内閣委員会 第5号
- 発言数
- 108 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/07/03
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 去る六月二十五日付託になりました臨時税制調査会設置法案を議題とし、提出者より提案理由の説明を求めます。横山利秋君。
○横山利秋君 ただいま議題になりました臨時税制調査会設置法案につきまして、提案の理由を申し上げたいと思います。 税に関する国民の関心はきわめて大きい上に、かつ苦痛のきわめて強いものがございます。これらを総合して申し上げますと、私は三つに要約できるのではないかと思います。一つは税金が高いという意見であります。一つは不公平であるという意見であります。一つは税金がわからないという意見であります。この三つの意見に大体今日の国民の意見は集約されると思うわけであります。もっともそれはゆえなきにしもあらずでありまして、昭和九年から十一年までを基準年次として例を引いてみますと、国税、地方税合せて一人当り二十七円でございました。しかし今日は、三十二年度の例をもって見ますると、一人平均ほぼ一万七千円になっておるわけであります。また不公平という点を考えてみますと、御存じのように租税特別措置法によって約八百億になんなんとする税制の特別措置がなされており、加えて約六百億の滞納があるのが今日の実情であります。さればこそ、政府はもとより与野党におきましても、税制の改正につきましては積年声を大にして主張をいたしたところでありまして、さらに歴年税制改正が、国会におきましても重ねて取り上げられてきておるところであります。その税制改正の柱となっておりますのは、今日までは政府におきまして諮問機関として設けられました臨時税制調査会等の機関が、その骨格を作っておるのでありますが、それらは国会及び国民と直接何らの関係もなく、しかも千億あるいは数百億の膨大な税制の改正をいたしておるのでありまして、この間に私ども社会党はもとより、与党の中からも、この税制改正をいま少し国民と、また国会と密着した立場において税制改正をなすべきである。言うなれば臨時税制調査会を法制化して、各界代表から構成をするやり方こそ、法の精神にも適合し、国民の要望にも適合したやり方であると、大蔵委員会においては何回も主張されて参りまして、この主張につきましてはすでに前大蔵大臣の一萬田さんも了承をいたしまして、大蔵委員会においてこれを善処するという答弁を得ておるような次第であります。しかるところ新しい内閣になりましてから、今次内閣におきまして勘案されております税制審議会につきましては、まだ骨格がさだかではございませんけれども、しかし伝うるところによりますと、法制化することをせず、それから同様政府部内のおめがねにかなった人々を集めて、来年度約八百億に上る税制改正をしようとする、こういうような雲行きでございまして、これでは今日までの国民の要望はもとより、国会の意見も尊重されないうらみがございますので、ここに提案をいたしました臨時税制調査会を法律をもって設定をいたしたい、これが提案の趣旨であります。以下簡単にその要点だけを御説明いたします。 第一点は、第二条にございますが、「調査会は、内閣総理大臣の諮問に応じ、次の各号に掲げる事項を調査審議する。」とありまして、四項目に分れております。第一項は、「国民の租税負担の均衡及び軽減に関する事項」、第二項は、「税制及び税務行政の簡素化に関する事項」、第三項は、「国と地方公共団体との間及び地方公共団体相互の間における財源の税制上の調整に関する事項」、第四項は、「その他国税及び地方税を通ずる税制の合理化に関する事項」、以下でありまして、要約すれば、第一には減税の問題、第二には簡素化の問題、第三には国と地方公共団体ないしは地方公共団体相互間における積年の問題を審議することに相なっておるわけであります。 第二番目に重要な点は構成でありまして、調査会は委員二十五人以内で組織し、その委員は学識経験のある者のうちから内閣総理大臣が任命するのでありますが、特に任命に際しては、今後行われる減税の方向を勘案いたしまして、「地方公共団体、中小企業者、労働者、農業者等の意見が反映されるように選定されなければならない」となっておるわけであります。 第三番目の重要な点は、第九条にございまして、「調査会は、第二条の規定により諮問された事項に関し調査審議した結果を、遅くとも、昭和三十三年十一月十五日までに内閣総理大臣に報告しなければならない。」となっておるのでありまして、これは申すまでもなく、明年度予算に間に合わせようとすることにほかならないのであります。 以上が大体この法案の骨子でございまして、冒頭に申し上げましたように、積年の国民の要望であり、かつ国会の大蔵委員会におきましては与野党通じて大蔵大臣に要望し、前大臣またこれを了承した問題でありまして、どうぞ本委員会におきまして、すみやかに審議をせられ、満場一致可決されんことをお願いいたしまして提案理由にかえる次第であります。 —————————————
○内海委員長 次に、去る六月二十六日当委員会に付託になりました、国家公務員法等の一部を改正する法律案を議題とし、提出者より提案理由の説明を求めます。飛鳥田一雄君。
○飛鳥田委員 国家公務員法等の一部を改正する法律案について、提案の趣旨及び理由を申し述べます。 本案の改正内容は非常に簡単であります。すなわち条文をお読みいただけますならば明確でありまして、国家公務員法第七十二条及びこれに関連するものを削除しようというのであります。その理由としては、勤務成績の評定制度が実施せられて参りましたが、その状況にかんがみまして、国家国務員についてその制度を廃止することが妥当であると考えられるに至りましたので、この法律案を提出いたした次第でございます。以上であります。
○内海委員長 以上二法案に対する質疑等につきましては、次会に譲ることといたします。 —————————————
○内海委員長 次に、請願の審査を行います。本委員会に付託になりました請願は、本日の請願日程に掲載いたしました通り、五十七件であります。 本日の請願日程の全部を一括議題といたします。これら各請願の趣旨は、すでに配付せられております文書表によって御承知のことと存じますので、紹介議員の説明並びに政府の所見聴取等を省略し、直ちにその採否を決定いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。 本日の請願日程中、第五、第七、第一九、第二五及び第四〇の各請願の趣旨はいずれも妥当と認められますので、これら各請願はいずれも議院の会議に付して採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。 ただいま審査を終りました各請願の委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。 —————————————
