地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/06/20
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 この際、国務大臣青木正君及び自治政務次官黒金泰美君並びに自治事務次官小林與三次君から、それぞれ発言を求められております。順次これを許します。国務大臣青木正君。
○青木国務大臣 私、不敏でありますが、今回はからずも自治庁長官及び国家公安委員会委員長に就任いたしました。 地方行政と警察の問題につきまして深い御造詣をお持ちであり、かつ平昔なみなみならぬ御尽瘁を賜わっておりまする地方行政委員会の委員各位に対しまして、今後格段の御教示と御協力を賜わるよう、まずもって心からお願い申し上げます。 さてこの機会に地方自治と警察の当面する問題点と、所懐の一端を申し述べたいと存じます。 まず地方行政につきましては、かねて進めて参りました町村合併もようやく完成の域に近づいて参ったのでありますが、申し上げるまでもなく、文化国家、福祉国家の建設は地方公共団体の力に待つことがきわめて多いのであります。従いまして、今後合併によって新たに誕生いたしました新市町村の建設に力をいたすはもちろんのこと、広く地方団体全体を通じまして行政の刷新、合理化をはかるとともに、地方自治行政の近代化と能率化を積極的に推進して、その行政水準の向上に関する施策と相待って、自治行政の基盤を一そう強化し、国力の基礎を充実して参りたいと存じます。 次に、選挙制度につきましては、目下選挙制度調査会において、参議院の全国区制の問題について御検討を願っておるのであります。衆議院選挙の小選挙区制の問題につきましては、二大政党対立下における議会政治の健全なる発達をはかるため、私個人としては従前からの賛成論者でありますが、影響するところが重大でありますので、諸般の情勢を勘案いたしまして、慎重に検討いたして参りたいと存じます。また選挙の現状からいたしまして、選挙を真に清く正しいものにするためには、制度面における改善とともに、公明選挙に関する常時啓発にたゆまぬ努力を根気よく継続して参りたいと存じます。 次に、地方財政は、当委員会各位の格段の御協力によりまして、逐次講ぜられて参りました国の各般の健全化措置と、地方団体の異常なる努力と相待ち、ようやく往年の苦境を脱し、一応再建の緒についたともいうべきものでありましょう。しかしながら、地方団体は、いずれも必要な事業まで切り詰めながら財政再建を行なっておるというのが実情でありまして、今後は道路、橋梁や上下水道の整備、不正常授業あるいは危険校舎の解消等住民の福祉に密接な関係のある事業のための財源を充実し、行政水準の確保向上をさらに一そうはかって参らなければならぬと存じます。このためには、懸案となっております国の直轄事業に関する地方団体の交付公債についての合理的な解決もはかる必要がありましょうし、また本年度限りで失効する地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律の処置の問題、あるいはまた本年度に限られている道路整備関係経費に関する国の負担率の特例の対策等も真剣に考えていかなければならぬと存じます。 なお、減税問題につきましては、国民負担の軽減をはかるために、この際断行すべきものとは考えますが、国税、地方税を通じて優先順位もありましょうし、また減税財源についても、地方財政の現状と問題を十分に考慮してこれに対処していかなければならないものと考えております。 なお、地方財政の安定化が進むとともに、地方財政運営の合理化を通じて長期健全財政の基盤が確立されるように、その対策も講じて参りたいと考えております。私も、及ばずながら全力を尽して地方行財政当面の諸問題の解決に当る覚悟でございますが、何とぞ格段の御支援、御協力のほどを切にお願い申し上げます。 次に、国家公安委員会委員長といたしまして一言ごあいさつ申し上げます。民主的かつ能率的な警察の育成に努力して参りたいと存じますが、予算、装備、法規上等の点におきまして、今後さらに一段と地方行政委員会の皆さんの御理解と御協力とを煩わさなければならないことが多いのでありまして、何分ともこの方面におきましても格段の御支援、御協力をお願いいたします。 以上簡単に所懐の一端を申し述べまして、私の就任のごあいさつといたします。よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○鈴木委員長 政務次官黒金泰美君。
○黒金政府委員 このたび自治政務次官に任命されました黒金泰美でございます。昭和二十七年にちょうど半年ほどこの委員会に御厄介になりました。その後まことにごぶさたを続けておったのでありますが、またはからずもこちらにお世話に相なることになりました。浅学非才であり、経験にも乏しい者でありますが、円満に仕事ができますように全力を尽して参る決意でございます。どうかこの上ともに御鞭撻御協力を賜わりますようお願い申し上げます。(拍手)
