大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/07/03
会議録
○早川委員長 これより会議を開きます。 金融に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。石村英雄君。
○石村委員 では、大蔵大臣が見えませんので、大月さんに金融についてお尋ねいたします。 大蔵省や日本銀行はしきりに金融の正常化ということを言っていられるわけですが、せんだっての日銀の公定歩合の引き下げも、これは正常化の一つだ、こういう御説明なんですが、大体大蔵省として金融を正常化させるという方向はどのようなことをお考えになっていらっしゃるか、御説明をお願いしたいと思います。
○大月説明員 最近、われわれの考え方の一つといたしまして、金融の正常化ということを申しておるわけでございます。その考え方は数点あると思うのでございますが、一つは、先ほどの六月十八日から実行いたしました日本銀行の公定歩合の引き下げ、これに関連する問題でございます。御存じのように、わが国の金利の水準は、国際金利に比較いたしまして非常に高い。それで、特に最近、各国の金利水準は、それぞれ事情はございますけれども、やはり低下の傾向を見せておる。しかるに、わが国の金利につきましては、昨年の緊急対策といたしまして、三月に日本銀行の公定歩合を一厘引き上げ、それから同じく五月に二厘引き上げを実施いたしました。そういうようにただでも高い金利がさらに引き上げられたわけでございまして、その点から言いまして、まず金利の水準の点について非常にアンバランス、いわゆる高過ぎる、こういう現象が起きたわけでございます。そういう意味におきまして、金利が高いということは、やはり全体の産業のコストに響くわけでもございますし、それがひいては国際競争力、こういうことに関連もございますので、まず金利をできるだけ下げようじゃないか、こういうのが一つの考え方でございます。 それから、第二の問題といたしましては、いわゆるオーバー・ローンの解消という問題でございまして、御存じのように、今の市中銀行は大体日本銀行から五千億前後の借り入れを常時持っておるわけでございます。このオーバー・ローンを何とかして解消していかなければ、金融機関の立場から申しましても、企業の立場から申しましても、流動性を欠き、弾力性を欠く、こういうことから、オーバー・ローンを逐次解消していくということを頭に置いて考えていきたい。 それから、第三の問題は、金利体系の正常化という問題でございます。現在金利についてはいろいろ規制がございます。自由になっておる面もあるわけでございますけれども、その間におきまして長期と短期の金利のバランスが適当であるかないか、あるいは一般の貸出金利と一般の有価証券、事業債あるいは金融債というようなものとの金利のバランスがどうであるか、あるいは日本銀行の公定歩合あるいはコール・ローンあるいはそれに関連いたしまして政府の短期証券の金利はどうだ、こういうような一連の系列の問題がございまして、これを逐次ノーマルな姿に持っていくということを考えたい、これが第三点でございます。 それから、第四の問題といたしましては、金融機関の側の問題でございまして、オーバー・ローンという姿は、ある意味から申しますと、銀行の集めました預金以上に貸し出しをいたしておる。これは銀行の資産構成の面からいたしまして不健全であるということがいわれるわけでございまして、これを直したいというのが先ほど申し上げた一つの問題でございますけれども、そのほかに、市中銀行の資産構成といたしましては流動性を持っておらなくちゃいかぬ。そのためには、貸し出しに偏重するということでなしに、有価証券を相当持ってもらう、そうしていつでも換金のでき得る態勢に持っていく、こういう点があるわけでございます。 大体考えております金融正常化というものの問題点としては、ほぼ以上のような問題であろうと思います。
○石村委員 一応御説明を聞きますと、一々ごもっともなお考えのようですが、しかし、金利の高いということが日本の経済に悪影響を及ぼしておるということは、だれも異存のないところだと思うのです。しかし、金利が単に外国から比較して非常に高いということだけで金利を下げるといったって、それだけではできないことじゃないかと思うのです。外国より高いのには高い理由があるのじゃないか、その理由を考えて、その根本原因を改めない以上、人為的に金利を下げてみたって、それは無意味じゃないかと思う。なるほど、日本銀行の公定歩合はきわめて政策的なものですから、また印刷局で銀行券を印刷する費用は安いから、二銭三厘を一銭にしようが、五厘にしようが、八厘にしようが、かまわぬと言われるかもしれません。しかし、やはり、日本の金利水準というものは、日本の経済状態に応じてそれはやはりできていくのじゃないかと思うわけです。とかく、私の懸念するのは、大蔵省が金利というものをきわめて人為的にいじろうとする傾向があって、それがやはりあとでは悪影響を及ぼすのではないかと考えるわけですが、ただ外国と比較して高いから下げるというのでは意味をなさない。この点についてもっと突っ込んだ御意見の御説明をお願いしたいと思います。