○内海委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 国会法第四十七条第二項の規定によりまして、委員会は議院の議決で特に付託された案件について、閉会中もなお審査することができることになっております。当委員会といたしましては閉会中もその審査を進めて参りたいと存じますので、その案件といたしまして、一、行政機構並びにその運営に関する件、一、恩給及び法制一般に関する件、一、国の防衛に関する件、一、公務員の制度及び給与に関する件とし、議長に申し出ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議長に申し出ることに決定いたしました閉会中審査案件が付託されましたならば、行政機構並びにその運営、自衛隊、駐留軍基地及び公務員制度等の実情を調査するため、各地に委員を派遣いたしたいと存じますので、議長に対し承認方を申請いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。 なお、派遣委員の選定、期間、派遣地等並びに申請書の提出手続等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。 —————————————
○内海委員長 次に、行政機構並びにその運営に関する件及び国の防衛に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。八木昇君。
○八木(昇)委員 時間もだいぶたっておりますし、幸い内閣官房副長官もお見えになっておりますので、防衛庁長官と官房副長官に対します問題からできるだけ簡潔に質問をいたしたいと思います。 一昨日の本委員会での柏委員の質問に対し、防衛庁長官は次のようにお答えになったわけであります。すなわち、日本の自衛というものについてはできる限り自主防衛という方面に進んでいきたい。しかしながら原子力を用いるような大きな戦争状態になる場合には、これはとうてい日本の自衛力をもってしてはいかんともなしがたい、こういう趣旨の御答弁があったと思うわけであります。そこでお伺いをいたしたい点は、防衛庁は現在内閣調査室あたりと連携をとってソ連あるいは中共の、特に原子力戦略体制、また進展の度合、あるいは施設、状況、こういうものについても御研究になっておるかどうか。研究をしておられるとすれば、どういう方法によってそれをやっておられるか、これを最初にお伺いいたしたいと思います。
○加藤政府委員 お答えを申し上げます。現在御承知のごとく核兵器を持っております、生産しております国はソ連、米国であります。ところがこれらの国々におきましても、いずれも核兵器に関する問題は非常な秘密事項でございまして、なかなかその状況の調査はむずかしいのでございます。しかし私どもといたしましては全般的な見地からいたしまして、あらゆる資料を、でき得る限り入手いたすことの可能なる資料を集めまして、それに基いて相当な力を注ぎまして調査研究をしておる状況でございます。
○八木(昇)委員 それでその調査の目的はいかなるところにあるわけでしょうか、簡潔に申せば。
○加藤政府委員 これは御承知と思いますが、現在アメリカのとっております戦略と申しますか、これは大量報復というものから限定的な核戦争という方へ発展してきておるわけであります。ところが他面ソ連におきましては、限定的な核戦争というものはない、起り得ない。もし一たん戦争になれば、各国が持っておる最強最大の武器を使うであろうということからいたしまして、通常兵器による戦争か全面的な戦争かということになるのだという判断をいたしておるのであります。しかし英国におきましては、もし通常兵器をもってソ連が攻撃してくる場合におきましても、英国は核兵器をもってこれに対抗するのだということが、本年の英国の国防白書にも明確に出ておるのでありまして、私どもといたしましては、日本が直接核武装をするということはございませんが、世界の戦略全般の動きにつきましては、やはり研究しておくことが日本の防衛上必要である、かように思っておる次第であります。
○八木(昇)委員 そこで内閣調査室あたりとの連携はもちろんございますでしょうね。
○加藤政府委員 それぞれ必要な事項につきましては相互に連絡をとっております。
○八木(昇)委員 そこでお伺いをいたしたいのですが、私ちょっと切り抜いて参ったのですが、去年の八月の日経新聞です。これによると「軍事施設秘密維持が目的」という見出しで、ピョートル大帝湾の問題について相当大きな見出しの記事が載っておる。これにソ連がなぜピョートル大帝湾の内海宣言を行なったかということについて記事が載っておる。これは誘導弾やその他の基地をこの湾内の数カ所に設けておる。それがこの記事によれば七月の十一日でありますか完了をした。そういうことでもってこういう宣言を発したのだ。これは内閣調査室の調査の結果、このようなことが明らかになったということを書いてあるわけなんですが、これは事実その通りであると防衛庁当局も思っておられるのか、一方内閣調査室としては一体いかなる方法によってこういう情報を入手せられるのであるか、これは官房副長官からお答えをいただきたいと思います。
○加藤政府委員 ピョートル大帝湾のことにつきましては、私はただいま手元に資料を持っておりませんので、詳細なことはお答えをいたしかねます。ただ私どもの判断では、固定的な基地を持ちましたロケット兵器というものは、まだ極東方面には配置されていないであろう。移動的なロケットにつきましては、明確なことはわかりませんが、固定的な施設につきましてはまだ、と申しますのは、IRBMとかそのクラスのものであります。そういうものにつきましては現在のところそういう情報もございますけれども、来ておるという確実性には乏しいように判断をいたしております。
○鈴木政府委員 内閣調査室といたしましては、内閣の重要政策に関係のございます情報の収集並びに各省の情報でございまして、内閣の重要政策に関係のありますものの連絡調整というような仕事をやっておるわけでございます。ただいま御指摘の事項につきましては、ちょっと私ここで的確なことを申し上げ得られませんが、内閣の調査室自体といたしましてはみずからの特別の機関を持っておるわけではございませんで、各省の情報等の提供をいただき、あるいはラジオでございますとか、その他の一般の手段によりまして情報を得ておるわけでございまして、もし内閣調査室でこういうことを今の記事通りに調べたといたしまするならば、そういうような海外放送等の手段によって得たものではないかと思うのであります。
○八木(昇)委員 今のような御答弁ではどうも納得できないのですが、内閣調査室の調査結果として公然と載せられておるわけです。そういう不確かなことで判断をせられておるのではないようであります。そこでせっかく防衛庁長官がお見えになっておりますのに官房副長官の方への質問が続きまして申しわけありませんが、お伺いをしたいのですが、外務省方面その他に一部の人が問い合せやその他をした結果によると、同地より最近帰国をした人々から情報を得たような話もあるわけです。これは私の判断も必ずしも的確ではありませんが、最近私どもが非常に了解に苦しむできごとが実はあるわけであります。というのは、昨年の七月モスクワで平和友好祭が行われました。その際に五百名以上の方が旅券申請をしたのですが、外務省がなかなか許可をしなかった。結果百五十五名がようやく旅券の交付を受けた。その際に内閣調査室のメンバーのある者がソ連の平和友好祭に行っておりませんか、その点をお伺いいたします。
