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29回国会衆議院1958/07/02

農林水産委員会 第7号

発言数
191
登壇者
12
会派数
2
開催日
1958/07/02

会議録

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 これより会議を開きます。  審議に入るに先だちまして一言申し上げます。昨日は委員会の定例日でありましたが、農林大臣の出席の都合のため、本日より開会することにいたしました。昨日委員会を開会しないとの連絡が不十分でありましたことについては遺憾の意を表明する次第であります。なお、今後定例日変更等の場合においては両党理事の協議の上善処いたしたいと思いますから、さよう御了承願います。     —————————————

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次に、農業災害に関する件について調査を進めます。  本年は異常天候により先般の凍霜害に次ぎ最近の長雨、旱魃による各地の農作物の被害は甚大であります。つきましては、これらの災害に対し、政府において取りまとめられた被害の状況報告、対策等につき、まず政府当局より説明を求めます。災害状況についての説明、藤巻統計調査部長。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 長雨の害につきまして、ただいままでにわかっております状況を御報告申し上げます。  本年は、西日本、特に四国、九州地方は、四月下旬から五月中旬にかけまして雨が非常に多く降りまして、雨の量は平年の約二倍に上っておりますし、雨の降りました日数も、この三十日間に二十二日も降っておる、つまり、十日に七日は雨が降っておるというようなことになっております。また、温度も平年よりも一度ないし三度高くなっておりまして、高温多湿と申しますか、むし暑い日が多かったわけでございます。このために、ちょうどその当時麦は穂が出る期間あるいはその後成熟する期間に当っておりましたものが多くございまして、これらのものに赤カビ病が平年よりも早目に発生するとともに急激に広がって参ったわけでございます。さらに、土が非常にしめっておりますために、麦の根が腐ったり、あるいはまた長雨によりまして地上部の穂が腐りましたり、さらに、水びたしになって、つまり冠水したりあるいは浸水したりしたために生じました被害も相当ございます。俗に、三寸の麦は三尺の水をこわがらないが、三尺の麦は三寸の水をこわがるというようなことが言われておりますが、麦にとりましては非常に水がこわいわけでございまして、ちょうど時期が悪かったためにそういうような被害が相当に発生したものと考えられます。その後、五月下旬には天候が急に回復いたしまして、晴天が続いたわけでございますが、そのために赤カビ病は蔓延がとまったと考えられますけれども、そのかわりに、枯れうれと申しますか、成熟しないままに登熟したような状況になるというような、登熟障害を起しております。これらの被害は、一般には穂の出ることの早い裸麦の方が小麦よりも多く出ております。それからまた、四月中旬までに穂が出ましたものは、四月下旬に穂が出たものよりも被害が多いということになっております。また、田麦が畑麦より被害が多いという傾向を示しております。  ただいままでに私どもの方でわかっております被害の状況は、面積にいたしまして九十二万町歩、麦その他の農作物を合せまして、被害の数量は二百二万石、被害の金額は百億円に上っております。長雨の被害を過去五年の被害と比べてみますと、昭和三十一年に次ぐ被害でございまして、三十一年は、二百万石程度出ております。また昨年は百六十万石ばかり出ておりますが、その前の年はずっとそれより少い被害になっております。ただし、三十一年の被害は、範囲が非常に広く広がっておりましたために、本年のような四国、九州等に被害が集中したという現象とはかなり違っておったわけでございます。  現在までにわかっております状況は、さような次第でございます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 対策について、齊藤官房長。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 ただいま長雨に対する被害の概況について御報告がありましたが、卓越につきましては後ほど農地局長の方から御説明願うことにいたしまして、これまでの凍霜害の被害対策並びに長雨に対する農林省の考えております被害対策の概況につきまして、この際御報告申し上げたいと存じます。  霜雪害対策につきましては、先般本委員会におきましても御熱心な討議が行われたのであります。農林省といたしましては、四月の十八日の閣議にかけまして霜雪害対策を決定いたした次第でございます。お手元に霜雪害対策についてという資料がお配りしてあると思いますが、その資料で大体要点は網羅いたしてございますが、ごく簡単にその要旨につきまして申し上げてみたと思います。  凍霜害対策の第一の事項といたしまして、凍霜害の被害を受けた農家の税の軽減をはかるという意味におきまして、所得税の減免措置につきましては、いち早く国税庁の方と相談いたしまして、これに対する取扱いを各府県の各税務局の方に流していただいたのであります。その取扱いの内容といたしましては、今回の被害は相当激甚であるということにかんがみまして、国税庁税務当局におきましても、できるだけ簡易な方法で農民の要望にこたえるという考えによりまして、予定納税額の減額及び徴収猶予の措置をとるようにと、こういう通牒を出したのでございます。被害の調査につきましては、農業団体が農林省関係の機関の意見を十分聴取して、それを参考にして被害額をきめる、また、簡易な方法をとりまして、市町村長の証明によっても被害の認定をやってもよろしい、こういうことで、大体は農民の要望によって減額措置を認めるようにと、こういう取扱いをいたしておるわけでございます。  第二に、保険金の概算払いを早急に行うということでございまして、これにつきましては、われわれといたしましては、この麦の被害の状況にかんがみまして、保険金の概算払いをやるということが今回の措置としてはやはり対策の一つの眼目である、かように考えまして、従来概算払いの基準といたしましては耕地被害の九割以上のものについて概算払いを行うことにいたしておったのでございますけれども、それを改めまして、七割以上の被害耕地につきましても対象になし得るということにいたしまして、概算払いの基準を大幅に緩和する、同時に、概算払いの支払総額につきましては、従来連合会に支払う再保険金の見込額の二分の一という制限があったのでございますが、これも三分の二というふうに改めまして、これらの緩和措置に関する省令を五月三十日付で公布するということにいたした次第でございます。また、この取扱いにつきましても、今回の麦の被害の場合におきましては、当初から相当青立ちして、青刈りにする必要がある、あるいは他の作物に転換するような場合もあり得るということに備えまして、かような場合におきましては、麦の損害評価につきまして、試験場とかあるいは統計調査事務所等と連絡して精密な調査を行なって、その評価をもって被害程度の最終決定を行うというような措置もあわせてとることにいたした次第でございます。  それから、第三には、天災法の関係でございますが、これも今回の災害の重要な措置の一つとしてできるだけ早く処置いたしたい。われわれとしては、五月一ぱいには概算払いと天災法の融資を行いたいということで、鋭意努力いたしたのでございますが、五月三十日付でこの天災法による凍霜害の指定を行う政令を公布いたしたのでございます。この天災法によりまして行いました内容につきましては、第一に、融資総額を大体四十五億ということにいたしております。これで大体各府県の要望額は満たされておるという状況に相なっております。貸付期間は五月三十日から三月三十一日までということにいたしております。さらに、今回の貸付限度につきましては、麦のほかに果樹地帯が相当多く被害を受けておるということもございましたので、従来の一戸当りの融資限度につきましても相当大幅に緩和いたしまして、特に連年被害を受けた特別被害農業者につきましては、果樹の栽培者について十五万円の法律の限度まで貸し付け得るという道を開くことにいたしたのでございます。  それから、その次の措置は助成対策でございます。助成対策については、閣議決定におきまして、今後樹勢回復を必要とする場合においては肥料、農薬の助成を行うということをきめたのでございますが、果樹、茶、桑、菜種につきましては、肥料の増投を行なった場合においてはこれに対する助成を行うことにいたしました。これは、被害直後から、茶でありますと五月三十一日、菜種でありますと四月三十日、果樹、桑につきましては七月十日までに肥料の増投を行なったものについては三分の一以内の助成を行う、開拓者については二分の一の助成を行う、こういう措置をとったのでございます。農薬につきましては、麦、菜種、果樹、茶、桑について助成することにいたしまして、これも大体は今申しましたような期日までに行う、特に果樹については被害直後から八月三十一日までに散布したものについて補助を行うことにいたしておりまして、これも、補助率としては、一般の農家については二分の一以内、開拓者については三分の二以内の助成を行うということにいたしておるのでございます。  なお、先ほども申し上げましたように、麦につきましては、穂立ちを待つまでもなく青刈りで飼料にし転換した方がいい、もう収穫はほとんど見込みがないという地帯もございましたので、そういう地域につきましてはビニール・サイロ—トレンチ・サイロと言っておりますが、それを設けるといった場合においては、これに対しても今回は特別に助成を行うということにいたしまして、一般的には補助率を三割以内、開拓者については二分の一以内の助成を行うことにいたしたわけでございます。  なお、これに関連いたしまして、麦の被害につきましては、その後の技術指導というものが特に必要である、ちょうど生育過程における被害でございましたので、技術指導については万全を期するという意味におきまして、技術員の巡回指導を行う、経費についても助成措置を行う、また被害を受けた作物についての翌年度の種子確保のための指導あっせんに要する経費についても助成を行うことにいたした次第でございます。  大体、助成措置については、以上のような点を急速に実施するという意味で、関係県の主務部長会議を開いて、各府県に通達して、このような措置によって実施いたしておる次第であります。  なお、今回の凍霜害に伴う麦の被害については、相当凍害麦が出てくるというおそれもあるので、これにつきましては、早くから、五月二十三日付で、食糧庁におきまして、今年度は凍害麦も買い上げるという手続を進めて、各府県に通達いたした次第でございます。  それから、当委員会において御要望のありました、以上の措置のほか、自作農維持創設資金につきましては、御承知のように、前年度の五十億が二十五億ふえまして七十五億というふうになったのでございますが、この七十五億の中で、五十二億につきまして、六月五日付で各府県に割当通知をいたしたのでございますが、この五十二億の中において凍雪害等の被害による被害状況も勘案いたしまして行なった次第でございまして、災害関係の被害を受けられた農家で、かつ自作農維持資金の対象となり得るような農家、つまり、被害によって経営資金に著しく困難を来たして農地を売り渡さざるを得ないというような農家に対しては、この資金から優先的に利用をはかってもらって差しつかえない、こういう意味の措置をとった次第でございます。  なお、開拓地関係につきましては、先ほど助成関係につきまして御説明いたした中で、農薬なり肥料なりを助成いたします場合の大体の対象といたしましては、当該作物につきまして被害率が三割以上で、当該作物の被害面積が大体その町村の総作付面積の二割をこえるような場合という限定を設けて助成の対象といたしたのでありますが、開拓地につきましては、集団的に農地が集まっておる、しかもその地帯としては非常に被害を受けたけれども、今言った基準には必ずしも該当しないという場合もありますので、これについては特例措置を設けまして、そういう一定の基準に該当する場合におきましては、開拓地については助成を行うような特例的な道も開くことにいたしたのであります。  さらに、天災法の融資の適用につきましても、一般開拓農家に対して天災法の融資を受けることもとよりでございますけれども、開拓農家の負担等も考えまして、今次の霜雪害による天災資金の貸付を受けた被害開拓農家でありましてしかも既応の債務との関係では天災法の条件で償還が困難な者もあろうかと思います。そういう者につきましては、年度末におきましては、その実態に応じまして、振興計画承認の日から十年以内の期限で営農改善資金に借りかえるという措置をとることにいたしたのでございます。  なお、御要望の中には、救農土木事業を行えというようなお話もございましたが、たまたま、時期から申しまして、救農土木事業に該当するような事業も限定されますし、大体において裏作でありますので、救農土木事業ということをいたしましても、おのずから限界があるわけでございます。そこで、われわれといたしましては、できるだけ現実に困っておる地帯においてそういう事業が考えられる場合におきましては何らかの措置をとりたいという意味で、特に農繁期でもありますけれども、林野関係の事業につきましては、もしそういう被害地帯におきまして非常に困るといったような場合におきましては、林野造林、林道等の事業について優先的にそういう地帯を考えて事業を行うようにという通牒を各営林局、各県に伝達いたしたわけでございます。  霜雪地帯の対策は大体以上のような措置でございまして、われわれとしましては、早くできるだけの措置を打って農家に不安なからしめる、こういう考え方で措置いたした次第でございまして、大体は以上申し上げたような措置によってほぼ所期の効果をあげておると考えておる次第でございます。  そこで、第二に、長雨対策でございますが、長雨の被害対策につきましても、霜雪害対策によってとり得るものについてはできるだけそういう措置に準じて取り扱えということで考えて参ったのでございますが、今回の場合は、すでに収穫が済んだ後のことで、収穫過程における問題でございますので、結局、被害を受けた農家が今後の営農資金に事欠かないようにということが一番大事であろう、こういう意味で、まず第一の対策といたしましては、天災法の適用をするということにいたしたいという考え方で、長雨に対する天災法の指定を行う政令を出すということで目下関係省と協議いたしておりますが、大体話し合いもつきましたので、来週中には長雨に対する天災法の適用政令を公布いたしたい、かような段取りで考えておるわけでございます。第二には、所得税の減免措置でございますが、これにつきましても、国税庁と話し合いがつきまして、大体凍霜害における措置と同様な扱いで減免猶予の措置をとるべきである、こういう通牒をすでに国税庁長官から各税務局の方に出しておる次第でございます。  それから、ついでに、あとから御質問があるかと思いますが、一般的な考え方を合せて申し上げておきますと、この長雨に伴いまして、今回の被害の特殊性といいますか、御承知のように非常に赤カビが発生いたした。この赤カビの被害についてどのように処理すべきかという点で、各県から相当要望かあったのであります。この赤カビの問題につきましては、いろいろの角度からできるだけ農家にこれに伴っての特別の損害救済が行われないということがないように一ついたしたいと考えて、鋭意関係者の間において相談いたしたのでございます。  御承知のように、第一には、等外上につきましては、今回はいち早く政府において買い上げるという措置をとることにいたしましたことは先ほど申し上げた通りでございます。たまたま赤カビになりましたものがちょうど成熟、登熟期にあります場合におきましては、大部分はこれはくず麦となりまして減収量には算定されることになるわけでございます。そして、減収量の算定について、この赤カビの被害量を正確にかつ適切に把握されるということが第一に必要であろうかと思いますが、これにつきましては、一般的な考え方は——具体的にはまた御質問に応じまして関係の統計調査部長からお答え願うことにいたしまして、ごく概略の一般的な考え方について申し上げますと、被害量の把握につきましては、できるだけ今申しましたような趣旨で適切を期したい。従って、今回の措置といたしまして、統計上の収穫量、減収量の把握につきましては、被害量の測定をできるだけ厳格にいたす。そうして、なおその上におきましても、統計調査、あるいは食糧事務所等々との現地における連絡をいたしまして、一定の安全率を見て、その被害を測定したい。言いかえますと、赤カビの混入度合に応じて、整粒であろうと不整粒であろうともこれは被害として一応見るという前提で、その赤カビの混入率については今申しましたような措置をとりたい、これが第一点でございます。  もっとも、赤カビの問題につきましては、統計上の減収量の把握の方法、あるいは農業共済としての扱い方、あるいは食糧庁の検査における扱い方、いずれもそれぞれ若干の而が異なるわけでございまして、御承知のように、食糧庁で合格したものにつきましても、その中には減収と見込まれる等外麦の混入が断然予想されるわけであります。混入率が一定以下のものである場合も規格外合格として取り扱われるものもあります。逆に、統計上におきましては整粒として出てきましても、食糧庁の買い上げの検査規格の面におきましては不合格となるというふうな場合もあり得るわけでございます。また、農業共済の場合におきましても、統計の減収量がそのまま即減収量として共済の対象になるというふうな扱いにも必ずしもなってないわけであります。それぞれ、取扱いの面が異なるに応じまして、それらの措置が異なっておるわけでございます。統計における措置としては今申し上げた通りであります。食糧庁の面におきましては、赤カビの混入につきましては特別な規定はないわけでございますが、内規といたしまして、被害粒のうちおおむね一%、一リットル二百五十粒の混入率以上のものは、これは一応等外下にする、つまり対象にしない、こういうことにいたしておるのでございます。この混入率おおむね一%というものが合理的であるかどうかという点につきましては、今食糧庁内部においても検討いたしておるのでございますが、大体現在の各現地の状況によりますと、おおむね、等外不合格になりましたものは、赤カビにより不合格になったものよりも、つまり不整粒という形で不合格になるものが多いようでありまして、われわれの聞いている調査報告によりますと、統計検査上の扱いとしましては、大体等外上を政府が買い上げるわけでありますが、等外上と等外下の本年度における検査割合はほぼ例年と同じ傾向にある、こういう報告を受けておるのでございます。  以上申しましたような扱いによりまして、大体赤カビによって農家が特別に救済を受けないというようなことのないような措置をとることにいたした次第でございます。  霜雪害並びに長雨に対する対策及び今後とろうとする対策の概要につきましては以上の通りでございます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次に、早害について、安田農地局長。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田政府委員 早書に対しまする今日までの概況及びとろうとしております対策の概要を御説明申し上げます。  早害の性質上、水田、水稲に関する部分が今回申し上げる分でありまして、畑作に関しましては、府県庁の報告もいまださだかではありませんし、目下統計調査部で調査中でございますので、その報告を待っておる次第でございます。  旱魃の六月三十日現在におきまする災害状況を申し上げますと、水田面積約二百六十一万町歩中におきまして、被害の面積は二十三万三千町歩にわたっておるのであります。被害と申しますのは、植付不能、用水不足、枯死または枯死寸前のものでございまして、関係地域は、関東地方の早期栽培地帯から、東北、北陸あるいは一部北関東等の本来の早場米地帯、さらに最近では西日本一帯についてこれが生じておりますが、北海道とか中国、四国のうちで、島根、山口を除いたところ、鹿児島等行は、大した被害はございません。  その二十三万三千町歩は、今申しましたように六月三十日現在におきまする状況でございまして、旱魃の性質上、そのおのおのの時期ごとに、より多い被害の状況、すなわち植付の不能または遅延、用水不足、枯死等が生じた段階もございました。それを経過的に簡単に申し上げますと、六月十五日現在においてまず一応抑えたのですが、この際は、関東、東北、北陸の一部について相当の被害状況を呈したのでございまして、この場合は、岩手、宮城等の東北五県、関東、山梨、長野、静岡、新潟、岐阜等の十七県におきまして、六月十五日には十三万五千町歩でございます。その後若干の雨が降りまして、六月十九日には、降雨とその間の対策とによりまして植付関係の進捗が若干見られまして、植付不能、用水不足、枯死またはその寸前という被害面積は八万三千町に減ったのでございます。その関係県は、六月十五日時期に調べました十七県に富山県を加えた十八県でございます。その後、経過的に見まして、六月二十三日現在で調べておりますが、それは、今の東日本の十九県につきまして六万一千町歩の状況を呈しております。その間に降雨状況その他対策によりまして被害の面積の変化があるわけでございます。また、六月二十六日現在におきまして西日本の早害が相当現われて参りましたので、この場合の調査を御紹介申し上げますと、福井、三重、滋賀、京都、大阪、奈良、和歌山、兵庫、岡山、福岡、山口の関係県で約四万八千九百町歩の状況でございます。この間の資料は、気象条件及び対策を添えまして過般この委員会の委員部を通じまして御配付を申し上げましたが、時期がたちましたので、ただいま印刷中でありますから、午後に最近の一覧表を御提出申し上げます。  以上のような早害は、まず第一には、本年におきましては、関東、東北地方に出て参りましたが、これは、一、二月の降雨量、降雪量は平年よりは若干多かったのでございますが、御承知のような暖冬異変がございまして、融雪が促進されまして、早く冬の貯水量及び降雪量が枯渇をいたしたのでございます。次いで、三、四月の降雨量を見ますると、関東、東北地方を通じまして平年の八五%前後でございましたが、五月、六月になりまして平年の降雨量の半分くらいになりまして、その状況は、また降雨が引き続いてないという状況と加わりまして、五十年来の渇水状況でございます。過去において農林省が旱魃に対して対策を講じましたのは、三十一年天災法を適用しまして融資措置をとったもの以外では、昭和十四年と十九年、二十二年にその例を見ただけでございまして、当時、たとえば十九年で申し上げますと、十九年には、七、八月の旱魃がおもでございますが、水稲の影響は二十八万八千町歩にわたっております。ことしは、田植え時期におきましてそれに次ぐ被害をすでに生じており、また、長期気象予報によりましても、梅雨期もから梅雨が多くて降雨量が少い、その後も若干の雨を見ることはできるが、全般として非常に少いであろうという予報をしておりますが、これをあわせて考えますると、過去において対策がとられました十九年、二十年に準じ、あるいはそれをこえるかもしれないという状況でございます。  これに対しましては、六月三日でございましたか、一部千葉の方面から状況が悪いので対策を要望する声がありましたので、農林省は、建設省と協議をいたしまして、今後常時早越対策の連絡会議を開くことにいたしまして、とりあえず六月六日に農林省の緊急対策を講ずることに決定をいたしまして、閣議に報告をいたしたのであります。その措置は、当時の状況に応じまして、利根川沿岸の四県を中心にしまして、これに続く関東を主として対策を講ずることにいたしました。次いで、先ほどの早害状況に応じまして、これを関東、東北、北陸と全面的に同種の対策をとるようにいたしまして、現在ではさらに西日本各県及び関係事務同等においても同様の措置をとるように通達をいたしておるのでございます。  それに引き続きまして、六月六日にその閣議報告をしました農林省対策を中心とするとともに、それで足りない施策を、すなわち国庫助成をする等の施策を追加することにいたしまして、関係庁と連日協議をいたしております結果、ここ数日のうちに、今の見込みでは明後日でございますが、明後日の閣議におきまして、必要な追加の対策を閣議決定する予定でございます。  六月六日の閣議報告、農林省対策を簡単に申し上げますと、関東を中心にしたものでございますが、利根川沿岸の上流下流についての早害と、河川の水の枯渇減少に伴いまする塩害に対する措置を中心にいたしまして、千葉県の早場地帯、早期栽培地帯をまず確保するために、埼玉県のまだ田植えを要しない地域において樋管を八カ所節水抑制いたすことにしてもらいまして、あわせて江戸川への放流量を規制いたしまして、千葉県の必要な水を確保することに努力をいたしました。建設省及び関係県知事の努力によりまして水利調整を行なったのであります。これによりまして、千葉、茨城両県の旱魃対策をまずとることにいたしまして、その結果、なかなか思うように水の確保ができませんでしたが、あわせまして、藤原ダム、五十里ダムの貯水池の放流をすることにいたしまして、藤原ダムは当時一千百万トンの水がございましたが、現在ではその当時の貯水量は全部放流をいたしました。その結果、旱魃及び塩害がひどかった千葉県の小見川地区の千数百町歩についての田植えをやり直すように、二十万トンの水の確保ができました。また、同地区の水路は川床の低下に応じまして取水の効果が、本年は異常渇水に伴いまして少かったのであります。五カ所ばかりの取り入れ口の緊急掘さくをいたしまして、所要の予算措置を裏打ちいたしました。さらに、その後の降雨と相待ちまして、渇水及び堀害の最もひどかった利根川下流の大利根地区につきまして、同様の、取水に相当の効果をおさめたのでございます。また、北利根に続く常陸川は防潮樋門等がまだできておらない等のこともありまして、塩害が非常にひどかったのでありますが、最近になりまして、霞ケ浦の水をとる、あるいは利根本流の水を応急水路を手配することによりまして、利根川地区から潮来の方面でありますが、そちらへ用水の確保をいたしますようにしまして、相当の効果をあげておるのでございます。この間に、農林省は、各事務局において管理中の災害復旧用のポンプを百三十台動員いたしまして、百十八台は各地で動かしまして、また、建設省に河川浚渫用のサンドポンプがございますので、これを緊急動員してもらうことにいたしまして、一部の地方では消防ポンプ等の使用もございましたが、それらのポンプを動員をいたしました。また、地元には緊急にポンプあるいは井戸の手配をする要望が痛切でございましたので、関係県知事等を集めまして会議を開きまして、ポンプ購入等のため、あるいは井戸掘さく等のために、農林漁業公庫資金の融資あっせんをすることにいたしました。この融資あっせんは、今日まで四億六千万円の融資をいたしておりまして、関係県は十二県、八百五件にわたっておるのでございます。  以上のような関東におきまする中心の応急対策をとりますと同時に、さらに、申し上げましたように、東北、北陸から、最近では西日本各県にわたりまして、河川、排水路、湖沼等に水のある場合は、ポンプや緊急取水路を利用しまして、仮締め切り等を行いまして水をとること、ダムの放流等を行うこと、また、なるべく上流と下流との水利を調節いたしまして番水を行うこと等を指示いたしまして、また、河川、排水路、湖沼等の水のない場合は、井戸等の、すなわち浅井戸と深井戸との緊急掘さくをいたしまして、ポンプで揚水する等の措置を講ずるように、出先と県と協力をしておるのでございます。  その結果といたしまして、まず第一に市町村、また特に府県において措置を講じていただくことにいたしておりますので、国といたしましてもこれを裏打ちする措置を必要といたしておるのでございます。また、ただいままでに早害応急対策を講じつつありますことのほかに、なお七、八月の早害に対しましてもあらかじめ考慮をしていく要がございますので、従来とりました措置のほかに次のような今年度におきます早害の応急対策の実施要綱を閣議決定しようとしておるわけでございます。  これは、現在までにとられました旱魃被害に対する対策の中で国で助成等をいたしますこと一つと、今後の早害に対しても同様の措置をとりまして対処しようとすること一つと、二点でございます。なお、応急対策のほかに、本年度のような数十年来の渇水状況でございますが、早害とこれに伴う塩害とを今後において防止するために必要な恒久対策を今後早急に農林、建設その他の関係省と検討することをもきめようと思っておるのでございます。  以上の要点によりまして、とりあえずの追加応急施策を申し上げますというと、第一は、早害、塩害を防止するために実施をいたしました、あるいは今後実施いたします揚水機あるいは揚水機の専用動力機、また、井戸を掘さくをいたしますごと、水路を緊急掘さくしたりいたしますこと、並びに潮どめ工事その他用水確保のための事業の実施につきましての助成金の交付をしたいと思っておるのであります。大蔵省とも大体意見が一致しまして、一部まだ意見の一致しない研究中のことがございますが、今後できるだけ早くこれを具体化しようと思っておるわけであります。第二点は、すでに講じましたこととも重複するのでございますが、揚水機の確保等に必要な資金の融通措置を講ずること、第三点は、被害に伴う種苗の確保及び技術指導に万全を期し、これに伴い必要ある場合は所要の助成を行うこと、第四点は、植付不能農家に対し農業災害補償法に基く再保険金の概算払いまたは共済金の仮渡しを急速に行い得るように措置する、第五点は、被害地方公共団体に、今次災害による税収入の激減と支出の激増に対処するため、地方交付税中特別交付税において所要の措置を講ずる、以上の五点を追加応急対策としまして閣議決定をいたしまして、すでに本省と打ち合せの上各都道府県が対策を講じましたものについてはその講じた分について、今後講ずる分はその講ずる分につきまして報告をいただきまして、確認の上、この要綱で中央的な措置をとりたいと思っておる次第でございます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 以上をもちまして災害に対する政府の説明は終了いたしました。  午後二時より再開して質疑を行うこととし、暫時休憩いたします。     午後零時四十二分休憩      ————◇—————     午後二時三十八分開議