○鈴木委員長 事務次官小林與三吹君。
○小林説明員 このたびはからずも前の鈴木次官のあとを受けまして事務次官を拝命することになったのでございます。前次官に比しましてまことに未熟浅学でございますが、あらゆる点に力を尽して皆様方の特別の御支援によってこの仕事に当りたい。そして新大臣、新政務次官を補佐して、自治庁が当面いたしております重要な問題の解決に微力を尽したいと存じておる次第であります。何とぞ特別の御支持と御鞭撻をお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○鈴木委員長 これより地方自治及び地方財政に関する件、警察に関する件並びに選挙に関する件について調査を進めます。 質疑の通告があります。順次これを許します。中井徳次郎君。
○中井(徳)委員 ただいま新任の大臣以下各位からごあいさつを承わったわけであります。今度の議会は特別国会でありまして、そう会期も長くはないというようなことでありまするから、いずれごあいさつ願いましたことにつきましての具体的な政府の施策は、臨時国会並びに通常国会でおやりになると思いますが、今ごあいさつ賜わりましたようなこと、あるいはまた最近問題になっておりまするようなことにつきまして、きょうはまあ冒頭でありますから一般的な心がまえ等につきまして二、三私は政府の見解をただしておきたいと思うのでございます。警察関係はあとで同僚の北條君からも御質問があると思います。従いまして、その前に自治庁関係のことでごく二、三お尋ねをいたしたい。 選挙制度のことのお話がございまして、青木大臣とされましては、個人としては小選挙区制に賛成だというふうな今御意見でありましたが、私ども社会党といたしましては、現在の日本の状況から考えまして、一昨日も同僚の中村議員から話がありましたように、まだまだそこまでいく段階ではない、ことにこの総選挙を通じまして出ました選挙違反の状況その他から関連をいたしまして、とうていまだ大きな改革にとりつくまでのそういう時期ではない、こういうふうに思うのであります。大臣も慎重に検討されると言うておりますが、一つ個人としての見解、どうして小選挙区でないといけないかというふうな見解について、ちょっと冒頭えらい突っ込んだ話で、基本的なことをお尋ねして恐縮かもしれませんが、一つ軽い意味で、どうして、小選挙区制がいいとお考えになっているか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
○青木国務大臣 小選挙区制度そのものにつきましての私の考えでありますが、まだ政府として、小選挙区制度を採用するというような政府の方針が確定しておるわけではありませんけれども、中井先生のお話も、私個人の考えというようなお話でありますし、軽い気持というお話もありましたので、私個人の考えを中心としてお話ししてみたいと思うのであります。私は、この前の小選挙区案が国会に提案された当時、いわゆるゲリマンダー問題が論議の中心となりまして、小選挙区制度そのものについての論議というものが比較的少かったように思うのであります。私は、もちろんその区割り問題についてのいろいろな批判がありましたことについては、大いに反省しなければならぬと思うのでありますが、小選挙区制度そのものについて考えてみますると、民主政治のもと、ことに二大政党対立下の現在における国政のあり方を考えてみますると、結局、国政というものは現実の問題として政党がこれを担当しておる、これが実際の姿だと思うのであります。従いまして、個人本位の選挙をやるというよりは、やはり小選挙区制度によりまして、全国的に、甲の政党の政策がいいのか、乙の政党の政策がいいのか、こういう選挙をやることによって、二大政党ともに政策本位に、そうして実際的なあり方になってくるのじゃないか。つまり、政治の責任は実際に政党がこれを担当しておりますので、政党本位の選挙をやることが国政を正しいあり方にする道である、こう私は考えるのであります。従って私の考えといたしましては、小選挙区制度によって、個々の議員の当落とかどうとかいう問題はしばらくおきまして、そういう問題を離れて、真に政策本位に国政を担当する責任を持つものとしての政党、その政党本位の選挙、こういうふうな選挙が私は望ましいあり方ではないか、これが基本的な考え方であります。
○中井(徳)委員 今一般的な御回答でありましたが、ただ御答弁の中でちょっと気にかかりますのは、この前小選挙区制度を出しましたときの反対はおもにゲリマンダーであった、こういうことでありますが、しかし、それはちょっと見解が違うのでありまして、私は小選挙区そのものに反対でありますが、そのうち最もひどい、あんまりひどいじゃないかというのがこのゲリマンダーであった、こういうのでありまして、従いましてゲリマンダーを追及した、こういうことであったと思うのです。現実はゲリマンダーでないと出せなかったというところに、私はやはり日本の現状があったと思う。社会党じゃなくて、皆さんの属しておられる保守党自体の中で、ゲリマンダーでないと小選挙区ができなかったというところに大きな原因がある。