○大月説明員 金利が高いということから、金利はなるべく下っていくように持っていくことが望ましいということを先ほど申し上げたわけでございますが、その持っていき方につきまして、考え方が二つあると思います。一つは、法規ないし申し合せというようなものによりまして、ある程度無理——無理と申しますか、自然の情勢を押えてでも規制をしていく、こういう考え方であろうと思います。それから、もう一つの考え方は、金利が次第に下っていく、またできるだけ下り得るような情勢を作っていく、こういうことが根本ではなかろうか、そういうふうに考えるわけでございまして、従来、戦争直後におきましては、自然に放任いたしますれば、当然貸出金利は非常に大きな高騰を示すというふうな段階におきましては、臨時金利調整法によりまして最高金利を押えて参ったわけでございます。それから、自由に競争をさしておきますれば、自然に、預金の面におきましても、競争意識からいたしまして、資金の吸収に熱心の余り次第に預金金利を上げる、こういうこともございますので、預金金利についても同じく法律で規制して参る、こういう状況でございます。しかし、実際のやり方といたしましては、私はやはり自然な状態に落ちつかせる方がいいのであろうか、こういうふうに考えるわけでございまして、最近のやり方といたしましては、できるだけ実質的な規制と、金融機関の相互の間で無理のないところできわめていくというふうな態勢に逐次持っていきたいという考えをとっておるわけでございまして、先般日本銀行の公定歩合を下げましたに伴いまして、市中金融機関におきましても、同じく最高貸出金利を二厘下げるということを決定いたしたわけでございます。しかし、ただ、それじゃ自然に放任しておいたらいい状態かどうかということになりますと、われわれは当分の間まだこの規制をはずしていくわけにはいかない、そういうふうな一つの法的な基礎も持ちながら、しかし下げ得る場合には下げるということがいいのであろう、こう考えております。そういう意味におきまして、最近日本銀行の公定歩合を下げましたのも、結局、経済の情勢からいたしまして、昨年は外貨危機ということで、どうしても金利を上げざるを得ないという、やむを得ない事情があった、そういう意味で上げたわけでございます。ところが、経済の調整が次第に進捗いたしまして、現在におきましては、この金利を下げても特に経済の実態の面におきまして支障がない、という判断をいたした段階でございます。そういたしますれば、できるだけこれはやはり低い方が好ましいという大きな線の中で、経済に支障がない、下げ得る、こういうような情勢を判断して下げた、こういうことでございまして、やはり金利の実態というものは低い方が好ましいわけでございますけれども、それをただ強権的に押えるということではなしに、情勢の実態に応じて逐次下っていくような方向に持っていく、これが根本の考え方であろうと考えております。
○石村委員 ところで、日本銀行の公定歩合ですが、これが二厘下げられて二銭一厘になったわけです。この二銭一厘が適当であるか、あるいは一銭八厘が適当であるか、それは存じませんが、大体日本銀行の公定歩合の推移を見ますと、戦後あまり動かさなかったという点は確かにあると思うのですが、しかし、戦前の水準から見て、日本銀行の公定歩合が非常に高いという事実もいなめないと思うのです。この日本銀行の金利が今まで戦前の水準から見て非常に高いということは、やはり戦後の日本が、経済の拡大と申しますか、発展と申しますか、それについて日本銀行の信用創造に基いて、それにたよってやってきた。そのことは当然オーバー・ローンということにも関連してくることだと思うのですが、そういう事実がやはり日本銀行の金利を高くした一つの原因ではないかと思うのですが、大蔵省はどのようにお考えですか。
○大月説明員 お話の通りでございまして、金利の実態を恣意的にきめるわけには参りませんので、四囲の状況上戦後資本蓄積が非常に少くなった、そういう意味で、資金の需給のバランスから申しまして、やはり需要の方が強い、金利は非常に高かるべき情勢にあった、こういうことにやはり追随して高い。これが実情だと存じます。
○石村委員 そうしますと、現在日本銀行の貸し出しが六月末は五千五百億をこしておったと思うのですが、そのように膨大な貸し出しのあるときに、二銭一厘をさらに下げるという自然の情勢と申しますか、そういうことが考えられますか。しかし、もちろん日本銀行の金利政策ですから、あるいは二銭一厘は高いから一銭八厘にするという考え方も生まれるかもしれませんが、現実の姿から見たときに、これをまだまだ下げる余地というものがあり得るとお考えなんでしょうか。
○大月説明員 日本銀行の現在の二銭一厘という金利が果して現在において高いのか安いのか、こういう問題と、それから今後さらに下げる余地があるのか、あるいは経済の実態に応じてこの間下げたことが適当であるかどうか、こういうような問題であろうかと存ずるわけでございますが、私は、日本銀行の金利の二銭一厘というものは、できればさらに下る状態にある方がいいのではないか。しかし、これは一般論でございまして、今の情勢にあわせましてさらに一厘ないし二厘下げるべし、こういうことではないわけでございまして、やはり大勢としては下ることが好ましいと思いますけれども、金融及び経済の実態、資金需給の状況を見まして、これからでも上げな開くちゃいかぬという情勢がくれば、やはり上げる、こういうように考えなくちゃいかぬと思います。 現在、それでは、二厘下げたということが、果して、五千億も日本銀行の貸し出しがある場合に、適当であったかどうかという問題でありますが、われわれの今見ておりますところでは、資金の需要がどのくらい強いか、こういうことであろうかと思います。