地方行政委員会 第12号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/09/09
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので順次これを許します。北條秀一君。
○北條委員 かねて問題になっております市町村の越境合併の問題でございますが、それにつきまして青木国務大臣と行政当局にそれぞれ伺いたい。 まず最初に行政当局にお伺いしたいと思います。この新市町村建設促進中央審議会において三月二十五日に出されました答申案は、その趣旨を十分に尊重いたしまして、政府においては総理の裁断を下すという態度で一貫して今日までこられたのです。ところが、かねていわれておりますように、法律の有効期間は九月三十日が最後でありますが、政府の御方針は一応はわかるのでありますけれども、どうも時間切れになるという心配があるということを再三繰り返して、くどいように申し上げたのであります。果して今日の段階において、きょうはすでに九月九日でありましてあと三週間しか残っていないのであります。当初政府においては、七月中にでも、できるものは調整をしたいというふうに言明されておりましたが、それが八月になり、次いで八月の月を越したという現状でございますが、まずこの時間切れの問題が一番大きい問題でございますが、政府が裁断を下したからといって九月三十日ぎりぎりに下したといたしますならば、おそらくこれは政府としては責任をのがれることはできるかもしれませんが、実際に行政上の処理ができないというふうに考えられますので、従って、政府が裁断を下した以上は、その通りに末端においてそれが実施され得るというだけの時間的の余裕がなければ、裁断を下したということにはならない、政治責任を果したということにはならないと考えますが、そういうことを特にお考え願っておると思いますが、それを勘案されまして政府は、時間切れにしないという態度に立ったときには、必ず裁断通りに行政的にも事務処理ができるというふうにお考えになっておるのだろうと考えますが、その点についてまず冒頭にお伺いしたいと思います。
○藤井説明員 もちろん手続といたしましては、今お述べになりましたような点を考えなければならぬことは当然であります。われわれとしては、そういう含みをもって進めておる次第でございます。
○北條委員 もう一つお尋ねいたします。あと三週間しかないのでありますが、それでは今週中に政府が裁断を下したということになりますと、あと二週間しか残っていない。二週間でもって十分に町村あるいは県、こういう段階において行政的な処理ができるか。こういうことについて、私はよくわかりませんが、専門家であります藤井局長は、そういう点について何ら心配はないというふうに考えておられるのか、この点についてお伺いしたい。
○藤井説明員 そういう手続その他の点は、われわれ事務当局としては万々の配慮はいたしておるのでありまして、そういう点についての見通しは誤まりない処置で進みたい、かように考えております。
○北條委員 ただいまの行政局長のお言葉でございますが、当初からの方針通り、行政当局といたしましてのお考えは、十分に審議会の答申の趣旨を尊重して、その通りにやり得るんだ、またそういうふうに処置をするというふうに、私はきょうはっきりとお伺いしたわけでありますが、その通りでよろしゅうございますか。
○藤井説明員 答申の趣旨を尊重しなければならぬということは、当初から申し上げておる通りであります。その点については、もちろん変更があるべきではございません。ただ、問題が問題でありますために、いろいろ調整の方法等について苦慮いたしておるのであって、御承知の福井県の石徹白村の問題につきましては、いろいろ問題もございましたが、一応政府として態度を決定をいたしまして、閣議の了解も得て、方針を打ち出しておるのであります。その他の案件につきましても、大体同様の方針をもちまして、個々具体的にはいろいろやり方は違いますけれども、できるだけ円満な方針というものをもって問題処理に当りたい、かように考えております。
○北條委員 その際に、自治庁としては十分に責任をとられると考えておりますが、この問題につきまして万が一という場合も私は考えませんが、しかし万が一、自治庁は裁断を下したけれども、それが答申の趣旨通りに末端においていかなかったというふうな場合が起きないとも限らないと思うのでありまして、一日も早く裁断を下すことが、私は政治責任をとるゆえんだと考えておるのであります。従って、念には念を押して恐縮でありますが、大体のところで、一体自治庁が、たとえば九月の十三日なら十三日までに裁断を下す、あと十七日残っておるんだから、これならばあと十分だろうというふうなところで、そういった事務的な進行といいますか、何しろ日限がないですから、そういう点について、もしここで自治庁が十三日までに裁断を下す、あと十七日間あるから、それでもって十分に自治庁の指導の通りに県も市町村も動いていくだろう、こういうふうに一応は考えられるのでありますが、その点について抜かりはないと思うのでありますけれども、できるならば、そういった点を具体的に教えていただけば非常に幸いだと思います。
○藤井説明員 問題がきわめて微妙困雑な段階に来ております。われわれといたしましては、腹づもりというものはもちろん持っております。その腹づもりにつきましては、基本的には期限がある問題でございますから、期限内に処置ができなければならぬということであります。そのにらみ合せをつけながら、今いろいろやっておるわけでございまして、ここで具体的に何日までには裁定を下して、というようなことを申し上げることがかえっていかがかというふうなわれわれは情勢判断に立っておりますので、その点については、言明を一つ差し控えさしていただきたいと思います。ただ基本方針は、前々から申し上げておる線で万遺漏のない手続で進めて参りたい、かように考えておりますので、その点は一つ御了承を賜わりたいと思います。
○北條委員 それでは青木国務大臣にお伺いしたいのであります。ただいまお聞きの通りに、行政当局におきましては、青木大臣の御指導のもとに、非常な確信を持って越境合併問題を進めておられる。これはもちろん大臣の御指導によるところと私は確信をいたしますが、要するに、大臣にお聞きしたいのは、非常にくどいようでありますが、答申に基く三つの件の処理は、政府の非常な大きな政治責任の問題であります。これについて大臣としては、必ず責任を持ってこれを処理するというふうに今までも仰せになっておりますが、このあと二十一日、三週間しか残っておらない緊迫した事態において、あらためて青木大臣の御決心を承わっておきたいと思います。
○青木国務大臣 ただいま行政局長が答弁した通りでありまして、私どもは、答申の線を尊重しつつ、同時にまた関係の地元の住民の方々の立場、またお気持も尊重しなければなりませんし、さらにまた関係都道府県の立場あるいは気持、こういうものもできるだけ尊重いたしまして、何とかして最善を尽して、及ばずながらできるだけのことをやってみたい。しかしながら、期限の限られたことでありますので、できるだけのことをやるからといって、じんぜん日を送りまして、最終の日に間に合わぬということになりましては、問題を円満に解決しようとして、かえって結果において反対になりますので、そういうことのないように、あくまでも期限ということは念頭に置き、これに間違いのないように、これも同時にできるだけ一つ最善を尽してみたい、こういうことで、最後の瞬間まで全力を尽して調整に当りたいと、かように存じておる次第でございます。
○北條委員 今朝の産経時事新聞に、新市町村建設促進法の一部改正をして、九月三十日をさらに改めて来年の九月三十日まで延ばそうというような記事が出ておりました。私は新聞の真偽は知りませんが、長官としては、この問題について、そういうことはないと言われるのか、あるいはそういうことをひそかに考えておられるのか、いずれか、一つ大臣の御意見を聞いておきたい。
○藤井説明員 若干事務的な問題でございますから、私からお答え申し上げます。今お話のありました点、産経新聞を私読んでおりませんので、どういう記事が載っておったかまだ存じませんが、今われわれ考えておりますことの中で、新市町村建設促進法の一部改正をしたいという心持を持っておることは、事実でございます。現在法案について寄り寄り事務的に検討いたしておる段階であります。これは御承知のように、町村合併の問題が始まりまして約五年以上経過いたしております。結果的には、いろいろ紆余曲折もございましたけれども、大体においてその成果を上げたという段階でもございます。ただし、なお未合併町村として残っておりますものが、全国で五百ばかりあるわけでございます。これにつきましては、今まで一本やりで知事勧告にかかっておりまして、それで推進をはかっておるわけでありますが、もうそろそろここでおさめる段階ではないかという考え方に今立っておるわけでございます。従いまして、現在われわれの方で分類措置をやっておりますが、県当局とも相談をいたしまして、いろいろの角度から見て、どうしても町村合併を推進しなければならぬ、強くこの必要性が認められる案件と、将来の方向を示すということにとどめておくというもの、さらには、一応は勧告はかけたけれども、この際適正規模町村なりあるいは不可能町村に準ずる取扱いをして差しつかえないんじゃないか、そういったグループに分けて、問題の早期終結をはかりたい、かように考えておるわけでありまして、そのためには、昨年の三月三十一日までに知事の勧告がかけられておりまして、この勧告自体は、法律の建前では変更を許さない建前になっておるのであります。そういたしますと、あくまでも形式的には未合併町村が多く残っておるということにもなりまして問題の終結にはなりませんので、この際、県からの大体の連絡、われわれの見通しもございますので、合併計画について、万やむを得ない場合は変更を認めて、その変更したワク内において合併勧告の再検討をする、ものによりますけれども。そういう道を開こうというわけでございます。その時期といたしましては、あまり、長くなりましてはこれは何もなりませんので、大体年度一ぱいということを限って問題処理をはかりたい、こういうことで今検討をいたしております。その点があるいは新聞に伝えられたのじゃないかと思いますが、県境合併の問題について、これを延ばすというようなことはもちろん考えておりません。
○北條委員 わかりました。越境合併問題が非常に大詰めにきておるときに、こういうことが新聞に出るということは、とかく一般の関係市町村民を刺激して、いたずらに混乱をさせるということでありますから、従って今お聞きしたわけであります。今後こういう問題につきましては、ことにあと三週間でありますから、従って自治庁においては、慎重な上にも慎重な態度をとってやっていただきたい。妙な発表などをされないように、なるべくその答申通りしていただきたいと思います。 あらためて私は国務大臣にお伺いしますが、越境合併の三件について、先ほど御決心のほどを示されたわけでありますが、もしそれが、できる限りやる、やったけれどもこうだということになった場合には、これは明らかに青木国務大臣の責任であり、岸内閣の非常に大きな政治責任だと考えるのであります。たまたま特に青木国務大臣が、その六カ市町村の合併のうちの一つの県の御出身であるというようなことで、よけいつらい立場であろう。しかし、いやしくも国務大臣でありますから、従ってその国務大臣が一つの県にこだわって、かかずり合って政治をやられるということになったのでは、私は、国務大臣としての資格を疑わざるを得ません。どうかそういう点は明らかに大局に立って、確固たる方針でもってやっていただきたい、こういうふうに考えております。先般の中井同僚議員のお話がありましたときに、大臣は、間違いなく断を下すということでありましたが、あと三週間しかありませんから、最も適切なるときに、また最も早い時期に断を下していただきますように重ねて私は強く要望いたしまして、最後に、大臣のほんとうにするというお言葉を聞いてきょうの質問を打ち切りたいと思います。
○青木国務大臣 御趣旨の点よくわかりました。それのみならず、地方行政委員の皆様方、また関係地区の国会議員の方々にいろいろ御協力を願っておりますので、私は、皆様のそうしたお気持も体しまして、いやしくも私の責任を怠ることのないように最善を尽す覚悟でありますので、今後とも一つ、最後の裁断を下しました場合は、皆様方からも、いろいろ御不満もあるでありましょうが、ぜひとも御協力をお願いいたしたい。私自身も、皆様の御期待に沿うように自分の責任を果すことに全力を尽したい、かように存じておる次第であります。
○北條委員 質問を打ち切った上でもう一度申し上げますが、不満があるかないかということは先の問題になりますけれども、その点は間違いのないように念を押して、私の要望をしておきたいことは、ことにわれわれとしては、審議会の答申があれだけ慎重な審議をやってきたのでありますから、従って審議会の趣旨を百パーセント尊重して断を下されるということが一番われわれの要望するところでございます。また政府としても、政治責任からいいますとそうあるべきだと考えます。従って、その線を放れますと、確かに不満は残ると考えます。残ると考えますけれども、そういうことでありますから、ぜひ政府として、青木国務大臣としては、あくまでも答申案の趣旨を百パーセント尊重していくということを根底としてやっていただきたい、こういうことを重ねて強く要望申し上げる次第であります。
○鈴木委員長 楯兼次郎君。
○楯委員 ただいま北條委員から町村合併のことにつきまして質問がございましたが、私は少し具体的な問題で自治庁当局の見解をお伺いいたしたいと思います。 八月十一日の地方行政委員会におきまして、神坂村と中津川市の合併問題につきまして、藤井局長が一部分離を考えている、しかも自治庁の考えております分離案というものは大体良好な方向にいっているので、やがて遠からず解決をする、こういうような答弁をしております。それからまた青木大臣は、八月中には必ず結論が出せる、こういうようにはっきりと言明をしておりますが、それがいまだに解決をされておらない。この経過について、一体いかなる支障があったのかという点をまず第一にお伺いいたしたいと思います。
