内閣委員会 第9号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/09/27
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。去る八月十九日、理事山本正一君が議員を辞職されました。同時に委員も退職されましたので、理事が一名欠員となっております。 この際理事の補欠選任を行いたいと存じます。なおその選任の方法は、先例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。それでは平井義一君を理事に指名いたします。 —————————————
○内海委員長 この際念のため申し上げます。閉会中の委員派遣の調査報告につきましては、準備の都合等もありまして、次会にその報告を聴取することにいたします。 国の防衛に関する件及び公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。質疑の通告は相当多いのでございます。 この機会に私より一言、左藤防衛庁長官に所信を承わってみたいと思います。それは航空自衛隊の次期戦闘機の問題であります。この問題は、すでに他の委員会においても種々論議が行われ、言論報道機関等においてもいろいろ評論されているのであるが、防衛庁を所管する内閣委員会において、この際この事情を明らかにし、国民の疑惑を解きたいと考えます。当委員会において特に左藤防衛庁長官から率直なる所信をお聞きいたしたいのであります。 まず第一に現在の国際軍事情勢並びにわが国の防衛について、いかなる見通しを持っておられるか。第二に何ゆえに次期戦闘機が必要であるか。第三にこれを国防会議が内定するまでのいきさつはどうであったか。第四にこのことが現在いかなる段階にあり、また将来どのように進行させる見通しであるか。この四点について左藤長官の所信を承わりたいと存じます。 もう一度要点だけを申し上げます。まず第一に現在の国際軍事情勢並びにわが国の防衛についていかなる見通しを持っておられるか。第二に何ゆえに次期戦闘機が必要であるか。第三にこれを国防会議が内定するまでのいきさつはどうであったか。第四にこのことが現在いかなる段階にあり、また将来どのように進行させる見通しであるか。この四点について左藤長官の所信をこの際率直に答弁を願いたいと思います。
○左藤国務大臣 ただいま委員長からお尋ねをいただきましていろいろ問題になっておることでございまするので、やや詳細に四点につきましてお答えをいたしたいと思います。 第一にわが国の防衛の目的は、直接及び間接の侵略を未然に防止することに努め、万一侵略が行われました場合には、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至りますまでは、米国との安全保障体制を基調といたしまして、国の総力をあげて国土を防衛し、もって民族の独立と安全を確保するにあると信じております。この考えに基きまして、実際侵略が行われます場合には、第一には本土及び周辺の制空、制海権の確保、第二には主要海上交通の確保、第三には敵の上陸または着陸進攻の破砕、第四には国内治安の維持に対する協力、これが自衛隊の主たる行動となると考えております。—わが国の地理的条件などから考えまして、侵略が起りました場合は、まず空から行われるであろうと想定されますので、わが国の防衛は防空を第一義とすべきであると思います。 第二に、防衛の手段として有人機によるか、ミサイルによるかは、いろいろ論の分れるところでございますが、最近のミサイルの研究開発の状況からしますれば、IRBMに引き続きICBMが逐次実用の段階に達するものと思われます。これら核兵器の運搬手段である大陸間弾道弾の使用は、全面的無制限核戦争を意味するものでありますので、その生起の公算はますます減少すると考えられ、局地戦におけるわが国に対する攻撃は、依然として有人機による部分が多いと考えるのであります。これらの点を考えますと、防衛力整備目標における航空自衛隊の計画、すなわち戦闘機二十七隊の整備はすみやかに達成しなければならぬと存じます。この有人機の飛行隊二十七スコードロンの整備は、ミサイル時代にいかなる意義を持つかというような論もございますが、地対空ミサイルの進歩に伴い、これを有人機に代替して使用し得る分野が増大したことは否定し得ませんが、しかし地対空ミサイルには到達距離の点から、広い範囲の防空には限度がございます。地点防空が主たる用法であり、また敵の欺瞞行動に対する判断ができないこと、基地が固定して機動性を欠くこと、他の地上作戦に対する協力、偵察に利用できない等の不利な点がございます。一方これらのミサイルにとって不利な点が、また有人機の利点とされておるのでございます。従ってミサイルと並行して有人機の必要性は、今後相当期間依然として減ずるものではないというのが世界における定説であり、従って有効なる防空体制は、有人機と地対空ミサイルの併用が望ましいのであります。すなわちわが国の防空は、来攻する敵機を洋上に要撃して本土に入らしめない、これが第一目的であり、これをくぐった敵機をさらに航空機、地対空ミサイル、高射砲等の一元的運用によって破砕するものでなければならぬと考えております。この任務達成のための航空機は、わが国の地理的状況、気象の状態、予想される来攻機種及びその攻撃法等を考慮しますと、要撃及び制空の機能を果し、さらに全天候性を具備することが必要であり、さらに地上作戦協力等の性能を保有することが望ましいが、整備、補給及び財政等の面からは、なるべく機種を少くすることを考えなければならぬと存じます。 第三に、以上述べました防空体制に関する構想を基本としまして次期戦闘機の選定に当りましては、わが国の特殊なる地理的条件等を考慮した防衛構想に立脚した将来の防空体制のあり方及び防空兵器体系についてもでき得る限り検討し、有人機、地対空ミサイル、空対空ミサイル、地上警戒管制組織、航空基地等の総合的防空組織について慎重な考慮を払い、防衛力整備目標における防空体制を計画通り充実することを目標といたすのであります。 次期戦闘機の機種選定につきましては、防衛庁としては一昨年以来、いかなる機種が適当であるかについて調査検討を行なってきたのでありますが、機種の選定に当りましては、正確なる資料を十分に収集することが最も必要であるため、昨年八月下旬、米側の協力を得まして、いわゆる永盛調査団と申しますが、団長永盛将補以下六名でありますが、これを米国に派遣しまして約一カ月にわたりまして、米国における各機種についての資料を実地に収集せしめ、かつ防空に関する基本的な考え方について米国防当局の説明をも聴取せしめました。調査団は帰国後、候補機種としてF100D、F104A、F11F—1F、N156F、F102Aの五機種をあげ、各機種ごとにその性能、運用、生産等、各方面にわたる詳細たデータを報告いたしました。この報告に基きまして機種選定に関する慎重な検討を行いましたが、その後各機種ともにさらに追加した新資料も逐次もたらされましたので、常に最近の資料により、かつあとう限り米軍の正式な評価を参考とする建前で検討を行なったのであります。候補機種のうちF102Aにつきましては、速度、滑走路長、整備、補給の困難性等の点からこれを除外いたしましてF1OODにつきましては全天候性型のF1OOJについても検討をいたしました。各機種につきましては、その性能について一長一短があり、これらの各機種のうち一機種を選定するには、第一には要撃性能においてある一定の水準にあること、第二には運用面についてわが国の事情にマッチするとともに、長期間の使用に耐え得ること、第三に適当な期間内に国産可能の状況にあること等を条件として検討を加え、かつ本年一月佐薙空幕長らの渡米の機会を利用いたしまして、さらに実地について検討した結果を取りまとめ、四月十二日の国防会議において、防衛庁の見解を説明をいたしたのであります。 防衛庁の見解といたしましては、特に重点を置いて検討いたしました点は、次の諸点でございます。第一は要求性能、すなわち速度、上昇率、上昇限度、行動半径、離着陸距離及び武装並びに全天候性から見て、要撃機としての性能のすぐれておること、第二には長期使用の可能性のあること、第三に多用途性のあること、第四は安全性に富むこと、第五は実用実験の終了の程度、第六は経済性、第七は整備、補給の難易等でありました。さらに航空機産業の見地からも、慎重な検討を行いました。すなわち生産に着手するまでの準備期間のなるべく短かいことが望ましい点等でございます。 第四に、以上述べました見地から候補各機種についての比較検討をいたした点を、少し詳しくなりますが申し上げますと、 イ、速力につきましては、空対空ミサイル、たとえばサイドワインダー、こういう空対空ミサイルの装備及び攻撃法の改善により、要撃機の速力が目標機より優速—速力がすぐれておるということは必ずしも必要でないとの論もありますが、速力が依然として重要なる要素の一つであることは言うまでもありません。