昨年来金融の引き締めをやって参りましたのは、資金の需要に対しまして供給量が少いということで、ある意味では相当強く引き締め政策をやって参ったわけでございますが、やはりこの三月、四月、五月、こういうように経過いたしまして、調整過程が進行いたしますれば、資金の需要の質についてはいろいろ変化があったと思いますし、なお、その力につきましても、やはり経済がこういう調整過程に入って参りますと、全体としての資金需要の強さ、ボリュームも若干弱っておる、そういうように考えております。もちろん、その中には、一つは運転資金の問題と、一つは設備資金の問題とがあると存じますが、設備資金は継続的に行われておる面もありまして、今の現状におきましては、必ずしもそう急に減っておる、こういう状態ではないと思います。しかし、運転資金の需要はそれほど強くない。それから、設備資金につきましては、なお基幹産業、それから新規産業、そういう面においては非常に強いものがあると思うのでありますが、その他の産業におきましては、それほど強いものではない。しかし、それではほうっておけばどんどん需要が減っていくような段階かどうかと考えますと、それほど強い減退を示す傾向にもない。従いまして、ただいま金利を引き下げました結果、資金の需要を非常に起すということになりますれば、また五千億の貸し出しが減らない、こういうようなことにもなるわけでございます。われわれの感覚といたしましては、この二厘の引き下げによりましてそう大きな刺激は起きないであろう、こういうように考えております。ただ、われわれといたしまして、二厘下げましても資金の需要は起きないのだ、大丈夫なんだということを申し上げるつもりはないのでございまして、当然、金利が下りますれば、ある面において投資ないし運転資金の需要を起しやすい、二厘高い場合よりも起しやすいということは認めざるを得ない。しかし、そういうような状況におきましても、そう大きな心配はないであろう、こういうように考えておるわけであります。そういう感覚でございますので、日本銀行の貸し出しの態度といたしましても、金利を下げた、どんどん貸すからという態度ではないわけでいござまして、一般の投資の意欲、あるいは運転資金の需要、そういう状況を見ながら、慎重に窓口において調整して参りたい、こういうつもりでありまして、その情勢を見ながら、今後金利の問題もさらに考えていきたい、こう考えております。
○石村委員 遠い将来は別として、この秋口ごろまでの金融情勢は、大体どういうような見通しを持っていらっしゃいますか。
○大月説明員 むしろ、金融の情勢自体を左右いたしますものは、今後数カ月の見通しといたしまして、経済の実態であろうかと考えるわけでございます。もちろん、純粋に金融の面から見ますれば、財政の散布超過の問題、あるいはこれが揚超になるかどうかという問題はあると思います。しかし、本質的に、経済の実態の面におきまして、資金需要が強いか弱いかということがむしろポイントであろう、こういうように考えるわけでございます。この問題につきましては、やはり国内の今の投資需要がどのように向いていくか、あるいは国際経済の動きについていろいろ考え方があることは、御存じの通りでございます。アメリカの経済がどのように動くであろうか、それによって国内の産業界の経済に対する先行きの見通しがどのようになるだろうか、こういうようなことにも関係すると思います。そういう意味におきまして、単に、金融面におきまして、たとえば五千億の日銀の貸し出しがあるのだから、どうしても金融はゆるみっこない、こういうような考え方は私は誤まりであると思います。資金需要が非常に少いということでありますれば、自然に五千億の貸し出しというものは減るべき趨勢にあるわけでございます。そういう意味におきまして、五千億の貸し出しがある現状におきましても、経済の実態によってはさらにゆるみ得る可能性もある。もちろん今後の政府の政策にも関係するわけでありますので、必ずしも的確に、今後ゆるむであろうか、あるいは締るであろうかということは申し上げかねるわけでございますけれども、今度金利を下げました考え方からいたしますれば、金融は今後そう強く緊迫することはあるまい、大体今より若干ゆるむという段階で、ここしばらくは推移するであろう、こういうふうに考えております。
○石村委員 時間の関係上簡単に済ませたいと思いますが、今度政府は短期証券の利率を上げるというお考えがあるようですが、これは大体どういう理由で上げるようなお考えを持っていらっしゃるのですか。
○磯田説明員 ただいまの御質問は、政府の短期証券の金利を上げるという意向があるようだが、その根拠はどうかと拝聴したのでございます。今度の日銀の公定歩合の引き下げに関連いたしまして、金融の正常化が促進されるこの段階におきまして、いわゆるマーケット・オペレーション、公開市場操作をやる一つの手段とも考えて、政府の短期証券の金利を上げたらどうかというような意見が一部にあるわけでございまして、政府部内におきましても、この問題を目下検討中でございます。しかしながら、政府といたしまして、短期証券の金利を上げるということは、まだ決定していないわけでございます。御承知のように、現在日銀の貸し出しもまだ約五千億近くの貸し出しがございますし、それから日銀の公定歩合の引き下げに伴いましてコール・レートも下って参りましたけれども、まだまだ正常な状態にあるという状況でもありません。こういうような金融情勢を考えてみました場合におきまして、政府の短期証券の金利を考えますときには、これは、各般の金融情勢の問題それから金利体系の問題、また国庫の負担の問題、こういうものもあわせ考えなければいけないのでございます。従いまして、今この問題について政府部内で検討はいたしているのでございますけれども、これを引き上げたがいいとか、また引き上げるというようなことは、まだ決定していないのでございまして、目下検討中であるという状況でございます。