○藤井説明員 八月の委員会で、今お述べになりました趣旨のことを申し上げたのはその通りだと思います。神坂村の中津川市への合併の問題につきましては、われわれといたしましても、いろいろ今まで苦慮を重ねてきておったのであります。答申の線というものは、もちろんあくまで基本的には尊重していかなければならぬ。ただその場合に、今まで累次申し上げておりますように、県の行政に及ぼす影響力、あるいは県の立場その他諸般の事情というものも全く無視するわけには参りません。そういうことのために、県境合併については、県内合併とは違った手続をとるように実は法律でもきめられておるのであります。そういうような点もございますので、百方いろいろ情勢を勘案しながら現在なお考えておるのでありますが、一応の線といたしましては、旧馬籠村というのがございまして、これは現在三部落に相なっておるのであります。この部落につきましては、特に中心の馬籠部落においては、残存派といいますか、越県合併に対して相当批判的であるという方々もかなりあるように見受けられるのであります。なお峠部落、あるいは荒町部落というものにつきましても、賛否の度合いについてはもちろんはっきりと測定はできませんけれども、馬籠部落ほど強くはないという判断でございますけれども、相当な反対もやはりあるやに見受けられるのであります。そういう主観的な要件もございますのと、なお客観的に申しましても、馬籠部落と隣接しております地区がそれぞれ峠、荒町というふうに続いております。なかんずく馬籠だけというような考え方もあるいは成り立ち得るかもしれませんけれども、そういうことになりますと、峠部落というものにつきましては実質上の飛び地になってしまって、どうも地形的にもおもしろくないというようないろいろな事情がございます。そういうことで三部落を含めて残存をして、そしてその残余のと申しますか、神坂本村というものはもちろん答申の線を尊重して中津川に編入させるという一つの線を打ち出したのであります。しかしながら、この案に対しましては、地元の神坂村にも、あるいは住民の間におきまして相当熾烈なる反対がございます。なお、受け入れの中津川の方面においても熾烈なる反対があるわけでありまして、いろいろな地元の動きは、詳しくここで具体的問題に立ち至ってもどうかと思いますので省略をいたしますが、いろいろいきさつがございまして、村民大会でございますとか、あるいは自治庁の一応の調案停というものに対する神坂村当局あるいは中津川当局のこれに対する正式態度の表明、いろいろな問題が実はあったわけであります。いまだわれわれとしては最終的に結論を下し得る段階にはなっておらないのであります。そのために若干時日がおくれている、そういういきさつで今日まで来たっておるわけであります。
○楯委員 ただいま局長の答弁がありましたが、一体調停案の三部落を分離するということでどうかという点については、自治庁は何を基本にして、何を資料にしてそのような案を出されたか。私も地方行政委員会にこれで三回目であります。口を開けば、審議会の答申を尊重する、尊重するとあなた方はおっしゃいます。ところが、われわれの知る範囲では、実際自治庁の担当の方が現地を知らずしてそのような調停案を出された。私の見るところでは、そうであるがゆえに、より以上この問題を紛糾のふちに追い込んでおる。こういうふうにとれるわけでありますが、今局長の言われた三部落分離という案を出されるについて、いかなる資料をもってそのような判断を下されたか、これをお伺いしたいと思います。
○藤井説明員 現地の事情につきましては、はっきり申しまして私も現地に参ったわけではございません。ただ審議会の審議の過程におきまして、担当の委員も現地に行っておられます。なお、われわれの方でも、調査官なり事務官なりというものが一緒に参って、つぶさにいろいろ見てきておるのであります。そういうものを見る見方というものが不十分ではないかとかなんとかということはいろいろいわれます。しかし要するに、一年もかかっていろいろ現地の情勢を基礎としつつ各般の資料に基いて慎重に審議をせられた結果、結論が出たものでありまして、現地について実情を知らないというわけのものでもないと思うのであります。われわれといたしましても、一応かりにこれを調停案と名づけますならば、それを出します際にも、審議会の答申の基本的な線というものは尊重しなければならぬ。ただ先刻申し上げたように、いろいろな情勢がございます。本問題についても、むずかしい問題もからみ合うのであります。そういうからみ合うこと自体がけしからぬじゃないかという議論もあり得るかと思うのでありますが、その点は、現実の行政の問題として見ます場合に、そうばかりも言えないことがございますので、われわれとしてはできる限り、当事者に百パーセント満足というわけにはいかなくても、まあまあというところで落ちつきの線が見出し得るならば最もいいのではないかという線で実は苦慮をいたしてきておるのであります。そういう点から見まして、旧馬籠村に属しております三部落というものは、これは従来一村独立を形成しておったという点から見まして、ある程度一体性を保っておるというようなこともございます。それに住民の意向と申しましても、見方によりましてこれもいろいろ問題もございます。しかし、中心部の馬籠部落というものは、賛否両論相半ばしておると申しますか、非常に伯仲しておるというような見方は、両派の言い分をいろいろ判定いたしましても出てくるような気がいたしておるのであります。これに対しまして、峠なり荒町なりというものは、資料の判断の仕方にもよりますが、かなり合併派というものの勢力が多いというふうに見受けられます。これは率直に申しますが、しかしその点につきましては、大局的な見地から一体性の確保の問題、それからさらには、たとえば馬籠部落だけを残したというような場合において、隣接の峠地区あたりが、将来のいろいろな建設を進めて参ります上から申しましても、また地形的な点から申しましても、これを無理にはがすということはかえってどうだろうかというような点も大局的に判断いたしまして、一応三部落の線で考えられないかというような点を一つ御勘考願うようにお願いいたしたのであります。
○楯委員 私は、この段階に入っては、私も受け入れる方の側の県の者でありますが、受け入れる方はもちろん百パーセント賛成だと思います。それから、とられるといいますか、離れていく長野県側は、これは百パーセント反対だと思います。これは理屈はないと思います。従って、その間受け入れと反対との側にあって、いろいろな運動が行われておる。こういう点については、私はもっともだと思いますので、この委員会でかれこれ言いたくありません。しかし、あなた方は、問題を解決しようという焦点を誤まっておると思います。あるいは中津川市、あるいは長野県会、あるいは岐阜県会というようないろいろな関係団体があるわけでありますが、八方円満におさまるということは私はないと思います。できるだけ円満に解決をされようとする自治庁の幹部の心境はよくわかるのでありますが、そうかといってまるくおさまるというようなことは、この問題では私はあり得ないと思います。この前の委員会でも、速記録を見ますと、わが党の中井委員がその点について訴えておりますが、ある少数の方たちは、これはしんぼうしてもらわなければこの問題は解決しないと思います。そういう情勢下に立って、自治庁がまず一番尊重しなければならないのは、住民の意向であると私は思う。ところが、ただいまの藤井局長の答弁では、半年も一年も前に行われた調査に基いてこの調停案を出したというところに問題があると思うのです。だから、賛成、反対は、いろいろな資料をもって自治庁に陳情されるが、おそらくその資料は、あなた方は信用されておらないのだろうと思う。もしその資料を信用されれば、住民の数がべらぼうにふえてしまう、こういう結果になるだろうと私は思うわけです。そこでいろいろ関係はあるけれども、問題の本質的解決は、住民の意思の尊重ということが第一に考えられなければならないと思うのです。その住民は、今日いかなる考えでおるであろうかという再確認をやらずして、あのような調停を出したところに、さらに問題が起る原因があるというふうに思って私は質問をしたのでありますが、この質問に対して、あなた方が自信を持ってあの調停案を出すに足る住民の意思をそんたくされたかどうか、やったとすれば、いかなる方法によってそのような手段を講ぜられたのかという点を最後にお伺いしたいと思います。
○藤井説明員 今の点につきましてはごもっともな点が多いと思います。われわれも、調停案を出すにつきましては、全然根拠のないところから、これをいわば押しつけがましくするようなことは重々避けていかなければならぬというふうに思うのであります。今、お話の中にもございましたように、いろいろ両派の方から陳情がきておる。あるいは署名簿というものが提出されておる。さらに写真をとったものが出てくる。またそれを再確認するために御本人たちも出てこられる。またそうでないというようなものが、相次いで今度はその打ち消しに出てくるというようなことで、非常に錯綜をいたしております。従いまして署名簿等につきましても、これを合算いたしますれば住民の数より多くなるというような事態も、実は現実問題として起っておることは御指摘の通りであります。ただその中から、やはりこういうこともあろうかという大局的な判断というものは、おのずからつき得るのではないかということでございまして、三部落を総体的にながめました場合におきましては、残村派というものもかなりあることは事実であろうと思うのでありまして、そういうことから一つ御一考を願えないかというふうにお願いをいたしたような次第であります。
○楯委員 大体合併とか分離とかいう問題は、全体の合併あるいは分離という問題より、同一村内におけるいわゆるなま身をさくというような分村の問題の方がより以上反対が強いのです。これは私の推測でありまするから、当っておるかどうかわかりませんけれども、たとえば合併に反対の人、あるいは賛成の人であっても、分村までして反対あるいは賛成ということは困るというのが、私はほんとうに住民の意向だろうと思うのです。あなた方は、そういう思いやりというものが全然ないじゃないですか。ただ形式的に、それ以上のところがまるくおさまればいいというような考え方に立ってやられたのではないか、こういうふうに私どもは思うわけです。賛成、反対のいずれの人を問わず、家族が分れて両派に別れるというようなことについては、それ以上に反対である。こういうのが私は住民のほんとうの意向だろうと思うのです。しかし、この問題を私が幾ら言っておりましても、これは解決はしないと思います。 それではお伺いしますが、あなた方のいわゆる調停といわれる分村の案に対して、神坂村の村会は分村反対の議決をいたしておるのでありますが、この現状に対して、どういうふうにお考えになるか、それをお伺いしておきたいと思います。
○藤井説明員 先刻私から申し上げましたように、われわれ一応事務的にお示しをいたしました調停案に対して、地元神坂村当局並びに中津川市当局が、直ちに反対であるということを議決せられておるということは承知をいたしております。またわれわれの方へも直ちにその趣旨の書類なんかを提出をせられまして、また関係の方々も直接お見えになりまして、その趣旨は十分伺っておるのであります。従いまして現在のところでは、なお村当局自体といたしましては、分村ということに対して、相当強い反対の意向がはっきりと正式には表明されておるという認識はいたしておるのであります。
○楯委員 そういたしますと、神坂村、中津川市の合併問題については、新たなる段階に私は到達したと思うのです。今まで、この前の委員会であなたがお答えになりましたように、大体一部分村でめどがついたという考え方は、村会の反対決議によって新しい事実が生まれたと思うのでありますが、こういう事実を前にして、この問題をいかに解決をされようとするか、自治庁の見解を承わりたいと思います。
○藤井説明員 前の委員会で、私は分村でめどがついたとまでは申し上げていないのではないかと思います。そういう線で一つやり得る可能性というものがあるんじゃないかという意味で申し上げたと思うのであります。そこで、現在村当局が分離案に対して強く反対の意思を表明しておるという事態は、これは一つあると思うのであります。あると思いますが、なおわれわれといたしましては、これはいろいろ御批判もありましょう。ありましょうが、最終的には、分離の線というものについて、なおお考えいただく余地がないかどうかということにつきましては、さらにもう少し検討をし、事態の推移を見る必要があるのではないか、かように考えておるのであります。しかし、これも先刻大臣からもお話がございましたように、時期的な問題がございます。そういう時期的な問題もございますので、じんぜんと日を延ばしているわけには参りませんけれども、おのずからそこに判断を下さなければならぬ時期の制約があるにはあると思いますが、もうしばらく事態の推移を見て、最終的な決断を下すべき段階ではまだないように考えております。
○楯委員 これからわれわれもできる限り努力をいたします。自治庁の方でも努力するとおっしゃいますが、村議会が分村反対の決議をしておる。これがこのまま九月三十日までの時間切れということになったならば、自治庁としては、あといかなる取扱いをされるのか、見通しを承わっておきたいと思います。
○藤井説明員 この点につきましては、今も申し上げましたように、自治庁といたしまして、最終的ないわゆる裁定案あるいは調停案というものを示しておらないのであります。われわれといたしましては、その調停案というものをきめまする際には、さらにいろいろの情勢を考えて判断する。また御指摘のございました、その後の村会の動向というようなものにつきましても、十分考慮に入れてやって参らなければなりませんが、それとともにその他の情勢というものも—抽象的な言葉になってはなはだ恐縮でございますが、いろいろな情勢を判断いたしまして決定をいたさなければならぬのではないかというふうに思うのでありまして、その問題につきましては、やはり最後の調停案を出す段階、それからの見通しということになるわけでありまして、現在のところ、最後的な調停案が出ておらない場合におきまして、それ以上のことを申し上げることは、むしろ事態の円満な解決にならないのではないか、かように今考えておるのであります。
○楯委員 局長の答弁では、現在出しておるいわゆる調停案がもし不調ならば、最後的な調停案を出し、なおそれがだめであるならば最後の腹をきめる。そういうふうに受け取れるわけでありますが、非常に重要な問題だと思いますので、今局長の答弁されました点について大臣にお答えを願いたいと思います。
○青木国務大臣 ただいま行政局長の説明いたしましたのは、現段階におきましては、自治庁としての正式の裁定ではなしに、一応の考え方というものを出しまして、打診の段階にあり、今後の情勢等も勘案いたしまして、自治庁として最終的な裁定を下すわけであります。その場合におきまして、私どもといたしましては、いろいろ現地の方の御不満もあろうとは存じますが、自治庁が最終的の裁定を下した場合、地元の関係町村あるいは関係の県側におきましても、自治庁の裁定案に対しまして最善の御協力をお願いいたしたいと考えておるのでありまして、強力に反対をした場合にはどうか、というようなことを今日言うのはどうか、私はさように考えております。私どもといたしましては、慎重に考慮いたしまして裁定案を出しまして、その裁定案に対しまして、関係各方面の御協力を心から御期待申し上げたい、かように存ずる次第であります。
○楯委員 ちょっと事務当局と大臣の考え方が相違をしておるのではないかと思います。といいますのは、簡単に申し上げますと、局長は、最後の調停案を出して、それがいれられない場合には最後の断を下す。つまり、これは促進法にいういわゆる総理大臣の処分の問題だろうと思うのです。ところが大臣の方は、慎重に考慮をして処分して、それをした場合にはぜひそれに従ってもらいたい、こういうような意向のようにとれるのでございまして、その将来に対する経過の段階に少し食い違いがあるように私は考えますが、もう一回一つ御答弁願いたい。
