割に六割五分の補助をしまして、その購入代金から三割引きました残りの七割で買いますから、実質上九割補助の程度と考えておるわけでございます。そういたしまする趣旨は、数人共同で施行され補助をしました場合のポンプ及び動力機を、今後の旱害対策にも備えまして、負担は政府が中心にしまして、管理は地元でしていただきまして、今後必要があるときに散逸しないで使っていただけるようにという目的でございます。 さらにまた、どの程度の災害団地といいますか、災害防除をした、旱害対策をした団地について補助事業の対象にしようかということにつきましては、災害復旧事業の国庫補助の法律等を参考にしまして、いわゆる小災害の補助は国はしておりませんが、その基準が十万円でございますが、今回は実情に即しまして五万円以上の被害に対して助成をしてみたい、小災害も救いたい、こういう意味でございます。 次に、同様の川の仮締め切りとか、水路の掘さくとか、井戸の掘さくとか、揚水機の輸送、備えつけその他のことと、ポンプ及びその動力機の購入費のことでございますが、都道府県または市町村、土地改良区、農業協同組合が行う場合のことを申し上げますと、これも、補助対象としましては、共同施行の場合と同様の応急対策、すなわち、設置費、輸送費の場合と、揚水機とかボーリングの機械とか電波探知機——井戸を掘って地下水を揚げる場合に使います電波探知機及びその付属品の購入費につきましては、これを全額を対象にしまして助成を行いたい、そうしまして、補助率は、県が行います場合は、その両者につきましてやはり六割五分の補助をしたいと思っておるわけでございます。市町村が購入いたします場合は、比較的共同施行に近い関係もありまして、県が六割五分に対しまして、市町村が機械を買いまする場合は五割にしたいということで、農林、大蔵は目下話がまとまりつつあります。小災害を救いたいという意味の点につきましては、都道府県や市町村、土地改良区、農業協同組合が応急対策事業を行われました場合でも、共同施行と同様にいたしたいと思っております。すなわち、一団地のかたまりが五万円以上としたい、こういうふうに思っております。 そこで、御指摘のポンプ用の動力機の重油等の燃料費、電動機等の電力費のことでございますが、大蔵省がなかなかわかりが鈍くて難航をきわめておる。幸い農林委員の諸先生の御発言や御支援もありまして、弊害のなきいい方法、また適切な方法を何か考えようということでただいまに至っておるわけであります。
○實川委員 時間を経過いたしておりますから、簡単にもう一つお聞きしたいのですが、これは塩害の問題で、ちょっとむずかしいかと思いますが、ちょっとお尋ねいたしておきます。 せんだっての私の質問で大体次のことがはっきりしたように思うのですが、利根川下流沿岸の塩害は、建設省の行った河川改修の工事と、利根川水系の水利調整の失敗がもとで利根川の水位が低下し、そのため大利根用水の区域は常時塩害の地帯になったように考えられます。たまたま、ことしの異常渇水のためにこの被害がより一そう激甚になったものと考えられますが、そういたしますと、この塩害は、建設省の治水計画と農林省の用水計画のそごが原因で生じた、天災と言うよりもむしろ人災とでも言うべき性質のものだと考えられます。政府の政策の失敗の結果であって、そのために関係区域の農民が非常に莫大な被害をこうむったわけであります。そこで、お尋ねいたしたいのは、この農民の被害に対して政府は特別の補償措置を講ずる考えがあるかどうか。恒久対策は別といたしまして、当面の災害に対しまして何か特別の御配慮がいただけるかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○安田政府委員 直接御質問にお答えする前に、先般からの先生の御指摘なり御指導的意見がございました点をお答えしておきますと、利根川改修工事では、最近河床を特に深くしております工事について、まだしておらない点が三カ所ばかりあるから、それをどう措置するか、また、先生の御意見では、深くしない方がいいじゃないかということに関してでございますが、前委員会がありました直後、直ちに調査をあらためていたしまするとともに、すぐ建設省にも申し入れまして、小見川、八日市場寄りの上流地点二キロ、大倉水門から津宮までの三キロ、ここらは特にことしは問題もあるから掘り下げないようにその後了承させまして、その通りいたしております。 さて、その根本の問題でございますが今回の利根川べり、特に下流の塩害は、政府の水利調整の施策を申しますか、事業の設計上あるいは設計された施設の運営に責任があるからその補償をどうするかということでございますが、ことしの被害は雨が降らなくて、冬の融雪が早く解け過ぎて、早期栽培等の関係からいたしまして適期の水が非常に少かった、平年の半分になりましたので、その原因が第一だと思います。さらには、農業用水の取り入れ口まで、その場合におきまして水位が来ない、また河床は下げる工事がしてある、こういうこと等において人災という意見もありますが、自然科学的な技術者同士の研究も引き続いていたしております。両総用水沿岸はそれほど被害はございません。むしろ豊作ぎみで、用水確保のため今回大いに役立ちつつありますが、農業用水施設の操作規定をあらかじめ設けまして、海水の干満の時間と調節しまして取水することになっておりましたのが、異常渇水のために塩分があって、取水すべきでないときに取水したということも全くないわけではありません。また、一部取水の口がこわれておったところも下流にはあるようであります。そこで、今回閣議決定によりました助成措置を、地元の要望によって国も講ずることと、地方の県、市町村等においてもあわせて講じていただきますことと、その他水利調整で関係地域に御協力願いますことと、全体を通じまして、補償の精神ではあるが補償というものでない、こういうことで円満に御納得を願いたいと思っておる次第でございます。
○實川委員 この問題は、どの程度災害が実際の結果として現われるかということは未知の問題でございますが、私が現地側で聴取したところによりますと、塩害のために植えかえをした、それもその後引き続いて用水が利用できなかったというような関係で、これはほとんど収穫は期待できない。それから、塩害が、植えかえるまでに至らなくて、いわゆる枯死寸前の状態で、それがその後の降雨のために水が回って復活をしたが、しかし、これもやはり非常に発育不全でありまして、もう出穂しているそうであります。分けつ等ももちろんいたしておりませんし、草たけも非常に短かくて、そのまま穂が出ておるようであります。そうしますと、これも収穫が半分以下だというような状態でございます。従って、そのような結果がこの秋の取り入れになりましてどうような数字になりますか、その上でさらにまたもう一段お考えを願いたいと考えております。 なお、これは見解の相違のようでございますが、工事の計画のそごから、この地帯が将来とも常時塩害の地帯になるというように私は考えております。もしもそのような状態ができました場合におきましては、やはり、抜本的な対策といたしまして、利根の本流に潮どめのせきを作っていただくというようなことをさらに具体的に御検討を願わなければならぬと考えております。この地帯は、きのうの陳情団の話を聞きますと、また日照りが続いておる関係上、佐原付近でも現在塩分が〇・三%程度に上っておるそうであります。そうしますと、両総の水も使えない結果になりますので、大利根用水と両総用水の二つの場合を考えましても、もしも今後私が懸念しておりますように常時塩害の危険にさらされるというような事態になりました場合は、やはりこれは三万町歩の水田に関係があることでございまして、かりに一反歩一万円の損といたしまして、収量が低下いたしたと仮定いたしましても、その地域で一カ年三十億の損失になるわけでございますから、かりに百億の潮どめせきの経費がかかりましても、一つ政府は本腰を入れてこの問題の抜本的な対策に乗り出していただきたい、かように御要望申し上げまして、私の質問を打ち切りたいと思います。 どうもありがとうございました。
○丹羽(兵)委員長代理 暫時休憩いたします。 午後一時四十一分休憩 ————◇————— 午後三時二十三分開議
○松浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 酪農に関する件について灘尾文部大臣より発言を求められております。この際これを許します。灘尾文部大臣。
○灘尾国務大臣 酪農対策の一つとして、牛乳の消費を増大すると申しますか、そういうふうな観点から学校給食についてのお話がございましたことは、昨日も政務次官が出席しておりましたので伺ったところでございます。これにつきまして私の意見を申し上げたいと存じます。 学校給食のことにつきましては、文部省といたしましても、今日の状態では決して十分と考えておりません。一そう拡大充実して参りたいという方針のもとにやっております次第でございます。今回酪農対策の一環としてこの問題が論議されるに至りましたことは、私はまことにごもっともだと思うのであります。文部省としましても、当面の酪農対策の問題といたしましても、また将来の学校給食の拡大充実という点から考えましても、この皆様方の御要望に対しましては、きん然御協力申し上げたいと思っておる次第でございます。ただ、御承知のように、学校給食のやり方といたしまして、父兄負担の問題ということを考慮いたさなければなりません。現在の状態より一そうの負担を父兄にかけるというようなことは、よほど慎重に考える必要があろうと思うのであります。同時にまた、やる以上は、年じゅう継続的に、つまり季節的な関係によって左右されることなく、継続的に実施せられるように、これは基本の考え方としてこれを持っておる次第でございます。これらの点につきまして、いずれ農林省からもいろいろ御相談もあろうかと思いますが、関係当局の間で十分打ち合せをいたしまして、何とかして皆さんの御期待に沿うようにやって参りたい、かように考えておる次第であります。
○松浦委員長 ただいまの発言に対し、質疑の通告がありますので、これを許します。足鹿覺君。
○足鹿委員 当委員会は、この特別国会以来酪農問題について熱心に検討し、対策を練って今日に至っておるのでありますが、昨日当委員会の与野党一致の決議を行いました。すなわち、牛乳、乳製品の緊急需給調整対策に関する件として、正式な委員会の決議を行い、農林大臣から所信を表明されまして、一応この酪農問題の締めくくりをいたしたのでありますが、この緊急対策についての決議につきまして、決議をいたす経緯については省略いたしますが、そのうちに盛られてあります学校給食の問題について、昨日の当委員会の審議の模様について文部大臣は次官その他から詳細にお聞きを願った上でただいまの御所信を御表明になったのでありましょうか、念のために一応承っておきたいと思います。
○灘尾国務大臣 昨日の御審議の経過につきましては、大体次官から報告を受けております。
○足鹿委員 昨日問題になりましたのは、たまたま産業経済新聞に学校給食に対する文部、農林両事務当局のそれぞれの談話が発表いたされまして。これに基きましていろいろと論議が行われ、文部省の学校給食に対する基本的な態度並びに当面問題になっております学校給食としての牛乳をもっとたくさん飲ましめることに対する文部大臣の基本的な御所信を承わろうということになっておるのでありますが、ただいまの文部大臣の所信の御表明で一応その御意思のほどはわかりましたが、昨日の経緯にもありますように、文部省の事務担当者から、当委員会の決定と著しく反し、かつまた学校給食に牛乳を用いること自体について一般に著しい誤解を与えるような新聞談話が発表されたことに対して、大臣としてもこれに対する具体的な御所信を御表明願わなければならないというのが当委員会のみんなの意向でありまして、その点についても、もう少し突っ込んだ御所信をこの際御表明願いたいと思うわけであります。
○灘尾国務大臣 私も昨日の新聞記事はあとから見たようなわけでございますが、新聞記事に現われておるところから考えますと、私の考えております点とかなりへだたったようなものがあるような印象を受けておりまして、このことは私もまことに遺憾に存じております。どういうような話を新聞にいたしたのか存じませんけれども、さような印象を与えたということは、私としてはまことに不本意でございます。従って、係の者に対しましては、十分注意するようにというふうに訓戒を与えたような次第でございますので、さよう御了承願いたいと思います。