私は、そういうふうに考えてみたいと思うので、こういう点におきましては、私は、そう簡単に結論をお出しになり、なにするということは、日本の現状から見て、はなはだ危険千万、ほとんど言うべくして、実際またこの次あなた方がお出しになると、ゲリマンダーになるというふうな考え方を持っておるのです。だからそういうものとの関連において、小選挙区制度といってもたくさん方法はあろうと思います。おそらく私は、大都市等におきましては、なかなか区割りができないというふうなことから、大都市は二人区だ、地方だけは一人区だというふうな、やはり結果から見るというと、現在の保守党にはなはだ有利であるというふうな形が現実に出て参って、それがどうもやはり論争の的になるというふうなことを私は非常に心配するわけでありますが、この際比例代表等につきましてはどういうふうなお考えであるか。きょうのこの問題は大きな問題でありまするから、これ以上申しませんが、比例代表について大臣は個人としてどういうお考えを持っておられるか、この点だけをちょっと参考までに伺っておきたい。
○青木国務大臣 私の説明に不十分な点があったかと思うのですが、ゲリマンダーに対する反対というより、私はゲリマンダーに対する論議がもっぱら当時の論議の中心になってしまったというきらいがあったのではないかというふうに申し上げたのです。 それからただいまのお話でありますが、お話しのように、この問題は議会政治の根本に関する問題でもあるし、それから議員の身分にも関する問題でありますので、慎重に検討せなければならないことは当然でありますから、私自身としても、まだ結論的にどうというところまでいっていないのでありまして、先ほど申し上げましたように、諸般の情勢を考え、また広く各方面の意見も聞きまして、慎重に検討して参りたい、かように存ずるのであります。あり方といたしまして、およそ考えられる点は、この前の案と申しますか、ああいうように何らかの機関に対して区割りの設定をお願いして、それを法案に盛り込むという考えもあるでありましょうし、またこの前のときに自由党側から修正案を出しておるのでありますが、あの修正案の考え方は、初めから区割りを法案に入れることなしに、公正な第三者に区割りの作成を依頼するという考えに立って、区割りの画定委員会を設置するというような考え方に立っておったわけであります。そういうふうなあり方もあるでありましょうし、御指摘のように、西ドイツの場合等のように、小選挙区制度と比例代表制とを加味した一つの案、こういう考え方もあろうと思うのであります。そのいずれが日本の実際の姿に適応するか、こういう問題につきまして、私としては実はまだ結論を出すまでには至っていないのであります。西ドイツは、御承知のように昨年選挙がありましたし、それから政党法もたしかもう制定できたと思うのでありますが、そういう政党法が現在ない日本において、ああいうような制度が採用できるかどうか、こういう問題につきましても、さらに掘り下げて検討してみなければならぬのではないか、かように考えておるのでありまして、せっかくのお話でありますが、ここで比例代表制に対してお前はどういう考えを持っておるか、こうお尋ねになりましても、私としては、もう少し検討させていただきたい。軽々に結論を出すわけには参らぬのではないか、はなはだ恐縮でありますが、もうちょっと勉強させていただきたい、こうお願いするわけであります。
○中井(徳)委員 今、選挙制度のお話、結論は軽々に出さないということでありますが、当然だろうと思うので、一つ当分軽々に結論を出さぬようにしておいてもらいたい。これはいろいろ憲法改正の問題だとか、あるいは社会党の動きをどうすれば押えられるかとか、いろいろ与党としてのお考えもあろうと思うが、今の選挙の結果などをよく御判断賜わったら、選挙制度の問題については、そう急いで自治庁としてお取り上げになるということはどんなものであろうか。きょうのごあいさつの中でたまたま冒頭にありましたから、私ちょっとお尋ねいたしました。あと関連質問があるそうでありますから……。 次は、地方財政の問題であります。地方財政の長期健全化について一つ腹をきめてやりたいということはけっこうだと思いますが、その場合に私、最近こういうことを聞くのであります。たしか太田国務大臣の時代であったと思いますが、国家公務員と地方公務員との間に区別をつけないというふうな大前提が、一応保守党の内閣のもとにおきましてそういう申し合せができた、こういうことを聞いております。そしてこの委員会でも、太田さんからはっきりした言明がたびたびございました。ところが、最近の動きを見まするというと、たとえば市町村の職員給与のごときは、これは過去のいきさつからいいまして、国家公務員あるいは県の職員等に比べまして多少低い。こういうものについてはそのままでいこうじゃないかというふうな話がちらほら出ておるやに私は伺うのでありますが、これではどうも太田元大臣の言明と違背することはなはだしいので、この点についての大臣の見解をちょっと伺っておきたいと思います。
