P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
29回国会衆議院1958/07/31

内閣委員会 第7号

発言数
58
登壇者
7
会派数
2
開催日
1958/07/31

会議録

内海安吉自由民主党

○内海委員長 これより会議を開きます。まず国家公務員法第二十八条及び一双職の職員の給与に関する法律第二条の規定に基き、一般職の職員の給与についての報告並びにその改訂についての勧告等に関し、人事院総裁よりその説明を聴取することにいたします。浅井人事院総裁。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 人事院は、本月十六日に国家公務員法第二十八条及び一般職の給与法第二条の規定に基きまして、国会及び内閣に対し、一般職の職員の給与について報告を申し上げ、あわせてその改訂について勧告をいたしましたが、その内容の概略を申し上げ、なお詳細は御質疑等に応じて御答弁を申し上げることにいたしたいと思います。  第一に、本年の三月におきまする公務員の給与水準は、一万九千三百九十円となっておりまして、過去一カ年における昇給等により、約四%程度の上昇を見せております。一方、本院の調査によりますれば、民間の給与水準も、同期間においては約四%程度の上昇を示しておりまするので、官民の間の給与水準の上昇率そのものはほぼ同程度であったということができるのでございます。しかしながら官民の間には職員構成や移動率に差異がございまするので、官民の給与の較差をより的確に把握いたしまするために、本院は職種別に民間給与の実態調査を行なったのでございまするが、その結果によりますれば、公務員の給与は民間のそれをおおむね四%程度下回っていることが認められておりましたので、これを御報告の中に書いた次第でございます。  しかしながら民間の初任給は最近かなりの上昇を見せておりまして、上述の実態調査によりますと、五十人以上の全事業場の事務、技術の平均を見ましても、学歴別に相違はあるものの、総じて公務員の初任給は民間のそれを相当下回っておりまして、学歴別に見ますれば大学卒、職種別に見ますれば医師及び研究員の初任給においてその差の著しいことが認められましたので、公務員の初任給におきまして大学卒にありましては一千円、短大卒及び高校卒にありましては四百円をそれぞれ増額することといたしまして、特に医師及び研究員につきましては大学卒の初任給の増加額を千二百円といたしたのでございます。なお初任給の引き上げに伴い、在職者の給与の調整をはかる必要がございますので、各俸給表につきましてそれぞれ関連する号俸の額に調整措置を講ずることといたしました。その結果ほぼ一万七千三百円以下の号俸を受ける者は若干の給与改善の利益を受けることとなり、これらのものの合計は各俸給表適用者総数の約六〇%程度に達することとなるのでございます。  次に、これら初任給の引き上げ及びこれに伴う在職者の給与の調整措置との均衡を考慮いたしまして、各俸給表の十二カ月昇給期間に続く十五カ月以上の昇給期間部分のうち、二号俸につきましては昇給期間を一律に三カ月ずつ短縮することといたしました。次に、行政(一)、教育(一)、医療、研究の各俸給表の最高号俸につきましては、本年四月特別職の最高給与額の改訂が行われましたので、これとの権衡を考慮いたしまして所要の調整措置を講ずることといたしました。  次に、上述の民間給与実態調査によりますれば、昭和三十二年度における民間の特別給は二・八七カ月分が支払われておりましてこれに対しまして公務員の特別給の合計額は二・五五カ月分となっておりますので、これとの権衡を考慮いたしまして〇・二五カ月分を増額することを適当と考えたのでございます。以上が勧告の概要でございます。  次に、今月三十日に内閣総理大臣に対しまして寒冷地手当の勧告をいたしたのでございますが、これにつきましても一言つけ加えさせていただきたいと思うのであります。寒冷地手当の支給地域につきましては、昭和二十八年八月の勧告以降、原則としてその区分を改正しない方針で参ったのでございますが、その後の調査の結果、若干の地域につきまして特に改訂の必要を認め、今回勧告を行うことになったのでございます。