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  農業災害に関する件について質疑を行います。  質疑の通告がありますので、これを許します。神田大作君。

神田大作日本社会党

○神田委員 私は、過般の凍霜害対策について政府のとられました処置につきましてお尋ねしたいと思います。  まず第一に、過般の非常に広大な凍霜害に対しまして、政府は要綱を発表いたしましてこれが救済に当ったと言われておりますが、の進行状況等を見ますと、まだ不徹底の分が見受けられるのでありますが、そのうちの重点的な問題をお尋ね申し上げたいと思います。  まず天災融資法に基くところの融資の処置は、どのような方法でもってやっておられるのか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 お尋ねの天災融資法の取扱いでございますが、これは、御承知のように凍霜害に伴う被害が三百億程度の被害に上りましたので、これら重要な被害につきましては、そのつど天災法に基いて政令で天災を指定するということに相なつでおるわけでございます。そこで、今回におきましても、その対象といたしましては、三十三年三月の降雪、降霜及び低温、並びに同年四月中旬並びに五月上旬及び中旬の降霜及び低温を対象といたしまして、今回の天災融資法の対象にする、こういうことになっております。資金は、先ほど四十五億ということにいたしておりますが、この四十五億の金額につきましては、今回の被害総額から現金支出部分というものを大体想定いたしまして、そして被害額に対応する現金支出部分につきまして融資の所要額を算定する、こういうことで四十五億というふうにきめたわけでございます。  お尋ねの、手続はどういうふうにとられたかということでございますが、ちょっと意味がわかりませんのですが、今申しましたようなことでございましょうか、さらに内容のことの御質問でございましょうか。

神田大作日本社会党

○神田委員 この天災融資法に基くところの資金の貸付につきましては、従来の例を見ますと、貸付の申し込みに対しまして当局は圧縮する傾向があったわけでございますので、そういうような農民の災害融資の申し込みに対し、今ちょっとその基準を言われましたけれども、相当の申し込み量があると思うのでございますけれども、これを従来のように頭から切っておるか、あるいは申し込みに対しましてどのような処置をとっておられるかということをお尋ねするわけです。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 今申し上げました四十五億の措置につきましては、今申し上げました点をもう少し詳細に申し上げますと、被害につきましては、それを減収量に換算いたしまして、そうして、支出として見られるもののうち、特に営農資金でございますから、現金支出を要するものと考えまして、各作物別に現金支出額というものを算定いたしまして、そしてその減収総量にかけたものが融資資金総所要額ということに相なるわけでございます。そのうちどれだけを融資として対象にすべきかということでございますが、従来とも、大体その所要額の六割程度を融資の所要額として計算いたしておるのであります。この六割をとりました理由といたしましては、農家の貯金なりあるいはそれ以外の方法によってまかない得る部分もあり得るというようなことで、大体六割というようなことを目安に置いて総額の決定をいたしたわけでございます。大体従来そういう方法で各県の申請をその総額の中で相談して参っておるわけでございますが、今回も、各県の御要望等も参酌いたしましても、四十五億の中で大体まかない得る、従って、特に非常に強い要望で、現実問題として査定して資金に事欠くというようなことは、大体ないのではなかろうか。もっとも、各県の割当は県別の所要総額であります。それから、各農家につきましては、それぞれの条件に従って融資限度が設けられておりますので、その限度額の中で貸付をする、かようなことになっておるわけであります。