○青木国務大臣 太田元長官がどういうふうな御発言をなさいましたか、私実は承わっていないのでありますが、公務員という立場におきましては、国家公務員も地方公務員も同じような立場と申しますか、責任と申しますか、持たなければならぬことは当然だろうと思うのであります。しかしながら、国家公務員の任命権者は、言うまでもなく国の方の関係であり、地方公務員は地方公共団体でありますので、任命権者も違いますし、またそれぞれの地方と国との事情の違いもありますので、やはり大きな考え方といたしましては、もちろん公務員という立場において同じような共通の線に立たなければならぬと思うのでありますが、具体的問題になって参りますと、やはりおのずから相違が出てくることもあり得るのはでないか。しかし、待遇の問題であるとか、処遇の問題等につきましては、現在の法制がそうであるように、やはり国家公務員と同じように扱っていかなければならぬと私どもは考えておるわけであります。
○中井(徳)委員 そういう御答弁ですと、それに関連しまして、例の財政の再建団体と自治庁との紛争の問題があります。これは大局的に見ますと、金額的に見ましても、何に見ましても、そう大した問題じゃないのですね。それを何か非常に自治庁がこだわりまして、七つか八つの知事と非常に対立しておるというような格好になっておる。何か給与表が、国家公務員よりごく一部の面において、十八ヵ月の昇給が十二ヵ月になっておるとかいうふうなことで、金額的にはきわめて小さな問題にひっかかってしまいまして、にっちもさっちも動かないような情勢で、あなたの任命権者の自主を大いに尊重するという面から見ると、全く違背をしたような形になっておる。そうしてそういうものに籍口しまして、利子補給を打ち切るとかなんとかいうようなことで、私は、国政全般から見てまことにどうもつまらぬ論争が行われておるというふうに考えるのです。それは大蔵省あたりの事務当局のそろばんで、そのままいって右へならえというふうなことで、自治団体ではなく、国家公務員の下部機構のような考え方を推し進める。金額的には全然問題にならぬというふうなことで、新大臣はそういう意味の政治力は大いにお持ちになっておるというふうに私了解しておるのですが、簡単にどうですか、就任早々の仕事として一つ片づけていただいたらどうか、私はそう思います。こういうことで何回も論争して、まことにつまらぬことである。現実には、その定員表ですか、給与表ですか、それを当てはめる人もおらぬ。あと三年たったらようやく当てはまるのだというようなことにまで籍口して、何かぎゅうぎゅうやっておるということは、まことに政治のあり方として私は醜態だと思うのですが、どうですか。こういう面についての御見解を一つ伺って、できれば私の要望いたしますように簡単に解決してもらいたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○青木国務大臣 ただいまお話の再建団体に対する問題でありますが、私も実は就任早々でありますので、先般一応の事情は承わったのであります。そして問題の所在は一応わかったのでありますが、お話のように、この問題は何とかできるだけ早く円満に解決しなければならぬ問題だとも考えております。しかし、正直に申し上げますと、まだ実はいろいろ説明を承わっただけの状態でありますので、ここですぐどうという確答は実は申し上げかねるのであります。なお、従来のいきさつ等につきましては、小林次官からも御説明をお聞き取り願いたいと思います。
○中井(徳)委員 この点はそれじゃこの次に聞きますが、そういう事務的なことに大臣がひっかからぬように願いたいのであります。せいぜい大きくてもわずか数十万円かそこらのことでしょう。それで陳情したり集まったりなんか——職員組合の方だってそうなればほっておけないということになってそちらの経費の方が数十倍要っているというふうな、そういう政治はどうもおかしいと思いますので、これは強く要望しておきます。 それから最後に減税の問題ですが、この三月の国会では、社会党から減税案を出しました。事業税をたとえば八%の税率を六%にしろというようなことで、それについて与党の皆さんは、予算を一銭もいじっちゃいけない、ずいぶん金が余っているけれども減税案には反対だというので、われわれは涙をのんで敗れたわけです。敗れまして一ヵ月ほとして選挙が始まると、事業税を撤廃する、私の選挙区では事業税撤廃案を大いにぶった与党の皆さんがおられる。それは賛成なんですよ。しかし、それは急に撤廃できるものかどうか。撤廃は私は無理だろう、減税だろう、こう言うておいたのですが、自由民主党としては、公約に事業税を減税する、中には撤廃を言うた人があるわけですが、公約としては減税ですから、確かに事業税の減税はやられるでしょうね。これは一つ大臣からはっきり言ってもらいたいと思います。
○青木国務大臣 御指摘のように、選挙に際しまして、自由民主党は事業税の減税を公約いたしておるわけであります。総理も、先日の所信表明におきまして公約は必ず実現するということを言明しておりますので、私どもも、この公約実現のために全力を尽して参りたいと思います。その程度等につきましては、まだ検討中でありますが、公約実現のために事業税の減税をやりたい、かように思っております。