○足鹿委員 昨日高見文部政務次官からのお話によりますと、先日来省議を開いてこの学校給食に牛乳をたくさん使用することについての協議を行なっておったというお話で、そのために出席もおくれたという話でありました。そういうやさきに、昨日学校給食課長からああいう談話が発表されたことに対して、文部次官からも遺憾の意の表明はございました。問題は、そのこと自体をわれわれはしつこくとがめだてをしておるわけではない。そういう経過はあったが、文部省の真意がそういうものでなくして、むしろ積極的に国民の体位の向上、食生活の改善、その結果が国内で生産される牛乳の学校給食へのワクを拡大していくということになり、それに対して必要な予算措置をもでき得る限りすみやかに講じていくということに具体的に発展をしていきますならば、文部当局としては、事務当局が談話を発表したことの誤まりであるということを事実をもって打ち消されることになるわけでありまして、それをわれわれは期待しておるわけであります。ただ抽象的に、積極的に努力するとかあるいは関係当局と協議をして極力協力をするとかという御答弁は、もちろんけっこうなことではありますが、 〔委員長退席、本名委員長代理着席〕 それよりも、昨日の当委員会の経過から見て、学校給食に牛乳を使用することについてのもう少し突き進んだ積極的な具体的な文部省の方針をこの際明らかにしていただきたい。たとえば、臨時国会に補正予算が上程されることは、ここ数日の岸総理の答弁、また政府の方針によっても大体間違いないようでありますし、また、臨時国会は事実上通常国会の早期開催という線につながるようであります。これは来年春の地方議会の選挙等の関係もあってそういう運営になるやにわれわれは聞いておるのでありまして、この際文部省としましても大きい決意をしていただきましてこれに対処していただくことが適当であろう、かように思うわけでありまして、あえてお尋ね申し上げます。
○灘尾国務大臣 学校給食に牛乳を使いますことについては、先ほども申し上げましたように、私どもも積極的に考えております。今回の問題につきましては、果してどの程度学校給食の方に回るのかというような数字もまだ明らかではございませんが、農林当局からもいずれ具体的に御連絡のあることと思いますので、それに基きまして、文部省といたしましては必要な措置を講じて参りたいと思っております。
○足鹿委員 そうしますと、農林大臣の方から具体的な案について協力を求められたときに文部省としては態度をきめるというお話でありますが、文部省自体としては、大体昨日の当委員会の決議もよく御存じのはずでありますし、また、将来この牛乳の飲用のみならず学校給食をもっと徹底的に行なっていくという面からも、ことしの二月から実施された牛乳の飲用についての普及状況を見ましても、非常に徹底を欠いておる面もあるのでありまして、そういう点についても、みずからのこととして案をお立てになることが必要であり、現にまたそうあるべきではないかとわれわれは期待をいたしておったわけであります。農林省から方針を示され、これに対して協議を求められたならばという態度のみならず、文部省自体としてこれに対する自主的なお考えをわれわれは期待しておったわけですが、そういう点については具体的に伺うことはできないものでしょうか。
○灘尾国務大臣 この問題につきましての心持は申し上げました通りでございますが、具体的な計画を立てるということになりますと、やはり全体的な問題との一環として考えなければならぬかと思うのでございまして、文部省独自で今直ちに具体的な計画を立てるだけの用意もございません。農林大臣とも実はお話し合いをいたしておるわけでございますが、われわれとしましても、積極的にやりたいという気持はよく伝えてもおることでございますので、十分相談をいたしまして、何とか具体化したい、かような心持でおる次第でございます。
○足鹿委員 大体農林当局と協議をされて一つの方針を打ち出されるめどはお持ちでございましょうか。
○灘尾国務大臣 いつということも具体的に話したわけではございませんが、実は今朝農林大臣とも話をいたしまして、なるべくすみやかに農林省の方のあれも見せてもらいたい、こういうふうにも言っておるわけでございますが、事柄は、皆様の御熱望にもある通りに、急ぐと思っておりますので、なるべくすみやかに具体的な計画を立てて成案を得るようまとめて参りたいと思っております。
○足鹿委員 農林省と協議をされて、でき得る限りすみやかに案をお立てになる、それは当然財政措置を伴うものだとわれわれは思うわけでありますが、当委員会も今後休会中もずっと開会されると思いますし、また、かりにその機を逸しましても、臨時国会は九月の中旬に開かれます。おそくともその機会には態度が明らかになるとは思うのですが、事態は、酪農という立場から言いますならば、足元へ火がついておりますので、文部、農林両首脳部の意見の一致したものを御発表願うこと自体によっても事態は相当好転するという好ましいことになるのでありますし、われわれとしては、それをでき得る限りすみやかにやっていただきたい。昨日の、次官の御答弁によりますと、一日二回給食についても案を検討せい、それについてどの程度の予算を伴うかということについても、最低二十億程度ではなかろうかというふうに、相当具体的な構想の片りんをほのめかしておられたので、昨日の学校給食課長の話は当を得ていない、まことに不当な言辞であったということで打ち消されて、文部省としての態度を表明され、あの記事から受ける一般の印象を払拭していく上にも積極的なことがきょうお聞きできるものだとわれわれは思っておったわけであります。そういう点から、農林省の案を聞いた上でということでありますから、これまたわれわれとしては一日も早い方がいいのです。両大臣の打ち合せを早急におやりになるということは、どういういうことについてであるか、今後二十万石の新たなる学校飲用についての具体案をまとめるということについてお話し合いを願うのでありますか、でき得るならばもう少し御意見を御開陳願いたいと思います。
○灘尾国務大臣 なるべくすみやかに成案を得るために努力することは当然のことと思っております。その意味におきまして、農林大臣とも今朝話をしたようなわけでございますが、具体的な計画ということになりますと、今回の酪農対策と申しますか、牛乳対策について農林省でいろいろ御検討になることと思うのでありまして、それに合せまして、私どもといたしましてもよく御相談して参りたい、こう考えておる次第でございます。
○足鹿委員 農林大臣がお見えになったのですが、今まで灘尾文部大臣に昨日の会議の経過についての御所信を承わったわけであります。文部省という学校給食を行われる主管省としての自主的な御方針を承わろうとしたのでありますが、やはりこれは農林省と関連があるので農林省の考え方を聞いた上でできる限りすみやかに善処するというお話であります。農林省としては、昨日の当委員会の決議に対する御意思の表明もありますし、農林省の方針、態度というものはすでに決定を見ておるのではないかと思うのでありますが、 〔本名委員長代理退席、丹羽(兵)委員長代理着席〕 でき得るならば、両大臣おそろいでありますから、この際にもう少し具体的な御決意の表明を得ますならば、その及ぼすところは非常に好結果を生むのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○三浦国務大臣 きのうも率直に申し上げました通り、当局としましてはある程度の構想を持って財務当局とも話し合いをしておる、しかし、まだ固まらぬものですから、文部大臣の方とはまだ具体的なお打ち合せをしておらぬわけであります。従いまして、農林省といたしましては、当初現在の学校給食のなにを倍加して参りたいと表現しておったのですが、事実できるならば三十万石程度今後ふやして参りたいという心組みで財務当局とも話しておるわけでございます。しかし、これは、何も具体的な取りきめがないうちに灘尾さんのところへ持っていきましても、なかなかお取り進めがしにくいだろうと思うのでありまして、この関係を早く手詰めてまとめまして、文部当局と相談して——きのう来論議のありました実施上のいろいろな困難の点もあるようでございます。これらは農林省ががんばってある程度の線をきめないことには前進し得ないわけでございます。従いまして、実は明日等においてさっそく取りきめることに取り進めていきたいと思います。従いまして、案がある程度具体的になると同時に機を失せず文部当局とは緊密な連絡をとって取り進めたいということでございますので、この事情を御了承願いたいと存じます。
○足鹿委員 伝え聞くところによりますと、補正予算に対する政府、与党間の意向は十四億二千万円程度牛乳並びに乳製品対策として考えておるような話も仄聞いたしております。どの程度固まったものか、私どもよく存じませんが、そういう具体的な数字もちらちら伝えられておることでありますから、一日もすみやかにやっていただきたいと思うのであります。すでに八月の暑中休暇も都会においてはもうすぐ始まってくるわけでもありますし、それから約一月余り後には休暇明けという事態にもなってくると思うのです。少くともあなた方の態度が表明されることによって、現在の乳業資本の攻勢が一応緩和をされ、牛乳生産者の立場においても一応まず小康状態という事態もやり方によっては出てくると思うのです。聞いてみますと、文部省あたりの希望によって、牛乳の飲用ということに限らず、学校給食を行うということになりますと、その調査を取りまとめて具体的に実施するには、従来の事例から見てやはり三カ月くらいを要する、そういう話もわれわれは聞いておるわけです。そういうことになりますと、今からおやりになっても秋の半ば過ぎというような事態にも当然なろうかと思うのです。それでは全く効果が薄い。ですから、くどいようでありますが、そういう従来のきわめてスローモーなやり方はこの際改められて、緊急に問題とじかに取り組んで実施に移していただくという方法を講じてもらいたいと思うのです。これは文部当局だけの責任ではなくて、農林省のやり方も非常に緩慢であって、われわれとしては納得のいかぬ面が多分にあります。そういうことは、あなた方両大臣が方針をきめられ、政府の意向が定まったら電光石火的にこれを実施に移すということにならなければ、せっかくの方針が効果を減殺されると思うのです。その点について、両大臣から、急速に今述べたような趣旨の線に沿ってやるという御言明をいただけますか。
○三浦国務大臣 足鹿委員の御意見、ごもっともであると思います。従いまして、まず、農林当局としましては、手詰めて、早く基本方針を取りきめするように進める。それにはやっぱり前提として財務当局との話し合いが必要でございますが、相当その段階も進んでおると考えております。同時にまた、一面業界等にも相当の話し合いを進めております。これはもう御指摘の通りなるべく早く遅滞なく実行いたしたい、こう考えております。従いまして、この準備を進めると同時に、灘尾文部大臣等にも緊密な連絡をとりつつ、御趣旨に沿うように努力いたしたい、こう考えておりますので、御了承願います。
○灘尾国務大臣 農林大臣の仰せになりました通りでありますが、文部省といたしましても、これを実施するということになりますれば、できるだけ早く目的を達するように努力はいたします。これは地方の関係もございますので、地方を督励して、なるべく早く物事をきめるようにいたしたいと考えております。
○神田委員 関連して……。 文部大臣はきのうおいでになるだろうと思って一日お待ちしておったのですが、お見えにならない。きょうも午前中ずっと待っておったんだが、おいでにならない。一日半われわれは待っておる。あなたもお忙しいのだから私は責めませんが、なぜわれわれが大臣に来てもらってここで言明してもらわなくちゃならぬかということは、御承知の通り、新聞に、「増産でダブつく牛乳、給食用に押しつけ」というようなことがでかでかと大きく見出しをつけられて出ておりまして、少くとも全国の学校給食関係者に与える影響というものが非常に大きいし、あるいはまた酪農家に与えた影響も非常に甚大だと思う。というのは、当委員会において決議をした通り、夏場の牛乳をどうして処理するかというようなことで連日連夜審議を重ねておる最中に、あなたの方の一事務官であるところの課長がこのような発言をいたした。こういうことに対して、単に課長の弁明とかあるいは局長の弁明だけでは、これは済まされない。これは、担当省の責任者であるところの大臣がはっきりとした見解を述べて、そうして酪農家並びに給食関係者に大臣の意思を徹底させない限りにおいては非常な影響を及ぼすという意味合いにおいて、われわれはきのうからきょうと大臣に出席を求めたわけです。そういう意味合いにおきまして、先ほど冒頭大臣が釈明されましたが、われわれはこの釈明は一応了としますが、しかしながら、これだけでは私は物足らないものがあると思うのです。それはどういうわけかというと、酪農問題が大きく取り上げられておる最中においてその事務担当の責任者がどうしてあのような発言をしなくちゃならぬかというその裏には、なま牛乳を学校給食で受け入れるよりも脱脂粉乳を使った方がいいというようなことをはっきりと言っておるのです。これは、大臣がいかに農林大臣と一緒に話し合いをして牛乳の処理をしようとしても、事務当局の根本的な考え方、文部省が今までとってきたやり方において、なま乳よりも脱脂粉乳の方がよいという考え方を是正しない限りにおいては、これは解決できないと思う。こういう根底の問題に対しまして、大臣はどうお考えになられますか、御答弁願いたいと思うのです。