F104、F11F—1Fはいわゆる二マッハ級の超音速機であり、他の三つ、すなわちF1OOD、FOOJ、N156Fは一・五マッハ以下で、前者と後者の間には相当の開きがございます。 ロ、次に上昇性能については、F104Aが一番すぐれており、次いでF11F—1F、N156F、F1OOJ、F1OOD、こういう順序になります。 ハ、行動半径の点につきましては、諸種の条件を考慮して、少くとも地点迎撃、インターセプトいたします場合において、二百ノーテイカル・マイル以上の行動半径が望ましいが、増槽なしの状態でこれを満足するものはF11F—1Fのみであります。 二、離着陸距離については、わが国の実情にかんがみ、なるべく短かい滑走路で済むことが望ましいが、このではN156F、その次がF11F—1F、F104、それからF1OOJ、F1OODの順序と考えたのであります。 ホ、武装及び全天候性の点からは、各機種ともに空対空ミサイルの整備は可能であり、全天候性につきましてはF1OOJを除きこれを欠くが、目下米軍で開発中の射撃管制装置、FCSと略して申しておりますが、ファイアー・コントロール・システムを装備することにより全天候性を持ち得る可能性があり、これらの点ではF11F—1Fが将来性においてすぐれておると思われたのであります。 へ、長期使用の可能性からは性能向上の余地のあることが望ましく、この点からはF11F—1Fがすぐれており、F1OODは劣っておると考えられたのであります。 ト、多用途性につきましては、わが国の実情としては多機種を持つことは困難でありますので、要撃機としては十分な性能のほか、偵察、地上戦闘協力等多用途に供し得ることが望ましいのであります。この点からはF11F—1F及びF1OOJがすぐれ、F104及びN156Fは劣るものと思われます。 チ、安全性につきましては、航空自衛隊の現状その他わが国の実情にかんがみ、安全性を重視することが必要であります。この点からはF1OODはすでに安定しており、F1OOJ及びF11F—1Fは安全性が高く、N156Fも同様と思われますが、F104はこの点他の機種よりも劣ると思われます。 リ、実用実験につきましてはF1OODは問題はなく、F104は部隊に配属されており、F11F—1FはJ79—GE3、GEはジェネラル・エレクトリック会社の名前でございますが、エンジンがJ79—GE3を搭載した原型二機について飛行性能試験を終了しておったのであります。N156Fはまだ木型の段階であったのであります。 ヌ、生産の準備期間の点から見ますと、防衛及び航空機生産の見地からは、いわゆる生産のリード・タイムがなるべく短かいことが望ましいが、この点からはF100D、F104が有利であり、F1OOJ、F11F—1F、N156Fは開発のためになお若干の期間を要するものと考えられるのであります。 ル、経済性から見ますと、N156Fはおそらく最も低廉であると思われます。 オ、整備、補給の難易について見ますと、N156Fは最も容易であり、F104、F11F—1Fにはそれぞれ一長一1短がございます。 ワ、補給につきましてはF11F—1Fは、F11F—1を、いわゆるタイガーでございますが、米海軍が今後相当期間使用いたしますので、相当の便宜は得られますが、F1OOD、F104に比較いたしますと不利と思われるのであります。 以上の見地から結論として当時防衛庁の見解といたしましては、一、F1OOD、F1OOJは要撃性能の点からは将来性に乏しく、次期戦闘機としては適当でない。二、F104は速度上昇性能ですぐれておりますが、行動半径、多用途性及び安全性の点から適当でない。三、N156Fは軽量小型で、所要滑走路が短かく、廉価であって、日本の特殊性に合致する点が多いので考慮に値する機と思われますが、性能において若干不満足な点があり、かつ生産のリード・タイムが一番長いという点がございます。四、F11F—1Fは各種の要求性能を満足し、安全性が大であり、多用途性に富み、滑走路も短かく、用兵上及びわが国の実情にも比較的よく適合しておると認められ、また将来の防空兵器体系から見ても最も幅の広い活動ができると考えられますので、米海空軍ともに制式化の計画がないということに伴います不利な点と、他機に比べて必ずしも廉価でないという点もありますが、航空自衛隊の次期戦闘機としては最も適当なものと判断する、こういう結論に到達したのであります。 この機会に特にF11F—1FとF104について比較検討いたしました点を申し上げますと、速度、上昇力に関する限りF104がF11F—1Fにまさることは明らかでありますが、機体の安全性、操縦性、離着陸性能、所要滑走路の点におきましてF104はF11F—1Fに比べてかなりの難点を持っておるのであります。特にエンジンがとまりましたときにおける沈下率、着陸時における着速等においては、安全性と操縦性においてF11F—1Fに数段劣ると考えられるのであります。 機種選定の大きな要素として、わが国の事情を考えます場合、次期戦闘機の運用に際しては飛行性能のほかに、特に安全性—これは操縦性を含んでですが、安全性と所要滑走路長の点が大きな要素であると考えられるのであります。わが国のごとく飛行場付近に人家が密集しておるところにおきましては、上空におけるエンジンの故障の際の沈下速度が著しく大きく、かつ着速の大きいF104のごとき機種は、平素の飛行訓練時においても運用上困難な問題を起しやすいのであり、さらに滑走路の延長につきましてもいろいろ障害の多いわが国におきましては、なるべく短かい滑走路長において運用できる機種が望ましいことは当然であり、これらの点は操縦性の安全についても重要な影響を持つのであります。従って防衛庁としては安全性等の点からF104は望ましくないと考えたのであります。なおF104につきましては、性能向上型としてのF104Cについて十分なる検討を行いまして、さらに八月には日本向けにプロポーズされておりますF104Cにつきましても会社から説明を受けましたが、四月内定当時と私どもは同様の見解を持っておるのであります。なおF104は米軍ですでに採用しており、F11F—1Fは米海空軍ともに採用の計画がなく、従って補給等について多くの不利のあることは否定し得ないが、その原型でありますF11F—1、艦載機のタイガーでありますが、これは米海軍の制式機として約二百機量産されております。F11F—1Fは二機の実験機について米空軍が海軍に委託を受けまして、すでに三百回以上も飛行テストを行なってその飛行性能は確認されておるのであり、従って十分に信頼できる機種であると認められますので、その性能向上型であります98J—11を採用することに内定したのであります。なおF11F—1Fの二機ございます実験機のエンジンはJ79—3であり、98J—11はJ79—7を装着する予定でありますが、飛行テストは前のテストを念のため確かめる程度のものであり、エンジンが3から7に変ったとしましても、テストを初めからやり直すという性質ではございません。しかもこのエンジンは開発テストを完了し、エンジンとしては完全に信頼し得るものであります。 なお98J—11のテストにつきましては、技術面等から米国の相当の援助を期待して計画されておるものであり、試験と生産とをある程度並行しても大きな危険が伴うものではないと確信いたしており、この点につきましては、従来の調査においても米軍等について十分調査いたしたものであります。 内定いたしました経緯につきましては、少し詳しくなりましたが今まで述べた通りでございますが、さらに内定以後の状況について申し上げたいと存じます。四月十二日の国防会議において今後の諸条件を整備するため、F11F—1Fに内定したものでありますが、新機種を国産いたしますためには、担当会社と先方の会社との間に具体的な生産のスケジュールを打ち合せ、詳細な計画を必要とするものであり、これらのものを基礎として米側に具体的な援助の申し入れができるのであり、かつわが方の予算計画も見通しがつくのであります。従って機種を内定することにより、国産担当会社を指定し、所要の資料を作成せしめ、それらの資料を見て国産化に関する正確な見通しを立て、技術的にも予算的にも実行可能と考えられまして、初めて正式決定をするという段取りになるのでございます。従ってこの内定後、防衛庁はすみやかに具体的な生産計画案及び価格見積りを把握して、これを検討の上、国防会議の審議に諮って最終決定をすることになるのであります。すなわち通産省が産業行政上の見地から、まず新三菱重工を生産担当会社として指定しましたので、防衛庁は防衛庁としての国産化の諸条件を指示したものでありまして、六月二十五日、新三菱の報告が正式に提出せられましたので、これを庁内において詳細に検討した結果を、現在国防会議事務局において検討中でございます。これが現在の段階でございます。国防会議において新機種が正式に決定いたしますれば、これに基き米国側に対し、わが方から費用の分担その他に関し、米国政府の援助に期待すべき具体的事項を正式に提案し、日米交渉をすみやかに開き得るよう要請いたすのであります。