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第29回国会衆議院1958/07/09

社会労働委員会 第11号

発言数
15 件
登壇者
3 名
会派数
2
開催日
1958/07/09

会議録

田中正巳自由民主党

○田中(正)委員長代理 これより会議を開きます。  社会保障制度に関する件について調査を進めます。本件に関し、診療報酬の問題について質疑を許します。滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 昨日最後になりましたから、幾分時間がありませんでしたので、端折って御質問したのですが、きょうはその端折った分の入院と、それから事務の簡素化の点について、昨日答弁を求めなかった部分も同時にあわせて答弁をいただきたいと思うので、質問を続けたいと思います。  まず第一に入院についてでございますが、厚生省は、社会保険医療における二千四百億円程度の昭和三十三年度の総医療費の中に、入院の費用というものは今まで一体どの程度を占めておったのか、これをちょっと知りたいのですが……。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 正確に数字をもってお答えできにくいのでありますが、概算で申し上げますと、全体の費用のうち、特に二千四百億といったような数字を前提にして考えました場合、ほぼ半額程度が病院関係で、その病院関係の費用のうちほぼ半額近いものが入院、こういうふうににらんでおりますが、なお正確な数字については後刻取り調べまして御報告を申し上げたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、社会医療費の総額の中の半分が病院関係で、その半分程度が入院、だというと、二割五分から三割程度が入院の費用になると思うのです。そうしますと今回の診療報酬の甲乙両表の改訂によって、入院というものが相当よくなってきておるわけです。言葉をかえて申しますと、社会医療費の総ワクの中から約三割前後というものはまあ下宿料に払っておる、こういうことになる。そうすると一体今度の改訂によってまあ下宿料に類するような入院の費用がどの程度増加することになるか伺いたい。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 この点につきましては、今回の点数表をきめます場合におきましても、八・五%という増はなるべく現在の各医療行為もしくはそれに類するもの相互の間において比率をくずさないように引き上げるということを念頭に置いて作ったのでございますので、大体申しますと、まず入院と外来とにおきまして、ほぼ八・五%増という影響が同じ程度に現われるように作っております。従って結論を申し上げますと、入院についても大体八・五%増ということに落ちつくようになっておりますので、先ほど申し上げましたような基礎的な達観数字にそれを乗じたもの程度が入院関係の費用の増、かようににらんでおりますが、そう大きい狂いはないと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 今までの入院の点数を私ちょっと忘れたのですが、三十点をちょっとこえるものではなかったかと思うのです。それで今回、乙の二の表でいきますと、食事つきの入院が三十三・八点ですから三百三十八円です。従って、これは大ざっぱにいって、もとの点数に換算すれば一点について一円だけ引き上げた形になって三百三十八円になっておると思うのですが、今度は甲表では四十三点、四百三十円になっておる。それから乙表の一では三十六・五、三百六十五円になっておる。そうすると、一番低い三十三・八というものよりかずっと高いものが四十三、三十六・五と、こう並んできておるわけですから、計算をしてみると、総体的には平均して八・五%というわけにはいかないことになる。最下点がすでに八・五%、一点について約一円増加してきているわけですから、それより上の乙の一や甲表の点数というものはずっと上ってきておるのですから、入院自体を見ると一割の増加よりはるかに上のものにならなければ算術が合わぬことになると思うのですが、その点どうですか。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 ただいま仰せになりました乙の一について、申し上げるまでもなく、もとの金額そのものがすでに現在において高くなっておりますから、それをもとにして八・五%の増というものを考えますれば、大体今度の金額に相当するものになるわけでございます。