○石村委員 そこで、金利の水準についていろいろの見方はあると思うのですが、昭和九—十一年の各種の金利水準と比較して現在の金利を見ますと、現在の銀行の短期貸し出しの割引手形の金利から換算してみると、昭和九—十一年に対して著しく高いというのは、日銀の公定歩合とコール・レート、それから短期証券の金利も、著しく高いとは言いませんが、低くはないわけです。それに対して、銀行の長期貸付なんかは少し低いが、事業債の利回りも高いというようなわけです。現在の情勢のもとで、昭和九—十一年の基準なんか採用できないといえばそれまでですが、過去の状態から考えると、政府証券の現行金利一銭五厘五毛というものは、必ずしも低いとはいえない。むしろ少しではあるが高いという事実があると思うのです。そこで、なるほど政府証券を上げるのはけっこうだと思いますが、しかし、それは、ただ世間でいわれるように、利殖がよくいくからということだけで、短期証券の金利を上げるというわけにもいかぬと思います。日本の金利というものについては、もっと根本的な検討が必要じゃないかと思う。ただ現象だけを見て、これは高いとか安いとか、高いからこれを下げろとかいうことだけでは解決がつかないじゃないかと思いますが、こうした点、時間もありませんから、大蔵省はもっと慎重に検討していただきたいということを申し上げまして、私の質問は終ります。 —————————————
○早川委員長 次に、国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を議題といたします。質疑の通告があります。これを許します。横山利秋君。
○横山委員 この間同僚委員と一緒に皇居の中を見せていただきましたが、そのときに感じられた二、三の点を申し上げて、政府側の所見をただしたいと思うわけです。 まず第一に、約六十三万坪ですか、この膨大な皇居の土地面積が皇室用財産、公共公用財産、元物納財産に分れて、それからまた、所管としては、皇室用と、宮内庁と、厚生省と大蔵省とに分けられておって、帳面づらでは、また土地としては明確に分けられておるけれども、この保管、保全はきわめてアンバランスがある上に、どうしてまたこういう分け方をしなければならぬかという疑義が一ぱいあるわけでありますが、私がお伺いしたいことは、同じ皇居内における総合的な国の財産が、土地によって保全があまりにも違い過ぎるというのは、どういうところに欠陥があるのか、またその欠陥は除去し得られないものであるかどうか、それを第一にお伺いをいたしたいと思います。
○賀屋政府委員 お答えいたします。 御指摘の通り、皇居内の土地建物等の国有財産は、過去のいろいろな入り組んだいきさつがございまして、所管がまちまちに相なっておりまして、たとえば、大蔵省所管の普通財産が、土地が約四万五千坪、建物が延べ約一千坪ございます。この土地は、財産税法によりまして物納せられた結果、国に収納せなれたものでございます。また、建物は、御承知の憲法八十八条によりまして、「すべて皇室財産は、国に属する。」という規定が設けられました結果、国庫に帰属いたしたものでございます。それから、この間もごらんいただきましたように、お堀の中途のところまで、一部が厚生省の公共用財産となっておるというような入り組んだ形を呈しておるのでございますが、これらはいずれも、ただいま御指摘に相なりましたように、管理の面から申しますと、まことに統一を欠きまして、よく手入れされておる部分があるかと思えば、それほどでもないというような部分が出て参りまして、あの皇居の中を整備いたします上からいたしまして、まことに不都合であるということは、私どもも痛感いたしております。これは、将来の方針といたしましては、あの江戸城の一角は、大体過去の沿革から申しまして、すべて皇室財産とすべきではないかという考えを持っておるのでございますが、それを一気にいたすこともいかがかと考えられますので、私どものただいまの考えでは、とりあえず大蔵省の持っておりますところも宮内庁所管の公用財産に所管がえするという方針で、宮内庁あるいは厚生省ともお話し合いをいたしたいと考えておる次第でございまして、そういうことによりまして、将来は宮内庁一本の手で統一的に管理していただくのがいいのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○横山委員 一つ参考のためにお伺いしたいのですが、公共用財産約三十万坪——物納財産が三十四万坪でありますが、その中の公共用財産が約三十万坪、これは物納財産として皇室が税金のかわりに納めた財産なんですね。そうですね。
○賀屋政府委員 その通りでございます。
○横山委員 それが、この公共用財産は全部お堀じゃありませんか、三十万坪というのは。このお堀を物納財産で納めたというのは一体どういう理由があったのか。
○天野説明員 物納財産は全体で三十四万六千坪ございますが、そのうちどのようになっているかと申しますと、まず皇居前広場と申します外苑でございますが、それが十万六千坪でございます。それから外堀——ぐるっと皇居のまわりの外堀でございますが、それと、それから代官町、その代官町を隔てて道路がございますが、それが十九万三千坪でございます。残り四万五千坪が皇居の中に堀が少し入り込んでおりますその堀でございます。
