商工委員会 第4号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/06/25
会議録
○長谷川委員長 それではこれより会議を開きます。 まず小委員追加選任の件についてお諮りをいたします。昨日設置いたしました小委員十名よりなる繊維不況対策に関する小委員会の小委員を十二名とし、その追加選任に関しましては、委員正長より指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認め、小平久雄君及び田中武夫君を指名いたします。 —————————————
○長谷川委員長 次に参考人出頭要求の件についてお諮りをいたします。本州製紙の汚水問題の調査のため、明二十六日参考人に御出席願い、そして説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認め、そのように決します。 なお、参考人の人選及び手続に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。 —————————————
○長谷川委員長 お諮りいたします。経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律案について、連合審査会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありません。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認め、そのように決します。現在この法案は大蔵委員会において審査をいたしております。よって私の方からこれに連合審査を申し入れさせていただきます。 —————————————
○長谷川委員長 通商産業の基本施策に関する件、日本経済の総合的基本施策に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件、並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について質疑を続行いたします。堂森芳夫君。
○堂森委員 今日、日本の繊維産業は一般に斜陽産業、こういうふうにも言われておると思うのであります。特に絹、人絹あるいはまたさらに綿、スフというふうに、各分野の繊維産業が今日非常な危機に見舞われておるわけでありますが、これに対しまして通産大臣は、一体こういう危機がどういう原因で来ておるのかということについてまず御答弁を願いたいと思うわけであります。
○大島政府委員 どのようにこの不況が参ったかということにつきましては、大臣がきょう御説明されると大へんよろしいのでありますが、ちょうど御出席がございません。この原因はたくさんあると思うのでありますが、やはり一番大きな原因は、貿易が思うようにいかないということと、一面には生産の過剰ということがある程度原因しておるのじゃないかと思っておるわけであります。でありまするので、この不況対策につきましては、政府におきましても十分研究いたしまして、その最善を尽したい、このように考えておるわけでございます。
○堂森委員 政務次官の御答弁でございますが、せっかく研究などということでは、今日看過できない大きな問題であります。もちろんこれは産業自体の大きな問題でありますると同時に、古くから繊維産業は日本の一つの大きな基幹産業とも申すべき産業でございます。そうして、たとえば絹、人絹は主として北陸が主要な生産をやっておるわけでありますが、絹、人絹は本年はもうすでに三割の操短をいたしております。そうして労働者はもちろん経営者も含まっておるわけでありますが、労働者の側から見ましても、三割操短による影響は、すでに、賃金の非常に大幅な削減といいますか、非常に賃金が下っておりまして、ひどいのになりますと、月三千円台で一人の職工が働いている。こういう悲惨な状態を呈しているわけでありますが、ただいまの通産政務次官の御答弁ではわれわれは承服できないのであります。そういうのんきなことは言っておれないのであります。 そこで私はお尋ねいたしたいのでありますが、繊維工業設備臨時措置法でございますか、これが昭和三十一年のたしか六月でございましたが、国会を通過いたしました。そうして五カ年計画をもって、この法律の内容に含まれたいろいろな操作でありますとか、そういうものが五年間ずっと続けられてきた、そういうことでございます。しかし私が考えますのに、昭和三十一年の半ばと申しますると、日本の産業にとっては神武以来の好景気というような非常な好況時代でありたと思うのであります。そういうときにたまたまこの法律が制定されまして、五年後の見通しを立てながらいろいろな操作をやっていこう、こういうことでありたと思うのであります。そこで、今日のようなこういう非常な不況が来ているときに、当時立てたそうした計画が果してそのままやり得るかどうかという問題もあろうかと思いますが、今日までこの臨時措置法というものによって、どのようないろいろなことを政府はやってきたかということについて、少しく詳細に御答弁を願いたいと思います。