○藤井説明員 これは別に食い違いはないと思います。と申しますのは、福井県の石徹白の問題につきましても、これは一番最初に出しました裁定の線でございますが、まだ実は処分ということはいたしておらないのであります。処分の点は、われわれ今まで繰り返し申し上げておりますように、案件が案件でございますので、頭をそろえたいというふうに考えておるのでございます。大体この点だけは具体的に申せると思いますけれども、十月一日を目途にして、われわれの裁定の効力を一つ発生させたいというふうに考えておるわけであります。従って石徹白の場合におきましても、あの裁定の線に沿って一つ円満な協力が願えるように今お願いをいたしておる段階でございます。すでに本件につきましては、石徹白村において去る五日、二部落を離すという議決をやっております。これが第一階梯でございまして、それもすでに了したのであります。そういうふうに漸次進んでおるわけでありまして、その他の案件につきましても、裁定が出ましてから、裁定が出ます、その裁定の線については、今大胆がおっしゃったように各方面の御協力をお願いする。それから今度は処分の段階ということになるわけでありまして、その処分の段階につきましては、他の案件とのにらみ合せ、その他の情勢を一つ考慮しながら考えていく最終段階になる、こういう意味でございまして別に食い違いはないのでございます。
○楯委員 実は私先日新聞で、これは名前は申し上げません、名前は申し上げませんが、自治庁のこの問題について相当権限のある方が新聞に発表されておる記事を見たのです。その記事は、今の調停案がいれられない場合には、総理大臣の処分を行うか、あるいはこれを時間切れで流すより手がない、こういうことを新聞紙上に発表されておるのです。この新聞記事と、今の大臣、局長の御答弁とは、だいぶニュアンスといいますか、内容が違うと思うのです。私は、最初の審議会の答申、越県合併のこの問題に対する最初の問題でありますので、まさか自治庁としては、調停が不調に終ったときに、新聞紙上に書かれておりますように流すというような、まあ積極的努力はしたけれどもだめであるから流すというような答弁にもなるかと思いますが、軽々しくこういうことを言うべきではない。またそういう意図でおられるとは思わないのでありますが、この点について一つ見解を承わっておきたい。
○藤井説明員 新聞に出ておりました自治庁当局の見解というものにつきましては、そういう言い方をしたかどうかということは、後ほど調べてみましたのですが、別にそうはっきり言ったわけではないというふうに実は申しておるのであります。問題が問題だけに、いろいろしゃべり方あるいは聞き方についてもニュアンスがございまして、そのことが地元についてもやはり 一杞一憂を与える。このような問題の性質上非常に好ましくないことでございますけれども、また一面やむを得ない面もあるのじゃないか。そこまで不幸にもエキサイトしてきておる問題でありますので、そういう点があり得ることは遺憾であると思いますが、そう悪意を持って申したわけではないというふうに考えるわけであります。ただ、われわれといたしまして、いろいろの情勢を勘案いたしました上で裁定を下すということになりました場合におきましては、やはり裁定の線というものはお互いに協力をして努力していただくということになりませんと、これは裁定自体の意味がございません。その意味のことを少し強調して申したのではないかというふうに考えられるのであります。
○楯委員 局長の言われるのは、これまたちょっと食い違いがあるようにとれるのです。あなたの今の答弁を聞いておりますると、調停案をいわゆる促進法による処分というふうにとれるわけです。村議会が分村の反対の決議をしておる。その場合に、あなたの方で内容が違った調停案を出されても、村議会がこれを受け入れないときには、残るものは、調停案の線で総理大臣が処分をする、この道しか私は残っておらないと思うのであります。どうもあなたの答弁を聞いておりますると、やがて最後の調停を出したい、しかもそれがあたかも総理大臣の処分の内容であるようにとれるわけでありますが、この点についてはどうですか。
○藤井説明員 このことは非常に微妙な問題でございまして、そこまで言われると非常に実はわれわれも困るのであります。と申しますのは、調停というのは、先刻来も申し上げておりまするように、また楯委員もお話しになりましたように、八方まるくというわけには参りません。何がしかやはり不満は残るのであります。そういう意味から申しまして、お互いにある程度の犠牲、と申す言葉がいいか悪いか知りませんが、自分の意図通りにならないという点について不満足の点が残ることは事実だろうと思います。その場合に、あらかじめ一方の主張がいれられなければ、あるいは一方の主張を突っ張っておれば自分の言う通りになるんだということがあらかじめ前提になっておりましたのでは、これは調停にはならないのです。こういうことを楯委員に申し上げることは非常に恐縮でございますけれども、そういうこともございますものですから、そこまで突き詰めて物事を考えるということにつきましては、われわれは特にこういう席上においては差し控えた方が、問題の円満な解決のためには資するのではないか、こういう考えをざっくばらんに持っているわけであります。
○楯委員 まあ自治庁の心中もわかるのでありますが、どうもまだ時間切れでない一ヵ月も前から、あなた自身も言っておられるので、いわゆる調停が認められない場合には、オール・オア・ナッシングというような答弁を北條委員にしておられます。従って、受け取る方のわれわれは、あたかもこれをのまなければもうだめだ、こういうふうにしかとれないのです。威嚇的言辞ということがいえるかと思いますが、そういうふうな影響を関係者に与えておるという点を私は非常に心配するわけです。だから、くどいようでありますが、これは最初の試みでありますしするので、もし調停が不幸にしていれられない場合には、さらに自治庁としては何らかの手段を講じて絶対時間切れに追い込まないようにやっていただきたいと思いますが、どうですか。新聞紙上といい、あなたの八月十一日の北條委員に対するオール・オア・ナッシングという答弁といい、あたかものまなければいかぬぞと、こういうような威嚇的言辞が弄されておると思うのですが、この点はどうですか。
○藤井説明員 威嚇的というふうに受け取られておりますならば、それは本意ではございません。また別の意味では、他の利害関係に立ちまする立場の人から見ますると、反対のことを申しましても、これがまた威嚇的言辞だ、そういうことなら全部認めてしまうぞということで、威嚇的言辞だというふうに、われわれもときどきしかられておるのでありまして、その点は、やはりいわゆる調停の性質というものを御勘案をいただきましてすでに出ておりまする石徹白の問題につきましては、事実事態はずっと動いてきているという事柄があるのでありますが、そういうこともございますので、本問題その他後に続く問題につきましても、調停が出ました暁におきまして、われわれとしては、衷心より調停の線に従って問題が解決することを強く期待する。それ以上の処分の段階を、今、あらかじめこうするのだということを断定的に申し上げておくのでは、かえって調停の線というものが成り立たない。そういう線で一つ御了解が願いたい。
○楯委員 大臣の心境をちょっとお聞きしたいと思うのですが、あなたが自治庁の政務次官当時、合併促進法が制定になりまして、その後、立場上もあるのですが、青木さんが全国へ行かれたときに、とにかく県境にこだわらずに合併をすべきである、こういうことを盛んに強調をされた演説を聞いたことがある、あるいは座談会等で言われたことを心見えておる。しかし、その青木大臣が就任をされてから、このように審議会の答申が出されておるにもかかわらず、もたもたしておるということはけしからぬではないか、こういうことでは、われわれ住民は中央政治に対して信頼ができない、こういうようなことを盛んに聞くわけでありますが、今日の心境を一つ承わりたいと思います。
○青木国務大臣 私が政務次官当時、各地で町村合併の必要性とその理念を説いて歩いたことは御指摘の通りであります。私は、現在でも町村合併それ自体の考え方は、あくまでもその土地の住民の福祉あるいはその土地の将来の発展ということに基本を置くべきものであり、理念的には県の境あるいは郡の境、そういうものにこだわらずに、やはり町村合併の必要性というものは考うべきだということには現在でも同じであります。ただしかし、考え方としてはそうでありますが、現実の問題としてこれを処理する場合に、もちろん地元の住民の福祉あるいは土地の発展、これも考えなければなりませんが、同時に、さらに県の立場なりあるいはその他の各方面の立場等も考えまして、大局から全体としての行政の運営が支障のないようにする必要も当然出てくると思うのであります。従って、理論としては、確かに町村合併というものは県境あるいは郡境というものを超越して考えることが正しいと私は考えております。しかし、現実問題としてこれを処理する場合には、やはりそれによって起るいろいろな影響というものも勘案いたしまして、そうして全般的の考慮の上に立って最終的には決定すべきもの、かように考えておるわけであります。
○楯委員 局長に一つ私提案をしたいのでありますが、今問題になっておる—これはよその地域もそうでありますが、今あなた方の方で出されましたいわゆる調停の範囲内の分村部落でありますが、ここの賛成反対ということの真実が把握しにくいだろうと思うのです。賛成の方は、おれたちは賛成者が多いのだ、反対の方は、いやおれたちの方が多いのだということで、あなたの方へ運動に来られるから把握しにくい。従って、何らか住民の賛否に対する正確な意向を確かめる必要があると私は思うのです。それを確かめてからどちらへ采配を下されようと、これについては関係者は異議を言わないと私は思うのであります。そこで考えられますことは、この問題となっております三部落に対して、住民投票なり、あるいは自治庁の担当者が出向いて参りまして、率直に有権者の意向を確かめるのが一番いい、こういうように私は思うのでありますが、なぜそういうことをやられないのか。そうすれば早く解決すると思うのでありますが、この点どうですか。
○藤井説明員 確かにそういうやり方も一つの方法であろうと思います。私も、率直に申して、ある段階ではそういうことをやってみてはどうかということを、確定的ではございませんが、実は考えてみたこともあるのであります。ただその後の情勢を見ておりますと、現地はだんだんといろいろむずかしい状況に陥って参りまして、言葉は悪いかもしれませんが、いわば騒然とした状況になってきておるということであります。しかもその間において、われわれが管理をして住民投票というようなことをやれば何とかできるじゃないかということでございますけれども、なるほど、もちろんできることはできるでありましょう。できるでありましょうが、この住民投票自体が法律に基いたものではないのであります。一部の分離投票その他は法律で規定されておりますけれども、この場合においては法律に基いたものではございません。そういう法的な問題もございまするし、さらにここまでの段階になりました際において、そのような住民投票の方法—いかなる方法によりましょうと、そういう方法にたよりますことは、かえってさらに事態を悪化せしめる方向に追いやるのではないかという懸念を実は今は強く持っております。従って、私といたしましては、そのような方法をとってみるという考えは持っておりませんことを特に申し上げたい。
○北條委員 関連して。私は質問を一応打ち切ったのでありますが、楯委員の質問に関連いたしまして、質問と同時に要望なのでありますが、埼玉県の元狭山の場合をここに具体的に例をとってみますと、確かにごくわずかの人が越境合併に反対を唱えておる。ところが、これらの人たちも、一たび政府が越境合併をしろ、一村あげて合併をすべきだという裁断を下した場合には、自分たちは喜んでその裁断の方針に従っていこう、こういう考えであります。ところが政府のお考えは、県の立場であるとか、あるいは関係県会議員の立場であるとか、あるいは都会議員の立場であるとか、こういうようなことを考えて今まで慎重考慮という名のもとにぐずぐずされておったのではないか、私はそういうふうに思うのであります。そしてその結果、今藤井局長がるる述べておられましたが、一部落を分離して越境合併をしろということで裁断を下したといたしますと、県の立場あるいは関係した政治家の立場は確かに守ることができるでありましょう。しかし、その結果責任を負わされるのは、そういう自治庁の裁断によって分離して埼玉県に残されるところの一部落の人たちであります。なぜならば、あの両部落は数百年来全く一つになって、血縁関係から宗教関係、地理的関係等から一つになってやってきた。今日向うに行ってみますと、農業協同組合であれ、宗教の行事であれ何であれ、今日のように反対だ賛成だといいながらも、和気あいあいとして全く一つになってやっておるのです。でありますから、もし埼玉県の元狭山の場合に、一部を残しておくというようなことになりますと、残された人たちというものは、子孫代々まで非常に妙なしこりが残ってくると私は考えます。従って、政治を担当するわれわれとしては、子孫代々まで恥を残すというようなことは断じてやってはいけない。あるいはまた政治家が一時の恥をしのぶことはあるいはあるかもしれません。しかしながら、政治家が恥をかいたからといって、それは政治家の恥でありますが、しかし、政治家が恥をかかぬことによって害をこうむるのは部落民だということになってくるのでありますから、その点を特に考えていただきまして今、楯委員がるる言っておられましたが、楯委員の言わんとするところは十二分におわかりになっておると思います。また、私の言わんとしたところも特におわかり願っておると考えるのでありますが、この際、諸方万事円満だというような考えでなしに、特に元狭山の住民といたしましては、やるなら一つになっていこう、自治庁がそういう裁断を下してくれるならばそれに従っていこう、こういう決心を持っておるということを私は如実に知っていますし、また周辺の町村長の意見を聞きましても、一たび全部瑞穂町と合併させれば彼らは喜んで一緒になるだろう、こういうことを言っておられる状態でありますから、こういう点からしましても、今問題になっております三つの件、すなわち東京・埼玉あるいは長野・岐阜、岐阜・福井、この問題は非常に真剣な段階になりましたが、要するところは、先ほど申しましたように、答申案によって処理されるということが一番賢明なやり方であり、日本の政治が恥を将来に残さない政治になると考えておりますので、この点関連いたしましてあらためて青木国務大臣に強く申し上げてぜひ恥を将来に残さぬようにやっていただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。
○楯委員 実は私も、こういう問題に政治的介入は避けた方がいい、こう思って、ついこの間まで全然タッチをしなかったわけです。ところが、いよいよどたんばへ来たというわけで、現地へ一日参りました。ところが、現地の人たちが異口同音に言っておるのは、もう問題は簡単です。大体自治庁が合併を促進したじゃないか、一緒になれといって……。それでは一緒になろうという瞬間になると、なんのかんのといっていけないという。こういうことでは、もう中央の政治に対する信頼はできぬじゃないか。しかも、これは両方の言い分で、どちらを正当だというふうにはとれないと思いますけれども、答申案がそういうふうに出ておる。われわれ賛成派は多数である—これはこっち側の言い分ですが、そういう状態であるにもかかわらず、こんなばかげた取扱いをするのでは民主政治の破壊であるというのが、数千人集まった人たちの異口同音に叫んでおる言葉であるわけです。私は、きょう委員会でもっと、私の方でいえば徹底的に質疑をしたいと思うのでありますが、とられる方の長野県の代議士もお見えになりますし、私一人だけが論議をしておりましてもどうかと思いまして、それから自治庁の局長も大臣も、なお問題の解決を、日にちはないけれども早急に解決をしたい、そういう非常な熱意がうかがわれますので、私はこれだけに質問をとどめたいと思いますが、先ほど北條委員が言ったように、ぜひ一つ政治の筋を通して、そうして後世笑われない裁断を下していただきたい。かように申し上げまして本百品は私の質問を打ち切ります。