神田大作日本社会党

○神田委員 農林省当局がみずから各府県のワクをきめて、そのワクを各府県に示して、各府県はその融資のワクに基いて市町村の農民の希望じゃなしに市町村に割り当てるというような格好で融資というようなものはきめておるんじゃなかろうかと、私は思うのでございますが、それはどうなんです。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 各県におきましては、それぞれ、被害農家につきましては、天災法に基きまして、三割以上の被害農家、しかもその損失が一年の平常の収入の場合の一割をこえる場合においては六分五厘の融資をする、あるいは特別の被害農家、つまり年収の五割以上に当るような被害農家については三分五厘の融資をする、こういうことで、各市町村においてそれぞれそういう農家の対象をきめて各県に申請するということになるわけでございますから、上から全部それに従って県別に割当をするというふうなことには必ずしもなっていないんじゃないかと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 あなたの方ではそういうことを言われますが、実際は、あなたの方でワクを作って府県にそれを当てはめて、府県はそのワク内において市町村の災害農家に対して市町村へ割り当てるというような、そういうやり方でやってきているんじゃないですか。それはどうです。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 今申し上げましたようなことで、われわれといたしましては、大体総額について各県の額を内示するわけでございますが、その内示額を出します場合におきましては、各県の申請額等を参酌してきめておりますので、一方的にこの県については幾らでやれというようなことでなしにやっておりますし、また、大体この営農資金のワクにつきましては従来といえどもむしろ残額が生ずるくらいでありまして、大体ワクの中で府県の要望は満たし得るというような実情になっております。

神田大作日本社会党

○神田委員 私は、その額が余るとか足らぬとかいうこと以前に、そういうような農林省のやり方が果して妥当であるかどうかということを聞いている。そうすると、今府県からの融資の申し込みは全部来ているわけですか。—そういうような府県からの申し込みが出ているとすれば、府県では市町村の災害農家に対してまだ徹底しないうちに推定で出したと私は思うのです。これはそういうように早急にまとまるわけはないのでございまして、四十五億でたくさんだと皆さんはお思いでございましょうが、もしこれが足らぬ場合には追加融資する意思かどうか。あるいは、あなたたちが予算の範囲内においてこれを処理しようとするところに、この融資の資金のワクの問題が出てくると思うのですが、そういう矛盾はあなたたちはどうお考えになるか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 足らなくなった場合における処置いかんという御質問でございますが、今回とりました四十五億は資金の総ワクでございます。現在まで各県から集まりました要望額の概算は約四十二億程度でございまして、われわれとしましては、不足する場合の事態というよりも、むしろ今回のワクの中で十分要望を満たし得るじゃないか、かように考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 それは災害農家の自主的な申告じゃないのです。あなたたちが大体の目標を示して、栃木県では三億、茨城県では四億、あるいは福島県では五億というように大体のワクを示すから、県庁ではそのワクをこえないように規制をして申請しているのです。だからこえないのです。災害農家側からほんとうに自主的にこれだけの金が要るのだということを申し込ませれば、四十五億なんかじゃ足りないと思うのです。そういう点で、そこに非常に無理があるんじゃなかろうか。要するに、災害農家をほんとうに天災融資法でもって救済するとするならば、やはり災害農民の要求する額というものをとりまとめて、そうしてそれに即応するような予算的措置をとらなければならぬのに、大体ことしの利子、補給の予算というものは幾らくらいだというような、その範囲内でもってやろうとするから、上からワクをはめて下からの要望を押えているんじゃないかということをわれわれは指摘するのですが、その点は非常に矛盾があるんじゃなかろうかと思うのですが、いかがです。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 この資金につきましては、国の予算として組むのは、御承知の通り利子補給分でございまして、従って、四十五億がそのまま財政資金となるという性質のものでないことは御承知の通りでございます。従って、比較的経営資金につきましてはゆとりのある資金ではなかろうか、われわれもまたそういうふうなつもりでこれを考えて運用しておるわけでございます。従って、その結果としてどの程度に現実に融資が行われるかということによっておおむね利子補給額を算定するわけでございます。従って、この資金が十分出るということになった結果利子補給をするということになれば、当然それは結果的な措置として利子補給の財政措置を講ずるということに相なろうかと思います。今回の場合におきましても考え方は同様でございますが、利子補給の予算というものは、御承知のように、本年度予算以前における営農資金の利子補給分で本年度支払うべきものを計上いたしておるわけでございます。今年度発生すべき営農資金については予測ができないものでございますから、三十三年度予算としては計上されていない。しかし、計上された予算の中におきましても、あるいは繰り上げ償還あるいは計画通りの資金量が貸しつけられないというような場合におきましては、当然利子補給の予算においても調整ができる分を生じてくるのでございます。もし足らないということになりますれば、その分についてはその措置をあとからとることになるということに相なろうかと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ただいま神田委員の質問に関連をしてお伺いしたいのでございますが、従来、被害量の測定の問題については、農林省の統計調査部で行うところの調査の結果と、地方自治体の都道府県で行う調査ないしは農業団体各機関で行う調査との数字に相当な食い違いがあって、それが個々の農家の被害の集積の問題とも関連をして、今御指摘のような質問になったと思うのでございますが、今度の異常な災害の場合に、たとえば凍霜害の問題にしろ、あるいは長雨の問題にしろ、旱魃の問題にしろ、こういうそれぞれのところでの数字の具体的な結果について、農林省としてはっきり把握をしておるかどうか、もし把握しておるとするならば、大体どういう状況が出ておるかということを明らかにしてもらいたい。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 被害の量の調査につきましては、従来は、実を申しますと、府県その他団体等の御調査になりました数字と私どもの方の統計調査部が統計調査事務所を通じまして調べました数字と非常に隔たりがあったわけでございまして、ひどいときには十倍もの隔たりがあったわけでございますが、最近は、私の方の数字と府県その他団体の方々の数字とはさほど大きな開きはなくなりまして、一倍半から二倍、多くてそのくらいにまで差がちぢまってきております。これは、府県、団体等の方で、こう申すとしかられるかもしれませんが、あまり山をかけられなくなったということもございましょうし、また、私どもの方の調査もよく府県や団体の方と連絡をして調査するようになったために、その差がちぢまってきたかと存ずるのでございます。  ただ、今御質問のありました今回の凍霜害あるいはその後の雨害等の数字につきましては、麦の予想時あるいはその前の作柄の概況を調査する時期に調査いたしたものでございますから、粒の重さを全部はかって調べました数字ではございません。一県に約二百くらいございます作況調査団につきましては、穂の数と粒の数を調査いたしまして、なおそのほかに、標本筆につきましては、穂の数だけを調べまして、これをもとにして、あとは実りの工合を推定して出している数字でございますから、ごくあらましの状態と言うほかはないわけでございます。このあと実収期におきまして、私の方で推定実収高を出します際には、実りの工合をも実測いたしましてはじきますから、かなり正確な数字が出てくるものと考えております。この出ております数字とどういうふうに変って参りますかは、ちょっと予測の限りではございませんが、実りの工合が非常に悪いということになりますれば、今の数字よりも下ってくる心配もあると思います。  なお、私どもの調査は、大体推定の単位を、角屋委員御承知のように、県単位程度ではかなり正確なものが出ますが、その下になりますと、若干精度が落ちて参りますので、さような点において、個々の村あるいは個々の農家等の数字につきましては、私どもの方の見込みとかなり違った数字が県側あるいは団体側で出てくることも考えられるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ただいま統計調査部長からお話がありましたように、被害の場合の農林省の行う調査は、御承知のように、推計単位を県別でとっているわけでございますが、実際の被害の調査をする場合には個々の農家にまで及ぶわけでございますから、その間の総合的な統一がとれないと、いわゆる標本調査と悉皆調査の関連もぴしゃっと意思統一をしておかぬと、ただいま御指摘のような関係の中で問題が起ろうかと思いますが、私は、この問題に関連して、やはり、統計調査の方で推計単位を県別にやる、これを郡以下におろしていくということについては、過般来の農林水産委員会の中で、それは農業団体以下の関係団体にまかしておこうという意思の統一をいたしたようでありますから、それはそれで当面の段階としてはいくといたしましても、しかし、実際に災害に適用するという場合には、中心舞台は個々の農家の総合集積ということになるのでありますから、県の推計単位で出した数字に基いて全国的な統計数字をとるということにその数字を使うということで運営されるというお気持があるかどうか、これを聞きたい。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 ただいまお話がありましたように、水稲、麦等の減収調査につきましては、本年から、郡単位の数字を出すことをやめまして、県単位まで私の方では引き下っております。これは、でき得るならば町村単位まで私の方で調べまして数字を出したいわけでございますが、そういたしますと、私どもの荒っぽく計算いたしましたところでも、十数億というような予算が要ることになりますので、これは調査のために使う金を農民に差し上げた方がいいくらいなものになりますので、ちょっとできかねる問題になります。そこで県単位に引き下っておるわけでございますが、農林省は県単位で数字を押える、あとその内部の郡単位あるいは町村単位の数字は団体あるいは県の方で押えていただく、こういうことにいたして参ることになっておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私が申し上げた質問に対して核心に触れてお答えを願ってないように思うのですが、私が先ほど申し上げましたのは、全国的なバランスをとるという意味において、やはり県の推計単位で出した数字が中心になって各県別の割当の基礎にするということは必要だろうと思うのですが、個々の災害対象の集積として出た被害総額というものは、やはり被害のいろいろな措置を講ずる場合には、数字の基礎としてはこの方にウエートをかけて総額を出してくる、こういうお気持でやられる考えはないかどうかということをお聞きしたので、その点について一つ御回答願いたい。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 ちょっとお答えが不十分でございまして失礼をいたしました。私どもは、県単位以下の数字につきましてはあまり正確な数字を出し切れないということで、県単位の数字は私の方で押える。従いまして、全国単位の数字にいたしますと、単に県と県との間のバランスをとるために私の方の数字を使うだけではありませんで、全国単位の数字も私どもの方の県単位の数字の積み上げが一番正確なものというふうに考えておるわけであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 関連ですが、今お答えを願っておった中で、あなたは五十二億五十二億と盛んに言われるけれども、その五十二億というものは天災法というよりも自作農維持創設資金の五十二億だろうと私は思うのです。そうでなくて天災法からくる五十二億ですか。七十五億のうちの五十二億、そういう意味じゃないのですね。—わかりました。それでいいです。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 天災法の方は自作農と違いまして四十五億であります。そのうち各県の今まで集まっている要望の概数が四十二億、こういうことでございます。自作農資金とは別であります。

神田大作日本社会党

○神田委員 私が指摘したいのは、各県から集まっている四十二億というような金額が、農林省の意向を体した金額じゃないかということなんです。あなたたちは、利子補給によるところの予算のワク内においてそれを処理しようとするから、一応府県に割当をして、この程度でもって、天災融資法によるところの資金の融資はこれくらいにしてくれというようなことで割り当てるから、府県からはそれだけしか出てこないので、ほんとうの農民の希望している額というものはそれよりも上回っておるのじゃなかろうか。予算の制約によってそれを押えつけておってはならないということをわれわれは指摘するのです。その点はどうだということなんです。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 先ほどその点について御説明いたしたのが、あるいは説明不十分であったかと思いますが、予算措置でワクをきめるというふうな考え方は必ずしもございません。と申しますのは、本年度かりに四十五億出しまする場合の予算措置というものは、結果として利子補給額が算定されてくるものでありますから、当初から三十三年度予算として計上してはいないものであります。三十三年度予算として当初から計上している利子補給額というのは、三十二年度以前における天災資金に必要な、三十三年度に支出すべき利子補給額というものを累積したものを予算として計上いたしているわけであります。従いまして、今後またかりに秋におきまして天災法の発動がある、従ってそれによって融資を出す、それに必要な利子補給額を出す、これは本年度の予算とは別の予算として、必要があれば追加するということになる性質のものでございます。ただ、私が申し上げましたのは、本年度、過去の天災融資法に基きまして融資したものに対する利子補給額として、本年度予算に計上しておりますけれども、その予算額が、繰り上げ償還とか何とかいうような関係で、必ずしもそれだけ必要がないという場合も起りますので、その場合には現在計上している予算の中から振りかえられる部分も生じ得るということを申し上げたのでございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 理屈はそういう理屈になるでしょう。しかし、実際問題としては、各府県は、農林省から天災融資のワクを幾らもらった、このワク内でやるのだ、こういう工合になっているのだ。そうでしょう。そうではありませんか。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 四十五億というのは政令でいち早くきまりましたけれども、その四十五億についての割り振りは、各県別の割当はいたしておらないのでありまして、各県の要望なり申請があって各県に割当をする。従って、あらかじめ各県別の申請の基礎になるべき内示というようなものは、本件においてはやっておりません。

神田大作日本社会党

○神田委員 あなたたちはやっていないと言うけれども、それは内示をしてあるのではないですか。どうです。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 この資金につきましてはそういう措置をしてありません。

神田大作日本社会党

○神田委員 なければいいです。  それでは、もしこれが、被害農民の要望が強くて、ワクを上回るような場合が出ないとも限らないのですが、そういう場合には善処をする意思があるかどうか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 おそらく、そういう場合におきましては、府県から追加申請等の御要望があることと思いますので、そういう事態におきましては、よく府県当局と御連絡し、御相談して処置したいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 この天災融資法のうちで、三分五厘の利子による特別地帯の指定というのが天災融資法の中にうたっておりますが、この特別地帯の指定はやったかどうか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 この凍霜害に関する部分につきましては、いまだやっておりませんけれども、先ほど申しました長雨の被害に対しまして来週中に政令を出したい、その政令の中に合せて織り込んで指定いたしたい、かように考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 長雨地帯の被害に対しましては特別地帯の指定をしたい、冷霜害に対しましてはいまだやったことはないというが、凍霜害等においても非常な災害をこうむった農家があるのでございまして、これをすみやかに指定するように、この前の国会において当委員会が強く要求して、おったのでありますが、冷霜害は四月ごろ起きて、今日三月もたっておるのに、どうして今日までそれを指定しないか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 これはいつもの例でございますけれども、三分五厘の特別被害地域の指定については、若干調査がおくれるというような関係で、必ずしも同時にできなかったのでございます。今申し上げたのは誤解があるようでございますが、長雨に関する政令を出します場合に、その政令の中に凍霜害分も含めて被害地域の指定をいたすということでございまして、凍霜害対策については被害地域を指定しないというわけではないのであります。

神田大作日本社会党

○神田委員 今までの例を見て、凍霜害とかそういう場合には三分五厘の特別地帯の指定というものを今までやったことがあるかどうか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 従来の例でもやっておるそうでございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 この場合に、一町村単位を基準とするか、それとも、旧町村のうちの一部分をとって指定する考えであるか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 旧町村でやっておるそうであります。

神田大作日本社会党

○神田委員 旧町村でやるとすると、おそらく、私は、この特別地帯の指定になるところはほとんどないだろうと思う。旧町村において半分以下の被害の農家というものがあるというようなことは、開拓地の場合を除いては少いんじゃなかろうかと思うんですね。この点、旧町村を単位にあくまでも指定するつもりであるかどうか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 ちょっとお尋ねの趣旨がわからないのでございますが、新市町村よりも区域が小さくなればなるほど、むしろ有利であるんじゃないか、従って、法律によりましても、「旧市町村の区域」というふうに書いてありますのは、むしろそういう実情に沿うような意味で区域を小さくしているんだろう、かように考えます。

神田大作日本社会党

○神田委員 こういうわけなんです。旧町村の地域または旧町村の中の一部の地域である、」こうあるでしょう。私の言うのは、旧町村の中の一部の地域、いわゆる部落とか班とかを基準として指定しないかということを聞いているんですよ。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 お話の通りでございまして、法律によりましても、「旧市町村の区域の全部若しくは一部」ということになっておりますので、そういうような考えで運用しております。