○横山委員 私の聞いているのは、そうではないので、それはわかったが、しかし、物納財産にお堀をえらいたくさん税金のかわりに出すというのは、どういうことであったのかということを聞いている。お堀はどういう意味があったか。
○瓜生説明員 このお堀もやはり皇室財産でありまして、やはり課税物件となるものでございまして、従って、その部分も物納として納めることのできる物件でございますので、納められていたわけであります。
○横山委員 あまり過去のことは言いませんけれども、お堀を出して、そうしてそれが物納財産の肩がわりということは、その当時における国民の受けた印象から言うと、いささかいかがかと思われる点があるのであります。 第二番目にお伺いしたいことは、先ほどちょっと触れましたが、このように区分が変っておって、保全状態にどうしてああいうアンバランスがあるのかということです。宮内庁の財産と大蔵省の財産と厚生省の財産と皇室における財産と、保全状況があまりにも違い過ぎているというのはどういうわけであるか。
○瓜生説明員 この宮内庁の公用財産の部分は、宮内庁が身近にありまして、その分についての維持管理費の予算でその範囲においてきれいにするように努力いたしております。厚生省の方の公共用財産は、これは公園用地でありますが、公園をきれいにするという方の予算からいいますと、外苑の方は公園らしくはっきりしておりますけれども、中の方の部分についてはそう一般の方が利用されることも少いものですから、従ってやはりそういう方面についての予算を使われる点が少くなっているということのために、十分手入れができていないのだと思います。大蔵省の方の普通財産の分は、要するに普通財産として、場合によってはさらに他に売られるとか、どうされるとかいうようなことで、直接それを公けの用に供せられるのではなく、そのものを持っているだけということのために、維持管理費の方が十分でないということがあって、きれいになっていないということだと私は思っております。
○横山委員 瓜生さんは御親切に賀屋さんにかわって答弁されておりますが、賀屋さん、そういうことでありますか。あなたのところで持っておるのだから、利用しないでもいいのだから、これはしばらくこのままにしておこう、保全の金は使わぬでもいい、こういうことですか。
○賀屋政府委員 大蔵省所管の普通財産につきましては、なるべく早くその財産に最も適当した利用方法により利用していただくという趣旨は、大蔵省でも本来持っておりまして、いつまでも普通財産のままでかかえ込んでおこうという考えは毛頭持っておりません。現実にお堀以外の皇居内の四万五千坪につきましてはいろいろな面に利用せられておりまして、中にはテニス・コート等民間にも貸し付けたりいたしております。私も過去の古いいきさつは詳しくは存じませんが、皇居を皇室で独占せずにできるだけ民間に開放したらというような考え方もあったのではないかというふうに考えるわけでございます。そういったような関係で、民間に使っていただく、あるいはそのほかの適当な処分方法がないといった場合には、大蔵省としてやむを得ずこれを保管しておるわけでございます。管理費用の点になりますると、なかなか予算が十分でございません。勢い手入れが怠りがちになるということもあるかと思います。こういった点、過去は過去といたしまして、将来はできるだけ整備するという考えのもとに、先ほども申し上げましたように、できるだけ全部を宮内庁の所管に移したいと考えておるわけであります。
○横山委員 関連して二つばかり聞きたいのですが、たとえば大蔵省財産を宮内庁の財産に将来はしたい、こうおっしゃるし、瓜生さんもこれを希望しておるように見える。かりにそうしたら、今の保全状態がよくなる、宮内庁には銭があって、所管がえすることだけで、その場所の保全ができる、こういうふうに御両所ともお考えですか。 それから、もう一つは、今の賀屋さんのお話じゃないけれども、皇居の中において大蔵省の財産、国の財産を民間に貸すというのはどういう場合ですか。現にそういうことがあるのですか。
○賀屋政府委員 あとの方からお答え申し上げますが、現在の利用状況は民間にも貸しておるのでございます。この間ごらんいただきましたテニス・コートの敷地でございます。あれは今東京都に対しまして、あるいは損害保険倶楽部というものに使用さしておるわけでございます。今後はこういうものは整備していきたい考えでございます。 宮内庁に移管しますれば手入れがよくなるかどうかということでございますが、宮内庁の方でも、予算とのにらみ合せもあろうかと思いますが、公共用財産といたしますれば、普通財産として大蔵省が保管いたします場合よりも、管理の予算の面におきましても取りいいというようなこともございまして、今よりは改善せられると信じております。
○横山委員 自分が持っているよりも人に持ってもらった方が設備がよくなるだろう、保管状態がよくなるだろうというのは、賀屋さんちょっとおかしいじゃありませんか。瓜生さんに伺いますが、大蔵省よりも宮内庁に移った方がりっぱにしてやるという自信はどこから生まれてくるのですか。