○鈴木政府委員 それは絶対に行っておりません。
○八木(昇)委員 実は私の得ておるところによりますると、明瞭に内閣調査室のメンバーである人が二名、この平和友好祭に派遣をせられておる者の中にまじって向うへ行っておられる事実があるのですが、あくまでも否定をせられますか。
○鈴木政府委員 私はそのような事実は全然承知いたしておりません。
○八木(昇)委員 それではお伺いをいたしますが、内閣調査室の中に安野英夫という人、それから川岸清という人がいますか。
○鈴木政府委員 今お述べになりましたような両名の者は、内閣調査室の中にはおりません。
○八木(昇)委員 そうしますと、三浦武夫あるいは山岸清という名前でもってソ連へ行ったという事実は御存じでしょうか。
○鈴木政府委員 その点も私どもといたしましては全然承知いたしておりません。
○八木(昇)委員 これは私が調査した結果によりますると、こういう二人の人が理研映画社の社員という名目でもってソ連へ行ったといわれておるのですが、事実安野という人、川岸という人は調査室にはおられませんか。
○鈴木政府委員 先ほども申しましたように調査室には今両名の者はおりません。
○八木(昇)委員 今もその当時もですか。
○鈴木政府委員 今もその当時もおらぬわけです。
○八木(昇)委員 そうしますと、その点は私どもの方でもさらに調査をいたしますが、お宅でもさらに調査をしていただきたいと思うのですが、こういうことが伝えられておるわけです。この両名は内閣調査室のメンバーであって、理研映画社の社員という名前でもって旅券の交付を受けて、そして平和友好祭の視察団の中に潜入をした。そうして先方へ行った。しかもこの両名は元陸軍少佐が一名、それからもう一人の人は元陸軍中尉だ。しかも憲兵学校の出身だ、こういうことが相当いわれておるわけです。そうしてその者のソ連における写真も私は入手をいたしておるのであります。あくまでもそういう事実がないかどうか、もう一度お答えをいただきたい。
○鈴木政府委員 私はそのような事実がないというふうに聞いておりまして、それには先ほど来何回も申し上げた通りでございます。
○八木(昇)委員 それではその点につきましては、私どもの方もさらに調査をいたすことにいたしたいと思います。 そこでもう一点、若干関連をしてお伺いをいたしたいと思う点は、調査室の調査活動の中でもう一つ私は不明朗な点を聞いておるわけですが、それはこれも去年でありますが、日本学術会議から派遣をせられて、中共に物理学者の方々が先方の物理学者との間の学術交流のために行かれたわけです。お帰りになってから内閣調査室からこの人たちを呼び出された事実は御存じでしょうか。
○鈴木政府委員 ただいまの点につきましては、中共の方から帰ってこられました物理学者の方々の意見といいますか、談話を伺いたいということで、調査室の関係の者が出向いてお話を伺ったりいたしたことは事実でございます。
○八木(昇)委員 そこでその派遣をせられたところの代表団の人たちもはちろんのこと、これに関係をする学会方面からいろいろに抗議を受けられたはずであると思います。私が見ましたのは、中央公論から出ております科学雑誌の「自然」というものの中に、当事者の方々が書いておられるのでありますが、これによると、中共と純然たる物理学会における学術的な交流を果して帰ってきた。ところが内閣調査室から呼び出しを受けた。しかも個々一人一人を呼び出して、そうして調査をした場所は役所やその他ではなくて、しもたやのようなところ、料亭のようなところであって、しかも一人の人間に四名も五名もの調査室の人たちが出席をして、そしていろいろと聞いた。しかもその聞いに内容は、中共の原子力の研究に関するものであり、さらには軍事施設に関する問題等、そういう点を重点に問いただされた。きわめて遺憾である、こう言っておるのでありますが、その間の事情について御釈明をいただきたい。
○鈴木政府委員 まずお話の点は、そういう談話を伺った場所が適当でないではないかというお話でございますが、これは当時の事情といたしまして、調査室の庁内に適当なところがないという関係で、便宜他の場所においてお話を伺ったというようなことであったと思うのであります。なおまた、そのお話を伺いました事項につきましては、いろいろと今御指摘のございましたような事項に談がたまたま話をしております間に触れた点があったかもしれませんけれども、しかし全体といたしましては、内閣調査室の活動は、先ほど来申し上げましたように内閣の重要政策に関係のある情報の収集、これが基本でございまして、その原則の範囲内で活動をすべきものでもございますし、またそういうふうに私ども指導をいたしておるわけでございます。そういう点は今後とも十分にその原則に従って行動をいたすように指導して参りたい、かように考えます。
○八木(昇)委員 どうも最近内閣調査室の活動のあり方というものを見ておりますると、いかにも対外国関係のスパイ活動にも類するような活動が中心になっていっておるようにわれわれとしては見受けざるを得ない。そこでこの人たちも言っておるわけでありますが、中国の物理学者、なかんずく原子力を研究しておる学者の個人的な動静、各地方の道路網、航空機あるいは軍事施設等にわたることについて盛んに質問をせられたと言っておる。このようなことは純然たる学術交流という両国間の問題を考える場合に、こういうことは、非常によくない影響を与えるものであるということで非常に憤っておるわけでございます、当事者たちは。そういう事柄について一体どういう配慮をしておられるのであるか。結局あなたたちのやられる活動が、国際的にも重大なる影響を及ぼすというようなことについてどうお考えになっておるか、この点を問いただしておきたい。
○鈴木政府委員 その点は先ほど来申し上げますように、あくまでも内閣の重要政策に関するその施策の立案等の上において必要な情報を求めることになっておるわけでございまして、最近におきましても中共関係は非常に御承知のような微妙な状態であるわけでございまして、それらの関係のことにつきましてお話を伺ったということはあろうかと思います。しかしそれは何ら他意がないわけでございまして、今上げましたような活動のワクの中においてこれを行うということがあくまでも本来の趣旨でありますから、そのようにいたして参ったはずでございますし、今後もさように指導して参りたい、さように考えております。
○八木(昇)委員 もう一点お伺いしたいのですが、どうもこの調査室なるものは、特に昭和二十七、八年以降のソ連あたりからの引揚者について、相当に舞鶴やその他の現地で御調査になりましたかどうか。