この勧告によりまして、非支給地から一級地へ持って参りましたものが六カ所、一級地から二級地へ持って参りましたものが二十一カ所、二級地から三級地へ持って参りましたのが三十一カ所、三級地から四級地へ持って参りましたのが五十カ所、四級地から五級地へ持って参りましたのが百十八カ所、合計二百二十六カ所につきまして区分の改訂をいたした次第でございます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 質疑の通告もございますが、ちょうど防衛庁長官初め防衛庁の当局並びに調達庁の長官、総理府の総務長官、この人々はもうじきにお見えになるそうでございますから、この間、ただいま浅井総裁の説明に対して御質問等がございましたならば、しばらくの間、この政府委員諸君の見えるまで御質問をしていただいたらけっこうだと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 人事院の今回の給与引き上げは、資料を今初めて手にしておるので、詳しく内容を調べておりませんけれども、新聞紙とそれから官公労の組合の諸君から意見を聞きますと、人事院がせっかく骨を折って相当意欲的に公務員の給与の改訂を今回行なった、こういうふうな気持とは大へん違ったような批判が行われておるわけであります。人事院が一番力を入れて、ここのところは手前みそ、ここのところは自信を持ってやった、こういうような個所が必ず二、三カ所あるだろうと思います。そういうふうな点を一つ説明していただいて、官公労が二、三反駁している点にもこたえるような格好で、給与局長あたりから詳細な説明を一つ承わりたい。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 人事院が毎年一回やります勧告は、これは全部人事院としては心を込めて勧告いたしておりますので、どこが重要とかどこが重要でないとか、さようなことはないのでございまして、全部われわれとしては十分考えて勧告をいたしておるつもりでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 浅井総裁の言い分は私はおかしいと思います。給与体系を全般見渡した場合、可もなし不可もなし、どこも力を入れないということはないと思います。たとえば全体のバランスの上に力を入れたとか、初任給に力を入れたとか、今回は体系を直すことに力を入れたとか、力の入れ方があると思うのです。その力の入れ方がどこにあったかということを聞いておるわけであります。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 それならばさいぜん御説明申した通りでございまして、今度の勧告は初任給を直し、これにあわせて相当程度の号俸の調整をいたすということ、第二には期末手当を増額したということ、この二点であろうと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうしますと、初任給というと大学卒業生の方に対して千円を上げた、これもやはり民間にならった仕組みでございますか。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 民間はもっと高いかもしれません。しかし大体この程度上げればよいという人事院の判断に基いたものでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 先ほど私ちょっと耳が遠くて聞き取れなかったけれども、民間給与よりも四%くらい低いのが公務員の給与の最大の形態である、こんなふうな説明であったと思うのですが、その通りですか。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 全体として見まして官民の差は四%であるということを報告の中に書いてございます。公務員法第二十八条によりますれば、人事院が給与の勧告をいたす義務を負っておりますのは、まあ五%以上俸給表を変える必要のあった場合とかように書いてございますので、四%という差があってもいいという意味ではございません。