○灘尾国務大臣 なま牛乳と脱脂粉乳とがどちらがいいかという問題は、それのからだに対する効果というふうな点から言えばいろいろ議論のあるところだと思いますが、私も専門家でございませんからよくわかりませんが、いずれ一長一短ということになると思うのであります。取扱いがどちらが便利かということも考慮に入れなくちゃならぬ点であろうと思うのであります。今の技術的な意味における問題につきましては、はっきりしたお答えをするだけの私知識を持っておりませんけれども、どちらを使ってもいいものだ、かように考えて給食の問題を進めていきたいと私は思っております。
○神田委員 そうすると、事務当局が脱脂粉乳を使うべきであるというような考え方を持っておっても、現在の酪農危機を突破する意味合いにおいて、この大きな酪農危機突破というような観点の上に立って、文部省としては国内産の牛乳を使用すべきである、こういう考え方、大臣はそういう考え方だろうと思うが、そういう考え方が徹底されておったのかどうか、その点お尋ね申し上げます。
○灘尾国務大臣 その考えを別に徹底するための措置というふうなことは、率直に申し上げますが、実はいたしておりません。多少私の考え方というふうなものについての理解が足らなかったという点があるいはあったのじゃなかろうかと思いますけれども、おっしゃるように、脱脂粉乳でなくちゃならぬのだ、なま牛乳じゃいけないのだ、こういうふうな考え方で文部省がきまっておるわけでも何でもございません。ただ、給食の仕事をスムーズにやっていく上におきましてどちらが便利かというふうな問題は、十分検討さしていただきたいと思います。
○神田委員 そうすると、大臣の答弁を聞くと、酪農危機突破のための学校給食に国内のなま乳を使うというような考え方がまだ文部省内に徹底しておらないようにわれわれは考える。そういう大臣の考え方であるから、事務当局が事務的な立場に立って今までの輸入粉乳によるというようなことを固守して、そうしてあのような言明が出たのだろうと思うのです。これは私は偶然ではないと思う。この根底をくつがえし、国の根本的な方針というようなものが下の事務官僚によく徹底をしておらないからこそ、今度のような問題が私は出たのだろうと思うのでございますが、こういう点について、やはり、学校給食等の今度の課長の言明——あなたの部下を統御する一つの責任というものがここに出てくると思う。この酪農危機突破のために大臣がなすべき処置を部下に徹底させなかったということは、やはり大臣の責任だと思うが、あなたはどう思います。
○灘尾国務大臣 責任と仰せられれば責任である、かように考える次第でございますが、実は、まだこういう問題について十分にゆっくり話し合う日にちもなかったような始末でありまして、不徹底な点はお許しを願いたいと思うのであります。 同時に、もう一つ申し上げたいと思いますことは、牛乳の消費を増大するという意味におきましては、もちろん御協力もいたします。それからまた、学校給食というものをさらに積極的に進めていく上におきましても、牛乳を利用するということについては、先ほど申し上げました通りであります。積極的な熱意を持っておるつもりでございます。給食の仕事をスムーズにやっていくのにはどういうふうにやったらいいか、こういう問題については、これは事務の問題としてまたよく検討させていただきたいと思うのであります。
○神田委員 今後、大臣が言われたように学校給食に関しましてなま乳を使用することにつきましては、農林当局ともっと深い連携を保ちながら、今までのいきさつがいろいろあると思うのでございますけれども、脱脂粉乳とのそういういきさつを踏み切って重大決意をしなければ、これはできない。特に、粉乳が輸入されて、しかも保管も相当数量保管しておる。このために保管料も相当かかっておる。あるいは今後も三十五年まで一万九千五百トンからの粉乳を輸入しなくちゃならぬというような最低線があるそうです。それ以上にとにかく三万トン近く輸入しておるというような状態なんで、この脱脂乳の輸入をできるだけ少くして、国内のそれにかわる乳を用いるというようなことに対しまして、今まで学校給食団体との間に、あるいは輸入食糧関係者との間に、いろいろと複雑な問題が横たわっておると私は思いますが、こういう問題を解決せずして、この三十万石の乳を学校給食に回すというようなことはなかなか容易なことじゃないと思うのであります。しかし、これをなし遂げなければ、一番われわれの要望しておるところの酪農の危機というものは突破されないのでありますし、また、うまくない脱脂粉乳を子供たちに飲ますよりも——いろいろ専門的立場に立てば栄養の点とか何かあるでしょうけれども、実際においてはなま乳を飲んだ方があの粉乳を飲むよりもよほどうまいのでございますから、そういう意味合いにおきましても、少しくらいの国家予算によって補てんいたしましても、国内産の乳を小さい子供に飲ませて、そうして日本の食生活の改善というようなものへ寄与しなければならぬ。そうして日本の食生活を幼い子供から改善していかなくちゃならぬ。こういう意味合いにおきましても非常に大事なことでございますが、それには、先ほど私が申した通り、今までの粉乳の取引関係、それの関係団体との調整、こういう問題についてよく御調査願いまして、このきずなを断ってもらいたい。私はこの問題についてほかにもいろいろと醜聞等も聞いておりますけれども、今日はそれは申し上げません。あとの機会に私はまた御質問申し上げたいと思いますけれども、一つこういう点を大臣に詳細に御調査願いまして、この発言をいたしました裏に何があるかということをよく御明察願って、御改善を願いたいということを申し上げまして、私の質問を終ります。答弁だけお伺いしたい。
○灘尾国務大臣 学校給食全体の問題として十分考究を要する問題であろうと思うのでありまして、当面の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、進んで御協力を申し上げるつもりでございますが、さらに、文部省といたしましては、今後どうするか、将来にわたっての検討も必要とすると思うのでありまして、その点については、学校給食というものに対するわれわれの熱意からいたしまして、牛乳の問題その他の問題ひっくるめまして、さらに拡充するようにやって参りたいと思います。ことしのこの問題だけというのではなくて、今後長きにわたってどうするかというふうなことについてはとくと考究させていただきたいと思うのでございます。
○丹羽(兵)委員長代理 大野市郎君。
○大野(市)委員 文部大臣に御質問いたしますが、学校給食の重要性についての御理解は、ただいまの御答弁でほぼ了解したのでありますが、事務当局の従来の取扱いの形、それから、大臣が御出席になるまでのたとえば御答弁の中の一つに、脱脂粉乳と牛乳とは一長一短であるという御答弁の形、これは実は昨日も体育局長からそういう表現で脱脂粉乳対なま乳の栄養価の問題に対しても評価があったのであります。しかし、同時に厚生省側の証言がありまして、なま乳、——生まれながらに出てきたものの方が発育によいのは当然であるという証言があったわけであります。そういうふうな工合に、出発点において、厚生省のむしろこれは専門の担当者でありますが、そういう証言が片方にありながら、あなたがおいでになるときは一長一短であるという答弁の御用意を吹き込まれておいでになるところに、われわれとしては非常に行政の末端浸透に対して心配があるのです。 そこで、実はお伺いをしたいのでありますが、この一月から三月までの学校給食用の供給の実施状況が発表されて、七月五日付で私どものところにありますが、非常にわずかな学校しかこれを採用しておらぬのであります。十万石の予定に対して七万三千石の消費が発表されておるわけなんです。これに対して、文部御当局からいかなる経路で希望を取り、末端の学校が希望を申し出て採用せられますか。これらの、つまり事務的な通知を出したり回答を取ったりする順序があるはずなんです。これに対して私ども疑問がありますので、局長からでもけっこうでありますが、その順序を一つ御説明願いたい。
○清水説明員 御承知のように、三十二年度は一月から三月までの間十万石に相当するものを配給する計画があったわけでございます。そのうち、七万九千石が牛乳になりまして、バターは二十二万ポンド、全脂粉乳が七万五千ポンドというふうなことになっております。それで、バターと全脂粉乳は一月は配給ができませんので、二月からということになったために、こういうことになったわけであります。 それから、国内産の酪農品の経路は、これはもちろん将来改善して参らなければならぬ点だろうと思っておりますが、バターと全脂粉乳の方は学校給食会で扱っておるわけでございます。それから、牛乳の方は業者から学校の希望によって配給しておるわけでございますので、これを考え、あれを思いますと、もっとわれわれといたしましてはこの使用についてやっていけるのじゃないかと考えておる次第であります。
○大野(市)委員 私の今質問したのは、そういう意味ではなくて、学校側に、父兄の負担も増加することであるから、しかしこういう供給があるので、要るか要らないかという照会があるわけです。ところが、私どもの子供たちの通っておる学校あたりを調べますと、それらの相談を父兄側のPTAの会長も役員会も受けた覚えがないと言う。私の子供は静岡県の学校におりますが、そちらのことから見ましても全然相談がない。相談がないからそういう得度があるということをなかなか迂遠で知らない。そんな牛乳を政府が補助してくれて飲めるなら飲みたいというような気持も役員の側から聞くわけです。われわれがその説明役になって、こういうわけでお前らの方へ相談が行ったのじゃないか、相談なんかも何もないし、知らない、というふうな実例を幾つか知っておるわけなんです。従って、思い合せられるのは、先ほど言われたように脱脂粉乳はいろいろの都合で工合がいいが、牛乳は父兄の負担もふえることだからあまりお勧めにならぬのじゃなかろうか。こういうふうに考えますと、消費増進の啓蒙をこうやって国会あたりも政府当局も一生懸命にやっておるのに、末端の行政をつかさどる事務官の諸君がはき違えをされたか、そういうことで成果があがらぬのではなかろうか、こんなふうに実は判断をするので、一体どういう形で下部に浸透をさせるようにしておられるか、これをお聞きしたい。
○清水説明員 三十二年度の十万石と、三十三年度きまっております既定の二十万石につきましては、文部省といたしましては、この量はどうしても消費しなければならぬということで手配しておりますので、これが余るということは、私は今のところないと思っておるわけでございますが、ただ、ただいま御指摘の経路の問題でございますが、これは、農林省は学校給食用牛乳、乳製品供給事業実施計画というものを作りまして、文部省は学校給食用牛乳、乳製品使用実施計画というものを作りまして、都道府県の教育委員会に出して、都道府県の教育委員会は地教委にそれを通知、普及して伝達しておるわけでございますが、農家の方から牛乳購販団体に申し出て、それから乳の処理場、それを都道府県がまとめまして農林省へ、それから、農林省はそれに基きましてまた乳処理場から学校に連絡をとりまして、そして学校の報告が地方の教育委員会から府県の教育委員会へ、そして文部省へいく、そうすると、それを農林省に連絡して、普通の供給通路を経て学校へいくということになっておるわけでございますが、ただいま国がたとえば一合について四円補助しているということも末端へいって父兄もPTAの人も知らない場合が多いというようなことを、昨日も私伺って実は驚いておるような次第でございますが、そういうことは、通知のいかんにかかわらず、徹底していなかったということが一番よくないことでありますけれども、そういう点は今後十分注意していきたいと思っておる次第でございます。
○大野(市)委員 結局、聞きますと、府県単位から地教委まではいくが、地教委の取扱いが妥当でなく、そこで負担するのはPTAの父兄が負担するわけですが、その負担する当事者に相談をかけないで、こんなもの要らないといってけっておるのじゃないかと思う。そういたしますと、せっかくの国策が浸透しないのでありますから、われわれとしては、それは法規上どういうふうになるか知りませんが、行政上の運用によって、直接の負担者が相談する機関を持っておりますから、ぜひそこまで下げるように手続をいただきたい、こういうふうに私は希望いたします。 そうして、最後に繰り返して申し上げたいのでありますが、たとえば取いの問題に対しても、現在煮沸してやる設備があるのです。そのほかのスープを出すとかいろいろな形で、PTAの負担によって、あるいは市町村の補助金によって、給食室というものはなかなかよくできたところも多いのです。そういう設備ならば高温殺菌で煮沸でよろしいという厚生省の意見も昨日聞いておりますので、取扱いの問題でも問題はありません。同時に、脱脂粉乳は大へんいいというふうなことを学校給食課長はきのうしきりに言いましたが、現実は二十二グラムの脱脂粉乳の供給を受けておりますが、二十二グラムで一合のものを作ると、濃過ぎまして、子供が飲まないのです。ですから、消費の実態も御研究なさる必要がある。そうして、どうやっておるかというと、これは全部ではないかもしれませんが、二十グラムにしまして、そして、砂糖を入れないと子供が飲まないから、二グラムの砂糖を足しまして、ようやくお乳だというて子供に飲ませておるのが現状であります。残りの二グラムはライスカレーの方に回すとかあるいはパンの方にそれを回すとかいうこまかいことを考えてこれを消費しておるのが末端の実情なんです。でありますから、そこまで目をつけてやっていただかないと、せっかく多額の国費を出してやったことでも効果がないと思いますので、これはほんとうに末端の子供の発育にも直接関係のある重大な問題だと思いますから、こういう実情をきょうは申し上げておきますが、大臣も、基本方針だけでなく、そういうところにも気を配っていただきたい。これは日本の食生活改善とともに農政の抜本的な解決策にもなるのでありますから、ぜひ大臣の御決意の通りに積極的に御努力をお願いいたします。