○中井(徳)委員 事業税の減税の問題はけっこうだと思うのですが、できれば撤廃してもらいたいが、そういうものについての身がわり財源などについてはどういうふうな考え方を持っておられるか、奥野さんもおられますので、財政の裏づけを伺っておきます。
○奧野説明員 財政問題と税制問題とからみ合って参るわけでございますけれども、税制度も合理化しなければならないだろうと思いますし、また地方財政の面においても合理化しなければならないだろうと思います。その問題は、単に地方財政だけの問題ではなしに、地方財政、国家財政全体を通じて考えなければならぬと思います。そうしますと、党の公約に従いまして地方財政も健全性を維持できる、公約も実現できる、そういう道を発見していかなければならない、またやりようによって、そういうことも可能だろうと思っておるわけであります。
○中井(徳)委員 事業税の減税はどれくらいやるか、大臣、どうです、はっきりこの際お答え願いたいと思います。
○青木国務大臣 減税だけの面から考えますれば、あるいはどの程度と簡単に答えは出るかもしれませんが、同時に先ほど奥野財政局長から申し上げておりますように、やはりその財源措置も考えなければなりませんし、ことに地方財政の面になりますと、地方財政がせっかく健全化して参りましたので、減税の結果地方財政に与える影響等、いろんな問題を考えなければならぬと思うのであります。それから国との関連ももちろんあるわけでありまして、政府側におきましても、また党側におきましても、その具体案の作成にさっそく取りかかろう、そういう準備をいたしておるわけであります。従いまして、何もかもまだ確答申し上げかねるというのはまことに恐縮なんでありますけれども、問題が減税でありますので、軽々にこの程度やりますということを申し上げることもかえってどうかと思いますので、しばらく御容赦をお願いいたします。
○中井(徳)委員 何もかもさっぱりわからぬ、こういうわけでありますが、しかし事業税の減税をやるということだけは、一つはっきり言明してもらいたい。そうでありませんと、私は誘導質問をしておるようなもので、おかしな工合なんです。しかし、これは社会党の公約でもありましたから、言うのであります。二大政党両方とも事業税は下げる、下げ合いの競争のようなことを言っておったのですから、あなたの方でも事業税は必ず手をつける、これはこの際はっきりと言明してもらいたい。これは議会主義の発展のためにもぜひ必要かと思うのですがどうですか、率は言えないにしても……。
○青木国務大臣 公約にその点をはっきり出しておりますので、公約通りやりたいと思っております。
○鈴木委員長 北條秀一君。
○北條委員 私は選挙法の問題について、関連して質問をしたいと思います。大臣のお話が重要な点になると声が小さくなりますので、聞きにくいので、あるいは聞きそこないかもしれませんが、昔から私どもに対する一つの戒めとしていわれておりますように、人はその言葉の端々に本質を現わすということがございます。別にあげ足をとる意味ではありませんが、しかし先ほど大臣が言われました小選挙区の問題は、政策本位すなわち政党本位だということを言われたと思うのでありますが、そこにも私は問題があると思うのです。純粋に政策本位でいくならば話が非常によくわかるし、従ってまた中井君が言いましたようなゲリマンダーのようなああいった小選挙区制はできなかったと思うのであります。それを政策本位から直ちに政党本位に持っていくというところに私は非常な間違いが生ずると思うのであります。従って、そういうふうに大臣は言われたのでありますが、大臣の中心のお考えは、政策本位すなわち政党本位にものを考えているのかどうか、この点についてはっきりお伺いしたいと思うのであります。
○青木国務大臣 もとより議員個人の性格なりあるいは考え方なりが、その所属する政党に影響することはもちろんであります。しかしながら、大きく考えるならば、やはり何と申しましても政党の政策というものに重点を置いた選挙、つまり政党本位の選挙ということが必要じゃないか。現在の中選挙区になりますと、選挙の実際を見ますると、政策本位の選挙というよりは、むしろ個人本位の選挙の傾向が非常に強いのじゃないか、こういう気が私はするのであります。もちろん、りっぱな個人が出なければりっぱな政党はできないのでありますから、個人というものを軽視するということはどうかと思うのであります。しかし、ウエートをどっちに置くかというと、やはり政党本位の選挙ということがいいのじゃないか。そうなりますと、小選挙区によって、甲の政党がいいか、乙の政党がいいか、そういう選挙を選挙区ごとにやることが最も必要じゃないかと思うのであります。現段階におきましては、甲の政党に属する人が五人も六人もおり、乙の政党に属する人が三人も四人もおりますので、ともすれば政党の政策というよりは、個人についての戦いという格好になりまして、その結果として、選挙が政策本位というか、政党本位というか、そういう点から多少離れてくるのじゃないか。ところが、実際の国政の運営は、申し上げるまでもなく、個人というよりは政党が実際にはこれを担当することになりますので、やはり政党本位の選挙の姿にすることが、私は二大政党下におきましては特に必要じゃないか、こう考えるわけでございます。