この日米交渉が明年度予算案の閣議決定までに妥結いたしますれば、これによってわが国の負担すべき予算を計上し、日米共同生産の協定及び細目取りきめに調印することになるのでございます。この協定及び取りきめによりまして、日本政府が予算案に計上した予算が国会の御承認を得ますれば、昭和三十四年度から生産に着手することができると思われます。なお双方の費用分担がどのようになりますかは、交渉に待つほかはないのでありますが、わが方としては相当の部分を米国の援助に期待しておりますので、世上いわれております総額一千億以上の費用がすべてわが国の負担となるものではございません。以上F11F—1Fを国防会議において内定いたしました経緯と問題点につきまして、防衛庁の見解及び今後の見通しについてお答え申し上げた次第であります。 もう一つ、新機種内定までの経緯に関し防衛庁に重大な過失等がありますれば、これをすみやかに改める措置をとりたいと存じます。また巷間伝えられるがごとき不正があるとは私は思いませんが、もしさようなことがありますれば断固たる処置をとるにやぶさかではございません。 以上が経緯の概略であり、長官としての所信を申し上げたのでありまして、私といたしましては、本委員会の御審議を通じまして国民の前に事の真相を明らかにし、疑惑を解きましてすみやかに機種の決定を得たいと念願いたしておる次第でございます。
○内海委員長 ただいまの左藤防衛庁長官の所信の開陳は、日本における国防全体に対する基本的な方針であると認めて審議を進めたいと思います。 これより質疑に入ります。質疑の通告があります。順次これを許します。前田正男君。
○前田(正)委員 ただいま左藤長官から、日本の防衛問題から機種問題にわたりまして相当の御説明がありましたので、大体の内容はわかったのでありますけれども、私はこの際日本の防衛問題を全体から見まして、最近に起りました問題についておもな問題を先にお聞きいたしましてそのあとで今の御説明でわからないところの機種問題についても御質問いたしたいと思います。 まず最初に日本の今後の防衛は、先ほどもお話がありました通り将来は集団安全保障の態勢に待つわけでありますが、特に日米安全保障条約というものが、日本の終局的な防衛には非常に大きな役割を果していると思うのであります。しかるに最近藤山外務大臣は、国連総会に出席されました機会にこの安保条約を改訂しようというふうなことを新聞紙上で言われておるのでありますけれども、この問題につきましては防衛庁といたしましても、国防の責任を持っておる立場から非常に大きな関連があると思うのであります。この安保条約改訂問題については、防衛庁としては相当研究されておられるのか、あるいはまた改訂をするとすれば、防衛庁はどういう点を希望されようとしておられるのか、そういう点についてまず基本になる根本問題からお聞かせ願いたいと思います。
○左藤国務大臣 条約締結当時とは相当日時もたっておりますし、当時は自衛隊もございませんでしたし、国連にも加入しておりませんでした。いろいろな状況の変化に応じまして条約改訂の機運の動いておりますことは承知しておりますが、藤山外務大臣はもうじき帰って参りますが、いろいろ米側と折衝せられた空気も伺い、今後外務大臣とマッカーサー大使との間にこの問題が進められてきますにつきましては、私どもとしましても十分実情に適し、わが国の将来の安全に寄与し得るように協力をいたしたい。部内におきましてはいろいろ検討いたしておりますが、相手のあることでもあり、非常に微妙な際でもありますので、その内容等につきましては御遠慮申し上げたいと思います。
○前田(正)委員 それでは一つ大いに御研究を願いたいと思いますけれども、私が見ましたところでは、締結当時からなるほど相当情勢は変っておると思いますけれども、昨年岸首相が渡米せられましてこの安保条約改訂問題について話し合いをせられましてその当時はこれをよく検討しようということで、日米合同委員会を設けるということになったように思うのでありますが、その昨年の日米合同委員会を設けられた当時と、現在の防衛庁の態勢、日本の防衛態勢はあまり変っていないのではないか。昨年の岸首相の行かれたときは、よく検討して、お互いに話し合っていこう、こういうふうに言われ、ことし藤山さんが行かれたら、条約の改正が具体的に進むというような、そういうふうな急速な変化というものはあまりないように思うのでありまして、この問題についてはどちらの考え方が正しいのか、これは政府としても一つよくお考え願って、そして慎重におやり願わないといけない問題じゃないか、私はそういうふうに考えておるのでありますが、政府が研究中でありますならば、その問題は次の機会に、また関係の藤山外務大臣等においで願いまして質問させていただくことにいたします。 次にこの日本の防衛という問題は、現在の段階におきましては日本の防衛努力というものはある程度実現を見て参りまして、いわゆる三カ年計画も三年目に入るわけでありますが、そのほか日本におりましたアメリカ軍の陸上部隊も実力部隊はほとんど撤退をする、こういうふうな段階に変ってきておるように思うのであります。そこで国情に応じた防衛力の充実というものは、わが国の基本的な政策といたしまして推進せられて参っておりますけれども、また事実ある程度の実績は上げておると思うのでありますが、問題はその防衛力というものを有機的に、また効率的に活用しなければ役に立たないのじゃないかと思います。ところが肝心のそれを活用しますところの防衛庁というものは、いまだに総理府の外局の庁である。こういうふうなことでは多額の国費を使っていながら、外局の庁の長官としての権限しか持っていない。予算執行権の問題一つにいたしましても、あるいは省令の問題にいたしましても、あるいはそういうふうな運用の問題だけでなしに、防衛庁自身に多数の自衛隊員がおるわけでありますが、この人たちの士気に関しましても、こういうふうな相当防衛努力というものが積み重なってきた現状におきまして、単に総理府の外局であるというふうな権限だけでは、この肝心の防衛力というものが有効に、また効率的に活用されないのではないか、こう思うのであります。そういう意味におきまして、われわれの方はこの際防衛庁というものは省に昇格すべきものであるというふうに考えておるわけでありますが、防衛庁の方においてもこの際省に昇格いたしたいというふうなことが新聞に出ておったのでありますけれども、どういうふうな考えでおられるか、また省に昇格されるとするならば、どういうふうな理由で昇格したいと思っておられるのか、長官の所信を一つ聞きたいと思います。
○左藤国務大臣 防衛庁の省昇格についてのお尋ねでございまするが、昨年の岸・アイゼンハワーの日米新協力体制に関する共同声明以来、今お話のように米軍は大規模な撤退をいたしまして自衛隊は従来の教育訓練の段階から、わが国防衛の責任を漸次名実ともに継承をしておりますので、自衛隊の育成、維持及び管理の責任はますます重要となっております。自衛隊は直接及び間接の侵略に対して、わが国を防衛するという重大な任務を有し、かつ防衛庁の人員は約二十四万三千人、ほかに外局であります調達庁の職員が三千百三十七人、自衛隊関係予算は今年度におきまして千二百億円に上っております。ところが防衛庁は現在総理府の一外局でございますので、たとえば法律または政令の制定についての閣議請議権や省令制定権等を持っておりません。また財政法、会計法、国有財産法、物品管理法等のいわゆる各省各庁の庁でもございません。従って前述のごとき膨大な予算の要求及び執行、巨額に上る国有財産及び物品の管理等に関しまして各省各庁の庁としての権限と責任とを持っておりません。このような実質を有する自衛隊の育成及び維持、管理の責任を有する防衛庁長官が、先ほど申しましたような権限と責任とを持っていないことは不合理だと思うのであります。もし防衛庁が省に昇格することになりますると、従来総理府本府で行なってきました事務の段階が省略されることになりますので、行政事務の非常な能率化が達成されると思います。また従来防衛庁が総理府の一外局であるということは、何となく過渡的、暫定的組織という感じでありますので、これを本格的、恒久的組織にいたしますことは、先ほどお話のように自衛隊の士気の高揚にも寄与するところが大きいと思います。かような意味におきまして私どもは省に昇格を希望いたしておるのでございます。