○鈴木政府委員 内閣調査室は、御承知のごとく、特別の出先機関を持っておりません。従いましてごく少数の内閣調査室に勤務いたしまする者が必要に応じまして、時として出ていって話を伺うということはあろうかと思いますが、一般に広く出先機関などを持っておるわけではございませんので、主として各省庁の情報をちょうだいして、その連絡調整をして、内閣の施策の上に参考にする、こういうのが本当でございますので、一般的には直接情報を収集するということはむしろ例外のことなのであります。今御指摘の舞鶴の事項等につきましては、ちょっと過去のことでございまするので、今ここでその事実を明らかにすることはできませんが、原則から申しますると、それはかりにありましても、例外的なことであったと思うのであります。
○八木(昇)委員 たといあっても例外的なということではどうも納得がいかないのでございますが、そういうことをやられたのですか。
○鈴木政府委員 今の点につきましては、さっき申し上げましたように過去のことでございまするから、だれがいつやったかということはここで直ちに即答は申しかねるのでございますが、原則としては内閣調査室が直接調査に当ることはないということを申上しげておるわけでございます。
○八木(昇)委員 ここでそういうふうに言われるのははなはだもってけしからぬと思うのですが、私は数名の人からその事実を聞いておる。舞鶴に上陸したとたんに何者とも名前を告げないで、そうして連れていっていろいろと聞いている。そこで、一体あなたは何者であるかということを問うたところ、内閣調査室から派遣せらたものであるということを明らかにしておるということを聞いているのですが、過去においてそういう事実はありませんか。
○鈴木政府委員 その点は、内閣調査室が今のような現地に出向いて調査するということは、先ほど来申し上げましたように原則としてはあり得ないことでございますが、過去の事情としてあるいはそのようなことがあったかも存じません。しかしその点は今ここで事実を明確に申し上げることは遺憾ながらできないのであります。
○八木(昇)委員 これは何も本人たちの罪でも何でもない。国家の罪によってソ連に十年近くも抑留せられて帰ってきた人です。であれば、その人たちは毎日々々が生命の危険にさらされておりますから、命を全うするためには、あるいはこれは日本の国民から考えればいかがかと思われるような言動が人によっては多少あり得たかもしれない。そういうことは想像せられるけれども、そういうことを根掘り葉掘りと追及をして全部それを調査して、しかもこれが実際には内地へ帰ってきて、就職難の時代に、これから職を探さなければいかぬというような人の就職にさわるようなことになっておる。 そこでお伺いをしたいのですが、たとえばソ連その他からの引揚者の方で、あるところへ就職をしたい、あるいはまた就職をした、こういう場合に雇い主の方からいろいろ調査の照会やその他があります。そういう場合に内閣調査室としてはいかなる態度をとっておられるか、お伺いしたい。
○鈴木政府委員 先ほど申し上げましたように、内閣調査室の任務は、あくまでも内閣の政策の参考に供するための重要情報の収集でございますから、今お話のような民間の雇用関係の身元照会というようなことに対しては、今までもございませんし、かりにありましても内閣調査室としては法律上そういうようなことはできないわけでございまして、やるつもりは全然ございません。
○八木(昇)委員 ただいまの御答弁は一応そのように承わっておきますが、しかしこれはたとえば防衛庁が採用するというような場合、一体いかなる調査をやっておられますか。
○左藤国務大臣 防衛庁独自の立場からの調査はいたしておりますが、内閣調査室等にそういうようなことを問い合したような事例はございません。
○八木(昇)委員 一部に内閣調査室が直接、たとえばある特定の人のソ連における言動その他について情報を漏らしたかどうか、必ずしも私どももはっきりとそれは言えない点がございますけれども、そういう疑いを持っておる向きも相当あるようであります。特に上陸に際してそういう調べを受けておりまするから、先ほども御答弁にありましたように、実際にそういうことがなされないようにお願いしたい。総じて内閣調査室の活動というものが、かつての内閣情報局でありまするか、こういうような傾向へ転化しつつあるということは、これは大体衆目の一致するところではないかと私は思うのであります。そういうようなことは、今日平和憲法下における内閣調査室の本来あるべき姿ではない、こう私は信じます。厳重にそういった点について御注意をいただきたいと思うわけであります。 そこで劈頭に御質問を申し上げました事項につきましては、さらに私どもも調査をいたしますが、一部にこういうことが相当いわれております。調査室のメンバーである者が名前をかたって、政府みずから旅券法に違反して、ソ連の、事もあろうに平和友好祭のメンバーにまぎれて向うへ出かけていったということがいわれております。この点もさらに厳重に御調査をいただきたいと思うわけであります。 続いて防衛関係に若干移って御質問をいたしたいと思うのでありますが、防衛問題についての一番大きな点は、日本を、自民党の政府のおっしゃるようにできる限り自衛の方向へ進めていこうというのであるならば、当面その点について一番前面に立ちふさがっておるものは日米安全保障条約である。しかもその日米安全保障条約の中で二つの大きな点があるわけです。それはこの条約には、アメリカの一方的な意思によって、非常な事態の際に駐留米軍を動かし得るようになっておるということ、それから第二の点は、この安保条約が普通の条約と違って無期限条約である、この二つの点が一番大きい点だと思うのでありますが、これから、おっしゃるように自力によるところの自衛の方向へ漸次向いたいというのであるならば、この安全保障条約に対して、防衛庁長官としてはいかなる態度をとって今後進めていくおつもりであるか。長官になられてからまだ日時も浅いわけでありまするから、大ざっぱなお考えをこの際端的にお示しをいただきたい。
○左藤国務大臣 この問題につきましては、今後の世界情勢の変化、いろいろございますので、内閣全体としての問題でございます。私どもといたしましては、お示しのようなことも十分含めまして現在検討をいたしておる段階でございます。
○八木(昇)委員 検討をしておりますではどうも困るのですが、そこで、九月ごろには外務大臣がアメリカへ行かれるというような話であります。それから新聞によると、総理大臣も十一月ころにアメリカにお行きになるというような話であります。そうなりますると、当然これは日米間の経済問題の話もありますでしょう、日本商品の排斥問題などもありますでしょう、沖縄の問題もありますでしょう、あるいは核兵器の問題もありますでしょう。しかし安全保障条約その他の問題についても当然行われべきはずであると思うのであります。そこで防衛庁長官として、この際一つの信念といいまするか、日本を、おっしゃるように自衛の方向へ進めていくとするならば、安保条約に対する見解というものが明らかに堅持せられておらなくてはならぬと思うのであります。そこでお伺いをしておるのですが、明瞭にお答えを願いたい。