○丹羽(兵)委員長代理 中澤茂一君。
○中澤委員 文部大臣に一つだけお尋ねしておきます。昨日の高見政務次官がおいでになりまして、農林省はおかしいのではないか、増産奨励だけどんどんやっておいて、乳が余ったから跡始末を文部省でしろという考え方はおかしいのではないか、こういう発言をなさっておる。これはもっともな面もあると思いますが、これに対して大臣のお考えはどうでありましょうか。やはりそういうけしからぬという気持をお持ちでしょうか。
○灘尾国務大臣 私は農政の面には暗いのでありまして、かれこれ言うだけのものを持ち合せておりませんけれども、酪農対策につきましては、生産の問題、消費の問題、あわせて御検討を願いたいものと考えておるわけであります。けしかるとかけしからぬとかいうようなことじゃありませんけれども、せっかく奨励しましても、急にあわてて何とか消費のことを考えなければならぬというような状態は、将来の問題としては考えなければならぬという点もあろうかと思うのでございます。一般論としてそういうふうなことを申し上げるにすぎないのでありますが、消費面についてわれわれが御協力を申し上げると同時に、また、ただそういう意味だけでなく、子供の保健衛生のために努力することは当然なことでありますから、それはそれとしてやって参りたいと思います。
○中澤委員 あと御答弁要りませんが、この問題で趣旨徹底をさせるためにPRの費用が必要なら、大いに予算要求をしてPR運動費をとるべきだと思います。そうして、とにかく重大な危機に来ておる酪農問題ですから、大臣の方も、積極的に宣伝費を取って、ほんとうに末端まで徹底浸透させて、三十万石の消化に対して御協力を願いたいと思います。そうしない限り、この危機突破はできないのであります。 それから、いま一つは、大臣に警告しておきます。この新聞記事というものは、今いろいろ僕の方でも調査しておりますが、いろいろ問題がある。学校給食会というのは、かつて粉乳のやみ流しをやって問題を起した会である。これとの何らかの関係というものを考えなければならぬ問題があると思います。だから、そういう点については、いま少し下部官僚に対する監督権を強化して、——私はきのうどうしても信賞必罰を明らかにしろと言って相当政務次官、局長に食い下ったのですが、あまりなめられないように、一つ大いに御注意を願いたい。同時に、学校給食会の問題は、相当慎重にあなたの方でもお考え願わぬと、再び問題を起す危険があるということを私は警告をしておきます。 それから、次に農林大臣にお尋ねするのですが、先ほど総理府の長官の松野さんに来てもらいまして、例の検査権の問題で、松野さんの方とすれば、所管が農林省だから農林省から要求があればこの統計法第二条の指定調査のワクに告示で入れてもよろしい、こういうことを言っておるわけです。この点は、どうしても九月までに在庫調査の目鼻をつけない限りは抜本的な根本対策はつかないと私は思う。そこで、農林大臣の方で、所管大臣がこの第二条の指定調査の中に入れてくれという要求があれば私の方ではやりましょうということを総理府長官の松野さんが午前の委員会で言っているのですから、大臣の方からこれを一つ要求するという御意思がおありでしょうか。
○三浦国務大臣 乳製品の工場の月末在庫量の調査は現在指定調査統計でやっております。ただ、倉庫、販売店等におきます在庫調査は現在やっておりません。問題はここにあると思うのです。私としましては、これでは、予算上の関係がありますので、それらを調査しまして、なるべく現状を把握しませんと、やはり対策が立ちませんから、漸次拡大するという方向に持っていきたい、従って、総務長官等にもよく相談したい、こう考えております。
○中澤委員 このごろ帝国ホテルで蚕糸業界の代表の人がお集まりになって、そこで大臣が相当強い発言をしたというので、だいぶ業界に旋風を巻き起しておるわけなんです。これは非常にけっこうなんです。そこへ出席した某氏から私はいろいろ聞きましたが、場合によれば規制もするぞという発言をなさって業界では、ほんとうにあの大臣は昔統制の本山だったんだからやるかもしれぬぞということで、旋風を巻き起しておるということですが、ほんとうにそういう強い発言をなさったのでしょうかどうでしょうか。
○三浦国務大臣 ちょうど食事の間におきますといろいろの話でありますから、公けのこととされても困るのですけれども、実は、その間には、非常な、何といいますか、農林省が、これだけ若心して、同時に皆さんからは警告を受けつつも蚕糸対策を進めておるのですが、それに対しまして、私どもの感じとしては、あまりにも無関心だと申しますか、われわれもかつて蚕糸業界等の空気等も若干存じておりますが、そういうような空気なものでございますから、これは皆様の良識ある協力を私は求める、しかし、これには限度があります、それ以上は、私どもは徒手空拳でありまして、それ以上はやはり各業界が全面的に協力してもらうということが前提になっていることで、それがくずれるというようなことだと成果を十分にあげることができない、それでございますから、皆さんの御協力を得たい、同時にまた、公共の利益をどうしても保持しなければならぬ立場にあるのですから、あまり非協力というようなことのないように期待する、こういうことから、勢い、これらの問題につきまして、業界側でも私の言いましたことをいろいろに取りざたしたと思います。しかし、私は、やはり必要があれば皆様の御同意を得て立法等の措置を場合によっては講じなければならぬということでございますけれども、そうかといって、直ちにどうするああするということではなかったのでございます。お尋ねでございますが、さような環境でございます。
○中澤委員 けっこうなことです。とにかく、大臣、その意気でやって下さいよ。それは大臣の発言というものはやはりこわいですよ。僕は、それを聞いて、ははあ大臣は蚕のことには非常に本腰になったな、しかしまだ牛乳には本腰ではないなと感じたのです。八月三十一日にまた当委員会を開くそうですが、いま少し情勢を見て、一つ大臣に乳業問題についても——この問題は商売人が相手なんですから商売人というものは、ぴしゃっとこっちが先手を打つと、びくっと引っ込むのです。こっちが甘い顔をしているとどこまでもつけ上ってくるのだから、この際帝国ホテルでの発言のような強い態度をもって断固先手々々を打ってもらいたいということを希望して、御答弁には及びません。 —————————————
○丹羽(兵)委員長代理 次に、農林水産業の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。松浦定義君。
○松浦(定)委員 私はまず第一に三浦農林大臣にお伺いいたしたいのだが、大臣は就任されて所信表明をされたのでありますが、この際においては前農林大臣が実施して参った問題については全面的に受け入れて、さらにまたそれに漸進的に自分の考え方を十分に入れて農業政策を遂行いたしたい、こういうような御発言があったのであります。そこで、私どもの手元に参っております昨年度の農林白書、これは前農林大臣の当時に作ったものでありましょうが、従って、この問題は実質的に大臣はこれを継承しておやりになる、こういうお考えであろうと私は推察いたしまして、ただいまから質問をいたしたいと思うのであります。 この委員会では、米麦を中心として、さらに酪農繭糸その他水産等、あらゆる問題について一応質問は出尽したというふうに私は考えているのでございますが、特にこの中で一つまだ出ておりませんのは畑作問題であろうかと思うのであります。大臣も青森県でありますから畑作問題については十分な御造詣を持っておられますし、特にこの白書の中にも、今までの日本の農業というものは米作を偏重しておった、であるから今後大いに畑作を振興しなければならぬということを実はうたっておるわけであります。反別等からいきまして、総面積の中からいけば畑作が大体半数を占めているというような中でありますから、むろんそういうことは取り上げられるのが当然であろうと思うのであります。従って、この畑作問題の取り上げ方について、昨年実施されておりまして今日その緒についているかどうかまだ疑問であるというふうに考えられまする畑作試験地の問題ですが、これが北海道ほか、二カ所、計三カ所によって実施されているが、この畑作試験地に対する現在の考え方、これについて一応お考えをお聞きいたしたいと思います。
○三浦国務大臣 畑作の試験地の問題でございますが、実は、これは私ちょうど次官在職当時のことでございまして、そのときの考え方そのものを今日の時世には直ちに採用はできぬと思いますが、そのときの事情もちょっと申し上げたいと思います。 松浦さんの御郷里の方もどっちかというと寒冷地帯でございます。私の属します東北も同様でございまして、当時は戦争の当時でございましたけれども、畑作の問題となりますと、大豆あるいは麦類、その他寒冷地の作物につきまして、どうしても品種の改良をもっといたしたい、同時にまた、その営農形態におきましてもなお改善いたしたいということから、当時実は一つの試験地等も設定いたしたわけでございますが、その後試験地の統合ということに相なりまして、現在は岩手県のところに試験地が設けられている、こういうふうになってきました。私の考えますには、やはりそれぞれの地帯においてそれらの作物の試験研究をもっと深めて参るということが大切じゃないかと思うのであります。実は、一昨年のことでございましたが、北海道の地方もしばらくの間視察させていただいたのでございまして、大学試験地等をも相通じまして相当の業績はあげておりますけれども、試験の規模において、それから深さにおいて、同時にまた試験研究の段階におきましても、私はまだ不十分だと考えて参りました。もとより、試験研究だけでは参らぬことは、これは申すまでもないことでありますけれども、少くとも、あの寒冷地帯、五月から九月までの積算温度が二千六百度ないし二千八百度程度の地帯等につきましては、特に寒冷地農業等を、これは海外の事例等も徴してもっと深めて、かつまた前進させて参りたい、こう考えておる次第であります。なお、農林省等におきましては、この試験研究のなには、先年来機構改革をしまして、そうして一つの総合的な推進をいたしておるのでございますが、それと地方との結びつきにおきまして、なお一段の改善を加えて参りたい、かように考えておる次第であります。
○松浦(定)委員 ただいまの大臣の御説明で大体わかるわけですが、従来からやっておりました試験地以外に、そういうような問題を基礎にして昨年実施された各府県におきまする試験場に併置した畑作部、この問題で私は先ほどからお伺いをしようとしたのでありますが、これについて、先ほどのような御説明でありますと、むろん全額国がこれに対して投資をして、そうして効果あるようにするというのが原則であろうと思うのでありますが、今のような形で、やはり府県が非常に財政の苦しい中からこれを一応立てかえてまでこの実施に当らなければやれないというような実情であるわけなんですが、あくまでこういうような形で、さらに大臣としてもそれを継承してやるのか、あるいは、今申されましたことから考えますと、一歩飛躍させて少くとも重点的に国の施策として資金の面についても十分府県に迷惑をかけないようにやる、こういうような一つの前進したお考えがあるのかないのか、一つお伺いをしたいと思います。
○三浦国務大臣 私は、試験研究の基本的な問題につきましては、理想としては国でもって持ってやるということにいたしたいと思います。同時にまた、地方には地方色の濃厚なものもありますから、その分は地方でやっていただくこともなにですが、基本的な試験研究の経費等は、私たちとしましては、やはり国で持ってやる、こういう一つの理想を持って、それに推進していきたい、こう考えております。