石山權作日本社会党

○石山委員 統計のとり方ではいろいろなとり方があるわけでございますから、民間にならった格好で公務員の給与をきめていくということは、国民全般の経済力に相応したような格好でやっているように見えますが、実際総理府の統計あるいは大蔵省の統計あるいは人事院自身のお持ちになっておる統計などがそれぞれ食い違っているところを見ますと、在来ずっと慣行的にとってきている民間の給与の全体から割り出していく公務員の給与、こういうふうなもののやり方をそろそろ変えていくというふうな考え方はございませんか。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 統計によって数字が変ってくることは当然でございます。そこで人事院は従来からやっております人事院方式によってみずから正しいと思われる統計を作り、これを基礎としてものを言っておるわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 去年公務員の方たちが給与改訂の運動を起して、今年もそれをやっておるわけですが、それと今度の勧告との開きは一体どのくらいありますか。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 まず官公労の諸君らの主張は二千円の一律ベース・アップでございます。この基礎となっておりますところは、非常に大きな事業場を単位として、民間の給与調査をしておる、こういうところにあろうかと思います。しかし人事院といたしましては五十人以上の事業場を全部取り入れて計算することが至当であると考えておりますので、その間に相違はあろうと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 官公労の言うことは、これはいつの場合でもそうで、年金制度その他を見てもわかるのですが、給与体系の描くカーブに対して是正をしてほしい。これは公務員だけでなく、民間でもそういう声が強いわけです。働く人たちの年齢とにらみ合せて見ますと、ちょうどうんと働き手の人あるいは子弟を上級学校に通わすような年齢、そういうようなところが結局中だるみ是正を一番要求しているわけです。生活的にもお金がほしい、能力的にもお金を与えてもよろしい、こういうような年齢層が中だるみ是正を要求しているわけですが、その中だるみが今回是正されていますかどうか。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 給与は、俸給表の号俸は曲線を描きますから、それはどこかでまん中に引っ込んだところができる。われわれはただそれをできるだけ合理的なものにいたしたいと考えておるのでございまするが、今度のこの初任給の是正等も、初任給だけ上げるわけにはいきませんので、相当上の方まで号俸を増額するよりいたし方がないのでございます。そこで一万七千三百円、一万八千円以下のところまで増額をいたしておりまするから、これはある意味においては中だるみ是正の一端をなしておるかと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 私は人事院ができて以来、人事院のよさということは結局数字を大へんに信頼し、数字を尊重して、そうして外部の圧力に十分に耐えながら数字を作り上げていく、これが人事院のよさであるし、任務だというふうに考えておるわけですが、最近世間では、人事院もだいぶ変ってきた、世間なれがしてきた。政治的にも、圧力に屈するわけじゃないけれども、政治的能力といいますか感覚と申しますか、そういうようなもので全体をながめながら数字の構成を始めてきた、こういうふうに言われていますが、今度の初任給におもに力を入れてベース・アップをしたことは、可能の範囲を考えながら数字の構成をやったのではないか。つまり初任給千円というと大へんに大ワクな昇給のように見えますけれども、実際そろばんをはじいてみますと、政府で出す金は案外少いのじゃないか。これは可能の範囲ということが十分察知をされる。そういうふうな考え方で数字の構成をやつておるのでないか、こういうふうな意見が一部で、これは人事院に対する批判か、あるいは現実をさして言っているかわかりませんけれども、言われている。こういうことに対しては総裁はどういうふうに考えますか。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 外部の圧力とかなんとかそういうことは絶対ないのであります。これはいろいろ新聞等におもしろく書かれてもおりますけれども、さようなことはわれわれ全然ございません。これは人事院創立以来、時の政府が勧告の内容に干渉したという事実は私は知らないのでございます。そういうことは絶対にございません。  それから可能の範囲という仰せでございますけれども、これは人事院といたしまして考えまして、適切な範囲と認めてやったことでございますから、一律ベース・アップが適当と思えば一律ベース・アップの勧告もいたしましょうし、それが適当でないと思えば他の方法によることもありましょうし、期末手当の増額を必要と認めればこれもいたしましょうし、これはそのときそのときの人事院の判断によることでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 可能の範囲を総裁は否定されているのですが、私は当然経済問題というものは可能の範囲を考えないというのがむしろおかしいと思うのです。可能な範囲をむしろ考えた場合に特別な考慮を払えばこれは別なわけだけれども、だれしも支払いの可能を考えないで勧告やあるいは基礎数字をば見る人はないと思う。私の言うのは、人事院がより以上に可能の範囲を最近考え始めているというふうなことがいわれていることを考えてみて、今度の勧告案はそういう意味で初任給千円というふうに、大ざっぱなようにも見えながらも、結局悪い言葉で言うと羊頭を掲げて狗肉を売ったとかいうような格好のベース・アップなのではないか、そういう勧告案なのではないか、こういうふうに言いたいのでございますが、そういう点ではどういうふうにお考えでしょうか。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 御批判は御自由でございますけれども、人事院といたしましては初任給大学卒千円、これで適当だと考えております。その他財政上の可能な範囲などということを事前に政府と折衝してきめる、さようなことは全然いたしておりません。