それから甲表につきましては、今までも申し上げております通り、これは表の作り方の建前が変って参っておりまして、たとえば入院に伴って行われる簡単な処置その他の行為がすべて入院時基本診療料の中に組み込まれておりますので、そういった関係で金額が大きくなっておるわけでございまして、決して入院関係の費用がそれだけほかに比べて特に高くなっているということではないのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 表面に今まで現われておった入院の費用というものが総医療費の二割五分か三割を占めておった。それが今回の改訂によって入院時の基本診療料、いわゆる今までの入院に該当する費用というものは相当大幅に、八・五%以上に増加してきておるはずです。今あなたの言われるように簡単な処置その他がこれに加わって入院の一つの費用として出てきておるわけです。だから乙表と甲表とは対照はできないけれども、一応入院という形でとっていきますと、入院時の基本診療料というものはやはり乙表の一、二の入院に対比して考えらるべきものだと思うのです。そういうこまかな処置まで甲表では入院の中に入れておるわけですから、それもひっくるめて、一体今度の入院というものは総医療費の中で二割五分がどの程度増加をするかということなんです。今の御説明のものを入れれば、それが八・五%以上になると思うのです。それがどの程度になるかということを実は知りたいのです。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 先ほど申しましたのは入院関係に伴う医療費が八・五%になっている、こういうことを申し上げたつもりだったんですが、申し上げ方が不正確でございましたので、ただいま御指摘をいただいたような印象をお与えしたわけでございますが、入院の費用そのものの増加か幾らになっているかということは、実は今度の甲表では、ちょっとここではお答えがしにくいので、これは後ほど計算をいたしまして、甲表の入院時の基本診療料に対応する乙表の部分がどのくらいになるか、かなり幾つかの推定を入れて計算をしなければならぬ面があると思いますが、作りまして後ほど御報告を申し上げるということにさせていただきたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私が質問をしておる趣旨をもう一回確認をしておいていただいて、できれば資料を出してもらわなければならぬと思いますが、この甲表で申しますと、入院時の基本診療料として、医療法の第一条第一項に規定する病院に収容されている患者の場合、イ、ロ、ハとございますが、イの場合は、「入院の日から起算して一月を経過しない期間(一日につき)二十八点」となっておる。この二十八点というものと、それから給食をした場合に一日につき十五点が加わるわけですから、従ってこの二十八点の中には簡単な処理が入っていることは確実だと思う。これがわれわれの今までの入院というものの概念なんですね。そうするとその甲表における二十八点プラス十五点というものあるいは一カ月以上三カ月未満の場合は二十五点になるのですが、大体一カ月以内の者が多いと思うのです。イ、ロ、ハ、の三段階があるわけですから一応給食もひっくるめて入院の費用と見た場合、乙表の一でいえば三十六・五点ということははっきりしている。それから乙表の二でいえば二十三・八点ということははっきりしておる。それらの乙表の一、二に対応する甲表の純粋の入院料と給食費を加えたもの、これらのものの総和というものが、一体総医療費の幾らを占めておるか。今までは二割五分か三割を占めておったということはわかるわけです。ところが今度の点数の改訂で、給食を含んだ今までの概念で言う入院というものが一体幾らとなるのか、こういうことをお尋ねしているわけです。私の聞くところによると、今まで二割五分か三割であったものが、さらに二割ぐらい増加するのではないかということが巷間言われておるわけです。そうしますと、心配の点はどこにあるかというと、入院ということも大事ですが、日本の医療費というものが下宿代と同じような入院というものに非常にたくさん食われることが、一体医療の合理化という面から考えていいのか悪いのかという検討がやっぱりなされなければならぬと思うのです。そのことは同時に、さらに入院という実態を分析をしていくと、それに付随する事項として、今度は看護の問題が出てくるわけです。