○小室説明員 お示しの通り、昭和三十一年六月に新しい法律として繊維工業設備臨時措置法ができまして、これは紡織設備、染色加工設備の規制ということと並びまして、過剰の織機の処理ということについての根拠規定がございます。この法律と並びまして、予算上も過剰織機の処理についての補助金を計上いたしました。ただいまのお尋ねの絹、人絹織機につきましては、初年度、つまり昭和三十一年度に約五千台、昭和三十二年度に約五千台、それから昭和三十三年度が六千台、台数で言えばそういうふうに過剰織機が処理できるようになっております。それに対しまして補助金としては、昭和三十一年度は一台当り一万円、それから三十二年度、三十三年度はこれを倍額に増加いたしまして二万円、これに対して業界の負担金は、初年度から通じまして一万円、こういうふうなやり方で絹、人絹の過剰織機の処理を毎年続けて参りましたが、特に三十二年度、三十三年度に大幅の補助金の増加をいたしましたのは、これも御指摘の北陸の絹、人絹機業地の非常な不況ということを考えまして、これに対する重点的な施策として、従来の補助金の率を倍額に増加したというような次第でございます。なお先ほど、昭和三十一年度に立てた需給の見通しでは古いのじゃないかというようなお話もございましたが、これは毎年需給の見通しを改訂しておりまして、最近は昨年の十一月に、今の織機がどの程度過剰であるかということの数字を再検討いたしまして、三十五年度という目標年次において五万四千台過剰である、そのうちの半分二万五千台を三十一年度から三十四年度までの四年間に買い上げて破棄したい、これについて補助金を出していきたい、こういうふうな計算の再検討もいたしておる次第でございますから、念のため申し上げておきます。
○堂森委員 そこでこの買い上げ織機の補助の問題でありますが、現地の業者たちが切望いたしておりますことは、昭和三十四年、五年になって、さらに四万台くらいの買い上げがあるわけですが、そういう三十四年、五年というふうな——と申すのは来年、再来年でありますが、それまで待てないと思うのです。そこで、今日の不況を切り抜けるためには、やはり繊維局長がおっしゃったように、数万台の買い上げをやって台数を減らしていく、こういうことも、これは業者としても了承しておることですが、早く買い上げをやってもらえば、他に転業していくとか、いろいろなこともできると思いますが、そういうふうな、来年、再来年に見送っていくというのではなしに、私はやはり今年、さらにさかのぼって、もう済んだことですが、昨年度というふうにこれが早くやられていくということが、やはり繊維産業の秩序全体を保っていく、いわば計画的な生産というものをやっていく上に、重要でなかったかと思うのでありますが、繊維局長はいかがお考えでございますか。
○小室説明員 まことにごもっともなお尋ねでございまして、繊維局長としては同じようなことを希望しております。これはしかし国の予算、財政の問題等を勘案されて、こういうことに落ちついたという経緯でございます。
○堂森委員 さっき繊維局長の御答弁がありましたが、昭和三十五年度までに買い上げていく織機の台数ですね。今後の貿易の見通しとか、あるいはいろいろな国内の需要の見通しなどから考えまして、当初考えた四万台ですか、この買い上げ台数というものは、それでいいとお考えでありますか、あるいはもっとふやすべきであるとお考えでありますか、この点を一つお尋ねいたしたい。
○小室説明員 貿易の推移が、なかなか変化がございまして、見通しを立てにくいのであります。ことしの一月から五月までの例で申しますと、昨年の同期と比べて、人絹織物は実は約二割程度輸出はふえておるのでございます。しかしながら、最近の契約状況などから見ると、前途はなかなか楽観を許さないというようなことでもありますし、また人絹織物に限りましては、昨年の輸出も一昨年に比べてむしろ微減しておる、若干でも減少しておる。他の繊維品は若干ふえておったにもかかわらず、人絹織物の方は、昨年もあまりふるわなかったというような状況も考慮に入れますと、前途についてもなかなか楽観を許さぬ。しかしながら、直ちに、人絹織物の輸出が非常に見込みがないから、今までの計算の過剰織機の台数を大きく変更しなければならぬというふうには、ただいまのところはまだ考えておりません。内需については、特にそういう大幅な変更を加えなければならぬというような事情には、ただいまのところはなっておらない。
○堂森委員 本年の三月一日でございますか、日本レーヨン織物輸出振興株式会社ですか、人絹の織物について、これを一手で買い上げ、またこれを輸出せしめる、こういう目的で、そうした会社が発足いたしました。これによっていろいろな過剰競争を避けていくということが大きな目的であったと思うのですが、本年三月一日この会社が発足いたしまして以来、果して今日の特に人絹の産地における滞貨の状態、いろいろなものを見ていった場合に、これは十分な機能を今日まで発揮しておりますか、いかがでございますか。