石山權作日本社会党

○石山委員 総裁は私の言うことを誤解しているのです。私は政府と事前の了解をとりながら勧告案を作ったとは言っておらぬ。つまりそういうふうな可能を見ながら勧告案を作ったのではないか。折衝したのではないかと言っているのではない。つまり私の言うことは、公務員の給与というものは国家全体の経済のバランスの上にきめられるわけでございますから、当然可能な範囲というものを考えなければならぬわけでございます。どんなにいい数字を作られても、国家全体の経済のバランスから見たらそれは払えないというようなことがわかるとすれば、ゆがんでいてもそのゆがみをば是正することは残念ながらできない、そういうふうな国家全般の経済力の可能の範囲というものを考えてやったのではないと聞いているのであって、何も政府と支払いの可能性を論じながら勧告案を作ったというふうに言っているのではない。そういう点では今度の勧告案は日本政府が支払うには可能の範囲かどうか。日本の経済力が、あるいは日本の今の政府の持っている国家予算の範囲から見て可能な範囲と信じて勧告案を出したかと聞いているのです。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 人事院はただこの勧告が適切であると認めて出しましたので、これを財政上どう取り扱うかということは、これは国会及び内閣におまかせするよりほかいたし方がないと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 それはだいぶ私は違うと思うのです。人事院が何のために民間の数字を尊重しているか。民間の数字を尊重しているということは、日本の経済の実態というものを把握する一つの仕方として民間の数字を尊重しているわけです。ただ公務員の生活、公務員の給与体系、そういうもののみを見詰めて、たとえば数字を組んだというならば、私は可能な範囲などということを言っているのではない。少くとも私は今度の初任給のベース・アップの場合、これは可能な範囲を信じながら勧告をされた、そういうふうに思っていますが、それは私の誤まりですか。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 民間の数字を調べますることは、人事院は給与問題として取り扱っておるのでございまして、これは国家財政上この人事院勧告による支出が可能であるかどうか、これは国会及び内閣でおきめ願うより仕方がないと思う、かように申し上げておる次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 どうも私はそういう点は総裁の説明では解しかねます。どうして支払いの可能を考えないのです。そうすると人事院は作文だけ作るのに力を入れておるのですか。それだったら中だるみなんかもっと上手にやりなさいよ。あの体系を見るとどっちつかずです。こう言うと給与局長に怒られそうですが、まず理想の給与体系から見ればどっちつかずです。中だるみの是正なんかもっと思い切ってやれるはずでしょう。なぜやれないのです。やれないというところに、いわゆる現実を見詰めながら可能の範囲を考えて勧告をしたわけではないのですか。それは払えるか払えないかあなたの責任はないけれども、可能な範囲を考えないというから私は疑問が起る。可能な範囲を考えないならば、典型的な給与体系を人事院は出せばいいじゃないですか。民間に範をたれるような退職手当の体系なり年金の体系なりを人事院はやれるはずだけれども、官公労あるいは私たちからいわれておる不均衡の問題は現実的にある。中だるみが現実的にある。こういう点が現実的にありながらそれをやらないのは、それは可能の範囲を考えて勧告しておるということになりますが、もう一ぺん説明していただけませんか。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 どうも人事院の勧告についていろいろお疑いがあるようでございますけれども、人事院といたしましては給与問題としてこれが適切だと思って勧告をいたしておるのでございます。ベース・アップが適切だと思えばやりますし、適切でないと思えばやりませんし、これは人事院の判断に基くことでございます。この人事院の勧告によります財政上の措置が可能であるかどうかということは、これは予算全体の問題でございますから、それを人事院が可能か可能でないかということを言えとおっしゃっても、これはわれわれとしては言えないものだと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 おそらく何べん聞いても同じ答弁だと思いますが、私は中だるみ是正を思い切ってやれないということは、可能の範囲を考えながらやっておるという意味に思わなければならないと思います。  次にお聞きしたい点は、可能な範囲の続きでございますが、今までの慣行上、勧告したあとで財政措置に関しては人事院は何ら努力をなされないわけですか。あるいは交渉というふうなものはなされないわけでございますか。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 人事院は法律上勧告することをもって義務を果したものと考えております。この勧告をいかに取り扱いますかは、これは内閣及び国会においての問題だろうと考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 人事院が勧告をすれば、これは法律的には私はもうその通りだと思います。勧告だけで終るものだろうと思うが、しかしこれからは私はそれだけでは何だかもの足らないような気がします。しかしそういう責任を負わせるというのは、ある点は危険かもしれません。そんなことをすると、いつでも可能な範囲を考えて勧告だけするということになるかもしれませんが、やはり人事院の勧告が百パーセント実現されなければ、公務員諸君はがっかりしてしまうわけでございますし、そういう点では総裁はやはり法律的な責任云々で今まで過してきたが、これからはそういうふうな態度で人事院の区別をつけていくのかということをこの際お聞きしておきたいと思います。