神田大作日本社会党

○神田委員 ところが、今まで旧町村の一部で指定したためしがないのです。全部旧町村を単位にして指定しているから、指定するワクが非常に少くなってくる。だから、私は、その一部というものを重要視して、この旧町村内の一部、いわゆる部落とかあるいは大字を単位にこれを指定すべきであるということを強調しておるのです。その点どうですか。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 農林省としましては、今お話がありましたような趣旨で、被害についてそういうふうな部落を基準としてやるような場合におきましては、そういうことを承認するという方針で従来もやっております。また、現に昨年の水害におきましてもそういう措置を講じた次第でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 それは口ではそういううまいことを言っているが、実際にそれを示して下さい。どことどこの部落を特別地帯として指定したか、資料を出して下さい。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 ただいま手元に資料を用意しておりませんけれども、相当昨年は広範囲に認めておりますので、いずれ資料によりまして御説明いたしたいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 今度の凍霜害につきましては、私が今お尋ねしたような趣旨によりまして、なるべく災害農家を救済する意味におきまして、小さな地域を単位として特別地帯として指定されるよう強く要望しますが、この点について速急に指定してもらいたい。あなたたちは今ごろまで指定しないでおるから、結局、融資を申し込もうと思っても、三分五厘で借りられるか、五分五厘で借りられるか、六分五厘で借りられるかわからない。そうした人たちが、三分五厘ならば十万円借りようと思っておっても、六分五厘ならば五万円しか借りられないということになるのであるから、さっきあなたたちが示した四十五億のワクというものは、被害農民の意思を反映したものじゃなしに、あなたたちが大ざっぱに大体つかんだ割当額であるということも、こういうところからちゃんとわかってくるわけです。これは、ほんとうに、災害になってもう二月も三月もたつんだから、特別地帯を指定し、お前のところは三分五厘で金が借りられるんだぞということになれば、みんなが、それじゃ、苦しい思いをして高利貸しから金を借りるよりも、農林省のそういう特別な金があるんなら借りようと、どんどん申し込む、そうすれば申し込みをする額がふえてくる、そういう点において、この被害農民の意思を反映しない割当をしているんだ、私はそう指摘をするのです。そういう点について、もっと急速に特別地域の指定をやって、そして被害農民に天災法という法律を適用して、その恩恵に浴するようにやはり指導すべきであるということを強く要望する。今からでもおそくはない、まだ間に合いますから、一つその点において特段の努力をしてもらいたいということを強く要望いたします。  それから、いま一つ、天災融資法に基く償還の期限でございますが、今は大体何年を償還の期限にしておりますか。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 その前に、今の御要望に対して一言申してみたいと思いますが、従来も、特別被害地域というものにつきましては、程度別被害というものがどうしてもおくれて参ります。一方、天災法の指定については、早く準備を進める意味で、できるだけ早く指定したいが、そういう関係で特別被害地域の指定が若干おくれる。しかしながら、これに対して農民に不利を与えるということができるだけないようにという意味におきまして、天災資金は一応出ておりますけれども、その借りた場合におきましては、さかのぼって、つまり借りた後の期限から、かりに三分五厘の地域になりました場合においては、三分五厘が適用できるようにという措置をとることにいたしておりますことを御了承願いたいと思います。  それから、償還期限の御質問でございますが、貸付期間は、先ほど申しましたように、五月の三十日から三十四年三月三十一日までを貸付期間といたしまして、償還期間は、新しく貸付を受ける場合、それから再貸付を受ける場合、この二種類を考えまして、新しく天災資金を借り受ける場合におきましては、一般農家の場合は償還期限二年以内、開拓農家と果樹栽培者につきましては三年以内といたしております。それから、再貸付の場合は、今申しました償還期限をそれぞれ一年間延ばして、三年、四年ということにいたしております。

神田大作日本社会党

○神田委員 二年でもって災害を受けた農家が返すというのは、非常に苦労が多いのです。だから、これを四年ないし五年くらいに延長するのが私は適当だと思うのでございますけれども、四年ないし五年にこの期間を延長する方がよいと考えておるのでございますが、当局ではこういう償還期限の問題について考究しておるかどうか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 大体短期の営農資金でございますので、われわれといたしましては、一般の農家につきましては、大体今申し上げた償還期限が一応妥当ではないかと考えておる次第でございます。先ほど午前中にちょっと敷衍して申し上げましたが、凍霜害を受けた開拓農家につきましては、天災法の融資を一応受けるといたしましても、特に負担の軽減をはかり、あるいは逆に、負担の過重にならないという意味におきまして、天災法で融資を受けた開拓農家が既往の債務等の関係で償還がどうしても困難だといったような場合におきましては、例の開拓営農振興臨時措置法に該当する被害開拓農家であります場合につきましては、十年以内の期限で営農改善資金に借りかえるという道を開くことにいたした次第でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 今の二年でもって適当であるというようなお答えでございますが、私はこれは不適当であると思う。それは、われわれが農家の個々に当ってみまして、災害を受けた農家が災害資金として借りた資金を返すのに非常な苦労をしておるのをわれわれは目のあたりに見ておるのです。これを将来四年ないし五年に延ばしてもらいたいという要望をわれわれは受けておる。あんたはどういう基準でもって二年が適当であると申したのだかわかりませんけれども、実際の農家に当り、実際の農家の経済をよく観察して、適当な機会に期限というものを延長するのが私はいいと思うのでありますけれども、この点について検討を加えてもらいたいということを強く要望しておきます。あなたにもう一回御答弁願います。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 お話の延長につきましては、あるいは農家によりましてはそういう農家もあろうかと思います。法律では五年の範囲内ということになっておりますので、今後の運用につきましてはなお検討させていただきたいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 この天災融資法の中にはまた損失補償の条項があります。この天災融資法によって貸し付けた資金が未回収になった場合においては、これを国が八割弁償するというようなことでございますが、この損失補償の適用をした金額は幾らぐらいであるか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 今手元に詳細な資料がございませんので、いずれまた資料によって御説明申し上げたいと思いますが、今まで出しました未回収額は約三百四十万程度であるそうであります。それから、損失補償額は、八割ではなくて二分の一、すなわち五割ということでございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 その三百四十万の損失補償の補償先、そういうこまかいすべての資料をこの委員会へ御提出願います。  今までの天災融資法による融資の総額は一体幾らですか。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 今までの貸付額の累計は約七百三十億になっております。

神田大作日本社会党

○神田委員 七百三十億金を貸して三百四十万しか損をしないということになると、これは金融業をやっても引き合うことになるのでございますが、政府がわざわざ天災融資法という法律を作って、ほんとうに零細な農民に貸し付けようというような意図を持って作った。ところが、これが地方にいくと零細な農家には貸さないように貸さないようにという非常な苦心をしておるのをわれわれは見ておる。この点について当局者はどうお考えになっておられるか。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 天災融資法がそもそも被害農家に対して営農資金に事欠かないようにということをねらいとしている法案でございますから、われわれとしてはさような事態がないように常に留意して参りたいと考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 しかし、現実においては、せっかく天災融資法でもって補償の条項を作って、資力のない農民にもその恩恵に浴せしめようという法律の精神が、行政面において阻止されておるということを私は指摘しておるのです。その点について、どういうような考えを持ち、どういうように金融機関を指導しておられるか、お尋ねいたします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 われわれといたしましては、今申し上げましたような趣旨で、かりに天災融資法が出なくても、その以前におきましても、できるだけ系統金融機関から事前につなぎ融資等の措置を講じるようにというような指導をいたしており、また、凍霜害の場合におきましても、天災融資法の発動を待つまでもなく、中金その他の系統金融機関において遺憾のないように措置をしてもらいたい、こういうことを指示いたしまして、また金融機関からもそういう指示が各下級の金融機関に伝達されておるわけでございますが、事は営農資金であるわけでありますから、今後とも従前と同様金融機関にそういう遺漏のことのないように努力いたしたいと考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 これは非常に大事なことであって、天災融資法の精神に関する問題でありますから、あなたはそういうことを言っておりますけれども、実際には金融機関は選別融資をしておるわけです。この事実をあなたは認めるかどうか、お尋ねいたします。これは大事な問題です。口先ではごまかせない問題です。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 私が今まで関係当局から聞いておりますところでは、比較的天災融資法については資金もゆとりがある、各県の要望を大体満たしておるというような話を聞いておりますので、今御指摘になりましたような実情につきましては、今どういう事例があるかを私よく承知しておりませんから、よく聞いてみたいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 今ごろになって聞いてみてというようなことを言うが、あなたは責任者ですからね。中金なり信連なりがとういう貸し出しの方法をしておるかくらいは、十分御承知の通りです。たとえば開拓者に対する融資のごときは、これははなはだしい。融資のワクはもらっておるけれども、お預けをくって、何千万というような金が貸付にならないでおるというようなことは、開拓者の諸君からも再々にわたって陳情を受けておるのですから、あなたが知らないということは言えないのです。これは開拓者の例です。しかし、開拓者でない一般の農民も、そういう点において非常な選別融資をされておる。お前はこれだけ前の借金があるから貸さないとか、あるいは相当きつい催告によって営農に支障を来たすような返済の仕方をさしている場合もあるわけです。私は、こういう点において十分徹底をしてもらいたい。天災融資というものは営農資金であって、政府がその損失を補償する性質のものであるから、私は、そういうような厳重な選別融資をすべきではないという点をはっきりと金融機関に指導をすべきであると思う。あなたたちは今までそういう指導、指示をしたと言うが、そういう指導、指示をしたならば、これが通達の写しを出してもらいたい、こういうように思います。この点は後ほど今度は事実によって御質問を申し上げたい、こう考えております。  次に、天災融資の一農家当りの貸付額というものは今法律で十五万円ということになっておると思うのでありますが、現在においては、特に果樹栽培をやっておるような農家にとっては、この一農家当りのワクでは少いと思うのでございます。この点をわれわれとしては拡大していきたいと思っておりますが、当局はどうお考えでありますか、お尋ねいたします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 お話の通り、一般の場合におきましては、営農資金につきまして十五万円あれば大体まかなえるのじゃないか——たしか、農業の経営資金として現金支出のものは、全国平均でありまして大体七万から八万程度だと記憶いたしておりますが、御指摘の通り、果樹栽培農家、特に専業果樹栽培農家につきましては、十五万円で十分であるかどうかということにつきましては異論のあるところだと思うのであります。ただ、専業の果樹栽培農家ということになりますと、おそらく資金量としてはこれ以上になるということが想定できますけれども、しかし、同時に、それだけの資金を必要とするような農家におきましては、普通の農家に比べて相当の預貯金もあるといったような実情になっておりますので、天災融資法の考え方は、過去の蓄積を問わず、一応被害を受けた場合においてはその被害の損失額だけをめどにして限度というものをきめておりますけれども、今後、限度の拡張の問題と相関連しまして、かような農家の手持分等もあわせて検討する必要があるのじゃなかろうか、かように考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 現在においては十五万円では足りない農家が出てきておると思うのでありまして、この点は一つ御検討を願いたい、こういうように要望いたします。  次に、自作農創設維持資金が七十五億円あるが、このうちから災害農家に相当貸し付ける余裕がある、こう言っておられますが、一体この七十五億円でもって十分であるのであるかどうか、お尋ねします。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田政府委員 御承知の通り、本年度の自作農創設維持資金のワクは年間七十五億でありますが、かねてこの維持資金の要望が大きいこと、手続が若干繁雑かつ時間がかかる、こういうことで、前国会、前々国会等の当委員会の御意見も尊重いたしまして、五十二億円年度の最初に県別配付した。これは、当時は霜雪害の被害もおおむね調査がまとまりつつあったときでございましたので、維持資金融通法の一号、二号、三号、四号資金の資金とともに、霜雪害被害のひどい県に相当要素を加味して配付させる。直接に災害を受けた農家に対して災害のために特に金融をするものとは少し違う、こう考えております。そこで、五十二億円が足りないか、また年間ワクの七十五億円が足りないかという問題につきましては、本年度は、予算の範囲内、資金の範囲内で融資をするということの建前で融資行政を行うことにしておるのでありまして、要望と資金ワクがマッチしておるか、不足しておるかという点になりますと、この低利長期資金の中で比較的用途に融通性がある資金は、要望の方がもっと多いと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 災害が多く発生しますと、やはり自作農創設維持資金も相当要望が大きくなってきておると思うのです。それでなくても、われわれは普通でも七十五億円というような資金は非常に僅少であると思います。今の府県の自作農創設資金を借り受けたいというような希望は、大体一町村で五人か六人しか借りられない。申し込みはこれの五十倍も百倍もあると思うのです。その中の五人か六人しか、旧町村の場合でそういうものしか満たされないということでは、この自作農創設維持資金を農民が要求する意欲というものは非常に大きいのでありますけれども、七十五億というようなワクは、平年の災害のない年でも少いのでございますから、今年のように凍霜害、早害、雨害、塩害というように非常な災害の重なっておる年におきましては、私は、これを補正いたしまして、相当量拡大しなくちゃならぬと思うのでございますが、そういうような努力をしておられるかどうか。この点を、私は、局長の答弁を求めるとともに、大臣が来ましたら大臣に対して答弁を求めたいと思うのでございます。これは非常に大事な農民の切実な要求でございますから、七十五億の資金のうちから災害にも回すのだ、一般の農家へもこれを貸し付けるのだというようなことで足りるものではないということを私は強く主張するものです。この点についてどういうお考えを持っておられるか、御答弁を願います。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田政府委員 本年度この資金ワクが七十五億円になりましたのは、昨年五十億でありましたのに比較しまして五割増になっておりまして、この資金が零細農民のその自作農の創設維持のために要望が強いことをよく考えまして、政府部内でよく折衝の上、国会の御審議を経てきまったものであります。その七十五億が、今後なお必要であるかどうかという点には二点あると思います。本年度どうかということと、来年度以降どうかということであります。本年度につきましては、目下五十二億円の低利資金によります府県別の融資をする過程中にあるわけであります。なお二十三億円の未配付分がございますので、二十三億を消化し切らぬ前に目下増額の手続をいたしてはおりません。それをも含めまして、本年度はまだ通常の常識で言えば秋の風水害等もございます。もっと基本的に言えば、農産物価その他経済事情からいたしまして、農家が所得を減少したり、農家が零細化している趨勢が進んでおりますので、これにはやはり、適正な農家を維持創設したり、零細農家の没落、転落を救済するのがこの資金の目的でございますから、今年度といえども増加が可能であれば努力すべき性質のものだと思います。来年度は、本来の自作農創設資金の要求を勘案いたしまして、ことし七十五億の結果になりましたが、七十五億でよかったというわけではなく、国全体の財政投融資ワクの中でやむを得ずそうきまったことでございますので、同様に努力すべきものだと考えておる次第でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 零細農家のうちで土地をどんどん転売して農業外に転落していく者が多いことは、これは統計の示す通りでございます。特に、本年度は、このような打ち続く災害によりまして、そういう農家がふえてくるだろうと私は思うし、また、適正農家を作る上におきましても、この資金は非常に大事な資金であると思うのです。この資金は、私は、今年度におきましてももちろん増額してもらって、来年度においてもこれを大幅に増額してもらわなくちゃならぬ、こういうふうに考えておりますから、この点については、当局といたしまして、一体この資金を幾ら農民は要求しているのか、また、一体計数的に科学的に検討して幾ら必要であるかというようなことをよく御研究になりまして、そうして、没落する農民を食いとめるために、農業を適正経営に持っていくために、この資金のワクの増大をわれわれは強く要求するのでございますから、その趣旨に沿、うように当局においても御検討願いたいということを強く要望いたします。その点について御返事願います。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田政府委員 別に違った意見を持っておりませんので、そのようにできる限り努力をするつもりであります。  なお、蛇足かと思いますが、一つだけ注意して扱おうと思っております点を申し上げますと、災害が起きた場合、農家に対する金融は、やはり農業保険の制度を考えましたり、天災法によりまする経営資金の供給の方を考えましたり、また種々災害に対しまする融資あるいは補助制度等をあわせ考えまして、それぞれの制度を目的に応じて活用することとし、それを前提として本来自作農家の維持創設、経営規模の拡大をはかりたい。そこで、金融や補助の諸制度とのかね合いはよく見て努力をしたいと思っておる次第でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 次に、凍霜害について、病害虫の防除その他について補助金を出す要綱をきめたようでございますが、こういう要綱はどこを基準にしてきめたのであるか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 肥料、農薬等の補助率につきましては、これは、実は、昨年度から凍霜害対策につきましては大体同じ補助率を適用いたしておりますので、今回も昨年度の凍霜害の例に準じて補助率をきめた次第でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 昨年の補助率をきめたという基準を言って下さい。どういう根拠によってきめたか、ただ何となしにきめたのか。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 昨年度から、凍霜害対策につきましては、あらかじめ予算補助をするということなく、実績に基いて補助するということにいたしたのでありますが、補助率自身につきましては、それ以前における各種の災害に対する補助率と大体同じような比率を適用いたしておりましたので、それらを基準にしてきめたような次第でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 どうも話がわからぬが、一体、麦一町歩当り千八百十円というような基準を出したのは、どういう基礎に基いてこういう数字が出たかということを尋ねているわけです。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 農薬の町当りの補助金額の限度でございますが、これらは、それぞれ作物によりまして農薬散布の種類別量を算定いたしまして、最近における単価で算定いたしたのでございますが、なお、詳細な内訳の算出基礎につきましては、今手元に資料を持っておりませんが、御要望によりまして算出基礎等につきましての資料を添えて御説明いたしたいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 これによると、大体最高限度といたしまして一反歩当り九十円ということになっている。凍霜害による追肥をする場合に、一反歩九十円の補助金をもらうために、農民が非常な苦労をして申請をし、煩瑣な手続をもってこの金をいただくわけでございますが、今の農民の声は、スズメの涙のような補助金をもらうために非常な煩瑣な手続や長い間かかってもらうのだが、どうも、まことにありがたい話ではあるけれども、もっと補助率を高めるとか手続を簡素にするとかというような方法はないものかという話をわれわれは聞くのでございます。こういうことについて、当局は今までもやっておられるのでありますから、どういう考えを持っておられるか、お尋ねします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 お話の通り、補助金の実施に伴いまして、各種の手続等が地方農村においては煩瑣で困るというようなことをよく聞いておるのでございます。われわれといたしましては、今年度から昨年度の例にならいまして、とにかく被害を受けた実績に対しては、それらに遺憾なきょう措置をとりたいという意味で、その被害に応じた実績に基いてやろう、以前におけるような補助でやるというようなことになりますと、それに伴ういろいろの弊害も生ずる、しかし、実際に必要な場合におきましては、それに対応して農家が措置をとったという実績については十分の一措置を期したいという考え方で処して参ったのでございます。ただ、その結果零細な補助金になるということになりますと、煩瑣な点は御指摘の通りでございます。従って、これを実行する場合におきましても、大体は農薬散布等におきましては共同でやるということにしまして、補助単位を高めるというようなことを考えて実施いたそうということにいたしておる次第でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 私は、この補助率の増額と同時に、この手続の簡素化についてもっと当局は今後検討してもらいたいということを強く主張するものでありますが、この点についてぜひ農村の実情に即した方法をとってもらいたい。また、病虫害防除費あるいは凍霜害によるところのサイロ用ビニール購入費等の補助等については、一体今度の凍霜害に対してどの程度の予算をもってこれに当ろうとしておるのか、この点をお伺いします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 今申し上げましたように、今回の措置は、予算補助でなしに、実際に必要だったものについては、あらかじめ金額を定めるということなしに、実績に応じて出して参りたい、それらの資金の措置については予備費から出して参りたい、かように考えておりますので、今具体的に幾らくらいの資金量を用意してこれに当るというふうな考え方は実は持っていないのでございます。目下、各県の方においてそれぞれの計画を立てて、そうして、これらは、それぞれ、肥料でありますと七月十日、農薬でありますと八月三十一日までが施用の限界期日になっておりますので、その計画に従って出たものにつきましては十分の措置をとりたい、かように考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 そうすると、府県からこの実際に即した補助申請があった場合、農林省は独自な立場でもってこれを打ち切らないで出す、こういうふうに受け取ってよいですか。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 その点につきましては、先般各県の主任部長会議を開きまして、各県の実施計画をどういう基準で立てるかというような、実施の具体的な方法につきまして十分お打ち合せいたしておりますので、その結果、各県の計画が出てきました場合におきましては、十分その計画に従ってやって参りたい、かように考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 その場合、予算がないとか、あるいは今までの例とかによって、府県のそういう要求を打ち切るというようなことはありませんか。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 実施要綱並びに補助要綱に従って出てくるものにつきましては、十分その趣旨に沿って実施して参りたいと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 関連質問がありますから、一つだけ許します。砂原格君