○川村委員 町村合併の問題は、たびたびこの委員会で問題になりまして、ずいぶん論議されてきたわけですが、今ずっとお聞きしておりますと、越境合併について、受け入れる側の県の立場もよくわかるのであります。なお渡そうとしておるところの県側の立場もまたよくわかるのであります。自治庁当局が、審議会の答申に基いて、現実の問題としていろいろと苦心をして調停の線を一応出しておられるというそのお気持もわからぬではありません。しかし、今各種の討論をずっと聞いておりますと、この問題を六ヵ月も延期しておいて、何かしら当初とあまり変らないような状態に置かれておることが、ますます事態を紛糾させていっているような感じがしてなりません。これは現実の問題にはなかなかややこしい問題があると思います。たとえば今お話に出ておりましたところの長野県の神坂とかいう村の馬籠を中心とする三部落の問題とかいうのは、非常に深刻な問題であるということは察知できます。要するに、そういうような事態の中で自治庁が非常に苦心はしておられますけれども、なかなか一つの線が出ないということが、残された二週間か三週間の間に、これはこのままにしておけばなおさら激化するような感じさえしてならないのです。それで苦心はあると思いますけれども、やはりこの際最善の努力をされて、なるべく早く一応の線を出されて、そうして関係町村当局あるいは府県の協力を仰がれるように持っていかれることがいいのではないか。九月三十日などというようなぎりぎりの線を待っておられると、これはさっきちょっと話が出ましたように、流れてしまうということになりますと、政治的な責任も出て参りましょうし、大へんなことだと思われてならないのです。そういう点でぜひ早く御努力願いたい。実情に即して十分御配慮願いたいという気持がしてなりません。私は、実情をよく知りませんから、どっちがどっちというわけにここで言われない立場におりますけれども、これは自治庁当局がやはりそれだけ責任を持って、一つの線を出していくことが一番大事な線じゃないかと思うのです。それについてとくと大臣の方でも御考慮いただくように強くこの際要望申し上げて、善処方をお願いしておきたいと一言申し上げたいと思います。
○青木国務大臣 御趣旨の点、私も全く同感であります。御趣旨の線に沿いまして、できるだけ早く線を出して参りたい、かように思っております。
○鈴木委員長 細田義安君。
○細田委員 各委員から、それぞれの立場それぞれの角度から詳細にお尋ねがございまして、当局のお考えも大体わかったのであります。二、三の点について、重複する点についてはさらに確認をしたいというような意味をもちましてお尋ねをするのであります。 先月の二十七日に、瑞穂と元狭山の両町村の合併促進の決起大会がございまして、その決議をもたらして、私ども両町村の代表と、大臣に御面接をお願いしたのであります。そのときに大臣が、何といたしましても東京と埼玉とは親類づき合い、お隣づき合いだというようなことを申されて何とかこれを円満にしたいということで、調整に努力しておるというお言葉がありまして、私はごもっともだと思うのであります。それに関連をいたしまして、念のために次の諸点について伺いたいのであります。 自治庁におきまして大臣を初め藤井さんその他関係の人たちがこの調整につきまして努力されておるということにつきましては、私ども非常にありがたく思っておるのでありますが、まず第一に、調整についてでありますが、新聞紙上等にいろいろ伝えられております。毎日のように五大紙の都下版等はこれを伝えておるのでありますが、それにつきまして、当局はこの調整をどういう具体的な内容においてやって参ろうとするのであるか。それからこの成功についての見通しはいかように持っておるか。 次に第二の点としては、調整の最終的な時期をいつに予定されておるか。先ほども北條委員その他の委員からもお尋ねがあったのでありますが、それまでにまだ調整し得ない場合には、どのような措置を講ずるつもりであるか。 次に、最終的に調整し得ない場合には、中央審議会の答申があるのでございますから、この答申の通り処分をする、かように了解して差しつかえないかどうかという点でございます。またその期限は、他の委員も仰せられたのでありますが、一日も早い方がよろしい。これは両町村のそれぞれの人たちは、この問題に終始かかっておりまして、家業をうっちゃっておる。特に元狭山におきましては、先般の総選挙におきましても、集団的に棄権をいたしまして、その強い意思表示をしておるというようなことでございまして、非常に嘆かわしい次第であります。こういう点からいたしまして、皆さんの御苦労、御配慮につきましては十分にわかるのでありますが、私は、あまりに政治的な背景というものを考慮するのあまり、行政の実態あるいは自治団体の実態というものを忘れがちになっておりはしないかと思う。住民がその八割も九割も一緒になりたいというのでありまするから、この希望をし遂げてやるということが民主主義の本来の姿でなければならぬ、私はかように思うものであります。私は、県内合併でありますが、多くの合併の問題を自分自身で片づけて参った経験がありまして、たとえばこの都下の町田市でございます。この町田市をめぐる合併につきましては、堺村というのは延々四里にわたるところの細長いところの村でございます。これは分村をして合併すべきかどうか、非常に徹夜をいたしまして幾月もかかりまして、けんかをやり、騒ぎもする、泣きもするというようなことでしたが、最後には一団となって町田市に入ったのであります。村を分けるということは、きわめて悲惨なできごとでございまするから、分村ということは極力避けなければならない。これは意見でございまするが、さように思っておるのでございます。一部が相模原に入れば便利でございます。一部が分村をして八王子に入れば便利でございますが、過去において分村をやった経緯から見まして、どうしても最後には一緒にいこう、分かれることはやはりいろいろの悲惨なできごとを伴うということで、一つで合併に踏み切ってもらったのであります。かような経験から申しましても、わずか三千人か四千人の小さい村が分れ分れになりまして、一部は何県に、一部は何県へということは、当事者にとりましては、きわめて悲惨なできごとでございます。いろいろの政治的な問題、あるいは考えなければならない問題があろうかと存じまするが、大局に立ちまして、この際断固としてやっていただきたい。村民は救われるのでございます。こういう点を大臣並びに局長に申し上げて、一つ最大の考慮を願いたい。ほかの方々からも非常に御希望があったのであります。その趣旨は私も同様でございまするが、これを一日でも延ばすということにおいて、非常に村民は苦労を重ねておるのでございます。毎日陳情ごっこであります。これは政治の貧困を示すものといわれてもやむを得ない。かような点で私ども恥じ入っておるのでありますが、これは行政権で処置される問題であって、ここで私どもの表決によってやるべき問題でないことは十分存じておりますが、私どもは、住民を代表いたしまして、政治的なその考え方というものを反映させなければならぬという立場におきまして、もはやあと二十日でございます。ぜひとも早く御処置をいただきまして、安心をして生業につけまするよう御配慮を願いたいと思います。他の方々からいろいろな御質問がありましたので、私は意見を兼ねて申し上げるわけでございます。一つ大臣のお考えを伺いたい。
○藤井説明員 お答え申し上げます。東京都と埼玉県の問題につきましては、私たちといたしまして、正式に現在埼玉県当局に対して、何らかの調停についての希望条件でありますか、そういうもので具体的に提示するものがあれば示してもらいたいということで、現在回答を求めておる段階でございます。従いまして、その回答がございました上で、われわれとしての調停の案というものについての腹をきめなければならぬ段階がくると思います。従いまして、現在のところ、今日ここでどういう調停案の内容になるかということは差し控えさせていただきたいと思うのであります。ただ時期的な問題がございまするから、これは御指摘の通りでありまして、われわれといたしましては、埼玉県当局の考え方も承わりました上で、なお東京都の方も連絡をとりつつ、できるだけすみやかに裁定案を決定して、これを提示する段階に持って参りたいというふうに考えております。裁定案がいれられない場合の問題につきましては、これは先刻来各委員の御質疑に対してお答えを申し上げておりますように、ここで調停案が出ました限りは、各方面の御協力を得てその実現のために御努力を願いたいと思うのであります。あらかじめここでこれがいれられないことを前提として、その結論的なことを申し上げることは、せっかくの調停案の成立を妨げるような気配もございますので、その点も一つここでこれ以上申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。しかし要は、一般的にお述べになりました点については同感でございます。しかも現在、長い間の懸案事項でございまして、そのために地元の住民が非常に迷惑をいたしており、これもわれわれ痛切に申しわけないと感じておる事柄でございます。ただ問題が問題でありますために、非常に錯綜した諾情勢がございまして、それらの緩和の問題について、われわれはわれわれなりにいろいろ苦心をして今日まで参っておるのであります。しかし、時期が来ておることでもございますので、この点については時間切れになることが絶対ないように、すみやかに問題の解決に向って具体的に進んでいきたいと考えております。
○青木国務大臣 率直に申し上げますが、私は埼玉県人だからといってこのことを申すのではないのでありまして先ほど来いろいろ質疑応答もありましたように、三つ同じような場合があるわけであります。そこで福井と岐阜の場合でも、ともかく調整と申しますか、話し合いが進んで参っておる。それから長野と岐阜の場合におきましても、現在いろいろと話し合いの段階に入っておるのであります。そういうことを考えます場合に、埼玉と東京だけが全然話し合いができない、こういうことはあり得ないじゃないか。もちろん岐阜と長野の場合、岐阜と福井の場合は密接な関係があるのでありますが、特に東京と埼玉の場合につきましては、首都圏の関係におきまして、常にお互いに協力し、そしてお互いに感情的にも非常になごやかに参っておる両都県でありますので、埼玉と東京の場合に、全然話し合いができないということはあり得ないじゃないか。そこでわれわれといたしましては、他の二つの場合にも、そういうような話し合いが進められて参っておりますので、埼玉と東京都の場合におきましても、何とかして話し合いをつけるようにいたしたい、そういうことでせっかく努力いたしておりまして、先ほど局長が申し述べましたごとく、私どもの方から埼玉県当局に対し、何か考えはないかということで、埼玉県側の意向を現在打診しておるのであります。いずれ県側の考えも出てくると思うのでありまして、それを基礎として、さらに東京都のお考えも承わり、私どもの考えも申し述べまして、何とか他の二つの場合と同じように話し合いをつけて、曲りなりにと申しますか、幾分なりとも両当局の納得ができるように持っていきたい。せっかくのお話でありますので、内容についてあるいは私から申し上げることを御希望かと思うのでありますが、何分非常に両当局、地元がエキサイトしておりますので、私がここで何らかの意思表示をすると、かえってそれが最終的な道を見つける妨げになるのではないか、こう考えますので、具体的なことを申し上げることは御遠慮させていただくことを御了承願います。
○細田委員 お話はよくわかったのでありますが、私はずっとこれを幾月も見ておりまして、結局は、大臣の腹一つできまると思います。むずかしく考えますと、どこまでもむずかしいのであります。もはやここまできまして、答申案が出ておるのでありますから、大臣の断の一字に尽きる、かように存じますので、すみやかに御処置を願いたい、かように希望いたしまして質問を打ち切ります。
○鈴木委員長 阪上安太郎君。
○阪上委員 私は、この機会に一、二点簡単に御質問申し上げたいと思います。 今当面問題になっておりますのは新市町村建設促進法の二十九条第八項の県界にわたる市町村の合併の問題であります。これにつきましては先ほどから御討議がなされておりまして、特に中央審議会で総理大臣あての答申もあり、その中で合併を可とするものについての当局の態度はよくわかります。従って、これはもう期限内に一つ促進してもらいたい。ところで、合併を現段階において不可とするものが二件ある。なお調停に付されておるものが三件ございます。申請中のものが二件、おそらくこれらのものについては期限内では不可能だと私は思う。そこで、それとともに先ほど藤井局長から話があったように、こういったものに該当しないで、府県段階において多くの未合併町村がある。これらのものに対する措置というものは、おそらく一応当局のお考えでは、自治法に基く一般の合併として今後も続けられるものであろう、こういうふうにお考えになっていると私は思う。そこで問題になるのは、新市町村建設促進法の恩典の問題だろうと思う。こんな法律が時間切れになったからといって直ちに将来市町村合併というものが行われないとはいえない。そこでこれらに対する、今申しました県境を異にするものを含めました未合併市町村の合併に対する財政措置というものについてどういうお考えであるか。在来に準じたところのものをやっていこうという考え方を持っておられるかどうか。 それからもう一点は、先ほど藤井局長がお答えになった中で、未合併町村に対して再検討する機会を持ちたいと思っている、こういうことであります。それは法的に何らか措置を講じて持とうとされておるのかどうか。この二点だけを一つ奥野さんでも藤井さんでもどちらでもけっこうです。