○小室説明員 ただいまの御指摘の、普通買上機関と申しておりますが、振興会社の事業はようやく四月から始まったというような形でございます。まだ正味三カ月も経過しておりませんので、この功罪をはっきり申し上げられないと思いますけれども、特に市中に浮動しております在庫を買い上げる、あるいりは四月——六月については、いわゆる三銘品というものについて計画的に生産をいたしまして、一手でもって機屋さんから織物を買い取る、そうして輸出商に一手で売り渡すというような形でやって参りました関係で、非常に安定した取引ができておる。御承知のように、その他の三銘品以外のものを作っておるところから、ああいう形の機構をもっと広げてもらいたいというような要望も出ておりますことからいっても、こういう面のプラスははっきりあると思うのであります。ただ実際のことを申しますと、三銘品の最近の輸出契約状況というものは、それほど楽観を許すような状況でございませんので、私どもとしては特に輸出の数字について非常に関心を払っておる次第であります。
○堂森委員 今日の絹、人絹——綿、スフももちろろん不況でありますが、特に絹、人絹の不況はまことに惨たんたる状態を呈しておることは、もう政務次官あるいは繊維局長はよく御承知の通りでありますが、現地の方の人たちのひそかに希望いたしておりますことは、本年の九月ごろになってくると、あるいは幾らか景気が安定してくるのではないか、あるいは横ばいになってくるのじゃないか、こういうひそかな希望を持ってこの夏は一つがんばっていこう、こういう気配も非常に見えるわけでありますが、そういう見通しはいかがでございますか。あるいはそういういい見通しがあるとすると、どういう条件でそういうことが言えるのか、一つ御答弁を願いたいと思うわけです。
○小室説明員 繊維の需給の見通しは、短期間についてもなかなか見通しがはずれることが多いのでありまして、確たることは申しかねますけれども、人絹糸、人絹織物に関する限り輸出の方が格別悪化しなければ、比較的早く過剰在庫が解消していく、いわゆる正常在庫に戻るという一応の計算ができるのであります。その時期は大体九月の末ごろというような計算が一応できております。ただ繊維はやはり横の関連が非常にございまして、繊維全体として安定して参りませんと、人絹だけで安定するというわけに参りません。また輸出の面でも最近の輸出の契約の状況等は、かなり警戒を要する点がございますので、一応の計算としては九月ごろには安定するのじゃないかというような計算はできますけれども、なお今後の推移を見たい、こういうふうに考えておる次第であります。
○堂森委員 私がそこで政府にお尋ねしたいと思いますこと、結局今日絹、人絹の不況の打開策の根本は、一つは過剰織機の買い上げを、たとえば本年度は六千台ときめておるのを、来年、再来年に延ばすというのではなしに、今年これをもっと倍にふやしていくということ、とにかく今日これをやることが私は一つの重要な施策でないかと思うわけです。そうしますとそれは予算がきまっておりますから、従って補正予算などによってその増額をはかっていくということも一つの問題ではないかと思います。たとえばこういうことが言えると思うのです。昨年の暮れに操短に対する資金というものが割り当てられておる。そうしてそれは私の県である福井県では一億二千万円も操短資金の割当があったのですが、実際に各機屋さんの申し込みをいろいろ整理してみますと、件数でいいますと、わずか四十九件でございましたか、そうして金額にしますと四百何十万円ぐらいの申し込みがようやくあった。そうしてこれを実際に工業組合の理事会にかけて、これを果して返し得るかどうかということを厳重に審査して参ると、おそらくその半分になるんじゃないかとまで言われておるのであります。そうすると政府資金として一億一千万円というような貸し出しが行われるにかかわらず、業者は金がなくて困っているのに、わずか四百七、八十万円ぐらいの申し込みしか受け付けることができない。これには金を貸し出すについての条件がむずかしいとか、いろいろな問題があります。また借金をしておってさらに仕事を休むのに金を借りることはとうていできない、こういう事情もありましょう。いろいろな事情や条件があって、一億二千万円という割当すらも、申し込みが二分ぐらいにしかならぬ。こういうような事情を見ましても、いかに絹、人絹の業者が困っておるかということがわかると思うのでありまして、一億二千万円の割当がありながら借りられないという原因の一つとしては、金利が九分六厘である、これは普通の金利でありますが、高いと業者は申すわけです。それから一年据え置きの三年間の支払い、こういうような短期では、とうてい借りたって返すことができない、こういうことも言っておりますが、ともかく一億二千万円の資金が回りながら、これを借りることができないことは厳然たる事実なのであります。