砂原格自由民主党

○砂原委員 昨日の広島県、島根県の豪雨に対する被害状況がお手元の方へわかっておることと思いますが、どの程度であるか、御説明願いたい。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 農林省の方では、新聞等の情報で承知している程度で、具体的な詳細につきましては、まだ手元にございませんから、即刻各県に照会をいたしておるところでございます。

砂原格自由民主党

○砂原委員 建設省の方へ今朝参りまして私が調べたところでは、各県から詳細な報告が入っておるということであります。農林省は、特に広島県の高田郡地域のごときは、相当田畑の流失もあるかのように聞いておるのでありますが、政府当局でさような問題が今なおまだ御調査になっておらないということはちょっとおかしいと思うのですが、各県からも何か報告でもしておるのではないのでありますか。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 私の方でも目下調査いたしておると思いますが、まだ実は報告は参っていないのでございます。

砂原格自由民主党

○砂原委員 調査はしておられるが、報告がまだ入っていないといいますと、広島県、島根県の各県の方がその報告を送らないのですか。従来、災害があった場合には、その都度詳細な報告、情報が入るのではないのでありますか。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 私の方では、職員が実地に見回りいたしまして調査した結果をこちらに報告して参るものでございますから、災害が起りましてから多少時日がたつことは今までの例でございます。

砂原格自由民主党

○砂原委員 職員が調査をして回られるというのは、本省から派遣をされるのですか、いわゆる地方駐在員がそれに当っておるわけですか。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 私の方の出先の機関が、各県に統計調査事務所というのがございまして、これが、被害が発生いたしましたら三、四日いたしまして速報は入れることになっておりますが、まだそれが届いておりません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ただいまの質問に関連をして統計調査部長にお伺いしておきたいと思うのですが、大体、統計調査関係で第一線にあって調査をするのは、普通の平常状態における人員あるいは予算、こういう形における平常業務が中心だろうと思うのですが、災害は、やはりそれぞれの時期々々によって、非常に大きな災害が生じたり、突発的に生じたり、こういうことに相なろうと思います。その場合にただいま御指摘のような問題が起るのですが、従来の状況を聞いておりますと、たとえば本年の春の各種災害においても、災害の調査に要する費用等については実績主義で、今日実際の資料が集まってから、秋に大蔵省から査定に基いて金が出てくる、こういう状態のように聞いておるわけですけれども、これらいわゆる突発的な問題については、若干予備費的な性格のものを用意して、そうして適時適切に完全な調査資料ができるようにすべきじゃないかと思うのですが、その辺の実態は現地側の要請に必ずしもこたえないように思うのですけれども、現状をお話し願いたいと思います。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 お話のように、私どもの方で持っております予算は平常状態あるいは定期的な被害の調査の予算でございまして、突発的に起りました被害に対して臨時に調査する金は予備金からもらうことになっておるわけでございます。しかし、たとえば今度の凍霜害の予備金の関係のように、補助金が実績に基いて、出るということになりますと、あとで出ることになりますので、さしあたりの調査には非常に差しつかえるわけでございます。従って、私どもも、毎年予算では、何かそういうような被害の臨時調査費をあらかじめ予算に組んでおいてもらいたいということを要求はいたしておりますが、それには予備金があるということで、なかなか通っておりません。やむを得ませんので、現在手元にあります金、たとえば旅費、賃金等をそちらの方に使ってあとでそれを埋める、こういう方法をとっておる次第でございます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 農林大臣が出席されておりますので、質疑は農林大臣に集中していただきたいと思います。なお、時間の関係がありますから、簡潔に願います。

神田大作日本社会党

○神田委員 大臣が来ない前にいろいろ質問したのですが、大臣が来たから、簡単に要点だけ御質問申し上げます。  まず、今度の凍霜害、早害あるいは雨害等において、非常に農村が大災害にあって困窮しておるのでございますが、これを救済するにつきましては、天災融資法やあるいは災害等に対する応急的な補助等によっては、これは救われないと思うのです。私は、今度はこの農村を救済する大きな方法としては災害復旧救農土木事業を大幅に起してもらいたいと思うのでございますが、大臣はどうお考えでございます。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 凍霜害、さらには早害、雨害等のありますことはよく存じておりますが、これに対しましては、やはり災害対策としてその対策を立てて、これを実行することが最も焦眉の急だと考えまして、近くは早害対策につきましても各省ともだんだん話し合いを進めておりますから、閣議の決定を経て実施に移したい考えであります。かようなことでありますと同時に、三十三年度の農林予算等もいよいよ施行期に入って参りまして、これらの経費等も皆さん御承知の通り相当に大きい予算でありまして、これはすべて農村を中心として今後展開されるわけであります。さようなことでございますから、今救農土木を別に立てましてこれを実行するの必要は、今のところないと考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 この三十三年度の予算が実施期に入るから、特別に救農土木事業を起す必要はないと言うが、それは、前段の大臣が認識した、この打ち続く災害によるところの農村の窮状を認めておりながら、それがまだ起っておらないときの予算でもって、この農村の窮状を今のままでもって救うということはできないと私は思うのでございます。大臣の答弁はまことに前段と後段とが矛盾していると思うのでございますが、いかがでございますか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 たとえば、早害にいたしましても、現に給水のための諸施設をやっているのですが、これが焦眉の急なんです。こういうようなことをやることが現在の当面の農村に報いるゆえんだと思うのでございまして、さらにこれから来る救農土木等につきましては、農家のほんとうの実情を精査した上でなければこれらの計画を立てるわけには参らぬ、今焦眉の急に迫っておりますこれらの問題をとりあえず取り進めて参りたい、こういう所存であります。

神田大作日本社会党

○神田委員 私は、応急対策としての補助金政策、あるいはいろいろの施設に対する融資、そういうものはもちろんそれはやるべきだと思うのでございますが、そういうことでは今日の農村は切り抜けていけないということは、あなたは農政について非常に深い学識と経験を持っておられる方でございますから十分おわかりだと思う。これは普通の手段では切り抜け得られないと思うのでございます。その点は大臣も認識しておられると思うのでございますが、何もそれではすぐというようなことではなくとも、少くとも九月におけるところの臨時国会等におきましては、そういう農村の窮状に対しましては、これを救済する意思をもって検討するとか、そこらの考え方は、私は少くとも農林大臣としてはお持ちになっておらなければならぬと思うのでございますが、いかがでございますか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 来たるべき秋の対策でございますが、今もう眼前に控えておりますものは、先ほど来御指摘になりました、また御質疑になりましたところの各種の災害対策をとにかくこれを焦眉の急務として解決を要する、こう考えております。しこうして、現在の農村におきまする経済事情その他関連したることにつきましては、なお十分検討を加えまして、もしそれ仰せの通りに救農土木等の必要のありまする場合には、もちろん私はこれを施策することにやぶさかではございませんが、現在のところいまだその救農土木を施策するということの段階には達しておりません。

神田大作日本社会党

○神田委員 大臣がそういうようなことについて検討の用意があるということですが、われわれはそういうことでは非常になまぬるい感じがいたすのであります。現在の農村は、農産物価格は下落し、あるいは酪農にいたしましても養蚕にいたしましても、非常な危機に陥っておる。しかも、その上、凍霜害、早害、水害等に見舞われて、まことに困窮しておる。私はこれ以上農村の危機はないと思う。こういうような危機に対しまして、大臣がきぜんたる態度をもって、これを救うのだというような気魄を示さないと、農民は大きな失望の底に追い込められて、そうして増産意欲もなくするのです。私は、ここに、三浦農政がこういうような最近にない農村の危機を救う一つの意思を、こういう委員会等においてはっきりと示す段階に来ておると思う。そういう点について、あなたは四千万農民の要望にこたえ得るちゃんとした気魄を示して、これを救済するだけの音一思をはっきりと示すべきであると思いますが、いかがですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 実は、大言壮語するだけでは今日の段階に処するゆえんではないと思います。私は不敏ではございますけれども、農村の実態に即してなさなければならぬことは、最善を尽して進めたい信念でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 私は、それは、大臣は現在の農村の実情をよく認識しておられればそういう答弁はできないと思うのです。これは、大臣は現在の農村の窮状を十分把握しての今の答弁ですか。もう今までと同じような農村の実情であるというような認識のもとにおいてあなたが答えておるならばいざ知らず、そうでない、こういう緊急な事態に直面しておる現在の農村に対して、そういうような冷淡な答弁はありませんよ。ちゃんとした答弁をしてもらいたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 私は決して感情的な気分ではございません。静かに農村の実態等を見きわめまして、そうして必要に応じて適切なる措置を講ずるということは、私の職責でもあり、また信念でなければならぬ、こう考えておりますから、さよう御了承をお願いします。