○藤井説明員 いわゆる未合併町村に対する財政措置の問題でございますが、これは阪上委員、いろいろ具体的に研究をしておられまして、詳しく御承知のところであろうと思うのでありますが、今までのところでは、補助金の交付あるいは起債の許可の問題その他におきまして、県において、おのずから新市町村建設ということを優先的にやっていく建前からいいまして、そこに優先順位がついてくる、おのずからあと回しになっていくということでもって、不利といえば不利な取扱いを受けているところは事実あると思います。ただ制度として、今後はっきりと残って未合併町村ということで烙印が押されて参りますものについての措置というものをどうするかという問題が、私は制度的にも確立をしなければならぬ段階にきておるのじゃないかというふうに考えます。その点は、たとえばすでに合併を完了いたしましたところについて見ましても、われわれは合併しろといわれるので合併したんだけれども、一方未合併の方は大へん不利な取扱いを受けるぞというようなことで県からいわれるけれども、実際の姿を見てみると、一向困ってないじゃないかということを、会議等がある場合にしきりに聞かれるのであります。この点は、実は時期的に申しましても、地方財政一般の問題として、交付税率が上りましたり、あるいは経済界の好況によって税源自体に相当大幅な伸びがあったところもあるというようなことも重なりまして、目に見えて未合併町村に対する財政措置についてはっきりした差別をつけるというようなことにはなっておらなかったというふうに思うのであります。しかし、後ほど第二点で申し上げることと関連をいたしますが、未合併町村の合併推進については、やはりここでけりをつけると申しますか、見通しをつけなければならぬ階梯にきておるのじゃないかということを考えます。そういたしますと、これは財政当局と今後具体的に打ち合せをしたいということで、まだはっきりした確定的な線は出ておるわけではございませんが、未合併町村としてはっきり残って参りますものにつきましては、たとえば交付税の問題等につきまして、標準人口というものの現在の八千を、全国的に申しましても、標準が一万三千なり一万四千というふうに上って参ります。そういうふうな現実の姿をにらみまして、そこで人口標準というものを引き上げるというような措置も、具体的に一つ講じて参らなければならない時期が参るのではないかという感じが実はいたしておるのであります。この点は、今申し上げましたようにまだ確定はいたしておりませんが、来年度あたりから実現に移すようにせっかくの努力をして参りたい。そこでやはりつけるべきけじめというものはつけていかなければならない。一方それとともに不可能町村として残って参りますものがございます。小規模町村として合併できないと県も認めておるところもございます。合併したいにも合併できない、そういうところもあります。そういうところにつきましては、いわゆる逆の補正を考えていくということによって、小規模町村は小規模町村なりに標準的な行政は維持できる措置を講ずる。こういうけじめをつける方向に事柄を進めて参らなければならないのじゃないかという考え方をいたしておるのであります。 それから未合併町村は、御指摘のようにまだ全国にかなり残っておりますが、もうここに参りますならば、従来の行きがかりとかいうものは、まだございましょうけれども、そういう行きがかりというものはある程度放擲をいたしましてけじめをつけて、やはりわれわれ政府の態勢も、また県の態勢も、新市町村の育成というところに本格的に再編成をしていくという段階にきておるのではないかという感じがいたすのであります。そのために、われわれといたしましては、合併の緊要度の非常に高いものについては、一つこれは緊急に強力に進めていく。そのかわり、その後の情勢の変化等に従って、県自体も、やはり合併の計画自体がはっきりいえば間違っておった、合併計画はこっちに直した方が合併がしやすいのだというようなものにつきましては、合併の計画を変更させる。あるいは全体の情勢から見て標準適正規模町村とは見なし得ないということで合併計画の中に入れておったけれども、その後の全国的な情勢等をにらみ合せれば、これは適正規模町村に準じてよろしいのだ、あるいは不可能町村に準じて取り扱ってよろしいのだというものも出て参っております。そういうものにつきましては、この際、計画変更の道を開きまして、変更された計画のもとにおいて、新市町村として取り扱える道を開いていく。こういう措置を講ずることによりまして、年度内には、はっきりした未合併町村の合併の見通しをつけていって、やるべきものはやる、落すべきものは落す、こういうところに踏み切る段階にきているのじゃないか。そのために所要の法律改正をいたしたいと存じまして、臨時国会に何とかお願いしたいということで、現在事務的に検討を続けております。そういう段階でございます。
○阪上委員 この際、大臣にお願いいたしたいと思いますが、町村合併促進法が新市町村建設促進法に移行したというその変化の内容というものは、私が申し上げるまでもないことであります。単に町村合併が行政区域の統合であるとかいうようなものから離れて、一歩前進して、あるいはまた経費の節減という単純なものではなく、さらに新しい産業、経済に立脚した新市町村の建設をやろう、こういう新しい趣旨が盛られたのが移行した理由であると思う。その法律が今期限切れでもってなくなってしまう、こういう段階にきております。そのときに、なお先ほど申し上げましたような未合併町村が数多くある。この法の目的なりを考えて参りますときに、むしろこれが時限立法であるというのがおかしいくらいに私は思っております。しかし、一たんきめたものでありますし、めどをつけなければなりません。先ほども申しましたように、一体将来はどうするのか。この場合に産業、経済に立脚した新しい市町村建設をやっていこうということでありますならば、もっともっと引き続き力を入れなければならぬ問題点がたくさんあると私は思うのであります。その場合、中央審議会等ももうなくなってしまうのだということでは、どうも幕切れが味がよくないのであります。ついては、一つそういった熱意に燃えた町村建設への何らかの具体的なものを残していく行政機関というようなものをお考えになっておるか。在来、市町村合併をわれわれは多く手がけてきたのでありますが、産業経済的な見地からの財政投与がなかなか少なかったのであります。それから今申し上げましたような財政措置の問題、こういった点で十分なお考えを持っているかというようなことについてお聞きできれば、私は幸いだと思います。
○青木国務大臣 全くお話の通りと思うのであります。申し上げるまでもなく、町村合併は目的ではないのでありまして、町村合併それ自体は単なる手段にしかすぎないのであります。目的は、言うまでもなく、住民の福祉あるいはまたその土地の発展、大きく言えば、日本の文化国家あるいは福祉国家としての建設のための町村合併でありますので、私どもは、合併が一応完了した、だからそれで町村合併の目的は達成できたとは考えないのであります。合併はあくまで手段でありまして、目的はさらにもっと高いところにあるべきものだと考えております。当初、町村合併促進法が制定されまして、その後現在の新市町村建設促進法に変ったわけでありますが、建設促進法は、御承知のように昭和三十六年まで有効であります。しかし、六年になれば新しい町村の建設が済んだかと申しますと、私は決してそういうものではないと思うのであります。さらに一そう近代国家としての日本の市町村建設に力を入れていかなければならぬと私は考えるのでありまして、現在の新市町村建設促進法が昭和三十六年に失効した場合、その後をどうするか、私自身の現在の心境から申しますれば、建設法がなくなったから新町村建設はもうこれでいいんだとは考えないのでありまして、この法律が失効した後におきまして、さらに新市町村建設のための立法措置が必要であるならば、立法措置もやるべきであり、またその他の予算措置等につきましても、一そう考えていかなければならぬと考えるのであります。私は、持論でいつも言っておりますが、明治初年に山縣さんが町村合併をやりましたとき、日本が文明国家の国作りをやるその前提として、どうしても町村合併が必要だということをその当時言っておったのでありますが、現在も私は同じだと思うのであります。文化国家、福祉国家と申しましても、現実に文化施設なり福祉施設を担当いたしますのは地方の公共団体でありますので、日本の理想が文化国家、福祉国家であるとするならば、これはどうしても町村というものをがっちりとしたものにせんければならぬ。その一つの要件として町村合併をいたしたわけでありますが、単に区域を広げ、住民をたくさん包含した、これだけでりっぱな町村ができたとは申しかねるのであります。ほんとうに近代国家の市町村にふさわしい行政がやれるような新市町村の建設ということに、私どもは今後も一そう努力を重ねていかなければならぬと考えておる次第であります。
○北條委員 先ほどの細田委員の質問に関連いたしまして、藤井局長に質問いたしたいと思います。先ほど藤井局長は、埼玉県と東京都に対して調停案を出して、その回答を求めておるのだというお話でございましたが、そのおっしゃる調停案というものは、くどく申しておりますように、審議会の答申通りでやろうと考えるが、東京都はどう考えるか、あるいは埼玉県はどう考えるかという内容であるかどうか。あるいはさらに自治庁としてのお考えを入れて、答申案は答申案だが、自治庁としてはこういうふうに考える。これをどういうように考えるかどうかという内容になっているかどうかという点が一つ。もう一つは、そういう照会を出されたとすれば、その回答がなければ政府としては断を下すわけにはいかないのだろうかどうか。この二つです。
○藤井説明員 先刻申し上げましたように、調停案というものはまだ両県には示しておるのではないのであります。あるいは調停案を作るに際しての参考として何らか最後的な見解があるならば出してもらいたい、ただ単に反対と言われるようなやり方でも困るので、その点何らか御意見があれば出してもらいたい、こういうことを申しておるのであります。もちろん、意見を聞いたからには、答えがない場合には事柄が進まぬかというと、そういうものじゃありません。意見を聞くのは、累次申し上げておりますように、事柄の円満な解決をはかるために所要の措置として事実上やっておる事柄であります。これが意見が出ないからといって、手続を進める進めないというものではありません。従って、近日のうちに、どうかということを再確認いたしました上で、われわれの腹をきめて調停案の作成にかかりたい、かように考えておるわけであります。
○鈴木委員長 天野光晴君。
○天野(光)委員 私は、鉄道利用債の問題について二、三お伺いしておきたいと思います。最近運輸省が、電化促進をはかるためあるいは複線等の促進をはかるために鉄道利用債を各地元の県並びに市町村に持たせるような傾向があるようですが、特に再建団体である地方自治団体であると、非常に困る状態になろうかと思うのですが、自治庁と運輸省との話し合いがあって、妥結点といいますか、そういうものができたということを新聞紙上に発表しておるのですが、その妥結点というのは、どういう基本的な考え方で妥結されたものであるか。その自治庁と運輸省と折衝されて見出される結論については、各関係自治団体と話し合いされた上のことであるか、その点について一応お伺いしておきたい。
○奧野説明員 本年度の予算に際しまして、国鉄利用債が、従来の額から一躍八十三億円に増額計上されたわけでありますが、その利用債の消化に当りましては、勢い府県なり市町村なりが引き受けざるを得ない状態になって参っておるわけであります。そういうことは利用債の本来の性格にも反しますし、将来にわたります地方財政のことと関係いたしますので、これをどう取り扱うかということについて、運輸省ないし国鉄と話し合って参ったわけであります。その間、本年度分につきましては、すでに予算も計上されておりますし、また関係地方団体におきましても、期成同盟会長というような立場から、ある程度の約束をしておられる向きもかなりあったようであります。そういうこともございますので、将来利用債をどうするかということがはっきり妥結いたしますならば、本年度分に関します限りは、自治庁としてもとやかく干渉することはなるべく避けたい、こういう基本的な考え方で話し合いをきめたわけでございます。その考え方は、地元との受益関係のきわめて明瞭なものについては、従来も利用債を発行してきたことでありますので、それは将来も利用債を予定してもらってもさしつかえないじゃないか。しかし、明らかに特定の受益関係はないというものにつきましては、将来利用債を予定してもらっては困る。その中間に属するものにつきましては、あらかじめ話し合いをしてきめていくことにしよう、こういうことにいたしたのであります。
○天野(光)委員 その利用債の引き受けの形なんですが、再建団体である県がこれを引き受けるということは、今の財政事情からいってとうてい容易でない。そういう場合の財政的な措置を考慮の上でそれをお考えになっておられるのか。
○奧野説明員 自治庁がこれに介入するといいまし、ようか、話し合いを始めますときに知りました事情は、再建団体でありましても、若干積立金を持っております。その積立金で引き受けをしようか、こう考えておられた団体もあったようであります。あるいはまたなかなか引き受けられない。そうかといって民間で引き受けることも不可能だ、そこで銀行に特に持ってもらう。しかしながら、利子等の点について、銀行が負担をすることだから、無理に持ってもらうかわりに、差額を地方団体の方から銀行に補給をしようか、こういうような考え方を持っておられるところもあったようであります。もとより基本的には、民間団体に利用債の引き受けをあっせんをしよう、こういうことであろうかと思いますが、地方団体が直接関係するような事例としては、今申し上げましたようなものがあったようであります。
○天野(光)委員 九州の福岡県なんかは、地方自治団体でなくて、地方の有力な工場、会社等が持っておられるようでありますが、東北地方のごときは、とてもそういう会社、工場等がないわけでありまして、いわゆる地方自治団体が引き受けることを自治庁が了承しておるのか、県にあっせんさせることに了承したのかということが、ちょっとした集まりで問題になったのであります。自治庁は、赤字団体である県が鉄道利用債を引き受けることを承認する話し合いをされたのか、それとも自治団体が利用債をあっせんすることを引き受けさせるという話し合いをされたのか、どちらですか。
○奧野説明員 率直に申し上げますと、あっせんすることを了承しておるわけであります。無理じいはごめんをこうむりたい、こう考えておるわけであります。約束をいたしました第一点は、幹線電化の利用債の消化については、期成同盟会長たる関係県知事のあっせんを期待するということでありまして、第二点は、その際国鉄としては当該地方公共団体の引き受けを前提としては考えないということであります。このことは、言いかえれば、無理に引き受けを強要するというような態度はとらない、こういうことであります。
○天野(光)委員 その話はりっぱなんですが、ちょっと話が違うようなんです。そこでそれは来年度のことではないですね。三十三年度ですね。そこで結局あっせんをするといっても、あっせんする場所がない。そこでやむを得ないから、県金庫を持っておる銀行で持ってもらおうということになるわけでありますが、御承知のように、利用債は国債と違って、政府の保証の裏づけもなければ、逆に金利も安い。ゆえに利回りも安い。そういう関係から、とうていなまのままでは銀行が引き受けかねる。そこで先ほど局長から話があったように、それに対して各府県が利子の補給をするということについては、自治庁としては、再建団体の引き受けに対して利子の補給を承認する意思がおありなんですか。
○奧野説明員 今まで、関係の地方団体が国鉄側と若干の約束をせられておる向きがかなり多いのであります。その後に自治庁がそういう事情を承知いたしましたし、また地方団体側の希望もあって、あっせんをするような役割を買ったわけであります。しかしながら、当初に申し上げましたように、本年度に関します限りは、地方団体が約束をしている。そういうことについてとやかく干渉してぶちこわしにするような役割は、自治庁は避けた方がいいじゃないか、こういう考え方を持っておるわけであります。しかし、もとより地方団体が特別な利用債についての利子補給をするとかいうような態度をとったからといってそれの財政負担を自治庁がめんどう見なければならないというようなことは考えてないわけであります。