○左藤国務大臣 自衛の方向に努力いたしておりまするが、これの進み工合とにらみ合せまして、安保条約についての検討をいたさなければならぬと思うわけであります。こちらが十分な力なしに、ただ安保条約だけをどうしようというようなことはいたすべきでもないし、またいたしてはならぬと思っておるわけでありまして、総理あるいは外務大臣の渡米につきましてはいろいろなことが新聞に伝えられておりまするが、まだこれは決定をいたしておりません。いよいよ参りまするときには、先ほど申しました私どもの検討をいたしておりまする点等を十分連絡をいたしまして、これに対処したいと思っております。
○八木(昇)委員 今の安全保障条約の二つの重大点についてはどうお考えでしょうか。すなわち無期限条約であるという点、アメリカの一方的意思によって駐留米軍を非常の事態に動かし得るごとくなっておる点、これについての御見解を承わりたい。
○左藤国務大臣 私どもも、合同の委員会を持っておりまして、その委員会等におきましては始終調整をいたしまして、わが国の立場というものを守っていきたいと思っております。 条約の期限についてでございますが、御承知のように「平和と安全の維持のため十分な定めをする国際連合会の措置、またはこれに代る個別的もしくは集団的の安全保障措置が効力を生じたと日本国およびアメリカ合衆国が認めたときはいつでも効力を失うものとする。」こういうことが定められておりますので、今後の世界の情勢、昨日も申しましたように、国際連合の力によって真に軍縮が達成せられ、侵略、平和の脅威というものがなくなりますれば、当然この安保条約というものは必要がなくなると思うわけでありまして、今後の世界の動き、いろいろ世界の巨頭たちが、原水爆等の危険に対する世界の大きな、切実な願望を体して努力していきますれば——私はさような日の来たることを心から待望いたしておるものであります。
○八木(昇)委員 そういうおざなりの答弁をいただこうとは思ってないのでありますけれども、お話しにならなければしようがありません。それは今そうおっしゃられても、これはアメリカの方が、こういう条約は必要がない、こう考えなければ、効力を生じないようにはならないのであります。そう一方的に、日本がもはやこういう条約は必要ないと考えたからといって、それで直ちに解消すべき条約になっていないことは御承知の通りですから、ただいまの御答弁では答弁になっていないのです。 そこで、対アメリカとの関係においてもう一つの当面切実な問題としては、防衛分担金の問題であろうと思います。この分担金の削減のやり方についての一般方式というのが、一昨年でありまするか、できておるのです。これについては、この委員会におきましても再三質疑応答がなされておりますので、詳細質問するつもりはございませんけれども、しかし占領が解けた直後時代の、日米折半負担の原則というものは何らくずれていない、一般方式だと思う。しかも最近はどんどん米軍は撤退をしておって、地上軍のごときはほとんどおらないという状態になっておる以上、これについてさらに改訂を要するというのが、もう各界の一般的な意見です。これらについてはどうお考えになっておるか、最初でありますから承わっておきたい。
○左藤国務大臣 これも今後いろいろと折衝を重ねなければならぬことでありますが、直接にはこれは大蔵省あるいは外務省の問題でございますので、私どもは、これにかわるべきわれわれの自主的な防衛力の増強ということと見合いまして、外務省、大蔵省と緊密な連絡をとって善処いたしたいと思います。
○八木(昇)委員 これは実際去年一年間に、アメリカは一体ドルでどのくらいの金を払ったでしょうか。
○左藤国務大臣 直接には大蔵省の問題と思うのでございますが…。
○八木(昇)委員 しかし防衛庁長官は大体の概数は御存じでしょう。
○左藤国務大臣 本日はまだそれに対する資料は用意いたしておりません。
○八木(昇)委員 そういうことでは私は困ると思うのです。防衛庁としては特にこういう問題については重大なる関心を持って、常々お考えになっておいていただきたい。御承知のように今度の総選挙に当って、自由民主党の方方は七百億の減税をやる、さらに国民年金を初め社会保障制度の確立をする、こういうことをもって今回の総選挙を戦われて、一応の成果を上げられたわけです。となる以上は、どうしても今の防衛関係費というものは、国の財政政策上今までより以上に大きな負担になってくることはだれの目にも明らかです。防衛庁長官の所属の自由民主党が国民にはっきり公約をせられたわけでありますから、こういう情勢に当って今後の防衛力の問題について防衛庁長官はいかにお考えになるか。
○左藤国務大臣 私どもの党が公約いたしましたことにつきましては、党員の一員として私どもも責任を感ずるのでございまして、こういうような公約をできるだけ実現をしながら、一方また私どもの防衛の立場も漸増充実のできまするように今後予算の立案をいたすわけでございまして、私どもといたしましては党の方針を無視し、あるいは政府の立場を無理押ししてまで、すなわち国力、国情に応じないような無理な増強をいたそうとは考えておりません。
○八木(昇)委員 臨時国会や通常国会でさらに詳しく私の方も勉強をして質問したいと思います。そこであと四、五分で終りますが、去年陸上自衛隊を一万名ふやされ、あるいは航空自衛隊も相当ふやされたし、海上自衛隊についても一部ふやされた。さらに艦船の建造あるいは航空機の購入、こういうようなことで、たださえ従来の人員と従来の体制を維持するについても防衛費は自然に増加をするのに、さらに人員をふやし装備やその他を強化していくことによって、防衛費の増大というものは非常なものになってきておるわけです。こういうときに際して、昭和三十三年から五年までの間の防衛計画によりますると、さらに陸上自衛隊なども来年度は一万名ふやすというようなことになっておるわけでございます。今抽象的には政府のいわゆる減税並びに社会保障政策という基本政策に協力をしていく考え方があるとおっしゃったわけでありますが、具体的に、では一体来年自衛隊をさらにふやし、さらに装備も充実していこうという従来の防衛庁の進み方についてはどうお考えであるか、具体的にお答えをいただきたい。
○左藤国務大臣 率直に申しまして、出発をいたしまして、これから育てていかなければならぬ防衛力、現在国民所得の二%弱でございます。これは各国に比較いたしましても必ずしも大きな比率ではないと思います。しかし国民所得総体の低いところで、決して私は国民に御負担をおかけしていないとは申しませんが、そういう乏しい日本の所得、その中からここまでやって参りましたが、今後大砲ばかりに片寄ってバターを失って、国民に背中を向けることがございませんように、先ほど申しました国力、国情に応じまして明年度の問題もさらに対処していきたいと、現在せっかく検討中でございます。
○八木(昇)委員 そこでこの防衛三ヵ年計画、これについて何かアメリカとの間に背後で約束があるものでしょうか。そうでなくて日本の考える通りにこの計画はいつでも変更できるものでしょうか。
○左藤国務大臣 約束はございません。