○北條委員 大臣のお考えはわかるのでございますが、私の考えと平行線でありますから、次の機会に譲りたいと思いますが、しかし政党は、哲学、倫理あるいは主義主張を一にする者が集まって党を作るのであって、政策はおのずからそれから生まれてくるものなのであります。従って、党というものは政策を実行するための一つの方便として生まれる。従って、大臣が先ほど言われました政策本位すなわち政党本位だという考え方、それが政党本位になり過ぎて、その結果さきの小選挙区のような案が出たということを考えると、この点は、私が先ほど言いましたように、あなたと私の考えは今のところでは平行線になると思いますので、これ以上申し上げません。 もう一つ、私はこの際大臣に希望したいのでありますが、先ほど地方財政の問題につきまして、問題の再建団体のことに関しまして、問題の所在がはっきりしたということを言われましたが、大体これからも勉強してやるのだということはきわめてごもっともな話かもしれませんが、同僚議員の中井君が言われましたように、大臣就任早々に、過去何年間か懸案になっておった再建団体の問題を早急に片づけていただきたい。これまたもののたとえでありますが、たとえば百メートルの競走をやりましても、スタート・ダッシュというものを必ずかける。スタート・ダッシュをかけなければ大体競走に負けるのでありますから、この際青木大臣は、よく研究してというようななまぬるいことを言わずに、スタート・ダッシュをかけて早急にこの問題をやられるように特に希望したいと考えます。 つきましては、これは別の問題でありますが、この際大臣にお考えを聞いておきたいと思うのであります。六月十八日の本会議におきまして、岸総理大臣の施政方針演説に対して、中村高一議員が質問をいたしました。その際に総理が答弁をされたのでありますが、その答弁の中で、四つの島の繁栄と平和をこいねがうのだ、こういう重要な一節があったと考えるのであります。四つの島とは一体何であるか、これははっきりしておるわけであります。しかし、四つの島のほかに、今一番大きな問題になるのは沖縄の問題であると思います。沖縄は、御承知のように潜在主権があるのだといわれておるのでありますが、それらの問題につきましては別にいたしまして、今日国民が普通に言います際に、四十六都道府県と言うのでありますが、四十六都道府県でなしに、実は四十七都道府県であるはずなのであります。従って常に私どもは、第四十七番目の県、すなわち沖縄県のことを念頭に置いていくべきであると私は考えるのであります。別にドイツがベルリンの代表者を国会に入れておるというような問題を取り出そうとは考えておりませんが、その点について、青木大臣は地方行政を担当されるのでありますから、潜在主権下にある沖縄県の問題についてどういうふうに基本的にお考えになっておるか、その点についてあなたの人生観といいますか、国民としての考え方をお聞かせ願えれば非常にけっこうだと思います。
○青木国務大臣 第一点並びに第二点につきましては、ことに第二点の再建団体のことにつきましては、お考えを十分に私も了承いたしまして、御期待に沿うように全力を尽すつもりであります。 それから最後の沖縄の問題でありますが、確かに潜在主権はあるわけでありますが、御承知のように現実に日本の行政権が及んでおりませんので、自治庁としての考え方として、沖縄を他の府県と同じように考えるわけに参らぬことは、やむを得ないと思うのであります。実際に日本の行政権が及ぶことができないのでありますから仕方がないことだと思うのであります。しかしながら、これは自治庁の立場というよりは、私どもの心がまえの問題になるわけでありますが、何と申しましても沖縄に日本民族がおるというこの現実につきましては、私どもとしても、当然常に考えなければならぬ問題であると私は考える次第であります。
○北條委員 総理府に南方連絡事務所というのがありますが、私のような考え方ならば、この南方連絡事務所を自治庁の中に入れてやるということが適切かと思うのでありますが、こういう点についてどういうふうにお考えになりますか。
○青木国務大臣 南方連絡事務所の所管は総理府の所管になっておるわけでありますが、この南方連絡事務所の仕事を自治庁の中に入れるかどうか、この問題につきましては、いろいろな渉外関係等もありますし、自治庁としては、もっぱら純粋の内政関係だけでありますので、果して適当かどうか、ここで結論を出すことはどうかと思うのでありますが、今までの実際の行政運営の面から見ましても、渉外関係等もありますし、それから従来の慣行その他扱い上の問題等もありますので、やはり現段階におきましては、自治庁の方に南方連絡事務所を入れるということにつきましては、どうかと私は考えるわけであります。