○天野(光)委員 自治庁にめんどうを見ろと言っておるわけではないのであります。起債を承認してもらえれば一番けっこうなんですが、そうはいかない。ことに利用債を引き受けないと、鉄道の方では電化をやらないという意思表示をしたと新聞は書いたということで、非常に問題になったわけなんであります。これは痛しかゆしで、やむを得ない措置として、地方自治団体が持たざるを得ないという格好になると思う。その場合に、さっきからくどいようだが、利子の補給をどうしてもしなければあっせんができない。利回りの関係なんかで利子の補給をしなければならぬ。これは政治的な問題で、利用債と国債との関係からいって、他に及ぼす影響が大きいわけです。せめて日本銀行の担保になれる性質のものであるならば相当いいと思うのですが、それもならないということになれば、その銀行だけがこれを十年間も持っていなければならないということになりますと、事実大きい問題だと思います。ことし一年度だけということでこの話し合いがあったということですが、一年間のものが、十年間連続して利子の補給をするようになると思う。県があっせんした場合、その利子補給をしなければ銀行は引き受けない。銀行が引き受けないからこれを解消するということになれば、電化はできないということになる。やむを得ず、県が銀行の引き受けられるだけの利子の足りない分だけ補給してやる、そうして銀行に持ってもらうということになる。それを再建団体である各県の予算支出に対して、自治庁は計画変更を承認するのかどうか。
○奧野説明員 本年度に関しまする限りは、地方団体の処置にまかしておきたい。持ちなさいとも、持ちなさんなとも言うことは避けたい、こういう気持を持っておるわけであります。従いまして、もし利用債の利子負担を予算に計上するというような事態が起りましても、それを承認しないというようなことは避けるべきであろう、かように考えておるわけであります。しかしながら、国鉄側といたしましては、地方公共団体の引き受けを前提としては考えていないということを約束しております。また副総裁は、地方団体が持たないからといって計画を変更するというような考えは持っていませんということを、話し合いをいたしました席上においてもおっしゃっておったわけであります。あるいは地元におきましては、いろいろなかけ引きもあって、話が出ておるかもしれませんけれども、国として計画を立てた事柄を、簡単に変更されるものでもないだろうというように私は期待いたしておるわけであります。もとより国鉄側としても、関係県知事等のあっせんを非常に期待されておることも事実でありますが、すでに予算化されておる問題でございますので、予算化された問題は、できるだけ本年度中に遂行されるようにありたいものだというふうに考えておるわけであります。
○天野(光)委員 答弁がちょっと逃げているような感じがするのですが、国鉄関係並びに運輸省関係の責任者と話し合いをしたのですか。やはり実際問題として引き受けないとできないですよ。それはこれから十年か十五年ぐらいたったならば、これはできるでしょう。しかし、たとえば今まで着工したものをすぐ来年やるのだということだと、これはおそらくノーだ。今局長の言われるように、計画通りやるのだということだと、どこでも断わるわけです。断わるとしても、できることは事実責任を持てますか。電化の促進をストップしないで、計画通りやれるのか。先ほどのお話では、消化が足りなくてもやるというように総裁並びに関係の筋が言っておられるという話ですが、全部断わっても電化は大丈夫できますか。ちょっとそういう話が出たのですから、あなたのお考えをお聞きしたい。
○奧野説明員 予算の編成の前後を通じまして、関係の団体が、かなり利用債引き受けについての約束を国鉄当局としておられた向きが多いようであります。こういうような点につきまして、自治庁としては、なお実行をしばらく待ってもらいたいというようなことから、そういう話し合いをしたわけであります。その際に、副総裁との話し合いの過程におきまして、管理局あたりでは、これを引き受けてくれなければ工事はストップするというような話をしておるようだけれども、国会にかけた予算の執行について、そういう態度があり得るのだろうかということを伺ったわけでありますが、その際に副総裁が、先ほど申し上げたようなことをおっしゃったことを、率直にここで申し上げておるわけであります。工事ができるかできないかという問題につきましては、これは国鉄当局との話し合いに待ちたい。なおしかし、その間に地方団体を不当に圧迫するというような言動がありますならば、自治庁といたしましても、できるだけ国鉄側と円満な話し合いができますように、あっせんに乗り出してしかるべきものだろうと思っておるわけであります。ただいまのところは、そういう心配はないというように私たちとしては考えておりますので、先般約束いたしましたような方向で事態を解決するものだというふうに理解をいたしておるわけであります。
○天野(光)委員 お話はわかりました。ただ利用債を引き受けないといって、予算化してあるので、これは穴になる。利用債を引き受ける金が出てこないのですから……。その場合予算の執行が不可能になる。大丈夫、予算化したんだからやってくれるというなら非常にけっこうなんだけれども、事態はそうはいかない。もう一つの問題は、引き受けてくれろと言われても、引き受けるとは言っていないんですよ。そこをちょっと誤解されておる。現実の問題として再建団体が膨大な—たとえば私の方の県ですと、約二億五千万か三億くらい出たそうですが、その金を予算化するのに、一体自治庁の了承を得られないで再建団体が予算化できますか。そういう意味からいって、その持ってもらいたいという話し合いはあっても、持つということを各県とも言っておりません。きのう関係の県知事が全部集まりまして、話し合いをいたしましたが、持つという意思表示はいたしておりません。そういう考え方から、理屈はともかくとして、当然引き受けさせるような客観的な情勢のようですが、そういう場合に、率直にいって、利回りも悪ければ保証も何もないというこの利用債を銀行に、二千万円、三千万円のはした金ならいいが、何億という金をストックさせるのですから、利子の補給をしなければならぬ。利子の補給については、これはまかりならぬと再建団体から言われると困るのです。そこのところを、再建団体である各県並びに市町村が利用債を引き受けて、そうしてそれをあっせんをする。あっせんをした銀行がどうしても引き受けない。これだけなら引き受けるといって利ざやの問題が出て、予算化したときには、これは自治庁が承認するということになれば何をか言わんやですが、そこのところを承認するかしないか。そのときになったらということでは、今の段階では困りますから、そこを承認するかしないか。赤字団体である県並びに市町村が、そういう国の発行しておる利用債を引き受けてそうして利息を多く出して銀行に持たせるというふうなことについて、自治庁は了承するかどうかという問題であります。
○奧野説明員 本年度に関する限りにおきましては、地方団体が利子補給をしたい、そういう予算を組みたいという場合には、これはいけないのだというような態度はとらないつもりでおります。
○天野(光)委員 そうしますと、三十三年度分については、一応そういう—なるべく多く出したいというわけじゃないのですから、最小限度利子補給をする場合には、自治庁の方で了承するということでありますが、三十四年度、来年度からの問題になってくるわけでありますが、おそらく国鉄側としても、運輸省側としても、相当膨大な利用債をまた来年度予算編成に持ち出す公算は大なんです。そういう観点からいたしまして、実は三十四年度以降の問題に対しては、これは予算編成時期でもありますので、一応自治団体や赤字団体に対する財政計画の問題もございますし、自治庁としては、運輸省と極力話し合いをされまして、地方自治団体の財政に及ぼす影響のない形において慎重に一つ処理されることはけっこうでありますが、財政上支障のあるようなときには、運輸省との話し合いをこちらの方で一つ解決されることを要望いたします。
○奧野説明員 お話の通りに考えておるわけであります。三十四年度以降は、そうした利用債は国鉄としても予算化しないという約束になっております。
○鈴木委員長 太田一夫君。
○太田委員 去る八月四日に、静岡、水戸など二十一市が決議をいたしました公営バス認可促進の問題であります。この問題につきまして、要望書が前会の十一日の委員会に資料として配付されて参りました。これによって少しお尋ねいたしたいのです。特に静岡並びに水戸におきましては、民営業者との間、特に労働者との間に、この問題をめぐりまして争いや混乱が起きておる節があるわけであります。特にこの問題につきましては、趣意によりますと、新市町村建設促進法の十三条の規定により一つ公営バスの認可をしてもらいたい、こういう趣旨でございます。そこで十三条の第一項の考え方によりますと、十三条第一項には、新市町村建設計画に対しますところの財政上の援助の内容が書いてあります。第二項には、計画を促進するための特別の配慮という内容が明らかになっておるわけであります。この点からみまして、公営バスを認可するということにつきまして、各二十一市が主張いたしております根拠、考え方につきまして、自治庁当局としてはいかように考えていらっしゃるか、お答えをいただきたいと思います。
○奧野説明員 御承知のようにバス事業につきましては、運輸省の認可を要するわけであります。自治庁といたしましては、住民多数に関係をする仕事でありますし、またもうけ主義を経営方針にとってはならないような事業につきましては、なるべく公営が望ましい、こういう希望を持っておるわけであります。具体的の点につきましては、実は行政局長の方であるいは何か考えておるかわかりませんが、私としましては、問題の起っておることは承知しておりますけれども、特段今のところ運輸省には申し入れをしていないわけであります。しかし、公営事業としてやることにつきましては、今申し上げましたような全体としての考え方は持っておるわけであります。
○太田委員 運輸省の方で一番問題になっておるのは、静岡市の問題だと思います。この問題につきましては、運輸省も非常にお困りになっていらっしゃるようなのですが、市の方の申請理由が、新市町村建設促進法十三条の規定、これによって、これによってというのが向うの言います理屈なんです。そこでその理屈から照らしまして、そういう主張が果して一番妥当であるかどうかという問題が一つあるわけであります。同時に、これは民営事業の圧迫になるわけでありますから、採算のとれない路線の運転をするのには、どうしても公営バスの方がいいということになりますが、しかし、そうすれば今度は地方自治団体の財政を圧迫することになるわけであります。そういう意味からいいまして、自治庁の方にしりが回ってきます。新市町村建設促進法に関する事業ということになりますと、やはり自治庁としての態度も要るのじゃないかと思いますが、現在のところでは、運輸省だけで取り扱っておるような気がするのであります。これに対して自治庁としても、こういう言い分が当るかどうかということについては、一応の何か御見解があってもいいじゃないかと思うのです。別に今まで御研究なさったということがなかったのかどうか、あるいは各二十一市から直接陳情に参りましたこともなかったのかどうか、お尋ねしたいのです。
○奧野説明員 行政局長がおりませんので、そういう意味での陳情を受けるとしますならば、行政局長であるかもしれません。財政局としては、特段そういう意味の陳情は受けてないわけであります。
○太田委員 私は、おそらく自治庁の方に対しては、あまり言ってきておらぬのじゃないかという気がするのです。前会の資料では、十三条々々々と、ばかに十三条と書いてありますので気になるのですが、たとえば静岡の場合についても、静岡の民営のバス会社が税制上の市民税並びに固定資産税で納めます金額を、これを金利に振りかえていきますと、二十両くらいのバスが保有できるくらいな価値があるのです。ましてや県民税並びに事業税まで含めますと、数十両という車を保有しても、それが免除されれば、それを金利に振りかえることができれば、非常に民営事業というものが多数の税負担をしておるわけです。その中で市の当局が、市会議長並びに市長連名でもって、民営バスというものが採算第一主義でもって立っていて新市町村の建設を妨害するんだ、こういうきめつけをなさいますと、少し問題がこじれてきて、地方の、今までせっかくその市のためにあるいはその住民のためにサービスをしていたところの会社並びにその従業員というのが、非常に肩身の狭い思いをするわけです。ですから経済上、経営上の立地条件がうんと違いますところの公営と民営との優劣論というのは、これは基本的な交通政策の問題だと思いますけれども、事、地方税に重大な関係を持っておるわけでありますから、自治庁当局としても、なるほどそうだ、市営バスをやれば市民税あるいは固定資産税はないんだ、従ってこれは非常に有利だから市営バスをおやりなさい、あるいは事業税はないし法人税もないんだ、非常に有利だからこれでおやりなさいということになりますと、今度は、民営バスとの非常に大きな論争になるわけです。だから、そういう点について、ある程度こういう二十一市が、西は岡山までだと思いますが、連名で陳情をやっておりますから、こういう点についての一応の御指導があってもいいのじゃないかと思いますが、その点についてもしおわかりでしたら……。
○奧野説明員 具体的な事例をもう少ししさいに検討いたしました上で、自治庁としての考え方をはっきりきめたいと思います。
○鈴木委員長 津島文治君。
○津島委員 去る五日に、交付税に関することにつきまして御質問を申し上げたところ、大臣は閣議御出席でございまして、お見えにならなかったのであります。それでお答えの方は奧野局長から承わりました。これにつきましては、まだ私は十分納得しかねる点が多々あるのであります。しかし、このことに関しましては、いずれ私もまたさらに日にちを変えまして、現在の交付税のあり方につきまして大臣にお尋ねすることとなると思いますが、きょうはさしあたって、ただいま問題になっております交付税の第三・四半期の交付に関しまして、大蔵省との間に話がつかない関係から、それが延び延びになっておるということでございます。これはこの間の五日の際にもお尋ねをいたしたのでございますが、その際奧野局長は、これは事務的に多少の行き違いがあっただけで、簡単に話がつくようなことであったのでございます。それで八日の月曜には確実に交付されるというお見込みであるということをお話しでございましたので、私どももそれを信じて、この問題につきましてはそれなりでお話を了承したのでありますが、まだこれが交付になっていないようでございます。ことにこの交付になっていないことにつきましては、そこに相当深い理由が存するのではないか。大臣も、直接に大蔵省と交渉に当られているというやにも承わりますが、事態は、心配しなければならないようなことに相なっておるのではないかというふうに考えられるのであります。何しろ五百数十億の巨額の金でございます。従いまして、これが一日遅れますと、金利の上におきましても非常に響いて参るのであります。また、いろいろ民間の方々も、この交付金が来ないということになりますと、影響する範囲が非常に大きいのであります。従いまして、この問題がどうなるのであろうかという関心が、すでに非常に深まって参っておるような次第でございます。従いまして、この機会におきまして、大臣は、大蔵省のどなたとどういう点において論争がなされておるのであるか、またそれがどういうことで解決をされるのであるか、それらの点につきまして、でき得る限りの詳細なお話を承わりたい、かように存ずる次第であります。