○松浦(定)委員 それで、関連の問題でお尋ねいたしますが、そういう考え方で今大きくやっておられるのが、青森県の上北と北海道の根室にありまするパイロット・フアームの施設だろうと思うのであります。この施設は、御承知の通りに、相当の補助を出し、さらにまた入植しておる者についても相当の個人負担をさせて実はやっておるわけであります。上北は大体経営面積は五町歩が限度でありますから、補助が五十万に、融資は百五十万ありまして、約二百万くらいの程度でやっておりますけれども、北海道の根室に至りますと、大体耕地が十四町歩、さらに牧野その他を合せますと、二十八町歩程度のものがこれの一つの基礎の中に入っておるわけであります。従って、補助については百五十万、融資については二百五十万、総体で四百万からのものを一人の入植者に対して投資をしておるということになる。これは当時二十八年ごろに一応決定されたのでありますが、ちょうどそのときに、大坪さんが局長であった当時でありまして、私は参議院の農林委員会でお尋ねしたことがあるわけであります。こういうことをやられることは非常にけっこうだが、数十年も前から入植しておる個人、すなわち既存の農家が、道路一つを隔てて、牛一頭飼えるかどうかというので負債に悩んでおる、この者との均衡をどうするかという問題であったのでありますが、そういうことを解消するための一つのケースとしてやるのだ、これは漸次拡大してやるのだということであるから一つ賛成してもらいたい、こういうような御発言があったわけであります。私はその後相当その経過について見ておるわけでありますが、今度農林委員会では北海道については調査に参りますから、おそらくこれが詳しく調査されて、その経過の報告があると思うのでありますが、一戸に四百万ものものを投資し、そうしてこれが約七カ年据え置きで、七カ年後になりますと一戸当り二十二、三万というものを毎年償還せなければならぬ。特に酪農を中心としておりますから、今ここで出ておりまするのは非常に小規模な酪農経営にしかなっていないような状態であるわけであります。従って、そういうような形で、特に牛においてはジャージーが入っておるのでありますが、あのジャージーを今三頭ないし四頭くらい入れておるようでありますけれども、少くともそのような程度のものをもってしては、二十何万というものの償還をするということでは、適正な規模の農家はあそこでは実現しない、こういうふうに私は考えておるわけでありますが、大臣として、これはあくまで成功する、こういうことをさらに漸次全国のそういうような地帯について規模は小規模であっても拡大するというようなお考えを持っておられるかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
○三浦国務大臣 仰せの通り、根釧のあのパイロット・フアームを私も見て参りました。同時にまた、片方は、助成費並びに投融資合せて四百万ということでございますから、同じ地帯にありましても、その区域内の人々と道路一つ離れた従来の入植者との間に非常な顕然たる差異のあることも見て参りました。そのアンバランスの問題は将来だんだん解消していきたいという念願でございますが、それは別としまして、一応パイロット・フアームの一つの目標を定めて推進して参りましたのでございますから、これは既定方針通り成功させたいと、こう考えております。 その次に、これは畑地の振興策と非常に重大な関係を持つのですが、現状の畑地はまあいろいろの点があろうと思いますが、いやしくも畑地で一定の集団をキャッチできるならば、機械力を入れて畑地の土地改良そのものを大規模なものに施工してやるということとは、日本の将来の傾向でなければならぬじゃないかと思うのであります。もとより、小規模のものでは、現在すでに試験用として入れておりますあの大規模な農業機械等では容易じゃないのでございますけれども、やはり、規模の大きいものでございますと、その耕地の所有者の同意を得、あたかもたんぼ等につきまして耕地整理をやったような形態をもちまして、そうして畑地の改良をする、同時にまた、作物等につきましても、一つの方針を定めて、輪作等の形態もとりつつ進めるということが将来の考え方じゃないかと思うものでございますが、そのために農林省では相当な機械力等も使わせるようになっておりますし、同時にまた、機械等も保有するようになったわけであります。これらをもう少し拡大して、一つのトラクター・センターと申しますか、そういうようなものをもって畑地の土地改良等にも寄与し得るようなことにして参りたいと私は考えておるわけであります。
○松浦(定)委員 大へんりっぱな構想で、われわれも大いに期待をいたしておるわけでありますが、なかなかそういう形には私はいかないと思う。もしそういくということになるならば、今日まで畑作農業というものがもう少し振興しておる。大臣がかわるたびに、新しい政策を出さないとちょっと受けが悪いということで、いろいろあるようでありますが、内容によっては、むだに修正することなく、いいものはどんどんとやっていくという今度の三浦農林大臣の考え方は、私は非常に賛成するわけであります。従って、今お話になりましたように、少くとも莫大な投資をしてやる場合においては、決して不成功に終らせず、一つ大いに実現をしていただきたいと思うのでありますが、これには、今お話になりましたように、これから拡大するには——私の申し上げました小規模というのはパイロット・フアームを中心としたものに対する小規模でありまして、少くとも他にこれを実施するとしても、一千町歩以上のものに対してこれを実施するということでなければならぬと思うわけでありまして、そういう点については、機械力その他について相当の予算が要るわけでありますから、大臣は今から来年度の予算の編成についてはそういうふうな考え方で大いに畑作振興を重点的に一つやっていただきたい、このように実は希望いたしておきます。 従って、今そういう形を現在の経営に対して政府は実施しておりますけれども、だとするならば、今日まで放棄された農業政策の中から、非常に今日困っておる農家がたくさんある。北海道なら北海道だけ一例を申し上げましても、今日北海道では二十数万戸の農家のうち約半数くらいの農家は三十万以上の負債を持っておるということになっておるわけであります。従って、これらの負債を償還するには、今日のような形ではなかなかこれは解消しない。そこで、今問題になっておりまする戦前戦後を通じて入植いたしました開拓者等は、いろいろの条件が悪いので、なお負債に拍車をかけておるという状態であります。従って、それだけを解消するということにはなりませんので、一般農家を対象としてということになりますと、大へんな数字になって参るのでありますが、しかし、これを解決しないでおくということは、やはり現在の政策としては当然許されないことであります。これに対して今日までやっておられる政策としては、いろいろ融資、補助の点もありますけれども、一番農家が期待いたしておるのは、自作農維持創設資金というものに対して大きな希望を持っておるわけであります。しかし、今日のワクではどうにもならない。大臣は、このワクを増大することによって、これはできるとお考えになりますか、もしそうでないとするならば、何かのほかにそうした負債整理に対する御構想があるかどうか、一つお伺いいたしておきたいと思います。
○三浦国務大臣 たまたま北海道の問題等にもお触れになりましたが、私は、実は、北海道の農業を見まして、基本的には皆様御提唱になっている北海道開発の線を強力に推進するのがやはり前提だと考えております。同時に、私たちの担任しております方面につきましても、それに即応して、適切な連絡のもとに、われわれの方も拡充整備するということが、私は北海道の農業開発の要点ではないか、と思っておりますから、その観点におきまして、今後とも注意して参りたいと存じます。なお、今北海道の農家の二十七万戸のうち半数程度は三十万以上の負債にあえいでおる、こういうことでございますが、これは冷害その他による累年の負債等がこう来ておると思うのでございますが、私たちとしましては、自作農創設資金等の拡大をはかりまして、そして応じて参りたいと思いますが、これらも、年来の推移を見ておりますと、急速には拡大して参っておりませんが、努力をいたしまして、漸次この自作農創設資金の拡大によって自作農を創定する、そして維持するということにつきましては、御意見の通り進めたいものと考えております。
○松浦(定)委員 私がちょっと北海道の問題に触れましたのは、一番実例をあげやすいから申し上げたのでありまして、決して北海道だけのことを申し上げておるのではないのでありますから、大臣としてはそういう意味で一つ御答弁を願いたいと思うわけであります。ただいまのお説でありますと、やはり従来と何ら変らないような、自作農のワクの増大ということでありますと、これは私は焼け石に水の程度であるというふうにしか実は考えないのであります。ところが、過般の選挙の場合に、ちょうど私も自民党の候補の諸君と一緒に立会演説に出たわけでありますが、その際に某候補はこういうふうに言っておるわけであります。農村に参って一番問題になっておるのはやはり負債の整理だ、そして、北海道というものは、寒地農業の確立を立法化して、負債を整理して、今後再び負債のないような安定農家を作ることにわれわれは責任を持ってやる、そう言うかたわら、まず負債の整理をするには、農地金庫というものを今度は作る、農地を担保にしてどんどんと希望に応じて金を貸す、その場合に、あるところへ行っては、無利子だと言い、あるところへ行っは、無利子に近いような利子をとるのだ、こういうふうなことを言っておるわけであります。このことは、選挙でありますから、多少山がかかってもやむを得ぬとしても、少くとも必要なことでありますし、そのことによって相当農家はその候補ばかりでなく自民党の候補に対して圧倒的な票を入れておる、こう私は思うのでありますから、そういう意味から言っても、少くとも農地金庫なり何なりを作って、そうして安い利子で負債の整理をして、早く負債解消ということをやらなければ、これは公約の実施にならないのであります。そのときに私はこう申し上げた。私は野党であるから、そのことはできないけれども、そういうことをやるかやらぬかということを監視する者がないと、陳情だけではわからぬので、私は監視する役だということを言ったら、それもそうだというので、私にも非常に同情が集まったわけであります。そういうことでありますから、やはりそういうことは与党の諸君の中ではいろいろお話し合いをしておられると思うのであります。今大臣は、自作農創設資金の拡大によって漸次やりたいと言われる。こういうことでありますと、先ほど申し上げましたようなことは一つも通っておらぬというふうにしか考えない。それでは、私どもは、少くとも与党の政策として選挙の公約を実施するというような誠意がないのじゃないかというふうに疑うわけであります。そういう候補の発言に対して、大臣としては、なるほどこれもいいことだから一つやってみようというようなお考えがあるかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○三浦国務大臣 私たちも実は負債整理の関係のことも経験しております。同時にまた、農林省としましてもこれは経験を持っております。同時にまた、その一連の考え方としての農地金庫等の構想等も、かつて農林省等が持った時代があると思います。これを一々申し上げては恐縮ですが、われわれ野党時代にありましてもこの思想を出したのでありますが、不幸にして当時御共鳴を得なかった点があったわけでございます。でございますから、私たちは、何も自作農創設資金だけの問題にこだわらずに、できるならば、今のような農家の負債整理等につきましても、新しい構想のもとにいろいろな考え方をしていくということにつきましては、私は異存がございません。なお広い面で広く考え、かついろいろな構想も生み出して参りたい。ただし、ただいまお話があった考え方は、まことに豪壮な農政のお話でございますが、わが党では、私もあの選挙の際の問題等にもあずかりましたが、そこまで画然として打ち出してはまだおりません。その人の手腕見識でお話しになったと思いますが、個人の問題につきましてはどうも何とも申しかねます。農林省としましては、負債整理についても、いろいろな制度等につきましても経験もあり、それから、いろいろな考え方もありますから、これらは、なお十分に研究も重ねて、適切な方途を求めたい、こういう考え方でありますことだけ申し上げておきます。