○前田(正)委員 ただいまのお話を伺いましても、私たちは国費の合理的な活用という点からいっても、当然昇格しなければならぬと思うのでありますが、一部に憲法の立場から省は早いというようなことを言うておる人もおるようでありますが、私は憲法におきましても、固有の自衛権というものは何らこれについて文句はないと思いますので、当然われわれは固有の自衛権という立場から、この省に昇格ということは早急に実現して、もっと能率的に、効率的に、合理的に運用さるべきものであると考えておるような次第であります。 次に基本的な問題でもう一点お伺いしたいと思いますことは、防衛庁は海外から武力攻撃のみならず、先ほど来お話がありました通り間接侵略、しかもまた防衛庁の任務の中には、治安出動という任務も持っておられると思うのであります。そこで防衛庁の方針とされて、いろいろと自分の実力の拡大ということについては努力をしておられるようでありますけれども、私は同時にこの任務の一端である間接侵略、治安出動等に対するところの責任というものについても、十分な対策を御研究にならなければならぬのではないかと思うのであります。特に最近の実例を見ておりますと、わが国におきましては、はなはだ残念ながらわが国の憲法が認めておりますところの民主主義の原則に反するような行動が、随時見受けられるのであります。すなわち私たちは法律につきましては、もちろんこれに賛成、反対もありますし、またこれを改正するということは自由でありますけれども、その法律の施行につきましては、幾ら私たちが反対でありましても、これは民主主義の原則からいきまして、私たちはこれに従っていかなければならぬ、それを尊重していかなければならぬと思うのであります。ところが最近の勤評問題一つを見ましても、法律的にきめられたものを実力をもって排撃をするというようなことは、私たちの議会制度を否認しようという彼らの暴力的な実力的な行動であります。こういうようなことは、私たちはこのわが国の憲法を守り、わが国の民主主義を守るためには当然排撃しなければならぬと思うのであります。しかも最近の新聞等には、警官の暴力というようなことが出ておりますけれども、新聞記者に暴力を加えることはまことに遺憾なことでありますが、しかしこの法律に対しましての集団的な暴力というものは、全国各地で多数見られる事例でありまして、特に全学連等は全国的な行動を展開しようとしておるのであります。現在われわれが見ておりますと、警察の実力だけでは十分に防いでおるようには見えないのであります。しかもこれが大規模に全国的にかくのごとき法律無視、議会制度無視のような集団暴力的な行動が行われるということになりましたならば、これは当然防衛庁の任務であるところの治安出動、間接侵略に関係する問題でありまして、これは現在私たち日本の当面しておる重大なる段階であると考えておるのであります。従いまして防衛庁のこの重大な任務から見ましてかくのごとき集団暴力によって法律を無視しよう、その実施を無視しよう、こういうような行動が行われようとし、しかも現在の警察力では不十分であるというようなときには、十分にこの防衛庁の任務でもってこれらの責任を果すように努力をしてもらわなければならぬと思うのであります。どうかそういう意味におきまして現在この治安出動だとか間接侵略に対抗する任務とか、こういうことに対して長官はいかにまかされた任務を果していこうとして、防衛庁の内部というものについて努力をしておられるか、その点についてお聞かせ願いたいと思うのであります。
○左藤国務大臣 法の定めるところによって治安出動が命ぜられますれば、これに対処し得るように努力はいたしておりますが、さような事態の起らないことを、民主主義のために、私ども心から念願をいたすものでございます。
○前田(正)委員 私たちも、民主主義の原則からいいまして、そういう事態が起らぬことを期待しておるのでありますけれども、現実にそういうことが行われておるということは、われわれははなはだ遺憾に思っておるのでありまして、そういった点について十分に一つ御努力を願いたいと思うのであります。 次に私はお伺いしたいと思いますことは、これは最近の事例の問題でありますけれども、過般エリコンが日本に持ち込まれるに際しまして、それを阻止するというようなことが行われた。これは大体港湾の運送につきましては、港湾運送というものに対する当然の法律によりましての権限を持った営業者がおるわけでありまして、それの営業妨害であると思うのでありますが、それ以外に、私は特にこの際お聞きしたいと思っておることは、このエリコンの研究をするということは、これまた先ほど申しましたように、私たちの国会におきまして、予算を承認しておるのであります。もちろんそれにつきましては反対の方もおられました。おられましたけれども、すでに国家の意思というものは、議会制度を通じて、国会においてエリコンの研究というものは承認をされておることであります。国会の意思で承認されたものに対しまして、それを実力をもって妨害するというようなことは、これまた先ほど申しました通りの、いわゆる集団暴力行為の一つであると私は思うのであります。こういうようなことに対しまして、防衛庁の諸君がただ単に逃げ回って、そうしてなるべく隠れてやろうというふうなことで、新聞その他でおもしろく書き立てておるようでありますけれども、こういうふうなことは防衛庁としては、国会がその研究をするという予算を承認しておることでありますから、堂々とやってもらわなければならぬ、こう私は思うのであります。そういう点について今後の研究についてもこういう問題にわずらわされることなく、大いにミサイルの研究をやっていただきたいと思うのであります。そこで一つ長官にお聞きしたいと思うことは、このミサイルの研究については、わが国においては御承知の通り、核のミサイルの問題はやらない、また持ち込みを禁止するという政府の方針でありまして、このエリコンは、構造上からいいましても核がつけられないのであります。ところが反対している諸君は、このエリコンを持ち込めば、核兵器を将来行うのじゃないかというふうなことから反対をされる。しかし防衛庁の諸君が現場に行って説明されたらそれがわかった、こういうことで、荷揚げに協力していただいた、こういうふうにわれわれは承知しておるのでありますけれども、そういうようなことにつきましては防衛庁においては、十分に今までもたびたび宣伝をしており、そういうことを関係者の諸君、あるいはまた国民全般に対して十分に説明が行き渡っておると私は思うのでありますけれども、しかし現場に行って説明しなければわからなかったというような点は、やはりこれは防衛庁の国民に対する理解というものが不十分であったのじゃないかと思うのであります。こういう点について、今後防衛庁も十分な努力を払っていただきたいと思っておるのであります。こういう宣伝、広報に対して、長官はどういうふうにお考えになっておるか、お聞かせ願いたいと思うのであります。
○左藤国務大臣 私ども防衛のことについては全くのしろうとでございますが、文官優位と申しますか、国民の自衛隊——国会を代表いたしまして防衛庁長官を拝命いたしましたのでありますが、行ってみまして一番感じますことは、今お話のように非常に広報活動がおくれておるというか、下手であるというか、今度エリコンなんかで見られますように、いつも後手に回って説明しなければならぬ、こういうことを私ども非常に残念に思うのであります。エリコンの荷揚げのときのお話もございましたが、私はこういうような機会に、少し手間をかけましても、十分御説明をし、納得をいただいて——それでも納得しようとしない方は仕方ございませんが、エリコンが決して核につながるものでないということを御説明いたす努力をいたしたわけでございまして、今後とも自衛隊が真に国民の中に溶け込んで、国民に愛されるものになりますために、辻政務次官とともに全力を尽したい。ことに国会の審議におきましても、一つ十分皆様の御鞭撻、御支援を仰ぎたい、かように存じております。
○前田(正)委員 それに関連するようなことでございますけれども、やはり最近の事例でありますが、最近原水爆禁止世界大会というものが開催されました。しかもこの諸君は日本政府に対し核武装禁止とか持ち込み禁止というふうなことを決議して持ってこられたわけであります。もっともこれは政府もそういう方針でおられるので、何ら問題ないと思うのでありますけれども、しかしこの諸君たちのやっておることは、最近私たちの聞いておるところによりますと、中共においてはソ連からミサイルをもらう、さらに人工衛星の打ち上げもやるというふうな、相当大きな長距離の、ミサイルの研究も将来やろうとしておられる、こういうふうな話もあるのであります。また極東のソ連の艦隊というものは、ソ連の艦隊の中では一番大きな艦隊でありますが、すでにそこには巡洋艦あるいは駆逐艦等による、ミサイルの発射できるものが来ておるというふうなうわさもあるのであります。こういうふうな話がありますのに、わが国が政府の方針で核武装をしないといっておりましても、私たちの国をめぐる諸国においてしかも日本を一応仮想敵国といたしまして中ソ軍事同盟というものができておって、しかもそれが現存して有効に活躍しておる諸国において、核武装をしようというふうな、あるいは現に核武装のものがあるいは、ミサイル武装のものが持ち込まれてきておるというふうな現状においては、これは世界の原水爆禁止の諸君が考えておるようなわけにはいかないのじゃないか。この諸君の言う通りやっていけば、わが国は結局核武装を持たないで、彼らが核攻撃すればいつでもお手上げをしなければならぬ、わが国はいつでもソ連、中共の奴隷国になれ、こう彼らは宣伝しておるのじゃないかと思います。そんなようなやり方であって、しかもこのうわさによりますと、この原水爆禁止世界大会には、七百万円に及ぶような金が中共から送金されてきておるというようなことも聞くのでありますけれども、こういう中共とかソビエトがそういうふうな核武装、ミサイル武装をしておる、そういう可能性のある情報というものはあるのかどうか、こういう点について一つお聞かせを願いたいと思うのであります。