○瓜生説明員 宮内庁の公用財産になりますれば、宮内庁としてその管理をする。その管理に必要な予算もいただきやすい。たとえば、今度議案の中にあります覆馬場を参観人休憩所にいたしまするが、その場所のところも、実は大蔵省の普通財産のところを、今のままでありますればお借りして、そこへ建てようということになるわけでありますが、移管すれば宮内庁の公用財産ということになりまして、その全般の維持管理費というものをその面積に応じて増してもらいまするし、役所も中にありますから、一そう努力してきれいにすることもできます。身近におりまするので、皇居並びにあの部分に対する関心は宮内庁の方が強いと思いまするし、そういうような関係があって、今よりはきれいになるだろうと思っております。またそうすべきであると思っております。
○横山委員 どうもこの勝負は大蔵省の方の負けですな。おれが持っているよりは人が持った方がりっぱになる。銭はどこから出すか。大蔵省から出すのです。それならばあなたの方でもう少し整備してもよさそうに思う。今度私どもが見て参りました感じとしては、今日の大蔵省の保全状況はきわめて悪い。あなたの方で保全の自信がなければ、これはすみやかにお考えなさって、瓜生さんはえらく自信があるようだし、銭はまたもらえるはずだと思っているのだから、ことに保全については完備してもらいたい。 それから、次に、これほど膨大な皇居の中で、拝見いたしましたところ、利用状況はほとんど皆無である。陛下にしても、あるいは皇族にしても、お使いにならぬところが一ぱいある。東京のどまん中のことでありますから、私は年に一回や二回は国民に開放したらどうだと思うわけです。何も別に全部開放しろというわけではありません。御利用にならぬところは、春秋くらい東京都民のために皇居の中をもっと広く参観させるとか、あるいは一日の慰安に当てさせるとか、そういうことをお考えになったらどうであろうか。皇室と国民との親愛感といいますか、親睦感といいますか、そういうものを深めるためにも、皇居の一部を今も参観は許されているわけでありますが、もっと広く適当な場所を国民のために春とか秋とか開放なさったらどうであろうか、ということをつくづく痛感をいたしたのでありますが、いかがでありますか。
○瓜生説明員 皇居の中へ一般の国民の方がもっと自由にお入りになれるようにということはわれわれも考えておりますが、皇居としての職能を果していかれるのに支障のない範囲において、だんだんとそういうふうにすべきであると考えております。三年前から午前千人、午後千人の方については、資格を問わずにおいでいただいて御案内をしておるわけであります。なお、夏、暑いころ、小学校の夏休みに、あまり丈夫でない都心の児童の林間学校をあの中の林の中でやっていただくようにお貸しをいたしております。なお、いわゆる東地区——今いろいろな官庁の所管の入り組んでおるあの東地区につきましては、陛下のお住いから幾らか離れておりまするし、公けの行事のところからも離れておりまするから、あそこはもっと気楽に入っていける利用方法を考えていいんじゃないかということを、これは研究問題として研究はいたしております。まだ結論は得ておりませんけども、今おっしゃいますようなお気持はわれわれも持ちながら、その研究をしておるということでございます。
○横山委員 これは、この間配付されました外国宮殿等調査の概要報告によりましても、その感を強うするのであります。これは前からの話もありましたし、私どもは中を見て痛感をいたしましたので、単に表通りの一部を見せるということでなくして、奥の方の庭等について国民及び都民の慰安の場所になるように、かりに宮内庁において整理監督に困難という条件があろうかと思いますけれども、それはまた条件問題で方法があろうかと思います。ぜひそれをごく近い将来に実現をしてもらいたいと思いますが、いかがでありましょうか。
○瓜生説明員 奥の方の吹上御苑のあたりは、現在では一般の参観の方には御案内しておりません。これは両陛下のお住まいのところであり、ここから宮内庁の庁舎へおいでになったりまたお帰りになったり、またあそこあたり御散歩をよくされておりますので、あそこはあまり混雑してもということで、今のところは一般の参観人の方は御案内しておりませんです。ただ特別の方、たとえばいろいろ社会事業の功労者であるとか、産業功労者でありますとか、そういうようなことで大臣の表彰を受けるとか、そういう公けの表彰を受けられた方で両陛下がお会いになる方があります。そういう方には裏側の奥の方へも御案内しておる。数もそう多くありませんししますから、整理もつきやすいということで、整理がつく範囲においては、だんだんはそういう面も御案内してもいいと思っております。現在のところは今申し上げましたような程度で、それ以上今すぐ広めるのはちょっと整理がつきにくいという点があるわけでございます。 なお、御意見の次第もありますから、さらに研究は進めていきたいと思っております。
○横山委員 これは私どもの強い要望として承知をしておいていただきたい。単にそれは国民が中を見たいということではありません。私は、根本的に、皇室と国民との関係という意味において、ぜひともこれは実現をしていただきたい。 それから、その次にお伺いしたいのは、瓜生さんも御存じの通りであろうと思うけれども、皇居を中心とする交通網というものは、全くどうしようもないものであります。積年、この皇居を貫通して、車を皇居前から皇居の向う側へ通すような道を考えたらどうであろうか、これは戦後でもいろいろ意見があったのですが、まあおそれ多いといいますか、そんなことを言い出しても実現が不可能であるというような声があったのでありますが、今日では、あらゆる方面から、この皇居を中心とした交通網の混雑ということは、もう天下周知の事実であります。そこでまん中ですが、蓮池濠ですか、この一番ヒョウタン型になっておるまん中を貫通して、そうして向う側へ車の道路を貫通させるということは、具体的にいっても実現は困難ではなかろうと私は思う。しかも、やりようによってはお金もかからぬ方法もあろうし、皇居の中から見て美観をそこなうようなことにもならない方法があろうではないかと思う。これは皇居の事務責任者であるあなた方が理解と協力を示さなければ、実現不可能でもあろうと思いますが、いかがですか。あなたは、皇居からお出になって周囲を見渡してみて、あの全くどうしようもない交通網の実情について、皇居の地所を交通網緩和のために充てることをお考えになりませんか。