浅井清人事院総裁

○浅井説明員 石山さんの御発言はまことに御同感でございます。人事院といたしましては、もちろん法律的には勧告すれば義務は果したものであると考えておりますけれども、人事院といたしまして、勧告した以上はその実現を熱望いたしておる、これは御同感でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 あしたもう一ぺん総裁や局長においでを願いまして残余の質問をいたしたいと思いますが、きょうはこれで終りといたします。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 山本正一君。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 調達庁長官は見えていますか。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 長官はどうしてもやむを得ない事情がありまして、次長、総務部長、不動産部長、三人見えております。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 占領軍による被害の補償ですが、講和発効前の被害者に対する補償の実態というものは、今調達庁の方で資料その他で明確になっておいでですか。

眞子傳次総理府事務官(調達庁次長)

○眞子説明員 お答え申し上げます、この問題は非常に調査が困難だという予想をしておったのでございますが、実態について各都道府県に照会をいたしたり、また調達庁のほこりに埋もれておる書類を引っぱり出すとか、あるいは会計検査院に問い合せて古い書類を調べるとかいたしまして大体調べがつくという見通しは立っております。現在のところ三十二都道府県から回答がございまして、個人別のカードを作成し、資料の整備をはかりつつあるところでございます。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 講和発効前の被害の実情及びそれに対する補償の実態等の調査が今進行中のようですが、それを完全に仕上げるのにはどれくらいの時間なり人なり予算なりを要するか、大体の見当はお持ちでございますか。

眞子傳次総理府事務官(調達庁次長)

○眞子説明員 ただいま申し上げましたような順序でいろいろその見込みについても検討をいたしておるのでございますが、私どもといたしましては大体六カ月くらいかかるのじゃないか、またいろいろ調査をいたしまする経費として六百万くらい要るのじゃないか、こういう見込みを立てておるところでございます。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 今はそちらでおやりになっておるようですが、これは官制上正規の担当官庁ということですか、便宜ということですか。

眞子傳次総理府事務官(調達庁次長)

○眞子説明員 これは私どもといたしましては正規の権限に基いてやっておるのでございませんで、いろいろな陳情あるいは訴えがございますので、便宜調査いたしておるという次第でございます。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 便宜にせよ、いずれにしてもそういう作業を続けておられることは、必要ではありますが、しかし実態調査が完了いたしまして、完了された調査をどのように処理するかということになりますと、いずれは正規の担当官庁というものをおきめ願わないと、あなた方もえらい御不自由であろうし、利害関係者は一そう不便を来たすのでありますが、そういう点について何か交渉なり意見の具申なりをお考えあるいはおやりになっていただいておりますでしょうか。

眞子傳次総理府事務官(調達庁次長)