そういうところから見ましても、何とかして業者にもっと有利な条件で、長期的な資金を回すことが必要だと思うのです。 そういうことと意味は違いますが、買い上げ織機の割当を六千台、これを全繊維産業に割り当てますと——もっとも本年は綿、スフは確かに買い上げの中に入ってないのでございますが、しかし綿、スフの業者の大会で、一昨日でございますか、綿、スフについても今までは買い上げ織機の中に入らなかった、辞退されておった、しかし不景気が来たので綿、スフも同時に入れてくれ、こういう要望も来ておるわけでありまして、こういうような六千台という割当ではとうてい間に合わぬ。政府としてはわれわれが要求しておるように、不況対策としてやはり補正予算を組め、こういう要望をしておるのにもよく符合するわけですが、そういうことが私は必要であろうと思います。そこできょうは大臣欠席でございますが、政務次官は買い上げ織機というものに対して、来年にさらに大幅な買い上げを見送っていくというのでなしに、本年にこれをやろう、こういうふうな努力を今後していくか、あるいはどうでございますか、お尋ねをしておきたいと思います。
○大島政府委員 不況対策に対していろいろな角度から御指摘がありましたが、全くその通りであります。そこで織機を買い上げる、これにいたしましても、やはりそれぞれ限度がありますので、三十一年度以来今年も加えてもう三年にわたりまして、すでに相当価格の買い上げもいたしておるのでありますが、それでもむろん完全でないことは、ただいま御指摘の通りであります。しかし今年の一台について二万円という補助に対しましては、まだ全部消化されておらない現状でありますので、今年の様子も一応見てから、今年の補正予算というわけには、ただいまのところはまだ考えておりませんが、この消化の状態をよく見まして、次の通常国会なりに考えるゆとりがあるかもわかりませんが、ただいまのところはその程度の見解で、一つ御了承願いたいと思うのです。
○堂森委員 政務次官にお尋ねしますが、ただいま本年六千台にも満たないという御答弁でございますが、たとえば絹、人絹の主産地である私の県だけでも、私の聞いておるところでは五千台くらいのものは出るであろう、こう言われておるのです。まだ本年は半分も済んでない。役所にはそういう数字が出てくるのでしょうが、しかし現地ではそんなのんきなことを言っておりません。私の県だけでも、もう五千台は優にオーバーするだろう、こう言われておるのでありまして、私はそれは詭弁ではないかと思うのです。そんな逃げ口上ではなしに、もっと誠意を持ってお答えを願いたい、こう思うのです。
○小室説明員 政務次官がただいま申されたのは別に逃げ口上というわけではなく、三十二年度の予算は三十三年度になってから実施されて、最近ようやく三十二年度分の買い上げが終了した。三十三年度分は組合の方も能勢を整えなければなりませんので、それに若干時間がかかり、ここ数カ月は三十三年度のものをやることで手一ぱいだという状況でございますので、そのことを申し上げた、こういうわけであります。
○堂森委員 どうも局長言葉がうまいものだから、ごまかされてしまう。ともかく非常な不況にあることは事実であります。そこで絹、人絹に限らず、スフ、綿にいたしましても——きょう私実は外務当局もここへ来てもらってお尋ねしたかったのですが、問題はやはり中共という国の今後の東南アジアに対する貿易の役割は非常に大きいと思います。繊維局長長い間の局長でございますから、よく御承知と思うのですが、今後東南アジアで人絹織物というものについては、直ちにライバルということにはなるまいと思うのですが、スフ、綿という面においては、今後中共の製品が華僑とのタイアップ、密接な結びつきで日本の強いライバルになる、こう思うのですが、局長いかがでございますか。
○小室説明員 御指摘の通り中共の繊維品、特に最近顕著な進出を示しておりますのは綿織物でございます。これは業界の専門家の推定等によりましても、綿花自身の価格もすでに相当安いというようなことも手伝いまして、生産費も安い。そこへ加えて相当政治的な取引条件と申しますか、一例を申せば競争国の価格よりも五%引き、競争国が下げればそれだけ下げるとか、あるいは将来値段が下れば、その分だけはまた値引きしてやるとか、ちょっと商業取引では考えられないような政治的な条件というものが入っておりますので、コストが安い上に、そういうような条件が加わるということのために相当競争しにくいような状況が見えております。香港とかマレーとか、あるいはインドネシアとか、そういう東南アジアの市場に対しては、最近の中共綿布の進出ふりというものは数量的に見ても相当顕著であります。インドネシア、マレー等においては、すでに第一位の輸出国が日本でなくなって中共になっている。綿布につきましてはそういうような事情もございますので、私どもとしてはこれにいかに対抗していくかということを慎重に検討しておるのであります。一方では価格の問題、他方でほ品質の問題その他をよく検討して、何とかこれに対抗していく道を考えていきたいと思っております。