○瓜生説明員 首都圏整備委員会あたり、なお高速度道路をどうするかというような関係のところで、そうした問題も検討をされていることを聞きました。皇居の関係については、そこの地域を道路を通すことはいかぬものだろうか、どいうものだろうかという話がちょっとありました。それは地下道の問題であります。東京の高速度道路というのは、地下道で作っていかないと、地上はもう非常に混雑しておるが、その地下道が皇居の地域の下を通ることは絶対いかぬかどうかというような話がちょっとありました。それに対しては、われわれはそれはいけないと思ってない。ただ場所によりまして適当でない場所があるかもしれませんけれども、しかしながら、この地下を高速度道路を通される、それによって交通の混雑が緩和されるというようなことについては、われわれは決してこれを反対はしていないわけであります。そういうふうになればけっこうだと思っております。
○横山委員 まことに御理解のある御説明を聞いてけっこうだと思うのでありますが、根本的にはこういう意見もあるわけであります。つまり皇居がどうしても東京になくてはならぬのであろうか、こういう意見も実はあるわけであります。これは都心の中心にあって、これだけ広大な土地があり、しかもお住居の場所は、私どもも拝見しましたけれども、きわめてお粗末なといっては失礼でありますけれども、不十分なお住居である。もし今度いろいろとお建てになる御計画があるとするならば、これはどうしてもここではなくてはならぬものであろうかという点も、いろんな歴史的な現実というものも一応考えを新しくして構想してもいいのではないか。もし東京都内になくて近郊の都市にあるとしたならば、近郊の都市で新しく皇居の都市となるところは、文化的な、しかも歴史的な平和な都市として、もっと周囲の環境のいい都市として発展をする可能性はある。しかも、交通に対する混雑も、これによって非常に軽減されよう。従って、これから皇居の中の建物をどんどんといいようにお建てになる、そしてたくさんのお金を御使用になるとするならば、これは私どもとしては反対する気持は毛頭ない。しかし、そうだとしたならば、この際皇居をどこか近郊のところへお移しして、そこへりっぱな建物を建てて、交通の緩和も、それからいろんな諸条件の整備も根本的に考えたらどうだろうか、こういう点も冷静になって考えられる点があると思いますが、いかがですか。
○瓜生説明員 宮殿の造営についての調査をしております段階に、今おっしゃいましたようなことも、われわれの研究題目として研究いたしてみたのでありますけれども、皇居として特に公けの行事をなさる場所としては、やはり東京都内かあまり離れないところがいい。と申しますのは、各国の大公使館なんか東京にありますし、それからいろいろそういう面のお客の来られることが最近非常に多いのですが、そういう面との関係、それから、いろいろ儀式なんか行われる、政府の方もおいでになる、そういうような場合には、あまり不便でないところ——必ずしもあそこの場所でなくても、どこかそういう便利のあまり悪くないところで、いいところはないかということも検討してみましたが、環境がよくて適当な広さがあってというようなところがなかなか見つかりません。それで、それじゃ、前からあったあの場所、あの場所でありますれば便利もそう悪くありませんし、その方がいいのではないかということで、いま一応あそこの場所というように考えておるわけであります。各般の状況から見て、やはりあまり遠い——中には、これは朝日新聞あたりがちょっと書かれたことかありまするけれども、富士山ろくあたりに宮殿を作られたらどうかというようなことをいって、書面をよこした人もありました。(「それはいい。」と呼ぶ者あり)しかしながら、それではやはり非常に不便を——あそこらあたりまで行きますると、環境がよくて非常にいい点もありまするけれども、しかし富士山ではあまり離れ過ぎております。そういうこともありまして、今あそこにああいう土地もありまするので、結局はあそこの土地ということで、考えたあげくそういうふうに考えておるわけであります。
○横山委員 これまたあなたの御意見としてけっこうな御意見だと拝聴いたしました。少くとも皇居が江戸城の跡へかわってから、歴史的に見ればそんなに長い期間ではないのであります。従って、今お話のあった富士山ろくという点も、富士山を背景にしてまことに風光のいいところであって、与党の方の中でもそれは賛成だと言っている人もあるわけです。日本国中、そんなに広いところでもなし、皇室が御生活をなさる、そしてお仕事をなさる、陛下の御趣味にもまことに適合したところだと私は思うのであります。そうすると、瓜生さんとしては、宮内庁としては、皇居があそこでなくちゃならぬという考え方はない、条件にかなう適当な土地があるならば、そちらに移っても差しつかえはない、しかし、今のところは適当なところがないから、今の現場がよかろうと思う、こういうような御意見でございますね。