今まで医療の問題を論議する場合には、医療の内容その他の問題についてはお互いに目にかどを立てて論議をしたのです。ところが入院料自体については、いわば盲点になってあまり論議しなかった。ところが調べてみますと、総医療費の三割を入院料が食っているということになると、これは簡単に言えば下宿料みたいなものなんですが、そうすると、それがさらに今度大幅に増額をするということになれば、入院料自体についてももう少し検討しなければならぬじゃないだろうか、こういう感じがしてくるわけです。そこでいろいろほかの問題もありますが、特にきょうはその方の専門家に来てもらって、一体入院時の基本診療料とか入院料の基本的な組み方というものは、どういう基本的な概念を基礎にしてこういう組み方をしてきたのか。その組み方をするのには、その組み方をするだけの科学的な計数上の基礎があったのだろう、こういう考えから、実は小山さんではなくて館林さんかだれか、その方の技術の専門家が来てもらった方がいいだろうという考えだったのです。その点一つあとで出してもらいたいと思うのです。  それからさいぜん申しましたように、看護の点で、入院と給食のついたものに、別に看護婦の看護料というものが九、六、四、こういう形でついてくるわけです。しかもそこに九、六、四、すなわち九十円、六十円、四十円という一類、二類、三類で加算がつくわけですが、その加算というものが看護婦の数によってつけられてくる、こういうことなんです。そうしますと、大きい病院はまず甲表なら甲表をとれば、入院料で一つかせげるわけです。それからもう一つは、一類、二類、三類というのは、結局看護婦の資格でかせいでいくことになるのです。そうすると五、三、二の割合だったと思いますから、看護婦、准看護婦が八人おらなければ、一類、二類、二類、こういう範疇に入らないことになるのだと思うのです。こういう点を考えると、日本の総医療費の中で、その六割前後というものは大きな医療機関がとっている。そしてしかも六割前後とる医療機関というもののとり方を見ると、何ということはない、病院の施設でとっているのです。こういうことになってしまう。そうすると、なけなしの財布から出した医療費というものを施設でとるということは、別な言葉で言えば下宿代でとるということになるのです。そういう形態が今後の日本の医療形態の進み方としていいのか悪いのかということです。こういう基本的な問題にこの問題はつながってくるのです。そうしますと、施設で金をとるということになると、昨日も論議をしました物価の上昇の問題、生活水準の上昇の問題、そしてそれがだんだん集約せられていくと、適正な技術料ということとは非常に背反したことになってくる。施設が医療費のほとんど四割くらいを食ってしまう、そしてあとの六割が技術料に配分をされていく、こういう形というものは考えなければならぬのではないか。施設で金を配分をするということは、今のように公的医療機関として医療機関が両立をするもとにおいては、しかも私的医療機関というものがだんだん皆保険政策のもとに織り込まれてきますと、あなた方の考えでいう単純再生産の形をとると、施設の更新というものはできないのですね。だとするならば、これはもはや国がある程度金を貸して、その施設をよりよき方向に持っていく以外には、今の日本の医療報酬の中からは施設の更新をする金は出てこないということになってしまうのです。そういう現状があるとするならば、やはり何か安い、別な金でその施設の更新というものをしてやる政策が考えられてくるし、そうすると一方の医療費というものは、もっと技術料に主眼を置いた方向に持っていく。施設に金をうんと払うということでなくて、技術料に払っていく、こういう形態が将来とられなければいけないのではないか。今厚生行政が医師団体なり歯科医師団体なり薬剤師団体と、いろいろうまくいかないということは、私はそういう過渡的な段階があると思う。結局技術を評価すると厚生省が看板には掲げているけれども、実際に医療費というものが施設に食われて、技術料に金が回せないという客観情勢が出てきている、こういうことではないかと思う。そういう点から考えて、公けの金で病院の施設を作る、私的の病院なら低利の金で作るという、こういう概念を持っていくと、下宿代に金を払わなくてもいい、いわゆる入院料に金をあまり出さなくてもいい、そして入院をした患者も医療の内容と技術に対してもっと金をつぎ込むということになれば、日本の医療というものは上ってくる。