○左藤国務大臣 中共及び日本の周辺にミサイル基地またはその他の核装備を行なっておるかどうかということにつきましては、いろいろ情報がございますが、私どもとしては正確にこれを確認するには至っておりません。私どもの得ておる情報の一部を申し上げますと、これは中共でございますが、八月の二日に中共の聶栄臻副総理が人民日報の紙上に「われわれは近い将来核融合反応及びジェット推進ロケット並びに宇宙征服についての最新技術を修得しなければならぬ」、かように述べておられます。また八月の十二日の日本の新聞、読売と記憶しますが、「これらの技術をあまり遠くない将来に取得できる」というふうに報道いたしております。それから八月の十八日のニューヨーク・タイムズ、ワルシャワ電報でございますが、「八月初めソ連、中共間に軍事協定が結ばれたと見られ、その中でソ連は中共に原子兵器、誘導兵器を供給することになっておる」、これは東京、読売等にも報道されております。こういうようないろいろな情報は私ども聞いておりまするが、どの程度までそれが進んでおるのか、確認する段階には至っておりません。ソ連自身がミサイル核装備を持っておることはこれは明瞭でございますが、極東方面にこれを配備しておるかどうか、おそらく固定した基地はまだ持ってないのじゃないか、しかし移動用のロケットが来ておるかどうかということ等につきましては、私どもなおいろいろ研究をしなければならぬと思うのであります。かような状態でございますので、先ほどのお話のように、日本がこれに対する防衛として核装備をするかどうかというお話でございまするが、これは世界で最初に原爆の洗礼を受けた日本として、岸内閣の根本方針といたしまして、絶対にわれわれは核装備はいたさない、また核兵器の持ち込みはこれを許さない。万一核戦争ともなりますれば、これは人類の破滅である。かようなときには私どもは安全保障条約あるいは国連の集団安全保障に待つのでございまして、私どもは核兵器を用いない通常兵器による直接、間接の侵略に対して最善を尽していく、こういう方針を動かすものではないのでございます。
○前田(正)委員 ただいまいろいろと情報をお話しになりましたが、その中におきましても、私も見たのでありますけれども、いわゆる中国の副総理の方が、人民日報というのは機関紙でありますけれども、それに核武装あるいは宇宙の研究ということになればこれは長距離誘導弾でありますけれども、そういうものまでやろうという方針をきめられておるというようなことが機関紙に出ておるということは、これは重大な問題である。単なるうわさの段階ではないと私は思うのです。中共の方針であると思うのです。それでそういうふうな方針をとってきておるのでありますから、今大臣のお話の通りわが国といたしましては核武装をしない、核兵器の持ち込みを禁止するという政府の方針であるならば、こういう原水爆の禁止の諸君などが政府にいろいろの申し入れをしているならば、わが国に申し入れをするより、こういうふうなわが国をめぐるところの国に、ソビエトとか中共とかそういう国でそういう方針をとったり立てたり、あるいは現にソビエトがそういうものを持つのを禁止するよう働いてもらうように、この原水爆の協会等の申し入れに対しては政府から反駁して、そちらに申し入れをするようにすべきではないかと私は思うのです。そういう点について政府の努力というものは足りないのではないか、単なる申し入れをそうですがといって受け付けておるのでは私はおかしいのじゃないかと思う。もっと政府としてはわが国をめぐるところの原水爆の危険性に対して現実の状況を話して、わが国をめぐるそういう情勢に対して申し入れをするように、逆にソビエト、中共に申し入れをするように話してもらうべきではないかと私は思うのです。 それで私はこの辺にいたしまして、次の機種問題について一つお話を申し上げたいと思うのでありますけれども、まず一番先に委員長にお聞きしたいと思うのであります。この機種問題につきましては私は、機種の内定の仕方だとか、あるいはまたその会議の模様だとか、いろいろな暗躍があったとか、そういったことについて決算委員会とか予算委員会等がいろいろと御調査されるのはもっともなところもあると思いますけれども、少くともその機種がいずれがいいか悪いかというようなことについては、これは内閣委員会がやるべき事項であって、きのうあたりの決算委員会の話も私は新聞で見ただけでありますけれども、どの機種がいいとかどの機種が悪いというようなことを、田中委員長初め盛んにみなやっておられるようでありますが、私はこれは決算委員会のやるべきことではなくて、内閣委員会がやるべき問題であると思うのであります。そういう点について、これは一つ内閣委員長として決算委員長の方に、この機種のいずれがいいか悪いかということについての審議の問題は、当委員会の方でやるからということをお申し入れして御善処を願いたいと思うのでありますが、一つ委員長の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○内海委員長 今度の機種問題は、たまたま決算委員会において質疑応答のさなかにこういう問題が起って、そうしてその主管事務のいかんにかかわらず、やはりそういう問題が起れば当然質疑応答されることがあり得ると思います。前田さんのおっしゃる通り、主管する委員会というものはやはり内閣委員会が防衛庁を主管しておるのでありますから、こういう問題は当然内閣委員会において取り上げるべきものと私も信じております。
○前田(正)委員 ぜひ一つ決算委員長の方にその点は申し入れをお願いいたしたいと思います。 次にこの機械の問題で、先ほどの御説明で、GM時代になりましても有人戦闘機の必要ということは、広域の防空の立場から当然であるというお話でございました。われわれもその点は必要であると思います。ところが今回の機種の決定に当っては、私もよく内容はわからぬのでございますけれども、しかしいろいろと新聞その他で聞いておるところによりますと、今までは二年越しにおもにF100、F104というものを検討しておった。しかし急にF11にきまったというふうにいわれておるのであります。二年間検討したものが急にやめられてごく短期間で検討したF11が内定されたというようにいわれていますけれども、その間の事情はどうなっておるのか、一つお聞かせ願いたいと思います。
○左藤国務大臣 先ほど私どもが検討いたしました各機種につきましての結論を申し上げたのでございますが、最初最も熱心に研究せられておった機種が内定されないで、F11F—1Fをにわかに内定した、こういうことの御質問でございますが、これについては調査団が参りましていろいろ資料を整えて参りました。これを防衛庁の内局において十分検討いたしましてその結果を今申し上げたのでありますが、その間の経緯等につきましては、実は私もいろいろ聞いておりますが、これは着任前でございますので、直接これを所管いたしました装備局長から詳細に申し上げますことが皆様の御納得をいただく道かと存じますので、小山説明員から一つお答え申し上げます。
○小山説明員 新機種の研究調査、選考の問題は二年越しの問題でございます。御指摘のように初めはF104というものが主として調査、論議されたことは事実でございます。これはもともとF86Fはノース・アメリカンと新三菱重工の共同生産をやっておりました。それからT33Aを川崎重工業とロッキードの共同生産をやっておりました。従って新三菱、川崎はもちろんでございますが、アメリカ側の会社、ノース・アメリカン、ロッキードもよく日本の事情を知っておりまして、共同生産のやり方等を知っておりまして、従って次の戦闘機を防衛庁がいろいろ考えることになるだろうということで、ロッキードがF104、ノース・アメリカンはF100をもってわが国に働きかけたというのがそもそもの初めでございます。しかも一方、米軍のそういうことについて確認といいますか、ある程度評価を得た正確な資料が、機密その他の関係上、そろって入らなかった事情もあったわけです。そこで一ぺんいろいろな機種について会社側の資料のみではいけませんので、また機種そのもののみならず、機種をめぐる支援関係、全体の防空体制ということについてもいろいろ勉強する必要がある、かつ正確な資料を入手する必要があるということで、昨年八月永盛調査団の派遣となったのであります。約一ヵ月の調査で持って帰りました資料はF1OOD、F104A、その際アメリカ側からF11F—1F、N156F、F102A、そういう資料を、これはアメリカ軍の評価を得た資料を全部そろえてもらってきまして、そのときの資料の集まり工合というものは、各五機種とも大体同じ程度のもので、実質的に信頼し得る資料に基く検討が始まったのはそのときからだというのが実情でございます。初め100と104をいろいろ幕僚幹部あるいは防衛庁内部でいじくり回したことは事実でありますが、ほんとうに足並みがそろって検討し出したということは、そこが始まりだ、こう考えていただいてけっこうであります。