○堂森委員 絹、人絹、特に人絹をとりまして今後の見通しというものを考えてみますと、結局はやはり輸出というものが伸びるか伸びないかというところに、景気が回復するかどうか、こういう分れ道になることはもと自明のこととなんであります。そこでさっきからの質疑応答によって明らかになったことは、輸出が伸びるかどうかということはなかなかむずかしいことであって、にわかに見通しをつけることは困難だ、こういうふうな答弁だったと思うのです。そこでただいま人絹の織物の滞貨状況というものを見て参りますと、現地方面で特に強く要望いたしておりますことは、インドネシアが従来主たる、特に大きなお得意であった市場である、こういうような点から申しましても、インドネシアに対する賠償物資として、インドネシアに持っていくというようなことを、強くかねてから現地あたりは要望しておるわけでありますが、先般私の県から陳情団が参りまして、そうして私が一緒について大蔵大臣にも会ってきました、そのときに大蔵大臣は、賠償物資として人絹の織物がインドネシアに参るように努力したい、こういうことを言明しておられました。そこで今日賠償物資としてはやはりプラントとしての賠償が最も適当である、こういうふうな方針を政府は持っておる、こういうふうにも聞いておるわけでありますが、通産省として人組の繊物の非常に大きな市場であるインドネシアに対して、人絹織物を賠償物資として持っていくような努力を今までしておられたのであるか。あるいは努力によってこれが可能であるのか。今日の見通しについて一つ御答弁を願いたい。こう思うのです。
○小室説明員 賠償の問題は相手国からの要望を尊重しなければなりませんから、インドネシアにおいて繊維品に対する希望は私あると思っておりますが、これが賠償実施計画に組み人れられて、こちらに申し出があれば、私どもとしてはできるだけこれは実現に努力いたしたいと思っております。
○堂森委員 向うから申し出があれば持っていくということだけではなしに、人絹の織物を向うに受け入れさせる、こういう努力は、通産省としてはしていないのでありますか。こういうことも伺いたい。
○小室説明員 デリケートなお尋ねでありまして、ちょっとどういうふうにお答えしてよいかわかりませんので、はなはだ申しわけございませんが御了承を願います。
○堂森委員 では政務次上官にお尋ねいたします。政府はそういう努力をしたのか、あるいはしていないのか。あるいは今後していくのか、その点御答弁を願いたいと思います。
○大島政府委員 正直に申しまして、まだ私就任早々なので、まだそこまで勉強してでおりません。確実な答弁はいずれ一つ機会を見ていたしたいと思います。
○堂森委員 ではきょう御答弁ができなければ、一つお調べを願って御答弁を大臣からでもいただきでたいと思います。これは非常に重要なことであります。私の知っておる範囲では、インドネシア方面では織機を、つまりプラントを買って、それによって人絹の織物を作っていくというような計画は持っておっても、資金的には不可能である。資本の不足、そういう事情もあるようでありまして、向うとしては当分人絹の織物を賠償としてもらっていい、もらいたい、こういうふうな意向を持っておるように聞いておるのであります。今後政府としては人絹の織物を向うに持っていく、こういう努力をしてもらいたい。こう私は考えるわけであります。重ねて政務次官にそういう努力をしてもらうように、強くお約束を願いたいと思うわけです。
○大矢委員 関連して。今堂森委員から賠償の希望のお話がありましたが、私もこの機会に一つ大臣と政務次官と相談してもらいたいと思いますが、それはことしの三月万年筆のメーカーが、フィリピンから賠償物資として約三万五千ダースの注文を受けた。もちろん三年前からずっと引き続いて輸出しておるので、相当信用もある。従って向うから直接折衝がありまして、せっかくまとまったものを通産省の賠償関係の方でぶちこわした。現にできたものをぶちこわすようなことは、これはとうてい私は許されぬと思う。大臣と外務省の賠償の関係と打ち合せて御答弁を願いたいと思います。その理由として、通産省では価格が安い、だからしてそういうものを賠償として出すことは契約に違反すると言っておるらしい。ところが契約した相手方のフィリピンの日本駐在の賠償局から直接前の実績によって折衝があってできておる。それが途中で取り消されたために、零細な家内工業で約千五百人くらいですが、非常に因っておる、こういうことでありますから、せっかくまとまったものもこういうふうに不許可になったということほ、何か大きな高級万年筆屋の文句があってこれが取り消されたのではないか。これは私の想像です。もちろん契約には高級品と書いてあったかどうか、それはよくわかりません。長年向うと取引して信用がある、その信用によってさらに契約したものを取り消すことは大きな問題だと思います。結果として、一体これらの損害はだれが見るのですか。通産省でいけないと言われたら、それだけで泣き寝入りしなければならぬのか。