○眞子説明員 お説の通りでございまして、私どもとしては、正規の権限はございませんので、ある程度までの調査の準備というような点までしかできませんから、いろいろ実際上調達庁に不満を訴えられることについて、調べができませんために苦慮いたしておるところでございます。私どもといたしましては、便宜各方面の協力を得てできるだけのことをやろうというつもりでやっておるのでございまして、どうしても大蔵省その他関係方面、ことに国会関係の方々の御協力、御支持を得まして、正規には調達庁の設置法を改正しなければできない性質のものだと存じております。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 今お話の点は、国会の私どもが伺うのもむろん必要でありますが、しかし政府部内がまず何らかの意見をまとめて御発案あるということがものの順序のように思われますので、今のお話はお話といたしまして、やはり政府部内がそれぞれのルートで一つお運びを願うという必要があろうと思います。  それからさしあたりは当面の用に応ずるための便宜ということはむろん必要でありますが、便宜にやっておるというのは、時間的にも作業の内容、量等からいいまして限界にきておると思います。これは今後すみやかに作業を進めるのには、正規の担当官庁がきまって、そしてそれぞれの機構なり予算の上にやっていただかぬと、皆さんもえらい不自由でありましょうけれども、事の利害関係者は非常に気細く、不便だろうと思います。  なお、この際ちょっと伺っておきたいのは、従来利害関係者等からの陳情もたくさんお聞きになっておると思いますが、講和発効の前のものは、補償を受けたとはいうようなものの、その手続は非常に粗略であり、受けた補償の実態も全く名目だけのものなので、均衡を保つというような道義的な意味からしても、何とか相当な考慮を加えて是正をしなければならぬ、講和条約発効の前の処置とあとの処置があまりにも均衡を失しておる、これを均衡ならしめる必要がある、そういう御認識の上に立って今の実態調査をお進めになっておるものと私は思いますけれども、念のために伺っておきたい。

眞子傳次総理府事務官(調達庁次長)

○眞子説明員 その点、これまで数回に補償されています際に、その当時としては、一応当時の物価水準等から考えて適当だということの説明になっておるわけでございますが、講和発行後における、実際法律でもって駐留軍に人身事故を与えられた者に対する補償の実態から考えてみますと、すでに私どもの内規を改正しまして、補償の額を上げておるのでございますが、占領中被害を受けた方々に対するこの補償の金額が、その当時の物価水準から振り返って考えても、はっきり安かったのだということを、明確に私はこの席で断定的なお答えを申し上げるということはどうかと思いますが、私どもはその点を十分調査してみる、その点の調査も兼ねてする必要があると思いますが、約四百件相当の訴えをいろいろ検討しますと、確かに安かったという懸念なきを得ないのでございます。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 なおこれも念のためですが、その調査の対象となるものは、すでに補償の事務処理をしたものだけでなしに、補償の事務処理が漏れておるものをも今後の調査の対象になさっておるものと思いますが、念のためこれを伺っておきます。

眞子傳次総理府事務官(調達庁次長)

○眞子説明員 支給漏れの点が事実あるようでございまして私どもの方に三十数件ほど全然支給されていない方々の申し出がございます。こういったことは関係方面の御協力を得、またPR活動等によって調査をいたしますれば、さらに支給漏れの実態が明らかになり、その数が相当出てくるのではないかというように考えております。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 よく解釈すればお答えをいただいたようにもなるのですが、要するに従来補償事務処理をしたものはむろんであるけれども、それに漏れておるものをも含めて今後調査をし処理をしたい、こういうように承わってよろしいのですね。

眞子傳次総理府事務官(調達庁次長)

○眞子説明員 その通りでございます

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 なお最後に一つだけ伺っておきたいのですが、ともかくも一応この事務処理の済んだものは、法律的には国家処置として済んでおるのですね。まあこの補償が十分であったか、不十分であったかという量の問題は別といたしまして、ともかく一応形式上は済んでおる。それをあらためて調査検討を加えて、何とか情理に徹するように、均衡を失わないように是正しようという作業でありますから、これが行政処置でやれるものか、あるいはそうでなくして、新たな何らかの立法処置を講じなければその処置ができないものであるか、いろいろこれは判断はあろうと思いますが、今あなた方のお立場から考えまして、今後の処理は行政処置でいけそうでございますか、それとも何か特別な立法処置をせねばならぬようなお見通しでございますか。

眞子傳次総理府事務官(調達庁次長)