神田大作日本社会党

○神田委員 これ以上あなたに言ってもむだだから言いませんが、それでは、あなたが冷静に農村の実情を見詰めておるならば、われわれも冷静にあなたの施策を見詰めて、追及すべき点は追及するつもりでございますから、そういうふうに御覚悟願いたいと思います。  次に私は早書の問題について少しくお尋ねいたします。  この未曽有の早害に対しまして、揚水機、あるいは種苗、井戸掘り、あるいはその他の施策等につきまして、農民が非常に大きな犠牲を払ってこの施設をしておるのでございますが、これに対する補助をする意思があるかどうか、お尋ねします。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 先ほど、早害の実情等、これに対します考え方は多分事務当局等からも詳細に御説明申し上げたと思いますが、私は、この事態に処しまして、相当の高率の助成をして、そうしてこの難局を切り抜けるようにいたしたい、こう考えております。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 中村時雄君。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 農林大臣は以前施策方針を発表されましたが、その農政全般に対しましてはまたの機会に譲るといたしまして、きょうは災害のうちで特に西日本の問題に集約して質問を行なっていきたいと思います。  西日本の問題にいたしましても、これは多々非常に大きな問題を含んでおるのでありまして、たとえば現在の実績の作況の考え方、統計事務所、あるいは食糧事務所、あるいは農業団体、これらの見た作況、作柄等に関しても、いろいろな相違があるわけです。そういうような実態の問題であるとか、あるいは保険金の概算払いの問題であるとか、あるいは助成対策の問題であるとか、そういう個々の問題に関しましては、いずれ詳しいいろいろな質問をしていきたいと思っておりますが、本日は時間もありませんし、あとが控えておりますので、三点にしぼって十分にお考えを願いたいと思うのです。第一点は減収加算の問題。第二点は、以前当農林委員会におきまして、農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する決議を行いましたが、その決議に伴うところの関連事項としてお尋ねをしていきたい。第三点は、関西地区におきましては、今度の災害の中心になったのが、雨に弱いために麦の中に赤カビ病が非常に発生をしておるわけです。この赤カビ病に対するところの内容の問題、あるいは善後処置の問題。その三点に関してこれから質問をしていきたいと思っております。  第一点は、先日の二十七日の米価審議会の席上で、農林大臣は今後作況の推移にかかわらず減収加算をつけないと、このように言明しておるのでありますが、これは事実でありますかどうですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 米審の質疑に対しましては、政府当局として今のところそういう考えであるということは申した次第であります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 今のところはということになると、理由が成り立ちそれがはっきりと一つの方向のうちでできるならば当然考えてもよいというまだ余裕を持っておるのかどうか、これが第一点。  第二点は、もしその理由があるとすれば、どういう理由で減収加算をしないかという点をお尋ねしたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 最終的に減収加算を付加するかどうかは、ただいま諮問案を検討中でございますから、ただいまのところ言明をいたしかねます。  第二点は、その当時減収加算をしないということにつきましては、全体としましては、大麦、裸麦、小麦に各差等がございまして、そのうち特に裸麦につきましては相当被害が重いのでございますから、これには特別の加算をつけるということで解決いたしたい、こういうことで当時説明しておいたのでございまして、これは現在もさような措置をとりたいと考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 今の裸麦、小麦、その内容の問題ということはよくわかるわけなんです。そこで、まず第一点にお聞きしたいのは、この食糧管理関係法規の中にもありますように、管理法の第四条の二の二項に、「生産事情其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」、こういうふうに出ておるわけです。それが関連をいたしまして、御存じのように同じく第二条の三の附録二の算式によって算出される価格、こういう状態になりまして、これは御存じのパリティ計算というものが行われておるわけです。そこで、そのパリティ計算を行なった場合に、そのパリティ計算の結果が、たとえば今の災害等によって減収が起った場合には、その分母を大きくしていって価格を大きくしょうというのか、すなわちこの法律の骨子になっているわけです。このことはお認めになりますかどうか、お尋ねをしておきたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 政令等の規定はございます。同時にまた、それを援用します場合等につきましては、いろいろの考え方がございまして、私たちの方では、裸麦につきましては、その算式によらずして、分散度の調整係数を援用いたしまして、これを特別加算としたのでございます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 あなたの分散度の問題と、今言ったところのパリティ指数によるところの分母を大きくしていって価格を大きくする、すなわちこれが一般に減収加算といわれておるわけであります。その減収加算の二つの考え方に対して、一つにまとめてやっていかれるのが妥当じゃないか。これは私の意見になるかもしれません。しかし、農林大臣個人としては、先ほど神田君のおっしゃったように、ほんとうに農村の実情というものを考えた場合に、おそらく農家の方々、あるいはそれに伴う団体の方々、あるいは農林大臣自身の考えの中にも、私はこのことは妥当であるという考え方が一点あるのじゃないかと思う。そういう立場を私たちはよくお聞きをし、もちろんでさる場合とできない場合が、党内事情もあるでしょうから、あるでしょう。そのことをとやかく言うのではない。やはりそのことを努力するだけの農林大臣の方向を示していただきたいし、またわれわれもそれに伴って努力をしていく。しかし、できることとできぬことはあります。そのこと自身は私たちも十分考慮いたしますけれども、本質的な問題としてのあり方だけは堅持していただきたいということが私たちの願いなんです。そういう立場をとってこの減収加算の問題の御回答を願いたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 今回は、諸般の事情等もございまして、昨年援用しました通り、分散度の調整係数を採用いたしまして、特別加算を裸麦にとりました。その他の問題につきましては、いろいろお考えがあろうと思いますが、今日の段階では、先ほど申し上げたような処置をしたのでございますから、その点を御了承得たいと存ずるわけであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 私の言うのは、たとえば法的根拠がはっきりあるのですね。これはお認めなんですね。大臣、うなずいておるところを見るとお認めなんです。認めたからこそ、裸麦に対してもそういう措置がとられたわけです。それで、もう一歩ワクを広げてやってみようとしたけれども、あとの問題はまだ考慮を要する、まだこういう点がいけない点があるのだ、こういう御回答ならば私たちも納得できるわけです。ところが、一方はとりましたが、あとの方は言葉を濁して、のれんに腕押しという、これはあなたの性格かもしれませんが、そういう点も、やはり、一応これだけのことはこうしたのだ、そこで次のこともこうしようとしたけれども、こういう事情で言えないという事情があれば、けっこうです。しかし、私どもの考え方としては、こう持っていきたいのだというその法的根拠に基いたあり方だけは堅持していただきたいということを言っておるわけです。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 今回の措置は、今おっしゃったようなことでございますが、将来にわたりましては、私も十分に考えてみたいと存じます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それじゃ、そこには理由があるから、今回は今度の処置になって裸麦だけに減収加算の線を入れたということになるわけですが、その残りのものが入らなかった諸事情につきましては、党内事情もいろいろのものがあるでしょう。だから、そのことは深く追及はいたしませんが、将来においては十分その配慮をするということだけの今のお言葉を、いつまで農林大臣が続くかわかりませんが、あとあとまで尾を引くようにきっちりとしておいていただきたい。このことをはっきりしておきまして、第二点に移っていきます。  第二点は、御存じの赤カビ病という問題であります。この赤カビ病というのは、関西、特に愛媛県あたりは非常に大きな被害を受けておるわけです。ところが、実際、農林当局におきましては、政府の考え方としては、百粒の中に一粒の赤カビがあった場合には赤カビ病にするとか、あるいはこれが人体に影響を及ぼすとか、いろいろな取り上げ方があるわけです。そうなってきますと、この赤カビ病の一つの問題に対しまして、赤カビ麦粒の混入麦の処置並びに取扱いについて、一体どのように考えていらっしゃるか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 赤カビ粒の混入が一%あれば買い上げしないとかいう規格になっておるようでありますが、この規格の改定につきまして今検討を命じております。無害であるようにできるだけの規格を変更するということについて、今研究させております。  それから、第二の問題でございますが、これが衛生上害がある、食用に供せられないということになりますと、買い上げの対象にならぬわけでございますが、今のところ、上と中までは買い上げる、こういうことになっておって、そして、実態をいろいろ調べさせましたところが、それによって買い上げを拒否したという事例は今ないというふうに聞いております。それを買っておいて、腹下しをさせてもいけないわけですが、今のところさしたる障害はないように聞いておりますが、必要があればまた事務当局を呼んで御説明申し上げさせます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それでは一点だけ事務当局にお尋ねするけれども、赤カビ病の本質ですね。たとえば人体に影響があるということになれば、これは非常に重大な問題です。たとえば黄変米と同様に、それを人間が食わされたのでは大へんな問題が起る。その点に関してはどういう見解を持っておられるか。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 赤カビの有毒性に関する御質問でございますが、現在までいろいろ調査し、あるいはこれまで研究した結果によりますると、その菌についての毒性が、たとえば家畜にこれを混入してやりました場合に、一定量までは嘔吐をする、さらに混入率を高めると、全然口にもしないといったようなものもあります。また、食糧庁におきましては、学者の意見を聞きまして、ネズミ等においてした実験的、試験的な研究の結果によりますと、若干の毒性があって、内出血のような症状も呈するといったようなことが報告されております。いずれも、毒性があるのではないかということについては、そういうふうなことがわかっておりますが、しかし、現実に圃場でとれたものについて果してどの程度に毒性があるかどうかということにつきましては、必ずしも明確な結論になっていないというのが現状であります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると、今のお答えでは、まことにあいまいもことして、どっちにもはっきりした結論が出ていない、こういうことになる。試験のデータでは人体に影響を及ぼすということが出ておる、片一方は実際買い入れをやっておる、こういう状態になっておるというのが今の現実だろう愛媛県あたりにおきましては、新しい作況は五月二十五日で押えていると私は見ておりますが、それについてどう考えておりますか。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 麦の作柄は、先般予想収穫高の作柄を出したわけでございますが、この予想収穫高の調査の期日は、四国、九州等においては五月二十五日現在でございます。その他の地方においては六月一日現在となっております。できるだけ調査の場合における生育段階をそろえようということからそういうふうになっておるわけでございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、予想の段階の私どもの方の調査の方法は、穂の数と粒の数を勘定しておるだけで、あと実りの数は推定しておるだけにすぎませんので、その後の経過によりまして、実りが非常に悪いということになりますれば、推定実収高はかなり変ったものが出てくる心配もある、こういうわけでございます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それでは、大臣、確認しておいていただきたいのは、今言ったように、四国、九州は五月二十五日を基準にしておる、ところが、その後の経過におきましてはいろいろな問題が出てくる、たとえば実際に収穫してみると実収高が減っている、そういう問題に関しては幅をもってこれを取り上げていく、こういうような統計調査部長のお話ですが、その点は十分御確認を願いたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 出てきました統計はよく重んじて、そうして今後の対策にも基礎づけたい、こう考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それでは、時間がありませんので、最後に一点お伺いして、残りはまたの機会にいたします。  災害対策として昨年当委員会で農業災害補償法を改正したときに、改正案に対しての附帯決議を私たちが行なったわけです。これは、ここにいらっしゃる同僚の自由民主党の方々もみなおわかりだろうと思いますが、この決議の内容を御承知でありましょうかどうか、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。—どうも農林大臣はお答えがないようです。おそらく読んでもいらっしゃらないし、聞いてもいらっしゃらないと思いますが、官房長に一言注意しておきたい。それは、少くとも災害となれば、当委員会のそういう決議事項は非常に重要な意義を持っておるわけです。そして、これからあなたは特に農林大臣を補佐する方です。そこにりっぱな政務次官もいらっしゃいますが、(笑声)その政務次官も当初は当委員会の委員であった。だから、そういう点は十分配慮して教えてやっていただきたいと思います。何から何まで大臣は知っておるわけにいかぬだろう。その点は御忠告しておきます。  それにはこう書いてあります。まず第一番目に、「農作物共済の基準収量の低すぎること又は実収量との差が大きすぎることが、この制度の円滑な運営を阻害する最大の原因になっていると認められるので、この際災害なかりせば反収を加味してこれを改訂する等、実態に合致した基準収量の確立に努めること。」第二番目が、「農作物その他の損害の評価については、国の統計調査機構が農業共済団体の行う災害評価に対し積極的に且緊密に努力することとし、調査方法の統一、農業共済団体の調査の精度の向上をはかること。」こうなっておるわけです。  おそらく今初めて農林大臣は読まれていらっしゃるようですから、このことの善後措置はどういうふうにしたかと言っても、そのお答えは出てこないと思いますが、今後こういう問題があるのでありますから、これに対するところの善後措置を十分この趣旨をくんでとっていただきたいということを私は申し上げまして、自分のきょうのこの時間の質問だけは終らせていただきまして、あとの問題はまた次の機会に譲ることといたします。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 これは当委員会で御決議になりましたが、私も現実の問題に接しておりまして、この趣旨はよく了承できます。今御要望の点は、農林当局としましては、十分に検討して、そうして御趣旨に沿うようにさせていただきたいと存じます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 倉成正君。

倉成正自由民主党

○倉成委員 私はごく簡単に西日本の長雨による麦の被害について大臣並びに関係の方にお尋ねを申し上げたいと思います。  まず第一は、今日日本の麦作農家がほとんど生産費を割った不安な状態で生活しており、しかも、麦にかわるべき作物がないために麦を作っておるわけでありますが、この麦作農家が、統計調査部の作況予想から考えましても、百億以上の被害を受けておるということは、非常に大きなことではないかと思います。従って、この農家に営農資金なり自作農資金なり、そういった資金の手当をし、また共済金の概算払いを一日も早くすることが必要ではないかと思うのでありますが、その場合に、基準となりますのは、何と申しましても統計調査部の資料でございます。先ほどより官房長からいろいろ統計調査部の資料と共済その他の関係と必ずしも直接関係がないという意味のお話がございましたが、現実に末端行政を私どもつかさどった経験のある者からしますと、何と申しましても統計調査部の資料がもう金科玉条と言っていいくらい中心になっておるわけであります。この資料と各県の農民団体あるいは農業団体等の資料とが食い違って、そのために、営農資金の三分五厘の地域をきめたり、あるいは共済金の概算払いを出すのが非常におくれておるわけであります。そういった意味で大臣にお尋ねを申し上げたいのでありますが、まず、今度の麦の災害の場合に、先ほど中村委員からもお話がございましたが、赤カビが入っておったり、あるいはその他非常にくずのものが入っておる、そういったものの被害をどのように考えるかというのは非常にむずかしい問題ではないかと思うのでありますが、端的に申しますと、かりに四俵の収量がある水田あるいは畑で、一俵の収量があったとする。ところが、その残された一俵の麦が、物理的に見ますと、完全粒が幾らあり、その中に赤カビが何%というふうに、統計調査部の末端の事務所で調べますと出てくるわけであります。現実に農民の立場から申しますと、それを一々完全粒に分けたりするということは不可能に近いのであります。従って、物理的にはかりに収量がございましても、経済的にはこれはほとんど役に立たない。こういうものがたくさんあるわけでございます。私は現物をここに持ってきておりますが、そういった場合に、統計調査部でどのような方針でこれを取り扱うべきかということについて大臣の御所見を伺いたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 先に説明員から説明させますから……。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 ただいまお話のありました、赤カビの被害量と、私どもの方で考えております収量との関係でございますが、今度四国、九州等に大へん赤カビが発生しておるというニュースを受けて、私の方ではすぐ統計調査事務所の方に通達をいたしまして、麦の選別を厳重にやって、いやしくも赤カビのついて目方の軽いものはできるだけくず麦に落してもらうということで、まず第一にやらせております。今までも入念に調製はやっていたわけでございますが、特にこういうような事態にかんがみまして、調製は念入りにやって、できるだけ赤カビのついたものはくず麦にまず落す。従って、これは収量外になりますので、保険の対象になるということになるわけでございます。そして、残ったものを食糧事務所の方の検査を受けて等級を見てもらうことにいたしております。等外以上になりますれば買い上げになりますので、その中にたとい赤カビの粒がまじっておりましても、私どもの方ではこれは収量と見よう、こういたしておりますが、等外以下となったものがございますと、それは一応人間の食いものとして買い上げにならないということになりますので、これをどうするかという問題が起ってくるわけでございます。考え方によりますと、全部くずにするか、あるいは赤カビの粒だけくずに愛媛県あたりにおきましては、新しい作況は五月二十五日で押えていると私は見ておりますが、それについてどう考えておりますか。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 麦の作柄は、先般予想収穫高の作柄を出したわけでございますが、この予想収穫高の調査の期日は、四国、九州等においては五月二十五日現在でございます。その他の地方においては六月一日現在となっております。できるだけ調査の場合における生育段階をそろえようということからそういうふうになっておるわけでございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、予想の段階の私どもの方の調査の方法は、穂の数と粒の数を勘定しておるだけで、あと実りの数は推定しておるだけにすぎませんので、その後の経過によりまして、実りが非常に悪いということになりますれば、推定実収高はかなり変ったものが出てくる心配もある、こういうわけでございます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それでは、大臣、確認しておいていただきたいのは、今言ったよ参に、四国、九州は五月二十五日を基準にしておる、ところが、その後の経過におきましてはいろいろな問題が出てくる、たとえば実際に収穫してみると実収高が減っている、そういう問題に関しては幅をもってこれを、取り上げていく、こういうような統計調査部長のお話ですが、その点は十分御確認を願いたしと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 出てきました統計はよく重んじて、そうして今後の対策にも基礎づけたい一、こう考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それでは、時間がありませんので、最後に一点お伺いして、残りはまたの機会にいたします。  災害対策として昨年当委員会で農業災害補償法を改正したときに、改正案に対しての附帯決議を私たちが行なったわけです。これは、ここにいらっしゃる同僚の自由民主党の方々もみなおわかりだろうと思いますが、この決議の内容を御承知でありましょうかどうか、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。どうも農林大臣はお答えがないようです。おそらく読んでもいらっしゃらないし、聞いてもいらっしゃらないと思いますが、官房長に一言注意しておきたい。それは、少くとも災害となれば、当委員会のそういう決議事項は非常に重要な意義を持っておるわけです。そして、これからあなたは特に農林大臣を補佐する方です。そこにりっぱな政務次官もいらっしゃいますが、(笑声)その政務次官も当初は当委員会の委員であった。だから、そういう点は十分配慮して教えてやっていただきたいと思います。何から何まで大臣は知っておるわけにいかぬだろう。その点は御忠告しておきます。  それにはこう書いてあります。まず第一番目に、「農作物共済の基準収量の低すぎること又は実収量との差が大きすぎることが、この制度の円滑な運営を阻害する最大の原因になっていると認められるので、この際災害なかりせば反収を加味してこれを改訂する等、実態に合致した基準収量の確立に努めること。」第二番目が、「農作物その他の損害の評価については、国の統計調査機構が農業共済団体の行う災害評価に対し積極的に且緊密に努力することとし、調査方法の統一、農業共済団体の調査の精度の向上をはかること。」こうなっておるわけです。  おそらく今初めて農林大臣は読まれていらっしゃるようですから、このことの善後措置はどういうふうにしたかと言っても、そのお答えは出てこないと思いますが、今後こういう問題があるのでありますから、これに対するところの善後措置を十分この趣旨をくんでとっていただきたいということを私は申し上げまして、自分のきょうのこの時間の質問だけは終らせていただきまして、あとの問題はまた次の機会に譲ることといたします。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 これは当委員会で御決議になりましたが、私も現実の問題に接しておりまして、この趣旨はよく了承できます。今御要望の点は、農林当局としましては、十分に検討して、そうして御趣旨に沿うようにさせていただきたいと存じます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 倉成正君。