今後こういう問題が起きたら、またしても大へんな問題だと思う。 そこでこういう賠償物資の問題については、直接折衝さすのでなくして、そういう係を通じてやるなら、そんなことはない。一方ではフィリピンの賠償局からどんどん注文がくる。それでよしといってこしらえる。いよいよそれを送り出そうとすると、それはいけないと言う。こういうことでは、商人はたまったものではない。これは役人にはいつもあることです。事務的にやって、責任がなければそれでいいという。これは官僚には一番ある。実際はもっと親切にやらなければならぬ。取引先として高級メーカーがちゃんと原簿に載っておるから、これ以外の者は賠償物資を取引してはいけないのだという一枚の通達でも出しておれば、そういうことはしない。それをほっちらかしておいて、せっかくこちらが、そういう事情を知らずにまとめたものをぶちこわす。 これは単にこれだけではない。今の日中貿易その他の問題でもそうです。きょうは大臣が来ておりませんから申しませんけれども、私は昨年の暮れにずっと中共並びに北鮮に行ってきた。政府のやり方は実にひどい。私はこれについて貿易の振興をやかましく言っているが、実際の熱意と政府のこれに対する今日までの態度というものは、行いと日とが違う。これらについても私はお尋ねしたいのですが、ただ賠償の問題が先ほど来出ましたから、この問題について大臣の答弁をお願いしたい。一体今後これをどうするかということと、今起きているこの問題をどう処理するか、損害をどう処理するか、こういうことについて一つ大臣と御相談の上で、次に答弁してもらいたい。これはもちろん賠償の問題ですから、外務省との関係もございましょう。しかしながら、今後こういうことを繰り返されると、中小企業はたまったものじゃないと思いますので、次のときの答弁をお願いしておきます。
○長谷川委員長 大矢さんにちょっとお聞きしますが、きょうは通商局長が病気で休んでおりますので、次長が来ておりますが、答弁を求めますか。
○大矢委員 賠償をどうするとか、今後の取扱いをどうするとか、そういう大臣のような答弁が次長にできますか。
○長谷川委員長 御答弁は後日でよろしゅうございますか。
○大矢委員 次に大臣が来られたときでけっこうです。
○松平委員 関連して。今の賠償のことですが、日本の政府の中で、どういうものを賠償にするかという区委員会か何かできていると思うのだけれども、そういう中にたとえば繊維製品を入れるとか入れるようにするとか、そういうことは答弁しても差しつかえないと思う。だから、繊維製品を賠償にしたい希望があるのか、あるいはそれを入れるという方針になっているのか、そこらの点についてもう少しはっきりした政府の見解というものを、次の機会に大臣なり責任者から答弁してもらいたい。これは繊維だけではなくて、たとえば陶磁器とかその他のものも最近操短で困っておる、そういうものを賠償にしてくれということは各方面から出ているのです。それを、どこかに窓口があって何か統制をするというようなことでなければ、今言ったような被害が出てくると思うのです。ですから、そこのところを政府自体が考えられて、そして賠償には何と何を指定するのだという根本方針をきめなければならぬと私は思う。その点についてぜひ政府に見解の統一をはかってもらいたい、これが一つであります。 もう一つは、インドネシアの代表を国会に呼んで模様を聞いたことがあります。それは大統領が来ておったときで、われわれもその席に連なって聞いたけれども、それによると、現在のインドネシア政府としては非常に金がない、日本から賠償物資として建設資材をもらって政府で建設しても、それを運営する金がないのだ、そうすると結局消費資材も賠償の中に入れてもらって、政府がそれを民間に放出して、その金でもって、賠償によって建設された工場の運営に当りたい、こういう意見がインドネシアの代表の意見だった。私はそういうことを自分でも聞いております。だからそれらのことももう少し関係部局と連絡をとりながら委員会における答弁をしてもらいたい、こういうことを要求します。
○長谷川委員長 大矢さんと松平さんに申し上げますが、担当局長の松尾君が来ておりますから、局長から御答弁を申し上げます。
○松尾(金)政府委員 ただいまお話のございましたフィリピンに対する万年筆の賠償物資の問題でございますが、ただいまお話がございましたように、万年筆につきましてはいわゆる加工役務という形で、向うと話し合いができることになっております。しかし実際問題として、万年筆には非常に品質に幅がございまして、特に従来海外市場に対する万年筆について、下級品というか、非常に品質の悪いものが出て、そのためにしばしば問題を起したことは御承知の通りであると思いますが、そういう関係から、万年筆を賠償物資として出す場合にも、あまり下級品で品質の悪いものは困るということを、一般的な話として向うとの話し合いでしておったのであります。現状ではフィリピン側の方で前に日本側の万年筆業者と仮契約したものを一応引っ込める、引っ込めて再検討した上で、もう一度相談するからということになっております。