○八木(昇)委員 それでは日本の考え通りに、思うようにやっていけるということでありますので、まあ私どもの考えでは、当面何といいましても民生の安定というのが重大であると考えられるわけで、そういう点も防衛当局としては十分にお考えの上、今後対処をしていただきたいと考えるわけであります。いろいろ申し述べたいことはたくさんございますが、一応質問はこれで終ります。
○木原委員 関連して、この際大臣にちょっと聞きたい点があるのですが、大臣は、こちらの委員会では、来年度の防衛庁の増強計画といったようなものについて、具体的に何らお示しになっておらない。ところが先月、六月二十九日の毎日新聞によりますと「防衛庁来年度の増強計画急ぐ」という見出しで、非常に詳細に計画案なるものが出ておる。陸軍が一万人、空軍も一万人以上、それから海の方では艦艇二十三隻を大量建造する。そうしてその建造の内訳まで詳細に新聞に出ておる。当面のこの内閣委員会に対しては、何らあなた方の計画の具体的なものを今もって説明をされずに、あなたがこの間委員会で所信表明をされたときには、質に重点を置いて自衛力を漸増するということだけ表示されて、そうして二、三日たったら新聞にこういう具体的な「方面管区制を検討する」というようなことまで詳細に出されておる。新聞に出されたのが真実であるかどうかわれわれわからないのですが、少くともあなた方の態度は、国会には何ら説明をしないで、新聞に大々的にこういう発表をされるということは、われわれとしては了解できない。どういう事情で委員会には何らの説明をしないで、新聞にだけこういう発表をなされておるのか、まずその点からお聞きしたい。
○左藤国務大臣 防衛庁といたしましては、かような発表をいたしたことはございません。取り扱いましたのは毎日新聞一社だけでございまして、当方の発表したものではございません。しかもこれを読んでみますと、中でいろいろ検討しているようなことでございますが、第一面のトップに、しかも防衛庁が来年度の増強計画を急いでおるというような扱い方でありまして、中身は、若干大きく伝えられておるようでございますが、この記事をごらんになりましても、私どもがこういうことを発表いたしたものでは全然ないのでございます。
○木原委員 防衛庁で発表してないものが新聞にこうして出るということは、これは重大なことだと思う。しかもこの中身によりますれば、「防衛庁は七月の中旬ごろまでに自衛隊の増強計画をまとめる、連日庁議を開いて最終的な検討を急いでおる」というようなことになっておる。こういう状態で、なおまた抽象的にはあなたも前に、漸増する、あるいは質的に改良を加えるというようなことは言われておるのです。そうして新聞にこう発表されておるのですから、大体の内容は私はこの計画は今進んでおると思うのです。進んでおるならば、あなたは当然国会でその状況を——それが最終案でなくとも、新聞に書かれるくらいなら、国会に対して説明を加えられぬということは非常に不当だと思う。そういう態度をとられては困るから、一応現在計画されておるものに対して、それが最終案でなくてもいいから、当然われわれ説明を要求せねばならぬと思うのです。説明して下さい。
○左藤国務大臣 各幕僚部でいろいろな案を積んではくずし、積んではくずしして、熱心に研究はいたしておると思うのでございますが、これを来年度の予算等と見合いまして、庁議としてまとめるという段階には全然参っておりません。新聞が、そういう各幕僚部。やっていることの——その積んではくずししている一部分のものが何らかの方法で想像して書かれたものだと思うのでございまして、「防衛庁来年度の増強計画急ぐ」という見出しで、こういうことを検討しているというような段階には全然参っておりません。決して国会をめくらにして、こういうことを私どもが先走ってやっておる段階ではないのでございまして、御了承願いたいと思います。
○木原委員 想像してまとめたものであろうということでございますが、想像記事にしてはあまり詳細に過ぎる。年間の予定計画として乙型警備艦、駆潜艇、中型掃海艇、小型掃海艇、潜水艦、救難艦、それぞれの船のトン数まで詳細にあげておる。鉄道大隊の新設まで出ていることを見ると、単なる新聞記者諸君の想像で書いたものではないと思う。これは具体的にこういう計画があるから、その計画に基いて——あなたの方で積極的にこれを発表されなくとも、そういう具体案に対する何らかの資料なしに——三文新聞ならともかくも、毎日新聞という天下の大新聞がこれだけの記事を一面に書くのですから、これを単なる想像でやったのだというようなことではわれわれ納得できない。もし想像でやったとするならば、その根拠をあなたの方から説明していただきたい。もし庁内でこれを漏らす者があったとするならば、一体だれがそういうことを記者に漏らしたか、そういう点も調査してお答え願いたいと思います。
○左藤国務大臣 いろいろな推理とか想像とかいうことは幾らでもできることでございまして、もし今おっしゃいますように、庁内でやっていることを、たとい積んではくずしの段階にいたしましても、漏らしたといたしますれば、これは私ども非常に遺憾なことでございまして、十分調査もいたしますが、私はそういうことでなしに、毎日新聞の記者がいろいろ関心を働かせた。それが第一面のトップに、しかもこういうデスクの扱い方でただいまお話のような印象を与えたと思います。もし何かあってそれがスクープされたものといたしましても、これは全く毎日のだれかが非常に頭を働かせ、しかもそれがデスクの方でこういうふうに扱われたので、ただいまのような印象を与えたと思うのであります。私ども防衛庁といたしましては、先ほど申しましたようにこれから検討いたす段階でございまして、今ここに出ておりますような数字を私どもが決定する、あるいはこれに従って増艦計画を急ぐというような段階では全然ございません。
○木原委員 関連質問でございますから、あまり長く質問するわけにはいきませんからこの程度にしておきますが、こういったようなことは過去においてもたびたびあった。防衛庁というのはどういう官庁か、とにかく国会でわれわれが質問する場合には何にも具体的には説明しない。そのくせ外部に対してはいろいろなことを漏らすというのか、あるいは提供するというのか、外部には非常に早くしかも詳細に出る。今まで二、三の例をわれわれは知っているが、そういうようなことは厳に慎しんでもらいたい。一体あなた方は国会に対して責任を負うておる。何もそのほかの人たちに責任を負うているわけではない。その国会に対しては何にも言わない。国会はつんぼさじきに置いて、そうして自分たちの計画を勝手に作って、その勝手に作ったものを外部にだけは発表する。そうして既成の事実を作り上げて、国会からあらためて質問を受けたときには、実はこうこうでしたというようなことを言われるのが、今日まで防衛庁のとってきたずっと一貫した態度なんです。これは今度大臣が新任されたのでありますから、一つ防衛庁当局をよく監督なさって、いやしくも防衛計画というような国の重大問題につきましては、事前に外部に漏れることのないように、もし発表するのだったら国会にまず先に相談をして、その上で外部に発表するというような態度をとっていただきたい。もしそうでなければ、あなた方が来年度の防衛計画についての予算を国会に提出されても、少くとも社会党は審議に応じません。その点は防衛当局を十分監督、注意していただきたい。