倉成正自由民主党

○倉成委員 私はごく簡単に西日本の長雨による麦の被害について大臣並びに関係の方にお尋ねを申し上げたいと思います。  まず第一は、今日日本の麦作農家がほとんど生産費を割った不安な状態で生活しており、しかも、麦にかわるべき作物がないために麦を作っておるわけでありますが、この麦作農家が、統計調査部の作況予想から考えましても、百億以上の被害を受けておるということは、非常に大きなことではないかと思います。従って、この農家に営農資金なり自作農資金なり、そういった資金の手当をし、また共済金の概算払いを一日も早くすることが必要ではないかと思うのでありますが、その場合に、基準となりますのは、何と申しましても統計調査部の資料でございます。先ほどより官房長からいろいろ統計調査部の資料と共済その他の関係と必ずしも直接関係がないという意味のお話がございましたが、現実に末端行政を私どもつかさどった経験のある者からしますと、何と申しましても統計調査部の資料がもう金科玉条と言っていいくらい中心になっておるわけであります。この資料と各県の農民団体あるいは農業団体等の資料とが食い違って、そのために、営農資金の三分五厘の地域をきめたり、あるいは共済金の概算払いを出すのが非常におくれておるわけであります。そういった意味で大臣にお尋ねを申し上げたいのでありますが、まず、今度の麦の災害の場合に、先ほど中村委員からもお話がございましたが、赤カビが入っておったり、あるいはその他非常にくずのものが入っておる、そういったものの被害をどのように考えるかというのは非常にむずかしい問題ではないかと思うのでありますが、端的に申しますと、かりに四俵の収量がある水田あるいは畑で、一俵の収量があったとする。ところが、その残された一俵の麦が、物理的に見ますと、完全粒が幾らあり、その中に赤カビが何%というふうに、統計調査部の末端の事務所で調べますと出てくるわけであります。現実に農民の立場から申しますと、それを一々完全粒に分けたりするということは不可能に近いのであります。従って、物理的にはかりに収量がございましても、経済的にはこれはほとんど役に立たない。こういうものがたくさんあるわけでございます。私は現物をここに持ってきておりますが、そういった場合に、統計調査部でどのような方針でこれを取り扱うべきかということについて大臣の御所見を伺いたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 先に説明員から説明させますから……。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 ただいまお話のありました、赤カビの被害量と、私どもの方で考えております収量との関係でございますが、今度四国、九州等に大へん赤カビが発生しておるというニュースを受けて、私の方ではすぐ統計調査事務所の方に通達をいたしまして、麦の選別を厳重にやって、いやしくも赤カビのついて目方の軽いものはできるだけくず麦に落してもらうということで、まず第一にやらせております。今までも入念に調製はやっていたわけでございますが、特にこういうような事態にかんがみまして、調製は念入りにやって、できるだけ赤カビのついたものはくず麦にまず落す。従って、これは収量外になりますので、保険の対象になるということになるわけでございます。そして、残ったものを食糧事務所の方の検査を受けて等級を見てもらうごとにいたしております。等外以上になりますれば買い上げになりますので、その中にたとい赤カビの粒がまじっておりましても、私どもの方ではこれは収量と見よう、こういたしておりますが、等外以下となったものがございますと、それは一応人間の食いものとして買い上げにならないということになりますので、これをどうするかという問題が起ってくるわけでございます。考え方によります、と、全部く、ずにするか、あるいは赤カビの粒だけくずにするか、こういうような問題が起りますが、全部をくずにするということは、たとえば百粒のうちに二粒入っておれば九十八粒が全部くずになるということは、私どもの方の立場としてはとりにくいのでございまして、全部をくずにするということはやりにくい。しかし、赤カビの粒だけ厳重に調べて、その粒の割合だけをくずにするということもいささか酷ではないかというふうに考えておりますので、赤カビの粒の混入率を厳格に調べまして、これに一定の割合を見て、安全率と申しますか、誤差と申しますか、これを見て、その分だけはくずに落そう、大体こんなふうな考え方で進みたいと思っているわけでございます。

倉成正自由民主党

○倉成委員 ただいまの統計調査部長のお答えは、今までの考えからすると大きな進歩ではないかと思うのでありますが、ただ、設例にありました百粒のうちに一粒の赤カビがあった場合にほかの九十九粒をくずに落す、こういう設例でありましたら、必ずしも私も反対するわけではないのでありますけれども、それよりも多く入っていた場合、現実の姿として経済的に無価値な場合、こういう場合に、ただそういった形で若干赤カビのものを一割かそこらふくらますということでは、農民の現実の姿としては全く実情に適しないわけであります。いわゆる机の上ではこれは確かに非常によくできるわけでありますが、現実の農民は決してこれに満足しないわけであります。また、現実に経済的に困るわけであります。従って、そういった買い上げの対象とならないようなものについて、また、赤カビその他のものが混入して経済的に無価値なものを、まるまる全部と申し上げないのでありますが、それを全部等外から落すということは、いろいろ不都合があろうかと思うのであります。少くとも七割あるいは八割というのは、これは収穫がなかったものということで取り扱うのが実情に適すると思うのでありますが、この点について大臣の御所見を伺いたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 もう一度説明員から説明させて、私の方からお答えいたします。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 ただいまお話のありました、どのくらいまじっていたらどうするということでございますが、七割、八割というお話もございますが、これもどういうふうに考えていいか、別段の根拠があるというわけではございませんので、私どもの方では、ただいま各県から現実に標本の麦を、食糧事務所で検査を受けたものを取り寄せておりまして、これに赤カビがどのくらい入っておるかを実際に調べて、その混入率を見まして安全率を考えたいと思っております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 ただいまの御説明では、まだはっきりした基準が示されてないわけでありますけれども、やはりこれは、ある程度具体的に、こうした場合についてどの程度見るという基準を農民の前に明らかにすべきではないかと思うのであります。統計調査部の方で何%の誤差をかけてというふうに一方的におきめにならないで、現実に経済的に無価値なものがあるという場合には、それについてどの程度は見るという一つの基準を農民の前に示すということが、やはり親切な政治のやり方ではないか、かように考えるわけでございますが……。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 なお、赤カビの場合の食糧管理局の方で買い上げの実績等も出ておりますから、官房長から補足して説明させます。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 今倉成委員の御質問になりましたのは、きわめて理論的な問題としての御質問でございますが、要は、各農家に対して赤カビに伴う被害の救済措置に無理がないようにということが一番根本であろうと思うのであります。先ほど来統計調査部長から取扱いにつきまして御説明があったわけでございますが、同時に、食糧庁におきましても、現地の実態がどのようであるかということにつきまして調査したものもございますので、今実情論が出ましたので、実情について敷衍いたしておきますと、等外上につきましては、御承知のように政府で買い上げる、等外下のものが結局問題になるわけでございますが、等外下になるものにつきましては、六月十九日現在ですが、各県の事情を調査いたしたのであります。それによりますと、等外下になるものにつきましては、赤カビにより等外下になったものがほとんどないという状況で、むしろ等外下になりましたものは不整粒のものである、つまり、一定のニミリのふるいにかけますと、そのふるいにかけた場合に不整粒のものの量が多いということで等外下になるものが大部分でありまして、赤カビによる直接の原因で等外下になるものはほとんどないというような報告を受けております。その結果、当時の状況で等外上と等外下になります比率を各県からとったものによりますと、大体本年度も昨年度あるいは昨年度と等外上と等外下の割合がほとんど同じで、長崎県を例にとるのははなはだ恐縮でありますが、長崎県でありますと、小麦につきましては、三十一年が等外上が七一で等外下が二九、三十二年産は等外上が六七で等外下が三三、ところが、三十三年におきましては、等外上が九四で等外下が六であるとったようなことで、かえって本年度は等外上の方が率が高いというようなことになっておりますので、むしろ、われわれが聞いております現地の実情からは、直接赤カビにより買い上げ対象になるものが非常に少くなっておるということはかえってないというようなことを承知しておりますので、御参考までに実情を補足的に申し上げさせていただきます。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 買い上げの状況は今申し上げたわけですが、統計調査部長から申し上げた点も、趣旨をよくくんで最終的に決定したいと思いますから、御了承を願いたいと思います。

倉成正自由民主党

○倉成委員 ただいまいろいろお話がございましたが、私もこまかい専門的なことはよくわからないのであります。狭い範囲でありますけれども、現実に統計調査部の職員と現地を見て周りまして、また、その際持って参りました現物を持ってきて実は話をしておるわけであります。従って、ほんとうに経済的に値打のないようなものについて一つあたたかい御配慮をいただきたいという趣旨でございますので、その点を一つ特に大臣に御配慮いただきまして、結果的に、農民が非常に不満な、実情に即しないような数字が出て、その数字が基礎になって共済金の支払いがされる、あるいは三分五厘地域の指定がされる、こういうことのないように特にお願い申し上げたいと思うのです。  次に、自作農維持資金でございますが、これはすでに五十二億の配分をされておりまして、早害についてのことは考慮してあるということでございますが、雨害はその後起った問題でありまして、すでに百億以上の被害を各農家がこうむっておる。しかも自作農家は生産費を償うこともできずして非常に困っておる農家でございまして、また、西日本の福岡、熊本あるいは長崎その他の地域においては、昨年も大災害がございまして、営農資金を限度一ぱいに借りておる。従って、営農資金の返還をしなければならないという時期にちょうどきておるわけでございます。また、水稲の肥料を仕入れていかなければならない。また、自家用の麦がなくなったためにこれを買わなければならない。こういう緊急な資金の需要に迫られておるわけでございます。営農資金の場合に、天災資金は非常に期間が短かいためにすぐ返さなければならないという事情がありますので、どうしても自作農維持資金の需要がこういった地域に非常に大きいわけであります。しかも、五十二億というと非常に大きいようでありますが、本来の自作農資金と称すべき需要がかなり多くて、しかも災害等のためにそれはほとんど本来の目的のために使われていないで、各県に割り当てると一億何がしというわずかの金でございますから、どうしても西日本地区の麦の被害に対してある程度の自作農資金のワクを与えて、この天災資金あるいは共済金の概算払いと相待って資金対策をやるということが非常に適切な手段ではないかと思うのであります。きょうの五十円はあすの百円にも当るわけでありますから、秋までの災害を見越してこれをレザーブしておくという気持もわからないではないのでありますが、現実に困っておる農家が目の前にある場合に、金額のワクの問題は別としても、西日本の長雨対策に対して自作農資金のワクを配分するということがどうしても望ましいことではないかと思うのでありますが、この点について大臣の御意見を伺いたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 七十五億の本年度の自作農創設の維持資金でありますが、凍霜害等の問題もありまして、すでに五十二億の割当を決定しておる、こういうことでございますが、まだ若干残っております。これを適切な措置を講じたい。まあ全部が全部お宅の方にだけ配分するというわけには参りませんけれども、重点的に考えましていろいろな措置を講じて参りたい。それから、一般的にこの自作農創設資金を拡大するということにつきましては、来年度の予算編成等につきましても特に努力いたしたいと考えております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 大臣の御意思はよくわかったのでありますが、念のためにちょっとお尋ね申し上げておきたいと思いますが、自作農創設維持資金の農林省のワクを示してから末端まで行くのにどのくらいかかるか、大臣よく実情を御存じでありましょうか。これはこまかいことになりますので答弁を求めるわけではございませんが、実情を申し上げますと非常に時間がかかるわけであります。ですから、かりに今日自作農資金の割当をされましても、手続その他がめんどうなために、ニヵ月、三ヵ月かかる。従って、麦の被害のために非常に困った農家があるという現実に立っておるわけでありますから、どうしても一日も早く、この残っておるものを全部配分しろということではなくて、この中で相当部分でもこの被害農家のために与えてやる、また、自作農資金のワクが補正予算等で拡大されていったならばまたこれは別に考えていく、こういう時宜に適した施策というか、あたたかい思いやりが必要ではないかと思うのでありますが、この点はいかがでありますか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 私、倉成君の御説に同感でございまして、その機会はなしとせぬと思います。その際には十分に努力いたしたいと考えますが、さしあたりの問題としては、今申しました通り、同時にまた、手続の簡素化によりまして、なるべく早くいたしたいと考えております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 もう一度大臣にお尋ね申し上げますが、麦に対しての自作農の資金の別ワクはただいまのところ設けようというような御意思はございませんか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 これは具体的に進めることでございますから、御趣旨をくんで一つ立案させていただきたいと考えております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 立案ではなくて割当です。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 割当も立案をしませんと差し上げるわけには参りませんから、御趣旨をくんで十分に研究させていただきたいと思います。