○青木国務大臣 この問題につきましては、お話のように、すでに自治庁から発表になりまして、その後現実に交付税が地方にいかぬということになりますと、各府県あるいは市町村とも非常に御心配に考えられるということは、私も御指摘の点よくわかるのであります。そこで、先週のこの問題が起りました当初、事務当局の意見をいろいろ承わりましたが、率直に申し上げまして従来これをきめまする前に、大蔵省といろいろ打合せをしてきめて参った。ところが、その点において、今回事務上若干の手違いもありまして、大蔵省側の十分な御理解をあるいはいただけなかったのじゃないかということで、私の方から大蔵省に参りまして、事務的にいろいろお話しをいたしたのであります。さらに先週の土曜日に、大蔵省の山中政務次官から連絡がありまして、いろいろ電話で連絡をいたし、さらに事務当局との話し合いを進めていただきまして、そうして昨日山中政務次官が自治庁に参りまして、さらに奧野局長また大蔵省の主計官にも列席していただきまして、いろいろ話し合いを進めたのであります。大蔵省の方としても、若干私どもの方の説明が足りなかったために、多少誤解をしておったかと思うのでありますが、事情をよく説明いたしまして、大体御納得を得たのじゃないか、かように私どもは考えております。昨日、できれば最終的な決定に運びたかったのでありますが、ありていに申し上げますと、大蔵省の事務次官が不在であったというような関係もありまして、実はきのう最終的の話し合いまでいかなかったのでありますが、おそらくもう今明日中には、私は大蔵省側との話し合いもつく、かように考えておるのであります。ただいまちょっと奧野局長に承わりますと、大蔵省の方から、二時ごろちょっと来ていただきたいというような連絡もあったということを聞いておりますが、おそらくその問題じゃないかとも考えております。大体話も詰めて参りまして、私どもの考え方も、大蔵省の方の御理解をいただくことができたのじゃないか、かように考えておりますので、おそくとも今明日中には妥結できるものと、かように私どもは考えております。
○津島委員 ただいまの大臣のお話を承わりますと、だんだんに話がつくような方向に向いてきておるというのでございますが、ぜひともそうありたいものであります。先ほど申し上げたことをまた繰り返すようでありますが、地方団体にとりましてはなかなか巨額の金でございますので、その及ぼす影響が非常に大きいのでございます。従いまして、大蔵省の事務次官がいないからとかなんとかいうようなことでこれが延びるようになりますと、非常に遺憾でございます。従いまして大臣はもちろん解決に急いでおられることとは思うのでございますが、地方の状況もよろしく御賢察下さいまして、なるべく早い機会において、完全に解決するようにしていただくという方向へ推し進めて下さることを重ねてお願い申し上げます。 —————————————
○鈴木委員長 次に、警察に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。川村継義君。
○川村委員 本日は地方自治及び地方財政、それに町村合併等を主として審議を進めていただくように、この前の理事会でお約束ができておりましたが、きょうはほんの一、二の点について、委員長の許しを得て警察の問題についてお尋ねいたしておきたいと存じます。 青木大臣がお見えになっておりますので、公安委員長というお立場でお答えいただきたいと存じますが、時間も大へんたっておりますので、くどくどしい前置きの言葉など抜いてお聞きいたしたいと思います。二点だけお伺いいたします。 第一点は、警察庁長官の石井長官が先般おやめになったということでございますが、大へんふしつけなお尋ねでございますけれども、ここで委員長から、石井長官の辞任に至る大体の経過、理由等がお示しいただけるならば大へんありがたいと思います。と申し上げますのは、これは私としては決してとやかく言う筋合いではございませんが、ちょっと変な憶測と申しますか、うわさと申しますか、耳にいたしましたので、公安委員会の公正という立場からいたしましても、やはり委員長として明らかにしていただく必要がある。こう思ったから、石井さんがおやめになったのは何か不本意な形でおやめになったのじゃないか、あるいは何か政治的な背景というものがあるんじゃないかというようなことなどちょっと聞いたわけですから、お尋ねいたしておるわけです。それでどうぞ一つ率直にその点をお話しいただきたい。
○青木国務大臣 石井長官の辞任につきましては、日ははっきりと覚えておりませんが、たしか八月の二十五日かと存じておりますが、突然私に会いたいということでお目にかかりましたところ、自分はかねがね後進に道を譲りたい、こう考えておったので、間もなく臨時国会も開かれるし、やがてまた通常国会ということになると、国会の途中でやめることは非常に御迷惑をかけることになるから、この機会にやめたい、こういうことの申し出が私にあったのであります。その前に、私とすれば、石井長官が、もちろん日は覚えておりませんが、ほかのいろいろな話から、率直な話でありますが、警察は外郭団体がないためになかなか他にかわるという機会も少いので、自然ほかへかわるということもなかなかむずかしい。しかし、いつまでも古い人がおるということになると、人事交流、人事の刷新もできないし、もう自分は古くなっているからそろそろやめたいんだということも、前に雑談の間に言ったことを私は聞いております。しかし、そのことがあったからといって、別に今回の問題と直接関係があるわけでありませんが、ただ八月の二十五日にそういう話がありまして、そうしてぜひ一つ後進に道を譲りたいからということでありましたので、私は、じゃどこかほかへおかわりになるのかどうかということも聞いてみたのであります。ところが石井長官は、別に今どこへ行くということを考えておるわけじゃない。こういうお話で、—そういうことをここで速記に残していいかどうかわかりませんが、そこで私重ねて、それじゃ参議院選挙にでも出るのですかということを軽く聞いてみたのです。その前に、石井さんは九州の管区局長会議ですか、それに行かれる途中で、お国の岡山に立ち寄ったこともございますので、あるいはそんな気持でもあるのではないかということをちょっと考えたもんですから、参議院選挙に出るのですかとちょっと聞いてみたのです。それに対して石井さんは、岡山のこの前の全国区の方が地方区にかわって、岡山を中心とする全国区の議員はいなくなるということもちょっと申しており、何やらそういうふうな話から、私の感じとしては、あるいはそういうふうな気持が若干あるのではないかという、これは私の印象であります。石井さんが別にはっきりと参議院に出るということを申したわけではありませんが、私のそのときの受けた印象は、あるいはそんなふうな気持があるのではないかというふうに私は受け取ったのであります。そういうことでありますので、石井さんの辞任の申し出に対しましては、私は、別にそれ以上無理にそれをおとめ申すということはいたさずに、その石井さんの御希望通り、御辞任になることを私としても了承いたした、こういうことであります。従いまして、私の承知する限りにおきまして石井さんがおやめになるについて、他からの圧迫だとか、あるいはまたほかの何らかの理由ということは、私自身としては毛頭考えておりません。純粋に石井さんのそういうお気持から出たことと、かように私は了承いたしております。
○川村委員 ただいま委員長からお話しいただきましたことを、そのままお聞きしておきたいと思う。とやかく触れ、いろいろ異論的なことを申し上げたいと思いません。ただ石井さんがおやめになろうというときに、今委員長からお話がありましたが、石井長官の警察庁長官としての手腕なり力量というものを、青木公安委員長としてはどのように把握しておられたか、それを私は存じませんけれども、ただ申し出があったからといって、それじゃよかろう、こういうふうに直ちにそれを承認の態度に出られた。委員長とされて、長官が一応そういう辞任をされても、やはりあの人の功績やらあるいは手腕、長官としての力量というものがあるなら、われわれとしては、何かそこに慰留されてもいいのではないかというようなことを実は今になって感ずるわけです。変な憶測かもしれませんけれども、そういうつまらないことをいろいろ耳にしてではなくて、今になって、なるほどそういう憶測もそういうところから生まれてくるのではなかろうか、こういうふうに思われてならない。そのときに石井さんの辞意が非常にかたくて、委員長としてどうにもならなかったということであればいたし方がないが、今になって考えると、一応これを慰留されるというようなお気持もあってしかるべきではなかったか、実はこういうような気持があるのです。実は、その憶測が生まれたというもう一つの原因に、こんなことがあるようであります。と申しますのは、石井さんの在任中にも、やはり警察行政の上からいろいろ好ましくない事態が相当に惹起いたしております。御承知の通りに砂川の事件であるとか、あるいは近くは本州製紙の事件であるとか、いろいろある。皆さん方の方は、これは当然正当な警察権の行使だ、こう御判定なさってやられたに違いありませんけれども、やはり私たちの立場からすると、警察権の行使というものが相当行き過ぎな部面もあったのではないかと思われるような、当時法務委員会あるいは地方行政委員会等で盛んに問題になりましたような事柄があった。ありましたけれども、私たちは、この地方行政において承知する限りは、石井長官は、何と申しましても、わが国の警察行政を民主的にやっていきたい、行き過ぎの警察権力の行使というものがないようにしなければならぬという、非常に誠実のある態度で終始しておられたように見受けるわけなんです。私といたしましては、そういう点で実は個人的には非常に敬意を表しております。石井さんが今度おやめになるについても、やはりそういうような石井さんの態度に、あるいは長官の使命を考えておられたということに対する経緯というものが形を変えて、先ほど申し上げますように、突然やめられるということについては何かあるのじゃないかというような憶測が生まれてきたのじゃないかと実は私が推測しているわけです。そのように石井さんが、警察官の訓練の問題あるいは教養の問題についても、非常に腐心をしておられた。十分注意をしておられたというその態度には、私は非常に敬意を表しておるわけです。ところが、今度突然おやめになったということについては、これは一つの独断的な推測かもしれませんけれども、たとえば日教組がとろうとしている勤評の問題に対するやり方、そのほか各地に労働運動の抵抗というものが出てきている。これを何らかの形で取り締っていかなければならぬという意欲が相当政府側にあるということは、私たちも認めておるわけです。そこで石井さんがこのまま長官にすわっておったならば、そういう取締り等に対して、相当長官の権限でこれを制約するんじゃないか。だから政府としても、あるいは警察当局としても、思うようにやれない。そういうことで石井さんの退陣を促進していった。こういうようなところに実は焦点がしぼられて、今度の退任問題についての見方が出てきておるわけです。私は、実は石井さんに会うたこともありませんから、よく事情はわかりませんけれども、そういう問題が、実は私が申し上げるようなことになって現われてきた。委員長としては、そういう点について、これは私がお尋ねしても委員長の御存じないことかもしれませんが、何かそういうものに対する御所見でもありましたら、ちょっとこの際お聞かせを願いたいと思います。
○青木国務大臣 かりにもお話のようなことがちょっとでもあるということでありますと、これはまことに重大な問題だと思うのであります。御承知のように、警察庁長官の人事というものは国家公安委員会が任命するのでありまして、もちろん総理の承認も得なければなりませんが、国家公安委員会の任命人事、そういう手続的にも非常に慎重なやり方になっておること、そのことは、いやしくも警察の中立性、不偏不党、そういうことからいたしまして、警察庁長官の任命について政治的な圧力、影響があってはならぬ、こういうようなことから制度的にもああいうきめ方をしておると思うのであります。また実際問題といたしましても、お話のように、石井長官の人格あるいは御手腕、識見に対しては、私も短かい期間でありますが、深く敬意を表しておるところでありまして、私どもといたしまして、石井長官にこの際退陣していただかなければならぬというようなことは、われわれ毛頭考えていないのであります。ただ先ほどもちょっと申し上げましたごとく、私といたしましても、突然の申し出でありましたので、どんな気持でおやめになるのか、それを承わってみたときの私の印象といたしまして、参議院というような気持も、私、十分看取できたのであります。そういたしますと、これはやはり石井さんとしてそういうお考えがあるとするならば、それを無理におとめ申すこともどうか、こういうことを私は純粋な意味で考えたのでありまして、これはむしろ石井長官の立場に立ってというか、同情というと語弊がありますが、むしろ石井長官の気持を尊重いたしまして、石井さんの申し出をお受けすることが、かえって石井さんのために適当じゃないか、こう私は判断を下したのでありまして、先ほど申しましたごとく、私は、突然の申し出であり、どういう気持でおやめになるのか、あるいはほかに適当なポストでもあって、民間の方へ出ていくような意図でおやめになるのか、あるいは何かあるのか、そういうことで実はそのことも聞いたのであります。私自身としては、今までのところ、そういううわさを耳にいたしておりません。率直に申しまして、川村委員から実はきょう初めて聞いたのでありまして、今までのところは、どちら様からも、何か圧力によってやめさせたんじゃないかというような質問を受けたことも実はないのでありまして、いろいろ御批判する方があるかもしれませんが、私の関する限りにおいては、ただいままで申し上げた以外に何もないというふうに御了承いただきたいと思うのであります。