○松浦(定)委員 私は、確かにこの構想は実現すると、こういうふうに実は考えておるわけでありますが、人の問題をあげるのはちょっとどうかと思いますけれども、この問題は最も近い機会に自民党の総務会で話題になって参るであろう、私はこういうふうに考えておるわけであります。それは、前農林大臣でありました河野総務会長がそういう構想を持っておるということをひそかに伝え聞いておるのでありますから、どうぞ、そういう意味で、前大臣の意見も尊重される現大臣でありますから、その点については十分一つお検討をわずらわしたいということを付言いたしておきます。 従いまして、こういうふうな形で非常に負債が重なって参りますし、さらに、今後負債を償還するようなめどは、今の大臣のお話でありますと、従来と何ら変りがないというような結果になるのでありますが、実は、こういうことは何が原因をしておるかということになりますと、やはり、何と言いましても、農産物の価格というものが非常に不適正であるということにほかならないと私は思うわけであります。たとえば、肥料、農機具、農薬等、あるいはその販売いたしまする農産物等の価格が適正であれば、こういうことはない。中には、病気、あるいはその他その人の考え方によって多少は影響はあるといたしましても、大体において、先ほど申し上げましたような、北海道だけ例を申しましても、約四百億以上の負債が今日残っておるというようなことは、私には考えられないのでありますが、こういう場合における農産物の価格を安定するためには、今日価格安定法というものがでておるのでありますけれども、今日の価格安定法というものは、私は決してこの価格をほんとうに農家が要求するような点において安定さしておるというふうには実は考えていないのであります。大臣としては、今日実施しておる価格安定法は、これは適切なものであるとお考えであるか、さらに、今後はこれをどういうふうにするかということについての御所見をまず伺いたいと思います。
○三浦国務大臣 農村の負債整理もしくは、農家経済のいわば貧困というものの原因は農産物価格のみだというふうにお考えなさることはいかがかと思います。これをいろいろ分析してみますと、必ずしもそれのみではなかろうと思います。従いまして、これは、農村におきまする社会保障の制度、ことに保健衛生等が重大な要素を占めておるものでございますから、これはあわせて考えなければならぬと思います。ただし、農産物価格の問題でございますが、現行の制度等につきましては、なお足れりとはいたしておりません。しかしながら、全面的に価格を管理し維持するということにはなかなかいかぬものでございますから、現在米麦等にとっております方式、さらにまた、これに次ぐ支持価格を採用する、さらにまた、その事物に応じて臨機の対策をとる、こういうことになっているのでございますが、事態に応じて改善はしなければならぬ、こう考えております。
○松浦(定)委員 そこで、ただいま価格の問題が出て参りましたからお尋ねいたしますが、たとえば、現在安定品目の中に入っておりまするカンショ並びにバレイショ両澱粉、さらに、大豆、菜種等々につきまする価格の決定の時期と価格についてでありますが、昨年の決定を見て参りますと、カンショ澱粉については前年度より十月、さらにまたバ澱については百八十円というような差をつけて値下げが実施されておるわけでありますが、そういう点については、当時も、相当不適当であるということを、実は委員会においても、あるいは他の関係諸団体においても力説をいたして参ったのであります。しかし、そのことは次の年できれば是正をしなければならぬというふうに実は考えて参ったのでありますが、本年もすでに価格を決定する時期に入って参っております。本年の価格は大体どういうような決定にしようといたしておられるのか、あるいはまた、その発表の時期でありますが、少くとも昨年は前年度よりも一カ月繰り上げたというふうなことで、これによって農家あるいはまたその他生産者団体を納得せしめるというような御意見がたまたま出ておるようであります。しかしながら、この価格安定法の趣旨というものは、あくまで生産者の経済を守るということでありますから、生産者本位に、これは決定さるべきものである、こういうふうに実は私は考えておるのでありますが、現在農林省としての両澱粉並びに大豆、菜種等についての価格の決定の時期あるいはその価格についての見通し等もお伺いいたしたいと思います。
○三浦国務大臣 取扱い等の関係がありますから、小倉政府委員から一応説明させます。
○小倉政府委員 安定法関係の物資はいろいろ種類がございまするので、一律には参りませんが、澱粉関係、すなわちイモと合せてでございますが、イモのでき工合が価格を決定する要素になるものでございますので、予想収穫がある程度判明をするというときをどうしても待たなければならぬのでございます。一昨年まではそういう関係で十月末、たしか政令でもそうなっておるわけでございます。十月末では少し出回り時期になってくる、特にバレイショについてはそういうことでございますので、一応一月早める、こういう御要望がここ一、二年来ございまして、そういう御要望に沿って、昨年は、カンショについては多少無理なのでございますが、一月早めて決定をいたした、こういう事実がございますが、今年も昨年に準じて一月早めて九月にはきめたい、こういう所存でございます。それから、大豆等につきましても、これはやはり同じような関係で、当年の作柄もある程度参酌するというようなことで、これは十月末になります。 〔丹羽(兵)委員長代理退席、本名委員長代理着席〕
○松浦(定)委員 作柄を見て価格をきめるということは、これはできればそういうことにするのがほんとうであろうと思うのでありますが、現在他に行われておるものからいたしますると、そういうことにはなっていないと思うわけであります。たとえば米の場合は、御承知の通りに今回決定されまして、決して作柄は見ておらない。さらにまた、米と畑作とはウエートが違うんだ、こういうことの御意見があるとするならば、百歩これを譲るといたしましても、同じ畑でとれる農産物の中、特に寒地農業として政府が非常に力を入れておるビート、この決定については、むしろ米よりも早く、まだ全然畑に何もまきつけもしていないような時期に決定をする、一月ないし二月に決定をしてしまう、そういうことになりますと、今長官が言われたようなことは言えないのでありますが、ビートの価格あるいはアマの価格、これらについてはどういう見解で作付前に決定をするのか、その理由を一つお伺いしたいと思います。
○小倉政府委員 これはなかなかむずかしい問題でございますが、結局、米あるいは麦でも、時期が違っておるわけです。麦になりますと、出来秋といいますか、六月一日の作況を見て六月末にきめることになります。米は、お話のように、予約制度の関係上、特に早めておりますが、それ以前でございますと、やはり九月なり十月ということできめるのがむしろ通例であったわけでございます。農産物価格安定の趣旨をいかように解するかということによりまして、作付前にきめるということも考え方としてはあり得るわけでございます。現在の農産物価格安定法によりますと、需給事情というものを考慮することになっておりまするし、それから、これは政令でございますが、当年の供給見込みというのも考慮することになっておりますので、現在の趣旨から見ますと、どうしてもその年の作柄の大体の見当のつく、実収まではいかなくてよろしいのでございますが、およその見当はつくというところまでいかないと、きめにくいようになっているのです。これは、価格安定の趣旨が、著しい需給の短期的な変動を防止する、しかし、年々だんだん供給がふえていくということでありますれば、需要がそれに及ばぬ限りは、価格もやはりそれに追随していく、あるいはまた逆な場合もありますが、そういうような関係でできておりまして、米のように、需給の関係、その年の作柄あるいは前年度の作柄がどうあろうと、パリティ方式あるいは所得補償方式でいきましても生産費が出てくるというような建前のものと、多少考え方が違って参っておりますので、ものによって相当の違いが実はあるわけでございます。
○松浦(定)委員 長官の説明は事務的にそういうふうに御説明願うと思うのですが、われわれ生産者の側に立ってながめますと、そういうものではないと思うのです。たとえば工場から出ます一つの製品が、一方はもうすでに値段が決定されているのに、一方は製品を納めてからでなければ幾らで買うかということがきめてもらえないとすれば、その工場は成り立たないのです。同じ農家であるのに、同じ土地からできるものがそういうことでありますならば、やはり、安定したもの、そういうものを投資して作るというのが農家の当然なる考え方だろうと思うのです。しかし、今日非常に追い詰められた畑作農業であるからこそ、そういうことを一方的にやらないで、できるだけ国の方針に沿ってやろうということでおるのであります。少くとも他に例がないなら別といたしまして、今申し上げましたように、ビートの場合にはやはり作付前にやってしまう。しかも、このビートについては、御承知の通りに、今日砂糖が非常にわが国には少いということで、現在のビート工場の増設等にかんがみまして相当奨励をされておるようでありますが、農家はこれについては非常に耕作技術を必要とします。上地条件も相当整備されなければビートというものは作れないわけでございます。高いからというので作ったって、とれなければ何にもならないのでありますから、そういうところに無謀な経営をやってもらっては困るということは、農家が言うのではなくて、国のやっておる改良普及員等がそういう指導をしておる。そういう指導を全然別にして、二十何億もかかるような工場を誘致することに努力しておって、今日北海道においても既存の三つの工場に対してすでに三つできておる。来年もさらに作る、再来年もまた作るということになりますと、一工場作るために五千町歩以上の畑を農家としては使っていくのでありますから、そのたびに、今長官が言われたように、不安定なものであるならばこれは作りませんけれども、安定をしておるからこそ、ある程度これに対して、土地条件は悪くてもこれに沿った経営をやろうとして努力をしておるわけであります。そうしますと、今言いましたように、別なものがそれに対して非常にウエートが低くなります。畑作というものは、勝手なものを作ったからといって、決して言うことを聞くものではありませんので、やはり輪作形式その他の方法によってこれをやらなければならぬということになるのであります。でありますから、私は、やはりこれはビートと同じように作付前に決定すべきである、こういう原則は少くとも農林大臣としては御確認をさるべきであると思うのでありますが、大臣としては、今長官が言われたように、どうしても、どういう事情があろうとも、これは今までの方針で仕方がないというのでありますか、そういう点について大臣の御見解を承わりたいと思います。
○三浦国務大臣 今御指摘のようになることも私は一つの考え方であろうと思います。同時に、現行の制度についても、調整をよく考えまして、改善し得るように努力いたしたい、こう考えております。
○松浦(定)委員 大臣がその改善について努力をするというお話でありますから、詳しく申し上げる必要はないと思うのでありますが、今私が申しましたことは、私は、必ず聞いていただけることだ、かように考えておるわけであります。たとえば、ビートの場合、今澱粉と同じあるいは大豆と同じような形で農家が作って、工場へ入れてそれが砂糖になってしまってから、ビートの価格は三千円だ三千百円だというような決定をされるのでは、そういう形ではビートを作ろうとしないわけです。従って、そういうような条件では会社としても工場を建てるような努力はしないわけですから、そういう点を一つよく考えて、少くとも現在そういう例のある、いい例についてはあくまでこれを順守して実施をしていただきたいと実は考えるわけです。従って、そういう形で原則的には作付前にやるということに仮定いたしましても、本年度は間に合わないのでありますから、来年度からはこの問題について検討していただくとしても、本年度はとりあえず、先ほど長官が言われたように、昨年よりも一カ月これを繰り上げた、こういうお話でありますけれども、今日北海道におきますバレイショ澱粉等は九月の初めにもうこれはどんどんと製品とされるわけで、八月の二十五日ごろから収穫にかかるわけですから、九月の末ではすでに、先ほど申し上げましたような負債にあえいでいる農家は青田売りをしておりますから、どんどんとそれを出してしまう。そして、安かろうが高かろうが、一俵二百円でも二百五十円でも、金になることは負債償還に充ててしまうという現状であるわけです。九月でもこれはおそいのです。八月に決定さるべきである、こういうように考えるわけです。なお、大豆の問題につきましても、同様九月にやっていただかないと、これまたバレイショと同じような形で、話がついてしまってからこれが決定するということになりますので、こういう点については、大臣あるいは長官も、もう一カ月今年度は繰り上げた八月の末にこれを発表する、あるいは決定するというようなお考えになれないかどうか。これは、先ほどの作付前に決定するという原則を確認したということになるならば、本年度はとりあえずその折衷としても当然行うべきでありますし、来年度からは三月、四月のうちに決定するという原則に立っていただくようにお願いいたしたいという希望を持っておるわけですが、この点についてお伺いをしたいと思います。