○前田(正)委員 それでは同時に完全な資料がそろって調査を始めたというふうに思うのでありますが、ところが今問題になっておりますことは、そのときの調査団で調査されましたものではなくてF11F—1Fというような、これも試作でありますが、そのときの資料はあったのでありましょうけれども、今問題になっておるものは、先ほど長官もお話ありましたように、それを性能向上いたしまして、エンジンを取りかえた98J—11型というのと、それからその当時資料は出ておりませんでしたところの104—Cという、これは両方とも性能の向上型とかいうことが問題になったように思うのであります。そのときの調査団の調査というものと、今問題になっておりますところのものは、そのとき両方とも十分に資料はそろっていなくてスタートが一緒であるとは言えないのじゃないかと思いますが、どうですか、その点は。
○小山説明員 調査団が持って帰りました資料のうちで、F104につきましてはF104Aでございます。Cの資料はまだ持ってきておりません。これは会社あたりで104Aをデペロップしたものをいろいろ研究しておるということは聞いておりますが、まだこれを米軍がどういうことで研究試作し、これを採用するかという段階にはなっておりませんで、調査団が持って帰った資料は104Aそのものでございます。ただこれにつきましては、昨年の調査団が帰りましていろいろ検討しておる途中から、会社の方からこういう計画がある。—初めはCという名前はついておりませんで、まだF104フォー・ジャパンという名前でいっておりますが、いろいろこういう性能の計画があるというようなことを逐次聞きましてそのうちに米軍からも、三月ごろでございますが、この性能向上型に関する資料をもらいまして、国防会議で内定しましたときには、性能関係の部分は、そのときわかっております104Cの性能で比較してございます。F11F—1Fにつきましても、調査団が持って帰りました資料は実験機が二機ある1Fでございます。98J—11は、その後日本向きとして提案されてきたものであります。
○前田(正)委員 そこでこれはきのうも決算委員会で問題になったようでございますが、98J—11という性能向上型というのは、エンジンが変っただけで、試運転とか試験飛行はあまりやらなくてもいいようにいっておったが、一体どの程度に性能が変るのか。第一エンジン自身にどれだけの変化があるのか。J79—3と7とでは、馬力とか重量等でどれだけの変化があるのでしょうか。それからエンジンが変れば、私は飛行機の形自身も多少変るのじゃないかと思うのですけれども、さっきもちょっと長官の話では、98Jは調査団の行った当時は木型を作っておったとか、その辺ははっきりしないのですが、とにかくF11—1Fと同じ型のエンジンがそのままつくのか、もし多少型が変るということになれば、試験飛行もやらなければならぬというようなことも出てくると思うのですが、その辺がはっきりしないで、いろいろと不明な点がありますから、もう少し詳しく説明していただきたいと思う。
○小山説明員 F11F—1F、先ほど調査団が持って帰りました資料、それからわれわれが検討を重ねました資料、機種でございます。これが実験機が二機ありましていろいろ飛行性能試験が済んでおります。あといろいろな臓物、通信機とか積みました関係の試験は済んでおりません。しかし飛行試験は、米海軍の委託を受けて米空軍が規定の試験を完了しております。これのデータはもらっております。これにはエンジンはJ79—GE3というのがついております。これを98J—11、要するに性能向上型の方はエンジンをJ79—GE7というのに積みかえるわけであります。そのエンジンそのものがどの程度違うかということを、概括的なことだけ申し上げますと、推力が約六百ポンドふえて一万五千ポンドが一万五千六百ポンドになっております。重量が百二十五ポンドふえております。タービン・ケースの直径が約二インチ半ふえております。燃料の消費率が相当下っております。約二%下っております。これを前の飛行機に換装いたしますと、この飛行機の型が変るかどうか、これは全然型が変りません。F11F—1Fという二機の実験機も、これはいずれ事がきまりますと、二機ともエンジンを7の方に変えまして一緒に実験に使う、会社の方はそういう心づもりにしておるようであります。これは海軍から借りまして使う予定にしているようでありますが、現に今一機はエンジンを換装しておるようであります。これが機体構造については変りません。F11F—1FはF11F—1という艦載機の改造型で、このときには相当機体が変って、たとえば空気取り入れ口が大きくなったとか、胴体をヒョウタン型にしたとかいろいろありまして、相当変っておりますが、今回エンジンを換装するについては、機体の構造は全然変らないのであります。
○左藤国務大臣 詳細な数字はただいま責任者から答弁させたのでありますが、ただいま前田委員のお話の中に、新しいJ—7のエンジンが木型というようなことがございましたが、さようなことを申したつもりはございません。これはすでにでき上って104—1等にも積まれております。私が木型と申しましたのはN156Fが現在木型になっていると申し上げたのであります。
○前田(正)委員 そうしますと、今のお話を聞いておりますと、機体の形は変らぬというふうになりましたらば、試験飛行をあらためて完全にやる必要はない。一部はやらなければならないでしょうが、やる必要はないという先ほどの長官の御説明が大体了承されるわけでありますけれども、われわれの方は、どちらがいいかというようなことについては、先ほどの長官の御説明で、全天候あるいは多目的というふうな点から、防衛庁としては98J—11型にきめられたという大体の御方針は了承できると思うのでありますが、ただ問題は、この内定をしたという、内定という意味はどういう意味であるか、私にはどうにもわからない。内定をするということは、実質的に防衛生産その他の仕事を進めていくということであって、それでは将来適当なときには変更する可能性もあるものかどうか、その辺は防衛庁で内定を進めて実質的に防衛生産の準備を進めていってそれで決定のときに変更をしてもいいものかどうか、その辺の考え方はどういう意味であるか、一つお知らせ願いたい。
○左藤国務大臣 四月の国防会議で、今後の諸計画を進行せしむる諸条件を整備するために内定をいたしたのでございます。その意味についてお尋ねでございますが、新機種を国産化いたしますためには、国産を担当すべき機体会社と先方の会社との間に具体的な生産のスケジュールの打ち合せが行われ、信頼のできる価格の見積りが作成せられ、かつ米国内で行われるべき作業を日本側で行われるべき作業の分野についても、やはり詳細な計画が立てられることが必要でございます。これらのものを基礎にして、国防会議において米側に具体的な援助の申し入れができるのでありまして、かつわが方の予算計画も見通しがつくわけでございます。四月の国防会議当時、グラマン社のF11についてはかかる具体的計画がございません。防衛庁がグラマン社と討議して得たきわめて大よその生産スケジュール及び価格の推定があったにすぎません。従って機種を内定することによりまして国産担当会社を指定し、これが所要の資料を先方会社との間において作成せしめて、その結果を見て国産化に関する正確な見通しを立て、技術的にも予算的にもこれでもう実行可能ということが考えられまするならば、そこで初めてもう一度国防会議を開いて、正式に決定をしよう、これが内定の意味であったと私どもは解釈しております。かかる具体的な計画案の作成は、先方の会社としても相当の人員を要し、かつ社内における機密の資料を日本側会社との間で討議して初めて可能となるものであり、かつ工場への立ち入り等につきましても、米軍の許可の関係もありますので、機種の内定という意思決定なしには事実上は作業が不可能である、こういうことで内定をいたしまして先ほど申しましたような諸作業をいたした次第でございます。
○前田(正)委員 長官から詳細な説明がありましたので、質問は大体この辺で終りたいと思いますが、ただ最後に一つ、廣岡事務局長が来ておられると思うのでありますが、新聞によりますと、さらに内閣で機種の委員会を設けるというふうなことが書いてあるのですが、一体この機種委員会というものは国防会議の下部組織としての委員会なのか、防衛庁長官が入らないとか入るとかいうようなうわさもあるのでありますけれども、その防衛庁が機種委員会に参画しないのかどうか。これは国防会議の下部組織としてのものなら、当然国防会議の議員であるし、また幹事である防衛庁が入らなければならぬと思うのですが、一体この機種委員会というものの性格とか構想とかはどういうものであるか、一つお聞かせ願いたいと思います。