○川村委員 よくわかりました。純粋にそうあってほしいと私ども念願いたしております。これ以上お聞きする必要はないと思いますが、実は、これもまた私の耳にしたところの憶測かもしれませんが、和歌山においてあのような事態が起った。これについても、石井長官は非常に心をくだいておられた。これは私たちが知っている日ごろの石井長官のあの委員会におけるいろいろの御答弁、お考えからすれば、長官としては、ああ困った問題だというようにお考えになったかもしれぬと思われる節も出てくるわけですね。そういうお気持もあったんじゃないかということなども言われているわけです。おそらくこれは長官に会うてみなければわからないことで、またそんなことでお聞きしても、いやそんなことはなかった。これは前長官としてはっきりなさると思うのですが、今日労使関係の労働運動の問題等が非常にきびしい状態にありますし、警察権の行使という問題につきましては、やはり新長官になられてから変ってはならない。やはり、私たちは、今私が心配申し上げているような、新長官になったからといって、前の石井長官と態度が変って、これが非常に強圧的になってくるということがあってはならない。あくまでも警察は中立の立場でそれぞれの警察行政、警察権の行使というものがなされねばならぬ、こういうふうに実は念願してやまないわけであります。どうぞ一つ公安委員長におかれても、そういう点は十分御配慮願って、私が一、二心配申し上げたような事態が起らないようにお願い申し上げたいと思います。 それから第二点でございますが、これは交通取締りに関係ある問題でございますが、私よくわかりませんけれども、ちょうど課長もおいでたようでございますから、この際お聞きしておきたいと思いますが、六日からあすまでですか、文部省が上野で道徳教育の伝達講習と申しますか、講習会をやっている。ところが、文部省の考えるような、官製的な上から押しつけるような、また時間を特設していくような道徳教育をやるべきじゃないというような意見も相当あるわけですね。これらについて私、とやかく申し上げようとは存じません。その講習会に講習を受けにくる人達に対して、われわれの立場を了解して、講習を受けないでもらいたいというような阻止の態度に、労働組合関係あたりが中心になってやろう、実際にやった。こういうことできょうは四日目にきているわけです。きょうも少しいざこざがあったようでございますが、それはそれといたしまして、こういう点を申し上げていると切りがありませんが、私が疑問に思いましたのは、文部省の中の中庭に講習員を集めて、そうしてバス六台に講習員を乗せて、前後をパトロール・カー、あるいはサイド・カーと申しますか、白バイ、こういうもので上野の会場に護送した。しかも問題は護送するやり方です。これに私は疑問があるのです。そのバス六台で文部省から上野に行くまで、全部ノン・ストップで突っ走っているわけです。これは一体許されるものであろうかどうか。ずいぶん交差点やその他では、一般の住民もこのことについては驚きもしたでしょうが、また交通上相当の迷惑もかけているのじゃないかと実は思っているわけです。私も、一応消防自動車の関係とかそういうものは大体わかっておりますけれども、講習会員をバス六台に乗せて、前後を護衛してストップなしで、そして会場の上野まで突っ走っていく。こういうことが一体許されるかどうか、またそれは法的に認められておるものであるかどうかということなど、実は交通取締りの関係からお聞きしておきたいと思ったわけです。その点につきまして、公安委員長からでもよろしゅうございますし、交通課長からでもよろしゅうございますから、一つ解明を願いたいと思います。
○内海説明員 かわりましてお答え申し上げます。文部省の道徳教育の講習会に出席する人たちを博物館に運びました件につきまして、私どももその事実は新聞その他で承知いたしておるのであります。警視庁の方から詳しくこういう事情を私まだ聞いておりませんので、正確にどういうふうにして送ったかということについてお答え申し上げかねるのでありますが、ただいまこちらへ来る前に聞きましたところによりますと、警視庁としましては、緊急輸送の扱いでこれを輸送したものではありません。白バイをつけたのは、非常に交通繁雑のところを六台に及ぶバスを連ねて行くために、交通に支障があってはいけないというので白バイを先導させた。パトカーをつけたのは、あれは御承知のように無線機を装備いたしておりまして何と申しましても、ああいうふうな実情のもとに出発いたしておりますので、途中何か変ったことがあってはいけないというので、本庁との連絡用務等の意味もあってパトカーを付した、こういうようなことを言っておりました。なお詳細につきましては、要すれば後ほどよく調査いたしたいと思いますが、ただいままで、その問題に関して私の聞いておるところでは、以上の通りでございます。 そこで緊急自動車という問題でございますが、ややくどくなりますが一応御説明申し上げておきますと、道路交通取締法の第十条に「公安委員会は、消防自動車、救急自動車その他内閣総理大臣の定める自動車(以下緊急自動車という。)について、」前の規定にある「最高速度を超えて、最高速度の制限を定めることができる。」というところで緊急自動車というものが出ております。これに基きまして、総理府令によります道路交通取締法施行規則の第二条で、緊急自動車とはどういうものをいうかという規定をいたしておるのでございますが、それによりますと「法第十条第三項に規定する内閣総理大臣一の定める緊急自動車は、警察庁若しくは都道府県警察において使用する自動車」以下防衛庁その他の例をあげておりますが、こういって、そうして第二項で「警衛、警護又は緊急輸送その他の緊急の用務のため、前項の規定により緊急自動車として指定された警察用自動車によって先導され、又はその前後を誘導される自動車及び同項の規定により緊急自動車として指定された防衛庁用自動車によって先導され、又はその前後を誘導される防衛庁用自動車は、それぞれその先導され、又は誘導されて通行している間、緊急自動車とする。」こういうことでありますので、以上申し上げましたような消防車とかあるいは救急自動車、さらに内閣総理大臣の定める警察用の自動車あるいは防衛庁の自動車その他この規則で定めます自動車及びそれらによって警衛、警護または緊急輸送その他緊急の用務のために前後をはさんで動いておる、こういうふうな場合には、そのはさまれておる自動車も含めて、その間だけは緊急自動車とする。こういうのが法の規定であります。そこで、この前あるいはきょう等の文部省の道徳教育の講習会に運ぶということが、果してこれによる警衛に当るか、警護に当るか、あるいは緊急輸送に当るか、その他緊急用務に当るかといいますと、明らかに警衛には当らない、警護にも当らない、緊急輸送あるいはその他の緊急の用務ということになりますと、これは要請する方の事情と、これを受け入れた警視庁側の判断によりまして、それが緊急輸送になるか、あるいは緊急の用務になるかということは、判定しなければならないと思いますが、先ほども申し上げましたように、本日までのそういう点につきましては、警視庁としても緊急輸送の扱いはいたしておりませんので、おのずから先ほども申し上げましたように、事実上交通整理の必要上、あるいは連絡用務のためにそういう車両をつけてはおりますが、その輸送自体においては、緊急自動車の扱いとしてそれらを認めておるとは考えられないのでございます。
○川村委員 今課長から説明いただきましたが、課長も、多分今御説明になりながら矛盾をお感じになったんじゃないかと私は思うのです。と申し上げますのは、緊急輸送というような形でも扱っていない。それなのに交通取締法の条文を見てみると、今お読みになりました施行規則の条文を見てみますと、明らかに該当しないものを輸送するに当って、文部省から上野まで、これはテレビなんかでごらんになった方はよくおわかりになると思いますが、ノン・ストップで突っ走るということができるでしょうかね。これはどこから考えても、交通取締りの関係から考えると行き過ぎじゃないか。そういうことはでき得ない、こう思うのです。警視庁の緊急輸送の処置でないということと、実際やったことについては、大きな矛盾があると思うのです。いかがでございましょう。
○内海説明員 この警視庁の方できのうあるいはきょうの輸送の方法が、いわゆるノン・ストップで走ったか、あるいは何分で文部省から上野まで走ったか、この点につきましては、まことに不勉強でありますが、私まだ事情を詳しく聞いておりませんので、それがどういうふうな運行の状態であったかということについては、なおよく調査いたしたいと思いますが、警視庁の方で私どもへ報告をしてくれました点は、いわゆる先ほど申し上げましたような緊急自動車としての扱いをしておらない、こういう回答でございますので、そうであれば、そこについておりました白バイは、単なる交通整理という意味の任務を持ったものである。それからそれについておりました。パトカーというふうなものは連絡要務のものであった、こういうふうに理解されるわけであります。それ以上のことにつきましては、先ほど申しました通り、詳細報告を受けておりませんので、ちょっとその点答弁いたしかねるのであります。
○川村委員 私は、今のバス輸送の問題について、パトカーがついた、あるいは白バイか先導した、そのこと自体は別にこの際取り上げて云々すべき筋合いじゃないと思う。ところが、緊急輸送のいわゆる緊急自動車としての取扱いをやらないのに、白バイかついたとか、パトカーがついたとか、たくさんの繁雑な朝の道路をいわゆる緊急自動車同様にノン・ストップで会場に突っ走っていったということについては、これは課長は、その事情をよくまだお調べになっていないということでございますからやむを得ませんけれども、かりにそれが事実であったとするならば、これは私としては、大いなる行き過ぎじゃないか、こう思われてならないのです。 そこでもう一つこの際明らかにしておきたいと思いますことは、第二条のあれによりましても、これは私の解釈が間違っておりましたら御指摘下さい。いわゆる総理大臣が指定しておるところの緊急自動車というのは、さっきお読みいただきましたように、警察用の自動車というのが一つになっておると思う。それから防衛庁の自動車というのが一つになっておると思う。それから検察庁において犯罪捜査のために使用する自動車というのが一つになっておると思う。刑務所その他の矯正施設において緊急警備のために使用する自動車ということが一つになっておると思う。それから公共用応急作業の自動車ということが一つになっておると思う。あるいは保存血液を販売する医薬品の販売業者が、その血液を緊急輸送するために使用する自動車、こういうことになっておりましてそれは警視総監やら道府県警察本部長が指定することになっております。それから第二項を見ましても、それらの警衛、警護または緊急の用務のために前項の規定により緊急自動車として指定された警察用自動車によって先導され、またはその前後を誘導される自動車、こういうふうになっておりますから、これを静かにかみ砕いて参ると、それは確かに警視庁の解釈通りに、六台もの列をなしたところのバス、しかもそれは講習会である。それを緊急輸送として先導するとか、護衛するということはあり得ないと思うのです。それがこの通り第二条を解釈するということになりますと、結局、さっき警視庁が解釈しておるように、あなたの方から御答弁がありましたように、ただ連絡用であるとか、交通整理のためのものであった。こういうふうに警察関係の自動車がついたら、それはそれとして、私は、やはり赤信号なり青信号なりの出ておるところの交通の場合、あるいはそういう交通整理の警官がおられないところにおいては、それぞれ法の定めがありますから、それに従って進行して運搬輸送すべきものだ、こう考えるわけなんです。その点は、そういうふうに解釈して間違いないと私は思うのですが、その点を一つ課長からお聞かせ願いたいということと、先ほどから申し上げますように、そういうような解釈が成り立つとするならば、あのバス六台の長い列をノン・ストップで上野まで一瀉千里で運んだというやり方は、どうしてもこの際やはり納得できない処置じゃないか、こう考えざるを得ないのでございますが、その点について、一応課長は今までの事実を調べる、こうおっしゃっておりますから、御存じないのをどうこう言うわけに参りませんけれども、私の申し上げますことは、これはテレビに写っておるし、道路の混雑も目に見えておるし、いろいろ目撃者がたくさんおるわけですから、そういうことを事実として、私の申し上げておることがどうなのか、一つ御解明願いたい。
○内海説明員 御説のように、緊急自動車には一つの特例があるわけでありますから、その特例は適用されるわけであります。緊急自動車の扱いをいたさぬ場合には、一般道交法の規定に従わなければならない、これは当然のことでございます。ただ信号等の場合につきましては、私もよく事実を調査いたしておりませんので、何とも事実については申し上げかねますが、場合によりますと、そういうふうな大きな集団が輸送されるような場合には、信号機をとめまして、その場に警察官を立たせまして、警察官の手信号あるいは警察官の指示によって通過させることも、今までの他の場合にもしばしばございます。これは必ずしも緊急用務とか何とかいうことでなしに、たとえば大きな行列が通る、あるいは一定量以上の陳情する人たちが通行する、あるいは小学校なり中学校の遠足等の隊列が通る。こういうふうな場合には、臨時に信号機をとめまして、そして警察官の手信号等によって通過させておる場合もございますので、事実を調べた上でないと何とも申し上げかねますけれども、もしいわゆるノン・ストップというふうな点があるとすれば、そういう措置に基いたものではないか、こういうふうに私としては考えております。
○川村委員 確かに今お話のように、ある特別な、私たちも、皇太子あたりが映画を見にいかれるときに、ずっと交通整理をされて、さっと行かれるというようなことも覚えております。また大きな団体が横断するときに、そういう人命尊重の立場から、警官の人たちが臨時に処置して下さったという事実も知っております。知っておりますけれども、大部隊が全部通り終るまでそういう処置をなされたことはないのです。やはり、ある一定の区切りをもってこれはやって下さっておる。前に、吉田総理がここからお帰りになるときに、大磯までずっとノン・ストップで飛ばしたということは聞いておるのであります。それがどういうことでやられたか知りませんが、こういう今私がお尋ねしておるようなことを乱用しませんでしょう。そういうことを認められるということになると、ある特殊の場合を利用してノン・ストップで飛ばされるということになると、一般の交通に相当の障害を及ぼす。特に課長の知っておられるように、今日、交通事故の防止ということは、一つの国家的宿題みたいになっておるわけであります。そういうときに、単なる講習会を受けに来た人たちを運ぶのに護衛するとか、連絡のために—いろいろ反対の連中も出てくるでしょう。そのために何か摩擦が起らないように連絡する、そのことは私はあえて言いませんけれども、そのバスの前後を護衛して、そしてふっ飛ばしていくということについては、やはりそれが事実とするならば、私が申し上げていることは、決してこれは行き過ぎじゃないと課長もお認めいただけると思いますが、一つその点について、もう少し実際のところを、あなた方の立場で一つ調査しておいていただきたい。私は、今課長の答弁を聞いて、とにかくそういうようなことをやったということ、これはいいことじゃなかった。これはもう警衛、警護の上からいっても、相当行き過ぎの行為として断ぜざるを得ない。こういうふうに解釈するわけであります。 実は、明日まで講習会があるそうですから、私は、委員長にお願いして、自民党の方だれかと、社会党からも一人、その実情を—あしたはどういうことになるかわかりませんが、その実情を一つ見てもらいたい、こういうことの希望を持っています。しかし、これは委員長の御承諾をいただければ幸いなんでありますが、われわれが行って見るということになりますと、そういうことがなくなってしまうかもわかりませんが、実は早くそれに気づけばよかったのでありますが、とにかく今度講習員を運搬したというやり方については、交通取締りの上から考えて非常に遺憾な点が多い、こう言わざるを得ないのであります。これは希望になりましたけれども、こういうことをたびたびやられないように一つ善処していただきたい。時間がありませんから端的にお尋ねしたのですが、どうぞよろしくお願いをいたします。
○鈴木委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十二分散会