○左藤国務大臣 国民の代表、国権の最高機関の国会として非常に当然な、ごもっともな御注意でございまして、御趣旨を体しまして十分善処いたしたいと思います。ただ新聞記者が推理、想像を働かせますそれまでは、私どもとして監督はできません。
○木原委員 推理、想像とだけは言えないのです。あなたも新聞を持っておられるから言いますが、これを国民が見て、これは推理、想像の上で書いたというようなことは言いません。何としてでもあなたの方のどこかから出ているネタがあるわけなんです。そういうようなことでは防衛の機密もくそもないのだから、厳に今後こういうことのないようにやるのだったらまず少くとも国会に先に説明をして了解を求めるということをやっていただきたいと思う。
○内海委員長 飛鳥田一雄君。
○飛鳥田委員 調達庁の長官並びに法務省の方に対して、占領期間中における駐留軍等による不法行為の問題について、幾らかお伺いをしたいと思います。 御存じのように平和条約発効後における駐留軍及び国連軍によるいろいろな形の被害に対しましては、行政協定及び国連協定に基いて、臨時特別法等によりそれぞれ補償金等が支給をせられておりますが、しかし占領期間中における占領軍の不法行為等による損害に対しましては、占領軍が責任をとりませんために、日本政府の財政負担において、これらの被害者に対して行政措置をもって見舞金その他の支給をいたしておるにすぎなかったのであります。 〔委員長退席、前田(正)委員長代理着席〕 そしてこの見舞金は、賃金水準の騰貴その他を勘案いたしまして、数回にわたってその支給金額を増加及び拡大する措置がとられております。昭和二十七年及び二十八年には、過去にさかのぼって各年次区分ごとに新基準を定めて差額を追給し、あるいは従来の支給漏れについても新基準によって支給する等の措置を講ぜられて参りましたが、しかし今日振り返ってみますと、差額が非常に些少なものにすぎない、こういうような意見がかなり多く出ております。こうした点について調達庁の長官にお伺いいたしたいのですが、占領期間中における駐留軍による不法行為のため被害を受けた者に対する損害あるいは損害の補償、こういうものは一体どういう形で措置をせられておりますのか、ごくアウトラインでけっこうですから、御説明を願いたいと思います。
○丸山政府委員 占領時代の米国軍人等の不法行為に基く日本人の被害問題、これは今先生からお話のありましたように、政府は当時占領軍当局に補償措置について折衝いたしましたが、拒絶にあい、従って見舞金措置をとった。これの所管を当時厚生省がいたして参ったのでありますが、講和条約発効に伴いまして、今までの措置では不十分である、それから平和条約の発効になり、従ってそれに基く行政協定によって具体的な補償措置もとられることになっておるのであるから、それとの関連においても、占領時代のものをこの際再検討を加え、最終的に措置すべきである、こういうことで従来の見舞金の措置に関する基準その他を再検討を加えて改め、また支給漏れ等の事情を調べる、これをいわゆる平和回復善後処理費というもので二十七年度、二十八年度において処理する、しかも平和条約発効後の同種のものは御承知の行政協定第十八条の仕事といたしまして、調達庁が設置法に基いて所管するということになりましたので、その関連において調達庁がこれを引き続いてやりました。実際の仕事は厚生省時代同様府県に委託をいたしまして、府県では管内の市町村、これに協力を求めて該当者から申請を出してやる。一方政府といたしましても、新聞、ラジオを通じまして、この趣旨の周知徹底に努めて、ここで一応の処置をとったわけでございます。その結果が件数といたしまして大よそ二万五千件、うち人的被害に関する分が約一万件でごごいます。金額にいたしますと総計およそで五億円、このうち人的被害に関する一万件に相当する分が三億一千六百万余円、こういうことで一応この問題の処置をつけたわけでございます。しかしながらその後、一昨年以来、実はその処置に関してもなお支給漏れがあった、あるいはそれらの見舞金が今から振り返って考えてみると、いかにも低過ぎるというような関係から、私ども陳情等を受けております。そういう関係で処置している範囲では、人的傷害関係でおよそ三十数件見舞漏れがあった。それから支給額がいかにも少な過ぎるという陳情等のありましたものは約四百件もあります。こういうことにつきまして、調達庁といたしましても実情を検討して、もし必要ならば支給漏れに対しても、この際しかるべき措置をすべきであろう、また従来、一応二十八年度に平和回復善後処理ということでやりました処置でも、なお不十分な点があればもう一回検討すべきであろう、こういう観点から昨年来各都道府県にもその旨を申しまして、実情の調査をお願いしてあるわけでございます。しかし遺憾ながら古い事件が相当多いことでもあり、調査の点でも具体的な事情の、個々についてのものがなかなか判明しない分が相当ございます。従いましてただいまのところ、このままではなかなかそのような趣旨のもとに仕事を進めていこうとしても、十分な進捗がないであろうと考えますので、やはり都道府県市町村に実際的、具体的に調査をしていただくにも、必要な調査経費その他は考えてやらなければいけない、こういうふうなことにしていかないと、今の方向に進まないであろうと考えているところでございます。
○飛鳥田委員 今の御説明で、見舞金で現在支給しているものについて非常に低い、不十分である、あるいは調査漏れ等も非常に多い、こういうような点は調達庁の方でも十分お認めになっていらっしゃるようであります。そこで占領期間中の見舞金の支給基準が、日米行政協定第十八条の事故補償の補償金支給の基準と比較して実際どのくらい違うのでしょう。
○丸山政府委員 支給漏れの問題、それから支給の額の不足等の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、今支給漏れのわかっていると申しますのが三十件ほどあります。額が不満という陳情が四百件ほどあるのでございますが、全体的の調査は、先ほど申し上げたような事情でまだ完全につかめておりません。支給基準に関しましては、最終のものを——いろいろなケースがございますが、たとえば基準そのもので見ますと、最も実際的な死亡の場合、これが二十八年度の場合に、最高といたしましても五十万円でとめております。その後の現在やっております行政協定に基く補償処置といたしましては、最高百五十万円までできる基準を設けております。基準といたしましてはそのような状況にあるわけでございます。
○飛鳥田委員 二十七年、二十八年の二回にわたって、しかも全占領期間を六段階の年次区分ごとに分けられて、しかも収入のある者、収入のない者といったいろいろな基準を定められたのだと思いますが、それが今お話のように五十万と百五十万というほど違う。なぜそういう低い標準をおきめになったのですか。