○廣岡説明員 新聞に伝えられております機種選定委員会というものにつきましては、私どもは承知をいたしておりません。私といたしましてはこの機種選定ということは、国会において十分御審議をしていただくという必要はあると思いますけれども、これを決定するという点につきましては、あくまでも国防会議の線においてこれが決定さるべき筋のものであるというように考えておるわけであります。いろいろ新聞紙上にそういう問題が出ておりますけれども、私のただいま承知いたしております限りにおきましては、これをどういうふうな取り計らいにするかどうかということにつきましては、私の方にも連絡がございませんし、まだきまっていない問題であると考えております。
○前田(正)委員 それははなはだおかしな話でありまして、この国防会議の事務局長も知らぬ、そんな機種選定委員会というものが大体存在するものかどうか疑いたくなるのです。大体これは当然防衛庁の責任でありますから、防衛庁がその機種を選定してそれを国防会議にかけていくというのが現在われわれ国会が政府に与えた、行政府に与えた権限だと思うのですが、その権限外のような変な機種選定委員会ができる。それは国防会議の下にできるのかと思っておったら、国防会議の事務局長が知らない、そういうあいまいなものが成り立つはずはないと思うのであります。そういうものを作るということについては左藤長官もお話を伺っておられると思うのですが、どういうふうなものを作ろうとしておられるのか。あるいはまた長官はそういうものに対して賛成なのか反対なのか、その辺を明らかに大臣からお聞かせ願いたいと思います。
○左藤国務大臣 私自身がさような委員会を作るということについての相談を受けたとか、あるいはそれに対する賛否を表明したとかいうことはございません。たまたま私が党に参っておりますときに、党の幹部、たしか官房長官も、田中決算委員長もお見えになっておったと思うのでありますが、いろいろ世上で論議をされているから、防衛庁としては、特に104CとF11F—1Fと同じ基礎条件にして性能あるいは経費等を出しておるが、それがもう一度学識経験者によって十分に明らかにされるようにというようなお話がございまして、それをどういうふうにするかということについて、国防会議の議長である総理の心がまえも御参考として、官房長官がそういうような学識経験者の意見を聞かれたらどうだろうというようなお話がございました。それは官房長官がそういうような話をされるのを私は横で聞いておっただけでありまして、これが決定したわけでも、あるいは官房長官がそれを承知されたわけでもないのでございまして、その後こうして国会でこれをお取り上げになりましたので、私は国会において事態を十分御鮮明いただきまして国防会議で御決定になるものと、かように存じております。
○前田(正)委員 大臣もその話を聞いていないというようなことでは、これはまことにどうもけげんな話で、先ほども申しました通り、われわれ国会側として国の行政府に与えている権限というものは、こういうものの決定は、どういう機種がいいかどうかということをきめるのは、防衛庁の長官が一応のきめる権利を持っておる。それをさらに国防会議という法律で与えられた権限の会議にかける、こういうふうに私はなっておると思うのでありますが、防衛庁の長官が自分で方針をきめるときに、学識経験者から話を聞くという話ならまだわれわれもわかるのですが、今のお話を聞くと、国防会議の事務局も知らない、大臣も知らないというと、その機種選定委員会というものは、民間の、権限のないものが勝手に意見を述べ合うというものになってしまうのではないか。そういう話が起るということもおかしいと思うのでありまして、私はやはりこれは行政府としては、国会から権限を与えられた責任者が順を追うてきめていくという国の行政の筋というものをはっきりしてもらわなければならぬと考えております。この点については長官もその方針でお進み願いたいと思っておるわけであります。 私の質問はこれで終りたいと思います。
○内海委員長 石橋君。
○石橋(政)委員 今前田君からお話が出ましたので、私茜ケ久保さんにかわって質問を続けたいと思います。この機種選定についていろいろ疑惑があることは、決算委員会等でも従来において相当質疑も行われておるわけですが、今後は本委員会において徹底的に行われるものと考えております。従って私もこういった問題については後日に譲りたいと思うのですけれども、さしあたっての問題なんです。こういうふうに大きな疑惑に包まれている問題を、何とか国民に納得のいくように説明する義務が政府にある。どういう手段をとるべきかということの一つの方法として、官房長官を主宰者としていわゆる内閣に機種選定委員会というものを作ろう、そうしてあらゆる方面の意見を虚心たんかいに聞こう、そういう空気が出てきたということは、私はまことにけっこうだと思っております。ところが今の質疑応答を聞いておりますと、その線がぼけてきておるのですが、防衛庁長官はそういうものを作ることは聞いたこともないと言う。それについて賛成か反対かという意思表示をしたこともないと言う。きょうの新聞報道によりますと、昨日の参議院の内閣委員会においては、反対のような意思表示をしておるように思うのですが、その点最初に、一体そういうものが内閣の中にできるということについて長官は賛成なのか反対なのか、一つはっきりここで表明していただきたい。
○左藤国務大臣 私はそういうような委員会がいよいよできるということがきまったということは、全然聞いておりません、昨日は、もしそういうような委員会ができるようなことになるならば、お前はどういう態度をとるかという御質問でございましたので、法律によりましてそういうような委員会ができることに対しましては私は反対でございます、また閣議で申し合せましてそういう審議会的なものを作りますことにつきましても、閣議でもし諮られましたら私は反対の意思を表明いたします、かように申し上げたのでございます。
○石橋(政)委員 非常に重大だと思います。私は、防衛庁もそういう疑惑を解くために一つ努力をしようという誠意を見せておるのではないか、その現われが、やはり内閣にそういう委員会を作ってこの際十分に各方面の意見を聞いて、従来の内定というものにとらわれない方向で行こうというふうに決意したもの、そういうふうに了解しておったわけです。ところがただいまの長官のお話によりますと反対だと言う。これはおかしいと思う。もともとこの機種選定委員会というものが出てきたのは、自民党の幹事長から官房長官に話が出ておる。この点は九月九日の決算委員会に証人として出頭いたしております川島幹事長がはっきり言っておる。知っておられると思いますけれども、あなたは知らぬと今言いましたから、速記録について川島幹事長がどういうことを党を代表して述べておるか、しかも証人としてどういうことを言っているか一応お知らせいたしましょう。「この問題は防衛庁だけでなしに、防衛庁以外でも一応検討する必要がある、こう考えまして、内閣において適当な人間を選んで調査の委員会を開いてくれないか、こういうことを申し込んであります。そういう点について赤城官房長官と話し合いました。」またこうも言っております。「防衛庁だけで研究した結果、疑惑を持たれたのでありますからして、防衛庁の影響力のない委員会を作る必要があるのでありまして、それには防衛庁と離れて内閣に、赤城官房長官を主催にして、適当な民間の人を集めて研究してもらう、こういうことが趣意であります。言いかえれば、防衛庁がやった今までの措置に対しまして、疑惑を一掃するために防衛庁以外の人が必要だ、こう考えたわけであります。」それからもう一つ、「私の官房長官に要求したことは、今申し上げたように、防衛庁の影響力のない委員会を作ってもらいたいということでありまして、委員会のメンバー、構成、審議の内容等については、私は何も注文しておりません。それは官房長官が適当に処置することと思っております。」証人として喚問された自民党幹事長の川島さんが、はっきりこういうことを言っておる。これについてあなたは知らない、しかもそれには反対だと今おっしゃっておるが、いつから反対に変ったのですか。あなたは同じ決算委員会で賛成だと言っておるじゃありませんか。お忘れになったのでしょう。それを読んであげましょう。九月十六日の決算委員会、これもあなたは証人として呼ばれているのですよ。今さら反対なんと言うと、偽証の問題も出てくるのではないかと私は思う。「左藤証人 事務的にいろいろ勉強いたしておるのでございまして、政治的の責任と総理はおっしゃったが、私どもはいろいろな御意見を十分入れて、しかも官房長官のもとで検討をする機関もできますので、虚心たんかいにそういう情勢を見たいと思います。」従来はあなたは賛成と言っている。虚心たんかいにそういう意見も聞くと言っている。それをきのうきょうになって反対だと言うことは食言でもあり、委員会において証人としてあなたが言ったことについて偽証を問われることになると思うのですが、どうなんですか。