御承知のように現在の賠償方式はいわゆる直接方式というのをとっておりまして、向うの、賠償を要求する側の政府が直接日本の業者と話し合いをするのでありますけれども、その方式を実施する際には、御承知のように日本政府側の認証を経て初めて正式の賠償契約になるということになっておりまして、こういう賠償の実施方式はすでに一般にも周知させてあるはずでありますし、何よりもフィリピン側の賠償の窓口がそういうことをよく心得て、このような話し合いはするけれども、最終的にはいわゆる日本政府側の認証がなければ、ほんとうの契約にはなりませんよということをよく確認してやってもらうことを、われわれもかねがねフィリピン側にも申し入れをしておるところでありますけれども、実際問題としてはフィリピン側においても非常に契約を急ぎ過ぎたというようなことの手違いで、ただいま御指摘のございましたようなトラブルを起しておると思います。これは何もフィリピン側だけではなくて、われわれの方もそういう賠償の実施方式を一般によくのみ込んでもらうようにしなければならないと思うのでありますが、今お話のございました具体的な案件につきましては、向うとの話し合いをもう一回よくいたしまして、なるべくその万年筆業者自身に迷惑のかからないような取り計らいをしたいというふうに考えております。
○大矢委員 安いものは悪いということが日中貿易なんかで問題になったので、私はよく記憶しておりますが、これ三年前から数回取引して、それでよろしいということになった。一体フィリピンとの前の取引で、そういう粗悪品なんかが出て問題になったことがあるかどうか。向うが信用しているからこそ、また再三——一回や二回ではない、三年前から引き続いてやっている。それをただ安いから悪いということで、向うが希望し、しかもちゃんとできていたものをあなたの方でキャンセルする必要がどこにある。ものを画一的に見て、安いから悪いということで——せっかく双方の話し合いで、得心の上で、しかも何回も取引して悪いものではなかった、向うではそれを学生とかその他適当な人に使われて喜ばれている、それを日中貿易なんか問題になったから、それに賠償はできるだけ金かさが上ったらいいということでは、将来の取引にずっと影響する。ただ賠償で済めばいいということではない。そうなると、実際に安い、勉強したものを作るということはなくなってしまう。日中貿易に関する問題はその通りです。あなたの言われる通りかもわかりませんが、できるだけいいものをこしらえて、高くてもいいから信用のあるものをこしらえて送るのはこれは当然です。しかし何回も取引をして、しかもこれでよろしい、それは学生に向いておりますと言って、ちゃんと向うが承認したものを、ただ勝手に安いから悪いだろうということで、あなた方が妨害する必要は毛頭ない。そういうおざなりな答弁をされてはいけない。もしそういうようなことがあるならば、そのときに初めて中止したらよいでしょう。やっぱりあなたたちの熱意が足らぬというか、親切が足らぬからこういう問題が起る。これについての責任は、あくまでもあなたたちにあるんです。この問題は、何もいいものをくれと言われて悪いものを押しつけたわけではなく、向うもよろしいと言い、しかも数回の実績があってちゃんとやってきたものを、安いから悪かろうということで、勝手にきめてしまうからこういう問題が起きてくる。もっと現実の問題として処理してもらいたい。一般的な問題として扱ってもらっては非常に迷惑をする。
○大島政府委員 非常にごもっともなお話でありまするので、先ほど御希望のありましたように、十分大臣とも、またそれぞれ所管の者たちとも協議いたしまして、責任ある御答弁を次の機会にやらさしていただきますことを御承認願いたいと思います。
○長谷川委員長 小林正美君。
○小林(正)委員 長官がおられませんので、振興部長にお尋ねをいたします。百貨店法の判定が非常におくれたために、逆に百貨店の進出競争を促進せしめたというような結果に相なったわけでありまするが、日本の経済状態から考えて、私はデパートの数がすでに多過ぎるのではないか、こう考えております。わが国の流通部門で百貨店が不必要、不健康に大きい比重を占めておるということは周知の事実であります。また現状のもとにおいて政府は一般小売商の数を適正にとどめるような積極的な政策を講ずる意図があるかどうか。その点についてお伺いいたしたいと考えます。 それから現在こういった不況の状態におきまして、いわゆる各種の失業者がむしろ一番安易な、わずかばかりの資金でもって小売業を営んでおるということがますます小売業者の過当競争を助長しておるという状態の中において、どんどん百貨店が新しく進出しようという情勢にありますが、こういった問題について当局はどのようにお考えになっておるか、承わりたいと思います。