ところが施設がいかにけんらんをきわめても、その施設の中には、日本の公的な医療機関、特に国立病院や結核療養所に技術者がいない、こういう形態が出てくる。戦後日本で非常にりっぱになった建物で、税務署と保健所があります。それから労働基準監督署があります。ところが税務署と労働基準監督署と保健所とは、建物が戦後りっぱになった三つの地方にある官庁なのですが、その三つのもので、基準監督署と税務署は権力を持っている、徴収機関ですから人的な整備がそろった。ところがサービス機関として発達をしていかなければならぬ保健所は、人的な機構がそろわない。結局設備がよくなって中はもぬけのからであるというのが保健所の実態です。そういう実態が今後の日本の病院にも起ろうとしている。それはりっぱな年金病院やら、りっぱな社会保険病院ができているけれども、その病院の中に入ったら、医者の待遇が悪くて医者がいない、こういうことです。しかし入院料だけは高くとられる。こういう全く医療の本来の使命とは逆行する形が出てきている。建物の外観で金をとる、こういう形が日本の社会保険に出てきている。従ってこの点は今後保険行政を背負っていかれる小山さんとしては十分考えなければならぬ点ではないかと思う。そういう具体的な例がすでに保健所に現われている。それをもっと今度は医療面に延ばしていけば、国立病院にも現われている。優秀な医者というものはだんだん少くなって、そしてインターンとか若い医者だけがいる。優秀な結核医もいない、外科の優秀な者もいない、こういう形が出てきている。そしてそれらの者は安い給料で食えないのです。ちまたで開業医として開業をする。ところが開業したが最後、もはや開業の施設というものは——診療報酬というものが拡大再生産をするだけの診療報酬がもらえないために、もう大学を卒業して勉強をしたその時点で技術と知識とはとまっていく、こういう形態が出てきている。だからこういう点は、やはり日本の医療報酬の支払い形態が、技術と診療内容に支払うという形に切りかえられなければならないと思う。そうでないといかぬ。ところが今度のこの点数表は、依然として施設に金をうんと払うという形態が出てきている。外観だけに金を払う。今度の点数表の中にはほんとうの技術と内容に払うという形態がないのです。だからそういう点でやはり入院料と看護の基準というものは、今後われわれ医療費を分析する上にあまり過大評価してはならぬのではないかという感じがする。あなたの方はどうお考えになっているのですか。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 最初に仰せになった資料の点につきまして、先ほど申し上げましたように、甲表の基本時入院診療料に対応する乙表の部分がどうなっているか、こういう計算をいたして資料を御提出申し上げることにいたしたいと思います。  それから全体のうちで入院料の方により多く向うという傾向を示しておるのではないかといったような御推定のお話がございましたけれども、この点は当初に申し上げましたように、基本的には従来の配分関係をくずさないということを念頭においてやっておりますのでこの従来の配分関係のいわば一番大きなワクでありますところの入院に伴う医療諸費、その他の医療諸費というこの配分関係はくずさないように尊重して作っておりますので、そう多くこれは変ってきているということはないようになっております。これも先ほど申し上げましたように、いずれ数字でお答えを申し上げたいと思います。  それから入院について、これは下宿料のようなものだというお言葉があったわけでありますが、性格の一面を強調なさったお言葉でありますけれども、どうもちょっとこれは私どもとしては御同意がいたしかねるのでありまして、やはり入院というものは単なる下宿とは違う、かように考えておるわけであります。  それから全体の傾向といたしまして、日本の病院が入院よりは外来にとかく重点を置きがちだという傾向は、むしろ私ども省内の大勢としても改めなければならぬという意見が非常に強いのであります。病院で外来患者を扱うものは、最小限度病院でお世話しなければならぬものにとどむべきであって、大体こういうものは開業医を中心とした診療所で扱ってもらうようにすべきである。病院が診療所と競って外来患者の多いことを誇るような傾向があることは、少くとも日本の医療機関の分担関係からいえば、これは現状においてはそれぞれやむを得ない事情はあるにしても、将来の整備の方向としてはこれは改めなくてはいけない。