倉成正自由民主党

○倉成委員 ただいまの大臣の御答弁で、必ずや自作農資金のワクも長雨に対して割り当てられるものだと信じまして、この点は終りたいと思います。  最後に、麦作の問題についてごく簡単に大臣のお考えだけを伺いたいのでありますが、今日の麦作の状況を見ますと、昭和二十五年が百七十九万町歩だったと思いますが、三十二年には百五十六万町歩に非常に減ってきております。これはもちろんいろいろな理由があろうかと思いますが、結局、農林省の調べました生産費調査を見ましても、北海道を除くと、大体政府の買い上げ価格というものは生産費より低いということは御承知の通りであります。しかも、その生産費調査というものは、日雇い賃金にひとしいようなものを基礎とされておる。従って、麦作農家は、ほかに有利な転換作物があればこれにかえていこうというので、だんだん減ってきておると考えるのであります。ところが、依然として三菱合せて百五十万町歩以上の麦を作らなければならないというのが現況でございます。そうなって参りますと、今日このような被害もございますし、麦の反当収量は御承知のように非常に低い。これを畑作振興の一環としてこの麦作について将来どのように処していかれようとするかということについて御所見を承わりたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 日本の農業、農家にとりましての麦作の地位でございますが、これは、食糧の問題から言いましても、農家経済の上からいきましても、非常に重大なことであります。かつては、麦の増産計画等もあり、これに対する相当強力な政策も展開せられておったのでございますが、その後この事態を見ますと消長がございまして、昨今ではこれは非常に沈滞していると言っても過言でないと思います。しかしながら、ことに農家の畑作としての重要な作物でもございますので、今後さらに格段とこれに対策を講じまして、農家の経済の安定と申しますか、同時にまた農業政策としても重要な一環として取り組んで、もう少しこれを強力に推進して参りたい所存でございます。  なお、農林省等におきましては、この畑作の対策として今若干の準備的なことをしておりますが、これだけではとうてい満足できませんので、もっと押し進めて参りたい、こういう所存でございます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 倉成君に申し上げますが、八木君から関連質問がありますから………。

倉成正自由民主党

○倉成委員 これで終りますが、一言申し上げます。麦作の問題につきましては、非常に基本的な問題でありますので、それではあらためて時間をかけてお伺いしたいと思います。私の質問はこれで終らしていただきます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 八木徹雄君。

八木徹雄自由民主党

○八木(徹)委員 藤巻部長にお伺いいたしますが、午前中に、西日本における赤カビによる麦作の被害面積は九十二万町歩、その石数は二百二万石、金額で百億円だ、こういう発表があったのですが、西日本におけるそれらの各府県別のデータを一つ提出していただきたい。これはあしたでけっこうです。できるかどうか、伺いたいと思います。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 府県別の数字でございますれば、明日提出いたします。

八木徹雄自由民主党

○八木(徹)委員 次に、先ほど長雨災害の問題に触れて、長崎の赤カビの実例が明示されましたが、それによると、赤カビによるものはほとんどないという発表があったのですが、今年度長雨による赤カビの実態から言って、こういう答えが出てくるということは非常に奇異な感じを抱くのです。こういうデータが出たという根拠、—その中には、赤カビのあるものはとらないぞということの周知徹底があまりに極端になされたということにあるのか、そうでなければ非常に喜ばしいことではありますけれども、いわゆる検査というものにある程度の思いやりといいますか手心が加えられたのか、どちらかでないかと思いますけれども、それらについてどういうふうにお考えになりますか、その点について承わりたい。

藤巻吉生農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○藤巻説明員 先ほどの検査の数字でありますが、私もどういう理由でそういうふうになったかは存じておりませんが、要するにそういうような報告があったようでございます。検査は一定の基準によってやっておりますので、別にそういうことも言えないかと思いますが、いろいろ実情に即してやっておられるかと存じますので、そういう結果が出たのかと思います。

八木徹雄自由民主党

○八木(徹)委員 どうもはっきりせぬ。その点はあとで十分究明しておいていただきたいと思います。  次に、減収加算の問題ですけれども、先ほど裸麦については減収加算をするかもしれない、こういうような大臣の答弁であったわけでございますけれども、その減収加算の場合に、先ほどの赤カビの問題に関連いたしまして、赤カビの混入度合いかんによっては、これに対して、赤カビそのものでなしに、それに付随してある程度のパーセンテージをかけたものを減収とみなすということで、そういうもののパーセンテージの明示を願ったけれども、それができなかったわけですけれども、それがはっきりした場合には、赤カビだけではなくて赤カビに伴う一定のパーセンテージをかけたものに対しても減収加算の対象にしてもらうことができるのかどうか、それを一つお伺いしたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 裸麦につきましては特別加算をするということにすでに取りきめをいたしました。その他の問題につきましては、どう実収が出てくるか、実収が出てきたならばどうかということでありますが、今のところ裸麦に対しまして特別加算をつけるということを取りきめただけでありまして、その他は今のところ考慮しておらぬわけであります。

八木徹雄自由民主党

○八木(徹)委員 最後に、これらの麦の災害に関連いたしまして、いわゆる税金の減免措置といったようなことについて大蔵省等に話し合いができておるかどうか、お伺いいたします。

齋藤誠農林事務官(大臣官房長)

○齋藤(誠)政府委員 先ほど申し上げましたように、凍霜害並びに長雨に対する被害農家に対しましては、国税庁の方から各税務局の方にそれぞれ減免並びに猶予の措置をとるような手続をとっております。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 實川清之君。

實川清之日本社会党

○實川委員 塩害のことについて質問申し上げます。  利根下流沿岸の地帯における塩害の問題は、三年前から問題化いたしておるわけであります。しかし、当初は、当局におきましては、あれは塩害ではないというようなことで、なかなか塩害であることを認めなかったのでありますが、昨年、今年とだんだんと塩害であるということを認めるようになったわけであります。一体農林省ではこの地帯の塩害の性格をどのようにお考えになっておるか、それを伺いたいと思います。つまり、単に旱魃によって起った塩害であるか、あるいはまた、建設省の利根川の川底を浚渫した関係があるのか、あるいはまた、利根水制における水利調整の失敗または怠慢といったようなことからこの塩害が起きて、おるのか、あるいはまた、これらの三者の総合的な結果としての塩害であるかどうか、この点について農林省はどうお考えでありますか。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田政府委員 お尋ねに対して私からまずお答え申し上げます。  利根川筋の特にその下流の塩害は、今年で三年目ということは御承知の通りであります。初年度は銚子付近の沿岸で、塩分も比較的少なかったのであります。昨年度は佐原と銚子の間のまん中あたり、主として大利根地区に起きました。昨年度は七、八月の候を過ぎましてむしろ収穫期に起きました。本年度はさらにこの塩分が——塩分と申しますのは、海水の塩分が上流に上りまして、津ノ宮から佐原に至るようになったのであります。北利根の方にもまた常陸川から海水が入りまして塩害を事実起しておるのであります。これは、この三ヵ年、おのおの川の流量と申しますか水量の減ったことが第一だと思いますが、あわせまして海水の逆流でございますから、おのずから、河床、川の底にも関係があるわけであります。私どもがこの沿岸の農業用水を設計し、また工事に着手して継続いたしておりますものは、今の利根川の本流の水量がことしほどにならぬ程度に平均水量を中心に作っておりましたことと、この設計上利根川の下流の水位との調整に多少合わない点が若干あったと思います。しかしながら、おもなことは、一昨年、昨年、本年と塩害が上流に来ておる、こういう点については、あわせまして、河川改修のやり方が、堤防本位でやっておりましたものから、ちょうど河床のまん中あたりを相当掘り下げまして、洪水調節用の方に重点を置きまして川底を下げたことに一原因があると思うのであります。その他の水利調整が適当であったかどうかは、先ほど御説明申し上げましたように、六月三日以降、上下流農業用と農業外、あるいは藤原ダムの発電用のダムと下流の農業用ダムとの間に極力調整をはかったつもりでありますが、その結果が十分でなかった点があろうかと思います。その十分でなかった点は、各県知事さん、建設省、農林省の協力した努力にもかかわらず、自然の降雨が少かった、そういうふうに考えております。

實川清之日本社会党

○實川委員 ただいま局長さんのお話で、大体旱魃もあるけれども、川底の浚渫の問題、あるいは水利の問題、それぞれ関連があるというお話でございましたが、そういたしますと、大体私の聞いたところによりますと、最近における渇水時の平均流量は五十ないし六十トンという工合に聞いております。そのようなことでありますと、潮はどの辺まで逆流することになりますか。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田政府委員 佐原付近の現実で申しますると、稲作に害を与える程度の塩分は〇・三%ということでございますが、ことしはそれを佐原付近でこえまして、佐原と江戸川の中間までは来ておりませんでしたが、そのくらいだろうと思います。

實川清之日本社会党

○實川委員 そういたしますと、今後普通の条件のもとでは利根川下流地域における塩害の問題はほとんど恒常化してきたというふうに考えられますけれども、この点についてどのようにお考えになっておりますか。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田政府委員 農林省も事態を重視しまして、建設省と六月四日以降慎重に研究をいたしておりますが、お話のように今後常時塩害が起る程度というふうには必ずしも考えないのです。かりに起るといたしましても、ことしの程度に強くまた広範囲に起るようには考えられません。なぜかと申しますと、本年は、河床の掘り下げのところがございましても、先ほど申しましたように降雨量が平均量の五割以下に下っておる状況でございますから、それがしかも五、六月の候の田植えの時期に起きましたものでございますから、そのようには起らないかと思います。もう一点は、建設省でもかねて配意をしてくれまして、利根本流の南部の黒部川には、河川改修について建設省がとりましたような工事をすれば防潮閘門が要るというので、これを建設いたしまして完了しております。なお、そのほかに、北利根につながります常陸川に作る計画であったのが、本年はまだ手をつけて完成されておらぬ、その関係からもちまして、本年のような異常渇水で異常の被害ができたように思われます。利根本流に防潮閘門を大きく作ったらどうかということを研究しまして、塩害が稲作に来る建前から、これを防ぐ上にどうしても必要ならば、農林省と協力して、場合によりましては農林省の工事をもってその防止工事をする、こういうことにやぶさかでないという意味で研究をいたしておりますが、洪水時のことを考えましたら、本流に、技術的な能力から見まして、それだけの閘門が作り得るかどうか、また、作るとしたら数百億を要するそうでありますが、その点についてまだ建設省として結論を出してくれておらない次第でございます。

實川清之日本社会党

○實川委員 今おっしゃったことは非常に大きな問題でございますが、常陸川に潮どめのせきを作る、これは本年度は調査費をつけてあるそうでありますが、これがもし実施されますと、むしろ利根本流への潮の逆流がさらに上流まで及んでくる。そういたしますと、大利根用水で莫大な経費をかけましてそれをやったのが、結局むだになってしまう。さらに、現在六十億近い金を使いまして工事中の両総用水も、大利根用水と同じように潮のために使えないような大きな問題を関連して惹起するわけでございます。そのような問題について考えますときに、常陸川の潮どめのせきを作ることはこの際見合していただいて、そうして、常陸川と利根本流との合流点の下に大きな潮どめのせきを作らなければ、この問題は今後とも毎年繰り返される問題だろうと思います。局長は、ただいま、ことしのような被害はないだろうというふうにおっしゃっておりますが、確かにことしは降雨量も少かったということが被害をさらに拡大しておりますが、少くとも利根本流の川底を浚渫しました昭和三十一年からこの問題が表面化しております。私の聞いたところでは、現在利根の川底でまださらってないところが、銚子の川口から約三キロほど上ったところに一カ所、佐原から約一里ほど下った地点に一ヵ所、このニヵ所だけが現在浚渫が残っておるそうでございます。もしもこれが完了いたしますと、さらにこの塩害の問題は拡大するようなことに考えております。従って、私がお伺いいたしたいのは、建設省をして、今後利根の川底の浚渫を一まず中止させるということが一つと、それから、ただいま申しました利根本流と常陸川の合流点の下に潮どめのせきを、たとい金がかかりましても作る意思はないかどうか、もし作らないといたしますと、六十億の金を費した両総用水の問題、あるいはまた大利根用水の二つとも、これは無価値なものになってしまうわけでございまして、これらを生かす意味におきましても、あるいはまた、二つの用水の関係面積約三万町歩の耕地を保護する意味におきましても、これはどうしても地元といたしましてはやってもらわなければならない大きな問題でございます。この点について大臣の御所見を承わりたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 その問題はまことに重要なことでございまして、地元の農業を維持する上におきましても非常に重要なことと考えます。技術的に相当困難な諸問題を包蔵していると思いますが、当局でいろいろ資料をまとめまして、そして建設大臣とじっくりと取り組んで、御要望に沿うような解決線に進むように努力いたしたい、こう考えております。

實川清之日本社会党

○實川委員 次に、塩害の問題と離れまして、両総の問題についてお伺いいたしたいと思います。  両総用水は、長い間の年月と莫大な経費を使って、現在計画の八〇%余りの幹線の工事は終っております。今年の早害の際におきましては、水は大網地区まで届いております。しかし、支線の工事が全然はかどってないというような関係で、水を見ながら被害を受けなければならないという状態でございました。そこで、地元民としましては、農林省の出先機関とはもちろん相談の上でございますが、取り入れ口を作り、あるいはまた、支線の予定路線に急造して応急的に水路を掘さくいたしまして、通水いたしたわけでございますが、現在十二支線の計画のうち七支線が一応手がついております。未着工のものは五つ残っておりますが、この五つの支線の取り入れ口を緊急に作っていただきたいというのが地元の要望でございますが、この点についてどのようにお考えになっておりますか。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田政府委員 できるだけ實川先生のおっしゃるように努力はしたいと思いますが、本年度の予算の施行につきましては、両総関係の継続事業費はすでに割当済みで、もう予算の余裕はございません。しかし、それにつながりまする支線等は、まだ新規事業の予算の配賦方を保留してありますし、あわせまして土地改良事業助成基金そのほか融資も活用していただきまして、少しでも早く事業を進捗させたいと思っております。

實川清之日本社会党

○實川委員 それでは、最後にもう一つ、話が前に戻りますが、先ほど落したのでございますが、利根川水系における旱魃あるいは塩害の状況にかんがみまして、当面妥当の水利調整を急速に実施し、利根川放流量を増大する、ことに霞ケ浦の水をも使用できるよう、技術的な水利調整の方途を講じていただきたいと思いますが、その点についてはいかがですか。

安田善一郎農林事務官(農地局長)

○安田政府委員 利根本流に農業用水を増大するために、上流のダムの放流をいたしまして、実はごく最近少量降りました雨を除きました全部を放流させました。従いまして、六月十九日以降の自然降雨によりまする水量の増加以外には手はございません。塩害を避けるためには、より上流のいい水をとって、通常の水路を通らずに下流に、あるいは小見川あるいは大利根川、茨城県寄りの北利根、黒部川というところに水を引くことを努力して、相当効果をあげたわけであります。また、霞ケ浦の水は、最近までは、利根本流との関係は横利根川との関係になりますが、利根川の水を霞ケ浦の方へ持っていって使うようになっておりましたが、この水位が北利根、黒部川に比べまして低いので、それで塩水の逆流が下流から上流に来たのがことしの状態でありますけれども、これを、北利根の方をぐるっと回りまして、そして潮来の町を通って、その北部の方へ淡水の用水が行きますように、そういうようなルートで淡水を不足地帯に回すように今やっておるところであります。これがために、建設省の船とかポンプ等もあわせて動員してもらうようにいたしております。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 本日の議事はこの程度にとどめまして、明日は午前十時より開会いたすこととし、これにて散会いたします。     午後五時二十六分散会

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