○今井説明員 ただいまお話のように小売商の数が現在非常に多いこと、お互いの競争が激しいということで経営に難渋しておることは事実でございます。その一つの原因としまして、百貨店とのトラブルがあるということは事実でございまして、二年前に百貨店法がそういう趣旨のもとに、小売商と百貨店との利害の調整をはかるという意味合いで成立したわけでございまして、当時百貨店がすでに拡張計画を既定事実としてやっておりましたものは認めた次第でございますけれども、その後におきましては小売商になるべく影響を与えないという計画のみを厳選いたしまして、百貨店審議会で慎重に検討しながら法の運営をやっておる次第でございまして、漸次そういう関係は改善されるものと考えております。
○小林(正)委員 その問題は私は審議会のメンバーの問題だと思うのです。特に地方の商工会議所の意向を反映して、それが相当大きな審議会の一つの参考をなすものと考えております。ところが先般来三重県四日市におきましては、御承知の通り小売業者の味方でなければならぬ四日市の商工会議所が、実は百貨店の誘致運動の先頭に立って名古屋の丸栄デパートの進出に非常に熱心な運動を展開したということは、われわれ小売業者の立場に立つ者としては、まことに不可解千万であると考えておりますが、この点について当局はどういう工合にお考えになっておりますか。
○松尾(金)政府委員 ただいま具体的な例としておあげになりました四日市の場合は、御承知のように四月市自身が四日市の商工会議所を中心として百貨店の誘致運動を起しておったというような経過的な事情があったようであります。従いまして今御指摘のような問題はあったようでありますが、現実の問題としては御承知のように四日市の百貨店の許可申請の要望の点は一応取り下げるという形で解決したのでありますが、一般的な問題といたしましては御指摘のように現在の法律ではそれぞれ現地の商工会議所を中心とする商業活動調整協議会でこの問題についての意見を調整するということになっておりますが、その場合に地方都市におきましては、よくある例といたしまして、商工会議所の役員その他でおいでになる有力な方が、よく百貨店の関係者である例がしばしばあるようであります。しかし実際の運営問題といたしましては、その商業活動調整協議会の運営の際には、もちろん通産省としましては、そのような利害関係者が直接に調整協議会で表立った意見を言ったり、表立った調整の仕事をしないようにという行政指導はいたしておるつもりであります。さらにまたそのような現地の商業活動調整協議会で、どの方がどのような意見を言われたかという点は、私どもの方にも詳細に報告が参りますので、その際今のような実際問題として公正を欠くような疑いがある点は、私どもの方でも十分審査をして公正な扱いをしておるつもりでございます。
○小林(正)委員 四日市の場合は、御承知の通り丸栄百貨店の誘致運動をやったのが実は商工会議所の会頭であり、副会頭であり、専務である。そうして百貨店設立の発起人になり、将来重役になることを予定されておった。そういう人が選んだ商業活動調整協議会のメンバーによってその協議会の結論が出されたということをよく頭に置いていただきたい。この問題は一応おさまった形になっておりますが、さらに再燃するおそれもありますので、十分お考えをいただきいと思います。 もう一つの問題は資産含みの会社であるとか、あるいは非常に収益率のいい会社に対して、株式市場を通じてこれを乗っ取るような工作が行われております。これが大会社に対する場合だと非常にはなやかに新聞紙上に報道されるのでありますが、そういう大きな会社でなくて町の片すみこある小さな商店に対しても、それがきわめてもうかるとか資産含みがあるというような場合には、問屋だとかそういったものが、小売商店にどんどん品物を回して急に資金を回収しようとする。ところがもちろん金はできません。そうすると今度は商品を全部取り上げて、その店の経営を不能に陥らしめてその経営権を握ってしまう。こういう動きが名古屋を中心とした東海地方には多いのでありますが、そういうことについてお聞き及びになっておるかどうか、お尋ねいたします。
○松尾(金)政府委員 私今までそういう具体的なケースがあるという意味では、実はあまり詳細に聞いておりませんけれども、お話のような点は想像し得るところであると思います。御承知のようにそういう場合のやり方いかんによりましては、例の独禁法の不公正取引というような形でありますとか、あるいは営業譲渡を受ける場合に、不公正な方法によって営業譲渡を受けるとか、合併をやるとかいう場合には、当然独禁法の問題になって取締りの制約を受けるであろうと思います。
○小林(正)委員 公正取引委員会の委員長は来ておられますか。
○長谷川委員長 おりません。
○小林(正)委員 それでは、通産大臣に聞きたいこともありますし、今の問題は公正取引委員会の方に質問したい問題でもありますので、次会に譲ります。
○長谷川委員長 本日の質疑は終りますが、明日本州製紙の汚水問題につきまして、関係者を参考人として呼んでおりますので、皆さん方の御出席をぜひお願い申し上げます。明日は午前十時より開会いたします。本日はこれにて散会をいたします。 午前十一時三十一分散会