○北條委員 青木公安委員会委員長として私は質問をしたいのでありますが、実は今新聞で騒いでおります江戸川にあります本州製紙の汚水の問題についてお聞きしたいと考えて、昨日理事会にその点を申し入れたのでありますが、担当官がきょう御出席でないようでありますから、質疑はその際にいたしますが、この際お願いしておきますのは、この次の機会に本州製紙の問題についてのいきさつ、警察側がすでにどういう措置をとったか、その概況を詳しく御説明願いたいと考えておりますので、特にこの点は委員長にお願いしておきたいと思います。 つきましては、先ほどの公安委員長としてのごあいさつは、あまりにも簡単であって、はなはだ意に満たないのであります。しかし、その中にございましたが、警察の民主化、能率化をはかる、こういうふうにおっしゃいました。それが重点だったかと思うのでありますが、現在の日本の警察は、公安委員長としてのお考えとはまるで逆であって、非民主化の方向に向っていっておる。その一つの大きな例が今回の本州製紙事件にも現われておりますし、また各地にありますところの労働組合のいろいろな団交でありますとか、その他の折衝の際において警察がとっておる態度、あるいはまたさきの総選挙に際して、選挙違反を取り扱った際における警察の態度等に現われておるかと思うのであります。従って民主的にあくまでも民主警察を作り上げるということに今後努力を願いたいと思うのであります。 もう一つは、能率的な警察を作るということでありますが、この能率的という点については、私は非常に危険があると思うのであります。もとより能率的でなくちゃなりません。しかし、能率的であるということの反面、たとえて言いますならば、警察官の職務執行法というのがあります。これは御承知の通りきわめて簡単なものであります。従って、あの職務執行法をどう運用するかということは、非常に幅広くやれるわけです。でありますから、いつでもあれによって行き過ぎが起る。今回の本州製紙事件においてもまさにその通りであって、警察官が非常な行き過ぎをやっておることは事実であります。きょうはそれについてお聞きしたいと思いましたが、これは次の機会にいたしますが、ぜひ警察の民主化と能率化については、ほんとうに純粋な意味において私は考えていただきたいし、そうしてまた現在あります警察の非民主的な態度であるとか、あるいは単にその権力を行使するために能率を考えているというようなやり方については、あくまでも防止していただきたいということを、きょうは特に冒頭に希望して私の質問は終ります。
○門司委員 ちょっと今の警察の問題で、これは大臣に所信だけを伺っておきたい。本州製紙の問題もそうでありますが、警察の行き過ぎをずっと調査してみますと、特に目につくのが警視庁の予備隊の問題です。いつの場合でもこれが出てきていたずらをして困るのだが、これは組織の中に問題があると私は思う。代々の警視総監によく申し上げるのだが、警視総監も、研究するということで、はっきりした態度をおとりにならない。あそこの独身寮におる若い諸君のみなやっておることは、御存じのように警察学校で、ただ警棒の使用、あるいは相手方をことごとく暴徒と考えたような取締り警備だけをやっておる。だから人を見れば何か暴徒のように見えるらしい。人が五人か十人騒いでやっていると、自分たちの取締りの対象になっておるという感じを持つらしい。従って警察官の立場からいいますならば、正しい警察官としての教養を持っていない連中だと思う。この連中がやるのだから、警察官の職務を逸脱した行為をやることは当然だと思う。この組織を一応改める考えはありませんか。私は警視総監がかわるたびに申し上げるのだが、各警察に配属して、一定の期間を一般の警察官としての教養を積ませる。人としての訓練を行わせたらどうか。まだ人としての社会的訓練を十分受けていない若い諸君が集まって、そして十人か二十人集まって団体行動をとれば暴徒と見ておれたちの任務はこれだけを取り締まればいいのだということで、ほんとうに警察官として教養を身につけていない諸君だと思う。この点が警察行政の中でやはり行き過ぎをこしらえる最大の原因だと私は考える。だからそれらの点について、一つ公安委員長としてのお考えを、この際できますならば御答弁を願っておきたいと思います。
○青木国務大臣 警察官の予備隊の問題のようでありますが、門司委員のお話は、予備隊そのものを置くこと、それ自体についてもどうかというお考えもあるのでありましょうが、予備隊というものの素質の問題に重点があるようであります。お話のように、警察官は、その仕事が常に民衆と直結いたしますので、警察官の人間としての教養、その点の必要のあることは言うまでもないことでありまして、警察といたしましては、地方は地方、府県は府県、さらにその上の段階としての管区、さらに全体としての学校、こういうふうに教養の施設には力を入れておるのであります。しかしながら、何分にも若い警察官等もおりますので、今御指摘のこと等もあろうかと思うのでありますが、しかし、何と申しましても民衆に直結する仕事を担当いたしておりますので、教養の問題は最も重点を置かなければならぬと思うのであります。