病院は診療所で扱うことのできないような外来患者と、入院を中心にしてその職分を守るように整備していくべきである、こういうふうな考え方を持っているわけでございますので、別に費用の面において、どちらに特に傾斜をつけるということはいたしておりませんが、そういう意味合いにおいて、入院というものをそれほど将来低く見るという考え方は持っていないのでございます。  それから医療報酬の支払いの仕方として、医師の技術なり医療内容により多くの部分が振り向けられるようにしなければならぬというお考えは、全く私どもも仰せの通りだと思っております。それをやりますためには、今のように技術と物とが混淆して組まれているような仕組みでありますと、医療報酬の総ワクにゆとりがあれば別でありますけれども、これがきつくなればきつくなるほど、いわば弾力性の少い傾向を持っている物的なものに優先的にきめられがちであって、形の上で弾力性があるように見える技術関係の費用がとかく圧迫される傾向が出てくる。これは事の性質上どうしてもそうなりがちなわけでありまして、これは国民の生活水準が低かった戦前に近いほど、すべてのものの価格が物中心に組まれておったということを振り返っても、私ども感じている点でございます。従ってまず物と技術を明瞭に分離して、技術に対しては技術に相応するような評価をする道を開いていきたい、かような考え方で今回の点数表をまとめたわけでございまして、その基本的な方向としては、幸いにして最後の段階におきまして医師会、歯科医師会等医療関係団体からも全面的な賛成を受けまして、今後そういう方向に沿ってその改善をしていこう、かような状態になっているわけでございます。  それから施設の更新というものを促進するために、そこで蓄積される金を充てるだけではなく、外から公けの資金を持ち込む必要があるという御意見につきましては、私どもも医療の性質上それはぜひともそういうふうにあらなければならぬと思っております。ただ、そうだからといいまして医療報酬をきめる場合に、医療機関が現在の状態を続けていく——続けていくということのうちには、医療方法の進歩その他に対応する新しい機械の採用というようなことも当然含むわけでありますが、そういうことができていけるようにするために必要な費用さえも出さぬというような医療報酬の立て方を合法化するつもりは毛頭ないのでありまして、医療報酬としては当然そういうものが健全に続けられていくようにすべきである。しかし医療の性質上それだけではまだ十分ではないので、そのほかにさらに別の形で公けの資金を注ぎ込んで、さらにその進歩が早まるようにすべきである、かように考えているわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 たとえば甲表の組み方で申しますならば、入院時の基本診療料というものの中に、やってもやらなくても回診料というものが入ってしまっておる。こういうことは、なるほど物と技術を分けるから回診料は技術だから初めに入れてしまえばよいと言えばそれまでですが、やはり患者の側からいえば、回ってもらってももらわなくてもとにかく払わなければならないということなんです。これは入院の料金は料金、回診の料金は料金、こういうふうにはっきり分けることが私は必要だと思うのです。ところが今回の甲表の大いなる欠陥は、初診時の基本診療料の名のもとに、いろいろな処置や注射の技術料までも入るし、それから入院の回診、いわゆる再診料ですが、それまでも入院時の基本診療料の中に入る、こういう混淆の仕方はいかぬと思う。やはりそこはけじめをつけて、技術は技術で一つ一つの行為ですから、それが連続して行われるとしたならば一つのものですが、しかしきょう行われたものがまたあす行われるということになれば、これは明らかに区別しなければならないものです。従って少くとも私の言うのは、下宿料に相当するものは一つ下宿料としてきちんとして確立することが必要である。その施設の大小によってある程度の差があることはやむを得ません。しかし旅館の松の間と竹の間と梅の間のような差は困る。まあ施設がよくてそこにいい医者がおれば、それはよい医者の技術料に対して払うし、回診料を別にしておいてもらえば、熱心に回診をして早くなおす医者には再診料を五点払う、こういう形の方がよいのです。再診料も何もみんな入院料に入れてしまうという概念は、いかにも簡素化してよいようではあるけれども、一面からいえば、なまけ者の技術者を作ることになる。また見てもらわない金を患者の側からいえば払わなければならないというような不平も出てくる。あの医者は見もしないくせに入院時の基本診療料の中に回診料まで先取りした、こう言われても仕方がない。