○丸山政府委員 実は御承知の通り占領期間中のものは見舞金の処置としてやる、それから行政協定実施以降の問題は特別法に基く補償処置としてやる、こういうことでございます。そこで補償処置の場合にはそのような基準のもとに、具体的に補償金額を判定する場合には個々のケースの事態、事情というものによりますので、必ずしもその基準通りの額がみなどのケースにも該当するということの実態にはなりませんが、見舞金の場合につきましては、これは個々の実態、実情によるものというこまかい実情、事情というような処置にそれほどのけじめ、分け目もつけずに一応見舞処置をやる、こういうようなことの事情がございます。従いまして今の基準だけをごらんになるとそのようなことになりますが、実際の問題といたしますと、必ず占領時代のものが個々のケースに当てはめて、今のものと比べて低かっただろうか、その辺のことはこの際直ちに言い切ることはできないと思います。そこで先ほど申しましたように、これはその問題の結論を得るにも、もう一つ占領時代の各ケースの実情、実態をつかんでみなければわからぬだろうと私は考えております。
○飛鳥田委員 そうしますとお説はよくわかりました。調達庁としても十分な調査をしなければならない、そうして十分な調査をすることによって非常な不公平を是正したいというお考えを持っておられるけれども、しかし現実にその書類その他は各地方の都道府県に存在している場合が多く、これに対する調査の依頼をしても、ただ握りこぶしで調査の依頼をしておくだけではとうていだめだ。従ってもう少し予算措置なり何なりを講じて、十分な態勢のもとで調査を始める必要があるというふうにお考えになっている、こんなふうに受け取れるのですが、そう伺ってよろしいわけですか。
○丸山政府委員 その通りでございまして、やはりこれは徹底的な調査をいたしませんと、たとえば支給漏れもこの際完全になくすることができないであろう。また金額等の問題に対してどういう措置を結論的にとるかというものについても、やはり具体的なケースをもう少ししっかりつかまなければだめだ、それには単に依頼だけの程度の調査では不十分であると思う。私どもとすればできれば必要な調査経費も編成いたしまして、この問題にこれからかかっていきたいと考えております。
○飛鳥田委員 そうしますと具体的に御調査を初められるについて、被害者個々についてその見舞金をどのくらい支給したか、あるいはその他の明細な記録あるいは文書、こういうような資料が各都道府県に保存せられておると考えてよろしいわけでしょうか。なくなってしまっておって、実際は手をつけて見たけれどもわからないというようなことでは困ると思うのですが、その点について自信をお持ちですか。
○丸山政府委員 実は遺憾ながらある数県においては、その書類の所在が判明しない。あるいはすでに廃棄処分のようなものがされた、このような実情にあることを承知しております。
○飛鳥田委員 そうすると、そういう廃棄処分をせられたのは大部分なんですか。それとも全国的に見ればそういうものは一部分であるといえるわけですか。それからさらに警察等にも、その当時の記録などもあるはずだと思うのです、事故の場合には。そうした場合に、警察等の書類等も調べてみることができるわけでしょうか。
○丸山政府委員 廃棄等のされたという県は少数でございます。全面的に、大部分というものではございません。またお話の通り、警察あるいはその他その当時の実情の記録のあると思われる諸機関その他はもちろん徹底的に調べるという方針で、今後進む場合には当然そのような措置をとっていくつもりであります。
○飛鳥田委員 そうしますと結論としては、非常な不公平もあるし、このことを調達庁としてもやってみる必要があるとお考えになっている、こう伺ってよろしいのですね。
○丸山政府委員 結論としてはそのように考えております。
○飛鳥田委員 そこで、法務省の方にこれに関連して伺いたいのですが、占領期間中における補償問題について、現在訴訟継続中の事件がありますかどうか。あるいはまたすでに訴訟を提起せられても最終判決に至っておりますものがありますかどうか、概括的なお答えをいただきたいと思います。
○濱本説明員 現在訴訟になっております事件が五件ございます。また一審判決が出たものが一件あるだけで、他はみな審議中で、その一審判決のあったものについても控訴して控訴審で審議中でございます。
○飛鳥田委員 その一審判決の内容をごく簡単にお話をいただけないでしょうか。
○濱本説明員 ちょっと正確な内容を覚えておらぬのでありますが、百八十万円であったかと記憶しております。
○飛鳥田委員 それは百八十万円を支払えという判決がおりたのですか。
○濱本説明員 ちょっと失礼いたしましたが、その占領中のものは国が勝ったのです。その請求金額は百八十万円であったわけです。
○飛鳥田委員 調達庁の方にも同様な陳情が今来ておるという話ですが、四百件、その四百件の大体の内容はどういう内容でしょうか。
○大石説明員 陳情の件数は、先ほど丸山長官から申し上げた通り、人身被害のうち死亡の件数については十六件、傷害の件数については十五件、その他財産上の問題につきまして四件、これは見舞金支給漏れの陳情であります。それから不足だというもの四百件につきましては、死亡につきまして四百十三件、それから傷害につきまして八件、以上でございます。
○飛鳥田委員 そういたしますと現実には訴訟で五件、それからあなたの方に支給漏れが四百件くらい、それから不服できている陳情が約同様の数、こういうふうに伺いますと、これはおそらく全国で隠されている件数のほんのわずかな部分に相当するだろう、他は大がい泣き寝入りをしているのじゃないかと思われますが、全体としてあなた方が調査をなさる場合に、その対象と今後調査をなさる場合に対象となるべき件数の大よその推定はどのくらいになるでしょう。先ほど二万五千件というお話でありましたが、やはりそのくらいな数になりますか。
○丸山政府委員 先生の今のお話の数字に対して、ちょっと訂正をお願いしておきますが、支給漏れというのは四百件ではございませんで、三十数件でございます。これは先ほど申し上げました通り、二十八年のときに支給漏れのないようにあらゆる手を尽してやりましたので、私どももおそらくなかろうとおもったくらいでございましたが、なおその後話がありましたのが三十数件でございます。あとの数字は先生のお話の通り。従いましてこれらのことについて先ほど申し上げましたような措置に進んで、本格的な調査をしていこうというには、やはり単に今の陳情等で私たちが知っておる数字のみではなくて、対象にいたしました二万五千、これらをいろいろ具体的に調べなければいかぬと考えております。
○飛鳥田委員 もう時間もおそうございますからこれで打ち切りますが、一つわれわれの方もできるだけ努力をいたしますから、あなた方の方でもそうした不公平、不合理のないように十分なる御調査をいただいて御努力いただきたいと思います。
○前田(正)委員長代理 それでは次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十三分散会