○眞子説明員 これを立法化するか、あるいは行政処置でまかなっていくかという点については、さらに検討を要するものと考えております。予算的にはとりあえずこの調査費等の点で、行政処置で調査をさしていただきたい、こういう考えを持っておるところであります。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 先ほど申し上げました正規担当官庁の決定、それから今の作業の処置が行政処置でいけるかあるいは立法処置を講じなければならぬようなものか、この二点につきましては、どうか一つ、一そう御丹精を加えていただいて、なるべくすみやかに可能の範囲で一つ成案を得ていただきたいと希望をいたしまして、私の質問を終ります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 今の件に関連しまして、山本委員から占領中の事故に対する問題が出たのでありますが、これは補償という言葉を使っておりますが、補償でないと思うのです。補償であったなら問題がないのです。全然ひどいのは、当時暴行を加えられ、しかもその上に非常なひどい目にあって殺されている日本人が、いわゆる人間的な扱いを受けないで、それこそ動物以下の取扱いを受けた状態が多いのであります。それに対して占領下でありますから、当事者も大部分が泣き寝入り、また何か訴えて出ても、日本の政府はこれに対する何らの手も打たないということで、いい者が慰謝料とでも申しますか、つかみ銭みたいなものをもらっておる。一部の者は何も全然もらっていないということで、補償という言葉で表現するものでないと思うのです。従いまして問題は、今も残っているのは、次長は当時の物価指数からいって適当か不適当か調査するとかいっていますが、そんな答弁は無責任であって、これはどう考えてみても、当時の物価指数等を考えると正当な補償なんというものでないのです。これははっきりしている。はっきりしているから問題になっている。今さら政府の調査中だということ自身もおかしい。これは二、三回前の国会以来われわれが盛んに主張しておるところなんです。そういったことは、私は調達庁が責任担当官庁でないことはわかるけれども、一応調査するに当ってはそんなことではいかぬのです。従いまして補償ということで表現すべきものでないから、これは適当、不適当ということについては、私どもはもう絶対に適当でないと思う。これは全く日本人の人権を無視した行為であったし、それに対する事後処置としても、さらにまたそれに輪をかけたものであったということも、政府ははっきり認めなければならぬということが一つであります。  一つは、最後の山本委員の御質問の立法措置をすべきか、行政処置でやるべきかという点ですが、これは行政処置でできるなら今までできたわけです。われわれはこの委員会で何回もこの点について政府に質問し、いろいろな進言もし、追及もしたが、政府は現在の日本の持っている法律なりいろいろな処置ではできないということでやってきている。もしも行政処置でできるならば、政府は当然責任を持って処置したはずでありますが、できないところに問題があった。従ってこれは私どもも早急に立法措置をしてちゃんと救済すべきだと思う。そこで結論としては、今眞子次長の答弁があったのですが、幸い防衛庁長官が見えていますので、担当大臣として、今の占領下におけるそういった被害者に対する当時の処置があまりにも不当であったという点についての御認識、従ってそうであるならば私どもは、額は別として、被害者が一応納得いく処置をすべきであると思うが、これに対する長官の御意見、同時に、そうならばやはりすみやかに立法措置を講じて何らかの——これはわれわれとしても議員立法としてやってもいいと思うが、それに対する御意見、この三点について長官の御意見を伺いたいと思う。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 非常に長い間御心配をかけて参りました問題でございまするので、現在進んでおります調査を基礎にいたしまして十分検討いたしたいと思います。立法の問題につきましては、これもどうしてもそういうふうに持っていかなければならぬものであるか、行政措置で何らかの方法がとれないものであるか、なお検討の上で、どうしても立法措置が必要となりますれば、その方に努力いたしたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 調達庁の次長は、当時の物価指数からいって適当であったかどうかわからぬとおっしゃっているようなわけなんです。これは不誠意だと思う。どう考えても、当時のつかみ銭の金額を考えますと、これは人をばかにしたものなんです。中にはしゃくにさわって受け取っておらぬものもある。従って、やったものが適当であったかどうか、その点に対する長官の御意見をお聞きしているのですから、それをここで表明していただかなければならぬ。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 私も調達庁を担当しておりまするが、その問題は十分よく存じませんので、そういうことの実態をよく聞きまして、その上で一つ今の御趣旨のような人道的な、また公平の原則という点から、両委員の御発言の趣旨を体して善処いたしたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 防衛庁長官は自衛隊の拡充強化に御専念でありましょうが、それは別として、そういう大事な人道問題であるし、ことにアメリカとの関係もあるしするから、十二分に勉強してもらわなければならぬと思います。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 防衛庁長官には御迷惑でもありましょうけれども、明日は主として防衛庁に関する問題の質疑を行いたいと思います。  次会は明八月一日午前十時三十分より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時三十六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