痛くもない腹を探られるようなことになる。これらのものはやはりきちんと分けて、毎日回診をする場合には毎日五点を払ったらよい。そして五点分だけは入院料の甲表の二十八点の中から五点だけ差し引いて二十三点にしてやればよい。回らないときには五点はもらえないし、熱心に回れば五点をもらえる、そういう形でよい。それがほんとうの技術料を確立し、その医者の技術を尊重することになり、患者も正当に金を支払うという気持になる。私はみそもくそも一緒にしておるとまでは言いませんが、全く違った日に行われた技術料を初めの日に払ったり、入院料と一緒にするということは、これは私は邪道だと思います。そういう意味で私は、下宿料的なものは下宿料的なものにきちんとしてくれというのです。この下宿料という言葉というのは、いわば精神病、結核、こういうようなものは毎日見る必要はない。結核なんかは、はなはだしいところは十日に一回しか見ないし、療養所では、どうかするとお医者さんのいないところは二週間か三週間に一回しか見ないようなところもあるかもしれない。そういうような形になると、これは下宿料に非常に似たものになってしまう。そういう点で、私たちはもう少し技術料は明白に細分して、そして初診は初診、処置料の技術は処置料の技術、こういうようにきちっきちっと一つ技術を確立してもらいたいというのが私の主張です。そうしないと、甲表は簡単になっておるようであるけれども、簡単に言うと、ずぼらな医者ができるということです。やらなくてももらえますし、処置をしなくても処置料がもらえるという形になっておる。そういう点は改めてもらいたいと思います。そこで、それは甲表を実施した後にだんだん欠陥が出てくるでしょうから、そのときにはそのときの議論をさしてもらいます。  事務の簡素化の問題ですが、これは去年、事務の簡素化をやってもらったんですが、こまかい技術上の問題はまたゆっくり論議するとして、十月一日から、いよいよ歯科も含めて四本立の点数表が実施されることになるのですが、その際厚生省は、診療報酬請求明細書をもう一回再検討する意思があるかないか、これをお聞きしたい。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 昨日も申し上げましたように、事務の簡素化というのは常に私どもの基本的に考えているところでございます。今度の点数表の実施に当っては、もう一回甲表、乙表、両方について関係団体との間に相談をして、一つ十分検討いたしたい、かような考え方を持っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、十月一日から新しい点数表を実施するに当っては請求明細書などについては検討をする、こう理解をして差しつかえないわけですね。——首を縦に振っていらっしゃるので、さよう了承いたしました。実はいつかも私はここで示したのですが、請求の事務というのは実に複雑です。しかもその請求明細書の上に幾重にも幾重にも総括表とか個別的な保険組合に対する請求書というようなものをたくさんつけなければならぬのです。社会保険出張所なり健康保険組合の事務のおそらく三分の二くらいは医者がかわってやっておるようなものです。こういうように医療費の合理化をやられようとするならば、事務費というようなものもやはり考えなければならぬ時期がきたと思うのです。事務費を医者に考えてやらなければならぬ。診療報酬の請求をする場合に、医者の技術料のほかに事務費という人件費、そういうようなものもやはり今度の点数の中には、もちろんあなた方の計算では入っておることになっております。なっておりますが、これは大へんな事務です。従って事務の簡素化をぜひ一つ思い切ってやってもらいたいと思うのです。甲表にあれくらい思い切りやられたのですから、今度は乙表の事務その他についても相当やられると思いますが、私も個人的に意見を述べますので、ぜひ一つ事務の簡素化を今の御言明通り思い切って行なっていただきたい。五億や十億の金は、医者の請求書の紙代から人件費を考えたら、そこから浮いてくると思うのです。おそらく十八億五千万円の国庫負担ならば、その半額くらいな金はそこからでも浮いてくると思うのです。ぜひお願いをいたしておきます。  製薬企業その他の問題がありますが、きょうはこれで終ります。

田中正巳自由民主党

○田中(正)委員長代理 散会いたします。     午後零時十五分散会

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