○小倉政府委員 ビートの例でありますが、これは御質問の通りになっておりますけれども、ビートは製糖工場にのみ供給される関係から、需要と供給とが当然に一致するようなことになります。従って、そのときのビートの需給の状況というものを必ずしも考慮をしなくても価格はきめられる、こういう経済条件が整っているわけでございます。他の農産物になりますと、必ずしもそういう条件が整っておらぬものですから、どうしても需給の関係を見なければならぬというようなことに相なるわけでございます。なお、そうした場合に、もっと早くすることはできるだけわれわれも努めなくてはならぬと思いますが、予想収穫高の調査をどうしても待たなければならぬ関係があります。澱粉につきまして、お話のように、バレイショは早くしようと思えば不可能ではございません。カンショ澱粉との関係も、ものが違いますが、できた製品としては類似製品でございますので、全く別々に価格をきめてしまうのもいかがか、こういう問題もございますので、なお検討させていただきます。大豆等につきましても、私どもも資料の入手ができます限りは早くいたしたいと思いますが、他の例でございますと、どうしても十月になるということであります。
○三浦国務大臣 現実の取扱いとしましては、今長官の申し上げる程度であろうと思いますが、将来の問題につきましては、先ほど申し上げました通りの考え方で進みたい、こう考えております。
○松浦(定)委員 大臣、ほんとうに今聞いておられない。長官の言った通りにやっておればいいというような御答弁ですが、それでは意味が成り立ちません。一応要請としては、今のような問題を勘案しながら、特にバ澱、カン澱等を考慮して、バ澱については八月末、カン澱については九月末、さらに大豆は九月末、菜種は五月末にやるべきだ、こういう原則を直ちに確認して、これから検討を進めていただくことを強く要請をいたしておきます。 なお、最後に、これは非常に大きな問題だと思いますからお尋ねをいたしておきますが、農村の次三男対策であります。特にこの問題は、岸総理大臣も、選挙のたびにも、あるいは所信表明の場合にも、青少年の問題については非常に力強い発言をされておるようであります。特に、今回の所信表明に対するわが党の質問に対して、やはり、青少年に対しては積極的な施策を進めたい、こういうことを言っておるのです。そこで、今日青少年の中で一年ウエートを占めておるのは、いろいろな面から言って、あくまで農村における次三男、そうしたものが相当の力を持っておるのではないか、かように考えておるわけであります。いろいろな形で岸総理は農村の青少年向けのいろいろな問題を考えておられるようでありますが、こういう農村における次三男対策について、現在の農林省としてはどういうような方針を進めておられるか、あるいはまた、今後、岸総理がそういう考え方に立っておるとするならば、その意を体してどういう進め方をしようかということについて、大臣の御所見を一つ承わりたいと思います。
○三浦国務大臣 まず、現在のとり来たっております対策につきまして政府委員より説明させます。
○永野政府委員 農村の次三男対策といたしましては、予算を御説明いたしております際に御説明しておることでございますが、農林省といたしまして現在行なっております施策は、第一に、次三男の手に職をつけますために、青年建設隊並びに新農村建設等に協力をいたさせますための農村青年建設班、こういう施設に対していろいろ補助をいたしておるわけであります。また、農村の青年に関しまして、海外の事情をみずからその目で見させ、海外の農業の実態を知らせる、日本に帰りましてからの農業経営の改善なり、あるいは海外移住に進んで出るという積極的な効果がありますので、毎年若干の青年を選抜いたしまして、北米、ヨーロッパ、ブラジルその他の諸国に派遣をいたしております。それに対して補助をいたしておるわけでございます。なお、農業改良普及事業の一翼といたしまして、青少年のグループを組織しまして、彼らの家の農業経営の改善について、みずからいろいろ問題を作り、みずから考えるという仕事をさせておるのでございます。御承知の通り、4Hクラブというようなものが全国に非常にたくさんできて、それが青少年の自主的な活躍を促進をしていくということに相なっておるわけでございます。現在行なっておるところはこういうことでございます。
○松浦(定)委員 ただいま永野局長の御説明を聞きますと、従来からこの点についておやりになっていることは私も了承しておるわけであります。そういう形で農林省がやっておられる農村建設青年隊は、直轄で数カ所、しかも人員においては非常に少いわけであります。府県が相当伸びて参りましても、やはり人員においてはほんとうの微々たるものであって、今お話しのように海外移住とかいろいろのお話がありましても、これは、予算とかあるいはまた質の問題等によって、私は将来に大した希望が持てないのじゃないかと思う。実は、私が非常に信頼しております青年が今度ブラジルへ二、三名行ったのでありますが、それらの連絡を聞いておりますと、こちらで考えておったようなものではないということを述懐いたしておるわけであります。そういうようなことでありますから、行けばあまり悪く言えないので、まあいいということを報告をいたしておりますけれども、もしほんとうによいということであるなら、もっともっと政府としては積極的にこれをやれるのでありますけれども、政府が比較的消極的であるということについてはいろいろの問題もありましょうが、やはりそのことをもってしては農村の次三男対策というものは実現できないというふうに私は考えておるわけであります。今お話しの、農林省とさらにまた建設省の方にもおやりになっておるようでありますけれども、両方合せましても、予算の面においてはやはり数千万円に満たないのでありますから、これらではどうにもならない。私が一応調べましたところによりますと、現在の農家の人口は御承知の通りに三千七百万以上あるわけであります。そのうちでも、青年と称せられる者については四百七十万くらいある。しかも、そのうちで、次三男というものは約百三十万あるというふうに、実はデータとしては出ておるわけであります。その百三十万のうちで、家で何とか経営のできるという者は三十九万くらいしかない。残りの者はどうしても農家を捨てて他に進出しなければならない。こういうわけでありますから、この者に対する処置が、今言われたような形で今後救済されるなどということは、当然考えられないのでありますから、この点についてはもっともっと積極的な考え方でやっていただきたい。 そこで、先ほども申し上げましたが、岸総理が、青少年対策ということについては、ただ単にこれは就職をするということでなしに、青年という一つのりっぱな人格を作るというような方面に非常に力を入れられておるようでありますけれども、積極的な施策というものは、青年当時にそういうような教育あるいはまたその他の点についての人格を作ることも大切でありますけれども、今日の青年は、従来と違って、すぐ学校を出たら一つの経済行為を行うような形になるのでありますから、やはり、そういう将来に対する職場というものについての考え方のないような教育その他の指導というものは、私はそう簡単に受け入れられるものではないと思うのであります。今日都市におきまして暴力とか何とか、都内においてもいろいろ取締りをやっておるようでありますが、農村においてはこういうことに非常に奇異な感じを持っておるわけであります。なぜあの都市においてはああいう問題が起るのであろうか、文化も、いろいろな施設も非常に進んでおる、十分な待遇をされておる、そういう中における青年ないしそうしたものを経た者がああいうことをやっておるということはけしからぬじゃないか、まじめな農村における青年というものは、こういう点についてかえって非常に心配をしておる。ものを言わないそういう農村青年に対して、今お考えになっておるような施策をもってしては、たとえば農業経営を通じて農村にとどまるという者すら、大きな失望を感ずるのでなかろうかと思いますから、こういう点については、もっともっと一つ積極的にやっていただきたい、こういうふうに実は考えておるのであります。 そこで、時間の関係もありますから、そちらの御意見を伺うよりも、むしろこちらの方から、今後の農村の次三男対策はこういうふうにやってもらったらどうかということを申し上げてみたいと思うわけであります。今日日本におきますいろいろな産業開発についてはいろい問題がありましょう。しかしながら、農村の次三男が就労でき、あるいはまたそれに対していろいろ関心を持てるのは、やはり土木とかそうした建設事業に対する就労あるいは協力というものが大きく期待をかけられるわけであります。そこで、国会においてもいろいろ問題になっておりまするように、日本の一般産業あるいは経済を発展させるにはあくまで道路の建設だというふうに、実は総理大臣も、あるいは所管の建設大臣等も口をそろえて歴代の大臣がそれを強調いたしておるようであります。そこで、今問題になっております日本の国土を縦貫いたします縦貫道路、これはどういう形においてできますか、それは別といたしましても、当然これはやらなければならないと私は思うわけであります。これを稚内からあるいは根室から出発いたしまして鹿児島までどういう形でいくといたしましても、これに対しては相当国費は膨大なものが要りますけれども、そのことの実現によって、日本というものがほんとうに世界に伍していけるようなりっぱな国になるのでなかろうか。それについては、金も要りますけれども、相当大きな労力を出さなければいけない。この縦貫道路に対して、農村のたとえば次三男というものはどうしても就労しなければならぬ。こういう青年をそれに対して導入する。そのことの考え方は、今振興局長から言われましたような、そういう経過を通じて検討されました、かねて農林省並びに建設省がやっておられるそういうものを拡大してこれに充てるというような方式をとれば、これはできると私は思うのです。従って、そういう場合において、今の農村の次三男に希望を持たせる、明るい職場を与えるということが、これはいずれの場合においても言えることでありますから、農村の次三男に対して立法化して、登録制にする。登録して、これに対して義務的にいろいろな技術訓練を与えて、これに就労させる。そして、この縦貫道路が成功した場合においては、地上、地下資源が膨大な開発ができるのでありますから、その地帯における入植とかあるいはいろいろの建設事業に対する指導的な役副も果せるでありましょうし、そういう形にして、少くとも農村の次三男というものを一つの国家の大きな力として、そして法的根拠を与えてやる。こういうことをやらなければ、今総理が言っておられる青少年に対する大きなウエートを持っておる農村の次三男対策に対しては何ら政治的な配慮を払われておらないという結果になってしまうのではないかと思うのであります。従って、今岸総理が考えておられる、そのことを私が曲解するかしないかは別といたしましても、今やっておられるところの自衛隊の募集等に対しては、ある一部の町村長やあるいは府県の知事等において、農村の次三男の救済策だというようなことを言って、これに応募させておることがあるやに聞いております。 〔本名委員長代理退席、委員長着席〕 これは、総理が言わなくても、当然そう言わざるを得ないような形になってしまう。ですから、これに対しては、今申し上げたような形で農村の次三男対策をやるならば、こうした問題も比較的必要としないような国家の建設もできるのでなかろうか、こういうふうに実は考えておるわけでありますが、こういう考え方について、それはまだ無謀だという大臣のお考えか、できればそういうふうに一つ進めてみたいというようなお考えでありますか、その御所見を一つ承わりたいと思います。
○三浦国務大臣 現在農林省が青年建設隊をとっておりますのも、基礎的観念としましては今のようなことに発しておると思うのであります。これを拡大し組織化するということになるのでありますが、その制度化しこれを膨大なものにするかどうかは、いろいろの検討を要すると思いますが、農林省がとってきておりますところの青年建設隊等々の構想は、大体それに発足しておるようでございますから、これらは、なお関係省等にも進言いたしまして、逐次拡大するということには、われわれも努力してみたいと考えております。
○松浦(定)委員 時間がありませんから、大体以上の質問で今回は終りますが、特に、先ほど申し上げました農産物の価格の安定と次三男対策、こうした問題については、非常に私は農村に大きな力を与える問題だと思いますので、ただいまの大臣並びに長官、局長の御答弁を一応了といたしまして、今後のそれらに対する裏づけについて全力をあげて一つ実行していただくようにお願いいたしまして、私の質問を終ります。
○松浦委員長 角屋堅次郎君——本会議が五時三十分から始まるということですから、簡潔にお願いいたします。