私も就任早々で、こういうことを言うのはまことに口幅ったいことになりますが、先ほど申し上げました能率化の問題というのも、何と申しますか、能率化というのは、単に仕事を早くやるとかなんとかいうことではなしに、警備あるいは科学的な捜査という点で近代的な姿にしなければならぬ。近代的な姿にするために、われわれ人間としての教養も高めなければなりませんし、一朝一夕には参らぬでありましょうが、門司委員の御指摘のような方向に、公安委員長としてできるだけ力を尽していきたい。急に警察官の素質を向上するということは、これはもちろん口で言うことは簡単でありますが、実際はなかなかそう簡単にいかぬと思うのであります。しかし、全力を尽してそういう方向に、門司委員の御指摘になりましたような点について改善を加えるように、私は最善を尽していきたい、こう考えておるのであります。
○門司委員 当らずさわらずの御答弁ではちょっと困るのです。実際から見ますと、今申し上げましたように、この制度自身の中にそういう欠陥を私は持っておると思うのです。あれだけを仕事にさせておるものですから、何度も申し上げましたように、人を見れば暴徒と見えるらしい。暴徒という認識のもとに取締りをやる。従って、人権をじゅうりんされることは当然であり、問題を始終起しております。 それからもう一つこの問題で疑問がありますのは、警察法からくる定員の関係ですけれども、警察法で認めておりまする定員というのは、ああいうのを予測した数字じゃなかったと思う。やはり一般の警察行政に対する定員であって、特別にああいうものの必要が考えられるかどうかということは問題であります。これは歴史を探ってみると、治安維持法のあったときの新撰組なんです。あの当時は新撰組ということをはっきりいっておったが、このごろは予備隊といっております。むしろ、新撰組といった方が適当かもしれません。従って、警察法の組織自体にも多少の疑点もあるような組織を持っておる。それがさっきから申し上げますような行動をしばしば起しておる。その原因は、警察官が民主警察として民衆に接する教育というものが十分行われておらない。逆に暴徒に対するというような教育しか受けておらない。従って民衆に対する場合も、もちろんそういう態度で接しておる。このことは一つ公安委員長がおかわりになったのを契機として、単にここだけの答弁でなくて、十分お考え願いたい。私は歴代の警視総監がおかわりになったときに、当初に必ずそれを申し上げますけれども、研究しておるというだけで、何を研究するのかわからない。いいかげんなここだけの答弁に終っておる。そしてその人員の数から見ましても、実際は東京の警視庁管内に、かりに予備隊を全部の警察に配置いたしますと、そう大きな数字じゃないのです。ごくわずかの人間を一つの警察に配置することになる。そして警察法では、御存じのように、いつでも警察の集結は、管区が離れておろうと何しておろうと、集結ができるように警察法ができておるのです。非常事態は非常事態の場合として、警察官の動員はすぐできるようにできておる。この点は特に考えてもらいたい。 それからもう一つ具体的な点を申し上げておきたいのは、従って問題の発生がどういうことになっておるのかと申しますと、たとえば今度の事件でもそうですが、所轄の警察署長の指揮下に予備隊が入るのか、予備隊は所轄の警察署長を離れて行動するのか、こういう点に疑問があるのです。一つの警察の中にあって、たとえば警視庁なら警視庁管下にあって、警察署長の指揮命令のもとにこれが動くという組織になっているのか、あるいは予備隊自身は独自の行動をとっているのかということになりますと、往々にして、あとでいろいろ文句を言えば責任者はどこかから出てくるのでありますが、実際の行動は、所轄の警察署長のものの考え方と、予備隊を指揮する人のものの考え方の相違からくるトラブルというものが、砂川事件を初めとしていろいろ出てきておる。その点についても、私は、この警察予備隊について、もう少し真剣に検討を加える必要がありはしないかという感じがするのであります。かわられたのを契機として、ぜひ当局者との間にその点の御相談をして、そして何か検討されたものをやはりこの委員会にも、せっかく君の意見はそうだったが、検討したらそうでなかった、あるいはこういう形がよろしいように考えられるという、具体的なものを一つ示してもらいたい。その点を大臣に私は頼んでおきます。
○青木国務大臣 門司委員のお話しの点よくわかりましたので、警察当局はもちろん、なお公安委員にも、国会でこういう意見のありましたことをお伝えいたしまして、公安委員の御意見等も承わりまして、よく検討いたしたいと思います。
○門司委員 きょうは警察関係の方はどなたか来ておりますか。
○鈴木委員長 刑事局長が見えております。
○門司委員 刑事局長だけではしようがない。警察の当局はいつ出てきますか。
○鈴木委員長 次会にぜひ出るようにいたします。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時二十六分散会