○左藤国務大臣 私その証言で申しましたのは、できるだけ事態を鮮明にいたしたい、ただいまこうして国会で御審議をいただいているのでございますが、官房長官が国防会議の議長である総理の心がまえを作るための御参考に学識経験者の意見を聞かれることは、これは私は反対いたす者ではございません。しかし内閣に法律による委員会をお作りになる、あるいは閣議の申し合せによる審議会をお作りになるということに対しましては私は賛成いたしかねる、こういうことを昨日申したのでございます。
○石橋(政)委員 おかしいじゃありませんか。どういう形でできるか知りませんよ。しかし少くとも疑惑を解くために官房長官を主宰者として機種選定委員会を作るということは話が行われておる。そうですね。それについてあなたが官房長官のもとで検討する機関もできますのでと言っておるのに、今そういうものができるかできぬか知らぬと答えておるじゃありませんか。今言っておることと前言っておることと違う。このときは賛成だと言って今は反対だと言っている。しかもそういう話は全然聞かなかったと言っているが、聞いたことを前提としての発言をなさっているじゃありませんか。おかしいじゃありませんか。
○左藤国務大臣 いずれの場合も仮定のことでございまして私は官房長官がお世話をなさって非公式に学識経験者の意見を国防会議の議長の御参考のためにごあっせんになることにつきましては、これは事態を明らかにすることでございますので、反対ではございません。しかし私ども防衛庁というものがあり、私どもが国防会議に責任を持っていろいろ資料を出しました。これをさらに別の法制による委員会をお作りになるとか、あるいは閣議の申し合せによって正式な審議会をお作りになるということは、私は賛成いたしかねる、こういうふうに区別して申し上げておるのでございます。
○石橋(政)委員 それではこの間九月の十六日にあなたが決算委員会へ証人として出頭されたときに、「官房長官のもとで検討する機関もできますので」と言っております。これはどういう機関ですか。
○左藤国務大臣 いずれも仮定の問題でございますが、官房長官がもし先ほど申しましたように、国防会議の議長である総理の判断の資料にするために、学識経験者をお集めになっていろいろ意見をお聞きになるということでございますれば、私はこれに反対をいたしません。しかし正式の法律によって委員会をお作りになる、あるいは閣議の申し合せによって審議会をお作りになるということには私は賛成いたしかねる、こういうふうに区別して申しておるつもりでございます。
○石橋(政)委員 私は少くとも権威のある機関を官房長官主宰のもとに作ろうということになれば、これはおそらく閣議に諮るだろうと思う。そうではないのですか。勝手に官房長官がそういうものを作るのですか。あなたはそういう前提のもとにそれに賛成されたのですか。
○左藤国務大臣 総理の国防会議の議長の判断の資料として、私ども出しておりますいろいろな資料について学識経験者に意見をお聞きになるというような、ごく私的なものだというふうに私は解釈しております。
○石橋(政)委員 そういうことになりますと、幾分われわれが好意的に、防衛庁も政府も大いに反省してあなた方は特に虚心たんかいにそういうものを聞くと、こういうふうにまで言っておるから、少しは反省しておるのかと思ったらそうじゃないのですね。私はこの点をさらに明らかにする必要があると思いますから、今のように自民党の幹事長とそれから官房長官、あなたの言っておることが支離滅裂のようでありますから、意見をはっきりと統一さしてもらって明確にしてもらう、機種選定委員会というものを置くのか置かぬのか、そういうことについてはっきりしてもらう必要がありますから、官房長官の出席を求めます。そうしてあとで質問を続けます。
○高瀬委員 ただいまの前田委員の質問に関連しまして私ちょっと意見がございますし、防衛庁長官にも所見をただしておきたいと思うのでございますが、私自身の考えとしては、いわゆる国防の大本というものは総理が議長である国防会議のもとで、政府の全責任と独自の見解をもって私はきめる建前になっておると思うのでございます。従ってその際にいかなる機種を選定するかという判断の材料になるいろいろなものは、防衛庁長官の全責任において国防会議に提出されるのが当然の理でございます。従っていかなる機種を選定するか、これを国防会議に出す場合に、防衛庁長官は防衛庁におけるあらゆる機関を動員いたしましてその機関の正当なる判断による材料によって、国防会議に機種の選定の方策を提出するのが当然であります。従っていかなる機種を選ぶかというその選定を事務的に考慮する場合に、いろいろな民間の人の意見を聞くか聞かぬかということは、これは防衛庁の責任者のやることであっていわゆる国防会議の下請会社みたいな—いかなる理由によっても、法律によっても閣議によっても、機種選定委員会を新たに防衛庁の事務的権限と切り離して設けるということについては、われわれは徹底的に反対であり、防衛庁長官もその点については同じ御意見であることはただいま伺いましたので非常に安心いたしましたが、とにかくこの機種選定委員会のごときものは無用の長物であって川島幹事長が個人の意見として述べられたことは、ただいま石橋君の速記録読み上げによって明らかでございましょうが、これは党の総務会においてもかくのごとき委員会を設けるという何らの話し合いもございませんし、党議の決定もございません。従ってこの機種選定委員会のごときは、われわれはもし党議に諮られ、総務会に諮られれば断固反対するつもりでおりますから、どうか防衛庁長官におかれましてもかくのごとき泡沫的な委員会などという名前のついたものは全然排除され、あくまで防衛庁のいわゆるスタッフの権限による機種選定に邁進されんことを私は切望いたします。この点について防衛庁長官の確固たる御意見をこの際伺っておきたいと思います。
○左藤国務大臣 先ほど申し上げましたように私どもの責任において資料をお出しいたしまして、最後の決定は国防会議でお願いするのでありますが、もし内閣に法律による、あるいは閣議の申し合せによる、—むろん党の御了解も必要かと思いますが、そういうような正式の委員会をお作りのお話がございましたら、私はこれには賛成いたしかねます。
○高瀬委員 実は決算委員会の論議をめぐりまして、新しい機種選定に際しまして防衛庁初め政府与党の間にいかにも不正でもあったがごとき印象を非常に与えたのでございます。従って決算委員会のなすべきことは、すべての国の経費が支出された後の、正当に支出されたかあるいは不当に支出されたかを審査するのが根本的な問題でございまして事前に予算が消費される際にそれが不正に支出されることを防止するために、事前審査をやるというようなことを社会党の委員が言われておるようでありますが、これは実に詭弁もはなはだしい。政府側におかれましてもかくのごときことをもし受け入れるとすれば、あたかもわが岸内閣において不正があったがごとき感じを世間に与えるのでございます。ですから、私どもはこういう考え方には断固反対いたしておりますから、政府側におかれましてもそういう点を十分お考えの上、善処されんことを要望すると同時に、いろいろ政府委員の答弁の中に、それは国防の秘密に関することもございますから、委員の質問に明快に全部答えるわけにはなかなかいかないのであります。そういう際に、お前ははっきりと委員の質問に答えないから偽証罪で訴えるの、あるいはお前は低能だなどと言われたのでは、とうてい委員会の運営は完全にできない、また委員会の権威を保持することはできないのでございますから、防衛庁長官におかれましてもあるいは防衛庁の政府委員におかれましても、かくのごとき点を十分に御考慮の上、断固所信をもっていわゆる機種選定の正当なることを主張され、またあいまいもこたる質疑に対しては答えないでよかろう、私はそう思いますから、その点も一応私の所見として防衛庁当局に申し添えておく次第であります。
○左藤国務大臣 ただいまお話がございましたが、私どもはできるだけ国民に御納得をいただいてこの問題を解決したいと思います。先ほど石橋委員からもお話がございましたが、謙虚にいろいろな声を聞きたいと思いますが、それにはこうした国会がございますので、特に所管の内閣委員会におきまして明らかにしていただければ私どもとしては一番けっこうでございましてそれ以外に法律による委員会というようなものには私は賛成いたしかねる、かように申しておるのでございます。ただ米軍のいろいろ秘密の関係につきましては申し上げられぬこともございましょう。私どもの検討いたしました許し得る材料につきましては、十分御説明を申し上げるように努力いたしたいと思います。
○内海委員長 速記を止めて。 〔速記中止〕
○内海委員長 速記を始めて。 懇談の結果、いろいろな御意見もありますが、受田理事の御要求によって休憩して理事会において決定したいと思います。 暫時休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