○瓜生説明員 さようであります。
○横山委員 わかりました。 そこで、現実の法案についてもう二、三お伺いをいたしたいのでありますが、今度お建てになる皇太子殿下の建物は二億数千万円でございましたね。お建てになるこのおうちの内容は大体どういうものが入るんでございますか。どういうものといいますのは、何か聞くところによりますと、皇太子がお入りになるだけではないというお話でありますが、どういう構想のものでございましょうか。
○瓜生説明員 全体の坪数が千数十坪でありまするが、そのうち約六百坪は皇太子殿下の、いわゆる御殿回りといっておりますが、さらにそのうちの二百坪足らずの部分は、公けにお客をせられる応接間ですとか、食堂だとか、休憩所とか、公けに使われるところ、あとの三百余坪のところは純粋にお住まいになられるところ、それからあとの五百坪は東宮職の事務をしている事務室、当直室、それからいわゆる自動車の車庫でありまするとか、あるいは冷暖房の機械の部屋でありまするとか、倉庫でありまするとか、そういうものが合せて五百坪ばかり、合せまして千数十坪になるということであります。従って、皇太子殿下と無関係の別の人が入るということではないわけであります。全部殿下があそこでお住まいになるために必要なことに使われるわけであります。
○横山委員 聞きますところによりますと、ことしと来年で完成をされるという話でありますが、来年のいつごろ完成をするのですか。これは皇太子の御結婚に間に合うのですか。それを想定に入れて建築が完成をされるのでありますか。
○瓜生説明員 東宮御所の完成は来年の十二月を目途といたしております。それでは、皇太子殿下が妃殿下をお迎えになることとどうなるかということでありまするが、その点は今年中ぐらいには東宮妃を御内定になった方がよろしかろうと思いまして、われわれもお世話をいたしておるわけでありまするが、そうなりますと、早ければ来年の秋ころには——御成婚される準備の関係なんかでは再来年にも相なりましょうが、われわれ当局として考えておりまする御成婚の時期と大体は合うんじゃないかというふうには考えておりまするが、しかし、御結婚の問題は、いろいろ御当人の御意見、また相手方の御意見もありまするし、また諸般の事情がありまして、そうお世話してわれわれの考えております通りに参りますかどうか、この点はわかりかねますが、しかし、そうした時期になっておることもありまして、東宮御所の造営も今明年度中にいたしたいというので、予算もお願いし、また予算の議決もお願いをしておる次第であります。
○横山委員 順調にいきますと、来年の十二月にこの建物が完成をされる。また順調にいきますと、皇太子の御結婚は来年の秋ごろにとり行われるということになりますと、おうちが建っておらぬのですが、これはどういう御計画なんですか。
○瓜生説明員 秋ごろにうまくいくか——そこはうまくいった場合ということですが、非常に早くいった場合にはこういうふうに考えておるのであります。現在の常盤松の東宮仮御所はあまり広くないのでありますが、いよいよ御所も近くでき上るということが目の前に見えて参りますれば、しばらくそこでがまんしていただく。だから、お客が見えられても、対面だけはできるということもありましょうということで、順調にずっといかれると、しばらくの間そういうこともあると思いますが、そういうときには今のように考えておる次第であります。
○横山委員 最後に、この間見ました馬場の建物、あれを参観人の待合室にお充てになるそうでありますが、老婆心ながら言うておきますけれども、それもしっかりした建物だからいいだろと思いますけれども、大体皇居を参観する国民は、皆さんはえらい端正な態度、お言葉で応接されるか知らぬけれども、非常にかた苦しいという気持が強い。しかも、拝見した馬場の建物も、どういうふうに移しかえるか知りませんけれども、あのごつい建物を参観人の待合所にするにしては、あまりにも採光、それから風通し等、まるっきり穴倉に押し込められたような形なんです。もちろん骨格だけをお使いになると思いますが、設計その他については十分御注意をしていただきたいと思う。私がそれを言いますのは、ただ参観人の待合室だけの問題ではありません。皇居を見る国民に、もっと気持よく、ある意味ではくつろいで、皇居に親しみ深く参観をさせられるような雰囲気を作っていただく必要があると私は思うのです。いかがでありますか。
○瓜生説明員 あの覆馬場の建物をこわしまして、参観人休憩所にいたします際には、あれをそのまますぽっと持ってくるわけではありませんので、あの材料を使いまして作るのでありまして、従って採光、通風等も、そのままですと、非常に陰気な、感じの悪いものになりますので、もう一ぺん設計をして作るのでございます。なお、御意見のありました点はさらに工事をやる係の方にもよく申しておきます。 おいでになる方のお扱いについて何かかた苦しいというような御意見、そういう点もそういうことのないようには努めているつもりでありますけれども、そういう点があるいはあるのかもしれませんが、なおその点は反省をし、その方をやっております係にも本日そういう御意見があったことを伝えて、今後の改善をはかりたいと思います。
○早川委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明四日午後一時十五分より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十分散会