○角屋委員 昨日の農林大臣の農林施策に対する所信表明に関連をして質問をしたいわけでございますけれども、時間の関係上、本日は特に水産関係のうちの真珠問題について若干御質問を申し上げたいと思うのでございます。 御承知のように、日本における真珠産業については、終戦後累年その生産が増強して参りまして、今日においては戦前以上の生産の回復を見ておるわけでございますが、一昨年来の政府の金融引き締め等の影響の関連もあり、また海外における販売事情の関係等もあろうかと思うのでございますけれども、今日真珠産業の実態を見ますときわめて深刻なる様相を呈していることは御承知のところであろうと思います。そこで、私は三重県の方ございますけれども、御承知の、今日の真珠産業の関係地域ということになりますと、大体三重県が生産量の七〇%を占めておるわけであり、それに次いで長崎あるいは愛媛、和歌山、広島、兵庫等、その他数県の関係地区があるわけでございますが、それであるだけに、三重県の真珠産業の動向ということについては、いろいろ私も現地の事情等を聞いておるわけでございますけれども、大きな規模の経営人たると、あるいは中程度の経営人たると、あるいは零細な企業体たるとを問わず、大企業の場合においても数億というような大経営の内容を持ったところで、昨年の秋でございましたか、自殺が出たりいろいろなことで相当深刻な状況にあるわけでございますけれども、これらの問題について、水産庁として今日どういうふうな対策を考えておられるかという点を、水産庁長官からまずお伺いしたいと思います。
○奧原政府委員 日本の真珠が輸出産業といたしましては現実に毎年伸びて参っておるのでございまして、特に昨年の不良真珠の買い上げ廃棄を実行いたすように相なりましてから、一匁当りの輸出真珠の単価というようなものもだんだん上昇をいたして参っておる、こういう状況にあるのでございます。ところが、国内の情勢をながめますれば、確かに国内におきましては決して「明暗の志摩」というふうな文学的な表現では表わし得ないような深刻な場面が特に真珠の養殖業の面において露呈をいたしております。これは、一つには、今の真珠産業の構造自身にもいろいろ考えなければならない問題があるのではないか。真珠の養殖が、御承知のように、経営体が大体千七百経営体くらいと考えられておりますのが、登録制によって少し精査をしてみれば二千をはるかに越すというふうに、経営体が、雨後のタケノコのように、経営が少しよければ続出してくる。こういう基盤の上に比較的少数の加工業者及び輸出業者がそれにつながっておる。しかも、この生産及び加工、輸出を通じまして一貫作業をいたしております、たしか三十軒くらいのものであったと思いますが、今日全体の真珠の生産量七千貫、そのうちの約三千貫を一貫作業をやっておるものが経営しておる。そういう今日の経営の構造の上に、やはり何か欠陥があるのではないか。従って、これに対処いたしまするためには、真珠の養殖業者の立場を加工業者及び輸出業者に対して強化をしていく、こういうことに努めなければならないのではないか、かように思うのであります。そういう意味におきまして、真珠の養殖協同組合が浜揚げ期におきまして生産真珠の共同販売をいたしております。これに対しましては、農林中金から、年によりまして、たしか昭和三十二年におきましては十二億の借り入れをした、昭和三十三年におきましては十億のワクの設定を受けておるのだ、こういうふうな状態で、相当強力なる農林中金のてこ入れを受けまして、相当なる割合の共同販売をいたしておるのであります。しかしながら、その共同販売量は、まだまだ十分なる強制力を発揮しておるというふうにはいきかねるのでございまして、できる限り真珠養殖漁協の力を強めていくということに今後とも留意をしなければならないのではないかと思うのであります。 それから、もう一つの問題は、真珠の生産の地理的分布に依然問題があると思うのであります。今日真珠のいかだの台数が十二万台でございます。その中で約九万台が三重県にあるのでございます。ところが、三重県は真珠の生産が全く過剰でございます。浦浜の生産力に対しまして非常に過剰な操業が行われる結果、真珠の生産は上らず、また赤潮その他の被害もしばしば受ける、こういう状況にあるのでありまして、従って、これを約五万台くらいに減らさなければならないのではないか、漸次三重県の真珠のいかだを他の暖い県に移すということを逐次やっておるのでございますが、しかし、何分にも現状は行政指導をもってそういう転換をはかっておる段階でございます。しかし、この零細なる真珠の養殖業者を法制的に直ちに規律するということはなかなか困難であります。まず登録制によってその現状をつかんで、そして行政指導によって漸次これを他地域に転換をさせていくということの努力をいたしておる最中でございます。その他、真珠につきましては、いろいろ融資の面その他におきまして考究をしなければならない点が多々ある、かように考えておる次第でございます。
○角屋委員 真珠の生産量の増強に伴いまして、外貨獲得の面で真珠が大きく貢献をしておることは長官も御承知だと思います。昨年度あたりでは大体六十億程度の外貨獲得に貢献をするという段階にまで発展をしてきておると思うのでございますが、ただいま長官も触れられましたように、やはり、今後の真珠問題については、生産の計画化ということについて根本的に考えるとともに、企業の実態を今後どういうふうに変えていくかという問題があろうと思いますし、資金、融資、いろいろな面について十分抜本的に考えなければならぬ段階にあろうと思うのであります。こういう国内の真珠生産の問題と関連をいたしまして、やはり海外における真珠養殖事業というものはぼつぼつ始まっておるということは御承知のところであろうと思います。あるいは沖縄において、ビルマにおいて、あるいはオーストラリアや香港等において、真珠産業としてこれに着手をするという傾向にあるわけでございますが、国内生産の問題と国外における真珠養殖事業の今後の問題の関連をどのように見通しておられるか、お伺いしたいと思います。
○奧原政府委員 国内生産につきましては、今日真珠養殖事業法によりまして真珠核の所要個数の割当をいたしておるのでございます。しかし、こういうマイルドな統制だけでなしに、さらにもう少し統制を強化していく、行政指導もさらにプッシュしていく、こういう必要をわれわれ痛切に感じておる際であります。 ただいまお話のございました海外におきます養殖真珠の問題に関しましては、まだ、現段階におきましては、日本の支配下を離れまして真珠の養殖業が海外において勃興しておるという状況ではございません。日本の真珠業者が日本国内における行き詰まりを打開いたしまするために海外へ合併企業その他の形において進出をいたしておる、こういう状況でございます。これが指導に当りましては、その生産物を日本へ持ってきて加工させる、こういうことにいたしておるのでございます。また、加工技術はこれは日本へ持ってこなければ、海外ではとうていないのであります。そういうことによりまして、日本品を圧迫するような形において国際市場にそれらの品物が出ないように、できる限りの配慮をいたしておる次第でございます。 なお、これが日本への輸入に当って関税がかかるという問題があったのでございますが、この問題は昨年でございましたか解決をいたしまして、無税として日本へ入れる、こういうことに相なった次第でございます。
○角屋委員 本会議の時間の関係もありますので、いずれこの問題については臨時国会においてさらにお伺いをしたいと思いますが、今日生産された真珠のいわゆる貿易関係の問題は、御承知のように、大体アメリカが六、七〇%で、その他西ドイツ、フランス、スイス等各方面に販売されておるわけでございます。戦前の真珠の販売先を見ますと、取引市場はロンドンを中心に行われておったのが、戦後はニューヨークあるいはヨーロッパにおけるスイスが取引場になって、流通網が変化をしておるわけでございます。その取扱いの状況等を見ますと、わが国の輸出商社の取扱いがだんだんと減少して、少数の欧米商社によって約四〇%近く取引が押えられておるようにわれわれは聞いておるわけでございますが、これらの現状についてお伺いをしたいと思います。
○奧原政府委員 ただいま手元にそれに関する資料を持ち合せておりませんので、的確なお答えをいたしかねるのでございますが、しかし、日本の真珠の輸出に関しましての海外市場の動向ということについては、これは、日本の大手の、一貫経営をやっておりまする商社の方々でも、まだまだ十分なる状況把握ができておるというふうには、その方々自身も認めておらない、こういう状況でございます。ただいまお話がございましたように、アメリカに大部分を依存いたしておりますが、最近はヨーロッパ市場及びインド市場等におきまする需要がまた一方においてだんだんふえて参りました。これらの需要の実態をもう少し的確につかぬ必要がございます。おそらく、もしこの需要の実態の掌握が不十分であれば、一たんそれが輸出の伸びがとまったときには収拾すべからざる生産過剰が国内に来たされるのではないかと存じますので、この面におきましての一そうの留意を払い、指導を強化していかなければならない、かように考えております。おそらく、今の輸出の面におきましては、一貫経営をいたしておりまする大手三十社ばかりのものがやはり大部分の数量を掌握いたしておるのでございます。外商の活躍になりまする真珠の買いたたきということについては、もちろん売買のことでございますから、それはなるべく安く買おう、なるべく高く売ろう、こういうふうにはいだそうかと思いまするけれども、まだそれほどの致命的な障害に今相なっておるとは私は考えておらないのでございます。
○角屋委員 三重県における真珠産業の実態等を見ておりますと、経営の実態においてやはり相当深刻な様相を呈しておると思うのですが、そういうことと関連をして、志摩方面で今問題になっておるのは、真珠産業に働いておる労働者等の失業問題も現実に起っておりますし、同時に、真珠産業の仕事の性格から見て、季節的な労働の性格を持っておることは御承知の通りでございます。大体十一月の下旬から三月末までは季節的に仕事から離れるという状態にあるわけでございまして、関係の従業員は約一万数千になろうかと思うわけでございますけれども、これらの失業保険法の適用等の問題については、いろいろ現行の失業保険法の解釈から言って問題があるようでございますから、なかなかこういう季節的な失業状態についての他の仕事への転換ということはきわめて困難であり、こういう面について失業保険法の適用その他によってやはり生活の安定を保障していくという対策を真剣に考えるべき問題ではないかと思うわけでございますが、これらの問題について検討されておるかどうかをお伺いしたいと思います。
○松浦委員長 角屋君、時間がありませんから、あと簡潔に願います。
○奧原政府委員 検討もいたしております。実は、和歌山、三重両県にわたりましては、この以外の面におきましても失業保険金の打ち切りということで深刻な問題が起っておりますので、それらの問題も含めて対策を今考究いたしておるような次第でございます。
○角屋委員 真珠産業の問題については、いずれ臨時国会等であらためてお伺いをすることとして、本日はこれで保留をいたしたいと思います。
○中澤委員議事進行 当委員会が大体三十一日、一日に招集されるように承わっておりますが、それについて、乳価の紛争問題、これは、お互いに県へ明日からお帰りでしょうから、そうなれば、各県の紛争状況というものを各議員がみな把握できると思う。それでそれまでに、農林省としてどういう対策を立て、どういうふうにこれを進めたかという具体的な資料ができ、その間具体的な政治折衝ができたものについて、三十一日、一日の当委員会へ大臣に必ず御出席願って御報告を願いたいということが一点と、繭糸価格についても、その後どういうふうな推移をしてきておるかというその推移並びに政府の見通しについて大臣から御報告を願いたい。 いま一点は、これは委員長に要求しておくのですが、さっき実は要求しようとしたのですが、するりと逃げられてしまったのですが、学校給食会についてこのごろ資料要求をやったのは、役員の履歴、組織、予算、決算ですが、そのほかに、いま一つ、どうも給食協の手数料が非常に多いという私は感じを受けておるので、手数料収入というものは一体給食会は幾ら取っておるか、予算、決算に出ても、おそらくこの手数料をこの中へ込みで入れるとわからないと思うから、手数料収入がどれだけあるということを文部省へ要求して、これだけは別途に委員長から要求していただいて、これも三十一日までにぜひ提出方をお願いいたします。
○松浦委員長 文部省の方に事務当局をして十分折衝させまして、三十一日の委員会に間に合せるようにいたしたいと思います。農林省の方もよろしくお願いいたします。 ごあいさつを申し上げます。本国会も本日をもちまして終了することとなりましたが、会期は二十九日の短期間でありましたが、本委員会は、ほとんど連日にわたり、農政の基本問題はもとより、繭糸価格安定対策、乳価対策、農業災害対策等の緊急問題と取り組んで参りました。その間、委員各位におかれましてはきわめて真摯なる態度をもって審議に臨まれ、農政の発展に資することまことに大なるものがありましたと考えるのであります。各位の御熱意に対しましては敬意を表するとともに、委員会運営についての御協力に深く感謝いたす次第であります。今後ともよろしく御協力をお願い申し上げます。(拍手) これにて散会いたします。 午後五時四十一分散会